ガンダムビルドファイターズ〜fighter To LINK〜 (勘張 明倫)
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プロローグ

ガンプラバトル、

それは17年前・・・PPSE社が発見したガンプラを構成するブラ素材に反応し、

ガンプラを操作して動かすことができる粒子・・・

 

通称プラフスキー粒子を使いガンプラを操作して闘う遊びである。

その人気ぶりは子供だけにとどまらず、

大人のファイター人口も増えはじめ今では世界的にファイター人口が増えた。

 

ガンプラバトルは大会も開かれるほど盛況であったが、

今から7年前に世界大会でのプラフスキー粒子暴走事件。

通称「アリスタ暴走事件」によりガンプラバトルは一時低迷した、

 

が、

大会に出場していたファイター、ニルス・ニールセン。

そしてヤジマ重工社長の娘、ヤジマ・キャロラインの両名によってアリスタから生み出されていたプラフスキー粒子を生成することに成功。

 

これによりガンプラバトルは本格的に復活したのである。

これを機にガンプラバトルはヤジマ商事が主催になりルール改変、ダメージレベル新設、

そしてCPUモードなどの新設定が加わり再びガンプラバトルの熱は燃え上がった。

 

 

と、ここまでは今の現状に至るまでの軌跡を紹介したがこの物語の始まりは現在より5年前。

とある少年の過去の出来事から始まる・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5年前に行われたガンプラバトル全国大会。

宇宙フィールド内のデブリとかした戦艦内で1人のファイターとガンプラが外の様子を伺っていた。

 

?「はぁ・・・はぁ・・・

参ったな・・・相手がここまでなんて。」

 

彼は汗をぬぐいながら周囲に目をこらす。

彼は初代ガンダムを改造した機体でこの大会に臨んでいた。

デルタガンダムの持つビームライフル、そしてフルバーニアンのバーニアとサーベルを配置していたガンダムシールド。

 

そしてゲルググキャノンを流用した大型バックパックを持っていた。

 

もちろん彼は本気で戦いを挑んでこの機体を持ってきていた。

しかし、相手が強すぎたのだ。

 

バトルが始まってすぐ彼らは巧妙な罠で彼のチームを分断。

今はそれぞれの支援も難しい位に足止めをくらっていた。

 

?「このままじゃダメなのに。

だけど・・・なんとかしないと2人が」

 

?『・・い!

おい!!

おい高谷!!

 

お前そのデブリの中にいんだろ!?

そこに一体いやがるからさっさと倒して助けに来い!

くそっ!こいつら!!』

 

高「花見君!

!!」

 

通信からの怒号が彼・・・高谷をはっとさせ、

高谷は戦艦の壁のかけたとこから敵チームの機体が現れた。

 

高「くっ!!

このぉ!」

 

彼は反射的にビームライフルを連射する、

すると敵も油断していたのか見事着弾。

そしてトドメにバックパックのキャノンを打つと胴体を貫通。

 

相手は爆発した。

 

高「や、やった!

たおした!!

 

花見君、今君のもとに」

 

花『馬鹿野郎!!

早くそこから離れろ!』

 

高『え?』

 

敵を撃破して花見にそう報告したが、

彼は怒鳴りつけて離れるよう促す。

 

しかしその直後。

何かの接近を示す警戒のアラートが鳴り響いた。

 

高谷がどこからの攻撃が確認していたその時目の前が突然黄色くなり、

衝撃が走った。

 

そして次に、

黄色くなっていた操作盤が灰色になり、撃墜されたことを指した。

 

高『そ、そんな・・・』

 

突如訪れた敗北に高谷は膝をついた。

 

そしてその後彼のチームメイト。

花見と先波の撃墜が知らされ。

 

彼らのチームは敗北した。

高谷が気力を振り絞って立ち上がると、目の前にはウィングゼロを手に持った赤髪の男性が高谷にいった。

 

 

?「・・・お前さ、俺の居場所もわからなかったんだよね。

俺にだけ居場所を教えてさ。

ほんと馬鹿だよね。」

 

高「!!」

 

?「うーん・・・なんというかさ・・・辞めちゃえば?ガンプラバトル。

君にはチームメイトを生かすことはできないし・・・

才能も適性もないよ、ガンプラバトルの。

 

だから辞めちゃえよ、君のチームメイトの目を見なよ・・・彼らもそれを望んでるさ。」

 

高「え?」

 

高谷がそう言って振り返ると憎しみにも近いチームメイトの目があった。

正直心当たりなんかない、だがそんな事は許される言い訳にもならない事は理解できた。

 

高谷は自身が引き起こした敗北に耐えきれずに彼は会場を飛び出した。

 

 

 

そして彼はその後、

転校することになり他の中学校に行きそこを卒業。

 

そして彼は・・・高校生となった。

 



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第1話 始まりの出会い

この小説には、
地域名として現実の地名を出しますがフィクションですので現実の土地とは関係ありません。
それを踏まえてお楽しみください。


4月。

桜咲き新たな門出を迎える若者が多い季節。

 

東京都内にある高校、

雅ヶ原高等学校にも入学の季節がやってきた。

 

高「んー・・・

やっぱり人多いなぁ。

けど、ここなら最高の学園生活を送れそう。

ここなら・・・きっとあの部活だってない。

まさに俺にぴったりだ。」

 

俺・・・高谷 継芯(たかや けいしん)も校舎を見ながらそう呟いた。

この学校を選んだのには3つ理由があった。

 

1つ、この学校の近くにある事務所でモデルをしている兄の家が近くにあること。

2つ、共学だったこと。

そして最後にして最大の理由。

 

それは、

この学校にはガンプラバトル部が無いことだ。

 

今やガンプラバトルは世界中に広がっている革命的ブーム。

どの学校も競うようにガンプラバトル部を設立していく中でこの学校はガンプラバトル部が設立していなかった。

 

このことに目をつけた俺はすぐにここに入学すると両親を説得。

そして入試もクリアし、

無事この学校に入学したのだ。

 

高「・・・(もう、過去のことなんか気にしない。

俺は今日から普通の高校生として過ごすんだ。)」

 

そして俺は決意を新たに発表されたクラスの教室に向かい、

入学式にも参加した。

 

 

ながったるい校長の話を終え、

俺がクラスに戻る途中でおれは見知った顔の女子と会った。

 

そいつは俺に気づくとすぐに駆け寄ってきて頭にチョップを食らわせた。

 

高「いっ!?

なにすんだ摩耶花!

あっていきなりチョップとかありえんだろ!?」

 

俺がチョップしてきた女子・・桐原 摩耶花はクスクスと笑いながら俺に話しかけてきた。

 

摩「おやおや?

小学校の同級生で久々に再会できた僕に対してのいきなりの挨拶がそれ?

相変わらず君は愛想どころか冗談も通じないんだね。

 

第一、文句を言いたいのは僕の方だよ、

いきなり転校して別の学校になにも言わずに行っちゃうんだからさ。

 

おかげで遊び相手がいなくなった僕はどれだけ退屈子供時代を送る羽目になったか。

君にはもっとことの重大さを」

 

高「あーはいはい。

全くおまえは相変わらず嫌味ったらしいな。

 

まったくかわらねぇよ。あの時から。」

摩「・・・君は、変わりすぎてるけど、ね。

 

・・・ところでさ、

君がここに入学した理由ってやっぱりガンプラバトル部が無いからかい?

まぁ君の考えそうなことならそのくらいだろうし。」

 

高「・・・だとしても、摩耶花には関係無いだろ?

俺は普通の高校生らしい暮らしをだな」

 

摩「ならさ、

僕と一緒に帰りにガンプラや寄って行こうよ。

ガンプラ奢るから久々にバトろう。

いいよね?」

 

高「いやいや、

俺はもうガンプラバトルなんてやらな」

 

摩「入学式の後のカリキュラムが終わったら校門に集合。

遅刻したらガンプラ奢りは無しだから!」

 

摩耶花はそう言うと一方的に話を切り上げて走って行った。

 

高「俺はガンプラバトルはしないんだって・・・

はぁ、今日だけ・・・つきやってやるか。」

 

俺は頭をかきながら自分のクラスに戻って行った。

・・・:摩耶花が同じクラスだとはそこで初めて知ったが、

その後は何事もなく時間が進みそして放課後の約束の時間となった。

 

 

 

 

そして放課後、

 

摩「結局約束は守るんだ。

しかも奢らなくていいって言っちゃってさ。

僕、そんなにお金が無いように見えるの?」

 

高「女の子に奢らせるのは男としてどうかと。

それに、約束は守らないと人として堕落するだろ?

俺はそれがやだっただけさ。」

 

摩「・・・そう言って僕を女の子扱いするのは君だけだよ・・・全く。」

 

俺は摩耶花と話をしながら近所にある商店街に向かっていた。

どうやら摩耶花が事前にどこにバトルシステムがあるか調べていたようで、

俺たちは商店街に入っても迷う事なく模型店に向かう。

 

摩「さーて、

今回は何買おっかなー。

最近出たオルフェンズのキット達もどれも優秀で優しい値段のものばかりだからなぁ。

高谷、

君なら僕にぴったりのガンプラ・・・何が浮かんでる?」

 

高「えっ?

・・・グシオン。」

摩「なんであんな丸いのがぴったりなのさ!」

高「ならクタン3型とか?」

摩「それだと1人で扱えないでしょ!

私の事なんだと思ってるのさ君は!」

 

高「冗談だって。

とにかく、店に入ってから決めようぜ。

とっとと終わらせてかえらねぇと。」

 

摩「・・・そう、だね。

あ、着いたよ。」

 

話しているうちに、

目的のガラハ模型店に到着した。

 

近所にある唯一のバトルシステム完備の店であり、

品揃えもそれにより豊富にあるのだという。

 

店に入ると、子供連れや学生が多く店内にいた。

皆一様に楽しそうにガンプラとガンダムについて話し合っている。

 

高「・・・さて、

さっさと俺のモビルスーツを・・・これでいいか。」

 

俺は店内に入り一番近くの棚に積まれていたリヴァイブのガンプラたちの山から、

ガンダムmark2のティターンズカラーを手に取った。

 

摩「え、それでいいのかい?

もっと強いガンプラがまだあるはず」

 

高「これでいいよ。

これならきぅと、そこそこ(・・・・)に戦えるからさ。」

 

摩「高谷・・・

ふ、ふん。

なら僕はサイコザクで行くよ。

君のそこそこで僕に勝てない事、教えてあげるから。

そんな機体選んだの後悔しても知らないからね。」

 

摩耶花はそう言ってサイコザクのガンプラを取り出して俺に突きつける。

 

高「そんな高いのかって大丈夫か?

今月キツイんだろ?」

 

摩「人の心配はしなくていいよ、

君はお人好しなんだから。

 

さて、レジを通したらあとは」

 

摩耶花がそう言って箱を持ってレジに向かったその時、

 

?「ざけんなよ女ァ!」

?「ふざけてるのはどっちですか!」

 

男女の喧嘩の声が店内に響いた。

店内の客がざわめき出す。

 

俺たちも顔を見合わせてそちらの方へ向かった。

 

すると、

バトルルームと思しき部屋の前でなきじゃくる子供ら、

そしてその前に立つ女性・・・いや

俺たちと同じ高校の女子高生がガラの悪そうな二人組の男に食ってかかっていた。

 

 

 

 

この時は俺も知らなかった。

まさかこれを野次馬気分でここに来たばかりに、

面倒ごとに巻き込まれるなどとは。

 



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第2話 ソロ・ファイター

野次馬が集まる中、

ガラの悪い男と女子高生がにらみ合っていた。

 

 

周りの野次馬がどよめくのも知らず男は女子高生の背中に守られている子供を指差して怒鳴り始めた。

 

男1「おい女ぁ!!

俺達はただ約束通りにパーツを頂くだけだ!!

 

こいつは俺たちとガンプラバトルに負けたらそいつの持つビルドブースターmarkIIとこのマン・ロディを交換するって約束したんだよ!

なぁクソガキ!」

 

子供「そ、そんなこと言ってないもん!

このお兄ちゃん達は、バトルが終わったら機体を交換しようってだけしか言ってなかったから・・・

それにこれはお父さんが出張で買ってきてくれた限定キットだから!

 

これはダメ!」

 

男1「んだと!?

てめぇ約束しただろうがクソガキ!」

子供「ひっ!?」

 

?「ちょっと!

こんな幼い子供にそんな怒り方はないでしょ!?」

 

男1「何もしらねぇくせにでしゃばるな!

いいからとっととよこせよクソガキ!」

 

2人の間の空気がすでに一触即発な空気に変化して野次馬も焦り始める。

 

高「・・・まずいな。

摩耶花、

警察に電話を」

 

俺は隣にいる摩耶花にそう言おうとしたが、

隣に摩耶花の姿が見えずすぐ見渡す。

 

と、

 

摩「全く、パーツだけ欲しがる弱者は見るに堪えないね。

こんな子供とか弱い女の子に脅迫まがいの行動をするなんて。」

 

摩耶花の静かながら確かな声が聞こえて先程の2人の方に視線を戻すと、

摩耶花は2人の間に立ち男を睨みつけていた。

 

高「・・・はぁ、始まっちまったか。」

 

男1「あぁ?

なんだお前は。」

 

摩「僕はただの野次馬だけどこれだけははっきり言いたくてさ。

君は今、人生を棒に振りそうになってること分かってるのかい?

たかだかパーツの事で大人気なくクソみたいな言葉を吐き連ねてさ。

同じ人間として恥ずかしくも思えてしまうほどに、哀れだよ今の君。」

 

男1「なっ!?」

摩「第一さ、

そんなにこの子の・・・というか、この子のレア物が欲しいのなら自分が買いに行けばいいじゃん。

ネットオークションとか使ったらわざわざ買いに行かなくても済む事なのに。

 

たかだかその程度の事もできないなんてよほど君はひもじい生活を送ってるの?

それとも、貴方は犯罪者願望があるの?」

 

やれやれと首を振りながら摩耶花はそう挑発する。

怒りが頂点に達しかけた男が拳を振り上げるが、摩耶花は怯える事すらなく・・・

むしろそれを待っていたように言葉を並べる。

 

摩「おや?

殴っちゃうの?

 

私は胸も無いしボクっ娘だけどれっきとした女だよ?

女の子を殴るだけでも君はきっとネットで叩かれまくるだろうね。

さらには暴行罪、傷害罪で逮捕。

君は犯罪者の仲間入りで今後の人生に大きな影響があるかもね。

 

それを覚悟した上で自分が正しいと言い張るのなら、

さぁ、今すぐその拳を下ろしなよ。

僕に、思い切り、どかっと!

さぁ、さぁさぁさぁさぁ!!」

 

摩耶花はヒートアップして両手を広げて男を挑発する。

が、

 

高「そこまでにしとけ。

もういい。」

 

俺がそう言って摩耶花の肩を掴んだ途端、

摩耶花はすぐに冷静になった。

男も正論ばかり突きつけられた事で冷静になり拳を下ろした。

 

男1「・・・だったら、

だったら!

お前ら3人と俺たち3人!!

ガンプラバトルでケリをつけようじゃねぇか!!

 

俺達が万が一負けたら今回は諦めてやるよ、

だが俺達が買ったら、そのガキのそれとお前らのガンプラを寄越しやがれ!」

 

高「・・・はぁ、

それであんたらは納得するなら。

受けて立つしか無いよな。

 

それでいいよな摩耶花、そして君も。」

 

?「あ、はい。」

摩「分かった。

ボコボコにしてやるから覚悟しときなよ?

但し、僕とこの男・・・高谷はまだガンプラが出来てないから、作る時間を頂戴。」

 

男1「へっ、20分だけ待ってやるよ。」

 

男達はそう言うとバトルルームにぞろぞろと入って行った。

 

 

?「あ、あの。

加勢してくださりありがとうございます。

私、茄宮 かおると言います。」

 

高「別に気にしなくていいよ。

もともとリハビリの予定だったし。

すぐ作るから待ってて。」

 

俺は女子高生・・・茄宮さんにそう言って制作コーナーに入り、

買ったばかりのガンダムmarkIIを作り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20分後、

 

ガンダムmarkIIとサイコザクを完成させた俺達、そして茄宮さんの3人とガラの悪い男3人衆はバトルルームにてにらみ合っていた。

 

 

男「俺たちが勝っても、恨むんじゃねぇぞ!」

高「・・・言ってな。」

 

俺がそう言うとシステムが起動して青色の粒子・・・プラフスキー粒子を噴出する。

 

そして俺たちの立っている場所がバトル用に変化して操縦桿の球が現れる。

 

茄『えっと、

聞こえますか?高谷さん。』

 

三番機・・・茄宮さんから通信が入って彼女の顔が左側に映る。

そしてそのあとすぐに右側には2番機、摩耶花の顔が現れた。

 

高「聞こえてる。

摩耶花も聞こえてるよな?」

摩『聞こえてるよー。

全く、こんな事になるなんてね、』

 

高「お前が油を注いだんだろうに。

・・・そうだ、茄宮さん。

これだけは言っておきたいんだけどいいかな?」

茄『は、はい。

何ですか?』

 

俺は操縦桿を握りながら茄宮さんに言った。

 

高「この戦い、俺1人で十分だ。

茄宮さんと摩耶花はどこか障害物の後ろに隠れてて。

 

俺があいつらを倒すから援護とかしないでね。」

 

茄『・・・え?

1人でって・・・そんなことはだめですよ!

相手がどんな機体で来るか」

摩「相変わらずそれは譲らないんだね。

ソロ・ファイターさん?」

 

高「・・・それは言うな。

気に入らないんだから。」

 

摩耶花が茶化しながらもアイコンタクトで了解と送ってきた。

その時アナウンスが出撃可能の知らせを出した。

 

 

高「さーて、

あの子から借りたこのビルドブースター。

使いこなさなくちゃな!」

 

俺は先ほどつけたビルドブースターmarkIIのことを思い出して前を見る。

実は戦いの前に絡まれていた子供からビルドブースターmarkIIを預かったのだ。

 

「これを使ってあのお兄ちゃんを懲らしめて」・・・と子供に言われ、

しかもいらないと言っても譲らなかった為俺はガンダムmarkIIに取り付けることにしたのだ。

 

高「・・・高谷、

ガンダムmarkIIカスタム、出るぞ!」

摩『摩耶花、

サイコザク・・・行くよ!』

茄『茄宮かおる、

ドラド・キャノンカスタム、出撃します!」

 

俺たち3人がそう言うと発射口が近づいていき、

俺達はフィールドに飛び出した。

 

 

 

フィールドは宇宙、

それもデブリ漂うデブリスペースだった。

 

出撃からしばらくして俺たちは大きめのデブリの陰に集まった。

茄宮さんのガンプラはガンダムageに登場したヴェイガン勢のMS、ドラドの方にテールランチャーを2つ装備、

さらにレギルスのライフルを二本持った遠距離型のガンプラだった。

 

 

高「これだけデブリがあるなら奇襲も考えられるか。

やっぱ、2人は隠れてて。

俺は先に行く。」

 

茄『ま、待ってください!

私も一緒に援護を』

茄宮さんが俺の言葉に納得せずついていこうと機体を動かした。

俺はそんな彼女にビームライフルの銃口を向けた。

 

茄『!?』

高「悪いけど、

会ってすぐのやつに援護とか言ってついてこられたら迷惑だから。

余計なことしたら味方でもうつからね。』

 

俺はそう言うとデブリから離れ、

敵がいるであろう予測ポイントまで進みだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

茄『な、なんで。

なんであそこまで1人にこだわるのですか・・・』

 

高谷がデブリを離れたあと茄宮は息をなでおろしながらそう言った。

味方に銃口を突きつけられたことも驚きだったようだ。

するとそんな彼女にサイコザクに乗る摩耶花が個人通信を開き話しだした。

 

摩『ごめんね、

彼、中学生以降の彼のスタイルだからあれが。』

茄『あれが、彼のスタイル?』

摩「そう、

仲間を持たず1人で戦い抜くことを前提とした戦い方。

だから余計な援護・・・というか信頼していない奴には援護とかさせないんだ。

 

だからあいつは・・・高谷は、

ソロ・ファイターとか言われて面白がられてるんだ。」

 

茄『ソロ・ファイター?』

摩「あいつの不名誉な称号って訳。

さてと、

彼はあんなこと言ってたけどやっぱり心配だから私達もこっそり向かいましょうか。

もし遠距離まみれなら大変なことになるし』

 

摩耶花はそう言って笑うとデブリを離れ、高谷と同じ方へと移動した。

茄宮も彼女についていき移動を始めた。

 

 

 

 

 

 




次話は戦闘から決着まで書きます。
戦闘描写下手ですが暖かい目で見てください。


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第3話 激闘の末に・・・

この次の章から視点変更描写を加えたいと思います。
変更の時には

〇〇sideと記入します
↑名前


高谷side

 

2人を追い払ったあとで俺はデブリの海を進んでいた。

デブリを蹴りつけながら進み、粒子の消費を抑えながら進む。

 

高「・・・しかし、

さっきから少しだけブースターを使ってるけどこの出力。

あの子供の作ったものじゃないな。

・・・その子供の親が作ったのか。」

 

ブースターの出力には子供が作ったとは思えないほど無駄が無かった。

おそらく親が作り、子供がそれを持ってきてしまったのだ。

 

 

高「なら、あの子のためにも勝たなくちゃな。

幸い今のダメージレベルはC、破損は大して影響しない。

思い切りやれるってもんか。」

 

俺が周囲を見回したその時、

警告のアラートが鳴り響く。

そしてそれと同時に3つの影がデブリの影から現れた。

 

高「あの機体は・・・

ガンダムグシオンか。

しかも3機ともグシオンかよ。」

 

3つの影は、

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズに登場した数少なきガンダム、

過剰なほどの分厚い宇宙用装甲が特徴で、

さらに体に様々な武器を内蔵していることでも有名な機体だ。

 

今俺の目の前にいるグシオンはそれぞれが異なる改造を施されていた。

一機は脚部や腕部にミサイルポッドを追加しさらにマシンガンを両手持ち、

そして肩に大型のキャノンを取り付けていかにも遠距離なカスタムだった。

 

もう一機は肩にソードをスローネツヴァイのように取り付け、

ブースターを増設した格闘タイプ。

 

そして真ん中にいるグシオンは、原作そのままのシンプルなグシオン

だった。

原作だと堅牢さと俊敏さを優先したせいでエネルギー消費が激しいのだが、

ガンプラバトルでは改造によりそれも改善できると聞く。

 

つまり、

 

高「・・・あんたら、

そのグシオン、どこまで改造した?

