投稿者の『絶対に斬れない刃』と申します。
今回、初投稿で二次創作品となります。・・・・・・・・なります?
ベースは『vsゴジラ』シリーズと『ミレニアム』シリーズとなりますが、ファイナルウォーズは含んでおりません。
それと、ハリウッド版ゴジラ、ジラさんや、2014ゴジラも含んでおりません。
追加で、『平成ガメラ』三部作のみで他のガメラシリーズも含んでおりません。
申し訳ありません。
あらすじでも触れましたが、『東京SOS』後の東宝世界となります。
が、『スーパーX』シリーズや『Gフォースメカゴジラ』、『MOGERA』は存在しますし、『ディメンション・タイド』は堕ちてますが、『Gグラスパー』関連の兵器も存在します。・・・・・・・・・・・・・アレ?
正直言うと、オリジナルなのか、二次創作なのかよく分かっていませんが、多分こうなのではないだろうかと思われた方はどちらか付けてくだされば、幸いです。
それでは、よろしくお願いします。
かつて。
そう、・・・・・・・・・・・・・・・・・・かつて。
日本は多くの『災害』に見舞われたときがあった。
人々は、この『災害』に立ち向かおうとした。
そう。
天災とも思える、災害。
一つの自然現象のように感じられる、『災害』に。
立ち向かった。
いや、立ち向かおうとしたのだ。
人が。
力を持たぬ人が。
地球の。
この星の。
単なるきまぐれか、あるいは、人類に、『人』という生き物に対しての怒りか。
それとも、『人』に、『人類』に対する哀れみか。
それは全く分からない。
『人類』では、『人』ではそのような事等、知りえる術は持たないのだから。
だが、『人』は、『人類』は『災害』に、立ち向かおうとしたのだ。
自分が、己が、『人』が、『人類』が。
ここにいるんだ、と。
『自分はここにいるんだ』、と言うように。
『人類』が、『人』が、己が、自分が。
一つの居場所を、守ろうとするように。
『ここが自分の居場所だ』、と言うように。
『それ』に。
『災害』に立ち向かっていった。
『怪獣』。
『それ』は、自然の災害。
『それ』は、地球のきまぐれ。
『それ』は、世界の怒り。
原因は、ごく僅かなものしか分かってはいない。
しかし、、分かったことはある。
『それ』は、『怪獣』は。
『人』の、『人類』の。
その手によって生み出された、と言うことを。
『怪獣王ゴジラ』。
かつて、幾度も日本を、世界を脅かした、たった一つの『最強』の『怪獣』。
『それ』に対抗するために、人類は多くの兵器を生み出した。
自身が生み出した、我が子をその手で殺めるために。
自分たちが生み出した兵器、『それ』によって生まれた『怪獣』を、自分たちで倒すために。
幾度となく、『それ』は日本にやってきた。
そして、『それ』に対抗しようと、人類は戦った。
幾度となく。
何度も、何度も。
『これ』は、そんな『世界』の。
後の物語。
新たな『災害』と、『人類』と。
そして、『それ』に立ち向かおうとする『人たち』と。
『龍』の物語。
『白龍のアリア』
20XX年七月。
『怪獣王ゴジラ』と、その他多くの『怪獣』の戦いから数十年先の未来。
日本。
『ヴィー、ヴィー、ヴィー』
赤いランプが暗く、長い廊下を紅く照らす。
多くの人が、その廊下を走る。
一方向に、ではなく、それぞれの向かう場所へと交差する。
その赤く照らされた廊下を、一人の男が走る。
多くの人間が、それぞれの目的へと走り、駆ける、その廊下を。
ただ走る。
何回か、曲り角を曲がって、一つの場所にたどり着く。
上を見る。
『第二作戦室』。
入る。
もう既に、何名かがその部屋に設置されている椅子に座っており、男が入ったと同時に、全員が男の方を向く。
「来たか、柳。」
正面。
振り返る形で見ている何名か、その後方に男が立っている。
「すまん、チェックに時間がかかった。」
部屋に入った男、柳鉄也はそう言うと、適当な位置にある椅子に座る。
「『G』か?」
「いや、『空』からだ。」
正面の男は、鉄也の言葉を聞くか否や、手前の黒光りする薄いプラスチック板に向かい、カタカタと物音を立てる。
「これを見てくれ。」
同時に、目の前に大型のモニターが現れる。
「反応は二つ。一つは海上に、もう一つは地上に。」
モニターに映し出された日本地図に、二つの点が現れる。
確かに、一つは日本の陸地から離れたところに、もう一つは国内の、地上にそれぞれ出現した。
「もう既に海のやつは海自の『しらつゆ』、『はまかぜ』、『さみだれ』が交戦、空自の『ガルーダ』二機が援護に向かっている。他、六機が準備中。」
「・・・・・・・・『ガルーダ』、・・・・・・・年寄り爺さんが老骨に鞭を打つ、か。・・・・・・・・他は?」
「哨戒中の『スーパーXⅡ』が向かっているが、沖縄と北海道だ。時間がかかる。」
「・・・・・・・・・・『スーパーX』と『スーパーXⅢ』はどうです?」
「へっ、『X』は封印処理が終わってて、『XⅢ』は全機体オーバーホール中・・・・・・・・・・だったな?」
「そうだ。海自の護衛艦三隻、空自の『ガルーダ』八機、陸自の『スーパーXⅡ』二機に、お前ら含めた『アギウス』が四個小隊、今、迎撃可能な全戦力だ。」
「難しいねぇ・・・・・・・・・・・。」
「だが、やるしかない。」
「だな。」
「隊長・・・・・・・・・・・・・・・。」
「大丈夫だ、西。」
前に座っている隊員が振り向く。
鉄也は、その隊員、西豊の背中を叩く。
「俺たちは『メーサータンカー』、対『怪獣』戦で何度も帰ってきたんだ。・・・・・・・・・・『アギウス』の初陣ってのは、俺以外全員同じだが、『ガルーダ』の『ツインハイパワーメーサーキャノン』が、『メーサーの加護』がある。大丈夫だ、そう簡単に堕ちない。」
「は、はい。」
豊は、そう頷くと、前に身体を向ける。
「柳が言ったとおり、これが新型『アギウス』の初陣となる。初戦の相手が、全く知らない、未知の、宇宙から飛来した『何か』という事くらいしか情報がない。この状態で戦うというのは、難しいだろう。まだ乗りなれていない機体での戦闘になるのだからな。」
だが、と言葉を繋げる。
「この戦闘が、『人類』の新たな可能性を見出せることもまた、事実だ。」
いいか。
「全機、無傷で、とは言わん。・・・・・・・・・・・・無理はするな。」
全員が、席から立つ。
「柳。」
「はっ。」
鉄也が、ビシッと姿勢を正す。
「ここにいて、戦闘可能な『第一世代』はお前を含め、数人しかいない。」
正面の男の目を、左右共に色が異なる瞳に鉄也が映っているのを、鉄也は視た。
彼もまた、鉄也の色の異なる瞳で自身が映っているのを視ているだろう。
「・・・・・・・・・・・・『帰って来い』。全員で、だ。」
「はっ!!」
敬礼する。
それに合わせ、部屋の全員が、敬礼する。
「第一特別航空機動災害対策部隊、第一陸上機動機甲小隊、・・・・・・・・・・・・・出撃ッ!!」
