ラブライブ! 記憶を失くした少年と歌を歌う女神達 (凛乃空)
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記憶のカケラ編
第1話 1人目の幼馴染み


まず最初にこの物語は主の自己満ですww
投稿速度は中3の受験生のため遅くなると思われますご了承下さい。

投稿しようと思った理由を誰も知りたいとは思わないと思いますが勝手に話をさせて頂きます。
まずハーメルンでいろんな人達の小説をみて楽しそうだな〜と思って自分も書いてみたくなりました!!
自分の友達に読んで感想を貰おうと思っていたのですが友達が少なく感想はあんまり貰えませんでした……。
すると友達は投稿したら感想貰えるんじゃね?とか言ってきたので投稿する事にしました!
ですので感想もらえるとめちゃくちゃ喜びます!
無駄に長くなってしまいましたが本編の方もよろしくお願いします!



俺は今飛行機に乗っている。なぜなら俺は昔住んでいた神田須田町に失くした記憶を取り戻すため向かっているからだ。

 

「なにか思い出せるといんだけどなぁ…」

 

「不安なのか?蒼空」

 

俺がそう呟くと親父が横から聞いてきた。

 

「勿論不安なのはあるけど、ちょっと楽しみなのもあるかな」

 

俺は今の気持ちをそのまま親父に伝えると親父は俺をみてこう言った。

 

「少し昔のお前の話をしてやろうか?」

 

「俺の…昔……聞きたい」

 

俺は自分の過去の記憶が失くなっているから、自分の昔の話には興味があった。自分がどんな性格でどんな生活をしていたか、そして自分よりも自分の母親がどんな人物だったのかを知りたい。だけど親父が俺の事を話してくれるって言うなら今はそれだけを聞いておこう。

 

「昔のお前はとりあえず元気で今とは真逆だったぞ?そしてお前にはずっと一緒に遊んでいた幼馴染みが3人もいた」

 

「性格の面は変えようがないけど、幼馴染みってどんな子達だったの?」

 

「1人は髪が明るい茶色の元気な子で、もう1人は髪が青くてロングの恥ずかしがりやで、そして1人が髪型に特徴があって髪色がグレーみたいな感じのおとなしめな子だったかな」

 

「俺はそいつらに会えばなにか思い出すかな?」

 

「それは分からんが可能性はあるだろうな」

 

「そいつらは俺のこと憶えてると思うか?」

 

「わからんが〜憶えてるんじゃないか?」

 

「そっか…でも、そいつらがおぼえてる俺は別の俺だもんな…」

 

たとえそいつらが今でも俺を憶えているとしてもそれは記憶を無くす前の俺だ。だから今の俺とそいつらは赤の他人なのだ。

 

「お、そろそろつくぞぉ!降りる準備しろよ」

 

そして俺と親父は空港から神田須田町にある引越し先の家までタクシーで行った。

 

「ここが俺が昔住んでた町か…」

 

「家の場所は昔とあんまり変わらんから懐かしいのぉ!」

 

「そうなのか?ここまで来ても何も思いださないんだけど」

 

俺は自分の故郷に帰ってきたというのに、まだ何も思い出せていなかった。そんな自分に少し苛立っていた。

 

「荷物はもう届いてるみたいだから俺が整理してる間に懐かしい町を歩いてみたらどうだ?」

 

「そうだな、じゃあちょっと行ってくる。何かあれば連絡するよ」

 

町を歩くっていっても、記憶に残ってねんだからどこに行けばいいかわかんねえよ。とりあえずぶらぶらするか。

そして俺はどこに行くあてもなく、ひたすら歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

だいぶ歩いたが、俺はいまだに何も思い出してなかった。

 

「やっぱり俺の記憶はもとに戻ることはねーのかな…」

 

俺は歩きながら独り言を言っていると公園に着いた。

 

「ここら辺で少し休むかな、喉も渇いたし」

 

俺は公園の近くにあった自販機でジュースを買おうとしていた。

 

「何買おうか迷うなぁーどれにしようか」

 

「あの〜すみませーん買わないんだったら先にいいですか?」

 

俺が自販機の前でぐだぐだしていると、女の人が俺の後で待っていた。

 

「あぁ、すいません先どうぞ」

 

その人に先を譲ろうと思って後ろを向き、頭を下げた。

 

「じゃあお先に買わせてもらうよ!」

 

俺はその人の顔を一瞬だけみた。

え?この人まるで、親父が言っていた俺の幼馴染みみたいじゃねーかよ!まさかこの人が俺の幼馴染み1人目なのか?ってないよな、そんなに早く会えるわけねーしな。うん、ないない!

 

「私はもう買い終わったから次どうぞ〜」

 

そう言って彼女は楽しそうにスキップしながら去って行く。

 

「じゃあ俺も買うかな!ってあれ?お釣り取り忘れてる」

 

走ったら間に合うか?とりあえずあの人を探すかな。

俺は自分のジュースを買って飲みながら、あの人の向かった方に走っているとこちらに向かってくる人影がみえた。

 

「あれ?さっきの人じゃん、お釣り取り忘れてるの気づいたのか?」

 

「あっ!君はさっきの」

 

「お釣りだよね」

 

俺はポケットの中に入れていたお釣りを取り出して渡した。

 

「君が持っててくれたんだね!」

 

「交番に届けても意味無いし本人に渡しに行くのが一番と思ったから探してたんだよ」

 

「そうなんだ〜!ありがとう!助かったよ!」

 

その人は笑顔で俺にお礼の言葉を言った。

その瞬間、俺の頭の中でひとつの映像が流れた。

 

『そら君!助けてくれてありがとう!』

 

『穂乃果は怪我はないのか?!』

 

『うん!そら君のおかげだね!』

 

あれ?なんだこの記憶!?これは記憶を失う前の俺の記憶なのか?だとしたらなんでこの人の言葉で思い出すんだ?この人が穂乃果という人物なのか?

俺は疑問が増えていくばかりだった。

 

「きみ、大丈夫?」

 

その人の言葉で我に返る。

 

「あぁ、問題ない気にしないでくれ。それより君に聞きたい事があるんだけどいいかな?」

 

「え?うん別にいいけど」

 

まずは一番重要な事を確かめる必要がある。

この人が俺の記憶に出てきた幼馴染みかどうかは名前を聞いてみればわかる事だ。

 

「まず、君の名前を教えてくれないか?」

 

「なんで?」

 

「俺は昔この町に住んでたんだけど引っ越した後事故にあって記憶をなくしちまったんだよ」

 

「そんな事があったんだ」

 

「その記憶を取り戻すためにこの町に戻ってきたんだけど、さっき君をみたら少しだけど記憶が戻ったんだ。その記憶の中に君によく似た子供がいて、俺はその子のことを穂乃果って呼んでいたんだよ」

 

「嘘………?!じゃあ君の名前って!」

 

「俺の名前は新上蒼空、その反応だと君が穂乃果でいんだよね?」

 

「うん!蒼空君久しぶりだね〜!穂乃果全く気づかなかったよ!」

 

やっぱりこの人が俺の幼馴染みなのか、俺のことは憶えててくれてるのに俺が忘れてるってのは最悪だ。

 

「……ごめん俺は当時の事を殆ど憶えていないんだよ。だから君と会うのはこれが初めてになるんだ」

 

「そっか…じゃあ、あの時の約束は忘れちゃってるのか…」

 

約束?当時の俺は何を約束したんだ?全く思い出せない……。

 

「約束?それってとても大事な約束だったのか?だったら教えてほしい!昔の俺が君とどんな約束を交わしたのか」

 

「そんなに大したことじゃないから大丈夫だよ!あと私の事は穂乃果って呼んでね!」

 

これは嘘だ、とても悲しい顔をしてる。俺は穂乃果との大切な約束を失くしている、だからと言って彼女を悲しませていい理由にはならない。でも無理に聞き出すのは悪いから聞かないでおこう。それよりも先に聞きたいこともあるしな。

 

「じゃあ穂乃果、昔の俺ってどんな奴だったか教えてくれないか?」

 

「昔の蒼空君はとっても元気で優しくて、いっつも穂乃果達を守ってくれるかっこいい男の子だったよ!」

 

「そう…なのか…すまないな、今の俺は全く違った性格をしているらしい。穂乃果を守っていた俺は今の俺じゃないから穂乃果の思ってた様な再開じゃなかっただろ?」

 

「全く違った性格じゃないと思うな!雰囲気は昔と全く変わらないよ!」

 

「雰囲気ねぇ、そういえば穂乃果の他にあと2人俺には幼馴染みがいると聞いてるんだけどわかるか?」

 

「海未ちゃんとことりちゃんだね!」

 

「海未にことりか………駄目だ、何にも思い出せない」

 

「じゃあ!今度2人に合わせてあげるよ!」

 

「そいつはありがたいな、頼むよ」

 

「うん!じゃあ私は店のお手伝いしなきゃいけないから帰るね!じゃあね蒼空君!」

 

「おう!またな穂乃果!っと俺もそろそろ戻るかな」

 

俺は1人目の幼馴染みの穂乃果と出会って、僅かだが失っていた記憶を思い出す事ができた訳だが、他の海未とことりって人と会ったら俺はまた何か思い出す事ができるのかな?

俺は残り2人の幼馴染みにちょっとした希望を抱いていた。

 




オリジナルって難しいなと思いました。

他の人の小説みてるとすごい!と思って自分もこんな面白いものが書きたいな〜とか思ってるけどなかなか書けないのが現実だ…。
そんなに現実は甘くないんだよ!と自分に言い聞かせてます。

次の投稿はいつになるかわかりませんがよろしくです!
誤字などがありましたら言っていただけると助かります!


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第2話 学校!

まず始めに投稿遅れてすいません!!!
いろいろ忙しかったのと内容が考えつかないという言い訳をさせてもらいます。
こんなに考えて2300字って………
でもこれから頑張って書いて週1には投稿したいと思ってます!
では本編どうぞ


今日は月曜日、1人目の幼馴染み穂乃果と出会ってから2日が経つ。俺は今日もいつもと変わらずぐっすりと寝ていたのだが……。

 

「おーい!蒼空!朝だぞー!起きろや!」

 

親父の目覚まし時計よりもでかい様な声で起こされてしまった。

 

「なんだよ親父まだ7時だろ?なんでこんなに早く起こすんだよ」

 

「何でってお前、今日が何の日か忘れたのか?」

 

「は?今日が何の日かだって?今日はただの月曜日だろーが!」

 

「そうだ、今日は月曜日だ。普通の学生は今日は週明けの学校だな。」

 

「へ?親父…もしかしてなんだけどよ……俺って今日から学校だっけ?」

 

そんなはずはないだって俺は何も聞いてないし、親父も何も話そうとしてなかったしな。だから今日が学校なんてことは絶対にない。

 

「その通り!お前は今日から学校だ!!!」

 

「は?!嘘だろぉー!てか親父は俺に何も言ってなかったじゃねーかよ!俺だって事前に伝えてもらってたらこんな事になってねんだよ!」

 

「あれ?言ってなかったか?それは悪いな〜いや〜言うタイミングがなかったもんでなぁ!すまんすまん!」

 

「嘘つけぇ!てめぇ休日家にいる時はずっと酒飲んでテレビ観てだったじゃねーかよ!」

 

「おーい!もうこんな時間だぞー!早く学校に行かなくていいのかー?」

 

この糞野郎!しらばっくれやがって!

