東方吸血録 (Hanrei284)
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第1話 第二の人生

どうも、Hanrei284です
訂正版第1話、投稿致しました
割と内容が変化していると思いますが、そのことも踏まえ、よろしくお願い致します
始めましての方はこれからよろしくお願い致します

では第1話!ゆっくりしていってくださいね!


…ここは何処だ?

そう思いながら辺りを見回すとただただ白い世界が広がっていた

 

「すまぬのう…儂の手違いでお主が死んでしまったのじゃ…」

 

目の前に立っていた老人が申し訳なさそうに謝る

突然死んでしまったと宣告される俺

…死んだ?俺が?全く話について行けない…

いや、ついて行けるのも可笑しい話か…兎に角、冷静を保たないと

 

「儂は創造神、基本的に人間の生と死を操っておる、勿論その他のことも出来るぞ」

 

突然自分の自己紹介に進む創造神(笑)

そんなことはどうだっていいんだよ、二次創作小説みたいな展開じゃねえか

なんで創造神みたいなお偉い方が俺のような普通の奴を手違いで殺すんだよ…

 

「理由…やっぱり知りたい…?」

 

嫌そうにこちらを見つめる創造神、こっち見んな!

てか、すごい知られたくなさそうな感じだな…

そこを敢えて聞くのが楽しいのだ

 

「で?どんな死に方を?」

 

深刻そうな顔つきの後に喋りはじめた

 

「うむ…まず、お主が飼っていた猫と一緒に散歩に出ておって、横断歩道を渡ろうとしたら…」

 

「もういい、そっから先は大体予想がついた」

 

何してたらそんな運命に導けるんだよ…

某歌手ソフトの曲でも聴いてたのかね?バーッと通ったトラックがーってやつ

 

「さて、ここからが本題なのじゃが、お主を転生させたいと思うのじゃ」

 

何故か自慢げな創造神

人様殺しといてその態度はなんなのかねぇ…

 

「そりゃな、転生でも蘇生でも、何かして貰わんと理不尽極まりないってもんだ」

 

「ぐっ…そのことについては本当に申し訳なかった…」

 

さっきのテンションから急落、orz状態になる創造神

こいつマジでテンションの上下が激しいな

 

「で、何処へ転生したい?ゲームでもアニメでも、何でも構わんぞ?」

 

俺が何処にしようか悩んでいると創造神が口を開いた

そして一拍空け、言い放ったのは…

 

「―――おまけとして幾つかお主の好きなものをつけてやろう、何でも良いぞ?」

 

また胸を張っている、今度はドヤ顔付だ

マジでぶん殴りてぇ…

そんな感情を抑えつつ唯黙々と何処へ行こうか考える

どうせなら女の子がいっぱいいる世界がいいしな…

 

…そうだ、幻想郷、行こう

 

そんなことを考えながら神に行きたい世界諸々を伝える

 

「じゃあ東方Projectの世界で、能力もつける『全てを支配する程度の能力』と『全てを創る程度の能力』な」

 

「流石にチート過ぎんかのぅ…」

 

何かを心配するような口ぶりの神は置いておいて、もう一つの要求を述べる

 

「最後に『何事にも屈しない強靭な身体』これをくれ」

 

「最終的にめっちゃチートになっておるし…世界のバランス崩れないかな…」

 

世界のバランスが気にかかっているようだ

基本的にお前が悪いんだ、その代償が大きかったんだよ

 

「じゃあもう自棄じゃ!吸血鬼の力をやろう!勿論日に当たっても大丈夫じゃ!」

 

「おぉ、強靭な身体はこれでゲットだぜ!」

 

あぁ…クビになったらどうしよう…

そう呟いている

気にしたら負けだろ、負け

 

「じゃああっちに飛ばすぞー」

 

完全に諦めたようだ

そうだそうだ、時には諦めも肝心だぞ?

 

「うい、なんかあったら呼ぶかんな」

 

時たま全く違う世界に飛ばされたり―――

みたいなこともあるし、しっかりと通信が出来るようにしておかないと

 

「わかった、一応待っておこう」

 

死んじまったもんはしゃーない

さ、第二の人生、楽しむとすっかね!

 

「じゃあなー」

 

そういって何か、ワームのようなものに飛び込んだ




はい、どうだったでしょうか第1話
自分でも読み返しましたが話がガラッと変わっていました(汗)
勝手な私の判断で色々と変更してしまい申し訳ありませんでした
これからも読んでくださると幸いです
では第2話まで、ゆっくりしていってくださいね


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第2話 地球なのか怪しい所

どうも、Hanrei284です
第2話、投稿致しました
やはり話が変わりまくってるなぁ…と思いました(笑)
わかるようでわかりにくいネタを盛り込んでいます

では第2話!ゆっくりしていってくださいね!


身体が地面に着地する感覚がきたので、ついたらしい

 

…ここ何処?幻想郷?

魔法の森かな?

 

自分が立っていたのは森の中だった

これからどうしようかね…

 

本当に幻想郷なのか心配なので、神に連絡をとってみる

 

「おいコラ糞神、ここどこじゃ」

 

『おぉ!すまんすまん、間違えて幻想郷が出来る『数億年前』に送ってしもうたわ!まぁお主の能力でなんとかしてくれ!』

 

焦っているのかすぐに連絡を切りやがった

ふざけんなよマジで

これからどうすりゃいいんだよ

 

どうせこの世界にも妖怪諸々が居るんだろうし、能力強化しときますかね

まず霊力と妖力を倍増させて…ついでに不老不死にでもなっておこう

 

なれたかは知らんが、適当にそこらを散策しようかね

 

「で、あっこから1時間ぐらい歩いたのはいいんだけどさ」

 

なんか日本が世界に誇る天空の木みたいな、くっそ高いのが立ってるんですがそれは

やっぱさ、こんな時代にこんなもの見ると自然にこの言葉が出てくると思うんだ

 

「ここ、本当に地球なのかねぇ…」

 

「えぇ、ここは列記とした地球よ?」

 

少し呟いた後に、突然声をかけられ数秒の沈黙…

ん?女性の声?

 

「えぇと…貴女は…」

 

少し自嘲気味に笑いながら目の前に居る女性に問う

正直言ってマジでビビった、だって突然後ろから声をかけられるんだぜ?そりゃビビるわ

 

「あら、突然声をかけて驚かせてしまってすいません、私『八意永琳(やごごろ えいりん)』と申します、永琳と呼んで下さい」

 

永琳という女性は凛とした姿で淡々と自己紹介を済ませた

 

「じゃあ次は俺の番ですね、俺は『澪乃稜夜(みおの りょうや)』何処にでもいる旅人です、稜夜と呼んでください」

 

永琳つったら原作キャラのあの人だよな、皆のお医者さんのあの人だよな

( ゚∀゚)o彡゜えーりん!えーりん!

 

「どうせだし、フレンドリーに行こうぜ、堅苦しいのは苦手でさ…」

 

「それもそうね、じゃあちょっと崩すわね」

 

さて、永琳にあって仲良くなったのはいいが何処に住もうかな

行くところがないってこんなに寂しいんだね、つくづく感じるよ

 

「泊まるところ、あるの?なんか何にも決まってなさそうだけど…」

 

なにか可哀想なものを見るような、同情した目でこちらをみつめる永琳

えぇ、何処にも行く宛てなくて、潜入上手な蛇さんみたくダンボールでどうにかしようと思ってました

 

「うーん…特にないな…まぁ適当に探すつもりだ」

 

「じゃあ家に来ない?一人で住むには広々とし過ぎて困ってたのよ」

 

あんなところに一人で居ても寂しいしねー、そういいながら苦笑する永琳

まさかまさかの突然のお誘い

めっちゃ行きたい、すごい行きたい、超行きたい

でもさ、女性一人の家に男が行くのってどうなの?なんか怪しい感じじゃね?青少年的に良くなくね?

 

「貴方『女性一人の家に男が行くのってなんか…』みたいなこと思ってない?そこのところは大丈夫よ、多分私のほうが強いから」

 

永琳はそうドヤ顔で返す

時には武力行使も必要ってわけですかい…

てか心読まれてたとか滅茶苦茶恥ずかしい

 

「じゃあお言葉に甘えて行かせて貰うよ」

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

 

あの森から数分、永琳の家らしき場所に到着

そして家を見て思わず叫ぶ

 

「でかくねぇか!?」

 

うん、すごい大きいのだ

ある程度は覚悟してたけどまさかここまでとは…

言うなればあれだよね、外国の宇佐のお偉いさんが居るような…白いお家?あんな感じだね

 

「そうなのよね…さっきも言ったとおり、一人じゃ住み難いったらありゃしない…」

 

とある大工さんが気合を入れて作ってくれたんだけどね…

困ったように呟く永琳

そりゃあ住み難いだろうね…

 

ずっと立ってるものアレなので、家に入る事に

玄関も何気にでかい…ホテルのエントランスかよ…絶対この時代の技術じゃないよな

 

「さて、一息ついたところで、お家を貸してあげてるんだしちょっとだけ薬の実験手伝ってね」

 

懐からどす黒い液体と取り出しニコッと笑いながらこちらに近づいてくる永琳

まさかそれを飲ませるつもりじゃないよね…?てかどっから出したしその薬!

 

「いやいやいや!そんなの飲んだら絶対死ぬから!駄目なやつだから!」

 

けど俺、不老不死だし死なないか

そんな冷静に自分の台詞にツッコんでる場合じゃねぇ!

 

「四の五の言わずに飲めー!!」

 

「ぎゃああああああ!!!」

 

『何か』が口の中に入った瞬間、俺は意識を手放した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますと、俺は永琳に膝枕をしてもらっていた

スースーと寝息をたて、眠っている永琳

…眼福です

 

「はっ…ついつい寝ちゃったわ…今何時かしら…」

 

永琳は眠そうに半分目を開けながら俺をみる

見た次の瞬間顔を真っ赤にする

 

「寝顔…見てた…?」

 

「うむ、眼福でした」

 

そう呟くと更に顔を真っ赤にし、俯いてしまった

割と初心なところもあるようです

 

「さて、そろそろ夕飯の時間だ、台所借りれるか?」

 

「え…えぇ…あっちよ、行きましょうか」

 

俺が台所について聞くと、少し頬を紅に染めながら案内してくれる

その隣で俺は永琳に挨拶を

 

「これからよろしくな、永琳」

 

「こちらこそ、よろしくね」

 

笑顔を交わし、台所に向かう俺と永琳

可愛過ぎる!嫁にしたい!

そんなことを考える

さぁ、これからどんな歴史の頁を刻んでいこうかな




はい、どうだったでしょうか第2話!
やはり、わかりにくいネタが多かったかなぁ…
感想・意見等ありましたらよろしくお願いします!

では次回まで、ゆっくりしていってくださいね!


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第3話 永琳宅での生活

どうも、Hanrei284です
ちょっと間が空いてしまい申し訳ありませんでした
出来るだけ間は2~3日程度に抑えたいなーと思っています
今回は衝撃のラスト(笑)です

では第3話、ゆっくりしていってくださいね!


鳥がピーチクピーチクと鳴き、俺を目覚めさせる

うむ…相変わらず良い朝だ…

 

隣には小さく寝息をたてながら寝ている永琳がいた

うむ…これも最近追加されたいつもの光景だ…

 

いつの間にか永琳と一緒に寝るようになった

ここら辺で有名になっていたらしく、永琳の旦那とまで言われるようになった

…実際旦那みたいなもんだが…

それだけ仲良くなれたって認識でいいのかな?

 

「う~ん…もう朝…?」

 

「おはよう、永琳」

 

「おはよ、稜夜…」

 

まだ眠いらしい、まともに目が開いていない

まぁ昨日は夜遅くまで色々とやってたからな、そりゃ眠いだろう

あ、決して童貞卒業とかそんなのではないぞ?研究だよ、研究

 

「俺は朝飯作ってくるから、永琳はまだ寝てていいぞ」

 

「じゃあお言葉に甘えて…」

 

そういってすぐに寝てしまった

そんなに疲れてたのか、まぁゆっくり寝させてあげましょうかね

 

 

 

 

――――――――――――――

 

 

 

 

さて、台所に移動してきたのはいいが、何を作ろうか…

シンプルに焼き鮭と味噌汁と漬物…それに白米にしようかね

 

釜戸と七輪で火を焚き、釜戸では味噌汁と白米、七輪では焼き鮭を調理にかかる

流石に一人じゃ時間かかるし分身作って作業しよ

 

パンッと手を鳴らし、分身を二つ程作る

一人目の分身には白米を担当させ、二人目には焼き鮭を担当させる

俺は味噌汁を作ることにした

 

さ、ちゃっちゃと仕上げますかね

 

 

 

 

~数時間後~

 

 

 

 

割と時間かかっちまった、まさか木炭が切れてるとはな

さて、準備も出来たし、永琳を呼んできますかね

 

「おーい、飯出来たぞー」

 

「う~ん…もうご飯…?」

 

まだ眠そうだ、一体どれだけ疲労が溜まってるんだか…

 

「ん…」

 

そういい唇をこちらに寄越す

 

「前も言ったが、俺は旅人だからいつの間にか結婚してるかも知れんのだぞ?」

 

「いーの、稜夜が結婚してお嫁さんが出来たとしても、今が幸せならそれで十分」

 

ニコッと笑う永琳

はぁ…なんだかなぁ…まぁいいか

 

「んぁ…」

 

唇を交じらせる

朝のキスってのもいいもんだな

永琳が言ったとおり、今が幸せならそれでいいか

 

「さ、飯食いに行こうぜ」

 

「えぇ、行きましょうか」

 

 

 

 

 

 

「「いただきます」」

 

焼き鮭を口に運びその後に白米を口に運ぶ永琳

とても美味しそうに頬張ってくれる

作った側としてはとても嬉しいものだ

 

「今日のお味噌汁、出汁は何でとったの?」

 

不思議そうに質問してきた

いつもとは違うものとすぐに気づいたな、流石だ

 

「今日はあれだ、えーと…そうそう、煮干だよ煮干」

 

この時代に煮干?って思ったやつもいるかもしれんが、煮干は俺の能力で出してんだ、俺の能力の事は永琳も知ってるからな

時代を行き来する旅人ってことで色々と判断していただいているぜ

 

「また珍しいものを使ったのね、けど煮干も美味しいわね」

 

「それはよかったよ」

 

談笑しながら箸を進める俺と永琳

今日は色々と買出しに行くとかどうとか言ってたな、準備するか

 

 

 

 

 

「そろそろ行くかー?」

 

「えぇ、行きましょうかー」

 

家の奥の方でガタガタと少し騒がしい音が聞こえる

めっちゃ急いで準備してるな

 

「急がなくていいぞー」

 

「あ…ありがと…」

 

なにかボソッと聞こえた気がしたが、よくわからんかったのでスルー

さて、最初はどこに行くのだろうか

 

「そういえば食材が切れてたわね…八百屋に行きましょうか」

 

「おぉ、そうだったな、今日安売りやってるかなぁ」

 

「まぁ行ってみましょ」

 

手を繋ぎながら家を出る俺と永琳

いやぁ…俺が求めていた生活が今ここに…最高だ

 

で、なんでこの時代に八百屋があるの?って思ったやつ、ここは永琳が首領のようなもんだぞ?

あら、この言葉すっごい便利

 

~数時間後~

 

え?買い物のシーンは無いのかって?

これ書いてたらマジで投稿遅れちゃうんで、ご了承お願い致します

おぉメタイ、メタイ

 

さて、現在は夜の8時です

絶賛眠りに入ろうとしているのだが…

隣で目をキラキラさせながら寝ている永琳が…

 

「どうした?」

 

「うーん?いや…折角こうやって一緒に寝てる訳だし…ね?」

 

妖艶な笑みを放つ永琳

ふつくしい…

じゃなくてだな、このままじゃヤバくね?雌豹のような獲物を見る目でこちらを見つめているんだけど

うーん…俺もしかしてピンチ?ナニか大事なものを消失しそうな気がするよ?