ま、聞いてもしょうがないが。」

 

男1「へっ!

俺達トリプルブルワーズのグシオン3兄弟!

 

グシオンL、グシオンR、そして俺のグシオンF!

三期のグシオンを相手に1人で挑むとは全く馬鹿な奴だぜ!」

 

男2「・・・(コクッ)」

男3「そ、そうだ、」

 

男はそう高慢ちきに俺を笑うが、

俺は構わずビームライフルの引き金を引いた。

ビールはグシオンに命中したが装甲を焦がすのみで致命傷とはならなかった。

 

 

高「・・・ちっ、

やっぱり硬いなグシオン。

まぁ予想はしてたが。」

 

男1「お、おまっ!?

俺はまだ喋ってる途中」

 

高「知るか。

今はバトル中だ。

喋ってる暇があるなら戦えよ。」

 

俺はそう言ってビームライフルを今度は収束してビームを撃った、

今度は装甲は貫いたがグシオンFの脚部を貫通したのみだった。

 

男1「こんのぉ!

ふざけやがって!」

 

男はマシンガンを俺に向けて放ち、

他の男達もキャノンやマシンガンを撃ちまくる。

 

が、俺はそれをブースターを使いながらかわしていく。

グシオンRもソードを抜き取り格闘を仕掛けてくるが俺はそれも避け、逆にRを蹴りつける。

 

男2「!!」

男3「な、なんなんだこいつ早い・・・」

男1「クソが!

阿頼耶識でもついてんのかお前は!」

 

男達は俺に乱射を続けて俺にそう叫んだ。

 

俺はビームライフルを腰に下げハイパーバズーカに持ち替え、

左手にビルドブースターのビームライフルmarkIIをもちRとLに同時に攻撃をする。

どちらも命中しRとLはひるんでデブリに激突した。

 

 

高「・・・あんたらが弱い理由は1つだ。

あんたらには1人で戦い抜けるほどの実力がない事だ。

俺は1人でも戦える。

 

あんたらはこうやって!」

 

俺がそう言いながらバズーカをしまいサーベルを抜きグシオンFに振りかざす。

グシオンFは腰についていたグシオンチョッパーをもちなんとか対抗して鍔迫り合う。

 

高「1人になったら戦えなくなる。

あんたらが俺にかなわないのはそこだ。」

 

男「ぐっ!?」

 

しかし俺はサーベルでチョッパーを弾き、

グシオンFの腕にサーベルを突き刺し爆発させた。

 

高「1人で戦えないなら、

この勝負は俺の勝ちだ。」

 

そして俺がそのままサーベルを振り下ろそうとしたその時、

警告音とともに衝撃があり右のコンソールが動かなくなった。

 

俺が右にガンプラの顔を動かして視点を変えると、

サーベルを持つ右腕にフックのようなものが刺さっていた。

 

高「!?」

男1「・・・1人で戦えないなら?

へへへ・・・今のガンプラバトルはなぁ・・・チーム戦が主流なんだよヴァーカ!!」

 

グシオンFにのる男がそれを見て俺にタックルをかましてくる。

そしてその衝撃のまま俺は後ろに引っ張られデブリの1つに背中から叩きつけられた。

 

高「ぐっ!?」

 

衝撃でビルドブースターが歪み視界が発生した煙で覆われる。

すると再び警告音とともに衝撃が走り今度は左のコンソールが動かなくなった。

 

高「くそっ、

なにが・・・!!

あれは」

 

俺は原因を探るために煙が晴れた後左腕を見る。

すると左腕にもフックが突き刺さりそのフックの線の先には腕から線を伸ばすグシオンL、

右手のフックにもグシオンRが線を伸ばしていた。

 

そして今俺は、

両腕にフックが刺さり貼り付けのように拘束されていた。

 

高「腕に隠しギミック・・・

これは予想してねぇ、

くそっ、動け!!」

 

男1「かかったなバーカ!

電撃入れろ!」

 

 

俺がもがこうとしたが、

男の一声で2機のグシオンから電撃が流れてきて強い衝撃が俺を襲った。

そして動けない俺にグシオンFの男が手にもつマシンガンを発射する。

 

男1「ひゃひゃひゃ!

こりゃいいや!!

ちょうどいいサンドバックってやつだ!!あひゃひゃひゃ!」

 

高「ぐぁぁぁ!」

 

男1「独りよがりな事が仇になったなぁ!

こうなりゃお前は俺たちの玩具だ!

仲間を信じれなかったお前が悪いんだ!」

 

男はマシンガンを撃ち続けながら俺にそう叫ぶ。

俺の周りにある粒子の表示も青から赤く変わり危険を示す。

 

高「・・・くそっ!」

 

俺が諦めずにガチャガチャとコンソールを動かしていたその時、

 

摩「やれやれ、

君はいつもこうやって僕の手助けを受けるんだから。

学習して欲しいね。」

 

そんな声とともにグシオンLの背中が突然爆発した。

驚く2機のグシオン、そしてグシオンRの背中には黄色の光が着弾し爆発した。

 

そして電撃が止まった時、Lの背後から現れたサイコザクがヒートホークをサブアームから受け取り切り裂いた。

 

そしてサイコザクは俺の横に移動し、

いつの間にか現れていた茄宮さんのドラドも俺の横にやってきた。

 

高「・・・余計な事するなよ。

しかも茄宮さんまで連れてきやがって。」

 

摩「だって、明らかにやられかけてたじゃん高谷。

だから僕が助けてあげたんだよ。」

高「・・・久々にバトルをしたから油断しただけだ。」

摩「なら、僕がそばに居て戦ってあげるよ。

茄宮さんと一緒にいたら余計油断しないでしょ?

 

茄宮さん、今からは一緒に戦っていいってさ。」

高「・・・あぁもう、好きにしろよ。

俺はあの片腕がないリーダー格を落す。」

茄「・・・なら私はあの遠距離のグシオンを!」

摩「てことは、僕はあの剣を持ったやつかな。

じゃ・・・久々に暴れるとするかな!!」

 

 

摩耶花がそう言うとサブアームにザクバズーカを二丁もたせ、

自分はマシンガンを持ちグシオンRに向かって行った。

そしてグシオンLの方には茄宮しんのドラドが向かった。

 

男1「な、なんだよ・・・これじゃ俺たち負けフラグじゃねぇか!!」

高「っ・・・久々に強え衝撃だったわ。

・・・背中から叩きつけるよう言いやがって、落とし前つけてやるぞ。

覚悟しやがれ。」

 

俺は潰れてしまったハイパーバズーカをグシオンFにぶん投げ、それをビームライフルmarkIIで撃ち抜いた。

グシオンFの前で爆発したそれは目眩しには十分で俺は今まで節約した粒子を勢いよく使いグシオンFに急接近して蹴りを入れた。

 

流石によろけたグシオンFは胸部からナパーム弾を放つが俺はそれを撃ち落とす。

 

そして俺はビームライフルmarkIIのモードをチェンジし腕部装甲に取り付け、

銃口からサーベルを展開した。

本来これは再現はされていないのだが、あの子の父親はどうやら再現する事ができていたみたいでサーベルはうまく具現した。

 

高「よし、

これで、終わりにしてやるよ。」

 

俺はそのままグシオンFにのる向かっていく。

グシオンFは背中からグシオンハンマーを取り出すが、

それを腕ごと切り落とす。

 

グシオンFは腕がなくなりもはや攻撃方が胴体のナパームを撃ち出すしかできていなかった。

 

男1「くそ!

くそ!くそぉ!

こんな奴に俺が!」

 

高「もう終わりだ。

やっぱりあんたは、1人じゃなんもできない価値なしだな。」

 

俺はそう言うと胴体にビームサーベルを突き立てて引き抜いた。

グシオンFはそれからしばらくして爆発。

 

そして残りの2機も俺が向かう前に撃墜され、バトルは俺たちの勝利に終わった。

 

男1「く、くそぉ!

お前ら、その面覚えたからな!

次会ったら覚えてやがれ!」

 

男達は粒子が拡散したすぐにグシオンを回収し、

捨て台詞を吐いて模型店から逃げ出した。

 

高「ふん、雑魚じゃないかまるで。」

摩「君もやられかけてたけどね。

やっぱり君には僕が必要だね。!

 

高「・・・・あ、」

 

俺は摩耶花のセリフを無視してガンダムmarkIIからビルドブースターmarkIIを外し、

外で見ていた絡まれていた男の子に返す。

 

高「・・・これ、君の父さんが作ったんだろ?

すごく作り込まれてたからあまりこういうとこで使っちゃダメだ。

君が強くなるか、父さんがいるときに使うんだ。

そしたらさっきみたいなのに絡まれなくて済むからさ。」

 

男の子「ぐすつ・・・うん!

やっつけてくれてありがとうお兄ちゃん!」

 

高「大切にしなよ。

・・・・・・摩耶花、帰ろう。

疲れちまった。」

 

俺はガンダムmarkIIを回収して摩耶花にそう言って模型店を出た。

摩耶花も慌てて追いかけて模型店を出てすぐに俺に追いついた。

 

そして俺達がそのまま帰ろうとしたその時、

 

 

 

茄「ま、待って!!」

 

模型店から慌てて出てきた茄宮さんが俺達にそう叫んだ。

 

高「・・・なに?

もうバトルは終わったんだ。

謝罪は必要ないよ。」

 

茄「確かに、あなた達2人には感謝しても仕切れない。

そして・・・あなた達の戦いを見てはっきりわかったことがあって・・・」

摩「はっきりわかったこと?」

 

摩耶花が茄宮さんにそう聞くと、

茄宮さんは一歩俺たちの方に歩み寄り叫んだ。

 

 

 

 

茄「・・・あの、

あなた達が今、部活に入ってないなら!

 

私と一緒に!

あの学校でガンプラバトルをやりませんか!!

部活を作って、一緒にガンプラバトルをしましょう!」

 

 

 

高「・・・は?」

摩「おやおや、」

 

茄宮さんからの言葉に俺達はしばらく固まっていた。

 

 




雑な締めですみません。
基本更新は夜なので眠気と戦いながら書いてますのでお許しを(ぉぃ


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第4話 それぞれの思想

高谷side

 

 

模型店での騒動から丸一日たった。

昼休みになり俺は食堂で昼飯を食べていた。

 

が、俺の頭の中には昨日の言葉がちらついていた。

 

《私と一緒に、ガンプラバトルをやりませんか!?》

 

高「(もう一度俺に誰かとガンプラバトルをやれ・・・か。

あの人も無茶を言ってくれる。

俺はもうガンプラバトルなんてできない・・・いや、

しちゃいけないんだ。

あんな思いはもうごめんだからな。)」

 

摩「あの子の誘い、断っちゃうんだ。」

高「あぁ、

俺はもうガンプラバトルなんて・・・って!

なんでお前がここにいるんだ。」

 

摩「いやー、

食堂でさえボッチ飯してる君のために僕が君と昼食を取ってあげてるんだよ。

感謝してほしいね。

はたから見れば僕らはリア充だよ。」

 

高「勘弁してくれ。

あとお前カレー臭凄いから。」

摩「酷いな君。

仮にも僕は女性だよ?

女性に臭いとか普通言わないよ。

 

・・・で、本当に断る気なの?

彼女の誘い。

悪く無いとは思うけどね・・・君の過去に向き合うためにもさ。」

 

高「ふん、

今更向き合って何が変わるんだ。

そんなことしてもあいつらにした失態は消えないんだ。

・・・あの視線の嫌悪感も、拭やしない。」

摩耶「・・・そっか。

相変わらず素晴らしいほどのヘタレだね君は。

まぁ君がやらなくても、僕はやるつもりだよ。

・・・僕はあまり強要はしないタイプだけど、

勇気を出して君を誘った彼女のことば、無下にしないようにね。

君の過去はきっと君が強くいれば拭えるから、僕はそう信じてる。」

 

摩耶花がカレーを食べ終え、

去り際に俺にそう言って食堂を発った。

 

高「・・・偉そうに。

だけど・・・無下になんかしてない。

俺も出来るならば・・・俺は・・・」

 

去っていく摩耶花を見ながら俺はそう呟いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、同学校2ー3クラス

茄宮side

 

 

茄「はぁ・・・またやっちゃった・・・

明らかにガンプラバトルが嫌いそうだったのに誘っちゃった。

 

あー、ダメな私。」

 

私は自分のクラスで自己嫌悪になりながら弁当を食べていた。

 

昨日、商店街にある模型店で私は子供を助けるために無謀な行為に走った。

あの2人がやってこなかったら・・・間に入らなかったら私は今頃どうなっていたかわからない。

 

そしてバトルの時にあの2人を見たときに確信したのだ、

この人達なら・・・私の力になり、目標と約束を果たせると。

 

だからバトルのあとで誘ってみたのだが・・・

 

 

高《あんた、バトルの時の俺の台詞を聞いてなかったのか?

俺は他人とチームを組んでバトルなんかしない。

ましてや今日あったあんた全国目指す?

 

笑えない冗談はそこまでにしてくれ。

俺はガンプラバトルなんてもうやめたんだ。》

 

・・・と、強烈な拒絶を食らったのだ。

そこで私は我に帰り、そして今までの自己嫌悪に繋がるのである。

と、

私の背後から突然誰かの手が私の胸を支えて持ち上げた。

 

茄「ひゃう!?

ちょっと、フウカでしょ!?

いきなり何を」

 

橘「・・・ナス、元気無いから元気の残高を胸に聞いた。

それに、胸触るの、もういつものこと。」

茄「普通に言葉で聞いてよ!

もう・・・変な声出たじゃない。」

橘「・・・・・・本当に何があったの?

なんか今日・・・らしくない。」

 

茄「あ、あはは・・・やっぱりわかる?

実は・・・」

 

私はこのクラスで唯一の友達、橘フウカに昨日あった出来事。

そして私が勧誘して盛大に断られたことを話した。

 

橘「なるほ、理解した。

要するにナスは初めて振られたからそれで落ち込んでるんだよね?」

茄「全然理解してないし!

てか、振られたんじゃ・・・ない、よね?」

 

橘「・・・でも、その男の人はガンプラバトルなんてしないって言ってるのに、

子供を助けるときはやってたんだよね?」

茄「うん。

1人で突っ込んで援護なんかいらないって言ってたかな。

チームが一般的な今時ではかなり珍しい人だよね。」

 

橘「ふーん・・・多分それ、ガンプラバトル自体じゃなくてガンプラバトルで何か嫌なことがあってそれが原因でしなくなってるだけだと思うな。」

茄「嫌なこと?

そっか!ならそれを聞き出して」

橘「まって、それだと多分余計に心を閉ざしちゃう。

それだと話しかけることも難しくなるかも。」

茄「じ、じゃあどうすればいいのよ〜・・・

私はただ、あの2人とガンプラバトル部を設立したいだけなのに・・・」

 

私がフウカの話を聞いて頭を抱えた様子を見てられなかったのか。

フウカがため息の後私に言った。

 

橘「・・・ナスのその気持ちを伝えられればいいんだよ、要するに。

私にいい考えがある。

 

ナスにも協力をしてほしい、放課後空いてる?」

茄「え?

う、うん。

空いてるけど。」

 

橘「じゃあ・・・ゴニョゴニョ、ゴニョゴニョ、ゴニョゴニョリン。

・・・ってことをするから、

あとはナスがお願い。」

 

茄「え、え!?

いや、でも私じゃそれは」

橘「ナスの気持ちを伝えるため。

頑張って。」

 

私がフウカのアイデアを聞いて驚くとフウカは冷静にそう言ってグーサインを出した。

私は戸惑いながらもそれを受け入れ、 弁当をかきこんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、同学校校内。

高谷side

 

高「んーー・・・!!

やっと授業が終わった。

なんか無駄にあっという間に感じたな。」

 

放課後となり、

俺は教科書などを鞄にしまっていく。

 

高「今日は帰ったら・・・ゲームでもするか。

・・・ん?」

 

荷物整理をしていた俺だったが、

そこであることに気づいた。

財布が見当たらないのだ。

 

どこを探しても見当たらない、カバンに入れていたはずなのに・・・

 

高「(泥棒?

だとしてもクラスメートの誰かしか考えられないが・・・

おそらく盗まれた時間は)」

 

摩「高谷!!

まだいたんだね!」

 

俺が考察を始めたその時、いつの間にか教室を出ていた摩耶花が女性の教師を連れて慌てて教室に入ってきた。

 

高「どうした摩耶花。

そんなに慌てて、悪いが今俺は財布を探すのに忙しいんだ。」

 

摩「その財布のことだと思うんだ!

ほらこれ見て!

君の下駄箱に入っていたんだ。」

 

摩耶花はそう言って俺にとある紙を見せた。

その紙には、

 

『高谷継心、

あなたの大切なものを預かりました。

返して欲しければこの学校三階の西空き教室へ来てください。

尚、見捨てて帰った場合は翌朝恥ずかしい写真を入れて机の上に放置します。』

 

と書かれていた。

 

高「・・・なんだこりゃ。

これで脅しのつもりかよ。

飛んだ間抜けな犯人だことだ」

 

摩「でも、乗るしかなくないかい?

君の財布には・・・あの写真があったはずだ。

過去の君の写真が・・・

 

スメラギ先生、

この手紙に書いてる三階の西空き教室ってどこですか?」

 

摩耶花が慌てているのか連れてきた女性の教師に尋ねるとスメラギ先生は少し考えて答えた。

 

ス「たしか、ここからなら上がった後で一番奥の教室のことだわ。

私が案内するわ。」

 

高「・・・やられっぱなしは気がすまねぇ。

財布を盗んだやつ、絶対にぶちのめす。」

 

そう言って歩き出したスメラギ先生を追いかけていく摩耶花の後を、

俺はそうつぶやいて後をおった。

 

 

 

 

 

そして俺達は指定された教室に到着した。

俺達が扉を開けるとそこにはなぜかラウル・クルーゼのマスクをつけた女子生徒が、

ガンプラバトルシステムの奥に立っていた。

 

?「・・・まってた。」

 

高「・・・なんだその仮面。

なんでクルーゼの仮面なんかつけてんだよ。」

?「私の正体は、トップシークレット。

そしてあなたの欲しがってる財布はこれだよね。」

 

仮面の女は俺の財布を取り出して俺にそう言った。

高「まさにそれだよ。

さてと、穏便に返してくれるかな。

先生がいる手前あまり乱暴な真似はできないんだ。」

 

 

俺がそう言うとどこかに手招きをする。

手招きされた先には昨日模型店であった茄宮さんがいた。

 

?「・・・財布を返して欲しかったら、彼女と戦う。

彼女に勝つことができたら返してあげる。」

 

高「なんで彼女と戦う必要がある。

ただ返してもらえればそれで」

 

茄「・・・戦いましょう、高谷さん。

話してもわからないことは。」

 

高「・・・はぁ。

わかったわかった。

戦えばいいんだろ?

だが俺は今ガンプラを持って・・・あ。」

 

ガンプラは持っていないと言おうとした俺はある事を思い出してカバンの中をあさる。

すると、

袋にはいったガンダムmark2があった。

 

高「・・・忘れてた。

こいつ昨日買ってたな。

なら、こいつで俺は行く。」

 

茄「はい。

私も自分のを持ってきましたから。

 

・・・本気で勝負です、高谷さん。」

 

茄宮さんの顔つきが本気のものにかわる。

俺もガンダムmark2を持って彼女とのバトルを行うことになった。

 

 

 

 

 

高「・・・ところで、なんでこんな空き教室にバトルシステムが?」

?「・・・それはまた後でおしえる。」

 

 



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第5話 新たなる希望と決意

おれはガンダムmark2をバトルシステムにセットして現れた操縦桿を握る。

 

高「・・・何やってるんだか俺は。

いや、

これは財布を取り戻すための仕方ない事だ、すぐ終わらせればいい。」

 

《battle start!》

 

俺がそう呟いたその時、バトルシステムの音声が聞こえて息を吐いた。

そして

 

高「・・・高谷継心。

ガンダムmark2、行くぜ。」

 

俺がそう言って俺のガンダムmark2はフィールドへと飛び立った。

 

 

 

宇宙ステージ、それも今回はア・バオア・クーのステージだった。

そこは重力をあまり感じないフィールド、そこを進んでいく俺は敵の索敵を始めていた。

 

 

高「(さっさと見つけたいとこだが、

宇宙ステージで俺のmark2はどこまで通用するか。

できる限り短期決戦が妥当か。)

・・・!!」

 

考え事をしていた俺に敵に捕捉されたアラートがなり俺はレーダーを見る。

すると敵は俺の正面から反応がありすぐにその姿を確認できた。

 

 

彼女の機体は以前のドラドではなく、

ドラドとゼイドラを組み合わせたようなガンプラだった。

 

脚部にビームガンが追加されていたりテールキャノンがダナジンのテールランスに変わっていたりとかなり手が加えられていた。

 

茄『あ、えっと。

聞こえてますか?

