レッドファイト!! THE NEW STAGE (剣音レツ)
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新たな敵!新たな戦い!!編
VSディノゾール


始めまして。初投稿なのでまずは試しとしてバトルのみの単発小説を作ってみました。若干おかしな所があると思いますが気にせず気軽に読んで頂くと幸いです。


 誰も知ることのない緑の無い大渓谷。そこには、静かに睨み合う二つの影がいた。

 

 一つは、メタリックブルーの見るからに頑丈そうな外骨格に覆われた刺々しい身体に、前方に伸びた長い頸が特徴の怪獣『ディノゾール』(別名:宇宙斬鉄怪獣)だ。本来は群れで渡りを行う習性があり、かつてウルトラマンメビウスと戦った個体の経路を追って大群が地球に向かってきた事がある。その際、当時メビウスと共に地球を守っていた防衛チーム『CREW GUYS』の宇宙防衛担当『GUYSスペーシー』が配備した宇宙機雷ライトンR30マインでほとんどの個体が撃破されたが、その機雷群を抜けて地球に降り立った個体もいた。こいつはその一体と言ったところだろう。

 

 もう一方の影は巨人であり、赤を基調としたボディに銀色の手袋、ブーツ、ベルトを付けており、中国の辮髪帽をかぶったような頭が特徴の戦士『レッドマン』だ。彼は銀河連邦の一員でレッド星出身の戦士。平和のために人知れず荒野等で怪獣と戦い続けているが、時には戦意がなく必死で逃げる怪獣を捕まえるまで追いかけたり、怪獣を惨たらしい手法で倒したりなど、ヒーローらしかぬ事もすることから『赤い通り魔』とも言われている。そんなレッドマンは、今日も人知れず平和のために戦っている。

 

 レッドマンとディノゾールは睨み合うまま動かない。静まる中、谷底から冷ややかに響く風の音が妙な緊張感をそそる。

 

 レッドマンはゆっくりとファイティングポーズを取った。そして、戦闘開始の合図でもあるあの言葉を叫ぶ。

 

 「レッドファイト‼」

 

ディノゾールは先手必勝とばかりに外殻の体側からレッドマン目掛けて流体焼夷弾『融合ハイドロプロパルサー』を打ち込む。

 

 「レッドジャンプ‼」

 

 レッドマンは空高く思い切り跳躍して弾丸をかわすと同時にディノゾールを飛び越え、後ろに回り込んだ。そしてディノゾールの背中に跳び付き、パンチやチョップの雨あられを打ち込む。

 

 すると、ディノゾールの背中が発行したかと思うと勢いよく弾丸が発射された。レッドマンは予期せぬ弾丸の一斉攻撃を至近距離でモロに喰らい、たまらず後方へ吹っ飛んだ。ディノゾールは、弾丸を背部からも発射できるのだった。レッドマンは少し怯んだがすぐさま体制を立て直す。

 

 「レッドアロー‼」

 

 レッドマンは、石突が十字の形をした槍『レッドアロー』をディノゾール目掛けて思い切り投げつける。この槍は、レッドマンが決め手としてよく使う武器で、これまで幾多の怪獣や宇宙人を刺殺し、ある時は怪獣二体をまとめて串刺しにして倒したこともある強力な槍である。レッドアローは、ディノゾールを貫かんと風を劈き一直線に飛ぶ。勝負はもうついたかの様に見えた…

 

 カキーン‼

 

 レッドアローがディノゾールの背中にヒットした。しかし、レッドアローはディノゾールの身体を貫くどころか金属がぶつかり合う様な甲高い音を立てて弾き返された。撥ね返された槍はカランと軽い音を立てて地面に転がる。

 

 さしものレッドマンは驚愕する。それもそのはず、これまで数多くの怪獣を倒してきたレッドアローが容易く撥ね返されたのだから。ディノゾールの皮膚の強度の高さが伺える。

 

ディノゾールはレッドマンが怯んだ隙を逃さぬばかりと、口から何やら光りながら素早く動く糸のような物を出す……と、次の瞬間、レッドマンの右脇腹に小さな爆発が起こった!レッドマンが痛みや驚きで動揺するのも束の間、その後も胸、腹、肩、頭などと次々と連続で爆発が起こる!レッドマンは、ただ爆発しているだけではなく、何かに切られているような感覚も感じていた。

 

これはディノゾールの仕業である。奴は『断層スクープテイザー』と言うあらゆる物を瞬時に切断する鞭状の舌を振り回してレッドマンを攻撃しているのだ。この舌は、長さ1万メートル、直径1オングストロームという異常な細さな上、目に見えない速さで振り回すのだから視認のみならず、避ける事も非常に困難なため、レッドはなす術なく身体中に斬撃を喰らい続けている。

 

ディノゾールは尚も断層スクープテイザーを振り回し続けている。斬撃を受け続けているレッドマンは既に体はボロボロで、意識も回り始めていた。もうここまでか……!

 

…と、思った次の瞬間、レッドマンは薄れ始めていた意識の中、ディノゾールの顔を見た瞬間、何かに気付いたのか、斬撃を受け続けながら力を振り絞り、ディノゾールの横側へと走って回り込んだ。因みに断層スクープテイザーは広範囲に振り回せるため、例え相手が真横にいても当てるのはたやすい事である。

 

レッドマンは容赦なく打ち寄せる斬撃で傷だらけになりながらも何とかディノゾールの真横に回り込んだ。そして、ディノゾールの顔に向けて右手を突き出した。

 

「レッドサンダー‼」

 

 レッドマンは渾身の叫びと共に突き出した右手先から青白い光線『レッドサンダー』を発射!それがディノゾールの口内に命中し爆発した。爆発と同時に断層スクープテイザーが切れ、さっきまで広範囲で乱舞していた光の鞭は力や光を失い、地面に崩れ落ちた。レッドサンダーは、レッドマンが使える唯一の光線技であり、決め手としても使えるが、大抵は刺殺、撲殺等で怪獣を倒すため、使うことは滅多に無い。高速で動き回る鞭を捕えることが不可能と見たレッドマンは、いっそ光線で発射口を攻撃し、根こそぎ切ってしまおうと考えたのだ。いかにもレッドマンらしい荒々しいやり方である。

 

(BGM:レッドマン)

 

 自慢の武器を失い狼狽えるディノゾール。正に牙の折れたライオンだ。レッドマンはその隙を逃さず、まるで荒れ狂う野獣の様に最後の力を振り絞り、ディノゾールに跳び付く。そして、これまでやられたお返しとばかりに頭部にパンチやチョップ、腹部に膝蹴りを何度も打ち込む。そして、ヘッドロックで長い頸を締め上げ、さらに頭部にパンチを打ち込む。両者の戦いは激しい物であり、衝撃で周りの地面から土煙が跳び上がる。

 

「レッドナイフ‼」

 

 レッドマンは短剣にも見える大型のナイフ『レッドナイフ』を取り出す。このナイフもレッドアローと同じく決めてとして使用することが多く、これまで幾多の怪獣・宇宙人を刺殺している。レッドマンはレッドナイフをディノゾールの腹部の発光部目掛け思い切り振り下ろす!渾身の斬撃は見事に炸裂し、爆発と共に発光部は潰れ、切り傷が出来た。

 

ディノゾールはもう完全に怯み、力のほとんどを失っていた。レッドマンはその隙に連続バク転で距離を置き、先ほど跳ね返されたレッドアローを拾い上げ、両手持ちで右腰に構える。

 

「レッドアロー‼︎」

 

レッドマンは叫びと共に動きが鈍ったディノゾールに勢いよく駆け寄り、先ほどレッドナイフで付けた傷口目掛けて力一杯レッドアローを突き刺す‼︎レッドアローは勢いよく突き刺さり、やがてディノゾールの背部を突き破った。串刺しにされたディノゾールは心臓を貫かれたのか、ついに力尽き、両腕をだらりと下に下ろし、目の輝きを失い、崩れるかの様にその場に倒れた。

 

死体から静かにレッドアローを引き抜くレッドマン。しかし次の瞬間、何を思ったのか、抜いたレッドアローを地面に突き刺した後、死体となったディノゾールの長い頸を鷲掴みし、ディノゾールの死体を引きずりながら崖淵へと駆け寄る。

 

「レッドフォール‼」

 

 レッドマンはディノゾールの死体を力一杯担ぎ上げ、谷底へと放り投げた!『レッドフォール』とは、レッドマンの技の一つであり、主に虫の息となった怪獣への止めのため谷底へ投げ落とす時に使う荒技である。ディノゾールの死体は谷底に落下し、巨体が地面に激突した衝撃で地響きが起こる。

 

 レッドマンは落下したディノゾールの死体をじーっと見つめる。相手が死んだかどうか入念にチェックしているのだ。これはレッドマンが普段からやる行動で、一部では『レッドチェック』とも言われている。だが、今回に限っては相手が強敵だった故か、見つめる時間が長かった。

 

 レッドマンは数十秒見つめ、ディノゾールが死んだのを認識した瞬間、思わず地に膝を付いてしまう。恐らく死闘によるダメージや疲れが影響してるのだろう。ふらつきながらも何とか体勢を立て直して立ち上がるレッドマン。手足や胸、腹、頭部などには無数の傷があり、ふらつきながらも雄々しく立つその姿は、まるで血みどろの決勝戦を勝ち抜いたボクサーの様である。そう、正に赤いあいつは白く燃え尽きる寸前になるまでのギリギリの戦いを制したのだ。

 

 レッドマンは、やり切った感と同時にどこか強敵と戦った事での満足感も感じるかのようにゆっくりと空を見上げ、ナチス式敬礼みたく右手を斜め上に突き上げ勝利の決めポーズを取る。そして、崖淵に背を向け、何処ともなく歩いて去って行った。

 

 激闘を制し、ボロボロとなった赤い通り魔は何処へ行くのか、それは誰も知らない……。

 

 

 〈完〉




読んでいただき有難うございます。いかがでしたか?

次回からはウルトラマンゼロが主役のオリジナルストーリーを投稿していこうと思います。

今回の相手:宇宙斬鉄怪獣ディノゾール(初登場作品:ウルトラマンメビウス)

感想・指摘・アドバイス等をお待ちしております。


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VSドラゴリー

 試しに投稿した『レッドマンVSディノゾール』が思いの他好評でしたので(笑)連載シリーズへと変更しました。

 同時進行で連載中の『ウルトラマンゼロ物語(ストーリー) in RED ZONE STAGE feat.ギンガ』共々、今後もよろしくお願いします。

 今回の相手はドラゴリー(超獣)です。


誰も知ることのないとある黒い岩や砂だけの大地。そこに、空をガラスの様に割って、中から一匹の巨大な生物が現れ、地上に着地する。

 

そいつは、緑を基調としたカラフルだがどこか不気味に彩られた巨大に、虫や髑髏を合わせたような赤い二本牙が生えた顔をしていて下半身には羽のような尻尾や飾りが付いている『蛾超獣ドラゴリー』だ!

 

 奴は、かつて地球侵略を企んで超獣を送り込んだりして『ウルトラマンA』と戦って敗れた『異次元人ヤプール』が、超獣製造機で、地上の毒蛾と宇宙怪獣を合体させて誕生した超獣(怪獣を超えた生物兵器)である。

 

だがヤプールは既にウルトラマンAに敗れほぼ全滅しているため、このドラゴリーはその為に作り置きの野良超獣となった個体であろう。

 

ドラゴリーもかなりの凶暴な超獣であり、かつてウルトラマンAを大ピンチに陥れ、敗北寸前にまで追い込んだ事がある折り紙付きの強敵である!

 

だが、恐れ知らずもその強敵ドラゴリーに立ち向かおうとしている一人の戦士がいた。

 

風により起こる砂埃の中からゆっくりと歩み寄って来る1人の影。それは真っ赤なボディに中華の弁髪帽をかぶったような頭が特徴の『赤いアイツ』。

 

彼の名は銀河連邦の一員『レッドマン』である!

 

彼はこれまで人知れず様々な怪獣や宇宙人を倒してきたが、超獣と戦うのは恐らく今回が初であろう。その為か、今回は凛と構えた手足には何処か緊張感を感じ、目付きはいつもより闘志が湧いていて燃えているように感じた。

 

その燃えるような視線でドラゴリーと睨み合うレッドマン……そしてゆっくりと構えを取った後、戦闘開始の掛け声を上げる。

 

「レッドファイト‼︎」

 

レッドマンは掛け声と共に、土煙を上げながらドラゴリーに勇ましく駆け寄る。そして先手必勝とばかりに駆け寄りながら右飛び蹴りを繰り出す!

 

「レッドキック‼︎」

 

レッドキックはドラゴリーの胸部に命中しそうだ。 だがドラゴリーは、避けるどころか、なんと腕を胸前でクロスしてそれを受け止めるように防ぐ!

 

ドラゴリーは腕力もかなりのモノで、かつて共にAを攻撃していた『巨大魚怪獣ムルチ(二代目)』の身体をズタズタに引き裂いた程だ。その為、奴にとってレッドマンの蹴りを素手で防ぐのはたやすい事であった。

 

だがレッドマンは怯まずドラゴリーに組み付く。ドラゴリーも即座に組み付いてきたレッドマンの両腕を掴み、そのまま振り回そうとするが、レッドマンは半分回されかけた所で何とか踏ん張り着地する。

 

そして一旦手を放し、ドラゴリーが放った右フックをしゃがんでかわした後、腹部に右エルボー、左パンチを打ち込み、更に腹部に右横蹴りを決める。

 

両者の戦いは激しいパワーのぶつかり合いであり、両者の周りは小さな爆発が連続で起こり、土煙が吹き上がる。

 

レッドマンはドラゴリーの腹部に右横蹴りを決めた後、腹部・胸部に数発拳を決める。

 

「レッドチョップ‼︎」

 

レッドマンは跳躍して、左右袈裟懸けにX字を描くように手刀を決め、更に左右同時にパンチを腹部に打ち込んで後退させる。

 

だがレッドマンは、多少油断していたのか、少し怯んだドラゴリーに駆け寄り始めた時、ドラゴリーはカウンターとばかりに口から火炎を放射し、レッドマンはそれを多少モロに喰らってしまう。

 

更にドラゴリーは、両手からのロケット団『バーニングウイング』を乱射して追い討ちをかける。レッドマンがロケット団の雨あられで怯んだ隙に、ドラゴリーはレッドマンの左腕を掴み、自慢の怪力での一本背負いで地面に叩きつける!

 

だがドラゴリーは、一本背負いを決めた後もレッドマンの左腕を掴んだまま離さない。ドラゴリーはレッドマンの左腕を掴んだまま、「立てよ!」とばかりに起き上がらせた後、その掴んだ左腕を執拗に殴り始める‼︎

 

レッドマンはドラゴリーの執拗な攻撃に苦しみながらも振り解こうともがくが、ドラゴリーの怪力でガッチリ掴まれている為なかなか離れず、左腕を殴られ続ける。

 

しばらく左腕を殴った後、ドラゴリーは屈んだレッドマンの背中を殴り転倒させる。そして今度はレッドマンの左腕を何度も踏みつけ始める!

 

体重をかけた踏みつけに流石に激痛を感じているのか、レッドマンはバタバタと苦しむ。暫くすると痛みだけではなく何かが折れるような感覚すら感じ始めていた。

 

レッドマンは、何とか踏みつけから脱し、力を振り絞って起き上がった後、跳躍して渾身の両足のドロップキックを胸部に決めて吹っ飛ばす。

 

だが折れているのか、それとも激痛の余り動かせないのか、執拗な攻撃を受けたレッドマンの左腕は垂れ下がっていた。

 

勝ち誇るように咆哮を上げるドラゴリー。レッドマンは危機的状況の中、左腕を押さえながら、何かを考えるように暫く俯き始める………。

 

 

 そして、遂に決意を固めたのか、レッドマンは顔を上げる!

 

次の瞬間、レッドマンはなんとドラゴリー目掛けて正面から突っ込み始める!左腕がほぼ使えない状態で正面から挑むという無謀な行動に移るのかと思われた。

 

だが、次の瞬間、

 

「レッドアロー‼︎」

 

レッドマンは駆けながら、右手で石突が十字架の形をしている槍『レッドアロー』を投げつける!

 

 ドラゴリーはレッドアローを右手で叩き落とす。だが次の瞬間、いつの間にか短剣のような、先端に向かって刃身の幅が広がる形状をしている大型のナイフ『レッドナイフ』を右手に持ったレッドマンが駆け寄る!先ほどのレッドアローは、隙を作るための誘導に過ぎなかったのだ。

 

 ドラゴリーの目前まで来たレッドマンは、勢いよくレッドナイフを振り下ろす!ナイフはドラゴリーの右腕に突き刺さった!

 

 切り落とされはしなかったが、右腕に深手を負ったドラゴリーは劣勢となる。今が逆転のチャンスだ!

 

 (BGM:レッドマン)

 

 レッドマンは最後の力を振り絞り、劣勢となったドラゴリーに猛攻を始める。

 

 レッドマンは、ドラゴリーに右ヘッドロックを決め、そのままジャンプした後に落下スピードを利用して地面に叩きつけた。

 

 そして仰向けに倒れているドラゴリーに馬乗りになり、パンチやチョップの雨あられを浴びせる。

 

 次にレッドマンはドラゴリーの左腕を掴んで起き上らせた後、腹部に二発左横蹴りを打ち込んだ後、跳躍しての右跳び蹴りを胸部に打ち込んで転倒させる。

 

 レッドマンはうつ伏せに横たわっているドラゴリーに馬乗りになる。そして頭を掴み、地面に顔面をぶつけ始める。

 

 二、三発とドラゴリーの顔面を叩きつけた後、そのまま頭を掴んだままドラゴリーの首を反対方向へ力一杯曲げ始める!

 

 すると、ドラゴリーの首は180度反対方向へ折れ曲がりる。そして、“ボキボキッ”と言う骨が折れるような生々しく痛々しい音が響いた。

 

 頸椎をへし折られた事によりドラゴリーは力尽き、目の光を失い、完全に動きを止めた。かつて怪獣を八つ裂きにして倒した超獣。今度は自身がズタズタに倒されると言う余りにも皮肉な最期を迎えてしまったのだ。

 

 レッドマンはドラゴリーの死体から一旦離れる。そして、先ほどドラゴリーに弾き落とされ地面に転がっていたレッドアローを右手で拾い上げ、再びドラゴリーの死体に歩み寄る。

 

 そして、レッドアローをドラゴリーの死体に勢いよく突き刺した!この行動は恐らく、相手が本当に死んだかを念入りに確認する『レッドチェック』とも言われている行動であろう。

 

 レッドマンは、ドラゴリーが完全に死んだのを確認し終えたのか、「よし、死んだな。」とばかりに頷いた後、レッドアローを死体に突き刺したまま、背を向けて歩き去ろうとした………。

 

 が、次の瞬間、レッドマンは思わず地に膝を付き、垂れ下がっている左腕を押さえ始める。

 

 相手が怪獣を超えた超獣が相手だったため、いつもより体力の消耗が激しかったのか、それとも、戦いでしばらく忘れていて、戦いが終わった事で再び激痛を感じ始めたのだろうか………?

 

 しばらくするとレッドマンは立ち上がり、右腕を上に揚げて空を飛び始める。そして、空の彼方へと飛んで行った………。

 

 超獣との激闘を制し、激しく傷ついた赤いアイツは何処へ行くのだろうか?

 

 また別の戦場へ行くのか、それとも自身の星『レッド星』に一旦戻り、傷を癒してくるのだろうか………?

 

 それは誰も知らない。

 

 

〈完〉




 今後も、ウルトラマンゼロ物語(ストーリー)を中心にこちらも連載していきたいと思いますのでよろしくお願いします。

 今回の相手:蛾超獣ドラゴリー(初登場作品:ウルトラマンA)

 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。

 また、レッドマンと戦わせてほしい怪獣等がいましたら気軽に言ってみてください。


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VSナックル星人

 大変長らくお待たせしました。

 今回の相手はリクエスト第1弾のナックル星人です。

 なお、リクエストには必ず応えるようにしていきたいと思います。


今、人知れぬ渓谷で睨み合う二つの人影がいた。

 

 一方は、岩石のような頭部、白い身体に赤い瘤の様な物が無数に付いた外見が特徴の『暗殺宇宙人ナックル星人』。

 

 奴はかつて地球侵略及びそれの邪魔となる『ウルトラマンジャック』の抹殺と『MATチーム』の壊滅を企てた事があり、その際にジャックに怪獣と戦わせることでジャックの能力を分析してそれを基に『用心棒怪獣ブラックキング』を鍛え、MATの兵器『サターンZ』を強奪。

 

 更にはジャックの変身者『郷秀樹』の恋人とその兄を殺す事でジャックの心を動揺させ、その隙にジャックをブラックキングと共に倒し仮死状態に追い込んだことがあるのだ。

 

 だが、倒したジャックを処刑の為に捕えた後も手を緩めず、妨害電波でMAT基地の機能を麻痺させ、更にはMAT隊員を洗脳して内部崩壊させようとしたなど、正に目的のために手段を選ばず徹底的に攻め込んだ宇宙人なのである。

 

 これまで比較的爪が甘い宇宙人が多かっただけに、ナックル星人及び彼の作戦は非常に残酷非道な事で悪名高いのである。

 

 そんな残酷非道な宇宙人と対峙するもう一つの影。

 

 それは、赤を基調としたボディに中国の辮髪帽をかぶっているような頭部が特徴の戦士『レッドマン』である。

 

 彼はレッド星雲のレッド星からやって来た平和を愛する戦士で、銀河連邦の一員でもあり、人知れず怪獣や宇宙人と戦っている………。

 

 ここまでだと普通の正義のヒーローだが、実は彼もナックル星人に負けない残酷さを持っている。

 

なんでも、レッドアローやレッドナイフによる刺殺や惨殺、首をへし折る、崖から投げ落とす等、怪獣への攻撃の仕方、倒し方があまりにも惨たらしいのである。

 

 更に彼は正義感が強いのか、それとも怪獣を全て敵とみなしているのか、戦意の無い怪獣や逃げる怪獣を執拗に追いかけて戦いを仕掛けるという行為も目立つところから、一部では彼は『赤い通り魔』とも言われている、ある意味悪名高いヒーローでもあるのだ。

 

 このように、二人は残酷物同士。これは正に血みどろの戦いが期待される。

 

 因みにレッドマンはこれまでブラックキングと二度戦って倒しているため、今回のナックル星人はそんなブラックキングを送り込んだ張本人であり敵を討ちに来たのか、それとも別の目的でレッドマンを倒しに来たのか、目的の詳細は不明である。

 

戦闘狂でもある両者は、まるでその本能を湧き上げるかのように睨み合う。そして、赤いアイツは戦闘開始の掛け声を上げる。

 

 「レッドファイト‼」

 

 レッドマンの掛け声と共に両者は互いに駆け寄り、同時に右拳によるパンチを繰り出す!

 

 拳と拳が激しくぶつかり、その衝撃で両者の周りの地面が爆発し石のつぶてや土煙が飛び上がる。

 

 その後レッドマンはナックル星人の右腕を叩き落とした後左脇腹目掛けて右横蹴りを繰り出すがナックル星人はそれを両手で弾いて防ぎ、右フックを繰り出すがレッドマンはその拳を左手で掴んで防ぎ、そのまま腹部目掛けて右拳を放つがナックル星人もそれを左手で掴んで防ぐ。

 

 そしてお互い手を離した後右前蹴りを繰り出す!

 

両者ほぼ同時に放った蹴りはお互い同時に腹部に命中し吹っ飛んだ。

 

レッドマンはすぐさま立ち上がり、ナックル星人に駆け寄りながら跳躍し右足蹴りを繰り出すが、ナックル星人はそれを両手で弾きながら受け流すようにかわし、その際にレッドマンが背を向けた隙に背後から右肩目掛けて右拳を振り下ろす!

 

だがレッドマンは、後ろも見ずに右手でナックル星人の腕を受け止める。ナックル星人が動揺している隙にレッドマンはそのまま右腕を両手で掴んで一本背負いで投げ飛ばす!

 

放り投げられたナックル星人は空中で回転して体制を立て直し着地し、再びレッドマンに殴りかかる。

 

そして両者は顔面などを殴る、殴り返すの繰り返しの形でパンチの応酬を始める。

 

まるで不良同士の喧嘩のように激しく殴りあう二人。やはりどちらも非道なファイターだけはある(笑)

 

だが、ナックル星人はレッドマンの右フックを顔面の左側面に受けて吹っ飛ばされた後、近くの小さめの岩(40メートル大の奴らにとっては小石同然)を投げつけ始める!

 

これぞ奴の得意とする卑怯な手口!かつて同胞がウルトラマンジャックやウルトラマンXと戦った際も、それぞれ砂かけ、投石で攻撃したことがあるため、ナックル星人得意の攻撃と言えよう。

 

 投石でレッドマンのペースが乱れた所にナックル星人は跳びかかる。

 

 両者は互いに肩を掴み合うが、ナックル星人は腕を振り払い顔面の左側面に右拳を決める。

 

 ナックル星人は再び掴みかかり、更に攻撃を加えようとするがレッドマンに横に投げられたため側転をして着地。

 

 その後レッドマンは駆け寄りながら右拳を繰り出すが、ナックル星人はその腕を左腕で弾き、返り討ちとばかりに腹部に左拳、顔面の左側面に右拳を打ち込み、更に一回転しながらの跳躍しての右足蹴りを胸部に叩き込んで吹っ飛ばす!

 

 戦闘のペースを乱されたレッドマンを圧倒するナックル星人。体術ではナックル星人の方が上なのだろうか?

 

 強烈な蹴りで吹っ飛ばされたレッドマンは背中から岩崖に激突する。身体は岩崖に食い込み、その部分の周囲には蜘蛛の巣のようなヒビが広がっている。

 

 ナックル星人はレッドマンが岩崖に食い込んで動けない隙に跳びかかり、顔面に左右交互にパンチ、腹部に右拳を二発、顔面の左側面に右拳を打ち込み、更に腹部に右横蹴りを叩き込む!

 

 攻撃の衝撃によるものか、岩崖に地響きが走り、石のつぶてが飛び散る。

 

 かつて同胞がブラックキングが押さえているウルトラマンにやったように、動けないレッドマンを容赦なくボコるナックル星人。

 

 その執拗な攻撃に流石の赤いアイツは岩崖に食い込んだまま動きを止める。

 

 頭は力尽きたように下を向き、両腕が垂れ下がっているレッドマン。ナックル星人は右拳を握って上に揚げながら止めを刺そうと歩み寄り、右拳をレッドマンの顔面目掛けて振り下ろす!

 

 赤い通り魔も遂に黒星か………⁉

 

 “ガチッ”

 

 だが、ナックル星人の拳がレッドマンの顔面を直撃しようと目前まで迫った時、なんとレッドマンの左手が拳を受け止めた!

 

 驚くナックル星人。するとレッドマンは顔を上げながら「結構やるじゃねーか」とばかりに右手で血を吹くように口元を擦る。

 

 どうやら奴は余裕みたいだ。あれほど打撃攻撃を受けたにもかかわらず、ダメージは多少受けたものの、それよりもガチでやり合える相手と久々に会えた事への嬉しさの方が強く感じる様子のレッドマン。

 

 ここまでくると本当に狂気じみており、恐怖すら感じる………。

 

 レッドマンはナックル星人の拳を掴んだまま、食い込んだ部分の周りを崩しながら岩崖から抜け出る。そして左拳を振り上げ、渾身のパンチを顔面に叩き込む!

 

 ナックル星人はたまらず吹っ飛び地面に落下した。

 

立ち上がるナックル星人を見つめながらレッドマンは右腕の肘から先を数回回す。恐らく反撃………いや、倍返しの合図であろう。

 

 正に不良の喧嘩のようなノリである。

 

(BGM:レッドマン)

 

 レッドマンはナックル星人目掛けて駆け寄り始める。

 

 ナックル星人は迎え撃とうと右横蹴りを放つが、レッドマンが即座にそれを両手で弾き、顔面に左右交互にパンチを連打し、アウトロー気味な右前蹴りを腹部に打ち込んで吹っ飛ばす。

 

 レッドマンは地面に転倒したナックル星人を掴んで起き上らせる。ナックル星人は即座に右拳をレッドマンの腹部、顔面に打ち込むが、レッドマンは怯んでるように見せかけ、逆に右拳を顔面に叩き込んで吹っ飛ばす。

 

 レッドマンはナックル星人を再び起き上がらせた後、腹部に右膝蹴りを二発打ち込み、ナックル星人が屈んだところで背部に大振りのチョップを二発打ち込み、力ずくで前方に押し出す様に放り投げる。

 

 ナックル星人を逆に圧倒するレッドマン。しかしお互い動きがふらついている。やはりレッドマンも、先ほどの攻撃によるダメージが影響しているのであろう。

 

 ナックル星人は最後の力を振り絞りレッドマンに駆け寄り右拳を放つが、レッドマンはそれをしゃがんでかわしてカウンターのように腹部にボディブローを決め、それによって奴が屈んだ隙に身体を掴んで逆さに持ち上げ、パイルドライバーで地面に叩き付ける。

 

 更にレッドマンはナックル星人の両足を掴み、ジャイアントスイングで何回も振り回し思い切り放り投げる!ナックル星人は遠方へ飛び地面に落下した。

 

 いつも怪獣や宇宙人と激しい格闘を展開するレッドマンだが、ここまで激しい戦いをしたのはいつぶりだろうか………?

 

 レッドマンはグロッキーとなったナックル星人に最後の力を振り絞って接近し掴みかかる。

 

 そして、首に右ヘッドロックをかけ、左手で左腕を掴んだまま引きずるように崖淵まで走った後にナックル星人を頭上に担ぎ上げる。

 

 「レッドフォール‼」

 

 レッドマンは担ぎ上げたナックル星人を投げ技『レッドフォール』で谷底へ投げ落とす。ナックル星人は谷底に頭から落下し倒れた。

 

 レッドマンは『レッドチェック』を始める。するとナックル星人は遂に力尽きたのか、横たわったまま身体を発光させ消滅した。

 

 武闘派宇宙人との激しい激闘を制し崖淵に立つレッドマン。

 

 いつもなら戦いに勝利した後、ナチス式敬礼のように上を向いて右手を揚げるのだが、今回は相手が相手なためか、決勝を制したボクサーの様に上を向き拳を揚げる。

 

 そして崖淵に背を向け何処へ歩き去って行った………。

 

 変わらず人知れず孤独に戦い続けるレッドマン。そんな赤いアイツの戦いも今後このように激しさを増していくのであろうか………?

 

 

 〈完〉




 読んでいただきありがとうございます。

 今回は似た者同士の対決なためか、割と楽しく執筆できました(笑)

今回の相手:暗殺宇宙人ナックル星人(初登場作品:帰ってきたウルトラマン)

 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。

 なお、リクエストは活動報告内で取っていますので、何かリクエストがあれば感想欄ではなくそこに気軽に記入してみてください。

 期限は1月24日(日)までです。


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VSレッドマン⁉︎

お待たせしました。

今回はちょっと変わったバトルです。

今回で初めて5000字を超えました(笑)


 崖がそびえ立ち、風が吹き抜けるとある荒野。そこを独りとぼとぼと歩く者がいた。

 

 赤を基調としたボディに中国の弁髪帽子をかぶったような外見が特徴の赤いアイツ。

 

 彼は銀河連邦の一員で、レッド星雲のレッド星出身の戦士『レッドマン』である。

 

 彼は平和を愛する戦士であり、いつも街中ではなくこのように山の中か荒野、渓谷等で人知れず怪獣や宇宙人と戦っている。

 

 だが、彼はすべての怪獣を憎み敵と見なしているのか、怪獣の倒し方は極めて残酷であり、レッドアローでの串刺し、レッドナイフでの惨殺や首チョンパ、虫の息となった怪獣を崖から投げ落とすなどその殺り方は様々である。

 

 それに加え、現れはしたものの対して何もしていない怪獣にも猛然と襲い掛かり、逃げる場合は執拗に追いかけて捕まえ無理やり戦いに持ち込むなどの行為も多い事から、一部では『赤い通り魔』と言う異名も持っている。

 

 そんなレッドマン。今日も殺風景な荒野を一人歩いている。どこかに怪獣はいないかと探しているのであろうか?

