戦姫絶唱シンフォギア〜とある戦士の物語〜 (かもめカメ)
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プロローグ 1) 過去の話/誕生

これから起こる前の話をしよう。

其れは、突然の出来事だった…

 

ーーーーーー

今から1000年いや、2000年?ううん…其れよりも前の事だ…

 

そこの人々は時に争い、時には共闘・共存していた世界。

そんな彼等の行動を踏み躙る存在が現れた…

不気味な姿をした存在だった。

これが後に認定特異災害とも呼ばれる存在『ノイズ』との邂逅であった。

ノイズ達は人間に触れると、己自身と共に、人間を炭へと変える炭化能力が備わっていた。

其れを見た人々は可能な限り、ノイズに対抗しようと奮闘するも、結果は目に見えていた…完敗だった。

なす術が無く、未曾有の危機に晒された人類。

しかし、神は彼等を見捨てなかった…

 

 

神は数多の次元世界に存在する歴戦の勇者を呼び寄せ、ノイズ達に立ち向かわせた。

 

ある者は、剣や魔法と言ったファンタジー溢れる力でノイズを倒し、

 

ある者は、機械の身体・鎧、そしてあまつさえロボットまで用いて、ノイズと立ち向かう者もいれば、

 

ある者達は、数多の武器を掲げながら、立ち向かう歴戦の勇者もいた。

 

 

そしてノイズが滅び、人々は歓喜に満ちた。

 

人々はその歴戦の勇者達を象徴するかのようにある者を作り始めた。

 

其れはその人物達の特徴を最大限に書き記した石板だった。

 

勇者達は最後に人々に対してこう告げた。

 

『不気味な存在が完全に無くなったとは言い切れない。

もしかしたら、近い内にまた現れるかもしれない。

だが、臆するな。

新たなる光の希望が、俺達を導き、そして勝利へと誘うだろう。

その時までは暫しの平穏を約束する。

そして、その希望が現れたのなら、その者に尽力して欲しい』

 

其れが勇者達の最後の言葉であった。

 

其れから勇者達は人前に姿をあらわす事は無くなった。

 

人々は勇者達の事を、『英雄』と呼ぶようになった。

 

そして、彼等の行動を記した石板を【英雄の軌跡を記した石板】と呼ぶようになっていった。

 

 

ーーーーーー

其れから2000年もの間、ノイズ達は人前に姿をあらわす事は無く、

人々は其れを退治し、信仰していった『英雄』も忘れてしまっていた。

 

 

そんなある日の事だった…

 

ノイズが再び、2000年の時を超えて再び地球に観測されたのは…

 

そんな時に1人の女性が1人の赤ん坊を出産した…

 

「オギャ!オギャー!」

 

元気一杯に泣く男の子だった。

 

「産まれて来てくれて…ありがとう…」

 

この日、1人の女性が母親になった瞬間であった。

 

「これからよろしくね…憑友(つくも)

 

女性は赤ん坊に対して、その子の名前を言った。

どんな存在だろうと分け隔てる事なく接して欲しいと言う思いが込められた名前。

 

「ウキャ!アゥ〜」

 

名前が気に入ったのか、少年は嬉しそうに笑っていたように見えた。

 

こうしてこの世に1人の男の子が誕生した。

 

そして12年前。

その子…憑友が3歳になった頃。

とある研究施設にて、1人の少女の歌が、ある物を起動させた。

 

これが後に『ノイズ』達を相手に戦える人類の最後の希望…

 

通称『シンフォギアシステム』の誕生の瞬間であった。

 

 

物語の下準備は間も無く終える…

 

さぁ、誰も知らない『戦姫絶唱』の始まり…

 

 

 

 

その時はもう間も無くだ。



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2) 救済

今回は時系列を飛ばして一気に本編から6年前までスキップする事に。



『シンフォギアシステム』が誕生して、早くてもう6年の時が流れた。

 

彼…人絆(じんさい)憑友(つくも)は9歳になっていた。

彼は今、家族揃ってとある場所にて旅行に来ていた。

 

因みに彼の家族構成はと言うと、

 

「もうすぐしたら、目的地に着くぞ〜」

 

そう言いかけるのは、憑友の父親にして一家の大黒柱・人絆玄也(げんや)

口調こそは男っぽいのだが、顔付きがあまりにも女顔な為なのか…

いつも1人で外出する時は逆ナンされてしまうと言うコンプレックスの持ち主である。

その血が流れているであろう憑友に至っても同じ事が言えたのは言うまでもない。

 

「そうね〜。アウトドアも楽しまないとね〜」

 

そう言い返すのは、母性溢れるいや、訂正。溢れまくって、収まらない母性の持ち主は憑友の母親・人絆ジャンヌ。

本名は、ジャンヌ・カデンツァヴァナと言っていた。

カデンツァヴァナの家系の1人である。

 

2人が結婚した理由?…両方、一目惚れだそうです。はい…。

 

その後、父親の玄也がプロポーズして、ジャンヌは其れを了承。

交際期間?…そんな物は2人には存在しませんでした。

スピードや電撃よりも疾い光速結婚でした。

え?字が違う?いいえ、事実ですから…。

 

其れ以来、2人はいつもこんな風に毎日イチャラブな生活を送っていてる。其れは自分の息子の前でも当たり前にしているのは言うまでもなく、そうなってしまった為か。

憑友はこの歳でブラックコーヒーを最低3杯飲まないと寝付けないぐらいにまでゲンナリとしていたのである。

 

そして、そんな彼等に付き合ってられないと言った存在がいるのもまた事実で…

 

『やれやれ。困ったご両親だな。こっちの事も考えて欲しいものだな?そうだろ?憑友』

 

そう言ってきたのは1つの電子機器だった。

名はライド。正式名はライド・グラップラー。

かつては1人の人間としてこの世に生きて来たそうなのだが、

自身を実験台にして、『その人の魂を電子機器に宿らせたら、どうなるか?』と言う題材の実験をしたのだが、

運悪く、その時に特定認定災害『ノイズ』がライドの研究所を襲い、

電子に繋がれた状態のライドの身体を炭化させてしまったのだ。

その際肉体的には死亡したが、脳のスキャニングを実行、その精神体である魂は、その電子機器内に留まる事に成功したのであった。

その後に、玄也に発見され、現在では彼の家族として生活をしているのである。

因みに兄弟姉妹がいるそうなのだが、あまりその事に関しては喋りたがらないようで、逆に兄弟姉妹でありながら、共に競い合ったライバル関係だと自負している。

因みにライドは機械工学が得意なようで、他の兄弟姉妹は其れとはまた違った部門が得意だとか…。

 

と、そんな事を言ってる間に目的地に到着したようだ。

 

「さぁ、アウトドアを楽しもう!」

 

「おー!」

 

父の発言に母が応える。

 

『はぁ〜…こっちの事も考えて貰いたいものだな…』

 

「あはは…」

 

そんなラブラブな両親を前にライドは呆れてしまい、憑友は苦笑いを浮かべていた。

そんな時だった。

 

 

ドガァァンッ!

 

「「⁉︎」」

 

「な、何⁈」

 

突如、遠くの方から爆発音が聞こえた。

其れを聞いた憑友の両親は驚き、憑友は動揺していた。

 

すると、父・玄也はライドと話をしていた。

 

「ライド!この先で何かあったのか⁉︎」

 

『分からない。けど、こういう場合、大抵は碌な事にしかならないのがオチだろうな。…行くのか?』

 

「…ああ」

 

そう言うと、玄也は車の中に備え付けてあったある物を取り出し、そしてそ場所へと向かおうとした。だが、

 

「憑友⁉︎」

 

「っ!」

 

「⁉︎あの馬鹿息子が!」

 

向かおうとした時、憑友が勝手に爆発が起こった場所へと走り出したのだ‼︎

それに気付いたジャンヌは呼び止めようとするも既に遅く、玄也はすかさず後を追う事にした。

 

しかし、流石の子供だ。体力が衰えてしまった玄也よりも速いスピードで駆け抜けていったのだ。

 

「っく!こんな所で息子の成長ぶりを知らしめられるとはな…!」

 

だが、そこは親としての意地なのか、玄也も憑友の後を必死に追いかけていった。

 

ーーーーーー

 

そしてその頃、先を走っていた憑友は何かを見つけたのか、そこで足を止めた。

 

「⁉︎…女の子?」

 

そこには髪がオレンジ色の1人の少女が倒れていた。

 

「大丈…夫?…⁉︎」

 

少年はその女の子を抱き、そして気付いた。

女の子の口と瞳から…赤い液体が流れている事に。

 

「⁈…!しっかり‼︎」

 

憑友はこれがすぐに血だと分かった。

それにより憑友は急いで応急処置を施す事にした。

その時だった。

 

「‼︎憑友!」

 

「!お父さん!」

 

そこに漸く追いついた父・玄也は、憑友の隣に血が流れている少女を見た。

それに気付いた玄也は彼女の胸に耳を添えた。

 

…ドクンッ!…ドクンッ!…

 

「!まだ生きてる…私が担ぐから、憑友は先にお母さんの所に行きなさい。そして、治療道具を用意する様に頼みなさい!良いね?」

 

「!…うん!」

 

そう言うと憑友は一目散に来た道を逆走した。

それを見届けた玄也は、ライドを呼んだ。

 

「ライド。彼女の容態は⁈」

 

『これはかなりの出血だ。助かる可能性が見出しきれない。

けど、ジャンヌなら可能かもしれない。

兎に角、今は私がその可能性を断ち切らせるのを防ぐ。

私共々彼女を運んでくれ』

 

「分かった!」

 

そう言うとライドの機器から、医療用道具が現れて、彼女に繋げた。

それを見た玄也はそっと彼女を背負い、急いで家族の元へと走り出した。

 

 

「助けてやる。だから…死ぬんじゃねえ!」

 

ーーーーーー

 

其れからしばらく経ち、彼等は現在、近くの総合病院へと駆け込んでいた。

彼女…ジャンヌはこう見えて医者でもある。

それも総合医療に関しては随一の実力を誇る女性で、これまでに彼女に救われた生命は約1万を超した程だと言う。

そんな彼女が病院に赴けば勿論、看護師や医師は彼女に憧れを持っているのは事実で…

 

「‼︎ジャ、ジャンヌ様よ‼︎」

 

「⁉︎本当か‼︎ジャンヌ様ーー‼︎」

 

と、看護師や医師達が押し寄せる勢いで来たのは言うまでもない。

いつもなら誰とでもフランクに接する彼女なのだが、

今回ばかりは苛立っていた。…邪魔だからである。

 

「貴方達!急患がいるのに…邪魔したい訳?」

 

と、その一言で、皆は直ぐに恐怖し、直ぐに道を譲り受けた。

その道を走りながら駆け抜けるジャンヌは譲り受けた皆に対して『ありがとう♪』と気軽に接していて、

その時の玄也は、

 

「(こ、怖っ⁉︎あの姿…俺には一度も見せた事無いんだけど…。

口に言わずにしておこう…)」

 

と、察して口にして言わずにそのままにしておこうとしたが、

 

「聞こえたわよ…あ・な・た♪」

 

「⁉︎ご、御免なさい‼︎だから、生命までは〜⁉︎」

 

「そこまでする必要は無いけど…。後でゆっくり、O☆HA☆NA☆SIしましょうね〜♪」

 

「は、はひぃ〜⁉︎」

 

と、完全に尻に敷かれていたのであった。

それを見ていた憑友とライドはと言うと…

 

「『(仕事のON/OFFが激しいなぁ〜…)』」

 

と、違う意味で母親の事を思っていたそうな…。

 

その後、ジャンヌの計らいで緊急手術を行う事にした。

 

これから先はジャンヌにとっては戦いである。

患者を助ける…生命を救う為の治療と言う名の戦いを。

 

 

 

「お父さん…御免なさい。勝手な事をして…」

 

ジャンヌの手術中に憑友は父・玄也と2人きりで会話をしていた。

因みにライドさんは少女に繋がったままなので、ジャンヌに預けた。

 

自分の息子が反省しているのを見た玄也はそっと彼の頭に手を置いた。

 

「確かに、勝手な判断で先走ったのは歪めないな?」

 

「うっ…」

 

たが、そこは父として、しっかりと説教をした。

それを聞いた憑友はシュンとまるで小さくなったかのように身を縮ませた。

しかし玄也はそんな息子に対して次に取った行動は…頭を撫でた。

 

「…え?」

 

「驚く事は無いだろ?お前が見つけてくれなかったら、きっと今頃、あの子はこの時に死んでいたのかもしれないんだぞ?

その子を見つけたお前は、その子を救える可能性を見出したんだ。

今はジャンヌが治療にあたってるけど…

元を正せば、お前が見つけたから、ジャンヌが今、その生命を救おうと頑張っているんだ。だから…誇りに思いなさい。

誰かを救えたと言う事に…な?」

 

「‼︎…うん!」

 

玄也の言葉を聞いた憑友は嬉しくなった。

自分が見つけたから救える生命があると言う事に。

 

そして、手術中のランプが消え、そこから母親のジャンヌがやってきた。

手にはライドも所持していた。

 

「ジャンヌ。彼女は?」

 

答えは…

 

「バッチリよ♪貴方」

 

安否は確認が取れ、生存する事が出来た。

その時のライドは後にこう語った…

『あれは最早、神の域そのものだったな〜』と。

 

「一時はどうなるかと思ったけど、外部の方の傷が無かったから、後は内部の方の手術に専念出来たわ。

ただ、何か後頭部を強打した後があってね…もしかしたら、記憶喪失になっている可能性があるの」

 

しかし、それに伴う代償も判明された。

後頭部の強打で記憶が欠落している可能性があるという事に。

 

「それで、考えたんだけど…良いかな?」

 

するとジャンヌはある事を考えたので言おうとしたら…

 

「どうせなら、我が家に住ませようって根端は見え見えだよ?」

 

「あれ?バレちゃった?」テヘ☆

 

そこは玄也であった。

出会って間もないのに、もう奥さんの考えを読み解くとは…

恐るべしラブパワー(愛の力)…。

 

「…いいよ。何となく予想はしていたんだ。俺が言える事は何も無いよ。憑友は如何思う?君が助けた少女を我が家に住まわせるのは?」

 

「う〜ん…分かんない!

けど、楽しくなりそう!」

 

「ははは!そうかいそうかい!だってさ」

 

「りょうか〜い☆それじゃあ、あの子の所に行きましょ♪」

 

そう言うと、憑友達はまだ眠っている少女の元へと行った。

 

ーーーーーー

それから一週間が経ったある日の事。

 

「…う、う〜ん……こ、こは…?」

 

少女が目を覚ました。

少女は自分が何処にいるのか分からなかった。

 

「おはよう。具合は如何?」

 

突然聞こえてきた声に少女はその方に顔を向ける。

そこには1人の女性もといジャンヌが付きっきりで少女を看病していた。

 

「…貴方は?」

 

「私はジャンヌ。こんな格好だけど、こう見えてもお医者さんなのよ?」

「…貴方のお名前…憶えてる?」

 

ジャンヌからの質問に少女はこう答えた。

 

「…セレナ…セレナ・カデンツァヴァナ・イヴ。それが私の名前」

 

「…そっか」

 

少女…セレナは自分の名前を言った。

それに思い当たる事があったのか、ジャンヌは動揺するも、すぐに思考を通称・仕事モードにシフトする。

 

「他に憶えてる事ってある?貴方が彼処まで酷い怪我を負った原因を」

 

「…憶えて無い。

家族もいたのか如何かも分からない。もしかしたら、1人だったかもしれない…」

 

ジャンヌの質問にセレナは話す度に段々と暗くなっていくのを感じたジャンヌはすぐにその子を抱きしめた。

 

「え?」

 

「今は無理にでも思い出さなくていいわ。ゆっくり時間を掛けて、思い出して。それにもし、1人なら…

 

私の家族になっちゃいなさい♪」

 

「…え?…えぇぇぇ⁈」

 

ジャンヌの言葉により落ち着いたセレナだったが、彼女の爆弾発言に今度は逆に驚いてしまった。

 

「大丈夫よ♪愛しのダーリンと可愛い息子も了承したから!だから…

辛かったよね。うんと泣いていいから」

 

ジャンヌの囁きにセレナは泣いた。

何故かそうでもしないと、心が落ち着けなかったかのように。

 

それからは彼女・セレナは、ジャンヌ達に引き取られた。

それと同時に性名もジャンヌの夫・玄也の性・人絆に改めて、

 

人絆セレナと名乗るようになった。

因みに歳は13であった為、義理の姉と言う形で保護したのであった。

 

こうして憑友の家族に1人の少女が家族になった。

 

本来の史実に沿わない存在がいるという事に。

 

物語は別の所でも動き始めていた。

 

脈を放つ石の板に導かれるかのように…



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3) 胎動

新たなキャラの登場…


さて、無事にセレナを救った憑友の家族。

それとはまた別の場所で起こった事を話そう。

 

それは少し遡って、2年前になる。

本編から8年前だと換算しても構わないだろう。

 

そこで運命に翻弄されし2人の少年少女の物語が始まろうとしていた。

ーーーーーー

 

「もうすぐ着くぞ」

 

そう声を掛けるのは1人の男性。

名は雪音雅律。当時の世界では有名なヴァイオリニストである。

 

「クリスは大丈夫?」

 

「うん!」

 

そんな彼と共に付いてきたのは、彼の妻のソネット・M・ユキネと、

彼女との間に生まれた娘・クリスだった。

そして、もう1人…

 

「…」

 

「?如何したの?ロック?」

 

「…何でもない…」

 

ソネットの問いに対して、ドライに接する少年の名はロック・アイル・ユキネ。

彼は戦争孤児で、つい最近まで戦争に駆り出されていた悲劇の少年だった。

そんなロックを見つけた雅律達は彼を養子として迎えた。

昔は本当に口が堅く、笑いさえしなかった。

しかし、この家族と一緒にいたおかげである程度緩和されているようだ。

しかしそれでもやはり目付きは本当に鋭かった。

けれど、そこに優しさがある事もこの家族は知っていたのは言うまでもなく、ロックは少しこしょばゆい感じになっていた。

 

そんな彼等一家は現在、NGO活動で家族総出で南米はバルベルデにやって来ていた。

 

歌で戦争をなくしたいという願いのために…

 

しかし、それはこの地に来た時に消滅する事になるとは…

まだ、この時の家族は知らない……

ーーーーーー

 

あれから1週間。

彼…ロック・アイル・ユキネは身動きを封じられていた。

両方の手首足首を鉄の錠でがっちりと固定され、身動きすら出来ない状況になっていた。

 

 

「まさか此奴があの【冷眼のロック】とはな?へへっ!」

「数年前に俺らテロリストを脅かしていた存在がまだ10歳も満たねえガキンチョとはな‼︎ゲヘヘッ!」

 

「………」

 

【冷眼のロック】

それは、かつてロックが雪音一家に出会う前に貰った異名であり、二つ名であった。

幼いながらも、各地に蔓延るテロリスト達を殺してきた。

普通の人から見れば人を殺した殺人者だが、

弱き者達から見たら正義の象徴として捉えられており、

テロリスト達から言わせれば脅威としか成りえない最悪の存在だった。

 

しかし、その名は1年前に忽然と消えた。

理由は簡単だ…その時に雪音一家と出会ったからだ。

その影響があったのか、今の彼はテロリスト1人相手するのにもかなり苦戦させられ、終いには身包みを全て剥がされ、拘束されていた。

雪音一家と出会った為か、身体能力が大きく低下してしまっていた。

 

「(あの時…自分の技量を怠ったばかりに…

クリス…ごめん…)」

 

「あぁ?此奴、死んでるんじゃねえか?」

「そんな訳ないない!死んだら電気ショックが自動的に流れて無理やり蘇生させるんだからよ!」

 

ロックは心の中で悔やんだ。

自分が守ってやりたいと思えた存在の2人…クリスの両親でもある存在、雅律とソネットロックは力を失ったばかりに結果的に見殺しにしてしまった事に。

守ってやれなかった後悔の念に立たされていた。

 

「(こんな俺の事はいい…自由になって欲しい…クリス…)」

 

自らを戒めにかけた少年。

それは奇跡を生む切欠を作ったのかもしれない…

 

ーそれがお前の望みか?ー

 

「(…え?)」

 

突然、頭の中に聞こえてきた声にロックは周りを見渡す。

幸いな事にこの時、テロリスト達は元の配置場所へと戻っていたので、ロックの不可解な行動を見る事は無かった。

 

そんな中、辺りを見渡したロックは、近くに光る物を見つけた。

 

「…おま…え…なの…か…?…俺…に…話し…かけ…た…の…は…?」

 

それはひとつの石の板だった。

ただそこには無数の文字が書かれていた。

だが、あまりにも難しい字で書かれていて、分からなかった。

すると、ロックの言葉に反応したのか、

石の板…石板は突如宙に浮いたのだ!

 

「⁈」

 

当然、それに驚くロック。すると…石板が光を発し、点滅をしたかと思ったら…

 

ーそれがお前の望みなのかと聞いているー

 

「⁉︎…しゃ…べっ…た…だと⁈」

 

なんとその石板から喋ったのだ!

驚いて当然なのである。

 

ー私の力を貸してやらなくも無いぞ?ー

 

石板の声の持ち主は皮肉げに語り出した。

それを見ていたロックは少し苛立っていた。

ぶっ壊そう…そう考えていた。

だが、

 

「…」

 

しかし、それを実行に移す力を持っていなかった。

かなりのダメージで、肉体も精神もやられていたからだ。

 

ー…黙秘は肯定と取っても良いのだな?ー

 

それを聞いたロックは悔しくも首を縦に振った。

それを見た石板は浮いたまま、彼の手の方にやってきた。

 

ー私はご覧の通り、ただの石板だ。

だが、君が願えば、それは現実と化すかもしれないな?ー

 

「…頼む。…クリスを…

俺の義妹(いもうと)を…助けてくれ…」

 

彼の必死の訴えにその石板はこう答え返した。

 

ー助けてやるのは構わないが…

 

テロリスト達を倒しても別に構わないだろ?ー

 

「⁉︎…っ!」コクッ!

 

ーでは、石板()に触れたまえー

 

「っ!」

 

そして青年はその石板に触れた…!

その時、ロックは石板に刻まれた文字を見てそのまま書いてある事を言った…!

 

「『その者はかつては人間だった。

 

愛する者含みし少数を犠牲に多数の命を救おうとした愚かな存在。

 

やがてそれは《守護者》と言う名で呼ばれ、穢れ仕事をやらされん。

 

運命の夜の日、彼は1人の少女の元に現れん。

 

彼女の赴くままと同時に、人間だった頃の己を殺すと言う矛盾を行わん。

 

しかし其れは成す事は無かった。

 

其れを改めさせる機会を自ら生み出したから。

 

やがて男は自ら呼び出した少女にあの日の己を託し、この世を去らん。

 

しかし、彼の顔は笑顔であった…

 

その運命に彼は後悔しなくなったから…』」

 

石板に書かれていた事をありのままに喋ったロック。

すると石板は光り輝き、目を開けた瞬間にそこに1人の男がそこにいた。

 

白いマントと赤の外套を纏い、白髪で、肌が黒い男が、

先程の石板を左手で持っていながら目の前に現れたのだ。

 

「⁈…お前は…一体…」

 

「案ずるな、仮の契約者(マスター)。貴様の願いは聞き届けてやる。その証拠として先ず手始めに…」

 

と、男が言おうとした時、

 

パキィンッ‼︎

 

「⁉︎」

 

「手枷足枷を壊しておいた。これで多少は信用してくれるかね?」

 

瞬時にロックを捕まえていた枷が全て破壊された。それも皮膚に傷一つ付けない精巧な技術で。

 

身体の自由を得たロック。すると、男は白いマントをロックに羽織らせた。

確かに今のロックは身包み一つも無い。裸同然だ。

 

「風邪を引いては此方も参るのでな。

…貴様の妹は何処にいる?」

 

「…分からない。何処で何をされているのかも分からない…」

 

「…そうか。

手当たり次第探すとしよう。

仮の契約者(マスター)は此処で英気を養いたまえ」

 

そう言うと男が瞬時に消えたので、ロックは驚く。

騙されたのか⁈と。しかしそれは杞憂する事になる。

 

『だ、誰だ貴様は⁉︎』

『構わん!撃て‼︎』

 

近くで銃撃戦が行い始めた。

 

『う、嘘だろ⁉︎なんでこの弾丸の雨を避けられるんだ⁉︎』

『お、おい!待ってくれ⁉︎生命だけは…ぎゃぁぁぁ⁉︎』

 

「‼︎」

 

ロックは驚く事ばかりな現状にもはや思考も追いついていなかったのであった。

 

ーーーーーー

その頃、ロックが助けたかった少女、雪音クリスはと言うと…

同じ戦争孤児の皆んなと同室で1人だけ隅っこで丸まっていた。

 

「(もう、誰も来やしない…

お父さんも、お母さんも死んだ…

頼りになるロック義兄(にぃ)も今じゃ何処にいるのかさえ分からない…私はどうすれば…)」

 

1人という今の状況で彼女の心は折れそうになっていた。

すると、

 

『だ、誰だ貴様は⁉︎』

『構わん!撃て‼︎』

 

近くで銃撃戦が行い始めた。それに気付いたクリスは、耳音を立てた。

 

『う、嘘だろ⁉︎なんでこの弾丸の雨を避けられるんだ⁉︎』

『お、おい!待ってくれ⁉︎生命だけは…ぎゃぁぁぁ⁉︎』

 

クリスはこの時感じた。

テロリスト達よりも相当の実力者がこの場所に来たのだと言う事に。

 

このまま今度はそいつの下で扱かれるのかと思うと、この世の中に嫌気を感じ始めたクリス。

 

すると…

 

『ふむ。此処か…』

 

近くで声が聞こえた。男の声だった。

すると壁越しから男はこう告げた。

 

『この声の近くにいるなら離れておけ。

下手をすれば…死ぬぞ』

 

「⁈」

 

そう聞こえたので、クリスはすぐにその近くにいた孤児達を反対側の方へと押し退ける。

 

『…ふむ。賢明な判断、感謝しよう。

…はぁっ!』

 

中の様子が分かっているかのような話し方をしたのか、

男が言うと壁が一瞬で文字通りバラバラに…

()()()()のだ。

 

「はぁ⁉︎」

 

クリスはそこで初めて口を開いた。

銃や爆発物で壁を壊すと思っていた行動が、まさかの斬撃で壁を斬り刻んだと言う行為に。

 

そして現れたのは、赤い外套を羽織った白髪で黒い肌の筋肉質の男だった。

 

「雪音クリスとやらはどいつだ?」

 

「⁉︎」

 

男が自分を探していた事に激しく動揺するクリス。

それを見たのか、男はすぐにクリスの元にやって来た。

しかし、クリスは警戒を怠らなかった。

もしかしたら、此奴も違うテロリストの仲間なのだと。

だが、それは男の一言によって杞憂になる。

 

「…ロックという奴がお前を探していた」

 

「…え?」

 

それを言うと男はすぐに孤児達の方を向く。

 

「此処にいるテロリスト達は気絶している。だが、いつ覚ますか分からない。だから、急いでこの場から離れろ。

脱出ルートは確保してある。その道に突き進むが良い。私が保証しよう」

 

そう言うと孤児達は急いでそのルートへと走って行った。

クリスはそのまま男の方に顔を向けた。

 

「…あんた、名前は?」

 

クリスの問いに男はこう言った。

 

 

 

「…アーチャー。それが私の名だ、お嬢さん」

 

と、ギザな口調でそう語った。

 

ーーー

一方、ロックはとある部屋へとやって来ていた。

周りには大量の石の板があった。と言っても、7.8枚程度しか無いが。

 

「此処は…」

 

その部屋を見ていたら、

 

『この部屋に何の用だ?少年』

 

「⁉︎」

 

突然聞こえた声にロックは動揺し、辺りを見渡す。

しかし誰もいない…影すら存在しない。

 

『此処だ。少年』

 

「?…は?」

 

仕方がないと思ったのか、その声の持ち主は自分の居場所を教えた。

ロックはその方向を見ると、其処には人…では無く、電子機器があった。

 

まるでディスプレイのような形の電子機器にロックは啞然としつつも、それを手に持つ。

すると突如、ディスプレイが点滅し、

 

『ふぅ…ようやく見つけたか』

 

「⁉︎」

 

ガシャンッ!

『痛っ⁉︎乱暴に扱うな‼︎』

 

なんと其処から声がしたので、ロックは慌て、それを落としてしまい、電子機器は悲鳴を上げた。

 

「って言うか、お前、誰だよ⁈」

 

『人に物を尋ねる時は先ず自分から名前を名乗るのでは無いのかい?』

 

「…生憎、そう言う常識を教え込まれる前に蒸発したんでな」

 

それを聞いた電子機器は軽率だったと後悔したのだが、もう遅い。

後悔先に立たずである。

 

『…そうか。なら、今回のみ許そう。だが、次は無い。

私の名はソウル。ソウル・バレッツ。

かつては人だったのだよ、これでも。

だが、この電子機器に魂を移す実験をしていた時、『ノイズ』に襲われて、今ではすっかり体を無くし、魂はまるで付喪神のように電子機器に取り憑いた有様だ。

さて、私の事は話したから、次は君の番だよ?』

 

電子機器の名はソウルと言った。

如何やらライドと同じ実験の時にノイズに襲われてしまってライドと同じ状況になってしまったのかもしれない。

 

「俺は…ロック…ロック・アイル・ユキネ…

それが俺の名だ」

 

『ロック…成る程。さて、先の騒動がなんなのかはわからないが、私はこう言う身でな。

此処にある石板…『英雄石板』を探して見つけては、それを解読する事を夢見ている…単なるロマン馬鹿だと思ってくれ』

 

ソウルは自らをロマン馬鹿と自覚していた。

其れ程までにロマンスを大事にするような性格の持ち主であると自他共に認めていた。

それを見たロックはこの施設で初めて口から笑みが零れた。

 

「…ロマン馬鹿か。それよりも、早く此処から出たい。大切な義妹を救いたいんだ。

如何すれば良いのか…教えてください」

 

『…最低限の礼儀作法は教わっていたようだな。それなら大いに結構だ。

なら、私を使うといい。その方が確実に君の今の願いを聞き届けられるぞ?』

 

それを聞いたロックはソウルを持つ。すると、ソウルはロックの左腕に某OCGの専用ディスクのような形に変化した。

 

『既に此処にある石板は解読済みだ。だが、持っておいて損なことは無い。寧ろ、まだまだ価値がある物だ。

私をその石板達の方に向けてくれ』

 

「…こうか?」

 

そう言うとロックはディスプレイ画面を石板の方に向けた。

 

『上出来だ』

 

ソウルがそう言うと、なんと石板達がデータに変換され、最後は吸収してしまったのだ‼︎

 

『これでこの施設を放棄しても構わないだろう。

後は…これを使え、ロック。君に相応しい物だ』

 

そう言うとディスプレイ画面からフォルダらしき物が現れ、腰に装着され、更にそのフォルダから一枚のカードが現れた。

 

そのカードを手に取るロック。

 

「このカードは?」

 

『これから先、君が守りたい物を守れる力だ。

これを悪の為に使うな。それだけは約束してくれ…

さて、話を戻そう。

そのカードをこの電気機器・《ソウルアブソーバー》に装填してくれ』

 

「…ああ…こうか?」

 

そう言うとロックはディスプレイ画面を起こし、その機械の間にカードを差し込んだ。

 

『良し。次に関節辺りに付いているレバーを手の甲の方に持っていく。たったこれだけで君は成れる…英雄に導かれし存在に』

 

「英雄に導かれし存在?」

 

『細かい事は後程。今は此処から脱出しよう。先程からかなり荒れてきている。』

 

そう言っていると、天井が崩落し始めてきた!

 

「っ!」

 

ロックはすぐにそのレバーを手の方へと引いた!

 

『では、参ろうか!』

 

それは新たな存在の誕生の瞬間だった…!

 

ーソウル!フォーム…フォーマル!ー

 

そう言うとロックの身体が全身スーツボディに変わった。

更にディスプレイから青が主体の謎の物体が浮遊していた。

それを見たロックは慌てるが、

 

『大丈夫だ。危害を加えるつもりは無い。あいつの存在を受け入れるんだ。大丈夫、君なら扱いきれる!』

 

ソウルの励ましでそれを身に纏った!

 

ーお前らの魂!オレが頂く‼︎ー

 

謎の発声音と同時にその姿は露わになった。

 

蒼き外套を羽織った、新たな存在に。

 

「…!これは…!」

 

『それが君の新たな姿…水魂導師(スイコンドウシ)・ソウルだ』

 

「スイコンドウシ…!」

 

そう言いながらも彼はそのまま走り抜ける。

途中、壁などが崩れて行けない道のりも、ソウルの力を得た彼には単なる障害物でしかなく、

彼が通った後の道は障害物が何一つ無かったと言う。

 

ーーー

そして長い道のりを経て、無事に外に出る事が出来たロック。

途中でクリスに会う事も無かった彼にとっては、急いで探そうとしたが、

クリスは先に脱出しており、赤い外套を羽織った男・アーチャーの手によって、保護されていた。

 

「!クリス!」

 

「!その声…ロック義兄(にぃ)⁉︎」

 

クリスの驚き顔を見て、自分が今、変わった姿をしているのを思い出し、ソウルに話かけた。…小声で。

 

「…なぁ。これ如何やって?」

 

『心配はするな。レバーを元の位置に戻して、カードを抜けば元に戻る。…言うのを忘れていた。済まないな』

 

「いや、あの時に言う暇なんか無いのは重々知っているから…」

 

「何の話してんだ?」

 

と、不意にクリスが話しかけてきたので、ロックは慌てつつも、冷静に対処した。

 

「…いや、何でも無い。

今、元に戻るから…」

 

そう言うと、ロックはレバーを元の位置に戻し、カードを抜き、最後にディスプレイを元に戻した。

すると元の姿に戻った。

白いマントを羽織った、傷だらけの姿に。

 

「⁉︎しっかり!」

 

その後、2人はアーチャーの手により、一先ず安静にしていける場所を確保し、そこで生活をした。

その後、国連軍の介入により、その土地のテロリスト達は鎮圧化した。

それを見届けたアーチャーは、2人に別れを告げ、そのままカードになった。

だが最後にこう言っていた。

 

「案ずるな、私自身がこの世にいる時間が限界に達してしまっただけの事だ。

カードになれば、そこから意志が生まれる謂わば精霊みたいなものに成るだけだ。

お前達の傍から離れる事は無いさ。

お前達が私を持っている限りはな?」

 

それは謎の発言のように感じた2人だったが、それが現実に化した時は、本当に嬉しく感じていたそうだ。

 

そして2人は国連軍により、帰国された。

しかし、それは同時に物語の歯車が動き出す時でもあった。

 

ーーー

2人が見たのは保護施設というよりももっと言い方を悪く言えば、調教するようなまさに拷問とでも呼べるような場所だった。

そんな雰囲気に嫌気がさした2人はそれから行方不明になった。

 

そんな2人を見つけたのは…

 

「付いてきなさい…」

 

後にそれが世界を絶望へとかえる女性…

 

 

《フィーネ》との出会いであった。

 

 

さぁ、物語は確実に整って来ていた…

この先にあるのは、希望か、絶望か。

それとも…そのどちらとでも無い…何かなのだろうか…

 

それを知る者はこの世には存在しない…

 

そう…()()()()()…ね。



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4) 邂逅

この時から運命の歯車が動き出した瞬間でもあったのかもしれない…


それは本当に唐突な出来事であった…

 

セレナを家族として迎えた人絆一家。

彼等は今は長い世界旅行から日本に帰国して、

現在は東京の中でも、都会に近いながら自然と向き合える場所に家を持ち、そこで生活していた。

自然と調和した都会的なシンボル。そんな感じな場所に家がある。

 

ここは交通のアクセスが都会に次いで便利で、

更に通信環境も整っているまさに生物にとってのユートピアとなっていた。

その為か、この場所は「自然都会」と言う名で知られているのである。

 

 

 

ーーーーーー

さて、そんな話は置いておいて。

今は9月の始まりであった。

この日から憑友は学校へと勉学に励んでいる。

 

今日も片道10分ちょいの電車に乗り、学校へと向かっていた。

そして、学校に近付いてくるとお決まりのパターンがやって来るのである…

憑友にとってはこれが毎回うんざりさせられているのである。

それが…

 

 

 

 

「憑友〜‼︎」

 

ドバァッ!

 

「うぉっ⁉︎」

 

ゴテンッ!

 

憑友の後ろを思いきり抱き付き、

憑友は踏み止まろうとしたが、

運悪く、小石につまづき、憑友はそのまま顔面強打した。

 

「⁉︎ご、御免⁉︎…大丈夫?」

 

それをやった自覚があるのか、こっちに顔を向けるのは1人の少女だった。

 

髪が少し黄土色で、少し幼げな少女がいた。

すると、そんな少女の後ろからまた違う声が聞こえた。

 

「もう…駄目だよ。

憑友君は此処最近まで世界を周って来たんだから。

体力がきついんだよ?…大丈夫?憑友?」

 

そうやって、少女に注意しながらこちらを見るのは1人の女の子だった。

 

先程の少女と違い、ビリジアン(深緑系)の色合いの髪を白いリボンで纏めていて、少し母性がある少女だった。

 

その2人を見た憑友は話しかけた。

 

「痛たた…。と、兎に角…おはよう。響。未来」

 

「うん!おはよう!」

 

「おはよう♪」

 

黄土色の髪の子は響、白いリボンの子は未来と言っていた。

 

ーーこれが『シンフォギア』の主人公の立花響と、彼女の幼馴染の小日向未来の2人その者である。ーー

 

実はこの3人は共に仲が良く、いつも「仲良し3人組」と学校内では人気者になっていた。

 

「と、その前に…」

 

と憑友が言うと、響のおデコに…

 

パチンッ!

 

「痛っ⁉︎」

 

デコピンをした。

された響は痛そうにしていたが、

それをやる前にもっと酷い事をした(貴方)が悪いのは言うまでもなく、

 

「さっきの抱きつきのお返し♪」

 

「酷いよ〜⁉︎」

 

「これは流石に響が悪いんだからね?」

 

「未来まで⁉︎…私、呪われてるかも…」

 

こればかりは自業自得であるのだが…。

 

と、何時もこんな感じで話をするのである。

3人は共に仲が良く、絆で得た何かと思わせるような物を持っていたのであった。

 

そんな中、

 

ーピチョンッ…ー

 

「?」

 

憑友は何かを感じとったのか、辺りを見渡した。

 

「?如何したの?」

 

「如何かしたの?」

 

それを見た2人は憑友を心配していた。

 

「…御免。何でも無いや…さ!行こう行こう!」

 

「ああ、ちょっと⁉︎」

 

「ちょっと、憑友⁈」

 

そう言うと憑友は右手で響の左手を、左手で未来の右手を握るとそのまま走ったのだ!

響と未来はそんな憑友に勢いで流されながらも楽しく今日も過ごしていた。

因みにその時の2人の顔が少し赤くなっていたのは言うまでも無い。

 

 

すると、彼等のいた場所から1人の青年が何処からともなく現れた…!

まるで、幽霊の様に。

 

「彼奴が…人絆憑友か…」

 

そう言うと、青年はすぐに消えてしまった…!

まるで、そこには何も無かったかのように感じながら…

 

 

ーーーーーー

一方、此処は憑友の家の一角で、父・玄也の仕事場であった。

 

「あんまり無茶し過ぎると、憑友が心配しますよ?お義父さん?」

 

「ははは…面目無い。」

 

そこには玄也の妻・ジャンヌによって生命を救われ、現在は養子となった憑友の義姉・セレナと、父・玄也がいた。

因みに、デスクワーク上にはライドもいたりする。

 

玄也が仕事に没頭しているのを見たセレナはお茶を持ってきて、休憩を促した。

それに気付いた玄也は苦笑いをしつつも、しっかりと反省していた。

 

「…本当に学校に行かなくて良かったのかい?」

 

玄也はセレナにそう質問してきた。

本来なら彼女の年齢だと、中学校で通って、友達を作り、彼氏が出来たり、勉学・部活動に積極的に取り組んだり等、思春期真っ只中にいるのであるが…

 

「勉学なら心配しないで。こう見えて、頭は冴えてるんですよ♪

身体は軽いジョギング程度しかしないので…本当は身体を動かさないといけないんですけど、運動音痴で、あんまり好きにはなれないかな…。

友達の作り方も知らないから…。

それに…彼氏と呼べる存在は今の所居ないから…」

 

「…そうか。

…なら、無理矢理って言うのは良くないしね。

行きたいと思えるようになったら、言いなさい。

セレナは私達にとって、かけがえのない家族だからね」

 

「!…はい!」

 

『うん。セレナも家族の輪に入れて、私としても実に喜ばしい限りだ♪』

 

「ありがとう♪ライド。貴方が応急処置して無かったら、今頃私…」

 

「ネガティブな話は無〜し、だったよね?」

 

「あ…えへへ。御免なさい☆」テヘッ☆

 

と、そんな風に今日も一日、元気に過ごしていた。

するとセレナが玄也の机にあった一枚の石の板を見た。

 

「?そう言えば、お義父さん?この石板みたいなのは?」

 

セレナの問いに対し、玄也はこう答えた。

 

「?…ああ。これかい?これはね…

【英雄の軌跡を記した石板】と昔の人達がそう呼んでいた物で、今では略称名として『英雄石板』と呼ばれている物だよ。

世界に少なくても100枚は必ずあると言われている歴史遺産なんだ」

 

自信満々に言う父・玄也の話にセレナは釘付けになった。

すると、玄也はこんな話をし始めた。

 

「現在、都市伝説で『シンフォギア』と呼ばれる戦士達がいるのは聞いた事あるかな?」

 

その問いにセレナは首を縦に振る。

 

『シンフォギア』とは、今現在において現れた『ノイズ』に対抗しうる力を持った戦士達の事。

都市伝説なので、本当にいるのか如何かは分かってはいない状況なのだが、こういう噂話で出て来ているくらいだから、半信半疑なのは仕方のない事だった。

 

 

「その『シンフォギア』達と同じいや、それ以上の力で、ノイズを倒したって、とある場所の壁画に描かれていたんだ」

 

「そんなに前からノイズが⁉︎」

 

玄也の発言に驚くセレナ。

無理もないのも頷ける。

 

今、巷で大量発生中の認定特異災害『ノイズ』が昔、その壁画に描かれていた時代にも現れていた事に。

 

「ああ。だが、驚くのはまだはやいぞ?

先ず、『シンフォギア』と呼ばれる力を持つ戦士達は、歌を歌わなければ、力を発揮する事が出来ない。と、都市伝説内で聞いたんだ。

だが、この石板に書かれている戦士達。…ここでは、総称して『英雄』として考えておこうか?」

 

そう言うと玄也は近くに置いてあるソファにセレナを座らせると、近くに置いてあったコーヒーをセレナに渡す。

セレナはそれを受け取ると、後ろを見ながら、ゆっくりとソファに腰を下ろして、話を聞く事にした。

因みにライドも、ソファ間の机に置いた。

 

「さっきも言った通り、『シンフォギア』の戦士達は歌を歌わなければ、その身の力を発揮する事が出来ない仕組みがあるらしくてね。

都市伝説内のビデオを見ても、やはり歌を歌って攻撃している事が分かったんだ。

何故、唄を歌いながら攻撃しなければいけないのかは、流石の僕でも、それは専門外なんだけどね。

 

だが、英雄達は歌を『歌わない』存在が殆どだったという事。

つまり、元からノイズ達を圧倒する力を持っていたんだ。

それも…下手をすれば…

この地球を消滅するぐらいの力を、彼等はしていたんだ」

 

「⁉︎」

 

その話を聞いたセレナは驚愕した。

其れ程の実力者達が『ノイズ』と激戦を繰り広げたという事に。

 

「僕はね、この石板に書かれている『英雄』達の軌跡を読み、そして解き明かしたいんだ。

『英雄』達が行ってきた数々の偉業をね」

 

話を聞き、玄也の目標を聞いたセレナは衝撃の言葉を言い放った。

 

 

「…ねぇ、お義父さん。

それ…私にも出来るかな…?」

 

「え?」

 

それは、唐突だった。

なんと、セレナが玄也の手伝いをしたいと言ってきたのだ。

本来なら、そこで反対し、幸せな人生を歩んで欲しいと思っているのが大半である。

玄也もそう考えて言おうと思ったが…

セレナの瞳の奥に眠る小さな小さな揺るがない精神に…負けた。

 

「…はぁ〜…

…本当にそれで良いのかい?

もしかしたら、開いてはいけないパンドラの箱かもしれないんだぞ?」

 

「それでも…良い。

私も、興味と同時に真剣になりたいものを見つけたいから!」

 

「…はぁ〜…

こう言う所は、ジャンヌに似てきたかもな…

…分かった。完敗だ。俺の負け。

セレナの好きな様にしなさい」

 

「!本当⁈「但し!」?」

 

「危険だと思うものには触れるな。これだけは約束してくれ。

良い?」

 

「…はい!」

 

そう言うとセレナと玄也は指切りをした。

それは同時に、大切な約束事でもあった。

命の危機にまた直面して欲しくない、娘に対する父の親心でもあった。

 

 

すると、それに反応したのか、デスクワークに敷かれていた約10枚程の石板の内の一つが、光り輝いたのだ!

 

 

「「⁉︎」」

 

もちろん、それを見たセレナと玄也、ライドも驚いた。

 

玄也は慌てて、その石板を見て、ソファ間の机に置いた。

 

「これは一体…何が起こっているんだ…⁉︎」

 

玄也は動揺しながらも不思議がっていた。

すると、セレナはその石板に少し触れた…その時だった。

 

「…!え⁉︎何これ⁈…」

 

それを感じとったセレナ。すると、石板に書かれていた文字を見るや、

 

「(え?嘘…読める⁈…読んでみよう…)」

 

なんと、それが読める事に驚いていた。

そこで、セレナはそれを試してみた…!

 

「『その者 肌の色を除いて全てを黒に染めん。

 

ある時は人の姿をして、二振りの剣で全てを斬り伏せん。

 

ある時は背中に羽を生やし、妖精の姿となりて、空を制し、巨大な剣で戦わん。

 

またある時は、髪を伸ばし、銃と光り輝く剣を用いて、数多の弾丸を薙ぎ払わん。

 

そしてその全てを得た力は、愛する者達を守る剣とならん』」

 

「⁉︎…読める…のか⁈」

 

『何っ⁉︎』

 

すると、突然、光が強くなり、部屋全体を覆った!

セレナ達は光の眩しさに、目を閉じ、腕で防ぐ。

 

すると同時に、そこから「スタッ」と、足音が聞こえた。

 

そして光が消え、そこでセレナは目を開けた。

そこに居たのは…1人の青年だった。

 

髪が黒く、黒色のコートを羽織っており、これまた黒のズボンを履いた青年だった。

そして、背中には黒と水色の剣のが備わっていた。

 

「くぅ〜!よく寝た〜…って…ここ何処だ?」

 

「…あ、あの〜…」

 

「ん?…あんたは?」

 

それが初めての出会いだった。

 

「私、セレナって言います!貴方は?」

 

「俺か?…俺は…キリトって言うんだ。宜しくな」

 

キリトと名乗った青年。

これが、後の運命に大きく動くとは、まだこの時の皆は…知らないのであった。

 

 

ーーーーーー

 

一方、憑友はと言うと、学校が終わり、響と未来と帰路についていた時だった。

 

ーピチョンッ…!ー

 

「(…まただ。今朝も感じたこの感覚…一体…)」

 

「それでね〜…?って、聞いてる?憑友!」

 

「⁉︎…はへっ?」

 

今朝と同じ事が先程起こったので、憑友は考えていたら、響によって悉く阻害させられたのである。

おまけに変な発音までする始末である。

 

「『はへっ?』じゃないよ〜!話聞いてた?」

 

「…ゴメンなさい。聞いてませんでした…」

 

「むぅ〜!」

 

「今日一日、上の空だったよ?如何かしたの?」

 

憑友が自分の話を聞いていなかった事に、顔を膨らます響。

それと同時に、未来にまで心配させられる始末であった。

 

「あはは…ゴメン。

それで、何の話してたっけ?」

 

「今、話題のユニット『ツヴァイウイング』の事だよ!」

 

憑友はこれ以上は無意味だと判断して、響の話に専念した。

すると響は今、音楽業界にて人気を博しているユニット『ツヴァイウイング』の話にシフトした。

 

「あの2人の声って、癒されるんだよね〜」

 

「でも、憑友も中々の歌上手なんだよね♪」

 

「はいはい。照れるような事言われても、俺は照れないからな〜」

 

実は、憑友も実は歌が上手い。

何気に鼻唄交じりで授業中歌っていたりしているので、常に赤っ恥をかく程、彼にとっての黒歴史なのだが。

 

其れ程にまで、歌が上手いのである。

因みに彼の母・ジャンヌも歌上手である。

彼女が歌っただけで、軽い怪我が治ったとか言う患者もいたりする程…。

歌で怪我が治るとか何処かのアニメのような事を起こすな…憑友(あなた)の母親様は‼︎

 

「寧ろ、憑友君のは癒すというよりも…人の心を熱くしてくれる何かがあると私は思うな〜」

 

「あ、未来もそう思った?私も!」

 

「相変わらず仲がよろしいようで…」

 

そんな2人のテンションを見た憑友は帰り際に購入したコーヒーゼリー(ブラック100%)を3個同時に口の中に頬張った。

 

「もちろん、憑友もだよ!」

 

すると響が放った言葉に、憑友はコーヒーゼリーを瞬時に呑み込み、

 

「…ったく。ほら行くぞ、『太陽』、『陽だまり』」

 

そのまま2人よりも先に前を歩いた。

それを見た2人はお互い顔を見るや、クススと笑っていた。

 

「待ってよ〜!『月光』!」

 

「置いて行かないで〜」

 

そんな中でも、3人は今日も一緒に帰って行った。

 

そして、それを見ていたのは今朝に現れた1人の青年だった。

 

「…後、3年…か…」

 

そう言うと青年は人混みの中へと消えていった…

まるでそこには何も無かったかのように…

 

 

ーーーーーー

 

一方、此処はとある場所。

 

「〜♪」

 

そこには2人の女の子がいた。内、1人は歌を歌っていた。

1人は髪とスーツらしき物が青で統一された少女で、

もう1人は逆に髪が少し赤みのかかったオレンジで、スーツらしき物がオレンジの少女の2人だった。

歌を歌っているのはその内の前者の方(青の少女の方)だった。

2人の女の子がある者と戦っていた。それは…

 

『○☆□◇▽△』

 

今、世界が震撼していた認定特異災害『ノイズ』だった。

 

「はぁ…はぁ…ったく。どうしたもんかな…。翼…まだ戦えるか?」

 

「はぁ…はぁ…大丈夫…奏となら、何処までも!」

 

「ははは…心中だけは御免だからな…はぁぁぁ‼︎」

 

そう言うと『奏』と呼ばれた少女は自ら持っていた槍で、数多の敵を薙ぎ払っていく!

そして『翼』と呼ばれた少女もまた、己が持っていた刀で、ノイズ達を斬り伏せていった!

 

だが、いつにも増して、かなりの数のノイズに流石の2人もスタミナが切れかかろうとしていた。

 

そしてそれが隙を生んでしまう…

 

「⁉︎奏!」

 

「⁉︎」

 

奏が少し鈍らせてしまい、背後からノイズが攻撃を仕掛けてきていた!

此処までか、奏がそう思って、目を瞑った。

 

が…一行に襲ってこない。

 

「……え?」

 

目を開けてみた奏は驚いていた。

ノイズが瞬時に、炭へと化していた事に。

 

呆然とする奏に、後ろから声が聞こえてきた。

 

「よっしゃー!俺様、ナイスファインプレー!」

 

「!…民間人⁈」

 

「!此処から離れろ!死にたいのか⁉︎」

 

そこにいたのは1人の青年だった。

緑の髪と、アクティブ系なボーイッシュスタイルが特徴の少年だった。

 

2人はその青年を避難させようとしたが、青年はそれを人差し指を立てて、指を振った。

 

「チチチチッ!甘く見ないでくれよな?都市伝説の存在・『シンフォギア』装者様?

俺はこう見えて…場数には慣れてんだよ…

行くぜ!スピリット!」

 

『こっちの準備は万端よ!』

 

そう言うと青年の懐から電子機器ーー《スピリットアブソーバー》と言うーーが現れて、青年はそれを左腕に装着した!

そして、画面を起こし、腰にあったフォルダの中から一枚のカードを取り出した!

 

「カッコよく決めるぜ!」

 

すると青年はそのカードを電子機器の画面の間に挿し込み、そして…

 

「…変身!」

 

そう言うと肘の関節部に備え付けられていたレバーを手の方へと引いた!

 

ースピリッ()!フォーム…オリジン‼︎ー

 

そう言うと、彼の腕に付けられていた電子機器のディスプレイから羽を生やした何かが現れた!

 

そしてそれを青年は纏ったのだ!

 

ー精なる魂、私に刻め!ー

 

そして現れたのは、その何かを纏い、羽根を生やした…正に、妖精のような姿をした青年がそこにいた!

 

「!」

 

「お前は一体…」

 

その姿を見た2人は驚いていた。

そんな2人に青年はこう答えた。

 

「俺の名はスピリット。風の魂を導く師者。

風魂導師(フウコンドウシ)・スピリットだ!」

「さぁ、ノイズ共!今度はこの俺の暴風を…止めてみやがれ!」

 

そう言うと青年…スピリットはすかさず前に出た!

そしてノイズに向けて拳を突き出した!

 

「「⁉︎」」

 

それを見た2人は驚かされた。

その拳で…ノイズを倒したから。

 

「まだまだこんなもんじゃないぜ!

ミドリ!力を貸してくれ!」

 

そう言うと青年の腰にあったフォルダらしき物から突如、カードが現れた!

青年はそれを取ると、すかさずスピリットアブソーバーの画面を起こし、先程装填したカードを取り出し、左手に持っていたカードを装填した!

 

ースピリット!フォーム、ミドリ‼︎ー

 

そう言うとディスプレイから今度はロッドと呼ばれる両手棍を持った緑のパーカーを着た何かが現れた!

 

そして、それを青年が纏った!

 

ー聖なる扉!風の咎人‼︎ー

 

そこには、先程その何かが使用していたロッドを持ち、緑のパーカーを羽織った青年がそこにいた。

 

「この風は、生涯止むこと無し!

風を纏いし少女の魂!ミドリフォーム、見参!ってな!」

 

そう言うと青年はその両手棍を自由自在に操って見せた!

まるで、風と共に踊っているかのように。

 

それを見ていた2人は驚きつつも、美しく感じていた。

 

 

「これでラストだ!」

 

そう言うと、青年は左腕に装着されたアブソーバーに備わっているスイッチを拳で叩いた。

 

『スピリット・ミドリ!フルドライブ‼︎』

 

「はぁぁぁぁあ‼︎」

 

そう言うと彼の周りに大量の風が徐々に視界に捉え切れるほどの膨大な量を生み出し始めた…!まるで、小さな台風のように。

 

「行っけぇぇぇぇ!"エアリアル・ドラゴン"‼︎」

 

そう言うと青年はノイズに向かって、その風の塊を投げつけた!

 

ノイズ達はそのまま飲み込まれ、そして…

 

 

ドガァァァ!

 

暴発で、一掃されたのであった。

 

「ふぅ…1丁あがり♪」

 

そう言うと彼はアブソーバーを起こし、先程使用したカードを引き抜いた。

 

すると、彼は元の姿に戻った。

それを見た奏と翼の2人は驚きながらも、接触した。

 

「あんた、やるね。一体、何者なんだ?」

 

「俺は風の向くまま気のむくままに行動する流浪人。

だが、まぁ…この場所も悪くはないな。

俺の名は精妖 霊風(せいよう レフ)。幽霊の霊と風で、霊風(レフ)。よろしくな!」

 

奏の言った一言を青年・霊風はその明るさで自己紹介した。

 

「私は『天羽奏』。んで、こっちは私のパートナーの『風鳴翼』だ」

 

「って、ちょっと奏⁉︎なんで民間人に名前教えるのよ!」

 

「ふ〜ん?奏と翼ねぇ…んじゃ、よろしくな!」

 

それもまた運命に近づく為の邂逅だった。

 

彼・霊風との出会いを果たした翼と奏。

あの後、霊風は2人と共に特異災害対策機動部二課ーー通称・特機部二ーーに配属された。

『シンフォギアシステム』以外で『ノイズ』と立ち向かう青年の存在は、後に新たな運命を招き寄せる事になった…

 

全てはあの…2年前のライブが運命を起こした事だったかもしれない…



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5) 兆し

時の流れは新たな時を生み出す…


それは時が進み、2年前。

あの後、家に帰ってきていた憑友は、見慣れぬ顔を見て、驚かされた。

また、1人…しかもいつの間にか、家族が増えてると言う感情に。

 

しかし、話を聞いた限りでは、

肝心のその1人の名はキリトと呼ばれていて、別世界に存在する『英雄』の1人だと、言ってきたので、「嘘だぁ〜」と、言い返そうとしたが、セレナ本人がその真実を知っており、その話を聞いて憑友は一瞬、時間が止まったかのように動きを止め、そこからうって変わって、パニック状態になったのは言うまでもない。

 

しかし、時間の流れは人の本質を変える事が出来るようで…

時間が経つにつれ、それが当たり前のように感じていた。

 

ーーーー

そんなある日の事だった。

 

「え?俺から剣術を学びたい?」

 

「お願いします!師匠(せんせー)!」

 

何故こうなったのかというと、事の発端は先週の日曜の事だった。

 

その頃からすっかり家族として受け入れた憑友はキリトと共にとある山中で、アウトドアを堪能していた。

 

そんな時に熊が襲いかかってきて、憑友はパニック状態になった。

すると、キリトが背中に背負っていた黒い剣で、熊を斬り伏せたのだ!

それを見た憑友はキリトの事を憧れるようになり、

 

そして今に至るのである。

 

「俺の剣技はあんまりお勧め出来ないんだけど…」

 

そう言いながら、ぽりぽりと頬を掻くキリトを他所に憑友は完全に目が覚悟を持っていた。

 

「…はぁ。分かったよ。やりゃあいいんだろ⁉︎」

 

流石のキリトもこれには降参した。

 

因みにこう言う行為は憑友自らの物では無く、義姉セレナから教え込まれた方法だった。

つまり、キリトはセレナの覚悟の仕方に負けたのである。

…英雄としては少しみっともないである。

 

けど、いざ練習をしてみると如何だったか。

キリトの実力を前に、憑友はキリトに一撃すら与えられなかったのである。

 

「良し。今日は此処まで。明日もやるぞ」

 

「お、押忍…」

 

それからほぼ毎日。

土日祝日は予定が無い時と飯時以外は朝から夜まで、

平日は帰ってきてから夜までの時間を要した。

 

そして…

 

「はぁぁぁぁあ!」

 

ガキィン!

 

「んな⁉︎」

 

キリトの剣技を教わった憑友はあっという間にキリトに1本を取ったのだ!

 

「マジかよ…」

 

それを悟ったキリトは苦笑いを浮かべながらも、嬉しく思っていた。

かつて、自分の剣技を教えたキリトにとってかけがえのない相棒に。

 

「(ユージオ。お前、今日から兄弟子だな…)」

 

そう感じていると、キリトの身体が透け始めた!

 

「へ?…!キリト⁉︎」

 

キリトの身体の変化に気付いた憑友はキリトの所にやって来た。

 

「如何して⁉︎」

 

「あはは…。…如何やらお別れみたいだな」

 

「え?嘘…嘘だよね?…お願いだから、嘘だって言ってくれよ!」

 

あまりの出来事に憑友は追いつけなかった。

何せ、つい最近まで一緒に生活していた人が突然消える事が、どれだけ辛い事なのか。

 

しかし、それはキリトも同じである。

 

「俺は、昔、14の時に人生を大きく変えられた。信頼に足る存在、大切な仲間やフレンド、相棒、そして愛する人。

俺はそんな人生の中を生き抜いて来た。

だから、お前も頑張ってみてくれ。

心配するなって。俺は…いつでも、お前の…傍に…いるから。

お前が…憑友が…持って…いる…か…ぎ…り…な……」

 

そう言うとキリトは光となって消えてしまった…

残っていたのは、キリトの顔写真が載ってるカードだけだった。

 

「うわあぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

その日、憑友は泣いた。

まるで涙が雨のように流れ、そしてそれは枯れる事になった。

 

ーーーーーー

「…成る程。

大丈夫みたいだ。彼はこの世界での顕現していられる時間が無くなってしまったんだろう。

だが、今は彼はこのカードの中に眠ってる。

何れまたひょっこりと声を出して、目を覚ますさ」

 

「そうなんだ…良かった…」

 

その後、玄也の調査の結果を聞いたセレナは一先ず落ち着いていた。

彼女もまた、キリトに対して仲良く接してきた存在だったから。

セレナはこの事を憑友に言おうか如何か考えていた。

 

「大丈夫。憑友は君の事を信頼している。それにこの事も本当だから、直ぐにでも報告した方が良いよ」

 

「!…はい!」

 

その後、セレナから話を聞いた憑友は嬉し泣きをしていたと言う。

彼が死んだ訳では無く、カードとなって、今後も居続ける事になると言う事に。

それに伴って、ライドがフォルダケースを作成し、憑友はいつも肌身離さず持ち歩くようになったのだとか。

 

ーーーーーー

それから1月経ったある日の事だった。

それは学校の昼休みの時だった。

 

「え?『ツヴァイウイング』のライブ?」

 

「うん。響も誘ったから、後は憑友君だけなんだけど…良い?」

 

「う〜ん…日時を教えてくれないか?」

 

突然、未来から今、日本を代表する有名アーティスト『ツヴァイウイング』のライブ会場に行かないかと誘われてきたのである。

ちなみにもう響とは既に連絡済みで、快く了承していた。

 

「えっと…☆月○日だけど…その日って、開いてる?」

 

そのライブの日時を聞いた憑友はスマホを弄った。

 

「ん〜…この日は父さんと義姉さんと一緒に最近発見された石板の回収と解読の日時だな…」

 

と、生憎予定が詰まってしまっていた。

その事を聞いた未来は残念そうにしていた。

憑友も同じなようだ。

 

この時から憑友は『ツヴァイウイング』の、それも『天羽奏』の大ファンになっていた。

彼女の歌には自分と同じパワフルなボイスに魅了されて、ファンになったんだと。

 

残念そうにしていると、突然スマホから着信が来た…都合が良すぎやしないかい?

 

それに気付いた憑友は受信先を見た。

そこには「父・玄也」と書かれていた。

それを見た憑友は未来に断りを入れて、通話をした。

 

「もしもし?」

『やぁ!今は大丈夫かい?』

「別に…今は昼休みだから構わないけど…都合良い時に電話掛けてくるね?」

『あはは…。学校の流れ的な用紙を見て、時間を見たら、ちょうど昼休み時だったから掛けたんだ。

と、話を逸らす前に…

前に話していたろ?☆月○日の()()

「ん?確かその日は義姉さんと父さんと一緒に石板の回収と解読の日じゃ無かったっけ?」

『その事に関して何だけど…

☆月*日に変更になったんだ。だから、その日は特に何も無いから。それだけ言おうと思っていたんだ。

それじゃ、学校の方…お節介かもしれんが、念の為。

勉強はしろよな。以上!』ガチャッ!

ピッ!「…都合が良すぎるな、おい…」

 

なんとも都合が良すぎる内容だった。

まさかの日時変更に憑友は呆然としつつも、若干嬉しかった。

 

「如何かしたの?」

 

と、今まで黙っていた未来が話しかけてきたので、先程の電話の内容を話すと、未来は大いに喜んでいた。

憑友も同じだったので、未来からそのライブチケットを貰ったのであった。

 

ーーーーーー

そしてその日の夜、家族揃っての食事時に昼間の事を皆に話すと、皆は快く了承してくれた。

ただ…

 

『そのライブ会場。私も連れて行ってくれないか⁈』

 

「ど、如何したのライドさん?」

 

ライドのあまりのテンションに流石の皆は引いていたのだが、

セレナがその話をした。

 

「実は、ライドさんね。そのライブ会場内にもしかしたら、『英雄石板』があるかもしれないって言ってるの。

だから、連れて行って欲しいんだけど…?」

 

「へぇ〜、『英雄石板』がね〜。

分かった。但し、キリトのカードも一緒に連れて行くからね!」

 

『それに関しては問題無い!寧ろ、持っていてくれ!』

 

こうして、憑友の初めてのライブ観覧はライドとカード化したキリトと同行する事になった。

 

ーーーーーー

そして迎えた当日!

 

憑友はライブ会場に足を運んでいた。

黒のジーンズと、鮮やかな炎をあしらったシャツを着て、その上に、薄地で黒のコートを羽織っていた。

すると、

 

「…あ、おーい!」

 

「ん?あ、おーい!響!こっちだ、こっち!」

 

遅れて、響がやって来た。けど、それでもまだ開演1時間前である。

 

しかし、憑友は違和感を感じる。

そしてそれはすぐに分かった。

 

「あれ?未来は?」

 

「え?先に来ていないの⁉︎」

 

そう…肝心の誘った本人・未来がまだ会場に来ていなかったのだ。

 

「何やってんだよ…全く」

 

すると憑友はスマホを取り出し、未来に連絡を掛けた。

 

ーーpipipi…pipipi…prrrrr…prrrrr…ガチャッ!ーー

『はい、小日向です』

 

如何やら繋がったようで、憑友は話をした。

 

「憑友だけど、今ライブ会場に居るんだけど、何かあったのか?」

『それが、盛岡のおばあちゃんが体調を崩して、これから家族総出で行かなくちゃ行けなくなったの…』

「…分かった。近くに響がいる。変わるから、ありのままの事を話せよ?」

『うん…』

 

そう言うと憑友はスマホを響に渡した。

響は未来の話を聞いた時、「えええええ⁉︎」と、大声で喋ったので、憑友は慌てて周りの人達に、響の代わりに謝罪していた。

と、同時に響が通話を切って、スマホを返してきたので、憑友はそれを受け取り、ジーンズのポケットに入れた。

 

「私…呪われてるかも…」

 

と、かなりショックしていた。

其れ程までに未来と憑友と3人でこのライブを楽しみたかった様だ。

それは憑友も同じだった。

 

そしてライブ会場に入った時、憑友は響に話さないと行けない事を思い出し、その話をする。

 

「あ、そうだ。今日はライドさんも一緒に来たんだ」

 

そう言うと憑友はコートの内ポケットからライドを取り出した。

 

『うむ!久しぶりだね〜♪ミス・響!』

 

「ご無沙汰してます!」

 

実は、響は憑友の家に遊びに来た事があり、その時は未来も一緒だった。

その時に、セレナとライドの2人と出会った。

以来、2人とは顔見知りな歓迎になった。

セレナに至っては恋の相談役まで買って出たぐらいに、セレナによく2人揃って可愛がられていた。

 

…と、話が逸れたので、本題に入ろう。

 

2人と1つ(?)はその後、売店等で必要なアイテムを手に入れて、ライブ会場の方へと入って行った。

その時に、

 

『憑友。少し話がある』

 

と、ライドがシリアスな面持ちで話しかけて来たので、

響に断りを入れて、一旦会場の席から離れた。

 

そして、離れた憑友とライドは話をした。

 

「話って?」

 

『うん…

以前、前に私には兄弟姉妹がいると言ったのは、憶えているか?』

 

ライドの話を聞いた憑友は首を縦に振った。如何やら憶えていたようだ。

だが、それとこのライブ会場に何の関係性があるのかと尋ねてみたら、

 

『うん…先程から、私と同じ存在を感知したのでな。

もしかしたら、私と同じ実験をした兄弟姉妹の誰かと言う可能性があるのだ』

 

「…分かった。兎に角、今はライブを楽しもうぜ!」

 

『ああ!その通りだな!』

 

しかし、時の流れは時に残酷な時間を与える時もある…

 

これが憑友にとって平和な世界での、最後の会話になろうとは…

 

さぁ…運命の扉が開く時、それは絶望の始まりか。

それとも希望の始まりか…

それを知るものはこの世にはいない…

 

そう…()()()()()ね。




※本当は此処にはちょっとした解説なんかを書くのだが、
取り敢えず言わせてくれ。

水樹奈々さん!ハッピーバースデー‼︎


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6) 運命

原作第一話冒頭部分。


一方、此処はライブ会場のステージ裏。

そこにはたくさんのスタッフと一緒に、2人の男性が念入りにチェックしていた。

 

「では、此方で…」

 

「はい。お願いしますね」

 

「んじゃ、よろしく〜!」

 

スタッフの受け答えを丁寧に返したのは、緒川慎二と言う男で、このライブのメインであり、現在人気を博している有名アーティスト『ツヴァイウイング』の1人・風鳴翼のマネージャーである。

そして、それとは逆にフレンドリーに話すのは、依然『シンフォギア』装者を救った青年・精妖霊風であった。

彼もまた緒川と同じく『ツヴァイウイング』の1人・天羽奏の専属マネージャーとなっていた。

実はこの男、アシスト系の仕事が得意で、それによって、今ではすっかり彼女達は勿論、スタッフの皆とも親しみやすい存在になっていた。

謂わば「フレンドリーマネージャー」とでも言っても過言では無かった。

 

それを見ていた緒川は溜め息を零す。

 

「はぁ…霊風さん。少しは真面目にやって下さいね」

 

「そんな事言われてもよ?寧ろこう言う性格(やつ)程、カリスマ性に長けているって知らないか?

誰とでも気軽に話せるような…それこそ、奏みたいな存在が今のご時世には必要だし!」

 

「…はぁ。貴方と言う人は、全く…」

 

流石の緒川もこればかりはさらに溜め息を零さずにはいられなかった。

2人の性格が何処となく似ていたのは分かっていたが、此処まで来れば最早、双子みたいな感覚しかなかった。

 

「んじゃあ、俺は彼奴らの所に行って来ますんで♪後は、よろしく〜♪」

 

「って、ちょっ⁉︎…はぁ。…まぁ、こればかりは良いですかね…」

 

そう言うと霊風は後の事を全て緒川に一任させて、何処かへ行ってしまった…

それを見た緒川は止めようとするも時遅し。しかし、思考を変えて自分の仕事をし始めた。

 

ーーーーーー

さて、そんな霊風はある所に来ていた。

 

「お?いたいた。…って、頭は掻くなよ。女の髪は肌よりも大事なんだからな?奏」

 

「お?誰かと思えば、霊風じゃないか!」

 

「…あ…」

 

そこにはライブで楽しもうとしていて、さっきからうずうずしている奏と、体育座りで少し暗い雰囲気を醸し出している翼がいた。

 

「ほら、差し入れ」

 

2人はそれを見て受け取る。

そこにはクッキーとカフェオレがあった。

 

「悪いな、霊風。お前のクッキーって、本当に美味しんだよな〜♪」

 

「はいはい」

 

実はこのクッキーは霊風お手製である。

この男、趣味がスイーツ作りで、それを用いてはいつもスタッフや特機部ニの皆にお裾分けしていたのだ。

その甲斐もあってか、今では、某人気ランキング番組にて、「親しみやすいマネージャーランキング」で、初登場1位を獲得するや、そこからは王者のように防衛しているのだ。

こう言う気配りが出来る奴ほどモテるのである。

 

「…翼ちゃんは大丈夫かい?」

 

「…うん。大丈夫…」

 

「(…な訳ないか…)」

 

霊風は少し暗い感じの翼を心配した。

それに対し、翼は笑顔を向けて答えるも、霊風は完全にお見通しであった。

しかし、そこは敢えて言わず、違う話をする。

 

「…そっか。まぁ、大人の事情は大人に任せて、お前らはステージでド派手に暴れて歌って来い!

ステージに立つ、お前らが楽しんでないと、会場のオーディエンス達も楽しくなくなるぜ?」

 

「…うん…」

 

「流石、霊風!それでこそ、私のマネージャーだね〜!」

 

霊風は翼を激励した。

それによって、先程よりもマシになった。

それを見た奏は「やっぱり、私のマネージャーは最高だね〜♪」とでも言わんばかりの顔と発言をした。

少し過大評価しすぎではないかと思った。

 

すると、

 

「奏、翼、此処にいたのか」

 

会話の途切れるタイミングを図ったかの様に響いた革靴の音と、耳を打つダンディ・オブ・ダンディな渋い声音。

一聴すれば間違えようもない程に印象深く、そして威厳に満ち満ちた男の登場に、霊風の隣いた翼から「司令っ」という声が洩れた。

 

「こりゃまた、弦十郎のダンナ」

 

「いらしてたんですか、風鳴のおやっさん」

 

風鳴弦十郎(かざなりげんじゅうろう)

翼の叔父であり、霊風や翼、奏の所属する“特異災害対策機動部二課”ーー通称・特機部ニーーの司令官を務めている。

前身である“風鳴機関”共々、所属している身の上でこんな事を言うのもなんだが、胡散臭い事この上ない組織だ。

 

「今回は…言わなくても分かっているよな?」

 

「もちろん、分かっていますよ!弦十郎のダンナ」

 

「そうか。だが、霊風(此奴)に先を越された様で癪だが、俺が言える事は1つ…

思いきり楽しんで来い。ただ、それだけだ」

 

「司令…はい…!」

 

流石、弦十郎氏だ。彼のこう言う粋な配慮が彼の心の器の象徴なのかもしれない。

霊風も彼の寛大さにはいつまで経っても、頭が上がらなかった。

 

「もし、心配なら、このカード。翼に託すよ。

『翼』を羽ばたかせるには『風』を纏わせる必要がある。

これはその奇跡の一枚をな!」

 

そう言うと霊風は腰元に備わっているフォルダケースから一枚のカードを取り出し、それを翼に渡した。

翼が貰ったカードには緑の髪とこれまた緑のパーカーを羽織った1人の少女のイラストがあった。

そしてその下には、【風を纏いし少女 ミドリ】と書かれていた。

 

「良いの⁉︎こんなカード…私は…」

 

「受け取っとけよ。翼」

 

翼は否定して、返却しようとした。かつて、自分達と初めて出会った時に使用したカードで、此処までに彼の主力として使っていたカードだからだった。

しかし、それを奏が征した。

 

「翼の心配事を無くすにはこれが良いと言う霊風の考えを受け取ってくれないか?私のマネージャーはお前の事も気掛かりなんだよ。きっと」

 

 

「―――分かった、直ぐに向かおう」

 

そんな話をしていると、如何やら弦十郎氏は電話が鳴って、通話をしていたようだ。

相手は恐らくいや、間違いなくあの人・櫻井了子だろう。

 

霊風はそう感じていた。

何せ、2人の傍に居ながらも、電話越しとは言え、此処まで地味に声が届いていた事に…。

すると弦十郎は携帯をポケットに戻す。

それを見た奏は、

 

「ステージの上は、任せてくれ!」

 

と、弦十郎にサムズアップのポーズを決めた。

 

「んじゃ、俺も裏方に徹しますかね〜」

 

そう言うと霊風も又、軽い足取りで、その場から立ち去った。

 

「うん。では、頼んだぞ」

 

そう言うと弦十郎氏は自分の仕事をする為に、此処まで来た道を引き返した。

 

もうすぐライブが始まると言う緊張感。

 

会場席には大勢のファン達が自分達の曲を聴く為に来てくれていた。

勿論、その中には、今日このライブ楽しみにしてやって来た響と憑友の2人もいた。

 

「さて! 難しい事はダンナや了子さんに任せてさ、アタシらはパーっと……」

 

大きく伸びをしながら奏は言うが、未だに翼の表情は晴れない。どころか、時間が近づくにつれて更に不安な色が滲みでてくる始末。

 

そんな中でも、霊風は物陰に潜んでいた。

 

「(あんなんで、本当に成功するのかな…今回の計画(ライブ))」

 

霊風がそう考えていた。

実は今回のライブは表面上は『ツヴァイウイング』の単独ライブなのだが、

裏では、弦十郎が率いる特殊チームによる『完全聖遺物』と呼ばれる遺物・《ネフシュタンの鎧》の起動実験が進行していたのだ。

 

詳しい内容は霊風本人はあまり知る必要が無いと判断したので、忘れたが、重要な事が一点だけ。

それは、

今回のライブで、完全聖遺物を起動する事が出来れば、人類に希望の未来がやって来ると言う事だけ。

 

人類の未来だとか、世界の命運だとか…………兎角、そんな御大層な見えない重圧に押しつぶされそうになる(コイツ)を、果たして誰が真実“見て”やっているのだろうか?

 

答えは、翼を後ろからギュッと抱きしめてやっていた。

 

「ッ…………」

 

「マジメが過ぎるぞ、翼? あんまりガチガチだと、そのうちポッキリいっちゃいそうだ」

 

「奏……」

 

家族にも言えない重圧がある。

家族“だからこそ”言えない事が、翼にはいっぱいある。

 

小さい頃から戦姫として戦う事を余儀なくされてきた翼にとって、今や唯一の肉親である司令は二課の責任者。

そんな司令の立場を考慮して―――コイツはずっと、一人でその重荷を背負い込み続けてきた。

だが、そんな翼を奏は変えてくれていた。

 

肉親である司令にも、出来なかった事を、霊風がマネージャーを務めている相棒・奏はやってのけた。

奏のマネージャーである霊風にとっては、嬉しく思っていた。

 

「アタシの相棒は翼なんだから……翼がそんな顔してると、アタシまで楽しめない」

 

手を握り、互いの温もりを確かめ合う様にしながら翼が口を開く。

 

「……私達が楽しんでいないと、ライブに来てくれたみんなも楽しめないよね?」

 

「分かってんじゃねぇか」

 

「――――――奏と一緒なら、何とかなりそうな気がする!」

 

仲良き事は美しき哉、とは誰が言ったのやら…

 

「(……やれやれ、杞憂過ぎたな)」

 

何だか良い雰囲気になっている二人の邪魔をするのも何となく無粋な気がしてならなかったので、霊風はそのまま、緒川のいる所へと向かった。後は2人に任せよう。そう信じて。

 

去り際、後ろ姿だけではあったが確認した――――――手を握り合い、大空へと飛び立つ決意を固めた二人の雄姿にエールを送りながら。

 

 

しかし、それが平和な世の中の出来事の最後になろうとはこの時の彼等は知らなかった…

 

すぐそこまで、ノイズ(災厄)が迫ってきている事に。

 

 

ーーーーーー

そして、会場にいる響と憑友はこの周りを埋め尽くす人の賑わいぶりに感化されていた。

 

もし、開演でもしたら、如何なるのだろうか?と。

 

しかしそんな2人の疑問は、やがて照明が落ち、ステージに光が灯った瞬間に興奮と共に飛び去った。

 

 

前奏が始まった瞬間、巻き起こる歓声に数瞬とまたずに会場のボルテージは一気にMAXとなる。地上に人々のオレンジ色の光が溢れたかと思えば、天上から降りしきるのは純白の輝きと無数の白い羽。その中を飛ぶ様にして降り立つ二人の少女――――――風鳴翼と天羽奏の姿に、観客の興奮は極限まで高まった。天使の様に優美な姿は会場中央の十字路の真ん中へと降り立ち―――そして、“歌”が響き渡る。

 

それは、単純に1+1から導き出される従来の二重奏(デュエット)を遥かに超えた歌声。世界を創造した天壌の女神にも似た輝きが、歌声と共に耳から、目から、口から――――――五感はおろか、細胞の一つ一つに至るまで突き立てる様な音の力となって襲い来る。

躍動(ビート)は天をも衝かん程に高鳴り、駆ける二人がメインステージを背にした瞬間、音が消える。

 

――――――天井に奔る無数の光が空を割る。

 

違う、割れた先に出ずる夕陽の輝きこそが本物の天空(ソラ)。割れた天井はそのまま翼の様に広がり、少女達の羽となって輝いた。

逆光の夕陽は世界を照らし、少女達を祝福するかの様に雄大な輝きを放つ。翼を広げ舞い踊る二人は、手に手を携えて遂に羽ばたく。

 

それはまるで壮大な叙情詩の様であり、であれば天に祈る様な二人は差し詰め御伽噺の主人公、といった所だろうか。

 

時間にすればたったの数分。

しかしその数分の内に響の中を駆け巡ったのは、荘厳な神話の創生から終端に至るまでの永い物語。女神の誕生から翔躍へと向かう、余りにも美しく力強い詩(うた)。

 

「(ドキドキして、目が離せない……!)」

 

周囲の遍く観客が未だに興奮冷めやらぬ中、響はステージの上に立つ二人にジッと見惚れていた。

 

「(凄いよ……これが“ライブ”なんだ!!)」

 

初恋にも似た感覚。

激情の様に押し寄せるそれに酔いしれて、気づけば響は二人の―――“ツヴァイウィング”のファンになっていた。

 

それは憑友も同じだった。いや、彼は更にその上を行っていた。

 

「(すげぇ…すげぇよ!こんなにも胸を焼き焦がすような熱いビート!俺の魂が今すぐにでも、叫びたいと騒いでやがる‼︎

俺、あんた達の歌が好きだ‼︎1番好きだ!)」

 

更なる高揚とと共に、一曲目が終わった。

 

「まだまだ行くぞーーーッ!!」

 

観客の興奮に応える様な声に、響と憑友は腹の底から興奮が込み上げてくるのを感じた。

 

滾るそれを抑える必要も意味もない。

思いっきり、今という時間を楽しもう。

 

 

――――――それが、幸福な“日常”の終わりであろう事など、今の彼女と彼は知る由もなかった。

 

悲劇の扉は開かれてしまったから…



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7) 悲劇/死

サブタイは悲劇/(と)死と呼ぶ。


会場の雰囲気が最高潮に達したその時だった…

 

突然、中央の模型が爆発を起こした!

