Admiral of Roughneck~From black to white~ (八意 颯人)
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第1章 着任、そして救出
プロローグ「過激な歓迎」


お初目にかかれます、私うp主の八意颯人と申しますm(__)m
小説を書く事自体が初めてなので拙稚な文になりますがよろしくお願いいたしますm(__)m


0530(午前5時半) とある幽霊屋敷みたいな建物の前にて

 

筋肉質の短髪の若い男「……ここか佐世保鎮守府、前衛基地か……なんか幽霊屋敷みたいなところだな」

 

赤くの袴風のスカートを履いた黒髪の女性「そうですね……」

 

 

二人が幽霊屋敷みたいな建物『佐世保鎮守府 前衛基地』の前に立っていた

 

男「まぁ………あの上層部(馬鹿共)は何故こんなお化け屋敷(鎮守府)に俺を飛ばしたんだ」

 

女「さぁ?分かりませんが、取り合えず行ってみましょ?『提督』」

 

男(……そうするか)

 

二人が提督と言われた男の愛車『WRX STI』に乗り、発進し鎮守府の門をくぐろうとした途端

 

憲兵「はぁ……お前が新しい提督と秘書か……身分証明書を見せろよ!」

 

男(この憲兵、態度悪いな!この基地といい、嫌な予感が……)

 

男が悪い予感を感じつつ、憲兵に身分証明書を見せた

 

男「……はいよ、ってか俺、アンタより上なんだけど」

 

女「……はい」

 

二人が身分証明書を見せると、憲兵は男に忠告する様に伝えた

 

憲兵「これは失礼しました『上城勇人(かみしろ はやと)』中佐に『正規空母 赤城』秘書艦でしたか、ですが此れだけは伝えておきます!前任者達のせいで艦娘達が貴方の退陣、いや命を狙う艦娘もいますのでお気をつけを」

 

憲兵が短髪の男『上城勇人』と黒髪の女性『赤城』に言うと勇人は「泣けるぜ」と呟きながら門をくぐり、鎮守府正門を後にした

 

勇人(………想像以上に酷い状態だな、何故上の連中は俺を『ブラック鎮守府』に配属(左還)するんだ?まぁ上の連中は俺の事を毛嫌いしているかこの鎮守府の『後処理』としてか………まぁ取り合えず着任してみますか……ってか赤城……)

 

赤城(お腹減ったな……)

 

 

 

 

グゥ~

 

 

 

勇人(……はぁ……)

 

勇人は赤城が腹部を押さえていたのだ

 

勇人「ほら………おにぎりだ、これでも食っておけ」

 

赤城「ありがとうございます♪」

 

勇人は色々と不安になりながら車から降りて佐世保鎮守府 前衛基地に向かった

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 

赤城「つきましたね」

 

勇人「ついたな………ッ!?」

 

勇人は鎮守府の外形を見てた途端、鎮守府の窓から魚雷が勇人達に発射されるのを確認した

 

そう、まるで外部の人間を排除するかの様に………

 

勇人「赤城危ない!オラァ!」

 

赤城「キャ!?て、提督!!」

 

勇人は赤城を突飛ばすと二人に魚雷が飛んできて魚雷が勇人に当たり、爆発した、普通なら大怪我では済まされない、いや下手すれば死亡してしまう程なのだ

だが、この男は違ったのだ……何故なら……

 

勇人「……全く過激な歓迎だな」

 

そう服は爆風で破れているが勇人は無傷だったのだ

 

ただ、その背中には赤城を守る様に現れた様な絵柄が描かれた『応龍』の刺青が入っていた

 

赤城「……すみません提督」

 

勇人「気にするな、油断は誰にだってあることだ………さて行きますか」

 

勇人(………全く、前任は『彼女達』にどんな仕打ちをしたんだ………やれやれだ……)

 

勇人は、これからの生活に頭を抱えつつ、二人は前衛基地に入っていった

 

何故二人はブラック鎮守府に飛ばされたのかは、また次回に……




初投稿ですが、こんな拙稚な文になりましたm(__)m
次回は飛ばされた経緯やブラック鎮守府勤務の艦娘の状態等が分かってきますので、こんな拙稚な文になりますがよろしくお願いいたしますm(__)m


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第1話「漆黒」

ドーモ、ミナサン、ウp主デースm(__)m今回はブラック鎮守府に左還された主人公やブラック鎮守府の内情を説明します
至らない点がありますが宜しくお願いいたしますm(__)m


勇人が魚雷の攻撃を受け、鎮守府に向かっている同時刻 佐世保鎮守府 前衛基地 宿舎のとある一部屋にて

 

忍者風の衣装を着た黒髪の少女「ちっ!しぶとい奴だ!普通なら木っ端微塵になっているはずなのに!」

 

巫女風の衣装を着た黒髪の眼鏡の女性「川内さん!?アイツ………提督を仕留めたのでは?」

 

川内「霧島さんか……いや、手応えがあった(着弾した)が……何事も無かったかの様に鎮守府に向かってる!アイツは化物か!?」

 

霧島「まさか、いくら人間でも魚雷を食らったら一溜まりも……ッ!?」

 

忍者風の衣装を着た10代中頃の少女『川内(せんだい)』は悔しそうに言うと眼鏡の女性『霧島(きりしま)』は笑いながら外を見ると、鳩が豆鉄砲を食らったかの様に驚いた

 

霧島「へ!?嘘……有り得ないわ……傷一つ付いてない(無傷)なんて……これは想像以上に厄介ですね……ん?川内さん、アイツ(提督)の隣にいる艦娘は?」

 

川内「ああ……多分秘書艦の赤城だよ、海軍学校を卒業したての新米が……舐めやがって!」

 

霧島「なら、赤城さんも『私達側』に入る様に説得(洗脳)すればよろしいのでは?まだ提督(アイツ)の事を……いえ提督という人間性をまだ知らない様ですし……」

 

川内「……なら霧島さん、その役目をお願いします」

 

霧島の案に川内は霧島に了承し、お願いすると、霧島は笑いながら答えた

 

霧島「フフッ♪任せて、伊達に『艦隊の頭脳』と言われてた『金剛型戦艦4番艦』の力、見せてあげますよ、では私はこれで……」

 

川内「やっぱり霧島さんは頼りになるな♪さぁーて私も魚雷の補給しに行きますか♪」

 

霧島(………どうせ『大本営』から来た新米なんて私達を『道具』としか見ていない様に『教育』されているに違い無い!道具として扱われるのなら、扱われる前に『殺した』方がよっぽど良いわ!!精々遺書を書いて待ってなさい……『吹雪』さんには悪いけど道具と同じように『捨てられた彼女達』と同じやり方で殺してあげるわ!!)

 

霧島は殺意を込めながら笑い、部屋を出ると川内も笑いながら部屋を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

0545 前衛基地 玄関にて

 

勇人「……おいおい、これは酷いな」

 

赤城「全くです」

 

勇人(……メンテナンスを怠っているのか、木材が腐りきっているせいで床と壁は穴だらけ……窓ガラスは亀裂……危険だ)

 

そう、前衛基地の玄関だけではなく廊下、壁等が風穴や腐敗している所があった

 

勇人「取り合えずは……?「ぽいぃ……もういや……」……ん?あの娘は……夕立か、おい、どうした大丈夫か?」

 

『?』改め『夕立』(ヒッ!?提督さん!?ヤバイっぽい………夕立、解体される!?)

 

勇人は玄関の近くで黒のセーラー服を着た金髪の赤目の少女『夕立』が震えて怯えているのを見つけると、夕立に近付き、優しく接すると夕立は更に怯えた

 

夕立「ヒッ!?ゴメンナサイ提督!夕立が悪かったっぽい!許して下さい!!もう失敗はしないからさ!!」

 

勇人「落ち着け夕立、お前が知っている提督はいないから冷静になれ……夕立「ぽいぃ!!許して下さい!!」……チッ!なら強引だが………」

 

ギュッ!

 

勇人(ッ!?この臭いは………これは想像してた以上に『深刻』だぞ………恨むぜ『糞野郎(前任者)』!)

 

夕立(!?………あ………何時もの提督さんの臭いじゃなくて、『金剛』さんと同じ臭い……落ち着く……っぽい……)

 

勇人は、混乱し怯えている夕立を抱きつくと、夕立は吃驚し、赤城が夕立に母が子供をあやすかの様な優しい口調で言った

 

赤城「夕立さん私です、赤城です」

 

夕立「赤城……さん?」

 

赤城「ええ、少しは落ち着きましたか?」

 

夕立「ぽい……赤城さん?生きているっぽい!?」

 

勇人 赤城「!?」

 

夕立の言葉に二人は驚いた

 

勇人「『生きている』だと!?って事は此所の赤城は……」

 

赤城「既に轟沈(戦死)……いえ前任の理不尽な命令による『解体(処刑)』ですね」

 

勇人「ハァ……あの糞前任が……とんでもねぇ問題(置き土産)を置いていきやがって……取り合えず夕立、多分使えるか分からないが検査所(ドック)に行って体を治して来い、赤城、手ぇ貸してやれ、もし使えなかったら『俺の妖精』を使ってドックを全解放してから俺の車にある『携帯型高速修復剤』をぶっかけてやれ」

 

赤城「分かりました、くれぐれも御注意を……」

 

夕立「提督さん……ありがとう……っぽい」

 

勇人は赤城に命令すると赤城は了承し、夕立を抱き抱え、ドックに向けて向かった、そして夕立は安心したのか眠る様に気を失った

 

勇人(よほど酷い仕打ちされていたんだな……中学生位の少女達(駆逐艦達)ですら精神不安定、体の至るところに青アザや打撲傷、そして前任専属のダッチワイフ(性欲処理係)にされたのか、多少の精液特有の塩素系に近い匂いが付いているな……なら軽巡以上の艦娘達はそれ以上、酷い仕打ちをされ、下手すれば『提督』という人間に殺意、憎意、最悪『復讐(殺害)』しかけんな……まぁ今は執務室に入って情況を確認して置かないとな)

 

勇人は前任が残した問題に頭を抱えながら執務室に足を運んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

0600 鎮守府 執務室前にて

 

勇人(なんだ!?此処だけ『かなり』悪趣味なドアだ!?まさか!?)

 

勇人は悪目立ちする位のカーボン調の鋼鉄扉を開け、室内の様子を見て、感が的中したのか呆れながら執務室を物色し始めた

 

勇人(……やっぱ予想通りだな、執務室だけ『かなり』豪勢な作りになっていやがる!壁や床は鉄筋コンクリートをベースにパッと見て分からない様にフローリングシートや防火用の壁紙を張ってやがる、そして家具は最新式やアンティーク物まで高値の物を多数置かれてんな……どんだけ横領や賄賂(汚ねぇ事)をして貰ってきたんだ……取り合えず調べてみるか)

 

勇人は心の中で前任の所業に腹を立ちつつ執務室を調べ始めた

 

 

 

 

 

 

同時刻 大本営 会議室にて

 

眼帯の男「……しかしええのか?アイツを前衛基地に配属させても」

 

眼帯の男は机の上に足を乗せ、煙草を吸いながら言うと勇人と同じく黒髪の初老の男は書類を机の上に置き、答えた

 

初老の男「大丈夫だ、アイツは『その程度』では死にはしないさ……」

 

眼帯の男「死なないって、それでも上城チャン、アンタの息子の成績は素行は良くなかったが座学、体力、武器取扱いの試験でトップクラスの好成績、そして医学では歴代の軍医の試験の中で満点を叩き出し、医療免許を取得して卒業したんやで?なしてあんなブラック鎮守府に配属させたんや?」

 

初老の男いや大本営、海軍元帥であり勇人の父親である『上城一馬』は彼の同期であり同じ海軍元帥の眼帯の男『沖田吾朗』の質問に答えた

 

一馬「アイツならブラックを真っ白にしてくれると思ってさ、しかもアイツは『あの事故』で手にいれた力を有効活用してくれると思ってな」

 

吾朗「『あの事故』……訓練中に深海棲艦が攻めてきて、勇人は深海棲艦の攻撃で瀕死の重傷、そして重傷していたのにも関わらず深海棲艦化した赤城チャンを『助けた』という事件やな……まぁ表向きは訓練生達の問題児が他の訓練生の足を引っ張った『役立たずの兵士』を守る為に、赤城チャンが救ったと言う事やったな」

 

吾朗の説明に一馬は頷き、吾朗は更に続けて説明した

 

吾朗「そして裏では国が『ある計画』の為に瀕死の勇人にある『実験』をし、成功したんやっけな」

 

一馬「『あの計画』か……そのせいで勇人は人間じゃなく、艦娘のハーフ、いや半艦息『金剛型特殊戦艦 三笠』となって蘇生した……まぁ俺は勇人が身体、精神、人格的にも死なずに済むのなら、それで良かったからな」

 

吾朗「本人が満足してんのなら、ええか……まぁあの古参の連中(糞ジジイ達)は勇人がブラック鎮守府に左還することに大層喜んでいたで……」

 

一馬「まぁ表向きは『素行不良による左還』だけどな……さて、そろそろ執務室に戻るか、秘書艦が五月蝿いからな」

 

吾朗「ニッヒヒヒ♪秘書艦やのうて『現地妻(愛人)』とちゃうんか♪」

 

一馬「ハァ………馬鹿いってんじゃねぇ……んじゃ後は宜しくな」

 

吾郎は一馬を茶化すと、一馬は吾郎の言葉に呆れつつ立ち上がり、書類を鞄に入れ、会議室を後にした

 

吾朗「……勇人、アンタの力で黒く汚れた鎮守府を綺麗にしてくれや」

 

吾朗は煙草を吸いながら親友(同期)の息子にぼやき、会議室を後にした



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第2話「反抗」

どうも皆様、年齢=非リア充歴のうp主ですm(__)m
今回は胸糞な真実が入っているのでご注意下さいm(__)m


0600 鎮守府 執務室にて

 

勇人「ん?机の引出しが施錠されてんな……だが……フン!」

 

バキッ!

 

勇人「……ビンゴ!こんな防衛機密(ヤバイ物)を引出しに隠すなんてな」

 

勇人は執務室を物色中、施錠された提督御用達の机の引出しを見つけ、強引に引っ張り……もとい破壊し、引出しの中に『特秘 持ち出し及び口外、そして提督以外の閲覧を禁する』と書かれていたファイルを見つけた

ちなみにファイルに書かれていた『提督』とはブラック鎮守府を作り出した前任者(元凶)の事である

だが勇人は……

 

勇人「俺も『提督』だから閲覧しても問題ねぇな……」

 

お構い無し(傍若無人)に椅子に座り、提督御用達の机の上に足を乗せてファイルを閲覧し始めた

 

端から見れば極道者(ヤクザ)の組長そのものである

 

勇人(フン……なるほど、『外出は厳禁』や『提督には絶対服従』って規則が刑務所……いやペットみたいな規則だな……ん!?)

 

勇人はファイルを閲覧し続けると、ある艦娘達のリストが書かれていた

 

勇人(おいおいおい……このリストって表向きでは、この鎮守府で轟沈、解体している艦娘じゃねぇか!?何故『sex slave(性奴隷)』と判子押してあるんだ!?まさか!?)

 

そう、その艦娘達のリストは配属前に大本営から勇人に送られてきた書類で、この鎮守府で轟沈、解体になった艦娘達と同じ内容だったのだ

勇人は『とある艦娘』のリストを探し、その艦娘のリストを見つけると憤怒しだした

 

ただ、勇人は知らなかった………

 

この時、最強の戦艦姉妹が勇人の命を狙いに執務室に侵入していた事を……

 

勇人(……ふ……ふざけんな!!!何が半年前に『独断で大破行進し、深海棲艦の攻撃により轟沈(戦死)』だ!俺の『本来』の秘書艦が前任者(糞野郎)の悪行を大本営に告発されたくないから監禁し、奴隷扱いにしやがって……)

 

勇人はリストを見て激怒し、立ち上がろうとした

 

勇人「あの 野郎(前任者)ブッ殺s……?「殺されるのは貴様だ(貴方です)覚悟(御覚悟)ォ!」……アァ?」

 

ドカーン!!!

 

勇人はファイルを机の上に叩きつけた途端、戦艦クラスであろう主砲を着けた銀髪に褐色肌、そして胸にサラシを巻いた眼鏡の女性と同じく赤を基調とした改造されたであろう露出の高いセーラー服を着た黒髪のポニーテールの女性が勇人に主砲を狙いつけ、轟音と共に発砲され、爆発した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 ドック内の入渠室にて

 

 

ドカーン!!!

 

赤城「何!?今の音!?」

 

夕立「ぽいィ!?今の武蔵さんと大和さんっぽい!?しかも執務室からっぽい!?」

 

赤城「不味いですね!夕立さんは此処でじっとして下さい!早くしないと『大変な事』に……」

 

夕立「………」

 

赤城(でないと……提督が二人を『殺し』かねない!)

 

勿論、その爆発音はドック内にいる赤城達にも聞こえ、夕立は発砲した犯人を言うと赤城は急いで執務室に向かった

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり 執務室にて

 

褐色の女性改め『武蔵』「やったか?」

 

ポニーテールの女性改め『大和』「武蔵、それは『御約束(フラグ)』というのです」

 

武蔵「しかしだ姉さん、それは相手が深海棲艦か化け物染みた奴の場合だろ?アイツはただの人間だ、しかも至近距離で着d……勇人「テメェら!何しやがるんだ!」……なっ!?」

 

大和「嘘でしょ………」

 

爆発により執務室に煙が立ちこもり、爆風が原因であろうか執務室のガラスは割れ、そこから煙が自然排出されていくと煙の中から勇人が相当虫の居所が悪かった(頭に来ている)のか、いかにも声を聞いただけで相当殺意のあるドスの聞いた声で喋り、煙が晴れると……

 

大和「私達と同じ義装!?しかも見たこともない装備……まさか『イージスシステム』に『CIWS』『トマホーク』!?何故あの男が………」

 

武蔵「チッ!至近距離で撃っても服だけ破れるだけで無傷だけではなく、私達と同じ『艤装』まで………ふざけた野郎だ!」

 

勇人は『ある計画』で手に入れた力を発動したか背中には大和、武蔵と同じ4つの主砲に右腕には連射機銃(ガトリングガン)に籠手、左腕には籠手とカタパルトが着いたブレード型の甲板、腰には改造された日本刀に酸素魚雷6発、携帯型高速修復材と書かれていた水筒が3つ、脚には艦娘と同じ靴、そして外見は破れた服装ではなく改造されたであろう白の着物に黒の袴だが爆風で破れ、上半身裸になり背中には『応龍』の刺青が入っていた

 

勇人「今、相当機嫌が悪いんだ……相手になってやる……その代わり……」

 

大和 武蔵「っ!?」

 

大和(凄い殺気………1度でも気を抜いたら殺られる!)

 

武蔵(なんだ!?人間でも、こんな殺気は出ないぞ!?アイツは一体!?)

 

二人は勇人の殺意に気圧されているが、勇人は更に殺意を込めて二人に言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「死にてぇ奴だけ掛かって来い!!!!」

 

武蔵「っ!?行くぞぉ!」

 

大和「推してまります!御覚悟!」

 

勇人の言葉により日本最強の戦艦の艦娘『大和型戦艦』の対決が幕を開けた



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第3話「人に成らざる者、そして人に成るべき者」

どうも皆様うp主ですm(__)m
やっぱりバトルシーンをどうやって表現したら良いのか分かりませんね(^^;)))バトルシーンでは『相当』読みにくくなっているかもしれませんが、宜しくお願い致しますm(__)m


大和「第一、第二主砲、斉射始め!」

 

大和は勇人に向けて主砲である46cm三連装砲を発砲したが……

 

勇人(バーカ、んなもんESM(ミサイル感知装置)で丸わかりだ……打ち落としてやる!)

 

勇人「CIWS AAWオート(ガトリングガン発射)!!」

 

ドドドドドド!

 

大和「なっ!?ですが……」

 

武蔵「馬鹿め!懐が隙だらけだ!」

 

勇人は右腕の連射機銃『CIWS』で大和が発砲した弾を全て打ち落とすと体勢を低く突進してきた武蔵が勇人の懐に向けて拳を叩き込もうとしたのだ

そう、大和は弾を全弾打ち落とされ多少なりともショックを受けたが、実は武蔵が得意の接近戦に持ち込み、奇襲をかけやすくするための『陽動』そして『囮』だったのだ、だが接近戦が得意なのは武蔵だけではなかったのだ

 

勇人「フッ……」

 

ザッ!ブン!

 

武蔵「な!?何だと!?あの体勢から後退り(バックステップ)だと!?」

 

勇人はCIWSで大和を牽制しながら武蔵の攻撃を後退りでかわしたのだ

 

勇人(成程な、今のは俺の気を弾に向け武蔵が接近戦でケリを着け易くするための『陽動』だったんだな……だが……)

 

勇人「オラァ!!」

 

ドゴッ!

 

武蔵「グハァ!!!」

 

勇人「接近戦が得意なのはテメェだけじゃねぇぞ!一生そこに寝てろォ!!!」

 

武蔵(くっ!?こんな奴に撃沈(殺される)なんて……無念……)

 

大和「武蔵ィーーーー!?」

 

勇人は攻撃をかわされ、体勢を崩している武蔵の横腹に向けて膝蹴りをし、横腹に膝を入れられ踞っている武蔵の頭を踏み潰そうとした途端……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤城「第一攻撃隊、全機発艦!!直ちに提督を止めて下さい!!!」

 

バシュ!ピカッ!ブーン!ドドドドドド!

 

勇人「……赤城か……はっ!?危ねぇ危ねぇ……やり過ぎる所だったな、ありがとうな赤城」

 

赤城は腰に着けていた筒から矢を1本取りだし、弓を使って矢を放つと、放たれた矢は一瞬発光し、光が止むと1本の矢から『4機の艦載機』となり止めを刺そうとする勇人に威嚇射撃をした

そして勇人もまた威嚇射撃をされ、今、彼自身が彼女達に『取り返しのつかない事』をしようとしたことに気付き、足を武蔵の頭から真横に下ろし、彼を止めてくれた赤城に感謝した

 

赤城「全く……貴方は激怒すると直ぐに極道気質(ヤクザ染みた性格)が出てしまうから、あれほど常に冷静沈着な行動をしてって言っていますよね?」

 

勇人「……すまん」

 

赤城「まぁ幸い『取り返しのつかない事』にならなかっただけでも良かったです、これからは常に……勇人「『冷静沈着に、そして慢心ダメ、絶対!』だろ?」……分かっているのなら言わせないで下さい!後……」

 

ガミガミガミガミ………

 

赤城が勇人に説教を飛ばしている様子を見て大和型姉妹は、こう『表現』した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大和 武蔵(何、この『尻に敷かれる夫に肝っ玉奥さん』みたいな状態は……)

 

二人は妻に尻を敷かれる夫(どこぞのかかあ天下)みたいな状態になっている勇人と赤城を見て、先程の演習(殺し合い)に見せた勇人のギャップの差に戸惑っていた

 

 

 

30分後

 

 

 

 

赤城「今回はこれ位にしておきます、次からは我を失わないで下さい」

 

勇人(終わったぁ……ようやく……)

 

赤城「後、大和さんに武蔵さん、貴方達も……勇人「はいはいストップストップ!あの二人に言いたいことが山程あるのが分かるが、取り合えず食堂に行くぞ、二人とも案内してくれ」……って提督!?まだ話が……全く……って置いていかないでくさーい!!!」

 

 

勇人は強引ではあるが二人を連れて食堂に向かった……勿論赤城も後ろから着いていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食堂に向かっている途中……

 

 

大和「提t………貴方に聞きたいことがあります」

 

勇人「何だ?くだらない事なら聞かないぞ」

 

大和(さっき迄の殺し合いと良い、夕立さんを助けた事、そして『吹雪』さんが言ってた新しい提督の外形の特徴が一緒………ここは賭けてみるしかありません)

 

武蔵(……姉さん)

 

勇人は大和の質問に了承すると、大和は暗く、『その質問』の答えに不安があるのか、重苦しい口調で質問した

 

大和「……貴方は私達『艦娘』を都合の良い兵器()だと思っていr……勇人「馬鹿かオメーは?お前達が『物』や『兵器』、『奴隷』なら俺は『化け物』やサイボーグ人間(某海賊の船大工)みたいな『人に成らざる者』さ、お前達『艦娘』は『笑ったり』『泣いたり』さっきみたいに『怒ったり』『ビビったり』するだろ?兵器(単なる物)がそんな『感情的』になるか?ならないだろ、お前達はちょっとした能力を持った『人間』でもあり『兵士(軍人)』だ、次俺の前で『そんな事』を言ってみろ、徹底的にシバき倒す(容赦はしない)からな!」……」

 

赤城「提督……」

 

勇人は大和の質問に遮るように答えると大和と武蔵の足が止まり、そのまま黙り、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大和「グズッ……」

 

武蔵「……ズズッ……グズッ……」

 

勇人「ヘッ!?お前ら、どうしたんだ?何故『泣いて』いるんだ!?俺は『当たり前』な事を言っただけなんだが……」

 

勇人は二人がいきなり泣き出した事に驚き、赤城か勇人に微笑みながら言った

 

赤城「その『当たり前』な事が、この鎮守府の彼女達にとって『救われる言葉』なのですよ♪」

 

大和(やっぱりこの御方は………吹雪さんが言ってた新しい提督だ……私はこの人を殺めようと……そして吹雪さんとの約束を……私達はなんて馬鹿な事を……そして………私達を人間として……)

 

武蔵(………前任に『木偶の坊』や『使えない玩具』と言われてた私達に………軍人として……だけど私達が、そんな提督に酷い事を……人として生きる資格なんか……)

 

大和「……私達も……人として生きてもいいのですね?」

 

武蔵「姉さん!?私達は提督に………勇人「だから『それが当たり前』なんだって!何回も言わせんな!!それに武蔵!人間や艦娘だって間違いはある!ただ小せぇ事でウジウジすんな!」」

 

大和 武蔵「!?」

 

大和「グズッ!!提督ゥーーー!」

 

武蔵「グズッ……提督!」

 

勇人「ちょ!?」

 

大和 武蔵(やっぱりこの御方は………前任とは『真逆』のお考えだ!この人なら鎮守府を救ってくれる!)

 

勇人の言葉に武蔵は半泣きに近い状態になり、大和に至っては号泣し勇人に抱きつこうと向かったが………

 

夕立「ぽい♪新しい提督さん♪完全回復したっぽい♪提t……大和「ちょ!?夕立さん!!」……ぽい?……ポイィーーーーーー!!!!」

 

ドーン!!

 

勇人「全く……おーい夕立、大丈夫か?」

 

赤城(夕立さん……ドンマイです)

 

武蔵(姉さん……)

 

大和が勇人に抱きつこうとした場所は廊下の丁字の真ん中で回復した夕立と鉢合わせになり、そのままぶつかったのである

勿論勇人は携帯型高速修復材を夕立に掛けて夕立の手当てをしたのは言うまでもなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第4話「赤城、抜錨!(料理的な意味で)」

0745 食堂にて

 

赤城「……これは……」

 

勇人「ひでぇ有り様だな……」

 

二人は食堂の『ある現状』に愕然としていた

 

それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀髪の少女「間宮さん『補給』お願いします」

 

間宮と呼ばれた女性「はい響ちゃん………」

 

コトッ……パラパラ……

 

銀髪の少女改め『響』「スパスィーバ……」

 

そう出されたのは御盆の上に重油が入ったコップに皿の上に弾薬を載せた『だけ』だったのだ

 

二人は、この状態に苛立っていると武蔵は不満が入っているのか、強い口調で言った

 

武蔵「これが『この鎮守府』での『食事』いや『補給』だ!貴様達『提督』が私達を……大和「武蔵!」……すまない」

 

勇人「ちょっと厨房に行ってくる……」

 

赤城「私も御供します……」

 

大和(あの時以上の殺気に艤装………何か嫌な予感が……)

 

武蔵(まさか『カチコミ』するんじゃ………)

 

大和(まさか……)

 

武蔵は感情的になりすぎて勇人の『禁句』を言いかけると大和が一喝して止めると赤城は艤装を着けて勇人と一緒に食堂の厨房に足を運んだ……凄い剣幕のまま……

 

 

 

 

 

 

食堂の厨房にて

 

勇人「間宮ァ!!伊良湖ォ!!」

 

間宮「ヒッ!!貴方は誰ですか!?ここは関係者以外は……赤城「関係者です!」……あ……赤城さん!?」

 

伊良湖と呼ばれた女性「ヒッ!!こ……この制服は提督!?今度の提督はヤクザですか!?」

 

勇人「誰がヤクザだ!?アァ!?人が気にしている事を言うんじゃねぇ!!」

 

伊良湖「ヒィィッ!!!」

 

大和 武蔵(ガチでカチコミしたぞ!?ヤクザ顔負けの暴れっぷりで!?)

 

勇人と赤城は『こんな食事』を与えている二人に怒鳴り散らすと食堂から野次馬が見にきた

 

響「……まるでキレた時の霧島さんみたいな人だ……」

 

お団子ヘアーの少女「ヒィィッ!!!那珂ちゃん、この人が新しい提督なんて嫌だよぉ!比叡さん止めてください!!」

 

巫女服を着たセミロングの女性改め『比叡』「ヒェーーーーッ!!!無理無理無理!!」

 

 

 

ガヤガヤ……

 

 

 

 

夕立「うわ……意外とおっかない人っぽい……」

 

武蔵「私達はこんなおっかない人(ヤクザ紛いの人)に……」

 

大和「喧嘩売ってたのですね……って止めないと不味いですよ!!止めに行きましょ!」

 

夕立「無理っぽい!ってか武蔵さん達が止めに行った方が良いっぽい!」

 

武蔵「止めたいのは山々だが、あの膝蹴りで大破してしまったからな……」

 

夕立「一蹴りで一発大破!?提督さんって何者っぽい!?」

 

大和「まぁ彼は人の一線を越えている(今までの常識が通じない)御方ですから私達では対処出来ません……」

 

三人は半暴走している二人を黙って見ていると厨房に和装の黒髪の女性が割り込んできた

 

和装の黒髪の女性「間宮さん!伊良湖さん!どうかしまし……赤城さん!?それに貴方は……」

 

間宮 伊良湖 赤城「鳳翔さん!?」

 

勇人「アァ?『龍飛』さんか?」

 

和装の黒髪の女性改め『鳳翔(龍飛)』「私の事をそう呼ぶって事は貴方だけですよ『若』いいえ『司令』」

 

黒髪の女性『鳳翔』は勇人の事を『若』と言うと勇人は安堵したのか、鳳翔に質問した

 

勇人「良かった……あの『糞親父』の方の龍飛さんだったのか……ってか何時から来たんだ?」

 

鳳翔「私は昨日、ここに配属が決定して、先程、着任して来たのです……って若!?一体どうしたのですか!?こんなにボロボロで!?」

 

川内 武蔵 大和(ドキッ!?)

 

霧島(ブーッ!?ちょ!何で鳳翔さんが!ってか『若』ァ?アイツの実家はヤクザですか!?)

 

鳳翔は今朝から、前提督に酷い扱いを受け恨んでいる連中に攻撃されて服がボロボロになっていたのだ

そして鳳翔の発言に食堂に座っていた大和と武蔵、そして別席で食事(補給)を取っていた川内が挙動不審になり、霧島は挙動不審のあまりコップに注がれた重油を吹きこぼした

 

勇人「なぁに、ここの鎮守府の艦娘達から洗礼(熱い歓迎) を受けただけさ♪そんなに気にする事じゃねぇって♪後、龍飛さんも、これが『食事』だと思えr……鳳翔「有り得ません、これが食事なら今すぐに……って先程赤城さんと怒鳴り込んだ理由は、この事でしたか……」……説明する手間が省けて助かったぜ♪」

 

勇人は鳳翔に質問すると鳳翔は即答で否定し、勇人と赤城が怒鳴り込んだ理由を察すると勇人は鳳翔の推理力の高さに安堵し、鳳翔は微笑みながら言った

ちなみに何故勇人は、鳳翔の事を『龍飛』と呼ぶのかは後々説明するが『龍飛』という名前は第二次世界対戦時、鳳翔は軽空母になる前の国の案の名前が『特務艦 龍飛』という案が出たが、国家予算や条例等、色々な制約が入り、急遽、製造途中の龍飛を改良されたのが『軽空母 鳳翔』であるのは余談である

 

鳳翔「それはなりよりですね♪では赤城さん、今私が持参した食材が『パイナップル』、『海老』に『豚肉』そして多少の調味料と野菜しか無いので『アレ』を作ってくれませんか?」

 

赤城「勿論です!さ、早く作りましょ!!」

 

鳳翔は赤城に『とある料理』を作る様にお願いするど赤城は空腹なのか即答で答え、調理し始めた

 

そして…

 

 

 

トントン…

 

 

 

ジュー……

 

 

 

 

 

 

 

 

赤城「出来上がりました♪」

 

勇人「ウ~ン♪上々だな♪」

 

赤城「台詞取らないで下さい!」

 

間宮 伊良湖「うわ……美味しそう」

 

鳳翔「酢豚とエビチリですね♪」

 

勇人「龍飛さん、わざと酢豚とエビチリの食材しか持ってこなかったのか?」

 

鳳翔「いえいえ、偶然です♪」

 

武蔵(これが『食事』いや『酢豚』それに『エビチリ』か……食欲がそそるようなスパイシーな匂いや、それにいて具沢山な野菜や豚肉に炊きたてであろうホカホカの白飯……耐えれん!)

 

大和「ゴクッ……美味しそう……」

 

夕立「食べたいっぽい!!提督さん!赤城さん!夕立達にも頂戴!!」

 

そう赤城が作ったのは、酢豚とエビチリである

夕立は赤城や勇人に懇願すると赤城は笑いながら言った

 

赤城「当たり前です♪これは『ここにいるみんな』の為に作りましたから♪」

 

野次馬 大和型姉妹 間宮 伊良湖「!?」

 

赤城が笑顔で答えると野次馬だけでは無く大和型姉妹、さらには間宮や伊良湖までもが驚き、そして…

 

巫女服を着た長髪黒髪の女性「あの……本当に榛名達が食べても良いのですか?」

 

赤城「勿論です♪だから早く御盆と食器を持ってきて下さい♪お代わりもありますから♪」

 

巫女服を着た長髪黒髪の女性改め『榛名』「ッ!?ありがとうございます!!」

 

巫女服を着た長髪ピンク髪の女性改め『隼鷹』「ヒャッハー♪んじゃ赤城さんお願いします♪」

 

お団子ヘアーの少女改め『那珂』「隼鷹さん!?赤城さん!お願いします!」

 

夕立「ポイィーーーーーー!!!!みんな狡いっぽい!!夕立が先っぽい!!」

 

ガヤガヤ……

 

赤城の発言により他の艦娘達が料理を食べようと赤城達の前に一目散に並んだ

 

勇人「フッ、全くアイツらは……」

 

鳳翔「余程『飢えて』いたのかも知れませんね♪」

 

勇人「かもな♪」

 

勇人と鳳翔は微笑みながら追加の酢豚と白米、そしてエビチリを作っていた

そして……

 

赤城「いただき……ってもう食べている!?」

 

ガツガツ…

 

赤城が手を合わせ食べようとしたが艦娘達は食べ始めていた

 

そう……

 

 

 

 

 

 

 

 

那珂「ヒクッ!美味しい……」

 

榛名「グズッ……榛名には勿体な……グズッ」

 

比叡「ヒェーーーーッ!美味しい!こんな補給初めて!!」

 

榛名「比叡お姉さま、これは補給じゃなくて朝食です……グズッ……」

 

ほとんどの艦娘達は嬉し泣きをしつつ食事をありつけていたが、中には……

 

大和「提督、おかわり頂けませんか?」

 

夕立「ぽい!夕立も!」

 

武蔵「夕立はともかく姉さんは自粛すべきじゃないのか?何杯目なんだ?」

 

余りの美味しさに御代わりを要求してきた者がいたほどだ

 

だが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

川内「ちっ!そうやって夢を見せてから『地獄』に落とすんだろ」

 

霧島「目に見えていますね……長門さん」

 

長門と呼ばれた女性「ああ……だが今は『腹が減っては』復讐が出来ないな、陸奥」

 

陸奥と呼ばれた女性「ええ……だけど見た感じ毒は入っていないわね」

 

勇人(はぁ?『毒』に『地獄に落とす』!?いくら前任のせいでも『これだけ』は我慢出来ねぇ!ちょっと一喝するか!)

 

 

勇人達の思いを分かっていないのか、はたまた前提督に対しての恨みなのか警戒している艦娘もいた

勇人は四人の会話を聞いたのか、追加のおかず作りを止め、四人に近づいた

 

勇人「おい退〇忍コンビ、俺は飯に毒を入れる(薬を盛る)様な食事を冒涜するような真似はしねぇし、復讐をしたい(俺を殺す)のなら、何時でも受けてやる!ただし俺も『潰しにかかる』から覚悟しとけよ、そして川内に霧島!オメー等は食事後、執務室に来い!話がある」

 

勇人(あの『書類』絡みなら知ってそうだしな……)

 

川内(何だ!今の殺気は!?死にたくないから那珂に行かせて……)

 

霧島(艦娘でも、こんな強い殺気を放った人なんていない筈よ!?彼は一体……榛名に行かせた方が良いですね!榛名なら………)

 

長門(くっ!?何だ!!『ビッグセブン』である私が臆してるなんて!)

 

陸奥(こっわ……この人は怒らしては駄目な人だわ……)

 

勇人がドスの効いた声(殺意の篭った声)で四人に言い残し、厨房に向かった

四人は勇人の言葉に臆し、まともに飯が喉を通らなかったのは言うまでも無かった

 

 

 

 

 

 

 

なお30分後、赤城、鳳翔、勇人しか居ない食堂にて……

 

 

勇人「さぁーて♪俺の分は♪」

 

鳳翔「ご免なさい若、食材が……」

 

赤城「無くなりました!」

 

勇人「……Oh No(嘘だろ)……」

 

その後、勇人は昼まで、ひもじい状態(空腹のまま)で仕事しなざるを得なかったのは言うまでも無かった

 

 



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第5話「謝罪そして代償」

うp主ですm(__)m
今回はグロテスクな表現は有りませんがR-15の表現、下手をすればR-18に近い表現が含まれていますので御注意をお願いしますm(__)m


1000 執務室にて

 

勇人「……遅い!」

 

赤城「そうですね……」

 

二人は川内、霧島を待っていたが一向に来なかった

 

夕立(うわ……かなり気まずいっぽい……早く帰りたいっぽい……)

 

大和(仕方ないですよ、提督は朝食を抜きになってから『かなり』イラついていますし、赤城さんは同じ艦娘に攻撃されましたから頭に来ているんだと……)

 

武蔵(まぁ……提督がキレない限り収拾がつくからな……)

 

大和(まぁそうですね……)

 

夕立(ぽい?)

 

三人は勇人と赤城の様子を見て、呟く様に喋るとドアのノック音が聞こえた

 

榛名「榛名と那珂です」

 

那珂「入室許可をお願いします……」

 

二人は恐怖で震えながら言うと勇人は許可を出そうとしたが……

 

赤城「どうぞ」

 

勇人(お前が言うんかい!?)

 

赤城(今の提督の状態では彼女達をビビらせてしまいます)

 

大和 武蔵(デスヨネー)

 

夕立(否定できないっぽい……)

 

 

赤城が許可すると榛名、那珂が怖れながら入ってきた

 

勇人「ん?榛名に那珂だっけな?一体どうしたんだ?」

 

勇人が苛つきを隠しつつ普段通りのフランクな口調で二人に聞くと、二人は勇人達の目の前で正座をし頭を下げた

 

そう土下座である

 

榛名「提督、私の妹の霧島が無礼を働き、すみませんでした!」

 

那珂「同じく、那珂ちy……いえ私の姉が無礼を働き、すみませんでした!」

 

那珂(ヒィッ!川内ちゃん!何で私に行かせるの!?絶対犯されるのに……もう覚悟は決めたよ!)

 

榛名(こ………怖い……前任とは違った『怖さ』をもった人だわ……殺される前に……早く提督の機嫌を……)

 

勇人「ああ、朝の『歓迎』のやつか、別にk……榛名「だから……」……ん?」

 

勇人は榛名達に優しく言うと二人は立ち上がり、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パサッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

榛名「だから、私達の『身体』で……』

 

那珂「どうぞご自由に御使い下さい……」

 

二人は機械の様な表情の無い口調で服を脱ぎ捨て、身体にかなりの数の傷があるが生まれた姿のまま勇人に抱きついてきた

 

勇人「ウェッ!?」

 

赤城「へ!?ちょ!?提督!?一体どういう事ですか!?」

 

勇人「それは此方が聞きてぇぞ!大和!武蔵!夕立!一体これは……」

 

武蔵「これは前任者が『何時も』やっていた事だ」

 

那珂「では……失礼します」

 

勇人「つくづく胸糞の悪い奴だな!ってか那珂!?ズボンのチャックを開けん……ムグッ!?」

 

チュ……

 

 

ジュル……

 

 

クチュ……

 

 

 

 

 

榛名は勇人の口の中を舌で撫でる様に妖艶な表情でキスをし始めた

 

榛名「ンッ……チュ……ンンッ……チュ……プファ……大丈夫です提督、伊達に戦艦の艦娘ですから『多少』の特殊な行為(アブノーマルなプレイ)なら榛名は大丈夫です」

 

榛名は顔こそが妖艶になっていたが機械の様な無表情な口調で勇人に言った

 

勇人「これはこれで……じゃねぇ!俺が良くねぇ!色々と!ってか大和!武蔵!赤城!夕立!何とかしろ!話が進まねぇし、下手すれば色々とヤバイ事になるぞ!(憲兵達が来る羽目になるぞ!)……ムグッ!?」

 

勇人(ヤバイヤバイヤバイ!!榛名の身体に那珂の献身的な奉仕プレイ……これじゃ俺の欲求が……去れ! マーラ(性欲)よ!!己の欲求に打ち勝て!!ってか早く止めてくれぇ!!)

 

那珂が勇人のズボンのチャックを開け、榛名は勇人に再度ディープキスをすると勇人は四人に助けを求めた

 

自分の欲求と戦いながら……

 

大和「分かりました!では……」

 

夕立「ちょっと荒いけど我慢してっぽい!!」

 

勇人「プハッ!?へ!?何故艤装を着けて……まさか!?」

 

赤城「多分、その『まさか』です……」

 

勇人は大和、夕立が艤装を着け、照準を勇人に向け、そして……

 

 

大和「敵艦(変態提督)捕捉、全主砲薙ぎ払え!」

 

夕立「さぁ!素敵なパーティーをしましょ♪」

 

榛名 那珂「ヒッ!?」

 

勇人「チッ!?クソッタレ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドコーン!!!

 

 

 

 

 

夕立「ぽい♪完了♪」

 

大和「まぁこんなものでs……武蔵「ゲホッゲホッ!こんのぉ馬鹿姉ぇに夕立!ここで主砲を放つ馬鹿が居るか!提督達に当たるだろ!」……すみません」

 

夕立「大丈夫っポイ♪夕立が撃ったのは空砲だから♪」

 

赤城「ゴホッゴホッ!貴女達やりすぎです!提督!榛名さん!那珂さん!大丈夫ですか!?」

 

煙がある程度晴れると武蔵と赤城が勇人達の安否を確認しに近づくと……

 

 

 

那珂「ヒッ……あ、あれ?」

 

榛名「私達、生きている……ッ!?提督!?」

 

 

那珂と榛名は大和と夕立の攻撃を受けなかったのか砲撃のススを被った程度で済んだが勇人は……

 

勇人「武蔵、当たる『だろう』じゃなくて『当たった(クリティカルヒットした)』んだよ!しかも大和!俺は敵じゃねぇ!」

 

そう勇人は武蔵達を背に向け榛名と那珂を庇い、頭から血を流し、所々火傷を負い、艤装が火花を散らし故障していたのだ。勿論背中の刺青を露にした状態で……

 

大和「ヒッ!?あ……あ……」

 

夕立「ポ……ポイィーーーーーー!?」

 

武蔵「な!?あれは……」

 

赤城「あ!?『背中のアレ(刺青)』出てるって事は……不味いですね!」

 

武蔵「『アレ』が出るからって何が不味いんだ?」

 

赤城「『アレ』が出ると言うことは今、提督は艤装を装備し私達と同じ艦娘、いや艦娘に『近い』状態じゃないと出ない症状です!しかもこの事は大本営から提督自身が『防衛機密』と指定されているのです!」

 

武蔵「そうなのか!?って提督!?お前頭から血が出ているぞ!?早く応急処置を!」

 

勇人「大丈夫だ、問題ない……榛名に那珂、立てるか?」

 

榛名「はい……」

 

那珂「大丈夫です」

 

勇人は二人に手を差し伸ばすと二人は勇人の力を借りて立ち上がった

 

勇人「んじゃ武蔵と一緒にドックに行ってこい、今回の事と今朝の件は『不問』にするから」

 

榛名 那珂「!?」

 

武蔵「しかし提督!これでは……」

 

武蔵は明らかに自分や那珂、榛名以上に轟沈寸前の(重傷を負った)勇人の発言に異議を唱えようとしたが勇人は首を横に振り、優しく諭す様に言った

 

勇人「言いたいことが有るのは分かるが武蔵、これは『命令』だ、そして二人は俺に『身体を自由に使って良い』と言ったんだ……だから入渠してこい!」

 

那珂 榛名「ッ!?ありがとうございます!」

 

武蔵「……すまない」

 

榛名と那珂は勇人の言葉に嬉しかったのか、泣きながら御礼を言い、武蔵も申し訳無さそうに頭を下げた

勇人「後、那珂に榛名は、ちょっと大きいが俺のジャージとスウェットを着てから移動しろよな……流石に中破した状態の服じゃ不味いからな……」

 

勇人(俺の理性が轟沈してしまうからな……只でさえ女優やモデル、キャバ嬢達が速攻で逃げ出す位の美女達に囲まれているのだからな……)

 

那珂「はい!ありがとうございます!」

 

榛名「榛名には……勿体無い御言葉です……」

 

武蔵(凄い筋肉だ……おっと!このままでは榛名達みたいに襲ってしまう所だった……耐えるんだ!武蔵!!)

 

赤城(……武蔵さん、涎出てますよ)

 

勇人「フン、気にするな……えーっと……確か大荷物になるから艤装に入れたんだが何処にいれたっけな……よっと!」

 

ガチャン!ガチャガチャ……

 

那珂(外見は格好良いが怖い人だけど優しい人なんだ……良かった……前任みたいな人じゃなk……え!?)

 

榛名(良い意味でチンピラ染みた外見とは釣り合っていない御方ですね……しかも男前(イケメン)で……って!?)

 

勇人は艤装を外し、那珂達に背中を向けて艤装の中を物色し始めた

 

そして二人は勇人の『背中』を見て叫んだ

 

那珂「エェー!?ちょ!?ちょっとアレってヤクザの人達がする刺青だよね!?どうして司令が!?ってか本物!?」

 

榛名「え!?ちょ!?那珂さん落ち着いて下さい!?提督!背中のアレって……」

 

二人は艤装の中を物色している勇人に聞くと、勇人は何事も無かった様なブランクのある口調で答えた

 

勇人「ん?ああ、背中の刺青か?本物だ」

 

勇人は二人の質問に答えると、二人は絶望はしなかったが……いや『違う意味』で絶望した

 

榛名(……前提督とは『違う意味』で問題になりそう、榛名は大丈夫でしょうか……)

 

那珂(前言撤回!やっぱり次の提督はヤクザ……)

 

放心状態になり、立ったまま気絶したのは言うまでも無かった

勿論……

 

大和 夕立「……」

 

赤城「完全に気絶してますね」

 

武蔵「……情けない姉で……すまない」

 

勇人「ん?どうしたんだ?ってか何故延びているんだ?まぁ前任が隠していた『バケツ』が有ったから逆上せたら使え」

 

武蔵「分かった」

 

大和、夕立もお互い抱きついたまま気絶していたのであった

 

数分後、気がついた榛名、那珂は勇人が用意した着替えに着替えて武蔵と共にドックに向かった

余談ではあるが刺青の件で腰が抜けて歩けなくなった榛名、那珂を武蔵、赤城が運んで行き、大和と夕立はソファーで横になっていたのは言うまでも無かった



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第6話「信念」

1100 ドック内 入渠室にて

 

武蔵「はぁ~♪久々の入渠(入浴)は身体に染みるな♪」

 

榛名「武蔵さん、オジサン臭いですが同感です♪」

 

那珂「はぁ~生き返る♪ってか入渠室って、いつの間に直っていたの?」

 

三人は久々の入渠もとい入浴なのか精神的に癒されていき、浴槽で寛ぎながら喋っていたのだ

 

武蔵「さぁ?多分提督か赤城が手配してくれたんだろう」

 

榛名「まぁ『あの二人』なら……」

 

那珂「あり得るかも……ってか!?何で武蔵さんも入渠しているの!?(入ってきているの!?)

 

武蔵「ん?ああ、実は数時間前、提督を殺しに姉s……大和と向かったんだが……」

 

榛名「まさか、提督に『返り討ち』に……」

 

那珂「まっさか♪武蔵さんと大和さんの最強コンビだよ!そう簡単に……」

 

武蔵「……」

 

那珂「……本当の話なんだ」

 

那珂は武蔵の言葉に信じていないのか明るい口調で言うが、武蔵は俯き、黙る所を見て察してくれた

 

那珂「ってかナガモン(長門さん)ムッちゃん(陸奥さん)、霧島さん、そして川内ちゃんが一斉に武蔵さんに攻撃してもようやく小破(かすり傷)位しかならないのに……」

 

榛名「あの提督……一体何者?」

 

那珂「まさか『薬』をやってたりして……だってあの背中だよ!」

 

武蔵「それだったら今頃は基地じゃなくて精神病院に入院(着任)しているぞ……」

 

榛名「それもそうね、所で大和さんもそうだけど武蔵さんは何故、彼を提督として認めたのですか?この鎮守府の中で一番、提督の事を『恨んで』いたのに……」

 

榛名の質問に武蔵は背伸びをし、答えた

 

武蔵「ウ~ン……あの提督の『信念』や『芯の強さ』『一番に艦娘の事を考えている事』そして『吹雪が言ってた新しい提督だった事』……かな」

 

那珂「ええー!?あの人が吹雪ちゃんが言ってた新しい提督!?」

 

榛名「しかし何故、武蔵さんは、あの人が吹雪さんが言ってた提督だと分かったのですか?前任からは半年前の『大本営襲撃事件』で『戦死』……いえ『不名誉による提督自身の特攻によって死亡』と聞かされたのですが……」

 

武蔵「不名誉って……多分前任にとっては彼の存在自体が『邪魔』で自分の身を守る為に吹雪や大和や榛名みたいに新提督の着任を賛成する連中に『嘘の情報』を流したんだろうな……それに彼は吹雪から聞いた新提督の外形の特徴が一致してたんだ」

 

那珂「なるほど、だけど『あの背中』と艤装は……」

 

榛名「そうです!あの背中です!百歩譲って艤装は護身用として着けているかも知れませんが、あの刺青は軍法違反ですよ!米軍(アメリカ)なら大丈夫ですが、ここは日本ですよ!?何故刺青をしているのですか!?」

 

武蔵「まぁアレは提督が艤装を着けた時のみ現れるらしいから……ってかアレで護身用なら相当デカイぞ、護身用なら『駆逐艦』程度の艤装で充分だけどな……」

 

那珂「つまり提督が『キレなければ(自ら戦いに行かなければ)』出ないんだね」

 

武蔵「簡単に言えばな……そろそろ上がるか」

 

榛名「待ってください!那珂さんは『軽巡』だから直ぐに治りますが武蔵さんは私と同じ『戦艦』です!こんな直ぐに上がるとまた提督に……」

 

武蔵「それなら……」

 

榛名の注意に武蔵は浴槽の隣にある『ボタン』を押した

 

武蔵「『バケツ(高速修復材)』を使えば大丈夫だ」

 

武蔵がボタンを押すと天井からバケツがやって来て、バケツの中にある液体が武蔵の浴槽に入ると浴槽は光り出し、モニターの時間が零になった

 

榛名「バケツって……」

 

那珂「ってかバケツ有ったんだ」

 

武蔵「多分、前任が横流しするために残しておいた物だろ、まぁ提督から『逆上せたら使え』と言われてたからな」

 

榛名 那珂「たったそんな理由で!?」

 

武蔵「んで、お前達は使わないのか?もうそろそろ昼食だが?」

 

武蔵の言葉に二人は……

 

榛名 「御飯!?是非使わさして頂きます!!」

 

那珂「那珂ちゃんも!!」

 

武蔵「即答か、まぁ『気持ち』は分かるが……」

 

二人に高速修復材を使い、三人は食堂に向かった

 

 

 

 

 

 

同時刻 執務室にて

 

勇人「いってぇ……やっぱ無茶すべきじゃねぇな」

 

赤城「全くです!もう少し自分を労って下さい、いくら『三笠さんとの約束』だからって……」

 

勇人「赤城、これは俺の意志でやったんだ……アイツ……いや『母さん』とは無関係だ」

 

赤城「意志…ですか」

 

勇人は携帯型高速修復材を使って応急処置していて、勇人は赤城の質問に煙草を吸いながら言った

ちなみに夕立は現在絶賛気絶中であるが……

 

大和(三笠?三笠って英国のヴィッカーズ社で造られた日本艦……つまり金剛さんと同じ英国出身の日本艦でしたっけ……ってか『母さん』!?何故提督と関係が?)

 

大和は目が覚めたが二人の会話に興味が湧き、そのまま気絶した振りをして盗み聞きをしていた

 

勇人「俺が半年前、まだ訓練生だった時の事件……知っているだろ?」

 

赤城「大本営襲撃事件……あの事件は私がまだ『深海棲艦』として活動、当時訓練生だった提督を含め全員殺し、人間側の士気の低下及び戦力低下を目的に行った事件ですね……まぁ結果は私が率いる深海棲艦は提督の手で壊滅(全員轟沈)、私も提督の手で轟沈寸前(瀕死の重症)に追い込まれた事件ですね、そして提督は体の至るところが欠損する等の瀕死の重傷、そして三笠さんの『轟沈寸前(瀕死の重症)』いえ『艦娘として再起不能』に……そして提督の延命処置として御互い同意を得て三笠さんの体と命を使って……」

 

勇人「……」

 

大和(赤城さんが元『深海棲艦』!?提督自らの手で壊滅!?三笠さんの再起不能!?ってか半年前の事件って確か赤城さん一人で深海棲艦を壊滅した事件ですよね!?ってか前任から『提督は戦死』したと……)

 

勇人「大和、気絶した振りをして盗み聞きとは良くねぇぞ」

 

大和 赤城「!?」

 

勇人は盗み聞きをしている大和に言うと大和は申し訳なさそうに立ち上がった

 

大和「すみません……お声を掛けようとしたのですが……」

 

勇人「何、気にするな」

 

大和「……提督、私達が『知っている』大本営襲撃事件の内容とは違う内容だったのですが……教えて頂けませんか?赤城さんが元深海棲艦だったことや三笠さんとの関係を……もしその事件が提督の『覚悟』、『信念』の元となる切欠なら、私達大和型戦艦は提督の為に全身全霊をかけて協力していきます!どうか御願いです!」

 

大和の御願いに勇人は溜め息をつき答えた

 

勇人「分かった、ただしこの事は『特別防衛機密』の内容だ……それでも良いんだな?もう普段の生活に『戻れなく』なるぞ?」

 

特別防衛機密とは一部の大本営、それに関わった人物しか知らない重要機密である、勿論艦娘も例外ではなく、それを第三者に知られると、その者を重い罪または処刑しないといけない内容である為、関わった艦娘以外の艦娘達や一般の提督達の中では禁忌(決して触れてはいけない物)だったのだ

 

勇人の言葉に大和は真剣な顔つきで答えた

 

大和「覚悟は出来てます!」

 

赤城「ですが提督!ここで教えたら提督も……」

 

勇人「そんなもん親父に言っておけば対処してくれる……それに殆どバレているようなもんだ、まぁその前に……」

 

大和「その前に?」

 

勇人は真剣な顔つきで答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「もうそろそろ昼飯(時間)だ……行くか」

 

大和「へ?」

 

赤城「そういえば提督は朝『食べてない(抜いていた)』のですね♪」

 

勇人「今までの中で赤城のが一番『旨かった』からな、凹んだぜ」

 

赤城「ありがとうございます♪今回はちゃんと用意してあります♪」

 

大和(え!?ちょ!?抜いて……上手かった!?まさか!?食堂で……)

 

大和は二人の会話を聞いて嫌な……というより変な意味で捕らえてしまい頭の中で二人の会話の経緯を憶測もとい『妄想』し始めた

なお、キャラの憶測、妄想シーンに関しては会話のみの表現となります

 

 

 

 

 

 

 

大和 妄想開始ッ!!

 

 

勇人「はぁ~食ったな♪デザートは………」

 

赤城「デザートですか?デザートは『私』です♪如何ですか?』←服を脱衣、下着のみ

 

勇人「……良いセンスだ!頂いて良いのか?」

 

赤城「はい♪お召し上がって下さい♪」

 

勇人「勇人!抜錨します♪」←赤城にルパンダイブ

 

赤城「welcome♪」

 

 

 

大和 妄想終了ォ!!

 

 

 

 

大和「……提督に赤城さん!昼間からナニを言っているのですか!?」

 

大和は赤面し、勇人と赤城に怒鳴りつけた

 

勇人「ん?何って?そりゃ……大和「そりゃ二人に信頼関係がありますが朝っぱらからエッチは行けません!」……どうして下ネタの方に考えるんだ!?」

 

大和「へ?」

 

赤城「クスッ……成程ね♪提督は朝食を食べていなかったのです♪」

 

大和「……ッ!?それならそうと、はっきり言ってください!」

 

勇人(おいおい……いくら赤城の事を信頼しているとは言え、性行為をするような関係じゃないんだが……ん!?飯……そうだ!閃いた!)

 

勇人は何か閃いたのか大和に伝えた

 

勇人「大和、お前は昼飯、駆逐艦用の食器で食事、御代わり禁止な!後、武蔵にも御代わり禁止の事を伝えておけよ」

 

大和「え!?何故ですか!?」

 

勇人「榛名達の暴走に朝の暴行の罰だ、行くぞ赤城、夕立」

 

夕立「う……ポイ?御飯?」

 

赤城「分かりました♪」

 

大和「ちょ!?提督!?せめて一回だけの御代わりを……勇人「駄目だ、それに今朝、大皿で15回御代わりしただろ!少しはみんなの事を考えて自粛しろ!」……そんなぁ……」

 

赤城(……まるで『子供』と『お父さん』との会話ですね……朝の状態と比べて『かなり』良い関係になってますね♪)

 

勇人は夕立を起こし、そのまま食堂に向かった……大和が落ち込みながら……そして数分後、食堂前で武蔵達と合流し、大和が罰の内容を伝えると……

 

大和「……という訳です!酷すぎませんか!?」

 

武蔵「……今朝に関しては私も罰される理由も納得出来るけど暴走については姉さんの自業自得だ」

 

榛名 那珂「ごめんなさい」

 

大和「ハァ……不幸ですね」

 

と絶望しながら食堂に入ったのは言うまでもなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

1200 食堂にて

 

ワイワイ

 

 

ガヤガヤ

 

 

ヒャッハー!!

 

 

 

勇人「今、どこぞの世紀末みたいな声入ってなかったか?」

 

赤城「そこは気にしたら駄目です!」

 

夕立「ごっはん♪ごっはん♪」

 

武蔵「所で提督、艦娘達に挨拶とかはしなくて良いのか?姉さんも何時まで凹んでいるんだ?」

 

大和「だって……」

 

勇人「あ!?忘れてた!」

 

武蔵は勇人に言うと、勇人は忘れてたのか直ぐに艦娘達の前に立った

 

勇人「アーアー……マイクチェックの時間だゴルァーー!………良し!お前ら、メシ中悪いが話を聞いてくれ」

 

艦娘達「!?」

 

霧島(ちょ!?それ私の台h……ん?いや何か違うわね……)

 

勇人がマイク片手に喋ると食事を取っていた艦娘達は一斉に勇人を見つめた

 

大半の艦娘は勇人のマイクチェックに吃驚しているのは言うまでも無かった

 

勇人「本日付でここの提督となった上城勇人だ!まぁ前任者のせいで俺を受け入れてくれないのは分かっているが俺はあの前任者(馬鹿野郎)とは『真逆』の事を行うつもりだから、お前達『艦娘』を兵器としてはなく『一人の人間』として扱うつもりだ!勿論、大破進撃(無謀な進撃)はさせねぇし、するな!そして、誰一人、沈めさせん!解体させん!もし怪我とかしているのなら治してやる!命だって掛けてやる!もし、俺が前任者と同じ男だと判断、又は信用出来ないのなら演習と称して殺しに来ても構わねぇ!ただし演習としてだから潰しにかかるから覚悟しておけよ!以上だ!」

 

 

ざわざわ……

 

勇人の挨拶により艦娘達はざわついていた

 

隼鷹「これまた気合いの入った奴がきたな♪嫌いじゃないよ♪」

 

青色の軍服を着たポニーテールの女性『那智』「まぁアイツの意思表示は私達に対しての『救済』でもあり『宣戦布告』だな……新米なのに大胆な発想だな……ヤクザ顔だが……」

 

同じくボブカットの女性改め『妙高』「そうね那智、まぁ彼の経緯は足柄に教えて貰ったから信用出来る人だと判断できるが……外見はヤクザ者みたいですが……」

 

同じくショートヘアーの女性『羽黒』「そうですね……ただ明らかに『ヤクザ』の顔つきです……」

 

武蔵「妙高に那智、羽黒あんまり提督にヤクザと連呼しないでほしいな……地味に気にしているらしいからな」

 

妙高 那智 羽黒「……」

 

ざわついている艦娘の中には勇人の信念に納得、信用する者も居れば……

 

比叡「ヒェーー!あのヤクザが司令!?榛名に那珂、大丈夫だった?」

 

榛名「はいお姉様♪ボロボロになった榛名と那珂さんを入渠させてくれる等、怖い見た目とは違って、とてもお優しく、素敵な殿方ですよ♪」

 

那珂「大丈夫だったよ♪今回の司令は、とても優しかったよ♪」

 

那珂(ただ……あの背中はちょっと……)

 

響「うん♪私好みだ♪」

 

銀髪の女性改め『翔鶴』「あ!響ちゃんも!私もよ♪」

 

ツインテールの女性改め『瑞鶴』「翔鶴姉ぇ!?あんなヤクザみたいな奴が好みなの!?ちょっと嫌だな……」

 

黒の制服を着た茶髪の少女改め『雷』「そう?物凄く男らしいじゃない♪」

 

雷にそっくりな少女改め『電』「私も雷ちゃんに同感なのです♪」

 

黒の制服を着た黒髪の少女改め『暁』「えー!?あんな怖い人が!?私は嫌だな……」

 

夕立と同じ服を着た黒髪の少女改め『時雨』「まぁ外見はあんなんだけど良い人そうだね……苦手なタイプだけど……」

 

朱の袴風のスカートに白の着物を着た長髪の女性改め『扶桑』「フフッ♪怖そうだけど精悍な顔つきで良い男ね♪」

 

同じくショートヘアーの女性改め『山城』「ヤクザが提督なんて……不幸だわ」

 

夕立「気持ちは分かるけどヤクザって言わないで欲しいっポイ!いち早く慣れて欲しいっぽい!」

 

時雨 瑞鶴 山城 比叡 暁「無茶言わないで欲しいな……」

 

勇人(頼むからヤクザと言わないでくれ……『家柄』の関係上、仕方がないから……)

 

勇人の第一印象、そして外見に対して賛否両論を唱える者もいたが、何より一番多かったのは……

 

川内「どうせ、夜には本性を表すんだろ……まぁ殺しが良いなら飯食べてからにするかな……長門さんもどう?」

 

長門「……ああ」

 

陸奥「私はパス、暫くは食事の余韻を楽しみたいわ……やるのなら夜遅くからで、どうかしら?」

 

霧島「色仕掛け(ハニートラップ)ですね♪ならアイツの好みを知る必要がありますね……それに私の台詞を奪った代償も払って貰いますよ!」

 

青みのかかったツインテールの女性『蒼龍』「なら私に任せて!青葉から自白剤を貰っているからアイツの食べ物に混ぜて好みを吐かせる(落とす)から♪」

 

銀髪のツインテールの女性『鹿島』「良いですね♪なら……」

 

提督(人間)』を恨んでいるのか、勇人を暗殺しようとする者が圧倒的に多かった

 

だが食堂の隅にて……

 

刀を持った眼帯をした女性『天龍』「ん?アイツは!?生きていたのか!」

 

薙刀を持ったショートカットの女性『龍田』「あら~天龍ちゃん、あの提督とは知り合いなの?」

 

天龍「ああ、俺がまだ『大本営』に居た時に……な」

 

龍田「成程ね~♪『あの事件』の生き残りって訳ね♪そのまま死ねば良かっt……天龍「おい龍田、例えお前でもアイツを侮辱するのは許さんぞ!」……ごめんね、けど天龍ちゃんがアイツに夢中なんてねぇ♪ちょっと妬けちゃうわ♪」

 

薄い紫のかかったショートカットの女性改め『多摩』「何故天龍はアイツを『そこまで』庇うんだニャ?」

 

天龍「アイツは俺の……いや『あの事件』に関わった艦娘達や新米の提督達の『命の恩人』なんだ」

 

龍田「命の恩人ねぇ……」

 

天龍「まぁこれ以上言うと『特別防衛機密』に引っ掛かるから言わねぇけど、これだけは信じて欲しい!アイツは前任者みたいな屑じゃねぇ人間()だ!」

 

レイピアを持った眼帯の女性『木曾』「……お前がそこまで言うのなら分かった」

 

龍田「木曾ちゃん……分かったわ、天龍ちゃんがそこまで言うのなら信用するわ」

 

天龍「ありがとう……本当に……」

 

茶髪のアホ毛が特徴の女性『球磨』「球磨も信用してみるクマ!」

 

勇人の『過去』を知っているのか、ごく僅かにだが、説得する者もいた

 

 

 

 

 

 

 

そして1時間後、執務室にて

 

執務室には武蔵、大和、赤城そして勇人がソファーに座っていた

 

勇人「はぁ~食ったな♪」

 

大和(………まだ食べ足りない……ってか提督、食べ過ぎです!)

 

武蔵(くっ!?抜かった………今日の昼食が『佐世保バーガー』だったなんて……この罰は地味にキツかったぞ!)