「ハッ!!」
男以外の、鉄也、豊を含めた全員が部屋から出て行く。
新たな脅威との戦いの始まりだった。
鉄也たちが、海上自衛隊の三隻の駆逐艦が、空自の『ガルーダ』が、自衛隊が新たな脅威、『それら』に対応する数十分前。
静岡県、とある地域。
その地域の、人気のなく、多くの木々が囲う公園に。
一人の少年がいた。
「えっと・・・・・・・・・・・・。」
何かを探すように周囲を見ながら、歩いていく。
小さな背には、まだ新しい黒いランドセルが背負われている。
そのランドセルの側面に張られている『なまえ』のステッカーには『やなぎゆういち』と書かれている。
その背を追うように、一人の少女が周囲をきょろきょろと見ながら、まるで、周りの木々を怖がるように、それらから怯えているように、身を震わせながらゆっくりと歩いていく。
ゆういちと同じように、その背に背負われている赤いランドセルの側面のステッカー、その『なまえ』の欄には、『にいざきみさと』と書かれていた。
「ゆうくん・・・・・・・・・・・かえろうよ・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・・なんにもないよぅ・・・・・・・・・」
「そんなことないよ。」
そんな事はない、とゆういちは言う。
けれども、みさとはなにもないと言う。
一人は、確信めいた勘で。
一人は、怖いという怯えで。
「『ひかり』がみえたんだ。ここらへんにおちたの。」
「ないよぉ・・・・・・・・・・かえろうよぉ・・・・・・・・・・・・・。」
「なにか・・・・・・・・・・・なにか、あるんだ・・・・・・・・・・・・。」
「なんにもないよぉ・・・・・・・・・・。」
「みさちゃん、かえったら?」
「ゆうくん、おいていけないよぉ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「でも、こわいんでしょ?」
「そうだけどぉ・・・・・・・・・・・。」
「だったら・・・・・・・・・・。」
「でも、ゆうくん、いないほうがこわいもん・・・・・・・・・・・・・。」
「だいじょうぶだよ。」
「だいじょうぶじゃないよぉ・・・・・・・・・・・・・・あぶないよぉ・・・・・・・・・・」
ゆういちは気になる。
みさとは気にはなる。
ゆういちは見たかった。
みさとは怖かった。
何があるのか、気になってしまった。
何かが出てきそうで、気になりすぎた。
だから、奥へ進む。
だから、奥へ進んでしまう。
『何か』を見に行くために。
『何か』を知るために。
ゆういちは進めていた足を止めて、後ろを振り返る。
ゆういちから距離が開いており、顔がぐしゃぐしゃに、涙から鼻水で汚れ、それでも後を歩いているみさとがいる。
ゆういちは考える。
『何か』は気になる。
だけど、みさとが付いてきている。
前に行きたい。
だけど、みさとは帰りたがっている。
どうするべきか。
ふと、父が言っていた言葉を思い出す。
『「ヒーロー」ってのは、泣いてる人に、困ってる人に手を差し出すもんだぜ』
ゆういちは父のような『ヒーロー』になりたいと思っていた。
行動は早かった。
みさとの所まで歩いて、みさとの傍まで行くと右手を握る。
みさとが顔を上げる。
「もうすこし・・・・・・・・・もうすこしだけいって、なにもなかったらかえろう。」
「・・・・・・・・・・・・・・わかった。」
ぐすっ、と鼻をすするみさとに、ズボンの右側のポケットからハンカチを出して渡す。
ぐすっ、ぐすっ、と鼻をすすりながら顔にハンカチを当てたのを見て、ゆういちはゆっくり歩き出す。
「・・・・・・・・・・・・あとすこしってどれくらい・・・・・・・・・・?」
「あとすこし。」
どれ位になるのかは、分からない。
ただ、『あと少し』。
そう、『あと少し』。
だけど。
だけれど、その『あと少し』が終わって、『何も』なければ帰る。
それだけだ。
そう、ゆういちは言っている。
だったら。
だったら、『もう少し』だけ付き合おう。
みさとは、ゆういちの手を少し強く握った。
ゆういちも握り返す。
少しだけ。
少しだけ、勇気が出た。
ほんの少し。
本当に、少しだけ。
そんなには歩いてはいないだろう。
確かに、ゆういちの言ったとおり、『何か』はあった。
広い、自分たちにとっては、そう思えるほどの草むら。
そこに、『何か』がいた。
「あっ・・・・・・・・・・・」
口が開いたのはゆういちとみさと、二人同時だった。
だが、違う。
ゆういちは、みさとの手を離して、『何か』に近づいていく。
みさとは、ゆういちが離した手を慌てて掴もうとするが、ただ、伸びただけ。
ゆういちは近づくために足を走らせ、みさとは伸ばした手を胸に抱いて足を止める。
「ゆうくん、あぶないよぉ!」
「だいじょうぶぅ!」
ゆういちは走らせた足を徐々に減速させ、それが『何か』、何であるのかを見た。
「・・・・・・・・・・・・・・・ひと・・・・・・・・・?」
そこにいた『何か』は人のようだった。
ゆういちが一目で分かったのは、自分たちよりも背が高いようで、自分たちが着るような服を着ているみたいで、自分たちと同じく目と耳が二つあって鼻と口が一つずつあるということだ。
背が高いように見えたのは、この人のように見えた『何か』が横になっており、更に自身を守るように丸くなっているからであり、あくまでも、ゆういちの主観で、自分よりも背が高いかなと思ったものである為で。
服を着ているように思ったのは、ゆういち達が服を着るように、身体の上に服を着ているからと思ったためだ。
ただ、この『何か』が人なのか、そうでないのか、というのはゆういちには分からないと言うことだ。
人であるなら服を着ている、とゆういちは考えたが、ゆういち達が、少なくとも父や母、先生などと言った大人や自分たちが着るような服ではなく、フード付のマントというか、何だかRPGゲームとかで見るようなそんな服を着ていて、更に、その服が、他の色はあるのだが、ほぼ白一色しかない。目や耳、鼻や口などは、ゆういち達と同じようにあるが、髪やまつげ、まゆげなどと言った毛も白いのも、分からない理由の一つだと言えるだろう。
とりあえず、目の前の『何か』はなんであるのか、ということをゆういちは考える。
ふと、父の言葉を思い出す。
『「生き物」かどうか確かめる簡単な方法ってのがある。「メーサー殺獣光線」を撃てば良い。死んだら「生き物」で、生きていれば「その他」だ。』
な、簡単だろ?とウィンクしている父の顔を思い出せたが、意味がなかった。
ゆういち達には『メーサー殺獣光線車』、『メーサー戦車』や『メーサータンク』などと言ったモノは持っていないし、そんな物は『ここ』にはない。
どうしよう、とゆういちが思っていると、ふと『何か』を感じた。
感じた『何か』を見るように、ゆういちは『そこ』を見た。
目があった。
先ほどまで、閉じられていた目が開いていた。
