IS インフィニット・ストラトス~ツインドライブの使い手~Ver1.02 (Thalys954R)
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主人公設定+その他設定紹介-始めにお読みください-

プロローグは次回からです
ここは設定のページ
物語では最初からある設定で説明の入らない物の説明ページです


主人公プロフィール

氏名:赤城=ポルシェ・翔(Akagi=Porsche・Kakeru)

血縁:ドイツ系イギリス人と日本人のハーフ

容姿:欧州人的な肌を持ち、肩まで伸ばした銀髪が特徴。瞳の色は翠色。

年齢16歳

身長168cm

体重55kg

誕生日:04/02

出身 日本?

住所 不明

所属 篠ノ之ラボ テストパイロット

IS適正:S

使用するIS

・ブラックバード(形式:FX/SR-71/BT)(第4.5世代IS) 

・ミラージュ ランサーF1(形式:FX/G2/CR-200)(第3世代IS)

通称「ツインドライブの使い手」

※ツインドライブは2つのISを「組み合わせて使用する」という意味

 

ISの独自設定についての解説

・世代について

第4世代

白式や紅椿など数機が稼働するにとどまるが実戦での戦闘力はかなりの物

第4.5世代

現状で世界にブラックバードのみで一機しか存在しない。第4世代以上の性能を持つため主人公である翔が勝手に位置づけたもので第4世代との決定的な違いは燃費性能、拡張領域(バススロット)の大容量化など従来のISからの変更点は500カ所以上にもおよび第5世代と言っても過言でない。

 

表記

・初登場時のみ「ブラックバード(FX/SR-71/BT)」と記す

・以降は「ブラックバード」と記す

 

何故に形式があるのか

・翔がかっこいいと思ったから神様が勝手に付けていた形式をそのまま使用してるだけ



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プロローグ

とりあえず転生までの話です。
本筋は本編は次回からで


コレを見ている皆さんは死について考えたことがあるだろうか?

 

まあ作者も含めて体験したことは無いと思います。

僕は死にましたが・・・

「何で死んだかって?そりゃおまえの不注意だぜ」

 

だれ?この魔法使いみたいな子は

「あたし?あたしは神様だぜ!」

 

神さま?どこが?

「どこがとか言うなぁ!」

 

ごめんね、ちょっちょっとまって!?痛い殴らないで・・・

 

~中略~

 

「さて、早速だけど貴方・・・名前覚えてる?」

 

僕の名前?赤城=ポルシェ・翔だけど?

「覚えてんだ・・・童顔のくせに」

 

覚えておいてほしくなかったような口ぶりですね、自称神さま。あと童顔は余計だ・・・。

「だって、あたしが名前を考えられるからだぜ!」

 

あぁ・・・そーですか・・・

「さて、これから君は次の世界に飛んでもらうんだけど・・・・」

 

いきなり!?

 

「なんか文句でも?」

別に、無いけどさ、俺が死んだ原因とかそのほかは?

 

「ん、今回飛んでもらう世界は・・・」

俺の話は無視? 

 

「はいはい、翔の死因はな・・・飛び出してきた猫を轢きそうになって避けたら追突されて死んだんだぜ!まああたしのミスで天国に行くはずがいけなくしちゃったんだぜ!」

その決定はもう覆らないみたいですね

「まあ過去のことを気にするような事はこの先起こらないと思うけどな」

 

心配になって気た・・・でも結局は気にしたら負け!?

「そう言うことだぜ!とりあえず、異変が起きてるところに行って、そこで問題を解決したら適当なところまで生きられるように措置は執ったからノープログラムだぜ!」

 

やっぱりあんたの頭が心配だ・・・・

「さて、今回行ってもらう世界はISの世界だぜ!。あ、ここでクルマネタとか出してもダメだぜ!もうそのネタ知ってるから」

 

ISってどんな世界だ?be動詞だから3人称?

「どんな理解の仕方だよ・・・・インフィニット・ストラトスだぜ!」

 

ランチアの新型ストラトス?

「へいへい、天然て言われる?それともわざと?」

 

しらね

「仕方ないな、とりあえず簡単に説明するぜ。」

 

女性にしか反応しない世界最強の兵器「インフィニット・ストラトス(IS)」の出現後、男女の社会的パワーバランスが一変し女尊男卑が当たり前になってしまった時代。

織斑一夏は、自身が受ける高校の試験会場と間違ってIS操縦者育成学校「IS学園」の試験会場のISを起動させてしまいIS学園に入学させられる。

「世界で唯一ISを使える男」である彼はIS学園の生徒たちにとっては興味の的。さまざまな出会いや再会を通し、一夏の前途多難な日常が始まる。

 

 

「とまあこんな感じだぜ」

読んだのは俺だけどね、でもコレだと入り込む余地無いよね?

 

「ふっふっふ・・・そこはあたし神さまだから」

 

もうどうにでもなれ・・・

「と言うことで、翔の相棒を作ろう」

 

あー・・・そのISってやつ?

「そうそう」

 

女にしか反応しないんでしょ?俺男だけど?

「だから?あたしは神さまなんだぜ!」

 

はいはい、そーですね

「とりあえず、翔の愛車から名前をもらってBlackbird(ブラックバード)だぜ!」

 

俺は医者じゃないけどね・・・というか俺のバイク・・・

「ちなみに向こうじゃ高校生から排気量制限なしでバイク乗れるから問題なく走って良いぜ!」

マジで!?

「ブラックバード(開発コード:FX/SR-71/BT)は第4.5世代のISにしといたぜ」

 

基本資料だと第4世代までしかないけど?

「新しい方が良いだろ?」

まあね・・・・

「それからブラックバードには管理人格がいてな」

 

[初めましてマスター、私はBlackbird Auto Control System 、略してB.A.C.S.(バックス)と呼んでください]

ちょいちょい神さま質問!

「なに?」

 

ISはみんな管理人格を持っているわけ?

[私をそこいらのコンピュータのAIと一緒に考えてほしくはないです、私はISの頭脳そのもので私はISの意志です]

 

「普通はいないぜ!翔だけの特別装備!いまならキャッシュバック!」

なんじゃそりゃ・・・

 

「とりあえず、もう一つISがお前に渡るようにしておいてやるぜ!もしかしたら有効活用できるかもしれないからな!じゃあいってらっしゃーい」

 

僕の視界は暗転した

 

「で、ここは何処だ?」

暗転した視界が元に戻ったのはすぐのことだった。

 

たぶんどこかの上空と言うことは確か

そう落ちていた・・・それもえらい高さから・・・多く見積もって50メートル

 

「ブラックバード!」

ブラックバードの待機状態は腕時計だった

[展開します]

俺の左右に黒い装甲が展開されていく

[展開完了。システムチェック、全システムオールグリーン、異常ありません]

思い切り俺は制動をかけた

「とまっ・・・た?」

地上スレスレで停止

[お見事です、マスター]

初期動作では高速域からの制動、また補助的な意味で自動的な制動がかかっていた。

と思う

 

しかしここは何処だ?

どこかの競技場の中のようにも見て取れるが・・・。

「おい!そこのIS操縦者!」

声をかけられた・・・うわー、なんか似たようななカッコした人がいっぱいいる・・・

[GPS補足、現在位置を表示します]

 

そう、場所は最悪だったな。何せその場所とは

「IS学園だと?」

関わりたくねぇ・・・




とりあえずプロローグを上げましたが実はこのプロローグ、結末が2つあるウチの後から考えた方なんですね、もう修正効かないけどww

とりあえずこんな感じの主人公視点で書いていきますよ
まあ時々誰かの視点で書いてみるのも良いですね。
では第1話でまたお会いしましょう

ご意見ご感想をお待ちしています。


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ACT.01「入学試験(通過儀礼)」

まあその後IS学園での精密検査(というより実験動物扱いだけどな)で1ヶ月ほどこの学園で過ごしたわけだけど・・・結局、俺はそのIS学園にほぼ強制入学させられてしまった。

 

理由?そりゃあ男でISを運用できるから。俺の横にいる織斑先生の弟である織斑一夏と同じくね。

しかし裏では俺の相棒ことブラックバードを解析しようと躍起になっていたらしい。なんでも強制接続しようとしたらブラックバードが逆にシステムを掌握してしまい一時大混乱になったとか・・・

 

「赤城、お前には一応この学園の入学試験を受けてもらう。なに通過儀礼とでも思ってくれて良い」

 

なんとまあ、俺はさっさと負けて入学できない方向でお願いしたいけどね織斑先生。

 

「拒否権はないみたいですね。ブラックバード、展開」

[了解しました]

俺の体を黒いISのボディが包んでブラックバードが展開する。

 

相手はこの学園の教師か・・・

「そうだ赤城、一つ言っておくが・・・手を抜いていたらすぐに分かるからな」

 

本気でも出せとおっしゃる?そーですか、だが断る・・・なんて言えないよなぁ。

 

「はじめ!」

織斑先生の合図で俺は一気に間合いを詰める

 

[Engage]

頭の中で戦闘スイッチが入った

 

速攻でカタを付ける!

俺はメイン装備であるファイアーブレード(長剣)を展開、瞬時加速で間合いを詰めてまずは小手調べに打ち合う。

 

流石は教師、性能の劣る打鉄で猛攻をしのいで行くが少しずつタイミングが遅い。

このままならまあ力業で押さえ込めそうだけど・・・それじゃあ盛り上がらない。

 

いったん間合いを取って素早く武器を入れ替え、RM61A1 40mm イリジウムレールバルカンを展開。

 

[ワンオフ・アビリティー。使用可能です]

「Dive and Zoom(一撃離脱戦法)で終わらせる」

 

瞬時加速で一気に上昇する

そして単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)解放

 

「きっ消えた!?」

相手の教師はかなり焦っている。そりゃそうだ、俺の単一仕様能力である「漆黒ノ霧」は相手のセンサーの有効範囲内でもセンサーを反応させず、視界からも見えなくなるというチート能力。

 

「こんな戦法は嫌いだけど・・・そんな事言ってられないか」

[RDY GUN]

シールドバリアーを破って速攻を決める・・・。

「FIRE」

毎分1万発上のRM61A1レールバルカン、勝負は1秒以下で終わる。

 

見えない攻撃は怖いよね。

[戦闘所要時間:3分12秒、損害なし、MISSION CMPL]

「作戦終了、展開解除 RTB」

 

とまあ、コレが俺の初戦だった。

 

 

-試験後 教官控え室

IS適正は「S」

「まったく・・・おまえほどの適正があってあまり入学に乗り気でない者は初めて見たぞ」

織斑先生、普通はそうだろうけど俺の境遇考えてほしい物です

 

「男でISを使用できるのは2人だけ・・・でしたっけ?目立つのはごめんですから、普通が一番ですよ?」

目立ちたくないというのが俺の本意であって入学とかそう言うのはマジで勘弁して欲しい。

 

「その話はおいておくとして。今日の用件だが、おまえに荷物が届いてる」

そう言ってモニターに出されたのはいやこのコンテナは荷物ってレベルじゃないぜ

 

差出人は篠ノ之 束

「これは・・・」

 

「お前専用のデータ取りISとしてに、たば・・・篠ノ之博士がおまえのIS補助用にと専用制作したそうだ。もちろん通常の起動手順を踏めば普通のISとしても機能する」

 

篠ノ之束博士、ISの発明者である。1人でISの基礎理論を考案、実証し、全てのISのコアを造った自他共に認める「天才」科学者。製造したISは467機にとどまる。

 

「ミラージュ・ランサーF1(FX/G2/CR-200)・・・」

ブラックバードには第二形態になるための機能が欠如しているらしい。それを補う機能を持ったのがミラージュだという。

 

「専用機持ちの上に2機も保有とはな」

織斑先生は呆れているけど、俺だって好きで持ってるんじゃないからな?