 

大和「……提督、教えてくれませんか?半年前の事件の真相を……」

 

武蔵「半年前の事件って大本営襲撃事件の事だな?」

 

赤城「ええ、あの事件の真相ですが、ただ今から言うことは『特別防衛機密』の内容だから口外しないで下さい!」

 

武蔵「なっ!?それはどう言うことだ!?あの事件は赤城、お前が救ったんじゃ……」

 

武蔵が狼狽えると勇人はタバコの火を灰皿に押し付ける様に消し、喋った

 

勇人「『表向き』ではな……だが武蔵に大和、この話を聞いたら普段の生活に戻れなくなるぞ、何せ今から軍法違反するからな……止めるのなら今のうちだ」

 

勇人は二人に言うと大和は覚悟したのか真剣な顔で答えた

 

大和「もう覚悟は出来ています!」

 

武蔵「ちょ!?姉さん!?これは一体どういう事だ!?」

 

大和「武蔵、貴女が榛名さん達をドックに運んでいるときに……」

 

勇人の発言に大和の承諾で武蔵は混乱してたが、大和は武蔵に今までの経緯を説明した

 

大和「……という訳です」

 

武蔵「成程、そう言う訳か……」

 

勇人「んで、再度聞くが武蔵、お前は今から特別防衛機密の内容を知る覚悟は出来ているんだろうな?無かったr……武蔵「何を言っている?覚悟が出来ていなかったら直ぐにでも出ていっている!」……分かった」

 

勇人は机の上に置いてある午〇ティーを一気飲みをし、続けて喋った

 

勇人「今から半年前の話だ……」

 

勇人は重い口調で話を続けた

 

勇人が秘密にしてた事、そして『あの計画』……全て打ち明け始めた



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第7話「勇人の過去 」前編

どうも皆さん、うp主ですm(__)m
感想、誤字などの報告等ありがとうございますm(__)m
この回(第7話全般)は語り口は、ナレーションではなくオリ主がメインに語っていくのでご了承お願いしますm(__)m
後、かなりの数のグロデスクな表現がされてますので御注意をお願いしますm(__)m


勇人「あれは半年前の話だ…」

 

勇人は重い口調で話を続けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

半年前 大本営 横須賀鎮守府付近の海域にて

 

霧島に似た女性改め『三笠』「訓練生の皆さん、今から私達が戦闘に関する陣営及び模擬戦をしますので気を引き締めて指揮を行って下さい」

 

訓練生達「はい!」

 

勇人(ウップ………頭が痛い……吐き気もだ……完全に『二日酔い』だ……」

 

天龍「おい上城訓練生!返事はどうした!」

 

勇人「……はいはい、分かったから耳元で叫ぶな、二日酔いで頭が痛ぇんだ」

 

天龍「チッ!」

 

天龍は訓練生達がボートに乗っていた俺に一喝を入れると元の配置に戻り、天龍と入れ替わる様にウェーブのかかった女性が近付いた

 

ウェーブのかかった髪形をした女性改め『足柄』「……ごめんね勇t……上城訓練生、私達の晩酌に付き合ってくれて」

 

勇人「気にするな、俺もアンタ達の本音を聞けたからな……まぁ本音と言うより『愚痴』だったけどな……後、普通通りに『勇人』で良いんだぞ……」

 

足柄「フフッ♪そうするわ勇人♪あと自分の部下(艦娘)の愚痴を聞くのも提督としての仕事よ♪未来のエリート提督さん♪」

 

勇人「アンタはただ呑みたかっただけだろ……」

 

足柄「まぁね♪所で『吹雪』ちゃんと連絡取ってる?初めての秘書艦だから定期的にコミュニケーション取らないと嫌われるわよ♪」

 

足柄の言葉に俺は俯いた

 

勇人「……昨夜、吹雪がいる鎮守府の提督から連絡があったんだ……『吹雪は独断で大破進撃をして轟沈』……と」

 

足柄「え!?まさか昨夜のやけ酒って!?」

 

そう、俺は事件の前日、本来の秘書艦になる吹雪が轟沈した事を聞いて悲しみを無くす為、自棄酒をしていたんだ

 

勇人「……あの子はそんな無茶な事はしない艦娘だったのにな……クソッタレ!」

 

足柄「……」

 

俺の言葉に足柄は強い怒りがあったのか拳を強く握りしめた

 

足柄「……それでどうするの?」

 

勇人「卒業したら墓参りに行くさ……」

 

足柄「勇人……」

 

勇人「そして吹雪が居た鎮守府の提督を殴る!殴って殴りまくる!二度と立ち上がれない様にな!」

 

足柄「ププッ!殴るって……それ私も混ざって良い?私も、あの提督の事が大ッ嫌いなのよ!顔も見たくもない位に!!」

 

勇人「ああ♪」

 

俺がそんな事を言うと足柄はツボに入ったのか笑いながら答えた

 

三笠「おい!足柄!無駄口を叩くな!」

 

足柄「はいはい♪『親バ艦娘』さん♪」

 

三笠「……ったく誰が親バ艦娘だ」

 

三笠が怒鳴ると足柄と入れ替わる様に俺に近付いた

 

ちなみに『親バ艦娘』の由来は『親バカ』の言葉に『艦娘』という言葉をくっ付けた造語だ

 

三笠「……勇人、昨日はその……すまなかった」

 

勇人「何がだ?『血の繋がりの無い息子』に二日酔いにさせる位に飲ませた事か?」

 

俺が冗談まじりで言うと三笠は顔を横に振り答えた

 

三笠「………冗談は止めて……吹雪の事よ、吹雪の轟沈に関しては私も昨日、彼方の提督から聞いていたわ……私がもっと早く提督……いえ(上城一馬元帥)に報告し、逸早く吹雪を転属させれば……本当にごめんなさい」

 

勇人「何故謝るんだ?謝るのは吹雪の提督だろ?三笠が悔やむ必要がねぇ……」

 

三笠「勇人……ありがとう」

 

足柄「勇人……」

 

勇人「アーッ!もう!今は訓練に集中!ほらさっさとやるぞ!こんな辛気臭いままだと気が滅入る!!」

 

三笠「……クスッ、やっぱり『こういう所』は貴方(父親)に似ているのね……分かったわ!」

 

天龍「三笠さん、上城訓練生……」

 

当時の俺は三笠……いや母さんが何故そんな事を言ったのか分からなかった

 

今考えれば此所の状態……当時の佐世保鎮守府(吹雪がいた鎮守府)がブラックだと気付いていれば、こんな事には成らなかったと後悔しているんだ……俺だけではなく母さんや足柄に天龍、そして親父も……

 

武蔵「……」

 

大和「……」

 

さて、話を続けるぞ

 

三笠が吹雪の轟沈で落ち込んでいる俺を慰めていると伊168(イムヤ)が三笠に切羽詰まった様子で近付いてきたんだ

 

赤毛にスクール水着の上にセーラー服を着た少女改め『伊168(イムヤ)』「大変よ!!!深海棲艦の艦隊が此方に押し寄せて来るわ!」

 

勇人 天龍 足柄「!?」

 

訓練生1「え!?」

 

訓練生2「ヤバッ!一体どうすれば良いんや!?」

 

訓練生3「もう駄目だぁ……お仕舞いだぁ……勝てる筈が無い……」

 

伊168……面倒臭いからイムヤと呼ぶが、イムヤの報告に訓練生達(同期達)は、まだ未熟な為に指揮の能力が無く、混乱、不安そして絶望する者も居た

 

勇人「テメェら落ち着け!!」

 

訓練生達「!?」

 

勇人「ここで混乱してたら敵の思うツボだろうが!!お前らは脱出ボートに乗り、今すぐ親父と沖田元帥に報告と増援の要求をしろ、天龍、三笠、イムヤ、足柄は梯形陣で敵の足止めを!」

 

天龍「オイオイ!お前みたいな『ひょっ子』がまともな指揮が取れるのか!?俺はアンタの……ウォッ!!何しやがる三笠さん!」

 

天龍は俺に異議を唱えると三笠は天龍の胸ぐらを掴み答えた

 

三笠「天龍!今はお前の異議に答える暇が無いんだ!早くやれ!」

 

天龍「チッ!わーったよ!親バ艦娘さんよ!」

 

三笠「だからそれは止めろ!『厨二病娘』!」

 

天龍「な!?誰が厨二病だ!」

 

足柄「天龍!喧嘩している場合なの!?それに三笠、これから貴女が手塩にかけて育てた未来のエリート提督さんの初陣よ!しっかりしなさい!……イムヤ!敵の数は?」

 

足柄はイムヤに聞くとイムヤは急いで報告した

 

イムヤ「ええ!駆逐艦が2隻、軽巡及び重巡が1隻の計4隻!」

 

勇人「では天龍とイムヤは駆逐艦、足柄は軽巡、三笠は重巡を頼む!」

 

足柄 イムヤ「任せて!」

 

三笠「了解!」

 

天龍「応!」

 

茶髪のショートカットに大人しそうな女性訓練生「さぁ!みんな脱出ボートに乗ったよ!上城君も早k……勇人「さっさと行けぇ!!後は頼むぞ高町ィ!」……ちょ!?上城君!!」

 

俺は同期達が脱出ボートに乗った事を確認すると、脱出ボートを自動操縦にし、ハッチを閉め、脱出ボートを発進させた

 

俺以外の訓練生達や従業員達全員を乗せて……

 

三笠「……良いのか?」

 

勇人「指揮をする者が逃げてどうするんだ?それに俺は徹底とした『現場主義』なんでな♪それにアイツらにとって俺は『邪魔者扱い』や『汚れ仕事担当』だしな♪」

 

足柄「……最後のは余計だったけど良い心掛けじゃない♪だけどヤバくなったら逃げなさいよ♪」

 

勇人「分かってらぁ!それじゃ援軍が来ない内に終わらすぞ!行くぞぉ!!」

 

俺がそう言うと、その『言葉』を待っていたかの様に深海棲艦が襲い始めた

 

大和「凄く男らしいですね♪全員逃がして自分と三笠さん達だけで戦うなんて♪」

 

武蔵「ってか本当に初めての実戦か!?それにしては肝が座っているな……というより何故、今では三笠さんを『母親』呼ばわりするのに、あの時は『呼び捨て』なんだ?」

 

勇人「……まぁ母さんとの関係は後で説明するが……まぁ……指揮に関しては母さんに徹底的に仕込まれたぞ……ったく、まだ普通の訓練の方がよっぽど楽だったぞ!」

 

武蔵「デスヨネー……私も聞いた話では『相当スパルタ』な訓練内容だったな………」

 

大和「一体どんな教育……いえ訓練をなさっていたのですか……」

 

武蔵「……正直言って聞かない方が良い」

 

大和「……何となく察しました」

 

赤城「提督、そろそろ続きを……」

 

 

ゴホン!では始めるぞ……

 

この後、四人は確実に深海棲艦を撃沈させる(仕留める)のに成功したんだ

 

三笠「ふぅ……以外と呆気なかったわね、やっぱり日頃の訓練が良かったからじゃない?」

 

足柄「勇人、凄いじゃない♪」

 

天龍「フン!やるゃねぇか……」

 

勇人「……」

 

三人は俺の初陣に褒めるとイムヤは真剣な顔で俺に聞いた

 

イムヤ「ねぇ勇人、私何か『嫌な予感』がするの……」

 

勇人「俺もだ……敵の本拠地を攻めるには戦力的にも数も『少なすぎる』……ッ!どうやら『嫌な予感』が当たったみてぇだな!」

 

三笠 足柄 天龍 イムヤ「!?」

 

俺は深海棲艦が現れた方角を見ると、そこには……

 

赤城に似た深海棲艦(以後『アンノウン』)「ミツケタ!」

 

蛤風の帽子を被った銀髪のショートミディアムの女性改め『空母ヲ級』「アア……艦娘ヲ潰ス!我ガ仲間達ノ為ニ!」

 

鯨みたいな深海棲艦『駆逐イ級』「グオォォォォォ!」

 

ゴリラに似た怪物を連れてきた黒髪の女性の深海棲艦改め『戦艦水鬼』「……潰ス!」

 

勇人「チッ!よりによって『鬼』クラスの深海棲艦に……ちょっと待て!何か赤城に似た深海棲艦がいるぞ!一体どういう事だ!」

 

三笠「分からないわ!とりあえず勇人は下がって!此処は私達が……キャッ!!」

 

天龍「三笠さん!?ウオッ!!」

 

勇人「三笠!天龍!」

 

天龍「クッ!あぶねぇ……俺は大丈夫だ!まだ小破(掠り傷)だ……三笠さん!?」

 

俺は鬼クラスの深海棲艦『戦艦水鬼』の砲撃をまともに喰らった母さんと天龍の様子を見た

天龍は幸いにも砲撃を紙一重に回避したのか直撃は避けたが……

 

三笠「ウグッ……これは不味いな……身体が動かない……もう此処までか……」

 

アンノウン「……シブトイ奴ダ!」

 

勇人「母さん!!」

 

母さんの状態は見るからに『最悪』な状態だった……『金剛型』の試作だから装甲は薄いのが原因で艤装は完全に破壊され、衣類は地肌が見える位にズダボロ、体には所々出血や骨折している箇所そして靴の艤装でようやく立てる状態……言わば『大破』いや『轟沈判定(再起不能) 』の状態だった

 

正直言ってボロボロだった

 

アンノウン「……終ワリダ!此処デ沈メェ!」

 

アンノウンはボロボロになった母さんに止めを差し掛かっていた

 

勇人「()らせてたまるかぁー!!」

 

ドゴッ!!

 

俺はアンノウンに向けて船から飛び降り、そのまま赤城の頭に飛び蹴ったんだ

 

アンノウン「グフッ!!チッ!!飛行甲板ガ……グッ!頭ガ………貴様!人間ノ癖ニ!!」

 

アンノウンが俺の飛び蹴りによって飛行甲板が完全に破壊しアンノウン自身も頭から血を流してた

 

まぁぶっちゃけアンノウンは完全に『戦闘不能(リ タ イ ア)』になったんだけどな

 

だがアンノウンの足元から……

 

駆逐イ級「グオォォォォォ!」

 

勇人「チッ!一か八か……」

 

俺が飛び蹴りをしたのを見計ったかの様に駆逐イ級が俺を噛み殺そうと襲い、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グシャ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポタッ……ポタッ……

 

 

グシャグシャ!

 

ブォン!ブォン!

 

勇人「ウグッ!!ウオッ!んにゃろう……」

 

天龍 足柄 イムヤ 三笠「勇人ォォォォ!」

 

そう俺の左腕がイ級の口の中に入り、イ級が俺の左腕を咀嚼しつつ、俺の左腕を引き千切ろうと俺ごと振り回していた

 

勇人「ッ!左腕位くれてやる!お前の命と引き換えでな!天龍!刀を貸せ!」

 

天龍「ッ!?分かった!ほらよ!!」

 

 

俺が天龍に刀を要求すると天龍は俺に向けて刀投げ飛ばし……

 

 

 

ガシッ!!

 

 

勇人「ファンフィユー!(サンキュー!)クファイファガンフェー!(喰らいやがれー!)

 

 

 

 

クヂャ………

 

 

 

ドーン!!

 

 

 

ブチッ!!!!

 

 

勇人(ウグッ!!これは少しでも気を緩めると痛みで意識が吹っ飛ぶな……だが!このまま……)

 

俺は口で天龍の刀を受け止め、右の拳に遭難用の閃光弾をイ級の目に向けて殴り入れ、イ級の脳味噌を破壊させた

勿論爆発の勢いで左腕が完全に引き千切れ、殴った右手は火傷を負ったけどな

俺は爆風により戦艦水鬼がいる方に吹き飛ばされた

 

戦艦水鬼「!?」

 

勇人「ウォォォォリャァァァァ!」

 

 

 

 

 

ズシャ!

 

 

 

 

 

ザッバーン!

 

天龍「オイオイ……嘘だろ……」

 

足柄「鬼クラスの深海棲艦を……」

 

イムヤ「真っ二つに切った……」

 

俺は口でくわえている刀を右手に持ちかえて、爆風の勢いと相まって天龍の刀で戦艦水鬼を縦に一刀両断した

 

勿論後ろのゴリラの化物と一緒にな

 

勇人「チッ!やっぱ艤装が無いと上手く戦えねぇ……仕方ねぇ!」

 

俺は沈んだ戦艦水鬼が使っていた足の艤装を引き剥がし自分の足に装着し、海面に立った

 

勇人「クッ!さて次は……」

 

 

 

 

シュッ!

 

 

勇人「お前だ!」

 

空母ヲ級「!?」

 

俺はヲ級に向けて突進し、ヲ級の首をはねた

ヲ級の首から大量の蒼い血が噴水の様に溢れ出て、俺にかけながら海に沈んだ

それが後々『背中の刺青』に関係する切欠になるんだけどな……

 

アンノウン「何ナンダ……アイツ!?人間相手ニ『一航戦』トシテノ誇リヲ潰サレルナンデ!?」

 

勇人(一航戦?まさか!?だけど先ずは……)

 

 

ポタポタ……

 

勇人「……あー気分ワリィ、血ィ出しすぎた……イムヤ、頼む」

 

イムヤ「分かったわ!」

 

アンノウンは俺の戦いを見て士気が無くなり、戦意が喪失し、海面に座り込んだ

そして俺は出血多量でふらついているのをイムヤに支え応急処置してもらいつつ、アンノウンの言葉に対して質問をした

勿論、母さんは天龍に保護していたから船の脱出口にいるがな……

 

イムヤ「はい!応急処置終わったよ!あんまり長くは持たないけど……」

 

勇人「充分だ!ありがとう……あとお前、赤城に『似た』深海棲艦じゃなくて赤城『本人』だろ?」

 

三笠 天龍 イムヤ 足柄「!?」

 

アンノウン「赤城……ッ!!ウォォォォ!!」

 

アンノウンは『赤城』と言うワードを聞くと、いきなり暴れだし始めたが……

 

足柄「させない!!」

 

ジャラ……

 

 

ガシッ!!

 

 

アンノウン「!?」

 

足柄は艤装の一部である鎖付き錨を投げ、アンノウンに巻き付けた

それでも尚、アンノウンは巻き付けられた鎖付き錨を破壊するかの様に暴れた

 

アンノウン「放セ!私ハ……私は……みんなを……守ル為ニ……」

 

勇人「……『みんな』って深海棲艦の事か?そして何故、深海棲艦に?」

 

俺は姿が徐々に艦娘『赤城』になって来ているアンノウンに聞くとアンノウン……いや赤城が艦娘の時の記憶が戻ったのか俯きながら答えた

 

アンノウン改め『赤城』「……いいえ、私が昔居た『鎮守府』のみんな(艦娘達)です……私は当時、二航戦や五航戦みたいに力が無く当時の提督に単機でMI作戦の海域を攻めましたが……」

 

天龍「……ちなみに当時の鎮守府はどんな感じだったんだ?」

 

赤城「一言言って『最悪』でした……S勝利(完全勝利)以外の戦果なら殴る蹴る等の暴力そして解体(処刑)等の処罰は当たり前、そして夜になると私達(艦娘)性的暴行(強姦紛いの行為)をし、そして……足柄「もう良い!もう喋らないで!」……」

 

勇人「……つまりお前は『ブラック鎮守府』の提督から『捨て駒』ならぬ『捨て艦』として攻めて轟沈したんだな?」

 

赤城「……はい」

 

足柄 天龍「……」

 

俺がそう言うと赤城が俯きながら頭を小さく頷いた

 

勇人「……なんだ、俺とアンタは『似た者同士』だったんだな、足柄、外してやれ」

 

足柄「分かったわ」

 

赤城「え!?」

 

足柄は赤城を束縛してた鎖付きの錨をほどき、俺は『同じ境遇』にあった赤城に訓練生時代……当時の扱いや陰口等を告白した

 

勇人「俺は親父が『海軍元帥』で軍人として『豪腕』な腕前で艦娘を家族同然として扱っていたんだ……」

 

赤城「……自慢ですか?」

 

勇人「んな訳ねぇだろ……最後まで聞けって……」

 

赤城が悪態をつくと俺は否定し答えた

 

勇人「今では艦娘を娘や兄弟、更には妻がいるのに妻以上に大事にしている提督もいるが、俺が入った部隊では艦娘達を『自分の都合の良い玩具』と言うブラック鎮守府の提督らしい野郎達だった。勿論親父が今までの行いや艦娘の扱い、そして弱冠40歳いや40入る前か?まぁその位の年齢で元帥まで這い上がった事を良く思っていなかった、いや『気に入らなかったんだ』……だが親父が海軍トップの元帥で自分達(教官達)は『大佐』や『中佐』下手すれば『大尉』だから階級による力(権力)では何も出来なかったから、そのストレスの捌け口が……」

 

赤城「貴方だった……って事ですね」

 

三笠 イムヤ「……」

 

勇人「まぁ幸いにも同性愛(ホモ野郎)が居なかった事が不幸中の幸いだったな……」

 

赤城「……貴方も私と同じ……ですか」

 

俺が告白すると赤城は同情したのか目を反らしながら俯くと……

 

 

ブオォォォォン!

 

沖田「イッヒヒヒ♪さぁパーティーの時間や♪良い声聞かせ……ッ!?は……勇人ォォォォ!三笠チャャャャャャン!!無事かいな!!!龍譲チャン!今すぐ夕張チャンを呼べぇ!!」

 

陰陽師風の紅い衣装を着た少女『龍譲』「司令官!あんま……ハァ……ハァ……飛ばさんといてや!追い付け……って!?何やこれは!?君達大丈夫なん!?左腕が無くなっとるやん!!しかも血塗れ!?とりあえず夕張はよ!?」

 

緑を主としたセーラー服にポニーテールの女性『夕張』「だがら皆さん早いですっ………ちょ………これは………分かりました!直ぐ応急処置を!!」

 

一馬「勇人に三笠!……ッ!?これは酷い、医療班と明石は至急手当てを!」

 

桃色の髪色にスリットが入ったセーラー服を着た女性『明石』「分かりました!皆さん!此方へ!」

 

勇人「ああ………助かっ………た………」

 

 

 

 

 

 

 

ドサッ…

 

 

 

 

 

 

明石「え!?ちょ……ッ!?上城訓練生!!しっかりして下さい!!勇人さん!勇人さーーん!!!!」

 

俺は援軍が来て安心し、駆けつけた明石に支えてもらう形で倒れ気を失った

 



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第7話「勇人の過去 」中編

話は戻り、現在にて

 

勇人「……これが『あの事件(大本営襲撃事件)』の真相だ」

 

武蔵「………」

 

赤城「……」

 

大和「……そうでしたか……しかし提督、これは私個人の疑問なんですが、何故『この事件の真相』を『特別防衛機密』に指定された理由が分かりません……これは寧ろ『公開』すべきだと思います……そうすれば昔の赤城さんや私達みたいに『ブラック鎮守府』に所属している艦娘に対しての待遇改善やブラック鎮守府の提督に対しての取り締まりが出来るのではないのですか!何故『そんな事(特別防衛機密指定)』をするのですか!」

 

大和は、この事件に対して文字通り『身体を張って』戦った勇人に感謝の気持ちで一杯だが、それと同時に『この事件』を公開すれば自分達と同じ艦娘が、どれだけ救われたか、悔しい気持ちと入れ混じっていた

 

 

 

勇人「……確かに大和の言う通り、これを公開すれば大本営は此所みたいにブラック鎮守府に制裁や対策等がとれるが……これはあくまで『軍の内情』としての見方だ………一番の問題は内情『以外』の問題なんだ」

 

大和「内情以外……ですか」

 

武蔵「……つまり大本営は海軍としての面子と一般市民の理解、そして記者(マスメディア)の勝手な『でっち上げ』の報道による『軍隊叩き』を防ぐ為に隠したんだろ……まぁ私の『予想』だけどな」

 

大和(まさか……上層部は、こんな自分勝手な理由で!?だが……これはあくまで武蔵の予想……必ず当たるとは限らない!提督なら……否定してくれる!)

 

武蔵は勇人の言葉を察し答えると大和は武蔵の予想が間違って欲しいと願っていた

 

 

 

だが……

 

 

勇人「……そうだ」

 

大和「嘘………ですよね……提督!こんな時に冗談は止めてください!!私は本当の事を知りたいのです!!こんな悪ふざけ……私は許しませんよ!!いくら吹雪さんの新しい提督とは言え……」

 

勇人「………大和、俺がいつ『こんな時に冗談』を言ったんだ?残念ながら本当の話だ」

 

大和「……ッ!?」

 

 

 

 

 

勇人の発言で大和の願いが崩れさった

 

そう『上層部』が『自分勝手』な理由で隠していた事に……

 

勇人「……まずコレを公開することにより大和の言う通りブラック鎮守府に制裁や改善が出来るが、問題は赤城が元『深海棲艦』……いや『艦娘として死亡後、深海棲艦として生まれ変わった事』だと言うことだ……一般市民は艦娘と深海棲艦は『別物』という『認識』がある……これを聞いた一般市民や世界中の人たちは軍に反乱やデモ、激しいバッシングが起こる事態になり『海軍』いや『日本軍や同盟連合軍』の面子、そして『力』が失っていくんだ……簡単に言えば『この事件』は日本海軍で始末することで力や面子を失わずに済むって事だ……まぁ大和や武蔵の『気持ち』は分かるけどな……」

 

大和「!?」

 

 

 

 

 

 

バチーン!

 

 

 

 

勇人「ッ!?」

 

大和「何が『気持ちは分かる』のですか!!貴方達『人間』が私達『艦娘』の気持ちを知らないでよくも『こんな事』を言えるなんて!これじゃ……武蔵「オイ!」……ッ!?何をするの武蔵!!!その手を離しなさい!!」

 

勇人の言葉に大和は癪に障り、込み上げた感情(怒り)のまま勇人の顔をビンタし、感情のまま訴えると武蔵は大和を止める様に胸ぐらを掴み話した

 

 

 

そう勇人の気持ちを代弁するかの様に……

 

 

 

 

武蔵「いい加減にしろ!!今の提督の権力では『これ』が精一杯なんだ!提督が何故、軍法違反いや『処刑覚悟(命を捨てる覚悟)』までして私達に真相を話したか分かるか?私達の事を信頼をしているから真相を明かしたんだろ!それにまだ『刺青』や『三笠さん(育ての母親)を使って延命した経緯』については、まだ聞いていないだろ?それに提督も上官や同期達から酷い仕打ちを受けていたのにも関わらず片腕を失ってまで艦娘と前線で戦ったのを聞いてなかったのか!?私からすれば吹雪を失って意気消沈しているのにも関わらず大本営に滞在する艦娘達や人間を片腕を失ってまで守り通し、尚且つ私達に処刑覚悟で真相を明かしたのに貴様は提督の『覚悟』を『子供の我が儘染みた』理由で踏み弄っている事に気付いていないか!?何が『艦娘の気持ちを知らないで、こんな事言える』だと?フン!笑わせるな!知らなかったら、こんな『自殺行為』なんかしないだろ!!同じ『大和型戦艦(血の繋がった姉妹)』として、あまりにも情けないぞ!!提督の気持ちを察しろ!!このバカ姉!!」

 

大和「……ッ!?武蔵!貴女は悔しくないの!?私達の気持ちを知らないで……自分達の都合で『この真相』を握り潰された事にッ!?」

 

大和は余程怒り、悔しかったのか泣きながら武蔵に聞いた……上層部の身勝手な理由で親友達が救われなかった事に……

 

勇人(大和………チッ!?確かに俺は結局、親父の『力』を借りずに自分の『力』では……どうしようも出来なかった!!さらには俺の言葉で大和だけではなく今まで世話になった艦娘達を仇と返す様な事を……クソッタレ!!)

 

武蔵もまた悔しかったのか涙目になり、処刑覚悟までして話してくれた勇人を庇う様に答えた

自分も大和と同じく上層部の判断で仲間達が救われなかった怒りを押し殺して……

 

武蔵「ああ!悔しいさ!腹が煮っくり反る位にな!!だが『それ』を提督にぶつけるのは『お門違い』だ!寧ろ提督は『被害者』だから提督が姉さんみたいに怒るのは当然だが姉さんが怒r……勇人「もういい……武蔵ありがとう……そして大和……お前、いや『お前達』の癪に障る事をしてしまって……そして俺が力が無かったせいで……悪かった!」……な!?提督!?何故『頭を下げる』んだ!?寧ろ礼を言いたい位だ!!だから頭を上げてくれ!!!」

 

赤城「そうです!!この事件は提督が一番の被害者でもあり事件を解決した『功績者(M V P)』ですよ!!いくら提督が大和さんを怒らせたからって頭を下げるのは武蔵さんの言葉をお借りしますが『お門違い』です!!大和さんも気が済みましたか?怒りたい気持ちは分かります!だが提督に怒りをぶつけるのは間違っています!」

 

勇人は大和型戦艦の姉妹喧嘩を止める様に入り、自分の不甲斐無さが原因だと判断し、大和に頭を下げると武蔵と赤城に頭を上げる様、説得し始めた

 

大和「ッ!?それは分かっています!!ただこの怒り……そして吹雪さんの無念を……」

 

大和もまた、この『怒り』を勇人にぶつけるのは間違っている事位は分かっていた

 

 

ただ親友の……吹雪の無念を晴らしたかった……彼女はそう思い勇人に親友の無念をぶつけたのだ

 

 

勇人「……そうか……フッ……吹雪、お前は『提督』には恵まれなかったが大和みたいな艦娘(仲間達)に恵まれていて良かったな……」

 

大和 武蔵「……ッ!?」

 

武蔵(抜かった!?そう言えば提督は………)

 

大和(……上官だけではなく同期達(仲間達)さえ……酷い仕打ちをされて……)

 

勇人が安心したかの様に呟くと大和と武蔵は勇人の待遇や酷い扱いを受けていたのを思い出し、自分の発言に対して酷く後悔した

 

大和「……提督、先程は感情的になり過ぎて、こんな粗相をしてしまい……スミマセンでした!!」

 

武蔵「私もだ……いくら分かっていたとは言え、見苦しい物を見せてしまったな……すまない!!」

 

勇人「気にすんな、二人の……特に大和の言い分は分かった……所で次の話をしても良いのか?無理なら、また日を改めて話すが……」

 

 

勇人は今の二人の状態を心配しながら聞くと、勇人の呟きで落ち着きを取り戻した二人は、勇人の質問に答えた

 

武蔵「もう『この事件の真相(特別防衛機密)』を知ってしまったんだ!行くとこまで行くさ!」

 

大和「……愚問ですね!」

 

二人は自分の決意を勇人に示すと勇人は酷く重い口調で答えた

 

そう、これが二人に対しての『最終警告』を発している様だった

 

勇人「そこまで言うのなら分かった……ただ、この話は、さっきの比じゃない位のキツい内容だ……それでも良いんだな?」

 

大和 武蔵「はい!」

 

だが勇人の最終警告を無視をし、自分達の決意を発した

 

勇人「……分かった、じゃ話すぞ」

 

勇人は重い口調で『あの事件』の後、一体何があったか答え始めた

 

そう、まるで彼自身が『十字架(覚悟と後悔)』を背負っていくかの様だった



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第7話「勇人の過去 」後編

どーも皆さん、うp主ですm(__)m
この話は医療に関する話がありますが成分以外の作用はフィックション(嘘)ですので真面目に……というよりマジレスは御遠慮をお願いいたしますm(__)m



半年前 大本営 横須賀鎮守府の『ある部屋』にて……

 

勇人「………うっ………此所は………ッ!?」

 

Pi……Pi……

 

勇人(痛ッ!?……音から察するに心肺計測装置に点滴……つまり医務室か……それにしては全面ガラス張りに監視カメラ……ッ!?)

 

勇人「なっ………なんじゃこりゃーー!!!」

 

俺が『あの事件』の後、何処かの部屋のベッドで横になっていて、壁のガラスに写っている自分自身の姿を見て絶叫した

 

その姿は全身至る所にチューブやケーブル、計測装置等がつけられて、身動きが取れない様に輸送用の固定ベルトでベッドごと固定されてたんだ

 

 

勇人(チッ!何か嫌な予感がするから、取り合えず脱出するか!!叫んでいる場合じゃねぇ!!右腕は取り出せるか……よっ!ふん!!)

 

スポッ……

 

ズボッ……ズボッ………

 

勇人「イ"ッ!?痛ぇぇぇ!イタタタタタ!んにゃろう……スゥー………ウォォォリャャャャ!!!」

 

ズボッ…ズボッ……ガシャーン!!

 

勇人「はぁ……はぁ……」

 

勇人(あ"ー痛かった……さて後はベルトを……クソッ!?溶接されてる!!ってか此所は何処だ!!一体どうなってんだ!?)

 

かろうじで身体とベルトに隙間があったから右腕を取り出し身体に至る所に刺さってたチューブやケーブル、計測装置を抜き取ったがベルトだけは留め具の所に溶接されていて外す事が出来なかった

 

勇人「クソッ!?此所は何処だ!!一体どうなっt……短髮で太った醜男「お!?どうやら目覚めた様だな♪良い様だな♪」……他の鎮守府の『金剛』に……この豚みたいな野郎は誰だ?」

 

金剛型と思われる巫女風の服を着た茶髪の長髪の女性改め『金剛』「貴方は!?」

 

醜男「ッ!?貴様ァ!!」

 

ドゴッ!!

 

勇人「イ"ッ!?」

 

ドゴッ!!ドゴッ!!

 

勇人「クッ!ウグッ!」

 

醜男「誰が豚だ!!貴様みたいな『海軍曹長』……訓練生の分際で、『海軍少佐』である僕に対する口答えはなんだ!!金剛!お前もやれ!」

 

金剛「What!?何故デスカ!?彼は……醜男「ほぅ……妹達を解体されたいのか?それともマワ(輪姦)されたいのか?」……ッ!?……understand(分かりました)……sorry(ごめんなさい)……Mr.上城……恨まないで下サイ……ヤッ!」

 

ドゴッ!!

 

勇人「グァァ!!」

 

醜男「オラァ!オラオラオラァ!!」

 

金剛「I'm sorry……I'm sorry……」

 

ドゴッ!!グチャ!!ドゴッ!!グチャ!!

 

勇人「グァァァァァァァ!!!」

 

俺は部屋に入ってきた白い制服を着た醜男と奴の秘書艦の金剛に聞くとソイツは俺の態度が気に入らなかったのか、無くなった左腕の噛み跡に向けて泣いている金剛と一緒に蹴ってきた

 

醜男は俺に怨みや憎悪を込めて、そして秘書艦の金剛は醜男に人質を取られた悔しいのか涙を流し、俺に謝りながら蹴っていた

 

醜男「口の聞き方には気を付けろよな『親の七光りの糞餓鬼』ガァァァァ!このまま殺して……老人「待ちなさい!彼には利用価値がある!無暗に傷をつけるな!!」……ッ!?分かりました元帥……命拾いしたな……行くぞ金剛!!」

 

金剛「分かりました………Mr.上城……本当にごめんなさい……本当は『こんな事』はしたくありませんでしたが妹達を守る為に……貴方に対して……失礼シマース……」

 

醜男は頭が『無駄に』光っているジジイに言われると俺に捨て台詞を吐き捨てて先に出た醜男の後を追う様に金剛も俺に謝り、泣きながら部屋から出ていった

 

勇人(……チッ!このジジイ……確か『艦奴派』として有名な『高町充』元帥……ってことは此所は本部の実験室!?)

 

老人改め『高町』「ふん……無様じゃな!吹雪は轟沈するわ、三笠を再起不能になるわで……まぁ艦娘なんて『換え』が効くから『どうでもいい』んだが……まぁそれに片腕を、たかが『雑魚の駆逐艦』に食い千切られるとはな……」

 

元帥は俺に見下し、ゴミを見る様な口調でほざいていると、俺は喧嘩を売る様な口調で……いや喧嘩口調で答えた

 

ちなみに此所みたいに『ブラック鎮守府』……いや艦娘を奴隷の様に運用する連中を『艦奴派』と言われているんだ……まぁ他の鎮守府では色んな呼び名があるらしいが……

 

勇人「……たかが『そんな事』を言いに来たのか?糞ジジイ……後、これ以上、三笠と吹雪や艦娘達を侮辱するな……鎮守府ではなく戦死した仲間がいる天国に着任する羽目になるぞ!!ハゲ!」

 

高町「ふん!孫から聞いてた以上に荒れくれ者じゃな……世界規模の財閥『上城財閥』そして世界中の裏社会を統括する『極道』の家系『神城会 (かみじょうかい)』の会長を兼任している財閥長の『孫』いや次期会長でもあり次期財閥長の『双子の兄』らしいっちゃらしいが……」

 

勇人「三流映画に出てくる小物の悪党の次はストーカー趣味のジジイか……いけ好かねぇ野郎だぜ……」

 

高町「フォッフォッフォッ♪大物や小物は別にして悪党に関しては人の事は言えないぞ♪若いの♪」

 

勇人「チッ!」

 

高町「まぁ今回は若造を、からかいに来たのではない……ん?来たか……」

 

俺が悪態をつくと高町のジジイが小馬鹿にする様に笑うと、ジジイの秘書艦らしい艦娘『神通』と、あの事件の時に俺を脱出に誘った女……まぁジジイの孫と、その秘書艦『漣』と親父と車椅子に乗った母さん、そして赤城が入ってきた

 

一馬「勇人!?大丈夫か!?」

 

三笠「……ごめんなさい勇人……私の油断で……」

 

赤城「勇人さん……私のせいで……」

 

川内に似た服を着た長髪の女性改め『神通』「ッ!?これは酷いです…………玲奈さん!彼は……」

 

セーラー服を着たピンク髮の少女改め『漣』「うわ……ものの見事に片腕が無くなっていますね………ってかご主人様……この人が……」

 

高町元帥の孫改め『玲奈』「うん……この人が私達を助けてくれた同期……仲間の上城君……いえ上城『中尉』よ……」

 

勇人「フン……何が『同期』でもあり『仲間』だぁ?俺はお前も含め訓練生達に『仲間意識』を持った覚えなんて無ぇよ!勝手にテメェら訓練生達みたいに腐った上司対して『身体を売ったり』して媚びを売ったり、俺を教官の命令で『教育』という名の『リンチ(集団虐め)』や脱出の際、我先に脱出ポッドに乗り、更には艦娘を見捨てる様に教育(洗脳)された『役に立たない腐った連中』と一緒にするな!」

 

玲奈「ッ!?………そうだよね……そう言われても仕方ないよね……」

 

漣「うわ………口悪っ!!DQN(チンピラ風情)丸出し……というかぼのたん()を男性化した人ですな……ってかご主人様、こんな最低な事をやってたのですね!!見損ないました!!」

 

神通「……」

 

勇人「分かっているのなら言わせんな!糞アマが……後、中尉ってどういう事だ?俺の階級は『曹長』だった筈だが……」

 

高町「まぁまぁ……君に対しては謝罪するし感謝するわい……玲奈には、たっぷりと『説教(お話し)』せにゃならんからのぉ……まぁ階級が上がった事に関しては『あの事件』に対する『特別報酬みたいな物(特例特別二階級昇進)』じゃ……後、君には『ある問題』があるんじゃ……しかも命に関わる事じゃ……」

 

勇人「命に関わる事……それは一体………」

 

俺はジジイの孫でもあり脱出の際、俺を誘った女『高町 玲奈』に冷たく、はっきりと否定し、階級が何故上がったのか親父や母さん、そしてジジイに聞くとジジイは孫の所業を謝罪し、それと同時に助けてくれた御礼を言い何故階級が上がった訳を答えると俺に『命に関わる、ある問題』が発生している事を伝えた

 

一馬「……深海棲艦しか持っていない成分……『Dーcell』が勇人(お前)の体内に入っていたんだ……しかも尋常じゃない位の量がな……」

 

三笠「しかもそれは……艦娘なら抵抗……というより浸食されない身体(造り)になっているけど『人間』が極めて少量の深海棲艦の血や体液に浴びたり、触れると人間はD-cell(この成分)の抵抗が無いから拒絶反応を起こし……最悪……というより『99%の確率(ほぼ確実)』に死ぬわ……」

 

勇人「……マジかよ」

 

そう、当時の俺……いや『今』もだけど深海棲艦しか持っていない成分『D-cell』に浸食されてたんだ………しかも洒落にならない位の量をな……

俺は『その事』に対して『ある疑問』が湧いて出てきた

 

勇人「ってか少ない量で拒絶反応を起こすのに俺は『洒落にならない位の量』を浴びたのにも関わらず『拒絶反応』すら起こして無いんだが……」

 

そう……俺は深海棲艦しか持っていない成分『D-cell』を大量に浴びたのにも関わらず『拒絶反応』すら起こしていなかったんだ

 

三笠「これは私の仮説だが……脳内麻薬『エンドルフィン』から変化した物質『カテコールアミン』……別名アドレナリンがD-cellと混ざり合い、麻酔の一種『スポヨフミン』『ヒョスチアミン』が大量に発生し、噛み千切れた時や千切れた後の『痛み』を軽減……いや『無効果』してくれたんだ……だが『D-cell』は何かと厄介でね……勝手に増殖するのよ……自発的に……しかもアドレナリンが噴出すると『噴出する量』に合わせて増殖する……つまり勇人の身体は……」

 

三笠の説明に俺は自分の身体の状態を知り、こう知ったんだ……

 

 

 

『何時拒絶反応を起こし、死んでも可笑しく無い』状態だと言うことを……

 

 

 

勇人(……ッ!?一体どうすれば……『俺』としてはD-cellごと受け入れば良いが『身体』が拒絶されているのか……)

 

俺は拒絶反応を起こさない方法を考えていると漣は呟きながら考えてた

 

漣「ん~そのD-cellを身体に馴染ませる方法は無いのかな……『皮膚』とかに………」

 

勇人「ッ!?漣!今何て言った!?」

 

漣「え!?えーっと……皮膚等に体を馴染ませて……勇人「それだ!!」……ウェッ?」

 

俺は漣の呟きで拒絶反応を起こさない方法を思いつき、それを親父達に伝えた

 

だが、この『方法』は『日本海軍の規則』では決して認められてはいない『やり方』だったのだ

 

勇人「なら……身体が拒絶反応を起こさない為の『方法』があるんだが……深海棲艦の血を使って俺の背中を『彫って』くれないか?」

 

一馬 三笠 玲奈 赤城 神通「!?」

 

高町「……フム、成る程、そういう事か!」

 

漣「……内容がよく理解出来てませんが背中を『掘る』って……腐女子が喜びそうな言葉ですね♪『嫌いじゃないわ』♪」

 

勇人「……漣、同性愛的な意味で『掘る』ことじゃねぇぞ……後、どこぞの『ルナドー〇ンドネタ(元格闘家に似たオカマ悪党の口癖)』は古いぞ……」

 

漣「仰る通りだわ♪ってか上城中尉も『オタクネタ』も分かるなんて……馬が合いますなぁ~♪」

 

勇人「……んで背中に彫ってD-cellを身体に馴染ませて拒絶反応を起こさない様にするんだ」

 

漣「………スルーしないで下さい……落ち込みますよ……」

 

勇人「バーカ!お前が落ち込んでどうする♪漣のお蔭で『拒絶反応を起こさない方法』が思い付いたんだ……むしろ感謝している位だ♪ありがとう♪」

 

ワシャワシャ……

 

漣「ん~♪こういう御礼も『嫌いじゃないわ』♪」

 

勇人「フン♪」

 

玲奈 神通「……羨ましい………」

 

俺は『拒絶反応を起こさない方法』のヒントを言った漣に感謝し頭を撫でると漣は顔を赤くなり微笑んだ

 

だが『もう1つ』問題が残っていた

 

高町「だが『この方法』なら拒絶反応は起こさないが『浸食』は止まらないぞ……だが昔、ある実験で浸食を止めるのに成功したんだが……試してみないか?」

 

上城親子 赤城 玲奈 漣 神通「実験?」

 

そう、拒絶反応は起きないが『浸食』までは収まらないのだ

だが高町のジジイは『ある実験』で成功した内容を伝えた

 

高町「ああ……上城中尉、君は『近代化改修』って知っておるか?」

 

俺はジジイの訳の分からない質問に疑問を持ちながら答えた

 

勇人「ああ……確か艦娘同士を融合させて雷装等の威力を底上げする作業だな……勿論、融合の素材にされた艦娘は艤装を装着する事が出来なくなり『一般の女性』になるんだろ?何故そんな事を……ッ!?まさか……」

 

俺はジジイの『真意』が分かり、ジジイに聞くとジジイの代わりに親父が答えた

 

一馬「そうだ……勇人の身体に艦娘の身体を融合……いや移植するんだ」

 

赤城「なら私の身体を使って下さい!私はもう『死人』扱いなので!そして勇人さんを『こんな身体』にさせた『お詫び』として……」

 

赤城が実験の素材として立候補したがジジイは頭を横に振り答えた

 

高町「まぁ艦娘の身体を使う事に関しては正解っちゃあ正解だが……じゃが使うのは『赤城の身体』では無いんじゃ……使うのは……」

 

三笠「私か」

 

上城親子「!?」

 

ジジイの発言を察したのか三笠が言うと親父はジジイの胸倉を掴み俺は声を荒げながら言った

 

 

勇人「おいジジイ!!一体どういう事だ!!何故三笠を使うんだ!!」

 

一馬「元帥!!これはどういう事ですか!いくら三笠が再起不能だからって!」

 

三笠「落ち着いて一馬に勇人、この『実験』には私自ら志願したのよ!しかも勇人だけではなく私にもメリットがあるのよ!」

 

三笠が俺達親子を宥めるとジジイは実験の素材として使う際の利点を答えた

 

高町「そうじゃ!この実験は普通の近代化改修とは訳が違うのじゃ!1つは三笠を使う事で再起不能になった三笠を上城中尉の超人的な自然治癒力で回復させる事が出来る事!!2つ目は回復させた三笠にも人間と同じ様に自然治癒力が生まれる事!そして3つ目は上城中尉を擬似的に艤装を解体すると完全回復した三笠を復活出来るんじゃ!!ただし、上城中尉は人間としては無く『半艦息』として一生を過ごす羽目になる事と、三笠を分離しても人間に戻れない欠点があるけどな……まぁ無くなった片腕は三笠と融合している間は再生される事じゃな……」

 

勇人「つまり俺自身が三笠専用の最高級の設備が揃った入渠室になり、三笠は完全回復させ俺は人間を辞める代わりに深海棲艦に対抗出来る力とD-cellに対する抵抗出来る身体が手に入り、融合している間は左腕が再生される……という訳か?」

 

俺はジジイの言葉を纏めるとジジイは笑いながら言った

 

高町「フォッフォッフォッ♪流石は『戦場の鬼龍(せんじょうのきりゅう)』と恐れられた上城元帥と『戦場の母』と慕われた三笠の子供じゃ♪儂の孫とは違い、頭の回転が早いのぉ♪その通りじゃ!」

 

玲奈「お爺ちゃん、私が頭悪いんじゃなくて……勇人君が頭良すぎるのよ……」

 

高町「フォッフォッフォッ♪そうかも知れないな♪」

 

一馬「良いのか?本当に……」

 

親父はジジイの胸倉を離し、俺と三笠に心配した様子で聞いた

 

三笠「私は大丈夫よ♪ちょっとばかし『長い休暇』を貰うだけだから♪勇人は?」

 

三笠は前向きに考えているのか笑いながら承諾し俺に聞いた

 

勇人「……さっきの説明を悪く言うと三笠の命を使って治療するんだろ?」

 

三笠「ええ……そうだけど……それがどうs……勇人「三笠は怖くは無いのか?血の繋がりの無い他人……こんな俺に命を……」……ッ!?」

 

 

バチーン!!

 

 

勇人「ッ!?……何しやがる!!」

 

俺は、いきなり母さんが俺にビンタした理由を聞くと母さんは泣きながら答えた

 

そう……『感謝』や『後悔』そして『母として息子に何も出来なかった悔しさ』が入り交じった様に泣きながら言った

 

三笠「お前は何を言ってるんだ!確かに私とお前は血が繋がって無い……だけど私は産みの母親に裏切られ、育児放棄された勇人や『勇次、沙耶に蘭(双子の弟や妹達)』の事を自分の子供の様に育てた子供……いや『手の掛かる可愛い息子や娘達』なんだよ!それに私は誰にも頼らず、私だけではなく艦娘や弟たちの面倒を見たり、荒れてはいたが、弟や妹達、そして艦娘達を守る為に周りから傷つけられながらも自分の力で生きていた勇人が『あの事件』でお前が初めて私の事を『母さん』と呼んでくれて嬉しかったんだ!!だから母親が息子の為に……命をかけて治すのは当たり前よ!!それに私の命を使うのではなく『預ける』んだよ!!だから……」

 

三笠は更に俺にこう伝えた

 

「もう……私や弟たち、みんなのせいで勇人を傷つけたくない……」と俺を息子として謝罪や感謝をした……泣きながら……

 

勇人「……分かった、そこまで言うのなら俺も息子として三笠……いや『母さん』の命を『預かる』……だから母さんの力を分けてくれないか?」

 

三笠「ッ!?勇人!……分かったわ!私も可愛い息子の為に艦娘の力、分けて……いや思う存分使って!!そして『これだけ』は約束して!『この力』で深海棲艦を倒すだけではなく艦娘を守る『盾』として……そして艦娘を助けてくれる『特効薬』になって欲しいの!それだけは約束して!」

 

勇人「勿論!そのつもりだ!」

 

俺が実験……いや『移植治療(近代化改修)』を承諾すると母さんは息子である俺の『最初』の我が儘である『艦娘の力(深海棲艦に対抗出来る力)が欲しい事』を嬉びながら承諾した

 

神通「……グズッ……」

 

漣「良い話ですな……グズッ……本当の家族は『血』だけではなく『絆』だと……ご主人様、ポケットティッシュありませんか?」

 

玲奈「ハンカチならあるけど……」

 

漣「ありがとうございます……」

 

高町「結論は出たかな?」

 

ジジイが泣くのを耐えているのか、若干涙目になりながら俺達親子に聞くと俺と母さんは決意のある強い口調で答えた

 

まぁ後ろの3人は何故か号泣していたが……

 

勇人 三笠「勿論!この治療、受けさせて貰います!!」

 

高町「分かった!それじゃ準備に取り掛かるか♪」

 

勇人「待った!ちなみに背中の刺青の模様は?そして何故俺達にそこまでして助け船を出すんだ?」

 

高町「フォッフォッフォッ♪刺青の模様は父親の異名にあやかって『応龍』にするつもりじゃ♪それに中尉は儂の孫を助けてくれた御礼じゃ♪まぁ此所で死なれちゃあ儂の『趣味』が無くなるからな♪ちなみに赤城の処遇は中尉の『専属の秘書艦』として処置しておいたから♪」

 

勇人「ケッ!最後まで気に食わないジジイだぜ……宜しくな赤城」

 

赤城「はい!この赤城、全身全霊をかけて勇人さん……いえ『提督』をお助けします!!」

 

勇人「ああ!頼むぜ!それとジジイ……いや元帥」

 

高町「ん?何じゃ?」

 

勇人「色々とありがとうございます!」

 

高町「ウォッ!!中尉が敬語を!!なんか背中が痒いわい!!さっさと行かんかい!」

 

 

その言葉を待っていたかの様に白衣を着た男達が部屋に入ってきて三笠と俺は男達に運ばれ、部屋を後にした

 

そして運ばれる俺と母さんはジジイ……いや高町元帥にベッドに座りながらも頭を下げ続けた

 

ただひたすら……元帥に感謝しながら……




ちなみにオリ主がいた部屋の元ネタは実写版バイオハザードの終盤でアリスがベットにいたシーンを参考にしました(^^;)))
次は現代に戻りますm(__)m


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第8話「交渉そして同盟」

そして現在 執務室にて

 

勇人「その後、実験と称して俺と赤城だけで出撃や遠征任務、更には演習もこなし、艤装を海軍の前称『海上自衛隊』が主力として使っていた『イージス艦』に改良し、中佐(今の地位)まで這い上がり、今に至ると言う訳だ……ってか大和、何故泣いているんだ!?」

 

勇人は『2つの経緯』を説明すると大和は(三笠)の思い、そして決意の強さに対して涙を流した

 

大和「グズッ!だって……提督を助ける為に命を懸けて……これが泣けずにいられません!!」

 

勇人「お……おう……ありがとう」

 

大和「それとティッシュ下さい……」

 

勇人「はいよ」

 

大和「ありがとうございます……」

 

チーーーン!

 

勇人(おいおい……女の子が人前で鼻かむなよ……)

 

赤城(大和さん……今ので感動の空気が台無しになりました……)

 

勇人は大和が号泣する位に感動している姿を見て困惑しつつポケットティッシュを大和にあげ、大和はポケットティッシュを開封し、ティッシュを1枚出し鼻をかんだ

 

 

武蔵「私も提督の話を聞いて感動しているのだが……姉さんが『こんな状態』だからな……何か……その……スマン」

 

勇人「あ……ああ……」

 

赤城「提督、大和さんを見て呆れるのは分かりますが、この『書類』について大和さん達に聞くべきじゃ無いのですか?」

 

勇人「そうだな……って、いつの間に持っていたんだ!?」

 

赤城「朝の騒動の時、榛名さんと那珂さんを入渠室に運ぶ前に提督の艤装から書類が落ちていたのを拝借しました」

 

勇人「ああ……榛名達を止める為に大和が撃ってきた時か……」

 

勇人と武蔵は大和を見て呆れ、頭を抱えている所を赤城が勇人に一言を入れつつ懐から勇人が『 激怒した(キレた) 』原因である『提督以外の閲覧を禁ずると書かれていた防衛機密』を出し勇人に言った

 

勇人「……お前らに聞くが、この『書類』に載っている艦娘達が居る……いや監禁されている部屋は知らないか?」

 

武蔵「監禁!?この書類は何だ!?私は知らんぞ!!」

 

大和「グズッ……この書類ですか……私は知りませんが、前任のお気に入りだった秘書艦の艦娘なら心当たりがあります」

 

勇人「ッ!?一体誰だ?その艦娘って!?」

 

大和は書類に関して心当たりがある事を鼻を啜りながら伝えると勇人は大和に声を荒げながら聞くと大和はティッシュで涙を拭きながら言った

 

大和「……『鹿島』さんです」

 

勇人「鹿島って……確かこの前、大本営が『海軍広報活動』の一環としてLAWS〇Nのイメージガールとして活動したり、東京ビッグ〇イトで広報活動してた時に参加してた野郎達から『有明の女王』や『コ〇ケの女王』とか言われてた『あの艦娘』か……まぁ此所の鹿島は広報活動に参加した鹿島とは別人だけどな……多分」

 

大和「……随分お詳しいのですね」

 

赤城「ええ♪私達も、この『広報活動』の作業人員として参加していましたから♪大本営の鹿島さん専属のボディーガードとしてですが……」

 

武蔵 大和(ああ……あの二人ならボディーガードとしてピッタリだな……特にヤクザ家系の提督なら……)

 

勇人「お前ら……何納得してんだ!?アァ?」

 

ガチャ!!!

 

武蔵 大和「ヒッ!!!」

 

勇人「……納得した訳を聞こうか?まさか俺が極道家系の人間で赤城は『深海棲艦上がり』だから『雰囲気』がピッタリだから納得したんじゃ無いだr……武蔵 大和「正しくその通りです!!すみませんでした!! だから……私達に小型化した原爆(最終兵器)を向けないでくれ(下さい)!!命が幾つ有っても足りません!!」……ったく……失礼にも程があるぞ……赤城も睨み付けるな、俺が言っておいたからな」

 

赤城「……御手数をお掛けしてすみませんでした……それより、何故『原子爆弾(それ)』を持ってきたのですか!?私達のトラウマを抉るつもりですか!?」

 

勇人は大和と武蔵が心の中で納得しているのを見抜けると殺意の篭った笑顔で艤装の一つであるイージスシステムと主砲サイズに縮小された原子爆弾を展開し、二人に向けると二人は『原子爆弾』の恐ろしさは勿論の事、何故か『イージスシステム』の恐ろしさを知っているのか、脱兎の如く勇人に土下座をし赤城は勇人に怒鳴りながら聞くと勇人は呆れながら言った

 

勇人「……何故って……そりゃ親父の新秘書艦対策(大本営の『アイオワ』対策)と深海棲艦を一掃する為に『アイオワ用鎮圧閃光弾』(原爆に模した閃光弾)と『深海棲艦一掃用(核が入った完全再現仕様)』の2つを作った(開発した)んだが……赤城「あっち(一馬の秘書艦)のアイオワさんが提督に対しての過保護振り……と言うより過度なスキンシップは良く知っていますが今すぐ仕舞って下さい!!!と言うよりそれ(原子爆弾)レシピ(製造過程表)ごと解体(処分)してください!!軍の人間が『非核三原則』に引っ掛かる事をするのは止めてください!!」……やっぱ外見が駄目か……他の連中にバレない様に仕舞っとこ……」

 

 

ガサゴソ……

 

大和(エェーー!?原子爆弾を作った(開発した)の!?良く考えたら提督は、ヤクザの直系の長男兼財閥の御曹司だから『金銭』と『人脈(コネ)』もあり、深海棲艦に対して過剰防衛(オーバーキル)するレベルの艤装を持った半艦息に工作艦(医者)補給艦(料理人)が泣き出して逃げてしまう位の医療技術と料理の技術に艤装の開発技術のレベルの高さ!?どれだけ完璧超人(キチガイ人間)ですか!?)

 

武蔵(……もう提督に驚くの疲れたし、馴れた……色々と……)

 

勇人は赤城の注意……もとい警告を受けると原爆を艤装の中に隠す様に仕舞い、大和は勇人の経歴や能力に驚き文字通り『開いた口が塞がらない』状態になり武蔵に関して疲れたのか、はたまた馴れたのかは分からないが勇人の能力面や経歴を聞いても、悟りを開いたかの様に頷いていた

ちなみに大和、武蔵に向けたのは『前者(閃光弾)』であるのは言っておこう

 

勇人「……これでよし、それじゃ話を戻すが鹿島は前任……いや人間を恨んでいるのか?」

 

大和 武蔵「……」

 

勇人は前任のせいで鹿島が人間を恨んでいる事を二人に聞くと二人は黙って頭を縦に振った

それは鹿島が勇人達に絶対協力しないのは目に見えて分かる事だったのだ

 

勇人「……マジかよ……まぁ大体は予想はついていたが……『お気に入りの秘書艦(前任専属の玩具)』だった時点で……はぁ……It is unhappy(泣けるぜ)……」

 

赤城「八方塞がり……ですね」

 

武蔵「なら……榛名……いや金剛以外の金剛型姉妹達はどうだ?確かアイツらは鹿島が着任する前までは前任専属の秘書艦だったから少なからず知っているのでは?」

 

勇人「What's(ダニィ)!?」

 

勇人は金剛型の試作艦である育ての母(三笠)の影響なのかネイティブな英語で愚痴ると武蔵の発言に勇人は食いついた

 

赤城「榛名さんと比叡さんなら提督に協力してくれるかも知れないですね……まぁ霧島さんは協力してくれ無いのは目に見えて分かりますが……後、提督、金剛さんみたいに似非外国人みたいな発言は止めてください」

 

勇人「……仕方ねぇだろ!母さんと融合してから、たまに出てしまうんだよ!!んじゃ呼ぶか……えーっとマイクは……あった!んじゃポチッとな!」

 

勇人は放送用のマイクを見つけるとマイクの電源を入れ『アナウンス用のラッパ』と書かれていたボタンを押した

 

 

 

パラパラッパッパッパ~♪パラパラッパッパッパ~♪

 

 

 

勇人(ヘァッ!?押すボタンは間違っては……無いな……多分……)

 

勇人がボタンを押すとリズムが速く、人を急かすようなラッパの演奏が流れてきた

 

勇人「……何でアナウンス用のラッパが『非常呼集』のラッパなんだ!と言うより合ってんのか?」

 

武蔵「いや、これで合っている……前任は艦娘を呼ぶ時は、これを鳴らすからな」

 

勇人「……後で普通の音に変えるか……あーあー………マイクチェックの時k……赤城「提督!マイクチェックは止めてください!恐がられて来ない可能性がありますから!!それに霧島さんに喧嘩を売る事になるので止めてください!!」……チッ……分かった、業務連絡……業務連絡……金剛型二番艦『比叡』三番艦『榛名』四番艦『霧島』、以上3名は至急、執務室に来るように……尚『艤装』を装着してくる事!以上!」

 

勇人は精神的に疲れたのか、マイクの電源を落とすとソファに座り込んだ

 

大和「御疲れさまです……何故彼女達に艤装を装着する様に言ったのですか?」

 

勇人「簡単な理由さ……艤装を着けさせれば彼女達は俺に『性的暴行』される心配が無くなり、安心して交渉が出来る事と、もし艦娘達が隠し部屋で監禁されているのなら隠し部屋に通じている隠し扉を破壊する事が出来るからな……勿論、俺は彼女達に強姦するつもりも無いから最低でも榛名は分かってくれると思うな」

 

大和「あ!?成程……」

 

勇人「それに榛名には貸した物があるからな」

 

赤城「そう言えば提督のジャージを貸したままですからね……」

 

勇人「そう言うことだ……さて!彼女達が来る間のんびりとティータイムにするか……赤城「まずは仕事してください!前任が溜めていた書類が、かなりの数がありますから!」……泣けるぜ……」

 

武蔵「提督の素の性格って金剛を男にした性格だな……まぁ『これ』も三笠さんと融合した影響のせいだろ……多分……」

 

大和「そう……願いたいですね……それよりも提督……」

 

勇人「何だ?」

 

二人は『未処理』と書かれた本棚に大量の書類を見て勇人にこう言った……

 

大和 武蔵「……同情します」

 

勇人「同情するんなら手伝え!それと大和!サイダ一くれ!」

 

大和「分かりました♪では頑張って下さい♪」

 

勇人「チクショーメェ!前任の糞野郎……いつかぶっ殺してやる!!……ふむ……成程……はぁ……殆ど同じ内容じゃねぇか……良し!赤城、この書類の束を全部、大本営にFAXで転送してくれ」

 

ドン!!

 

大和 武蔵「嘘!もう書類の1/5も終わらした!?」

 

赤城「分かりました♪相変わらず仕事が速いですね♪」

 

勇人「ウルセェ!これ全部あの野郎の隠蔽事だから楽なんだよ!ちなみに日々公務(デイリー)週間公務(ウィークリー)そして月間公務(マンスリー)は大淀と明石と夕張がいない……と言うより監禁されているから救出し完全復活するまでは当分出来ねぇから処分(破棄処理)してくれ」

 

赤城「分かりました……後は……」

 

勇人「……出撃や遠征と演習が出来ない状況だから大本営に報告後、処分(破棄処理)で……後、開発は後で俺自らやるから保留扱いにしてくれ」

 

赤城「分かりました♪これで終了です♪」

 

勇人「……ふぅ………仕事後の一服は格別だ♪」

 

武蔵「たった数分で終わらせた!?前任なら半日も掛かるのに!?ってか、そのキチガイ染みた速さに着いてこれる赤城も凄いな……」

 

大和「……へ?もう終わったの……ですか……あ……あはは……」

 

勇人(半日って!?どんだけ使えねー奴だったんだ!?あの野郎(前任)は!?ってか大和!お前は何驚いてんだ!?)

 

赤城(……普通の人なら半日以上掛かるのに……勇人さん(提督)の仕事の速さに馴れてしまっている自分がいる……と言うより提督が異常なんだわ……今さっき気がつきましたが……)

 

勇人「さて!彼女達が来るまでに『アレ』を準備するか♪赤城、手伝ってくれ」

 

赤城「分かりました♪」

 

大和 武蔵「?」

 

二人は前任が溜めていたであろう大量の書類を見て落ち込みつつ、机に座り、書類作業をこなす勇人を見て同情しつつ大和持参の三〇屋サイダーを飲んで待機……と言うよりソファーでくつろぎ、勇人は要領が良いのか、はたまた書類の内容が簡単過ぎたのか数分で書類作業を終わらし懐から『mevius option 8』と書かれた煙草の箱から一本を取り出し、火を点け一服しつつ比叡達を待つ間に『ある物』を準備し始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 艦娘寮の部屋にて

 

この部屋……いやすべての艦娘寮には古いパイプ椅子に机替わりの段ボールにボロボロのベッド、そして床や壁はひび割れに腐敗による穴が開く等と劣悪な状態だった

 

その部屋の一室にてパイプ椅子に比叡、榛名、霧島が囲む様に座っていた

 

比叡「ひ……ヒェーーーッ!?私達アイツを怒らせる様な真似をしたの!?」

 

榛名「比叡お姉様、それは違うと思いますよ、あの御方は仏のような慈愛があり心身共に強靭な御方なので滅多に怒らないと思いますよ♪それに……」

 

榛名(私には勿体無い過ぎる位の好みの男性ですから♪)

 

比叡「ん?最後のは良く聞こえなかったけど?」

 

比叡は榛名の呟きを再度聞き返したが……

 

霧島「………」

 

榛名「霧島……」

 

グイッ!!

 

榛名「!?」

 

霧島は椅子から立ち上がり、榛名に近付き胸倉を掴んだ

そう前任……いや人間にされた恨みを再確認するかの様に……

 

 

霧島「……榛名、忘れたの?金剛お姉様は前任に『解体』された事を!しかも半年前、奴が『大本営襲撃事件』で当時、緊急時だった為、指揮を執り重傷した訓練生を暴行し片腕を無くさせたケジメを金剛お姉様と吹雪さんに擦り付けた事を!!そして私達に『あんな事』をさせて……貴女は……忘れたのですか!!」

 

榛名「……確かに『あの事件』は私達にとって耐え難い屈辱よ……けど『その恨み』を今の提督……上城中佐にぶつけるのは間違いよ!!あの人は……こんなにも汚れ、ボロボロになった私や那珂さんを治し、綺麗にしてくれた!前任みたいな人なら真っ先に犯す所を……あの人は私を……」

 

バッ!!

 

霧島「チッ!勝手にしなさい!私は行かn………比叡「なら霧島も行けばいいんじゃないの?だってアイツは『艤装を着けてこい』と言ってたから着けて行けば迂闊に手を出せないよ……それにアイツも前任みたいな屑なら殺しちゃえばいいんじゃない?殺しも許可されているからね♪」……ッ!?そうですね♪私とした事がつい……分かりました♪では先に行ってきます♪」

 

ガチャ……

 

 

霧島は怒りながら荒々しく榛名の胸倉を離すと比叡の案を聞き、放送の内容と昼の挨拶の内容を思い出したのか冷静さを取り戻し笑顔で答え、逸速く執務室に向かった

そう勇人に対しての殺意や恨みを込めながら……

 

比叡「……物好きな人もいるんだね、私達を人として接するなんて……」

 

榛名「……はい、しかも私に運動着(ジャージ)を貸してくれました……」

 

榛名は肩身を離さず大事そうに勇人のジャージを抱き締める様に持つと比叡は微笑みながら言った

 

比叡「なら、ついでに返しに行けば?洗濯はしてあるんでしよ?」

 

榛名「はい!愛情!込めて!洗濯しましたので大丈夫です♪勿論乾燥済みです♪」

 

比叡「あはは……それ私の台詞を変えただけじゃん……まぁいっか♪速く行こう♪勿論艤装を着けてね」

 

榛名「はい♪」

 

二人もまた霧島の後を追うように執務室に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後 執務室にて

 

勇人「うしっ!こんなもんか……」

 

勇人は比叡達をリラックスして貰える様に机に『ある物』を準備していた

 

赤城「提督、御茶請けとお湯の準備が完了しました♪この電気ポット……ティファー〇のポットは凄いですね♪もうお湯が沸きました♪」

 

勇人「これは上々♪さて茶葉はアールグレイで……」

 

ガチャガチャ……

 

武蔵「提督よ、これは一体……」

 

勇人「これって……ティータイムの準備だか?」

 

大和「それは分かっています!何故そこまで本格的にやるのですか!?」

 

大和の質問に勇人は当たり前な態度で答えた

 

勇人「ん?そりゃアイツら金剛型はティータイム形式ではないと寛げないし、交渉し難いからな♪」

 

大和「……はぁ……そうですか……」

 

大和は勇人の答えに呆れると執務室の扉からノック音かま聞こえた

 

比叡「金剛型二番艦、比叡です!……私と他2名の入室許可をお願いします!」

 

勇人「許可する……まぁ呼んだのは俺だから普通に入ってきても良いんだが……」

 

比叡「失礼しま………ッ!?」

 

榛名「え!?」

 

霧島「なっ!?」

 

勇人は比叡達を執務室に招くと比叡達は部屋の様子を見て驚いた

 

何故なら……

 

比叡「ヒェーーーッ!?これって昔、金剛お姉様とティータイムしてた家具や紅茶!?」

 

榛名「凄い……」

 

霧島「……舐めた真似を……」

 

勇人「おっ♪良く分かったな比叡♪昔、他の鎮守府にいた金剛から聞いて準備してたんだ♪まぁ座って寛いでくれ♪」

 

比叡「あ……はい……失礼します……」

 

榛名「そんな……榛名達には勿体n……勇人「ここは素直に受けとるべきだぞ♪自分達を過小評価すんな♪」……ありがとうございます!嬉しいです♪」

 

勇人「良かったな♪お前ら♪」

 

某トマホーク菊〇似の眼鏡を掛けた妖精「はい♪わざわざ他の鎮守府の金剛さんの妖精達に聞いて正解でしたね♪」

 

某米国のイケメンエージェント似の妖精「ああ♪此方も良い暇潰しにもなったしな♪」

 

某独眼竜に似た妖精「提督、こいつはCOOLなideaだったな♪さぁ!Teaの御代わりもあるぜ♪」

 

某博霊の巫女似の女性妖精「もちろん御茶請けもあるわ♪」

 

某THE B〇SS似の女性妖精「……さぁみんな、最高のティータイムにしよう♪」

 

某オ〇ガ似のマッチョな妖精「さぁ寛げッ!」

 

武蔵 大和(何このチート能力を持っていそうな妖精達は!?)

 

そう、勇人と赤城は彼女達を招く為にわざわざ金剛が使っていた家具と同じ物を取り寄せ……と言うより勇人専属の妖精達が開発し準備をして待っていたのだ

 

 

 

比叡は勇人の歓迎に戸惑い、榛名は姉妹達の為にわざわざ金剛が愛用していたティーセットで迎えてくれた事に感激し泣きながら勇人に感謝をしていた

 

だが……霧島は……

 

霧島「……一体何の真似ですか?金剛お姉様を侮辱するつもりですか?」

 

霧島は姉である金剛に対して侮辱されたと深く考えていたのか怒りの籠った声で勇人や勇人専属の妖精達に聞いた

 

勇人「んな訳ねぇだろ……むしろお前らには『感謝』してんだ」

 

霧島「感謝……ですか」

 

勇人の意外な発言に霧島は戸惑いつつ勇人に聞いた

 

勇人「ああ……大本営に居たときに他の鎮守府の金剛から聞いてな……前任が捕まってから俺が着任するまで此所の鎮守府の運営を三人でやってたそうじゃねぇか♪金剛ほどの完璧なティータイムは出来ないが俺達からの精一杯な労いと感謝のつもりで行ったんだが不満だったか?」

 

霧島「成程……まぁ私は貴方が消えてくれた方が『最高の感謝』だと思いますが♪」

 

勇人「フン!こいつは無理な願い事だな♪」

 

霧島は勇人が何故ティータイム形式で歓迎した訳を聞いて少なからず安心したのか憎まれ口を叩き、カップに注がれた紅茶を少し飲み、御茶請けとして出されたカステラをフォークで小さく切り、切ったカステラをフォークに刺し、そのまま口に運んだ

 

霧島「……まぁ素人としては『頑張った』方ですね」

 

勇人「フン、これは手厳しいな……」

 

霧島「あら?私は結構甘く審査したつもりですよ♪貴方達の精一杯の感謝の気持ちに答えてね♪」

 

勇人「……泣けるぜ」

 

二人の対談を見て比叡、榛名、そして大和型姉妹は『ある事』に気がついた

 

比叡(あ!霧島が……)

 

榛名(笑いました!?今までは殺意を纏った笑いしかしなかったのに!?)

 

大和(赤城さん!?これは一体どういう事ですか?)

 

大和は霧島が何故リラックスしているのか赤城に呟く様に言った

 

赤城(簡単な理由です♪紅茶に限らず、お茶には自律神経を解す効果があるのです♪しかも紅茶や緑茶等の一部のお茶やコーヒー、エナジードリンクには『カフェイン』と言う覚醒効果があり、煙草みたいに中毒性がありますが過度に摂取しなければ害は無い科学物質で、よく眠気覚まし用にガムや飴、更には長時間作業をする人やサラリーマンの味方である栄養ドリンクにも使われています♪そして霧島さんを含め三人は金剛さんが解体されるまで常日頃ティータイムをやっていたので軽度の『カフェイン中毒』になり紅茶を飲む事でカフェインを摂取し、紅茶の神経を解す効果と相まって精神的に、そして肉体的にも落ち着いてくるのですよ♪しかもさっき言いましたが『カフェイン』は過剰摂取しない限り害はありませんので安心してください♪)

 

武蔵 比叡 榛名(あ!?成程♪勉強になりました♪)

 

大和(カフェテリア?カフェラテ?……頭が痛くなる……)

 

赤城(……大和さん、更に簡単に言えば提督が煙草を吸うと落ち着くのと同じ原理です……それにカフェラテじゃなくて『カフェイン』です)

 

大和(……成程♪)

 

武蔵(……なんか……色々とスマン……)

 

比叡 榛名 赤城(……うん……まぁ……)

 

大和(……ん?)