 

「じゃあ…いただきまーす」

 

そう言うと俺の上にのり、服を脱がしてきた

あっ…それ以上はダメなやつだ

アーーーーーーッ♂




はい、どうだったでしょうか
いやぁ…自分で書いてて思ったんですけどね
やり過ぎたかなぁ…
と、心の中で思っております
因みにこの後の稜夜君はお察しで…(汗)

では次回まで、ゆっくりしていってくださいね!


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第4話 月面移住と戦いと

どうも、Hanrei284です
今回、かなり長くなりました
その代わり、達成感がすごいです…(笑)
戦闘シーン、かなり頑張りました
では第4話、ゆっくりしていってくださいね


話をしよう…

ここ1億年についての話だ…

 

え?話が飛び過ぎじゃないかって?

1億年分の惚気話をずっと聞くのもアレだろう?

さて、話していくぞ

 

一つ目…永琳に童貞をヒャッハーされた一週間後ぐらいに、研究中だった惚れ薬(媚薬入り)を飲んでしまい、大変なことに…

どうなってたかは察してくれ…

 

二つ目…月のお姫様こと輝夜姫様が教育のために地球に来た、俺はその子守り役だった、その時に聞いた一言『私、将来稜夜兄ちゃんのお嫁さんになる!』

泣けてきましたよ…親ってこんな気持ちなのかなーって、これで将来ニートになるという悲しみね

 

三つ目…10~11年ぐらいの間、月に行って綿月姉妹…だっけか?に剣術を教えてやった、地球では『永遠の剣豪』って教科書に載りました

どんな感じで載ってるのかな?今度見てみるか

 

さて、こんな感じだ、色々と有名になってんのな

まぁこんなメタイ話は置いておいて、永琳のとこ行くか

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい永琳ー、何してんのー?って、おぉ…」

 

永琳の研究所に行ったらロケットらしき物が…

 

「あら、稜夜じゃないの、どうしたの?そんなに驚いて」

 

「いやぁ、まさかロケットなんぞ作っとるとは…なんに使うんだ?」

 

俺が不思議そうに質問すると、永琳はドヤ顔をしながら

 

「これで月に帰るのよ」

 

そう説明した

おっ?月に帰る?マジで?

 

「これで帰んの?何時?」

 

「明後日よ」

 

平然とした顔つきで『明後日』というwordを発する永琳

 

「…Why?One more time」

 

まさかの回答についつい英語で聞き返してしまう

 

「あ・さ・って・よ」

 

「…なんでまたそんなに早く?」

 

唖然としながらまた聞き返す

流石にこれは誰でも驚くでしょ、だって突然『実家に帰らせていただきます』的なトーンで言われるんだぜ?驚くのは俺だけじゃないはず…

 

「当初は1年後に帰る予定だったのだけれど、地球の穢れが思ってたより早く進んじゃって、急ピッチで作って、明後日に決行になったの」

 

「大体把握…なぁ永琳、急いでるのはわかるんだがな、俺の能力…知ってるよな?」

 

「えぇ、全てを創る程度の…あっ」

 

忘れてた…みたいな顔をする永琳

うーむ…永琳ってこうさ、たまに抜けてるとこあるよな…まぁそこも含めて可愛いんだけどさ

 

「で、勿論稜夜も行くんでしょう?」

 

目をキラキラさせながら見つめてくる

めっちゃ行きたい…月でもうちょっと暮らしてみたい…綿月姉妹に教師してた時は稀に泊まっただけだからな

あー…けど能力でどうにでもなるか

 

「やめとくよ、まだ地球でもやってないことあるし月に行きたけりゃ、能力使えばどうとでもなるからな」

 

「そう…」

 

(´・ω・`)ショボーンって顔をしている永琳

なんか罪悪感…

 

「そういやさ、ここ一帯に穢れを祓う為のバリア的なのがあったよな?」

 

「えぇ、確かにあるけど…」

 

とても不思議そうにこちらを見る

 

「そのバリアを解かないと飛べないはずだ、けどバリアを解いたと同時に大勢の妖が突っ込んでくるはずだ、俺はそれを止めるよ、止められるかはわからんけどな」

 

「無茶よ!何万の数で来るはずよ!?そんなのを一人だけでどうにかするって言うの!?」

 

永琳は叫ぶ、まるで子供が親が何処かにいくのを止めようとするように

 

「俺は何度も無茶をしてきたはずだぜ?そんな妖程度の奴等と戦ってくたばると思うか?俺は不老不死だ、死ぬほどの苦しみはあったとしても死ぬことはまずないさ」

 

「…そうね、私の無茶な薬の実験にも付き合ってくれたし、稜夜は不老不死の『永遠の剣豪』ですものね」

 

「ははっ、茶化すなよ」

 

 

 

――出発の時――

 

 

 

「さて、皆乗り込んだか?」

 

「えぇ、全員乗り込んだわ…もうそろそろ…」

 

とても寂しそうな顔をする永琳

やっぱりなんか罪悪感がなぁ…

 

「そんな寂しそうな顔しないでくれよ、お前の笑顔が今の俺の糧だ、最後にもその笑顔をみせてくれ」

 

「最後じゃないわよ、少しの間離れるだけ、絶対に月にも来て頂戴、歓迎するわ」

 

涙を目に溜めながら引きつった笑顔を見せてくれた

 

「ありがとうな…さ、そろそろ時間だ…何時会えるかはわからんが、元気でいてくれよ?俺の愛した人」

 

「こっちこそありがとう…貴方こそ元気でね?私の愛した人…」

 

【穢れ保護プログラム終了…残っているものは直ちに避難せよ…】

 

「よぉし!!いけぇぇぇ!!永琳!!!」

 

物凄い音と共に飛び立つ

さぁ、俺はこいつらの相手だ…

 

思ってたより遅かったが、結局突っ込んでくるのかよ…これだから妖怪は…

永琳に後々会わねぇと駄目なんだ、こんなとこでくたばって堪るかよ!

 

「っしゃぁぁぁぁ!来いよッッ!雑魚共ォォォ!!」

 

一斉に雄叫びを上げながら妖怪たちが突っ込んでくる

こんな雑魚が集ったところで…簡単に潰してくれるッ!!

 

「っらぁぁ!!甘いんだよッ!そんなので挑もうたぁいい度胸だ!」

 

一気に突っ込んでくる一部の妖怪の軍勢を波動だけで蹴散らす

その波動が当たると共に頭が弾け飛ぶ妖怪の姿も…

 

「その程度かぁ!?結局雑魚だけだなぁッ!!」

 

剣を創造し、それを手に軍勢に突っ込んでいく

 

「ハァァァッッ!!」

 

所々でグシャッという音を立てて倒れていく妖怪

ははっ、ざまぁないぜ…

 

「いやぁ…よくもやってくれたね…仲間の恨み、晴らさせてもらうよッ!」

 

鬼…だろうか?この妖怪たちの親玉だったらしい、額には青筋が浮かんでいる

 

「あぁ?お前がこんな雑魚共の親玉か?こっちは守らないといけない人が居たもんでね、必死なんだよ」

 

「ははっ…言ってくれるねぇ、名乗っておこうか、私の名は『白銀 乱妃(しろがね らんひ)』こいつらの親玉、鬼子母神さ!」

 

青筋を浮かべながらもしっかりと自己紹介はするらしい

 

「じゃあこっちも挨拶しないとなぁ、俺は『澪乃 稜夜』どこにでもいるような旅人だ」

 

「じゃあ始めるかい?」

 

「始めようか…」

 

殺気を放ちだす乱妃

いいねぇいいねぇ…その殺気!ウズウズさせるぜ!

 

「「死の戦いをッッ!!」」

 

 

言葉を放つと共に拳を放つ乱妃

 

流石に親玉ということもあってか痛みがかなり来るぜ…こっちも本気じゃねぇと失礼だよな!

 

俺も拳を放つ、その後に拳の攻防戦、ぶつかり合うと『ビシュッ』という音が聞こえてくる

 

「っかぁ…流石鬼子母神だ…力がひしひしと伝わってくるよ…」

 

「ははは、お主こそいい拳を放つ…私の良人になる気はないかい?仲間を殺った者とはいえ…惚れたよ…」

 

ニタァと笑う乱妃、まるで何時かの永琳のようだ

 

「お前の良人か…良い話だが俺には既に思い人がいてね、遠慮しておくよッ!」

 

そう言いながら拳を撃つ、それをものの見事に返し、カウンターに移す

 

「残念だねぇ、こうなればどうしても手に入れたいものだねッ!」

 

こう話しながらもずっと殴り合っている、かなり来るものがあるな…

 

「これじゃぁ埒があかないねぇ…これで最後にしようか…『三歩必殺』ッッ!!」

 

「はっはぁ!そうじゃないとな!『神身乱撃』ッッ!!」

 

二人が技を放つと拳と拳がぶつかり合い、辺りの地面の土を剥がし、煙が立ち上る

 

「俺の…勝ちだッ!!」

 

煙が消え去る中、立っていたのは俺だった

正直危なかった、あと一歩で負けるとこだった

 

「いやぁ…負けちまったねぇ…」

 

傷もすぐに治ったのか、平然と座り、空を見上げていた

 

「はっはっは、かなり強くて負けかけたからな、五分五分ってとこだろう?」

 

「そう言ってくれると嬉しいよ、こんないい男を良人に出来ないとはねぇ…惜しいもんだよ」

 

苦笑しながらこちらを見つめる

 

「残念ながらそれはできないな…さ、そろそろ行かないと」

 

「おっ、もう行くのかい?また会えたら…その時は考えてくれよ?」

 

ニコッと笑いこちらを向いた

 

「ははは、また会えたら…な」

 

こちらを見つめる乱妃の姿を背に、俺は手を振った

次に会える日が来るのを楽しみにしていよう

会いたいやつがまた増えたな…

 

――さぁ、これから何処へ行こうかな――




はい、どうだったでしょうか第4話
読み返してみたら色々と詰め込み過ぎたかなーと…
永琳との関係について進め過ぎたかなーと…
ヒロインは別の子なんですがね…
後ちょっとで出てくるのでお楽しみに!
感想・意見・間違いの指摘等ありましたらコメントお願い致します!
では次回まで、ゆっくりしていってくださいね!

※稜夜君が使ってた技の紹介
 
・神身乱撃<じんしんらんげき>
神の身体をも砕くほどの拳の乱撃を繰り出す技


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第5話 仲間を求めて約2502里

どうも、Hanrei284です
今回もかなり長くなりました…
ついにヒロイン登場です!
英語の台詞、しっかりしているでしょうか?
では第5話!ゆっくりしていってくださいね!


あれから数千年…

またまた時間の経過が早過ぎるなぁ…

まぁこの数千年の間の話は後々出てくるからその時まで楽しみにしていてくれ!

 

さて、メタな話は置いておいて…

 

ここら辺に俺と同類の奴が居たような気がしたんで、大体2502里『10010km』、日本からイギリスまでの距離を飛んできた

あと約498里あれば母に会いにいける距離だな

 

まぁヨーロッパ周辺に居ると思ってくれ

一応ここら辺に馴染めるように、服はえーっと…デビル・メイ・クライのダンテみたいな服装だ

 

下を覗いてみたら、大勢の人間が何やら集会らしき事をしている

張り紙のようなものが近くに張ってあり、そこには『Vampire subdue Corps(吸血鬼討伐隊)』という文字が書いてあった

ほぅ…俺の仲間を討伐…ねぇ…

こいつらに着いて行って、土壇場で助けに行こうかね

っと、早速突入か

 

うわぁ…真っ赤な館だな…

どっかで見たことある…永遠に幼き紅い月ってか?

 

そう心の中で笑いながら観覧していると、何処かで本当に見たことがある奴が館から出てきた

うわぁお…レミリア・スカーレット嬢じゃあないですかい…

まさか本当に出てくるとは…

 

ん?レミリアが末裔とゲーム中に言ってた『ヴラド・ツェペシュ』ってルーマニアの方だったような気がするんだが…まぁいいか

 

一人空の上で色々と考え悶えていると、大戦争が始まった

おぉ…こりゃあ一人では大変だ…

 

仕方ない、行きましょうかね

 

ふっと力を抜き、物凄い勢いで落ちていく

そして、レミリアらしき人物の目の前に落ち、こう言い放つ

 

「Are you okey?Cute baby?(大丈夫かい?可愛いお嬢様?)」

 

 

 

 

 

 

レミリア(?)Side

 

討伐隊に襲われた私の目の前に現れた見知らぬ青年

そして、大丈夫かい?なんて聞いてくる

何故だろう、会ったことも、見たことも無い筈なのに、何処か惹かれるところがある

 

私がボーっとしていると、青年を見て目を丸くしていた討伐隊がついに突っ込んできた

…ッ!もう…ダメ…ッ!!

 

「When you don't continue being tense, you are murdered?(気を抜いているとやられるぞ?)」

 

「I know!Though where I don't know anyone,you too.Huh!?(わかってるわよ!どこの誰か知らないけど、あなたも気を抜いたらダメよ!)」

 

私は愛用の槍を取り出し、討伐隊にその槍を振るう

 

「Ha Ha Ha!Ok good!it's enough!(はっはっは!それだけ出来れば十分だ!)」

 

青年は笑いながら討伐隊を蹴散らしていく

一体何者なのだろうか…遥かに私より強い…

 

だが、そんなことを考えている暇はなかった、どんどんと人が湧いてくるのだ

何処からそんなに湧いてくるのか、いささか疑問だった

 

―――兎にも角にも全員倒さなければ―――

 

 

 

 

 

 

 

 

結局あれから数十分で頭領以外の者を倒してしまった

そして青年は頭領に一言呟いた

 

「Never approach here,If you approach...k××l you.(もう二度と此処へ近づくな、もしも来たら…××からな)」

 

その言葉はとても冷たく、恐ろしかった

背筋に悪寒が走り、一歩も動けなかった

 

その言葉を聞いた頭領は叫び声をあげて逃げていった

 

恐る恐る青年のことについて問うてみた

 

「Who are you?Did you come to do what?(あなたは誰?何をしに来たの?)」

 

私がそう聞くと青年は手を差し出し、私の手を握った

とても驚いたが、特に異変は無かった

そんなことを考えていると青年が喋りかけてきた

 

「はっはっは、俺は通りすがりの君の同族さ」

 

彼は優しく笑っている

知らない筈の言葉が聞こえる…知らない筈なのに、意味がわかる…どういうことなのだろう…

 

「自分の知らない言葉が聞こえるようになって驚いているみたいだね」

 

彼は私がわからない筈の言葉の意味が聞こえる理由を一通り教えてくれた

 

「あなたは『日本』というところから強い人を求めて来た、吸血鬼なのね?」

 

「そうそう、ちょっと特殊ってのを忘れてるが、大体そんな感じだ、まぁ気楽に接してくれ」

 

彼はケラケラと笑っている

特に悪い人でも無さそうだし、大丈夫だろう

 

「私はレミリア・スカーレット、ここ『紅魔館』の次期館主よ、レミリアって呼んで」

 

「俺は澪乃 稜夜、まぁ何処にでもいる吸血鬼だ、稜夜とでも呼んでくれ」

 

いい人だなぁ…

そう思いながら握手を交わした

 

 

 

 

 

 

 

 

稜夜Side

 

さて、握手も交わした訳なんですが…

めっちゃ可愛いです

ちっちゃい!とにかくちっちゃい!そして目がクリクリしててすごい可愛い!