私です。』

高「・・・あぁ、聞こえてる。

てっきり前に見たドラドでくるかと思ったんだけどな。」

 

茄『・・・あなたと本気で戦うために、私が心を込めたガンプラです。

あなたの心に・・・熱を灯すための』

高「・・・よくわからんが、本気の機体なら負けて壊れても恨むんじゃないぜ。

さて、じゃあ」

 

茄『戦う前に1ついいですか?』

高「なに?」

 

俺が臨戦態勢に移行したその時彼女は俺にそう言った、

そして彼女は少しためらったあと切り出した。

 

茄『・・・あなたと昨日バトルをした時のあなたの雰囲気、

あれは確かにガンプラバトルが嫌いな人が持つような雰囲気でした。

 

けど、私には同時にそれは純粋な嫌悪ではなくただ避けているだけのようにも感じたんです。

子供達に見せたあなたの顔はとてもガンプラバトルが・・・ガンプラが嫌いな人がする顔じゃなかった。

 

もし、あなたが今ガンプラバトルを避けてるだけならば避けてる理由を教えて欲しいんです!』

 

高「・・・そんなこと、あんたに教えても意味はない。

強いて言うとすれば・・・俺は仲間とやる今のチームバトル制度自体が嫌いなんだよ。」

 

彼女の問いに俺はそう答えてビームライフルを彼女に向けて放つ。

彼女は腕につけたドラドの装甲でそれを弾いて手に持つゼイドラガンを俺にはなって再び聞いた。

 

茄『何でですか!?

バトルの最後ではあなた達とうまく共闘していたはず』

高「勘違いすんな。

俺はただあんたとあいつに合わせて戦ってたまで、

共闘してたわけでもないしそんなつもりも毛頭なかった。

 

第一俺は1人でやる事が好きなんだよ。」

 

茄『そこまであなたを1人に追いやってることは何なんですか!?

何か過去に嫌なことでも』

高「いい加減黙れ!」

 

ゼイドラガンをからサーベルを伸ばしてこちらに接近した彼女を俺はシールドでしのぎ腹部を殴りつける。

 

そしてそのままビームサーベルを抜いて彼女に振り下ろすが彼女も反応が早く腕の装甲でそれを受け止めた。

 

高「ただのバトルだってのに何であんたは俺に説教をしようとしてるんだ!

あんたは俺のことを理解しようとしてるようだがあえて言ってやる!

あんたは俺の何を理解できるっていうんだ⁉︎

 

過去に俺が何かあろうがそれはあんたには関係ないことだろうが!」

 

茄『くっ!!

その通りだけど・・・私達がなんとかできる事だってあるんです!

話してください高谷さん!

話してくれないとまず何もわからないじゃないですか!』

 

高「言ったはずだ!

あんたに話す事なんて何もない!」

 

俺はそう言って足を振り上げて防いでいる腕を蹴り上げる。

そしてひるんだ体にそのまま二回蹴りをお見舞いした。

 

抵抗もなく、彼女は漂っていたサラミス戦艦の残骸(オブジェ)に激突した。

 

高「俺は確かに過去の傷を引きずってるさ!

だがそれは話す必要のない事だ。

今俺がするべきなのはあんたに勝って財布を取り戻す事!

俺は今そのために、仕方なくやってるんだよ!」

 

余りにもしつこい質問に俺はそう彼女のいた方に叫ぶ。

そして俺は自然と操縦桿を握る力を強めてこう叫んだ。

 

高「あんたもしつこいんだよ!昨日断ったはずなのに・・・なんで俺ばかり誘うんだ!!

嫌々誘われても迷惑なんだよ!」

 

俺が叫んだあと、

彼女は応答しなかった。

 

 

 

 

 

 

 

茄宮side

 

彼に蹴り飛ばされたあと、

衝撃に耐えて私は彼の言葉を聞いていた。

 

茄『・・・(迷惑、か。

確かにそうよね。

好きでもない事に無理に勧誘されてるんだからそれは無理もない。

私もここで引き下がった方がいいのかもしれない。

他の人を誘えば確かにそれで済むんだから。)』

 

私はそう考えて顔を俯かせる。

どんなに叫んでも届かない声、それは説得が不可能な事だと示しているようなものだった。

が、私は不思議と諦められなかった。

 

茄『(本当、自分の諦めの悪い事がこんなにはっきり気づかされるのは久々・・・

あの時以来かも。

だけどはっきり今思える。

彼のことは諦めちゃだめだ、

彼に言葉はまだ届く。

 

なら、フウカに教わった通り、私の心を・・・想いを伝えなきゃ!

だって・・・だって私は!!)

・・・まだ諦めてないから!』

 

私はそうつぶやいてバーニア全開で再び彼に特攻する。

 

彼もいきなりの突進に対応できず激突した。

私達はそのままア・バオア・クーの方へと進んでいき途中にあったデブリに互いにぶつかった。

 

そして私は彼の腕を持ちデブリに押し倒すような姿勢のまま彼に言った。

 

茄「高谷さん聞いてください!

私があなたを説得する理由は・・・あなたの今の雰囲気が私とよく似ているのと、

あなたなら私がした約束を守れそうだからです!」

 

高『はぁ!?

なんだそのわけわからん理由は!!

このっ!?』

 

茄「私は、元々この学校にあったガンプラバトル部を再建して全国大会を優勝する事!

そうあの人に約束したんです。

けどこの学校では数年前にガンプラが禁止され、部も無くなりました。

部員になってくれる予定だった人にも裏切られたんです。」

高『!?』

茄「でも!!

私親友・・・フウカがその時教えてくれたんです!

諦めない事、それが部の再建の近道だって!

だから私は諦めずに今までやってきました!

 

そして先日の戦い、私はあなた達2人のバトルを見て2人ならきっとって直感したんです!

私はこの直感を信じたい!」

 

高『そんな精神論を・・・ぶつけたところでぇ!

俺の過去の傷は、消えやしない!』

 

高谷さんはそう言ってバルカンを顔に向けて発射した。

私は仕方なくそれを避けて彼から離れる。

 

茄「・・・今、貴方がバトルを避ける理由が伝わりました。

高谷さん、仲間に裏切られるのがそんなに怖いんですか?」

高『!?』

私がそう言うと高谷さんは固まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

高谷side

 

 

俺は珍しく激しく動揺してた。

彼女の言った一言は俺の過去の傷を的確についていた。

 

茄『・・・やっぱり、

私が裏切られたんですって言った時に顔色が変わったんですもん。

 

・・・過去に仲間に裏切られたこと、それが原因で貴方は』

 

高「・・・うるさい、

うるさい!

うるさい、うるさい!

それ以上、俺を語るんじゃねぇ!!」

 

俺は腰に下げていたハイパーバズーカを彼女に向けて発射する。

弾は途中で拡散弾に変わるが、彼女は今までと打って変わりそれをフィンガーバルカンで綺麗に打ち落す。

 

高「なっ!?」

茄『高谷さん、

どんな原因でも私は・・・貴方がガンプラを諦める事を見逃すなんてできません!

貴方にはまだ、新しい未来・・・可能性があるんです!

 

過去に絶望があったとしてもそれ以上の希望が生まれる事もあるんです!

私が保証します!

けど、それには貴方に仲間が必要です!」

 

俺は彼女の言葉を聞いてなお、ハイパーバズーカを撃ち続ける。

が、

彼女はやはりそれを打ち落として俺に向かってきた。

 

そんな彼女を見ていると俺は途端に恐怖に襲われた。

そう、あの時に感じていた期待とそれによるプレッシャーを。

 

高「な、仲間なんてもういらない!

仲間なんて持っていても苦しいだけなんだ!!

あんな苦しみならもういらない!

仲間なんて信じても意味ないんだ!」

 

俺は駄々をこねる子供のようにそう叫ぶ。

だがそれでも彼女は俺にまっすぐ突撃してくる。

 

茄『そんなことありません!

仲間を持ってこそ人は強くなれるんです!

 

貴方が昔仲間がいたように、今度は私が貴方の仲間になります!

だから!

仲間という存在を信じる事を諦めないでください!』

 

高「!?」

 

俺は彼女の言葉に動揺してバズーカを弾切れにもかかわらずコマンド押してしまった。

そしてそれを見切られた彼女にバズーカを切られ、

 

そしてガンダムmark2の胴体にもフィンガーバルカンから伸びるビームサーベルが突き刺さった。

 

茄『・・・大丈夫です。

貴方が自分の概念にとらわれているかもしれませんが、

貴方はきっと変われます、高谷さんは・・・強くなる事も。

仲間を信じる事もできるんです。

 

私が保証します。』

 

高「・・・ははっ、

そこまで言われたのは初めてだ。

だが、久々に熱くなれたぜ。」

 

 

彼女がそう言って俺が呟いたその時、ガンダムmark2は爆発してバトルが終了した。

 

 

 

 

 

 

高「ったく、マジ信じられねぇよ。

まさか先生までグルだったなんてな!」

 

バトルの後、俺はそう怒っているようにいいつけた。

バトルの後で仮面の女が茄宮さんの友人でありさらに財布をかすめたのは摩耶花だった事がネタバラシされた。

そう、すべてはこの状況を作るための仕組まれた寸劇だったのだ。

 

茄「本当にごめんなさい!

騙すつもりじゃなかったの。

けど、フウカがこれが一番いい方法だろうって」

フ「・・・うまくいかないもんだね。

・・・で、君はどうする?

ここまでナスが頼んでるんだし。

いざとなったら・・・ナスのこの大きなモノで」

 

茄「フウカ!!」

高「・・・なぁ、茄宮さん。

こんな俺でも変われると思うのか?

今でも変わらず、そう思えてるのか?」

 

茄「・・・はい!

私が必ず保証します!」

高「はっ、

根拠もない・・・けど、なんでかできそうな気がするぜ、俺の過去を払拭することがよ。

 

・・・茄宮さん、俺やるよ。

ガンプラバトル部に入ってやる。」

 

茄「ほ、本当ですか!?」

摩「終わり良ければすべて良しってことかな。

茄宮さん、僕も入らせて欲しいな。

彼が入るなら僕も保護者として一緒にいないと。」

フ「私も、ナスと一緒なら入る。」

 

 

茄「み、みんな!!

ありがとう!」

 

皇「なら、この私。

皇 紀香は顧問を務めようかしら。

部室はここでいいわよね。」

 

茄「はい!

・・・夢みたい、一気に部員が4人になるなんて。

これなら約束を守れる!

 

よーし!

このメンバーで全国大会を目指すぞーー!!」

 

嬉しさのあまり彼女は俺たちにそう叫ぶ。

俺たちはやれやれというような反応をしていた。

 

 

 

こうして、この学校にガンプラバトル部が発足し。

俺の学生生活が大きく変わり始めた。



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第6話 Gミューズの中の戦争

土曜日の朝、

俺は駅の前で部長さんを待っていた。

 

高「・・・

なんか、浮いてねぇかな俺。

慣れねぇなぁまったく。」

 

俺はまるでデートのようなこの状況に俺は無意識にそわそわしてしまう。

どうしてこうなったのか。

それは昨日の出来事が発端になった・・・

 

 

 

 

 

 

先日、

 

茄「えっ!?

高谷くんってガンダムmark2が主力じゃないの!?」

 

部長さんがガンプラを部室でいじりながら俺にそう聞いてきた。

あの後茄宮さんが年上であるという事を聞き呼び方を変えることにしたのだ。

 

高「あぁ、はい。

ガンダムmark2とかの汎用機は元々組んでたチームメイトの為に使ってただけで、

俺は元々格闘機をメーンに使ってたんです。

 

だからこいつで改造とかあまり浮かばなくて・・・」

 

茄「うーん・・・それを改造させるってことも難しいかなぁ。

どうしたら・・・」

 

フ「・・・ナス、

ならGミューズに行ってくればいい。

そこで新規機体を手に入れてくるってのは?」

 

茄「そ、それだ!!

高谷くん、明日空いてる?」

高「明日って土曜ですよね。

まぁ・・・空いてますけど。」

 

茄「なら明日、朝9時30分に近くの駅で集合ね!」

高「わ、わかりました。」

俺はそう返事してそう約束をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして冒頭の時に戻る。

そしてしばらく待っていたその時、

 

 

茄「高谷くーん!

ごめん、待ったー?」

 

手を振りながらこちらに来る姿が見えた。

私服を見たことがなかった俺は部長をじっくりと見てしまう。

 

茄「あ、えっと・・

どう、かな。

この服変じゃないかな?」

 

高「い、いや。

似合ってますよ。

私服の部長って新鮮でつい。」

 

茄「そ、そっか。

・・・あ、そういえばそろそろ次の電車が来るね。

いこっ。」

高「はい。」

 

 

部長さんがそう言って俺達は電車に乗り今回の目的地に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして電車に揺られて数十分。

 

俺達は目的地、

Gミューズに到着した。

 

高「うぉぉ・・・

俺がガンプラを辞めた時はまだ工事中だったのに

完成してたのか。

 

てかすげぇでかいな。」

 

茄「ガンプラだけじゃなくてガンダム関係の品が揃う最大級のショップ。

ここならきっと高谷くんにぴったりなガンプラが見つかるか待って思って。

 

さぁ、いざ行かん!!

ガンプラの聖地へと、なんてね。」

 

俺は部長に手を引かれてGミューズの中へと向かった。

 

 

 

・・・そんな2人の様子を陰から覗く男がいた。

高谷の兄でありモデルの高谷隼人だ。

 

かれは弟が土曜に女性と出かけると話を聞き仕事を代わってもらい今回陰から彼らを見ているのだ。

 

 

隼「あいつ、いつのまに誰かとデートをするまで成長してやがったんだ。

しかもあんな可愛い子が友達だったとはな。

 

親父、あいつは今大人の階段を上ろうとしてる。

俺が不純な行為がないかしっかり確かめてやるからな!」

 

 

隼人はそう1人でつぶやいてGミューズに追いかけて入っていった。

 

 

 

 

高「へぇ、

ガンダムグッズだけでなくフードコートもガンダム色なんですか。

てっきり大きな模型店なだけだと思ってましたけど。」

 

茄「ふふっ、

確かにそう思う人もいるかもしれないけどここは色々な施設があるのよ。

ガンプラショップは勿論の事、

ガンダムグッズショップ、ゲーム&ホビーのコーナーもガンダム関係のゲームが様々。

お土産にフードコートもガンダム関係のメニューもある。

 

何より毎週行われるイベントといったガンダムづくしの要素が集まって出来た施設がここなの。

だからここは初めて来ても楽しめるけど網羅するには二、三週間は通わないとね。」

 

二、三週間・・・そんなに網羅するのにかかるのか。

だとすると俺はこれからここにしばらくお世話になるのかもしれないなぁとふと思った。

 

茄「あっ、到着したわ。

高谷君、ここがGミューズの中で最も大きなガンプラショップ、

GPS・・・通称ギャラクシー・プラショップよ。」

 

部長さんが指さした先には、

大きく入り口を開けたGPSというネオンの看板の店があった。

 

・・・・うん、

ひょっとするとここどころか日本一ではないかと思えてくるほどでかい。

どこまで続くのだろうと思えるほどの大きさだった。

茄「ここならきっと高谷くんのお気に入りのガンプラが見つかるかもしれないしさ。

さぁ、行きましょう。」

 

 

部長さんはそう言うと先先進んでしまったため俺もすぐに追いかける、

が俺はガンプラがずらりと並ぶ棚に目を奪われてしまう。

 

俺がガンプラを止めた時から比べ物にならない程増えた品数、

そしてそれに伴う作品数の多さに圧倒された。

 

高「こんなにあるのか。

知ってるやつほとんどないな。

・・・格闘機だけでもどれくらいあるんだか。」

 

茄「高谷くん!

もー、後ろ見たらいなかったから焦ったじゃない。」

高「あ、すみません。

いや・・・圧倒されちゃって。

ここまで増えてるなんて思ってなくて。」

 

茄「たしかに昔からに比べたらかなり増えてるからね。

なら私が選んであげる。

 

・・・えっと、これならどう?

格闘機の代表格、ガンダムエクシア。

GNソードを含めた7つの武器が特徴よ。」

 

高「エクシア・・・んー、

なんかちょっと違うんですよね。

GNドライブはよく使うチームが多いと聞きますし」

 

茄「被らないかが心配ってことか・・・なら、

グフとかイフリート改、

あ!

バイアラン・カスタムもある意味格闘機かも。」

 

高「・・・どれも個性的過ぎませんか?

と言っても僕もめぼしいガンプラがないしどうすれば・・・」

 

 

俺たちがガンプラについて悩んでいたその時、

 

客「おい!

いまからソロモン広場でライブがあるんだってよ!

しかも、トライ・ルナライトだって!」

客「マジかよ!

ソロモン広場ってすぐ近くだよな!

行こうぜ!」

 

ショップの中にいた客達が1人の噂を聞いてみんな飛び出していく、

それはもうバーゲンセールに飛びつく主婦のような・・

 

高「ライブかぁ、

ここって定期的にそう言うイベントもやってるんですね。

・・・けどいまから行ったら人が」

茄「高谷くん!

ひとまずガンプラはあとにしましょう!

まず私達には行くべきところがある!

ほら急いで!」

高「ちょっ!?

まっ!!引っ張られたらちぎれぐぇっ!」

 

く、苦しい!

興奮している部長さんのてはなぜか手ではなく襟首をつかんでいるっ!!

俺は薄れ逝きそうな意識を繋ぎ止めながらも部長さんに抵抗できずにひきづられていった。

 

 

高「ぜぇ・・・はぁ・・・ぶ、部長さん。

そんなに急がなくても。

って・・・」

 

部長さんに引っ張られた先で俺は盛り上がる人々とその視線の先にいる3人の女性が見えた。

 

茄「うわぁ!!

本物だ!!

本物のルナライトだ!!」

 

高「・・・なんすか?

そのルナライトって。」

 

茄「知らないの!?

トライ・ルナライト!

今人気浮上中の3人組ガンプラアイドルよ!?

まさかここでライブをしてたなんて!」

 

部長さんはそう言ったその時、音楽が止まり歓声が上がった。

 

?「みんな!

今回は急なライブだったけど集まってくれてありがとう!」

 

「うぉぉぉぉぉ!!」

「カンナちゃんサイコーー!!」

「トライ・ルナライトを生で見れて死にそうだぁーー!!」

 

中央のリーダーらしき女性が観客に声をかけ、

観客は各々示し合わせたかのように歓声をあげる。

 

?「ちょいちょーい!

ライブを楽しんだだけで終わりってわけじゃ無いんだからね!!

今回のゲリラライブの真の目的、

それは!!

貴方達ファンとの交流よ!」

 

 

だがその歓声を打ち切るように俺らから見て左側に立っていた金髪の女性がそう言い観客はどよめいた。

そして残る俺らから見て右側にいた茶髪の女性がポケットから何かを取り出してファンに突き出す。

 

?「そしてここはGミューズ!

だとしたら最高の交流方法は1つ!

今から私達が選んだ人達と私達トライ・ルナライトとのガンプラバトルを行います!」

?「あ、握手会ならそのあとゆっくりしてあげるから、安心してよね。」

 

彼女らの言葉を聞いてどよめきが一層大きくなった。

 

高「(まぁ、そりゃそうか。

いくらここにきてるからってガンプラ自体があるってことじゃ無いんだよなぁ。

おそらく持ってる奴なんていないだろう、

まぁそんな俺たちもガンプラなんて)

 

?「さぁ!

私達とバトルをしてくれる素敵なファイターは」

茄「はいはーい!!

私、いや私たち!

トライ・ルナライトさんのバトルに挑戦したいです!

立候補します!」

 

高「はぁっ!?」

 

リーダーの女性の一言が言い終わる前に部長さんが俺の腕を組みそう断言し、

俺はつい素で驚きの声を上げる。

そして部長さんはそのままずいずいと俺を引っ張りステージの一番近い場所まで歩いた。

 

ファンもあまりの気迫に引いて道を譲っていた。

 

?「・・・選ぼうと思ってたんだけど、手間が省けたわね。

じゃあ、貴方達2人ともこっちに来てくれる?」

 

茄「はい!!

トライ・ルナライトさんと同じ舞台に立てて光栄です!」

 

部長さんは俺なんか眼中になく、

俺を引っ張り続けていつの間にかステージに上がっていた。

 

茄「はぁぁぁ、感激です!

まさかトライ・ルナライトの皆さんとこんなに近くにいれるなんて!」

?「あ、あはは。

ここまでのファンはなかなか見ないですね。

それじゃあ簡単に自己紹介を」

 

茄「はい!

