転生、魔法諸々のある地球(微妙に違うが) (たぬたぬたぬき)
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1話

 

 

平日の昼間、玉子かけご飯を収めた胃に追加でパフェを収めながらサスペンス…これ、サスペンスなんだろうか。というかサスペンスってなんだろう…人が死んで探偵とか刑事が出たらそうなのか?

兎に角毎回人が死に、主役が解決する感じのドラマを見て堕落的な昼時を過ごす。

 

見た目は幼い女の子がパンツとTシャツのみの姿なのだが誰にも見られていないのだから問題ないだろ。中身は男だし。

 

 

 

 

まるで映画の様なもので昔あったという拳法?を見学する。

 

説明からすると雷帝だの黒のだの、現実ではちょっと口にしにくい名称の戦い方らしいが実際に戦っているのを見ると中々馬鹿に出来ないものだと思う。

 

雲の中でゴロゴロ言ってるああいうのを自由自在に起こして操って、敵をばっさばっさ…とはちょっと違うな。バリバリ、と焦がしてぶっ殺して行くのである。そりゃ雷の帝王?とか、自分で付けたのか付けて貰ったのかは知らないがそう誇るだけの物である。

 

かなり慣れたけどやっぱりグロイな。解像度?が無駄に高くて…下げとこ。そういうリアルさは要らないんだよ。

 

関連付けされたリンクから使われている術式を見るが……うーん、やはり分かりにくい。俺はまだ文字から頭の中に読み起こすレベルには至っていないらしい。一応ある程度は分かるよ、一応は。

 

 

 

んでもってこの人が御先祖様、いや寧ろ製作元というべきなんだろーか。表情が戦国っぽい時代に似つかわない明るさで俺とは雲泥の差が生まれているのだけど。切った貼った?のせいだからそんな風になるのが普通なんだろうか?平和な生活しかしてない俺には分からんね。

 

確かにこの人もベラボーに強いが……最後は超兵器で蹂躙したんだった、よな。………うん、合ってる。

 

少年漫画的には拳一つで全部ぶっ倒すぜ、みたいなのかと思ったけど。現実はやっぱりそんなものか。人類の叡智、武器万歳。

 

でも外道臭い。身体に兵器の鍵的なのを埋め込んでとか…ん、でも義肢とかそんな感じなら別にそうでもないのかも…。

 

 

 

 

この身体になって、年相応に滅茶苦茶ぷにぷにしてる割にはこう、ひゅっ、ひゅっと音が……!ふー……なる位のスーパースペックを手に入れた訳だが。

 

何なんだろう、この見た目詐欺。

 

正直言ってかなりドン引きする運動性能を持ってるし。異様に頑丈だし、ただかなりの特例でほぼ唯一らしいから魔法云々は関係ないらしいけど。

 

……人をぶん殴るのは痛そうだし嫌だな。リンゴを殴り消すのもかなり痛かったし。

 

 



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2話

 

未だに平行世界への手掛かりは掴めていないらしい。

 

次元世界だのは見つかっていて自由に行き来出来るのに何でなんだろうか。というか次元世界なんてものを発見した奴はついでに平行世界も見つけておいてくれれば良かったのに。

 

元の体は既に死亡している線が濃厚らしいのでそこら辺は諦めているが、せめてもう一度位両親に会いたいものである。贅沢を言うなら元の世界に住みたい……いや、でも両親に説明しようもない気がするし、それなのに住むと言うのは中々に半端な気が……。

 

 

 

お屋敷の住人に暗示を与えて離れに居候を始めて数年と経っていないが、娘さんが遂に小学校に入るそうだ。

 

小生意気で舐めた口、つんけんした態度を取られたので思わず頭を腕で締め付けた(ヘッドロック的な)のが懐かしい、つい昨日の様な事に思える。

実は結構良い子だったのできちんと謝り合ってからはよき隣人として仲良くしている。果たして俺と出会った時のような態度を繰り返さないか少し心配だ。

 

どうも素に近い状態で友人関係を作るよりも社交辞令的な、パーティでの振る舞いを先に習得してしまった弊害?らしい。所謂初めてのお友達に軽くパニクってしまっていたようだ。是非俺との関係を参考に小学校では良い友人関係を結んで欲しい。

 

 

 

身体が変わってしみじみ思うのは運動神経とかって身体によるんだなぁということだ。

 

前もそこまで運痴だった訳じゃないが、フィーリングで体を動かしたり出来るというのはすごいと思う。魔法なんてなかったから前の身体ではどうだったか……少なくともこんな風にどっぱー、どごぉん!みたいなことをすぐに出来るようにはならなかったと思う。

 

いい感じに疲労感を伴ってばしばし魔法を決めていくのは…すごくいい。直線型のがシンプルでいいね。操作するのは、あれはあれで楽しいがちょっと頭が疲れる。ビームは、少ないとしょぼいし、でかくすると正直ドン引きする威力がでるから嫌だ。直線型の奴も結局は破壊跡が抉くなるんだけど、過程が大事なんだよ。

 

 

 

最近身に付いた俺の特技、魔力を使う時に出る光を変えること。

 

元々は虹色っぽい感じなんだがこう…せいやっとやれば変えられることに気づいた。色がゆらゆら変わるから多分、この色弱めてこの色強めてって感じになってると思うんだが。

 

イメージ的には……絵の具かと思っていたけどあれだな、パコソンの丸型の奴とかBGR?で微妙に変えていくのに似てる。なんかそっちのがやりやすそうだし覚えとこ。

 



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3話

 

はてさて、結局喧嘩をしてしまったらしい。

 

取っ組み合いの大喧嘩にまで発展したとか。傷を作ってるのはお嬢様らしくないけど、子供らしくていい……のか?まぁ何だかんだで仲直りしてお友達になったらしいのでいいんじゃないだろうか。

 

アグレッシブすぎると思うがまぁ、小学一年、年齢で言うと6歳とかそこら辺なのでそんなもんか。折角微笑ましく見守りながら話を聞いたのに、馬鹿にしていると突っかかって来た所を華麗にぶん投げてからベット上でko?したのは仕方ない。

 

関節技っていいなぁ。

 

 

 

相も変わらず平行世界というのには指も掠ってないようだ。

 

此方の思い出を直接提供しているのに……お陰で作られた物ではないことが分かったのでいいけど。正直そちらの可能性の方が高いと考えてたんだと。恐ろしいことを言うなよ。

 

何でもいいからとアイデアを適当に言ってみたのだが、果たしてあんなので役に立つのか……うーん、ないよりはマシ…なんだろーか?

 

 

 

平日の昼間っから出歩くのに段々と抵抗がなくなって来た。

 

ダメ人間まっしぐらな気がするけど……かと言って学校は、自然だけど既に行ったしなー。前世的なあれでだけど。小中高、大学から就職とかそんなまともな人生を送るつもりもないし…。悩むね、自由度が高すぎるのも問題なんだとつくづく思う。

 

プリンやケーキをかなり甘くしたコーヒーと一緒に食いながら感じた。

 

この味覚は確実に変わってるのに恋しくなるのなんなんだろ。コーヒーを入れた人ごめんなさい、風味が甘味と牛乳の味で消えちゃってます。

 

ここのマスター、この町の、明らかに元の世界とは違う法則に生きてる人の1人だ。俺が知らなかっただけで実は摩訶不思議なこともあったかもしれないけど……瞬間移動したり、ちっさい刀で何でもぶった切ったり、切る物選んだりとべらぼーに怖い。中には聞いたことあるようなのもあるけど、ガチで瞬間移動とかねーわ。

 

 

 

魔法で空を飛ぶと言えば箒に跨ったりとかだけど。

 

ここでは無しでも飛べるらしい、ちなみに気をつける点は普通に運動をする

時と同じだと思う。あんまりやり過ぎるとこう、ね、胃の中がシャッフルとか長距離走よりも酷いことになりそうだ。

 

にしてもやっぱり好きにはなれそうにない、生身、正しくは防護的なのがあるんだけど、それで好き勝手に飛ぶのは…ふわふわ感が若干気持ち悪さを呼び起こす。浮く方が幾らかマシ、足場を作るのが1番だな、重力を感じれるのがいいのかも。足の裏で踏みしめるのがいい感じ。

 



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4話

 

まさかのまさか。

 

剣術一家と吸血鬼一家の娘さんと親友になろうとは……この子も大概頭が良かったりするが、変な縁に恵まれてる…恵まれてる?んだろうか。まぁ剣術一家の方に関しては別に受け継ぐだのはしてないらしいが。何でだ、上二人がやってんだからやらせるんじゃないのか、ハブか。

 

吸血鬼の方は、どうしようか。実は超腹黒でお友達と言う名の奴隷に為せみたいなことを考えてなかったり超無邪気に下僕にしてやるとか考えてないんなら平気なんだが…。俺もあれだから気にしなくて平気か。暗示?云々程度なら弾けるし。

 

とっても可愛い子たちでしたが中身がとても大人びた子たちでした。やばい、俺よりもきっちりとしてるんじゃないだろうか…。

 

 

 

ドラゴンかー。

 

魔法ものに付き物なそういう生き物も他の次元世界にはいるようだ。種類も様々で男の子としては憧れちゃうものだ…心はね、心は。呪文で呼び出して、ぶっ放しで敵を殲滅!みたいな。