 

 そして仮にいたとすれば、彼は間違いなく戦いを挑み殺すであろう………。そう考えなが歩いている姿を見ているだけでも恐ろしい物である。

 

 しばらくとぼとぼと歩いた後、レッドマンはとある自身より高い木の前で立ち止まる。

 

 因みにレッドマンの身長は42mなのだが、彼の前の木はレッドマンよりも遥かに高いのである。

 

 だからと言ってこの木がレッドマンの42mより高いと突っ込んではいけない(笑)

 

 レッドマンは数歩木から離れた後、何処からか先端に向かって刀身の幅が広がる独特の形をしている短剣のような大型のナイフ『レッドナイフ』を取り出す。

 

 レッドマンは木を見つめながら刃先を左手で撫でた後、右手の逆手持ちでナイフを持ち駆け始める。

 

 そしてすれ違い様にナイフで木を斬りつける!木は折れはしなかったものの、斬られた部位は小さな爆発を起こし煙が上がっている。

 

 それを見たレッドマンは自信が付いたのか、ナイフをしまい、何やら自慢げに両腕を斜め上に揚げて笑うような素振りを見せる。

 

 その様子はまるで「私を称えろ!」と言っている様である。

 

 ………しかし、このような仕草は、レッドマンは以外にもこれまで見せたことが無いのである。一体今回の彼はどうしたのであろうか?

 

 それによく見てみると、気の所為であろうか今回のレッドマンは隈が付いたような目つきをしている。

 

 昨夜、怪獣退治の修行もしくは怪獣探索で忙しくしていて寝不足だったのか?………いや、流石にそれは無いであろう(笑)

 

 だが、そうしてる間にも鼻を高くしているレッドマンの目の前に一匹の怪獣が現れる。

 

 その怪獣は、直立した干からびた象のような外見が特徴の怪獣『忍者怪獣サータン』である!

 

 奴は、中性子で出来た身体を利用した透明化、壁抜け、瞬間移動を得意としているが、本来中性子で物質を構成するのは不可能なため異次元の存在ではないかとも言われているのだ。

 

 また、象のような長い鼻も、相手を締め付ける強力な武器である。

 

 サータンはレッドマンともこれまで8回とかなりの回数戦っており、ある意味レッドマンにはお馴染みの相手となっている。

 

 今回も別個体がリベンジ戦を挑んで来たのであろうか?

 

 さて、『サータン』対『何かおかしいレッドマン』の戦いが始まろうとしている。

 

 サータンは猛然とレッドマンに襲い掛かる。

 

 そして接近した後両腕を振るってレッドマンに殴りかかるが、なんとレッドマンは無駄の無い余裕な動きでそれをかわしていく。

 

 サータンと何度も戦ってきたためにもう既に完璧にサータンの攻撃方が読めているのであろうか?

 

 そしてレッドマンはサータンの振り下ろして来た右腕を左腕で受け止め、そのまま右脇腹に左横蹴りを二発打ち込み、更に後ろに回り込みながらの右回し蹴りを背中に叩き込み吹っ飛ばす。

 

 まるで流れるような無駄の無い余裕な動きでサータンを圧倒するレッドマン、だが、本来彼はもっと荒々しいラフな戦い方をする。

 

 やはり目に隈があるのは昨夜寝ずに余裕のない戦い方を身に付ける努力をしていたためであろうか?

 

 一方でサータンは透明化能力を一向に使う様子は無く、終始ただ殴りかかるのみである。

 

 うむ、今回の個体は脳筋であり、サータンも個体によって戦い方が異なるのであろうか?

 

 サータンはなおも腕を振るって殴りかかるが、レッドマンはそれを難なくキックで弾き、そしてサータンに連続で蹴りを浴びせ始める。

 

 目にも止まらぬ速さでストレート、前蹴り、横蹴り等様々な蹴りを頭部、胸部、腹部などに次々と浴びせ、徐々に体力を奪っていく。

 

 ………ん?よく見てみたらレッドマンの足に違和感を感じる。

 

 なんでも、つま先がやけに尖ってるように見えるのだ。いや、現在のレッドマンはサータンに蹴りを連発しているため、それによる目の錯覚なのだろうか………?

 

 ますますこのレッドマンへの疑惑は深まる一方である。

 

 レッドマンから蹴りを連続で浴びたサータンはもう既にだいぶ弱っていた。

 

 サータンは最後の力を振り絞って長い鼻をレッドマン向けて伸ばすが、レッドマンは横にわずかにそれるだけでそれをかわし、逆に鼻を左手で掴んで引っ張る事でサータンを自身の方へ引き寄せ、頭部に強烈な右エルボーを決める。

 

 サータンはもはや完全にグロッキーとなっている。

 

 その後レッドマンは両手で挟むようにサータンの首を力一杯締め上げる。

 

 “ボギリッ”

 

 骨が折れるような鈍い音が響く。するとサータンは首の骨が折れた事で息絶えたのか、腕をわなわなと振るわせた後、完全に動きを止め、レッドマンが手を放すと地面に崩れる様に倒れた。

 

 サータンを倒したレッドマンは勝利の印として右拳を上に揚げる。その姿はまるで「私の力を見たか!」と自慢してるようである。

 

 う~ん………サータンを首折で倒した………。惨たらしい倒し方こそいつもとほぼ変わらない。

 

 だが、このレッドマンは全体を通していつもとまるで違う。

 

………何はともあれ、いつものレッドマンなら敵に勝利した後、何処かへと徒歩で去って行くはず。

 

 サータンを倒したレッドマンも、今にも歩いてその場を去ろうとしていた………。

 

 と、その時。

 

 “ビューン”

 

 “ズサッ”

 

 突如、何処からか槍が飛んで来る!レッドマンは既に殺気を感じていたのか、それを頭を少し動かすだけでかわし、槍は岩肌に勢いよく突き刺さる。

 

 その槍をよく見てみると、石突が十字の形をしている………そう、飛んで来た槍はレッドマンの武器『レッドアロー』なのだ⁉

 

 レッドマンは驚きながらも後ろを振り向く。

 

 そこに立っていたのは赤いボディに辮髪帽をかぶったような頭部………そう、なんとレッドマンなのである!

 

 レッドマンは二人いた⁉

 

 しかし、サータンを倒したばかりのレッドマンは驚くどころか「待ってましたよ。」とばかりに顔をフッと上に動かしている。

 

 一方の新たに現れたレッドマンは、何やら荒い呼吸をしているかのように肩を上下に動かし、拳を強く握っている…。恐らく怒っているのだと思われる。

 

すると、新たに現れたレッドマンはレッドナイフをゆっくりと取り出し、刃先を左手で撫でた後、右手で逆手持ちに構える。

 

 この一連の行動は、先ほどサータンを倒したレッドマンと同じなのだが、此方は刃先の撫でるゆっくりスピード、きびきびとした動きからの構え、更にどこか凛とした面構えなど、正に“殺意”や“激しい闘志”らしきものを感じる。

 

 すると、レッドマンは前にある木に勢いよく駆け寄り、木をナイフで斬りつける!

 

 斬りつけられた部位は爆発を起こし、木はその部位から切れて倒れてしまった。

 

 サータンを倒したレッドマンも先ほど木を斬っているが、その時は斬られた部位が爆発しただけで留まったが、新たに現れたレッドマンの場合は一撃で切り倒してしまっている………。

 

 疑惑がさらに深まっていく中、次にレッドマンは遠くに向けてレッドナイフを投げつける!

 

 投げられ遠くに飛んだレッドナイフは地面に突き刺さり、そこが爆発して燃え始めた。

 

 まるで自身の力を見せつけるかのような行動を見せた後、新たなレッドマンはサータンを倒したレッドマンの方を向き、構えを取る。

 

 もしかしてだが新たなレッドマン(以降:新レッドマン)は偽物であり、隈があるレッドマンは本物で、昨夜偽物に対抗するために寝ずに特訓したため目に隈が出来ており、サータンを倒したのも自分の力を確かめるためだったのかも………?

 

 混乱が続く中、二人のレッドマンは睨み合いながら構えを取る。

 

 すると、新たに現れたレッドマンが掛け声を上げた。

 

 「レッドファイト‼」

 

 これはレッドマンが怪獣と戦う際に発する掛け声である。

 

 この掛け声を叫んだと言う事は、やはり新に現れた方が本物なのであろうか………?

 

 掛け声を上げたレッドマンは猛然と駆け寄るが、隈があるレッドマン(以降:隈レッドマン)は余裕そうに歩きながら接近する。

 

 新レッドマンは駆け寄りながら右横蹴りを放つが、隈レッドマンはそれを余裕で右腕で叩き落とし、返り討ちとばかりに新レッドマンの右脇腹目掛けて左横蹴りを繰り出す!

 

 “ドゴッ”

 

 蹴りはクリティカルヒットした………と思われたが、なんと新レッドマンはそれを両手で掴んで受け止めていた!

 

 隈レッドマンが動揺している隙に、新レッドマンは脚を掴んだまま回転して倒れ込んで相手を地面に叩きつける『ドラゴンスクリュー』を決める!

 

 新レッドマンは横たわっている隈レッドマンの右横腹を蹴り転がす。

 

 そして隈レッドマンを掴んで起き上らせた後、右腕を掴んだまま腹部に連続で右拳を叩き込み、その後跳躍して背中に左チョップを浴びせて膝まづかせた後右膝で踏みつける様に背中を蹴ってうつ伏せに転倒させる。

 

 さっきは余裕を持って戦っていた隈レッドマン。だがしかし、新レッドマンの予想できないラフな戦い方は対処できず、追い詰められていく。

 

 うむ、ますます新の方が本物に見えてきたぞ………?

 

 新レッドマンは隈レッドマンを起き上らせると、隈が打ってきた左拳を素早く右手で弾き、顔面の右側面に左拳、腹部に左右パンチを打った後、跳躍して胸部に右足蹴りを打ち込んで吹っ飛ばす。

 

 「レッドキック‼」

 

 “バゴンッ”

 

 新レッドマンは数回バク転をして距離を取った後隈レッドマン目掛けて駆け寄り、跳躍しての右足蹴り『レッドキック』を顔面に叩き込む!

 

 蹴りを顔面の左側面に喰らった隈レッドマンはたまらず吹っ飛び地面に落下する。

 

 新レッドマンは立ち止まり隈レッドマンを見つめる。

 

 隈レッドマンは、蹴りが相当効いていたのか、顔を押さえながら立ち上がる………と思ったら、なんと押さえている部分から何やら砕けたカケラの様な物が零れ落ちてるのだ。

 

 やがて隈レッドマンが顔を押さえていた手を放した時、なんとレッドマンの顔が完全に砕け、中から別の顔が現れる!

 

それは、ヘラクレス座M−16惑星から来た、宇宙一の格闘家を目指す宇宙人『宇宙格闘士グレゴール人』の顔だった!

 

即ち、新レッドマンは本物で、隈レッドマンはグレゴール人が変身した偽物だったのだ。

 

かつて別人だと思われるグレゴール人が『ウルトラマンダイナ』に挑戦するために地球を訪れたことがある。

 

今回も恐らく赤い通り魔と悪名高いレッドマンに挑戦するためにやって来たのであろう。所謂彼には侵略意思がないのである。

 

更に彼は自身の強さに相当な自身を持っているのか、戦い方も終始余裕を持ったものであり、その様子は正に強さを自慢しているようにも見える。

 

かつてニセウルトラマンダイナに変身したグレゴール人も、そのような戦い方でダイナや『破壊獣モンスアーガーⅡ』を圧倒した事がある。

 

今回レッドマンに変身したグレゴール人も、余裕でサータンを倒してしまった。また、レッドマンに化けたのは本物をおびき寄せるためだったとも思われる。正に余裕綽々の体勢でレッドマンに挑んだのだ。

 

しかし、彼はレッドマンを見くびり過ぎていた。

 

まず、レッドマンに化けた事がまずかったと言える。

 

レッドマンは平和を愛し誇りを持って戦っている。そのため、自身に化けて勝手な事をする者が許されないのは当然である。

 

それに、本物はどうやら先ほど偽物が倒したサータンを倒すつもりだったみたいであり、本物は獲物を横取りされた怒りにも燃えていた。

 

以上の事から、グレゴール人は完全にレッドマンの逆鱗に触れてしまったのである。

 

それに、レッドマンはこれまで数多くの怪獣と戦い、それらを血祭りにあげてきている。そのため、本来の強さも侮れないものなのだ。

 

また、本物レッドマンの戦い方とは、赤い通り魔と言われるだけあり予測不能なほど粗いのである。そのため、どんなに余裕を持って戦っても、予想外の攻撃を食らってしまってはそれも崩れてしまうであろう。

 

グレゴール人は格闘術に優れた宇宙人なのだが、怒りに燃えたレッドマンはそれよりも上であった。

 

グレゴール人は負けた事や、それによる自身の無力さを痛感し始めたのか、膝をつき、拳を強く握る。

 

レッドマンはそんなグレゴール人に御構い無しと襲い掛かろうとするが、グレゴール人は即座に両手の手のひらをレッドマンに向け、レッドマンはふと立ち止まる。

 

グレゴール人は警戒するようにそのままゆっくりと立ち上がる。彼は負けを認め降参してるのであろうか?レッドマンは警戒の構えを崩さない。

 

するとグレゴール人は、レッドマンに右人差し指を指した後、空の彼方へと飛び去って行った………。

 

恐らくグレゴール人の飛び去る直前の仕草は、「次こそは倒す!」という事なのであろう。

 

レッドマンは飛び去るグレゴール人を見上げた後、岩肌の方へ歩み寄り、突き刺さっていたレッドアローを引き抜く。

 

そして、先ほど偽物が倒したサータンの死体の方へゆっくりと歩み寄り、横たわるサータンの死体に上からレッドアローを突き刺す!

 

レッドマンはこのように、例え怪獣が死んでも、それを念入りに確認する『レッドチェック』は怠らないのだ。

 

レッドマンはサータンの死を確認したのか、「よし、死んだな。」とばかりに頷いた後背を向け、レッドアローをサータンの死体に突き刺して放置したまま、何処かへと歩き去って行った………。

 

新たなライバル(グレゴール人)も出来た赤いアイツの戦いはこれからも続く!!

 

 

〈完〉




読んでいただきありがとうございます!いかがでしたか?

今回は本物(笑)は誰も殺せませんでしたが、新たなライバルができ、さらにこの戦いが今後のバトルに影響するのです。

今回の相手:宇宙格闘士グレゴール人(初登場作品:ウルトラマンダイナ)

忍者怪獣サータン(初登場作品:帰ってきたウルトラマン)

また、たくさんのリクエストありがとうございます!

リクエストには必ず答えるようにしたいと思いますので期待は程々に(笑)楽しみにしていてください!

リクエスト募集は一旦締め切りましたが、リクエストは今後も活動報告内で定期的に取っていきたいと思います。

注:感想欄にリクエストを記入しないように。ご理解・ご協力をお願いします。

感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。


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VSバルダック星人&スノーゴン

 お待たせしました。

 今回の相手は“雪男女コンビ”です。

 注:一部過激な描写があります。


 とある緑の無い岩だけの渓谷。そこは珍しく雪が降り積もっていた。

 

 粉のように降る雪は段々と積もっていき、さっきまでほとんど黒や茶色だけだった渓谷を銀世界に変えていく。

 

 そんな銀の地に、二体の影が現れる。

 

 一体は、嘴が付いており、奇妙な形状をした白く大きい頭が特徴の星人『雪男星人バルダック星人』、もう一体は、恐竜のような頭部に、ホッキョクグマのような純白の毛皮が付いている体が特徴の怪獣『雪女怪獣スノーゴン』である。

 

 バルダック星人はかつて、別個体が240年に一度彼らの母星・バルダック星が地球に接近するのを機に、母星から大円盤群を呼び寄せて地球を侵略しようとした事があるが、当時地球で活躍していた『ウルトラマンジャック』によって阻止され、母星すら破壊されてしまっている。

 

 今回現れたバルダック星人は、その生き残りなのであろう。

 

 スノーゴンはかつて、若い男女をさらって母星であるブラック星の奴隷にしようと企んだ『冷凍怪人ブラック星人』の用心棒の怪獣であり、雪女の如く純白な肌の美少女に変身もできる。

 

 また、奴は可愛らしい外見とは裏腹に、かつてウルトラマンジャックを氷漬けにし、怪力でバラバラにしてしまった事があると言う恐ろしい戦歴も持っている。

 

 今回の個体はバルダック星人と共に現れている。バルダック星人が連れて来たのであろうか………?

 

 この様に、二体とも冷気を操る宇宙人と怪獣であり、それぞれ“雪男”と“雪女”の怪物でもある。

 

 恐らく渓谷一帯に雪が降り積もったのは奴らの仕業であり、いずれ地球全体を冷凍世界にしてしまおうとしているのであろうか………?

 

 二体は崖の上から遠くにある街を見下ろす。そして、次なる標的をその町に決めたのか、そこに向かおうとする………!

 

 と、その時!

 

 二体はふと後ろを振り向く。

 

 その先には、真っ白な雪が降りしきる中歩いてくる一つの影がいた。そして、近づいて来る内に、雪でほぼはっきり見えなかったそのシルエットは段々とはっきりしていく。

 

 その影の正体は、辮髪帽子をかぶったような頭部、そして今にも周りの雪が溶けそうなほど真っ赤なボディが特徴の赤いアイツ。

 

 そう、レッド星出身の銀河連邦の一員『レッドマン』の登場だ!

 

 銀河連邦の一員である彼はいつも人知れず怪獣と戦っている。

 

 例えどんな場所でも、今回のように荒れた天候でも、彼はいつでも怪獣の元へ現れるのだ。

 

 だが、彼は正義感が強すぎる故か、もしくは銀河連邦の一員になった以上、「全ての怪獣を倒さなければならない」という使命感が強い故か、逃げる怪獣を捕まえるまで執拗に追いかけ回したり、弱り切っている怪獣を徹底的に刃物で刺したり崖から投げ落としたりなど、とても正義の味方とは言い難い過剰な行動が目立っている。

 

 これらの行動から、彼は『赤い通り魔」とも言われている。

 

 だが、今ではそんな汚名をも誇りを持って名乗っているようにも思える。

 

 今日もその赤い通り魔は、降り積もる雪により足場が悪くなりつつあるなどという悪天候の中、二体を倒さんと現れたのだ。

 

 辺り一面銀世界であるが故に、正に場違いとも言える真っ赤なボディの戦士。これだけでも何処か熱い闘志を感じるものだ。

 

 「レッドファイト‼︎」

 

 レッドマンは構えを取り、おなじみの戦闘開始の掛け声を上げる。

 

 バルダック星人とスノーゴンも身構えた後レッドマンに向かう。

 

 バルダック星人は先陣を切って突進するが、レッドマンはそれを右にそれるだけでかわし、それと同時にすれ違い様に左後ろ蹴りを背中に打ち込んで転倒させる。

 

 続けて接近してきたスノーゴンと、互いに手を掴んで組み合う。

 

 しばらく力比べをした後レッドマンは左腕に右膝蹴りを打ち込み、それによりスノーゴンが左手を放した隙に続けて腹部に右横蹴りを打ち込み、更に顔面の左側面に右拳を叩き込む。

 

 その後レッドマンは後ろ向きにスノーゴンの角を左手で、右腕を右手で掴み一本背負いで叩きつける。

 

 因みにスノーゴン、一見醜い風貌をしているが、肩書は『雪女怪獣』であり、かつて美しい雪女に化けたことがある。所謂れっきとした“雌(女)怪獣”なのである。

 

 そんなスノーゴンにもいつもの様にラフなファイトを見せるレッドマン。奴は相手が怪獣ならば男とか女とか関係ないのであろうか?

 

 スノーゴンのピンチにバルダック星人は腕を振るってレッドマンに殴りかかるが、レッドマンはそれらを動きが読めてるかのように腕で防いでいく。

 

 「レッドチョップ!」

 

 “バゴッ”

 

 レッドマンは隙をついてバルダック星人の頭頂部の割れ目に強烈な右手刀『レッドチョップ』を叩き込み、それによりバルダック星人が痛がっている隙に左脇腹に右横蹴りを打ち込み、その後アウトローに左前蹴りを腹部に叩き込んで転倒させる。

 

 バルダック星人が仰向けに倒れた所にレッドマンは踏みつける様に右膝を胸部に打ち込んで追い打ちをかける。更にそのまま馬乗りになってタコ殴りを始める。

 

 突如戦いを仕掛けてきた得体の知れない“赤男”に圧倒される“雪男と雪女”。だが、彼らも負けてばかりではない。

 

 スノーゴンはバルダック星人に馬乗りになっているレッドマン目掛けて口と合わせた両手からガス状の冷凍光線を噴射する。

 

 バルダック星人も自身に馬乗りになっているレッドマンに至近距離から冷凍ガスを吹き付ける。

 

 二つの冷凍ガスを浴びたレッドマンはたまらず吹っ飛び地面を転がる。

 

 レッドマンはすぐさま立ち上がり、即座に二体の間に立つ。

 

 二体はレッドマンが自分らの間に立った事で、挟み撃ちできる絶好のチャンスと見たのか、同時に冷凍ガスを噴射する!

 

 「レッドジャンプ!」

 

 だが、レッドマンは計らって両者の間に立っていたのだ。

 

 レッドマンは二体が冷凍ガス噴射を始めるや「計画通り!」とばかりに『レッドジャンプ』で跳躍してその場から脱する。

 

 よって、バルダック星人はスノーゴンの、スノーゴンはバルダック星人の冷凍ガスをそれぞれ浴びてしまった。

 

(BGM:レッドマン)

 

 両者が怯んだところでレッドマンはバルダック星人に跳びかかる。

 

 そして、落下スピードを利用しての両足のドロップキックを顔面に叩き込んで吹っ飛ばした。

 

 その後レッドマンはスノーゴンと組み合う。

 

 その隙にバルダック星人は立ち上がり、怒りを込めた冷凍ガス噴射を始める。

 

 だがレッドマンは、それに気づくやなんと咄嗟にスノーゴンを掴んで前に突き出し盾にしてそれを防ぎ始める!

 

 バルダック星人は逆上しているのかそれに気づかず、冷凍ガスを噴射し続ける。

 

 やがて盾にされて冷凍ガスを浴び続けたスノーゴンは身動きが取れない程全身が完全に凍り付いてしまった。

 

 「レッドアロー!」

 

 レッドマンは凍り付いたスノーゴンの死体を横に投げ捨てると同時に、バルダック星人目掛けて石突が十字の形をしている手槍『レッドアロー』を投げつける!

 

 これはレッドマンの主要武器の一つであり、これまで様々な怪獣や宇宙人などのトドメに使われている。

 

 “ザシュッ”

 

 レッドアローは風を劈き一直線に飛ぶ。そしてバルダック星人の胴体を貫いた!

 

 バルダック星人は槍が刺さった腹部を押さえて数秒もがき苦しんだ後、その場に崩れ落ちる様に倒れて力尽きた。

 

 レッドマンはバルダック星人の死体に歩み寄り、刺さっていたレッドアローを引き抜く。

 

 すると、なんと再びバルダック星人の死体に両手持ちで上からレッドアローを突き刺す!

 

 これぞ、怪獣が息絶えたかどうかを念入りに確認する行動『レッドチェック』である。

 

 レッドマンは「よし、死んだな。」とばかりに頷いた後、レッドアローをバルダック星人の死体に刺したまま今度は横たわるスノーゴンの凍り付いた死体に視線を向ける。

 

 そして、勢いよくスノーゴンの死体に跳びかかり、馬乗りになって数発パンチを浴びせる。

 

 「レッドナイフ!」

 

 スノーゴンの死体に馬乗りになっているレッドマンは、数発パンチを打ち込んだ後、先端に向かって刀身の幅が広がる独特の形状をしている短剣にも見える大型ナイフ『レッドナイフ』を取り出す。

 

 レッドマンはどこか殺意に満ちた視線でレッドナイフをゆっくり振り上げた後、なんとスノーゴンの死体にメッタ刺しを始める!

 

 そして、両腕、両足、頭部を切り落としバラバラにしてしまった!

 

スノーゴンはかつて、ウルトラマンジャックを冷凍ガスで氷漬けにし、怪力で四肢、頭部をもぎ取ってバラバラにした事がある。

 

女怪獣でありながら、何とも恐ろしく侮り難い怪力の持ち主であるスノーゴン。

 

だが今回は、自身が氷漬けにされバラバラにされるという皮肉な最期を迎えてしまったのだ。

 

 レッドマンは立ち上がり、切り落とした四肢と頭部を滅茶苦茶に蹴り飛ばす。その様子はもはや殺人鬼にしか見えないなんとも恐ろしい光景である。

 

 ここまで過激なレッドチェックは初めてなものである。どこまで念入りな奴なのであろうか?

 

 そして、バルダック星人とスノーゴンの死体を数秒見つめた後、レッドマンはどこか満足そうに胸を張って上を向き、ナチス式敬礼にも似た右腕を上げるポーズを取る。

 

 彼が完全に怪獣討伐を完了した証である。

 

 バルダック星人とスノーゴンの死と共に、さっきまで吹雪のように降りしきっていた雪が止み、雨雲も晴れて日が差し始める。

 

 そして、周囲に積もっていた雪が次第に溶けていく。

 

 レッドマンは歩き去ろうとした時、ふと何かに気付いて下を向く。

 

 視線の先には何やら等身大の宇宙人が悔しそうな素振りを見せている。

 

 その宇宙人は、黒い体と白い顔が特徴の宇宙人『冷凍怪人ブラック星人』である。

 

 彼はブラック星出身であり、土星に自分たちの基地を造り上げ、太陽系侵略計画を実行しようとするが、その基地での人手が足りなくなったため、地球人の若い男女1000組を誘拐して奴隷にしようと企んだ事がある。

 

 その際に彼は、手下としてスノーゴンを連れて来ていた。

 

 今回のブラック星人は恐らく地球侵略が目的であり、手下としてスノーゴンを連れて来て、バルダック星人とは何やら協力関係にあったものだと考えられる。

 

 しかし今では、自身の協力者も用心棒も失ってしまい、打つ手が無く悔しがりに明け暮れている。

 

 レッドマンはそんなブラック星人を見つけるや、彼の頭上に大きく足を振り上げる。

 

 ブラック星人は、振り上げたレッドマンの足による影に囲まれた事に気づくや、頭上を向いた後慌ててその場から逃げようとする。

 

 だが時はすでに遅し、レッドマンは慌てるブラック星人目掛けて足を振り下ろす!

 

 “グシャリッ”

 

 等身大ブラック星人は無情にも巨大なレッドマンの足で踏み潰されてしまった。

 

 更にレッドマンはブラック星人を完全に潰すために、踏んだ足をグリグリ動かす。

 

 レッドマンは踏んだ足をゆっくりと離し、無惨なブラック星人の死骸を見下ろす。

 

 そしてレッドマンは再び満足げに胸を張って上方を見上げた後、その場から何処へ歩き去って行った………。

 

 例え悪天候で環境が変わっても、己の執念等のためなのか、怪獣達の討伐完了したレッドマン。

 

 空は完全に晴れ渡って日が照り、降り積もっていた雪もほとんど溶けていく。

 

 それは単に雪男と雪女が敗れた影響のみならず、赤男の完全勝利を現している様にも見える。

 

 レッドマンは去り、その場は奴が倒した怪獣達の死骸が放置される………。

 

 赤いアイツの戦いは今後もこのように激しさを増していくであろう。

 

 負けるな!レッドマン。

 

 そして、ある意味がんばれ!怪獣達(笑)

 

 

 〈完〉




 読んでいただきありがとうございます。

 思えばレッドマンの相手怪獣は帰ってきたウルトラマンからが多いですね(笑)

 今回は最近帰ってきたウルトラマンを見返していた時、「そういえば雪男と雪女の話が立て続けにあったなあ…」って思ったのがきっかけで思い付いた一戦です。

 今後も様々な敵と戦いますので楽しみにしていてください。

 今回の相手:雪男星人バルダック星人(初登場作品:帰ってきたウルトラマン)

       雪女怪獣スノーゴン(初登場作品:帰ってきたウルトラマン)

       冷凍怪人ブラック星人(初登場作品:帰ってきたウルトラマン)

 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。


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VSアリブンタ

 どうも、こんばんわ。


 今回は、最近ウルトラシリーズにまさかの復活を果たしたあの大蟻超獣との戦いです。


 今回はレッドマンシリーズには珍しく人がちょっとだけ出てきます。


 また、レッドマンがさりげなく良い事もしてしまうのでそこにも注目を(笑)


 とある緑豊かな山中。

 

 緑溢れ、流れる水の音が聞こえ、鳥の声をも響くほどのどかで平和な山地である。

 

 

 そんな中をただ一人歩いている巨人の姿があった。

 

 

 真っ赤なボディに清朝の暖帽をかぶったウルトラマンのような頭部、銀の手袋やベルト、ブーツを身に付けている。

 

 

 彼こそ、知る人ぞ知る“赤いアイツ”こと『レッドマン』である!

 

 

 彼はレッド星雲のレッド星出身の平和を愛する戦士であり、銀河連邦に所属している。

 

 

 恐らく地球を襲う怪獣や宇宙人を倒す任務を課せられている彼は、日々常に人知れず怪獣たちと激戦いを繰り広げているのだ。

 

 

 今回は恐らく怪獣が出ないか地球の中をパトロールをしているのであろう。

 

 

 そんなレッドマン。パトロールの最中にある者に目が留まる。

 

 

 その目線の先には、山登りを楽しんでいる数人の若者の姿があった。

 

 そんな若者たちを見つめたレッドマンは、今日はもしかしたら平和に終わるのかもしれない………そう思い始めていた。

 

 

 と、思った瞬間!

 

 

 突如、山登りをしている若者のメンバーの一人である若い女性の足元から、なんと勢いよく砂が吹き出始める!

 

 するとその女性の周りに蟻地獄のような穴が広がる。

 

 突然の出来事に女性は悲鳴を上げ、仲間に助けを求めつつ必死に這い上がろうとするが、蟻地獄同然のその穴では、もがけばもがくほど下へと引きずり込まれていく………!

 

 そしてその穴の下では、何やら昆虫の牙の様な物が突き出ており、落ちて来る獲物を待ち構えている様であった。

 

 

 もうここまでなのか!?

 

 

 (レッドマン登場BGM)

 

 

 すると、それを見ていたレッドマンの表情が突然変わった。

 

 そしてなんと、石突が十字架の形をした手槍・レッドアローを手に跳びかかり始める!

 

 

 「イヤッ!」

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 レッドマンは蟻地獄が発生している周辺の地面に思い切りレッドアローを突き刺した!

 

 

 すると、どうしたことか女性を捕えていた蟻地獄のような穴は突然消滅し、助かった女性は仲間たちと共に足早に逃げていく。

 

 

 若者たちが逃げていくのを確認するレッドマン。

 

 すると彼の目前の地面が思い切り土砂や土煙を巻き上げたかと思うと、その中から一匹の巨大生物が姿を現す。

 

 

 蟻にも似る昆虫のような頭部に鋭い鋏を備えた両腕をしているその巨大生物は、肉食のアリと宇宙怪獣の合成生物・『大蟻超獣アリブンタ』である!

 

 奴はかつてヤプールの配下である『地底エージェントギロン人』に操られ、東京で猛威を振るった事がある超獣である。

 

 因みに奴はO型の女性の血液が好物であり、異次元蟻地獄を発生させてはその中にO型の女性を引きずり込んでは捕食してしまうのである。

 

 つまり、先ほど女性を引きずり込んでいた穴は、奴が発生させた異次元蟻地獄であり、先ほどの女性は血液型がO型である事が分かる。

 

 

 だが、そうした事で運悪くもレッドマンに存在を気付かれてしまい、このように食事を邪魔されたと同時に地底から叩き出されてしまったのである。

 

 

 レッドマンにより命拾いをした女性は、仲間と共にレッドマンに手を振ってお礼を言う。

 

 ………だが、レッドマンは恐らく女性を助けるつもりでやったわけではない。

 

 

 そう、獲物を見つけた歓喜からレッドアローをぶっ刺したのである!

 

 

 実はレッドマンは、暴れる様子がなく、ただ野原を徘徊しているだけの怪獣までにも問答無用に襲い掛かり戦いを仕掛けるほどの戦闘狂な一面があるのである。

 

 その様子は正に、平和とか関係なく戦い自体を楽しんでいる様で不気味である。

 

 そして怪獣へのトドメも、楽しむように馬乗りになりナイフや槍で滅多刺しにするなど、非常に惨たらしいものばかりなのである!

