ISの世界でも狙い撃つ! (悠(偽))
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第一話 目覚めた世界は・・・・・
それでは始まります。基本は一人称視点です。
俺は宇宙の中を漂っていた・・・・・。
サーシェスの野郎には一矢報いた、デュナメスは今頃ハロがトレミーに運んでくれてるだろう。
地球が見える。チクショウ・・嫌になるくらいに綺麗だな。
遠くからエクシアが、刹那が向かってくるのが見える。
ったく、来るのが遅いぞ・・・・・刹那。
俺はもう一度地球を見る。
「お前ら・・・・・こんな世界で満足か・・・・・」
左手を銃のように構えて地球へ向ける。
「俺は・・・・・嫌だね・・・・・」
瞬間、俺の意識は闇へと落ちていった。
あぁ、死ぬのか、俺は。
まだ、何も成し遂げてないのに・・・・。
それだけが後悔だった。
背中が熱い・・・・反射的に起き上がっていた。
「俺は・・・・・死んだんじゃないのか・・・・・?」
何故だ、あの時GNアームズの爆発に巻き込まれて・・・・ここはどこだ?
どこかの砂浜のようだが、全く記憶にない場所だ。いや、今はそれより状況確認だ。そう思い空を見上げて・・・・・
「軌道エレベーターが、無い・・・だと?」
空にあるはずの軌道エレベーターが無かったのだ。
とにかく移動しようと立ち上がろうとした時、
「動くな!貴様何者だ!」
背後から威圧的な声とともに銃を向けられる気配がした。両手を上げて振り返る。
そこにはスーツ姿の女性がいた。
「もう一度言う。貴様は何者だ?」
ここで嘘をついてもメリットはない。俺は素直に答えることにした。
「俺はロックオン・ストラトス、ソレスタルビーイングのガンダムマイスターだ。」
「ソレスタルビーイング?ガンダムマイスター?何をふざけたことを言っている、嘘が通じるとでも思ったのか?」
この時ロックオンは確信した。ここは自分のいた世界ではないと。
「あくまで黙り込むか、いいだろう、お前を連行する。ついて来い。」
「断ったら?」
「国際IS委員会にでも突き出してやろうか。ここはIS学園だからな。」
IS?聞いたことがない。
「なああんた、ISってなんだ?」
「織斑千冬だ。ISを知らないふりとは白々しい。私を馬鹿にしているのか?」
「いや、本当に知らないんだよ。そもそも俺がいた世界ではないみたいだしな、この地球は」
「嘘に嘘を重ねるか、ますます罪が重くなるぞ?」
「ちーちゃん!そいつ嘘ついてないよ」
突然背後からうさ耳?のようなものをつけた人物が現れた。「またお前か束。で、嘘をついていないとはどういうことだ?」
「言葉通りの意味だよ、ついでに戸籍もしらべたけどロックオン・ストラトスなんて名前は存在してなかったよ。この世界にはね。」
そりゃコードネームだからなと心の中でツッコミを入れる。が、今は黙っておこう。下手に自分の正体を晒すもんじゃない。というかいつ調べたんだよ俺の事。
「なるほど、ではお前は本当に別世界の人間なのか?ロックオン。」
「最初からそう言ってるだろ?ミス千冬。右も左もわからない上に元の世界に帰る術もわからない。今の俺は完全に手詰まりだ。」
「ならIS学園に入ればいいと思うよー?」
「束!?何を言っているのだお前は、そもそもこいつはISを知らんのだ、加えて男、動かせるはずが・・・・・」
「いっくんっていう例外がいるんだし調べてみる価値はあるんじゃない?」
そう束が言うと千冬は考え込むように腕を組み、
「まあ、試してみるか、最悪用務員とでも言ってこの学校に置いておくか・・・・」
今の発言、俺のことをここに拘束するって言ってるように聞こえたんだが気のせいか・・・・・?
「じゃあ束さんは帰るねー!バイバイ(ヾ(´・ω・`)」
そういうと人参のようなロケットに乗り込み、飛び立っていった。
「ついて来いロックオン。お前をテストする。」
テスト会場に向かっている間にISに関する基礎知識を教わった。
まず、ISは先程会った束、篠ノ之束によって作られた宇宙開発が目的のパワードスーツであること。しかし、それは女性にしか動かすことができず、この世界には女尊男卑の風潮ができていること。くわえてISに必要なコアは世界に467個しかなく、数に限りがあるということ。宇宙開発が目的でありながら、兵器として利用されていること、モンドグロッソという大会でISの世界一を決める戦いがあること、織斑千冬はその初代チャンピオンだということ、そして、織斑千冬の弟織斑一夏がつい最近ISを男でありながら起動し、IS学園に入学せざるを得なくなったこと。
それらを話しているうちにひとつの部屋の前についた。
「ここだ。」
中へ入ると、中央に一機の鉄の塊のようなものが鎮座していた。これがISなのか?
「触れてみろ、そうすればお前が動かせるかどうかわかる。」
ミス千冬の言う通りに触れてみる。なんだ、この感覚、初めて見る筈なのにとても愛着を感じる。まるでデュナメスのような・・・・・
その時、ISは形状変化を始めた。
機体の装甲は緑色へと変化し、右肩には巨大なスナイパーライフル、頭部にはV字のアンテナが生え、ツインアイが静かに、だが確かに自己主張するように光っていた。
「来てくれたのか・・・・・デュナメス・・・・・」
「な、全身装甲だと!?」
安堵した顔を浮かべた俺とは対照的に、千冬は焦って声を荒らげていた。が、すぐに元通りになり、
「ロックオン・ストラトス、おまえは明日からここの生徒としてIS学園に所属してもらう。異論は認めないぞ。」
「オーライ。了解しましたよ、ミス千冬。」
ここにもう一人の男性IS操縦者が誕生した。
どうでしょうか、感想などおねがいします。
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第二話 この世界の『歪み』
翌日、俺は入学式には参加せず、職員室でミス千冬と話していた。服装はIS学園の制服、白がメインのデザインになっていて着ていて慣れない。なぜ入学式に参加してないかというと
「お前は一夏以上に例外な生徒だからあとで私が教室に連れていく。」
とのことだった。
「お前は学校生活を送ったことがあるのか?」
ミス千冬が訪ねてくる。興味本位とわかっているがその質問を聞いた俺は顔を反射的にしかめていた。
「気に障ったか、すまんな。」
「いや、あんたが謝ることじゃない。さっきの質問の答えだが、イエスだ。正確には途中までは送ったことがある。」
「何があったのか差し支えなければ話してくれないか?」
今更隠したところで後でバレるだろう。それにこの世界での協力者を作らなければ、元の世界に帰る手立ても立たない。俺は話すことにした。
「俺はアイルランドの出身でな、俺を含めて五人家族だった。俺の下に妹と弟がいたんだ。だが、ある日テロに巻き込まれてな、両親と妹は死んだんだ。俺の目の前で。」
「・・・・・っ、すまないな、そんな悲しいことを思い出させて。」
「いや、いいんだ。そのあと、俺はソレスタルビーイングに入って、ガンダムマイスターとなった。」
「そのソレスタルビーイングとはどんな組織だ?昨日は結局事後処理に追われて聞けなかったからな、話してくれ。」
「ソレスタルビーイングは俺たちの世界で頻発していた紛争およびそれに関わる組織、団体を武力によって殲滅、排除する組織だ。俺はそこでガンダムマイスターとして活動していた。」
「戦いを戦いによって消すとは、なんとも矛盾しているな。それで、先程から言っているガンダムとはなんだ?」