深い、深い海のそこに潜っていくように、目の中心に近づくごとに、海のような澄んだ青い色がだんだんと濃く、黒くなっていく。
『ここ』は広く、太陽があるのに。
『そこ』は狭くて、何もなかった。
目を閉じて、目を開く。
目があった。
だが、今度は違う。
『何か』は『何か』に目を少し大きくしていた。
まるで、『そこ』に『何か』があるように。
まるで、『ここ』に『何か』がないように。
目が合っていた。
「ひとつ・・・・・・・・・・・。」
「えっ・・・・・・・・・・?」
その『何か』は人が言葉を話すように口を開き、言葉を口にする。
ゆういちは、そのとき初めて、少なくとも、この『人』は女の人で、自分と同じ位の年齢で、『子供』なんだな、と理解した。
「一つ良いか・・・・・・・・・・?」
だが、ゆういちの様子を無視するように、『彼女』はゆういちに質問する。
その言葉に、ゆういちは、少し身体が強張った。
だが、頷いた。
だから、訊かれた。
「『ここ』は、『どこ』なんだ・・・・・・・?」
「・・・・・・・・・・・・?『ここ』・・・・・・・・・・?」
ゆういちは、分からなかった。
『ここ』が、『どこ』なのか。
だから、聞き返すように言った。
『どこ』が、『ここ』なのか、と。
彼女は、再び、目を大きくした。
言っている意味が、分かるのか、とでも言うように。
だから、彼女は再び、ゆういちに訊いた。
「この場所は、『どこ』なんだ・・・・・・?」
「えっと・・・・・・・・・・・ちきゅうの『にっぽん』っていうくにの・・・・・・・・。」
「あー・・・・・・・・・・・・うん、分かった。理解した。ありがとう。」
今度は、ゆういちが驚いた。
分かったのか、とでも言うように。
その様子を見て、彼女はふっ、と表情を和らげる。
ゆっくりと、身体を起こした。
そして、分かった。
どうやら、彼女は自分よりも背が高いらしい。
現に、ゆういちの目の位置よりも少し低いところに彼女の顔があった。
「あー・・・・・・・・・・どうすっかな・・・・・・・・・・。」
そんなどうでも良いことを考えていたゆういちに対して、彼女は頭を掻いた。
「えっと・・・・・・・・・・・君は・・・・・・・・・・。」
「うん?」
「君は『どこ』から来たの?」
今度はゆういちから、訊いてみた。
『ここ』が、『どこ』なのかという質問に答えたのだ。一つくらいは、いいだろうと思ったし、それに『どこ』から来たのか、少し気になった。
だから、訊いてみた。
「『宇宙』。」
だから、彼女は答えた。
「『うちゅう』?」
「そう、『宇宙』。」
「そっか。」
どうやら、彼女は『宇宙人』らしい。
「・・・・・・・・・・・・信じるの?」
そのゆういちの様子に、彼女は目を半分にするように閉じ、じーっとゆういちの目を見た。
「しんじるよ。」
「ほんとに?」
「ほんとに。」
「そっか。」
彼女は、『何か』可笑しいように、クスっと笑った。
今の問答に、おかしな点があるのか、ゆういちには分からなかったが。
「・・・・・・・・っ、いっ・・・・・・・・・っつー・・・・・・・・・・・。」
「いたいの?」
いきなり、彼女は顔をしかめ、胸を抑える。
どこか痛いのだろうか。
ゆういちには、全く分からない。
少なくとも、怪我らしいものは見当たらない。
「ちょっち。」
人差し指と親指をほんの少し開けて、へへっと笑う。
どうやら、少し痛いらしい。
だが、ゆういちには何も出来ない。知識もなければ、道具もないからだ。
だから、訊いた。
「どうすればいい?」
その言葉に、彼女は、また目を大きくする。
「なんで?」
「なおしかた、しらないから。」
ゆういちは、素直に言った。
彼女は、少し困ったようになった。
「あるには、あるけど・・・・・・・・・・。痛いよ?」
「いたいの?」
「痛いよ?」
「そっか。」
どうやら、痛いらしい。
どの程度の痛みなのかは、ゆういちには分からないが、痛いと思うほどには痛いのだろう。
だが、そんなことはどうでもいい。
目の前の子が、困っているのだ。
ゆういちは、決めた。
「どうしたらいい?」
やってくれ、と言うように、ゆういちは言った。
痛いのは嫌だが、見るのはもっと嫌だった。
彼女は、ゆういちの様子に、覚悟を決めたのか、手を出す。
その出された手の下に、ゆういちは手を出した。
その手に、何かが落ちた。
変な形をした金属のように見えた。
何かの怪獣映画に、『これ』と同じものを見た気がする。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・『ガメラ』?」
『それ』の名前が出るよりも、怪獣の名前が出た。
『それ』が赤くなった。
握った。
熱い。
手が焼けるような熱さではなく、良い感じのお湯に手を入れた感じの熱さだ。
その熱さと、痛みが伝わってくる。
だが、『これ』を痛みと言うのか、ゆういちには分からなかった。
痛い、というより、温かいと言ったほうが良いだろう。
胸がじんわりと温かくなっていくような、そんな感じだ。
「ありがとう、楽になった。」
どうやら、今のが彼女には痛かったらしい。
そして、これで終わったらしい。
一瞬、あれこれまずくね?とゆういちは思ったが、杞憂だったようだ。
彼女に、返すように、彼女の目を見る、が。
「いいよ、あげる。」
「いいの?」
「うん、いいよ。」
「そっか。」
貰ってしまった。
「失くさないでよ?」
「わかった。」
「ほんとかな?」
「ほんとだよ。」
「そっか。」
どうやら、信じたらしい。
貰ってしまった手前、失くすはずなどないのだが。
「そう言えば、『ガメラ』って何?」
さっきの言葉が気になったのか、尋ねてくる。
「『かいじゅう』、だよ。」
だから、答えた。
「『かいじゅう』?」
「うん。『あい』と『ゆうき』の『かいじゅう』。それが『ガメラ』。」
「『アイ』と・・・・・・・・・・、『ユウキ』・・・・・・・・か。」
「そうだよ。」
「ふっ、変わっているな。」
「そうかな?」
「だって『かいじゅう』、なんだろ?『アイ』と『ユウキ』ってどうなんだ?」
「変なの?」
「変なやつ、なんだろうな。・・・・・・・・・ま、分からなくもないが。」
「えっ?」
「いや。ただ、ちょいと『人間』ってのに触れたからかな・・・・・・・・『ガメラ』ってのの気持ちも分からなくもないってだけさ。」
「う~ん・・・・・・・・・・・・わかんないや。」
「だろうな。お前は『人間』なんだから。・・・・・・・・・・ところで。」
と、彼女はゆういちの後ろを見るように、そちらへ顔を向ける。
それに釣られるようにして、ゆういちも後ろを見る。
「あれは、なにをやっているんだ?」
そこには、木の影から顔を出すようにして、こちらを見ていたみさとがいた。
「これ以上の進行を許すな!!」
『ですが、隊長!!』
「まだだ!!旧式だの、じじいだの、散々言われ続けたが、まだ飛べるぞ!!」