 

心の中でウェーイとか思ってると何か叫び声のようなものが聞こえてきた

 

…奴等だ

 

さっき追い払った筈の討伐隊がまた奇襲をかけてきたのだ

 

「チッ…奴等か…館の中で待ってろ、俺が行く」

 

俺はフッと飛び立ち、正門のところに飛ぶ

 

――さぁ…パーティの時間だ――

 

 

 

 

 

「Did you come after all...Then I am ready...(結局来たのか…なら覚悟は出来てるよな?)」

 

討伐隊に冷たい目を向ける

それを見て怯えだす討伐隊

…所詮その程度か…楽しめるかも疑問だな

 

「It is not popular by you degree!(お前ごときのものにやられるか!)」

 

そう言い返してくる

ほぅ…お前ごとき…ねぇ…言うじゃねぇか…

 

「Then I have you show the ability!!(ならばその実力みせてもらおう!!)」

 

俺がそう告げると討伐隊は雄叫びをあげて、突っ込んできた

 

まず、剣を創造し、一回転する

首がボトボトと落ちていくのが見える

後ろでレミリアがいるので多少抑えないといけないな…

 

討伐隊の一人が鎌で俺の腕を削ぎ落とす

ぐっ…がぁぁぁぁ…ッ!!

畜生…仕方ない…それなら銃で!

 

うずくまりながら銃を創造し、近づいてきた奴等の心臓を打ち抜く

あぁぁぁ…片腕が無くなっただけでここまで不便だとは…治癒しとかないと…

 

――数分後――

 

結局頭領だけが残り、ラストのものになろうとしている

 

「Whether I can leave a will?(言い残す事はあるか?)」

 

頭領の額に銃を突きつけ、命乞いをさせる

とても憎しみを抱いている目だった

 

「My family was murdered by you...You should do so it if you want to kill me...(家族はお前らに殺されたんだ…殺すなら殺せばいい…)」

 

キッとこちらを見つめる

…復讐か…そんなのでその家族に恩返し、親孝行となるのだろうか

この時代ではどうだか知らないけどな

 

「Would your choice be fine?(お前の選択はそれでよかったのか?)」

 

俺は冷たい目で見下し、そう囁く

その後、頭領の額をぶち抜き、息の音が聞こえなくなった

 

「But it should have become stronger if You provoke someone to a quarrel with the devil...(だが悪魔に喧嘩を売るなら、もっと強くなってくればよかったな…)」

 

そう返事を返さない頭領に呟き、レミリアの元へと飛び立った

 

 

 

 

 

「フゥ…疲れたぁ…」

 

無くなった腕の部分をブランブランさせながらレミリアの前へ

 

「稜夜!?どうしたのその腕!な…無くなってるじゃない…!」

 

その部分を見て物凄い驚いているレミリア

途中で見るのやめちゃったのかな?ま、確かにエグイところもあったからね

 

「大丈夫だよ、こうすればッ!!」

 

力を少し入れると、あっと言う間に腕が創造されていた

 

「…どうやったの?それ…」

 

唖然として聞いてくるレミリア

 

「俺の能力だよ、これぐらいなら不老不死の俺にはなんともない」

 

レミリアの目の前で手を動かしてみせる

それを目を丸くしながら見ている

 

「…稜夜って不老不死なの!?」

 

「あぁ、そうだが?」

 

「つくづく規格外ね…あなた…」

 

はぁ…とため息をついている

そんなに規格外か?俺…

 

「決めたっ!」

 

そうレミリアが叫ぶ

一体何を決めたんだろうか…嫌な予感がする…

 

「稜夜、ここ『紅魔館』の館主になって!」

 

目をキラキラさせながら俺を見つめてくる

 

「…はぁっ!?」

 

「ここの館主になるの!私と結婚して!」

 

「はぁぁぁぁっ!!?」

 

いやね、正直言って嬉しいよ?だってさ、可愛い女の子から求婚されたんだからね!

けどなぁ…永琳がいるしなぁ…

 

「あなたに惚れたわ!少し強引だけど、どうせなら結婚してここの館主になって頂戴!」

 

希望に満ちた目だと、少し見ただけでわかる

 

「…けど俺には既に嫁のような存在がいるぞ?」

 

「関係ないわ!私はあなたが好きなんだもの!」

 

どうしても…というような目で見つめてくる

…はぁ…俺って流されやすいな…

 

「わかったよ、これからよろしくな、レミリア」

 

「ウフフ…よろしくね、稜夜」

 

そう言葉を交わし、レミリアを抱き上げる

 

あぁ…永琳に会ったらなんていわれるかな…

なんて…決めた今そんなこと言っててもダメだよな

決めたことは貫き通す!男に二言は無いんだぜッ!

 

そんなことを考えていると…

 

――地下から物凄い殺気を感じた――




はい、どうだったでしょうか第5話!
今回もまた、詰め込み過ぎた気がします(汗)
そしてヒロインはレミリアちゃんです!
感想・意見・アドバイス等ありましたらコメントお願い致します!
初めての英語での台詞なので、変なところがありましたらご指摘いただけると幸いです
では次回まで、ゆっくりしていってくださいね!


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第6話 魔法使いと妹と

どうも、最近BF4でファントム手に入れて舞い上がってるHanrei284です
今回、前の話より割と短いと思います
さて、今回登場するのはタイトルどおり、魔法使いと妹です
では第6話、ゆっくりしていってくださいね!


地下からの物凄い殺気…

正直俺でも息苦しく感じるものがある…

 

「あの子よ…私の妹」

 

レミリアは何かを痛ましく思う顔で言う

ふむ…何かワケありみたいだな

 

「地下に居るのか?」

 

「えぇ、そうよ、俗に言う幽閉ね」

 

悲しそうに地下へ続く道を見つめるレミリア

そして何か思いつめているようだった

 

「この幽閉が正しい選択だったのかしら…」

 

少し自分の判断にしっかりとした確証、自身が持てないらしい

 

…ていうか、あれは本当に殺気だったのだろうか?

 

ふと気になったのでレミリアに地下に行こうと提案した

しかしとても嫌そうに拒むのでなんとか説得して行く事に…

不服そうなレミリアに案内を頼み、真相を確かめるべく、いざ地下へ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、地下まで来たのはいいんだが…

これね、殺気じゃなくて…あのー…『歓喜』だね、めっちゃ歓迎されてるよ

 

そう思いながら、そっーとドアを開けてみると…

 

「お姉様おめでとう!話は聞かせてもらったよ!」

 

めっちゃニコニコしながら歓迎された

 

隣に居たレミリアは唖然としている

殺気のような物凄い気迫だったからな、こうなるのも仕方ないか

てか殺気みたいな気迫の歓喜ってどうなの?

 

「フラン…貴女狂気の症状とか大丈夫なの…?」

 

「パチュリーの図書館にあった本にこういう症状のことについて書かれてる本があって、そのとおりに色々とやったら症状が出なくなったんだよね」

 

何かの病気持ちらしい

まぁ二次創作でよくあった『狂気』に関する症状だろう

 

けど何か引っかかる気がする…勘違いだろうか…?

 

「あ!あなたには自己紹介まだだったね!私は『フランドール・スカーレット』フランって呼んで!」

 

元気に挨拶をしてくれるフラン

特に症状らしきものは感じられないな、やっぱ気のせいか

心の中でそんな事を考えながら、自分も自己紹介を始める

 

「俺は澪乃 稜夜だ、知ってると思うがレミリアの旦那をやらせてもらうことになった、これからよろしくな」

 

「じゃあ稜夜は義兄になるんだね!よろしくね、お兄様!」

 

そう笑顔で返してくる

おぉ…めっちゃ可愛い…この言葉がこんなに響きがいいなんてな

可愛い義妹だからなのだろうか…

 

「そういえば、パチュリーもお姉様のこと呼んでたよ?行ってみたら?」

 

RPGのような台詞で呼ばれていることを教えてくれた

 

「ありがと、行ってみるわね」

 

レミリアは嬉しそうに手を振って地下室を後にした

うーん…折角狂気の症状も無くなったんだし、地下室暮らしをやめてもいいんじゃないかな

 

「なぁレミリア…」

 

さっき考えていた内容を大まかに説明する

 

「確かに…折角なんだし、一緒に住みたいからね…考えてみるわ」

 

少し不安そうな顔だ

まぁ長い間、正しいかわからなかった行動を続けてきたからだろうな

 

「そんなに不安そうな顔するなよ、俺は一応お前の旦那なんだ、心配なときはいつでも俺を頼ってくれ」

 

「ありがと…そうさせてもらうわ……キャッ!」

 

ふわっとした笑みを見せてくれた

それを見て、ついつい抱き上げてしまった

 

「も~…抱き上げるなら言ってよね」

 

頬を膨らませながら更に抱きついてくる

…好感度の上がり方が異常だと思うのは俺だけだろうか…?

 

「すまんすまん、つい抱き上げたくなってな…さ、図書館に行こうぜ」

 

「ウフフ…そうね」

 

そんな会話を交わしながら図書館に向かう二人…

永琳はなんとなくだけどツンデレ属性でこういうこと全然しなかったしな…俺が求めてた生活ってこんなのなのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「パチェー、来たわよー」

 

レミリアが勢いよくドアを開け、パチェと呼ばれる少女を呼ぶ

今更ですけど、あのパチェさんですかね?動く大図書館の、あのパチェさんですかね?

 

「あ、やっと来た、待ちくたびれたわよ?」

 

はぁ…と眼を擦りながらため息をつく少女

最近寝ていないのだろうか、とても眠そうだ

 

「ごめんなさいね、フランとの話がちょっと長くなっちゃって」

 

「まぁいいわ…で、その人がレミィの彼氏さん?」

 

レミリアが謝った後に俺の事に話を振る

なんていうか…唐突だなぁ…

 

「澪乃 稜夜だ、ご存知のとおりレミリアの旦那をやらせてもらうことになった、まぁ稜夜とでも呼んでくれ」

 

「私は『パチュリー・ノーレッジ』レミィの友人で魔法使いよ、パチュリーと呼んで頂戴、よろしく」

 

なんとも簡単な自己紹介だ

まぁ一番こういうのが手っ取り早いから楽なんだが

 

「そういえばフランに狂気に関する本、貸してくれたんだってね、ありがと」

 

レミリアがそう言うと、ありえない言葉がパチュリーから放たれた

 

「え?そんな本貸してないわよ?」

 

レミリアと俺は唖然とした、その後につい顔を見合わせた

嘘だろ…?貸してない…?

物凄い悪寒が全身に走る

 

そんなことを感じた次の瞬間…

 

 

 

―――ドゴォォォォォン―――

 

 

 

地下から物凄い轟音と地響きが館中を襲った




はい、どうだったでしょうか第6話
自分で書いてて思ったんですが、なんか字数が少ないと味気ないですね
この話は一応ここまでですが、これからの話は出来るだけ長くしたいなぁと思いました
では次回まで…ゆっくりしていってくださいね!


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第7話 狂気という『感情』

どうも、hanrei284です。
今回は数日前に投稿しようとしていたんですが、諸事情により少し遅れてしまいました
今回はフランの狂気を相手にします
では第7話、ゆっくりしていってくださいね!


俺、レミリア、パチュリーの三人は轟音が聞こえた直後に図書館を飛び出した

おいおい…嘘だろ…?あんなに普通に会話してたじゃねぇか…

兎も角、早く行ってやらないと!

 

 

 

 

 

 

 

「アハハハハハハハ!!みんな!みぃんな壊れればいいのよ!アハハハハハ!」

 

着いた時には、地下室の周りが酷い有様だった

狂気が消えて、一番嬉しがっていたレミリアは口を押さえ、震え、叫んだ

 

「やっぱり…やっぱり私の判断のせいよ…!!」

 

唯々自分を責めたてていた

それを見つけたフランがこう叫ぶ

 

「そうよ!全部お姉様のせい!そうすればこんな気持ちにならずに済んだ!全部お姉様のせいよ!」

 

ニコニコしながらレミリアを更に責める

そんな光景を見て、俺は耐えられなかった

 

「じゃあちょっと俺と話し合おうか、色々と…な」

 

いつにない声のトーンでフランに話しかける

空気が重い、その場にいる人全員がそう思っただろう

 

そして次の瞬間、俺はレミリアとパチュリーを愕然とさせる発言をした

 

 

 

 

 

――なぁ?フランの『狂気』という名を持つ『感情』さん?――

 

 

 

 

 

 

レミリアがそれを聞いて俺に叫んだ

 

「狂気という感情ってどういうこと!?まさか狂気が一つの感情とでも言うの!?」

 

「ああそうだ、これは性格なんかじゃない、唯の感情だ」

 

そしてフランの方を向き、レミリアに言う

 

「じゃあ色々と決着つけてくるわ、魔方陣張るから気をつけろよ?」

 

そう言ってフランと俺だけになるように魔方陣を張り、他のところに影響が出ないようにした

 

「フフ…お兄様は何をするつもり?」

 

妖艶な笑みを浮かべ今にも暴れだしそうにレーヴァティンだろうか…?そのようなものを振っている

はぁ…これは話し合いじゃ解決出来るか心配だなぁ…

 

「うーむ…唯、話し合いをしにきただけさ」

 

「えー、つまんないー、もうちょっと楽しいことしましょ?」

 

とても不満そうな声で喋りかけてくる

そんなこといわれてもなぁ…これしかいい解決方法ねぇんだよな…

 

「まぁまぁ、一旦座れよ」

 

座布団を二枚創造し床に置く

そして真剣な目でフランを見つめる

 

「むー…まぁお兄様の言う事だからなぁ…わかったよぉ…」

 

俺のことを見て言う事を聞いたほうがいいと思ったらしい

スッと座布団に座り込んだ

 

「で?一体何の話をするの?」

 

「まぁお前の今、作っている性格…作られた感情についてだな」

 

俺がそういうとフランの顔が赤くなり、叫んだ

 

「作っている性格!?そんなはず無い!私はこの性格のせいで拒まれてきた!」

 

そして暴れだそうとするが、暴れられないようにちょっとした結界のようなものを張り、暴れられないようにした

やっぱりこうなったか…結界張っといて正解だったよ…

 

「いいや、作っている性格を振り回し過ぎた、だからこそ拒まれてきた…そうじゃないか?」

 

その言葉を聞いた瞬間、更に叫ぶ

 

「違うっ!この性格があるから…だからお姉様にも幽閉されて…嫌われてきたんだ!」

 

そしてフランは泣き出した

最初は強く、憎しみを持つように泣きじゃくっていたが、後になるとだんだん弱く、哀しみを露にし始めた

そして俺は結界を解き、フランをそっと抱く

 

「泣きたいなら一人で泣くな、一人で泣いたら哀しみが強くなるだろ?泣きたいなら俺のところのとこに来い…お前の思いを全部受け止めてやる…そうすれば、寂しくなるよな…?」

 

「うぅ…うわぁぁぁぁぁぁぁん!!」

 

俺の胸の中で泣くフランを更に抱きしめる

そして数分後泣きつかれたのか寝てしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フランを抱いて、魔方陣を解いた

レミリアが頭を抱えながら地面に座り込んでいた

 

「フラン…そんな風に思っていたなんて…」

 

「そんなに自分を卑下しなくてもいいじゃない、レミィは正しい判断をしたのよ」

 

パチュリーがどうにかして慰めてあげようとしていた

それを見ながら俺も会話に加わる

 

俺が一番気になってたのはフランの能力についてだ

何か特殊な能力を抑えきれずに発動してしまい、振り回されているとしか思えないのだ

 

「なぁレミリア、フランってなんか特殊な能力持ちだろう?」

 

俺がそう質問すると、レミリアはとても疑問そうに答えてくれた

 

「えぇ…『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』っていう能力を持ってるわ、それがどうしたの?」

 

「多分フランはその能力に振り回されてたんだ、制御しきれずに何かを破壊してしまう…そしてその能力を忌み嫌われることに耐え切れず『狂気』という感情を作り出してしまったんだよ」

 

それを聞いたレミリアとパチュリーは驚いていた

そんな中俺は話を続ける

 

「そしてその作り出した感情は、いつの間にか性格というものに変貌してしまっていたんだ、そして現在に至る…と」

 

「そういうことだったの…私もまだまだね…」

 

少しレミリアは落ち込んでいた

フランのことになると本当にネガティブになるな…

 

「まぁ少しだけ細工を施させてもらった、これで狂気に困る事はないだろうさ」

 

「何をしたの…?」

 

とても心配そうにこちらを見つめてくる

 

「ちょっと魔法をな…まぁ人体には影響しないよ」

 

俺がそういうとレミリアは安堵していた

 

「さて、色々と安定した事だし、地下室直してからフランの部屋を作ってやらないとな」

 

「私も崩れた本の整理をしないといけないわ、また後でね」

 

パチュリーはそういって図書館へと戻っていった

何気にパチェさんってフリーダムなお方…?