 

[ミラージュは基本的に私と同じシステム構造をしていますが、私と決定的に違うのはこうして貴方たちとコミュニュケーションをとれない事です]

 

「お前は別格のチートだろう。まあ欠陥を内包したチートだけど」

[私としてはコレが普通なのですが?]

 

そうでしょうね、でも

「君は普通のISじゃないじゃない」

 

「とにかく、痴話げんかはおいておくとして。おまえには入学までの1週間でコレを必読してもらわなくてはいけない」

痴話って・・・・それより出されたのは分厚い本で恐らく広辞苑くらいあるぞ?

 

「コレを、全部ですか?」

俺はISの基本知識は皆無だからなあ・・・

 

「当たり前だ、いくら実技で高得点を出しても頭がついてこなければ意味がない」

パラパラとページをめくるけどさ、辞書って言うか電話帳って言うか・・・あり得ない情報量だよ?

 

「とりあえず暗記しておきます」

何故かめくっただけで内容が完全に頭に入っていた・・・

あの神様が俺に高い記憶能力を付けたのか?・・・無いな・・・。

 

その後まあそのほかIS学園での俺自身への調査があるため世間への公表は控えられたが、入試会場でISを動かした男として俺以外にも一人、すごいことになっている男が居た

「織斑一夏か・・・とんだ貧乏クジを引いたみたいだな」

第2話へ続く




プロローグを書いた後に修正しまくった第1話です。

前回の掲載からの修正を幾つかしました。
と言っても駄文には変わりなく自分の実力の無さを嘆き中です

ご意見ご感想をおまちしています


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ACT.02「IS学園入学」

入学初日

俺のクラスには重苦しいというか異様な雰囲気が漂っていた

それもそうだ。

 

だって、俺ともう一人織斑一夏は世界で一番不似合いな場所に居るのだから。

ここは世界で唯一のIS操縦者育成用特殊国立高等学校。操縦者に限らず専門のメカニックなど、ISに関連する人材はほぼこの学園で育成されるらしい。

 

前にも言ったがISを操縦できるのは女性のみという事になっている中、1年1組には男子生徒が居るのである・・・それも2人

でも・・・メカニック課程には男子生徒が居てもおかしくはないよね?

後で織斑先生に聞いてみるか。

 

ため息が出そう・・・いやもう出てるというかか・・・。

「きつい・・・」

「だるい・・・」

上は織斑君、下が俺

 

しばらくして副担任の・・・あ、あの人俺が撃墜した人だ

「皆さん入学おめでとう、私は副担任の山田 真野です」

入ってくるときに俺を見て一瞬硬直したような気がするがまあいいか。

 

クラスの雰囲気?そりゃあ明るく挨拶をしてくれた山田先生には悪いけど重いままだよ俺は珍獣じゃねえ・・・

「きょっ今日から皆さんはこのIS学園の生徒です、この学園は全寮制。学校でも放課後も一緒です。仲良く助け合って楽しい3年間にしましょうね」

 

さっきからずっとだけどさ、俺と織斑君に視線が集中・・・痛い、視線で痛みを感じるとは・・・

 

「じゃあ自己紹介をお願いします、えっと出席番号順で・・・」

出席番号順!?

読者の皆さん、俺の名前をご存じだろうか?と言うか覚えてるよね?覚えてもらえてないと泣くよ俺・・・。

俺の名前、赤城=ポルシェ・翔。

ア行の上に次はカ行なので相原とかそう言う名字が来ない限りは90%の確率で出席番1番となる。その状況が今である。

 

「では、赤城君・・・お願いします」

起立して

「赤城 翔です、よろしくお願いします。趣味は読書です、人見知りはしないタイプなんで気軽に話しかけてくださいね」

当たり障り無いだろ?普通に済ませたつもりだけど無駄に注目はされてるな・・・仕方ないけどね。

 

織斑君は上の空だな

というかこの状況で上の空は危ないぞ、織斑君、甘いよ、甘すぎる、世界一甘いというトルコデザートよりも認識が甘い!

 

「織斑一夏君?」

山田先生が織斑君の番になったことを教えてくれてるんだけど気がつて無いみたい。

 

「はっはい!」

飛び上がるように驚くとは・・・

 

「大声だしちゃってごめんなさい、でも「ア」から始まってもう「オ」なんだけど、自己紹介してくれるかなぁ?だめかなぁ?」

 

うわー・・・山田先生の顔ちけー

「いやっ・・・そんなに謝らなくても・・・」

居心地悪そうと言うか言葉に困るというか・・・あの状況なら俺もだけど

 

[私が居ることをお忘れではないですよね?]

「そりゃあね・・・でも今はしゃべらないこと」

超小声でバックスに命じた

 

「えー・・・・えっと、織斑一夏ですよろしくお願いします。・・・・」

俺以上に注目されてるな、経験からしてそこでそれ以外何か言わないと後が大変なことになるぞ、

 

織斑君は俺を挟んで反対側の女子を見て助けを求めるような目をしているが・・・そっぽ向かれてる。

なにか自身の中で結論に達したのか深呼吸のあと・・・

「・・・・以上です!」

言い切った!?

俺は机に突っ伏したしほかのクラスメイトはズッコケた。

「え?あっあれ?ダメでした?」

戸惑う織斑君に近づいたのは俺の試験監督をしていた織斑先生・・・あれ?織斑?

 

バコン!

鋭い出席簿攻撃?・・・アレは痛そうだ

「げっ!?千冬姉!」

 

さらにもう1発追加

「学校では織斑先生だ」

あー家族というかお姉さんなんだ

 

「諸君、私が担任の織斑千冬だ。君たちヒヨッコを1年で使い物にするのが仕事だ」

 

担任の挨拶のあとは黄色い歓声・・・

「お姉さま!もっと叱って!罵って!!」

 

前途多難だし・・・あとはご想像にお任せするとして・・・中略!

 

「諸君らにはこれからISの基礎知識を半年で覚えてもらう、その後実習だが基本動作は半月で体にしみこませろ、いいか?いいなら返事をしろ、良くなくても返事をしろ!」

まるでどこかの鬼軍曹だな

 

もちろん一同(俺は適当にだけど)気合いの入った返事が帰った。

 

IS、正式名称「インフィニット・ストラトス」。宇宙空間での活動を想定し、開発されたマルチフォーム・スーツ。ISは核となるコアと腕や脚などの部分的な装甲であるISアーマーから形成されている。その攻撃力、防御力、機動力は非常に高い究極の機動兵器。特に防御機能は突出して優れており、シールドエネルギーによるバリアーや「絶対防御」などによってあらゆる攻撃に対処でき、操縦者が生命の危機にさらされることはほとんどない。ISには武器を量子化させて保存できる特殊なデータ領域があり、操縦者の意志で自由に保存してある武器を呼び出せる。ハイパーセンサーの採用によって、コンピューターよりも早く思考と判断ができ、実行へと移せる。

 

そしてISは女性にしか動かせない。

 

 

休み時間・・・

「織斑君だよね?」

しかし周りの視線を見ると注目度は抜群だな

「あ・・・あぁ、えっと・・・」

やっぱり自己紹介は聞いてなかったか

「赤城 翔です、よろしくね。織斑君」

「一夏で良いよ、えっと赤城さん?」

さん付けかできれば君付けにしてほしい

「翔で良いよ。名字で呼ばれるのは好きじゃないから。にしても大変なところに来きたね・・・俺もだけど」

俺はともかく一夏は才能だろうけど

「まあ、少ない男だし、仲良くしようぜ」

 

そしてもう一人黒髪のポニーテールの女子が

「ちょっと良いか?」

さっき自己紹介の時に一夏から目をそらした人だった

「え?」

 

俺は居ない方が良さそう・・・俺も流れ的にというか一夏に連れ出されたんだけど、屋上に呼び出された

俺としては気まずいよ?

 

「何のようだよ?」

やっぱり知り合いだったのか

「うん・・・」

言葉が詰まってるのは俺を意識してか?

「邪魔者は消えようか?積もる話とかあるだろうし。その辺で油を売ってくるよ」

 

そう言って俺は屋上の端っこに急いだ

「いや、私と一夏はそう言う関係では・・・」

そう言う・・・誰だっけ・・・えーっと篠ノ之さんだったな、篠ノ之さんを振り切った。

 

二人から離れて声が聞こえない程度の距離まで来てから俺は待機状態のバックスに話しかけた

「バックス、異常は?」

 

[ありません、空間受動レーダー共に静かです]

特に変わった様子は無いようだけど・・・いや、建物の陰に多数の女子が居ることをのぞいてはね

 

「分かった、監視モードのまま続けろ」

[了解しました、マスター]

マスターって・・・あんまり響き的に嫌いだ・・・マスターとスレイブみたいな主従関係的だからかな?

 

「バックス、俺を呼ぶときに何が一番適正だと思う?」

 

[マスターが適正だと思いますが、変更されたいのですか?]

 

「名前で呼んでくれ。堅苦しいのは嫌いだ」

昔からそうだったからな・・・

[了解です、翔]

こっちの方がしっくり来るね

 

「にしても、あの二人は何だ・・・まるで数年ぶりに元恋人にあったような・・・」

[翔、それ以上は・・・]

バックスに止められた

 

キーンコーンカーンコーン・キンコーンカーンコーン

 

1時間目 教科:IS基礎理論

とりあえずまだ例の必読書に乗っている内容からしか出ないのか・・・いや待てよ教科書は暗記しておいた方が良いな。

 

「ではここまでで質問がある人?分からないところはどこかありますか?」

 

一夏は・・・顔が青白いぞ?

「織斑君?何か質問はありますか?」

山田先生は優しい人だな・・・ぶっちゃけ一夏にとってはどうか分からないけど俺にとってはわかりやすく解説してくれて良い先生だとは思うよ。

 

まあ一夏の答えは恐らく先生の予想の斜め上を行く答えだったけどね

「ほとんど全然分かりません・・・」

まあ調べによると男と女ではISに関して全くと言って良いほどカリキュラムの作り方が違うのだそうだ。

確かに十数年間分の差は大きいよな。

「ほとんど全部ですか!?・・・今の段階で分からないって言う人はどのくらいいますか?」

山田先生は唖然

 

まあ俺は基本的にあの本に書いてあったことなら答えられるけど・・・。

 

手は上がらない

教室の入り口の方で静観していた織斑先生に近寄って

「織斑、入学前の参考書は読んだか?」

参考書=例の必読書ね

 

「えーっと、電話帳と間違えて捨てました」

バコン!