 

「てめぇ!後で覚えとけよ!」

 

「あ、朝飯は食パン焼いてっからそれ食べろ、後お前の制服はそこにあるからなー!んじゃ行ってらっしゃ〜い」

 

俺は朝飯の食パンを咥えて、急いで着替えて急いで家を出て学校へ向かった。

 

 

 

 

 

 

わりと遠いな、音ノ木坂学院とかいう高校は………っていうか何処にあるか聞いてなくね?俺は何を頼りに走ってたんだよ………。

家を出てから20分ぐらいだろうか、だが俺はまだ学校にはたどりつけてはいなかった。

 

「まぁ考えてても仕方ないしカンを頼りに走るしかないよなってわぁ!」

 

角を曲がる瞬間人にぶつかった感触があった。

 

「きゃ!」

 

俺は制服を着た女の子とぶつかっていた。俺は転びはしなかったが女の子は俺とぶつかった衝撃で転んでしまった様で、尻もちをついていた。

 

「ごめん!大丈夫?」

 

「私は大丈夫です!」

 

その子は特徴的な声をしていて、声だけで脳が溶けてしまいそうなトロトロな声をしていた。

 

「大丈夫ならよかった。そう言えば君、音ノ木坂学院って高校知ってる?知ってたら何処にあるか教えて欲しいんだけど」

 

「いいですよ♪私も今行こうとしていましたから」

 

「え?もしかして君って音ノ木坂学院生徒なのか?」

 

「そうですよ♪」

 

この子も音ノ木坂の生徒だったのか、運が良かったのかな。

 

「よかったよ!俺今日から音ノ木坂学院に転入するんだけど、肝心な学校の場所が分からなくてさ……」

 

「じゃあ、私と一緒に行きましょうか」

 

「ありがとう!助かるよ!」

 

「じゃあ、急いで行かないと遅刻しちゃいます」

 

そして俺はその子と一緒に音ノ木坂学院まで走って向かった。

 

 

 

 

 

 

 

俺達は何とか遅刻せずに音ノ木坂学院に着くことが出来た。

 

「ありがとう!君のおかげだよ!」

 

「いえ、私も学校に向かってる途中だったので♪」

 

「じゃあ俺は職員室に行かなきゃいけないから」

 

「職員室は1階の一番左端ですよ♪」

 

「ありがとう!お礼はまた今度するから!」

 

そう言って俺はその子と別れて職員室行くために廊下へ向かった。

 

「そいやぁ名前聞くの忘れてたなぁ、まぁ同じ学校だしまた合うこともあるだろ。お、ここが職員室だな」

 

「お前が今日転入してきた新上だな」

 

俺が職員室の前で立ち止まっていると1人の先生が話しかけてきた。

 

「はいそうですが、あなたは?」

 

「私はお前がこれから入るクラスの担任の井上だ。早速だがクラスに行ってもらうぞ、ついて来い」

 

「え、ちょ、まってくださいよぉ!」

 

俺は井上先生について行った。

そしてたどり着いのは2年2組の教室だ。

 

「で、俺はどうすればいいんですか?」

 

「お前は私が入ってこいと言ったら入ってくればいいんだ、簡単だろ?」

 

「簡単に言いますけど、俺にとっては結構緊張する事で、俺にとってはそんなに簡単な事じゃないんですよ!」

 

「まぁ何とかなるから、じゃ頑張って〜。はーいみんな席に着けー!」

 

人の話をまともに聞かずに頑張って〜とだけ言って教室に入りやがった………。

まぁこうなったらば仕方ない、俺の本気見せてやるよ。なんくるないさーだぜ!

 

「今日は転入生がいるぞ!しかもこの学校では珍しい男子だ!みんなその男子を取りあって修羅場とか起こすなよ〜」

 

え?!あの人何いってんの?馬鹿じゃないのか?

しかもこの学校では男子は珍しいのか?!どういう事だ!全く状況を把握できないぞ!

まず男子を取りあって修羅場とかは俺の場合は絶対にないと思うぞ。いらぬ期待を女子達に植え付けないでくれないか?

 

「じゃあ入ってこい」

 

やばい入りずらすぎる。緊張感が尋常じゃないぞ、何が俺の本気だよ………全然なんくるないさーじゃねーよ………。

 

「おい!早く入ってこい!私もやらなきゃいけん事がいっぱいあるんだよ!」

 

なんでキレられてんだよ。キレたいのはこっちだよ!………仕方ない覚悟を決めよう。

 

「失礼します。新上蒼空と申します。よろしくお願いします」

 

なんじゃこりゃ、面接現場かよ……。

俺がもう駄目だと思っていると一人の生徒が立ち上がった。

 

「蒼空君が転入生なのぉ??!!」

 

「お前は!穂乃果じゃねーか!」

 

「なんだお前ら?知り合いなのか?じゃあ新上の席は高坂の隣な」

 

こうして俺の高校生活1日目の朝は穂乃果によっていろいろと救われたのであった。

しかしそこにはあまりの事に驚きで言葉を失っている少女が2人いた。

この時その2人が自分にとって大切な人だという事を蒼空はまだ知らない。




次回予告
高校生活1日目から幼馴染みである穂乃果と席が隣になる蒼空。
そして穂乃果から告げられる告白の一言。
ここから2人のラブコメは始まるのか!
気になる蒼空の答えはYesなのかnoなのか!
続きは次回で
(この次回予告は嘘です、ごめんなさい!)

読んでいただきありがとうございます!

これからも自分なりに頑張るので応援お願いします!
次回も読んでくれると嬉しいです!
次回予告はこんな感じで遊んでいきます!



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第3話 幼馴染みと昔の友達

報告!!!志望校に合格する事ができました!!!
これで安心して小説に専念できます!

投稿ペースは1週間に1話できたらいいなと思ってます(前も言った気がする)
とりあえずこれからじゃんじゃん頑張って行くので応援宜しくお願いします!!

それでは本編どうぞ!


高校生活1日目。

転入生と言うのは珍しいのか周りの視線が集まって、全然授業に集中できない。

 

「なぁ穂乃果、2年で転入する生徒ってそんなに珍しいのか?さっきから視線が気になって仕方ないんだけど」

 

とくに青いロングヘアーの娘からの視線がやばい。

 

「うん、珍しいよ!だって、普通に二年生で転入してくる人なんていないもん!」

 

「そんなもんなのか〜」

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

4限目終了のチャイムがなり、昼休みの始まりだ。

とりあえず穂乃果を昼飯に誘ってみるか、まだいろいろ聞きたい事あるしな。

 

「穂乃果、お昼一緒に食べないか?」

 

「え?うん、いいよ!でも海未ちゃんやことりちゃんも一緒だよ!」

 

海未やことり?はて、どこかで聞いたことがある名前だが。

 

「新上君、ちょっとよろしいでしょうか?」

 

げっ!この娘、授業中ずっと俺のこと見てた娘じゃねーかよ。確か名前は…

 

「園田さん…だっけ?どうしたの?」

 

「そうですか…私にはそう言う態度をとるのですか…仕方がありませんね」

 

あっれぇー?違ったのか?やばいめちゃくちゃ怒ってる。

 

「え?!園田さん?!なんで怒ってんですか?!」

 

なんでだ?なんで怒ってるんだ?俺なにかまずい事でも言ったか?

 

「覚悟はできていますね?」

 

「ちょ!落ち着いて園田さん!」

 

「問答無用です!「待って〜海未ちゃん!」ことり?どうしたのですか?」

 

園田さんが俺に拳を放とうとした瞬間、聞き覚えのある声が俺を助けてくれた。

 

「君は!朝の!」

 

「えへへ〜まさか君が蒼空君だったなんて全く気づかなかったよ〜」

 

「え?」

 

「早くしないとお昼終わっちゃうよ!お昼ご飯食べながら話そうよー!」

 

穂乃果が駄々をこね始めたので、とりあえずそれぞれの昼ご飯を食べながら話すことにした。

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、君達2人が俺の幼馴染みの海未とことりなのかぁ?!」

 

2人に本名を教えてもらって、やっとこれまでの事が理解できた。

海未がなぜ怒ったのか、授業中になぜ俺をずっと見ていたのか。

そりゃあそうだよなぁ、久しぶりの幼馴染みの再会なのに言葉一つも交わさずにずっと無視していた事になる訳だからな。

 

「やっと気づいたのですか?」

 

「ことりも蒼空君の事、気がつかなかったからお相子だね」

 

「悪い二人とも…気がつかなかったって言うのとはちょっと違うんだ……」

 

「「え?」」

 

そして俺は2人に俺の記憶喪失の事を話した。

 

「そうだったのですか…すみません事情も知らずに怒ってしまって…」

 

「じゃあ、ことり達の事全く憶えてないの?」

 

「うん、穂乃果の事はちょっとだけ思い出したんだけど、2人のことは……まだ……」

 

「そうなのですか……」

 

「でも、これから思い出す可能性もあるって事だよね?」

 

「あぁ、穂乃果と話してたら記憶が少しだけど思い出せれたから、海未やことりとも話してたら思い出せるかもしれない。だからこれから友達として、そして幼馴染みとしてよろしくな!」

 

「はい!こちらこそ!」

 

「よろしくね!蒼空君♪」

 

よかった、2人とも分かってくれたみたいだ。

 

「それと穂乃果ちゃん、明日の新入生歓迎会の事なんだけど、今日の放課後にこんなチラシを配るのはどうかな?」

 

ことりは鞄の中から1枚の紙を取り出して、俺達に見せてきた。

 

「おぉ!すごい!すごいよことりちゃん!」

 

「あれ?お前ら明日なにかするのか?」

 

てか明日新入生歓迎会なのか、転入早々ビックイベントだな。まぁ俺が何かできる訳じゃないから関係ないけど。

それにしても新入生歓迎会の日に何するつもりなんだか。

 

「ライブだよ!私達のファーストライブを講堂でするんだよ!」

 

「ライブ?お前らってもしかしてアイドルとかなのか?」

 

「うん、μ'sってグループなんだよ!あっ!そうだ!蒼空君も見に来てね!絶対だよ!」

 

「わかったよ、絶対見に行く。だから頑張れよ!」

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

昼休み終了のチャイムがなった。

 

「おっと、もう昼休み終わりか。悪いな海未、ことり、また今度ゆっくり話そうぜ!」

 

「うん!」

 

「はい!」

 

俺達は自身の席に戻り、午後の授業を受けた。

 

 

 

 

 

 

 

放課後。

俺はまだ理事長にあいさつにいってなかったため、理事長室に向かっていた。

 

「理事長室ってこっちでいいんだっけ?」

 

俺は海未から教えてもらった理事長室の場所を頼りに校舎を歩いていた。

 

「あったあった!ここだな」

 

俺は理事長室を見つけて中に入ろうとすると、中から話し声が聞こえてきた。

 

「理事長、新入生歓迎会でのあの娘達の活動に私は反対です」

 

「何故ですか?」

 

「理事長は学校存続のために学校生活を無駄にすべきではないとおっしゃっていました。でしたらあの娘達の活動も学校生活を無駄にしているじゃないですか」

 

「う〜ん、でも綾瀬さんがしている事とはちょっと違うのよ」

 

「何が違うんですか?!意味がわかりません」

 

「簡単な事よ?」

 

どうやら生徒会の人達と理事長が話し合いをしているみたいだが、学校存続のためってなんだ?この学校が廃校になるとかそういう事なのか?全く聞いてないぞ?

 

「失礼します」

 

「あっ、えりち」

 

「東條さん、ちょっといいかしら?」

 

「え?うちですか?」

 

「じゃあ、先に行ってるわ」

 

ドアが開いて綺麗な金髪の美人が出てきた。

その人はため息をついて生徒会室の方に歩いていった。

 

「東條さん、綾瀬さんの側にいてあげてくださいね。あの娘はいろいろと抱え込みすぎていますから」

 

「任せてください理事長。うちはえりちを支える役目ですから」

 

「ありがとう、東條さん」

 

「では、私も失礼します」

 

理事長との会話を終えたもう1人の生徒はドアを開けて出ようとしていたので、俺はその入れ替わりで入ろうとしていたその時。

 

「あれ?蒼空君?」

 

「ん?」

 

気のせいか?今俺この人に名前を呼ばれた気がしたんだけど。

 

「きみ、蒼空君だよね?新上蒼空君」

 

「そうですけど、どこかで会ったことありましたか?」

 

おかしいぞ、俺の幼馴染みは3人で穂乃果、海未、ことりとはもう会ってる。だから俺に幼馴染みはもういないはずだ。

 

「えっ?もしかして忘れちゃった?東條希だよ?」

 

「ごめん、全然憶えてない…です」

 

よく見たらこの人3年生じゃねーか!俺の名前を知ってるからてっきり同級生かと思ったじゃねーかよ!