 

「さ、俺の部屋もちゃんと言われてないままだし、俺たちも行こうぜ」

 

フランを抱え、能力で地下室を直してからレミリアにそういうと、まさかの返答が返ってきた

 

「フフッ…稜夜とフランと私は同室よ」

 

「そうだよ?仲良く一緒に居ないとダメでしょ?」

 

フランの声が聞こえてきた

いつの間にか目を覚ましていたらしい

俺は唯々唖然としていた

 

流石姉妹…簡単に意思疎通が出来てしまうらしい

そして流石吸血鬼…だな

子悪魔な笑みを浮かべ、二人は俺の服の裾を引っ張って部屋へ連れていこうとする

 

そして途中で立ち止まり…

 

「「これからよろしくね稜夜!」」

 

太陽にも勝るような、本当にまぶしい笑顔でこちらを見つめ、ぎゅっと抱きついてきた

そんな笑顔の二人に俺も頬がほころび、笑顔で返す

 

「あぁ…これからよろしくな、レミリア、フラン」

 

ニコニコし、そしてとてもまぶしい笑顔の二人を更にぎゅっと抱きしめ、部屋へ向かっていった




はい、どうだったでしょうか第7話
書き終わってから思ったんですが、フランにもフラグ立っちゃいましたね(笑)
当初は予定ではなかったんですが…
小説って、どんな展開になるか読めませんね…(汗

さて、感想・意見・アドバイス等コメントお待ちしております!
では次回まで、ゆっくりしていってくださいね!


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第8話 哀しき過去を持つ少女との出会い

どうも、Hanrei284です
私事が重なり投稿が遅れてしまいました
今回はかなり長く仕上がりましたが、自信作です!
では第8話…ゆっくりしていってくださいね!


あれから2年…

ここにもかなり馴染んできた、いい生活を送れている

 

「稜夜ー使うようで悪いんだけど、野菜適当に買ってきてくれないー?」

 

…こんな風にパシらされることも少なくはない

うちの嫁さん、お嬢様のはずなのに家事スキルがめっちゃ高いんだよね、これ何気ない自慢です

 

「ういー、んじゃいってくるわー」

 

そういって館を出る

門のところにはしっかりと門番が仕事をしてくれている

 

「あっ!稜夜さん!おでかけですか?」

 

「あ~お兄様おでかけ~?」

 

フランが羨ましそうにこちらを見つめ、言ってきた

日に当たって大丈夫なのかって?しっかり術式かけてあるんで、大丈夫だ、問題ない(キリッ

 

そしてちょっとした新入りの紹介。

新しい門番『紅 美鈴(ほん めいりん)』

倒れていたところを助けたら感激され『助けていただいたお礼に、ここで働きます!』的なことをいわれたので、門番をやってもらっている

初めてのときはめちゃ中国語だったんでかなり戸惑いました、俺英語とロシア語ぐらいしか喋れないからね、仕方ないね

まぁよく気も利いて、仕事もしっかりとこなしてくれるしてくれるいいやつです

 

「おう、レミィに買い物頼まれてな、またフランは帰ってきてから遊んでやるから、ちょっと待っててな?」

 

「はーい、約束だよー?」

 

「そうなんですか!お気をつけていってらっしゃいませ!」

 

元気に見送ってくれるフランと美鈴に手を振り、町へとでかける

 

それにしても、さっきから視線を感じる…気のせいだろうか?

そんなことを考えながら町への道中を歩く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レミリアに頼まれた感じのものは一通り揃ったので帰ることにした

さっきから感じている視線が気になってしょうがないので、その本人に声をかけてみた

 

「どうしたのかな?そこのお嬢さん」

 

俺がそういうとナイフを首にあてられ、脅し文句を聞かされる

恨まれるような覚えがたくさんあるので、こういうことには慣れている

 

「ばれてしまっていたのなら仕方が無いわね、少し強引だけど一緒に来てもらうわ」

 

暗殺者かなにかかな?けど暗殺者にしては気配の隠し方が下手糞だったな…

そう思いながら瞬時に移動し、女性の背後につく

 

「その程度か?下ががら空きだったぞ?」

 

今度は俺が女性の背後につき、ナイフを首にたてる

逃げようともがくが、隙がないように押さえつけているので動けないようだ

なんでこんな可愛い子がこんな血生臭い仕事やってるんだか…世も末だな

 

その後、かなりジタバタするので、術式をかけて眠ってもらった

術式かけるのもかなり苦労した、口でナイフ持って振りかざしてくるんだもの、結構危なかったよ

 

あんなにナイフの扱い上手いんだし、家に来てもらおうと思うので、連れてかえります

軽く足に力を入れて、紅魔館まで飛んだ

え?誘拐だって?こっちは暗殺されそうになったんだ、これぐらいはいいっしょ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたんですか!?その人!?」

 

一番最初に驚いたのは美鈴だった

まぁ新入りなんだし、一番最初に驚くのは仕方ないかな

その隣でフランは『なんか抱えてるなー』ぐらいの顔で見ていた

 

「暗殺されそうになったので、その仕返しに誘拐してきた」

 

俺がボケーッとした表情でそんなことを言うと、今度はフランも交えて唖然としていた

まぁそうなるよね、なかなか軽々しく『誘拐してきた』とか言わないもんね

 

「つーことで、この子についてレミィと話し合ってくるわー」

 

「あー私も行くー」

 

「あ、はい!お疲れ様です!」

 

ビシッと敬礼を決める美鈴にまた背を向け手を振りながら、今度はフランと共に館に入っていく

 

…この子、連れてきたのはいいけど、やってもらうとしたら何してもらおうかな、全く考えてなかったぜ

 

 

 

 

 

 

「レミィー帰ったぞー」

 

「あっおかえりー、どうしたの?人なんか抱えて?」

 

帰ってきたことをレミリアに伝えると、忙しそうに台所で料理を作っていた

やっぱり人を抱えてるぐらいじゃ驚かないよね、流石吸血鬼

 

「なんか暗殺されそうになったんだけど、気配の隠し方が下手糞で声かけたら『ばれてしまったのなら仕方ない』ってことでナイフを首に突きつけられて、隙間が空いてたんでそっから抜け出して逆にナイフを突きつけて、それからなんやかんやあって眠っていただきました」

 

簡潔じゃないけど凝縮して説明。

 

「そーいうことね、けどどう対処すればいいかわからなくなったから買ってきたものを渡すついでに私に聞きにきたってこと?」

 

「いぐざくとりー」

 

なんか色々と筒抜けだったらしく色々と把握されてました

それを聞いてついつい反応が薄くなってしまったぜ

 

「それで、どうすればいいと思う?」

 

「「うちでメイドをやってもらったらいいんじゃない?」」

 

フランとレミリアが同時に同じ事を言った

おー以心伝心かな?

 

「じゃあそんな感じでいいかな」

 

そんなぶっきらぼうなことを言って、考え出す

 

暗殺者なんかの記憶はいらないと思うんだよな、フッとこの女の子の目を見てみたらすっげぇ哀しそうな目してたもん

普通暗殺者やってたら大体意識がないような目をしてるんだよな、けど感情が剥き出しになってたし…

能力もあるみたいだし、暗殺者になる前ぐらいの記憶だけ残しておいてその能力を上手く扱えるよう教えてやろうかな、馴染んできてると感覚が染み付いてスタイル的なものがなかなか変えられないんだよな

 

一応レミリアとフランには席を外してもらう

さて、作業に入りますかね

 

女の子の頭に手をのせて記憶諸々について操作する

その時はその記憶が全て見えるので、よくない記憶も見えたりするのだが…

…うん、やっぱりあるね

こういうのが見えるっていうのが良い事なのか悪い事なのか…

…絶対悪い事だよな

 

そう自分にツッコミを入れる

そして作業を終え、少女が目を覚ます

 

「んぅ…ここは…?」

 

「お、目が覚めたか、気分はどうだ?気持ち悪いとかないか?」

 

「特に異常は…あなたは誰ですか…?」

 

一応返事はしてくれたがとても訝しげに見られている

だよな、知らないところのベッドで寝かされて、突然知らないやつに声かけられてるんだもん、そりゃそうだ

 

「俺は澪乃稜夜だ、君がこの館の前で倒れてたからここに連れてきたんだ」

 

「…そうなんですか…助けていただいてありがとうございます」

 

とても哀しそうな顔で俯く少女

内容はわかっているが、わからないフリをして聞いてみる

 

「どうしたんだ?なにか辛いことがあったような顔つきだな、よかったら話してくれないか?」

 

「…稜夜さんにならお話します…何故か安心しますし…」

 

一応信頼はおいてもらっているみたいだ、よかったよかった

 

「私は先日、変な能力を持っているということで住んでいた村を追い出されたんです、どうにか村に留まろうと親に頼り村長さんを説得したのですが、結局ダメでした…」

 

内容は知っているとはいえ、本人から聞いてみると更に辛いものだった

そんな中、少女は話し続ける

 

「その他の村の皆さんに助けを求めても返ってくる答えは毎回『出て行け』の一言だけ、挙句の果てには親にも嫌われ、居る場所が無くなってしまい、一人村を出てきました」

 

だんだん少女の目に涙が浮かんでくる

最後には涙を見せるまいと俯き、手で口を覆う

そんな少女を見て、俺は少女を優しく抱きしめる

 

「そうか…大体事情は把握したよ…辛かったな…泣きたいなら泣いていいんだ、辛い感情を吐き出せ、その時はいつでも俺を貸してやるからな…」

 

「うわぁぁぁぁぁぁん!!あぁぁぁぁぁ!!うわぁぁぁぁぁ!!!」

 

悲鳴にもとれるような声で泣き出す

全てを吐き出すような声で必死に過去を消そうとする

そんな少女を俺は唯々抱きしめてやることしか出来なかった

 

そして数時間泣きじゃくった後に眠ってしまった

 

 

 

 

―――この少女は生まれつき時を操れる能力を持っていた、知能は元々高く、自分でも色々と把握しどうにかそれを隠して生きてきたが、ふとした拍子にその能力を発動してしまい、周りの人に嫌悪されるようになった

そして少女が話していたとおり、村を出て行けと言われ、結局出て行く羽目に…

その後唯々歩き続け、とある町のはずれで倒れてしまった、それを暗殺集団の一人が発見し、連れて行かれ強制的に教育され、暗殺者になったようだ

 

これは少女がまだ8歳ほどの頃の話らしい、幾ら知能が高かったとはいえ、しっかりとした精神状態が出来ていない少女には過酷過ぎる現実だった

 

 

 

 

 

 

数時間後、少女はまた目を覚ました

 

「すいません…寝てしまっていたんですね、お邪魔でしょうし、そろそろ出て行きますね」

 

ふらふらとおぼつかない足取りで部屋を出て行こうとする

それを俺は『ダメだ』といって止める

 

「行く宛てが無いなら家に居ればいい、ここは俺の館だからな、基本何してもOKだ」

 

ニコッと笑顔みせ、安心してもらおうとする

しかし少女は『でも…』というような顔で出て行こうとする

 

「安心しろ、俺だって能力持ちだ、ここの住人は全員能力を持っているから、君を嫌って追い出そうとなんかしないよ」

 

「じゃあここに住まわせていただいてもいいでしょうか…?」

 

「ああ、大歓迎だ、おーい!レミィ!入ってきていいぞー!」

 

笑顔で了承し、レミリアを呼ぶ

ドアの前で待機していたらしく、待ってました!といわんばかりに物凄い勢いで入ってきた

因みに、フランは眠くなったらしく自室に戻っていったみたいだ

 

「あなたが新入りさんね、私はレミリア・スカーレット、ここの主のお嫁さんよ、よろしくね」

 

少女はスカーレットと聞いた瞬間、かなり驚いたような顔をする

 

「す…スカーレット…?昔10もの村を滅ぼしたといわれる…スカーレット嬢…!?」

 

「あら、そんな200年も前の話よく知ってるわね」

 

私も有名になったわね~と嬉しそうに言うレミリア

それを少女は『嘘…』というような目で見ている

 

「な、うちはかなり特殊なところだから、能力なんて誰でも持ってるんだ」

 

ハハハッと笑い、レミリアを抱き寄せる

 

「そういえば、あなた、名前はなんていうの?」

 

レミリアが聞くと、とても哀しそうに言う

 

「前の名前は…思い出したくないんです…」

 

それもそうか、あんな過去を持ってるんだ、まともに思い出したくないだろう

だが名前がわからないってのも不便だな…

 

「じゃあ私たちが決めてあげましょうよ!」

 

レミリアが俺の心を読んだように言ってくる

俺なんも言ってないのによくわかったな…

あー嫁さんってこえー

 

そんな事を思いながら考え出す

今日は十六夜の月か…

 

「十六夜咲夜…」

 

俺はボソッと呟く

それをレミリアはしっかりと聞いていて『意味は?』と問うてくる

 

「十六夜の月下に咲く一輪の華…かな」

 

それを聞いた少女は嬉しそうに笑顔になってくれた

今まで哀しそうな顔しかしなかった少女が笑っているのを見て、とても安心した

 

「いい名前じゃない、私が出る幕は無かったわね」

 

そういい苦笑するレミリア

ゴメンゴメン、やる事は一気にやっちゃう癖があるもんでな

 

「さて、これからよろくね、咲夜」

 

「よろしくな、咲夜ちゃん」

 

俺たちがそう声をかけると、咲夜ちゃんは先程より更に嬉しそうに返事をしてくれた

 

「はい!よろしくお願いします!」

 

――少し涙目だが、とても元気で、明るく、希望に満ちた声は紅魔館中に広がった――




はい、どうだったでしょうか第8話?
いやぁ…想像以上に長くなってしまいました…
独自のストーリーを考えるのって結構難しいんですね…更に実感しました(汗

感想・意見・アドバイス等ありましたらコメントお願いします!
では次回まで…ゆっくりしていってくださいね!


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第9話 色々新生活

どうも、Hanrei284です。
やっと出来ました第9話!お待たせして申し訳ありません…
今回タイトルが全く思いつかず、タイトルと全然違う内容になっている気がしないでもないです…(汗
そんな中、内容は今までに比べ、割と甘くなっている気がします(笑)

では第9話…ゆっくりしていってね!


