艦隊これくしょんー赤い色の風が吹くー (プロキオン)
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第一話ー始動ー



はじめまして、プロキオンと申します。艦これの二次小説を始めます。

暖かい目で見守っていただけると幸いです。

それでは、第一話どうぞ。


世界中の国は後に深海棲艦と呼ばれる事になる突如発生した化け物によって壊滅状態に陥れられている。

その怪物の目的、発生理由、行動パターンなど全てが不明、人間側の攻撃も殆どがきかないと言う危機的状況に陥った。

深海棲艦が出た影響により空路や海路の殆どが封鎖され国力が低下したため国家は対抗するため様々な策を取り始めた。

 

 

 

深海棲艦を倒すためにアメリカ主導の研究が進められ完成したのが、対深海棲艦用兵器 通称 艦娘。

艦娘は触媒から抜き出した船の記憶を艤装に定着させたものになる。

 

日本国も自衛隊を日本海軍として編成し直し、艦娘を日本海軍所属として深海棲艦に奪われた海と空を取り戻すために反攻に出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

志島 巧(しじま たくみ)中佐、貴官は来月1日を持ってリンガ泊地の提督となる。転属までに後二週間ほどある為引き継ぎの資料を作成しておくように。」

「何の嫌がらせか冗談でしょうか中将?そんな面倒くさい事をするなら俺は快楽殺人鬼(シリアルキラー)と命の取り合いをしてる方が気が楽でいい。」

「まずは話しを聞け巧、先日、横須賀鎮守府で行われた大佐以上の提督が呼ばれる会議においてリンガ泊地の後任提督が決まった。」

「それが自分であるというわけですか、どうやら大佐以上の提督全員は貴方を含め脳味噌を前回会議のあった呉鎮守府に置いてきたようですね。たかが中佐を一つの泊地のトップにするとは。」

 

 

 

二人の将校が話している部屋は薄暗く換気のために窓は空いているが、外からは声も聞こえてこないが、それすら気を向けないほど部屋の中の空気は重い。

軽口を叩いている将校は自分の今後の進退についてもう察しているのか少し嫌そうな顔をしている。

 

「生憎ながらこちらにもそれなりの理由がある訳でな、お前の懸念も良くわかるが私の指示だ。」

「それはまた随分とご大層な物ですね、 何故自分が駆逐艦不知火による提督への傷害事件があった泊地へ行かねばならないか、お教え願いたい物です。何時手を噛むかもしれない狂犬を放り出したいというならわかりますが…」

 

終始イライラし、やる気が無さそうにも見える志島中佐に対してどんな暴言を吐かれようがどこ吹く風と言った様子の中将は雪見 暮人(ゆきみ くれと)中将と言う。

雪見はかつて最前線で指揮を振るい、重巡洋艦一隻隻と駆逐艦二隻で戦艦六隻を沈めると言う戦果を出したと伝えられている。

現在では日本国内における麻薬や銃器の取り締まりなどに力を入れており警察組織内でも発言力があるほど日本海軍における地位は高い。

 

「リンガ泊地で起こった事件に知っているだな、それならば話は早い、お前の予想した通りのことが起ころうとしていてる。

強硬派の提督達が駆逐艦不知火を解体処分にすべきだと言う意見が私の予想以上に多かった。

それ故にお前の海大時代に書いた論文を引っ張りだしてきて無理矢理お前を提督の席へと押し込んだ。」

 

 

 

雪見はそのためにある程度の代償は払ったらしく苦い顔をしているが、

巧は、余計な事をしやがってと吐き捨てている。

 

 

「いらぬ気を使ったかも知れんが、鎮守府の軍人はお前と鹿火屋の嬢ちゃんの二人だけにしてある、他の提督達はある程度は押さえておくが一定以上は手助けは出来ない。すまないがお前に任せるしかなさそうだ、駆逐艦不知火が解体処分にならないように処置を頼む。」

 

 

艦娘の身体は霊体でできている、その為艤装を取り解体すれば霊体は消えてしまう、これを解体処分と言う。

 

 

雪見から理由を聞きうつむきしばらく思案した後、巧は顔を上げた。

先ほどまでとはうって変わったように軍人として任務を果たそうしている決意が見て取れる。

やる時はやると言えるが、彼は手のひらを返すのが早いだけとも言われている。

 

 