雅ヶ丘学園3年、茄宮かおるです!

こっちは同学校2年の高谷継芯さんです!

私達ガンプラバトル部をしてるんですよ!」

 

?「へぇ!

ガンプラバトル部なんだ、これは戦い甲斐がありそうね。

それじゃあ・・・バトルシステムオープン!」

 

リーダーの女性がそう言うとステージの中央からバトルシステムが4つほど現れた。

 

高「(どういうギミックしてるんだ。

こっちにびっくりだわ。)」

 

 

俺が呆れていると部長さんがようやくガンプラを持っていなかったことに気づいたのか、切羽詰まった顔で俺を見る。

 

そしてそれに気づかずトライ・ルナライトの3人はそれぞれガンプラを取り出してバトルシステムに置く。

 

?「さて、それじゃああと1人は誰か参加してくれる人はいませんかー!?」

 

残る1人を探して茶髪の女性が観客に声をかけるが観客は誰も立候補をしなかった。

そしてしばらく経ったその時、

 

?「では!!

そのバトル、私が立候補をする!」

 

観客達の少し後ろにいた男がそう言いながらこちらに歩いてきた。

が、観客とトライ・ルナライトはその男に視線が釘付けになった。

 

・・・・その男がつけていた、Gのレコンギスタに登場したマスク大尉の画面に。

 

?「あ、はい。

えっと・・・どうぞこちらへ。」

?「うむ、では失礼する!」

 

マスク男はそのまま視線を受けながらもずかずかとステージに上がり仁王立ちをした。

 

?「えっと、

私達はトライ・ルナライトと言います。

貴方の軽い自己紹介を」

マスク?「私はマスクである!

皆は私の事をマスク大尉やクンタラ大尉と呼ぶが、

私としては、マスク大尉と呼んでくだされば幸いでありますね。」

 

?「は、はぁ。

わかりました。

では人数も揃ったので早速バトルを」

 

マスク?「少々待っていただきたい!」

マスク男はルナライトの3人を呼び止めて俺達に向き直り、

俺達に箱を差し出した。

 

マスク?「君達、

先程ガンプラを落としていったぞ。

今回のバトルにはこれを使うといい。」

高「え?

これって・・・ゴットガンダム・・だよな。」

茄「私のは、ガンダムage2ダブルバレット?

でも私達はこれは買っては」

 

マスク?「・・・そう言うことにしておきたまえ。

私の奢りだ。

あと女性の君、すまない。

ヴェイガン系は種類が少なかった。

 

・・・今から彼らは先程買った機体を制作し始める。

完成まで待っていただきたい!」

 

マスク男はそう言うとおれたちにアイコンタクトを送る。

観客からは早くしろというヤジが飛ぶが俺達はなぜか袋に一緒に入っていたニッパーとピンセットを使って急いで組み上げる。

 

そして5分後、

俺達はガンプラをどうにか完成させることができた。

 

マスク?「うん、

では観客の皆!

大変待たせてしまって申し訳ない!

今からが、我らとトライ・ルナライトとのバトルの幕開けである!

 

では行こうか、我が戦友よ!」

高「誰が戦友だ誰が。

・・・だが、乗りこなしてみせるさ、ゴッドガンダムくらいな!」

 

 

俺達が機体を置き終えた後バトルシステムから粒子が放出され、

俺達を操作画面が覆う。

 

そしてバトルスタートとアナウンスされたのを聞いて、俺と部長さんは宣言する。

 

高「高谷継芯、

ゴッドガンダム・・・行くぜ!」

茄「茄宮かおる、

ガンダムage2ダブルバレット、行きます!」

マスク?「え、えっと・・・そうか。

マスク大尉、エルフ・ブルック。

出撃である!・・・うぉっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達がカタパルトから飛び出したその先は、

アマゾンのような濁った川と密林、そして上空に映るたくさんのガウ攻撃空母。

 

そう、連邦軍基地ジャブローであった。

 

マスク?『うむ、連邦軍基地ジャブローか。

ここはGのレコンギスタ最終話でも登場した場所だったな。

あの時は錆びたズゴックを見てマスク大尉が負の遺産と』

 

高「・・・マスク大尉?

今はもう戦闘中だ。

もう少し真面目に周囲を警戒したほうがいい。

 

ましてやエルフ・ブルックは色といい大きさといい結構目立つ。」

 

俺が冷静にそう言うとアラートがなり、

どこからか俺に攻撃が飛んできた。

 

マスク『な、なんとぉ!?

どこからの攻撃だ!』

 

慌てるマスクを無視しておれは周囲を索敵する。

すると俺たちの前に三体の機体が現れた。

 

高「・・・それがあんたらの機体か。

三体ともキュベレイ、しかも色変えのみとは思い切ってるなぁ。」

 

俺達の前に現れたルナライトの三人の機体はキュベレイをそれぞれ、

 

ハマーン用、プルツー用markII、プル用markIIの色に塗装されたキュベレイだった。

 

しかし肩にはそれぞれ同じマーキングシールが貼られていた。

見たこともないマーキングで、

3つの星とTRと書かれていたマーキングだった。

 

カ『ガンプラっていうのはただ武器を盛るだけじゃないってプロデューサーも言ってたからね、

さてと、

それじゃあ私達とのバトルステージ、楽しみましょう!

 

ハルナ、ミヤビ。

行くわよ!!』

ハ『えぇ、』

ミ『了解!』

 

リーダーのカンナが指示を飛ばし相手が動く。

markIIの二機がファンネルを射出して俺と部長にせまり、

ビームサーベルを腕からだしてこちらに向かってくる。

 

 

茄『高谷君、マスクさん!

私と高谷君が向かってきた二人を抑えます!

マスクさんはカンナさんの相手を頼みます!』

 

マスク『な、なんと!?

・・・・・・う、うむ。

承知した!

では行くぞ、歌姫の君よ!』

 

マスクは変形もせずにカンナのもとに突っ込んでいったが、

変形もしないエルフ・ブルックをかわしてカンナのキュベレイはビームガンを放つ。

 

カ『あらあらマスクさん。

お得意の変形機構は行わないの?』

マ『・・・変形とは、流れで行うものだ!』

 

高「なんだそれ、

・・・なんかあいつ、様子が変だな。

まさか」

 

ハ『よそ見なんかしてる場合!?』

 

俺がマスクの様子を確認して疑問を抱いたその時、

ハルナのmarkIIのビームサーベルが俺に向かって振り下ろされ、俺は条件反射でゴッドスラッシュでそれを受け止めた。

 

ハ『あなた、それさっき作ったばかりのなんでしょ?

だとしても反射的にコマンドを打てるなんて、なかなかね。』

高「あぁ、

どうやら俺はこいつとの相性がいいらしい!!」

 

俺はハルナのmarkIIを蹴りつけるが、

ファンネルの攻撃を食らってしまい左腕が破損してしまった。

 

高『ぐっ!!

やっぱりまだ慣れないか!

だがまだ腕は一本ある!』

 

俺がハルナのキュベレイに向かって行こうとしたその時、レーダーから2つの反応が消えた。

それは抑えに向かっていた部長さんとミヤビの反応だった。

 

ハ『そ、そんな!

ミヤビが負けたの!?』

高「部長が・・・負けるとは。

だが、これで残るは」

 

マスク『うぉぉぉぉぉ!?』

 

俺の耳に突き刺さるマスクと思わしき者の声、

そしてその方向に振り返ろうとしたその時衝撃が俺を襲った。

 

視界に写ったのはゴッドガンダムの腹部に引っかかるエルフブルックの足、

そしてそのまま俺たちはジャブローの川の中に落下してしまった。

 

高「マ、マスク!!

お前何やってんだ!?

なんでカンナさんの相手をしてるあんたが俺に突っ込んで来るんだ!」

 

マスク『す、すまない!!

何か変なボタンを押してしまったようで、

人型から姿を変えてしまったのちに元に戻らんのダァ!!』

 

高「やっぱりか!!

すぐに右手の操作桿を撫でてコマンドをEXのコマンドに合わせて」

 

俺がマスクに説教をしていたその時、

水面上から降り注ぐビームを俺たちはうまくかわせず直撃していき、

耐久度が限界を迎えたエルフ・ブルックとゴッドガンダムは爆発した。

 

そして

 

『battle end』

 

アナウンスが響き粒子が拡散した。

 

ハ「え、えっと・・・」

ミ「・・・・・・」

 

 

重苦しい沈黙の中、

マスクは観客に向かって手を広げて大の字になり立ちはだかり言った。

 

マスク「・・・・諸君!!

今回彼らが敗北したのは私の責任である!

だが、彼らは落し物とはいえその場で組み上げたガンプラでかの歌姫達に挑んだのだ!

 

その勇気、私は勝敗に関係なく評価に値する!

諸君らもそれを理解できるもの達ならば、彼ら2人と歌姫達に拍手を!!」

 

マスクの一声に戸惑っていた観客も次第に拍手をし始めてこの場が拍手で包まれた。

マスク「では!!

私はこの後用事があるゆえ失礼する!」

 

マスクはそう言い終わると観客をかき分けて疾走とかけて行った。

ハルナが呼び止めるもマスクの姿はすでに見えなくなっていた。

 

ハ「・・・な、なんだったのかしらあの人は。」

カ「・・・さぁ、

けれど。

確かに彼の言う通り、貴方達は凄い人達よね。

素組のガンプラを乗ってすぐ使いこなすんだから。

 

貴方達、

おそらくガンプラバトル全国大会を目指してるんでしょ?」

茄「は、はい!」

カ「なら、貴方達の活躍、期待しちゃおうかな。

私は貴方達のチームの事、応援するわ。」

ハ「私も応援するわ。

今回みたいな敗北は、見せないでよね。」

 

茄「皆さん・・・ありがとうございます!

私達、絶対全国まで行きますから!!」

高「あの、部長さん。

あまりそういう事は大きな声で言うのは・・・まぁいいか。」

 

 

俺達はその後、歓声に包まれながらトライ・ルナライトの3人のアンコールライブを楽しみ。

その後ふと浮かんだ俺のアイデアを体現するために必要なガンプラを購入して時間はあっという間に過ぎていった。

 

 

 

 

 

 

 

茄「はーーー・・・、

まるで夢のようだったなぁ。

トライルナライトの皆さんにも会えたしGミューズにも久しぶりに来れた。

今日一日本当に楽しかったよ、ありがとね高谷君。」

高「いや、俺の方こそ部長さんに感謝してますよ。

markII以外のガンプラを買えたし久しぶりにパーティバトルをできましたしね。

 

それに・・・誰かと一緒に出かけるなんて久しぶりだったから、すごく楽しかったです。」

 

帰り道、

部長さんと俺は2人で並んで駅までの道を歩いていた。

 

茄「・・・高谷君、

私、トライルナライトの皆さんの期待に応えたい。

私の約束を守る為に、そして高谷君達とあの場所に行く為に。

 

私も、精一杯頑張るから。」

 

高「・・・えぇ、

俺も帰ったら早速俺なりのゴッドガンダムを作って見せますよ。

俺のイメージを体現した俺だけのガンプラを。」

 

茄「うん!」

 

俺たちはそう決意をしあい、

俺たちは電車に乗って家路に着いた。

 

 

 

 

 

 

 

その後、

 

高「・・・なんであんなとこにいたんだよ兄貴。

いや

マ・ス・クさん?」

 

隼「な、何故ばれたし!?

・・・似てなかったかなぁ。」

 

後にマスクの正体は兄貴出会ったことがわかり、

俺は兄貴にどういうことかの説明を夜までさせたのだった。



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第7話 開幕!ガンプラバトル大会 地区大会編I

Gミューズの一件から一週間後、

 

俺達3人は地区大会が開かれている会場の選手控え室にいた。

フウカさんと皇先生は俺達の為に他チームの個性を俺達に教えていたが、部長さんは表情が硬かった。

 

茄「うぅぅ、

やっぱりここにいるこの時はいつでも緊張するなぁ・・・

慣れないっていうのかなぁ、なんかこう・・・落ち着かない。」

 

摩「まぁまぁ部長。

あまり意識しすぎてもバトルに影響しちゃいます。

さ、息を吸って・・・」

茄「スゥ・・・」

摩「吸って・・・」

茄「スゥゥゥ・・・」

摩「さらにすっ「やめてやれ。」

・・・冗談だよまったく。

あと部長、もう吐いていいですよ」

 

摩耶花の声で部長さんは息を大きく吐く。

まったく、何やってんだか試合前だってのに。

 

 

?「よぉ茄宮、

君はまだガンプラバトル大会にでてたんだねぇ。

しかもまた懲りずに寄せ集めの集で挑むなんてさ。」

 

リラックスしていた俺たちに金髪で長身の男、

そしてその腰巾着らしき2人の男が俺達のチームに・・・いや、

部長さんに話しかけてきた。

 

茄「・・・はあ、

やっぱりいたんだ今年も。

相原君こそ懲りないてないよ、毎回二回戦で負けるのに。」

 

相「うるっせぇ!

一回戦落ちの茄宮に言われたくねぇよ!

 

・・・で、今回のかわいそうなチームメイトはどこからスカウトしてきたんだ?」

 

男は俺と摩耶花を見てそうあざ笑うが、

俺はそんなそいつの顔に指を突きつける。

 

高「お前、モブの匂いがプンプンするぜ。

あと、俺たちはれっきとしたガンプラバトル部員・・・

部長に対する挑発は俺たちに対する挑発だ。

許容することはできねぇ。」

 

相「おい、誰がモブだ誰が。

・・・上等。

もし当たることがあったらその時はけちょんけちょんのボコボコだ!

楽しみにしといてやるぜ、」

 

俺にそう言い放ったそいつらはそう言ってその場をあとにした。

 

茄宮「・・・ごめんね、いきなり変なのに絡まれて。

彼、元私のチームメイトで今は私立キャピタル学院に在校してる相原 起亜って人でね。

 

ガンプラは資材と権力だーとか言ってうちの高校からわざわざ転校したのよ。

行動力はあるんだけど思考がねぇ・・・」

高「確かにあれは頭が悪そうだ。」

摩「でも、キャピタル学院ってそこそこ実力があるチームだよね。

たしか今年は・・・チームリーダー佐々川圭人のジーセルフが強いとか。

 

・・・初戦に当たったら、注意すべき相手であることは確かだね。」

 

俺達はそれぞれ覚悟をして電光掲示板で紹介されている彼らの顔を見た。

 

 

 

そしてしばらくして、

 

『ただいまより、

ガンプラバトル大会、地区予選を開始します。

一回戦の振り分けを発表します。

 

悪志津学園vs帝区学園、

山雅学園vs花巻学園、

キャピタル学園vs雅ヶ原学園、

戦人学園vs剛殻学園、

以上8校のチームの方は各バトルシステムまでお集まりください。』

 

アナウンスが地区予選の開催を告げ、

俺たちは出番が来た事を知る。

 

茄「遂に来たわ、この時が。

・・・今更だけど私の誘いを受けてここまで来てくれて、本当にありがとう。」

 

摩「いきなりどうしたんですか部長。」

茄「えっと、

私がもう一度ここに立てたのは2人が協力してくれたおかげだから、

本当に感謝してる。

だから・・・その・・・」

 

高「その感謝も嬉しいですけど、

そういうのはあいつらに勝利してから言いましょう。

そのためにここに来たんですから。」

摩「そうそう。

君もたまにはいいこと言うじゃん。

いつも言わないくせに」

 

茄「・・・うん、そうだよね。

それじゃ!

まずは一回戦突破目指して頑張ろう!

 

チーム、トリニティレイヴン!

フライ・・・ゴー!」

 

高・摩「・・・・・・・え?

それチーム名〔なの?〕」

 

部長が決めていたチーム名を聞いてその場が微妙な空気になった。

 

 

 

 

 

バトルシステムが4台集められたステージの1つ。

そこで俺達トリニティレイヴンとキャピタル学園のメンバーがそれぞれ対面する形で立っていた。

 

 

相「ふん!

その諦めの悪さは昔からかわらねぇな茄宮!」

 

茄「そういう相原君こそ。

けど、今年の私達は一味違うんだからいつも通りやれると思ったら大間違いだからね。」

 

相「上等だ!

もういっぺん俺が叩き潰してやる!」

?「先輩、

チームリーダーは俺なんすから俺の指示には従って下さいっすよ。

あ、対戦相手の方々もどうぞよろしくっす。」

相「お前も余計な事言うんじゃねぇ!」

 

相原というモブの隣にいる少年、

佐々川圭人らしき人物が気だるげにそう言ったその時バトルシステムがアナウンスとともに粒子を放出した。

 

俺達はそれを合図にGPベースとガンプラをバトルシステムにセットして現れた操縦桿をにぎる。

 

そしてモニターが現れカタパルト内に映ったあと試合開始を告げるアナウンスが聞こえた、

 

茄『茄宮かおる、

ゼイドラ・ギア。』

摩『桐原摩耶花、

フルアーマーユニコーンガンダム。』

高「・・・頼むぜ、俺の新たな相棒。

高谷継芯、

ゴッドガンダムスカイハイ、」

 

茄『チーム!トリニティレイヴン!

行きます!』

摩『行こうか、』

高「行くぜ!!」

 

俺達はそれぞれ宣言して出撃し、

フィールドである宇宙に飛び出した。

 

 

 

 

 

 

飛び出した先の宇宙には多くの戦艦のオブジェクトが綺麗に整列していた、

どれも連邦の船でそれでできた線があちこちに出来ていた。

 

そしてその列達の中央には6つの角が特徴的な要塞、

初代ガンダム・・・及び0083スターダストメモリーズで登場した宇宙要塞ソロモンが俺らの視界にはあった。

 

高「ここは・・・ソロモンか。

しかとこの戦艦オブジェクト扱いだから障害物だな。

だとすると・・・」

 

摩『僕のフルコーンは、突進するときに危ないってことを言いたいのかい?』

 

おれが独り言を言うように懸念をつぶやいていると摩耶花の乗るフルアーマーユニコーンガンダム、

通称フルコーンがおれの近くに停止した。

 

高「そうだ。

この戦艦たちはデブリと同じようなオブジェになってる。

突っ走るのはいいがぶつかって自滅なんてダサいことはするなよ?」

 

摩『僕に限ってそれはないよ。

フルコーンの制御は熟れてるんだから。』

茄『だとしても油断は禁物だよ。

相手はもうこのフィールドにいるんだから。

それにしても高谷くん、

その機体、この間買ったゴッドガンダムよね?

あれから改造したんだ。』

 

高「はい。

俺なりにガンダムを見直して色々とやってみたんです。

デスティニーガンダムの翼を使ってるからどこでも対応できる筈です。

部長さんのはこの間のダブルバレットじゃないんですね。」

茄『まぁ、やっぱり私はヴェイガン系が一番扱いやすかったから結局これにしちゃった。』

 

摩『ねぇ、今気づいちゃったんだけど・・・君はいつの間に部長とをしたのかな?

ゴッドガンダムもどうやらその時に買っていたみたいだし?

いつの間にデートをするような関係になったのかなぁって。』

 

茄『ちょっ!?そんなことは今聞くことじゃ!

それにそんなデートだなんて・・・』

 

摩耶花が不適な笑みを浮かべて言った一言に部長は顔を赤くしながら反論しようとしたその瞬間、

俺は機体に突然示された警告を見てその表示の奥に光が見えた、

 

高「2人とも危ない!」

危機を察して2人を押した瞬間、ピンク色の巨大な2つのビームの光が俺らのいた場所を通過して近くに浮いていた戦艦のオブジェ二隻に命中して爆発した。

 

 

摩『この光・・・ビームキャノン?

の割には威力が高すぎる気が・・・!

ビームが発射された方から敵影確認。

 

あれは・・・』

 

摩耶花がビームが放たれた方角を見ると敵影が視認できた、

 

こちらに向かってくる赤く大きな影。

羽のようなパーツを後ろにもち左右に装備されたミサイルコンテナは上部に光る青き光が軌跡のように後を引いていた。

そして中央に座すモビルスーツとその頭上にそびえる大型の二本のキャノン。

 

大型の機体の機体上部にチームの仲間を乗せて移動する大型機は、

Gのレコンギスタで登場したモビルスーツ。

Gセルフ・アサルトパック装備であることを顕著に示していた。

 

アサルトパックの機体上部に乗る機体は同作品のライバル機の1つ、ジャイオーンであり、

その背中に取り付けられたビックアーム・ユニットでアサルトパックを掴んでしがみついていた。

 

アサルトパックに並行してこちらにやってきていた残りの機体はGセルフと同系統、

G系統モビルスーツのGアルケイン、それを作中登場したフルドレス装備の状態だった。

 

高「おいおい、アサルトパック装備って大きさ的に大丈夫なのかよ。

んでもってGレコ機体ばっかだなおい。」

摩『アサルトパックの火力は本編でも折紙付だったからね。

さて、僕は誰を』

 

摩耶花がビームマグナムを構えたその時アサルトパックの上に乗っていたジャイオーンがアサルトパックを離し、

こちらに急突進してきた。

 

高「単騎特攻?

