ネオ・ジオン総帥の幻想入り (黒の煌めきパールバティー)
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シャア、アムロとの最後の戦い

シャアと東方が好きで書きました。週一で投稿予定です。


「アクシズは地球の引力に引かれて落下している!私の勝ちだアムロ!」

「νガンダムは伊達じゃない!」

 

アムロはそんな絶望的とも言える状況でも、諦めることはしなかった。

νガンダムで、アクシズを止めようと言うのだ。

 

「無駄だ。モビルスーツのスラスター程度で、アクシズの落下は止められんぞ!」

「そんなこと、やってみなきゃわからないだろ!」

 

何故そうまでして地求人(アースノイド)を守ろうとするのだ!

奴らは地球に負担をかけすぎた。地球は既に保たんところまできているというに!何故!

 

だが、幾ら高性能のνガンダムであろうと、小惑星を止める程のパワーは無い。

所詮貴様のやっていることは、自分をも犠牲にした無駄死にだ。

 

「貴様の所為で.......多くの部下達やララァが死んだというのに、貴様はその命を自ら捨てると言うのか!!」

「そんなことはない!僕は、確かに多くの人を殺した。だけど!だからこそ、その命を背負って、新たな命を守る為に戦うんだ!」

 

......アムロ.....。お前は、私が見ていない間に随分成長したというのか。

大切なものを、守る為に、強くなったのか。

 

だが.......もう終わりだ.....。

 

 

 

そう思った時、

 

「む?」

 

ジェガンやギラ・ドーガが無数にやって来た。

そして、アクシズを押し返す。

だが、機体性能のあまり高くないジェガンやギラ・ドーガでは、衝撃に耐えられずパワーダウンするのは目に見えている。実際、一機、また一機と、引き剥がされていく。

それなのに何故?

 

「!!」

 

突然、淡い光がアクシズを包んだ。

この光は....?

 

「これは....サイコフレームの共振....。そうか、人の想いが集中しすぎて、オーバーロードしているのか。だが、不思議と恐怖は感じない。むしろ、温かさと安心さえ与えてくれる。しかし、この温かさを持った人間でさえ、地球を破壊するんだ。それをわかるんだよアムロ!!」

「わかってるよ!だから、こうやって人類の希望の光を見せなきゃいけないんだろ!」

 

私は、またアムロに負けるのか?

ララァの仇も討てず、自分の信念さえ撃ち破られて....。

 

 

そして....

 

『アクシズ、地球圏から離脱!進路変更確実です!』

 

ラー・カイラムの乗員の通信音声が、私の敗北を告げた。

 

ああ、アムロ。君の勝ちだよ。

君は、常に自分を曲げずに進んできた。大切なものを、守る為に。

一方私はと言えば、ザビ家への復讐の為に戦う決意をしたのに、結局はそれさえ放棄し、父の意思も継ぐことなく生きてきた。

私と君の違いは、最早歴然だ。

 

 

 

私は、ゆっくりと目を閉じた。

次の人類は、どんな進化を遂げて、どんな未来を歩むのかを、思い描きながら。




一話目は東方要素はありません。
因みにこの作品は解説はほとんどないので、ガンダムシリーズを知らない人には分かりにくいです。ご了承くださいm(__)m


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シャアを捨てたキャスベル

「.........む?」

 

消えかけていた感覚が戻ってきた。

まるで、まだ自分が生きているかのような...。

 

「!! まだ....私は生きているのか?」

 

目を開けると、見覚えのない林のような場所にいた。

ここは地球か?

そして、自分が離別したコックピットにいる筈なのに、MSと変わらぬ高さにいる感覚がして、モニターに映すと、

 

「! サザビーが.....そのまま...」

 

確かに破壊された筈のサザビーが、造られたばかりの姿で立っていた。

更にそれだけでなく、

 

「ザク、ズゴック、ゲルググ、ジオング、リック・ディアス、百式.....今まで私の機体全てが揃っている。しかもどれも新品同様ではないか......!!」

 

しかし、見たことのないMSもあった。いや、正確には見たことはあるのだが。

見た目は若干サザビーに似ているが、全体的にサザビーより重厚なボディをしている。

 

「ナイチンゲール.....!!既に完成していたのか...!?」

 

サザビーと共に製造される予定だったのだが、実際には計画だけに終わったと聞いていたのだが.....。

 

「それに、このMS達は一体....」

「それは貴方が幻想になってしまったからよ」

「!!」

 

私はカメラを声の方に向けた。

そこには、ジェットパックも背負っていないのにも関わらず、空中に浮かぶ女性の姿。

服装は、紫色のドレスのようだった。

 

「(一体どのように浮いているのだ?)」

「私は八雲紫。この『幻想郷』を作った者よ」

「幻想郷?」

 

シャアは周りを見渡す。

だが目に入るのは地球の木々のみ。

 

「ここは地球なのか?」

「ええ、そうよ。でも貴方のいた地球ではない」

「.....どういうことだ」

「分かりやすく言うと、貴方は別の世界に来てしまったの」

 

別の世界?

そんなものが存在するのか?

 

「元の世界で、恐らく貴方は誰もが知るような偉大な人物だったのでしょうね。でも、貴方がいなくなった途端に、その才能、行動、歴史等と、他の誰にもできないことでもあった。だから、貴方という人物が存在していたかさえ、幻想のものとなってしまったのよ」

「そして、私がいないと言うことは、このMSも、と言うことか」

「そういうこと。で、貴方は一体何者かしら?」

「失礼。自己紹介がまだだった。私はシャア・アズナブル。だが、本名はキャスベル・レム・ダイクンという。君は胡散臭くはあるが、信用はできそうだ」

 

ここにあるMSは、偽物には見えなかった。

だとすれば、彼女の言っていることは真実であり、狙われることはない。

その為、本名を明かした。

 

「そう。じゃあ私はキャスベルと呼ばせてもらうわ。そっちの方がなんかしっくりきたし」

「できればシャアの方が良かったのだがな。まぁ構わんさ」

 

そう言って私はサザビーから降りた。

 

「あら、結構良い顔してるじゃない。モテるでしょう?」

「私が求めた女性は一人だけさ。ともかく、この世界がどういうものかを知りたい。私はもう戻りたいとは思わんからな」

 

私は......『シャア・アズナブル』を捨てることにした。

赤い彗星やネオ・ジオン総帥でもない。

ただの人間、『キャスベル・レム・ダイクン』として生きる為に。



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