昨日、俺がデュナメスを起動させたあと、デュナメスは自動的に待機形態となった。待機形態とは読んで字のごとく、ISの待機状態だ。人によって異なるらしいが、俺の場合は首からかけるネックレスタイプだ。色はもちろん緑、形はドッグタグのような形状だ。
さて、ガンダムはともかく、GNドライブについてだが、機密情報は隠して上辺だけを話しておくか。
「ガンダムとは俺の乗っていた機体、モビルスーツの名前だ。ガンダムデュナメス、主に後方からの狙撃を行っていた。他に三機あった、近接担当のエクシア、強襲離脱のキュリオス、砲撃を行うヴァーチェだ。この四機にはGNドライブという特殊なエンジンが積まれていた。これは半永久的に動く動力炉だって話だが、詳細はガンダムマイスターにも知らされなかった。ま、こんなところか。ほかに質問はあるか?」
「いや、そろそろホームルームの時間だろう。移動する、ついて来い。」
一年一組
「また学校に通うことになるとはね・・・・ま、楽しませてもらうか。」
ミス千冬が先に教室に入ると、教室から歓喜(?)の叫び声が聞こえてきた。
「きゃぁぁぁぁ!!本物の千冬さまぁぁぁぁぁぁ!」
「会いたかったですぅぅぅ!!!」
「北九州からきたんです!千冬様に会いに!」
元気だねェ、年頃の乙女達は。
「まったく、お前たちは静かにできんのか!」
ミス千冬も同じことを考えてたみたいだな。
「みんなも知っての通りだが、お前たちの担任になる織斑千冬だ。お前たちを一年間で立派なIS乗りにするのが私の仕事だ。私の質問には全てイエスかはいで答えろ。いいな!」
軍曹かよ、おっかないぜまったく。
「そしてもう一人、織村と同じで男性の操縦者が現れた、別々のクラスにするのもなんなのでこのクラスで面倒を見ることにした。入ってこい。」
俺は教室のドアを開ける
そして名乗った
「先程ミス千冬の紹介にもあったとおり、二人目の操縦者のロックオン・ストラトスだ。ISはほとんど乗ったことがないがこれもなんかの縁だろう。よろしく頼むぜ。」
そういいつつウインクをしてみる。
バタっ⊂⌒~⊃。Д。)⊃
何人かがこんな状態になっていた。ほかの生徒たちは
「あぁ、イケメン・・・・・」
「と、尊い・・・・・」
「包容力ありそう・・・・・」
・・・皆心の声漏れてるぞ?まあ悪い奴らじゃ無さそうだな。
「それではストラトスへの質問タイムだ。聞きたいことがいる奴は手を挙げろ。」
「「「「「はーーい!!!!」」」」」
みんな一斉に手を挙げた。
「彼女いるんですか!?」
「いないよ。」
「出身は!?」
「アイルランドだ。」
「年齢幾つですか!?」
「24だが特別枠でここには入れた、余計な気遣いは不要だから気軽に話してくれ。」
まだまだ続きそうだ・・・・・
「はぁ、流石に質問の嵐はしんどいな・・・・・」
あのあとホームールームが終わっても質問攻めにあった俺は授業内容をノートに書いている。
隣の席の織斑一夏はわからないと言う言葉をそのままこの世に持ってきたかのような顔をしている。
「織村くん、わからないところありますか?」
担当のミス真耶が話しかける。
山田真耶、教師としては童顔で巨にゅ・・胸が豊かな女性だ、おっとりとした性格で生徒とも仲が良い。
「全部わかりません・・・・・」
ドタッ
教室のみんながずっこけた。ノリがいいな。いや、今はそんなことを言ってる場合じゃない。ミス真耶の授業はとても分かり易い。ではなぜ織斑一夏はわからないのか。答えは簡単、教科書がないのだ。
「あの、教科書はないんですか?」
ミス真耶も同じことを考えていたようだ。
「古い電話帳と間違って捨てました!」
馬鹿だな・・・・・おい。いくらなんでも間違えないだろ。ミス真耶も絶句してるぞ?
「再発行するから三日で覚えろこのバカ者!」
後ろからミス千冬の出席簿アタックが織斑一夏に炸裂した。
「いってぇぇぇ・・・・・三日ってそんな無理いうなよ千冬姉・・・・・」
「織村先生だ!」
また出席簿アタック、いつか織斑一夏の頭は凹みそうだな。
次の休み時間、織斑一夏が俺に話しかけてきた。隣にいるのは篠ノ之箒といって一夏の幼馴染みらしい。なんでも6年ぶりの再会だとか。篠ノ之・・・・・あの束ってやつの妹か?今は詮索はやめておくか。
「ロックオンさん、その、宜しくお願いしますね。男一人だと視線が辛くて・・・・・」
「ロックオンでいいぜ。よろしく織村。」
「なら俺のことも一夏って呼んでくれ。」
「あぁ、よろしく一夏」
「私も、名前でいいですか?」
「構わないよ、よろしく篠ノ之」
「私も箒でいいですよ。」
一瞬、彼女の顔が曇ったのは気のせいか・・・・・
「私は次の授業の準備があるのでそろそろ失礼する。」
箒は自分の席へ戻っていった。
お互いに仲を深めている最中
「ちょっとよろしいです?」
「「?」」
「まあ!、この私に声をかけられただけで光栄だというのにその態度、様子見に来ただけですが私の見当違いでしたわね。」
「で、俺たち二人になんの用だ、イギリス代表候補生のセシリア・オルコットさん。」
「少しは話を聞いていたようですね。で、そちらのあなたはどうなんですの?」
オルコットは一夏を見る。
「代表候補生って、何?」
一夏・・・・・それは言っちゃダメだったぞ・・・仕方ない、フォローするか。
「一夏、代表候補生っていうのはそのとおり、国家代表の候補ってことだ。簡単に言うとエリートだな。」
あえて褒めてみたが、どう動く?オルコット
「そちらの殿方はある程度知識があるようですね、関心ですわ。そう、私はエリートなのです!だからもしISのことを教えて欲しければ教えてあげてもよろしいですわよ?」
こいつは昨日、ミス千冬が言ってた女尊男卑っていう考えに染まってそうだな。そのときチャイムが鳴った。
「っ、いいこと?次も来ますからね?」
オルコットは席へ戻った。次の授業はミス千冬が教壇に立った。
「さて、授業をはじめる。っと、その前にクラス代表を決めておくか。クラス代表とは簡単に言えば学級委員のようなものだ。それに加えてクラス対抗戦などにも出てもらう。自推他推は問わない。誰かいないか?」
「「「織村君を推薦します!」」」
「「「ストラトスさんを推薦します!!」」」
まあこうなるよな・・・・・
隣の一夏も戸惑っている。そんな時
「納得いきませんわ!」
机を叩く音とともにそんな大声が教室内に響いた。
「この代表候補生のセシリア・オルコットを差し置いてクラス代表になるとは。私にそのような屈辱を一年間味わえと言うのですか!?大体文化も後進的なこんな国にいること自体、私にとっては苦痛だというのに!」
オルコット、おまえも爆弾発言を投下したな。隣の一夏の顔、ありゃおそらくマジギレだな。
「そんなこというならイギリスだって何年メシがまずい国一位って言われ続けてるんだよ!。お互い様だろ。日本を馬鹿にするな!」
「私の祖国を侮辱するのですか!?」
こりゃ、もう一回助け舟を出してやるか。
「祖国を侮辱・・・・・ねぇ。なあオルコット、お前、ISを開発したのが誰かわかっているのか?」
「それはもちろん篠ノ之束ですわ、それがどうかしましたか?」
まだ気づいてないのか、コイツの頭もよっぽどお花畑なんだろうな。
「なら、モンドグロッソ初代チャンピオンは誰だ?」
「それはもちろん織斑千冬先生・・・・・はっ!」
ようやく気づいたか
「そうだ、お前、言ったな、文化が後進的だと。本当に後進的ならISも作れないし、そんなISの大会で優勝できる訳が無い。更にお前はイギリス代表候補生。ここではお前の発言がイギリスという国の発言だと捉えられてもおかしくない。さっきの発言を世界に公表すれば国際問題にだってなるんだぞ?わかっているのか?」
オルコットは肩を震わせている。反省したのか?