 

「そ、そっか、まぁええか!ほなまたな〜」

 

「あ、はい、また…」

 

なんで急に関西弁なんだ?それよりどういう事なんだ?家に帰ったら親父に聞いてみるか。とりあえず今は理事長に挨拶だな。

 

「理事長、失礼します。今日転入してきた新上蒼空と申します。」

 

「そんなに固くならなくていいわよ。あなたの事は昔から知っているからね……そしてあなたの今の事も…」

 

昔から?そういえばこの人、よく見たらことりにそっくりな気がする。たぶんだがこの人はことりのお母さんだ。

 

「俺の今の事も知っているんですか…」

 

「えぇ、あなたがなぜ記憶喪失になったのかも知っているわ。だからあなたをここに転入させたのよ、あなたの幼馴染みがいるこの学校に」

 

「そうだったんですか?ありがとうございます」

 

「これからいろいろ大変だと思うけど、頑張ってね!」

 

「はい!失礼しました!」

 

俺は理事長との話を終わらせて、確かめたい事があるので急いで家に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

自宅。

「親父ー!いるか?」

 

「いるぞー!なんだ蒼空?学校は楽しかったか?」

 

「そんな事より親父、俺の幼馴染みは3人でいんだよな?」

 

「あ?あぁ、そうだけど何だ急に?」

 

「じゃあ、東條希って娘知ってる?」

 

「そうだなぁ〜、そういえば引越してから1年目ぐらいに、お前が友達ができたって言って家に連れてきた娘がそんな名前だったような」

 

「それ、マジなのか?」

 

「たしかそんな名前だったぞ」

 

「ありがとう親父」

 

その時俺は思った。

昔遊んでいた友達に全然憶えてないって言われたらどう思うだろうか。そんなの悲しいに決まってんだろ!

俺は東條先輩にとても酷い事をした。明日、東條先輩に会って謝ろう。そしてその時の俺の事を聞いて話してもらおう。少しでも記憶を思い出して、彼女達を傷つけない為にも…

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、俺はとてつもなく長い夢をみた。




次回予告
2人の幼馴染みと再会した蒼空!
蒼空は海未とことりのどちらと恋をする事になるのか!だが蒼空には穂乃果がいる!
そして3人は蒼空を賭けてるリアルファイトを始める!
そこへ出てくる謎の少女東條希!
彼女もまた蒼空を賭けて、リアルファイトに混ざる!
果たして勝負の行方は?!
(この次回予告は全て嘘です!)


今回の話を書いてて思った事はとりあえず難しい……なんか自分の書きたい事が思うように書けない感じでとても頭を悩ませていました……


この話を読んでいたらわかると思いますが、穂乃果達は既にμ'sを結成していて、蒼空はファーストライブの前日に転入した事になっています。なんか無理矢理な感じがあると思います……


さてさて次回は蒼空の夢の中の話になると思います。まだ全然考えてないけど頑張ります!


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第4話 夢の中は記憶の中で 1部

投稿遅れてすいませんでした!!!!
なかなか今回の話が思いつかず、ずっと考えてたらこんなに遅くなりました……………

今回はタイトルでもわかると思いますが、蒼空の記憶の中の話です。
最近だがしかしにはまっていまして、だがしの話もほんの少し入れさせてもらいました!!

では本編どうぞ!


「父さん、引越し先ってここからどれぐらいかかるの?」

 

「ん?そうだなぁ〜蒼空はどのくらいかかると思うか?」

 

(ここは…飛行機の中か?俺の目の前にいる、中学一年ぐらいの子供は……俺…なのか?

その右横に座っているのが親父で、俺の左に座っているオレンジ色の髪の綺麗な人はいったい……)

 

「えーっと、1時間ぐらい?」

 

「お!惜しいなぁ」

 

「全然惜しくないわよ!」

 

「いやいや惜しいだろ崋凛!数字で言うと2しか変わらないじゃないか」

 

「父さんにきいた俺が馬鹿だったよ」

 

「お父さんは馬鹿だから、聞きたい事があったら母さんに聞いて」

 

「うん、わかったよ母さん」

 

(え?この人が俺の母さんなのか?でも母さんはもう……死んでるはずじゃ………

そうか、俺は夢をみていてその夢の中で俺の記憶の1部が再生されているのか……

ならこのまま見続けよう)

 

「じゃあ、だいたい3時間って事か……結構遠いんだな…あいつらとはもう会えないのかな…」

 

「そんな事はないわ、夏休みにでも遊びに行ったらいいんじゃないかしら」

 

「そうだね!ありがと母さん」

 

こうして俺は何の不安もなく、飛行機の中で目的地に着くのを待っていた。

 

 

 

 

 

 

「ついたぞー蒼空」

 

「え?もうついたのか」

 

俺は飛行機に乗っている途中に寝てしまっていたのだ。

目的地についたという事で父さんに起こされた。

 

「ここが新しく俺が住む所かー!前と比べるとちょっと田舎な感じがあるけど、こういうのも悪くないかな」

 

「だろ?蒼空は父さんによく似てるな!」

 

「蒼空は私の方が似てると思うんだけど」

 

俺がどっちに似ているのかでちょっとした口喧嘩になっていく2人をみて、俺は少し呆れた顔をした。

 

「両方に似てるのは当たり前でしょ、2人とも俺の親なんだから」

 

「そうよね!流石蒼空!」

 

「たまにはいい事いうじゃねーか!」

 

そんな親子の会話をしながら、俺達は引越し先の家に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが新しい俺の家か」

 

俺達は自分達の新しい家について、まだ日は沈んでいなかったので、それぞれがそれぞれの時間を過ごすことにした。

 

「じゃあ母さんは買い物に行ってくるから、お父さんお留守番よろしくね!」

 

「へーい、行ってらっしゃい」

 

「じゃあ俺は散歩がてら街を見て回るよ」

 

「蒼空も外に行くのか?!寂しいな……」

 

「じゃ、いってきまーす!」

 

俺は寂しがってる父さんを気にも止めずに外に出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

散歩を始めて数十分、あまりの何も無さに帰ろうかと思っていた時、俺は1件の店をみつけた。

 

「駄菓子屋か……こういうのって田舎ならでわの感じがあっていいよな〜。和菓子ならあいつの家でよく食べてたけど、駄菓子はあんまり食べたことないし、ちょっと入ってみるかな」

 

俺は駄菓子屋と書かれた古びた看板の店に興味本位で入る事にした。

 

「こんにちはー」

 

「いらっしゃい!」

 

とりあえず店の中を見て回るかな。

中に入ると、この店の店長であろうおじさんがいて、いろんな駄菓子が置いてあり、客は俺以外に1人紫色の髪の人がいた。

 

「なかなか決まらないのか?駄菓子ならなんでも揃ってるぞ!」

 

「あ、どうも、俺駄菓子屋ってあんまり行ったことなくて…おすすめの駄菓子とかありますか?」

 

「それなら私が教えてあげる!」

 

「え?」

 

俺がおじさんと話していると、横から紫色の髪のツインテールで、嫌でも目がいってしまうでかいバストが特徴的な女の子が話しかけてきた。

 

「そうしてもらえ!俺に教えてもらうより希ちゃんに教えてもらった方がいいぞ!」

 

「そうですか…じゃ、じゃあ、おすすめの駄菓子は何ですか?」

 

「そんなに硬くならなくていいよ〜!じゃあまずはこれかな!ヤッター麺!」

 

「は、はぁ、ヤッター麺…」

 

何だこれ?全く見たことがない駄菓子なんだが、美味しいのか?これ。

 

「これはすごいんだよ!ななななんと!当たりの金券が10円から100円まであるんだよ!」

 

何だと?!当たりが最大100円だと?!確かにそれはすごい!だけどそれは…

 

「それ、当たりがでたらの話だろ?……当たらなかった駄目なんじゃ…」

 

「も〜君は夢がないな〜、当たりがでたらじゃなくて当たりをだすんだよ!」

 

「どうやって?」

 

「ふっふっふー!このヤッター麺には当たりを引く裏技があるんだよ!」

 

何だって?当たりを引く裏技?そんなのあるはずが無いじゃないか、万が一そんな方法があるのであればみんな当たりを当てるだけ当ててハズレは買わなくなって赤字なだけだ。

でもこの自信…もしかしたら本当にあるのか?当たりを引く裏技が……

 

「でもそんな裏技があったら、子供達当たりだけを買って、お店が赤字になるだけじゃないのか?」

 

「これは私しか知らない裏技だから大丈夫なんだよ!」

 

「じゃあ本当に裏技があるのか、ここで実際に見せてもらおうか」

 

「信じてないならいいよ、実際に当てて見せてあげる!」

 

マジなのかこの人?!何だこの自信は!本当に当たりを当てる裏技を今ここで披露するというのか?

 

「う〜!これだ!」

 

その人はヤッター麺の箱の中から、1つのヤッター麺を掴んだ。

 

「おじさんこれ買います!」

 

「まいど!」

 

「さぁ!見せてあげる!」

 

その人はヤッター麺を開けた。

そしてヤッター麺のに書かれていた文字は……

 

「これって…ハズレだよな?」

 

ハズレだった……

 

「あっれぇ?おかしいな〜いつもなら当たるんだけど……」

 

「やっぱり裏技なんてないんだな、そうなんだろ!」

 

「違う!今回はたまたまだよ!ほ、ほら!人間誰でも失敗はあるっていうじゃん!」

 

「失敗から学ぶ物があるからなぁ、だから次は当たるよな?」

 

「あ、あたりまえじゃん!」

 

「じゃあ、もう一回してもらおうかな!」

 

「う〜、これだぁぁぁ!」

 

「じゃあ、おじさんこのヤッター麺のお金ここ置いとくね」

 

「まいど!」

 

「絶対当たるから見といてよね!」

 

場の空気に緊張が走っている中、その人はヤッター麺を開けた。

そして書かれていた文字は……

 

「またハズレだな」

 

「おかしい!何かがおかしい!こんなはずじゃなかったのに!」

 

「はぁ、やっぱり当たる裏技なんてないんだろ?」

 

「いつもは当たるんだよ!でも…今回は…たまたま…」

 

「なぁ、俺思ったんだけど、絶対当たる裏技なんてあったら面白味がないと思うんだよ」

 

「面白味?」

 

「だってそうだろ?当たり付きの駄菓子やアイスは当たるか当たらないかが、分からないから面白いんじゃないのか?」

 

「おぉ!それもそうだね!君いいこと言うね!」

 

「兄ちゃんいいこと言うじゃねーか!」

 

「そういえば君ここら辺で見ない顔だよね?名前は?」

 

「俺は新上蒼空、今日引越して来たんだよ」

 

「蒼空君か…私は東條希!よろしくね!私はこの駄菓子屋のすぐ近くに住んでるの、だからだいたいこの駄菓子屋いるから、いつでも来てね!」

 

そう言うと希の顔が一瞬曇ったようにみえた。

 

「ここがお前の家じゃないんだったら、いつでも来てはおかしいだろーが!でもまぁ、俺もまだ分からない事いっぱいあるから、これからお前にはいろいろ世話になるかもしれないから、よろしくな希!」

 

「う、うん!よろしく蒼空君!」

 

こうして俺は駄菓子屋であったちょっと面白い少女の希と友達になった。




次回予告
夢の中の駄菓子屋で出会った東條希という不思議な少女。
彼女に自分が魔法少女だという事をつげられる蒼空…
そして彼女は人々を守る為に、この世界の裏の世界で戦っているという事を知った蒼空は、彼女を守る為彼女に魔法を教えてもらう事にした。
だが魔法を学ぶ為の鍛錬は蒼空が思っていたよりもずっと辛いものだったのだ……
(この次回予告は全て嘘です、すいません!)





この意味のわからない次回予告は後書きで何も書くことがないからおまけみたいな感じなのであまり気にしないでください(^ω^)

次の話はこの記憶の中の話が続くと思います!
ヤッター麺の所はとりあえず書きたかっただけです(^ω^)

この話書いてて、昔ヤッター麺で100円の当たりがでた時は小学生の時だとめちゃくちゃ嬉しかったなぁ〜と思ったりしました(^ω^)




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第5話 夢の中は記憶の中で 2部

まず読んでくれている皆様に謝罪しなければいけません。

春休みという学校の縛りがなくなった長い休み期間だというのに、本編の更新を1ヶ月もしていませんでした。
大変申し訳ないと思っておりますm(_ _)m

これからはこういう事がないように気をつけたいと思っております。
これから多々こんな事があるかもしれませんが、読んでもらえると嬉しいです。

さて、前書きが謝罪文になってしまいましたが本編はシリアス?な感じだと思われます。

では本編どうぞ!


