ソニックと不思議なクリスマス・イブ (高機動ちくわ)
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ソニックと不思議なクリスマス・イブ

 気がついたらもうクリスマスですね。皆さんはどんなクリスマスを過ごすんでしょうか。自分は一人で過ごすことになりそうです。
 クリスマスにちなんだお話を書いたので読んでいただけたら幸いです。


 ???「君、足の速そうな君。」

 雪の降るクリスマス・イブの夜、人気の無い路地裏でソニックは一人の老人に呼び止められた。だが彼はこれからエミーのプレゼントを買いに行くところだった。

 ソニック「なんだい?じいさん。俺は今ちょっと急いでるんだ。」

 ???「ワシはもっと急いでおるんじゃよ、急がねばクリスマスが来てしまう。」

 ソニックは老人を見た。白いひげにふっくらとした顔、ぽっちゃりとした体に纏った赤い服。彼はまるで...

 ???「ワシはサンタクロースじゃよ。君に頼みたいことがあるのじゃ。」

 ソニック「What's!?あんた本物のサンタさんなのかい!?」

 そう、彼は本物のサンタクロースだった。

 

 サンタはまず彼自信に起こった出来事を話した。まとめると、ソリで空を飛んでいた時、何者かに襲われてしまったそうだ。そしてあろうことか、子供達に配るプレゼントを積んだソリとトナカイをその何者かに奪われてしまったそうだ。

 サンタ「ああ、早くソリを取り戻さないと、世界中の子供達にプレゼントを届けることが出来なくなってしまう。何とかしてソリを取り戻してくれないだろうか?」

 ソニック「なるほどねえ...取り戻すにしても、まず手掛かりがないと動けないぜ。」

 サンタ「うーむ...手掛かりと言ってものぉ...去り際の

『ホーッホッホッ』という奇妙な笑い声しか分からないのじゃよ。」

 それを聞いたソニックは犯人が誰なのかを瞬時に把握した。

 ソニック「OK、犯人はエッグマンだ!そいつがどこにいるか分かるかい?」

 サンタ「そうか、エッグマンというのか...彼はワシからソリを奪った後、北の方角へ飛んでいったよ。襲われたのはついさっきだったから、まだそんな遠くまでは行ってないじゃろう。」

 ソニック「OK OK、そこまで分かれば十分さ。アンタはここで待ってな。俺がサクッと取り戻してみせるさ。」

 ソニックはそう言い残すと、北に向かって走り出した。後にはサンタと、ソニックが散らした雪が舞うのみだった。

 

 街外れの平原は、一面真っ白の雪に覆われていて、月明かりのみだというのにとても明るかった。

 エッグマン「ホーッホッホッ、おかしな物を手に入れたわい、基地に着いたらさっそく分解して調べ尽くしてやるわい。」

 エッグマンはマシンに乗って宙を飛んでいる。そのマシンから伸びるロープはソリを引っ張るトナカイに繋げられている。

 エッグマン「このソリが飛ぶ仕組みが分かればワシのメカを更に進化させることができるぞい、ホーッホッホッ!」

 ソニック「果たしてそううまく行くかな?エッグマン!」

 エッグマン「んなっ!?その声は‼」

 エッグマンはマシンから身を乗りだし、ソニックがマシンの斜め下を並走しているのに気がついた。

 エッグマン「なんと!ソニックじゃと!?いまいましい針ネズミめ!」

 ソニック「エッグマン!子供達のプレゼント、返してもらうぜ!」

 エッグマン「出来るもんならやってみろ!こいつはワシのもんじゃ!」

 エッグマンは一気にマシンの高度を上げた。

 ソニック「逃がさないぜ!っと」

 ソニックは大きくジャンプし、高度が上がる前にソリの脚に掴まった。ソニックはソリをよじ登り、先頭のトナカイの背中に飛び乗った。

 ソニック「Don't woory.今ロープを外してやるからな。」

 エッグマン「あっこら!やめんか!」

 エッグマンは光線銃を取り出した。とっさにソニックはロープを思い切り引っ張った。エッグマンのマシンが大きく揺れた。

 エッグマン「うわっと...おおお落ちる!落ちるー!」

 エッグマンは操縦席から放り出され、マシンの外側にしがみついてる。その間にソニックは、マシンとトナカイを繋ぐロープを全てほどいてしまった。

 ソニック「さあてエッグマン、覚悟はできてるな?」

 エッグマン「あっちょっと待って!」

 ソニックはソリに戻ると手綱を握り、トナカイをエッグマンのマシンに突撃させた。

  ドコッ

 エッグマン「あっああー‼おのれぇー‼」ボスッ

 エッグマンはマシンもろとも雪の積もった地面に落っこちてしまった。それを確認したソニックは、トナカイを街に向かわせた。

 