「決闘ですわっっっ!!」
なんでそうなる。まあそれであいつの気が収まるのならやってやるか。こっちにはデュナメスがあるしな。
「話は終わったか?」
ミス千冬がようやく口を開いた。
「決闘は来週行う。形式は三人によるバトルロワイヤル、異論はないな?」
「なんで俺も?」
一夏が、間抜けな声でミス千冬に質問する。
「当然だろう。オルコットに最初に啖呵を切ったのはおまえなんだからな。せいぜい頑張れよ。」
こうして決闘を行うこととなった。
セシリア・オルコット・・・・・女尊男卑の考えに染まっていたか。刹那のように言うのならあれがこの世界での歪みとなる存在なのか・・・・・。ともかく、どんな世界でもソレスタルビーイングのガンダムマイスターのやるべきことは一つだ。
放課後、俺は整備室へと向かった。
ミス千冬がデュナメスを見てくれるらしい。整備室に入るとミス千冬の隣に見知らぬ人物がいた。
「初めまして、ロックオン・ストラトスさん、私はここIS学園の生徒会長をしています、更識楯無です。」
「よろしく更識。で、デュナメスを見に来たのか?」
「ええ、その通りです。」
そういいながら更識は手に持っていた扇子を開く、そこにはご名答と書かれていた。なんだあの扇子?それはともかく、武装のチェックだ。
「このGNっていうのにはどんな意味があるんだ?」
「ガンダムの装備ってことだ。」
「それにしてもすごい出力出せそう、一度戦ってみたいです♪」
あの更識ってやつ、注意した方が良さそうだな、こちらの整備を手伝っているように見えるがこちらの手際をさっきからずっと見ている。一通り整備が終わると(整備と言ってもほぼ武装の確認で終わった)更識は生徒会の仕事があると言って整備室を出た。そのとき俺に向けられた目は、女子高生のものではなかった・・・・まるで、獲物を見るような目で、俺を見ていた。調べてみるか。彼女のこと
整備が終わり、ようやく俺は帰路につこうとして一つの疑問を持った。
「部屋・・・・・どこだ?」
昨日は職員室を使わせてもらったが、生徒となった以上学園の寮を使うはずだ。が、俺は部屋を知らない。整備室に残っていたミス千冬に尋ねる
「なあミス千冬、俺の部屋ってあるのか?」
「あぁ、忘れていた。これがお前の部屋の鍵だ。」
忘れてたのか、教師としてどうなんだそれ。渡された鍵には1030と書かれていた。
「相部屋だが構わんよな?」
「俺が年頃の女子になにかするとでも?」
「そんな軽口をたたけるのなら問題ないな。お前のルームメイトには連絡済みだ。」
「感謝するよ、ミス千冬。」
寮の1030号室へと向かう。さて、ルームメイトとご対面だ。
ノックをする
「今日から相部屋になるロックオンだ。」
「どうぞ・・」
この声、どこかで聞き覚えが・・・・
ドアを開けるとそこには
「・・・・・フェルト?」
フェルトに瓜二つの少女がいたのだ。
はい、第二話でした。出ましたね。セシリアw
個人的には嫌いではないですよ、セシリア。原作要素を入れるとこうなってしまったんです。オルコッ党の皆様申し訳ない┏○┓
さて、フェルトにそっくりの少女は完全にオリキャラです。ストーリーに絡ませるかは今のところ未定です(おい)
次回は決闘まで行けるかな・・・・・
よろしければ感想などおねがいします
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第三話 ルームメイトは・・・・・
第三話、始まります
「フェルト・・・・・なのか?」
フェルト・グレイス、ソレスタルビーイングのメンバーの一人でロックオンと同じくプトレマイオスに搭乗していた家族のような存在。目の前の少女は同一人物と言っていいほど違和感がなかった。
「私の名前はレイナです。フェルトという名前ではありません。」
どうやら別人だったようだ。
「すまない、あまりに知人に似ていたから驚いてしまった。」
「気にしないで。それともう一つ、私はここの生徒じゃない。」
「ならなんでここにいるんだ?」
「あなたと話したいという人がいる。コレを。」
そう言われて渡されたのはスマートフォン。どうやら電話がつながっているようだ。電話に出ると
「もすもすぅぅぅ~?束さんだよぉ〜。」
昨日会ったばかりの篠ノ之束だった。
「何の用だ?こっちも聞きたいことがあるんだが。」
「そこのレイナちゃんのことでしょ?その娘は私が伝達役としてIS学園に送ったの!私から話があるときは基本的にその娘を通して話すからよろしくぅ~。」
相変わらずテンションが高いな。だが聞きたいところはそこじゃない。俺は質問を続けた。
「オーケー、理解した。それともう一つ、彼女は何者だ?」
俺がそう聞くと束の口からは俺が予想してなかった答えが帰ってきた。
「レイナちゃんは人工的に作られたクローンなの。ISを研究しているバカどもは人間改造にも手を出し始めてね、レイナちゃんみたいなクローンが世界にはたくさん生まれているんだよ。で、かわいそうだったから保護したわけ。」
人体実験まで行ってるのか、この世界も相当歪んでるな、許せねぇ。戦うだけの人間を作るなんて・・・・・
だが天災と言われている束にも、人間らしい面もあるんだな。
「今失礼なことを考えなかったかなろっくん?」
「何も、というかろっくんてなんだ?」
「君のあだ名♪、ロックオンなんて毎回呼ぶの面倒くさいよ〜。」
「あんまりあだ名つけられるのは好きじゃないんだが・・・・」「もう決めたからダメー。」
はぁ、諦めるしかないか。それで気がすんだのか、束がようやく本題を切り出した。
「それで、ろっくんのIS調べたんだけどさ、スペックが第三世代の機体を軽く上回ってるよ。束さんもびっくり!
いま開発してるところなのに何があったのか、本当に驚いたよぉ〜。」
驚いてると言っているのになんで楽しそうなんだ、束・・・・・
「ほかのISと戦うときは自粛してね、本気でやったら多分相手死んじゃうから♪」
「わかったよ。それで、俺は今日武装しか確認出来なかったんだが、中身はどうなっていたんだ?詳細なスペックデータが欲しい。」
なぜ調べたのにわからないのか、それはIS学園のシステムで調べようとするとエラーが発生し、ロックオンが調べようとしたが反応しなかったのだ。幸い内部システムのみにかけられていたロックらしく、アラートもならなかった為、ロックオン以外に気づいたものはいなかった。それと同時にロックオンは束にも機体の解析を頼むよう連絡を入れていた。
「束さんの技術を使っても解除に三十分かかったよ、よっぽど見せたくないものでもあったのかと思ったけど、第四世代の機体となれば話は別だねー、それに面白い単一仕様能力もあったし。」
単一仕様能力、それはISが第二段階に移行した時に発現する能力とされており、IS一機ごとに一つしかない能力だ。
ミス千冬の乗っていた暮桜にも零落白夜という能力があり、そのおかけで優勝をつかめたらしい。
「で、デュナメスに搭載されてた単一仕様能力はなんだったんだ?」
「んーとね、なんて読むんだこれ?トランザムって読めばいいの?」
その瞬間、俺は衝撃のあまり、スマホを落としそうになった。
「本当にトランザムなのか・・・・・」
「機体スペックが爆発的に上がるのには驚いたよー。アクセスキーはそっちに送るよー。それを使えばデュナメスの、詳細なスペックを見れると思うよー。それじゃー切るねー。」
「待ってくれ、更識楯無のことを調べてくれないか?IS学園の生徒会長なんだが、どうもきな臭い。気になるんだ。」
「デュナメスのデータもわかったしそのくらいならお任せだよー。バイバーイ!」
そこで電話は切れた。
「では私も失礼します。」
レイナが立ち上がり部屋を出ようとする。
「待ってくれ、君はどこへ?」
「束の元へ帰ります。今来ている制服はあくまでカモフラージュです。連絡がある際はまた来ますので。」
そう言ってレイナは部屋を出ていった。
俺のルームメイトって、結局誰なんだ・・・?