「理由は理解出来ました、申し訳ありません中将、先ほどまでの暴言をお許しください。

引き継ぎ用の資料を作成してきますので失礼します、終わり次第こちらに提出致します。」

 

そう言い退出しようとした巧に少し苦い顔をしながら雪見中将が声をかけた。

 

「待て巧、まだ話が残ってる。これはまだ非公式な話だがお前にもう一つ指令が下るだろうが問題はその内容だ。」

 

そう声をかけられると雪見中将は振り返った巧に座るように促したが巧は立ったままで話を聞こうとしている。

 

「その指令は現時点では俺に喋ってもいいような内容ではないんでしょうね、。

聞かせていただきますがどうせろくな事ではないでしょう。」

「そのろくでもないことの内容がまずいのだ。正気の沙汰とも言えないかも知れん。パレンバン製油所はわかるか?」

「わかります、俺の古巣の商売敵の三龍会が法外な値段ので石油取引をしている場所のことでしょう

まさかそれに関係があるとか言いませんよね?よして下さいよ、俺が揉め事を起こすと文字通り組織同士の抗争になる。」

「残念ながらそのまさかだ、どうやらお前を日本海軍の正式な代表に仕立て上げ法的な値段で取引をするように交渉をさせるつもりらしい。」

 

それを聞くと巧は戻ってきてもう一度椅子に座った。その顔には何も浮かんでいない。

 

「悪いですがそれ絶対に無理だと言わざるを得ません。

あっちも黄金夜会の上位勢力の三龍会だ、政府からの要請なんてモンは呑まないと思いますよ、

ケツをローストされないうちに尻尾巻いて逃げとくのが得策の筈なんでしょうが…」

 

衣笠が人間同士の足の引っ張り合いに呆れ顔をしているがそれには気がつかない様子で、

雪見中将は自分に出来る最善を尽くす為できるだけ情報を開示する。巧としては貧乏くじを引いたとしか言えない状況だが、うまくいけばこれはチャンスかも知れないと考える。

 

「強硬派の上層部はお前が駆逐艦不知火のメンタルケアに失敗する前提で話を進め、それを撤回するチャンスとして三龍会との交渉をさせようと考えている、方法は問わないらしい。艦娘を使って脅すも、賄賂を渡すも好きにすればいいという訳だがこちらの揚げ足をとる気しかないようだな。マフィアに脅しは聞かんだろうし、賄賂に至っては軍法会議にかけられる。」

「わかりました。法に触れないように法的な値段で商売をさせればいいんですね、条件は守りますからその後はどうなっても知りませんよ。」

「そうだ、強硬派を黙らせろ。」

「そりゃ面白い。知ってますか中将?他の奴らが俺を中将の子飼いの部下扱いしてること。」

「もちろん知っている。お前に手を出せないようにするにはそれが一番早いからだ。」

「余計な事をするなと言っている、俺がお前ごときに御せると思うなよ。」

 

 

 

この会話の流れからは全く感じることが出来ないがこの二人の将校はは仲が悪い、それでもお互いの能力を理解して最大限利用し合えるように

考えているのはある意味信頼していると言えるだろう。

 

「頼むぞ、ボルゾイ(ロシアンマフィアの犬)。無茶な派閥争いに首を突っ込んで尻拭いをやっておいて損はない、相手の弱みを握れるからな。後の為に弱みを握っておくのが上にのし上がるコツだ。」

「懐かしい名前ですが今は使えませんね中将。自分は今はマフィアではなく日本海軍の一人の中佐です。あの時と変わっていないのは組織の中で生き残るに上からの命令に逆らえないことですね。今はせいぜい組織に使い潰されないようにします。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話が終わり今度こそ提督室を辞した巧が廊下を歩いていると向かい側から艦娘が歩いてきて声をかけてきた。

彼女は海軍内でも異色の戦歴を持つ巧を何故か気に入り顔を見ると挨拶をしてくれる、巧自身も彼女のことが嫌いわけではないので挨拶だけでなく長話をすることもある、話題は様々だが自分がこれまで見たことのある風景や街並みついての話が多いが…

彼女自身も駆逐艦に人気があり様々な鎮守府や泊地への異動指令が出ているらしい。

 

 

「む、志島中佐か。どうやら俺たちの方が先に辞令を受けとったようだな、お前はリンガ泊地で俺は呉鎮守府だ。出来ればお前の指揮のもと戦ってみたいのだが…残念ながらしばらくお預けのようだ。」