対G高機動兵器、『ガルーダ』。
機動力には申し分ない機体だが、装備は二門の『ハイパワーメーサーキャノン』しか搭載されていない。
まぁ、これでどうにか出来るのか、と訊かれればどうにかは出来るのだが。
眼下を見下ろす。
海上では、護衛艦三隻が空に向かってありたっけの弾幕で『それ』を向かえているが、それほど脅威と感じていないのか、むしろ護衛艦の方が被害を出していた。
三隻のうち、二隻から煙が上がり、残った一隻は、二隻から距離を開けようとしながらも、『それ』に対して対空砲を撃ち、釘付けにしようとしている。
ならば、することは決まって来る。
戦力は、海だけではない。
操縦桿をゆっくりと横に倒し、フットペダルを踏んで加速する。
「こちら『アロウ1』、再攻撃するッ!!行くぞ、『アロウ2』ッ!!」
『了解ッ!!』
『それ』を凝視する。
大体大きさは五十、いや、六~七十メートル位だろうか。人のように見えるが、下半身は人魚のように尾びれのような足をしていて、背中は何か大きな板を背負っているように思える。
人なのか、人魚なのか、全く分からないし、人で言うところの顔に当たる部分は何もない、そう、妖怪で言うなら『のっぺら坊』とかそういう類だ。
『それ』がこちらの動きに気づいた様で、こちらの方に顔を向ける。
空中に、細く長い棒状のものが何本も現れる。
操縦桿に付けられている引き金に指をかける。
引いた。
『ガルーダ』の『ツインハイパワーメーサーキャノン』から光線が放たれる。
同時に、右左交互に、同時に、とリズムを変えながら引き金を引く。
光線が、『それ」に当たり、体勢を僅かに崩す。
「ッ!!」
操縦桿を捻る。
直後に、機体がとっていたルートに細長い棒状のものが数本通過する。
「『ガルーダ』に当てたきゃ、ハエでも撃ってるんだな!!」
ペダルを踏んで更に加速する。
体勢を崩した、と言うことは少なくとも『メーサー殺獣光線』は効果があるということで、それはつまり。
「一応、生き物、ってわけか。」
『こちら「さみだれ」、「アロウ1」、「アロウ2」、後方に気をつけろ!!』
「何ッ!?」
考え事をした、ごく僅かな、それも一瞬とも言えるその瞬間。
後方から、『それ』が『ガルーダ』を追い抜き、正面を向く。
操縦桿を引いて、急上昇をかける。
『ア、「アロウ1」、隊長!!や、野郎、「ガルーダ」を・・・・・・・・!』
「抜きやがった・・・・・・・・・・・・・ッ、なんて速度だッ!!」
一番速度が出る直線、その直線で『ガルーダ』を追い抜くとは。
どうやら、コイツは。
「・・・・・・・・・・・・面白いッ!!」
単なる怪獣戦では、追い越し、追い抜かれ、というのはよくある事だ。
特に、空を飛べる怪獣なら。
脳を『わけが分からん変なやつとの戦闘』から、『怪獣に近いものとの戦闘』に切り替える。
更に、操縦桿を右に捻って、機体を旋回させる。
直後。
「何ッ!?」
太い光線のようなものが『ガルーダ』の後方を通り過ぎる。
操縦桿を前に倒しながら、減速と加速のペダルを同時に踏んで、急降下。
身体がバラバラになりそうなそんな錯覚に襲われる。
「くッ・・・・・・・・・・・・!うッ・・・・・・・・・・がッ・・・・・・・・・・!」
ハイGターン、加速と減速を行うことで、急旋回を行うことが出来る技術。
だが、そんな事をすれば中の人間が無事であるはずがない。
急激にGがかかって、身体にダメージを与える諸刃の剣。
戦闘機乗りであれば、着ている耐Gスーツとは言ってもある程度楽にするだけだ。
負荷をかければ、それだけGに襲われる。
「・・・・・・・・・・・・・ハァッ!正面ッ!!」
意識が飛ばされそうになっても、持って行かれるかと、持って行かれてなるものかと必死に手繰り寄せ、『それ』の正面に出る。
迷わずに引き金を引く。
『それ』もただ受けるだけでは終わる気はないようで、細長い棒状のもの、槍に近いものかもしれないもの、太い光線、そして、触手のようなもので、機体を捕らえようと伸ばし、撃ち出す。
今度は、操縦桿を捻るのではなく回す。
「そう簡単に捕らえられてたまるかッ!!」
引き金を引きながら、機体が回る。
槍が、光線が、触手が、自機を通り過ぎていく。
それでも、数発、槍と光線が当たり、機体が揺れる。
構わない。
多少の被弾は、仕方ないものだ。
相手は、数多く日本に襲来し多くの都市を破壊し尽くした伝説の怪獣、『ゴジラ』ではない。
『ゴジラ』の熱線でないなら、問題ない。
なぜなら。
「『ガルーダ』だぞッ!!」
抜けた。
操縦桿を元に戻して、旋回させるように捻る。
僚機は無事かどうか、と視線を後方に向ける。
どうやら、自機と同じく、無傷で、というわけにはいかなかったようだ。
多数の傷が、白いボディに痕を残している。
出撃前には傷一つない、新品同様の機体だったのにかかわらずに、だ。
対『ゴジラ』兵器として作られただけはある。
もし、これが普通の戦闘機であったなら、一発当たっただけで、堕ちていたことだろう。
全部受けずに、というのは無理だが、数発受けても戦闘に支障が出ないというのは、良いことだ。
ならば、と再び攻撃するために旋回しようとした時、
『隊長ッ!!や、「ヤツ」が!!』
「なにっ!?」
僚機の声に、見る。
『それ』が身体の向きを変えようとしていた。
目がないから分からないがこちらを捕らえているのかが、分からない。
だが、顔はこちらを向いていない。
その顔はまっすぐ別の方へと向いており、その方向は、
「野郎ッ!こっちを無視して陸に上がるつもりか!!」
そう、陸に向いている。
そう言えば、反応は二つだとか言っていたが、もう一つの方は反応が微弱なのでまずは海自の援護に付く様にとか言われてて、忘れていたが・・・・・・・・・・・まさか。
「もう一方の方を倒れる前に倒すってのか!!」
ということは。
もう一方の方は『それ』にとっては敵で障害となるのだろう。
ならば。
「させるかっ!!」
操縦桿のトリガーを引く。
だが。
『ガルーダ』の攻撃を避け、陸のほうへ飛んでいく。
『それ』が『ガルーダ』より速いのは、もう知っている。
だが、応援が来ることも知っている。
ならば。
「『アロウ1』より『本部』!!『アンノウン01』が陸上に移動!!『アンノウン02』と交戦の可能性大!!至急『02』の位置に増援を!!こちらも追尾する!!」
「・・・・・・・・・・・・っ!」
「えっ!?」
何かに反応するように、彼女は立った。
その動作に、みさとは驚いたみたいだが、周りは何も変わっていない。
「あんの『クソ野郎』・・・・・・・・・いたのかよ・・・・・・・・・」
「『くそやろう』・・・・・・・・・・?」
ゆういちには何の事だかは、分からないが、きっと腹が立つ相手がいたのだろう。
ゆういちとみさとと彼女の三人以外、何もいないが。
となると、無線機かそれに近い何かが彼女にあるのかもしれない。