引越してから約1年。

 

あれから俺は学校に通い始め、学校帰りには駄菓子屋に行って、希と遊んだ。

そして今日も俺はいつものように学校を終えて、駄菓子屋に向かった。

 

「おじさんこんにちは!希いますか?」

 

「いらっしゃい!希ちゃんならまだ来てないけど」

 

あれ、まだ来てないのか?珍しいなぁ、いつもならもう来てるはずなんだけどな。まぁ、待ってればそのうち来るだろ。

俺は駄菓子屋で希が来るのを待つ事にした。

 

 

 

 

 

 

「希遅いな〜」

 

待ち始めてから30分が経とうとしていたが、希は一向に来る気配がなかった。

 

「心配なら家にでも行ってみればいいんじゃねーか?」

 

「え?でも俺、希の家知らないですよ?」

 

俺だって希の家を知ってたら、ここで待ってないですぐに家に行くんだけど、まだ教えてもらってないんだよな。

俺は希とは遊んではいたが、お互いの家を教え合ったりはしていなかった。

 

「ほんなら、おいちゃんが教えてあげるから行っておいで!」

 

「おじさん、あいつの家知ってるんですか?」

 

「当たり前だ!希ちゃんはご近所さんだからな!」

 

俺はおじさんに希の家まで案内してもらった。

 

「ここが希の家か」

 

案内された希の家は普通の家だった。

 

「じゃあ俺は店に戻るから、後は頑張れ!」

 

「おじさん!ありがとうございました!」

 

「これくらいでお礼なんかいらねーよ!」

 

俺がおじさんにお礼をいうと、おじさんは笑って去っていった。

 

「さてと、とりあえずインターホンを鳴らすかな」

 

インターホンを鳴らすとピンポーンという音が鳴ったが、何の反応もなかった。

 

「あれ?いないのか?」

 

念の為にもう一度鳴らすと、今度はすぐにインターホンから声が聞こえた。

 

『どちら様でしょうか……?』

 

聞こえてきたのは希の声だったけど、いつもの元気な希の声とは全く逆のものだった。

 

「希か?俺だけど……」

 

『蒼空君か……ごめんね、今日は外に出れないんだ……ごめん』

 

「なんかあったのか?」

 

俺はいつもの希とは遠くかけ離れている声にとても心配になった。

 

『別に…何もないよ……』

 

「嘘つくなよ」

 

『嘘なんか……ついて……ないよ…』

 

「だったらなんで!……なんでお前はそんなに暗いんだよ!」

 

『………』

 

「顔だけでも見せてくれよ、お前がなんでもないって事がわかったら俺は帰るよ」

 

『嫌だ……』

 

「やっぱり何かあったんだろ?」

 

『………』

 

「なんでだよ…」

 

『蒼空君…ごめんね、今日は帰ってくれないかな…』

 

「……明日は来いよ」

 

『………』

 

彼女の言葉に俺はこう返す事しかできなかった。

今はこうする事しかできないと思ったから。

そうして俺は仕方なく家に帰る事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家に帰ると時刻は7時をまわっていた。

俺は風呂に入って、今日希と話したことを思い出す。

 

「あいつ、どうしちまったんだろ……」

 

俺の頭の中には不安が積もっていた。自分の中で嫌な予感、胸騒ぎがしてならなかった。

 

「はぁ………」

 

風呂の中で希の事を考えていると、いつの間にか逆上せている自分がいた。

 

「今考えても仕方ねぇよな……そろそろあがろっと」

 

俺は考えるのをやめて、自分のベットで次の日の事を思いながら目を閉じた。

 

 

 

 

 

翌日俺は珍しく早く起きたので、軽く散歩をする事にした。

 

「たまには早くから起きて散歩するのも悪くないかもな」

 

俺が適当に歩いていると、いつもの駄菓子屋が見えてきた。だがそれは、昨日の希との会話を思い出すきっかけになった。

 

「希……」

 

気がつけば俺は、希の家に向かって走っていた。その行動が自分の見たくは無いものにたどり着くなんて知りもせずに。

 

「確かここら辺だったよな。えっと、ここの角を曲がればすぐ…だ?」

 

角を曲がった所にあったのは、スプレーでめちゃくちゃに荒らされた希の家と、そのスプレーの後を消そうとしている紫色の髪でショートカットの少女がいた。その少女からはぽたぽたと涙が流れているのがわかった。

 

「こんなところ、蒼空君に見られたら笑われちゃうよね」

 

嘘…だろ…?

待てよ、そんな訳ない。だって希は…あいつの髪はあんなに短くないはずだろ?

俺は認めたくなかったのだ。その少女が、自分の親友であると言う事を。

だがその考えは少女の一言で全てが消える。

 

「助けてよ……蒼空君………」

 

「馬鹿野郎…」

 

「え…?……蒼空…君……?」

 

「なんでだよ……なんで昨日相談してくれなかったんだよ!!」

 

俺は昨日この事を話してくれなかった希に対してではなく、昨日無理矢理にでも聞き出せば、何かが変わったかもしれないのに、直ぐに諦めた自分に対して、怒りが込み上がっていた。

 

「な、なんで蒼空君がここにいるの?」

 

「誤魔化すなよ…お前昨日言ったよな?何にもないってよ……」

 

「うん…」

 

「だったらなんでそんな髪になってるんだよ……」

 

「こ、これは……イメチェン……だよ…」

 

そんなはずはない。希の髪は全く揃ってなくて、まるでど素人が切った様なそんな髪だった。

 

「嘘つくなよ…」

 

「嘘なんか…」

 

「それが美容院や床屋で切られた様なもんじゃない事ぐらい、俺にでもわかるんだよ」

 

「っ!」

 

「何があったか話してくれよ……俺がお前を助けてみせるから!」

 

俺がそう言うと希は涙を流して首を縦に振った。

 

「あのね蒼空君…」

 

その後俺は、希が酷いいじめを受けている事、そのいじめで髪を切られた事を聞いた。

 




次で蒼空の昔の希との記憶が全て明かされると思います!
それが終わったらアニメ本編の方も進んで行くと思うので、気合入れて頑張ります!!!


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第6話 夢の終わり、そして現実へ

はい!
一ヶ月以内に投稿する事ができました!
ん?前は1週間以内に1話投稿するって言ってただろって?

いつから俺が1週間以内に1話投稿するって錯覚していた?

ん?さ…錯覚?

それではきいてください
錯覚CROSSROADS

ではなく本編を読んでくださいm(_ _)m


俺は希の話を聞いて、今までにはないくらいの怒りと殺意が込み上げてきた。

 

「でも、大丈夫なんだ……だってね、私……引っ越すんだ」

 

「え…?希…今なんて……?」

 

聞き間違いだろうか、希の口からは俺には予想する事すらできなかった言葉だった。

 

「ごめんね、蒼空君……私は明日、県外に引っ越すんだ……」

 

「ひ、引っ越す?嘘だろ?なんでだよ!急すぎるだろ?!」

 

俺はその言葉を受け入れる事ができなかった。その言葉を受け入れたら、俺は希を助ける事ができないと言うのを、認める事になるからだった。

 

「お父さんがね、私がいじめを受けてる事を知って、それで関西の方に引っ越す事になったんだ………」

 

「待てよ…それじゃあ俺は……どうすればいんだよ………!」

 

俺は希の言葉を受け入れるしかなかった。

希の言葉を受け入れるて、自分の無力さを知った。結局自分は何もできず、希を助ける事なんてできなかったのだと。

 

「ありがとね、蒼空君……さよなら…」

 

 

 

 

 

バタン!!!

 

 

 

 

 

「いってぇ!」

 

全身に走る痛みとともに、俺は目を覚ました。俺はあまりの寝相の悪さで、ベットから落ちていた。

 

「7時か……」

 

俺は起きてから時計をみて、時刻を確認した。

 

「なんかすげぇ長い夢を見てた気がするんだけど……なんだったっけなぁ……」

 

俺は今日見た夢を思い出そうとしていた。

なにか俺にとってとても重要な夢だった気がしたからだ。

 

「………はっ?!」

 

その瞬間頭に激痛が走り、それと同時に今日見た夢を思い出した。

 

「希のところに行かないと……あいつが助けを求めてる」

 

希との記憶を全て思い出した俺には、昨日希と再会した時の希の目で、あいつがどれだけ助けを求めていたかがわかった。

 

「待ってろよ希、次は絶対助けてやる」

 

そして俺は希がいるであろう音ノ木坂の生徒会室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻は7時30分

希を助けるために走って学校に行った俺は今………

 

「あれ?生徒会室ってどこだっけな?」

 

迷っていた。

 

「おかしいなぁ確かこの辺だったはずなんだけどな」

 

曲がり角を曲がると、生徒会室と書いてある場所にたどり着いた。

 

「やっとついた……とりあえずノックだよな」

 

俺はノックをして返事を待った。

 

「どうぞ」

 

中から聞こえてきたのは、他でもない希の声だった。

 

「失礼します」

 

「え?蒼空…君?」

 

「希……俺は昨日まで、お前との記憶を忘れてたんだ」

 

「それで昨日はうちの事を全く知らない人みたいな扱いをしとったわけか」

 

「今はその話はいいんだ。お前と話したい事はいっぱいあるけど、それよりも今は重要なことがある」

 

「重要なこと?」

 

「お前……1人で考え込んでる事があるよな?」

 

俺は記憶がもどった事で話したい事は山のようにあったが、今一番に何をするべきかを考えて希に問いかけた。

 

「え?!そ、そんな考え事なんてしてへんよ?」

 

彼女は嘘をついている。

そんな事は顔と目を見ればすぐにわかった。

 

「なぁ希……俺は昔お前を助けるって言った。だけど結局俺は何もする事はできなかった……」

 

「うん…でもあれは君のせいやない。うちが…弱かっただけなんや」

 

「いや、あれはお前がいじめられていた事を気づいてやれなかった俺の責任なんだ…。だから俺は……今度こそお前を助けたいんだよ」

 

俺が気持ちを伝えると、希の顔が少し赤くなった気がした。

 

「わかった…話す」

 

「ありがとな希」

 

「昨日の理事長とうちらの話を盗み聞きしてた君ならもうだいたいわかってると思うんやけど、この学校が廃校になるかもしれないんや」

 

「別に盗み聞きをしてたわけじゃないぞ!たまたま理事長に用事があって来てただけなんだよ!」

 

「はいはい、それで生徒会長のえりちは廃校を阻止しようと自分のやりたい事を抑え込んで頑張ってる。でも、誰かが支えていかないとすぐに崩れてしまう…そんな状況なんや」

 

「つまり、生徒会長は頑張りすぎていて周りがあんまり見えてないわけか。いや、周りだけじゃないか」

 

「そう、えりちは周りはおろか自分の事すら見えてないんや」

 

「なるほどな、それでお前は生徒会長を支えているってわけか」

 

「うん、蒼空君は2年生でアイドルを結成してる娘がいるのは知ってる?」

 

2年でアイドル?穂乃果達の事か?なんでこんな話をしている中で穂乃果達の事が話がでてくるんだ?

 

「え?うん、まあな」

 

「あの娘達がアイドルを結成した理由は、この学校を廃校阻止に繋げる為なんや」

 

「なんでアイドル活動が廃校阻止に繋がるんだよ」

 

「それは今日のあの娘達の初ライブを見ればわかるはずや」

 

「そういえば穂乃果達が昨日ライブするって言ってたな」

 

「あれ?蒼空君は穂乃果ちゃん達の事知ってるの?」

 

「あぁ、あいつらは俺の幼馴染みだよ」

 

「そうやったんやなぁ。だったら頼もしいなぁ」

 

「どういう事だ?」

 

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

 

「あっ!もうこんな時間やん!」

 

「おい、待てよ希ー!まだ話は終わってないだろ!」

 

希と話しているとチャイムが鳴り、希は急いで教室へと走っていった。

 

「嘘だろ……1番重要な事話してないじゃねーかよ……」

 

結局俺は希が考え込んでいる事について、よくわかってないまま希との話が終わった。

 




のんたん台詞考えるの難しい…

次回はファーストライブです!!!

前書きの錯覚ネタは流行ってたのでやってみただけです。

あとfinal最高でしたね!
自分はLVでの参戦でしたが、ボロ泣きでした。
ライブの後は喉がガラガラでやばかったです(笑)
これからも小説は書いていくので応援よろしくお願いします!


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第7話 ファーストライブ!