仲間後ろに置いての特攻ってことは、あいつはリーダーのあいつか?」

茄『・・・高谷くん、あのジャイオーンは私がやる。

高谷くんはフルドレス、摩耶花ちゃんは高谷くんが私が向かうまでアサルトパックの相手をお願い。

 

それじゃあ、各機散開!』

 

部長の指示で俺たちは散開してそれぞれの相手に挑みに行った。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

茄宮side

 

茄「・・・さてっと!」

 

私はみんなに指示を飛ばしたあと1人こちらに向かってくるジャイオーンの突撃をかわしたあと、相手に対して通信を合わせた。

 

茄「やっぱり。

チームメイトを放り出して単騎特攻なんて。

チームワークを大切にしないとだめだよ相原君。」

 

私はビームサーベルを出しながらジャイオーン・・・

相原君に笑いながら言った。

 

相『あんな奴ら知るか!

俺は今回もお前をカモにして先に進むんだよ!

 

んで、あのメンバーの中でお前だけが戦力だと踏んでるんでなぁ、

どーせあいつらは寄せ集めなんだろ?

今回の大会のでたさに寄せ集めしたさぁ!」

 

茄「勘違いしないでよ相原君、

確かに大会には出たいと思ってたけど、彼らは寄せ集めなんかじゃない!」

 

相『なぁ、前から聞こうと思ってたんだがよ・・・お前が大会に出る理由はやっぱりあの人との約束が・・ってとこか?

だとしたらお前いい忠犬になれるぜ、

あんな約束のためにずっとあんなヘボ学校の部活に留まり続けるなんてな!』

 

茄「あなたにとってあの約束はその程度かもしれないけど、

私にとっては大切な約束なの!

あの人と私のかわしたたった1つの」

 

相『お前の気持ちは分かるけどよ!

ガンプラバトルで大事なのは技術!金!資材!施設!

その4つがあの学院にあるのか?

ねぇだろ!』

 

ビックアームユニットの指が切り離されて叫びとともに私にそれぞれ襲いくる。

 

茄「ジャイオーンの設定にあるソードビット!?

可動だけじゃなくてそれも再現してたの!?」

相『ただ後付けするだけがガンプラじゃねんだよ!

このジャイオーンはなぁ、俺がお前らを見捨ててまで手に入れたかった施設と金で手に入れた最強のカスタムだ!

お前の学校の設備じゃ出来ねぇことだろ!』

 

相原君のソードビットを避けながら私はフィンガーバルカンでそれを打ち落とし続ける。

しかし、相原君の言ったことの裏打ちかだんだんビットの動きが読めなくなってくる。

 

茄「(つ・・・機動性が違う!

これが・・・相原君の本気の機体!)」

 

相『はっ!

お前がいくら情熱を持ってそいつを改造しようがなぁ!

資材や金がないと、勝てないんだよ!』

 

茄「しまっ!?

きゃあ!!」

 

ヒットを防ぐことに集中していた私は突進してきていた相原君の機体を避けきれず、

私はそのまま近くの隕石デブリに激突した。

 

相『これが金と設備の力だ!

この2つもなしに勝てるわけがないんだよ!

ましてや古い約束にずっと縛られてるお前にはなぁ!

いけ!ソードビット!』

 

相原君の声とともにソードビットがこちらに飛んでくる。

 

茄「くっ!

こうなったら・・・これで!」

私も体勢を立て直してゼイドラの胸にあったメガ粒子砲を放った。

 

ビットを二機撃ち落としたものの相原君もすぐ反応してビットの被害を抑え、

仕返しにビームライフルを何回か放つ。

 

そのうちの一発が動いている最中に左腕に命中し、

ゼイドラ・ギアの左腕が爆発し吹っ飛んだ。

 

茄「しまった!?」

相『見えたぜ!勝利のフラグがなぁ!

ソードビット再出撃!

今度こそ粉微塵になりやがれ茄宮ぁ!!』

 

それを好機とした相原君はソードビットを再び凄いスピードでこちらに向かわせた。

 

茄「(反撃・・・するにもあのスピードじゃ間に合わない!

かわす・・・この体勢じゃ1つ2つはかわせてもあの数は・・・

 

・・・ごめん、2人とも。

私は・・・ここまでかも・・・)」

 

高『必殺!

石破っ!天!驚!拳!!』

 

不覚にも諦めてしまった私の耳に聞こえた高谷君の声。

そしてその声と同時に大きな燃える右手が私に向かっていたソードビットをすべて巻き込み爆発を生んだ。

 

相『なっ!?

石破天驚拳!?

ソートビットが全滅だと!?』

 

茄「こ、これってまさか!」

高『ええ、そのまさかですよ。』

 

つい声を上げた私の声に反応するように左方向から高谷君のゴットガンダムが飛来して私と相原君の前で静止した。

そして顔をこちらに向けて彼は私に言った。

 

高『お待たせしました、遅れてすみません部長。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高谷side

 

 

高「お待たせしました、遅れてすみません部長。」

 

石破天驚拳を飛ばしたあと部長と合流して俺はそういった。

 

相『な、なんでお前がここにいんだよ!

お前はフルドレスのあいつとやりあってたろ!』

 

俺の登場を予想していなかったのか狼狽えたモブ男(確か相原とか言ってた)が俺を指差して言う。

 

高「あいつならもう倒したよ。

どうやら俺はこいつとの相性が良いらしい。

フルドレスの奴も善戦してたから本来これる時間から遅れたけどな」

 

相『な、なんだと!?

・・・ま、マジで・・・フルドレスが・・・シグナルロスト・・・だと!?』

 

高「摩耶花の援護にでも向かおうとしたんだがあいつから部長を助けるようにっていわれてよ、

んで今俺はここにいるわけ。

・・・てなわけで次はお前だ。

このゴットガンダム・スカイハイと部長のゼイドラがお前の相手だ。」

 

相『くっ!

ソードビットが壊れたからって戦えないわけではない!』

 

相原って奴は往生際が悪くどうやってつけたのかビッグハンドユニットの左裏からもう一丁ビームライフルを取り出し、

俺たちに乱射し始めた。

 

相『こんな事もあろうかとなぁ!

ビックバンドユニットの裏側に追加武装をしてたんだ!

俺がお前らなんかにモブみたいに負けてたまるか!!

技術も設備も無いくせに!』

 

高「部長、あとは俺がやります。

部長は摩耶花の援護に回ってください。」

茄『高谷くん・・・

わかった、相原君のことは任せたよ。』

 

部長が少し考えたあと摩耶花のいる方に機体を走らせた。

 

高「・・・さて、

俺も摩耶花の支援に向かわなきゃいけないからな。

悪いがモブ!

お前はすぐに終わらせてやるよ!」

相『俺をそこらのモブと一緒にするなぁ!』

 

相原が先に打ち切った方のビームライフルを投げて今度は右肩のハンドユニットから何かを取り出した。

それは本来ジャスティマが装備するレコンギスタのMSの中でも大型出力のサーベルだった。

よく見るとハンドユニットの一部が開きそこからコードが伸びていた。

 

高「・・・それがどうした。

光の翼!」

 

俺がそう言ってスペシャルコマンドを押すと背中につけていたデスティニーユニットから粒子が溢れ光の翼を構築する。

 

高「・・・もうお前にかける時間も勿体無い。

3秒以内に終わらせる。

3!」

 

そう言ってゴットスラッシュを抜き放ち、

 

高「2!」

光の翼で相手に急速接近。

 

相『っ!?』

高「1!」

 

相手のもとに到着してゴットスラッシュを構えて翼を引っ込めてそれをサーベルに転用し、、

 

高「0!」

それを思い切り振り切りジャイオーンを切り裂いた。

出力の上がったサーベルはたやすくジャイオーンの半身を分けた。

 

相『う、嘘だこんなの!?

何かの間違いだぁ!』

高「悪いな、お前にかけてる時間はない」

 

俺はモブに吐き捨てて部長の元に向かった。

そのあと、相原というモブは爆発し戦闘不能になったことが確認された。

 

高「・・・これで残るはあのアサルトパックのGセルフだ。」

 

 

 

そして俺が2人と合流するまでの間に相手のアサルトパックは損傷していた。

大型ビームサーベルの基部は片方が半分ほどなくなり、

機体側面のミサイルボックスも無くなっていた。

しかしそんな状態でなお彼は戦っているのだ、3対1という圧倒的不利なはずなのにもかかわらず。

 

佐『やれやれ、こんなことになるなんて思ってなかったっす。

先輩も1人で突っ込んだ挙句負けたし、

ほんとチームリーダーとして情けないっす。』

 

茄『いえ、その状態でここまで粘ってるあなたは凄いわよ。

私たち2人の攻撃を受けてまだ戦えるなんて。』

 

佐『あ、そっすか?

先輩のお姉さんに褒められると嬉しいっすね。

なら、せめて最後のあがきっす!』

 

彼がそう言うと背中のアサルトパックを操縦桿をもぎ取ったあとパージした。

パージされたアサルトパックはこちらに向かってきておれらが避けようと考えたその時、

Gセルフは2つの操縦桿を収縮、ビームを放ってアサルトパックを撃ち抜いた、

 

爆発の炎と衝撃が俺たちを襲う。

そして発生した煙の中から、ビームサーベルを抜いて突貫してきた。

 

佐『バックパックがなくったって!』

高「やらせるか!」

 

突貫してきたGセルフの腕を殴りつけてビームサーベルを弾き飛ばし、

動きの鈍ったGセルフにバルカンを発射する。

至近距離からのバルカンは威力を生みGセルフのサーベルラックと顔の一部を破壊した。

 

佐『・・・驚いたっす。

この攻撃を受け流すなんて。』

 

高「俺の反射にできるだけ高くなるようにガンプラのカスタムはしてるんだ!

反応できてよかったよ!」

 

摩『高谷!横にそれて!』

 

相手が距離を取るため後ろに下がった途端聞こえた声に俺はブースターで横に移動する

その時独特の音とともにさらに後方から放たれたビーム・・・

 

ビームマグナムがGセルフを貫通した。

 

佐『・・・やっぱ無理っす。

3対1で勝てるわけないっすよ。』

おどけるような彼の声と同時に爆発するGセルフ、それは俺たちに試合の終わりと一回戦突破を認識させたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皇「えー・・・では!

チーム、トリニティ・レイヴン・・・でいいのよね?

地区予選一回戦突破を祝して!

カンパーイ!!」

 

全『カンパーーイ!!』

 

一回戦が終わったあと、私達は会場近くにあるカラオケ屋で祝杯をあげていた。

なぜカラオケ屋なのかというと大声出しても大丈夫だからだという安直な理由だ。

 

皇「改めてみんなお疲れ様、

初めての一回戦突破・・・それも損傷はあれどみんな健在。

顧問としてすごい戦いだと思ったわ。」

 

茄「本当にありがとう2人とも!

2人のお陰だよ。」

高「部長だって、的確な作戦指揮をしてたじゃないですか。

あれがなかったらうまく分担できてなかったですし

あとは摩耶花の探知のおかげだな。

最初のビーム砲にいち早く気づいたの摩耶花だし。」

 

摩「まぁね、

センサーの感度上げてて正解だったよ。」

橘「・・・みんな褒めてばかり。

勝利を祝うのも大事だけど・・・次のこと考えるのも大事。」

皇「確かにその通りね、

まだ一回戦。

これから二回戦、三回戦、準決勝、決勝と。

あと4回勝ち進んでその先がみんなが目指す全国なんだから。」

 

茄「そっか・・・そうだよね!

まだ全国が私達を待ってるんだから!

高谷君!摩耶花ちゃん!」

 

高・摩「?」

 

皇先生の言葉を受けて部長がジュースを置き俺たちを見る。

 

茄「強引に誘ってごめんなさい、けど・・・やっぱり私は全国大会に行きたい!

だから2人とも、これからもよろしくね!」

 

高「・・・そんな当たり前なこと、聞かれるまでもない。

もう俺は覚悟を決めたんだ。

勝ち進もうぜ、部長さん。」

摩「僕もだよ部長。

絶対全国大会まで行こう。」

 

俺たち2人は手にしてるグラスを部長に向けてそう言った。

部長は目を輝かせ、再びグラスを手にして乾杯をした。

 

茄「・・・次も勝とうね。」

高「あぁ、」

摩「もちろん。」

 

皇「・・・青春って、いいわよね。」

橘「先生・・・若いのに古くさい。」

 

 

 



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第紹章 登場人物&ガンプラ紹介

どうも皆様初めまして!

作者の勘張 明倫と申します。

 

ハーメルンでは比較的最初に書いたこの話ですが、

絶賛ノロノロスペースで更新しているため大して進めず申し訳ないです。

 

あれこれしている間にすでにビルドファイターズは終わり、トライも終わり、スペシャルアニメも終わるという体たらくぶりですが。

プラモに対する情熱はまだ冷めず、仕事中でもガンプラのことを考えている始末です(おぃ)

 

さて、書き始めてまだ7章ですが感想をいただき誠に嬉しい限りです。

こんな小説に感想を書いていただき、それを受けてこれから精進していきます。

 

・・・固すぎるぞこの野郎と文面を見て思われる方もいらっしゃるでしょうが、作者は常にこんな感じなのでご了承ください(汗)

 

さて、というわけでこの章では我らが主人公、

高谷継芯の属するチーム、トリニティレイヴンのメンバー、

そしてガンプラバトル部の顧問となった皇先生と友人のフウカ。

 

そして彼らの持つガンプラのご紹介です。

 

・・・前置きだけで400文字使ってしまっているので早速紹介に移りましょう!

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

高谷継芯【たかや けいしん】

 

性別・男

年齢・16歳

好きなガンダムシリーズ・特になし

使用機体・ガンダムmark2:ゴッドガンダムスカイハイ

好きな物・熱いバトル

嫌いなもの・蔑み、人を貶す人間

 

雅ヶ原学院に在籍する男子高校1年生。

それなりな生活、そしてガンプラバトルのない学園生活を目指してあえてガンプラバトル部の無いこの学園に在籍したのだが、

 

親友の摩耶花に誘われてやってきた模型店での出来事をきっかけに存在してないも同然だった雅ヶ原学園ガンプラバトル部、

チーム《トリニティ・レイヴン》のメンバーとして再びガンプラバトルへと身を投じる。

 

ガンプラバトルは小学校の頃からチームを組み、ガンダムmark2を使用していたが、

過去の出来事によりチームを脱退して引っ越し、それから高校に至るまでガンプラバトルを行わなかった。

 

その後のバトルでもガンダムmark2を使っていたが、チームを組むに当たってバランスを考え格闘機に変更、

ゴッドガンダムをベースとした『ゴッドガンダムスカイハイ』を作成搭乗する。

相性が良かったのかバトルでは機動性を生かした戦いを行い相手を牽制するが、

単独で突っ込む考え方が抜けきってない。

恋愛方向にはかなり疎い。

キレたら自制が効かなくなることもあり、特に仲間に対する妨害を行なったものには容赦無く食ってかかる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ゴッドガンダムスカイハイ

 

使用キット・『HGFC ゴッドガンダム』、『HG デスティニーガンダム』

搭載武器・ゴットスラッシュ、バルカン、光の翼

 

 

高谷がGミューズで購入したゴッドガンダムと部室にあったデスティニーガンダムを組み合わせて作ったガンプラ。

格闘攻撃メインとし、特に純粋な格闘を行うために調整を加えている。

 

そのため2つしか武器がないがその分光の翼やスラスターに粒子を回せるため最大出力ではかなりのスピードを叩き出す。

光の翼もあるため適性がつき宇宙でも隕石などを蹴りつつ移動できる。

シンプルであるがそれ故に操作性も行動も早く、極力人のような動きができる

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

茄宮かおる

 

性別・女

年齢・17歳

好きなガンダムシリーズ・ガンダムAGE、ターンエーガンダム、ガンダムSEED(代表三作品)

使用機体・ドラドキャノンカスタム、ゼイドラ・ギア

好きな物・ガンプラ

嫌いなもの・女性贔屓、ガンプラを軽く見る人

 

 

雅ヶ原学院で活動休止になっていたガンプラバトル部の部長を務める女子高生。

とある人物との約束を大事にしており、1人になっても部長を続けていた。

 

ガンダムとガンプラを純粋に愛するガノタであり、自分のオタクぶりは友人のフウカ以外理解が追いつかないほど。

 

ガンプラに対する情熱も人一倍強く、かける時間や製作技術がそれにより裏打ちされている。

逆にその情熱故にガンプラを軽んじたりガンプラを使って悪を働く人間には感情露わに食ってかかることも。

 

プラモを作る技術はかなりのもので、

本人談だがアブソーブシステムを独自で開発した事もあるらしい。

 

ガンダムシリーズは全て目を通しており、内容も一通り覚えているというオタク度はかなりのもので、

プラモについて語り出すと1時間半マシンガントークを続けてしまう。

中でもAGEへの思い入れは強く、アニメやゲームについて否定されると「駄作じゃないから!」と言っていいところを延々聞かせ続ける。

 

しかしガンダム側の連邦機体よりヴェイガン系のキットをよく好み、

操作しているのもだいたいヴェイガンである。

 

窮地を何度も助けてもらった高谷に少しながら好意を寄せているが、

自分が奥手であることやガンプラに例えてしまう癖などで伝えられておらず、そっち方面でイジられると赤面してしまう。

また、Fカップある胸をよくフウカにいじられており本人も胸については結構気にしている。

 

ガンプラアイドルユニット『トライルナライト』の大ファンであり、

Gミューズで行われるライブには必ず参加するほど。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ドラドキャノンカスタム

 

使用キット・HGドラド、HGガンダムレギルス✖️2、ヴェイガンのジャンク(テールランチャー)

使用武装・テールランチャー、クロノスキャノン、レギルスライフル✖️2、フィンガーバルカン、ビームサーベル、拡散ビーム砲

 

 

 

ドラドに追加武装を施して改造した茄宮の使用機体の1つ。

ドラドの肩にテールランチャーをクロノスのように接続し、さらにレギルスのビームライフルを両手に持ち砲撃主体に調整された機体。

 

フィンガーバルカンも残っているため格闘もある程度は行えるが、粒子を保つため本当に接近された際にしか使わない。

ドラド固有武装の三連ビームバルカンもあるので迎撃能力もある。

 

肩のランチャーは威力をあげる加工が施されており、

クロノスの2倍の射程と威力があるのだという。

かおるが初めて作ったプラモらしく愛用歴が長く、最も柔軟に動けるのが特徴。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ゼイドラ・ギア

使用キット・HGゼイドラ×2・HGダナジン

使用武装・ビームバルカン、胸部ビーム砲、ダナジンテール、脚部ビームサーベル、ゼイドラガン×2、ゼイドラソード×2.Xラウンダーシステム(EXコマンド)

 

 

茄宮かおるが本気のバトル用に作ったガンプラ。

ドラドキャノンカスタムとは違いこちらは中、近距離型の戦闘スタイルで全身に格闘武装が取り付けられている。

 

チームを結成してメンバーの割り振りを見た際に考えた機体で、中近距離が得意ではあるものの全身の武装と茄宮の技量により万能型のようなスタイルで戦う。

 

リアスカートの部分にもともと付いていたゼイドラソードをダナジンテールに取り付けることで脚部ビームサーベルと併用した格闘攻撃の確立や、攻撃範囲の上昇を叶え。

 

さらにゼイドラのキットにつき1つ付属しているゼイドラソードは柄をつけて手持ちできるようした後サイドスカートに懸架できるように改造、

武装を余すことなく使っている為経済的にも優しい・・・と本人は語っている。

 

ゼイドラ本体の機能、Xラウンダーシステムを搭載しており時間制だが武装やブースターの性能を3倍に引き上げることができる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

桐原摩耶花【きりはらまやか】

 

性別・女

年齢・16歳

好きなガンダムシリーズ・突出して好きなのはなく、全てを満遍なく愛する。

使用キット・HGサイコザク・HGUCフルアーマーユニコーンガンダム

好きなもの・人の恋バナ、最新のガンプラ、高谷、大食い

嫌いなもの・牛乳、巨乳及び高身長、

 

 

高谷の幼馴染で、同級生。

一見すると男子に見える顔立ちやプロポーションや性格をしており、一人称が僕である。

しかし背が小さく、本人もそれを気にしている

 

高谷とは小学校まで同じ学校に通っていたが高谷が引っ越したため離れ離れになり、

高校を選んだ際にガンプラバトル部のない雅ヶ原学園にて再会を果たす。

 

高谷がガンプラを辞めてからも積極的にバトルに誘うなど一度決めるとなかなか折れない。

その頑固さは時に喧嘩を売ってきた不良をも諦めさせるほど。

 

相手を逆撫でしてあえて殴らせようとするなど策略家であり、ガンプラバトルでもその才能を遺憾なく発揮してチームの策士としてのポジションを担っている。

 

身長を伸ばしたいと本人は思っているらしいのだが牛乳が飲めないためそのジレンマに悩み、

巨乳及び高身長の人を見るとその人物に対して辛辣になる。

 

使用ガンプラがサイコザクやフルアーマーユニコーンなどを好むように彼女は狙撃や遠距離系の機体を好み、

さらに複雑な改造を行うのではなく史実の通りの組み立てを行い其処

ら工夫をするタイプのモデラーで、

使用ガンプラの面影がなくなる改造は行わない。

 

高谷の事が好きで、高校を選んだ理由にもそれがある。

しかし本人のはぐらかしてしまう性格やからかいがちな性格から高谷には幼馴染以上には見られておらず、

彼女を悩ますタネとなっている。

 

ちなみにかなりの大食らいであるが太らない体質で、どれだけ食べても身体の部位があまり変化しないのだとか。

 

 

(彼女のガンプラは元と変化が乏しいため割愛します。by作者)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

花野フウカ

 

性別・女

年齢・17歳

好きなガンダムシリーズ・鉄血のオルフェンズ、ガンダムAGE、外伝系

好きなもの・茄宮へのパイタッチ、食べる事、プラモ弄り、浪漫

嫌いなもの・茄宮へのナンパ、茄宮との比較

 

 

茄宮かおるのクラスメート。

茄宮かおるの事が大好き(色んな意味で)であり行動をいつも共にしたがる。

茄宮のクラスでの唯一の趣味の理解者であり話し相手で、

かおる自身も休み時間や放課後などは大体一緒にいることが多い。

 

あまり言葉を多く使わず寡黙で大体人の意見に賛成している、これはコミ障を拗らせてしまった結果だと本人は語るがプラモのことに限っては自分の意見を押し通し、かおる同様マシンガントークになる。

 

かおるの胸を触る(持ち上げる、揉むなど)こと、通称『パイタッチ』を長い間行なっており、

事あるごとにパイタッチをするが自身の胸については触らせることはない。

 

使用ガンプラは基本的にオルフェンズキットや外伝系、そしてかおるから教えてもらったAGEをよく使うが、

結構な確率でゲテモノが生まれる。

 

高谷の事は内心ライバルと思っているがかおるが悲しむため直接的な意味では邪魔はしないが、

わざと違った知識を教えて誘惑させたりする。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

皇 紀香【すめらぎ のりか】

 

性別・女

年齢・27歳

好きなガンダムシリーズ・ガンダムOO全般

好きなもの・友情、努力、勝利、尊敬してくれる生徒、酒

嫌いなもの・テスト採点などの仕事。

 

 

 

ガンプラバトル部を再設立する際に顧問に名乗りを上げた先生。

顔立ちはガンダムOOに出たスメラギ・李・ノリエガと瓜二つ。

 

好きなガンプラの系統もOOととにかくスメラギにそっくりな彼女だが、

スメラギと違い酒癖が悪く弱いくせに飲みたがるため悪酔いしてへべれけになる。

その結果彼氏いない歴=年齢であり本人も将来に向けての焦りを抱えている。

 

しかしその頭脳と分析力はスメラギと同等でガンプラバトルを分析して相手の性能を図ることができるため、

ガンプラバトル部にとっての大きな助けとなっている。

 

使用ガンプラはもっぱらOO系統であり、

昔使っていたのはサキブレだと本人は語るが今の所誰もバトルをしたとこを見たことがない。

怒るとかなり怖い。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

如何でしたか?

