ゼロの使い魔~呼び出されしは南斗の将星~ (黒塩)
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第1話 将星!魔法学院に降り立つ!?
不定期投稿です。
原作はアニメを見たというだけで記憶があやふやです。
ドーン!という音と煙とともに視界が不良となる。
「ケホッケホッ。」
使い魔を召還したと思われるピンク色の髪の少女は思わず咳き込む。
そして召還された者を見て息を呑む。
「に、人間・・?」
「さすがゼロのルイズだあ。」
「平民なんて呼び出したぞ~。」
周りから冷やかしの声が飛ぶ。
「・・・・うー・・・・。」
少女は唸る。
今際の際に呼び出された南斗の将星サウザーは瀕死のためか目を瞑って大の字のまま動かない。
「い、今まで平民を呼び出した前例がありませんが呼び出した以上は契約を行わねばなりません。さぁミス・ヴァリエール。コントラクトサーヴァントを。」
「イヤです!ミスタ・コルベール。どうかやり直しを!」
「できません。契約を。」
「・・・・はい・・・・。」
導入なのでこんなもので。
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第2話 将星の道
「サウザー。聞こえるか?サウザーよ」
サウザーは呼びかける声に反応し目を覚ます感覚に襲われた。
「こ、この声はお師さん!」
「目覚めたかサウザーよ」
「こ、ここは?どうしてお師さんが!」
「どことも言えぬ、しかしどこでもとも言えよう。しかし再びお前に会うことができるとは思わなかった。立派になったな」
「お師さん・・・・」
師の優しい言葉に思わず涙がこぼれるサウザー。
「馬鹿者。南斗鳳凰拳の伝承者が涙を流すでない、とはいえ致し方あるまい。別れが別れであった故にな」
師オウガイが思わず笑みをこぼした。
「・・・・申し訳ありません。北斗神拳伝承者に敗れこの命散らしてしまいました」
「心優しきお前が私の死によって心を病んでしまったのはすべてはこの師オウガイの責。気に病むことはない」
「・・・・・」
サウザーはうつむいたまま動かない。
「だが南斗の将星の運命はまだ終わってはいなかったようだ」
「え?」
「サウザーよ、おまえは今一度生を得たのだ」
目を見開きオウガイを見つめるサウザー。
「どういうことですか!?」
「南斗鳳凰拳伝承者としてその力を今一度振るうのだ。おまえは南斗の将星。その目に南斗十字星を湛える男なのだ」
「・・・・」
「行くがよい。すべてはこれからお前が自分で知るのだ」
「はい、今度こそこのサウザー伝承者としての責務を!」
「ではしばしの別れだ。さらばだ、サウザー」
カッ!と光ったかと思うと光に満たされ何も見えなくなった。
そして何か感覚が戻ってきたときサウザーは地面に横たわっていた。
「こ、ここは・・・・」
頭を振りながら体を起こす。
「お、起きたようね」
そばには桃色の腰あたりまで髪を伸ばした少女がいた。
そして周りにも似たような格好をした少年少女が多数いた。
その中で頭抜けて背の高い男性が近づいてきた。
「突然の召還、申し訳ありません。私はジャン・コルベール。このトリステイン魔法学院で教師をしている者です」
名乗った男は丁寧に自己紹介をしてきた。
「あなたが眠っている間に申し訳ないのですが使い魔としての契約をさせていただきました」
「使い魔・・・だと?」
サウザーはいきなりのことに驚いた。死んだと思えば光に包まれオウガイに会えた。その上今度は使い魔になったという。
「面白いことを言う」
サウザーは立ち上がった。
「な、なによ!平民のくせに貴族であるこのヴァリエールが末妹ルイズの使い魔となれたのよ?!光栄に思いなさい!」
桃色の少女が隣で声をあげる。
「ほぅ・・。小娘・・・貴様がこのサウザーを使役するというのか。面白い。その言葉、後悔させてやろう!」
闘気を纏おうとしたところ力が入らずに膝をついてしまう。
「ぐっ・・・・。ケンシロウに突かれた秘孔のせいか」
「ふんっ。平民が無理はしないことね」
(体が回復するまで無理はできんか・・・・。しかしここはどこだ?)