 

大和の理解力の無さに比叡、榛名、赤城は呆れつつティータイムを満喫した

 

勇人(うしっ!霧島達もリラックスしている様だし、そろそろ『本題』に入るか!)

 

勇人「まぁ雑談はこれまでにして、お前達に聞きたい事があるんだ……これに関して何か知っているか?」

 

勇人は三人が寛いでいる所を見て判断し、本題である書類を出し霧島達に渡した

 

比叡「ん?これは一体?」

 

榛名「これは確か鹿島さんが前任の専属秘書艦の時に前任が書いていた日誌……ッ!?これは!比叡お姉様!霧島!これを見て!」

 

霧島「ッ!?これは……まさか!?」

 

比叡「そんな……ねぇ!これはどういう事ですか!?」

 

勇人「どうやら榛名は知ってそうだな……単刀直入に言うが、この書類に記載されている艦娘達は何処に居る……いや何処に監禁されているか分かるか?」

 

三人は多種多様な表情をし、特に榛名は心当たりがあるのか書類の内容……艦娘達のリストを閲覧し驚いたのだ

 

霧島「……貴方の考えが今ようやく分かりました!何故私達姉妹を呼んだか、そして何故艤装を装着する様に言った訳を……」

 

榛名「はい!私も分かりました!」

 

比叡「ッ!?ティータイムしている場合じゃない!!早く行かないと!」

 

三人は書類の内容を見てティータイムを中断し、ソファーから立ち上がった

 

だが……

 

勇人「お前ら監禁されている場所知っているのか!?」

 

比叡「あ……そういえば……」

 

榛名「すみません……ですが!」

 

霧島「鹿島さんから聞き出せれば監禁されている艦娘達を救えるのですよ!!その交渉の1つが『戦艦の艤装』による脅迫を行う為にわざわざ貴方が装着をs……勇人「俺は武力行使での交渉は避けてんだよ!もし監禁されている場所が隠し部屋なら、そこに通じる扉があったら扉を破壊する為に装着する様に言ったんだ!」……じゃどうすれば良いのですか!?」

 

勇人「そこは考えてある!先ずは……」

 

霧島の問に勇人は三人に答えた

そう、この交渉は成立、そして勇人の思惑通りに進んだのか多少なりとも微笑みながら答えた……まるで交渉という『喧嘩』に勝った子供みたいに……

 

勇人「……という作戦だ!どうだ乗るか?」

 

勇人は自分が考えた『作戦内容』を伝えると比叡達は目に力が入ったのか真剣な顔つきで勇人にこう伝えた

そう、その言葉は力強く、そして決意のある言葉だった

 

比叡「勿論!!この作戦、気合い!入れて!参加します!」

 

榛名「はい!!私も提督の作戦に乗ります!!」

 

霧島「ええ♪今回に限り、貴方の……いえ『司令』の作戦に乗ります!!」

 

勇人「ふっ……決まりだな♪んじゃ始めるぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「吹雪や金剛達を助けにな!!」

 

勇人の気合いの入った言葉に比叡達だけではなく大和や武蔵、赤城も入り「応!」と力強く答えた

 

そして机の上に置いてあった書類が開き、こう書かれていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特型駆逐艦 吹雪……sex slave

金剛型一番艦 金剛……sex slave

と書かれたページが開かれていた

 

 

 

 

 

 

 

数分後 執務室にて

 

榛名「提督、御借りしてたジャージをお返しに来ました」

 

比叡と霧島は執務室を後にし、榛名は緊張しているのか少し挙動不審になりつつ勇人に『借りていたジャージ』を返しに渡そうとしたが、勇人は榛名がプライベート用の服がない事を対談(ティータイム)の時に武蔵と大和(デカイ阿賀野)にこっそり聞いた為……

 

勇人「keeping(やる)♪」

 

榛名「え!?ちょ!提督!良いのですか!?」

 

勇人「ああ」

 

榛名「本当に……良いのですか!?あ…………ヒック!涙が止まりまs……勇人「あんまり自分の気持ちを殺すな、お前達は良く頑張ったな♪」……ヒック!提督ぅ!!!」

 

ガバッ!

 

勇人「おっと!……余程辛かったんだな」

 

榛名「……はい」

 

勇人「今は誰もいないから好きなだけ泣いて来い……」

 

榛名「……それでは御言葉に甘えます……」

 

勇人がそう言うと榛名は、今まで押し殺した気持ちが爆発したのか、はたまた勇人の労いの言葉が嬉しかったのか、勇人に抱きつき号泣したのが言うまでも無かった

 

そして勇人も榛名が泣き止むまで、ただひたすら抱擁し続けた

 

そう榛名の心の傷を優しく癒す仏の様に……



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第9話「作戦開始」

ティータイムをしてから数十分後 執務室の廊下付近にて

 

鹿島(……誰もいませんよね……良し!)

 

鹿島は昼食であろう大量の『佐世保バーガー』が入った器を持って誰も見られない様に移動をしていた

 

そして……

 

鹿島(執務室には……誰もいない!今だ!)

 

鹿島は誰も居なくなった執務室にこっそり入り、執務室の本棚を触り、本を数冊退かすと退かした本の後ろに金庫に使われそうなデジタル式の番号施錠装置に番号を入力しエンターボタンを押すと……

 

ガチャ!

 

施錠が解除されたのか本棚が少し開き、鹿島は机に器を置き、本棚ごと引くと蛍光灯のみの薄暗い灯りが灯した地下へ続く階段があった

 

鹿島(良し!あの人には見つかって無い……)

 

鹿島は机の上に置いた器を持ち地下へ続く階段へ足を運んだ

 

夕立「……」

 

だが、それを見てた人……というより段ボールを被り、眼帯、そして緑に近い黒のバンダナを着けた某『伝説の傭兵』のコスプレした夕立がいた事に気付かないまま……

 

 

 

夕立「こちら夕d……ソモロン・ス〇ーク……ターゲット確認……っぽい」

 

勇人「了解……ところで夕立、何故ビック〇スのコスプレなんかしているんだ?俺は『段ボールを被って鹿島の動向を探れ』としか言ってないんだが……ってか何処で仕入れて来たんだ?」

 

夕立は無線機で別室……というより提督専用の部屋に待機している勇人達に報告すると、勇人は何故か夕立がコスプレしているのか少し呆れながら聞いた

 

夕立「……提督さんの妖精達がノリノリで夕立専用の戦闘服を作るって言い始めて……」

 

勇人専用の妖精達「すみませんでした!止められませんでした!」←満身創痍

 

霧島「……ん、まぁ……なんと言いますか……これは……」

 

勇人「……霧島、何も言うな、完全に『これ』は俺の落ち度だ……菊池!何をしでかした!!」

 

武蔵「……提督、同情する……」

 

某トマホーク菊〇似の妖精『菊池』「……本来なら隊長である自分が止めるべきでしたが……ジョイと霊夢が『潜入任務(スニーキングミッション)なら私達が監修するわ!!』と意気揚々と作り始めて、政宗と勇次郎とレオンが止めにかかったが返り討ちにされて……この様です……」

 

某独眼竜似の妖精『政宗』「今度生まれ変わるのなら……鳥になりてぇ……そしてadmiral……sorry……」←轟沈寸前

 

某オ〇ガ似の妖精『勇次郎』「……すまん!」←少破

 

某米国のイケメンエージェント似の妖精『レオン』「……泣けるぜ」←中破

 

勇人「……もう良い、やっちまったのなら仕方ねぇからな……んで肝心の二人は?」

 

勇人は妖精達を束ねる隊長である『菊池』に聞くと菊池は俯きながら言った

 

菊池「……夕立さんと一緒に隠れながら鹿島さんの動向を探っています」

 

夕立「こちらソモロン・〇ネーク、此れから潜入任務を開始する……ぽい!」

 

勇人「おい!ちょっと待て!夕立……はぁ……霧島……」

 

霧島「分かりました……司令の作戦を参考に私が考えた『プラン』を実行しますね」

 

勇人「はぁ……頼む」

 

霧島「それでは赤城さんにプラン変更の連絡しに……勇人「なら俺のスマホを使え」……お借りします」

 

武蔵「所で『スマホ』って何だ?」

 

霧島「最新の携帯電話の事です……武蔵さん達が支給されたのはガラゲー……古いタイプの携帯電話なので最低限の機能しか無いのです」

 

武蔵「提督……」

 

勇人「……後で親父に頼んで全員新しいヤツに支給してやるやら我慢しろ!それと霧島、赤城に伝言があるのだが……カードの請求を上城財閥長(ジッチャン)に請求する様に伝えてくれないか?」

 

霧島「ありがとうございます♪分かりました♪」

 

武蔵「すまない……」

 

勇人と霧島、そして武蔵は自分の妖精達と夕立の悪ふざけで最初の計画が台無しになった事で頭を抱えつつ霧島の『案』を渋々了承した

 

一方その頃 榛名、比叡、大和そして赤城は……

 

比叡「ドラム缶55個、製造完了!そっちは?」

 

榛名「はい!担架に車イスの大量製造終わらせました!」

 

大和「こっちも提督のブラックカード(史上最強の魔法のカード)で大量のバケツを仕入れました!!」

 

雷「入渠室の掃除終わったわ!」

 

電「ドラム缶の蓋、全部取り外した……なのです!」

 

響「渡り廊下の補強工事……終わったよ」

 

天龍「同じく駆逐艦、軽巡、重巡の部屋も終わったぜ♪」

 

龍田「こんなに身体を動かすの出撃以来だわ~♪」

 

木曾「……たまには悪くないな♪後、潜水艦の部屋も終わったぞ♪」

 

暁「ゼェ……ゼェ……レディに何をさせるの……あの司令官は……」

 

球磨「全くだクマァ……ハァ……」

 

多摩「休憩を要望するニャ……ゼェ……きつい……」

 

赤城「暁さん!球磨さん!多摩さん!今は休んでいる場合ではありません!次は脱衣室をバリアフリー化にしますので手伝って下さい!」

 

暁「ちょっとは休ませt……雷「はーい♪分かったわ♪さぁ暁も早くやろ!行くよ!」……ちょ!雷!引っ張らないでぇぇぇ!」

 

天龍「任せろ!」

 

龍田「は~い♪」

 

木曾「応!さぁ!行くぞ姉貴達!」

 

球磨「嫌だァァァァァグマ"ァァァァ!」

 

多摩「ニ"ャ"ァァァァ!」

 

ズルズル……

 

隼鷹「赤城さん……浴槽に手すりを着けたぜ!後、入渠室の壁の絵柄はどう言った模様が良いんだ?」

 

赤城「ん~南国の雰囲気を出す為、赤色(レッド)をベースに太陽(サン)をモチーフに………じゃなかった!壁とかの装飾は後からでも出来るので後回しでお願いします!」

 

隼鷹「何か金剛っぽいな……分かった♪んじゃ天龍達の支援しに行くわ♪」

 

赤城(提督の影響で私まで英語を……これは色々と不味いですね……)

 

翔鶴「赤城先輩、廃材を使ってドラム缶風呂用の底蓋出来上がりました!」

 

瑞鶴「後、提督さんのWRX STI(改造された愛車)の運搬及び車と自家発電の接続工事、終わりました……提督さん……よくあんな化け物染みた車を操れるわね……」

 

翔鶴「フフッ♪まぁ何回もエンスト起こすだけで良かったじゃない♪事故らないだけマシじゃない♪」

 

瑞鶴「だってあの車!ぶつかりそうになったら自動的に止まるし(アイ〇イトが発動するし)……あれ最初からマニュアルモードになっていたから運転しにくいもん!無理に決まっているじゃん!」

 

赤城「ご苦労をおかけします♪妙高さん、担架の加工はどの様になりましたか?」

 

妙高「一応、担架にローラーとサスペンション(衝撃吸収装置)の取り付け、そして折り畳み式にしたのだけど……これで良かったのかしら?」

 

赤城「上々ね♪」

 

那智「おーい!マットの加工終わったぞー!」

 

羽黒「後、それと……」

 

ワイワイ……

 

カーン!カーン!

 

キュイーン!!

 

そう赤城達は監禁された艦娘達の傷を癒すため、入渠室の簡易的な拡張、艦娘寮含め渡り廊下や部屋の修復そして監禁された艦娘達を運ぶ為、車イスや担架を大量生産していたのだ

ちなみに第六駆逐隊の四人と妙高型の三人、天龍型の二人、球磨型の三人、翔鶴型の二人、間宮と伊良湖そして隼鷹は偶々作業をしてた比叡達を見て、赤城から事情を聞き自ら手伝っていた

まぁ彼女達は基本、前任を恨んでいるが人間を恨んでいない事が幸いしたのかも知れないが……

 

赤城「鳳翔さん!雑炊の準備は!?」

 

鳳翔「バッチリ♪間宮さんや伊良湖さんが手伝ったお陰で短時間で大量の雑炊が出来上がりました♪」

 

間宮「ゼェ……ゼェ……ハァ……きつい……」

 

伊良湖「こんなに……ゼェ……作るの……ゼェ……生まれて始めてだから……ハァ……身体が持たない……何故鳳翔さんはピンピンしているのですか?」

 

鳳翔「何時も私が大本営の人達の食事を担当していたので、これくらいなら『何とも無い』のです♪それにプライベートでは若や艦娘達や使用人達、若の家族、そして赤城さんの食事を担当していました♪これで根を上げる位なら赤城さんと若の食事だけで身体が持ちませんよ♪」

 

間宮 伊良湖「赤城さんは兎も角、司令ってどんだけ食べるのですか!?」

 

鳳翔「……準備した後ろの大釜に入った雑炊位なら軽く食べますよ♪10分も掛からない内に♪」

 

間宮 伊良湖「フードファイターですか!?」

 

赤城「ちなみに味付けは何にしたのですか?」

 

鳳翔「シンプルに玉子雑炊にしてみました♪」

 

赤城「上々ですね♪」

 

千本桜~常世の闇♪歌う声は~聞こえないよ♪

 

赤城「ん?電話?提督からだ……もう作戦準備を終わらしたのかな……」

 

Pi♪

 

間宮 伊良湖「千本桜!?しかも小林〇子バージョン!?」

 

赤城「はい!私です!提督、どうかしましたか?」

 

赤城は天龍達が手伝っていた事に嬉しかったのか上機嫌で言うと赤城のスマートフォンに電話が掛かり、電話に出た

 

霧島『あ、赤城さん……霧島です、そっちの準備は?』

 

赤城「上々です♪そちらは?」

 

霧島『……物凄く言いにくいのですが夕立さんと司令の妖精が悪ふざけで暴走……というより単独行動をし始めたのでプランを変更します……』

 

赤城「……泣けますね」

 

霧島『勿論赤城さん達に変更はありませんので引き続き準備をお願いします……後、司令からブラックカードの請求は《祖父》に請求してくれと伝言を頼まれましたのでお願いします』

 

赤城「……分かりました」

 

Pi♪

 

鳳翔「赤城さん、何かあったのですか?」

 

鳳翔は霧島の報告に頭を抱えている赤城に聞くと呆れたのか溜め息をつきながら答えた

 

赤城「はぁ……夕立さんと提督の妖精が悪乗りで勝手な行動を取ってしまって急遽、作戦を変更しなざるを得なくなりました」

 

鳳翔「……若の妖精達……いや三笠さんの妖精達は曲者揃いですからね」

 

赤城「まぁ私達に関しては変更が無かっただけでも救いだったかも知れませんね……はぁ……不幸です……」

 

鳳翔「……後であの子達の説教ですね……」

 

赤城「……程々にしてくださいね」

 

間宮(うわ………鳳翔さん、顔は笑っているが……)

 

伊良湖(目が完全に『一航戦時代(現役バリバリだった時代)』の目になっている……提督並みに怖いです……)

 

山城「赤城さん!私の台詞取らないで下さい!」

 

扶桑「落ち着いて山城、赤城さん……戦艦の部屋の修復工事終わりました」

 

時雨「まぁ工事中に邪魔をしてくる人がいたから、ちょっと手こずったけど……」

 

赤城「ありがとうございます♪後、時雨さんに扶桑さん、山城さん『邪魔が入った』ってどういう事ですか?」

 

赤城は戦艦の部屋の修復工事から戻ってきた扶桑達に聞くと赤城に台詞を取られ落ち込んでた山城が答えた

 

山城「……鹿島さんと同じ様に人間を恨んでいる連中に妨害されたのよ……お陰で予定より時間が掛かるわ、砲撃を食らいつつ説得したりして……まぁ向こうが演習用の弾を使っていたから怪我はしなかったけど……挙げ句の果てに赤城さんに台詞取られて……はぁ……不幸だわ……」

 

山城は赤城に愚痴りながら報告すると赤城は申し訳無さそうに答えた

 

赤城「……すみません、悪気があって言ったつもりじゃあ……」

 

山城「分かっているわ……何かしらトラブルが発生しているのでしょ?」

 

赤城「はい……実は……」

 

赤城は扶桑達にトラブルの原因となった夕立と勇人の妖精達が暴走した事と、それに伴い作戦を変更しなざるを得なくなった事を伝えた

 

赤城「……と言う訳です」

 

扶桑「……それは……その……」

 

山城「……ご愁傷さまです……」

 

時雨「いやいや!まず何故司令が妖精を持っているの!?」

 

赤城「提督は『とある事故』で私達と同じ力を手に入れた……いえ『手に入れなざるを得なかった』と言うべきでしたね……まぁ内容は言えませんが……」

 

扶桑「……これ以上聞くのは止めた方が良いわね……」

 

山城「取り敢えず私達は何をすれば良いのですか?見た感じ殆ど終わっているそうですか……」

 

赤城「それじゃ提督の指示があるまで待機で……」

 

扶桑 山城 時雨「分かった」

 

暁「やった♪」

 

球磨「クマーッ♪」

 

多摩「ニャー♪」

 

雷「コラ!暁!さぼらないで!」

 

木曾「姉貴達ィ!俺に押し付けてサボるとは良い度胸だな?アァ?」

 

球磨 暁「だって……」

 

多摩「キツいもん……」

 

赤城「……鳳翔さん!暁さんと球磨さん、多摩さんの鯛焼きは作らないで下さい♪サボっていたので♪」

 

球磨 多摩 暁「なっ!?」

 

鳳翔「……分かりまs……球磨「さぁーて作業再開だクマ!」……フフッ♪」

 

多摩「ニャ!」

 

暁「分かったわ!第六駆逐隊ファイヤー!!」

 

雷「……木曾さん、お互い姉に対して苦労してますね」

 

木曾「……全くだ」

 

何だかんだで監禁された艦娘を受け入れる準備は着実に進んでいた

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻り 執務室にて

 

勇人「……霧島、武蔵、艤装の装着は出来たか?」

 

武蔵「ああ!」

 

霧島「あの……司令、ちょっと言いたいことがありますが……」

 

勇人「何だ?」

 

霧島は勇人の今の外見について聞いた

 

霧島「何故司令は私達と同じ艤装を着けているのですか!?しかも私達『金剛型』と同じ様な衣裳を着て……コスプレですか!?」

 

そう霧島や武蔵だけではなく勇人も艤装を展開していたのだ

 

勇人「なぁーに♪ちょっと訳ありでな♪ちなみにコスプレじゃないぞ♪」

 

武蔵「……霧島、色々と言いたい気持ちは分かるが……取り敢えず……提督の『イカれた行動に馴れろ』」

 

霧島「……さいですか……」

 

勇人「イカれたってお前……武蔵……お前、飯抜きにされたいのか?」

 

武蔵「すみませんでした!!!只でさえ昼飯の罰でさえキツかったのに飯抜きは本当に勘弁して下さい!」←ジャンピング土下座

 

霧島「……凄い迅速な土下座ですね……後、赤城さんにli〇eで作戦開始の報告しておきました」

 

勇人「こいつは上々……んで、武蔵……お前に『プライド』という言葉は無いのか?」

 

武蔵「プライドだけで飯は食えぬ!!」

 

勇人「……分かったから立て!んじゃ鹿島と夕立の捕獲及び艦娘達の保護しに行くぞ!」

 

勇人達は監禁された艦娘達を助けに艤装を着けて隠し部屋に突入した



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第10話「成功そして……」前編

皆さん、お久しぶりです、うp主ですm(__)m今回の内容につきましては食事中に閲覧するのは止めた方が……いえ止めてください!m(__)mはっきり言って今回はグロ、スカ等の表現が含まれますので食事中に閲覧するのは自殺行為に近いので、閲覧するのでしたら食事中ではない時にお願い致しますm(__)m


勇人達が突入した同時刻 入渠室にて

 

赤城「……相変わらず美味しいですね♪お代わり下さい♪」

 

鳳翔「ダメですよ♪貴女お代わりしたら皆の分が無くなりますから♪」

 

赤城「……デスヨネー」

 

大和「……私も、お代わr……榛名「大和さん、貴女もですよ!」……だって……」

 

球磨「ウマー♪」

 

多摩「美味しいニャ♪」

 

妙高「本当ですね♪……ん?」

 

ブーン!ブーン!

 

赤城が率いる受け入れ組は準備が完了し鳳翔手作りの鯛焼きを頬張り、休憩していると赤城のスマホが震え、点滅しているのを妙高が気が付いた

 

妙高「赤城さん、スマホ鳴ってますよ」

 

赤城「ん?lin〇ですね……ッ!?皆さん!休憩時間終了です!たった今、提督達が突入しました!重巡組及び隼鷹さんは担架を、戦艦組は車椅子を執務室に運搬後、提督の指示があるまで、その場で待機!駆逐組及び軽巡組は急いで浴槽及びドラム缶風呂にバケツを投入!間宮さんと伊良湖さん、そして鳳翔さんは雑炊を暖めてください!瑞鶴さんと翔鶴さんは自家発電に接続した提督の車のエンジンを限界ギリギリまで(アクセル全開で)回して下さい!」

 

赤城が急いで指示を出すと、みんな急いで赤城の指示に従い、準備し始めた

 

赤城「さて……提督に………よし!私も行きますか!」

 

赤城はスマホで勇人に〇ineで報告し、走って執務室に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

執務室 隠し階段にて

 

勇人「……臭いがキツいな」

 

武蔵「ああ……」

 

霧島「吐き気がします……ウップ……」

 

勇人「霧島、無理はするなよ……」

 

武蔵「いいか!絶対吐くなよ!絶対にだ!振りじゃないぞ!」

 

霧島「ごめんなさい……もう……無理………司令、ポリ袋を……」

 

勇人「……はいよ」

 

霧島「ありが………オロロロロ………」

 

武蔵「ウッ!!ちょ!霧島!私にかけるな!提督、ディッシュを貰いたいのだが?」

 

勇人「悪い、さっき大和にあけたヤツが最後だったんだ……」

 

武蔵「……泣けるぞ……所で提督は大丈夫なのか?私も正直言って『ヤバイ』のだが……」

 

勇人「……こう見えて入隊した時は提督としては無く軍医として入隊したんだ……こんな事『日常茶飯事』だから嫌でも馴れるぞ……勿論医師免許を持っているぞ」

 

武蔵「……はぁ?医師免許持ちって……提督は幾つだ?医療免許を取得しているという事は20代後半か?」

 

勇人「……そこまで老けてねぇぞ!『22』だ」

 

武蔵「……22で医師免許を取得したのか!?」

 

勇人「……いや取得したのは確か二十歳の時に海軍学校で取得したな♪まぁ取得するのに然程『難しくなかった』試験だったな♪」

 

武蔵「……二十歳で医師免許を取得、更には料理の腕前はシェフ顔負けって……化物染みているな……」

 

勇人「そうか?まぁ料理に関しては龍飛さん……いや鳳翔に教えて貰ったんだ……この作戦が終わったら一杯やるか?」

 

武蔵「ああ……と言いたいのだが、酒の肴を想像しながら『この臭い』は……流石に無理だ……だから作戦中は飯の話はしないでくれ……折角、雑談をして吐き気を紛らわそうとしたのに……ウップ!」

 

勇人「……悪い、ほらポリ袋に水要らずの酔い止め薬だ……霧島、酔い止め薬だ」

 

霧島「あ……ありがとうございます」

 

武蔵「忝ない……オロロロロ!」

 

勇人(……やっぱ『この環境』では彼女達でも堪えるか……早く作戦を終わらせないと……俺まで貰い泣きならぬ『貰いゲロ』を受ける羽目になってしまう……そして終わらせたら服や靴、あらゆる物を消毒しないと感染症の餌食になってしまうな)

 

勇人は冷静に足下を見ると、そこには嘔吐物や血や前任が強姦した後であろう精液やディッシュ、更には解体される事に強い恐怖を感じたのか、はたまたプレイの一環なのか、捕まった艦娘達が漏らしたであろう尿が地面や階段に飛び散った為、強烈な腐敗臭や刺激臭が入り交じった臭いが充満していたのだ

常人なら臭いを嗅ぐだけで嘔吐したり気絶してしまうほどの悪臭なのだ

 

勇人は馴れているのか、はたまた耐えているのか、臭いに耐えきれず吐いた霧島と武蔵を介護しつつ、階段を降りていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 隠し部屋前にて

 

夕立(うー……臭いっポイ……頭が痛い……)

 

某博霊の巫女似の妖精『霊夢』「……アンタ大丈夫?結構顔色が悪いわよ」

 

某部隊の母似の妖精『ジョイ』「仕方ないわ……はいガスマスクよ」

 

夕立「ありがとうっポイ……」

 

霊夢「ジョイ、私のは?」

 

ジョイ「無いわ……我慢しなさい」

 

霊夢「……マジかよ」

 

夕立達は鹿島を追うと艦娘達が監禁されているのであろう隠し部屋の前にいたのだ

 

夕立「霊夢さん……ごめんなさい……」

 

霊夢「……気にしないで、さぁ!さっさと助けるわよ!」

 

夕立「ポイ!………あれ?」

 

ガチャガチャ!

 

夕立は隠し部屋の扉のノブを引くが……

 

夕立「……開かないっポイ……」

 

霊夢「ウソ!?何でよ!?」

 

ジョイ「……チッ!カード式のオートロックか!?これは厄介だな」

 

そう、扉はカードキーで開閉するタイプの扉だった為、開かなかったのだ

そして……

 

鹿島「……夕立さん、何をしているのですか?」

 

夕立(ヤバイ!鹿島教官に見付かったっポイ!!)

 

夕立の後ろには鹿島が居た……というより見付かったのだ

 

ジョイ(ヤバイわね……そうだ!?夕立、彼女を眠らせてカードを奪うのよ)

 

ジョイの発案を夕立に言うと、夕立は焦りながら呟いた

 

夕立(無理っポイ!私、肉弾戦で鹿島教官に勝った事が無いよー!!)

 

ジョイ(……仕方ないわ……霊夢!)

 

霊夢(はいはい……)

 

ジョイは霊夢に命令すると霊夢は鹿島の後ろに素早く移動し、そして……

 

霊夢(寝ていろ!アバズレが!)

 

霊夢は鹿島の首に蹴りを入れようとジャンプし蹴りに掛かったが……

 

鹿島「隙だらけですよ……」

 

ガシッ!!

 

霊夢「え!?」

 

ブォン!

 

霊夢「ちょ!?キャー!!」

 

鹿島は飛び蹴りをしようとした霊夢を掴み、投げ飛ばしたのだ

 

ジョイ「霊夢ゥゥ!!貴様ァ!!」

 

夕立「ジョイさん!落ち着いてっポイ!!鹿島教官!何故私達に隠して『こんな事』をするの!?」

 

夕立は鹿島に勇人や自分達に隠していた理由を聞くと、鹿島は復讐に満ちた落ち着いた口調で微笑みながら言った

 

 

鹿島「フフッ♪簡単な事ですよ……提督(あの糞野郎)が艦娘達に強姦されるのを守る為もありますが、あの糞野郎……いえ深海棲艦達と私達を『弄んだ』人間共を殺す為にも戦力が必要な訳♪だから……」

 

ジョイ「……提督の目を盗み、前任が監禁した艦娘達を完全に手中に収め次第、提督に……いや艦娘以外の人々に反旗を……まるで三流映画の糞にも成らない『つまらなく、下らない』理由(シナリオ)だな!」

 

ジョイは鹿島の真意を聞いて呆れたのか、馬鹿にした口調で一刀両断すると鹿島は眉をピクリと動いた

そうジョイの発言に怒りを露にしたかの様に……

 

鹿島「ッ!?下らないですって……たかが妖精の分際で……」

 

ジョイ「ああ!私は妖精だ!だが『その妖精』ごときに『怒る(キレる)』小物でバカな艦娘は誰の事だ?お前の事だろ?『馬鹿島さん』?」

 

鹿島「……どうやら本気で潰さないと行けない様ですね!覚悟は出来ていますよね?」

 

ジョイ「勿論だ!だが……」

 

鹿島「だが?」

 

勇人「もう戦う必要は無いって事……さッ!」

 

トンッ!

 

鹿島「ウグッ!?……迂闊でした……」

 

鹿島は階段を降りきった勇人に背後から当て身を貰い、気を失った

 

ジョイ「……遅かったじゃない」

 

勇人「テメェらが勝手なことをするからだろ!霧島、鹿島と夕立を頼む」

 

霧島「ウップ……はい……」

 

夕立「霧島さん、絶対に吐かないで欲しいっポイ……」

 

霧島「なら、そのガスマスクを貸してくれませんか?」

 

夕立「無理っポイ!」

 

勇人「後、消毒も忘れんなよ!それからジョイ!執務室に待機している連中に突入の際はガスマスクを着用しろと伝えてくれ!」

 

霧島 夕立「了解です(分かったッポイ)!」

 

ジョイは霧島の頭に乗り、霧島達は夕立そして鹿島を連れて執務室に戻りに階段を上がり、その場を後にした

 

勇人「……ったく、霊夢も何故無茶したんだ?」

 

勇人は鹿島に投げ飛ばされ、ふらついている霊夢を摘まむ様に持ち上げると霊夢は鹿島に負けた悔しさなのか、はたまた勇人に叱られると思ったのか俯きながら言った

 

霊夢「……アイツの考えにムカついたから」

 

武蔵「アイツって前任か?それとも鹿島の事か?」

 

霊夢「『両方』よ……確かに鹿島が受けてきた処遇を考えれば人間に反逆したい気持ちも分かるわよ……昔の勇人も嘗ては貴女達『艦娘』を守る為に、彼女達を弄んだ人間達に酷い目に……勇人「霊夢!」……ごめん、言い過ぎたわ」

 

武蔵「……提督……」

 

勇人「無駄話はそれくらいにして、開けるぞ!」

 

勇人は鹿島が落としたカードキーを拾い、扉に付いているカード読み取り機に通したが……

 

error!

 

勇人「クッ!もう一度!」

 

error!

 

勇人は何回もカードを通したが、全く受け入れて貰えず、とうとう……

 

勇人「……メンドクセェ!このモードはあまり使いたくないが……艤装モード『Aegis ver.2』!武蔵!艤装の準備は良いか?」

 

勇人は何回もカード通したが拒否され続け、苛立ちが爆発し、艤装の性能レベルを上げたのか何時もの艤装に加え酸素魚雷が倍の12発、刀が2本、更には核弾頭ミサイルが装填されているのであろう『VLS』が付いた状態になり、艤装を構えた

 

武蔵「……結局こうなるのか……仕方ない!」

 

二人は扉の前で艤装を構え、そして……

 

勇人「全門斉射!!ぶっ放せぇーーー!!」

 

ドカーン!!

 

勇人の発令と共に、武蔵と勇人は艤装に装填した弾を全弾、扉に当て破壊した

 

ちなみに勇人が艤装の性能を上げた状態『Aegis ver.2』は艦娘で言うと『改2』の状態と同じ意味で、改2になった艦娘は姿は勿論、性能が劇的に上がる状態だ

 

ただ……勇人の場合は任意で『Aegis ver.2』に成れることが可能であり、その性能は『チートレベル(姫クラスが命乞いをする位)』まで劇的に上がる

 

ただ、それには欠点があるのだ……

 

霊夢「……アンタ達ねぇ………ってか『Aegis ver.2』!?勇人!?アンタ、そのモードは…… 」

 

煙が晴れ、扉は破壊された事を確認した武蔵は勇人に次の指示を聞こうと勇人に向いたが……

 

武蔵「扉は破壊出来たn……なッ!?貴女は!?」

 

武蔵は勇人を見て、驚愕した

 

そう……勇人は『Aegis ver.2』になった欠点は……

 

勇人の艤装を着けた女性「……初めまして武蔵、息子が世話になっているわね」

 

本来なら勇人が居る場所に白のジャケット、ジャケットの上に軍服風のロングコートを羽織い、そのコートには多種多様に飾り付けされた大量の勲章、金剛型と同じ黒の袴風のスカート、そして何より多少髪が長く、髪色は黒みが入った銀髪だが顔付きは眼鏡を外した霧島に似ている女性が立っていた

 

武蔵「三笠さん!?」

 

そう……勇人の欠点は『Aegis ver.2』になる事で育ての母である三笠と入れ替わってしまう事だった

 



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第10話「成功そして……」後編

三笠「……ったく、あの馬鹿息子!施設を壊して……もう……」

 

武蔵「いやいやいや!寧ろ壊してくれて感謝したい所です!ってか何故、提督が三笠さんに?」

 

武蔵は三笠の出現に戸惑いをしつつ、三笠に聞くと三笠は勇人の行動に頭を抱えながら言った

 

三笠「まぁ此処に着任する前に研修で呉の方に行ってた時にね……話は勇人から聞いてって………クサッ!!何なのよ!この臭い!!」

 

武蔵「……三笠さん、此処は……」

 

三笠「分かっているわ……前任専用の娯楽室みたいなモンでしょ……吐きそう……よく勇人は耐えていたわね……」

 

武蔵「……何か訓練の時とは随分ギャップがありますね」

 

三笠「私だって素になりたい時だってあるわ!」

 

武蔵「……うん、完全に提督の素の性格だ……流石親子ですね」

 

三笠「……ゴホン!さぁ早く救助に行くぞ!」

 

武蔵は三笠を見て納得し、三笠は恥ずかしそうに咳をし武蔵と共に部屋に入って行った

 

 

 

 

同時刻 執務室にて

 

霧島「オロロロロロロ!」

 

夕立「あー臭かったッポイ……」

 

鹿島「……」←気絶

 

比叡「うわ……」

 

羽黒「お疲れ様です霧島さん……」

 

大和「ヴッ!?臭いが……」

 

ジョイ「……赤城、提督からの伝言でガスマスクを装着次第、突入開始だって」

 

 

ジョイは赤城に伝言を伝えると、赤城は鼻を摘まみながら言った

 

赤城「分かりました……では皆さん!ガスマスクを着けたr……妙高「もう着けてます!後は赤城さんだけです!」……分かりました!では突入開始ィ!」

 

赤城は自作のガスマスクを装着し、隠し部屋……もとい前任専用の隠し娯楽室に向けて突入した

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻り 前任専用の隠し娯楽室にて

 

三笠「これは……」

 

武蔵「……」

 

二人が見たものとは……

 

ポニーテールのショートカットの女性『伊勢』「う……」

 

桃色のポニーテールをした少女『不知火』「貴女が……今度の提督は同性愛者ですか……」

 

黄色の着物を着た女性『飛龍』「……殺せ!一思いに殺せ!」

 

金剛「ッ!?貴女は……」

 

神通「……ヒッ!?止めてください!私達を……」

 

ドイツの軍服を着た金髪の女性『ビスマルク』「……ッ!!」

 

そう、前任が解体扱いとして捕まっていた艦娘達は身体は傷だらけ、精神は完全に衰弱しきっていて、人身共にボロボロだった

中には……

 

伊勢と同じ服装をした女性『日向』「………」

 

伊勢「ほら!日向!新しい提督が来たよ!日向!ねぇ起きてよ!日向!日向ァァァ!」

 

糞尿を垂れ流し、精神が崩壊し顔が青ざめて既に死んでいる艦娘も多数捕まっていた

 

三笠「……武蔵!今すぐ救助活動をするぞ!!おい!伊勢!私だ!三笠だ!大丈夫か!」

 

武蔵「了解!!」

 

三笠は死んだ日向を起こそうとした伊勢に近付き、安否を聞くと伊勢は『日向が死んだ』と言う現実を受け止めたく無いのか、震えながら言った

 

伊勢「……み……三笠……まさか三笠元帥?」

 

三笠「残念だけど『そっち』じゃない!まぁ貴女は見た感じ少し衰弱しているが大丈夫そうだな……日向は……ッ!!」

 

伊勢「失礼しました三笠教官!日向は……日向は大丈夫なのですか!?」

 

三笠は日向の首元を触った途端、俯いた

 

三笠「……間に合わなかったか……すまない伊勢……」

 

伊勢「嘘……日向……日向ァァァ!」

 

 

三笠は頭を横に振り、伊勢に謝罪すると伊勢は姉妹の死を受け入れたのか日向に寄り添い号泣した

日向の死によって捕まっていた艦娘は不安、絶望した表情になっていた

 

そう『明日は我が身、そして姉妹達が……』と……

 

 

三笠「……お前達、私の話を聞け!」

 

艦娘達「!?」

 

三笠「私達は、お前達を助ける為に来た!だが日向みたいに『死んだ者を生き返らせる』事は出来ん!だが死んだ者の願いや思いは受け継ぐ事は出来る!人間に復讐?んなもん大いに結構!死んで行った友や姉妹の為に生きろうとは思わないのか!」

 

武蔵「三笠さん……」

 

三笠は死んだ目になっている艦娘達に活を入れるために大声で艦娘達に言った

 

飛龍「当たり前です!三笠教官に言われなくても……」

 

不知火「……三笠教官、ありがとうございます!目が覚めました!」

 

薄い紫色の髪をした女性『衣笠』「……青葉……うしっ!」

 

三笠の活により目が覚めたのか、はたまた信頼のある教官が来た事による喜びなのか、殆んどの艦娘達は目に力が入り、ふらつきながらも立ち上がったりしていた

 

そう全員ではなく『殆んど』だった、そう……たった一人だけ死んだ目のままの艦娘がいた

 

その艦娘は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金剛「……私は生きる資格がありまセン……さぁ三笠、私を殺してくだサーイ!」

 

そう三笠と同じ金剛型一番艦『金剛』だったのだ

 

三笠「貴様は何を言っているのだ!生きて比叡達と会いたいと思わないのk……金剛「確かに会いたいデス……but(しかし)私は……貴女の息子の傷を抉り、殺してしまったのデス……」………ッ!?まさか貴様!半年前の……」

 

三笠は金剛の胸倉を掴み怒鳴ると金剛は何故『自殺(自沈)』したがる訳を三笠に言うと、三笠は半年前の事件後、金剛が左腕が無くなった勇人に暴行していた事を思い出した

 

そう……半年前、勇人に暴行を行っていたのは他でもない、三笠の目の前にいる艦娘……前任が当時秘書官だった『金剛』本人だったのだ

 

三笠「……金剛、それは比叡達を人質に……」

 

金剛「それは分かっていマス!だけど……だけど……」

 

三笠は半年前のケジメとして金剛を殴りたい気持ち……いや『殺意』があったが、彼女の事情を勇人の五感や記憶を通じて知ったので自分の感情を押し殺して説得をし始めたが金剛は三笠の言葉に一切聞く耳を持たなかった

 

金剛「私はyou(貴女)の息子でもありブッキー(吹雪)の提督を殺しt……三笠「馬鹿者!勝手に勇人を殺すな!彼は生きているぞ!」……what's!? realy!? Is he alive?(へっ!?本当に!?生きているの?)

 

三笠「yes!(ああ!)

 

金剛は勇人が生きている事を三笠から聞くとホッとしたのか、安堵し、泣きながら三笠に聞いた

 

金剛「良かった……ヒック……私は殺していなかったのですネー……三笠……彼は今何処に……」

 

三笠「……お互いの治療として私と融合しているんだ……細かい内容は特防秘扱いだから、これ以上は言えないが……」

 

金剛「了解デース!皆サーン!聞きましたか?」

 

飛龍「ええ!吹雪ちゃんの提督が……上城曹長が……この鎮守府に……三笠教官!ありがとうございます!」

 

不知火「もう不知火達は……こんな地獄から救われるのですね!」

 

三笠「ああ!それは保証する!ちなみに飛龍、上城曹長じゃなく上城『中佐』だ……」

 

飛龍「すみません……」

 

伊勢「なら!善は急げ……だね!日向の為に……みんな!動ける人は倒れている艦娘の補助に回って!」

 

武蔵「伊勢!あんまり無理はするなよ……」

 

伊勢「分かっている!無理して死んだら、あの世で日向に怒られるわ♪」

 

捕まっていた艦娘達は吹雪から勇人の意思や考えを聞いており、しかも生きている事を聞くと生きる活力が甦った……そう身体はボロボロだが精神面では完全では無いが『復活』したのだ

 

三笠「所で金剛、吹雪は?」

 

金剛「それなら彼処に……」

 

金剛は壁の端に踞っている少女と鹿島と同じ服装をした金髪の女性がいた

 

金髪の女性『香取』「貴女が……」

 

セーラー服の素朴な印象がある少女『吹雪』「三笠教官!勇人さんは本当に生きているのですか!?……痛っ!」

 

香取「吹雪さん!あまり無茶は……」

 

セーラー服の少女『吹雪』は人身共に衰弱している身体を鞭を打ってまで三笠に近付いた

 

三笠「ああ……今は訳ありで私になっているのだけどな……」

 

吹雪「……なら勇人さんが生きている証拠を見せて下さい!お願いします!」

 

香取「ちょ!?吹雪さん!?今そんな事を……」

 

三笠「分かった……艤装解除!勇人、ここからはアンタがやるのよ……」

 

吹雪の願いを聞いた三笠は、すぐに艤装を解除すると身体が発光し、元の姿である勇人の姿に戻った

 

勇人「……んなもん、分かっている……吹雪、待たせたな」

 

吹雪「本当に……勇人さん……ですか?」

 

勇人「あのな……俺が訓練生時代、同期達から『どんな扱い』されたか分かるだろ?『ふっちゃん』♪」

 

吹雪「ッ!?……そのあだ名………本当に………ヒック!勇人さぁぁぁぁん!!!」

 

勇人は吹雪に近付き、吹雪と目線を合わせる様に中腰になり笑顔で言うと吹雪は死んだと思われた慕っていた人が目の前に、そして生きている事に嬉しく泣きながら勇人に抱きついた

 

吹雪「遅すぎますよ!!半年間何をしてたのですか!もし、これが女の子とデートの待ち合わせなら確実に嫌われてますよ!」

 

勇人「フッ♪かもな♪」

 

吹雪「……けど良かったです、勇t……司令官が無事だったので……」

 

勇人「いや、無事じゃなかったから母さんと融合したんだ……まぁ……吹雪にみんな!遅れて本当にすまない!お前らが俺……いや人間を恨んで……伊勢「上城中佐……いえ『提督』!顔を上げてください!ここにいる私達は貴方の事を恨んでいません!」……なッ!!」

 

不知火「はい!私達は吹雪さんから司令の事を聞いていましたので……寧ろ仏のような司令を持った吹雪さんが羨ましい位です!」

 

ビスマルク「更に言っておくけど恨んでいるのは、あくまで前任である『堤下 督朗(つつみした とくろう)』少佐だからアドミラル(上城中佐)や人間達には恨みは無いわ♪」

 

飛龍「……あの豚野郎……『私達』の提督を……今度会ったら覚えていらっしゃい!!あーもう!腹が立つと、御腹が減った!提督!補給は?」

 

勇人「お前ら……本当にありがとう!!」

 

武蔵「提督……」

 

勇人は飛龍達の本音や勇人自身を提督……いや『仲間』として認めてくれた事に感謝し、頭を下げると……

 

ガスマスクを着けた赤城「皆さん!大丈夫ですか!」

 

勇人「赤城……それは……」

 

勇人は救助班として到着したガスマスクを着けた赤城達を見て絶句した

 

 

 

飛龍「……キャーーーーー!プレ〇ター!!」

 

吹雪「嫌…嫌だよ………赤城先輩のコスプレをしたプレデタ〇に連れていかれるなんて……」

 

伊勢「ごめん日向……今そっちに行くわ……」

 

不知火「ひっ!?大和さんや妙高さんのコスプレをしたジェイ〇ンが……」

 

金剛「Noooooo! Get out way!!」

 

ガスマスクを着けた比叡「ヒエーーー!久々の再会の第一声が『来るな』ですか!?金剛お姉様!酷すぎます!!」

 

金剛「……what's!?比叡!?」

 

『普通』のガスマスクを着けた榛名「……これは……」

 

武蔵「酷い……違う意味で……」

 

そう赤城達はガスマスクの外観を日米が代表するホラー映画の主役に瓜二つの外見をしたガスマスクを着けていた為、混乱が生じ、完全に全員救出そして治療を終えた頃には深夜になってしまったのは言うまでも無かった

 

そして深夜 勇人の個室にて

 

翔鶴「本当にすみませんでした!!!提督の車を壊してしまって……」

 

瑞鶴「翔鶴姉ぇを許してください!!」

 

勇人「………泣けるぜ」

 

翔鶴型の二人は色々と疲れきった勇人に追い討ちをかける様に悪報を伝えると勇人は某プロボクサーみたいに白く、色々と燃え尽き、凹んだのは言うまでも無かった

ちなみに翔鶴型の二人は故意で壊したのでは無く翔鶴の運の悪さ……つまりエンジンの寿命だったのは言っておこう……彼女と彼の名誉の為に……




やっと第1章が終わりました(*´∀`)♪
次回はコラボ兼サイドストーリーです(*´∀`)♪
相手先に迷惑がかからない様にしなければ……(^^;)))


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第2章「ケジメ」
第11話「意思を受け継いだ者からの餞別」part 1


どうも私です(*´∀`)♪
今回は霧島ナガツキさんの作品『憲兵提督奔走記』とコラボすることになりました((o( ̄ー ̄)o))
霧島ナガツキさんの作品はギャク構成なので、此方もギャク構成にしますので色々とネタ等入れて行くので宜しくお願いしますm(__)m



2130 勇人の個室にて

 

勇人(ふぅ………何か着任初日にしては物凄く濃い1日だったな……しかし翔鶴めぇ……俺のクルマをエンジンブローさせるとは……泣けるぜ……後で勇次から新しいボクサーエンジンを取り寄せないと……)

 

勇人は救助作戦後、艦娘達を治療、ケアをし終えて独りシャワーを浴び、普段着である黒のカーゴパンツに無地のグレーのシャツに着替え、そして務室のソファーで彼の生まれ故郷の石川県の地酒『手取川』と博多から取り寄せた辛子明太子を使った料理『蓮根の明太挟み揚げ』を摘まみに晩酌をしていたら……

 

コンコン……

 

武蔵「私と赤城、金剛に吹雪だ……提督、私も晩酌をしたいのだが入って良いか?勿論九州の焼酎『赤霧島』を持ってきた♪」

 

赤城「提督、お腹過ぎました♪何か軽食を取りたいのですが……」

 

吹雪「まだ食べるのですか!?」

 

赤城「だって久々に提督の手料理を……」

 

金剛「……まぁ提督の料理は、とてもtastyと榛名から聞きましたからネー♪」

 

勇人「武蔵に赤城、吹雪に金剛か……良いぞ♪」

 

吹雪 赤城 金剛「失礼します♪」

 

武蔵「失礼するぞ♪」

 

 

 

勇人は四人を招くと武蔵達は少し飲んできたのか、上機嫌で入ってきてソファーに御構い無しに座った

 

赤城「あっ!?これ、提督が作ったのですか?」

 

勇人「ああ♪食べていいぞ♪」

 

赤城「では……」

 

吹雪 金剛「頂きまーす♪」

 

武蔵「頂きます……んぐ!?旨い!旨すぎる!」

 

赤城「美味しい♪あ!?隠し味はアボカドですね♪」

 

吹雪「ん~♪幸せ♪」

 

金剛「こんな美味しい物を先に食べてた比叡達が羨ましいデース♪」

 

勇人「それは何よりだ♪」

 

武蔵「後でレシピ教えてくれないか?」

 

勇人「ああ♪ん~我ながら上手く出来たな♪この赤霧島と合うな♪今回のコラボも上手く行けば良いな♪」

 

吹雪「メタいですよ司令官!」

 

武蔵「ははは……所で提督、救助作戦の時に何故三笠さんになったのだ?」

 

武蔵は勇人に何故、作戦中に三笠になった事を質問すると勇人は笑いながら言った

 

勇人「なぁに研修中にちょっとな♪まぁ酒の話には持ってこいの内容だが聞くか?」

 

吹雪「はい!是非とも聞きたいです♪」

 

金剛「私もネー♪」

 

赤城「あれですか♪彼方の大鯨さんには大変御世話になりましたからね♪」

 

大和「私も聞きたいです!そして提督!そのお摘みを下さい!」

 

勇人「大和!いつの間に入って来たんだ!しかも日本酒『越乃寒梅』を持って来て……分かった♪んじゃ話すぞ……」

 

勇人は笑いながら三笠になった事件を話した

 



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第11話「意思を受け継いだ者からの餞別」part 2

二ヶ月前 呉鎮守府 正門にて

 

呉鎮守府所属の憲兵『永木』「君が例の研修生か♪隊ty……司令から話は聞いているぞ、入ってくれ♪くれぐれも問題を起こさないようにな……後、胃薬も忘れるなよ」

 

永木(隊長といい、この研修生といい……提督って、こんな良い車を所有出来るなんて!?俺も欲しいぃぃぃ!)←勇人のWRX STIを見ながら……

 

勇人「お気遣い、ありがとうございます……あ"ー腰が痛い……」

 

赤城「長距離の運転お疲れさまです♪後で湿布張っておきますね」

 

勇人「……頼む」

 

二人は正門を抜けると……

 

?「総員敬礼!」

 

天城に似た艦娘の合図で憲兵隊、艦娘の各艦種長が一斉に敬礼し、勇人達を歓迎した

 

勇人「今日から2週間お世話になる、上城勇人中佐です。こちらは私の秘書艦の赤城です」

 

赤城「赤城です。上城中佐は少々短気なところもありますが、よろしくお願いします。ところで、失礼ですがそちらの提督はどこに?」

 

天城に似た艦娘『備前』「私が提督の備前型航空戦艦一番艦備前ですわ。そしてこちらが大鯨とゲシュタポ長官のラインハルトです」

 

ラインハルト「提督、いらん嘘をつくな」

 

備前「痛い!!分かったから、解除。これで、いいんだろ!!」

 

勇人 赤城(あれ?これ、どういう状況?)

 

二人はラインハルトが男性化した備前にアームロックをしている状況に戸惑ったいた

 

ラインハルト「私がゲシュタポ長官の『ラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒ』だ」

 

男性化した備前「さて、上城研修生。歳はいくつだ?」

 

勇人「はっ、私は今年で22歳になります」

 

男性化した備前「そうか、俺は24だ。敬語はいいから、その様子だと喋りづらいだろう」

 

勇人「しかし・・・」

 

男性化した備前「いいから、敬語はいらん」

 

勇人「そうか。助かったぜ。敬語は慣れてないんでな」

 

大鯨(口悪っ!?。まぁ、構いませんが提督もこんな感じですしね……)

 

備前改め柏木「では、改めて。呉鎮守府提督をしている柏木疾風少将だ。俺は現在も憲兵を続けているから変なことやったら拘束するからな」

 

勇人「俺は結構強いぞ。できるのか?」

 

柏木「できるさ。お前と同じだからな。だが、お前は半分艦息状態の様なものだからな。お前は俺には勝てんよ」

 

勇人「じゃぁ、やってみるか?現代兵器の威力を見せてやるぜ」

 

柏木「良いだろう。演習場に行くぞ。着いてこい」

 

勇人は柏木の引率で演習場に向かった

 

赤城「大鯨さん。そちらの提督っていつもあんな感じなんですか?」

 

大鯨「えぇ、最近は女性恐怖症が沈静化してからいつもあんな感じです。ですが、やっぱり怒らせたら怖いです。最近、ヤクザの事務所に殴りこんで、その組を壊滅させたって言ってましたから」

 

赤城「うわぁ、喧嘩売ったら私死にますね」

 

赤城(現に『4ヶ月前の事件』で身をもって知りましたが……)

 

大鯨「えぇ、訓練は滅茶苦茶容赦ないです。1時間で走り込み40周とか言ってきますから。しかも、鎮守府を外周です」

 

赤城「辛いですね。食堂は大丈夫なんですか?」

 

赤城の質問に何故か大鯨は安堵しつつ、不安していた

 

大鯨「一応人手不足以外は大丈夫です。食堂の予算は今4000万円ありますから」

 

赤城「でも、その予算で鎮守府運営できるんですか?」

 

大鯨「えぇ、最近は酒造とチーズ作り始めまして作ったものを売ろうとしています♪提督が何処からか持ってきたレシピをもとにつくってるんです」

 

大鯨(あと、提督の給料も……)

 

赤城「へぇ、チーズをつまみに飲んでみたいですねぇ」

 

赤城「でも、さすがにまだ出来ていないので、本部から送られてきたお酒で良ければありますよ。『三笠』元帥から毎月送られてくるんですよ」

 

赤城「三笠元帥って、もしかして?」

 

赤城(まさか……あの三笠さん!?……いえそれはあり得ません……)

 

大鯨「もしかしてって事がどういう事か分かりませんが、提督室で提督に聞いてみてください。提督は国家機密を色々知っていますので」

 

赤城「はい、ありがとうございます。あとで聞いてみます」

 

赤城は大鯨に礼を言うと、大鯨はスマートフォンを取りだし、操作し、直ぐにしまった

 

柏木「じゃぁ、そこの第1演習場に入るぞ」

 

勇人「分かった」

 

柏木改め備前「よし、じゃぁやるか。展開。やはり、これは合わないな」

 

ワイワイ……ガヤガヤ……

 

勇人「なぁ、なんでこんなに人が集まってんだ?」

 

備前「は?おいおい。大鯨なんかやっただろ」

 

大鯨「いや、私は演習するから見に来たらってメールうっただけですよ」

 

備前「それが駄目なんだろうが。お前等、このことは国家機密だから喋ったら解体されるから覚えとけ」

 

勇人「じゃぁ、やるか。大鯨、合図を頼む」

 

大鯨「分かりました。では、演習始め!!」

 

大鯨の言葉と共に勇人は艤装を展開し備前に向けて攻撃を仕掛けた

 

 

ブーン!

 

勇人「魚雷発射。CIWS撃ち方始め!!」

 

備前「魚雷とCIWSの同時運用か。だが、56㎝砲薙ぎ払え。攻撃隊、攻撃開始!!」

 

勇人「なら、トマホーク発射!!」

 

始めから白熱し戦いに、観客と大鯨、赤城一同固唾を飲んで見守る中、柏木改め備前と勇人は戦いに集中している。

 

備前「あまい!!56㎝砲撃てぇぇ!!第2次攻撃隊発艦始め!!」

 

ブーン!ドカーン

 

勇人「なッ!?ならCIWS AAWオート!」

 

ドドドドドド!

 

備前(あはは。引っ掛かったな。今だ!!)

 

備前は自身の主砲である56㎝砲を放しつつ、自身の艦載機を飛ばし、勇人が備前の主砲と艦載機による奇襲攻撃に悪戦苦闘し、勇人の武器であるCIWSを発射し艦載機の撃墜に集中しているのを見て、彼いや彼女は勝機を見出だした様に目が据わり、腰に装着していた岩通(日本刀)を腰を曲げる様な構え『居合の構え』になり、勇人に向かって突撃したが……

 

勇人「……上等じゃねぇか!!オラァ!」

 

キイィーン!!

 

備前「ほう、少しはやるようだな新米(ルーキー)♪」

 

勇人「お前もな!柏木ィ!!」

 

勇人も備前の艦載機の攻撃をCIWSで一掃し、

彼が勇人に向けて居合の構えで突撃していくのを確認し、腰に装着している日本刀『妖刀 村正』をベースに勇人が高周波装置を埋め込んだ刀

『ムラマサブレード』を抜き、備前の抜刀を自身の刀で叩き押さえる様に縦に降りおろし、彼女の抜刀を防いだ。

 

勇人(アブネェ!!アイツ、顔は笑っているが目が『本気(マジ)』だ……なら!今は得意の接近戦だ!全力全開でやってやらぁ!)

 

備前(お、上城も本気になったな♪なら、俺と踊り狂おうぜ♪)

 

勇人「ハァァァァァ!!」

 

備前「ふん!!」

 

キャン!ガン!ブン!

 

ギシシシッ!

 

備前は勇人の攻撃を防ぎつつ攻撃も絡めていく。

しかし、勇人もそう簡単には負けず、刀を斬りつける。

 

 

二人は自身の愛刀で常人では見えないくらい速く、

刀のぶつかり合いで激しい音が発生する位の攻防戦が続いていた。

勇人の構えは下段の構えをベースに斬り込みを行う『剛の剣術』とすれば備前は居合の構えで静かに、そして相手を翻弄する『柔の剣術』……(まさ)しく彼等の構え、そして刀の動き自体、性格を現しているようだった。

 

大鯨「凄い……提督も凄いのですが、上城研修生も凄いですね……」

 

赤城「ええ……提督……いえ上城中佐の腕前は戦艦水鬼、空母ヲ級の2体相手に瞬殺する位の腕前ですから♪」

 

大鯨「はぁ!?空母ヲ級は兎も角、鬼クラスまでもが!?」

 

大鯨(やっぱり、おかしいです。狂ってます。何故……提督も、上城研修生も……何故こんなに強いんでしょうか。羨ましいです……)

 

赤城(……柏木少将の余裕じみた表情、何か隠してますね……この勝負、提督の『負け』です)

 

赤城が二人の戦いを見て、分析すると……

 

勇人「ハァァァァァァァァ!」

 

備前(……良い腕だが、まだまだ未熟者だな)

 

備前「……56㎝砲……一斉発射!!」

 

勇人「なっ!?」

 

ドガーン!

 

赤城「提督!!」

 

大鯨「あ……あははは……これは勝負あり……ですね」

 

備前は勇人の剣筋を見切り、捌いた途端、自身の主砲を勇人に向けて発射し、勇人は彼に捌かれ、体勢が不安定な状態だった為、直撃した。

 

勇人「クソッタレ!……油断した……アンタ強ぇな……」

 

備前改め柏木「伊達に経験を積んでいないからな。立てるか?」

 

勇人「ああ……」

 

艤装を解除した柏木は倒れている勇人に手を差し伸べると勇人は差し伸べた手を掴み、彼の力を借りながら起き上がった。

 

勇人「大鯨……見て分かると思うが『ギブアップ(自沈)』だ」

 

大鯨「あ!?はい!!勝者、柏木少将!!」

 

ワァーーーッ!!

 

凄いジャン!!

 

提督大人気なーい!!

 

新米!!良くやったわ!!お疲れ様!!

 

柏木「誰だ、大人気ねぇつったの!!」

 

提督怖ーい!!

 

この、糞憲兵!!

 

柏木「もういいや。終わる気しねぇから諦めよう……」

 

大鯨が試合の結果を大声で叫ぶと観戦に来てた艦娘達は勇人と柏木に大喝采を浴びせ、

今回の演習は柏木少将の勝利に終わった。

 

柏木「じゃぁ、提督室に行くぞ。そこで少し話がある」

 

勇人「……分かった」

 

その後柏木達は提督室に向かった。

 

 

 

数分後 提督室にて

 

柏木「じゃぁ、取り敢えずそこに座ってくれ」

 

赤城「ありがとうございます」

 

勇人「どうも」

 

柏木(相変わらず口悪いな……まぁ、いいが……)

 

柏木「さて、話だが、三笠に関してと、上層部からの無茶ぶりについてだ」

 

勇人「三笠を知ってるのか!?」

 

柏木「知ってるというよりは聞いたが正しいな。その聞いたことをお前たちに話す。三笠は、10年前深海棲艦が出現して半年経った時にプロトタイプとして、建造された艦だ。だが、その時に予期せぬエラーで本来建造では1隻しか建造されないはずの三笠が2隻に増えて建造された。その時1隻は現在の上層部総司令の三笠元帥として、もう1隻はお前と融合したって事だ。そして、三笠は現在お前の後ろにいる……」

 

比叡に似た艦娘『三笠元帥』「何で、気づいたの?」

 

柏木「バレないと思ったかこのサボり魔が!!仕事を少しはしろ!!お前の副司令がうるせぇんだぞ!!ふざけんじゃねぇぞ!!」

 

三笠元帥「落ち着いて、疾風落ち着いて!!」

 

勇人(おい、さらっと何爆弾投下してんだ。)

 

赤城「あの、三笠元帥」

 

三笠元帥「何?赤城ちゃん」

 

赤城「三笠元帥は柏木少将とどういった関係でしょうか?」

 

赤城は三笠元帥が柏木に対してフレンドリーに接しているのに対して『憲兵時代の友人関係』と予測していた

たが帰ってきた答えは予想を超えた答えだった

 

三笠元帥「あぁ、疾風は私の彼氏」

 

赤城「か、彼氏!?」

 

勇人「は?柏木、どういう事だ?!」

 

柏木「あ、あぁ、何故か俺が憲兵時代にこの元帥から告られた。で、その告白が元帥命令だったってわけ。もうどうしようこれ……」

 

柏木は哀愁を込めた口調で答えると勇人と赤城は彼にこう思った……

 

勇人 赤城(御愁傷様です……)

 

二人は心の中で柏木を同情、合掌した

 

柏木「それで、三笠。一つ聞きたい」

 

三笠元帥「何?」

 

柏木「この、総司令部発効の『瀬戸内海の包囲した敵勢力を呉単独で撃滅せよ』って何?」

 

三笠元帥「あぁ、それは、副司令が勝手に……しました」

 

柏木「へぇ、聞いた話だと、空母水鬼にダイソン、泊地棲姫そして中間棲姫その他にも300体の敵がいるのにどう単独で撃滅しろと?あれですか。失敗させて左遷しようって魂胆ですか?そうなんですね」

 

三笠元帥「ちょ、ちょっと待って。それ完全に私知らないわよ。最近瀬戸内海の敵を包囲したとは聞いたけど単独で撃滅は聞いてないわよ!!」

 

柏木「へぇ、此処に三笠元帥って書いてあるんだけど、どういう事かなぁ!!」

 

勇人(ん?三笠元帥のサインの隣に小さく親父と沖田元帥の名前が……恨むぜ糞親父達!!)

 

柏木は、書類の端にある三笠の名前をペンで示しながら言う。

 

勇人は更に小さく書かれた父親の一馬、そして一馬の親友、沖田の名前が載っているのを見つけ悪態をついた

 

三笠元帥「ごめんなさい!!至急サインしろって言われてサインしただけなの!!」

 

柏木「要するに、書類の中身見なかったな?」

 

三笠元帥「はい、申し訳ございません……」

 

勇人、赤城に大鯨は二人の会話を見て、こう思った

 

勇人 赤城 大鯨(どっちが、元帥なんだろう……)

 

そう思った3人だった。

 

勇人「それで、どうするんだよ。その作戦するのか?」

 

柏木「あぁ、やるよ。明日から」

 

勇人「は?じゃぁ、俺の研修はどうなるんだよ」

 

柏木「大丈夫、作戦中にやるから」

 

勇人「いや、それ大丈夫じゃ……」

 

柏木「じゃぁ、大鯨、作戦室に籠るから5時になったら呼んでくれ。それと、三笠、改装案できてんだろうなぁ?」

 

大鯨「分かりました」

 

三笠元帥「はい、こちらに……」

 

柏木「よし、じゃぁ、上城、改装しに行くぞ。あと、お前の父親が元帥でも容赦はしねぇから」

 

勇人「おう、分かってる!!」

 

柏木「よし、じゃぁ行くか 」

 

柏木は工廠に勇人と赤城を連れて向かった。

そして、工廠に着くと改装案を妖精さんに渡し、柏木が妖精に頼みごとをするようにお願いしてた

 

妖精「じゃぁ、そこに寝てくださいです」

 

勇人「分かった。これでいいか?」

 

妖精「それで大丈夫です。では、始めるです。少し寝ててくださいです」

 

勇人は妖精に言われるままに横になり、妖精に身を任せた

改装は30分ほどで終わった。

 

赤城「あの、なんで寝かせて改装をするんでしょうか?」

 

柏木「さぁ?まぁ、あとのお楽しみだね。こういう時は嫌なことが起こる時だから」

 

赤城「そうですか……」

 

妖精「上城さん、早く起きるです」

 

勇人「うぅ、んあぁ。終わったのか?」

 

妖精「あぁ、終わったぞ。じゃぁ、艤装展開してAegis Ver.2の展開をして」

 

勇人「分かった。艤装モード『Aegis Ver.2』って……なんだこれ!?」

 

勇人言われたまま、艤装モード『Aegis ver.2』を展開すると、驚いた

 

何故なら……

 

 

 

 

赤城「柏木さん?何したんですか?」

 

柏木「え、あぁ、うん女性化するようにしてみた。あと、よし、これを押してと……」

 

勇人は今、某隙間妖怪を黒髪にしたような姿をしている。

そして、柏木が手に持っていたスイッチを押すと、勇人は発光し光が収まると4ヶ月前の事件で勇人に身を預けた艦娘であり、育ての母『三笠』現れたのだ

 

ちなみに『霧島ナガツキ』さんのところの三笠は『三笠元帥』として表記しますので御理解のほど、宜しくお願いします by うp主

 

三笠「ん、あぁ。ここは?確か私は勇人と……」

 

赤城「み、三笠さん!?」

 

三笠「久しぶりね。赤城。それで、そちらの方は?」

 

柏木「あぁ、此処呉鎮守府提督柏木疾風少将です。憲兵も兼ねています。そして、上城研修生を改装して三笠さんが融合していても上城の体と三笠さんの体を入れ替えることでこういった感じに出現できるようにしましたので、どうでしょうか?」

 

三笠「それはいいが、勇人と話せないのが気に食わないな」

 

柏木「すみません。こちらもそれは難しいので……展開」

 

柏木は艤装を展開し、艦娘『備前』になると少し面を喰らい、答えた

 

三笠「ほう、柏木少将も、同じような者か」

 

備前「えぇ、ですが、三笠さんは上城研修生の体を媒体としていますので、私の場合は艤装を出すと女性になるだけです。上城研修生にも同じように改装していますので、あなたが出てこなければ、上城研修生は自分の意志などを持ったまま女性化します」

 

三笠「なるほど、な。ところで、三笠(柏木の彼女)はいるか?」

 

備前「やはり、その時の記憶はあるのですね。では、提督室に行きましょう。それと、女性は固く喋るよりは笑っている方が魅力的ですよ」

 

三笠「むぅ、それは分かっているのだが、私は訓練生ばかり育てていたからな」

 

三笠(うぅ……恥ずかしい。まさか、元部下に指摘

されるなんて……)

 

大鯨(柏木少将って天然のジゴロですね。三笠さんが赤くなっているのに気づいていません)

 

柏木「えぇ、確かにそうですね。あの時は美人なのに威厳が漂っていたので初めて見たときは驚きましたよ」

 

三笠「ほう、柏木少将は私とあったことがあるのか」

 

柏木は三笠の発言に軽いショックを受けたが三笠を思い出させる様に言った

 

柏木「やはり、忘れていますね。8年前に訓練生でしたよ。私は……」

 

三笠「8年前、まさか、あの時に大怪我を負ったというのは……」

 

柏木「えぇ、私です。ですが、やはり申し訳ないことをしました」

 

三笠「いや、筑波も覚悟はしていたさ」

 

柏木「ですが、本当に申し訳ないです。覚悟はしていたといっても、私は死なせてしまったんですから……」

 

三笠「そう気に病むな。ここの鎮守府の艦娘が見たら悲しむぞ」

 

柏木「えぇ、そうですね……では、着いたので入りましょう」

 

みんな「失礼する(します)」

 

三笠元帥「あ、お帰り……って三笠!?」

 

三笠「久しぶりだな。三笠」

 

柏木は二人の三笠を見て感傷的になり、二人を気遣う様に大鯨、赤城に言った

 

柏木「赤城、大鯨。二人きりにさせてあげよう」

 

赤城 大鯨「えぇ、そうですね」

 

柏木達は提督室か出ていき、作戦室に向かった

数分後、作戦室に着いた柏木達は瀬戸内海の地図を広げ作戦を練り始めた

 

そう……明日、遠足を楽しみにしている子供の様に気分が高揚し笑いながら……

 

 



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第11話「意思を受け継いだ者からの餞別」part 3

1800 食堂にて

 

三笠「なぁ、本当に私が勇人の体を借りて宴会に出てもいいのか?」

 

柏木「良いんじゃないですか?俺、関係ないですし」

 

三笠「無責任すぎるだろ……」

 

今、柏木達は食堂で宴会に参加する人を待ってい

る。

基本、宴会は滞在する人がいる場合その人が来た

初日にやっている。

そのおかげで、食費が圧迫されているとかいない

とか……

 

三笠「いや、でも……勇人に迷惑がかかるだろう」

 

柏木「まぁまぁ、自分が飲めるだけ飲んでから勇人に変わればいいじゃないですか」

 

三笠「そうか……では、失礼しよう」

 

柏木「はい♪では、時間が来たので始めますか」

 

柏木がそう言うと既に6時を少し回っていた。

 

柏木「えぇ、今回はこちらの研修生の上城隼人中佐……まぁ、今は三笠ですが……と、その秘書艦の空母赤城さんが今日から2週間研修期間として滞在します。なので、今日はいつもの宴会です。なので無礼講で飲んで食べて騒ごう!!」

 

「「「おおぉぉ!!」」」

宴会に何度も来ている艦娘はノリが良く、柏木の

声に応える形で声を出す。

 

柏木「それじゃぁ、乾杯!!」

 

「「「乾杯!!」」」

 

柏木の掛け声と同時に宴会が始まる。

そして、各々好きなように食べ始める。

 

三笠「賑やかなものだな。さて、日本酒はあるか?」

 

柏木「宴会はこれくらいじゃないと♪日本酒はありますよ。はい」

 

三笠「ありがとう。では、飲むか」

 

柏木「そうですね、私はウォッカですが……嫌な気がしますね。何かまた私の酒が飲まれるような……」

 

蒼龍「あ、提督、一緒に飲みませんか?」

 

柏木「来たか。それはいいが、自分の分の酒を持って

来い。ほら、くれてやる」

 

蒼龍「ありがとうございます♪」

 

三笠「おい、柏木少将。お前はさっきあれでウォッカ

を飲んでなかったか?」

 

柏木の行動を見た三笠は柏木に小さい声で話しかけてくる。

 

柏木「飲んでませんよ。あれは、デコイです。こっち

が本物です」

 

柏木は三笠と同じように小さな声で返す。

 

三笠「そうか。なら、いい」

 

三笠はそう言って自分の日本酒を飲み始める。

 

如月「司令官、隣いいでしょうか?」

 

柏木「ん?構わないよ。むしろウェルカム♪」

 

おいおいおい、憲兵が駆逐艦を口説いても良いのかい?by うp主

 

柏木はロリコンじゃないよ。単に、ケッコンカッコカリの候補の中に入ってるだけだよ。by霧島ナガツキ

 

……さいですか by うp主

 

如月「ありがとうございます」

 

柏木に礼を言い、柏木にくっつく様にちょこんと

座る。

 

柏木(何この子、かわいい。抱きしめたい……)

 

如月「司令官のお酒貰いますね」

 

柏木「へっ?あ、ちょ、それウォッカ!」

 

三笠(いや、柏木、まず自分のグラスで自分の飲んでいた酒を飲んでいる事にっ込まなくていいのか!?)