唐突に思いついた小説なので設定はスカスカですが、いつもこんな感じです。

また、タグには写真投稿と銘打ってはいますが写真に出せるものはかなり少ないと今のうちにいっておきます。

 

・・・中の人がプラモ作りがあまり技術足りてないので汗

 

それでは。

あとがたりもほどほどに次の章にてお会いしましょう!

 

 



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第8章 開幕!ガンプラバトル大会 地区大会編IIA

一話完結のつもりがまさかの2部構成に・・・
自分の不始末ですね。


地区大会3日目。

 

摩「やれやれ、まさか僕たちがここまで快調に駒を進められるなんて。

やっぱり、高谷の実力の賜物かな?」

 

高「褒めても何も奢らないぞ摩耶花。

・・・まぁでも、準決勝まで無事に勝ち進めたのは確かに大きいかもな。」

 

あれから俺たちは調子を上げて行ったのか無事に準決勝まで勝ち進んでいた。

 

皇先生の冷静な分析によるデータ、

部長の的確な指示、

摩耶花の殲滅力。

そして俺の機動力。

 

 

全てを持ってしたら他のチームとの差は自然と開いていたらしくどのチームとのバトルも負けなかった。

 

茄「け、けど・・・準々決勝の時のあのチームは可哀想だったね。

大型のモビルアーマーで勝負してたみたいだけど・・・」

 

摩「無理もないですよ。

だってビグ・ラングが地上で活動できるわけないですもん。」

 

そう、俺達と準々決勝で争ったイーグル学園のチーム、『ゴーストファイター』は俺たちを沈めるために大型のモビルアーマー。

ビグ・ラングを用意して挑んだのだが。

 

その際選ばれたフィールドはトリントン基地・・・つまり宇宙ではなく地上だった。

そのため本来の性能を発揮できず、俺たちにあっさり負けたのだ。

 

高「まぁ、幸運だったと思っておこうぜ部長。

運も実力のうちって言うじゃん?」

 

茄「そ、そうだね。

・・・ところで、次の対戦相手だけど。」

 

対戦相手を思う部長さんが次の対戦相手について話を切り返そうとしたそのとき。

 

?「やぁやぁ。

君達が、《トリニティ・レイヴン》のみんなかな?」

 

突然俺たちの歩いていた廊下の陰から見るからに金持ちとわかるような白いスーツを着たまん丸なデブが現れた。

 

無駄にサラサラな髪を手で髪上げながらこちらに笑みを浮かべるその姿は・・・なんとなくイラっとしてしまった。

 

茄「え、えぇ。

そうですけど・・・あなたは、チーム《ゴー☆ジャス・キング》のリーダーの人・・・ですよね?」

 

金「いかにも!

この私こそ!この大会で優勝を収めるチーム、《ゴー☆ジャス・キング》チームリーダーの、

 

金松 飾という。

以後お見知り置きを可憐なチームリーダーさん。」

 

茄「は、はぁ・・・あの、困りますいきなり会いに来られましても。

というかこんなところを監視カメラに取られたら私たち両方失格になるかもしれないんですけど」

 

金「ご心配なく!

私の優秀な召使いに言ってここのカメラは全てシャットアウトしてもらってます。

今私たちがここにいるのは私たちしか知り得ませんよ。」

 

全『!!』

 

金松の言葉に俺たちは身構えた、

監視カメラなんて物を、しかもエリアごとに止められるような奴はそうそういない。

しかしこいつはそれをやってもらってあると言ったのだ。

 

高「・・・お前、俺たちに何の用だ?

カメラを止めてまで頼みたい事なんてあるならそれはよっぽどあくどい事だろ?」

 

摩「確かに、普通の常識が通じない上にやってることがおかしいよ。

よほど周りに勘付かれたくないのかな?」

 

金「そうですね。

もうみなさん十分警戒してしまってますしね〜・・・お話ししますか。

今回皆さんにお願いしたいこと・・・と言うより提案を1つしたくて。」

茄「提案?」

金「そう、

次の準決勝・・・僕らのチームに勝ちを譲ってくれませんか?」

 

全『!?』

 

突然の・・・いや、目の前のやつが放った言葉に俺たちは驚きを隠せなかった。

当たり前だ、いきなり現れた奴がいきなり勝ち譲れと言ってきたのである。

それを認識した瞬間、俺の中で軽く何かが切れる音が聞こえた。

 

高「おいてめぇ!

今何つった!!」

金「ん?聞こえなかったのかな。

僕らに君たちの勝ちを譲ってくれと」

高「ふざけんな!

いきなり現れた金持ちデブに勝ちを譲れるわけないだろ!」

 

摩「た、高谷落ち着いて!

・・・でもどう言う事から説明してもらわないと。

いきなりそんな提案されても困るんだけどね。」

 

金「ふむ・・・・あ!

しまったしまった僕としたことが!

勿論譲ってくれたら僕からのご褒美がありますから」

高「・・・ご褒美だぁ!?

やっぱ喧嘩売ってんのか!」

 

金「あ、あれ?違った。

手付金・・・も印象悪いなぁ・・・まぁいいや。

(パチンッ)」

 

金松が考えるのを諦めた後指を鳴らすと、近くに立っていた黒服が胸ポケットからペンと3枚の紙を取り出し金松に渡す。

金松は俺たちにそれを渡し、俺たちはそれをよく見る。

 

高「・・・小切手か?これ。」

金「そう、小切手。

そこに君たちの好きな金額・・・つか、欲しい金額を描くといいよ。

あとで君たちの口座にそれを送るとしよう。

 

だからそれで手を打って欲しいんだけど。」

 

高「・・・てめぇ・・・俺たちの勝負を金で買うって事だよなぁこれ・・ははっ・・・ふざけんな!!

お前は俺たちのことをなんだと思ってやがる!」

 

金「さっきからギャアギャア何をお怒りになられてるのかな?

それによく冷静に考えて見てほしい。

これは君たちの勝ちにこれだけの価値があるって事さ。

君達だってこれは得でしかないはずだ。

 

ただ負けて、ガンプラもボロボロ。

そんな何も残らない敗北よりも初めから勝利を譲って多額のお金を受け取り次に備えることができる今のこのやり方の方が得策さ。」

 

摩「随分と自信過剰だね・・・あなたが、僕たちに勝てるとでも?

勝つ前提で話を進めてるけど僕らの方が実力は上ってことも」

 

金「実力が上だろうが君達は僕には勝てない。

他のガンプラとチームメイトの力があればね。

 

それに、君たちには来年がある。

けど僕には今年しかチャンスがないんだ・・・なら、一度くらい譲ってくれてもいいじゃ無いか?」

摩「・・・」

 

金松の無茶苦茶な理論を聞いて摩耶花が絶句する。

聞いてて呆れるくらいのかなりの暴論なのは誰であれわかることだった。

 

高「・・・てんめぇ、腑抜けたことを抜かしやがって・・・来年がある?僕に勝てない?

ふざけるのもいい加減にしやがれ!

そんなのお前の勝手な推論だろうが!てめぇみたいな金しか頭のない

デブが俺たちに勝てるもんかよ!」

 

金「・・・やれやれ、君は頭が悪いんだね、これじゃ平行線だ。

悪いが君に聞くのは無駄みたいだ。」

高「んだと!?」

 

挑発で返され完全にきれていた俺はそいつをブン殴ろうと前に前進しかけた、が。

 

茄「駄目だよ!高谷くん!」

高「!!」

 

部長が今まで上げたことない大きな声で俺を制止した。

突然のことに俺は我に帰った、大会中に相手を怪我させたなどとなればペナルティで敗北が決まってしまう。

それは避けなければいけなかったからだ。

 

茄「ダメだよ高谷くん、

こんな人に手を出してしまったらダメ。

・・・ひとつ、聞かせてください金松さん。

こんな勝ち方をして、あなたは満足ですか?」

 

金「満足も何も勝つことが全てだからね、

やり方はどうあれ僕が勝てばそれでいい。

それがどうかしたかい?」

 

茄「・・・」

 

金松はケラケラと笑いながらさも当たり前のように答え、俺が改めて殺意を沸かせていると部長が無言で俺達から小切手をひったくる。

 

そして、金松の元へ向かって行きそれを金松に押しつけるように突き返した。

 

金「!?」

茄「・・・これは、お返しします。

この話もなかったことにしてください。

私達も告げ口するつもりはありませんので。」

 

金「・・・ありえない、君は・・・いや!

君たちは今大金を手に入られるかもしれないチャンスを!

恥をかかなくてもいいかもしれないチャンスを逃したんだぞ⁉︎」

 

茄「金松さん、ひとつ間違ってます。

私達はお金が欲しくてこの大会に参加しているわけじゃありません。

 

私達はただこの大会に勝って全国に行き、そこで頂点を掴むために必死になって頑張って来てるんです。

 

一生懸命プラモを作って、

オリジナルの機体づくりも頑張って、

みんなと練習もして、

一回戦、二回戦を勝ち進んで私達は今ここにいます。

 

それまでかけた時間、そして努力。

それはどんな人でもどんな額のお金でも買うことはできない貴重なものです。

・・・あまつさえ、そんな大切なものを貴方みたいな最低な人には譲れません。

 

・・・だから、お引き取りください。」

 

・・・・・・俺は感動していた。

部長は本当にガンプラが好きで、このみんなと一緒にするこの時間がとても大切なんだといまはっきりと分かるくらいの言葉の重みがあったからだ。

 

それに気圧されたのか、金松は『ふんっ!』と鼻でわざとらしく笑った後小切手を胸ポケに直し、

 

金「つまり、君達はそんな誰の価値にもならない感情風情で僕からの提案を捨てると言うんだね?

・・・いいだろう、僕を小馬鹿にしただけでなく僕の慈悲を受け入れなかった君達には敗北がお似合いだ!

 

次の準決勝、楽しみにしとくんだね!」

 

そう言うと金松は黒服を連れてずんずんと歩いて行ってしまった。

 

茄「そっちこそ!

私達の試合を見直して対策でも立ててください!

 

・・・全く!私達の勝利はお金では買えないって言うのに。」

 

高「感動したぜ、部長。

てか助かった・・・部長がいなかったら俺、あいつぶん殴ってる。」

摩「僕も同じ意見だよ、

あんな汚いやつに価値を譲るくらいなら最初から参加なんてしてないしね。」

 

茄「は、はにゃぁぁ・・・」

 

高「!?

おい部長!大丈夫か!?」

 

部長の言葉に感激していた俺たちだったが、突然へたり込んだ部長を慌ててささえようとした。

 

茄「こ、腰抜けた・・・あんな風に人にハッキリ意見言ったの初めてだから・・・」

高「・・・プッ、プハハハハハハ!

腰が抜けなけりゃかっこよかったのにな!」

茄「も、もぉ!

そこまで笑わなくても良いじゃん!」

摩「くくくっ・・・た、確かに・・・くっ。」

茄「摩耶花ちゃんまでぇ!

もぉぉ!」

 

高「けど、部長のおかげで俺もすっきりした。

あの金ブタには絶対に負けられねぇ!

俺たちの力であいつに思い知らせてやろう!

金で買えない価値ってのがあるってな!」

 

摩「うん、その通りだ高谷、

僕らがあんなやつに負けるわけないよ。

思い知らせてやろうじゃないか!」

 

茄「そうだね!

私達の勝利はお金で買えるものじゃない!

勝とうね、みんな!」

 

決意を固めた俺たちはこの後部屋に戻りブリーフィングを始め、

ひとしきり対策を絞ったのちにそれぞれの部屋に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜の事。

 

金「くそっ!!くそっ!!クソがぁ!

あのクソどもがぁぁ!!

僕をここまでコケにしやがって!ただの平凡な凡人の分際で!

僕を誰だと思ってるんだ!?金松様だぞ!?

あの有名な『金松飾』様だぞ!?」

 

金松は荒れていた。

頭を掻き毟り、怒りの表情を浮かべる彼にトリニティ・レイヴンと会った時の雰囲気などありもしなかった。

 

今までの出場者は彼の誘いに否応無しに乗るものが多かった。

しかしキッパリと断られた・・・それだけならまだしも、

彼はトリニティ・レイヴンのリーダーから言われた一言。

 

『あなたみたいな最低な人』

 

これが彼の逆鱗に触れていまに至る。

 

執事「お、落ち着いてください坊っちゃま。」

 

金「これが落ち着いていられるか馬鹿野郎!クズ!

あいつらはこの僕を・・・金松グループの御曹司であるこの僕を否定したし貶した!

 

あぁぁぁぁぁ!!

思い出すだけで腹立たしい!」

 

宥める執事も半ば呆れ、金松も執事の意見など聞いちゃいなかった。

と、その時ピタリと金松が動きを止めて『ククク』と笑い出した。

 

金「・・・・いい事を考えたぞ?

おいお前。今すぐあの2人に連絡しろ。

 

今回のチームメンバーはあの2人で決定だ。」

 

執事「あの二人・・・いえ、大変申し訳ないのですが彼らはこの大会のレギュレーションに」

 

金「そんなものここの奴らを買収したらいいんだよ愚図が!そんな事も解らねぇのか!?

チームを監査する人間と明日の会場にいる審判。

その二人と・・・一応システム管理者も買収しよう。

それだけあれば完璧だ!

あぁ、いや。

あとは俺が用意したこの3人にも連絡しろ、明日の工作に必要だ。」

 

執事「・・・・・・了解・・・しました。」

 

執事は苦虫を噛み潰したような顔でメモを受け取り、部屋を出た。

 

金「クククククク、いまに見てろよあの女・・・いやトリニティ・レイヴンの奴等。

僕をコケにしたことだけじゃ無い。

この僕に逆らったことの恐ろしさを明日の試合でたっぷり味あわせてやる!!

 

無様に負けて詫びるがいいさ!

くはははははははははははは!!」

 

誰もいなくなった室内で、取り憑かれたかのように高笑いをする金松。

その彼の顔が狂気に歪んでいた事は、ここにいる彼ですら解らなかっただろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。

 

《・・・ただいまより、

チーム『トリニティ・レイヴン』対チーム『ゴー☆ジャスキング』の試合を行います。》

 

会場のアナウンスで観客は盛り上がる中、

俺達とあのデブは静かににらみ合っていた。

 

金「くくくく、戦おうという意思は尊重しよう。

よく決断したね・・・これから赤っ恥をかくのにさ。」

 

高「言ったろ、俺たちは絶対にお前なんかには負けねぇ。

お前こそこの戦いが終わったらお前の悪事全部さらけ出してやるから。

 

謝罪の言葉でも用意しとくんだな。」

 

金「はてさてなんのことやら?

まぁ、せいぜい頑張りたまえよ。」

 

 

デブは完全にしらばっくれ、

ツカツカと仲間の二人を引き連れて自分のエリアに戻っていった。

 

摩「んー・・・・・・・・」

茄「?

どうしたの摩耶花ちゃん。」

摩「あ、いや・・・

あの二人どっかでみた気が・・・気のせいかな。」

 

しかし、デブの取り巻きをみていた摩耶花は眉間にしわを作り唸っていた。

何かをと思い出そうとしているが思い出せなかったようだ。

 

 

そうこうしてるうちに試合は始まり、

バトルシステムからアナウンスが流れ、俺たちはいつものようにガンプラとGPベースをセットする。

 

フィールドは宇宙、

幸いこちらが不利になる場所じゃなかった。

 

茄『茄宮かおる!

ゼイドラ・ギア!』

摩『桐原摩耶花、

サイコザク。』

高『高谷継芯、ゴッドガンダムスカイハイ!』

 

茄『チーム、トリニティ・レイヴン・・・いきます!』

 

俺達はいつもの出撃セリフを言ってフィールドへ飛び立つ。

 

 

フィールドは宇宙、

幸いこちらに不利になるような場所ではなかった。

 

摩『・・・宇宙か、

てっきり水中とか僕らの苦手なとこにしてくるのかと思ってたけど。』

 

高「相手さんはそこまで見てなかったってことだろ。

・・・やつらはどこに」

 

ビーッ!ビーッ!ビーッ!

 

高「!?」

 

突如なった警告音とともに真正面に見えた光、

それを見つけた俺は反射的にそれを回避した。

 

茄『超長距離砲撃!?

レーダーに敵影はなかったのに!』

摩『あのおデブさんの機体・・・じゃないか多分。

だとしたらあの二人組のどちらかだね』

 

高「ちっ!

見えないとこから狙い撃ちとか、性根が腐ってやがるぜあいつら。

部長!

このまま固まってても狙い撃ちされるだけだ、ここは一旦別れて各個撃破した方が」

摩『それはあまり得策じゃないよ高谷、

相手がモビルアーマーかモビルスーツかもわからないのに単体行動をしたら、

モビルアーマーだった時が最悪だ、すぐ潰されかねないよ。

 

索敵範囲が広い僕が先頭で敵を探す。

2人は横からの奇襲に備えて移動するってのはどうかな?』

 

茄『・・・そうね、

摩耶花ちゃんの言う通り、異なる可能性を考えた方がいいかも。

じゃあ摩耶花ちゃんの作戦でいきましょう!』

 

?『残念ながら、それは無駄骨だよ?』

 

部長の声を遮るイラつく声とともに、

ビームが放たれた場所から三つの機影が現れた。

 

 

一つ目の機影はアメフト選手のような肩、

膝にある大きなニークラッシャーとその中にあるリフレクターインコム。

Ζガンダム系の顔。

黒く輝くその機体はEx-S、イクスェスガンダムだった。

そして本来それの派生型である、ディープストライカーが持つはずの

アーガマ級メガ粒子砲。

それが肩に接続されていた、アンバランスながらも自壊する様子がないことから相手の力量がうかがえる。

 

二つ目の機影は、ゼータプラスを元として作られており。

脚部と肩に取り付けられたSガンダムのブースター、

右手には普通のビームスマートガンをもち、

左手にもシールドと一体型となったビームスマートガンを持っていた。

青と白の塗装をしており、

ゼータプラスの派生型、ハミングバードであると言うことを存分に表現していた。

 

そして肝心の金デブの機体だが・・・

 

 

元キットはペイルライダーであると言うことはわかるが。

ラメなのかわからないがかなり光り輝いている金色塗装が目を引いた。

 

兵装も遠中近全てに対応出来そうなバランスの良い仕上がりだった。

とてもあの金デブが作れるものではなさそうだと思ったのだが。

やはりテカテカきらきらひかる金色塗装が目を引く機体だった。

 

 

金『フハハハハ!

どうだい!僕のこのペイルライダー・GGKCE(ゴールデングレート金松カスタムエディション)は!