 

けどなー、データを見る限り俺がビーム撃った方が確実に強い。いざ戦ってる時にうにゃうにゃ呟いてる余裕なんてのもなさそう…。

 

うーん、やっぱ浪漫は浪漫なのかな。けど一目見に行く位はしたいな……どれ位で行けるんだろうか。プランを立ててみようか。

 

 

 

実家に戻れたらしたいこと。

 

母親に抱きつく。これくらいなら出来る、最悪ナンカナツカシクテーとか言えば見た目麗しい現在の俺ならあらそうなのとなる。あ、父親にもするよ、ただ俺母親好きだし、いざ世界単位で離れたら恥なんて掻き消えたわ。

 

事実を伝える。死んで(推定)他の世界に生まれ変わったんだよー!みたいな。確証は俺の記憶を云々で信じて貰えるだろ。ただなぁ……それでいいのか?伝えます、わーよかった、……ちょっと早いけど自立してます、偶には顔見せに帰ってくるよ!…おぉ、何かいい感じになりそうな気がしてきた。

 

 

 

実はこの身体、赤ちゃんが産めない。

 

普通にいいんだけどね。だって中身男だし、出来れば今後ずっと男でありたい。男と付き合って結婚してとか絶対嫌だ。孕ませる方でいたいよ俺は。つってもだから女の子と付き合うのも……何か違和感。元々そっちのけがあるんなら…それでも俺男な訳だし、女の子と付き合うとしてそれって同性愛になるの?訳分からねーわ…。まさか自分がこういうのとに悩む日が来るとは思わなかった。

 

かと言って男の身体になるのも…一線を超えちゃう感があるからなぁ。一旦手を入れ始めたらやめられない止まらないとか。それはそれで怖い。

 

やっぱ一生独り身か。びば、独身貴族……老後とかどうすんだろ。

 



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5話

 

次元世界、なう、だったっけ。

 

いい感じに目処がたったので転移して竜がいたり、その他すごいっぽい生き物がいる世界をつらつら回ることにした。大体居場所は把握出来てるからさくさく行こう。期間は一週間とか?寂しくなったら早くなる可能性もあり。

 

所謂密航的なのでひゅんっと飛べば、アマゾン……よりも幾らかマシな自然世界が。あー、なんか違うわ、こう魔力のようなサムシングが違う。多分。もしかしたら空気だけかも。

 

心踊る。

 

 

 

何となく見覚えがあるようなないような生き物を眼下とか横目に飛べば……おぉ、竜。

 

いいねー、なんというかカッコイイ。強さの象徴的な、日本刀とか、そんなの。うーん、触りたい……おっ、これだ。使役使役…竜、方法は……まぁ力づくで。

 

あー…多分爬虫類とかと一緒なんだろうけど、竜だと思うといい。面構えとかカッコよく見える。そこまで強くないんだけどね。こうなったらすんごい奴の所とかチャレンジしてみよっかな………。

 

 

 

日に照らされて起きるとか超健康的な起床。

 

魔力の無駄遣いして寝床を確保しつつ持ってきたお布団から身体を起こすと。せめて寝袋とかにすべきだったか……荷物の大きさとかほとんど関係ないから持ってきてないんだよな。情緒はないけど、ある意味背徳的でいいのかも。

 

せめてもの風情として水は川を見付けて歯を洗ったり顔を洗ったよ。

 

食い物はどうするかな………。

 

 

 

今更気付いたのだが。

 

偶にあるほにゃららの隠れ家ってのは何なんでしょうね…。表面上はさっぱり分からないんだが、隠れ家だから当然なんだけれども。

 

取り敢えず通報だけしとけばいいかな、いいよね。善意のなんちゃらである。正直言うと俺だって戸籍なんて皆無だし…あんまり世界の警察なんてのと関わり合いにはならない方がいい。匿名希望匿名希望っと。

 

あ、適当に現地人にしとけばいいか。

 

 

 

街にも寄ってみる。

 

結構いける。中にはゲテモノっぽいのもあるけど、管理世界ってだけあってよその人向けにも意識してあるのかね。うまいうまい。

 

リゾート的なのホテルもあるのだが……そうか、たしかにこんなのもあるよな…。アマゾネスを想像していた。そら隅から隅まで森オンリーな訳ないんだし当然。

 

………うん、一泊だけ、泊まろ。

 

 

 

そんなこんなで無事帰宅。

 

途中、所謂土地神みたいな竜とガチバトルになりそうになったがそこはすたこらサッサである。危ない危ない、いや、俺の身は危なくないけど。既に俺の生活臭が染み付いた部屋に帰ってきてほっと一息。

 

お土産は選別がめんどいし、というか下手なもの持って来れないし、全くなしだぜ。土産話も当然話すことなんて出来ない訳だが。適当に温泉にでも行ったことにしておけばいいっしょ多分。



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6話

 

ここミッドチルダというのは、言ってみれば城下町みたいなもんである。

 

時空管理局とかいう大仰な組織の地上本部があって、イメージはアメリカンみたいな感じ。或いは東の京でも可。

 

大元なお陰で物は集まってつまり上手いものは多いのだが、如何せん場所を選ばないと危ない。魔法なんてインスタント銃かそれより危険な物があるのである意味当たり前だが。裏路地に入ろう物なら身ぐるみ剥がされてあんなことやこんなことになるだろう、多分。

 

気分はざぎんでしーすーってなもんである。

 

 

 

そしてベルカの領土?とかそんなとこ。

 

何でこんな近くに似たような管理局と聖王教会、二つもあるんだろうか……。発祥とかが違うのか、大人な事情がぷんぷんするね。ぱっと一つにまとめたらすっきりするのに。

 

ほどほどに栄えた感じがお屋敷付近の雰囲気に似てて、元の世界の実家にも通じる所があって好きかもしれない。だがしかし、割と見掛けるシスターっぽい人の違和感が凄いな…騎士っぽい人はいないの?

 

というかここ、何気に俺が居たらやばいんじゃなかろうか…流石に調べられでもしないとクローンとは分からないだろうけど、魔法光とか眼とかそこそこやばいかも…変えておこう。

 

 

 

そしてここ、時空管理局本局である。

 

つっても、お膝元というかお腹元みたいなもんなので特別面白いものなんてないのである、美味い店なから地上の方が多い。良く探せばあるんだろうけどね……。

 

他には各部署があったりー、訓練所があったりー、開発する所があったりー……そういえば無限書庫なんてのもあったな。

 

売り文句はどんなことでも存在するとか、世界の記憶が収められてるとか。んなわけねーのだが、だったらアルハザードについての資料出してみろよ。

 

 

 

という訳で最後にアルハザード。

 

既に滅んだ次元、つわものどもが夢の跡…みたいな。技術が発達しすぎたせいか、文化が違いすぎるせいか訳の分からない物が大量にある。

 

これだけだだっ広い中でも塵一つないのも不気味だ。

 

延々と動き続け作業をするロボット?…たちも。

 

部分部分では理解の出来ない場所ではあるものの、普通に緑や風なんかがあるのにはほっとする。でもまぁやっぱり生き物が何一つ居ないんだけど。

 

……あんまり来ないようにしよっと、年に一回、墓参り位にだけ。

 

 

 

やっぱり一番は我が家だ。居候の身だけど。

 

既に俺の匂いが着いた、甘ったるい香りのする布団や定位置のあるソファー、最高の贅沢…。後、この娘さんと無理矢理戯れていられるので文句なし。



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7話

 

平行世界を探すと言うのも大変なものである。

 

そも、現状、どの次元世界においても観察がなされてないのである。まさしく手探りに探す他ない。俺という存在があるのだからまず存在はしているはず。

 

単純に次元世界への転移のプロセスを検証したり、その手のレアスキルから獲た情報を吟味してみたり。結果は全くであるみたいだが。これだと証拠が証拠であるのかもあやしくなる。俺、アイデンティティーが崩壊しちまう。

 

 

 

いかに自分の身の回りに不自然……と言ったら失礼か。

 

人外っぽい連中がいるからといってそんなに変なことは起こらないもんだ。ちょっと血なまぐさい様なことはあったにせよ、まぁ許容範囲許容範囲。

 

普通にお勉強の傍らお誘いによってスキーに行ったり、温泉に行ったり、海に行ったり。吸血鬼に泳ぎ勝ったり、人外剣士にピンポンで勝ったり、ダブルで絞め落としたり。暗示をいいことに割とやりたい放題やった感があるな…。

 

何はともあれ平和が一番だ。

 

 

 

ジュエルシードとかいう物が落ちてきたらしい。

 

一応セーフティが掛かってるのでいきなり次元がボンッとはならないらしいが、それでもボンッと人が吹っ飛んだりはするらしい。何よりも中々使えそうなものみたいなので早速回収しに行って来るとする。

 

落ちて来た場所は大体分かってるので後は捜索捜索。途中、ジュエルシードの持ち主という少年に会ったが…ごめんね、必要だし許してくれ。みょみょんと暗示で回収終了としておく。優秀みたいだし、ちゃんと管理局の方とか全部都合合わせておくから。そうしないと罪悪感で死んじゃいそう。俺がやる訳じゃないけどね。

 

 

 

やっとこさ21個集めた所で何か女の子と犬が突っ込んで来やがった。

 