織斑先生の強烈な一撃

 

アレは痛いぞ、絶対に痛いだって角だもんあの「黒くて平たい以下略」の角だから

「あとで再発行してやるから、1週間以内に覚えろ、いいな」

さては俺に一夏のフォローをさせるためにあの神様は俺を送ったな・・・

第3話へ続く




とりあえず、コツコツ修正ながら書いておりますが・・・前途多難です


まあ修正過程で削除することも出てくるかと思いますので話数が少し削減されるかもしれません。


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ACT.03「荷物整理してたら昔に無くした物とか出てくるよね?」

次の休み時間

俺は一夏のフォローとすべてのテキストを暗記するために俺と一夏の机に本の山を作っていた

「そう、だからシステムのこの部分を使用してPICやMARを制御するわけ、モーショントレーサーは独自のシステムを持っている場合があるね」

俺?即席教師って所かな

 

「じゃあこれは・・・えーっと」

早速基礎知識で転びそう・・・

 

そこに現れたのは金髪のクラスメイト・・・まあ俺も髪の色は銀だけどさ、珍しいよね日本だとあんまり見ないし

 

「ちょっとよろしくて?」

この状況を見ろ・・・・と言いたいけど

 

「よろしくないので後にしていただけますか?」

誰だか知らないけど・・・お偉いさんところの人だったらやだなあ・・・

 

「この私が話しかけているというのに・・・それ相応の態度という物があるのではないかしら?」

貴方が誰なのか知らないし

 

「ごらんの通りこの山をどうにかしないと一夏が織斑先生からどんな仕打ちに合うか分かったものではないので・・・無礼を承知の上でこのような態度を取っているのです、申し訳ありません」

あー、思い出した、セシリア・オルコットだなイギリス代表候補生の人だ。

 

「まあ、その無礼は許して差し上げましょう」

とりあえず例文通りの謝罪をしておいて

 

「一夏、この人知ってる?」

オルコットさんに聞こえないように一夏に効いてみると

 

「俺は知らない、翔は?」

自己紹介をちゃんと聞いていなかった証拠だな

「名前だけは・・・」

 

俺はとりあえずこの人を追っ払わないと一夏の勉強に支障が出ると判断したんでさっさと話を済ませてもらいます。

 

「では、少々勉強の時間を変更します。ええっとオルコットさん・・・でしたよね?赤城=ポルシェ・翔と申します、以後お見知りおきを。」

 

「あれ?翔ってミドルネーム持ってるの?」

そうだ俺、自己紹介で説明はスルーしてたね。

 

「そうだ、説明してなかったね俺は、多分ハーフだから。イギリスと日本の・・・でも今自分がどっちの国籍なのか分かってないというか、記憶もない、身内もない、戸籍も見つかんない、無い無いづくしなんだ。知ってるのは自分の名前と所属だけ」

 

苦笑しつつ両手を挙げる。

 

「そうなのか・・・悪いこと、聞いちまったな」

二人は申し訳なさそうにしている・・・というか俺としてはここでこんな話をしてしまうとは・・・。

「申し訳ありません・・・」

暗いよちょっと?俺の身の上話を聞かせたから?

 

「気にするなって、俺が自分の意志で話したんだ」

とりあえず言っては見た物のフィクションのように場の空気が適当に変わることがなかったのだ・・・

 

 

キンコーン・キンコーン

 

授業が始まりそうなので山を片付けてオルコットさんにはご自分の席に行っていただいた

[良かったのですか?]

「良いんじゃない?別に隠せとは言われてないぜ、それにお前だってしゃべりたいだろ?」

 

「オルコットさんのデータを出してくれ」

[公表されているデータのみですか?]

「それ以外も出せる物はすべてだ」

あの人に言わせれば「ISが使える人間で自分を知らないなんてモグリ」っていいそうだしな。

 

 

 

 

次の休み時間一夏に拝み倒され勉強は寮に行ってからと言うことになった

というか・・・寮は2人一組の部屋だけど俺は一夏と同室か?

その日のLHRの時間に

「これより再来週に行われるクラス対抗戦に出る代表者を決める」

 

クラス代表を選定し、ISで戦う。リーグマッチである。

 

「クラス代表とは、そのほか委員会への参加や生徒会への参加、まあクラス委員と思ってもらって良い。自薦他薦は問わない、誰か居ないか?」

俺はどうするかな。自薦は・・・ないな。

 

「赤城君を推薦します」

はい?今俺の名前が聞こえたような・・・

 

「織斑君を推薦します!」

「赤城君を!」

「織斑君を!」

 

幻聴じゃなかった・・・無かった・・・

冗談じゃない目立たずには無理でも自分から目立つようなところに入りたくないから仕方ない

「オルコットさんを推薦します」

 

俺がそう言った瞬間、クラス全員がこっちを向いた

「代表候補生ならば素人同然の一夏や自分より断然・・・適任かと」

 

少しの間が開いて

「ほかには居ないか?居ないのなら赤城、織斑、オルコットの3名を候補とする」

織斑先生・・・そりゃ無いぜ・・・

 

さっき追っ払おうとしたのがあまり良い印象を与えていなかったのかオルコットさんの怒りが爆発した。

「決闘ですわ!誰が代表にふさわしいかどうか決闘です!」

 

一夏の場合は売り言葉に買い言葉だろうな

 

「いいぜ、四の五の言うよりわかりやすい。翔も良いだろ?」

はぁ・・・とため息をついて頷いた

 

正直クラス代表なんて重荷は背負いたくないんだが、一夏はやる気満々、意外と好戦的な性格だな

「ハンデはどのくらいつける?」

予想外の一夏の行動に全員が一夏の方に振り向いた

 

「あら、早速お願いですの?」

当然の如く優位なオルコットさんが一夏に問いかける

 

「いや、俺がハンデをつけるためなんだが・・・」

一夏よこの世界のパワーバランス考えてみると良いと言っておくべきか悩んだ

 

「織斑君それ本気?」

「女が男より弱いなんてISができる前の話だよ?」

「女が男と戦争になったら3日で女が勝つって言われてるんだよー」

笑い声に混じってこんな声が聞こえた

 

「一夏、俺はハンデ無しでお願いしようとおもうけ・・・」(バコッ!)

織斑先生の出席簿攻撃・・・痛いです・・・と言うか目が怖いよ

 

「お前にはどっちにしろハンデ有りだ。それから後で職員室に来い、連絡事項がある」

ちょっ正気?ハンデ無しじゃなくてで戦わせるわけ?俺は一応攻撃パターンとか知恵袋には入ってるけどもISは初心者だよ?

「なっ!?何故ですか織斑先生!」

オルコットさんも不満げだ

「何を言っている。いくらテクニックが五分だとしてもコイツの試作機にかなうわけがない。何せコイツはあの篠ノ之束の秘蔵っ子だからな」

 

篠ノ之 束。そう、この世界での俺の雇い主というか保護者の名前が出たとたん教室が水を打ったように静まりかえったと思ったら一気に騒がしくなる

「篠ノ之束ってあの・・・」

「ISの生みの親の!?」

 

そんな言葉が聞こえつつ俺には視線が集中。

 

「とにかく!」

教室に響く織斑先生の声、一発で静まりかえる教室。オルコットさんが何か言いたげだったけど織斑先生は

「勝負は次の月曜日に第3アリーナで行う3人は準備をしておくように」

決定事項を告げるのみだった

 

キーンコーンカーンコーン

LHR終了を告げるチャイムが鳴った。

納得がいかない・・・ハンデ有りでか・・・ハンデ有り?

 

「赤城、やはり今で良い職員室まで来い」

気がついたら先生に連行されてました

 

 

職員室

「お前のハンデだが、ブラックバードを使用するな、ミラージュ ランサーF1を使用しろ、それだけだ」

「それだけですね?たしかにフォーマットやフィッティングもカットしてテストしてましたけど相手は代表候補生ですよ?」

そんな事だろうとは思ったけど

 

[私としては不本意ではありますが仕方ありませんね]

ほら。バックスだって不満そうじゃないか。でも使用するなと言われたんだから仕方がない

 

「本来ならに量産機でも乗せてやりたいところだ」

と言われてしまった

 

「ではこれだけなら自分は教室に戻りますが」

職員室の空気って好きじゃないし

 

「あー・・・まてお前に荷物が届いていることを忘れていた」

 

「荷物ですか?」

誰から?何か荷物が届く予定とか無かったし

 

「放課後引き取りに来い、これが荷物の概要だ」

 

荷物区分:大型荷物

重量:250㎏以下

寸法:2300×800×1250(㎜)

 

「でかい・・・IS使って運べとでも言うんですか?先生・・・」

差出人は束さんだった。

 

「自分で考えろ」

 

マジ!?

 

まあ呼び出しの後教室に戻って終礼。長い入学初日が幕を閉じた・・・。

 

「これが寮の鍵です」

放課後、山田先生に渡されたのが寮の鍵

1024号室と書かれていた

「一夏の部屋は・・・・1025か」

もっとカードキーとかレーザーキーとかだと思ってたけど普通の鍵だね・・・

「お隣さんだな」

そうだね、でもね俺は元々IS学園に居たわけでその間済んでいたのが1024号室で今日の朝に移動するかもしれないからって理由でいったん荷物を持って出たんだけど・・orz

 

 

さて寮に行こう

「待て赤城、お前まさか・・・さっきの話を忘れたわけではあるまいな?」

織斑先生・・・あんたどっから現れた!?

 

「例の荷物ですか・・・了解です、ごめん一夏。ちょっと時間かかりそうだ」

「気にすんなって、何なら手伝おうか?」

ありがたい申し出だけど

「いや、大丈夫だ。多分何とかなる」

 

学園本校舎裏に置いてあった荷物

木のカバーを外すと・・・チタンカラーのバイクだった

「CBR1100XX?・・・これはもしかして・・・」

俺の愛車だったバイクじゃないか?

 

オドメーター(総合距離計)は00005.3㎞=5.3㎞=新車である。

違うか?

「あと2日でお前の戸籍と運転免許証が発行される、それはお前の身元引受人から来たお前の荷物だ」

なんというか、連絡が来た身元引受人が束さんだってことにびっくりだ、神様のアフターサービスが何とかと言ってたぞ

 

荷物の中には一応必要な物が揃っている、ヘルメット・グローブ・対衝撃用ジャッケット・・・etc.

「これは・・・」

 

販売証明書

受け渡し:1998/04/05

輸入:ドイツ仕様

購入者:Akagi=Porsche・Kakeru

 

「俺なのか・・・?」

 

戸惑っていると

 

「とにかく寮の駐車場に駐めておけ」

そう言って織斑先生は駐車場の場所を書いた紙を渡して行ってしまった。

と言うか駐車場るんだ・・・

 

キーをひねると残念なことに始動するのに必要最低限の燃料しか入っていないようで燃料系の針は力なく下にへばりつき赤いランプが点灯した

「押してくか・・・」

 

エンジンはかかるけど何処まで燃料が入っているのか分からない以上押していくしかないな。

思ったより重いよこれ。転生するまでは重いなんて思ったこと無かったのに・・・筋力が変わったのかな?

