ツイテル話 (笹鉄砲)
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プロローグ 第一話

 俺の名前はウツロ、年齢は13歳である。13歳と言ってもそれは外見の話で中身はそれはもういい年をしたおっさんだ。 

 

つまりだ、あり得ない話だと思うだろうが俺は転生した、ということだろう。前の人生の死因はまったく思い出せないが、おっさんだったことは思い出せる。

 

 俺の人生にこんなことが起きるとは、正直釈迦さんのこと舐めてました。

ああやって不思議なことを言う人はすごいね。

 

 

 と、まあ俺のあり得ない話をしたのだが、まだあり得ない話が続く。なんと俺が転生した世界は忍者が魔法を使う世界なのである。

 

 いや、何をいってるんだと思うがそういうこととしか言いようがない。水鉄砲する人、口から泥を吐く人、数えたらきりがないが不思議なことができる世界である。

 

 それでだ、不思議な世界の、火の国というところに生まれた俺ですが、いきなりでかい狐に親が殺された。

 

 いきなり人生ハードモード突入だと。と身がまえた俺だがさすがは忍者の里、親を無くす子は多いらしく金や家などの手配だけはしてくれた。

 

 しかし子供(10歳ぐらい)に一人暮らししろとはえげつない世界だ。

 

 それから赤ちゃんのころは育ててもらってある程度成長したら一人暮らしを始めた俺だが、忍者なんてものには成る気は無く、命の危険が少ない職業についてのんびり暮らすつもりであった。

 

 あの日までは……

 

 

 あれは俺が9歳ぐらいの時だろうか。俺は近所の奴らと忍者ごっこ(忍者になるつもりはもちろん無い)をしていたとき、死にそうな顔をした忍者を路地裏で見つけた。なぜ忍者と分かったかと言うとそれは彼の頭に忍者の証の額当てが有ったからだ。

 

 俺も一度は死んだ身、人生の先輩として話を聞いてやろうと調子に乗った。

 

そこで俺の人生はデンジャラスへと変貌した。

 

「おじさん、どうしたんだいこんなところで?」

 

 俺はできるだけ笑顔で話しかけた。

 

「お前、俺が見えるのか?」

 

「?、見えるよ」

 

この会話だけで俺はかなりまずいことをしたのではないかと思い始めた。なんだこの痛々しい発言をする男は。

 

そんなおれにさらなる追い打ちが襲いかかる。

 

「ウツロ、覚悟!!」

 

 忍者ごっこをしていた友人がおもちゃの手裏剣を投げてきたので、俺は後ろを見ずに避けたが、そこで恐ろしい者を見た。なんと、おじさんに当たったおもちゃの手裏剣が貫通した。いや、すり抜けていったのである。

 

え?why?

 

俺、驚愕。

 

友人、隙ありと後ろから攻撃。

 

おじさん、俺を見て笑う。

 

 俺に対して新聞を丸めたもので殴って満足したのか友人は一人でボーっとするなんて情けないぞと言ってその場を去って行った。

 

 一人………で?

 

「その反応からして俺が見えているようだな。お前名前は?」

 

 今すぐ逃げ出したい。

 

「………光宙です」

 

 名前は教えたので逃がしてください。

 

 しかし、現実は非常に残酷であった

 

「はははははは!! かわいい名前だな、俺の名前は千手柱間。今は死んでいるが、元は初代火影だ。死んでからやることもなかったし、お前も忍者ごっこするぐらいなら本物の忍者にしてやろう!!」

 

 

 これが、俺の人生を粉々に砕いた最低最悪の出会いだ

 

 

 俺ことウツロ(ピ○チュウ)は幽霊の先生を持つことになったようだ。

 

 



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第二話

 

 9歳のあの日から初代火影とやらが修行を始めようとしたが、俺は頑なに断った。

 

 俺は考え付くありとあらゆる理由を言ったが、初代はそれは嬉しそうに全てを聞き流した。

 

 しかしだ、相手は所詮幽霊である。俺に触れることはできない。つまり、ただうるさいだけで無害なオヤジが隣にいるだけだと俺はできるだけその存在を認識しないようにしていた。

 

 そんなある日の事、俺は目を覚ましたら、忍者アカデミーから試験の通知がきた。合格の二文字とそれぞれ実技と筆記の試験。全てが満点だ。

 

 だが考えてほしい。俺は確かに転生しているし、幽霊が見えるがそれ以外は普通だと自負している。しかし、無意識に試験を受けに行くような異常な人間になった覚えは全くない。

 

 無意識と言えば他にも俺の肉体にいつ傷付けたのかわからんような怪我も増えているし、体のだるさもここの所毎日感じている。最近は良く解らんことが多発しているのである。

 

 そんな風に最近の自分が分からず、混乱していた俺に初代は衝撃の事実を突き付けた。

 

『お前があまりにも忍者になると言わんから、無理やり憑依して、試験を受けてきてやったぞ。見ろこの成績、全て満点だ!!』

 

 なんて腹立つドヤ顔だ。何が満点だ、だ。お前は火影だろ。子供の受ける試験で良い点だしたからって喜ぶもんじゃないだろ。

 

 それよりも待て、こいつは今何と言った憑依しただと。あれだよね、つまり勝手に俺の体を使ったってことだよね。やばいんじゃないかなこの状況は。

 

「あんたさ、勝手に人の肉体使うとかふざけんじゃねぇよ。どうすんだよ、今からやっぱり入学しませんって言いに行かなくちゃいけなくなっただろ!!」

 

『安心しろ、これは全てお前を一流の忍者にするための準備だ』

 

「どこにも安心する要素が無いんだよ。あれか、俺にあの魔法学園に通えってか、ホグ○―ツに行けって言うのか!?」

 

『ホグ○―ツが何かは分からんが通えばいいだろう。友達も増えるし良いことづくしじゃないか』

 

「俺をぼっちみたいに言うんじゃねぇ!! こう見えても学校に行く前から友達100人ぐらいいるわ!!」

 

『はっはっはっは、友達が少ない奴はみんなそういうんだよ。実際にマダラもそんなこと言ってたからな』

 

 

 よく分からんがそのマダラさんとやらがあまりにも不憫に思えた。

 

 

『お、もうこんな時間か。修行せねば』

 

「修行って、お前もう死んでるだろ」

 

『うむ、だからお前の修行だ』

 

「は?意味がわからん。何言ってんだお前」

 

『お前さんは寝てるだけで終わるから大丈夫だ』

 

 そう言いながら、近づいてくる柱間の手が俺の肩に触れた瞬間、俺は気を失った

 

 

 その翌日、俺は今までの体の傷やだるさの原因はあのあほだと理解した。

 

 

 



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第三話


 


 

 衝撃の事実が発覚したので、俺は自らの肉体を守るため自分の意思で修行に取り組む決意をした。

 

 

 あいつに好き勝手やらしたら俺は死んであいつの仲間入りしてしまう。

 

 

 

 そして俺は忍者アカデミーに入学を果たしたわけだが、入学式ですでにあいつは俺の尊厳を奪っていた。

 

 

「入学試験主席、ピ○チュウ、壇上へ」

 

 

 俺は涙が止まらなかった。そうだった、俺はあいつに嘘の名前を教えていて、それをあいつが信じていたんだった。今のご時世にこんなかわいい名前を付けるわけないだろ。

 

 

 周りからはあいつってウツロじゃね?とかピ○チュウ?とか大量に疑問符が飛び交っているがそんなことを気にしている余裕など俺には存在しない。

 

 

「先生、俺の名前はウツロです。決してピ○チュウではありません」

 

 

「え?そうなの。でも君の答案用紙とか全部ピ○チュウだったよ」

 

「変な悪霊が俺に取り憑いたんですよ。本当です」

 

「幽霊とかいるわけないでしょ。ほんと、ちゃんとしなさい」

 

「すみません」

 

 嘘は言ってないのにと思いながらも何度も謝り俺はなんとか自分の名前を訂正してウツロとして入学することができたが、しばらくはピカ○ュウが俺のあだ名となった。

 

 この時、忍者の修行よりも霊媒師としての修行の方が大切ではないかと本気で思った。

 

 

 それから、俺は霊媒師としての修行と忍者の修行を同時進行で行った。木を歩いて登る練習や水面を歩行する練習、なんかチャクラとか言う物を扱う練習に始まり、体に合計80キロの重りを背負わされたり。それはもう過酷な練習であった。

 

 しかも、あのあほが俺の弟だと連れてきた目つきの悪い人やそこらへんからスカウトしてきたらしい大量の幽霊忍者が各自でいろいろな修行をさせてきたせいで俺はこの三年間で強くなったと思いたい。

 

 ただし、そのせいか俺の体に異常なことが起き始めた。まず、血継限界とやらが発現し始めたのである。なんか木遁とかいうものが使えるらしい。これには柱間が驚いていたが憑依を何度も行ったことで体質が変わったのではないかと言っていた。

 

 俺はこいつらに肉体改造を何度もされていたようだ。俺はショッ○―にでもなった気分だよ

 

 そこから俺の霊媒師として修行が加速し幽霊に触る、憑依を拒絶するなど日常で必要な最低限度の事は可能になった。

 

 それができるようになって、初めに柱間に殴りかかったが、おっ遂に体術の訓練かと嬉しそうに言われた後、完膚なきまでに叩きのめされた。

 

 だから天才は嫌いなんだ

 

 しかし、取り憑かれるのを拒絶できるようになったのは非常に嬉しいことだ。このままいったら目の中にホクロや死んだ魚の目になっていたかもしれなかったから。

 

 しかし、夜に笑顔で、このまま最強の忍者をとか、万華鏡ぐらいなら余裕じゃね、とか、性質変化を全て習得も時間の問題とか、白眼もなんとかいけるでしょ、などの会話をしながら集会するあいつらを見て、本当は手遅れになった可能性があるのではないかと心配である。

 

 

 



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第四話

 

 さて、地獄の特訓と癒しの学校(あいつらは学校には着いてこない)を三年間過ごし、俺もついにアカデミーを卒業する時が来た。入学当時の俺の成績はトップだったが、日頃のストレス、体の重りなどにより学校のテストは全て適当に終わらせた結果、俺はおおよそ真ん中あたりの成績で卒業できたようだ。

 

 そのせいか努力をするやつや先生方には手を抜くなと怒られたが手を抜かなければ過労で死んでしまうので許していただきたい。

 

 しかし、最後の分身は余裕であったが、あのような簡単な術で合格させてもいいのかと思った俺は既に頭のおかしい住人の世界に入ってしまったのかもしれない。

 

 卒業試験が無事に終わり額当てを持って帰ったら、我が家の住人がそれはもう嬉しそうにほめてくれた

 

『無事に卒業できたようだな。これも全て私のおかげだな』

 

 柱間、俺を地獄のような世界に突き落とした張本人。お前のおかげではなくお前のせいと叫びたいが我慢する。

 

『お前はまだ入り口にすら立っていないこれからも精進するように』

 

 扉間、兄と一緒になって俺を地獄の世界に縛り付けた人間。お前は地獄の入口に早く行け

 

『いやー、あんなに小さかった君がもうアカデミー卒業か時間が経つのは早いね。もうそろそろ幻術の練習もしていこうか』

 

 シスイさん、なんでもあの有名なうちは一族の人物。目にホクロがあるがそれ以外はまともな人だ。けどもこれ以上練習量は増やさないでください

 

『ウツロも下忍か、感慨深いな。俺の息子も下忍なんだよな。久しぶりに話したいな』

 

 日向ヒザシさん、何度も子供の自慢をしてくる親馬鹿だが、優しいので許す

 

 他にもいろいろな人が祝福してくれるのが本当に嬉しい。他にも……

 

「みんな、ありがとうございます。俺がこんな立派(異常)な忍になれたのもみんなのおかげです(お前らのせいだ)。これからは任務とか入って修行の時間が取れないの残念ですけど、仕方ないですよね」

 

 俺の心はいやっほおおおおおおおおお、地獄からおさらばだぜ、ざまあみやがれ。という気持ちでいっぱいであった。それも仕方ないだろう、こいつらのする修行は、良い感じの成果がでなければ俺に憑依して無理やり覚えさせるものばかりだったし。時間がなければ影分身をさせられ、全員が死にそうな修行をさせられるのである。だから、俺は死ぬかもしれないのを人数分一気にさせられるのである。

 

 だが、これからは任務と言う免罪符があるから生きていけると俺が思っていると

 

『何を言っているんだ、任務には休みの日があるし下忍の任務なんて半日で終わるものが多い。これからはさらに修行に力を入れていくために既にみんなと話し合ったのだ。だから楽しみにしていろよ。本当にお前は俺や扉間、こんなすばらしい忍者に教えを請うことができるんだ。お前は最高にツイテルぞ』

 

 俺の最高に憑いてる人生はまだ終わる様子はないらしい。おかしいな、嬉し涙が違う涙に変わったよ。

 

 

 



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第五話

 額当てをもらい写真撮影が終わり、いよいよ班分けが始まった。仲の良かったシカマルやチョウジとかと一緒の班になりたいと思っていたがあいつらはみんなまとめて同じ班になった。

 

 非常にうらやましい。

 

 一緒の班になりたい奴がいれば逆に一緒の班になりたくない奴もいる。俺が一緒の班になりたくないのはうちはサスケとうずまきナルトの二人である。俺個人としてはあの二人に何かされたわけでもないし特別仲が悪いわけではない。では何故あいつらと一緒の班になりたくないかと言うとあの二人の背後にある。今もなんか背後で話しているし。

 

 

『僕の息子のファーストキッスが男なんてありえないよ!!』

 

『いや、これはこれでありってばね』

 

 死んでいて腐っているってお前はゾンビか。

 

『サスケ、まともな友達が少ないお前がキスをするとはこれが友情か』

 

『これは違うでしょ』

 

 俺もそう思います。そして、それは息子に言うセリフでは無いでしょ。

 

 最近というか柱間とあって以来思っていたが人は死ぬと頭のねじが50本ぐらい抜けるのではないかと思い始めている。でないと我が家の居候の説明ができない。

 

 そんなこんなで違う班を祈っていたわけですがどうやら神様は俺の事が凄く嫌いらしい。

 

「第7班、うずまきナルト、はるのサクラ、うちはサスケ。そしてウツロの四人だ」

 

 あちこちでやったーと叫んでるがそれどころではない。

 

「先生、普通は先生を入れてのフォーマンセルのはずです。それなのになんで4人も呼んだんですか?」

 

「今年はフォーマンセルを組もうとした場合一人余ってしまうんだ。それで、班を均等にするためにドべのナルト、一位のサスケ、それで女子の中で頭脳が飛びぬけて優秀なサクラ、そこに筆記の成績が不安定だが実技は優秀なお前を入れて良い感じになるはずだ」

 

「……なんかこじつけっぽくない?」

 

「……俺に言われても上から決められたことだよ。諦めなさい」

 

「そうだってばよ。俺もサスケとなんか嫌だ!!」

 

 俺はお前の背後霊が嫌だよ。

 

「私はサスケ君がいるなら」

 

 目を覚ませ、そいつは親公認のボッチだよ。

 

「誰が班員でも良い」

 

 すっげー嫌そうな顔で言うな。

 

「もう決まったことだ変更はできん。分かったな!!」

 

 イルカ先生は会話を切ると次の班を呼び始めた。

 

 ナルト達が嫌そうな顔をしている後ろでは、親同士がこれからよろしくお願いしますとお互いに挨拶している。

 

 お前らがよろしくするんかい、とつっこみたいが幽霊と関わるとめんどいので無視する。

 

 その後、それぞれの班が自分の担当をする先生の所に向かったが我らが先生はものすごく遅刻してきたうえに黒板消しトラップを食らった。

 

 これからの教え子にこんなものを食らうとは学級崩壊、いや班崩壊はすぐに起きそうだ。

 

 その後、はたけカカシ先生から第一印象は最悪との通告を受けたのである。

 

『あれ? カカシがナルトの先生かこんなこともあるんだね』

 

『猿飛先生が気を利かせてくれたんだってばね』

 

 ……これから面倒事を運んできそうなのはナルトだな。

 

 

 

 



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第六話

 

 アカデミーから移動して森の前の開けた場所へ移動した。そこでどうやら自己紹介を始めるらしい。

 

 まずナルトからで、とにかくラーメンの事が好きらしい。そして将来の夢が火影になることだそうだ。

 

 俺的には火影イコール気違いだから止めといた方がいいと思うが、他人の夢に口出す理由もないので黙っておく。それと後ろの二人がうるさい。

 

『聞いたかいクシナ、ナルトが火影を目指すだって、さすが僕たちの息子だよ!! いやー父さんから子供の仕事は親を超えることって聞いてたからすごく嬉しいよ。ナルトなら四代目火影の僕なんてすぐに追い越しちゃうよ!!』

 

『もちろんだってばね。だって私たちの息子だもの』

 

 歴代全ての火影を生?で全員見たのはこの世代では俺だけだろう。なんとどうでもいいことか。

 

 次にサクラは年相応の発言だった。子供らしい子供を見て少し安心した。

 

 そしてサスケはなんか殺したい男がいるらしい。正直に言えばその復讐っぽいものを止めてやりたい。なぜなら後ろでサスケの両親が泣きそうな顔をしながら見ているからだ。

 

『あの仲が良かった二人がこんなことになるなんて、私が未熟なばかりに。声が届くなら止めるのに!!』

 

『ごめんなさい、サスケ、イタチ』

 

 なんか複雑な事情があるのは分かる。けれども、俺にはどうすることもできない。お前の両親が止めろって言ってるぞと言っても火に油を注ぐだけだろう。

 

 まあこれからチームが一緒なんだ、それとなく復讐を止めるような道に導いてあげよう。これもおじさんの役目だ。

 

 そして俺の自己紹介の番が周ってきた。

 

「俺の名前はウツロ。好きなことは何もしない事。嫌いなのは修行。将来の夢は老死することです」

 

「え?」

 

「なんだよ、その信じられないものを見る目は?」

 

「いやだって、お前が修行嫌いだって嘘だろ。この前お前が鉄の塊を背負って走ってるの見たってばよ」

 

「私も、鉄の下駄履いて走っているの見たわ」

 

「俺もアカデミーの先生からウツロ君は毎日修行してるって聞いてたからガッツのある子だと思っていたよ」

 

 なるほど、俺が死なないように全力で生きていたことは、修行好きの変な奴と認識されていたのか。

 

「俺は修行が嫌いですよ。ただ死なないように頑張っているだけです」

 

 俺の発言に何を思ったのかみんなが感心するような目で見てくる。おそらく修行を嫌でも真面目にこなすなんてやるな、みたいに思っているのだろう。みんな俺の苦労を知ったらもっと俺の事を尊敬すると思うよ。

 

 俺の自己紹介が終わり、次にカカシ先生の名前しかわからない自己紹介をした後に俺たちはまたテストを受けなければならないとカカシ先生に告げられた。

 

 合格率はとても低いらしいし、そのテスト中に吐くかもしれないとのこと。

 

 一先ず、落ちたら我が家の居候にさらなる地獄に落とされるかもしれないので頑張ろう。

 

 てか、これから班を組むはずのメンバーに協力をしようという気配が見えないのがとても不安である。

 

 

 



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第七話

 試験の日、先生の言ったことを無視し食事をしっかり取り集合場所に到着。すでにみんな来ていたがカカシがいない。

 

 あの野郎、日本人舐めやがって。日本人は時間に関して凄くうるさいってことを教えてやろうか。

 

 カカシ先生が来ないのでその間にみんなに説得にかかる

 

「なあ、試験はみんなで協力しような」

 

「なんでだってばよ?」

 

「試験なら一人よりもみんなで協力した方が効率がいいだろ」

 

「私も賛成だわ」

 

「俺は協力しなくても合格できる」

 

 お前はいい加減にしろ。お前ができたとしてもこれからの任務は全員でするんだから黙って言うことを聞けや。協調性が無ければ日本では死ぬぞ。

 

「さすがサスケ君」

 

 どこに尊敬の眼差しを送る場面があった?

 

「お、俺だって一人で合格できるってばよ」

 

「そうですかぁ」

 

 

 何でそこで張り合っちゃうかなぁ。はぁ、チーム七班崩壊。

 

 俺が心の中で泣いていると、何時間経ったか分からんがカカシ先生到着。

 

 殺してやりたい。

 

 そのまま試験は三個ある鈴を取ったら合格、つまり一人は落ちる試験であることが判明。知ってます、この試験はチームワークを見る試験ですね。後ろの四代目が懐かしいとか色々俺にネタばれしてます。

 

 その後、カカシ先生を馬鹿にしたナルトが逆にカカシ先生に馬鹿にされナルトがキレてカカシ先生にクナイを投げようとしたが止められた。

 

 惜しい、俺なら何があっても当てていたのに、非常に残念である。

 

 カカシ先生の上忍らしいところも見れた所で試験が開始した。

 

 俺を含め三人が隠れた所でナルトが一人カカシ先生に挑む。ただし、カカシ先生はエロ本を見ながら。

 

 その本俺にも見せて下さいと言おうとしたが自分の位置がバレルので言わない。

 

 ナルトは全ての攻撃を避けられた後、ものすごいカンチョウを食らい飛んで行った。なんだあの威力、しばらくおっきい方のトイレできなくなるだろ。

 

 やっぱ柱間とかは生前から頭がおかしかったようだ。何故カンチョウを奥義にしたんだ? それと奥さん「ナルトが掘られた」とかいいながら興奮しないでください。あなたの夫の目が死んでいます。

 

 さらにナルトは影分身をするも遊ばれて、最後には笑えるようなトラップに引っかかった。

 

 その瞬間、手裏剣などがすべてカカシ先生に刺さる。変わり身を使ったのは分かるがなんか血が出てなかったか。

 

 

 

 そこからみんながどうなったかは分からんがサクラの悲鳴が聞こえた。なんか森で先生に襲われるってヤバい感じがするのは俺だけだろうか

 

 そして

 

「さて、サスケの相手も終わったことだし次はウツロ、お前の番だ」

 

「俺としてもこうしてカカシ先生に相手してもらえるのはいい機会ですから全力で行かしてもらいます」

 

 さて、鈴を取れる可能性が少しでもあればいいのに。もし取れなかったとしても遅刻した分は思いっきり一発殴ってやる。



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第八話

 

 正直な話、俺はカカシ先生が戦っている間にいろいろ罠を仕掛けておいた。ただの下忍が上忍に無策で勝てるはずが無いからだ。

 

「しかし、最後まで隠れていたのに急に出てきたってのはなんか作戦でもあるのかい?」

 

「どうでしょうね。案外他のメンツのように自分の力に過信して何も考えずに出てきたかもしれませんよ」

 

「そんなことはしないだろう、天才少年君。入学時は主席、その後は試験は赤点でも補修では毎回満点だったそうじゃないか」

 

「補修なんて簡単なもんですよ。これみたいに」

 

 俺の挑発に対してカカシ先生が少し反応した。

 

「この試験が簡単って俺から鈴を取るのが簡単だってことか?」

 

「いいえ、この試験はみんなで協力すれば合格になる試験でしょカカシ先生」

 

「……何故そう思った?」

 

「少しでも考えれば誰でも考えつきますよ。わざと仲間割れをさせようとする鈴の数。他にもわざわざ班分けで一人多くねじこんだんですよ。誰か一人を落とすつもりならこんな面倒ことを上層部はしないでしょ?」

 

 嘘です。本当は金髪の背後霊のタレこみです。

 

「例えば、お前の考えがあっていたとして何故それを他の奴に言わない?」

 

「おそらく、協力しないと合格できないと言えばみんな協力するでしょう。けど、その場だけの仲間にこれから命を預けることなんかできないでしょう?」

 

「まあ、その考えは当然だな。やっぱお前は今年の卒業生で飛びぬけて優秀だわ」

 

「ありがとうございます。けど、もう一つ言わなかったな理由があるんですよ」

 

「……何故だ?」

 

「俺一人であなたに挑みたかったからですよ!!」

 

 叫ぶと同時に俺はカカシ先生に殴りにかかる。

 