おぉ、すんごく可愛いなぁ……だがそんなに涙を流して喚かれしまうと放置して逃げるのも気が引けてしまう。母親のためにか、いい子っぽいし…。やばい、ちょっと貰い泣きしちゃいそう。

 

そんなこんなしてるとまた突然乱入。今度は雷だけど。くっそ、気を遣いながら防ぐの面倒くせ…。一匹と一人をガッチリ拘束してっと。で、誰だよこの人………え、あ…は?まじで……あれか、クソ親って奴かー…。

 

とりあえず、お返し。

 

 

 

あっっぶねー。

 

非殺傷とかいう割に危ないじゃんか……いや、でもこんな病人の中年にぶっ放して非殺傷も糞もない気もする。

 

ついでに大分顔色をマシにしといてからお話。出るわ出るわ、アホみたいに重たい話。でも子供、子供か……今度こそ貰い泣きした。まぁだからってクローンとかDVとか良いって訳じゃないけど。

 

純粋というか、単色というか…愛情に狂ってるのかなー…。愛ってすごいし、怖いし、あー駄目だ、俺じゃ受け止めきれん。

 

やっちゃおうかな…死者蘇生。



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8話

 

やってしまった。

 

いや、この言い方は……うん、まぁしまった、だな。お姉さん風を吹かせて妹?に接している所を見ているとそんなこと些細に感じてしまうが。子供って凄いなぁ……。死に物狂いで蘇生させようとしていた気持ちが分かるかもしれない。これも女になった影響だろうか、女性ホルモン的な。

 

取り敢えず暫くは母子共に経過を見て、問題なさそうなら……どうするんだろうか。ここは管理局の目が届かないし潜伏…うん、潜伏するなら結構丁度いい。何処にでも行けばいいさ。

 

あ、この人研究者だから平行世界について手伝って貰えるかも。

 

 

 

はてさて。

 

死者蘇生とか明らかに超えちゃならない一線を超えた訳だが。驚く程に変わりはない。そもそもそれ一回ですぐに変わる理由もないのだが。今後は……どうなるんだろう。流石にじいさんやばあさんにする事はないと思うが…。

 

今回は遺体も、諸々も揃って即蘇生出来た様なものだからなぁ。んー……。

 

 

 

ジュエルシードが手に入って。

 

何でも次元に干渉して願いを叶えよう、みたいな物らしい。元の資料を見る限り眉唾っぽい、頭のいい人が変な方向に拗らせて出来た負の遺産みたいに感じる。それよりももっときっちり願いに沿ったもの作れよ。

 

だがこれが意外や意外、いい感じのインスピレーションをもたらしているらしい。そういうのを聞くとやはり俺は研究者向けではないのだなぁと思う。未だに手伝いにも…手伝いにはなるけど力にはなれないし。

 

 

 

三人と一匹を加えて四人と一匹…五人と一匹?四人と二匹?になった。

 

居候と居候な訳だ。というか子供ぱねぇ、健康状態は良好なのだが、蘇生してそう日が経ってないのに……やっぱこういうのは体力よりも精神面が物を言う。しかし本人を除いて皆疲れ果てているのはどうなんだ?母親、犬、妹。

 

俺はほら、年下と遊ぶ機会なんてなかったから、単純な体力なら無尽蔵なんだけどな……。

 

 

 

素直じゃない娘さんを見ると日常ってこれなんだよなーと思う。

 

初対面でドンパチやるのは違うんだよ、のんびり飛んだりするのは移動手段として慣れたけど、多分。

 

突如増えた居候に面食らっていたが、そこは万能暗示である、あら不思議受け入れてくれたとさ。しかしきちんと友達と接するのに慣れたら不器用さがなくなって思いの外いい子だな。きっちりと引っ込み思案にも年下?にも付き合ってやってるし。俺よりもよっぽど熟れている風に見えるわ。

 

そして何気に俺にもちゃんと付き合ってくれるっていうね……うーん、先生とか向いてるよ。っていうか何になっても大成するよ、個人的にそう思う。



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9話

 

最近、ちゃんと勉強してない、気がする。

 

蘇生して、おおよそ問題なく、母親もまぁ問題ない程度に健康になればそれはもう毎日がお祭りなのである。学校や幼稚園にも行ってないものだからそれはもう凄い。おばあちゃんが近付いてては体力的に厳しいし、犬も人間っぽさが混じっているせいか割とすぐにダウンする。そして元より同一の遺伝子持ちとは思えない大人しさなのに存外に元気なのが意外だ。

 

俺はもう確り付き合うのを諦めた。

勉強しなくちゃならないのよ。

 

 

 

んでもってこの前完封したのを結構根に持ってる娘がいる。

 

朝からバトろうとか不健全極まりないよ、ヤンキーだってもうちょい大人しいんじゃないだろうか。これは間違いなく教育のせいですね、ねぇおばちゃん。

 

そもそもにして出力とかが違うから微妙に勝負になってないんだなー……何回かすればそれが分かったようで諦めたっぽい。が、多分暫くしたらおねだりされる悪寒。

 

 

 

研究者はやっぱり違うね。

 

ジュエルシードの運用を考えていたから、その手の下地もあるので力になっているようだ。教えるのはあんまり上手くないけど。現状で言えば猫の手が一本増えた程度にはなったらしい。上等上等。俺のためにも頑張ってくれ。

 

俺もそう遠くない内には戦力になる、筈だから。

 

 

 

さてはて、あのジュエルシードの少年はどうなったのだろうか。

 

うむ、いい感じにしてくれたようだ。ちょちょいのちょいで少年には責任が行かないようにきっちりジュエルシードは収めましたよーってことになったらしい。

 

責任感も強くて優秀みたいだから今後は是非その才能を遺跡発掘とやらにつぎ込んで大成して欲しいものだ。

 

 

 

そしてお話お話。

 

このまま海鳴に住み着いてくれる様だ。現在唯一の補助戦力、猫の手一本分の価値を持つ人なのでこれは嬉しい。俺は自動ゴミ掃除機位の役立ち具合。

 

二人娘共まぁ、離れない方が嬉しい。可愛くてねぇ……結構情が移っちゃった訳よ。きっちりと就職する位まではお世話しちゃうわ。おばちゃんの就職先はうちにしてと。福利厚生はしっかりしますよー…住居から戸籍から何まで。

 

その代わりに暗示をしっかりと掛けさせて貰うけれど。

 

 

 

しっかし、何でこう子供は可愛いのだろうか。

 

子供が出来ると人格が変わる人のことがようやく理解出来た気がする、少しね。前は全然関わりがなかったから分からなかったが、関わりを持つと途端にある意味うざく感じていたのも可愛らしく思う。

 

以前のも実は俺、興味無いフリしてツンケンしていただけだったんだろうか……。

 

 

ん?音泉?



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10話

 

三人娘とその家族但し欠席者あり、加えて居候ズマイナス一人若しくは一匹にて温泉。

 

車を何台も出しての団体さんである。

 

我ら子供たちは一纏めにされ、後はまぁ大人がバラバラに。控え目な妹も既に馴染んでいると言うのに…母親のおばちゃんは駄目だね。そもそもが研究者で何年も引き篭もり研究をしていたのである、ボロは暗示によって出ないが単純に会話が上手くないと見える。クローンの方が気質的に似てるなんて皮肉。

 

 

 

早速風呂に。

 

うーむ…小学生は論外として、高校生とかにも反応しないな。役得感はあるんだけど……ものがないとここまで違うか。すっごい勿体ない気がする…。

 

確かに俺の身体の発達はいいが、触ろうとするんじゃねぇ。

 

無礼な姉ズをさくっと締め落としてから湯船へレッツゴー。

 

 

 

身体が外国人?仕様になっても風呂は気持ちいい…。

 

肉体的にとかじゃなく、精神的に癒される感じがする。股座の違和感もまぁ、慣れたら意外と気にならないものだ。

 

唯一、一応女なのである程度伸ばした髪が中々邪魔くさい。肩に届かない位だがもっとバッサリ行ってしまおうか。

 

 

 

そして湯上りには卓球らしい。

 

俺としては牛乳さえ飲めればいいと思うんだけど。……流石にまだマッサージ機の良さは分からないな…。

 

だがしかし。挑発されては吝かではないのである、経験は前世での体育の授業程度だが今のこのハイスペックな身体を舐めて貰っては困る。カット、ドライブ、何でも御座れだ。けど今のメンツも相当酷いのをちょっと忘れていた。吸血鬼や人外剣士、果ては魔法使い。挑戦者を喰らい尽くすのに最後の方はただただ辛かった。こんなことなら乗らなきゃ良かったわ。

 

 

 

散々遊んでから晩飯。

 

美味い料理をもりもり食べて、追加も貰って、デザートを食ってあっという間に就寝。普段はかなり夜更かしとかしてるだけど…雰囲気にならって寝るとするか。

 

大人組はこの後も酒を飲んだり、盛り上がったらいちゃいちゃムフフなことをするんだろう……おばちゃんに悪いことした気分になるな。余り物になるじゃないか。いや、よく考えたら眼鏡姉さんがいるから……それはそれで物悲しい気持ちが…。

 