 

「重いよ、乾燥重量(オイルやガソリンなど液体が入っていない重量のこと)で223㎏もあるんだもん・・・そりゃあ重いさ」

と俺は絶賛涙目だ。

 

バイクを置いて寮の部屋に行くために廊下を歩いていると、一夏が部屋から飛び出してきた。

 

「あれ?一夏じゃん、どうしたの?顔色が悪いけ・・・ど・・・」

 

僕が言葉を詰まらせた理由?

ドアを突き破る木刀が見えたから

 

「一夏、君はいったい何をやらかしたんだ?」

 

そう言いつつ俺はカメラを取り出してシャッターを切った

 

カメラを何処で手に入れたかって?

 

さっきの荷物に入ってたデジタル一眼レフカメラだよ?

 

「頼む翔、助けてくれ!」

 

 

「涙目だね・・・」

 

「ちょっと待ってね」

 

問いあえず自分の部屋に行って荷物を置かないと

 

5分後

「さて、話を聞こうじゃないか」

 

問題の二人を僕の部屋に呼び間に僕が入った

 

要点だけ順を追ってまとめると

・一夏は部屋に行ったらルームメイトが居た

・そのルームメイトは幼なじみの篠ノ之 箒さんだった

・彼女はシャワールームから出てきてバスタオル姿だった

・箒さんは一夏と分かって木刀で襲ってきた

・一夏の部屋のドアは穴だらけ

 

と言うことになる

 

「まあ一概に一夏が悪いとは言わないけどね」

 

正直どっちもどっちだな

 

「一夏の真っ直ぐなその性格はかうとして、一夏も男なら適当なところで折れても良いと思うけどね」

もちろん一夏だけ話悪いとは言わないので

 

「篠ノ之さん貴方も貴方です。確かにショックでしょう、その心中はお察しいたしますが、見ず知らずの暴漢ならまだしも幼なじみでしょう篠ノ之さん?居合わせたのが僕ならばまだしも幼なじみの一夏ですよ?」

 

「だがそれでも限度という物が!」

 

「もちろん羞恥心を捨てろとは言いませんが、貴方が使ったのは木刀ですよ?一歩間違えば一夏が再起不能になるかもしれない傷を負わせてしまうかもしれない武器です。それをよく考えてくださいね」

 

「・・・・」

 

二人とも黙り込んでしまった

 

「じゃあ寮監に直談判に行きます」

 

「「へ?」」

 

間の抜けた声だなおい・・・

「今後このようなニアミスがないように織斑先生に直談判しましょう。まあ元々俺も会いに行かなければいけない用事があったからそのついでさ」

 

 

で、結局

「無理だな、開いている部屋がない」

 

職員室で寮監を聞くと織斑先生だと言うことで聞いてみたのだが・・・

 

「それは、部屋の都合がつくまで待っていろと言うことでしょうか?この場合しかるべき措置としては自分と織斑君を同室にするべきではないでしょうか?何かあってからでは遅いですよ」

 

普通に考えればそうだ、部屋割りで二人一組になるにしても男同士の方が良いはずだ。

 

「お前に部屋にもは諸般の事情により遅れていたルームメイトが明日来る。だから当分の間は無理だ」

 

「自分も織斑君と同じようなの生活と言うことでしょうか?」

 

それはそれで良いか・・・じゃなくて・・・それはあまり好ましくない

「いや、男だ。フランスから来るそうだ。データは渡しておいたはずだ」

 

男?3人目!?

 

「部屋にあったクリアファイルですか?」

 

「そうだ」

 

見てなかった・・・というか一夏の騒動の仲裁でそんなの読んでる暇なかったし。

 

「時間的余裕が無く見ていませんでした・・・」

ガンッ

 

出席簿って堅いんだよ?知ってる?でも一夏の時よりは少し軽い気がする。

 

「ところでお前のプロフィールは書けているのか?足りない部分を補充しておけと言っておいたはずだが」

 

「こちらになります」

 

赤城=ポルシェ・翔の公式プロフィール

年齢16歳

身長168cm

体重55kg

生年月日 2010/04/02

出身 日本

住所 日本国IS学園 学園寮1024号室

所属 超大天才篠ノ之ラボ テストパイロット

IS ミラージュ ランサーF1(FX/G2/CR-200)

   第3世代IS

 

「こっちがISの詳細ですね、篠ノ之博士からデータが届きました」

 

IS名:ミラージュ ランサーF1(FX/G2/CR-200)

タイプ:電子戦対応型マルチロールタイプ

専用装備:Vランス(槍)

その他拡張装備:可変出力レーザー砲2連装

イプシロンMk.7:レールマシンピストル。単射もしくはフルオート。

RCSバーストシステム:スーパーストール状態(縦スピン)を起こして急旋回を行うシステム。

 

 

「ふざけているのか・・・あいつは」

そう言って僕のプロフィールにある「超大天才篠ノ之ラボ」の「超大天才」に2本線を引いて消していた。

 

ちなみにそこは篠ノ之博士が書いたんであって俺じゃないぞ。

 

部屋に戻ってきて

「申し訳ありません・・・・」

 

俺の部屋は二人で使用することが判明、部屋の用意ができるまではやはり一夏は篠ノ之さんといっしょになると言うことを俺は頭を下げながら伝えた

 

「いや、俺たちのためにそこまでしてくれただけで十分だ、俺の方こそ人任せにしちまってすまん」

 

「そうだぞ、むしろそこまでしてくれて私としてはうれしい」

 

 

とにかく僕は明日来る転校生?の受け入れのために荷物をまとめて整理しなければ




とりあえず感漂うやっつけ仕事です。
まあ気になったところをちょこまか変えてるだけなので大筋は変わらないかと思います。


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ACT.04「3人目の男子」

荷物を片付けると言うか着替えとか神様が送ってくれなかったら買わないといけなかったな。

今はとりあえず学園が用意してくれた服と最初から着てたジャージにハーフパンツというラフなスタイルに着替えたよ、だって制服のままだとだるいから。

 

「バックス。とりあえずシャルル・デュノア君のデータを出してくれ」

[了解しました]

 

デュノアって事はフランスのデュノア社と何か関係が?

「学園に通知されたデュノア君のデータはこれだけ?」

データがあからさまに少なかった、もう少しデータがあっても良いはずだ

 

[はい、それ以外のデータは見あたりません]

 

ちょっと彼のことを調べてみる必要がありそうだ。

「バックス・・・フランス政府のデータベースにアクセスしてこの子のデータを出してくれ」

 

[はい、ただいま]

調べることには罪悪感はなかったけど、むしろ事実を知ってからは罪悪感が僕を支配していた。

 

「これは・・・」

本名:シャルロット・デュノア、性別:女性。

フランス政府ではなくデュノア社のデータベースで行き着いた答えが「極秘」とされた資料の中にあった日本に出現した特異ケースの2名に近づくためにIS学園に男として潜入させるとの資料だった。

 

[織斑先生に報告いたしますか?]

「いや、ちょっと様子を見るよ、親が社長だからってここまでするとは思えない」

[了解です]

 

バイクと一緒に送られた段ボールには様々な物が入っていて

荷物の中にあの俺をここに飛ばした狂気の神様からの手紙が入っていた

 

 

「親愛なる翔君へやっほー!どーだいIS学園は?楽しんでるかな?楽しめるよね?君なら!

さてと、今回この手紙を出したのには訳があるんだぜ。

 

翔をこの世界に送るときに話さなかったその世界に起きている問題についての話なんだぜ!

基本的にこの「世界」って言うの物は情報をベースにして構成されていてだな、詰まるところパソコンと同じ2進法でデータの書き換えができるんだ

まあ基本的には干渉できないはずなんだが誰かが干渉を始めてしまったようなんだ。

 

そこで君たち2人の出番て分けなんだぜ!ブラックバードには「インフォメーションダイバー」って言う機能があって軽微な改ざんなら修復する能力を持たせてあるから使うと良いぜ。

 

もし大規模な改ざんの場合は待機状態で「インフォメーションリカバリ」って言う機能を使用してくれ。早くて数ヶ月、遅くても数年で修正はできると思うから。ダメなら連絡くれ、あたしが干渉して直す。翔の友人 神さま より」

 

 

と言うことらしい。

 

「俺にはさっぱりだ」

分からないぞ、つまり俺は一夏のフォローじゃなくて情報修正のために転生したのか。その前に数年って・・・。

 

[翔は記憶できていないのですか?]

 

「いや、もう文面は覚えた。俺は記憶できて理解に苦しんでるんだ」

 

[私としては理解しかねます]

 

君は機械だからね・・・。

 

[お疲れのようですね、シャワーを浴びることをオススメいたしますが]

「うん、そうしようかな」

 

ここのシャワーはいわゆるユニットバス的な物。

「今日は疲れた・・・」

学園の中で男子なんてパンダと同じくらい興味を引かれる対象らしく・・・プライベート空間が恋しくなりそうだ。

それにしても伊達メガネって結構邪魔だな・・・髪乾かすときくらい外しても良いよな・・・

 

シャワーを浴びた後、髪を乾かしていると

 

-コンコン

「はい?」

扉の向こうから聞こえたのは

「翔?飯に行こうぜ」

一夏が飯に誘いに来てくれたようだった

もう良い時間なんだね

 

「分かった、今行くよ」

 

 

 

一夏side

「翔?飯に行こうぜ」

もう一人の男子である翔は意外とつきあいやすい性格で良かったよ。

 

「分かった、今行くよ」

出てきた翔は・・・何というか昼間とは別人だった。

 

「どうかした?」

学校だとメガネをかけていたはずなのに今はかけてない・・・

 

「いや、なんつーか・・・メガネ・・・」

してないと女みたいだな

 

「メガネ?今はコンタクトしてるんだ。メガネは度が強くて疲れるからコンタクトなんだ」

メガネにコンタクトって結構金かかってると思うんだけど・・・流石はテストパイロットだな

 

「そうなのか」

気まずいぞ、この空気は

 

「もし、女みたいって言ったら・・・」

かわいいけど目が怖いぞ!

 

「いっ・・・言ったら?」

何かを持つまねをして

 

「投げる・・・」

何を!?何を投げるんだ?

 

「そっ・・・そうか・・・」

言ったらヤられる・・・

 

「まあ、そんな非常識な人はいないと思うけど・・・ね」

俺の一日目は恐怖という言葉で締めくくられたのだった。

 

一夏side end

 

 

 

 

翔side

 

翌朝、僕は篠ノ之さんと一夏と朝食を摂っていた。

「箒、これ旨いな!」

 

篠ノ之さんとコミュニケーションを取ろうとする一夏だけど

「…」

完全無視の篠ノ之さん

 

「翔、これ旨いよな?」

俺に意見求める気ですかこの人!?