それを見た観客達は慌て出した。

 

それは勿論、憑友と響も同じであった。

 

「なに…?」

 

「サプライズにしては、派手じゃないか…?」

 

観客の慌てぶりに動揺する響と、

こんな時に限って、ボケをかます憑友。

 

『⁈レーダー感知⁈…⁉︎『ノイズ』だと⁈』

 

「「⁉︎」」

 

ライドの機能の1つのレーダーにまさかのノイズが感知していた。

 

「憑友…」

 

響は怯えていた。憑友も本当は怯えていたい。けど、彼は逆に響の手を握った。

 

「先ずは此処から走ろう!」

 

「う、うん!」

 

そう言うと2人は急いで会場を後にしようとした。

 

しかし、上空から何かが降ってきて、2人行く手を阻んで来た。

それがまさかのノイズだと気付いた2人は急いで来た道を逆走しようとしたが、直ぐ後ろにもノイズが来ていたのだ。

最早、絶対絶命だったその時だった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Croitzal ronzell gungnir zizzl…」

 

 

憑友はその詠を聞いた。

するとステージ側の方から何かの光が現れて、そこから無数の槍が降る光景を見た。

すると、

 

「伏せろおぉぉぉ!」

 

「っ‼︎」

 

「うぇっ⁉︎」

 

突然の出来事に、憑友はすかさず響を自分の方へと寄せて身を屈ませた。

それに対して、何がなんだか分からない響は動揺を隠せなかった。

 

すると、此方の方に数多の槍が降り注いで来た!

 

ーSTARDUST∞FOTONー

 

その攻撃で、ノイズ達が消滅した。

 

するとその槍が降ってきた方向から1人の女性が現れた。

服装がステージ衣装からボディスーツと機械的な装備を身に纏った女性だった。

 

「速く逃げろ!」

 

その女性が叱咤が飛び、憑友は急いで離れようとした。

その時、それを言った本人を見て驚いていた。

 

「え?…奏さん⁈」

 

なんと、つい先程まで歌を歌っていたアーティスト・奏だった。

 

「今はそれよりも速く!」

 

そう言うと奏は再びメインステージの方へと赴く。

そこには青い髪と水色のスーツボディを(いつの間にか)着用していた翼もいた事に驚いていた2人。

 

「これって…」

 

憑友はそう言うと、ライドが話しかけてきた。

 

『あれが都市伝説にもなっている『シンフォギア』を纏いし者達か⁉︎まだうら若き少女達ではないか⁉︎』

 

確かにライドの言う通りである。

まさか、日本が誇れる有名アーティスト『ツヴァイウイング』の2人が、まさか都市伝説として語られている『シンフォギア装者』だという事に。

この時の2人はただ、そればかり眺めていた…

 

ーーーーーー

そんな2人を他所に、翼と奏の2人は『ノイズ』を殲滅していた。

しかし、それでもやはり、無力な民間人が炭化されて行くのを見ると、正直辛いに越した事が無かった。

 

「きゃぁぁあ‼︎」

 

そうしていると、1人の女性が悲鳴をあげていた。

その視線の先にはノイズがいた。

 

2人はそこまで行こうとするも、他のノイズ達に足止めを食らってしまっていた。

しかも、よく見てみると、女性のお腹が少し膨らんでいた。

まさかの妊婦であった…!

このままでは、お腹の子供まで死んでしまうかも知れない状況だった。

最早、絶対絶命!その時だ!

 

シュッ!グサッ!

 

『☆○⁉︎』

 

「⁉︎」

 

突然、自分を襲おうとしたノイズが自ら炭化して、消えた事に驚いた。

すると、後ろから駆ける足音がして、そこから2人の男が彼女の元にやって来た。

 

「大丈夫ですか⁉︎」

 

「は、はい…」

 

「緒川さん!俺は彼奴らの援護に行きます!」

 

「気を付けて!」

 

「あいよ!」

 

すると、もう1人の男が今ノイズと戦っている奏達の方へと走って行った!

 

それを確認した緒川は女性をお姫様抱っこするや、其処からすかさず高速移動した。まるで忍者のように。

 

緒川はこう見えて、元は忍の者で、代々翼の家系である「風鳴家」に仕えて来たのだ。

その身のこなしにより、急いで離れることにした。

 

そんな中、もう1人の男・霊風は戦場と化したメインステージにスーツ姿で現れた。

すると、霊風は懐から電子機器・スピリットアブソーバーを起動させた…!

 

ノイズ共(お前ら)!俺が来たからには、容赦はしないぞ‼︎」

 

流石の「フレンドリーマネージャー」でも、これには怒りを露わにしていた。

此処までに多くの人々が炭化されていったのを見て、怒りを抑えられていなかった。

 

すると、霊風の後ろから何かが現れた…幽霊のように。

 

「あまり無茶はしないで下さいね?」

 

そう言って来たのは1人の青年だった。

群青色の髪、白いローブ、木で出来た杖を持っていて、まるで賢者のような存在だった。

 

「分かってるよ、シロエさん。貴方なら、この先の未来で、勝利をする事が出来ますか?」

 

霊風はそう言ってきた。

青年の名はシロエと言っていた。

すると、シロエは自身が身に付けている眼鏡を動かした。

 

「勝率ははっきり言って、上手くいっても半分以下。最悪0になり兼ねないぐらいにまで此方としては劣勢ですね。

ただ、予想外な事をすれば…」

 

「おい、それって、2人の内の何方かが"絶唱"を使えってしか聞こえないぞ!それで得た勝利はいらねぇよ!」

 

シロエの戦略に霊風は叱咤した。

 

「僕は"絶唱"と言うワードは使っていませんが…兎に角、今は彼女達を救う事が最優先です。行きます」

 

「…あぁ…」

 

そう言うと霊風は右腰に備えてあったフォルダケースから一枚のカードを取り出した。

そこには先程の幽霊と同じような格好をしたので青年のイラストがあった。

 

「行くぜ!スピリット!」

 

『それじゃ…Are you ready?』

 

そう言うと霊風は左腕にアブソーバーを装着し、画面を起こした。

そこに先程のカードを装填し、

 

「変身!」

 

そしてレバーを引いた!

 

ースピリット!フォーム…シロエ‼︎ー

 

そう言うとディスプレイから杖を持った白いローブを羽織った者が現れ、霊風はそれを纏った。

 

ー屈指の参謀、腹黒眼鏡!ー

 

そう言うと霊風は白いローブと眼鏡を掛け、杖を持っていた。

 

「"見つめる先は30秒先の未来"、腹黒眼鏡・シロエ推参ってな!」

 

そう言うとそこから杖を前方に突き出した。

 

「"アストラルバインド"‼︎」

 

そう唱えると、ノイズ達が光の楔で身動きを封じられた!

 

それを見た奏達は一斉に攻撃をする!

 

「サンキュー!霊風!」

 

「マネージャーとして言わせるなよ!「あまり無理はすんなよ」って」

 

「分かってる分かってる!」

 

「そう言う時のお前は分かってない!」

 

「た、確かに…」

 

「って、翼⁉︎それ、あんまりすぎるんじゃない⁉︎」

 

「さっさと終わらせるぞ!棘の楔に朽ち果てろ!

"ソーンバインド・ホステージ"‼︎」

 

そう雑談を繰り返しながら、数多の敵達を薙ぎ倒す3人。

 

すると、ノイズの1体が3人とは違った方向に行っているのを見て、3人は視線を追った。

そこには、

 

ドガァァァ!

 

「きゃぁっ‼︎」

 

「⁉︎響ぃ‼︎」

 

なんと響と憑友の2人がまだそこにいたのだ!

 

しかも、それに気付いたのか、ノイズ達は一斉にそちらの方へと向かって行く!

しかも、響は先程の落下で、足に怪我をしてしまった!

 

それを見た奏は急いでその場へと駆け抜ける…だが!

 

「!…っち!時限式は此処までかよ‼︎」

 

そうぼやきながらも、急いで響の方へと駆け付ける!

 

奏の言っていた時限式とは、装者とその聖遺物の謂わば強制共鳴装置の事である。

しかし、これはあまりにも危険で、かなりの精神力と体力を削ぐ謂わば"呪いの力"であった。

 

それでも、奏は自分の人生を狂わせたノイズを憎んでいた。

そしてそれは自ら纏ったシンフォギアが応えてくれた。

 

奏の纏っているシンフォギアの名は『ガングニール』。

神話に出る神・オーディンが使用した槍・「グングニル」が元になっている聖遺物だ。

 

故に彼女はその力を発揮させていた。

 

「!あの馬鹿!」

 

そう言うと霊風はアブソーバーからシロエのカードを取り出し、フォルダに戻すと同時に今度は別のカードを取り出した!

赤い槍を持った青いボディスーツを纏った青髪の男のイラストだった。

すると、今度はそのカードを装填し、レバーを引いた!

 

ースピリット!フォーム・ランサー‼︎ー

 

そう言うと今度は前方を塞ごうとノイズ達が足止めをしていた。

だが、それは瞬く間に炭へと化した。

何故なら、先程装填したカードを呼び出したからだ。

すると、今度はそれを纏った。

 

ークランの猟犬!光の皇子!ー

 

そこには、先程とは一風かわって、青い姿をした霊風がそこにいた。

 

「邪魔だ!どけぇぇぇ!」

 

荒々しい口調を言いながら、ノイズを薙ぎ倒し、奏の後を追う霊風。

 

「これでも喰らえ!

てめぇらの心臓(コア)…貰い受ける!」

 

そう言うとディスプレイに付けられていたドライブボタンを拳で叩いた。

 

『スピリット・ランサー!フルドライブ‼︎』

 

そう言うと動きながら、姿勢を下に落としそこから一気に詰め寄り、

 

刺し穿つ(ゲイ)死棘の槍(ボルク)‼︎」

 

一気に突いたのだ!

そのおかげで、前方範囲のノイズ達は一掃された。

そこから槍を巧みに扱って、奏の所までやって来た!

 

「あんた、槍も扱えるのかよ⁉︎」

 

「長柄系統武器なら何でも♪っと、んな事よりも言ってる場合じゃねぇ…手を出せ!」

 

そう言うと霊風は左手を出した。それを見た奏はそれに気付き、すかさず手に取る。

すると霊風が奏の前に出たと思ったら、急停止と同時に、奏を飛ばしたのだ!

 

「行って来いやー!」

 

「うぉぉぉ!」

 

それをすると奏は響に襲いかかろうとしたノイズ達を防ぐ事に成功する。

奏は急いで後ろにいた響に、「走れ‼︎」と叱咤し、響もそれでハッとなって走り出す。

 

「響!彼処から回って来い!」

 

近くにいた憑友も響の後を追った。

 

しかし、此処に来てノイズ達が特攻を仕掛けてきたのだ‼︎

それを見た奏はすぐに槍を回転させて盾のように扱った。

しかし、それと同時に身に纏っている機械部分に傷が付き始めてきた!

 

すると追い打ちを掛けるかのように大型ノイズがヘドロに似た何かを吹き出した。

其れを奏は防ぐが、そこにもう一体の追撃が襲いかかって来た。

それでも、守ろうと必死になった。

そしてその衝撃で、下半身の機械部分が壊れて、吹き飛ばされた。

しかし、それが仇となった…

 

…グサッ…‼︎

 

「…ぇ…?」

 

「⁉︎…響ぃぃぃ‼︎」

 

「⁉︎」

 

それはあまりにも酷い不運だった…

 

奏が纏っていた機械の一部が、後ろにいた響が此方に振り向いた時、胸元に刺さってしまったのだ…

 

それを見た憑友は叫びながら、響の元へと走り抜ける。

そしてそれは奏もそうだった。

 

「響!しっかりしてくれ!」

 

「おい!しっかりしろ!目を開けてくれ!

 

生きるのを諦めるな!」

 

2人の声が聞こえたのか、響はゆっくりと目を開けた。

だが、その瞳にハイライトは灯されていなかった。

 

生きてるのを確認した奏はすぐにその連れであろう少年にこう言った。

 

「ごめん…私がいながら…」

 

「?…奏さん?」

 

「だから、あんたも聞いて欲しいんだ…私の最後の曲を…」

 

「え?」

 

そう言うと奏は近くに置いてきていた槍を取り、ノイズ達の方へと歩み寄った。

 

「いつか…心と身体を空っぽにして、歌いたかったんだよな…」

 

そう言いながら、徐々に場を縮める奏。

 

「今はこんなに沢山の連中が聞いてくれるんだ。だからあたしも出し惜しみ無しで行く」

「取って置きのをくれてやる。絶唱を!!」

 

すると奏は持っていた槍を掲げて、詠い出した…

 

ーGatrandis babel ziggurat edenal…ー

 

「この詠…まさか⁉︎」

 

『絶唱するつもりなの⁉︎奏ちゃん‼︎』

 

ーEmustolronzen fine el baral zizzl…ー

 

「力強い…なのに、悲しい曲…」

 

『これは…まさか自爆するつもりじゃないだろうな⁉︎』

 

「⁈」

 

ーGatrandis babel ziggurat edenal…ー

 

「いけない!奏!歌ってはダメぇぇぇ‼︎」

 

「………歌が……聞こえる?」

『そうさ。命を燃やす最後の…歌さ』

ーEmustolronzen fine el zizzlー

 

そうして、奏は禁忌とされた力・絶唱を放った。

すると、奏の周りから白い炎のような物が現れると、そのまま鎧が弾け飛び、衝撃波がノイズ達に襲いかかった。

 

「うわぁ⁉︎」

 

それにより、憑友は響を庇いながら、その衝撃を耐えた。

 

そして見た光景は、先程までいた数多のノイズが消え、そして中心部に奏が倒れており、翼と霊風が奏を介抱していた…

 

「嘘だろ…」

 

だが、それはあまりにも残酷だった…

3人の所に来た憑友は奏の姿を見て、吐き気に襲われた。

 

奏の身体はもうボロボロで、眼も既にハイライトが届いていなかった。

更によく見てみれば、声さえ聞こえていないようだった。

 

それを見た憑友は酷く悲しんでいた…

 

ーーーSIDEto憑友

 

何でだよ…

 

何で、あんたって人は、こんな事を平然としやがる…

 

ついさっき自分から言っていたじゃないかよ…

 

『生きるのを諦めるな!』って。

 

それなのに、言った本人が生きるのを諦めたら…意味無いだろが!

 

そう感じていると俺は無意識に奏さんの手を取っていた…

すると、奏さんは俺の方向を向いた。

 

「…あの子を大事にしてくれよ…あの子はお前の事…」

 

分かっている。分かっているさ。

俺はあいつとは親しい仲さ。けどな…

 

「それは…出来そうに無いかな…」

 

「…え?」

 

何でか分からなかった。けど、今の俺の中に眠りし何かが今まさに産声を上げようとしていた…

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」

 

ーーーNO SIDE

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」

 

突然、憑友は雄叫びを上げた。

するとそれを見ていたスピリットが何かを感知した!

 

『⁉︎い、異常反応⁈先ずい!霊風!急いでその子から翼ちゃんと共に離れて‼︎今すぐ‼︎』

 

「っ⁉︎…!」

 

「⁉︎霊風⁈離して!」

 

スピリットの真意を知らない霊風はそのまま従い、翼を無理やり抱き抱え、その場から離れた。

 

すると、それと同時に、憑友の身体のあちこちから…

 

 

ボォォォォオオオンッ‼︎

 

何と、灼熱の炎が出て来たのだ!

 

「⁉︎奏…奏ぇぇぇぇ‼︎」

 

それを見ていた2人は驚きようが無かった。

 

ーーー

一方、その灼熱の炎の中心部にいた憑友ともはや風前の灯火となっていた奏。

すると、彼等の前に巨大な存在が現れた…

 

「お主の願いはなんだ?」

 

それは一羽の鳥だった。

羽根が炎のように舞い上がるその光景に憑友は心を奪われた。

 

「お主の願いはなんだ?と言っておる。我の問いに答えろ少年」

 

「え…あ」

 

その光景から呼び戻したその者は憑友に質問をしていた事に気付いた。

人では無いのに、どうして気付かなかったのかは置いておきたい。

 

「我が名はエンシャン。お主の願いはなんだ?」

 

その鳥ーーエンシャンと名乗っていたーーの質問に憑友はこう答えた。

 

「俺は…この人を救いたい‼︎」

 

「そうか。なら、救ってみせようぞ」

 

「⁉︎本当に⁈」

 

するとその鳥が憑友の願いを叶えると言ったのだ。

だが、

 

「但し、条件がある」

 

そう簡単に行く訳がないのは事実であった。

憑友はその話を聞いた。その内容が…

 

「これを使うにあたり、お前の命と引き換えにこの女子(おなご)を救う事が出来る。但しそれ即ち、お主の命が無くなると言う事だ。

それでも良いのだな?少年?」

 

あまりにも理不尽すぎる内容だった。

今、命を散らそうとしている人の命を自分の命と交換して、自分が死ぬ代わりに、彼女を生き返らせると、エンシャンがそう言ってきたのだ。

しかし、この男はすでに決まっていた。

 

「…お願いします。彼女を…天羽奏を救って下さい!

俺が命を捨てる事で彼女が救える事が出来るなら、それが本望です。

ですから、お願いします!彼女を生き返らせてくれ‼︎」

 

憑友の覚悟を見たエンシャンは更に追い打ちをかけるような事を言い放つ。

 

「さすれば、彼女の辛い人生を全て受ける事になるぞ?それでも良いのだな?」

 

「俺の覚悟はもう決まってる!こんな程度でへこたれてる場合かよ!」

 

それを見たエンシャンは憑友の覚悟を確かに受け止めた。

 

「お主の覚悟、見させてもらった!良かろう!お主の命を頂く代わりに、この女子を蘇らせようぞ‼︎

 

はぁぁぁ‼︎」

 

そう言うと鳥は左の羽で、奏の身体をみるみると回復させていった。

対して、

 

「⁉︎…うがぁぁぁぁ⁉︎ぐはぁぁぁ⁉︎あ…がぁぁぁ⁉︎」

 

憑友には今まで奏が受けてきた痛みが今、まさに一斉に襲いかかったのだ。

 

そして、全てが終わった。

 

「お主の願いは確かに叶えたぞ」

 

そう言うと鳥は周りの炎と共に消えていった…

 

そこには、聖遺物が完全に消えて、元のライブ衣装に戻っていた奏と、

まるで奏が受けてきていた全ての痛みを受け、完全に命の灯火となった憑友だけだった。

 

それを見た2人は急いで奏の所へとやって来た。

 

「奏!奏!」

 

必死に彼女の名を言う翼。

霊風も、彼女と同じような事を言う。すると…

 

「…っく…う…此処…は…?」

 

「⁈…奏‼︎」

 

奏が目を開けた。それもちゃんとハイライトも灯して。

 

「翼…か?…あいつは…⁉︎」

 

そして、奏は横を振り向いた。

そこには、先程まで無傷だった筈の少年・憑友がまるで自分の体の痛みを全て受けたような姿をしていた。

 

「おい!しっかりしろ!」

 

「…良かった…元気に…なったん…ですね。

良かった…」

 

「良くねえよ!なんでお前が!お前が私の分の痛みを⁉︎取り敢えず、喋るな!良いな!絶対に喋るな‼︎」

 

「なんで…?…簡単…です。

…俺は…あんたの…ファン…だからですよ…」

 

「⁉︎」

 

「俺は…貴方の…声を聞いて…彼処まで…熱い曲を…歌ってる…貴方が…私は…好きでした。

だけど…それも…今日で…終わり…みたいです。

すみませんが…彼奴…響の事を…お願い致します。

彼奴もいなく…なると…大事な…幼馴染が…おかしくなりそうなので。」

 

そう言っていると、徐々に彼の右足が炭へと化している事に気が付いた!

 

「⁉︎喋るな!まだ助かる方法がある!だから…「もう…無理ですよ」…え?」

 

「俺は…貴方を救う代わりに…己の命を…捨てました。

だから、此れからは響の事を…お願い…します。

後は…家族に言って下さい…御免なさい。今日から…我が家に帰れそうにないって」

 

すると、今まで黙っていたライドが口を開かせた!

 

『逝くな!憑友!お前が居なくなれば、私は今後どうすれば良いんだ‼︎

憑友と言う大事な場所を得た私は今では君と共に行動しないと意味が成さなくなっているのだ!

だから、死ぬんじゃない!お願いだから…逝くな!』

 

「あはは…我儘な…電子機器だな。…でも、御免な、ライドさん。

俺は…もう…長く生きそうに…ないや」

 

ライドの必死の抵抗も結局無意味となった。

 

すると最後の力を振り絞り、憑友はフォルダのカード内に入っていたカードと、ライドを外して、奏の手にそれを渡した。

 

「響が目を覚ました…ら…コレを…こいつらを…お願いします。

必ず…渡してくださいね…」

 

「‼︎おい、それはお前がやる事だろ!だから、死ぬな!生きるのを諦めるな!」

 

「へへへ…最後の最期で、奏さんに…怒られるなんてな…

ようやくスッキリした…父さん…母さん…義姉ちゃん…ライドさん…未来…そして、響…

楽…し…か…っ…た…よ…」

 

そう言うと憑友の身体は全身炭と化して、そして風と共にこの世から消えた…

その後、憑友の死を家族に聞かせたら、セレナや玄也が落ち込み、ジャンヌに至っては、その日以降、手術をするのを恐れてしまい、医者としての実力を失ってしまった…

 

ーーー

天羽奏と言う本来の史実(原作)では死ぬ運命の者が、

人絆憑友と言う違う史実(イレギュラー)によって変えられた。

 

この日、『ノイズ』の被害者数が過去最大となった。

そして、その中には、奏の命を救い、この世から去った憑友もその数にいた。

 

そして響は、治療室にて、摘出手術を受けていた…

 

「…生き…て…る……」

 

ーーー

そして、奏を救い、代わりに死んだ男・憑友はと言うと…とある場所に着いていた。

 

「痛てて…此処は?」

 

そこはなにもない真っ白な空間だった。

すると、

 

「此処は天国と地獄の狭間謂わば境界線の間柄と言う場所だ」

 

そう言うと1人の若い男が歩いてきた。

 

そして此れが後の世の始まりだと、この時の憑友は知る由も無かった…




いよいよ次回でようやくプロローグ終了。


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エピローグ) 物語の始まり

プロローグ編終了。…長い。


ーーーSIDEto憑友

「痛てて…此処は?」

 

俺は周りの様子を見てみた。

あれから痛みが全く感じられない所を見ると、如何やら死んでしまったようだ。

けど、此処は一体…?

 

「此処は天国と地獄の狭間謂わば境界線のようなものだ」

 

と、後ろから声がしたので、振り返ると、そこには如何にも神ですと言う風貌を醸し出している青年がそこにいた。

 

「風貌とはなんだ、風貌とは!此れでも歴とした神なんだよ!」

 

あれ?俺、声出してたっけ?

 

「安心しろ。お前の心の声は筒抜けだ」

 

全然安心出来ねぇ⁉︎と言うよりも…

「人の心の声を盗み聞きするんじゃねぇ⁉︎」

 

「はいはい。そんな事はほっといて、話を進めるぞ〜」

 

そこでスルーするか⁉︎なぁ!

 

「先ず、お前の事なんだが、単刀直入に言うと、またあの世界に帰れ!良いな?」

 

・・・はい?

「それ、如何いう訳?」

 

「お前にはあの世界でやって欲しいことがあるんだよ。

その為にまた、元の世界に戻してやると言っているんだ。

本来なら、そんな事は異例に反しているんだが、急務なのでな。特別に許可してくれたんだよ」

 

はい〜そうなんですか〜?

と言うか、俺の身体もう無いんですけど?

 

「棒読みで読んだのは歪めるが、今はそれどころじゃないので割愛させて貰おう。

それと、肉体の方は半分幽霊…まぁ妖みたいな者だと、そう思えば良い。その肉体を使用する。

見た目はお前そのものだし、拒絶反応もしないぞ?」

 

なんですか、そのチート性能…

「んで、そんな俺にやって欲しい事って?」

 

しかし俺はすぐに思考を切り替えた。

もう場の空気で分かっちまったから。

これ、否定権が無いなと言う事に。

 

「別に案ずるな。お前にはとある物を集めてきて欲しい。

お前の世界で言うところの『英雄石板』に関するものだ」

 

「⁉︎」

英雄石板だって⁉︎なんであんたが⁉︎

 

「お前にはその『英雄石板』の内に入っている"9つの石板"を集めて欲しいんだ。

そうすれば、お前は元の世界で元の肉体に戻り、普通の生活に戻れる事を約束しよう」

 

…それマジ?

 

「ああ。それと、お前が元の世界に戻るにあたって、お前が立派に任務を遂行しているか如何かを見る為にお目付け役をくれてやる」ブンッ!

 

そう言うと神は何処からともなく1人(?)のお目付役を無理やり投げてきた…

投げるって、なんだよそれ…。

 

「何すんだよ〜⁉︎」

 

おまけに喋ってるし…あ、いや喋ら無いと意味無いか。

と言うより…

 

「…ユルいな…この幽霊…」

 

そう。まさかの幽霊っぽい奴がお目付役だった。

 

「ユルいとか言うな‼︎俺様の名はユルセンだ‼︎」

 

「え?許せん?赦せん?」

 

「何方ともアクセントと発音違ーう!ユ・ル・セ・ンだ‼︎」

 

名前はユルセンと言うらしい…

え?【幽霊ライダー】にも同じ名を持っている奴がいる?

まぁ、見た目も…似てると思うけど…多分、別人だと思う…うん。

 

「因みに、期限は2年と半年だ。それ以上居続ければ、悪霊みたいになる。良いな?」

 

2年半…長いようで以外と短いな…

 

「大抵そんなものだ。と言う訳だから、ユルセンの事頼んだぞ?」

 

そう言うと神の近くから紐がいつの間にか降りて来ていて、神はすぐにそれを引っ張った…え?

 

ガシャンッ!

 

…あれ?足元が何も感じない…え?

 

「じゃ、行ってら〜」

 

「嘘だろ〜⁉︎」

 

このまま真っ逆さまに落ちてしまったのであった…

まだ聞きたい事山程あったのに〜〜⁉︎

 

「因みに夢の中でなら、何時でも逢えるからな〜」

 

んじゃ、絶対に覚えてろ〜!

そう言うと俺はそのまま地上へと落ちて行った…

 

ーーーNO SIDE

一先ず、彼・憑友を現実の方へと送った神。

するとそこに1羽の鳥がやって来た。エンシャンだった。

 

「お前はこれで良かったのか?」

 

「さあね。彼奴の運命は彼奴自身が決める事だ。

俺はそれの手伝いに過ぎん」

 

そう言うと神は何処かへと消えた。

 

「…お主の活躍…期待しておるぞ…」

 

そう言うと1羽の鳥は翼をはためかせ、飛翔したのであった…

 

ーーー

さて、一方の憑友はと言うと、なんとか地上へと戻ってこれたのだ。

 

「流石に痛い目にあった…でも、サンキューな。ユルセン」

 

「応よ!」

 

憑友が地上へと落ちる際に、ユルセンのアドバイスを聞いて、なんとか無事に地上へと降りてこれたようだ。

 

「此処は…「自然都会」か?」

 

そして憑友は辺りを見渡すと、そこは如何も自分にとっては懐かしい風景の「自然都会」の場所だった。

 

「因みになんだけどさ?」

 

「?」

 

「今の時間はお前が死んで約2週間過ぎた辺りだぜ〜」

 

「に、2週間⁈」

 

それは唐突であった。

ユルセンが今のこの時間を調べてくれてたらしい。

如何やらあのライブ会場の悲劇から2週間が過ぎたばかりだったようだ。

 

それに驚いていたら、

 

「別に構わないんじゃ無いかしら?」

 

「…は?」

 

後ろから声が聞こえたので、振り返るとそこには1人の少女がいた。

黒いストレートヘアーと、黒と白を基調とした服装を着た少女だった。

 

「…あんたは?」

 

「ほむら。暁美ほむら。それが私の名前」

 

少女・ほむらはそう言った。

 

「それよりも、今は貴方の帰るべき場所に行ったら如何?」

 

「帰るべき場所?…あ」

 

ほむらの言われた事を考えた憑友はすぐにその答えを出した。

此処は「自然都会」。

此処には自分の家があると言う事に。

 

 

ーーー

そして憑友は2週間ぶりとなる我が家の前にやって来ていた。

 

「…」

 

しかし、憑友は中々勇気が出なかった。

無理も無い。いきなり死んだ身なのに、半分妖怪みたいな姿になって帰って来たら、誰だって近寄りたく無いと思うに違いない。

 

「貴方の家族はそんな程度の愛しかないの?」

 

「え?」

 

「貴方の両親からもらった愛情はそんな程度じゃ無いはずよ。

信じなさい。貴方の家族を」

 

しかしそんな事はほむらの一言で全て流されていった。

憑友は軽く頷くとインターホンを鳴らした。

 

ピンポーン…

 

「はぁい!」

 

「!」

 

声からして、セレナであった。

するとドアが開き、そしてセレナが顔を出してきた。

 

「どちらさ…ま…で?」

 

そこでセレナは、驚いていた。

何せ、今目の前には2週間前に死んだ筈の義弟そっくりな少年がいたから。

 

「え、えっと…その〜…」

 

憑友はしどろもどろで何か言おうとしたのだが、セレナはそんな憑友をほったらかしにして、憑友の周りを見る。

そして、

 

「…憑友…なの…?」

 

「…うん。…遅くなり過ぎたけど…ただいま、セレナ()()()()

 

「‼︎…憑友ー‼︎」

 

「うわあ⁉︎」

 

これによりセレナは確信した。今目の前にいるのは紛れもなく自分の義弟の憑友だと言う事に。

 

それを遠くから見ていたほむらは少し笑顔を見せていた。

そんなほむらの所にユルセンがやって来た。

 

「本当に良かったのか?」

 

「ええ。彼は英雄達を導く存在だから。それに…彼にはなって欲しく無いのよ。…(私みたいに)

 

「?」

 

最後に言った一言をユルセンは聞き取れなかったが、今はこの嬉しい事を見守る事が必要だと言う事なのだろう。

 

 

ーーー

その後、玄也とジャンヌも家に帰って来て、2人はセレナがあまりにも笑顔を振りまいていたので、その真意を問うと、セレナはそのまま2人を居間へと連れて来させられた。そしてそこにまさか自分達の息子である憑友がいた事に驚きつつも、感動の再会を果たした。

 

そして憑友は今の自分の置かれている立場をありのままに家族全員に話をした。

 

「そんな…!」

 

「それじゃあ…貴方はまだ半分死んでいると言う事なのね?」

 

「そうか…」

 

上から、あまりの出来事にショックするセレナ。

哀しみよりも、冷静が勝った母・ジャンヌ。

そしてただ一言で済ませてしまった玄也の3人が其々そう言った。

 

「ただ、可能性があるんだ。

今、父さんと義姉さんが携わっている『英雄石板』の中から9つの石板を探さないといけないんだ…」

 

「9つ⁈今ではもう300もある石板の中から特徴も知らない9つの石板を探さないといけないの⁉︎」

 

「しかも、それを2年半の内に全て探さないといけないのか…」

 

あまりにも無謀に等しい事だった。

すると、玄也は携帯を取り出すや否や、とある場所に連絡を入れた。

 

ガチャッ!

「あ、もしもし。玄也だけど…うん。久しぶり。

うん…実は如何しても早急に調べ無いといけないんだ。

…うん。コピーさえ貰えればそれで充分だ。

…うん。ありがとう。それと同時に俺の我儘を聞いてくれないか?

…うん。…うん。分かった。じゃ今度の土曜、お邪魔するから。(ピッ)憑友。今度の土曜日は私と共に来なさい。

先程、私の親友に連絡を入れたんだ。

彼なら、憑友の今の状態を教えても大丈夫な信頼に足る男だから」

 

玄也の行動の速さは異常のものだったが、それに感謝しつつ、今回はこれっきりとなった。

因みに食事時に憑友はライドがいない事に気付いて聞いてみた所、如何やら今は響の所に自身の剣術の師匠(せんせー)でもあるキリトと共にそちらの方へと行ってしまったようだ。

忘れ形見としてはいけ好かないデザインだが、それでも大事に持っている事に内心嬉しく思っていた。

 

ーーー

そして土曜日。

とある場所へとやって来た。

 

そこには立札があり、「風鳴」と堂々とした威厳のある風格が漂う立札が飾っていた。

 

「…父さん?此処は?」

 

「まぁ、詳しくは後で」

 

そう言うと玄也は扉に備わっている鉄の輪を持ち、それを使い、戸を叩くや、

 

そこから大きく吸うと、

 

「頼もぉぉぉぉぉ‼︎」

 

「うわぁ⁉︎」

 

と、何処かの携帯獣のような爆音を発した。

近くにいた憑友はそれにより、軽い混乱状態に陥る。

すると、

 

「そんな大きな声で出さなくても良いだろ⁉︎」

 

と、そこの家主らしきダンディな男が現れた。

ただ、あまりにも似つかわしく無い。

家の構造ははっきり言って和風な家。なのに現れたのはダンディな面持ちを持つ50(歳)手前の男が現れたのだ。

それを遠くから見ていたほむらとユルセンもこれに驚いていた。

 

「…普通ああ言う人って、洋風な家に住むものだけど…」

 

と、ほむらがそうぼやいていたのは気の所為にしておきたい。

 

さて、話を戻して、男をみた玄也は手を振った。

 

「いやぁ〜久しぶりだね〜弦ちゃん♪」

 

「お前も相変わらずだな…玄也」

 

その男・弦十郎は玄也の態度に半ば呆れていた。

そんな玄也の態度に憑友は思わず目を見開いた。

 

「と、その前に、この子の事を紹介したくてね」

 

そう言うと玄也は近くにいた憑友を自分の方に寄せてきた。

憑友の顔を見た弦十郎は何かを思い詰める。

 

「ん?…君は確か…」

 

弦十郎が憑友の顔を見て、何かを思い出そうとした時だった。

 

「この子は私とジャンヌの息子で、2週間前に君の所で保護している少女『天羽奏』を救った代わりに命を捨てた者・憑友だ」

 

「何だと⁈」

 

玄也の言った言動に弦十郎は思い出した。

あのライブ会場での悲劇の後に奏が翼に抱きついて大泣きしていた。

その理由が、とある1人の少年が自分の命を蘇らせ、そしてその少年が代わりに死んでしまったと言う事を。

 

そして今、その少年が目の前にいるのである。

驚くのも無理は無い。

 

「此処では何だし、中に入れて貰えないかな?」

 

玄也に言われ、弦十郎は家の中へ2人を入れた。

その時にユルセンやほむらも霊体化して、侵入した。

 

 

 

 

 

 

 

そして、事の発端を聞いた弦十郎は何から何まで困惑するばかりだった。

 

「だが、そんな事例は聞いた事が無いぞ」

 

「確かにね。でも、『英雄』はあったみたいだよ」

 

流石の弦十郎もこれには何をすれば分からなかった。

しかし、玄也は『英雄石板』の話をした。

弦十郎はそれを聞いて唖然としていた。

そんな中でも、玄也は話を進めた。

 

「かつて、『英雄』の中に、成る前に一度死んで、そこから幽霊となって戦った英雄がいるんだ。これがその石板の写真だ」

 

そう言うと弦十郎と憑友に写真を手渡す。

 

「…コレがその石板か?」

 

「まぁね。これは【幽霊の仮面被りし者の軌跡】と書かれていてね。

セレナ曰く、この英雄は一度死んだ時に、英雄の力を授かったと記してあると言われたんだ。

数多の偉人・英雄達の力を使い、眼が特徴の悪魔を祓ったと言う伝説が記されてあった」

 

まるで今の自分だなぁと思った憑友。

すると玄也は話をまたし始めた。

 

「今の憑友はそれに近いいや、そのものだと考えても良い。

けど、憑友はこの戦士とは違う存在になるかもしれない。

そこで、昨日の電話でも話した通り…

 

この子に鍛練を積ませて欲しいんだ」

 

「・・・・・・はい⁉︎」

 

まさかの玄也の発言に、間が空いて驚く。

 

「この子はこう見えて、格闘術が得意だ。

まぁ、以前は剣術も習っていたから大丈夫だろうけど…」

 

「それで、昨日の電話で、俺の所で修業させて欲しいと言う事になったのか…はぁ。お前という奴は…」

 

玄也の自由っぷりに流石の弦十郎も頭が痛かった。

それは勿論、憑友も言えた事だった。

 

だが、弦十郎は憑友の顔を見て話をした。

 

「こんな馬鹿な奴だが、頭は賢く冴えてる奴だ。

俺の修業…君は耐えられるか?憑友君」

 

その威厳とした発言に憑友は真剣になる。そして、

 

「俺のこの力は、誰かを守る為にあるんだと思います。

今はこれだけしか言えません。けど!

俺はもう!大切な者を捨てたく無いんです!」

 

憑友の力強い言葉で、弦十郎は見直さなきゃなと、彼の覚悟を改めさせるきっかけをつくった。

 

「…因みにアクション映画とかは好きか?」

 

「はい!…え?」

 

言って来た言葉に思わず返事してしまった憑友は悪く無い。

それを聞いた玄也と、近くの木陰に潜んでいたほむらとユルセンが同時にズッコケたのは言うまでもない。

 

それからはと言うと、弦十郎の家に住み込み、日々1人で修業に明け暮れていた。

 

いない所を見計らって、ほむらの攻撃方法も教わりつつ、修業に明け暮れていた。

 

そして、ある日。

自分の身体から炎が突然出てきたのだ。

 

そして、それは新たな力となった。

 

"熱き炎の魂を導く師者"・炎魂導師(エンコンドウシ)の誕生でもあった。

 

その力で、数多のノイズ達を焼き祓ったのであった。

 

そして、長い年月がかかり、

 

あのライブ会場の悲劇から2年後。

 

物語は動き出した…

 

さぁ、物語の下準備は全て整った。

間も無く始まる…

 

歌で世界を救う少女達と、

魂を纏いし少年達の物語…

 

 

 

始まります。




次回

覚醒の前触れ


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第1章 無印〜ルナアタック編〜 プロローグ

本当ならこれが一番始めの話だったんだと今思って、投稿する。
プロローグなので、投稿字数ギリギリセーフ。

と言う訳で、始まります。


雨が激しく降る中、屋根の無いバス停に、1人の少女が花束を持って、激しい雨の中を、バスをただひたすら待っていた。

バスが現れるや少女はバスに乗りある場所へと目指す…

 

ー八千八声 泣いて血を吐く ホトトギス

それ守らんは 身を持たざれんー

 

雨に打たれた服は雨水に滴り落ちており、彼女自身は其れを拭こうともしなかった。

やがてバスが少女の目的地に着くと、少女は下車した。その時、雨は降るのを止んだ。

しかし、空の模様は快晴に非ず、寧ろ曇天のような雲行きだった。

 

少女の目的地は墓場だった。

数多の人達の墓場が有る中を、少女は歩く。

多くの墓があった。

中には、墓石に名が刻まれていない墓石が殆どだった。

数多の人達が死んだのに、その名前すら刻まれてはいなかった。

 

そんな中、少女は立ち止まった。

そこには、2人の男女の顔が載った写真と墓石があった。

ただ、この墓石にも先に述べた通り、名前が刻まれてはいなかった。

 

少女の瞳は写真の方に向いていた。そこに映し出されていたのは、

黄色のショートヘアーをした少女と、

クリムゾンカラーのショートヘアーの少年の姿だった。

2人とも、顔に泥が付いていた。

すると少女は膝をつき、花束を持っていた手を滑らせた。

 

「会いたいよ…もう会えないなんて…嫌だよ…」

 

少女は涙を流した。

 

「私は嫌だよ…響…憑友…」

 

少女は写真に写っている少女と少年の名前を言った。

しかし、それを答えてくれる者は誰1人としていない。

その代わりに無情の雨が降り注ぎ始めた。

 

まるで哀しき雨のように。

 

その日、少女は涙を流し続けた。

 

彼女の親友が命を散らした事に。

 

彼女はもう二度と自分の目の前から居なくなってしまった2人の親友に。

 

もう二度と会えなくなってしまったと言う悲しい現実に。

 

これは後に始まる熾烈を極めた物語の末路の話。

 

 

 

彼女の親友である少女は、歌を歌い、そして血を流し、それでも最後まで諦めなかった。

 

ーー少女の歌には、血が流れているーー

 

 

彼女の親友である少年は、その身を器にし、数多の存在に肉体を明け渡した。

 

ーー少年の身体は、魂の器となりて、憑依せん…ーー

 

 

如何にしてこのような悲劇が生まれてしまったのだろうか。

 

何故、こんな結末になってしまったのだろうか。

 

どうして彼女の親友2人がこの世から去らなければならなかったのだろうか。

 

如何して彼女の親友である2人の男女は彼女だけを置いてこの世から去ってしまったのであろうか。

 

それを知る者は今の所、存在しない。

 

さぁ、物語を動かしていこう。

 

 

 

 

 

これは、とある出来事を機に、戦う力を身につけた1人の少女と、

 

とある出来事を機に、その肉体の変化に気付き、それを使い立ち向かった1人の少年。

 

2人の物語を…始めよう。




次回

覚醒の前触れ


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第1話 覚醒の前触れ

サブタイ変更して申し訳ない。
今回は1話目の話の部分と、とある者の無双話…


ライブ会場を襲った悲劇から早2年。

あの時の生存者にして、その時に奏の代わりに死んだ憑友の幼馴染・立花響は高校生になっていた。

 

私立リディアン音楽院。それが今の彼女の学校だ。

基本的には女子校であるが、メインが音楽関連の授業が殆ど。

それ故に、就職先は専ら音楽に関連した職に進む子が多い。

アイドル、ミュージシャン、歌手等実に多岐に渡るのである。

 

そんな学校なのだが、

 

「立花さん…」(^ - ^#)

 

「あ、ははは…」

 

響は入学初日にまさかの遅刻をしていた。

あの悲劇の後、響は人助けと言う趣味が生まれた。

そしてそれからと言うもの、いつもこんな感じの毎日を送っていた。

 

「た・ち・ば・な・さ・ん‼︎」

 

「は、はい‼︎」

 

…とまあ、いつもこんな感じである。

それをいつも見守っているのは、彼女の幼馴染・未来であった。

それともう1人(?)…

 

『はぁぁぁ…全く、響は自分の事を棚に上げるのは良く無い事だとあれ程言っていたのに…』

 

ライド・グラップラーだった。

何故、此処にいるのかと言うと、ただ単に、特許を得ただけの事である。

そんなライドに話しかける未来。

因みに全員、この事は承知済みである。

 

「それは仕方ないよ、ライドさん。響はあの日から少し変わったから…」

 

未来が言うあの日とは、あのライブ会場の悲劇の時だった。

あのライブ会場で、響とそして未来(じぶん)の大切な幼馴染の憑友が、命を落とした事を。

 

あの後、響は涙を流していた。

それ以来、響は憑友がやった行為を何故かし始めた。

まるで、その罪を忘れないように。

 

そして漸く授業が終わり、響は未来と同じ部屋に来た。

響と未来は現在、リディアンが用意した寮部屋でルームシェアしているのである。

とは言え、幼馴染が同部屋になるのは、些か怪しいのだが…。まぁ、そこは置いといておこう。

 

「ぷはぁ〜、疲れた〜。

入学初日からクライマックス100連発だよ〜

私…呪われてるかも…」

 

「半分は響のドジだけど、残りはいつものお節介でしょ?」

 

「人助けって言ってよ〜」

 

『君のその人助けは、逆に度が過ぎているな。

憑友でも、其処までお人好しでは無いぞ』

 

「お人好しじゃなくて、人助け!」

 

「『はいはい』」

 

「2人揃って言わないでよ〜⁉︎」

 

そう言いながら、2人と1つは何気無い会話をしていた。

すると響は机に置かれた冊子の裏を見た。

 

「お〜!CD発売は明日だっけ〜

ひゃあ〜。やっぱりかっこいいなぁ〜翼さんは!」

 

そこには、現在、単独でライブをしている少女・風鳴翼が写っていた。

如何やら明日、新曲を出すらしい。

 

すると未来が響がこの学院に入学してきた理由を話した。

 

「翼さんに憧れて、リディアンに入学したもんね」

 

響にとっては進学するには充分な内容だった。

 

『それは憑友も同じだったさ。尤も彼は奏のファンだったがな。

今頃、彼女は何をしているのだろうか?』

 

「確かに…あれからもう2年が経つけど、今は何処で何をしているのか、分からないね」

 

ライドも憑友が好きだった少女・奏の事を心配していた。

 

あの悲劇からすぐに、奏は表から顔を現さなくなった。

真意は不明で、それを知るのは恐らく相棒である翼だけ。

しかし、その翼もだんまりと決め込んでいたのであった。

 

そんな話をしていた2人とは裏腹に響は自分の胸にあった傷を見た。

その傷はフォルテの形をしていた。

 

そして、自分の胸を見た響は着直すや、今度は左胸にあった一枚のカードを取り出した。

そこには髪と服が黒、剣が黒と水色の二刀流を持った青年のイラストが描かれていた。

そしてその下には、【黒の剣士 キリト】と書かれていた。

ライドと共に響に渡った憑友の忘れ形見であった。

 

「憑友…」

 

「響…」

 

憑友の事を思った響。そして、そんな響を気遣う未来。

 

『…』

 

そんな2人を見ていたライドは何も言えなくなったのであった…

 

ーーー

そんな中、とある場所では『ノイズ』が侵攻していた。

 

 

「っく!撃てぇぇぇぇ‼︎」

 

自衛隊がそんなノイズ達に攻撃を仕掛けるも、全く効果が無かった。

 

すると上空からヘリが現れた。

 

「Imyuteus amenohabakiri tron…」

 

ースピリット!フォーム…オリジン‼︎ー

 

 

そこから1人の少女と、1人の青年が降りてきた!

 

すると、少女はみるみると来ていた服が変化した。

そして青年の方は羽の生えた何かが現れ、自衛隊に近づいていたノイズを一掃し、青年がそれを纏った。

 

ー精なる魂、私に刻め!ー

 

纏った2人は地上に降り立った。

そう言うと、翼が勝手に前に出た為、霊風が仕方なく後を追った。

 

(挿入歌「絶刀・天羽々斬」水樹奈々)

 

数多の敵を前に一汗もかかない翼。

そして、そんな彼女の無茶に付き添う霊風。

 

しかし、何時にも増して、数があまりにも多かった。

 

まるで、あのライブ会場の悲劇を思い出すかのように。

 

「っち!翼!「はぁっ!」って少しは人の話を聞け⁉︎」

 

翼は防人としての使命を全うしていた。しかし、そんな翼は指図を受けないと言わんばかりの行動をしていた。

そんな翼を見ていた霊風は、溜め息混じりながらも、一枚のカードを取り出した。

 

「仕方ない…やるか!」

 

そう言うと、カードをアブソーバーに装填し、レバーを引いた。

 

ースピリット!フォーム…マカ&ソウル‼︎ー

 

すると、ディスプレイから2つの霊らしき者が現れるや、男の魂の方が武器種・鎌へと変貌し、それを少女の霊が扱いノイズ達を切り刻んでいた!

 

そしてそれを、霊風が纏った!

 

ーお前の魂、頂くよ‼︎ー

 

スピリット・マカ&ソウルフォームの誕生である。

 

「行くぜ‼︎」

 

(挿入歌「resonance」T.M.revolution)

 

そう言うと、霊風は鎌を巧みに操りながら、翼が待つ大型ノイズの所まで駆けて行った。

その時に、人型ノイズが前方を塞いで来た。

 

それを見た霊風はドライブボタンを叩いた。

 

『スピリット・マカ&ソウル、フルドライブ‼︎』

 

「魂の共鳴!」

 

そう言うと姿勢を低くし、構えた。すると、鎌が瞬時に光の大鎌へと変貌した。

 

「喰らえぇぇぇぇ‼︎"魔女狩り"ーーー‼︎」

 

そう言うと水平のように薙ぎ払った。

 

それと同時にノイズは真っ二つとなり炭へと化した。

 

そしてそのまま直行し、翼と合流した。

 

「翼!…無茶をしてたら、スイーツ抜きにしてやるからな!」

 

「そんな脅しは必要ない!」

 

そんな翼を前に、霊風は翼をこちらに向けて、すかさず平手打ちをした。

本来ならこの行為自体が許されざるものだが、今はそれどころでは無かった。

 

「奏の代わりとして、俺が出て来てるんだ。

あいつの代わりなんか、俺には出来ないさ。

けどな、ちっとは俺の事を頼れ!

(あいつ)もお前の事を頼ったようにな!」

 

「…分かりました」

 

取り敢えず、宥める事に成功した霊風は残っている大型ノイズを協力して倒そうとした…その時だ!

 

ボォォォォォオオオオオ‼︎

 

『○☆□◇◇○☆⁉︎』

 

「「⁈」」

 

突然、2人とノイズとの間から火柱が発生したのだ!

2人は発生した場所に顔を移す。

そこには1人の青年が拳でストレートを放ち、そこに居合わせていた。

但し、青年の顔には仮面が被っていた。炎をモチーフにした仮面を。

 

「…ノイズある所に、『英雄石板』あり。

灼熱の炎は死して得た力。

今宵の俺は燃え滾る業火の如く、焼き尽くす…」

 

仮面を被りし青年はそう言うとノイズの方へと歩んで行く。

しかし、何処からどう見ても、私服姿な彼はノイズに触れれば、それこそ命を落としかねない存在だった。

 

「危ないから、早く逃げっ…‼︎」

 

翼が何かを言おうとした時、ノイズがその青年を叩き潰してしまった…

それを見た2人は息を呑んだ…

絶望に浸ろうとしたその時だった…!

 

ボォォォォ…ボォォォォォオオオオオ‼︎

 

『◇○☆○☆⁉︎』

 

「「⁉︎」」

 

なんと、先程叩き潰した筈のノイズの手の下から炎が噴き出て、そしてそのまま、ノイズの手を燃やし尽くしたのだ!

 

それを見た2人は驚愕した。

何故なら、そこに青年が平然と立っていたから…!

 

「おいノイズ共…俺に触れたら…火傷じゃ済まねえぞ?」

 

そして青年の身体からなんと炎が噴き出て来たのだ!

それを見た2人は驚愕する…!

 

すると、青年は腰に付けてあったケースから一枚のカードを取り出した。

髪がピンクで、黒のチョッキを着たマフラーを巻いていた青年の姿のイラストだった。

すると、少年は自らの炎でそのカードを燃やしたのだ!

 

すると、そこから1人の魂が現れた…先程描かれていた青年だった。

 

「行くぞ…ナツ」

 

青年はそう呟いた。

 

ーフォーム…ナツ‼︎ー

 

すると何処からか電子音が聞こえたが、そのままスルーし、青年はその魂を纏った!

 

ー炎で滅せ、竜滅者‼︎ー

 

すると少年はその青年の姿に早変わりした。

 

「一気に決める…」

 

そう言うと、青年はそのまま跳躍!

大型ノイズを簡単に飛び越えたのだ!

 

そして…

 

「"火龍の"…"鉄拳"‼︎」

 

そのまま相手の後頭部にめがけて、拳を打ち付けたのだ!

そしてそのまま大型ノイズはノックダウンし、その衝撃で、周りの小型ノイズ達が消滅してしまったのだ…

 

「⁉︎…何と言う力だよ…」

 

「これは最早、人知を越えているとしか言いようが無い…!」

 

そんな青年の力を見た2人はそれぞれの感想を述べた。

 

すると、ノイズの頭から何かが見えた。

 

「『英雄石板』発見。これより回収にあたる」

 

すると青年はすかさずノイズの後頭部まで駆け上がり、そしてノイズが唯一持っていた石の角っこを持った。

そして引っ張ろうとするも、中々離さなかった。

すると、青年はすかさずもう片方の手に炎を纏わせ、

 

「"火龍の鉄拳"!」

 

もう一発をお見舞いさせた。それにより少し緩み、取れそうになるも、やはり抜けなかった。

そこで、青年はすぐに飛び退き、姿を元に戻した。

すると、無数に散らばった光が1つとなりて、カードになった。

如何やら、再生能力があるようだ。

でも、それは普通ではありえない事である。

基本的にカードは燃やされたら、灰となって消えてしまう…

しかし、このカードはその常識を逸脱していたのであった。

 

すると青年はそのカードを腰に備わったケースに入れ、代わりに一枚のカードを取り出した。

そこには、赤い髪と赤いシャツ、水色のジーンズを履いた機械的な腕を纏った少年がイラストになっていた。

 

「頼むぜ…アカネ」

 

そう言うと再びカードを燃やした!

 

ーフォーム…アカネ‼︎ー

 

すると今度はイラスト通りの少年が現れた。

そしてそれを青年は纏った!

 

ー聖なる扉、炎の咎人‼︎ー

 

すると再び石板の方へと赴き、そしてそのまま左てで石板を持って引っ張ると同時に、残った右手に力を加え始めた!

 

「うぉぉぉぉ!"イグナイト"ーーー‼︎」

 

そう言うと先ず一発ぶん殴る。そして振り上げ…

 

「"セカンド"‼︎」

 

また一発…

 

「"サード"‼︎」

 

また一発…と、徐々に火力が大きくなっていた…

 

「"ホムラ"‼︎そして…」

 

そして最後に大きく振り上げ…

 

 

「"イグナイト"…"リート"ーーー‼︎」

 

最後に渾身の一発をぶつけた!

 

それにより、ノイズは完全に息絶え絶えの状態。

と、同時に石板を剥がすことに成功した!

するとそのまま石板を腰に備わっていたボックスポーチへと収納した。

 

「『英雄石板』回収完了。…了解」

 

何処かに連絡した青年は最後に右手にありったけの力を加え始めた…

 

「これで…終わらせてやる…!

 

"フレアリィ"…"エルプション"‼︎」

 

そしてその一撃を大型ノイズに浴びせた…!

大型ノイズはそのあまりの熱により、炭へと化した。

 

そして戦いが終わり、青年の身体から出ていた炎は鎮火されたのであった。

 

それを翼と霊風の2人は傍観せざるを得なかった。

 

そして、青年が立ち去ろうとした時、翼はハッとなって、彼を止めた。

 

「!待ちなさい!」

 

「…」

 

「貴方は一体何者なの⁉︎」

 

翼の質問に青年はこう答えた…

 

「…早くても明日、分かる事さ…」

 

「え?…‼︎」

 

そう告げると同時に彼の周りから炎が柱となって現れ、そして柱が消えたと同時に、彼の姿はもうそこにはいなかったのであった…

 

ーーーSIDEto⁇

先程の炎の柱のおかげで上手く巻いた青年。

すると、彼は胸からロケット(写真を入れるペンダントの方)を取り出すと、蓋を開けた。

そこには、2人の少女と青年の若い頃の写真があった。

黄土色の少女とビリジアン系の色合いで白いリボンが特徴の少女と仲良く3人でくっ付いて撮った写真だった。

 

「いつか…会えるよな…響…未来…」

 

そう言うと青年はその場から瞬時に去った…

 

後で、地元の住民から、流れ星とは明らかに異なる動きをした光があったと。

それがまさか青年の事だとは、思いもしないだろうとは。




憑友「今回からはこの後書きにて、『英雄石板』にて記されし者達通称・『英雄』達の事を紹介して行くぞ!」
「今回は、俺の剣術の師匠(せんせー)・キリトを紹介しよう!」

キリト /カード名【黒の剣士 キリト】
属性/闇・人間・斬・剣

数多の攻撃を片手直剣と呼ばれる武器カテゴリで戦い抜いた歴戦の勇者。
トップクラスの反射神経の持ち主で、その影響で、《二刀流》を使用する事が可能になっている。

憑友「昔は俺が持っていたんだけど、今はライドさん共々、響が所有しているみたいだ。だけど、こんな所で終われるような人じゃない!」

次回

覚醒せし少女

憑友「次回も見てくれよな!」


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第2話 覚醒せし少女

漸くまともに動き出した…
そして原作第一話のラスト部分です。
そして他と違って、キリが良かったのか、短い。


昨夜の出来事から一夜明け、今はお昼休み。

響は未来とライドと共に、食堂に来ていた。

すると、未来はスマホを弄り、ニュースを見ると、昨夜の情報が入って来ていた。

 

「『自衛隊、特異災害対策機動部による避難誘導で、被害は最小限に食い止められた。』だって」

 

『うむ…場所を見る限り、この場所から相当近いようだな?』

 

「うん。後、1人の青年が大型ノイズ相手に素手で挑んで、勝利したっていう事も記事に挙げられてるよ?」

 

「その人、強いんだね〜」

 

『だが、普通では考えにくいな。

本来、ノイズは触れれば自ら共々相手を炭化させる能力を持っている筈。だが、その青年はそれが通じていない処か、自らの肉体で、ノイズと戦ったと言う事になってしまう。これはあまりにも矛盾している言動なのだよ』

 

「そっか〜…」

 

と、そんな雑談をしていると、急に食堂が騒ついてきた。

それに気付いた2人はその方向を見ると、そこには響がこの学校にやって来た意味である存在・『風鳴翼』がいた。

その時、翼が響達の方へと歩み寄ってきたので、響は立ち上がり翼と話をしようとしたが、逆に色々と恥ずかしい思いをした響がそこにいたのは言うまでもなかった。

そして、そんな響を見て、ライドと未来は2人揃って頭を手で押さえ込んでいたのは言うまでもない。

 

ーーー

そして放課後。

響は未来の課題を待とうとしようと思っていたが、未来から逆に

「CD売り切れちゃうんじゃないの?」と示唆され、響は慌ててCDが販売されているショップへと、走り出した。

 

「はぁはぁCD!はぁはぁ特典!…」

 

『急ぐのは構わないが、私を置いて行かないでくれ給え』

 

「あはは…御免なさい」

 

因みにその時に響は未来によって、ライドを忘れそうになっていた。

そんな響は苦笑いしつつ、謝っていた。

そして、コンビニの角を曲がって、一息つこうとした時、異変を感じた…

すると、それに感づいたのか、ライドが響に注意を促した。

 

『響!ノイズだ!ノイズが近くにいる‼︎』

 

「!…ノイズ…!」

 

すると、遠くから女の子の声が聞こえ、響はカバンを置いて、急行した。

因みにライドは響の制服のポケット内に入れられている。

勿論、憑友の忘れ形見であるキリトのカードも一緒に。

 

ーーー

一方、此処は特異災害対策機動部。

そこに、先程授業を終えて、そのまま直行した翼がそこにいた。

 

「状況を教えて下さい!」

 

翼の一言で、スタッフが粗方の状況を教えられると、翼は苦虫を噛んだ。

そしてそれは、後ろで腕を組み、壁に背を預けていた奏の専属マネージャーこと霊風も同じだった。

するとスタッフの1人が、

 

「!近くに昨夜現れた青年と同じ反応を捕捉!防犯カメラから映像を出します!」

 

すると、其処には昨夜、大型ノイズを相手に戦った青年が其処にいた。

 

「…高みの見物…と言う事かしら…」

 

それを見ていた翼はそう呟いていたが、それは違っていた。

 

映像は次の瞬間、青年がノイズと戦っている映像を捕捉したのだ!

 

「⁉︎」

 

「如何やら、彼奴はノイズを敵として捉えてるようだな。俺達と同じで…」

 

霊風の言った一言で、機動部のスタッフも張り詰めた緊張感を解した。

 

「…」

 

そんな中、弦十郎は青年の事を少し気掛かりにしていた。

 

「?如何かしたの?弦十郎君?」

 

「…いや、何でもない」

 

其処を隣で座っていた櫻井了子に感づかれるも、何とかその場を誤魔化していたのであった。

 

ーーー

一方、先程女の子の悲鳴を聞いた響は現在、その女の子と共に、ノイズから必死になって、逃げてきていた。

 

『響!その先は水道だ!』

 

「そんなの今は関係ない!」

 

「おねぇちゃん!」

 

女の子を担ぎ、ライドをしっかりとポケットの奥にやると、響は左右を見た。

するともうすぐ其処までノイズが迫って来ていた…!

響は女の子の顔をしっかりと支え、そして…飛び込んだ!

 

そのまま反対岸の方まで泳ぐと、先に女の子を先に上げ、そして上がると同時に走った!

 

かなりの距離を歩いてきたのか、流石の女の子も限界になっていた。

それに気付いた響は、女の子をおんぶして背負い、また走り出したのであった。

 

そして、やっとの思いで振り切ったと思ったその時だった。

 

『⁉︎響!』

 

「え?…⁉︎」

 

ライドの注意を受けた響は驚愕した。其処には先程いなかったノイズ達がもう其処にいたから。

せっかくの行為が全て無駄だった。

女の子もそれに気付き、響の腕にしがみつく。

 

絶対絶命のその時だった…

 

「(私に出来る事を…出来る事が絶対にあるはずだ…!)生きるのを…

 

 

諦めないで‼︎」

 

そう言うと彼女の思いが呼応したのか、響は詠を歌った…聖詠を。

 

「Balwisyall Nescell gungnir tron…」

 

すると、響の身体が光りだしたのだ!

 

『響⁉︎』

 

それに気付いたライド。そして其処には…

 

オレンジと黒、白が基調としたタイツにも似たスーツを纏い、所々に機械的なパーツを纏った響が其処にいた!

 

ーーー

一方、機動部の方では新たな反応を感知していた…

 

スタッフが位置を特定し、照合パターンを検知していた。すると、櫻井了子が、

 

「まさかこれって…アウフヴァッヘン波形⁈」

 

そして画面には【GUNGNIR】と書かれていた。

 

「ガングニール…だと⁉︎」

 

弦十郎の言った一言で、翼と霊風は驚愕させられた。

それはかつて、奏が使用していた聖遺物だったから。

 

ーーー

一方、別の場所で、光の柱を見た者がいた。

 

「…」

 

其処の周りには、大量のノイズの死骸の跡である炭が山積みになっていた。

 

「…この感じ…響…お前なのか…」

 

そう言うと青年はその場所へ行こうとした。

すると、突然通信が入った。

青年はそれに応える。

 

「もしもし」

『大変だよ!響ちゃんが!』

「⁉︎…場所は⁈」

『このままの方向に行って!大至急よ!』

 

そう言うと青年は通信を切り、急いで行った。

それと同時に、一枚のカードを取り出した。

其処には青と白を基調とした服装に茶色のサイドポニーに纏めた髪、

そして金の鉾先になっている槍を前方に構えた女性のイラストが描かれていた。

すると青年はそのカードを燃やした!

 

ーフォーム、ナノハ‼︎ー

 

するとまた何処からか電子音が聞こえるや、燃やした方の手から先程のイラストの女性らしい魂が現れ、青年はそれを纏った。

すると、青年の腰は女性が履いていたロングスカートから、青のジーンズと、白のフォールドマントに変更された。

 

ー全力全開!エース・オブ・エース!ー

 

それを纏った青年はそのまま跳躍した。

すると、なんとそのまま空中を飛んだのだ!

 

「あの光は…お前なのか?…『太陽』…」

 

そう言うと青年は光の柱が発生した方向へと向かっていったのであった。




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回はあの霊風(風使い)が使用していたカードの一枚、ミドリを紹介しよう」

ミドリ/カード名【風を纏いし少女 ミドリ】
属性/風・人間・打・棍

聖なる扉〈ディバインゲート〉を目指している少女。
風と纏ったその威力は他の風使いとはまた違った力を持つ。

憑友「カードの特徴である両手棍型の武器《フォンシェン》を扱う事が出来れば、巧みに扱える事間違い無し!」

次回

仮面被りし青年

憑友「次回も見てくれよな!」


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第3話 仮面被りし青年

これも運命なのかもしれない。


少女を護ろうとした響は無意識に聖詠を唱えた事により、かつて自分を救ってくれた女性・奏が纏っていた聖遺物・"ガングニール"を纏っていた。

 

(挿入歌「撃槍・ガングニール」悠木碧)

 

「ふぇ…えぇぇぇ⁉︎」

「なんで…私、どうなっちゃってるの⁈」

 

『それは私も同じだ⁉︎その姿は嫌でも思い出す!何故君がそれを纏っているのだ⁉︎』

 

戸惑う響と、困惑と嫌な思い出を出したかのように苛立ちを隠さないライド。

ライドにとっては、自分のパートナー・憑友が自らの命と引き換えに、救った女性・奏が着ていた装備だったから。

だからなのか、ライドは奏に関するものに対して怒りに満ちているのかもしれない。

 

"何故、憑友を救ってくれなかったのか"と。

 

それを本人に言わせてやると思った矢先に、奏が表舞台から姿を消してしまったのだ。

故にライドはその時の当事者である翼にこの事を話したかったのだ。

その為に、響と共にリディアンに入ったのだ。

 

「おねぇちゃん、かっこいい!」

 

すると、少女がそう呟いたので、響は手を出して自分の近くに持っていくと、下に置いたままのライドをその少女に手渡した。

 

「ちゃんと持っててね?お姉ちゃんの大事な人の形見だから」

 

「…うん!」

 

そう言うと女の子は必死になって、ライドを手放さないようにしっかりと持った。すると響はそのままお姫様だっこの形で、少女を担ぐ。

すると響はジャンプした…したのだが…。

 

「ふえ⁉︎…えぇぇぇ⁉︎」

 

人よりも遥かに逸脱したその跳躍により、空中で思いきり体勢を崩してしまうが、なんとか持ち堪え、そのまま足で着地した。その時に少しクレーターが出来たのはほっといて欲しい。

すると、響は上を向く。すると直ぐ様、ノイズ達が自分達の所まで降りかかってきた。

そしてすかさず前方に回避するが、まだ自分の力に振り回されて、着地には失敗するものの、少女を守り続けていた。

 

 

そんな響の様子を影から見守る存在がいた。

 

「…響。お前なんだな…」

 

その存在は響の事を知っていたのであった…

 

 

ーーー

一方、機動部から許可を得て、バイクで現場に急行する翼と、そんな翼の横に、普通に颯爽と走っている青年がいた。霊風だ。

なんとバイクと同等のスピードで走っていた!

 

すると、翼はヘルメットに内蔵されてある小型のマイクとイヤホンを機動させ、隣の霊風にバイクを動かしながら話をした。

 

「なんで、バイクと同等のスピードで走れるの⁈」

 

すると、霊風は左腕を見せた。

其処には霊風がいつも使用しているフェイバリットカード【風を纏いし少女 ミドリ】が装填されていた。

 

「こいつの風は速いんだよ。それはまさに疾風の如くってな!んじゃお先に!」

 

そう言うと霊風はアブソーバーのドライブボタンを叩いた。

 

『スピリット・ミドリ!フルドライブ‼︎』

 

すると、先程まで同等のスピードで走っていたのが、徐々に霊風の方がスピードを上げていった!

 

「行くぜ!"ドラゴン・アクセル"‼︎」

 

そう言うと青年の走る速度がスピードカー並みに速くなり、先に行ってしまったのだ!

それに気付いた翼は「⁉︎ま、待ちなさい!」と言って、後を追っていた。

 

そしてそんな様子を見ていた1人の男がいた。それは憑友を現世に半幽霊もとい妖として蘇らせた張本人である神だった。

 

「…ふっ。相変わらずのマイペースぶりだ。《フレンドリーマネージャー》そして《防人嬢》…

あの馬鹿共に格の違いと言うのを見せておけよ…」

 

そう言うと神は再び天界へと消えてしまったのだった。

ーーー

 

そんな中、響は女の子とライドを担いだまま、必死になって避け続けていた。

 

しかし、やはりまだ自分の力に振り回されっぱなしになっていた。

 

すると、一体のノイズが響の方へと襲いかかってきた!

 

響は咄嗟に、腕を振り回した。

すると、ノイズは瞬時に炭となって消えた…!

 

「(!…私が、やったの…?)」

 

『これは…!何か来る!』

 

すると、ライドの言った通り、ノイズの大群を物ともせずに突き進むバイクが向かって来ていた。すると、バイクの搭乗者がヘルメットを脱いだ…そして素顔を見て、ライドは驚かされた。

それはなんとアーティスト『風鳴翼』だった。

 

すると、すぐにすれ違うや、巨大ノイズにバイクを特攻させ、自分は後方へと大きく跳躍しながら…

 

「Imyuteus amenohabakiri tron…」

 

聖詠を唱えた。

 

すると翼は響の前で見事に着地に成功した。

 

「惚けない。死ぬわよ」

 

「!」

 

「貴方はその子を守ってなさい」

 

そう言うと翼はノイズへと走っていった。

 

「翼…さん?」

 

「悪いね〜お嬢ちゃん?」

 

「ひゃあ⁉︎」

 

すると、後方から声が聞こえ、吃驚する響。

其処には、武器《両手棍・フォンシェン》を担いだ霊風がいた。

 

「え⁈れ、霊風さん⁈あの《フレンドリーマネージャー》として有名な⁉︎」

 

「おぉ〜これはこれは凄い有名人扱いになったもんだな。俺、モテ…「霊風!貴方も手伝いなさい!」ったく、分ったよ!と、話はまた後でな♪」

 

そう言うと霊風は仕方なく翼の後を追った。

 

(挿入歌「絶刀・天羽々斬」水樹奈々)

 

すると、翼は数多の技で敵を薙ぎ払っていく。

対して霊風はその得物を最大限に活かした攻撃を行う!

 

まさに2人の息はピッタリだった。

そして、あっという間に全てのノイズが倒されたのであった。

 

「ふぅ〜終了終了『ストップ!まだ何かいるわ!』え?」

 

「⁉︎な…」

 

「「「?…⁉︎」」」

 

『な、なんだこの大きさは⁉︎』

 

すると、先程まで響がジャンプして届いた場所を優に越す身長を誇ったノイズが現れたのだ!推定30mもあった!

 

「っく!あの高さでは、『天ノ逆鱗』は届かない!」

 

翼の屈指の技でも届かない事に響は諦めかけたその時だった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒュー♪ヒュ〜ルル〜♪

 

 

 

 

 

「…?これ…口笛?」

 

突然、遠くから口笛の音が聞こえた。

響が聞いたのを機に、翼と霊風、そして女の子とライドが全員耳を澄ませた。すると、

 

 

ヒュー♪ヒュ〜ルル〜♪

 

「この音楽…何処かで…」

 

『これは…憑友が口癖で吹いていた口笛の音色と同じだ!』

 

そんな会話の時、

 

スタッ!スタッ!スタッ!スタッ!

 

と、此方に近付く足音がした。

 

ーーーSIDEto響

そしてその私も含めた4人はその足音の鳴った方を見る。

すると1人の青年が此方にやって来ていた。

 

「‼︎貴方は昨日の!」

 

其処で翼さんはその特徴を見て、突然現れた青年の事を知っているのだと確信する。

すると青年が話をしだした。

 

「だから昨日似たような事を言ったろ?…『早ければ明日、にでも分かる』ってな?」

 

「え?…この声…」

青年が話した事で、私は疑惑を感じ始めた。

この声は知っている声だ。

だけど、その声の持ち主はもうこの世にはいない…

じゃあ、この人は一体誰なのか?と。

 

色々と頭の中がごちゃごちゃになっていると、青年が私の方に顔を向け、

 

「久しぶりだな?響いや、『太陽』」

 

「⁉︎嘘…なんで?」

私はさらに困惑した。

今、確かに自分の名前を言い当てた。まだ名前すら言っていない…翼さんは別としてもだが。

それに、先程言った『太陽』と言う言葉に私はさらに困惑した。

何故ならそれは、未来だけが私に対して言う親しみのある言葉だと…?未来だけ?

…いや、違う。この言葉を言うのはもう1人いるじゃないか。

 

…憑友だ。

でも、彼はもう2年も前にこの世から亡くなっている。お墓もある。

じゃあ、今目の前にいるこの青年(ひと)は一体誰なの?

 

すると、青年さんが耳を手で覆うと何処かと話をし始めた。

 

「もしもし。俺です。現在、大型ノイズと接触。

同時に、『シンフォギア』の装者・風鳴翼と、『精魂導師(セイコンドウシ)』の1人・精妖霊風、そして立花響の3人と接触。

………了解。任務を続行する。

必ず帰るからね…セレナ義姉さん(・・・・・・・)

 

「…え?…今、セレナ義姉さん(・・・・・・・)って…」

 

『まさか⁉︎』

 

私はその言葉で衝撃となった。

この青年の話し相手が、セレナさんだったからだ。すると、青年は手を下ろし、そして仮面を外しながら話しかけてきた。

 

「ずっと、お前に会いたかった。

本当は未来にも会いたかった。けど、今は仕方ないかな。こんな緊急時に会おうと言う方がおかしいからな」

 

嘘…この人…未来のことまで知っていた…なんで?

すると、青年の言った一言で私は確信に変わる。

 

「それに…ライドさんも元気そうで何よりだよ」

 

ライドさん。

それを言うのはもう決まっている。

ライドさんが居候していた「人絆家」の人達で1人、そして私と未来の3人だけ。

しかし、今ここに居るのは私とその1人のみ。

つまり…

 

「貴方…もしかして…」

 

恐る恐る聞いてみたと同時に仮面が取れたようで、私達に顔を見せた。

 

「久しぶりだな…響」

 

その顔は忘れもしない顔だった。

私は思わず、涙を流していた。

一方の翼さんと霊風さんは驚愕していた。

当然だもんね。何せ、今私達の目の前にいるのは…

 

「俺の事…憶えてるか?」

 

「…勿論だよ…憑友!」

 

かつて奏さんを救って、自分の命を落としたかつての少年にして、私と未来の数少ない男友達にして、かけがえの無い幼馴染…

 

《人絆 憑友》がそこにいた。




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー。
今回もあの風使い・霊風が使用していたカードの一枚・ランサーを紹介しよう」

ランサー/カード名【クランの猟犬 ランサー】
属性/風・英霊・突・槍
ランサーと言う名は偽名。変身時と必殺技(フルドライブ)発動で、正体がバレる。
真名は、ケルト神話の英雄・クーフーリン本人。

憑友「彼の敏捷さはトップクラスに入る実力の持ち主。
魔槍《ゲイボルグ》で突き刺す攻撃は心臓をも穿つ!」

次回

襲名

憑友「次回も見てくれよな!」


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第4話 襲名

またサブタイ変更してしまった。許して欲しい。


響が奏の聖遺物《ガングニール》を纏い、女の子を守っていると、翼と霊風が現れ、2人でノイズ達を殲滅したかに見えた。

だが、其処に新たに30mは下らない大型ノイズが現れたのだ。

そんな3人の前に仮面の青年が現れた。

すると青年が仮面を外すとなんと、かつて奏の命を救う代わりに命を落としてこの世から亡くなった少年・人絆憑友が成長した姿で現れたのであった‼︎

 

ーーー

3人は未だに驚きが隠せなかった。

 

翼と霊風は昨日出くわした青年がまさか2年前に奏を救い、そしてその命を散らせた少年だったと言う事に。

そして響はと言うと、2年前に自分達から消えた少年に涙が零れて来ていた。

 

それに気付いた青年・憑友は響に寄り、涙を指で掬った。

 

「涙を流すなよ。俺が泣かせたみたいになるじゃねぇかよ…」

 

「だって…本当の事だもん…」

 

「まぁ、否定しないけどな」

 

そう言うと、憑友は響が抱いている女の子を見て、女の子の頭を撫でた。

 

「心配しないでね。お兄ちゃんがあの怖い怖いをこの拳でギャフンと言わせてやるからな!だから、このお姉ちゃんから離れちゃ駄目だよ?後、その電子機器、実はお兄ちゃんのなんだ。返してくれたらいい有難いな〜?」

 

「…はい」

 

「…うん。有難う♪」ナデナデ

 

「!…うん!」

 

こう言う扱いに長けてる憑友は何れ一級フラグ建築士になるのが確実だと思わせるのであり、こう言う所が地味に発揮されているのである。いや〜将来が楽しみになってきましたな〜ヌフフ。

 

「後でしばくぞ?」

 

「誰に言ってるの…?」

 

「ナレーション」「?」

 

ドキッ⁉︎…ゴホンゴホン。さ、それは兎も角…「(スルーしたな?)」

…え、ええと。と、兎に角!

それを言うと憑友は久しぶりにライドと会話をした。

 

「久しぶりだな、ライドさん」

 

『憑友…本当に、君なのだな…⁉︎』

 

「当たり前だろ?長年、連れ添って来た存在の顔をもう忘れたのか?認知症は困るなぁ〜全く」

 

『私はまだ認知症な年頃では無い‼︎』

 

「だろうな。…兎に角、ただいま」

 

『!…あぁ。お帰り。憑友〜〜‼︎』(T○T)

 

「泣くなよ‼︎涙脆くなってないか⁉︎」

 

と、そんな会話をしていたら、

 

『☆○☆○◇▽□‼︎』(#)

 

大型ノイズが「俺の事忘れてないか‼︎」と怒りに満ちた声を上げたので、4人はその方向を向くと、憑友が言った。

 

「あ、御免。忘れてた」

 

『☆○☆○◇▽□‼︎』

 

如何やら「ふざけるな‼︎」と言っていた。

それを見た憑友は話をした。

 

「ライドさん。俺な…自らの身体に炎を纏えるようになったんだ…」

 

『!…それはまさか…』

 

「あぁ…でも、やっぱりまだまだ暴走しちゃうんだ…」

 

それを聞いた翼は驚いていた。

何せ、昨日の夜はおろか、まだその力に振り回されていると言うのだ。

そして霊風はそんな憑友の会話に気がかりな事を思っていた。

 

「(暴走?…なら、何故此奴は昨日『英雄石板』から生み出されるカード【ヒーローカード】を燃やして、そしてその力を扱いきれる事が出来たんだ?)」

 

霊風の言う通り、もし暴走していたとなると、そのカードは基本的には使いこなせない。

現に霊風は昔は()の力を扱いきれず、暴走した過去を持っていた。

けど、その時はスピリットがそのブレーカーとなっていたのだ。

今ではこうして扱いきれるようになり、

英雄の力を扱いきれているけれど、

自分(これ)憑友(それ)とは訳が違っているのである。

 

憑友は自ら使いこなせない炎の力を暴走させていながら、更にその上でヒーローカードを燃やしてまで使う事に違和感いや、矛盾点を感じていた。

 

「だから、ライドさん。俺と共に戦ってくれないか?ライドさんがいれば、百人力さ!」

 

『憑友…良し!分かった!君の為なら、なんだってしてやろうでは無いか!』

 

「サンキュー!ライドさん!…それじゃあ…

襲名式と行きますか!」

 

そう言うと大型ノイズの方を向いた憑友。

そして、ライドを左腕に装着した!

 

『OK!Areyouready?』

 

すると、憑友は腰に付けてあるカードケースから一枚のカードを取り出した。

そこには灼熱の炎を纏った者のイラストが描かれていた!

 

「響、見ててくれ。これが…俺が得た…新たな力だ!」

 

そう言うとライドのディスプレイ画面を起こした。

すると、真ん中が真っ二つに枝分かれした!そしてカードを装填し、

 

「変身‼︎」

 

そしてレバーを関節から手の甲へと引いた。

その際に、画面もカードをサンドされるようにセットした!

 

ーライド‼︎フォーム…オ・レ‼︎ー

 

そして、憑友はライドいや、電子機器ライドアブソーバーを天に向けて放った。

するとそこから灼熱の炎を纏った衣を羽織った魂が現れ、憑友はそれを纏った!

 

ー英雄の魂、オレに宿れ‼︎ー

 

そして姿が現れたと同時に灼熱の炎が大地を炎の海へと変貌させた!

 

そのあまりの暑さに響達は手で覆い隠していた…

 

ーーー

一方、憑友の変身は機動二課の方にまで知れ渡っていた。

 

「新たな数値を確認!これは…昨夜、翼さんと霊風さんが邂逅した青年と同じ波形です!」

 

「…やはり、お前なのだな…」

 

「?弦十郎君?昨日から考え込んでるけど…もしかして、あの青年君とお知り合い?」

 

「…あ、ああ。…とは言え、約一年と半年の間は見ていなかったがな…」

 

「ふ〜ん…まぁいっか!」

 

「この波形は…間違い有りません!霊風さんと同じ『精魂導師』の力です!」

 

「嘘⁈」

 

「やはりか…(お前なのだな…憑友…)」

 

 

そこには、少し笑みを浮かべていた弦十郎氏が居たとか。

ーーー

そして響が次に見たのは、驚くべき姿だった。

そこには、

 

赤と炎をあしらった外套を羽織り、灼熱と彷彿させるような籠手を纏った憑友がそこにいた!

 

「この熱き魂は地獄の業火から譲りし力!

その身の炎で、相手を焼き尽くす!

炎の魂を導く師者。『炎魂導師(エンコンドウシ)』ライド‼︎

本日付けで襲名させてもらいます。ってな!」

 

そう言うと、憑友は拳同士を打ち付ける。

すると、装備してある籠手がほんのりと赤く輝いた。

 

「行っくぞ〜〜‼︎」

 

そう言うと、炎魂導師となった憑友はそのまま太腿をバネの容量で縮めると、そこから一気に跳躍したのだ!

その高さはなんと、30mを優に超えていた!

 

それを見た3人は驚いてしまっていた!

 

「うぉぉぉりゃぁぁぁ‼︎」

 

そう言うと憑友はなんとそのまま拳をノイズに鉄拳を食らわせたのだ!

それによりノイズはものの見事に喰らい、そしてそのまま地べたに顔面強打した。

 

するとそこから一気に急降下すると同時に、足からも火が出て、そのまま蹴りを決め込んだのだ!