下手したら40とか年の差が出来てるけど、男がいない愚痴でも肴にすれば仲も深まって万々歳…になって欲しい。いざとなったらお酒の力でもガブガブと借りればいいよ。俺はこの身体で解禁になるまで飲まないけど。その時になったら付き合ってあげよう、多分。

 

寝かし付けのお話って何でこんなに眠くなるのかね……おやすみなさい。



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11話

 

転校である。

 

紆余曲折とやらあって行けていなかった学校にやっと行けれるようになったんだ、みたいな設定を暗示で叩き込み姉妹揃って小学生だ。延々とおばちゃんと語り合った結果は二人共に二年生。複雑な姉の扱いに困った結果そんな風になった。

 

三人娘とも同じにしておいたし、多分大丈夫だろう。今考えればそんなに悩むことでもなかったかもしれないが。

 

特に問題がある人格でもないし、放り込んだら何とかなるもんだろ。

 

 

 

学校はとても楽しいらしい。

 

妹は環境に、姉の方は実年齢とのギャップがあるかと思ったけど何よりだ。社会性を学んでないからそんなに変わらないのか?それとも単にこいつらの資質の問題だろうか。

 

学校に誘われたが、小学生をやり直す気は全くない。学歴が必要なら吝かではないけど生憎とそこら辺は幾らでも偽造出来るし。……まぁ昼間の騒がしい時間がなくなったのは寂しいけど。だからって行くのは違うだろう、人生ってそんなもん。

 

しっかりと勉学にも励まないとだし。

 

 

 

ジュエルシード以来のちゃんとした?お仕事である。

 

何でも近くに、次元的な意味でなくご近所さん的な意味で、面倒な魔導書があるらしい。なので起動時にハックする事に。手順なんかは全部任せているので詳しくは知らない。割と重労働になりそうなので頑張りますっと。

 

 

 

つ、疲れた………。

 

魔導書自体は結構な貴重品なので消滅させないようにしたからかなり骨が折れた。初めて戦闘らしい戦闘をした気がする。最初こそバインドしてバインドして、乱入者をバインドして。転移してからはブッ飛ばしまくり、最終的にはフルパフォーマンスでのメッタメタに凹ませるバトルである。

 

実は疲労感も多々あるがかなり爽快感もあったり。事前にハイになれる様にちょっとチョメチョメしておいたのだ。素面では流石にあんな怪獣バトルみたいな真似は出来ない。

 

 

 

事後処理も中々大変である。

 

ジュエルシードからの居候親子の時はそうでもなかったんだけどなぁ……。

 

まずは騎士組は全員を主付きにして、諸々の問題はじいちゃんにぶん投げとけば問題ないだろ。元がかなり善人よりの人だし、一応監視でも付けとけば問題ないない。一気にしがらみが解決して真っ白になっていだが、責任感がなけりゃああはならないだろうし、子供と向き合わせとけば腑抜けないと思う……過労死はしないだろ、多分。

 

 

 

残りはこいつらか。

 

がっつり凹ませておいたんだけど、いまいち改善してるとは思えないんだよな。というかそもそも騎士組よりも自重しないし。どっかに預けるのも躊躇われる。

 

こいつら外見コピー組が将来普通に仕事とかしてるのとか思い浮かばないのも問題だ……。

 

取り敢えずは保留で手元に居させておくのが安牌かなぁ。



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12話

 

じいちゃんの方は上手く行ったらしい。

 

今まであしながおじさん?として援助してたのを続けて、騎士組は地球で新主の元で暮らすようだ。天涯孤独らしい少女の回りに護衛兼家族が出来たって感じがいい収まり方だろう。じいさんの方も特に子供とかもいないらしいし丁度いいっぽい。

 

騎士の面々は顔が知られてるから、特に管理局方面に関わらないなら何でもいいけど。

 

 

 

残りは外見コピー組。

 

下手に知り合いの見た目と同じなせいで封印とかにもしにくい。取り敢えず現在のままだと単なる暴力者なので放置は不味い、つまりどうすればいいんだ……。

 

いっそのこと封印しちゃう、おばちゃんに預ける、騎士組に預ける…預けるのはないか。だとすれば…つーかあんまり選択肢ないな。

 

子育て?俺が……うーん…?

 

 

 

引き取ることにした。

 

封印したとしてもいつかは出て来る訳だし、せめて力をぶん回すだけよりかはマシな感じにしておいた方がいい。

 

そんな風なこともありつつ、まぁ俺が寂しいというのもある。結局の所現在進行形で天涯孤独だし……。うん、想像以上に来る。これも何かの縁ということで、良いんだよなぁ……?

 

 

 

見た目的には何とか姉くらいには見える訳だが。

 

外見については他人の空似、ドッペルゲンガー?的な感じでいいだろう。戸籍も一応作っておいたが……学校、学校には行かせるべきなのか。社会性を学ぶのなら行かせるべき、だよな。しかし、単純に今現在だと常識とかのあれが足りない気がする…。

 

よし、兎に角保留。

 

 

 

いざ家族となると、何故か緊張する。

 

何で封印しないのか、人類の敵にしないためである。何で家族なのか、ほらあれだよ、愛情を知ればなんかいい感じになるんだよ。

 

説明の時にテンパってしまってやや滅茶苦茶なことを言ってしまった感じがあるが、一応納得したみたいだしいいだろう。

 

 

 

家族とはなんぞや。

 

一緒に飯食って、一緒に風呂入って、一緒に寝て、これ以上はなにをすればいいのか。個人的にはこう、いい感じに威厳を見せつつ愛で包み込んで、みたいなのを考えている訳なんだが。

 

じいちゃんとおばちゃんに相談してみる。割と普通ではない家庭と子供がいない二人だが流石に人生の先輩なだけある。間違ってはなく、特殊ではあるけども大丈夫じゃなかろうか。100%なんてのはない、また相談していいなどの言葉を頂いた。

 

なるほど、ママ友や祖父母とはこんな風に頼りになるものなんだなぁ。

 

帰ったら始めに、四人全員とハグなんてやってみよう。

 



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13話

 

今の所のご飯はと言えば。

 

幾ら離れとは言え用意してもらってるのである、金持ち万歳。だがしかし……所謂家庭料理だの母の味だのを教えた方がいいのだろうか。俺自身は母さんの料理と言われてこんなのが好きだったと言えるのだが、ここの娘さんに聞いた所そういうのはないらしい。

 

正確に言えばどっかのレストランで家族で食べただのそんなのが家族の味らしい。なるほど、家庭が違えば違うものか。

 

 

 

そんなこんな考えては。

 

元が戦闘というか、武力方面に傾いた子達なので定期的に相手をしてやるのである。何やら金髪の子が混じっている気がするが気にしない。

 

一体一で同じようなスタイルで叩き潰したり、全員で掛かって来るのを凹ませたり。上下関係やある種のストレス解消にはきっちりと付き合わなければならないと思う。

 

んでもって終わればピクニック気分でご飯なのである。お手製のサンドイッチ……これ、よく考えたらなのか?俺自身はあんまりサンドイッチに思い入れないぞ。

 

 

 

精一杯母さんに教えて貰った料理を思い出しては振舞ってみたり。

 

そんなこんなでも研究はいい感じに進んでいるようだ。巡り合わせもよくジュエルシードやエグザミアを使った実験の成果も上がっている。研究の内容も大部分かるようにはなったが、まだ微妙に覚束無い。いざレベルが近付くと余計にやきもきするなぁ…。

 

まぁ焦らず、焦らず、である。

 

 

 

騎士一家との交流。

 

魔法云々とか正確には人間じゃないだの含めて付き合えるので重宝するのではと思い設けたのである。そこそこ剣呑さがなくなったと思ったのだが、何故か魔法戦に落ち着くのはやっぱり元がそういうのだからなのか……。

 

今代の主にじいちゃんも加えて、ビームやら飛び交うのを眺めながら家族や教育について語り合いながら思った。

 

しかし、俺の周り精神年齢高いのが多いな……俺よりよっぽど母親というか主というか、やってる気がする。

 

 

 

騎士対マテリアル戦の間に主様に教えてもらった料理を皆と作ってみる。

 

王様が異様に上手い……というか俺より上手い。なんでも主様の料理の腕前をそっくり受け継いでいるらしい。似ているのは見た目だけではなかったのか。小憎らしい表情を見るとついそのデータをぶっこぬいてやりたくなる。

 

だが我慢。仕方なく王様をメインにして俺がお手伝い……あー、いいね。妹ちゃんに似て不器用な感じとか純粋な闇ちゃんすごく可愛い。あとそつなくこなすクールっ子に構うのもすごく楽しい。

 

ふむ……後で王様にもなにかしらで構おう。



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14話

 

いい所まで来ているのだが。

 

平行世界への移動、俺からすると帰還なのだが、はいい感じなのだが肝心な所まで上手く行かない。0.98位までは行ってるけど1には届かない、みたいな。俺としては歯痒いもののむ、む、娘たちという癒しがあるのでまぁいい。

 

いや、帰れないのは困るが……なんというかそこまで急いでいない。ある意味楽観視とも言えるけど、実際にかなり短期間で研究は進んでいる訳だし。そろそろ俺も手伝いから加勢になれる位にはなってきたし。

 

程々に頑張ろう。

 

 

 

ピクニックである。

 

我が家にジュエルシード関連一家、騎士組家withじいちゃん。三人娘とか剣士吸血鬼組は省いての魔法組で括れる連中での、小旅行だ。いつの間にか泊まることになってた。これで何の気兼ねもなく日本だけでなく世界から次元世界までひとっ飛びで回れる。

 

こういうのは教育にもいいらしいし、割と行き詰まっているおばちゃんの息抜きにもなるだろう。福利厚生っていうのか、こういうの。

 

唯一問題なのはじいちゃん曰く凄まじい勢いで法を犯しているらしいが……どうせ探知なんかされないし、そもそもの話闇の書辺りからそうなので気にしない。というかあんたも何気に犯罪者な上に外道だろうが。小声で告げると観念したようだ、素直で宜しい。既に順応してる猫使い魔ズを見習って欲しい。…こいつら使い魔なんだし、じいちゃん、実は気にしてないけど一応言っただけなのか?