「お前は意外に積極的な奴だな」

 

 しかし、カカシ先生は普通に俺の手を受ける。そこから空いた手で張り手をするが先生も空いた腕でガードする。

 

 狙い通りだ。これでカカシ先生にマーキングできた。

 

 俺たちが掴み合っている所で木の上に隠れさせておいた影分身に攻撃させる。しかしカカシ先生は俺を掴むと思いっきり投げ飛ばし上からの攻撃をガードする。

 

 残念、その影分身は爆発するんだよ。

 

 カカシ先生がガードした瞬間爆発を起こし辺りを吹き飛ばす。

 

「やったか?」

 

 一度でいいからしてみたかったフラグを建築する。

 

「そう簡単に勝てるわけないでしょ」

 

「ですよねー」

 

 上の方を見るとカカシ先生が木の枝の上から余裕そうに俺を見降ろしている。

 

「まさかいきなり殺しにかかってくるとは思ってい無かったよ。俺は何か恨まれることでもしたかな?」

 

「俺は遅刻には厳しいから諦めてください」

 

「遅刻は俺の人生を見つめるうえで大切なことなんだよ」

 

「違う方法で見つめてください」

 

 俺の後方に待機している影分身が木遁を発動する。先生に目に見えて変化は無いが足元では動けば躓く程度に足に枷を作る。そして別の影分身にもう一度襲いかからせる。

 

「お前も懲りないね……な!?」

 

 カカシ先生は動こうとした瞬間に木に躓きながらも上に対して迎撃態勢を取る。それと同時に俺は飛雷神の術を発動してカカシ先生の懐に飛びこんだ。

 

「どこを見ているんですか?」

 

「なに!?」

 

 俺は言ってみたかったセリフを言いながら鈴を奪いとった。そして俺に気を取られている間に影分身がカカシ先生に拳をぶち込んだ。

 

 俺はカカシ先生に完全勝利をしたのである。一先ず修行からは逃げれそうだ。

 

 

 

 



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第九話

 

 カカシ先生をぶっ飛ばした瞬間に一先ず木遁で作った足枷とマーキングを消した。どうしても試験が落ちるのが嫌だったため仕方なく使用したが本当は使いたくなかった。なんでも血継限界はとても珍しくばれたら即研究室送りらしいからだ。どの世界でも研究者は危ない人が多いのだろう。

 

「カカシ先生大丈夫ですか?」

 

「殴ってきた奴に心配されるのは生まれて初めてだよ」

 

 カカシ先生は頬を押さえながら普通に返事してきた。

 

 前の世界ではあの威力で殴れば人が死ぬかもしれないので無駄に丈夫な肉体があるこの世界に感謝だ。本当に無ければ9歳の時点で死んでいたかもしれない。

 

「お前はやっぱ優秀だよ。下忍になったばかりのやつに鈴を取られると思っていなかったよ」

 

「たまたまですよ。正直先生が油断していなかったら相手になっていませんでしたよ」

 

「しかし、どうやって俺の足元に罠をしかけたんだ? 他にも俺の懐にすぐに入ってきたやつもまったく気付かなかったよ」

 

「懐に入ったやつは足にチャクラを集中させたら凄く速く走れるのでそれだけですよ。それで足元って何の話ですか?」

 

 絶対に来ると思っていたよその質問。だが、何があってもばらしはしない、俺の平穏のために。

 

「ん?足が何かに引っかかったんだが、まあいいか」

 

 絶対に怪しんでるよこの人。たぶんこれから一緒の班になるからいいだろ的なこと考えてるな。

 

「ちなみに、俺は合格ですか?」

 

「ふむ、まあこの試験の大事なところも理解しているし合格だ」

 

「良かった。ならこの鈴は返します」

 

「どうも、じゃあ時間もきたし集合場所に戻るか」

 

「はい」

 

 カカシ先生と雑談しながら戻ると道端で泡を吹いたサクラと首だけになったサスケがいた。

 

 何があったのかは全く分からんがカカシ先生が苦笑いしながら助けた。

 

 さらに集合場所に戻ると今度はナルトが丸太につながれていた。ナルト君のお母さん『先生と生徒のSM、ごちそうさま』と叫んでる。どうやらお父さんはどこかに逃亡したようだ。

 

 そして、サスケ君のお父さんは立派な術を使えるようになってと感激している。でも負けたでしょと言わないのが優しさ。

 

 カカシ先生がアカデミーに戻らずに忍者辞めろと言った瞬間サスケがダッシュ。この班は沸点が低い奴しかいない。

 

 なんか物騒な話が進んだがもう一度チャンスをくれるらしく昼飯を食ってからもう一度チャレンジだ。ちなみに俺が合格したことは言ってない。もとからチャンスを与えるつもりだったらしく、俺に黙っとけと言われたからだ。

 

 昼飯を食べてる時にナルトには飯を与えるなと言われたがサスケがなんと珍しいことにナルトに昼飯を与えると言いだした。カカシ先生の気配を感じないから大丈夫との事。

 

 下忍に見つかる上忍がいるとは思えんがカカシ先生の優しさを信じよう。

 

『ふぅお、間接KISSだと!?いやっふー』

 

 ナルトママにもごちそうを与えてしまったようだ。

 

「私もあげる」

 

 サスケに影響されサクラも弁当箱を差しだした。

 

『てめーはいらん!! 一人で飯食ってろ。男の友情の邪魔するな!!』

 

 ナルト母さんが悪霊にしか見えない。

 

『落ち着けクシナ!! ここは男の友情じゃなくて仲間の友情だよ』

 

 

 おかえり、ナルト父さん。あなたの奥さんは手遅れです。

 

 

 そうやって背後霊の会話を聞いているとカカシ先生が飛び出してきた。そして俺たち全員合格らしい。

 

 

「忍びの世界でルールや掟を守れない奴はクズ呼ばわりされる。けどな仲間を大切にしない奴はそれ以上のクズだ」

 

 

 カカシ先生がとてもかっこいいことを言った。それに対して後ろの金髪背後霊がとても嬉しそうに笑った。

 

 

 俺はこれからこの班で頑張るのだろう。かっこいい先生に良いメンバーが揃ったと思う。全力でこの仲間たちと強くなっていこう。

 

 

 そして俺たちの試験は終わり無事帰宅した。ナルトは置いていったけどな。

 

 

 

 



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波の国編 第十話

 みなさんからの感想で多かった何故ミナトが幽霊としているのかという質問ですが、ミナトの場合は屍鬼封尽をするときにナルトの中に自分とクシナのチャクラと精神を封じています。なので私の中で精神とは魂と考えてもよいのではと思いクシナと共にナルトから離れられない幽霊として出しました。なので普通の屍鬼封尽の場合は幽霊になることは出来ません。

 説明不足ですみませんでした。


 俺たちは今、森の中で任務を遂行している。獲物を生きて確保と言うモンスターハンターなら簡単に感じるような任務だが、現実では非常に難しい。なぜなら、獲物はこちらに向かってくるのではなく逃げるからだ。

 

 俺たちは逃げる獲物をじわじわと追い詰めていく。

 

「こちらカカシ、ターゲットの方はどうだ?」

 

「ばっちり見えてるってばよ」

 

「私も行けます」

 

「よし、なら行け」

 

 

 カカシ先生のGOサインによりナルトが獲物に飛びかかった。そして無事に獲物であるガラの悪い猫を確保することに成功した。

 

 こんな任務に5人もいらないだろ、てか下忍の任務ってアルバイトみたいなのばかりである。忍者になって分かったがこの世界の忍者は前の世界の忍者のイメージに何でも屋を付け加えた感じなのだろう。

 

 俺が忍者になりたくないと思ったのは正解だった。正解だからって辞めることができないんですけどね。

 

 俺たちはそのまま任務を受ける場所に行き飼い主に猫を渡した。猫よストレスで禿げてしまえ。

 

 俺が呪詛を送っていると次の任務が言い渡されようとしている。

 

 いいよ、もっとたくさん入れてもらってもいいよ。修行の時間が減るなら最高だよ。

 

 下忍試験に受かったということで我が家の修行は苛烈を増した。そして憑依される回数も増やされている。元気な時ならいくらでもシールドを張り撃退できるが、修行が終わって疲れきっている時に憑かれたら防ぎようが無い。……ダジャレじゃないよ。

 

 さらに、最近の悩み事は自分の意思でだが目に黒子を出せるようになったことだ。あんな恥ずかしいもの見られたら切腹ものである。

 

 昨日も目が覚めたら俺の家に置いてないはずのホワイトボードに「最強忍者計画、育てたのは俺たちだ」と書かれていた。俺の寝ている間にも勝手に人の体を使っていたようだ。

 

 他にも憑依された俺をナルトが見たらしく「なんか口調もおかしかったし独り言も大きかった」とあのナルトに頭の心配までされた。

 

 我が人生最高の屈辱である。しかもあの面倒なナルト夫妻にも俺が見えることがばれてしまった。なんでも火影同士で熱く語り合ったらしい。やばいよ、絶対に変な奴が増える気がするわ。勘弁してほしいわ。

 

 心の中で愚痴っていると簡単な任務は嫌だとナルトが言って難しい任務に変更された。

 

 ナルト黙れと叫びたい。

 

『さすがだ、ナルト。その向上心を大切にね。ウツロもそう思うだろ』

 

 話しかけるな、人前で返事できるわけないだろ。

 

 その後、依頼主と顔合わせをしたが俺の不幸探知機がこのじいさんと関わると駄目だと警報を鳴らしている。

 

 やっぱり、面倒事を運んでくるのはナルトだったな。

 

 

 

 



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第十一話

 

 すぐに旅の支度を済ませて里の門の所に集合した俺たちはさっそく出発することにした。忍者の世界では荷物はできるだけ少なめにするので着替えなどはあまり持ってきていない。そしてナルトがまた依頼主と喧嘩をしている。

 

 ただでさえこの任務に対して嫌な予感しかしないんだ、面倒事はできるだけ少なくしてくれよー。

 

 

 

 

 

 一先ず喧嘩も落ち着いた所で歩きながらカカシ先生の里の説明などを聞いている。なんでも火影は凄い人物らしい。確かにあの変人どもが凄いのは分かる。けれどもみんなに真実を知ってほしい。

 

 そしてカカシ、フラグを立てるな。どう聞いても忍者との対戦が始まる合図にしか聞こえん。

 

そんなことを考えていると目の前に水たまりを発見した。

 

 ナルトやサクラなどはスルーしていくが俺から見たら怪しすぎる、誰だこんなところで水たまりを作って遊んでる奴は。

 

 

 俺が嫌そうな顔をしているとカカシ先生と目が合った。アイコンタクトですね分かります。フラグの回収早いわ。

 

 そのまま気付かないふりをしながら歩いていると後ろからなんか気配がした。そして前からも違う気配がする。

 

『水たまりの中に男が二人でイチャイチャしているなんて幸先がいいってばね!!』

 

 一先ず前のあれはほっといて、どうやら水遊びをしていたのは男が二人のようだ。もっといい隠れ方があっただろうに。

 

 俺はすぐに前へ飛び敵の攻撃をかわす。しかしカカシ先生は鉄の鎖のようなものでバラバラされた。

 

 あの先生ナメプ多すぎね? 分かっているならさっさと倒せ。

 

 そう思いながら敵の攻撃に対して身構えていると、敵さんは一先ずナルトに攻撃をしようとするがサスケのクナイと手裏剣に簡単に防がれ蹴りを食らった。

 

 何故、そんな弱点丸出しの武器を使っている? そしてサスケ、何故その蹴りでそんな満足そうな顔をしている。敵はまだまだピンピンしているぞ。

 

 敵はそこからナルトとサクラを狙いかけ出した。

 

 俺はナルトの方に走った方のすぐ後ろに移動して頭に踵落としを食らわせた。なかなかにちょろい敵だな。もう一人の方はどうやらカカシ先生がラリアットを食らわして倒したようだ。もっと早くにそうしてほしかった。

 

 「ナルト早く助けられなくてすまなかったな。お前がそんなに動けないとは思ってなかったよ。そしてサクラ、サスケ、ウツロはよくやった」

 

 そんな言い方は止めとこうよ、ナルトが凄く泣きそうな顔してるよ。ほら、いつも無口なサスケが嬉しそうにナルトをバカにし始めた。

 

 ここからタズナさんと二人の忍者に尋問タイム。てかこの忍者さんの目つきが怖いよ。なんでもどんな犠牲を払っても戦う忍者とかなんとか、俺としてはどんな犠牲を払っても常識を犠牲にしてはいけないと思う。雨が降ってないのに水たまりを作るという意味のわからん発想に呆れるよ。そしてカカシ先生はこの忍者が何を狙っているのかを知りたかったらしいがどう考えても手当たり次第襲いかかっていたぞこいつら。

 

 どうやらこの任務はCランクではなくBランク並の任務らしい。忍者ってだけでランクが一つ上がるとは、この世界の忍者はどうかんがえてもおかしい。

 

 この任務は自分たちには無理と考えたらしくサクラが帰ることを提案。俺も賛成です。なのになんでナルトを煽るのかなこのカカシは。ほらなんか自分の手にクナイ刺した。それは血抜きになってるの? てか煽ったお前がなんで驚いているカカシ。

 

 そこからナルトは決意を新たにこの任務の続行を告げた。

 

 

 正直、帰りたかった。

 

 

 

 



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第十二話

 

ナルトの止血をした後そのまま進み今は船の上にいる。とても霧が濃く前が見えない。こんな霧が濃い場所には前世を含めてきたことがないので年甲斐もなくわくわくしている。

 

「もうすぐ橋が見える。そしたら波の国に着くぞ」

 

 船乗りが言った後にとてつもなくでかい橋が見えた。とてもでかい。後ナルトの声もでかい。船乗りさんがキレてる。

 

「タズナさん。船が着く前にあなたを襲う相手を知りたい。そうでなければあなたを届けて任務が終了となる」

 

 カカシ先生が脅しをかけるとタズナさんが話し始めた。

 

 なんでも、タズナさんを狙っているのはガトーと言うギャングらしい。ガトーと言えば超金持ちの人だ。しかし裏ではヤバいことをしているらしい。なんというお決まりパターンだ。そこから波の国に狙いを定め、貿易させないために海を封鎖。だから、橋を造られると困るらしい。だからタズナさんを狙うらしい。

 

 そこからタズナさんの泣き脅しラッシュでカカシがやられ俺たちは任務続行になった。

 

 分かってましたよこうなるって。

 

 陸に着いた俺たちはそのままタズナさんの家に向かって歩き出す。しかしさっきのミスを気にしているのかナルトが何もない所にクナイを投げたりと荒ぶっている。敵が来ても気配で分かるのでいいが仲間の奇行は気づけないので止めてほしい。

 

「ナルトお願いだからやめてくれ」

 

「なんかいたんだってばよ!!」

 

「頼むからナルト、やたらめったらクナイを投げないでくれ。マジで危ないから」

 

 仲間から非難の嵐が飛ぶがナルトは気にして無いのかまた違う所にクナイを投げた。

 

 なんかいるよ、勘弁してくれ。

 

 ナルトがサクラに殴られてる横でクナイの当たった場所を見ると兎がいた。その兎にナルトが謝りながら抱きついた。人間から逃げない兎なんて絶対に飼われてた兎だろう。

 

 つまりはそういうことかなぁ。

 

「全員伏せろ!!」

 

 カカシ先生が叫ぶと同時にバカでかい剣が飛来してきた。みんなが避けている時、俺も避けなければいけないのに体が言うことを聞かず俺の体は回避行動をしなかった。ならば俺の体がする行動とは何か?それは受け止めるという行動である。俺の体は反射的に飛んできた剣の柄を握ってしまった。

 

 仕方のないことなんだ。これも全て柱間ってやつのせいなんだ。俺の修行で回避を重点的にする修行があった。クナイだったりを俺の影分身に憑依した幽霊どもが投げてそれを避けたりするものだったが何をトチ狂ったのか柱間がヤバいことを言いだした。

 

『避けた次は受け止めることだな。敵の武器を受け止めれたら武器も増えるし敵の攻撃手段も減るし一石二鳥だな』

 

 言っている意味は分かるしその修行をするのも分かったが中身が異常であった。幽霊どもが取り憑いた影分身から放たれる火遁やら水遁やら雷遁、その中でほとんど見つけられないクナイ。やつらは俺を殺そうとしているに違いないと本気で疑った。そして捕まえるべきクナイはマーキングされておりキャッチしようとした瞬間に扉間が出てきて殴られるというしまつ。俺は未だにあれが何の修行なのか分からん。

 

 まあそのような修行をしているせいか過剰に体が勝手に反応してしまいでっかい剣を手に入れてしまったわけだが木の上から上半身裸の服のセンスを捨ててしまった人が俺を物凄い形相で睨んでいる。今から返品しても大丈夫かな?

 

「へぇ、これは霧隠の抜け忍の百地再不斬君じゃありませんか?」

 

 なんかすごい挑発しているようにしか聞こえない。さすがカカシ先生、他のみんなが俺が剣をキャッチしたことに驚いている中普通に相手に話しかけるなんて。でもあんまり怒らせないで彼の顔がさらに進化したから。

 

 ナルトが敵に飛びこもうとしたのをカカシ先生が止めた。

 

「写輪眼のカカシと見受ける。悪いがじじいを渡してもらおうか」

 

 カカシ先生は俺たちにタズナさんを守るように指示しながら額当てで隠していた目を開いた

 

「カカシ先生、眼の中に黒子が三個もありますよ。しかも目が充血してますし、これが終わったらすぐに病院に行った方がいいですよ」

 

「お前は黙っとけ」

 

 結構なマジトーンで言われた。俺も同じ病気にかかってるから教えてあげたと言うのにこの先生は。俺の方は無害であるとシスイさんからいわれているが正直心配である。カカシ先生は片方だが俺は両目だからな。

 

 そこから謎の敵とサスケによる写輪眼解説が始まった。

 

 仲いいなお前ら。てか、え?え?この充血した目ってそんなことできたの?まともに使ったことないから知らなかった。この眼があるからシスイさんは俺に幻術をすすめてきたのか。勝手に体を改造してすすめるってたち悪いな。

 

 それになんでもカカシ先生は本に載っているらしく千の術をコピーしたとかでコピー忍者カカシと呼ばれているらしい。なら俺は千の忍術を覚えるために改造された男になるな。

 

 敵の名前なんだっけ?ええっと裸の人が移動して水の上に立った。俺たちもタズナさんを囲むように立っている。これから本格的な戦闘が始まるようだ。一先ずこの重い剣どうしたらいいですかね?



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第十三話

 

 水の上に立った裸の人は変なポーズのままチャクラを練り始めた。あのポーズの意味はなんでしょう?

 

「忍法霧隠の術」

 

 奴が術を唱えるのと同時に奴の姿が消えた。しかも気づいたら辺りには霧が濃くなり始めている。

 

「先生!!」

 

「まずは俺かウツロを消しに来るだろうな」

 

 いきなりロックオンされてしまった。あいつらのせいでいつもこんな目に合っている。絶対にあの幽霊どもは許さん。

 

「先生あいつ何なの?」

 

 変態じゃないっすかね?あんな恰好で歩き回っていますし。

 

「あいつは百地再不斬。霧隠の暗部でサイレントキリングの達人として知られた男だ。」

 

 忍者は皆サイレントキリングするものではないだろうか。けど気づいたらあの世って言うのは勘弁してもらいたい。変な奴に絡まれそうだ。最後にカカシ先生が写輪眼をきちんと扱えないと言う不安になるカミングアウトをした。

 

「どんどん霧が濃くなっているってばよ」

 

「波の国は海に囲まれとるから超霧が出やすいんじゃ」

 

 いや、それはあんまり関係ないと思う。

 

 辺りが緊張に包まれる中敵の声が聞こえた。どうやら内臓などの人の急所を言っているようだ。

 

 ホラーすぎて泣きそうだ。……俺は日常的にもっとホラーな体験してるけどな。

 

 カカシ先生がチャクラを練ることによって霧が少し晴れた。

 

「大丈夫、俺の仲間は絶対に誰一人殺させやしないよ」

 

 またフラグを立てるな。

 

「それはどうかな?」

 

 その声と同時にザブザがタズナさんの前に現れた。手にはクナイを持っている。ザブザがクナイで誰かを殺そうとした瞬間カカシ先生がクナイをザブザの腹に突き刺した。しかし、そのザブザは血を流さず水を腹から流した。どうやら分身だったらしく後ろにいた別のザブザがカカシ先生にクナイを刺した。それも分身と非常に分かりにくい状態だ。

 

 カカシ先生が後ろで首元にクナイを突き付けるがそれも偽物だったらしく消えて後ろから本物(かな)のザブザに蹴り飛ばされそのまま水の檻に捉えられた。

 

 マズイ、マズイ、マズイ。最悪の状況だ。俺たちの戦力はぶっちゃけ弱い奴三人に俺だ。言ってしまうと今までの敵の動きから勝つことはできる。問題はどこまでの忍術を使ってもいいかということだ。あのバグキャラどものせいで下忍のレベルが分からなくなっている。

 

 けれども、やるしかない。みんなを死なすぐらいなら少し本気でやろう

 

「水分身の術」

 

 もう一人ザブザが現れ、意味のわからん忍者の説明が入った。

 

「俺様のビンゴブックに載る程度になって始めて忍者と呼べる」

 

「お前のつまらん忍者の定義なんて聞きたくないよ」

 

「何?」

 

「もう一度言ってやろうか変態野郎。お前はビンゴブックに人の名前を載せる前に服を着ろよ。俺の買ったファッション雑誌でもあげようか?」

 

「このガキ!!」

 

 予想通りザブザが消え俺の前に現れた。俺はそれを後ろに一歩下がって避け彼からもらった剣を振り下ろす。しかしザブザはそれを軽く避ける。

 

「ナルト、サスケ、サクラ。この変態は俺が相手するからお前たちはタズナさんを連れて逃げるか、カカシ先生を助けるかしてくれ!!」

 

「え?え?」

 

「どうせ逃げてもお前がやられたらおしまいだ。ならカカシを助けるしかないだろ!!」

 

「頼んだぞサスケ!!」

 

「させるか!!」

 

 またザブザが水分身をした。

 

 くそ一人なら余裕なんだが二人になるとマジでやるしかなくなる。てかしつこいんだよ、この変態野郎。

 

「変態さん、このでっかいゴミ捨てていいですか?本当に邪魔なんですよね」

 

「こいつ俺の首切り包丁を返せ!!」 

 

「へぇ、これそんな名前だったんですか。ふふ、扱っている本人と一緒でセンスの無い名前ですね」

 

「さっきから調子に乗ってんじゃねぇ!!」

 

「よっと」

 

 相手を挑発しながら敵の攻撃をかわしていく。そしてナルト達から少し距離を離すために後ろに走る。あいつらなら少しぐらいなら時間を稼げるはずだ。

 

「どこまで逃げるつもりだクソガキ!!」

 

「さあ、どこまででしょう?このゴミを返して欲しかったらカモーン」

 

 逃げながら後ろにマーキングの着いたクナイを投げる。

 

「当たるか!!」

 

 ザブザが避けた瞬間、俺はマーキングした場所に飛んだ

 

「当てることが目的ではないよ。飛雷神斬り」

 

「ぐはっ!!」

 

 俺は剣でザブザを真っ二つにした。なんとかなった

 

「この剣はありがたく貰って行くわ。まあ上手いこと使いこなせて見せるからさ」

 

 ひとまず落ち着いた。すぐにみんなの所に帰らないと。お願いだから無事でいてくれよ

 

 

 



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第十四話

 

 ザブザの分身を真っ二つにした俺は一先ず彼から貰った変な名前の剣を巻物に収納した。おそらくどこかで売れば高値で売れるはずだ。なんせ恰好は変でも上忍の武器だからな。

 

 俺が走ってみんなの所に戻るとカカシ先生が水の牢から脱出しており手の甲で手裏剣のごついやつを受け止めていた。

 

 すごく痛そうだ。

 

「ナルト、作戦見事だったぞ。成長したなお前ら」

 

 戦闘が始まってすぐに捉えられたやつが言うセリフじゃないだろそれ。 

 

 まあ何があったかは知らんがとにかくカカシ先生がいるならもう大丈夫だろ。なんかナルトが解説しているが敵の前でそんな自慢げに話してる時間はないだろ。速くこっちにきなさい。

 

「はっ、カッとなって水牢の術を解いちまうとはな」

  

「違うな解いたんじゃなく解かされたんだろ?言っておくが俺に二度同じ術は通用しないぞ」

 

 カカシ先生、普通は一度でも術を食らったら次はありませんよ。それに変態もカッとなって術を解くってそれでも忍者か?