 

 このような行為をもする事から、彼は一部では『赤い通り魔』と言われ恐れられているのである。

 

 今回もその赤い通り魔は、まだ地上にすら出てない獲物の存在に気付くや、その瞬間本能が刺激されたがためか襲い掛かっただけなのである。

 

 

 だが、そうした事により結果的に一人の人間を助けて感謝される赤い通り魔。恐らく少なくとも彼女からは『英雄』だと思われているであろう。

 

 

 だが、レッドマンにとってはそんなのはハッキリ言って、“どうでもいい”のである!笑

 

 

 ただレッドマンは、獲物を見つけたことや、それが地上に現れたことへの嬉しさでいっぱいな感じであった。

 

 

 「レッドファイト!」

 

 

 レッドマンはファイティングポーズを取って戦闘開始の掛け声を上げると、アリブンタ目掛けて接近する。

 

 

 (BGM:レッドマン(インストゥルメンタル))

 

 

 アリブンタは返り討ちに合わせようと先端が鋏の腕を振るって攻撃を仕掛けるが、レッドマンは接近すると同時にそれを難なく叩いて往なし、腹部に右足の前蹴りを打ち込む。

 

 更に胸部に左右小刻みのパンチを数回連続で打ち込んだ後、若干アウトローに左足の前蹴りを腹部に叩き込んで後退させる。

 

 

 アリブンタは口から勢いよく霧状の蟻酸を吹き出して反撃を仕掛ける。

 

 この蟻酸攻撃はあらゆるものを溶解する恐るべきものであり、人間なら一瞬にして白骨化してしまうほどなのだ。

 

 レッドマンは咄嗟に、短剣にも似た大型のナイフ・レッドナイフを取り出してそれを防ぐが、蟻酸自体は防げたものの、その蟻酸から発せられる強烈な悪臭からかたまらず横に受け身を取って離れる。

 

 そしてレッドナイフの刀身の部分を見てみると、蟻酸を浴びた部分が僅かながら朽ちてしまっていた。

 

 

 レッドマンの必殺凶器の一つのレッドナイフまでも僅かではあるが朽ちさせてしまうとは、恐るべき蟻酸である。

 

 

 レッドマンは一旦レッドナイフを投げ捨てる。

 

 アリブンタは今度は両手の鋏から火炎を噴射して攻撃を仕掛けるが、レッドマンはそれを受け身を取ってことごとくかわしていき、やがて上空にジャンプして避けると同時にアリブンタを跳び越えることで、避けるレッドマンを目で追って火炎を吹き付けるのに夢中だったアリブンタはバランスを崩し、仰向けに倒れ込んでしまった。

 

 

 レッドマンは仰向けに倒れているアリブンタの横に着地すると、横腹を蹴り転がしてうつ伏せにさせた後、馬乗りになってチョップを数回連打し、頭部を掴んで一~三、四、五、六と連続に地面に叩き付ける。

 

 そして頭部を掴んだまま起き上らせ、腹部に右横蹴りを打ち込み、その後さらに攻撃を加えようとするが、隙を突かれてアリブンタの右の鋏で首を挟まれてしまう。

 

 アリブンタは数秒締め付けて苦しめると、首を挟んでいた右手の鋏を離すと同時に左手の鋏で胸部を突いて攻撃する!

 

 胸を突かれたレッドマンは、その部位が小さく爆発すると同時に吹っ飛ぶ。

 

 

 レッドマンはすぐさま体勢を立て直し、跳躍しての落下スピードを活かしてアリブンタの頭部に右の手刀を叩き込み、それによりアリブンタが屈んだところで背中に踏みつけるような右足蹴りを叩き込んで蹴り転がす。

 

 

 「レッドアロー!」

 

 

 レッドマンは、石突が十字架の形をした手槍・レッドアローを手に取り、立ち上がったアリブンタ目掛けて駆け寄る。

 

 レッドマンはレッドアローを目にも止まらぬ速さで振り回して攻撃し、アリブンタも両手の鋏を振るって反撃に出る。

 

 最初こそは互角に槍と鋏がぶつかり合っていたが、レッドマンのスピード攻撃にアリブンタは徐々に押されていき、やがて袈裟懸け、一直線と先端で斬りつけるような攻撃を喰らい、石突の先端で腹部を突かれて後退する。

 

 

 レッドマンはレッドアローを逆手に持ち直し、アリブンタに跳びかかる様に跳躍して一回転をし、落下スピードや回転の遠心力を活かしての斬撃を繰り出す!

 

 斬撃は袈裟懸けに炸裂し、その部位が爆発したアリブンタは大ダメージを負い後退する。

 

 

 レッドマンは更に攻撃を加えようとするが、アリブンタは地面を掘り始める。

 

 不利と見て退散しようとしているのだ。

 

 

 だが、赤い通り魔の異名を持つレッドマンはこれを見逃すわけがない。

 

 

 レッドマンは跳躍して、地面を掘っているアリブンタの横に着地する。

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 “!!?キュピンキイイイィィ!!”

 

 

 レッドマンは改めてレッドアローを持ち直すと、上からアリブンタの背中にぶっ刺した!

 

 そしてそのまま一本釣りのようにアリブンタを持ち上げ、思い切り振り飛ばす!

 

 地面に落下したアリブンタ。レッドマンはレッドアローを手に猛然と駆け寄る!

 

 

 「トオッ!」

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 渾身の槍の一突きがアリブンタの腹部を貫いた!

 

 レッドマンは動きが止まったアリブンタの腹を蹴って槍を引き抜く。

 

 アリブンタは遂に力尽き、両腕をだらりと下げ、やがて崩れるように仰向けに倒れ伏せた。

 

 

 アリブンタの死体の横の地面にレッドアローを刺すレッドマン。

 

 

 

 ………すると次の瞬間、何を思ったのか、レッドマンは近くの崖を見つけるやアリブンタの死体の肩から突き出てる角を鷲掴みし、そのまま死体を引きずりながら崖の方へと駆け始める!

 

 

 「レッドフォール!」

 

 

 レッドマンは崖の淵まで来ると、アリブンタの死体を頭上高く担ぎ上げ、なんと必殺の投げ技・レッドフォールで底へと投げ落としてしまった!

 

 巨体を誇るアリブンタの死体は底の地面に激突し、地響きが起こる。

 

 

 レッドマンはこの様に、時に怪獣の死体の処理、もしくは虫の息となった怪獣をレッドフォールで投げ落とすことにより、入念に怪獣の息の根を止めることがあるのである!

 

 所謂“過剰なレッドチェック”とでも言ったところであろう。

 

 

 投げ落としてもなお、底の地面に転がるアリブンタの死体を入念にレッドチェックで見つめるレッドマン。

 

 

 …だが、そうしてる間にも背後から忍び寄る一つの影があった。

 

 

 両手の鋏、そして頭部の紅葉のような赤いひらが特徴のその怪人の正体は『地底エージェントギロン人』である!

 

 

 先ほども言ったように、ギロン人はかつて同胞がヤプールの使いとして超獣アリブンタと共に東京を襲った事がある。

 

 

 今回現れたギロン人も恐らく、先ほどレッドフォールされたアリブンタを操っていた者なのであろう。

 

 

 だが、そのアリブンタがやられた今、自身の力でレッドマンを倒そうとしているのである。

 

 

 レッドマンに背後から徐々に近づいていくギロン人。レッドマンを突き落とそうとする両手の鋏は怪しく光っていた。

 

 

 だが、

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 「!!?」

 

 

 レッドマンの手の触れる所まで近づいたその時、生々しい音と共にギロン人の動きが止まった。

 

 

 なんとレッドマンは、後ろを振り向かないまま背後のギロン人の腹部にレッドアローを刺していたのだ!

 

 

 既にギロン人の気配に気づいていたレッドマン。長年怪獣などと戦ってきた赤い通り魔の恐ろしさは伊達ではなかった!

 

 

 奇襲しようとしたのが逆に致命傷を負わされたギロン人。

 

 

 「レッドフォール!」

 

 

 レッドマンは振り向き様に虫の息のギロン人にヘッドロックするように掴みかかり、そしてそのままレッドフォールで崖の底へと投げ落としてしまった!

 

 

 ギロン人も底の地面に激突し、やがて完全に息絶えた。

 

 

 ギロン人の死体もレッドチェックで入念に見つめるレッドマン。

 

 

 そして二体の死を確認すると余韻に浸るかのように少し上を向き、背を向けて歩き去って行った………。

 

 

 

 奇襲する者までもが現れるようになった赤い通り魔(レッドマン)の戦い。

 

 これからも彼を狙う者が現れるのであろうか………?

 

 気をつけろ!レッドマン!

 

 

 〈完〉




 いかがでしたか?


 今回は最後にちょっとしたサプライズとしてギロン人も出してみました(笑)


 自覚がないとはいえ、レッドマンはさり気なく人助けもしましたね(笑)


 でも、全てはあくまで獲物(怪獣)を捕えるための行為なのです(笑)


 この後はムルロアとのレッドファイトです。お楽しみに!


 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。


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VSムルロア

 皆さん改めて、こんばんわ(笑)


 今度はかつてタロウを倒し、地球を闇み、そして罪のない幸せな家族を不幸に陥れた(笑)あの宇宙大怪獣との戦いです!


 場所は普段と違い、とある小惑星の上である。

 

 そこはもちろん水も緑も何もない、ゴツゴツした岩の地面や岩山だけしかなく、周りは宇宙空間が広がるだけの実に殺風景な場所であった。

 

 

 そんな場所に立っている、一人目立つ赤い影。

 

 

 真っ赤なボディに暖帽のような独特な形状の頭部、銀の手袋、ブーツ、ベルトをしているその赤い巨人こそ、知る人ぞ知る“赤いアイツ”。

 

 

 『レッドマン』の登場である!

 

 

 (レッドマン登場BGM)

 

 

 レッド星雲レッド星出身で、銀河連邦の一員である彼は、普段は地球上で人知れず怪獣や宇宙人と戦っているのだが、今回はどうした事か宇宙空間の小惑星の上にいるのである。

 

 

 ………その理由は、彼の獲物を狙うような鋭い視線の先にあった。

 

 

 彼の前に立つ一匹の巨大生物。

 

 

 どこか昆虫の蛾を思わせる体や羽に、両手の鋏が特徴の巨大生物は『宇宙大怪獣ムルロア』である。

 

 

 奴は元々ムルロア星という惑星に住む大人しい生物であったが、地球の核実験により母星を失い、それと同時にその影響で突然変異を起こしたものである。

 

 母性を失った怒りにより、復讐のために地球を襲い、旅客機を撃墜、灯台を襲撃、工場地帯を襲うなどと大暴れを行った憎むべき奴だが、上記の経緯から分かるように悲劇の怪獣でもあるのである。

 

 

 今レッドマンと対峙しているムルロアは恐らくかつて地球を襲った者の別個体であり、奴もまた、母星を失った怒りにより地球に向かっている最中だったのであろう。

 

 

 だが、運悪くもその事をレッドマンにいち早く察知されてしまい、このように戦う羽目になってしまったのである。

 

 

 因みに奴は地球では視力がほとんど効かず、光が苦手という性質があるのだが、今回は比較的光が少ない宇宙空間にいるため、そこら辺についてはさぞ問題ないようである。

 

 

 狙った獲物(怪獣)は倒すまで逃さない、“赤い通り魔”の異名を持つレッドマン。

 

 レッドマンは久々に手応えありそうな敵と出会えた嬉しさからか、肩を回したり軽く跳躍したりと気合十分である。

 

 

 「レッドファイト!」

 

 

 (BGM:レッドマン(インストゥルメンタル))

 

 

 レッドマンはファイティングポーズを取って戦闘開始の掛け声を上げ、ムルロア目掛けて駆け始める。

 

 

 ムルロアは口から溶解液・ホワイダースプレーを噴射して迎え撃つが、レッドマンはそれをジャンプしてかわし、ムルロアの頭部に蹴りを決めて転倒させる。

 

 

 因みに先ほどレッドマンにかわされた溶解液は岩肌に当たり、その岩肌はあっという間にドロドロに溶けてしまった。

 

 ムルロアのホワイダースプレーは、かつてウルトラマンタロウの強靭な皮膚を溶かし、大ダメージを与えたことがある強力な溶解液なのである。

 

 これを浴びてしまえば、さしものレッドマンもひとたまりもないであろう。

 

 

 レッドマンはムルロアに跳び付き、組み合ったまま地面を転がる。

 

 ムルロアはなんとか馬乗り体勢になり、レッドマンに両手の鋏を振り下ろして攻撃を仕掛け、レッドマンはそれを頭を反らしてかわしていく。

 

 そしてレッドマンはムルロアの腕を掴み、腹部を蹴って後退させることで馬乗りから脱する。

 

 更に受け身を取ってムルロアに接近すると同時に腹部に右足蹴りを叩き込んで吹っ飛ばす。

 

 

 ムルロアは体の側面の突起から黒煙を噴射し始める!

 

 これはアトミック・フォッグというものであり、僅か数時間で地球全体を闇に包んだことがある恐ろしい黒煙である!

 

 またこれは、毒ガスとしても効果的であり、恐らくこれをレッドマンに浴びせようとしているのであろう。

 

 

 「レッドナイフ!」

 

 

 “シュッ”

 

 

 “ザシュッ” “ザシュッ”

 

 

 レッドマンは、短剣にも似た大型のナイフ・レッドナイフを、今回は二つ取り出して投げつける!

 

 レッドナイフはムルロアの体の側面の突起を切り落とし、これによりムルロアはアトミック・フォッグが噴き出せなくなってしまった!

 

 

 ムルロアが動揺している隙にレッドマンは駆け寄り、右横蹴りを腹部に打ち込み、相手が反撃で打って来た右腕の殴り込みを右の手刀で弾き返した後、胴体に連続でパンチを打ち込む。

 

 だが、一瞬の隙を突かれて鋏状の腕で両腕を挟まれてパンチを封じられてしまう。

 

 そんな状態でもレッドマンは怯むことなく、右、左足と二段蹴りを叩き込み、後ろに宙返りをして跳ぶことによりその場を脱する。

 

 

 着地するレッドマン。ムルロアは再度ホワイダースプレーを吹き出して反撃に出る。

 

 

 「レッドサンダー!」

 

 

 “バチバチ” “ズドーン”

 

 

 レッドマンは右腕を突き出して、腕先から破壊光線・レッドサンダーを発射!

 

 光線は溶解液とぶつかり爆発することでこれを無効化した。

 

 

 因みにレッドマンは、普段はレッドキックやレッドチョップなどの格闘技や、レッドアローやレッドナイフなどの凶器で怪獣を倒すため、レッドサンダーは滅多に使う事が無く、倒したのもこれまでで怪獣一体のみなのである。

 

 

 爆発により起こった爆風によりムルロアの目前が眩んだところで、レッドマンはその爆風の中から飛び出しムルロアの頭部に右足の横蹴りを叩き込む!

 

 強烈な蹴りを喰らったムルロアはたまらずうつ伏せに倒れる。

 

 

 すかさずレッドマンは、うつ伏せに倒れるムルロアの頭部を鷲掴みし、地面に何度も叩きつける。

 

 一、二、三発と叩き付けると、今度はそのまま頭を掴んだままムルロアの首を反対方向へと力一杯曲げ始める!

 

 

 “メキメキメキ…ボキッ”

 

 

 ムルロアの首は180度反対方向へ折れ曲がり、それと同時に首の骨が折れるような生々しく痛々しい音が響いた。

 

 レッドマンは仕上げとばかりに掴んだムルロアの頭部を思い切り地面に叩き付ける。

 

 そして倒れているムルロアの体をしばらくじっと見つめる。

 

 これぞ、怪獣が死んだかどうかを念入りに確認する『レッドチェック』というモノである。

 

 するとレッドマンは、石突が十字架の形をした手槍・レッドアローを手に取る。

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 そしてムルロアの死体に一回刺して抜いた。

 

 恐らくレッドチェックの最後の仕上げであろう。どこまでも念入りな奴である。

 

 ムルロアは再び動くことは無かった。恐らく首を曲げられた際に、頸椎が折れてしまったのが既に致命傷になっていたのであろう。

 

 

 その時、レッドマンはある者に気付く。

 

 それは、自分が立っている小惑星の近くを飛んでおり、今にも通り過ぎようとしている小型の隕石であった。

 

 レッドマンはその隕石を見つけるや、何を思いついたのか、ムルロアの死体を頭上へと大きく担ぎ上げる。

 

 

 「レッドフォール!」

 

 

 なんとレッドマンは、担ぎ上げたムルロアの死体を真横まで来た小型隕石目掛けてレッドフォールで豪快に投げつけた!

 

 

 “ズドガガガーーーン”

 

 

 ムルロアの死体は隕石と衝突。そして、隕石もろとも大爆発を起こして木端微塵に吹き飛んだ。

 

 

 もしかするとこれがレッドチェックの本当の最後の仕上げなのかもしれない………!?

 

 赤い通り魔は念入りにもほどがある奴である(笑)

 

 

 ムルロアを完全に撃破し終えたレッドマン。

 

 かつてウルトラマンタロウを一度倒した強豪怪獣。今回もレッドマンをさぞ手こずらせるかと思われたが、むしろ徹底的に撃破されてしまった。

 

 宇宙大怪獣も、長年戦ってきた赤い通り魔の手にかかればこんなものなのであろうか………?

 

 

 レッドマンは余韻に浸るかのように上を向き、周りに広がる宇宙空間を眺める。

 

 今回はいつもより眺める時間が長いが、恐らくレッドマンは広大な宇宙を眺めながら、この広い宇宙にはさっきのムルロアのような巨大な怪獣たちがまだたくさんうろついているんだろうと感じているのであろう。

 

 そうだとすれば今頃赤い通り魔の血が騒いでいるのかもしれない汗

 

 

 やがてレッドマンは右手を高く揚げて勝利のポーズを取った後、その場から跳躍して地球目指して飛び去って行った………。

 

 

 これから地球で、また様々な怪獣たちと戦うのであろうか………?

 

 

 レッドマンの戦いはこれからも続く!

 

 

 〈完〉




 いかがでしたか?


 これで本作では、ディノゾールを始め、アリブンタ、ギロン人、ムルロアまでもが“大胆レッドフォール”の餌食になってしまいましたね(笑)


 今回は珍しく宇宙の小惑星という舞台でのレッドファイトでした。


 宇宙大怪獣も、赤い通り魔の手にかかればこんなものですよね?(笑)


 今後も様々な敵が現れますのでお楽しみに!


 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。


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恐怖!円盤生物!!編
VSシルバーブルーメ&ブラックドーム&アブソーバ&デモス


 長らくお待たせしました。

 前回の投稿から約三か月もかかっちゃってすいません。


 今回は円盤生物前半組との戦いです!


 とある緑一つない、石や岩だらけの山のてっぺんにて。

 

 一人の“赤い男”が何かを見上げて立ち尽くしていた。

 

 

 その男とは、闘志を表してるかのような真っ赤なボディに辮髪帽のような変わった形状の頭部が特徴の“赤いアイツ”。

 

 

 そう、銀河連邦の一員でもある赤い彼の名は『レッドマン』である!

 

 

 彼は銀河連邦の使命からか、それとも個人的な怪獣への恨みからか、いつも人知れず怪獣を見つけては倒しにかかっているのである。

 

 中には暴れる様子も無い怪獣までにも殴りかかるため、またその怪獣の倒し方が槍で刺したりナイフで斬ったりなど正義のヒーローらしからぬ惨いやり方という事もあり、

 

 それらのような行動から一部では『赤い通り魔』と恐れられているのだ。

 

 

 そんなレッドマンは、今日も人知れず岩だらけの渓谷で行動をしていた。

 

 

 どこか殺意に満ちた視線で空をじっと見上げている………。

 

 

 その視線の先の空には、何やら四つの円盤のような物体が空を飛んでいる………。

 

 いや、飛んでると言うよりレッドマンの方目掛けて向かっていると言った方が良いのであろうか?

 

 

 その四つの空飛ぶ物体は、近づいていく内に徐々にその正体が分かっていく。

 

 

 空飛ぶ円盤のようだと思われたその物体はただの円盤ではない………。

 

 

 それらの円盤は生物だった………!

 

 

 無数の赤い触手の生えた透明なクラゲや風鈴のような外見が特徴の『シルバーブルーメ』、

 

 カブトガニのような外見に右手の大きな鋏が特徴の『ブラックドーム』、

 

 タコやクラゲが合わさったような外見が特徴の『アブソーバ』、

 

 目が付いているクモヒトデのような外見が特徴の『デモス』である!

 

 

 奴らはかつてウルトラマンレオ抹殺を目論んだ『ブラック指令』の命令を受けて、悪魔の惑星・ブラックスターから飛来し地球を襲った事がある。

 

 今回登場したこれらの個体は恐らく、レオによって破壊されたブラックスターの生き残り及び残党なのだと考えられるであろう。

 

 

 主人であるブラック指令が死んだことや、標的であるウルトラマンレオが地球を去った事などによるものなのか、空の彼方からやって来た四体の円盤生物はレッドマン目掛けて飛んで行く………!

 

 

 だがレッドマンは、それらを見つめながら「待ってたぜ!」とばかりに余裕そうに両手を払うように叩く仕草を取る。

 

 相手怪獣がいなくて退屈していたのか、それとも赤い通り魔たるもの、売られた喧嘩は買う主義なのであろうか………?

 

 

 

 「レッドファイト!」

 

 

 

 レッドマンは戦闘開始の合図でもある掛け声を上げて構えを取る!

 

 

(BGM:レッドマン(インストゥルメンタル))

 

 

 四体の円盤生物もそれに応えるかのように一斉に攻撃を始める!

 

 

 シルバーブルーメは黄色い溶解液、ブラックドームは溶解泡を同時に発射し、レッドマンはそれを受け身を取って難なくかわす。

 

 

 「レッドジャンプ!」

 

 

 レッドマンはレッドジャンプで高く跳び上がる。

 

 

 「レッドキック!」

 

 

 “バゴンッ”

 

 

 そして上空の円盤生物たちのところまで跳び上がると、両足を広げてそれぞれシルバーブルーメとブラックドームを右足、左足で同時に蹴りつける!

 

 蹴りを喰らった二体はたまらず地面に落下する。

 

 

 着地したレッドマンは、地面に落下したブラックドームに掴みかかり、チョップを連打し始める。

 

 

 だが、その隙に背後からシルバーブルーメの下部からの平たく長い触手により首、両腕を縛られ後ろへ引き込まれ始める。

 

 

 その隙にブラックドームが両腕のハサミで攻撃しようと接近する。

 

 

 だが、赤いアイツはこんなことで怯まない。

 

 

 すぐさま自身に縛りついた触手を掴み、勢いよく前方に振るうことで、シルバーブルーメの本体はたまらずブラックドームに激突し、二体はまたしても地面に落下した。

 

 

今度はアブソーバが触手から火炎を放射して攻撃を仕掛ける。

 

レッドマンは背後からの火炎に直撃はしなかったものの熱さからか少し驚くような仕草をした後、すかさず前転して受身を取ってかわす。

 

 

すると、前方で待ち構えていたデモスが触手をレッドマンの身体に巻きつける!

 

レッドマンは少し驚くと、振りほどこうと必死でもがき始める。デモスはレッドマンの血を吸ってしまおうとしているのであろうか?

 

 

デモスは、長い触手で相手に絡み付き、血を一滴残さず吸い尽くしてしまうことができる恐ろしい円盤生物なのである。

 

そして、血を吸われた相手は身体が青くなって死んでしまうのである。

 

赤いアイツ・レッドマンも、今に血を吸われてブルーマンとなって死んでしまうのであろうか………⁉︎

 

 

「レッドナイフ!」

 

 

だが、怪獣討伐に執念を燃やす赤い通り魔はやはりくじけない。

 

力ずくでは振りほどけないと分かったレッドマンは、何処からかレッドナイフを取り出し、身体に巻き付いたデモスの触手を次々と切り落とす!

 

 

触手を切られたことによりレッドマンの解放を許してしまったデモスは、今度は溶解液を吹き付けて攻撃する。

 

レッドマンはそれを受身を取りながら次々とかわしていくが、その隙にアブソーバが触手の吸盤をレッドマンに付け始める。

 

今度はアブソーバが、レッドマンのエネルギーを吸い尽くしてしまおうとしているのだ!

 

 

だが、レッドマンは全く慌てることなく、既に持っていたレッドナイフでアブソーバの触手を切り落とし、難なくその場を逃れる。

 

 

赤い通り魔が凶器を持った時、その瞬間かなう奴は誰もいなくなってしまうということなのであろうか………?

 

 

かなわないと見たのか、デモスは真っ先に飛んで逃げようとする。

 

 

だが、退散する獲物(怪獣)を見逃すほど、赤い通り魔(レッドマン)は甘くはない。

 

 

レッドマンは「逃がすかぁ!」とばかりにデモスに飛び付き、そのまま地面に叩きつける。

 

そして、逃れようとじたばた暴れるデモスを両膝、そして左手で押さえ込んで完全に動きを封じる。

 

 

ザシュッ! ザシュッ ザシュッ!

 

 

レッドマンは、押さえ込んだデモスに三度レッドナイフを振り下ろし、ナイフが刺さる度にその切り口から体液が吹き出る!

 

 

そしてデモスは触手をわなわなと震わせた後、力尽きて動かなくなってしまった。

 

 

今度はアブソーバが、本体から光線を放つが、レッドマンはすかさずそれをレッドナイフで跳ね返し、跳ね返された光線はアブソーバを直撃する!

 

跳ね返された自身の光線を受けたアブソーバはたまらず落下してしまう。

 

 

「レッドキック!」

 

 

レッドマンは落下したアブソーバ目掛けて跳びかかり、落下スピードを生かしたストンピング状のレッドキックを一発、そして再び跳び上がり二発と叩き込んだ後、それによりヒビが入った箇所にレッドナイフを振り下ろす!

 

レッドナイフは、ヒビが入った箇所からアブソーバの本体を貫いた!

 

 

かつてウルトラマンレオの必殺技・レオキックにも耐えた流石のアブソーバも、レッドキック×2とレッドナイフのコンボを同じ箇所に喰らってはひとたまりもないであろう。

 

 

アブソーバも力尽きて動かなくなってしまった。

 

 

早くも円盤生物を二体倒してしまったレッドマン。だが、残ったシルバーブルーメとブラックドームは怯まずレッドマンに掛かって行く。

 

 

シルバーブルーメは真上からレッドマンに覆い被さり、触手でがんじがらめにし始める!

 

 

触手で動きを封じたところで溶解液で溶かしてしまおうとしているのであろうか………?

 

 

「レッドアロー!」

 

 

ザシュッ

 

 

やはり、赤い通り魔は全く慌てることがなかった!

 

 

レッドマンは今度はレッドアローを取り出し、真下からシルバーブルーメを串刺しにしてしまった。

 

それにより致命傷を受けたのか、シルバーブルーメの触手の力が弱まってきたところでシルバーブルーメの本体を両手で掴んで数回回転する。

 

 

「レッドフォール!」

 

 

レッドマンはシルバーブルーメを掴んで数回回転して遠心力を付けた後、レッドフォールで思い切り地面に叩きつける!

 

シルバーブルーメも力尽きて動きを止めた。

 

 

残りの円盤生物は遂にブラックドームだけとなってしまった。

 

ブラックドームは最後の力を振り絞って、両腕の鋏を突き立てて突撃を始める!

 

レッドマンもレッドナイフを手に駆け寄り始める!

 

 

ジャキーン

 

 

互いに接近する両者はやがてすれ違い、何かが斬れるような音が響く………。

 

そして両者はしばらくそのまま静止する………………果たしてどちらが斬られたのであろうか………?

 

 

 

そしてしばらくすると、ブラックドームの両腕の鋏が時間差で斬れて地面に落ち、更に胴体も真っ二つに斬れて地面に転がる!

 

 

レッドマンの完全勝利であった!

 

 

遂に、四体の円盤生物を全て撃滅した赤い通り魔ことレッドマン。

 

殺り切った快感からか、どこか満足そうに空を見上げた後、円盤生物の死体を一匹ずつ「レッドチェック」で死んだかどうか確認しながら何処かへ歩き去って行った………………。

 

 

例え怪獣が複数掛かって来てもくじけない赤いアイツ…。

 

今後そんな彼を脅かす敵は、果たして現れるのであろうか………………?

 

 

〈完〉




 いかがでしたか?

 レオ本編では多くの命と幸せを奪った円盤生物たちも、赤い通り魔にかかればこんなもんですよね?(笑)

 残りの円盤生物との戦いもいつか作成しますので楽しみにしていてください!


 因みに余談ですが、最近某動画投稿サイトにレッドマンが配信されてますね。

 私はもちろん、欠かさず見てます!(笑)


 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。


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VSブラックガロン&ブリザード&ハングラー&ブラックテリナ

 皆さんお待たせしました!


 今回は前回の続きで、円盤生物中盤組との戦いです。


 場所はとある山の中。その中の山道を何やら足早に歩いていく一人の人影がいた。

 

 

 周りは木などの緑しかない環境だけに真っ赤に目立つその体、落ち着きのないように辺りをきょろきょろする頭部は清朝の暖帽をかぶったような形状、アンテナのような耳に銀色の手袋、ベルト、ブーツを付けている。

 

 

 そんな特徴的な容姿を持つ一人の巨人。彼の名は『レッドマン』である!

 

 

 (レッドマン登場BGM)

 

 

 彼はレッド星雲レッド星出身であり、銀河連邦の一員である。そのため、地球の平和のために地球に降りては人知れず怪獣や宇宙人と戦っているのだ。

 

 

 平和を愛する戦士と言われるが、それ故の行き過ぎた正義感からか、それとも個人的な恨みからか、実は彼の怪獣たちの倒し方は非常に惨いのである!

 

 

 例を挙げるなら、馬乗りになって槍やナイフで滅多刺し、首を力づくでへし折る、虫の息の相手を崖まで引きずって投げ落とす………などなど(汗

 

 とてもヒーローらしかぬものばかりである。

 

 更に彼は戦意が無い逃げるだけの怪獣をも執拗に追いかけまわし、捕まえては倒しているのである。

 

 

 これらの怪獣退治の過剰な行動から、彼は正義の味方でありながら、『赤い通り魔』という称号まで得てしまっているのである!笑

 

 

 だが、そんな事はお構いなしとばかりに、今も人知れず怪獣たちと戦っているのである。

 

 他人から何て言われようと平和のための自身のスタンスを貫く。そういう面から言えば、ある意味ヒーローの要なのかもしれない………?

 

 

 そんなレッドマン。今日は何やら辺りを見渡しながら、足早に山道を歩いていた。

 

 不吉な感じ漂う光景。もしや彼は、いち早く怪獣の気配を感じ取ったのであろうか………?

 

 

 

 と、その時、…突如、上空からやって来た円盤のような物体が、歩き続けるレッドマンに背後から接近する。

 

 その物体は、二枚貝のような形状の殻から六本の触手が伸びた奇妙な姿をしている。

 

 そう、それは物体ではなくれっきとした生物。奴の名は『円盤生物ブラックテリナ』である!

 

 

 円盤生物とは、前回レッドマンを襲ったシルバーブルーメたちと同様、かつてウルトラマンレオ抹殺を目論んだ『ブラック指令』の指令を受けて、悪魔の惑星・ブラックスターから飛来して地球を襲った事がある恐るべき存在である。

 

 そう、主人も母星も失った円盤生物の残党は、前回の四体だけではなかったのだ。

 

 

 順調にレッドマンに接近していくブラックテリナ。レッドマンはそれに気づいていないのか、なおも歩き続ける………

 

 ………とその時、レッドマンは突然歩みを止めた。それを見たブラックテリナはチャンスと見たのか、目前まで使づくと捕えようと触手を伸ばそうとする…!

 

 

 と、その時!

 

 

 “バゴンッ”

 

 

 レッドマンは振り向き様に半回転をしながら右回し蹴りを繰り出し、見事ブラックテリナと蹴飛ばした!

 

 予想もしない攻撃をモロに喰らったブラックテリナはたまらず吹っ飛び地に激突する!

 

 

 レッドマンは既に、背後からの接近に気付いていたのだ!

 

 長年の経験から殺気を読み取るのが得意になっていたのか、それともブラックテリナの飛ぶ時に発する音で気づいたのか………?

 

 

 すると今度は背後から火花のような熱戦と火炎がレッドマン目掛けて飛んで来る!