 

社会人してるなぁ。

 

 

 

高い所に泊まったり、安い所に泊まったり。

 

途中で初めて次元航行船とかいうのを見た。俺、折角時空管理局の本部まで行ったのになにをやってたんだろうか。ぶっちゃけ外観しか覚えてないな……。

 

そんなこんなあって帰宅である。

 

お土産はこの世界内の物に留めておいて、無魔法組に渡すことになっている。

 

三人娘とのお茶会で土産話を聞かせるお馬鹿っ子が勢い余って次元世界の話までしているが、まぁ別にいいだろう。我が家のメンバーも慣れた物で、気にせず焦らずいたら向こうも適当に解釈してくれること請け合いなのである。天然な闇ちゃんでさえそうなのだからまぁそんな感じだ。

 

 

 

定期的に我が家で繰り広げられるもの、魔法戦である。

 

元々が血気盛んな風になっているせいで割と頻繁におねだりされるのである。まぁ最初のぶっ倒してやるという感じから最近だと一矢報いてやる感じになって来ているのだが。

 

こちらとしてはおねだりされるのは悪くないし、威厳を見せ付けられるのでまぁ程々に受けている訳だ。…最大戦力な闇ちゃんがそこまで乗り気でないのが救いだが。あの子が入るとかなりガチで行かないと負けちゃう。





空白期にエタる作品が多いのが分かる気がする。10年近く開く時間の扱いが非常に困る。


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15話

ちょっぴりぶり


 

転入である。

 

海鳴を拠点にして、というか居候している我が家だが、遂に決めた。魔法文化はあった方がいいと言うことでミッドの方の学校にコピー組4人をぶっ込むことにしたのである。社会体験させるのもつまる所学校が1番だと思うし。

 

ただまぁ、地球にもかなり思い入れはあるのでメチャクソ手の込んだ準備をしてミッドに家を確保して繋げることにしたのだが。何気に初の単独の仕事なので大張り切り。バレない様に隠密性もありラグもない自慢の一品。

 

術式を壊したりしたらぶっころ。

 

 

 

我が社……我が研究者?に新たな人材である。

 

何でもアルハザード出身みたいなものらしく、中々の逸材らしくスカウトして来たそうだ。確かになんか出来る変人のような雰囲気があるな。

 

よく考えてみると初の変人枠の人だ。おばちゃんも普段は普通のおばさんだが研究者としてはぷっつんしちゃう一面がある。だが新入りくんは……割と普段からアレな感じ。人体方面から急に平行世界の方面に切り替えてもこなしちゃう天才なんだけど唐突に高笑いをしたり。

 

初めは俺のこともアレな目で見てたしな……即効でぶん殴ったが。平時は非暴力を推奨する俺でもあの眼差しはちょっと受け付けない。

 

 

 

明らかに前世よりもあらゆる能力が向上して改めて感じたこと。

 

人間能力も大事だが、それよりも精神ってどうにもならない。

 

体質というかなんというか…自分のことなんだが、それでもやはりずっと同じことに延々と頭を働かせるというのは苦痛なのだ。調子がいいとガンガン行けるのだが、普段はおかし食べて、娘たちに絡んで、ゲームしてリフレッシュが必須。

 

なのはおばちゃん、新入くん、相棒と言えば常にブツブツガリガリ…とまでは言わないが常にハイになっている。かと思えば突然立ち上がって気分転換をすることもあるのだが。

 

つまり、俺は頭の回る位で天才だのにはなれないだろうと言うことだ。

 

 

 

新入りには娘がいる。

 

ガチの奴ではなく、俺みたいなのでもなく、むしろ造ったみたいなものらしい。

 

何か怪しいな……よくよく考えなくてもアルハザード出身みたいって時点でかなり危ない。まぁ何かしら駄々をこねることも出来ないだろうし、特には問題しないのだが。

 

それは兎も角。娘たちの扱いに困っているらしい。以前は何かと入り用で役に立って貰っていたらしいが……ふむ。見た目が大人とか若妻っぽいのから子供までいる。ここは我が家の転入に合わせて全員小学生からとか。

 

うん、流石にないだろうから縋らないで欲しい。まぁでもなくはない手だと思うんだよね、多分。




数の子たちのロールアウトの時期が分からない。
分かる人は教えてくれると助かります。


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16話

 

いよいよ……。

 

ここ数日はそわそわしっぱなし。何故かと言えばそろそろ理論的には平行世界への移動が可能となるからである。

 

1つ、或いは1人の規格外の魔法書に加えて3人のおおよそ天才と言って差し支えない頭脳を結集して数年。環境も次元世界中を探してもこれほど整ったものはないと言える程資金も情報も集まった場所である。そこでついに…ついにだ。

 

流石に即実行する訳には行かないんだが……命は惜しいし。ここ数日腰がふわふわしている感覚で半端なくやばい。

 

 

 

はぁぁ。

 

後輩の娘の1人、眼鏡ちゃんが反旗を翻した……であってたか。とにかくこう、革命的なのを起こした。

 

曰く普段ならもう少しまともな判断を出来るの子ならしいが。何気に集まっている技術が凄すぎて戦力をちゃんと把握出来なかったのか。或いは悪人みたいなことを出来ずフラストレーションでも溜まっていたのか。

 

もっとも1番の要因は俺に会ってしまったことなんだろうけど。

 

まさか起こして間もなくすぐさま鎮圧されてしまうとは思ってなかったろうに…同情は出来ないんだけれども少々憐憫を覚えてしまう。

 

 

 

ここのところ心配されてばっかりだ。

 

研究関連の奴らには敢えて何でもない風にしてくれるが、下は小学生から上はじいさんにまで。何があったのかと聞いてくる。俺の事情について知らない三人娘辺りはいいが、クローン妹や騎士連中はとんでもない事態なのかと勘違いしてるし……あのじじい、次元世界大戦でも始まるのかと言いやがった。

 

確かに、功績的には繋がってしまわなくもないのを認めざるを得ないんだけど……むかむかする。

 

あとじいさん、笑うんじゃない、いや、別にいいんだけども……あー何か混乱してるわこれ。

 

 

 

こんな時だから魔法戦はお休み。

 

今さあんまり上手く4人の攻撃を捌ける自身がないし……何より力加減も万が一にでもミスったりしたら怖い。というか第一にそんな魔法をぶっぱなす気分にならない。

 

暇なので遊んだり話をしたりするのだが、どうにも駄目だ。何かをしていたりすれば気が紛れるけど一息つくとすぐに意識が平行世界移動について飛んでしまう。自分がこんなに落ち着かない奴だったとは知らなかった…!

 

やっぱり1番の解決策は早く完成してくれることなんだろう。

 

ああ、早く早く。もしかしたら恋焦がれるってこんな感じなのかもしれないと、自分でもなかなかに気持ちの悪いことを考えてしまうくらいには気がはやっている。

 

収束砲を適当な島とかにぶち込んだりしたら気分が晴れるかな…。




久し振りの更新


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17話

 

心臓がバクバクして来た。

 

ようやく完成した魔法。

 

単なる物体の転送から始まり、生き物やクローごにょごにょまで使ってほぼ完璧に安全性まで確認済みのものだ。向こうの観測もしてあり……久し振りに故郷の風景とか見たらかなり泣けちゃったなぁ。

 

思わず新入りに泣き付いてしまった。なんだか父親、父さんを思い出した……そういえばあいつ何歳なんだろうか。おっさん臭くはなかった気がするんだけど。

 

ちゃんと鼻水をつけた服は後日弁償して新しいのを送っておきました。

 

 

 

まずは一人で。

 

存分に回数を重ねたので不安はないのだが……緊張がすごい。まだ世界を飛び越えてもいないのに手足が痺れてる感じがする。今の状態、絶対この魔法を使うことなんて出来なかったろうな…大人しく俺をメインから外しておいて良かった。

 

緊急用のデバイスも持ったし、夢見魔法も準備オッケー。

 

後は…娘達に勇気を貰って……ぎゅー。

 

これで準備完了、いってきます。

 

 

 

ふおおお。

 

何か凄い、凄い懐かしいのにちょっと違う。脳みそから鼻自体が肉体ごと替わってるからなのか街の匂いが同じなのに違う。懐かしい人に会った時に、あれ、この人こんな顔だったっけ、もしかして人違いなんじゃ…みたいな。自分でも何を言ってんのか分からなくなってきた。

 