今はそれよりデュナメスのデータを見よう。さきほど送られてきた束のアクセスキーを使い、デュナメスのロックを外す。そうするとさっきは見られなかったデータが開示されていた。
機体名 ガンダムデュナメス
動力 GNドライヴ
武装 GNスナイパーライフル
GNビームピストル
GNミサイル
GNビームサーベル
GNフルシールド
単一仕様能力 TRANS-AM
「本当にあったのか、トランザム・・・・・」
TRANS-AM、機体のGN粒子を一斉に開放することによって一定時間、機体性能を三倍の出力まで引き上げることのできるシステム。しかし、使用後は機体性能が大幅にダウンするため諸刃の剣でもある。
「向こうと同じだな、トランザムのシステムは。」
改めてシステムの確認がちょうど終わったとき、ドアがノックされた。
「どうぞ。」
入ってきたのはメガネをかけていて髪の青い、大人しそうな少女だった。
「あなたが、ロックオン・ストラトスさん?」
「そうだ、初めましてになるな。」
「私は更識簪、よろしくお願いします。」
更識・・・・・あの更識楯無の妹か。
「よろしくな更識。あと敬語はいらない。楽にしてくれ。」
苗字を呼ばれると簪は不機嫌そうな顔になり
「じゃあ、簪って呼んで。」
「わかったよ簪。それにしても綺麗な髪の色だな。」
素直に褒めると簪は頬を赤くしながら
「あ、ありがとう・・・・・」
とうつむいた。照れてるのか?
そこからはお互いに軽く自己紹介をした。
この世界では俺はたまたまISに触って起動してしまっただけで、その前は射撃部に所属している大学生ということになっていた。
一方で簪はやはり更識楯無の妹だった。実家のことは多くは語らなかったが、日本の代表候補生だという。すごい実力者だな。ルームメイトとしてこれから仲良くやっていけそうだ。
「ロックオンは専用機を持ってるの?」
「ああ、射撃機タイプだ。簪は?」
「私は、開発を中断されたの。」
簪の顔が曇る。
「悪い、無神経に聞いて。」
「いいの、織斑一夏のせいだから。」
「というと?」
「織斑一夏がISに乗れるということが判明してから私の専用機を作ったいた倉持技研は織斑一夏の専用機を作り始めたの。男という理由だけでっ・・・・・!」
簪も苦労してるんだな。
「その機体は今どこに?」
「整備室に置いてある。時間があるときはだいたいそこで機体を作ってる。」
「誰と作ってるんだ?」
「一人で。」
まじか。技術者か何十人何百人集まっても時間がかかる専用機を簪は一人で作っているらしい。
「なんで一人で作ってるんだ?」
「・・・・・姉が、そうだったから。」
なるほど、姉と比べられているわけか。なんでも姉である更識楯無はロシアの国家代表であり、専用機も一人で作ったらしい。本当に苦労してるんだな。なら・・・
「その専用機作るの、協力してもいいか?といっても意見を出すくらいしかできないが。」
「なんでロックオンが?」
「こうしてルームメイトになったんだ。お互い困ったら助け合いだろ。」
「でも・・・・・」
「人に頼るのも大事だぞ?年上の意見も参考にしてみろよ、な?」
「・・・・・気が向いたら誘う。」
「その気になったらいつでも呼んでくれよ?」
こうして学校生活一日目が終わった。明日からはオルコットと一夏との決闘に向けて特訓開始だな。ガンダムマイスターとしての経験がどこまで生かせるか・・・・・楽しみでもあり不安でもある。
後半グダりましたね、ほんとごめんなさい!_|\○_
加えて整備室での話も後から足りない部分がいくつか出てきちゃって今回のような後付けになってしまいました。本当にゴメンなさい!
それにキャラの性格が違うし・・・・・文才がない
感想で簪まだかぁぁぁ!という読者様の心の叫びを聞きましたので簪を出すことにしました!
オリキャラであるレイナ ですがこれからもちょくちょく出る予定です。
駄文でしたが感想などあったらお願いします
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第四話 特訓、決闘への準備開始
初めての戦闘描写なので下手くそですが、温かい目で見てくれると嬉しいです
それでは第四話、始まります!
翌日から特訓を開始した。簪にオルコットと一夏の二人と決闘をすることになったと話したら快く特訓の指導を引き受けてくれた。
「織斑一夏を倒してくれるなら協力する。」
とのことだ。
放課後、使用許可を取ったアリーナへと向かう。
そこには既にIS『打鉄』を装備した簪がスタンバイしていた。
「待たせたか?」
「ううん、それより早く始めよう。」
そういえば、デュナメスを纏うのは今回が初めてだな。
ISを展開するのにはイメージが必要だとミス千冬から聞いた。なので、
「来い、デュナメス・・・・・」
そう言うと瞬く間に俺の体はデュナメスを纏っていた。
新鮮な感覚だな、モビルスーツとも違う。
「カッコイイ・・・・・」
簪が食い入るような目でこちらを見ている。
「こういうのが好きなのか?簪は。」
「・・・・・うん、ロボットとか大好き。とくにその頭部装甲のツインアイとか・・・・・」
「ははっ、お気に召したようで何よりだよ、早速動かし方、教えてくれないか?」
そう言ったとき、デュナメスからアラートが鳴った。故障か?
そもそも今回乗るのが初めてなんだし故障なんてしないんだが・・・・・
「ロックオン!、ロックオン!」
突然、機械じみた音声が聞こえた。俺はこの声をよく覚えている。
「ハロ!?お前もいたのか!驚いたぜこりゃあ。」
「ヨロコベ!ヨロコベ!」
ハロ、デュナメスに搭載していたシステムのひとつで、主にフルシールドの制御や狙撃の補佐を行なった。ハロがいるとは心強いな!
「そのシステム、何?」
音声は簪にも聞こえていたらしい。
「こいつはハロ、元n・・・・・この機体に搭載されてるシステムの一つだ。俺の補佐をしてくれる。」
危なかった、俺がこの世界の住人じゃないと自ら言うところだった。幸いフルフェイスの装甲のため、簪には動揺を気づかれることはなかった。
「コイツ、ダレダ?コイツ、ダレダ?」
「簪って言うんだ。俺のルームメイトだよ。ほら、挨拶しろよ。」
「ヨロシクナ!ヨロシクナ!」
「か、可愛い・・・・・よろしくね、ハロ。」
さて、ハロの紹介も終わったところで特訓開始とするか。
「じゃあ、まず飛行するところから始めてみよう。飛ぶのもイメージが大事、角錐を展開するようにって教科書には書いてあるけどあくまで参考にしかならない。自分なりにまずはイメージしてみて。」
どうやらISの操作の基本はイメージらしい。簪に言われた通りにまずはイメージしてみる。自らがデュナメスとなって空を飛ぶイメージ。
するとあっさりデュナメスは浮いた。
「すごい・・・・飲み込みが早いね、次はそのまま移動してみて。」
さっきと同じようにイメージしながら動いてみる。
刹那じゃないが自分がガンダムになった気分だな。
それに、楽しい。
そのまましばらく自由に飛んだあと、
「次は武装の展開をしてみて。」
と言われたのでまずは右肩に搭載されているGNスナイパーライフルを構える、続けてGNビームピストルを出そうとして、あれ?ホルスターが無い・・・・・
「武装がないの?それ、多分呼び出さないと出てこないと思う。」
と言われた。よし、イメージイメージ。
イメージするとGNビームピストルが俺の両手に握られていた。これもモビルスーツにはない機能だな。武装が量子化して機体内部に保存されてる、か。
練習が必要だな。
しばらく動きながら武装を展開、収納を繰り返すこと三十分、だいぶ様になってきた。
「こんな短時間で慣れるなんて、飲み込みが早いね。最低でも二日はかかると思ってたからびっくりした・・・・・。」
俺の習得スピードは簪からしたら異常らしい。
すると
「模擬戦、してみない?」
簪からの突然の申し入れに驚いた。俺は一昨日ISというものに触れたばかりなのに対して簪は日本の代表候補生なのだ。
「俺なんかじゃ相手にならないぞ?いいのか?」
建前上、言っておく。ISの起動時間は確かに簪のほうが圧倒的に長い。だが、こっちはなんども命のやりとりをしたのだ。戦闘経験は俺の方が多い。
「今のロックオンと戦ってみたい、そうすれば改善点も自ずと見える・・・・・と思う。」
まあそうなるよな。アリーナの使用時間にも限りがある。残りは二十分程度しか残っていない。
・・・・・やるだけ、やってみるか。
「オーケーだ。ルールはどちらかが降参するかもしくはアリーナの使用時間が終わるまで続ける。これでいいか?」
「うん、大丈夫。」
「じゃあ、始めるか・・・・・。」
俺と簪の間に突如緊張感が漂う。相手は訓練機に乗っているとはいえ日本の代表候補生なのだ。ガンダムマイスターとしての経験を総動員して簪の動きを予測する。
見たところ簪の乗っているIS、打鉄の武装はブレード一本のみ、まだ武装を持っている可能性は十分あるが、近接戦闘がメインの機体だと判断した。対する俺のデュナメスは言うまでもなく遠距離型、どうにかして簪は俺に近づこうとするはずだ。ならば・・・・・
「行くよっ・・・!」
「近づかれる前にカタを付ける!」
GNビームピストルを構え、打鉄へと連射する。その数およそ20発。だが、流石は代表候補生。朝飯前という調子ですべて回避される。
「今度は、こっちの番!」
打鉄が急加速(後で教えてもらったが瞬時加速《イグニッションブースト》と呼ばれる技術のことらしい)し、一瞬で簪はブレードの届く範囲まで接近してきた。
負けるのか?こんなにあっさり?