「球磨型軽巡洋艦五番艦の木曽か。お前は呉鎮守府なのか、異動が多そうで相変わらず大変そうだな。」

 

木曽は心底残念そうに首を振ると話題を変えた。

自分が指導した駆逐艦についての話がをしだした、彼女も練度が高く実戦経験も豊富なため彼女が鍛えた艦娘は高い戦果を出していることが多い。

横須賀鎮守府では駆逐艦の指導役はいつも木曽か神通と決まっている。

 

「リンガ泊地には不知火がいるだろう。あいつは今気が動転しているだけなんだ、普段は絶対にあんなことはしない。中佐がなんとかしてやってくれ。このままでは解体処分になってしまう。」

 

詳しく話しを聞くと駆逐艦不知火は木曽が一番はじめに指導した駆逐艦らしく誇らしげだったのだが、

リンガ泊地で事件を起こした不知火は

普段は誰にも弱いところを見せないようにしている木曽が自分の教え子を助けてやってくれと涙ながらに訴えたことで、

断りようがなくなった巧はやれやれといった感じで首を振ると、木曽を安心させるように少し身長の低い彼女に目線を合わせるためにかがみこむとこう言った。

 

 

「お前に昔言ったよな、俺はロビンフッドが好きだって、だが現実にロビンフッドはいない。

だから俺がロビンフッドになってやるよ、なにも出来ないで文句を言っているのは嫌なんだ。」

 

 

 

そう宣言すると木曽が落ち着くのを待ってゆっくりと歩き出した。

 

 







まだ艦娘が木曽しか出ていない…次はちゃんと出したいと思います。


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第二話ー邂逅ー




ぎりぎり一週間以内に間に合いませんでした、次は間に合わせます。

それではどうぞ!!


四月三十日、リンガ泊地泊地へ異動する人間二人は輸送船に乗っていた。

輸送船の周りをリンガ泊地へと異動となった艦娘三人(三隻と言うのが正しいのだろうが…)が取り囲んでいる。

海路は深海棲艦の支配領域を抜けて行く行為の為危険には変わりないのだろうが、艦娘が船を守っているので少し安心できる。

そんな船の甲板で志島中佐は溜め息をついていた。

 

「どうしたのたっくん、溜め息なんかついちゃって?」

「分かってんだろ鹿火屋、俺らの行く泊地の事だよ。リンガに比べりゃ横須賀は天国だ。」

 

 

溜め息をつく巧に声をかけたのは日本海軍所属鹿火屋 桔梗(かびや ききょう)中佐だ、横須賀海軍大学開発科の出身で

サバサバとした性格とストレートの黒髪と長身の美貌のため、海大時代から異性に人気があった。

余談だが、二人は海大時代から仲が良い。

 

「リンガ泊地の基地機能の復旧、駆逐艦不知火の状態確認の後メンタルケア、

パレンバン製油所の燃料の価格交渉。仕事は山済みか、頑張れたっくん。」

「何言ってんだ、鹿火屋。お前も手伝え、階級同じだろうが。」

 

階級同じだから仕事を一方的に押し付けられないのが面倒なんだよね 、

と呟きながらあくまでやる気を見せない鹿火屋がやる気を出すのは、

艦娘の装備の開発くらいで他を真面目に行うのは見た人がいないと言う噂もある。

 

「そんなこと言うけど、私ができるのは装備の開発と艦娘の艤装の修理くらいだよ、それ以外はたっくんがやるしかない。」

「仕方ないか。装備の開発と艤装の修理ぐらいはしっかりやってもらうぞ、他の事は出来るだけ俺がやろう。」

 

鹿火屋に仕事をさせるのを諦めた巧は頭を抱えるが、気を取り直し話題を変えた。

 

「そういえば、作りたい装備でもあんのか、中将が決めたとは言えお前の意思は尊重された筈だ、リンガに異動する理由はそれだろ?」

「一番の理由は面白そうだったからなんだけどさ、私とたっくんの二人とか色々出来そうだよね。」

「色々できるが色々問題起こしそうだがな。海大時代の二の舞は御免だよ問題児。」

 

暗に自分の意思は尊重されていないと僻むようなことを言った巧にクスりと笑みを浮かべた鹿火屋が気を取り直すようにそう言った。

海大では前歴のせいでアンタッチャブルな立ち位置にいた巧と海大始まって以来の問題児である鹿火屋のコンビは教官たちの悩みの種だった。

 