 

 

 「レッドジャンプ!」

 

 

 だがレッドマンは、全く慌てる事無く高く跳躍してそれをかわし、それにより火炎や熱戦は別の山地に当たって爆発する。

 

 

 とある低山地のてっぺんに着地したレッドマン。その見下げるような視線の先にはブラックテリナ含める四体の生物がいた。

 

 

 残りの三体もブラックテリナと同じく円盤生物である。

 

 残りは、亀とガマガエルを合わせたような姿が特徴の『ブラックガロン』、

 

 イカに似た外見を持つ『ブリザード』、

 

 チョウチンアンコウに似た姿を持つ『ハングラー』の三体である!

 

 先ほどの熱戦はブラックガロンの、火炎はブリザードとハングラーのものだったのだ。

 

 

 するとレッドマンは現れた円盤生物を見るや、両手を合わせて“ポキポキ…”と指を鳴らし始める。

 

 そしてその表情をよく見てみると、何やら強力な殺気を放っている様であった。

 

 

 ………思えばレッドマンは、いつもなら赤い通り魔の名に恥じぬままに、彼の方から相手が気付く気付かない問わず怪獣たちに襲い掛かっている。

 

 しかし今回は、円盤生物たちの方からレッドマンに襲い掛かったのだ!

 

 

 つまりレッドマンは、本来自身が得意とする通り魔的な事を逆に相手にされたわけであり、それによりプライドを傷つけられたがために怒っているのである!

 

 

 円盤生物たちは結果的に、命知らずな事をしたわけであった笑

 

 

 だがブラックガロンたちはそんなのお構いなしにレッドマン目掛けて接近し始める。

 

 

 「レッドファイト!」

 

 

 (BGM:レッドマン)

 

 

 レッドマンはファイティングポーズを取っていつもの掛け声を上げると、ブラックガロンたち目掛けて駆け始める!

 

 今回は怒りが現れているのか、走る際に地面に足を付ける度に土砂や土煙が巻き上がる………。

 

 だが決して「ウルトラマンガイアに似てる」と言ってはいけない(笑)

 

 

 レッドマンはまず、先陣切って駆け寄るブリザードの肩を踏み台にして跳び、落下スピードを活かしてハングラーの頭部に上から膝を叩き込む!

 

 ハングラーはレッドマンの二―ドロップを喰らうと同時に、その勢いで頭が地面に刺さる様に埋もれてしまう。

 

 

 頭を地面から引き抜こうと踏ん張るハングラー。だがレッドマンはそんなハングラーに御構い無しと馬乗りになって背中にチョップを連続で打ち込む。

 

 

 ブラックガロンはそんなレッドマンに背後から掴みかかることでハングラーから引き離し、更に攻撃を加えようとする。

 

 レッドマンはブラックガロンに後ろから掴まれた状態のまま右肩を右肘で数回叩き、更に腹部に後ろ蹴りを打ち込み、それによりブラックガロンが怯んで掴む力を弱めたところに更に右裏拳を顔面に叩き込んで完全に離させる。

 

 そしてレッドマンは振り向いてブラックガロンの腹部に前蹴りを打ち込んでその反動で後ろに跳ぶ。

 

 

 「レッドアロー!」

 

 

 レッドマンは後ろ向きに跳びながら、石突が十字架の形状をした必殺の手槍・レッドアローを投げつける!

 

 

 “カキーン”

 

 

 だが、ブラックガロンの硬い甲羅に刺さらず撥ね返されてしまった。

 

 それによりレッドマンが少し動揺している隙に無事、頭が地面から引き抜けたハングラーは、レッドマン目掛けて口からの火炎・溶解火炎を吐き出し、反対側のブリザードも青い体の腹部の発射口から冷凍ガスを噴射する!

 

 

 「レッドジャンプ!」

 

 

 すぐに頭を切り替えたレッドマンは、再度レッドジャンプをしてそれをかわす。

 

 

 そしてそれによりお互い反対側から飛んで来た火炎と冷凍ガスがぶつかり合う!

 

 

 ………だが、当然冷凍ガスが火炎に勝てるはずが無く、あっという間にブリザードの冷凍ガスはハングラーの火炎に押し負け、更にそれを腹部に喰らう事で青い体の腹部の発射口が破壊されてしまった!

 

 

 それを見たハングラーは口をあんぐり開けて「やってしまった!」とばかりの反応をするが、その隙にいつの間にか自身の横にいたレッドマンに横腹を蹴り転がされる。

 

 

 ブリザードは反対側の赤い身体に切り替えて、再度レッドマンに接近して組み付く。

 

 レッドマンとブリザードが殴り合いをしている間に、ハングラーはレッドマンに噛み付こうと大口を開けて接近する!

 

 

 「レッドナイフ!」

 

 

 だが、レッドマンはそれに気づくや短剣にも似た大型のナイフ・レッドナイフと取り出して、ブリザードを抑え込みながらハングラーに投げつける!

 

 

 “ザブシュッ”

 

 

 一直線に飛ぶレッドナイフはハングラーの口の中に入ったかと思うと、なんとそれでも勢いは劣らずハングラーの後部から体内を突き破って飛び出す!

 

 

 飲み込んで突き破るまでの間に、体内の色んな所をズタズタに切られてしまった事により致命傷となり、ハングラーはその場で倒れ伏せてやがて力尽きてしまった。

 

 

 ハングラーを仕留めたレッドマン。組み合っているブリザードの腹部に膝蹴りを数回打ち込んで怯ませた後、更にアウトローな前蹴りを胸部に叩き込んで吹っ飛ばす。

 

 

 レッドマンは更にブリザードに攻撃を加えようとするが、その隙に首、両腕に何やら触手が巻き付く!

 

 

 背後からブラックガロンが舌を首に、そして上空からブラックテリナが触手を両腕に巻き付けて動きを止めたのである!

 

 

 ブラックガロンとブラックテリナが動きを止めた隙に、ブリザードは腹部の発射口からレッドマン目掛けて火炎・烈怒火炎地獄を噴射し、焼き殺そうとする!

 

 

 だが、ここでくじける“赤いアイツ”ではない。

 

 火炎が迫り来る中、レッドマンはなんと力づくで右腕を引き下げ、それにより自身の右腕に絡み付くブラックテリナの触手が前に来る。

 

そしてそれによりブリザードの火炎はレッドマン自身ではなく、レッドマンの右腕に絡み付いていた二本の触手に当たり、焼き切ってしまった!

 

レッドマンの機転により触手を焼き切られたブラックテリナは驚きや怒りからか、たまらずブリザード目掛けて火花状の光線・ファイヤーレインを吹き付け、それを浴びたブリザードは怯んで少し後退する。

 

 

「レッドアロー!」

 

 

レッドマンはブリザードが怯んだ隙を逃さずレッドアローを投げつけ、勢いよく飛ぶレッドアローはブリザードの腹部の発射口から突き刺さり、先端が背中を突き破って飛び出る!

 

レッドアローにより串刺しにされたブリザードはその場に倒れてやがて力尽きた。

 

 

 ブリザードを仕留めたレッドマンは、左腕に絡み付いているブラックテリナの触手を右手で掴み、思い切り振り下ろすことでブラックテリナを地面に叩き付ける!

 

 それも一発だけではなく、二、三発と連続で叩きつけ、それによりブラックテリナは完全にグロッキーとなり力なく地面に転がる。

 

 

 するとレッドマンは自信の首に舌を巻きつけているブラックガロンへと視線を変える。

 

 レッドマンはブラックガロンの舌を掴むとそれを引っ張り、ブラックガロンを自身の方へと引き寄せる。

 

 そして目前までに引き寄せた瞬間、

 

 

 「レッドナイフ!」

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 “!!?ギシャアアアアァァオン”

 

 

 レッドナイフを手に取って舌を切り落としてしまった。

 

 すると、ブラックガロンは動きが鈍ったかと思うと、一気にフラフフラとし始める。

 

 

 ブラックガロンの長い舌は武器であり、実は弱点でもあるのだ。

 

 以前の個体も、この舌をウルトラマンレオに切られたことにより絶命している。

 

 

 「レッドアロー! トオッ!」

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 レッドマンは弱ったブラックガロンの口内へと手持ちのレッドアローをぶっ刺す!

 

 

 ブラックガロンは口内から喉にレッドアローが刺さった状態のまま力尽き、崩れ落ちる様に倒れた。

 

 

 一瞬にして三体もの円盤生物を葬り去ったレッドマン。ブラックテリナは分が悪いと見たのか、満身創痍でふらつきながらも飛んで逃げようとする。

 

 

 ………だが、これを見逃すほど赤い通り魔は甘くない!

 

 

 レッドマンは逃げようとするブラックテリナに跳躍して跳び付き、そのまま地面に叩き付け、両手で抑え込んで動けないようにする。

 

 

 そして両手で二枚貝のような殻の口を掴み、ありったけの力を入れる。

 

 

 長年に渡って、様々な怪獣たちと戦ってきた赤いアイツの腕っぷしは伊達ではなく、二枚貝のような殻を難なくこじ開けてしまう。

 

 

 因みにブラックテリナは、二枚貝のような殻の中には剥き出しになった脳や眼球があるという何ともグロテスクかつ不気味な容姿をしているのである。

 

 

 殻をこじ開けたレッドマンはレッドナイフを右手でもって一回回した後、その内部目掛けて一、二、三、四発と振り下ろす!

 

 

 殻に守られていた柔らかい内部を滅多刺しされたブラックテリナは傷口から青い体液を吹き出し、その返り血を浴びながらもレッドマンはなおもレッドナイフ振り下ろす………!

 

 

 やがてブラックテリナも、無残な姿で力尽いて完全に動かなくなってしまった。

 

 

 

 襲って来た円盤生物四体を倒したレッドマン。戦いを終えた彼は、赤い青い体液がかかっている若干ホラーな姿のまま、一匹ずつ円盤生物の死体の元に歩み寄り見つめる。

 

 そしてレッドチェックを終えたレッドマンは、死体を残したまま何処かへと歩き去って行った………。

 

 

 再び襲って来た円盤生物に、またしても勝利を収めたレッドマン。

 

 だが、今回の戦いで新たに二つの事が認識させられた。

 

 一つは、レッドマンに対する奇襲攻撃は彼の怒りを買ってしまうためタブーな事。

 

 そしてもう一つは、刃物の武器を持つレッドマンに、触手での攻撃は何の意味もないことである………。

 

 

 そしてレッドマンを狙う円盤生物は、実はまだあと五体残っている!

 

 彼(?)らは恐らく、今まさに虎視眈々とレッドマンを狙っているであろう………。

 

 

 負けるな!レッドマン!

 

 

 〈完〉




 いかがでしたか?


 残す円盤生物はあと五体となりました。


 次回は円盤生物後半組との戦いかつ円盤生物編のラストですので楽しみにしていてください!


 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。


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VSサタンモア&ノーバ&ブニョ&ブラックエンド

 今回はレオに登場した円盤生物の後半組とのバトルです!


 またラストでは『VSギエロン星獣』との繋がりを思わせるシーンもあります!


 では、どうぞ!


 周りに崖が立ち並ぶ、ほとんど緑がないとある広場。

 

 

 この場所を、しばしば決戦の場にしている孤高の戦士が一人いる。

 

 

 今、その戦士が遠くから悠然と歩いて来ていた…。

 

 

 清朝の暖帽をかぶったような形状の頭部に銀色の手袋・ブーツ・ベルトを付けており、独楽の上にアンテナが立ったような形状の耳…そして何より真っ赤なボディが特徴の“赤いアイツ”。

 

 

 今ここに『レッドマン』の登場だ!

 

 

 

 レッドマンは、レッド星雲レッド星出身の銀河連邦の一員であり、日々人知れず地球上に現れる怪獣や宇宙人と孤高の戦いを繰り広げている。

 

 

 …ここまでを見るとウルトラマンと変わらないただの正義の味方なのだが、問題はその“やり方”である!

 

 

 奴は怪獣を見つけるや、例えその怪獣がただ野原を徘徊しているだけで何もしていなくても猛然と襲い掛かるのである!

 

 

 そして捕まえて格闘をした後のフィニッシュも、これまたえげつない…!

 

 

 ウルトラマンのように光線技ではなく、短剣に似た大型ナイフ『レッドナイフ』と石突が十字型の槍『レッドアロー』…そう、所謂“凶器”で止めを刺すことが多いのだ!

 

 

 ある時はマウントを取って滅多刺し、ある時はナイフで首チョンパ…敵が二体以上の時はアローでまとめて串刺しにする事もあるのである…!

 

 

 はて、奴は強い使命感故にやっているのか、それとも怪獣に私怨があってやっているのか…?

 

 

 とにかく、これらのヒーローらしからぬやり方から、奴は“赤い通り魔”とも言われ恐れられているのである!

 

 

 

 そんなレッドマン。周りに崖が並び立つ広場に悠然と歩いて来ると、ふと足を止める…。

 

 

 いつにも増して真剣な奴の眼差しの先には、四匹の『円盤生物』が待ち構えていた…!

 

 

 一匹目は、鳥のような姿が特徴の『サタンモア』、

 

 二匹目は、てるてる坊主のような姿が特徴の『ノーバ』、

 

 三匹目は、上記二匹とは打って変わって、頭部の二本の触角、タコのような口、ビニール製のレインコートを着たようないかにも奇妙な姿が特徴の『ブニョ』、

 

 そして四匹目は、丸い体の前後に二本の角が生え、長い尻尾が特徴の、円盤とドラゴンが合わさったような姿をしている『ブラックエンド』である!

 

 

 遂に、残り四体もの円盤生物軍団が、レッドマンに総攻撃を仕掛けて来たのである!

 

 

 これまで円盤生物はレッドマンを倒そうと二度に渡って軍団で攻めて来たが、ことごとく惨殺されてきた…。

 

 

 そのため今回は、そんなレッドマンに最後の決戦を挑むつもりで、最強クラスとも言える面子が揃ったのである!

 

 

 立ち尽くしながら円盤生物を見つめるレッドマンも、どこかいつもよりも真剣な目つきになっているようであった…。

 

 

 因みにブニョだが、一応“円盤生物”としてカウントされてはいるものの、自身は“宇宙人”を自称しており、円盤形態も取らず、自我も強い事から実際は円盤生物かどうか曖昧な存在でもあるのだ。

 

 一説にはブラックスターの星人そのものとも言われている。

 

 

 やがて両者は対峙したまま、円盤生物達は身構え始め、レッドマンも両肩を大きく回して呼吸を整える…。

 

 

 「レッドファイッッ!!」

 

 

 やがてレッドマンは戦闘開始の口上を上げながらファイティングポーズを取る!

 

 

 円盤生物達も攻撃を開始する!

 

 

 まずはサタンモアがレッドマン目掛けて突っ込んで行く!

 

 

 「レッドナイフ!」

 

 

 “カキーン”

 

 

 レッドマンはすぐさまレッドナイフを取り出し、サタンモアの嘴を突き立てた突進を受け止め、そのまま両者は力比べを始める。

 

 だが、レッドマンはその間にノーバの伸ばして来た右腕の鞭を、無防備だった左脚に巻き付けられ、そしてノーバが思い切り右腕を引っ張った事でレッドマンは仰向けで転倒する!

 

 ノーバは左脚に鞭を巻き付けて捕えたレッドマンをそのまま自身の方に引きずり込み、やがて左手の大鎌を振り下ろして攻撃を仕掛ける!

 

 

 “カキーン”

 

 

 レッドマンは両手持ちのレッドナイフでそれを受け止めて防ぎ、その隙に右足でノーバの腹を蹴って怯ませた隙に地面を転がってその場を逃れる。

 

 

 立ち上がったレッドマン目掛け、今度はブニョが口から火花状の『ジェット火炎』を噴きつけて攻撃を仕掛ける!

 

 

 「レッドジャンプ!」

 

 

 レッドマンは大きくジャンプしてブニョを跳び越える事でジェット火炎をかわして着地し、かわあされたジェット火炎はブラックエンドに当たりそうになるが、ブラックエンドはすぐさま口から高熱火炎『デスマグマ』を噴き出す事でそれを相殺した。

 

 

 振り向いたブニョは、今度はレッドマンの足元目掛けて口から『スリップオイル』を噴きつける!

 

 

 たちまち足元が黒いオイルで満ちてしまったレッドマンはその場で滑って転んでしまい、その後も全身がオイルで滑るため、なかなか立ち上がる態勢を取れない…!

 

 

 更にブニョは、口から宇宙光線を束ねて造られた『宇宙ロープ』を吹き出し、レッドマンの右腕に巻き付ける!

 

 

 ロープを引っ張る事でレッドマンを無理矢理立たせたブニョは、両腕でレッドマンの体を掴み、完全に捕らえてしまった!

 

 

 身動きの取れなくなったレッドマン。チャンスとばかりにサタンモアは後ろから何度も背中を嘴で突いて攻撃し、ノーバは鞭で何度も叩きつけ、そしてブラックエンドは自慢の長い尻尾で何度も打撃を与えていく…。

 

 

 危うしなレッドマン!

 

 

 しかし、赤い体がオイルによって瞬く間に黒く染まりつつあるレッドマン………自身の誇らしい真っ赤なボディを汚された事に対し、怒りがヒシヒシと湧いて来ていた…!

 

 

 そして今、そんな怒り心頭な“赤いアイツ”の大逆転劇が始まる!

 

 

 嘴でレッドマンの背中を何度も突いたサタンモアは一旦離れ、目を光らせた後そこから破壊光線を発射する!

 

 

 …だが、光線発射の時を待っていたレッドマンは、捕えられているまま無理矢理力を入れてブニョをサタンモアの前に来るようにする。

 

 

 “ドガーン”

 

 

 やがてサタンモアの光線は誤ってブニョの頭部に命中して爆発し、それにより触角が破壊された事から、元々体が軟体性のブニョは遂に重力に耐えられなくなり弱体化する。

 

 

 レッドマンは、弱ったブニョを仰向けに押し倒すと同時にマウントを取る。

 

 

 “ザシュッ ザシュッ ザシュッ”

 

 

 そして、右手持ちのレッドナイフを何度も頭部に振り下ろして突き刺した!

 

 

 頭部を何度も刺されたブニョは、その部位から緑色の体液を噴き出していき、やがてそこを中心に徐々に体が全て溶けて液体化した後に消滅した…。

 

 

 ブニョを仕留めたレッドマンは、黒くなった体で、殺気立った表情で残りの三体の方を振り向く!

 

 その様子は正に「次はお前らだ!」と呼び掛けているようであり恐怖を感じるモノである。

 

 

 残り三体も案の定身構えていた。無理もない。(『ブラック指令』の協力があったとはいえ)一度はレオを死に追いやったブニョがこうも簡単にやられてしまったのだから…。

 

 

 だが、円盤生物たちは怯まず反撃を始める。

 

 

 ノーバは左右に振るえたりなどトリッキーな動きでレッドマンの目の前に急接近し、それによりレッドマンはふと驚く仕草を見せる。

 

 そしてレッドマンの目前までに来たノーバは首をかしげるような動作を見せる。

 

 

 恐らく、ノーバは掴み所のないトリッキーな動きでレッドマンを翻弄しようとしているのであろう。

 

 実際『ウルトラマンオーブ・バーンマイト』も見事にこの術にハマってしまったのだから…。

 

 

 だが、レッドマンは違った!

 

 

 「イヤッ!」

 

 

 レッドマンはノーバの術に惑わされる事無く、逆に両手でノーバの顔を鷲掴みしそのまま握り潰し始める!

 

 

 まるで風船かクッションのように丸い顔が潰れていくノーバ。たまらず反撃として口から赤い毒ガス『レッドクレイジーガス』を吐き出す!

 

 

 …だが、ここが運の尽きの瞬間であった…。

 

 

 よーく考えてみよう…浴びた相手を“凶暴化させる”ガスをレッドマンに浴びせて良かったのであろうか…?

 

 

 …案の定、ガスを至近距離で顔面に浴びたレッドマンは、何やら狂ったように高笑いをするような仕草を取る!

 

 

 ガスが回って来た証拠だ!

 

 

 反撃のつもりでやったはずの事が、ただでさえ戦闘狂のレッドマンを更に凶暴化させてしまったのである!

 

 

 「レッドアロー!」

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 いつもより荒っぽい声でレッドアローを取り出したレッドマンは、それを勢いよくノーバの口に突き刺す!

 

 

 「レッドサンダー!」

 

 

 そしてそのまま『レッドサンダー』を発動させ、レッドアローを通じて相手の体内に流し込む荒技『レッドゼロサンダー』をぶち込む!

 

 

 破壊光線を体内に流し込まれたノーバは全身から青白い電気を走らせながら動きを止める。

 

 

 「レッドキック!」

 

 

 “バゴンッ”

 

 

 レッドマンは動きを止めたノーバに、ややアウトロー気味に放った必殺キック『レッドキック』を叩き込んで吹っ飛ばし、蹴飛ばされたノーバは上空で花火のように大爆発して散った。

 

 

 あとはサタンモアとブラックエンドだけである!

 

 

 ブラックエンドはレッドマン目掛けて高熱火炎『デスマグマ』を噴射する!

 

 

 普通ならここでレッドジャンプで跳躍してかわすレッドマンなのだが、完全に狂気に拍車がかかった今回は違う!

 

 

 なんと手に持ったレッドナイフを前に突き出し、そのまま火炎を切り裂いて相殺しながらブラックエンドに駆け寄る!

 

 

 切り裂いた火炎の流れ弾が多少体に当たり焼けながらも怯まず走り続け、ブラックエンドとの距離を詰めていく…!

 

 もはや理性崩壊により、痛みすらほとんど感じなくなっているのであろうか…?

 

 

 やがて接近に成功したレッドマンはブラックエンドに組み付き、そのまま狂ったようにパンチやチョップを連打していく!

 

 

 その隙にサタンモアが再び嘴を突き立とうと接近していくが、レッドマンの無茶苦茶な打撃の流れ弾を頭部に喰らってしまい、たまらず地面に落下する。

 

 

 レッドマンは落下したサタンモアに気付き、それを拾い上げる…。

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 そして、なんとサタンモアの嘴をブラックエンドの体に突き刺してしまった!

 

 

 ブラックエンドは驚きと共に痛みにより錯乱し始め、嘴をブラックエンドの体に突き刺さられたサタンモアは身動きが取れなくなってしまった!

 

 

 「レッドナイフ!」

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 レッドマンは、再び手に取ったレッドナイフでサタンモアの首を斬り裂いた!

 

 

 それによりサタンモアの頭部と首から下の体が離れてしまい、体の方は力なく地面に落下し、頭部も目の光を失って完全に息絶えた…。

 

 

 最後に残ったブラックエンドは、サタンモアの頭部が体に刺さった状態のまま最後の力を振り絞ってレッドマンに襲い掛かる!

 

 

 ブラックエンドは、自身に組み付いているレッドマンを、腕にも似た二本角で挟み込んで捕える。

 

 そしてそのまま尻尾の先端による一突きを胸部に打ち込んで吹っ飛ばした。

 

 

 地面を転がったレッドマンはすぐさま体勢を立て直そうと膝を付くが、更にブラックエンドの放った尻尾の一撃を喰らい再び吹っ飛んだ。

 

 

 流石はブラックスター最強の円盤生物であり、かつてはレオを苦戦させただけあり、レッドマンをそれなりに手こずらせるブラックエンド。

 

 

 だが、凶暴化したレッドマンの猛攻を喰らい、更に深手も負っている今、消耗は激しかった…!

 

 

 レッドマンは再びブラックエンドに接近すると、両腕で二本角を掴み力任せに引っ張り始める…!

 

 

 時折足で押さえ込みながらも引っ張り続け、やがて角は根元から爆発と共に抜けてしまった!

 

 

 折られると力が半減してしまうという弱点でもある角を抜かれえたブラックエンドは完全に弱体化してしまった。

 

 

 「トォーッ!」

 

 

 “ザシュッ ザシュッ”

 

 

 レッドマンは引き抜いた角を持って急接近すると、一本を体の側面、もう一本を頭部にそれぞれ突き刺した!

 

 

 ブラックエンドはしばらく痙攣した後完全に息絶え、その場に崩れるように倒れてしまった…。

 

 

 遂に最後の円盤生物・ブラックエンドを倒したレッドマン。だが、これで終わりではなかった!

 

 

 レッドマンはブラックエンドの死骸の尻尾を掴むと、そのまま引きずりながら崖淵へと駆け始める!

 

 

 「レッドフォール!」

 

 

 やがてレッドマンは崖淵まで来ると、ブラックエンドの死骸を頭上高く担ぎ上げ、谷底目掛けて思い切り放り投げた!

 

 これは虫の息となった怪獣へのトドメとして使用する投げ技『レッドフォール』である。

 

 

 谷底に落下していくブラックエンドの死骸。やがて地面に衝突した印として、激しい衝撃音と共にレッドマンの周囲に地響きが走った…。

 

 

 すべての円盤生物を倒したレッドマンは、それらの死骸が転がる辺りを歩き始め、そして一匹ずつ見つめていく…。

 

 これは怪獣を倒した後、死んだかどうか入念に確認する『レッドチェック』とも言われている…。

 

 

 レッドマンがレッドチェックをしている最中、そんな様子を遠くで見つめる一つの人間大の影があった…。

 

 

 黒ずくめの服に身を包み、黒いハットをかぶっており、手にはそれぞれステッキと水晶玉を持っているその男は悔しそうな素振りを見せている…。

 

 

 奴はブラックスターから地球侵略のために差し向けられた刺客『ブラック指令』である!

 

 

 恐らくレオを倒そうとしたかつてのブラック指令のように、地球侵略に邪魔なレッドマンを倒すべく円盤生物を送り込んで来たがことごとく倒されてしまった事に悔しがっているのであろう…。

 

 

 やがてブラック指令はまた出直そうと振り向き、地球を出ようと飛び立とうとするが、その直後に何やら強い殺気を感じて恐る恐る振り向く…。

 

 

 その視線の先には、なんとレッドチェックを終え、いつの間にか等身大になっていたレッドマンが立っていたのだ!

 

 

 円盤生物を全て倒したレッドマンは、遂にその黒幕にも気づき、ついでに倒してしまおうとやって来たのであろう…!

 

 

 ブラック指令は驚きつつも、左手に持ったステッキを振るって殴り掛かるが、レッドマンはすぐさまそれをレッドアローで受け止めて防ぎ、腹部に蹴りを叩き込んで転倒させた。

 

 

 蹴飛ばされた事によりステッキを手放してしまったブラック指令は、仰向けで尻を付いたまま恐怖心により後ずさりを始める…。

 

 

 そんなブラック指令にレッドマンは問答無用で接近し、詰め寄る。

 

 その様子はまるで「敗者に相応しいエンディングを見せてやる!」と言い放っているようで確かに恐怖を感じる。

 

 

 レッドマンは、ブラック指令の円盤生物を操っていた水晶玉を持っている右腕を掴み、無理矢理引き寄せ始める…!

 

 ブラック指令は引き離そうと必死に掴まれた腕を振って抵抗するが、強く握ったレッドマンの手は、それを放さない…!

 

 

 「レッドナイフ!」

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 レッドマンは手に持ったレッドナイフでブラック指令の右手を手首から切り落としてしまった!

 

 

 ブラック指令は痛みや苦しみにより、辺りをのたうち回り始める…!

 

 

 レッドマンはそんなブラック指令を他所に、地面に転がった水晶玉を見下ろす…。

 

 

 “バリンッ”

 

 

 “ビキビキ…”

 

 

 やがてレッドマンは右足を振り上げると、水晶玉を思い切り踏みつけて粉々に砕いてしまった!

 

 

 そしてブラック指令も、水晶玉を破壊された事により、悶絶した後完全に息絶えてその場に倒れ込んでしまった…。

 

 ブラック指令の死体はやがて泡となって消滅した…。

 

 

 黒幕であるブラック指令をも逃さず倒したレッドマンは上を向き、勝利のポーズでもある右手を高く揚げるポーズをどこか満足げに決めた。

 

 

 そして背を向け、何処かへと歩き去って行った…。

 

 

 …だが、円盤生物は実はこれで終わりではなかった…!

 

 

 宇宙空間では、何やら円盤のような形状の頭部に、全体的にメカニカルな外見が特徴の円盤生物が地球を見つめていた…。

 

 

 これは『ロベルガー』という、『ウルトラマンメビウス』が地球に滞在していた時に出現した新種の円盤生物である!

 

 

 ブラック指令は万が一全滅した時の為に、ひっそりとロベルガーを待機させていたのである!

 

 

 『レッドマン、抹殺…!』

 

 

 ロベルガーはそう発声した後、何処かへと飛び去って行った…。

 

 

 新たに自分を狙う者が現れた事を今は知るはずも無い赤い通り魔・レッドマン。

 

 

 いずれはロベルガーと激突する日が来るであろう…。

 

 

 決して油断するな!レッドマン!

 

 

 戦え!レッドマン!

 

 

 

 ここで余談だが、更に同じ頃、ブラック指令や円盤生物の出身でもある悪魔の惑星『ブラックスター』が、地球目掛けて急接近を始めていた…!

 

 

 地球から1000キロメートル離れた宇宙に存在していたはずのブラックスターだが、既に数日前から接近を始めていたのか、あと数日で地球に衝突するぐらい近くまで来ていた…!

 

 

 このままではレッドマンはおろか地球が危ない!

 

 

 その時!

 

 

 “バギンッ”

 

 

 “ドゴーン”

 

 

 ブラックスターは突如真っ二つに割れ、大爆発して宇宙の塵になってしまった…!

 

 

 その爆風の中から、一匹の巨大生物が飛び出す。

 

 

 二又に分かれた頭部にブレード状の両腕が特徴の鳥型のその怪獣は『再生怪獣ギエロン星獣』である!

 

 

 宇宙を飛行していたギエロン星獣は、頭や腕の頑丈さを活かした体当たりでブラックスターを破壊したのだ!

 

 

 ブラックスターを破壊したギエロン星獣は、そのまま地球向かって飛行を続ける…。

 

 

 はて、恐らくこのギエロン星獣はかつての個体のように地球に復讐しに向かっているのであろうか…?

 

 

 次々と身を潜める敵達。レッドマンの戦いにやはり休息は無い…!

 

 

 〈完〉




 読んでいただきありがとうございます!

 いかがでしたか?

 ここから『VSギエロン星獣』に繋がるワケです。


 ロベルガーとのバトルもいずれ製作しますのでそちらもお楽しみに!


 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています!


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命を懸けた大決闘!!編
VSボガール


 こんばんは!


 今回の相手はリクエストに挙がっていた“戦慄の捕食者”です。


 また、今回は怪獣の天敵同士の戦いでもあります笑


 また今回、私の考えたレッドマンの新技が炸裂します!


 (レッドマン登場BGM)

 

 

とある緑ある渓谷。

 

そこを一人の赤い影が一人走っていた………。

 

 

その赤い影の正体は、真っ赤なボディに朝清の暖帽のような頭部、銀色のベルト・手袋・ブーツを付けているが特徴の戦士・レッドマンである。

 

 

 彼はレッド星雲・レッド星出身の平和を愛する戦士であり、銀河連邦の一員でもある。

 

 

 彼は使命からか、いつも人知れず地球で怪獣や宇宙人と戦いを繰り広げている。

 

 

 ここまでだと普通の正義のヒーローと思われるが、問題は彼のやり方である!

 

 

 実は彼は、怪獣討伐のためなら手段を選ばない主義であり、例え戦意が無く逃げる怪獣にも無理矢理戦いを持ち込ませ、馬乗りなってナイフや槍で滅多刺し、首をチョンパ、崖から投げ落とす等と言う余りにも残酷なやり方で怪獣を倒すのである!

 

 はて、彼は銀河連邦の一員であるが故に正義感が強すぎるのか、それとも怪獣に個人的な恨みでもあるのであろうか………?

 

 何はともあれ、これらの残酷な行動から、一部では“赤い通り魔”と言われ恐れられているのだ。

 

 

 そんな赤いアイツ・レッドマンは今日も早速、右手には石突が十字架の形をした手槍・レッドアロー、左手には短剣にも似た大型のナイフ・レッドナイフを持ち、何処かへと走って向かっていた。

 

 怪獣を見つけたことにより、赤い通り魔としての闘志が早くもマックスにまで達しているのであろうか?

 

 それにしてもナイフとアローを手に走っていくその姿は、まるで殺しに向かう殺人鬼のようでどこか不気味である。

 

 

 やがて、レッドマンは目標の場所へと到着した!