サウザーは思考を巡らせる。
が、答えが出ようはずもない。
そこに声がかかる。
「いきなりの召還で体が本調子でないのでしょう。契約は行われたので体を休めてください」
コルベールと名乗った男に言われる。
「聞きたいことがある。ここはどこだ?なぜこれだけも緑溢れる場所があるのだ」
「ここはハルケギニアのトリステイン魔法学院です」
「ハルケギニア?トリステイン?魔法学院?」
聞いたことのない単語に戸惑うサウザー。
ふとそのサウザーの左手にある紋章に目が行くコルベール。
(あの紋章は・・・・どこかで見た気がする・・・)
「ふざけているのか?聞いたこともないぞ!そのような名前は」
「あんたこそどこから来たのよ!それに名を名乗りなさいよ!」
桃色の少女に言われる。
「小娘・・・・この帝王にそのような口を聞くとは命が惜しくないようだな?」
「二人ともやめなさい!」
コルベールが声を荒げる。
(ほぅ・・・この男少しは覚えがあるようだな)
サウザーはコルベールが発する魔力(?)を感じ取る。
「でもミスタ・コルベール。この平民が・・・」
「ミス・ヴァリエール。例え相手が平民だとしてもそして使い魔として契約したとしてもあなた方は信頼をお互いにする関係を作り上げなければならないのですよ?それに突然召還してしまった非礼を詫びることも必要でしょう」
ルイズはコルベールに諭され渋々サウザーへ向き直り挨拶を始める。
「悪かったわね。確かに突然の召還に驚いたでしょうし契約もさせてもらったことは謝るわ。私の名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ。あなたの名は?」
「わが名はサウザー。南斗の将星!帝王の星を宿命に持つ南斗鳳凰拳伝承者だ」
静かにだが力強く答えるサウザー。
「南斗?帝王?何を言ってるのかさっぱりね。名前はサウザーね」
ルイズは臆することもなく悪びれず言う。
「とりあえずはよろしく頼むわ。やっと成功した魔法なんだし」
「この帝王にこのような小娘に下につけというのか。笑えない冗談だ」
サウザーは腕を組みルイズを睨み付ける。
さすがにサウザーに凄まれて気おされたのか一歩下がるルイズ。
「サウザーさん。ここは大人しく従ってもらえないでしょうか?どうもあなたはここの人間ではないようだ。右も左もわからない状態でいるよりはとりあえずの衣食住やこの場所についての説明を受けたほうがよいのでは?」
コルベールの提案に一理あるとサウザーは判断した。
「ふ、いいだろう!だが指図は受けぬ!俺は俺の判断で動く」
「な、何を言ってるの!あなたは私の使い魔になったのよ!?左手にその証があるでしょう!?」
ルイズがまたまた声を張り上げる。
サウザーは自分の左手の甲に妙な紋章があることに気づいた。
そしてなんだかぬくもりを感じることにも。
「これは・・・・」
「それは使い魔の証よ!あなたは私の使い魔になったの!」
「・・・・・ふん」
「キーッ!私はあなたの主人なのよ!?」
「うるさい小娘だ、だまれ」
話がまとまったようなまとまってないような状態でgdgdなところをあっけに取られて見守る他の生徒たち。
「変なの呼び出したわねえ。ルイズのやつ」
赤毛で妖艶な雰囲気を持つ少女がつぶやく。
「・・・・」
二人のやり取りを見るのに飽きたのか無言で読んでいた本に目を戻す薄青髪の少女。
「タバサはどう思う?あの使い魔。体格はすごくいいけど魔力は感じないわねえ」
赤毛の少女は薄青髪の少女に尋ねる。
タバサと呼ばれた少女は顔を上げて答えた。
「未知数。キュルケは?」
キュルケと呼ばれた赤毛の少女は
「ん~?今度誘ってみようかなあ?面白そうだし」
などとやり取りしている間にどうやら話がついたらしいルイズとサウザーがコルベールとともに歩いていく。
「とりあえず学院長に聞いてみましょう」
「いいだろう、この小娘では話にならん」
「私の名前はルイズよ!何度言ったらわかるのよ!」
騒ぎながら学院に歩いていく三人。
サウザー自身気づいてはないがかなり態度や性格に変化が出ていた。
ケンシロウに諭されたせいか、夢うつつのうちにオウガイに会えたせいか。
元々南斗鳳凰拳伝承者としてオウガイが見抜いたサウザー自身を取り戻そうとしているかのようだった。
ぼちぼち進んでいきます
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第3話 将星は決断した
怖気づくことなくサウザーに物を言うルイズもルイズだがそれに律儀に答えてやるサウザーもサウザーである。
学院長の部屋に向かう道すがら言い合いを続けつつコルベール先生にたしなめられている。
「あなたね!いいかげんにしなさいよ!」
「ふん、口の減らぬ小娘だ」