 

それにより、ノイズは更にもがき苦しんでいた!

そんな時だった…

 

ーーーSIDEto憑友

 

良し!これならライドさんと共に立ち向かえるぜ!

 

ピロピロピロリン♪ピロピロピロリン♪

 

ん?こんな時にセレナ義姉さんから?なんだろう?

 

ピロピロピロリン♪ピロピロ…ガチャッ!

 

「もしもし?如何したの?」

『あのね、憑友。そのノイズなんだけど…』

「まさか、石板とか無いとか言わないだろうな?」

『違う!寧ろ、その逆!こいつは石板を二枚も飲み込んでいるのよ!』

「はぁ⁉︎んじゃどっちかしか手に入れられないじゃんか!」

 

すると、セレナ義姉さんが何か言おうとした所へ玄也(父さん)が代わった。

 

『聞こえるか、憑友。私だ。今そこに風魂導師の霊風君がいるんだよね?』

「ん?…いるけど、如何したの?」

『彼にも手伝って貰いなさい。それで石板を回収したら、後は翼ちゃんも加えて3人で戦いなさい!思いっきりね。響ちゃんはまだ装者になったばかりだから、戦闘力は皆無に等しい。彼女には女の子の方を守る事に専念させて欲しい』

「!…了解!」

 

そう言うと俺は通信を切り、急いで霊風の所へと向かった。

 

ーーーNO SIDE

そのあまりの光景に3人はただ傍観していた。

いやだってさ?

一回のジャンプで30mは跳ぶし、

そこからノイズに向かって一気に鉄拳食らわせるし、

しかもその時に通信が入って来ていたのか、普通に避けながら話しているのはあまりにも異常であった。

 

尤も、翼と霊風はそれとよく似たような光景を取ってもおかしくないような存在を知っていたりするのだが…。

気の所為にしておこうと2人は内心思っていたそうな…。

 

ーーー

「…へっくしょん!」

 

「⁉︎だ、大丈夫⁈弦十郎君?」

 

「も、問題ない。…誰か俺の噂でもしたのか?それとも、本当に風邪なのか?」

 

因みにその時に弦十郎がくしゃみをした事に内心吃驚していた機動二課のメンバーがいたのは言うまでも無かった。

 

ーーー

さ、気を取り直すとしようか。

そんな風に思っていると、憑友が突然霊風の所にやって来た。

そしてセレナの話をありのままに伝えた。

 

「え⁉︎俺もやるのかよ⁉︎俺、お前みたいな芸当出来っこ無いんだけど⁉︎」

 

しかし、霊風はそんな事は一切知らない謂わば素人同然だった。

しかし、話を聞いてみると、如何やらノイズの中には時々、『英雄石板』を呑み込んで、急成長するノイズがいるのだとか。

それ故にそれらを憑友は「特異型ノイズ」と定めていた。

昨日、翼達の前に現れたのは、その特異型ノイズがそこにいた為であった。

そしてこの特異型ノイズはそのまま倒す事も可能だが、中に入っているのは世界遺産に登録された品物『英雄石板』であると言う事で、倒すのが極めて困難なノイズの一種であった。

こいつらの特徴は大きく分かれて3つあると言う事。

 

①体内に『英雄石板』を呑み込んでいる事。

これは先に言ったので割愛させて貰おう。

 

②このノイズ達は普通に質量兵器でも倒す事が可能。

但し、中に入っている『英雄石板』にもダメージを受けてしまうと言うデメリットがあった。

 

③『英雄石板』を取り出すには、『精魂導師』と言う者達になりし者がそれらを取り出せる事が出来る。と言う事だった。

 

今の所、詳しい内容は分かってはいないのだが、『精魂導師』と言う者達にはそんな力が宿っているらしいとの事だった。

 

大まかな話を聞いた霊風は渋々了承した。

そして憑友は通信相手であるセレナと話をした。

如何やら今回は前回と同じ後頭部と、更に今回は人間で言う所の心臓部あたりにあると言う事が判明した。

 

それを聞いた霊風は、

 

「んじゃ…心臓部を狙うわ」

 

と、心臓部の方を狙う事にし、憑友は逆に後頭部を狙う事にした。

そして、翼に回収完了と共に3人で倒すと言う事を伝えると、翼はそのまま無言のまま頷いた。

そして憑友は響の方へとやって来て、「今回は、その子を守る事だけに専念してくれ」と言い、響はそのまま頷いた。

 

 

そして準備運動をし始める憑友と霊風。

 

「頼りにしてますよ、先輩!」

 

「回収はお前の方が先輩だけどな?」

 

「…言えてます」

 

そう言うと2人はそれぞれ構えた。

霊風は両手棍を前に突き出す構えを、

そして憑友は拳を構えた。

ただ、その構え方を見た翼と霊風は何かに感づく。

 

「?…憑友のその構え…何処かで?」

 

「?この構えですか?風鳴弦十郎と言う人から教わりましたけど?」

 

「司令が⁈」「風鳴のおやっさんがか⁉︎」

 

「?お2人の知り合いか如何かは分かりませんけど、あの人は俺の師匠ですよ?」

 

「「師匠⁈」」

 

憑友のカミングアウトに翼と霊風は勿論、それを聞いていた機動二課のスタッフも全員驚いていた。

 

「あの馬鹿が…秘匿だとあれ程言っていただろうが…」

 

と、弦十郎が言っていたのは言うまでも無かった…。




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー!」
「今回は、俺が使用していた力の1人・ナツを紹介しよう」

ナツ/カード名 【炎の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー) ナツ】
属性/ 炎・人間・打&魔・拳
滅竜魔法と呼ばれる特殊な魔法を扱う。
炎属性又はそれに関連した属性なら全てを吸収する性質を持つ。

憑友「ナツの繰り出される炎はまるで人間に憑依した火龍の如く、驚異的な力を発揮してくれる!」

次回

再会

憑友「次回も見てくれよな!」


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第5話 再会

いよいよ原作2話の部分。4話から続けて読んで欲しい。


そんな事よりも、と憑友はノイズの方に集中した。

 

「荒れまくるぜ〜‼︎」

 

そう言っていると、響の胸から何かが光となって出て来た!

 

「⁈ふぇ⁈何⁈」

 

あまりの出来事に響は驚いていると、その光はそのまま憑友の方へと移動してしまった。

 

憑友の前に現れたその光は憑友が取る事で、その光は消え、そこにあったのは、

 

「‼︎師匠(せんせー)‼︎」

 

憑友が剣術を教わった存在・キリトのカードだった。

 

「!…そっか。師匠(せんせー)とも、久しぶりだったな。

師匠(せんせー)。俺と一緒に戦ってくれますか?」

 

すると、

 

「ああ!」

 

と、声が聞こえた…キリトの声だった!

 

「お前があれからどれだけ成長したのか、見せてくれ!」

 

「!…よっしゃ!これで俺は百人力いや、千人力だ!行くぜ!ライドさん!」

 

『OK!では、参ろうか!』

 

そう言うと憑友はレバーを元に戻し、カードを引き抜くと手元に来た憑友の剣術の師匠(せんせー)【黒の剣士 キリト】のカードを装填し、

 

「変身‼︎」

 

そして、レバーを引いたのだ!

 

ーライド!フォーム…キリト‼︎ー

 

そう言うと、そこから黒の装備を纏った魂が現れ、憑友はそれを纏った!

 

ー黒剣、双閃、アメイジング‼︎ー

 

そこには黒のコート、黒と水色の双剣を背中に携えた憑友がそこにいた!

 

ライド・キリトフォームの誕生である!

 

(挿入歌「crossing field」LiSA)

 

するとノイズが流石に苛立ったのか、ヘドロらしき物体をなんとマシンガンのように撃ってきたのだ!

 

それを見た翼は響達の前に出て、

 

ー天ノ逆鱗ー

 

空中から巨大な大剣を顕現させ、防ぐ。

そして霊風は霊風で、両手棍を巧みに回転させて、上手く防御していた。

だが、憑友は違った!

 

「…!はぁぁぁぁ‼︎」

 

憑友はなんとそのままあの弾丸の雨を掻い潜り抜けたのだ!

それを見ていた響と女の子、翼と霊風は驚いた。

しかし、驚くにはまだ早かった。

 

その弾丸が憑友に襲いかかろうとした!

絶対絶命のその時だった!

 

「っ!はぁ‼︎」

 

なんと、そのヘドロの弾丸を…斬ったのだ…!

 

『⁉︎』

 

それを見ていた全員が驚愕していた。

しかし、当の本人である憑友はと言うと…

 

「流石、師匠(せんせー)だぜ!こんな物朝飯前ですもんね!

以前は確か、本物の銃弾を剣で見事に真っ二つにしてましたもんね!」

 

と、キリトの武勇伝を豪語していた。

それを聞いた皆はこう思った。

 

『その『英雄』…化け物じゃないのか?』と。

 

しかし、そんな降りしきる弾丸の雨を剣で斬りつけながら近づいていく憑友。

 

「本来なら剣では斬れない筈の魔法すらも斬ってしまうんですから、本当にせんせーは凄い人です!」

 

と、やたらキリトを豪語しまくる憑友を他所に、他の皆は一斉に言った…

 

『それ、最早化け物だろ⁉︎』と。

 

そう言っているとあっという間に足元までやってきた!

すると、背中に担いでいたもう1つの剣を取ると、ライドに着いていたドライブボタンを叩いた!

 

『ライド・キリト!フルドライブ‼︎』

 

「はぁぁぁぁぁ‼︎」

 

すると、2つの剣が青く光り輝き始めたのだ!

それを見た響は、

 

「!…綺麗…!」

 

と、目をキラキラして見ていた。

 

すると、足元を中心に一発、

 

ザクッ!

 

また一発、

 

ザクッ!

 

そしてそれを連続で斬り尽くし、そして、

 

「これが師匠の力だ!"スターバースト・ストリーム"‼︎」

 

最後の一撃を2つの剣で同時に斬りつけたのだ!

計16連撃の奥義にして、キリトの十八番・"スターバースト・ストリーム"が決まった!

 

それにより、ノイズの右足が完全に破壊され、ノイズはそのまま頭から地面に叩きつけられた。

 

「よっしゃ!行くぜ!」

 

そう言うと霊風も腰からカードを取り出し、装填されていたカードを入れ替えてレバーを引いた!

 

ースピリット!フォーム…ランサー‼︎

 

クランの猟犬、光の皇子‼︎ー

 

すると2年前に使用した、青の配色が多い姿へと変身した!

 

そしてそのまま心臓部の方へとやって来た!

すると、少しだけ明らかにノイズとは別の異物を見つけた。

すると憑友が後頭部にやって来たので、話をする。

 

「おい!このイボイボみたいなのは?」

 

「それが『英雄石板』ですよ」

 

憑友の言った一言に霊風は何処かのギャグマンガのようなポーズになっていたのは言うまでもない。

 

すると、憑友は腰に付けていたカードケースから一枚のカードを取り出し、レバーを肘関節の方に戻し、キリトのカードを抜くと今度はそのカードを装填し、レバーを引いた!

 

ーライド!フォーム…ナツ‼︎ー

 

そして現れた魂に、翼と霊風は驚いていた!

何故なら、昨夜憑友がその身の炎で燃やして呼び出した魂がまた現れたのだから。

そんな2人はほっといて、憑友はそれを纏った!

 

ー炎で滅せ、竜滅者‼︎ー

 

するとそこにはマフラーを巻いて、紺のチョッキを羽織った姿へと変わり、黒髪だった憑友の髪の一部がピンク色に瞬時に変わった!

 

「うぉぉぉりゃぁぁぁ!"火竜の鉄拳"‼︎」

 

それを合図にノイズの後頭部を殴る憑友。

それを見た霊風は槍と化した長柄武器で石板の周りのノイズの細胞を薙ぎ払っていく。

 

「今です!」

 

そう言われ、霊風は石板を引き抜く!しかし、中々引き抜けない。

 

すると憑友も同じ事をしていたので、まだ攻撃しないとと言おうとした時、

 

「"炎龍王の"……"崩拳"‼︎」

 

先程よりも更にその上を行く爆炎でノイズを殴った!

すると同時に、石板を引き抜き始める。

すると先程よりもスルリと抜けやすくなったのだ!

 

それを見た霊風は気付き、連続で槍を連続で突いた!

そして引っ張ってみると、スルリと抜け易くなった!

 

そして、

 

 

「これで!」

 

「終わりだ!」

 

そしてそれぞれ最後の一発を与え、石板を引き抜く!

それにより、石板は両方引き抜かれたのであった!

 

すると、ノイズが少し縮んだように見えた。

憑友と霊風は共にそこから離れる。

 

そして憑友は後ろ腰に備えられたポーチに石板を収納した。

因みに霊風が取った石板は近くにいた響にそのまま手渡され、

響が「私、お荷物係じゃないですよ⁉︎」と言っていたのは言うまでも無かった。

 

「最後はド派手に決めますか!」

 

そう言うと憑友はライドに付いているドライブボタンを叩いた。

それに気付いた霊風もスピリットに付いているドライブボタンを叩いた。

 

『ライド・ナツ!フルドライブ‼︎』

『スピリット・ランサー!フルドライブ‼︎』

 

「「はぁぁぁぁぁ‼︎」」

 

 

そうすると2人は気溜めに入り、翼はそれに気付くと瞬時に上空へと跳び、自身が持っていた刀を握りしめる。すると、刀が巨大な大剣になり、雷が纏わり付いた!

 

そしてそれを相手にぶっ放した!

 

ー蒼ノ一閃ー

 

翼の放った斬撃波と同時に、霊風も上空へと跳躍するや、持っていた槍を投げ槍の用量で持ちそして、

 

「喰らえぇぇぇ…

"突き穿つ(ゲイ)"…"死翔の槍(ボルク)"‼︎」

 

その槍をぶっ放したのだ!

 

2つの攻撃にノイズはそのままダメージを食らう。

そしてそれを待っていたかのように、憑友は自身の手を燃やして待っていた!

 

「竜を滅する力を刮目せよ!

 

"滅竜奥義・不知火型"…

 

 

 

 

"紅蓮鳳凰剣"‼︎」

 

そう言うと炎を全身に…特に、頭の部分を激しく燃やしてそのまま頭突きを繰り出したのだ!

 

そしてそのままノイズを貫通、ノイズはそれにより爆散したのであった。

それを見届けた響以外の3人は変身を解除したのであった…

ーーー

その後、自衛隊が駆け付け、其々の後処理に負われていた。

 

そんな時に、響が守っていた女の子の母親が現れて、女の子は無事に再会したのであった。

 

それを見ていた響に、

 

「暖かい物、どうぞ」

 

「あ、暖かい物どうも」

 

スタッフの1人・友里からコーヒーの差し入れを貰い、響はそれを口にする。

それによりホッとしたのか、自分が纏っていたスーツが消失し、響がその反動で後ろに転びそうになった…その時、

 

「よっと!」

 

誰かに助けられ、響が後ろを見てお礼を言おうとしたら、

 

「⁉︎憑友!」

 

それが憑友だと知り、内心ホッとしていた。

 

「あんまり無茶すんなよ。このバカ響♪」

 

「むぅ〜!それ如何言う意味よ!」

 

「あん?そのままの意味だよ〜だ!」

 

「酷いよ⁉︎」

 

そんな雑談をしていた2人に先程戦っていた翼と霊風が此方にやって来たのだ。

 

「…」

 

「よ!メラメラハートの色男!」

 

「め、メラメラ?もしかして…俺の事?」

 

「他に誰がいるかよ?」

 

「ですよね〜…」

 

そんな会話をしていると、翼が憑友の所へとやって来た。

 

「君はあの時、奏を救ってくれたのよね?」

 

「…はい。間違い無いです」

 

憑友がそう答えると、翼がなんと頭を下げてきたのだ!

芸能界で人気のアーティストであるあの『風鳴翼』が頭を下げて来たのだ!

それに困惑する憑友。

するとその真意を聞いた。

 

「奏を救ってくれて…ありがとう。

貴方が居なければ、奏はもう…!」

 

すると、それを察知したのか、翼の肩に手を置く憑友。

それに気付いた翼は頭を上げた。

 

「良いんですよ。あれくらい。

俺は天羽奏(あの人)のファンなんです。

好きな物の為に命を燃やすのは、良いじゃ無いですか!

だから、気にしてません」

 

憑友の言葉で翼の目から涙が零れた。

それを見た憑友は慌てだした!

 

「って、ちょっ⁉︎泣かないで下さいよ⁉︎俺が苛めたように思われるじゃ無いですか⁉︎」

 

「ぐすっ…」

 

そんな2人に霊風は首を突っ込む。

 

「違う違う。これは嬉し泣きなんだよ。なぁ?翼♪」

 

「っ⁉︎な、泣いてなんか…」

 

霊風の悪戯じみた言葉に翼は反論するも、顔が真っ赤になっていたのは言うまでも無かった。

そんな中で、響はそのまま帰ろうとした。

しかし、其処に黒服姿の男達に囲まれてしまった。

それを見た憑友も、苦笑いしていた。

 

「え?」「…如何してもか?」

 

すると、翼が先程までの態度をガラリと変え、

 

「貴方達をこのまま返すわけにはいきません」

 

と言ってきた。

 

「如何しても〜?」

 

「悪いな…如何してもなんだよ」

 

憑友が苦笑いしながらそう言うも霊風が変わりに受け答えをした。

それにより、憑友は肩をガックリと落としていた。

 

「特異災害対策機動部二課までご同行願います」

 

それでも翼はブレていなかった。

それを見た憑友は「(仕事のON/OFFがきっちりしてるなぁ…ん?あれ、これ何処かでやったような…)」とデジャヴを感じていたら、

 

2人とも手錠を掛けられてしまっていた!

 

響が慌てていると、隣にいた男の人が話しかけてきた。

 

「すみませんね。貴方達の身柄を拘束させて頂きます」

 

そんな話をした男に対して、憑友は話しかけた。

 

「因みにさ?俺の手錠(これ)って、特別製だよね?緒川(・・)さん」

 

「勿論ですよ。憑友君」

 

「サンキュー」

 

そんな2人の会話に3人は驚かされた。

何故、2人が知っているのかを。




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー。
今回は霊風が使っていた内の1人・シロエを紹介しよう」

シロエ/カード名【腹黒眼鏡 シロエ】
属性/闇・人間・魔・杖

姿はハーフアルヴと呼ばれる種族の姿を持っているが、中身は歴とした人間。
アシスト系の魔法に長けた職業・付与術師(エンチャンター)の能力を持っている。

憑友「謙虚な姿勢を持っているが、全ての戦闘指揮を執る実力を持つ戦略軍師。
彼の瞳には30秒先の未来が視えているのだとか…」

次回

人類守護の砦

憑友「次回もお楽しみに!」


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第6話 人類守護の砦

今回は重要要素ありあり回。


そして車で連行されていく響と憑友。

すると、とある建物が見えてきた。

憑友は全く分からない場所だったが、響とライドは良く知っている場所だった。何故なら…

 

「なんで、学院に?」

 

「?此処知っているのか?」

 

「此処、私が通ってる場所だけど…」

 

「…へぇ〜。馬鹿でも入学出来るんだな〜」

 

「余計なお世話だよ⁉︎」

 

『憑友。響はこれでも、ちゃんと勉学に励んで入学したんだぞ?』

 

「余計な事言わないでよ⁉︎ライドさん!」

 

「ふ〜ん…でも、それなりに出来るのは分かったよ」

 

そんな2人の雑話を聞いていた翼と霊風、そして緒川の3人は三者三様の反応をしていたのであった。

 

そして、2人と1つは学院内の1つである、講師達がいる中央棟へとやって来ていた。

 

「あ、あの〜…此処、先生達がいる中央棟ですよね…なんで?」

 

響はそう言うも、その答えを言う者は少なくてもこの場にはいなかった。

 

すると、エレベーターと思わしき物に入って行く。

 

すると翼と霊風はエレベーターに入るや、奥の方へと入り、手すりらしき物に手をやる。

 

それを見ていた響に、緒川が話しかけて来た。

 

「さ、手すりに掴まって下さいね?」

 

「へぇ?」

 

そう言うと響に手すりを持たせた。

すると緒川は今度は霊風に話しかけた。

 

「霊風君は、憑友君の手錠をしっかり持ってて下さい」

 

「なんで俺な訳?」

 

緒川に言われ、霊風は嫌々ながらも仕方なく憑友の手錠をしっかりと持ち、手すりに掴まった。

 

「あ、あの〜危ないって…」

 

響が言おうとした時、エレベーターが急降下し…

 

「「ぎゃあぁぁぁぁああああ⁉︎」」

 

そのまま憑友と共に絶叫したのであった。

因みに、憑友を持っていた霊風は憑友がそのまま浮いてしまい、それを必死に持っていたせいで自分の身体が浮き、そして巻き込まれたのは言うまでも無い。

その後なんとか収まり、響が苦笑いをしたのだが、翼から「愛想は無用よ」と言われ、軽くショックしていた。

 

すると、ガラスの先の景色が変わった。

まるで壁画に色を塗ったかのような風景が見えた。

 

「これから先に微笑みなんて無用よ」

 

翼からそんな言葉を言われた響は緊張する。が、

 

「本当は歓迎会の準備でもしてんじゃないの?」

 

「へ?」

 

憑友の言った一言に響が間の抜けた声を上げた。

 

「で、でも流石にそれは無いんじゃ…」

 

そう言って、憑友の言った事に否定した響なのだが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パァンッ!パァンッ!

 

 

「ようこそ!人類守護の砦!特異災害対策機動部二課へ!」

 

「…へ?」

 

憑友の言う通りになっていたので、惚けていた。

しかもご丁寧に歓迎会ムード一色で、近くには目玉が塗られていないダルマや、色々とパーティー会場のような体勢になっていた。

更に上を見てみると

 

〔熱烈歓迎‼︎立花響さま☆人絆憑友さま‼︎〕

 

と何故か自分達の名前入りで熱烈に歓迎されていた。

 

それを見た響とライドは惚け、翼は頭を抱え込み霊風のバディであるスピリットと共に呆れ、

緒川と憑友は苦笑いをして、霊風はケラケラと笑っていた。

すると1人の女性が響と憑友の方に近づいて来た。

 

「さあさあ、笑って笑って!

お近づきの印にスリーショット写真♪」

 

「えぇ、嫌ですよ⁉︎手錠をしたままの写真だなんて、きっと悲しい想い出になっちゃいます!」

「それに、初めて会うのになんで皆さんは私と憑友の事を知ってるんですか⁉︎」

 

「我々二課の前身は大戦時に設立した特務機関なのでね。

調査などお手の物なのさ!」

 

「とか言いながら、ちゃっかり人の持ち物を漁って、個人情報を得ようなんて…それはあんまりなんじゃないの?」

 

「へ?」

 

すると先程写真を撮ろうとしていた女性が鞄らしき物を持ってきた。

それを見た響は、

 

「あぁ⁉︎私のカバン‼︎

何が『調査はお手の物』ですか⁉︎憑友君の言う通りじゃ無いですか‼︎」

 

勿論、怒った。プライベートに関するモノを漁っていたのだから当然である。

しかし、響は此処で疑問に思った。

 

「あれ?…んじゃ、なんで憑友君の事を知ってたんですか?」

 

そう言うと、響に代わり、憑友が前に出た。

そして、赤いシャツを着た男の人と面と面で向き合うや、

 

「ふぅ…取り敢えず一言。

 

お久しぶりです。師匠」

 

「お前もな。憑友君」

 

「え?…えぇぇぇぇ⁉︎」

 

まさかの知り合いに響は驚いた。

 

「1年と半年ぶりだな?」

 

「まぁ、色々とありましたから。さて、それじゃ…」

 

そう言うと、憑友は大きく背伸びをして、軽く意識を統一した。

すると手錠を付けた両手を上に掲げた。そして…

 

「…ふっ‼︎」

 

そのまま勢いよく真下へ降ろす。

それと同時に、軽く膝を曲げて、そして手錠の間を正確に狙って…

 

 

パリィィィンッ‼︎

 

『⁈』

 

なんと、たったそれだけで手錠が壊れたのだ!

 

そしてそのまま手錠を解除し、手首を捻った。

 

「うむ。修行時代よりも精進していたんだな」

 

「当然です。1年と半年の間、戦場に赴いては、戦争の火種を無くそうと努力して来たんです。それと同時に、『英雄石板』を探し回って来たんです。あの時よりも精進し無いと生き残れませんしね?」

 

弦十郎は成長した弟子を見て、感心した。

それに対して憑友は自分の成長譚を語ったのであった。

 

「?ねぇ?ちょっと良いかしら?あ、私の名前は…」

 

「櫻井了子。『シンフォギア』を基となった物、『聖遺物』に関する記述を提唱した理論。通称【櫻井理論】を掲げた人。だと、母さんが言っていました」

 

すると女性・櫻井了子が疑問に感じ言おうとする前に自己紹介しようとしたら、憑友には無用だった。

 

「そ、そうなの…。?母さん?その人って、私の知ってる人かしら?」

 

「ジャンヌって言う人はご存知ですか?」

 

「ジャンヌ…⁉︎まさか…」

 

「そのまさかです。自分はそのジャンヌの息子です」

 

「oh…orz」

 

櫻井の今までに見ない行動に全員が驚愕していた。

勿論、弦十郎も櫻井の行動に驚いていた。

 

「…。お前の両親は化け物だな?」

 

「貴方に言われたくは無いですよ師匠」

 

そんな2人の対応に響達は惚けていた。

翼はそれに対して、緒川に問い詰める。

 

「…貴方も知っていたの?」

 

「あ、あはは…。…はい」

 

緒川は苦笑いしながら逸そうと思ったが、翼の鋭い剣幕に降参した。

すると、突然ドアが開いた。

 

「なんか、随分と騒がしいな?何があった…んだ…?」

 

そこには、ラフな格好をした女性がそこにいた。

その声に気付いた響と憑友はその声の方に振り向くと、その女性の顔を見た。

響にとっては、かつて自分を救ってくれた存在であり、

憑友にとっては、自分が命を燃やし尽くしてまで救った存在…

 

天羽奏がそこにいた。

 

奏は2人を見て、すぐに涙が零れた。

そして2人に近づき、響にはハグをした。

 

「生きてたんだな。…ありがとう。生きてくれて!」

 

「!…奏さん…!」

 

奏の嬉し涙に響もハグを返した。

因みに弦十郎と憑友との会話の最中に緒川により手錠を外してある。

 

そして奏はそのまま視線を憑友の方に向けた。

 

「あんたも、生きてたんだな。ありがとう。あんたのおかげで、今の私は生きてる。本当にありがとう」

 

「奏さん…」

 

奏の涙を見た憑友は視線を逸らした。

それを見た奏は不思議そうに見ていた。

 

「如何したんだよ?」

 

そして憑友はこの場を借りて告白した…

 

「俺、実は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

半分死んでます…」




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー。
今回は俺が1話で使用していたもう1つのカード。
アカネを紹介するぞ」

アカネ/カード名【炎を灯せし少年 アカネ】
属性/炎・人間・打・拳
自身の身体に炎の属性を持つ少年。
亡き父の思いを胸に、走り続ける。

憑友「拳型の武器《炎拳 イグナイト》を装着して立ち向かう。ナツと同じスタイルの少年。
必殺技(フルドライブ)"フレアリィ・エルプション"で自身の周りの敵を燃やし尽くす…!」

次回

死したる肉体

憑友「次回は俺の身体の事を紹介するぞ。
次回もよろしく!」


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第7話 死したる肉体

オリジナル回。と同時に、新たな戦いの予感。


「俺、実は…半分死んでます(・・・・・)

 

憑友の言った一言に、皆は驚いていた。

唯、弦十郎と緒川は冷静になって。

 

「え?…如何言う…事…なの?」

 

奏にハグしていた響は手を離し、憑友の方に向く。

そしてそれと同時に、奏もハグをやめ、憑友の方に向けた。

 

「…う、嘘はやめてくれよ。だって、此処に居るじゃないか。私達の目の前に居るじゃないか。冗談はやめてくれよな?」

 

奏が冗談だろ?と言った口調で話しかけるも、憑友は首を縦には振らず、寧ろ横に振った。否定したのだ…

そしてそれに追い打ちをかけるかのように憑友は話しだした。

 

「俺は、嘘は死んでも言いません。…って、もう死んでたんだっけ。

俺が今まで嘘を言った事ってあるか?響」

 

そう言うと憑友は響を見るや、響に質問する。

憑友の問いに響は俯向く。

奏は「冗談だよな?」と響に示唆するが、

響は首を横に振りながら、

 

「憑友は確かに、これまで一度も嘘をついた事はありません。幼馴染の私だから良く知ってます」

 

『因みに私も、憑友と共に行動して来たが、彼が一度も私達の前で嘘を言った事は1つとしてない。これは紛れもない事実だ』

 

響の答えと、憑友が所持していたライドが揃ってそう答えたので、奏はそれが本当なので知り、膝をついて泣き出した。

 

「なんだよ…それ…

じゃあ、此処に居るのは幻なのかよ⁉︎私がただ単に具現化した幻影なのかよ⁉︎」

 

そんな奏の涙に、憑友は奏の瞳から流した涙を掬って見せた。

その行為に気付いた奏は咄嗟に「へ?」と、惚けた声を出した。

 

「確かに俺は死んでます。けど、同時に生きてもいます。

今の俺は半分幽霊みたいなものです。言うなれば、化け物と言われても可笑しくはありません。

幽霊みたいに透明化や、すり抜けも出来ますし。

人間みたいに誰かに触れる事や食べたり、飲んだりする事も出来ます」

 

憑友の言葉に皆、驚いていた。

半分幽霊な存在などこの世に存在するのかと言う疑問に。

皆が疑心暗鬼のようにしていたので、憑友はライドと話をした。

 

「ライド。〈メディカルモード〉って使える?」

 

『まぁ、久しぶり感があるが、使えるので問題はない!』

 

そう言うとライドを電子パッドのように操作して、そして1つのアプリを起動させた。

 

すると、それを響に渡し、憑友は説明した。

 

「響。ライドさん(これ)を心臓の部分に翳してくれ。その後、奏さんに渡してくれ」

 

「う、うん…」

 

そう言うと響は心臓部にライドを翳した。すると、

 

ドクンッ!…ドクンッ!…

 

『‼︎』

 

なんと、電子パッドから心臓音が鳴ったのだ!

すると憑友は説明をした。

 

「今のは、響の心臓の鼓動音です。次に奏さんにも響と同じ事をお願いします」

 

「あ、ああ…」

 

そう言うと響に渡された奏はそれを心臓部に翳した。すると…

 

ドクンッ!ドクンッ!…ドクンッ!ドクンッ!

 

此方も響とは少しテンポが違うがちゃんと鳴っていた。

 

「今のは奏さんの心臓音です。何方も当たり前ですね。しかし…俺は違います」

 

そう言うと奏からライドを返却し、今度は憑友自身が心臓部に翳した。

 

…………………………………………

 

しかし、いつまで経っても心臓音がしなかったのだ。

 

憑友はその状態のまま話をし続けた。

 

「今、ご視聴頂いた通り、俺の心臓音は出てません。

寧ろ、動いてすらいないのです。

普通、喋ったり、運動したりすれば心臓の音は若干速くなります。

自分の精神状態でも同じ事が言えます。

けれど、今の俺はそれでも心臓の鼓動音はこうして話している今でも、鳴っていません。

それはつまり、肉体は死んでいると言う事になります。

心臓が動かないと全身に酸素が送られてきませんからね」

 

その話を聞いた一同は目を見開いた。

弦十郎と緒川を除いて。

 

「しかし、俺には代わりとなるものが存在します」

 

すると、憑友は上着をこの場で脱ぎ始めたのだ‼︎

 

それを見た一同は驚愕し、女性達に至っては目を閉じたり、手で隠したりとかした。

そして服を脱ぎ捨てた憑友を見た一同は驚愕した。

 

ボォゥッ!…ボォゥッ!…ボォゥッ!…

 

なんと憑友の左胸に青白い炎が出ていたのだ!

一同は急いで、水で冷やそうとした。それに気付いた弦十郎と緒川と憑友は、慌てて宥めさせる。

 

「お、落ち着いて下さい⁉︎コレは今の俺にとっては大事な命なんですから‼︎」

 

それを聞いた皆は『え?』と声を上げたのであった。

 

「この炎は、〔命の灯火〕と言いまして、俺の今の心臓なんです。

此処に水を掛けられたりでもしたら、俺は逆に皆さんで例えて言うならば、"心臓を抉りながらゆっくりと取られていく感覚"だと思ってくれても構いません」

 

その話を聞いた一同は目を見開き、そして青ざめた。

もしさっきの行動をやっていたら、間違いなく憑友を殺していたのかもしれないと。

 

「?という事は…弦十郎君はこの事、知っていたの?」

 

「緒川さん…貴方も?」

 

すると、櫻井は弦十郎がこの事を知っていて皆を止めさせたのかと問いかける。

翼も自身のマネージャーである緒川に迫った。

 

「ああ。こいつの修行をする時に知らされたのだ。こいつの父にして、俺の親友にな」

 

「僕は弦十郎さんと憑友君本人の口から直接聞かされていまして…」

 

「もしかして、その時に?」

 

「はい。ただ、その時は2人から口止めをされていたので、話せなかったのですけどね」

 

2人が何故、憑友の事を知っていたのか、そして彼の身体の構造を知っていたのかに合点がいった皆。

翼はそれに加えて何故、自分のマネージャーである緒川と憑友が知り合いだったのかの経緯も分かったのであった。

 

すると、そんな時に弦十郎の胸ポケットから携帯が鳴り、弦十郎は通信相手を見た。そこには、

 

『玄也』

 

と書かれていたので、弦十郎は電話をかけた。

 

「もしもし。こんな時になんだ?」

『こんな時にとはひどいな〜』

「現に今、お前さんの息子。自分の正体バラしたぞ?」

『あ、それは良いんだよ〜』

 

しかし、どうも今の玄也はかなり陽気な性格だった…

 

「良くないだろうが⁉︎この場には彼の幼馴染の響君もいるのだぞ!」

『どうせ、彼奴は自分から直接話そうとしていたんだ。そのタイミングが今日だっただけなんだよ。

と、話が逸れる前に本題に入るよ』

 

と、思いきや今度はシリアスな一面を出してきた。まるで二十面相みたいだ。

 

「…お前のそのコロコロと変わる性格はなんとか出来ないのか?」

『堅苦しい性格じゃないのは、知ってるだろ?』

「…はぁ。…それで?要件はなんだ?」

『はいはい。んじゃあ要件を話すね〜』

 

そう言うと憑友の父・玄也は本題の方に入った。その内容が…

 

『明日から、憑友をリディアンに通わせておいてね〜♪』

「はぁ⁉︎」

 

まさかの展開に弦十郎は大声で叫んだ。

その為か、皆は吃驚していた。

其れを見ていた憑友は、

 

「(あの様子…如何も話し相手は父さんだな。

しかも、相当何か悪巧みを思いついて、其れを師匠に話したようだな)」

 

と、心の中でそう呟いていた。

憑友よ…君のその心の声はあながち本当のようだぞ。

 

すると、話が漸く纏ったのか、弦十郎は電話を終え、携帯をしまった。そして、憑友に近づくや。

 

「済まんが、明日から、この上…リディアン音楽院に憑友君。君を編入する事が決まった」

 

「へ?」

「は?」

「なっ⁉︎」

「え?」

 

上から響、奏と翼、そして憑友が目を見開くや否や…

 

「「「「はぁぁぁぁあ⁉︎」」」」

 

と、4人揃って絶叫したのであった。

一体、何が有ったらそうなったのかはこの時の皆は知らなかったのであった。

 

ーーー

一方、日本から遠く離れた場所。

そこでは、戦争が勃発していた。

テロリストと自衛隊の激しい攻防戦だった。

 

「撃てぇぇぇ!」

 

激しく燃える火の海。

そんな中で、多くの子供達が親を亡くしてしまっていた。

最早此処までかと思われていた。

 

 

「?…誰だ貴様は!」

 

そんな時に突然、戦車の前に立ち尽くす1人の青年がいた。

 

「お前らがいるから戦争は終わらないんだ…」

 

「ふっ!青二才のくせに!」

 

「お前らよりかはもうちょっとマシな方なんだけどな?」

 

「何⁈言ってくれたな!構わねえ!撃てぇぇぇ!」

 

そう言うとテロリスト達は青年に向けて大量に発泡した。

 

それにより、たくさんの砂煙が舞い、テロリストの1人が手を挙げ、撃つのをやめさせた。

 

「ふっ!ざまぁ見やがれ!」

 

と、テロリストはそう言った。

とりあえず、テロリストの人はこれだけは言わせてくれ。

それ、死亡フラグだから。

 

すると、

 

ーソウル!フォーム…グレイ‼︎ー

 

突然、電子音が聞こえ、砂煙の中から青白い光が現れるや、なんと砂煙が一瞬で凍り、そしてそのまま地面に落ちてしまったのだ!

 

『⁉︎』

 

ー氷で凍てつけ、悪魔狩り〜!ー

 

そこには先程の青年が着ていた服とは全く違う服を着ていた。

すると青年はなんと、その上着を脱ぎ捨てたのだ!

 

『何故そこで脱ぐ⁉︎』

 

テロリスト達は一斉にそう言った。

すると、青年は左手で拳を作り、右手の掌に打ち付けた。

 

「"アイスメイク"…」

 

すると彼の手の間から冷気が発した。

そしてそのまま前方に向けて放った!

 

「"(フロア)"!」

 

すると、彼前方範囲の床がスケートリンク場のように固まってしまった。その範囲内にいたテロリストはその反動で、足元を掬われる。

 

「続けて喰らいな。"アイスメイク・牢獄(プリズン)"‼︎」

 

それにより今度はテロリスト達を1つの牢獄の檻へと閉じ込めた!

 

「な、何だこれは⁉︎」

「冷めた⁉︎何だよこれ⁉︎」

「それにさっきから寒くねぇか?」

「はぁ?そんな訳…⁉︎まさか…⁉︎」

 

「そのまさかだよ…喰らうが良い。お前らの所為で大切な家族を失った餓鬼共の復讐の牙を!」

 

そう言うと青年は左腕に装着した電子機器に付いているドライブボタンを叩いた!

 

ーソウル・グレイ!フルドライブ‼︎ー

 

「お前らはこれでおしまいだ…」

 

すると青年の身体から黒い模様が浮かび上がった!

 

「喰らえ。"アイスメイク"…」

 

そしてそのまま前方に向けて掌を突き出し、放った…

 

 

「"銀世界(シルバー)"」

 

その一撃で、テロリスト達は瞬時に凍結されてしまった。

 

そして青年はその場を後にした。

 

「まだ。終わらない…火種であるテロリスト達を無くすまで」

 

そう言うと次のポイントに向かった。

そこで、彼はまた違う姿を見せた。

 

「⁉︎お前は!」

 

「俺の事を知ってるのか?だが、生憎俺はお前らテロリストに容赦しない!」

 

そう言うと青年は左腕に装着されていた電子機器からカードを取り出し、新たなカードを装填し、

 

「変身」

 

そしてレバーを引いた。

するとディスプレイから新たな魂が現れた。

青の服と、金色の髪、そして水の刀を持つ青年の魂が現れたのだ!

 

ーソウル!フォーム…アオト!ー

 

そして青年はそれを纏った。

 

ー聖なる扉、水の咎人ー

 

「一気に決める…!」

 

そう言うと青年はそのままドライブボタンを叩いた!

 

ーソウル・アオト!フルドライブ‼︎ー

 

「水と氷でその罪を洗い流せ…"フリーズグレイス"‼︎」

 

『うわぁぁ‼︎』

 

青年は刀を二本持ってそこからX型の衝撃波を相手に当てた。

その際に、氷と水の波状攻撃がテロリスト達を襲った。

そのたった一撃で、テロリスト達をやっつけた青年。

そして生き残ったテロリストの1人がこう言った。

 

「やはり、お前は…俺達…テロリストの敵だったんだな…!

 

【冷眼のロック】‼︎」

 

「うるさい。そのまま気絶でもしてろ」

 

そう言うと青年はその場を後にした。

その後、そのテロリストは気絶したと言う。

 

「俺は単なる《掃除屋》だ。蔓延る悪を間引きする《正義の掃除屋》だ。全ては戦争で親を無くした子供達の為…

たった1人の妹の為だけに…俺は生きていくんだ…」

 

そう言いながら青年は、その戦場をたった1日で全て崩落させた。

自衛隊が駆け付けた時には、そこにはテロリスト達が全員やられていたと言う。

 

 

彼の名はロック・アイル・ユキネ。

テロリスト達を脅かす者であり、同時に『英雄』達の力を扱う事が出来る者。

 

"水の魂を導く師者"《水魂導師》の異名を持つ男。

 

そんな彼は今日もテロリスト達がいる戦場を駆け巡る。

 

全ては自分と同じような思いをしている子供達の笑顔を守るため。

 

全ては、たった1人の義理の妹の笑顔を見たいが為に。




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー。
今回は霊風が使用していた力、マカ&ソウルを紹介しよう」

マカ&ソウル/カード名【死武専コンビ マカ&ソウル】
属性/闇・人間&武器・魔・鎌

死武専と呼ばれる学園の生徒で、コンビな二人。
魔女の魂を集めて相棒を最強の武器にする目的を持つ。

憑友「鎌の扱いに長けた極めて珍しいタイプ。
必殺の魔女狩りで範囲内の魂を根こそぎ刈りとる」

次回

英雄石板

憑友「次回もお楽しみに!」


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第8話 英雄石板

今回は『英雄石板』に関する話。
そしてあの男再び…!


翼と霊風によって特異災害対策機動部二課ーー通称・特機部ニーーへと連行された憑友と響。

そこでは弦十郎達がすっかり歓迎ムードに漂っていた。

そこで2人は奏と再会する。

そして、憑友は自分の今の肉体の状態を説明した。

それと同時に、憑友の父・玄也に電話していた弦十郎からリディアンに通うように示唆されたのであった…

 

ーーー

その後、2人の健康状態を見たいと言ってきた櫻井氏に無理やり連れられ、メディカルルームへと連行させられた2人。その際に、

 

「取り敢えず…脱ぎましょうか?」

 

「「え?…なんで〜⁉︎」」

 

こんなやり取りがあったのは言うまでもない。

 

〜数十分後〜

 

そして無事にメディカルチェックを終えた2人。

 

「お疲れ…様…?」

 

「クタクタ〜」

「な、なんなんだよ…あの櫻井とか言う人は。

身体中触りまくりやがって…」

 

そんな2人を霊風がお出迎えしてくれたのだが、2人はそれ所ではなかった。

 

「あはは…。相当やられたみたいだな。

俺も初めて来た時に受けたけど、それ以上にやられたみたいだな。

と、2人の事なんだけど…

これから奏の部屋に来て欲しいんだけど…来るか?」

 

霊風の言葉に2人は耳を傾け、2人とも大きく頷いた。

そして、霊風の案内により、奏の部屋へとやって来た。

 

すると霊風はドアをノックした。

 

「奏?俺だ。霊風だ。2人を連れて来たぞ?」

 

『ああ!入って来て良いぜ!』

 

相手からの了承を得たので、霊風はカードキーでドアを開け、中へと入って行った。それを見た2人も続いて入る。

そこには、沢山のアクセサリーや、ぬいぐるみが彩りよく飾られたお部屋を見つけた。

するとソファの所で、奏が手を振っていた。

 

2人は奏の方へと近付いて、そしてソファに腰掛けるように示唆されたので、そのまま腰掛けた。

因みに霊風は奏が座っているソファの近くにある壁にもたれ掛かっていた。

 

「取り敢えず、先ずはお疲れ♪」

 

「もうあればかりは懲り懲りだな…」

 

「あはは…」

 

そんな奏を見て、憑友は奏の事を知りたくなり、この場を借りて話す事にした。

 

「そう言えば、奏さんは2年前に忽然と芸能界から姿を消したって、父さんや義姉さんから聞いたんですけど…

あのライブ会場の悲劇から何があったんですか?」

 

「それも含めて今から話すよ」

 

そう言うと奏は話をし始めた。

 

「あの日、憑友(あんた)に救われた私はあの後から歌を歌う事が出来なくなったんだ。所謂、拒絶反応見たいな奴でね。

それ以来私はアーティストと言う道を諦めてしまったんだ。

両翼揃ったツヴァイウイングはこの時に事実上の解散となったんだ。

それから数週間が経ったある日かな…

霊風が時々、私に『英雄』達の軌跡が記された石板をよく見せてくれたんだ。あの時は私に興味を示せる物が無いのか、当時の霊風は必死になってたな」

 

その話を聞いていた霊風は少し頬を掻いた。少し照れくさかったようだ。

 

「そしたらさ、『英雄石板』だったかな?憑友が言っていたのは。

あれには沢山の古代文字が使われていて、なんて書いてあるのかすら、当時の私は読めなかった。

しかしいつしか見ていく内に、ある日突然、それが読めるようになったんだ」

 

「「⁉︎」」

 

奏の言葉に2人は耳を疑う。

普通の人なら先ず読めないであろう文字で書かれている筈の『英雄石板』を奏が読める様になったという事に。

 

「それからと言うもの、私はアーティストと言う活動の場から、霊風が所持している石板の解読と言う新たな趣味を持つ様になったんだ」

 

「…成る程。じゃあ、彼処にある機械はその為の奴だったんですね」

 

奏の話を聞いた憑友はある場所に指を指した。

そこには高度な技術の塊とも呼べる機械が設置されていた。

 

「ああ。私はそれを使って、時々霊風が持って帰ってくる石板を解読してるんだ。

可笑しいよな。2年前までは私が表舞台に立って、霊風が裏方に徹していたのに、今では私がその霊風の裏方に徹してる。立場が逆転してしまったけどな…!」

 

そう言うと奏は笑った。醜いだろと言わんばかりに。

しかし、2人は笑わなかった。

 

「でも、それって逆に言えば今までの恩返しみたいな事なんじゃ無いですか?

話を聞いた限り、霊風さんは奏さんの専属マネージャーだった。いや、今でもそうかもしれない。

だとしたら、これまで自分を支えてくれた存在の手助けができると言う事は逆に素晴らしいんですよ。だから誇りに思って良いんですよ」

 

それを聞いた奏は、「ありがとう」と言って感謝の言葉を放った。

 

「?て事は…此処で石板の解読が出来るという事か。良し!やってみるか!」

 

そう言うと憑友はいきなり席から離れるや、その機械が置かれたデスクに腰掛けた。

 

それを見た響はその様子を見たいと思い、憑友の所へと赴く。

奏と霊風も同じ気持ちだった。

 

すると憑友は腰に備わっているポーチから英雄石板を取り出した。それも4枚。

 

「えっと、一昨日と昨日、そして今日の二枚。

響。これを解読する事が出来れば、『英雄石板』からカードが現れるんだ。そしてそれは俺や霊風さんが変身する戦士『精魂導師』にとって無くてはならない力となるんだ」

 

「ふぇ〜」

 

「さて、解読でもしますか!」

 

そう言うと機械を弄りながら、解析に取り掛かる憑友。

因みにライドもケーブルに繋げてサポートしてくれていた。

そして開始してから僅か3分で、1つ目の解読が成功したのだ…‼︎

 

「早っ⁉︎そんなに解読が終わっちゃうの⁈」

 

「俺のはまだ遅い方だぞ?

俺の父さん・玄也はこれを遅くても3分以内で解読完了しちゃうんだ。だけどもっと驚いたのが、セレナ義姉さんかな。あの人、解読に要する時間は全て1分以内で終わらせちゃうんだもん。

速いのもなんのそのだよ」

 

それを聞いた3人は間が空きつつ惚けた。

すると、憑友は先程分析が完了したばかりの石板に手を翳し、そして解読して得た古代文字を詠唱した。

 

「詠唱開始。

 

『その者は不運に見舞われし青年なり。

 

しかし、其れでも相棒と呼んだ少女の為に、

 

並行した世界を壊し続けん。

 

やがて其れが大いなる野望だと知っても、

 

其れでも、青年は少女の為にその野望を打ち壊さん。

 

そして青年は少女を守る為にその身を消し、少女に願いを託さん。

 

一族から伝わりし歌をその少女に託して…』」

 

すると、石板が光輝き、それが一点に集中し、そしてその光が消えると同時に一枚のカードが現れた。

 

「解読完了。えっと…【審判を超えし槍 ルドガー】ね。

これで1枚目の石板の解読は終了っと。

こんな風に、

 

①石板を回収する。

 

②その石板を解析する。

 

③解析から得た古代文字を詠唱する。

 

④そこからカードが現れて、それを回収する。

 

この一連の流れを繰り返しながら、英雄石板を解読してるんだ」

 

「へぇ〜そうなんだ〜」

 

英雄石板の大まかな流れを聞いた響。

そして憑友は石板があった場所について話す。

 

「これまでに世界のあちこちを回ってきたんだ。

ある時はエベレスト。ある時はピラミッド内部。

またある時は戦場真っ只中の場所で、俺は石板を回収し続けていたんだ」

 

「お前…まさか、その時から自分の身体の暴走を抑制しつつ、押さえ込んでいたのか?」

 

「はい。そうですけど?」

 

「精神的に強えぇ…」

 

それと同時に自身の身体を抑制していた事に霊風は壁に寄りかかり、意気消沈していた。

そんな霊風は放っておいて、憑友は2枚目の方に取り掛かった。

そして、コツを掴んだのか、先程よりも早く解析が終わった。

そしてまた同じ動作をし、詠唱した。

 

「詠唱開始。

 

『その者は右眼を幼き頃に捨てた。

 

だが、其れは同時にその者を龍へと駆り立てん。

 

いつしかその者を『独眼竜』と呼ぶようになった。

 

その若きカリスマ性で一国を収める長へと登り詰めた。

 

そして青年の前に立ちはだかるのは、天涯孤独と言われた男にとって、

 

刃を交えて成す『甲斐の若虎』と呼ばれし好敵手の存在。

 

『竜の右眼』と言う背中を託せし者と共に、彼の物語は突き進む…

 

婆娑羅な物語へと…』」

 

するとそこからまたカードが現れた。

 

「カード名…【奥州筆頭 伊達政宗】か。中々良いのを引き当てたかな」

 

そこで響は疑問に思った事をぶつけた。

 

「ねぇ?その伊達政宗って言う人って、戦国時代にいた武将の名前だよね?そんな人達も英雄になれるの?」

 

「確かに俺が言った【伊達政宗】はこの世に存在した武将の1人だ。

けど、これに描かれている【伊達政宗】は、この世界とは異なる世界・パラレルワールドと呼ばれる平行世界上で名を馳せた人物なんだ。

このように、『英雄』達の中にはこの世界でも知られている有名な存在がいるのもまた事実なんだ。

ただ、彼等は全員、この世界の出身では無く、神によって遣わされた平行世界上の人間達が殆どなんだ」

 

「それを俺達《精魂導師》はその力を使って、ノイズ達を倒している…という事なのか?」

 

「はい。『英雄石板』に記されし者達は今の所は皆友好的です。

けど、中々言う事を聞かない人達がいるのもまた事実ですけどね…」

 

そう言うと手際よく次の作業に入る。

 

そしてあっという間に3枚目の解析を終えて、再び詠唱を始めた。

 

「詠唱開始。

 

『その青年は目の前で家族を失った…

 

其れを境に彼は大事な家族を奪った者に復讐を抱かん。

 

大いなる人を相手に小さき己は刃を向けてその者達を刈り殺す。

 

そこにあるのはただひたすらに復讐の心のみ。

 

やがて青年は己が刈り殺し続けた者達の力を得ん。

 

其れでも、彼はその者達を倒し続けん。

 

一生涯燃え尽きぬ事のない《復讐》と言う名の紅蓮の炎を掲げて…』」

 

すると3枚目も解読に成功すると同時にライドに一任していた4枚目の石板の解析がし終えたので、その石板を手元に持ってきて、続けて詠唱を始めた。

 

「詠唱開始。

 

『その少年は最初は弱かった。

 

数多の強豪、手強い好敵手達、悪しき野望を生み出す組織。

 

其れでも、彼は初めて出会ったかけがえの無い相棒と共に勝利を飾ってきた。

 

今宵もまた、その相棒と共に旅に出らん。

 

まだ見ぬ者達と出会いと別れを繰り返しそして、新たな仲間と共に…

 

今宵も彼と相棒は旅に出らん…

 

己が掲げた目標の為に…』」

 

すると4枚目も無事に終わり、これで石板の解読は終了した。

 

「…ふぅ。お〜わった。…今回の解読完了〜」

 

「凄…?…って、始めてから30分も経ってない⁉︎」

 

ほっと一息つく憑友。

そんな憑友に響は感化した。そしてふと部屋に置かれていた時計を見て驚かされた。

 

なんと石板解読をし始めた時間から30分以内に終わらせてしまっていたのだ。響はそれにより驚かされたのであった。

すると奏が話を切り出した。

 

「これから先、色々と大変になるだろうと思うから、これからこの部屋も自由に使って構わないからな。

此処は元々倉庫だった所を改修したんだ。時間帯があるのが歪め無いけど、その間なら自由に使ってくれても構わないからな!」

 

「因みにその時間帯ってのは?」

 

「朝は8時から夜は12時まで。その間なら自由に使ってくれても良いぜ」

 

「はぁ…お前と言う奴は。

…こんな俺の相方だけど、これからもよろしくな」

 

「「はい!」」

 

その話を聞いた2人は今日はその日に解散となった。

 

〜〜

 

その後の帰り道。憑友と響は一緒に帰っていた。

 

「なんか、色々と大変な目に遭ったよ〜」

 

「そうだな。と、忘れるところだった!はい、これ」

 

そう言うと憑友は響にある物を渡した。

 

「?…あ!翼さんのCD!」

 

「帰り際に緒川さんに遭ってな。その時に渡されたんだ。

響は翼さんのファンだからって言う事で。今回のお詫びと言う事と口止め料みたいな物かな。

あと…はい、これ」

 

そう言うと今度はライドとキリトのカードを響に渡した。

 

「え?」

 

「お前が持っとかないと、いけないんじゃ無かったか?明日までは2人の事を頼んだよ」

 

「あ…そっか。…うん!分かった!」

 

「それじゃ、俺はこれで」

 

「またね!憑友」

 

そう言うと2人はそれぞれの道へと帰って行った。

 

その後響とライドは未来に、憑友はセレナにこっ酷く怒られたそうだ(怒られている理由は2人とも別々なのだが)。

それでも、2人と1つは再会したと言う興奮が勝っていたのは言うまでも無かったのであった。

 

ーーー

一方、此処は戦地真っ只中の場所。

 

そこでロック・アイル・ユキネはたった1人で戦地を動かしていたテロリスト達を相手に次々と倒して行っていた。

 

「ひぃ⁉︎ま、待ってくれ!頼むから命だけは!」

 

そんな中、1人のテロリストがロックに命乞いをしていた。

周りには彼によって倒されたテロリスト達がいた。幸いなのは皆、気絶していたと言う事だけだった。

 

「お前の仲間は気絶するだけで充分な連中ばかり。お前の部下はよっぽどお前に忠誠でも立ててたんだな?けど、それもこれまでだ。

お前の今の顔を見たら、部下はどんな顔を見せるんだろうな?」

 

そう言うとロックは電子機器・ソウルアブソーバーを左腕に装着させて、腰に備わっているカードケースから一枚のカードを取り出し、装填し、

 

「変身」

 

そしてレバーを引いた。

 

ーソウル!フォーム…タツヤ!ー

 

するとディスプレイから2丁拳銃を構えた青年の魂が現れた!

 

それをロックは身に纏った!

 

ー悪魔の右手! 神の左手!ー

 

其処には白の服に緑のストライプラインが刻まれた服を着たロックの姿がいた。

 

ソウル・タツヤフォームである。

 

「お前には借りがあるからな…消えてもらう」

 

そう言うと右手に持った拳銃を構えた。

 

「ひぃ⁉︎お、お願いだから!命だけは…」

 

「黙れ」

 

そして拳銃の引き金を引いた。

 

そしてその瞬間、テロリストは蒸気となって露散した。

 

「…次の場所に行くか…」

 

そう言うとロックはその場を後にした。

 

後で目を覚ましたテロリスト達は自分達が信仰していたボスがいなくなった事に気付きら探し回るも、結局見つかる前に自衛隊の手により捕捉されてしまったのであった。

その後、彼等のボスの行方を知るのは誰1人として居なかった…

 

対峙した存在・ロック以外は。




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー。
今回はまだ出会っていない男・ロックが使用していた物の1つ、グレイを紹介しよう」

グレイ/カード名 【氷の滅悪魔導士(デビルスレイヤー) グレイ】
属性/氷・人間・魔・拳
顔つきもさる事ながら、肉体美を持つ青年。
しかし冬でも服を脱ぐ悪い癖を持つ。

憑友「氷を使った創成魔法が得意で、亡き父から授かりし悪魔を滅する魔法・滅悪魔法で悪魔を葬りさる。その冷気は正に極寒の一言で充分な程」

次回

転校生

憑友「次回は俺が響の学校へ!」
「乞うご期待!」


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第9話 転校生

其れは久しぶりの再会…


翌日。

響は今日も今日とて遅刻をしたのである。

理由?人助け以外何があると思いますか?無いですよね…。

あるとすれば、寝坊以外無いと思う。

そして、

 

「立花さん‼︎」

 

「は、はい…」

 

今日もみっちり先生から有り難〜いお灸を据えられていたのは言うまでも無かった。

それを見ていた未来とライドは半ば呆れていた。

しかし、今日はそれだけで済んだのだ。

 

「今回のみ、このくらいで済みますけど、また遅刻でもしたら…」

 

「は、はい…」

 

そう言うと先生に席に座るよう促されて、響は未来の隣に座った。

そして授業が始まろうとしたその時だった!

 

バタンッ!

 

「す、すみません!遅くなりました!」

 

突然、ドアが勢いよく開いて、其処から男の子の声が聞こえて来た。

それを見た生徒達は驚いていた。

其処には1人の男の子が息を乱しながらこの教室に入って来たからだ。

しかも、自分達と同じリディアンの制服を着て。

しかもよく見れば、存在すらしない筈の男性用に仕立て上げられた制服だった。

皆の反応はともかく、響や未来もそれは同じだった。

唯、2人はそれ以上の反応だった。

 

「遅すぎですよ!転校生君!」

 

『え⁉︎』

 

先生の一言で、皆は驚愕した。

なんとこの学院で初めての男子生徒だったからである。

 

「何処で道草食ってたんですか!」

 

「すみません。父親の書類整理を手伝っていたら、思いきり遅刻しました」

 

「親孝行するのは構いませんけど、遅刻は良くないので、以後気をつけるように!」

 

「はい。すみません」

 

そしてようやく話をし終えたのか、先生が皆の視線を集めた。

 

「静かに!今日、この学院始まって以来、初の男子生徒を紹介したいと思います。それでは転校生君。自己紹介を」

 

先生に示唆された生徒はみんなの前に立ち、そして自己紹介をした。

 

「皆さん、初めまして。俺の名は人絆憑友と言います!

人の絆と書いて、人絆(じんさい)

憑依の憑と友と書いて憑友(つくも)と言います!

音楽にはあまり自信が無いので、皆さんから教えて貰えると有り難いです。

こんな俺ですが、よろしくお願いします!」

 

それを聞いた皆は、黄色い歓声を送っていた。

まるで可愛気のある弟ポジションだと。

 

それを見ていた憑友とライド、響の3人は苦笑いをしていた(響とライドは心の中でだが)。

しかし、未来は少し険悪なムードを漂わせていた。

 

「それでは、人絆君は立花さんの隣の席へ」

 

「あ、はい」

 

そう言うと憑友は響と未来の席に座った。

そして近くにやってくるなり、響は耳打ちをした。

 

「まさか、同じクラスになるなんて…」

 

「仕方ないだろ⁉︎俺も今朝、親父から言われたんだから⁉︎」

 

「んじゃ、それが遅刻した本当の理由なの⁈」

 

「それ以外に何がある⁈」

 

「響?」

 

「「(ドキッ⁉︎)」」

 

するとそんな耳打ち会話に未来が首を突っ込んできた。

 

「この人と知り合い?」

 

「あ、あぁ〜えっと〜…それは⁉︎」

 

響の慌てっぷりに憑友が助け舟を出す。

 

「昨日、この子がノイズが発生していた現場近くで見つけてね!俺も咄嗟に彼女を連れて逃げていたんだよ!

その後はなんとか逃げ延びる事が出来たんだよ!な、響ちゃん⁉︎」

 

「え?…!そうそう!そうなんだよ〜‼︎いや〜でも、まさかこの学院にやってくるなんて思わなかったよ〜あはは!」

 

「(⁉︎大声出すなよ響‼︎)」

 

響の発言に、憑友はアイコンタクトを取ろうとしたが時既に遅し。

 

「立花さん!人絆君‼︎」

 

「「は、はい‼︎」」

 

「それ程までに2人は私の授業がつまらないと言うのですかね〜?」

 

「「す、すみませんでした‼︎」」

 

先生に見つかり、2人は有り難〜いお灸を据えられたそうな。

 

〜数時間後〜

午前の授業が終わり、漸く昼休みの時間になった。

響は未来を連れて食堂へと移動しようとしたが、憑友に声を掛けられた。

 

「あの〜もし良ければ、屋上で食べませんか?

自分、料理が好きで。よく作り過ぎてしまうんです。如何ですか?」

 

それを聞いた未来は響の方を見る。未来の行動に響は目が泳ぎながら、憑友の方を見ると、憑友がアイコンタクトをして来たので、響は仕方なく彼と一緒に行動した。

 

ーーー

そして屋上に着くなり、憑友はお弁当を並べた。

タッパーに入れられていた料理を見て、未来と共にはしゃぐ響。

そして一口。

 

「!美味しい〜♡」

 

「美味しい!本当に貴方が?」

 

「ええ。家で料理が作れるのは俺と義理の姉さんだけなんです。

母さんは海外出張なんかで、殆ど家を空けていて、

父は父で目を離した隙に何処かに旅立っている様な存在なので…」

 

未来の答えに憑友はありのままを話す。

実際に言えてる事だったので否定出来ないのである…。

しかし、憑友はやはりこう言う言い方に違和感を感じまくっていた。

何せ、話しているのが自身が死ぬ前にいつも側にいた幼馴染の未来だったから。

すると、未来の箸を動かしていた方の手が止まり、

憑友の方を向いて話しかけてきた。

 

「…貴方は、私の知ってる憑友なの?」

 

ーーーSIDEto憑友

 

「…貴方は、私の知ってる憑友なの?」

 

未来からの言葉に俺は箸を動かしていた手がピタリと止まった。

 

「2年前のライブ会場の悲劇で、私と響の前から居なくなった…

幼馴染の憑友なの…?」

 

「未来…」

 

追い打ちをかける未来に、響は名前以外何も浮かばなかった。

良いんだよ、響。俺は自ら選んだ道でこんな事をしたんだ。

説明しないといけないのは事実だ。

 

「私、貴方が死んだって聞いて嘘だって思っていた。

けど、もう其処には骨の欠片すら残ってなくて…」

 

話を聞く内に未来の瞳から涙が零れ始める。

そうだよな…いきなり大事な幼馴染が急に死にましたってなると、誰だって泣きたくなる。

 

「もう二度と会えなくなるかもって思って…」グスンッ

 

そんな顔を見せてくれるなよ。未来。

 

ガサッ

 

「え?」

 

「御免。陽だまり(・・・・)いや、未来(・・)

今の今まで…

未来だって響と同じくらいに俺の事を思ってくれていたんだよな?

遅れて御免な。こんなにも寂しい思いをさせてしまって…」

 

気付けば、俺は未来の顔を自分の胸に抱きしめていた。

やっぱり俺って不器用なんだなぁ…

こんな行為でしか女の子の涙を受け止めきれないんだから。

 

未来も、今目の前にいる相手が自分と響にとって大切な幼馴染だと知って、俺の胸の中で、大声で泣いた。

その涙は、嬉しかった方なのか。はたまた寂しかった方なのかは、知る由も無いし、知りたくも無かった。

こんなにも迷惑を掛けた俺にそんな権利は無いに等しいから。

 

その後、なんとか宥めて、

俺は自分がまだ死んでいる事と、新たな都市伝説を生み出している存在《精魂導師》の1人という事を俺は伏せて、残りはありのままに話した。

先の2つを話さないのは単に、これ以上未来の顔から涙を零して欲しくなかった事と、これ以上未来を危険な目には合わせたく無かっただけである。

けど、其れだけあれば充分だと思っている。

大切な者を守る為には時に真実を隠さなければいけないと言う事に。

 

この日、俺は初めて嘘をついた。意味がある言葉だった。

本来なら、顔に出ても可笑しくは無いのに、何故か顔に出なかった。

でも、其れでも良かった。

今の未来の顔には笑顔が見れたから。

 

そして食べ終わった俺達は急いで教室の方へと戻っていった。

 

さぁて!午後の授業も乗りきるぞ〜!おー‼︎

 

「うー…!あ、憑友君!」

 

「?先生?」

 

転校初日に俺何かしでかしたか?

 

「其れに立花さん達も一緒ですね。好都合です」

 

「はい?」

 

「私達にも何か用ですか?先生」

 

俺達に関係している事?なんの事だ?

 

「大変言いづらいのですが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これから3人は同部屋になります。今日から」

 

・・・え?

 

「へぇ?」「え?」

 

 

「「「えええええええええ⁉︎」」」

 

 

 

 

待て待て待て待て待て待てゴラァ⁉︎

何が如何なったらこうなるんだよ⁉︎

なんで響と未来と同部屋なんだよ⁉︎

そりゃあ、俺達は幼馴染だから親近感はあるが、其れはさすがに不味過ぎるんじゃねえのかよ⁉︎

 

「ちなみにこれは学院長からのご指示なので。

も、勿論!最初は私こそ貴方達と同じ反論はしましたよ⁉︎

ですけど、学院長が『世界のトップ直々のご命令だ』と訳の分からない言葉に押されてしまったらしく…」

 

あぁ〜…色々と…

 

「「「ご愁傷様です…」」」

 

見事にハモったよ俺達…。

 

「兎に角、3人はこれからルームシェアと言う形でお願いしますね。

後、ベットの件なんですか…」

 

「お気遣い無く。布団と毛布さえ支給して下さればなんとか」

 

「そうですか。では、頼みましたよ」

 

そう言うと先生はこれからその準備に取り掛かるらしく急いで行った。

「初日からとんだ1日になったな…」

 

「うん、そうだねぇ…。はぁ〜…私、呪われてるかも…」

 

「今回ばかりは私にも呪われてるかもね…」

 

「いや、俺が1番に呪われてるからな⁉︎」

 

そう言うと俺達はもう直ぐ次の授業をハッと思い出し、急いで教室の方へと戻っていった。

 

ーーー

一方、此処はまたしても戦地の一角。

そこではやはり、戦争で多くの人々が死んでいっていた。

其処にはやはりと言わんばかりか…

 

「ひゃはぁぁ!やっちまえ‼︎」

 

テロリスト達がうじゃうじゃと居座っていた。

そんな戦地に1人の青年・ロックが歩いてきた。

 

「?誰だてめぇは?」

 

「この土地の人間は、【冷眼のロック】は知られていないらしい。

なら、思う存分に堕とし甲斐がありそうだな」

 

そう言うと青年は腰にぶら下げていたカードケースから一枚のカードを取り出し、左腕に装着されていた電子機器・ソウルアブソーバー

を起動させ、カードを装填し、

 

「変身」

 

そしてレバーを引いた。

 

ーソウル!フォーム…ミツナリ!ー

 

するとディスプレイから黒と紫が映えたスリムな甲冑を纏った男の魂が現れ、ロックは其れを纏った。

 

ー君子殉凶!凶王三成!ー

 

そしてそこには刀と鞘を手に持ち、空気の抵抗を極力減らしたかのような甲冑に身を纏ったロックがいた。

更に彼の髪の色が、通常の金交じりの黒から紫の色が少し混じった白へと変色し、そして前髪を一点に集めた。

 

すると、瞬時にテロリスト達の前へとやって来たのだ!

其れも…0.001秒と言う速さで。

 

「な⁉︎」

 

「斬られろ…その身を以てな」

 

そう言うと抜刀した。と同時に納刀した。

その瞬間だった。

 

ジャキキキキキキキキキキィ‼︎

 

「⁈うごぉぉぉぉ⁉︎」

 

「な、何が起こったんだ⁉︎」

 

「み、見えなかったぞ⁉︎」

 

瞬時に無数の斬撃がテロリストの1人を蝕むかのように襲いかかった。

其れを見た男の仲間は何が起こったのかよく分からずにいた。

 

"懺悔"

前方範囲の敵達を瞬時に無数の斬撃で斬り尽くす技。

ロックが今使用している武士・【君子殉凶 石田三成】が最も得意な技である。

 

すると、ロックはアブソーバーからカードを取り出すや、また違うカードをカードケースから取り出し、其れを装填させ、レバーを引いた。

 

ーソウル!フォーム…リヴァイ!ー

 

すると今度は茶色の服を着た魂が現れ、ロックは其れを纏った。

 

ー人類最強、兵士長!ー

 

すると今度は腰に機械の装置が装着され、

そしてそこからケーブルが現れその先にはグリップらしき物が付いていた。其れをロックは手に持ち、腰についた装備にそのグリップを差し込み、引き抜くと、そこから鉄で出来た刃が現れた。

見た目はカッターで使われている刃物に良く似ていた。

 

すると、グリップを握るや、其れを操作すると、腰の装置からワイヤーが現れ、ワイヤーが何かに引っ掛かると、そこに向かうかのように飛んだ!

 

「な、何⁉︎」

 

「なんだよあれ…」

 

其れを見た皆は驚きを隠せなかった。

と同時にその行為を繰り返すロック。

 

いつしかその速さがあまりにも早くなり、皆は必死になって、目でおいかけようにもあまりの速さに照準が定めきれなかった!

 

すると1人のテロリストが目で追うと、いつの間にかロックが消えた時、後ろから刃物で斬られたような衝撃と痛みが襲いかかった。

 

「其れでいい…動いたら、削げねえからな」

 

背後にはロックがいて、そのブレードでテロリストを斬ったのだ!

 

すると、ロックはアブソーバーからカードを取り出し、

そしてまた違うカードを取り出した。

 

「最後は頼むぞ…アーチャー」

 

するとロックはアブソーバーにそのカードを装填し、レバーを引いた!

 

ーソウル!フォーム、アーチャー‼︎ー

 

すると今度は赤い外套を羽織った魂が現れ、ロックは其れを纏った。

 

ーUnlimited Blade Works‼︎ー

 

すると青年の姿はかつて幼き頃の青年と義理の妹を助けた英雄の姿と瓜二つとなった。

 

「一気に決める…」

 

すると、ロックは、テロリスト達の影を狙って、短剣を連続で投げた。

其れにより、テロリスト達は身動きが取れなくなった!

 

ー影縫いー

 

するとそこからロックはソウルについているドライブボタンを叩いた。

 

ーソウル・アーチャー!フルドライブ‼︎ー

 

すると青年は自身の胸に左腕を翳し、詠唱を始めた!

テロリスト達はこれを好機と見て攻撃をしようにも、忍者の技ー影縫いーにより、身動き1つ取れなかった。

 

体は剣で出来ている。(I am the bone of my sword.)

 

 

血潮は鉄で 心は硝子。(Steel is my body, and fire is my blood.)

 

 

幾たびの戦場を越えて不敗。(I have created over a thousand blades.)

 

 

ただの一度も敗走はなく、(Unknown to Death.)

 

 

ただの一度も理解されない。(Nor known to Life.)

 

 

彼の者は常に独り 剣の丘で勝利に酔う。(Have withstood pain to create many weapons.)

 

 

故に、生涯に意味はなく。(Yet, those hands will never hold anything.)

 

 

その体は、きっと剣で出来ていた。(So as I pray, unlimited blade works.)

 

詠唱が完了すると同時に周りの景色が砂地から荒野へと変わり、テロリスト達は驚く。

するとロックは右手を人差し指を指して上へと向けた。

 

"上を見ろ"

 

そう言っていたかのような行動をした。

其れを見たテロリスト達は口を開けて、目を見開いていた。

 

そこには数多の数の剣や斧、槍等が今か今かとテロリスト達を襲おうと飢えていた。

 

するとロックは右手を宣誓時に用いる形に変え、そして手を前方にはらった。

 

すると其れを合図に一斉に武器達がテロリスト達を襲った!

 

『うわぁぁぁぁぁ‼︎』

 

そして其れをまともにくらったテロリスト達。

すると周りの景色が消え、そこには大量の血を流したテロリスト達と、無傷のロックただ1人が立っていた。

 

そして其れを見たロックは変身を解除した。と同時に電話が掛かってきたので、電話に出た。

 

「what'sup?(誰だ?)」

『私よ』

「…あんたか。フィーネ」

『随分と荒らしまくってるわね』

「余計なお世話だ。俺にとってテロリスト達は対象に過ぎん。

そんな事よりも、義妹(いもうと)に手を出して無いだろうな?」

『心配は無用よ。彼女は無事よ。

其れはそうと、貴方にも手伝って欲しい事があるのよ』

「…お前が苦労する相手が来たというのか?」

『ええ。2週間の内に日本に来れるかしら?』

「2週間の内に日本?笑わせるな」

『?』

「2時間でお前のアジトに着いてやる」

『…ふっ。余裕があるわね。期待してるわ』

 

そう言うとフィーネの方から通信を切り、

ロック通信を切るなり、ソウルアブソーバーを左腕に装着して、カードケースから一枚のカードを取り出した。

すると、そこから1人の女性の幽霊が現れた。

金髪で、黒のリボンで纏めた女性だった。

 

「私を呼んだって事は、何処か行くの?」

 

「ああ。この世界の日本まで一気に飛びたい。力を貸してくれ」

 

「分かった。あまり無茶しちゃ駄目だからね?」

 

其れを聞いたロックはありがとうと言うとその幽霊はカードに入り、

ロックはそのカードをアブソーバーに装填し、レバーを引いた。

 

ーソウル!フォーム…フェイト‼︎ー

 

すると先程の髪型の女性の魂が現れ、ロックは其れを纏った。

 

ー疾風迅雷!雷光一閃!ー

 

「最速で駆け抜けるぞ」

 

そう言うとロックはなんと空を飛び、そのままその場を後にした。

 

 

その後、フィーネはロックが時間通りにやって来た事に驚きと感心をしていたそうだ。




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回は俺の所にいつの間にかいた存在・ほむらさんの事を紹介しよう」

ほむら/カード名【銃の魔法少女 暁美ほむら】
属性/闇・人間&魔物・魔&射・銃

とある世界で大切な存在を救いたいが為に禁忌を犯した少女。
特殊な力があるようだが、今の所は扱えない。

憑友「ほむらさんにはまだ何か隠している事が有るかもしれないけど、俺は其れでもほむらさんの事を信じてる!」

次回


不協和音

憑友「次回も見てくれよな!」


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第10話 診断結果

本当に済まない。またやってしまったよ、サブタイ変更。
今宵は2人の診断結果が題材となっている。
次回こそはサブタイ通りにしたいと思う。
誠に済まない。


学校の時間が終わり、漸くかと思った響と憑友。

すると、

 

「ビッキー!」

 

おそらく響の事を呼んでいるであろうその名を呼んだ少女達3人と未来がやってきた。

 

「?…響ちゃんのお知り合いですか?」

 

実は憑友はその少女達3人と会った事が無かったのだ。

未来や響とは小学校からの幼馴染だが、3人の事は実は知らなかったのだ。

 

それもその筈だ。

2年前のライブ会場の悲劇に憑友が死んだ後、

響には多くの罵声を浴びてきたのだ。

そんな幼かった響に手を差し伸べてきたのが、未来であり、彼女達もそんな響を見ては支えてやって来た存在なのだ。

 

「あ、そっか。自己紹介して無かったね。

私は安藤創世。私は響の事を「ビッキー」って呼んでいて、未来には「ヒナ」って呼んでるんだ♪これから宜しくね「ツッキー」!」

 

「つ、ツッキーですか…あはは…(響のネーミングのパロディだよね…これ…)」

 

「私は寺島詩織と言います。皆さんと一緒に美味い物巡りをする事が趣味です。よろしくお願いしますね♪」

 

「美味い物巡りか〜。基本外食とかしない派だから、今度良い店があったら、周って見ましょうね!」

 

「んで!私は板場弓美!私、アニメが好きなんだ〜!良かったら今度色んな話をしようよ!」

 

「アニメですか。自分はポ○モンの事しか知らないので、それ以外の話も是非お願いしますね♪」

 

3人の少女達・創世と詩織と弓美の自己紹介を聞いた憑友は自分も自己紹介した。

 

「さて。では今朝も言いましたけど、改めて。人絆憑友と言います。

人の絆と書いて人絆、憑依の憑と友と書いて憑友と、難しいかもしれませんが、よろしくお願いします。

趣味は…『英雄石板』の鑑賞かな?」

 

「『英雄石板』⁉︎それって、世界遺産に登録されている凄く価値のある逸品だよね⁉︎それの鑑賞って、凄いよ〜!」

 

「へ、へぇ〜(そんなに凄いものだったんだ…全然、知らなかったよ〜)」←因みにこれは響の呟きである。

 

「まぁ、父親が勝手に回収してはそれの解読等をしてるんで、自然と身についたんですけどね…」

 

「へぇ〜」

 

そう言う会話をしていると、憑友が創世達が話そうとしていた内容に話を軌道修正させた。

 

「そう言えば、創世さん達は響ちゃんと何か予定でも?」

 

「あ、そうだった。

実は今から近くのお好み焼き屋の「フラワー」に行かないかなって思って。憑友も一緒に来て欲しいんだ。そこで歓迎パーティーしたくて」

 

それを聞いた憑友は今すぐに行きたいと思った。

けど、そこは敢えてグッと堪え、断りの言葉をかけた。

 

「そうなんだ。でも、御免なさい。

今日は久しぶりに母さんが家に帰って来る日なので。そこを逃したら、次いつ会えるのか分からなくなるんで。折角のご招待をして下さってくれた事には感謝していますが、先ずは母さんと久しぶりに色々と話をしたいので」

 

それを聞いた3人は少しがっかりしていた。

でも、3人には憑友の第一印象は好評価だった。親孝行者だなと。

未来も顔には出さないが、それでもやはり3人同様、寂しいのかもしれなかったのか、少しがっかりしていたように見えた。

 

「んじゃあ、ビッキーは?」

 

「ごめん。この後用事が入っちゃってて」

 

「また呼び出し?あんた本当にアニメみたいな生き様しちゃって」

 

「そっか〜。じゃあしょうがないか…また今度誘うね」

 

「……」

 

その日はそれで終わり、詩織達と未来はそのお好み焼き屋へと向かっていった。

その時の未来の顔を見て、響は胸が苦しかった。それは憑友も言えた事だった。

 

そして、荷物の整理をして、響は自分の不幸さにがくりと肩を落として憑友がそんな響の肩に手を置き、同情していたが、すると響がハッと何かを思い出したのか、鞄の中を漁り、その中にあったライドとキリトのカードを憑友に返却した。

 

「今日からは憑友が持っててよ!」

 

「ああ。ありがとな。…でも、まさか同部屋になるとは思わなかったな」

 

「うん。それは確かにそうだよね…」

 

そう話していると、響はふと何かを感じ、廊下側のドアの方を見たので、憑友も釣られて顔をその方向を見ると、そこには響と同じリディアンの制服を着ていた翼がいた。

 

「翼さん?」

 

「重要参考人として再び本部の方へご同行願います」

 

そう言われるや、

 

ガシィン!ガシィン!