まさか、この程度で負けたらガンダムマイスターのいい恥さらしだ。使うつもりはなかったが・・・・・背に腹は代えられない。
「ハロ!シールド制御任せる!」
「リョウカイ!リョウカイ!」
打鉄の振りおろしたブレードをデュナメスのフルシールドが弾く、シールドエネルギーの減少はほとんど見受けられない。フルシールドモードを解除、まずは距離を取る。ひとまず仕切り直しだ。
「何・・・・・あのシールド・・・・・」
一方の簪はフルシールドにブレードを弾かれたことを理解できていないみたいだ。そりゃそうだ、初めて見た人からすれば、突然シールドが出現したように見えただろう。
簪は動揺してる、攻めるなら今がチャンスだな。
今度はGNビームピストルではなく、GNスナイパーライフルを構える。打鉄との距離はおよそ二十メートル、これだけあればチャージに必要な時間は充分稼げる。
一秒でチャージは完了、今簪は気づいた様だが遅い!
「狙い撃つ!」
ビームは打鉄に直撃、かなりシールドエネルギーは減らせただろう。
「なんなの・・・・・さっきのシールド・・・・・。」
「それは終わってから説明するぜ。戦いの最中にネタばらしはしたくないからなっ!」
再びGNビームピストルを連射、先ほどは撒くように撃ったが、今回は当てる目的で撃つ。
簪は近づけず、次々に被弾していく。
「くっ・・・・・このっ・・・・・」
「ソノチョウシダ!ソノチョウシダ!」
ハロも勝ちを確信したかのようにこちらに声をかけるが、俺は簪の目を見てまだ彼女は諦めてないと考えた。
次の瞬間、その考えは的中する。
近接戦は無理と判断した簪が打鉄のブレードをこちらに向かって投げてきたのだ。
「危ねぇっ!」
ギリギリで躱したつもりだが、左肩にはダメージが通った。ブレードは攻撃力が高いらしく550あったシールドエネルギーは490まで減らされていた。
続いて簪は量子化していたであろうマシンガンを2つ呼び出し、こちらと同じく射撃戦を展開してきた。意外だな、だが簪も射撃が得意ということだろう。
俺と簪の距離も再び縮まる。インファイトのような戦闘態勢になり、お互いが被弾するであろう距離まで近づいたその時、
キーンコーンカーンコーン・・・・・
アリーナの使用終了を告げるチャイムが鳴った。
どうでしたか?
感想などあったらお願いします
あまり戦闘描写に自信がないです・・・・・
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第五話 反省と研究と
はい、決闘は次の話で行います。もうしばらくお待ちください。楽しみしてくださった方々本当に申し訳ないですすいませんでした ペコリ(o_ _)o))
今回は短めです
それでは第五話始まります
模擬戦終了後の午後六時、俺は簪と自室で先程行った模擬戦の反省会を行っていた。
「ロックオンは何であんなに射撃がうまいの?」
「大学で射撃部に所属してたんだ。成績は部内一位で地元の大会でも優勝した。」
偽の経歴を話す。実は戦争経験者ですなんてとても言えない。言ったら退学どころの話じゃない。間違いなく世界から追われるからな。
「そうなんだ、道理でうまいわけだね。」
一応、納得してくれた。
「それと、さっきのシールド、何?突然現れたように見えたんだけど・・・・・」
「あれはデュナメスに搭載されてるフルシールドっていうシステムだ。動きが遅くなる代わりにだいたいの攻撃は防いでくれる。主にハロが制御してくれてるんだ。」
「カンシャシロ!カンシャシロ!」
パソコンの画面に映っているハロが耳を跳ねながら言う。
ハロは俺のパソコンともリンクしていて俺のスマホにも呼び出せる。さすがに実体化されてたら持ち運びが面倒だったから助かる。
「面白い装備だね。狙撃する機体なのに近寄られた時の装備も万全なんて。」
「フルシールドも万能じゃないさ。さっきも言ったように展開中はスピードが落ちるし、一定以上のダメージを受けるとしばらく展開出来なくなる。」
「そんなこと、私に教えていいの?私は代表候補生、いずれロックオンとも戦うことになると思う・・・・・自分の手の内を晒すのは得策じゃないよ?」
「固いこと言うなって、おれたちはルームメイトだろ?それに俺も簪の専用機作るのに協力するしお互い様だ。」
「そっか、ふふ♪」
「どうした?なにかおかしかったか?俺」
「ううん、なんでもない。それよりご飯食べない?」
「そういやそんな時間か。食堂に行くか。」
〜食堂〜
「しっかし学食とは思えないくらい美味いなここの食事は。」
「私も、最初はびっくりした、それにメニューも多いし飽きることもないね。」
「だな、ところでさっきの話の続きだが、模擬戦の俺の動き、どうだった?」
「基本的な動きはできてた、と思う。でも回避とか攻撃の切り替える時の動きはぎこちなかったかな。それでも初めて乗ったとは思えないくらいの動きだったよ。」
「代表候補生様のお墨付きをいただけるとは光栄ですよ。」
「からかわないでよ・・・・・」
「悪かった、ま、明日も訓練頼むぜ。」
「明日は・・・・・専用機を作りたくて、その、ごめんね。」
そうだった、簪は専用機作るって言ってたよな、なら
「なら俺も明日はそっちに行こう。手伝うって言ったしな。」
「ありがとう、じゃあよろしくね?」
「オーライ、任せな。」
食事も終わり部屋に戻ろうとした時、
「あら、こんなところで会うなんて奇遇ですわね、ストラトスさん?」
「オルコット・・・・」
セシリア・オルコットと運悪く鉢合わせしてしまった。
オルコットは俺の隣にいた簪を一瞥して、
「どうやら代表候補生に教えを乞うてるようですけど、何をしても私の勝ちは揺らぎません、せいぜい抗ってくださいまし。」
これは一夏がキレる訳だ。俺も衝動的に殴ってしまいそうだ、男を完全に見下して女性が、いや自分が上だと言わんばかりの態度。
「ならそのプライドをへし折ってご覧に入れましょう、オルコットお嬢さま?」
「っ・・・・・!」
「行こうか、簪。」
「う、うん・・・・・」
固まったオルコットを放置して自室へ戻る。
〜自室〜
「オルコットさんに啖呵切っちゃうなんてすごい度胸だね、ロックオン。」
「なに、同じヨーロッパ出身としてあの態度が気に食わないんだよ。」
それに、ガンダムマイスターとしてもな。ああいう奴はいつか必ず戦争の原因になる。その前に俺が変えなきゃならない。
「でも大丈夫?オルコットさんはああ見えて入学試験で唯一試験管を倒したんだよ?それに彼女のISにはピットっていう武装も搭載されてる。」
「かなりの実力者なんだな、驚いた。ピットってどんな武装なんだ?」
そう聞くと簪は自分のパソコンを開き、一つの動画を俺に見せた。それはオルコットが模擬戦をしている映像で、オルコットが相手を蹂躙していた。
「この宙に浮いてる四つのパーツみたいなのがピットっていうの。自立兵器の一種だよ。」
思い出したくないが、スローネツヴァイのファングみたいだな。
映像を見てふと疑問が芽生えた。
「なあ、簪。オルコットはこのピットを操作してるとき、オルコット自身は攻撃できないのか?この映像を見る限りだとできてないように見えるが。」
「うん、オルコットさんはピットを操っているときは攻撃できないの。ピットの制御には集中力が必要だから。今回の勝負はそれが攻略の鍵になると思う。」
なるほど、それなら十分勝機がある。相手の手の内がわかれば対策は簡単だ。明後日からまた簪に稽古をつけてもらうか。
その時ふと、誰かの気配を感じた。なんだ、この感じは・・・・・
誰かが俺を狙ってるのか?まさかもう正体がバレたのか?