あれからまた数日…

咲夜ちゃんもこの生活に段々と慣れてきたらしい

順応力半端ねぇな

 

そういや、咲夜ちゃんが来た次の日にレミリアが『私のことはお母様、稜夜のことはお父様って呼んでね(はぁと』とか言っていたらしく、いつの間にか親の位置になってました

色々とおっそろしいことしてくれますよ、うちの嫁は…

まぁ嬉しいっちゃ嬉しいんだけどね

 

さて、今回もまた、そんな嫁さんに振り回されます

 

では本編どぞ~

 

 

「稜夜!農業するわよ!」

 

「…はっ?」

 

俺が寝起きなのにも関わらずとんでもないことを言ってくるレミリア

まさかの発言に呆然とする俺

それを気にも留めずニコニコしているレミリア

一体何に影響されたんだ…

 

「稜夜に貸してもらってた『農業物語』がすごい面白かったから、実際にやってみようと思って!」

 

…あれか…

皆知ってるよね、結構有名な牧場ゲームです

色々と危ないから題名は変更してあります

因みに種類は初代PSで発売された、64のリメイクになる予定だったけど色々といじってたら全く別物になっちゃったやつね

 

忘れていた…俺と一緒で何かにすぐ影響されるのを…

渡さなきゃよかった…

 

まぁうだうだとやってても仕方ないからレミリアの言うとおりにするけどね

逆らうと色々と怖いし

 

 

 

 

 

 

 

 

…で、庭に駆り出されたわけですが…

 

「周り湖なのにどうやって畑作んの?」

 

口にも出したが、本当にそうだ

畑なぞ作るところは何処にも無いのだ

 

どうするのだろうか…そう思いながらボケーッとしていると、レミリアがキラキラと目を輝かせながらこちらを見ていることに気がついた

 

「…まさか俺の能力で創れっていうのか?」

 

そう俺が言うととても嬉しそうに首を縦に振るレミリア

おいおい嘘だろ…結構疲れるんだぞアレ…

 

だが、レミリアの気迫に圧倒され、作ることに…

 

 

 

 

~10分後~

 

 

 

 

 

たくさん上手にできましたーッ!!!

 

東京ドーム2個分ぐらいの畑やら小屋やらを作りました

もうやだ疲れた…

 

「お疲れ~、こんなに頑張ってもらったんだから今夜はかなりご奉仕してあげないとね!」

 

そんなことを言っているレミリア

ちょっと待ってくれよ…朝でヘトヘトなのに夜もかよ…

『楽しいのレミィだけじゃん!』

そんな言葉が思い浮かんだが、喉の奥で押し殺した

 

え?そんなことよりもうそんな関係なのかって?

あたり前田のクラッカーだろ、結婚(仮)してからもうそろそろ3年目に突入する状態だぜ?

永琳に殺されないのかって?

多分殺されます、ハイ

 

レミリアの相手すんの疲れるんだよ?3ラウンド連続とか余裕だからね?

 

…深夜テンションのおかげで割りとヤバイこと呟いちまった((メメタァ

 

 

 

 

 

「夜のことは兎も角、何を育てるとか考えてあるのか?」

 

俺がそう質問するとレミリアは俺から顔を背けた

…アレ…?まさか…

 

「なんにも考えてないのか!?」

 

俺がそう言うとコクコクと頷いた

…行き当たりばったり過ぎるだろ…

 

だがここまで色々作って何も育てないってワケにもいかないな…

今って冬だしな…大根か白菜かそこらぐらいかな…

後はなんか家畜を飼うか

 

「家畜を適当に飼って、今が旬のはずの大根でも育てるか」

 

俺がそういうとレミリアは不思議そうに首をかしげた

 

「『ダイコン』ってなんなの?」

 

おぉ、そうか、こっちには大根なんて無いもんな

 

「大根ってのは俺が昔居た日本の食べ物だ、色々な料理に使えて美味いんだぞ?」

 

俺がそういうとレミリアは首を縦に何度も振り、興味深そうにこちらを見る

 

「じゃあそれを育てましょ!」

 

そういい、レミリアは目を輝かせやる気満々でクワを振りはじめた

…めっちゃ違和感ある光景だな、こりゃ

 

そう違和感を抱きつつ、ついに農業生活が始まるのであった…

 

 

 

 

~数日後~

 

 

 

うっふぅ…相変わらずだが、吸血鬼に早起きはキツイぜ…

そんなことを思いつつ体を無理やり起こすと、いつも俺より早起きして畑へ行っていたはずのレミリアが眠っている

 

これは…まさか…!!

 

「おい、レミィー起きろー畑行くぞー」

 

起こそうと呼びかけるが全く応答無し。

もうね、ここまで来ると嫌な予感しかしないよ

 

呼びかけ続けて約20分後、やっとレミリアが目を覚ました

 

「もう6時だぞ?畑行かなくていいのか?」

 

俺がそういうとレミリアからとんでもない言葉が発された!

 

 

「うーん…もう飽きたからいい…」

 

 

やっぱり飽きてたぁぁぁァァッ!!

うん…大体予想はついてたんだけどね…やっぱショックだよね…

 

精神的ショックを与えられ、沈んでいる俺を尻目にレミリアはまた寝息をたてて眠ってしまった

ハァ…なんかここ最近のストレスが全部抜けきった気がするよ…悪い意味でね

 

けどさ、やっぱり愛してる人、恨めないんだよなぁ…

そんな思いをレミリアが起きないよう、そっと隣で呟く

 

「唐突なところもあるが、そんなお前の全てが大好きだ…愛してるよ」

 

そんなちょっと恥ずかしい台詞を言った後にレミリアはフフッと笑った

…起きてたのか…それにしても何故このタイミングでこの言葉が出たのか…

 

そんなことを考えていると、レミリアが抱きついてきた

 

「こんな私に付き合ってくれてる優しい稜夜が大好き…愛してる…」

 

こちらを見るレミリアを見つめ、抱き合いながらキスをし、また二人眠りについた…




はい、どうだったでしょうか第9話?
正直この話が一番時間がかかってしまいました…
こういう日常回が旧吸血録に比べ書けなくなってしまいましたので、こういった日常回をしっかり構想できるようになるのも今後の目標です

それにしても、最後の部分は自分的には本当に甘くなりました(笑)

感想・意見・アドバイス等ございましたらコメントお願いします!
では次回まで…ゆっくりしていってくださいね!


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第10話 まさかの事件

ども、最近クトゥルフ系の動画にドハマリしちゃってます、Hanrei284です
いやぁ今回の話、想像していた以上にグロ注意になりました(汗)
なんか溜まってるんですかね…?
それともクトゥルフの影響なんでしょうか?(笑)

では少しグロ注意の第10話!ゆっくりしていってくださいね!


あれから数ヶ月、結局畑の管理は俺と咲夜ちゃんがしてます

結構疲れるのよ…アレ…

まぁそんな感じで、今はそんな嫁さんに頼まれた買い物中です

たまには自分で行ってくれたら嬉しいんだが…

…お嬢様にそんなことさせるわけにはいかねぇか

 

そんなことを考えながら紅魔館に到着。

因みに今日、パッチェ様は魔女の集まりがあるそうで、紅魔館にはいない

 

…それにしても、なんかいつもと雰囲気が違うぞ…嫌な予感がする

 

門を見てみると、いつもしっかりと門の前で立っている美鈴が居なかった

おいおい、どんどんヤバイ予感がしてきたぞ…!?

 

走って門の近くに行くと美鈴が傷だらけで倒れていた

 

「おい、美鈴!どうしたんだ!」

 

俺が叫ぶと美鈴は苦しそうに目を開けた

 

「稜夜さん…すいません…通してしまいました」

 

美鈴はとても苦しそうに話してきた

 

「大丈夫だ、やれることはやってくれたみたいだしな、ありがとうな」

 

美鈴には傷治しのポーションを渡して安静にさせておく

これはヤバそうだな…先を急ぐか

 

そして紅魔館内に入っていく…

 

 

 

 

 

 

 

 

紅魔館内も酷い惨状だった

…可笑しいだろ…俺の魔方陣は誰も通さないようになってたはず…

 

そして中を調べていると咲夜ちゃんが傷だらけで倒れていた

 

「咲夜ちゃん!大丈夫か!」

 

咲夜ちゃんを抱き上げる

 

「お父様…フラン様が…お母様が…」

 

咲夜ちゃんはそういって泣き出した

おいおい…嘘だろ…フランとレミリアが…

そういえば魔方陣の効果が切れ掛かっていたのを忘れてた…

あぁ…クソッ!!まさかこんな事になるなんて…俺が馬鹿だったよ…ッ!

 

「咲夜ちゃんはフランの部屋で安静にしていてくれ、安心しろ、母さんは助けてくるからな」

 

額にキスをし、咲夜ちゃんをフランのベッドに寝かせ、傷治しポーションを飲ませる

誘拐していったやつが殺したいほど憎い…だがこれは俺のミスでもある…

クソッ!!俺も見直すところがあるが、こんなに色々としてくれたんだ

 

――そういう奴にはある程度償って貰わないとな…?――

 

 

 

 

 

妖気らしきものを辿り、レミリアの居所を掴む

チッ…割と面倒な立地してやがる

 

瞬間移動で中に潜入し、見張り兵のようなやつらを背後からナイフを使い、一刺しで殺していく

まさかアサクリみたいなことをすることになるとはな…

 

そう思いながら走っていると足音で見張りらしきやつらに見つかった

 

「お前!何をしている!」

 

「うるせぇッ!!」

 

10人ほどが俺の周りに集まってきた直後、頭に血が上っていた俺は見張り共の頭を一気に破裂させる

パァンという破裂音とグチャグチャという耳障りな音と共にドサドサッと倒れていく見張りたち

チッ…力の制御がきかねぇ…リミッターかけるか…

 

 

 

 

そして先に進むとレミリアとフランを連れた奴がこっちに向かってきた

レミリアとフランは傷だらけで口元を縛られていた、戦ったが負けてしまったんだろう

自分の無力さが憎いな…

 

「ほぉ…お前がレミリアの旦那ってやつか…」

 

クックックとよくある笑いで登場する

あぁ…うぜぇ…こんな奴に突入されるとは…

 

「まぁ、そんなもんだ、とりあえず俺の愛しき妻と可愛い義妹を返してくれないか?そうしたら話は軽く収まるんだが?」

 

殺してやりたいぐらいイラついているが、こんな雑魚を相手してる暇はない、さっさと終わらせて帰りたいんだ

 

「そんなわけにはいかないなァ…こいつらは俺様と結婚してもらうために連れてきたんだからな」

 

「全く知らん奴に強制的に結婚を迫るとはな…男としてどうなのかね、本当にタマついてんのか?」

 

俺はそういって鼻で笑った

 

「ハッ!お前みたいな口だけの奴のとこに置いておくには勿体無いもんでな!俺様が結婚してやろうって言ってんだよ!」

 

ちょっとした挑発に簡単に乗った

こいつはかなりの雑魚だな、大体の奴はこんな挑発にはのらねぇ…

てか、レミリアのことをちゃんと知ってるのかが疑問なんだが…町に出たときに一目惚れでもしたのか?

 

「なら、勝負して決めようぜ?俺が負けたらレミリアとフランはお前のもんだ、俺が勝ったらレミリアとフランを連れて帰らせてもらう」

 

 

―――勿論ついてくる代償は『死』だけだ―――

 

 

俺がそういいアイツは俺から距離をとった

 

そこから一気に距離をつめ、殴りかかってきた

 

「1分も持たないかもなァ!!」

 

様子を見ると、かなり調子に乗っているようだった

…遅く感じる打撃のせいで、やる気でねぇ…

 

…こんな非常事態なのに楽しもうとしてるな、まぁ苛立ちの方が勝ってるんだが…

ここまで来たんだ、ちょっと挑発してやるか

 

「フン…この程度当たっても痒みですら伝わってこねぇな」

 

「クッ…舐めるなァ!!!」

 

どんどんと連鎖攻撃を放ってくる

しっかし、全然あたんねぇなぁ…鬼の四天王の一番下の奴でももうちょっとあてられるぞ…

 

「おいおい、そこまであたらんもんか?俺は1%も出してないんだが?もっと楽しませてくれよ」

 

俺はそういい、自分でもわかる、狂気の笑みを浮かべた

はぁ…戦闘してないとこれだから…所謂禁断症状か…

 

アイツはイライラしてきたのか、額に青筋を浮かべながら言ってくる

 

「それなら俺様のとっておきだ…死ぬ前に拝ませてやるよ」

 

 

――Darkness fear――

 

 

あたり一面が黒く染まる

ふむ…一面を黒くし、足が地についている感覚を失わせる技か…

この程度、空飛べるから関係ねぇな

 

「こんなもん宙に浮かんでたら関係ねぇよ、お前がやるなら俺もやらせてもらう、冥途の土産だ」

 

アイツは唖然としている

戦闘中に唖然とするなんて自殺行為だな、ちょっとでも戦えると思った俺が馬鹿だったよ

 

 

――虚像の世界~World of phantom~――

 

 

アイツの視界には存在するものと、存在しないものが見えているはずだ

一応これは新技、皆さんご存知の『虚像』の原理を利用した技で、これをかけられたやつの視界は実際のものとは別のものが色々と映し出されている…はず

まぁそれを利用して、挙動がおかしくなった相手の背後からグサッと…こんな感じの技だ

 

ほら、そのおかげでアイツの挙動がおかしくなった

俺が居ないところに拳を振ってやがる

 

…あとは姿と気配を消して…俺の苛立ち、発散させてもらう…!

楽勝だったな、この戦い

 

さぁ…一方的なパーティーの時間だ!

 

俺は姿と気配を消し、少しずつアイツとの距離をつめていく

 

「よぉ…俺、メリーさん、今…お前の隣に居るんだ」

 

俺はアイツの後ろで苦笑しながら呟く、アイツは必死になって拳を振るってくる

 

「おらァ!姿見せやがれ!それこそ男としてどうなんだ!?アァ!?」

 

「本当にお前が出来る奴なら俺の居場所ぐらいわかるだろ?こんなにも雑魚だとはな、久方ぶりに戦えると思ったが…期待はずれだな」

 

アイツの耳元でそう呟く

SAN値がどんどん減っていっているらしい、発狂しかけている

 

「あぁァッ!!ぁあああァァァぁぁッッ!!!!!」

 

ついに発狂してきた

…ここで終わらせないと収集がつかなくなるな

 

「さて、そろそろ俺もお暇させていただこうか…自分の胸元を見てみな?」

 

俺の右手はアイツの心臓を掴み、体の外部に引きずり出していた

それをみたアイツは異常な痛みに耐え切れず叫びだす

 

「グガァァァァァッ!!!あ゛あ゛ァァァァァ!!!!」

 

「ハッハッハ、どうだ?これがお前の中にあったもんだ、すげぇよなぁ…お前みたいなのにもしっかりと命は

――『あった』んだよ――」

 

そういい俺はアイツの心臓を握りつぶす

そして、心臓だった『もの』を俺はもう冷たくなっているアイツに投げつけ、冷ややかな目で言い放った

 

「これが、俺を敵に回した『報い』だ、死後の世界で自分のやった愚かな行為を懺悔するんだな」

 

俺の周りには無数の死体、殆どが原型を留めていなかった

足元の血だまりを踏み、紅い足跡がついていく

そしてレミリアとフランの元へ…

 

 

 

「レミィ、フラン、待たせたな」

 

俺がそう申し訳無さそうに言うと、レミリアとフランも暗い表情で謝ってきた

 

「ごめんなさい…私が不甲斐無いばっかりに稜夜にこんな汚れ仕事させちゃって…」

 

「ゴメンネ…ちょっと手加減しようとしたら手加減し過ぎちゃったみたいで…」

 

よくよく見てみると、何か術式がかけられていた

…これのせいで力が使えなかったのか、俺ぐらいになると関係ないものだが…

 

「お前たちが謝る必要は無いさ、元々俺の魔方陣の管理に不備があったせいだ、怖い思いさせたな…」

 

二人共、とても目が潤んでいた

…可愛い嫁と義妹を泣かせる事になるとはな…俺もまだまだだな…

能力で服についていた血を消し、優しく二人を抱き上げる

 

「本当にゴメンな…」

 

「いいえ、助けに来てくれるって分かってたもの、怖くもなかったし、不安だってなかったわ…それに私たちはちゃんと生きてる…だからそんな悲しそうな顔をしないで頂戴」

 

「そうだよ!私たちはしっかりとここで息をしているし、こうやって抱き返すことが出来るもん!」

 

そう二人は先程とは全く別の笑顔で言ってくれた

 

「あぁ…そうだな、俺は今、お前たちの鼓動、息を間近で感じられている…ありがとうな…」

 

そういってこの世のものとは思えない惨状の場所を後にし、紅魔館へ飛んだ




はい、どうだったでしょうか第10話?
最終的にはいい話に終わりましたが、稜夜君のチートもあってか、雑魚敵の『アイツ』君、かなりグロくボコボコになりました
稜夜君…恐ろしい子…!
もうちょっとグロ描写は抑えるつもりだったんですが…

さて、感想・意見・アドバイス等ありましたらコメントお願いします!
次回まで…ゆっくりしていってくださいね!