『クソ野郎』・・・・・・・そう言えば、父がよく言ってたのを思い出す。
『日本人にとって「怪獣」ってのは「クソ野郎」だが、「ゴジラ」ってのは「もっとクソ野郎だ。』
『怪獣』だろうか。
「『かいじゅう』?」
訊いてみた。
「あ?あー・・・・・・・・・・まぁ、近いもんかもな。」
「にげなくていいの?」
「良いんだよ、アタシは。『あの野郎』をぶん殴らないといけないからな。」
『怪獣』を『ぶん殴る』・・・・・・・・・・『三式機龍』でも使うのだろうか。
確か、『機龍』は海に沈んだと父が言っていたと思っていたが。
「って、そうか。お前らがいたか。ほら、お前ら、危ないから離れてな。」
「おまえじゃないもん。」
「ゆ、ゆうくんっ!?」
「えっ?」
「なまえがあるもん。おまえじゃないもん。」
ここだけは譲れない。
カッコいい父とキレイな母から貰った立派な名前があるのだ。
両親はもちろん、歳の離れている姉も、近所のおばさんも、商店街のおじさんも、先生も、誰も『お前』とは呼ばない。
ちゃんと名前で呼ぶ。
まぁ、たいてい呼ぶ前に、近い付いてきて抱きついて頬をすって何か満足してからどこかにいく姉は例外のような気がするが。
それでも、名前で呼ぶ。
だから言うのだ。
「・・・・・・・・・・・・・・あぁ。あぁ、そう、だよな。名前があるんだもんな。」
なにか、納得したように彼女はそう言うと、空を見る。
『何か』が近づいてくるのが見える、が。
その周囲に何かが飛んでいる。
良く見ると、数機の『アギウス』が攻撃を加えているのが見える。
腰部から『ツインハイパワーメーサーキャノン』を撃っているのは、『アギウス』の第一世代機『烈火』で、右手の盾から撃っているのが『八連ハイパワーメーサーキャノン』とするなら、新型の第三世代機『烈風』だと考えられる。
この付近で、第一世代機が飛べて、新型があるというと、あの部隊は、つまり。
「なぁ、名前教えてくれるか?」
彼女はそう言った。
だから、ゆういちは答えた。
「ゆういち。やなぎゆういちっていうんだ。」
「にいざきみさと、です。」
「『ゆういち』と『みさと』だな。・・・・・・・・・・・・覚えた。」
段々『それ』が大きくなってくる。
そこで、ふと気が付いた。
『それ』が、『烈火』や『烈風』よりも大きいということに。
父が言っていたが、『烈火』の全高は45メートルで、第二、第三世代はなんとか装置のせいで大体『烈火』と同じになってしまうんだとか。
そのせいで、『Gフォースメカゴジラ』や『MOGERA』、『三式機龍』などの対G兵器などがやっている殴り合いなどを『アギウス』で『ゴジラ』にやると、『アギウス』が軽すぎて殴った瞬間に壊れるか、ぶっ飛ぶらしい。
そして、遠いがそれでも二倍近く『それ』は大きく見える。
『ゴジラ』よりも大きくはないとは思えるが、それでも『アギウス』よりかは大きい。
そして、ゆういちは気が付いた。
彼女が『クソ野郎』というのをぶん殴ると言っていたのを。
・・・・・・・・・・・・・・・・・無理ではないだろうか。
「アタシの名前は『ユウキ』。それと・・・・・・・・・。」
彼女の身体が光り始める。
それと同時に、徐々に、彼女を中心として円を描くように光が集まっていく。
「ゆうくん!」
「みさちゃん!」
互いに声を掛け合い、その光よりも外で、近づいて来る『それ』とは反対の方向に走っていく。
やがて、身を隠せる場所まで着いて、『ユウキ』がいた場所を見る。
と、そこには。
巨大な。
巨大な光の・・・・・・・・・・・・。
「『ウルトラマン』・・・・・・・・・・・・・・・・?」
ゆういちは光の巨人を思い浮かべて、すぐに打ち消す。
いや、違うと。
光の巨人には、あんな巨大な翼などはない。
ウルトラの父や、ウルトラの母がしているマントなら納得できるかもしれないが、残念ながらそれはできない。
なぜなら、その翼は右と左、両側で三枚ずつ、右と左合わせて六枚の翼があったのだから。
そして、光を解き放つように、閉じるようにして思い切り開く。
飛ばされないように、木にしがみついて、収まってから目を開く。
するとそこには・・・・・・・・・・・・・。
全身が白い・・・・・・・・・・・・。
白い龍が・・・・・・・・・・・・・。
その白い龍に、近づいてきた『それ』がまっすぐ突っ込むように加速する。
その背中に、今まで攻撃していた『アギウス』以外の機体が・・・・・・・・、二機の『ガルーダ』が、唯一の武装である『ツイハイパワーメーサーキャノン』を撃ち、当たった。
それに苛立ったのか、後ろに振り向き、槍のようなものを数本、『ガルーダ』に向けて放つ。
突如の攻撃ではあるが、先頭を飛んでいた『ガルーダ』は華麗に回避する。
だが、後方のもう一機は、避けることが出来ずに、左に、右に、槍が突き刺さり、そして、コックピットに一本深く刺さり、爆発。
その結果に満足したのか『それ』はさらに加速した。
『それ』を迎え撃つかのように白い龍は右腕を引いて、脇をしめるように、右手をひねるように。
そして、衝突の寸前。
白い龍は、握り締めた右手を打ち出す。
その右手は、『それ』の左頬を完全に捉えて、思いっきり振り抜く。
ぶん殴った。
彼女が言ったとおりに、『クソ野郎』はぶん殴られた。
白い龍はこちらを向いた。
ゆういちは『ユウキ』から貰った『勾玉』を握る。
熱い、熱い熱が伝わってくる。
『アタシの名前は「ユウキ」。それと・・・・・・・・・・・・・・。』
『「白龍のアリア」って言うんだ。・・・・・・・・・覚えといてね、ゆういち。』
そう、その白い龍は、『白龍のアリア』は言った気がした。
物語はここで一時幕を閉じる。
再び、幕が上がるのは、十二年後。
そう、これは少年と少女と、怪物と化け物と、超人と超兵器と。
『龍』の物語。
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白龍、再び
あの日、あの時の情景を柳勇一は思い出しながら、ユウキから渡された勾玉を首から下げ、握りしめていた。
新崎美里は複雑な思いで勇一のそんな姿を遠目で見ていた。
一方、自衛隊では、あの日、宇宙からやって来た正体不明の生き物、アンクノウンに対しての対抗策を練ることになった。
だが、そうしていた日常で宇宙から再び、アンクノウンがやって来る。
そして、戦いが起きてから時間が経ったとき、白龍が再び現れる。
白龍のアリア
第一話
白龍、再び
静岡県東部。
富士山の麓の自然豊かな山が連ねるようにその姿を現している。
いい言い方をすれば自然豊かであり、悪い言い方をすれば山しかないただの田舎というそんな場所。
高校生活ももう残すところ僅かとなった高校三年生である柳勇一は教室の窓に写る青空を見ながら、首から下げるように紐で括っている勾玉を握る。
あの日。
父親である柳鉄也以下を含めた陸上自衛隊のアギウス部隊は、あの白い龍とは交戦することはなく、元いた基地へと舞い戻っていった。
