【 禁断の関係 】
運命的な出会いだった。
彼と初めて出会った時、その魅力的な一挙一動に心が奪われ、目が離せなかった。
向こうは自分を歯牙にもかけないだろう。
相手の正体は異形種であり、自分はそれを討つべき、アダマンタイト級冒険者・蒼の薔薇なのだから。
この想いは誰にも知られてはいけない。
全ての者が正気を疑い、理解できないと否定し、裏切り者と蔑むだろう。
ああ、貴方が人間であったなら……私は……私は……!
乙女は禁断に酔いしれ、絶好調で秘密の暗黒帳に書き綴る。
ラキュース・アルベイン・デイル・アインドラ。
厨二病に感染している彼女にとって、パンドラズ・アクターは素敵に危険極まりない存在であった。
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【 マーレの発見 】
デ、デミウルゴスさん
やっぱりナザリックの教えは正しいって確信しました!
至高の御方たちの信仰を図書館の本で調べていたら……
十字軍や魔女狩りのイベントで略奪や処刑を繰り返し、「左の頬を撃たれたら(相手の)右の頬を刺しだせ」と報復の教訓も
斬り捨て狂って呼ばれるくらいですから、シャルティアさんの血の狂乱みたいなペナルティがあって、普段は刀や剣の装備を控えていたみたいです
あ、あとアインズ様が僕たちに見せてくださった、時間差魔法攻撃「クリスマスツリー」の事もありました!
やっぱり、アインズ様たち41人の皆様は神様なんですね!
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【 声を失わなかった吸血姫 】
結論から言えば、エントマのイビルアイの声を奪う復讐は失敗に終わった。
相手が上位吸血鬼だった為である。
口唇蟲は
しかし、物理攻撃を軽減する吸血鬼の肉体には負傷を与えられず、負のエネルギーに接触して逆にダメージを受ける。
仮に与えられたとしても、吸血鬼化という感染力を持つ血肉を喰う事は、その支配下に置かれてしまう。
皮肉にも、イビルアイが忌み続けた“ 国墜とし ”の能力が彼女を救った形だ。
声を奪うことも、肉団子として喰らうことも出来ない。本来の下顎をガチガチと鳴らし、蟲のメイドは怨嗟の感情を示した。
かくして――吸血鬼の処分は吸血鬼に任せるのが一番かと――デミウルゴスの発言により、イビルアイの身柄はシャルティアに預けられる。
「お、お願いです……モモ――アインズ様、見ないでくだァ……はアンッ! はぁ、はぁ……」
哀願する
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シャルティアの配下、レベルの低いシモベの
エントマ(51Lv)よりレベルが上(※)なイビルアイを口唇蟲が傷つけられるのは難しい気が……。
※ ナーベラルの発言。イビルアイは単純なレベルならユリ(51Lv)より上
初出は二次元裏@ふたばのオーバーロードスレ。
(あちらは15行まで&文字数の制限があるのです)
ハーメルンは初なので、投稿機能の操作練習を兼ねて。
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小ネタSS集
【 年末時代劇スペシャル「忠臣墓~敵は四十人~」 】
忠誠の篤い統括アルベドは主君の名を守るべくドリーム・チームを結成。
うつけ者シャルティアで敵の目を欺きながら、討ち入りの機会を待ち望んでいた。
「モモンガ様……必ずやこのアルベド、あなた様のナザリックを守ってみせます」
しかし、アルベドの奮闘は時の権力者ウンエイの目に止まり裁きの結果、主人モモンガのあかうんと廃止の危機に。
一方その頃シャルティアの女遊びは続いており、昼夜とわずの荒淫っぷりから、昼アンデッドさん――略して『 昼あんどん 』呼ばわりされる始末。
事態に痺れを切らした狼神官ルプーは、レッドキャップを伴って王族の嫡男を襲撃。
これこそ後の世に伝わる『 赤う狼士 』の始まりであり、暴れん坊将軍エンリの仕置きと混同される要因であった。
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【 銀河正妃伝説 】
至高の御方の正妃にならんとする、アルベドとシャルティアの対立は拮抗した状態にあった。
しかし、情勢に変化が生じる。
新たな候補イビルアイが登場し、シャルティアとまさかの吸血鬼同盟を結んだのである。
劣勢に立たされたアルベドは、戦闘メイドのナーベラルに接近。
配下の協力を取り付け、御方と既成事実を得んと迫るも、乱心として取り押さえられ、謹慎の憂き目に遭う。