 

 

 ………だが、どうした事かレッドマンは手に持っていたレッドアローとレッドナイフを落としてしまう。

 

 まるで予想外の出来事に動揺している様である。

 

 

 そんなレッドマンの視線の先を見てみると、何やら二体の怪獣が対峙していた。

 

 一匹は直立した象のような外見が特徴の怪獣『忍者怪獣サータン』である。

 

 そしてもう一匹の怪獣はというと、何やら妙な様子であった。

 

 なんでもそのもう一匹の怪獣は、何やら翼のような膜を広げて何かを包み込んでいる様であったのだ!

 

 その膜の中からはみ出ている物を見て、レッドマンは反応をする。

 

 そのはみ出ている物とは、蛇腹のような形に先端が鋏である腕のような物であった………。

 

 ………そう、これは『岩石怪獣サドラ』の腕なのである!

 

 謎の怪獣はやがてはみ出ている腕までも膜の中に取り込み、やがて広げていた膜を縮めて背中に戻した時には、サドラの姿は完全に消えていた………。

 

 その光景に驚愕するレッドマン。

 

 その間にも謎の怪獣は、続けて抵抗するサータンまでも大きく広げた膜の中に包み込み、やがて膜を背中に戻した後腹を叩く仕草を見せる。

 

 その仕草はまるで満腹にでもなったかのようであった。

 

 

 ………そう、奴はサドラとサータンを“捕食”してしまったのである!

 

 

 牙の生えた翼のような被膜を背中に持つその怪獣の名は『高次元捕食体ボガール』である!

 

 

 奴は、怪獣でありながら高い知能と凶悪な心を持つ生命体である。

 

 尽きる事の無い食欲を持ち、怪獣を主な食料としており、餌となる怪獣を宇宙、もしくは地底から呼び寄せては捕食するという行動を繰り返す、所謂怪獣の天敵とも言われる恐るべき存在である。

 

 

 かつてボガールは、光の国の科学者であるウルトラマンヒカリが見守っていた『惑星アーブ』を滅ぼしたことがあり、それによりアーブの鎧という復讐の鎧を纏ったヒカリ・ハンターナイトツルギにより仇として追われ地球に飛来している。

 

 地球でも怪獣を呼び寄せては捕食するなどして猛威を振るい、やがて第2形態のボガールモンスへと進化しているが、地球に来たツルギ、そして彼に協力したウルトラマンメビウスや防衛チーム・CREW GUYSとの連携により撃破されている。

 

 

 今回現れた個体は恐らく、メビウス達が戦った奴の別個体であろう。

 

 そして奴もまた、先ほどのように怪獣を呼び寄せては捕食するという行動を繰り返しているのである。

 

 

 思わぬ敵により、標的だったサドラとサータンが捕食されるのを目の当たりにしたレッドマン。

 

 ………すると、レッドマンは下ろしていた拳を静かに強く握り始める。

 

 震えるまでに強く握るその拳からは、何やら底知れぬ怒りを感じる。

 

 

 「レッドファイト!」

 

 

 (BGM:レッドマン(インストゥルメンタル))

 

 

 レッドマンはファイティングポーズを取って戦闘開始の掛け声を上げ、猛然とボガール向かって跳びかかる。

 

 そして、跳びかかりながらの右肩での体当たりをボガールの背中に叩き込んで吹っ飛ばす!

 

 不意を突かれた攻撃にボガールはたまらず吹っ飛ぶが、すぐさま体勢を立て直して着地する。

 

 

 ボガール向かい駆けるレッドマン。新たな敵の出現に気付いたボガールもまた、レッドマン目掛けて駆け寄る。

 

 そして両者は組み付き、その衝撃により地面から土煙の柱が吹きあがる!

 

 

 しばらくお互い組み付いたまま押し合って力比べをした後、レッドマンは右膝蹴りを腹部に打ち込んで後退させることで自身からボガールを離す。

 

 ボガールは鋭い爪の生えた両腕を振るってパンチを繰り出すがレッドマンはそれをことごとくかわし、逆に腹部に右拳、左拳と重みのあるパンチを打ち込み、続けて右腕を掴むと同時に胸部に右脚の横蹴りを打ち込み、更に跳躍して右足蹴りを胸部に叩き込んで後退させる。

 

 

 するとボガールは、尻尾をレッドマン目掛けて長く伸長させる!

 

 レッドマンは思わぬ行動に対処できないまま左腕を尻尾で絡まれてしまう。

 

 そしてボガールはそのまま尻尾でレッドマンを後方へ投げつけて地面に叩き付ける!

 

 叩きつけられてもなおも左腕に絡み付く尻尾。ボガールはなおも叩き付けるつもりだ。

 

 

 「レッドナイフ!」

 

 

 “ズバッ”

 

 

 だが、これで怯む赤い通り魔ではない。

 

 レッドマンはすぐさまレッドナイフを取り出し、絡み付く尻尾を切り落とす!

 

 

 思わぬ攻撃にボガールが怯んだ隙に、レッドマンは背後から思い切り跳びかかりながら右膝を背中に叩き込んで転倒させる!

 

 そしてうつ伏せに倒れ込んだボガールに馬乗りになり、激しくパンチ、チョップ、更には膝によるストンピングなどを連打する。

 

 

 今回は怒りを込めているかのように、攻撃の一つ一つに重みを感じるレッドマン。

 

 恐らく赤い通り魔として、今回狙っていた獲物(サドラ、サータン)を横取りされた事で怒り狂っているのであろう。

 

 レッドマンの、食べ物の恨みならぬ怪獣の恨みは恐ろしいものである。

 

 哀れボガール、このままレッドマンの逆鱗に触れて倒されるのであろうか………?

 

 

 だが、レッドマンは突如自身の首に違和感を感じ攻撃を中断する。

 

 

 なんと、先ほど切り落としたはずの尻尾が再生しており、レッドマンの首に巻き付いているではないか!

 

 

 実は、ボガールの尻尾は再生能力があり、かつて現れた個体もメビウスに尻尾を切られたが後に再生している。

 

 レッドマンが苦しんでいる隙にボガールは立ち上がり、至近距離で両腕を振るって光弾を連射する!

 

 光弾の雨あられで怯んだレッドマンに、ボガールは両腕を振るって爪を活かした殴り込みを浴びせ、右脚の横蹴りを腹部に打ち込み、更に右フックを顔面に叩き込んで吹っ飛ばす。

 

 

 立ち上がり、ボガールの方を振り向くレッドマン。

 

 だが、ボガールは既に目の前で翼上の大口を開けていた!

 

 体全体の大口で、レッドマンに被り付くボガール。ボガールは、今度はレッドマンを捕食しようとしているのだ!

 

 やがて被膜は、レッドマンを完全に包んでしまった!

 

 

 このまま赤い通り魔もボガールの餌食になり、ついに戦いに終止符が打たれてしまうのであろうか………!?

 

 

 だが!

 

 

 「レッドナイフ!」

 

 

 “ズバッ” “ズバッ”

 

 

 ボガールの被膜の中から声が響いたと思うと、なんとレッドマンは内部からレッドナイフでボガールの口となっている両翼を切り落として脱出したのである!

 

 

 脱出に成功したレッドマンは「どうだ!」とばかりに光るレッドナイフを見せびらかす様に構えを取り、捕食口を失ったボガールは劣勢となる。

 

 

 (BGM:レッドマン)

 

 

 「レッドアロー!」

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 レッドマンの投げたレッドアローは、ボガールの右足の甲を貫いて地面に刺さる!

 

 そしてそれによりボガールの動きを封じたレッドマンは「覚悟しろよ~?」とばかりに指をポキポキ鳴らす。

 

 これでも十分強烈な殺気を感じるモノである、と言うか、完全に殺る気満々である(笑)

 

 

 赤い通り魔から獲物を奪い、更に捕食しようとしたことで完全に怒りを買ってしまったのだろう………。

 

 哀れ、戦慄の捕食者。

 

 

 「レッドキック!」

 

 

 “バゴンッ”

 

 

 レッドマンは高く跳躍し、落下しながら踵落としでのレッドキックをボガールの頭部に叩き込む!

 

 

 それによりボガールがふらついたところにさらに右、左と拳のパンチを顔面に叩き込み、腹部に二発右拳のパンチを打ち込み、更に顔面に右拳を叩き込んだ後、腹部に乱暴気味の右足の前蹴り(所謂ヤクザキック)を叩き込む!

 

 

 レッドマンの怒りの猛攻を受けるボガール。逆に可哀想にも見え始める(笑)

 

 

 ボガールを蹴飛ばすと同時にレッドアローを引き抜くレッドマン。

 

 ボロボロのボガールは背を向けてすごすごと退散しようとするが、レッドマンは「逃がさねえよ?」とばかりに肩を掴んで食い止る。

 

 

 “ズガーン”

 

 

 そしてレッドマンは左手で左腕、右手で後頭部を鷲掴みにし、そのままボガールの顔面を岩山に叩き付ける!

 

 

 “ズガーン ズガーン ズガーン…”

 

 

 続けて何度も叩きつける!

 

 顔面が岩山に叩きつけられる度に、土煙や土砂が巻き上がり、小さな岩が無数に飛び散る。

 

 

 完全にグロッキーとなったボガールを一旦ポイと投げ飛ばすレッドマン。

 

 

 そして再びレッドアローを手に取り、猛然とボガールに駆け寄る!

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 レッドアローの渾身の一突きが、ボガールの腹部に突き刺さる。

 

 すると、レッドマンはそのままボガールの腹部に刺さっているレッドアローに左腕をかざし、渾身のエネルギーを込める!

 

 

 「レッドサンダー!」

 

 

 そして左手から破壊光線・レッドサンダーを発射し、それをレッドアローを通じてボガールの体内に流し込む!

 

 

 破壊光線を体内にぶち込まれるボガールは全身が稲妻のような光を発して発行しながらもがき苦しむ。ましてや、自身の苦手な『電気』属性の光線技なのだから尚更である。

 

 

 恐らくレッドマンは、先ほどボガールの尻尾が再生したのを知って、二度と再生しないように体内から徹底的に粉砕しようと考えたのであろう。

 

 何という学習能力であろうか。

 

 

 これぞ、レッドアローとレッドサンダーを融合させたレッドマンの新技。『レッドゼロサンダー』とでも名付けておこうか。

 

 

 しかしこの技は、レイの古代怪獣ゴモラの『超振動波(ゼロシュート)』や、ウルトラマンオーブ(ハリケーンスラッシュ)の『ビッグバンスラスト』に、どこか似たものを感じる。

 

 

 やがてボガールはもがき苦しんだ末、全身を発光させながら膨張し、破裂するように大爆発した!

 

 それも文字通り、二度と再生できない程に、跡形も無く完全に消し飛んだ。

 

 

 ボガールを撃破したレッドマンはその場で立ち尽くし、余韻に浸るかのように空を見上げる。

 

 獲物を横取りした者をぶっ倒した事でスッキリしたのか、それとも怪獣を捕食する者を倒したことで、自分の獲物を横取りする奴がいなくなったことでの安心が出て落ち着いたのであろうか………?

 

 

 だが、一方で本来狙っていたサドラとサータンを仕留め損ねた事への悔いもあってか、拳を少し強く握っていた………。

 

 

 やがてレッドマンは、背をむせて何処かへと歩き去って行った、、、。

 

 

 でも確かに、あのままボガールを放置していたら、全ての怪獣が食べ尽くされ、それによりレッドマンの使命も終わりを迎えていたであろう。

 

 そう考えると、レッドマンにとっては楽なのかもしれない。

 

 だが、赤い通り魔たるもの、どうやらどうしても一人の力で怪獣を倒したいようであり、またそれが彼の生き甲斐なのであろう………。

 

 

 だが、ボガール族の中には今回のような個体の他にもボガールモンスのような進化体や、レッサーボガールのような劣化個体、更にはアークボガールという王までいるのである!

 

 いずれそいつらも、赤いアイツと対決する日が来るのであろうか、、、?

 

 

 とにかく、いつ、また誰に獲物(怪獣)を横取りされるかは分からない、、、!

 

 油断するな!レッドマン!

 

 

 〈完〉




 いかがでしたか?


 赤い通り魔VS戦慄の捕食者。怪獣の天敵同士の戦いを制したのはやはり“赤い通り魔”でした(笑)


 レッドゼロサンダーは今後も使うかもなのでそこら辺もよろしくお願いします笑


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VSエタルガー

 今回は相手が相手と言う事もあり、『劇場版ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!』を尊重した内容となっております。


 また、後半にはエタルガーと同じくリクエストに挙がっていたあのカオスの巨人との戦いも繰り広げられます。


 また、レッドマンシリーズには珍しく台詞も入っておりますので、「こんなのレッドマン(という作品)らしくない!」と腑に落ちない方も出ると思いますのでご了承ください。


 とある宇宙に浮かぶ緑豊かな惑星。

 

 

 南国風の緑が広がり、大きな川が流れ、山がそびえ立つその惑星は一見地球とほぼ変わらないようにも見えた。

 

 

 だが、地球とは異なる驚くべき違いが一つあった。

 

 それは人間だけではなく、友好巨鳥リドリアス、古代暴獣ゴルメデ、地中怪獣モグルドン、電撃怪獣ボルギルス、毒ガス怪獣エリガル、隕石小型珍獣ミーニンなどの怪獣たちがあちらこちらに生息しているではないか!

 

 

 実はこの惑星は我々が住む宇宙とは違い、ウルトラマンコスモスが存在する宇宙・コスモスペースに存在する惑星・遊星ジュランである。

 

 遊星ジュランはかつては守護獣パラスタンが守っていた緑豊かな惑星であったが、怪獣兵器スコーピスの襲撃に遭いパラスタンをも含めて滅ぼされてしまっている。

 

 だが、後にこの地を復活させるため、そして怪獣と人間の共存できる場所として開拓・移住するネオユートピア計画が実行され、それによって今ではこのように人間と怪獣が共存する楽園となっているのだ。

 

 遊星ジュラン開拓チームのリーダーでもある、かつてコスモスペースの地球でウルトラマンコスモスと一心同体になって戦ったチームEYESの隊員である青年・春野ムサシも、この惑星でかつて同じく防衛チーム・チームEYESの隊員であった森本アヤノと結婚し、一人息子ソラと三人でこの惑星で暮らしている。

 

 また、怪獣との共存はムサシの夢でもあったため、正にムサシは夢を見事実現させたと言えよう。

 

 

 このように人間と怪獣が平和に暮らす緑あふれる惑星。今日も、何事も起こらないと思われた。

 

 

 

 ところが、突然青い空に大きな時空の穴・ワームホールが現れる!

 

 そしてその中から巨大な浮遊城が現れ、その中から一つの影が飛んで現れ、緑の大地に着地する。

 

 

 「ここが遊星ジュランですか………さあ出て来なさい!ウルトラマンコスモス!」

 

 

 何やらコスモスを狙っていると思われるその巨人は、金色の強固な鎧と赤い羽衣を身に纏い、仮面を付けている。

 

 

 奴の名は『超時空魔神エタルガー』である!

 

 

 奴は先ほど現れた超巨大浮遊城・時空城で時空を越えて移動し、各世界でウルトラマンを封印して回っている時空の戦士である。

 

 その理由などは不明だが、後のウルトラマンギンガの変身者・礼堂ヒカルの指摘によると彼はウルトラマンと人間の絆を最も恐れており、それを、消し去ると同時にウルトラマンを封印することを目的としていると言われている。

 

 

 「全宇宙の平和のため、邪悪なウルトラマンは全て封印する!」

 

 

 時空城の中では、鋭い目つきでウルトラマン封印を宣言するアジア風の衣装に身を包んだ女戦士が立っていた。

 

 

 彼女の名は『アレーナ』。

 

 

 彼女はエタルガーと共に時空城に乗って移動し、『魔鏡』という鏡でウルトラ戦士を次々と封印している女戦士である。

 

 

 ウルトラマンギンガにより故郷を滅ぼされ、その際にエタルガーに救われた事から、ウルトラ戦士たちを「邪悪な者」「平和を乱す敵」と認識しており、エタルガーは彼女の従者とされている。

 

 

 だが、実はその正体は平和な惑星『惑星ザント』の鏡の力を持つ種族の王女であり、上記の出来事はエタルガーの能力により植え付けられた偽りの記憶に過ぎないのである!

 

 

 つまりエタルガーは、ウルトラ戦士を封印するために彼女を洗脳して利用している正真正銘の悪党であり、その本性は今付けている赤い仮面の下に隠されている骸骨のような醜く恐ろしげな表情にも表れていると思われる。

 

 

 時空城で時空を移動し、ウルトラ戦士を次々と封印していくエタルガーとアレーナ。

 

 今回はウルトラマンコスモスを狙いにここ遊星ジュランに来たのである!

 

 

 

 だがエタルガーがコスモスの出現を待つ中、時空城の下端につかまってぶら下がっている一人の巨人の影があった。

 

 その巨人はそこから飛び上がり宙返りをすると、エタルガーの目前で着地する。

 

 

 エタルガー「現れましたね。………ん?」

 

 アレーナ「………あいつは誰だ?」

 

 

 エタルガーもアレーナも巨人の登場に反応するが、何やら妙な反応をする。

 

 なんでもコスモスの基本モードは青い姿の『ルナモード』のはずなのだが、現れたのは赤い姿の巨人なのである。

 

 初っ端からコロナモードで現れたのか?そう思った瞬間、二人は更なる違いに気付く。

 

 

 真っ赤な体に清朝の暖帽をかぶったような形状の頭部、銀色の手袋、ベルト、ブーツを付けているなどと、その巨人の姿はコスモスとは全く違うモノであった!

 

 

 そう、現れた赤いアイツの名は『レッドマン』である!

 

 

 (レッドマン登場BGM)

 

 

 彼はレッド星雲のレッド星出身であり、銀河連邦の一員である。

 

 普段彼は銀河連邦からの使命からか人知れず怪獣や宇宙人と戦っているが、今回はどうした事かこっそり時空城につかまって来たのである!

 

 因みに彼は正義感が強いのかそれとも怪獣に個人的な恨みでもあるのか、怪獣の倒し方が槍やナイフで滅多刺しにする、虫の息になったところで崖から投げ落とすなどと非常に惨たらしく、更に戦意の無い怪獣をも執拗に追いかけまわしては倒すという、お世辞にもヒーローとは言い難い過剰な行動が目立つのだ!

 

 これらの行動から彼は一部では『赤い通り魔』とも言われ恐れられている。

 

 そんな赤い通り魔ことレッドマン。狙いを定めるかのようにエタルガーと対峙していた。

 

 

 エタルガー「何者かは知りませんが、何やら危険な臭いがしますね………いいだろう、まずは貴様から仕留めるとしよう。」

 

 

 実際、レッドマンは危険人物である(笑)

 

 エタルガーの言葉を聞いたレッドマンは無言で首や指をポキポキと鳴らす。

 

 相手の打倒宣言により、赤い通り魔の血が刺激されたのであろうか………?

 

 

 「レッドファイト!」

 

 

 (BGM:レッドマン(インストゥルメンタル))

 

 

 レッドマンはファイティングポーズを取って戦闘開始の掛け声を上げると、エタルガー目掛けて跳びかかる。

 

 レッドマンは先手必勝の飛び蹴りを放つが、エタルガーはそれを片手で脚を叩き落とすことで易々と防ぐ。

 

 怯まずレッドマンは右エルボーを繰り出すがエタルガーはそれを左手で掴んで防ぎ、続けてレッドマンが切り替えて打って来た左拳のパンチも右手で掴んで防ぐ。

 

 両者はそのまま組み合って激しい膝蹴りの応酬を繰り広げる。

 

 膝と膝が激しくぶつかり合い、両者の戦いの激しさを物語るように周囲の地面が土砂や土煙を激しく巻き上げる。

 

 

 やがてエタルガーの右膝蹴りがレッドマンの左横腹にヒットするが、直後にレッドマンがお返しとばかりに右膝蹴りをエタルガーの左横腹に決める。

 

 そして両者は一旦離れた後、両者同時に右前蹴りを繰り出し、両者とも蹴りが腹部に命中し後退する。

 

 

 レッドマンは再び跳びかかりながら右拳のパンチを繰り出す。

 

 エタルガーはそれを腕をクロスさせて防ぐが、それによって出来た隙を突かれ腹部に左拳のボディブローを喰らい、それにより怯んだところに右横蹴りを胸部に喰らって後退する。

 

 

 レッドマンは右横蹴りを繰り出すが、エタルガーはそれを左腕で掴んで防ぐ。怯まずレッドマンはそのまま左横蹴りを繰り出すが、それもエタルガーの右腕に掴まれて防がれる。

 

 両足を掴まれたレッドマン。だがレッドマンは、そのまま足に力を入れ、体を思い切りひねることでフランケンシュタイナーの要領でエタルガーを地面に叩き付ける!

 

 そしてそのまま仰向けに倒れたエタルガーに馬乗りになり、パンチ、チョップなどの雨あられを浴びせていく。

 

 

 各世界でウルトラ戦士を倒し、ウルティメイトゼロまでとも互角に戦うほどの高い戦闘力をもつエタルガーと互角に戦う赤い通り魔。

 

 長年怪獣たちと戦ってきただけにその戦闘センスはエタルガーにも引けを取らない。

 

 

 エタルガー「おのれ小癪な!」

 

 

 だが、エタルガーも負けてはいない。

 

 エタルガーは馬乗りになっているレッドマンを右脚で蹴り飛ばすことで馬乗りから逃れる。

 

 更に立ち上がると、全身から無数の赤い光弾を発射し、レッドマンはその光弾の雨を浴びて怯む。

 

 レッドマンが光弾攻撃に怯んでいる隙にエタルガーはレッドマンの首根っこを片手で掴んで持ち上げ、そのまま放り投げて地面に叩き付けた。

 

 

 エタルガー「我々の今回の狙いはウルトラマンコスモス。いつまでもこんな赤い奴に手こずってはいられません。

 

 

 ここからは、奴にたっぷりと恐怖を味わってもらいましょう。」

 

 

 そう言うとエタルガーは背中の角から赤い光を発射し、それを猛反撃で怯んでいるレッドマンに浴びせる。

 

 

 エタルガー「さあ戦うのです。貴様の最も恐れる宿敵と!」

 

 

 エタルガーがレッドマンに浴びせている光。

 

 それはエタルガー最大の特徴と言える、相手の最も恐れる存在を『エタルイマージュ』として幻覚で見せたり、『エタルダミー』として実体化させて操るという恐るべき能力なのである!

 

 エタルガーはこの能力でレッドマンの最も恐れる存在を実体化させて戦わせ、自分はその隙にコスモスを襲撃しようと考えているのである!

 

 赤い光に包まれているレッドマンはその自身の姿に戸惑う。果たして彼の最も恐れる存在とは何なのであろうか………!?

 

 

 

 ………だが、どうした事かレッドマンを包んでいた赤い光は徐々に薄まっていき、やがてエタルダミーが現れないまま完全に消えてしまった。

 

 自身を包んでいた光が消えたレッドマンは、「何だったんだ?今のは。」とばかりに受け流すと、再びエタルガー目掛けて駆け始める!

 

 

 エタルガー「何っ!?」

 

 アレーナ「!奴には怖いモノが無いのか!?」

 

 

 エタルガーとアレーナは驚愕する。

 

 それもそのはず、エタルガーの光を浴びたにも関わらずイマージュもダミーも現れる事無く光が消えてしまい、浴びたレッドマン本人も何事もなかったかのように平然としているからだ。

 

 

即ち、レッドマンにはこれまで戦ってきた怪獣たちの中で、恐怖を植え付けられた相手は誰もいなかったという事である!

 

 

 彼はは常に赤い血潮を真っ赤に燃やしている。そのため、恐れるものは何も無いのである!

 

 

 「レッドキック!」

 

 

 “バゴンッ”

 

 

 エタルガー「!ぐおあっ!」

 

 

 レッドマンはエタルガーに駆け寄りながら、右足の跳び蹴り『レッドキック』を放ち、動揺していたエタルガーは防御態勢を取れずにそれを胸部に喰らって吹っ飛ぶ。

 

 

 「レッドアロー!」

 

 

 レッドマンは今度は石突きが十字架の形をした手槍・レッドアローを投げつける!

 

 風をつんざき、エタルガー目掛けて一直線に飛ぶレッドアロー。

 

 

 エタルガー「かああっ!」

 

 

 “カキーン”

 

 

 エタルガーは腕を振るって飛んで来るレッドアローを弾き飛ばした。

 

 …だが、そうしてる間にもレッドマンはいつの間にか短剣にも似た大型のナイフ・レッドナイフを手に接近していた!

 

 

 「レッドナイフ!」

 

 

 レッドマンは右手に持つレッドナイフをエタルガーの左肩に突き立て、そのまま斜め下に振り下ろして斬撃を決める!

 

 

 エタルガー「!ぐぉああっ!」

 

 斬られた部位は爆発を起こし、至近距離からの渾身の斬撃を受けたエタルガーはダメージを受けて後退する。

 

 強固な鎧を身につけている流石のエタルガーも、これまで多くの怪獣を惨殺してきたレッドマンの二大凶器の一つ・レッドナイフによる至近距離からの斬撃には叶わなった。

 

 

 「レッドフォール!」

 

 

 “ズドーン”

 

 

 エタルガー「ぐおはっ!」

 

 

 更にレッドマンはエタルガーの左肩を右手、股間部を左手でそれぞれ掴み、投げ技・レッドフォールで上から思い切り放り投げる!

 

 エタルガーは空高く吹っ飛び落下して地面に激突した。

 

 

 エタルガー「くっ…おのれー………ん?」

 

 

 エタルガーが立ち上がったその時、突如背後に青と金色の光が現れたことに気付き振り向く。

 

 その光からやがて一人の青い巨人が右の掌を突き出して現れる。

 

 

 現れたその巨人こそ、エタルガーの真の目的・ウルトラマンコスモス(ルナモード)であった!

 

 

 エタルガー「現れたなウルトラマンコスモス。

 

 我が名はエタルガー。ウルトラマンを封印する時空の戦士。」

 

 

 コスモスは一目で強敵と感じたのか、警戒するように構えを取る。

 

 

 エタルガー「貴様の恐れる宿敵と共に、手っ取り早くやっつけてしまいましょう。」

 

 

 そう言うとエタルガーはコスモスに、先ほどレッドマンに浴びせた赤い光を浴びせる!

 

 そしてその光はコスモスから離れ、やがて実体化を始めた。

 

 

 エタルガー「カオスウルトラマンカラミティ。」

 

 

 エタルガーの発言と共に赤い光は、『カオスウルトラマンカラミティ』へと実体化を果たした!

 

 コスモスの恐怖から生まれた存在であるため、正式名は『カオスウルトラマンカラミティ(エタルダミー)』である。

 

 

 即ち、コスモスの最も恐れる存在は、カオスウルトラマンカラミティだったのである!

 

 

 今は『カオスヘッダー0』としてジュランで共存しているも、かつてはコスモスと戦っていた『カオスヘッダー』が、ムサシに取りつき、コスモスの力を分析しコスモスの姿となり『カオスウルトラマン』へと実体化した事がある。

 

 そしてそのカオスウルトラマンがさらなる進化を遂げたのが、このカオスウルトラマンカラミティ(以降:カラミティ)である。

 

 

 カラミティは、コスモス(エクリプスモード)を模した姿形に赤と黒を基調とした体色をしており、エクリプスモードの能力を学び取ったことでカオスウルトラマンより邪悪で凶悪な力を得て、エクリプスさえ上回る戦闘力を誇る。

 

 そのため、かつてコスモスを三度にわたって圧倒的な戦闘力で圧倒し、一度は勝利した事さえあるのである。

 

 

 なるほど、これだけの強敵と三度も激戦を繰り広げたのであれば、トラウマでなくとも少なくとも強く記憶に残るであろう。

 

 

 因みにこれは後の出来事だが、この後の『ウルトラマンギンガ』の世界での戦いの際も、エタルガーはムサシにエタルダミー(イマージュ)の光を浴びせているのだが、ムサシは何故か影響を受けることは無かったのである。

 

 はて…コスモスにはあっても、ムサシ自身には怖いモノが無いという事なのであろうか………?

 

 

 コスモスはエタルガーに加え、カラミティまでも現れたことにより驚愕する。

 

 そしてしばらく二人と対峙した後、遂に戦う決心をし向かおうとしたその時、

 

 

 「レッドアロー!」

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 突如カラミティの足元に、飛んで来たレッドアローが刺さる!

 

 カラミティが驚いて背後を向いた瞬間、レッドマンが勢いよく跳び付き、そのまま地面を転がり始める。

 

 レッドマンは、次の標的をカラミティに変えたのである!

 

 恐らくカラミティのボディカラーに多く取り込まれている自身の色“赤色”を見たことで、赤い通り魔としての本能が再び刺激されたのであろう。

 

 

 エタルガー「これは予想外………では、コスモスは俺自身が倒すとしますか。」

 

 

 思わぬ事態が起こったもののエタルガーはすぐさま切り替え、構えを取った後コスモス目掛けて駆け始める!

 

 コスモスもまた、構えを取った後エタルガー目掛けて駆け始める!

 

 そして、両者は組み付いて戦いを始めた!

 

 

 

 (BGM:レッドマン)

 

 

 組み合っていたレッドマンとカラミティは、一旦離れた後互いに睨み合いを始める。

 

 そして互いに構えを取って接近し格闘戦を始める!

 

 激しくパンチ、キックなどが火花を散らしながらぶつかり合う!互いに一歩も譲らない互角の戦いを繰り広げる。

 

 やがてカラミティはレッドマンの右ハイキックを体を後ろに反らして避け、レッドマンはそのまま回転し左後ろ回し蹴りを繰り出すがカラミティはそれを脚を叩き落とすことで防ぎ、レッドマンの腹部目掛けて右横蹴りを繰り出すがレッドマンはそれを腕をクロスさせて防ぐ。

 

 その後レッドマンは隙を逃さずカラミティの右横腹に右手の水平チョップを決め、さらに胸部に左右パンチを打ち込んで後退させる。

 

 

 ダミーとはいえ本物と変わらぬ強さを発揮するエタルダミーのカラミティ。しかし長年戦ってきた赤い通り魔も、それに引けを取らない戦いを繰り広げる。

 

 

 カラミティは反撃の右前蹴りを繰り出すがレッドマンは足を掴むことでそれを受け止め、そのまま前に放り投げるが、カラミティは投げられた勢いを利用して空中で反転した後着地する。

 

 カラミティは続けて右横蹴りを繰り出すがレッドマンがそれを左腕で受け止めると同時に右拳のパンチを胸部に決め、怯んだ隙に更に右肘、跳躍しての右前蹴りを胸部に叩き込んで後退させる。

 

 

 だが、カラミティも負けてばかりではない。

 

 カラミティは体勢を立て直すと、コスモスをも上回る持ち前のスピードでレッドマンに猛接近し、腹部に右足の後ろ回し蹴りを叩き込んで吹っ飛ばす!

 

 レッドマンは吹っ飛んで地面に仰向けに激突するが、その勢いを利用して後転して立ち上がる。

 

 そして跳躍して右横蹴りを放つがカラミティはそれを左腕で掴んで受け止める。

 

 だが、レッドマンはそのまま跳躍して左横蹴りを放ち、蹴りはカラミティの頭部に命中した!

 

 

 「レッドキック!」

 

 

 “バゴンッ”

 

 

 更にレッドマンは、怯んだカラミティに右足での跳び蹴り・レッドキックを放ち、胸部に叩き込む!

 

 

 蹴りを喰らって後退したカラミティは、レッドマン目掛けて腕を突き出し、破壊光弾・ブレイキングスマッシュを連射する!

 

 レッドマンは光弾を避けながら、足元など自身の近くの地面で光弾が爆発する中カラミティ向かって駆けて行く。

 

 カラミティは今度はコスモス(エクリプスモード)の必殺光線・コズミューム光線に似たポーズで、腕先から必殺光線・カラミュームショットを放つ!

 

 

 「レッドナイフ!」

 

 

 レッドマンはすぐさまレッドナイフを取り出し、それでカラミュームショットを切って防ぎつつなおも走って接近する。

 

 

 そして、やがて目前まで来たところで右前蹴りを繰り出すが、カラミティはそれを跳躍して避け、空中で宙返りをしてレッドマンの後ろに回り込む。

 

 そして、レッドマンに背後から攻撃しようと猛接近を始める!

 

 

 しかし、

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 レッドマンは既に手に持っていたレッドアローを、振り向かないまま背後から接近するカラミティの腹部に突き刺した!

 

 そしてそのまま振り向いてレッドアローを持ち替え、渾身の力を込める!