 

「へ?」

「またかよ…」

 

 

そしてエレベーターでまた本部の方へと連行された2人であった。

その際に、響が「なんでぇぇぇ⁉︎」とエレベーター内で叫んでいたのは言うまでも無く、その際に憑友から「少しは黙れ」と言いながらチョップされていたのであった。

 

ーーー

そして本部へ着くなり、メディカルルームへと連れてこられた2人。

そして2人は近くのソファに座らせられるや否や、手錠が外され、

 

「それでは〜

先日のメディカルチェックの結果発表〜♪」

 

了子から前回受けた身体検査の調査結果が行われたのであった。

 

了子の発言に憑友は溜息交じりで呆れていたが、

 

「(コーヒー欲しい…)」

 

内心では凄く胃がムカムカしていたのであった。

すると了子は電子画面から響と憑友の身体検査のパラメータらしき物を画面に出力させ、先に響のパラメータを先に大きくさせた。

如何やら先に響の結果から発表するようだ。

 

「初体験の負荷は若干残ってはいるものの、身体に異常はほぼ(・・)見られませんでした〜」

 

…何とも呆れた口調だと思った憑友。

それに感づいたのか、了子が指示棒の先っちょで正確に憑友の頭を叩いた。

それに悶絶する憑友は今回ばかりは相手が悪かったのであった。

 

それを苦笑いで見ていた響は、了子の発言に会った"ほぼ"と言う言葉が気になっていた。

 

「あはは…。でも、ほぼですか…」

 

「そうよね。貴方が聞きたいのはそんな事じゃあ無いわよね?」

 

「教えて下さい。あの力の事を!」

 

そう響が聞いてきたので、了子の隣で聞いていた弦十郎は後ろにいる翼に目を向けた。

すると翼の首元から赤いクリスタルのような物が出て来た。

 

「天羽々斬。翼が持つ《第1号聖遺物》だ」

 

「《聖遺物》?」

 

すると隣で悶絶していた憑友が話をし出した。

 

「《聖遺物》ってのは、『英雄石板』とよく似た物だと親父から聞いた事がある。

《伝承》や《伝説》に出てくる武器や防具の一部の欠片を基に生み出された異端技術の事だって言っていたな。

 

例えば、アーサー王伝説って言うおとぎ話に出てくる聖剣《エクスカリバー》や、

ケルト神話で有名なアルスターの英雄・クーフーリンが使用していた魔槍《ゲイボルク》も、

その《聖遺物》というカテゴリに分類されているんだ。

分かりやすく言うなら、みんなが知っているようなあまりにも有名な武器や防具。その一部の欠片の事を此処の人達は総称して《聖遺物》と呼んでいるだ。…でしたよね?弦十郎師匠」

 

「概ね正解だ。勉学も怠ってはいないようだな?」

 

「あそこ迄にムキになって熱く語る親父に言って下さい。毎日軽く小3時間ノンストップで聞くこちらの身にもなって欲しいものです」

 

それを聞いたこの場の者達は取り敢えず心の中で、

 

『(お気の毒に…)』

 

と、憑友に対して情けをかけていたのは言うまでも無い。

 

「…!兎に角、概ねの事は先程憑友君が言っていたような物だけど?世界各地の遺跡から発掘されているのよ?」

 

そう言うと了子に主導権が握られ、講義をした。

まぁ、当然ながら響には、

 

「全然分かりません」

 

「だろうね…」「だろうとも…」「だろうと思った…」

 

右からあおいさん、藤堯さん、そして霊風の3人が連続でそう言った。

それを見ていた憑友は呆れて、手で頭を押さえていた。

 

「それじゃあ次は憑友君の番よ〜!」

 

「っ!」

 

そう言うと、響は憑友の隣に座り、壁際に突っ立っていた霊風があおいと藤堯よりも前、弦十郎の右横にやって来て、手摺に腰掛けた。

 

「憑友君の場合は、響ちゃんの力とは全く異なる力を持っているの。これは流石の憑友君自身も知っているよね?」

 

「ええ。まぁ、色々と紆余曲折な出来事があったものなので…」

 

「憑友君の力はかつて、この『英雄石板』に描かれていた時代の頃に、その『英雄石板』に刻まれた『英雄』達と共に邪悪なる根源と言う存在に立ち向かった者。

通称《精魂導師》と呼ばれる者達の力を宿しているのよね〜♪

そして憑友君もそうだけど、此処にいる霊風君もその中の1人だと思ってくれても構わないわ〜」

 

「《精魂導師》…

親父から聞いた話の通りですね」

 

「そうなの?…まぁ、それは良いとして。

本来なら先程の話にも出た『シンフォギア』の力を持った者達にしか倒す事が出来ない認定特異災害《ノイズ》と戦えるもう1つの存在。それが《精魂導師》なのよ。…って言っても、それはもう実感しているから分かってるわよね?」

 

「は、はい。現に昨夜、ボコボコに殴ってましたし…」

 

その微妙な空気に皆は苦笑いしかしなかった。翼を除いて。

すると、了子は本題の方へと入った。

 

「問題は、憑友君のバイタルの方なの」

 

「バイタル…身体系ですか」

 

「そうなの。

やっぱり貴方の心臓は止まっていたわ。

だから、貴方の言っていた事は本当になるわ。

それにより、以前まで貴方に宿っている《精魂導師》の力に振り回されていた。

けど、昨夜の件に関してはそれが見受けられなかったの。

一昨日と昨日の間に何が起こったのか、教えてくれるかしら?」

 

「え、えぇ〜と…」

 

了子の気迫に流石の憑友もタジタジに成ろうとなっていたら、急に憑友の服が引っ張られたので、憑友はその方を見ると、そこには霊風がいた。

 

「悪りぃね。了子さん。此処からは俺の管轄なんだわ。響ちゃん。憑友を借りてくぞ。心配するな。別に殺したりとかそんなんじゃなくてな。これは男と男の会話なんだ。

風鳴のおやっさん。憑友を借りてくから、後はよろしくな」

 

「へ…へ?ちょっと待って⁉︎痛いから⁉︎首きついから⁉︎」

 

そう言うと霊風は憑友を連れてメディカルルームを後にしたのであった。

 

ーーー次回へ続く。




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回はロック(あいつ)が使用していた英雄の1人・アオトを紹介する」

アオト/カード名【水を留めし少年 アオト】
属性/水・人間・斬・刀

聖なる扉《ディバインゲート》を目指している少年。
その視線はあまりにも冷たく、殆ど感情を表に出さない。

憑友「水の力をその身に留めかせた少年。刀型武器《ワダツミ》を使用する。時に二刀流も使い、必殺の"フリーズグレイス"で前方範囲を氷と水で攻撃する」

次回

不協和音

憑友「今回のサブタイ変更は俺からもお詫びを言わせてくれ。大変申し訳ない」
「次回も見てくれよな!」


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第11話 不協和音

危うくサブタイトル詐欺になる所だった。
今回は響の視点の話。
ざっくりとしていますので悪しからず。


「そうね。…貴方と私…

 

 

 

 

 

 

 

戦いましょうか」

 

「…ふぇ?」

 

それは唐突だった。

後ろでは爆炎が渦巻いている中、翼は響に刃を向けたのであった。

 

響は思った。何故こんな事になってしまったのかを…

 

それは1、2時間前に遡るのであった。

 

ーーーーーー

あの後、憑友と霊風がメディカルルームから退室し、今は響と翼、了子と弦十郎、藤堯とあおいさんの6人しかいなかった。

そして響は何故、自分に『シンフォギア』が纏えたのか疑問をぶつけた。

本来ならば、『シンフォギア』を纏いし者《適合者》には、翼が身につけている《《聖遺物の欠片》が入っているペンダント》が何よりも必要な筈。だが、響にはそれを持っていない。

それなのに、何故纏う事が出来たのか未だに分かってはいなかった。

すると了子は画面にある画像を写した。

響はそれを見て、何かを感じた。

自分の身体内部のレントゲン写真だった。

すると弦十郎から話を切り出して来た。

 

「これが何なのか、君にはわかる筈だ」

 

それを聞いた響は確かに身に覚えがあった。

 

「あ、はい。2年前の怪我です。私と憑友もあの場所にいました!」

 

それを聞いた翼は目を見開く。

すると、了子が重大な事実を翼に告げた。

 

「心臓付近に食い込んでいる為、手術でも摘出不可能な無数の破片。

調査の結果…これはかつて、奏ちゃんが身に纏っていた《聖遺物・ガングニール》の砕けた破片の欠片である事が判明したわ」

 

「‼︎」

 

その事実に翼は驚愕し、そのまま顔を手で覆いながら部屋を後にしてしまった。

かつては自分の隣で戦っていた(片翼)

しかし、あのライブでの悲劇後に、奏が生き返ると同時にその聖遺物のペンダントは砂塵となり消滅した。

そして今ではそれが、見ず知らずの(女の子)に譲渡された形で現れた事に翼は眩暈や吐き気に襲われたのであった…

 

そして翼が退室したと同時に、響は弦十郎にある事を聞いてみる事にした。

 

「あの…」

 

「ん?如何した?」

 

「この力の事を…他の誰かに言っては駄目なのでしょうか…」

 

響は心苦しかった。

自分が特異災害である《ノイズ》を倒せる存在である事を。

 

現に、未来に対して響は嘘をついた。

大切な親友だからこそ、彼女は本当に心苦しかったのだ。

もし、この事を誰かに話せたら、少しは気が楽になるのかなと思ったから。

だが、現実は甘くは無かった。

 

「…君が《シンフォギア》の力を持っている事を他の誰かに知れ渡ったら、君の周りにいる人達にも危害を加え兼ねない。

霊風や憑友君達も同様の事は言えるんだ。《精魂導師》も、《シンフォギア》と同じで特殊な力を持っているんだ。

だから、公に公表する事が出来ないんだ。

幸いなのは、彼…憑友の家族はその事を知っている事だ。

彼等の一家になら、話しても大丈夫だ。俺が保証しよう。

ただ、それ以外の場合だと、下手をすれば命に関わる事にもなり兼ねない」

 

「命に…関わる…!…」

 

そこで響はふとフラッシュバックが発生する。

未来の事を、大切な親友がもしかしたら自分の所為で最悪の場合、死んでしまうんじゃ無いのかと。

 

「響君の気持ちも分からなくは無いが、如何か我慢してくれ。

憑友も本来なら今の自分の状態を君の親友にありのままに話したいと言っていた。けど、それを実行すれば、今の響君がやろうとしている事に繋がり兼ね無いんだ。

憑友はそれにプラスして、自分にまで悪影響を及ぼし兼ねない立ち位置に奴はいるんだ」

 

「憑友も…!」

 

そこで響はふと思い出した。

確かに憑友はこの場所以外で自分が死んでいる事を公表していない。

もし公表でもしたら、憑友の周りの人達は勿論だが、

それにプラスで、最悪の場合、憑友がモルモットのような生活を送られる羽目になる事を知ってしまったのであった。

 

「俺達が守りたいのは機密では無い。人の命だ。

その為にも、この事は隠し通してはくれないだろうか?」

 

「貴方に秘められた力はそれだけ大きな物だという事を分かってちょうだい」

 

それは響にとってはあまりにも辛い現実だった。

 

「人類は《ノイズ》には打ち勝てない。それに触れる事も出来ない。

触れるという事は(即ち)人が炭となって消えるという事を意味している。

ただ2つを除いてそれはその限りでは無い。

1つは《シンフォギア》を纏いし戦姫と、

もう1つは憑友や霊風が変身する《精魂導師》の力だけしか《ノイズ》に対処する事が出来ないんだ」

「日本政府"特異災害対策機動部二課"として改めて協力を要請したい。本当なら君の前にまず憑友に言わなければならないのだが…」

 

「え?…なんで憑友の名前が出てくるんですか?」

 

響の疑問に弦十郎はこう答えた。

 

「あいつ…憑友は君や君の親友に対する感情の起伏があまりにも激しいと自談していた。本当は自分1人で事の対処に当たりたかったんだろう。君や親友達には《ノイズ》達が蔓延る世の中でも、平和で暮らして欲しかったんだろう」

 

弦十郎の話を聞いた響は憑友が自分や未来の事を気遣っている事に気が付いた様だった。

しかし、それでも響は自らが宿した力に向き合い、そしてこの力で誰かを助けられる事に誇りを持っても良いと2人に示唆され、戦場に出る決意をした。

 

その後、翼の所へ赴いた響は今の自分の事を話した。

けれどそれでも翼は聞く耳を立てる事は無かった。

 

すると突然、照明が暗くなると同時にアラームが鳴り響く。

それを感じた2人は急いでブリーフィングルームへと向かった。

そして着いた時にはそこには弦十郎達と今まで何処にいたのか、憑友と霊風もそこにいた。

すると藤堯が、

 

「ノイズの出現を確認!」

 

と言っていた。そして座標を見てみると、此処からそう遠く無い場所にノイズが現れた。

それを見た翼は急いで現場に急行し、霊風も慌てて後を追う。

それに釣られて響も後を追おうとすると憑友に肩を握られ、抑え込まれていた。

 

「!離して!」

 

「良いのかよ!もしかしたら、今日でお前の命が無くなるんだぞ!」

 

「そんなの関係無い!今は自分の力を信じたいだけ!それに、憑友と同じように…」

 

「命を粗末にするんじゃねえ‼︎」

 

その一言で、響と周りのスタッフ達は憑友の方へと振り向く。

 

「…!…ごめん」

 

そう言うと憑友は響の肩に乗っけていた手をどかした。

 

「…こっちこそ御免。…でも、私に宿ったこの力で誰かを助けられる…誰かを守られるんだったら…!」

 

そう言うと響は翼や霊風の後を追っていた。

 

ーーー

その後、ノイズを相手に苦戦を強いられた2人に加勢して、なんとかこの場を脱したのであった。

すると、響が翼の方へとやって来て話をし始めた。

 

「翼さ〜ん!

私、今はまだ足手まといですけれど、一生懸命頑張ります!だから、一緒に戦って下さい!」

 

それを聞いた霊風はこれで少しは大丈夫かなと思って足を動かそうとした。だが、身動きが取れなかった!

 

なんでだと思い、後ろを振り返ると、そこには翼がいつの間にか仕込んでいた短剣が影に刺さっていたのだ!

 

「⁉︎影縫い…だと⁉︎」

 

霊風は翼に文句を言おうとするも、思うように口が大きく開かない。相当深く刺し込んでいた。

すると翼は響に対してこう告げた。

 

「そうね…貴方と私…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いましょうか」

 

「…え?」

 

すると翼は響に刃を向けたのであった。

 

それが冒頭の部分であった。

 

響は何が起こっているのか分からなくなった。

 

「え、そ、そう言う意味じゃなくてですね…

私は翼さんと霊風さん。それに憑友君と共に立ちm…」

 

「分かっているわそんな事」

 

「⁉︎だったら…如何して…」

 

「私が貴方と戦いたいからよ」

 

「え?」

 

そう言うと翼は響にこう告げた。

 

「私は貴方を受け入れられない。

力を合わせ、共に戦う事など…

 

『風鳴翼』が許せるはずが無い。

 

…貴方もアームドギアを構えなさい」

 

翼の発言で少し怯える響。

 

「それは常在戦場の意思の体現。

貴方は何者をも貫き通す一振り《ガングニール》のシンフォギアを纏うのであれば…

胸の覚悟を構えてごらんなさい!」

 

あまりにも無茶苦茶な発言で、響は頭の中がパニクっていた。

 

「か、覚悟とかそんな…

私、アームドギアなんて分かりません。

分かってないのに構えろだなんて…

それこそ全然分かりません!」

 

それを聞いた翼は刃を向けるのを止め、響から離れていく。

 

そしてある場所で止まるや、

 

「覚悟を持たずに遊び半分で戦場に来た貴方に…

奏の…

 

奏の"何"を受け継いでいるの‼︎」

 

「⁉︎」

 

その一言で響は怯む。

 

それを見た霊風は急いで響に示唆する。

 

「!響ちゃん!そこから離れろ‼︎」

 

しかし、それよりも先に翼が持っていた刃を天に投げるや、そこから刃はあまりにもでかい剣に成り、翼はそのままその剣の柄の部分を蹴りながら響に特攻した!

 

ー天ノ逆鱗ー

 

万事急すと思ったその時、

 

『protection!』

 

 

 

 

 

「はぁぁぁぁ!」

 

「⁉︎」

 

響はその声により目を開けると、そこには、白と青を基調とした服装を纏い、左手に金の穂先が付いた槍らしき物を持った憑友が右手で桜色の魔法陣らしき物で防いでいたのであった!




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回もあのロック(水使い)が使っていたカードの1枚・タツヤを紹介しよう」

タツヤ(本名 司波達也)
カード名【魔法科高校の劣等生 司波達也】
属性/闇・人間・射&魔・銃

"魔法大学第1附属高等学校ー通称・魔法科高校ー"に在籍している高校2年次。
魔法の素質はあるものの、あまり無闇に使用せず、体術を得意としている異例型。

憑友「2丁拳銃で戦うが基本的には右手で対処する事が多く、魔法を使用する際は発動後には相手は跡形もなく消えてしまう…」

次回

会合

憑友「次回は俺と霊風先輩がその間に何をしていたのかを話すぜ。
それじゃあ次回も見てくれよな!」


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第12話 会合

今回は憑友と霊風のカード達が集合です。
因みにまだ出てきていないキャラも含みます…なんだと…⁉︎


翼が響に刃を向ける数時間前にまた遡る。

 

ーーー

憑友は霊風によりメディカルルームから強制退室され、現在憑友は霊風によりまだ引き摺られていた。

流石にもう何度言っても言う事を聞いてくれないのを見たのか、憑友は離してくれる事が無いと思い諦めた。

そんな憑友を引き摺ってきた霊風はとある一室へと足を運んでいた。

突然、足を止めた霊風に憑友がその扉の上に、

『霊風の部屋』と堂々と書かれていたので、冷や汗をかいていた。

 

すると、

 

「入れ」

 

霊風の発言で、お邪魔する事になった。

そして部屋に入るや否や、

辺りを見渡す霊風。そして部屋の一室にあるベットの毛布を払った。

するとそこには、

 

「…あ」

 

「は?」

 

「何やってんだよ…奏」

 

なんともあまりにもラフ過ぎる格好をした奏が霊風のベットを占拠していた。

 

「いや〜。偶には良いかな〜ってな!」

 

「開き直るな!こっちの事も考えろ、駄肉‼︎」

 

「何だよ!それ!」

 

そう言うなり、2人が喧嘩しようとしていた。憑友は止めようにも止めきれないと分かってしまった。そしたら、憑友のカードケースから1枚のカードが勝手に出て来ては具現化するなり、

 

「2人とも…O☆HA☆NA☆SIしようか?」

 

「「⁉︎」」

 

「あ、なのはさん…」

 

そこから現れた女性・なのはの言葉で物の見事に2人は喧嘩を辞めた。

その時の2人は後にこう語った。

 

『あの女性の後ろに魔王の気配を感じた…』と。

 

そして、そんないざこざが有りつつも、現在は奏にラフ過ぎる格好からパーカーを羽織らせた事で一応落ち着き、そして話の本題へと話を進めた。

 

因みにテーブルを挟んで、

 

霊風 奏

 

テーブル

 

憑友

 

この様に座っていた。

 

「さて、先ずは先の健康診断はまぁ、大丈夫だと言う事は大いに分かったから。今回はこの話は無し。

本題は、今現在、俺達が所有している『英雄』の力を宿したカード【ヒーローカード】が幾つあるのかをお互い確認したくてあの時、連れて来させたんだ。

…まあ、此処に関係無い奴が1人…」

 

「それは酷いんじゃねえ⁉︎私はこう見えて、あんたが回収した石板の解析をやってるんだから、参加する権利はあるっての!」

 

「まあまあ。落ち着いて下さい。奏さん。俺は別に居て貰っても構わないので」

 

そう言うと、霊風は腰に備わっていたカードケースを手に持って、カードを全て取り出した。

それに釣られて憑友も霊風と同じ事をした。

 

「お前さん…憑友は、カードでも、英雄達の魂を呼び出す事は知ってるか?」

 

「え?…うん、まぁ。多少なりですけど知ってます」

 

「なら、始めるぞ」

 

そう言うと、2人は共にカードの裏面にあったマークをタッチして、それを全て表向きにしてカードを並べる。

 

そして全て置いた時、カード上からホログラムが現れ、そこにはたくさんの人達がカードの上に現れたのだ。

 

『はぁ〜…良く寝た…』

 

『よっしゃあ!燃えてきたぞーー!』

 

『にゃははは…。あ、さっきはごめんね☆』

 

『貴方、一体何をしたのよ…』

 

『なんか良く分かんねぇな…こんな状況になn『あ、アカネ!』ん?んお⁈ミドリ⁉︎』

 

『ったく、何だよ!俺と関係ある奴いねぇじゃねえかよ‼︎』

 

『まあまあ。でも、楽しそうだよね。ソウル♪』

 

『そうか?俺は別に関係無いな…』

 

『うぉぉぉ!政宗殿!貴殿とまたお会い出来た事に、某は熱く燃え滾りますぞ‼︎』

 

『OKOK!そうじゃなけりゃ俺のrivalじゃねえからな‼︎』

 

『何だかワクワクして来たな!ピカチュウ!』

 

『ピカチュウ!』

 

『あはは…。色々な人が居るんだな…』

 

『…そうだな』

 

『お前、其れだけかよ…』

 

『でも、意外といけますね』

 

『…な、何だか怖いです…』

 

『ちょっと!収集つかないじゃないの、これ⁉︎』

 

…取り敢えず一言。

 

混沌(カオス)になったな…これ…。

 

そう思いつつも、皆は其々自己紹介を簡単にした。

先ずは憑友の方のカード達からで、

最初は全身黒のコーデをした青年からだった。

 

『先ずは俺からか。俺の名はキリト。

皆からそう呼ばれてる。憑友に剣術を教えてる。宜しくな』

 

次に自己紹介したのは、ピンク髪でマフラーを巻いていた青年だった。

 

『俺はナツ・ドラグニル!

炎の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)だ!宜しくな!』

 

そう言うと今度は白と青の服装をして、先程2人をこっ酷く叱った存在だった。

 

『次は私だね。

高町なのはと言います。こう見えて魔法少女やってます。…って言うのは良いけど、この姿って、『魔法少女』のカテゴリに入るのか、其れが悩みです。宜しくね♪』

 

その時の霊風と奏(さっきなのはにこっ酷く怒られた2人)は内心ではこう思った。

 

「「(いや、其れを言われても分かりませんから…)」」と。

 

すると今度は赤髪の少年が喋りだした。

 

『俺の名はアカネ。そこに居るミドリとは一応幼馴染だ。宜しくな』

 

すると今度は白と紫の服を着ていた女の子が話しかけてきた。

 

『暁美ほむら。憑友に護身用として銃に関するいろはを教えてるけど、彼の師匠になった覚えは無いからそのつもりで』

 

そう言うと今度は三日月の兜を被った男が前に出て喋った。

 

『OK!次は俺の番だな。

俺の名は奥州筆頭 伊達政宗。そこに居る真田幸村とはrivalの関係だ。宜しく頼むぜ、maybe?』

 

すると今度はこの中で異彩を放つ青年が喋りだした。

 

『あはは…と、次は俺だな。

俺の名はルドガー・ウィル・クルスニク。

こう見えて料理は得意なんだ。宜しくな』

 

そう言うと続け様に1人の青年が話しかけて来た。格好は何処かの軍に所属しているかのような服装をしていた。

 

『エレン・イェーガー。其れが俺の名だ。

後は何も無い。其れだけだ』

 

そう言うと最後は待ってましたと言わんばかりの少年と1匹の兎?っぽい奴が喋りだした。

 

『俺、サトシ!こっちは相棒のピカチュウ!』

 

『ピカピカチュウ!』

 

そのサトシと名乗った少年に霊風と奏の2人は目を見開いた。

実はサトシと名乗った少年と憑友の声が似ていたからであった。

 

其れを見ていた憑友は苦笑いしていたのは言うまでも無かった。

 

すると今度は霊風のメンバーから自己紹介をして来た。

最初は、緑のパーカーを着た女の子からだった。

 

『んじゃ、先ずは私からだね!

私の名前はミドリ!アカネとは同じ世界出身で、幼馴染なんだ♪宜しくね!』

 

そう言うと次はやっとかと言わんばかりの雰囲気を出していた全身青タイツの男だった。

 

『俺の名はランサー。まっ、これは偽名だけどな。

真名を聞きたければ、其れなりの実力を見せてくれないと教える訳には行かないからな。

そんな訳で、宜しくな』

 

すると今度はツインテールの女の子とギザギザヘアの頭の男の子のコンビだった。

 

『私は鎌職人のマカ=アルバーン。んで、こっちは相棒のソウル!』

 

『ソウル=イーターだ。クールに行こうぜ?』

 

『これから宜しくね』

 

そう言うと今度は眼鏡と白いローブを羽織った青年だった。

 

『えっと、次は僕ですね。

初めまして、付与術師《エンチャンター》のシロエと言います。

住んでいた世界ではギルド《記録の地平線ーログ・ホライズンー》のギルマスをしていました。

この中では屈指の参謀役を担っています。宜しくお願いしますね』

 

そう言うと今度は赤髪の女の子が話をし出した。

 

『私は佐倉杏子。そこにいるほむらとは同じ世界出身で、『魔法少女』に分類されている。因みにほむらも『魔法少女』だからな。

宜しくな』

 

すると次はなんとも熱苦しい熱気をホログラムになっても発揮させている男が話しかけて来た。

 

『某は真田源次郎幸村!

其方の仲間である政宗殿とは生涯屈指の好敵手として、相見える事もありますので、何卒宜しくお願いします‼︎』

 

因みにその際に憑友は「緒川さんがキャラ崩壊したら、こうなっていたのかも」と言っていたが、所持している側の霊風はその通りだと言わんばかりに首を縦に振っていたのは言うまでも無かった。

 

すると今度は金髪の女性と青髪の女の子が前に出た。

ただ、金髪の方の腰に鞭があったので、憑友は

 

「(まさか、ドSの女王様なのか…」

 

そう感じていた…が、

 

『はいそこ!言っている事がダダ漏れしてるから!』

 

完全に聞かれていたようだった。

 

『はぁ。…兎に角。自己紹介から先よね。

私ルーシィ!ナツとは同じギルドの仲間なのよ。

んで、こっちの少女はレヴィアタン。

大事な友達を探しているの』

 

『えっと…お願いします…』

 

取り敢えずは此処にいる全員は自己紹介を終えた。

その後、霊風や憑友達も英雄達に自己紹介をしたのであった。

 

その後は、英雄達をカードケースの中に戻しながら、雑談話で盛り上がっていた。

 

 

 

 

すると突然、照明が暗くなると同時にアラームが鳴り響く。

それを感じた2人は急いでブリーフィングルームへと向かった。

そして着いた時にはそこには弦十郎が被害の状況に苦虫を噛んでいた。

入って来て数分後に翼と響も漸く来た。

すると藤堯が、

 

「ノイズの出現を確認!」

 

と言っていた。そして座標を見てみると、此処からそう遠く無い場所にノイズが現れた。

それを見た翼は急いで現場に急行し、霊風も慌てて後を追う。

それに釣られて響も後を追おうとすると憑友に肩を握られ、抑え込まれていた。

 

「!離して!」

 

「良いのかよ!もしかしたら、今日でお前の命が無くなるんだぞ!」

 

「そんなの関係無い!今は自分の力を信じたいだけ!それに、憑友と同じように…」

 

「命を粗末にするんじゃねえ‼︎」

 

その一言で、響と周りのスタッフ達は憑友の方へと振り向く。

 

「…!…ごめん」

 

そう言うと憑友は響の肩に乗っけていた手をどかした。

 

「…こっちこそ御免。…でも、私に宿ったこの力で誰かを助けられる…誰かを守られるんだったら…!」

 

そう言うと響は翼や霊風の後を追っていた。

 

ーーー

その場に残ってしまった憑友はひどく落ち込んでいた。

生まれて初めて響に怒りを孕んだ声を出したのは。

今の今まではそんな事はしなかった。なのに、感情の起伏があまりにも激しく感じていた。

 

すると、それを見たのか。弦十郎が憑友の肩に手を置きそして話をした。

 

「辛いだろうが、響君の決めた事なんだ。自分の運命は自分で決めなければいけないんだ」

 

「分かっています…とは言えないかな。

結局、あいつは人助けをする事に生き甲斐を持っていましたから」

 

それを見た弦十郎は1枚の物を憑友に手渡す。

 

「?…これは?」

 

「これは調査の結果、『英雄石板』である事が判明した物だ。

此処の創設時に地層深くに埋まれていたんだ。これを君に託す」

 

そう言われ、憑友は弦十郎から1枚の英雄石板を受け取るや、近くのソファで解析し、そしてライドと共に解析した結果、僅か1分で解析完了して即座に詠唱を始めた。

 

「…詠唱開始。

『その者は、《憤怒》の怒りで国を1つ滅ぼし、罪人となった。

 

だが、それは同時にその者を聖なる騎士へと成りあげた。

 

その者の身体には《魔神》の力を宿しながらも、その力で《魔神》を葬りさらん。

 

己に持ちし《反撃》の力と、その《獄炎》の黒き炎にて、その者は守り続けん…

 

大事な存在の生き写しである姫君を守る為に…』」

 

すると『英雄石板』が光り輝くや、そこから1枚のカードが現れた。

そこには金髪で、少し小さいながらもその身体から大きなオーラを宿した少年のイラストが描かれていた。

 

「【憤怒の罪(ドラゴン・シン) メリオダス】…!」

 

憑友がそう呟いていると、弦十郎が慌てていた。

 

そこには、ノイズを倒した形跡と同時に、翼が響に刃を向けていた場面だった…!

しかもご丁寧に霊風は翼により"影縫い"を仕込まれていたのであった。

 

「っく!こんな時に限って…⁉︎憑友は何処いった⁉︎」

 

弦十郎が止めに行こうとした時にソファをみると、そこには『英雄石板』だけしか残っておらず、

憑友の姿を見失っていたのであった。

 

ーーー

そしてノイズが倒され、響は安堵するも、翼に刃を向けられていたその頃、憑友は急いでライド左腕に装着し、腰のカードケースから一枚のカードを取り出し、アブソーバーに装填して、レバーを引いた。

 

ーライド!フォーム、ナノハ‼︎ー

 

そして走りながらその英雄の魂を纏った。

 

ー不屈の心、エース・オブ・エース!ー

 

すると憑友は軽く跳躍するとなんと足の踝辺りから翼が生え、そのまま飛行したのだ!

 

「飛ばす…!」

 

そう言うと響の元へと急行した憑友は状況を目の当たりにした。

 

翼が刀を投げ、その刀が大きくなるや、翼がその刀に蹴りを加えて特攻を仕掛けていた。

 

ー天ノ逆鱗ー

 

その技を使用し、響に襲いかかろうとしていたのだ!

其れを見た憑友は響と翼に入るや右手を前方に突き出した!

 

『protection.』

 

「はぁぁぁぁ‼︎」

 

そして其れは受け止められ、翼は目を見開いていた。

自分の身の丈を優に越す巨大な剣を魔法陣らしき物体で止められた事に。

 

そして巨大な剣は粒子となって消え、翼は新しい刀を腰から出して、今度は憑友に刃を向けた。

 

「貴方は私の邪魔をしたいの?」

 

「…じゃねえよ」

 

「?」

 

「そんなんじゃねえって言ってるんだよ!

なんで協力してノイズに立ち向かわない!」

 

「彼女に…立花響に…奏の…

 

奏の何を受け継いでいるのか、確かめるだけよ!」

 

「嘘つき‼︎

お前…俺の眼の前で人を、其れも…

大切な(幼馴染)を平気で殺そうとしていただろうが!」

 

『⁉︎』

 

その一言で、皆は驚愕した。

響は自分が本気で殺されそうになったと初めて気付き、息遣いが荒くなり、過呼吸になろうとしていた。

其れを見た霊風は力づくで、影縫いの束縛から解放するなり、響に寄り添い、手当をする。

 

「すみません。霊風先輩。

響の事、お願いします…」

 

「…分かった。あいつの目を覚ましてくれ」

 

そう言うと霊風は被害に遭わないように少し遠くの場所まで行った。

憑友は其れを見届けると、翼の方へと向き直り、話を続けた。

 

「俺はあんたを許さない。

例え、神様、仏様、奏様が許しても…

 

俺はあんたを許さない!」

 

そう言うと憑友は一枚のカードを取り出した。

そこには先程解読に成功したばかりのカードがそこにあった。

 

「俺の怒りは《憤怒》し、そして…国を滅ぼす…!

タイマンやろうぜ…SAKIMORIさん?」

 

そこにはもう怒りに狂った憑友と刃を向けていた翼しかいなかった。

 

次回へ続く。




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回もロック(彼奴)の使っていた英雄の1人・ミツナリを紹介しよう」

ミツナリ(本名 石田三成)/カード名 【君子殉凶 石田三成】
属性/闇・人間・斬・刀

史実にて有名な合戦【関ヶ原の戦い】にて、徳川家康と相対した軍の長。
その身に猛りし斬撃は、瞼を閉じた瞬間に斬られている…!

憑友「此奴の俊敏さに対応できる奴がいるのか、今の俺でも分からない。
もしかしたら師匠と互角いやそれ以上の力を持っているのかもしれない…」

次回

防人VS炎/ルームシェア

憑友「次回もよろしくな!」


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第13話 防人VS炎/ルームシェア

今回は前回の続きと、
憑友、幼馴染と同部屋になるの巻。
そしてあの男再び…!


その宣言と同時に、2人は身を構える。

 

「行くぜ、ライドさん。試運転だけど付き合えよ?」

 

『…あまり感情に身を委ねるなよ。憑友。彼女は屈指の実力者。分かってるだろ?』

 

「ああ。だから、立ち向かわないといけないんだ…

もう二度と目の前で大切な存在(ヒト)が命を散らすのを(見たくないから)…」

 

そう言うと憑友が所持していたカードから1人の男が霊体となり、憑友の後ろにやってきた。

 

「貴方の力…お借りします。憤怒の罪(ドラゴン・シン)

 

「俺の力は相手の攻撃をそのまま跳ね返す力だ。

自分から手を出すタイプじゃない事を分かった上で、使用してくれよ」

 

「…はい」

 

そう言うと霊体はカードの中へと入り、憑友はそのカードをアブソーバーに装填し、

 

「変身…」

 

レバーを引いた。

 

ーライド!フォーム…メリオダス‼︎ー

 

すると、そこから黒のチョッキを羽織った金髪の少年の魂が現れ、憑友は其れを纏った。

 

ー七つの大罪!憤怒のドラゴン‼︎ー

 

そこには先程の魂の姿と同じ姿をした憑友がそこにいた。

其れを見た翼は刃を構えた。

 

翼は目にしていた。憑友の背中に龍をあしらった装飾品を。

背中に携えているという事は、剣に分類される何かがあると言う事に。

すると、憑友はその装飾品を引き抜くと、翼は凝視した。

 

それは、剣なのに…刃が折れていた(・・・・・・・)のだ。

 

「っな⁉︎…っく!私を侮辱するつもりか!」

 

「侮辱?何の事だ?これはこの英雄の持ち物に過ぎない。

強いて言うなら…"刃折れの剣"と言う所かな。

あんたとタイマンしよう(やり合う)とは言ったが、殺しあう(・・・・)とは一言も言ってねえぞ?

其れに俺はこの剣であんたのそのプライド()をへし折ってやる!」

 

そう言うと憑友は刃を後方にして、武器を構えた…!

其れにより翼は苛立ちが募ったのか、刀から両手剣へと変え、そこから雷の斬撃を放った!

 

ー蒼ノ一閃ー

 

しかし、その攻撃を憑友はそのまま受け、砂煙が舞った。

其れを見た翼は目を見開く。

振りの速度を落として、スピードを緩めたにも関わらず、奴は…憑友は其れを真面に受けたと言う事に。

すると、砂煙が露散するや、そこにはやはりダメージを受けた憑友がいたが、刃から物凄いオーラを纏っていた!

その行動で、翼が少し怯んだ。

 

「「その判断が命取りだ!」何⁉︎」

 

するとその刃を振りかぶった!

 

「"限反撃(リミット・カウンター)"‼︎」

 

何とその一振りで大地が抉れたのだ!

其れを見た翼は咄嗟に刀で防御する…!

賢明な判断だった。

 

「如何した?こんなもんかよ?」

 

憑友の挑発に翼はまんまと引っかかる。

すると翼は上空へと跳ぶと、そこから大量の光の刃を憑友に向けて降り注ぐ…!

 

ー千ノ落涙ー

 

すると今度は自分の前に剣を構える憑友。

流石のこの数では防ぎきれまいと思っていた翼だが、その判断こそが過ちだったという事をこの時はまだ知らなかった。

 

すると憑友はアブソーバーについているドライブボタンを叩いた。

 

ーライド・メリオダス!フルドライブ‼︎ー

 

そう言うと同時に翼の技が憑友に襲いかかった。

其れを真面に受けた憑友。しかし、彼から異質なオーラを纏っていた。

そして着地した翼は驚愕した。

何と剣を構えてはいなかったのだ…!

つまり、あの猛攻をノーガードで受けたのだ…!

すると憑友が喋った。

 

「全て受ける事により、この技は威力を増さん。

これが俺の…

 

 

 

《リベンジ・カウンタァァァァァ》‼︎」

 

「⁉︎うわぁぁぁぁぁ‼︎」

 

憑友が放った一閃で、翼はものの見事にくらい、シンフォギアも其れに耐え切れなかったのか、強制解除された。

 

そしてそこには、アスファルトで固められていた道路が完全に剥き出しにされ、地面に完全に地に伏した翼と、ボロボロの状態ながらも立ち続けていた憑友がそこに居たのであった…

 

"リベンジ・カウンター"

憑友が現在憑依させている相手・メリオダスの最強反撃技。

自分自身に数多の敵の攻撃をノーガードで受ける事により、その力を吸収、最大まで溜めきった後に最大級の一撃を放つ技。

 

 

翼はこの時、思った…

あの時の判断ミスでこうなってしまったのか、と。

 

するとそんな翼の所へ憑友が変身を解除してやって来るなり、翼に手を差し伸べてきたのだ!

 

「⁉︎な、何を⁉︎」

 

「これに懲りて、俺の幼馴染を傷付けないで下さい。

貴方も体感しましたよね。俺の怒りの炎。

今回は『英雄』の皆さんに宥められて抑え込まれましたけど、

次は容赦しません。其れだけは分かって下さい」

「彼奴…響にはまだ覚悟が出来てません。アームドギアが出せる訳無いじゃないですか。

もしかしたら、彼奴の手には武器を持たない方が良いのかもしれませんけどね」

 

「…其れでも、私はまだあの子に心を開くつもりは無いわ…」

 

「其れで良いんです。今は其れで」

 

そう言うと更に手を差し伸べて来た。

其れを見た翼は手を出し、そして憑友に引っ張られる形で立ち上がったのであった。

 

その後、憑友が霊風や奏にこの事を伝えられ、翼はその話を聞いた2人にみっちりと扱かれたそうな。

一方の響はと言うと、過呼吸の影響もあって、心配していたが、何とか元に戻る事が出来た様だった。

 

その後、今回の任務は終了し、皆は其々の住む場所へと帰宅した。

 

 

 

 

ーーーーー

そして、憑友は現在響が住む寮部屋へとやって来た。

因みにその際に通信越しだが、母親と久方ぶりの会話をした。

相も変わらず元気にやっていたのでホッとしていたが、毎回電話に出る時は決まって当の2人はイチャラブ状態だったので、

 

「(何でいつもイチャラブ状態の時に電話するんだろう、俺って…)」

 

と、憑友の内心がそう思っていた。

そして響の部屋へとやって来るなり、響は「ただいま〜」

と、疲れきった声を上げていたので、憑友が冷や汗を掻いてると、

 

「あ、響!今まで何してたの⁉︎さっきまで避難警報発令していたんだよ!」

 

と、未来がばっちり起きていた事に憑友は内心惚けていたが、よくよく考えてみれば、警報は確かに発令していたなと思い出していた。

 

すると未来が憑友の顔を見て、

 

「憑友も憑友で、かなり長い時間ジャンヌさんと話していたんだね」

 

と示唆された。

其れを聞いた憑友は放課後そう言っていたなと思い出していた。

 

「そう言えば、夕方頃に配達員の人が来たよ。憑友のお荷物だって」

 

「?俺に荷物?」

 

そう言うと部屋へと招かれるや、そこに一つだけ段ボールがあった。

そこには憑友の義姉が描いたであろう絵が描かれていた。

 

「(間違いなく、俺のだよな…。

何を入れてきたのやら…)」

 

内心そう言いつつ、中身を開けてみると、パソコンや、奏の部屋に置いてあった物と同じ機材、

更に2枚のカードが一緒に入っていた。

其れを見た憑友は早速準備に取り掛かって、あっという間に部屋の隅っこに自分の重要スペースを組み立てたのであった。

 

「おぉ〜。凄いですな〜」

 

「良し。これで、何時でも『英雄石板』の解析が出来る」

 

「でも、課題もあるから、やれなくない?」

 

「そこは抜かりは無い。このパソコンで課題をする事も出来るみたいだから。後は出力させて、提出すればそれだけで良いみたいだしな。

まぁ、音楽や体育、家庭科の方は実技だから、何とかしないとな」

 

そう言いつつも、憑友は段ボール箱の中にあった2枚のカードをよく見た。

1つは赤い髪の青年で、顔にフェイスペイントらしきものが刻まれており、手には双剣のような物を持っていた。そして右側には何かのマークらしきものが半分だけ刻まれていた。

もう一つは金の癖っ毛のついた髪に青いドレスを纏った女性が描かれており、そこには金色に輝く剣が携えられていた。

そして、そのカードの左側に先程見たカードとよく似たマークが左半分だけ刻まれていた。

 

「【剣製の魔術師 衛宮士郎】と【剣の英霊 セイバー】?

兎に角、明日も早いし寝ますかね〜」

 

そう言うと寝ようとしたのだが、

 

「?あれ?未来は?」

 

二段ベットの下は未来が使用していると響と未来本人が言っていたのだが、探してもいなかった。すると、

 

「此処にいるけど?」

 

「なんで上にいる⁈」

 

なんと上で響と一緒に寝ていたのであった!

何で上で寝ているのか聞こうとしたら、

 

「何時もこんな感じだよ?」

 

「えぇ〜…」

 

響があっさりと言ってきたので、憑友は冷や汗をかいた。

 

「だから、下の方使って良いからね♪」

 

「え?…はい⁉︎いやちょっと未来さん⁈幾らなん…でも…って」

 

未来のカミングアウトに憑友は敢えてはっきりと言おうとして、ベットの上に上がって猛抗議しようかと思ったのだが、諦めた。

何故ならそこには2人の寝顔があったから。

響はまだしも、未来もよっぽど疲れていたのだろうか。

2人共ぐっすりと寝ていた。

 

其れを見た憑友は溜め息交じりで手を抑えつつ、結局その案を呑む事になったのであった。

 

「これからが楽しみになりそうだな…!」

 

そう言うと憑友も明日の為に寝たのであった。

 

ーーーーーー

一方、とある山間部の邸宅。

そこには1人の女と1人の青年が話をしていた。

 

「あんたから聞いて会得したあの…"影縫い"だったか。

あれは大いに役に立った。お陰でアーチャーの力を最大限に発揮された」

 

「そう…さて、そんな事の為に呼んだんじゃ無いから、本題の方へと始めましょうか」

 

「…そうだな」

 

2人が話を進めようとした時、ふと扉の音が聞こえてきたので、2人は警戒するが、すぐに解除した。

 

「⁉︎ロック義兄ぃ!」

 

何故なら、青年…ロックの義理の妹・クリスが顔を出してきたのだ。

其れを見たロックは微笑んでいたのだが、すぐに何故か青ざめてしまっていた。

 

何故なら、クリスの姿があまりにもアレだったから…⁉︎

 

ロックはすぐに顔を俯くや否や、何処から取り出したのか、一枚の上着をクリスに投げた。

 

「?何だよ…これ?」

 

「幾ら、フィーネと一緒に居たからって、其れはあんまりだとは思わないのか⁉︎」

 

「は?…⁉︎////」

 

その一言で、クリスは羞恥心に駆られた。

 

「へ、変態兄貴‼︎」

 

「お前に言われたく無い‼︎さっさと服着ろ‼︎」

 

「言われなくても着るっての‼︎」

 

「ふふふ。相変わらずウブな事ね」

 

「あんたもあんたで喧しい!」

 

…取り敢えず一言言わせてくれ。

 

此処も混沌(カオス)になってたんだな…。

 

そして漸く上着を着たクリスと共にロックはフィーネの話を聞く事にした。

 

「それで?俺を呼んでまで何を得たい?」

 

「そうね…」

 

ロックの質問にフィーネは少し考え、こう述べた。

 

「『英雄石板』の力を持つ赤髪の少年・人絆憑友の確保と、

今までに確認されてこなかった異色の(サンプル)

《ガングニール》適合者・立花響の確保を貴方達にお願いするわ」

 

すると小さなカードをフィーネは2人に手渡すや、そこからホログラム画面が現れた。そしてそこには憑友の顔と、響の顔が映し出されていた。

 

「…理由は問わない。此奴らさえ捕まえてくればそれでいいのだろ?」

 

「話が速くて助かるわね。流石【冷眼のロック】と言われた男ね」

 

「そんな昔の名は此処では禁句だ。フィーネ」

 

「ふふっ。そうね…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《水魂導師》ソウル」

 

そう言うとロックは席を立ち、その場を後にした。

 

「…良いのかよ、あんなので」

 

「心配する事は無いわ。あの子は受けた任務は必ず成し遂げる男よ」

 

そう言いながら、フィーネはクリスと共にのんびりとティータイムをとる事にした。

 

「…それにしても、あの子の紅茶は何故此処まで美味いのかしらね?」

 

「言えてるけど、あたしは知らねえよ。つぅか、この味付け、あの白髪野郎と同じ味付けじゃないかよ…」

 

そう言いつつも、2人はその紅茶を絶賛していたそうな。

そんな中でロックは1人、冷蔵庫の中身を漁るや、使えそうな食材を探しては、調理し始めていた。

すると、そんな彼の隣から髪が水色の女性が現れた。

 

「また、変な我儘に付き合わされてるんじゃ無いでしょうね?」

 

「それは無いが、先ず一言言わせてくれ。

フィーネが近くにいるみたいな感覚になるから、あんまり顔を出すな。【氷の狙撃手】さん?」

 

「…はぁ。あんまりヘマをやらかすんじゃ無いわよ!」

 

そう言うとロックと話していた女性はすぐにカード内に消えた。

 

「…全ては準備が大事。"用意周到"、"備えあれば憂いなし"。

クリスの両親の故郷の言葉には中々良い意味を持っているな…」

 

そう言いながら、ロックは料理を作り上げていくのであった。

そうしていると、今度はカードケースからメガネを掛けた男性が現れるや、

 

「トマト「冷蔵庫に毎日あると思うなトマト眼鏡」ガビーン…」

 

何かを言おうとした時にバッサリと物申されて、一瞬キャラ崩壊しそうな雰囲気を醸し出しながら、カードケースへと戻っていったのは気の所為にして欲しい。

 

因みにその料理を食べた二人は感涙していたのは言うまでも無く、

その2人を見たロックは頭に何故か?マークを付けていたのであった…。




憑友「《英雄》達を紹介するこのコーナー。
今回は俺が今回変身した存在・メリオダスを紹介しよう!」

メリオダス/カード名【憤怒の罪(ドラゴン・シン) メリオダス】
属性/闇&炎・人間・斬・剣

相手の攻撃を跳ね返す《反撃(カウンター)》と魔族をやり合う際に発生する力《獄炎(ヘルブレイズ)》を得意としているタイプ。

憑友「相手の攻撃を受け止めてそのまま返すカウンターヒッターのスタイルが得意。
獄炎と反撃の力であとはもう何も残らない…!」

次回


すれ違い/共鳴

憑友「次回も見てくれよな」


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第14話 すれ違い/共鳴

今回は結構、サブタイ通りの話がちらほら出て来てる。
後、強いて言うならこの話でアニメ3話の前半部分までとなっていたりする…


翼が響に刃を向けたあの一件から一ヶ月。

 

相も変わらず、響と翼との関係はギクシャクしていた。

その映像を見ていた弦十郎は頭を抱えていた。

 

「一月経っても…噛み合わんか…

少しは霊風と憑友を見習って欲しいものだ…」

 

弦十郎はそう呟きながら、次に憑友と霊風の映像を見た。

彼の言う通り、翼と響との関係ははっきり言ってダメダメなのに対して、今見ている憑友と霊風の戦闘記録では、2人は其々の得物を最大限に活かしつつ、パートナーの隙を確実に埋めていた。

阿吽の呼吸とも呼べるぐらいに。

 

「霊風は誰に対してもフレンドリーに接し、

憑友は自分が未だ未熟である事を知っているからこうなっているのかもしれないな。

はたまた《精魂導師》同士だから息が合っていると言うべきか。

真意は定かでは無いにしろ、翼や響君には彼等に対して見習うべき所だな…」

 

ーーーーーー

一方、翼は学院近くに設立された和風の建物の一室にて、正座をしつつ、瞑想をしていた。

 

そして、彼女はあの出来事を思い出していた。

 

それは、かつて2年前に起こったライブ会場の悲劇だった。

そこで翼はかつての片翼である奏が禁忌とされた力・《絶唱》を使い、後はもう死ぬだけの運命だった奏に必死になって、生きて欲しいと願っていた…

だが、そこへ奏が救おうとした子供のうちの1人が涙目を流しながら、奏の手を握っていた。

翼はあの時の子供が憑友だと言う事を思い返していた。

 

「(あの子がいなければ、今頃奏は死んでいたのかもしれない。

けど、その代わりにあの子が死んでしまった…

だけど、2年という歳月の中で、あの子は青年となって私達の目の前に再び現れた…)」

 

そう心の中で言う翼。

あの出来事は全て無かったんだと思った。

しかし、現実は甘くは無かった。

それはあまりにも辛い現状だった。

自分達の前に現れた青年は、半分幽霊の謂わば日本で言うところの《妖怪》に似たものに彼はなっていた。

姿はごく普通の人間なのに、死んだだけで妖怪や幽霊扱い。

翼はそれがあまりにも残酷すぎた。

漸くお礼が言えると思ったのに、彼は半分死んでいたのだ。

非常に辛い現状だった。

それを聞いた奏はその後、哀しき涙を流していた。

それを翼はただ見守る事しか出来なかった…

 

「(ほんの少ししか会わなかったけれど、彼は自分の命を簡単に投げ出してまで大切なモノを守る力を持っていた。

あの時、私もそこまで至っていたら、奏も、あの子…憑友も、死なずに済んだのかもしれない…

奏は言ったよね…"翼は泣き虫で、弱虫だ"って。

確かに私は今も昔もおそらくこれからもそんな状態になるのかもしれない…

私はそれでも、あの子の…憑友の為に出来る事をやるまで…!)」

 

そう心の中で呟くと、翼は目を見開き、刀を瞬時に抜刀する…!

 

そして近くにあったろうそくを寸での所で止めた!

 

「(全ては…私の弱さが引き起こした出来事だ…)」

 

そう言うと刀を鞘へと納刀し、部屋を後にした。

 

ーーーーーー

翼が和室にて瞑想をしていた時、霊風は未だに石板の解析をしていた。

この1ヶ月の間に、かなりの数の石板が特異ノイズ達から回収してきた。

あれから霊風も憑友には及ばないものの、それでも1人で石板の回収に成功出来る程の実力を持ち始めていた。

それから奏に色々と教わって今はなんとか1人で石板解析が出来るようになっていた。

だが、やはりまだまだ時間がかかるようで、一枚で約30分も時間をかけていたのであった。

 

と、そうこうしていると、石板の解析が完了したのか、

霊風は石板に手を置き、もう片方の手で先程出力したばかりの文字を詠唱した。

 

「詠唱開始。

『その者は、槍を携えた女の騎士なり。

 

彼女は身分の低い皇族であり姫でもあるが、それ故に民の声を直に聞く事も容易かった。

 

そんな彼女がある日、1人の青年と出会わん。

 

青年の活躍により、その地に蔓延る悪しき闇は取り除かれるも、

 

姫君は青年に再び会いたいと思うようになる。

 

そして彼女は再び槍を携え、かつての仲間と共に、青年を探す。

 

そしていつしか、彼女には『槍の姫騎士』と呼ばれるようにならん…』」

 

するとそこから一枚のカードが現れた。

そこには槍を後ろに携えながら、身を構える1人の少女の姿が描かれていた。

 

「【姫騎士 アリーシャ】か。

っと、ふぅ〜これで全部だな。はぁ〜疲れた〜」

 

「やっと終わったのか?」

 

霊風はやっとこの一ヶ月で集まった石板の解析を完了し、一息つくと奏がやってきて、コーヒーを渡してきた。

 

「サンキュ〜」ゴクゴクッ

「ぷはぁ〜!美味いな〜」

 

「その飲み方は無いんじゃ無いのか?」

 

「んなもんは関係無いよ。飲み物はこうやって飲むのが一番なんだからよ!」

 

「…後でたっぷりと躾直さないとな…」

 

「なんか言ったか?」

 

「なんでも。それよりも明日も早いし、早く寝たら?」

 

「…そうだな。そうする。奏も夜遅くまで起きておくなよ?

"夜更かしはお肌の天敵"って、聞いた事無いか?」

 

「無い…事も無いか。んじゃあ、私も寝ますかな」

 

そう言うと2人は其々の部屋に行き、そして就寝した。

 

ーーーーーー

一方、憑友と響の2人は未来も加えた3人でレポートを完成しようとしていたが、今その課題に集中していたのは響だけであり、未来はパソコンを使って動画を見ていて、

憑友は相変わらずライドと共に石板の解析をしていた。

すると、響の端末からアラーム音が聞こえ、響は内容を見てみると、

 

『二課で定例ミーティング 17:30〜』

 

「うぁ…」

 

ミーティングのお知らせで、響は苦虫を噛んだかのような表情を見せた。

すると憑友と共に行動していたライドが憑友の肩に乗り、ヒソヒソと話しかけてきた。

 

『憑友。如何やらミーティングの知らせのようだ。私のところにも来たぞ?』

 

(マジかよ)…(ミーティングかよ…行きたくねぇ〜)」

 

憑友はその事で内心うんざりしていた。

この1ヶ月の間に軽く10件あったら、そりゃうんざりします。

すると未来が響に話しかけてきた。

 

「何?まさか、朝と夜を間違えてアラームセットしたとか?」

 

「え?あぁ〜いや〜…」

 

「こんな時間に用事?」

 

未来はそう言い放つ。

確かに、今の時間帯は夜の6時あたり。

こんな時間に用事をするものなんて大抵限られている。親か兄弟姉妹か友達の誰かだ。

…尤も響や憑友はその限りでは無いのだが。

 

しどろもどろの響を見たのか、憑友は助け舟を出した。

 

「いや、最初に未来が言った通り、アラームを朝と夜に間違えただけさ」

 

「…そう。なら、良いけど。

でも、もし用事とかだったら言ってよね?」

 

「は、はい…」

 

「(あれ?未来いつの間に母性が出始めたんだ?)」

 

未来の一声で、憑友は目をパチクリと動かした。

 

「夜間外出とか、門限とかは私でなんとかするけど…」

 

「う〜…ごめんね」

 

そう言いながら響は憑友の方を向くや、アイコンタクトで"ありがとう"とジェスチャーすると、憑友もそれに気付きアイコンタクトで、"アラーム音は極力避けてくれよ"とそうジェスチャーしたのであった。

 

すると未来は自分が見ていたパソコンを2人に見せてきた。

 

「2人とも、こっちの方は何とかしてね」

 

「?」

 

「あ」

 

それを見た憑友は頭の上に?マークが付き、響はすっかり未来が前に言っていた事を今になって思い出していた。

 

「一緒に流れ星を見ようって約束。憑友にはまだ言っていなかったんだけど、響は憶えて貰わなくちゃ困るよ。

それに山みたいに抱え込んだレポートじゃ、それも出来ないでしょ?」

 

「うん!何とかするから!ごめんね!」

 

そう言うと響がなんと此処で服を脱ぎ始めたのだ‼︎

それを見た憑友は慌てるも時既に遅く、後から未来に何も言わずにビンタを食らったのは言うまでも無い。…ラッキースケベめ。

 

そう言いつつも、未来は響の着替えを手伝う。

 

「ほら…バンザイして」

 

未来にそう言われ、響はバンザイをする。

すると響は何かを呟き始めた。

 

「…私、このままじゃダメだよね…」

 

「?」

 

「しっかりしないといけないよね…

今よりも…ずっと、きっと、もっと…」

 

「…」

 

響の呟きに先程ビンタをくらい、頬に赤い紅葉が出来ていた憑友は悲しい目をしながらその事を聞きながら、作業をしていたのであった。

 

そして手を止めた。

 

 

「…良し。完成!」

 

「「?」」

 

着替えを終えた響と未来は憑友の方へとやって来た。

そこには小さな装置で、カードが一枚漸く入れられるようなスペースの隙間しかなかった。

 

「名付けて、"現界ブースター"!

これに『英雄石板』によって解析が完了したカードを差し込むと、なんと!その『英雄』が現世に召喚されるのだ!」

 

「おぉ〜!凄い〜‼︎」

 

「でも、ネーミングがイマイチかな」

 

「ぐはっ‼︎そこは突かないで欲しかったよ、未来さん…」

 

「ん?そう言えば、如何したの?その顔?」

 

「何でも無いので、はい…」

 

そう言うと憑友は早速一枚のカードを差し込んだ。

すると、そこから光の粒子が形作り、そしてそこから1人の青年へと変わった。

 

髪は黒の毛が前髪に少しで、後は全て銀髪の青年が現れた。

 

「後は頼んだぜ!ルドガー!」

 

「ああ」

 

そう言うと未来とそのルドガーを置いて2人は足早に玄関を開けて、出て行った。

未来も何か説明して欲しいと思ったのだが、今は他にあても無く、近くにいるルドガーと呼ばれた青年に話しかけた。

 

「あ、あの〜…」

 

「?…ああ。君が憑友が言っていた『小日向未来』ちゃんだね?

俺はルドガー。ルドガー・ウィル・クルスニク。

…取り敢えず、何か食べる?」

 

「え?…は、はい…」

 

そう言いながらルドガーはキッチンを借りて、料理をし始めたのであった。

その後、未来はルドガーの料理を絶賛する事になろうとはこの時の未来自身は知る由もなかった…




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回はロックと言う男が使用していたリヴァイについて紹介しよう」

リヴァイ/カード名 【人類最強兵士長 リヴァイ】
属性/闇・人間・斬・剣

《調査兵団・リヴァイ班》を統率している兵士長。
高度なワイヤー技術で敵を斬るが、それ以外は殆ど潔癖症。

憑友「1人で千人にも及ぶ力を持つ存在を相手に余裕で勝利するその実力ははっきりと言って、人の人智を超えているとしか言えない…」

次回

ミーティング

憑友「次回も見てくれよな」


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第15話 ミーティング

今回はグダグダ回になってしまった…!
そして最後には久方ぶりのあの子(?)の登場回。


そして、寮部屋から出て来た2人は急いで二課の方へとやって来た。

 

「遅くなりました!」

 

「本当にすみません」

 

そう言いながら、2人は弦十郎達にお詫びをした。

すると、弦十郎が憑友の顔を見て驚いていた。

憑友の顔には未だ未来によって付けられた赤い紅葉がまだ浮き出ていた。

 

「?…憑友、その顔…如何した?」

 

「何でもありません!」

 

「?」

 

憑友はこれ以上聞いて欲しく無いかのように、弦十郎の質問を即答したのであった。

それを見た響以外の女性陣はたったそれだけで理解し、冷たい視線を憑友に浴びせていたのは言うまでも無かったが、

櫻井がすぐに話を始めた。

 

因みに今此処に居るのは、

 

憑友と響、翼、緒川、櫻井、弦十郎、友里と藤堯、そして下層にいるスタッフの面々だった。

 

憑友はふと見てみて、奏と霊風が居ないことに気が付いた。

 

「あれ?霊風先輩と奏さんは?」

 

「2人にも連絡をしたんだが、如何やら爆睡してるみたいでな。

仕方が無いから今回は不参加と言う形を取ったんだ。

今の今まで、真面に休んでいなかったからな。偶には良い骨休めでもなるだろう」

 

「そうですか。分かりました。お待たせしました。ミーティング始めましょう」

 

そう言うとミーティングを始めた。

するとホログラムディスプレイにマップが現れた。

黄色の大きい点が一つと、そこを周辺に無数の赤い点とその周囲を囲うかのような薄い赤の膜が張ってあった。

 

すると弦十郎は響に質問した。

憑友は画面を見て前屈みになっている。

 

「如何思う?」

 

「…いっぱいですね」

 

「」ズコッ!

 

響の直感すぎる質問に憑友は前のめりにズッコケ、テーブルに顔面強打した。

 

「痛てぇ…響!もうちょっと何か感じなかったのかよ⁉︎」

 

「いや、だって他に思いつくもの無いんだもん!」

 

「そこで自己主張する事はないだろ‼︎」

 

「落ち着け、2人とも」

 

弦十郎により2人はすぐに話を元に戻した。と言うより戻された。

 

「取り敢えず…

これは此処1ヶ月にて出現した『ノイズ』の発生地点だ。」

 

「『ノイズ』…この一ヶ月の間に其れ程まで…!」

 

「そして…」

 

そう言うと弦十郎の合図と共に、赤い点の場所に今度は青いマークが付いた。

 

「この青いマークは憑友や霊風にとって必要な力『英雄石板』を体内に宿した『特異ノイズ』の発生地点だ」

 

「こんなにも出ていたのか…!」

 

その数はざっと見た限り20は確実にあった。

 

「この『特異ノイズ』は皆全て憑友君や霊風が回収したおかげで、何とか対処する事が出来ている。現にこちらの戦力としては実に偏りを見せてきていると思っても構わない」

 

すると弦十郎はこの話を切り上げ、響に向かって再び説明した。

 

「さて、この話は此処までにしよう。

『ノイズ』について…響君が知っている事は?」

 

「えっと…テレビのニュースや学校で教えてもらった程度ですが…」

 

すると響は『ノイズ』について説明をした。

 

「先ず、『無感情で機械的に人間を襲う事』。

そして、『襲われた人間は炭化されてしまう事』。

『時と場所を選ばずに突然現れて、周囲に被害を及ぼす《特異災害》として認定されている事』」

 

「意外と詳しいんだな?」

 

「えへへ…」

 

「学校のレポート課題で調べただけだろうが」

 

「うぐっ…」

 

弦十郎に褒められた響だが、憑友にいたいところを突かれたのであった。

 

「それに、お前、まだ『特異ノイズ』の事も話していないぞ?

俺はそのまま特異種と呼んでいる奴等の事だ。

『特異ノイズ』は通常の『ノイズ』達とは明らかに異なり、

『近代兵器で倒せる』と言う事と、これは最近知った事なんだが、

『人を襲うが通常種特有の《炭化能力》を備わってはいない』と言う事が最近の活動で分かった事。

この2点に先程言った『時と場所を選ばずに突然現れて、周囲に被害を及ぼす《特異災害》として認定されている事』の3つが『特異ノイズ』の最大の特徴と言う訳だ」

「だが、特異種達には体内に世界遺産にも登録されている歴史遺産『英雄石板』をその身に宿している。

つまりその特異種の撃破=歴史遺産『英雄石板』の損失にもなり兼ねないと言う事になるんだ」

 

「な、成る程…」

 

「それに対応出来るのは《精魂導師》と呼ばれる者達だけ。

悔しいけど、《シンフォギア》を纏いし戦姫達には大変言い辛いけど、特異種相手にははっきり言って、足手まといにしかならない。

逆に言えば、通常種相手だと俺達《精魂導師》は《シンフォギア》の戦姫達の足枷にしかならない。霊風先輩は通常種相手でも、完全に立ち回れていますけど、俺はそうじゃありませんので」

 

「…そう…」

 

憑友の発言に答えたのは翼だけだった。

 

「さて、話を戻すとしましょうか!

『ノイズ』の発生が国連の議題に挙がったのは13年前だけど、

観測そのものはずーっと前からあったのよ?それこそ世界中の太古の昔にね?」

 

「『英雄石板』に記されていた時代からもっと前にノイズは現れた。って、親父が言っていました」

 

「そうなのよ。憑友君や霊風君が使用している『英雄』達が存在した太古の昔からノイズは観測されていたとされる書物や壁画があるのよ」

 

「世界の各地に残る神話や伝承等の数々の偉業は、『ノイズ』由来のものが多いだろうな…」

 

「でもね、『ノイズ』の発生率は其れ程高くは無いのよ?」

 

「…何?」

 

櫻井が言った一言で、憑友は目を疑った。

何故なら、自分が行ってきた場所の殆どでノイズと出くわしたからである。

 

「この発生件数は誰が如何見ても明らかに異常。だとすると…」

 

「誰かが作為を働かせてノイズ達を使役している…?」

 

「それって、誰かがノイズを操っていると言う事⁈」

 

その事実に響は憑友を見てそう叫んだ。

 

「確率的には低いが、決して0じゃ無いのが歪めない。

否定的に捉えたいけど、それを証明する根拠があるのが事実…」

 

そう言うと憑友はライドを弄り、ホログラム画面を起動させて、テーブル上に置いた。

 

そこには杖なのか、はたまた弓なりの様な形をした物が描かれていた。

 

「これは?」

 

「これはソロモンの杖。弦十郎師匠や二課に配属されている皆さんなら一度は聞いた事がある筈です」

 

憑友の問いに二課の面々は頷いていた。

そして憑友は話を戻す。

 

「"ソロモンの杖"

玄也…親父が『英雄石板』に関する壁画のところにあったものだと言っていた壁画から解析して、それをイメージとしてホログラムで再現した物です。

これは『ノイズ』達を使役し、呼び出す事が出来る代物だと壁画から解析して分かりました」

 

『⁉︎』

 

その一言で、周りの皆は驚愕した。

だが、其々の心境は別々である事はまだ知らない。

 

「それに、此処にはアレ(・・)が保管されているんでしょ?師匠」

 

「…いつ気付いた?」

 

「ついさっき」

 

「?何の話をしてるの?」

 

すると憑友が何かに気付いたのか、弦十郎に例の物の話をした。

それを聞いた響は何が何だかさっぱり分からない状態だったが、

いち早く気付いた翼が2人の話の中心になっている物を話した。

 

「おそらく2人が話しているのは、サクリストD《デュランダル》の話をしている所よ」

 

「デュランダル…?」

 

すると今度は友里が代弁し始めた。

 

「此処よりも深い最下層通称《アビス》と呼ばれる場所にて保管していて、日本政府の管理下の下、我々二課が研究している聖遺物…それが《完全聖遺物・デュランダル》よ」

 

友里の説明が終わると今度は藤堯が説明に入った。

 

「翼さんの《天羽々斬》や響ちゃんの胸の内にある《ガングニール》のような欠片は、装者が歌って《シンフォギア》として再構築させないとその力を発揮する事は出来ないけれど…

完全状態の聖遺物は1度起動させれば、その後は100%の力を常時発揮し、更には装者以外の人間でも使用出来るであろうと研究結果が出てきているんだ」

 

「それが!私が提唱した「『櫻井理論』ね」うぐっ…良い所を持って行かれたわ…お、ホン。

だけど、完全聖遺物の軌道には相応の《フォニックゲイン》が必要なのよ」

 

「?」

 

櫻井の言葉から出てきた《フォニックゲイン》という言葉に、響はチンプンカンプンになっていたので、憑友が少しわかりやすく説明する事にした。

 

「RPGとかで、魔法とかよく聞くだろ?

あの時に必要なのは魔力の源とも呼べる大気の物質が必要なんだが、此処では総称して『マナ』と呼ぶ事にしよう。

その『マナ』こそが、先程櫻井氏が言っていた《フォニックゲイン》と似て非なる物なんだ。

何故、似て非なるのかは、『マナ』は大気中に至る所で確認されている事から、自然によって成り立っているのに対し、

《フォニックゲイン》はそれが無い。

つまり、自然によって作られているんじゃ無いんだ。

その代わり、自然とは程遠い物ほどそれが多く形成されていっているんだ。

例えて言うなら…人間だな。

人間には未知なる可能性を無限に作れる生物。

故に"自然の摂理"・"森羅万象"に異を唱える事が可能。

《フォニックゲイン》はそこから生まれた余剰エネルギーだと思っていても良いんだ」

 

「へ、へぇ〜」

 

「…頭パンクしてたな?」

 

「ごめんなさい…」

 

その後、ミーティングをしていると後ろに突っ立っていた緒川が話し込んできて、弦十郎は其れを察したのか、翼をミーティングから上げさせた。

 

何が何だか分からない響だったが、緒川から色々と事情を話してくれたので、何とかパニクる事は先ず無かった。

 

 

 

そして、ミーティングが終わった響と憑友は帰路につこうとした。

 

「しかし、憑友って、どうしてそこまで詳しく知ってたの?」

 

「前に言ったろ?『弦十郎師匠の所にお邪魔した事がある』って。その時に遊び心で閲覧禁止のやつを見てしまったんだよ…機密系のな。

それが何故か頭から離れられなくて、結果的にレポートで纏めていたら、綺麗さっぱり忘れる事が出来たが、反面、逆に余計に後処理が面倒くさくなってしまったけどな…」

 

「あはは…?レポート?…ああ!レポート!まだ書き残したままだった⁉︎」

 

そう言うや、響はダッシュで走って行ってしまったのであった。

後を追おうとした憑友だが、何かを感じたのか、ライドと少し話をして、ライドはそのままスリープモードになり、憑友は感じた方向を見ると、そこにはいつも陰ながら憑友の事を見てくれていたゆるキャラ幽霊のユルセンが辺りを見渡していた。

 

「何やってんだ?ユルセン?」

 

『うわぁ⁉︎…って、なんだよ〜お前かよ〜憑友〜』

 

「如何したんだ?そんな顔をして?

なんか思い出がある様な目で周りを見ていたぞ?」

 

『⁉︎そ、そんな事は無いよ〜だ!其れよりも早くあの子を追ったら如何なんだよ〜?』

 

「へ?…あ⁉︎彼奴いつのまに⁉︎待てよ〜!響〜‼︎」

 

そう言うと憑友はそのまま響の後を追って行った。

 

其れを遠くから見ていたユルセン。

 

『…』

 

すると誰も居ないことを確認したユルセン。

するとユルセンの身体から光が放たれ、そして光が消えたと同時に、ユルセンのいた場所に1人の女性が立っていた。

顔つきがまるで響に似ていた。まるで双子みたいに。

だが、女性の髪は銀髪で響の髪よりも長く伸びていた。

尤も、翼や奏には劣るが。

 

『思えば…この時から私の運命が変わったんだっけ…』

 

そう言いながら、周りを見渡すユルセンと思わしき女性。

 

『此処の経験があったから、あの堅い絆を生み出したのかもしれない…』

 

そう言いながら、周りを再び見渡す女性。

 

『今はゆるキャラ幽霊みたいな姿に成っちゃったけど、

私は私で、やるべき事をやるしか無いよね…』

 

そして今、この女性が=ユルセンだと言う事が分かった。

そしてユルセンはある者の名を呟いた

 

『私、こんな姿になっても、頑張るからね…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…未来』




憑友「『英雄』達を紹介するコーナー」
「今回はロック(あいつ)が使っていたカードにして、あいつの相棒とも呼べる存在・アーチャーを紹介しよう」

アーチャー/カード名【錬鉄の弓兵 アーチャー】
属性/炎・英霊・斬&射&魔・剣&弓

遠距離から攻撃する事が出来る弓兵でありながら双剣による白兵戦を好む存在。自らの力で伝説上の武器等を贋作する能力を持つ。

憑友「異色の力を持っていながらもその力を発揮する事が出来る屈指の実力者。
必殺技無限の剣製(Unlimited Blade Works)は彼の代名詞であり、周りを荒野へと変え、そこから大量の武器を降り注がせる…!」

次回




憑友「次回もよろしくな」


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第16話 溝

これでやっとアニメ3話分を書き終えた〜疲れた〜
でも、まだまだやるしか無いよね…うん。
あ、今回は憑友君、大量変身回!


ミーティングを終えてから数日。

響と憑友は現在、音楽の授業を受けていた。

 

「憑友君。貴方、中々良い声をお持ちね」

 

「え?…う〜ん…」

 

すると歌声を聞いた先生からお褒めの言葉を貰った憑友。

しかし、自分にはそんな自覚は無いと思っていた。

 

「母親譲り?」

 

「其れはあり得るかも…」

 

「憑友君のお母さん、歌が上手いもんね♪」

 

そんな話をしていると、響はある方向を注視していた。其れを見た憑友はその方向に一瞬だけ見た。

 

「(今のは、翼さんか?そりゃ、あの人もこの学院の生徒だけど…こんな時間に何を…って、響。そのまま見続けていると…)」

 

響がそのまま翼の方を見続けていたので、アイコンタクトをとろうとしたまさにその時。

 

「立花さん‼︎」

 

先生からの怒声に響は変な声を上げて、未来に心配されてしまったのであった。

其れを見た憑友は頭を抑え込んでいたのは言うまでも無い。

 

そして昼休み。

憑友は響と未来とそして響の友達である創世達と共に芝生のある所で昼食を食べていた。

因みに今回の料理は憑友が呼び出した存在・ルドガーのお手製料理であった。

 

因みに響はまだレポートの途中であった。

 

「人類は呪われてる!寧ろ、私が呪われてる!」

 

そう言いつつ、創世と弓美の2人に弁当を食べさせてもらいつつ、レポートを書いていた。

 

「行儀悪い事するなよな…自称呪われボディ」

 

「ほら、お馬鹿な事やってないで。レポートの提出は今日の放課後よ」

 

「だはら、こふひて、へんはぁいにいとぉむでりゅんだひょ(だから、こうして限界に挑んでるんだよ)」

 

「食べるか、話すか、その何方かにしろよな」

 

そう言うと響は一気に喉の奥まで口の中に入れていた食べ物を飲み込んだ。

 

「ふぅ…そう言う憑友は如何なのよ⁉︎私よりも多い癖に!レポート間に合うのかな〜?」

 

「生憎、俺の分のはこれは1年次分のレポート分全部だぞ?」

 

『・・・え?』

 

その言葉に憑友以外の皆が唖然としていた。

 

「定期的に出しているからな。

後はもう1月分からのレポートを書けば其れで終わり」

 

「嘘〜⁉︎いつも一緒にいるのに、如何してそこまで出来るの⁈」

 

「さあな〜?」ヒュー♪ヒュルル〜♪

 

「今完全に見下したよね⁉︎」

 

そう言っていると、創世達が弁当を食べ終えて、その場を後にしようとした。

話の内容から屋上でバトミントンをする予定だそうだ。

そして未来も3人に誘われたが、未来は響のレポートの手伝いをする事になっていた為、そう言うと響が涙目になっていた。

其れはもうまるで仲良しという度合いを過ぎていた。

 

「んじゃ、憑友は?もうそこまでレポート終わってるなら…」

 

「あははお気持ちはありがたいんだけど、このレポートを書き終えなきゃいけない理由がこの馬鹿に関連してるので、如何しても…」

 

「其れって、私の事⁈」

 

「他に誰がいる‼︎」

 

「うう〜…私呪われてるかも…」

 

「いや、俺が呪われてるから…」

 

そうこうしつつも、放課後。

未来と憑友は響を待っていた。

すると響がようやく職員室から出て来たので、

2人は如何だったのか聞いてみる事にした。

 

「先生はなんて?」

 

「壮絶に字が汚すぎるって」

 

「そうじゃなくて、提出出来たのかって聞いてるんだけど?」

 

「時間過ぎてたけど、レポート受け取って貰えたの?」

 

2人にそう言われた響だが、

 

「今回だけは特別だって!」

 

「んじゃあ、次回からはちゃんとやりなさいと言う事だな」

 

「うぐっ…痛い所突かないでよ〜。

…でも、お疲れ〜!」

 

そう言って、響は2人にハイタッチしようとしたが、先生に怒られたのは言うまでも無かった。

すると、未来がカバンを取りに行ってくると行って来たので、憑友も同行する事にした。

 

1人だけになった響。しかし、そんな世の中も

 

pirororo♪pirororo♪

 

「⁈…(ピッ!)はい」

 

その電子音で無残にも崩壊する事になろうとは…

 

ーーーーーー

一方、未来と一緒に教室に来た憑友の方にも連絡が来た。

 

「…!…未来。ごめん」

 

「ん?如何かしたの?」

 

「これから急用が出来てしまったんだ」

 

「…そっか」

 

「ごめんな。響と未来と3人一緒に流れ星見たかったな…」

 

「仕方ないよ。今はそっちの方に専念してね」

 

「…ありがとう。未来って、見ない内に綺麗になったな」

 

「え⁉︎/////」

 

「あ⁈やべ⁉︎…じゃあな!」

 

そう言うと憑友は自分のカバンだけを持ってその場を後にした。

その後、未来はすぐに思考を戻し、響のいる職員室の方へやって来たが、

 

「?……響?」

 

其処にはもう響は居なかった。

 

そんな様子を見ていた存在が1人(?)。

 

『…』

 

其れは憑友の事を陰から見守っていたゆるキャラな幽霊・ユルセンだった。

 

『…ごめんね、未来』

 

ユルセンはそう言うと、未来から離れた。

 

『…思えばこの時から既に未来との間に溝を作り始めたんだよね…

やっぱり何回も味わいたくないや…』

 

そう言いながら、ユルセンは憑友の後を急いで追った。

其れを見ていた青年と少女がいた。

 

「…あれで良かったのかな…」

 

そう言うのは高身長の青年。名はルドガー。

そしてもう1人。

 

「分からないわ。でも、其れがあの子の為に成るんなら、私達は手出しは出来ないわ」

 

そう言うのは、黒髪のストレートの女の子。名はほむら。

 

「…だな。…行こう」「ええ」

 

そう言うと、2人は急いで憑友の後を追っていった。

 

ーーーーーー

 

未来は結局、響に会えず、1人で寮の部屋へと帰宅した。

そして其処にはやはり響は居なかった。

すると未来の携帯から着信が掛かり、未来は其れを見ると響からだった。

未来はすかさず通話をした。

 

「響!貴方…」

『ごめん。急な用事が入っちゃった…

今晩の流れ星、一緒に見られないかも…』

「っ!…また大事な用なの?」

『…うん』

「分かった。なら、仕方ないよ。

部屋の鍵開けておくから、あまり遅くならないでね」

 

ーーーーー

「うん。ありがとう…ごめんね」

 

そう言うと響は電話をきった。それを待っていたかのように、近くに憑友がライドを既に左腕に装着させて待機していた。

 

「…行こう。響」

 

「…うん。…‼︎」

 

そう言うと2人は地下鉄の階段にいた大量の『ノイズ』を見て、怒りを抱いていた。

 

「お前らが来るから…お前らさえいなければ‼︎」

 

『あまり無茶はするな!憑友!響君!』

 

「「分かってる‼︎」」

 

そう言うと響は聖詠を歌い、憑友は右腰のカードケースから一枚のカードを取り出した。

其処には、宙を舞いながら、剣と言うよりカッターの刃物に近い形状の剣で何かを斬ろうとしている青年のイラストがあった…!

そしてそれを装填し、

 

「変身‼︎」

 

レバーを引いた。

 

「Balwisyall Nescell gungnir tron…」

 

ーライド!フォーム…エレン‼︎ー

 

そして響はガングニールを纏い、憑友はカードから現れた存在を纏った…!

 

ー反撃の狼煙、怒りの戦士‼︎ー

 

(挿入歌「激槍・ガングニール」悠木碧)

 

そして憑友は纏うと同時に響に右手を差し出す。響はその手を掴むと、

 

「てめぇらの相手は…俺達だ‼︎」

 

そう言うと憑友は残った左手にグリップらしき物を持つと、そのトリガーを押した。すると、腰についてあった装置からワイヤーが現れるや、そのまま一直線へと飛んだのだ!

 

「此処は任せたぞ‼︎」

 

そして憑友は一旦、響を投げ飛ばしたのだ‼︎

そして投げ飛ばされた響は尻餅をつきそうになるが、なんとか踏みとどまった。

 

そして響を置いていった憑友は奥にいるノイズ達の方へと今現在纏っているエレンの能力《立体機動》を用いて急行して行った。

 

そして急行するや否や、其処から回転斬りで一掃すると、その場に停止。

そしてアブソーバーからカードを引き抜くや、カードケースからまた一枚のカードを取り出し、装填した。

 

「お前らさえ…来なければ…!」

 

すると、そんな怒りに満ち溢れていた憑友に、

 

「待ちな、boy」

 

と、声をかけられ、憑友は後ろを向くと其処には奥州(現在宮城は仙台周辺)を束ねた男・伊達政宗がいた。

 

「何の用だ!」

 

「今のてめぇに、俺は扱えないぜ?

扱えたけりゃ、少しはcooldownしろよな?」

 

「………フゥ。…落ち着け。俺…」

 

「ふっ。さ、ド派手なpartyの始まりだぜ!

Areyouready?」

 

「Yes.understand‼︎」

 

「OK!奥州筆頭・伊達政宗…推して参る‼︎」

 

そう言うとアブソーバーの中へと入り、憑友はレバーを引いた!

 

ーライド!フォーム…マサムネ‼︎ー

 

そして、前方にアブソーバーを構えると、其処から六本の刀を同時に持った伊達政宗がノイズ達を切り刻む。

そして憑友に近付き、憑友はそれを纏った…!

 

ー奥州筆頭!Let'sParty(レッツパーリィ)!ー

 

其処には三日月文様の兜と、青き衣を鎧の上に羽織り、腰に六本の刀を携えた武士の格好をした憑友がいた…!

 

すると、憑友は腰の六本の刀を指と指の間に挟み、そして一気に抜刀きた…!

 

「"WAR DANCE"‼︎」

 

そして其処から大量の雷が迸るや其処から無数の斬撃でノイズ達を消滅させていった!

まるで龍の鉤爪のように。

 

そして、憑友はライドアブソーバーのドライブボタンを叩いた!

 

『ライド・マサムネ!フルドライブ‼︎』

 

すると六本の刀を一旦、一本に戻した。

 

「龍の逆鱗に触れたが、オチだぜmaybe?」

 

そう言うと周りのノイズ達を連続してで斬り付けまくる…!

その度に徐々に一本、また一本と、刀を持って抜刀して行く…!

 

そして最後はすべて抜刀して、

 

「"HELLofHEAVEN"‼︎」

 

全方位に特大の雷が降り注がれた…!

 

すると憑友はすぐに新たなカードを取り出した。

此処一ケ月の内に手に入れたカードだった。

それをアブソーバーに装填、レバーを引いた!

 

ーライド!フォーム…イチカ!ー

 

するとアブソーバーから白い機体らしきものを纏った青年の魂が現れ、憑友はそれを纏った…!

 

ー武士道精神、白式一閃!ー

 

すると、背中から白い翼を模したバックユニットと、手に白い刀らしき武器が所持された。

 

「一気に決める…!」

 

そう言うと憑友はアブソーバーのドライブボタンを叩いた!

 

『ライド・イチカ!フルドライブ‼︎』

 

すると、白い刀からエネルギーが放出され、光り輝き始めた!