まずは一言。
本当に申し訳ございません。
色々と理由があり、不定期更新とさせていただきます。



今は4限目の授業中。

にもかかわらず先生の話も聞かず、黒板も見ずに下を向いて考え事をしていた。

勿論考えている事とは、今日の朝結局希から聞くことができなかった、あいつの考え込んで、悩み込んでいる内容についてだ。

 

「おーい新上!」

 

「………」

 

「蒼空君!呼ばれてるよ!」

 

「なんだよ穂乃果、まだ昼休みじゃないだろ」

 

「昼休みじゃなくて!先生に呼ばれてるんだよ!」

 

「えっ!?」

 

俺が状況を把握した時には、もう遅かった。

先生の顔は鬼の様な顔になっていた。

 

「私の授業で考え事とは、随分と余裕じゃないか新上」

 

「違うんです先生!これにはいろいろ理由があって!」

 

「問答無用!」

 

その言葉と同時に俺は教科書で容赦なく頭を叩かれた。表現的にはもう殴られたと言った方がいいぐらいに……

 

 

キーンコーンカーンコーン♪

 

 

とてつもなくいいタイミングで授業終わりのチャイムがなった。

 

「ちっ、仕方ない説教はここら辺で許してやろう。それじゃあ今日の授業は終わりだ。新上はしっかりノートをとるように」

 

「はーい」

 

授業が終わって、学校では昼休みが始まろうとしていた。

 

「どうすれば……どうすれば……どうすれば……」

 

きっと希は自分の考えてる事話してはくれないだろう。なら俺はどうすればあいつをその悩みから救い出すことができるのだろうか。

 

「蒼空くん!」

 

下を向いて考え事をしていた俺に話しかけてきたのは穂乃果だった。

 

「なんだ穂乃果か…どうしたんだ?」

 

「どうしたんだじゃないよ!蒼空くんさっきから授業も聞かないで何考えてたの?」

 

「いや、まぁいろいろな」

 

「ダメだよーちゃんと授業聞かなきゃ」

 

「あなたが言えることですか!」

 

「穂乃果ちゃんはいつも授業中寝てるよね…えへへ……」

 

「そ、そうだっけ…?」

 

横から穂乃果にツッコミを入れたのは海未とことりだ。

なんだよ穂乃果……人の事言えねーじゃん……

 

「とにかく腹減ったから弁当食べようぜ」

 

「そうですね、今日のライブの事もありますし」

 

こうして俺達は昼ご飯を食べながら、今日のライブについて、いろいろ話すことにした。

 

「ところでお前ら曲は何をするんだ?」

 

とりあえず俺はライブについて一番知りたかった事を聞いてみた。

 

「ふはーほはっふー」

 

「とりあえずお前は食ってるパンを食べてから話せ」

 

「START:DASH!っていう曲をするんだ〜」

 

穂乃果の代わりに言ってくれたのはことりだった。

 

「START:DASH!って聞いたことないけど、誰の曲なんだ?」

 

「誰の曲でもないオリジナルなんだよ!」

 

「オリジナルだって!?作詞や作曲は誰がやったんだよ」

 

「作詞は海未ちゃんがやってくれたんだよ!それから作曲は真姫ちゃんがやってくれたの!」

 

「真姫ちゃんって?」

 

「1年生でピアノを弾くのが上手で歌が上手くてとっても可愛い子!」

 

「へ〜そんな子が1年生にいるんだな」

 

「うん!その子にアイドル誘ったんだけど断られちゃった…」

 

どうせ穂乃果の事だ…無理やりな誘い方をしたんだろうな。

 

「そっか…それは残念だったな。それはそうとライブの宣伝はどうするんだ?」

 

「こういうものを作ったんですが、どうでしょう」

 

そう言って海未が出したのはライブのチラシだった。

 

「なるほど、じゃあこれを放課後に俺が配るからお前らはその間に準備をしてくれ」

 

「ですがそれは新上君が大変なのでは」

 

海未は申し訳なさそうな顔をしてそう言った。

 

「俺の心配よりも自分の心配をしろよな」

 

「わ、わかりました…」

 

キーンコーンカーンコーン

 

「えー!もう昼休み終わりなのー!まだ食べ終わってないのにー」

 

「駄々こねてないでさっさと教室に戻るぞー」

 

そうして俺達は話し合いをやめて、教室に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果達のファーストライブ当日の放課後、俺はライブのチラシを配るために校内を走り回っていた。

 

「今日この後にμ'sのファーストライブがありまーす!見にきませんかー!」

 

俺は同じ言葉を何度も叫びながらμ'sの宣伝をしていた。

 

「ちょっとあんた」

 

「ん?」

 

声をかけてきたのはちっこいピンク色のカーディガンをきた少女だった。

 

「君もしかしてライブにきょうみがあるの!?」

 

「……ちょっとみせなさい」

 

その人の態度は何かおかしくて、少し上から目線な感じだった。

 

「ちっ………」

 

その人はライブのチラシをしばらく見た後に軽く舌打ちをした。

 

「なにか気に障るようなこと書いてたかな?」

 

「ふん!せいぜい頑張る事ね。まあどうせ失敗するだろうけど」

 

「おい!その言い方はひどいんじゃないか?」

 

「あんたこそ、まずは先輩に対する態度を変えなさい」

 

「は?先輩?誰がだよ」

 

「私がよ!」

 

その少女はその言葉と同時にポケットの中から緑色のリボンを取り出して見せつけてきた。

 

「す、すみません!でもどうして失敗するだなんて言うんですか?」

 

「……アイドルはそんなに簡単じゃないってことよ」

 

そう言うと先輩は歩いて去っていった。

 

「そんなに簡単じゃない……か………確かにそうなのかもしれないな…」

 

俺は残りのチラシを配るのと同時に穂乃果たちのこれからが心配になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チラシを配り終わった後、俺は穂乃果達が準備をしている講堂へと向かった。

すると穂乃果達はもう既に準備を終わらせており、後はライブまでの時間を待つだけだった。

 

「はぁー緊張するー」

 

「意外だな穂乃果でもこういう時は緊張するもんなんだな」

 

「当たり前だよ!でも精一杯頑張ってお客さんを楽しませたい!そのためにも海未ちゃん!ことりちゃん!がんばろうね」

 

「そうだね、穂乃果ちゃん!」

 

「む、無理です……」

 

「え?」

 

穂乃果とことりが張り切っている中、海未だけは2人と反応が違った。

 

「も〜いつまで言ってるつもりなの海未ちゃん!」

 

「だ、だって………」

 

「だってじゃないよ!アイドルなんだからそれが普通だよ!」

 

「海未は何がそんなに嫌なんだ?」

 

「す、スカート丈が短すぎる…」

 

「なんだよそんなことか」

 

「そんなこととはなんですか!こんなの破廉恥です!だいたいことりが悪いのです!私は膝下までなければ履かないと言ったはずです!」

 

「ええ〜、だって〜それは穂乃果ちゃんが…」

 

「ほーのーかー!!!」

 

どうやら海未は衣装を作る際にことりに膝下まである衣装じゃなければ履かないと言ったはずだが、ことりと穂乃果が結託して短い衣装を作ったから怒ってるみたいだ。

 

「だって……」

 

「だってじゃありません!」

 

「絶対成功させたいんだもん…」

 

「穂乃果……」

 

「それにこの衣装、海未ちゃんが一番似合ってると思うよ!」

 

「そうだな!海未が一番似合ってる」

 

「穂乃果……新上君……」

 

「それじゃあそろそろ始まるな!3人とも頑張れよ!」

 

3人はステージに向かい俺は手を振って見送った。

 

「さてと、あいつらを一番に見れる場所を探さねえとな」

 

「ちょっとあんた」

 

俺が観客席に向かおうとした瞬間に誰から呼ばれた。

 

「ん?」

 

後ろを振り向くとチラシ配りの時のちっこい先輩が仁王立ちしていた。

 

「あんた今すぐあの子達を止めなさい」

 

「え?なにを言ってるんですか?今更あいつらのライブを止めろって言うんですか?」

 

「そうよ、あんたが止めないなら私が無理矢理止めるわ」

 

「先輩はあいつらのライブを邪魔したいんですか」

 

「そう、私はあの子達のライブを邪魔したいの。その理由は観客席を見ればあんたもわかると思うわ」

 

そう言った先輩の表情は今までに見たどの顔よりも悲しい顔をしていた。

 

「観客席……」

 

俺は先輩の言う通りに少し歩いて観客席を見ると、そこには誰1人としてあいつらのライブを見に来ている人はいなかった。

 

「うそ……だろ……?」

 

「これが現実よ。あんたはこの光景をあの子達に見せることができるの?」

 

先輩が言ってた事はこういうことだったのか……

見ればわかる、それは言葉の通りだった。これを穂乃果達が見れば、スクールアイドルとして人気をとるということがどれだけ難しいことなのか、それを知ってあいつらは絶望し挫折するかもしれない。

それでも……

 

「………」

 

「これで分かったでしょ。あんたがあの子達を止めるのよ。いいや、あんたしかあの子達を止めれないでしょ」

 

「いや……俺は止めない」

 

「は!?あんた何言ってんの!?じゃああんたは、あの子達がどうなってもいいって言うの?」

 

「そうじゃない……俺はあいつらは絶対に大丈夫だと信じてる」

 

「どうなっても知らないわよ」

 

そう言うと先輩は俺を睨んで行ってしまった。

 

「そろそろ始まるな……大丈夫…だよな」

 

俺の声は震えていた。

先輩にあんな偉そうなことを言っておきながら自分の中ではまだ不安が残っていた。

 

「まもなくスクールアイドルグループ、μ'sのファーストライブが始まります」

 

アナウンスが入るとステージの幕が上がった。

だが、ステージの向かいには誰ひとりとしていなかった。

 

「え……」

 

それを見た穂乃果は今にも泣きそうな顔になり下を向いた。

 

「そ、そりゃそうだ!世の中そんなに甘くない!」

 

「穂乃果…」

 

「穂乃果ちゃん…」

 

そんな穂乃果を見て海未とことりも泣きそうになっていた。

やっぱりダメなのか……

 

「あ、あれ?ライブは…?」

 

そこに現れたのは眼鏡をかけた1年生の証拠である青いリボンを付けた女の子だった。

 

「やろう…全力で!そのために頑張ってきたんだから」

 

穂乃果の顔はもう泣きそうな顔なんかではなかった。しっかりと前を向き、その娘ために全力でライブをしようとしていた。

 

「うん!」

 

「はい!」

 

穂乃果に続き海未やことりも前を向いた。

 

「さあ!やろう!」

 

「「「それではきいてくださいSTART:DASH!!」」」

 

曲が始まった。

すると眼鏡の娘は瞳を光らせて、穂乃果達のライブを心から楽しんでいるように見えた。

曲がAメロに入ると、髪が短くてオレンジ色の髪をした女の子が入ってきて、眼鏡の娘の顔を見て穂乃果達のライブに釘付けになっていた。

それからよく周りを見渡してみると、先輩が椅子の後ろから顔だけをだして、ライブを見ていた。

曲が終盤になるにつれて、1人また1人と人が増えていき、最終的に6人の人が穂乃果達のライブを最後までみていた。

曲が終わると穂乃果達もお客さんも会場の殆どの人は嬉しそうな顔で笑っていた。ただひとりを除いて…

 

「生徒会長…」

 

ライブを見ていたうちの1人である生徒会長が穂乃果達に向けている顔は笑顔ではなかった。

 

「どうするつもり?」

 

「続けます」

 

「なぜ?意味があるとは思えないけど」

 

穂乃果と生徒会長は向き合って、それぞれの思いをぶつけ合う。

 

「やりたいからです…」

 

「私、もっと踊りたい歌いたいっておもってます…こんな気持ち、初めてなんです!やって良かったって、本気で思えたんです」

 

その言葉を聞いても生徒会長の表情は全くかわらなかった。

 

「人気がでる確証なんてないのよ」

 

「確かにそうかもしれません…このまま誰も見向きもしてくれないかもしれない…応援なんて全然もらえないかもしれない…」

 

「……なら」

 

「それでも!」

 

生徒会長の言葉は穂乃果の声でかき消された。

 

「私達がとにかく頑張って届けたい、今私達がここにいる、この想いを!」

 

「そう…」

 

生徒会長はその言葉を言い残し出口に歩いて言った。

だが…

 

「生徒会長!」

 

穂乃果から呼ばれ、少し驚きながら生徒会長は振り向いた。

 

「なんなの?」

 

「いつか私達、ここを満員にして見せます!」

 

「……」

 

生徒会長はその言葉を聞くと、何も言わずに講堂を出ていった。

ライブ開始直前までお客さんが0人だったこの最悪とも言える状況から始まったライブ。

でも…

 

「ここだ…ここからだ…」

 

そうだ、このファーストライブは穂乃果が言ったこの言葉を実現させる俺達の第1歩になるんだ。




ファーストライブライブがついに終わりました!
前書きでも書いてある通り、不定期更新にしますので続きはいつかはわかりませんが、あがった時に読んでくれると嬉しいです!