 

「みんな無事だったか」

 

「あっ、ウツロ無事だったのね!!」

 

「なんとか、敵の術の範囲内から出たのか結構弱くなってたからあっさり倒せたよ」

 

「よかった」

 

「そういえば敵から奪ったあの剣はどうしたんだ?」

  

「あれはそこらへんに捨てた。あんな重いもの持ち歩けないからな。とにかく今は油断するなよ。あの変態が次になにするか分からんからな」

 

「うん」

 

 嘘は言ってないから大丈夫です。あの剣もいつかは捨てるつもりだし。

 

 前を見るとカカシ先生とザブザが同時に飛び印を結び始めた。あの印は扉間が俺によく使ってくるウォータードラゴンだ。扉間のが特別製なのかいくら逃げても追いかけてくる粘着質な術だ。

 

 カカシ先生とザブザの術がぶつかり合う。周りに水が飛び散ったせいでせっかくの服がびしょぬれだ。迷惑な術ばかり使いやがってよこの世界の忍者は。

 

 しかし印を結ぶスピードが俺と同じくらいだと思うんだけどもしかして俺は上忍レベルなのか?

 

 そんな風に考えているとカカシ先生とザブザがクナイで鍔迫り合いをしていた。そして後ろの木の上からまた気配がする。

 

 また誰か来たよ。気づいてるけど知らないふりをしておこう。自分から面倒事に巻き込まれるのはもういやだ。

 

 鍔迫り合いから二人は全く同じ動きをして例のポーズで止まった。忍者の中では流行っているのかなあのポーズ?かっこいいポーズみたいな感じか。

 

 そして同じ動きからカカシ先生が先に術を発動させた。良く見るとナルトが術に巻き込まれている。俺の仲間に手は出させないと言ったのは自分が手を出すからかカカシ先生。

 

 ザブザがカカシ先生の術により木に叩きつけられる。そしてカカシ先生が止めを刺そうとしたところで横からさっき後ろにいた奴が何かを投げつけてそれがザブザの首に当たった。

 

 カカシ先生が死んだのを確認する。どうやらあいつは追い忍のようだ。お前がちゃんとやらないから俺は変態と鬼ごっこする羽目になったんだぞ。

 

「この世界にはお前よりも年下で俺より強いガキもいる」

 

 今からまた戦闘は面倒くさいから口には出さないがよく考えろカカシ先生。あのガキは凄く怪しいぞ。千本を使ったり死体をそのまま持ち帰えろうとしたりと変な点がいっぱいあるぞ。

 

「聞きたいのですが、彼が持っていた首切り包丁を知りませんか?」

 

「それなら」

 

「それなら俺が捨てときましたよ。この林のどこかにあると思いますので持っていってもいいですよ」

 

「……そうですか、ありがとうございます」

 

 あかん、なんか声のトーンが下がった。凄く怒ってらっしゃる。俺は彼?に対しては何もしてないはずなのに。あれかこの人はあの剣が欲しかったのか?

 

 そして追い忍はザブザを連れてどこかに行った。それに納得できないナルトが怒っているがカカシ先生に窘められている。

 

「さあー元気よく行くぞ!!」

 

 そう言って歩き出したカカシ先生が急に倒れた。

 

 

 

 

 



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第十五話

 

 無事にタズナさんの家に着いた俺たちは平和な時間を過ごしていた。カカシ先生は写輪眼を使ったことにより一週間はまともに動けないらしく今は寝ている。そして仮面の奴は何者かについての説明をカカシ先生にしてもらった。

 

 そして少し休憩しているとカカシ先生がギアスでも発動したいのか変なポーズをしながら考え事を始めた。考えた結果ザブザは生きていてあの仮面はザブザの仲間であるという結論に至ったらしい。

 

 俺はもっと前にその結論に辿りついていたけどみんなと一緒に驚いたふりをしておく。ただ言っておきたいのはあんな太い針が首に刺さったなら死ぬ確率の方が高いと思います。

 

 そして次の戦いのための準備をするために俺たちは修行することになった。しかしそんな話をしていると少年が入ってきた。名前はイナリでタズナさんの孫のようだ。性格はひねくれていそうだ。なんせいきなりおもしろくないよとナルトを否定しながら入ってきたからな。

 

 ここからが俺にだけ重要な話だがまた幽霊が現れた。死んでるくせに死にそうな顔をしている男だ。いつも通り視界には入れないスタンスを貫こう。ええい泣くなおっさんが泣いても見栄えが悪いだけだ。

 

「母ちゃんこいつら死ぬよ。ガトー達に歯向かって勝てるわけ無いんだ」

 

「なんだとこのガキャー。いいかよく聞け俺は将来火影という忍者になるスーパーヒーローだ」

 

「ヒーローなんて馬鹿みたい。そんなのいるわけないじゃん」

 

「なんだと!?」

 

 キレたナルトをサクラが押さえている間にガキはどこかに行った。

 

 いきなり死ぬ発言にヒーローはいないとはなんとも夢が無いガキだ。俺が子供の時なんて……毎日死にそうな目に合ってたわ。俺も夢が無いガキだな。

 

 

 

 ひとまずさっきのガキは置いといて俺たちはさっそく修行することにした。修行内容は手を使わずに木のぼりと何年前にしたのか分からないような懐かしい修業だった。

 

 全員が勢いよく登っていく中俺の中は疑問でいっぱいだった。おかしいこの修行は鉄下駄でする修行ではないのか?その後は何キロか分からない重りを付けて登り、最後は鉄下駄ケンケン重り付きで完了する修行のはずだ。なぜ助走をつけていいんだ?

 

 あまりにも俺の経験した木のぼりとの違いに愕然としていると、目の前でナルトが登れず頭から落ちて、サスケは途中まで登って落ちてきた。サクラは地味に登りきったようだ。その結果をカカシ先生が二人を馬鹿にしながら伝えている。

 

 この先生煽るの本当に好きだな。

 

「ウツロお前もさっさと登れよ」

 

「ういーす」

 

 カカシ先生に言われカカシ先生が投げたクナイを拾いながらゆっくり歩きはじめ止まることなく木を登りきる。

 

 お願いだからサスケ君そんなに睨むのは止めて。ナルト地団太を踏むのは止めろ。サクラ、何だその意外なものを見たような目は。

 

「さすがウツロ君、一人で再不斬を倒したことはあるね」

  

「あんなのマグレデスヨ」

  

「いやーマグレで勝ったやつが無傷で息を切らさずに戻ってくるかなー?」

 

「奇跡と言う物もありますよ」

 

「俺は奇跡を体験したことあまりないかな」

 

「先生は幸薄そうな顔してますもんね」

 

「また人が気にしてることを平然と言うねお前は」

 

「人の欠点をちゃんと言えるのができた人間だと思っていますから」

 

 この先生、今回の間にいろいろ尋問するつもりだな。なめるなよ俺が簡単に口を割るわけないだろ。

 

 カカシ先生の追及をのらりくらりとかわしながら簡単な修行を一日こなすのだった。

 

 



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第十六話

今回は別視点も見たいと言うことなのでカカシ視点で話が進みます。原作キャラの口調は難しいですね。違和感などがあったとしても許して下さい。


 

 サクラがタズナさんの護衛をしておりサスケ、ナルトは修行、そしてウツロは家の護衛をしてくれている。体も少しは動くようになってきているがまだ本調子に戻らない。もし再不斬がまた襲ってきた場合は危ないので来ない事を祈るばかりだ。

 

 

 まず、今の戦力を見直そう。サクラはアカデミーでの試験から頭がよく、いきなり木登りを成功させたことからかなり優秀と言えるだろう。今回の任務中でもタズナさんをしっかりと守れていたし安心して護衛を任せられるだろう。

 

 次にサスケは木登りには苦戦しているが順調に伸びてきている。再不斬にもナルトと協力して戦えていたし戦力と数えても大丈夫だろう。

 

 それにナルトもこの任務中に急激な成長を見せている。この修行で戦力に数えてもいいぐらい伸びるだろう。

 

 最後に一番判断しづらいのがウツロだな。木登りを余裕で出来たあたりチャクラのコントロールは出来ているのだろう。

 

 思えばあいつは第七班に編成される前から規格外な奴だった。まず、あいつは里では知らない人がいないぐらい有名人だった。

 

 はじめにあいつが注目を集めたのはアカデミーの入学試験だろう。筆記試験では満点を出し、実技では担当した先生を一方的に倒したからだ。その倒された先生は忍者を止めてしまった。なにせあいつに、そんな実力で先生だと片腹痛いわとか言われたりと悲惨な目にあったからだ。

 

 他にも入学してからはかなり重そうな岩を担いで見えない何かから逃げるように必死な顔で走りまわったり、足につけた重りを引きずりながらまた見えない何かから逃げるように走ったりしているのが目撃されている。また、試験では手をよく抜いているのか赤点が多かったらしいが決まって補修は満点だったらしい。

 

 また凄いことに本人の筈なのにまったく違う口調で火影の顔岩を修正していたことがあった。もっとイケメンだろうとか言いながらやっていたウツロは恐かった。しかも火影様に怒られている時、うるせえ猿だな、と逆切れしたこともあるほどだ。

 

 他にも数え切れない逸話を残しているウツロは上忍の間ではナンバーワンルーキー(異常)と呼ばれ恐れられていた。

 

 そんなウツロの実力はおそらくかなりのものだろう。俺から鈴を奪い、あの兄弟の片方もしっかりと仕留めている。また、再不斬から首切り包丁を奪い、水分身とはいえ無傷で倒したのだ。正直今年の新人では桁違いの実力を秘めている。それを何故か隠しているがな。

 

 

 

 そんなことを考えているとサクラが帰ってきて、ナルトとサスケも帰ってきたので夕食を取ることにする。ちなみにウツロは爆睡していた。任務をなめているとしか思えないよこいつは

 

 夕食ではウツロとサクラは大人しく食っているがサスケとナルトは食べてすぐに吐いた。吐くのは違うぞお前ら

 

「結局お前らどれほど登れるようになった?」

 

「まだまだだってばよ。なあウツロ、コツを教えてくれってばよ!!」

 

「考えるな感じろ。これがコツだよ。もしくは落ちたらその下には剣山があると思いながらやったらイケるはずだ」

 

 ウツロが死んだような目をしながら何も無い空間を見つめている。もしかして修行でやったのか?

 

「サクラちゃんの方が何倍も分かりやすかったってばよ」

 

「つまり死ぬ気でやればできる。これで馬鹿なお前も分かるだろ?」

 

「ムッキ―、なんだよ自分は出来たからって上から目線で」

 

「そんなつもりはないよ。やれば出来るって言うのは本当のことだからさ。頑張れよ」

 

「お前に言われなくてもやるよ」

 

 仲間同士でライバル意識もでてきたな。お互いに成長していくいい感じの班になってきたな。

 

 そし後サクラが壁に立てかけてあった写真について聞くとイナリ君と奥さんが出て行ってしまった。

 

 その後タズナさんの話を聞くとなんとも胸糞の悪い話であった。隣を見るとウツロが、その手の話は駄目だろ。これはまた絡まれる気がする、と言っていたが何の話だろうか?

 

「何やってるのナルト?」

 

「修行なら今日は止めとけ、チャクラの練りすぎだ。これ以上動くと死ぬぞ」

 

 一応止めたがナルトはおそらくやめないだろう。それにナルトの気持ちも分かる。何かあっても大丈夫だろう。ああ見えてあいつも立派な忍者なんだから。

 

 

 

 

 

 



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第十七話

 修行は概ね順調に進み俺はもう修行しなくてもいいということなので橋に行ったり家で待機したりと結構ゆったりと過ごしている。ナルトは夜遅くまで修行をしたりとかなり燃えているようだ。だが甘い俺は一週間寝ずに水の上に立たされたことがある。もっと気合い入れてほしいものだ。

 

 そんな日常を過ごしていたある日の晩、イナリ君が俺たちに我慢できなくなったのか泣きながら思っていたことを全てぶちまけた。それに対してナルトがキレた。ナルトのことは間接的にだが知っていたのでこうやって怒る理由も分かる。

 

 その後外に飛び出したイナリ君を追いかけてカカシ先生が出て行った。きちんと大人らしいことを見せてほしいものだ。

 

 そしてその夜、俺にしか出来ないことをするために起きる。ちゃんと誰にもバレテいない事を確かめて外に出る。そして木登りの再開をする。

 

「こんな夜にも修業とはせいが出るねウツロ」

 

「習慣ですよ。昼間は護衛で家とかから離れられないのでこんな時間にしか修行できないのですよ」

 

「ほう、俺も昔はそれぐらい真面目に修行したもんだよ」

 

「嘘は駄目ですよ、カカシ先生」

 

「本当だって、こう見えても優秀だったんだから」

 

「そんなこと前から知ってますよ」

 

 俺はこっそりと着いてきたカカシ先生と談笑しながら木登りの修行をした。

 

 しかしこっちは本命ではないのだよ。

 

 

 

 場所は変わってタズナさんの家、俺はイナリ君の部屋に入る。

 

「イナリ君のお父さんですよね?」

 

『お前、俺が見えるのか?』

 

「はい、困ったことにそんな体質なもんで」

 

 俺が苦笑いすると少し嬉しそうな顔をするイナリ君のお父さん。本物がカカシ先生を引きつけている間にさっさと用事をすませよう。

 

「ここから少しの間ですがイナリ君と話せるとしたらどうします?」

 

『イナリと話せるのか、是非話させてくれ!! 俺のせいでイナリがこうなっちまったんだ。だから俺が元気づけてやりたいんだ!!』

 

「分かりました。では少しだけですがあなたをあなたの姿に変化した俺に憑依させます。ちなみに会話は俺には聞こえないのでどのような内容でも話してもらって結構です。ではどうぞ」

 

 俺はイナリ君のお父さんを憑依させた。

 

 正直関わるつもりは無かったがさすがにあんな話やイナリ君の様子を見せられては無視できない。

 

 せめてイナリ君が前へ向けるように祈っておこう。

 

 イナリ君の部屋の外にはもう一人の影分身を配置しておきいい感じで会話が終わったら憑依を解くつもりだ。

 

 部屋の中からは泣き声と嬉しそうに話す親子の会話が聞こえた。面倒事ばかり起こる体質だけどこんな時ぐらいは感謝しよう。

 

 会話が一息ついたのかイナリ君の声が聞こえなくなったので中に入るとやはりイナリ君は寝ており、お父さんはイナリ君の頭を撫でていた。

 

「どうでした?」

 

『ああ、言いたいことは全部言えた。こいつもこれからは頑張るって言ってくれた。もう満足だ。ありがとうな』

 

「いえ、きっとこれも俺の役割でしょうから」

 

『そうか、じゃあ俺は行くわ』

 

「はい、死んだら会いましょう」

 

『若いんだからしばらくは来るなよ!!』

 

「もちろんですよ。俺はしつこく生き残るつもりですから」

 

 俺が笑いながら言うとイナリ君のお父さんも笑いながら消えた。

 

 きっとこれが成仏と言うものなのだろう。人は死んでも未練を残し死ぬことができない。本当に嫌な世の中だよ。  

 

 俺は愚痴りながら影分身を消した。本物にも伝わるだろう。

 

 

 どうやら影分身は役割を果たしたようだ。なので適当に理由をつけて今日の修行を無理やり終わらせ無事に帰宅した。

 

 

 次の日、ナルトは修行で疲れたのか爆睡している。

 

「カカシ先生、この家が襲われてもまずいので俺は家で待機ですよね?」

 

「ああ、イナリ君たちをよろしく頼む」

 

「任せてください。それと俺の影分身を連れて行って下さい。連絡用に使えますから」

 

「ああ、じゃあ今日も任務頑張りますか」

 

 言ってカカシ先生達はタズナさんとともに橋に向かった。そして俺は今日はゆっくりと一日を過ごそうと床の上で寝るのだった。

 

 



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第十八話

 

 橋に到着すると人が倒れていた。そして辺りを警戒しているとまた霧が出てきた。

 

 またあいつだよ。なんだろ、あの変態はこの登場の仕方にこだわりでもあるのだろうか?

 

「サスケ、サクラ、ウツロ来るぞ」

 

 カカシ先生に言われタズナさんを囲む形で身構える。そしたら変態の声が聞こえてきた。さらに変態の水分身に囲まれるがサスケが簡単に倒した。

 

「あのガキ結構成長したな、ライバル出現ってところか白」

 

「そうみたいですね」

 

 前を見るとこの前の仮面と変態が並んでいる。略して変態仮面と呼ぼう。

 

「あーらら、やっぱりあの仮面は再不斬の仲間だったんだな。やだねあんなすかしたガキは」

 

「カカシ先生よりマシでしょう」

 

「そう?」

 

「あいつは俺がやる。下手な芝居しやがって、俺はああいうすかしたガキが一番嫌いだ」

 

「かっこいいサスケ君」

 

 同族嫌悪しすぎだろこいつら。そして変態仮面が前でなんか話しているので挑発してみよう。あいつらはすぐに怒りそうだし。

 

「そういえばお二人さん、あの剣は見つかりましたか?」

 

「再不斬さん、あいつは僕が殺します」

 

「いや、あのガキを殺すのは俺だ!!」

 

 さすがにいきなり二人から殺人宣告を食らうとは思ってなかった。

 

「あれ、もしかして見つからなかったんですか? 残念だなー、見つけたらあげようと思ったのに。あははははは、あんなの子供でも見つけられるのに頭大丈夫ー? あっ、そっか服を着ることも忘れるぐらい馬鹿だし仕方ないよねー」

 

「再不斬さん、やっぱり僕に任せてください」

 

「断る!! あのガキは俺の人生で殺したい奴№1だからな」

 

 見るからに彼らがキレているのが分かる。なんかチャクラが荒ぶっている。

 

「なんであいつらを怒らすの?そしてなんでそんなに嫌われてるの?」

 

「敵は怒らしといた方が楽でしょ、特にああいうタイプの人は。それに俺はいつでも消えることが出来ますから。嫌われる理由はありすぎて検討がつきません」

 

「全て丸投げなんて酷い奴だよ」

 

「頑張ってください!!」

 

 そんな会話をしていると仮面が凄く回りながら襲いかかってきたが、サスケが攻撃を受け止めた。

 

「頑張れよ、サスケ。お前がやられたら次は100%俺が襲われる」

 

「ああ、お前は黙って見てろよ」

 

「了解」

 

 橋の上で戦いが始まった。今回、影分身の俺は休みかな。

 

 

 

 イナリ視点

 

 あのうるさい馬鹿が出て行ってからすぐ、トイレに行き手を洗っていると物音と共に母ちゃんの悲鳴が聞こえた。そして台所に行くとガラの悪いおじさんが二人いた。

 

「母ちゃん!!」

 

「出てきちゃ駄目、早く出ていきなさい!!」

 

「なんだガキ?こいつも連れて行くか」

 

「人質は一人いればいい」

 

「じゃあ、殺すか」

 

「待ちなさい!! その子に手を出したら舌を噛み切って死にます。人質が欲しいのでしょう!!」

 

「ふん、母ちゃんに感謝するんだな。坊主」

 

 母ちゃんが連れて行かれる中、僕は恐さで涙を流しながら動けなかった。

 

 ごめん母ちゃん。ごめんよ。死にたくないと思うと体が動かないんだ。そんな時、昨日の会話を思い出した。金髪に言われたこと、そしてあいつらの先生に言われたこと、最後に昨日父ちゃんと約束したこと。

 

『例えどんなことがあろうと負けるなよイナリ。大丈夫、なんたってお前は父ちゃんの息子だ。母ちゃんを任せたぞ』

 

 頑張るよ父ちゃん、俺は強くなるよ。だって俺は父ちゃんの息子だから。僕はあいつらを追いかけて外に飛び出した。

 

「待て―!!」

 

「イナリ!!」

 

「なんださっきのガキじゃねえか」

 

「母ちゃんから離れろ―!!」

 

 恐い、でも母ちゃんを助けるんだ。

 

 僕はあいつらに向かって走り出した。目の前で母ちゃんが気絶させられ、おじさん二人が僕に斬りかかってきた所で目をつぶった。

 

 ガキンッ

 

 目をつぶっていても衝撃が来ず、目を開けてみると母ちゃんが腕で刀を受け止めていた。そして刀の方が折れた

 

「母ちゃん!!」

 

「立派になったな我が息子よ。さすがは我と彼の息子だ」

 

「え!?」

 

 母ちゃんがまるで別人みたいな話し方をしている。そしてその変化におじさんたちが唖然として見ている。

 

「黙ってついていって貴様らの本拠地を破壊しようと思っていたが、子供に手を出すとは許せん、貴様ら覚悟は出来ているんだろうなああああああああああああああ!!」

 

 母ちゃんが叫んだ。

 

「あああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

 母ちゃんの服が気合いみたいなもので破けて上半身が裸になる。母ちゃんはとてもマッスルだった。腹筋は割れて、胸は筋肉で盛り上がっている。しかも顔はなんかすごく濃い顔になった。

 

 え?僕の母ちゃんって、え?