「旨いんじゃないか?もっとも俺は別メニューだけどね」

 

朝食がバイキングだったため俺はパンにしていた。

メニュー:パン(食パン・菓子パンなど)×4・紅茶(ミルクティー)・サラダ・フルーツ(バナナなど)・ハム・ウィンナー・目玉焼き。

 

一夏たち?和食メニューでメインは焼き鮭だな

「そうだった・・・」

今更気がついた!?ダメだ、俺の中で一夏の注意力がストップ安・・・。

 

「ねえねえ、あの子たちが例の子かな?」

「一人は篠ノ之束さんのところのテストパイロットでもう一人は織斑先生の弟さんだって、強いのかな?」

「いいなー篠ノ之さんだけ一緒に食べられて」

「私も声かけてみれば良かった・・・」

 

など外野がつぶやいているんだけど一つ言いたい、こっちに聞こえてるよ。

 

「織斑君、隣良いかな?」

座席?あーそっか言ってなかったね

俺・篠ノ之さん・一夏(窓側から見て)

の順に並んでるんだ

 

声をかけてきたのは同じクラスの仲良し3人組、おい・・・一人制服じゃないのが居るぞ。

「へ?別に良いけど?」

 

「「よしっ!」」

 

3人は嬉々として座るけど、僕の隣はどんどん不機嫌に・・・。

篠ノ之さん、早食いは体に毒ですよ?

 

「わー織斑君て朝すっごいたべるんだー」

「男の子だね」

 

「そうか?翔だって変わらないし・・・」

そう言って一夏は俺の方を・・・その視線の先にいる篠ノ之さんを気にしてあげて!

 

「俺はパンだけどな・・・低血圧の性ってやつで朝食べないと動けないから」

俺の平均血圧?同年代の男性より結構低いらしい、詳しいことは説明されたけど気にしてなかった。

 

カタ・・・

「私は先に行くぞ」

篠ノ之さんはソソクサと食べ終わって席を立った

「ああ、また後でな」

 

「じゃあ俺も食べ終わったから行くわ」

最後のフルーツを食べきり俺も席を立った

 

気になることの真相を確かめるために

 

「篠ノ之さん!」

 

「ああ・・・赤城・・・か」

 

言葉に詰まりまくりだな

 

「呼びにくかったら翔で良いよ、まあ赤城でもポルシェでも翔でも好きに呼んでもらえればいいよ」

 

篠ノ之さんて歩くの早いよ

 

「篠ノ之さんは・・・一夏のことが好きなんですか?」

まあ定番ですよね。

「なっばっばばばばばばばばば・・・・」

なに!?地雷?これが地雷なの?いや待てむしろこれは照れ隠し!

 

「そーか♪やっぱり好きなんだ」

 

「ぐっ・・・・」

 

真っ赤になって下を向く篠ノ之さん

 

「手伝いましょうか?」

 

「え?・・・・どうして・・・」

 

間の抜けた返事をする篠ノ之さん

 

「俺が手伝おうという結論を出したの理由は3つ。1、篠ノ之さんは一夏がほかの女子と話すと機嫌が悪い。2、篠ノ之さんは一夏の前で挙動不審である。3、それを見抜けない一夏は恋愛に鈍い可能性がある。結論、手伝うのが妥当」

 

まあ原作を分かって居るというのもそうだけどね

 

「あの人の差し金ですか?」

あの人・・・ああ束さんか

 

「どうでしょうね。業務命令でないことは確かですけど、あの人は一度も俺に箒ちゃんを手伝ってなんて言いませんからね」

さっきまで険しい顔だったのだが・・・ふらふらと顔を真っ赤にしてどんどん早足になる篠ノ之さん・・・

暴走した蒸気機関車か?あの人は・・・と言うか競歩なら絶対に優勝できるぞ。

 

朝のSHL

山田先生が 

「今日は皆さんに新しいお友達を紹介します」

昨日の人か・・・シャルル君だったかな?

 

ちなみに今日は入学2日目である

「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。諸事情により1日遅れてしまいましたがよろしくお願いします」

 

男子だった。

それも

「男子!3人目の男子!」

「しかもウチのクラス!」

「しかも美形!守ってあげたくなる系の!」

 

騒ぐね・・・そんなにはしゃぐと

「騒ぐな、静かにしろ」

 

教室は織斑先生の一声で静まった。まさに鶴の一声だな

「今日はIS実習を行う、各人はすぐに着替えて第2グラウンドに集合」

 

「それから、織斑、赤城・・・」

ん?やけに尻すぼみだな

「「はい」」

 

「赤城、お前・・・本当に赤城か?眼鏡はどうした?」

あ、忘れた

「寮に忘れてきました。コンタクトがあるので支障はありません」

 

ほら、暴走した篠ノ之さんを直してたら時間が無くて・・・

「そうか、まあいい。お前たち二人はデュノアノ面倒を見てやれ、同じ男子同士だ。解散!」

 

さて一夏の時間もないだろうし急ぐか

「君が織斑君で君が赤城君?初めましてぼく・・・」

 

律儀にも挨拶してくれるのか・・・品が良いところの人は違うね心に余裕が・・・思ってて自分が悲しくなった

「ごめんね、この時間は挨拶どころじゃないんだ、男子は移動しないといけない、女子が着替え始めてしまうからね」

 

そう言って僕はデュノア君の手をつかんだ

「こう言うときに男だって事を残念だと思うよ、俺は」

 

一夏・・・君は女の子の方が良かったのか?

「聞かなかったことにしておく、それより急ごう」

 

廊下を出て真っ直ぐアリーナへ

「俺たちはアリーナの更衣室で着替えるんだ実習のたびにこの移動らしい」

ちなみに聞かされたのは今日の朝、SHLが始まる前だった・・・

 

「う・・・うん」

顔が赤いよ?デュノア君

「どうかしたか?そわそわしてるけど」

落ち着きがない・・・いやあれだけの男女比だと正常か?

「トイレか?」

 

一夏・・・

「それはデリカシーがないぞ・・・男子でもだ」

できれば更衣室まで一直線に行きたかったが・・・

 

「噂の男子発見!」

「しかも3人!」

 

マズイ、これはマズイ。実習までの時間がないって言うのに

「一夏、デュノア君、突っ切るよ!!」

ここは人が集まらないうちに突っ切る方が吉だ

 

「いた!こっちよ!!」

「者ども、であえ、であえ!」

 

ここはいったいいつから武家屋敷に改装したんだよ

「見てみて、赤城君とデュノア君が手をつないでる!」

「赤城君の銀髪も良いけど、金髪も良いわねぇ」

 

勘弁してくれ・・・俺たちは授業に遅れる=生命の危機になるんだ。

「あと2秒で右の通路に入る」

 

一夏が頷く

「行くぞ・・・」

デュノア君の手を取って走り出す

廊下は走るなと書いてあるが気にしないで走る

 

「あ、逃げた!」

「追いかけるのよ!」

 

ふと昔テレビでやっていた「逃走何とか」という番組、タイトルが思い出せないな。

ハンターから逃げるやつを思い出した。

「なんで、みんな騒いでるの?」

 

走りながらデュノア君の疑問

「そりゃあ、3人だけだからね、IS男が・・・」

 

自分の体を見てハッとするデュノア君、男としての自覚あるよね?

「あ・・・ああ、そうだね」

 

嘆くように一夏が

「ここじゃ何処に行ってもウーパールーパー状態だ」

「何それ?」

わかりにくいたとえをするな一夏は・・・デュノア君が分かってないぞ

 

「昔に流行った珍獣?って所」

3人で全力疾走して逃げ切ることには成功したけどかなり時間をロスしてしまった。




やっぱり何話かくっつけてます。結構手抜きで話数削ってます。
因みに作者が多忙で更新スピードが遅いので相撲し訳ありません。

なので次回更新は未定!ですw


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ACT.05「孤独の交差点」♯01

「移動のたびにあの逃走劇だとやってられねー」

正直俺も一夏と一緒に叫びたかった・・・

逃げ切ってアリーナの更衣室に着いたときには時間ぎりぎりだった。

「ごめんね、いきなり迷惑かけちゃって」

 

一夏も着替え出す

「気にするなって、男2人しかいなくて辛かったんだ」

 

「そうなの?」

 

そうなの?ってデュノア君・・・二人もいれば助け合えるって?未だ2日目でもこれだけめいってるんだよ?死にそうだよ?

「一夏の言うとおりだな。俺は赤城 翔。翔で良いよ」

「俺は織斑 一夏、一夏って呼んでくれ、よろしく」

 

「うん、よろしく。翔と一夏だね。僕のこともシャルルで良いよ」

 

3人で握手したんだけどさ

「時間ヤバイから早く着替えた方が良いな」

 

俺は基本的に朝出かける前にISスーツを着ているから良いけど一夏は着てない。

いやISスーツは実習日に1日中着てても大丈夫だって山田先生が昨日言ってたし。

「うわ!」

 

何事かと思って振り向くとシャルルが一夏を見て顔を真っ赤にしている・・・思春期か・・・。

「着替えないの?」

 

聞いてみた

「え?う・・うん。着替えるよ・・・でもその、あっち向いててね」

思春期なんだね、そう思えばいいや正直君は何者かは分かってるから。

「いや、人の着替えはじろじろ見ないけどね、とっとと着替えないと鬼教官が・・・」

 

まあ着替えるのは一夏もだけどねと思ってたら

「そうそう、織斑先生に怒鳴られないようにしないとな、特に一夏は・・・」

 

振り向いたとき

「何かな?」

シャルルはもう着てた

「着替えるの超早いな・・・なんかコツとかあんのか?」

 

「い・・・いや別に?アハハハハハ」

笑顔が引きつってますよ?

 

 

「これ、着るときにはだかって言うのが着づらいんだよな、引っかかって」

 

まあ一夏のスーツはデータ取り用の試作品みたいなもんだしね

「引っかかって!?」

 

シャルル・・・やっぱり思春期なのか・・・顔が真っ赤だぞ?中学生じゃあるまいし。

「確かに着るときに引っかかるだろうね一夏のは。俺のはオートフィッティングだし、出かける前に着てるから楽だよ」

 

「翔のスーツって特注品なの?」

 

シャルルとも一夏とも違う俺のスーツに興味を示したのは

「俺の?俺のは篠ノ之ラボのダークブルー・デビル・タイプSってやつらしい」

 

まあ俺も篠ノ之博士にあったのは2回だけだけど、おっとこの話は追々語るとしよう。

「束さんところのテストパイロットだったよな」

 

束さんか・・・一夏は面識があるのか。あー篠ノ之さんのお姉さんだからね

「ああ、無茶ぶりが多いけどな」

 

唖然とするシャルルをよそに俺は更衣室から出て行った

「ちょ、ちょっと待って!」

シャルルが何か叫んでるけど織斑先生のアレには変えられない・・・

「早く来いよ!遅れると痛い目見るぞ!」

 

 

2分後第2グラウンド

「今日は実機による実習とフォーマットとフィッティング機能の学習を行う」

 

実機は打鋼とかリヴァイヴとかがあるけど基本的にフォーマットやフィッティングはオフでやるだろ?じゃあどうやって学習するわけ?

「赤城、お前が専用機を使用してフォーマットとフィッティングを実戦しろ」

 

俺が実戦ね・・・っておい!?

「ミラージュでですか!?」

 

「返事は「はい」だ」

 

怖いよ?