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第11話 壮大な夢

どうも、Hanrei284です。
投稿期間かなり空けてしまい申し訳ないです
今回の話はついに平安時代突入編!
そろそろ原作に近づいていきたいところです

では第11話!ゆっくりしていってくださいね!


えーあれから俺の嫁に手ぇ出す奴がいなくなりました

いいことだねっ!★

 

まぁそんな冗談はさておき…

本編に参りましょうか

 

「レミィー今って西暦で何年だー?」

 

フッと気になったので聞いてみる

するとレミリアはキョトンとした顔で返答してきた

まぁ突然西暦なんか聞かれたらそうなるわな

 

「何年って…確か898年だったはずよ…?」

 

…おっふ、完璧平安時代じゃん

もうちょっと前には潜入しておきたかったんだが…まぁいいか

 

「さんきゅー、んじゃ今からちょっと日本行ってくるわ」

 

俺がそういうと、レミリアは『また唐突なのが始まった…』という顔で頭を抱える

いやいや、これは結構前から考えてたし!唐突じゃないし!

 

そんな反論を心の中でしていると、レミリアが突然立ち上がった

 

「ちょっと待ってて、みんなに言ってくる」

 

「お…おう…」

 

レミリアが想像以上に真剣な顔つきだったので、少し気圧されてしまった

俺のことをみんなに言ってきてくれるのかな?まぁ待ってようか

 

~数分後~

 

「お待たせ~」

 

ニコニコしながら帰ってきた

なんかもうこの笑顔が嫌な予感のサインにしかなってないような気がするぞ…

 

「何してたんだ?」

 

モヤモヤしたままでも嫌なので、とりあえず何をしていたのか聞いてみる

 

「私も稜夜についていくわ!」

 

「…はぁ?」

 

「だから、私も稜夜と一緒に日本に行きたいの!」

 

ズンッと顔を近づけ、目をとても輝かせながらじっと見つめてくる

はぁ…まぁた始まったよ唐突なのが…

ここまで必死に詰め寄られるとダメだとも言いにくいしなぁ…

 

「わかったよ…けどちゃんと素性は隠した状態で、一般人としていくだけだからな」

 

はぁ、とため息をつきながら渋々了承する

 

「わかったわ、じゃあとりあえず翼と妖力を隠しておけばいいわよね?」

 

そういってレミリアは翼と妖力を隠した

まぁ町に出るときも隠して行ってるみたいだから慣れてるな

それだけ隠しておけば十分だろう

 

「因みに一つ忠告だ…

 

――野宿等もすることになるかもしれんぞ?――」

 

「…ッ!!」

 

俺がそういうと少し堪えたらしい、数秒だけ沈黙が走る

一応レミリアは虫恐怖症だしね、堪えるのもわからなくはない

 

「…ま…まぁいいわ…どうにかなるでしょう…」

 

そういってダラダラと汗を流すレミリア

うっわ、この汗の量は流石に異常じゃねぇの

…どんだけ虫嫌なんだよ…

 

「んじゃあ行くとすっかー」

 

そんな風にぶっきらぼうに言い、フランたちにも挨拶をして紅魔館を飛び出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――数時間後――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んで、ここはどこじゃ」

 

よくわからん森の中にて迷っております

隣のレミリアもすごい不安そうな表情を浮かべられております

 

いやぁ…なんかひとっとびでポーンと飛んできたらよくわからんとこに着地しちまったぜ

どうしたものか…

そんなことより腹減ったな、それに薄暗くなってきたし、今夜は野宿だな

 

「レミィ、今日は野宿になりそうだ」

 

「えぇッ!!!」

 

俺がそういうと物凄い形相で冷や汗をかきながらこちらを向いてきた

ここまで嫌そうな顔されるとなぁ…仕方ない…

 

「レミィ、そこ退いてて」

 

「え?あ、うん…」

 

レミリアは少し不思議そうにその場を退いた

そんなレミリアを差し置き、俺は少し体に力を入れる

 

…そして一気に力を解放するッ…っと

 

上手に小屋が出来ましたぁぁぁ!!

 

その光景を見ていたレミリアは唖然としてこちらを見ている

そして俺はレミリアにこう言い放つ

 

――俺は野宿とは言ったが草むらに寝るなんて言ってないぜ?

 

なんとなくこんなことを言ってみる

え?『野宿=草むらで寝る』ってことだろうって?

いいだろ別に、たまにはカッコつけたいんだよ

 

その言葉を言った後にレミリアは俺に抱きついてきた

 

「もうっ!稜夜…大好きっ!!」

 

「ハハハ、喜んでもらえて光栄だよ」

 

そんなこんなでイチャつきながら入室

さっきかなりの力を消費しちまったせいでかなり腹の虫が…

そろそろ狩りにいくか…

 

「レミィ、今からちょっと狩りに行ってくるけど、なんか欲しいもんあるか?」

 

俺がそう問うと、少し額にしわを寄せ考え出した

少しの間沈黙の中回答を待っているとハッというような顔をしてこちらを向いた

 

「そろそろ血が欲しくなってきたから、稜夜も補給するついでにちょっと私にも分けるぐらいの血を持ってきてほしいわ」

 

「う~む…処女の生き血の方がいいか?」

 

「出来るならそっちの方がいいけど、無理そうだったら獣の血でもいいわよ」

 

「了解、2~3時間で帰ってくるから、その間ゲームかなんかでもしてていいぞ」

 

「は~い、わぉ色々と揃ってるわね」

 

驚きながらも嬉しそうにゲームを取り出しているレミリアに留守を頼み、ドアを閉め、外へ出て行った

 

さて…血、どうすっかな…

そんな事を考えながらそこらへんを飛び回っていると、何やら都らしきところが見えてきた

 

お、あれが平安京ってやつか

しっかし見事なもんだな、一人の天皇の命だけであんな都作っちまうとは…

 

よし、一般人の娘からいただくのは良心が痛むし、ちょっとした悪人の美人さんからいただくとすっか

いつの時代にも悪事を働く悪い輩はいるもんだよ

 

それっぽい人を見つけたので、能力使って色々と調べてみる

あーやっぱり悪い人だねぇ…しかも処女とまできたもんだ

そんな半ばよくない事を考えつつ、女性の前に降り立つ

 

――少し血を分けていただくよ?ちょっとの間じっとしてておくれ

 

そして首から血を吸い、一応ちゃんと寝かせておく

あー処女の血なんて吸ったのいつ振りだろ…俺も流石吸血鬼、このぐらいの血が一番美味いな

そこまで吸ったわけでもないがな、4分の1を分けて貰った程度、貧血ぐらいで済むだろうよ

 

これじゃあ全然足りないし、何件か回らせていただこうかね

 

~30分後~

 

うむ、これぐらいだったら申し分ないな

しっかし遠慮しすぎたかな…20人ぐらい回っちまったよ

噂から確証になる前に退散すっか

そんなことを考えながら、山奥の小屋に帰ることにした

 

「ただいまー」

 

そういってドアを開けると、レミリアがとても楽しそうに画面と向き合っていた

相変わらずやり込んでるなー、なんだあの動き

 

「あっ、おかえりー」

 

トコトコとこっちに寄ってくるレミリア

何を作ればいいの?そんな顔だ

 

「はいこれ、とりあえずこいつらでなんか作ってくれ」

 

「えっと…鹿に虹鱒に色んな山菜ね…よっし!じゃあ始めるわよ!」

 

そういって材料を抱え、嬉しそうに台所に向かっていった

さて、作ってくれてる間暇だな…俺もゲームしてようかな

 

居間に置いてあるゲーム機はつけっぱなしにしてあったので、一応セーブだけして置いて、別のゲームに変更した

う~む…何しようかな…ちょっと狩りにでも行くか

そして俺は画面に向かい、ゲームに勤しみだした

 

~数十分後~

 

「出来たわよ~」

 

台所からそんな声が聞こえた、料理が完成したらしい

それに俺は『は~い』と返事をして台所に向かった

 

台所に着き、テーブルの上を覗いてみると、とても美しい光景が広がっていた

鹿肉を使ったカレーに虹鱒のムニエル、そして山菜のちょっとしたサラダ

この3種のいい匂いが腹の減った俺に漂ってくる

 

「ごめんなさいね、なかなかいい料理が思いつかなくって、あるもので作っちゃった」

 

「全然嬉しいよ、ありがとうな」

 

俺はそういい『いただきま~す』といって食べ始めた

それを嬉しそうに見ているレミリア

 

「…?冷める前に食っちまおうぜ」

 

「フフッ…そうね、じゃあいただきま~す」

 

そして食事を終えた

さて、血を分けてやんないとな

 

「よし、とりあえず血は採ってきたから、吸ってくれて構わんぞ」

 

そういって俺は腕を差し出した

が、レミリアは首に噛み付いてきた

そして血を吸ったと思いきや、俺の首を舐め始めた

レミリアがその気なら…

 

俺は体をひっくり返し、ベッドに押し倒し、レミリアの首を舐め始める

そうするとレミリアは妖艶な雰囲気で声をあげはじめ、少しの間その雰囲気を堪能する

 

「ここでもやるのか?」

 

そう俺が悪戯に笑みを浮かべると

 

「稜夜がその気なら私はいつでもいいわよ…?」

 

そう嬉しそうに微笑む

ベッドの上でしていたので、完全にその雰囲気になり、行い始める

ここからは流石にアウトなので割愛

 

フゥ…と一息つき、ゴロンっとベッドの上に寝転ぶ

 

「稜夜は相変わらずね、私の状況なんか気にしないでどんどん攻めてくるんだもの」

 

「そういうわりには嬉しそうにしていたじゃないか」

 

そんな会話をし始める

レミリアは顔を赤く染めて『もぅっ』と頬を膨らませる

さて…と…

 

「いつまでそんなところで見ているんだ?人ので自慰でもしていたのか?」

 

そういって空間を裂く、そうするとその空間から一人の少女が顔を赤く染めて右手が隠れた状態でこちらを見ていた

それをレミリアは唖然として見ている

 

「えっ…あっ…その…ご…ごめんなさぃぃぃぃぃぃ!!!」

 

少女はその場で泣き崩れてしまった

まさに図星だったらしい

 

「あーあ、稜夜が女の子を泣かせちゃったー」

 

レミリアは状況を理解したらしく、ニヤニヤとしながら痛いところをついてくる

…ぐうの音もでねぇんだけど…

 

「あーなんだ…別に責めてたわけじゃないんだ、何をしていたのか気になっただけであって…」

 

「えー稜夜、女の子のそんな事を気にしてたのー?稜夜のえっちー」

 

どんどんと痛いところをついてくる

もう止めてくれよ…これ以上事態をややこしくしないでくれ…

そんなことを脳内で伝えて、話を進める

 

「うぅ…このあたりですごい妖気が確認できたので、何が潜んでいるのかと思って探していたら…つい…」

 

少女は半泣きになりながら理由を説明してくる

 

「わかったわかった、けどそんな奴を探していたなら何か用があるんだろ?」

 

何故かそんな気がしたのでそう聞いてみると少女は顔を突然に真剣にし

 

「そうなんです、実はちょっとした用が…」

 

少女はそういって説明を始めた

 

~30分後~

 

「ハァ?人間と妖怪が共存できる世界をつくりたい?」

 

「そうなんです、稜夜さんの意見はどのようなものなんでしょうか」

 

さっきの説明の間に自己紹介は済ませておいた

この少女は『八雲 紫(やくも ゆかり)』という境界をいじれるなんか特殊な能力を持っているそうだ

そんな紫ちゃんの夢は『人間と妖怪が共存できる世界を創る事』

…無茶苦茶な夢だな…

 

「意見っていうのはそれに対する賛否か?それとも俺の考えか?」

 

「両方です」

 

紫ちゃんはきっぱりと言い放つ

ならこちらもしっかりと答えないとな

 

「無理だ」

 

俺はそう返す

それを聞いて紫はとても悲しそうな顔をする

 

「なにもそんな顔をしなくてもいいさ、無理だとは言ったが絶対に無理だとは言っていないだろう?…可能性としてはあるかもしれない、だから実際それを叶えることが出来るかは自分次第だ」

 

紫ちゃんに『面白そうだから、それには協力させてもらうよ、いつでも尋ねてきてくれ』そういうと嬉しそうに『はいっ!』と元気な声で返事をし、帰って行った

 

「稜夜も珍しいことを言うものね」

 

そういってレミリアはフフッと笑う

 

「どうしたんだよ…そんなに変だったか?」

 

「だって前の稜夜だったら『絶対無理だ』って言って完全に論破しちゃうような気がしてね…」

 

俺は『そんなことか…』と言って笑う

そして、さらっと理由を話す

 

「面白そうだったんだよ、あの子の目には希望が浮かんでいた、あの夢が成功しそうな気がしたからな」

 

そう、面白そうだったんだ

昔は俺もそんなことをたまに考えた、鬼たちと一緒に暮らしていたときだ

まぁこの話はまた今度かな…そうレミリアに伝える

 

「ふ~ん…まぁ私も面白そうだとは思ったけどね」

 

レミリアは俺に賛同してくれているらしい

まぁあの子がどう動くか楽しみだな

 

そんなことを考えながらレミリアと一緒にベッドで眠った




はい、どうだったでしょうか第11話
10話とは裏腹にGからHに変わってしまった気がします
調子にのってアウトラインギリギリのものになってしまいました(汗)
紫ちゃんが作ろうとしているところはやっぱり原作ではおなじみの世界です
次回はあのお姫様が登場する予定です

では次回まで…ゆっくりしていってくださいね!


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第12話 鳴くよ鶯平安京

どうも、お久しぶりです。Hanrei284です。
これの最新の更新から早くも4か月が経過してしまいました…
あぁ…『2~3日の更新をしたいです』とか抜かしてた時期が懐かしい…
そんな感じで、最近忙しくなり、更新が遅くなると思われます。
忘れたころに…というやつでしょうか…?

ではやっとの第12話!ゆっくりしていってくださいね!


「ふぁ~あ…」

 

暖かい光が窓から降り注ぐベッドの上で俺は間抜けな声を上げ、起床する

そして隣から聞きなれた声が聞こえてくる

 

「おはよう」

 

にこやかな表情でこちらを見やり、朝の挨拶をしてくれるレミリア

俺も「おはよう」と返事をした

ただ言葉を交わすだけでは物足りないらしく、唇をこちらに向けてくる

別に嫌でもないので、普通にキスを交わそうとするのだが…

見事に舌を突っ込んでくるので、負けじとこちらも対抗して舌を舐めてやる

 

「んっ…んぁ…んむ…」

 

長い間のキスを交わし終え、レミリアの目が少しとろんとしていたので、もう一発頬にキス

 

「相変わらずキスが上手いわね…」

 

「そりゃどうも」

 

うっとりした表情のレミリアに褒められるキス

嬉しいような気もするんだが…なんか罪悪感的なのがいるんだよなぁ…

 

「朝食できてるから、早く食べましょ」

 

そういってそそくさと台所に戻っていくレミリア

ここって、実際は即席で作った小屋なんだが…なんか自宅みたいになってんな

 

朝食を食べ終え、レミリアに一言告げる

 

「よし、平安京行くか」

 

「え、じゃあこの小屋ともお別れ…?」

 

上目遣いをしながらこちらを見つめてくるレミリア

うっ…まぶしいっ…!!