 

「ふふふ、この体に戻るのは何年振りだろうな。滾る、実に滾るぞ!! ふんっ!! はっ!!」

 

 母ちゃんが海に向かってパンチをしたら海が爆発した。そして海に蹴りをしても海が爆発した。

 

 もう何も分からない、信じていいものが分からない。

 

「う、うわあああああああああああ!!」

 

 おじさんの一人が叫びながら逃げる。

 

「逃げられると思うなよ小僧、ふんっ!!」

 

 母ちゃんがおじさんに向かって素振りすると逃げたおじさんが吹っ飛んで海の上で何回もバウンドしてから浮いてきた。

 

「さて、残りは貴様だけだな小僧」

 

「あ、あ、あ」

 

「だが、我は優しいのでな許してやらんこともない」

 

「ほ、本当ですか?」

 

「ああ、なんて言うと思ったか下郎が!!」

 

 母ちゃんの蹴りを顔に食らい飛んでいくもう一人のおじさん。

 

 僕の知ってる母ちゃんはもういないんだね。

 

 僕がぼーっとしていると知っている母ちゃんが来た。あり得ない光景を不思議に思っていると筋肉がヤバい方の母ちゃんがボフンと音を立てて知ってる忍者の人になった。

 

「いやー隠れてもらっててありがとうございました。おかげで上手くいきましたよ」

 

「それは別にいいんだけど。わざわざ私に変化する理由はあったんですか?」

 

 違うよ、母ちゃん。あれは母ちゃんじゃないよ。

 

「はい、俺たちが任務を終えて来なくなってからあいつらがまた来たら困るでしょ? なので、俺たち以外にもヤバい奴がいることをアピールしなければならなかったんですよ。それで今回はちょうどタイミング的にも良かったのでやらしてもらいました。おそらくあいつらはもうあなたを恐れて来なくなると思いますよ」

 

 誰でもあんなの体験したら来なくなるよ。

 

「あいつら死んだんじゃないんですか?」

 

「まさか、ちゃんと死なないように調節してますよ。ちゃんと生きててもらわないとガト―に伝わらないでしょ?」

 

 この人がとてもヤバい人だと分かった。そうしていると本物の母ちゃんが僕を抱きしめた

 

「イナリ、ありがとう。ちゃんと見てたよ。立派になったね」

 

「母ちゃん」

 

「さすが自慢の息子だよ」

 

「うん、うん」

 

 僕は母ちゃんに抱きついた。安心したからか涙が止まらない。うん、これが本物の母ちゃんだ。

 

 

 

 

 

 

 



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第十九話

 俺は蹴り飛ばした侍一人を陸へと引き上げて無理やり目を覚まさせさた。もう片方はどこに行ったか分からなくなってしまった。

 

 さすがは俺だ。なんという力加減だ。ちゃんと生きてるではないか。顔の形が変化しているが些細な問題だ。もう片方は諦めた。

 

「おい、なんでお前らがこっちに来てるんだよ? タズナさんの方にザブザが行ってるだろ」

 

 どうやらあっちの俺が影分身をしたらしく向こう側の情報が入ってきた。向こうの現在の状況はザブザと仮面が襲撃してきたらしくナルトとサスケがピンチらしい。

 

 ここで分からないのが何故この二人がここに来たか、ということだ。タズナさんにザブザを差し向けたということはタズナさんを殺すつもりでいるはずだ。それなら人質なんぞいらないはずだ。

 

「そ、それは言えねぇ」

 

「ほう、ならイナリ君の母さんを呼ぶしかないな。イナリ君の」

 

「わ、分かった。言うからあの人だけは呼ばないでくれ!!」

 

「ほら吐け」

 

 彼の話をまとめるとザブザが頼りないからガト―は他の傭兵を雇いみんなが弱った所で皆殺しにするつもりらしい。しかも本人はそれを見物するために来る。

 

「良い情報をありがとう。では眠っときな!!」

 

「へ?」

 

 俺はもう一度そいつの顔を蹴り飛ばした。

 

 敵に情けをかけるなが合言葉だよ。

 

 もうそろそろ、イナリ君たちの準備が終わっている頃だろう。イナリ君は戦うことを決めて村の人みんなを説得に周り見事に成功させた。

 

 俺は影分身であちらの方に情報を伝えるとイナリ君たちと共に橋に急いだ。

 

 

 

 本体の方から情報が届いた。こんなやばい状況でなんていうことを伝えてくるんだ。こちらはナルトがバーサーカーモードに突入するしサスケはどうなったのか分からないしと凄く忙しいと言うのに。さらに目の前ではザブザが大量の犬に噛みつかれて動けなくなっている。どう考えても物語とかではラストだ。

 

「今度はコピーじゃない、俺自身の術を披露してやる。雷切!!」

 

 カカシ先生が印を組むと手からチャクラが放電し始めた。

 

「お前は危険すぎる。お前が殺そうとしているタズナさんはこの国の勇気だ。タズナさんがかけようとしている橋はこの国の希望だ。お前の野望は多くの人を犠牲にする。そういうのは忍のやることじゃないんだよ」

 

「知るか。俺は俺の理想のために戦ってきた。そしてそれはこれからも変わらん!!」

 

「もう一度言う。諦めろ。お前の未来は死だ」

 

 止め宣言しちゃった!! ここからどうする? 考えている時間が無いぞ。冷静になれ。あいつらが死んだらどうなる? 幽霊になって取り憑かれるかもしれない。あいつらに対してさんざんいらないことをした俺だ。あいつらは襲いかかってくる可能性がある。忍者と勝負した後に幽霊と勝負なんて御免こうむる。

 

 それにこのまま戦って敵がたくさん来た場合、下手したら俺は無事でも他のみんなが殺される可能性もある。とにかく戦闘を止めることが肝心だ。

 

 そう考えた俺の行動は速かった。

 

「カカシ先生、ストップ!! 面倒くさいことになった!!」

 

 叫んだが遅かったのかカカシ先生が走り出した。

 

 ちくしょう、こんな時に本気出したくなかったのに。

 

 俺はチャクラを思い切り練り上げ瞬身の術を発動させ、カカシ先生の手を掴む。

なんとか間に合ったようでカカシ先生とザブザの間に割り込んできた仮面のやつ(服が一緒なので同一人物だろう)にもギリギリ当たらなかった。

 

「一体どういうつもりだ、ウツロ!!」

 

 仲間から攻撃を止まられると言う本来ならあり得ない状況にカカシ先生が叫ぶ。そして何が起こったのか分からないのか呆然とする二人。

 

「カカシ先生、面倒なことになりました。そしてザブザと仮面も聞け!!」

 

 俺は相手に考える暇を与えないように影分身から送られてきた情報をすばやく伝えた。伝えている間にナルトの方を見るがサスケがいない。そのことを不自然に思ったサクラがナルトに聞くがナルトは答えずに下を向いた。

 

 サクラはサスケに何かがあったのだと。本当は何が起こったのか理解しているのか不安そうな顔をしながら走って行った。

 

 サスケの幽霊がどこにもいないから死んではいないはずだ。

 

 そんな中、俺が伝え終わるのと同じぐらいにガト―が現れた。

 

「どうやら、そこのクソガキが言ったことは本当のようだな。カカシ戦いはここまでだ。俺にタズナを狙う理由が無くなった以上お前らと戦う理由が無くなった」

 

「ああ」

 

「ふざけんなよ!! なんでだってばよ、サスケが死んだのに、死んだのに!!」

 

「止めろナルト!! こいつらと戦う理由は無い」

 

「それでも、それでも!!」

 

 ナルトは納得できないのか仮面を睨みながら叫ぶ。相手の仮面は申し訳なさそうな顔をしながら黙っている。

 

「ふふふ、全員揃っているじゃないか。再不斬、なんだその様は?」

 

 そんな中、先頭にいたおっさんが話しだした。おそらくあれがガト―なのだろう。ただの小さいおっさんではないか。

 

「ガト―、貴様裏切るつもりか?」

 

「裏切る? 違うよこれはただ作戦変更があっただけさ。ちなみにお前には死んでもらうよ」

 

 今の会話で俺の話を完璧に信じ込んだらしくザブザはクナイを持ちガト―たちを睨みつける。

 

「カカシ、これは俺の問題だ。だからお前は黙って見とけ。それから白、お前もそこにいろ!!」

 

「再不斬さん!?」

 

 すると傭兵たちの中、もっと詳しく言えばガト―の元へ走り出した。

 

 傭兵たちを次々とクナイで殺していく。しかし途中、何度か切られたり刺されたりしている。だが、止まることなく進んだザブザはついにガト―の所までたどり着いた。

 

「霧隠の鬼人をなめるんじゃねぇ!!」

 

 そしてザブザはガト―の首を落とした。だがそこでチャクラが切れたのか、それとも戦闘による傷なのかザブザは地面に倒れこむ。

 

「う、うわあああああああ。殺せ!!」

 

「再不斬さん!!」

 

 恐慌状態になった傭兵たちがザブザに止めを刺そうとした瞬間、俺たちの後ろから何かが飛んできてザブザを殺そうとした傭兵たちを吹っ飛ばした。

 

「ちーっす、お届け物で―す。子供を殺そうとした悪い侍なんですが、受け取り人のガト―さんは……まだ生きてますかね?」

 

 そこには本体の俺がイナリ君と共に波の国の人々の前に堂々と立ち不敵に笑っていた。 

 

 



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第二十話

 本体の俺がイナリ君と共に来るのは知っていた。しかし、よく見るとイナリの母さんが七人いる。自分のことながら嫌な予感しかしない。隣のイナリ君の目は死んでいるし。

 

 だが、かなりタイミングは良いと言えるだろう。敵も大将がやられ混乱している時にさらに追い打ちをかけるように人が増えたのだ。今がチャンスとしか言いようが無い。

 

 イナリ君や波の国の人々が援軍としてきたことにナルトが喜び、タズナさんは感動して泣いている。

 

「みんな無事か?」

 

 そんな中、本体の俺が一人走りながら俺たちに近寄ってきた。そして辺りを見回し混乱している。それも仕方ないだろう。最後に連絡をしたのはザブザが襲ってきたときだからな。

 

「話の展開が分からんから消えてくれない?」

 

「いくら本体がお前でもさすがに腹立つわ」

 

「そういうのいいから本当」

 

「死ねよ」

 

 俺はそういいながら消えた。

 

 

 

 分身が消えたことによりここで起こったことが全て頭の中に入ってきた。俺たちが来るまでの間に状況が変わりすぎてビビるレベルである。けども大体分かった。

 

「ナルト!! サスケ君は無事よ。ちゃんと生きているわ!!」

 

 それを聞いたナルトが涙を流しながら笑っている。俺はサスケの幽霊が居ない事から生きていることを確信していたようだ。

 

 これほどまでに生存確認で嫌な確かめ方が存在しただろうか?

 

 まあ、仮面に殺されたと思われていたサスケは生きていたのでこいつらと俺たちとの間でとくに問題は起こらないし、ほっといたら帰るだろう。

 

 そう考えた俺はここにいるメンバーに話しかける。

 

「カカシ先生あいつらどうにかできますか?」

 

「無理だ、さっきナルトにも言ったがチャクラを使いすぎた」

 

「じゃあ、どうするんだってばよ!?」

 

「それなら俺に任せとけ。こういう時は戦わずして勝つのがセオリーだ。つまり相手をビビらした方が勝ちだ。おい仮面!!俺が今からなんとかするからザブザを助けてこい」

 

「そうしたいですが、僕もチャクラがもうないです。再不斬さんも無いのにどうして?」

 

 そういいながら悔しそうな顔を顔をする仮面。何がどうしてかも分からん。

 

 仕方ない俺が一人でやりますか。今日一日何にもしてないの俺だけだし。

 

「おい、仮面!!」

 

「何ですか?」

 

「今からザブザを助けてやる」

 

「え!?」

 

「ただし条件がある」

 

「……それは何ですか?」

 

「まず、これが終わったら俺たちと戦うな。サスケも生きてたし恨みっこなしだ。次にザブザの剣をうば……貰ったものだから返還しないこと。ただでさえ俺はお前の命を救ったんだ。ちゃんとザブザの説得もしろよ」

 

「再不斬さんが助かるなら。なんでもします!!」

 

「その言葉を待っていた!!」

 

 俺は仮面との契約を守るために一人奴らの前に歩き出す。

 

「聞け、貴様ら!! お前らがこれから相手にするのはこの波の国をわずか七日間で崩壊させた怪物だ!! 死にたくないなら今すぐ消えろ!!」

 

「はぁ!! せっかくの金づるを殺しといてさらに消えろだ。ふざけんじゃねぇよ!! てめえらやっちまうぞ!!」

 

「おおおおおおお」

 

 叫び声とともに傭兵集団が突進してくる。

 

「後悔しろよ、馬鹿どもめ!! やれ、ジャイアントゴッドTSUNAMI!!」

 

「ぶるああああああああああああああああああああ!!」

 

 後ろで波の国の人々の間に紛れ込ませていた、イナリ君の母ちゃん(マッスルバージョン)達を突っ込ませる。

 

「怖くない!! 怖くない!! ほらねぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 ……なかなか、迫力のあるシーンだ。こんな目に遭ったら俺は一生このことで悪夢を見そうだ。

 

 走ってくるイナリ君の母ちゃんを見た瞬間、逃げ出そうと船に向かう傭兵たち。

 

「ぎゃあああああああああああああ!! 助けてくれ!!」

 

「やつらを逃がすな!!」

 

「もちろんだ!! ふぅるぁ!!」

 

 イナリ母ちゃんが初めに奴らが乗ってきた船に素振りをかまし粉々に砕いた。

 

「あ……あ…」

 

 逃げ場が無くなり絶望的な顔をする傭兵たち。

 

 もう一度言おう、俺の好きな言葉は敵に情けをかけるな、だ。

 

 そこからはまさしく蹂躙だった。殺されるのが嫌で刃物で刺そうとするが刃が通らずに折れる。そこからイナリ母ちゃんのビンタでぶっ飛ばされる。他にも恐ろしいことが行われた。

 

 そんなことを繰り返し五分ぐらいできれいに片付いた。もちろん殺したとかではなく戦意喪失させたという意味だ。

 

「お前ら、俺の慈悲で生きていることは分かっているな?」

 

「は…はい!!」

 

「よろしい。俺にそして波の国に刃向かえばどうなるかも分かっているな?」

 

「もちろんです!!」

 

「ならもう二度と波の国に来るんじゃねぇぞ!!」

 

「はい!!」

 

「よし、なら消えろ!!」

 

「え、でも船が?」

 

「今からどっかにぶっ飛ばされるのと泳いで帰るのどっちを選ぶ?」

 

「泳いで帰ります!!」

 

 俺はさんざん脅して敵を無事に退却させた。後を見るとこの異常な状況で何が起こっているのか分からなかったが徐々に勝ったことが分かったのか波の国の人々が大きな声で喜んでいる。

 

 だがイナリ君の目が死んでいる。仕方のないことだ。そしてカカシ先生や他のみんなの俺を見る目がなんか嫌だ。

 

 ちなみにザブザは開戦と同時に回収しており今は仮面に抱きつかれながら寝ている。やはりチャクラ切れによる気絶だったらしい。

 

 最後は俺の活躍により無事に橋の上の戦いは終了した。俺のせいだけどかなりカオスな終わり方をしたと思う。

 

 



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中忍試験編 第二十一話

 

 無事に波の国の任務も終えてから数日、俺たちは無事に波の国から帰宅した。あの戦いが終わった後、再不斬はタズナさんの家に運び込まれ白が付きっきりで看病したおかげか数日で無事に回復した。

 

 その間、イナリ君はみんなと仲良くなったのに俺には話しかけてくれなくなった。他にも俺を見て逃げる人も出てきた。

 

 波の国が俺をいじめてきやがる。ナルト達も初めの数日は俺から距離を取ってきやがった。寂しいです。

 

 そして目覚めた再不斬とこれからどうするかという話し合いが俺たちとの間で設けられた。ちなみに俺には関係無いのでカカシ先生に全て任せた。

 

 その結果、俺の想像とは大きくかけ離れた結果となってしまった。まず、再不斬と白についてはこの戦いで死んだことにすることに決まった。なんでも追忍から逃れるのには死んだことにした方が楽だそうだ。

 

 ちなみに再不斬はこれから少し考え事がしたいと、旅に出ると言っていた。

 

 再不斬の墓を作るときにお礼参りをしたり綺麗にたたんだ服を置いて、「裸はダサいもんな」と言っていたら、再不斬に蹴り飛ばされた。

 

「死人がでてくんじゃねぇ!!」

 

「それが死人の墓に対してすることかぁ!!」

 

 と殴り合いの喧嘩をしたがそれ以外は滞りなく進んだ。 

 

 次に白だが、これが面倒なことになった。なんと俺たちと共に木の葉に来ることになった。俺たちの里は比較的安全な里になので、そこに連れて行ってほしいと再不斬に土下座されたのだ。

 

 初めはもちろん再不斬と離れるのが嫌だと揉めに揉めたが、再不斬がお前は優しすぎると、忍者として道具のように生きるのではなく人として生きてほしいと泣きながら言うのを見て白もまた泣きながら納得した。

 

 この会話を見ていたナルトは忍者とは何か、自分はこれからどうするかを真剣に考えたようでこれから自分の忍道は進むと決意したようだ。他のみんなも考えさせられることがあったようだ。

 

 俺はどうなのだろうか? 特に忍者とは何かと考えたことはないし。そもそもこの世界の忍者はおかしいという考えしか思い浮かばない。ただ俺が言えることは道具で終わる俺ではないと言うことだけだろう。

 

 さて、話は戻すが再不斬の剣だが俺が使うことになった。その方が死んだということに現実味があるからである。

 

 そんな感じで話がまとまり里に着いてきた白だが俺の家に居候することになった。

 

 ちょっと待て。と喚いた俺だがカカシ先生に無理やり抑え込まれた。白はサスケとナルトを殺そうとしたことから一緒に住ませるのは都合が悪いと。そしてサクラは家に家族がいるから駄目だと。

 

 ならカカシ先生の家にしろと言ったら「お前があの子の命を救ったんだろ。なら責任を持て」と言われ完敗した。

 

 

 

 そんなこんなで白は俺の家に居候してバイトでも見つけて忍者とは離れた生活をしている。

 

 死ぬほど羨ましい話だ。

 

 だが、ここでカカシ先生が見落としたことがあった。それは我が家には幽霊どもがいるということだがそれも居候が始まって数日で解決した。

 

 なんと白に幽霊が見えることがばれてしまったのである。なんでそうなったかと言うとこんな感じである。

 

 

 

 俺が任務も終わり家に帰ってきて白と適当に会話して寝ようとした瞬間、女の人が俺の枕元でしくしく泣き始めたのだ。

 

『うう、私のかわいい娘、白。あなたがこうやって幸せに生きられるなんて母は嬉しいです。ただあんな不幸な生活をさせてしまったことを謝りたい。謝りたいのです!!』

 

 凄くうるさい。こいつは確か白の後ろにいた女の幽霊だ。無視しよ。……娘?

空耳だね。

 

 後になって分かったことだがこの泣き脅し+疲れてる時にやれと言ったのは我が家の幽霊どもであったらしい。親としてこの母親の気持ちが痛いほどわかったらしい。

 

 それでなんで俺を苦しめる方で追い詰めるのかなこいつらは。

 

 そんな裏切りがあったこともあり、やつらはひたすら俺を疲れさす修行をして帰ってきたら夜は枕元でしくしく泣かれた。無視していたらギャン泣きへとシフトした。

 

 そんなことが三日続いて我慢できなくなった俺はついに憑依させた。

 

 三日もよく頑張ったよ俺。

 

 そこで白とそのお母さんとの会話が行われたが寝不足だった俺は全て無視して寝た。

 

 すると次の日にあのお母さんは白に全てばらしたことが発覚した。そのことで泣きそうになった俺に白が泣きながらお礼を言ってきた。

 

 どういたしましてとしか言いようがないじゃないか。

 

 それから、白は俺が異常なほど疲れている理由が分かったらしく。修行が終わって帰ってきた時はそっと助けてくれたりとありがたいことになった。俺の生活にもついに癒しが生まれたのである。

 

 しかし、また俺の体に異常が出てきた。今度は水を凍らすことが出来るようになったのである。犯人はあの女だ。

 

 俺が憑かれないように頑張ったことはさらなる面倒事を持ってきたのである。ちなみに俺が一番の面倒事だと思ったのは扉間の修行が水龍から逃げることから凍らすことに悪化したことである。

 

 

 

 



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第二十二話

 

 今日は簡単なゴミ掃除の任務である。かなり簡単と言うよりも前世のバイトの様なものである。

 

 しかし、あいつらの背後霊がかなりうるさい。

 

『うはー、もうナルトとサスケのカップリングは決まりってばね!!』

 

『そうよね。あんなの見たら妄想が止まらないわ!!』

 

 サスケの母が感染してゾンビになったようだ。ナルト母が感染もとだ。

 

『お前なんで俺を?』

 

『知らねぇよ、体が勝手に動いただけだ』

 

『きゃーーーーー!!』

 

 ナルト母がナルト役、サスケ母がサスケ役でなんか劇が始まった。そして二人で興奮している。

 

『これは、もう、最高ってばね!!』

 

『二人はこのままランデブーよ!!』

 

 それは男女で使う言葉です。

 

『どっちが攻めで受けなの?』

 

『ナルトが受けに決まってるってばね!!』

 

 どっちでもいいよ。

 

『書きたい。この気持ちをこの里の人々みんなに伝えたいわ!!』

 

『私もこの里の女に気付いて欲しい!!』

 

『なんで私は幽霊なの!?』

 

 死んだからですよ。

 

『なんとか方法があるはず……はっ!?』

 

 俺の方を見て動きを止めるサスケ母。逃げるように全力でゴミを拾いに行く俺。

 

 人生でここまでゴミに向かって全力で走ったのは生まれて初めてだ。ちなみに父親コンビはどこかに行っている。この手の会話が始まるとすぐに姿を消すのである。

 

『ウツロの体があるじゃない!!』

 

『それは名案だってばね!!』

 

 このままではBL作家になってしまうぞ俺。

 

 その後、攻撃を仕掛けてくる母コンビをなんとか撃退した俺はゴミ拾いではありえないくらいに疲労したのであった。

 

 

 

 任務も終わり、家でゆっくりしている。この家に前までいた白はお隣に引っ越した。

 

 カカシ先生に白のことはどうするのか聞いたところ普通の一般人として扱うとして火影様にもこの里で働きたい普通の人として説明したそうだ。わざわざ戦いたくない子供を戦わせたくないと言っていたカカシ先生は少し悲しそうな目をしていた。

 

 だが、隣の白はたまにご飯を持ってきてくれたりといまだに俺の癒しであってくれていることに感謝だ。

 

 そんなことを考えながら寝ていると忍者の神様兼疫病神の柱間が来た。

 

『ではさっそく修行するぞ、ウツロ』

 

「今日は休みでお願いします」

 

『……ふむ。それは仕方ない。今日は勘弁してやるか』

 

 おかしい、いつもなら変な理屈こねてやらせるのに。どうなってやがる。しかし休ませてくれるならありがたい。

 

「どうも」

 

 俺はその日、寝てしまった。それが俺の中忍試験をややこしくするとはこの時の俺は知らなかった。

 

 

 

 ナルト視点

 

 サクラちゃんと二人で修行しようとしたら、木の葉丸達と出会った。そして遊んでいたら黒い変な奴が出てきて木の葉丸が捕まったってばよ。

 

「おい、その手を離せってばよ!!」

 

「こいつら、木の葉の下忍か?」

 

 こいつらいったいなんだってばよ? それより木の葉丸を助けないと。

 

 そう思いかけ出すが足に違和感を感じてこけた。

 

 何がおきたんだってばよ?

 

「なんだ弱いじゃん木の葉の下忍ってやつはよ」

 

「おい、その手を離せ!!」

 

 俺の言葉を聞かずに木の葉丸を殴ろうとした瞬間、ドシンッという音がした。そしてそちらの方を見るとウツロがかなり大きな岩を片手に二個づつ持って歩いてきた。

 

「ほう、小僧ども元気ではないか!! それでこそ俺が頑張ったかいがあるというものぞ!!」

 

 一人、うむうむと頷くウツロ。またウツロが変になっているってばよ。

 

「しかし、黒の猫耳とはセンスがない。隣の女は頭から四つも毛が飛び出ている。……ぶわははははは!!」

 

 しかもいきなり喧嘩売ってるってばよ。

 

「なんだ、このガキより先にお前を倒せばいいのか?」

 

「このガキはやっていいぞカンクロウ!!」

 

「やめとけカンタロウ。貴様ごとき俺の相手にもならんぞ」

 

 今日のウツロはやけに敵を煽るな。

 

「てめぇ名前を間違ってんじゃねぇ!!」

 

 黒い奴は木の葉丸を離すと何か指を動かしているってばよ。なんだあれ?

 

「ほう、人形遊びでもしたいのか。それなら一人でやりなさい。しかし顔のメイクもダサすぎる。メイクならこちらの方が断然かっこいいぞ」

 

 そういうと手も触れていないのに顔に模様が浮かび上がるように出てきた。俺から見たらどっちも一緒だってばよ。それよりも岩を下さないのかな。

 

「こいつ、なんで動かない!? それに俺のしていることが分かったのか?」

 

「なんだ動いてほしいのか? ほれ」

 

 ウツロが左手の岩を投げた。……超高速で。

 

 あれはおかしいてっばよ。あの大きさの岩が目に見えない速さで投げれるって。

 

 瞬きした瞬間黒い奴と岩が消えていた。

 

「カンクロウ、どこに行った!?」

 

「しまった。うっかりしていわ。この状態で投げたらあいつ死んだかもしれんぞ。……まあよいか。ふははははは!!」

 

 前から思っていたけどあいつは絶対におかしいってばよ。

 

 「それより木の上で見ているやつら出てこい!!」

 

 人一人を殺したかもしれない事をそれで片付けたら駄目だろ。

 

 そしてウツロが言うとそこからサスケと瓢箪を背負ったやつがでてきたってばよ。

 

 誰だあいつ?

