仮面ライダー ライダーズクロニクル (K.V)
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第1話 ライダーデビュー
とある日曜日の朝、1人の少年が気持ち良さそうに寝ていた。しばらくは起きそうにない、そんな時だった。
「お兄ちゃんお兄ちゃん‼︎」
1人の少女がドアを勢いよく開け、勝手に部屋の中に入り、そして寝ている少年の布団を無理矢理引き剥がした。
「お兄ちゃん起きて!」
「……なんだよもう、もうちょっと寝かせろよ……」
少年はそう言って再び寝ようとしたが
「駄目‼︎早く着替えて降りてきて‼︎わかった!?」
そう言うと少女は部屋から出て行き少年は渋々起きて着替えを済ませて部屋を出た。
俺は八巻統也。普通の高校生だ。日曜日だからもうちょっと寝たかったが無理矢理起こされた挙句にすぐに降りてこいと言ってきた。だから仕方なく起きた。
「おはよう統也」
「おはよう母さん」
今のは俺の母さんだ。自分で言うのもあれだけど結構良い母親だと思う。
「お兄ちゃん、早く早く!」
そしてはしゃいでるのが俺の妹の結花だ。ちなみに中3だ。俺を無理矢理起こしたのもこいつだ。日頃からテンションが高いが今日はいつも以上にテンションが高い。一体何だって言うんだろうか?
「お前さっきから何なんだよ。無理矢理起こしやがって」
「お兄ちゃんこれ‼︎」
「ん?なんだよこれ?」
結花は俺に箱を渡した。何が入ってるんだ?まさか、もしかしたら‼︎
俺は勢いよく箱を開け、中身を確認した。その中に入っていたのは
「戦極ドライバー……」
その中には、『戦極ドライバー』と呼ばれるベルトと、それと一緒に使用する錠前『ロックシード』が入っていた。
「よっしゃ来たああああ‼︎」
俺は思わす叫んでしまった。それくらい嬉しいんだ。これで俺もついにライダーデビューなんだ‼︎
「やったねお兄ちゃん‼︎これでお兄ちゃんも仮面ライダーだね‼︎」
「ああ‼︎」
『仮面ライダー』
それは、自らが変身して相手の仮面ライダーと戦う世界で大流行している大人気のエンターテインメントである。老若男女問わず人気であり、プロリーグも存在している。そして、アマチュアのための大会もある。
「お兄ちゃん、じゃあ早速ライダーステーションに行こう!」
「ああ‼︎」
俺と結花は早速ライダーステーションに向かった。
『ライダーステーション』
全国各地にある施設。そこではライダーバトルをする事が出来、大会も開かれたりしている。そこには多くの少年少女が集まりライダーバトルを行っている。
さて、俺たちはライダーステーションに着いた。
「お兄ちゃん、人が多いね」
「そうだな」
結花の言うように人が多い。だいたいが中学生と高校生だが。中にあるモニターには色んな仮面ライダーが戦っていた。早く俺も戦いたいぜ。
だがここで問題が発生した。実は俺と結花はこの街に引っ越して来たばかりだ。つまり、俺にはまだ碌な知り合いがいない。結花はもう友達は出来たらしいが俺にはまだここに来て友達と呼べるような奴はいない。そして最悪な事に俺は人見知りだ。いきなり知らない奴に声をかけて「おい、勝負しろよ」なんて言えるわけがない。いきなり詰んでしまった。
「お兄ちゃん、どうしたの?」
「えっ⁉︎いや、何でもないぞ‼︎決して知らない奴に話しかけられないなんて思ってないぞ‼︎」
「お兄ちゃん……」
「なんだよ……」
やばい、これはやばい。
統也と結花が漫才をしている時に、とある二人組がライダーステーションに入って来た。
「誰だあいつは?」
「何だか見ない顔だな」
「よし、ちょっと行ってみるか」
「お、おい!ったく、あいつはいつも勝手だなあ」
何だこれは?結花がジト目で俺を見てくる。妹にジト目で見られる兄って、どんな絵面だよ。
「おい、そこのお前」
誰かに話しかけられた気がした。お前って、俺のことか?
「お前って、俺のことですか?」
いきなり敬語になってしまったが初対面の人には敬語がいいだろう。
「そうだお前だ」
やべえ。いきなり話しかけられてしまった。どうしよう?