「みんなが私の事問題児とか言うけどそんな事無いと思うんだけど・・・」

「あんだけ海大の開発・修理施設(こうしょう)の機能にケチつけて夜中に侵入した挙句開発用の資材使い果たす勢いで接近戦専用のオリジナル装備作った馬鹿は誰だよ?」

「そうは言うけどたっくんも私と一緒に侵入して見周りの人を気絶させて監視カメラまで壊すからテロリスト扱いされて捕まってたじゃん。」

 

お互いの黒歴史とも言える過去を掘り返し軽口を叩き合っている時に輸送船の護衛である軽巡洋艦神通から通信が入った。

 

「志島中佐、こちらは軽巡洋艦神通です。今のところ敵影は無し、後一時間でリンガ泊地に着くので船を降りる準備をお願いします。」

「了解した。輸送船の護衛で疲れているだろうが、もう暫く頑張って欲しい。」

「我らお任せください、それではまた後ほど。」

 

事務的な連絡を受け、船を降りる準備ができたところで一同はリンガ泊地に着いた。

 

 

 

 

輸送船から降りた人間二人と、艤装を外した艦娘三人はリンガ泊地の中央にある司令部と呼ばれる建物の前へ集まっていた。

 

 

 

 

「艦娘の諸君、護衛任務お疲れ様と言っておこう。一先ず補給を終え二時間後に提督室に集まって欲しい。」

「じゃあ、神通ちゃん達は私に着いてきて、時間もあるし軽くなら艤装の整備出来るだろうしね。」

 

 

巧がこの後のしなければならない事の前に一度休んでくれと伝えると鹿火屋が艦娘三人を開発・修理施設(こうしょう)に連れて歩いてった。

周りに誰もいなくなり手持ち無沙汰になった巧がぼんやりと海を眺めていると泊地の中央にある司令部から艦娘が一人出て挨拶をした。

 

「志島中佐、リンガ泊地へようこそ。駆逐艦不知火です、あなたの事は信用する気は無いのでそれを覚えておいてください。」

「なかなか手厳しい挨拶だな、信用はしなくても海の上では出来るだけ命令に従ってくれるとありがたい。」

「わかりました、そういう事にしておきましょう。不知火のせいで他の艦娘を沈める事はしたく無いので。」

 

不知火はお前など信用しないと言った目で巧を睨みつけている。

巧としては深海棲艦との交戦時以外でもコミュニケーションをとらなければと思ってはいるが・・・

 

不知火は思ったよりも頑ならしい。

 

「一つ言っておきましょう。不知火はマフィアなんて連中が嫌いです、リンガ泊地の前任の指揮官もマフィアと癒着していて武器の横流しをしていました。それを上層部に密告しようとした黒潮は、無理な出撃を強いられ既に沈んでいます、不知火はそれを決して許しません。」

「君が俺を嫌いな理由はわかったし、同情もする。だから頼みがある、俺を一人の提督として見てくれないか?

俺の前歴は君の大嫌いなマフィアだ、だが今俺は日本海軍の一人の軍人としてここにいる。」

 

不知火はそんな事で納得できるかと言わんばかりの目で巧を見た後ため息をつき、巧の方へ向けていた顔を下した。

しばらくして顔を上げた不知火は艤装を召喚し12.7cm砲を巧の胴体にに突き付けた、その顔には何の表情も浮かんでいない。

 

「どうやら理解ができていないようですね、不知火はなれ合う気はないと言った筈です、これでご理解いただけたのなら今あなたに突き付けている砲を撃たずに済むのですが・・・」

 

不知火の人間への憎悪は相当な物らしく必要があれば人間を殺すと宣言した不知火に砲を突き付けられている張本人は命の危険にも関わらずさも可笑しそうに笑っていた。

 

「何が可笑しいのでしょうか、怪しい動きをしたら撃ち抜きます。一応言っておきますが不知火は本気です。」

「本気なのは分かってはいるがお前があまりにも人間に似ていて笑えたものでな。そして一つ教えておいてやろう不知火そもそも砲の使い方が違う。それはお前たち艦娘が深海棲艦を屠るためにあるものだ、人間を脅す為の物ではない。」

 

そう言い切った巧は不知火が制止する間もなく不知火へと向きかえり彼女の眉間に銃を突き付けた。

 