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特別番外編
海未ちゃん誕生日記念編 海色少女へのサプライズ!


みなさんお久しぶりです。

本編は全然進めれてないのに海未ちゃんの誕生日の事ばっかり考えてました!すいません!!
これからは本編をどんどん進めていこうと思ってます!

この話は本編には関係ないので絵里達はもうμ'sに入っています!

ではどうぞ!


3月15日。

それは俺にとっても大切な日だし、勿論μ'sのみんなにとっても大切な日だ。

なぜなら今日はμ'sの作詞担当、園田海未の誕生日だからだ。

だから今日は海未にちょっとしたサプライズを計画している。そのサプライズを成功させるために俺とμ'sのみんなは朝早くから集まっていた。

 

「よーし、全員そろったか?念の為に点呼とるぞ〜。穂乃果から順番にいつもの番号言ってくれ」

 

俺が点呼をとるためにみんなに言うと、穂乃果から1、2、3……と言っていき、全員がいる事を把握した。

 

「よし、じゃあ行くか!」

 

俺達10人は今から登山に行くのだ。

何で登山なのかは、前に海未が独り言のように言っていた『今度はみんなと一緒に山に登りたいですね』と言う一言を聞いていたから

海未の願いを叶えるべく俺が提案した。

もちろんする事が登山なので、反対する意見もあった。

特に凛は猛反対して、全く意見に賛成する事がなかった。理由を聞くと、何でも前の合宿で海未と登山に行った時に酷い目にあったとかで、説得するのが大変だったがなんとか説得に成功した。

そして俺達は目的の山に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり、もっと小さい山にしないかにゃ」

 

目的地に着くと、凛が耳打ちで俺に言ってきた。

 

「場所はここで決まってるんだから、文句言ってんじゃねーよ」

 

「さぁ!早く行きましょう!山が私達を呼んでいますよ!」

 

海未がそういうと、俺達は山の頂上を目指して登り始めたのだが……

 

「疲れた〜」

 

「にこ足が動かな〜い」

 

「飽きてきたにゃ〜」

 

まだほんのちょっとしか登ってないとのに、穂乃果、にこ、凛の3馬鹿トリオが文句を言い始めた。

 

「おい、そこの3馬鹿トリオ……ちょっとこっちに来ようか…」

 

「3人とも!」

 

「希?」

 

やる気が見られない3人に説教をしようとしていた所に、希が割り込んできた。

 

「まだ少ししか登ってないんよ、こんなのいつもの練習に比べたらどうって事なんやん?」

 

「希…こいつらには1回ガツンと言わないと」

 

「蒼空君、今日は海未ちゃんの為にやってるんやろ?」

 

俺が希に言おうとすると、希は海未に聞こえないようにそう言った。

 

「あぁ、そうだけど」

 

「ならこんな所で怒ってたら、せっかくのサプライズが台無しになる。だからここは抑えた方がいいと思うんや」

 

その通りだ。海未の為に山を登る事を提案したのは俺なのに、今ここでこの3人を怒ってみんなの空気が悪くなったら、海未への誕生日サプライズが台無しになる。希はそうなるのを止めてくれたのか。

 

「そうだな……すまん希、ありがと」

 

「ええんよ、さてと…穂乃果ちゃん!凛ちゃん!にこっち!行くで」

 

「わかったにゃ〜」

 

「海未ちゃんの為だもんね!」

 

「えぇ〜、にこ動けな〜い」

 

どうやら穂乃果と凛はわかってくれたようだが、1人だけまだわかってないやつがいるみたいだ。

 

「あれ?まだわかっとらん子がおるん?」

 

そう言うと希はにこの後ろに素早く回り込んである体制をとった。

 

「悪い子にはわしわしMAXやよ!!!」

 

「いやぁぁぁぁ!!!」

 

まぁ、そうなるよな。素直に希の言う事を聞いていればよかったのに。

にこは希にわしわしをくらって、これでもかというほどの悲鳴をあげた。

 

「もう、何やってるの、早く行くわよ!」

 

「そうよ、海未を見てみなさい!もうあんなに登っているわ」

 

「早く行かないと遅れるよ〜」

 

「海未ちゃんも張り切ってるからね〜」

 

真姫、絵里、花陽、ことりは俺達のやり取りを、ずっと見て待ってくれていたらしい。そして海未は俺達の知らない間に、結構上まで登っていた。

 

「流石海未ちゃんだにゃ!」

 

「感心してる場合じゃねーぞ、俺達も海未の所まで行くぞ!」

 

俺の言葉で海未を除くみんなは、山の上を目指して登り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そろそろ中腹だな」

 

「真ん中まで行ったら1度休憩をしましょうか」

 

「やったー!じゃあお弁当も食べるんだよね?」

 

「そうなるけど、そこで食べすぎると後できつくなるぞー穂乃果」

 

「大丈夫!私燃えてるから!」

 

「穂乃果ちゃん、それはあまり関係ないような…」

 

「ことりの言う通りです、穂乃果は食べすぎないように私が見張っておきます」

 

「凛はかよちんと一緒に作ったおにぎりを食べるんだ〜!」

 

「凛ちゃん頑張ってたもんね」

 

「凛が作ったおにぎり、私も食べてみたいわ」

 

「真姫ちゃんが食べてくれるなら凛も嬉しいにゃ!」

 

「よかったね凛ちゃん!」

 

「凛ちゃんが作ったおにぎりうちも食べてみたいなぁ」

 

「大丈夫にゃ希ちゃん!いーっぱい作ったから、みんなの分はちゃんとあるにゃ!」

 

「あそこじゃない?」

 

にこが指さした方向をみると、(中腹)と書いてある看板が刺さっていた。どうやらみんなが昼ご飯の話をしているうちに、中腹についたみたいだ。

 

「よーしみんな休憩だ!飯にしようぜ!」

 

「蒼空君も昼ご飯食べたかったんじゃん!」

 

「うるせぇ穂乃果!俺だって腹減ってたんだよ」

 

「じゃあ食べる場所を決めましょうか」

 

「そうだなぁ、誰がシート持ってきてるんだ?」

 

「シートは私が持ってるわ」

 

「絵里が持ってきたのか、どのくらいの大きさなんだ?」

 

「大丈夫よ、ちゃんと大きいの持ってきたから」

 

「早く食べましょ、お腹ぺこぺこよ」

 

「凛も早く食べたいにゃ〜」

 

「わ、私も」

 

山を登り始めてまだ半分だけど、みんな疲れたんだろう、実際俺も疲れたし腹も減ってるしな。

 

「じゃあ食べる場所はここでいいか。絵里シート出してくれ」

 

「任せて!」

 

絵里がシートを広げると、俺達はシートの上に寛いで、昼ごはんを食べ始めた。

 

「おぉ!このおにぎり旨いじゃねーか!」

 

「ほんとだわ!美味しい!」

 

「美味しいじゃない」

 

「えへへ、頑張ったかいがあったよ!」

 

凛のおにぎりを食べてから、次々と感想を述べていって、凛が少し照れている。

そんな中で海未はおにぎりを食べながら何も言わなかった。

 

「海未ちゃん」

 

「なんですか?凛」

 

「もしかして美味しくなかった?」

 

「いいえ凛、とっても美味しいですよ!凛のおにぎりが美味しくて、言葉がでなかっただけですよ」

 

「やったー!」

 

「よかったね凛ちゃん!」

 

「かよちん一緒に作ってくれてありがとう!」

 

「デザートに穂乃果が持ってきた和菓子もあるから、みんな食べてね!」

 

そんな会話をしながら、俺達は昼ご飯を済ませて山登りを再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっとついたな〜」

 

「その様ですね!」

 

昼ご飯を食べてから数時間後、俺達はやっと山の頂上に来る事ができたのだ。

 

「疲れたね〜」

 

「山の頂上に来るとやっぱり達成感がでてくるね」

 

「前に登った時は3人しかいなかったけど、9人で山を登るって、とっても楽しいこのなんだね!」

 

みんなが頂上についた事への感想を、それぞれが言う。

 

「海未!ちょっとこっちに来てくれ!」

 

「何でしょうか?蒼空」

 

そして俺達は、1つの景色を1人の少女に見せた。

 

「はっ!これは…とても綺麗な夕日です!」

 

「だろ?この景色が俺達からのプレゼントだ!」

 

「え?」

 

「海未!誕生日おめでとう!!!」

 

俺が海未に景色(プレゼント)と見せている間に準備していたみんなが、俺の言葉と同時にクラッカーを鳴らした。

 

「そういえば、今日は私の誕生日でしたね…みんなと楽しく山登りをしていたせいで、すっかり忘れてました」

 

「じゃあ1人一言ずつ、海未ちゃんへ言っていこうか!」

 

ここで希がとんでもないアドリブを入れてきた。

 

「じゃあ穂乃果からね!海未ちゃんお誕生日おめでとう!穂乃果は優しい海未ちゃんも、厳しい海未ちゃんも、ぜーんぶまとめて大好きだよ!」

 

「ありがとうございます穂乃果!私も穂乃果が大好きです」

 

「じゃあ次はことりの番だね♪私は、いつも穂乃果ちゃんと私達を引っ張ってくれる海未ちゃんが大好き」

 

「ことりも私達を引っ張ってくれているじゃないですか、そういうことりが私は大好きですよ」

 

「じゃあ次は俺「次は凛ね!」えっ?!」

 

あれ?なんで俺とばされたんだ?おかしくね?

 

「凛は〜いつも優しくて綺麗な、そんなお姉ちゃんみたいに海未ちゃんが大好きだにゃ!」

 

「私も凛は妹みたいに思ってますよ」

 

「わ、私は弓道をしている時のかっこいい海未ちゃんが好きだよ!これからも弓道頑張ってね」

 

「花陽!応援ありがとうございます!」

 

「私は海未が作る歌詞がとっても好きだわ、海未の歌詞をみたら不思議と曲も思い浮かんでくるの、だから海未には感謝してるわ」

 

「私も真姫の曲が大好きですよ」

 

「1年生も終わった所で今度こそ俺だよな」

 

「じゃあ次はうちな」

 

あれれ?俺今無視されなかったか?おかしいなぁ。みなさん俺はここにいますよー

 

「うちは何事にも一生懸命な海未ちゃんが大好きやで」

 

「私はいつも凛と一緒にふざけている希が大好きです」

 

「次はにこの番ね!私からはとっておきのプレゼントよ!しっかり見てなさい!うっみうっみうー!」

 

こいつは何やってんだ?ポーズは変わってねーじゃねーかよ……こんなプレゼント貰って海未が喜ぶわけが……

 

「ありがとうございますにこ!では、うっみうっみうー!こんな感じでどうでしょうか?」

 

「上出来じゃない!それはあんたにあげるわ!」

 

「じゃあ次は私ね、たまにみせるちょっとした仕草がとても可愛い、そんな海未が大好きだわ!」

 

「絵里もたまにみせる、おっちょこちょいなところがとても可愛いですよ」

 

「じゃあ最後に蒼空君、海未ちゃんへ思っていることを言おう!」

 

「え?」

 

何言ってんだこいつ?俺だけ違うじゃんか!普通に俺も一言でいいだろうがよ。

でもまぁ、誕生日だからいいか。

 

「はぁ仕方ねぇ、いつも優しくて綺麗で、俺達を引っ張ってくれてて、弓道とアイドルの両立ができてて、その両方にすごく一生懸命で、そして俺達にはできない様な事ができてかっこいい、作詞もしている。そんな海未が俺はとっても好きだよ」

 

俺が言うと、海未の顔が一気に赤くなった。

 

「蒼空はずるいです!」

 

「何がだよ!」

 

「蒼空君さすがやね!」

 

「希のせいだろうが!」

 

こうして俺達の海未へのサプライズは終了した。




海未ちゃん誕生日おめでとう!!!


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真姫ちゃん誕生日記念編 ツン?ヤン?デレ?まっきーと遊園地

はい!最近高校でてきた友達家でBO3を楽しんでる凛乃空です!

今日は真姫ちゃんの誕生日ということで、真姫ちゃん特別編を書きました!

ではでは読んでいって下さい!