 

「その上の貴様らは出て来んようだな。なら消えろ!!」

 

 今度は右手の岩をサスケ達がいたその上に投げた。何かにぶつかったのは分かるが何が起こったのかは分からないってばよ。岩が通過した後には何も残っていなかった。

 

「お前はうちはか、なんていう目つきの悪さだ。そんな顔しているとモテナイぞ!!」

 

 サスケがキレそうだってばよ。

 

「それでそっちの瓢箪は眉毛を生やす所から始めればよいぞ。しかし目の周りのクマは素晴らしい!!」

 

 確かにあいつも今はそんな顔をしてるってばよ。ちなみにこちらも表情は変わってないけど頬がピクピクしてるってばよ。

 

「では、修行があるのでまた今度、会おうぞ」 

 

 それだけ言って、ウツロは走って行った。この場にいるやつをほとんど敵に回して。

 

 



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第二十三話

 

「ちょ、おま、柱間何やってくれてんの!?」

 

『何かやったか俺? 皆目見当がつかんわ』

 

 柱間に謎の休日を貰った日の翌日、俺が集合場所に到着するとサスケに思い切り睨まれた。そしてナルトとサクラには目を逸らされた。不思議に思っているとナルトの父であるミナトさんが苦笑いしながら教えてくれた。

 

 あいつはいったい何してくれてんだよ。俺が完全にやばいやつじゃねぇか。

 

 そしてカカシ先生が来て中忍試験の申込用紙を俺たちに配っている中である話を始めた。話を聞くと昨日、謎の大岩が他里の中忍試験を受けに来た忍が泊まっている宿に投げ込まれ多くの重傷者が出たらしく中忍試験は少し延期されるらしい。なんでも砂のところの忍が死ぬ一歩手前だったとか。

 

 止めて、そんな目で俺を見ないでくれ。サスケ、サクラ、ナルト。俺が犯人だけど犯人じゃないんだよ。

 

 しかもさらにもう一つ投げ込まれた岩がありそれは三代目の顔岩の鼻に直撃したらしく完全に顔面崩壊していた。三代目はそれを見て「あまりにも酷過ぎる。この時期にあんな顔にするなんて」と涙を流したらしい。ちなみにその下には音隠だっけ?の里の忍びが死にかけで倒れてたらしい。

 

 それも俺が犯人だよ。でもね違うんだよ。だからそんな目で俺を見ないでくれ。犯人は捜索中だけど通報しないでね。お願いだから仲間を売らないでくれよみんな。

 

 

 

 そして俺は紙を受け取ると同時に家に走り出した。そして柱間との口喧嘩を始めたのである。

 

「お前が何やっても俺には関係ないよ。でもさ俺の体を使うんじゃねぇよ!! いい加減にしないとお前の顔岩を粉砕するぞ!!」

 

『それはいい俺もあの顔岩には不満があったのだ。本人が許可する存分にやってこい!!』

 

 駄目だこいつ、どうにかしないと。

 

「これだけはしたくなかったが仕方ない。くらえ!!」

 

 俺は前世でのうろ覚えのやつを成仏させる呪文みたいなのを唱えた。

 

『それは止めろ!!』

 

 これが意外にも効果があるらしく俺はこいつらと戦う時に使用している。

 

「このまま成仏してしまえ!! ……ぶっ!?」

 

『さっきからうるさいぞお前ら。俺は忙しいのだから静かにしてくれ。それと兄者は落ち着け。できるなら黙っとけ。……ん?』

 

 黙っとけと言われた柱間が俺の横で落ち込んでいる。うっとおしいことこの上ない。それと確かに俺もうるさかったけどもいきなり蹴るのはひどくないか扉間。

 

 そう思っていたら俺が持っていた紙がひらひらと床に落ちた。

 

 それは中忍試験の申込用紙!! 見ないでくれ。

 

 俺の願いは虚しく、扉間がしっかりと見てしまった。

 

『中忍試験か。お前は出るのだろうウツロ?』

 

「……出ますよ。ええ、出ますとも!!」

 

 真顔で睨むなよ、お前の顔は恐いんだよ扉間。

 

『その中忍試験俺が着いていくぞ!!』

 

 さっきまで落ち込んでいた柱間が何か言いだした。

 

「お前はいらん帰れ。ここじゃなくあの世に帰れ!!」

 

『兄者で大丈夫か?』

 

『ああ、俺に任せろ!!』

 

「あのー、俺の話を聞いてほしいんですが」

 

『大丈夫だウツロ。俺が着いてるから何が起こっても万事解決だ』

 

「ソウダネ」

 

 お前が万事面倒事を起こすんだろうが!! と叫びたいが我慢しよう。

 

 そして柱間が着いてくることが確定した。俺の中忍試験は幸先が真っ暗になったことは言うまでもないだろう。

 

 

 

 そして遂に中忍試験の日が来た。俺たちはアカデミーの前で待ち合わせをしており時間通りに集合した。

 

 カカシ先生がいないと時間通りに進んでいいわ。

 

 そして中に入るといきなり喧嘩が行われていた。なんか先輩らしいものが後輩をいじめているようだ。どの世界でも先輩は怖い。

 

 ほら、あの倒れている奴らの後ろに白目をむいたまま気絶している奴までいるよ。

 

 「中忍試験は難関だぜ。この試験を受験したばかりに忍を辞めた者、再起不能になったものを俺たちは何度も見てきた」

 

 なんで忍者ってこうも物騒な話ばかりなのかな。

 

 そう思っているとサスケが何を思ったのかいじめられている奴らの前に出て俺を通せと言いだした。

 

 こんな目立つ場面で飛び出しちゃったかサスケ君。

 

 そして幻術であることを見破っていると言うと幻術が解けた。先輩方はその後見破っただけじゃ意味が無いと攻撃をしかけてこたところで先輩にいびられてた後輩の内の一人がサスケと先輩の攻撃を受け止めた。

 

 俺がぼーっと見ているといびられてたやつ、マユゲと呼ぼうがサクラに告白した。一目ぼれを始めて見た瞬間であった。

 

 その光景に少女漫画を思い浮かべていると先輩二人と目が合った。その瞬間高速で目を背けられた。気になった俺は二人に話しかけた。

 

「すいません、なんで俺から目をそむけ」

 

「こっちに来るな!!」

 

 頭ツンツンの方が叫んで横に飛んだ。

 

 俺が一体なにをしたと言うんだ。

 

「気をつけろ。あいつは何してくるか分からないからな!!」

 

「ああ!!」

 

 さらに臨戦体勢までとられた。何もしないよ俺は。

 

「ウツロ、お前あいつらと知り合いか?」

 

「いや、見覚えは無いな」

 

 サスケに聞かれて答えたが実際に見覚えは無い。そうして不思議に思っていると帽子を被っている方が話しだした。

 

「あいつは当時アカデミーの先生をやっていた中忍を再起不能にして忍者を辞めさせた奴だ。気を抜くなよ」

 

 ……ああ、また柱間か。てかさっきの中忍試験を受けた奴の末路を俺がやったってことか。

 

 周りを見るとざわざわしながら俺を見ている。そして後ろの柱間も『そんなことあったような気がするぞ』と笑っている。

 

 さっそく面倒事を運んできた柱間にため息を吐きつつ目の前の二人に話しかける。

 

「それであなた方は俺と今から戦いますか? もちろん中忍試験を受験できなくなると思いますけどね」

 

 両手を広げ笑いながら近づく。一歩近づくたびに一歩離れる先輩方。

 

「や、やらない。もう戦わないから。すみませんでした!!」

 

 そして叫びながら逃げていく二人。

 

 俺はこの里でどのような目で見られているのだろう?

 

 そして後ろを振り向くとマユゲがフラレて落ち込んでいる。ドンマイだマユゲ。

 

「お前ら名前は?」

 

 マユゲ哀れと思っていると白目がサスケと俺に尋ねてきた。ナルトが何故か後ろでショックを受けている。お前もドンマイ。

 

 俺が答えようとしたら横でサスケが先に答えた。そして白目に喧嘩を売り始めた。

 

 こいつはなんでこうも喧嘩を売るかな?

 

 サスケは喧嘩を売るとそのまま白目を無視して歩き出した。俺も会話すると面倒事が起きそうなので無視することにした。

 

 その後、少し険悪な空気の中サクラに引っ張られ試験会場に向かった。

 

 

 



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第二十四話

 

 

 あのまま特に何もなく試験会場に着けると思っていたところにさっきのマユゲが現れて勝負を仕掛けてきた。俺の頭の中で野生のマユゲが襲ってきたというテロップが流れた。

 

 どうやらサスケと俺に用があるらしい。サスケの一族は有名なのでそれで勝負を挑むらしい。俺は関係ないだろう。

 

 しかしそこに自分の名前が無いことにキレたナルトが挑むがすぐに蹴り飛ばされてやられた。またまた哀れだなナルトよ。

 

「僕は木の葉の下忍の中では一番強いです。だから僕には勝てません」

 

 残念ながら木の葉の下忍で一番強いだけでは俺には勝てませんと言いたいが俺以外には勝てるはずなので気にしない。

 

「サスケは分かるが俺に勝負を挑む理由は何だ?」

 

「僕は前から君には注目していました」

 

『一目ぼれから始まる恋もある~』

 

『る~』

 

 うっとしいから歌うなゾンビども。

 

「それはまた何で?」

 

「そう、あれは僕が二重跳びの修行をしていた時です」

 

 ああ、あのえげつないやつか。

 

 「僕は最後まで出来ずに落ち込んでいました。しかしその時君を見たんです。君が分身に縄を持たせて片手で二重跳びをしているのを。さらに失敗した時にはその分身と組み手までしているのを見て思い知りました。僕は失敗した自分を甘やかしていたということを。それから僕はより厳しい訓練をするようになりました。君よりも厳しい修業をするために!」

 

「それは、また、ご苦労様です」

 

 違うんだよマユゲくん。それは修行じゃなくて拷問されてたんだよ。扉間と柱間が『これできたら今日の修行は終わりだ』というから信じたのに片手二重跳び(高速)連続で50回。そんなの出来るわけ無いのに失敗したら組み手というなの1対2の拷問をしてくるのだ。

 

 心の底から言おう。君には俺よりも厳しい修行は無理だから諦めて欲しい。

 

「サスケ、お前から相手してやれ。おいマユゲ、お前の相手はサスケからだ。サスケに勝てたら俺に挑んでいい!」

 

「お前なんかに回ってこねぇよ。俺で終わる」

 

「そう? なら先に行くわ。じゃあなマユゲ。もし勝てたらかかってこい」

 

 俺はそれだけ言って先に進んだ。

 

『これはウツロを含む三角関係!?』

 

『いや、マユゲは無いわ』

 

『そうよねー』

 

 あなたたちは酷いですね。

 

 

 

 そのまま歩いているとカカシ先生がいた。

 

「あれお前一人か?」

 

「いえ、なんかみんな少し前の場所でヤンチャしてます」

 

「? まあ来てるならいいか」

 

「一人なら駄目なんですか?」

 

「そうなんだよ、今回はスリーマンセルじゃないと受験できないことになっているんだよ」

 

「それなら俺たちは誰か一人抜けるんですか?」

 

「いや、スリーマンセルが重要と言うよりも全員で受けることが重要だから大丈夫だ」

 

 まあ、一人でも受かる自信があるので良かったけど。

 

「受けてもいいなら俺は先に行ってますよ」

 

「ああ、頑張ってこい」

 

「はいよ」

 

 俺はカカシ先生に応援され部屋の中に入った。そして周りを見渡すと人がたくさんいる。まともな服のセンスの奴が全然いないと思っていると左から見覚えのある奴が来た。

 

 「久しぶりだなシカマル! あいかわらずちょんまげしてるな。お願いだからそれを切り落とさせてくれない?」

 

「お前もあいかわらずだなウツロ。前から言っているが絶対に嫌だからな」

 

「それは残念」

 

 シカマルとはアカデミー前からの付き合いなので結構親しい間柄だ。

 

「しっかしお前は暴れまくっているようだな」

 

「何の話?」

 

「何だ知らないのか? お前が霧隠の鬼人を殺してその武器を奪ったって」

 

 何だ、その物騒な話は?

 

「そんな訳ないだろ。相手はあの鬼人だぞ。やったのはカカシ先生」

 

「やっぱりそうだよな。でも最近ではこの話で持ちきりだぞ。カカシ先生と一緒にいる青髪の木の葉の下忍が鬼人をボコボコにしたって。他にも波の国は化物がいっぱいいるって話」

 

「まったく心当たりないわ」

 

 全て心当たりあるわ―。おそらくこの情報を流したのはあの変態だろう。あいつ、服の事でからかったのを恨んでたからな。けれども今度会ったらただでは済まさん。

 

 その後、会話していたらマユゲが到着して「次は君と戦います」と言って歩いていった。

 

 サスケ、負けたの? 前にも白と戦って死にかかってたしそろそろうちは(笑)になるぞ。

 

 そんなことを考えていると負け犬二人とサクラが来た。そして話していると他の同期も来てルーキー10人がこの場に揃ったのだった。

 

 ちなみにさっきから気になっているのだけど俺に対して怯えた目で見てくる包帯だらけの人たちと俺を思いっきり睨んでくる瓢箪を担いだ人たちは誰?

 

 

 

 



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第二十五話

更新遅れて申し訳ありませんでした。


 

 久しぶりに揃った俺たちだがみんながみんな特に親しい訳ではないので各々が好き勝手に話している状態である。

 

 これだけ濃い面子が同期にそろうなんて凄いと本気で思う。

 

「おい君たち! もう少し静かにした方がいいな」

 

 俺たちが好き勝手に会話をしていると眼鏡をかけた人が話しかけてきた。

 

「君たちがルーキーか。アカデミー出たてほやほやの十人だろ? まったくキャッキャ騒いじゃって。ここは遠足じゃないんだよ?」

 

 話しかけてきたと思ったらいきなり注意とかこいつ委員長タイプだな。将来はストレスで禿げそう。

 

 いのが名前を尋ねたことによりカブトと言う名前であることが判明。なんでも周りがイラついてるから静かにした方がいいとのこと。確かに周りの人らは柄の悪い人の多い。

 

 ちなみに私は急に出てきてうるさいあなたにイラついてます。

 

 そこから何も分からない新人である俺たちに仕方なしに教えてあげるとか言いだした。

 

 一回落ちた人のアドバイスとか別にいらないです。

 

「カブトさんは試験を受けるのは二回目なんですか?」

 

「いや、七回目だよ」

 

 どうやら年に二回試験があるらしいので四年目に突入したらしい。俺の想像を遥かに飛び越える受験回数だ。俺は前世の経験からアドバイスを送った。

 

「もう夢を見るのはやめて転職した方がいいと思うんですよ。ほらもういい年だしね。周りの人も自分の未来を真剣に考え始める時期でしょ。あなたも考え始めた方がいいですって。このままだとバイト戦士になりますよ。毎年同期が出世したとか聞かされたら泣きたくなりますよ」

 

「……」

 

 俺のツッコミに黙るカブトさん。

 

「えっと、ということはこの試験について詳しいんだ?」

 

 サクラのフォローが輝いた。そしてナルトも褒めるがシカマルが受かってないと追い打ちをかける。俺もそう思うよね

 

 そこから苦笑いしながら先輩風を吹かせてなんか教えてくれるらしい。カードを出して中忍試験の事やらを教えてくれるが俺には興味がないのでスル―。

 

 そのカードには個人情報も載っているらしくドヤ顔でアピールしてきた。

 

「他人の情報を集める前に自分の実力を高めないから何回も落ちるんですよ。いいですか、他人の実力を眺めた所で自分の実力にはならないんですよ。そこの所分かってますか?」

 

「……」

 

 俺のツッコミに再度黙るカブトさん。なんか貼り付けた苦笑いが剥がれそうだ。

 

 それを無視してサスケがマユゲとガアラ(誰それ?)たちの情報が知りたいらしく尋ねたがガアラの方は他里で新人ということで全然情報が無いらしい。しかも音の里とかいうリズミカルそうな里の情報は全くないらしい。聞いてて一番興味が引かれる名前の里なのに。

 

 ここまで聞いて俺は思ったことを言った。

 

「できないことに対して言い訳ばっかりしてちゃんと試験の準備しないから何回も試験落ちたんですね。分かります」

 

「……いい加減にしろよ」

 

 今度はボソッと何か言ったが聞き取れなかった。

 

「Pardon?」

 

 ネイティブもびっくりの発音で聞き返す。

 

「ガキがいい加減に……」

 

「俺の名前はうずまきナルト! てめぇらには負けねーぞ! 分かったかー!」

 

 急にナルトが大声で叫んだのにびっくりしてしまう。そこから空気を読めとサクラに怒られるナルト。お前のせいでカブトさんが何と言ったか聞き逃したじゃないか。

 

「すみません、もう一回言ってもらえます?」

 

「てめぇらはどこまでも僕を……」

 

 今度は聞き逃さないようにしようと耳を傾けていると前から♪マークを付けた額当てをした忍者がカブトさんに襲い掛かった。今殴りかかってる人は顔中に包帯巻いている。

 

 あんな大怪我してる状態でよく試験を受けようと思ったな。この時期に怪我とは運が悪い。

 

 隣を見ると避けた筈のカブトさんの眼鏡が割れていた。後ろからサスケの驚いた声とシカマルの調子に乗るからだ的な声が聞こえてくる。その通りだけど後輩が出来たら調子にのっちゃう気持ちは分かる。

 

 そこから眼鏡を外して本気モードを見せるのかと期待したが嘔吐してしまいナルトとサクラに介護されている。

 

 言いたくないけどこの人運が無い人だわ。しかも大衆の面前で吐くとかかなり精神的に来るものがあることまでしちゃったのだ。今後のカブトさんにはなんとか踏ん張ってもらいたい。

 

「四年も受験してるのに弱いな」

 

 みんなが思ってます。

 

「あんたのカードに書いときな音隠の三人は中忍確実だと」

 

 それを世間ではフラグと言う。

 

 そう思いながらカブトさんに攻撃を仕掛けてきた人を見るが服のセンスが再不斬を超えている以外の感想は思い浮かばない。しかし向こうは違うらしく俺にも話しかけてきた。

 

「お前だけは絶対に殺してやる」

 

 なんで俺は初対面の奴に殺す発言をされるのか。それよりも気になるのが彼の服である。

 

その服は一体どこで買ったのだろうか? まるで前世で見た外国人が来ていた面白い言葉が書いてある服みたいだ。

 

「死ねー!」

 

「そこまでだガキども!」

 

 そして一番ハジケた死の文字が書いてる服を着た奴が俺を殴ろうとしたところで前から怒声が飛んできたことにより攻撃は中断された。どうやら試験官が到着したようなので中忍試験が始まるのだろう。

 

 



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第二十六話

更新遅れてすみませんでした!


 音の忍びの三人が顔の厳つい人に注意されて悪態をつきながら前の方に移動していった。

 

 よくあんな悪態つけるな。あの人の顔とても怖いから俺には無理だ。どうみてもヤで始まる人にしか見えないし。

 

 そして俺たちは志願書を提出して筆記用紙をもらいそれぞれ別々の場所に着席した。どうやら初めの試験はペーパーテストのようだ。

 

 あの筆記用紙を配ってる人さっきの先輩二人組とそっくりだな。シカマルとかもそうだが親の顔にかなりそっくりな顔の子供が多いってこの世界の遺伝子強すぎね? 

 

 そんなつまらないことを考えているうちに筆記試験のルールなどが説明された。初めの方はナルトが初めに試験脱落するかもしれないなぐらいしか思っていなかったが、テストのルールを聞いた後は俺たちが泣きそうになっている。

 

 点数の平均点で合格が決まるのだから泣きたくもなる。ナルトよせめて10点は取ってくれ。

 

 そんな俺の思いが届いたのかは置いといて試験は始まってしまった。

 

 試験の内容はそこそこ難しい。しかし色々と頑張ってきた+前世でも頑張ってきたかいがあり普通に解くことができる。

 

『なんだこの問題、俺には解けんぞ。わはははははは』

 

 うるせぇ、柱間。でもその気持ちは分かる。俺も大学の時に中学の問題が分からなくて焦った時があったからな。

 

 こうやって解いていくうちにちらほらと周りの人がカンニングにより失格になっていった。一度失格者に投げたらしきクナイを無意識にキャッチしてしまい試験官さんとの間に気まずい空気が一度流れたが問題はない。「すみません」「あッ、はい」みたいな会話が起こったけど問題はないのだ!

 

 そして解答欄も残すところ最終問題を残すところとなったところで俺に異変が起こった。何故か目にしつこいゴミがずーっとこびりつき目が開けられないのである。

 

 心の中で「目がー、目が―!」と叫んでいると柱間が話けてきた。

 

『おい、ウツロお前の目の前に変な物が浮いているぞ』

 

 いつも浮いてる変な物って言ったらお前だろう。そう思いながらも柱間が指示する所を思い切り握りつぶした。

 

 何だろこれ、砂の塊か?