視線も低くて違和感があるけど懐かしい。たしか小学生の頃とかがこんな感じだった気がする。そりゃ40、50cmも縮めば世界も変わるよなぁ。

 

んでもって……クソ、くそくそくそくそくっそ懐かしい、実家。

 

まだ何年も離れてないのに目元が熱くなって来る。あー、俺ってまだまだ子供なんだなぁと馬鹿みたいな感想が思い浮かぶ。

 

マジでやばい、涙が溢れてちょっと喋るの無理、嗚咽とかめっちゃ苦しいわ。うあー…これしばらく行けないかも。近付いただけでこれとか涙脆すぎ。

 

シミュレーションしてた感じで全然進めらんない。こう、チャイムを鳴らして出て来た親を見て泣いて、どうしたの、ごめんなさい…みたいな。

 

んな訳ないだろ……見知らん外人が来て泣いたらビビるわ。家に上げるのも戸惑うしえっと……ってなるだろ、いや俺今は子供だし上げては…いやいやいや、逆に上げづらいか、今のご時世なら。

 

あー……とりあえず一時徹底。これは逃げじゃないから、落ち着く為だから。ああ、娘やツンデレっ子の体温が恋しい。抱き着いて思いっ切りぎゅーってしたい。こいつじゃいまいち甘え甲斐がないからな…。

 

ん、ホテルに直接転移しよ。本当にこういうのは無駄に有能だなお前。

 

 

 




こんなんだったっけかな。


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18話

 

元、とかは付けたくないんだけれども。

 

馬鹿みたいに広い金持ちのお屋敷や無駄に広さを取った研究所兼宿泊施設みたいな家に慣れ切った感覚からすると、非常に狭く感じる極々一般的な家。

 

事前に元々の俺の知り合いで〜みたいな設定から家に上がり込みカミングアウト。

 

これどう考えても頭がおかしいアメリカヤンキーだよなとか、延々と自分が俺だと言う証拠を過去エピソードで話したりするけど話しただけで証拠になんのかっていうか俺何を話してんだろうとか。

 

ちょいパニックになりつつも用意した話は喋りきった、身内だらけで緩々だけど一応研究者……っぽいことを経験したんだし多少はマシなレベルで説明できた、はず。

 

 

 

父さんと母さんは……。

 

信じてくれた……のかなぁ…。泣いて、抱きしめて、頭撫でられて…。

 

懐かしいかも……小学生の時とかよくくっついてたっけ………あー、でも父さん、親父臭くなってるわ…。

 

そもそも丸っきり信じるなんて無理だよなぁ…輪廻転生とか、俺思いっきり性別変わっちゃって、金髪だし。

 

でもそっか、言葉とかで分かるもんなのか…親ってすげー。だからあんまり緊張したらとか言わないで…。

 

あ、魔法見せてなかった。

 

 

 

しばらく滞在。

 

実家なのに暫く泊まるって妙な感覚。

 

自分でも驚く位家でごろごろしている、テレビ見て、漫画読んで、飯食って。

 

なるほど、これは確かに母の味って奴だなぁ。戻ってこれなかったらもう食うことも無かったんだと思うと感慨深い。改めておばちゃんと後輩には感謝だ、ボーナス上げなきゃ。

 

魔法を見せたら寧ろ胡散臭さが上がった気がするも、改めてプレゼンしたら漸く説得力のある方向に信じてくれた。まぁ、それよりもごろごろしている様子が男であった時そのままだとそちらの方がよっぽど証拠になると言われたけども。

 

 

 

女の子として。

 

性別が変わったことについて、母さんは割とあれこれ世話を焼こうとして、父さんはやけに聞きにくそうに話してきた。

 

おかしな態度だと思ったけど、男親だと、元息子の現娘の気持ちなんて複雑で察しきれないだろうしそもそも聞くのもレベル高いなぁ。

 

幸か不幸か子供なんて作れる体でもないし、男にも興味が湧くこともないから心配ないよ。女になったから男のままの趣向でもある意味問題あるけど…おいおい考えるから放っておいて欲しい。

 

深く考えると泥沼というか……ねぇ。

 

 

 

4人の娘?

 

引き取ったコピー組について話をしてみると、事情が事情だけにあんまり正しいリアクションが分からなかったようだ。

 

人間兵器だから俺が面倒見てるんだよね、とか意味が不明だしね…。

 

ただ面倒は見なさい、何かあったら相談に乗る、今度は連れて来れるのかなどなど。普通の、ありがたい言葉を貰った。

 

父さんと母さんみたいな親になれるか分かんないけど、きっちり……うん、きっちりやってみるよ。





こっそり


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19話

 

存分にだらけて。

 

久し振りの豪邸だ。

 

また機を見て……適当に時間を作ってから父さんと母さんの元に俺以外も連れていくとして。

 

やっぱりこっちもいいなぁ……無駄に高いソファや馬鹿でかいテレビ。

 

すっかり擬似セレブな生活にも慣れ親しんでいるのが本能で理解できる。俺は思っていたよりも適応能力が高いのかもしれない。

 

 

 

一応報告してから。

 

魔法に馴染みのある組や協力した奴等に無事成功して前世の世界に帰還した旨を伝えた。

 

子供は騒ぎ、大人は笑って……研究組はレポートを催促してきた。

 

うーん…これで即出せるようにまとめておいている俺も俺なんだが、何だろう…この、何だろう…。

 

 

 

研究もこれにて終わり。

 

今後はおばちゃんは結局研究は止めて主婦に専念するそうだ、歳も歳だし、働かなくて済む位には高給を出していた訳だし、まぁ働かなくてもどうとでもなる資金も手腕も揃ったのだから順当。

 

後輩は、そもそもが呼吸する様に研究するのが生き甲斐みたいな奴だからね……聞くまでもなく続けるそうだ。

 

俺が同郷のデバイスの主であったり、同郷の知識を諸に使用している身としては放り出して犯罪行為に走られても困るから資金を与えて研究させとけばいいだろ。

 

腰を落ち着けてこれからは好きなテーマを研究出来ると一層目を輝かせていた。

 

畑違いの次元についてばっかりやらせてたからなぁ……少しは資金に色を付けておこう。

 

 

さて。

 

我が家は娘達は学生で充実した生活を送り。

 

周囲も大黒柱を中心としてそれぞれ生活を送っている。

 

うちはというと、俺がプー太郎であること以外は特に問題ない。

 

金なんてものは全く心配ない位我がデバイスから出せているし正確には……なんだろう、有資産無職みたいな。

 

今までは研究が仕事で、研究所の社長で研究のリーダーみたいな感じだったのだが。

 

お目当ての魔法も必要分まで開発が終えたのですっから引退を進めてしまった。

 

お陰で以前での休憩ぱかりしている生活……実家では露も感じなかった焦燥感がふとした瞬間顔を出してくる。

 

何か仕事というか、目標を定めた方がいい気がする。

 

 

 

仕事、か。

 

前世ではサラリーマンやって金を稼ぎながら遊ぼう、みたいに考えていたのだが、現状だとそもそも働く必要性がほぼない。

 

金はかなりあるしなければ容易に作り出せる

 

研究は元々好きでもないし、必要だったからやったことを今更続けようとも思わない、大体俺が思いつく様なのは既に開発済だし、アホウみたいに凄い魔法を世間に公表しようとも思わない。

 

主婦兼主夫、とかでいいかな……。

 

 

 








御意見御感想御評価御待ちしております。








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20話

 

帰省の前には必ず連絡を。

 

ひとまず俺と+1、後娘4人を連れて実家に帰った。

 

父さんと母さんは孫として接してくれるらしく割とがっつり好みだの何だのを聞かれて打ち合わせをした。

 

大人って面倒くさい……っと、お札は渡さないように言っとかないと。向こうの日本とごっちゃになったらめんどい。

 

 

 

ごたいめーん。

 

俺としてはお早い再帰宅、まぁうちの親は普通な人なので心配もしてないのだが…。

 

この子達、ちゃんとコミュ力持ってるんだな。

 

王様は孫というより年の離れた友達みたいだが母さんと料理話してるし、父さんには元気娘と闇ちゃんが甘えて、クールっ子もそれらしく絡んで行っている。

 

果たして孫なのか、孫とじいちゃんばあちゃんってこれが普通なのかと若干違和感を覚えつつも……上手くいっているんだろう。

 

俺は満足してコンビニに向かった。

 

 

 

むしろ俺が違和感を覚える。

 

両親に対してと娘達に対して、それぞれなら普通に話せるのだが……三者面談になると途端に違和感が凄い。

 

こうして考えてみると俺にも立派に親としてと子供としての二面性があったんだなぁと思う。

 

しかしまずい、こんな所で社会経験のなさが響くとは…きっとリーマンにでもなってたら愛想笑いでうまいこと合わせたり出来るようになっていたんだろう。

 

…………あれ、でも娘達は小学生…。

 

 

 

実家帰りも終わり。

 

とりあえず初回ということで実家とその周辺で三世代交流を果たして世界を超えて帰還の日となった。

 

闇ちゃんが初めに、続けて元気っ子もつられて泣き始めたのだが…ごめんね、流石にこれだけじゃ泣けないわ、普通に帰るだけだし。

 

俺が初めてこっちに戻れた時?知らんね。

 