「おい待てよ慎一!」
と思ったら今度は別の奴が来た。様子を見るにこいつの知り合いか?
「なんだよ達也、何か問題あるのか?」
「大有りだ。いきなり話しかける奴があるか。悪いな、こいつこういう奴だからって……八巻君?」
えっ?この人俺のこと知ってんの?
「ええと、貴方は?」
「同じクラスの藤澤達也だよ。ほら、席が3つ前の」
3つ前?……ああ、思い出した。
「藤澤君か、ごめん。まだ顔と名前一致してなくて」
「いいよ。じゃあ改めて、藤澤達也だ。よろしく」
「八巻統也。よろしく」
「そしてこいつは多田慎一だ」
「多田慎一だ、よろしくな。で、そこの女子は?」
しまった。結花が完全に蚊帳の外だ。一応紹介しておくか。
「ああ、妹の結花だ」
「八巻結花です。よろしくお願いします。やったねお兄ちゃん、友達できて!」
「ちょっと黙ってろ」
「ところで、お前ここに来るの初めてなのか?」
「ああ、今日が初めてなんだ」
「そうか。じゃあ俺とやるか?」
「いいのか?」
「ああ、俺が練習相手になってやるよ。丁度あそこが空いてるな、行こうぜ!」
すると慎一はすぐに空いてるスペースに向かった。俺たちもすぐに着いて行った。そこには小型のステージがあった。
「よし、じゃあ早速始めるがやり方はわかるか?」
「ああ、ここに立てば良いんだろう」
「そうだ。2人が揃った時点でバトルフィールドに転送される。じゃあ行くぞ」
俺と慎一はステージに立った。そして俺たちはバトルフィールドに転送された。
実際にライダーバトルをするにあたって、決められている事がある。ライダーバトルは、専用のバトルフィールドで行われる。ちなみにバトルフィールドが以上をきたした時には強制送還される。現実でも変身する事は出来るがそれは特別な事でもない限り禁止されている。
俺たちが転送されたバトルフィールドは大した事のないスタジアムだった。基本はこのバトルフィールドなのか?
「統也、先ずは実際にやってみるぞ」
慎一は急に持っていたアタッシュケースから銀色のベルトと携帯電話を取り出した。慎一はベルトを装着し携帯を開いた。そして
5 5 5 ENTER
『Standing by 』
「変身‼︎」
慎一は携帯をベルトに装着した。
『Complete』
するとベルトから赤いラインが出現し慎一を覆い始めた。そして一瞬発光すると慎一は姿が変わっていた。
「どうだ!仮面ライダーファイズだ‼︎」
あれが変身か。生で見ると凄い。
「じゃあお前もやってみろ‼︎」
「ああ!」
俺は戦極ドライバーを取り出し装着した。そして俺は『オレンジロックシード』を持った。
「変身‼︎」
俺はロックシードを解錠した。
『オレンジ!』
すると上空に巨大なオレンジが出現した。そして俺はオレンジロックシードを戦極ドライバーにセットしハンガーを閉じた。
『ロック・オン!』
戦極ドライバーから螺貝の音楽が流れてきた。そしてカッティングブレードを倒した。
『ソイヤッ‼︎』
上空のオレンジが俺に落ちて来て俺に被さり、ライドウェアが形成された。
『オレンジアームズ!花道!オン・ステージ!』
オレンジが展開しアーマーが完成した。そしてアームズウェポンの大橙丸が握られた。俺は『仮面ライダー鎧武 オレンジアームズ』に変身した。
「俺は仮面ライダー鎧武。行くぞ!」
今回はここまでです。
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第2話 デビュー戦(練習) VSファイズ
前回のあらすじ
八巻統也が懸賞で『戦極ドライバー』を手に入れ、妹の八巻結花と共に『ライダーステーション』に訪れる。そこで多田慎一と藤澤達也の2人と出会い、友達となる。そして練習をすることになり統也は『仮面ライダー鎧武』に変身し、ライダーデビューをしたのであった。
「俺は仮面ライダー鎧武。行くぞ!」
決まった。俺は変身したんだ、仮面ライダーに。これで俺もライダーデビューだ‼︎やっべぇ、俺感動してる。
「へえ、お前鎧武なのか。凄えじゃんか!」
「ああ!じゃあ早速始めようぜ!」
「張り切ってるな。じゃあ行くぞ!」
「おお‼︎」
よっしゃああ!俺のデビュー戦だぜ!