 

 手にある砂を不思議に思っていると後ろの方で「目がー」とぼそっと聞こえてきた。あそこにもム○カ大佐がいるとは。

 

 ある種の共感を覚えていると最終問題についての発表があった。試験を受けるか受けないかを決めろとのこと。受けて間違えたら一生下忍のままらしい。受けない場合は同じ班のメンバーと共に失格になるらしい。

 

 ふむ、一生下忍でも良い気がするのは俺だけかな?最悪退職すればいいし。

 

 そう思っていると次々といろんな人が辞退していく。俺の仲間は大丈夫かな、と考えているとナルトが大声で叫び始めた。そのナルトの決意により他の受験者も覚悟を決めたのか辞退するものが無くなった。

 

 前からたまに思っていたがナルトの奴かっこいいな、おい。あいつの両親も泣きながら喜んでるし。

 

 そして10問目が発表されるのかと思っていたら合格になった。少し呆然としていると試験官の人が忍者について話し始めた。かなり忍者の厳しさと言うものが伝わってくる話であった。

 

 この話を聞きひたすら俺は心の中でどーして俺は忍者になっちゃったんだろうと悲しんでいた。それも俺の頭上でうんうん頷いているお前のせいだ柱間。

 

 このままの空気で終わるのかと思っていたら変な女の人が飛び込んできて自己紹介を始めた。みたらしあんこと言うらしい。物凄く甘そうな名前ですね。

 

 何か意味のわからんことを言っていたが結局明日に試験を行うことが決まったらしく解散となった。

 



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第二十七話

 

 翌日、試験官の人に案内されて到着したのは不気味な森であった。樹が大きかったり薄暗かったりと雰囲気がものすごい。

 

「ここは第二試験会場、別名死の森よ。ここが死の森と言われる由縁すぐに分かるわ」

 

 甘ったるそうな名前の試験官によりこの森が雰囲気だけではなく中身も危険であることが良くわかった。

 

 そしてナルトがまたカラ元気でも発動したのか試験官を挑発するようなことを言いだして試験官のクナイにより攻撃されてほっぺたが切られた。ナルトはほっぺたから血を流し、そしてナルトの背後に移動していた試験官さんに「あんた、死ぬわよ」宣言を食らっている。

 

 森だけではなく試験官も危険とはちょっとこの中忍試験は頭がおかしい。しかも、その試験官の背後に現れた人らしきものが試験官に投げたクナイを蛇のように長い舌で返している。俺はあれを人ではなく妖怪と断定する。いくらこの世界の忍者がいろいろおかしいからってあんなに舌が長いやつは見たことがない。

 

 ……実は俺の周りにも普通にいたりしないよね? それと舌で渡すより手で渡した方が絶対に良いと思う。

 

「どうやら今回の試験には血の気の多いやつが集まってるようね。楽しみだわ」

 

 血の気が引いた俺は今から逃げ出したい。

 

 その後、死んでも責任は取らないと書いてある同意書にサインさせられ、この試験のルールが説明された。

 

 班のメンバーと共にサバイバル形式でやるらしい。普通は三人であるが俺たち7班は4人いる。その事に対して不満が周りから出たが、特例としてすでに認められているのであきらめろとのこと。おそらく後ろで暗い取引でもあったのだろう。

 

 天・地と書かれた巻物を片方だけ渡され、この試験中に違う班から強奪して天と地の両方を揃えて試験の目的地である塔に五日以内に到達すれば合格とのこと。26チームにそれぞれ片方ずつ渡すから合格できるのは半分のチームだけだ。巻物の中身は見てはいけないらしい。

 

 他にもいろいろ説明があったが大体こんなもんだろう。そして最後にアドバイスとして全く役に立たない「死ぬな」という言葉をもらって試験が始まった。

 

 

 

「今、人の悲鳴よね」

 

 

 試験が始まってからのんびり歩いていると遠くから悲鳴が聞こえてきた。さっそく誰かが襲われた様だ。お願いだから俺の目の前に化けて出てくるなよ。

 

「なんか、緊張してきた」

 

「どうってことねーってばよ、サクラちゃん」

 

 声が震えているぞ、ナルト。

 

「俺ってばちょっとしょんべん」

 

「この馬鹿! レディーの前で何しようとしてるのよ! 向こうでやりなさい!」

 

 ションベンしようとしたナルトにサクラが殴りかかりナルトはトイレをキャンセルさせられた。こんな所で仲間から離れてトイレするの怖いよなー。

 

 向こうでやれと言われたナルトがトイレして戻ってきた。 ……別人になって。これだけ聞くと昔見たホラー映画を思い出す。

 

「いやー、すっきりしたってばよ!」

 

「だから、レディーの前で……」

 

 ナルトが偽物だと気づいたサスケがいきなりナルトを殴ったことによりサクラが最後まで言葉を言いきることができなかった。この様子ではサクラはナルトが偽物だと気づいていないのだろう。

 

 そしてサスケが追撃する。それに対してなんとか防御をする偽ナルト。それを見てハラハラするサクラ。死んだナルトがいないことに安心する俺。

 

「サクラ、あれが偽物だって分かる?」

 

「え?偽物なのあのナルト」

 

「そうそう、さっき試験官に切られた傷が無いし、武器が左利き用になってるし」

 

「本当だ」

 

 頑張って戦ってる横でサクラに解説してあげる。戦闘中ずっとハラハラしてるサクラが不憫だったからだ。

 

「本物のナルトはどこだ?」

 

「アンラッキー、ばれちゃ仕方ねぇ。巻物持ってるのはどいつだ?」

 

 変化が解けて現われたのは不健康そうなやつだった。変化が解けた瞬間に襲い掛かって来たがサスケの反撃により後退していった。

 

 この間に俺は他にも敵がいないかを索敵中。

 

『盛り上がって来たな!』

 

 戦闘が始まったことによりテンションが急上昇した柱間。こっちは違う意味でテンションが上がってきたわ。

 

 索敵していたが敵はいないらしいので俺も追撃にまわる。丁度ナルトも救出されているし。

 

「ボケボケすんなサクラ、こいつ一人とは限らないんだ! 気を抜いたら死ぬぞ!」

 

 サスケが空中できっちりと敵の左腕をクナイで刺した。しかし敵はサスケを突き飛ばして逃げようと後ろに飛んだ。

 

「こいつはアンラッキー、単独で来たのが仇となったか」

 

「知ってる? 本当のアンラッキーって片腕だけで終わることじゃないんだよ」

 

「は?」

 

 敵が驚いて振り向き俺と目が合う。

 

「今から起こることが本当のアンラッキーだよ」

 

 そして思い切り顔面を殴り飛ばした。敵はくるくると回転しながら飛んでいき地面に衝突した。

 

『いっぱーつ。スカッとする一撃だったな』

 

「そだね」

 

 ビールを飲んだ後のおっさんのようにかーっと叫ぶ柱間。気楽そうで羨ましい。

 

 俺はそのまま地面に降り他の三人の方に向かって歩いた。

 

「あいつはどうなった?」

 

「大丈夫、ちゃんと仕留めたから」

 

「ちくしょー、油断しなければあんなやつ」

 

「こんな森で油断するなよ」

 

「本当よ。私びっくりしちゃったじゃない!」

 

「まあ、何とかみんな無事でよかった」

 

 軽く会話してナルトが無事であると確認して殴り飛ばした奴の所に行く。奇跡的に命は助かったらしく生きてはいるがまさしく死にかけの状態である。

 

「こいつ巻物もってないな」

 

「単独行動していたっぽいしさすがに持ってないだろ」

 

「じゃあ、どうするのこいつ?」

 

「死にかけてるしほっといたらいいだろ?」

 

「それもそうね」

 

 俺たち4人は敵の身ぐるみを剥いで置いておくことにした。森に入って全然時間がたっていないのにこんな目に合うのだ、油断せずにこの試験をクリアしたいもんだ。

 



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第二十八話

「いったん四人がバラバラになった場合、例えそれが仲間でも絶対に信頼するな。敵が変化している場合があるからな。だから、合言葉を決めよう。今から一度だけ言うぞ」

 

 敵を倒してから数分、また敵に襲われた場合に備えるために今度は合言葉を決めようとサスケが提案して長ったらしい物を決めた。

 

 ナルトが覚えられたのかが不安だが覚えてなければそれはそれでなんとでもなるだろう。それよりも後ろでひそかにいる敵が気になるが。サスケが何も言わないしおびき出す作戦なんだろう。

 

「お、俺、またトイレ」

 

「お前さっきから多いな」

 

「うるせー、行ってくるってばよ」

 

「待て、俺も行くわナルト。ちょうどしたかったし」

 

 ちらっとサスケの方を見ると無言で頷いた。

 

「おっし、行くぞナルト」

 

「おい、先に行くなってばよ!」

 

『俺は着いて行かんぞ。お前の小便姿など見たくないからな』

 

 俺もお前に見てほしいくないわ、ボケ!

 

 

 

 少し離れた場所まで移動した俺とナルトは少し会話しながらトイレをしていた。

 

「いやー、なんか敵も多いし大変なことになってきたな」

 

「確かにそうだってばよ。俺もいきなり捕まってしまったし。もっと気合いを入れて行くってばよ!」

 

「どうにか平和に終わって欲しいもんだ」

 

「俺はどんな敵が来てもいいってばよ。絶対に……」

 

「ナルト!」

 

 俺は後ろから来る気配に反応してナルトの服の襟を掴みジャンプして避ける。

 

「な、なんだ!?」

 

「でっかい蛇……か?」

 

 現われたのは前世で見たアナコンダがかわいく見えるほどの巨大な蛇。全長が何メートルなのか分からない。この蛇を見て試験前に見た妖怪を何故か思い出した。

 

「ナルト! 嫌な予感がする、急いでサスケ達の所に戻るぞ!」

 

「けど! 蛇に囲まれちまったってばよ!」

 

 周りを見るとおそらくだが三匹ほどの蛇がいる。

 

「そこらへんは俺に任せろ。ナルト後で追い付くからな」

 

「へ?」

 

 俺は俺が行ったことに理解できず呆然としているナルトの服を掴むとサスケ達がいるであろう方角にぶん投げた。そしてそれと同時に避難用の飛雷神のクナイも数本投げる。

 

「うわあああああああああああああああああああああああああ!」

 

 ぶん投げた時に出来た隙を狙ったのか蛇の一匹が尻尾を巻きつけてきた。そして俺の目の前で大きな口を開けている。

 

「ぎゃああああああああああああああああああああああああ!なんでいきなり、なんでいきなりオマエ、アタマ、マルカジリしちゃうの!?」

 

 焦って叫びながらクナイに逃げる。蛇は急にいなくなったのを不思議に思ったのかきょろきょろしている。

 

 すると違う蛇が俺を見つけたのか頭から突っ込んでくる。

 

「襲ってくると分かっているといくらでも対処できるんだよ!」

 

 印を結んで突っ込んできた蛇の頭を掴み一気に凍らす。そして凍らした頭を蹴り粉々に砕く。それを見た残り二匹の蛇がビビったのか少し様子を見ており襲ってこない。

 

「こいよ蛇ども! お前らはまともな死に方出来ないぞ!」

 

 叫ぶと共に木遁を発動して蛇一匹を檻に閉じ込める。そしてそのまま上から木で出来た拳で叩き潰した。残り一匹はどこにいる?

 

 辺りをキョロキョロしていると上の方でガサッという音が聞こえたので上を見ると蛇の顔が目の前まで迫っていた。俺はその場から再び違うクナイに飛び避ける。避ける前の場所に扉間おすすめの起爆札を設置して。

 

 そして強烈な爆発音とともに蛇の体が飛び散るのが見えた。

 

「急いで戻るか!」

 

 俺は急いで駆け出した。

 

 

 

 俺が戻ってくると場は悲惨なことが起きていた。ナルトは樹に引っかかって動かず。サクラは動いていないサスケを抱きしめながら泣いている。かなりやばい状況であることはいつもあまり話さないサスケの父親が大声でサスケに呼びかけていることから分かる。それよりもナルトの両親がいないのはどういうことだ?

 

「サクラ! 何があった!?」

 

「ウツロ! サスケ君とナルトが!」

 

 サスケの方を見ると首に変な痣があった。何だこの変な模様は?

 

「大蛇丸ってやつに何かされたらしくって動かないの。ナルトの方も!」

 

「落ち着けサクラ、落ち着け」

 

 そう言いながらも混乱しているのは俺もだった。

 

 何だこの状況は、最悪なことが一気に押し寄せてきた感じだ。混乱する頭で何とか考えようとするが考えがまとまらない。焦っていると、柱間が話しかけてきた。

 

『落ち着けウツロ! 焦っては何とか出来ることも出来なくなるぞ』

 

 柱間に注意され少し冷静になる。そして一先ずナルトをこちら運んでくることに決めた。ナルトの方に移動した俺はナルトを担ぎながら柱間と話す。 

 

『おそらくあの小僧がされたのは封印術ぞ』

 

「命の危険は?」

 

『大丈夫だ。普通に呼吸しているだろう』

 

「そうか」

 

 ナルトが無事であることに安心していると柱間は衝撃的なことを言った。

 

『問題はうちはの小僧だ。あれは下手したら死ぬぞ』

 

「な…に」

 

 驚いて声が出ない。

 

『俺にも何をしたのかは分からんが呼吸の粗さから見てもかなり危ういぞ』

 

「どうしたらいい?」

 

『だから言っただろう俺にも分からんと。分かるとしたらそれはあの術をした本人に聞くしか無いだろう』

 

 つまり直接本人に聞くしかないということだ。サクラの話からかなりやばいやつであることが分かる。しかしやるしかない。

 

 柱間の話を聞き、俺の中で覚悟が決まった。

 

「サクラ」

 

「ウツロ、ナルトは!?」

 

「命に別状はない。それよりもサスケの方だ」

 

「……うん」

 

「このままだったら死ぬかもしれん」

 

 サクラが泣きそうな顔でこちらを見てくる。

 

「だから、俺が直接その大蛇丸とやらに術の解き方を聞いてくる。そして殺してくる」

 

「無茶よ! サスケ君とナルトでも勝てなかったのに!」

 

「例え無茶でもこのまま何もしなかったらサスケは死ぬかもしれなんだぞ!」

 

 俺の言葉に数秒黙った後にサクラは意を決したようにこちらを見た。

 

「分かった。大蛇丸のことは頼んだわよ。サスケ君とナルトは私が絶対に守るから!」

 

「任せろ、サクラも二人を頼んだぞ! ちなみに俺が一日戻らなかった場合は最終日に塔で集合な。みんなに分かる姿に変化するから」

 

「分かった。ちゃんと無事に戻ってきてよ」

 

「もちろん! 行くぞ柱間!」

 

『おう‼︎』

 

 俺は前半はサクラに聞こえるように返事して後半は近くにいる柱間にのみ聞こえるように言うと飛びだした。大蛇丸が向かったであろう方角は柱間に聞いているので柱間と共に大蛇丸がいる場所へ向かった。

 



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第二十九話

 

「ちなみに大蛇丸ってどんなかんじだ?」

 

 ふと、大蛇丸のことを知らずに飛び出したので相手の情報が全くないことに気付いた。

 

『ふむ、まず舌が伸びたな』

 

 舌が伸びたということはやっぱり試験の前にクナイを渡していたあの不気味な奴だろう。

 

『そして首も伸びた』

 

 ……ん?

 

『あいつの性別は男だと思うからオカマ口調でもあったな』

 

「ちょ、ちょっと待って!」

 

 移動していた足を止めて柱間を見る。

 

「ガチの化物じゃねえか! お前ら忍者はどんだけ人間やめたら気が済むんだよ! 俺、心の中で妖怪みたいとか思ってたけど完璧に妖怪だよ!」

 

 もう、この世界の忍者嫌だ。

 

『忍者をあんな気持ち悪いのでひとくくりするな! 俺らの時代でも化物みたいに強いやつはいたがあんな妖怪は知らん!』

 

「やっぱり化物がいたんじゃねぇか! しかもお前も今はその妖怪にカウントダウンされてるんだよ。マジで俺今からそんなやつと戦うの!?」

 

『当り前だろう。しかも奴の強さはちゃんとは分からなかったがお前よりも上の可能性があるな』

 

「じゃあ下手したら俺はオカマの妖怪に殺されちゃうの!? てか勝てないのにどうすればいいの!?」

 

『そこは俺に任せろ。お前が一人で勝てなくても十分勝つ方法はあるぞ』

 

「……その方法は?」

 

『それはだな……』

 

 柱間にその方法を聞いて少し考えたがその方法しかないのだろう。

 

「分かった。お前の言う方法でやろう。じゃあ妖怪退治に行くか。古今東西妖怪を殺すのは霊が見える奴の役目って決まっているしな」

 

 そして俺は大蛇丸の元へ向かった。

 

 

 

 大蛇丸は気分が良かった。それはうちはサスケという目的の人物に対して呪印を付けることに成功したからだ。彼の中ではすでにサスケは手に入ったと思っている。

 

「そこの、動くな」

 

 先ほどから二人、自分の後を追いかけている者がいることに気づいていた大蛇丸は声をかけた相手の方を見た。

 

 長い黒髪の男と灰色の髪をした男であった。長い黒髪の男、ウツロに憑依して変化した柱間と扉間に変化したウツロは大蛇丸を睨む。

 

「私に何か用かしら?」

 

 この二人がただ者ではないことを見た瞬間に感じた大蛇丸は警戒しながらも返事をする。

 

「うちはの小僧に付けたあの痣が一体何なのか教えてもらおうか」

 

「ああ、あれね。あれはプレゼントよ。サスケ君が強くなるためのね」

 

「……死にかけていたが?」

 

「確かに死にかけるわ。でも生き残ったら素晴らしい力が手に入るのよあれは」

 

「ほう、つまり殺すために付けたのではないと」

 

「ええ、彼を殺すのはもったいないもの」

 

「それを聞いて安心した」

 

「話は終わりかしら?」

 

「ああ、話は終わりだ。後は貴様を殺すだけだからな」

 

 ウツロが返事をした瞬間、大蛇丸の元へ大量の木が彼を潰そうと押し寄せてくる。

 

「これは……木遁!?」

 

「死ね」

 

「くっ!?」

 

 大量の木から飛んで逃げた瞬間、ウツロは瞬身の術で大蛇丸の目の前まで移動するとクナイを顔に振り下ろした。しかし間一髪のところでその手を掴んだ大蛇丸だがウツロの逆の手で大蛇丸を殴り飛ばす。

 

「うぐっ」

 

 空いた方の手で受け止めようとしたが想像以上に強い力で殴り飛ばされた大蛇丸は空中で反転して木に着地する。だが、着地した瞬間再び木が襲いかかってくる。

 

「休んでる暇が無いわね」

 

 木の中に紛れ込み殴ろうとした柱間を見つけると大蛇丸は先ほどと同じように飛ぶと火遁で木を焼き払う。

 

 全てを焼いて中にいる柱間を警戒する大蛇丸はその場から動かずに睨みつける。するとすぐ横に気配を感じて距離を取る。そこにあったのは自分の姿が映る浮いた鏡であった。不気味に思いクナイを投げて割ろうとする。しかしクナイが当たった鏡は少し欠け破片が地面に落ちただけであった。そして大蛇丸はそれを見て鏡の正体を知る。

 

「これは……氷?」

 

 その瞬間氷の鏡の中から高速で迫ったウツロに腹を刺される。

 

「がふっ!? これは氷遁か!」

 

 思いもよらない攻撃と術に驚きながらも腹を突き刺していた相手を蹴り飛ばし後ろにさがる。そこに柱間が飛び込んできて横腹に蹴りを入れさらに顔を殴る。一発一発が気が飛びそうになるほどの威力で気絶しそうになるがなんとか意識を保つ。

 

 そして投げ飛ばされた大蛇丸は地面に激突する。その大蛇丸を見下ろす二人。

 

「ふふ、ふふふふ、ふははははははは。まさか、こんなところで二つの血継限界を見ることになるなんて。……欲しい、あなたたちが欲しい」

 

 その言葉に怯えるウツロ。

 

「もっと見せて頂戴!」

 

 言うと同時に走り出す。それを迎え撃つつもりで構える二人の内ウツロの方に狙いを定めると大蛇丸はウツロに舌を伸ばす。予想外なことに体が動かなくなるウツロの足に舌が巻きついた。

 

「ぴぎゃあああああああああああああああああああああああああ!」

 

「その姿で情けない声を出すな!」

 

 扉間の姿で無様な悲鳴を上げるウツロに注意する柱間の目の前でウツロはそのまま持ち上げられ地面に叩きつけられ頭から血を流す。少し現代の忍者に対して恐怖を覚えた柱間だがすぐに大蛇丸に攻撃を仕掛けるがそれを避けられ反撃に蹴りを食らう。

 

「舌で攻撃したことを後悔させてやる!」

 

 頭を打ったことによって軽く眩暈を起こしながらウツロは必死に印を結んで大蛇丸の舌を掴むと一気に凍らせた。

 

「うぐっ!」

 

 舌が凍らされたことにより悶えながらウツロへの拘束をとく大蛇丸。それと同時に柱間の拳が大蛇丸の腹に突き刺さる。その瞬間ウツロはクナイで攻撃した時につけたマーキングに飛び大蛇丸の背中から心臓にクナイを刺しそのまま地面に叩きつけた。

 

 激しい地響きとともに大蛇丸は地面にのめりこんだ。動かなくなった大蛇丸を見て安心するウツロに柱間が話しかける。

 

「やったか?」

 

「たぶん、心臓にクナイを刺したし死んだだろ」

 

 二人で大蛇丸を見ると確かに動かなくなった死体があった。しかし、ウツロには違和感があった。大蛇丸は死んだはずなのに霊体になっていない。そのことに警戒しながら周りを見ていると声が聞こえてきた。

 

「危なかった、もう少しで殺されているところだったわ」

 

 死んでいるはずの大蛇丸の口から新たな大蛇丸が出てくる。その姿に戦慄しながらも今度こそ殺そうと動こうとした瞬間、それよりも速く大蛇丸は口寄せをして大蛇を呼び寄せた。それによって大蛇丸の姿を見失う二人。

 

「邪魔だ!」

 

 柱間が木遁により大蛇を串刺しにする。しかし、大蛇を殺した瞬間にはすでに大蛇丸はいなかった。

 

「あなたたちとこのまま戦ったら殺されそうだから今回は逃げさせてもらうわ。でも決めた、あなたたちは絶対に私の物にしてみせる。うふふふ、ふふふふふ、あははははははは」

 

 不気味な笑い声だけが辺りに響き渡った。

 

「くそっ」

 

「やめておけ」

 

 追いかけようとするウツロの肩を持ち抑える柱間。

 

「離せ!」

 

「どこにいったのかも分からんし、このまま追ったら殺されるかもしれんぞ。お前さんは影分身に俺を憑依させたことに加えて何度も術を使ったからチャクラもギリギリだろう?」

 

「ああ」

 

 確かに柱間の言う通りすでにウツロのチャクラは限界であった。

 

「今回は殺せなかったが目的の一つである呪印とやらのことは少し聞けたんだ。ここまでやったら十分ぞ」

 

「……ふぅ、そうだな」

 

 ウツロは柱間の話に納得して一息つく。

 

「では、ウツロ少しでも安全な場所に移動するぞ。おそらくこの影分身を解いたらお前さんは倒れるからな」

 

「分かった。一日で戻るって言ったけど無理そうだな。サクラみんなを頼むぞ」

 

 そしてウツロが移動すると柱間が術を解いたことによってウツロは溜まった疲労により気絶した。

 

 

 

 大蛇丸はぼろぼろになった身体を引きずり逃げながら先ほどの戦闘で見た木遁で新たに思いついたことににやけながら走っていた。

 

「そうだわ、木の葉崩しをする際には歴代の火影を蘇らせましょう。猿飛先生の歪む顔が楽しみだわ」

 

 再び、不気味な笑い声が響いた。

 



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第三十話

 

 

 大蛇丸との戦闘から少し時間が経った。おそらくそこまで寝過ごしていないから二日目の朝だろう。少し寝たおかげか、それとも日頃の特訓のおかげか体調は万全の状態に成っている。

 

 正直な話、戦闘中や危機的状況ではあまり憑依を使いたくないのである。何故なら俺の体が特殊なのかは分からないが誰かに憑依されることによりその憑依した人物の体質的な物を自分の身体に適応させるようなことが俺の体では発生する。それにより木遁とかが使えるようになったのだが、その憑依されている状態で憑依してきた人物の術やら、つまり元々俺の体に無かったものを使われるとそれに適応するために身体が作り変えられる。その間は身体が休みを欲しものすごく眠たくなるのである。しかも憑依は普通に疲れるので睡眠欲求は加速するのである。

 

 昨日は柱間がハッチャけたせいで予想通り眠たくなってしまった。本当に寝ている間に誰かに襲われなくて良かった。

 

『それでこれからはどうする?』

 

「みんなと合流するために先になるかは分からんが目的地に向かう。そして向かっている途中に敵がいたら巻物を奪う感じで」

 

『まあ、そんなところだろう』

 

 俺は一先ずの目的を定めると走り出した。

 

 

 俺が樹の上を走っていると下の方に三人ほど、そして茂みの中にまたまた三人の人物を発見した。下の三人の近くには原形を留めていないが死体らしきものが転がっている。

 

 ……巻物を奪うと言ったがあの人たちの相手はしたくないなぁ。

 

 そういうことで素通りしようとしたら下の方からお呼びがかかった。

 

「やっと見つけたぞ、お前だけは絶対に殺してやる」

 

 恐ろしい声にもう一度下を見ると砂の手の様なものが俺を捕まえようと迫ってきていた。

 

「もうやだ! なんで忍者の世界なのにスパ○ダーマンの敵みたいなことしてくるやついるの!」

 

 何度目か分からないこの世界に対しての文句を言いながら手を避け俺に攻撃してきたであろう奴らの前に立つ。

 

「いきなり攻撃されたら困る。もっと穏便にやろう」

 

「黙れ、お前だけは許さん。俺の眼球を握りつぶしたことを後悔させてやる。カンクロウ、テマリ、こいつは俺が殺す」

 

 いきなりとんでもないいちゃもんをつけられた。どうみてもお前の目はちゃんとあるだろう。しかしこの三人のうち黒装束を着た人はこの一日で何かあったのか松葉づえをついている。しかも何故か怯えたような顔でこっちを見てる。

 

「いきなり変な言いがかりをつけるのはやめろ。どうみてもお前の眼の中に眼球あるだろ?」

 

「うるさい、とっとと死ね」

 

 言い終わるやいなや砂が襲いかかってくる。

 

「お願いだから会話を成立させて!」

 

 避けながら手裏剣を投げるが砂にガードされる。

 

「無駄だ」

 

「そう、我愛羅には最強の砂の盾があるじゃんよ」

 

 いきなりどうしたお前? 疑問に思いながらも聞き返す。

 

「砂の盾?」

 

「我愛羅の盾は絶対防御であり、我愛羅の意思とは無関係で発動する」

 

「丁寧な説明ありがとう」

 

 なんというチートなやつだ。しかし言わせてくれそいつの意思とは無関係で攻撃から守ってくれているのだろうが俺からは全くそうは見えない。何故なら……

 

『私の愛しの息子よ、あなたは誰にも傷つけさせはしないわ!』

 

 たぶん母親なのだろうかがめっちゃ全力で守っているからだ。試しにクナイを投げると……

 

『遅い! そんなものが当たるだなんて思わないことね! あはははははははは!』

 

 この様にとても嬉しそうに攻撃を防いでくるのである。俺の記憶が正しければ少し頭がおかしい類の幽霊と関わるとえげつない目に合うのでさっさと逃げよう。

 

 そう決めて逃げる準備をしようとしたら……

 

『奥さん、あなたのその行為は息子さんの未来を奪うかもしれません』

 

 なんで、そこでお前が出てくるんだ柱間!? しかもいつもと違ってすっごいきりっとした顔で話しているのが腹立つ。

 

『そんなことないわ! あの子は父親にも愛されず里からもやっかいもの扱いでずっと孤独に生きてきたのよ。だったら私が守るしかないじゃない!』

 

 さっきまでのテンションから変わって急に真面目な顔をする幽霊。それは前世で見た母親が怒っている途中で電話がかかって来た時にいきなり声が変わった時の様だ。

 

『あなたの気持ち十分に分かります。でも、それでも孤独で生きるのは辛いのですよ! あなたも分かるでしょう?』

 

『なら、どうすればいいのよ。死んでしまった私にはこれくらいしかできないのよ』

 

 ちなみにもの凄くシリアスな会話をしている最中だが戦闘は普通に行われています。結構必死に砂攻撃を避けています。もう逃げていいかなぁ。

 

『あの若者に賭けてみませんか?』

 

『あの我愛羅と戦っている子供ですか?』

 

『そうです。あなたの里では友達ができないかもしれませんが違う里ならできるはずです』

 

『本当ですか!?』

 

 本当ですか!? あんなクマの凄い人と友達にならないといけないの俺!?