 

如月は柏木に断りを入れ、許可を得ずに勝手にウォッカ

を飲み干す。

 

如月「ふふふ、司令官が二人います♪」

 

柏木(駄目だこの子完全に酔ってる……)

 

蒼龍「提督、私とも飲みましょう♪」

 

柏木「蒼龍も酔ってんのかよ……」

 

柏木は如月と蒼龍二人を見て溜息を吐く。

 

蒼龍「三笠さんもそんなにちびちび飲まずに一気に飲みましょうよ♪」

 

三笠「えぇい、止めろこの酔っ払い共!!一升瓶を一気飲みさせようとするな!!やめっ……もごご、ぐっ!ぷはっ!!」

 

蒼龍「おぉ、飲んだ。すげぇ、三笠さん飲んだ」

 

三笠「うるさい。こ、今度はお前が飲め!!」

 

柏木「え?いや、何二人とも、ウォッカの入ったボトルを俺に近づけるの?いや、それ、アルコール45度だよ?」

 

如月「司令官♪飲んでくださいますよね?」

 

柏木(これで、飲まなかったら、何か色々と刈り取られる気がする……)

 

蒼龍「提督♪じゃぁ、飲みましょうか」

 

柏木「へっ?いや、まっ……あがっ、もごもご……ぷはぁ……」

 

柏木は、ウォッカをボトル1本飲まされ、完全に顔が赤くなっている。しかも酔った勢いで艤装を展開し、備前になった

一方日本酒を一升瓶飲まされた三笠は平然とした顔つきで、新しい日本酒を取ってきて、飲んでいる。

 

備前「ふふふ、如月だぁ」

 

如月「司令官。一緒に飲みましょう♪」

 

数時間後……

 

備前「如月ぃ、今度はあなたも飲んでみてはぁ、如何

ですかぁ?」

 

如月「司令官、ウォッカをボトル1本持ってきて言わ

ないでくださいぃ♪」

 

三笠(誰か助けてくれ。大鯨でも、誰でもいい。頼

む……)

 

一方大鯨は、と言うと隼鷹に酒を飲まされ完全に酔い潰れている。

そして、柏木、如月、蒼龍の3人は顔を見合わせ頷くと三笠の方を一斉に見る。

 

三笠「ど、どうしたんだ?お前達……」

 

三笠(まずい!?何か嫌な予感がする……は、早く、こ、こここ此処から逃げないと……)

 

備前 蒼龍 如月「ふふふ、三笠さん一緒に、楽しい事して遊びませんか?」

 

三笠「い、いや私は遠慮しておくよ」

 

備前「逃がしませんよ。この備前から逃げれると思っ

たら大間違いですわ!!」

 

三笠「憲兵さん!!助けてぇ!!」

 

※憲兵は柏木です。

ちなみに永木は仕事が終り既に宴会で酔い潰れてます。

 

如月「どうですかぁ?少しぐらい気持ちいいことしま

せんかぁ?」

 

三笠「き、如月?な、何を言っている?」

 

蒼龍「大丈夫ですよ。飛龍には負けません!!」

 

三笠「何を負けない気でいるの!?」

 

備前「さぁ、三笠さん。やりましょうか」

 

三笠「い、いやぁぁぁ!!」

 

三笠は声を出すが、いつもの事だと思い誰も止めに入らなかったとか、3人に近づいたら餌食になるためとか、この事の諸説は多々ある。

 

蒼龍「あら?意外と大きいんですねぇ。大丈夫です。私のテクニックで楽しくしてあげますから♪」

 

三笠「あっ、ひゃん。やめ、んっ。いやっ、あぁん!!いやっ!!あっ……あはは、蒼龍……やめ、ひゃん!!あは、ひゃん、ふふふ、あぁん」

 

三笠(くっ、柏木は備前になり変って、私を拘束しているし、如月は胸を揉んでくる。そして、それを見ている隙に逃げようとするが、備前の馬力が強すぎて逃げれない!!どうしよう……蒼龍は脇腹をくすぐってくるで……もう嫌だ。この鎮守府……)

 

 

三笠は色々と草臥れて来た途端、三笠に救世主が現れたのだ

 

その救世主は……

 

大鯨「そこの3人組の変態!!いい加減にして下さい!!」

 

そう……復活した大鯨であった

大鯨が凍えるような冷たい声で言い放つ。

 

大鯨「少し、向こうでO★HA★NA★SHIをして楽しみましょうか♪」

 

備前「あ、いえ、その、えぇと……」

 

大鯨「何ですか?はっきり言ってくれないと分かりませんよ?」

 

顔は笑っているが、目が笑ってない大鯨が3人を

見下ろす形で聞く。

 

「「「す、すみませんでしたぁ!!」」」

 

その後、滅茶苦茶大鯨の標的艦にされた。

ちなみにその後、大鯨の練度が改装できるまでに

なった。

 

三笠「うぅ、酷い目にあった……危うく何かに目覚めそうだった……勇人、返すわ」

 

そう言い、三笠はもとの体の持ち主の勇人に返

す。

 

勇人「うぅん?あれ、ここは?ってなんで俺、食堂にいるんだ!?しかも、目の前には酒の入った一升瓶もしかして、俺が飲んでたのか?まぁ、いいか。取りあえず、使ってないコップで一升瓶の中の酒でも飲むか♪」

 

勇人(でも、柏木はどこに行ったんだ?)

 

勇人がそんな事を思っていると、柏木と蒼龍、如月が入ってきた。

しかし、ぐったりしている柏木達に只、首をかしげるだけであった。

 

勇人(柏木達は戻ってきたが大鯨は……ってなんでキラキラしてんだ?)

 

柏木達は勇人の方に戻って自分がさっきまで座っていた椅子に座る。

 

勇人「なぁ、なんでそんなにぐったりしてんだ?」

 

備前「あ、あぁ、ちょっと標的艦になってた……」

 

勇人「だ、大丈夫か?」

 

備前「大丈夫、大丈夫。ただ、演習弾をくらってただけだから」

 

勇人(……頑丈だな。この鎮守府)

 

備前を心配するより鎮守府の頑丈さに驚く勇人だった。

そして……

 

勇人「なぁ」

 

備前「何だ?」

 

勇人「俺があの演習で負けた時何が足りなかったんだ?」

 

備前「やっぱり知りたいか。なら、教えてやろう。それはな……」

 

勇人「それは?」

 

備前「俺が攻撃の次の攻撃で何をしてくるか予測して

なかったからだ。お前はどうせ、『次も刀で斬ってくる』と思ったんだろ?だから、負ける。攻撃は複数想定してからじゃねぇか♪」

 

勇人「……こればかりは経験の差だな」

 

備前「お?お前にしては素直だな♪」

 

勇人「現に俺が負けているだろ!?しかし……『相手を

騙し、勝利を掴む』か……フム……『意表をついた攻撃』は……ん~……」

 

備前(なっ!?コイツ、俺の『言葉の答え』を出しや

がった!?しかも更に上を……さすが世界一の財閥兼ヤクザ稼業『神城会』の会長の孫であり元軍医だけであって頭がキレてやがる!?……コイツは、とんでもねぇ化物に化けるかもな♪)

 

備前「飲むぞ……て言いたくても既に9時だな。ここらでお開きにするか。だいぶ酔い潰れてる」

 

大鯨「分かりました。では、最後お願いします」

 

「またか……はぁ……起きてる者だけ聞いてくれ。9時になったため、これでお開きとする。まだ飲みたい奴は飲めば良いが食堂で酔い潰れてたら明日の作戦参加できんからな!!ちなみに、明日は瀬戸内海の深海棲艦共を撃滅する!!じゃぁ、そういう事で、今回の宴会はこれ

で……お仕舞い!!」

 

勇人「その事をもっと早く言えぇ!!」

 

明日に大規模戦闘だなんて不幸だわ・・・。

 

姉さま、一緒に頑張りましょう!!

 

言うのが遅いのよ。この糞提督!!

 

アニメでは主人公の私に出番を早く寄越せぇ!!

 

と、言った賞賛の声が聞こえてくる。

まぁ中には罵詈雑言もあるのだが……

 

 

 

2230 食堂にて

 

勇人(……あの大鯨がキレる程、みんな飲んでいたからな……母さんも、良い息抜きが出来たと思うな♪……後はターメリックを配合し、蜆のエキスを入れて……と、まぁ世話になりっぱなしは性に合わないからな……)

 

勇人は宴会で飲んだ柏木達の為に二日酔いを治す薬を調合していた

 

柏木側の赤城「あら?上城研修生?こんな遅くまで何をしているのですか?夜食ですか?」

 

赤城「あ!?提督!早速作ってますね♪二日酔いを治す薬を♪なら干し柿を入れた方が良いですよ♪」

 

勇人「ダブル赤城か……今薬を作っているんだ、夜食がほしけりゃ間宮に頼め」

 

柏木側の赤城「はーい……」

 

勇人「後、赤城……いや柏木の方だけど、この鎮守府で一番練度が高い艦娘は誰なんだ?」

 

柏木側の赤城「一番高いのは比叡さん、大和さんに吹雪さんですね、何故彼女達を……」

 

赤城(………成る程、そういう訳ですか……比叡さんに大和さん、吹雪さん、御愁傷様です)

 

勇人「なら明日の朝5時にグラウンドに来る様、伝えてくれないか?勿論艤装を着けてだけどな)

 

柏木側の赤城「……ほどほどにお願いしますね」

 

柏木側の赤城は勇人に忠告すると間宮を探しに食堂を後にした

 

赤城「提督……」

 

勇人「赤城、お前も寝ろ……もう薬は完成してある……後は朝飯の下準備をするだけだ」

 

赤城「分かりました……では御先に失礼します」

 

勇人「おやすみ」

 

赤城も自室に戻り、勇人は朝飯の下準備にかかった

 

 

 

数分後……

 

勇人「……うしっ!下準備終了ゥ!後は……寝るか」

 

勇人は下準備した朝飯の具材を冷蔵庫に入れ、タバコを吸いながら部屋に戻った

 

そう、三笠が飲み残した一升瓶の日本酒を持っていって……



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第11話「意思を受け継いだ者からの餞別」part 4

翌日 0600 呉鎮守府 グラウンドにて

 

女性化した勇人「コルァァァァァァ!比叡に大和、吹雪ィ!逃げんなぁぁぁぁ!ウォーミングアップが出来ねぇたろうがぁぁぁぁ!!!」←某永遠の17歳の声優の声でスカートを上げながら追いかけている

 

比叡「ヒエーーー!!ちょ!上城研修生!ウォーミングアップだからって……」

 

吹雪「無理です!!艤装なしとはいえノーマルでも無

理なのに『Aegis ver.2』で組手のウォーミングアップするなんて……やっと出番が来たと思ったら、こんな扱いは嫌だー!未来のアッチ(2ヶ月後の佐世保鎮守府)での吹雪や大和さんは凄く幸せそうに過ごしているのにーー!その幸せ、私にくれー!」

 

大和「同感です!!ここで轟沈してたまるかぁぁぁぁぁぁ!!」

 

吹雪達は勇人からグラウンドの回りを走りながら逃げていた。

昨日の演習で3人とも勇人の当時の実力を直に見

ていたかもしれないが……

 

柏木「何だ……朝っぱらから騒がしいと思ったら……」

 

大鯨「ランニングですか♪精が出てますね♪」

 

柏木は勇人の怒鳴り声に心底迷惑をしながら赤城に近付いた

 

赤城「すみません柏木少将に大鯨さん、今日の作戦に向けて上城中佐が『Aegis ver.2』を完全に使いこなす為に大和さん達とウォーミングアップも兼ねて、組手をしているのですが……」

 

赤城の説明に柏木は面倒臭そうに言った

 

柏木「……赤城、見てなかった事にしろ……大鯨、後は、よろしく」

 

大鯨「ホゲェェェェェェ!?無理無理無理!あんなリトル提督化した上城中佐を止めれる訳無いじゃないですか!?」

 

柏木「俺だって朝っぱから動きたくねぇよ!!ただでさえ二日酔いで頭が痛ぇのによ!!」

 

赤城「なら昨日、上城中佐が配合した二日酔いを治す薬を服用しますか?上城中佐自ら実験台になったので効き目と信頼性は……あれを見れば分かりますが……」

 

勇人「待てコルァァァァァァ!!」

 

大和 比叡 吹雪「ヒエーーーッ!!」

 

勇人は、今だ吹雪、比叡、大和を追いかけまわし

ている。

 

柏木「……是非!!」

 

赤城「じゃ着いてきてくださいね♪」

 

赤城(すみませんが大鯨さん……後はお願いしますね♪)

 

柏木と赤城は勇人が配合した二日酔いに効く薬を服用しに食堂に向かった

 

大鯨「あれ?提督に赤城さんは……」

 

勇人「お!大鯨♪お前も来い♪いっちょウォーミングアップに付き合え♪後、大和に比叡、吹雪!逃げんじゃねぇぇぇぇ!」

 

大鯨「ホゲェェェェェェ!!」

 

大鯨をグラウンドに置いて……

 

 

0630 食堂にて

 

食堂には、柏木を含め20名の艦娘と勇人、赤城、

秘書官大鯨が柏木の周りに

座り今作戦に関して話していた。

ちなみに柏木は食堂に来て作戦の為特別に11時か

ら昼食開始なので、その手伝いをしていた。

 

大鯨「や、やっと、解放……された……」

 

勇人「ちょっとやっただけじゃねぇか♪」

 

大鯨(あれで『ちょっと』!?提督の訓練もキツいですが、上城研修生の訓練も違うベクトルでキツい……)

 

意気消沈している大鯨をよそに、勇人は笑いながら言う。

 

柏木「お疲れ様です。大変……でしたね」

 

大鯨「提督も、止めて下さいよ。あれはウォーミングアップじゃありませんよ!」

 

柏木「はっ?嫌だ。止めてたら俺まで巻き添え食らうから」

 

大鯨「いいじゃないですか!!提督なら組み手ぐらい余裕すよね!この柔道有段者!」

 

勇人「!」

 

柏木「ちょっ、それ言うな。面倒な事になるから黙ってんのに……」

 

勇人「そうなのか?」

 

柏木「……ほら、食いついた……」

 

勇人の声に、嫌そうな顔を浮かべる柏木。

 

赤城「ちなみに、今何段ですか?」

 

柏木「5段……」

 

赤城「5段!?凄いですね!」

 

柏木「止めてくれ、暇つぶしを兼ねてやってただけ

だ……」

 

勇人「今度、組手(バトル)しようぜ♪」

 

柔道5段と聞きキラキラしながら「組手をしよう」と迫ってくる勇人に、話題を逸らそうとする柏木の構図が出来上がっていた。

ちなみに勇人もまた海軍に入隊する迄は違法の地下格闘技大会で総ナメする実力者だと言っておこう

 

柏木「あ、作戦はそれでいくから」

 

勇人「急に話題変えんなよ……」

 

大鯨「提督、これはダメじゃないですか?」

 

赤城「もはや、作戦じゃないですよ」

 

勇人「作戦概要の臨機応変ってなんだよ……」

 

柏木「そのままの意味。俺に何か落ち度でも?」

 

勇人「落ち度しかねぇよ!!なんで、臨機応変に対処なんだよ。作戦がないなら作戦書書くな!!」

 

柏木「誰も、作戦がねぇとは言ってねぇよ。単に現場で考える。だけさ」

 

勇人「おい、それを作戦がねぇって言うんだ

よ……」

 

まぁ、こんな感じの会話を延々と続けていた。

 

柏木「さて、時間がないから早く行くぞ」

 

勇人「分かった。勝とうぜ」

 

柏木「ふっ……もちろんだ。負けるわけにはいかんからな」

 

柏木達は、ダッシュで鎮守府正面の港まで向かう。

 

数分後 鎮守府正面 港にて

 

柏木「やぁ、提督だ。準備はいいな?なら、出撃だ!!」

 

勇人「……抜錨!金剛型特殊戦艦『三笠』出撃するぜ!!(カチコミするぜ!!)

 

柏木 艦娘達(今、カチコミって言わなかったか!?)

 

赤城(……触れないで下さい)

 

柏木の掛け声で皆が海に降り、全速力で指定海域ま

で向かうまで潜水母

艦として、出撃する事になっていた

 

 

数分後 作戦海域に

備前「全員、もう少しで指定海域だ。戦闘準備!!」

 

柏木備前は後方にいる全員に指示し自分は備え付けの

21号電探を操作し、敵艦載機を探知する。

 

備前「敵機、5km先上空2500mに約、5000機!!各

艦対空戦闘用意!!」

 

備前(くっ、さすがに空母の数が多いな。戦闘機と言えど俺は60機いない。しかし、こちらの戦闘機の数を足しても1000機は確実に届かない。敵の1体の攻撃機爆撃機の合計を80機だとすると……63体か!!だが、やっぱり、飛行場姫がいやがる。面倒だ。これは3日かかっても終わらんな……)

 

備前「敵機1000まで降下!!対空戦闘、始め!!」

 

ダダダダダダダ!

ドーン!ドーン!

 

空母を除く全艦種は対空射撃を開始する。だが、やはり届かない。

届いたとしても当たらないという問題が出てくる。

だが……

 

勇人「さーて♪ここは艦娘に合わせて女口調で……消し飛びなさい!シースパロー発射!サルボー!」

 

 

『Aegis ver.2』になった勇人は自身の対空砲火は敵機をいとも簡単に撃墜する。

 

勇人(さすがに数が多い!!何機はさすがに撃ち漏らすな……どうにかしねぇと!!)

 

備前(はぁ、やっぱりこれ使わんといけんか……)

 

備前「56cm砲、敵機を薙ぎ払え!!撃てぇぇぇぇぇ!!」

 

ドーン!

 

大鯨「提督、さすがに56cm砲では……」

 

備前「大鯨安心しろ。今撃ったのは俺が作ったVT信管が使われた弾だから」

 

備前の放った弾は炸裂し、散弾のように散らばり敵機に被害を与える。

 

備前(今で、やっと4800って所か。そろそろ急降下してくるな……)

 

備前「全艦、回避行動を取れ!!56cm砲、小型原爆装填!!」

 

勇人「えっ!?柏木、そんなの作れるのか!?」

 

備前「作れるよ。企業秘密だけど……ね♪」

 

勇人(……後で妖精達に頼んでレシピ複製させてもらうか……だが今は……)

 

勇人 備前(さぁ、狂ったように踊ろうか♪最狂で最悪の舞踏会の幕開けだ!!)

 

備前「小型原爆。装填完了。撃てぇぇぇぇぇぇ!!」

 

ドカーン!

ピカッ!

ドガーン!

 

 

 

備前の放った原爆は敵機のすぐ近くて炸裂する。

だが小型であった為、備前達には全く被害は出なかった。だが敵機は6発の原爆で約4700機まで減っていたのが、50機程度しか残っていなかった。

 

備前(Shit!!50機程度撃ち漏らしたか……なら……)

 

備前「勇人。頼んだぞ!!」

 

勇人「おうよ!!『現代兵器』は伊達じゃない事をな!トマホーク一斉発射!」

 

 

備前は勇人に撃墜を頼むと、自分は敵艦の出現に備えて徹甲弾への装填を開始した。

 

勇人「柏木!!敵機を全機撃墜したぜ♪」

 

備前「よし!!敵艦隊に向け進撃を開始せよ!!水雷戦隊と戦艦部隊は我が隊の護衛を除き、目標地点での深海棲艦狩りに移行せよ!!」

 

「「「了解!!」」」

 

護衛の駆逐10隻、軽巡5隻、重巡3隻、戦艦2隻を除きその他は目標地点に向かう。

 

備前「では、行くぞ!!地獄の舞踏会で狂ったように踊って敵を沈めるぞ!!」

 

大鯨「提督、大丈夫ですか?」

 

備前「何が?」

 

大鯨「いえ、敵艦隊に突撃するって言っていたので……」

 

備前「大丈夫、みんなは俺が死ぬ気で守る。それに、俺には切り札があるから」

 

大鯨「そう、ですか……」

 

備前「そんな、心配そうな顔すんなよ。俺は死ぬ気で守るって言っても死ぬ気なんてねぇ。それに、人の命より自分の命守れずして何が軍人か!!」

 

大鯨「はは、そうですね」

 

備前の言葉に大鯨は明るく笑う。

 

備前「さて、改備前型艤装展開。22号電探動作確認。七五型電探動作確認。一二式射管装置動作確認。主砲、副砲、魚雷、機銃への射撃管制開始。全装置リンクスタート」

 

勇人「何だよ、そのハリネズミみたいな艤装・・・ははははは♪ソニ〇クかって♪」

 

備前「止めろ。俺側の作者(霧島ナガツキさん)から渡されただけだ。それで改修したらこうなった……」

 

大鯨「提督も大変ですね……」

 

備前「水上電探に感あり!!敵艦35隻を確認。水上戦闘用意!!」

 

勇人「便利だな。それ」

 

備前「あぁ、さすが特機令部の開発部。有能過ぎ♪」

 

吹雪(提督が楽しそうで何よりです)

 

日向(提督みたいに改装すれば瑞雲も沢山積めるな

♪)

 

山城(提督の方が強いだなんて・・・不幸だわ)

 

備前「敵艦隊15kmまで接近!!水上戦闘用意!!」

 

勇人「トマホーク発射!!」

 

シュー!

 

備前「56cm砲撃てぇぇぇぇ!!」

 

ドーン!

 

備前「流星隊、彗星隊発艦始め!!」

 

ドカーン!

ブーン!

 

備前「ッ!?左舷より敵艦……53隻!!右舷の敵艦、120隻!!計208隻!!」

 

日向「なんだと!?」

 

夕立「もうダメっぽい!?」

 

扶桑「不幸だわ・・・」

 

扶桑(ごめんなさい山城……貴女の言葉を……)

 

備前「56cm砲に小型原爆装填。副砲へ127徹甲弾を装填!第1次攻撃隊は順次敵艦への攻撃を開始」

 

大鯨「日向さん、働いて下さい。提督が持ってる晴嵐あげませんよ?扶桑さん、提督から一つだけ言う事聞いてもらって下さい。夕立さん、白露型のみなさんと提督と一人ずつデートに言って構いませんから」

 

日向「提督、それは本当か!?」

 

扶桑「では、提督。一緒に山城を含めて寝ましょう」

 

扶桑(山城、やりました。私は幸福です!!)

 

夕立「本当ッポイ!?嬉しいッポイ!!」

 

備前「大鯨、なんで晴嵐俺が持ってんの知ってんだ。あと、それ以外は別に構わないけどさ。はぁ、

分かった。晴嵐の使う機会がなくてたまってるから5つやるよ」

 

日向 扶桑「ありがとう(ございます)、提督!!」

 

夕立「司令官、ありがとうッポイ!!」

 

備前は作戦後、悲惨な目にあったのは言うまでも無かった

 

備前「56cm砲1基左舷に回頭、もう1基を前方の敵艦

隊へ、残りの主砲と副砲を右舷に向けろ。左舷より自動射撃で射撃。薙ぎ払え」

 

ドカーン!

ドカーン!ドカーン!

ドーン!ドーン!

ピカッ!ズドーン!!

 

備前「左舷敵を18隻まで撃滅。前方の敵を20隻まで撃滅。右舷の敵を3隻撃沈。戦果は微妙だな……」

 

備前(何だ、少し減っただけか拍子抜けだな……まぁ、右舷に攻撃隊が向かってるから大丈夫だ

ろう……)

 

大鯨「第1次攻撃隊より入電!!」

 

大鯨『我、敵艦ヲ空母2隻、戦艦4隻、重巡3隻、ソノ

他護衛艦30隻ヲ撃沈。第2次攻撃隊ノ攻撃準備ヲ求ム』

 

勇人(何か嫌な予感が……)

 

備前「では、空母は攻撃隊を全機発艦準備。第1次攻

撃隊が着艦後発艦始め」

 

「「「了解」」」

 

備前「勇人!!状況はどうだ?」

 

勇人「何とかやってる!!だが、やっぱトマホークだけじゃ足らん!」

 

備前「知るか!!俺は関係ねぇ。それに、10隻は沈んでんじゃねぇのか?」

 

勇人「何言ってんだ!俺は25隻やったぜ♪」

 

備前「そうか、なら左舷と前方は戦艦以下砲艦に任せる。第1次攻撃隊の着艦が完了。第2次攻撃隊、発艦始め!!」

 

カカカッ!ブーン!

 

全空母から計120機を超える攻撃機、爆撃機が発艦する。

そのうち30機は備前が温存していた艦載機だ。

 

備前「主砲、副砲、南方の敵艦隊に向け射撃開始!!」

 

ドカーン!ドカーン!

ドーン!ドーン!

 

ヒュ~、ドーン!ドーン!

バシャーン!

 

備前第2次攻撃隊、突入開始」

 

 

妖精「鎮守府の為に我々が頑張るです!!)」

妖精達は各自狙った目標に突入を開始していく。

その中で、敵の激しい対空砲火で機体ごと海面に

きつけられる者、機体が燃えつつ海面に落ち爆発を起こし亡くなる者、機体が燃えもう助からないと思い敵艦に体当たりする者、敵の対空砲火を掻い潜り敵艦に魚雷や爆弾を投下した後に撃墜される者、攻撃に成功し激しい対空砲火の中離脱に成功する者と

、まさに大戦末期の『神風特攻』を彷彿とさせる様な光景だった。

 

大鯨「第2次攻撃隊より入電!!『我、敵ノ激シイ対空砲火ノ前ニ苦戦スルモ、敵艦ヲ計14隻撃沈セリ。貴艦ノ今後ノ活躍ニ期待ス』」

 

赤城「これは……第2次攻撃隊は壊滅ということです……ね」

 

赤城は言葉を途切れさせながら言う。

 

備前(しかし、敵艦の撃沈詳細で艦種の特定ができてないという事は、敵の対空砲火で撃沈報告ができても艦種を言い終える前にその機体が墜ちたと考える方がいいか……だが、申し訳ない事をしたな……)

 

備前「はぁ、勇人。行くぞ」

 

勇人「了解!」

 

備前「すぅ、はぁ。我、敵艦隊への突入を開始ス」

 

大鯨「ちょっと、提督!!」

 

備前「止めるな。何、死にはせん。死んでたまるか!!」

 

勇人「あぁ、そうだな♪」

 

勇人 備前「あいつらには、一度地獄を見せないといけないようだ♪」

 

備前と勇人はそういうと敵艦隊に突撃を開始す

る。

 

赤城「どうしますか?」

 

大鯨「さきに、別の艦隊を片づけましょう。一航戦の三人は東方の敵を、二航戦と、軽空母のみなさんは南方の敵を片づけた後に東方の援護、そして、最後に提督の援護をしましょう」

 

「「「了解!!」」」

 

大鯨「赤城さん、お互い提督には苦労します

ね……」

 

赤城「えぇ、全くです。ですが、やる時はやるのが提督のいいところですから」

 

大鯨「そうですね。私達は信じて待ちましょう」

 

赤城「はい、それがいいです」

 

所変わって、備前と勇人(虎 と 龍)は……

 

勇人「なぁ、俺らは生きて帰れるか?」

 

備前「あ?生きて帰らんとその後のコラボと小説はどうするんだ?」

 

勇人「メタイわ!!まぁ、確かにな。じゃぁ、いっちょ暴れてやるぜ♪」

 

備前「あぁ、提督になるにはな。人を止めねぇと提督にはなれねんだよ!!」

 

勇人「マジかよ!?」

 

備前「じゃぁ、俺らは一応人か?違うだろ!艦()だろ?」

 

勇人「……確かにな」

 

備前「なら、大丈夫だ。行くぜぇぇぇぇぇぇ!!」

 

備前は敵に一気に接近すると左腰の岩通を抜き放ち敵を一刀両断する。

そして、勇人も続き、二人は次々と敵を斬ってい

く。

 

勇人「おらぁ!!これで、15体!!」

 

グシャッ!

ドシャッ!

 

備前「もっと来いやぁ!!」

 

ザシュッ!

 

備前「勇人!!後ろに敵!!」

 

ザシュッ!

 

勇人「了解♪どんどんやるぜ!!」

 

備前「あっはっはっはぁ♪かかってこいやぁ!!俺は此処だぁ!!」

 

 

 

ザシュッ!

ドカーン!

バン!グシャッ!

 

勇人「俺も、忘れんなよ!!」

 

ザシュッ!グシャッ!

 

備前「逃げる奴は只の雑魚だ!!逃げねぇ奴はよく訓練された雑魚だ!!」

 

勇人「大差ねぇじゃねぇか!!」

 

グシャッ!ドシャッ!

バババババ!シューン!

ザシュッ

ドーン!

 

大鯨「うわぁ、提督達何なってるんですかねぇ?」

 

赤城「強すぎですねぇ。柏木少将なんて敵を容赦なく斬ってるじゃないですか!?それに、56cm砲やら何やら使って……」

 

柏木側の赤城「あれで、なんであんなに速く動けるのか聞いてみたいです」

 

赤城「大鯨さん。私達もやりますよ」

 

大鯨「えぇ、そうですね。敵は、本能寺にあり!!」

 

ダブル赤城「それ、何か違う気がします」

 

備前「あははははは♪楽しいねぇ楽しいねぇ♪此処はなんて楽しいんだ!!もっと、遊ぼうよ、深海棲艦共!!」

 

ザシュッ!カン!グシャッ!

ドーン!グシャッ!

ドガーン!ドガーン!

 

勇人「おい、大丈夫か!!」

 

備前「大丈夫だ問題ない!!」

 

ザン!ガン!グシャッ!

ドーン!バキッ!

ザシュッ!

 

勇人「あれ、おい。片付いたぞ!!」

 

備前「本当だ。意外と呆気無かったね♪」

 

勇人「これで、200隻近くは沈んでるから、別働隊と

合わせてももう残ってないな。行くぞ」

 

備前「あぁ、だが、艦隊を忘れてるぜ」

 

勇人「あ、本当だ。ははは。おい、そっちはどうだ?片付いたか?」

 

赤城「えぇ、今終わりました。そちらは?」

 

備前「こちらも大丈夫だ。別働隊と合流するぞ」

 

大鯨「えぇ、そうですね」

 

備前「ん?無線?どうした?」

 

『あぁ、提督か……空母……水鬼……に、やられ……た……』

 

勇人「おい、大丈夫か!?」

 

『なんとか……大丈夫だ、が……ほとんど中

破か……大破しか……いない』

 

備前「そうか、分かった。すぐ行こう。そして、殲滅してやる」

 

『頼ん……だ、ぞ……』

 

備前「艦隊、別働隊の救出に向かう。だが、俺は柱島に向かう。指揮は大鯨、頼むぞ」

 

大鯨「提督!!無茶です!!」

 

備前「だが、誰か行かんと行けねぇんだ。なら、俺が行くからお前らは、別働隊の救出に行け!!」

 

大鯨「でもっ!!」

 

備前「ダメだ!!お前は俺の代わりに艦隊の指揮を取れ!!お前では足手まといだ。だから、お前はその艦隊にいろ!!」

 

備前はそう言い、一人で柱島に向かう。

 

勇人「柏木、お前が行くって言うんなら俺も行くぜ」

 

赤城「提督!!あなたもですか!!」

 

勇人「あぁ、だから、宜しく頼むぞ!!赤城!!」

 

勇人はそう言い残し備前を追いかけて行く。

 

赤城「はぁ、ダメみたいですね。仕方ないですね。救出してから、柱島に向かいましょう」

 

大鯨「えぇ……そうですね……」

 

赤城「大鯨さん。落ち込んでても仕方ありませんよ」

 

大鯨「でも、提督は私を置いて……」

 

赤城「それは、あなたを守るためです。空母水鬼が出たとしても逃げれば、うまく逃げ切れます。でも、柱島は敵の拠点なんです。そんなところに大鯨さんを連れていけるわけないじゃないですか」

 

赤城は最初は固い口調から段々柔らかくしていく。

 

大鯨「えぇ、分かりました」

 

大鯨は赤城に諭され別働隊救出の為についてい

く。

 

勇人「なぁ、大丈夫か?本当に……」

 

備前「大丈夫じゃない。実際色々とやばい」

 

勇人「なら、なんであんな事を言ったんだ?」

 

備前「言っとかないと、絶対について来るからな。だから、言った。後悔はしているさ。でも、連

れて行ったらあいつは確実に死ぬから……」

 

勇人「お前はあいつらの事が大切なんだな。まぁ、俺もだけどよ」

 

備前「当たり前だ。絶対に俺の前で死なせる

か……仲間なんだから……」

 

勇人「確かに、死なせられねぇな♪なら、早く終わらせようぜ」

 

備前「あぁ、もちろんだ」

 

数分後 柱島より5km先の近海にて

 

勇人「あと、5kmか。意外と近かったな」

 

備前「だが、油断はできねぇぞ。かなり燃料がやべぇ……妖精「電探に感あり!!敵機350!!艦隊6隻で接近中!!」」

 

勇人「なぁ、もしかしてだけど……」

 

備前「あぁ、滅茶苦茶やばい……あと、絶対空母水鬼もいる」

 

勇人「どうする?」

 

備前「決まってんだろ♪殲滅だ!!」

 

備前はニヤリと不気味に笑い言う。

 

勇人「顔が怖いぞ」

 

備前「気のせいだ。やることは決まってるよな?」

 

勇人「もちろん、突撃だ!!」

 

備前「ふふふ、俺の本気見せてやらぁ!!」

 

備前は、ビッグボイスで言う。その後は、刀を左右入れ替えている。

 

勇人「なぁ、それ意味あるのか?」

 

備前「大有りだ。俺は、左利きだからな。基本は右を使っているが普通なら左手が利き手だから、右だと違和感があるんだ。そして、愛刀の岩通はさっきまで右手に持って使ってたから違和感がすごくて……」

 

勇人「そういえば、ずっと片手で斬ってたな。何故

だ?」

 

備前「あ?勿論深海棲艦への手加減。だって、俺を本気で怒らせるのはダメだから……ね」

 

備前の一言でその場の空気が徐々に殺気だって来ている。

 

勇人「お、おう。ま、まぁ取りあえず……早く行こう」

 

備前「そうだね♪」

 

一方、深海側では……

 

面倒なので普通に喋らせます。by W作者

 

「あれが?敵か?」

 

「だろうな。あれを殲滅すれば、こっちの勝ちだ

な」

 

「だが、油断は禁物だ」

 

「何、たった二人じゃないか。それで私達に勝て

ると思っているのか?」

 

「それは、そうだが・・・。敵が私達より強かっ

たらダメだろう」

 

「だが、艦載機が350機近く敵に向かって行って

るんだ。

私達の仕事などないに等しい・・・」

 

「まぁ、気楽にやればいいさ」

 

のちの、フラグとなる発言を大量に残していく深

海棲艦達。

彼女達はこの後悪夢を見ることになる。

そして、深海側の柏木の異名が明かされる。

 

 

 

そして彼女達に『もうひとつの悪夢』である『龍の逆鱗』に触れた事を……

 

 




長い!長すぎる!あまりにも長いんで、霧島ナガツキさんには悪いのですが分けて載せることにしましたm(__)m



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第11話「意思を受け継いだ者からの餞別」part 5

同時刻 勇人がいる海域にて

 

備前「さて、そろそろだな。準備はいいか?」

 

勇人「あぁ、いつでも行けるぜ!」

 

備前「なら、結構。目標は殲滅だ。妥協はない。飛行場姫も柱島に上陸次第潰す」

 

勇人「分かった。それと、敵が2kmに迫ってる」

 

備前「分かっている。なら、ここから行くぞ。リミッター解除。敵の殲滅を開始する」

 

 

 

ダーン!

 

勇人「……了解。じゃぁ始めるか!」

 

備前の水面を蹴る音が轟く。その音に驚きつつ返し、勇人も同じように全速力で、敵に接近する。

まるで捕食者を見つけた虎と龍の様に……

 

備前「……主砲最大仰角に上げ、対空弾装填完了。放て」

 

ドガーン!

 

備前に向かって急降下を開始していた敵機はいとも容易く撃ち落とされる。

 

備前「対空射撃始め。主砲、副砲を管制射撃に変更。

敵艦への攻撃を開始」

 

ババババババ!

 

勇人「やるなぁ……こっちも負けてらんねぇ!久々に暴れさせてもらうぜ!」

 

残った敵機を対空砲火で撃ち落とすと、主砲と副砲を敵艦に向ける。

備前の敵機への対処に驚きつつ、闘争心を燃やす……いや仲間がやられて内心『ブチギレている』勇人。

そして、備前は勇人を気にする素振りもせずに敵艦にただただ向かい続ける。

 

備前「自動射撃開始。装置動作状況all green!さぁ、showtimeだ!!」

 

戦艦棲鬼「ん?なっ!?あれは……げぇ!?『黒虎徹』に……」

 

勇人「久しぶりだな……戦艦棲鬼に空母水鬼!『4ヶ月前』はオメェラの仲間に世話になったな……アァ!?」

 

戦艦棲鬼「ッ!?姿は変わっているが……よりによって『蒼白龍』までもが!?」

 

備前「お?久しぶりだな。その異名で言われるのは」

 

勇人「ふん……」

 

戦艦棲鬼「や、ややややばいぞ!!!あ、アイツらと殺り合うのは無理だ!!!」

 

空母水鬼「どういう事だ?」

 

戦艦棲鬼「く、黒虎徹は、な。去年、日本を再襲撃した時に奴が出てきて、主力艦隊を一人で壊滅的状態まで追い込んだ男。そして隣の奴は姿は変わっているが『4ヶ月前の襲撃』で戦場水鬼が率いる主力部隊相手にたった一人で戦場水鬼含め全員皆殺しをした野郎さ!しかも、黒虎徹は笑いながら……蒼白龍は気が狂ったかの様に……もう、トラウマ物だ……」

 

空母水鬼の問いに戦艦棲鬼は怯えながら答える。

 

空母水鬼「ま、まさかだと思うが……わ、私が相手をしたのって……」

 

戦艦棲鬼「あ、あぁ、お、恐らくだが、アイツの艦娘……いや蒼白龍の艦娘の連合艦隊だ!だから、あ、アイツらは今滅茶苦茶キレてる……は、はずだ」

 

空母水鬼「あ、私死んだわ……」

 

備前「見いつけた♪空母水鬼さぁん、少し一緒に狂って踊らないか!!っと」

 

勇人「……往生しろぉぉぉぉ!」

 

ドン!バァァアン!

 

空母水鬼「ぐっ、鬼級を、甘く見るなぁ!!」

 

備前「遅い」

 

ザン!ガン!バァァン!

 

空母水鬼「がっ!!く、糞が!わ、私は……まだ、終わらんぞ!!」

 

備前「はぁ?お前何言ってんの?もう終わってるっ

て。じゃぁねぇ」

 

ドガーン!ドガーン!ドーン!

ドーン!バシャン!

 

ズドーン!バシャァァアン!

 

主砲や副砲、さらに魚雷の一斉攻撃を受け、空母水鬼は瀬戸内海に沈んでいく。

そして、それを見た備前は改備前型の艤装を解除する。

 

備前「はぁ、さすがに、無理があるなぁ。まぁ、いいけど。当分改備前の艤装は使えんな」

 

戦場棲鬼「貴様ぁぁ!!」

 

備前「死ね。お前に用はない」

 

ドゴーン!ザシュッ!

 

備前は戦艦棲姫の腕を掴み腹パンを入れ、刀で斬

り沈めた。

 

備前「弱いなぁ。弱すぎるわぁ。そんなので俺に勝てると思ったのかぁ?」

 

備前は、挑発しながら不敵に笑う。

それを見た深海棲艦は肩をビクッとさせ怯える。

 

勇人「柏木、お前酷いな。これは風評被害待ったなしだぞ……後、俺の分まで残せ」

 

備前「無理♪そして俺は悪くない……はず」

 

勇人「もちろん、思いっきり悪い♪」

 

軽巡棲鬼「私達を忘れるなぁ!!!!」

 

備前「あ、ごめん。どうでもよかった!!から、つい」

 

軽巡棲鬼「ふざけるな!!私が相手だぁ!!」

 

装甲空母姫「止まれ!!軽巡棲鬼!!そいつには勝てん!」

 

装甲空母姫の制止を聞かずに軽巡棲鬼は柏木に

突っ込んでいく。

だが……

 

ザン!バァァアン!

 

備前「よっ、ほいっと。勇人面倒だから頼む」

 

勇人「待ってました♪死にさらせぇぇぇぇ!トマホーク発射!。魚雷放て!」

 

シューン!バシャン!

 

ズドーン!バァアン!

 

軽巡棲鬼「ぐっ、私は……負けたの……か……」

 

軽巡棲鬼はトマホークと魚雷を食らって沈んでい

く。

 

勇人「フハハハハハ!最高にハイッてヤツだァァァァ!」

 

備前「あっはっはははっはは♪もっと、もっと、もっと、踊り狂おうじゃないか!!」

 

装甲空母姫「くっ、全員でかかるぞ!!」

 

「「分かった!!」」

 

備前「おやぁ?全員で来るのかぁ。そーなのかー。別に何ともならんがな!!!」

 

「「「何だとぉぉぉぉ!!!」」」

 

備前の挑発にまんまと乗った装甲空母姫、重巡棲

姫、駆逐棲姫は、全速力でかかってくる。しかも、空母に至っては艦載機を使わない始末である。

 

備前「てい!」

 

バァァアン!

 

備前が蹴りを入れただけで吹っ飛んでいく3人組。

その先には勇人がいた。

 

勇人「……無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」

 

備前「ふっ♪やぁ!」

 

勇人「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」

 

備前「楽しいな♪よっと!」

 

勇人 「Wryyyyyyyyyy!」

 

備前「そぉれ!!食らってけぇ!!全砲門ファイヤー!!」

 

ドガーン!ドガーン!

ドーン!ドーン!

ドドドドドド!

ザシュ!ザシュザシュザシュザシュ!

 

「生まれ変わったら鳥になりたい……」

 

「私は奴隷かな、ハァハァ」

 

「おい、まぁ私は猫ですね……」

 

備前「あ、お疲れさん。じゃぁねぇ」

 

「えぇ、お疲れ様でした。黒虎徹さんに蒼白龍さん……」

 

「備前型になって会いたいです」

 

「私は金剛型特殊戦艦になりたいです」

 

勇人「潔く死にやがれぇぇぇぇ!!!シースパロー一斉放射!!」

 

ドーン!

 

3人組は備前と軽く会話し、勇人の止めによって沈んでいった。

ちなみに、生き残った飛行場姫は言うと……

 

飛行場姫「無理無理!あんなイカれた連中に勝てる筈が無い!ビェーーーーーーン!」

 

 

 

 

 

 

 

深海棲艦の拠点の一つであるガ島へ号泣し、尻尾を巻いて逃げたのは言うまでも無かった



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第11話「意思を受け継いだ者からの餞別」part 6

数日後 呉鎮守府のグラウンドにて

 

勇人「オラァァァ!組手するぞ!」

 

吹雪「またですかぁ!司令官助けてぇぇぇぇ!」

 

大和「こんなところで沈むわけには……」

 

比叡「ヒエェェェェ!まだ死にたくないです!」

 

相変わらず吹雪たちは勇人の組手から逃げていた

 

 

吹雪「あ、司令官!助けてください!」

 

柏木「はぁ、めんどくせぇ。吹雪ちょっとこっち来い」

 

吹雪「何ですか?」

 

吹雪は柏木の問いかけを聞き、走ってこっちに向かってくる。

 

柏木「よし、そのまま……」

 

ガシッ!

 

吹雪「へ?」

 

柏木「行ってこーい!!」

 

柏木は走り寄ってきた吹雪を捕まえもう一度投げ飛ばした

 

吹雪「ひどいです、司令k………勇人「welcome♪」……い………イヤァァァァァァァァ!」

 

比叡 大和(吹雪さん!貴女の勇姿、忘れません!)

 

飛んで行った吹雪は勇人に捕まり組手をすることになった。

 

柏木「これで、よし♪吹雪ぃ!そのままこっちまで来れたら助けてあげる~♪」

 

大鯨「提督、完全に楽しんでますね」

 

吹雪は返事をせず全速力で柏木に向かってくるのだが、結局勇人に捕まる。逃げる、捕まる、逃げる……という事をずっと繰り返していた。

 

柏木(やばい、あの逃げては捕まる見てると勇人がロリコンの変態に見えてきた……)

 

柏木「はぁ、面倒だなぁ。勇人!暇だから相手してやらぁ!あと、お前ロリコンに見えるぞ!」

 

勇人「そうか!じゃぁ、やろうぜ♪後、誰がロリコンだ!!」

 

勇人は吹雪との組手をやめ柏木に向かって本気で走ってくる。

 

柏木「よいしょっと」

 

バァァアン!

 

勇人「なッ!?」

 

柏木が勇人に一蹴り入れると勇人が吹っ飛んだ。

 

柏木「うわぁ、結構弱く蹴ったんだけどなぁ……」

 

吹雪「司令官、確か、司令官の馬力って285,300馬力でしたよね?」

 

柏木「何で知ってんの?」

 

吹雪「私達の方の第7話で読みました」

 

柏木「メタイわ!小説の中でそれを言ったらおしまいだ!後、彼方の作者の作品にステマするな!」

 

柏木よ、気にするな!これがコラボというのだ!by うp主

 

柏木「……さいですか」

 

吹雪「良かったですね♪後、司令官も言ってますよ!」

 

柏木「しまった!」

 

勇人「痛ぇ、飛ばし過ぎだ柏木ィ……後、うp主!はっちゃけ過ぎだ!いくら彼方の作者に合わせるからって……」

 

大丈夫だ!問題ない!by うp主

 

柏木が空き倉庫までぶっ飛ばした勇人が首をゴキッとならしながら天の声にツッコミを入れつつ帰ってきた。

 

柏木「あ、ごっめーん。全力で蹴っちゃったぁ。許してちょーだい♪」

 

勇人「許さん!許してほしかったら一発蹴らせろ!」

 

柏木「ははは、俺を蹴れると思っているかのかぁ?」

 

勇人「お前なぁ!!」

 

ブン!

パシッ!

バァアン!

 

柏木の挑発に乗った勇人が殴りかかってきたがパンチを止め蹴りを入れるが勇人に掴まり投げ飛ばされそうな所を顔面に頭突きしたりしてた

まるで組手ではなくストリートファイトをしている様だった

 

数分後……

 

柏木「ハァ……ハァ……勇人!組手は終了だ!後、吹雪、ちょっとおいで」

 

吹雪「……怪しい……」

 

柏木「そうか、いいのか。じゃぁ、俺出張の準備するわ」

 

吹雪「いや嘘ですごめんなさい!」

 

柏木「どっちだよ……ほれ。これで満足か?」

 

ナデナデ

 

吹雪「えへへ♪もう少しだけ……」

 

ナデナデ

 

柏木「じゃぁ、もう行くな。俺も忙しいから……」

 

吹雪「あっ……」

 

柏木「帰ったらまたやってやるから我慢な」

 

吹雪「……はい」

 

柏木は微笑み、不満そうな吹雪を後目に私室に向かい、勇人は興が冷めたのか、シャワーを浴びにグラウンドを後にしようとした途端……

 

ブーン!ブーン!

 

勇人「チッ……非通知だ?」

 

Pi♪

 

勇人「誰だ?」

 

勇人はスマホをマナーモードにしていたのか、震えているスマホに出ると女の声が聞こえた

 

玲奈「私……お久し振r……」

 

Pi♪

 

勇人「……チッ!」

 

電話の相手は勇人の同期であり、一番『嫌い』な女性『高町 玲奈』だったのだ

勿論、勇人は玲奈の声を聞いた途端、電話を切ったが………

 

ブーン!ブーン!ブーン!

 

 

勇人「……」

 

ブーン!ブーン!ブーン!

 

勇人「……チッ!」

 

Pi♪

 

勇人「いい加減にしろ!テメェの声なんk……漣「あっ!私です!漣です!そんな声を出さないで下さい!メッチャ怖いです……」……漣か、悪いな……んで何のようだ?」

 

勇人は怒鳴って電話を出ると電話の主である玲奈の秘書艦の漣が震えながら喋った

 

漣「実は明日、提督の不始末で『柏木』という憲兵が捕まえにいくって……」

 

勇人「ケッ!とうとう高町もやりやがっt……漣「御主人様ではありません!佐世保鎮守府の提督です!」……何!?」

 

漣の言葉に勇人は微笑みながら言った

 

勇人「……そうか♪んじゃ柏木に頼んで俺も同行させてもらうから♪サンキュー♪」

 

漣「あ!ちょ!上城中s……」

 

Pi♪

 

勇人(……吹雪、オメェの無念、晴らしてやるから……あの世で……)

 

吹雪「上城研修生!勝手に私を殺さないで下さい!」

 

勇人「……お前じゃない!ってか人の心を読むな!んじゃ行ってくる!」

 

勇人は柏木が佐世保鎮守府……勇人の本来の秘書艦を死なせた本人を捕獲する事を知り、急いで食堂に向かった

 

 

 

数分後 食堂にて

 

その後、柏木が席に座って飯を食おうとした時、隣に勇人が座り言ってきた。

 

勇人「明日の佐世保鎮守府の提督捕まえるの俺も行ってもいいか?」

 

柏木「……あのな、これは憲兵の仕事だから憲兵になってから言いなさい」

 

永木「でもさ、それだとこのコラボが段々成り立たなく……柏木「止めろ!そう言うメタ発言は俺だけで十分だ!」」

 

大鯨「いや、提督それはないですよ。まず、メタ発言なんてしないでください。こっちだって反応に困るんですからね!」

 

柏木「善処する事を考えておこう……」

 

勇人「言い方が回りくどいな……」

 

大鯨「いいえ、善処して下さい。もし止めなければ提督のあの事大鳳と雲龍に……」

 

大鯨の目にハイライトが無くなり声も段々殺気混じりになりつつ言う。

 

柏木「分かりました。善処させて頂きます。なので、言うのは止めて下さい」

 

赤城「提督もです。提督も大概メタ発言が多いです!」

 

勇人「いや、俺はその場のノリで……赤城「止めて下さいね?いいですか?」……アッハイ」

 

赤城の声にも殺気が混じってきたのでおとなしく返事をする勇人だった。

そして、柏木と大鯨はこれを見て……

 

柏木 大鯨(あぁ、かかあ天下が加速する……)

 

と、いう様な事を考えていた。

 

柏木「はぁ、勇人分かった。お前は俺が帰ってくるまで今から言う練習メニューを毎日する事。いいな?」

 

勇人「……無理なら仕方ねぇ……分かった。それでメニューは何だ?」

 

柏木「グラウンドで走りこみ100、腹筋、腕立て、スクワット諸々の筋トレと各1000、その後、ここの空母全艦で対空訓練、戦艦相手に砲撃戦の訓練、重巡と軽巡、駆逐を計12隻を相手に砲雷撃戦の訓練。ただし、全部の訓練で近接戦を禁ず、分かったか?」

 

勇人「いや、多すぎだろ!どうしてそうなるんだよ!」

 

柏木「頑張れよ。折角俺が決めたんだから♪」

 

勇人「無茶言うなよ。どうやって終わらせるんだよ!」

 

柏木「大丈夫、半日で終わるって♪」

 

勇人「いや、普通の人間には無理だろ」

 

赤城 大鯨(……それを言うなら提督達『以外』の人間ですよ……)

 

柏木「やれよ。それじゃ」

 

勇人「お前、楽しんでねぇか?」

 

柏木「ん~?なぁんの事かぁなぁ?」

 

柏木は人をばかにするような顔で言う。

それが、癪に障ったのか勇人から殺気が出ている。だが、それを我関せずと言わんばかりに無視し、柏木は食堂から出て行く。

そして、柏木は風呂に入り暇をつぶして10時には寝たとさ……

 

勇人「さて、柏木が出てったな。大鯨一つ聞きたいんだが……」

 

大鯨「何ですか?上城研修生」

 

勇人「柏木って何者だ?」

 

大鯨「憲兵で三笠元帥の彼氏、そして呉鎮守府の前任を逮捕した人ですね」

 

勇人「それ以外は?」

 

大鯨「これと言ってないですね。ただ……」

 

勇人 赤城「ただ?」

 

大鯨「三笠さん……いえ上城研修生のお母さんは知っていますが提督は8年前に横須賀事件で負傷しています」

 

勇人「まさか……だとは思うが、アイツが艦娘の艤装をつけれるのって……」

 

勇人は目を見開き言った。

 

大鯨「えぇ、あの事件からですね。あの時に重傷を負って艦娘の体を移植していますから」

 

勇人「詳しく聞かせてくれないか?」

 

大鯨「えぇ、構いません。ですが、内密にお願いします」

 

勇人「分かった」

 

その後、大鯨は柏木の着任当日に聞いた事を話した。

その話を聞いた赤城は泣いていた。

 

赤城「グズッ……グズッ……」

 

大鯨「赤城さん、よろしければティッシュを」

 

赤城「ありがとうございます」

 

チーーン

 

大鯨(うわぁ、折角の話が台無しだぁ……)

 

赤城が大鯨からもらったティッシュで鼻をかんだ為折角のいい話が台無しになった。

 

そして大鯨もまた、勇人に『ある質問』をした

 

大鯨「……ゴホン!では上城研修生、貴方に聞きますが三笠さんと融合した経緯を教えて頂けませんか?」

 

大鯨の質問に勇人は俯きながら言った

 

勇人「……良いが内密にな……今から4ヶ月前に……」

 

勇人もまた、4ヶ月前の襲撃事件で左腕の欠損、深海棲艦のウィルス感染そして三笠と勇人の治療の為に融合した経緯を伝えた

 

勇人「……と言うわけだ」

 

勇人は大鯨に教えると大鯨は……

 

大鯨「……ホゲェェェェェェ!!!男気満載で家族愛に満ちた良い話です!私、感動しましたぁぁぁぁぁ!!」

 

大鯨は鼻水を垂らし、号泣していた

 

勇人「お……おう、ありがとう……ほらハンカチだ」

 

勇人は尻ポケットからハンカチを出し、大鯨に渡すと……

 

大鯨「ありがとうございます……」

 

チーン!!

 

勇人(お前もかい!?)

 

赤城(……ありがとうございます大鯨さん)

 

そして、そこでお開きをなり各々風呂に入って寝た。

足柄が那智と酔い潰れるまで飲んでいた。

 

次の日 正門にて

 

柏木「大鯨じゃぁ、行ってくるわ」

 

大鯨「気をつけて下さいね。提督」

 

柏木「分かってるって♪最低で2日は戻れんから留守を頼むぞ」

 

大鯨「えぇ、では行ってらっしゃい」

 

赤城「御武運を……」

 

柏木は永木以下10名の隊員とともに小倉港まで自前の船で移動し呉鎮守府を後にした

 

数時間後 グラウンドにて

 

大鯨「お疲れ様です。どうですか?」

 

一言言って近づき、大鯨は、勇人に飲み物を渡す。

 

勇人「サンキュー♪でも、まだ全体の5分の1……おかしいだろ」

 

大鯨「でも、1時間でそれだけ終わったじゃないですか!?」

 

勇人「これは、昼食べたら死ぬな……」

 

勇人(リバース的意味で……)

 

大鯨「……食べなくても死ぬと思いますよ?」

 

大鯨(体力的に……)

 

勇人「でも、出来ねぇと……」

 

大鯨「でも、先にご飯を食べてください!」

 

勇人「……わーったよ」

 

赤城「なら久々に皆さんに料理を振る舞ってみてはどうですか?」

 

勇人「……やれやれだな」

 

勇人はなし崩し的に昼食を取りに食堂へ向かった。

 

数分後 厨房にて

 

勇人「さて……やりますか」

 

 

トトトト!

 

ジュー……

 

間宮「凄い……」

 

伊良湖「手際が良すぎる……」

 

鳳翔「………負けましたね」

 

大鯨「あは……あははは……」

 

大鯨(ホゲェェェェェェ!!!有り得ません!!上城研修生が……料理を……完全に自信が……)

 

 

四人が圧巻しているのをお構い無しに勇人は厨房に入り、冷蔵庫から玉子、ゴーヤ、スパム(豚肉の缶詰)、玉葱、ニラ、ニンニクそして素麺を取りだし、素麺を軽く茹で、熱したフライパンに油をひき、そこに研いだ玉子、刻んだゴーヤや玉葱にニラ、ニンニクそして湯を切った素麺をフライパンに入れ、炒め、塩コショウで味を調節し……そして

 

勇人「はいよ!ソーメンチャンプルだ!」

 

そう、勇人が作ったのはソーメンチャンプルだったのだ

 

赤城「では……」

 

「「「いただきまーす♪」」」

 

食堂に居る艦娘達は勇人の料理を食べると……

 

比叡「ヒェーーーーッ!!美味しい!」

 

大和「嘘!?ゴーヤが苦くない!?」

 

吹雪「美味しい♪」

 

柏木側の赤城「もっもっ……ゴクン!美味しい~♪」

 

加賀「上城研修生……お代わりを……」

 

武蔵「私もだ!」

 

夕立「ポイ!夕立も!」

 

艦娘達は勇人の料理を食べ、綺羅ついているのを見て大鯨達は勇人に近付き……

 

大鯨 鳳翔 間宮 伊良湖「……参りました!!」

 

勇人「ヘァッ!?」

 

四人が勇人に白旗を示したのは言うまでも無かった

 

そして二日後、目の下に隈が出来た柏木と何故か綺羅ついている保護されたであろう艦娘達や疲労困憊の憲兵達にも食事を与えると復活したのは言うまでも無かった



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第11話「意思を受け継いだ者からの餞別」last part

研修最終日前日の朝 グラウンドにて

 

女性化した勇人「オラァァァ!逃げるなぁ!真面目に相手しろぉ!」

 

三笠「今日という今日は勘弁ならん!シゴいてやる!」

 

吹雪「助けて、司令かぁぁぁん!!」

 

比叡「ヒエェェェェ!上城研修生に三笠お姉様!まだ死にたくないです!」

 

大和「大和型戦艦の誇り、こんなところで失うわけには……」

 

柏木「勇人ぉぉ!いい加減しろぉ!三笠教官も何しているんだァァァ!」

 

三笠「あ!?ヤバッ!勇人、チェンジ!」

 

勇人「あ?……ゴファァァァッッ!」

 

柏木は助走をつけて、勇人に蹴りを入れる。

 

勇人「何しやがる!」

 

柏木「それは、こっちのセリフだ。馬鹿者!捕縛して詰所に放り込むぞ!」

 

勇人「上等!あの訓練の成果を今見せてやる!」

 

ブン!パシッ!ブン!バァン!

 

柏木「それで、これか。訓練がぁ足らないんじゃぁないのかぁ?」

 

柏木(そうだ!怒れよ!オメーはキレないと本領発揮出来ないだろ?さぁ!)

 

柏木は勇人を人を小馬鹿にするような顔で見る。

 

永木「隊長、大丈夫なのか?」

 

柏木「大丈夫だろ。捕まりはしないさ」

 

永木「そういうことではなく、頭ぶつけて脳震盪起こしているぞ。アイツ」

 

柏木「……えっ?!嘘、んな、馬鹿な?!」

 

永木「本気と書いてマジだ」

 

柏木(マジかよぉ……。軽く殴っただけじゃん……はぁ、どうしようか)

 

柏木「じゃぁ、取りあえず、医務室へGO!」

 

永木「……同情するぞ、上城……」

 

柏木達は勇人を医務室まで運んだ。そして、柏木

達はそこで解散となった

 

 

翌日 研修最終日 20:00 食堂内

 

柏木「では二週間の間、上層部の無理難題の任務成功や無事、上城研修生が改修成功、そして上城研修生及び赤城のますますのご発展を願って……」

 

「「「かんぱーい!!」」」

 

柏木の言葉と共に勇人と赤城の送別会が始まっ

た。

 

赤城「ありがとうございます♪此方で学んだ事は無駄にせず、着任した鎮守府で生かせる様、精進して参ります!今日はありがとうございます♪」

 

柏木側赤城「寂しくなりますね……また上城研修生の料理、食べたかったのに……赤城さん、狡いです」

 

赤城「フフッ♪着任したら連絡しますので是非遊びに来てください♪歓迎しますよ♪」

 

柏木側赤城「ヤッター♪」

 

加賀「……気分が高揚しますね」

 

柏木(オイコラ、一航戦。飯食いたい為に遊びに行くんじゃねぇぞ……まぁアイツの料理の腕はウチの間宮や伊良湖そして『お艦』の異名を持つ鳳翔や大鯨が白旗を上げるレベルの腕前だしな……んで当の本人は?)

 

柏木は食堂の周りを見ると……。

 

柏木(……やっぱり……厨房に居やがる……はぁ!?)

 

柏木は厨房にいる勇人を見て驚いた。

何故なら……。

 

勇人「~♪」

 

トトトトトト!

 

勇人「フッフーン♪」

 

ジュー!

 

勇人「フッフーン♪フッフ♪……間宮「ちょ!?上城研修生!?これ以上は……」ん?人が最高にハイッな状態なのに、何故止めるんだ?」

 

伊良湖 鳳翔 大鯨「……これ以上辞めてください!死んでしまいます!」

 

四人(主に私達の料理人のプライド崩壊的な意味で!)

 

柏木(……ははは……ウソだろ!料理の腕じゃぁ、全提督の中でもトップクラスじゃねぇか!俺が勝てる筈ねぇ!!しかも本人は鼻歌を交えながら調理しているとは……)

 

吹雪(……しかも歌いながら……しかも何気にハイクオリティ!!料理もですが…)

 

なんて、頭の中で考えていた、柏木と吹雪だった。

 

大和「上城研修生!御代わりをお願いします!」

 

勇人「おう♪ちょっと待ってろ!今麻婆豆腐を作って……四人「それは私達がやりますので上城研修生は席に戻ってください!!」……アッハイ」

 

そう勇人は歌いながら宴会の料理を作り、柏木達に振る舞っていた。

間宮と伊良湖、そしてお艦と言われてた鳳翔と大鯨が土下座していると言う奇妙な風景が柏木の目に入った。

ちなみに作っているのはエビチリやチャーハン等、中華料理をメインに作っていた。

 

柏木「……はぁ、諦めて酒でも飲むかぁ。鳳翔さん『大

典赤菊』貰える?」

 

鳳翔「分かりました」

 

鳳翔は、大典赤菊を取りに厨房の奥まで行く。

3分後

 

鳳翔「どうぞ」

 

柏木「ありがとう。さて、飲むか」

 

勇人「柏木、それ俺にもくれねぇか?」

 

柏木「あ、追い出されたのか?」

 

勇人「あぁ、で、もらってもいいのか?」

 

柏木「好きにしろ」

 

勇人「サンキュー♪」

 

勇人は自分のグラスに大典赤菊を注ぎ飲む。

 

勇人「うまいな。この酒。なんて酒だ?」

 

柏木「大典赤菊。岡山県高梁市で生産されている岡山の地酒だ」

 

勇人「へぇ、米の旨味や甘味がしっかりしててうまいな」

 

柏木「だろ♪ってかお前も飲めるクチだったな♪」

 

勇人「あぁ、口当たりもいいからいくらでも飲める♪気に入った♪」

 

柏木「それは何よりだ♪これ使うか?」

 

柏木はどこからか、大きい盃を取りだす。

 

勇人「どこで、それを手に入れた!?」

 

柏木「昨日、ド〇キで買ってきた。安かった」

 

勇人「あ、うん。まぁ、どうも」

 

柏木から盃を受け取り、柏木に酒を注いでもらう。そして、それを一気飲みする。

 

勇人「……ゴクッ……プハァ♪本当にうまいな。どこで買ったんだ?」

 

柏木「岡山の酒屋に電話して注文した。他にもあるけど持って帰るか?」

 

勇人「いいのか?」

 

柏木「構わん。それぞれ15本ずつ注文した!」

 

勇人「サンキュー♪」

 

柏木と勇人はその後も酒を飲んだ。大典赤菊の他にも嘉美心に三光政宗を飲んだ。

そして……。

 

22:00

 

柏木「お前らぁ!終了の時間だ!送別会はこれで終わるが、酒は好きように飲んでも構わない。だが、俺の注文した酒飲んだら、吹っ飛ばすからな?OK?」

 

「「「り、了解!」」」

 

そして、送別会は終了となり各々好きなように解散していく。

 

柏木「勇人はまだ飲むのか?」

 

勇人「あぁ、もう少し飲んでいくわ♪」

 

柏木「そうか。なら、この乱の誉れっての飲んでいいぞ」

 

勇人「Thank You♪」

 

酒に酔っているのか、勇人は口調が少し変わっている。

 

柏木「じゃぁ、俺、部屋に戻るわ」

 

勇人「あぁ、お疲れ」

 

柏木「お疲れ様」

 

柏木は部屋に戻り、着替えを持って風呂に入るが……

 

柏木「ウォッ!!」

 

柏木は酔っているのか、風呂で転倒しかけたのは言うまでも無かった

 

そして、風呂から出て、部屋の冷蔵庫に放り込んでいた、乱の誉れを一口飲んだ。

その後、布団を敷いて寝た。

 

次の日 0800 鎮守府正門

 

柏木「さて、勇人。2週間お疲れ。どうせ、どっかで

会うだろうからその時は宜しく」

 

勇人「あぁ、楽しかったぜ。じゃぁな」

 

柏木「また、来い。そしたら酒をくれてやる」

 

勇人「分かった。また来るよ」

 

そして、会話は終り、酒の入った袋を持った勇人は車に乗り、呉鎮守府を後にする。

そして、龍に虎の願い届かん事を……。

 

コラボ 呉研修編 終




次は現在の佐世保鎮守府に戻りますm(__)m
後、オリ主が歌いながら料理するシーンは運営さんに怒らr……ゲフン!注意されましたので少しだけシーンを変更しましたm(__)m


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第12話「二人の龍虎、再び……」part 1

そして現在 佐世保鎮守府 プライベートルームにて

 

勇人「……という訳だ」

 

武蔵「………ハハハハハハ♪三笠さんが復活するだけではなく、提督も女になるわ、敵を無双するわ……波乱万丈な研修を送ってきたんだな♪……久々に腹の底から笑ったから腹痛い……」

 

大和「そうですね♪」

 

金剛「何かFunny……いえFunkyな提督デスね♪」

 

吹雪「あっちの私、色々とメタいですね……」

 

勇人「まぁそう言うな♪」

 

勇人が研修生時代の話に、みんなが笑い、笑顔に包まれていると……

 

ブーン!ブーン!ブーン!

 

勇人「ん?誰から……どうやら金剛が言ってた『Fankyな提督』から電話だ」

 

Pi♪

 

勇人は電話に出た

 

柏木『俺だ!』

 

勇人「オレオレ詐欺なら間に合っているぞ」

 

柏木『さいですか……じゃねぇ!お前、今日来た命令書見てないのか!?』

 

勇人(命令書?『あれ』以外に何かあったっけ?)