こんな顔をされたら壊すにも壊せない…

 

「だ…大丈夫だ、また帰ってくるからな、日本にいる間はここが拠点だ」

 

「やったぁっ!」

 

最近レミリアの朝の幼児化がすごい気がするんだが…

まぁ気にしたら負けか

 

「忘れもんとかないかー?」

 

「特にないわよー…っていうか、持っていくものなんて殆どないじゃない」

 

「それもそうだな」

 

透き通るような声でツッコミを入れられ、同意する

相変わらず聞き取りやすい声だな

そんなことを考えながら自分もしっかりと確認する

 

「はい…では出発しまーす。3…2…1…」

 

そういい、軽く地を蹴って宙を舞い、平安京の入り口に到着する

 

「え…?今なにが…?」

 

「まぁ気にすんな」

 

俺にお姫様抱っこされているレミリアは先ほどの出来事を理解出来ていない様子だった

それもそうだろう、かなりの速さで飛んだからな

そして、入り口近くに人を見つけたので、行きたい場所が何処かを聞くことにする

 

「もし、そこのお方、かぐや姫とやらの屋敷は何処かわかるかね?」

 

「おぉ、旅のお方か、かぐや姫様のお屋敷はそこの団子屋の角を曲がったところにあるぞ」

 

村人は温厚にわかりやすく場所を教えてくれた

 

「そうかい、何やらしていたようだが…邪魔してすまなかったね、助かったよ」

 

「いやいや、こちらは大したことじゃないよ、困った時はお互いさまというだろう?」

 

村人はそういって俺の肩をポンポンと叩いた

ふむ…まだまだ人情も捨てたもんじゃあないな…

 

「そういってもらえると助かるよ、ありがとう」

 

そういって村人に礼を述べ、目的の地、かぐや姫の屋敷に向かった

しかし…あの村人…貧相な恰好だったな…この時代だからか、何か大変そうだ…礼として、また何か置きにこよう

そう思い、村人の家だけ把握しておいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「デカイな…」

 

「大きいわね…」

 

そう二人して唖然としながら一軒の屋敷の前に立ち尽くす

大勢の貴族やら野次馬やらがその屋敷の周りを包囲網を張ったように囲んでいた

人だけではなかった。贈り物なんかも屋敷の周りにずらっと並んでいた

 

「ったく…綺麗な女一人の為にここまでするかね…」

 

「稜夜だったらもっとスマートにしそうだもんねぇ」

 

そういい、レミリアは笑っていた

あながち間違ってもいないか…

そんなことを思いながら人ごみの中をかき分け屋敷に入っていく

 

『かぐや姫様!どうか私と婚約を!』

『いえ、この私めと!』

『いえ、私と!!』

 

「レミィ、ちょっとここで寸劇鑑賞でもしていてくれ。いい気晴らしになるだろうからな」

 

あからさまに図々しい群衆を横目で見ながら、堂々とかぐや姫の目の前に立つ

 

『おいなんだあいつは…』

『私たちよりも図々しいではないか…』

 

周りの貴族たちの冷たい視線が俺の体中に刺さる

一応自覚はあったんだな…ある意味安心したというか…はぁ…

そんな貴族たちの目の前で、その場に全員いる人々を沈黙に陥れるような言葉を発する

 

「ハーイ★ワタシ、イコクノ国カラ来マシター!綺麗ナプリンセスガイラッシャルト聞イテ、ヤッテキマシター!」

 

そんなバリバリ片言の異国人を装って、かぐや姫に近づき、耳元で囁く

 

――久しぶりだな、輝夜。また今日の丑三つ時に会いに来る。

 

そして俺はレミリアの元に行き、唖然とする輝夜を背に、その場を去った

 

 

 

 

そして拠点の小屋にて…

 

「アッハハハハ!!なぁにあれ?寸劇どころじゃないわよ!ちょっとしたお笑いよ!」

 

ベッドの上で転がりまわりながらゲラゲラ笑っている

流石の俺でも少し気恥ずかしかったので、少し後悔が残る

 

「俺だってやりたくてやったわけじゃねぇよ…一番怪しまれずに行動を停止させる方法がだな…」

 

そういってベッドの上で頭を抱え、座り込んでいる隣で、まだ爆笑している

 

「いつまで笑ってんだ…お望みならもっと笑わせてやるよ…っ!」

 

悪戯心も現れ、ちょっとした仕返しにかかる

笑い転げているレミリアの体に覆いかぶさり、体中をくすぐっていく

 

「あっ…やっ…やめっ…ひんら…ひんらうぅぅぅぅっ!!!」

 

そんなレミリアの悲鳴にもとれる笑い声は晩まで続いた

 

 

 

 

「はぁっ…はぁっ…稜夜…容赦なさすぎっ…はぁっ…」

 

レミリアの衣服は乱れ、少し顔を赤面させながら腕で顔を隠すような形で、まだ寝転がっていた

色々と危ない気がするが…これはこれで眼福だ

 

「いつまでも笑ってるからだろう?こっちはこっちで色々と至福な時間だったがな」

 

「意地悪…」

 

ぷくっと頬を膨らませながらこちらを睨むレミリア

ハッハッハと笑いながら自分の衣服と共に、レミリアの衣服の乱れを直す

 

「さ、そろそろ時間だ。輝夜のとこに行ってこようかな」

 

「あ、ご飯忘れてたわ…朝ごはんになっちゃうけどいいかしら?」

 

「あぁ、楽しみにしてるよ」

 

そういい、俺とレミリアはキスを交わす

そして、輝夜の屋敷に黒い翼を広げながら向かう

ふむ…やはりこうやって翼で飛ぶというのも趣があるというものだ

 

そして屋敷に到着。

更に屋敷内に潜入。

 

うん…中も広いわ…

ちゃっちゃと要件済ませてレミリアの朝飯食わねぇと

 

さっと輝夜のいる部屋の前に到着。

屋敷のやつらに見つからないように、そーっと襖を開け、中に入ると…

 

ゴロゴロしながらゲームに勤しんでいる輝夜の姿が…

 

「おい輝夜、暗いところでゲームしてると目ぇ悪くするって何回言ったらわかるんだよ」

 

そんな前ならいつもかけていたやや日常的な言葉を目の前にいる少女にかける

その言葉を聞いて、ゲームをしていた少女は俺に飛びついてきた

 

「稜夜兄ちゃん…!死んだんじゃないかって…心配したんだから…!!」

 

俺の胸に飛び込んできた直後に、泣き出す輝夜

…辛い思いをさせてしまったな…もしかしたら永琳も…

 

「死ぬわけないじゃないか…なんてったって俺は不死身だからな…」

 

少しの間、唯々泣き続ける輝夜を抱きしめていた

 

 

 

泣き止んで、やっと気持ちが落ち着いてきた輝夜に、ずっと気になっていたことを問うた

 

「それで、ここに来た理由は?」

 

「それはね…」

 

そういって、長い長い悲しき月の姫の罪の話を聞かされた

輝夜は、禁忌とされる『蓬莱の薬』を飲んでしまい、流刑になるか、それともどうせ死なないなら…と、人体実験をされるか。その二択で、当たり前だが流刑を選択したらしい

結局流刑で、生まれ故郷を追放されたそうな

そんな風に選択させてくれるのは、月の民やツクヨミにもまだ良心があったのだろう

そして、気になっていたその禁忌とされてきた薬を飲んでしまった理由…それは…

 

――興味本位。

 

段々と自分の気持ちが高ぶっていくのはわかっていた。

だが、そう簡単には抑えられなかった

 

パァンッ!!!

 

俺は思いっきり輝夜の頬を叩いた

音が漏れぬよう、結界まで張って

 

「えっ…?」

 

理解できぬ状況に輝夜は呆然とする

そして、そんな輝夜に俺は怒号を飛ばす

 

「なんてことをしているんだお前はッ!!!いいか…不死になるっていうことはな…何よりも辛いことだ…近しい友人たちは皆、自分よりも早く逝く。『何もしてやれなかった』そんな無力感が自分を襲うッ!そんな風にして生まれた感情は死ぬことより、何倍も…何千倍も辛いことだッ!!お前はそれをわかっていてそれをやったのか!?」

 

そうだ…実際自分でも後悔している…何故こんなものに頼っちまったのかってな…

そんな思いを噛み締めるように、自分への憎しみを押し殺すように、歯を食いしばりながら続ける

 

「まだお前の近くには不老不死の俺が居てやれる…だが、もしも居なかったら…?最後には孤独を抱えて生きていかないといけないんだ!そんな悲しみをずっと背負ったまま生きていく人生なんて辛いだけだろう…?もう一度言う…それをわかっててやったのか…?」

 

そんな俺の言葉に、何か思いを食いしばるように、反抗してくる

 

「誰が私しか飲んでないと言ったの?まさか私だけだとでも…?」

 

「まさか…」

 

そんな輝夜の言葉を聞き、真っ先に浮かぶ顔は一つ

永琳…ッ!!

 

考える暇はなく、感情だけで拳を振り上げる

だが、放とうとした先には、一筋の涙が伝っていた

 

「…輝夜…?」

 

「私だって…後悔してる…償いたい…関係のない永琳まで巻き込み、しかも追放されることになってしまって…結局、皆に迷惑をかけてばかり…それに、私だって色々と辛い思いをしてきたもの…」

 

何かを思い返すように、悲しそうな目をする

そして、そんな懺悔のように連ねられた言葉の後に、こんなことをいった

 

「明後日、私は刑期を終えて、月に帰る。それと変わるように永琳はこちらに飛ばされるの…」

 

「明後日!?」

 

またか…とてもデジャヴを感じる…

頭を抱えていると、申し訳なさそうに輝夜が言ってくる

 

「ねぇ稜夜兄ちゃん…こんな中言うのもなんだけど…私達をここから逃がしてほしいの…私が罪を償うためにも…!」

 

「…は?」




はい、どうだったでしょうか第12話。
色々とここに詰め込み過ぎた感が否めないです…
4か月温め続けた結果がこのごちゃごちゃ感…自分もまだまだです…
そんな感じで、次回はまた忘れたころに…

では次回まで…ゆっくりしていってくださいね!


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第13話 懐かしき再開

どうも、Hanrei284です。
お久しぶりです。約4か月ぶりですね…本当に申し訳ないです…
去年の10月辺りからVoiceroidにはまり込んじゃいまして、若干東方への意欲が薄れておりました…
他にもリアルでの事情や積みゲーの消化など…
一応まだこれは書く予定ですので、失踪するまでお付き合いいただけたら幸いです。

ではお待たせいたしました第13話!ゆっくりしていってくださいね!


輝夜に永琳と私を助けてくれと言われてから2日が経った。

そう、永琳がこちらに飛ばされる日だ。

 

「はぁ…若干後ろめたい感情が…」

 

「どうしたの?」

 

ため息をついていると、隣のレミリアが頭にはてなマークを浮かべながら聞いてくる。

おめーさんのことだよ。おめーさんの。

そういうわけにもいかず『いや、気のせいだ。』そういって言葉を濁す。

 

「んじゃあそろそろ行くか…」

 

重い腰をぐっと持ち上げて立ち上がる。

 

「本当にこの小屋ともお別れね…」

 

寂しそうに小屋の中を歩き回るレミリア。

うーむ…ここまでいたく気に入られると壊しにくいなぁ…

少し頭を掻き、ふと思い立つ。

 

「わーったよ。帰ったらこれと一緒の小屋を作ってやるから」

 

「やったぁ!ありがとぉー!」

 

ぎゅーっと俺の体に抱き着いてくるレミリア。

くっそぉ…可愛いなマジで…

思わずそっと頭を撫でる。

 

「フフフ…ッ」

 

顔を俺に埋めながらスリスリとこすりつけてきた。

襲いたい。めっちゃ襲いたい。

そんな感情と戦いながら優しくレミリアを抱き上げる。

 

「イチャついてる場合じゃないんだ。そろそろ行かないと」

 

「むーっ…まぁそうね」

 

少し残念そうなレミリアと共に外へ出て、簡単に後始末を済ませる。

さて、瞬間移動の準備して…

 

ホイッと。

 

軽く輝夜の屋敷へと飛んできた。

 

「あ、稜夜兄。もう準備万端な感じかな?」

 

「まぁな。そうだ、一つ聞いておきたいんだが、今日の護衛隊って何処の所属か解るか?」

 

「あー…確か月夜見所属第3護衛隊じゃなかったかな」

 

うろ覚えだけど…そう付け足して少し難しそうな顔をする。

第3か…そこだったら案外どうにかなるかもしれないな…

 

月夜見第3護衛隊とは。

昔俺が綿月姉妹に剣術を教えてた時についでに一緒になって教えてた部隊だ。

割とエリート揃いで、しかも気前のいい奴らばかりだったので俺的には印象がいい。

 

どうにかそいつらを言いくるめるしかねぇか…

まともに相手してたら流石に体が追い付かねぇからな。

 

「よし。じゃあそろそろ出れるように準備しとけ」

 

「えっ!?もう準備するの?早すぎない?」

 

かなり驚いた表情を浮かべる。

そんな驚きに追い打ちするかのように新たな言葉を放つ。

 

「時間を飛ばす」

 

「「はぁっ!?」」

 

今まで黙ってたレミリアも一緒になって驚く。

だってすることなくて暇だもん。

作者にその間を埋める文章力なんて備わってないし。

 

3…2…1…

 

『突撃ぃぃぃぃぃぃ!!!』

 

『輝夜様の為にぃぃぃぃ!!!』

 

『鬼畜兵を!一掃せぇぇぇぇ!!!』

 

『やぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

 

なんで日本兵いるんですかねぇ…

まぁ気にしたら負けか。

さて、始めるか。

 

「レミィと輝夜はここで待ってろ。すぐ戻る」

 

そういって俺は一人で戦場となっている外へと飛び出す。

そして、俺は月のやつら以外の時間を止める。

それを見た月の護衛隊は驚いたようで、声を上げる。

 

「何が起こった!?総員、全方向注意!!」

 

「ストップストップ。久しぶりだな。お前ら」

 

全員が目を丸くしてこちらを見やる。

 

「稜夜殿…!?生きていらっしゃいましたか…!!」

 

俺の存在を理解し、感極まったように俺の手を握る月夜見第3護衛隊隊長。

相変わらずこいつは義理堅いというかなんというか…

 

「死ぬわけないだろう。俺は不死身の身なんでな。ところで、俺は今日、一つお願いがあってここにいるんだ」

 

「ハッ!!なんなりと!」

 

ビシッと敬礼を決めて真剣な眼差しを送る隊長。

なんなりとって…結構難しい問題なんだがなぁ…

 

「永琳がここにきて、輝夜を月に帰すんだよな?それについてなんだが、単刀直入にいう。この二人を逃がしてほしい」

 

俺は深々と頭を下げる。

それに驚いたようで、隊長は『あぁっ、頭を上げてください』そういってきた。

 

「どうしてまたそんなことを…?」

 

隊長は不思議そうに問うてくる。

勿論不思議に思うだろう。その理由を説明する。

 

「あいつらは月での禁忌を犯した。だからもう月には居られない、迷惑をかけるわけにもいかないから…とのことだ」

 

だから…どうか聞き入れてはくれまいか…!