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!これで終いだ!

 

"零落白夜"‼︎」

 

縦に一閃したその威力に前方のノイズ達は一掃され、

気が付けば、ノイズはもういなかった。

 

急いで響の所へ向こうとしたら、突然爆発が起こった。

何事かと思って見てみると、明らかに葡萄の様な姿をしたノイズが現れるや、その後、そのノイズが来た場所から衝撃音が聞こえた…!

 

「あんた達が…誰かの約束を犯し…!」

 

「響…⁉︎」

 

其処には響が手を壁に叩きつけていた。

その際に衝撃音が聞こえたのだ。

しかも、亀裂と同時にその壁も凹んでいた…!

 

「嘘のない言葉を…争いのない世界を、」

 

「⁉︎」

 

その時、憑友は感じてしまった。明らかに響では無い何かが其処にいるという事を。

そんな時、

 

「悪い!遅くなった!」

「ごめんなさい。遅くなって」

 

「!ルドガーさん。ほむらさん!

お願いします!」

 

すると憑友は2人をカードケースに入れると、ルドガーの方のカードを取り出し、自身が変身していた姿を解除し、ルドガーのカードを装填、そしてレバーを引いた!

 

ーライド!フォーム、ルドガー‼︎ー

 

そう言うと双剣でノイズを切り裂く青年の魂が現れるとそのまま憑友は纏った!

 

ー銃剣槌士、審判の槍!ー

 

「行くぞ!はあっ!」

 

そう言うと双剣を逆手に構えてアクロバティックな攻撃を連続で繰り出していく…!

 

「"一迅"!"鳴時雨"!"舞斑雪"!」

 

双剣の攻撃が見事にクリーンヒットしていた。まるで確実にダメージを与えるかのように。

そう言うと今度は腰から2丁拳銃を取り出した!

 

「"エイミングヒート"!"タイドバレット"!」

 

2丁拳銃の弾丸から炎と水が吹き出て、ノイズ達は更に一掃すると、今度は何処から取り出したのか、ハンマーを振り回し始めた。

 

「"アッパー・ブレイズ"!"エオリエーネ"!」

 

豪快なハンマー攻撃で、ノイズ達は吹っ飛ばされ、

そしてすかさずアブソーバーのドライブボタンを叩いた!

 

『ライド・ルドガー!フルドライブ‼︎』

 

そう言うとまず拳銃を上空へと投げた!

そして其処からすかさず、ハンマーを振りかぶった!

 

「槌で叩かれ、」

 

するとすぐに剣を逆手に持ち、一閃。

 

「剣で切り裂かれ、」

 

そして回帰一閃。

戻ってきた処を拳銃をキャッチして、乱射した!

 

「銃で撃ち抜かれろ!

 

 

祓砕斬!零水(アヤミ)‼︎」

 

それにより、周りのノイズ達は消えると、其処には響が手で爆発物を防ぎ、なんとか理性を取り戻していた。

 

「⁉︎大丈夫か!」

 

「憑友…!あ、待ちなさい!」

 

「!あの馬鹿!」

 

2人は急いで葡萄の姿をしたノイズを追った。

 

しかし、ノイズはいつの間にか地上へと続く道を作り上げていた。

 

それを見ていた響と憑友。

すると、其処から流れ星が見えてきたのだ!

 

「流れ…星?」

 

「いや、違う…あれは…!」

 

そう言いながら2人は急いで地上へと上がっていった!

 

(挿入歌「絶刀・天羽々斬」水樹奈々)

 

そして2人が地上に這い出てきた頃には、既にノイズは翼の手によって、倒されていた。

それを見た響は、翼に訴えた。自分の中にある何かを。

 

「私だって、守りたいものがあるんです!

だから…!」

 

そう言うと翼が再び刃を向けようとした。そんな時だ…!

 

 

 

「だから?んで、どうすんだよ?」

 

「⁉︎」

 

「誰だ⁉︎」

 

突然、此処にいる皆とは明らかに違う声が聞こえた。

それを聞いた皆は辺りを見渡す。

そうしていると、憑友の隣にユルセンが現れた。

 

『憑友!彼処だ!彼処!』

 

「え?…!」

 

そう言うと、憑友は構えをとった。

そして、2人も憑友の視線の先を見た。

其処には確かに誰かがいた。

しかし、闇夜に紛れて分からなかった。

 

そして月の明かりが照らされ、其奴は現れた。

そしてそれを見た翼は驚愕した…!

それはかつて、自身が弱かった故に起こった引き金の存在…

 

「《ネフシュタンの鎧》…⁉︎」

 

 

完全聖遺物・《ネフシュタンの鎧》を纏った少女が其処にいた…!




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回は俺が今日の話で最初に変身した存在・エレンを紹介しよう」

エレン/カード名【反撃の狼煙 エレン】
属性/炎・人間・斬・剣

巨人に対して怒りを持った執着心がある。
目付きが悪く、近寄りがたいが、友好的に話せば自然と向き合ってくれる。

憑友「自身に備わっている"立体駆動装置"を用いる事で、まるでジャングルの猿のように自由自在に動き回る事が出来る。
うなじを狙った一撃は、まさに鬼神の如く!」

次回
ネフシュタンの鎧

憑友「次回も見てくれよ」


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第17話 ネフシュタンの鎧

更新が遅くなって済まない。色々と急務だったのでな。
今宵はネフシュタンの鎧を纏った少女との戦いだ。


ーーーーSIDEto憑友

「《ネフシュタンの鎧》…⁉︎」

 

翼さんは確かにそう言った…

 

ネフシュタンの鎧?あの女の子が纏っている鎧みたいな奴のことか?

 

すると、

 

『憑友!弦十郎氏から通信が入ってきた。繋げるぞ』

 

「!分かった」

 

ライドさんから弦十郎師匠からの通信が入ってきたとの知らせを受け、俺はそのまま繋げて貰った。

 

『憑友!今からお前達の現場に急行する!

何ととしてでも、《ネフシュタンの鎧》を確保して欲しい…!』

 

確保か。何か訳あり見たいだけど、やるしか無いよね…!

 

「了解!」

 

そう言うと俺は通信を切って、鎧の少女に向いて構えた…!

 

 

ーーーーーーNO SIDE

憑友が弦十郎と通信をしていた頃、

翼達の前に完全聖遺物《ネフシュタンの鎧》を纏った少女が佇んでいた…

翼が目を開いていると、そのネフシュタンの鎧を纏った少女が口を開けた。

 

「へぇ〜。って事はあんた、この鎧の出自を知ってるんだ〜?」

 

「2年前、私の不始末で奪われた物を忘れぬものか…何より…

 

私の不手際で奪われた命を忘れぬものか!」

 

そう言うと翼は思い返していた。

 

奏が死んでしまうと思った時に、彼…憑友が奏の手を取ると、奏が今まで受けてきた呪いとも呼べる力の代償をその身一つで全て受け止め、奏の命を救ってくれた。

だが、代わりに憑友が実際に死んで、今は半分幽霊となって、現れたという事に。

そう言うと翼は大剣サイズとなっていたアームドギアを再び構え始めた…!

 

それに準じて鎧を纏った少女の方も、右手に弓なりの形をした杖を持って、鎧に付いている鞭らしき物を持って構えた!

 

「(奏を救ってくれた憑友の死という事件の原因と、奏があのライブ会場で置いていった《ガングニール》のシンフォギア…

時を経て、再び揃って現れるという巡り合わせ…

 

だが、この残酷は私にとって心地いい…!)」

 

すると、其処に響が翼の腰に抱きついた!

 

「止めて下さい!翼さん!相手は人です!人間なんですよ⁉︎」

 

「「戦場で何を馬鹿な事を!…⁉︎」」

 

そんな響の反論に、鎧の少女と翼が同時にハモりながら響の反論を否定した。

 

「寧ろ、貴方と気が合いそうね?」

 

「だったら、仲良くじゃれあうかい…!」

 

そう言うと鎧の少女から攻撃を仕掛けて来た!翼は咄嗟に響を後方へと離し、上空へと逃げ延びる…!

そして、2人のいた場所に鞭らしき物が振られて衝撃波が発生した。

それを合図に2人は熾烈なる攻防を繰り広げ、響はその余波を諸に食らった。

 

そして響は何とか立ち上がると、近くに憑友がいた。

 

「!そうだ!憑友!」

 

「言われなくても!」

 

響は憑友と一緒に2人の戦いを止めようと言おうとしたが、憑友はそれを予知していたのか、返事をするなり、2人は構えた。

響はまだまだ戦闘経験が浅い為か、自身の構え方はいまいちの体勢だった。

対して憑友は、掌を相手の方に向けて、腰を深く落とした構え方をした。

其れだけで、今の憑友からオーラのような気配を漂わせていた。

 

すると、憑友は響に「お先!」と言うなり、瞬時に鎧の少女の懐へと踏み込んでいた…!そして、

 

「ふんっ‼︎」

 

「⁉︎…がはっ⁉︎」

 

「「⁈」」

 

すかさず拳の形をするなり、見事に腹部にクリーンヒットした…!

其れにより、鎧の少女は腹を抑え込んだ。

同時に少女は悟った…

 

憑友(この男)に、今の自分は勝てないという事に。

 

ーーーーーーSIDEto鎧の少女

何だよ…こいつ…!

めちゃくちゃ強すぎじゃねぇかよ⁉︎おまけに速ぇ…!

たった一発しか受けてねぇのに…此奴の相手なんて…死んでも嫌になって来やがった!

 

ピピピッ!ピピピッ!

 

⁈こんな時に誰だよ!

仕方ない…とにかく、通信を…!

 

『遅くなった。今から援護する。先ずはそのままゆっくりしゃがめ。必死に腹を抑え込んでいる様にな』

 

っち…!そう言う事ならやるしかねぇか…!

 

ーーーーーーNO SIDE

 

鎧の少女は通信相手の言う通り、腹を必死になって抑え込みながら蹲る。

そんな中、憑友は、「大人しくその鎧を渡してくれないか?」と言いながら手を差し伸べようとした…その時だった!

 

 

グサッ!

 

「がはっ⁉︎」

 

先程、青年が放った矢となった剣が憑友の心臓部にクリーンヒットした。

それをチラリと見た鎧の少女は直ぐに鞭を使い、憑友を薙ぎ払いながら後退した。

其れを見た翼と響は辺りを見渡す。だが、何処にいるのか分からなかった…!

 

そして憑友はというと、心臓部に命中したものの、元から死んでいる身なので、平気であった。

そしてそのまま無理やり矢を引き抜く。

そして胸に手を当て、辺りを見渡した。

 

「(痛てぇ…何処から撃って来やがった⁉︎…弓矢だから、かなり近い場所に居るはず…なのに、気配が全く感じねぇ…と、そろそろか)」

 

「憑友!」

 

すると不意に翼が憑友の方へとやって来た。

其れに合わせて響も憑友のほうへとやって来た。

憑友はその2人を見て、心臓部を抑えていた手をゆっくりと退かした。

すると、そこには矢で貫かれた筈の心臓部が完全に修復されていた!

 

それを見た2人は目を見開く。

 

「ふぅ…なんとか大丈夫だな。

…積もる話もあるが、今はあの鎧を取り返す…だろ?」

 

憑友に示唆された2人は頷くや、鎧の少女の方へと向き直る。

 

「⁉︎マジかよ…なんで、傷が塞がってやがる⁉︎」

 

「さあな?なんででしょうか?it'sthinkingTime♪」

 

「なんでそこだけ英語⁈」

 

最早お馴染みとなった憑友のボケを響が見事にツッコむ。

それを見た翼は呆れ半分になりながらも、武器を構えて、少女の方へと駆け抜ける!

 

憑友が続けて行こうとした時、

 

「待て、憑友!」

 

「!師匠(せんせー)⁉︎」

 

突然、カードケースからキリトが現れて、憑友を呼び止めた。

 

「何も言わずに俺の力を使え!」

 

「いきなり過ぎですよ⁉︎」

 

キリトの意味が全く分からなかった憑友だが、有無を言わさずにそのままキリトのカードを取り出すや直ぐにアブソーバーに装填し、レバーを引いた!

 

ーライド!フォーム、キリト!

黒剣、双閃、アメイジング!ー

 

キリトの魂を纏った憑友。

そうするや、急いで翼の後を追う!

すると、その時。

鎧の少女の後方にある高層ビルの屋上から何かが光った。

 

「!…うぉぉぉ!」

 

それを見た憑友は直感で感じた…翼が危ないと。

 

すると、キリトの能力を用いて、一気に加速する…!

その時に、ジェットエンジンのような音が聞こえた…!

 

そして翼と鎧の少女に割り込み、そして…

 

 

ヒュゥゥゥン‼︎

 

ジャキィンッ‼︎

 

「「⁉︎」」

 

遠くからおそらく狙撃したであろう銃弾がキリトの魂に刻まれている武器《エリシュデータ》によって、真っ二つに割れ、それぞれ地面にめり込んだ。

 

それを見た翼と鎧の少女の2人はその間合いから直ぐに後退する。

そして憑友は、狙撃してきた場所に剣を構えた。

 

「そんな高みの場所で見物とは、大層腰抜けなんだな!」

 

憑友は屋上にいるであろう相手に向けて、挑発を繰り出す。

 

すると、月夜の光に照らし出されたシルエット。

憑友たちのいる場所からでは如何しても小さく見えるが、人である事は確かであった。

すると、少しジャンプの動作をしたと思えば、その場所から消えた。

 

そして、憑友は気配を感知したのか、鎧の少女の方へと向き、剣を構えた!

 

「ようやくお出ましか?」

 

「…」

 

そこには1人の青年がいた。

 

それを見た翼と響は驚いていた。先程までいなかった筈の青年がいきなりこの場に現れたのだから。

 

そう言うと青年は腰からカードを取り出した!

 

「⁉︎それって、まさか…⁉︎」

 

憑友はそれの正体に気づくも、青年はそのカードを前から装着していた左腕のアブソーバーに装填、そして…

 

「変身」

 

レバーを引いた!

 

ーソウル!フォーム、フォーマル!ー

 

すると左腕のアブソーバーから青と水をあしらった魂が現れ、青年はそれを纏った!

 

ーお前らの魂、オレが頂く!ー

 

「せせらぐ水の裁き…"水の魂を導く師者"…

 

 

《水魂導師》ソウル。この場に馳せ参上した」

 

それは憑友達にとって、全く見た事が無い…

 

新たな《精魂導師》の存在だった…




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回は現界ブースターにて初めて現界に成功し、俺にも力を貸してくれた優しい男・ルドガーを紹介しよう」

ルドガー
カード名【審判を超えし槍 ルドガー】

属性/闇・人間・突&射&打・剣&銃&槌&槍

双剣・双銃・ハンマーそして力を解放時に使う槍と、幅広い性能を持っているオールラウンダー。
特に槍の攻撃は凄まじいの一言に限る…!

憑友「彼の実力は折り紙付きだが、まだ俺は槍の力を扱えない。
だが、必ずその力を解放してみせる!」

次回

水の魂を導く者

憑友「次回も見てくれよな!」


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第18話 水の魂を導く者

憑友達の前に現れたのは1人の青年だった…
そして、青年は《水魂導師》ソウルに変身した…!

序盤は彼…青年の視点から始まるので注意!


先程少女に通信を寄越してきた相手は現在、皆がいる場所から約1000m以上も離れた場所にいた。

 

彼は双眼鏡を見て、今の状況を確認した。

 

「…やはり凄まじいの一言に限る…今日は頼んだぞ、アーチャー。【氷の狙撃手】さん?」

 

「…善処するとしよう。無理な行動は慎みたまえ」

 

「遠距離なら任せて。それと…普通にシノン(・・・)って呼びなさいよね!」

 

「とは言っても、フィーネと大差ない声してるからどうしようも…すみません。言い過ぎましたから。

だから、拳銃を使って零距離射撃だけは勘弁して下さい」

 

青年と話していた2人はそれぞれ返答すると、カードケースの中に入り、青年はその2人のイラストのカードを取り出した。

そう言うと彼は先ず、アーチャーと呼んでいた男のイラストが描かれたカードを左腕のアブソーバーに装填、

 

「変身」

 

そして、レバーを引いた!

 

ーソウル!フォーム、アーチャー!

Unlimited Blade Works!ー

 

するとその力を纏った彼は右手を前方に突き出すや、

 

同調開始(トレース・オン)

 

そう唱えると其処から黒く塗られた弓が現れ、更に一振りの剣が現れた。

青年はその剣を持つと、

 

我が骨子は捻れ狂う(I am the bone of my sword.)…」

 

そう言い放つと、剣がみるみると捻り始め、終いには一つの矢となっていた…!

そしてそれを弓に番え、そして集中して正確に…

 

「偽りの螺旋の剣。その身を矢となりて、穿たん…

 

 

 

偽・螺旋剣(ガラドボルグⅡ)

 

放った…!

 

ーーーーーー

 

グサッ!

「がはっ⁉︎」

 

ーーーーーー

 

それを双眼鏡で確認した青年は、不敵な笑みを浮かべた。

 

「…次へと参ろうか…」

 

そう言うと今度はもう一枚のカードを取り出して、アブソーバーに装填していたカードを入れ替えて、レバーを引いた!

 

ーソウル!フォーム、シノン!ー

 

すると今度は髪が水色で迷彩色に近い色合いの服を着た女性の魂が現れ、青年はそれを纏った!

 

ー氷の狙撃手!敗北の弾丸!ー

 

「…照準準備」

 

すると青年は静かに銃を固定し、うつ伏せ状態になって、女性の愛機である狙撃銃《ウルティマラティオヘカートⅡ》のスコープに顔を覗かせた。

 

其処では、翼と自分の味方である鎧の少女が対峙していた!

そして、近くを見てみると、憑友が立っていた…!

 

「⁉︎馬鹿な⁉︎彼奴の心臓部に確かに狙った筈だ!なのになんで生きてる⁈」

「…いや、今はそれどころでは無いな」

 

そう言うと直ぐに冷静になり視線を元に戻し、狙いを定める…!

 

「"敗北を告げる弾丸の味…その身を以て味わうと良い…"」

 

そう言うと翼にロックオンしたと同時にドライブボタンを叩いた!

 

『ソウル・シノン!フルドライブ!』

「"ブレイジング・トリガー"」

 

そう言うと青年は引き金を引いた!

 

そして弾丸は見る見ると翼の方へと放たれ、そして…

 

 

ジャキィンッ!

 

斬られた(・・・・)

 

「⁉︎何⁈」

 

予想をはるかに超えた斜め上の事態に凝視する青年。

スコープから覗いてみると、射線上に憑友が黒一色のコーデで、これまた黒い片手剣で、銃弾を斬ったようなポージングをしていた!

 

「この距離からの狙撃を…斬っただと⁈」

 

青年は理解不能に陷っていると、隣から現在自分が使用している『英雄』【氷の狙撃手 シノン】が現れた。

 

「彼奴に私の弾丸は効かないわ」

 

「何⁈」

 

「彼奴と言うのは、彼が今変身している『英雄』の事よ」

 

「…知り合いなのか?」

 

「知り合い?笑わせないで。彼奴とは一応、仲間なのよ。

それに、私の弾丸を至近距離でものの見事に真っ二つに斬り落とした唯一の男なんだから…!」

 

そう言うと青年の隣にいた『英雄』・シノンはすぐに消えた。

 

「…相性は最悪と言っても良いか…?」

 

青年がそう呟きながら、スコープを覗いていると、憑友がこちらに黒の片手剣を構えていた。

 

『そんな高みの場所で見物とは、大層腰抜けなんだな!』

 

憑友はそう言い放っていた。その口の動きを見た青年は銃を背中に背負い、一息ついた。

 

「…バレたか。なら、クリスの元へ行くとしよう…」

 

そう言うと、青年は変身を解除するなり、そのビルから瞬時に消えて…

 

ーーーーーー

シュンッ!

 

直ぐにクリスの後ろへとやって来た!

 

「ようやくお出ましか?」

 

「…」

 

憑友の挑発を悉く受け流す青年。

すると青年はカードケースから一枚のカードを取り出した。

 

「⁉︎それは、まさか…⁉︎」

 

憑友が何かに気付くも既に遅く。

青年は直ぐにアブソーバー内のカードと入れ替え、そして…

 

「変身」

 

レバーを引いた!

 

ーソウル!フォーム、フォーマル!ー

 

すると其処から青のカラーリングと水のマークをあしらった魂が現れ、青年はそれを纏った!

 

ーお前らの魂、オレが頂く!ー

 

そして其処に現れたのは、水の力を宿した《精魂導師》…

 

「せせらぐ水の裁き…"水の魂を導く師者"…

 

《水魂導師》ソウル。この場に馳せ参上した」

 

《水魂導師》ソウルの参上だった…!

 

ーーーーーー

 

新たに現れた《精魂導師》の存在を凝視する憑友達。

 

すると青年は、右手から水を作り出すや、其処から弓の形へと変形させた!

 

「俺の名はロック。ロック・アイル。

お前の名はなんだ?《炎魂導師》」

 

「「「⁈」」」

 

すると突然、自己紹介をして来たので、3人は吃驚した。そして、自分の事を聞かれたので、憑友は冷静になって、自己紹介をする事にした。

 

「…人絆憑友。人と絆と書いて人絆(じんさい)

憑依の憑の字に友と書いて、憑友(つくも)

それが俺の名だ…!」

 

「憑友…良い名だ」

 

「え?…⁉︎」

 

そう言うや、なんといきなり弓矢で攻撃して来たのだ!

 

「いきなりは無いだろ⁉︎」

 

「惚けてたお前が悪い」

 

「翼さん!」

 

「⁉︎」

 

避けていると響の声が聞こえて来たので、その方向を見ると、其処では翼と鎧の少女がやり合っていた!

 

すると、少女はそんな響を見たのか、

 

「お呼びでは無いんだよ!

此奴等でも相手してな!」

 

そう言うや鎧の少女は腰に携えていた弓なりの形をした武器を響に向けて放った!

すると其処からノイズが操られて響の元に現れた!

 

「あれは…ソロモンの杖⁉︎…!」

 

「余所見を見る暇があると思ったか?」

 

それを見た憑友は助けようとしたが、ソウルの射撃によって安易に合流出来なかった!

そしてそのまま響はノイズに捕まってしまった!

 

「っち!ならば!」

 

そう言うや、憑友はカードを取り出してはアブソーバー内のカードと入れ替え、レバーを引いた!

 

ーライド!フォーム、オ・レ!ー

 

すると其処から赤のカラーリングと炎をあしらった魂が現れ、憑友はそれを纏った!

 

ー英雄の魂、オレに宿れ!ー

 

そして纏った憑友は拳同士をぶつけ、其処から炎を吹き出した!

 

「その炎は灼熱のプロミネンス!

"炎の魂を導く師者"!

《炎魂導師》ライド!見参!」

 

そう言うや拳を構える憑友。

それを見た青年…ロックはすぐに弓矢の射撃攻撃を連射した!

 

それを見た憑友は拳で全て叩き落とした!

 

「…ほぅ…少しはやるようだな?

水で潔く鎮火されれば良いものを」

 

「生憎、そんな程度の水温じゃ、俺の火力ではすぐに蒸気となって消えるのがオチだぜ!」

 

そう言うと、それぞれ自分の得物を構えた!

 

炎魂導師と水魂導師。

同じ師者が戦う異例の展開が始まった…!

 

続く!




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回は遂に初邂逅した男・ロックが今回使用したカードの1人・シノンを紹介しよう」

シノン/カード名【氷の狙撃手 シノン】
属性/氷・人間・射・銃&弓

アーチャーよりも劣るが、それでも屈指の実力を誇っており、
その冷たい視線から【氷の狙撃手】と呼ばれるようになった狙撃手(スナイパー)の少女。

憑友「彼女もまた屈指の実力を誇っていても過言では無いな。
それにキリト師匠(せんせー)の事を知っていたようだけど…?」

次回

炎の魂VS水の魂

憑友「次回は変身オンパレード祭りだ!
次回も見てくれよな!」


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第19話 水魂VS炎魂

お待たせした。今回は憑友とロックのガチバトル!
ロック勢では新キャラ登場!
では、どうぞ!


そして2人はそれぞれの得物を構え、そして…動いた!

 

「はぁぁぁぁ!」

 

「ふっ!」

 

憑友が拳で攻撃する。が、ロックの弓矢の攻撃で、中々手が届かない。

対して、ロックの方も狙った場所を憑友の拳で悉く防がれていて、共にジリ貧状態へと発展する。

 

「…ならば!」

 

そう言うと、ロックはすかさず後退するや、1枚のカードを取り出した。

 

黒髪で、青い服装をしていて、手に奇妙な形をした剣と黒く塗られていた小刀を持った少年のような出で立ちの男のイラストが描かれていた。

 

「!…なら、こっちだって!」

 

それを見た憑友は咄嗟に、以前翼の攻撃を全て反射させた実力を誇る『英雄』【憤怒の罪(ドラゴン・シン) メリオダス】をケースから取り出した。

 

そしてそれぞれのアブソーバーに入れていたカードを交換し、レバーを引いた!

 

ーライド!フォーム、メリオダス!ー

ーソウル!フォーム、リオン‼︎ー

 

すると、それぞれのアブソーバーから憑友の方にはメリオダスの魂と が、ロックの方にはマントを羽織った少年剣士の魂が現れ、2人はそれぞれ纏った!

 

ー七つの大罪、憤怒のドラゴン!ー

ーランド・ザ・ソーディアン!運命の闇!ー

 

すると憑友は背中に携えしメリオダスの愛剣"刃折れの剣"を取り出した。

するとロックも、腕に忍ばせていた小刀"滅鬼丸"と、鞘に収めていた剣を引き抜いた!

 

「この剣の名はシャルティエ。俺が纏っている者が最後まで使用していた剣だ。それは最早相棒とでも呼べる代物だ。お前にはあるか?そう言う愛着のある剣が…」

 

シャルティエ。ロックは確かにそう言った。

本来、『英雄』達はそれよりも少し上にあたる存在。通称【英霊】と呼ばれる者がいるのだが、彼等は自身の使っている愛着のある武器や防具などを総称して【宝具】と呼んでいるのだが、

この【宝具】は発動と同時に、その【英霊】達の本当の名前『真名』を晒すと言う欠点を持っている。

その下位の存在である『英雄』も例外ではない。

数多の戦士達の武器や防具の名を知れば、それだけ自分に不利になりかねない事へも繋がるからだ。

 

ロックはそれでも、その剣の名を言った。

余程自信があると言う事になる。

 

「…悪いな。俺は剣術(こっち)の方は護身用なんで。

拳闘術(こっち)が得物なんだよ」

 

そう言うと、憑友は拳を前へと突き出した。

 

「そうか…なら、これで決めてやろう!」

 

そう言うと、ロックはすかさず懐へと入り込んだ!

それを見た憑友は剣で防ごうとする。

 

「無駄だ。"月閃光"!」

 

そこからまるで月を描くかのような動きに憑友の体勢が崩れた!

 

「なっ⁉︎(なんだ、今の攻撃⁉︎一振りなのに、まるで連続で斬られているかのような感覚は⁉︎)」

 

「"月閃虚崩"!」

 

「⁉︎」

 

更に其処から今度はその動きにプラスした動きについに憑友が所持していた剣が弾かれた!

 

すると其処から瞬時にロックの姿が消えた…と同時に後ろから斬撃を食らわされた憑友。

 

「終いだ…"崩龍斬光剣"!」

 

「ぐはっ⁉︎」

 

それと同時に空へとぶっ放されるや、其処から無数の連撃に襲われた。しかし、負けじと憑友も力を振り絞った!

 

「なんの…!

"全反撃(フルカウンター)"‼︎」

 

「何っ⁉︎ぐわぁ!」

 

相手の攻撃をそのまま跳ね返す技"全反撃(フルカウンター)"がロックに炸裂した。

それにより、ロックは吹き飛ぶが、なんとか体勢を立て直した。

 

「…少しはやる様だな?だが、これはどう避ける!」

 

そう言うとロックは左腕のアブソーバーのドライブボタンを叩いた!

 

『ソウル・リオン!フルドライブ!』

 

そう言うとロックが持っていた2つの剣から紫色の炎が噴き出した!

 

それを見た憑友は咄嗟に剣を構える。

すると、隣にメリオダスが現れた!

 

「俺のもう1つの力を使うのを許す。それで止めろ!」

 

「!はい!行くぜ!」

 

そう言うと憑友はライドアブソーバーのドライブボタンを叩いた!

 

『ライド・メリオダス!フルドライブ!』

 

「はぁぁぁぁあ!」

 

そう言うと憑友が所持している剣から黒い炎が現れた!

 

「良い気になるな!"塵も残さん!"奥義!」

 

それを見たロックはすかさず懐に入り、そして…

 

「"浄破滅燃闇"!」

「"大獄炎(デッドリー・ヘルブレイズ)"!」

 

互いの技が炸裂し、周りの草木が燃やされるかの様な灼熱の地獄絵図の様な光景が出来上がっていた。

 

そしてそんな中で、憑友とロックは互いに距離を離した。

 

「…やっぱ、すげぇな。あんたは」

 

「…なら、次だ」

 

「おう!」

 

そう言うとお互い、カードを取り出し、また新たなカードと交換し、レバーを引いた!

 

ーライド!フォーム、ナノハ!ー

ーソウル!フォーム、フェイト!ー

 

すると其処から憑友側は白の衣装を纏った女性の魂が、

ロックからは黄色のストレートで、黒の衣装を身に纏った女性の魂が現れ、2人はそれぞれ纏った!

 

ー全力全開!エース・オブ・エース!ー

ー疾風迅雷!雷光一閃!ー

 

そして憑友は白を基調とした服装で、髪の色がクリムゾンから、茶色に変わり、女性のスカート部分は代わりに青が基調となったズボンと腰にフォールドマントを羽織らせた。

対してロックは黒を基調とした動きやすい服装に変わり、髪の色が黄色に変わり、そして黒のマントを羽織った!

 

すると、憑友の方ではそのモデルになった『英雄』・なのはが幽霊状態で現れるや、

 

「如何しても戦わないといけないんだね…()()()()ちゃん」

 

「え?」

 

そう言ってきたので、誰のことなのか聞こうとしたら、ロックの傍から今度は黄色の髪が特徴の女性がその髪をたなびかせて現れた。

 

「ごめんね…()()()。本当はなのはとは私だって戦いたくない。けど…」

 

「ううん。こればかりはしょうがないよ。それに、今は其々の立場があるから。でも、今度会ったら、また仲直りしようね♪」

 

「なのは…うん♪」

 

そう言うとお互いの魂は元に戻った。

 

「…拒絶しそうになったが、なんとかなったか…」

 

ロックがそう呟いていたが、憑友はそれを聞くことは無かった。

 

「さぁ、行くぞ!」

 

そう言うとロックは所持していた武器であり、先程の女性・フェイトの愛機(デバイス)・バルディッシュを構えた。

それを見た憑友もなのはの愛機(デバイス)・レイジングハートを構えた!

 

そして、

 

「"ハーケンセイバー"!」

「"マルチシューター"シュート!」

 

「"プラズマランサー"!」

「"アクセルシューター"シュート‼︎」

 

互いに魔法を用いた戦闘が開始された。

 

憑友が変身した『英雄・なのは』は、ありとあらゆる場所に蔓延る魔力の素・マナを自分の場所へと寄せ集める希少能力・『魔力収束』を持っている。その為、持久戦になれば、それだけ有利になる。

 

一方、ロックが変身した『英雄・フェイト』は、魔力をそのまま『雷』の属性へと直に変換する事が出来る希少能力・『魔力変換素質・電気』を持ち合わせている。その為なのか、その分だけ速く移動する事が出来るスピードアタッカータイプ。

 

互いの事を分かっているのか、2人の戦いは中々均衡を崩す事が無かった。

 

「…なら、これで終わりだ!」

 

「ふっ…来い!」

 

すると2人は共にアブソーバーのドライブボタンを叩いた!

 

『ライド・ナノハ!フルドライブ!』

『ソウル・フェイト!フルドライブ!』

 

そう言うと2人は互いの得物をそれぞれ構えた。

 

憑友は杖の先端を矛先のように形作り、

ロックは斧の形からビーム状になった大剣を構えた!

 

「"全力全開"‼︎」

「"雷光一閃"‼︎」

 

「"スターライト"…"ブレイカー"ーー‼︎」

「"ジェット"…"ザンバー"ーー‼︎」

 

そして其処から憑友は前方に魔法陣が現れて、それを矛先で突き、

対してロックはその大剣を振りかざした!

すると魔法陣から大魔力のビームが、

大剣から特大の斬撃の衝撃波がぶつかった!

 

ドガァァンッ‼︎‼︎‼︎

 

それにより、爆煙が発生する。

そして煙が晴れ、其処にいた2人。しかし、まだまだ余力があった…!

 

「なら次だ!」

 

そう言うと憑友は今度はルドガーのカードを取り出し、そしてアブソーバー内のカードを交換、そしてレバーを引いた!

 

ーライド!フォーム、ルドガー!

銃剣槌士!審判の槍!ー

 

そして憑友はルドガーの魂を纏った。

すると、ロックも憑友と同様にカードを取り出した。其処に描かれていたのは、

茶髪て眼鏡を掛けており、そして白衣らしきものを羽織った男が双剣を逆手に持って、特攻している場面のイラストだった…!

 

そうしていると、ロックはアブソーバーの中に入れてあったカードをそのカードと交換し、レバーを引いた!

 

ーソウル!フォーム、ユリウス!ー

 

すると先程のイラストの通りの好青年の男の魂が現れた。

それを見て、

 

「まさか⁉︎」

 

「?如何したんだ?ルドガー?」

 

ルドガーがその魂を見て、驚愕していた。

それを見た憑友は首を傾げていると、ロックはその魂を纏った!

 

ー兄の覚悟は、弟想い!ー

 

すると、ロックの横から茶髪で眼鏡、そして白衣のような羽織っている男が現れた。

 

すると男はルドガーの方を見て、話をし始める。

 

「随分と、成長したようだな?ルドガー」

 

「…兄さん」

 

「はい⁉︎」

 

なんとルドガーの兄と言う衝撃の言葉に、憑友は何処から声を出したのか、気になるような声音を発した。

 

「…お前が言っていた弟なのか?」

 

「ああ」

 

ロックは逆に冷静になり、ユリウスに質問すると、ユリウスは首を縦に振りながら、そう答えた。

 

「だが、今は…お前が何処まで成長したのか、見せてくれ!」

 

「兄さん…ああ!」

 

そう言うとルドガーとその兄であるユリウスはその場から消えた。

 

するとその2人を纏っている2人は同じ双剣を逆手に持って、攻撃を仕掛けた!

 

「"蒼破刃"!」

 

「"魔神剣"!」

 

先ず手始めに牽制をすると、其処から一気に間合いを縮めると、互いの剣技がぶつかりあった!

 

「"鳴時雨"!」

 

「"アサルトダンス"!」

 

「"轟臥衝"!」

 

「"雷封刃"!」

 

「「"双針乱舞"!」」

 

どちらも互いの技を見切っているかの様に、悉く防いだ!

 

「中々だ…なら、これで終わりだ!」

 

そう言うとロックはアブソーバーのドライブボタンを叩いた!

 

『ソウル・ユリウス!フルドライブ!』

 

そう言うと、ロックは逆手に持った剣を広げて構えた!

 

「"その覚悟、試させてもらうぞ"!」

 

そう言うとすかさず回転しながら切り刻まれた!

あまりにも咄嗟な状態に、憑友はそのまま受けてしまう…そして、

 

「"祓砕斬(ばっさいざん)十臥(じゅうが)"‼︎

 

 

こんなものか…」

 

最後に十文字の斬撃が炸裂した。

 

それを食らった憑友だが、すかさずドライブボタンを叩いた!

 

『ライド・ルドガー!フルドライブ!』

 

「んな訳無いだろうが!そらよぉ!」

 

そう言うとすかさず腰に付いていた2丁拳銃を上空へと投げるや、其処からハンマーで一撃を加える!

 

「槌で叩かれ、

剣で切り裂かれ…」

 

更に其処から双剣を一閃、おまけに回帰時に一閃。

そして上空へと投げた2丁拳銃をとるや、其処から乱射した!

 

「銃で撃ちぬかれろ!

"祓砕斬(ばっさいざん)零水(あやみ)"‼︎」

 

「ぬぉっ⁉︎」

 

その攻撃を食らったロック。

そして、其処から倒れた。

 

「はぁ…はぁ…やったのか?…」

 

それを見た憑友…だが、よく見てみると…

 

『残念』と書かれた案山子が置いてあった!

 

「忍者かよ⁉︎…?て事は…⁉︎」

 

「遅い!」

 

何かを感知した憑友は咄嗟に後ろに振り返った。すると其処には新たな姿へと変わったロックが小刀で、襲いかかろうとしたので、咄嗟にアブソーバーを盾にして防いだ!

 

「くっ…!大丈夫か、ライドさん!」

 

『ああ。私は大丈夫だ!しかし、奴は一体いつの間に変身をしたのだ⁉︎』

 

そう言うと憑友は再び構えた。

そしてロックも再び構えた。その時だった。

 

『Gatrandis babel ziggurat edenal…』

 

「?翼さんの声?」

 

『この歌。前にも何処かで…』

 

「⁉︎ひとまずここは保留にさせて貰おう…」

 

そう言うとロックは瞬時に消えてしまった!

それを見た憑友は「あ、待ちやがれ⁉︎」と言いながら急いで、翼と響のいる場所へと走って行った。




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回はこの話にて、ロックが変身した二刀流使いの1人・リオンについて紹介しよう」

リオン/カード名【運命を冠する裏切り者 リオン】
属性/闇&地・人間・斬&突&魔・剣

本来なら『英雄』とは呼ばれる様な事はしていないのだが、それでも、最後の最後の活躍が認められて『英雄』になった異色の経歴の持ち主。

憑友「彼自身が元々持っている〔闇〕の属性と、剣に宿っている魂が持つ〔地〕の属性。2つの属性を巧みに扱える事が出来る双属性の持ち主。
剣と短剣を使用した二刀流の斬撃はまるで舞を舞っているかの様に看取られる…!」

次回

絶唱

憑友「次回も見てくれよな!」


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第20話 絶唱

やっと第4話前半だよ〜!

だけど、最後はちょっと弄ってやったぜ!

憑友「基本的には駄目だからな?」

分かっていま…ッて⁉︎なんで此処にいる訳⁈

憑友「こんな阿呆作者ですが、俺から一言。
感想待ってるぜ!
この人、感想ないと捗るタイプじゃないんで」

余計な事を言うな〜⁉︎

憑友「それでは、どうぞ♪」

前振りは俺の担当〜⁉︎


憑友とロックが戦闘を開始していた頃、

翼と響は鎧の少女を相手にしていた。

だが、鎧の少女は腰に携えていた弓なり状の杖ー名称《完全聖遺物》ソロモンの杖ーを使う。すると、響の所にノイズが操られて現れたのだ!

それを見た響は逃げる事にした。今の自分では、あまり戦う力が無いから。

しかし、ノイズ達が特殊な粘液を吐いた。

それに触れた響は身動きが取れなくなってしまった!

 

それを見た鎧の少女はさっさと撤退しようとするも、

 

「その子に構って、私を忘れたか‼︎」

 

翼が剣でそれを妨害し、更に足による追撃をするも鎧の少女はそれを腕のみで防ぐや、怒りとも呼べる様な声音を発すると、そのまま翼の足をガッシリと掴むや、其処から投げ、更に翼の頭を踏ん付けた!

 

「のぼせあがるなよ、人気者!

誰も彼もが構ってくれる等と思うんじゃねぇ!」

 

「くっ!」

 

すると鎧の少女は自分が何故此処に来たのかを話し始めた。

 

「この場の主役と勘違いしているなら教えてやる…

狙いは端から此奴と、あの格闘馬鹿を掻っ攫う事だ!」

 

と言いながら、鎧の少女は響と、向こう側にいた憑友の2人に指を指した。

それを聞いた響は自分と憑友が狙われているとは思いもしなかったのか、驚きの表情を見せた。

 

「鎧も、仲間も、あんたにはすぎてんじゃねぇのか?」

 

鎧の少女はそう言い放つ。

 

「繰り返すものかと…私は誓った…!」

 

そう言うと翼は剣を上空に掲げた。すると、その剣の先にある空から大量の剣が降り注いできた!

 

ー千ノ落涙ー

 

それを見た少女はすかさず跳び退き、翼も技を発動した後に身体を動かし、その場から回避した。そして同時に2人は響の元から離れるや、そこから爆発が何回も起こった!

 

それを見ていた響。すると、ノイズが瞬時に炭となって消えたので、何が起こったのか見ると、

 

「大丈夫か⁉︎」

 

「霊風さん!」

 

そこには2つの槍を持った赤い衣を纏い、赤いハチマキを巻いた霊風がそこにいた。

 

「悪りぃ、此処へ来る際に別のノイズ達を相手に対峙していたんだ。それよりも…《ネフシュタンの鎧》とはな。厄介な事この上無いな」

 

霊風は先程の鎧の少女が身に纏っていた鎧を見て、頭を掻き毟りながらそう語るので、響はどう言う事なのかと聞いてきた。

 

「《ネフシュタンの鎧》

あれは、《完全聖遺物》と呼ばれている代物だ」

 

「完全…聖遺物…⁉︎」

 

「如何やら、風鳴のおやっさん達から話を聞いていたようだな?

その通りだ。《完全聖遺物》は数多の聖遺物よりも太古の昔にあったにも関わらず、一度起動すれば以降は100%の力を発揮し、適合の資格の無い者達にも扱える可能性がある代物だ。

但し、それはあくまでそれを扱う者が〔善者〕の場合だ。

〔悪人〕が使えば、それだけで世界を支配する事も不可能では無い実力を誇っている。

そんな完全聖遺物を、あの少女が身に纏っているという事か。なんともいけ好かねえ気分だ」

 

それを話した霊風は苦虫を噛むかのように表情を歪ませていた。

 

「…ところで、憑友は何処に?」

 

「え?…あ。さっき、あっちの方へ…」

 

それでもやはり、冷静に戻ると、憑友の事を聞くと、響が指を指した方向を見ると、そこには紫の炎と黒い炎が草木を燃やしいて、その中で憑友ともう1人の存在・ロックが激しい攻防を見せていた。

 

すると近くから強烈な光が襲いかかって来たので、そちらを見渡すと、

 

「!翼さん!」

 

「うっ!ぐはっ!」

 

鎧の少女と戦っていた翼が鎧の少女が放った中心が黒い雷を発している白い光球ーNIRVANA GEDONーを食らって、地面に伏していた。

 

「!翼!」

 

「⁉︎ちっ!こんな時、新手か⁉︎」

 

すると少女は腰に携えていたソロモンの杖を取り出すや、ビームを放つ!

するとその場所から数多のノイズが大量発生した!

 

「⁉︎ちっ!邪魔するなぁぁぁぁぁ!

甲斐の若虎の実力、思い知れーーーー!」

 

そう言うと霊風は2つの槍を前方に構えると、そこから連続で突き始めた!

そう、彼が今その身に纏っているのは、

戦国武将の1人にして、この現世に史実とはまた違う異なった戦国時代に生き抜いた武将であり、

憑友の所にいる武将・【奥州筆頭 伊達政宗】の永遠の好敵手…

 

【天覇絶槍 真田幸村】の魂を宿していた!

 

すると常人では到底不可能な速さで槍を動かした!

 

「"烈火"!」

 

そしてそこから間を開けると、今度は更にスピードを上げた!

 

「"大烈火"ーーーー!」

 

そして最後に大きく踏み込み突きするや、2つの槍を繋げるや、そこから足の脚力でまるで独楽のように回り始めた!

 

「"紅蓮脚"!そして…"大紅蓮脚"ーーーー!」

 

するとまたしてもスピードを上げて、ノイズを一掃し始めた!

 

すると今度は腰に装備してあるカードを取り出し、アブソーバーに装填されていた幸村のカードを取り出すや、すかさずそのカードを入れ、レバーを引いた!

 

ースピリット!フォーム…キョウコ!ー

 

そう言うとアブソーバーから赤い髪をポニーテールで結った、ワインレッドの服装をし、槍を持った女の子の魂が現れ、霊風はそれを纏った!

 

(つるぎ)に答えし、多節な槍!ー

 

すると霊風の髪がポニーテールに纏められ、手には一振りの槍へと持ち変えていた。すると遠くのノイズを狙って槍を薙ぎ払うと、持ち手の所がパカッと割れるやその隙間からチェーンが見え、そしてそれが徐々に長くなり、終いには遠くにいたノイズ達までも薙ぎ払いの範囲に入り、一掃された!

変身のモデルである杏子の得物・《多節棍槍》を使った芸当とも呼べる豪快なやり方だった!

 

「次だ!」

 

そう言うと今度はまた違うカードを取り出し、そしてカードを入れ替えレバーを引いた!

 

ースピリット!フォーム、レヴィアタン!ー

 

すると今度は青い髪をストレートにして、その頭には竜の翼を模したアクセサリーのようなものを身につけている少女の魂が現れ、霊風はそれを纏った!

 

ー絶対防衛!水竜姫!ー

 

すると霊風の髪がポニーテールからストレートになり、腰辺りから翼が生えてきた!

 

「えぇ⁉︎」

 

「ふっ!」

 

それを見た響は驚いていると、今度はなんと上空へと飛翔し、辺りを見渡す。

 

「…!彼処からなら!」

 

そう言うと、先程とはまた違い、杏子の時に使用していた多節棍槍から三叉槍に持ち替えていた。

すると今度はその槍をとある場所に向けた。

しかし、向けた場所にはノイズがいなかった。

 

それを見た響は首を傾げるが…次の瞬間、目を見開いた。

 

何せ、槍の矛先から水が大量にこちらの方へとやって来たのだ!

そしてその水は霊風の上空に集まって、水の塊を作り上げた!

 

「一気に決める!」

 

そう言うと、アブソーバーのドライブボタンを叩いた!

 

『スピリット・レヴィアタン!フルドライブ!』

 

「食らえ!"ハイドロ・カッター・レイン"‼︎」

 

するとその水の塊から水の斬撃刃が形成し、それを雨のように降らした!

 

それによりノイズが一掃されたのであった!

 

ーーーーーー

さて、場面を少し巻き戻すとしよう。

憑友がロックと、霊風は響を守りながらノイズを鎧の少女が呼び寄せたノイズを相手に闘っている時、

 

「彼奴…中々やるなぁ〜?

それに比べて…あんたはまるで出来損ないだな!」

 

そう言いながら、翼を見ていた鎧の少女。

 

「確かに…私は出来損ないだ…」

 

「ぁ?」

 

「この身を一振りの剣として鍛えて来た筈なのに…

あの日、無様に生き残ってしまった…

出来損ないの剣として、恥を晒し続けてきた…!

だが、それも今日までの事…!

奪われた《ネフシュタンの鎧》を取り戻す事で…

この身の汚名を削がせて貰う!」

 

そう言いながら、剣を杖のようにして立ち上がる翼。

 

「そうかい。なら、脱がせるものなら脱がせて…何?」

 

そう言うと鎧の少女が動こうとしたが、何故か身体が動かなかった!

何故だと少女は思っていると、ふと足元の影を見た。

そこには翼が先に投擲した小刀が影を刺し、地面に刺されていた!

 

ー影縫いー

 

「⁉︎これは…!」

 

それを見た鎧の少女は一瞬だが、何かを思い出す。

すると、翼は月を見ていた。そして、今の現状を見て、少女はまさかの展開が頭によぎる。

 

「お前…まさか…」

 

そう言おうとしたら、翼は月を見ながらこう言った…

 

「月が覗いている内に…決着を着けましょう…」

 

そう言いながら、翼は覚悟を持った目付きで少女を見た。

それを聞いた少女は、その身を青ざめさせた。

 

「歌うのか…《絶唱》を…⁉︎」

 

「翼!」「翼さん!」

 

少女の言った言葉に霊風と響が翼の名を叫ぶ。

すると翼は響に顔を向けた!

 

「防人の生き様…覚悟を見せてあげる!」

 

そう言うと剣を響の方へと向けて話し続ける。

 

「貴方の胸に…焼き付けなさい!」

 

「やめろ!翼!」

 

すると今度は霊風が翼を止めようと必死になっていた。

だが、

 

「御免なさい、霊風さん。

奏の事…お願いします…」

 

「おい…ふざけんじゃねぇ…ぶざけんな〜‼︎

お前がいて、奏がいるから俺がいるんだ!

お前がいなくなれば、俺もそうだが、何よりも奏が悲しむだけじゃねぇかよ!

これ以上、彼奴に負の感情を与えるんじゃねぇ‼︎」

 

それでも必死になって、翼の行為を止めさせようと奮闘する霊風だが、翼はそれでも少女の方へと向き直りそして…

歌い始めた…『絶唱』を。

 

『Gatrandis babel ziggurat edenal…』

 

ーーーーーー

 

その翼の声を聞き、遠くにいた憑友とロックは耳を澄ましていた。

 

「?翼さんの声?」

 

『この歌…前に何処かで…』

 

「⁉︎ひとまずここは保留にさせて貰おう…」

 

そう言うとロックは瞬時に消えてしまった!

それを見た憑友は「あ、待ちやがれ⁉︎」と言いながら急いで、翼と響のいる場所へと走って行った。

 

ーーーーーー

『Emustolronzen fine el baral zizzl…』

 

「やめろ!翼ーーーー!」

 

絶唱を歌い続ける翼。それを必死になって止めさせようと示唆する霊風。だが、それでも翼は歌い続けた。

 

『Gatrandis babel ziggurat edenal…』

 

そして徐々に少女の方へと近づく翼を見て、少女は影縫いに縫られた身体を無理やり動かし、ソロモンの杖を使って、ノイズ達を盾にしようとしたが、外してしまい、それと同時にもう直ぐ目の前まで来ていた…!

そして肩を持たれ、最後の詠唱を…

 

『Emustolronzen』

 

シュンッ!

 

『fine el zi…』⁉︎」

 

言い切れなかった。

 

何が起こったのか分からない皆、すると其処から声が聞こえた。

 

「…無駄な血は流したくはないのだがな?」

 

その声を聞いた皆はその方を向く。

そこには黒塗りの弓を持った赤い外套を羽織った青年・ロックがいた。

 

「そんな…」

 

響は絶望した。彼と戦っていた憑友がいないからだ。

するとそれを察したのか、ロックは話し始める。

 

「そこのアマ。まだ奴は生きている。現に…!」

 

「はぁぁぁ!」

 

言い切ろうとすると其処から憑友が拳を構えて殴り掛かった。

それを気配で察知したロックはすかさず上空に回避し、鎧の少女の方まで跳んで行った!

 

そして着地するなり、また話を続けた。

 

「このように、まだ俺の事をしつこく狙ってきているしな?」

 

「お前!翼さんに何をした!」

 

そう言うと憑友は拳を構えて警戒態勢に入った。

 

「⁉︎(こ、声が…出ない⁉︎…!身体は⁈…!動けない⁉︎)」

 

一方、翼は何が起こったのか分からず状態だった。

しかもおまけに、身体が言う事を効かない。

声が出ないと言った状態に陥ってしまっていた!

 

すると何が言いたいのかが分かったのか、ロックは翼に対してこう告げた。

 

「?…ああ。案ずるな防人嬢。

貴殿は"影縫い"という技を御存知か?」

 

「‼︎」

 

影縫い。それは忍びの技。

 

忍びのいた時代では、それが大きな戦力としても捉えきれていた。

翼も忍びの家系として生まれてきた緒川から教わって会得した技だった。

だが、彼も扱えるという事に目を見開く。

 

「俺のはそれの発展系でな。

狙った部位に該当する影の所を狙う事で、その部位の内部及び外部の器官を封じる効果が付与されている。

この場合は、喉や口を狙ったから、発声器官が封じられたのだろう。

名付けるなら…

 

"影縫い・発声殺し"とでも名付けようか」

 

「⁉︎」

 

「案ずるな、影に刺さっている矢をどかせば影縫いと同様に自由になる。なので、この場は退かせて貰う…ではな?

人絆憑友…貴殿との勝負を持ち越すのを許し給え…」

 

「⁉︎ちょっ⁉︎おま「撤退だ。指図は受けんぞ」…くそっ!」

 

そう言うと少女に刺してあった小刀を抜き、そのまま空へと消え去ってしまった…

 

追撃しようと思ったが、憑友はその拳を構えるのを止め、そして翼の影に刺さっている矢を退かせた。

 

「!はぁ…はぁ…はぁ…」

 

それにより、声もちゃんと出ていて、尚且つ身体が動く事が出来るようになった翼。

だが、

 

「⁉︎ゲホッ!ゴホッ⁉︎」

 

「翼さぁぁぁぁん!」

 

『絶唱』を最後の最後で妨害されてはいたものの、それでもやはりほぼ全て歌っていた為か、口や鼻から大量の血を吐き出した。

 

そしてそれと同時に、現場に弦十郎が現れ、憑友達は急いでリディアンの近くに設立してある病院へと急いで搬送した…

 

そしてその場所に1つの石板があったという事をこの時の彼等は知らなかった…




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回は、前回ロックが使用していたもう1人の双剣士・ユリウスについて紹介しよう」

ユリウス/カード名【クラウンエージェント ユリウス】
属性/無・人間・斬・剣

双剣を逆手に持って戦うスタイルの持ち主。
実はルドガーの義理の兄さんで、大のトマト好き。
特にルドガーのトマト料理には目がない…

憑友「内容はコミカルだけど、けど剣の腕は確かで、その腕前はルドガーよりも勝る程…!」

次回

帰省

憑友「次回は俺…実家に帰る⁈
意味が分からないままだが、兎に角次回も見てくれよな!
あと、感想よろしく!」


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第21話 帰省

遅くなって済まぬ。
今回は憑友、家に帰るの段!

憑友「忍○まのサブタイトル風に喋るな‼︎」

いつの間に⁉︎

憑友「泥棒入られても知らねぇぞ?
と言う事で、スタートだ。
あ、因みにキャラ設定の方も見てくれよな!」


あの後、病院に搬送された翼は医師達の手術を受ける事になった。

その時、弦十郎が頭を下げていた。

 

その後、弦十郎は近くにいた黒服の男達に憑友達が戦った2人の存在と《ネフシュタンの鎧》の捜索を言い渡し、弦十郎はまた地下深くの二課の方へと戻っていった。

 

現在、待合室には憑友と霊風の《精魂導師》の2人とこの中で唯一の《シンフォギア》の装者である響、そして翼のマネージャーである緒川の4人だけだった。

ライドやスピリットはメカ故に、翼の手術のサポートを任されたので、現在は端末内にはおらず、手術室の電子機器内に入り込み、手術の手伝いをしている。

 

すると弦十郎と入れ違いなのか、奏が憑友達の前に現れた。

 

「翼は⁉︎」

 

「…すみません。俺がいながら…!」

 

「落ち着け。一応、命の危険性は低いと医師は言っていた。

だが、それでも崖っ淵に立たされているのは確かだ…」

 

「…そっか…」

 

翼の安否を気にしていた奏だが、憑友は自分の不甲斐なさに申し訳が無いと思っていた。

対して霊風は今の翼の容態を言うと、奏は逆に安心しきっていた。

 

すると、そんな憑友達の方から足音が聞こえた。

その独特の足音に何処かで聞いた様な気がしてきた憑友と響。

そしてそれは現実と化す。

 

「♪〜♪〜…?…あら!憑友〜!」

 

「!か、母さん⁈」

「憑友君のお母さん⁈」

 

「「はぁぁ⁉︎」」

 

なんと憑友の母・ジャンヌがやって来たのだ!

久しぶりの我が子を見てその場で抱きつくジャンヌ。

 

「久しぶり〜♪元気にしてた〜?」

 

「ちょっ⁉︎く、苦しい…(色んな意味で死にそう…あ、いや俺もう半分くらい死んでるんだった…)」

 

そのあまりにもデカイ胸に押し付けられて、窒息死になりそうな憑友だったが、自分は半分死んでいたと思い返していた。

 

そんな2人の関係を見て、霊風と奏は目をパチクリしながら呆然としていて、

響と緒川の2人は苦笑いをしていた。

 

すると、ジャンヌは「はっ⁉︎忘れてた!」と言うなり、手術室の方へと赴いていた!

それを見た奏と霊風は止めようとするも、

 

「大丈夫♪こう見えて、お医者さんなのよ♪」

 

と言うなり、手術室の方へと入っていった。

それを見た憑友は、

 

「あ、これ確実に生き返るな…」

 

と100%自信を持っていた。

そしてジャンヌが入室して僅か5分以内に、手術中のランプが消え、

現れたのは担当の医師とジャンヌが現れた。

 

「本日はお忙しい中、態々来てくれてありがとうございました」

 

「いいえ〜♪寧ろ、大事な息子の友達なら、尚の事救いたいと思っていたので♪」

 

そう言うと2人は握手し、そして担当の医師は再び手術室の方へと入っていった。

それを見た憑友達はジャンヌの方へ駆けだし、そしてジャンヌの口から、

 

「私にかかれば、こんなのは朝飯前よ♪」

 

その言葉を聞いた憑友と響はホッと一安心していた。

 

するとジャンヌは再び憑友に抱きついた!

 

「がはっ⁉︎く、苦しい…⁉︎」

 

「えへへ〜♪久しぶりの我が子との再会なんだから〜♪

少しは我慢しなさいよね〜♪」

 

「な、尚の事キツい〜⁉︎」

 

それを見ていた奏と霊風はまた呆然としていた。

 

するとジャンヌは憑友を抱きついたまま、今度は響の方に視線を向けた。

 

「響ちゃんも久しぶりだね♪」

 

「は、はひぃ!ご、ごぶしゃたしていましゅ⁉︎」

 

響はちょっといやそれどころか、カミまくりだった。

そんな響を見た2人はこれまた呆然としていた。

そんな2人を見て緒川は相変わらず苦笑し続けていた。

 

「えっと…貴方達が天羽奏ちゃんと、精妖霊風君ね?

私はジャンヌ。憑友の母親で〜す♪」

 

「「・・・・・・はい⁉︎」」

 

まさかのカミングアウトに2人は息ぴったりに驚いていた。

見た目は如何あっても20歳のこの女性が憑友の母親だと言う事に違和感ありありだったのだから。

すると、ジャンヌの視界の下から手が出てきたので、その先を見ると…

 

「く…苦しい…ギブ…!」

 

「あ」

 

憑友がジャンヌの胸に押さえつけられたままだったと言う事を今更ながら思い出した。

それに伴い、開放するなり、憑友はぜはぁぜはぁと息を荒くしていた。

 

「ごめんね〜♪」

 

「だったら、そんな事するなよ⁉︎アラフォーのくs(ゴツンッ!)あ痛っ⁉︎」

 

憑友が反論すると問答無用にジャンヌから鉄拳制裁をくらった。

それを見た皆は『(禁句だな…絶対に…)』と全員の心が一致していた。

 

「うわぁ〜ん!憑友が見ない内に反抗期迎えてる〜!

お母さん寂しいよ〜!うぇ〜んうぇ〜ん!」(つД`)ノ

 

「息子に対して拳骨しておいて嘘泣きするなよ…」

 

「…(ちっ)

 

「今、『ちっ』って舌打ちしてたよな⁉︎」

 

その場は一瞬で混沌と化した。

これには流石の4人も呆然としていた。

すると、ジャンヌは話を変えてきた。

 

「あ、そうだ!憑友!リディアンに通ってるのよね!」

 

「あ?…うん。まぁ通ってるのは確かだけど…」

 

「未来ちゃんともう会った?」

 

「いや、会ったと言うよりも、俺、今は響と未来の寮部屋でルームシェアしてるんだけど?と言うより、なんでそんな事母さんが知ってる訳⁈」

 

「あら♪そうなの!良いわね〜♪両手に花なんて♪そう言う三角関係も有りよね〜♪」ジー…

 

「はあ⁉︎と言うよりも話を逸らすな!」

 

「⁉︎/////」

 

ジャンヌの爆弾発言に、

憑友は病院なのに思わず叫んでしまい、

響は顔を俯き耳まで顔を真っ赤にしていた。

憑友は余程鈍感と見た。

そんな響を見た奏と霊風はなんとなくその気持ちを察していた。

そう言うと憑友はさっさと話を変えてきた。話を自ら逸らすなと言っておきながら。

 

「…それで、本題は何?こんな事の為に来たんじゃないだろ?」

 

「あら?バレちゃった?」

 

「翼さんの事は恐らくもののついでだろ?」

 

「翼ちゃん…さっき手術を受けた女の子ね。

あの子の場合は、ただ単に救ってやりたいと思っただけよ?」

 

「へ?…あ、そう…」

 

「私はお医者よ?それも格が違う名医師なのよ?

人の命、ましてやまだ若い青春真っ盛りな女の子を見す見す見殺すような女に育った憶えは更々ございませ〜ん♪

さて、話が逸れちゃったから、本題の方はざっくりといきま〜す!

憑友!今度の週末…

 

響ちゃんと未来ちゃんを連れて…

 

家に帰省しなさい!」

 

「・・・・・・・・・・・・・はい⁉︎」

 

またしてもジャンヌの爆弾発言に憑友はまた大声で叫んでしまい、その際に医師達に怒鳴られてしまった。

 

「因みに拒否権は無いので、よろしく〜♪」

 

「…一言言わせろ…

 

 

 

 

不幸だぁぁぁぁ⁉︎」

 

 

ーーー数日後(と言う事で)

 

ーーーーーーSIDEto憑友

 

はぁ〜。なんでこうなるんだよ…全く。

あれから俺は翼さんのお見舞いに行った。

今の所は大丈夫そうで、後は奏さんや霊風さんに任せて来たのだが、

 

「へぇ〜、その時にジャンヌさんに会ったんだ?」

 

「そ、そうなの!その時に言われたんだ〜」

 

「呑気に話している場合か、お前らは…?」

 

今、俺は未来と響と一緒にモノレールに乗っては、俺の実家がある「自然都会」の方へと向かっていた。

その時、俺はふいに窓の外を見た。

そこには「自然都会」に向かって飛んでいく小さな虫達の群れが見えていて、その都会から大量の鳥が一斉に飛び交っていた。

 

「?なんだあれ?」

 

「如何かしたの?」

 

「…いや、何でもないや」

 

取り敢えずそう言うと俺達はモノレールを下車し、目的地である「自然都会駅」に到着した。

 

此処は他の区域とは違い、

 

①車などの自動車やエンジン搭載車は運転による敷地内への侵入禁止。

(但し、自転車や徒歩、電動工具や家庭用品はその限りでは無い)

 

②野生の動物達もいる為、狩猟や捕獲・密輸の禁止。

 

この2つを守って生活さえしてくれれば、後は何も文句は言われない場所である。

因みにこの駅はギリギリ敷地外なので、その効果範囲外である。

 

そう言うと俺達は徒歩で自宅の方へと歩いて行った。

だが、異様な光景を見た。

 

それは…虫の数だった。

 

「自然都会」でも、これ程の数の虫を見た事が無かった。

しかも、よく見てみれば、見た事無い虫がいっぱいいた。

 

「凄〜…(パチッ!)痛っ⁉︎」

 

「大丈夫⁈」

 

とか言っていたら、響が早速その虫に触れると、虫に触れた方の手に痛みが来たのか、響はびっくりしながらそう言い、未来はそんな響の手を心配しながら、絆創膏を貼っていた。

 

だけど、今のは静電気か?いや、でも彼処まで怪我はしない筈なんだが……んじゃ何なんだ?

 

そんな事を考えつつ、歩いていたら、あっと言う間に自宅が目と鼻の先に見えた。

それを見た響はまっすぐ走りだしたので、未来と俺も急いで後を追った。

その時だった…

 

「グルルルルルル…」

 

「「「⁉︎」」」

 

 

まるで何かに飢えているかのような鋭い視線に俺達はすぐに身を寄せて、固める。

そしてそいつは現れた。

 

碧の色合いをし、所々に白い毛が生えたまるで竜の鱗を纏った狼に。

 

その姿に、俺は響と未来を背中の方にやり、拳を構えた。すると、

 

「わぁ〜い♪」

 

「へ?」

 

なんとその狼の上に黒髪ストレートの小さな女の子がその狼の上で眺めていやがるときた!

危ない!と、そう言おうとしたら、カードケースが勝手に開いて、そこからなんと俺の剣術の師匠・キリトが現れた。

それに気付いた響と未来も驚いていた。

如何やら今は誰でも見えるようだ。

そしてキリト師匠はその子を凝視して、そして一言…

 

「ユイ⁉︎」

 

「あ!パパ!」

 

・・・・・・・・・え?

 

「え?」

「へ?」

 

 

「「「えぇぇぇぇぇ⁉︎」」」

 

またしても爆弾発言を投下された俺達であった。

すると、その声を聞いたのか、自宅の方から誰かがこっちに来た。

 

「あ、憑友!それに響ちゃんに未来ちゃん!」

 

「あ、義姉さん」

 

「「憑友君のお姉さん‼︎」」

 

何事かを聞こうとしたら、近くにいる狼を見て納得していた…いや、俺達にも説明してくれ…。

 

すると義姉さんはこう告げた。

 

「この狼はオウガって言うの。種族名はジンオウガって言うんだって。憑友がリディアンに通い始めた頃に解析した『英雄石板』から出て来た謂わば歴とした歴戦の猛者よ?」

 

「いや、明らかにモンスターだろ⁈」

 

「そうだけど?」

 

「いや、そこは否定しろ⁉︎」

 

それでも次の話をするセレナ義姉さん。

人の話をスルーするな!

 

「んで、オウガの上にいる黒髪の女の子は『ユイ』って言う名前で、実はとある『英雄』の娘さんらしくて、誰なのかさっぱり分からなかったんだけど…如何やらその心配は無くなったみたいね」

 

「え?…あ」

 

そうしてさっきの女の子…ユイだったな。

その子の事でセレナ義姉さんはここ最近心配していたそうだったが、視線の先には、キリト師匠とその女の子・ユイちゃんがまるで親子のように幸せムードを醸し出していた。

 

「まさかキリト君の娘さんだなんてね♪…あれ?

確かキリト君って、16.7歳くらいじゃなかったっけ?」

 

…確かに。確か『英雄石板』に記されている『英雄』達はその時の自分達の全盛期(・・・)の頃の姿で現れるって、言っていたな。

だとなると…あれ?色々と計算が合わなくなってきたぞ。

 

「えっと…如何いう事?」

 

「ああ。英雄達は皆、全盛期の頃の姿で俺達の世界に記されていて…ん〜駄目だ。やっぱりややこしくなるから、響に教えても無意味になるな」

 

「私そこまで馬鹿じゃないよ⁉︎」

 

「字が下手な奴の何処が馬鹿じゃないだ⁉︎いつもレポート三昧のくせに!」

 

「人の心を抉るような言い方しないでよ〜⁉︎」

 

「取り敢えず、2人共落ち着け」

 

そう言うとセレナ義姉さんは俺と響にW脳天チョップを食らわせた。

 

痛い…かなり痛い。

「痛いです〜セレナさん〜」

 

「まぁ、それは良いとして、早く中に入りなさい。

ごめんね、オウガ。この子は私の義弟なの。

そしてこの子達はその義弟の幼馴染なの。

貴方のテリトリーにおそらく入っちゃったのかもしれないけど、それでも許して貰えないかしら…」

 

「グルルゥゥ……」

 

そう言うとオウガと呼ばれた狼はすぐにお座りの姿勢になった。

するとオウガの頭の上にいたユイちゃんがオウガの背中を滑り台のように滑走していった。

…てか、その背中、よく滑るね…見た目ゴワゴワしてるのに。

 

そう言うとオウガは何か鳴き声を鳴いた。

 

「クオォォォォォ〜」

 

その鳴き声に誘われてやって来たのは、先程響が痛い目にあったあの虫だった。

すると虫達はその狼の周りに集まって、その身体にひっつく。

そして、

 

「グォォォォォ‼︎」

 

その雄叫びと共に、身体のあちこちに生えていた毛が逆立った!

 

それを見た俺達は驚愕していた。

 

虫を纏いながら、その身体の体毛がまるで怒りに満ち溢れていた。

するとオウガは、セレナの方に近付いて、セレナの顔を舐めた!

 

「ちょっと!くすぐったいってば〜♪」

 

「」ペコリ

 

そう言うと狼はすぐにその場を去っていた。

 

「…は!な、何今の⁈義姉さん、あの狼を手懐かせたの⁈」

 

「ううん。全然♪強いて言うなら、あの子の気持ちを弁えた上で話し合いしたからそうなってるのかもしれないな〜

さ、家に入りましょ♪ユイちゃんもお腹すいたもんね〜?」

 

「はい♪」

 

「「可愛い〜♡」」

 

ユイちゃんの言った一言で響と未来はもうメロメロ状態になっていた。

各言う俺もそうであるのだが…

だが、それ以上に、

 

「師匠〜?」

 

「ギクッ⁉︎」

 

「色々と話して下さいね♪」

 

「あ、ああ…」

 

如何いう事なのかはっきりと説明するまで、返さないからな!




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回はノイズ退治の際に活躍したマサムネについて紹介しよう」

マサムネ(本名 伊達政宗)/カード名【奥州筆頭 伊達政宗】
属性/雷・人間・斬・刀

英語混じりの日本語を話す戦国武将。
その実力とその隻眼から《独眼竜》とも呼ばれている。

憑友「腰に携えし6本の刀で相手を斬る《六爪流》の使い手で、その攻撃はまさに龍の鉤爪の様に相手を切り裂く…!」

次回


新たな仲間

憑友「次回は新たな力が俺の手に…!
また見てくれよな!」


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第22話 新たな仲間

またまた新キャラ登場!
ユイちゃん可愛い過ぎ〜〜〜♡♡♡♡

憑友「こりゃ、作者もメロメロ状態になったか。
兎に角、スタートだ!」


前回の話

かつて、二課が研究していた完全聖遺物《ネフシュタンの鎧》を纏った少女と、《水魂導師》の名を持つ青年が憑友達の前に現れ、憑友はその青年ことロックを相手に互角に渡り合っていた。

だが、その時に翼が絶唱を放とうとする。

だが、対峙していた相手…ロックの"影縫い・発声殺し"により絶唱を歌い損ね、そしてロックと鎧の少女はすぐに撤退した。

その際にかなりの負荷(バックファイア)が翼を襲い、病院に搬送された。

その病院で、憑友は母・ジャンヌと久しぶりの再会をしていた。

そしてその母親の命令で、響と未来を連れて憑友は実家の方へと久しぶりに帰宅すると、そこに居たのは碧色の鱗を纏った狼と、黒髪で白いワンピースを着ていた女の子がいた。

そして一悶着あったものの、現在は自宅の方へと足を踏み入れ込んでいた。

 

ーーー

 

「…で、あれは一体何だよ⁉︎親父!」

 

「いや〜『英雄石板』だから人しかいないと思ったら、案の定あんな事になるなんてね〜」

 

「あんたの今の説得力皆無だからな⁉︎」

 

今現在、憑友は父・玄也に理由を問うていた。

何故なら、家の前であんなにもデカい狼がいる時点で、もしやと思って、聞いてみたら、まさかの「『英雄石板』の解析から出た結果」によるものだと判明したので、説明を求めていた。

その間、隣で座っていた響と未来は、のんびりジュースを飲んでいたりする。話がついていけないからである。

そして未来の膝の上では先程の黒髪の女の子・ユイが座り込んで、ミルクを飲んでいた。

 

玄也の答えに何も意味が無い事を知ると、憑友はかえって手で頭を抑えていた。

 

「まぁ、でもね?

あのユイちゃんや、ジンオウガも『英雄』と呼ばれる由縁が少しだけ分かったのは事実かな」

 

「え?如何言う事?」

 

玄也が言った言葉に首を傾げる未来と響とユイ。ユイは特にその首を傾げる仕草でその2人が心癒されたのは事実だが…。

そんな中でも憑友はもう訳が分からなかった。

すると玄也はその話を始めた。

 

「まず、ユイちゃんの方から。

ユイちゃんは寂しいとか悲しい、怒り等の謂わば『負の感情』には敏感なのか、その人の所へ行くなり、その人の精神面を回復させる力があるみたいなんだ。キリト君は知っているみたいだから、彼から直接話を聞かせてくれないか?」

 

そう言うと憑友は今回の帰省の際にリディアンの寮で完成させた『現界ブースター』を取り出して、キリトのカードを差し込んだ。

 

すると光の粒子が形成し、黒の服装の姿をしたキリトが現れた。

 

すると、先程まで未来の膝上で座っていたユイがキリトに抱きついた。

それを見た響と未来はユイの仕草にまたメロメロ状態になっていた。

それを見た憑友は苦笑を浮かべていた。

 

「さて、ユイちゃんの事だけど…包み隠さず話して欲しいとは言わないよ。けど、この子は他の子達よりも人の感情を敏感に捉えている。

それだけが知りたいんだ。

教えてくれるかい?」

 

「…良いか?ユイ。お前の事を言っても…」

 

「はい。この人達は大丈夫です」

 

「…分かった」

 

そう言うと、キリトは近くのソファに座り、ユイはそのキリトの隣に座りキリトの膝に頭を置いた。俗に言う膝枕をし、キリトは話をした。

 

「ユイは…人工知能《AI》なんだ」

 

「え?」

「人工…」「知能…」

 

キリトのカミングアウトに憑友と響、未来は驚いていた。

その後も話をし続けたキリト。話を纏めるとこうなった。

 

先ず、ユイはキリトの娘だが、人工知能《AI》と言う存在な事。

そして、ユイはそのなかでも特に人の感情能力を察知し、そしてそれをケア…つまり対処する為にいる存在《メンタルヘルスケア》のプログラムを持っている電子体だと言う事に。

 

だが、キリトが英雄になる切欠を生んだ事件で、ユイはその時に大量のエラーを蓄積し、遂には自分の名前以外の事を全て忘れてしまった悲しい女の子となった。

その時にキリトは出会ったそうだ。

以来、キリトと共に行動していたユイはすくすくと成長した。

見た目は変わってなくても、キリトはユイは大事な娘だと言いきるまでにユイの事を娘のように今でも可愛がっていると言う事に。

 

「…そっか。ありがとう、キリト君。そこまで話してくれて」

 

「いや。此処まで話さないと、ユイの事を話すには必要だったからな。それはそうと、ユイはこの後如何なるんだ?」

 

キリトは心配になっていた。もしかしたら、ユイをこの家に預ける事になるかもしれないと。

けど、それは杞憂となった。

 

「だったら、私達で面倒見ようよ!」

 

「未来?」

 

なんと、未来が名乗りを上げたのだ。その目を見た玄也は、意を決心したのか、

 

「それじゃあ…お願いしても良いかな?」

 

「はい!」

 

「…ありがとう」

 

玄也は未来にお願いしたのであった。そしてキリトも軽くだが、頭を下げたのであった。

それを見た憑友は頭を抑え込み、響はしどろもどろになっていた。

すると玄也は次の話題へと切り替えた。

 

「それじゃあ、ユイちゃんに関する話は此処までにしようか。

次はあの狼…《雷狼竜》ジンオウガの事について話すとしようかな」

 

そう言われて、憑友達は話を聞いた。

 

「彼に関する事はそのあまりにも凄まじいの一言に限るね。

セレナ曰く、

『自然と共に行動していた』と言っていた。

そしてそれは石板にも詳しく書かれていたんだ。

それがこのジンオウガの石板だよ」

 

そう言うとソファの横に置いてあったジュラルミンケースを机に置き、そしてケースを開き、そしてその石板を憑友に渡した。

それを受け取った憑友は、じっくり見て、解析した。

 

「【無双の狩人と呼ばれし狼の竜の軌跡】?」

 

「それがジンオウガの『英雄石板』だ」

 

そう言われて、憑友は文章を読んだ。

 

「『その者は人に非ず。己を狼に化けし竜なり。

 

身体に虫を纏わせ、共に過ごさん。

 

数多の力で幾万の狩人と呼ばれし者達を薙ぎ倒して来た。

 

故にその者、【無双の狩人】と呼ばれる様にならん。

 

その身に宿りし雷で、多数の敵を世に葬って来た。

 

その意味も兼ねて、その者に雷纏いし狼の竜…《雷狼竜》と呼ばれる様になった。

 

今宵も彼は、己の領土にて、浸入せし者達を薙ぎ倒さん。

 

全ては自分のかつての領土を奪った嵐の力宿りし龍に復讐する為に…』

…これが…ジンオウガの…」

 

「ジンオウガは元々、『英雄』としては相応しくない存在だった。

けど、それを上回る程の実力を誇っていたのは事実」

「もしかしたら、この石板に刻まれた時代に、ノイズ達が現れて、それらが自分の領土(テリトリー)に入って来て許さなくなって、ノイズ達を相手に戦っていたのかもしれない」

「其れを見た人々から『英雄』として認められたのかもしれないね」

 

ジンオウガの話を聞いた3人は其々の感情を抱いていた。

響は先程の狼がそれ程までに強かったと言う事に。

未来は逆に恐怖よりも、頼れる存在と言う事に。

そして憑友は、その実力に感化されていた。

すると、ドアがガチャリと開く。

そして1人の青年が歩いてきた。

 

「ただいま戻って参りました…?お客様ですか?」

 

「おかえりジン君。あ、そうだ。まだ話してなかったね。

この子は僕の息子の憑友だ」

 

そう言うとジンと呼ばれた青年は憑友の所に来て、手を差し伸べてきた。

 

「海道ジンです。今は僕の大切な親友を探す為に貴方のお父様の所に居候しています」

 

「改めて、憑友です。んで、こっちの2人の女の子は、幼馴染の…」

 

「響です」「未来です」

 

そう言うと憑友はジンと握手を交わし、そして響と未来を紹介した。そしてキリトの事も紹介した。

 

「そして、こちらの黒服の人はキリト。俺の剣術の師匠なんだ」

 

「宜しくな」

 

そう言うとキリトはジンに手を差し伸べて来たので、ジンも握手を交わす。と、ジンの口から予想だにしない言葉を聞いた。

 

「初めまして。貴方が【黒の剣士】ですね?」

 

「⁉︎」

 

『?』

 

その異名を聞いたキリトは目を見開き、

憑友達は首を傾げた。

 

「なんで、俺の二つ名を…」

 

「僕もこう見えて二つ名持ちなので。

 

【秒殺の皇帝】はご存知ですか?」

 

「【秒殺の皇帝】…‼︎まさか、お前も…!」

 

「ええ。貴方と同じ…『英雄』です」

 

『⁉︎』

 

その一言で、周りの空気は一変した。

何せ、今目の前にいるこの青年が、キリトと同じ『英雄』なのだから。

 

そう言っていると、玄也が説明をした。

 

「この子は『英雄石板』の内の一つ

【皇帝の名を持つ青年の軌跡】から生み出された存在なんだ。

彼自身の戦闘力はそこまで大した程じゃないんだけど、

《LBX》と呼ばれる掌サイズのロボットを使用する事で戦うプレイヤーらしい」

 

すると今度はジンが話を始めた。

 

「LBXとは、僕がいた別次元の地球でブームとなっている一種のホビーゲームの一つだ。

プラモデルとして飾っているコレクターもいれば、僕みたいに実際に楽しむプレイヤーもいる。

更には、そのLBXを飛躍的に育成させる学校も設立されているんだ」

 

「凄っ…‼︎」

 

「だけど、それは当時に起こったある出来事で、一時は使用禁止にまで追い込んだんだ。

僕の今の姿はその当時の時の姿だ…おそらく中学1.2年の時だけど」

 

『まさかの中学生⁉︎』

 

そう言うと、ジンは再び話し始めた。

 

「当時の僕は『英雄』と呼ばれる程の存在じゃなかった。

何せ、『英雄』達に仇なす敵側の方に着いていたから。

 

けど、そんな僕に手を差し伸べてくれた人がいるんだ。

真っ直ぐな目をした存在で、僕にとってはかけがえのない親友になった。

先程言った居候している理由がその親友なんです」

「それ以来、僕は彼と共に行動する事が多くなった。

その時から『英雄』に選ばれたのかもしれない。

それから幾多の苦難をその親友と、仲間達と共に立ち向かったんだ」

「これが僕が『英雄』になったお話であり、此処にいる経緯でもある」

 

「そっか…!ならさ!俺の所に来いよ!