 サンタ「いやぁ助かった、本当に助かった。ありがとう、これで世界中の子供達にプレゼントを届けることができる!」

 ソニック「ヘヘッよかったな、じいさん...あっ!?」

 ソニックはエミーのプレゼントを買いに街にきたことを思い出した。だが、時計を見ると、既に店は閉まっている時間だった。

 サンタ「ホッホッホッ、心配しなくても大丈夫じゃよ、ここにはワシがいるではないか。」

 サンタはそういうとソリの袋からプレゼントを取り出した。ピンクの箱に可愛らしい赤のリボンがくくりつけられている。

 サンタ「これを彼女に渡しなさい、きっと喜んでくれるじゃろう。」

 ソニック「Wow!いいのかい!?...でもなんで俺がプレゼント買いにきたことを知っているんだい?」

 サンタは笑って答えた。

 サンタ「ホッホッホッ、ワシがサンタクロースだからじゃよ。」

 ソニック「ハハッなるほどねぇ。Thank you.ありがたくいただくぜ!」

 ソニックはプレゼントを受け取った。プレゼントの箱が、少し暖かいように感じた。

 サンタ「礼を言わなければいけないのはワシの方じゃよ、ソニック...もっといろいろ話したいが、もう時間がない、子供達を待たせる訳にはいかんからな。」

 サンタはソリに乗り込んだ。するとソリは柔らかい光に包まれてふわりと浮かんだ。一頭のトナカイがソニックに鼻を押し付ける。

 ソニック「Oh!...ハハッお別れの挨拶かい?」

 サンタ「ホッホッ、ずいぶん気に入られたようじゃね。なあに、来年のクリスマスにはまた会えるさ。」

 ソニック「本当かい!?そいつは楽しみだぜ!」

 サンタは光に包まれてもう姿が見えなかった。だが声ははっきりと聞くことができた。

 サンタ『...そうじゃよ、クリスマスが来るたびに、世界中の子供達がサンタクロースを信じてくれる限り、ワシは毎年君たちの元を訪れるじゃろう...』

 サンタ達を包んだ光は空高く昇っていった。それをソニックは見上げていた。それは幻想的で美しい光景だった。

 サンタ『Merry-christmas!!良いクリスマスを送るんじゃよ!』

 サンタは小さな星を撒きながらあっという間に空の彼方に去っていった。彼はこれから世界中の子供達にプレゼントを届けるのだ。

 ソニック「Merry-christmas!!これからも子供達の夢をお願いするぜ!」

 ソニックは彼方へ消えたサンタクロースに、いつまでもてを振り続けた。雪は静かに、明るい街に降り続ける。明日になったら、子供達は枕元にプレゼントがあることに気づくだろう。サンタクロースを信じる限り、彼は皆の心の中に実在し続けるだろう。




 エミーがプレゼントの包みを開くと、中は小さなスノードームだった。二人で覗きこむと、中に青とピンクの人形が並んでいるのが見えた。
 エミー「ねえ、この中の人形ってあたしとソニックじゃないの!?どこで買ったの?」
 ソニックがスノードームを振るとキラキラとした雪が舞い上がった。
 ソニック「...こいつはサンタさんにもらったんだぜ。すごいだろ?」
 エミー「サンタさん...?うわあっロマンチックー!でも本当に?」
 ソニック「ああ、本当さ。話したらちょっと長いぜ?」
 ソニックはクリスマスを十分に楽しむことができた。プレゼントのおかげでエミーの機嫌も良かったし、彼女の焼いたケーキもとても美味しかった。

一方、ナックルズは極寒の中、エンジェルアイランドで一人マスターエメラルドを守っていたそうだ。


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