「お兄ちゃん変身した‼︎オレンジ被った‼︎」
一方、モニターに映し出されている統也を見て結花のテンションが上がっていた。自分の兄が変身したのだ。当然と言えるだろう。しかしそれでもテンション高すぎる気がするが。
「なあ結花ちゃん。鎧武って確か懸賞だった気がするんだけど?」
「はい、お兄ちゃん懸賞で当てたんです。今朝ベルトが届いて、私も嬉しくて寝ていた兄を無理矢理起こしてしまいましたよ」
「そうなのか、凄いな。じゃあ本当に今日が初めてなんだな」
そして再び、結花と達也はモニターに目を移した。
俺は慎一が変身した『仮面ライダーファイズ』と戦っている。と言っても、まだ練習の段階で戦っているとは言えないが。戦いの基本を教えてもらいながら言われた通りに動いている。だからファイズは今は俺に攻撃をせずに受身となっている状態だ。なんだか申し訳ない気もするが、そんな事は言ってられない。慎一の指示通りに動くだけだ。
「よし、先ずはこんなものだろう。じゃあ今度は俺も攻撃するからな」
「ああ」
するとファイズは俺に向かってきた。俺はカウンターをしようと待ち構えていたが近づいてきたと同時に俺を飛び越えてそのまま俺に攻撃してきた。
「とまあ、こんな感じで身体能力も上がるからそれを利用しない手はない。武器に頼るのも良いが、こんな風に格闘で攻撃するのも大事だ」
「了解」
なるほど、これは参考になるな。よし、早速やってみよう。
「はああ‼︎」
俺は大橙丸を構えファイズに向かって行った。ファイズは俺が来るのわ待ち構えている。俺はそのままファイズに大橙丸を振り下ろした。だがファイズは俺の腕を掴み攻撃を防いだ。攻撃を防がれるのは予定通りだ。鎧武にはもう一つ武器がある。俺は左手で左のベルトにある『無双セイバー』を逆手に持ちファイズを斬りつけた。そしてさらにファイズに回し蹴りを浴びせた。
「ぐっ……やるな」
「どうだ!」
「よし、じゃあ必殺技だ。やり方わかるか?」
「大丈夫だ」
「よし、やってみろ」
俺は戦極ドライバーのカッティングブレードを一回降ろした。
『ソイヤッ! オレンジスカッシュ!』
俺は勢いよくジャンプをすると、俺の前にいくつものオレンジを輪切りにしたエネルギー体が出現した。そして俺は蹴りの体勢をとった。
「でやああああああ‼︎」
オレンジを通過しながら俺のキックが放たれる。『無頼キック』がファイズに直撃した。
「ぐっ‼︎」
無頼キックを喰らったファイズは後ずさり、その場に倒れこんだ。
WINNER 鎧武
勝負が決まったアナウンスが鳴ると、俺たちは再び転送された。
バトルフィールドから元の場所に戻って来ると、俺と慎一の変身は自動的に解除された。
「大体戦い方はわかっただろ?」
「ああ、何とか思い通りには動けた」
「お兄ちゃんいつも部屋で練習してたもんね〜!」
「なっ⁉︎お前何でそれを⁉︎」
まさか鎧武に変身した事を想定した動きを見られてたのか⁉︎やべえ恥ずかしい……
「達也、俺もあんな妹が欲しかったな」
「何を言ってんだお前は。でも、確かに初めてにしては中々いい動きをしていたな。よし、統也君、次は俺とやろうか?連戦になるけど大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ。よろしく頼む。あと統也でいいぞ」
「わかったよ。じゃあ行こうか」
俺と達也はバトルフィールドに転送された。
「さあ、始めるよ」
達也は黄色いコウモリを模した『キバットバットⅢ世』を掴み、口を開けた。
『ガブッ!』
キバットが達也の手に噛み付くと顔にステンドグラスの模様が浮かび上がり、腰にはいくつもの鎖が巻かれ始めると、その鎖は赤いベルトに変わった。
「変身」
達也はキバットを逆さに装着した。すると達也の体が変化し、周りがガラス状になった。達也を覆っていたガラスが割れると、そこには赤い戦士がいた。
「仮面ライダーキバ。始めようか」
達也は『仮面ライダーキバ キバフォーム』に変身した。
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