「簪、少し外に出てくるよ。すぐ戻る。」
「いいけど、どうしたの?」
「まずは俺なりにオルコットへの対抗策を考えてみようかと思ってな、気分転換に少し歩いてみるだけだ。」
「・・わかった、あまり遅くならないでね?」
〜外、寮付近〜
「で、俺に何の用かな、ストーカーさん?」
誰もいない虚空へと話しかける。
「あら、バレちゃってたかー。」
背後から声。振り返るとそこには生徒会長の更識楯無がいた。
「俺をつけまわして何が目的だ?」
「タダの興味ですよ?、興味。簪ちゃんが明るくなったのはなんでだろうなーと思ってつい。」
ついであんな尾行するのかよ、面倒極まりないシスコンだな。
「やっぱり簪はお前の妹か。」
「ええ、仲良くしてくれてるようでどうも♪」
更識が扇子を開くと感謝と書いてあった。一体いくつ持ってるんだ・・・・・
「そりゃこちらこそ。」
「来週の試合、期待してますよ?がんばってくださいね?」
一体どこまで本音なのかどこからが建前なのか、話しててもわからない。
「まあ、最善は尽くすさ。」
「ふふ♪ではこれで。あ、あともう一つだけいいです?」
帰ろうと後ろを向いた更識が顔だけをこちらへ向け
「あなたは、何者?」
「っ・・・・!」
この前整備室で見せたあの顔をもう一度こちらへ向けてきた。
「なんてね♪それでは失礼します。」
更識はそれ以上追求せず、寮へと戻っていった。
「あいつは、何者なんだ・・・・・」
「それは束が説明します。」
後ろから声、この声は・・・・・
「レイナか!?びっくりさせんなよ・・・・・」
「すみません、ですがあまり時間がないのでコチラを。」
そう言われてスマホを受け取る。
「もっすもぉっす〜!束ちゃんだよー!あの更識楯無ってやつ調べてみたらびっくりー、なんと暗部の人間だってさー。」
「暗部?」
「暗殺とか汚れ仕事をやる一族ってこと。情報網も広いから気をつけなよー。ばいばーいヾ(*´∀`*)ノ!」
こちらの返答を待たずに電話は切れた。それにしても暗部か・・・・・嫌な人間に目をつけられたもんだ。
「それでは私はこれで。」
「ああ、気をつけろよ。」
レイナとも別れ、物思いにふける。
更識のことはとりあえず置いておこう。まずは決闘だ。オルコットにプライドをへし折ってやると宣言したのだ。尚更負けるわけには行かない。
決意を新たに、俺は寮へと戻ることにした。
はい、今回は完全に箸休め回です。スミマセンでしたぁぁぁ┏○┓
フルシールドについてですが、マキシブースト(ゲーセンにあるやつ)のデュナメスのフルシールドのように一定位以上のダメージを受けると解除というふうにしました。
次回はついに決闘、楽しみにしててください!
それではまた。
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第六話 紅き光
今回はついに決闘!なのですが、いつも噛ませ犬になっているセシリアを目立たせようと考え、原作とは違う流れにしておりますのでそこはご了承ください。
それでは第六話、始まります
戦闘時推奨BGM
〜DAYBREAK'S BELL〜
決闘当日
〜第三アリーナ ピット〜
ついに決闘の日がやってきた。俺は今簪と最終調整をピットで行っていた。近くには一夏もいるのだが、専用機が届いたのは今さっき。これから調整をするそうだ。大変そうだ。
「ロックオン、基本はこれまでに立てた対策をメインにして動いて。オルコットさんも何かしら自分の弱点への対策はしてきているはず、油断しないで。」
「わかってるよ、最善を尽くすさ。」
二人で話していると、ミス千冬が話しかけてきた。
「ストラトス、頑張れよ。」
「おや、ミス千冬が素直に激励の言葉とは。」
「からかうな、全く・・・・・さっさといけ。」
相変わらず理不尽である。
ひと通りの準備が整った。ハッチへと向かい、デュナメスを展開。
「ハッチオープン・・・システムオールグリーン、発進・・・・どうぞ」
後で簪に聞いたのだが、どうやらオペレーターをやる機会があったら一回は言ってみたかったセリフらしい。
「オーライ!デュナメス、ロックオン・ストラトス、狙い撃つ!」
ガンダムマイスターの時と同じ決まり文句とともに発進。
既に空中で待機していたオルコットの元へと向かう。
「逃げずに来たようですわね、まずは褒めて差し上げますわ。」
「褒めるのは勝ってからにしてもらいたいもんだ。」
「私が勝つのは自明の理、降参するのなら今のうちですわよ?」
遅れて一夏も到着。
俺と同じ反応してるな
・・・・・人の話聞いてるのかコイツは、と言った感じだ。
「そのつもりはない。勝負は勝負だ。」
「俺だって負ける気はない!」
「ふん、せいぜいあがいて見せなさいな。」
『それではこれより、セシリア・オルコットとロックオン・ストラトス、織斑一夏のクラス代表決定戦を行う!
・・・・・始め!!』
「さあ、踊りなさい。わたくしとブルー・ティアーズが奏でるワルツで!」
開幕早々、オルコットは俺に向けライフル、『スターライトMKIII』を撃ってきた。一夏は無視かよ。だが構えも撃つタイミングも教本に載ってる通りの撃ち方だ。そんなもの、よけられないわけが無い。回避し、距離を取る。
「初撃を躱しますか、なかなかやるようですわね。ならば行きなさい!ティアーズ!」
オルコットは四機のピットを射出、俺と一夏に二基ずつ囲むように配置する。ここまでは予想通りの展開だ。二基のピットからのレーザーをひたすら回避し続ける。
「ふん、所詮男なんて逃げるだけ!口ほどにもありませんわ!」
「なんだよこれ!うわあぁ!」
一夏も回避を選んだ、危なっかしいがちゃんとよけてるな、賢明な判断だ。
まずは相手を油断させるんだ。そうすれば必ずボロが出る。攻めるタイミングができる。何発かかするが今慌てたらそのまま試合を持ってかれる、待つんだ・・・・・
試合開始から五分、オルコットの顔に疲れが見えてきた。
なんせこの五分間、ずっとピットを操作していたのだ。疲れない方がムリだろう、開始直後は何発かくらってしまったたが今は被弾ゼロ。デュナメスのシールドエネルギーは440で止まっていた。対して一夏はかなり食らっていた。シールドエネルギーも心もとないだろう。
そんな時、一夏のIS、白式に変化が現れる。
突然形を変え始めたのだ。
「まさか、一次移行!?今まで初期設定で戦っていたのですか!?」
そりゃ驚くよな、ISが全力を出せてない状態で代表候補生に食らいついていたんだ、大したもんだな。
そこからピットの射撃は激しさを増した。さっきの疲れた顔はどこへ行ったのやら。白式が一次移行したことに対して相当怒っているっぽいな。
さらに五分後、一夏もようやくピットの動きに慣れ、ある程度よけられるようになってきていた。どうやら一次移行はある程度シールドエネルギーの回復もしてくれるらしいな。
再びオルコットの顔に疲れが見え始める。
「なんで、当たらないんですの・・・・・!」
「お前のピットの操作はワンパターンすぎるんだよ。敵の視界に収まるように半分を配置、後の半分を敵の死角に配置して挟み撃ち。確かに効果的だが、慣れれば死角をわざと作って誘うこともできる。」
「この短時間でそれをやったというのですか!?」
「一週間のイメトレを甘く見るなよ?」
「俺は感覚でよけてたからギリギリだったけどな・・・・・ロックオンみたいに誘うなんてできそうにない・・・・・」
いや、それでもよけてたから凄いぞ一夏。
ISでピットを装備しているはほとんどいないという。ならどうするか、イメトレするしかないだろ。実際効果あったしな。さて、これからどうオルコット倒そうか・・・・・
「なあロックオン、オルコットを二人で倒さないか!?」
奇遇だな、俺も同じことを考えてた。一夏のIS、白式の装備はブレード一本のみ、なら前衛で突っ込み、俺が後ろでカバーすればいい。
「了解だ!行ってこい!」
「おう!」
それじゃあ、俺はピットを落とす!