とにかく別れを俺はそれなりに、娘達は俺よりも惜しみつつ魔法を起動させる。

 

ん、また来るってば。

 

 

 

はてさて日常に。

 

娘達をミッドの学校へと見送り、のんびりごろごろ……。

 

などとしつつ実家帰省について考える。

 

娘達は心配皆無な位父さんと母さんに馴染んだので後は考える必要もない。

 

次は所謂お世話になった面々である。

 

何となく大雑把に元の世界に戻れたの事情を両親に伝えたのだが、だったら1度ご挨拶をと至極真っ当な要求をされてしまった。

 

流れとしては大変納得出来るんだけど……なー。

 

 

 

そもそも奴らは大体あれなのだ。

 

犯罪者と犯罪者と犯罪者なのである。

 

頭に元とか付くものの、こちらからすると中々にじゃあ合わせるべとはならない、逆に引っ掛かるものがある。

 

まぁおばちゃんとじいちゃんは百歩…三十歩譲って会わせていいかと思うけど。

 

後輩については考える余地なく駄目だ。

 

他2人は強引にしろ恩を売ったし立派な大人な1面を持っているので信用できる。

 

だが後輩は、猫被れるだろうけど、その下の素に果てしなく信用が置けない。

 

俺との関係性だって、元々はとっ捕まて雇って、それで今までとかなりビジネスライクだし。

 

大体会うのも嫌だって言っちゃう気がする……。

 

やっぱじいちゃんに投げるのが安牌かな。



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21話

とは言ったものの、どうせ暫くは身内だけにするつもりだし。

 

問題は先送りしておこう。

 

頑張れ数ヶ月後の俺。

 

 

 

俺の朝は案外早い。

 

数少ない……言ってて少し虚しいけど、数少ないちゃんとした仕事である朝飯を作る。

 

王様と作ったり、クールっ子に手伝って貰ったり、晩飯を利用したりとかほどほどに手を抜いて作る。

 

ちなみに、ある程度の確率でツンデレっ子が混ざっていたりする。

 

今日は昨日の残りの餃子。野菜多めで健康にもいいし、匂いを気にする女の子でも朝から大丈夫にしてある一品。………えー、だめ?これとご飯とかめっちゃ合うのだが。

 

常備菜をおかずにした娘達を見送り一仕事終わり。

 

むしろメインが終わったと言っても過言ではないかな。

 

 

 

午前中はのんびり。

 

約束がない限りは寝直したり、ニュースをみたり、マンガを読んだり。

 

家の中でやるのことをするのが多い。

 

家事?そんなもの魔法でパパッとよ。

 

アルハザードの文化を舐めてはいけない。

 

 

 

昼は手抜きか外食。

 

大人組の暇人を確保して食べたり、お目当ての飯屋を探して食べに行ったり。

 

家なら朝の残りを食べたりもする。

 

外食ついでに出掛けてみたりも多いが。

 

 

 

帰宅時間にはなるべく家に。

 

まぁずれてしまって夕飯に遅れることもあるけど…仕方ないね。

 

本邸の方にお世話になったり娘達が作ってくれたり、甘えられる環境最強。

 

ちゃ、ちゃんと作ったりもしてるからセーフセーフ。

 

 

夜にはたっぷり絡んで。

 

学校での出来事を聞いたり遊んだり。

 

風呂はいって、髪を乾かして、ちょっと遊んだらあっという間に寝る時間だ。

 

その後におばちゃんと話に行ったりもするかなぁ。

 

酒、飲めないこともないらしいけど……我慢だ、我慢。

 

 

 

休日には。

 

大体何かしらの用事が詰まっている。

 

定期的には魔法組も、そうでない組とも交流をしているし、娘達もこういうことにはアグレッシブだ。

 

俺は大体やりたいことは平日に済ませちゃってるからなぁ…。

 

もちろん交流にかこつけてやりたいことを何気なく入れたりもするけど。

 

 

 

以上が俺の日常。

 

やりたいことやって、子供とかご近所……ご近所?さんとも仲良くやって。

 

改めて並べてみるとかなりいい生活してるな。

 

怠惰な生活をしている自覚はあるけど。

 

働かずに食う飯は美味いかって話を聞いたことがあるが…かなり美味い。

 

 

 

多分、娘達の一人立ち当たりまではあんま変わんないだろうなぁ。

 

進学先によっては寮ぐらしとかで変わるかもだけど。

 

後は……俺が急に変なのを拗らせたりしない限りは特段変わらない日常が続く、かな。






ちょっと最終回っぽい。

ツンデレっ子のこと、忘れてた訳じゃないよ、本当だよ。


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22話

 

俺について。

 

元々の俺ではない。

 

そっちは、そこら辺にいる…運動より勉強が得意だけど真面目に勉強することもなく遊んだりしてけどある程度の学力を持っている、一般学生を想像して貰えれば俺だ。

 

この女の身体の方だ。

 

聖王とか呼ばれる女の人のクローンで、今の年齢はまぁ娘達とそう変わらない。

 

脳力的には元々かなり強かったみたいだが、その比でない。

 

たかが一般人の俺が全く新規の研究に取り組んで、手伝いがあったとしても結果を出せている頭脳面ではもちろんのこと。

 

運動能力はそこらの達人……は言い過ぎかな。そこら辺の管理局魔導師ならぶん殴ってko出来る位のものを持っている。

 

 

 

見た目は。

 

クローン通りかな。

 

髪の毛なんて伸ばしても邪魔臭い。

 

乾かす手間なんかは魔法のお陰でないものの、長いってだけで鬱陶しい。あれってある程度伸ばすと中々の重量になって話だし。

 

別に魔法で軽くしたりも出来るんだけど…おしゃれなんてする柄でもないしいいっしょ。

 

いざとなったら魔法で伸ばすし。

 

後はオッド、あい?に金髪、虹色の魔法光と大体クローン元通り。

 

けど表情筋は確実に変わってる。

 

いや、あの百面相っぷりは完全に中身の問題だし。

 

多分俺の表情の100倍とかパターンがぱない。

 

決して俺が少ない訳じゃない。

 

 

 

 

時折夜天騎士一家のメンテに向かう。

 

完全に復旧させたとはいえ、無限…転生?機構とか馬鹿げた物に散々振り回されているのである。

 

魔法の生命とはいえ生き物には間違いないのだからどのタイミングで不調があってもおかしくないのだ。

 

無限なんて大袈裟な名前を付けていたにしてはお粗末な術式であったし、無駄に疲労を蓄積して時間を費やしてしまっていた感が否めない。

 

擦り切れたり吹っ飛んだりしてなくて良かったなぁ……何故かそこら辺はきっちりと保護してたお陰か。

 

もしも下手に手を出されでもしていたら…うーむ、ろくな事になってないな。

 

 

 

 

5人とついでに主様もチェックして。

 

俺が命令したお陰であいつがつまらなそうに騎士3名をあしらうのを見つつお茶にする。

 

結構なお手前のケーキに唸る。

 

ここでクローン元なら顔を輝かせて褒めちぎるのだろうが、俺には出来んな。

 

ちゃんと美味いというのは伝えるけど。

 

後次の時はどんなのが食べたいかも伝えておく。

 

色々とアフターとビフォーの対価だし、一家での作業の機会を作っているのである。

 

これがうぃんうぃんって奴かな。

 

 

 

お茶会の中で。

 

実に上手くやっているのが伝わってくる。

 

じいちゃんの方とも弱冠…いや、かなり気を遣いあってる気がするけど交流はあるようだし、元我が社のおばちゃんとも付き合いがあるらしい。

 

うん、後輩については…一部の娘とだけでいいと思うよ、どうしてもって言うんなら止めないけど…あんまり積極的に関わっていく類の人間じゃないし、むしろ避けていくの推奨。

 

 

 

呼び方について。

 

こヤツら、一部のだけど、主とか呼んじゃってるのか。

 

ここ、一応日本なんですけどねぇ……一体どんな風な家族構成なんだ。

 

確かに普通じゃないけども……親なしで子供が主って中世とかじゃないか?