と言うのも、あの巨大な化け物をぶん殴って白き龍、アリアが消えたからだが。
ただ、あの巨大な化け物、怪獣は度々出現する様になった。
そのためか、自衛隊の出動頻度が多くなっているらしい。自衛隊でもないただの高校生の勇一には分からないことだが。
それから、白龍もユウキと言う少女の姿は見てはいない。あの時、感じた熱も勾玉からは感じない。であれば、今のユウキは痛みは感じてはいないのだろうか。今は平気なのだろうか。
勇一には分からない。
そう思いつつ、青空が広がる外をぼんやりと眺める。
そんな勇一の姿を見ている一人の少女がいた。
幼いときから勇一の姿を見ていて、あの日、ユウキと言う文字通り白い少女とアリアと言う白い龍を見た少女、新崎美里だ。
美里も勇一の見ている方に目を動かす。
そこには青い、雲ひとつもない青い空があった。
「柳一佐!!」
陸上自衛隊のとある駐屯地。
大きな声で自身の名を呼ぶ声に、柳鉄也は振り返る。
「どうした、西島三尉。」
そこには、自身の部隊、第一陸上機動機甲小隊に最近になって配属となった西島宏三等陸尉がいた。
「十二年前に出現した正体不明の生き物、アンクノウンでしたか、ヤツに備えて我々、第一特別航空機動災害対策部隊の陸上機動機甲小隊がいるのではないのですか!?」
「そりゃそうだがな、西島三尉。相手をしようにもいないヤツにどうしろって言うんだよ。」
「しかし・・・・・・・。」
「確かに、俺達自衛隊にゃ、日本のための盾であり、矛となる『イージスの盾』、『アギウス』がある。だがな、三尉。いないヤツを相手に出来ないだろうが。」
「そう、ですが・・・・・・・。」
「分かったか?・・・・・・・・・・分かったな?」
「了解、しました・・・・・・・・。」
「よし、分かったか。それじゃ、この話はここまでだ。」
なにか言いたそうにする宏をあとに鉄也は再び歩き出す。
「柳一佐!・・・・・・柳一佐!」
今度は宏とは別の声が鉄也を引き止めようと大きな声が聞こえる。だが、先程足を止めたのだ。その止めた足が動いてしまった以上は止めることはそう簡単にはできない。そのため、止まることのない鉄也を追うように誰かが走ってくる。
「柳一佐、止まってくれても。」
「いやだよ、西一尉。それにさっき、西島と話してたんだ。それなのに、来ないお前が悪い。」
「ですがね、一佐。」
「んで、なんだ、西。」
鉄也の後ろに西豊一尉はつく。
まっすぐに歩いていく鉄也の行き先を豊はすぐに把握する。
「ハンガー、いえ、格納庫ですか。」
「ガキのお守りをちゃんと出来ねー、俺がこの日本のお守りをしっかり出来るかって聞かれたら、難しいって言うしかないが、それでも俺達自衛官の、いや、『メーサータンカー』の矜持ってもんがある。・・・・・・・部下のお守りもちゃんとせんとな。」
「一佐・・・・・・・・・・。」
「はっ。笑えるか?笑える、だろうな。」
「いえ、笑うなど。決して。」
「別に無理せんでいい。化け物相手して死んだ連中がいるってのに、それでも生きてるバカな親父の独り言よ。」
「笑いませんよ、一佐。」
「そうか。」
豊にはほんの少ししか分からない。
鉄也のような『アギウス』の『第一世代』ではないのだ。
日本に襲来した多くの『怪獣』などと言う『化け物』を相手にまだ量産もされていない試作機に近い『アギウス』に乗り、多くの戦闘データを世に残してきた『第一世代』と呼ばれる自衛官達。
『アギウス』の『第一世代』の機体である『烈火』に搭載されている『シンクロシステム』。パイロットと機体の動きを同期させ、人の動きをそのままに機体に反映させるシステムではある。
だが、開発されたばかりのシステムには、多くの問題があった。
それを教える様に、鉄也の左右の瞳の色が物語っている。
豊も『アギウス』乗りではあるが、豊は第三世代。
瞳の色は左右ともに変わったことはない。
機体もほとんど身体に悪影響を及ぼさない改良型だ。それほどまでに差がある。
『烈火』にも改良型の『シンクロシステム』が搭載はされてはいる。
だが、旧式のシステムを長い間搭載していたのだ。
そのため、改良型を搭載しているとは言えど、すぐに影響が消えるなどというものではない。
鉄也は、その悪影響を受けているとは言えども、笑顔でいる。
「んで、新型、いや、『アレ』に乗るヤツは?」
「一佐は、ご存知では?」
「いや。ガルーダが新型に引き継がせたのは知ってるがな。ったく、空自もやるのが遅い気もするがな。爺さん、まだ現役でやれるからって老体に鞭打つもんじゃねーってんだ。」
「それを言ったら・・・・・・・。」
「俺も年なのはそうだがな。そろそろ引退ったぁ言いたいがな。アンクノウンなり、化け物なりが、日本に来るからな。のんびり出来ん。」
「すいません、一佐。」
「気にゃせん。俺は『メーサータンカー』だ。休むのはまだ先だ。お前が悪いわけじゃない。」
「しかし。」
「化け物相手にゃ、慣れてる。それに、相手はアンクノウンで、Gじゃない。生きて戻れる、いや、生きて帰らせるってのが、先輩の仕事だ。だから、気にするな。」
豊は鉄也の言葉を脳内で反芻する。
生きて帰るのではない。
生きて帰らせる。
ということは、つまり・・・・・・・・・・・。
と、その時。
ヴィー、ヴィー、ヴィー。
『なにか』の襲来を告げるアラームが鳴り響く。
『「アギウス」搭乗員、至急格納庫へ!!』
「話してたら、早速、『お客さん』だ。ったく、困りもんだな。」
そう言う鉄也の口元は笑うように歪んでいる。
国を守るというのが、自衛隊の仕事ではある。
その大義名分を果たすため戦えるということに喜んでいるのは、どうなんだろうとは豊は思う。
こうした人種が『メーサータンカー』なのだろうとも思いつつ、鉄也と豊は搭乗機に、自身の分身とも言える愛機へと走って向かっていく。
「『敵襲』!?まさか、『アンクノウン』!?」
突然のように、マナーモードにしてある携帯がポケットで揺れ動き、美里は立ち上がる。
その動きに合わせるかのように、ウー、ウー、ウーと避難を促すサイレンが鳴り響く。
「走るな、走るんじゃない。ここは自衛隊の駐屯地に近い。怪獣が来ても自衛隊だったらどうにかしてくれる。だから、焦るな。」
「確かにそうかもしれない。」
美里の行動を見て、そう言う先生の言葉を美里は肯定する。肯定しながらも、外に出る足は走るように早く動く。
そして、教室の扉に手をかけると、足を止める。
「自衛隊が、『私たち』が守ります。だから、先生。あとは任せます。」
そう言うと、扉を開けて、外に出ていく。
「おいこら、新崎!!!・・・・・・・・ったく、なに言ってるんだか。生徒を守るってのも先生の仕事なんだがな。」
勝手に出るなよ、全く、とやれやれと頭を掻いて、
「新崎は勝手に出ていったが、お前らはゆっくり、走らずに外に出るんだぞ、いいか?」
と言う。