 

『もちろんです。知っていますか、戦った後の友情を?』

 

 眩しい笑顔だなおい!

 

『それは、まさか、お前やるじゃねぇか、ふっお前もなってやつですね!』

 

 なんかそれ違う。

 

『そうです!』

 

 そうなの!?

 

『それには彼が勝たなければいけません。どうかあなたの息子に人と触れる機会を与えるために砂の盾を止めてあげてください』

 

『……はい』

 

 どうやら話は終わりのようだ。ただし俺にとってはとても困る方向で。何、本当にあの人と俺は今から友達になるの? 何かテンションが上がって来たのか凄い怖い笑みを浮かべているよ。

 

 嫌だと言う意味を込めて柱間を睨みつける。

 

『後は信じましょう彼らの未来を』

 

『はい』

 

 俺の未来は真っ暗になったよ。嫌だけどこのまま逃げたらあの母親に呪われそうだから頑張ろう。

 

 俺は避けるのを止め未来の友達(仮)を見ながら宣言する。

 

「お前名前は?」

 

「……砂漠の我愛羅だ」

 

「そうか砂漠ノ我愛羅か。少し賭けをしないか?」

 

「……何だ?」

 

「俺がお前に勝てば俺の友達になってくれ!」

 

 断ってもいいよ。

 

『ほら、私たちの願いが届きました!』

 

『はい、はい』

 

 やかましいぞ、柱間。そして奥さんまだ泣かないで。我愛羅は少し考えると返答してきた。

 

「俺が勝てば何をくれるんだ?」

 

 どうしようあげるもの物なにもない。来る途中で見つけた毒キノコとか駄目だよな。なら俺が勝てるのを前提に命とでも言っておこう。

 

「俺の命だ」

 

 もし殺されたら柱間を殺す。

 

「いいだろう」

 

 そう言って我愛羅は嬉しそうに砂で攻撃してきた。殺せるのが嬉しいのか? こんな友達物騒すぎるぞ。

 

 しかし、残念ながら砂よりも速く動ける俺は我愛羅の攻撃を掻い潜り、砂が防御してくれると信じて全く防御の姿勢を取らない我愛羅の顔面を殴り飛ばした。

 

「我愛羅!」

 

 我愛羅の仲間の声が響いた。

 

 

 それから数分して気絶していた我愛羅が目を覚ました。

 

「よっ、気分はどうだ?」

 

「……俺は気絶したのか?」

 

「我愛羅! 大丈夫かい?」

 

 我愛羅の仲間のうち女の方が急いで駆け寄る。そして我愛羅の仲間の女の方が我愛羅の身体を起こした。

 

 警戒して動かない我愛羅の仲間の男の横を通り過ぎ我愛羅の仲間近くに立つ。

 

「大丈夫だ」

 

「さて、賭けは覚えているよな?」

 

「ああ、賭けはちゃんと守る」

 

「じゃあ、俺はウツロだ。これからよろしくな」

 

 友達になると言われてまだ自己紹介していないことに気付いた。そんな俺の自己紹介に少し戸惑っているのか遠慮がちに我愛羅が話しかけてきた。

 

「だが、ウツロ、友達とはどうやったら友達なんだ?」

 

「さあ? よく分からんが自己紹介して握手してこれからよろしくって言ったら友達になれるだろ」

 

「……そうか、友達になるって簡単なんだな」

 

 我愛羅は支えられながら立ち上がると手を出してきた。それに応えるように俺も手を出し握手する。

 

「自己紹介はしたから、これからよろしくな我愛羅」

 

「ああ、こちらこそよろしくウツロ」

 

 俺たちは笑顔で握手した。

 

『我愛羅よかったねー!』

 

 そして我愛羅の母は上で泣いていた。

 

『俺の作戦のおかげぞ』

 

 そして俺は何度目か分からない柱間を泣かせると心に誓った。 

 



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第三十一話

 さて、柱間による強引な方法であったが我愛羅と友人になった俺であるが、今は試験中であり仲間である7班のみんなが待っているので俺は我愛羅と別れることにした。ちなみに草影に隠れていたキバ等は気付いたらどこかに行ってしまったらしくいなかった。

 

 そして流れること数日最終日になったというのに塔の近くにいるのに誰も来ない。

 

 もしかしてみんな脱落しちゃった? でも塔で会おうと約束したはずなのに来ない。つまりどういうことだってばよ? いかんナルトの口癖が移った。

 

 そして不安になること数分、周りを歩きはじめると何か叫び声が聞こえたのでそこに行ってみると探していた7班とカブトさんがいた。ちなみに幻術にかかっているらしく敵が地面に潜っているのに誰もいない所を殴っている。なので助けるべく俺は約束してあった変化をしてナルト達の所に向かった。

 

 

 ナルト達は苦戦していた。相手の幻術に嵌り、さらに長い時間森の中を歩いたことによる疲労も加わり非常に厳しい状況であった。

 

「こうなりゃやけくそだ!」

「止めるんだナルト君!」

 

 ナルトは叫ぶと同時に影分身をして敵に突撃した。しかし本物の敵は地面に隠れており当たるはずもなくナルトは攻撃が外れてこけてしまった。そこにチャンスとばかりに手を出しクナイで切りかかろうとした時、彼らに思わぬ事態が発生した。

 

「俺の仲間が世話になったようだな」

 

 それは美しい女性だった。黒髪は長く、引き締まった身体、そして何よりも高身長だった。彼女は地面から出ていた腕を掴むとそのまま男を持ち上げた。それはまさしくすばらしい絵画のワンシーンのようであった。誰もがその女性から目を離せなかったのだ。そのあまりの美しさに幻術を使っていた男は幻術を止めてしまうほどだ。そんな永遠に続くかと思われた静寂がナルトの一言により破られる。

 

「あ、イナリの母ちゃんだ」

 

「ふんぬぁああああああああああ!」

 

 名前を呼ばれたイナリの母ちゃんは丸太と思えるほど太い腕で男を殴り飛ばした。殴られた男は呆然としたまま吹っ飛んでいったのだ。

 

 

 そこからはすぐであった。幻術が解けたことにより相手の位置も分かりみんなで残りの二人を倒した。

 

「みんな久しぶり」

 

 俺が手を上げ近づくとみんなが警戒する。何故だ?

 

「お前がウツロだというのはその姿で分かる。ただ怖いからすぐに変化を解け」

「イナリ母ちゃんDXに何の不満がある?」

「あんた、イナリ君にトラウマを負わせといてよくそんなこと言えるわね」

「あれは、ほら、母ちゃんの新しい姿に感動しただけだよ」

「そんなわけないってばよ」

 

 久しぶりの再会に会話を弾ませているとカブトさんから先に進もうと提案され運よく探している方の巻物があったので回収して進み塔の前で解散した。塔に来る途中サクラにはサスケが一先ず大丈夫そうであることは伝えておいた。

 

 その後塔の中に入り巻物を開いてイルカ先生からのありがたい言葉をもらってそのまま部屋を移動した。そこで三代目のまたまた難しい話を聞きこれで試験が終わったのかと思ったら今からさらに人数を絞るらしく一対一のタイマンが行われることになった。

 

 正直このまま眠りたい。

 

 そう考えているとカブトさんが手を上げ棄権すると言い出した。ナルトが驚き理由を尋ねるとどうやら身体がぼろぼろらしい。

 

「僕は棄権するよ、身体がぼろぼろだし。それに命の危険があると思うと」

 

 ここで前世の経験から俺は彼を引き留めないといけないのではないかと考え始めた。確かにしんどいかもしれないでももう何回受けているのかも分からない状況なんだ諦め慣れしているのかもしれない。それでも少しでもチャンスがあるなら手を伸ばすべきなんだ。

 

 そう考えた俺はカブトさんに叫んでいた。

 

「諦めんなよ! まだ速いって、諦めるには。諦めたら試合終了だって誰か言ってたし、それにここで諦めたら一生下忍暮らしですよ。 他の人が敵に手裏剣投げてる中、カブトさんだけゴミ箱にゴミを投げて喜んでいることになるんですよ。だからもう少しだけ、後少しだから!」

「…………ありがとう」

 

 それだけ言ってカブトさんはナルトには優しい笑みを俺には親の仇を見るような目で去って行った。……受かったらの話だけど来年はカブトさんが後輩になるのかな。

 俺は感傷に浸りながらカブトさんの後ろ姿を眺めていると先ほどから司会をしていた死にそうな顔をした人の話が再開された。

 

 ちなみに後ろでサクラが痣のことでサスケの棄権を進める中、サスケは俺は復讐者だとか強いか弱いかの答えが欲しいとか言ってるけど下忍だから弱いのが普通じゃないの?とは言わないでおこう。それより気付いてみんな君たちの話に聞き耳立ててるよ。なんか眉毛の濃い先生なんか凄く表情キラキラさせているし。俺は他人のふりをしていよう。  

 

 くぅ~、あんな青春している若者の中に入れないぜ!

 

 そして何故か無駄に進んだ科学力?による電工掲示板で二人の名前が出た。サスケとサングラスしてないのにサングラスみたいな目をした人との試合が始まった。

 

 その試合中柱間が話しかけてきた。

 

『おいウツロ、あの♪を付けた奴らの先生を見てみろ』

「ん? ああ、あのかわいらしい額当てのところの。 あの先生がどうかした?確かになんか気持ち悪いけど」

『森で戦ったやつぞ』

「あ、やっぱり。でもこんなところでは襲ってこないでしょ」

『おそらく大丈夫だが問題はそこじゃない』

「と、言うと」

『ただ、あのうちはの小僧に痣を付けに来ただけならすぐに帰るだろうしおそらく碌でもない事を考えているぞ』

「例えば?」

『そうだな……俺の経験上あやつは戦争をしようとしているに違いない』

「んな馬鹿な」

『だが、無いと言いきれん。だからウツロお前にしてもらいたいことがある』

「何すればいいの?」

 

 嫌な予感がしてきた。

 

『なに、簡単ぞ。木の葉が戦争ではすぐに負けない事をアピールしろ』

「……つまり、派手にやれってこと?」

『そうだ。ただし手の内はあまり見せるな。分かったな』

「正直嫌だが、諦めよう。戦争は嫌だしな」

 

 こんな会話をしているとサスケは勝利して次の対戦カードが表示された。そこには俺と知らない人の名前があった。とにかく試合する場所に降りると『死』と書かれた服を着ているロックな少年だった。

 

 さて、派手にと言われているがどうしたものか。……圧倒的強さをアピールするためにかっこいいセリフを言えばいいかな。なら、あのキャラで行こう。

 

 

 のちにこの試合を見ていたものは口を揃えて言った『あいつに勝てる気がしないと』



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第三十二話

遅れてしまったことに加えて、感想の返信などができずにすみませんでした。


 

 ウツロ、この名前を木の葉の忍びが聞けば誰もが、ああ、あのやばいの、と口を揃えるほどに常軌を逸した行動をする下忍である。

 

 ある時は火影岩を改造し、ある時は拷問ではと思われるほどの修行をしたり、と普通の忍とは違う行動をすることが多い。

 

 これは本人にしか分からないがこれらの行動の犯人は柱間や扉間といった変人であってウツロは無実なのだがそれを知っているのは生きている人間では一人しかいない。

 

 そんなウツロの試合なのだから必然的に注目が集まる。

 

「なあ、カカシ。結局のところウツロの実力はどれほどなのだ?」

 

 尋ねたのは眉毛の濃い先生、マイト・ガイである。

 

「ん~、たぶんだが下忍、いや中忍でもあいつに勝てる奴はいないんだろうな」

 

「え? ウツロってそんなに強いんですか?」

 

 カカシの解答に驚いた声を上げたサクラはカカシの方に振り返る。

 

「強いよ、だって水分身とはいえ再不斬を倒しているし、俺もあいつに負けたし」

 

「なに!?」

 

 驚くガイを無視してカカシは言った。

 

「とにかく、この試合をみれば分かるでしょ」

 

 カカシが見守る中試合が始まろうとしていた。

 

 

 試合会場で見つめあうウツロとザク、そして審判が立っている中でウツロが話し始めた。

 

「お前さん、片腕折れてるじゃないか。そんな状態じゃあまともに試合も出来ないんだから降参した方がいいと思いますよ」

 

「はっ、やっとお前を殺せるチャンスが来たんだ降参する訳ないだろ」

 

「そりゃ、残念ですね。ほっほっほっほ」

 

 普段とは違う話し方をするウツロに違和感を覚えている者が数名いる中、ウツロは肩を竦めやれやれといったポーズを取るウツロに怒りが湧いたザクは静かに怒りを沈める。

 

「では両者尋常に初め!」

 

 開始と同時に距離をとったザクと違いウツロは動かない。それを不審に思ったザクは距離を保ちながらも睨みつける。

 

「どうしたのです、さっさと来なさい。そんなに怖いなら片腕だけでやってあげましょうか?」

 

「なめやがって! 吹っ飛べ! 斬空破!」

 

 ザクは得意技である手から空気砲を放ち、そして直撃した。観客がどうして避けなかったのか不思議に思っているなか舞いあがっていた埃が次第に落ち着いた。するとそこには無傷のウツロが立っていた。

 

「ふ、ふふふ、埃を巻き上げるだけの技にそんなかっこいい名前を付けるなんて掃除が好きなのですか?」

 

 信じられないような者を見るザクにウツロはさらに笑いかける。

 

「やっぱりザクでは駄目ですね。せめて、ドムぐらいでないと」

 

「何を言ってるんだてめぇ!」

 

 ザクは怯えながらも近距離ならどうにかできると考え一気に距離をつめ、そして再び斬空破を放った。

 

「この距離ならくたばっただろう」

 

 息を切らしながら呟いたザクに聞きたくない声が再び聞こえる。

 

「あれでくたばると思っているなんておめでたい頭ですね」

 

「なっ!? う…そだろ」

 

 やはり無傷で立っていたウツロに恐怖しながら一歩後ずさるザク。そこにウツロが話しかける。

 

「そう落ち込まないでください。あなたの実力は大したものですよ。そうですね、忍者ではない成人男性の戦闘力を1としたら、あなたは5ぐらいありますよ」

 

 はたして、それが励ましの言葉のかどうなのか混乱しているザクにウツロはそれはもう楽しそうに言う。

 

「ですが、あなたは所詮戦闘力5のゴミです。ちなみにですが、私の戦闘力は53万ぐらいですかねぇ」

 

 ゴミと言われ憤りを感じるもその後言われた53万という数字に驚愕を隠せないザク。普通なら信じないが自分の全力の技を無傷で耐えたことがウツロの発言に信憑性を持たせていた。

 

「では今度はこちらが攻撃させていただきましょう。そうですね技名は出栖美射無(デスビーム)とでもしましょうか」

 

 そう言うとウツロは人差し指をザクに向けた。そして

 

「出栖美忌無!」

 

 指から放たれた何かはザクの顔を横ギリギリを通り過ぎると後ろの忍者の像の指を粉々に破壊した。

 

「ほっほっほっほ、かなり加減したのですがまだ強いみたいですね」

 

 ウツロは今度は指を少しずらし今度はザクの頭に狙いを付ける。これに恐怖したザクは降参しようと声を上げようとしたが

 

「こ、こう、ぐは!?」

 

「おいおい、こんなところでそんな興ざめなことしないでくださいよ。正直ね、私はあなた方音の忍が許せないんですよ。私の大切な仲間に手を上げたことがね」

 

 腹を押さえてうずくまっているザクを見降ろしながらさらに呟く。

 

「だからよぉ、覚悟しろよ音の虫けらどもめ、俺と俺たち木の葉と戦うつもりならな!」

 

 人が変わったように叫んだウツロはザクを持ち上げ観客席にいた音の教師に全力で投げつけた。

 

 投げつけられた教師は予想外だったらしく高速で飛んでくるザクに反応が遅れ直撃し後ろの壁へと叩きつけられた。

 

 それを見届けたウツロはそのまま観客席へと歩き出し、それを見ていた審判は急いで勝者の名を叫んだ。

 



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第三十三話

 音の里の彼との死闘(?)に無事勝利した俺は自分たちの班のところに戻ってきた。

 

「さすがウツロだってばよ!」

 

「ありがとう」

 

 ナルトと話す傍ら周りの人を見るとドン引きした目で俺を見ている。止めて、そんな目で俺を見ないで。

 

「それより、あの、デスビームってどうやったら打てるんだってばよ?」

 

「それはな……」

 

「それは」

 

「三回変身できるようになったら、自然とできるようになるさ」

 

 本当はチャクラを発射するだけです。

 

「へ? ウツロは三回も変身できるのか⁉」

 

「できる。余裕でな」

 

 俺の肉体はあいつらの修行で何回変身させられたのだろう。考えるだけで泣けてくる。

 

「それよりトイレ行ってくるわ」

 

 そう言って俺はナルトたちと別れた。

 

 

__________

 

 

 そして、トイレの中。俺は便器に座り考える。

 

 恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしいいいいいいい。何、確かにデスビーム打てたのは感動したよ。でも、あの口調に最後の音の里の人に人間を投げつけたのって明らかに変人じゃないか‼

 

 これから、どうやってあの里で過ごせばいいの? 確かに柱間とかが変なことやって軽く(たぶん)変人扱い受けてたけど、これで俺自身も変人ですってなったみたいじゃないですかぁ!

 

 でも、フリー〇様になれたのは嬉しかった。ゴールデンになり、敵キャラのラスボスみたいな立ち位置でありながら悟〇たちと共に大会に出るぐらいの重要キャラになったあのフリー〇様に。

 

 そんなこと考えていると柱間が話しかけてきた。

 

『いい感じだったぞ、ウツロ。あれだったら、他の木の葉の忍も勘づくだろう』

 

 お前には俺の今の気持ちに勘づいてほしい。

 

「そりゃどうも」

 

『ここから先は相手がどうやって動くかは分からん。だから、油断せぬように行くぞ』

 

「了解です」

 

 一先ず柱間との会話を終わらせ会場に戻るとナルトの試合が終わったところだった。

 

 嬉しそうに帰ってくるナルトを見ながらカカシ先生が話しかけてきた。

 

「やけに長いトイレだったな」

 

「人間にはそういうこともあるでしょ。カカシ先生もトイレで50分遅刻してきたことありましたし」

 

「……そうだな。人間、トイレに籠りたいときがあるよな」

 

「ええ、ありますとも」

 

「あんたら、なんて話しているのよ」

 

 サクラに呆れられながらも会話をしているとナルトが戻ってきた。

 

「へへ、見たか! 勝ったってばよ」

 

「ああ、成長したなナルト」

 

「俺も勝つと信じていたよ」

 

「トイレにずっといたくせに何を言ってるんだってばよ‼」

 

 トイレに籠ってただけで世間はこんなにも冷たくなるのか⁉

 

 ショックを受けながら次の試合を見る。

 

 この試合は日向ネジと日向ヒナタ。似てるから兄妹かな? てかネジって我が家の疫病幽霊の息子じゃね? あの優しくて優秀で、なんかいっぱい褒められてた人。

 

 そう思いながら試合を見てみる。

 

 ??……??…⁉

 

 なんか聞いてた人と違う。ポケ〇ン風に言うと‘行けピッピ!’て言ったからかわいいの出てくると思ったらニックネームがピッピのゴーリキーが出てきたぐらい話が違う。

 

 ヒザシさん、おたくの息子はかなりグレてますよ。ドン引きしていると、試合が終わり、ネジが勝った。

 

 感想を言わせてもらうと、あの目ってそんな能力があったんだなって思いました。

 

 つまらないことを思っていると次の試合、我が友、我愛羅と眉毛先輩の試合が始まった。

 

『我が息子に触れられると思うな‼』

 

 相変わらずあの母さん荒ぶっているなぁ。

 

 眉毛先輩は攻撃が全て防がれたことを気にせずに今まで付けていたらしい気、錘を外した。

 

 その錘を落とした瞬間地面が爆発した。みんなが驚く中、俺と柱間はおそらくこう思っただろう‘あの段階の重さ懐かしいなぁ’と。

 

 そうだよね、あの重さ、普通だったら驚くか引くレベルだよね。ハハッ、なんか泣けてくるぜ。

 

 そして錘を外した眉毛先輩は早かった。

 

『え⁉ ちょ… 早い、てか見えない。あっ、セーフ。何とか防げたぁ。オノレ~、ちょこまかと動き回りよって眉毛が‼ ああ⁉ てめぇ我愛羅に蹴りを入れやがったな。絶対に許さん‼』

 

 我愛羅ママが焦るぐらい早い。てか女性の幽霊って迫力あるなぁ。

 

 我愛羅ママの奮闘により攻撃を防ぎ切った我愛羅に対して、ついに眉毛先輩は奥の手を切った。

 

 それは八門遁甲といい、全部で八個のリミッターを外していき全て外せば絶大な力を手に入れる代わりに死ぬらしい。正しく決死の覚悟の術といえるだろう。

 

 そして最後までリミッターを外せば火影を超えることも可能らしい。

 

 命かけないと越えられないってあいつら化け物かよ(いまさら)

 

 最後の攻撃が始まる。

 

『かかって来いよ、眉毛。命なんか捨ててよぉ‼』

 

 我愛羅のやる気ではなく我愛羅ママのやる気に少し引いてしまう。

 

 そして始まる攻撃。

 

『嘘‼ 何も見えない⁉ 私はなんて無力なの⁉』

 

 我愛羅ママは敗れたようだ。

 

 しかし、本人たちの戦いは続き、最終的には我愛羅が勝った。

 

 しかし、眉毛先輩の根性には忍に命を懸ける意味を考えさせられた。

 

『ウツロにもあれを覚えさせるか』

 

 やめてください、命捨ててまでお前を超えたいなんて考えたくないです。

 

 その後、チョウジが音の包帯男と戦い、あっさり負け予選が終わった。

 

 

_____

 

 

 そして勝ち残ったのはナルト、ネジ、砂漠の三人、俺、シカマル、シノ(不戦勝、最後まで呼ばれずに悲しげだった)、音の包帯、サスケの10人である。

 

 次の試合はトーナメントによる勝ち残りらしく、試合の順番はくじ引きで決めるらしく俺は包帯男と戦うことになった。

 

 彼の方を見た瞬間体をビクッと震わせたのが印象的だった。

 

 そして三代目火影からの言葉で俺は絶望のどん底へと叩き落された。

 

「これより本戦までの間、1か月間の修業期間とする」

 