もしかしたら、見つかるかもしれないぜ!あんたの親友!」

 

「え?」

 

憑友の言った台詞に目を見開くジン。

玄也が何かを呟こうとしたら、セレナの声がした。

如何やら響と未来と一緒に料理を手伝って欲しいという内容だった。

なので、響と未来はセレナのいるキッチンへと向かった。

その時にユイも手伝うと言って、3人でキッチンへと向かった。

 

そして今、この居間にいるのは玄也と憑友、そしてキリトとジンの4人だけになった。

すると玄也は先程呟こうとしていた事を言いだした。

 

「憑友はこう見えて、『英雄』達の力を扱える者、

《精魂導師》の力を持っている戦士なんだ。

だから、もしかしたら、君の親友の石板も見つかるかもしれないよ?」

 

それを聞いたジンはその方が確実に会えると言う結論に至り、

 

「…こんな僕だけど、宜しく頼む」

 

「ああ、こちらこそ!」

 

そう言うと再び握手をしてこの話は終えた。




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回はノイズ達を一掃する時に使用した『英雄』・イチカについて紹介しよう」

イチカ(本名 織斑一夏)/カード名【白き鎧纏いし者 一夏】
属性/無・人間&機械・斬・刀

『IS』と呼ばれるスーツを纏って戦う戦士。
背中に付いてるスラスターを用いる事で空中戦も得意とする。
恋愛に関しては非常に鈍感。

憑友「彼の技から放たれる必殺技"零落白夜"は自身の稼働時間を減らす代わりに強力な一撃を放つ。それはまさに諸刃の剣の如く…!」

次回

修行開始

憑友「次回からまた原作通りになる予定。
見てくれよな!」


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第23話 修行開始

危うくサブタイ詐欺になりかけたので、いっその事、サブタイトルを変えた事を許してほしい。

では、どうぞ。


ジンとの話を終えると、玄也は憑友に話しかけてきた。

 

「さて、『英雄石板』の話はこれで全部だよ。

さて…本題に入るとしようか、憑友」

 

「…はい」

 

如何やら今回の話には本題があったようだ。

すると玄也は話を始めてきた。

 

「つい最近の出来事で、響ちゃんに変化を感じなかったかい?」

 

内容はまさかの響だった。

しかし、憑友は逆に冷静になっていた。いや、寧ろ何かに危惧していたような表情を浮かべていた。

 

実は此処に来る前に、憑友は父・玄也に密かに電話をしていたのだ。

その時は一息ついた時に話そうと思ったのだが、母・ジャンヌの思いもよらないサプライズ登場と同時にその母親からの強制執行が相まって、あまり落ち着いていられなかった。

すると憑友は玄也に語り始めた。今の響の現状に…

 

「響は、基本的には皆と一緒にいる時は、いつものあの響のままなんだけど…

俺と同じ…感情の起伏(・・・・・)が激しくなってきたと感じてます」

 

感情の起伏

それは、憑友のように、『特定』の人や物に対して感情的になりやすい現象の事である。

憑友の場合は、『立花響』と言う存在と、『小日向未来』と言う存在の2つの引き金(トリガー)があり、片方の引き金を引けば強制的に感情の起伏が激しくなる。

憑友はこの事を『感情機動(Emotion Drive)システム(通称EDシステム)』と言っている。

 

そのEDシステムは、一度トリガーを引けば、後は感情の赴くままに動き出す。代わりに、自身の生命を著しくだが、低下させる機能を持っている。

 

憑友自体は一度死んでるから大丈夫だろ?

 

そう思った貴方はそう感じてはいけない。

 

憑友にとっては大事な生命線でもある〔生命の灯火〕の事を忘れてはいないだろうか?

 

〔生命の灯火〕は謂わば、ありとあらゆる非科学的事象を集めた産物。

尤も適切に言うなら、〔生命の灯火〕は擬似心臓に変わりは無いという事である。

 

即ち、何が言いたいのかと言うと…

 

そのEDシステムを使用する事=〔生命の灯火〕の縮小

つまり、憑友自身がこの世に長く留まる時間がそれだけ短くなると言う事である。

 

なので、憑友は極力この力を使わないようにしてきたが、やはり響や未来とは親しみがあった訳で、2人の事になると発動しやすくなっていたのだ。

 

 

さて、話が大まかに逸れたので、戻すとしよう。

 

憑友はついこの間のノイズ騒動の時の響の感情があまりにも怒りに身を任せていた事を玄也に話した。

 

「…響ちゃんは確か、あのライブ会場にて、数少ない生存者の1人として今まで過ごしてきた。

だけど、会場の関係者遺族や、クラスメイト達から罵声が相次いでいたようだ。

そのせいで、響ちゃんの父親は現実逃避して、失踪してしまった。

そんな響ちゃんなんだけど、傷口に塩を塗るかのように、憑友…君がこの世から亡くなったと言う事により、当時は本当に心苦しかったよ」

「勿論、僕やジャンヌ、セレナもそして今日一緒に来てくれた未来ちゃんもあまりの出来事にその日から時間が止まってしまったかのように感じていた。

けどね、響ちゃんはそれを遥かに上回る程の負の感情を背負ってしまった」

「その日から響ちゃんは学校にも行きたく無いと言っていた。

食欲も湧かなくて、何よりも1人でいる時間が多くなったと当時の響ちゃんのお母さんが言っていたんだ。

下手をすれば、響ちゃんも憑友の後を追おうとしていたくらいに。

それからはと言うもの、僕達も微力ながら遠くからその手伝いをして、響ちゃんはなんとか立ち上がって、今の生活に戻れたんだけど、

けど、それ以来今日まで響ちゃんは僕達の家に来る事から遠ざけてきていたんだ」

 

「…」

 

玄也の話を聞いた憑友はそれを聞いて哀しんだ。

自分が大切だと思っていた少女がまさか自分の死で、そこまで暗くなってしまった事に。

 

「もしかしたら、響ちゃんも『未来ちゃん』や『憑友』と言う2つのトリガーがあるから、そうなっているのかもしれない。

それに、響ちゃんの場合は、心臓部近くに天羽奏さんの聖遺物《ガングニール》の欠片が埋め込まれているんだろ?

もしかしたら、その影響なのかもしれない…」

 

「え?」

 

玄也の言った台詞に憑友は声を上げた。

それを聞いていたジンとキリトも玄也の話を聞く耳を立てた。

 

「本来、《聖遺物》は赤いペンダントを介して、適合者に装着される。

それは、様々なセーフティが必要だから。

けど、響ちゃんはそのペンダントが無く、代わりに自身の心臓部に埋め込まれている…この意味は分かるかい?」

 

それを聞いた憑友はある1つの過程に辿り着く。

 

「…響にはそのセーフティが掛かっていない?」

 

「その通り。

それはつまり、聖遺物と《融合》していると言っても過言では無い」

 

『⁉︎』

 

その一言で、3人は目を見開く。

 

「響ちゃんのケースは、

メリットとしては、"適合係数が高くなる事"、"素手でもノイズを倒せる事"、後は"不老長寿"と言う事。

でも、それに伴う対価もある。

それは…"人では無く、物として捉えられてしまう事"、

"暴走を引き起こす事がある事"、そして…

 

"不老長寿故に、致命傷以外での死は無いと言うある意味、ゾンビのような存在になってしまう事"」

 

『⁉︎』

 

玄也の話を聞いた3人は、今の響の置かれた立場に胸を痛み付けられた。

 

「まぁ、今はそんな事は無いに等しいから大丈夫だと思う。

けど、これがいつ起こっても不思議では無い状況なのは変わりは無い。

くれぐれも最新の注意を払ってくれ」

 

「…了解」

 

そう言うと話は終わった。

 

すると、窓がカタカタと揺れた。

それを聞いた玄也は何かを察した。

 

「?お、珍しいのがやって来たか。

憑友、こっちに来なさい」

 

「?」

 

そう言うと憑友達は窓の向こうを見て、憑友は驚いた。

其処には、赤い鱗を纏った翼竜らしき者と、それと同じ姿をした翠の鱗を纏った翼竜が庭先に来ていた!

 

「⁉︎わ、ワイバーン⁈」

 

「紹介しよう。

ジンオウガと同じ世界の存在で、屈指の実力を誇る猛者…

《空の王者》リオレウスと《陸の女王》リオレイアだ」

 

それを見た憑友は驚愕した。

あまりに迫力があったから。

すると、リオレウスと呼ばれた赤き翼竜が此方を見つけ、そして顔を近づかせる。

すると玄也はその顔を撫でたのだ!

 

「⁉︎」

 

「ははは!そんなに怯えるな。

如何したんだ?レウス?奥さんと共に此処まで降りてくるなんて?」

 

「グォォォ…」

 

「…そうか。態々ご足労掛けたね。ありがとう」

 

そう言うと、レウスと呼ばれた赤き翼竜は、レイアと呼ばれた翠の翼竜と共に飛び立ち、共に「自然都会」の奥地へと消えた。

 

(如何やら、)(ただ単に、)(憑友達の事を見に来ただけじゃ無いようだ)…」

 

「?なんか言ったか、親父?」

 

「…ううん。なんでも無いさ。

さ、ご飯でもするとしようか!

ジン君との和睦も兼ねてね!」

 

「何故そこで政治的発言をしたんだよ…?」

 

そう言いながら、4人はセレナ達のいる部屋へと移動した。

 

その後、響達の方からもばっちりと先程の2体を見て、驚いていた。

最も、ユイちゃんとセレナの2人は見慣れていたようだったのは、言うまでも無い。

 

そして、夕飯時はとても大いに楽しめた。

響は久しぶり感が出て緊張しまくっていたが、未来は如何やらそうでも無かった様だ。

何故?と、憑友はセレナに聞いたら、自分と入れ違いの形で、ちょくちょく顔を出してきていた様だ。

ただ、此処まで入れ違いするとは予想だにもしなかった憑友がいたのは言うまでも無い。

何せ、2年もずっと入れ違いを受けていたのだから。

 

 

その後、響と未来は憑友の家に一泊し、そして憑友の家から寮部屋へと帰って来た。

その間はユイは現界し続けていたので、響と未来と一緒に親子繋ぎのようにして、道を歩いていた。

憑友はそんな3人の隣で溜め息を吐きつつも、微笑ましく見ていた。

 

そして帰って来た頃にはユイちゃんはぐっすりと眠っていて、憑友におんぶされていた。

 

「まるで、親子みたいだね」

 

「いや、寧ろ響と未来(お前ら)の方がよっぽど親子みたいで、俺は蚊帳の外だったぞ…」

 

「え〜?そうだったかな〜?未来〜」

 

「うふふ。意外とそうだったりしてね」

 

そうしていると、ユイの身体が光り、そしてすっと消えた。

背中に感じていた重みが無くなった憑友は慌てて振り返るとカードがゆらゆらと揺れながら地面につこうとしたので、慌てて手を取った。

 

「えぇ〜と…【黒と白の娘 ユイ】か。

?この『黒』って言うのは、キリト師匠(せんせー)で間違い無いとして、この『白』って言うのは、誰なんだ?」

 

そう思いつつも、結局誰も分からず、憑友はユイのカードをケースの中に閉まった。

え?キリトに聞かなかったのかって?教えてもくれなかったそうです。

 

その日の深夜、

 

響はこんな夜中に何故か目が覚めた。

如何やら中々寝付け無いようだ。

すると、下の方から音がしたので、下を見ると、

 

「…あ、起こしちまったか」

 

「何、してるの?」

 

憑友が色々と作業をしていた。

すると、憑友は響に耳を貸せと示唆し、響は耳を傾け、憑友は話をした。

 

「実は、緒川さんから響にビデオレターがあるんだよ」

 

「ビデオレター?」

 

すると響はゆっくりと未来から離れて、二段ベッドから降り、

2人はそっと玄関を開けて、そそくさと屋上手前の階段の所までやって来た。

憑友は周りに誰も居ない事を確認すると、響にイヤホンを装着する様に促し、響はその通りに従った。

そして、響は緒川が編集したと思われるビデオレターを見た。

其処には、こんな内容が刻まれていた。

 

 

2年前のライブの時に奏が『絶唱』を発動し、もうすぐ死にそうになった事。

 

その時に、響の幼馴染である当時の憑友が自分の命と引き換えに、奏を救った。

しかし、それを境に奏は歌に対して壮絶な拒絶反応を示す様になり、

奏の要望により、『ツヴァイウイング』は解散となった事。

 

それと同時に戦う術を失い、最早何も出来なくなった奏。

そんな奏の分まで翼は己の身を剣へと変えてきた事。

 

それ以来、翼は時に1人で、ある時は霊風と2人で、ノイズを殲滅して来たと言う事。

 

そして、以前現れた《ネフシュタンの鎧》の奪還と言う、剣としての責務を死ぬ覚悟で果たそうとしていた事を。

 

ありとあらゆる内容がそのビデオレターに詰まっていた。

 

それを聞いた響は涙を流していた。

自分にも守りたいものがあるのに…

 

奏の代わりになるなんて言ってしまったばかりに…

 

そう溢れてくる涙を憑友はただ、自分の方へと引き寄せ、涙を流させた。

憑友はただそれだけの事をする事しか出来なかった…

 

 

そして、涙を流し終えた響は、憑友と共に、自分達の部屋へと帰宅し、就寝した。

 

ーーーーー

そして数日後。

響は学校の屋上に居た。

それからの響は自分が何をしたらいいのか分からずじまいだった。

 

すると、憑友がやって来て、ジュースが入ったペットボトルを渡してきた。

 

響はそれを受け取り、そして蓋を開けて、少し飲んだ。

対して憑友は響の隣に来ては豪快に飲んだ。

 

「はぁ〜。…まだ、あの事を考えているんだな」

 

「…うん」

 

響は緒川のビデオレターの内容を聞いて、改めさせる気分になっていた。

すると、

 

「響。憑友」

 

「…未来」

 

大切な存在である未来がやって来た。

 

「最近、憑友と2人きりでいる事が多くなってるよ?」

 

「言っておくけど、恋愛感情なんて抱いてないからな?」

 

「はいはい」

 

憑友が物申すも未来に簡単に丸められて、逆に何も言えなくなってしまった。

 

響はなんとか場の空気を変えて、誤魔化そうとしたけれど、未来の手が自分の手に触れて、誤魔化しきれない事を悟った。

 

「…やっぱり、未来には隠し事出来ないね」

 

「だって響、無理してるんだもん。憑友もそうだよ」

 

「…男は無理と言う程熱くなる時があるのさ。

…って、俺らしくもねえな」

 

「そんな感じ」

 

すると響が2人の会話を挟む様に話を変えてきた。

 

「…うん。でも、ごめんね未来。

こればかりは私だけで考えなくちゃいけないんだ…」

 

「…そっか」

 

「(そうだ。今のお前にはそれが良いのかもしれない。

…俺もいつか必ず話さないといけないな…未来に今の俺の本当の事を…)」

 

すると未来は立ち上がるや、響を陰ながら応援すると言う言葉を投げかけた。それにより、響は先程よりも笑顔を見せたので、憑友は今はこの人生を謳歌する事にして。

すると未来が、

 

「そうだ。こと座流星群見る?動画で撮ったんだ♪」

 

「!見る見る!」「お、俺にも!」

 

すると2人は未来が撮った動画を見てみた。

 

「あ、あれ?」

 

「…おい。何も映って無いじゃんか?」

 

けれど、何も映っていなかった。

 

「うん、光量不足だって…」

 

「「駄目じゃん⁉︎」」

 

「「「…ぷっ。ぷははは!」」」

 

けれども、この何気無い日常を響は壊したく無いと改めさせ、

憑友は自分の残りの人生の為に多く残していきたいと願った。

 

そして響は同時に大切な事を未来から教わったのだった。

 

「(私は…私のままで良いんだ…!)」

 

その瞳に宿りし魂を見た憑友は、それを見て一安心したのであった。

 

 

 

ーーーーー

そして、響は憑友を無理やり連れて、とある場所に来た。

そこに着いた憑友は頭を押さえ込んでいた。

何故なら馴染みのある場所だったから。

 

すると、響は大きな声で、

 

 

 

「頼もぉぉぉ‼︎」

 

「うわぁ⁉︎な、なんだいきなり⁉︎…って、憑友君⁈なんで君まで⁉︎」

 

「取り敢えず(この馬鹿)の話を聞いて下さい。弦十郎師匠」

 

そう、そこはかつて、自分が修行をした場所・弦十郎の家だった。

 

何故、響が知っていたのかというと、憑友に無理やり聞いたからだそうです。

すると響が衝撃の言葉を口にした。

 

 

「私に…戦い方を教えて下さい!」

 

「…この俺が…君に?」

 

なんと弦十郎の特訓を受ける事にしたのだ!

それを聞いた憑友はまた頭を抑えていた。

 

「弦十郎さんなら、きっとすごい武術を知っているんじゃないかなと思って!」

 

「(いや、過大評価し過ぎだって…)」

 

「…俺の修行は厳しいぞ?」

 

すると弦十郎の一言で、受けると申し出た!

 

「それで、憑友は響君のアシストかな?」

 

「『原点回帰』って、知ってますよね?師匠。俺はその為に来たんです」

 

「『原点回帰』か。成る程な。初心を忘れるべからずか。良いだろう。特別にまた教えてやる!」

 

「押忍!」

 

すると響に対してはこんな台詞を言った。

 

「時に、響君…

 

 

 

 

 

 

君は、アクション映画とか嗜むかね?」

 

「…え?」「あ、デジャヴ…」

 

弦十郎の言った一言で、響は呆然とし、憑友はデジャヴを感じていたのであった。

 

ともあれ、今日から響は弦十郎の教えを請い、憑友は『原点回帰』をしつつ、新たな力を取り入れる特訓を開始したのであった…!




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回は魔法使いでもある女性・なのはさんを紹介しよう」

なのは/カード名【エース・オブ・エース なのは】
属性/光・人間・魔・杖

幾多の困難を乗り越え、成長するうら若き女性。
見た目とは裏腹に、すごく家庭的な一面を持つ。

憑友「この人の笑顔は正に凶器そのもの。
その笑顔は時に優しく、時に鋭く狙いを定める…!」

次回
修行/魔術師と騎士達の王

憑友「次回は運命の名を冠する2人が登場!
次回も見てくれよ!」


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第24話 修行/魔術師と騎士達の王

最新話が予想よりも早く出来上がったので投稿する。
では、どうぞ


それから響は弦十郎の元にて日々、稽古に励んでいた。

対して憑友はその間、自ら作成したアイテム『現界ブースター』を使用し、響が自分の力の半分の所まで到達する間だけ、『英雄』達…それも、キリトやルドガーなどの剣術を使用する相手と木刀を用いた模擬戦をする事にした。

 

偶に皆んなと思いきり楽しんだりと、青春を謳歌したりもした。

 

そんな中で、未来は某スポ根漫画のように、憑友と響をこっそりと陰から見守っていたりしていた。

 

ーーーーー

ある日、未来は近くに響が居ない事に気付き、辺りを見渡すと、響の枕元に置き手紙が置かれていた。

そこには

 

『修行!

 

ガッコー、お休みします』

 

と、書かれていた。

 

「何なの、これ?」

 

訳が分からなかった未来は下にいるだろう憑友のベッドを調べた。

だが、そこには憑友の姿が無く、響と同じで置き手紙と、ユイちゃんのカードだけ置かれていた。

 

そしてそこには、

 

『未来へ

起きたら連絡して下さい』

 

と書かれていたので、未来は直ぐに電話を掛けた。

 

prrrrr…prrrrr…prr…ガチャッ!

 

『もしもし?』

「おはよう、憑友」

『おはよう』シュッ!パァンッ!

 

未来は電話越しに聞こえてきた音に疑問を抱きつつ、憑友と話を続けた。

 

「響、見てない?」

『響?近くにいるけど?』

「置き手紙で『学校、お休みします』って書いて有ったから。

何か、訳があるの?」

『…響にはこれからも未来の事を守って欲しいから』

「え?」

 

すると憑友は話をしだした。

 

『俺、残りの余命があと1年しかないからさ。

もし、その後で響や未来が酷い目に遭ったら、元も子もないからさ。

俺が響に稽古付けたんだ。

未来には戦うと言うよりも、ずっと側で見守っててあげて欲しいんだ。だから…』

「…分かった。どれくらい掛かりそうなの?その修行?」

『…俺にも分からない。ただ、響は吞み込みが早い。早くて2週間の内にはマスター出来るさ。…と、これ以上は流石に厳禁だな。

それじゃあ!

あ、そうそう、ユイちゃんのカード。これは未来に預かっててくれ。キリト師匠(せんせー)もその方が良いって言っていたから』

「そっか、分かった。じゃあ、あまり無理しちゃ駄目だからね。響も憑友も」

『ああ。道中は気を付けろよ』

 

そういうと会話は此処で終わり、未来は学校の方へと身支度を済ませる事にした。

 

ーーーーー

一方、電話相手である憑友は通信を切った。

 

「はぁ…はぁ…誰から…?」

 

「未来」

 

「ふぇ⁉︎なんで⁉︎」

 

「俺が『朝起きたら連絡するように』って言う置き手紙を書いていたから」

 

「…だからって、私の攻撃を全て捌きながら電話しないでよ〜⁉︎

今の私じゃ、憑友に勝てないよ〜⁉︎」

 

「いやいや、忘れたか?俺は一応半幽霊だぞ?妖怪だぞ?こんな事は朝飯前だから…

寧ろ、今の響に敵う奴なんているのか?」

 

「」ジー…

 

「…なんだ、その目は」

 

「はぁ…私、呪われてるかも…」

 

実は先程まで憑友は響とスパーリングしていたのだ。

それなのに、響は1発たりとも憑友に当てる事が出来なかった。

紙一重の所までは行けたが、それでもやはり全て躱すか、腕でガードしていた。

 

そのあまりの堅牢さに響のメンタルはズダボロになっていた。

そんな中で、2人の師匠である弦十郎は縁側で2人の様子を見ていた。

すると、

 

「料理が出来ましたよ」

 

「ん?ああ、済まんな。セイバー君」

 

そこに1人の女性が現れた。

髪型は非常に整っているが、前髪に癖っ毛が生えていた。

それでいて、ブロンド風の衣装を身に纏っていた。

名前はセイバーと呼ばれていた。

すると、そこへまた1人現れた。今度は青年だった。

 

髪は赤くてショート、長袖長ズボンを履いた青年だった。

 

「おーい、響、憑友!朝食出来たぞ!」

 

「!朝食‼︎」

 

「食いつくな!」

 

「早く食べましょう!シロウ!」

 

「いや、あの2人より食欲出てねえか?セイバー」

 

すると、セイバーはその青年の名前を言った。

 

彼の名は衛宮士郎。

別の次元の世界にてセイバーと共に戦いに身を投じた青年だった。

 

「む、心外にも程があります」

 

「ま、なにはともあれ、飯にするか!」

 

弦十郎の一言で、皆は朝食を摂る事にした。

士郎の作る料理は殆どが日本人好みの和食がメイン。

故に、皆の反応は良好だった。

その勢いは留まる所を知らなかった。

 

 

「ご馳走様でした」

 

「お粗末様でした」

 

そして食事を終えて、憑友は士郎と共に食器洗いをした。

其れに対して響はセイバーと共に稽古に励む事にした。

 

「いつもすみません。士郎さん」

 

「気にするなよ、元からお人好しな(こんな)性格だからさ」

 

「其れでも、やっぱり凄いですよ。

セイバーさんと共に『英雄』と呼ばれるのは伊達では無いですね」

 

そうなのだ。

実は士郎とセイバーは共に『英雄』と呼ばれる存在にだった。

更に強いて言うなら、セイバーはその『英雄』よりも上の存在『英霊』に分類される謂わば神的存在なのだ。

 

「しかし、驚きましたよ。

まさか、セイバーの正体があの騎士王アーサーだなんて」

 

憑友はそう呟いた。

 

セイバーの正体…それは、かの《アーサー王伝説》に出てくる有名な存在・《騎士王アーサー》だったから。

しかし、見た目が大きく異なっていた。

 

先ず、性別が全く違っていた。

其れに名前も違っていた。

 

「まぁ、この世界の史実も、俺のいた世界の史実も、関係無いさ。

俺にとってあいつはセイバーで変わりは無いんだからな」

 

「…デキテル〜」

 

「⁉︎う、うるさいな‼︎」

 

すると、突然、物騒な音がしたので、嫌な予感がしたので、見てみると、そこには木剣を構えたセイバーと、地面に倒れて目を回している響がいた。

 

「きゅ〜」

 

「何処からそんな声出してるんだよ…」

 

「す、すみません。つい調子に乗ってしまいました…」

 

「幾ら何でもやり過ぎだ!」

 

そのあまりの光景に其々の対処に追われる事になったのであった。

そしてその場を片付けた面々は、現在今でのんびり寛いでいた。

そして、響の頭には何故かタンコブが出来ていて、憑友は逆に手をぶらぶらと振っていた。

 

誰がやったのか薄々気付いているので、割愛とさせて頂こう。

 

 

「…さて。セイバーさんは、響と交えた感想をお願いします」

 

憑友から改めてセイバーの感想を聞いた。

 

「はい。先ず、ヒビキははっきり言って、まだまだと言った所です」

 

「うぐっ…」

 

最初の一言なので、かなり落ち込む響。しかし、セイバーは"まだ話は終わってませんよ"と示唆した。

 

「その代わり、対処する時の能力に長けているのが特徴ですね。

私も使いたくは無かったのですが、不意打ちを数回に分けて攻撃したんですけど、ほぼ全て躱したり、受け止めたりはしてました。

こう言う状況判断能力の高さは確固たる物ですので、それをしっかりと伸ばして下さい」

 

「!…はい!」

 

セイバーの話を聞いた響は笑顔になった。

 

飴と鞭だな…

 

憑友と士郎はそう感じていた。

 

「む?今、何か私の悪口を言いましたか?」

 

「「言ってないから⁉︎」」

 

「(まさか此処で『直感』が発動するとは…恐るべし騎士王アーサー)」

 

そう言うとセイバーは今度は士郎を無理やり連れて、弦十郎の敷地内にある道場へと足を運んで行ったのであった。

その時に、士郎が思いきり耳を引っ張られて行ったので、2人は呆然としていた。

 

「…でも、何とかなりそう!」

 

「だな」

 

するとカードケースから一枚のカードが出て来た。

そこにはなのはのカードが描かれていた。

 

「?なのはさん?」

 

すると、なのはのカードの裏をタッチした。すると、カードの上にホログラム上になったなのはが現れた。

 

『やっほー』

 

「何処からそんな台詞を吐いた⁉︎」

 

『それよりも、響ちゃんの力になれそうな存在…心当たりあんだけど?』

 

「え?本当ですか⁈」

 

如何やら、響と同じ格闘系の存在に心当たりがあるようだ。

実は響は性質上にて、『英雄』達の属性に例えると、

 

光・人間・格闘・拳

 

と言う分類になっており、この力を持っている者は『英雄』達の中ではほんの一握りしかいないと言う事だった。

格闘系の『英雄』は憑友が所持しているが、共に〔炎〕の属性で、中々定められなかった。

だが、今回のなのはは響と該当する『英雄』の存在に心当たりがあるという事なので、憑友は早速、その『英雄』が眠る石板を探す事にしたのであった。

 

一方、取り残された響だが、弦十郎が買い出しから済ませて来たので、そのまま稽古に励む事になった。

 

…因みに士郎はセイバーにみっちりと鍛え直されていたりする…。




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回は霊風さんが使用していた英雄・レヴィアタンの事を紹介しよう」

レヴィアタン/カード名【水竜姫 レヴィアタン】
属性/水・竜・魔・槍

見た目は人間に見えるが実は別世界にいる竜そのもの。
少し臆病な性格だけど、勇気を振り絞って立ち向かう。

憑友「実は霊風先輩が初めて出会った『英雄』なんだ。
だが、あまり戦いをしたがらないので、今まで平穏に暮らしていた。
けど、今回のノイズ騒動で勇気を振り絞って立ち向かう決心をしてくれたんだ」

次回

修行/不屈の心の娘

憑友「次回はなのはさんが…⁉︎
次回も見てくれよな!」


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第25話 修行/不屈の心の娘

今日はなのはさんの娘登場の巻!


ーーーーsideto 憑友

「んで、心当たりのある人って何なんですか?」

 

『私の娘だよ♪』

 

俺は今、なのはさんの案内で響と同じ属性を持った『英雄』を探そうとしていた。

しかし、突然のカミングアウトに俺はポカーンと言う音が出るくらい呆然としていた。

 

今、なんて言った?この人。自分の娘?

 

「…すみません…もう1回聞きます。

その心当たりの人って誰ですか?」

 

『何度も言うけど、私の娘だよ♪』

 

「orz…」

 

まさかの解答に俺は色々と頭を抑え込んでいた。

幾ら何でもスパーリングの相手に自分の娘を紹介するか、普通…。

 

そしてやって来た場所に、俺は見開いていた。

そこはつい先日、翼さんが『絶唱』を発動しようとしていた所であり、

《ネフシュタンの鎧》を纏った少女と、《水魂導師》と呼ばれていた男・ロックとの邂逅をした場所だった。

そして、俺はそんな中を歩いてみると、そこに1人の男が立っていた。

 

髪は水色でストレート、水色と群青色のパーカーを羽織っていた。

 

するとその男が俺に気付いたのか、此方に振り向いた。

その顔を見た俺はすぐに拳を構え、戦闘態勢に入った…!

 

何故なら、その男こそ…

 

《水魂導師》ソウルの変身者…ロックと顔がそっくりだったからだ。

 

「…まさか、此処でまた逢えるとはな?《炎魂導師》いや、人絆憑友」

 

「お前…ロックか。何しに此処へ来た!」

 

俺はそう言うとロックが何かを投げて来たので、俺は慌ててそれを空中でキャッチした。

そして手に入れた物は、なんと『英雄石板』だった!

 

「⁉︎…如何言うつもりだ?」

 

「…お前の餞別品さ。」

 

「何?」

 

そう言うとロックは話し始めてきた。

 

「俺はこの世界に蔓延る悪を根絶やしにしなければならない。

俺にとって大切な物を奪い尽くした者達にな。

だが、それを止める正義の味方がいるのもまた然り。

今此処で俺を止める事も不可能ではないぞ?」

 

ロックはそう言ってきた。

まるで挑発みたいな台詞だな…

すると、それを察したのかロックはそのまま俺に背中を向けて、去ろうとした!

 

「⁉︎おい、待てよ!」

 

「…悪いが、この後用事があるのでな。

それは此処にあった物。だが、俺はその力を使うつもりは毛頭もないから、貴様にくれてやる。

今度会った時は、互いの事を理解したいものだな…」

 

そう言うとロックはその場を去ろうとしたら、急に何かを思い出したのか、俺に2枚のカードをちらつかせた。

 

「言い忘れたが、お前に見せていない姿は()()()()()()でこの2枚。

俺の住処にあと10枚の計12枚。

まだお前に見せていない姿があるから楽しみにしておけよ」

 

そう言うと今度こそその場を後にしてしまった。

何なんだよ、彼奴。

敵として戦っておきながら、何で彼処まで俺の事を過剰な期待を込めるのだろうか…

何故、『英雄』達の力を宿したカード…通称【ヒーローカード】の枚数を言ったのか…

 

俺は何1つ分からないまま、余計に謎を増やしたのだった。

そんな時になのはさんがカードケースから現れた。

何なんだ?こんな時に…

 

「?如何したんですか?」

 

『これだよ!この石板!この石板の中に娘がいるんだ〜♪』

 

「へぇ?…えぇぇぇ⁉︎」

 

まさかの爆弾発言に俺は大声を発していたのであった…。

 

ーーーーーNO SIDE

それから数時間後。

 

弦十郎の家に帰って来た憑友は、弦十郎にパソコンが無いか聞いてきたので、弦十郎が少し大きめのノートパソコンを持ってきた。

すると憑友は、今回持ってきていたリュックサックを漁り、

そして、『英雄石板』を解析する為の装置…

通称《HeroTraceMachine》をそのノートパソコンに繋げ、更にUSBを用いてライドとノートパソコンとの間とも繋げて、そして解析をし始めた。

 

 

「…相変わらず、凄いな」

 

「憑友らしいですけどね」

 

その憑友の姿を見た弦十郎は流石、玄也の息子だと感心していた。

すると憑友が準備に取り掛かった。

如何やら、解析が完了したようで、そのまま詠唱準備に取り掛かった。

因みにこの場には弦十郎と響、そして現界したなのはの3人が、その様子を見ていた。

 

「解析完了。詠唱開始。

『その子はかつては弱かった。

 

あまりの衰弱さと、親がいないと言う事実の中で、1人で生きてきた。

 

そこへ現れしは桜色の光を纏った1人の女性。

 

その子は以来、その女性を母親のように感じた。

 

しかし、突きつけられる自分の存在理由。

 

己の正体。己の経歴。

 

果ての先では、その子は母親のように感じた女性に牙を剥けん。

 

されども、女性はそれでも大切な娘の為に己の身体を傷つけてまでその子を助けた。

 

その心に触れた子は、女性に助けを請い、女性は子の助けを受けて、それを助けん。

 

以来、その子はその女性と、女性の親友の元ですくすくと成長していく。

 

鮮烈なる青春の物語へと進む為に…』」

 

すると、詠唱が終わると、そこから一枚のカードが現れた。

そこには金色の髪で、小さな女の子が元気そうに今にでも動き出しそうな程、生き生きとした姿が描かれていた。

 

そして何よりも…その子は眼の色が左右別々だった。

 

右側の眼は赤く、対して左側の眼は緑の眼をしていた。

 

 

「えっと〜…【不屈の心の娘 ヴィヴィオ】か。

取り敢えず、現界させてみよう」

 

そう言うと憑友は『現界ブースター』を取り出し、

先程のカードを挿入した。

 

するとブースターから光が放出、同時にそれがみるみると人の形に形成していく。

そして光が消え、そこにいたのは先程のイラストに描かれた通りの少女が現れたのだ。

 

「…?此処は?」

 

「ヴィヴィオ〜」

 

「⁉︎なのはママ⁉︎って、ちょっ…」ムギュ!

 

するとなのはがその子に抱き付いたので、女の子は何が起こったのか訳が分からないままなのはに抱き付かれてしまった。そのおかげで、現在なのはがその子に対して離さないと言わんばかりの言動を見せていた。

それを見ていた憑友と響は呆然としていて、弦十郎は何か察したのか、豪快な笑い声を出していた。

 

 

そして漸く落ち着いたのか、なのはは女の子から離れて、現在皆に説明をしていた。

 

「…それで…この子が、なのはさんの娘さんですか?」

 

「うん♪」

 

そう言うとその女の子が自己紹介をした。

 

「初めまして!なのはママの娘、高町ヴィヴィオです!

一応、この世界だと小学4年生です」

 

「4年生⁉︎」

 

まさか自分よりも下の存在とスパーリングするとは思ってもいなかった響は吃驚していた。

すると、ヴィヴィオの隣から小さなうさぎの人形がピョコッと出て来たので、響は驚き、憑友は警戒し、弦十郎は目を見開いていた。

それに気付いたヴィヴィオはその人形を手に取ると、その人形も紹介した。

 

「この子はセイクリッドハート。愛称はクリスって言うんです!

私にとっては大事なパートナーです!」

 

そう言うとクリスが宜しくとでも言っているかのような行動を示したので、憑友は警戒を解き、皆も軽い挨拶をした。

 

「だが、まだ小学生のそれも10歳にも満たなさそうな女の子に、高校生の響君の相手は務まるのか?」

 

弦十郎の一言に憑友と響は確かにと言いながら頷いた。

するとなのははこんな事を言って来た。

 

「じゃあ…表に出て確かめてみます?」

 

 

ーーーーー

なのはに言われたまま、3人は庭の縁側に座り込み、

ヴィヴィオは庭の真ん中に立った。

 

「なのはママ…本当に"あれ"やっても良いの?」

 

「大丈夫だよ。私も派手にフェイトちゃんとやり合ったから、この子達は理解してくれるよ〜」

 

「なのはママ⁉︎今、フェイトママとやり合ったって言わなかった⁉︎」

 

「言ったよ〜」

 

「なんで⁉︎」

 

「それは後で♪さ、早く早く〜」

 

なのはの口から思いもよらない発言にヴィヴィオは文句を言おうとしたけど、なのはの言動に流石の娘でも頭を抑えていた。

 

そして流石にもう呆れたのか、ヴィヴィオはすぐに思考を変え、うさぎの人形《クリス》を手に取った。

 

「行くよ、クリス。

セイクリッドハート!セット、アップ!」

 

するとヴィヴィオの周りを虹色の光が包み込んでいく。

 

それを見ていた3人は眩しくて目を塞いでしまった。

それでも、なのはだけはしっかりと娘を見ていた。

 

そして光が収まり、憑友達はヴィヴィオの方を見た。すると其処には、

 

ヴィヴィオと金髪のサイドポニーをし、瞳の色と配置がヴィヴィオと同じで、背丈がかなり長く、そして胸もかなり大きめの女性が其処にいた。

 

「だ、誰⁉︎」

 

3人を代表して憑友がそう叫ぶと、なのははニコニコしながらこう言った。

 

「大分、良くなったね♪

 

 

 

 

 

()()()()()♪」

 

「へ?」「は?」「え?」

 

なのはの口から思いもよらない言葉が発せさられたので、

響、弦十郎、そして憑友の3人は、それぞれ別々に言うと…

 

「「「なんです(だ)と〜〜⁉︎」」」

 

最後は同時に叫んでいたのであった。

 

「あはは…。やっぱりこうなるんだね…」

 

一方、ヴィヴィオは矢張りかと言わんばかりに苦笑していたのであった…

 

 

 

 

因みにその後、

ヴィヴィオは響とスパーリングを行なったのだが…

 

 

 

「はぁ!」

 

「ぎゃふんっ⁉︎」

 

ご覧の通り、響はボロ負けしているのである。

響からすればさらに精神的ダメージも半端じゃあない。

何せ相手は一応変身して、急成長しているとは言え、自分よりも下の小学生である。

 

その小学生に高校生である筈の自分がボロ負けしたら、そりゃ誰だって、精神的ダメージがきてもおかしくは無いのだから。

 

「つ、強すぎる〜〜」

 

「何言ってんだよ…まだ良い方じゃねえのか?」

 

「戦って無いからそんな事言えるんだよ!」

 

「じゃあ、ナツやアカネと変えてやろうか?

ノイズみたいに消し炭になっても知らねぇけど…」

 

「すみませんでした…」

 

憑友と響の会話を見たヴィヴィオは相も変わらず苦笑いをしていた。

けれど、此処まででもうかなりの数のスパーリングをして来た響。

 

「そろそろ…かな…」

 

そう憑友は呟いていた。




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回はなのはさんの親友にして、ヴィヴィオちゃんのもう1人のママのフェイトを紹介しよう」

フェイト/カード名【迅雷の執務官 フェイト】
属性/雷・人造人間(クローン)・魔・杖

人の手によって生み出された人造人間。
でも、なのはと出会った事で、人としての人生を楽しんでいる。

憑友「本来ならなのはさんと共に平和な暮らしをしたかった様で、今回の件に関しては非常に辛い思いをしているらしい。
早くこの時間を終わらせたいものだぜ…!」

次回

複雑な気持ち

憑友「次回は霊風の正体が判明⁉︎
次回も見てくれよな!」


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第26話 複雑な気持ち

今回は霊風の正体が判明する!

そして、あまりにも短い繋ぎ回的な何か!


憑友と響が弦十郎の元で修行(憑友は原点回帰)をしていたその頃…

 

 

霊風は奏と共に翼の容態を見ていた。

ジャンヌが救ったとは言え、未だに意識不明の状態に変わりは無かった。

 

「zzz…」

 

「…はぁ。またか…」

 

霊風は溜め息交じりに横を見た。

其処には奏が翼の手を握ったまま、寝ていた。

奏は翼が目を覚ましたくて、あれから一睡もしていなかった。

霊風はその事を知っていたので、何も言わずながらも、奏に予備の毛布を掛けた。

 

そして霊風は奏と翼を病室に置いて、1人その場を後にした。

 

 

近くにある自販機で缶コーヒーを選んだ霊風は、そのまま一気飲みした。

 

「…ったく。少しはこっちの身の事を考えて欲しいものだな…」

 

そう言いながら、霊風はカードケースから8枚のカードを取り出した。

どれも、自分が使っていたカードでは無かった。

 

それは、翼の『絶唱』を発動する前の1ヶ月の間に、霊風が憑友と共に手に入れた石板を奏が解析して得た新たな『英雄』達だった。

 

「蓄電の竜に迅翼の竜、杖と本の少女2人、魔槍使い、大剣使いに剣を使う女剣士…

何れも俺の力になってくれる『英雄』達か…」

 

霊風はそう感じていた。すると…

 

 

piropiropiroring♪piropiropiroring♪…

 

霊風の端末から電話が掛かってきたので、霊風は相手を確認すると、電話を掛けた。

 

「…もしもし」

『相変わらずだな。その態度は…』

「んな事はどうでも良いんだよ…それで、俺になんか用か?

 

 

 

 

()()

 

なんと霊風の相手はまさかの神様だった!

すると神様は話を続けた。衝撃の言葉を放ちながら…

 

『如何だ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()は?』

「すこぶる悪いね。誰かさんの所為で(#)」

 

神様はそう言った。

霊風の正体、それは…()()()だったのだ。

 

『とは言え、あんたの願いを確かに聞き届けた筈だが?』

 

そう神は告げた。

霊風はこの世界に転生する際に、条件として『ごく普通の生活をくれ』と言う何とも無欲な願いを神にお願いしていた。

しかし、結果は如何だ?

己は戦いの身に投じた事で、奏と翼…『ツヴァイウイング』の2人と出会う事が出来た。

だが、自分が加わったくらいで原作を変える事が出来なかった。

ましてや、たった1人の少年が死んだ事で、原作が改変された事に霊風は憤慨していた。

 

「とは言え、俺は誰しも『主人公』になりたいとか言った憶えは無い事を憶えてくれたのは助かったな。

俺に『主人公』と言う肩書き(称号)はあまりにも荷が重すぎるからな…後は全く聞き届けていないがな?」

『うぐっ…其処を突かれるとは…。

さて、お前にはまだ特典を…「要らねえよ、そんなもん」なんだと⁈』

 

神様は直ぐに特典の話をしたが、霊風によって即却下された。

とことん無欲な男である。

 

「俺はもうこれ以上、転生特典(その力)を使用してまで誰かの命を助けたいとか考えたくないんだよ…じゃあな…

出来る事なら、あんたとの会話はこれでお終いにしたいけどな…」

 

そう言うと霊風は通信を強制的に切った。

 

「俺が転生しても、世界が呪われていくだけなのかもしれないな…」

 

そう言うと、霊風は缶コーヒーを全て飲み干し、そしてまた奏と翼がいる病室へと向かって行った…

 

「(俺がいる限り、俺の周りは不幸になる…

ならば、潔くそして、儚く散りたいものだな…

だけど…同時に俺は…彼奴らの事を見過ごせないのかもしれない…)」

 

 

霊風の心境はそう語る。

それは、早く自分はこの世から去りたいと言う思い。そして…

 

大事な存在を置いていっても良いのかと言う疑問…

 

彼のたった2つの欲が、霊風の心境を苦しめていた。

その者を知る者はこの世にはいない…

 

そう…()()()()()ね。




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回は霊風に仕える『英雄』の1人にして、ほむらさんの仲間…
杏子を紹介しよう」

杏子/カード名【多節棍の魔法少女 杏子】
属性/炎・人間&魔物・突&打&魔・槍

ほむらと同じ世界出身の魔法少女。
本来なら《風魂導師》の力を持つ霊風とは相性が悪い属性だが、それとなく扱いきれる様になっている。
翼に対して、自分の仲間と重ねる傾向がある様で…?


憑友「多節棍に加わえて、先端に槍の穂先が加わった武器を使用する。
孤独な人を見つけるとほっとけない性格の持ち主で、とても優しいんだ」

次回

神との邂逅

憑友「次回は翼さんの視点をお送りするぜ!
また次回!」


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第27話 神との邂逅

今回は我らがSAKIMORIさんの話。
そして、神様登場回!

此処で、憑友が探さなければならない石板のヒントが!


響と憑友が弦十郎の元で修業に励んでいた頃、

翼は生と死の狭間と言う名の海を漂い続けていた。

 

ーーーーーSIDEto翼

 

私…生きてる…?

 

いや、違う…死に損なっただけ。

 

《ネフシュタンの鎧》…

 

あれさえ取り戻す事が出来たら、どれだけこの身が安らぎに満ちて来れたのだろうか…

 

 

 

 

 

 

「真面目が過ぎるな…防人の華よ」

 

…え?

 

私は何者かの声が聞こえ、その方を見て見ると、

青白いショートヘアで、

 

白いローブを身に纏った男の人がそこにいた…

 

「貴方は…?」

 

「取り敢えず、話をしようか」

 

そう言うと指でパッチンッ!と鳴らした。

すると、辺りが深海から、あのライブ会場そのままの姿になった。

 

「⁉︎こ、これは…」

 

「これは俺の心像現象で見せている謂わば結界だ。

『英雄』の中には、この様に周りの風景そのものを変質して戦う戦士がいると言う。

さて、そんな話をする為にあんたを呼んだんじゃ無いのでな。

話すなら、それ相応のマナーが必要だよな?」

 

そう言うとまた指を鳴らした。

すると今度は何処からともなく風が吹いてきた。

少し荒々しい風だった。

 

すると、風は見る見ると形を作り始める。

終いには風は1つの椅子を作り上げていた…

しかも、ご丁寧に視認する事も出来るとは…!

その思いもよらない行動に惚けていると、その男は私から少し離れ、また指を鳴らした。

すると今度は地面から大量の炎が吹くと、それも形を変えて、此方も椅子を作り上げていた。

すると男はその椅子となった炎の上に腰掛けたのだ!

 

「⁉︎」

 

「何を突っ立っている?早く座れ」

 

…正直、心配事でしかならない。

男が座っている椅子…熱くないのだろうか?

 

「心配するな。熱くも痒くもないから」

 

な⁉︎ま、まさか口に出していたのか⁈

 

「いや、口に出してなんかいねぇよ。お前さんの心の声が嫌でも聞こえてくるんでな?

ま、無理もねえか。此処は、結界を張っているとは言え、お前さんの心の中だからな?」

 

…まさか心の声が読まれていたとは。防人t…

 

「『防人として不覚を取った』とか思うなかれ」

 

「⁉︎」

 

「あんたはあんただ。それは変わりはないんだよ…

ほら、さっさと座れ」

 

男はそう示唆してきたので、私は渋々その風の椅子に座った。

すると、先程まで、誰1人として座らせるものかと言っていたのかもしれない荒々しい風が瞬く間に落ち着き、まるでそよ風の様に椅子でありながら、ふかふかとしていた。

 

「さて、話をしましょうか?防人嬢?いや、

風鳴翼さん?」

 

そう言うと私は彼と話をする事にした。

色々と聞きたい事があるからな。

 

「先ず、俺は何者か?これを先に言わねえと、意味がないからな?

 

 

 

 

 

俺は神様だ。

ま、経歴が浅い若き神様だと思えば良い」

 

私はその一言で、目を見開いた。

目の前に神様がいると言う事は、やはり私は死んでしまったのかと思うから。

 

「また、心の声がダダ漏れだぞ。それに、お前はまだあの憑友とか言う奴と違って、外面的な肉体と精神は健在している。

ただ、内面的な肉体の方に支障が出ていただけだ。」

 

その一言で、私は何故かホッとしていた。

…と言うよりも…

 

「…私の心の声を聞いて、それに答えるのはいくら神でも止めて下さい」

 

「そう言う愚痴っぽいものが嫌でも聞こえてくるからそれは却下な。

あ、でもプライバシーに関する事は聞こえてはいないから安心しろよ」

 

「ご都合主義者か貴様は…!」

 

「最高の褒め言葉をどうも」

 

…なんだろう、この神。性根が少し腐ってる…。

 

「さて、こんな話をした所為で、喋る時間が短くなったな。

本題に入るとしよう」

 

それを聞いた私は渋々、神様の話を聞く事にした。

 

「あんたは、奏と言うとても大事な存在がいる。

 

故に、この心像現象の風景には戸惑いがあるんだろう…

だが、俺にとっては此処は俺と言う神が生まれた最初の分岐点(ファーストターニングポイント)に過ぎん。

と、こんな時にまで話す必要は無いな。」

「お前さんは、防人としての使命に捉われ過ぎだ。

あんまりその状態が長引くと、本当に死ぬぞ。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()ってね」

 

「え⁉︎」

 

何故、貴方が…その台詞を⁉︎

 

「お前はまだ生きろ。お前の帰りを待ってる奴がいるだろ?

現にお前の左手からその者の鼓動を感じないか?」

 

そう神様が言って来たので、私は自分の左手を見た。

見た目はなんの変わらないただの私の左手だけど、

確かにそこから温もりを感じる…

そうだ…この温もりは…

 

 

奏の温もりだ。

 

奏が私が帰ってくるのを、待っている…

 

「さて、手短になったが、如何やらお前さんとはこれっきりだな」

 

「⁉︎待って!」

 

「?」

 

私はすぐにその場から離れようとしていた神にある事を言った。

それは今後の私にとっても、大事な話だった。

 

「貴方が、憑友が言っていた神様なら、教えて下さい!

あの子…憑友が蘇る為に必要な『英雄石板』の特徴を!」

 

そう。私は憑友から聞いた話を思い出していた。

彼は…憑友は神様から『英雄石板』を探してこいと言ってきた。

だが、現在分かっているだけでも、300枚以上存在する『英雄石板』の中から、今目の前にいる神はどの石板が欲しいのか、詳細はおろか、ノーヒントの状態で、彼をまた現世に戻した。

私としては彼…憑友にはまだまだ人生を楽しんでもらって欲しいから。

基本的に不器用である私でも、これだけは絶対に譲れなかった。

すると神は、頭を掻きながらも私の方を見て話をしてきた。

 

「…彼奴を蘇らせるヒントを、あんたに免じて教えておこう」

 

如何やら話が通じたようだ。

それに私にだけ免じたと言う事は、あの子が話しても、一切口を開かなかった筈。

そう言うと神は告げ口のように答えた。

 

「《竜を滅する剣》

 

《魔を穿つ弓》

 

《銀の腕》

 

《女神の慈愛受けし《鎌》と《鋸》》

 

《2振りの槍》

 

《女神の盾》

 

《歪んだ鏡》

 

そして…《槍の名を冠する『拳』》

 

 

それが、憑友を蘇らせるヒントだ。」

 

《竜を滅する剣》と《魔を穿つ弓》に《銀の腕》…

《女神の盾》に《女神の慈愛受けし《鎌》と《鋸》》…

《歪んだ鏡》と《ふた振りの槍》そして…

《槍の名を冠する『拳』》?

 

何かのキーワードなのか?

…駄目だ。なんの事だがさっぱり分からない…

 

「悪いが、これ以上は教えられん。

ただ強いて言うなら…

 

 

 

お前たちの身近にあるものだと思えば良い…」

 

そう神が言うと、徐々に私の視界がぼんやりとしてきた…!

待って!まだ貴方には色々と話が!

 

「これ以上長く居座れば、魂を失う。さぁ、行け。

…響の事…宜しく頼むな」

 

「え?」

 

その一言を最後に私の意識は元の身体の方へと戻って行った…

神は何故、憑友ではなく…響と言ったのか?

響と言われて思い付くのは、奏の《ガングニール》を継承した立花響の事なのか?それとも、違う存在の響なのか…

 

駄目だ。意識がそう持たないときたか…

ならば、残りは元に戻った時に考えるべきか…

 

ーーーーーSIDEto神

 

…我ながら、とことん甘くなったものだ。

あまりにもお人好し過ぎたな。

 

後は頼んだぞ、防人嬢いや、風鳴翼。

 

竜を滅する剣(天羽々斬)》を纏いし歌姫よ。

 

そして、霊風よ。

 

お前なら、彼奴らを導いてくれる事を、俺は信じてる…

 

何せ、あんたは…俺の先輩なんだから…

 

ーーーーーNO SIDE

 

神との邂逅を果たした翼は自分の左手を動かした。

それを見た医療スタッフ達は急いでメディカルチェックを行った。

一方、その時の翼はこう感じていた。

 

「(生き…てる…

不思議な感覚…

まるで、世界から切り離されて、

私だけの時間が遅く感じている気分…)」

 

そう思っていると、近くにある窓の先に自分が通っているリディアンを見た。するとそこから歌が聞こえてきた。

 

それは、校歌だった。

自分が通っているリディアンの校歌が翼は聞こえていた。

 

「(そうか…私、仕事でも、任務でも無いのに、学校を休むのは初めてだったな…

精勤賞は絶望的か…)」

 

そう感じていた翼。すると、

 

『響の事…宜しく頼む…』

 

先程まで精神世界にて対話をした相手、神様との話を思い出していた。

 

「(あの子がもしそうなら、私は改める機会を見出さないとね。

それともう1つ…)」

 

すると今度は憑友に関する話を思い出す。

 

「(《竜を滅する剣》、《魔を穿つ弓》、《銀の腕》…

《女神の盾》と《女神の慈愛受けし《鎌》と《鋸》》…

《2振りの槍》、《歪んだ鏡》…

そして…《槍の名を冠する『拳』》…

憑友をこの世に戻せる唯一の手掛かりなら…

私は探してみせる…あの子が生きて行ける為に…!)」

 

ーーーーー

翼の意識が回復した日の夕刻頃。

ノイズの被害にあった廃墟付近を3台の黒い車が移動していた。

そこには、日本の防衛大臣である広木 威椎が乗車していた。

車内では、彼がシンフォギアの事を厳しくながらも、それでもその優しさに溢れる内容を零していた。

そんな彼の乗った車がトンネルに入り、出ようとした時だった。

突然、トラックが道を塞ぎ、車が玉突き事故を起こすと、トラックから武装したテロリスト達が現れ、そして…

 

この日、広木防衛大臣は射殺されたのであった…

 

そしてテロリスト達は彼が所有していた物を取り上げ、そして退散しようとした時、妙に肌寒かった。

 

「随分と、人を殺したいみたいだな?テロリスト共」

 

『⁉︎』

 

その声を聞いた皆は目を見開いた。

 

そこには、1人の青年が、彼等の道を塞いでいた。

 

そして、テロリストの1人がこう述べた。

 

「き、貴様は…【冷眼のロック】⁉︎」

 

「ふっ。なら、話が早いよな?」

 

そう言うと、ロックは左腕に相棒である電子機器・ソウルアブソーバーを装着し、腰のカードケースから1枚のカードを取り出した。

 

そこには、

紫と白が交互に交じっており、紫のマフラーと、茶色の服を着ている…

タロットカードを手に持っている男のイラストが描かれていた。

 

「お前達のカードは"死神(デス)"の正位置。

意味は…終焉、消滅等の死に直結する物だ。

…行くぞ」

 

そう言うとロックはそのカードをアブソーバーに装填、そしてレバーを引いた!

 

ーソウル!フォーム、ダイキ!ー

 

すると、そこから黒い顔をしたピエロのような姿をした何かが現れると、ロックはそれを纏った。

 

ータロット・マジック!ボックス・マジシャン!ー

 

するとロックの姿が狂ったピエロのような仮面をし、

そして手から背丈を優に越す鎌が現れた。

それを見たテロリスト達は一斉に射撃を繰り出す!

 

しかし、

 

「無駄だ」

 

ロックの一言は現実と化した。

 

なんと、瞬時にロックが1人から3人に増えたのだ!

それを見たテロリスト達は驚愕した!

 

「これで、ジ・エンドだ」

 

するとロックは3人同時に一斉にソウルのドライブボタンを叩いた!

 

『『『ソウル・ダイキ!フルドライブ!』』』

 

「「「"必殺ファンクション"」」」

 

すると3人のロックはすぐに上空へスピンしながら跳躍すると、持っていた鎌を同時に薙ぎ払った!

 

「「「"デスサイズハリケーン"」」」

 

その言葉で、周りのテロリスト達は一掃され、そこには身も完全に切り刻まれ、見るのもあまりにも無残な姿と化したテロリスト達と、

無傷で立ったままのロックがそこにいた。

 

するとロックはある場所へと連絡を掛けた。

 

「此方、ロック。任務は達成した。

これより例の物を持って帰還する」

 

そう言うとロックはテロリスト達が取り上げようとした物を携えて、その場を後にしようとした。

するとカードケースからフェイトが現れたので、ロックは話をする事にした。

 

「…あんたは一応、警察みたいな仕事をしてるんだ。

今なら俺を現逮する事も不可能じゃないぞ?」

 

「…ううん。今の私はそんな力は無いよ。さ、急いで妹さんの所に帰ろう?」

 

「…いつもすまない」

 

そう言うとロックはフェイトを装填し、レバーを引き、フェイトの魂を纏うと、そのままその場を後にした。




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回は霊風さんが使用した熱血魂を持つふた槍使い・幸村を紹介しよう」

幸村/カード名【天覇絶槍 真田幸村】
属性/炎・人間・突・槍×2

2つの槍を巧みに扱う戦国武将の1人。
伊達政宗とは永遠の好敵手として相見える事もある。
女性の露出に対してかなりウブ。

憑友「本来《風魂導師》は〔炎〕と相性が悪いのだが、霊風先輩はそんなの全く感じさせない。
その2振りの槍で数多の武士達を薙ぎ倒す…!」

次回

異常と怪しさ

憑友「次回も見てくれよな」


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第28話 異常と怪しさ

今回は憑友、探偵紛いな事をするの巻!


時は約5時間前に遡る…

 

此処最近修行をしていた響と憑友。

現在はリディアンの真下に設立された特機部二の司令室にいた。

 

「はぁ〜…朝からハード過ぎますよ〜」

 

「ば〜か、あ〜ほ、響〜」

 

「バイ○ンマン風に言わないでよ⁉︎」

 

2人は現在、休憩中であったりする。

此処に来る前までに響は随分と力を蓄え、成長していた。

 

「でも、あれはあんまりだよ〜」

 

そう響は言いながら、とある日の事を思い出していた。

 

ー回想ー

 

その日も弦十郎の元で修行に励んでいた響と憑友。

尤も、憑友は現在、弦十郎が飼っている鯉の餌やりをやっていたりする。

 

響がサンドバッグで練習していた。が、中々上達しなかった。

 

「そうじゃない。

稲妻を喰らい、雷を握り潰すべし!」

 

「言ってる事、全然分かりません!」

 

「安心しろ、俺も同じだから…「でも、やってみます!」あら?」

 

弦十郎の言った一言に、響が全く分からないと言い、憑友も同意見を述べようとしたら、響がチャレンジしてみると言いだしたので、その思いもしない言葉で、憑友はズッコケた。

 

そして精神を集中し始める響。

そして、心臓の音が鼓動したまさにその時、

 

「はぁっ!」

 

その1発のパンチで、サンドバッグが吊るされた木の枝が簡単に壊れた。

 

やったと思ったら、ヤバイ展開になってしまった。

 

なんと、その前方方向に憑友がいた!

 

「⁉︎憑…友…!」

 

響は避けてと言おうとしたが、それは杞憂に終わる。

 

「ふっ!」

 

時計回りに振り向いた瞬間に左手でフック攻撃をお見舞いさせたのだ!

その力で、威力を相殺された。

そうしていると今度は少し上へと向けると、右手でストレートを放った!

するとサンドバッグはそのまま何処かへと飛んで行ってしまった…!

 

「嘘⁈」

 

響がその光景を目の当たりにした時、縁側にいた人物が話をし出した。

 

「今の技は、僕の戦友が得意としていた技"炎崩し(ほむらくずし)"。一度捕まれば最後、渾身のストレートにやられる技だ」

 

「思いつきでやったけど…意外とデメリットが多い技だな、これ」

 

縁側にいた人物はつい先日憑友の仲間になった『英雄』海道ジンだった。

ジンはお茶を啜りながらそう話すと、お茶を置いて此方へとやって来た。

 

「君にはまだまだこれから先の事も考えて欲しいからね。勿論、響さんもですけど」

 

「あ、はい…」

 

「そうとなれば…!」

 

そう言うと弦十郎は手にボクシングをする際に使用する相手の攻撃を受け止めるアイテムを装置した。

 

「此方もスイッチを入れるとしようか…!」

 

そう言うと響は返事をしたので、そのまま修行に励んだ。

 

「…君の師匠は色々と可笑しいかもね」

 

「それだけは口に出して欲しくなかったよ、ジン…」

 

そんな響と弦十郎の修行を見た2人はそう話していたそうだ。

 

ー回想endー

 

思い返しただけでも、凄かったとしか言い切れなかった。

完全に不意を突かれても可笑しく無いのに、それを見切ったと思ったら、そのまま威力を相殺、更にはそのまま星の彼方にまでぶっ飛ばしのだから、尚の事怖い。

 

「ははは、まぁ何はともあれ…頑張れよ、明日のチャンピオン!」

 

「響を何の大会に出させるつもりですか?師匠は」

 

そう響が感じていたら、弦十郎の言った一言に憑友が物申した。

 

「下手したら此奴、本当に優勝してしまいますので、止めて下さい」

 

「それ如何言う事⁈」

 

…訂正。洒落にもなっていなかった。

響が反論しようとすると、

 

「弦十郎の修行を受けたお前なら、拳だけでそのまま全てをK.O.をしても、おかしくないって言ってるんだけど。

申し開きは?」

 

「うぐっ…私、呪われてるかも…」

 

憑友の言葉に会えなく撃沈した響。

するとそんな2人の所に友里がスポーツドリンクをお裾分けして来たので、2人は快く貰った。

すると貰った飲料水を飲んでいた響がこんな事を言って来た。

 

「ぷはぁ〜。

あの〜、自分でやると決めた癖に申し訳無いんですけど…

何もうら若き高校生に頼まなくても、他にノイズを倒せる武器って無いんですか?…外国とか?」

 

「その答えはNOとだけ言っておく」

 

「え?」

 

響が言った事に対して憑友は否定した。首を傾げた響を見たのか、憑友は弦十郎にアイコンタクトをし、弦十郎はそれに気付いたのか、話を始める。

 

「功績には無いな。

日本だって、《シンフォギア》は最重要機密として完全非公開されている。

だが、《精魂導師》はその限りでは無い」

 

「え?何で?」

 

すると今度は憑友が話をし始めた。

 

「元々《精魂導師》は一種のおとぎ話に出てくる架空の存在としてしか認知されていない。

故に非公開する義務なんか無いんだよ。

ただ、変身者等のプライバシーやプライベートに関する事は《シンフォギア》と同様で、機密事項になっているらしいんだと」

 

「へぇ〜…あ」

 

憑友の説明を受けた響は納得したのか如何かも怪しい雰囲気を出していたので、憑友は頭を抱えると、響は何かを思い出したかのように喋り始めた。

 

「そう言えば、私…あんまり気にしないでやらかしたかも…」

 

すると友里が「情報封鎖も二課の仕事だから」と言い始めると、今の特機部ニの現状を響に分かりやすく説明したのであった。

その話を聞いている響を見た憑友は、

 

「(此奴…話の内容があまりにも詳細し過ぎて、全然脳に入って来てないな…)」

 

と思ったそうだ。

 

するとメインドアから誰かが入ってきたので、憑友はその音に反応して、振り向くとそこには霊風がニコニコ笑顔でやって来た。

 

「おはようさ〜ん!…て、風鳴のおやっさん?何そのジャージ姿?」

 

「おはよう、霊風君。これはつい先程まで響君と憑友の修行をしていたからな。今は休憩時間なのさ!」

 

「はいはい「あの、霊風先輩!」ん?如何した?憑友」

 

弦十郎と話をしていた霊風の所に憑友が現れ、憑友はある物を霊風に渡した。

そこにはカードが一枚入るスペースがある何かを読み取らせる機能がついた機械があった。因みにカラーは緑で、風のイラストが描かれていた。

 

「これは?」

 

そう言うと憑友は自分の腰に付けていたある物を取り出した。

自分が先程渡されたアイテムと同じ形状を持っていたが、此方は赤のカラーリングと炎のイラストが描かれていた。

 

「?…似てるな?これと」

 

「これは『現界ブースター』と言って、これに挿入した『英雄』達を顕現化させる力を秘めたアイテムです!

カラーリングはそれぞれの《精魂導師》の名前からイメージさせて頂きました。

霊風先輩のは、緑のカラーリングと風をモチーフにしたイラストを描きました。

これを使えば、戦場でも日常でも、『英雄』達が直接戦闘を補助したり共闘する事が出来たり、別行動したりする事が出来ます!

ただ、ブースターに差し込んでいる間は、その『英雄』の力は纏う事が出来ないのがデメリットですけど…」

 

「…いや、サンキューな。おかげで良い物を貰えたよ」

 

そう言うと霊風は憑友の髪をワシャワシャと掻き乱していた。

それを見ていた他の人達からは、まるで兄弟みたいな光景だと思ったそうな。

 

すると、霊風は辺りを見渡すと誰かがいない事に気づく。

 

「?…あれ?了子女史は?」

 

そう、櫻井女史だった。

霊風に言われて、初めて気づく響と憑友。

すると弦十郎が話し始めた。

 

「長田町さ」

 

「「長田町?」」

 

「またお偉いさんに呼び出されたのか?」

 

霊風に言われて、弦十郎は小さく頷き、そして話を続けた。

 

「本部の安全性及びその防衛システムについて、

関係閣僚達に対して説明義務を果たしに行ってくれている」

 

すると弦十郎はそれに付けと加えてある者の名を教えた。

 

「この世界の何処かにいると言われる財政を一任されていると言われている男…

 

 

 

"キングorカイザー"にも説明をしに言っているらしい」

 

「「キングorカイザー?」」

 

すると、この中でマネージャー稼業をしている霊風がそんな2人の疑問に答えた。

 

「『キングorカイザー』ってのは、シンフォギアシステムが生まれた直後に現れた謎の存在の事で、

ありとあらゆる手を使ってこの世の中の流れを変えた《革命者》であり、《独裁者》でもある。

その為なら、自分の立場を無理やり酷使させる力を持っている謂わば《職権乱用王》とも呼ばれている。

ただ、《独裁者》の様な自分主義者じゃないらしい。

《職権乱用》も、あったとしてもほんの数回程度で、基本的には何もしていないが、子供達には優しいらしい。

 

現に戦争孤児や、修道院育ちの子供達やシスター達に援助をしている謂わば《偽善者》のようなやり方をする者だと言う事が判明している。

 

ありとあらゆるプライベート情報及びプライバシーに関する者が一切無いと言われていてな。

まるで都市伝説のような存在だと言われているんだ」

 

「現に、了子君は彼と話す際は、基本的には電話での対話がほとんどらしいと了子君本人が言っていた」

 

霊風と弦十郎に言われた言葉に響は疑問に感じたので、質問してみた。

 

「その『キングorカイザー』さんって、何でそんな事をしてるのに、何で都市伝説のようなウワサ話までにしか留まってるんですか?

そんな行動したら、かえって目立つと思うんですけど?」

 

「彼の顔を見た者がいないからだ」

 

「え?」

 

「キングorカイザーは基本的に人との接触を拒んでいる。

先程霊風が言った援助は名前は書かれてあっても、在籍してる場所が無く、殆どが仕送りのようなケースが殆ど。

故に彼の顔を見た者はいないという事らしい」

 

そうしていると、弦十郎話を話を脱線した事に気付き、すぐに話を元に戻そうとし、時計の時間を見てみると、

 

「…了子君の帰りが遅いな?」

 

「どうせ、長く掛かってるんなら、俺はこの辺で失礼するぜ。

今回は了子女史と話がしたかった為に来たのに、肝心の本人が居ないんじゃね?

立花と憑友。おやっさんの修行、頑張れよ〜」

 

そう言うと霊風はささっと司令室から立ち去って行った。

 

「彼奴も何気に忙しいみたいだな。

奏の面倒と翼のフォロー…『ツヴァイウイング』の2人の面倒事を彼奴はやりこなしているからな」

 

「⁉︎…凄ぇ…」

 

 

そんな霊風に対して、寛大な人だと憑友はそう思ったそうだ。

 

ーーーーーSIDEto憑友

数時間後、リディアンの制服に着替え終わっていた俺と響。

だが、司令室は騒然としていた。

何故ならつい先程、防衛大臣である者・広木氏が何者かに銃殺されたと言う報告が出されたのだ。

 

それを見た俺と響は嫌な予感しかしなかった。

するとそんな時に、

 

「大変、長らくお待たせしました〜♪」

 

「あ」「!」

 

「了子君!」

 

櫻井了子が本部に帰還して来たのだ。

弦十郎師匠は広木防衛大臣が殺害された事と、犯行声明が出されている事を言うと了子さんは驚いていた。

だけど、俺はこの時、何かが引っかかる様な気がしたが、それは頭の隅に置いておく事にした。

すると響は心配していた事を言った。当然だ。

だって、メールを送ったり、電話も掛けたのに一向に音沙汰無しなのだから。

その事を伝えると、了子さんはポケットの中に潜めてた端末を取り出し、調べた…が。

 

「壊れてるみたい♪」

 

「駄目じゃん⁉︎」

 

…最近、こんな小さなボケでもツッコミしたくなって来たのは如何してだろう…。

 

「心配してくれてありがとう。でも、それはそれとして…」

 

そうすると了子さんは持ってきていたアタッシュケースらしき物をソファに置き、そしてケースの中身を取り出した。

そこにはチップらしき物が入っていた。

 

「政府から受領した機密資料も無事よ」

 

その一言を聞いた弦十郎と響はホッとしていた。

だが、俺は何か怪しいと感じていた。

 

何故かこんな近くから血の匂いがして来たからだ。

 

いくら、俺が人外じゃないにしろ、此処まで敏感になるのは如何しても…

 

『気になるか〜?』

 

「(…いきなり過ぎるぞ、ユルセン)」

 

『まあ、そんな事は後々!それよりも少し移動して見ろよ。何か面白い物が有りそうだぜ?』

 

…しゃあないか。

そう言うと俺は近くに置いてある水を汲み、そして飲む。そしてチラとアタッシュケースの方を向いた。

 

「⁉︎」

 

そこで俺は見てしまった。

アタッシュケースの淵に、血の跡が残っている事に。

 

「(まさか、了子さんが広木防衛大臣を⁉︎…いや、先程のリアクションを見れば、それは無い。だとすれば一体…?)」

 

「?如何したの?憑友」

 

すると不意に響から声を掛けて来たので、危うくコップを落としそうになった。

 

「とりあえず、先ずは今後の作戦について話し合おう」

 

弦十郎師匠の一言で、皆はブリーフィングルームへと移動した。

 

…怪しい。

 

俺はこの時、そう感じていたのであった。




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回は、俺の元にいる赤髪のお人好しこと士郎を紹介しよう」

士郎/カード名【剣製の贋作者(フェイカー) 士郎】
属性/無・人間・斬&射&魔・剣&弓

オリジナルと見た目そのままの贋作を作れて、しかも永久に存在し続ける力を持つ魔術を持つ青年。
常にセイバーと言われている女性と行動を共にしている。

憑友「彼の作った剣は、折れるまで永久に消えない。
ロックに付いてるアーチャーとは何か関係があるようだ…」

次回

作戦会議/移送開始

憑友「次回はいよいよ第5話の核心へと迫るぜ!
また見てくれよな!」


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第29話 作戦会議/移送開始

いよいよバトルシーンが近づいて来たー!
俺の本領発揮だぜ!

という訳で今回のお話をどうぞ。
あ、因みにオリキャラ登場します。


憑友は急いでブリーフィングルームへと入室すると、そこには多くの二課のスタッフが既に待機していた。

何処に座ろうか迷っていると、

 

「あ、此方です!」

 

と、声が聞こえたのでその方を見ると、1人の女性スタッフが手を振っていたので、急いでその場所へと向かい、確保していたであろう席に座った。

 

すると先程の女性スタッフが耳打ち程度に話しかけてきた。

 

「響さんが心配してましたよ?」

 

「あはは…。彼奴にも言っておきます。

それはそうと、ありがとうございます。えっと…」

 

牧藁牛乳(まきわらミルク)よ。

実家が牧場経営で、こんな名前になってるの」

 

「そうですか。では改めて…ありがとうございます。牛乳(ミルク)さん」

 

「如何致しまして♪…と、如何やら始まるみたいよ」

 

「!」

 

そう言うと憑友は前を向き、そして会議の内容を聞いた。

 

その内容とは先ず、

 

ノイズが頻繁にリディアン周辺に現れているのは、特機部二の更に真下、通称《アビス》に眠りし完全聖遺物【デュランダル】を狙っているという可能性があると言う事。

そこで、二課はこの聖遺物を永田町最深部の特別電算室《記憶の遺跡》への移送を計画する事案が成されたという事。

そしてその執行時間が翌日の明朝5時との事だった。

後の内容はチップに記載されてあり、後で配布するとの事だった。

 

上の意向には流石の弦十郎も逆らえなかった様だ。

 

 

そしてその日は解散となった。

 

すると憑友は先程の女性スタッフ・牧藁の所へと赴いた。

 

「あの…今度、牛乳(ミルク)さんのご実家に行っても良いでしょうか?

何事も先ずは試せというのが性分なんで」

 

「ふふっ。変わった子。でも良いわ。この騒動が終わったら、連絡してみるわ」

 

「!ありがとうございます!」

 

そう言うと響が待っていたらしく、憑友は牧藁に一礼すると響と共に了子の所へと赴いて行った。

 

そして響と憑友は了子がデュランダルを回収する作業を見ていた。

回収している間は、響が時々喋っていたが、憑友はあんまり浮かない顔をしていた。

 

「(…何か嫌な予感しかしない…何故なんだろうな…)」

 

『まぁた、いつもの推理タイムか?』

 

すると彼の横からユルセンが現れたので、憑友は話をした。

因みに前回も今回も響達には聞こえてはいない。

何故なら、なのはから教わった方法《念話》を用いて話しているから。

尤も、話し相手であるユルセンは幽霊なので、普通に喋れるのだが…。

 

「(んで?お前は今日は此処に何しに来たんだ?)」

 

『…あんまり、あの剣に響を触れさせるなよ?』

 

「(はぁ?何の…って、いねぇし…)」

 

ユルセンが何かを呟いたので、憑友は何かを言い返そうとしたが…そこにはもうユルセンはいなく、憑友は頭を掻いていた。

 

「?如何したの?」

 

「…いや、何でもない」

 

響がそんな憑友を見て話しかけてきたが、憑友は何事も無かったかのように、回収作業の続きを見た。

 

「ほぇ〜…彼処がアビスですか?」

 

「東京スカイタワー3本分を誇る長さで、1800mぐらいの長さになるのよ♪」

 

「長過ぎじゃねぇか⁉︎」

 

了子の言った一言に思わず憑友はツッコミを入れた。

しかし、当然ながらスルーされるのであった。

それを見た憑友は軽くorz状態になっていたのは言うまでもない。

 

 

すると了子が2人に暫くの仮眠を取るように促してきたので、憑友はすぐに立ち直るや、了子のご厚意に甘える事にした。

 

そして寮に着くと案の定、未来がいたのだった。

 

「ちょっと、響!憑友!朝から何処行ってたのよ!

いきなり修行とか言われても…」

 

「ああ、いや〜その〜」

 

未来の言葉に響は目を泳がせながら、憑友に弁明の余地をお願いしようとしたら、憑友の様子が変だった。

まるでウトウトしていた。

 

「(やばい…眠くなってきた…)響…行くぞ〜」

 

「え⁉︎ちょっ!ちょっと待って⁉︎」

 

あまりの睡魔にこのままでは此処で爆睡しかねないと思った憑友は最後の力を振り絞って、響の腕を掴むとそのまま全速力で寮から出て行った。

 

「ああ、ちょっと…」

 

未来がそんな2人を止めようとしたが、結局2人を止める事が出来なかった。

 

「…心配もさせてくれないなんて…」

 

ーーーーー

そして、響は憑友と共に、二課のロビーにて寛いでいた。

 

だが、それは憑友だけで、響は溜め息をついていた。

何故なら、

 

「zzz…zzz…zzz…」

 

肝心の憑友が爆睡してしまったからだ。

まぁ、その他には先程の未来の事も兼ねていたのだが。

 

そんな響の所に緒川が現れた。

響はこの前のビデオレターの件の感想を直接緒川に言うと、緒川は安心したかのように、一安心していた。

すると緒川は翼の容態が安定した事を響に伝えると、響は良かったとホッと一安心していた。

 

そして緒川のだが話を聞いて、響は気が楽になり、憑友を起こそうとしたが、緒川が面倒を見ると言ったので、響はその厚意に甘えて、1人先に行った。

それを確認した緒川は呟きながら、憑友に顔を向けた。

 

「翼さんも響さんみたいに素直になったら良いのにな…

そう思いませんか?憑友君」

 

「…いつ気付いた、忍びさんよ?」

 

そこには半目状態の憑友がソファ全体を使って、呑気に寛いでいた。

 

「僕が翼さんのことを喋り始めた時からですよ」

 

「…お前、やっぱり怖いよ…色々と」

 

「何の事でしょうね?」ニコッ

 

「…いけ好かねえ…と。んじゃあな」

 

そう言うと憑友はソファから立ち上がり、響の後を追った。

それを見た緒川は相変わらず、笑顔を振りまきながら、2人を見送っていたのであった。

 

 

ーーーーー

そして翌日の明朝…

 

多数の黒い車と、ピンクの車が並び、その近くにはヘリが一機ある中、

 

黒スーツを纏ったまるで○走中に存在するハ○ターのような格好をした男達と、響と憑友が整列していた。

 

すると弦十郎が話をし始めた。

 

「防衛大臣殺害犯を検挙する名目で検問を配備、

《記憶の遺跡》まで一気に駆け抜ける!」

 

その話を聞いた憑友と響は真剣の表情を見せた。

 

「名付けて、『天下のオーライ!独り占め作戦!』」

 

「では…出発だ!」

 

その一言を合図に皆は出発したのであった…!




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回は前回の士郎のパートナーである女性・セイバーの事を紹介しよう」

セイバー/カード名【騎士達の王 セイバー】
属性/光・英霊・斬・剣

士郎と共に行動する女性。
剣の腕は相当の実力者。
そしてかなりの高燃費で、皆から『腹ペコ王』と呼ばれている。

憑友「コミカルな面を持ちつつも、其処はやはり英霊らしく、
数多の敵を一掃する実力を持っている。
その一振りで、城を崩壊させる程…!」

次回

移送作戦/修行の成果

憑友「次はお待ちかねのバトルシーンが登場だ!
次回も見てくれよな!」


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第30話 移送作戦/修行の成果

ラストで遂にバトルシーンだ!
よっしゃぁぁぁぁ!此処からが俺の見せ場だぜーー‼︎


車は出発した。

 

ピンクの車を中心に、四方を黒の車で固めていた。

ピンクの車の車内には運転席には所持者である了子が、

助手席には響が、そしてその後ろには完全聖遺物《デュランダル》が入ったアタッシュケースが、

そしてその《デュランダル》の隣には憑友が足と腕を組みながら、瞑想をしていた。

 

弦十郎はヘリに乗り、上空から様子を見ていた。

そして橋に入った時、響は窓を開けて前後を見てみると、

 

「…前方注意」

 

「え?…‼︎」

 

憑友が言った一言に響は前をみると左前方に亀裂があると思った瞬間!

その亀裂が崩壊した!

 

「了子さん!」

 

「!」

 

すると了子はすかさず車を右へと回した!

その際に瞑想していた憑友はそのままアタッシュケースに頭を強打した!

 

「あ痛っ⁉︎」

 

「憑友⁈」

 

いくら半分死んでいる身でも、やはり痛いものは痛かったようで、頭を大きく抱えていると、

 

「しっかり捕まっててね。私のドラテクは凶暴よ〜」

 

「え?」「げ⁉︎」

 

するとスピードを上げ、そして橋の先のゲートを通ると弦十郎から通信が入ってくる。

了子と響はナビから、憑友は端末のライドからその通信を聴いた。

 

『敵襲だ!座標は確認出来ていないが、恐らくノイズだろう!』

「この展開…想定していたよりも、早いかも!」

 

そう言って響達が乗ったピンクの車がマンホールを通過したと同時に、後ろの車が吹っ飛ばされた!

 

「な⁉︎…まさか…ライドさん!」

 

『言わなくてもリサーチ済みだ!

奴らは地下水から奇襲をかけている!気を付けろ!』

 

ライドの話を聞いた皆。

すると今度は前の車が吹っ飛ばされた!そしてそのまま此方に向かってきた!

 

「了子さん!」

 

するとすかさず了子はハンドルを左に回す!

そして勿論、今度は窓に頭を強打される憑友がいたのは言うまでもない。

 

「痛い〜…頭、響みたいな馬鹿になりそう…」

 

「酷いよ⁉︎」

 

すると了子はそんな状況をほっといて、弦十郎と通信をし始めた。

 

「弦十郎君?ちょっとヤバいんじゃない?

この先の薬品工場で爆発でもしたら、《デュランダル》が…」

『分かっている!』

 

するとライドが説明をしてきた。

 

『護衛車を的確に狙ってくるノイズ…憑友。君はどう捉える?』

 

「…ノイズを操ってる奴がいると言う事だな」

 

「⁉︎」

 

「先日のあの子かしら?」

 

「ええ」

 

『憑友。その可能性があると言うのなら、もしかしたら…』

 

「…彼奴もいると考えなければな」

 

憑友はライドの話からある予想を立てた。

もしかしたら、あの子…《ネフシュタンの鎧》を纏った少女がこの近くにいる可能性があると言う事。

そして、もしかしたら、《水魂導師》ソウルことロックが、そこにいるかもしれないと言う可能性へと辿り着いた。

 

その話を聞いた響は、浮かない顔をしていたが、すぐに吹っ切れたようだ。

 

ーーーーーSIDEto憑友

響が俺の話を聞いた時は浮かない顔をして心配したけど、どうやら杞憂だったようだ。

 

「それで、勝算は⁉︎」

『思いつきを数字で語れるものかよ!』

 

如何やら了子さんと弦十郎師匠の話は纏まっていたようだ。

敢えて危険地帯に進む事で、人々の軽減を減らす寸法のようだ。

そうしていると前方の護衛車にノイズが襲いかかり、護衛車内の男達はすぐに走行中の車から降りて、車は爆発した。

 

そしてそれと同時に、薬品工場の近くまで来ていた。

響は歓喜を上げているけど、そう簡単に終わるつもりは無いらしいな。

現に…

 

ガタンッ!