そうもう一度頭を下げると、まさかの言葉が俺の耳に飛び込んできた。

 

「そんな風に思っていらしたのですか姫様は…そういう事でしたら私は構いません。しかし、ツクヨミ様には…」

 

まさかの承諾。

これには俺自身かなり驚いてしまった。

目を丸くしていると、隊長に呼びかけられた。

 

「稜夜殿、どうかされましたか?」

 

「い…いや、まさか承諾されるとは思っていなかったものだからな…」

 

少し焦る俺を見ながらハハハと笑う隊長。

 

「流石にそこまで堅物じゃありませんし、何よりこれを承諾しないことには稜夜殿を敵に回すでしょうしね。いくら私たちが束になったとて敵いませんよ」

 

そんなことはないとは思うが…

話がわかるやつで本当によかったよ…

そう心の中で思いつつ、話を進めていく。

 

「ツクヨミの方には俺から話を付けに行くつもりだ。まぁなんとかなるだろう」

 

「稜夜殿も相変わらずですな…そこが稜夜殿の長所であり短所だと思いますが…」

 

肩をすくめ、苦笑しながら語る隊長。

まぁ隊長には世話んなったからなぁ…よく飲みに行ったものだ…

 

「取り敢えず了解致しました。永琳様にはどうお伝えしたらよろしいでしょうか?」

 

「こっちから迎えに行くよ。場所だけ教えてくれ」

 

「了解です。ここから約…」

 

大まかな場所を隊長から教えてもらい、そこに飛べるようにする。

すると、若い隊員たちが俺に寄ってきた。

 

「貴方様があの『永遠の剣豪』と謳われた稜夜様ですか!握手をお願いしてもよろしいでしょうか!」

 

こんな風に。まるでハリウッドスターにでもなった気分だ。

隊長によると、俺はあっちではある意味英雄的な存在になっているらしい。

なんか照れるな。

 

寄ってたかってくる隊員たちの相手をすること十数分…

 

「そろそろ行かないと。またそっちにもお邪魔させてもらうよ。またその時にでも」

 

「はい。また一杯引っかけましょう」

 

隊長は手元をクイッと動かす動作をしながら言ってきた。

嬉しいねぇ…今度は特上の酒でも持っていこうか。

そんな会話を交わし、その場を離れる。

さてと、そろそろお姫様を迎えにいかないといかんな。

 

ポンッと宙を蹴り、永琳の近くまで飛ぶ。

そして、永琳の護衛をしているやつを手招きして呼びつける。

 

「稜夜殿、お久しぶりです」

 

「おう、久しぶり。元気にしてたか?」

 

はい、おかげさまで。そういって笑顔を見せてきた。

うむ、何より何より。

 

「事情はお聞きしております。早くお顔を見せてあげてください。ここ数千年、ずっと会いたいと懇願されておりましたので…」

 

「そうか…有難う。この礼はいつか必ずさせてもらうよ」

 

そんな俺の言葉を聞いて『そんな…恐縮です』そういって自嘲の笑みを浮かべる護衛達。

そして護衛は永琳の籠から離れていく。

前に月に行ってからもうそんなに経つか…

寂しい思いをさせてただろうな…

少し自己嫌悪に走りつつ、そっと籠の中を覗く。

中にいた永琳に、優しく問いかける。

 

「…よぉ、待たせたかな?」

 

すると永琳は数秒唖然とした後、涙を浮かべながら返してきた。

 

「どれだけ待たせたと思ってるの…!」

 

そんな永琳を俺はそっと抱く。

永琳は俺の胸の中で泣き出した。

今までの思いが込み上げてきたのだろう。どんどん俺を抱きしめる永琳の力は強くなっていく。

 

「ゴメンな。色々あってなかなかそっちに行けなかったんだよ…」

 

泣きじゃくる永琳の前で俺は何を言えばいいのかわからなかった。

どんな謝罪の言葉を探せばいいのかわからなかった。

ただ、『ゴメンな…』そう謝ることしか出来なかった。

 

泣き止まない永琳を俺は抱き上げ、護衛の者たちにも挨拶をして輝夜のところへと飛ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ!稜夜兄!」

 

「稜夜!」

 

そういってレミリアと輝夜が出迎えてくれた。

辺り一帯とても静かになっていた。

粗方隊長たちが対処してくれたのだろう。

屋敷の庭で泣いている翁たちを見れば、大体察しがついた。

 

簡単に言ってしまえば『演出』

幻覚か何かを見せて輝夜姫がここを去ったように見せかけたのだろう。

ここにいる輝夜本人は見えていないようだった。

ついでに言ってしまえば、俺やレミリア、永琳も含めて。

あいつらにも礼を考えておかなければいけないな…

 

「姫様!よくぞご無事で…」

 

「なかなかこちらの生活も楽しかったわ。永琳が心配するほどのこともなかったしね」

 

心配そうに抱き着く永琳に輝夜は笑顔を見せた。

もうなんていうか、親子だよな…

 

「さて、これから新しい住処がいるだろう?案内するよ」

 

そういって俺はいそいそと準備を始める。

そして、やっと元気になった永琳に訝しげに問われる。

 

「そうね。そこでこの女性のことも聞かないと…ね?」

 

「ハハハ…お手柔らかにお願いします…」

 

その威圧に俺も思わず敬語に。

うわぁぉ、怒っていらっしゃる…

激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリームですね…

 

そんな威圧に押しつぶされそうになりながら俺は紫ちゃんがいる空間へと入っていく。勿論他のみんなも一緒に。

 

「紫ちゃん。準備は出来てるかい?」

 

「バッチリです!いつでもどうぞ!」

 

そうニコッと笑いながら、紫ちゃんが作りたいと言っていた世界へ。

実は、永琳達の新しい家は紫ちゃんが作っている世界のもう安定している場所に俺が作っておいた。

あっちの世界では輝夜はかなりの有名人だし、どうせならこっちで静かに暮らしたいだろうと思って作った。

勿論このこともツクヨミには話を通しに行く。

 

そして、家の中を皆にザックリと説明する。

 

余談だが、この家の周辺は、特殊な結界を俺が張っているので、普通に来ようと思うと必ず迷うようにしてある。

静かな生活を求めるには丁度いいだろう。

『八意永琳は静かに暮らしたい』ってな。

 

「ここが新しい家だ。気に入ってもらえたかな?」

 

「えぇ、いい感じね。ここなら静かに薬の研究が出来るわ」

 

「うん。ずーっと籠ってられるわね」

 

永琳の理由は兎も角…

…輝夜、ちゃんと外出ろよ。

 

「一応今の俺の住んでいるとこにも行けるようにしておいたから、何かあったら言ってくれ。紫ちゃんもありがとな」

 

「はい!また何かあったら呼んでくださいね!」

 

そう言って紫ちゃんはスキマの中へと消えていく。

 

「さて、やらないといけないことは終わったし、一旦かいさー…」

 

言おうとすると、永琳に首根っこを掴まれる。

 

「ダメよ。残るは最重要事項よ。色々とお話をしないといけないわよね?」

 

「はい…」

 

グググ…と引っ張られたまま屋敷の中へ引きずり込まれる。

イタイイタイ。首折れちゃうよ。

この後俺は一体どうなるのか…若干心配だなぁ…




はい、どうだったでしょうか第13話。
実は身内の中でちょくちょく小説を書くことがよくあったので、若干ですが書き方が変わっちゃってます。稜夜くんのキャラも若干変わっちゃってます。
永琳に何千年ぶりに再会した後、永琳達の新居に引きずり込まれていく稜夜くん、どうなってしまうのでしょうか…?
そして次はいつ投稿出来るでしょうか…(遠い目)
気長に『あ、そういやこんな小説もあったっけな』そんな感じで待っていただけたら幸いです。

では次回まで…ゆっくりしていってくださいね!


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吸血録IFシリーズ
第一回 【もしレミリアと戦っていたら】


どうも!最近忙しい上に、厳しい道のりを選んだHanrei284です!
今回は少し道をそれまして、『もしも~なら』そういった意味を込めた
『東方吸血録IFシリーズ』を投稿していきたいと思います
このIFシリーズは、本編が引っ掛かった時の救済用なので、本当に稀になると思われます
ちなみに、今回はもしレミリアと戦っていたら、という趣旨のもと、内容はイングリッシュが多様に使用されております
では吸血録IF第一回、ゆっくりしていってくださいね!


何か軍勢が真っ赤な館に走っていくのが見える

あれが吸血鬼ハンター共か…仕方ない…

そんなことを思いながら町から少し離れた山に登る

そしてこの時代には到底見合わないスナイパーライフルを取り出す

 

山の緑の草の中、狙いを定められる位置を探し、そこに構える

弾は…足りるな…

音が目立たないようにサプレッサーを装着する

 

パスッという音の中、俺が狙うやつが一人ずつどんどん倒れていく

その光景を館から出てきた少女は困惑する

おぉ…レミリア嬢じゃないか…これは尚更手を出させるわけにはいかねぇな、原作崩壊しちまう

あれ…?俺が色々やってる時点で既に壊れてるような…?まぁいいか

 

あらかた片した後に、レミリア嬢らしき人物の目の前に飛び立つ

突然現れた俺のことを唖然とポカーンと見つめる彼女

 

「…Who are you?(…貴方は誰?)」

 

不思議そうにこちらをまじまじと見つめた後に、まさかの言葉が飛んでくる

 

「I got it…You also will you come to kill me?(わかったわ…貴方も私を殺しに来たんでしょう?)」

 

「No!I came to help for you!(違う!俺は君を助けに来たんだ!)」

 

思わず俺は即座に否定する

あんな頭の回転のされ方をするとは思わなかった…

 

「Not believe possibly…if let's way.(到底信じられないわね…ならばこうしましょう)」

 

俺は次の瞬間に発される言葉に愕然とする

 

「When you are able to win me,I believe you.(貴方が私に勝つことができたら信じるわ)」

 

そんなまさかの言葉に俺は渋々了承する

 

「I know…if it believe me?(わかった…そしたら信じてくれるんだな?)」

 

「Ofcouse,noble vampire is not lie.(もちろんよ、高貴な吸血鬼は嘘をつかないもの)」

 

そういい二人は距離をとり、小さくため息をつき、同時に言葉を放つ

 

「The moon is red so much too,kill you seriously.(こんなに月も紅いから、本気で殺すわよ)」

 

「This moon is stained crimson so much…enjoy…?(こんなに月が紅く染まっているんだ…楽しもうぜ…?)」

 

レミリアはそういった直後に俺へと距離を近づけてくる

手に握られた真っ赤な槍を俺へ突き立てる

その槍が俺の耳元で『ヒュゴッ』という音を響かせる

 

「Fend off this blow…quite enjoy…(この一撃を躱すとはね…かなり楽しめそうだわ…)」

 

「As always…it is an honor.(いつものことなんだが…光栄だね)」

 

「You terrible monster…(とんだ化け物ね…)」

 

そういってレミリアは必死にグングニルを振るってくるが、俺は軽々とそれを躱していく

…さすがに女の子に武器使うのもな…

何かいい方法はないだろうか…そう思いながら唯々躱し続ける

 

「Are you kidding me?If this not to fight.(ふざけてるの?これじゃあ戦いにならないわ)」

 

額に青筋を浮かべながらこちらを睨むレミリア

そんなこと言われてもなぁ…女性を切り刻むなんて出来ねぇもんなぁ…

 

「If,Do not cry even if painful?(なら、痛くても泣くんじゃねぇぞ?)」

 

そう言って俺はレミリアに笑って見せた

 

レミリアside

 

「Do you have what you say…?(一体何を言っている…の…?)」

 

こいつが巫山戯たことを言ってきたので、絶対に殺してやる、そう思ったのだがいつの間にか私の目の前から消えていた

とっさに構え、周りを見渡すが、何処にも見当たらない

何処に行ったの…?

 

「Do you looking for me?(俺のことを探しているのか?)」

 

クスクスと耳元で笑う声が聞こえる

その方向にグングニルを振るうが、当たった感覚がない

段々と恐怖の感情すら抱けてきた

そして思わず声を上げてしまう

 

「Where do you have!?To show up!!(何処にいるの!?姿を見せなさい!!)

 

「I'm here.But a little sore , be patient.(俺はここにいるよ。少し痛いけど我慢してくれよな。)」

 

そう耳元から聞こえた瞬間、物凄い衝撃が私を襲い、その直後に私は意識を手放した

 

稜夜side

 

真っ赤な館の真ん中、意識がないレミリアを膝枕しながら色々と考える

思った以上に強く首を叩いてしまったらしく、首に青痣ができてしまっていた

やってしまった…と思いながら治癒魔法を使い、首にある痣を消す

 

そうこうしているとレミリアが目を覚ます

 

「ぅ…うぅん…」

 

そう言って目を擦る

その動作に思わずドキッとしてしまう

ダメだダメだ、俺には永琳がいるじゃないか…

そう思い意識を持ち直す

 

「どうだ?具合は?」

 

そう俺が声をかけると、最初は驚いて少し睨まれたが、諦めたようにため息をついた

 

「私の負け…ごめんなさいね、突然色々なことが起こりすぎて気が動転していたみたいなの」

 

「いいさ、生き物なんてそんなもんだ」

 

「それにしてもこの言葉は何?私喋ったことないはずなのに言えているんだけれど?」

 

とても不思議そうに問われる

これは俺の能力を使って君のところの言語を俺のところの言語に変えているだけだ、気にしないでくれ

そんなことを伝え、ついでに俺のことも色々と教えておく

そして二人とも自己紹介を軽く済ませる

 

「ふぅん…日本とかいう国から強い人を求めてきたのね…そんな人なかなかいないわよ?」

 

そういってクスクスと笑うレミリア

くっそ…何もかもの動作が可愛い…

 

「それにしても、あなたの能力は異常ね、そんな人に勝てるわけないじゃない」

 

「いいや、君も十分強かったさ、躱すのが一苦労だったよ」

 

「そういってもらえるとなんだか嬉しいわね」

 

「そういえば、怪我は大丈夫か?傷は女性にとっちゃ負のステータスに成り得るからな、できるだけ無いようにしたんだが、首だけは痣にしてしまったから治癒しておいたぞ」

 

「全然大丈夫よ、相手が吸血鬼でも女性扱いしてくれるなんてね、嬉しいわ」

 

そう俺の言葉を聞いて嬉しそうに答えるレミリア

いつもと同じ行動でも、ここまで喜んでもらえると嬉しいものがあるな

 

笑いながらスクッと立ち上がり、俺の前に仁王立ちするレミリア

一体何をするつもりなんだろうか?

そんな呑気なことを考えていると、まさかの言葉が放たれた

 

「私と結婚して、ここの館主になって!!」

 

その言葉に俺は愕然としながら聞き返す

 

「はっ!?なんで!?」

 

「だって、貴方のような優しい人なら何でも任せられるわ!どうせなら私と結婚して、ここ『紅魔館』を受け継いでほしいの!」

 

「けど俺、既に嫁のような存在がいるんだが…」

 

レミリアはそんなことは気にも留めないようにどんどんと色々なことを提案してくる

 

「それなら第2の妻でも構わないわ!またの機会にその方とお話をすればいいだけの話よ!」

 

目を輝かせ、鼻息を荒くしながら言ってくるレミリア

くっ…ここまで言われると断りづらい…

…俺って流されやすいなぁ…

 

「わかったよ…これからよろしくな、レミリア」

 

「えぇ!よろしくね、稜夜!!」

 

ニコニコして腕に摑まってくるレミリアをみて微笑みながら頭を過るのが永琳だった

…このこと話したら殺されるか、それとも殺されるか、よくて口をきいてくれなくなりそうだな…

色々な感情が混ざり合う中、レミリアに色々なところを案内された




はい、どうだったでしょうかIF第一回
思った以上に英文に時間を費やしまして、少し投稿が遅れてしまいました
しかも英文、もしかしたら変なところがあるかもしれないので、もしありましたらコメントお願いいたします
その他、感想・意見・質問・アドバイス等ありましたらコメントお願いいたします
では次回まで…ゆっくりしていってくださいね!


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