 

「私がお化け屋敷に入ったんだから、蒼空も同じ様に私の乗りたいものに乗るわよね?」

 

俺は今窮地に立たされている。

俺の目の前には、燃えるような赤い髪の、口は笑っているのに目が笑っていない少女が1人。そして彼女が言っている乗りたいものとは…………

 

 

 

俺が1番嫌いなジェットコースターである。

 

 

 

「ま、まぁ落ち着けって真姫!」

 

「蒼空…」

 

「は、はい?!」

 

「乗るわよね?」

 

どうしてこうなったんだろうか。

ちょっと前までは、楽しく遊園地で遊んでいたはずなんだけどな……

 

 

 

俺がここに来るまでの道のりを辿って、どこで間違えたのかはっきりさせよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ真姫!今日はお前の好きなところに行っていいぞ。ただしジェットコースターは俺が無理だからそれ以外で頼む」

 

「ほ、本当に!?」

 

「あぁ!だって今日はお前の誕生日なんだからな」

 

「じゃ、じゃあメリーゴーランドに乗りたいわ!」

 

「わかった、メリーゴーランドな!」

 

「やったー!」

 

うぉ!あのいつもツンツンしてる真姫が、とても無邪気な顔で笑っている!

これはレアだ…写真撮りたい……っとそれよりメリーゴーランドだったな、どこにあるんだろう?地図見ればわかるか。

 

「真姫地図を貸してくれないか?」

 

「いいわよ」

 

「今俺達はここにいるから……あっちだな!行くぞ真姫」

 

「ヴぇぇ?!ま、待ちなさいよ〜!」

 

そして俺と真姫はメリーゴーランドのある場所へと向かった。

 

「お客様はフリーパスを持っていらっしゃいますか?」

 

「ねぇ蒼空、フリーパスってなんなの?」

 

「フリーパスも知らないのか?フリーパスって言うのはな、それを持ってれば追加料金を払わずに乗車や入場ができる便利な物だ」

 

「そんなものいつもと変わらないわよ。ちょっとあなたこれを見て」

 

真姫は店員の人にお父さんと一緒に真姫が写っている写真を見せた。

 

「は、はぁ?これがどうかなさいましたか?」

 

「まだわからないの?!私の名前は西木野真姫よ!パパの名前は西木野(たつみ)よ!」

 

真姫がそう言うと、店員の人の顔は一気に真っ青になった。

 

「す、すいませんでした!まさか西木野先生の娘さんだったなんて、とんだご無礼を」

 

「これはどういう事なんだ真姫?」

 

「ここの遊園地はパパと繋がってるの、だからフリーパスなんて必要ないわ感謝しなさい」

 

「へ、へぇー」

 

すごいな…真姫はお嬢様ってのは知ってたけど、まさかここまでとは……

真姫はドヤ顔とまではいかないが、なかなかの顔でこっちを見ていた。

 

「さっ、行きましょ!」

 

「お、おう」

 

真姫はものすごい勢いで馬に乗り、俺は真姫の隣の馬に乗って、メリーゴーランドを楽しんだ。

 

「ふぅ、楽しかったな!次はどこに行くか?」

 

「う〜ん」

 

「おーい、そこの仲がいいカップル!お化け屋敷はどうだい?デートにはちょうどいいと思うよ!」

 

「べ、別にカップルなんかじゃないわよ!!!」

 

これはなかなかのツンデレ感だな。

よし、ちょっくらおちょくってみるか!

 

「え、俺らって今はカップになるんじゃないのか?それとも……真姫は俺とカップルじゃ嫌か?」

 

「あ、当たり前でしょ!なんで私があなたの彼女にならなきゃいけないのよ!」

 

うっ!これはこれではっきり言われるときついものがあるな……

 

「そっか…そうだよなぁ……」

 

「何でそんなに落ち込むのよ……」

 

「まぁとりあえずお化け屋敷行こうぜ!」

 

「え……」

 

「どうしたんだ真姫?」

 

「……」

 

なんでだ?さっきまであんなに喋ってたのに急に黙り込んで……あっ!もしかしてあれか?お化け屋敷が苦手なのか!ふっふっふ、これはまた弄りがいがあるぞぉ。

 

「あれあれー?真姫お嬢様はお化け屋敷に入れないのかなぁ?」

 

「っ?!そ、そんなわけないじゃない!さぁ行くんだったら行って早くすませましょ」

 

この反応は完全に当たりだな。

それにしてもお化け屋敷が怖いだなんて、結構可愛いとこあんじゃん。

 

「中には怖いお化けがいっぱいいますよー!行ってらっしゃい!」

 

こうして俺と真姫はお化け屋敷の中に入った。

この後自分の行動が、自分を追い込む事になるなんて事を、この時の俺はまだ知らなかった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい真姫、いい加減機嫌直してくれよ……悪かったって」

 

お化け屋敷に入った後の真姫は言うまでもないと思うが、大泣きだった。

そしてずっと俺にしがみついてて正直めっちゃ可愛いかった………。

今の状況を簡単に言うと、真姫が拗ねているのだ。

 

「………」

 

「いや〜、まさかあんな子供っぽい仕掛けでもダメなんて思わなかったんだよ」

 

実際仕掛けは遊園地って事もあって、小学生の高学年ぐらいは驚かないレベルのものだった。

 

「………」

 

「じゃ、じゃあなんでも言うこと聞くから許してくれよ」

 

「……ほんとに?」

 

「まじまじ、嘘はつかねーよ!」

 

「じゃあジェットコースターに乗りましょ」

 

「え?」

 

彼女はいまなんと言った?俺にはちょっと聞こえなかったんだけどなー。

 

「あら?聞こえなかった?ジェットコースターに乗りましょ」

 

「いや、あの、真姫さん?俺は最初にジェットコースター以外って……」

 

「私がお化け屋敷に入ったんだから、蒼空も同じ様に私の乗りたいものに乗るわよね?」

 

「ま、まぁ落ち着けって真姫!」

 

「蒼空…」

 

「は、はい?!」

 

「乗るわよね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして俺は今の状況に至るのだが……。

何が原因かは明白だな、何でも言うこと聞くなんて言うんじゃなかった……。

 

「確かになんでも言うこと聞くとは言ったし、嘘もつかないとも言ったけど、流石にそれは…な?」

 

「はぁ、仕方ないわね。じゃあ喉が乾いたからトマトジュースでも買ってきてくれない?」

 

あれ急に優しくなった?まぁ一難去ったからよかった……。

 

「お、おう!それくらいなら任せろ!」

 

「頼んだわよ」

 

「おーう」

 

俺は走ってジュース売り場に向かった。

 

「ふぅなんとか免れたな……俺も喉乾いたな」

 

そんな事を呟きながら歩いていると、ジュース売り場についていた。

 

「お客様ご注文をどうぞ」

 

「え〜と、トマトジュース1つ下さい」

 

「畏まりました!少々お待ち下さい」

 

ふ〜それにしてもなんで真姫は急に優しくなってジェットコースターを諦めたんだ?なんか嫌な予感がするな。

 

「お客様お待たせいたしました」

 

俺がさっきの真姫に疑問を抱いていると、注文したジュースができたみたいだ。

 

「あ、どうも」

 

いろいろ考えても仕方ないよな。とりあえずジュースも貰ったし、早く戻るかな。

走って真姫のところまで戻ることにした。

 

「おーい真姫!」

 

「ちっ!思ったより早かったわね」

 

「ん?もっと遅く来てた方がよかったのか?」

 

「別に、それよりトマトジュース」

 

「あ、ほい。あのさ真姫、俺トイレ行きたいんだけど行ってきていいか?」

 

「いいわよ行ってきて」

 

「悪いな、じゃあちょっくら行ってくるわ」

 

「これは好都合だわ…」

 

真姫の最後の言葉は、俺の耳には届くことはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪い、思ったより混んでて遅くなった…ってなんだそのジュースは?」

 

「あなたも喉が乾いてると思って買っておいたのよ、感謝しなさい」

 

「まじか?!ありがと!」

 

なんだいつものツンデレで優しい真姫じゃんか、やっぱり許してくれたのかな。そうだよな今日は真姫の誕生日だもんな。

 

「あれ?真姫これどこで買ったジュースだ?めっちゃ美味しいけど飲んだことない味なんだけど」

 

「あぁそれはね」

 

「あ……れ……?なんか頭がクラクラ……す…る…」

 

「おやすみなさい蒼空」

 

「真…姫…?」

 

真姫がくれたジュースを飲んだ瞬間めまいと激しい頭痛に襲われて、俺はその場に倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お客様安全バーをしっかりと締めてください」

 

店員の人の声に気がついて目を覚ますと、そこは何かの乗り物の上だった。そしてそれが何の乗り物かは、乗り心地と店員が言った安全バーという言葉で、すぐにわかった。

 

「え?!う、嘘だろ!」

 

「あら?割と早かったのね」

 

「真姫?!お前俺をはめたな?!」

 

「ふふっ、あなたが悪いんじゃない」

 

「それではお客様行ってらっしゃいませ」

 

「ちょっ!止めてください!」

 

俺が声をあげた頃にはもう遅かった……。

ジェットコースターは既に進み始めていたのだ。

 

「終わった………」

 

「また寝ちゃったら、面白くないじゃないの!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ…ここは?」

 

「やっと起きたわね、ここは観覧車の中よ」

 

「観覧車?なんで観覧車なんかにいるんだよ」

 

「な、なんとなくよ!それより……その……あの……」

 

「ん?どうしたんだ?」

 

「今日はごめんなさい!」

 

「え?どうしてお前が謝るんだよ!そもそも真姫を怒らせたのは俺だから俺の方こそごめん!」

 

「だって……その……怒ってたとはいえ薬を飲ませて眠らせて、挙句の果てにはジェットコースターに無理矢理乗せるなんて……」

 

「いいよ、それより真姫は今日楽しかったか?」

 

「え?うんまぁ、楽しかったわ」

 

「なら俺は満足だ!今日はお前がメインだから、お前が楽しかったのなら俺の任務は1つ達成だよ」

 

「な…なによ…それ……」

 

「後はこれを渡したら今日の俺の任務は完了だな」

 

俺は自分の鞄の中から、真姫のために用意したプレゼントを取り出した。

 

「じゃあ改めて、誕生日おめでとう真姫!」

 

「あ…ありがとう……」

 

ありがとう…か……。普段のツンデレの真姫も可愛いけど、素直になると倍以上に可愛いじゃねーかよ。最後に少しからかってみるか。

 

「え?何だって、よく聞こえなかったぞ?」

 

「も〜う!ありがとうって言ったのよ!!!」

 

2人が乗る観覧車は1番上に登っていて、そこから見える夕日の綺麗な光が2人を包み込んでいた。




どうでしたか?
遊園地に行くっていうのは自分のキャスで閲覧者の人に、どんな話を書いたらいいかと聞いたら遊園地に行くって言われたので行かせてみました!

特別編より先に本編をって思う人は沢山いると思いますが、ちゃんと進めておりますので、気長に待ってもらえると嬉しいです。

最後に真姫ちゃん誕生日本当におめでとう!
まっきまっきまー!!!


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希ちゃん誕生日記念編 梅雨に花火に缶ジュース

どもども!みなさんお久しぶりです凛乃空です!
真姫ちゃんの生誕編以来の投稿かな!
もう学校始まって結構たってるのになんで本編全く進んでねんだよ………
本当に申し訳ないです……
これからちゃんと執筆していきたいと思いますので気長に待ってもらえればうれしいですm(_ _)m

さて今回はのんたんの誕生日ということで久しぶりに頑張りましたよ!(できがいいとはいっていない)

今回は最近自分が好きな曲の歌詞をちょっと変えて強引に入れてみました!あとがきで答え合わせをしますよ!
タイトルはなんかふざけてるなぁって思ってもらえればいいですwww
それではのんたん誕生日編どうぞ!




今日は6月2日、春もすぎてそろそろ梅雨に入ってもおかしくはない時期。

俺は希と一緒に自分の家で遊んでいた。

 

「ねぇ蒼空君」

 

「なんだ?」

 

「来週の木曜日………」

 

「来週の木曜日がどうしたんだよ」

 

「あの…その…」

 

急にもじもじしてどうしたんだ?来週の木曜日がどうしたんだ?