 

このまばゆい輝きこそ僕の機体が最強たる証さ!』

 

高「そんな趣味悪いキンキラキンな機体に乗ってりゃ、性格も最悪になるわな。

てか名前なげーよ。

主にアルファベットで略してるとこ。」

 

摩『・・・ま、趣味の悪いあなただからこそだね。

けど、不用意に敵の前に出ちゃ!』

 

摩耶花の声が聞こえたと同時にサイコザクが手に持ったビームバズーカを金デブに発射する、

即座にリーダーを守ろうとそばにいたハミングバードとイクスェスが動くが、

 

金『必要ない!』

 

金デブが構えたシールドに当たった瞬間、ビームはシールドに当たると同時に爆発したが、傷一つついていなかった。

 

摩『なに!?』

金『ふっふっふ、

君達のちゃちなガンプラじゃ・・・この僕は倒せないよぉ!

行くよ2人とも、蹂躙の時間だ。』

 

予想外の性能に摩耶花が驚き油断したその時一斉に三人が動く。

 

ハミングバードとイクスェスの連携は完璧で、

俺たち3人は2人であるはずの彼らに押されていた。

 

高「摩耶花!部長!

おそらく敵のチームリーダーはあいつだ!

まず俺があいつを叩く!」

茄『無茶だよ高谷君!

あのシールドの仕掛けもわからないのにむやみに突っ込んだら多分返り討ちに』

高「数を減らして、枚数有利な状況を掴むんだ!

Iフィールドがあるとはいえ、実体剣なら!」

 

スカイハイの腰についていた日本刀を抜き、二機の合間を縫って金デブに接近する。

 

高「(シールドさえ壊しちまえば、後は楽になる。

だが、この一振りは!)

まずは真っ二つにしてリタイアさせてやる!」

 

接近し、目の前に金デブをとらえ、シールドすら構えなかった奴の胴体めがけて刀を振った。

 

が、

 

パキィン!

 

 

高「・・・え?」

 

 

胴体めがけて振り切った日本刀は、見事に真っ二つに折れて刀身がなくなっていた。

奴の機体には全く傷一つついていない。

 

高「な、なんで!?」

金『よそ見をするとはいけないねぇ!』

 

俺が驚愕して動きを止めたのを見計らいビームサーベルを振るうが、

寸前のところで俺は回避する。

 

高「なんで俺の刀が・・・クソ!

切ってもダメなら燃やし尽くしてやる!」

 

冷静になんて考えられなかった。

ビームも通さず、実体剣も効かない。

ならばと俺は右手に粒子を込めた、ゴッドガンダムの放つ必殺技の熱量で溶かそうと考えたのだ。

 

高「くらえ!

ばぁぁくねつぅ!

ゴット!フィ」

 

その刹那、

ヒュッという音とともに俺の右首後ろに激痛が走った。

 

高「っ!?」

 

突然の痛みにとっさに右手を離し首を抑えたが、それがいけなかった。

慌てて戻したがときすでに遅く、発生した巨大な手の粒子は金デブのいる位置から左にずれて飛んで行き爆発した。

 

金『・・・ぷ!

ぷぷぷぷぷ!!

 

なぁんだ!てっきり大技が来ると余って身構えちゃったけど、たいしたことないじゃないか!

技すら当てられないようなど下手くそなファイターだったんだね君は!』

 

高「て、てめぇ!

今何を」

 

摩『高谷!

悪いけど一旦引いて!

近くにコロニーの残骸がある。

そこに向かって欲しいんだ!今仕掛けがわかった!』

 

あまりにも古典的な挑発で怒り心頭だった俺が向かおうとしたとき、

摩耶花の通信が入る。

かなり切羽詰まってるようで声が所々裏返っていた。

 

俺は折れた日本刀を金デブに投げつけ、最大加速で指定ポイントまで急いだ。

 

金『ハハハハハハハハハ!!

逃げ出すの!?逃げ出しちゃうのかい!?

そんな腕で出て来る君が悪いんじゃないかぁ!』

 

相手が追いかけて来るが本気を出してないのかすぐに引き離せた。

そして指定されたコロニー残骸に到着し中に入る。

 

摩『よかったよ、高谷が無事で。』

茄『イタタ、全くなんだったんでしょうかあれ。』

高「2人も無事でよかった。

・・・しかし、奴らやたらめったら強かったよな。

少し侮ってた。」

 

茄『うん、

Iフィールドを再現して、パーツも目立たなくするなんて職人技だよ。

あの人、そんなすごい人に見えないけどなぁ・・・金ピカさん。

それにクラスメートの2人も、かなりの腕前だった。』

 

俺と部長が戦況を話していたとき、

摩耶花のサイコザクが近くの建物の壁を殴った。

 

高「ど、どうした摩耶花!?」

摩『・・・部長さん、高谷。

どうして僕はこうもすぐに思い出せなかったのかと思ってついイライラしちゃった。

 

気づいていれば・・・おかしいと思ってれば・・・すぐわかった話なのに。』

茄『え?え?

どういうこと?』

摩『・・・あの2人はあの男のクラスメートなんかじゃない。

一週間前にアマチュア選手権に出てた・・・

 

20歳オーバーのファイター限定部門での覇者となった二人組だ!

レギュレーション違反なのさ!

つまり、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・この会場は・・・あの金の太っちょによって捻じ曲げられてる!』

 

 

 

 

摩耶花がまるで殺してやると言わんばかりの怒りを携えて、

俺たちに真実を告げた。

 

 




次回予告

次回、『開幕!ガンプラバトル大会 地区大会編IIB』

高『金松!
お前らがどんなことしても!
俺たちは絶対に止められねぇんだよ!』


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第8章 開幕!ガンプラバトル大会地区大会編IIB

茄「突然だけど、前回のあらすじです。
準決勝まで駒を進めた私達ですが、買収を持ちかけられた対戦相手・・・金松飾率いる《ゴー☆ジャスキング》の圧倒的猛攻を受けて一時退却した私達。
性能に困惑する私達と、
摩耶花ちゃんが気づいた真実とは・・・・・


こんな感じ?」

グッジョブでございます!(by作者)



高「歪められてる?

それってどういうことだよ摩耶花。」

 

いまいち状況が飲み込めない俺が摩耶花に聞き直すと、

摩耶花は冷静になり一呼吸置きながら俺たちに状況説明を始めた。

 

 

摩『・・・まずおかしいのはあの二人組。

太っちょはクラスメートと言ってたがあれは大嘘だ。

 

あの2人はさっきも言ったけど年は20を超えてるはずだからね。

この間僕が参考に見てた20歳以上限定のエキシビジョンマッチであの2人は最優秀成績を残してる。

 

・・・思い出したのは今だが、間違いはないよ。

僕は警戒すべき相手だと確信したからもう間違えない。

 

そしてそれはアンダー20しか参加できないこの大会にとってレギュレーション違反であること以外何でもないのさ。』

 

茄『で、でも!

それだとすると審判がだまってないはずだよ?

それにそういう申請の時気づくとと思うんだけど。』

 

高「・・・あぁそうか、

奴の事だ・・・大方買収したんだろう。

レギュレーションを監査する担当とこの試合の審判を。」

 

摩『・・・それだけじゃないよ。』

 

ようやく頭が追いつき、怒りで拳を握っていた時摩耶花は静かにそう言った。

 

摩『それだけじゃない。

彼の不正はさらに存在した。

 

・・・おかしいと思ったんだ。

いくらIフィールドを持っていたとしても全く無事なんてことはあり得ない。

 

多少凹むとか焦げるとか色々描写が粒子によって演出される。

それがこれの醍醐味だからね、

けど太っちょの機体にはそれは見当たらないどころか胴を斬りにいった高谷の刀が真っ二つに折れてる。

刀にはIフィールドは適応されないし実弾防御もありそうにない。

 

Iフィールドでもなくさらに異常な硬度を持つもの・・・としたら、

もはや一つの可能性しか考えられない。』

 

摩耶花はそこまで一息で喋ったのちに大きなため息をつき、

 

 

摩『・・・スティールパーツだ。』

茄『えっ!?』

高「なに?」

 

はっきり、短く言い切った。

それを聞いたことのない俺はそれがなんなのか理解せず首をかしげたが部長はかなり驚いていた。

 

茄『で、でもそれじゃあ!

かなりの反則だよ!!

武器以外での多量の鉄パーツは使用したらバトルに影響があるから公式戦では禁止されてるのに!』

摩『・・・奴はそれを金の力で可能にした。

おそらくあれを製造したのは彼自身じゃない。

 

誰か他の人に作らせたんだ。

プラフスキー粒子の影響を受けちゃまずいところにスティールパーツを貼り付けるだけでも、その所は粒子の干渉を受けなくなる。

 

つまりあれは・・・正当法では撃破するのは難しいよ。

なにせ、胴とシールドに使われてた場合防御は完璧なものになる。

それを突破する術は・・・おそらくない。』

 

摩耶花の弾んだ声に部長は息を呑み俯いた、

・・・が、

 

 

高「・・・あんのくそったれガァァァ!」

 

もはや殺意だった。

俺が抱いたその気持ちは怒りを超えて殺意に変わっていた。

あまりの怒気に部長は少し怯えていた。

俺はデブリから出てあのクソデブを倒すために飛び出そうとするが、

 

ガッ!

 

摩『待つんだ高谷!

今突っ込んでもやられるだけだ!』

 

摩耶花がサブアームと自身の腕で俺を抑えた。

 

高「ふざけんなクソが!

あいつはこのバトルをなんだと思ってやがる!

 

離せよ摩耶花!

俺があいつをぶっ潰してやる!

潰させろ!

そうじゃなきゃ気が済まない!あいつは、この場にいちゃ」

 

摩『僕だって同じ考えなんだよ高谷!!

けど・・・今ここで君がやられたら、誰があいつにとどめを刺すんだ!

憎しみが何も結果を生み出さないということを、解れ!』

高「!!」

 

摩耶花の一言を受けておれは冷静になる、

たしかに状況は摩耶花の言う通り・・・今おれが飛び出しても何にも対抗策がないんじゃただやられるだけ。

それこそあいつらの思う壺じゃないか?

冷静になると怒り心頭だった俺がアホらしく思えた。

 

高「・・・すまん摩耶花、その通りだ。」

摩『分かればよろしい。

・・・けど、本当に困った。

 

彼らを打倒するには今の僕たちには余りにも必要なことが足りていない。

まずはこのファールの外・・・観客席にいる妨害者を取り押さえたいもんだね・・・』

茄『た、多分審判に話をしても・・・』

 

高「ダメだろうな、

あの審判も買収されてたら俺たちの方が咎められかねない。

それにその訴えを聞いた妨害者が今いる場所を動いたらさらにどこにいるかわからなくなる。

そうなると後で突きつけることも難しい。」

 

まさに《詰み》であった。

このまま相手がいつまで待ってくれるかわからない、

観客席にも妨害者がいて審判に伝えられない、

かといって自分達で探そうとするとガンプラを失う上に逃げられる可能性がある。

なすすべはないと思えてしまった。

 

摩『・・・よりによって、高谷のお兄さんが観戦しにきた時にこんなことが起きるなんて・・・』

 

高「・・・ん?

摩耶花、俺の兄貴がなんだって?」

 

兄貴が観戦?

そんなこと俺は一言も聞いてはいないおれは摩耶花に聞き直した。

 

摩『あ、あぁ。

高谷に内緒で頼むって言われてたんだけど・・・

今日仕事を休んででも高谷の勇姿を見るーとか言ってたんだよ。

 

んで、今ぐらいの時間に試合を見にくるって。』

 

高「・・・あんの野郎。

来るなら来るで連絡の1つでも・・・・・・!!」

 

何も言わずに勝手に仕事を休む兄貴に少しイラだったが、

おかげでおれはアイデアを思いついた。

 

この状況を打開するかもしれない、けれど危険な案を。

 

高「・・・摩耶花、部長。

今この状況を打開するかもしれないアイデアが浮かびました。」

 

茄『本当?

それって一体どんな』

 

高「・・・けど、

2人にとってもかなり危険な案なんです。

これは」

 

摩『危険だとしても、一応聞いておくくらいはいいだろう?

それにそれで状況を打開できるのなら是非とも聞かせてほしいな。』

 

 

考えうる懸念すらもはねのけて2人は俺に聞き入る。

信頼されていることのありがたさを痛感しながら、俺は説明を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高「・・・・という作戦だ。

2人を傷つける策しか思いつかないで情けないけど、今のこの状況を打開するにはそれしかない。

あとはこのフィールドの外が気づくのを信じるだけだ。」

 

摩『・・・なるほど、君らしい懸念だった。

けどそれくらい我慢して見せるさ。

何かあったらその時はそのときだしね』

茄『そうだよ!

そのくらいで引くくらいなら最初からここに来てないから!

・・・私達なら大丈夫だよ、高谷君。』

 

作戦を伝えてもなお2人は決意が固い。

少し考えたのち、

 

高「・・・よし、行こう。」

 

2人に指示を出し、デブリを飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜高谷隼人side〜

 

隼「ここが、ガンプラバトル大会の会場か・・・

すげー人だなおい。

こんだけの人がガンプラ好きなのか・・・

 

お、皇先生はあそこだな?」

 

俺は弟には内緒でガンプラバトルの会場にやって来ていた。

今日は仕事が入ってたのだが、どうしてもあいつのバトルが気になった俺はなんとかマネージャーに話を通してもらい休みをもらった。

 

そして今ここにいるのである。

感激しつつも皇先生の座る席を見つけてそこに向かう。

 

隼「どうも、皇先生!」

皇「・・・!

あ、あぁ・・・もう着いてたのね、隼人君。」

 

皇先生は俺の学年教師のうちの1人で、俺とは何回か授業であった人だ。

俺のモデルと学業の両立のプランを立ててくれた人で、俺にとってはかなり助かる先生・・・なのだが、

 

隼「?

どうしたんですか皇先生。

あまり浮かない顔で・・・あ、ここの席いいですか?」

 

皇「ええ、大丈夫。

・・・実はね、高谷君達の試合が・・・あまりいい方向に流れてなくて。」

 

皇先生達のいる席は通路側でしかもひと席開けていてくれてたので俺はそこに座る。

そして皇先生の視線の先を見ると、高谷達が苦戦していた。

 

[ばるかん]・・・や[びーむましんがん]・・・ってやつかな?

それを相手に向かって打つのだが当たっていない。

当たったとしても致命傷にはなっておらず、ここで3人は大技らしき技を発動した。

 

・・・・・しかし途端に3人は首を抑え、そのせいか大技は外れてしまう。

再び大技を出そうとするも相手に詰められて攻撃がおぼつかない。

 

 

隼「な、なんだなんだ?

めっちゃ苦戦してるじゃないですか!」

皇「・・・ええ、そこがおかしいのよね。

というより・・・何か違和感を感じるの。

はっきりとはわからないけど・・・」

 

?「・・・ナスが大技外す・・・ありえない。

ナスは慎重派・・・大技の時・・・狙い定める。」

 

皇先生とその隣にいる女子生徒が感じているであろう違和感を口に出す。

 

俺も少しおかしいと考えていた。

だって、大技を放つ時に首を抑える必要はどこにもないし、そんなことしても命中の確率下がるだけ。

しかも首を抑えるのは大技の時だけ、普通に[ばるかん]を打つ時は抑えないのだ。

とするとあの3人は・・・・

 

隼「なんで、大技の時に首を抑えるんだ?

・・・抑えないといけない状況・・・まさか!?

皇先生!

ここって、いっつもこんなに盛況なんですか?

観客の多さが半端じゃないですよね?」

 

皇「ど、どうしたのいきなり・・・

まぉ、たしかにこの大会はわりと予選でも人は多いと思うけど。」

 

隼「・・・もしかして、の範囲だけど・・・

この観客の中に対戦相手の息がかかった誰がが、妨害してるってこと考えれませんか?」

 

皇・?『!!』

 

俺の感で考えた推察に先生と生徒はハッとしてこちらを向く、

 

皇「まさか、スリングショットか何かで彼らに向かって!?」

隼「可能性の話・・・でも、本当なら辻褄があうんですよね。

先生、

あの3人の抑え方からそいつらがいる可能性のある場所とか推測できます?」

 

皇「・・・・あの角度からなら・・・

ここと、ここと、ここ。

バレないようにいるとするならおそらく1人ずついるはずよ。」

 

先生が観客席のマップを見ながら予測して地点を割り出した。

 

隼「・・・よし、

俺は1人取り押さえてくる。

2人も行く場合は、誰か周りの人に手伝ってもらってください!

俺たちで、継芯を助けるんだ。」

 

?「わかった・・・高谷の・・・お兄さん。」

皇「隼人君も、気をつけてね。」

 

 

俺たち3人は席を立ち、スマホに送られた地点を探しに行った。

姿なき妨害者からあいつらを守るために。

 

隼「(継芯、待ってろ。

すぐにこの状況から助けてやる!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜高谷side〜

 

 

茄『イタタ・・・!!

みんな!

皇先生達が動いた!』

 

その知らせは俺たちをすこし奮い立たせた。

痛みに耐えながらあえて大技を打つことで外にいる先生達にのみ知らせる。

 

兄貴は無駄に勘が鋭く、皇先生は予測推測がかなり正確。

その2人が合わされば気づいてくれるのではないか?というかなり行き当たりばったりな作戦だったが、うまくいったようだ。

 

あとは俺たちが大技を出し続けて妨害者が俺らを妨害したところを捕まえて貰えば、

俺たちの妨害は無くなり、大技を思う存分放つことができる。

 

 

茄『高谷君の作戦通りだね!

2人とも、あと少し・・・痛みを耐えて頑張ろう!』

摩『了解!』

高「了解!」

 

 

部長の指示を聞いあと、俺たちはデブを含むチームゴー☆ジャスキングに改めて勝負を仕掛ける。

 

金『ぷぷーー!!

そんなにがっついたところで無駄だよ!

大技すら当てられない下手くそな君たちじゃ、僕には勝てないさ!』

高「っるせぇ!

ほざいてろこの成金が!」

 

口の悪すぎるバトル、

多分この試合を見てる人からしたらあからさまに不快かもしれない。

 

しかし、俺は今内心穏やかではなくそれが少し抑えきれてないのだ。

 

この作戦が失敗してしまうと2人にも継続してダメージが入ることになる。

それだけは何としても避けたいのだ。

 

バルカンやサーベルで斬りかかるなどして分断しようと考えるのだが、

親衛隊がごときハミングバードとEXーSガンダムが邪魔をする。

 

しかし、2人の支援もあり、なんとかデブを分断できた。

 

金『無駄だと言ってるだろぉ?

なぜ抗うのさ、何故に受け入れない?』

 

デブが呆れたように俺にビームライフルを撃ち続けるが、

俺は奴と距離を離した後向き直り、石破天驚拳の構えに入る。

 

高「・・・俺は、お前みたいな汚ねぇ奴になんか負けやしない!

他のみんなも、そうおもってるからだ!

 

食らいやがれ!

石破!天!驚!拳!!」

 

 

俺はコマンドを押して来たる衝撃に備えて体を強張らせた。

が、首への痛みは起きずにそのまま石破天驚拳は真っ直ぐ金松に飛んでいく。

 

金『なにぃ!?』

 

慌てて金松はシールドでガードするが、

着弾した時点で爆発を起こして爆風が金松を包み込んだ。

 

高「・・・痛みを、感じない!?

ということは!!」

 

隼「おーーーい!継芯ーー!!」

 

観客席の一部から起こった声に俺は振り返る。

そこには、

 

隼「お前らを妨害する不届きな輩、捕まえてやったぞー!

これで心置きなくバトルしやがれーー!」

 

右手に掴む奴からぶんどったのか、左手に持った装着型のスリングショットを振りながら俺に叫ぶ兄貴がいた。

普段ならここで少し静かに!と起こる場面だが今の俺には最高の知らせだった。

 

高「あ、兄貴・・・まさか本当に見つけられるとは・・・少し見直したぜこんにゃろう!」

 

茄『高谷君!

フウカの方も取り押さえることが出来たみたい!』

摩『皇先生も捕まえたみたいだよ。

・・・全く、敵に回したくないね・・・あの三人は。』

 

俺たちの視線の先には、しっかり妨害者を捕まえた観客席にいる3人がこちらに手を振っていた。

 

だが、俺は少し警戒していた。

もしかしたら・・・

 

高「けど、提案しておいてなんだが妨害者が3人とは限らない。

もしまだ残ってたら・・・」

摩『大丈夫だよ高谷、たとえそうだとしても・・・彼らが許さないだろうさ。』

 

つい口にしてしまった不安を聞いた摩耶花が俺にそう言うと、

会場のどよめきが強くなった。

 

「おい・・・妨害者ってどういう?」

「お、俺見たぜ!

あいつら左手につけたスリングショットを対戦相手の・・・トリなんとかのやつに撃ってた!」

「まじかよ!

てことはあの対戦相手・・・それ以外に何かしてんのか?」

「というか、なんで審判止めないの?」

「そういう不正だと普通気づくわよね?」

「まさか審判も・・・」

 

そのどよめきは疑念に変わり、

チームゴー☆ジャスキングへと突き刺さる視線となる。

 

審判も話題に上がり、どうしようかオロオロと迷っていた。

 

爆風が収まり、中から現れたデブの機体は損傷していた。

・・・シールドと胴体を除く箇所を。

 

金『・・・・ぐぐぐぐ!!

うるさいぞオーーディエーーーンス!』

 

 

突然吠えた、

それは喧嘩を仲裁するために吠える犬が如く、

または指摘をされ続けた悪ガキが開き直るが如く。

 

ざわざわと噂をする観客達に対して突然吠えた。

 

金『・・・いいかオーディエンスども!