第一正妃を賭けて、2人の吸血鬼は同盟を破棄。
シャルティアは刺客エントマを放ち、イビルアイもまた竜王ツアーに救援、こう着状態を作ろうとしていた。
誰もが忘れていた。
後年、気だるげな爆乳のダークエルフ美女として名を轟かせる、羽化する前のアウラを。
すべては監視役として放たれていた、戦闘メイド・ルプスレギナの怠慢である。
時にナザリック歴92年。
いまだ至高の御方の慰めは寵童マーレが勤め、コキュートスの爺やの願いは叶わないでいた。
ナザリックの歴史がまた1ページ……
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【 インペリアル
いいですかシャルティア。
私達はインペリアルゲヘナという作戦で戦います。
総合力の高いマーレが副官、
両脇をプレアデスとしもべが固めます。
貴女はみんなの後ろで遊撃。
貴女の血の狂乱が一番心配です。
くれぐれも注意して戦って下さい。
刀の剣士 「爪切りが完全に入ったのに!?」
女吸血鬼 「ライフスティール? テンプテーション?」
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【 僕だけがいるギルド 】
元ネタは「僕だけがいない街」です。
主人公の名前が悟で、雛月役の声優さんがクレマンティーヌと同じ。
たぶん、クリスマスツリーのイベントは魔樹編のアレになります。
ゲームのサービス終了をきっかけに異世界へ転移した鈴木悟。
彼が出会ったのは、親から特訓という虐待を受ける幼女クレマンティーヌだった。
「サトルってさ、私と一緒で『ニセモノ』だから」
彼女と友達になり18年が経過。
しかし、漆黒聖典入りを果たしたクレマンティーヌは失踪を遂げる。
彼女はエ・ランテルの共同墓地で、胴体を締め殺された死体となって発見された。
クレマンティーヌの死の運命を変えるべく、悟は過去へと転移する。
「時間対策は必要だぞ?」
連続誘拐事件――両脚羊―――死の支配者――ENRI――
やがて悟は漆黒の鎧をまとった双剣の戦士と相対するのだが……
TVアニメ『 僕だけがいるギルド ~法国聖女ルート~ 』、ノイタミナにて放送予定!
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「私のために『自分』を殺せるの?」
クレマンティーヌの死を改変すべく過去への時間移動を繰り返す内に、悟は胸に芽生えた思いに囚われ始める。
みんながいた、あの黄金時代をやり直せるんじゃないか?
しかし――
決意した悟がナザリック地下大墳墓と共に時間移転したのは、異世界における最悪の時代。
「アインズ・ウール・ゴウンだと?」
「さぁ、異形種狩りの開始だ!」
「男装娘と男の娘……TS化した私に対する当てつけ? 実に不愉快ね!」
「ワールドアイテムならこっちにもあるんだよ!」
「NPC風情がこの“ 課金王 ”に勝てるとでも?」
「残念だったな吸血鬼。俺はお前の天敵だ」
「“ 天空城 ” の入口へようこそ。拠点レイドとしゃれこもうか?」
「レベル100のプレイヤー同士、8対1で勝てる訳ないだろッ! モモンガさんよォ!」
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モモンガを人質に取られ、アースガルズの天空城の攻略を強いられた守護者たちは次々と『 八欲王 』の前に斃れる。
愛する部下たちを失い、絶体絶命に立たされた至高の御方に、最後の奇跡は起きるのか?
「ユグドラシルじゃないだと?」
「さぁ、悪の時間の開始だ!」
「アウラとマーレ……よくも私の可愛い双子を苛めたわね? マジで不愉快!」
「ワールドチャンピオンならここにいるぞ!」
「“ 課金王 ”とは確かに極上の装備をしてますね。だったら、私が心を折ってあげますよ」
「ロリは保護すべきもの。俺がお前に天誅だ」
「みんなが集まるのは久しぶりだな。拠点攻略としゃれこみますか!」
「レベル100のプレイヤー同士、8対41で勝てる訳ない! だよな、モモンガさん!」
やり直しではない――これは五百年前の異世界に起きた、新たなる伝説の降臨。
TVアニメの結末は……?
劇場アニメ『 僕だけがいるギルド ~VS八欲王ルート~ 』、全国ロードショー!
八欲王に“ 課金王 ”がいたかどうかは分かりません。
あくまで私の妄想。
ただ、元の世界で富裕層の“ 課金王 ”とブラック層(涙)のヘロヘロさんの一戦は個人的に熱く想像しています。
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