 

もっとフランクに呼べばいいんだよ。

 

或いは様付けとかならまだましかもしれない、お、金持ちかな?とかでギリ誤魔化せそうな雰囲気がある。



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23話

 

進学とかなんとか。

 

微妙に地球とミッド、というかうちの娘達とツンデレっ子の学校では義務教育とかの年数が違う。

 

うちのはそのまま進学、エスカレーター式って奴だね。

 

試験もあるにはあるけど落ちる程馬鹿ではない。

 

さて、うちのは問題ないし、地球の知り合い達は大体そのままエスカレーターである。

 

ある意味板挟み…になっているようなのは妹ちゃんである。

 

意外だなぁ、幾ら魔法に思い入れ強いしうちのと仲がいいからといってわざわざ進学先を悩むとは。

 

普通に地球の学校に行ってりゃいいと思うのだが。

 

というか、何で相談相手が俺なんだろう…。

 

 

 

おばちゃんにも、姉にも相談してないと。

 

んでもって友達にもと。

 

そこで俺のところにかー。

 

あんまり親しくはない……ことはないか、丁度いい距離ってことにしておこう。

 

近しい人にも話し難いし学校の先生なんかにはこんな進路は相談できないし。

 

こういう相談がしやすいって感じな訳か、何となくこの子の中での俺の立ち位置が分かるな。

 

うん、まぁ、乗るには乗るよ、話を聞くだけでも楽になってくれればいいなぁ…。

 

 

 

ふぃー…難産だった。

 

ようは魔法にもっとどっぷり浸かった生活に憧れるけど、そんな自分の我が儘な思いで友達や特に姉と離れたり、母親に迷惑を掛けるのが嫌だと。

 

地球とミッドって世界って言葉が付く程確かに離れちゃいるが、うちに関してはそこら辺は通いでも余裕だし。

 

特殊な環境だから、たかが近くの地区の違う学校に通う程度のもんなんだけど。

 

子供からしたら大きな問題なんだろうかね…。

 

後は自分の生い立ちに関しても感づいてるっぽいな、暗示を掛けといた筈なんだけど…ガッチガチにしてなかったからっていうのを含めてもちょっと驚き。

 

子供の成長、とは違う気がするけどちょっと感動。

 

途中から生い立ちのこととか今の幸せとか進学についてとかしっちゃかめっちゃかになって、泣き出しちゃったけど……ふぅ。

 

 

 

とりあえず先延ばしにしておいたけど。

 

また明日…は早いか、でも明後日にはまた来るだろうなぁ。

 

けど俺からしたら、行っちゃえばいいじゃんと思う。

 

理由付けてはいるけど、思いを捨て切れてずに俺に相談してる時点で答えは出てるようなもんでしょ。

 

迷惑なんて掛けまくっていいと思うよ、俺が言うんだから間違いない。

 

……だがしかし、果たして俺はどう答えればいいのだろうか。

 

思ったことを話して背中を後押しするのもありだが、地球の学校に行くのもありだと思うし。

 

結局なるようにしかならないし、なるようにはなるからなぁ。

 

ここはおばちゃんにこっそり話を通して……いや、妹ちゃんが行きたいと決めてから話した方がいいのか?

 

それとも悩み事の段階からおばちゃんに伝えておくべきか……。

 

あー、相談されて俺が悩むことになるとは。







御意見御感想御評価御待ちしております。






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24話

 

妹ちゃん、魔法学校へ。

 

結局黙ってたよ、俺。

 

しっかり泣き止んでから悩んで妹ちゃんが自分で出した答えだ。

 

まぁつまる所俺自身話を聞いて軽く整理に付き合ったってだけでアドバイスもほぼ何もしてないんだけど、いいよね別に。

 

相談出来る人間がいて話を聞いたって事実が重要なこともあるし……少しは役に立ったはず。

 

 

 

多少問題発生。

 

こっちとあっちだと、小学校の年数が違うんだよなぁ。

 

普通にこっちを卒業してから向こうに行くらしいけど。

 

つまり小6から中2になる訳だな。

 

勉強だのは地頭も悪くないし、本人も真面目だから大丈夫だろう。

 

地理とか歴史は諸に違うんだけどね……大変だなぁ。

 

 

 

ツンデレっ子含めて皆、相変わらずの物分りの良さである。

 

転校して、エスカレーター式の学校を出ていく妹ちゃんに多少思うところはあるみたいだけど。

 

妹ちゃんが考えておいた理由を必死に話して娘達も同じ学校だからと一緒に説得して、納得して貰ったらしい。

 

うん、将来の進路とかは間違ってないね。

 

地球だとそっちへの進学も技能習得も不可能だし。

 

地球組も寧ろ祝福して自分たちも大学などどうするかについて話し合っているようだ。

 

この意識の高さ……卒業おめでとう会なのになんなの。

 

 

 

おばちゃん、お姉ちゃんにお礼を言われちゃったぜ。

 

改めて面と向かって言われると困るなぁ。

 

自分では役に立ったし、と自己弁護してたんだけど。

 

実際は話を聞いただけな訳で。

 

矛盾してるんだけどね、ほら、何となく気恥しいじゃん。

 

んだから適当にお茶を濁す。

 

逃げたんじゃないんだよ、本当本当。

 

 

 

そんな訳で新生活。

 

我が家的には既に卒業して1年経ってたんだけど。

 

地球組に合わせてやったからね。

 

妹ちゃんも朝にはうちに集まって一緒に登校して行ってる。

 

姉妹で別れて登校してるのってなんか新鮮だなぁ。

 

 

 

だからって特別何か変わる訳でもないんだけどね。

 

一人暮らしをするってことでもないし。

 

多少学校行事の質は変わってるし、登下校とかの時間も変わるけど。

 

朝は対して変わらないしほぼほぼ誤差の範囲である。

 

移ろう間は何かとあったけど、いざ変わってみるとなんてことはないんだなぁ。

 

俺は相変わらずの自由な日々だ。

 

有り余った暇で怠惰な日々を過ごすのである。

 

規則正しく…俺も朝とかは合わせてるから割と規則正しくけども、過ごしてる学生を見て研究時代の気持ちの残滓から何かした方がと初めは考えたものだが。

 

今ではすっかり、余裕を持ってだらけているのである。

 

後どれ位続けようかなぁ。






段々とネタ切れ。

妹と、覇王っ子を出すまでとんとん飛ばそうかな。

或いはイベントでも書いてみるか…募集したりってしていいのかな、サイト的に。


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25話

 

日常が過ぎていき。

 

所謂社会人って奴になってくると生活は大きく変わる。

 

俺も、俺自身は既に社会人?な訳だが娘達が学生を卒業するとまぁ、変わる。

 

主に付き合ってる連中もほぼ同じ年だから変化も一気にだ。

 

立派に家を出て行けるのばかりなのは嬉しいやら寂しいやら…。

 

 

 

 

折角の機会なので俺も生活を変えてみようか。

 

全く関わりがなくなる訳ないものの機会は減っていくのだ。

 

つまり毎日飯を作る必要があったのがなくなったり。

 

朝早起きする必要もなくなるのである。

 

2倍……いやそんなに増えないか。

 

兎に角一つの大きな義務みたいなものがなくなったんだ。

 

戸惑いもあろうものである。

 

 

 

 

取り敢えずは根無し草になってみよう。

 

定期的な食事や元の世界への実家帰り以外は基本寄り付かない感じで。

 

考えてみると割りとすぐに海鳴の豪邸に寄生してそのままだ。

 

折角のファンタジー次元世界をたっぷり味わうのも悪くない。

 

決めたら荷造りをして簡単に挨拶していく。

 

後はランダムに行き先を決める…プログラムでいいか。

 

めっきり寂しくなったリビングでのんびり準備をして。

 

 

 

 

見た目は手ぶら…は流石にあれなんで簡単なリュック。

 

一応バリアジャケットじゃなくて服を着込んで出立準備よし。

 

この身体のオリジナルよりも良く成長した身体を軽く捻って、準備運動もよし。

 

第2の実家全体に目をやってから認識阻害と転移、隠蔽しつつ発動させる。

 

果たしてどんな所に行くのやら。

 

そういえば俺って相当な押しかけ居直り居候なんだよなぁとか考えつつ旅に出た。

 

 

 

 

元々あんまりアクティブな方ではないと思ってたけど。

 

超絶優良ボディーの今の身体になってからは多少のことは気にしなければ何でもなく。

 

何てことはないで済むからかなり行動的になって、適応出来ているんだなぁと思う。

 

気紛れな期間で色んな所を長めに居座ったり即移動したりを繰り返し。

 

すっかり根無し草生活が板についてきて思う。

 

荒事だって気にもしないで済むし。

 

今はホテル住まいで連続外に出てないけど。

 

いや、前の前位の街では本当にあったからね荒事。

 

 

 

適当に街を渡ったり、アグレッシブにキャンプをしたり。

 

野宿をしたりで過ごした生活の中。

 

適当に会ったりする娘達に呆れられながら、俺自身もそろそろ第2の実家が恋しくなってきた頃。

 

妹ちゃんから連絡が入った。

 

正しくは娘達の方を通じてだけど…おおう、これ緊急用の方じゃん。

 

ちょっとびびりつつ返事をすると……ほほー、なるほどなるほど。

 

厄介事かぁ……うん、でもまぁ連絡貰っちゃったし、流石にどうでもいいって話でもないなぁ…。

 

ん、すぐに向かおうか。

 

 

 

このチビっぽさ……今までは小さいと言っても中身はかなり大人びてるのが多かったからなぁ。

 

純朴…でいいんだっけ、な目で見られるもどう絡んでいけばいいのか分からん。

 

子供相手は得意だと思ってたけど、全然違うなこれ。

 

泣かれてないのが幸いか……。

 

ふむふむ、完成度はほぼ普通の人間。

 

上手く出来てるもんだなぁ……偶然かな?

 

ちょっと出来すぎな仕上がりだし。

 

 

 

同じ…同じ?顔に親しみでも覚えたのか、結構懐かれた。

 

手探り、記憶にある子供と戯れるのをやってみつつ考える。

 

そこそこ珍しいとはいえない訳でもないクローン。

 

管理局、或いは教会にでもある程度配慮して預ければ大体問題ない。

 

だけどなぁ……これが何処ぞの誰かならいざ知らず、クローン元が俺と同じだと少し親近感がわく。

 

ないだろうけど、資質の方の危険性も気にならないではないしなぁ……。

 

懐かれちゃったし……これ、懐かれてるよね、多分。



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