 

勇人「……ああ!『あれ』か!忘れてたな♪」

 

柏木『……まぁ思い出す様に言うが一週間後、佐世保鎮守府で三笠どうしの戦いがあるからって……お前の親父から聞いていないのか?』

 

勇人「………ハァ?」

 

勇人(なッ!?俺聞いてねぇ!?しかも『あれ』の期限と同じじゃねぇか!?あの糞親父!恨むぜ……)

 

柏木『取り合えず一週間後にそっちに向かうから宜しく♪』

 

勇人「……ああ」

 

勇人は焦った様子で電話を切った

 

吹雪「司令官?どうかしたのですか?」

 

吹雪が心配しながら聞くと勇人は頭抱えながら言った

 

勇人「……来週、前任を捕まえた呉の提督がくるんだ……三笠元帥を連れてな」

 

金剛「what's!?三笠が!?ってか三笠って二人いたんだ!?」

 

勇人「まぁ昔、建造するときに不具合が起きてな……あぁヤッベー……」

 

大和「どうして頭を抱えているのですか?久々の演習じゃないですか?」

 

大和の質問に勇人は思いもよらない発言をした

 

勇人「一週間前、捕まった堤下が脱走したんだ……」

 

大和 武蔵 金剛 吹雪「!?」

 

赤城「……そして今から一週間の間に捕まえないと私や提督、柏木少将、三笠元帥は……処刑されます」

 

武蔵「なッ!?」

 

大和 吹雪「えッ!?」

 

金剛「what's!?何故デスか!?提督達が……」

 

勇人と赤城の発言に耳を疑った四人に勇人は更に伝えた

 

勇人「……柏木と三笠元帥は堤下を捕獲し損ねた責任として……俺は『敵に情報を漏洩させた事』と赤城は『深海棲艦のスパイ』として処刑命令がかかっていたんだ……名目上ではな」

 

武蔵「チッ……」

 

大和「……性根が腐ってますね!」

 

金剛「……F〇ck(クソッタレ)!!admiral!let's go him search and destroy now(提督!今すぐ見つけて殺しに行きましょう)!!」

 

吹雪「そんな……酷いです!何故前任が、のうのうと生きていて司令官や赤城先輩、柏木さん、そして三笠元帥が処刑されないといけないのですか!?可笑しいです!折角会えたn……勇人「それは一週間以内に捕まえなければの話だ……それに……」……それに?」

 

吹雪達は怒っているのか、声を荒げて言うと赤城がみんなを落ち着かせる様に優しく答えた

 

赤城「……もう手配はしています♪提督の家元の『お手伝いさん達』によってね♪」

 

金剛「お手伝いさん達?」

 

武蔵「ああ……そうか……」

 

大和「そう言うことですか♪」

 

吹雪「あっ!成る程♪司令官らしい手口ですね♪」

 

金剛「ブッキー!大和hotel!武蔵旅館!一体どう言うことデスか!?」

 

大和「ホテルじゃありません!」

 

武蔵「私を旅館扱いにするな!」

 

二人は金剛の渾名に怒ると吹雪は二人を宥めつつ説明した

 

吹雪「まぁまぁ二人とも……実は司令官の家元は世界のトップであり海軍……いえ日本軍含め連合軍のスポンサー企業、そして今の日本の実権を持っている財閥『上城財閥』の財閥長のお孫さん……そして上城財閥の……いえ財閥長の裏の顔は世界の裏社会を収めている裏社会最強の極道組織『神城会』の会長なんです!つまり司令官は財閥長と兼任している最強の極道組織の会長の『お孫さん』なんですよ♪」

 

金剛「what's!?提督が……マフィアの……familyでしたか……」

 

武蔵「何故これ程の権力を持っている所の孫なのに命令を取消す事をしなかったんだ?」

 

武蔵の疑問に勇人は答えた

 

勇人「……簡単に言えば表社会と裏社会の介入があったから取消す事が『出来なかった』んだ……」

 

大和「表と裏……ですか」

 

勇人「ああ……」

 

吹雪「その……表社会と裏社会の介入って一体……」

 

勇人「それなら目星は立っている……裏社会は極道組織『桜花連合』……今、柏木が潰しに行っている極道組織だ……表社会は『とある国の本籍を持った政治団体』だ」

 

大和「とある国の本籍……まさか!?」

 

武蔵「……というより『それ』しか出てこないが……」

 

二人は何か思い出し、声を荒げると勇人は冷静に答えた

 

勇人「……大和、武蔵、お前らの予想通りだ……本籍がK国とC国を本籍を持つ政治団体『龍光会』の連中だ」

 

勇人は答えると金剛は苛立っているのか、貧乏揺すりをしながら答えた

 

金剛「龍光会……デスか……あーもう!アイツが捕まり安心しているのに……今度は政治と裏社会絡みのアイツの脱走問題デスか!?どれだけ上層部は使えないのデスか!?まさしく税金の無駄遣いデース!」

 

勇人「そう言うなって……俺たちも、その『無駄遣いされている』税金で給料を貰っているからさ……」

 

勇人は金剛を宥めつつ答えると四人は俯きながら言った

 

金剛「……提督……」

 

吹雪「実は私達……」

 

大和「給料貰っていないのですよォォォ!」

 

武蔵「……アイツが艦娘全員の給料を着服していたからな……娯楽を楽しむ所が必要最低限の物を買えるお金すら無いのだ……」

 

勇人「……ちょっと待ってろ」

 

勇人は四人の発言に眉をピクリと動きながら『とある人』にTV電話をし始めた

 

金剛「提督?誰に電話をしているのデスか?」

 

勇人「ん?誰って……あ!?どうやら繋がったな♪」

 

勇人は笑顔で答えるとTV電話のモニターには某BIG B〇SSに瓜二つの男が映っていた

 

男「誰だ!こんな夜遅くに電話しやがっt……勇人「夜遅く悪い『ジッチャン』」……お♪勇人じゃないか♪俺のカードは役に立ったか?」

 

金剛「ジッチャン!?」

 

吹雪「え!?」

 

大和「ちょ!?まさか!?」

 

武蔵「……ひょっとして貴方は『上城財閥長』兼『神城会会長』上城俊夫さんですか?」

 

赤城「ええ♪お久し振りです会長♪」

 

赤城はモニター越しに映っている男でもあり勇人の祖父

である男『上城 俊夫』に笑顔で言うと俊夫もまた笑いながら言った

 

俊夫「お♪赤城ちゃんじゃないか♪どうしたんだ?お小遣いが欲しいのか?それとも新しい弓道一式の道具が欲しいのか?」

 

俊夫は赤城を勇人と同じ様に孫娘として接すると赤城は赤面しつつ答えた

 

金剛「赤城『ちゃん』?」

 

大和「クスッ♪」

 

武蔵「完全に孫娘として扱われているな♪」

 

吹雪「……赤城先輩……いえ赤城ちゃん……ププッ♪」

 

赤城「ちょ!?皆さん!止めてください!俊夫さんも!?……実は私達が配属している艦娘達が前任のせいで給料を貰っていないのです……なので……」

 

俊夫「ふむ……勇人」

 

勇人「ん?何だ?」

 

俊夫は少し考え、勇人に伝えた

 

俊夫「俺のカードで、みんなに給料を振り込んで良いぞ♪勇次からの情報だが、前任が全部使っていたから返せないらしいからな……宜しく♪」

 

俊夫は笑顔で答えると勇人は安堵し、金剛達は嬉しいのか、はしゃぎ始めた

 

勇人「ほっ………」

 

金剛「Yeaaaaaaar!!!」

 

吹雪 大和 武蔵「本当ですか!?ありがとうございます!!」

 

俊夫「後、勇人……個人投資で、お前の鎮守府に投資するから宜しく♪」

 

勇人達「ッ!?ありがとうございます!!」

 

俊夫は勇人の鎮守府に投資……言わば金銭援助を行う事を言うと勇人……いや勇人や赤城、そして金剛達はモニター越しに映っている俊夫に頭を下げた

 

 

俊夫「ハハハハハハ♪気にするな♪俺はお前達『佐世保鎮守府』の艦娘と可愛い孫達の味方だ♪じゃお休み『孫達』よ♪後、俺が投資する事は他言無用で宜しく♪」

 

俊夫は、そう言うと電話を切ったのかモニターから消えた

 

金剛「……グスッ!私達の為に……」

 

吹雪「良い……お祖父様ですね……グスッ!」

 

大和「……提督と赤城さんのお陰で……ありがとうございます!!」

 

武蔵「提督……私達の為に……この武蔵、言葉に出来ない位、嬉しいぞ……」

 

勇人「……ちなみにジッチャンも言ってたけど金銭援助自体、軍の規則ではアウトだから黙っとけよ!分かったか?」

 

四人「はい!」

 

勇人「んじゃ明日から早いから早く寝ろ!お休み!」

 

勇人は四人に挨拶すると、みんな各部屋に移動した

 

勇人と赤城が処刑される事の不安と勇人が与えた希望を交えながら……



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第12話「二人の龍虎、再び……」part 2

次の日 0730 食堂にて

 

勇人は艦娘達全員を食堂に呼び、俯きながら喋った

 

勇人「……オメェラに集まってもらったのは他でもない……呉の提督が捕獲した前任である堤下が脱走したんだ」

 

艦娘達「!?」

 

長門「おい!貴様!?それはどう言うことだ!?」

 

陸奥「落ち着いて長門!ねぇ、アイツの居場所は分かるの?分かっているのなら私達が捕獲しに出撃するわよ」

 

蒼龍「そうそう!アンタは黙って椅子にふんぞり返っていれば良いのよ!木偶の坊!」

 

飛龍「ちょ!?蒼龍!?アンタ言い過ぎよ!提督、私達にも詳しい説明をお願いします」

 

鹿島「……やっばり貴方は使えませんね」

 

香取「コラッ!鹿島!彼はみんなを救うために命懸けでやっているのよ!提督を侮辱する事は、例え妹でも容赦しませんよ」

 

霧島「……司令、飛龍さんも言いましたが私達にも詳しい説明をお願いします」

 

勇人「分かった……実は……」

 

勇人は艦娘達に堤下を捕まえなければ勇人、赤城、柏木そして三笠元帥が処刑される事を伝えた

 

霧島「……そんな……」

 

香取「何故ですか!?何故貴方達が処刑されないと行けないのですか!?」

 

伊勢「酷い……命令だわ……」

 

長門「……貴様は『自分の為』に私達を使ってアイツを捕獲しろと言う訳だな……」

 

長門が軽蔑しながら言うと勇人は頭を横に振り、答えた

 

勇人「ちげぇよ!俺が直接、堤下を捕まえ、オメェらに『ケジメ』を着けさせる為だ!それにアイツの居場所位は目星は付いている……だが……」

 

長門「だが?」

 

勇人「……海外逃亡を図りやがった……オメェらの『給料』を使ってな」

 

艦娘達「!?」

 

勇人の発言に艦娘達はショックが大きかったのか俯き、黙った

 

勇人「まぁ『給料問題』に関してはケリ着けてあるから安心しろ♪後、呉の提督がお前らに稽古つけてもらうから安心して暴れて来い♪それじゃ……柏木「佐世保鎮守府よ!私は帰ってきたぁ!!」……早速かい!?」

 

長門「な……」

 

陸奥(……何なのアイツ)

 

川内(……頭可笑しい奴だけど……堤下を捕まえてくれたんだ!アイツだけは信用しよ!みんな!)

 

勇人を恨んでいる艦娘達(ああ……)

 

勇人と艦娘達は柏木の奇声に白い目で見つつ、柏木を歓迎した

 

一方 外では……

 

柏木「やめろ。これは一種の悪ふざけだ」

 

大鯨「度が過ぎてます!自重してください!」

 

柏木「はいはい。考えとくよ」

 

大鯨「全く……」

 

大鯨はそんな柏木に呆れ溜息を吐く。

 

勇人「柏木、急に叫ぶから気が狂ったかと思ったぜ」

 

柏木「お前までひどいなぁ。はい、酒ともみじ饅頭」

 

勇人「サンキュー♪相変わらずお前は気が利くな♪」

 

勇人は酒ともみじ饅頭を渡してきた柏木に掌を返

し礼を言う。

 

柏木「さて、行くか」

 

そして、柏木は鎮守府内を進む。そして、執務棟に入ると執務室に入り椅子に座る。

だが物影に武蔵と大和が柏木が不審な行動を起こさない様に隠れながら見張っていた

 

勇人「おい、何そこに座ってやがる」

 

柏木「あはは、すまん。つい、癖で……」

 

勇人「それより、よくここまで迷わず行けたな」

 

柏木「おい、誰がここの鎮守府から前任叩き出したと思ってる。それより、覗いてるやつは入って来いよ。そこにいても暑いだろ」

 

柏木が言うと大和は段ボールの中から、武蔵はクローゼットの中から出てきた

 

 

大和「……!?ば、バレてましたか……」

 

武蔵「くっ……。バレていたとは……」

 

大和型二人はそう言い柏木に近寄ってきた

 

勇人「柏木、よく気づいたな。俺は分からなかったぞ」

 

勇人(あの二人の名誉の為だ……察してくれれば……)

 

柏木「お前……本当にあの訓練全部したのか?」

 

勇人「したぞ!全部やったわ!あれ、滅茶苦茶しんどかったぞ!」

 

柏木「あれやれば、感知能力ぐらい俺並みになると思ったのにな……訓練足らなかったのか?」

 

勇人(……そうだった!こいつの辞書に『気遣い』なんて無いんだった!)

 

武蔵「ほう、椅子に座ってるのが新しい提督か。前の提督よりは怖くはなさそうだな」

 

大和「そうですね。明日から楽しみです♪」

 

勇人「おい、俺を勝手に前任にするな!こいつは呉の

提督やってんだぞ」

 

大和と武蔵の言葉に反応した勇人はツッコミをいれる。

柏木「勇人……」

 

勇人「なんだよ……」

 

柏木は懐から手錠を取りだし、勇人に近付いた

 

柏木「心苦しいがお前を脅迫罪で逮捕……勇人「なんでだよ!俺何もしてねぇぞ!」……する」

 

勇人「……おい、マジじゃねぇよな」

 

柏木「冗談だ。まぁ、これくらいにして……改めまして、呉鎮守府提督兼憲兵隊隊長の柏木疾風少将です。これから1週間ここの鎮守府に滞在します」

 

勇人「おい、初耳だぞ!先に滞在のことくらい言えよ!」

 

柏木「え、言わなかったか?まぁ、いいけど。取り敢えず戦艦組は艤装を装備し全員グラウンドに集合。体調不良は来なくてよし。ただし、後日訓練を行う。では、大和と武蔵。これ伝えてきてくれ」

 

武蔵「分かった」

 

大和「承知しました」

 

大和と武蔵は足早に提督室を後にして、戦艦の全

員にこの事を伝えに行く。

 

勇人「おい、柏木……まさかだとは思うが……」

 

柏木「ん?そのまさか♪あと、お前等は戦艦以外は自由。戦艦組はちょっと来い」

 

長門型姉妹 扶桑型姉妹 金剛型四姉妹「わ、分かった……」

 

大鯨(御愁傷様です……)

 

長門をはじめ戦艦の扶桑、山城、比叡、霧島、金

剛、榛名は全員死んだ目をしている。

 

柏木側赤城「加賀さん、早速ご飯を食べに行きましょう」

 

加賀「そうね。さすがに気分が高揚します」

 

柏木側の赤城と加賀はキラキラしながら食堂に向かっていく。

 

雲龍「私は提督と一緒にいます」

 

大鳳「私もです」

 

雲龍はそう言って柏木の右腕に抱き着いてくる。

それを見た大鳳も柏木の左腕に抱き着く。

 

大鯨「提督……見損ないました……」

 

勇人「柏木……それが趣味なのか……」

 

柏木「違う!断じて違う!知らぬ間にこうなってただけだ!俺は何もしていない!」

 

雲龍「提督が、あんなことするから……」

 

顔を赤く染めながら言う雲龍を見た者達に衝撃が

走る。

 

大鯨「提督何をしたんですか!」

 

長月「司令官、一緒に詰所に行こう」

 

大鯨は何をしたのか聞き、長月は何かしたのを前

提に詰所に自首しようと勧めてくる。

 

柏木「何もしてない!雲龍、お前は勝手に人の部屋に入ってきて布団の中に入るのやめろ!俺はあれの所為で、最近起きるの遅くなってんだぞ!」

 

柏木(主に気絶するから)

 

大鯨「……!……提……督……私の事なんかどうでもいいんですね?」

 

柏木「その言い回しはやめろ!執務室が修羅場と化してる!勇人いい加減に助けろ!」

 

勇人「プッ……ハハ、ハハハハハ……くっそ、腹いてぇ……骨は拾ってやるぞ♪ハハハハハハ♪」

 

勇人はこの状況がツボに入り笑っている。

 

柏木「はぁ……。グラウンド行こう……」

 

疲れたのか、雲龍と大鳳に抱き着かれている状況を脱するとグラウンドに向かう。

そして……。

 

柏木「えっと、1,2,3……18人か。意外と多いな」

 

長門「柏木少将。これから何をするのだ?」

 

柏木「そうだねぇ。じゃぁ、艤装着けたままグラウンド外周30周」

 

参加した艦娘達「無理だろ!!」

 

柏木「は?無理じゃなくて早くしましょうねぇ。その分飯にありつくのが遅くなるぞ♪」

 

柏木……いや備前の言葉により、地獄の稽古が始まった

 

数分後……

 

備前「オラ!どうした?バテんじゃねぇ!」

 

訓練で性格が豹変している備前の訓練の厳しさは

増していく。

 

勇人「何やってんだ、あいつら?」

 

大鯨「上城中佐、あれはいつもの事ですよ。提督は、訓練ではあれですから。神通さんより厳しいですからね」

 

勇人「大鯨……お前もあんなことやってるのか?」

 

大鯨「えぇ、偶にやってますが、あれは倒れそうになりましたね。上城中佐もやってみればわかりますよ……」

 

勇人「いつか、やってみるか……。取り敢えず、三笠元帥達が来るのを待たないと……」

 

そう、執務室からグラウンドを見つつ言った勇人と大鯨だった。

 

30周目

 

備前「いやぁ、意外と楽だった。お前等!まだ終わってねぇのか!」

 

山城「無理です!私達はまだ15週目です……!」

 

未だ走っている戦艦組は体力の限界をすでに通り越していた。

 

戦艦組28周目

 

備前「はよ走れぇ!5分以内に走りきらんと5分経つ毎に1周追加だ!」

 

参加した戦艦組「不幸だァァァァァァ!!」

 

山城「それ私の台詞よォォォ!」

 

某魔術の主人公みたいに、不幸と叫ぶ戦艦組だった。

 

走りこみ終了後

 

備前「はい、お疲れ。じゃぁ、3分後に俺と砲撃戦な」

 

戦艦組「最近の柏木少将、怖いや……」

 

訓練後に生きているか不安になった戦艦組だった。

 

3分後

 

備前「じゃぁ、始めるぞぉ!演習……始め!」

 

ドドーン!ドドドーン!

 

戦艦組の砲撃が備前に降り注ぐ。しかし……。

 

バーン!

 

備前「あっはっはっは♪これくらい軽い軽い♪」

 

戦艦組「なっ!?」

 

戦艦の砲撃を、刀一本で簡単に防ぐ柏木にただただ驚くことしかできない。

 

金剛「まだデース!どんどん撃つネー!」

 

ドーン!ドドドーン!ドドーン!

ドドーン!

 

もう一度、大量の砲弾を柏木の頭上に降り注ぐが……。

 

ドドドーン!ドドドーン!ドーン!

 

備前「甘い!だからこうやって近寄られるんだ!」

 

バァアン!

 

柏木側比叡「カハッ!」

 

ブン!バーン!

 

比叡「ガッ!」

 

柏木側比叡が蹴られ、そして勇人側比叡が殴られる。

 

武蔵「くッ……だが……!」

 

ドーン!カン!

バァァアン!

 

武蔵「ぐッ!……だ、だが……まだ終わらん!」

 

ドドドーン!

バァアン!

 

武蔵「……どうだ!……なっ?!」

 

備前は武蔵の攻撃を防ぎ蹴る。しかし、それを耐え備前に砲撃を行なった。だが……武蔵が見たもの

は……。

 

備前「その程度かぁ?それでは、56cm対応のこの装甲は破れんぞぉ!」

 

武蔵(化け物だ!56cm対応では……。だが、装填速度では……!)

 

備前「邪魔だ。どけ……」

 

ドドドーン!ドドドーン!

 

武蔵「なっ?!ガハッ!」

 

武蔵は、備前の砲撃を至近距離で食らい約50m先まで吹き飛ぶ。その後、砲撃訓練は地獄絵図だった。戦艦組は『訓練』ではなく、『一方的な蹂躙』をされているような気分だったとのちに語っている……。

 

30分後

 

柏木「今日の訓練はこれで終了。気が向いたら後日またやるわ」

 

柏木はそう言い残し、その場を後にする。

 

戦艦組「し、死ぬかと思った(デース)………」

 

1300

 

柏木は昼食を食べ終え、執務室に向かった。

 

コンコンコンコン

 

柏木は既に到着しているであろうと思い一応ノッ

クをする。

 

勇人「入れ」

 

柏木「柏木疾風少将。入ります」

 

勇人の声が聞こえた為室内に入る。

 

某極道の六代目会長似の男『吹瀬』「うむ、ご苦労だった」

 

柏木「いえ、大丈夫です」

 

吹瀬「では、柏木少将も来たところだ。本題に入ろ

う」

 

副司令の吹瀬誠元帥が今回の一件の話を進める。

 

柏木(……って、三笠が総司令だろ!お前は話を進めないのか!ってか勇人の親父って……どう見ても堂〇の龍(桐〇一馬)に瓜二つだな……声も……)

 

柏木はそう思い、三笠元帥の方を見るが、柏木が見ているのに微笑むだけで、何も違和感がないようだ。

 

吹瀬「今回の三笠元帥と三笠教官の演習だが、明後日1400より始める。その間に双方の三笠殿は訓練、演習を行なってください」

 

無言で頷く二人。と言っても、片方は勇人だ

が……。

 

吹瀬「それと、柏木少将」

 

柏木「何でしょうか?」

 

吹瀬「貴官には、ここら一体のヤクザの事務所の掃討を命ずる。だが、神城会には手を出すな」

 

勇人(よし!順調だ♪)

 

柏木「はっ、謹んでお受けいたします」

 

高町元帥「うむ。では、議題は以上だ。他に何かあるか?」

 

スッと三笠元帥が手を挙げる。

 

高町元帥「総司令、どうしました?」

 

三笠元帥「訓練って誰に受ければいいの?それと、なん

で私の役目を取ったの?」

 

柏木(あぁ!やっぱり、気にしてたのか……。最初から、つっこんでろよ!)

 

勇人(……聞いていなかったのかよ)

 

吹瀬「総司令が話をすると話が逸れるじゃないですか。だからです!」

 

三笠元帥「むぅ……。何か気に食わない……」

 

ぷくぅっと顔を膨らませる三笠元帥。それに対し

て……。

 

吹瀬「無理な事を言わないでください。そうですね?柏木少将」

 

吹瀬が話しを柏木にする。しかし……。

 

柏木「………可愛い……」

 

みんな「!?」

 

柏木(あ、しまった!つい、やってしまった……)

 

吹瀬「ま、まさか……柏木少将!熱でもあるのですか!」

 

吹瀬が柏木が風邪を引いているんじゃないかと心配する。

 

柏木「吹瀬!俺は風邪を引いてはいない!問題はない!つい、可愛いと思ってしまっただけだ!」

 

三笠元帥「ふふふ、疾風ったら……」

 

高町元帥「……!?た、大変だ!早く柏木少将を病院に連れて行け!」

 

某ゴリス似の憲兵『常田』「メディック!メディック!」

 

一馬「……オメェラ……少しは落ち着け!!」

 

勇人、高町元帥以外全員「アッハイ……」

 

柏木の言葉に顔をほんのり赤くする三笠と、本気で心配してくる高町元帥に鳥島、そしてカオスな情況に一喝し、鎮圧させた一馬だが、柏木は……。

 

柏木「俺は、問題ない!それより、そちらこそ仕事しなくていいんですか!」

 

三笠元帥 吹瀬 鳥島「大丈夫だ!全部秘書に投げてきた!」

 

柏木「自分の仕事を済ませてから来い!お前ら、少しは仕事の事を考えろ!その仕事が偶に俺に回って

きてんだ!程々にせんと、憲兵に職務怠慢を言って拘束させに行くぞ!」

 

三人「誠に、申し訳御座いませんでした!」

 

上城親子 高町元帥(こいつら、本当に元帥かよ……。どう見ても、柏木の方が元帥に見えるぞ)

 

三笠元帥、吹瀬副司令、そして憲兵司令官の

常田一登の三人は本気で柏木に謝っている。その

光景を見て、高町、上城元帥、勇人は内心こう思っていた。

 

そして、刻は動き出す。深海も人間の刻も同時

に……。そして、これから起こる事件が柏木と勇人

を突き動かす。

 



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第12話「二人の龍虎、再び……」part 3

翌日 演習当日にて

 

備前(この日は雨も降らず快晴だが、波が高かった。それがどうかしたかと思う者も多いだろう……。だが、私は此処でこの言葉を敢えて言おう。『本日天気晴朗なれども波高し』。この言葉の通り、佐世保鎮守府の前にある防波堤には、波が打ちつけている。そして、既に演習開始40分後だが……どうしてこうなった……。私は、演習前の10分前から起こったとあるアクシデントに巻き込まれている……)

 

勇人「柏木!何黄昏てんだ!早くこの状況どうにかしないとまずいぞ!」

 

備前「……はっ!私は今までどこに……勇人「そんなことどうでもいいから早く手伝え!」……分かったよ」

 

勇人達が演習時に起きたアクシデントとは……深海棲艦が攻めて来たのだ

既に市民への避難命令は出したが、それもほんの10分前だ。しかも、敵の数が多い。ざっと50はいるであろう

そして、現状は非常にまずい状態であり佐世保の戦艦組は一昨日の訓練が意外と役に立っているのか……。

 

大和「武蔵!敵に接近するわ!」

 

武蔵「了解した!」

 

近接戦闘に特化した大和型二人ができた……柏木や勇人としても、これは由々しき事態である。緊急時の対処として近接戦闘を彼女達の身に叩きこんだが、やりすぎたようだ……

そして、吹瀬が死んではいないが負傷している。左腕の骨折。これだけで済んだのは凄い事だ。備前は所々、欠損した。

それはさて置き三笠元帥も現在戦線を離れている。その為現在は勇人と備前、大和型二人に空母が援護、そして大鯨といった状態だ。なぜこうなったのか、どうせだから話を6時間前まで戻そう。

 

 

 

08:00グラウンド

 

備前「おらぁ!さっさと走らんかぁ!」

 

比叡 柏木側吹雪「ヒエェェェ、またですかぁ!」

 

大和「まさか、今度は向こうの大和ではなくこの私が……」

 

柏木側長門「なに、メタ発言してる!少しは控えんか!」

 

柏木側陸奥「姉さん。仕方ないよ。向こうの吹雪みたいに死なない様に気をつけよう……」

 

吹雪「まだ、死んでません!」

 

勇人「そうだ!俺の方の吹雪を勝手に殺すな!」

 

備前(あれ?何かおかしい……)

 

備前「って、なんで吹雪が此処にいるんだよ!」

 

柏木側吹雪「なんでって、撫でてもらいに……ダメでしたか?」

 

備前(くそ、こいつ味占めやがった……)

 

備前は柏木側の吹雪に頭を抱えながら答えた

 

備前「どうやって、此処に来た」

 

柏木側吹雪「それは……その……」

 

備前「抜け出してきたな?」

 

柏木側吹雪「……はい……」

 

備前「はぁ……向こうは大慌てだと思うぞ。取りあえず電話するから待ってろ」

 

柏木側吹雪「はい!」

 

備前は、スマホを取りだし電話帳より呉鎮守府を選び電話をかける。

 

ガチャッ

 

菊月『はい、呉鎮守府ですが……』

 

備前「あぁ、俺だ。柏木だ」

 

菊月『司令!吹雪がいないんだが……』

 

備前「あぁ、それな。吹雪こっちに来てるわ。取り敢えずこっちで預かっとくから」

 

菊月『分かった。後、吹雪に伝えてくれ。お前、鎮守府に戻ってきたら覚えとけ。と頼んだぞ』

 

備前「分かった。伝えておこう」

 

そして、備前は電話を切る。

 

柏木側吹雪「あ、あの……なんと?」

 

備前「よかったな。菊月から伝言だ。『お前、鎮守府に帰ったら覚えとけ』だそうだ」

 

柏木側吹雪(……あ……私、鎮守府に帰ったら死ぬかも………)

 

吹雪(……自業自得です)

 

備前「さて……おら!お前らキリキリ走れぇ!そんな走りではいつまでたっても終わらんぞ!」

 

柏木側吹雪「司令官……。駆逐艦と同じ訓練やってるんですか?」

 

比叡「そうだが、どうした?」

 

柏木側吹雪「少し、緩いと思います。もう少しきつくしてもよかったのでは?」

 

備前「……分かった。なら、少し働いていけ。お前が砲雷撃戦の訓練をしろ。お前なら大丈夫だろ」

 

柏木側吹雪「……い、いや、でも私は……」

 

備前「自分を信じろ。やれば、菊月を落ち着かせるの手伝う事を考えてもいいかもしれない」

 

柏木側吹雪「本当ですか!!お願いしますね!」

 

柏木側の吹雪が備前に願いすると訓練を再開した

 

 

 

同時刻 執務室にて

 

大鯨「上城中佐、これから何をするんですか?」

 

勇人「第三次大戦だ!」

 

赤城「提督、真面目にやってくださいね?」

 

勇人「……悪い」

 

赤城「それで、実際は何をするんですか?」

 

勇人「駆逐艦と組手」

 

大鯨「あ、そうですか……。では、どうぞ行ってきてください。私達はここで楽しく話してますから。ですよね、赤城さん」

 

赤城「そうですね。どうせなので三笠元帥も混ぜて楽しく話しますか……あ!?そういえば提督がクッキーつくったから皆で食べていいって言ってました」

 

大鯨「本当ですか!?なら、皆で食べましょうか」

 

勇人「じゃぁ、俺行ってくるわ」

 

赤城「はい、気を付けて」

 

大鯨「では上城中佐憲兵に気を付けてください」

 

勇人が出て行ったあと、部屋には寝ている三笠元帥に赤城と大鯨が残った。すると、電話が鳴る。

 

ガチャッ

 

赤城「はい、こちら佐世保鎮守府ですが……」

 

永木『あ、赤城さんですか?お久し振りです♪呉の憲兵の永木ですが、後35分程でそちらに着くので隊長に言っておいてください』

 

赤城「分かりました♪お待ちしてます♪」

 

赤城『それでは、失礼しました』

 

電話は終わり、赤城は……。

 

赤城「大鯨さん、憲兵の永木さんが35分程でこちらに着くそうです。それと、柏木少将の電話番号分かりますか?」

 

大鯨「私は……知りませんが、三笠元帥なら知ってるんじゃないですか?」

 

赤城はハッとして、三笠元帥を起こす。

 

赤城「三笠元帥、起きてください」

 

三笠元帥「Zzz……ダメよ疾風……ここは………ムニャ……」

 

赤城「三笠元帥、柏木少将が居ますよ」

 

三笠元帥「……ハッ!どこどこ、疾風どこ?!」

 

大鯨「やっと、起きました。三笠元帥、提督の電話番号知ってますか?」

 

大鯨は三笠元帥が起きたので電話番号を聞き出そうとする。

 

三笠元帥「騙したのね……それで、疾風の電話番号だったよね。私も知らないよ」

 

赤城「それって完全に彼女(笑)ですね……」

 

三笠元帥「仕方ないじゃない!疾風電話番号教えてくれないんだもの!それに、半年に一回スマホ買い替えるのよ!尚更分からないわ!」

 

子供の様に机を叩いて大鯨達に教える。

 

赤城「それは……どうなんでしょうね」

 

大鯨「私には分かりませんよ……それより、提督探して伝えないと……!」

 

三笠元帥「あ、待って疾風探すなら私も行くわ」

 

赤城「えぇ!?じゃ、じゃぁ私は何をすれば……」

 

大鯨「そのクッキー食べていいですから!」

 

赤城「分かりました。待ってます!」

 

大鯨、三笠の二人で柏木を探しに行く。

 

08:30 グラウンド

 

三笠元帥「あれ……いない……次!」

 

08:40 食堂

 

三笠元帥「さすがに、赤城じゃないのでいませんね……」

 

大鯨「でも、提督と上城中佐って赤城さん以上に食べますよ……」

 

一馬「アイツら何しているんだ?」←遅めの朝食

 

08:50 工廠

 

大鯨「う~ん。此処にもいない」

 

三笠元帥「大鯨、なんで此処来ようと思ったの?」

 

大鯨「よく此処で開発をしているのでもしかしたらと思いましたけど……」

 

一方 海上訓練場にて

 

備前「クシュン」

 

磯風「疾風、風邪か?」

 

備前「だから、司令官か提督って呼べよ。姉さん……」

 

備前(相変わらず、磯風が姉と呼ばせてくる……助けてくれ……)

 

09:00 海上訓練場

 

大鯨「あ、見つけました。提督ー!!」

 

備前「あ?あぁ、誰かと思えば大鯨か。どうした?」

 

大鯨「永木さん達が後5分程で着くそうです」

 

大鯨は逆算した時間を備前に伝える。

 

備前「マジか!?早いな。分かった。吹雪!」

 

柏木側吹雪「何でしょう?司令官!」

 

備前「俺、ちょっと此処離れるから訓練よろしく!」

 

柏木側吹雪「分かりました!お気をつけて!」

 

柏木側吹雪(ヤッター♪やっとサボれる♪)

 

備前「おう!」

 

備前は吹雪に訓練を続けるよう伝えた。

 

備前「さて、行くか。どうせだから、あいつらの訓練もしないとな♪」

 

大鯨 磯風 (ご愁傷様です。死なない事を祈っています(る))

 

大鯨と磯風は柏木隊の隊員を訓練すると聞きこんな事を思っていた。

 

1040 執務室にて

 

勇人「……遅い!もうそろそろ勇次から連絡が……」

 

吹雪(うわー……凄く機嫌が悪いですね……夕立ちゃんが居なくてよかった……)

 

翔鶴「提督、お茶を持ってきました♪ん?さっきから何を焦っているのですか?折角のイケメンが台無しですよ」

 

瑞鶴「まぁ翔鶴姉ぇの男の好みは置いといて……提督さん、顔が怖いんだけど……ひょっとしてトイレに行きたいの?」

 

吹雪「……瑞鶴さん、それは無いと思いまs……勇人「ぶっちゃけ食い過ぎて腹痛いが、今回は違うぞ」……早くトイレに行ってください!」

 

勇人は苛立っているのか、はたまた我慢しているのか、しかめっ面でタバコを吸っていると……

 

ブーン!ブーン!ブーン!

 

勇人「……やっとか」

 

Pi♪

 

勇人は電話が鳴ったのを確認すると直ぐに電話に出た

 

勇人「おい勇次、どうだった?」

 

吹雪「あ!?勇次さん♪お久し振りです♪」

 

勇人のスマホのモニターには茶髪だが某悪魔狩りの主人公に瓜二つの男が映っていた

ちなみに勇人の外見もまた黒髪だが某悪魔狩りの主人公の双子の兄に瓜二つだと言っておこう

 

瑞鶴(うわー♪イケメンだ♪しかも提督さんに似ているけと何か優しそう♪)

 

翔鶴(……提督そっくりのイケメンだけどチャラそうだわ……私は苦手だわ)

 

勇次「よぉブッキー♪久しぶりだな♪兄貴にマワされたって……吹雪「マワッ!?犯されていません!昼間から何を言っているのですか!?」……フン♪冗談だ♪」

 

勇人「それ冗談に聞こえないぞ、ここは『元ブラ鎮』だって事を忘れてねぇか?後、俺をロリコン扱いにするな」

 

勇次「……すまん、忘れてた……ん?後ろの可愛い子は?」

 

翔鶴「お初目にかかります、五航戦の翔鶴です」

 

瑞鶴「同じく瑞鶴です♪提督さんの双子の弟と聞いて怖い人だと思っていましたが……凄いブランクがありますね」

 

勇次「ハハハ♪それよく言われるんだ瑞鶴ちゃん♪後、俺に対してはタメ口で構わないから……勇人「ダラブチ(馬鹿野郎)!ナンパなら後でやりまっし!!」……ゴホン!兄貴、良いニュースと悪いニュースがあるんだけど、どっちを聞くんだ?」

 

吹雪(今、司令官……素で石川弁を喋りましたね……)

 

翔鶴(これが本当の提督の素の性格なんだ……)

 

勇人「……両方だ」

 

勇人はタバコを灰皿に押し付けて言うと勇次はチャラい雰囲気から一転し真面目な表情で答えた

 

勇次「良いニュースは捕獲任務期間の一ヶ月間の延長と堤下の居場所が分かったんだ……」

 

吹雪「ッ!?本当ですか!?場所は何処ですか!?」

 

勇次「……K国近くの深海棲艦の拠点に隠れている事が分かった……そして悪いニュースはK国の御偉いさん達が裏で、その深海棲艦を全面支援をし、堤下を兄貴や黒虎徹……いや柏木と同じ様に改造手術をしていた事だ……一ヶ月前に無断外出した佐世保鎮守府にいた『青葉』を拉致して、改造手術の素材として使ってな」

 

勇人 吹雪「ッ!?」

 

勇次「……まぁお互い無傷で融合したから捕獲後、直ぐに解体すれば元通りになるが……報告は以上だ」

 

勇人「……ああ、ありがとう、お前まで危ない橋を渡らせてしまってな」

 

勇人は礼を言うと勇次は笑いながら言った

 

勇次「気にすんなって♪危ない橋なんか日常茶飯事なんだからさ♪頑張れよ兄貴にブッキー♪赤城ちゃんに宜しく言っといてくれ♪それじゃ……勇人「待った!もう1つお願いがあるんだが……」……何だ?」

 

勇人「新しいボクサーエンジン1基送ってくれ……」

 

勇次「分かった……これで何度目だ……全く……後、ズイちゃん♪面倒事が終わったら連絡先交換しようぜ♪」

 

瑞鶴「ズイちゃん!?……分かったわユージン♪」

 

勇次は笑いながら言うと電話を切った

 

瑞鶴「……ヤッター♪提督さん!早く堤下を捕まえに行こう!」

 

瑞鶴(そして………キャー♪提督さんが来てから毎日が幸せだよ♪)

 

翔鶴 勇人 吹雪「……完全に恋する乙女の顔だ……こりゃ……」

 

勇人達は呆れつつ柏木の所に向かった

三笠元帥と演習を行うために……



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第12話「二人の龍虎、再び……」part 4

手が痛い……(T-T)
どうも、交通事故で両手が大破し、3DSのタッチペンをつかみ、激痛の中、書いている、うp主です(T-T)
今ようやく書ける様になりましたが、まだ完治していないので書くスピードは遅いのですので御理解をお願いしますm(__)m
勿論、コラボ先の霧島ナガツキさんには事情を説明、御理解を得ていますので宜しくお願いしますm(__)m


1050 トイレにて

 

勇人「……あー腹痛ぇ……」

 

吹雪「司令かーん!大丈夫ですか?」

 

勇人「……翔鶴に瑞鶴、悪いが執務室に正〇丸持ってきてくれないか?」

 

翔鶴「分かりました♪もし抜くのでしたr……吹雪「翔鶴さん!それ以上行けません!18禁になります!司令官は磯風さんの料理を食べて、お腹壊しているだけです!」……冗談よ♪」

 

吹雪(冗談に聞こえないから言っているのですよ……瑞鶴さんも、さっきから『あんな状態』だし……)

 

瑞鶴(……ユージンとデート♪デート♪そして……キャー♪………ウッ!?何だろ……吐き気が……まさか想像妊娠!?キャー♪)

 

吹雪(……瑞鶴さん、いや五航戦のお二人は大丈夫かな……色んな意味で……)

 

男性トイレの外で待機している吹雪は五航戦の状態を見て不安……と言うより呆れていた

そして……

 

葛城「瑞鶴先輩が……あの男の弟に……これは許すまじ!!提督!後で……柏木側加賀「葛城さん、何をしているの?早く演習に行きますよ!」……加賀さん!?ちょ!引っ張らないでーーー!」

 

吹雪達から離れた場所で加賀に引っ張られた葛城が居たのは言うまでも無かった

 

だが数分後……

 

吹雪(……遅いな……翔鶴さんに瑞鶴さん……)

 

勇人「ふぅ~スッキリした♪あれ?二人は?」

 

吹雪「あ!?司令官!二人とも正露〇を取りに行ったきり戻ってこないのですよ……」

 

吹雪は勇人に言った途端

 

瑞鶴「う~提督さん……気持ち悪い……大変よ………みんなが……」

 

勇人「どうした瑞鶴!?何があった!?」

 

勇人は気分が悪く、ふらついている瑞鶴に近付いた

 

瑞鶴「みんなが……食あたりを起こして……吐き気や腹痛を起こしているの……翔鶴姉ぇも気分が悪くなってソファーで寝かしているんだけど……ってか提督さんに吹雪は大丈夫なの?」

 

勇人「食あたり?俺は食べ過ぎで腹壊したんだけど……」

 

吹雪「私はこの間まで監禁部屋に居たから基本『残飯』しか食べれなかったから……」

 

瑞鶴「……そうだった、吹雪は兎も角、提督さんは既に化物並の頑丈だって事を忘れてた……」

 

勇人「……人を化物扱いするな、みんなって事は……」

 

瑞鶴「柏木さんの所の艦娘達も同じ症状よ……後、アッチの大淀からの伝言で深海棲艦が攻めてきた……と……」

 

勇人「それを早く言え!吹雪!今すぐ皆を入渠室へ!俺は出る」

 

吹雪「分かりました!司令官!御武運を!」

 

勇人は艦娘達を吹雪に任せ、出撃した

 

そして現在 佐世保鎮守府付近の海域にて

 

備前(戦艦組が吹雪のおかげで全員入渠中で、しかも磯風が料理をつくり振る舞ったおかげでこうなったわけです。まぁ、いいけどさ。何人かは出撃できたし……)

 

備前「さて、働きますかねぇ……空母全艦に伝達!直ちに攻撃隊を編成、発艦させ敵艦隊を撃滅せよ。戦艦以下艦は、敵戦艦を主に攻撃せよ。伝達以上」

 

「「「了解!」」」

 

勇人「う……腹痛ぇ……ポケットに下痢止め薬は……あるな!よし!抜錨……金剛型特殊戦艦『三笠』!カチコむぜ!」

 

勇人は各艦へ伝達を終えた備前は敵艦に向かって突撃を開始する。そして、敵は備前を見つけると備前に攻撃を集中させてくる。空母艦載機も然り。

 

備前「へぇ、俺を狙ってくるんだ。なら、弾種五式弾。装填始め」

 

そして、10秒後装填が完了する。

 

備前「さすがに、装填速度は伊達じゃねぇな。46cm砲より早い。改良した甲斐があった。じゃぁ、全主砲、一斉射!」

 

ドドドーン!ドドドーン!

 

五式弾は炸裂、そして弾子が散らばり敵機を次々に撃墜する。しかし、必ずしも万能とは言えない。その為今だ30機はこちらに向かってくる。

 

備前「震電隊、発艦始め!」

 

備前は迎撃部隊を発艦させ敵機の全機撃墜を目指す。

 

備前「……!?空母全艦に告ぐ!敵機直上!急降下ァァァァァァァァ!!」

 

柏木側赤城『了解!全艦即座に戦闘機を発艦させて下さい!』

 

「「「了解!」」」

 

柏木は、後方の空母に伝えた後、主砲の再装填を開始した同時に深海棲艦を切り殺したのか血塗れになった勇人と合流した

 

勇人「悪い!遅れた!」

 

備前「気にすんな勇人!接近してやれるか?!」

 

勇人「やれるが、お前は大丈夫なのか?!」

 

備前「大丈夫だ!それも、敵機を落としたらすぐに向かう!」

 

勇人「分かった。気をつけろ!」

 

備前は勇人の言葉に無言で頷く。勇人に視えたかどうかは分からないだろう。そして、備前は挙げた右腕を振りおろし、敵機に撃墜の下令を行なう。

 

ダダダダダダダッ!

ヒュゥゥゥーン!ドーン!

 

備前「くっ……!小癪な!第二斉射放てぇぇぇ!」

 

ドドドーン!ドドドーン!

 

備前は右舷飛行甲板に被弾するも、小破で済む。だが……。

 

ドーン!ドーン!

 ドーン!ドーン!

 

備前「ガッ……!」

 

備前は4本の魚雷を受け中破となる。

 

備前「……くぅ……敵も、熟練を寄越してきたな……。久しぶりだから少々辛いな……仕方ない……勇人聞こえるか?」

 

勇人『どうした?』

 

備前「すまんが、爆弾1、魚雷4受けたから少し下がるわ。後は頼んだ……」

 

勇人『おい!大丈夫なのか!?』

 

備前「大丈夫だ……問題ない。俺は下がるが、航空隊は発艦させる……」

 

勇人『……分かった。気をつけろ……生きて帰ってこい!』

 

備前「……あぁ……」

 

勇人に自分の現状を伝え終わったので、後退しようとする。しかし、敵もそう簡単に逃がしはしない。

 

ヒュゥゥゥゥン

ドーン!ドーン!ドーン!

パシュッ

ドーン!ドーン!

 

敵は備前の速力が落ちたところで爆弾と魚雷を落としてくる。備前も回避行動を取るが、本来31ノットが20ノットまで低下している為、思うように避けれず爆弾3、魚雷2発を再び食らう。そして、速力は12ノットまで低下し大破する。

 

備前「くそがっ!こちら、柏木!雲龍応答せよ」

 

雲龍『こちら、雲龍。提督、どうしたの?』

 

備前「敵機の攻撃を受け大破した。その為12ノットしか出ない。至急後退の為援護を要請する」

 

雲龍『……!?……分かったわ。すぐに戦闘機隊を向かわせる……』

 

備前「ありがとう。以上、通信終わり」

 

備前は通信を終わり、刀を抜き敵機の攻撃に備える。柏木は後退をしながら敵機の攻撃を防ごうとする。だが、それが無理な場合は一機でも多く敵機を撃墜する覚悟を決めていた。

 

備前(くぅ、無理なら無理で沈む覚悟はできてるけど……残念ながら俺アッチでは主人公なのよね……俺が沈んだら、この『憲兵提督奔走記』が最終回になるし、彼方のコラボも強制終了になるから、それはまずいなぁ……でも、それはそれで沈むなら悪あがきくらいはしないとね!)

 

備前「艦載機発艦!全機、敵主力へ攻撃を開始しろ!その後、防波堤まで退避し、俺を発見次第着艦を行なえ。無理な場合は味方空母群のどれかの艦に着艦しろ!」

 

カカカッ!ブーン!

ブーン!

 

備前艦載機は全艦順次発艦を開始する。そして、発艦が完了次第敵に向かって行く。発艦が完了した柏木は佐世保防波堤まで、後退を始める。その数分後、後方の空母群から来たであろう戦闘機隊の護衛が開始される。

 

備前「さて、沈みたくはないけど、もしもの時の俳句でも考えとこうかなぁ……」

 

そんな事を考えながら後退している備前のもとに第二次攻撃隊であろう敵機が接近する。

 

備前「対空戦闘用意!撃ち方始め!」

 

ババババババッ!

ドーン!ドドドーン!

 

備前は機銃、高角砲、副砲をお構いなしにばらまく。しかし、それはあまり効果を示さず敵機は未だに柏木に接近する。

 

備前「まだだ!まだ、終わらんぞぉぉぉ!」

 

ヒュゥゥゥン!

ザン!バーン!

バーン!ドーン!

 

備前は敵の爆弾を斬り、海面に刀を振り下ろし接近してきた魚雷を爆発させる。

 

一方 勇人は……

 

勇人「オラァ!そこを退けぇぇぇぇぇ!」

 

勇人は、柏木が被弾した事を知った後、お構いなしに敵を斬っていた。

 

ザシュッ!ザン!シューン!

ドーン!

 

勇人「くそぉ、一向に敵が減る気配がねぇ……そろそろ、30なんだが……」

 

勇人は、敵が一向に減る素振りを見せない為焦っていた。

 

勇人(ちっ、ここで柏木は被弾するし、腹痛ぇし、一体何があったんだ……!?まさか……)

 

勇人「柏木!聞こえるか?」

 

備前『どうした?敵機が来てるから早めに頼む』

 

勇人「まさかだとは思うが……磯風カレー食ったか?」

 

備前『磯風カレー……食ったけど……まさか……』

 

勇人「そのまさかだ。磯風カレー食ってから体調悪くなかったか?」

 

備前『確かに、胃が痛かったな。胃薬飲んだから大丈夫だと思ってたが……磯風、あんの野郎ぉぉぉぉぉぉぉ!!ふざけやがってぇぇぇ!帰ったら、説教してやる!』

 

勇人「うるせぇ!まぁ、気をつけろ……」

 

備前『分かった。帰ったら料理あいつに叩きこむわ』

 

勇人(そっちじゃねぇよ。まず、磯風に料理させんな!)

 

勇人は通信を終わり、敵艦を斬っていく。その傍らで大和と武蔵が近接戦で敵を薙ぎ払っている。

 

柏木側妖精『こちら、備前所属零式水偵。上城中佐、敵艦隊の数確認完了。敵艦数……83隻』

 

勇人(83だと!?佐世保鎮守府を潰す気か?!だが、今は柏木がいねぇ……。俺一人で何とかするしかないな……仕方ねぇ!)

 

勇人「分かった。備前に帰還してくれ」

 

柏木側妖精『了解』

 

勇人(しかし、なんでこっちに報告してきたんだ?柏木が確認して、こっちに知らせればいいじゃねぇか……)

 

勇人「ちっ、考えてても仕方ねぇ!艤装モード『Aegis ver.2』敵を殲滅してやる!」

 

シューン!シューン!シューン!

 

トマホークが敵戦艦に向かって行く。そして……

 

ドーン!

 ドーン!

ドーン!

 

敵戦艦、空母、軽巡に当たり3隻とも轟沈する。

 

ザン!ザシュッ!カン!バァアン!

 

女性化した勇人「くたばれぇぇ!」

 

勇人は一心不乱に刀を振ったが……

 

大和「提督!燃料が無くなりました!」

 

武蔵「私もだ!」

 

勇人「チッ!馬鹿野郎!最初から飛ばすからだろ!大和!これを使え!」

 

大和「え!?こ……これは……」

 

勇人は『とある物』を大和にあげると、大和はトラウマが再発したのか震えながら言った

 

大和「原爆じゃないですか!?まだ処分してなかったのですか!?」

 

そう大和に渡したのは以前脅しとして使った『原爆』だった

 

勇人「安心しろ!最後の一個だ!それに一気に終わらすには『それ』しか方法が無ぇ!やれるか?」

 

武蔵「提督が撃てば良いのでは?」

 

勇人「この姿では撃てねぇんだよ!大和!頼む!」

 

大和「……はい!」

 

大和は腹を括ったのか強い口調で答えた

 

勇人「分かった!大和!武蔵!撃ったら直ぐに俺にしがみつけろよ!」

 

武蔵「了解!」

 

大和「分かりました!原爆、装填完了!第一主砲、発射!」

 

ドーン!

 

勇人「二人とも!掴まれ!」

 

大和 武蔵「はい!」

 

ギュッ!

 

ズシッ!!

 

勇人(重ッ!?流石は大和型戦艦だ……艤装の重さが半端ねぇな!これは俺の艤装のオーバーホール待ったなしだな……)

 

勇人「フン!掴まってろよ!飛ばすぜ!全力全開(フルパワー)だぁぁぁぁ!」

 

ブォォォォン!

 

大和「ちょ!?速いですよ!ってかパンツが……」

 

武蔵「我慢しろ姉さん!読者サービスだと思えば……」

 

勇人「メタいぞ武蔵……赤の紐パンとは随分派手な物履いているな♪嫌いじゃない」♪

 

大和「良くないです!ってか提督、見ないで下さーーーい!!」

 

武蔵「……赤の紐パンは流石に無いな……」

 

勇人「そうか?武蔵も黒の紐パンじゃないか……流石姉妹だな♪」

 

武蔵「……セクハラで訴えるぞ……提督だって女性がうっとりする様な肉体美の癖に……1回ヤらせろ♪」

 

大和「そうです♪私達のテクニックで轟沈(昇天)させてあげます♪」

 

お前ら、この小説をR-18にする気か? by うp主&三笠

 

大和 武蔵 勇人「……ごめんなさい」

 

原爆特有の茸雲と爆風を背景に勇人達は茶番をやりつつ、鎮守府に帰艦した

 

 

1724 執務室にて

 

勇人(あー重かった……肩が痛ぇ……)

 

勇人は肩を摩りながらソファーに座ると……

 

ガチャ……

 

神風似の艦娘『大龍』「……あれ、柏木がいない」

 

大龍(柏木がいないなぁ。それにしても感じの悪いのが一人いるね)

 

勇人「誰だ?お前?」

 

大龍「君こそ誰だい?」

 

勇人「俺は、此処の鎮守府の提督をやってるものだ」

 

大龍「そうなのかい。私は大龍型航空母艦一番艦の大龍だよ。よろしくね」

 

勇人「俺は、上城勇人。中佐だ」

 

大龍「ところで、柏木を知らないかい?」

 

大龍は勇人を見て、不機嫌になりながら勇人に言うと、勇人は煙草を吸い、金剛が準備してくれた紅茶を飲みながら答えた

 

勇人「あぁ、それなら……」

 

ガチャ…

 

柏木「ん?どうした?って、大龍なんでお前此処居んの!?」

 

大龍「あは♪来ちゃった。柏木、今から暇かい?私、お腹空いちゃった」

 

勇人(ブッ!?スゲェ変わりようだなオイ!?ってか雲龍!?どす黒いオーラを出すな!此処を修羅場にさせる気か!?)

 

勇人は大龍の変わりように紅茶を吹きぼし、柏木は焦りながら答えた

 

柏木「分かったから取り敢えず離れろ!後ろの空気が絶対零度と化してるから!」

 

 

雲龍「ちょっと、大龍!提督から離れたら?提督が困っているわ」

 

大龍「そうだね。離れようか。まぁ、それはそれとして、柏木。君が今回なんで負けたかわかるかい?」

 

勇人(……此処でシュラバヤ海戦待ったなし……ん?負けた?どういう事だ?)

 

柏木「いや、全く分からん」

 

大龍「それはね。君の艤装に問題があるんだよ」

 

Wオリ主「問題?」

 

大龍「そう、君は偶に小型原爆やらVT信管を使ったり、一二七式徹甲弾そして今回の五式弾を使ったよね?ってかヤクザ提督が反応するんだい?」

 

勇人「誰がヤクザだ?コラ!」

 

大龍「君以外に誰がいるんだい?ヤクザが嫌なら『悪魔狩りの双子の鬼兄』と呼べば良いの?」

 

勇人「こんのぉ……口の減らねぇアバズレがぁ……」

 

柏木「まぁまぁ……確かに使ったがそれが問題あるのか?」

 

大龍「あるんだよ。まず、原爆は普通装填して使わず落とすもの。VT信管は機銃の弾薬に使うもの、一二七式徹甲弾と五式弾は長41㎝砲に装填して使うものなんだよ。それを、無理矢理56㎝砲で使えるようにしたから使用したときに不具合が発生する。そして、本来作動する改備前型の艤装は使えなくなる。次に、電探も精度が落ちて本来より短くなり30m程でしか効果が出ない。だから、君は航空機に攻撃を受けた。それに、君、主機がやられてたよね?本来回避行動はもっと早くとる。だけど、君は投下された後に回避した。明らかに、メンテナンス不足だ。君は馬鹿なのかい!」

 

勇人「つまり本来の使い方をせず、尚且つメンテしていない56㎝砲を無理矢理使ったせいで大破したって事だな?」

 

大龍「その通りだよ……よく私の説明をまとめれたね」

 

勇人「……こう見えて元軍医だ」

 

大龍「へぇ……」

 

柏木「確かに、此処3ヵ月メンテナンスをしてない……」

 

大龍「はぁ……君はなんでそうまでしてメンテナンスをしなかったんだい?」

 

大龍は柏木の答えに強い口調で理由を聞いた

 

柏木「何かあった時、守るために……」

 

大龍「確かに君には守るものが増えた。柏木隊以外にも呉の艦娘がそうだ。そして、君は交友を広げるたびに守るものを増やしていった。どうせ、私の事も守る者のリストに入っているに違いないよ。だからってメンテナンスを怠った理由にはならない。今度から気を付けるべきだ。それじゃぁね。私は少し戻るよ」

 

柏木「……分かった……」

 

勇人(……後で大和に謝りに行こう)

 

勇人は怒りながら部屋を後にした大龍を見て申し訳なさそうに煙草を吸い、余った紅茶を飲み始めた

 

 

 

同時刻 K国近くの深海棲艦の基地にて

 

太った醜男「ふっふっふ……これで僕……いや俺は艦娘と同じ力が手に入れたんだな……」

 

男が高々に笑うと後ろから女性化した勇人に瓜二つの女性が微笑みながら近付いてきた

 

女性化した勇人に瓜二つの女性「ふふ♪しかし貴方も強欲ね♪青葉だけではなく古鷹や加古、摩耶、そして高雄の5人を融合するなんてね♪」

 

醜男「優香里さんも愛宕や鳥海、飛鷹そして足柄を融合するとは……これでアイツに復讐が出来るな♪優香里さん♪」

 

女性化した勇人に瓜二つの女性改め『優香里』「……私としては、『あの子』だけではなく私を捨てた『あの家族』そして私を捨てた原因を作った艦娘『三笠』に復讐したいだけなのよ………お願いね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優香里「『元佐世保鎮守府所属の提督』の『堤下督郎』さん♪」

 

醜男改め『堤下』「おう!任せておけ!『上坂優香里』いや旧姓『上城優香里』さん♪」

 

二人は笑いながら深海棲艦達と共に宴を始めた

 

そう自分達が勝利が決まったかの様に……

 

 

 

 



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第12話「二人の龍虎、再び……」part 5

翌日 0700 佐世保鎮守府 グラウンドにて

 

柏木「柏木隊集合!」

 

「「「はっ!」」」

 

勇人「ふぁ~……朝から元気だな」

 

赤城「ええ……全くです……」

 

柏木の掛け声で柏木隊の全員が集結する。

 

柏木「あぁ、点呼始め!」

 

「「「1!」」」

 

神通に似た女性憲兵「2……」

 

柏木「よし!」

 

勇人「よくねぇ!全員1じゃねぇか!」

 

柏木「……え?」

 

柏木は勇人の言葉に”なにか問題でもあったか?”といったような顔をしている。

 

勇人「いや、え?じゃなくて、どう考えても可笑しいだろ!お前ら何時もこうか?」

 

柏木「あ、うん。そう言えば、お前は初めてだったな……いっつもこの暗号で通してる」

 

勇人「暗……号?」

 

柏木の言葉に勇人は思い切り困惑している。

 

柏木「そう。これ、結構便利なんだよ。これで、困惑する奴いたら諜報員もしくは深海側の野郎……ってね!」

 

そう言って、一人の隊員の喉元に向け手刀を入れる。

 

神通に似た憲兵「がぁっ!?」

 

その隊員は思い切り後方へ飛び、更に擬装も解け姿を現す。

 

「「「深海棲艦!?」」」

 

憲兵改め『軽巡棲鬼』「くっ……まさか、こんな簡単なものでばれるとは……だが、そう簡単に捕まるわけにはいかん」

 

そう言って近くにいた柏木側吹雪を人質に取る。それを見た柏木は……。

 

柏木「……軽巡棲鬼、ご愁傷様です……」

 

軽巡棲鬼「貴様は何を言っている……?ぐはっ!」

 

柏木側吹雪「まさか、深海棲艦が潜り込んでいるとは……しかも、私を人質に取るとは舐められたものですね」

 

吹雪は軽巡棲鬼に冷徹な眼差しを向ける。

 

勇人(……さっそく二ヶ月前に俺が教えた技をやってやがるぜ♪さぁどうする?軽巡棲鬼ちゃんよ♪)

 

軽巡棲鬼(くっ……なんだこの殺気は……駆逐艦の出す殺気じゃないぞ……)

 

柏木側吹雪「司令官、こいつどうしますか?」

 

柏木「捕まえろ。少し用がある」

 

大龍「柏木、まさかだとは思うけど、軽巡棲鬼を捕まえてベッドウェー海戦でもする気かい?」

 

柏木「おい、人聞きの悪い事を言うな……。あと、心臓に悪いから大龍、背後から急に声をかけるのをやめろ」

 

大龍「えぇ……楽しいからいいじゃないか」

 

大龍に反省の顔色はなく、むしろいたずら好きの子供の様な笑顔を見せている。

 

勇人「柏木、ベッドウェー海戦が違うならアンアンキシムサウンドか?」

 

柏木「勇人、お前も止めろ……。しかも、実際両方とも意味は同じじゃないか!ってか吹雪にビックボス顔負けのCQCを叩き込みやがって!!」

 

吹雪「司令官!後で私にもCQCを教えてください!」

 

勇人「おう!」

 

柏木は疲れたように溜め息を吐く。現状、柏木達は軽巡棲鬼を取り囲むように立っている。そして、柏木側の吹雪が軽巡棲鬼を捕まえる為に格闘中だ。

 

大龍「君、そろそろ諦めたらどうだい?君だけじゃ私達には勝てないよ」

 

軽巡棲鬼「誰が、諦めるものか。私は此処から逃げさせてもらう」

 

勇人「……赤城、弓を構えろ、標的は奴のケツの穴だ」

 

赤城「……分かりました」

 

吹雪「え!?ちょ!司令官!」

 

柏木「はぁ……大龍、攻撃許可。ある程度傷をつけてくれ。その後入渠施設に放りこむ」

 

大龍「分かったよ。艤装展開。第一次攻撃隊発艦始め!」

 

カカカッ!ブーン!

 

ガシャーン!

 

勇人「ちょっ?!柏木!お前なぁ!佐世保鎮守府を破壊する気か!?」

 

柏木「大丈夫だろ。あと、提督室の窓、直した方がいいぞ。あれ、窓ガラス割ってるからな」

 

勇人「はぁ!?お前、いつ割ったんだよ!そんな後なかったぞ!」

 

柏木「当たり前だ。ちょっとした大龍印の迷彩使ってんだから。そう簡単にばれてたまるか!」

 

勇人「開き直るなよ………あっ……」

 

ヒュゥゥン

ドーン!ドーン!ドーン!………

 

攻撃隊の爆撃は14発当たり、軽巡棲鬼は中破となる。

 

柏木「吹雪!そいつを捕まえろ!」

 

柏木側吹雪「了解!」

 

ガシッ

ダーン!

 

軽巡棲鬼「ぐっ……」

 

柏木側の吹雪はCQCの要領で軽巡棲鬼の腕を掴み、床に叩きつける。そして、軽巡棲鬼が気絶すると、柏木側の吹雪は持っていた手錠で軽巡棲鬼の手にそれをつけ、赤城は構えを解いた

 

柏木側吹雪「司令官、捕獲完了です!」

 

柏木「分かった。大龍、あいつ運べるか?」

 

大龍「任せてくれ。それと、これが改造案だ。実際お前は今、改二だと思っているが、実際はまだ改のままだからな。だから、こいつをここの妖精に見せてくれ。そうすれば、あとはやってくれる」

 

柏木「どういう事だ?改二じゃないって……」

 

大龍「あの時の改造は改造じゃなくてただの改修。だけど、これゲームと違うから改修しても、色々とそのままだったよ。だから、56cm砲が残ったってわけさ」

 

柏木「メタイ!お前らはメタ発言しかできんのか!」

 

大龍「柏木も大概人の事言えないよ」

 

柏木は自分の事を棚に上げられ”うぐっ”と声を洩らす。

 

柏木「と、とにかく、軽巡棲鬼を入渠施設まで運ぶぞ……」

 

柏木は、軽巡棲鬼を担ぐその時に胸の膨らみが体に当たって”柔らかい”と思ったのは言うまでもない。

そして、柏木が戻ってくると皆何事もなかったかの様に朝食を摂っていた。柏木も急いで朝食を食べると、外に向かい、永木達が来るのを待っていた。

 

1000 執務室にて

 

勇人「で……なんでお前らが此処にいるんだよ!!」

 

大龍「なんでって、そりゃぁ此処は冷房が効いてるからに決まってるよ。それに、柏木は部下の訓練で忙しいからね」

 

三笠元帥「私は、昼の演習まで暇だからいるだけだけど?」

 

雲龍「此処でお菓子を食べながら、お茶を飲む為にいます」

 

勇人はそんな気まぐれな人達にイライラしながら執務をこなしていた。

 

勇人「……全く、こいつらがいるのにどうやってあいつは執務を終わらせてるんだよ……」

 

大鯨「提督は基本、ヘッドホンをして執務をしてましたよ。その方がうるさくないって言ってました」

 

勇人「へぇ、今度やってみるか」

 

赤城「ところで、大龍さんって姉妹艦いるんですか?」

 

大龍「いるにはいるよ。特令部は名前を決めてから建造するってよく分からない事をしてたからね」

 

大鯨「へぇ、どんな名前なんですか?」

 

大鯨は、体を前のめりにしながら大龍に聞いてくる。

 

大龍「確か……『黒龍』と『白龍』だったよ」

 

大鯨「そうなんですか。会えますかね?」

 

大龍「さぁ?それは、作者の都合じゃないかな?」

 

勇人「だから、メタイわ!」

 

赤城「それで、作者のナガツキさんどうなんですか?」

 

あぁ、出す予定はあるよ。ただ、出す時が問題だけどね。まぁ、あまり期待せずに居てくれ私からしても、出せる確証はないからね by 霧島ナガツキ

 

赤城「そうですか。わざわざありがとうございました」

 

それぐらい、いいさ(*´∀`) by 霧島ナガツキ

 

勇人「メタイって!しかも、なんでコラボ相手先の作者様が普通に出てくるんだよ!」

 

気にするんじゃあない。いつもの事だろ?by うp主

 

勇人「あ、さいですか……」

 

その後、勇人は執務を終わらせ昼食まで暇を潰していた。

 

14:00 海上演習場

 

勇人(体調、艤装、共に異常は無し!弾薬、燃料補給完了……)

 

勇人「ウシッ!始めるか!抜錨!」

 

ガシャーン!

 

明石 夕張「キャー!!提督の艤装がぁ!!」

 

勇人は気合いの入った声で言うと、艤装が工房から飛んできて、そのまま勇人に吸い付く様に装着した

勿論、工房から数日前に救助した明石や夕張の叫び声が聞こえたのは言うまでも無かったが……

 

勇人「金剛型特殊戦艦『三笠』!モード『Aegis ver.2』!『control mode calling mikasa!(意識モード三笠!)you have control! (身体預けるぜ!)

 

三笠「I have control!(任せて!)さて!あのグータラな三笠(柏木の彼女)には格の違いを見せてあげるわ!」

 

三笠元帥「ッ!?誰がグータラですって!?親バ艦娘!」

 

三笠「あぁ?やるのか?」

 

三笠元帥「上等よ!潰してあげるわ!」

観客席から……

 

金剛「wow!これがテートクの艤装デスカ!?It's cool!」

 

比叡「ヒェェェェ!三笠お姉様達!?これは演習なので殺気を出さないで下さーーーい!!」

 

長門「なっ!?アイツも……私達と同じ……ってか何故三笠教官に……まさかアイツは吹雪が言ってた……」

 

吹雪「はい!あの訓練生です♪」

 

長門「……そうか」

 

川内(……ってことはアイツが前任が言ってた『蒼白龍』……いや『戦場の狂龍』と言われてた訓練生だったのか……私達……)

 

勇人(人間)を恨んでいた艦娘達「……死んだな……私達……」←絶望に満ちた目に……

 

他の艦娘達&柏木側の艦娘達「自業自得よ!」

 

榛名「はぁ~♪一瞬でしたが提督の凛々しいお姿……素敵です♪(提督は仕返しなんか考えていません!しっかりしてください!)」

 

W霧島「榛名!本音と建前が逆になっているわよ!ってか貴女が一番しっかりして!」

 

榛名「あっ………」

 

赤城「気持ちは分かりますが、そろそろ始まりますよ♪」

 

三笠は意気揚々に演習場に入り、柏木はマイクを持ち、試合宣言をし始めた

 

柏木「マイクチェックの時間だゴルアァァァァァ!三笠教官対三笠総司令の演習を始める!演習……始めぇぇ!!」

 

W霧島「それ私達の台詞!」

 

ドーン!

 

シューン!

 

お互い初撃を与えるべく、開始を同時に三笠元帥は主砲を、三笠はトマホークを発射した。

 

三笠元帥「対空射撃始め!」

 

ダダダダダダッ!

バーン!

 

三笠「CIWS撃ち方始め!」

 

ドドドドドド!

 

W三笠「全主砲、放て!」

 

ドドーン!ドドーン!ドドーン!

 

三笠元帥は対空射撃でトマホークを撃ち落とすと、全主砲を発射した。対し三笠はCIWSを撃ちつつ次のトマホーク発射のタイミングをうかがっている。ちなみに、三笠元帥の主砲は全て、41cm砲となっておりその他の対空火器もそれに合わせ近代化されている。

 

柏木「どっちが勝つと思う?」

 

大龍「そりゃぁ、三笠教官だよ」

 

柏木「俺は、彼女の方、信じてみるさ。だけど、勝つかどうか微妙なんだよねぇ」

 

大龍「相変わらずだね。まぁ、昔から知ってるけどさ」

 

今回の演習でただ見ているだけの柏木と大龍の二人はそんなことを言っている。

 

三笠「魚雷発射!トマホーク発射!ハープーン発射用意!」

 

シューン!

 

三笠元帥「対空戦闘始め!主砲、前方のミサイルに目標定め!撃ち方始め!」

 

ダダダダダダッ!

ドドーン!ドドーン!ドドーン!

 

バーン!

 

三笠「ハープーン発射!」

 

シューーン!

 

三笠元帥「くっ……だが!副砲、放て!」

 

ドーン!ドーン!

 

バーン!

 

三笠元帥は対空砲火と主砲、副砲の合わせ技でミサイルを迎撃していく。そして、それを見た三笠は刀を抜き副砲を捌きながら一気に三笠元帥に接近する。

 

カン!

 

三笠「まさか、主砲で防ぐとはな。だが、この刀には勝てん!パージ!」

 

カン!ガン!キーン!