その言葉に、勇一を含めた生徒は、はい、先生!と言うと、廊下にならんで避難するために立ち上がる。
その時、勇一は気が付く。
熱がなかった勾玉が熱を帯びたように熱くなっていることに。
「ユウキ・・・・・・・・・?」
勾玉を握り締め、少女の名を呼ぶ。
「西、焦るなよ。」
『了解ですよ、一佐。』
「西島、お前もだ。」
『了解です、一佐。』
「ったく。」
鉄也は笑うように口元を歪めながら、自身が高揚していることを自覚しながら、豊と宏の二人に抑えるようにと言う。
今現在、鉄也の身体は対G兵器として存在する『アギウス』の『第一世代機』、『烈火』に繋がれている。
風や空気などの機体が直接受けているものは感じることは出来ない。
だが、機体の操作には身体の動きが反映される。
無論、機体の損傷もだ。
ま、反映されるとは言えども、痛みを感じるだけで、生身の身体には反映はされないのだが。
そう言えば、と鉄也はふと思い出す。
出撃する際に、新型の『第六世代機』、『疾風』が出撃していったのだが、たしか搭乗員はまだ乗ってはいなかったはずだが。それに、豊と宏の二人以外は見てはいない。であれば、オートパイロットで出たということに。
いやいや、待て待て、と鉄也は思考を振り払うように頭を振る。
オートパイロットがどうのこうのという話は確かにあった。
だが、しかしである。
3式機龍という一例がある。
機龍の例があるからこそ、オートパイロットなどという自動操縦はない。
まぁ、そうは言っても、スーパーXⅡという例もあるのだが。
判断が難しいものではある。
困りもんだな、と鉄也は思いながら、前方を見る。
すると先程、誰も乗せていなかった『疾風』が大地に降り立ち、誰かを乗せるかのように、屈みこむ姿が目に写る。
その時に、誰かの姿が見える。
「ありゃ・・・・・・・・。」
『「疾風」!?どこへ行ったかと思ってはいたが・・・・。』
『どこの誰だ。こんなとこに誘導したのは?』
『私ですが?西島三等陸尉。』
豊と宏の言葉に、『疾風』の搭乗者が答える。
いるはずのない『彼女』の声が聞こえて、鉄也はおいおい、と我が耳を疑う。だが、見えた姿も聞こえた声も確かなわけで。
「美里ちゃんか!!なんで、『疾風』に!!」
『どうしたんです、一佐?』
『「ちゃん」・・・・・・・?』
『叔父さん、いえ、柳一等陸佐。こちら、新崎美里二等陸士。援護します。』
「援護・・・・・・だぁ!?こいつぁ、大人の仕事だ!下がってろ!!」
『一佐!?』
『援護と言うことは、彼女は自衛官なのでは?』
『私も大人です、柳一等陸佐。』
「大人って言ってもな。」
『柳!!聞こえるか、柳!?』
「あー、どうぞ、本部。」
突然、本部からの連絡が入り、鉄也はそれに応える。
『新崎二等陸士は事情があってのことだ。連絡が遅れたがな。』
「そいつぁ、聞いてませんな。どこのバカです?」
『あとでこちらでやっとく。二等陸士のこと、よろしく頼むぞ。』
「とんだ宝物ですな。ですが、部下となれば、話は別です。生かしますよ。」
『頼むぞ。』
こいつぁ大物だぜ、ったくよ、と鉄也は心の中で文句を言う。
そうしていると、美里の乗った『疾風』が空にゆっくりと浮かび上がる。
『挨拶が遅れました、一等陸佐。』
「なぁに、よくあることだ。気にするな、二等陸士。」
『一佐。彼女は・・・・・・・。』
「西。二等陸士の後ろ、任せる。」
『しかし。』
「お前も『メーサータンカー』の端くれだろうが。少しくらいはやってみせろ。」
『責任重大ですね。了解です、一佐。』
『それでしたら、自分が。』
「自分から言うのは良いがな、西島三等陸尉。お前にゃ、難しいと思うぜ。」
『ですが、一佐。』
「西は初陣じゃねー。お前と比べてな。訓練でうまくやれても、初陣のお前に任せるほどバカじゃねーんだよ。自信過剰も大概にしとけ。」
『・・・・・・・・了解、です。』
宏の言葉を聞いて、やれやれと鉄也は頭を抱えそうになる。
たしかに、怒りの感情は分からなくもない。
だが、初陣で緊張している宏と初陣はもうすでに経験している豊とでは、話が大きく違ってくる。
部下を生かすのも自衛官の、『メーサータンカー』である鉄也の仕事だ。
大きな爆弾とならなければ良いのだが。
「んじゃ、ちょいと確認といくか。二等陸士、アンクノウンってのは、なんだ?」
『はい、一等陸佐。アンクノウンとは、12年前、宇宙からやって来た正体不明の存在であり、人類とはコンタクト不能と判断された化け物、いえ、怪獣の事です。』
「上出来だ。追加で言うと、空自のとっておき、『ガルーダ』を抜かしやがる野郎だ。スピード勝負でやろうとするなよ?」
『気を付けます。』
『その時には、自分が入ります、一佐。』
「よく分かってるじゃん、一等陸尉。その調子で頼むぜ。」
『ははっ、善処します。』
とそんな事を話していると、大きな化け物、いや、怪獣と言った方が自然か、12年前も恐らくそうであったであろう自分達よりも上の大気圏外から侵入して来た証拠に全身が真っ赤に染まった顔がない怪獣の姿が目に写る。
「早速かよ。空自もなっちゃいないな。『ガルーダ』の爺さんの代わりの新型があるってのに、陸の『俺たち』に取られるったぁ、とんだ予算盗りもいたもんだ。」
徐々に熱が冷めていき、全身が、赤くなくなっていくと、顔無しの怪獣、アンクノウンは動き出す。
その動きに合わせるかのように、鉄也は腰部にある『ツインメーサーキャノン』の一方を構え、撃つ。
挨拶代わりの一発となった一撃ではあるが、アンクノウンの挨拶を鉄也は大きく避ける。
『一佐!!』
「当たっちゃいねーよ。」
『野郎!!』
鉄也の声を聞くと、豊は自身の機体、『烈風』の盾、『ファイヤーミラーシールド』にある『八連メーサーキャノン』をアンクノウンに向けて、撃ち出す。
豊と鉄也の攻撃を受け、アンクノウンは身体を大きく崩す。
崩すということは、『メーサー殺獣光線』の効果があるわけで、つまり。
「はっ、俺たち陸自の、『メーサータンカー』の敵じゃねーな!!」
『メーサー殺獣光線』が効かない、いや、効果が薄い自衛隊の敵、日本を襲ってきた怪獣王、ゴジラの仲間もしくはそれに近いモノではないということだ。
ならば、勝機はある。
なぜならば。
「『アギウス』だぞ!!!」
『アギウス』は日本の絶対的な盾、『イージスの盾』である。
もう片方の『メーサーキャノン』を構え、腰の両側から撃つ。
『やったか!?』
「いや。」
宏の言葉を鉄也は否定する。
あんな簡単に終わるはずもない。
そうであれば、ゴジラが襲来したときに『メーサー殺獣光線』があれば、どうにかなるということになる。
『Gフォース』等の組織もできなかった筈である。
その証拠に、『アンクノウン』はゆっくりと姿を現す。
『や、野郎・・・・・・・・。』
「予想通りっちゃ予想通りだけどよ、ちょいとぁ、裏切ってもいいんだぜ。んなぁこと言っても、無駄だけどよ。」