「学院長の部屋にもう着きますのでその辺で・・・・」
ノックをし部屋に立ち入る。
「初めましてというべきかの?わしがこの魔法学院の学院長オスマンじゃ。こちらはわしの秘書をしておるミス・ロングビルじゃ」
オスマンは丁寧に挨拶をした。なにぶん入ってきたのは体格のいい妙齢の男でしかも目つきも鋭く隙のない体さばきだからである。
「俺はサウザーだ。ここがどこかも知らぬ・・・いやこの世界を知らぬと言うべきか」
「人を使い魔として呼び出すような事例はなくての・・・・。こちらとしても今すぐに元の場所に戻すというような話はできんのじゃ。なので申し訳ないがしばしこのルイズの使い魔としてここに居てもらえまいか?衣食住の提供はもちろんさせてもらう」
「これ俺が使い魔だと・・・・?このような小娘に使役されろと言うのか」
「小娘じゃなくてルイズだと言ってるじゃないの!私はあなたの主人になったのよ!?」
「ふん」
いいかげんルイズも涙目になってきている。コルベール先生は困った顔で口も出せずに見つめている。
「サウザー殿とでも呼べばよろしいか?ちと二人で話をさせてもらいたい。他の者は席を外してもらえんじゃろうか?」
ミス・ロングビルはうなずいてチラっとサウザーを見た後部屋の外に出て行った。
ブスっとしていたルイズもコルベール先生に促されて出て行く。
二人きりになったのを確認したあとオスマンは口を開いた。
「この世界の社会は魔法を使える貴族と使えぬ平民で成り立っておる。やはり力を持つものと持たぬものじゃ扱いもだいぶ変わってしまう」
サウザーはそばにあった椅子に勝手に腰掛けて肘置きに手を突いてじっと聞いている。オスマンもそれを見たが何も言わない。
「その貴族の中でも一、二を争うほど上の位にいるのがヴァリエール家なのじゃよ」
「ほう・・・・それほどの血筋か、あの小娘は」
「そう、なればこそ魔法の扱いにも余計に長けておかねばならぬのじゃよ。ただの貴族でない故にな」
「ふむ・・・・」
「ただあの子は生来魔法がうまく使えず過ごしてきた。この学院に入ってから勉学も重ねてきたじゃろう。じゃがうまくいかん・・・・。それゆえに周りからの重圧も陰口もあったろう」
「・・・・」
「そしてようやく上手くいったのが使い魔の召還なのじゃ。サウザー殿がここの居るのはあの子の努力の証なのじゃよ。まだまだ子供ではあるがどうかあの子の使い魔としてすごしてもらえんじゃろうか?」
オスマンは頭を下げた。
サウザーは真剣な眼差しで教え子のことを気に病んでいるオスマンを見てなんとなくオウガイを思い出していた。
「・・・・いいだろう。たかが小娘と侮っていたがそれなりの背景があるのであればやむを得まい。それにこのサウザーに怖気づくことなく物を言うのも気にはいっている、ふっふっふ」
目を瞑りさきほどから続けていた言い合いを思い出すと笑みがこぼれた。
そう、あの眼差しには覚えがある。南斗十人組手に挑んできた少年時代のケンシロウを思わせる意志の強さがあった。
「おぉ!引き受けてもらえるか」
オスマンはほっとした表情を見せる。
「まぁ魔法が使えないのなら俺が拳法を仕込んでも構わんがな」
立ち上がりながらサウザーは呟いた。
扉の外ではミス・ロングビルとコルベール先生とルイズが待っていた。
「うー」
「大丈夫ですよ。学院長ならなんとか説得してくれるはずです」
にっこり微笑みながらロングビルはルイズに語りかける。
コルベールはサウザーの使い魔の紋章を思い出し思案に耽っている。
がちゃりと開いた扉からサウザーが出てくる。
「あ!」
ルイズが駆け寄り下から睨みつけるが迫力はない。
「ふ・・・小娘。学院長に免じておまえの使い魔としてここに居ることにしよう。まぁ元の世界に戻っても居場所はあるまい」
「えっ!ほんとに?・・・じゃなくて!私はあなたの主人なのよ?!小娘呼ばわりはやめなさい!」
ころころ変わる表情も面白いがやはりその瞳には力がある。
「仕方あるまい。ルイズと呼んでやろう」
「なんか釈然としないけど、まぁいいわ」
「おぉ話がついたようで何よりです」
はっと気づいたようにコルベール先生が声をかける。
ミス・ロングビルはサウザーを見つめ何か思案しているように見える。
「とりあえず学院内を案内してあげるわ、あなたに何か頼むにしても場所がわからないようじゃ困るしね」
「ふん、使い魔としてここに滞在はしてやるが俺は俺の意思でしか動かん」
「・・・・・きー!あなたね!私の使い魔になるんじゃなかったの!?」
と時間は過ぎていく。
サウザーはとりあえず魔法学院に居るようです。
だらだらと続いていきます
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