 

三笠元帥「甘いわね。疾風からこれを借りてよかったわ」

 

三笠元帥の手には圧切長谷部が握られている。

 

三笠「柏木め、余計なことをしよって……」

 

カン!ガキィン!ブン!パシッ!

 

三笠「セイッ!」

バァアン!ガン!

 

三笠元帥「くぅ……結構痛いわね。でも、ここで負けるわけには……」

 

三笠元帥は斬撃を防ぎ殴りかかるが防がれ、横腹を蹴られる。

 

大龍「あぁあ~三笠総司令押されてるね」

 

柏木「まぁ、無理もないか。あいつ、執務ばっかりやってたからな。それに比べて向こうは……」

 

三笠元帥を見た後、三笠に目を向け溜め息を吐く柏木。その先には、刀を平然と振り三笠元帥にダメージを与えようとする三笠の姿が目に映る。三笠元帥は完全に防戦一方だ。

 

三笠「そろそろ、負けを認めたらどうだ?」

 

三笠元帥「ふふふ、そう簡単には認めないわ。認めるなら、そうね。私の艤装が全部なくなった時かしら」

 

三笠「そうか。なら、そうしてやろう」

 

三笠(何を企んでいる。可笑しい、防戦一方なのは何か不自然だ)

 

三笠元帥(やっぱり、訓練くらいはやっておくべきだったわね。でも、あの訓練はひどいわね。私はきついから最近やってないな……)

 

完全に深読みをしている三笠と、防ぐので精一杯な三笠元帥だった。だが、その二人の決着もつこうとしている。

 

W三笠「はぁぁぁぁ!!」

 

ザン!

 

両者とも同時に踏み込み、斬りかかる。そして、決着は……。

 

バタン

 

柏木「演習終了!勝者、三笠教官!」

 

三笠元帥が倒れると同時に、演習終了の合図をする柏木。そして、三笠元帥を起こしに行く。

 

柏木「三笠、大丈夫か?」

 

三笠元帥「きゅ………」

 

柏木「あぁ、駄目だ。気絶してる。はぁ……仕方ない運ぶか」

 

柏木は、三笠元帥を持ち上げると、陸に向かう。そして、陸に着くと医務室まで運び、自分は永木達の訓練を始めた。訓練が終わり、その後晩飯を食べに行くと何故か、艦娘達に囲まれた。

 

1900 食堂

 

夕立「柏木さん!柏木さんって艦種の中でどれが一番好きっぽい?」

 

その瞬間食堂の空気が微妙に固まるのを感じた。

 

柏木「空母が一番好きかな。次に駆逐、軽巡」

 

柏木側時雨「重巡は重巡はどうなの?」

 

柏木「重巡はジャーナリストがいるからNG。それを除けば基本は問題なし」

 

三笠「そういえば、柏木少将は昔、本部所属の青葉に捏造記事書きたてられてたな……勇人、身体返すわ……後、腰を治療して!腰が痛かったから!」

 

ピカーッ!

 

勇人「はいよ……」

 

三笠が思い出したように言うと勇人に身体を返した

 

柏木「あれは誇張がひど過ぎだ!何が、柏木大佐は巨乳好きで、戦艦が好きだ。俺は空母が一番好きだ。それに、空母運用主義は正義!」

 

柏木は、記事の内容を言ったあと、自分の主義について喋った。

 

時雨「柏木さんは駆逐艦の中では誰が好きなのかな?」

 

柏木は、時雨の一言で食堂内の駆逐艦の周りの空気が固まるのを感じた。

 

柏木「……え?それ聞くの?食堂の空気がやばいんだけど……」

 

柏木側時雨「いいから、早く言ってくれないかな?」

 

柏木(まずいまずいまずい!これ、場合によって俺死ぬぞ!どうする!どうやって切り抜ける……逃げる?いや駄目だ。捕まったら絶対に吐かされる……なら、一体どうすれば……いや、これは場合によってロリコン判定を食らう。なら、別の事を考えないと……は!いいじゃないか。もう素直に言えば。それなら、別に問題ない!)

 

柏木「……陽炎型かな」

 

柏木側時雨「なら、その中で好きなのは?」

 

柏木「2、9、11、12、13番艦……って、は!?」

 

柏木(しまった。つい、口が滑った……)

 

柏木「は、勇人……助けて」

 

勇人「柏木、お前の事は忘れない………」

 

柏木「この、薄情者ぉぉぉ!」

 

その後柏木は滅茶苦茶質問攻めにあった。

 

 

 

 

 

2000 旧『前任専用の娯楽室』改め『艦娘用の多目的部屋兼勇人のガレージ』にて

 

カーン!

 

カーン!

 

ウィーン!

 

ジジジジ……

 

部屋には溶接や鉄材を変形させる為に熱したり、色んな物を加工している勇人、明石そして夕張がいた

 

勇人「……ふぅ、何とか消毒と改装は終わったな♪手伝ってくれてありがとうな♪明石に夕張♪」

 

明石「いえいえ♪しかしよく思い付きましたね♪執務室の縮小、そしてここを多目的部屋兼ガレージにするなんて♪」

 

夕張「全くです♪普通なら、さっさと壊すのに……」

 

勇人「元々、此処は『艦娘用の娯楽室』だったからな♪メンタルケアしていく上で壊す訳には……ッ!?抜錨!誰だ!?」

 

明石 夕張「!?」

 

勇人は一息入れ、懐から煙草を取りだし、口にくわえると後から人気を感じ、艤装を装着し、CIWSを構えると明石と夕張は勇人の背中の後ろに隠れる様にしがみつくと、扉から艦娘達が入ってきた

 

長門「……私だ」

 

川内「……ここが奴の秘密部屋か……いや今はアンタのガレージ兼私達の多目的部屋か……」

 

鹿島「……たった数日でここまで……」

 

蒼龍「……異常だ」

 

陸奥「ヒッ!?ちょっと!?機関銃(CIWS)を向けないで!?」

 

入ってきたのは長門と川内、陸奥、鹿島に蒼龍……そう前任のせいで人間を恨んでいる艦娘達だったのだ

 

勇人「……俺を殺しに来たのか?」

 

明石「ッ!?提督を殺すのは……」

 

夕張「私達が許しません!!」

 

二人は慌てて艤装を着けると長門は二人を宥める様に伝えた

 

長門「違う!私達は、みんなの代表として謝りに来たのだ!貴様……いえ提督……着任してから今まで……」

 

川内「数々の御無礼や反抗、そして影口を叩き……」

 

川内 長門 陸奥 鹿島 蒼龍「すみませんでした!!」

 

勇人 明石 夕張「……へ?どういう事?」

 

勇人達は五人が土下座しているのを見て混乱していると五人の後ろから一馬と柏木に大鯨、それに金髪でアメリカの国境を模した模様が入った露出の高い艦娘が入ってきた

 

一馬「よぉ勇人……調子はどうだ?」

 

柏木「お前……なにしてんだ?艦娘達に土下座させてよ……場合によっては逮捕するぞ」

 

大鯨「多分提督が思っている様な事では無いと思いますよ……上城中佐に明石さんに夕張さん♪改装御疲れです♪差し入れのオニギリを持ってきました♪」

 

明石 夕張「ありがとう大鯨さん♪」

 

金髪の露出の高い艦娘改め『アイオワ』「Hi♪Jr♪お久し振りデース♪」

 

勇人「アイオワまで!?……柏木や大鯨はともかく、何で親父とアイオワがいるんだ!?それにアイオワ!Jrは止めろ!後、大鯨、オニギリありがとう♪」

 

大鯨「いえいえ♪ってか何故長門さん達は土下座を?」

 

明石「さぁ?」

 

夕張「分かりません……」

 

勇人「俺らが聞きてぇよ……長門、何故土下座なんかするんだ?」

 

長門「……吹雪から聞きました!貴方が本来、吹雪の……提督だと……そして提督の御父様とアイオワから貴方の経緯を聞き、私達は今までの行動に情けなく思い、自分自身のケジメの為、今に至ります!」

 

川内「……勿論許して貰えるとは思っていません!着任して早々、貴方を殺すつもりで魚雷を発射したり大和さん達を使って暗殺しようとしてましたので……」

 

陸奥「……いかなる罰も受けます!解体だって喜んで……勇人「……んじゃ!早速『罰』を受けてもらおうか?まずは陸奥!お前からだ!」……ッ!?分かりました……お願いします」

 

柏木(勇人……ッ!?なるほどな♪生易し過ぎる罰だな♪)

 

大鯨(クスッ♪そうですね♪)

 

勇人は、怖がり震え、目を瞑っている陸奥に近付き、そして陸奥の頭に……

 

 

パチン!!

 

陸奥の頭に何かを弾いた様な音が響いた

 

陸奥「……へ?デコピン?」

 

そう、勇人は陸奥の額にデコピンをしたのだ

 

勇人「最初の罰……自分自身の命を粗末に扱った事だ……それに俺はテメェらに『俺自ら、前任を捕まえて、目の前でケジメをつけさせる』と言った筈だ……だから……」

 

陸奥「だから……」

 

勇人「オメェラが俺に詫び入れる必要なんて無ぇよ……お前達は前任の行為によく我慢した!そんなオメェらに俺は……罰を与える事が出来ねぇし、するつもりも無い!」

 

勇人は五人に優しく諭す様に続けて答えると、五人は納得出来ず、声を荒げて言った

 

 

長門「……私達は提督を殺そうとしたのだ!!提督は私達に……不問と……これじゃ私達が……罰を受ける価値の無い兵k……アイオワ「stop!長門!そのwordはJrが一番嫌うwordデース!」……しかし……」

 

鹿島「本来の提督では有り得ない発言……いえ処分を言ったのですよ……ヒック……こんなに汚れに汚れた私達を……ヒック……」

 

勇人「……鹿島、ちょっと来い……」

 

鹿島「はい……」

 

ギュッ……

 

 

鹿島「ッ!?提督さん!?」

 

柏木「お!?大胆な事をする……大鯨「提督は黙って下さい」……アッハイ」

 

明石 夕張(羨ましい……イケメンで、あの肉体美に抱擁は……狡いです!!)

 

鹿島は自分自身の情けなさや悔しさ、そして勇人に見捨てられたと思ったのか、泣きながら言うと勇人は鹿島に抱擁し、優しく言った

 

勇人「確かに俺は本来の提督では有り得ない発言をした……だがそれは俺の『信念』……いや俺自身に嘘をつきたく無かったからだ。それに俺からしてみれば、他の艦娘達を守る為にお前達は自ら汚れ役しに行ったんだろ?そんなお前達に『汚れてる』とは思ってねぇよ♪だから今までの事は不問(チャラ)だ!これは『命令』だ!分かったか?」

 

蒼龍 長門 陸奥 川内「上城中佐……いえ提督!ありがとうございます!」

 

鹿島「提督さん……うわーーーーん!!」

 

ミシミシミシ……

 

勇人「!?」

 

明石 夕張 大鯨(あ……何か……)

 

一馬 柏木(勇人の腰から……)

 

アイオワ(とてつもなく『嫌な音』がシマース……)

 

勇人の言葉に五人は嬉し泣きをし頭を下げた

鹿島は勇人の腰を強く抱きしめ、勇人の胸に埋める様に号泣した

 

 

勇人「気にすんな……ってイテテテテテ!ちょ!?鹿島!腰が!腰が!」

 

鹿島「うわーーーーん!」

 

ゴキッ!!

 

勇人「腰………が!」

 

ガクッ……

 

アイオワ「ねぇカッシー……Jrが……落ちているわ」

 

鹿島「え!?嘘!?御免なさい提督さん!?起きて下さい!」

 

一馬 柏木(うわ……ひょっとして勇人の運の数値って……)

 

明石 夕張(……この姿ですと艦娘の中では史上最悪の数値『1』です……)

 

……泣けるわね by 三笠

 

勇人は先日の件で腰を痛めており、鹿島の強い抱擁がトドメになり腰の激痛に耐えきれずに気を失ったのは言うまでも無かった

 



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第12話「二人の龍虎、再び……」part 6

翌日 0800 執務室にて

 

ガサゴソ……

 

勇人「……あった♪」

 

勇人は持参した救急箱をあさり、『鎮痛剤』と書かれた薬の袋を開け、錠剤を取りだし服用した

 

勇人「ゴクン……ふぅ……良かった、鎮痛剤が残っていて……」

 

コンコン……

 

勇人「ん?開いているぞ♪」

 

ガチャ……

 

鹿島「おはようございます提督さん♪腰は大丈夫ですか?後、朝食です♪」

 

鹿島は御盆に珈琲とサンドイッチを載せ、それを勇人の机の上に置いた

 

勇人「おはよーさん、今さっき鎮痛剤を飲んだから、ある程度は大丈夫だ……多分……」

 

鹿島「あまり無理はしないでくださいね……」

 

ガチャ!

 

大和 武蔵「おはようございます!一昨日はすみませんでした!」

 

勇人「おはよう……お前らノック位はしろよ……あの時は仕方無かったから良いぞ……後、鹿島、あの書類を持ってきてくれないか?」

 

鹿島「分かりました♪」

 

鹿島は書類を手に取り、勇人に渡すと廊下から……

 

金剛「てーーーいーーーとーーーくーーー!」

 

勇人「またか……大和」

 

大和「……分かりました」

 

勇人は頭を抱えつつ席を立ち、二人に言うと、大和は勇人の椅子に座り、勇人は武蔵の後ろに移動した

 

そして……

 

ガチャ!

 

金剛「Burning love!」

 

ピョーン!

 

ガシャーン!

 

金剛「ん~♪good morning♪テーt……あれ!?テートクにしては女性の香水の香り……」

 

大和「……私です!おはようございます金剛さん」

 

金剛「what!?大和hotel!?テートクは?」

 

大和「……ぶっ飛ばしますよ?」

 

金剛「……sorry……所で大和、テートクは?」

 

大和「あちらです」

 

勇人「……ふぅ、回避成功」

 

金剛「避けないで下サーイ!折角のburning loveが……」

 

勇人「一昨日の出撃で肩と腰を痛めたんだよ!!」

 

金剛「I see……大和に武蔵、少しはdietして下サーイ!」

 

大和 武蔵「……正論過ぎて何も言えない……」

 

勇人「金剛、一応言うが重いのは大和達の艤装だ……彼女達自身は、そんなに重くねぇから……それに、あの時は仕方が無かったんだ、目を瞑ってやれ」

 

金剛「understand……テートクがそこまで言うのなら……」

 

鹿島(ってかフル装備の二人を持ち上げ、鎮守府に持ち帰るって……化け物ですか!?)

 

金剛が渋々納得し、勇人は提督用の椅子に座ると……

 

ガチャ……

 

柏木「勇人、戻ったぞ」

 

勇人「おう、お疲……はっ!?なんで深海棲艦ここに連れてきてんだ!」

 

柏木「あぁ、軽巡ちゃん、今日から極秘に呉所属だから。報告したら、金銭援助の件で上層部にチクるよ」

 

勇人「分かって……って、なんでそんなことも知ってんだ!どこ情報だ!」

 

柏木「柏木隊を馬鹿にしちゃいけない。柏木隊には相模というハッキングのプロがいるから、そいつの趣味で、大規模な組や暴力団関係者のとこもハッキングしてるからな。これがバレたことは一度もない!」

 

柏木は自分でやったことではないのに、何故かドヤ顔で言う。

 

勇人「という事は……神城会にも……」

 

柏木「もちろんだ!ハッキングはされている。言ってもいいが異常は見つからないと思うぞ。どこぞの近隣諸国にもふざけてハッキングして軍や政府の機密情報盗み見て大々的にネットで暴露したからな」

 

勇人(柏木隊って化け物だらけじゃねぇか!)

 

柏木「それを言ったら、勇人も大概化け物じゃねぇか。お前今、何だと思ってるの?神城会のトップの孫で艦息だろ。なら、お前もじゃねぇか」

 

勇人「柏木、人の心読むのやめろ!」

 

柏木の心を読んでの返答に、苛立ったのか、先程より声を大きくして言う。

 

柏木「まぁ、いいじゃないか。ところで、今日暇か?組や暴力団関係者潰しに行くんだけど」

 

勇人「いいぜ♪今仕事を終わらして、ちょうど暇だったんだ」

 

それを、聞いて柏木がニヤリと笑った。

 

柏木「なら、よかった。じゃぁ、昼から行くから。準備してろ」

 

そして、柏木達は返答も聞かず部屋を出ていく。

 

バン!!

 

勇人「ん?どうした鹿島?」

 

鹿島「提督さん!?一体どういう事ですか!?世界最強の極道組織の神城会から金銭援助を受けているなんて!?」

 

大和「……鹿島さん、提督の経歴はご存じですか?」

 

鹿島「経歴?いえ知りませんが?」

 

大和「実は……」

 

柏木の発言に怒り狂った鹿島に大和は優しく諭す様に説明した

 

大和「……と言う訳です」

 

鹿島「……提督さんが上城財閥の御曹司で会長の孫ですか……まさか給料問題が解決したのは!?」

 

武蔵「ああ……会長自ら鹿島達に振り込んだのだ」

 

鹿島「……柏木さんだけではなく、違うベクトルで提督さんも化け物ですね」

 

勇人「……否定出来ないな……」

 

大和「そこは否定して下さい!!」

 

勇人「……大和、普通に考えたら提督が艦娘と一緒に戦場に行くわ、身内が海軍のスポンサーでもあり世界最強の財閥兼極道組織なら否定したくても出来ねぇぞ!」

 

大和「……そうですね」

 

ちなみに、数分後、柏木の妖精が工廠から持って来た改装報告書を見て、勇人は……

 

勇人「ブッ!?……嘘だろ……資材が半分も減っているし……」

 

ガシャーン!

 

大和 金剛「提督(テートク)!?しっかりして下さい(サーイ)!」

 

武蔵「ん?どれどれ……ッ!?嘘……だろ……」

 

鹿島「……只でさえ佐世保鎮守府(私達の所)の資材が少ないのに……泣けますね」

 

資材が半分も減っている事に立ち眩みが起き、椅子から落ちたのは言うまでも無かった

 

数時間後 0930 執務室 

 

柏木「そういえば、吹瀬。組と暴力団関係者の人間処分どうする?応戦したら射殺や刺殺も止む無しと思ってるが……」

 

吹瀬「分かりました。では、無抵抗なら捕縛してください。まぁ、できるなら死者0でいきたいですが……。頼みます」

 

柏木「はいよ。じゃぁ、俺は永木達に言ってくるから、報告書はでき次第そっちに送るよ」

 

吹瀬「はい、では気をつけて」

 

勇人「ちょっと待て」

 

柏木は執務室から出て行こうとする。しかし、それを勇人が阻止する。

 

柏木「何だ、俺は忙しいんだ。用件は早くしてくれ」

 

勇人「一つ聞きたい。資材は何に使った?」

 

柏木「改装に決まってるだろ。報告書見なかったのか?」

 

勇人「見たわ!何だよこの弾薬5000に鋼材6200ってなんだよ!資材半分解けたじゃねぇか!」

 

柏木「気にするな!後日、資材10000送るから気にすんな」

 

起こる勇人に、柏木は後日資材を送るという事で落ち着かせる。

 

勇人「はぁ……今度、無断で資材を使ったらぶっ殺すぞ」

 

柏木「君に、そんな事ができるのかな?」

 

勇人「心底、腹の立つ奴だ……」

 

柏木「その『腹の立つ奴』について行くんだろ?なら、諦めろ」

 

そして、柏木は部屋から出て行った。

 

勇人「チッ……という訳で、お前ら……昼から席を外すから何かあったら連絡しろよ……スズッ……あ!?この珈琲……旨いな……この味わいから察するに『コスタリカ産』の珈琲豆を使っているだろ?」

 

鹿島「フフッ♪正解です♪柏木さんの所の大鯨さんに珈琲豆をお裾分けをしてもらったのですよ♪よく分かりましたね♪」

 

金剛「what!?テートクは紅茶派じゃなかったのデスか!?」

 

勇人「俺は基本、紅茶だけではなく珈琲もイケるクチなんだよ♪」

 

鹿島「なら、今仕事が無いのなら香取姉ぇと珈琲タイムを過ごしまs……金剛「何を言っているのですか!テートクは半艦息ですが私と同じ『金剛型』なので比叡達とティータイムをする予定デース!さぁ青年向け雑誌のヒロイン(薄い本でヤりまくっている艦娘)get out here now(退場デース)!」……少しは黙って下さい『似非外国人』の金剛さん♪最近アイオワさんみたいな『海外の軍艦』が出てきて影が薄くなっているそうじゃない♪それに青年向け雑誌のヒロイン(薄い本でヤりまくっている艦娘)に関しては貴女も人の事が言えないのでは?」

 

金剛「なんだと……」

 

鹿島「あら?殺りますか?」

 

ゴゴゴゴ……

 

バン!!

 

金剛 鹿島「!?」

 

勇人「……オメェラ!喧嘩するんなら外でやれ!大和と武蔵!こいつらを摘まみ出せ!」

 

大和「分かりました」

 

武蔵「了解した」

 

ガシッ!

 

金剛「ッ!?大和hotelに武蔵旅館!離して下サーイ!!」

 

鹿島「そうです!箱入り娘は箱入り娘らしく黙っていて下さい!」

 

ブチッ!

 

勇人(あ!?あの馬鹿!?大和達を怒らせやがって……知ーらないっと)←大和達を武力で止めれる唯一の艦息

 

大和「……どうやら」

 

武蔵「お仕置きが必要みたいだな……提督、私達も席を外すぞ」

 

勇人「程々にな……」

 

金剛「テートク!?」

 

鹿島「助けて下さーい!死にたくないですぅぅぅ!」

 

その後、演習場で金剛と鹿島は大和と武蔵に大破状態にさせられた(ボコボコにされた)のは言うまでも無かった

 

1300 鎮守府正門

永木達と話をした結果、近いところから遠いところにといった具合だった。そして、永木達も抵抗する者は始末する予定だったらしい。そして、結局話し合いは完全にオタク達の話と化していった。

そして、今に至る。

 

柏木「じゃぁ、行くか。全員89式と刀、そして閃光発音筒、最後に本全員持ったな?」

 

「「「はい!」」」

 

勇人「なんだよ、本って?」

 

柏木「あぁ、お前は読まないと思って渡してなかったな。いるか?」

 

勇人「一応貰っとくぜ」

 

柏木「はい。作戦終了後に返せよ」

 

勇人「サンキュー♪って、何だこれ!?」

 

柏木から受け取った本はラノベで、表紙には艦娘がでかでかと書かれていた。

 

柏木「何だって、ラノベだけど?後、薄い本もあるぞ♪」

 

勇人「なんで、ラノベ渡すんだよ!他にねぇのか?!ってか憲兵がエロ本を持参しても問題無いのか!?」

 

「「「無いよ」」」

 

柏木達は顔を見合わせた後、同時に勇人の問いに”無い”と返す。

 

勇人「はぁ……。もういいわ。諦める……」

 

柏木「よし、なら行くぞ!」

 

そして、柏木達は5台用意した車に乗り込み鎮守府を出た。

 

数分後 佐世保市内 極道組織『回天組』付近にて

 

柏木「さて、回天組佐世保にある中の一つ。此処潰すぞ」

 

勇人「なぁ、柏木。佐世保はどれくらいこの手の組織があんだ?」

 

柏木「3つかな。此処とお馴染み、桜花連合、そして、上層部に潰すなと言われた神城会。まぁ、神城会はお前の祖父が会長だし、軍も色々世話になってるから潰すわけにはいかないし潰すと後々怖いからな」

 

勇人「大変だな。憲兵も……」

 

柏木「まぁな。でも、柏木隊は特別で給料高いぞ」

 

柏木は軽く笑いながら言った。

 

勇人「どれくらいなんだ?」

 

柏木隊隊員「……月120万ですよ。上城中佐」

 

勇人「ひゃく……120万!?……いてっ」

 

勇人は驚き、声を上げる。だが、五月蝿かったのか柏木に無言で頭を叩かれる。

 

柏木「声がでかい。後、そろそろいくぞ。此処を制圧する」

 

「「「了解」」」

 

勇人(俺の倍じゃねぇか……)

 

そして、事務所のある2階まで行くと、インターホンを鳴らす。ちなみに、3人程1階で組員を待ち構えている。すると、ドアが開いて組員が出てくる。

 

組員「あ?誰だてめぇら?」

 

柏木「憲兵だ。大人しくしろ」

 

組員「憲兵だ?調子乗ってんじゃねぇ!」

 

ブン!パシッ!バン!

 

柏木は組員のパンチを防ぐとその組員の腹を殴る。

 

柏木「はぁ……憲兵に抵抗するなと教わらなかったのか?まぁ、いい。憲兵だ!こいつが抵抗したんで今から制圧を開始する!」

 

柏木が殴った相手の頭を掴み持ち上げると、事務所に入り、声を張り上げて言った。

 

組長「なっ!?馬鹿野郎!憲兵に手ぇ出すなつったろうが!ってか何故、神城会の若造がいるのだ!?」

 

柏木「……全員、突入開始。抵抗して刃物や拳銃出してくる奴は殺せ」

 

「「「了解!」」」

 

柏木隊が突入を開始すると、10分後に制圧が完了した。

ちなみに、怪我人だけで死者は0。皆、自分の愛刀を組員の血で汚すのは嫌なのか、服に返り血は着いていなかった

 

柏木「さて、次行くか」

 

勇人「おい、こいつらどうすんだ」

 

柏木「あ?あぁ、そいつらは直に他の隊が来るから放置。それに、あれじゃぁ逃げようとは思わんだろ」

 

そして、柏木隊は次に向かう。

 

数時間後 桜花連合本部

 

柏木「さて、絶対抵抗してくるから、全員銃を携帯しろ。いい加減、神城会に迷惑かけるやつらを潰すぞ」

 

「「「了解!」」」

 

そして、先ほどと同じ様に人が出てくるのを待つ。

 

組員「誰だ?」

 

柏木「はい。私は、憲兵ですがお宅の事務所の家宅捜索に参りました」

 

組員「何だと、てめぇ。此処が何処だか分かって言ってんのか?」

 

組員がドアを開けてその様な事を聞いてくる。

 

柏木「分かってますよ。桜花連合の本部ですよね?」

 

組員「だったら、痛い目見ない内にさっさと帰れ!」

 

柏木(はぁ……未だに憲兵と警察をなめている組があるとは……)

 

勇人(……やれやれ)

 

柏木「そうか。だったら、やってみろよ」

 

組員「いいぜ、やってやるよ」

 

そして、相手は懐にしまっていた拳銃を取り出す。

 

柏木(へぇ、拳銃出すんだ。死にたいんだ。俺は別にどうでもいいけどさ。少しは憲兵の恐さを知って貰わないと、桜花連合の支部を憲兵本部が全力で潰してた意味無いんだよね)

 

柏木「拳銃を出すのかぁ。そうなのかぁ」

 

組員「何だよ?怖くなったから逃げるのか?」

 

柏木「まさか、そんな訳ねぇだろ!」

 

グシャッ

 

組員「……!?こい……つ……」

 

バタリ

 

柏木「安心しろ。峰打ちだ」

 

勇人「明らかに、峰じゃない方で斬ってなかったか?」

 

柏木「大丈夫、これ逆刃刀だから」

 

勇人「あ、そう」

 

勇人(……お前はどこぞの抜刀斎か……)

 

柏木「突入だ!久しぶりの殺し合いになるかも知れんぞ!それと、一人も逃がさず捕まえろ!」

 

「「「了解!」」」

 

柏木の合図で永木始め全員が中に入る。発砲音も聞こえるが、防弾チョッキと永木の剣術で問題はないだろう。

 

柏木「勇人、行くぞ」

 

勇人「分かった!抜錨、金g……柏木「オイコラ!艤装は着けるな!」……悪い、つい癖で……」

 

柏木達も後を追うように、中に入っていく。すると、抵抗したのか数体の死体が転がっていた。残りは負傷しているが生存者ばかりだ。

 

勇人「無残だな」

 

柏木「何言ってる。暴力団とかは抗争なんてやったらこんなもんだろ。それに、吹瀬からは抵抗したら殺してもいいと許可はもらってるんだ。徹底的にやるさ。桜花連合を潰す為に、生存者も死者も関係ねぇ。どちらも等しく憲兵、国家、神城会、軍に喧嘩を売った連中だ。情けなんていらねぇ。それは、そうとそろそろ組長の部屋だぞ」

 

中を適当に走り、最上階を目指していた。基本組長などは最上階で敵襲にあった時に、逃げ切る確率を上げる為、組員に時間稼ぎをしながら非常用階段などから、逃げる。

 

 

勇人「そうか。なら、そこのドア。同時に蹴破るぞ」

 

柏木「いいねぇ。面白そうだ。……そうれ!」

 

勇人「オラァ!」

 

柏木の合図で同時にドアに向かって蹴りを入れ壊す。すると、部屋の中に居た組長と思われる者が驚く。

 

桜花連合会長「貴様らは何者だ!?」

 

柏木「通りすがりの憲兵だ。お前もそろそろ年貢の納め時だな。大人しくしろ」

 

桜花連合会長「ふん。そっちの若造は神城会の会長の孫か……」

 

勇人「そうだが。なんだ?」

 

桜花連合会長「まさか、色々と邪魔をした報復か?」

 

勇人(……まぁぶっちゃけ半分は身内の報復だが黙っておくか……)

 

勇人「まさか。俺は軍人だ。それに、これは憲兵への上層部からの命令だからな。神城会は関係ねぇ」

 

桜花連合会長「そうか。最後に一つ聞くが。下はどうなってる?」

 

組員を心配しているのかそんな事を聞いてきた。もちろん、答えるのは柏木だ。

 

柏木「下の人間は数人死者が出てるよ。他はよくて打撲だろう。生きているので一番ひどいのが切断だな。申し訳ない事をしたな」

 

桜花連合会長「構わんよ。いつかは、こうなると覚悟はできていただろう。儂を捕まえるなら捕まえろ」

 

柏木「そうですか。……では、失礼。なるべく刑は軽くなるよう言っておきますので、次会う時は定食屋かどこかで酒でも飲みましょう」

 

柏木は近寄り、手錠をかけながら言った。

 

桜花連合会長「そうだな、会えたら一度飲んでみたいな。ところで、お前はどこの出身だ?」

 

柏木「自分は岡山の出身です。そして、久しぶりですね」

 

桜花連合会長「……!?はは、そうか。君だったか。でかくなったな」

 

勇人(なっ!?柏木と知り合いだったのか!?何か悪い事をしたな……)

 

会長は少し驚き、二人称を”お前”から”君”に直して言う。

 

柏木「えぇ、あの時は感謝していますよ。ですが、恩人に手錠をかけさせるのは嫌ですね。それでは、行きましょうか」

 

柏木は、誘導して外の車に乗せる。その後、残りは駆け付けた他の憲兵隊が処理をしていった。ちなみに、他の憲兵隊は救急車と一緒に現場に到着したとか。

 

数時間後 輸送車内にて

 

勇人「……『桜花 繁』あんたに聞きたい事がある」

 

桜花連合会長改め『桜花』「なんだ?藪から棒に……」

 

勇人は手錠に掛けられている桜花に聞いた

 

勇人「……何故深海棲艦そして龍光会と手を組んでいるんだ?」

 

桜花「………言えんな」

 

桜花はぶっきらぼうに答えると勇人は溜め息をつき質問を変えた

 

勇人「頑固ジジイだな……なら質問を変えよう……深海棲艦と龍光会に何を『脅された』のか?アンタの事だ、余程『大事なもの』を取られたり見付かったりしない限り、憲兵や軍、堅気、神城会には手を出さない組織だった筈だが」

 

桜花「ッ!?」

 

勇人が桜花に鎌をかけるように聞くと桜花は悔し涙を流し答えた

 

桜花「流石、神城会のジジイの孫だな……そうじゃ……儂の孫娘が龍光会と深海棲艦に誘拐されたのじゃ……孫娘を助ける条件が……」

 

勇人「軍と神城会を潰す事……だったんだな」

 

桜花「そうじゃ……だがアンタ達がカチコミをかけたせいで、桜花連合は終わりじゃ……なぁ!アンタを神城会の人間としてはなく、『海軍の人間』としてお願いしたい……孫娘『優花』を助けてはくれないか!どうか!この老いぼれの願いを聞いてくれませんか!」

 

組員達「お願いします!どうか……お嬢を助けて下せぇ!」

 

勇人「……」

 

勇人は深々と頭を下げている桜花や負傷した桜花連合の組員達に負けたのか溜め息をつき答えた

 

勇人「……ったく変に頑固になりやがってよ!」

 

桜花「ッ!?まさか……」

 

勇人「……あくまで『桜花連合会長』としては無く『柏木の友人』として聞いてやるよ……俺もアイツには恩があるしな♪」

 

桜花「ありがとう……本当にありがとう……」

 

組員達「ありがとうございます!兄貴!」

 

勇人「……勝手に兄貴扱いしても困るんだけどな……対立組織的な意味で……まぁ佐世保鎮守府についたら全部吐けよ」

 

桜花「勿論じゃ!桜花連合は解散したが、この若造……いや『神城の救済龍(きゅうさいりゅう)』に全面協力するぞ!分かったかテメェラ!!」

 

組員達「分かりました!親父!宜しくお願いします!龍の兄貴!」

 

勇人「……やれやれだな……勝手にしろ」

 

勇人は諦めた口調で了承すると桜花や組員達は歓喜した

 

ただひたすら海軍や『優しき黒虎徹(柏木疾風)』そして『神城の救済龍(上城勇人)』に感謝するように……



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第12話「二人の龍虎、再び……」part 7

0600 憲兵所 留置場にて

 

柏木「ふわぁ……っと、勇人、一体朝早くから起こして……どうしたんだ?」

 

柏木は勇人に起こされ、欠伸をしながら勇人に聞いた

 

勇人「……何故、桜花のジジイが深海棲艦、そして龍光会と手を組んだ……いや『脅された』訳を聞いたんだ」

 

柏木「……これまた穏やかな事じゃねぇな……内容は?」

 

勇人「……実はな……」

 

勇人は桜花から聞いた情報……桜花の孫娘『優花』が誘拐された事や堤下が青葉以外の艦娘と融合していた事と、堤下と手を組んでいる『女性』の事を伝えた

 

勇人「……と言う訳だ」

 

柏木「……なるほどな、んで勇人が『Aegis ver.2』の姿に似た女は確か……何処かで……」

 

柏木は女性の名前に見覚えがあるのか、考えると赤城は俯き、恨みのある重い口調で答えた

 

赤城「……『上坂優香里』少佐……私が深海棲艦になる前、所属していた『ショートランド拍地』の元副提督……そして元提督であり堤下の父親『堤下督一郎』中佐の二人は汚職事件を起こし、失脚され、当時、上城大将(若き頃の一馬)の命令によって二人とも解雇、そして今は提督の妹である『上城 蘭』少尉が提督を執務していると……」

 

柏木「ッ!?悪い、赤城にとって嫌な思い出を……」

 

赤城「あ!?いえ……私こそ場の雰囲気を壊してしまって……提督?どうかされましたか?凄く顔色が悪いのですが?」

 

柏木「おいおい……只でさえヤクザ面なのに色まで悪くなったら……」

 

柏木は勇人に茶化す様に言うと勇人は虫の居所が悪いのかドスの聞いた声で答えた

 

勇人「うるせぇ!後、ヤクザ面は余計だ!……この女は艦娘達を使って若くなっているが……俺の『元』母親だ……」

 

赤城「!?」

 

柏木「カーチャン!?え!?勇人の母親!?」

 

勇人は重い口調で答えると赤城は勇人に近付いた

そして………

 

ガバッ!!

 

赤城「提督……あなたが……貴方の母親のせいで……」

 

ギュ……

 

勇人「ウグッ……あ……赤城……離せ……」

 

柏木「ッ!?赤城!止めろ!」

 

赤城は恨みを含んだ口調で勇人の首を両手で握り潰す様に絞めてきた

 

赤城「貴方のせいで当時の私達は、どんな仕打ちをされてきたと思っているの!!ねぇ!答えt……柏木「この馬鹿!いい加減正気に戻れ!!」」

 

ゴン!

 

赤城「痛っ!……何をするのですか!?」

 

柏木「お前!勇人を殺す気か!艤装まで着けてよ!勇人!大丈夫か?」

 

赤城「私が提督を………ッ!?」

 

勇人「俺は大丈夫だ……」

 

赤城は自分の手を見て、今さっきまで行っていた事を思い出し顔を青ざめ、パニックになりながら勇人に謝罪した

 

赤城「御免なさい提督!私が悪かったです!御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なs……勇人「赤城!!」……ッ!?」

 

赤城は気が狂ったかの様に勇人に謝罪し続けると勇人は赤城に一喝し、赤城を宥める様に言った

 

勇人「……俺は気にしてはねぇし、お前の気持ちも分かる……だが、目先の行動で『取り返しのつかない事』をするんじゃねぇ!分かったか?」

 

赤城「……はい」

 

勇人「……今日1日、『赤城』を秘書艦の任を外し、『金剛』『比叡』『榛名』『霧島』の4名を秘書艦とする……分かったんなら頭冷やしてこい」

 

赤城「……了解しました」

 

柏木(……ふぅ、一時はどうなるかと思った……ってか勇人、秘書艦多すぎねぇか?)

 

柏木は落ち着いた赤城を見て安堵し、勇人と共に朝食を取りに食堂に行き、勇人と赤城の気まずい雰囲気に居心地が悪かったのは言うまでも無かった

 

07:30 執務室

 

柏木「勇人、今日さぁ、此処の鎮守府の動けるの全員使って訓練するから、招集かけといて。ちなみにレベルは8な」

 

提督室に入ってきた、柏木は唐突にそんなことを言うから、勇人はポカンとしている。

そして、段々理解した勇人は……。

 

勇人「マジかよ……遺書っているか?」

 

柏木「いらない。訓練時間は8時間だし、飯も食えるし休憩も計1時間あるから、大丈夫」

 

勇人(柏木の訓練の感覚可笑しいだろ……)

 

柏木「まぁ、そういう事だから、よろしくね。後、9時までに艤装込みで来てね。そうしないと、何かしら罰を与えるから」

 

話の終わった柏木は部屋から出ていく。

 

吹瀬「また始まったよ。柏木少将、偶に本部来ては本部所属の憲兵を倒れるまで扱いて行くんだから……」

 

吹瀬は、そんな事をブツブツとつぶやいている。

 

0900 グラウンド

柏木「えっと、50人後半は来てるか……。あ、一人遅刻見っけ♪」

 

吹雪「す、すみません。遅れました」

 

遅れてきたのは、吹雪だった。

 

柏木「えっと、勇人の方のか。吹雪、あとで勇人の方の吹雪、罰としてお前と組手させるから」

 

柏木側吹雪「分かりました」

 

吹雪「そんな……」

 

(((吹雪、ご愁傷さま。生きてあえるといいわ

(デース) )))

 

勇人側の吹雪と柏木、柏木側の吹雪以外の艦娘は皆一様に吹雪に哀れみの目を向けている。

 

柏木「じゃぁ、始めるか。今から、グラウンド50周!各自準備出来次第始めてくれ。休憩は10時からで10時を過ぎるとその艦娘の休憩時間は短くなるから気を付けろ。ちなみに休憩時間は8分だ。では、始め!」

 

グラウンドにいる全艦娘、そして、柏木憲兵隊と勇人は準備が出来次第ばらばらに走り始める。ちなみに、艦娘は艤装を、人は30㎏の重りを付けて走る。そのため、双方の体力消費はとてつもないものだが、柏木憲兵隊はそんな物関係ないといったようにグラウンド外周をこなしていく。

 

10分後

 

長門「速い……本部所属の一体……」

 

柏木側吹雪「さすが、司令官です!私には真似できないような速さです!」

 

「「「アンタが、言いますか……」」」

 

息切れをせず普通に走る柏木に、柏木側の吹雪は尊敬し勇人及び柏木側の吹雪以外の艦娘は全員ツッコム。

 

45分後

 

柏木「あ、お前等お疲れ」

 

隊員1「いやぁ、隊長早いですね。隊長に勝てる気しませんよ」

 

柏木「いやいや、頑張れば俺を越せるって……それよりも……」

 

柏木憲兵隊の全員が終わった今でも終わっていない艦娘と勇人を見る。

 

柏木「はぁ……お前等ァ!後、3分だぞ!早く終わらせろ!」

 

「「「……柏木(少将(提督(司令官)達が速すぎるんですぅ(だ)!」」」

 

更に10分後

 

柏木「やっと、全員終わったのか。じゃぁ、後3分だから」

 

「「「つ、疲れたぁ……」」」

 

制限時間は越えたものの、走り終わた艦娘は同時に言う。

 

柏木「じゃぁ、次は……柏木憲兵隊対お前らな。遠慮はしなくていいぞ。ただし、近接格闘な。砲撃したらもう一回走らせるから」

 

「「「は、はいぃ……」」」

 

返事をする艦娘達からは既に笑顔が失われている。

 

柏木「勇人、大丈夫か?」

 

勇人「大丈夫なわけねぇだろ!きついわ!」

 

柏木「おっし、なら大丈夫だな」

 

(((どこが………?)))

 

柏木「じゃぁ、再開するぞ。これで俺等倒せたら休憩30分やろう」

 

(((絶対無理だ……。あれだけ走って元気な奴に勝てるわけがない……)

 

柏木改め備前「柏木隊集結!敵、攻撃に備え!」

 

「「「了解!」」」

 

備前「さぁ、佐伯湾防衛戦の悪夢、見せてやらぁ!」

 

勇人「全員でかかるぞ!」

 

「「「はい!」」」

 

バン!ブン!グイッ

ダーン!

 

長門「カハッ!」

 

武蔵「ぐッ!」

 

夕立「ッぽい!?」

 

長門、武蔵、夕立の順で備前は攻撃をいなす。

 

永木「ほらほら、隊長だけ相手にしても楽しくないだろ。こっちも相手ぐらいはしてやるぞ……最近此方の作品の出番が無いから暇なんだよぉぉぉ!」

 

白露「私が一番!」

 

天龍「おらぁ!」

 

綾波「やぁぁっ!」

 

ダン!パシッ!バァアン!ブン!

 

今度は、永木が白露、天龍、綾波の順でいなす。

 

勇人「うわぁ……柏木達って相変わらず強いなぁ……そして永木……最後は切実過ぎるぞ……」

 

後方で、前方の様子を眺める勇人はそう呟いた。

 

30分後

 

備前「おらぁ!もう、おらんのかぁ!」

 

夕立「柏木少将達、強すぎるっぽいぃ……」

 

天龍「フフフ、恐い……」

 

長門「この長門が……」

 

白露「柏木少将が一番なの……」

 

榛名「あの『Aegis ver.2』になった提督までもが……」

 

艦娘達は、地面に倒れこみ各々好き好きに呟く。

ちなみに、勇人は最後の方でかかって行って結局フルコンボを食らい備前の隣に倒れている。

 

備前「もういないのか……。永木、どうする?」

 

永木「そうだな。まぁ、意外と強いが俺等にはまだまだだな。取り敢えず海上で訓練でいいんじゃないですか?こっちの艦娘何人か招集したんだろ?」

 

「まぁな。じゃぁ、そうするか。10:45までに海上に全員集合。また、呉鎮守府の吹雪、綾波、夕立、如月、川内、神通、由良、三隈、最上、妙高型4姉妹、比叡、大和、武蔵、伊勢、日向、雲龍、大龍、瑞鶴、赤城、加賀はちょっと俺の所来てくれ」

 

「「「了解!」」」

 

備前が指名した23人以外は全員海に向かう。

 

柏木側妙高「それで、提督何でしょうか?」

 

備前「あぁ、まぁ、簡単なことだけど、各艦種の指導よろしく。でも、やりすぎるなよ。此処は佐世保であって呉じゃないんだから分かったか?」

 

「「「はい!」」」

 

備前「よし、なら行け」

 

備前の声とともに皆一様に海に向かって走ってい

く。

 

1045

 

備前「じゃぁ、海上訓練始めるよ。教官は呉である程度俺の訓練叩きこんだ艦娘な。それを12時までに倒せば午前訓練はその時点で終了。それで、艦種別に指導受けれるから、軽巡と駆逐はたぶんきついかもね。まぁ、簡単に言うと12時までに艦種別教官を倒せ。OK?」

 

「「「OK!」」」

 

ズドン!

カン!

 

備前「残念だったね。俺に撃っても当たらないよ。じゃぁ、海上訓練始め!」

 

ドーン!ドドーン!ドーン!

ドドドドドドーン!

 

開始と同時に砲撃音が絶え間なく響く。

 

バーン!バーン!バーン!

 

金剛「Shit!」

 

山城「各艦は私を顧みず前進して!敵を撃滅してくださぁい!」

 

赤城「きゃぁ!誘爆を防いで!」

 

開始から既にチーム対抗無差別砲撃と化した海上に訓練という言葉は存在していなかった。その為、砲撃で金剛、山城、赤城が大量の流れ弾が飛んできたため大破となった。

 

シューン!

 

備前「……展開。対空戦闘始め……」

 

勇人「やられっぱなしは性に合わねぇな……シースパロー発射!」

 

恐らく、勇人から放たれたであろうミサイルが備前に向かって飛んで行く。それを撃ち落とさんとする為、柏木はあの艤装を展開し、戦闘を始める。

 

ドドドドドドドッ!

ドドーン!ドドーン!ドドーン!

 

バーン!

 

備前「勇人ぉ!よくも、この恥ずかしい格好にしてくれたなぁ……今日という今日は許さん!少し、お説教だ!」

 

備前はお説教という名の物理攻撃をするため、勇人の方に向かって行く。そして、備前の格好を見た勇人は吹き出し、他の艦娘も見た瞬間顔を赤くしていた。

 

勇人「プハハハハハッ……。ハハハハハ!な、何だよ 柏木……その……格好……ハハハハハハ!」

 

隊員達(隊長には悪いが……上城(中佐)!good job♪目の保養っと♪)

 

備前「お前は俺を怒らせた。一二七式徹甲弾装填。全火器を勇人に向けろ。全艦載機、発艦始め!発艦次第、勇人に攻撃を始めろ!」

 

「「「演習弾じゃなくて、実弾撃ち合ってるし……てか、柏木少将(提督(司令官)格好エロ!」」」

 

勇人「上等!CIWS撃ち方始め!シースパロー発射!」

 

ドドドドドドドド!

シューン!

 

備前「対空戦闘始め。主砲、撃ち方始め!」

 

ドドドドドドドドッ!

ドドーン!ドドーン!

 

バーン!

 

勇人「くそがっ!トマホーク発射!」

 

トマホークが発射されたと同時に一八式爆撃機が急降下を始める。そして……

 

バァン!

 

勇人「ガッ……!?」

 

備前「ほれ。お前の負けだ。諦めてさっさと入渠して来い。後、次この格好について触れたらぶっ殺すぞ」

 

勇人「……分かったよ」

 

備前から出る殺気や柏木の眼光で一言、返事しかできなかった。

 

勇人(怖ぇ……。あれは完全に獲物を狙う虎じゃねぇか)

 

と、鎮守府の方に向かいながら、勇人は思った。

 

 

数時間後 1800 訓練場にて

 

備前「じゃぁ、今日の訓練はこれで終了。まぁ、俺が帰るまでは散発的にしかしないから。じゃぁ、解散!」

 

「「「つ、疲れたぁ(デース)……」」」

 

勇人「後、体のアフターケアだけは忘れんなよ……痛ぇ……あんニャロウ……実弾をぶっぱなしやがって……」

 

備前と呉所属の艦娘達と憲兵隊が去ってから、佐世保所属の艦娘達は地面に座り込んだ。

 

比叡「柏木少将厳しすぎ……」

 

榛名「提督と戦闘してた時は虎みたいでした……」

 

榛名は、その事を思い出したのか肩をビクッと震わせる。

 

川内「柏木少将、神通より厳しいよ。仕返しで夜戦してもらおうかな」

 

神通「川内姉さん止めて下さい。仕返しにならないと思います」

 

神通は川内が柏木と夜戦をした時の結果が容易に想像できたのか川内を止める。

 

川内「だよね~。柏木少将には勝てる気しないよ。頭の可笑しな奴だけど……」

 

その言葉を聞いた途端、神通の顔がみるみる青ざめる。

 

川内「ん?どうしたの神通」

 

神通「ね、姉さん…う、後ろ……」

 

川内「ん?後ろ?……か、柏木少将……」

 

備前「川内、少し話をしようか。大丈夫、3時間の入渠で済むから」

 

川内「あ、あの……すみません!」

 

川内は、笑いながらえげつない事を言う備前に土下座をする。

 

備前「え……いや、冗談で言ったんだけど……顔上げてもらえるかな?」

 

川内が顔を上げた瞬間、川内の目に縞々模様のパンツが見える。

 

川内(そういえば、柏木少将……提督の攻撃でこの状態だったね。しかし、艤装をつけると女になって……。しかもこんな格好になるって……)

 

備前「どうした?」

 

川内の動きが途中で止まったのが気になったのか柏木もとい備前は、川内に聞く。

 

川内「縞々………」

 

備前「……!?こ、この変態!」

 

ドカッ!

 

川内「ひでぶ!!」

 

勇人(女かお前は……まぁ今の俺もだけど……)←現在、大破したが『Aegis ver.2』のまま……

 

パンツを見られた普通の女性の反応をした備前だったのだ



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第12話「二人の龍虎、再び……」last part

よっしゃー((o( ̄ー ̄)o))
完全復活♪(*´∀`)♪
皆さん、駄文な小説を書く私ですm(__)m
この度、プライベートで負傷した両手が完全に完治しましたので小説を書くスピードをあげたいと思いますm(__)m
ご心配をおかけしてスミマセンでしたm(__)m


翌日 0700 食堂

 

もっもっ……

 

ガツガツ……

 

勇人「……サッパリしてて旨いな♪朝から丼物だと聞いてビビったが……油揚げに刻んだ葱に鰹節、醤油ベースの出汁をかけた丼だとはな♪やるじゃねぇか長門♪」

 

備前「……旨っ!?『速い、安い、旨い』と忙しい奥様には持ってこいの飯だな♪流石ビックセブン♪」

 

備前(うちの長門とは大違いだな……)

 

柏木側長門「ぐぬぬ……同じ長門なのに……負けた……そして旨すぎる!」

 

長門「ありがとうございます♪この料理は元々『艦娘になる前の戦艦長門』の時に調理兵が賄いとして作られたのが切欠だ♪しかし口が合って……Wオリ主&柏木側長門「おかわり♪」……分かりました♪至急準備します♪」

 

3人は長門が作った賄い飯を舌鼓していると……

 

ゾクッ……

 

備前「ウッ!勇人、今日何か嫌な予感がするんだが気のせいだろうか?」

 

柏木側長門「……私もだ」

 

勇人「気のせいだろ。そして何だよその嫌な予感って」

 

備前「何だろう。何人かの艦娘が何かの所為で倒れる気がする……」

 

勇人「はぁ?そんな事あるわけねぇだろ。それより、その服装どうにかできないのか?目のやり場に困るんだが」

 

W長門「全くです……上に何かを羽織ってくれませんか?」

 

勇人とW長門は、柏木が備前の状態でいる事で備前の方を向けずに困っている。

 

備前「しょうがないだろ。賭けに負けたんだから……後、お前もな」

 

勇人「仕方ねぇだろ……対戦相手と、その相手の運と俺の運の数値の差が……」

 

備前「……うん、それに関しては同情するぞ」

 

長門(……なんだろ……今の提督を見ていると陸奥と被るのだが……)

 

柏木側長門(同感だ……)

 

柏木は昨日の晩に大龍と負けた方が1日備前で過ごすという賭けをした。そして、見事に柏木が負けた為柏木は今日1日備前の姿で過ごすことになっている。

ちなみに勇人もまた時雨、榛名そして柏木側の雪風と昨夜麻雀をやってボロ負けを喫した為、柏木……いや備前同様、罰ゲームで『Aegis ver.2』のまま過ごす羽目になったのだ

 

備前「しかし……マジで、恥ずかしい……堪忍してください……」

 

?「へぇ、柏木少将のパンツは縞々かぁ」

 

備前「う、うわぁぁぁ!?」

 

 

柏木は、自分の足元にいた天津風に驚き後ろに倒れる。

 

勇人「大丈夫か」

 

W長門「柏木少将(提督)!?お怪我は?」

 

備前「いったぁ……天津風、急に下から現れるな……」

 

?改め柏木側天津風「ふふふ、いい物見れたなぁ」

 

柏木側の天津風は呼んでいない筈なのに抜け出してきた艦娘第2号だ。

 

備前「はぁ……またか……たった数ヶ月でどうしてこう、積極的に俺に寄ってくるんだ……。取り敢えず、また電話か……」

 

柏木側不知火『はい、こちら呉鎮守府』

 

備前「あぁ、俺だ。柏木だ」

 

柏木側不知火『司令ですか。天津風がいないのですが、まさかとは思いますが……』

 

備前「そのまさかだ。だから、吹雪ともども菊月と宜しく叱ったいてくれ」

 

柏木側天津風「ちょっ、司令官それひどい!」

 

柏木側不知火『分かりました。それと……』

 

備前「どうした?」

 

柏木側不知火『ゲシュタポ所属の者が鎮守府に入ってきた怪しい人物を捕らえたそうです』

 

備前(怪しい、人物ねぇ。堤下は海外逃亡してるし、じゃぁ誰だ?まぁ、いいか)

 

備前「分かった。では、尋問でもして、情報を手に入れといてくれ」

 

柏木側不知火『分かりました。それでは』

 

備前「あぁ」

 

備前が電話を終わると、備前の体……もとい豊満な胸を太鼓の様にポカポカ叩いていた天津風を捕まえる。

 

備前「さて、天津風。少し言う事があるんだ」

 

柏木側天津風「な、何かしら?」

 

備前「いや、まぁ大した話じゃないんだけど、どうやって俺の足元にもぐりこんだの?」

 

柏木側天津風「あぁ、それなら普通に隣の席が空いてたからそこからばれない様に……ですが」

 

備前「あ、そう……諦めたわ。俺の鎮守府って変わった奴しかいないんだなって自覚したわ」

 

勇人「柏木も大変だな。まぁ、俺は関係ないが……」

 

備前「薄情者……まぁ、関係ないのは事実だけどさ。取り敢えず、俺は提督室に先に戻ってるよ……長門、丼持っていくぞ♪」

 

勇人「あぁ、分かった」

 

そして、備前は食器を鳳翔さんに渡し、お代わりの丼を長門から受けとると、食堂を出て行った。

しかし、その丼には……

 

比叡(……よし!長門さんには悪いけど……)

 

柏木側比叡(……私達が作ったカレーを長門さんの丼に入れて……良し!司令!今回のコラボにちなんで、私達のコラボ丼を御賞味下さい!)

 

比叡カレー(D-cell並の劇薬)が混入されていた丼だとは知らずに……

 

08:00

 

勇人「柏木、戻ったぞ。柏木、いないのか?いるなら、返事ぐらいしろ。柏木?」

 

備前「は、勇人……にげ、ろ。比叡カ……」

 

ガクッ

 

勇人「おい、どうした!応答しろ!柏木!柏木ィィ!」

 

その日、柏木は比叡カレーの餌食になった。

 

12:00

 

勇人「柏木、本当に大丈夫か?」

 

備前「あ、あぁ何とかな。比叡カレーがあそこまでとは……」

 

勇人「それより、柏木、食堂の方から異臭がしねぇか?」

 

勇人は執務室まで漂ってくる異臭を備前に言う。

 

備前「あ、あぁ確かにするな……嫌な予感がする。取り敢えず飯食いに行こう」

 

勇人「そうだな。行くか」

 

そして、勇人達は食堂に向かって行った。

 

12:10 食堂

 

勇人「うっ……なんだ、この臭いは……」

 

比叡「あ、司令達じゃないですか!」

 

備前「ヒッ!?比叡カレー。毒、ゲキマズ。命が……危ない……」

 

柏木側比叡「司令、どうしてそういう事言うですか。司令には食べさせてあげたじゃないですか」

 

その時、比叡カレーの所為で溜まっていた備前と勇人はプチッという音とともにキレた。

 

備前「ははは、そうだよなぁ。お前らは味見をせずに人に食わせるだけじゃ飽き足らずに、変なもの入れてアレンジ加えるくらいだもんなぁ!!」

 

勇人「……オメェラ、あれほど料理をするなと言ってんだろうが!!お陰で長門が落ち込んで寝込んでしまったんだぞ!!」

 

W比叡「ヒエェ!司令達がキレてる……」

 

W比叡は完全に青ざめている。

 

備前「お前ら、それ赤城と加賀に食わせてみ。それで、一航戦の二人が気絶しなかったら、許そう。だが、気絶でもしてみろ。その時は小1時間程説教してやらぁ」

 

勇人「柏木、言いにくいんだが既に、うちの赤城と柏木の所の一航戦の2人……気絶してるぞ、今lin〇で大和、武蔵、陸奥の3人を食堂に呼集をかけたが……」

 

勇人は食堂で気絶している3人を指を指し、答えた

 

備前「相変わらず対応が速いな……という事は……」

 

W比叡「ヒエェェェ!」

 

勇人 備前「有罪(guilty)

 

W比叡「ヒェーーー!三笠お姉さま!お助けを……」

 

備前「では三笠教官、判決は?」

 

三笠「死刑(destroy)

 

W比叡「ヒェーーー!」

 

その後、滅茶苦茶説教したのは言うまでも無かった

 

 

 

 

1500 執務室

 

勇人「……ふぅ、終わった……」

 

陸奥「御疲れ様、仕事速いわね……」

 

勇人「そうか?」

 

勇人は書類仕事を終わらせ、煙草に火を着ようとすると……

 

陸奥「ちょっと!私の前で煙草吸うの止めて!轟沈したトラウマが甦るから!」

 

勇人「……悪い」

 

勇人は陸奥に叱られると、煙草をしまい、机の引出しからガムを取り出し、ガムを噛み始めた

 

陸奥「……面倒見の良く、頭がキレる良い男なのにヘビースモーカーなんて勿体無いわよ♪これを気に禁煙したら?」

 

勇人「……めんどくさいからパス」

 

勇人はやる気の無い返事をし、寛いでいると……

 

ガチャ……

 

一馬「勇人、入るぞ……って!?お前、何サボっているんだ!?」

 

陸奥「ッ!?上城元帥!?御疲れ様です!」

 

勇人「仕事終わったんだよ……後、親父……せめてノックしてから入ってくれよ……」

 

一馬「別に疚しい事をしているわけ無いだろ……陸奥も、そんなに畏まらなくて良いぞ」

 

陸奥「しかし、元帥相手に……一馬「これは『命令』だ、分かったか?」……フフッ♪分かったわ、親子揃って良い意味でヤクザみたいな強面の顔に似合わず優しい『命令』をするのね♪」

 

上城親子「……陸奥、それって誉めているのか?貶しているのか?」

 

二人は呆れながら陸奥に言うと、陸奥は微笑みながら言った

 

陸奥「誉めているのよ♪提督が着任してから美味しい御飯や御酒が提供され、私達の部屋は改装工事され過ごしやすくなって、更には私達の為にコネや権力を使って守ってくれているなんて……本当、ホテルみたいに至り尽くせりな生活だわ♪しかも堤下とは違い、私好みのイケメンだしね♪今晩『火遊び』してみる?」

 

陸奥は勇人を誉めつつ、冗談半分で『夜の御誘い』をすると一馬は笑いながら言った

 

ちなみに陸奥の『夜の御誘い』とは『二人っきりで酒を飲み交わす事』であり薄い本みたいなR指定な事ではないので悪しからず

 

一馬「フッ……良かったじゃねぇか♪美女にアプローチされるなんてな♪」

 

勇人「まぁ最後は純粋に嬉しいが、俺としては艦娘達に対して『当たり前』な事をやってきたと思っているのだが……まぁ満足しているのなら良いか……」

 

勇人(つい『この前』までは目の敵にされてたけどな…………ん!?飯に……夜……酒……火遊び……ハッ!?)

 

勇人「あぁぁぁぁ!?忘れてたぁぁぁぁ!!」

 

勇人は何かを思い出したのか叫び、立ち上がった

 

陸奥「キャッ!?急にどうしたの?大声を出して!?」

 

一馬「……まさか宴会の準備を忘れてたんじゃ無いよな?」

 

一馬の言葉に勇人は顔を引きつつ答えた

 

勇人「そうです……」

 

一馬「ハァ……早く言ってこい、柏木達には言っておくから……」

 

勇人「悪い!親父!んじゃ後はよろしく!!」

 

ガチャ!!

 

一馬「……やれやれ、すまんな陸奥……こんな馬鹿息子で……」

 

陸奥「気にしてないわ♪」

 

勇人は脱兎の如く急いで食堂に向かい急いで宴会の準備に取り掛かった

 

 

数分後 食堂にて

 

鳳翔「若?あれほど『遅れないように』言いましたよね?」

 

勇人「………御免なさい!!今直ぐに取り掛かります!!!」←正座中……

 

間宮 伊良湖(ヒェェェェ……あの『戦場の狂龍』と言われてた提督でさえ……上城元帥の鳳翔さん、恐るべし……)

 

鳳翔「だったら今直ぐに取り掛かって下さい!時間が無いのです!!」

 

勇人「はい!分かりました!!」

 

『一航戦時代』の顔付きになった鳳翔に『こっぴどく』叱られながら……

 

18:00 食堂

 

Wオリ主「マイクチェックの時間だゴルァァ!」

 

W霧島「だから司令!私達の台詞を取らないで下さい!」

 

勇人の考えを読んだ柏木は勇人に合わせて言う。

 

勇人「お前、よく分かったな。俺の考えてる事」

 

備前改め柏木「いやいや、お前の考える事なんて少し考えれば分かるって。海軍兵学校と海軍士官学校主席舐めんな」

 

「「「こんな変な奴が……主席……だと……?世も末だな……」」」

 

柏木憲兵隊以外の全員の言葉が一致する。

 

永木「そうなんだよなぁ……。俺、同期だけど隊長って何故か学校の勉強で事足りて毎回テストは1位なんだよなぁ……。それに、生活態度も何も無さ過ぎて全部丸ついてたんだよなぁ……もう、こいつどうなってんだろ……まぁ上城は親父さんを目の敵にしていた連中が殆どだから評価は最悪だったが実質、上城も隊長と同じ『主席』で卒業したからな……羨ましいぜ……」

 

一馬(うっ……後で勇人に謝りに行こう……)

 

永木は呟くように言うが、丸聞こえだった。その言葉でさらに食堂が静まり返る。

 

永木「コホン……。まぁ、柏木、明日には帰るから送別会をする。無礼講で飲んでくって騒ぐぞ!」

 

勇人「それ俺の台詞……まぁいっか、今日は宴だ!テメェラ……」

 

「「「………飲むぞぉぉ!」」」

 

W隼鷹「ヒャッハー!!宴だぁーーーー!」

 

呑兵衛組は柏木に対する考えを払拭した後声を上げる。

そうして、送別会が始まった。ちなみに、執務室に行く必要性は無かった様で罰としてその場で腕立て伏せ50回を受けた連中もいたとか……

 

柏木「さて、持って来てて良かった大典赤菊。7月は出張で酒が飲めるぞ~♪」

 

運営なんて怖かねぇ!by 霧島ナガツキ

 

 

勇人「お前……この前、こっちのうp主が運営に怒られたってのに怖くねぇのな」

 

柏木「はっはっは。こっちの作者なんてそんな事そっちのけで大丈夫だと思ったら何でもやるからな……っと、俺は少し席を外すよ。命は大事だからな」

 

勇人「は?どういう事だ?」

 

柏木「じゃ、そういう事で」

 

勇人は”なんで、逃げるように席を外すのかと思ったが”その答えはすぐに出た。由良と名取、それに雲龍、大鳳、大龍がバラバラで提督を探しに来たのだが丁度鉢合わせした為だった。

 

雲龍「上城中佐。提督を見ていませんか?」

 

酒を持った雲龍が勇人に聞く。

 

勇人「いや、知らないぞ。さっき、急に席を外したからな」

 

「「「ちっ……感づかれてたか……」」」

 

勇人(柏木……よく分かったな)

 

勇人は柏木の艦……いや感の鋭さに驚くと……

 

伊良湖「か、柏木少将!止めて下さい。甘味を量産しないでください!鎮守府のお金が湯水の如く減っていくので止めて下さい!」

 

柏木「あぁ?つべこべ言ってんじゃねぇ。甘味つくらねぇと、気がすまねぇ!」

 

W長門(甘味!?胸が熱いな♪)

 

W赤城「酒に甘いものは……良いですね♪」

 

W吹雪「やりました♪」

 

柏木側加賀「吹雪さん、それ私の台詞です」

 

勇人(オメェラ!なにやってんだ!?)

 

なんと、柏木は厨房で団子とお汁粉を同時に量産していた。それを、駆逐艦や甘党の長門。そして、赤城等の空母、戦艦が持って行って食べていた。そして、何時ぞやから呉に来たビスマルクも含めてだ。重巡等の一部は急に料理と一緒に甘味が出てきた事に驚いていた。

 

柏木「大丈夫だ。これは、送別会始まる前に鎮守府近くのスーパー等から買い占めてきた奴だ。しかも、俺の自腹だから問題ない」

 

伊良湖「そうですか……。では、ありません!間宮さんが見たら倒れますよ!」

 

柏木「あぁ、それなら既に見て倒れてるけど。そこに……」

 

勇人「柏木……なんか俺と同じ事やってんなぁ……。柏木!そろそろ止めてやれ!」

 

柏木「お前が他人の事が言えるか!後、10ずつつくったら止めるかr……鳳翔「止めて下さい!柏木少将はお酒でも飲んでて下さい!後は私達がやりますので!」……ッ!?アッハイ」

 

柏木(こっわ……俺の所の鳳翔とは比べ物にならない位、怖ぇぇ……)

 

柏木はとうとう鳳翔に止められた為つくりかけをつくり終えてから厨房を出た。

 

三笠元帥「久しぶりに見たわね。疾風の甘味量産」

 

吹瀬「そうですね。ですが、今回は少ないですね」

 

三笠元帥「そうね。でも、昔は3時間で500人分以上つくって困った時があったわね」

 

吹瀬「あぁ、ありましたね。それで、3時間後に100以上の杏仁豆腐が量産されてましたね」

 

三笠元帥「そうね。吹瀬君も、あぁはならないでね。あれは、人間の領域を超えてるから……」

 

吹瀬「なれませんよ。それより、一緒に飲まないんですか?」

 

三笠元帥「命は大事よ。あれ見てみなさい。どうやって、あそこまで艦娘を落とせるのか分からないわ……」

 

吹瀬「天然のジゴロですね。まぁ、それはさて置き飲みましょうか」

 

三笠元帥「そうね」

 

その後、三笠元帥総司令と吹瀬元帥副司令は送別会終了まで飲んでいた。

 

柏木側鹿島「提督さん、一緒に飲みましょう」

 

柏木「あぁ、やっぱり……。飲むのはいいけど夜戦はお断りだ」

 

柏木側鹿島「分かってますよ」

 

酒を一緒に飲む事になった柏木達だった。ちなみに、また柏木は自分の酒を飲まれました。

 

30分後

 

勇人「……ふぅ」

 

勇人(……このまま『あの任務』を実行すると堤下は兎も角、産みの親を手を掛ける事になるな……まぁアイツの事を母親だとは思っていないのだが、気が引けるな……)

 

勇人は独りで呑んでいるとウーロンハイが入ったジョッキを持った天龍が上機嫌になりながら近付いてきた

 

天龍「よぉ提督♪呑んでいるか?」

 

勇人「ん?天龍か、どうしたんだ?」

 

天龍「なぁに♪半年振りにアンタと飲みたいんだ♪『上城訓練生』♪」

 

勇人「ッ!?お前!あの時の天龍か!?」

 

勇人は天龍の言葉に驚き、天龍は勇人の隣りに座った

 

天龍「まぁな♪よっと、いやー大変だったんだぜ♪『あの事』を隠しつつ龍田達を説得するなんて……」

 

勇人「……わざわざすまないn……天龍「別に詫び入れるほどじゃねぇよ♪それに主催者が湿気た顔になっちゃ興が冷めるからな♪」」

 

勇人「……だな♪」

 

勇人は天龍に詫びを入れようとしたが、天龍は勇人の口に人差し指を当て、天龍らしく陽気な笑い声で勇人を慰めた

 

天龍「さて♪宴の再開だ♪今回ばかりは提督の事を呼び捨てで言うぜ♪『勇人』♪」

 

勇人「ああ♪構わないぜ♪何か、お前に呼び捨てで呼ばれると昔を思い出すな♪『厨二病娘』ちゃんよ♪」

 

天龍「な!?言ったな『ヤクザ提督』が!」

 

勇人「あぁ?誰がヤクザだ?『フフ怖』さんよ………フッ♪」

 

天龍「……プッ♪」

 

勇人 天龍「アハハハハハハ♪ヤッパ、オメーは変わらねぇな♪」

 

翔鶴(羨ましい……)

 

金剛 鹿島(……バルス!)

 

陸奥(あらあら……先客がいたんじゃ一緒に飲めないわね……)

 

扶桑 川内(……そうですね)

 

榛名(……一緒に飲みたかったのに……残念です)

 

天龍「……どうやら勇人と飲みたいのは俺だけでは無さそうだな♪」

 

勇人「オメェラ……何遠慮してんだ?入って来いよ♪」

 

川内「マジで!?ヤッター♪」

 

榛名 扶桑 鹿島 翔鶴「では失礼します♪」

 

陸奥「あらあら♪本当に良いの?じゃ『火遊び』しましょ♪」

 

金剛「天龍!youだけ抜け駆けは『No』!何だからネ!ウーン♪やっぱりテートクの匂い……落ち着きm……榛名「金剛お姉様?いくら、お姉様でも勝手な行為は許しませんよ?」……なら榛名達も抱きつけば良いデース♪」

 

榛名 陸奥「なら♪バーニング……ラーブ♪」

 

扶桑 翔鶴 鹿島 陸奥「えい♪」

 

ドスン!