「さて、そろそろこっちから仕掛けさせてもらう!」
一夏をオルコットへと向かわせ、GNビームピストルを呼び出し、背後へと撃つ。見る必要?狙う時間?そんなものいらないさ。十分も見たんだ、もう見飽きたってな。
俺と一夏の死角にいた二基のピットにビームは直撃。爆散する。
「そんな!ティアーズが!」
オルコットは初めてのことに驚き、動きを止めている。
GNスナイパーライフルを呼び出し、構える。
「狙いは外さねぇ!」
「くらええええええ!」
「キャァァァァ!」
動揺してたからか、俺のGNスナイパーライフルだけでなく一夏のブレードもモロに直撃したようだ。
この調子ならいける!
「舐めないでくださいまし!」
と思った矢先、背後と正面から合計三本のレーザーが飛んできた。避けるが、何かおかしい。
なぜ、オルコットはピットと自分のレーザーで同時に攻撃してきた?
どちらか片方しか攻撃には回せなかったはず。
「ピットが二基ならば、私も動けますわ!」
「まずい一夏!下がれ!」
「いや、いける!」
そう言うと白式のブレードが形状を変えた。
「あれは・・・・・単一仕様能力!?」
オルコットも突然のことに驚愕しっぱなしだ。だが、そう言いながらもライフルを一夏へ向け、ピットも一夏に向けようとしている。あれじゃチャンスを潰される!
「させるかよ!」
GNスナイパーライフルをピットへ向ける。外しはしない。そう思ったが、一夏が射線上に入り援護できない。
「うおおおおおおおお!」
一夏は決めに行こうとしてるだろうが、それは不発に終わるぞ・・・・・
直後盛大な爆発音。
「くそぉぉぉ!」
それとともに白式が落下していく。ほら、言わんこっちゃない。
「さあ、次はあなたの番ですわ!」
そう言いながらオルコットは再びピットを俺へと差し向ける。それに加えてスターライトMKIIIの狙撃、予想外の相手の戦法に驚きはしたが、やることは変わらない。
疲れるのを待つ。だがこちらもジリ貧にならないよう要所要所でGNビームピストルの射撃も欠かさない。
お互いに少しずつ被弾が続き、デュナメスシールドエネルギーは380まで減っていた。
「この!ちょこまかと!」
オルコットは勝ちを焦ってるな、ピットの狙いがどんどん甘くなっている。
誘ってみるか。
「ハロ!フルシールドを!」
「リョウカイ!リョウカイ!
」
ピットの攻撃をよけ、ライフルが当たる直前にフルシールドを展開、ライフルの直撃をくらったように見せる。
するとオルコットは
「最初はどうなるかと思いましたがこの調子なら私の勝ちですわね!」
と余裕綽々の表情をしている。よく見ろよオルコット、こっちはダメージは受けてないぞ?
「ダイジョウブカロックオン!ダイジョウブカロックオン!」
「問題ないさ、フルシールドの残り耐久値は?」
「175!175!」
オーケー、オルコットはこちらを見て驚愕の表情を見せた。
「なんでダメージを受けてませんの!?」
「これはフルシールドっていうシステムなんだよ、」
「カラにこもるとは卑怯な!」
「それをいうならピット使ってるお前の方がよっぽど卑怯だろ!」
口喧嘩もここまでにして、そろそろ決めに行くか!
フルシールドを解除
ティアーズのビームを地面へと着弾させるように射線を誘導、砂埃を起こし一時的な目くらましにする。
「この!出てきなさい!」
もちろん行くさ、だが、ついてこれるか!
「ト ラ ン ザ ム !」
TRANS-AMsystem start
地面から一気にオルコットの背後へと回り込み、GNビームピストルを乱射。
「な!?いつの間に!くぅっ!」
しゃべる暇があるなら棒立ちしてないで対応しろよ。
「オルコット、お前の弱点は二つだ!まず一つはピットを四基操作しているときは自身が動けないこと。二つ目は、自分の予想していない事態が起きたとき、棒立ちになる事だ!」
棒立ち、つまりは的だ。動かない的を外す俺じゃねえ。
「この!男の分際で!」
オルコットも苦し紛れにライフルを撃つ。
何発かのうち一発がデュナメスへと当たる。
「やりましたわ!やはりこのセシリア・オルコットの敵で・・・・・」
「誰がやられたって?」
ここで再びフルシールドを展開、直撃はしたがシールドエネルギーは減っていない。
「な!なぜダメージを受けて・・・・・」
「その棒立ちが命取りだ!」
フルシールドを解除、TRANS-AMを維持したままブルーティアーズへ接近、ここならビームサーベルも届く。が、オルコットはかかったなという顔をし
「まだティアーズはありましてよ! 」
ブルーティアーズの腰部から二基のミサイルを発射。
普通ならここで俺は負けていただろう。だが俺もお前と同じ射撃機体だぜ?
ビームと実弾、両方積むのは当たり前だ。故に予想も容易い。
「パターン見えてんだよ!」
ビームサーベルを横に一閃、二基のミサイルを破壊する。
「そんな!くっ・・・・インターセ・・・・」
「これで終わりだ!」
もう一本のビームサーベルを抜刀、十字に切りつけ、GNビームピストルを至近距離で連射する。
『ブルーティアーズ、シールドエネルギーエンプティ、勝者、ロックオン・ストラトス!』
ふぅ、どうにか勝ったぜ。ま、あとはなるようになるか・・・・・
ピットへ帰投すると簪が駆け寄ってきた。
「すごいよ!オルコットさんを倒したなんて!」
「簪との特訓のお陰だよ。ありがとな」
「ううん・・・・・///やりとげたのは、ロックオンだから。」
「おめでとうロックオン!」
先に戻っていた一夏からも賞賛の言葉をもらった。
「一夏、最後射線上に入るなよ・・・・・」
「そうだったのか!?全然わからなかったよ・・・・・ごめん」
まあ反省会はまた後にして、今は・・・・・勝ったことを素直に喜ぶか。
どうでしょうか、初めてのがっつり戦闘回です。非常に自信がありません!
一夏噛ませ犬感半端ねー!
あと読者様にアンケートを取らせていただきます。
クラス代表は一夏とロックオン、どちらがいいですか?
感想の方に希望のキャラを書いてください。
宜しくお願いします┏○ペコ
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第七話 和解と決意
今回はロックオンにとって大きな進展があります
決闘の後、俺はオルコットに部屋に来てくれと呼び出されていた。話がしたいとの事らしい。時刻は夜8時、簪には連絡済みだ。
部屋の前につき、ノックを二回
「どうぞ、入ってくださいまし。」
ドアを開け、中に入る。
少し高そうな寝間着のようなものを羽織ったオルコットが椅子に座っていた。
「今お茶を用意しますわね。」
そう言われて出されたのはいかにも高そうな紅茶。一口飲むと・・・・
「うまい・・・・」
「お口に合うようでよかったですわ、紅茶には少し自信がありますの。」
「家で習ったのか?」
「はい、淑女の嗜みというものですわ。」
もう一口紅茶を飲み、本題を切り出す。
「それで、話って?」
オルコットは改まって俺に向き直り、話し始めた。
「この度はあなたに対しての数々の暴言、本当に申し訳ありませんでした。」
深々とお辞儀をしてきた。
どうやらちゃんと反省してくれてるようだ、
「わかってくれたのならいいさ。だが、次はないぞ?」
「はい、気をつけますわ。それと、もう一つよろしいですか?