 

 

 「レッドサンダー!」

 

 

 レッドマンは、カラミティの腹部に突き刺したレッドアローを通じてカラミティの体内に必の破壊光線・レッドサンダーを流し込む!

 

 

 これぞ、ボガールとの戦いで初披露した新技・レッドゼロサンダーである!

 

 

 破壊光線を体内に流し込まれるカラミティはしばらくもがき苦しんだ後、やがて全身が発行し、内部から破裂するように大爆発し、完全に消し飛んだ。

 

 

 エタルガーがコスモスの恐怖から生み出したカオスウルトラマンカラミティのエタルダミーを撃破したレッドマン。

 

 すぐさまエタルガーの方を振り向くが、既にエタルガーがコスモスを倒し、弱ったコスモスをアレーナの魔鏡で封印した後であった。

 

 そしてよく見てみると、いつの間にかエタルガーを追ってやって来た『ウルトラマンゼロ』(正確にはウルティメイトゼロ)まで来てしまっている。

 

 

 エタルガー「ウルトラマンゼロ!貴様との戦いはメインディッシュ。最後のお楽しみだ。」

 

 

 時空城に乗ったエタルガーはゼロにそう言い放つと、時空城の砲台から無数の光弾をゼロ目掛けて発射して怯ませ、その隙に時空城はワームホールの中へと入っていく。

 

 

 「トオッ!」

 

 

 レッドマンはその場から飛び上がり、時空城の入っていくワームホールの中へと入って行った。

 

 そしてレッドマンと時空城が入った後、ワームホールの穴は消滅してしまった。

 

 

 

 ………果たして、赤いアイツ・レッドマンは何処へと向かうのであろうか………?

 

 元の自分の世界へと帰るのであろうか? それともエタルガーを追いかけていくのであろうか………?

 

 それは誰も知らない。

 

 

 

 一方のゼロ。

 

 

 ゼロ「くっ………また逃げられたか。 このままじゃまずいぜ。」

 

 

 またしてもエタルガーを逃してしまった事を悔しがっていた。

 

 レッドマンも、ここ遊星ジュランに来ていたと知るはずもなく………………。

 

 

 

 しかし、今回は最終的に嬉しい事があった。

 

 それは、遊星ジュランに生息する怪獣たちが、一匹も赤い通り魔・レッドマンに殺されなくて済んだという事である。

 

 恐らくレッドマンは、奇跡的にもコスモスを狙ってやって来たエタルガーしか目が届いていなかったのであろう。

 

 ジュランの怪獣たちも、運が良い奴らである。

 

 これからも平和に暮らすことを願う。




 いかがでしたか?


 ここから先が、ウルトラ10勇士に繋がるわけです笑

 レッドマンシリーズには珍しい構成だったと思います。


 また、リクエストに挙がっていたカオスウルトラマンカラミティは、コスモスのエタルダミーとして登場させることでレッドマンと戦わせることが出来たので、私としては一石二鳥でした(笑)


 あとやはり赤い通り魔に、恐れるモノは何も無かった(笑)


 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。


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VSガイラ

皆さんお久しぶりです!

今回のバトルは、本作では初の東宝怪獣とのバトルです!


その記念すべき最初の東宝怪獣の相手は、東宝怪獣屈指のトラウマ怪獣・ガイラです。

実を言うと私自身もガイラに強烈なトラウマを感じている方なので(笑)、今回はそんなトラウマも振り切るつもりも含めて制作しました。

また今回は、原作のガイラが暴れるシーンをベースに、「もしもガイラが暴れているところにレッドマンが乱入したら?」というifストーリーとしても制作してみました。


それでは、どうぞ!


とある曇天の羽田空港。

 

その付近で、1匹の巨人が海から上陸した。

 

 

全身は緑色の体毛や鱗に覆われ、何よりゾンビのような恐ろしい形相が特徴の巨人はのしのしと羽田空港へと歩みを進める。

 

 

その恐ろしい巨人は『フランケンシュタインの怪獣・ガイラ』である。

 

 

奴はフランケンシュタインの体細胞から誕生した怪獣であり、正確に言えば同じくフランケンシュタインの体細胞から生まれた、外見が似ている怪獣・サンダの剥離した体細胞が海まで流れ着いて誕生したクローンであり、サンダの弟に当たる怪獣でもある。

 

しかし奴は、幼少期から育てた人間に友好的なサンダとは異なり海で1匹で育った獰猛な性格で、人間は捕食対象か敵としか見なしていないのである!

 

そのため陸上の人間を見つけるや掴み上げて食べてしまうという非常に恐ろしい怪獣で、実際に東方屈指のトラウマ怪獣としてもよく知られている。

 

また、深海を生息域にしているために強い光に弱く、恐らく今回は曇天の天気だから昼間でも上陸出来たのであろう。

 

 

上陸したガイラは進撃を続け、空港及びその周囲の人々もそれに気づいて一斉に逃げ始める。

 

それもそのはず、こんなにもゾンビのような恐ろしい表情の巨人である。それが襲ってくれば、誰でも恐れて逃げるであろう。

 

 

やがて、空港のターミナルビルまでに迫るガイラ。無論、ビルの中の人々も慌てて逃げ惑う。

 

するとガイラはビルの窓から一つ一つ部屋を覗き込み始め、やがて逃げ遅れた女性事務員を見つける!

 

驚き怯える女性職員。ガイラは捕らえて捕食しようと窓や壁を突き破って手を突っ込む!

 

 

逃げ遅れた女性は、「もうここまでか!」とばかりに諦めていた、、、。

 

 

と、その時、

 

 

突然、ガイラは何故か女性を捕らえる寸前で手を止めた………。

 

 

そして、そのままゆっくりと後ろを振り向き始める。

 

まるで何やら強い殺気に引き込まれるかのように、、、。

 

 

 

後ろを向いたガイラの目線の先には、新たに現れた1人の巨人が立っていた。

 

 

真っ赤なボディに銀の手袋、ブーツ、ベルト、そして辮髪帽のような形状の頭部が特徴の巨人、、、。

 

 

『レッドマン』の登場だ!

 

 

(レッドマン登場BGM)

 

 

彼は銀河連邦の一員であり、レッド星雲レッド星出身の平和を愛する戦士である。

 

怪獣が地球を次々と襲い、地球を守るために人知れず戦っているとされているが、時には悪さをする様子もない怪獣にも問答無用で襲いかかかる事もあり、また余程怪獣を敵視しているのか、槍やナイフで滅多刺しにしたり首をはねたりするなど仕留め方もやたら残酷な事もあり、一部では『赤い通り魔』と言われ恐れられている。

 

 

さしずめガイラが人間にとってのトラウマならば、レッドマンは怪獣にとってのトラウマという感じなのであろう。

 

 

そして今回、その赤い通り魔はガイラを新たな標的に選んだのである!

 

そんなヤバい奴に出くわしてしまったガイラ。だが彼はもちろんそんな事を知るはずもなく、ただ単に食事を邪魔する者が現れたとばかりに恐ろしい形相をさらに尖らせて睨みつける。

 

 

そうやってガイラがレッドマンに気を取られている間、女性は無事に逃げる事に成功した。

 

アリブンタ戦に続き、レッドマンはまたしても知らぬ間に人助けをした事になった。

 

だが、ぶっちゃけレッドマンにとってはそんな事どうでもいいのである(笑)奴の狙いはあくまで怪獣なのだから、、、。

 

 

自分の獲物が逃げてしまった事により、ガイラは更に怒って雄叫びを上げる。

 

レッドマンは動じる事なく、そらに呼応するかのように両腕を回してファイティングポーズを決める。

 

 

レッドマン「レッドファイト!!」

 

 

(BGM:レッドマン(インストルメンタル))

 

 

空港の広場にて始まった、2人の巨人の戦い。

 

 

レッドマン「レッドアロー!!」

 

 

レッドマンは開幕早々石突が十字形の手槍・レッドアローを取り出して投げつける。

 

だがガイラは、持ち前の敏捷さでそれをジャンプしてかわし、それによりレッドアローは地面に刺さってしまう。

 

そしてガイラはそのままレッドマン目掛けて落下し、両脚を体に巻きつける形で飛び付く。

 

両者はそのままパンチの欧州を始めるが、レッドマンは一瞬の隙をついてガイラの腹に数発パンチを打ち込み、それによりガイラが怯んだ隙に自身の体に巻き付く両脚を掴んでジャイアントスイングで振り回して放り投げる。

 

投げられたガイラだが、空中で回転して体制を立て直し着地する。

 

 

レッドマンはガイラ目掛けて駆け寄り、そのまま右脚蹴りを放つがガイラはそれを右にそれて避けて右脚でハイキックを放つがレッドマンはそれを咄嗟に左腕で防ぐ。

 

次にガイラは右手のパンチを繰り出すがレッドマンはそれを左手で掴んで受け止め、そのまま右拳を胸部に、左脚蹴りを右脇腹に打ち込んだ後横に投げつけるが、ガイラはその勢いを利用して側転をして体制を立て直す。

 

 

両者の互角で激しい戦いは周囲にも影響し、旅客機が走るように舗装された通路も瞬く間にヒビ割れて砕けていく。

 

 

両者は互いに高く跳躍して跳びかかる。

 

そして空中で両者互いに同時にラリアットを食らい、そのまま地面に落下する。

 

レッドマンは即座に立ち上がるが、まだ地に伏せていたガイラの足払いを食らい倒れてしまう。

 

 

ガイラは倒れたレッドマンの右腕を掴んで起き上がらせると、そのまま掴んでいる右腕に勢いよく噛みつき始める!

 

流石のレッドマンも強い痛みを感じるのか、ガイラを引き離そうとガイラの頭を抑えつつももがき苦しむ。

 

ガイラは人間を骨ごと噛み砕いて食べてしまう怪獣なのである。なのでそれなりに顎も発達しているのであろう。

 

 

、、、だが、それにより赤い通り魔の怒りに火が付いてしまった。

 

何処の馬の骨とも分からない野獣に自身の誇らしい赤いボディを噛まれた事により、赤い通り魔のプライドに傷がいってしまったのだから、、、。

 

ガイラはまさに、命知らずな事をしてしまったのである!

 

 

レッドマン「レッドナイフ!!」

 

 

“ズバッ”

 

 

“!!?ギシャアアアァァァァァァオオン!”

 

 

レッドマンは左手で、短剣にも見える大型ナイフ・レッドナイフを取り出し、ガイラの顔を斬りつける!

 

斬られた痛みによりようやく噛みつき攻撃を解いたガイラ。顔には右頬から左頬にかけて逆V字型の切り傷が出来ていた。

 

ガイラは、ふと自身の顔に触れることで改めて痛みを感じ、更にそれにより手に付いた血を見たことで再び怒りを燃やし雄叫びを上げる。

 

 

…だが、ゆっくりと構えを取る赤い通り魔の怒りの方が、それを上回っていた。

 

 

とその時、突然さっきまで曇天だった空が晴れ始め、日が差し込んでくる。

 

するとさっきまで怒りのままに闘志ムキ出しだったガイラは、突然回れ右をして海に向かって一目散に駆け始める。

 

上記のとおり、ガイラは強い日差しが苦手なのである。

 

さっきまでは曇天だったがために普通に活動が出来、レッドマンとも互角に渡り合えたのだが、その曇天が一気に晴れ始めたがために、ガイラも一気に戦意を喪失していったのである。

 

 

……だが、赤い通り魔がこれを大人しく見逃すとでも思っているのであろうか、、、?

 

 

海に向かっていくガイラは、突然何者かが自身の肩を掴む感覚を感じ、同時にそれにより走って行くのを止められてしまう。

 

 

振り向くとそこには、自身の肩に腕をかけ、表情こそ同じものの異様に殺気を感じる顔で見つめるレッドマンの姿があった!

 

ガイラが戦意喪失したのは赤い通り魔にとってはもはや知ったことではない(笑)それどころかガイラに怒りを燃やすレッドマンは、「もっと楽しもうぜ?」とばかりに食い止めたのである。

 

 

既にほとんどの戦意を失っているガイラは、鬼気迫るレッドマンの姿に驚くしかなかった。

 

赤い通り魔の怒りを買い、さらにその赤い通り魔と苦手な環境での戦いを強いられる事になってしまったガイラ。完全に運の尽きである。

 

 

(BGM:レッドマン)

 

 

レッドマンは手始めに、右フックを顔面に叩き込んで吹っ飛ばす。

 

 

ガイラは痛みで顔を抑えつつも、最後の悪あがきとばかりに近くの無人の旅客機を掴み上げてレッドマン目掛けて思い切り投げつける!

 

 

レッドマン「レッドナイフ!!」

 

 

レッドマンは驚き動じもせず、再びレッドナイフを手に持って迫り来る旅客機を一刀両断に切断。真っ二つになった旅客機はレッドマンの背後の両側の地面に落ちて爆発した。

 

 

だが、その間にもガイラが自身目掛けて跳びかかり始めていた!

 

ガイラはレッドマンが旅客機に気を取られている隙に、一気に跳びかかって倒そうという最後の決死の作戦に出たのである!

 

 

だがしかし、彼は完全に赤い通り魔を侮っていた。

 

 

レッドマンはイナバウワーのように体を後ろ向きに反らして自身に跳びかかって来るガイラをかわすと同時に、それにより体を反らしている自身の真上を飛ぶガイラの腹部にレッドナイフでの斬撃を決める!

 

ガイラの体をなぞるナイフを追うように爆発と同時に火花が飛び散り、それにより手痛いダメージを受けたガイラはたまらず地面に落下してしまう。

 

 

フラつきながらも立ち上がるガイラ。

 

最後の手段とばかりに大きく跳躍し、レッドマンに最後の力を振り絞って飛び蹴りを放つ。

 

これぞガイラの得意技・250文キックである!

 

 

レッドマンもレッドナイフを横に投げ捨てて跳び上がる。

 

 

レッドマン「レッドキック!!」

 

 

レッドマンも必殺技の一つ・レッドキックで対抗に出たのである!

 

 

“ドゴンッ!”

 

 

両者の蹴りが空中で交叉し、両者は互いに背中を向けて地面に着地する。

 

 

そしてそのまま両者は一旦動きを止める、、、果たして決まったのは、、、?

 

 

数秒後、膝を付いたのはガイラであった。

 

決まったのは、これまで数多くの怪獣たちを葬ってきたレッドマン最強の打撃技・レッドキックであった!

 

 

しかもガイラは右膝を地に付いたかと思うとそのまま倒れ込み、しかもよく見てみるとその右脚が変な形で曲がっているではないか!?

 

レッドキックはガイラの250文キックを相殺したのみならず、同時にガイラの右脚を折ってしまったのである!

 

 

これでガイラは戦意や戦術のみならず、逃げる術まで完全に失ってしまった………もう後は、赤い通り魔の餌食になるだけである。

 

 

レッドマン「いやっ!」

 

 

レッドマンは掛け声と共に跳躍し、ガイラを跳び越える形で後ろに回り込む。

 

そして背後から右腕でガイラにヘッドロックをかけ、左手で頭部を掴んで横に一気に捻じ曲げ始める………。

 

 

“ズボキャッ!”

 

 

やがてガイラの頸は、骨が砕けるような痛々しい音と共にへし折れてしまい、それによりガイラは完全に息の根を止めてしまった。

 

 

ガイラの息の根が止まった事を知ったレッドマンは、首締めを解き、ガイラの死骸を乱暴に蹴り倒す。

 

 

そしてレッドマンは見下ろすように、横たわるガイラの死骸を数秒見つめ始める。

 

これは恐らく『レッドチェック(死亡確認)』なのであろう。

 

 

やがて的な死亡を確認できたレッドマンは完全に気が済んだのか、余韻に浸るかのように少し上を向いた後、ガイラの死骸を背に、何処かへと歩き去って行った。

 

そして激しい戦いによりヒビ割れ砕けた羽田空港の広場には、地面に突き刺さるレッドアローと、虚しく横たわるガイラの死骸だけが残された………………。

 

 

レッドマンがガイラを倒した事により1人も犠牲者を出さず、被害も最小限に縮める事なく事態が終息した。

 

だが、レッドマン自身はそんな事どうでもよく、あくまで見つけた獲物(怪獣)を倒したに過ぎない、、、。

 

 

フランケンシュタインのクローンとも言える怪獣・ガイラをいつものレッドファイトで葬り去った赤いアイツ・レッドマン。

 

これはひょっとすると、いつか兄貴の怪獣・サンダと戦う日も来るのかもしれない………?

 

 

そして今後も、赤いアイツを狙う怪獣は現れ続けるかもしれない…。

 

 

どんな敵が来ても負けるな!レッドマン!

 

 

〈完〉




読んでいただきありがとうございます!いかがでしたか?


レッドマンをサンダとも戦わせようかどうかは現在検討中です。


今後もウルトラ怪獣のみならずら様々な東宝怪獣とも戦っていきますので楽しみにしていてください!


因みにガイラは、同じく私の作品・ウルトラマンゼロ物語(ストーリー)にも登場させる予定なのでそこら辺もお楽しみに(笑)


感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。


あと、活動報告欄にてリクエスト募集第二弾を始めました。

レッドマンと戦って欲しい東方怪獣がいましたら感想欄ではなくそちらに回答お願いします。

とりあえず期限は15日間とします!


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VSキングコング

皆さん、ごきげんよう。


今回も東宝怪獣とのバトルです!

今回のバトルについてですが、私先日キングコングを観てきまして(笑)そしてその後「レッドマンとキングコングを戦わせてみたいな〜。」と思ったのがきっかけでふと思い付いたバトルなのです!

また、タイトルにはキングコングとだけ書いてますが、実はこのバトル、更にもう二体の怪獣が登場します!(そのうち一体はウルトラ怪獣)

それが何なのかは読んでのお楽しみで(笑)


それでは、どうぞ!


とある南国風の島。

 

波打つ砂浜から少し進んだ先の奥にはヤシの木を始めとする木々が立つ深緑の森林が広がっており、その反対側では鮮やか波打つ青色の海が広がっており、天候は日差しが強く暖かいものであった。

 

 

鮮やかな青と緑が広がる南国風の島は、正に一つの芸術のキャンバスのようである。

 

そんなキャンバスの中に、絵の具を散らしたように突如付いた赤と黒の二つの点。

 

 

それは島に突如、赤と黒の二人の巨人が現れたという印である。

 

 

突如森林に現れた二人の巨人は既に両者対峙して睨み合いを始めていた。

 

 

一人は、真っ赤なボディに辮髪帽子のような形状の頭部、銀の手袋やベルト、ブーツが特徴の巨人。

 

怪獣討伐の使命を受けて、遥か銀河の赤い星から光に乗ってやって来た赤いアイツ。

 

 

『レッドマン』の登場だ!

 

 

彼は銀河連邦出身のレッド星雲レッド星出身であり、平和を愛する戦士である。

 

彼は上記の通り怪獣討伐の使命を受けて地球にやって来たのであり、何時も人知れず怪獣たちと戦い倒しているのだ。

 

 

しかし、彼はよほど使命感を感じているのか、常に怪獣に対する仕打ちが酷いのである!

 

礼を言うと、馬乗りになってタコ殴りからの槍orナイフでの刺殺、槍orナイフでの滅多刺し、ナイフでの首チョンパなど、様々な酷い倒し方のバリエーションがある。

 

更に、特に悪さをする様子もない無抵抗な怪獣にまで、見つけ次第問答無用に襲い掛かって倒してしまう事があるのだ!

 

 

これらの過激な行動から、奴は『赤い通り魔』とも言われ恐れられているのである。

 

 

そんな赤い通り魔と対するのは、外見はそのままゴリラが巨大化したかのような怪獣。

 

 

『大怪力怪獣キングコング』である!

 

 

奴は外見でも分かるように、正に巨大な猿で、類人猿とも言われており、超怪力が武器の怪獣である。

 

 

今回現れたキングコングは南海の島『ファロ島』出身の“巨大なる魔神”と呼ばれ祟められてるかつてあの“怪獣王”と戦った事がある個体なのか、

 

もしくはモンド島出身でかつてゴロザウルスや自身そっくりのロボット・メカニコングと戦った事がある個体なのか、

 

あるいはこの未知の島に元から生息している全く新しい個体なのか、、、

 

その正体は謎である。

 

ただ一つ分かるのは、向かい合う先のレッドマンに敵意を向けて警戒するかのように両腕を大きく振り上げている事である。

 

恐らくこの様子から、いきなりレッドマンが自身のテリトリーに侵入したために、そのレッドマンに怒りを露わにしてるのだと解釈できるであろう。

 

最もレッドマンにとっては単に獲物を見つけて相手にするためだけに着陸したに過ぎないと思うが、、、

 

流石は赤い通り魔と言われるだけある。

 

 

キングコングはしばらくレッドマンを威嚇した後、ゴリラおなじみのドラミングをした後雄叫びを上げて猛然とレッドマンに飛びかかる!

 

 

「レッドファイト!!」

 

 

レッドマンもそれに応えるようにファイティングポーズを決めて戦闘開始の掛け声を上げる!

 

 

(BGM:レッドマン(インストルメンタル))

 

 

レッドマンは飛びかかるキングコングをキャッチするように両腕で受け止めるとそのまま放り投げる。

 

投げられたキングコングはとある岩山に飛び付き、そしてその岩山を蹴って再びレッドマンに飛びかかる。なんという身軽さであろう。

 

レッドマンに飛び付いたキングコング。両者はそのまま地面を転がった後、互いに組み付いたまま起き上がる。

 

両者は一旦離れた後激しいパンチの応酬を始める。

 

その様子は 殴っては殴られてを繰り返し、正に力と力のぶつかり合いの一進一退の殴り合いである。

 

なおも、互いに胸を殴り続ける両者。赤い通り魔と巨大怪力ゴリラの力は互角のようである。

 

 

だが、実はその間に隙を探っていたキングコング。そしてついにそれを見つけたのか、キングコングはレッドマンの左頬に右拳を打ち込む。

 

パンチは見事に決まり、レッドマンがよろけた隙にキングコングは跳躍して両足のドロップキックを胸部に叩き込むと同時に反転して跳んで距離を取る。

 

レッドマンは蹴りを食らった胸を数回払う仕草をした後、キングコングの方を向いて構えを取る。その表情はまるで「なかなかやるじゃないか。」と言っているようだ。

 

 

キングコングは再び雄叫びをを上げると、レッドマンに駆け寄りながら右拳のパンチを繰り出す。

 

レッドマンはそれを両手で受け止めると、そのまま後ろ向きに倒れて巴投げを決めて投げ飛ばす。

 

巴投げで地面に叩きつけられたキングコングだがいつの間にかレッドマンの腕を掴んでおり、お返しとばかりに仰向けに倒れたまま腕を振るってレッドマンを投げて叩きつける。

 

 

レッドマン相手に引けを取らない互角の戦いを展開するキングコング。

 

赤い通り魔と互角に戦うとは、流石はかつてあの“怪獣王”と互角に戦っただけはある。(同一個体かは不明だが、、。)

 

 

レッドマンを投げた後キングコングは立ち上がる。

 

レッドマンも跳ね起きで立ち上がった後背後のキングコングに振り向きざまに左脚蹴りを繰り出す。

 

キングコングはそれを掴んで受け止めるが、レッドマンはすぐさまそのまま跳躍し、右脚を後頭部に巻き付けるように回し込む。

 

そしてそのままプロレスのフランケンシュタイナーの要領で地面に叩きつけた!

 

 

キングコングが仰向けに倒れた隙に一気にトドメを刺そうと、レッドマンは短剣状の大型ナイフ・レッドナイフを取り出して馬乗りになる。

 

 

「レッドナイフ!!」

 

 

レッドマンは馬乗りになると、両足でキングコングの両脚を抑え込み、左手でキングコングの右腕を抑え込む…完全に抵抗できないように動きを封じているのだ!

 

もがいているキングコングの様子からも見て、その行動はまるで殺人鬼のようでどこか恐ろし、、、汗

 

そして、心臓に狙いを定めるかのようにナイフを振り上げ始める、、、!

 

 

キングコング危うし!ここで勝負が決まるか!?

 

 

その時、

 

 

レッドマンはナイフを振り下ろす直前に、横から飛び込んできた何者かに激突されたまらず吹っ飛んでしまう。

 

数回地面を転がった後起き上がって身構えるレッドマン。その視線の先にはなんともう一人の巨大生物が現れていた!

 

 

キングコングに手を貸して起き上がらせるその生物は、見た目が巨大化した猿そのものである、、、。

 

 

次に現れたのは『巨大猿ゴロー』である!

 

 

ゴローとはかつて猿が旧日本軍の体力増強剤・青葉くるみを食べ過ぎて甲状腺ホルモンのバランスが崩れて巨大化してしまったモノなのだが、後に睡眠薬入りのミルクを飲まされて、眠った後にイーリアン島に送られている。

 

イーリアン島とは、日本兵が所持していた青葉くるみを食べて巨大化したゴロー同様の大猿が暮らしている島の事であり、その島の大猿たちは豊富な食糧と島民たちの理解により有効的な関係を築いている。

 

 

ゴローも生息しているという事は、ひょっとするとこの島はイーリアン島であり、今レッドマンと戦っているキングコングは、ゴロー達の同族の巨猿が何らかの経緯で超進化したモノなのかもしれない、、、?

 

ゴローとキングコングは仲間同士。その根拠として言えるのが、今ゴローが倒れているキングコングに手を貸して起き上がらせているという事実である!

 

そして二体は互いに腕をぶつけ合い、そしてレッドマンの方を向いて構える。

 

どうやらタッグでレッドマンに挑むつもりだ!

 

 

いきなり二体一の戦いに展開してしまったレッドマン。しかし彼はそんな事お構い無しとばかりに物怖じる事なく構える。

 

熱い血潮が真っ赤に燃える彼は、もはや恐れるものは何も無いのである!

 

 

やがて二体のゴリラと猿はドラミングをして雄叫びを上げた後レッドマンに飛びかかる!

 

 

まずはゴローが飛びかかるがレッドマンはそれを受け止めると同時に軽々と放り投げる。

 

だがゴローは、猿故の身軽さを活かして上空で体勢を立て直し、そしてその先の岩山に飛び付く!

 

 

今度はキングコングが近くの岩を連続で投げつけ始める。

 

 

「レッドナイフ!!」

 

 

「レッドキック!!」

 

 

レッドマンは次々と迫り来る岩を、レッドナイフで切り崩したりレッドキックで蹴り砕いたりなどして防いでいく。

 

そしてそうしながら徐々にキングコングに歩みを進めていく。目前まで近づいたところを一気に斬り殺そうとしているのであろうか、、、?

 

 

…だが、実はこれはキングコングがレッドマンの注意を引きつけているに過ぎなかった!

 

 

レッドマンがキングコングに気を取られている隙に岩山に付いて待ち構えていたゴローは「今だ!」とばかりに岩山を蹴ってレッドマンに体当たりを繰り出す!

 

ゴローの体当たりを食らってしまったレッドマンはバランスが崩れて少しよろける。

 

さらにその隙に、キングコングが巨大な岩を両腕で持ち、上に振り上げて跳びかかる!

 

 

“ドゴンッ”

 

 

キングコングは、自身の怪力と落下のスピードを活かし、跳びかかると同時にレッドマンに両手持ちの岩をぶつけた!

 

岩はレッドマンの胸部に直撃すると同時に粉々に砕け散り、岩の直撃を食らったレッドマンはたまらず吹っ飛んで地面を転がる。

 

 

「レッドサンダー!!」

 

 

レッドマンはめげずにすぐ立ち上がり、右手を突き出して手先から必殺光線・レッドサンダーを繰り出す。

 

ゴローは猿故の持ち前の身軽さで飛び跳ねたり岩山を蹴って飛んだりなどしてかわしていくが、油断したのかとある岩山に飛び付いた瞬間、その岩山に光線が当たって崩れてしまいそれにより地面に落下する。

 

猿も木から落ちるとは正にこういう事なのであろうか、、、?笑

 

レッドマンはゴローの腕を掴んで起き上がらせると、そのまま巴投げを繰り出して放り投げる。

 

そして更に攻撃を加えようと接近する。

 

 

だが、キングコングはレッドマンがゴローに気を取られてる隙を逃さず、持って構えていた岩を力一杯投げつける!

 

 

「!レッドキック!!」

 

 

辛うじて背後からの岩に気づいたレッドマンは、即座に振り向くと同時にカウンターキック状のレッドキックでそれを砕いた!

 

 

しかし、それによる飛び散る岩の破片や砂煙でレッドマンが一時的に視界を遮られている間に、キングコングは大きくジャンプしてレッドマンに跳びかかる!

 

 

“ドゴンッ!”

 

 

キングコングの渾身のドロップキックがレッドマンに炸裂した!

 

蹴りを胸部にモロに食らったレッドマンはたまらず吹っ飛んで地面に叩きつけられる。

 

 

キングコングとゴロー。二体の見事まなでの連携プレーに押されていくレッドマン。赤い通り魔である彼にとっては久々の骨のある相手という事でさぞ嬉しさもあるのであろう。

 

これほど苦戦するのも久しぶりなのだから、、、。

 

 

しかし、流石にかなりのダメージを受けてるのか、足や膝を付いて立ち上がろうとするレッドマンの動きは若干ゆっくりめである。

 

ゴローはチャンスとばかりに背後から飛び跳ねながらレッドマンに接近する。

 

キングコングももう一発岩をぶつけようと足元の岩を持ち上げる。

 

猿とゴリラの同時攻撃に、遂に赤い通り魔もノックアウトされてしまうのか!?

 

 

しかし!

 

 

「レッドアロー!!」

 

 

“ザシュッ!”

 

 

「!!!」

 

 

レッドマンの叫びと共に何やら生々しい音が響き、更にどうした事かキングコングは持っていた岩を力なく落としてしまう、、、。

 

 

よく見てみると、背後からレッドマンの間近まで接近していたゴローは動きが止まっており、その腹部には槍が刺さって血が垂れている、、、、、、。

 

 

レッドマンは背後から接近して来るゴローの気配に気づき、ゴローに背を向けたままレッドアローを取り出して刺してしまったのである!

 

 

レッドマンはゴローにレッドアローを刺したまま付いていた膝を上げて起き上がると、ゴローの腹を蹴ってレッドアローを引き抜く。

 

ゴローは力なくその場に倒れ伏せてしまった。

 

 

それを見たキングコングはたちまちレッドマンへの攻撃を止め、急いでゴローの元へと駆け寄る。

 

そして何やら悲しむかのように倒れ伏すゴローの体にすがる。

 

何という仲間思いな奴なのだろうか?恐らく仲間であろうゴローが倒されてしまった事により、一気に戦意を喪失してしまったキングコング。

 

 

レッドマンはそんなキングコングに、トドメを刺そうとレッドナイフを手に接近していく。

 

何とも無慈悲な赤い通り魔だ!(笑)

 

二体共々、赤い通り魔の餌食になるか!?

 

 

その時、

 

 

“ドゴンッ!”

 

 

「!?」

 

 

突然、レッドマンは背後から何者かに背中を蹴られて思わず転倒してしまう。

 

すぐさま起き上がって振り向いて見ると、なんと新たにもう一体怪獣が現れていた!

 

 

大きく裂けた口にその中の鋭い牙、小さな手、長い尻尾など、外見はほぼ肉食恐竜そのものな怪獣。

 

新たに現れたのは、1億5000万年前に生息していたアロサウルスの生き残りが怪獣化したと言われる怪獣、『原始恐竜ゴロザウルス』である!

 

 

実は奴はキングコングと因縁ある怪獣であり、モンド島に生息していた別個体がキングコングと戦って敗れたことがある。

 

また一方であの“怪獣王”たちと共に怪獣ランドに住む個体も存在し、キラアク星人に洗脳されてパリなどで暴れるが地球人の手により解放され、その後怪獣王たちと協力してキングギドラと戦った事がある。

 

 

今回の個体は、この島はモンド島で無ければ怪獣ランドでも無いため、上記の二体とは別の個体、所謂“3代目”と言ったところであろう。

 

 

今回の個体は恐らく自身のテリトリーにする場所に邪魔者が侵入した事に怒ったのであろう。

 

奴は縄張り争いを挑んで来たのだ!

 

 

因みにゴロザウルスは、長い尻尾をバネにした飛び蹴り・カンガルーキックが得意技であり、先ほどレッドマンに不意打ちとして放った蹴りもこの技である。

 

 

レッドマンは突如現れたゴロザウルスの方を向いて睨みつけるように構えるが、すぐさまキングコングたちの方を振り向く。

 

やはり彼にとって、弱っている方を先に片付けるのが先決なのであろう。

 

 

しかしレッドマンが振り向いた時には、なんとキングコングは自身の肩を貸してゴローを起き上がらせ、そして弱ったゴローを連れて茂みの奥へと去っている最中であった!