 

「あ」

 

「やっぱりか…」

 

了子さんの車の片輪が浮き、その勢いのあるスピードに乗ったまま、車は見事に反転し、スピンをした。

 

うぐっ…気持ち悪ィ…

 

そうしていると、響と了子が車から脱出したので、俺も急いで、シートベルトを外し、デュランダルを担いで脱出した。

 

するとそこには既に大量のノイズ達がうじゃうじゃと群がっていた。

 

「っち!(こう言う時に、限って…デュランダルが重たすぎる!)」

 

流石に肩に担いでいるとは言え、あまりにも重い。動きが思いきり阻害されても可笑しく無い…!

 

俺は辺りを見渡すと、とある一角にあの子…《ネフシュタンの鎧》を纏った少女が高みの見物をしていた。

 

「了子さん。これいくら俺でも、重く感じるんですけど…」

 

「だったら、いっそのこと此処に置いて私達は逃げましょ?」

 

はあ⁉︎何言ってるのあんた⁈

 

「そんなのダメです!」

 

「それもそうよね…」

 

分かってるのなら、最初から言うな⁉︎こっちの身が持たないよ!特に肩が⁉︎

 

そうしていると、ノイズ達が身体を変化させ、特攻してきた!

それを見た俺達は瞬時に車から離れた!

それと同時に車が爆発した!その影響で、思いきり吹き飛ばされた!

 

なんとか俺は衝撃を和らげて、なんとか回避に成功したけど、やはりまだ響には回避する事が難しいのかもしれない。その所為で、一瞬気絶してしまった。

 

『憑友。如何やら、弦十郎氏はこの車の黒煙で、こちらの視界を捉えきれていないらしい』

 

「だったら、録画機能開始!」

 

『分かった!』

 

そう言うと俺はライドさんに備わった機能の1つ・録画機能を使用した。

 

するとまたノイズが特攻して来た!

くっ!変身すると先程の録画機能は完全停止してしまうから…使えない!

如何すれば…!

 

そんな時、了子さんが手を前に出した。

するとそこから紫色のバリアが!

 

俺達を守ってる…?了子さんが⁈

 

いや、それよりも、あんな芸当は常人なら使えない!

 

「了子さん?」

 

すると響がようやく目を覚ました。俺は響の方を見た後、了子さんに話をした。

 

「了子さん…それは一体?」

 

「出来る女の嗜みよ♪」

 

「…これ以上ツッコまないようにしよう」

 

如何せスルーするなら、いっそツッコまないようにすれば良いんだ。

…と言うか、なんで今まで気付かなかったんだろう。

 

「それはそうと、貴方達のやりたい事を…やってみなさい」

 

「「!…了解!」」

 

すると俺はライドに録画機能を取り消し、そして左腕に装着し、カードを装填、そしてレバーを引いた。それと同時に響は聖詠を歌った…

 

「Balwisyall Nescell gungnir tron…」

 

「変身!」

 

ーライド!フォーム、オ・レ!

英雄の魂、オレに宿れ!ー

 

すると俺達の姿は《炎魂導師》ライドとガングニールのシンフォギアを纏っていた。

 

俺はすかさずあの少女の周りを見た。けれど、彼処に彼奴はいない…

すると響がまっすぐ突っ込んでいったので、止めようとしたけど、如何やら地面に露出していた鉄パイプに引っかかり、転倒するも、すかさず立ち上がる。

 

「(ヒールが邪魔だ!)」

 

すると響は足のヒール部分を取り壊した!

ふっ…お前らしいよ。全く。

 

そして其処からは響の土壇場だった。

ノイズの猛攻を意図も簡単に倒していく。

確実に弦十郎師匠の修行が身についていた。

 

俺も負けてられないと思い、戦闘態勢に入ると、カードケースからヴィヴィオちゃんが現れた。如何したんだ?

 

「すみません!今すぐ私のカードを使って下さい!」

 

「⁈…訳は後で聞く事にして、今はそうするか!」

 

そう言うと俺はすかさずカードケースからヴィヴィオのカードを取り出して、アブソーバー内のカードと交換、そしてレバーを引いた!

 

ーライド!フォーム、ヴィヴィオ‼︎ー

 

すると其処からヴィヴィオの通称『大人モード』の時の姿が現れ、俺はそれを纏った!

 

ー幼き聖王!不屈の娘!ー

 

そして俺のヘアースタイルはショートからサイドポニーに変わり、

服装も黒タイツと上に白いジャケットを羽織った姿をした。

そして俺は目を開けた。

其処には、赤と緑の異彩眼(オッドアイ)がくっきりと描かれていた。

 

俺はすかさず集中する。

 

神経を研ぎ澄ませ…

 

 

 

俺はすかさず自分の後ろに振り返り、そして渾身の右ストレートを放った!

 

「其処だーーーーー!」

 

するとその攻撃に気付いたのか、その存在は姿を露わにし、俺の攻撃を防いだ。

 

「…何故、此処にいると分かった?」

 

そうだな…敢えて言うなら…

 

「魔力がダダ漏れ。殺気出まくり。微妙な足音。そして…

ガーリック臭い事くらいだな?」

 

「…お前は犬か」

 

「お前に言われたくないよ!ソウル‼︎」

 

そうだ。俺の放った場所にいたのは、《水魂導師》ソウルことロックが其処にいたのだ。

 

確かに今の俺は常人の人よりも敏感だけど、犬呼ばわりして欲しくない!

寧ろ、お前みたいに上の存在にみすみす命令を受けて実行しているお前の方が犬呼ばわりされても可笑しくねぇっての!

 

「それもそうか。ならば!」

 

そう言うとロックはカードケースからカードを取り出す。

其処には水色の髪で少し洋風な雰囲気を纏った同じ形の剣を使用する少女が描かれていた。

するとロックはそのカードを装填し、レバーを引いた!

 

「変身」

 

ーソウル!フォーム、サヤカ!ー

 

するとアブソーバーから、先程のイラストの少女の魂が現れ、ロックはそれを纏った!

 

ー槍に答えし、無限の(つるぎ)!ー

 

その姿を見た俺は警戒をする。するとカードケースからほむらさんが現れた。

 

「まさか…さやか、貴方なの⁉︎」

 

「え?」

 

まさか、同じ世界出身かよ⁉︎

そう言うと、ロックは剣を掲げた。

 

「お前との戦いに、ノイズは邪魔でしかならないからな。

結界の中へ、一名様ご案内」

 

「は?…!うわぁぁぁぁぁ⁉︎」

 

そうすると彼奴の周囲から禍々しい力が含まれた黒い球体が現れ、そして瞬時に巨大化した!

それを真面に受けた俺はそのままその結界の中へと連行されてしまった。

 

…しゃあないか。やるだけやってやらぁ!




憑友「…取り敢えず一言。
前書きの作者の暴走を何卒お許し下さい。
さて、本題に入るとしよう。
『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回は、俺が今日変身した少女・ヴィヴィオを紹介しよう」

ヴィヴィオ/カード名【不屈の心の娘 ヴィヴィオ】
属性/光・人造人間(クローン)・打&魔・拳

赤と緑のオッドアイが特徴の女の子で、なのはの義理の娘。
だけど、家族のように愛されている。
兎型のデバイス『セイクリッドハート(愛称クリス)』を使用する事で、急成長した大人モードの姿になる。

憑友「《ストライクアーツ》と呼ばれる格闘技を持っており、その実力は響を簡単に打ち負かす程。
虹色に輝く魔力光は未来へと導く架け橋とならん…!」

次回

結界内の攻防

憑友「次回は今作初の前後編!
乞うご期待!」


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第31話 結界内の攻防 前編

この作品では初めての前後編!
後編は今日19時に投稿予定。

ではどうぞ!


ーーーーーSIDEto憑友

俺は結界内に無理やり入れ込まれたが、なんとか着地に成功する。

でも、なんか気味悪い所だな…まるで闇が全てを覆い尽くしているかのような結界だ。

 

例えて言うなら…深海。そんな感じのする結界だった。

 

すると上空からロックがゆっくりと降りて、着地した。

 

「此処は魔女の結界と呼ばれるものだ」

 

「魔女の結界?」

 

んじゃあれか?自分は魔女ですとでも言っているのか?

 

「正確には、俺が纏っている魂の経緯が生んだ結界(もの)だと考えろ」

 

そう言うとロックはアブソーバーからカードを外し、そして新たなカードを装填し、レバーを引いた!すると其処から金髪で、腰に鞘を携えた青年の魂が現れ、それをロックは纏った!

 

ーソウル!フォーム、アオト!

聖なる扉!水の咎人!ー

 

電子音を聞いた俺はふと何かを思い出す。

 

聖なる扉…?何処かで聞いた事あるな。えっと〜

 

「俺を早く出せ!」

 

「うわぁ⁉︎脅かすなよアカネ…!」

 

考え事をしている最中にアカネがカードケースから無理やり出てきて来たので、驚いてしまった。

ん?アカネって確か…!そう言う事か!

 

「そうとなれば話は早い!」

 

そう言うと俺はすかさずカードを取り出し、アブソーバーのカードと交換し、レバーを引いた!

交換したカードは【炎を灯した少年 アカネ】…先程会話したアカネのカードだ。

此奴となら…!

 

そう考えると俺は瞬時にアカネの魂を纏った!

 

ーライド!フォーム、アカネ!

聖なる扉!炎の咎人!ー

 

するとロックの方から1人の青年の魂が見えた…!

 

「アカネ…⁉︎」

 

「おい!アオト!これは如何言う事だよ!なんでお前がそっち側に付いてるんだよ!」

 

え?まさかのお知り合い⁈

 

「俺達はミドリと同じアカデミーからの同級生だ」

 

マジかよ⁉︎

と言うか、此処まで関連者が多いのは凄すぎなんだけど⁈

 

なのはさんとフェイト?さん。

 

ルドガーとユリウス?さん。

 

ほむらさんとさやか?さん。

 

そしてアカネとアオト?だっけ?

 

これだけ関連している組み合わせがあるのはある意味凄いことだな。

 

 

「"ワダツミ"!」

 

「!"イグナイト"!」

 

そう考えていたら、ロックがいきなり刀で攻撃をして来やがったから、俺は無理やり拳をぶつけた!

 

…くぅ〜…手が痛い〜

 

「なら、これは如何だ!」

 

そう言うとロックの左腕に装着されていたアブソーバーのドライブボタンを叩いた!

 

必殺技か!そんな事、させるかよ!

 

「燃やし尽くせ!"メギド・フレイム"‼︎」

 

俺はすかさず両手の拳で大火力の炎をお見舞いさせた!

いくら必殺技と言えど、詠唱含む溜め時間(チャージ)が必要なのが弱点!ならば、通常技を受ければそれだけ相手に隙が生まれる!

これならば…

 

 

そう思っていた時もありました。

けれど、奴は違った。

 

 

『ソウル・アオト!フルドライブ!』

 

「⁉︎」

 

俺の攻撃を全て受けたのにも関わらず、彼奴の身体には傷1つついていなかった!

何故だと思っていたら、相手が説明をし始めた。

 

「技の名は、"アブソリュート・シン"。

如何なる技を受けても、どんな状態異常をも全回復させる回復特化型の必殺技だ」

 

「な、何⁉︎」

 

回復型の必殺技だと⁉︎

それじゃあ、彼奴に勝てる策がねぇ!

 

「水よ逆巻け…!"アブソリュート・ゼロ"」

 

!しまった!

 

「ぐわあ⁉︎」

 

くっ!かなり痛い。…そうだった。今の俺は〔炎〕を纏っているから、彼奴の〔水〕にはめっぽう弱かったんだ…!

 

「くそ!」

 

落ち着け俺。こんな所で怒りに身を任せたら、それこそ埒があかねぇ。

 

「だったら、次はこれだ!」

 

そう言うと俺はすかさずカードを取り出し、交換、そしてレバーを引いた!

 

ーライド!フォーム、エレン!ー

 

此奴の機動力を活かせば!

 

ー反撃の狼煙!怒りの戦士!ー

 

俺は調査兵団と言う部隊に所属する青年・エレンの魂を纏った。

 

「ふっ。まさか()()も同じやつを持っているとはな?」

 

え?()()も?如何言う事だ⁉︎

 

するとロックはカードを取り出し、俺と同じ行動を取った。

 

ーソウル!フォーム、リヴァイ!

史上最強、兵士長!ー

 

すると其処には、エレンと同じ制服を纏ったロックが其処にいた!

 

「⁉︎馬鹿な!」

 

「行っただろう?お前に出来て、俺に出来ないものは無い。と」

 

…くっ!ますます、怒りに身を任せてしまいそうだ!

 

「其方が来ないのなら、此方から行かせて貰う!」

 

そう言うとロックは腰についてある機動装置を使い、結界内を縦横無尽に駆け回りはじめた!

 

不味い!此処にいたら、却って的になるだけ!

だったら、俺も彼奴のスピードに追いつけばいい!

 

そう言うと、俺はエレンの力を借りて、すぐに機動装置を機動させ、縦横無尽に動き回る!

 

そして其処から無数の斬撃を与える空中戦を行った。

 

けど、圧倒的に強すぎる!

 

差が歴然だった。まるで、キャリアが違うと感じたぐらいだ。

 

俺はすぐに地上に着地すると、今度はほむらさんのカードを取り出して、交換、そしてレバーを引いた!

 

ーライド!フォーム、ホムラ!ー

 

其処には銃と盾を持った黒がメインカラーの少女の魂が現れ、俺はそれを纏った!

 

ー時間の叛逆!無限に連なれ!ー

 

「っ!」

 

そう言うと俺は辺り一帯を攻撃をした!

数撃ちゃ当たるって言うしな!

 

「くっ!」

 

その内の1発が掠ったのか、ロックはすぐに地上に着地した。

 

後は、このまま追い詰める!

 

「…変身」

 

するとロックはすぐに新たなカードを取り出し、交換してレバーを引いた!

 

ーソウル!フォーム、クルミ!ー

 

すると其処から目の色が赤と黄色のゴスロリ姿の魂が現れた!

…⁉︎いや、よく見たら、黄色の眼には時計のようなものが刻まれてるだと⁉︎

 

それを見ていた俺の隙をつき、ロックはすぐにその魂を纏った!

 

ー時の精霊、ナイトメア!ー

 

其処にはゴスロリ柄の衣装を身に纏ったロックが其処にいた。

そして、長針のような銃と短針のような銃の2つを構えた。

まるで、10時10分を示しているかのように。

 

「時間を叛逆する者同士…何方が上か、やってみるか?」

 

そう言うとロックはすぐに銃を此方に向けて撃って来やがった!

 

俺はすかさず左腕に装着されていた盾で防ぐ。

因みにその盾の内側にライドさんがいたりする。

 

俺はすかさず右手に銃を構えて放った!

けど、やはりそう簡単には当たってくれない!

 

「くっ!」

 

『落ち着きなさい、憑友』

 

!ほむらさん⁈何処から⁈

 

『一応、貴方の魂の中にいるわ。

それよりもよく聞きなさい。

私は確かに貴方に銃の扱い方を教えたわ。

けど、私の魂を使っても、それは無意味に等しいわ』

 

⁉︎如何言う事ですか!

 

『私の力は『時間操作』の能力が主よ。

攻撃力ははっきり言うと駄目よ。もちろん自覚してるわよ』

 

くそっ!

 

「如何した?そんな程度か?」

 

…不味いな。完全に相手のペースに乗ってしまっている…!

こんな時、如何すれば…

するとカードケースから1枚のカードが現れた。

 

このカードは…!

すると俺はすかさずそのカードを手に取った!

そのカードはつい最近仲間になった相手のカードだ。

 

戦ってくれるのか?

 

「ああ。共に行こう!憑友君!」

 

良し!それじゃあ!反撃だ!

 

そう言うと俺はすかさずアブソーバーのカードと交換、そしてレバーを引いた!

 

ーライド!フォーム、ジン!ー

 

するとアブソーバーから紫色を主体とした角が生えたマントを羽織ったような戦士の魂が現れ、それを纏った!

 

ー瞬殺!秒殺!皇帝降臨!ー

 

黒い甲冑を身に包み、そして身の丈ど同等の長さを誇るハンマーを掲げた戦士に俺はなった!

 

名付けるなら…《炎魂導師》ライド・ジンフォーム。

 

又の名を…《秒殺の皇帝》の再来!

 

すると俺はすかさずその身を動かした!

 

!速い!

 

「⁉︎何っ⁉︎ぐはっ!」

 

動くスピードが速い!

ハンマーって言えば、それこそ重たいイメージがあるのに、これはそんなの関係ないくらいにまで全く影響していない!

 

ならば!一気に決める!

 

「"必殺ファンクション"!」

 

俺がそう叫ぶと、ライドアブソーバーから電子音が聞こえた!

というより…微妙なネーミングだよな…これ。

 

ー"アタックファンクション"!

 

"インパクトカイザー"!ー

 

すると俺は大きく振りかぶり、そのままハンマーを地面に叩きつけた!

すると其処から炎柱が発生し、ロックはその攻撃を真面に食らった!

 

よし!手応えあり!

 

「くっ!ならば!」

 

すると今度は別のカードを取り出してレバーを引いた!

 

ーソウル!フォーム、タツヤ!ー

 

するとアブソーバーから白い服に身を包んだ変わった銃口の形をした2丁拳銃を携えた青年の魂が現れ、それを纏った!

 

悪魔の右手(demonright)神の左手(divineleft)!ー

 

⁉︎なんだこの感覚!…まるで何か嫌な予感しかしない!

すると今度は、

 

「大丈夫か⁉︎憑友!」

 

師匠(せんせー)

 

俺に劍術を教わったキリト師匠(せんせー)だった!

 

「すみません。せんせーの力をお貸し下さい!」

 

「よっしゃ!任せろ!」

 

そう言うとカードが現れ、俺はすかさず取ると、ジンのカードと入れ替え、そしてレバーを引き、現れた魂を纏った!

 

ーライド!フォーム、キリト!

黒剣、双閃、アメイジング!ー

 

すると、ロックの側から1人の青年の魂が見えた!

彼奴がロックが変身している魂の存在か。

 

「2丁拳銃と二刀流…悪くは無いな」

 

「生憎、こっちも同意見だけどな!」

 

そう言うと俺は背中に携えた剣を双方持って構え、

ロックも懐から2丁の拳銃を取り出し、構えた。

 

 

静けさが蔓延る中、お互い先ずは様子を見る。

少しずつ、そして着実に狙い定める!

 

そして、俺の額から汗が滴り、地面に落ちた。

 

それを合図に攻撃が開始された。

 

ロックは拳銃を巧みに操って、魔法陣を発生させて、攻撃しようとしていた!

けど、俺のキリト師匠にそんなもんは通用しない!

 

「っ!」「はぁっ!」

 

ジャキィィン!

 

その掛け声と砕けた音を聞いたロックは凝視した。

自分で作った魔法陣を()()()()()誰だって驚くもんさ。

 

キリト師匠の能力『破壊(ブラスト)』の能力が発動したからだ。

 

この効果は、相手の攻撃属性が、〔拳闘〕〔守護〕〔回復〕以外の属性なら、破壊する事が出来る能力であり、これはキリト師匠だけしか扱えないとまさに唯一無二の能力だ。

 

だから、負けられないんだよ!

 

相手も必死に攻撃をするも、数多の魔法陣を斬って行くその勇ましさは相変わらず凄いとしか思えないぜ!

 

「ふっ、ならば…!」

 

そう言うと今度はまた別のカードを取り出し、入れ替えてレバーを引いた!

 

ーソウル!フォーム、アーチャー!ー

 

するとロックのアブソーバーから赤い外套を羽織った男の魂が現れ、ロックはそれを纏った!

 

ーUnlimited Blade Works!ー

 

そしてすかさず腕を臍を隠すかのように交差すると、

 

同調開始(トレース・オン)

 

其処から1組の短剣が現れた。

白と黒の剣…まるで夫婦のような剣だった。

 

「はぁっ!」

 

「⁉︎くっ!」

 

!いきなりかよ!距離にして数十m先にいた筈なのに、此処まで来るなんて!

しかも…強い…!

 

「この魂は俺が初めて出会った『英雄』の力だ。お前に負けるつもりは無い!」

 

「そうかよ…!だけどな!俺だって、この姿になったからには、負けるつもりはねぇ!」

 

何故なら…あんたと同じで…

 

キリト師匠(せんせー)は俺が初めて出会った『英雄』だからだ!

 

こんな所で負けられないんだよ‼︎

 

「ふっ!」

 

「!」

 

そう言うと俺はすかさず吹き飛ばした!

それを見たロックは瞬時に後退する。

そして互いに剣を構える。

 

そして…一気に!

 

ガキィン!

 

ガキィン!

 

ガキィン!

 

激しくぶつかり合う剣と剣。

 

しかし、ロックの方の剣は罅が入ってきていた!

 

「はぁぁぁぁあ!」

 

パリィィィン…!

 

その一撃で、剣は破壊された!

其処から一撃…!

するとロックは小声で、

 

同調開始(トレース・オン)…」

 

と言った。

 

その瞬間、

 

ガキィン!

 

…え?

 

俺は目を見開いた。

だって、先程使用していた剣が…罅1つも無い…完璧の状態で、元に戻っていたから!

 

 

「はぁっ!」

 

「⁉︎ぐわぁ!」

 

その攻撃で俺はおもいきり吹っ飛ばされた!

 

くっ!何が起こったんだよ…!

 

「無駄だ。こいつの能力『剣製』の前には、幾ら強力な武器で挑もうと思っても、こちらは"贋作"で挑んでいる…

言うならば、此方には無限に同じ武器で戦えると言う訳だ」

 

⁉︎なんだよ…それ…⁉︎

そんなんだと…勝ち目が無いじゃ無いか!

相手の武器が無限に同じ物を作れると言うなら、如何したら…

 

その時だった。

またカードケースから1枚のカードが現れた。

 

「あまり無茶するなよ」

 

「…衛宮さん」

 

現れたのは、魔術師と呼ばれる存在・衛宮さんだった。

 

「俺と変わってくれ」

 

「…了解です」

 

本当ならキリト師匠で決着を付けたかったけど…仕方ない。

 

すると俺はキリト師匠のカードと衛宮のカードを入れ替え、そしてレバーを引いた。

 

ーライド!フォーム、シロウ!ー

 

するとアブソーバーから赤髪で白と紺の服を着ている魂が現れ、俺はそれを纏った。

 

ー剣製魔術師、トレース・オン!ー

 

ーーーーーSIDEtoロック

 

ーライド!フォーム、シロウ!

剣製魔術師、トレース・オン!ー

 

彼奴が纏った魂に俺は余裕な態度を示していた。だが、

 

『気をつけろ。仮のマスターよ』

 

俺と同体化しているアーチャーからそんな事を言われた。

アーチャーが危惧する理由が分からない。

 

すると彼奴…憑友は臍の所で腕を交差させ…

 

同調開始(トレース・オン)

 

そう言うとその手には、アーチャーと同じ武器『夫婦剣 干将・莫耶』が握られていた!

 

馬鹿な⁉︎あの武器はアーチャーの武器の筈!

何故、彼奴がそれを出せる⁉︎

 

「行くぞ…赤き弓兵‼︎」

 

tobecontinued…




現在、憑友君はロック君と激闘中の為、『英雄』紹介はお休みとさせて頂きます。

では次回はいよいよ後編!
マニアックなアニメキャラも登場しますので、ご了承下さい。


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第31話 結界内の攻防 後編

後編です。

結構、マニアックなアニメキャラ出てきてますのでご了承下さい。

…あれ?これ前回の後書きにも言わなかったっけ?


ーーーーーSIDEtoロック

何故、彼奴からアーチャーの武器『夫婦剣 干将・莫耶』が現れたんだ⁉︎

そう考えていると、憑友はその夫婦剣を投げてきた!

 

そう言えば、『干将・莫耶』には同時に投げる事でブーメランのような性質が付加する事が出来るって、前にアーチャーが言っていたな。

ならば!

 

「ふっ!」

 

俺も同じ手でやるだけ!

 

そしてすかさず《黒弓フェイルノート》を取り出し、そして同調(トレース)したのは、かの有名な聖剣のモデルにもなったと言われる螺旋の剣。

 

俺はすかさず詠唱をする…

 

我が骨子は捻り狂う(I am the bone of my sword.)…」

 

今こそ穿たん…螺旋の剣の矢よ!

 

偽・螺旋剣(ガラドボルグⅡ)!」

 

これなら…⁉︎

 

「はぁっ!」

 

俺はそいつの行動に驚かされた…

 

俺が放った矢を…彼奴は受け止め、そして…斬った…!

 

馬鹿な⁉︎彼奴の剣は確かにブーメランの状態で、今は俺の後ろに飛ばされている筈なのに…?

 

すると俺はそいつの行動に疑問を感じた。

何故か、彼奴の攻撃パターンは何処かで見た事が有るような…

 

そうだ。アーチャーだ。

アーチャーと同じ戦闘スタイルを持っているんだ。

だけど、彼奴の使った【ヒーローカード】は全くの別物。

なのに、何故此処までアーチャーの武器を巧みに扱える⁈

 

そう感じていると、彼奴の手はまた交差し、そして詠唱した。

 

同調開始(トレース・オン)

 

そして、そいつの手から身の丈を優に越す、石で作られた巨大すぎる大剣が現れた!

なんだよ…あの武器は⁉︎

 

するとその大剣を持ったまま、懐へ…⁉︎

あの重たい武器を軽々と持っていながら、少なくても30mは離れていた場所を瞬時に来るなんて⁉︎

 

そう言うと9回、俺の急所を狙ってきやがった!

 

「ぐはっ‼︎」

 

あまりのスピードに俺は何も出来なかった。

 

是・射殺す百頭(ナインライブズ・ブレイドワークス)

 

彼奴…《炎魂導師》は確かにそう言った。

 

くっ!相手がそう来るなら…!此方はその伝説を壊してやる!

 

そう言うと俺は新しいカードを取り出し、アーチャーと交代、そしてレバーを引いた!

 

ーソウル!フォーム、イズナ!ー

 

するとアブソーバーから黒を基調とした鎧を身に纏った青年の魂が現れた。

しかも、後ろには竜を冠する程の威圧も持っていた。

俺はすかさずそれを纏った。

 

ー伝説粉砕!黒き稲妻!ー

 

その姿はまるで竜の鎧を纏いし竜使いとでも呼んでも可笑しくない格好になっていた。

 

そのまま俺に先程の大剣をぶつけて来る憑友。

だが…

 

 

バリィィィンッ!

 

「⁉︎」

 

幾ら堅い大剣でも、この鎧には傷一つ付かないとは…!

己自身も驚いている。

 

ただ、気力の消費が半端じゃない…!

こうしているだけでも、かなりの精神力を削がれて行っているとは…!

 

「何だよ…それ、ありかよ⁉︎」

 

ありだから仕方ない。

 

「これは『伝説を砕きし者《ガイストクラッシャー》』と呼ばれた者の1人が装着する姿で、名は"ライトニング・ドラグーン"。

黒き雷を生み出す黒龍の力を宿した鎧だ。

だが、これだけで終わる訳が無いのでな!」

 

そう言うと俺は全身で気を貯め始める。そうでもしないと、気力を持っていかれてしまうからな。

 

…良し。今だ。

 

そう言うと俺はアブソーバーのディスプレイを見た。

そこには、パネルボタンが3つあり、うち左側のパネルボタンは少し暗くなっている。

そこで俺は右側のパネルボタンを押した。

 

ーフォームチェンジ!ウェポンフォーム‼︎ー

 

電子音からそう発声されると俺の体に身に纏った鎧が飛散し、そして右手に紫水晶(アメシスト)の輝きが集まりだすと、そこから1つの槍が現れた。

 

「はぁぁぁぁ!」

 

「なぁ⁉︎」

 

そう言うと俺は両手でその槍を巧みに操る!

そのあまりの早さにさすがの《炎魂導師》も避けるだけしか出来ないとは…!

そう考えていたら…

 

「なぁ?此処に軽く1時間ぐらい居るんだけど?まだやるつもりなのか?」

 

…何?

 

ーーーーーーSIDEto憑友

 

俺はロックの槍の攻撃に必死になって避けていた。

最初こそは驚いていた。鎧から武器に変化するなんて考えてもいなかったからな。

けど、俺はそんな事は前々からやって来ていた動体視力のおかげで苦にならなかった。

それよりも…この結界に入ってから、違和感を感じまくっていた。

 

何故だろう…この結界に入ってから、時の流れが速く感じる様になっていた。

 

そこで俺はロックの攻撃を避けながら、こう告げた。

 

「なぁ?此処に軽く1時間ぐらい居るんだけど?まだやるつもりなのか?」

 

「…何?」

 

如何やら、相手は全く知らないらしい。

俺はこの間までに少なくても5回は『英雄』達の力を使い、変身をして来た。

けど、それは全て10分毎に変身を繰り返してきたんだ。

え?如何やって測ったかって?

ライドさんを甘くみすぎだな。

ライドさんには通称『如何でも良い機能』を付けているのだ。

以前見せたペースメーカーの他にも、ナビゲーターやカメラ等、戦闘時では多いに役立たない機能を豊富に付加されているのだ。

録画機能もその一つで、変身する際は強制解除されてしまうのが欠点だけど。

 

さて、話を戻すとして。

変身を繰り返した回数は今のこの姿で6回目。

つまり10×6=60。

60分=1時間と言う計算に基づく。と言う訳である。

 

すると、

 

「なら、此奴の力を倒せたら、この結界が解けるかもな?」

 

そう言うとロックはカードを交換、そしてレバーを引き、アブソーバーから現れた魂を纏った。

 

ーソウル!フォーム、サヤカ!

槍に答えし、無限の剣!ー

 

それはこの結界に送った際に使用していたほむらさんの世界の仲間の姿だった。

するとロックはすかさずアブソーバーのドライブボタンを叩いた!

 

『ソウル・サヤカ!フルドライブ!』

 

「はぁぁぁぁあ‼︎」

 

するとロックの姿が見る見る変化していく…!

 

その姿を見て、俺は吐き気に襲われそうになった。

だって、あんなにも()()()()姿()()()()()()を見たら、それこそ気分が悪くなっちまう!

 

『これを相手にお前は何処まで戦えるかな!』

 

…完全にキャラが変わってやがる。

先程までの冷静さは微塵も無く、代わりに超が付く程の熱苦しい性格になったかの様な性格になっていた。

 

だけどな…

 

「俺だって、負けたくないんだよ!」

 

俺は心の声と実際に言い放った声が一致した。

そうしていると、俺はカードケースから1枚のカードを取り出すと、それをアブソーバーに装填、そしてレバーを引いた!

 

ーライド!フォーム、カケル!ー

 

するとアブソーバーからなんと真っ赤なスポーツカーが現れた!

俺はすかさずその車の上に乗り、

それを拳で叩いた!

 

するとそのスポーツカーは瞬く間に俺に纏わりついた!

 

ー赤き稲妻、ライバード‼︎ー

 

 

真っ赤な鎧を身に纏った戦士に俺は変身した。

 

…かっけええ…

 

「ゼツボー的にかっけええ!」

 

『…使い方違くないか?その言い方』

 

あれ?そう言えばそうだ。なんで言ったんだろう?

 

まぁいいか!そんな事は関係ないぜ!

 

そう言うと俺は何処から取り出したのか、変わった形状をした剣を取り出した。

そして俺は動き回る!

そのスピードにロックは驚き、そして最初の斬撃を与えた!

 

「ぐっ!」

 

そこからロックは所持していた剣を使い攻撃を仕掛けてくるが、

俺はそれを剣で防ぐ。

 

そして俺は防ぎながら、アブソーバーを見てみると、

ディスプレイにパネルボタンがあった。

 

2つのパネルボタンがあって、うち右側のパネルボタンは少し暗くなっていた。

そこで俺は防いでいた剣で押し返すと同時に、左側のパネルボタンを押した。

 

ーチェンジ!ビークルモード!ー

 

電子音からそんな声が聞こえると俺はすかさずバク宙をすると同時に俺は先程アブソーバーから現れた赤いスポーツカーに変化していた!

 

ト○ンス○ォー○ーかよ⁉︎

 

でも、中々良いぜ!

 

そう言うと俺は結界の周りをその姿で駆け回る!

 

ロックは逃すまいと、剣を無限に作り出して、攻撃を仕掛けてきたが、全て当たる事は無かった。

 

まだまだ行くぜ!…と思ったけど…

 

 

…如何やってさっきのロボット姿になれるんだ?

 

おれはそれに自問自答した。

するとライドさんが念話で話しかけてきた。

 

『(憑友。イメージしてみろ。この状態ではそれが一番良い方法だ)』

 

イメージ…?

 

兎に角今は…!

 

俺はイメージしてみた。

ビークルモード(この状態)からロボット(あの姿)に戻るイメージを…

すると、電子音が聞こえてきた。

 

ーチェンジ!ゼッターモード!ー

 

すると俺は元の姿に戻った!

 

良し!これで一気に決めてやる!

 

すると俺はライドアブソーバーのドライブボタンを叩いた!

 

『ライド・カケル!フルドライブ!』

 

すると俺は一気に跳躍!

ロックはそこが狙い目だと思ったのか、無限の剣を此方に放って来たが、関係ないぜ!

 

俺はそのまま背中のブースターを使い、相手に特攻していく!

 

そして軽く1捻りを加えて…!

 

「伝家宝刀!"ライトニングスラッシュ"‼︎」

 

 

すれ違う瞬間に斬撃を与え、そして俺は華麗に着地に成功した。

 

『ぐはぁ⁉︎』

 

その攻撃を受けて、ロックは元の姿に戻った。

それと同時に、結界に罅が入りそして、飛散した。

 

俺もそれを見届けると、カードを取り出し、《炎魂導師》のカードを入れて、レバーを引き、そして纏った。

まだ戦いは終わっていないからな。

 

「憑友!」

 

すると響がこっちにやって来た。

周りにいたノイズは結界に入る前よりもかなり少ない。

戦っていたのは響1人だから、響がノイズを殲滅していたんだな。

如何やら、1人でもノイズと戦える様だな。

 

そう感心していると…

 

「中々やるな…憑友…!」

 

「⁉︎」

 

ロックの声に俺は鳥肌を感じた。

いや、こんな時期なのに…寒く感じる…だと⁉︎

 

「寒っ⁉︎」

 

如何やら響も感じている…!

 

するとロックはカードケースから1枚のカードを取り出し、装填、そしてレバーを引いた!

 

ーソウル!フォーム、グレイ!ー

 

するとそこから白いコートを纏った男の魂が現れ、そしてロックはそれを纏った!

 

ー氷で凍てつけ、悪魔狩り〜!ー

 

纏った瞬間に更なる寒気が襲われた…!

 

くっ!なんだよこの力…!まるで化け物じゃねえか!

 

「続きと行こうぜ?」

 

くっ!ならば、そっちがその気なら…!

 

俺はすかさずカードを取り出し、カードを交換、そしてレバーを引いた。

入れたカードは【炎の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー) ナツ】

 

何故、このカードを入れたのかは分からなかったけど、今はこれが妥協なのかもしれない。

 

するとそこからナツの魂が現れ、俺はそれを纏った!

 

ーライド!フォーム、ナツ!

炎で滅せ、竜滅者!ー

 

「さぁ…

 

 

燃えてきたぞ…!」




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回は俺が最後に使用していたカケルについて紹介しよう」

カケル(本名 轟駆流)/カード名【赤き稲妻 カケル】
属性/雷&炎・人間&機械・斬・刀

ライバードと呼ばれる赤いスポーツカーに乗る小学生ドライバー。
ゼツボー的が口癖。

憑友「このカードは霊風先輩との1ヶ月の間で手に入れた新しい力だ。
必殺技"ライトニングスラッシュ"は彼の代名詞とも呼べる技でもある…!」

次回

火竜VS氷魔

憑友「次回はFAIRYTAILファン必見の激闘を見せてやる!
じゃあまたな!」
↑メタ発言したのに気付いていない。


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第32話 火竜VS氷魔

お待たせしました。
今回はFAIRYTAILのキャラに変身したロックと憑友の激闘回です。

そして、同時にこの話で漸くアニメ5話が終わりました。
…うん。長い。急いで次の作品を投稿しないと。


前回の話

薬品工場にて激闘を繰り広げていた響と憑友。

憑友はノイズ達の事を響に任せ、己は《水魂導師》ソウルことロックと激闘を繰り広げていた。

数多の変身を繰り返しながら、そしてロックが発生させた結界を生ませた存在の『英雄』を倒し、結界が崩壊。

憑友も無事に響と合流するも、

ロックから発生されて来る寒すぎる冷気を感じた憑友。

そこには『英雄』の1人【氷の滅悪魔導士(デビルスレイヤー) グレイ】を纏ったロックがいた。

憑友はそれに対して【炎の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー) ナツ】を纏ったのであった。

ーーーーーーNO SIDE

 

「さぁ…燃えてきたぞ…!」

 

そう言いながらハニかむ憑友。

その姿は首に鱗模様のマフラーを巻いて、袖なしのチョッキを羽織っていた。

響はこの姿を今回ので2度目なのだが、以前は夜だったので、どんな姿なのか、あまり分かっていなかった。

けれど、改めて見て思った事…

 

「…って、上チョッキ以外着てない⁉︎」

 

そう…チョッキ以外上着は()()()()()()()のだ。

 

そうするとロックの側から男の魂が現れた。

 

「随分と久しぶりだな…ナツ」

 

すると憑友の隣からナツの魂が現れた。

 

「お前こそな!グレイ!」

 

如何やら知り合いの様だ。

 

「とことんやってやらぁ!」

 

「上等じゃねぇか!」

 

そういうと2人は消えて、憑友は拳同士を打ち付けた。

 

「派手に行くとしますか!」

 

「ふん…そうするとしようじゃないか!」

 

するとロックは自身の上着に手を置くと、それを…

 

 

放り投げた。

 

 

「え⁉︎」「・・・はぁ⁉︎」

 

それを見た響は驚き、憑友は間が空いてからようやく理解し、

 

「「何故、服を脱ぐ⁉︎」」

 

同時にハモった。

 

しかもご丁寧に上着の下には何も着ていない…裸だ。

 

上半身裸になりつつも、その肉体美はまさに男の憧れそのものだった。

 

それを見ていた了子は呆然としていて、鎧の少女は頭を抱えていた。

するとロックは左手をパーにし、右手をグーにして左手に垂直に立てた。

 

「"アイスメイク"…"(フロア)"!」

 

そしてその手を地面につけた。

すると一瞬で周りがスケートリンクそのものになってしまった。

 

そして周りにいたノイズ達…特に人型のノイズ達はそのせいで、かなり足場が悪くなってしまったのか、立つ事も困難になっていた。

それは勿論、憑友や響も同じなようで、

 

「うわぁ⁉︎」「うぇぇ⁉︎」

 

なんとか脚が揺れる中でも足で踏ん張る憑友と、思うように立てない響。

 

するとロックはそこを狙った!

 

「!はぁ!」

 

「⁉︎きゃぁ!」

 

「響!」

 

ロックは軽やかに滑りながら、響を効果範囲外に吹き飛ばした!

憑友はそれを見て、怒りを露わにするが、逆に好都合でもあると感じた。

 

もしかしたら、このまま響を守りながらの戦いだったのだから。

 

するとロックは再び構えを取る!先程と同じ構えだ!

 

「"アイスメイク・槍騎兵(ランス)"‼︎」

 

すると今度はロックの前方から大量の氷の槍が放たれた!

それを見た憑友は瞬時に両手から炎を噴き出し、

 

「"紅蓮火竜拳"ーーーー!」

 

その連続攻撃で、沢山の氷の槍が四散していった。

 

だが、それでもロックは再び構えを取り、今度は水平上に持って行くと、

 

「"アイスメイク"…"戦斧(バトルアックス)"!」

 

今度は氷の斧が現れ、薙ぎ払いを仕掛けてきた。それを憑友は初見で躱した!

 

「まだだ!」

 

するとロックはアブソーバーのパネルボタンを押した。

 

ーデビルスレイヤー…!ー

 

するとロックの左腕にタトゥーが入り込まれた。

 

すると、

 

「"氷魔"…」

 

何かを言おうとした時、憑友の目の前にロックが現れた!

 

「!しまっ⁉︎」

 

「"零ノ太刀"!」

 

「ぐはぁ⁉︎」

 

その攻撃で憑友は大きく吹き飛ばされた。

 

 

ーーーーSIDEto憑友

 

ぐはぁ…!

くっ!相性最悪のカードを引いてしまった…!

 

只でさえ〔炎〕と〔氷〕は相反するものとして、忌み嫌われてるのに、相手には更に〔滅悪〕の効果付きかよ!

 

俺、一応〔妖怪〕みたいなものだから、通常の人達よりも、かなり痛い…!

〔滅悪〕属性は相手の属性が、

〔悪魔〕〔妖怪〕〔幽霊〕なら…

与ダメージが上がる効果を持っているって、前にナツさんがポツリと呟いていたのを思い出していた。

 

つまり、今の俺にとって、相性最悪とも言える『英雄』と言う事になる…!

 

「如何した?そんな程度か?」

 

…言ってくれるじゃねえかよ…!

だったら、とことんやってやらぁ!

 

俺はすかさず立ち上がる。

そしてライドさんを見てみると、そこにはやはりパネルボタンがあった。

パネルボタンは3つあり、その内の左側のボタンは少し暗くなっていた。

今まで使って来なかったけど、今は使うしかねえや!

 

そう言うと俺は真ん中のボタンを押した!

 

ーモード!雷炎竜‼︎ー

 

すると何処からか黒い雲が上空から現れると、其処から俺に目掛けて雷が降ってきた!

 

「!…憑友ーー‼︎」

 

響の声が聞こえてくる…心配させてばっかだな、俺は。

だけど、この雷は…『勝利への片道切符』だ!

 

すると俺の周りから炎と雷のオーラが纏わりついた!

 

「行くぞ…悪魔狩り」

 

「⁉︎」

 

俺の姿を見たロックは驚いていた。

俺自身もナツさんにこんな力があるなんてびっくりしてるんだから。

 

「!…憑友!」

 

「嘘⁈あの雷を⁉︎」

 

「!真面に食らって平気でいやがるだと⁉︎」

 

そう考え込んでいたら、上から響、了子さん、そして鎧の少女がそれぞれのリアクションを見せてくれた。

うん。普通ならこれで人間は死んでるからね。

 

だけど、俺や『英雄』達はその限りではない。

 

俺は元から死んでる身。だから、この雷を食らってもまだ生きている。

『英雄』達の中にはその〔雷〕の属性を持っている奴等もいれば、それに耐性があるものもいるから。

さて、話を戻そう。

 

 

俺は瞬時にロックの懐に入り、

 

「"雷炎竜の撃鉄"‼︎」

 

「ぐはっ‼︎だが…⁉︎ぐわぁぁぁぁ‼︎」

 

ロックが何か言おうとしたけど、それは上空からの雷で封じられた。

 

"モード雷炎竜"

ナツさんが使用している魔法の中で、特殊な力。

ナツさんの仲間に〔雷〕の属性を使う奴がいて、その人の力を飲み込んだ事で得た力だってナツさん本人が言っていた。

 

そのおかげもあってか、この力には〔炎〕の他に、〔雷〕の追撃効果も発生されている。

 

『〔水〕は純度があるとそれだけ〔電気〕を通しやすくする』と理科の授業の時に言っていたな。

 

「〔水〕VS〔雷〕か…あ、いや正確には

〔水〕と〔氷〕VS〔炎〕と〔雷〕の方が正しいのか」

 

そう言うと俺は拳同士を打ち付けた。

 

「くっ!…ならば!」

 

 

其処からはロックと俺とのガチンコ対決だった…!

 

「"氷欠泉(アイスゲイザー)"!」

 

「"火竜の翼撃"!」

 

「"アイスメイク・魔王の前腕甲(ヴァンブレイス)"」

 

「"火竜の握撃"!」

 

「"氷雪砲(アイスキャノン)"!」

 

「"火竜の煌炎"!」

 

「"氷魔剣(アイスブリンガー)"!」

 

「"火竜の砕牙"!」

 

…面白くなってきたぜ!

そう感じているとロックは空気を吸い込み始めた。

俺も負けられねえ!

 

俺はすかさず大きく空気を吸い込む。そして…

 

「"雷炎竜の"…」

「"氷魔の"…」

 

 

「「"咆哮"/"激昂"ーーーー‼︎」」

 

俺の口から灼熱の炎が、ロックの方からは極寒の冷気が放たれた!

 

ーーーーNO SIDE

憑友とロック。ナツとグレイ。

お互いの技は周りにいた者達に衝撃波となって、襲いかかった!

 

その衝撃の余波で、周りにいたノイズ達が一気に葬られ、

 

響と鎧の少女はその衝撃で、軽く吹き飛ばされ、

了子は先程憑友達を守った時に使用したバリアを張るも張った瞬間に罅を入れられて、了子は驚いていた。

 

そしてその中心点にいた憑友とロックは、共にアブソーバーのドライブボタンを叩いた!

 

『ライド・ナツ!フルドライブ!』

『ソウル・グレイ!フルドライブ!』

 

するとロックは右手を前方に翳し、

憑友は両手から炎と雷のオーラが纏った!

 

「"滅竜奥義・改"!」

 

「"全ての世界よ…氷結せん"」

 

そしてそれぞれの技が炸裂する…!

 

「"紅蓮爆雷刃"‼︎」

 

「"アイスメイク銀世界(シルバー)"‼︎」

 

其々の攻撃で先程よりも激しい攻撃を見せていた!

 

響はそれによりまたもや飛ばされそうになるが、流石にもう2回目の事だったので、其処は踏ん張りを掛けた!

 

一方の鎧の少女も《ネフシュタンの鎧》についている鞭を地面に突き刺し、なんとか堪える…!

 

了子は了子で、先程の威力を身を以て知ったので、今度は両手でバリアを張るも、またもやすぐに罅が入ってしまっていた!

 

そうしていると、後ろにあった《デュランダル》の入ったケースの電子ロックが解除された事に気づき、そして…ケースをぶち破った!

 

「⁉︎覚醒⁉︎起動⁈」

 

それに気付いた鎧の少女は《デュランダル》を取ろうと手を伸ばす!

 

けど、其処へ響のタックルが炸裂!

 

「渡すもんかーー!」

 

すると響は《デュランダル》を持った。

 

その時、周りの空気が一変した。

 

ーーーーーーSIDEto憑友

 

はぁ…はぁ…

 

結局、まだ決着が付けていねぇのかよ…!

 

「はぁ…はぁ…くっ⁉︎」

 

ロックの方は地面に膝をつかせた。

俺もようやく立てるくらいだ…

 

そんな時だった。

 

周りの空気が一変した。

 

また彼奴が他のカードを使って…?

 

「⁉︎」ブルブルッ…!

 

いや、違う?ロックまで身震いしている…だと…?

 

そう言えば、先程から感じるこの空気の乱れは…後ろから?

 

そう思った俺は後ろを振り向くと、其処には鎧の少女と《デュランダル》なのか?

全身を黄金のように光り輝く聖剣を持った響がいた。

 

いや、なんだか響の様子が…変だ!

 

そう感じていると、カードケースから1人の女性が現れた。

青いブロンド姿をした女性・セイバーさんだった!

 

「せ、セイバーさ…」

 

「話は後で!今は早く私の力を!このままでは彼女が!」

 

「⁉︎了解!」

 

俺はようやく立てる足に無理やり鞭を打ち付け、走った。

 

痛い…死んでいるのに痛い。けど…

 

響の方が痛いと言うのなら…こんなのは苦にはならないんだよ!

 

そんな思いで走りながら、無我夢中にセイバーさんのカードをナツと交代、そしてレバーを引いた!

 

「変身!」

 

ーライド!フォーム、セイバー‼︎ー

 

するとアブソーバーから青い服を纏った女性の魂が現れ、俺はそれを纏った。

 

ー騎士王見参!聖剣降臨!ー

 

そして俺はすかさずドライブボタンを叩いた!

 

『ライド・セイバー!フルドライブ‼︎』

 

走りながら俺は詠唱を放つ…

セイバー(この人)の代名詞とも呼べる愛剣の名を放つ一撃を…!

 

ーーーーーーSIDEtoロック

 

俺はその時、彼奴が駆け出していきながら、新しい力を纏った。

其れを見ていると、隣にはアーチャーの姿が…!

 

「何故だ…」

 

え?

 

「何故、彼女が彼奴の元に⁉︎」

 

アーチャーが動揺している…?

 

「彼奴…憑友が変身したのって…一体…」

 

するとアーチャーはその答えを教えてくれた。

 

「あの男がなった者の名はセイバー。

本名、アルトリア・ペンドラゴン。

 

 

私のいた世界では…《騎士王アーサー》としても知られている『英雄』であり、

私と同じ…『英霊』と呼ばれる者だ」

 

⁉︎《騎士王アーサー》だと⁉︎

 

ーーーーーーNO SIDE

 

響の唸り声に鎧の少女は怯み、ソロモンの杖を使って、ノイズを出現させるも、その唸り声と共に、剣を振り下ろした!

 

それを見た鎧の少女は回避しようとしたが、衝撃で飛ばされてしまった。

 

このまま行くと、薬品工場の大部分である中心施設を襲いかねなかった!

すると、その範囲内に憑友が近づいていた。両手には響の持っている剣《デュランダル》と同じ様に光り輝く聖剣を持っていた。

 

そして憑友は詠唱を言い始める。

 

「"束ねるは星の息吹。輝ける命の奔流。受けるが良い"…

 

(響、行くぞ)

 

 

 

 

 

"約束された(エクス)"…

 

 

 

 

 

 

…"勝利の剣(カリバー)"‼︎」

 

そう言うと憑友が所持していた剣の光が、響が所持していた聖剣《デュランダル》の光と真っ向から激突した…!

 

その勢いにより、薬品工場全体に衝撃が襲いかかった!

 

ロックも、鎧の少女も、その衝撃で吹き飛ばされてしまったのであった。

 

「⁉︎《デュランダル》と同等の力だと⁉︎」

 

そう言いつつ、了子はバリアで守りながらそう呟いていた。

 

そして光が収まった時には、響は既にシンフォギアを解除し、

憑友は持っていた剣が光の粒子となりて消え、

そして憑友は意識を失ったのであった…




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回はロックが使用していたほむらさんの仲間、さやかについて紹介しよう」

さやか/カード名【剣の魔法少女 さやか】
属性/水・人間&魔物・斬・剣

ほむらさんや杏子さんと同じ世界出身。
何処からともなく剣を生み出し、無限に作れる。
但し、アーチャーのように多岐に渡れる物ではなく、武器は1種類のみで、それを無限に作れるだけ。

憑友「特殊な必殺技"魔女化"を使用する事でターゲット集中を受ける代わりに、能力面が1ランクアップする。
それはまさに鬼に金棒の如く…!」

次回

兆しの行方

憑友「次回も見てくれよな」

2016年2月19日現在
作者の活動報告に報告有り。


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第33話 兆しの行方

取り敢えず一言…待たせたな!

今回からまた再投稿するぜ!

そして此処からアニメ第6話になります。

時間に余裕が出来次第投稿していくので、四露死苦!

「グレた⁉︎
…って言うよりもどうぞ!」


薬品工場での件から数日。

 

山奥にひっそりと佇む廃墟のような屋敷。

そこの一角にある泉の桟橋にて、鎧の少女…雪音クリスは先日の騒動を思い返していた。

 

「(【完全聖遺物】の起動には相応の『フォニックゲイン』が必要だとフィーネは言っていた。

あたしがソロモンの杖を起動するのに半年も掛けたのに、(彼奴)はあっという間に成し遂げた)」

 

【完全聖遺物】はクリスの思っている通り、

相応のフォニックゲインを必要としている。

だが、響はまだ2カ月かそこら辺でなったばかりの経歴が浅すぎる少女だ。

そんな少女が【完全聖遺物】の1つ《デュランダル》を起動させたのだ。

驚かない方が可笑しいのである。

 

だが、クリスはそれだけでは終わらなかった。

 

ーー

『"束ねるは星の息吹。輝ける命の奔流。受けるが良い"!』

 

約束された(エクス)勝利の剣(カリバー)‼︎』

 

ーー

それは先日、響に向けて放った憑友の一撃だった。

 

「(あの男…ロック義兄と戦って、まだあんな力を持っていた…

そして…エクスカリバーとはっきり言った。

エクスカリバー…『アーサー王伝説』に出てくるあまりにも有名すぎる剣…それをあの男ははっきりと言っていた。

 

彼奴も、あの男も…)両方、化け物め…!」

 

クリスの顔は苦虫を噛んでいた。

 

「この私とロック義兄に身柄を確保させるくらい、フィーネは彼奴らにご執心と言う訳かよ…!」

 

「そしてまた、私は…」

 

するとクリスは誰かが桟橋に来たのを察し、後ろを振り向くとそこにはフィーネがいた。

 

「分かっている。自分に課せられたものくらい…!

ソロモンの杖(こんな物)》に頼らなくても、あんたの言う事くらいやってやらぁ!」

 

そう言うとクリスはソロモンの杖をフィーネに投げ飛ばした!

フィーネはそれを簡単に受け止めた。

 

「彼奴等よりも、あたしとロック義兄が優秀だって事を証明してやらぁ!」

 

そう言うとクリスは足早に立ち去ってしまった。

 

フィーネはクリスがいなくなった泉の桟橋で突っ立っていた。

 

「…私の目的の為ならば、貴方達は捨て駒なのよ。

それなのに、貴方は何故、私の命令に背かない…

【冷眼のロック】」

 

フィーネがそう呟くと、フィーネの影が変化し、そして其処からロックが現れた!

 

「…」

 

「貴方には前にも言った筈よね。

それなのに、何故貴方は此処まで私に尽力してくれているのかしら?」

 

すると口を閉ざしていたロックは口を開いた。

 

「…居場所」

 

「なに?」

 

「俺にとっても、クリスにとっても、あんたは俺達の事をこき使おうとも、それでも帰ってこれる居場所を与えた。

それならばこの身、お前の手となり、足となり、従順な犬にでも成り下がろう」

 

そう言うとロックはまた影の中へと入って消えてしまった。

 

「…素直じゃないわね」

 

フィーネの呟きには誰も答えてくれなかった。

 

ーーーーーー

一方、病院にて。

生死の狭間から生還し、意識を回復した翼は、松葉杖をつきながらだが、それでも前へと歩んでいた。

 

するとそんな時、医師と看護婦が1人の患者を運んでいく様子をとらえた。

そしてすれ違った。

其処で翼はその患者を見て、驚かされた。

 

その患者が、憑友だったからだ。

 

そのまま医師と看護婦は憑友を病室の方へと入れられていた。

 

その一部始終を見ていた翼。

すると、翼の名前を言いながら、奏と霊風の2人がやって来た。

 

「奏!…今の…」

 

「あぁ。(あたし)もさっき見たんだけど、あれは間違いなく憑友だ。でも、何があったらあんな事になるんだよ…」

 

「全くだよな。ったく、先輩として俺は彼奴に何も出来ないのかよ…くそ!」

 

憑友の状態を見ていた奏は落ち込み、霊風に至っては、壁に拳を打ち付けるくらい悔しい思いでいっぱいだった。

 

「…あの子は?」

 

「響の事か?

彼奴なら…ほら、彼処」

 

「?」

 

翼は響が来ない事に気付き、質問すると奏が指を指して来たので、その方向を見てみると、其処には響と、響と憑友の幼馴染である未来がグラウンドを走り込んでいた。

 

その様子を見ていた翼達。

すると、

 

『貴方達!此処は立ち入り禁止の場所ですよ⁉︎』

 

『うるせぇ!友達(ダチ)が重症を負ったって言われて、黙っていられるかよ!』

 

『さっさと行かせろ!』

 

近くから声が聞こえて来たので、霊風は先に奏を先行させる事にした。

奏はその事に頷くと先に行き、霊風は翼を支えながら、後を追った。

 

 

 

 

そして、其処にいたのは警官が4人かがりで羽交締めしても、それでも暴れ回る2人の青年がいた。

 

1人は前髪の部分だけ赤で、後は真っ黒で、

クリムゾンカラーのコーデをしており、

もう1人はサイドヘアの所だけ青く、後は茶髪で、

此方はネイビーカラーのコーデをしていた。

 

「何があったんだよ!」

 

「!霊風さん!」

 

すると霊風の存在に気付いた警官により、その2人も暴れるのをやめ、霊風の方を見て、驚いた。

 

何せ、自分達の前に《フレンドリーマネージャー》と言う異名を持っている男・霊風がいれば、そりゃ驚くも無理はないし、

更に其処にはあの有名アーティスト《ツヴァイウイング》の天羽奏と風鳴翼がいれば、それは勿論驚くのも無理もなかった。

 

すると霊風は2人と話がしたいと言ってきたので、警官達は2人の身柄拘束を解いた。

 

「まず、お前達の名前は?」

 

霊風の質問にそれぞれ答えた。

 

「俺の名は浅岡逝都です。んでこっちは…」

 

「一走馬燈です。俺達は憑友に用があって来たんです!」

 

「何?憑友にだと?」

 

クリムゾンカラーの青年は浅岡逝都と名乗り、

ネイビーの方は一走馬燈と言った。

そして2人はつい先程運ばれた憑友に用があって来たと言って来たのだ!

 

「…如何言う関係なんだ?」

 

霊風はその2人と憑友の関係を聞いてみた。

そして出た答えは…

 

「「彼奴は俺達の友達(ダチ)だ!」」

 

と言いながらハモったのであった。

 

霊風は勿論、奏と翼の2人も半信半疑だった。

 

すると霊風の近くからランサーが現れた。しかもご丁寧に霊風だけが見える様に細工まで施している程にまで。

 

誰にも気付かれない様に霊風は憑友に付いてる『英雄』の1人・なのはから教わった念話で話を始めた。

 

「(如何したんだよ、ランサー)」

 

『まぁ、色々な。

だが、此奴らは本当の事しか言っていないみたいだな』

 

「(何故、そう言いきれる?)」

 

『伊達に多くの戦場の空気を吸ってきたんじゃねぇよ。

目利きには自信があるんだよ』

 

そう言い残すとランサーはじゃあなと言いながら手を振って消えてしまった。

霊風は溜め息を吐くと、2人にこっちに来いとジェスチャーを送ると、2人は霊風と同行する事にしたのであった。

 

奏と翼も3人の後を追う事にしたのであった。

 

 

 

 

そしてついた場所は病室だった。

そして其処には、「人絆憑友様」と書かれた立て札があった。

 

そして、霊風はノックをすると、「誰だ?」と渋い声が聞こえて来たので、霊風は、「俺です。風鳴のおやっさん」と言うと、入って来いと言ってきたので、霊風は自分の後ろにいる4人を入室させた。

 

其処には無数の線が憑友の体に付いており、

その隣には、弦十郎が様子を見ていた。

 

「…その子達は?」

 

「2人曰く憑友のダチだと言っておりますが?」

 

「何?」

 

弦十郎はその2人を見つめながら、半信半疑になっていた。

憑友はこんな友達がいたのかと。

 

「…まぁ、それは本人が言うまでは保留にしておこう。

現在はご覧の通りだ。かなりの疲労で現在は安定している」

 

「そっか。…だそうだぜ?お2人さん?」

 

その言葉を聞いた2人は安堵する。

だが、弦十郎は不思議に思っていた。

この2人は本当に憑友の知り合いなのかと。

 

憑友は実質1年半前にこの世から亡くなり、そして〔半幽霊〕もとい〔妖怪〕の身となっているので、人目を避ける様にしていた筈。

だが、この2人は憑友の事を知っている…一体何故なのか。

 

と、そんな時だった。

 

「…う…ぅぅ…

…此処…は…?」

 

憑友が目を覚ましたので、霊風と弦十郎が声をかけようとしたら、

 

「憑友!」「無事か!」

 

「?…⁉︎ゆ、逝都⁈それに、馬燈も⁉︎なんでこんな所に⁉︎ってか、痛い痛い⁉︎」

 

憑友が2人が此処にいる事に驚いていると、憑友の肩を思いきり掴んだり、背中を容赦無く叩いて来たので、憑友は痛い思いをする事になってしまったのであった。

 

因みにその様子を見ていた奏と翼、霊風と弦十郎は呆然としていたのは言うまでも無かった。

 

ーーーーーーSIDEto霊風

 

まぁ…何はともあれ。なんとか無事で良かったよ。ったく…迷惑掛けんじゃねぇよ、後輩。

 

「それはそうと…憑友。この2人とは知り合いなのか?」

 

と、風鳴のおやっさんがそう言ってきたので、思い出してみた。

確かに、俺も話を聞いてみたけど、それでもまだにわかには信じ難いもんな。

逝都と馬燈(この2人)が憑友の友達なのか?

 

「あ、はい。知り合いでは無く、本当の友達で、俺の数少ない理解者なんです。

現に俺の今の状態も知っていますし」

 

…は?

ちょっと待て。今此奴なんて言った?

 

自分の状態を知っているって言わなかったか?

 

だとしたら…

 

「憑友が半分幽霊だと言う事もか?」

 

「当たり前だろ?」

 

「そんな事も知らないのなら、ダチとは言わないぜ!」

 

おい!憑友!

幾らなんでも、言って良い事と悪い事の区別くらい出来るだろうが⁉︎

 

「あはは…」f^_^;)

 

「お前な…」(¬_¬;)

 

「…」(¬_¬;)

 

苦笑いで誤魔化すんじゃねぇよ!おまけにそのダチまで痛い視線送られてるじゃねぇかよ!

 

「…穴があったら入りたいです」

 

「入る前に捕まえてあげるから安心しろ♪」

 

「嫌だ〜〜⁉︎不幸だーー⁉︎」

 

とか言いながら、ムンクの叫びのような顔を出すんじゃねぇよ⁉︎

 

…はぁ。仕方ないか。

 

「まぁ、それは兎も角として…

如何します?風鳴のおやっさん。

此処だと…」

 

「ああ。そうだな…

済まないが、2人は憑友の事をお願いする。

俺達は俺達で今後の活動の事を話さないといけないのでな」

 

「分っかりやした!」

 

「俺達は憑友のダチだ。安心してくれ」

 

やれやれ。憑友も憑友で、頼れる仲間がいたんだな。

 

そう言うと俺達は部屋を後にした。

その際に…

 

「…復帰次第、稽古し直すからな」

 

「えぇぇぇ⁉︎あんまりですよ、師匠⁉︎」

 

「「師匠⁉︎」」

 

弦十郎と憑友の関係を知ったダチはその後、たっぷりと憑友に質問責めをしてきたと憑友本人が言っていたのは言うまでも無いけどな。




響「ええと…!こ、こんにちは!立花響です!
今回は憑友に代わり、私が『英雄』達を紹介するこのコーナーをやらせて頂きます!では、早速いってみよう!」
「今回紹介するのは、《水魂導師》…憑友はロックって言っていたけど、気にしない!
そんな導師が憑友と激闘を繰り広げた際に使用していた黒雷の『英雄』イズナさんを紹介します!」

イズナ/カード名【伝説を砕きし黒雷 イズナ】
属性/雷・人間・突&打・槍

黒雷の力を宿した鎧を身に纏いながら戦う戦士。
その雷が通り過ぎるとそこの野原は焼け野原と化す…!

響「うひゃ〜…聞いてただけでも驚きの連続だよ〜…
えっと…資料では…
『イズナさんには仲間がいて、その仲間達と共に伝説や神話上の存在と相対してきた。
彼の雷は彼自身の怒りの象徴でもある…!』と。
…怖いじゃん⁉︎」

次回

(くさり)に入りし罅

響「次回は…え?私に関連した出来事⁈
なんだろう…?
と、兎に角またね〜‼︎」


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第34話 絆《くさり》に入りし罅

今回はいよいよ第6話の最後まで飛ばすぜ!


一方、響はと言うと、未来と共に身体を動かしたので、現在は風呂に未来と一緒に入浴していた。

 

入浴後は未来からお好み焼き屋『ふらわー』で食べようと約束して来たので、響は驚きながらも、約束を交えたのであった。

 

ーーーーSIDEto響

 

私は未来との約束をした後、外出する事にした。

 

私が《デュランダル》を扱えなかった所為で、憑友があんな状態になってしまったから。

 

そんな今の私はネガティヴな状態のまま、公園のベンチに座っていた。

 

「お前は…《ガングニール》の装者」

 

「え?…!《水魂導師》⁉︎」

 

私の所に《水魂導師》ソウルが私服姿で現れた!

なんでこんな所に⁉︎

 

私は咄嗟にベンチから離れて、徒手空拳の構えをする。

だけど、彼は逆にベンチに座った。

 

「お前とやり合うつもりは無い。

と言うより、女を傷付けるような性格じゃないのでな。」

 

そう言いながら、私にベンチに座れと示唆して来たので、私は少し警戒しながらも端っこ側に座った。

 

そしてソウルは何処から取り出したのか、ジュースを私に渡してきた。

だけど…毒とか入ってそうな気がする…。

 

「…毒を入れる暇は無かったよ。

現にこれ…そこの自販機で買ったばかりの奴だ」

 

と言いながら、自販機のある所を指差した。

そう言う事なら飲んじゃおう!

 

そう言うと私はそのままジュースを受け取り、そして飲んでいく。

するとソウルが開口一番…

 

「お前…憑友の事、好きなのか?」

 

「⁉︎」ブシューーーー⁉︎

 

の、の、の、飲みながらそんな事言わないで〜⁉︎////

 

た、確かにそれは憑友の事は友達や幼馴染としてでは無くて、異性としては…その〜…あの〜…」////

 

「(此奴、途中から話がダダ漏れしてるって気付いているのか?)

…まぁ其れは良いさ。

今度会ったら決着を付けよう。そう伝えておいてくれ」

 

「え?あ!ちょっと待って…て、もう居ない…」

 

気付いた時にはもうその人は何処かに消えて行ってしまったのであった。

 

と言うか…

 

「私のさっきの時間返してーーーー⁉︎」

 

羞恥していた分の時間返してよ〜〜⁉︎

 

うぅ〜…私、呪われてるかも…。

 

そう言いながら私は寮部屋の方へと帰宅したのであった。

 

ーーーーーー

そして翌日。

いつも通りの何気無い日常の中、私は端末からの着信に気付いた。

 

相手は緒川さんだった。

私はそのまま電話に出た。

 

内容は、今日如何しても外せない用事が出来てしまったので、代わりに翼さんの見舞いに行って来て貰えないかと言う事だった。

 

私は勿論そのまま了承した。

だって、その病院には憑友もいるから。

 

そうして話が纏まると思った時…

 

不意に足音が聞こえて来たので、見てみるとそこには未来がいた。

 

私は話を終わらせて、電話を切って、今度は未来と話をした。

 

…先に結果的に言うと私はその未来の誘いを断ってしまった。

 

未来は私と一緒に買い物をして、その後お好み焼き屋の『ふらわー』で食べようと考えてくれていたけど…ごめんね。未来。

 

そして私は花束を購入して、翼さんの病室に来た。

そして意を決して入ろうとすると、

 

「あれ?響?」

 

「あ、憑友」

 

憑友が車椅子に乗りながら此方に来ていた。因みにライドさんは膝の上に置かれていたりする。

よく見ると、其処には2人の男の子も一緒だった。

 

ん?何処かで…?

 

「あ!立花‼︎」

「何故、お前が此処にいる⁉︎」

 

え?もしかして…

 

「逝都に馬燈…なの?」

 

「「其れ以外に誰が憑友(今の此奴)の面倒を見る⁉︎」」

 

「変わりすぎにも程があるよ⁉︎」

 

その2人はまさかの馬燈君と逝都君の2人だった。

 

この2人は私と未来、そして憑友が小学5年生の時にやって来た転校生だった。

その時の憑友は私と未来と一緒にいた所為で、いじめっ子からよく虐められていた。

私や未来も其れを止めようとしたけど無理で何も出来なかった。

そんな時にこの2人は憑友の事を助けてくれた。

 

喧嘩でも強くて、其れでいて憑友にも私と未来にも優しかった。

 

それ以来私達(特に憑友)のいじめはなりを潜めて、この5人でいつも一緒に通学したりする様になったっけ…

 

けど、私達が中2になった時に、家庭の事情で2人とも日本の裏側にある国ブラジルの方へと行ってしまった。

それから数ヶ月後にあのライブの悲劇が襲ったんだっけ。

 

2人は憑友が幽霊だと言うのを知ってるんだろうか…?

 

「おーい響〜?」

 

「ふぇ?…な、何?」

 

「顔に出ていたから敢えて言うけど、この2人は俺の事は知ってるからな?」

 

「嘘⁈」

 

「何方の意味でだよ…」

 

どっちもだよ⁉︎

顔に出ていた事と、2人が憑友の今の状態を知っていると言う事の2つの意味でだよ⁉︎

 

「ん?…ああ〜。なるへそ〜」

 

すると突然、憑友が何かを見て勝手に納得していた。勝手に納得しないでよ〜⁉︎

 

「まぁ…取り敢えず入ろうぜ?

俺もちょくちょく会ってるけど、何分この身なんでね」

 

確かに…。

と言う事で私は憑友と逝都と馬燈の3人で部屋に入室した。

 

私は翼さんの名前を言おうとして部屋の中を見て、驚愕した。

それは勿論憑友達もそうだった。

 

すると、

 

「何をしているの?」

 

「!翼さん!」

 

後ろから翼さんが!

 

「おいおい!大丈夫なのかよ⁉︎」

 

「心配しましたよ!俺達!」

 

 

「?何を訳の分からない事を…」

 

 

「だって…これ!」

 

そう言いながら私は翼さんの病室を指差した。

其処には派手にめちゃくちゃになった部屋が其処にあった。

 

「あ…///」

 

心配したんですよ!誘拐されたんじゃないかって思って…!

 

「奏さんも霊風さんも今日は来れないって言っていたから、其処を狙われたんじゃないかと思ったんですよ!」

 

「…///」

 

「こんな状況だったらと思うと本当に心配したんですよ!有名アーティスト『風鳴翼』が誘拐されたとなったと知れたら…」

 

「///」

 

兎に角無事でよかった〜

 

「…取り敢えず…」

 

スパンッ!パシンッ!ゴドンッ!

 

「あべしっ⁉︎」

「だわばっ⁉︎」

「ぎゃふんっ⁉︎」

 

痛いよ〜⁉︎憑友!なんで私達が!しかも最後のは私だけど、明らかに2人よりも威力が高かった音がしたよ⁉︎

 

「なんで⁉︎」

 

(お前)のは木製ハンマーで打ったから。

それはそうとして…」

 

スルーしないで〜⁉︎それと地味に痛い物で叩かないで〜⁉︎

 

「お前ら、これ以上翼さんを恥ずかしい思いさせて如何するんだよ?」

 

「え?」「はぁ?」「ふぇ?」

 

憑友に言われて改めて翼さんの顔を見ると其処には完全に顔が真っ赤になった翼さんがいた。

 

それを見た私達はようやく納得して…苦笑いしたのであった。

 

「…取り敢えず。

響は下着類、馬燈は雑誌等の整理、逝都はゴミ掃除等を頼むな?」

 

私達3人は憑友に示唆されて、部屋の片付けをする事にしたのであった。

 

いや〜まさか、翼さんが整理が出来ないとは思いもしませんでしたよ〜はい…。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーNO SIDE

 

そして粗方部屋の片付けが終わりつつ、なんとか住める環境にまで住める様になると、憑友は近くに設置されてあるテーブルにライドを置き、ベッドで座っている翼と話を始めた。

 

「それにしても、意外でしたよ。

翼さんが此処までとは…」

 

「///…こう言う事にまで気が回らなくて…」

 

「ははは…。自分でもそれは良くわかります。昔の自分も、良く部屋を散らかし放題でやらかしてましたので。

けど、此処にいる響や逝都、馬燈のおかげで今ではちゃんと整理整頓が出来る様になりました。

本当に彼奴らには頭が上がりませんよ」

 

そう言いながら、懸命に残った作業をしている3人を見る憑友と翼。

 

「…それで、如何ですか?響に対する件に関しては」

 

「…それを今から話そうと思うわ。けど…」

 

そう言いながらまた3人を見る翼。

憑友は如何やら逝都と馬燈がいるので如何しても話せないと感じたようだ。

すると憑友は2人を呼び、2人におつかいを頼みこむ事にした。

幸いな事に、この病院では飲食の持ち込みが可能だと言う事を思い出し、その旨を伝えると、2人は真っ直ぐ何処かへと走り去ってしまったのであった。

それを見届けた憑友は翼にアイコンタクトを取った。

翼はそれに気付き、アイコンタクトで『ありがとう』と返してくれた。

そして翼は響の方を見てみたら、響は手をはたいて、

 

「お終いです!」

 

「ありがとう。響」

 

響は残りの分をし終えたので、憑友は翼の代わりにお礼を言うと、ニコニコ笑顔でピースをしたのであった。

それを見た憑友は苦笑いしつつも、翼に目を通す。

 

そして翼は響に関しての事を改めて話し合った。

 

ーーーーーーSIDEto憑友

 

まぁ、結果から言うならば、無事に翼さんと響との和解はする事が出来たのが何よりの誤算だったな。

まぁ、これで次からはお互い協力し合えると思うな…

 

『…うん?』

 

「?如何した?ライドさん」

 

突然、机上に置いてあったライドさんが何かを見つけたので、話してみた。

 

『…いや。先程、向かい側の図書室でミス.未来がいた様な気がしたが…

…気の所為だろう』

 

「ふーん。まぁ良いか」

 

そう言うと俺は辺りを見てみた。

 

あれ?なんか変だな?

 

「(ユルセンが…いない?)」

 

辺りの視界をくまなく探しても、ユルセンが何処にもいなかった。

 

彼奴…何処行ったんだろ…?

 

ーーーーーーNO SIDE

一方、

 

つい先程ライドが言っていた事は本当の事だった。

 

図書室から未来が出てきては、先程の光景を思い出していた。

 

それは、響と憑友が翼と話をしている所だった。

 

その光景を目の当たりにした未来はそのまま帰ろうとしていた。

 

そんな様子を遠くから見ていた者がいた。

 

『…未来…』

 

それは憑友のアドバイザーとして活躍しているゆる〜い幽霊キャラことユルセンだった。

ユルセンは今の未来を見て、激しく後悔していた。

その理由を知る者は此処にはいなかった……。

 

そんなユルセンはその後悔の念を持ったまま未来の後を追ったのであった。

 

 

 

 

その後、未来はそのまま『ふらわー』に寄って、お好み焼きを食べていると、

入り口の戸が開いたので、見てみると、

 

「おばちゃん!豚玉2つと、広島風の特大を2つお土産で!」

 

「!逝都⁉︎それに馬燈君⁈」

 

「⁉︎小日向!」「なんでお前が⁉︎」

 

なんと逝都と馬燈の2人が来店して来たので、驚いていた。

3人は憑友を介して知り合った仲である。

もちろん、響も一緒に入っているが。

 

 

その後、未来は今の2人に自分と憑友と響の今の事を話すと…

 

「…取り敢えず、あの馬鹿2人の事を心配してるのは良く分かった。

けど、それを伝えるのはお前自身だぜ!未来」

 

「俺達は憑友にとって唯一の男友達だからな。彼奴は俺達に力を貸して欲しいと思ってるんだろう。

けど、響や未来はそれとは別さ。

命を燃やしてでも守らないといけない…

自分の命よりも大切な者だと、憑友(あいつ)は言っていた。

だから、お前は逆に憑友の事を見守ってくれれば良いんだよ」

 

「2人とも…ありがとう」

 

「応よ!」

「同じあの馬鹿2人の心配組の仲さ。頼ってくれよ」

 

そう言うと2人は手土産を持って、店を後にしたのであった。

 

その後、未来はそんな2人のために見守る事を決意するのであった。

 

ーーーーーー

その頃、二課では怪しい雰囲気を発していた。

なんと、《ネフシュタンの鎧》を纏った少女が市街区に出没したのだ!

 

「周辺軸の区域に避難警報を!そして響君に連絡を!」

 

だが、この時二課は知らなかった。

この鎧の少女の近くにもう1人の存在がいる事に。

 

ーーーーーーSIDEto響

またしても、あの子がこの近くにやって来ている…!

師匠からの連絡を聞いた私は急いでその場所へ向かおうとした。

その時だった…

 

「!響!」

 

「未来⁈」

 

まさか、未来とこんな場所で出会うなんて…!

 

「お前はーーーー!」

 

⁉︎未来が!

 

「来ちゃ駄目!此処は…⁉︎」

 

叫ぼうとした時に、あの子の攻撃が未来を…!

 

「⁉︎しまった!彼奴の他にもいたのか!」

 

鎧の少女はそう言っていたけど、私は近くにあった車が、吹き飛び、そして…未来の方へと落ちようとしていた…!

 

嫌だ…!此処で、未来を…失いたくない‼︎

 

私はなんの躊躇いも無く…聖詠を、唄った…

 

 

未来の前で。

 

「Balwisyall Nescell gungnir tron…」

 

私は瞬時に《ガングニール》を纏って、そしてすかさず未来に襲いかかる車を拳で食い止めた。

 

「⁉︎…響⁈」

 

「…ごめん…未来…」

 

私はそれだけ言って、あの子の元へと駆け抜けていった…。

 

ーーーーーーNO SIDE

未来は響の今の姿を見て、訳が分からなかった。

そんな時、

 

「未来ーー‼︎」

 

後ろから声がし、振り向くと其処には車椅子に座った憑友と、それを押しながら急行した逝都と馬燈の3人がやって来た。

 

「憑友!響が…!」

 

「⁉︎…(彼奴)…⁉︎この反応…

悪い。未来。俺はあの馬鹿を止めてくる」

 

「⁉︎何言ってるの⁈早く此処から…⁉︎」

 

未来が憑友を制止しようとすると、逝都に止められてしまった。

馬燈は逆に懐から黄色いドリンクを憑友に渡してきた。

すると憑友はそれをイッキ飲みした。

 

「ぷはぁ…!不味い!」

 

「我慢しろ。無茶を承知で動かしてるんだ…!」

 

すると憑友は車椅子からすかさず立ち上がり、ライドを左腕に装着した。

 

『良いのか?憑友。此処でやれば…!』

 

「それでも…あの馬鹿を連れ帰らなければならないんだ…!」

 

そう言うと憑友は腰のカードケースから1枚のカードを取り出し、そしてライドアブソーバーに装填し、

 

「未来…今まで黙ってて御免」

 

「憑友…?」

 

「逝都、馬燈。未来の事頼むぞ」

 

「…ああ」「無茶はするなよ」

 

2人からの答えに憑友は頷き、そして…

 

「変身‼︎」

 

レバーを引いた!

 

ーライド!フォーム、オ・レ‼︎ー

 

するとアブソーバーから炎の魂が現れ、憑友はそれを纏った…!

 

ー英雄の魂!オレに宿れ‼︎ー

 

そして未来は驚いていた。

其処には都市伝説としてここ最近見かける様になった存在…

 

《炎魂導師》ライドの姿をした憑友が其処にいた…!

 

「今行くぞ…響‼︎」

 

そう言うと力強く跳躍してその場から離れていってしまったのであった…!

 

「響…憑友…」

 

2人の変身した姿を見た未来はそれ以上何も言えなかった…

 

「「…」」

 

憑友の正体を知っていた2人にとっては、そんな未来に対して何も答えられなかったのであった…




憑友「くそ…病み上がりなのに…と。
お久しぶりだな。さて、早速本題に行かせて貰うぜ。
『英雄』達を紹介するこのコーナー」
「今回はロックが使っていた『英雄』の1人にして、ほむらさんと同じ『時』と『銃』の扱いに長けた存在・狂三を紹介しよう」

狂三/カード名【時の精霊(ナイトメア)の少女 狂三】
属性/闇・人間&精霊・射・銃

時計の針みたいな銃を二丁構える女性。
右目が赤、左目が黄色という左右非対称のオッドアイで、その内の左目の方には時計のような模様が刻まれている…!

憑友「彼女の能力により他時間軸に存在する自分を呼び寄せる効果を持つと言われているらしいのだが、そんな力あったら流石の俺でも苦戦を強いられるぜ…!」

次回

弓と水と槍と炎

憑友「次回のラストは俺、パワーアップだぜ!」

作)ネタバレしないで〜⁉︎


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第35話 弓と水と槍と炎

今回は第6話を跨いで第7話まで行くぜ!


ーーーーーーSIDEto響

(挿入歌『私ト云ウ 音響キ ソノ先二』悠木碧)

 

走りながらあの子の存在を感知した私。

 

「とんくせぇのが一丁前に挑発するつもりかよ…!」

 

鎧の少女も後を追って来た。

そして市街地からある程度離れて、私はその子を振り向いた。

 

するとその子は振り向き様にネフシュタンに付いている鞭を使い、攻撃して来た!

如何して、そんな事するの⁉︎

 

「とんくせぇのがやってくれる!」

 

「とんくさいとか言う名前じゃない‼︎」

 

「⁉︎」

 

私はそんな名前じゃない‼︎

 

「私は立花響!15歳!誕生日は9月13日で、血液型はO型!」

「身長はこの間の測定で157センチ!体重は…もう少し仲良くなったら教えてあげる!」

「趣味は人助けで、好きな物はごはん&ごはん!

後は…

彼氏いない歴は年齢と同じ‼︎」

 

「な、何をとち狂ってやがるんだお前…」

 

今、この場ではっきりと言わないと!

この場で話さないと…いけないんだ‼︎

 

「私達はノイズと違って言葉が通じ合える!

だから、ちゃんと話し合いたい!」

 

ーーーーーーSIDEtoクリス

 

とち狂ってやがると思いきや、今度は偽善者ぶりかよ‼︎

 

「悠長な!この後に及んで…!」

 

そう言うと私はネフシュタンの鞭を使い先制するも、簡単に避けやがった…⁉︎

 

この短期間の間に、彼奴は…急成長してやがるだと⁉︎

 

「話し合おうよ!人間は言葉が通じ合えば…」

 

っく!あたしは…そんな言葉が嫌いなんだよ‼︎

 

「うるせぇ!分かり合えるかよ人間が!