この世に、自身の願いを聞き届ける『神』という存在などはいない。
ただ単に、頑張ったかそうでないかのそれだけであいかない。それでも、報われることはないだろうが。
そういう風に世の中ができていたら、ゴジラを自衛隊は簡単に倒すことが出来たであろう。
やれやれ、それも困りもんだ、と鉄也が思っていると、不意に耳に警戒アラームが響く音が聞こえる。
『一佐!!!』
『新手か!!』
『上!?「空」から!?』
「おいおい、今日は大漁ってか。祭りじゃねーんだぞ。」
部下達の通信を聞き、鉄也は上を見る。
そこには、白い・・・・・・・・。
「アリア!?ユウキか!!」
その頃、地上の少し離れた場所では、勾玉に誘われるようにして、自衛隊と『アンクノウン』という怪獣とが戦っている戦場を見るようにしていた勇一がいた。
避難のために、廊下に皆が出た時を見計らって、一人だけ別行動となったわけだ。
今頃、担任が勇一がいないことに気が付いて、どうこうしているのか気になるところではあるが、今は、あの白龍を、アリアを自衛隊がどうするのか気になる。
気になってしまう。
腰部に『ツインメーサーキャノン』を構えている『アギウス』の第一世代機、『烈火』があるということはあれは、勇一の父親である鉄也の部隊である可能性が高い。
鏡のような『ファイヤーミラー』を大型の盾にした『ファイヤーミラーシールド』を装備し、『八連メーサーキャノン』を撃っている機体は『烈風』であると推測できる。
その『烈風』が二機いて『烈火』があるとなれば、近くの駐屯地にいる鉄也の部隊だということは確定であろう。
あの新型機は知らないが。
だが、外見からして『メーサー殺獣光線』を撃つ『メーサーキャノン』がないとなると、海上自衛隊か、航空自衛隊の機体であろうと予測ができる。
であるが、航空自衛隊ならば、『ガルーダ』の改良型が。海上自衛隊なら、海上でも行動可能の機体でないと筋が通らないことになる。
陸自の『アギウス』、『烈火』以下各機は突然現れた白龍を『アンクノウン』と同様に見て、怪獣として攻撃するのか、勇一は不安に思いながら、その様子を見ていた。
『こいつは・・・・・・・・・たしか、12年前の・・・・。』
「陸の方に出てきたっつーヤツだな。」
『まさか・・・・・。』
『どうした、二等陸士。』
白い姿の龍を見て、各員それぞれが感想を漏らす。
そういえば、と鉄也は思い出す。
敵というべきか否か。
あの時はたしか『アンクノウン』をぶん殴っていたはずだ。
であれば、味方と見るべきか。
どうする・・・・・?と鉄也は思い悩む。
今は一人ではない。
部下がいる。
部下達を再び帰さなくては隊長としての責任を放棄する事になる。
だが、早く判断せねば。
と、鉄也が考えていたとき、
『一佐!「あれ」は、あの「龍」は!』
「どうした、新崎二等陸士?」
美里の言葉に鉄也は疑問をぶつける。
『「白龍のアリア」です!』
「『白龍のアリア』・・・・・・・・?」
その名前を聞いて鉄也は疑問を抱く。
『白龍』というのは分かる。白い色をした龍であるというそのままを言っているのだろう。
だが、『アリア』というのは分からない。何故、名前があるのか?何故、名前を知っているのか?知っているということは、味方か敵か知っているのか?
疑問が出てくると尽きることなく、次から次に出てきてしまう。
だが今は。
「敵か味方か、どっちだ?」
『味方です、「彼女」は。』
『「彼女」?』
鉄也の言葉に美里は答えるが、その解答は新たな疑問を生む答えである。その答えに、豊は疑問をぶつける。
だが、今はそれは必要のないものだ。
「援護するぞ!」
『どっちをですか?』
「『白龍』をだ!」
あの白い龍が味方だと分かれば、それで十分だ。
瞬時に、鉄也は『アンクノウン』に腰部の『ツインメーサーキャノン』を穿つ。
その行動に、『白龍』は一瞬、驚いた様子を見せる。
何かを納得したかのように頷くと、右手を握りしめる。
その様子に黙っているつもりはない様に『アンクノウン』は咆哮し、光線と槍のようなものを『白龍』と鉄也たち、『アギウス』へと向けて放つ。
それを黙って当たる自衛隊の鉄也たち、『アギウス』ではない。
「西!!」
『入ります!!』
瞬時に豊に指示を出す。
その指示を予想していたのか、『ファイヤーミラーシールド』を構えて、射線に割って入る。
それらが、豊の、『烈風』の『ファイヤーミラーシールド』に続けて命中する。
盾を貫き、通すかと思いきや、元来た方向へと戻っていく。
そして、『アンクノウン』に命中すると。
『ツインメーサーキャノン』を受けても怯まなかった『アンクノウン』が吹き飛ぶではないか。
「さすが、『ファイヤーミラー』。えげつねーな、おい。」
その様子を見て、鉄也は軽く口笛を吹く。
『ファイヤーミラー』とは、合成ダイヤモンドの鏡で、その鏡に光線が当たると、一万倍になって反射するというとんでもない性能を持つ。
その性能の『ファイヤーミラー』を搭載した対G兵器、『スーパーXⅡ』の武装である。
『烈風』は対G兵器の『ファイヤーミラー』を盾にした『ファイヤーミラーシールド』を持っていることから分かると通り、『もしも』の場合に備えての自衛隊の切り札だ。
『アギウス』、『イージス』の名の通り、絶対守護の盾だ。日本の大地を怪獣に、化け物どもに荒らさせるわけにはいかない。
そのための自衛隊だ。
「うん?」
ふと、『アリア』の様子が気になり、視線を向ける。
すると、『アリア』の握り締めた右手の拳が紅く発熱する。
そして、バッと勢いよく翼を広げ。
『アンクノウン』に向け、勢いよく跳び。
『アンクノウン』に右手を振り抜く。
『なんて野郎だ。』
『殴るか・・・・・・。』
「よくやる。」
はははっ、と鉄也は軽く笑う。
『アリア』を見ると、地上を見ていた。
鉄也はその視線を追ってみると・・・・・。
「勇一!?何やってんだ!?」
『ゆうくんっ!?』
自分の息子、柳勇一がそこにいた。
こうして物語は幕を開ける。
まだ、物語は始まったばかり・・・・・・・・。
ーー後書き?ーーyes、後書き。
はい、というわけで第一話の後書きになります。
なんとか出来ました。
はい、なんとかです。
プロローグの履歴を見ればもう一年でしたか。
結構、早いというか。
遅いということは少なくともありませんが。
そういえば、シン・ゴジラ、始まりましたね。
私はまだ見ていないのでアレですが。
一応書いておきますが、シン・ゴジラとは一切関わりはございません。
だってよ、ジラさんなんだぜ?とかでお馴染みのマグロ食ってる方ともギャレゴジ(2014ゴジラ)ともファイナル・ウォーズとも関わりはございません。
二次創作という形で書いてはいますが。
さて、続き書けるか、疑問ではありますが。
頑張るか。
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