「これが人間同士で話す時有利かつ合理的に話しを進めるための魔法の道具だ、これさえあればシュワルツェネッガーの演じる未来から来た殺戮マシンでも壊せる。」

 

そう言うと一歩下がり不知火の眉間から銃口を離し、握っていた銃を不知火に向かって放り投げた。

 

「何のつもりでしょうか志島中佐?こんな物を不知火に与えてもよろしいのでしょうか?」

「何の問題もないさ、自分の私物を与えても上は何も言えんさ。取り合えず持っておくといい、どこかで役に立つだろう。気に入らない提督を撃ち抜くも良し、自決用に取っておくのも面白いだろう。気を付けるべきこととすれ

ばお前の大嫌いなマフィアを片付けるには向いていないが銃を撃つ練習にはなるだろう、マフィアを片付けたいなら言ってくれ別口で用意しよう。」

「どういうつもりかは理解できませんが、ありがとうございます志島中佐。目的への指針ができました。」

「それならば行幸だ、そろそろ時間なので提督室に来てくれ艦娘の顔合わせがしたい。」

 

巧は先に司令部の中へ消えて行き後に残ったのは巧に渡されたスッチェッキンマシンピストルを眺める不知火だったがしばらくして提督室へ向かった。

 

 

 

 

 

「志島 巧だ、階級は中佐だ。まだこの艦隊の勝手がわからないがそれもおいおい判断することにしよう、これからよろしく頼む。」

「鹿火屋 桔梗よ、私も階級は中佐だけど基本は開発・整備施設(こうしょう)にいると思うわ。欲しい装備があれば言ってねすぐに作るから、これからよろしくね。」

 

 

人間二人が挨拶し終わると軽巡洋艦神通が口を開いた。

 

「川内型軽巡洋艦二番艦神通です、ここに来る前は横須賀鎮守府にいました。

この艦隊では旗艦を務めると思います、みなさんよろしくおねがいしますね。」

 

神通は横須賀に居た時から巧を知っており彼の指揮能力を高く評価している艦娘だ。艦娘になる前にも武勲艦として知られている通り練度が高い。

 

「陽炎型駆逐艦一番艦陽炎です、前は佐世保に居たわ、練度にはそれなりの自信があるから期待しててね。」

 

陽炎は不知火の姉妹艦であり佐世保で重巡洋艦那智に鍛えられていたという話は有名だそれゆえ砲撃が得意らしい。これは期待できそうだと巧は考えていた。

 

「陽炎型駆逐艦十番艦時津風だよ、前は佐世保に居たんだ。できればもっと強い砲が欲しいかなって思ってるんだけどね、仕方ないか。」

 

陽炎型駆逐艦十番艦時津風も陽炎と同じように那智に鍛えられた駆逐艦だが姉の陽炎とか異なり雷撃戦が得意らしい、砲撃戦がそこまで得意ではないため強い砲が欲しいらしくすでに鹿火屋に相談をしている。

 

「陽炎型駆逐艦二番艦不知火です、ご指導ご鞭撻よろしくお願いします。」

 

不知火は基本寡黙らしくほとんど喋らない、それでも陽炎と時津風に絡まれてうっとおしそうなふりをしているが内心うれしいらしく笑っている。

 

 

 

 

「いまのところ四隻だがしばらくすればドイツからの駆逐艦が二隻出向してくるらしい、それで六隻になるわけだが一応実験部隊と言う事になっている、武装を作る分の資材はある程度融通が利くらしい。鹿火屋、刀でも改造ハンドガンでもなんでも好きに作れ、もう驚かない。」

 

巧が鹿火屋にあきらめたように言うと艦娘全員を連れて部屋を退出し早速武装を作りに行こうとした鹿火屋をおさえるようなタイミングで警報がなり深海棲艦が泊地に近付いていることが知らさせた。

 

 

「ある意味最高のタイミングじゃねえか、正式に此処の所属になるには一日早いが行ってこい、お前らの力を見せてくれ。」

「さっき艤装も整備したから問題はないはずだよ、帰ってきたらご飯にしようか。」

「了解しました、水雷戦隊出ます!!」

 

 

神通の声により艦娘一同は下の階へ向かった・・・

 

 

 




次回は戦闘回です、うまく書けるといいですが・・・

感想、誤字脱字報告お待ちしています。


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