 

「俺のミラージュは通常のフィッテイングとは少々異なりますよ?」

 

一応言っておく、同じではない

「かまわん、やれ。それから実戦でそのままフォーマットとフィッティングを行うようにするためにデュノア、お前が赤城の相手をしろ」

「はい」

そうですか、素人でも専用機持ちは専用機持ち扱いなんですね

 

「納得いきませんわ!」

さっきまで空気だったなオルコットさん

 

「ふむ、だがお前では赤城の相手にはならん」

あーいいますかセンセー・・・

 

「ならば今すぐにでも赤城さんと模擬戦をさせてください」

俺を見る織斑先生

 

「俺は先生の判断にお任せしますけど?」

見られても困るという表情で帰しておこう

 

「決定事項は決定事項だ、赤城とオルコットの試合は次の月曜日だ」

つまり6日後ということである

 

「では赤城、デュノア模擬戦を始めろ」

鬼も裸足で逃げ出すってこう言うことかな・・・

「「はい」」

 

俺はミラージュを起動させた

[WAKE UP NOW........Wait....日本語にローカライズを完了しています......システムの起動を完了しました.....パーソナルコードを登録しています....]

ここまで表示されてミラージュが展開された

 

[現在、初期化を完了しています.....パーソナルネーム:ミラージュ ランサーF1、使用者:Akagi=Porsche・Kakeru、システムバージョン:Ver1.1β、フィッティング作業を開始しています。フィッティング作業中ですが行動が可能になりました]

「いけます」

 

時間かかるよな

「行動開始までがネックだな、では模擬戦を始めろ」

 

俺は上空で待っているシャルルの方へ飛んでいった

「手加減はしないよ?」

真剣なシャルル。真剣には真剣で返さないとな

 

「もちろんだ」

イプシロンMk.7(フルオートもしくは単射のレールマシンピストル)を装備、一気に上空に駆け上がる。

 

「早い!?」

ミラージュは軽量な機体に高出力ブースターを持ち1秒以下で音速を突破する機体だ。

イグニッションブーストを使用すると最高速まで3秒とかからない。

 

「これくらいで驚いてたらやってけないぜ」

太陽を背にしているのでシャルルからは見えにくいはずだ

 

そこから、ブースターを切って・・・自由落下!

[現在の加重:-3.5G、速度:マッハ0.2、イプシロンMk.7:RDY GUN]

 

「FIRE!」

フルオートでイプシロンを発射。若干シールドにダメージを与えたがそれだけか。

 

「僕だってだてに代表候補生なんじゃないよ!」

アサルトカノンを構えて応戦するシャルル

 

「早いけど、避けられない訳じゃない!」

左右に若干スライドさせてシャルルの砲撃をよける

 

姿勢を水平に戻した後バレルロールを組み合わせて後ろに付いていたシャルルの背後に付ける。

※バレルロール:ロールと機種上げ(ピッチアップ)を同時に行う空戦機動の一つ。

 

が、シャルルは思いっきり急制動をかけて俺の射程から逃げる

仕方なく俺はインメルターンを使用して縦方向にUターンを行う。

※インメルターン:180度ループ・180度ロールを順次、もしくは連続的に行うことで縦方向にUターンする空戦機動である。

 

「逃がさないよ!」

 

[警告、敵ISよりロックオンされています]

シャルルのISの重機関銃が火を噴く

 

「RCSバースト!」

バーン!という音共に俺は180度ターンをした。

 

※RCSバースト

正式にはRange(Limit) Cobra Spinバースト。意図的に航空機で言うスーパーストール状態(縦スピン)を起こして急旋回を行う装置。但し最大で8.8Gがかかるため使用には注意が必要。

 

「な!?」

イグニッションブーストを使用して一気に音速に達して

空にソニックブームを残して一気にシャルルとの距離を詰める

 

「俺だって終わらない!」

がアサルトカノンの弾が俺に命中、大きく煙が上がるが・・・。

 

[フィッティングなびにシステムの最適化が終了しました。全武装が使用可能です、この表示を消すには確認ボタンを押してください]

「チェック(確認)」

 

第一形態(ファーストシフト)完了!

 

「さて、本気で行こうか!」

接近戦武器のVランス(槍)を展開、イプシロンと組み合わせて中距離から一気に近距離戦に持ち込む。

「見える武器がすべてじゃないぜ!」

一度Vランスで攻撃の後Vランスをわざとはじかれるその後可変出力レーザーで死角を狙うが避けられた

 

「中々やるね」

プライベートチャネルでシャルルが話しかけてきた。

 

「コイツは一応ルーキーだけどそれなりには動く!」

問題は・・・・ダミーアウトシステムを作動させてるってことかな・・・

 

※ダミーアウトシステム:機体ダメージ量が任意に設定した値に達したとき擬似的に戦闘不能判定を出して機体の過度な損傷を押さえるシステム。

 

ダミーアウトシステムは基本的6分の1程度までシールドエネルギーが減らないと作動しないが、今はシールドエネルギーが10%喪失しただけで作動停止するようにしてある。

 

今のシールドエネルギーから見てあと1回でも攻撃を受ければ終了だ

 

いったん距離を取りレーザーで牽制しつつ距離を詰めていく

「それじゃあいつまでたっても決着付かないよ!」

 

そう、シャルルも巧みに攻撃をかわしながら反撃するのである。

その攻防が経過して5分

 

「いいかげん終わりにしたいぜ」

 

いったん垂直上昇後自由落下しながらチャフを放出

※チャフ:電波を反射する物体を空中に散布することでレーダーによる探知を妨害する防御兵器

 

このチャフは基本的に電波妨害用に放出したのではない。

このアルミ片(チャフ)に向けてレーザーを照射すると・・・・反射を利用して屈折、そしてこのチャフを制御することでその威力を何倍にも跳ね上げる・・・成功すればね

いや、撃ったよ・・・ただグラウンドを切り裂いただけだったけどね

 

でもチャフのおかげでシャルルが混乱している間に懐に飛び込めたが決定的な一撃の前に逃げられた。

 

そして反撃を食らって・・・

「あ・・・・」

 

-戦闘終了-

[愚かなご子息は3億ドルの戦闘機と共に東シナ海に沈みました]

 

「戦死通知!?」

ミラージュの要らない機能・・・戦死通知

「何それ・・・」

 

唖然としてると

「早く降りてこんか馬鹿者共!」

織斑先生に怒られました。

 

いや、なんか最後の戦死通知でどっと疲れた。

何とか2日目を乗り越えて寮に戻ってきた。

「おじゃまします・・・」

シャルル?

「遠慮しなくても良いよ、今日から君の部屋でもあるんだ」

 

鞄を置いて僕はPCの電源を入れる

「シャワーを使うなら先に使って良いよ、俺はちょっと強のデータをまとめないといけないから」

そう言って僕は今日の戦闘データをまとめるために光磁気ディスクをパソコンに入れた。

「じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな」

 

そう言ってシャルルはシャワールームに入った。




未定と言っておきながらコツコツコツ作ってる作者です。
暇ができたので更新しました。

他の作品ももう少し早くできたらいいなぁ・・・


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ACT.06「孤独の交差点」♯02

屋根に上ると織斑先生が居た

「こんな時間に何処へ行く気だ?赤城」

 

嫌な人に見つかったな

「ちょっと散歩に行ってきます」

もちろんISでね

「許可した覚えはないが」

そう言えば許可居るんだっけ?

「俺は嫌だったんですが、機体のバージョンアップと業務連絡もかねて来いと篠ノ之博士から」

篠ノ之の名前が出たとたん織斑先生の態度が変わる

「また呼び出しか・・・全くあいつは」

 

入学式までの1ヶ月間に2回ほど俺は篠ノ之博士に呼び出され無断外出して大騒ぎになったのである。

「伝言があれば伝えておきますが・・・今日は他の用事もあるんで手短になる用件をお願いしますね」

 

そう言って行こうとすると手を捕まれて引き留められた

「まったく、明日の授業に支障を出すような事にならないようにしろ、いいな?」

 

織斑先生はそういうと寮に戻っていった。

「さてと、行きますかね」

[翔、昨日追加された機能で現地での移動手段を利用できます。駐車場に向かってください]

 

新機能、バイクを使用できる?。

「バイクを持ってくのか?重労働だぜ?」

持つのは大変だが、バックスは特に問題としてないようだ

[そうではなく、バイクをISの装備として登録します]

また凄いことだな

「つまり、ISのバススロットにこいつを入れるって事か?」

俺は無理だと信じたい・・・だってバススロットには容量制限がある。

一定以上は入らないのだ

[私は通常のISよりもバススロットを多く持っていますので容量的には問題ありません。それに雨ざらしにされる機械を見るのは同類として見るに堪えません]

それが本音か、

「じゃあ他の機械はどうするんだ?」

[翔、これは貴方のバイクであり私の仲間でもあるのですよ?]

これ以上なに言っても無駄か・・・

「分かったよ。じゃあそうしよう」

もう何を言っても論破されそうだ

 

バススロットにバイクを入れると僕はツインドライブの起動手順をスタートした。

「ツインドライブ起動チェック」

[シンクロシステム正常起動しました。ミラージュ ランサーF1(FX/G2/CR-200)との同期を開始しています・・・同期完了しました、同期率は100.5パーセントです]

俺を光が包み俺は人型モードのバックスと同じ姿になる。

そうバックスは人型では女性なのである・・・つまり何故か俺は今、体は女性なのである。

これは束さん曰くバックスとミラージュのシンクロによって作られる特殊なシールドによって見た目だけ女性に変わるのだとか・・・あと俺じゃないというカモフラージュの意味もあるらしい

 

「チェックリストクリア、起動!」

そして俺をISが包んで起動完了である

[ツインドライブモードで起動しました、私としてはツインドライブで飛行しなくても間に合う速度だと思うのですが・・・]

 

「さあ、俺も分からないよ、博士がご氏名だし、仕方ないんじゃないか?」

[最初は嫌がっていませんでした?]

確かに最初にツインドライブで起動したときはショックだった。

手は震える、足はガクガクととても男とは思えない容姿に愕然ともしたけど、セカンドシフト後の機動性が格段に違っていたりするという利点の方が多かった。

「さてと、新記録を作りますかね・・・」

 

数分後ユーラシア大陸のはるか上空、成層圏を超音速で飛行する未確認飛行物体が観測されたとかされないとか。

 

ル・マン郊外

結局、指示された場所が二転三転して結局70キロほど走らされた後

「お久しぶりです、博士」

俺は篠ノ之博士と会っていた

 

「久しぶりだね~いつ以来かなぁ?」

いつも通り?の熱烈な歓迎を受けながらとりあえずデータを渡す。

「とりあえずこれが言われていた課題です。ちょっと出力的に今博士が作ってるのよりは低いですけど、バランスとって設定してあるので扱いは簡単かと」

この2つは俺が趣味で勝手に設計した第4世代ISである。

「ほうほう、前回の第3世代の時より完成度高いねぇー」

束さんはデータをすぐに展開しチェックを始めると同時に追加装備をブラックバードにインストールしていく。

 

ここで悪魔がでてきた・・・

「しょちょー来たんですかぁー?」

中学生くらいの女の子がでてきたがこの子が悪魔なのである。

実は過去2回ともこの子にいじられているのである。

 

この子は新乃 圭ちゃん、いわゆる「女の子が好き」と言うタイプの人だ。

「圭ちゃん!?いやー・・・・ひゃん・・・あ、ちょと!?ほんとにやめてください!!」

ここで知っておいて貰いたいのが今俺は女性であると言うことである。

「ちょっと!?どこさわってるわけ!?離せ!このHENTAI!!」

速攻で後ろに回られて胸を以下略・・・・

 

対処方法?簡単です一本背負いで投げる!