 

弱った仲間の回復が先決だと判断し、とりあえず退散する事にしたのである。ホントに仲間思いな奴だ。

 

 

それに気づいたレッドマンは「逃すか!」とばかりに襲い掛かろうとするが、背後からゴロザウルスが自身の右腕に噛み付いた事により止められてしまう。

 

そしてレッドマンが噛み付いてきたゴロザウルスに手こずっている間に、キングコング達はやがて森林の奥まで進んでいきやがて見えなくなった。

 

 

レッドマンは自身の右腕に噛み付くゴロザウルスを引き離そうともがく。

 

そうこうして暴れていくうちに、両者は知らぬ間に森林を抜けて砂浜の所まで移動していた。

 

やがてレッドマンはなかなか離れないゴロザウルスの腹を数回蹴り込み、それによりゴロザウルスが怯んだ隙に逆に両手で(左手で上部、右手で下部の)顎を掴み、そのまま地面に叩きつける。

 

なおも仰向けに倒れるゴロザウルスの顎を掴んだままのレッドマンは、そのまま腹部を数回踏みつけ、そして手を離すと同時にゴロザウルスを蹴り転がす。

 

ゴロザウルスは立ち上がると長い尻尾を振るって攻撃を仕掛けるが、レッドマンは逆手持ちにしたレッドナイフで逆にそれを切り落としてしまった!

 

そしてゴロザウルスが痛みで悶絶している隙に右腕で首を締め付け、そしてそのまま地面に叩きつける!

 

レッドマンは 再び仰向けに倒れたゴロザウルスに馬乗りになり、そして再び左手で下顎を掴んで無理矢理口をこじ開ける。

 

 

「レッドアロー!!」

 

 

“ザシュッ!”

 

 

レッドマンは無理矢理こじ開けたゴロザウルスの口内に思い切りレッドアローを突き刺す!

 

突き刺した後も更に念入りにグリグリと槍を押し込むレッドマン。

 

やがてゴロザウルスは痛みだもがき苦しんだ後動きが止まり、泡を吹いて息絶えしまった、、、。

 

 

ゴロザウルスを倒したレッドマンは、突き刺したレッドアローをそのままにして少し上を向く。まるで戦いの余韻に浸っているかのようだ。

 

そしてゴロザウルスの死体に背を巻き、砂浜を歩いて何処かへと歩き去って行く、、、。

 

しかし数歩歩いた後、再び森林の方を向いてじっと見つめる。

 

その表情はまるで「いつかぶっ倒してやる!」と打倒宣告をしているようであった、、、。

 

 

一方のキングコングもそんなレッドマンに反応するかのように、ゴローを庇いながら森林を歩いている最中ふと立ち止まって後ろを振り向く。

 

キングコングの険しい表情でも分かるように、その顔はまるで「いつかこの借りを返させてもらうぜ!」と言っているようであった、、、、、、。

 

 

やがて両者ともに再び前を向き、レッドマンは一人でトボトボと何処かへ、キングコングは深手を負っているゴローを庇いながら住みかと思われる所向かって歩き去って行った………。

 

 

今回の戦いを通じてキングコングとの因縁が付いた赤いアイツ。

 

いつかまた戦う日が来るのであろうか………………?

 

 

今回は引き分けで終わってしまったが、次は負けるな!レッドマン!

 

 

戦え!赤い通り魔・レッドマン!!

 

 

〈完〉




いかがでしたか?

今回は久しぶりにレッドマンが苦戦したバトルでしたね。それどころか敗北寸前までに追い込まれてました。

またキングコングと縁がある怪獣と言うことでゴローとゴロザウルスも隠しキャラとして出してみました。(それぞれキングコングの着ぐるみの改造、キングコングと交戦経験ありという点で縁があります)

しかもキングコングと縁があるだけではなくそれぞれ名前に「ゴロ」が付いているという共通点もあるので、今回の怪獣たちはある意味奇跡の組み合わせではないのかなと私は思います(笑)

キングコングとゴローの、所謂ゴリラと猿の連携(笑)、いかがでしたか?

今回はキングコングとは引き分けで終わってしまい、またそれによりお互いライバル関係になりましたので、またいつか戦う日が来るかもしれませんね。


因みに余談ですが、前書きでも言いましたが私、春休みにキングコングを観てきました!
様々な巨大生物とのバトルは迫力満点でしたし、キングコングもカッコよかったし本当にサイコーでした!(笑)


それでは、次回のレッドファイトもお楽しみ!


感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。


現在活動報告内にて「リクエスト募集(東宝怪獣)」を実施中です!

レッドマンと戦わせて欲しい東宝怪獣がいましたら気軽に回答してみてください(笑)

期限は4月15日までです。


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VSザンドリアス

 お久しぶりのレッドファイトです!


 今回の相手は、怪獣娘で人気が出て、実に37年ぶりにウルトラに帰って来たザンドリアスです!


 ジードに登場した時も可愛かったですよね。


 それでは、どうぞ!


 場所はとある人知れぬ森林地帯。

 

 

 緑広がるこの地に突如巨大な結晶のような物が現れ、それが割れて中から一匹の巨大生物が現れる。

 

 

 その姿は翼状の腕が特徴で、翼竜やワイバーンにも似ている。

 

 

 …ここまでだとカッコいいイメージなのだが、その生物の仕草をよく見てみると、興味深そうに辺りを見渡したり、はしゃぐように足踏みをしたりなどまるで子供のようなのである。

 

 

 その生物の名は『だだっ子怪獣ザンドリアス』。

 

 

 奴は元々は宇宙を放浪する渡り鳥のような習性を持つ宇宙怪獣なのだが、どうした事か今回突然地球にやって来たのである。

 

 

 ザンドリアスは以前にも二度地球に飛来したことがあり、その理由はいずれも子供の個体が、それぞれ母親との親子喧嘩で拗ねて、幼馴染の女の子(雌のザンドリアス)との関係の縺れで自信を無くして地球に飛来しており(前者は母親の個体も飛来している)、いずれも子供らしい無邪気な動機なのだがいずれも地球人にとってはいい迷惑となっている。

 

 (ウルトラ戦士たちも、宇宙へ帰すのに意外と苦労したんだとか…?笑)

 

 

 因みにザンドリアスは、人間で言えばちょうど中学生ぐらいの年齢らしい。

 

 なるほど、それならばちょうど反抗期真っ盛りで多感な時期なのだから、親や彼女とのちょっとした関係の縺れで拗ねてしまう気持ちは何となく分かる気がする…(笑)

 

 

 仕草や大きさを見た感じだと、どうやら今回飛来したのも子供の個体のようである。

 

 果たして今回は何のワケで地球に来てしまったのであろうか…?

 

 

 

 まるで新しい遊び場を見つけたかのようにその場ではしゃぐザンドリアス。だが、その行為だけでも木が踏み倒されたり、知らぬ間に起こしている強風で木や石などが吹き飛ばされるなど、やはり子供とはいえ怪獣だけにその力は人間側からすれば脅威なのであろうか…?

 

 

 特に暴れる様子が無いザンドリアス。だが、そんな子供の怪獣にも忍び寄る一つの赤い影。

 

 

 とある山の上からザンドリアスを見下ろしている“赤いアイツ”。

 

 

 殺気立つ視線を向けるその巨人は、真っ赤なボディに辮髪帽のような形状の頭部に独楽の上にアンテナが立ったような耳、銀色の手袋、ベルト、ブーツが特徴。

 

 

 今ここに、銀河連邦の一員のレッド星雲レッド星出身の戦士『レッドマン』の登場だ。

 

 

 奴は平和を愛する戦士であり、それ故かつ銀河連邦からの命もあり人知れず地球で怪獣と戦っている。

 

 

 だが、奴は怪獣を憎んでいるのか、特に暴れる様子もない怪獣にも猛然と挑みかかる事も頻繁であり、時には奴が逃げ回る怪獣に問答無用で襲い掛かることもしばしばあるのである。

 

 

 そして怪獣を倒す際も、その方法は短剣のような形状の『レッドナイフ』や石突が十字型の『レッドアロー』などで斬ったり刺したり、首をへし折ったり、虫の息の怪獣を崖から投げ落として止めを刺すなど、非常に惨いモノなのである。

 

 

 これらの過剰な行動が目立つため、奴は“赤い通り魔”として恐れられてもいるんだとか…。

 

 

 そして今回レッドマンは、突如地球に飛来したザンドリアスを標的にしたのである。

 

 

 (レッドマン登場BGM)

 

 

 「イヤッ!」

 

 

 レッドマンは掛け声と共にその場からジャンプし、ザンドリアスの目の前で着地する。

 

 

 何かを探すようにその場ではしゃいでいたザンドリアスも、突如目の前に現れたレッドマンに気づく。

 

 

 いつものように殺気立った表情でファイティングポーズを決めていくレッドマンを、ザンドリアスは「この人誰だろう?」とばかりに首をかしげて見つめる。

 

 

 「レッドファィ…」

 

 

 いつものようにポーズと共に戦闘開始の掛け声をあげようとしたレッドマンだが、その最中にザンドリアスは突然レッドマンに急接近し、まるで遊び相手を見つけたかのようにじゃれつき始める。

 

 一瞬困惑したレッドマンだったが、すぐさま自身に縋り付くザンドリアスを乱暴気味に押して引き離す。

 

 

 ザンドリアスは再び遊び相手と認識したレッドマンに接近しようとするが…

 

 

 「トウッ!」

 

 

 “ドゴンッ”

 

 

 レッドマンの問答無用の前蹴りをあえなく胸部に受けてしまい、転倒してしまった。

 

 

 …やはり赤い通り魔の異名を持つレッドマンは、例え相手がだだっ子の怪獣でも容赦がないみたいである…!

 

 

 レッドマンからの攻撃を受けたザンドリアスはさっきまでの気持ちが一変。遊び相手だと思っていたレッドマンが、一気に恐怖の存在に変わってしまった!

 

 

 再びザンドリアスに殴り掛かろうと拳を振り上げるレッドマン。

 

 それを見たザンドリアスは翼で顔を隠し怯えるような仕草を見せる。

 

 

 因みにザンドリアスはかつて『ウルトラマンジード』と戦った時も同じような仕草を取っており、その時ジードは一瞬攻撃を躊躇った。

 

 

 …しかしレッドマンはと言うと…

 

 

 “ドゴンッ”

 

 

 …案の定、全く躊躇う様子も無く問答無用でザンドリアスに蹴りを入れた。

 

 

 再びレッドマンに蹴り倒されたザンドリアスは、立ち上がると目から赤い稲妻状の光線を発射し、続けて口から赤色の光線・ヨルゴビームを放つ。

 

 

 ザンドリアスの連続光線攻撃がレッドマンの周囲で爆発し、それによる爆風に少し怯むレッドマン。

 

 

 その隙にザンドリアスは、回れ右で振り向き、翼を羽ばたかせて飛び立とうとする。

 

 

 …だが、赤い通り魔がそれを見逃すはずが無い。

 

 

 レッドマンは逃走しようとするザンドリアスに猛然と跳びかかる!

 

 

 「レッドジャンプ!!」

 

 

 レッドマンは大きくジャンプして飛び去ろうとしていたザンドリアスに跳び付き、共に地面に落下することで叩きつける!

 

 

 ザンドリアスを強引に引きずり降ろしたレッドマンは再び殴り掛かろうと構える。

 

 

 レッドマンを目前にしたザンドリアスは、最後の抵抗とばかりにレッドマンにがむしゃらに連続パンチを浴びせる。

 

 

 …しかし、だだっ子怪獣が放つパンチの音は「ぺチ、ぺチ…」とどこか弱々しく、それを受けるレッドマンも平然としておりダメージを受けたような様子はない。

 

 

 ザンドリアスの必死の抵抗を鼻で笑い飛ばしたレッドマンは、ダメ出しとばかりにザンドリアスの頭部に拳骨をするようにチョップを叩き込み、それにより怯んだところで更にヤクザチックな前蹴りを腹部に叩き込んで転倒させた。

 

 

 転倒したザンドリアスは後ずさりをするように痙攣をしている。

 

 どうやらすっかり抵抗する気を失い、もはや目前に迫るレッドマンに怯えるのみとなってしまったようだ。

 

 

 そんなザンドリアスの様子を見たレッドマンは、一旦立ち止まって上を向く。

 

 まるで「今のままじゃ退屈でつまらないな…。」と言っているようで不気味である。

 

 

 そして数秒上を向いた後、レッドマンはゆっくりとレッドナイフを振り上げる…。

 

 

 そして何やら自身の胸にレッドナイフを突き立てる。そして…

 

 

「レッドナイフ!!」

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 なんとレッドマンは、レッドナイフで自身の胸を切り裂いてしまった!

 

 レッドナイフで斬った胸は血と共に火花が飛び散る!

 

 

 その様子には子供であるザンドリアスも目を見開いて驚きの表情で見つめるしかなかった…!

 

 

 レッドマンの胸には大きな切り傷が出来ていた。

 

 

 レッドマンは傷によるダメージにより少しふらつくが、その様子は何やら少しでも退屈を凌げる事への歓喜のようにも見えて不気味である。

 

 

 常により強い怪獣との戦いを求めている赤い通り魔レッドマンは、今回のザンドリアスの手ごたえの無さに退屈を感じ、そして退屈凌ぎのために自分自身を傷つけたのだ!

 

 

 ここまで来ると完全に狂気しか感じない(汗)

 

 

 レッドマンは恐怖により仰向けのまま痙攣しているザンドリアスのそばでしゃがみ込み、そして胸ぐらを掴むように首根っこを掴んで詰め寄る。

 

 

 その様子はまるで自身の胸の傷を狙えば勝てるかもしれないぜと語り掛けているようである。

 

 

 しかし、子供でもあるザンドリアスはもはや完全に抵抗できない状態であった。無理もない。ここまでイカれた奴に下手な事をすると何をされるか分からないのだから、、、。

 

 

 ザンドリアスは遂に感極まって号泣し始めてしまう。

 

 

 レッドマンは大きな鳴き声により耳を塞ぐが、すぐさまザンドリアスに「うるさい!」とばかりに平手打ちを打ち込んで転倒させる。

 

 

 レッドマンはザンドリアスを突き倒すと再び立ち上がり、そしてゆっくりとレッドアローを取り出して振り上げる…。

 

 

 鋭い視線で、号泣したまま横たわるザンドリアスに狙いを定めるレッドマン。ザンドリアスも赤い通り魔の餌食になってしまうのであろうか…!?

 

 

 その時、突如上空から赤い稲妻状の光線が降り注ぐ!

 

 

 “ズドーン”

 

 

 光線はレッドマンの手元に命中して爆発し、レッドマンは驚きと共に痛みによりレッドアローを手放して地面に落としてしまう。

 

 

 レッドマンは急いでレッドアローを拾い上げようとするが、上空から何かに体当たりされて吹っ飛んでしまう。

 

 

 レッドマンが地面を転がっている間に、その上空から飛来した者は着地し、ザンドリアスを起き上らせる。

 

 

 その容姿はザンドリアスと変わりないが大きさはザンドリアスよりも一回り大きい。

 

 

 現れたのは、ザンドリアスの親『マザーザンドリアス』である。

 

 

 どうやらザンドリアスは、宇宙で迷子になって地球に飛来して来たようであり、それを探していたマザーザンドリアスはようやく子供を見つけたのだ。

 

 

 母親と再会したザンドリアスはマザーザンドリアスに泣きながら縋り、マザーザンドリアスは我が子をなでなでする。正に感動の再会を果たした親子である。

 

 

 レッドマンは立ち上がり、むしろ相手が増えた事に喜びを感じるかのように構えを取る。

 

 

 だが、マザーザンドリアスはすぐさま目から光線を放ってレッドマンを牽制する。

 

 

 光線を喰らい、更にその流れ弾が周囲で爆発した事により発生した爆風により視界を遮られる。

 

 

 レッドマンが煙を振り払っている隙にマザーザンドリアスはレッドマンに接近し、左右交互に翼で打撃を食らわし、そして翼を羽ばたかせて浮遊して両足蹴りを胸部に叩き込んで吹っ飛ばす。

 

 

 再びレッドマンが地面を転がっている隙に、マザーザンドリアスはザンドリアスと共に飛び立ち、宇宙へと帰り始める…。

 

 

 レッドマンが立ち上がって見上げた頃には、既にザンドリアス親子は宇宙へと飛び去って行った…。

 

 

 獲物を逃してしまったレッドマンは悔しそうに地団太を踏む。

 

 それもそのはず、ザンドリアスを仕留めるために自身を傷つけた行為が無駄に終わってしまったのだから…。

 

 

 だが、地球にはまだ怪獣が沢山いる。そう感じたのか、レッドマンは振り向いて何処かへと歩き去って行った…。

 

 

 

 レッドマンを退けて子供を助けたマザーザンドリアス。流石は母は強し。

 

 

 そもそもマザーザンドリアスは、かつて拗ねた子供を追って来た個体も、攻撃してきた地球防衛軍アメリカ支部を全滅させた事があるように、意外にも侮れない攻撃力を持っているのだから…。

 

 

 ザンドリアス親子には今後も平和に暮らしてほしいものである。

 

 

 〈完〉




 読んでいただきありがとうございます!


 いかがでしたか?


 今回のレッドマンの描写は一際残酷過ぎたかと思います(汗)

 その代わりに、隙を突かれて取り逃がしてしまうというオチにしてみました。


 …と言うか、ウルトラ怪獣界のシンデレラであるザンドリアスを殺すわけにはいきませんもんね(笑)


 その一方で、最近相手を取り逃がす展開が続いている気もするので、次回は赤い通り魔らしいレッドファイトを見せたいと思います。お楽しみに!


 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。


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VSハイパーゼットン

 大変久しぶりの投稿です!

 今回は、リクエストにも挙がっていた宇宙恐竜ハイパーゼットンとのバトルです!

 では、どうぞ!


 辺りを薄暗くするほどの曇天の下、とある緑が一切無い岩壁と岩山だけの場所にて。とある二人の人影が対峙していた。

 

 

 まず一つは、一見『宇宙恐竜ゼットン』のようだが、それよりもスタイリッシュで人間に近い姿をしており、剣の様な突起状の腕、収納可能な翼、細い尻尾も備えているのが特徴であり、鳴き声も従来のゼットンよりもやや野太い感じになっている。

 

 そいつの名は、これまでのゼットンの優れた部分だけを抽出して作り出されたゼットンの強化体『宇宙恐竜ハイパーゼットン』である!

 

 ハイパーゼットンはかつて宇宙に死をもたらす神となって君臨すべく暗躍する『触角宇宙人バット星人』により、ウルトラマンのいない世界の地球『フューチャーアース』にて育てられた事があり、バット星人が怪獣墓場や様々な次元から連れ去った怪獣やその他の生物、そしてフューチャーアースに取り残された人々の絶望・恐怖心を餌に、繭の状態の『コクーン』から幼虫形態の『ギガント』を経て、成虫・所謂完全体の『イマーゴ』へと進化した。

 

 その強さは一度ウルトラマンを倒したゼットンの強化体なだけあって超強力であり、初代ゼットンの物よりもパワーアップされた様々な能力を駆使して『ウルトラマンゼロ』『ウルトラマンダイナ』『ウルトラマンコスモス』の3人を瞬く間に退け、その後3人が1つとなって誕生した最強のウルトラマン『ウルトラマンサーガ』とも互角の攻防を繰り広げた程である。

 

 因みに別の世界では、『変身怪人ゼットン星人マドック』が『ウルトラマンオーブ』を倒す切り札として引き連れた、両腕が鎌状の『ハイパーゼットンデスサイス』という個体も存在する。

 

 

 今回現れた個体は完全体のイマーゴである。

 

 その場で仁王立ちをしたまま一歩も動かず、頭部の発光器官を上から順に光らせ、不気味に首をゆっくりと回しながら従来のゼットンよりも野太い鳴き声を発するその姿だけでも強敵としての貫禄と威圧感を感じるモノである。

 

 果たしてこのハイパーゼットンを育てたのはゼットン星人なのかバット星人なのか、そしてどのようにして成長して行ったのか…それは謎のままである。

 

 

 そんな強敵・ハイパーゼットンに対するもう一方の影。

 

 その姿は真っ赤なボディに、銀色の手袋・ブーツ・ベルト、清朝の暖帽を被っているような形状の頭部、独楽の上にアンテナが立ったような形状の耳が特徴の“赤いアイツ”。

 

 レッド星雲レッド星出身の平和を愛する戦士『レッドマン』の登場である!

 

 彼は、今更説明するまでも無いと思うが銀河連邦出身の孤高の戦士であり、人知れず地球上に現れる怪獣と戦っている。

 

 …ここまで聞くと何の変哲もない正義の戦士なのだが、そのやり方は余りにも過激なのである!

 

 まずファイトスタイルなのだが、ウルトラ戦士のように格闘戦で弱らせ、光線技で止めを刺すというスタイリッシュなモノではなく、例を挙げるなら、馬乗りになった状態で『レッドアロー』で滅多刺し、『レッドナイフ』で首をはねる、頭部を何度も地面に叩き付けた後に頸椎をへし折る、既に致命傷を受けた相手を念には念を入れよとばかりに崖から投げ落とす、などと、聞くだけでも身震いするような凄惨なモノばかりである。

 

 実際これらのやり方で、これまで数え切れない程の様々な怪獣や宇宙人を葬り去っている。

 

 …はて、これらの過激なやり方は彼の私怨からなのか、それとも銀河連邦の一員故の使命感からなのか…?

 

 なんでも彼は、戦意の無い怪獣を捕まえるまで追い回す事もあり、その事から“赤い通り魔”とも呼ばれ恐れられている事から、前者の可能性の方が高いのかもしれない…!?

 

 

 そんな怪獣退治の専門家のレッドマン。“滅亡の邪神”とも言われる強敵・ハイパーゼットンを前にしても臆する事無く、メンチを切るかのような仕草と共に指をポキポキ鳴らしている…。

 

 レッドマンの事だから元から怖いもの知らずな性格なのだろうが、今回初めて相手するハイパーゼットンが何なのか知らないというのもあるのだろう。

 

 知らない故に、いつもの一般の怪獣と同じ感覚で殺ってしまおうと考えているに違いない…。

 

 

 やがて準備体操をするように腕を大きく回してファイティングポーズを取った後、レッドマンは叫んだ。

 

 

 「レッドファイッッ!!」

 

 

 戦闘開始の合図でもある掛け声を上げた後、レッドマンはハイパーゼットン目掛けて猛然と駆け始める!

 

 そして先手必勝の『レッドパンチ』をハイパーゼットンの顔面目掛けて放つのだが、ハイパーゼットンはその場から動く事無く、頭部を素早く逸らすことでそれをかわす。

 

 それでもレッドマンは怯まずパンチ、キックを連続で繰り出すが、ハイパーゼットンはそれらを素早い身のこなしでかわしていく。

 

 「レッドキック!」

 

 打撃技が当たらない事に痺れを切らしたのか、レッドマンは跳躍して必殺キック『レッドキック』を放つ!

 

 ハイパーゼットンはレッドマンのレッドキックを『ハイパーゼットンテレポート』でその場から一瞬で姿を消す事で回避した。

 

 ハイパーゼットンが一瞬で消えた事に驚きつつもレッドマンは辺りを見渡す。やがて後ろを振り向くと、ハイパーゼットンはいつの間にか高台の上に悠々と立っていた。

 

 

 さっきから避けてばかりのハイパーゼットンに苛立ちを感じたのか、赤い通り魔は「かかって来い!」とばかりに両腕を前に出して軽く曲げる事で挑発のポーズを取る。

 

 それを見たハイパーゼットンは軽く首を一回りした後、「お言葉に甘えて…」と言わんばかりにテレポートでその場から姿を消すと同時にレッドマンの目の前に現れる!

 

 いきなり目の前に現れたハイパーゼットンに思わず驚きつつも、レッドマンは再び殴り掛かるがハイパーゼットンはそれをテレポートでかわすと同時にレッドマンの背後に回る。

 

 再びレッドマンが辺りを見渡している隙にハイパーゼットンは背後から一殴りしてたじろがせ、その後レッドマンが振り向いた所で再びテレポートで姿を現すと同時にレッドマンの背後に回って背中に蹴りを叩き込んで転倒させる。

 

 

 「レッドアロー!」

 

 ハイパーゼットンのテレポート攻撃に翻弄されるレッドマンは、立ち上がって振り向くと同時に石突が十字型の手槍・レッドアローを投げつけるが、ハイパーゼットンは再びテレポートでそれをかわすと同時に上空に現れて静止する。背中にはさっきまで収納していた翼をいつの間にか出現させており、尻尾も伸びていた。

 

 「レッドショット!」

 

 レッドマンは短剣のような形状の大型のナイフ・レッドナイフを取り出し、上空のハイパーゼットン目掛けて先端から弾丸『レッドショット』を放つ!

 

 ハイパーゼットンはそれをテレポートでかわしながらレッドマン目掛けて急降下して行き、やがて全てかわした後に急降下の勢いを加えた蹴りを放つ!

 

 レッドマンは咄嗟にレッドナイフでそれを防ごうとするが、予想外の蹴りの威力によりレッドナイフを手放してしまい、自身も吹っ飛んで地面を転がる。

 

 

 「レッドチョップ!」

 

 再び立ち上がったレッドマンは、ジャンプしてハイパーゼットンの頭部目掛けて必殺の手刀『レッドチョップ』を放つが、ハイパーゼットンは即座に『ハイパーゼットンバリヤー』を張ってそれを防ぎ、それにより逆にレッドマンが反転しながら吹っ飛び地面に落下する。

 

 

 初代ゼットンの物よりも強化された様々な特殊能力を駆使するハイパーゼットンに押され気味になっているレッドマン。やはりかつて3人のウルトラマンをまとめて破り、サーガとも互角に戦っただけはある。

 

 

 しかしレッドマンは、そんなハイパーゼットンに怖気づいたりする様子は無く、右腕で口元を擦りながら立ち上がった後、再びファイティングポーズを取る。

 

 恐らく、今までに無い強敵と戦えている事への喜びの方が大きいのであろう。流石はこれまで数々の怪獣・宇宙人を倒して来た赤い通り魔だけはある。

 

 

 恐れ知らずの赤い通り魔は、今度は『分身』を発動させて2人になってハイパーゼットンに殴り掛かる!

 

 二人のレッドマンはそれぞれ左右からハイパーゼットンにパンチを放つが、ハイパーゼットンはテレポートを連続で発動させる事により、攻撃をかわした後に1人目にパンチ、もう1人にキックを撃ち込んで怯ませる。

 

 怯まず二人のレッドマンは、次はそれぞれパンチ、キックを同時に放つが、ハイパーゼットンはまたしてもテレポートでそれをかわすどころか、その残像で分身を作る離れ技を繰り出し、それぞれ同時に二人のレッドマンを殴り飛ばした!

 

 

 「「レッドサンダー!」」

 

 二人のレッドマンは立ち上がると、同時に右腕を突き出して必殺光線『レッドサンダー』を繰り出す!

 

 だが、ハイパーゼットンは仁王立ちしたまま『ハイパーゼットンアブゾーブ』を発動させ、迫り来る二つの光線を吸収・増幅し、波状光線として撃ち返す!

 

 増幅して撃ち返された自身の光線を受けた二人のレッドマンは、ダメージを受けると同時にその余波により周囲の地面が大爆発を起こし、その爆風で吹っ飛んでしまう。

 

 また、強力な攻撃を受けた影響か、自身の分身の一人が消滅してしまった。

 

 

 若干ふらつきながらも立ち上がるレッドマン。流石にハイパーゼットンの超能力の連続を前に、体力が削られて来たのであろうか?

 

 ハイパーゼットンはレッドマンの消耗を確認すると、「ちょいと遊んでやるか」とばかりにテレポートやその他超能力を使うのをやめ、レッドマンに真っ向から格闘戦を挑む!

 

 まずは跳躍し、落下の勢いも加えて右腕を振り下ろして殴り込み、レッドマンはそれを腕を交差して辛うじて防ぐが、その隙に左腕でのボディブローを受けてしまい後退する。

 

 レッドマンはよろけながらも体勢を立て直して右フックを繰り出すが、ハイパーゼットンはそれを左向きに一回転してかわすと同時に背中に右腕の一撃を喰らわす。

 

 「まだまだ!」とばかりにレッドマンは今度は右脚蹴りを繰り出すが、ハイパーゼットンはそれを右腕で叩き落とした後、レッドマンの胸部に両腕の先端を突き立てるパンチを繰り出して後退させる。

 

 

 単純な格闘戦でも無駄の無い動きでレッドマンを押していくハイパーゼットン。更に追い打ちをかけようと右腕のパンチを撃ち込むが、レッドマンはそれを腹に受けると同時に両腕で掴んで受け止める。

 

 そしてそのままハイパーゼットンを頭上高く担ぎ上げる。

 

 「レッドフォール!」

 

 ハイパーゼットンを持ち上げたレッドマンはそのまま投げ技『レッドフォール』を繰り出してハイパーゼットンを地面に叩き付けようとするが、ハイパーゼットンは地面にぶつかる直前にテレポートを発動して姿を消す形で回避する。

 

 かつて初代ゼットンとの戦いでの逆転勝ちとして活躍したレッドフォールすらも無効化されてしまった事に動揺するレッドマン。その隙にハイパーゼットンはテレポートでレッドマンの目の前に現れると同時にラリアットを叩き込んで転倒させた。

 

 その後ハイパーゼットンは仰向けに横たわるレッドマンの腹を右足で何度か踏みつけた後、左足で腹を蹴りつけて吹っ飛ばした。

 

 

 レッドマンを蹴り飛ばした後、ハイパーゼットンは胸の発光器官に巨大な火の球を作り出し、そこから一兆度を超える火球『暗黒火球』を連射して追い打ちをかける!

 

 成す術無く火球の雨あられを浴びて行くレッドマン…!自身の体だけでなく周囲の地面にも当たって爆発が起こって行き、それにより生じる爆風が更にダメージを加速させて行く…!

 

 やがてレッドマンの辺りは大爆発を起こし、それと同時にハイパーゼットンは連射を止めた。

 

 

 大爆発により広がった土煙が徐々に晴れて行くのをじっと見つめるハイパーゼットン。

 

 やがて完全に晴れた先には、焼け焦げて焦土と化した地面の中心に、体中ボロボロになったレッドマンがうつ伏せで横たわっているのが見える。

 

 もはや生きているのか死んでいるのか分からない状態のレッドマンだが、それを見たハイパーゼットンは首を一回転しながらゆっくりと歩みを進めて行く。

 

 やがて倒れたレッドマンの傍まで来ると、その体をじっと見つめ始める。

 

 普段レッドマンは仕留めた怪獣に対し、死んでいるかどうか念入りに確認する『レッドチェック』という行為を行うのだが今回に至っては完全に立場が逆転してしまっていた…!

 

 

 赤い通り魔にとって、これほど皮肉な事は無いであろう…!

 

 

 これまでの怪獣と同じ感覚でハイパーゼットンに挑んだ結果、完膚なきまでに叩きのめされてしまったレッドマン…やはり滅亡の邪神に挑むのは流石に無謀過ぎたのであろうか…?

 

 

 だがその時、レッドマンの右腕がいきなり動き、ハイパーゼットンの足首を掴む!

 

 いきなりの事と、レッドマンがまだ生きていた事に流石に驚きを隠せないハイパーゼットンだが、レッドマンはその隙にハイパーゼットンの身体にしがみ付く!

 

 レッドマンにしがみ付かれた事によりテレポートが出来なくなったハイパーゼットンは、「放せ!」とばかりに蹴りや殴り込み等を放って引き離そうとするが、レッドマンは「この手は死んでも放すものか!」とばかりに、それらをじっと耐えながら強くしがみ付いて離れない。

 

 赤い通り魔の執念は凄まじい…!だが、一方で消耗が激しいのは事実。自身の武器や技を全て無効化されたレッドマンは、遂に捨て身の奥の手に切り込んだ!

 

 「レッドアロー!」

 

 “ザシュッ”

 

 「レッドサンダー!」

 

 レッドアローをハイパーゼットンの腹部にぶっ刺したレッドマンは、それを通じてハイパーゼットンの体内にレッドサンダーを流し込み始める!