そんな風に出来ているものか!」

 

そんな風に出来ていたなら…なんで私のパパとママが殺されなけりゃならないんだよ‼︎

なんで、ロック義兄だけ、拷問や調教等の地獄(あんな酷い目)に遭わされなければならないんだよ‼︎

言葉が通じ合わなければ、何れこうなるんだよ‼︎

 

「分かっちゃいる事をペラペラ喋ってんじゃねぇ‼︎」

 

もう我慢出来ねえ!

フィーネからは引きずってでも連れて来いって言われたけど、もうそんな事は知ったこっちゃねぇ!

お前の全てを…粉々にしてくれてやる‼︎

 

「!私だって、負ける訳にはいかないんだもん!」

 

「うるせぇ!」

 

これでも喰らいやがれ!

 

ーーーーーーNO SIDE

 

そう言うとクリスは以前、翼の時に使用した技…

 

ーNIRVANA GEDONー

 

を放った!

 

それを見た響は瞬時にその攻撃を腕で防ぐ!

 

「持ってけ、ダブルだーー‼︎」

 

すると少女はもう片方で同じ技を放ったのであった!

 

激しい爆発により、少女はやったのかと思ったが、

其処には、エネルギーを集めようとしている響の姿がいた!

 

「この短期間の間でアームドギアを手にしようと言うのか⁉︎

…させるかよーー‼︎」

 

「(こんなんじゃ駄目だ…!

翼さんの様にギアを固定出来ない…!

エネルギーは有るんだ…!

形成されないなら…!)」

 

そう言うと鎧の少女は再び鞭で攻撃しようとする‼︎

 

「(その分のエネルギーを…この拳でぶつけるだけ‼︎)」

 

そう響が思っていたら、腕のガントレット部分が変化を見せた…!

 

なんとガントレット部分が稼働し、ガントレット部分のパワージャッキが伸びたのだ!

 

「(雷…握り潰す様にーーーー‼︎)」

 

そしてそのまま鞭を握った響は、そのまま鞭を引っ張る!

もちろん、その反動で鎧の少女は響の方に引っ張られた!

すると響は瞬時に背中のブースターを点火し、そして鎧の少女に向かって特攻した!

 

「(最速で、最短で、真っ直ぐに、一直線に!

胸の響きを、この思いを…

伝える為にーーーー‼︎)」

 

そして特攻した響は拳を鎧の少女の腹に正確に狙い撃ち、そしてそのパワージャッキのパワーをぶつけた!

 

その威力はそのまま鎧の少女に衝撃波を与えたのであった…!

 

その威力で、なんと《ネフシュタンの鎧》に罅が入ったのであった!

 

その威力を感じた少女は危惧したが、響はノーガード状態で向かい合っていた!

 

「っ‼︎馬鹿にしてんのか!この雪音クリスを!」

 

すると少女…クリスは自分の名前を打ち明けた。

 

「そっか…クリスちゃんって言うんだ…!(あれ?でも、この名前…何処かで聞いた様な…?)」

 

響はそう言いながら戦いを止めさせようとしていた。けれどクリスはその話を否定した。

大切な者を失った彼女にとって、根絶やしにしないといけない物があったから。

 

そして、今の響の言う事を聞く気にはなれなかった。

するとクリスは響に猛攻を加えていく…!

対して響はそれでも懸命に話し合おうとする…!

 

クリスは自分の纏っている鎧が再び自分の身体の力を吸収しつつ、再生して行く事と、響の諦めない不屈の心にうんざりしたのか、

 

「ふっ飛べよ!アーマーパージだーー‼︎」

 

そう言うとクリスはなんと《ネフシュタンの鎧》を壊して、散弾のように周囲に散乱させた!

 

ーHAMMER PUNCHERー

 

そしてクリスは唄った…聖詠を。

 

「Killiter Ichaival tron…」

 

その歌と共にクリスの身に新たな鎧が纏った…!

 

赤のイメージカラーで、腰にはウイングの様な物を模したものをつけていた。

 

彼女の力で、かつて消失したとされた『第2号聖遺物』…

 

《魔弓・イチイバル》のシンフォギアだった!

 

ーーーーーー

 

「!…響…

今行くからな!」

 

先程の爆発を見た憑友は急いで急行していた。

だが、思うように身体が動けずにいた…!

 

「くっ!(やっぱり、あんなドーピング剤で無理やり身体を動かしたから…如何しても身体に支障が来てるのか…‼︎

でも…諦めてたまるかよーーーー‼︎)」

 

すると先程までの足取りが一気に軽やかになり、一気にかけ走っていた!

 

「(俺が生きている間は…

 

俺が響と未来を守るんだーーーー‼︎)」

 

その心の叫びを心の中で言いながら、憑友は急行して行くのであった…

 

ーーーーーーSIDEto響

(挿入歌『魔弓・イチイバル』高垣彩陽)

 

クリスちゃんが歌を歌った…私はそれだけで驚いていた。

完全聖遺物だと歌を歌わなくてもノイズを倒せるいや、それ以上の力を秘めている。

けど、クリスちゃんの歌った歌に私は思わず驚いていた。

 

「…せたな」

 

「え?」

 

何か言った?

 

「私に歌を…歌わせたな‼︎」

 

わ⁉︎な、何⁉︎いきなり過ぎだよ⁉︎

 

「私はな…歌が嫌いなんだよ‼︎」

 

じゃあなんで歌を歌うの⁉︎

 

そう思っていたら、腕の手甲の部分が変化して、クロスボウのような形になって、撃って来た⁉︎

避けないと‼︎

 

私は一生懸命に避けまくっていた。

だけどその隙を突かれて、クリスちゃんから跳び蹴り貰ってしかもおまけにクロスボウが変化して…って…

 

なんでガトリング⁉︎しかも2つも⁈

 

そう思っていたら、連射して来た〜⁉︎

 

避けまくらないと…

 

ザクッ!

 

 

⁉︎か、身体が…動かない⁉︎なんで⁈

 

そう思って後ろを見てみると、其処には一本の矢が⁉︎

これって、まさか…⁉︎

 

「済まないな、《ガングニール》の装者。2対1という卑怯な手を使って」

 

声がした方を見ると、《水魂導師》ソウルの姿が!

 

「てめぇ!何を勝手に…「好い加減にしろ!クリス‼︎」…ロック義兄…⁉︎」

 

え?ロックにぃ?…まさか、兄妹⁉︎

 

「義理のだがな。」

 

「へぇ〜…て、なんで聞こえてるの⁈」

 

「心の声がダダ漏れだ」

 

「勝手に聞かないでよ⁉︎」

 

と言うか、これ本当にピンチだよ⁉︎

1人で漸くなのに、2人相手だと私勝ち目ないよ〜⁉︎

本当に何も出来ないよ〜⁉︎

 

すると、クリスちゃんが私にガトリングを向けて来た!

 

「悪く思うなよ!」

 

悪いと思ってるなら、やめてよ〜⁉︎

 

そう思ってると撃って来た!

もう駄目だ…そう思った。

 

 

「はぁぁぁぁあ‼︎」

 

 

すると私とクリスちゃんの間に誰かが割って入って来て、弾が鉄などに当たる音と同時に多数の弾丸が撃ち落とされていた!

 

私はその方向を見て驚いた。

其処には…憑友がいたから!

 

ーーーーーーSIDEto憑友

 

「!憑友!」

 

全く、世話の焼ける奴だな、響は。

とは言え、この数多の弾丸を如何に捌ききれるかが問題だ。

 

「あの野郎!私の弾丸を!」

 

くっ!幾らキリト師匠(せんせー)の過去の話を基にやって見ても、この弾丸の雨をキリト師匠は剣1本で後ろにいた仲間を守りながら撃ち落としたって言うんだから、驚きようが無いよ。

 

「いや、それ以前にお前の方がハードル高いからな?」

 

うわぁ⁉︎吃驚した⁉︎

ってか、心の中にまで出て来ないで下さいよ!キリト師匠⁉︎

 

「悪ぃ悪ぃ。

それよりも、お前は拳の振りが大まかになってる…

それをどう改善するか?分かるか?」

 

…確かに。俺のこの拳はこんな人間離れした芸当じゃ成し遂げられねえ。

だけど、このモーションはキリト師匠の演舞をアレンジしたモノ。

 

…?キリト師匠の演舞って確か…剣の演舞だよな?

 

なら、それを拳でやる俺って…案外馬鹿⁈

 

だけど…この方がしっくりと来ている!

ならば、剣のような鋭さと…

拳のような身のこなしを併せ持つ武器が必要だ!

 

だけど、そんな武器あるのか⁈

 

…!いや、ある‼︎

手甲の裏に潜めし隠しナイフを突き出して出現させる…そんな武器が‼︎

 

ならばそれを、炎で形作って、イメージするだけだ!

 

「ふっ。後はおもいきりやってみろ!」

 

アドバイスありがとうございます!キリト師匠!

良し!そうとなれば…!俺のこの思いを…

 

 

形となれーーーー‼︎

 

ボォォォォ‼︎

 

ーーーーーーNO SIDE

 

数多の弾丸を撃ち尽くしていくクリス。

そんな彼女は今自分の攻撃を受け流している憑友に違和感を感じていた。

 

「(なんだ、此奴⁈さっきよりもスピードが劣ろえねぇばかりか、寧ろさらに増してきてやがるだと⁉︎)」

 

そしてロックはそんな違和感をクリスと同様に感じていた。

 

「(この力は…まさかあいつ…"サブウェポン"を出すつもりか⁉︎)」

 

"サブウェポン"…それは、《精魂導師》達の主力の武器に必要とされる武器の事。

 

幾多にも及ぶ武器の中から選び、そして主力のメインウェポンと同様に使える事ができる武器の事である。

 

ロックこと《水魂導師》ソウルは、

メインウェポンは弓と二丁拳銃の性能を併せ持つ特殊武器で、

サブウェポンは二刀短剣である。

故にロックの戦闘スタイルは遠近対応型の戦闘スタイルに特化している。

 

霊風こと《風魂導師》スピリットは、

メインウェポンが槍、鎌、斧、杖etc…様々な長柄武器を扱える事が可能な両手棍(ロッド)型の武器で、

サブウェポンは格闘術を用いていた為に籠手を使用する。

中距離や防御時にはロッドを使い、不意打ち程度に格闘技を取り入れた戦士(ファイター)タイプなのである。

 

 

だが、憑友の場合は少し違った。

メインウェポンこそ今の戦闘スタイルの拳を用いた格闘戦なので、籠手を使用するが、

今の今までサブウェポンを使用する事は無かった。

…いや、訂正しよう。

 

()()()()()()()()()()()()()()()のだ。

 

この日まで憑友はメインウェポン1つで戦って来たのだ。

 

いくら数多の武器を扱える『英雄』達の力とて、それは『英雄』達の所有物に過ぎず、

憑友は自分にもメインを代替出来る程の屈指のサブウェポンを持ってはいなかったのだ。

 

しかし、それも今日までの事。

憑友の願いが《炎魂導師》に新たな力を授けた…!

 

 

ザシュッ!

 

突如聞こえてきた()()()

 

その音を聞いたクリスはガトリングを撃ちやめ、ロックはそんなクリスと共に目を見開く。

 

 

其処には両手の甲から一本の赤みを帯びた刺突状の剣を具現化させた憑友が其処にいた!

 

「これが俺の"サブウェポン"…《刺突刃》だ‼︎」




翼「えっと…風鳴翼だ。
今回は出番が無かったから、憑友が代わりにこのコーナーを託された。
不束者だが、よろしく頼む」
「さて、今回紹介する『英雄』は、憑友が以前結界内での攻防戦で使用していた『皇帝』の名を持つ青年・ジンの事を紹介しよう」

ジン(本名 海道ジン)/カード名【秒殺の皇帝 ジン】
属性/闇・人間&機械・打・槌

数多の戦いにおいて僅か1桁の秒数で瞬殺してきた実力者。
故にカード名に記載されている異名【秒殺の皇帝】の名が付いた。

翼「あんなにも重たい武器を軽々と持つだけでなく、それを用いて相手を瞬殺させるその実力…侮れない相手だ。
必殺技"インパクトカイザー"で、前方の敵に衝撃を与える…!
私もうかうかしてられないな…!」

次回

導師の《歌》

翼「次回は憑友と水の導師。2人の戦いに決着が付く!
そしてこのサブタイトルの意味とは一体…?
兎に角、次回も見ておいてくれ」


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第36話 導師の《歌》

今回はサブタイトル通りの展開!そして、憑友VSロック…
導師の対決に決着の時!

それでは、スタートだ!


クリスが所持していた《聖遺物》の1つ《イチイバル》の力と、

《水魂導師》ソウルことロックの妨害により、

響が絶対絶命の時、間一髪で助けに入った憑友。

そして憑友は自分の願いを込める事で、新たな力・"サブウェポン"を獲得したのであった。

 

ーーーーーーNO SIDE

 

「これが俺の"サブウェポン"…《刺突刃》だ!」

 

そう言うと憑友はその刺突刃の剣を薙ぎ払った!

 

すると其処から熱波を帯びた真空波が発生し、クリスとロックは間一髪で避けた!

 

その隙に憑友は後ろにいた響の影に刺さっている矢を抜いた。

それにより、響は身動きが取れやすくなり、「ありがとう!」と言い、憑友はそんな響に注意をしつつ、相対する2人を見つめた。

 

「憑友…」

 

すると不意に響から声が聞こえたので、振り向くと、響は憑友が来る前の事を話した。

 

鎧の少女の名は雪音クリスという名前である事。

《水魂導師》ソウルことロックはそんなクリスの義理の兄であるという事。

そして、ロックがこの戦いで決着を付けると言っていた事をありのままに話した。

 

「…分かった。」

 

憑友はそう言うと、ロックの方に振り向く。

ロックもそれに気付いたのか、憑友の方を向く。

 

「ロック!お前の望み通り…此処で決着を付けてやる!」

 

「…感謝する」

 

そう言うと2人はそれぞれの得物を出した。

 

憑友は"サブウェポン"の《刺突刃》の刃を収納し、拳同士を打ち付け、

ロックは左手から水を形成し、弓を作り、背中に矢筒を形成させた。

 

そして響とクリスもそんな2人を見て、構え直した。

 

「響。こう言う場合はな…」

 

憑友が何か言いかけたので、響は耳を傾けた。

そして、憑友はこう告げた。

 

「戦って、無理やり話を聞かせれば良いんだよ」

 

「・・・⁉︎って、それ暴力紛いになってるよ⁈」

 

「それ以外にあるかよ⁉︎」

 

「他にも色々あるでしょう⁉︎」

 

「例えばなんだよ!」

 

「お話すればそれで良いでしょ⁉︎後はジャンケンだとか…にらめっこだとか…!」

 

 

…何故こうなった…。

 

憑友と響の対話を聞いていた2人はポカ〜ンと言う音が出てもおかしくない程、今の2人に対して呆然としていた。

 

何がしたいんだ…この2人は…?

 

「…と、そう言う場合じゃないな。

(お前)クリス(あの子)の相手を頼む

こっちは漢と漢の喧嘩をしないとな…行くぜ、ロック!」

 

憑友が改めてそう示唆すると、響はさっきの話は何処へやらとすぐに思考を変えて、クリスの方を見る。

 

そして響と憑友の2人は同時に拳を打ち付け、同じ構えをとった。

ただ憑友は響の構え方の反転版である。

 

すると憑友は此処にいる全員にこんな事を呟いた。

 

「知ってたか?

《精魂導師》にも…

 

 

 

()()()()っていう事を…」

 

「え?」

 

「何?」

 

「何だと⁈」

 

憑友の発言に上から響、ロック、クリスの3人が其々言い放った。

 

すると憑友は歌を歌った…!

 

(挿入歌「タイプ:ワイルド」松本梨香)

 

すると憑友のスピードが速くなり、ロックが気付いた時にはもう既に腹に鉄拳を食らっていた!

 

「がはっ⁉︎(ば、馬鹿な⁉︎あまりにも…速すぎる⁈)」

 

ロックはそう思った。以前とは比べ物にならない事に。

 

本来、《精魂導師》達に歌は必要ではない。

《シンフォギア》の装者とは違い、簡単に変身する事が出来るから。

 

だが、《精魂導師》達がひとたび歌を歌うと、周りの空気が一変する。

 

それは、周りの味方の士気を上げたり、癒しを与えたり、

身体能力の強化を生んだり、様々な追加効果を生んだり等…

実に多岐多様に渡る程の物である。

 

「はぁぁぁぁあ‼︎」

 

すると憑友は今度は"サブウェポン"《刺突刃》を展開させ、身体を動かしながら攻撃していく!

 

その攻撃はまるで戦場に居ながら、舞を踊っているかの様に。

 

「くっ!」

 

「…」

 

自分の攻撃ペースを乱されたロックは焦りを始めて、

そんなロックを憑友は攻撃しながらじっくりと観察していた。

そして歌を歌い終わると同時に即効で後退し、話しかけた。

 

「…お前ってさ…歌は好きか?」

 

「・・・何?」

 

憑友の言った一言でロックは焦りから呆然とした態度を見せた。

 

「聞いてみたいんだよ。ライバルの歌を。その声を。

歌に思いを乗せて歌ってみろよ。

きっと世界観がガラリと変わるからさ!」

 

「!…」

 

憑友の言った言葉にロックは感化されていた。

ロックは時々鼻歌を口ずさむ事が偶にあった。

その時は大概クリスが近くにいて、クリスの心情を変化させてきた。

もし今此処で歌えば、多少は元のクリスに戻ってくれるのではないのかと思うとロックは歌いたくなってきた。

 

そしてそれを聞きたいと言ってきた憑友(自身のライバル)

そんな思いを胸に、ロックは…歌った…!

 

(挿入歌「DREAM FIGHTER」宮野真守)

 

歌の出だしからその熱い想いを感じた憑友は笑顔を見せて、右手の拳をロックに向けた。

 

「それでこそ、俺のライバルだぜ!

そしてそんなお前を…俺は、勝ってみせる!」

 

「!…ふっ…なら、掛かって来い!」

 

「行くぜーー‼︎」

 

そう言うと2人の戦いに幕が上がった。

それを合図に響とクリスもそれぞれの目の前の存在と相対した!

 

クリスはそんなロックの歌に合わせて数多の弾丸を響に向けて放つ!

しかし、響も負けじとその弾丸の雨を避けたり、受け流したりしながら、自分の想いを届けようとしていた。

 

そして憑友とロック…2人の戦いは最初からクライマックス状態だった!

 

「はぁぁぁぁぁ!」

 

「ふっ‼︎」

 

互いのメインウェポンとサブウェポンを切り替えながら、互いの攻撃を悉く防いでいた。

 

「(凄いな…ロック…!

魅惑のあるスゥィートボイスでありながら、まるで応援されているかの様な熱いエール…!

これが…お前の《歌》なんだな…!)」

 

「(俺はこれ程までに彼奴の事を期待していたのか…

ならば、今の俺に為すべき事を為すまでだ!)」

 

そう言うと2人は互いのアブソーバーのドライブボタンを叩いた!

 

『ライド・オレ!フルドライブ‼︎』

『ソウル・フォーマル!フルドライブ‼︎』

 

「「はぁぁぁぁぁ!」」

 

すると2人の得物をそれぞれ…

憑友の拳から炎が噴き出て、

ロックの弓から水が形成されていく…!

 

「これで終いだ…!」

 

そう言うとロックは弓を構え、矢を弦に番え、そして…

 

「奥義…"アビス・ブラスター"‼︎シューーート‼︎」

 

そして一本の矢を放った!

その矢に大量の水が付加されて…!

 

しかし負けじと憑友は右手の拳に炎を纏わせた!

 

「シンプルイズネーミング!」

 

憑友はそう叫んだ。

直訳すると"単純な名前"と言う意味を表していた。

その名は…

 

 

「"超…

 

 

 

 

熱・血・弾"ーーーー‼︎」

 

そう言うと憑友はその右手を前方に向けて特攻した!

まるで顔がア○パ○のあの御方そのものの必殺パンチの様に特攻したのだ!

皆を代表して一言言わせて欲しい…

 

 

単純過ぎにも程があるだろ⁈

 

そう感じていると憑友の右手の拳と、ロックが放った一矢が激突した!

 

その激突で更に光と爆発が起こった!

 

ロックは確信した…勝ったと。

だが、その油断が命取りとなる事をこの時の彼は知らない…

 

何故なら…

 

ジュゥゥゥ…

 

「?この音は…⁉︎」

 

ロックは奇妙な音を聞いた。

まるで水が()()()()()()()()()()が聞こえた。

 

そして目の前の光景を見て、ロックは驚愕する…!

 

其処には、己の拳で、ロック自らが放った矢を受け止めただけでなく、それを水蒸気の様に水を沸騰させている憑友が其処にいたのだ!

 

「負けてたまるかぁぁぁぁ‼︎」

 

すると憑友は未だ勢いのある水の矢を受け止めずつ、なんと前へと前進し始めたのだ!

 

「⁉︎(馬鹿な!何処にそんな力があるんだ⁉︎あれ程の高火力で、何処まで進むつもりだ⁉︎)」

 

「俺は…まだ…諦めねぇぇぇぇぇ‼︎」

 

そう言うと憑友が受け止めていた矢を拳で撃ち落としたのだ!

 

それを見て脅かされたロック。憑友はその隙を見逃さずにそのまま特攻して、そして…

 

 

ドガァァッ!

 

「⁉︎ぐはっ⁉︎」

 

「っ‼︎」

 

その拳で、ロックの顔面にヒットさせた憑友が其処にいた。

 

顔面ヒットを食らったロックはそのまま木々を薙ぎ払いながら、吹っ飛ばされたのであった。

 

ーーーーーーSIDEtoロック

はぁ…はぁ…やはり…強いな…あの男は…!

 

「はぁ…はぁ…ヤベェ…もう力が…!」

 

如何やら相手の方は真面に動けないか…だが。

この勝負は俺の負けだ。

 

あんな攻撃を悉く受け止めた上に、この威力ははっきり言うと反則物に等しいな。

 

そう感じていると、

 

遠くの方から剣の形をした何かが爆風を防いでいた。

如何やらクリスの方には相手側の増援が来た様だな。

 

そう感じていると…

 

「何やってんだよ、この馬鹿後輩!」

 

「あはは…。…ごめんなしゃい。霊風先輩」

 

如何やらこの前の風の導師がやって来たみたいだ。

 

「如何する?此処で俺が代わりに相手をしてやっても良いぜ?」

 

…それもまた一興。だが…

 

「…いや、来る前に決着が付いてる。これ以上戦う理由が何処にも無い」

 

「…そうかよ」

 

そう言っていたら…

 

ヒュー…!

 

『⁉︎』

 

ノイズだと⁉︎

 

「うぉ⁉︎」

 

「!やべ…!動け…ない…!」

 

ぐっ!こんな所で俺のライバルをみすみす殺されてたまるか!

 

そう感じた俺はすかさずアーチャーのカードを取り出した。

 

「アーチャー!力を貸してくれ!

俺は…あいつを助けたいんだ‼︎生涯のライバルを!」

 

すると俺の隣からアーチャーが現れて、一言言ってきた。

 

「…ふっ。何を言い出すかと思えば…

そんなのはお前の自由さ。

…救いたいと言うのなら、救ってみせろ‼︎」

 

!アーチャー…

いつも、俺達を見守ってくれて…ありがとう。

これからも頼む…!

 

「ふっ…了解した。マスター」

 

そう言うとアーチャーが消え、俺はすかさずアブソーバーに装填し、彼奴の元へと高速移動しながらレバーを引き、すかさずアーチャーの魂を纏った!

 

ーソウル!フォーム、アーチャー!

Unlimited Blade Works!ー

 

そして俺はすかさず手を交差して、アーチャーの愛剣『夫婦剣 干将・莫耶』をすかさずトレースして、ノイズの猛攻から憑友を…ライバルを助けた!

 

「!…ロック…」

 

「俺とお前はライバルだ。こんな所で死なせてたまるか!」

 

「‼︎」

 

「良いね〜青春だね〜♪なら、俺もそんな2人の青春を応援しますか‼︎」

 

そう言うと風の導師もノイズ達を相手に攻撃をしてきた!

 

だが、こんな所でノイズが来るのは大抵彼奴が彼処にいるしかいない…!

そう思いながら、俺はすかさず後ろにいた憑友を担ぎつつ、攻撃をいなして行くと、いつの間にかクリスと《ガングニール》の装者と《天羽々斬》の装者といつの間にか合流していた…!

いや、合流していたんじゃない…合流させられたのか⁉︎

そう感じていると…

 

『命じた事も出来ないなんて…

貴方達は私にどれだけ失望させれば気が済むのかしら?』

 

⁉︎この声は…

 

 

そして俺は上空にいる空中型ノイズ達が徘徊している場所の真下にいる日の入り間近の海岸近くに佇む1人の金髪の女を見て驚愕した。

 

何故、お前が此処にいる…⁉︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「フィーネ!」」




奏「よっ!みんな元気にしてたか?天羽奏だ。
原作では私は殉職した身だけど、このお話では生きてるからな!」「さて、翼が前回このコーナーをやってたけど、私の所にまで来るとは思ってもいなかったよ。
さ、そんな事よりも今日の『英雄』紹介コーナーは私が担当するからよろしくな!」
「それで、今回の『英雄』は…え?マジで?
今回は憑友が初めて出会った『英雄』・キリトの娘、ユイの事を紹介するぞ」

ユイ/カード名【黒と白の娘 ユイ】
属性/光・機械・無し・無し

『英雄』と言うよりもその『英雄』達を支えるサポートキャラの役割を担っている少女。
キリトの事を『パパ』と呼んでいる。

奏「…初めて見るけど…何これ…可愛い過ぎだろ…⁉︎
こんな子が憑友の『英雄』の娘となると、この子の母親ってよっぽど美人なんだな…」

次回

亀裂

奏「次回は憑友と響にとっては深刻な問題が発生する話か。
私には如何する事も出来ないからな…
2人とも頑張れよ!」


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第37話 亀裂

さぁて、此処から第7話の見所なんですが!
申し訳ありません。オリ主の憑友君の視点のみとなってしまいました。すみません。

それと、このお話の原作『戦姫絶唱シンフォギア』なんですが、
なんか第4期制作決定と言う噂が此方にも流れ着いてきました。

嬉しいのやら、悲しいのやら…
とにかく、頑張って、三期までは7月中に書き上げる!

『ガンバレ〜〜』

皆んなに応援されたけど、何故そこを棒読みで読むんだよ〜〜⁉︎

「と言う訳で、せーの!『スタート!』」

話聞けやこの〜〜!

p.s.
28日に5期制作決定だと…⁉︎調子狂うでは無いか⁉︎


ーーーーーーSIDEto翼

 

「「フィーネ‼︎」」

 

水の魂の使い手と《ネフシュタンの鎧》を纏っていた少女は同時にソロモンの杖を持っていた女性を見てそう告げた。

 

フィーネ…それは終わりの名を持つ者の事だが…一体…?

 

「へぇ〜此奴等を影から操っていた本体…謂わばボスキャラ登場か?面白いね〜♪」

 

霊風さんの様子が少し変に思えてきた私。

色々とアタマが痛くなりそうだった。

 

「っ!」

 

そう感じていたら、鎧の少女は自分をノイズから庇った立花を押し退け、立花は私の腕に収まった。

 

「こんな奴がいなくたって、戦争の火種くらい、私とロック義兄が全て消してやる!」

 

戦争の火種⁉︎まさか、此処にいる2人は戦争孤児なのか⁉︎

 

「そうすればあんたの言う様に、人は呪いから解放されて、バラバラになった世界を元に戻るんだろ⁉︎」

 

⁉︎そんな事があり得るのか⁉︎

もしそれが可能ならば、何故それが今の今まで出来なかったのだ⁉︎

 

『…はぁ…

もう貴方達には用は無いわ』

 

「⁉︎」「…」

 

⁉︎貴様…!

 

「よせ!翼!」

 

私が前に出ようとしたら、霊風に止められた。

何故、止めるんだ‼︎

 

「よく聞け、翼!

悔しいけど、この中のメンバーでおそらく古参な俺だとしても、彼奴に敵う事なんて無理に等しいんだ。そんな俺が駄目なら当然ながら、お前や憑友、響ちゃんだって敵う筈がねぇだろ…」

 

私は霊風さんの言葉を聞くと霊風の方を見た。

其処には苦虫を噛んだかの様な悔し顔を晒け出している霊風さんの顔を見た。

…くっ!私はこれまで一度たりとも霊風さんから一本も取れてない。

 

そんな私が霊風さんが危惧している程の実力を相手にあの女に勝てる見込みなど無い…!

しかも、此方には疲弊した立花と、病み上がりな上にさらに悪化させた憑友が此処にいる…

この2人を守りながら戦うのは幾ら霊風さんと私でも至難の業だ。

 

そう考えていると、フィーネと呼ばれた女の右手が青白く光ると、近くから粒子が集まりだした!

 

そして回収し終わるとソロモンの杖を使って、ノイズを指揮してきただと⁉︎

 

「っ!やらせはせん!

 

来い!ラギア‼︎」

 

すると水の導師が海に向かってそう叫ぶと、

 

 

「グォォォォォーー‼︎」

 

『!』

 

海から凶暴なワニの様な顔つきをした何かが現れた‼︎

それを見た霊風さんから

 

「ら、ラギアクルスだと⁉︎」

 

と、そう告げた。

ラギアクルス?それがあの怪物の名前なのか…?

 

と、そう思っていたら、その怪物は口から電撃を帯びた弾丸をノイズに向けて放った!

 

その攻撃で、ノイズは瞬時に炭化して、消えた…!

 

なんと言う威力なんだ…!

そう感じていたら、フィーネと名乗った女は此処から立ち去ってしまった…!

 

「待てよ…フィーネーー‼︎」

 

すると鎧の少女は直ぐに後を追って行ってしまった。

それを見た水の導師はラギアに命令し、ラギアと呼ばれた怪物は海へと入っていった。水の導師も海の方へと行こうとしたが、直ぐに立ち止まり、私の方に顔を向けて話してきた。

 

 

「19537」

 

「…え?」

 

「憑友に伝えろ。やり方は簡単だ。其処に電話を繋げるだけだ。

…また会おう。

…今度は敵としてではなく、ライバルとして…」

 

そう言うと水の導師もその場から立ち去ってしまった…!

 

『聞こえるか、翼』

 

…叔父様。

 

『フィーネ及び2人の行方は完全に不明(ロスト)した。

霊風と共に憑友と響君を連れて帰還してくれ』

 

「…了解しました」

 

通信をきると私は霊風さんに叔父様の話した内容を話し、2人でこの場を立ち去った。

 

ーーーーーーNO SIDE

一方、3人の反応をロストしてしまった二課。

だが、その代わりに2つの情報を集める事に成功していた。

 

藤堯がその情報を映像に出した。

其処には一面の記事と一緒に小さな女の子の顔と、

 

また違う一面の記事と一緒に小さな男の子の顔が写し出されていた。

 

弦十郎はその内の少女の方に見覚えがあった。

 

「あの少女だったのか…」

 

「雪音クリス。現在16歳。

2年前行方知れずとなった、過去に選抜されたギア候補者の1人です」

 

藤堯が鎧の少女…クリスの説明をすると今度はもう1つの記事の方を拡大させて説明をした。

 

「そして、此方の男の子。名前は、ロック・アイル。

彼がまだ5歳の頃に両親をテロリスト達に殺されて以来、たった1人でテロリスト達に反旗を翻したとして噂されていたテロリスト達の脅威的で、異名(コードネーム)は…

 

「【冷眼のロック】…」

 

⁉︎司令、ご存知だったのですか⁈」

 

司令はこの男の子の事をまた知っていた。

その理由を今度は弦十郎自ら説明した。

 

「憑友がごく偶に連絡をしてきた時があってな。その際に相手をしていたテロリスト達からちょくちょく耳にしていたと言っていた…

まさかこんな歳でもう戦場で数多の死線を潜って来ていたとは…」

 

弦十郎の言葉に藤堯と友里も少し浮かない顔をしながらもその記事を纏める事にしたのであった。

 

そしてオペレーターの席についてあったモニターには未来と逝都、そして馬燈の3人が黒服のSP達に守られていたのであった…

 

ーーーーーーSIDEto憑友

 

…此処は…?

 

真っ暗で何も見えない…

 

まるでその身だけで深海まで深く潜られてしまったかの様な感覚…

 

だけど…心地良いなんて。

 

もしかして、かなりの多様化でもう死んでしまったのだろうか…?

 

「何考えてやがるんだ…お前はよ…」

 

「…神…様?」

 

なんで此処に?

 

「一枚も俺が欲しい石板を持って来ないとはな?

まぁ良い…ほら、手を出せよ。今回だけだからな?」

 

そう言いながら、神様は右手を出してきた。

俺も右手を出した。すると、神は俺の右手を引っ張ると、そのままの勢いで上へと押し戻されていく…!

 

「取り敢えず、自分の分くらいはきっちりやって来いよな〜?」

 

そう言いながら手を振りながら、俺を見送る神。

 

そうだよな…俺にはまだやるべき事が残っているんだからな…!

 

そう言うと俺はそのまま光のある方へと手を伸ばした…!

 

ーーーーーー

そして目が覚めると其処には俺の手を握ってくれていた響がベッドの上に頭を乗せてそのまま寝ていた。

 

此奴にはいつも迷惑掛けっぱなしになったな…

 

「う、う〜ん…あれ?私…此処で…⁉︎憑友⁈」

 

「取り敢えずうるさい」

 

ゴドンッ!

 

「あ痛っ⁉︎うぅ〜⁉︎酷いよ…」

 

此処、病室だろ?少しは静かにしてくれよ。

 

「うぐっ…はぁ〜い」

 

素直でよろしいです。

 

「それは兎も角、心配したんだからね⁉︎1週間も寝てばっかりだったし!」

 

⁉︎い、1週間⁈そんなに俺の意識は無かったのかよ⁈

 

「と、それは良いとして…私、翼さんに認められたよ!

まだまだ半人前な私だけど、友に戦ってくれる大事な仲間だって!」

 

!…そっか。ふふふ…」

 

「?如何したの?」

 

「あ、声に出してたか。いや、あの一件以来、翼さんは響の見る目が変わったなって思って…

変わったのか、変えられたのかやら…」

 

「?」

 

「なんでも無い」

 

「そっか!」

 

そう言いながらも響はニコニコと笑顔を、俺に見せてくれる。

けど、俺はそんなお前の顔を見て、少し苛立っていた。

 

さて、その理由を話すとしようかな。

 

「…時に響。今、俺はお前に対して非常に苛立っています。心当たりがあるのなら正直に答えなさい。答えれば、お咎め無しにします」ニコッ(#)

 

俺はそう言いながら、眉間に皺が出来るほど眉毛を引き寄せつつも、顔は朗らかな顔をして見せた。

すると響はありのままの事を話した。

 

結果から言うと今回の件が原因で未来と喧嘩してしまった様だ。

 

あの後、寮へと帰った後、未来が響に拒絶の姿勢を見せ、そして俺が現在使用しているベッドの方へと身を疼くまり、そしてそれ以来、未来は一切話を聞いてくれなかったと言う事らしい。

 

それを聞いた俺はひとまずその怒りの矛先を収めて、落ち着かせた。

 

確かに俺と響、未来、逝都、馬燈の5人の中で未来は仲間外れ的なものだからな。

逝都や馬燈は俺が直接話して、男の約束として誰にも言わない様にしてきたけれど、未来はその限りでは無い。

 

だからだろうな…未来は響に拒絶を見せたのは。

 

響だけじゃ無い。俺もそうだな。

おそらく帰って来ても、未来は俺に対しても拒絶の態度を見せるだろうな…

 

俺と響と未来。

俺達3人は超が付くほど仲良し3人組だった。

だからかな…今はこの心が逆に痛かった…

辛かった…こんなにも身近な存在と喧嘩した時の後悔に俺は何も出来なかった。

辛い…辛すぎるよ…

 

そして未来はそれよりももっと辛い中を生きてると言う事を改めて知れた。

 

未来は俺と響の事を心配してくれていたんだ。

なのに、俺達は…くそっ!

 

俺がそう感じていると、響はメモ帳に何かを書いて、部屋から出て行こうとした。

問おうとしたら、この後学校の授業がある様で、今日の内にも未来に謝りたいと言って、響は病室から立ち去ってしまった。

俺は響の書いたメモ帳を見てみた。

 

けど…

 

相変わらず…字が汚い⁉︎

 

だけど良く見てみると、其処には…

 

『19537。

翼さんがロックさんから聞いた話だって!

其処に電話を掛けて!』

 

俺は響の書いたメモを便りに端末の番号を押して、そして電話を掛けた。

因みに今は病室ベッドから屋上に来ている。

 

purrrr…purrrr…purrrr…purr…ガチャ!

 

『…ようやくかかって来たか?』

「お前が俺に番号を送るなんてな?ロック」

 

話し相手はロックだった。

するとロックは今から其方に来ると言って電話を切った。

 

今からって…此処からどのくらいかかると思ってr…

 

「待たせたな?」

 

「うわぁ⁉︎」

 

ど、ど、何処からやって来た⁉︎

 

「驚かすなよな⁉︎ってか、何処から現れた⁉︎」

 

「その事に関しては詫びよう。で何処からかと言われたら、お前の影を探して、そして其処から移動してきただけだ」

 

いや、それ何⁈もはや忍者の偉業を軽く超えちゃってるよ⁈

 

「それよりもお前に大事な話があるんだ。

フィーネ…奴の正体を」

 

⁉︎何だって⁈




弦十郎「ん?今回は俺が憑友のやっているコーナーを担当するのか?」ゴホンッ…
「それでは本日の『英雄』紹介、いってみよう!」
「今回は、霊風が以前解析していた『英雄石板』内にいた通称【槍の姫騎士】ことアリーシャを紹介しようではないか!」

アリーシャ/カード名【槍の姫騎士 アリーシャ】
属性/無・人間・突・槍

《グリンウッド》と呼ばれる大陸にある国にて地位の高い身分を持つ正真正銘のお姫様。
だが、その身分は何方かと言うとあまり高くない。
けど、そのおかげで、民の声を直に聞く事が出来る為、民からの信頼は厚い…!

弦十郎「翼や奏と大差変わらないくらいの年齢で王としての責務を果たすとは…!
大人の立場としてはあまり嬉しく思いたくない世の中もあったものなんだな…」

次回

義兄と義妹の歌

弦十郎「次回は…何?俺達二課の出番が無いだと⁉︎」
「しかも今回の話の間に起こった出来事だと⁈
…兎に角、次回も見てくれ」


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第37.5話 義兄と義妹の歌

えーと…まずひと言言わせてくれ…


『戦姫絶唱シンフォギア』

祝!第4期&第5期制作決定おめでとう‼︎

新たな歴史の快挙となるのか!乞うご期待!

てなわけで、このハイテンションのまま、レッツゴー!

『何処に⁉︎』


響が未来に嘘をつき、未来と喧嘩してしまったその日の夜…

 

あの戦いの後の夜、クリスは1人近くの公園を彷徨いていた。

夕方相見えた少女、響の言った言葉が如何しても頭から離れられなかった。

 

「(私の目的は戦いの意思と力を持った人間を倒して、戦争の火種を少しでも無くして、ロック義兄の負担を減らしたいのに…)」

 

クリスがそう考え込んでいると、女の子の泣いてる声がしたので其方に顔を向けると、其処には小さな男の子と女の子がいて、女の子はベンチに座って泣いていた。

 

それを見たクリスは男の子に言いながら拳を振り上げようとしたが、

ガシッ!と言う音が聞こえた為、苛立ちながら後ろを振り向くと其処には…

 

「女が拳を振り上げるものじゃ無い。クリス」

 

「⁉︎ロック義兄⁈」

 

なんとロックがいたので、クリスは驚いてしまった。

そんなクリスをほっといて、ロックは男の子と女の子の方に同じ目線になって話しかけた。

 

「如何かしたのか?」

 

「迷子になったの〜」シクシク

 

「迷子かよ…だったら最初から言えっての…」

 

「拳を振り上げるような奴に言われる筋合いは無いと思うが?」

 

「んな⁉︎よ、余計なお世話だ!」

 

「兎に角、迷子になったのか…良し。

だったら、俺とこのお姉ちゃんが一緒に探してあげるよ」

 

「ほんとう⁉︎」「良いの⁉︎」

 

「ああ。勿論さ」

 

ロックの話を聞いていたクリスはその会話を見て、自分の事を思い出してみた。

 

ーーーーーーSIDEtoクリス

思えば、ロック義兄は本当に小さな時から子供達の事を良く見ていたし、私の時もそうだった…

 

ー回想ー

まだ自分が小さくて、ロック義兄が義兄になったばかりの頃の話だった。

 

『うぇ〜ん!』

 

あの頃の私は時々、パパとママから離れていた為にすぐに泣いていた。

そんな時に私の事を第一に考えていたのがパパでもママでもなく、

 

『…』

 

ロック義兄だった。

 

『ほら!』

 

あの頃の私はロック義兄は本当に自分の兄だと錯覚していたくらいに家族として好きだった。

だけど、何時からだろう…ロック義兄は私の為に自分の事なんか二の次に考えるようになって…

パパとママが居なくなったあの日からそれは更に加速していったな…

 

今こうやって思い返してみれば…

 

『下手くそだけど、気に入ってくれてよかったよ』

『味に自信が無いけど、美味しそうに食べてくれてありがとうな』

『美味いじゃないか!その調子だよ!』

『妹を守るのは常に兄としての役目だからな』

『俺はクリスの両親の分まで生きて、クリスに幸せな生活を送ってみせるからな』

 

ー回想endー

 

思えば、私はロック義兄に甘えてばかりになっていた。

だから今度は私がロック義兄を守る番なんだ!

 

「?如何かしたのかクリス?」

 

「え?」

 

「俺の顔をチラチラ見ていたから。…何か付いているのか?」

 

「⁉︎//な、なんでもねぇよ…‼︎」

 

言えねえよ、ぜってぇに‼︎

 

 

ーーーーーーNO SIDE

そして男の子と女の子の親を探す為、2人は子供達と共に街中を歩いていた。

 

因みに、

 

ロック 男の子 女の子 クリス

 

こんな風に並びつつ、手を握っていた。

傍から見たら、まるで家族みたいと思えていた人達が多かったそうで、

その視線に気付いたクリスは顔を真っ赤に染まりそうになるのを敢えて堪えて、気を紛らせる為だったのか、それとも無意識のうちにだったのか…鼻歌を歌っていた。

 

「…」

 

「…?な、なんだよ…」

 

「…クスクス…!」

 

「⁉︎笑う事も無いだろ⁉︎」

 

女の子が見ていた事に気付いたクリスは答えるように示唆すると今度はロックが小声で笑みを浮かべていたので、今度はクリスが顔を真っ赤にしながら反論を述べた。

するとロックはこう言ってきた。

 

「あはは…いや〜久しぶりに聞いたよ。クリスの鼻歌♪」

 

「其処だけ強調すんじゃねぇ⁉︎」

 

そうすると今度はロックも鼻歌を歌った。

曲名は「光射す場所」のオルゴール版だった。

 

その歌を聞いていた子供達は目をキラキラしていた。

対してクリスは先程の羞恥心が何処へ行ったのやら…

そんなロックの鼻歌を聞いて、心地よい気分になっていた。

 

 

そして4人が交番あたりにさしかかろうとした時、1人の男性が現れた。

すると手を繋いでいた男の子と女の子が一斉にその男性の元へと走った。

如何やら父親らしい。

 

「うちの息子達がお世話になりました」

 

「いや、別に気にしてはいないので。寧ろ、この子達のおかげで、この場所の事が良く分かりました。

良かったね、お父さんと再会できて」

 

「うん!」

「お兄ちゃん、ありがとう!」

 

「如何いたしまして」

 

3人の会話を聞いていたクリス。

それをちらりと見たロックは何かを察したのか、クリスが言いたい事を代弁した。

 

「そうだ。2人は如何して其処まで仲良しでいられるのか、教えてくれないかい?」

 

「え?う〜ん…分からないや。

時々喧嘩もしちゃうし」

 

「喧嘩はするけど、それでも仲良しになるの〜!」

 

「あはは…!そうか。ありがとう。おかげで良いアドバイスを貰えたよ」

 

そう言うとロックは男の子達の父に会釈をするとそのまま立ち去ってしまったので、クリスはお辞儀をするとロックの後を追いかけていった。

 

 

「なんで、あんな事言うんだよ…迷惑だ」

 

「いつもの事だろ」

 

「いつもじゃねぇ!」

 

そう言いながら、2人は夜の街を歩き続けながら、

そしてそのまま先程いた公園にやって来てしまっていた。

 

するとロックはベンチに座って、クリスに座るようにジャスチャーを出すと、クリスは渋々それに従った。

 

「何故、俺があんな事言ったのか分かるか?」

 

突然の出来事にクリスは頭の上から?マークが付きそうなほど、首を傾げた。

 

するとロックはその理由を教えた。

 

「お前には友達やら彼氏なんかを作って欲しいと思ってるんだ」

 

「…はぁ⁉︎」

 

ロックの一言に驚かされるクリス。当然である。

いきなり何を言い出すのかと思えば、友達を作れだとか現を抜かした言動を言ってきたので、驚かされるのも無理はなかった。

 

「もしかしたら、クリスを幸せにする前に俺がこの世から居なくなってしまうからな。

俺はライバルの1人か2人くらいいればそれで良いんだ。

だけど、クリスの場合はそうはいかないんだ。

お前の事を大事な存在だと思ってくれる人と一緒に居てくれた方が俺にとっても幸せなんだよ…」

 

「ロック義兄…」

 

ロックの台詞を聞いたクリスはそれ以上何も言えなかった。

 

ーーーーーー

ロックが憑友の所へ行っている間、クリスは1人でフィーネのアジトに向かった。

 

其処には電話越しに会話をしているフィーネの姿がいた。

 

 

クリスは必死になって反旗を翻すも、フィーネは電話を切り、そしてソロモンの杖からノイズを出してクリスを包囲させると同時に、彼女の手から光が具現化し、そしてフィーネは纏った…

 

完全聖遺物《ネフシュタンの鎧》を。

 

そしてフィーネはソロモンの杖を使い、ノイズ達に命令した。

 

クリスを襲えと。

 

クリスは泣き叫びながら、街の方へと走り去ってしまった…

 

 

{数多の流れは近い内にいずれ邂逅し、やがて1つとならん…}

 

そしてこれはその1つになろうとする前触れなのかもしれない…




次回

陽だまりの翳り


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第38話 陽だまりの翳り

アニメ第8話の内容です。



あくる日の事。

雨が降りしきる朝、未来は1人先に起きて、身支度をして、朝早く学校の方へと向かった。

 

ふいに何かに気付いた未来はその方向を見ると、

大量の炭と共に1人の女の子が横たわっていた。

 

ーーーーーーSIDEto響

今日は朝から師匠の電話が来たので、私は電話を掛けた。

内容は今朝方にてノイズと交戦した跡が見つかったと言う事だった。

 

幸いなのは今朝方未明だったので、人が炭化した形跡が無かったのは救いでもあった。

 

だけど、私はその時まで寮部屋に居て、翼さんも病み上がりだからあまり無茶出来ない。

霊風さんは今日は奏さんのところに行ってるって、師匠よりも前にメールで来ていた。

憑友はまだベッドの上で回復に専念している。

となると、交戦した相手はある程度目処がついている…

 

クリスちゃんとロックさんの2人だけだ。

 

そう思っていたら如何やらその仮説は本当のようで、

師匠から《イチイバル》の波形パターンを検知していた。

 

つまり、クリスちゃんがノイズと戦っていた事になる。

 

けど、その肝心のクリスちゃんは居ない。

 

それに、それだけなのかと聞いたら師匠からはそれだけしか検知されていないらしい。

つまり、今クリスちゃんにはロックさんがついていないという事になる。

 

如何してそうなってしまったんだろう…

 

これは最早呪われたレベルを通り越しているとしか言いようが無いよ…

 

そう思いながら、この後授業が始まるので、私は師匠との通話を切り、教室に入った。

 

そして私の机を見てみると、未来が来ていなかった。

 

「ビッキー」

 

すると私の元に創世ちゃん達がやって来た。

 

「小日向さん、お休みなんですか?」

 

「私よりも先に登校した筈なのに…」

 

如何してなの…未来…

私は…このままなんて…嫌だよ…

 

ーーーーーーNO SIDE

降りしきる雨の中、憑友は病室のベッドで読書をしていた。

なにぶん今の自分の身体にダメージが残ってしまっているので、とてもじゃないがまともにやり合う体力が全快していないのである。

 

『大量に本を読んだとしても、何を調べているのだ、憑友?』

 

「彼奴…ロックが言った事に関する情報を少しでも多く蓄積しないと攻略する事は出来ないからな」

 

憑友は読書ではなく、ある物を独自に調べていた。

それはつい先日、憑友の前に現れたロックがフィーネの正体とそれに関する重要なワードを教えてくれたのだ。

 

「『カ・ディンギル』…

天をも穿つ塔いや、天を貫く魔塔か…」

 

そう呟きながら、憑友は懸命にそのワードに関する情報を模索していたのであった。

 

そんな憑友はふとある事に思い出していた。

 

「?(そう言えば…ユルセンは何処に行ったんだ?)」

 

ーーーーーー

その憑友が探していたユル〜い幽霊ことユルセンはとある場所にやって来ていた。

 

「…」

 

その場所は時々、みんなと一緒に食べに来るお好み焼き屋『ふらわー』であった。

ユルセンはその店の中へと霊体となって入っていった。

 

そして店の奥には未来がクリスの面倒を見ていた。

 

「(未来…クリスちゃん…)」

 

ユルセンはそんな声を発するもその声を2人には届かなかった。

 

ーーーーーーSIDEto未来

雨が降りしきる中で倒れていた女の子。

私はそのままにする訳にも行かずに、『ふらわー』のおばちゃんのお家にお邪魔して介護していた。すると、女の子が目を覚ました。

 

目を覚ましたのは良いけど…

 

下の方は流石に…//

 

「⁉︎」バサッ!

 

そう言うと女の子の方も気付いた様で布団に包まってくれた。

 

そうしていると、

 

「如何?お友達の具合は?」

 

『ふらわー』のおばちゃんが洗濯物を持ってこっちにやって来た。

 

「ついさっき目が覚めた所なんです。ありがとうおばちゃん」

 

そう言うと私はおばちゃんが持っていた洗濯物を持って、洗濯物を干す事にした。

 

ーーーーーー

 

そして私は女の子の背中を水で軽く拭いてあげた。

その際に、大量のアザがあったけど、私は気にしてはいない。

…ううん。それよりも気にしちゃう事があっただけの事。

 

響の胸の上にフォルテの形をした傷跡がある事。

 

そして薄々気付いていたんだけど…

 

憑友が生きていないと言う事に。

 

いつ知ったのかって?

それはつい先日の時に、私がウトウトと眠気に襲われた時に、憑友が肩を貸してくれたの。

その時に心臓が聞こえて来なかった。

実は意外にも肩に顔を置くと耳元から少ないけど心臓の音が聞こえて来るそうなんだけど、憑友からは感じられなかった。

 

だから、私はこの時に半信半疑になっていた。

憑友が実は半分幽霊みたいな存在じゃないのかって。

 

今はその半信半疑の状態に私はいるけれどね。

 

私はそれでも2人のために心配事をしていたけど、2人は私に心配を掛けさせまいとしていた。

 

仲良し3人組としてまるで除け者にされたような気分に今の私は顔には出さなかったけど、やっぱり落ち込んでいる事に関しては自覚していた。

 

「…何にも、言わないんだな…」

 

そう思っていたら、女の子がそう呟いてきたから、私は「うん」と言いながら、彼女の背中を拭きながら話をした。

 

「私、そう言う事は苦手みたい…

今までの関係を壊したくなくて…なのに…

一番大切な物を2つも壊してしまった…」

 

2人にはなんて言えばいいんだろう…

またいつもの何気ない日常に戻れるのかな…

いや、これは我がままなのかもしれない。

2人との関係を壊したくなかったのに、2人の関係を壊したのは結局私なんだ。

私は2人との関係を…憑友と響との関係を自分から壊してしまった。

だから、私はもう…

 

そう考えていたら、女の子はいつの間にか着替えをしていた。

外を見てみたら、いつの間にか晴れていた。

考え事してるとやっぱり時間の流れは速いんだね…

 

「喧嘩か…私にはよく分からないな」

 

「?友達と喧嘩した事無いの?」

 

「…友達居ないんだ。いるのはたった1人の義理の兄だけなんだ」

 

そう言うと女の子は話を始めた。

それは、彼女の壮絶な人生の出来事だった。

 

この場所の裏側に位置する場所にて女の子の両親は殺されて、

たった1人の家族だった兄も容赦なく痛めつけられて、

そして女の子自身はその幼かった自分がまるで奴隷のように扱き使われていた事を話してくれた。

 

彼女の話を聞いた私。

私はそれでも、彼女の事が心配になってきていた。

すると彼女は私の今の現状を打開する話へと切り替えてきた。

 

「お前さ。その子達に1発ぶん殴ったら如何だ?」

 

「ふぇ⁈」

 

い、いきなり過ぎだよ⁉︎

 

「どっちが強いのか示したらそこで終わり。

後はまた仲良くすれば良いだろ?」

 

…そう簡単に言って来れるけど…私には無理だよ…

 

だけど…

 

「ありがとう」

 

「あん?私は何もしてねぇよ」

 

それでも言いたかったんだ。

 

「気遣ってくれてありがとう。えっと…」

 

「…クリス。雪音クリス。それがあたしの名前だ」

 

そっか。クリスって言うんだ。

だからなんだろうか?こう言う言葉が出てきたのは…

 

「私は小日向未来。もし良かったら…

私と友達になってくれる?」

 

「⁉︎…良いのかよ、それで…」

 

「うん」

 

私にとっても、貴方にとっても大事な友達で居たいから。

 

そうしていると突然サイレンが…⁉︎

 

外を見てみるとそこには大勢の人達が避難していた…!

 

こんな事になるのは大抵決まってる…ノイズしかいない…!

 

ーーーーーーSIDEto響

 

私は今、翼さんとお話をしていた。

自分の事をありのままに話した。

すると翼さんも自分の事を話してくれて、なんだか心が少し落ち着いていた。

そしたらいきなりサイレンが鳴り響いてきたので、私は翼さんと共に師匠と連絡をした。

 

「翼です。立花も一緒です」

『ノイズを検知した!相当の数だ。未明に感知したノイズ達と関連性が高い!

幸いにもつい先程、憑友が完治したとの情報が入った。

だが、彼奴は病み上がりな状態だ!

響君は憑友共にそのノイズの駆除を頼む!』

「⁉︎何故、私はもう…『メディカルチェックの結果が出てない者を出す訳にはいかない!』ですが…!」

 

大丈夫です、翼さん!

私と憑友がやればあっという間です!

 

「!…だが…「そ・れ・に!」?」

 

「霊風さんが先に行ってノイズを倒してくれている筈です!

私と憑友はそのお手伝いをしに行く様なものですよ」

 

「…そうか。

だが、あまり無理はしないでくれ」

 

「はい!」

 

そう言うと私は急いで現場の方へと向かっていった…!

 

ーーーーーーNO SIDE

響が現場に向かう時、未来とクリスがいる『ふらわー』周辺では大勢の人達が一斉に逃げていた。

中には子供が泣きながら親に手を引っ張られて走っている光景もあった。

そんな様子を見たクリスはその光景に驚いていた。

 

「おい、一体なんの騒ぎだよ…⁉︎」

 

「何って⁉︎ノイズが現れたんだよ!」

 

未来の言った一言でクリスは目を見開き、そして気付いた。

この騒動を引き起こしたのは自分だと言う事に。

 

未来が『ふらわー』のおばちゃんと共に避難しようとしたら、クリスが反対の方向へと行ってしまい、未来は止めようとしたが、止める事が出来ず、仕方なくおばちゃんだけでもと思い、避難する事にしたのであった。

 

ーーーーーーSIDEtoクリス

 

くそっ!何やってんだよ、あたしは…!

 

私のせいで関係のない奴等にまで…!

 

畜生ーーーーーー!

 

私がしたかった事はこんな事じゃない…!

けど、何時だって私のやる事は…何時も何時も…!

 

私は泣いた。私のやり方だと何も変える事なんか出来ねぇのかよ!

そう感じていたら、ノイズ共が私のところにやって来た…!

 

私は此処だ…

 

だから、関係ない奴を巻き込むんじゃねぇ!

 

そう言うとノイズ共は私に向かって特攻してきた…!

 

私はすかさず聖詠を歌った…

 

「Killiter…ゲホッゲホッ!」

 

だけど、思うように唄えない…!

その隙に上空からノイズが…!

このまま死ぬのか…?

 

「ふんっ‼︎ハッ‼︎」

 

すると突然やって来た男が足でアスファルトをくり抜き、壁を作ってそこから拳1発でノイズを圧倒していた…!

 

「ったく…かなりの数だな…ならば致し方ないか…!」

 

そう言うと男はポケットからカードが一枚入るくらいの機械を取り出して、何処から取り出したのか、一枚のカードをその機械に入れた。

 

するとそこから光の粒子が舞い、それが形成して行っていた…!

 

そして現れたのは全身鎧に身を包んだ巨漢の男だった…!

 

「悪いが力を貸してくれないか…?」

 

「応よ!任せとけ祭りだぜ!」

 

そう言うと男はノイズの方へと向かって行っただと⁉︎

 

「彼奴1人に任せる訳にも行かないか…ふっ!」

 

そう言うと男はまた違うカードを機械に差し込んだ!

そして現れたのは、ピンクのポニーテールを着飾った1人の女剣士だった。

 

「上の敵を頼む…!」

 

「承知した。我が主の恩師の為、この【烈火の将】いざ参る!」

 

そう言うと女剣士はすぐに上空へと飛びやがった!

なんだよそれ⁉︎有りかよ!

 

そう考えていると隣にいた男はまたしても違うカードを入れた。

そして現れたのは男よりも更にデカい巨漢の男が立っていた…!

 

「こう言うのはいけ好かないのはわかるが…」

 

「それ以上言わなくても良い。王たる役目を果たしに行くだけの事!」

 

そう言うと男が右手を前方に構えるとそこから2匹の牛と共に荷車が現れた!なんだよそれ⁉︎

 

「では行くぞ!"遙かなる蹂躙制覇(ヴィア・エクスプグナティオ)"!」

 

男がそう叫ぶと牛達が豪快に動き回り、ノイズ達を殲滅していた…!

圧巻に浸っていると、空からノイズの炭が降ってきたので上を見ると、

 

「はぁぁぁぁあ!"紫電…一閃"‼︎」

 

女か所持していた剣から火が噴き出し、そして上空のノイズを殲滅していた!

更にそのまま鎧の男の方を見て見ると、

 

「"クロススラッシュ"‼︎」

 

独特の剣技でノイズを殲滅していた!

 

そうしていると私の近くにいた赤髪の男が私を抱いて近くの建物の屋上まで跳躍した…!

何者なんだよ、あんたは⁉︎

 

「大丈夫か?」

 

「っ‼︎」

 

私はすかさずその男から離れた。すると其処へノイズが!

 

ヒュンッ‼︎

 

ザクッ!

 

その音と共に私の前にいたノイズ達が一斉に炭化して行った。

まるで矢で撃ち抜かれたかのような印象だった。

 

「大丈夫かクリス!」

 

「⁉︎ロック義兄!」

 

撃ってきた方向を見てみるとそこからロック義兄がやって来て…

 

ゴツンッ‼︎

 

「あ痛ッ⁉︎うぅ〜…何すんだよ!」

 

「それはこっちの台詞だ!どれだけ迷惑させれば気が済むんだ!」

 

私はこの時、知った…ロック義兄が私をずっと探していた事に。

ロック義兄の一言により、私は何も言えなかった。

 

するとロック義兄が私の近くにいた男と話をしていた。

 

「義妹を助けて頂きありがとうございます」

 

「こう言う時に大人が出ないと意味がないからな。

とは言え、俺は大人でありながら無力に等しい。

数は少ないが、心強い仲間を出しておいた。

彼等が共に戦ってくれるだろう」

 

「…ご協力感謝します。

行くぞ、クリス。俺達のやって来た事は俺達で罪を滅ぼすんだ!」

 

‼︎…ああ、そうだな…それしかねぇんだよ!

 

「Killiter Ichaival tron…」

 

そして私は聖詠を歌い、ロック義兄はソウルを左腕に装着させ、腰のカードケースから一枚のカードを取り出して、ソウルアブソーバーに装填し、レバーを引いた!

 

「変身」

 

ーソウル!フォーム、アカツキ!ー

 

するとそこから紫髪のポニーテールをした少し小さなクノイチが現れて、ロック義兄はそれを纏った。

 

ー地平線上、クノイチアサシン!ー

 

そこには私と身長の差が10センチ近くあったロック義兄が今では私と同じ身差へと変わらないくらいにまで変化していた。

 

「いざ参る…!」

 

…ふっ!そうこなくちゃな!




憑友「『英雄』達を紹介するこのコーナー…なんだが…。
なんだよこの散らかり様は⁉︎」

ドンガラガッシャーン!

憑友「…翼さんだな。これ絶対に翼さんの仕業だろ⁈
…兎に角片付けるか…はぁ、やる前に疲れてきたよ」




ーしばらくお待ち下さいー





憑友「ふぅ。なんとか片付けたと。さてと、気を取り直して…!

今回紹介するのはロックが今日の話のラストで変身した『英雄』アカツキの事を紹介しよう」

アカツキ/カード名【クノイチ暗殺者(アサシン) アカツキ】
属性/闇・人間・斬・刀

キリトと全く同じ属性を持っている少女。
だが、実年齢はキリトよりも上だというので驚きようである。

憑友「資料によると、
『忍として生きていくのに必要な身体能力を持っており、いずれもトップクラスの実力を誇る。
上空から攻撃する必殺技"アサシネイト"はまさに死と言う名の銅鑼を鳴らす一撃を与える…!』か。
マジでえげつな⁉︎
因みに、この姿は以前俺がロックと初めて戦った時にもその姿で戦おうとしていたんだけど、その時に翼さんの『絶唱』が放ったから中断せざるを得なかったんだよな」

次回

風と水の共闘

憑友「次回は霊風先輩とロックが大活躍だぜ!」
「…あれ?俺の出番は?…無いだと⁉︎」
「主人公なのにあんまりじゃないか⁉︎」


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第39話 風と水の共闘

"今日の敵は明日の友"

風と水。2人の導師が今日…共闘す!


(挿入歌『魔弓・イチイバル』高垣彩陽)

 

2人は弦十郎から離れるとすぐに別行動を開始した。

 

クリスはまず空中にいるノイズ達を相手にガトリングや小型ミサイルで撃ちまくっていた。

その際に危うく女剣士の方に当たりそうだったが、

 

「!レヴァンテイン!」

 

『Schlangeform.』

 

女剣士の持っていた剣が長剣から連結刃へと変えて、自分の周りをその連結刃を高速回転させて防いだ!

 

「…少しは敵味方の区分をして貰いたいものだな」

 

女剣士はそう言いながら冷酷な目をクリスに向けた。が、

 

「へ!私の射線上にいたあんたが悪りぃんだよ!」

 

と、クリスは反論を述べたのである。

 

「つうか、てめえ何者なんだよ⁉︎普通人間が何もしないで空を飛べるのかよ!」

 

「生憎今は魔力で浮いているのでな。この方が動き易いから…な!」

 

そう言うと女剣士が連結刃をクリスに向けて放ってきた!

それを見たクリスは抵抗しようとしたが、連結刃の切っ先はクリスの顔を避け、後ろへと向かっていた。

 

クリスは後ろを振り向くとそこにはノイズが奇襲をかけようとしていた形跡があり、女剣士はその隙を見逃さなかった…!

 

「⁉︎」

 

「余所見をしている暇があるなら…⁉︎」

 

女剣士がそう言おうとしたら今度はクリスがその女剣士に向けてクロスボウを放った!

だが、それは女剣士から反れ、その先にノイズがその女剣士を襲おうとしていた…!

 

それに気付いた女剣士はすかさずそこから飛び退く。

 

「これで貸し借りは無しだ!」

 

「…少しはやるようだな」

 

すると女剣士はクリスに顔を向けて自己紹介した。

 

「私の名はシグナム。【烈火の将】の名を持つ騎士だ」

 

「…雪音クリス。それが私の名前だ…」

 

「クリスか…中々似合ってる名だな」

 

「んな⁉︎」

 

そう言うと女剣士…シグナムは剣と腰に携えていた鞘を連結させた。

 

「レヴァンテイン!」

 

『Bogenform.』

 

するとその連結させた剣と鞘が大きな弓へと変化させた!

 

「《魔弓・イチイバル》…

その実力…私に見せてくれ」

 

「!…ふっ。だったらあんたも、どれ程強いのか見せてくれよな!」

 

「ふっ…ならばその目で確かめてみる事だな。

行くぞ、レヴァンテイン!」

 

『ja.』

 

そう言うとクリスは3連4門のガトリング2砲を構え、

そしてシグナムは弓を構えながら、魔力で練った矢を番える…そして、

 

「これでもくらえーー!」

 

クリスはガトリング2砲による弾丸を雨のように降らせた!

 

ーBILLION MAIDENー

 

そしてシグナムは目を閉じて精神を統一し、そして目を開くと同時に開口一番…!

 

「"翔けよ、隼‼︎"」

 

『Sturmfalken.』

 

そして矢を放った…!

その矢から炎が迸り、やがてその炎が隼のように翔け巡り、そしてその範囲内にいたノイズ達を焼き尽くしたのであった…!

 

ーーーーーーSIDEtoロック

空の様子を見ていたが、凄まじいの一言に限るな…!

 

そう感化していたら、カードケースからフェイトさんが現れた。

 

「シグナムがやってくれたんだ…!」

 

「…お知り合い…ですか?」

 

「うん。昔は敵同士だったけど、今では頼れる仲間であり、共に切磋琢磨しているライバルなんだよ♪」

 

そう言いながらかなりご機嫌が良いフェイトさん。

まぁ、この前の《炎魂導師》との決着以来、彼奴…憑友側に付いているフェイトさんの友人と戦う事も無くなったから、心の迷いが消えたのだろうな。

 

そう考え込んでいると、

 

「そこでボォーッとしてるなら、少しは手伝えよチミッ子!」

 

「チミッ子では無い!」

 

…そう言えば俺の近くにはあの白い鎧を纏った男がいるのを忘れてた…

と言うよりも何故、こんな奴のところに来たんだろうか?

 

そうすると今度はフェイトさんの代わりに俺が今変身している『英雄』が俺の隣に現れた。

 

「んな⁉︎アカツキ⁉︎」

 

「何⁈」

 

この男、俺が変身している者の名を何故知ってるんだ⁈

 

「当たり前だ。私と彼奴は同じギルドの仲間だからな」

 

…いきなりすぎて驚きの連続になって来た。

 

突然俺の隣から、俺が変身している『英雄』

地平線の暗殺者(ホライズン・アサシン) アカツキ】

がそこにいた。

 

「それは良いとして、お前さんの妹のおパ…」

 

ガシャンッ!

 

「ギャフンッ⁉︎」

 

…何だ今の動きは⁉︎

自分でやってないのに身体が勝手に動いて、鎧の男の顔面に飛び蹴りをクリーンヒットさせたのだが、一体如何言う原理なんだ⁈

 

「済まないな。何分、此奴に対する処置がまさか癖になるとは思ってもいなかったのでな…」

 

そう言いながらアカツキさんが謝罪してきた…俺だけに。

 

「ってか、俺に謝罪は⁈」

 

「如何せ碌な事しか考えていないのだろ?直継は」

 

「そりゃご尤もで〜」

 

…なんだこの漫才のようなコントは。

 

『ぷっ…意外に受けるぞ、これは…クスクス…!』

 

ソウルもソウルでいきなり話しかけてくるな⁉︎

そしてさっきのコントの何処に笑う要素があった⁉︎

 

「それはそうと、厄介事だけは勘弁してくれよな…あのおっさんみたいにな」

 

そう言いながら鎧の男(アカツキさん曰く名は直継と言っていた)が指を指した。その方向には牛二頭を豪快に乗りこなしている巨漢の男が牛に命じながら、己は己で豪快に剣を使ってノイズ共を一掃していた。

…一言言わせろ…

 

豪快にも程があるだろ⁈

 

そう思っていたらノイズに囲まれていただと⁉︎

 

「うぉ⁉︎やべぇじゃねぇか!」

 

「直継は"あの技"があるから大丈夫なのでは無いのか?」

 

?あの技?

 

「馬鹿野郎!"あれ"は使ったら5分間は再使用に時間が掛かる故に発動しても10秒しか持たねえよ!ってか、お前はそれ知ってるだろうが⁉︎」

 

何を言ってるのか訳が分からない!

 

如何すれば…

 

「"アストラル・バインド"‼︎」

 

すると一部のノイズ達が光を帯びた楔によって身を封じられた!

一体誰がこんな事を…!

 

「⁉︎この技は…!」

「間違い無い…主君の技だ!」

 

如何やら2人は知ってる存在みたいだが、一体…

 

「やれやれ、ノイズの群れがいるから見てみりゃ…

お前、この間の《水魂導師》じゃねぇかよ…」

 

そう言って来た者に俺は見た。

お前は…風の導師!

 

そう思っていたら、その男が俺達の前に現れた。

 

「まぁ、言いたい事はわかるけど、今は此奴らの掃討を手伝えよ?

自称《炎魂導師》のライバルさん?」

 

ムカッ!今此奴はなんと言ったか?

 

()()《炎魂導師》のライバルだと言ったか…!

 

俺は…俺は…‼︎

 

「俺も憑友(彼奴)も自他共に認めるライバルだ!」

 

そう言うと俺はいつの間にかノイズ達に八つ当たりにも似た様な行動をしていた。

 

「そうでなくちゃ、彼奴のライバルになんかなれねぇよ!俺も交ぜろ!」

 

そう言うと風の導師も一緒になって戦ってくれた…!

もしかして、俺の殻を破る手伝いをしていたと言うのか?

 

…余計なお世話だが…ありがとう。

 

「行くぜ!これが俺の新たな『英雄』の力だ!」

 

そう言うと風の導師はカードケースから白い大剣を片手に持った青年のカードをアブソーバーに装填して、レバーを引いた…!

 

ースピリット!フォーム、バサラ!ー

 

するとそこからイラストに書かれた青年の魂が現れ、風の導師はそれを纏った…!

 

ー勇者の一族!(かぞく)を守れ!ー

 

すると風の導師から白い大剣が現れた…!

 

「俺の名は霊風。彼奴…憑友の先輩的存在だ。

お前の名前は?」

 

大剣を構えながら、そう言ってきた風の導師いや、霊風。

敵が名乗ったのに、俺が名乗らないと言うのはいけないよな。

 

「…ロック。ロック・アイル・ユキネだ、風の導師いや《風魂導師》の霊風」

 

「…ふっ。良いぜ。なら、お前さんと俺の2人でこの数のノイズを殲滅してやろうぜ!勿論、お前さんの妹さんと、風鳴のおやっさんが呼び出した『英雄』達も一緒だぜ!」

 

ああ…!やるだけやってやるだけだ!

 

そう言うと俺は憑友にはまだ見せていない姿をするカードを装填してレバーを引いた…!

 

ーソウル!フォーム、ラウラ!ー

 

するとアブソーバーから銀髪のストレートで、左目がアイパッチで隠した少女の魂が現れ、俺はそれを纏った…!

 

ー大胆不敵な、ブラック・ラビット!ー

 

さぁ、ノイズ共…俺のレールガンは荒れるぞ…!

 

そう言うと俺は右側に装備されていたレールガンを取り出し、そして撃った…!

 

その一撃で大半のノイズが炭化していった…!

 

「うぉっ⁉︎怖っ⁈けど、負けられねぇ!」

 

そう言うと霊風はアブソーバーのドライブボタンを叩いた!

 

『スピリット・バサラ!フルドライブ!』

 

すると霊風は大剣を両手に持って高く掲げてそして、

 

「決まれ…!

 

"無次元の執行(バニシング・シフト)"ーー‼︎」

 

そのまま縦斬り一閃をした。

すると斬った空間が歪みを発生させた…!

 

それにより、近くにいたノイズ達が一斉に吸い込まれて最後は歪みが消えてしまった…!

 

す、凄すぎる…

 

「ほらほら!まだまだ始まったばかりだぜ?へこたれるなよ!」

 

…ふっ。言ってくれるじゃないか。

やってやろうじゃないか!

 

そう言うと今度は2人揃って新たなカードを取り出し、先程のカードを入れ替えて、レバーを引いた!

 

ーソウル!フォーム、バン!ー

ースピリット!フォーム、キング!ー

 

するとそこから俺の方からは白髪で赤い服を纏った男が、

霊風の方は逆に槍を持った少年のような出で立ちの姿をした魂が現れ、それぞれ纏った…!

 

ー七つの大罪、強欲のフォックス!ー

ー七つの大罪、怠惰・ザ・グリズリー!ー

 

 

「一気に決めるぞ!」

「…委細承知」

 

そう言うと2人揃ってドライブボタンを叩いた!

 

『ソウル・バン!フルドライブ!』

『スピリット・キング!フルドライブ!』

 

そう言うと霊風は槍を前方に構えた。

その際に槍が勝手に動いていたのは気の所為にしておこう。

 

そして俺は手に持っていた四節棍を振りながら、敵に特攻して行き、そして一気に放った…

 

「"バニシング・キル"!」

 

その攻撃により、俺が通ったノイズ達は殲滅した。

けど、まだ沢山いるが心配する事は無かった。何故なら…

 

「"霊槍シャスティフル・第四形態"…浄化しな、雑音共。

 

"サン・フラワー"!」

 

すると霊風が所持していた槍が向日葵のような形態になると、そこから光線が放たれた。俺も巻き添えを食らわせて。

 

だが、攻撃を食らったのにも関わらず、俺の身体はみるみると再生して行った。

 

伊達に【不死身(アンデッド)()バン】と言う異名を持っている訳では無いようだ。

 

俺が使用したカード【強欲の罪(フォックス・シン) バン】には特殊な体質の持ち主で、なんでも魂を抜かれない限りはその身は不死身なんだそうだ。

 

「悪りぃ、捲き込んじまって」

 

すると霊風が俺の所までやってきた。

 

「いや、こうやって共に戦えるのはとても大切な事だからな」

 

「…はっ。イイね。そうこなくちゃ!

…背中託すから、お前の背中、俺に預からせてくれ…」

 

「!…ああ!」

 

さぁ、まだまだノイズは山程いる。

此処かからが本当の正念場だ!




ロック「『英雄』達を紹介するこのコーナー。
今回は俺が紹介する事になった。よろしく頼む」
「今回は俺がこのお話で変身した『英雄』ラウラの事を紹介しよう。
それと今回から『英雄』紹介をリニューアルしてみたぞ」

ラウラ
本名 ラウラ・ボーデヴィッヒ
カード名【黒き独眼兎(ブラック・ワンアイ・ラビット) ラウラ】
属性/闇・人間&機械・射・剣&銃

20歳にも満たない年でドイツ軍の小隊長を務める実力を誇る少女。
常に左目に眼帯をしている。
誰に対しても冷徹な性格だが、大胆な事をしでかす事もある。

ロック「ラウラは遠距離でも近距離でも素っ気なく熟る実力を誇る日本タイプ。
だが、時々予想に反する事を起こすので、こちらの身としては気苦労が絶えない」

次回


絆が生んだ奇跡

ロック「次回はこのお話の主人公、憑友と《ガングニール》装者こと響の出番のようだな。期待して待っててくれ」


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第40話 絆が生んだ奇跡

と言うわけで最新話投稿だ!

「これ確実に5月までに終わらせきれないな」

死亡フラグっぽい事言わないで⁉︎


数多のノイズ達がクリスと霊風、そしてロックの元へと駆け抜けていく。

 

その時に響は取り残された人達の救助をしていた。

すると、

 

『きゃあぁぁぁぁ!』

 

「‼︎」

 

遠くから悲鳴が聞こえてきたので、響は急いでその場所へと向かった。

 

響が向かった場所はとある廃ビル内であった。

響はそのビルの中へと入っていった。

 

ーーーーーー

一方、同時刻の別の場所で憑友は病み上がりな身体を無理やり酷使して避難から遅れた人達を探し回っていた。

 

「くっ…!」

 

憑友は焦りを感じていた。

今の所は大丈夫そうだが、もしもと言う嫌な予感しかしていなかった。

 

「おーい!憑友!」

 

「!逝都!馬燈!」

 

憑友が考え込んでいると、逝都と馬燈の2人が駆けつけた。

 

「ここら辺区域の人達は避難が完了してるぜ!」

 

「そっか!ありがとう!」

 

「気にするな。友達だろ?」

 

「!…ああ」

 

2人が此処に来るまでに避難を完了させていた事に憑友は感謝していた。

すると逝都から耳を疑うような発言をした。

 

「なぁ…未来は?」

 

「え?」

 

「彼奴、近くのシェルターにいなかったんだ。他の場所も確認してみたんだが、何処にもそんな子はいないって…」

 

「っ‼︎…くっ!」

 

2人の発言を聞いた憑友は病み上がりな身体を更に酷使して2人から走り去ってしまった…!

 

「⁉︎お、おーい⁉︎待てよ〜〜⁉︎

…行っちまいやがった。如何する?馬燈」

 

「…悔しいけど、彼奴には力がある。だけど俺達にはそれがない。

今は彼奴の勝手に委ねる事しか出来ないなんてな…」

 

そう言うと2人はそれでもと言いながら、憑友の後を追った。

 

ーーーーーーSIDEto響

 

私が向かったビルはとても人が働くスペース等なくて、不良達の溜まり場のような場所だった。

 

「誰かー!誰かいm『ghoooo!』⁉︎」

 

誰かいないのかと思って叫んだら、上から攻撃がしてきて、私は咄嗟に下へと華麗に着地した。

ここ最近の私って…ある意味人じゃなくなって来ている⁈

 

と、それは良いとして。

私はその上を見ると、其処にはタコ型のノイズがいた。

 

「!…⁉︎」

 

私は喋ろうとしたら、突然私以外の手が私の口を塞いだ。

手の出ている方を見てると、其処には…

 

「」しー

 

未来⁈なんで此処に⁈

 

そう思っていたら、未来がポケットから携帯を取り出して、何かを弄ると私に見せてきた。

 

『静かに

あれは大きな音に反応するみたい』

 

すると未来はまた新しい文を書いて私に見せてきた。

 

『あれに追いかけられて、『ふらわー』のおばちゃんと此処に逃げ込んだの』

 

「!」

 

私は《シンフォギア》があるから、ノイズを倒す事が出来る。

けど、今此処で変身したら、未来やおばちゃん達に被害が出てしまう…!

《シンフォギア》は歌わなければ纏う事が出来ない…!

 

如何すれば…

 

私がそう考えていたら、未来がまたメールの内容を見せた。

それを見た私は驚愕した。

此処で喋るとノイズに見つかってしまうから、私も未来と同じメールの内容を見せ合った。

 

そして未来とやり取りをし続けると未来が私の耳元で呟いた。

 

「私…響に酷いことをした。勿論、憑友にも…

今更2人に許して貰おうとか思ってない。

それでも…2人と一緒にいたい。

私も戦いたい…!」

 

駄目だよ…未来…!

 

「如何思われようと関係ない。

響と憑友の2人に背負わせたくない…!」

 

そう言い終えると私の耳元から顔を離して、未来は立ち上がり、そして…

 

「私…

 

 

もう迷わない!」

 

『‼︎』

 

そう言うと未来はノイズをひき連れて私とおばちゃんから離れていった。

私だって…未来と憑友と一緒にいたいんだ…!

 

私は聖詠を唄った…大事な親友。ううん…私と憑友にとって…

 

 

 

かけがえのない『陽だまり』の為に‼︎

 

「Balwisyall Nescell gungnir tron…」

 

そう言うと私は《シンフォギア》を纏い、おばちゃんを抱えてすぐにビルから去った。

 

(挿入歌「私ト云ウ 音響キ ソノ先二」悠木碧)

 

「響さん!」

 

すると其処には緒川さんがいて、緒川さんにおばちゃんを頼むと私はすぐに未来を追った!

その際に緒川さんが私の名前を呼んだけど、そんなのは今は如何でも良かった…!

 

何処にいるの…未来…!

 

私は先程の未来とのメールでの会話を思い返していた…

 

ー回想ー

『響、聞いて。

私が囮になってノイズをの気をひくから、その間におばちゃんを助けて』

 

『駄目だよ!そんな事、未来にはさせられない!』

 

『元陸上部の逃げ足だから何とかなる』

 

『何ともならない!』

 

 

『じゃあ、何とかして』

 

『⁉︎』

 

『危険なのは分かってる。

だからお願いしてるの。

わたしの全部を預けられるの…

 

響と憑友だけなんだから』

 

ー回想endー

 

戦っているのは私と憑友だけなんじゃない…!

 

「響!」

 

すると後ろから声が聞こえてきたので、振り向くと其処には憑友が《炎魂導師》ライドの姿になっていた。

 

「何があったんだ⁈」

 

返事をしたいけど、歌を歌わないと《シンフォギア》は解除されてしまう…!

 

「…!忘れてた。お前、歌を歌わないと解除されるんだ