「離れろ・・・この変態がぁ!」

そして蹴る!ひたすら蹴るのである・・・え?死なないか?大丈夫だと思うよ

「あ~良い・・・この蹴られる感覚ぅ・・・」

いっそのこと殺してやりたい・・・イカンイカン、俺の暗黒面が顔を出すところだった。

とりあえず適当に気絶させるか・・・

 

「さてと、ポル君の部屋にいる子なんだけど、知ってるよね~?」

とりあえず圭ちゃんをしばき倒したところで束ねさんに言われた

「はい、とりあえずは嫌われる算段を付けてます。最悪は逃げます」

そういうと束さんは爆笑した

「あーはははは、きびしーねぇ。いやーやっぱりポル君を学園に送って正解だったね」

俺は覚えてないというか知らんけどな

 

「とりあえず、この後は罪人達の贖罪を・・・ちょっとね」

意味深に笑うと束さんは

「でもね、あの子の気持ちも分かってあげた方が良いと思うけどね~♪」

束さんにしては人に関わるようになったと思う。いや冗談じゃなく

「そうですね、心得ておきます」

 

「そうそう、今回は新しい装備も追加したから」

そういうと束さんは気絶している圭ちゃんを引きずってラボに行ってしまった。

 

 

 

「さてと、じゃあ行きますかね」

[本当に行くのですか?翔]

彼女を送り込んだ真意を確かめにデュノア社社長宅に行く

 

「行かないといけない気がするから・・・かな」

 

 

思ったより近かった件について・・・

「ここか情報収集を兼ねるから単一仕様能力じゃなくてストラトス プロトティーポを使用する」

[了解、第2形態移行、ストラトス プロトティーポ展開します]

※ストラトス プロトティーポ:第二形態から使用可能になる偵察特化型装備。マイクロカメラの映像を機体に投影することによってあたかもそこに何もないように消えたり、センサー波吸収塗装による完全なステルス形態でセンサーは一切反応しない。ただし機体のエネルギーと電磁パルスの関係で膨大なエネルギーを使用する攻撃装備は使用できない。単一仕様能力(漆黒ノ霧)との併用はできない。

 

監視カメラ、赤外線アクティブセンサーに空間波動センサーと・・・ここは機密の軍事研究所か?

「面倒だ、一気に突っ切る」

[あまり得策とはいえませんが・・・この場合ストラトス プロトティーポの性能テストにもなりますね]

そのまま社長がいるであろう部屋に到着したがセキュリティーシステムに反応はなかった。

 

「お悩みのようですね、デュノア社長」

その男、シャルルの父は昼間だというのに自室のソファーで頭を抱えていた

「誰だ!?」

来客の予定はなかったようだな

 

「息子さんの学友ですよ、ちょっと彼のことでお話があって参りました」

太陽の光で逆光だったので2・3歩前に出る

 

「日本から来たというのか?まさか・・・超音速機を使用しても無理だ」

 

驚愕するシャルル父を前に俺は

「私は少々常識という概念がありませんので」

そういってメモリーカードを投げて渡した

 

「つまらんことで娘を大変な目に遭わせる事はないと思うのでせめてもの慈悲です。第3世代ISの非武装仕様です」

タダででくれてやる訳じゃない、俺はそこまで慈悲深い人間じゃない。ちゃんと言わなきゃいけないことがあるからな

 

「何故私たちにここまで・・・」

俺はブラックバードを解除、残念ながらツインドライブ機の待機状態ではまだ女性なのである・・・悲しい

「もちろんくれてやる訳じゃない、あんた・・・自分の娘を道具にしてでも会社を守りたいのか?」

 

そう聞くとシャルル父は沈み込んだ表情になった

「私は、役員会の決定を覆せなかったのだ・・・」

そうしてシャルル父はポツポツとその経緯をしゃべり始めた。

 

自分の妻は子供を産めない体質であったこと、シャルルは不倫相手の子ではあるが正妻は彼女を引き取りたいと言っていたこと、しかしデュノア社の役員会で日本における特異ケースとの接触にちょうど良いと言うことで彼女を利用しなければいけなくなったこと、その罪の意識から彼女に冷たい態度をとっていたことなど。

 

「なるほどね、利益優先のくだらない理由ではあるけど、一応父親としての自覚はあるわけだ・・・」

まあ及第点かな。

「シャルロットは・・・どんな様子なんだい?」

まあ父親として当然か

「あんたにそれを心配する権利はないと言いたいところではあるが・・・まあ良いだろう、俺に女子であると早速ばれたな、まあ俺はちょっと事情が事情だから仕方ないと思うが」

 

なんだか・・・ただの男前女子的な風に見られてる?

「そうか・・・君なら仕方ないとな・・・」

残念そうではあるがある程度あきらめが見えた。

 

「俺は帰るけど、やっぱりそのメモリーカード返してくれ。第3世代と第4世代のデータが入った特典仕様に交換だ」

とりあえず父親としての自覚があるだけマシかな

 

ISを展開、寮に帰宅しないと面倒な時間だ・・・。

 

俺は空を飛んでいる感覚が好きだ、大気を切り裂いて超音速の壁を破るイメージが好きだ。

残念なことはブラックバードの高速モードはマッハ7.1(時速8697.5㎞/h)で飛行し東京-パリ間なら1時間ちょっとと言うことである。

 

日本・IS学園 学園寮にて

寮に戻るとシャルルは寝ていた。そりゃあそうだ、午前4時を回ってるんだから。

俺は適当に着替えるとベッドに横になった。

「ドッと疲れるのは残念なんだけど、訓練後みたいで心地良いな・・・」

[私には理解しかねます]

 

そして俺は若干仮眠をとったと言う睡眠時間で翌朝を迎えたのだった。

 

午前6時

「こう・・・ちゃ?」

俺が紅茶を入れているとシャルルが目を覚ました

「おはよう、シャルル。目覚めの紅茶でも飲むかい?」

 

神様が送ってくれた荷物の中に何故かティーポットと茶葉が入っていたことはびっくりだ。

というかあの段ボールは無駄に容量がある。某狸じゃなくて某猫の4次元何とかと一緒とか?

「それじゃあもらおうかな」

昨日の夜あんな事があったとは思えない顔だな

「はい、かしこまりました。なにかご要望は?」

俺も寝ぼけていた気がする・・・・

「じゃあミルクティーをお願いします」

 

「紅茶の入れ方」なる本が段ボールから出てきたのも驚きだよな。

 

「さて、昨日の件でシャルルのお父さんと会ってきたよ、それで・・・」

やっぱり話しておくべきだと思い話そうとしたんだけど言葉が出ない

 

「昨日、父から電話があったよ。今までのこととその・・・これからどうするかの事で」

 

シャルル父も行動派なんだなと思ったが・・・もっと早くに動くべきだと思う

「これから、どうするんだ?もしかして本国に・・・」

シャルルはうつむきながら

 

「呼び戻されるだろうね、そしたら最悪は牢屋行きかな」

困ったように笑うシャルル

 

「問題ない。シャルル、君はここに残れるよ」

俺は平然と言った。

「え!?」

俺は生徒手帳の特記事項の欄を開く

「お父さんに呼び戻そうと言う動きもあるって言われたんじゃない?でも、IS学園校則特記事項「本学園に在学中の生徒はその在学中においてありとあらゆる国家・組織・団体に帰属しない」っていうのがある。つまり戻そうとしても学園の校則で禁止されていてこれを破ることはアラスカ条約に違反することになるんだ。3年間は安心だし第3世代ならもうとっくに試作段階に入っても良いくらいのデータは与えてきたから平気だよ」

 

嫌われることを目的にしたけど結局はこうやって協力してしまう俺って結構情けないやつ

「翔って、嫌われようとしたり、でも僕のために動いてくれたりして一体どっちなの?」

 

ここで本心を話すべき何だろうか・・・

「俺か?うーん・・・・ただ、ちょっとお節介が焼きたくなっただけかな。まあ気にすんな」

言ってて恥ずかしくなった

「うーん、もう無理かな?」

 

なんか幻聴が聞こえた?

「シャルル?何だって!?」

うろたえる俺にシャルルは

「秘密だよ♪」

そういって微笑んだ

 

次話へ続く



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ACT.07「クラス代表決定」♯1

それから1週間後、ついにクラス代表決定戦が始まる

 

アリーナピットにて

「ホントにでなくて良かったのか?シャルル」

シャルルはクラスメイト数人から今からでも遅くないし立候補すれば?というすすめを断り一夏や俺の練習に付き合ってくれた。

もっとも本人の意向を尊重したいと推薦がでなかったことが奇跡といえるだろうけどな

 

「僕は翔が代表の方が良いと思うからね」

頼むから俺の負担を増やさないでくれ・・・・

 

 

さて、もうすぐ一夏のISが到着するのを待っているんだけど・・・こない

試合順は

オルコット VS 一夏

オルコット VS 俺

一夏 VS 俺

の順番なんだけど一夏のISが到着しない・・・

「織斑先生、まだこないのですか?」

俺は仕方なく内線で確認をとるが

「まもなく到着する、もう少しまて」

と言われてから30分経過・・・

 

「もう試合順変えた方が良いんじゃないか?」

一夏が若干不安そうに言った

「それは同意できるけど、あの人が納得するかな?」

オルコットさんは残念ながら納得してくれないだろうな・・・こないという理由なら

この1週間は篠ノ之さんから剣道を、俺とシャルルからはISの基礎と操縦について訓練を受けた一夏はまあ平均くらいにはなったかな?

「織斑君!きましたよ織斑君の専用IS!」

山田先生のアナウンスと同時に搬入扉が2つに分かれて開いていく

出てきたのは白いIS。

「織斑君専用のIS白式です!」

山田先生の声は若干うわずっていて聞き取りにくかったがしっかりと名前が聞き取れた。

 

「しかたない、一夏のフォーマットとフィッティングの時間くらいは稼いでくるよ。良いですよね?織斑先生」

その時間を稼げれば一夏も御の字だろう

「わかった、では試合順を変更してオルコットと赤城の試合を行う」

 

俺はミラージュ ランサーF1を展開しカタパルトの上に乗る

「翔!」

シャルルに声をかけられた

「ん?」

 

「勝ってね!」

いやですっていったら後は怖そうだしな

「最善は尽くすさ」

そう言って俺はアリーナへ

 

カタパルトとブースターの推進力で一気に加速

まあすぐ止まらないといけないけどね

※バックスは基本的にミラージュの補助として音声でのアナウンスを行います。

 

 

アリーナへ出て行くとオルコットさんに早速

「ずいぶんと用意に時間をかけていましたのね。てっきり逃げてしまったのかと思いましたわ」

ずいぶんと好戦的な人だな、俺のせいじゃないよ・・・

 

「遅れたことは謝罪しますが、後の文句は一夏に言ってください。彼のISがこなかった故に僕が先陣を切らなければいけなかったのですからね」

ここは冷静に相手の出方をうかがうか・・・いや初段であのレーザーライフルを撃ってくるだろうしここは自動回避ONで後部警戒は半自動制御、そっちがレーザーならこっちもレーザーで行くか・・・。

「では、墜落(おち)なさい!」

その言葉と同時にレーザーライフルを撃ってきた。

 

[Engage]

自動で緊急回避旋回バンクを多めに取り相手の死角に入る。

「どっちにしろ君の遠距離射撃型じゃ・・・俺は倒せないけどね!」

 

まずは相手の照準能力を見て決める!