 

ムニュ……

 

勇人「ちょ!?胸が当たってて良い……じゃねぇ!天龍に川内!助けてくれ……飲めねぇよ……」

 

川内 天龍「アハハ……流石に火力重視の艦隊には勝てません」

 

川内 天龍(特に鹿島達の鋭い殺気には……)

 

勇人(……泣けるぜ)

 

金剛達に揉みくちゃされつつ、笑いながら雑談している事、数時間後 2100

 

天龍「ん?勇人……もう9時だから、そろそろ切り上げ方が良いんじゃねぇか?明日から忙しくなるしな……」

 

勇人「そうだな……オメェラ!9時になったから、宴は終わりな」

 

柏木(適当だな……オイ)

 

柏木は勇人の締めの挨拶に突っ込みを入れると柏木側の艦娘達や柏木隊そして勇人の艦娘達はブーイングを飛ばす形で幕を閉じた

 

翌日 0800

 

柏木「いやぁ、世話になったな」

 

勇人「全くだぜ。二度と来ないでくれ」

 

霧島ナガツキ「それは、私と八意さんとの都合だ」

 

某月の頭脳を持った薬師を男性化した男『うp主』「私は何時でもwelcomeだ」

 

「「うおっ!?」」

 

「「「きゃぁっ!?」」」

 

そこには、眼鏡をかけた海軍陸戦隊の軍服を着た男と八意永〇が男性化した男が立っていた。

 

霧島ナガツキ「全く、皆さん、ひどいねぇ。さて、私は退散しますよ。じゃぁ、また会いましょう『八意颯人』さん♪あ、私は霧島ナガツキです。それでは……」

 

うp主「またコラボする機会があれば、是非ともコラボしたいです♪それじゃまた♪」

 

Wうp主は光の中に消えていった。

 

柏木「何事かと思えば、ただのW作者か……じゃぁ、帰るわ。じゃぁな」

 

勇人「お、おう……」

 

柏木はそのまま呉鎮守府に戻っていった。

二人の龍虎は、いつか再び会うことになるのだろ

うか?

 

『二人の龍虎、再び……』完

 




コラボ回は一端、完結しますが霧島ナガツキさんのご厚意により、ナガツキさんのオリ主『柏木 疾風』は本編やサイドストーリー等でちょくちょく出ますので宜しくお願いしますm(__)m


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第13話「油虫の戯言そして龍の逆鱗」

柏木達を見送ってから14時間後 2200 鎮守府付近の海域にて

 

勇人「……」

 

勇人は皆、寝静まったのを見計らって単独で堤下と上坂が拠点になっている深海棲艦の基地に向けて出撃をしていた

 

勇人(……流石に堤下の問題は兎も角『家庭問題』だけは何としても俺自身でケリつけたいからな……)

 

菊地「提督、このまま11時の方向に進んで下さい」

 

勇人「分かった」

 

勇人は自分自身の問題を片付けにTCN(航法装置)を使って深海棲艦の基地に進んでいくと……

 

勇人「……ん?あれは……艦娘!?いったい何故……オーイ!どうした?」

 

勇人は海上で迷子になっているのであろう艦娘達を見つけ、近付いて行った

だが……

 

?「ちっ!奴等に見付かったか……みんな!砲撃開始!撃てぇ!」

 

ドーン!

 

勇人「ウォッ!?ちょ!待ってくれ!俺は敵じゃねぇ!」

 

勇人は迷子の艦娘達に深海棲艦と間違われていたのか砲撃されていたが……

 

?2改め『北上』「待って『大井っち』にみんな!アイツ……砲撃して来ないよ!ってか堤下達じゃないね……」

 

?改め『大井』「え!?堤下達じゃない!?北上さん!それはどういう事なのですか!?」

 

?3改め『雪風』「大井さん!あの人……堤下と同じく『男性』なのに雪風達と同じ『艤装』を着けています!堤下の仲間だと思われます!」

 

?4改め『鳳翔』「……皆さん……警戒だけはしてください!そこの貴方!所属と名前、階級を言いなさい!」

 

?5改め『イムヤ』「ッ!?貴方は……まさか……」

 

勇人(ふぅ……何とか砲撃がおさまった……ん?暗くて、よく見えないが……あれは北上に大井、雪風、鳳翔そしてイムヤか……そしてアイツらが口々にしていた『堤下』……まぁ取り合えず自己紹介してから保護するか……何かしら情報が入るかも知れないしな)

 

勇人「……俺は敵では無いから武器を降ろせって!俺は『佐世保鎮守府、第一前衛』……間違えた、今日付けで『佐世保鎮守府総司令』の『上城勇人』だ!ちなみに『中佐』だ……お前達は何処の所属の艦隊だ?迷子なら所属の鎮守府まで引率するが?」

 

北上 大井 鳳翔 雪風「ッ!?佐世保鎮守府の提督!?上城勇人だと!?」

 

ガチャ!!

 

勇人「だから敵じゃねぇって!!もう一度言うが、さっさと『武器』を仕舞えって!」

 

勇人(『佐世保鎮守府の提督』そして『俺の名前』を言っただけで『この様』か……嫌われているんだな……俺も……堤下も……って今は凹んでいる場合じゃねぇ!説得だ!)

 

北上達は勇人に向けて主砲や弓を向けて構えているのを勇人は北上達に説得していると……

 

イムヤ「ッ!?やっぱり……勇人!?会いたかったよーーー!」

 

ガバッ!

 

勇人「………へ?」

 

イムヤは勇人を見た途端、泣きながら抱きついてきたのだ

 

イムヤ「グズッ……本当に……生きていたのね……」

 

勇人「『生きて』……ッ!?お前!半年前の……」

 

イムヤ「そうよ!半年前、勇人と一緒に出撃した『イムヤ』よ!良かった……生きていて……」

 

北上「へ?これって……」

 

大井「どういう……事?」

 

北上達はイムヤの様子を見て混乱していると、イムヤは勇人に出会えた事に嬉ながら北上達に言った

 

イムヤ「みんな!聞いて!この人は敵じゃないわ!堤下が言っていた『半年前の襲撃事件で戦死した訓練生』の上城勇人『曹長』いえ『中佐』よ!」

 

大井「……ちょっと待って!吹雪さんの提督が生きているわ!半年前の事件って……私達……未だに頭の整理が追い付かないわよ!」

 

勇人「……簡単に言えば『味方』だと判断すれば良いからな、大井の発言から察するに、お前達も堤下に誘拐された艦娘達で良いかな?」

 

鳳翔「……その通りです、しかも敵意は無いようですね、では貴方には私達を鎮守府まで引率してください」

 

勇人「んな事位お安い御用………いや、どうやら……簡単に帰れそうには無いな」

 

雪風「ッ!?皆さん!あれを見てください!!」

 

北上 大井 鳳翔 イムヤ「ッ!?」

 

勇人が何かを見付けたのか、溜め息を付き答えると……

 

堤下「見ぃーつけた♪俺の玩具が……ッ!?貴様は!死んでなかったのか!?『蒼白龍』!?」

 

優香里「あら?久し振りだね♪馬鹿息子♪」

 

そう、深海棲艦の大群を率いていた堤下と優香里が勇人を見て小馬鹿にするように言った

 

イムヤ「蒼白……龍……それに……」

 

鳳翔「……あの女の『息子』」

 

勇人「……まさかテメェらから来るとはな……堤下に糞婆ぁ!さぁ『奪った者』を返して貰うぞ!」

 

勇人は二人にドスの効いた荒い口調で言うと二人は勇人達を馬鹿にしたかの様に笑い、見下しながら言った

 

堤下「ほぅ♪『奪った者』ねぇ……プフフフ♪何を言っているのだ?元々『俺の者』だ♪むしろ『その言葉』そっくり、そのまま返すぞ♪『親の七光り君』♪」

 

優香里「どうせ私達と同じ『力』を持っても、ベースが『オンボロのポンコツ戦艦の三笠』だから私達n……勇人「今何て言った……」……え?」

 

北上 大井 雪風 鳳翔「ッ!?」

 

イムヤ(ヒッ!!)

 

勇人は二人の挑発に静かに、重く、そして『ある思い』が込められた口調で二人に聞いた

 

優香里「だから………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優香里「『オンボロのポンコツ戦艦の三笠』と言っt……勇人「殺す!!」」

 

ズサッ!

 

勇人は愛刀『ムラマサブレード』に相当な殺気を込めて優香里に一太刀を浴びせたが……

 

優香里「……あらあら♪いきなり過激な事をするわね♪まぁ良いわ♪遊んであげるわ♪」

 

堤下「ウッハ♪今時、刀なんて古いな♪やっぱ三笠みたいなオンボロでポンコツな艦娘だから装備も古いな♪」

 

 

優香里は舞う様に勇人の剣筋を避け、更に二人は勇人の殺意や怒りを煽り立てる様に挑発した

 

勇人「……どうやら本気で死にてぇらしいな……『Aegis ver.2』……さぁ……始めようか……『害虫駆除(テメェラの公開処刑)』をな!!」

 

勇人は『Aegis ver.2』になり二人に攻撃をし始めた

 

だが二人は、この戦いを機に後々、酷く後悔をする事になろうとは知らなかった

命まで賭けてくれた三笠()に対して侮辱とも取れる発言をした二人のせいで(勇人)を怒らせてしまった事に……



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第14話「龍母、目覚める」

勇人が優香里達と交戦する数分前 佐世保鎮守府 宿舎にて

 

赤城「ムニャ……御腹空いたな……今の時間帯なら提督か鳳翔さんは起きている筈だわ……」

 

赤城は小腹が空いたのか、ベットから降りて食堂に向かった

 

数分後 食堂にて

 

鳳翔「……そうです!比叡さんは無理にアレンジをしようとするから失敗するのですよ!」

 

比叡「あ!?成る程♪これなら皆さんに美味しく食べれますね♪」

 

大和「……提督にバレても知r……赤城「……何やっているのですか?」……赤城さん!?」

 

武蔵「いや……比叡が昨日の件で相当『悔しかった』から提督に見返してやろうと料理の特訓をしているのだ……提督には言わないでくれないか?」

 

赤城は食堂に入ると昨日の『柏木毒殺未遂事件』で勇人達に滅茶苦茶説教され、悔しい思いをした比叡が鳳翔、大和、武蔵そして長門に料理を教えてもらっていたのだ

 

比叡「毒殺って酷いですよ!うp主!」

 

だったら、ちゃんと作れ!そして霧島ナガツキさんの所に謝りにいけよ!by うp主

 

長門「まぁなんだ……赤城、小腹が空いているんだろ?ほら、握り飯だ」

 

赤城「ありがとうございます♪まぁ別に『訓練』している位なら言っても問題無いと思いますが……ん!?中身は鮭ですね♪」

 

長門「……今日、遠征に行っていた球磨達からの差し入れだ♪明日の朝食に鮭をフリカケに加工して出そうと考えているのだが……」

 

赤城「……それも良いのですが私は焼き魚の方が良いと思います♪」

 

赤城は長門が作った握り飯を頬張りつつ長門と雑談していると……

 

ドカーン!

 

赤城「ッ!?砲撃!?」

 

長門「何だ!?比叡!訓練は中止だ!今すぐ提督を起こしに行ってこい!」

 

比叡「ヒェェェェ!分かった!」

 

鳳翔「比叡さん!待ってください!皆さん!外を見てください!」

 

鳳翔は赤城達を外に視線を向かせると……

 

赤城「へ!?提督が『二人』に……まさか!上坂優香里!?」

 

長門「あいつは……堤下!?しかも深海棲艦の大群!?まさか提督は単独で……」

 

武蔵「しかも迷子の艦娘達を連れて……」

 

大和「皆さん!出撃準備を!……あった!?フン!」

 

ガン!!

 

ジリリリリリリ!

 

大和「敵襲です!!皆さん!直ぐに鎮守府から『北北西、20㎞付近』に深海棲艦の大群が攻めてきてます!目印は『提督及びはぐれた艦娘達』です!出撃準備次第、随時、提督の援護及び、はぐれた艦娘達の保護に廻ってください!繰り返す!……」

 

大和は非常ベルを押して……というより殴り押して非常ベルを鳴らし、就寝中の艦娘達を叩き起こし、備え付けのマイクで艦娘達に指示を出していた

 

赤城「では大和さん!準備が終わったら直ぐに出撃してください!皆さん!行きますよ!」

 

赤城達は大和を残し、勇人を援護しに向かった

 

 

 

 

 

 

同時刻 鎮守府付近の海域にて

 

勇人「CIWS!AAWオート!!」

 

ドドドドド!!

 

優香里「な!?CIWS!?まさか……『イージス艦』に改造していたなんて……」

 

堤下「だが……装甲は弱い筈だ!酸素魚雷!全門発射!」

 

優香里「さぁ!ぶっといのを全部くれてやるわ!」

 

シュー!

 

勇人「……無駄なことを……フッ……『そろそろ』か……」

 

ドカーン!

 

北上「ッ!?提督!?」

 

大井「上城中佐!?」

 

イムヤ「嘘……でしょ……勇人が……轟沈……イヤァァァァァ!」

 

堤下「デュフフ♪やっぱりポンコツ戦艦だから装甲は『神』ならぬ『紙』だな♪プフフフ♪」

 

優香里「フフ♪そうね♪では遺体をサルベージしてと……」

 

二人の魚雷が勇人に命中、爆発し、海面が炎の海になったのを見て、北上と大井、そしてイムヤは絶望し、何かも諦めていた時だった

 

 

 

ドカーン!

 

 

 

優香里「グハッ!!砲撃!?何処から!?まさか……」

 

堤下「優香里さん!?大丈夫ですか!?」

 

イムヤ「まさか………」

 

優香里は炎の海の中から砲撃を食らい、振らつくと炎の海の中から怒りの籠った女性の声が聞こえた

 

 

 

三笠「誰が『ポンコツ戦艦』だ?『アバズレ女』が!黙って聞いていれば……」

 

勇人「……言った筈だ……『無駄』だとな」

 

イムヤ「勇人!?三笠さん!?」

 

炎の海の中から多少、煤を被っているが半年前の事件で左腕を失った勇人と三笠が炎の海の中を歩いて優香里達に近付いた……家族を侮辱された怒りと共に……

 

 

優香里「ギリッ……三笠ぁ!!!」

 

堤下「ゲ!?死んでなかったのか!?」

 

勇人「当たり前だ……テメェのナニみたいな『小せぇ魚雷』なんて効くかよ!それに……」

 

三笠「フッ……ベースが良くても、本体が『腐りきった年増』だと無駄な事よ……さぁ誘拐した『桜花優花』と『佐世保鎮守府の艦娘達』を……」

 

 

 

 

 

ガチャ!!

 

 

 

 

 

 

 

三笠 勇人「返して貰うぞ!!」

 

二人は優香里達に主砲を構え、日本刀を抜き、構えた

優香里達から『奪われた者』を取り返す為に……



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第15話「決着」

雪風「へ!?司令が……三笠さんが………」

 

鳳翔「……ッ!?司令!左腕が………まさか!?」

 

鳳翔は左腕が無くなっている勇人の姿を見て絶句したが……

 

イムヤ「違いますよ鳳翔さん、勇人の左腕は半年前には『失って』いたのよ」

 

イムヤは鳳翔が絶句していたのを見て簡潔に説明すると、鳳翔は胸を下ろし、安堵した

 

鳳翔「……そうでしたか」

 

優香里「……何故あんたが居るのよ!!三笠ぁ!!」

 

堤下「そうだ!お前は……半年前に『轟沈』した筈だ!俺が裏で操っていた『深海棲艦』によって!!」

 

勇人「ッ!?……『操ってた』だと!?テメェ……」

 

三笠「……私は優香里をやるから、勇人は堤下をお願いね」

 

勇人「……本調子じゃないけど大丈夫か?」

 

勇人は優香里達に怒りを出しつつ三笠を心配した様子で聞くと、三笠は微笑みながら答えた

 

三笠「フフ♪あんたのお陰で『完全に回復』したから問題無いわ♪勇人こそ左腕が無いけど……行ける?」

 

勇人「大丈夫だ、問題無い!」

 

三笠「フフ♪でしょうね♪伊達に柏木に鍛えられたから『左腕が無い』位、然程問題無いからね……さて!優香里!堤下!覚悟は……」

 

勇人「出来ているんだろうな?」

 

優香里「……チッ!堤下!行くわよ!」

 

堤下「分かりました!!シネェェェ!!」

 

ドカーン!

 

堤下は主砲である36㎝砲を勇人に向けて発射したが……

 

勇人「……」

 

パシッ!

 

ドカーン!

 

ガシッ!!

 

優香里 堤下「!?」

 

北上「嘘……三式弾を払い、徹甲弾を……」

 

大井「掴んだ……」

 

そう、勇人は堤下が発射された三式弾を蝿を払う様に手の甲で払い、そのまま徹甲弾を鷲掴みをし、そして……

 

勇人「……返すぜ」

 

そのまま堤下達に投げ返した

 

ドカーン!

 

堤下「グハッ!!……クッ!『大破』して……勇人「まだだ!オラァ!」……グハッ!!」

 

堤下は勇人が投げた徹甲弾に当たり大破し、勇人は追い撃ちをかける様に堤下の腹を殴り、気絶させた

 

勇人「おいハイパーズ!堤下を錨で縛り上げろ」

 

北上 大井「ハイィ!!分かりましたぁ!!」

 

二人は勇人にビビりつつも鎖付きの錨で堤下を縛り上げた

 

優香里「クッ!堤下が……ここは退k……三笠「逃がさないわよ!セイッ!」」

 

ズサッ!

 

優香里「嘘……でしよ……」

 

優香里もまた三笠に斬られ、気絶した

 

空母ヲ級「ッ!?蒼白龍に龍母!?コレハ……ミナ、撤退ダ!」

 

空母ヲ級の一言で深海棲艦の大群は一目散に撤退していった

 

鳳翔「……凄い……」

 

イムヤ「……本当に……あの勇人なの……」

 

雪風「あの堤下達を……倒した……」

 

鳳翔達は勇人と三笠の戦いに驚愕していると……

 

勇人「………い………」

 

北上 大井 鳳翔 イムヤ 雪風「い?」

 

勇人「……痛ってぇぇぇぇぇ!ヤッパ三式弾を素手で弾くんじゃなかったぁぁぁ!!」

 

三笠「はぁ……相変わらず『締まらない』わね……『ただいま』馬鹿息子」

 

勇人「おう……『お帰り』母さん」

 

勇人は三式弾を素手で弾いた衝撃で手を痛めると、三笠は優香里を鎖で縛り上げ、呆れながら笑顔で言い、勇人は恥ずかしそうに答えた

 

大井「か……『母さん』!?ちょ!上城中佐!どういうこと!?上坂や三笠さんとはどういう関係なの!?」

 

大井は勇人の発言に混乱しつつ質問すると勇人の代わりにイムヤが答えた

 

イムヤ「まぁ簡潔に説明するけど、上坂優香里は勇人……いえ司令の『産みの母親』で三笠さんは『育ての母親』なのよ」

 

北上「うわ……何、この昼ドラみないな関係は……」

 

勇人 三笠「昼ドラ言うな!」

 

二人は北上に突っ込みを入れると……

 

赤城「提督!?ご無事です……え!?」

 

長門「……三笠教官!?何故貴女が……」

 

鳳翔(龍飛)改め龍飛「若!?あれほど単独行動は止めてと……え!?」

 

佐世保鎮守府の艦娘達「えぇーーーー!何で提督(司令官)の隣に三笠教官がいるのぉぉぉ!!」

 

三笠「……うるさい」

 

勇人達の援護しに来た赤城達も三笠の出現に驚愕したのは言うまでも無かった



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第16話「吉報」

勇人達が堤下達を捕獲した同時刻 大本営 横須賀鎮守府付近の居酒屋にて

 

キャー!!

 

ワーーッ!!

 

店内では強盗らしき男が某銀河の歌姫似の女性を人質に取っており、一馬は説得していた

 

一馬「……んで、お前は俺に復讐するために……沙耶を……」

 

某銀河の歌姫似の女性『沙耶』「……チッ!離しなさい!!」

 

一馬はシェリ〇に似た女性……いや一馬の娘『上城 沙耶』が一馬が昔『とある事件』で一馬に恨みを持った強盗風の男に拳銃を突きつけられ人質にされていた

 

男「うるせぇ!!テメーのせいで……いや『テメーとテメーの虎息子達』のせいで俺と督朗が……こんな目に会っているんだ!!」

 

男は一馬や勇人に酷く恨んでいるのか、激怒し粗い口調で言うと一馬と沙耶は呆れ、沙耶は呆れつつも余裕のある表情で答えた

 

沙耶「……それは貴方が『あの女』と一緒に艦娘達に酷い事をしてきたからでしょ!それに……」

 

男「それに?」

 

男が沙耶に聞くと、沙耶は勝ち誇った表情になり答えた

 

沙耶「私も蘭姉と同じように『ハヤ兄』や『ママ(三笠さん)』に『仕込まれている』ん………でね!!」

 

 

ドカッ!!

 

 

男「ッ~~~~~~~~~~~!?」

 

一馬(イッ!?………アイツ、男に対して『えげつない事』を沙耶に教えやがって………痛そう……)

 

沙耶は足を後ろに蹴りあげる様に男の股間を蹴りあげると、男は蹴られた事により前屈みになり……

 

沙耶「ハァァッ!!」

 

ガン!!

 

沙耶は前屈みになっている男の髪の毛を左手で掴み、男の背後に廻りながら男の足を掻け、右手を拳銃を取り上げ、男が自然に地面に落ちるスピードを速める様に男の頭を地面に向けて全体重を掛けながら男にのし掛かり、叩きつけた

 

居酒屋の客1「お!?あのアイドル『サヤ』の生アクション!キタコレ!」

 

客2「え!?これって……撮影?それにしてはリアルだな……」

 

 

 

ざわざわ……

 

 

居酒屋の客達は沙耶の行動に混乱していると……

 

沙耶「皆さん!御安心を!これは『番組のドッキリ企画』なので心配しないでくださーい♪」

 

客1「なーんだ♪」

 

客2「俺達、TVに写るのか……さっそくオカンに電話せな♪」

 

ワイワイ……ガヤガヤ……

 

沙耶は混乱している客達に嘘の情報を流すと、客達は安心したかの様に、また酒を飲み、居酒屋特有の賑かな雰囲気に包まれてた

 

沙耶「……パパ、この人……」

 

一馬「……ああ、取り合えず……女将、お会計を」

 

女将「分かりました……撮影なら事前に言ってくださいね♪一馬さんに沙耶ちゃん♪吃驚したじゃない♪」

 

沙耶「……すみません♪後、お釣りは要らないです」

 

女将「今度は蘭ちゃんと、あの『ヤンチャ兄弟』とミッチャン(三笠さん)と来てね♪待ってるわ♪」

 

沙耶と一馬は女将に弁償代を含めてなのか、20万出して強盗風の男を引きずりながら居酒屋を後にし、外に出ると……

 

黒いスーツを着た男「……頭、お嬢、お待ちしました……こちらへ」

 

沙耶「ありがとう♪」

 

一馬「……」

 

黒いスーツを着た男「……この男はどうします?」

 

一馬「……縛ってトランクの中に入れておけ、こいつは勇人絡みの問題で聞きたい事があるからな」

 

黒いスーツを着た男「ハァ……若も頭と一緒でトラブルに巻き込まれ易い体質ですね……流石親子ですね」

 

一馬「ここだけは似て欲しく無かったんだがな……んじゃ鎮守府まで宜しくな」

 

黒いスーツを着た男は一馬の命令に了承し、強盗風の男をトランクの中に入れ、二人を乗せて鎮守府に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後 車内にて

 

沙耶「全く……久々の休みなのに~!もう!!」

 

一馬「まぁそう言うなって……アイツも好きでトラブルに巻き込まれる訳では無いからな」

 

沙耶「……泣けるわね」

 

沙耶は一馬に愚痴を言っていると……

 

届け~届け~思いを届け~♪

 

一馬「ん?携帯が……明石か……」

 

Pi♪

 

一馬は自身のスマホが鳴っていると明石から電話なのか、直ぐに出た

 

一馬「もしもし……どうした明石?」

 

明石『提督!夜遅くすみません!実は勇人さんの妖精達から伝達がありましたので報告します……堤下と上坂優香里の捕獲を成功しました!』

 

一馬「……フッ、そうか……それだけか?」

 

一馬は安堵しつつ明石に言うと明石は喜びながら言った

 

明石『いえ、後……三笠さんが……『完全に回復』しました!』

 

一馬「ッ!?それは本当か!?」

 

沙耶「え!?ママが!?」

 

二人は明石の報告を聞いて驚き、明石は沙耶に懐かしそうに言った

 

明石『あ!?この声は……沙耶ちゃん!?お久しぶり♪元気にしてた?』

 

沙耶「ええ♪明石ちゃんも相変わらずね♪所でハヤ兄は……」

 

明石『佐世保鎮守府の明石()から今入った報告だけと……今、三笠教官と編成を組み直して堤下達に人質されている人達を救助しに出撃をしているって……』

 

沙耶「ハヤ兄とママらしいわね……」

 

一馬「明石、勇人の義手は?」

 

明石『はい、勿論出来ていますが……半年前の事件で撃沈した深海棲艦の駆逐艦を回収(サルページ)し、解剖した結果……勇人さんの左腕が発見されましたので今『幹細胞』や『IPS細胞』『高速修復剤』を使って今、修復しています』

 

一馬「そうか……何か有ったら随時報告をしろよ」

 

明石『分かりました!』

 

 

Pi♪

 

沙耶「はぁ~良かった♪ママが復活して♪」

 

一馬「まぁな……さて……」

 

プルルル……プルルル……

 

一馬は安堵し、とある人に連絡し始めた

 

柏木『ふわぁ~……ふぁい……こちら呉鎮守府です……ムニャ……』

 

そう一馬の電話相手は黒虎徹こと『柏木疾風』であった

 

一馬「柏木、俺だ……夜遅くすまんな」

 

柏木『ッ!?上城元帥!?どうかなされたのですか!?……あ!?大鯨、お茶を頂戴……』

 

柏木は電話相手が一馬だと知ると目が覚めたのか、慌ただしい口調で聞いた

 

一馬「吉報だ……馬鹿息子が堤下達を捕獲した……しかも三笠の完全復帰という、おまけ付きでな♪」

 

柏木『ブーーーーッ!!!はぁ!?三笠教官が完全復帰ぃ!?』

 

大鯨『ちょ!?汚いですよ!?提督!ってか夜遅く電話を掛ける非常識な電話相手は誰なのですか!?』

 

柏木『……』

 

大鯨は夜遅く電話を掛けてきた相手に怒りつつ柏木に言うと柏木は無言で電話を大鯨に渡した

 

大鯨『夜遅く誰ですか!?非常識極まりないですよ!!どういう……一馬「こんばんわ大鯨、俺だ」……ッ!?』

 

柏木『プププ……』

 

大鯨は非常識な相手が一馬だと知ると顔が蒼白したのか無言になり、そして……

 

てーいーとーくー………

 

ワーーッ!!止めろ大鯨ェーーー!

 

ガシャーーーン!

 

 

大鯨『……お待たせしました!先程の無礼、お許し下さい!!』

 

一馬「別に良いぞ……夜遅く電話掛けてきた俺も非があるからな……今さっき物凄い音と柏木の断末m……大鯨『気にしないで下さい♪』……程ほどにな……柏木にも伝えたが……」

 

沙耶(完全に『かかあ天下(パパとママとの関係)』だわ……ってか、さっきの柏木って人……何かハヤ兄に似ているわね……主に性格が……)

 

一馬は柏木の心配をしつつ、先程の報告を大鯨に言うと安堵したのか、力が抜けたような口調で答えた

 

大鯨『本当ですか!?はぁ~良かった♪』

 

一馬「まぁそう言う訳だから、また馬鹿息子がお邪魔した時はビシバシ鍛えさせてくれよな♪」

 

大鯨『あははは……分かりました』

 

Pi♪

 

一馬「……よし」

 

沙耶「……まず色々と言いたいんだけど……ハヤ兄の友達って……色んな意味でキチガイ染みている人が多いよね……」

 

一馬「……まぁな……さて、おい!お前も車を鎮守府に置いて飲みに行くぞ!!祝い酒だ!!」

 

黒いスーツを着た男「分かりました♪是非ともお供させて下さい♪」

 

沙耶「クスッ……やれやれだわ♪」

 

三人は車を鎮守府の駐車場に停め、再び飲み屋へと意気揚々と足を運んだ……勇人が提督としての初任務の成功祈願を兼ねて……

 

 



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第17話「報復」

一馬達がハシゴしている同時刻 佐世保鎮守府付近の海域にて

 

勇人「……って訳だ」

 

勇人は救援に来た艦娘達に今回の単独出撃、艦娘以外の一般人が捕まっている事や半年前の事件、三笠の融合、柏木の援助によって三笠の復活、そして堤下達が半年前の事件の元凶だという事を全てを打ち明けた

 

長門「……」

 

吹雪「司令官……」

 

龍飛「若……」

 

鳳翔「……」

 

勇人「……だが、これは俺の……いや俺達家族の『問題』だ……そもそも半年前の事件は堤下達が裏で操っていたんだ……だから……」

 

長門「だから、あの時……『提督自ら堤下達を捕まえる』……って……」

 

長門が勇人に言うと、勇人は頷くと長門は勇人に近付き……

 

 

 

 

 

 

 

 

バチン!!

 

 

 

勇人「ッ!?何しやがる!!」

 

長門は勇人にビンタをし、泣きながらに言った

まるで長門や佐世保鎮守府の艦娘達の気持ちを代弁する様に……

 

長門「提督!!そうやって私達に頼らずに自分だけ『問題』を抱え込むのですか!!私達だって提督……いや上城中佐の『仲間』なんだぞ!!確かに最初は提督を恨んで……暗殺や反逆をしたが……それでも提督は、そんな私達の為に自身の権力やコネ等を使ってまで守り、治してくれた……私達だって艦娘であり軍人だ!だから……私達は……そんな提督に『恩返し』がしたいのだ……人として……艦娘として……提督や柏木少将、三笠教官、三笠元帥みたいな大きな力は持っていないが『私達のやり方』で提督を助けたいのだ……どうか……今回の任務、私達も同行させて下さい!お願いします!」

 

佐世保鎮守府の艦娘達「お願いします!」

 

三笠「フフッ♪さぁどうする?馬鹿息子♪」

 

龍飛「多分断っても勝手に同行すると思いますよ♪」

 

龍飛、三笠以外の艦娘達は勇人に頭を下げて懇願すると、勇人は諦めたのか溜め息をつき、言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「……今から陽動部隊と救助部隊のメンバーを言う……一度しか言わないから耳かっぽじって聞けよ……」

 

佐世保鎮守府の艦娘達「ッ!?ハイッ!!」

 

勇人は艦娘達に言うと、みんな目に力が入り答えた

 

勇人「まずは陽動部隊だ……陽動部隊は三つの部隊に編成する……まず『A(アルファ)チーム』は長門、金剛型4姉妹そして赤城!そして遠距離での陽動部隊『B(ブラボー)チーム』は二航戦、五航戦、隼鷹、陸奥……そ して囮兼内部陽動部隊となる『C(チャーリー)チーム』は夕立、龍飛さん、大和、武蔵、川内、那珂の3チーム編成だ!救助部隊は俺、雪風、吹雪、伊勢、天龍、木曾で行く!!それ以外は堤下達の見張り兼『捕虜となった一般人』の受入の準備に取り掛かれ!分かったか!」

 

佐世保鎮守府の艦娘達「はい!」

 

三笠「フフッ♪着任して間もないのに、もう提督としての板は着いてきたようね♪」

 

龍飛「そうね三笠♪あの若が……グスッ……」

 

三笠「ちょ!?何泣いているのよ?アンタが泣いてどうするの?」

 

龍飛「だって……訓練生時代は……『独りぼっち』で『仲間を頼る』事をしなかった若が……成長していて……」

 

三笠「龍飛……それアンタが言う台詞では無いと思うんだが……まぁいっか♪はいハンカチ♪」

 

龍飛「ありがとう……」

 

チーン!

 

三笠「……洗って返してよ……それ高かったんだから……」

 

雪風「司令……雪風は……」

 

雪風は再度、深海棲艦の基地に戻る事に怖がっているのか、震えながら言うと勇人は雪風の頭を撫でながら言った

 

勇人「……怖いのか?」

 

雪風「……はい……ですが、内部を知っているのは雪風達しか知らないので仕方ありません!」

 

勇人「……無理はするなよ、無理して死んだら話にならんからな」

 

雪風「ハイッ!!雪風は沈みまs……勇人「違うだろ、『雪風』じゃなく雪風『達』……だろ?休憩無しでの出撃だが大丈夫か?」……ハイッ!!大丈夫です!司令の為なら頑張ります!」

 

雪風は勇人の言葉に気合いの入った口調で答え、勇人は明石や夕張に『ある事』を言った

 

勇人「明石に夕張、捕虜になっている一般人がD-Cellに感染している可能性があるから冷凍保存している『日向』の身体を解凍、融合準備をしてくれないか?日向は『脳波』だけが動いている状態だから……上手く行くと俺みたいに『復活』出来るかもしれねぇ」

 

伊勢「え!?日向を……でも日向は……『死んだ』んじゃ……」

 

勇人「ダラ(馬鹿)!俺が『死なせない』様に怪我の治療や電気ショック等、色々と処置したんや!!分かったんなら返事をしまっし!!」

 

伊勢「提督……ありがとうございます!」

 

明石「分かりました!では至急準備します」

 

夕張「しかし……融合方法は……勇人「俺がやるから、夕張と明石は日向に心臓マッサージやAEDを使って強制的に心臓を動かして脳血管を介して酸素や栄養を送り込め!でないと手術する前に死ぬからな!」……分かりました!」

 

夕立「うわ……医療用語のオンパレードで何言っているか分からないっぽい……けど深海棲艦の基地の中で思いっきり暴れればいいっポイ!」

 

長門「そうだな♪では提督、『出撃命令』を!」

 

長門は勇人に言うと勇人は荒く、気合いの入った口調で言った

 

勇人「よし!テメェラ!準備いいか?」

 

艦娘達「はい!」

 

勇人「なら……出撃部隊……今から深海棲艦の基地にカチコむぞ!行くぞぉぉぉぉ!!」

 

三笠「ヤクザのカチコミじゃないのに……まぁいっか♪頑張れ……勇人」

 

勇人達は深海棲艦に向けて出撃し始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方 深海棲艦の基地にて

 

空母ヲ級「ハァ……ハァ……シカシ蒼白龍ガ片腕ヲ失ッテイルトハ……マァ良イ!私達ハ人質ガイルカラ問題ハナイ!流石ニ攻メテ来ナイダロ……ミンナ!通常ノ配置ニ戻レ!」

 

ヲ級は勇人が弱体化していると誤解していたのか深海棲艦達に通常通り指示をした

勇人達が攻めこむ事を知らずに……



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第18話「思惑」

空母ヲ級が深海棲艦達に指示を出してから3時間後 0130 K国の深海棲艦基地付近にて

 

勇人「……此所がアイツらの基地か……」

 

金剛「hum……警備がザル過ぎますネー……」

 

時雨「……だけど見つかったら日本にミサイル飛ばしてくるんじゃないよね……ってか、いつの間に艤装のみ『Aegis ver.2』……いや『それ以上の重装備を装着した』状態になったんだい?」

 

そう、勇人の姿は男性に戻っており、艤装は『Aegis ver. 2』の時よりスマートになっているが、翼やジェットエンジン、荷電粒子砲などの付加装備が装着されていた

 

勇人「おい時雨、それ……色んな意味で洒落にならねぇぞ……まぁ母さんと分裂したから容量が、かなり空いたから妖精達が『勝手』に改造したせいだろう……さしずめ『Aegis ver.3』って事だな……取り敢えず配置に着いてくれ」

 

勇人達は深海棲艦の基地の警備の薄さに呆れつつも勇人は艦娘達に配置に着く様に指示を出した

 

数分後……

 

長門「こちらAチーム、配置完了」

 

蒼龍「同じくBチームも準備完了」

 

勇人「んじゃ指示があるまで隠れて待機してくれ……Cチームに救助部隊、準備はいいか?」

 

夕立「ポイ!」

 

吹雪 雪風「はい!」

 

天龍 木曾「おう!」

 

吹雪達は小さな声で返事をすると勇人は基地に上がり、警備しているK国の二人の兵士に近付き……

 

勇人「……ふん!」

 

ゴキッ!

 

勇人「オラァ!」

 

バキッ!

 

勇人「ポイ!」

 

バッシャーン!

 

勇人は兵士の一人を顔を1回転させ首を折り、もう一人を上段回し蹴りで首をへし折り、二人を海の中に沈めた

 

夕立「それ私の台詞っぽい!」

 

吹雪「いやいやいや!司令官!普通に人を『殺し』ましたよ!!」

 

勇人「……でないと俺達が死んでしまうだろ……Cチーム!砲撃の合図で暴れて来い!後の指示は龍飛さんに任せる!」

 

大和 龍飛「分かりました!」

 

武蔵「了解!」

 

雪風「此方です司令!」

 

勇人「んじゃA,B両チーム……砲撃開始!」

勇人は無線でA,B,Cチームに指示を出し、勇人達は雪風の案内で捕虜されているであろう牢屋に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

30分後 深海棲艦の基地内部の牢屋にて

 

金〇日に似たK国の将軍以後『将軍』「フッフッフ……さて、あの馬鹿はどうなったか……」

 

将軍であろう華美な軍服を着た金正〇と瓜二つの男がK国の言葉で牢屋に捕らわれている艦娘達や捕虜になった一般人を見て、物を定める様に嬉しそうにニヤけた

 

因みに将軍が日本語で喋る時は若干片言になる表現にしますのでご了承下さい

 

将軍「フム……やっぱり日本の艦娘は良いのもだ♪」

 

将軍は下心丸出しでニヤけて言うと一人の女性が強い口調で言った

 

長門に似た女性「ゲスな目で見ないで!誰もアンタに身体を捧げる馬鹿はいないよ!!」

 

金髪のツインテールの艦娘『グラーフ』「そうだ!アンタに捧げる位なら自沈を選ぶぞ!」

 

将軍「何だト……貴様ラ……」

 

将軍は長門に似た茶髪の女性と艦娘『グラーフ・ツェッペリン』に手を掛けようとした途端……

 

 

ドカーン!!

 

将軍「何だ!?今の音は!?」

 

将軍は突然の轟音に驚いていると、先程のヲ級が入ってきた

 

空母ヲ級「将軍!大変ダ!何者カガ基地ニ侵入、攻撃サレテマス!」

 

将軍「何だと!!一体誰がそんなことを!?」

 

空母ヲ級「ワカリマセン!タダ侵入者ノ『見当』ハツイテマス!」

 

将軍「一体誰だ!」

 

将軍は慌てているのかK国の言葉でヲ級に聞くと、ヲ級もまた慌てた口調で言った

 

空母ヲ級「……蒼白龍デス!」

 

グラーフ「!?」

 

長門に似た女性「蒼白……龍?」

 

グラーフ「……優花殿、多分貴女のお爺様から聞いたのかも知れませんが……神城会会長の孫であり、死んだ筈の私達の新しい提督……上城勇人『曹長』の事です」

 

長門に似た女性『桜花優花(さくらばな ゆうか)』「え!?嘘……あの神城の救済龍が!?何で敵対している組織の者が……ウグッ!」

 

茶髪のツインテールの艦娘『陽炎』「……取り敢えず助けに来たのは間違い無いようだね♪ってかアンタ大丈夫?凄く顔色が悪いわよ……」

 

優花「これ位……」

 

将軍「何だと!!あの男は死んだんじゃ無かったのか!?」

 

空母ヲ級「多分誤報ガ……」

 

将軍「この役立ずが!!」

 

バキッ!

 

空母ヲ級「ウグッ……」

 

将軍「やられてる暇があれば殺してこい!」

 

空母ヲ級「……ソンナ……」

 

将軍は苛立ち、ヲ級を殴り勇人を殺す様に命令するとヲ級は勇人の強さを知っているのか絶望した途端……

 

 

 

オラァ!

 

 

 

ズサッ!!

 

 

将軍「ッ!?誰だ!」

 

将軍は突然、牢屋の出入り口である扉が切り壊されたのを見て荒げた口調で言うと壊された扉から天龍、木曾が自身の武器を持って立っていた

 

天龍「どうやら『当たり』の様だな♪サンキュー雪風♪」

 

雪風「いえ!司令の為なら何だってやりますよ!」

 

木曾「さぁて……この豚を、どう調理するかな?」

 

吹雪「皆さん!大丈夫ですか!?」

 

伊勢「うっわ……ウチの隠し部屋よりも酷いな……」

 

陽炎「天龍!?木曾!?それにみんな!?まさか……」

 

グラーフ「本当に……」

 

優花「来て……くれたんだ……」

 

優花達は天龍達が来たことに嬉しく、希望が沸いた様な笑顔になり、そして……

 

ドカーン!

 

スタッ!

 

勇人「おいおい……雑魚どもを俺に任すんじゃねぇ……ん?誰だ?この『醜い豚』は?」

 

吹雪「さぁ?分かりません……ってか天井……いえ床を壊さないで下さい!崩壊したらどうするのですか!?」

 

勇人「安心しろ、斬って来たから剛性上問題ねぇ♪」

 

吹雪「貴方は石川五〇門ですか……」

 

いきなり天井の一部が円状に切り壊され、破壊された所から勇人は降りてくると吹雪は呆れながら言うと陽炎そしてクラーフは嬉し泣きをし言った

 

グラーフ「admiral!!本当にadmiralなんですか!?」

 

陽炎「本当に上城曹長が……生きてた!」

 

勇人「そうだ!ってか陽炎、俺の階級は『中佐』だって……まぁいっか、それより無事か?」

 

クラーフ「私と陽炎は大丈夫だが……」

 

陽炎「優花さんが……」

 

勇人「桜花優花が……なっ!?」

 

勇人は二人の無事を確認し、優花を見て驚愕した

何故なら……

 

勇人「……顔が蒼白く、目の色が青色に……D-cellに感染してやがる!おい!何時から『こんな症状』になったんだ!?」

 

そう桜花優花はD-cellに感染していたのだ

勇人は優花に聞くと、優花は身体に鞭を打つような辛い口調で答えた

 

優花「……だいたい40分位前よ……」

 

勇人「そうか……」

 

勇人(彼女の体力を配慮して『タイムリミット』は……早くて11時間20分位か……手術や移動時間を考えると後『1時間位』か……なら!)

 

勇人は優花の容態を見て、『ある決断』をした

 

勇人「雪風、天龍、木曾、伊勢、吹雪!早く三人を救助、陽動部隊と共に撤退した後、親父の所の明石と夕張を呼んで日向を使って優花を治療しろ!この二人は俺がやる!」

 

伊勢「しかし……勇人「良いから……」」

 

ズサッ!

 

陽炎 グラーフ 優花「!?」

 

将軍「なっ!?カーボン製の柵が……」

 

勇人「早く行け!」

 

勇人は牢屋の柵を切り壊し、吹雪達に優花達を救助する様に強く言った

 

天龍「……死ぬんじゃねぇぞ!」

 

木曾「まだ俺達の『恩返し』は終わってないからな!」

 

雪風「司令……死なないで下さい!」

 

伊勢「……さぁ!行くわよ!」

 

伊勢達は陽炎達を保護をし、基地から脱出を試みた

だが……

 

空母ヲ級「サセルk……吹雪「それは『私達』の台詞です!」」

 

ドカッ!!

 

空母ヲ級「グハッ!!」

 

吹雪「司令官!!私も残ります!」

 

そう、吹雪は救助を妨害しようとしたヲ級を蹴り飛ばし、勇人の命令に反して勇人と戦う事を伝えると勇人は荒い口調で言った

 

勇人「ふざけんな!!テメェも早く脱出しろ!!」

 

吹雪「嫌です!!また司令官を失いたく無いのです!!」

 

勇人「……天龍!あの馬鹿を連れて脱出しろ!」

 

天龍「分かった!ほら!我が儘言うんじゃねぇ!行くぞ!」

 

吹雪「嫌……天龍さん!離して下さい!司令官!司令かぁぁぁぁぁぁん!」

 

勇人は天龍に指示を出し、天龍は吹雪を肩に担いで伊勢達は吹雪と陽炎、グラーフそして優花を連れて脱出し牢屋を後にした

 

空母ヲ級「ッ!?サセルカァ!」

 

ヲ級は伊勢達を妨害しようと立ち向かったが……

 

勇人「させねぇよ!」

 

ドゴッ!!

 

空母ヲ級「ガハッ!」

 

勇人「CIWS……AAWオート!」

 

ドドドドド!!

 

空母ヲ級「ガバババババババババ!」

 

ドサッ……

 

勇人は右手でアッパーする様にヲ級の腹を殴り、そのまま右腕に装着していたCIWSで追い打ちをかけ、完全にヲ級の息を止めた

 

将軍「チッ!この化け物がァァァァァ!」

 

勇人「ん?お前は何を言っているんだ?喋るんなら……」

 

ドカッ!

 

ボキボキボキィ!

 

将軍「グァハァァァ!」

 

勇人「日本語で喋ろ!豚野郎が!」

 

勇人はK国の言葉で叫んでいた将軍の脇腹をアッパーで殴ると将軍は殴られた左側の肋骨全てが砕けたのか口から血を吐き、踞った

 

カラン……

 

将軍「これは……サバイバルナイフ!?」

 

勇人は将軍にサバイバルナイフを投げ捨て、荒い口調で言った

 

勇人「さぁ……此処で日本のケジメの付け方である『切腹』をするか、俺に殺されるか、どちらか選べ!まぁ日本語が分かればな!」

 

そう、勇人は将軍に切腹か殺されるか選ばしたのだ

 

しかし将軍が選んだのは『切腹』でもなく、勇人にやられるのではなく……

 

将軍「シネェェェェ!」

 

将軍が選んだのはサバイバルナイフを武器に勇人を殺す事だったのだ

流石に勇人も予測してたのかムラマサブレードを居合の構えになり……

 

ズサッ!

 

将軍「ギャァァァァァァ!腕が……腕がァァァァァ!」

 

将軍が握っていたナイフを右腕ごと切り落としたのだ

 

勇人「バーカ!その位、誰だって予測はつくぞ……さて!死ぬ覚悟は出来ているんだろうな?」

 

将軍「ウグッ……貴様……オレヲ殺スト言う事は……『龍光会』……K国とC国そして日本の巨大政治団体に敵を廻ス事にナルゾ!それでも良いのカ!!」

 

将軍は勇人に脅す様に言うと勇人は笑いながら言った

 

勇人「何を言っているんだ?K国やC国位の最弱国家なら痛くも痒くも無いな♪お前は日本だけではなくK国やC国以外の『世界』を敵に廻したからな♪」

 

将軍「世界ヲ……ッ!?まさか!?貴様ハ!?」

 

将軍は勇人の正体に気付くと勇人はムラマサブレードを構え、そして……

 

スパッ……

 

コロン………

 

 

プシュー………

 

 

勇人「バーカ……今頃『喧嘩を売る』相手を間違っている事に気付きやがって……さてと!早く吹雪達に合流しないとな」

 

勇人は将軍の首を跳ねるとジェットエンジンを使って飛行し、壁や天井を壊しながら急いで吹雪達の後を追った

 

 

桜花優花 D-cellによる死亡まで残り『11時間』

 

 

 

 

 



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第19話「タイムリミット」

勇人が将軍を殺してから1時間後 K国の海域内にて

 

桜花優花 D-cellによる感染死まで残り『10時間』

 

吹雪「司令官……どうして……」

 

吹雪は勇人と共闘する事が出来なかったのか、ヘコんでいると天龍は吹雪に優しく言った

 

天龍「……吹雪、何故提督が自分自身を残して俺達を先に脱出させたか分かるか?」

 

吹雪「……聞きたくありません」

 

そう、吹雪は『分かっていた』のだ……勇人が何故吹雪達を先に脱出させたか……

天龍は吹雪の様子を見て、少し呆れながら言った

 

天龍「なら聞け!提督は、あの豚とヲ級を倒なくちゃならねぇ!だが相手にするとD-cellに感染した優花さんが死んでしまう……だから俺達が陽炎、グラーフさん、優花さんを連れて脱出すれば最悪『横須賀鎮守府』で治療し、優花さんが助かると考えてたんだよ!」

 

吹雪「それは分かっています!しかし私は司令官が『片腕を失った』状態で……しかも、たった一人ですよ!だから私は少しでも司令官の負担を軽くしたいのです!『初期の秘書艦』として……『仲間』として!」

 

優花「吹雪さん……」

 

金剛「ブッキー……ん!?どうやら問題nothingだったみたいネー♪」

 

キィィィィィン!

 

優花「戦闘機?一体誰が……な!?嘘でしょ!?」

 

金剛は優花を担いだ状態で吹雪を慰めに近付くと、二人の視界に轟音を出し猛スピードで近付いてくる『ある者』が映ると何時も様に明るい口調で言った

 

長門「な!?あれって……まさか!?」

 

長門は空から近付いてくる男を見て絶句し時雨に聞くと、時雨は笑いながら言った

 

時雨「その『まさか』さ♪司令だよ♪」

 

艦娘達「ハァぁぁぁぁぁぁ!?司令官(提督)が!?」

 

艦娘達は驚愕していると勇人は上空から吹雪達を見付けると、着陸体制になり、そして……

 

ブァッシャーーーン!!!!

 

長門「ブッ!?提督!?」

 

陸奥「キャッ!?ちょっと……」

 

蒼龍「うわ……とうとう提督は艦娘……じゃなかった艦息を辞めて、どこぞの『機動戦士(ガン〇ム)』になっちゃったよ……」

 

霧島「どっちかと言うと『某サードチルドレン (エ〇ァンゲリ〇ン)』ですね……暴走的な意味で……」

 

勇人「……おっとっとっと!オメェラ無事か!?」

 

けただましい水飛沫を上げながら着陸した勇人は艦娘達に聞くと、みんな口揃えて答えた

 

艦娘達 優花「貴方の豪快な着地による水飛沫の水害が無ければ問題ありませんでした……」

 

勇人「……すまん」

 

長門「まぁ……提督が無事で何よりです……」

 

長門は遅れてきた勇人を見て安堵すると吹雪は勇人に近付き声を荒げながら言った

 

吹雪「司令官!貴方……死にたいのですか!!片腕で深海棲艦達を倒して……少しは司令官の事を心配している人達の事を考えて下さい!お願いです!もう無茶は止めてください!」

 

勇人「……分かった、ただし吹雪……全てが終わったら命令違反の罰は受けてもらうぞ」

 

吹雪「それ位、覚悟は出来てます……」

 

勇人「……お前らは、そのまま警戒しつつ鎮守府に戻れ……俺は優花と共に先に鎮守府に戻るからな!おい!優花!俺に捕まってろよ……」

 

優花「分かったわ……安全運転でお願いね『勇人さん』♪」

 

優花(……格好いい……ヤバッ!心臓が……高鳴っている……けど……居心地が良いわ……)

 

勇人「……テイクオフ」

 

艦娘達(病人とは言え……あの女め……私達の提督を……)

 

天龍 川内 吹雪 木曾 赤城(……あーあ……優花さん、完全に惚れましたね……)

 

勇人は優花を抱え込むと艤装のエンジンを回し、急いで鎮守府に向けて飛び立った

 

桜花優花 D-cellによる感染死まで残り『9時間30分』

 



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第20話「母としての誇り、優しき蛇の激励」

勇人が優花を抱え込み、鎮守府に飛び立ってから1時間後 佐世保鎮守府 出撃用格納庫にて

 

桜花優花 D-cellによる感染死まで残り『8時間30分』

 

桜花「……龍の若造……優花……」

 

桜花は格納庫の扉が開き、静かな海が見える展望台を勇人の任務の成功そして孫娘である優花の無事を願う様に海を見ていると勇人の祖父、俊夫が葉巻を吸いながら近付いて来た

 

俊夫「……孫娘の事が心配か?桜花のじいさんや」

 

桜花「……神城会会長か……相変わらず『若々しい』顔や体じゃな……羨ましい限りじゃな……」

 

俊夫「ふん♪日頃のトレーニングの賜物だ♪まだまだ若い衆には負けんからな♪」

 

桜花「……儂には『到底出来ない』賜物じゃな……」

 

俊夫「伊達に会長と名乗ってないからな♪んで話は戻すが……やっぱり孫娘の事が……」

 

俊夫は桜花の横に胡座をかき、吸いきった葉巻を海水に浸け消火をし、それを缶タイプの携帯灰皿に入れ桜花に聞くと、桜花は俯きながら言った

 

桜花「当たり前じゃ……儂の一人息子の夫婦の『忘れ形見』なんじゃ」

 

俊夫「ッ!?忘れ形見……か、なら『心配するな』とは言えないな……」

 

桜花「お前は、どうなんじゃ?孫である龍の若造の事が心配じゃないのか?」

 

桜花は俊夫に質問すると、俊夫は笑いながら答えた

 

俊夫「フン♪俺の孫達は『この位』のアクシデントは屁でもない!むしろ『何倍』になって返してくる始末さ♪」

 

桜花「……強く育て上げたんじゃな……」

 

俊夫「まぁ……こればかしは三笠さんのお陰だな♪『あの女の問題』も片付けてくれたからな♪」

 

俊夫は笑いながら言うと堤下達を捕獲し終えて鎮守府に戻ってきた三笠達が堤下達を放り投げ、微笑みながら言った

 

三笠「そう思ってくれているのなら早く勇人の緊急着陸用の緩縮ゴムの設置の手配をしてください♪『お義父さん』」

 

俊夫「フン♪そうだ……な!?三笠さん!?いつ復活したんだ!?」

 

桜花「な!?誰じゃ!?この別嬪さんは!?」

 

三笠「ついさっき復活しました♪あ、お初目にかかれます、私は貴方が言ってた『龍の若造』の母の『三笠』と言います♪以後お見知り置きを♪」

 

桜花「なぬ!?この別嬪さんがアンタの息子の嫁さんか!?儂は『桜花連合会長』の桜花繁じゃ♪まぁ龍の若造達に壊滅されたが……」

 

桜花は三笠に笑顔で自己紹介すると三笠は温厚な雰囲気から一転し、ドスの低い声……いや殺意の篭った声で言った

 

三笠「貴方が勇人や赤城達を処刑しようとしたヤクザの会長ですか……いくら孫娘が人質になっているからって…俊夫「まぁまぁまぁ三笠さん……もう捕まえたから良いだろ?今さっき勇人が優花ちゃんの保護に成功したと連絡があったぞ♪しかもK国の将軍を仕留めたらしいぞ♪」……ほぅ♪流石勇人だわ♪ってか、お義父さん!それを早く言ってください!」

 

桜花「なんじゃと!?優花が……」

 

桜花は俊夫の言葉に驚愕し、そして踞った

 

桜花「ウグッ………ヒック………優花ぁ……」

 

そう孫娘が保護された事に嬉しく泣いていた……だが俊夫は少し俯いた表情で言った

 

俊夫「……だが『無事』では無いらしいぞ……D-cellというウイルスに感染していたんだ」

 

桜花「ッ!?そんな……なぁ三笠さん!どうすれば優花は助かるんじゃ!」

 

三笠「……昔、勇人がD-cellに感染していたんだ……だが勇人は『とある治療法』で治したんだ……まぁそのお陰で私も復活したんだけどね」

 

桜花「なんじゃと!?それは……どういう治療法なんじゃ!?」

 

桜花は自分の孫娘がD-cellに感染していた事に絶望していたが三笠が半年前、勇人と三笠が融合した治療法を言うと桜花は三笠に懇願するように言うと三笠は桜花に警告を発する様に重い口調で答えた

 

 

三笠「……はっきり言って『人として』禁忌な治療法だけど……覚悟は出来ているよね?戻れなくなるよ?」

 

桜花「……そんなもん、『この世界』に入ってから覚悟は出来ている!」

 

桜花の決意のある言葉に三笠は「分かった」と言い、その治療法を伝えた

 

三笠「……瀕死の艦娘と融合するのよ……」

 

桜花「な!?艦娘と……だど!?そんな非人道的な……」

 

桜花が三笠の言葉に絶句すると……

 

ゴオォォォォォ!

 

 

母さん!今すぐワイヤー張ってくれぇぇぇぇぇ!!

キャーー!速すぎるよォォォォォ!

 

三笠「……どうやら時間が無いみたいだね……扶桑!山城!第6駆逐隊!今すぐ錨付きの鎖を使って勇人を止めるわよ!」

 

扶桑 山城 第6駆逐隊「はい!」

 

電「なのです!」

 

ジャラララ……

 

ガシッ!

 

二人は三笠の指示で錨付きの鎖を山城、響、雷は扶桑、暁、電に、扶桑、暁、電は山城、響、雷に投げ、即席の緩縮装置を作ると海上に物凄い速度で低空飛行している勇人の錨に引っ掛け、強制的に停めようとしたが……

 

グイッ!

 

扶桑「ウグッ!何なの!?この……」

 

山城「馬鹿力は……引っ張られる!」

 

第6駆逐隊「キャーーー!止まらないーーー!」

 

勇人「チッ!間に合え!逆噴射!」

 

ゴオォォォォォ!

 

勇人は扶桑姉妹と第6駆逐隊を引きずりながらジェットエンジンを逆噴射をし停めようとしたが……

 

ゴオォォォォォ!

 

ブチッ!!

 

扶桑姉妹 第6駆逐隊「鎖が切れたぁぁぁ!!」

 

勇人 優花 「嘘!?止まらないぃぃ!ジッチャン(おじいちゃん)!退いてぇぇぇ!」

 

扶桑姉妹そして第6駆逐隊は勇人のスピードに耐えきれず鎖が切れ、二人はそのまま俊夫達がいる所に突っ込んで来たのだ

俊夫は呆れながら立ち上がり……

 

俊夫「……全く、三笠さんに似て爪が甘いな……」

 

パサッ……

 

俊夫は呟き、上半身を脱ぎ捨てると……

 

明石「な!?」

 

球磨「クマァァァァァ!?」

 

多摩「ニ"ヤ"ァ!?」

 

龍田「あら~立派な『蛇の和掘り』だわ~」

 

羽黒「ひっ!?」

 

那智「なっ!?」

 

妙高「……まぁ現役のヤクザだから予想はついてましたが……凄い肉体ですね♪流石、提督のお祖父ちゃんですね♪」

 

俊夫「ハハハ♪まだまだ若い者には負けんよ♪さぁ勇人!そのまま『ぶつかって』来い!俺を信じろ!」

 

勇人「……どうなっても知らんぞ!!」

 

俊夫「構わんッッ!!バッチコーイ!」

 

そう俊夫の背中には日本最強の毒蛇『ヤマカガシ』の和掘りが施されていたのだ

そして俊夫は勇人達を受け取りる様に『大の字』になるように構え、そして……

 

俊夫「はいだらーーーー!!」

 

ガシッ!!

 

三笠「なっ!?」

 

明石「え!?」

 

扶桑姉妹「嘘でしよ!?」

 

暁 響 雷 電「……司令官達を……」

 

ビスマルク「『受け止めた』……」

 

夕張「……完全に『ビック〇ス』だわ……眼帯と蛇関係な意味で……」

 

そう、俊夫は逆噴射で速度を落としているものの時速100㎞を出していた勇人達を止めたのだ

 

勇人「ふぅ……サンキュー♪ジッチャ……俊夫「こんのバカタレ!!」」

 

ゴン!!

 

勇人「痛っ!?」

 

勇人は俊夫に拳骨を貰い、勇人に渇を入れる様に言った

 

俊夫「お前は作戦や何事にもおいて『完璧』だ……だか『爪が甘い』所が目立つぞ!」

 

勇人「しかし……俊夫「しかしもヘチマも無い!現に、その爪の甘さで優花ちゃんを危険な目にあったんだろうが!!」……ッ!?」

 

勇人は反論をしたが俊夫は正論を言うと勇人は自分の非を認めたのか黙った

 

俊夫「……だが今は説教している場合じゃないな……早く行け!時間が無いだろ!もし優花ちゃんを救えなかったら本道無用の『絶縁』だからな!」

 

俊夫は勇人に強い口調で言うと勇人は気合いが再び入ったのか鼻で笑いながら答えた

 

勇人「……当たり前だ!彼女は俺の『患者』だからよ!!明石!夕張!至急手術開始だ!」

 

明石 夕張「分かりました!!」

 

優花「……後は任せたよ……勇人さん」

 

桜花「……宜しく頼むぞ……龍の若造」

 

俊夫「フン♪あの生意気なクチは若い時の一馬に似ているな……いや基を糺せば若い時の俺に似ているな♪」

 

勇人は二人を連れ、医務室に併設されている『手術兼改装室』へ急いで向かった

 

桜花優花 D-cellによる感染死まで残り『8時間』



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第21話「龍のケジメ」

10分後 手術兼改装室にて

 

勇人「夕張!日向の蘇生は?」

 

夕張「心拍数そして脳波は正常値……解凍及び蘇生完了です!」

 

勇人「明石!優花の容態は?」

 

明石「優花さんのD-cellの侵食率40%……身心共に衰弱しています!」

 

勇人「チッ!今すぐオペだ!二人に全身麻酔薬投与!」

 

夕張 明石「はい!」

 

勇人は優花の容態を聞き、二人に全身麻酔を投与する様、指示を出した途端、奇跡が起きた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日向「うっ……此処は……」

 

優花「日向……さん……勇人さん……日向さんが……」

 

勇人「あ?日向がどうしたって……なっ!?」

 

優花は麻酔が効いているのか、眠たそうな口調で勇人に日向が目を覚めた事を言うと勇人は日向を見て驚いた

 

勇人「日向ぁ!?お前……」

 

日向「……貴方が新しい提督かであり、死んだと思われた上城曹長だな……提督……私は、このまま『解体』されるのか?」

 

日向は自分自身の体が駄目になっていた事を察したのか、勇人に不安な表情で言うと勇人は頭を横に振り答えた

 

勇人「いや……日向と優花の『治療』だ……」

 

日向「なっ!?私の身体は……もう使い物にならない事ぐらい知っている筈だ!!何故、彼女は兎も角……私まで……」

 

勇人「……簡単に言うと普通の艦娘は自然治癒力が無い……つまり自分の力では怪我などを回復が出来ないんだ……だがD-cell……深海棲艦しか持っていないウイルスに感染した彼女と融合することにより、彼女……優花はD-cellに対する抗体が出来、日向もまた自然治癒力が発生し、時間は掛かるが艦娘として再び復帰出来るという事さ……まぁ彼女には『人間を辞めてもらないといけない』事になるけどな……勿論、彼女に説明、承託済みだ!それに……仲間を救うのに『理由』なんて要るかよ!」

 

日向「……そうだな……堤下とは違い『仲間思いの熱い男』だな……やってくれないか?今すぐに……」

 

日向は決意のある強い口調で勇人に言うと、勇人は日向の想いを受け止め、そして……

 

勇人「……分かった!今からオペを開始する前に……日向、彼女に何か言うことは無いか?」

 

日向「……桜花優花さん……ですよね、お久し振りです……覚えてますか?」

 

優花「覚えてますかって……まさか!?」

 

日向「……『半年前』の横須賀の事件……貴女の『両親』を護りきれなくて……ごめんなさい……」

 

優花「……」

 

勇人(……横須賀!?まさか襲撃事件の……)

 

日向は昔の事件で謝罪をしたが優花は黙り、そして日向の言葉を遮り、優しく言った

 

日向「……貴女は私達、艦娘を恨んd……優花「私は貴女達『艦娘』を恨んではいません……貴女も私達や当時の『訓練生』を守る為に深海棲艦と戦ってきたのでしょ?なら貴女達、艦娘を恨むのは筋違いです……私が恨んでいるのは深海棲艦そして当時、艦娘を指揮してた『訓練生』以外の海軍の上層部と一目散に逃げた訓練生達です……だから自分……いえ自分を含め艦娘達を責めないで下さい」」

 

明石「……優花さん」

 

夕張「……半年前の事件って……提督が指k……勇人「夕張、これ以上言うな……優花、日向……そろそろ始めるぞ」」

 

優花「お願いします」

 

日向「……頼んだぞ……優花さん……ありがとう」

 

二人は勇人に全身麻酔を投与され眠る様に体を勇人に託した……二人の想いを託す様に……

 

 

 

5時間後 待機室にて……

 

吹雪「ハァハァ……司令官……優花さん……」

 

三笠「……吹雪か……アイツ……勇人は救ってくれるよ」

 

俊夫「……今は馬鹿孫を信じろ……俺達は、それしか出来ないからな」

 

吹雪「司令官……」

 

吹雪達は鎮守府に着くと補給をせずに一目散に待機室に着くと三笠、桜花そして俊夫がいた

吹雪は不安の中、祈る様に手を組んだ途端……

 

 

フッ…………

 

 

ウィーン……

 

 

 

 

 

 

 

勇人「……」

 

 

 

みんな「ッ!?」

 

手術中のランプが消え、手術室から勇人が出てきた

 

勇人「……」

 

桜花「龍の若造!?優花は……」

 

桜花は一目散に勇人に近付き、言うと勇人は疲れきった表情で言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「……早く『可愛い孫』に会いに行け」

 

勇人は疲れきった口調で答えると桜花は震え、勇人の胸倉を掴んだ

 

桜花「まさか……そんな……失敗!?なぁ嘘だと言っt ……勇人「何を勘違いしている……成功だ」」

 

艦娘達「!?」

 

俊夫「……よくやった♪」

 

桜花「ッ!?ありがとうございます………ありがとうございます……」

 

勇人の言葉に歓喜に満ちていたが、勇人は安堵し三笠に言った

 

勇人「母さん……今から堤下達の解体手術を行うから連れてきてくれねぇか?」

 

三笠「ッ!?勇人!?あんたはもう休め!解体手術位は私がやるわ!」

 

金剛「そうデース!!テートクは私達の為に色々やってくれたデース!!」

 

長門「そうだ!提督は一睡もせずに救助、討伐、手術と働き過ぎだ!三笠教官も言っていたが休め……いえ休んで下さい!」

 

艦娘達「そうです!休んで下さい!!」

 

三笠や艦娘達は勇人に休む様、言ったが……

 

勇人「これは……俺の鎮守府の問題だ……俺がやらなければ『意味が無い』んだ……彼女達……お前達の為に……」

 

勇人の言葉に三笠は呆れ、頭を抱え、暫く考えた後、こう伝えた

 

三笠「……勇人……分かったわ!」

 

金剛「三笠!?Are you crazy !?(正気!?)今テートクは……三笠「ただし『条件』があるわ」……条件?」

 

勇人「母さん……その条件とは?」

 

三笠「……私も参加させて!アンタが解体中、ぶっ倒れ無いようにね♪」

 

三笠は勇人に出した条件とは解体手術に参加する事だった

 

勇人「……無理はすんなよ」

 

三笠「勇人には言われたくないわ♪」

 

龍飛「私も手伝います!!今の若の状態は大変危険です!」

 

長門「私もだ!」

 

長門を筆頭に吹雪達は勇人の助手になりたいと主張していたが……

 

勇人「駄目だ!オメェらは人間の内臓や血等のグロデスクまみれの環境に慣れてねぇだろ!扶桑!山城!今すぐ堤下達を連れてこい!明石!夕張!至急『大量のベット』を運んでくれ……さぁ第2ラウンドだ!母さん!龍飛さん!行くぜぇ!」

 

三笠「ああ!」

 

龍飛「はい!!」

 

扶桑 山城「分かりました!!」

 

勇人は自分に渇を入れる様に大声で言い、扶桑、山城が堤下達を連れきた後、外で待機させ勇人は夕張、明石、三笠そして龍飛と共に手術室へ戻った

 

その気合いが入った後ろ姿、そして勇ましい足並みは、まさに龍の進行……勇人は龍が如く力強い雰囲気そして強い信念と共に……



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第22話「命を救う龍、戦乙女達の復活」

1時間後 手術兼改装室にて

 

部屋には大量のベット、そしてベットの上には麻酔薬を強制投与され眠っている堤下そして優香里がいた

 

勇人「……今からコイツらの解体手術……いや融合された艦娘達を取り出すぞ……明石、メス……」

 

明石「はい!」

 

勇人は明石から手術用のナイフであるメスを受け取り、堤下の背中にある艤装を取り付ける為のアタッチメント、そしてアタッチメントに繋がっていた神経や血管切り放した

片腕が本当に無くなっているのかと思う位の慣れた手付きで……

 

勇人「夕張、龍飛さん……こいつの艤装を徹底的にバラしてくれ……そうすれば融合された艦娘達が現れるから……」

 

夕張 龍飛「はい!せーのぉ!」

 

夕張、龍飛は堤下の艤装を持ち、別の手術台に置き、艤装の解体作業に取り掛かった

 

勇人はアタッチメントを外し、背中を縫い合わせようとした途端、堤下の身体を見て『ある事』に気づいた

 

勇人「チッ!……嘘だろ、艤装以外に足、腕までもが……艦娘のを使ってやがる……」

 

そう、堤下は艤装だけではなく勇人みたいに艦娘の身体を使って両腕、両足の融合手術を受けていたのだ

 

そう、それは堤下だけでは無かった……

 

三笠「勇人……」

 

勇人「……まさか糞ババアもか」

 

勇人は三笠に聞くと三笠は頭を縦に振った……そう優香里もまた両腕、両足、さらには胸までもが融合手術を受けていたのだ

 

三笠「これは長丁場確定だな……」

 

勇人「……明石、母さんの所に行って手伝ってこい」

 

明石「嫌です!いくら医療行為に慣れているとはいえ片腕が無いのですよ!そんな無茶な事は……」

 

三笠「私は大丈夫よ♪明石、そのまま勇人の補助を……」

 

明石「分かりました!」

 

勇人「……分かった、明石……止血剤を」

 

 

勇人は三笠の命令により明石と共に手術を再開した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2時間後……

 

勇人「縫合………ふぅ……堤下の解体手術、完了……」

 

三笠「こっちも終わったわ……」

 

勇人と三笠は両腕、両足を切り取れた二人を見て疲れきった表情で言うと夕張が近付いてきた

 

夕張「此方の艦娘の再生手術終わりました……ただ……昨夜の夜戦の影響なのか……皆さん大破状態です」

 

夕張は勇人に報告すると勇人は疲れきった表情のまま指示を出した

 

勇人「此方は終わったから待機中の艦娘達に入渠室に運ばせろ……バケツの使用はオメェの判断で任せる」

 

夕張「分かりました……では皆さんを呼んできます」

 

夕張は急いで待機室に待機している艦娘達を呼びに手術兼改装室を後にした

 

明石「提督……後は私達がやりますので御休みになってください……」

 

勇人「……堤下達は牢屋に隔離しとけよ……後は頼む……」

 

勇人は明石達に後処理を頼み、その場を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

待機室にて

 

ウィーン……

 

吹雪「司令官!?」

 

勇人「ふぅ……オメェら……夕張から聞いたと思うが堤下達と融合された艦娘達の分離手術は終わったから今すぐ艦娘達を入渠室に運べ……バケツの使用は任せる」

 

艦娘達「はい!」

 

勇人は艦娘達に指示を与えると、艦娘達は生き別れた友や姉妹達の再会に嬉しいのか泣きながら運んでいった

勇人は、そんな艦娘達を見て安心したのか……

 

 

 

勇人「任務……完……了……だ……」

 

フラッ………

 

 

ドカッ!