お前らが捕まえたとするその妨害者だがな!

 

そいつらはおそらく俺のファンだ!

俺に取り入って俺の権力を餌に生きながらえる寄生者だ!

なのに貴様らは寄ってたかって俺たちのチームのせいにしやがって!

 

試合に集中できないだろうが!

黙って試合をみろぉ!

審判!これは試合を続行する流れでいいんだよな!』

 

審判「は、はいぃ!

試合は続行!続行です!」

 

デブの咆哮に観客席は静まり返る、が、それは正論だったから黙ってるわけではない。

・・・観客の視線は、審判や妨害者よりもデブへと向かっていた。

呆れ、侮蔑、そして怒り。

 

それに気づいていないデブに俺は改めて向き直る。

 

高「・・・お前、自分が何をしたのかわかってないな?

しかも味方を平気で切り捨てるなんてよ。」

 

金『ふ、ふん!

対戦相手に生意気にも説教かい!?

だいたいなんなのさ!

彼らは僕とはなんら関係のない「哀れだよな、お前。」・・・・な、なんだと!?』

 

デブが言い訳を垂れようとしていたところに突きつけた俺の指摘にデブの言い訳が止まる。

 

高「哀れだよ、

今のお前・・・見ててすんげぇダッセェぞ。

 

そのプラモだって、味方の2人だって。

お前が汗かいて見つけ出した仲間ってわけでもないんだろ?

大方誰かに金を持たせて雇わせて連れて来させて。

 

そのガンプラもさ、誰かに作らせたやつを使ってるんだろ?

そんでもって全てがバレたらそれらを捨てて自分だけは生き残ろうとして・・・

何もかもがダッセェよお前。」

 

金『・・・お前に・・・お前に俺の何がわかるクソが!!

俺は!金松グループの後継ぎとなる男だ!

 

金松グループはつい最近になってヤジマ商事と連携してガンプラバトルの方面へと進出を始めたんだ!

 

俺は後継ぎにゆくゆくなれると思っていたのに、お父様がいきなり「金松グループを継いで行く男になるのならば、

せめて地区予選大会くらいは突破して見せよ。」とか言い出すからいけないんだ!

 

だから俺は今ここで勝たなきゃいけないんだよ!

それになぁ!!

 

ガンプラバトルって言ってもよぉ!

結局誰が作ろうが強いガンプラを持ってるやつが一番勝てるじゃねぇか!

完成度の高く武装も豊富なガンプラこそがこのバトルを勝利する秘訣だ!

 

誰が作ったとかそんなの関係ねぇだろうがぁ!

なに自分でガンプラを作って試合に出たからって偉そうにしてんだよ!

自分で作るガンプラとか、腕が弱けりゃただの雑魚だろうが!』

 

今の今まで隠していたのか、

ガンプラを愛する観客が大勢いる中でデブは叫び続けた。

 

駄々をこねる子供のように、自分を正当化するように。

 

・・・だが、俺はデブから視線を外すことなく操縦桿を握り話を続ける。

 

高「・・・金松、金松 飾。

 

お前の言うことは半分くらいあってる。

このガンプラバトルでのガンプラの完成度や作り込みはバトルに影響される。

 

どんなに丹精込めて作ったとしても、しっかりと組めていなかったりゲート処理やポリキャップのはめ込みミスがあれば簡単にプラモは壊れちまう。

 

けど、それを補うのがビルダーだ、それを補って戦うのがファイターだ。

だからこそ、ガンプラファイターは『自分が作ったガンプラ』ってやつにかなりの価値を見出すんだ。

 

誰かに作らせたガンプラがたとえ強くても、想いと熱意、そして・・・前に進む覚悟を持ったファイターならきっと乗り越えられる!

 

お前がこの試合でなしたことはその全てを侮辱するものだと分かれ!

 

ここにいるガンプラが大好きな人達全てを敵に回して、お前がそんな栄光をつかもうとしても結果的にみんなはこう言うだろう。

 

『金松グループの後継者はガンプラで不正をした男だ。』とな。

 

金松!!

お前らがどんなことをしてもな!

俺達ファイターは止められねぇんだよ!」

 

俺の演説にも近い話が終わった途端観客席から拍手が上がり、

「トリニティ」コールが会場を包む。

 

それを受けて暖かい気持ちになるったが、

 

金『く、クソ!

この凡人風情ガァァァァァ!!』

 

キレてしまったデブは腰に下げていたジャイアント・ガトリングを連射してきたが、

怒りのためか弾はまとまっておらず俺は光の翼を展開してデブに接近する。

 

金『何故だ!何故当たらない!』

 

高「それがお前の限界だ!

受け取りやがれ金松!

これがぁ!」

 

接近しながらコマンドを押し、ゴッドフィンガーを発動するが拳は握ったまま突っ込む。

 

高「俺のぉ!」

 

そしてそのまま突っ込み、デブの機体の土手っ腹に拳を突き出す!

 

高「覚悟だぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

そしてゴッドフィンガーのエネルギーをそのまま集約し、

 

高「ゴット、エクスプロージョン・・・エンド!」

 

そのまま自機の腕を巻き込む大爆発を巻き起こした。

 

デブの機体は無傷ではあったが、

吹っ飛んだ勢いが宇宙空間では減速することもなくフィールドの外へと向かって行く。

 

金『ば、バカな!僕の・・・僕のガンプラがこんな!!

こんな凡人にぃぃぃぃぃ!!』

 

デブの悲鳴を最後に機体は宇宙に消えていき、

 

《プレイヤー4、フィールドアウト!》

 

アナウンスがデブのフィールドアウトを知らせた。

 

高「・・・あとは、あの二機・・・か。

けど、腕はもう一本しか・・・この状態じゃ」

 

戦うのはきつい。

そう俺が考えたその時、

 

《プレイヤー5、6。リタイヤコマンド!

バトルエンド!》

 

残りの2人がなんとリタイヤしたため、バトルは終わり粒子が離散した。

 

会場は歓声に包まれた、やまないトリニティコールが会場を一体化させていた。

 

 

茄「やった!!

準決勝突破だよ、高谷君!」

摩「まさかの作戦がちだったね、と言うか・・・あの3人がまさか見つけてくれるなんて思わなかったよ。

見つけてくれなかったらどうなってたことか。」

 

高「あぁ、けど・・・なんでまたあの2人はリタイアを」

 

金「このくそどもがぁぁぁ!」

歓声と余韻をぶち壊す金切り声。

 

デブがリタイアした2人を指差しながら怒鳴り散らしていた。

2人は黙ってデブを見続ける。

 

金「お前らがリタイアしなければ勝てたかもしれなかったんだぞ!?

何故あそこでリタイアした!!

俺の意見もなしにリタイアしやがってこのくそどもが!」

 

?「・・・・私達は。」

 

怒鳴られ続けてきた彼らが、まっすぐと金松を見て口を開く。

 

?「私達は、彼らの言う通りガンプラファイターだ。

このガンプラも私達が作ったもので、私たちに答えてくれる。

 

楽しい試合を見せることが私達の一番の楽しみだった。

しかし、あなたはそれを汚したのみにあらず私たちの存在自体を汚した。

 

あの女子2人に言われて気づきましたよ、

やはりファイターに必要なのは正々堂々と戦うことだと。

 

・・・なので、私達はリタイヤしました。

妹に誇れるファイターで居続けるために、こんなつまらないことはもうしたくなかったのです。」

 

金「・・・ほぅ・・・つまり何か?

そんなつまらないプライドなんかでこの僕の勝利を踏みつぶしたと!?

・・・わかった!もういい!

君らとの約束は無しだ!

妹さんとともに、この僕に逆らったさばきを受けろ!」

 

?「残念ですが、それは無理ですね。

あなたが裁きを受ける側ですから。」

 

デブの脅迫めいた叫びを聞いて2人は驚愕したが、

その後ろからスーツを着た男性が現れた。

 

デブもそれに気づいて「何者だ!?」と声を荒げる。

 

十「アァ、これは失敬。

私はガンプラバトル公式審査委員の、十四松華助と申します。

 

金松さん、あなたやりたい放題やらかしてくれましたね〜・・・

 

違法ガンプラの製造依頼、大会のレギュレーション違反。

はたまた審判たちの買収に、対戦相手に対する買収行為。

その他諸々で逮捕状が出てるんですよ。

 

アァ、心配しなくてもこれはすでにあなたのお父さんが許可した事なので、

父親を隠れ蓑に逃げるなんて事、しないで下さいねぇ。」

金「そ、そんな!?

お父様がこの僕を!?」

 

十「残念でしたね、連れていけ。」

 

十四松さんが支持を飛ばすと後ろに控えて居た部下らしき人が放心状態のデブを会場から連れ出した。

十四松さんはつかつかと残った2人に歩み寄り優しく声をかけた。

 

十「・・・あなた方が守ろうとした妹さんは無事ですよ、

病院に継続入院できることが決まりました。

 

・・・今回の研磨、情状酌量がつくようになんとか取り計らって見ますから。」

 

?「・・・お願いします。」

 

2人は安堵したような表情を浮かべると、

十四松さんに連れられて会場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、

 

高「しかし、兄貴の勘の良さは相変わらずだな。

おかげで助かった・・・ありがとう。」

 

隼「いいってことよ!

変なことして勝つような輩にお前を負かすわけにはいかなかったしな。」

 

会場を出た俺達は先生や兄貴と合流していた。

兄貴は無駄に誇らしげに話していたが、今回はその功績があるため俺は我慢することにした。

 

皇「けど、すごいじゃない。

明日はいよいよ決勝戦!

明日勝てば貴方達チームトリニティレイヴンは全国出場よ!」

 

茄「そ、そう言えば・・・怒ってて忘れてましたが、私達ここまできたんですね!?

あー・・・今からでも緊張してくる・・・」

 

高「今緊張してどうするんすか部長、

・・・で、皇先生。

俺たちの相手のチームはもう決まってるのか?」

 

俺が先生に相手のことを聞こうとしたその時、先生の携帯が鳴った。

 

先生が携帯を操作しながら顔つきが変わり、そして俺たちに言った。

 

 

 

皇「・・・今決勝戦に進出した相手がわかったわ。

今大会優勝の有力候補の1つ、ホルン学園のチーム『アメイジンググレイズ』を破って決勝戦に進出したのは、

 

チーム『創生の輝き』。

・・・今回のダークホースね。」

 

対戦相手の名前が出て俺たちは気を引き締める。

地区予選大会も、いよいよ大詰めを迎えようとしていた。

 

 

 

 

 




次回、
『開幕!ガンプラバトル大会地区予選大会編final』

茄「私達は、乗り越えてみせる!
そして掴むんだ!全国への道を!!」


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第9章 開幕!ガンプラバトル大会 地区予選編FINAL

摩「今回は僕があらすじを紹介するよ。

前回、金松の姑息で卑怯な罠をかいくぐり準決勝を制した僕達チームトリニティレイヴン。
けれど決勝で立ちはだかったのは地区予選優勝最有力候補を破った強敵。

果たして僕達は全国大会へと進むことができるのか。
・・・意外と慣れないな、これ。」


俺たちが躍進を見せたガンプラバトル大会地区予選もいよいよ終盤。

 

俺達はチームの控え室に全員集まってミーティングをしていた。

 

皇「・・・みんな、顧問として私はあまりしてやれる事はなかったけどみんなが決勝進出してとても嬉しいわ。

 

けれどみんなの目標は全国大会への出場・・・その前に現れたダークホースについて私なりの予測を立ててきたわ。

・・・私にできるのはこのくらい、けれどみんなの勝利と、全国進出を誰よりも応援してるから。」

 

フ「・・・私も、試合には出ないけど・・・応援・・・ガンバ、ナス。」

 

茄「ありがとうフウカ。

先生も、助かります。」

 

皇「・・・さて!

対戦相手の情報と、作戦会議を始めます。

 

まず相手のことだけど・・・端的に言えば、

相手のチームはとてもバランスに優れてるわ。

 

互いが互いを支え合ってそのことで真価を発揮してるって感じかしら。

順を追って相手のガンプラの説明をするわ。

 

まずこのチームのエースと思われるのが、

古谷有間(ふるやあるま)が使うガンプラ・・・《リボーンズ・ヤルダバオト》かしら。

 

この機体は全身に搭載された凄まじい数の武装が目を引くけれど、これらを惜しげも無く使えるあたりから粒子量の消費が激しいとされる。

つまりこの機体は粒子を作るGNドライヴを破壊することができればかなり優位に立てるけれど・・・

 

このヤルダバオトが発生させるGNフィールドにはおそらく全ての攻撃を遮断するように調整されてるようにバトルの時に見えたわ。

フィールドを貼ったら警戒ね。

 

次に、

土屋庄助が使う《ガンダムアモン》。

この機体は格闘に強化割合が振り当てられてるみたい。

さっきの試合でも巨大な豪腕とかなり大きいマニュピレーターから繰り出される攻撃はまさしく鬼。

さらに体に配置された格闘武装も多いから豪腕が解除されても高い戦闘力を誇ると思われるわ。

基本的にはこの機体が前に出てる。

 

しかも、腕には耐ビーム装甲であるラミネートアーマーが塗装で再現されてるから。

摩耶花ちゃんは今回ユニコーンで行くのは厳しいかも。

 

そして最後は、

間巫(はざまかんなぎ)が使う《ガンダムアンドロマリウス)。

 

この機体に特出した戦闘力はなさそうに見えたけど、

おそらくこの子はヤルダバオトをサポートする索敵機だと思う。

 

このアンドロマリウスがレーダーとなり仲間に敵の位置を教えて、

ヤルダバオトとアモンがそれを迎撃するって感じの戦い方をしてた。

 

また、かなりこの機体は素早いから倒すのには一苦労するかも。

武装とかも一応あるみたいだし・・・案外この機体を先に倒したほうがいいのかもと私は思うわ。」

 

茄「す、すごい・・・私たちも一緒に彼らの試合を見たけどそんな密度の情報を目で見て手に入れるなんて・・・

 

さすが皇先生です!

本物のスメラギ・李・ノリエガみたいです!」

 

皇「そ、そんなことないわよ・・・///

みんなと見た後でもう一回通しで見てわかった情報なんだし。」

 

フ「・・・相手の情報も出たところで・・・ナス。

機体は・・・どうするの?」

 

茄「んー、

私は・・・ゼイドラ・ギアのままかなぁ。

高谷君も多分ゴッドガンダム・スカイハイのまま行くだろうし。

その方がバランスがいいと思うし。

 

問題は摩耶花ちゃんだけど・・・どうする?」

 

高「たしか、アモンってやつがビームを弾くことができるんだっけ?

ならやっぱりサイコザクで行った方が」

摩「いや、僕はフルアーマーユニコーンでいく。」

高「え?

なんでさ、相手にはビームを弾くやつが」

 

摩「確かに相手のアモンはビームを弾くやつがいる。

ユニコーンの半分はビーム兵装で構成されてるけど、

それ以前にサイコザクのビーム兵装はビームバズーカしかない。

 

新たにビーム兵器を搭載する暇もないし、何より相手のヤルダバオトに実弾兵装を消されてしまっては元も子もないし。

 

Iフィールドのあるユニコーンの方が立ち回れるはずだからね。」

 

茄「・・・確かに、

サイコザクよりは戦えるかもしれないわね・・・あとは戦況によってってところかなぁ。」

 

皇「大丈夫よみんな!

私が分析を続けたところ、みんなならこの三機と渡り合えるって自信を持って言えることがわかったし。

 

・・・なにより、機体よりも勝つために必要なのはそのファイターの精神。

諦めてなるものか、負けてなるものかっていう不屈の闘志こそが、試合を大きく動かすの。

その点あなた達3人は・・・誰にも負けない。

そう私は信じてるから。」

 

フ「そうだね・・・ナスの諦めの悪さ・・・誰にも負けない。」

 

茄「・・・フウカの言葉が妙に心に刺さるけど、

確かに、負けないという気概ならわたし達は自信あります!」

 

高「あぁ、俺たちも負けるつもりは毛頭ないからな。

そうだろ?摩耶花。」

摩「当たり前だよ。」

 

俺たちはそういいあうと円陣を組んで手を重ねあう。

 

茄「スゥ・・・チーム、トリニティレイヴン!

全国に向けてはばたくよ!

オー!」

 

摩・高「オー!」

 

こうして作戦会議は終了し、

俺たちは決勝の舞台へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

決勝戦が始まり俺達のガンプラがステージに赴いた。

決勝のステージは運のいいことに宇宙。

 

それもソレスタルビーイング周辺宙域だった。

 

高「最終決戦の舞台が決勝の舞台ってわけか。

本当にこれランダムなのか?

なんかうまい具合にできてるような」

 

茄『!前から敵が来る!

けど・・・撃ってこない?』

 

 

部長の言う通り敵が前からやって来るが、三機共に攻撃する体制ではなかった。

意図がわからず混乱してる俺たちをよそに三機は目の前までやって来て止まった。

 

古『初めまして・・・だね、

まさか君達が僕らの前に立つとはあまり予想してはいなかったけれど。

流石とだけ言っておくよ。』

 

茄『わ、わざわざ挨拶をしに攻撃もせずに来たのですか?』

古『そう警戒しないでくれたまえよ。

僕達は君達に感心してるんだよ、準決勝の戦いの時に圧倒的不利を覆してここまで来た君達にね。

 

だから、その敬意を評してあえて君達のレンジ内から戦いを始めようと思ってね。』

 

摩『随分と余裕だね。

それが後で後悔することになっても遅いよ?古谷さん?』

 

古『そうなるかもしれないね、

けれど・・・1つ、言っておくよ。

 

君達は地区大会の優勝者にはなれない。

悲しいけれど、それが現実なんだよ。』

 

土『古谷、そこまでにしておけ。』

古『・・・全くしょうがない。

じゃあ、楽しんでいくといい。

 

行け!フィン・ファンネル、ライフルビット!』

 

土屋に咎められた古谷はバツが悪そうに後ろに下がり、背中からファンネルとビットを同時展開してこちらへ差し向けて来た。

 

茄『ファンネルとビット!?

そんな!準決勝までの試合では使ってなかったのに!』

 

古『やはり僕らのことを研究してたみたいだね、けど。

ファンネルをつけた今こそが僕らの本気というわけさ。

 

僕らの真髄を味わえることを光栄に思うがいい。

さぁ、行け土屋。

まずは格闘機の彼を落とすんだ。』

 

土『・・・言われなくてもわかってる。』

 

直後、

すごいスピードでガンダムアモンが俺に突っ込んで来る。

 

高「くっ!

こんなにライフルビットとファンネルが射撃してるとこに突っ込むのかよ!?」

 

土『俺の機体は、やわじゃない。』

 

土屋はその巨大な手を握り俺に振りかざす。

しかもただ突き出してるだけでなくよけた方向にファンネルとライフルビットのビームが来るように調整をされている。

 

古『さぁ、恐れたまえ、逃げたまえ。

その自由は君達のものだ。』

 

摩『誰が、逃げる、ものか!!』

 

摩耶花が支援攻撃を行いヤルダバオトに攻撃したが、

ヤルダバオトが粒子を球体状にして期待を包み込み攻撃をかわした。

 

摩『やっぱり・・・GNフィールド!』

古『フフフ・・・それが全力かい?

ならば、いただく!!』

 

古谷のヤルダバオトが手に持つGNソードIIIをライフルモードへと移行しビームを摩耶花に照射する。

なんとかかわしたものの背中のタンクに命中し、左側のタンクが爆発した。

 

摩『しまった!?』

古『そんな攻撃、僕には通用しない。

さぁ、このまま敗者になると』

 

古谷のセリフを遮るように俺たちの間から照射ビームが飛んできた、

古谷は油断していたのかGNフィールドを張らなかったが土屋のアモンがかばい豪腕を持ってビームを弾いた。

 

土『・・・油断するなと言った。

次はない。』

 

古『君がいて助かるよ。

・・・けど、逃げてしまったようだね?』

 

古谷が言う通り、

すでにその場には俺たちはいなかった。

しかし、それは逃げた為ではなく、距離を空けるためのものだった。

 

高「喰らえ!

石破天驚拳!」

 

距離を離した俺の放った巨大な拳は2人にぶつかる間際に爆発し、

爆風を起こした。

 

そして爆風が消える頃にはGNフィールドを張っているヤルダバオトと足の一部と豪腕の一部が焦げているアモンがいた。

 

高「俺のゴッドガンダムの熱量はどうだ!

さすがのナノラミネートアーマーでも溶けちまうだろ!」

 

土『・・・お前!』

 

傷つけられると思ってなかったのか、土屋は怒りの目を俺に向ける。

知る人は知るナノラミネートアーマーには意外な弱点がある。

 

それは熱だ。

といってもダメージは通らないらしいが耐性が取れていることの多いナノラミネートアーマーにとって唯一耐性の無い攻撃である。

 

そしてゴッドガンダムの石破天驚拳は分厚いコンクリートや巨岩を砕く威力と熱量を誇る武器。

 

それが背中につけたデスティニーの光の翼の効果でさらに性能が引き上げられ、

装甲を焦がすことができたのだ。

 

鉄やガンプラは熱を加えられると軟化する。

何度も同じ技を食らうとは思えなくとも、相手の装甲を傷つける技があると教えることができたのが収穫だ。

 




未完です


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