 後ろで喜ぶ柱間の前で涙を流した。

 



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第三十四話

 三代目火影の解散の声でみんなが分かれる中、俺は修業期間が与えられ絶望の淵にいた。今までは任務のおかげで修業期間も短かったが一気に1か月もするとなると死んでしまうかもしれない。どうにかするしかない。

 

 俺がなんとか対策を練っていると隣ではナルトがサクラにカカシ先生の居場所を聞いていた。

 

「カカシ先生の元へ行くのか?」

 

「ああ、先生に修業をつけてもらうってばよ!」

 

 その時、俺に雷が落ちた! そうだよ、修業ってあいつら以外に頼めば逃げられるじゃないか。その発想が抜け落ちていた当たり俺は洗脳されていたのかもしれない。

 

「俺も一緒に行くよ」

 

「え、ウツロも行くのか?」

 

「ああ、サスケも気になるしな」

 

「じゃあ、行くってばよ!」

 

 こうして俺は自分の命を懸けた修業頼みをしに行くことにした。その後ろで悪魔が叫んでるのを無視して。

 

 

 病院でカカシを無事に発見したウツロとナルトは早速、修業をつけてくれるように頼み始めた。

 

「カカシ先生修業をつけてくれってばよ!」

 

「先生、修業着けて下さい。お願いします、死にたくないんです」

 

「すまんが、俺はサスケの様子を見ないといけないから無理なんだ。代わりと言っては何だがナルトは別の先生にお願いしておいたよ」

 

 そう言ってカカシの横に現れたのはサングラスをかけた男である、名前はエビスである。彼はエリート専用の家庭教師みたいなものである。

 

 彼と因縁があるナルトが文句を言ったが説得された。一方でウツロは……。

 

「先生、俺にも誰か先生を。カカシ先生じゃなくてもいいです。本当に誰でもいいですお願いします」

 

 切実に訴えかけてくるウツロに対してカカシは困り顔になる。なぜなら、ウツロが自分に修業をつけてくれと頼みこんでくると思っていなかったからだ。実際にウツロは自分で修業をしていることが多く、下忍の中でも一番強いといっても過言ではないからだ。

 

 そんなウツロに修業をつける方法を持っていないカカシは困り果てた。

 

「お前は十分に強いし、自分で特訓してみたらどうだ?」

 

「そんなこと言わねぇでけろ、おら死にたくないんだぁ、このままじゃ本戦にでることもできなくなっちまうだ!」

 

「え…ええ?」

 

 急になまり出した言葉に少し引くカカシ。死にたくないとは中忍試験で危険な目に合うということだろうと考えたカカシはウツロに真実を伝えることにした。

 

「ウツロ、正直に言うとだな、お前は強い。下忍だけならお前に勝てる奴は絶対にいないだから……」

 

 そこまで言っていると急にウツロが叫んだ。

 

「甘やかすな!」

 

「え…ええ?」

 

 本日二回目、今度はドン引きである。

 

「こいつが強いのは認めよう。だからと言って絶対なんて存在しないのだ! 分かったか!」

 

「……はい」

 

 急になんで怒られてるの俺?と意味の分からなさに疑問を覚えるカカシ。しかしウツロは一人で‘これだから最近の若者は’と言っている。

 

 お前よりも長生きしてるよ。そう言いたいけど言えないカカシ。

 

「ではな俺は今から忙しいから1か月に会おう。それと気をつけろよ。少しきな臭いものがある」

 

「え、ええ。分かりました」

 

 なんで教え子に敬語使ってるの俺?と本日何度目か分からない疑問を浮かべながら、言っていることは正しいので納得はしておく。

 

 そして走っていくウツロを見ながら盛大にため息を吐いたのだった。

 

 

「HA・NA・SE-!」

 

 ウツロです。カカシ先生と話していたら知らないうちに体を乗っ取られてました。最近になって気づきました。俺が幽霊に対して強くなっていると思ったらこいつらも強くなっていました。もう泣きそうです。

 

 そうこうして柱間が影分身の体を乗っ取てホワイトボードに今回の計画を書き込んでいます。

 

 ちなみに私は体を縄で縛られている上に金縛りの術を食らっています。逃がさない気満々だな。

 

「さて、意見をまとめよう今回の修行だが砂漠でしようと思う」

 

「賛成」

 

「反対!」 

 

「それでだ、面白いことを考えた」

 

 あれ、俺の意見は?

 

「それはいったい何ですか?」

 

「この前、夜中に滝を作らせただろう」

 

「ああ、あれは見事なものだ。木の葉の芸術家(幽霊)に頼み完璧なものを作り上げたからな」

 

 扉間が言っているのは中忍試験前に作ったものである。土遁や木遁、水遁、風遁などあらゆる術を行使して作った大変すばらしいものである。

 

 しかし、木の葉では1日、しかも夜中にいきなり完成した滝だから大きな騒ぎとなった。今も作った犯人は捕まってないらしい。俺だからな!

 

 なんか幽霊に‘君、芸術の才能あるよ’とか褒められながら作ったのである。ちょっと褒められて嬉しかったです。

 

 ちなみにその滝は竜神の滝と名づけられ木の葉名瀑布に数えられ観光客が絶えないそうだ。しかも奇跡みたいに1日でできたことからその滝には神様が宿っているとかなんとか。そこで告白すると絶対に成功するなんて噂もある。

 

 俺としては観光客に言いたい。‘ごめんなさい、作ったのは普通の下忍で、その滝に宿っているのは怨霊ですよ’と。

 

「それでその滝がどうした?」

 

「いや、滝のことはどうでもよい。ただ、砂漠に作ってみたくないか。オアシスを」

 

「……それはいいな」

 

 お前、真面目に考えてないだろ扉間。他の木の葉の忍びも‘それだ’とか言ってやがる。オアシスとか忍術で作るのは無理だろ。……できる気がしてきた。

 

 しかし、俺を無視してどんどん決めっていく計画。このままでは貴重な1か月が砂漠の地獄ツアーへと変貌してしまう。

 

「待ってくれ、俺はすでに一人の忍者だ。ならいつまでもみんなに頼っているわけにはいかない。だから自分でやらせてくれないか?」

 

「一人でオアシスを作るのか?」

 

「ちげぇよ! なんでオアシス作るのが普通になってるんだよ。違う修業をしたいんだよ」

 

 俺のセリフに少し考える、幽霊ども。すると扉間が言った。

 

「お前の言うことも一理ある。しかしだ、下忍とはまだまだ他人に師事してもおかしくないはずだ。ならばまだまだ頼ってもいいだろう」

 

 なんでこんな時だけ、大人らしいこと言うのぉ。

 

「でも……」

 

「まあ、待て。それならば少し試してみようではないか」

 

「何を?」

 

 いやな予感がビンビンするぜ。

 

「兄者に聞いたところお前は、指からチャクラの塊を出して攻撃したらしいな」

 

「そうですけど」

 

「なら、人差し指だけで我らと鬼ごっこをしよう」

 

 その理屈はおかしい。

 

「そうだな、我らから2時間逃げきれたら、一人での修業を認めよう」

 

 ええ…。普通に走ってもしんどいのに人差し指は無理じゃね。

 

「せめて手のひらは認めてください」

 

「認めよう」

 

「ありがとうございます」

 

 感謝しながら思った。どっちにしろ厳しくね?

 

「さて今日からやりたいことだがさすがに中忍試験明けに厳しいだろうから今日は休みとしよう」

 

 ほっとした俺だが、明日には地獄が来ると思うと泣きたくなる。

 

「それと……」

 

 まだ何かあるのかと、見てみるとみんなが俺のほうを見ながら言った。

 

「本戦出場おめでとう!」

 

 ……なんだかんだこの人たちのことが俺は好きらしい。みんな頭のネジを無くしてるけど。

 

「ありがとう!」

 

 この日はみんなに褒められながら笑い過ごしたのだった。

 

 ちなみに夜中に逃げ出そうとしたが失敗したのだった。



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第三十五話

『では紹介していこう、今回、お前を追い詰める鬼の皆さんだ。この人たちは‘あの世木の葉連合’でもあるぞ』

 

 昨日の夜に逃走を失敗した俺は今日、再び捕縛されながら柱間の演説を聞いていた。鬼の皆さんはなんか恐ろしい人ばかりです。あれかな、木の葉はヤクザの集まりかな。しかも意味の分からん連合も作ってる。

 

『いちいちみんなを紹介するのはめんどくさいので……』

『え?』

『ひとまとめに俺と一緒に木の葉の里を作った忍びの人たちとかだ。ちなみに日向の初代や奈良家、秋道家もいるぞ』

 

 鬼のみなさんがちゃんと紹介しろよみたいな顔をしているぞ。

 

『今回のルールは簡単、お前が12時にこの家から逃げ出す。そしてその10分後に俺たちが追いかける。鬼に気絶させられたらお前の負けだ』

 

 ん?

 

『ここまでで、質問は?』

「一つ目、あの世木の葉連合って何?」

『うむ、それはな俺がお前が任務に行っている間に暇だったのでそこらへんで浮いていた幽霊をスカウトして作ったものだ。生前は殺し合った者も多くいたがここではそんなこと忘れて最強の忍を作ろうとみんなが協力してくれているぞ。最終的には他の里も入って忍び大連合になる予定ぞ!』

 

 馬鹿なの?

 

 いやいや、それにしてもそんなの無理でしょ。生前殺し合いしてたのに仲良くなれないだろうし。確認のために千手一族と仲の悪いらしいうちはの人に質問する。

 

「あの、尋ねにくいことなのですが生前の柵ってそんな簡単に忘れないですよね、イズナさん?」

 

 この人はうちはイズナさん。詳しいことはよく知らない。

 

『うーん、まあ確かに俺もそこの扉間のくそ野郎に殺されたけど、そこまで深くは考えてないよ』

 

 絶対に嘘だ。今ぽろっと憎しみの声出した。

 

『ウツロはまだ生きているから分からないかもしれないけど、死んだら意外と何もかもどうでもよくなるんだよね生きていた時のことが。扉は死ね』

 

 ……笑顔でめちゃくちゃ言うな。ほら扉間も眉がぴくって動いている。

 

『けど、大切な人のことはどうしても忘れられないかな。I WANT TO DESTROY THE DOOR』

『おい、いますぐ貴様をあの世に送ってやる。着いてこい』

『行くのは貴様だ!』

 

 部屋の中で止めてくれぇ。こんなハイレベルな殺し合いみたくないよ。しかも、幽霊って成仏以外では消えないらしいから満足するまで止めてくれないんだよな。

 

『他に質問は?』

「じゃあ、気絶したら負けって何? 普通タッチしたら負けだよね」

『タッチで終わったらつまらんだろう?』

「知ってた」

 

 お前がそういうくそ野郎だって。

 

『さてもう質問は無さそうだしさっそく始めるとするか。ほれさっさと影分身せい!』

 

 命令された俺は渋々影分身を複数した。

 

「先に言っとくけど変化だけはしてくれよ。俺が俺を追いかけるなんて恥ずかしいからな」

『あい、分かった』

 

 本当かよ。俺は疑う気持ちがありながらももうどうでもいいと思い無視することにした。その結果、木の葉に新たな行事が加わることになるなんて想像していなかった。

 

 

 ここは温泉近くの川。ここでナルトは伝説の三忍である自来也に修業をつけてもらっていた。本来ならエビスがやる予定であったがいろいろあり交代したのである。

 

「ほら、エロ仙人飯を買ってきたってばよ」

「おう、ご苦労じゃったな」

 

 ナルトと自来也が昼食を摂っているとナルトが話し始めた。

 

「そういえばさ、さっき店に行ったとき大騒ぎだったってばよ」

「ん? それはなぜだ?」

「それがよくわからないんだけど、何か妖怪になったウツロが幽霊に追いかけまわされていたらしいってばよ」

「ちょっと意味が分からんのだが」

 

 ナルトもちゃんと分かっていないのか疑問を持ちながら話す。

 

「まず、ウツロが逆立ちで高速移動をしていたってばよ。注意しようと全速で走っていた中忍を軽く追い抜く速さで。あまりの速さにあいつが妖怪になったんじゃないかって」

「ほう」

「それに大きな声で‘それはあかん、ガチで死ぬ’って泣きながら走っていたって話を聞いたってばよ」

「今の世の中、妖怪でさえも殺されるんじゃのう」

 

 途中から理解の範囲を超えた自来也は適当に流すことを決めた。

 

「それで、幽霊の方なんだけど何でも死んだはずの人だったらしいってばよ。誰も使えなかった一族秘伝の術を使ったって騒いでいるのを俺も見たってばよ」

「そいつは凄いのぉ」

「ちゃんと聞いてる?」

「もちろん。それよりも早く修業を再開するぞ」

「俺、まだ食べてるってばよ!」

「なら、早く食わんか」

 

 こうして平和な修業を続けるのであった。

 

 

 ちょ、話が違う。

 

 どうもウツロです。泣きそうです。間違えた泣いています。

 

「おい、街中で術を使うなボケぇ!」

「これは術で無い。体術だ。八卦空掌!」

「ふぃわ!」

 

 日向のキチガイが飛びながら空気砲らしいきものを飛ばしてきた。俺はギリギリ、回避した。

 

 絶対に嘘だ、あんな攻撃が体術であっていいはずがない。

 

「よそ見するなよ、ウツロ!」

 

 横を見ると影が俺を追いかけてきた。

 

「ブースト!」

 

 俺は手から風遁で風を出し両手で空を飛び始める。ルールは破っていない。

 

「甘いわ! 超倍加の術」

「へぇあぁ」

 

 いきなり目の前に現れた巨人にハエたたきで叩き落された。

 

 地面に顔を付けながら俺は泣いた。木の葉は怪獣映画でも撮影してるのかよ。もしかしたらナルトとかが成長したら怪獣大決戦みたいなのしちゃうの?

 

「年貢の納め時だな、ウツロ」

 

 寝ていると柱間(謎の人物に変化している)が来た。

 

「これで、お前は俺の修行をするんだよ!」

 

 もしかしたら気絶している可能性のある俺に対して容赦なくかかと落とししてくる柱間。最後に思った。こんなことされたら修業できなくなるやん。

 

 そして潰された俺はボフンと情けない音を立てながら消えた。

 

「これは影分身か⁉ おのれ生意気な!」

 

 柱間は地団太を踏んだ。

 

 

 どうやら、俺がやられたらしい。しかし、始まった瞬間、つまりあいつらが待っているときに影分身しといてよかった。もしあれが本物だったら死んでたな。

 

 だが、そんなことはどうでもいい。このまま誰にも見つからずにこの森の中で隠れておこう。もちろん逆立ちでな!

 

 そうしてじっと耐え忍でいるとつぎつぎと俺がやられていく。そのほとんどがえげつない攻撃を食らってやられた。

 

 あいつら、弟子を何だと思っている。人は死んでも生き返らないんだぞ!

 

 あいつらの所業に怯えていると俺が逆立ち状態で作った起爆札が爆発した。

 

「嘘だ、ここがばれるには早すぎるだろ⁉」

「何だ、ウツロ知らなかったのか……」

「何を?」

「火影からは逃げられないと」

「うちはからは逃げられないと」

 

 ……待って、俺は誰と話している。おそるおそる振り返ると先ほど殺し合いをしていた扉間とイズナさんがいた。

 

「待って、どうしてここが分かったのか教えてくれ?」

 

 俺の質問に対してにやりと笑ったイズナさんが答えた。

 

「扉間と殺し合っていたらたまたまこの森に着いただけだ」

 

 自分の不運さが憎い。そして他人の体で何やってんだよ。

 

「まあ、一応、鬼ごっこには参加しているから気絶させてもらうよウツロ」

「諦めろ、それがお前の運命だ」

 

 扉間お前は悪魔だよ。こんちくしょう。

 

 俺はさらに逃げるべく走り出した。手のひらで。

 

 

 なかなか修業が順調に進まないナルトは少し落ち込んでいた。

 

「どうにもお前は気合が足りんなぁ」

「気合って、俺は全力だってばよ」

「全力とかじゃなくて、もっと死ぬ気でやれと言っとるんじゃ」

「死ぬ気って言われても」

 

 そう言って下を見ていると遠くから声が聞こえてきた。

 

「お願い、水遁は止めて!」

 

 ナルトが声のほうを見ると、先ほど話題になったウツロが川の上をものすごいスピードで走っていた。何故か逆立ちで。

 

「は?」

 

 師弟の声が重なった目の前ではウツロが水遁で吹っ飛ばれて水の上に浮いていた。しかし、次の瞬間には起き上がるとやはり逆立ちで逃げ始めた。

 

 ‘相変わらずウツロは頭がおかしいってばよ’とあまりにも酷い感想を浮かべているナルトの横では自来也が真面目な顔をしてウツロを見ていた。

 

 ‘あやつはナルトと同じ班の下忍だったはず。それにしてはかなりやるようじゃのう’と称賛していた。そして噂が真実であると確信した。あいつは頭がおかしいと。

 

 目の前では2対1で格闘が行われている。

 

「お前ら、手を使って恥ずかしくないのか! 男なら足だけで戦え!」

 

 お前の格好はどうなの?と思う外野。

 

「格闘とは手を使うものだろう」

 

 うん、そうだね、と思う外野。

 

「情けない、一流の忍者なら足だけで勝てるだろう!」

 

 エロ仙人ならできる?と見るナルト。それは無理と首を振る自来也。ちなみに今でも熱い戦いは行われている。ウツロは逆立ち状態なのにバンバン水遁を出している。

 

「お前だって印を結んでいるだろうが!」

「逆立ち状態で印を結んでいるんだ! こんなもん手を使っているうちに入るか!」

「入るわ!」

 

 その後も戦闘を繰り返したが、最後には水遁を二人に使われ流されたウツロが水に浮かんでいた。その光景はあまりにも涙を誘ったと後のナルトは語った。

 

 ウツロはそのまま二人に回収された。水遁を食らう直前に俺は生きて帰るんだ!と叫び頑張って水遁で対抗していたウツロはかっこよかった。

 

 回収されるウツロを見ながら自来也は言った。

 

「あれが死ぬ気でやるということじゃ」

「ああ、わかったてばよ」

 

 もし、ウツロがいたら言っただろう。‘これは死ぬ気じゃなく、生きる気でやったんだと’しかしこの言葉は誰にも届かなかった。

 

 そして、この日は死者が帰って来て、子孫を守るために戦ってくれる日として木の葉では1週間の祝日として大事にされるのだった。

 



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第三十六話

遅れながらも皆さま明けましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いします。


 扉間とイズナさんにより連行されて自宅に戻ってきました。木の葉の里の皆様の視線がとても痛かったです。

 

 自宅で白に治療されながら涙を流す俺。俺が捕まったことを知ったあの世の亡者たちから‘てこずらせやがって’と言われました。こいつらの魂全て焼き尽くしたいです。

 

 白さんの治療が終わらなければと思っていても終わりは来るもので、終了と同時に俺は砂漠に行くことになった。白さんの苦笑いが俺の癒し。

 

 

 木の葉を出て数時間、砂漠に着いてしまった。辺り一面砂しかない。こんなところにオアシスとか絶対に無理だ。

 

『さて、この辺りでいいか。ほれ早速オアシスを作れ』

「ごめん、せめて作り方教えて。無理ならオアシスの造りのマニュアルちょうだい」

 

 俺の質問に黙る幽霊ども。こいつら作り方絶対に知らないだろう。

 

『忍者とは自分で進む道を切り開かなければならない』

「それで?」

『今がその時だ』

「知ってた」

 

 やっぱり駄目だわこいつ。

 

『ふ、ここは俺に任せとけ』

「おお、あなたは博識で有名な奈良家の人」

 

 シカマルと髪型が同じだ。

 

『簡単に説明するとだ、地下水脈を見つける。そして穴を掘る』

「それで?」

『後は分かるだろう』

「……」

 

 こいつらやっぱり駄目だわ。この人の‘分かるだろう’って言った時のどや顔がさらに腹が立つ。

 

 やはり、信じられるのは俺しかいないようだ。

 

 ここで考える、地下水脈ってどうやって探すの? 水遁で無理矢理池みたいなの作っていいかな? 俺の胃液100%の池になるけど。

 

 頭を悩ましていると日向の人が話しかけてきた。

 

『一先ず白眼で地下を見てみたらどうだろうか?』

「覗きの時に悪用できそうなやつですね」

『そんな使い方されると悲しいな。……は⁉ もしや日向は覗きの一族と言われているのかもしれない? そんなことはないはず」

 

 何かぶつぶつ言っている人は無視して発動する。改めて思ったけど白眼便利だね。

 

 しかし、白眼はとても気持ち悪くなる。透けるは遠くは見えるわであまり好きではないんだよな。

 

「うーん、何となく水っぽいのがあるかな」

 

 暗くてちゃんと見えないが流れがあるのは分かる。

 

『それだ! 掘れ、ここ掘れ!』

 

 何でそんなにテンション上がっているの?

 

 俺の疑問に答えてくれないので風遁で砂を弾きながら、途中で土遁で穴の周りを固めていると日向の野郎がいらないことを言った。

 

『その風、回天に似ているね』

『あ、それ俺も思ったわ』

『俺も俺も』

 

 無視して穴掘りを再開する。すると、

 

『ストップだウツロ! やり方を変えよう』

「どうやって?」

 

 そして始まる、間違った修業。

 

 俺は穴の中心に立っています。周りを見てください。幽霊どもが大量の手裏剣を持って立っています。

 

 これから何が起こると思いますか? そうです、全員が一定の間隔で投げてくるそうです。

 

 これっておかしくありません? しかもすごいんですよ。‘回天って何?’って質問したら‘チャクラ出しながら回る。それだけ’って説明されたんですよ。

 

 意味がわからねぇよ。チャクラ出しながら回ってどうするんだよ。デジ〇ンのウォーグレ〇モンみたいにブレイブトルネードするの? 途中で生き埋めになっちゃうよ。

 

 そんな感じの文句を言ったら、敵の攻撃を弾く技だと教えてくれた。ちなみに実演付き。

 

 やっと、やり方を理解したと思ったらいきなりこれだもん。やってられないな。

 

 そう思っていても容赦しないのがこいつら。

 

『では早速始めるぞ』

 

 そう言って投げてくるのを見様見真似でやる。するときちんと弾けた。

 

 ……やるやん俺!

 

『ふむ、やはりできたか。これも日向が何度も憑依して回ったおかげぞ』

『それほどでもございませんよ』

 

 知ってた。そんなことだと思っていた。

 

 そして始まる、的当て大会。的は俺だ!が開催された。俺は必死に回った。遠くに弾くために無駄に大きく回った。何故なら。何を思ったのか起爆札付きのクナイをたまに混ぜて投げてくるからだ。

 

 近くに落としたらダメージが入ります。

 

 そんなことを続けて半日、日が落ちてきたところで今日は終了となった。何回転したか分からなくなっている。一応、結構掘り進められたようだ。

 

 野宿のために木遁で家を出して寝転がる。

 

「……俺の夕飯は?」

『え? 知らんぞ』

 

 急展開、俺は飯を忘れてしまったようだ。

 

『都合がいいな。行くぞウツロ』

「行くってどこに?」

『ハンティングだ』

 

 あ、現地調達ね。

 

 

 歩いていると俺の目の前に見上げるほど大きなサソリが現れた。

 

「これは何?」

『サソリぞ』

「俺の知ってる蠍と違う」

 

 蠍は鋏をしゃきんしゃきんと研いでいる。

 

「食える?」

『食える!』

「よしゃあああああああああああああああああああああああああ」

 

 地獄の訓練によって疲労が溜まっていた俺は我武者羅に蠍に襲い掛かった。蠍の固いはずの甲羅は俺のパンチによって砕け。蠍の針は俺の回天によって弾かれ。蠍の鋏は風遁によって切断された。

 

 そう、俺は無事に蠍に勝ったのだ。俺は拳を振り上げて言った。

 

「俺、人間やめてない?」

『忍者と人間は紙一重と昔から言うぞ』

「初耳だわ」

 

 ちなみに帰宅して食べた蠍は美味でした。

 



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