私自身に関することなのですが。」
話は謝罪だけじゃないってことか。
「ああ、構わない。」
オルコットは再び話し始めた。
「私はイギリスの貴族の家に生まれましたの。現地では名のある貴族で資産もかなりありました。ですが、ある時私の両親は亡くなってしまいました。当時の私は当主となるには幼すぎましたの。このままでは誰も認めてくれない。資産を奪われるかもしれない。そう考えた私は・・・・・」
オルコットが言葉に詰まる。
「ISの代表候補生になることを目指した・・・・・というわけか。」
周りはほかの貴族や資産を狙う者ばかり。まさに孤立無援。そんな状態で何年も一人で頑張ってきたのだろう。オルコットは。
「はい。代表候補生になるためには他者を蹴落とすしかなかったのですわ・・・・・今更何を言っても言い訳にしかなりませんが・・・・・」
先週教室で見せたあの高飛車な性格はそのせいか。自らの強さを誇示することで他者を寄せ付けない。当然そんなことをすれば周りに人は集まらない。ずっと一人で頑張ってきたのか。
「ところで、なんでそんな話を俺に?」
「決闘の最後、あなたの眼を見ましたの。その時に確信しました。この人になら話してもいいと。」
なんだよそれ。まあ信頼されてるってことでいいのか?だめだ、こんな年になっても女の気持ちがわからない・・・・・
「それはどういうことだ?いまいち俺にはわからないんだが・・・・・」
オルコットは真剣な顔になり、
「私に、ISの指導をしていただけませんか?
お願いします!」
そう言ってまた深々とお辞儀をしてきた。
・・・・・言葉が出ない。オルコットは代表候補生、つまりはイギリスでトップランクのIS操縦者だ。それがどうして俺に?
「一応理由を聞いてもいいか。」
「ロックオンさんの戦い方はとても射撃戦特化の機体とは思えませんでした。近接武器の使い方も心得ていて相手のリズムを崩すような戦い方でしたの。そんな戦い方を習得できれば私ももっと強くなれると思ったのです。引き受けてくださいませんか?」
本気・・・・・みたいだな。こっちも代表候補生の機体を見れるし悪い提案じゃない。ピットの性能も把握したい。
「まぁ、俺でよければ引き受けるよ。」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
そう言って笑顔を見せるオルコット。こっちが本当の素顔みたいだな。
「笑ってる方がオルコットには似合ってるよ。教室での仏頂面は似合わないな。」
しまった。つい、口に出てしまった。
オルコットは頬を赤くし、
「ななななにをおっしゃっていますの!そんなことレディに軽々しくいうものではないですわ!」
「おいおい、そんな慌てるなって。」
なんとかオルコットを落ち着かせる。最近の女の子はこんな感じなのか?前にも考えた気がするなこれ。いや、考えたらキリがない。やめておこう。
「その、ロックオンさん?」
ん、なんだ、まだ話があるのか
「なんだ?」
「私のことはどうかセシリアと呼んでくださいませんか?」
「どうして急にそんなことを?」
オルコットはもじもじとしつつも話し続ける。
「その、信頼の証・・・・・ではダメですか?」
まあ、いいか。そういうのも悪くない。
「わかったよ。改めてよろしく、セシリア。」
セシリアは出会ってから一番の満面の笑顔で
「はい!」
・・・・・不覚にも、可愛いと思ってしまった。
自然と俺も自分の事を話そうと思い始めていた。そんなことをしても俺にはデメリットしかない。わかっていても、セシリアには話さなければならない。そんな気がした。
「なあセシリア、まだ時間あるか?」
「はい、問題ありませんわ。どうかなさいました?」
俺も、向きあわなければならない。自らと。
「俺の過去に関する話だ。正直言うとセシリアには理解できない部分もあるかもしれないが、聞いてもらってもいいか?」
セシリアは首を傾げ、少し考えた後俺の顔を見て
「はい、話してください。」
真剣な話であることが伝わったのだろう。俺も自身の過去を話し始めた。
まず、自分がこの世界の住人ではないこと。次に俺がいた世界では紛争、戦争が多発していること。俺が紛争根絶を掲げた組織に所属していたこと。そして、死んだはずだということも。
「・・・・・」
セシリアは絶句し続けている。当然だろう。突然死んだことあるんだ俺とか言ってる人間が目の前にいたら信じられない。
「信じますわ・・・・・」
まあこの話を聞いて拒絶されてもしょうがな・・・・・は?
「今、なんて?」
「信じますと言ったのです。貴方の目は真剣でした。とても嘘を言ってるような目ではありません。私は信じますわ。」
信頼されるってこんなに嬉しいことなんだな。長らく忘れてた。
「ありがとうセシリア、あと俺のことはニールと呼んでくれ。」
「ニール?」
「ロックオン・ストラトスってのはコードネーム、要は偽名だ。俺の本名はニール・ディランディっていうんだ。」
「わかりましたわ。ニールさん。」
本名をさらっと教えて、経歴まで全部喋ってしまった。ガンダムマイスター失格かな、俺は。
さて、お互いを理解できたしそろそろ俺は失礼して部屋に戻ろうかな。
「じゃあ、俺はそろそろ部屋に戻るよ。」
「はい、それではまた明日、ニールさん。」
部屋から出たあと、ミス千冬へ電話をかける。
「どうしたこんな時間に。」
「頼みたいことがある。」
「・・・・・ということなんだが。」
「な!?お前、何を言ってるのかわかってるのか!?」
「俺はもう決めたんだ、頼む。」
「はあ・・・・・わかった。」
翌日、学年集会と称して一年が体育館に集められていた。
「静かにしろ!これより学年集会を行う。と、言っても案件は一つだけだ。出てこい。」
壇上に立つ。
「今日話すのは俺のことについてだ。まず第一に、俺はこの世界の住人じゃない。」
体育館がざわめく。そりゃ信じられないだろう。だが話を続ける。
「突然のことで理解できないと思うが、それでも聞いて欲しい。俺のいた世界では紛争が日常茶飯事の世界で、毎日どこかで人が紛争で亡くなっている、そんな世界だった。俺はそんな世界で紛争根絶を掲げた組織に入っていた。だが、それでも紛争は無くならなかった。そうして気づいたら俺はここにいたんだ。」
死んだことは伏せておく。そんなことを言ってしまったら今以上の混乱が起こる。
「この世界のISを最初に見たとき、この世界でも紛争が起こると俺は思った。ISを戦争に使ってはいけない、兵器としての運用は禁止するって条約があると聞いたがどこかの国がそれを破るかもしれない。そうなったらこの学園はまっさきに狙われる。だから俺は、この世界からISによる紛争をISで根絶させたいと考えている。矛盾していることは自覚しているし、すぐには理解できないと思う。だけど、少しでも俺のことを理解して欲しくて今日集会を開いてもらった。話を聞いてくれてありがとう。それと、最後に一つ。
俺の名前はニール、ニール・ディランディだ。俺の話はこれでおわりだ。」
お辞儀をする。もうここにはいられないかもな・・・・・
・・・・・しばらくの静寂
小さいながらも拍手が聞こえる。
顔を上げる。
セシリアは俺を見て拍手をしていた。
すぐあとに四組からも拍手が。
簪もセシリアに続いてくれた。
続いて一夏が、一組が、四組が、最後には体育館にいる全員が、拍手をしてくれた。
こんなに嬉しいんだな、受け入れてもらえるっていうのは。
「皆、ありがとう。これからもよろしく頼む!」
ロックオン・ストラトスとしてではなく、ニール・ディランディとしての生活が幕を開けた。
話の展開が急になりましたwww
今回もあまり自信がないです・・・・・
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