 

ブチッ・・・

なんか聞こえたけどオルコットさんが黒いオーラが・・・・オルコットの暗黒面が顔を出した!?

 

「潰して差し上げますわ!!」

 

相手のレーザーライフル、スターライトmk-2の攻撃を左右によけてかわしつつ2門ある可変出力レーザーを右は最小の20%で照準機、左は60%でメイン武装と言う具合にそれぞれの役割を持たせて反撃

 

「踊りなさい、わたくし、セシリア・オルコットとブルー・ティアーズの奏でるワルツで!」

 

「ワルツね・・・俺は円舞曲(ワルツ)よりヴァイオリンソナタに見えるけどな!」

※通常ヴァイオリンとピアノの二重奏の演奏形態によるソナタを指す。ピアノ伴奏のないものは無伴奏ヴァイオリンソナタという。

 

イプシロンMk.7を長距離射撃モードで展開、フルオート射撃で反撃だ!

「撃墜される前に降参した方が良いと思うけど」

プライベートチャネルで話しかけると

「冗談じゃありませんわ、降参するのはわたくしではなくあなたの方でしてよ!」

相当イライラしてるな・・・無理もないか現状で1発も当たってない上に俺の反撃でシールドエネルギーは相当削られてるからな

 

※イプシロンMk.7は短距離射撃型だと、フルオート連射・照準補正無し・ショートストック・ショートバレル・750発ドラムマガジンで展開され、長距離射撃モードだと3バースト連射・照準補正アリ・ロングストック・ロングバレル・3倍スコープ・200発箱形マガジンとなる。ライフリングは共通で6条右転。有効射程距離は短距離が400m、長距離が1000m。

 

 

彼女の攻撃で最大の強みはアンロックユニット、ブルー・ティアーズ(以後ビット)と言うらしいがそのビットが縦横無尽に俺に向かってレーザーを撃ってくるのだがこれが思ったよりバリエーションが無くパターンを読んで攻略可能

「近づいたらすかさずVランスで破壊!」

 

ビットは操縦者が指示を出さないと動けない、つまりこれはそこにスキができやすくなるわけだ

 

ビットはすべて破壊した、これでもうと思ったら

「4機だけではありませんのよ!」

今度のビットはミサイルだった

 

[自動回避します]

「めんどくせー武器だなオイ」

フレアを放出、効果無しか・・・レーダー式?じゃあチャフだが・・・いやあいつが指示を出してるのなら手はある!

大きくインメルターンを行いオルコットの頭上に来るように1発を引きつけて・・・Vランスで破壊、あたかも直撃したかのように黒煙が上がる。

「これで彼も・・・え!?」

 

[ダメージ無し、戦闘続行可能です]

黒煙を切り裂いてオルコットとの間合いを詰める。彼女は驚いて最後の1発を自爆させてしまった。だがここは時間稼ぎだからここでは攻撃しない、一気に加速してソニックブーム(衝撃波)を浴びせるだけだ。

※超音速飛行中に発生する轟く様な大音響のこと。衝撃波以外の原因で生じる単発的な大音響を含める場合もある。

 

[翔、もうすぐ戦闘開始から30分になります。ここまでくれば彼もフィッティング完了でしょう]

よし、ここでケリを付けるか

「装甲を全展開、第2形態へ移行」

 

彼女の問題は火力とビットの優秀さに頼りすぎて・・・接近戦のバリエーションが少ないことだろうな・・・。

 

[第2形態に移行します]

ミラージュ・ランサーF1が形を変え始める。

セカンドシフトである。

 

「まさか、セカンドシフト!?」

 

細長かった翼がデルタ形状になりさらに機体カラーが変化していく。

つや消しブラックとシルバーからホワイトを基調にブルーのラインが入る。

 

「これがミラージュ・ランサーF1の第2形態「ミラージュ・タイフーン・バージョン2(FX/EF-2000/X-31)」だ」

 

第2形態から使用可能になる長距離狙撃レーザーライフル、ペガサス Mk.107を展開。

オルコットまでの距離は約400メートル、中距離射撃型なら有効射程範囲内だ。

「近すぎる。いったん引くしかないな」

 

攻撃をかわしつつ上昇し相手の有効射程範囲外に逃げる。

そこからペガサスを使用して仕留める。

[距離1800メートル、大気状態正常、ペガサスMk.107:RDY GUN]

「出力30%で固定、敵IS追従ロックOK、FIRE!」

思ったより大きな爆発音だったね・・・いや一瞬空中に巨大な火の玉が形成されてさ・・・やっぱり25%にしておくんだった・・・

 

このペガサスMk.107は標的の動きを予測して補助するというシステムがありそれを最大限に発揮して今回は仕留めてくれた。

 

「試合終了、勝者赤城=ポルシェ 翔」

 

俺の勝ちを告げるアナウンスが流れた。

 

 

「翔のISすげえなぁ!俺には勝てる気がしないよ」

ピットに戻ると入れ違いで一夏にそう言われたので

「試合に勝って勝負には負けなんじゃないかな?とりあえず俺は一夏のフィッティングの時間を稼いでただけだし、チャンスを4回くらい無駄にしたから後で織斑先生に怒られるかもしれないよ」

彼女が第2形態に移行していれば別だがこの場合フェアじゃないからな。

 

「よく分からないけどサンキューな」

そういって一夏はオルコットさんとの戦いのために出て行った。

 

ここでISを解除したら一気に疲れるんだろうな

シャルルの方を向いて・・・

「ちょっと・・・落ちるわ・・・」

やっぱり意識が遠くなった。

「ちょっとどうしたの!?翔!?」

疲れていたのだろうか?そんなバカな・・・

 

結局俺は一夏とオルコットさんの試合がどうこう言う前に医務室に寝かせられていた。

 

気絶から回復した俺は織斑先生に呼び出された。

「第二形態移行(セカンド・シフト)できることを何故黙っていた」

しかも部屋には俺と織斑先生二人だけである。

 

「先日篠ノ之博士に口止めされていました。しかし公での形態移行はあの場が初めてです」

篠ノ之博士という名前が出たとたん織斑先生が頭を抱え始める。

いや偏頭痛持ちだとは聞いたことはなかったけどね。

 

「そうか・・・最初から参加させるべきではなかったかもしれんな・・・そのほかに何か特筆すべき事はないか?」

 

あ、あきらめて話題を変えた

「では、簡単にミラージュ ランサーF1(FX/G2/CR-200)の第2形態ミラージュ・タイフーン・バージョン2(FX/EF-2000/X-31)の機能説明をさせていただきます」

 

第1形態からの相違点は以下の通りである

・この形態では可変翼からデルタ翼になり、カラーがホワイトをベースにブルーのストライプが入るようになる。

・単一仕様能力の出現(ただし使用可能なだけである実際に使用したわけではない)。

装備の変化

 

・VR ランサー:V ランスの正常進化形態。展開装甲の採用による攻撃範囲の増大。

・イプシロンMk.037:第二形態から使用可能になるイプシロンMk.7の正常進化形。単射もしくは三点バーストモードのみとなる。威力はほぼ同じだが命中精度は200%増し。

 

・ペガサス Mk.107:イプシロンMk.037と同じく第二形態から使用可能になるビームアサルトライフル。機能としては単射・フルオート・三点バースト・スナイパー(狙撃専用モード)の4つとなる。ただし拡散形、中央集中型など数種類のバリエーションがある。

など

 

「ちなみにハードとソフトを含めて変更点は1700箇所以上に及びソフトウェア面では第2形態のデータを第1形態での運用時に適応し自己進化を・・・」

と言いかけたところで

「赤城・・・」

「はい」

困った顔をする織斑先生

「あと、どのくらいで説明が終わる?」

あとどれくらい?

「あと2時間程度です」

これでも簡易的なのですがと付け加えるとゲンナリという表情になった

「・・・もういい、十分だ」

説明終了。

 

「とりあえず、改良点の他に問題点も浮上していますので、それを改善しない限りはクラス代表機としての運用は難しそうですね」

例として操縦者へのキックバックのフィードバックである。

 

ISはキックバックと呼ばれるGや衝撃を吸収するアンチフィードバック機能というものが存在するが、現在のミラージュはアンチフィードバックの値が2:1程度、つまりIS事態が受けるダメージの半分を操縦者が受けていることになる。

 

もちろん制限を超えたフィードバックは無効になるのでそれ以下に押さえられてはいるがやはり細部を微調整しないといけないらしい。

 

「その件に関しては問題ない。第二形態移行(セカンド・シフト)した時点でお前は候補から外れている」

要するに1年生でセカンド・シフト=1年生の現状機の中で最強という図式ができあがるので学年全体の士気に関わると言うことらしい。

「了解です。ではオルコットさんがクラス代表になられるのですか?」

そう聞くと織斑先生は

「それは、本人達に聞くことだ。お前はもう少し休んでから寮に戻れ」

そう言うと織斑先生は立ち上がった。

 

織斑先生が医務室を出るとき入れ替わりにシャルルが入ってきた。

シャルの情報によると

結局一夏は良いところまでオルコットさんを追い詰めたものの零落白夜の特性を理解していなかったため負けたそうだ。

 

「俺は織斑先生の判断でクラス代表候補から外れたみたいだよ」

お手上げという感じで両手を挙げて見せた

「あーやっぱりね・・・織斑先生が管制室で見てられないくらい震えてたから・・・」

俺生きてて良かったな・・・。

 

 

「でもまあ・・・一夏には会っておこう・・・」

シャルルには先に部屋に戻ってもらい俺は掛けられていた制服に着替えて一夏を探しに行った。

・・・今思ったんだが寮にいるのかもな・・・まあいいや。

ひどく喉が渇いていたので自販機で飲み物を探す目にとまったのは酷く甘ったるいことで有名なコーヒーだった。

売ってるんだ、買うしかないなこれは。

 

 

アリーナ更衣室・・・いた。

一夏はなんといったものか・・・「燃え尽きたぜ・・・真っ白にな・・・」的な雰囲気なんですけど。

おかしいな、不満が残る終わり方だった気がする。

 

「一夏、おつかれさん」

そう言ってさっき買った甘いコーヒーを差し出す。

※2つ購入しました

「あ・・・ああ、サンキュー」

疲れた体には砂糖が良いぞ!と誰かが言ってた気がする。

 

「それ、メチャメチャ甘いからね」

あ、むせた。

 

「なんだよこれ、ホントにコーヒーか?」

おう!コーヒーだ

「M○Xコーヒーだ、疲労回復には良いぞ」

 

コーヒーは正直どうでも良い、それよりも

「さてと・・・代表決定戦最後の一試合。・・・やりますかね」

いや、ミラージュの実力だと射程外攻撃で簡単に落とせるけど、近接形と戦ってみたいというのが本音でもある。

「マジでやるのか?」

無言で頷く

 

 



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