喋り方もいつもの希じゃない気がするぞ。

 

「花…」

 

「花?」

 

「花火大会が来週の木曜日にあるんだけど…蒼空君は暇……かな?」

 

来週の木曜日って言ったら確かなんちゃら記念日で学校が休みになっていたはずだな。何記念日かは忘れたが……。

花火大会か……そういえばそろそろ祭りとかそんな時期だもんな。

でも俺は……

 

「暇ではないんだけど、あーゆー人が多いとこ苦手なんだよな」

 

希には悪いがこればっかしは仕方ないよなぁ。あーゆーとこって場所が狭いのに人が集まるからちょっときついんだよな。

 

「ふ、ふ〜んじゃあ誰か他の男の子と行ってくるよ」

 

「え?!いやいや、別に苦手ってだけで行けないとは行ってないからさ」

 

「別に無理して来んでもええんよ?」

 

「や、やっぱめっちゃ楽しそうだなぁ!結構行きたいぜ!」

 

ってなわけで俺は来週の木曜日に、希と花火大会に行くことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は過ぎて今日は6月9日木曜日、希との約束の日である。現在の時刻は13時。

俺は珍しく昼に起きて、祭りに行く準備をしていた。まぁ準備っていってもそこまで用意する物が多いわけじゃないけどな。

 

「親父は昼ご飯何食べたか?」

 

「蒼空…お前今頃起きたのか?昼ご飯なら弁当買ってあるからそれ食べろよ」

 

「あぁわかったよ、それじゃいただきます」

 

昼ご飯食べてから準備に取り掛かるかな、希との約束の時間は17時だったはずだし、時間には余裕があるな。

そう思って俺はゆっくりと時間を潰しながら準備することをきめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごちそうさまでした!さてと、準備に取り掛かるかな」

 

「おいちょっと待て蒼空」

 

 

ご飯を食べ終わって、準備に取り掛かろうとしていると親父に声をかけられた。

 

「なんだよ親父、俺はこれから」

 

「なぁ蒼空……父ちゃんは今疲れに疲れきっているんだ」

 

俺の発言を無視して、親父は涙目になって俺に語ってきた。

 

「それで?」

 

「今の父ちゃんには部屋の片付けができないんだ」

 

「ふむふむ、で?」

 

「父ちゃんはこの部屋で寝ると病気になって死んじまうんだよなぁ〜」

 

「はぁ………はっきり言ったらどうだ」

 

「疲れてるから部屋の片付けを任せたぜ!」

 

「………なんでだよ!!!殆ど親父が散らかしてるじゃねーか!自分が散らかしたものくらい自分で片付けろよ!」

 

「いやぁだって〜父ちゃん疲れてるし〜」

 

「俺はこれから希と約束があるんだよ!」

 

「え……そ、そっか…それは悪かったな……部屋は父ちゃんが片付けるよ……」

 

あっ、結構言いすぎたかもしんねえな。

まぁ時間余ってるし時間潰しに片付けするかな……。

 

「仕方ねえから片付けてやるよ…」

 

「本当か!そんじゃ父ちゃんちょっと寝るからよろしく!」

 

「は?おい、ちょっと待てこのクソ親父!ってもう寝てんのかよ」

 

今は14時か、まだ余裕あるなちゃっちゃと終わらせて行くとするかな。

こうして俺は部屋の片付けを強引に押し付けられてするのことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、やっと終わった〜」

 

時刻は16時になっていた。

 

「予想以上に時間掛かったなぁ、ちょっと急がなくちゃな。遅れたら誘ってくれた希に申し訳ないしな……」

 

人混みは苦手だが希が誘ってくることなんてあんまりないから、ちょっとは頑張らないとな。

準備を素早く終わらせて俺は希の家に向かう事にした。

 

「お?蒼空もう行くのか」

 

「起きてたのかよ親父……部屋の片付けはおわったから、行ってくるぞ」

 

「へーい、せいぜい希ちゃんとイチャイチャしろよ!」

 

「は?そんなんじゃ……まぁいいか」

 

親父に煽られたが、構うのもめんどくさかったので無視した。

希との約束の時間は17時だからだから

 

「お!晴れてんじゃん」

 

家を出ると梅雨の時期とは思えないほどの雲ひとつない晴れだった。

 

「最近梅雨に入ったけど晴れててよかったぜ〜」

 

折角の花火大会なんだ、こんな日ぐらいは神様も空気を読んでくれたのかな。

そんな事を思いながら俺はしばらく空を眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現在の時刻は16時50分……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

「ごめんって言ってるだろ…」

 

今現在の時刻は17時15分。

完全に約束時間に遅れていた。

そして俺はある人物に何回も謝っている途中。

 

「謝り方が違うんやない?」

 

「まじでごめんなさい…」

 

そう、俺は希に謝っているのだ。

あまりの天気の良さに空に見とれていると、あろう事か約束の時間を過ぎていたのだ。

 

「いや、だって、梅雨でこんなに晴れることってないじゃん?だからつい」

 

「へ〜、言い訳するんやなぁ」

 

「機嫌直してくれよ〜これから楽しい楽しい花火大会だろ?」

 

「まっ、いっか……それじゃあ行こか」

 

一応許してもらったみたいだが、まだ少し不機嫌そうだ……後で何か奢ってやるかな。

 

「それより、花火大会ってどこであるんだ?」

 

「あれ?言っとらんかったかな?」

 

「いや、全然聞いてないけど」

 

「神田明神やで!」

 

「ほぇ〜なるほどなぁ〜」

 

神田明神か〜そりゃあたのしそうだなぁ、すぐ近くだから疲れなくて済むしな〜

 

「そっか、神田明神か」

 

「そうやけど、どうかした?」

 

「いやぁなんか希が神田明神に私服で行くのって珍しいなぁって思ってさ」

 

「せやな〜いつもは巫女さんの格好やもんな」

 

そんな話を続けながら俺達は目的地の神田明神へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希の家からしばらくして、俺達は神田明神についた。辺りはいい感じに暗くなっており、神田明神には出店が並んでいた。

 

「おぉ、なんか祭り!って感じがするな」

 

「せやね!それよりちょっとだけ待っててほしんやけどええ?」

 

「ん?あぁ別にいいけど」

 

「すぐに戻るから」

 

そう言って希は神田明神の中に入っていった。

希の事だろうからたぶん、ここの人への挨拶とか、神様に挨拶とかだろうな。

 

「喉乾いたしとりあえずジュースでも買うかな。えっと、確か近くに自販機が……おっ、あったあった」

 

出店にジュースを売ってる場所がないのか、それかまだ開いてないのか、どちらにしてもちょっと人が並んでるけどまぁいいか。

そう思いながら俺は自販機に並んで、缶ジュースを1本買った。

 

「殆ど売り切れてるってどういう事だよ……まぁオレンジジュース嫌いじゃないからいんだけどさ……」

 

「お待たせ!」

 

俺が独り言のように好きなジュースを買えなかったことを悔やんでいると、後ろから希に声をかけられた。

 

「ん?割と遅かった……な…?」

 

後ろを振り返るとさっきまで私服だった希が着物を着て俺の前に立っていた。

 

「たまには着物を着てみるのもいいかとおもってさー」

 

「めちゃくちゃ似合ってるぞ!すげぇ可愛い!」

 

「っ!や、やめてよ!恥ずかしい…から……」

 

いや、これはお世辞無しにまじで似合ってるし可愛い、後ちょっとエロい……。

希は顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしていた。

 

「そんじゃまずどこ行く?」

 

「花火が始まるのが20時からで、今の時間は18時だから……どこ行こっか?」

 

「それを今俺が聞いたんだけどな……まぁ、とりあえず出店回って時間潰そうぜ」

 

「せやね!」

 

「そんじゃ行くか」

 

「ちょっと喉乾いたなぁ」

 

「あぁ、ならこれ飲むか?」

 

「え…でも…」

 

「ん?なんだ?」

 

「あの…これって…」

 

「これ?」

 

なんだ?なんで急に顔が赤くなってんだ?

 

「いわゆる間接キッス……だよね……」

 

「あっ……」

 

「………」

 

俺は馬鹿かよ!やばい全然考えてなかった!相手は女子だぞ?こう考えるのが普通だろうが!いや、待てよ……うまく誤魔化すんだ。

 

「…意識したのか?」

 

「…うん、それは蒼空君のやから!じ、自分で買うからええよ!」

 

「お、おう!そうだな」

 

ダメじゃん……完全にやらかした…絶対嫌われるやつじゃんかよ……。

俺の馬鹿野郎!!!

 

「そんじゃあ出店回ってみるか!」

 

「そうだね…」

 

希のテンションが完全に下がってるまま、俺達は出店を回って花火までの時間を潰した事にした。

 

「まずは飲み物売ってる場所だよな、人多いからはぐれないようにしろよ」

 

「う、うん」

 

俺達は食べ物を買ったり、ジュースを飲んだりして時間を潰していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今何時だ?」

 

「今は19時30分でそろそろ花火やから場所探さんとなぁ」

 

「そうだなそれじゃあ」

 

「うちが探してくる!」

 

「え?あっ、ちょっと待てよ希!」

 

希はそう言って人混みの中に消えていった。

ったく、はぐれないようしろって言ったのに……。まぁすぐ戻ってくるだろうしここら辺で待っとくかな。

 

 

ポタッ ポタッ ポタッ

 

 

え?嘘だろ?

 

 

ポタン ポタン ポタン

 

 

タイミング悪すぎないか?

 

 

ポタポタポタポタポタポタポタポタポタポタ

 

 

「このタイミングで雨かよ…!」

 

なんと花火開始30分前にしてかなりの雨が降ってきたのだ。

その時不意に目に入ったのは男の集団にナンパされている女子高生達だった。

 

「希を探さねーと!」

 

何故かわからないが胸騒ぎがした。だから俺は希を探すために走った。

だけど、人混みの中をいくら探しても希は見つからなかった。

 

「今は…19時55分か……」

 

希を探し回って25分全く見つかる気配がなかった。すると巫女姿の人が何かを言っているのに気がついた。

 

「花火の開始は21時に変更しまーす!」

 

ここの巫女の人なら希の事を知ってるはずだよな、聞いてみるか。

 

「すいません!」

 

「はい?!なんでしょうか?」

 

「ここら辺で希をみませんでしたか?!」

 

「東條さんならあっちの森の方に入っていきましたよ」

 

「なんで森なんかに……!」

 

「たぶん花火を見る場所を探していたんだと思います」

 

「わかりました!ありがとうございます!」

 

なんで!なんで森なんかに入ってるんだよ!

俺は森の中に入って、森の中を探し回った。

時刻は既に20時30分を過ぎていた。

森の中を探していると月の明かりが照らされている場所があるのに気づいた。

そしてそこには綺麗な紫色の髪をした着物を着た少女が立っていた。

 

「の、ぞみ?」

 

「あっ、蒼空君!ここやったら花火が綺麗に見えるで!」

 

「………は?花火が綺麗にみえるだって?」

 

「蒼空…く…ん?」

 

「お前……どれだけ俺が心配したと思ってる!どれだけ探したと思ってる!」

 

「ご、ごめん……」

 

「でも、なんにもなかったならよかった…。そろそろ21時になることだから、花火が始まるな」

 

「そう…だね…でも雨がまだ……」

 

すると、さっきまで降っていた雨が一気に止んだ。それと同時に夜空に綺麗な花が咲いた。

 

 

 

バンッ!!!バンバンッ!!!

 

 

 

「綺麗だな」

 

「うん、綺麗だね」

 

いろんな色、形の花火が夜空に舞っていた。

 

「あのね蒼空君、うち今日誕生日なんよ」

 

「あっ!そうだった!すまんなんにも用意してねえ!」

 

「ふふふ、ええんや。今日1日中が蒼空君からのプレゼントって事にしてあげる」

 

「それでいいのか?」

 

「うん!素敵なプレゼントありがとね!ほら、花火また上がったで!」

 

そう言って花火に夢中になっている希の左手は少し寂しそうだった。

なら、俺がすることは一つだよな…。

 

「えっ?!」

 

俺は黙って希の左手をぎゅっと握った。

すると希は黙って俺の右手を握り返してくれた。

その時、夜空は月の光と花火の光で輝いていた。

 




さて答え合わせです!
実はHoneyWorksさんの東京サマーセッションっていう曲の歌詞を強引に入れてみました!
みなさんどうでしたか?合ってる人もいれば合ってない人もいるかもしれませんね。
もしかしたらそんなの知らねーし考えてねーよっていう人もいるかもしれませんが、まずは読んでいてくださってありがとうございますm(_ _)m

本編の方もゆったりと進めていきたいと思ってるのでよろしくですm(_ _)m


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