 

 レッドマンの捨て身の奥の手とは、相手に組み付いた状態、所謂ゼロ距離で『レッドゼロサンダー』(VSボガールで編み出した新技)をぶち込むという事だ!

 

 だが、ハイパーゼットンも「ここでやられてたまるか!」とばかりに再度胸の発光部に火の球を作り始める!

 

 奴もまた、ゼロ距離で暗黒火球をぶち込んでやろうとしているのだ!

 

 

 両者の強力な力のぶつかり合いにより、周囲の地面は溢れ出る炎や電撃を受けて連続で爆発を起こして行く!

 

 

 ここが市街地だったら間違いなく被害は甚大だったであろう…!

 

 

 やがて両者を巨大な光球のようなエネルギーが包んだかと思うと、巨大なフレアのようなモノを発しながら大爆発を起こした!

 

 半径数百メートルは巻き込まれたのではないだろうか?それぐらいの大爆発である!

 

 

 レッドマンとハイパーゼットンの辺り一帯の地面は大爆発により大きく削れ、直径数百メートルの大きなクレーターが出来上がっていた…。

 

 

 嵐が去って行くように、徐々に晴れて行く爆風や土煙…。はたして勝負の行方は…!?

 

 

 土煙が薄れて行き、やがて姿を現したのは、さっきよりもボロボロの姿で横たわっているレッドマンの姿だった…!

 

 その姿は、真っ赤な体がもはや黒く見えてしまう程である…!

 

 その近くにハイパーゼットンの姿は無く、よく見たらレッドマンの近くに腕の先端の様なカケラが転がっている事から、恐らく撃破されてしまったのであろう…。

 

 

 …だが、横たわっているレッドマンも、目の光が消えていた…!

 

 

 ハイパーゼットンは辛くも撃破出来たものの、激しく消耗した状態で捨て身の技を使った事により、自身も命を落としてしまったのであろうか…!?

 

 実際ピクリとも動かない事から、その可能性も否めない状態である…!

 

 

 レッドマンの生死が気になる中、そんなレッドマンの側に1人の等身大の宇宙人が降り立つ。

 

 頭部に生えた二本の触角が特徴のその宇宙人は『触角宇宙人バット星人』である。

 

 「おのれ~レッドマン! 相打ちとはいえ我のハイパーゼットンを撃破するとは…!」

 

 悔しそうに地団太を踏みながらそう言うバット星人。どうやら今回レッドマンと戦ったハイパーゼットンは、バット星人が育てた個体のようである。

 

 「だが、我は諦めんぞ! レッドマン亡き今、今回よりもさらに強いハイパーゼットンを育て上げて、そして我が、全宇宙に死をもたらす神となるのだ!!」

 

 レッドマンが死んだと見たバット星人は、そう叫びながら高笑いをする。

 

 

 その時だった!

 

 

 “ズドーン” “グチャッ”

 

 

 突如、高笑いをしているバット星人を、上空から何かが押し潰してしまった…!

 

 

 哀れ呆気なく命を落としてしまったバット星人…。その押しつぶしたモノをよく見てみると…。

 

 

 なんとレッドマンの右手であった!

 

 

 すると、さっきまで消えていたレッドマンの目の光が、徐々に光り始めていた…!

 

 

 〈完〉




 読んでいただきありがとうございます!


 ハイパーゼットンは私自身も好きな怪獣で上位に入る怪獣なのでようやく今回のバトルが書けて嬉しいですね!


 実は最初は今回のバトルでレッドマンが敗北するパターンを書いてみようかなと思っていたのですが、本作のポリシー上流石にそれは難しいかなと思い、そこで今回は、相手が劇場版のラスボス怪獣でもあるという事で、“レッドマンが敗北寸前のギリギリの戦いを強いられる”という展開にしてみました。

 リクエストの面子的にも考えて、今後もそういったバトルも展開されると思いますので、そこもお楽しみに!


 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています!


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復活!魔王獣!!編
赤き夕日の通り魔~VSマガバッサー~


 お久しぶりです!


 ウルトラマンオーブに登場した魔王獣とも戦わせることにしました!


 設定としては、レッドマンの世界にも魔王獣が復活したという感じで捉えててくれればと思います(笑)


 今回の相手は、あの“風ノ魔王獣”です!


 多分、本作では今回が今年最後の投稿です。


 それでは、どうぞ!


 青い空が広がるとある岩だらけの渓谷。

 

 

 ………だが、さっきまで晴れ渡っていた空に突然黒煙のような黒雲が広がる。

 

 そしてなんとそこから、数本の竜巻が降り注ぎ、大地を直撃する!

 

 強力な竜巻の直撃を受けた大地は瞬く間に削られていき、石つぶてや土、岩などが軽々と空中に巻き上がる!

 

 

 さっきまで何もなかった平穏な地を、一瞬にして巨大な岩までもが飛び交う恐怖の地に変えてしまった強風。正に、悪魔の風である。

 

 

 すると、そんな数本の竜巻を伴い、一匹の巨大不明生物が空から舞い降り着地する。

 

 

 青を基調とした鳥のような姿でありながら翼は前脚とは独立して背中に存在しているというドラゴンのような身体構造を持つ、鳥や飛竜を合わせたような姿をしている。

 

 

 それは世界を滅ぼすと言われている魔王獣の一体、『風ノ魔王獣マガバッサー』(古代表記:禍翼)である!

 

 

 『魔王獣』。それは、遥か昔に地球に現れ、世界を滅ぼそうと破壊の限りを尽くす恐るべき存在である。

 

 全部で七体存在し、いずれも通常の怪獣よりも格上な、人智を超えた自然災害とも見れる恐るべき能力を有している。

 

 マガバッサーもその一匹であり、かつて現れた時はバタフライ効果によって東京各地で異常気象を発生させ、更に太平洋上でも台風を大量発生させるほどの影響を与えていたことがあり、その絶大な風力は“悪魔の風”と言われる程である。

 

 

 因みに魔王獣達は、その破壊行動を察知したウルトラマンたちとの戦闘の末に封印されたと言われており、このマガバッサーもかつてはウルトラマンメビウスによって封印されていた。

 

 しかし、メビウスにより封印されていたマガバッサーはウルトラマンオーブによって倒されている。

 

 …では、このマガバッサーは一体何なのだろうか?………オーブと戦った個体の別個体なのであろうか?それとも、何者かが復活させたのであろうか………?

 

 

 何はともあれ着陸したマガバッサーは数本の竜巻・マガ嵐を発生させつつ、巨大な翼を羽ばたかせて突風を起こして暴れようとする。

 

 

 ………すると、マガバッサーは何かに気付いたのか、羽ばたきを止めた。

 

 

 その視線の先には、マガ嵐やそれによる岩や土煙などが周りに吹き荒れる中、一人小さな岩山の上に佇んでいる巨人の人影があった。

 

 やがて姿が見えたその巨人は赤を基調とした全身に銀色の手袋・ブーツ・ベルト。そして頭部は清朝の暖帽をかぶったウルトラマンのようなルックスで、独楽の上にアンテナが立ったような形状の耳をしている。

 

 

 そう、彼こそはるか銀河の赤い星から光に乗ってやって来た“赤いアイツ”、『レッドマン』である!

 

 

 彼は銀河連邦の一員でレッド星雲のレッド星出身の平和を愛する戦士であり、これまで人知れず幾多の怪獣たちと戦い、それを倒して来た。

 

 

 ………ここまでだと何の変哲もない正義のヒーローに見えるが………

 

 

 そのやり方が一言でいう、“惨い”のである!

 

 

 銀河連邦故に正義感が強いのか、それとも怪獣に対し個人的な恨みでもあるのか、彼は怪獣に対しいつも過剰なやり方で挑み、特に暴れる様子もなく野原や山道を徘徊しているだけの怪獣にも猛然と襲い掛かり、もし怪獣が逃げてもそれを捕まえるまで追いかけまわすのである!

 

 更に怪獣の仕留め方も馬乗りになって槍もしくはナイフで滅多刺しにするなど非常に残酷なモノなのである!

 

 これらの正義のヒーローらしかぬ行為を繰り返してきたことから、一部では『赤い通り魔』と恐れられているところもあるのだ。

 

 

 そんなレッドマン。岩山の上からマガバッサーを見下ろす。その姿はまるで見下げて嘲笑っている様にも見えて不気味である。

 

 恐らく、普段から何もしない怪獣にも襲い掛かる戦闘狂のレッドマンにとって、マガバッサーほど大暴れする怪獣は絶好の相手なのであろう。

 

 

 

 「レッドファイト!」

 

 

 

 レッドマンはウォーミングアップをするかのように両肩を交互に回した後、ファイティングポーズを取って戦闘開始の掛け声を上げる!

 

 それに反応したマガバッサーは咆哮を上げながら大きな翼を羽ばたかせ、低空飛行でレッドマンに突っ込む!

 

 だがレッドマンは、両手でマガバッサーの頭部の角を鷲掴みにする形で、少し浮きそうになりながらも体当たりを抑え込む。

 

 敵の勢いも凄いのか、マガバッサーの頭部を抑えたまま、地に着いたままの両足で地面を削りながら後ろに下がっていく。

 

 だがレッドマンは怯まず前後の向きを変えて首を掴み、背負い投げの要領で地面に叩き付ける!

 

 そしてすかさず馬乗りになり、頭部を地面に叩き付けたり、激しくチョップを連打したりなどして猛攻撃を加える。

 

 だが、マガバッサーも負けてばかりではいない。自慢の大きな翼を振るい、馬乗りになっていたレッドマンを叩き落とした。

 

 レッドマンはすぐに立ち上がり、同じく起き上ったマガバッサーに再び組み付く。

 

 そして腹部に膝蹴り二発、右肩に左チョップ、胸部に水平右チョップを叩き込んで後退させるが、その直後に一瞬の隙を突かれ、翼を振るった殴り込みで再度吹っ飛ばされる。

 

 レッドマンが少し怯んだ隙にマガバッサーは飛び上がり、レッドマンの真上でホバリングしながら両脚を振るって鋭い鉤爪で切り裂き攻撃を仕掛ける。

 

 炸裂する度に何かが切れるような生々しい音が鳴り、多少喰らったレッドマンは少し怯む。

 

 

 ………しかし、ここで負ける赤い通り魔ではない。

 

 

 「レッドナイフ!」

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 “!!?ギイイイイイイィィヤアアアオン!!”

 

 レッドマンは鉤爪の攻撃の中、短剣にも見える大型のナイフ・レッドナイフを取り出す。

 

 そしてそれを振るい、見事マガバッサーの左脚を切り裂いた!

 

 左脚を切り落とせなかったものの、大きな切り傷を付けることに成功したレッドマン。マガバッサーはたまらず少し下がって着地する。

 

 

 レッドマンは着地したマガバッサーにレッドナイフを投げつけて止めを刺そうとする。

 

 これで決まりか!!?

 

 

 だがマガバッサーは再び飛び上がり、上空から翼を羽ばたかせて風圧による衝撃波・マガ衝撃波を発生させる!

 

 これは衝撃波を伴った突風であるために威力は絶大であり、その強風で飛ばされそうになるレッドマンは必死で踏ん張り、それどころか手に持っていたレッドナイフが吹き飛ばされ、周囲の地面からも大小関係なく岩が吹き飛び、砂や土煙が激しく巻き上がる!

 

 

 マガバッサーは恐らく、この強風でレッドマンが弱った隙に一気に止めを刺そうとしているのであろう!

 

 

 ………だがレッドマンは、必死に強風に耐える中、最後の手段に出る!

 

 

 「レッドアロー!」

 

 

 レッドマンは石突が十字架の形をした手槍・レッドアローを取り出す。

 

 これはレッドナイフと同じくレッドマン主要武器の一つであり、これまで幾多の怪獣へのトドメ(惨殺)に使われてきた。

 

 

 レッドマンは強風に踏ん張って耐えながら、レッドアローを投げようと構える。

 

 しかし今の状態で投げても強風に邪魔されてマガバッサーには届かないであろう。

 

 一体レッドマンに何の考えがあるのだろうか………?

 

 

 するとレッドマンはレッドアローをマガバッサー目掛けて思い切り投げつける!

 

 ………しかし、やはりマガバッサーまでは飛ぶことなく、レッドマンの目前で自身の飛ぶ力と強風の力がぶつかり合う事により空中で静止するような状態になる。

 

 最後の悪あがきも無駄に終わってしまうのであろうか………!?

 

 

 と、次の瞬間、

 

 

 「レッドキック!」

 

 

 “バゴンッ”

 

 

 レッドマンは跳躍して、レッドキックでレッドアローの石突を蹴り込んだ!

 

 レッドキック。それは一見ただの飛び蹴りに見えるが、これもレッドマンの必殺技の一つであり、この技もこれまで幾多の怪獣を倒してきたことから、威力は絶大なモノなのだ!

 

 するとレッドアローは、投げられた自身の飛ぶ力にレッドキックの絶大な蹴る力が加わることにより加速する勢いが増し、強風に逆らい、風を劈きマガバッサーの方へと飛んで行く!

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 “!?ギャイイイイィィィィン!!”

 

 

 遂にレッドアローはマガバッサーに届き、右の翼を貫いた!

 

 それによりマガバッサーの強風を起こす力、そして飛ぶ力が弱まり、青い羽根を巻き散らせながら地面に落下する。

 

 レッドマンの大胆な戦法により翼を傷つけられ落下するマガバッサーは地面に激突し、その衝撃により地響きが起こり、土煙が激しく巻き上がる。

 

 マガバッサーはよたよたと起き上る。レッドマンの二大凶器によって傷ついたためにもうだいぶ弱っていた。

 

 

 その隙を逃さず、レッドマンはマガバッサーに猛然と跳びかかる!

 

 

 「レッドチョップ!」

 

 

 “バゴンッ”

 

 

 「レッドキック!」

 

 

 “バゴンッ”

 

 

 レッドマンは落下のスピードを活かしてマガバッサーの頭部に右手のレッドチョップを叩き込み、更に胸部に跳躍しての右足のレッドキックを叩き込んだ!

 

 

 レッドマンの二段格闘必殺を喰らったマガバッサーは大きく吹っ飛び地面に落下する。

 

 そして仰向けに倒れたまま両方の翼をひくひくさせる。もう完全に虫の息だ。

 

 

 「レッドアロー!」

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 更にレッドマンは「止めだ!」と言わんばかりにレッドアローを手に跳躍し、落下スピードを活かして上から串刺しにする!

 

 

 トドメの一撃で腹部を貫かれたマガバッサーは遂に力尽き。両目を閉じて完全に動きを止めた。

 

 

 するとマガバッサーの死と共に、周囲に起こっていた強風やマガ嵐もおさまり、黒雲も瞬く間に何処へ飛び去るように消えて行った………。

 

 

 

 再び青空が広がる平穏な地に戻った渓谷。レッドマンはマガバッサーの死体をじっと見つめる。所謂、相手がちゃんと死んだかどうか念入りに確認するレッドチェックと言うヤツだ。

 

 そしてマガバッサーの死を完全に確認したレッドマンは余韻に浸るかのように上を向いた後、マガバッサーの死体を残したまま何処かへと歩き去って行った………。

 

 

 今回も勝利を収めたレッドマン。しかしマガバッサーが現れたという事は、恐らく他の魔王獣も復活したという事なのであろう。

 

 

 今後も激しい戦いが展開されると予想できる。

 

 

 果たしてレッドマンは、全ての魔王獣を倒すことが出来るのであろうか………?

 

 

 〈完〉




 いかがでしたか?


 レッドマン世界の最初の魔王獣はマガバッサーでした。


 勿論、いずれ全魔王獣と戦わせるつもりなのでお楽しみに(笑)


 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。


 それでは、よいお年を!


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再生怪獣シリーズ
VSギエロン星獣


 (別作品で既に言いましたが改めて)明けましておめでとうございます!


 今年最初のレッドファイトは、昨年ジードでまさかの再登場を果たしたギエロン星獣です!

 因みにギエロン星獣の再登場には、正直私もビックリしました(笑)


 では、どうぞ!


 とある荒野の中心にて、とある一人の赤い巨人が股を開いてしゃがんだ姿勢で、所謂“ヤンキー座り”をしている様子が見えていた。

 

 

 その赤いアイツは何かを待っているのか、時折膝に肘をついて顎に手を当てたりしながらその場で佇んだまま動く様子もない…。

 

 

 しばらくすると、上空から一匹の鳥型の怪獣が急降下してきて着地し、どこか悲しい叫びにも聞こえる鳴き声を上げる。

 

 

 その鳥型の怪獣は、二股に分かれた頭部を持ち、翼にあたる両腕がブレード状になっているのが特徴の『再生怪獣ギエロン星獣』である!

 

 

 奴はかつてはシャール星座の第7惑星のギエロン星に生息していた生物であったが、ギエロン星はその星に生物がいないと誤って判断した人類が開発した超兵器『R1号』の実験の標的にされて爆破され、その際にギエロン星にいた生物がR1号の放射能の影響により突然変異、怪獣化した者なのである。

 

 

 所謂奴は、“悲劇の怪獣”でもあるのだ。

 

 

 その時ギエロン星獣は復讐として地球に来襲したが、その時活躍していた地球防衛軍『ウルトラ警備隊』、そして、その時地球で活躍していたウルトラ戦士『ウルトラセブン』によってやむなく退治されている。

 

 

 このギエロン星獣ももしかしたら、そんな核実験の影響で誕生した者の一匹なのかもしれない………?

 

 

 ギエロン星獣が出現すると、その前でヤンキー座りをしていた赤いアイツは、立ち上がった後指をポキポキと鳴らし、首を一回回す。

 

 正に気合十分である。

 

 

 「待ってました」とばかりにギエロン星獣の登場に反応するその赤いアイツとは、銀色の手袋・ベルト・ブーツをしており、清朝の暖帽をかぶっているような形状の頭部、独楽にアンテナが立ったような形状の耳、そして何より真っ赤なボディが特徴の“平和を愛する戦士”…!

 

 

 今ここに、『レッドマン』の登場だ!

 

 

 

 出身はレッド星雲レッド星。銀河連邦の一員とも言われ、日々、人知れず地球に現れる怪獣や宇宙人たちと戦っている…

 

 

 …ここまで言えば一見何の変哲もない“正義の味方”のようであるが、問題はその中身である…そう、“中身”!

 

 

 実はレッドマンの戦いの多くには、ただ野原等を徘徊しているだけの、特に悪さをする様子は無い怪獣に猛然と襲い掛かる形で戦いが始まる事が多いのである!

 

 逃げる怪獣を一方的に追い回しては捕まえて戦いに移すなど、およそヒーローらしからぬ行動もする事から、怪獣に対し私怨でもあるのか、もしくはどんな事していようと見つけ次第怪獣は仕留めるのが彼のポリシーなのであろうか…?

 

 

 更に、普通ウルトラ戦士等のヒーローは相手怪獣を倒す時は打撃である程度弱らせた後に光線技で止めを刺すという比較的スマートな戦法をイメージするものだが、奴の場合は違う…!

 

 

 レッドマンの場合、肉弾戦をする所は同じなのだが、その後のフィニッシュが…

 

 

 ただひたすら“刺す!”“斬る!”“首をへし折る!”“投げ落とす!”

 

 

 …など、これまたヒーローらしからぬえげつないやり方なのである!

 

 

 一応光線技を持ってはいるのだが、普段はこれらのやり方で怪獣を仕留める事が多い事から、奴は怪獣を残酷なやり方で仕留めるのを至高の喜びとしているのであろうか…?

 

 

 これらの行動から、各地では“赤い通り魔”とも言われ恐れられているのである!

 

 

 ひょっとすると、銀河連邦の一員であるのは過去の話で、残酷なやり方で無差別に怪獣を倒す事を止めない事から既に追放されているのかもしれない…?(個人的な憶測)

 

 

 

 そんなレッドマンを、見つけるや威嚇するように翼に当たる両腕を羽ばたかせるような仕草を見せるギエロン星獣。

 

 その様子はまるでレッドマンに警戒している様にも見えた…。

 

 

 「レッドファイト!」

 

 

 やがてウォーミングアップが終わったレッドマンは、いつもの様にファイティングポーズを取って戦闘開始の口上を上げる!

 

 

 レッドマンはギエロン星獣に勢いよく駆け寄り、ギエロン星獣の左右に挟み込むように打って来た両腕での打撃を両腕で防ぎ、腹部に前蹴りを叩き込んで後退させる。

 

 次にギエロン星獣が放った左フックをしゃがんでかわした後、後ろに回り込んで両腕で首を締め上げ始める。

 

 なんとか振りほどいたギエロン星獣の放った右腕の殴り込みを両腕で受け止めると、そのまま右腕を掴んだままコンパスで円を描くように振り回し始め、振り回されるギエロン星獣も地を駆け始める。

 

 「トォーッ!」

 

 レッドマンは数回振り回したギエロン星獣を思い切り放り投げ、地面に叩き付ける。

 

 

 レッドマンは仰向けに倒れるギエロン星獣にマウントを取って打撃を連打するが、どうした事か途中で殴る腕が止まり、何故かそのまま考え事をするように上を向き始める…。

 

 だがその隙を突かれて、ギエロン星獣の腕で叩き落とされてしまう。

 

 

 レッドマンは地面を転がった後すぐさま立ち上がりギエロン星獣と対峙する。

 

 

 はて、いつもなら張り切って獲物(怪獣)を仕留めるレッドマンが、突然何を考え始めたのであろうか…?

 

 

 …実はレッドマンが考え事を始めたのにはワケがあった…。

 

 

 

 実は、レッドマンがギエロン星獣と戦うのは、今日が六日目なのである!

 

 

 

 一体どういう事なのか? では、一旦遡ってみよう。

 

 

 まずは二日前(所謂一日目)。

 

 突如荒野に現れたギエロン星獣。そしてそれを嗅ぎつけたようにレッドマンも現れ、戦闘に突入する。

 

 

 「レッドファイト!」

 

 

 レッドマンはギエロン星獣に駆け寄ると、先手必勝とばかりにヤクザキックを腹部に叩き込み、続けて両手で嘴と頭部を掴み、「トォーッ!」という掛け声と共に背負い投げで地面に叩き付けた。

 

 

 倒れたギエロン星獣を、腕を掴んで起き上らせると、レッドマンは次なる攻撃に入る!

 

 

 「レッドチョップ!」

 

 

 “カキーン”

 

 

 レッドマンは掴んだギエロン星獣の右腕に必殺チョップ『レッドチョップ』を打ち込むが、何やら金属がぶつかり合う様な音が響き、それどころかチョップを受けたはずの腕は全くの無傷なのである!

 

 

 レッドマンは少し動揺しつつも続けてがむしゃらに腕に数発パンチを打ち込むが、いずれもダメージを受けた様子は無く金属がぶつかるような打撃音が空しく響く一方であり、それどころかなんと逆に殴ったレッドマンが痛がり始めたのである!

 

 

 レッドマンは一旦後退して距離を取り、そして短剣に似た大型ナイフ『レッドナイフ』を取り出し投げつける!

 

 

 「レッドナイフ!」

 

 

 “カキーン”

 

 

 レッドナイフはギエロン星獣の頭部に命中したのだが、なんと斬れるどころか全くの無傷であり、おなじみの音と共にレッドナイフをはね返したのである!

 

 

 打撃どころか自慢の武器が通用せず動揺するレッドマン。

 

 

 ギエロン星獣の頭部と翼状の腕は非常に頑丈であり、かつて『ウルトラセブン』の必殺武器『アイスラッガー』をはね返した事があり、それを活かした体当たりは自分よりも大きいサイズの隕石を木端微塵に粉砕したり、ビルを切り裂いたりするほど強力なのである!

 

 

 レッドマンの攻撃をことごとくはね返したギエロン星獣は嘲笑うようにレッドマンに接近し始める。

 

 

 …だが、レッドマンも万策が尽きたわけではない。

 

 

 「レッドサンダー!」

 

 

 レッドマンは更に一歩下がると、右腕を突き出してそこから破壊光線『レッドサンダー』を発射する!

 

 

 “ズドーン”

 

 

 光線はギエロン星獣の胴体に命中して爆発し、やがてギエロン星獣は全身が木端微塵に吹き飛んでしまった…!

 

 

 珍しく光線技を使ってギエロン星獣を撃破したレッドマンは、いつもの上を向いて右腕を挙げるポーズはせず、何やら呆然と立ち尽くすように粉々に吹き飛んだギエロン星獣の残骸を見つめる…。

 

 今回はまだ痛ぶり足りなかったのだろうか…?

 

 

 やがて背を向けて歩き去るレッドマン。

 

 

 …しかし、しかしである!

 

 

 翌日、倒したはずのギエロン星獣が同じ場所に現れたのである!

 

 

 それを見つけたレッドマンは驚く様子なく挑み掛かる。

 

 

 レッドマンはギエロン星獣の腕に摑みかかると、再び投げるために振り回そうとするが、ギエロン星獣は至近距離で口からの黄色い毒ガスを吹き付け、それをモロ顔面に浴びたレッドマンは思わず手を放して後退する。

 

 

 更にギエロン星獣は、怯んだレッドマン目掛けて、両手を近づけて発射するリング光線『ビームコイル』を数発放つ!

 

 

 無数に飛んで来るリング光線をレッドマンは避けたりしていくが、やがてその内の一つが左腕に命中して爆発してしまう!

 

 

 レッドマンは左腕を押さえて痛がり始め、光線を命中させたギエロン星獣はあざ笑うように咆哮を上げる。

 

 

 しばらく痛がるような仕草を見せた後、遂に怒りに火が付いたレッドマンは右腕でレッドナイフを取り出す!

 

 

 「レッドナイフ!」

 

 

 ナイフを手に駆け寄るレッドマン。まずはギエロン星獣の右腕の殴り込みを受け止めるとそのまま腹部に斬撃を2発決め、その後ギエロン星獣の左フックをしゃがんでかわして後ろに回り込むと、後頭部に上から振り下ろした斬撃を決める!

 

 昨日の戦いでギエロン星獣の頭、腕の硬さを学習済みなため、今回はそれ以外の比較的柔らかい所を集中的に斬っているのだ!

 

 実際レッドナイフで斬られた部位からは黄色い体液が噴き出ているため、効果は絶大である!

 

 

 「レッドアロー!」

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 レッドマンは怯んだギエロン星獣目掛けて、石突きが十字型の槍『レッドアロー』を取り出して投げつけ、それが腹部に貫通したギエロン星獣はその場で倒れ込んで息絶えた…。

 

 

 ギエロン星獣を倒したレッドマンは、昨日と同じく何処か物足りないような仕草を見せた後その場から歩き去る…。

 

 

 …しかし、その翌日も同じ場所にやって来たレッドマンは驚愕を隠せなかった…!

 

 

 なんと、一昨日、昨日と倒したはずのギエロン星獣が、また姿を現していたからである…!

 

 

 皆さん、既にお気づきであろうか?

 

 

 そう、ギエロン星獣の最大の能力は肩書でも分かるように驚異的な再生能力であり、例えミサイルやウルトラ戦士の光線技で粉々にされても、一晩で再生してしまうほど高いのである!

 

 そのため、このギエロン星獣もレッドマンに倒される度にその再生能力が作動し、毎日同じ場所に、ほぼ同じ時間に現れている、所謂同一個体なのである!

 

 

 実際、ギエロン星獣と戦った『ウルトラマンジード』は、その再生能力に頭を抱えた事があり、実に5日以上も連続でギエロン星獣と戦った事があるのである!

 

 実際にジードは三日目辺りからは動揺が始まり、そして五日目の時点では完全に呆れ、疲れ果てる状態にまでなってしまっていた…無理もない。毎日決まった時間に全く同じ怪獣と戦う日々を強いられては、肉体的、精神的にくたびれてしまうも当然である…

 

 

 …だがレッドマンは違った…!

 

 

 ギエロン星獣の再生能力を知った瞬間、彼は呆れるどころか何やら心が躍るような激しい感情が芽生え始めたのである…!

 

 

 もはや毎日怪獣を惨殺するのが生き甲斐みたいになってしまっているレッドマンにとって、何度も蘇る怪獣は毎日退屈しないための格好の相手みたいなものなのであろうか…?

 

 

 そしてレッドマンは、この日から毎日様々なバリエーションでギエロン星獣を倒すという新たな楽しみを生み出してしまったのである!

 

 

 三日目は仰向けに倒したところを馬乗りになってレッドナイフを何度も振り下ろして惨殺、

 

 四日目はうつ伏せに倒した所を同じく馬乗りになってレッドアローで滅多刺し、

 

 そして五日目は同じくうつ伏せに倒した後、頭部を三回地面に叩き付けた後に頸椎をへし折る…

 

 

 …と言う感じで、レッドマンは毎日ギエロン星獣を違うバリエーションで倒すという楽しみを満喫し、そして現在(六日目)に至るという感じである!

 

 

 ただでさえ悲劇的な出自の怪獣だというのに、運悪く赤い通り魔に付け狙われてしまい、その上その赤い通り魔の退屈凌ぎのおもちゃにされてしまったギエロン星獣…。

 

 実に哀れである!

 

 

 先ほどマウントを取っている最中に何やら上を向いていたのは、毎日の戦いに呆れ、疲れていたからではなく、「今日はどうやって倒してやろっかな~?」みたいな感じで考え事をしていたためであるのだ!

 

 

 そんな考え事をしながらギエロン星獣と対峙するレッドマン。やがて何か思い付いたのか、俯いていた顔を上げると勢いよくギエロン星獣に駆け寄る!

 

 そしてギエロン星獣の右腕に掴みかかった!

 

 

 「レッドナイフ!」

 

 

 “ザシュッ ザシュッ…”

 

 

 レッドマンはそのままレッドナイフを右手で取り出すと、左腕で掴んでいるギエロン星獣の右腕を引っ張りつつその付け根に何度もナイフを突き刺していく…!

 

 

 やがてレッドマンが更に力を入れると、ギエロン星獣の右腕は、激しく羽毛を撒き散らしながら千切れてしまった!

 

 

 ギエロン星獣が悲鳴にも似た鳴き声を上げる中、レッドマンはそのもぎ取った右腕をポイと投げ捨てると再びギエロン星獣に掴みかかる!

 

 

 「レッドアロー!」

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 レッドマンはレッドアローを取り出すと、もぎ取った腕の断面に突き刺した。そして…

 

 

 「レッドキック!」

 

 

 “ズブッ”

 

 

 跳躍して『レッドキック』を石突に打ち込むことで、槍を更に深くギエロン星獣の体内に押し込む!

 

 

 石突を蹴られたアローは腕の断面から深く刺さっていき、やがて左横腹から突き抜けてしまった…!

 

 

 それによって再び息絶えたギエロン星獣は、目を閉じ、その場に崩れるように倒れ込んでしまった…。

 

 

 …だが、これで終わりではなかった!

 

 

 レッドマンは横たわるギエロン星獣の死体の左腕を掴むと、そのまま思い切り引きずりながら崖淵まで走っていく…!

 

 

 「レッドフォール!」

 

 

 やがてレッドマンは、必殺の投げ技『レッドフォール』でギエロン星獣の死体を崖底へと投げ落としてしまった…!

 

 

 レッドマンは、倒した怪獣の死骸を、本当に死んだかどうか見つめるという所謂『レッドチェック』を行う事も多く、恐らくこのレッドフォールも、念には念を入れるレッドチェックの一つなのであろう…。

 

 

 やがてレッドマンは崖下へと投げ落としたギエロン星獣の死体を見下ろすように見つめた後、その場から歩き去って行った…。

 

 

 六日目の今日もレッドマンに惨殺されてしまったギエロン星獣だが、恐らく翌日も再生して姿を現すであろう…。

 

 

 …そしてまたレッドマンに倒されては次の日蘇える日々を繰り返すかもしれない…。

 

 

 弱点である“頸動脈”を斬られない限り…!

 

 

 レッドマン!早くギエロン星獣を楽にしてやれ!!(笑)

 

 

 〈完〉




 読んでいただきありがとうございます!いかがでしたか?


 …何でしょう?…書いていく内に何故か私も胸が痛くなってしまいました(笑)

 なにしろギエロン星獣は悲劇の怪獣ですからね…前書きでも言いましたが、そんなギエロン星獣が現代のウルトラマン作品に再登場するという事は非常に衝撃でした。

 ギエロン星獣は現段階では完全に倒されていないので、今後のレッドファイトにも登場予定です。


 今年も様々な怪獣と戦わせていくつもりなので、どうぞよければ今年もよろしくお願いします!


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