 

赤城「ッ!?提督!?」

 

赤城は倒れた勇人に近付くと………

 

勇人「ZZZZ………」

 

武蔵「………寝てる……笑いながら……」

 

大和「フフッ♪余程疲れていたのかもしれませんね♪」

 

俊夫「……フッ……また無茶しやがって……ほら!赤城ちゃん!武蔵ちゃん!大和ちゃん!桜花のじいさん!さっさと運ぶぞ!」

 

赤城 大和 武蔵「はい!」

 

桜花「分かったわい!」

 

赤城達は疲れきって寝ている勇人を起こさない様に、ゆっくりと持ち上げ、プライベートルームまで運んでいた

 

俊夫(……良い顔になったな……勇人)

 

俊夫は寝ている勇人の顔を見て微笑んだ……信念を貫き通した最愛の孫を褒め称えるかの様に……

 

 



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第23話「目覚めのトラブル」

翌日 0500 勇人のプライベートルームにて

 

勇人「zzz…」

 

妙高と同じ服を着たウェーブの掛かった髪型をした艦娘「勇人……私達を救ってくれて……ありがとう……」

 

妙高と同じ服を着た女性はベットに寝ている勇人に優しく勇人の手を握るとプライベートルームに緑をベースに露出の高いセーラー服に勝ち気のあるショートカットの艦娘『摩耶』が入ってきて、ウェーブの掛かった髪型をした艦娘『足柄』に戸惑いながら言った

 

勝ち気のあるショートカットの艦娘『摩耶』「なぁ足柄さん……この寝坊助がアタシ達を救った蒼白龍……いや上城中佐……いや今は『中将』か?」

 

摩耶は足柄に言うと足柄は笑顔で答えた

 

足柄「ええ♪半年前までは、提督の卵だった彼が……今は『蒼白龍』『救済龍』『医龍』挙げ句の果てには『戦場の狂龍』と異名が付く位の大出世したわね……」

 

摩耶「たった半年前で中将まで上がるなんて……とんだ化け物だな……ってか全部の異名に『龍』がついているんだ!?馬鹿すぎるぜ……ウチの提督は……」

 

足柄「あら♪その『龍好きの馬鹿提督』に助けられたのは何処の艦娘だったかな~♪」

 

摩耶「……うるせぇよ……」

 

摩耶は不貞腐れながら言うと部屋に蒼いロングスカートと繋がっている軍服を着たショートカットの艦娘とウェーブの掛かった金髪の艦娘、そして摩耶と同じ服を着たロングヘヤーの眼鏡を着けた艦娘が入ってきた

 

ショートカットの艦娘『高雄』「……まだ起きていないのですね」

 

ウェーブの掛かった金髪の艦娘『愛宕』「なら、みんなで起こしましょ♪せーのぉ……パンパカパーン♪」

 

高雄「ちょ!?愛宕!今提督は一昨日から昨日まで休みなしで任務や討伐、そして優花さん含めて私達を治してくれたのよ!」

 

ロングヘヤーの眼鏡を着けた艦娘『鳥海』「そうですよ愛宕姉さん!今提督を起こs……勇人「……オメェら……静かにしろ!人が気持ちよく寝てたのによ!!」……あ!?ごめんなさい提督!?起こしてしまって……」

 

勇人「……全くだ……ったく、昨日まで長丁場の任務だったのによ……」

 

足柄「勇人……」

 

ギュッ……

 

勇人は愛宕や鳥海に起こされたせいで機嫌が悪いまま答えると足柄は今にも泣きそうな表情で勇人に優しく抱きついた

 

勇人「足柄?」

 

足柄「勇人……ありがとう……そして本当に生きて……ヒック……」

 

勇人「……あの時の足柄か……って事は手術は……」

 

高雄「はい♪無事成功しました♪高雄型……いえ融合されていた艦娘達を代表として……本当にありがとうございます」

 

鳥海「ありがとうございます!」

 

愛宕「ありがとう♪」

 

摩耶「サンキューな♪上城中将♪」

 

勇人「気にすんなって……ん?中将?摩耶、俺の階級は中佐だった筈だが?」

 

勇人は階級が上がっていた事に疑問を抱き、摩耶に聞くと高雄は摩耶の発言に対して強い口調で言った

 

高雄「コラ!摩耶!上城中将じゃなくて提督でしょ!」

 

摩耶「姉貴……アタシはまだ…………死んだ筈の吹雪の提督が私達の提督だなんて……今だに信じらんねぇよ」

 

摩耶(しかも……アタシ好みのイケメンだしな……)

 

高雄「摩耶……」

 

勇人「まぁ……摩耶の発言は軍人として間違っちゃいねぇから、そう怒んなって……んで何で階級が上がっていたんだ?」

 

高雄「昨日の夜、提督のお父様……いえ上城元帥、三笠元帥そして沖田元帥から辞令が出て、今回の任務に対しての成績が認められ、特別昇進されたのです……」

 

勇人「……階級上がりすぎだろ……糞親父が……」

 

足柄「まぁ良いじゃない♪」

 

ギュッ……

 

勇人「まぁいっか……後、足柄……当たっているぞ」

 

勇人は豊満な胸を押し付ける様に抱きついている足柄に言うと足柄は妖艶を帯び、微笑みながら言った

 

足柄「フフッ♪『当てているのよ』♪」

 

高雄 鳥海「ちょ!?足柄(さん)!?朝から……破廉恥ですよ!?」

 

摩耶「ちょ!足柄さん!朝っぱらから猥談は止めてくれよな!提督も困ってるだろうが!!」

 

愛宕「あら♪摩耶ぁ♪さっきからギンギンになった提督の『56㎝砲』を見ているじゃない♪高雄に鳥海♪これを見て、どう思う?」

 

高雄 鳥海「……凄く……大きいです」

 

摩耶「ちょ!!姉貴に鳥海!!ってか提督も『それ』を何とかしろ!!目のやり場が困るからさ!!」

 

勇人「摩耶!それは男の生理現象だから仕方ねぇだろ!後、高雄に鳥海!お前ら何『某蒼いツナギのゲイ野郎』みたいな発言をしてんだ!!」

 

足柄「私は此処でヤッても良いわよ♪勇人限定で♪」

 

高雄 愛宕 鳥海「堤下より大きい……そしてイケメン……悪くないわね♪」

 

勇人「……摩耶ぁ……助けてくれぇ……」

 

摩耶「……今、誰かに入られたら……憲兵待ったなしだな……取り敢えず上に向いている提督の主砲を布団で隠さないと……ちょっとベットに上がるぜ……」

 

ギシッ……

 

勇人「……すまねぇ……摩耶……」

 

摩耶「良いって事よ♪私も提督に助けられっぱなしだからな♪」

 

勇人は摩耶の献身的な対応に感謝すると……

 

ガチャ!

 

吹雪「司令官、もう起き……」

 

赤毛のショートボブの艦娘『睦月』「おはようごさい……」

 

夕立「ポーイ♪提督さん♪おはようご………」

 

三笠「勇人、いい加減起きなさ……」

 

勇人「あ………」←主砲がビンビンに勃っている

 

摩耶「げ!?」←勇人のベットに乗っている

 

足柄「み……三笠……」←勇人に抱きついている

 

愛宕「……」←勇人の主砲をガン見

 

高雄「なっ!?」←上と同じく

 

鳥海「……やばいわね」←涎を滴ながら勇人の主砲をガン見

 

吹雪 睦月 夕立「……お楽しみ中、お邪魔しまs……三笠「高雄、愛宕、摩耶、鳥海、足柄に馬鹿息子!朝っぱらからヤるなんて良い度胸してるじゃないの………」……ヒェェェェ!三笠教官!落ち着いて下さい(っポイ)!」

 

 

勇人 摩耶「誤解だぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

その後、高雄型の四人、足柄そして勇人は三笠に滅茶苦茶説教を食らったのは言うまでも無かった

 



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第24話「息子として、軍人として……」

0730 食堂にて

 

勇人「痛ぇ……すまんな摩耶……誤解とは言え連帯責任で説教を食らって……」

 

摩耶「……運が悪すぎるぜ………糞が……」

 

二人は三笠に経緯を説明すると直ぐに開放してくれた

顔の左ほほに三笠印の大きな紅葉を着けたまま……

 

 

勇人は左腕が無いのか朝食の白米の器を机の上に置き、犬の様に顔を近付けて箸で米を掴み、そのまま口に運んだ

 

勇人「……はぁ、こういう時に限って和食とは……ある意味イジメか……ウメェけどさ……」

 

摩耶「大丈夫か?手伝おうか?」

 

勇人「大丈夫だ、問題無い」

 

摩耶「……フラグおっ立たせんなよ……はい」

 

摩耶は勇人の主菜である焼き鮭をほぐし、身の一部を箸で取り出し、そのまま勇人の口元に持ってきた

 

勇人「ん?あのなぁ摩耶……俺は介護される老z……摩耶「かと言って片手で食べるのは苦労するだろ?ほら、あーん……」……お前がフラグ立ててどうするんだ……まぁいっか……ありがとう」

 

摩耶(へへっ♪金剛さん達には悪いけど提督に急接近だぜ♪)

 

勇人(……これじゃあ……介護される老人……いや『バカップル』にしか見えないな……まぁ、ここは摩耶の補助に感謝しないとな……)

 

勇人は摩耶の献身的な対応に感謝しつつ、摩耶が持ってきた焼き鮭の一部を食べた

因みにそれを見た艦娘達は……

 

金剛「shit!摩耶が……」

 

榛名「そういう手が有ったなんて……油断しました」

 

鹿島「……ギリッ……」

 

優花「……あの女……」

 

飛鷹「……ウップ……摩耶さんは提督の補助をしているだけなのに……何で味噌汁が甘いの……」

 

長門「……甘い……間違って焼き鮭に砂糖をかけてしまったのか?」

 

赤城「……相変わらず艦娘や独身の女性提督にモテモテですね♪」

 

羽黒「まるで俳優さんとファンの反応みたいですね……まさかファンクラブが出来てたり……」

 

イムヤ「……その『まさか』よ♪半年前の事件で非公認の『ファンクラブ』が出来る程だもんね……しかも今じゃ、アイドルでもあり女優の『サヤ』さん並の規模になっているという噂があるらしいわ……」

 

翔鶴「何ですって!?イムヤさん!後で詳しk……瑞鶴「翔鶴姉ぇ!?落ち着いて!」」

 

イムヤ「後、沙耶ちゃんは司r……那珂「『サヤ』様だって!分かったイムヤ!?」……はいはい、分かったわ」

 

足柄「まぁ沙耶ちゃんは提督のいm……那珂「何で提督が出てくるの!?後で詳しく教えて下さい!」」

 

赤城「足柄さん、それ『禁句』です!」

 

足柄「はっ!?しまった……」

 

足柄(そうだった……那珂は沙耶ちゃんのファンであり、アイドルとしての目標……いえ憧れの人だって事を忘れてた……ごめん勇人……)

 

那珂「二人とも……後で詳しく教えて下さい!」

 

足柄 赤城「……」

 

ワイワイ……

 

ガヤガヤ……

 

ヒェェェェ!

 

天龍「あははは……これは堤下達のケジメ以外に……」

 

龍田「……問題が発生しそうね……龍飛さん、緑茶の御代わりをお願いします」

 

摩耶の行動に羨ましく思う者や朝食が甘く感じた者もいたとか……

 

 

1時間後 執務室にて

 

勇人「……左腕が無いだけで食事に支障をきたすとはな……予想外だ……あ!赤城、この書類を明石と夕張に渡しに行ってくれないか?」

 

赤城「分かりました♪提督に武蔵さん……その……これは私個人の事なのですが……2か月前の呉での襲撃事件の時、姫クラスの深海凄艦が撤退したの覚えていますか?」

 

赤城は俯きながら言うと勇人は頭をかき、武蔵は勇人の話の内容を思い出し答えた

 

勇人「……あれか……あれがどうかしたのか?」

 

武蔵「ああ……確か柏木少将……いや中将と暴れてた時か……」

 

赤城「あの深海凄艦……私の古巣『ショートランド拍地』にいた時の『加賀』さんの可能性があります……」

 

勇人「……加賀!?何故、アイツが加賀だと分かったんだ?」

 

武蔵「なんだと!?」

 

赤城「まぁ顔が似ていたので……ですが、あくまで予測の範囲で……ですが」

 

勇人「……お前の予測は結構当たるからな……まぁ柏木か蘭が何とかしてくれるだろ♪それまで気長に待とうぜ♪」

 

赤城「はい♪」

 

勇人「さて!俺は堤下達を連れてくるから艦娘達を体育館に集合させてくれよ」

 

武蔵「……いよいよか」

 

赤城「……とうとうケジメを着けさせる気ですか……分かりました!」

 

勇人「まぁ本当は勇次や蘭それに沙耶も呼びたかったが……」

 

勇人は残念そうに言うと……

 

ガチャ!

 

沙耶「………ハヤ兄ィィィィ!会いたかったよォォォォォ!」

 

ガバッ!

 

隙間妖怪の式神に瓜二つの女性『蘭』「ちょ!沙耶!失礼します兄s……上城中将に赤城さん」

 

蘭側の武蔵「お初目に掛かれます………私は上城少尉の秘書艦の武蔵と言う……じゃなかった……言います」

 

勇次「よお♪兄貴♪」

 

勇人「……何でオメェらが居るんだ?」

 

勇人は沙耶に抱きつかれつつ赤城に言うと赤城は微笑みながら言った

 

赤城「私が昨日の内に呼んでおいたからです♪」

 

沙耶「そうそう♪ハヤ兄がK国の将軍を仕留めたから、まさかだと思っていたの♪後、昇任おめでとう♪」

 

蘭「おめでとうございます♪」

 

勇次「おめでとう♪ほら♪手土産だ♪『どりこの』だ♪」

 

武蔵 赤城「どりこの!?どりこのって、あの『栄養ドリンク』の……」

 

勇次「そ♪その『どりこの』だ♪一応ガレージ……いや多目的部屋にボクサーエンジンと一緒に箱買いしたヤツが置いてあるから艦娘達と飲んでくれ♪」

 

武蔵 赤城「ありがとうございます♪」

 

蘭側の武蔵(う……羨ましい……)

 

武蔵「……あっちの私よ、終わったら飲むか?」

 

蘭側の武蔵「良いのか!?忝ない……」

 

蘭「武蔵、ここの艦娘達との交流も含め設備や外装を見てきなさい……」

 

勇人「……武蔵……あ、俺の所の方だが、案内してやれ、ショートランド拍地では今、再建中だから色々と教えてやれ……勿論、交流会もな♪因みに17時まで飲酒禁止だから忘れるなよ!後、沙耶!はよ降りぃ!!」

 

沙耶「ちぇ……」

 

蘭側の武蔵「ありがとうございます!」

 

武蔵「……少し残念だか仕方無い……それに、あっちの私よ……そんなに緊張するな♪あの御方は強面だが、中身は仏の様な御方だから安心しろ♪」

 

蘭側の武蔵「……無茶言うな……深海凄艦だけではなく艦娘達までもが怖れている『戦場の狂龍』と言われた軍人だ……臆するなと言われても無理があるぞ……あっちの私は何故、平気なのだ?」

 

武蔵「……アッハハハハハ♪まぁ『普通』の艦娘はそうなるな♪おっと!そろそろ案内するから、提督よ!『どりこの』を2本持っていくぞ♪」

 

勇人「おう♪」

 

蘭「いってらっしゃい♪」

 

W武蔵「では失礼するぞ!!」

 

 

ピュー!

 

ガチャ!

 

上城4兄妹(……本当に戦艦なのか?たった速かったぞ……)

 

勇人は武蔵の要望を承認すると、W武蔵は、本当に戦艦なのかと思う位の速度で執務室を後にした

 

赤城「……それで提督、堤下達のケジメは何時からしますか?」

 

勇人「明日には憲兵経由で大本営に搬送後、後日『国家反逆罪』として処刑か軍専用の刑務所で『無期懲役』されるからな……16時に体育館で行う」

 

赤城「……分かりました……後、ケジメの付け方は……」

 

勇人「堤下に関しては艦娘達みんなで決めてくれ……上坂優香里の方に関しては……赤城には悪いが『家族問題』が絡んでくるから、俺達の判断で付けさせてもらうぞ」

 

勇人は申し訳無さそうに赤城に答えると、赤城は微笑みながら言った

 

赤城「いえ、私は昨日の時点でケジメ付けさせてもらったので大丈夫です……ただ……」

 

勇人「ただ?」

 

勇人は赤城に聞くと赤城は俯きながら言った

 

赤城「ただ彼女は……私だけではなく提督達にも『懺悔』し続けてました……まるで今までの悪事に対する後悔と提督達『家族』に対する謝罪するかの様に……」

 

蘭「……今更かよ……あの女は……」

 

沙耶「全くよ!私達に散々暴力を振るったり育児放棄して違う男と遊んでいたのに……ハヤ兄!私決めたよ!」

 

蘭「……私もだ」

 

勇次「……俺も決めたぜ」

 

勇人「ほう……では、どうやってケジメを付けさせるんだ?」

 

勇人は三人に聞くと、三人は同時に答えた

 

勇次 蘭 沙耶「……兄貴(兄さん/ハヤ兄)に任せるよ」

 

勇人「……はぁ?何で?」

 

勇人は三人が何故、その様な結論に達した理由を聞くと三人は、これ迄の経緯を簡潔に説明し始めた

 

勇次「……だって、あの糞ババアを捕まえたのは兄貴だし……」

 

蘭「子供の時から兄さんが一番被害が大きかったし……」

 

沙耶「……それにハヤ兄は、昔あの女に『殺されかけた』のでしょ?だから私達はハヤ兄にケジメ付けさせた方がベストだと思ったわけ♪」

 

三人の説明に勇人は溜め息をつき、答えた

 

勇人「……分かった、ただし俺のやり方で行うから文句言うなよ」

 

勇人は「やれやれ……」と言いながらケジメの付け方を考え始めた

 

『息子』として執らせるのか、『軍人』として執らせるのか、葛藤をしながら……



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第25話「葛藤」

1030 執務室にて

 

勇人「……」

 

勇人(………本当は『軍人』として処罰(ケジメ)した方がベストだが……何だろ……今更になって、あの女に同情しているとは……『あんな仕打ち』されても『母親』だと言う気持ちも残っているとはな……クソッタレ……)

 

勇人は机の上に足を置き、椅子にのし掛かり、誰も居なくなった執務室の中で煙草を吸いながら優香里のケジメの付け方についての葛藤そして処罰等を考えてた

 

勇人(……教えてくれ……母さんに親父……俺は……あの女……いや『お袋』に、どう処罰(ケジメ)を付けさせた方がベストなのか……)

 

勇人は大本営に移動している一馬達に願いをする様に悩むと……

 

コンコン……

 

長門「提督……私だ、入室許可を……」

 

勇人「普通に入れば良いのに……許可する」

 

ガチャ……

 

勇人は長門の入室許可を出すと長門は思い詰めた表情で勇人に言った

 

長門「提督、御忙しい中、少し時間を頂けないか?」

 

勇人「……堤下の件か?」

 

長門「……そうだ……艦娘達で話し合った結論は……」

 

勇人「……俺に丸投げ……ってか?」

 

長門「……すまない、提督も『あの女』の件で悩んでいるのは分かっている……だが、私達の一存で『一人の命を失う』となると荷が重いから……」

 

勇人「いつも戦場で深海凄艦の命を消しているのにか?」

 

勇人は長門をリラックスさせる様に、わざと冗談を言ったが……

 

長門「提督!あまり冗談は……」

 

勇人「悪い悪い……んで堤下の件に関しては、現役時代の悪事の事も含め、確実に『銃殺刑』になるから、あまり重く受け止めない方が良いぞ……」

 

長門「な!?そうなのか!?」

 

勇人「ああ……柏木が……」

 

 

 

 

 

実は30分前……

 

 

勇人「……どうするかな……」

 

勇人は優香里のケジメについて悩んでいると……

 

行け~風の如く~♪さだめの戦士~よ♪

 

勇人「ん?柏木か……」

 

Pi♪

 

勇人「どうした柏木?」

 

勇人は電話に出ると柏木は嬉しそうな口調で言った

 

柏木『おい!堤下達を捕まえたんだって!?』

 

勇人「ああ♪それがどうした?」

 

勇人は答えると柏木嬉しそうな口調が一転し、警戒した様な口調で喋った

 

柏木『一応言っておきたい事があってな……堤下の処刑は確実だ!それに任務内容に生死問わずと書かれていても、処罰(ケジメ)として勇人の所(佐世保鎮守府)で処刑したらマスコミや一般人(読者達)のパッシング待ったなしだぞ!絶対殺すなよ!分かったか!後、捕まえてくれてありがとうな♪じゃ!』

 

プープープー……

 

勇人「おい!……ったく」

 

Pi♪

 

勇人は柏木のいきなりの電話に呆れつつ、ふたたび優香里の処罰(ケジメ)について考え始めた

 

 

 

 

そして現在

 

 

勇人「……だとな……」

 

長門(提督の着信音ってJ〇Mの『GAR〇』だったんだ……以外だ……)

 

勇人は長門に今後の堤下の処遇を伝えると長門は荷が降りたのか少し安堵した表情で答えた

 

長門「……そうか、なら先程の悩み事は無しにしてくれないか?」

 

勇人「……どうやら解決したらしいな♪」

 

長門「ああ!ありがとうございます!」

 

勇人「……おう」

 

勇人は長門の悩み事を解決したのにも関わらず、浮かない表情で答えると長門は勇人の様子を察したのか優しく聞いた

 

長門「……提督も優香里の件で……」

 

勇人「ああ……」

 

長門「……提督……いえ勇人さん、貴方は優香里の事を『どう思っている』のですか?」

 

長門は勇人を『佐世保鎮守府総司令』としてはなく『上城勇人(一人の男性)』として聞いてくると勇人は長門の質問に答え始めた

 

勇人「……本来なら軍人(提督)として執らせた方がベストだが……俺の心の中に何処か、あの女を『母親』と思ってしまう所があるんだ……」

 

長門「母親……ですか」

 

勇人「あんな形とは言え『血の繋がった親』だからな……」

 

長門「……貴方って……優しいのね……」

 

勇人「何か言ったか?」

 

長門は勇人に聞こえないように呟き、優しく答えた

 

長門「いえ……『蒼白龍』と怖れている勇人さんも、人の子だな……って……」

 

勇人「まぁ半年前に人間辞めちまったけどな……長門、『艦娘』では無く『一人の女性』として聞きたい……もし身内が優香里……お袋みたいに処罰(ケジメ)を付ける時、お前なら……どう付ける?」

 

勇人は真剣な表情で質問すると長門は少し考え、答えた

 

長門「ふむ……私の血の繋がった身内は『陸奥』しか居ないからな……もし身内ではなく『仲間の一人』が道を外し、優香里の様な事件を起こさせたら……私は……その仲間に、こう処罰(ケジメ)を付けさせるな……『生きて罪を償え、自決(自殺)なんかせず、仲間達に謝罪しろ』とな……」

 

勇人「謝罪……か……ビックセブンのお前が、子供染みた処罰(ケジメ)の付け方を考えるなんてな……」

 

長門「……悪いか?」

 

長門は少しムッとした表情で答えると勇人は微笑みながら言った

 

勇人「……いや、それもありだな……どうやら俺は裏社会で穢れすきたかもしれないな……」

 

長門「勇人さん……」

 

勇人「……結論は出たぞ……お前の悩み事を解決するつもりが俺の悩み事を解決させてもらうとはな……俺も、まだまだ『ひょっ子』だな……長門ありがとうな」

 

勇人は自分を情けなく思っていたのか少し俯き、微笑みながら感謝すると長門も微笑みながら言った

 

長門「ふっ……提督、あの時もそうだが、色々と抱え込み過ぎなのだ、雷では無いが、もう少し私達を頼っては良いのでは?」

 

勇人「フッ……そうだな……これからも、頼る事もあるから……その時は宜しくな」

 

長門「……ああ!では私はこれで……」

 

長門は微笑みながら部屋を出ようとした途端……

 

勇人「待った……長門、もう一つ『聞きたい事』がある」

 

長門「ん?何だ?」

 

長門は勇人に呼び止められ返事をすると、勇人は真剣な表情で言った

 

勇人「………今の生活、楽しいか?」

 

勇人は意味深な質問を長門に聞くと、長門は微笑みながら言った

 

長門「ああ!提督が着任してから充実した日々を過ごしているぞ……提督、貴方の『やり方』は間違ってはいません!だから……」

 

長門は勇人の心情を察し、勇人に近付き、そして……

 

 

 

 

 

 

ギュッ……

 

 

 

 

 

 

勇人「な……長門?」

 

長門は勇人を優しく包み込む様に抱擁した

 

長門「少しは自信を持って……貴方は私達の『司令官(ボス)』なんだから……もし貴方が『間違っていた事』をしていたら私達が修正するから……だから……その……」

 

長門は普段通りの武人の様な口調や雰囲気ではなく、素の性格である優しく穏やかな口調や表情で言うと、勇人は気が楽になったのか微笑みながら言った

 

 

勇人「フッ……何恥ずかしがっているんだ?お前は俺を励まそうとしてハグしたんだろ?なら恥ずかしがる必要はねぇよ……」

 

長門「……久々に慣れない事をするんじゃないな」

 

勇人「だが……気が楽になった、ありがとうな」

 

長門「私も陸奥以外の人に本当の自分を出して恥ずかしいな……提督、この事は……」

 

勇人「分かっている、俺も他の連中には見せられない情けない姿をさらけ出したからな……」

 

長門「……提督、過去に何かあったか知らないが、私達は提督の味方だ……だから……」

 

勇人「分かっている……俺も極力、独りで抱え込まない様にする……」

 

勇人と長門は少し赤面しているが微笑みながら雑談していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方 執務室の扉の前では……

 

陸奥「フフッ……お互い不器用なんだから……」

 

優花「……そうですね」

 

鹿島「ですが、長門さんは兎も角、提督さんも『こんな一面』があるなんて意外ですね」

 

金剛「所謂『ギャップ萌え』デスネ……まぁ本音言うと……長門羨ましいデース!」

 

吹雪「まぁまぁ金剛さん……司令官も階級は中将ですが、まだ着任したばかりなんですから……そりゃ『不安』や悩み事位はありますよ」

 

陸奥「そう言えばそうだったわね……では私達は帰るとします……?「ほう……覗き見とは頂けないな……」……げ!?」

 

吹雪「陸奥さん?どうかしま……っ!?」

 

鹿島「あ……貴方達は……帰ったはずでは……」

 

優花「……やば……」

 

五人は微笑みながら長門達を見届ける様に後にすると、五人の前に腕を組み、抜刀している女性と革製のグローブを着けて準備万端な女性がいた

 

そう……

 

金剛「stopデース!!上城少尉に沙耶サーン!?」

 

沙耶 蘭「少し……頭冷やそうか?」

 

吹雪 金剛 陸奥 鹿島 優花「ゴメンナサーイ!!!」

 

沙耶と蘭は覗き見してた五人を滅茶苦茶説教したのは言うまでもなかった

もちろん、途中から勇人と長門も混じりながら……

 



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第26話「ケジメ」

運命の時間 1600 体育館改め屋内演習場にて

 

堤下「ちっ!放せ!」

 

優香里「……」

 

堤下と優香里は身体を椅子に縛り付け、堤下は悪足掻きしているように、鎖を引きちぎろうと身体を動かし、優香里は諦めたのか静かに待っていた

 

そして二人の目の前には佐世保鎮守府の艦娘達や勇人、勇次、蘭、沙耶、優花そして赤城が立っていた

 

勇人「……これから堤下、そして上坂優香里の処罰を発表する」

 

堤下「処罰だ?俺を処罰したら龍光会の連中が黙ってn……勇人「龍光会?ああ……あの豚の連中か……あの豚なら殺したぞ」……な!?」

 

勇人「まぁ……仮に龍光会を敵に回しても、何も痛くも無いからな」

 

堤下「………クッソーーーーーー!大体、何故貴様みたいな新米や玩具みたいな連中が俺を処罰しないといけないんだ!?」

 

勇人「!?」

 

堤下の怒鳴り声が屋内訓練場に響き渡ると金剛が堤下の前に立ち、英語で怒鳴り返した

 

金剛「shout up(黙って)!!You don't even know how we feel!!(私達の気持ちを知らないくせに!!)

 

堤下「うるせぇ!!艦娘なんて『兵器』であり玩具だろうが!!そんな兵器に気持ちなんて考えていられるか!!」

 

金剛「What's(何ですって)!?You!!」

 

金剛が堤下の胸蔵を掴み、殴ろうとした途端………

 

 

 

 

 

 

ドカッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

堤下「グハッ!!!!」

 

金剛が堤下を殴る前に、堤下を殴り飛ばした人がいたのだ

その殴り飛ばした人とは……

 

勇人「………」

 

金剛「て……テートク……」

 

そう、堤下の発言で怒りを露にしている勇人が殴り飛ばしたのだ

 

勇人「……テメェ……いい加減にしろ!お前は俺の『家族』に手を出したんだ!そんな『ゲスの極み』に立ったテメェが俺の家族を『玩具』だと!?調子こいてんじゃねぇ!!!」

 

 

 

ドカッ!!

 

バキッ!!

 

ドゴッ!!

 

ガン!!

 

堤下「グハッ!!!!ブッ!!!ガハッ!!!!イッ!!」

 

勇人は仲間であり家族の一部である金剛達が堤下に侮辱された事に激怒し、堤下を殴り、蹴り飛ばし続けたのだ

その姿は海軍としての姿ではなく『極道』としての姿だった

 

勇人「オイコラ、誰がオチて良いと言ったんだ?コラァ!!!」

 

長門(なっ!?これが……提督の……)

 

蒼龍(ひっ!?こ……怖ぁ……)

 

不知火(流石、本場仕込みの……チビりそう……というより……チビりました……)

 

伊勢(ひっ!?)

 

比叡 榛名 霧島「ヒェェェ……」

 

勇人は堤下の頭を掴み、堤下に怒鳴り散らす勇人を見て艦娘達は勇人の迫力に臆し、縮こまった……

 

だが……

 

ガバッ!!

 

金剛「……stopデース!!テートク!!これ以上やったら死にマース!!」

 

勇人「あぁ?何しやがる!?離せ!」

 

金剛は勇人の行き過ぎた行為を止める様に後ろから抱き付くと勇人は、余程『家族』に対して馬鹿にされた事に激怒しつつ金剛に命令すると金剛は首を横に振り泣きながら答えた

 

金剛「Noデース!!確かに堤下に馬鹿にされて悔しいデース……ですが、それ以上にテートクが私達の事を……『家族』と言ってくれた事に嬉しいデース……私は……いえ私達はテートクの『こんな姿』だけは見たくない……Mafia(極道者)としてはなくAdmiral(提督)として……そして私達のLover(最愛の人)として……」

 

勇人「金剛……オイ」

 

堤下「ヒッ………」

 

勇人は頭が冷えたのか、はたまた金剛の言葉に響いたのか堤下を投げ捨て、ドスの効いた口調で喋った

 

勇人「……お前は『玩具』と言ってた彼女達が『お前の為』に止めたんだぞ……お前も男なら、それなりのケジメ……付けさせろよな」

 

堤下「!?」

 

勇人は堤下に言うと堤下は艦娘達の方向に身体を向けて泣きながら言った

 

堤下「俺の身勝手な行為に……お前達を傷つけてしまって………すみませんでした!!!!謝っても許されないのは分かっている!だが!今の俺には、これが精一杯のケジメだ!だから……」

 

堤下は泣きながら頭を下げると長門は勇人の行為に臆しつつ堤下に言った

 

長門「……確かに謝罪しても許す事は出来ない……」

 

勇人「長門……」

 

長門「だが!今の貴様は、それが精一杯のケジメ……ここは貴様……いや元提督の顔を立てて……貴方のケジメ……認めるよ……みんな!それで良いか?」

 

長門が艦娘達に言うと艦娘達は頷くと堤下は泣きながら言った

 

堤下「本当に………ごめんなさい……」

 

勇人「……さて、次は上坂優香里……お前の処罰……そして『あんたの息子』として言いたい事がある」

 

勇人は真剣な表情で優香里の前に立ち、そして……

 

 

 

スッ………

 

 

 

比叡「な!?」

 

香取「え!?」

 

睦月「にゃしぃ!?」

 

夕立「ポイ!?」

 

長門「フッ……成る程な……」

 

陸奥「あらあら……」

 

鳳翔「司令!?何故あの女に『頭を下げる』のですか!?」

 

そう、勇人は優香里の前で頭を下げたのだ

鳳翔は勇人の行動に頭に来たのか怒鳴りながら近付くと龍飛が鳳翔の前に立ち、真剣な表情で言った

 

龍飛「……お前は馬鹿か?若が何故『頭を下げた』か分かるか?」

 

鳳翔「……あの女に『負け』を認めt……」

 

バチン!

 

鳳翔「ッ!?」

 

龍飛は鳳翔の答えに間違っていると言わんばかりに鳳翔の顔を叩いた

 

龍飛「違うだろ、若が頭を下げるのは……あの女の息子としてのお願いでもありケジメなんだよ!!」

 

鳳翔「お願い……ですか……」

 

龍飛「まぁ長門さんと陸奥さん、鹿島さん、吹雪さん、優花さんに勇次お坊ちゃん、お嬢達は分かっていたけどね」

 

勇人「上坂優香里……いや『お袋』……」

 

優香里「ッ!?アンタ……顔を上げなさい!頼むから……私はアンタの口から……『それ』を聞く権利は……勇人「黙って聞け!俺……いや俺達兄妹として言いてぇんだ!」……ッ!?」

 

龍飛は鳳翔に言うと勇人は優香里に頭を下げつつ、言葉を発した

 

そう……

 

 

 

 

勇人「こんな形ではあるが……俺達を産んでありがとう……でなければ俺達はこんな素晴らしい家族に出会えなかった……そして……上坂優香里の息子として言う……『生きて罪を滅ぼして、また綺麗さっぱり片付けたら、また会いに来てくれ……』」

 

優香里「ッ!?」

 

勇人は兄妹達を代表に優香里に感謝し、それと同時に息子として『生きて罪を償ってほしい』との事だったのだ

 

そう、勇人は『提督』としてはなく、『上坂優香里の息子』としてのケジメを選んだのだ

 

優香里「アンタ……よくも……私に『そんな』……言葉を……しかも……ヒック……私みたいな『母親失格』な親に……」

 

勇人「だからこそだ……お袋にはムショの中で確り罪を償い、心を入れ替わって欲しいからな」

 

勇人は嬉し泣きしている優香里を優しく言うと沙耶は優香里に近付き、言った

 

沙耶「それに母さんは、あの男の父親に『弱味』を握られてたんでしょ?まぁ一昨日、パパと飲みに行っている時に捕まえたんだけどね」

 

勇人「マジで!?」

 

沙耶「マジ」

 

赤城「本当です……私も昨日、優香里……いえ元副提督から聞きました」

 

勇人「……なら、死罪や無期懲役は、まず『無い』が……最低でも20年近くはムショ生活になるから……きちんと反省してくれよ……お袋……」

 

沙耶は一昨日の強盗の正体は堤下の父親で、現役時代から彼に『弱味』を握られた事を勇人に伝えると勇人は優香里に優しく言った

 

優香里「うん……本当にごめんなさい……そして『ありがとう』……ハヤチャン……」

 

勇人「お袋の口から、それを聞くのは20年ぶりだな……永木、いるんだろ?」

 

勇人は艦娘達の中から『呉鎮守府所属 柏木隊』と書かれていた腕章をした永木を呼び、永木は呆れながら近づいた

 

永木「……良かった……此所で殺したら怒鳴り散らそうとしたが……問題なかったな」

 

勇人「……今の話を聞いていたが、お袋は……」

 

永木「分かっている、隊長に助言してもらって死罪や無期懲役にならない様にしてもらうから……後は任せろ」

 

勇人「頼む……」

 

勇次 沙耶 蘭「お願いします……」

 

永木「フッ……後で隊長宛にサヤちゃんのサイン送ってくれよ……あの人、サヤちゃんのファンだからな……名前は兄貴から聞いてくれよ」

 

沙耶「フフッ……分かりました」

 

永木は安堵した表情で二人を連れて、大本営に連れて行った

 

二人の感謝と謝罪が入り交じった涙声を響きかせながら……



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第27話「散った戦乙女達の感謝」

堤下達が連行されて2時間後 1830 食堂にて

 

勇次「……ったく……何で俺が乾杯の音頭をしなくちゃならんのだ……」

 

勇次は愚痴りながらマイクを掴むと横から既に出来上がっている瑞鶴が勇次に抱き着き、マイクを奪った

 

瑞鶴「まぁ良いじゃないユージン……ではカンパーイ!」

 

艦娘達 優花 沙耶 蘭「カンパーイ!」

 

勇次「ズイちゃん!?……まぁいっか」

 

勇次達は勇人の任務成功を祝い、食堂で宴会を開いていた

 

蘭側の武蔵「関係の無い私まで……本当にありがとうございます」

 

武蔵「気にするな、同じ『武蔵』同士、仲良くいこうじゃないか……ってかまたビビっているのか?」

 

蘭側の武蔵「……ああ、上城中将の暴れっぷりを見ればな……」

 

武蔵「……それに関しては秘書艦として謝る……すまない」

 

蘭「まぁ私は久々に見たんだけど……『北陸の龍』は健在だな……」

 

W武蔵「北陸の龍?」

 

蘭「……ああ、兄さんが地元にいたときの昔の異名だ……今は『神城の救済龍』として通っているが……」

 

武蔵(どれだけ荒れくれ者だったんだ……提督よ……)

 

蘭側の武蔵「……まさか紋々が入ってたりしてないよな?」

 

蘭 武蔵「………」

 

蘭側の武蔵が二人に質問すると二人は目を反らし、黙り、蘭側の武蔵は二人の様子を察した

 

蘭側の武蔵「………マジかよ」

 

武蔵「まぁ……紋々に関しては半年前の事件の関係で『入れなざるを得なかった』からな……」

 

蘭側の武蔵「……これ以上深追いは止めておこう……何か嫌な予感がするからな」

 

蘭「賢明だな、武蔵……」

 

武蔵「フッ……話は変わるが……えーっと……あった!」

 

ドン!

 

蘭「これは……魔王?」

 

武蔵「少尉、あっちの私よ……どうぞ」

 

蘭「ありがとう……おっとと……何故『魔王』を持っているんだ?」

 

武蔵は勇人の部屋から持ってきた焼酎『魔王』の蓋を開け、蘭と蘭側の武蔵のコップに注いだ

 

武蔵「これか?これは提督の私物を無許可で持ってきた……」

 

蘭「銀蠅かよ……まぁ良いか……頂こう」

 

蘭側の武蔵「ありがとう……ん?この焼酎……日本酒みたいに飲みやすい……」

 

武蔵「だろ?焼酎の中でも上物だ!全く……提督は、こんな『上物』を持っているなんて……う~ん、旨い!」

 

蘭「……旨いが、飲み過ぎてしまうな……こんなに飲み易いと……」

 

蘭側の武蔵「そうだな……何時も飲んでいるのは『黒霧島』だもんな……提督よ……」

 

蘭「……ボーナス入ったら奮発してあげるわよ」

 

二人は勇人の酒を舌包みをしていると……

 

沙耶「あーーー!蘭姉ぇ!!狡いィィ!!何で魔王を飲んでいる訳!?」

 

那珂「サヤ様!御供します!」

 

沙耶「程々にね」

 

勇次「お!?兄貴がジッチャンから貰ったヤツだな!ズイちゃん、飲もうぜ!」

 

瑞鶴「うん!」

 

翔鶴「ちょっ……瑞鶴ったら、早速勇次さんの腕に抱き着いて……もう……勇次さん、すみません……妹が……」

 

葛城「パルパルパルパルパルパル………」

 

勇次「いやいや、気にしていませんよ……ささっ『御姉さん』に葛城ちゃんも一口……」

 

翔鶴「それじゃ……頂きます」

 

葛城「……お言葉に甘えて」

 

瑞鶴「ユージン!?翔鶴姉ぇに飲ませたら……」

 

勇次は魔王を取り、五航戦のコップに入れると翔鶴は注がれた焼酎を一口飲み、気に入ったのか、そのまま一気飲みをした

 

翔鶴「……」

 

瑞鶴「翔鶴……姉ぇ?」

 

葛城「翔鶴……先輩?」

 

翔鶴「……んは?」

 

武蔵「んは?お……おい!大丈夫か!?」

 

ガシッ!!

 

武蔵は目が座り、呟いた翔鶴の様子を見ると翔鶴は武蔵の肩を掴み喋った

 

翔鶴「……ハヤチャンは何処にいるの?」

 

武蔵「な!?」

 

瑞鶴「あーあ……」

 

葛城「え!?えぇぇぇぇ!?」

 

勇次「まさか……翔鶴さんって……」

 

瑞鶴「うん……翔鶴姉ぇはお酒が弱いのよ……しかも違う意味で酒癖が悪いというオマケ付きで……」

 

蘭側の武蔵「ブーーーー!え!?ちょ!?ハヤチャン!?あの『戦場の狂龍』を……愛称で!?」

 

瑞鶴のカミングアウトに、みんな驚き、焦りだした

 

蘭「……こんな時に限って兄さんが居ないなんて……」

 

葛城「ちょ!?勇次さん!?元々は貴方が飲ませたからでしょ!?何とかしてください!」

 

勇次「俺は悪くねぇ!俺は悪くねぇぇぇぇ!!」

 

葛城「貴方はどこぞの親善大使ですか!?」

 

瑞鶴「……宴会が始まる前に言っとけば良かった……沙耶さん!提督さんは?」

 

沙耶「……長門、金剛、ブッキー、ビス子、不知火、第6駆逐隊そして赤城ちゃんを連れて海辺の方に向かっていたわよ」

 

武蔵(……提督……)

 

武蔵は何故、勇人が宴会に参加していない理由を察したのか、悲しい表情で俯き魔王を飲み、暴走している翔鶴を止めにかかった

 

 

 

 

沙耶達は暴れている翔鶴を止めている頃 佐世保鎮守府内の岬付近にて

 

勇人「ふぅ……ようやく出来た」

 

勇人は電動ノコギリ等、土木現場に使う機材が散らばっている中、岬付近に『ある物』が出来て安堵した

 

不知火「それでは司令官、私と暁は機材を片付けてきますので後はお願いします」

 

勇人「……ありがとうな、気を付けてな」

 

暁「フン!………おーもーいー!!長門さん!!!響!!!」

 

勇人「……長門に響、行ってやれ」

 

長門「ああ……さぁ、持っていくぞ」

 

響「仕方無いな……」

 

不知火、響、長門そして暁は金剛、赤城、雷、電、吹雪そして勇人を残して機材を持ちつつ、岬を後にした

 

電「……これなら『死んでいった人達』も喜んでくれるのです」

 

吹雪「……そうだと良いですね……」

 

赤城「まぁ提督の突貫工事ではありますが『慰霊碑』と『墓』が無事完成して良かったです」

 

勇人「まぁ外見は不恰好だけどな……」

 

勇人は岬付近で作られた『ある物』の出来に納得していないのか少し不機嫌に答えた、そして『ある物』の隣には、石材を洋式の墓みたいに加工されて作られた『物』……いや慰霊碑には、こう彫られていた

 

 

 

 

『佐世保鎮守府 強者ノ戦乙女達ココニ眠ル』と……

 

 

そう勇人達は堤下の悪行により轟沈や解体等で、この世を去った艦娘達の墓と慰霊碑の二つを造ったのだ

 

電「ふぇっ!?あれで……不恰好ですか!?」

 

雷「そんな事は無いよ!むしろ上出来過ぎるわ」

 

金剛「雷電の言う通りデース!」

 

雷 電「金剛さん!名前を纏めないで!」

 

電「なのです!」

 

ビスマルク「しかも、それを2時間足らずで完成させるなんて……admiral ……Vielen……Dank(本当に……ありがとう)……」

 

金剛「Thank You……admiral……」

 

雷 電 吹雪「司令官!ありがとうございます……」

 

電「なのです……」

 

金剛達は短時間で慰霊碑と墓を作り上げた勇人に泣きながら感謝すると勇人は金剛達に微笑みながら言い返した

 

勇人「何を言っているんだ?お前達の補助があったから2時間で出来上がったんだ、礼が言いたいのは俺の方だ……ありがとう……赤城、柏木から貰った酒と『ドイツビール』を持ってきたか?」

 

赤城「はい、此方に……」

 

赤城は紙袋から柏木から貰った日本酒『大典赤菊』と空色のラベルが張られているドイツビール『ブリュードッグ』の『シンク・ザ・ビスマルク』を取り出し、封を開け、勇人に渡した

 

勇人「ありがとう」

 

ビスマルク「ッ!?それは……ドイツビールの最高傑作の一つ『シンク・ザ・ビスマルク』!?何故提督が!?」

 

ビスマルクは勇人が高級のドイツビールを持っていた事に驚くと勇人は微笑みながら答えた

 

勇人「……此処に眠っている『プリンツ・オイゲン』の為に『お前の名前が入ったドイツビール』を取り寄せたんだよ……結構高かったんだぞ」

 

ビスマルク「提督……グスッ………Danke……いえ……ありがとうございます……」

 

勇人「お前もプリンツ達も、よく頑張った……思いっきり泣いてこいよ……」

 

勇人は微笑みながらビスマルクに言った途端……

 

ヒュ~………

 

 

「そうですよビスマルク御姉様……もう耐えなくていいのですよ……提督、後はお願いします」

 

「……まぁ我輩としては甘味を供えて欲しいが……」

 

「利根姉さん……あまり提督に我が儘を言ってはダメですよ……」

 

「筑摩ぁ~たまには良いじゃろ……」

 

「あんな……私達の墓にしては、ちょっち、やり過ぎてへんか?」

 

「……流石に気分が高揚します!提督、ありがとうございます」

 

「……仲間達を泣かしたら呪うからね!糞提督!」

 

「提督……潜水艦の艦娘達を宜しくお願いします」

 

「……提督、ビスマルク御姉様達を宜しくお願いしますね……そして私達の為に……Danke……いえ、ありがとうございます!」

 

「……提督に新しい『私』、皆さんの事を宜しくお願いします」

 

 

 

 

 

勇人「フッ……」

 

ビスマルク「プリンツ……みんな……うわぁぁぁぁぁぁん!!」

 

勇人は墓と慰霊碑の間に『大典赤菊』を注いだコップと『シンク・ザ・ビスマルク』を置くと潮風に乗って死んだプリンツ・オイゲン達の言葉が聞こえると、ビスマルクは何かが吹っ切れたのか、その場で泣き崩れた

 

金剛(Wow!テートクの粋な計らいデスね!)

 

吹雪(そうですね、しかも、あの強気なビスマルクさんが泣いているなんて……)

 

雷(余程嬉しかったかも知れないわね)

 

電(暁ちゃんが居なくて良かったのです……)

 

?「良かったな……ビスマルク」

 

赤城「ん?誰ですか?」

 

赤城は声がした方向に声を変えると林の中からグラーフが、お供え物なのか、勇人達の晩飯なのか甘味や酒の摘まみのカキピー、押し寿司そしてフランクフルトが載せている大皿を持ってきたのだ

 

グラーフ「すまない……admiralは未だ晩飯を取っていないと思ってな……食べるか?」

 

勇人「いや……グラーフ、それを御供えしてくれないか?」

 

グラーフ「……分かった」

 

勇人「赤城、線香と蝋燭を……」

 

勇人はグラーフが持ってきた大皿を墓と慰霊碑の間に置き、線香と蝋燭に火を付け、墓と慰霊碑に供え、覚悟のある真剣な表情で言った

 

勇人「……プリンツ・オイゲン……利根……筑摩……龍譲……大鯨……加賀……曙……そして『先代の赤城』……お前達は、よく頑張った……だから後の事はお前達の意思を受け継いだ者達に任せて、ここでアイツらの事を見守ってくれないか……」

 

金剛「テートク……」

 

勇人「……そして『助けれなくて』……すまない……」

 

勇人は墓の前で頭を下げると蝋燭の火の暖かみなのか、残暑の暖かみなのか、暖かい潮風が勇人を包むように風が集まってきた

そう……まるで死んでいった艦娘達が勇人を優しく抱擁しているかの様に……

 

勇人「……お前ら、早くお参りして戻るぞ……雨が降ってきたぞ」

 

グラーフ「ん?admiral……雨なんか降っては……いや『降ってきてる』な」

 

吹雪「……そうですね」

 

金剛「では皆さん、早く御参りするのデース」

 

勇人達は墓前に手を合わせ、御参りし、墓を後にした

 

龍の感謝の涙を供えて……

 

 

 

 

 

 

第2章兼コラボストーリー『ケジメ』 完

 

 

 



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サイドストーリー集
サイドストーリー その1「日常……なのか?by勇人」


どうも皆さん、うp主ですm(__)m

今回は番外編をお送りしますのでシリアス、バトル等は一切無いので、本編が見たい方は暫くお待ちくださいm(__)m

後、番外編は各キャラクターが主役になり、ナレーションも私では無くて各キャラクターがナレーションしていきますので御理解のほど宜しくお願いしますm(__)m


堤下達のケジメから数日後 1200 食堂にて

 

勇人「……何この状況は……」

 

どうも読者の皆さん、佐世保鎮守府総司令の上城勇人と言います

 

今、俺は昼飯を食べようとしましたが……

 

金剛「ほら!テートク!口を開けるのデース!」

 

陸奥「ほら、アーン……」

 

榛名「提督!是非お召し上がってください!」

 

比叡「榛名!?金剛御姉様!?落ち着いて!」

 

ビスマルク「admiral!私が食べさせても良いのよ」

 

翔鶴 鹿島 高雄 愛宕 鳥海 優花「……しまった!?出遅れた!?」

 

そう……最近俺に食べさせようとする連中が増えてきたのだ

 

……ってか今日の昼飯は足柄に頼んで俺だけ『特大カツサンド』にしてもらったんだが、何故こうなった?

 

勇人「……おい比叡、青葉に衣笠!一体どうなっているんだ!?」

 

比叡「あ!?司令!何とかしてください!金剛御姉様が……」

 

……お前が聞いてどうするんだ!俺だって聞きてぇよ!

 

衣笠「私も分からないよー!もう御手上げ……」

 

……分からないなら仕方無いか、後は青葉だが……

 

衣笠をポニーテールヘヤーにした艦娘『青葉』「うー!うー!……」←口にギャクボールを付けられ鎖で縛られている

 

摩耶「ちょ!?何でアタシも縛られているんだ!!提督!助けてくれ!」←鎖で縛られている

 

……うん、何故青葉と摩耶が縛られているんだ?後、青葉!?お前、Mっ気があるのか?

 

青葉「うー!うー!」←頭を横に振りまくっている

 

そうか、ノーマルか……って人の心を読むな!

 

摩耶「提督……口に出ているぞ」

 

勇人「んな!?マジで?衣笠、取り合えず青葉と摩耶を解放してy……衣笠「無理無理無理!鎖外したら金剛達の『お話』が待っているから!」」

 

……某白い悪魔の交渉術(O☆HA☆NA☆SHI)ですね……分かります

 

勇人「……こんな時に限って大和、武蔵、長門、伊勢、扶桑、山城は蘭の所に復興支援に行って不在だしな……」

 

茶髪のオッドアイの艦娘『古鷹』「あ!?提督?どうかされましたか?」

 

黒髪で眠たそうな艦娘『加古』「おはよう……提督……ムニャ……」

 

イョッシャ!ウチの数少ない常識人の重巡の一人の古鷹と加古だ!!ここは……

 

勇人「二人とも、ちょっと悪いが青葉と摩耶を解放させてくれないか?」

 

ここは頼むぜ古鷹型の二人!アンタらが頼りだ!

 

金剛「二人とも……解放させたら……No!なんだからネー……」

 

陸奥「それとも……爆発させたい?」

 

オメェら!何ウチの常識人を脅してんだ!?

戦艦組の睨みに二人の答えは……

 

古鷹「……ごめんなさい提督……期待に添えることが出来ません……」

 

加古「……ごめん……無理だ」

 

……まぁ流石に戦艦の脅しは洒落にならないな……練度(レベル)的にも……

 

勇人「……アイツ(柏木)の気持ちが分かった気がするな……ストッパーである赤城と瑞鶴、沙耶は……」

 

俺は3人の様子を見ると……

 

赤城「もっもっ……ゴクン!龍飛さん!鳳翔さん!お代わりお願いします!」

 

川内「へぇ~芸能界って難しいですね」

 

沙耶「そうそう……はぁ~ハヤ兄が羨ましいよ……」

 

神通「……御気持ち察します」

 

那珂「うわぁ~……なら此処で泊まっていけば良いじゃないですか、此処ならパパラッチの心配が無いじゃないですか」

 

沙耶「ッ!?それよ!!よし!ハヤ兄に頼んでみよーと♪」

 

瑞鶴「はい!ユージン♪あーん……」

 

勇次「あーん♪」

 

赤城は無心で食事中で瑞鶴は……愚弟とイチャついている……ってかイチャついているんじゃねぇ!此処はカフェじゃないぞ!

 

あと沙耶、俺の鎮守府をホテル扱いにするな!

 

勇人「まさしく八方塞がり……ってやつだな」

 

俺は諦めようとした途端……

 

 

龍飛「皆さん……あまり若を困らせないでくれませんか?」

 

意外ッ!?何と助け船を出したのは龍飛さんッ!?龍飛さんなら何とかしてくれる筈だ!だが……

 

勇人「……ってか厨房から離れて大丈夫なのか?」

 

そう、彼女は赤城の『正規空母盛り牛丼』……言わば『超怒級特盛』の牛丼を作っている最中であったのだ

 

龍飛「大丈夫ですよ、鳳翔もいますので」

 

勇人「あ……さいですか」

 

金剛「HEY!龍飛!私達は……」

 

陸奥「提督の貞s……補助しているだけよ」

 

勇人「今、貞操って言わなかったか!?」

 

榛名「気のせいですよ提督」

 

金剛「yes!私達はテートクの貞操と正妻を狙っているのデース!」

 

とうとう言っちゃったぞ!?ってか真っ昼間から猥談は止めてくれ……

 

ビスマルク「貴女達……そんな気持ちでやっていたのか……」

 

どうやらビスマルクは違っていた様だな……

 

龍飛「ではビスマルクさん以外、表に出ましょうか?」

 

金剛「上等デース!」

 

陸奥「ええ!」

 

榛名「龍飛さん!負けませんよ!気合い!入れて!ぶちのめします!」

 

比叡「榛名!?それ私の台詞!!」

 

龍飛「……若、ちょっと金剛さん達と『お話』してきますね」

 

……貴女の場合『某白い悪魔の交渉術(O☆HA☆NA☆SHI)』じゃなくて『某白い悪魔顔負けの説教(少し……頭を冷やそうか)』と言うレベルだぞ……まぁ金剛達……御愁傷様です

 

勇人「はぁ……疲れた……」

 

ビスマルク「まぁ……御疲れ様です……」

 

勇人「……お前のせいでもあるんだぞ……後、青葉達を解放してやれ」

 

ビスマルク「……ごめんなさい……青葉に摩耶、本当にごめんなさい」

 

青葉「プファ!初登場がギャクボールの縛りでの登場だなんて酷いですよ!!」

 

摩耶「青葉……メタいぞ……糞が!!」

 

勇人「……ビスマルク、何故俺の補助をやろうと思ったんだ?俺の事を純粋に好意を持っているのか?」

 

ビスマルク「ん~admiralには好意を持っていない……と言うと嘘になるが……やっぱり『妹分』のプリンツや利根達を手厚く供養させて貰ったから、私なりの『御礼』かな」

 

……うん、訓練生時代の時……いや親父の所の『デカイ暁(ビスマルク)』や蘭の『ダメマルク(ビスマルク)』と比べてメッチャ有能で素直で良い艦娘(女性)じゃねぇか!?

 

ビスマルク「……今失礼な事を思わなかった?」

 

勇人「……悪い、俺が知っている……いや今まで出会ったビスマルクは暁をでかくなった性格……通称『デカイ暁』だったり、色々と問題児なビスマルク……通称『ダメマルク』だったり……まぁあまり良い印象ではなかったからな……」

 

ビスマルク「……『デカイ暁』は兎も角、『ダメマルク』は酷いわね!」

 

勇人「……沙耶の所のダメマルk……ビスマルクに言え……俺に言うな」

 

……同じビスマルクでも『個体差』があるのだな

 

勇人「さて、飯も食ったし、仕事再開だ!頼むぜ秘書艦!」

 

ビスマルク「え!?私!?今日は大和じゃないの!?」

 

勇人「生憎、戦艦の常識人である大和型、長門、伊勢、扶桑型がショートランド拍地の復興支援に行って不在だからな……」

 

ビスマルク「……分かったわ!私に任せて!」

 

勇人「頼んだぞ……マジで……」

 

俺達は食堂を後にし、執務室に向かった

 

 

数分後、大破した金剛、陸奥、榛名が龍飛さんにフルボッコされ、資材がスッカラカンになり、他の艦娘達にも怒られたのは言うまでもなかった……



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サイドストーリー その2「復旧工事?いいえ、ただの女子会ですby大和」

勇人が金剛達の揉め事を解決した頃 1430 ショートランド拍地 執務室らしき小屋にて

 

大和「……ふぅ!武蔵、そっちは?」

 

どうも皆さん、佐世保鎮守府所属、大和型一番艦の大和です!けっして『大和ホテル』ではないので間違えないで下さい!『大和ホテル』ではなく戦艦『大和』です!大事な事なので2度言いました!

 

武蔵「……こっちの電気の供給及び自家発電の設置完了だ」

 

長門「おーい!終わったのなら手伝ってくれないか?ドックの補修工事が終わってないんだ!」

 

私達は提督の命令で提督の妹である上城少尉が所属している鎮守府『ショートランド拍地』の復旧工事の作業要員として派遣、工事をしています

因みに何故、ショートランド拍地が荒れた理由は霧島ナガツキさんの『憲兵提督奔走記』を見れば分かると思いますので、宜しくお願いします

 

伊勢「……勝手に他人の小説をアピールしてどうするの……ってか許可取っているの?」

 

……取ってません……うp主!説明を!

 

大丈夫だ、問題ない!(広告だから) by うp主

 

伊勢「……さいですか」

 

扶桑「……番外編だからと言って少し羽目外し過ぎませんか?少しは自粛してください」

 

大和「……だって……最近出番が無いので……」

 

蘭「まぁ良いじゃないか……私や私の所の艦娘達がメインに出れるのは番外編しか無いからな」

 

蘭側の武蔵「提督も何メタい事を言っているのだ!」

 

蘭側の金剛「そうデース!テートクも自粛してくだサーイ!」

 

山城「……ったく!早く終わらないとショートランド拍地の艦娘達は『テント』で寝ないといけない羽目になるから早く作業して!」

 

……山城さん、貴女……何を作ったのですか?この小屋、何処かで見たことが……

 

山城「一応私達の休憩所兼宿泊小屋だけど?それがどうかしたの?」

 

……某DA〇H島の小屋に瓜二つなんですが……名前も……

 

山城「……私も何故『こうなったか』分からないのよ……身体が勝手に……」

 

大和「名前繋がりですね……分かります」

 

山城「……不幸だわ」

 

蘭「……ここで自給自足のサバイバル生活だけは勘弁してもらいたいな……兄さんじゃあるまいし」

 

大和「……多分、提督ならサバイバルではなく某T〇KI〇みたいに島ごと開拓工事をすると思いますよ」

 

武蔵 伊勢 蘭「……否定出来ませんね」

 

ショートランド拍地の艦娘達「……提督の御兄さんって何者!?」

 

蘭側の武蔵「……『蒼白龍』……いや『戦場の狂龍』と言われているのだが……」

 

ショートランド拍地の艦娘達「はぁぁぁぁ!?あの『和製バージ〇』で有名な人が提督の御兄さん!?」

長門「和製〇ージルって……日本刀は使うが悪魔は狩っていないし、力を求めている訳でも無いのだが……まぁ取り合えず休憩するか?」

 

大和「そうですね」

 

蘭側の間宮「御疲れ様です、お汁粉持ってきました」

 

お汁粉!?気分が高揚しますね♪

 

蘭側の加賀「大和さん、それ私の台詞です……あ!?どうも昨日、建造された新しい方の加賀です」

 

これはどうも……って人の心を読まないで下さい!

 

蘭側の赤城「……口に出てましたよ、ちなみに私も昨日、建造された赤城です……上城中将の赤城とは別人なので間違えないようにお願いしますね」

 

大和「これは失礼しました……」

 

……って事は私の方の赤城さんの『2代目』の赤城さんですね、ややこしいです

 

蘭側の赤城「……大和さん、先代は今、幸せですか?昔、前任のせいで轟沈し、上城中将によって復活したと聞いていますが……」

 

大和「幸せ……というか色んな意味で提督に苦労してますね……」

 

まぁ暴走した提督のストッパー的な意味で……ですが……

 

蘭「安心しろ赤城、兄さんは艦娘達に酷い事をしない人だから……まぁ私が見た限りでは充実した日々を過ごしていたぞ」

 

蘭側の赤城「ふぅ……それは良かったです」

 

まぁ、今、色んな意味で酷い目にあっているのは私達、艦娘では無く提督自身ですが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佐世保鎮守府 執務室にて

 

勇人「ブァックショイ!!うう……風邪引いたのかな?」

 

ビスマルク「誰かが噂しているのでは?はいブラックコーヒーよ」

 

勇人「ありがとう……全くアイツらのせいで資材がヤバイな……イムヤ、イク、でち公、ハチ、ユーにシオイ、すまないが……」

 

伊168「オリョクルにカレークルだね……はぁ……分かったわ……全く此処の人達は何故、曲者が多いの……じゃ行ってくるわ……あ!?勇人の事じゃないから!」

 

伊19 伊8 伊401 U-511「いってきまーす(なの)……」

 

勇人 ビスマルク「お願いします」

 

金剛 陸奥 榛名「ごめんなさい(デース)」

 

赤城「私は常識人ですよ!イムヤさん!」

 

伊168「……深海棲艦上がりのアンタが言うな」

 

赤城「酷い!」

 

伊58(でち公)「だから司令!ゴーヤは『でち公』じゃないでち!!後、うp主!さりげに『でち公』のルビを入れないで欲しいでち!」

 

はいはい……戻しますよ by うp主

 

でち公(伊58)「これでよし……じゃないでち!!うp主!ふざけているのか!!」

 

番外編(サイドストーリー)だから、ふざけても良いじゃないか……後、語尾忘れているぞ by うp主

 

勇人「分かったから行ってこい……後で間宮のスイーツ券あげるからさ……」

 

伊58「……分かったでち……あ!?戻っているでち……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ショートランド拍地にて

 

蘭側の赤城「……うん!これは色んな意味で苦労してますね」

 

赤城さん!勝手に別のシーンを見ないで下さい!

 

武蔵「……お見苦しい物を見せてしまったな……」

 

大和「……全くです!」

 

長門「……全く、私達がいないと金剛達が暴走するのに……何故、このメンバーで派遣させたのだ?」

 

大和「多分、金剛さん達が行くと作業が進まない所が上城少尉に迷惑がかかるからだと判断したと思います」

 

蘭「うん……流石兄さんだ……良く分かっていらっしゃる……」

 

蘭側の金剛、陸奥、榛名「酷いです!(デース!)」

 

蘭側のビスマルク「あっちの私は少し大人しいわね……」

 

……あ!?そう言えば忘れてました……

 

大和「……後、ビスマルクさん、提督からの伝言です、『蘭を、あまり困らせるなダメマルク』……だそうです」

 

蘭側のビスマルク「誰がダメマルクよ!!あのヤクザ提督が!!!」

 

ヤクザ提督って……提督が聞いたら暴れそうですね……

 

蘭「誰の兄が『ヤクザ提督』だって……ビスマルク……罰として兄さんと演習してもらうわよ」

 

蘭側のビスマルク「ッ!?それだけは嫌よ!死にたくない!」

 

蘭「死にたくないのなら私の身内を馬鹿にするな!次、失言をしたなら……潰すわよ」

 

蘭側のビスマルク「……Ich verstehe(分かりました)……」

 

……うわぁ……この殺気は提督そのものですね……流石兄妹……こっちまで震えてきました

 

蘭「先ほどお見苦しい物を見せてしまったな……」

 

大和「いえいえ」

 

長門「……だが先ほどの殺気……まんま提督が放つ殺気だったぞ……」

 

蘭「まぁ……兄妹だからな……ってか貴女達も兄さんを怒らせた事があるのか?」

 

伊勢「まぁ……私達が怒らせた訳では無いが……」

 

長門 武蔵 「……正直言って……殺気だけで死ぬかと思った位だ」

 

扶桑「……私達の所の艦娘の大半は提督の殺気に怖がって失禁したり気絶した艦娘達が殆んどなんです……戦艦から駆逐艦まで関係無く……あの大和さんや武蔵さんまで……」

 

山城「……殺気だけで全海域突破出来るんじゃないかと、思う位に……」

 

……うん、あの提督なら本当にやりかねませんね……後、私は漏らしてません!!

 

武蔵「扶桑、私は漏らして無いぞ!」

 

扶桑「ですが気絶したのは間違い無いですね?」

 

大和 武蔵「ウグッ……」

 

蘭「……あれは誰だって気絶したりするぞ……私達の組員も尻尾を巻いて逃げたり、酷い人だと殺気だけでショック死する位だからな」

 

本職の人達でもさえも!?提督……就職先間違えていませんか?海軍よりも本職の方が向いています

 

武蔵「……何で海軍に入ったのかな……提督は……」

 

蘭「何でも……『こんな荒れくれ者の俺を育ててくれた艦娘達に恩を返したい』……だそうよ」

 

大和「意外と純粋な動機ですね」

 

長門「まぁ提督のお陰で私達は充実した日々を送っているから感謝しないとな……さて!そろそろ作業再開だ」

 

そうですね♪さて!早く終わらせて宴会をしましょ♪

 

数時間後、復旧工事が終わり、ショートランド拍地の艦娘達と宴会し、佐世保鎮守府に着いたのは翌朝になりました

 

 

 

そして……

 

 

 

 

 

佐世保鎮守府にて

 

勇人「ブァックショイ!!……またかよ……」

 

ビスマルク「本当に大丈夫なの?今日は早めに切り上げれば?」

 

勇人「……そうする」

 

赤城「では生姜湯を準備しますので養生してください、最近提督は休まずに仕事をしていますので……」

 

勇人「……別に風邪位で休m……ビスマルク「だからadmiralは働き過ぎだって!誰もadmiralが休んだって文句は言わないわ!」……そこまで言うのなら……」

 

赤城 ビスマルク(……ふぅ、そこまで言わないと休んでくれないからね……)

 

提督が体調を崩し、ビスマルクさんと赤城さん、そして摩耶さんに看病されたのは言うまでもなかった

 



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サイドストーリー その3「佐世保の御正月 by優花」

蒼霧事変から1ヶ月近く後 1月4日 佐世保鎮守府にて

 

勇人「ただいま……疲れた……後、明けましておめでとう……」

 

優花「お帰り勇人君!明けましておめでとう!」

 

勇人「おう……」

 

どうも皆さん、明けましておめでとうございます、この作品のヒロイン(仮)の桜花優花です

 

はい!そこの読者!!間違っても私の名字を『おうか』と呼ばないて!!『さくらばな』だからね!!

 

後『鬼嫁系ヒロイン』や『化け物ヒロイン』って言うな!!気にしているんだから………

 

私は横須賀で新人教育の臨時の教官の職務が終了し、車で佐世保に帰って来た『私の上司』でもあり『命の恩人』そして『旦那(仮)』こと『上城勇人』君がヘロヘロになりながら執務室のソファーに倒れる様に寝込むと勇人君は相当疲れているのか、気の抜けた緩い口調で愚痴を溢した

 

勇人「……ったく、最近の新人は口の聞き方も分かってねぇ奴が多過ぎるぞ……泣けるぜ」

 

優花「……それ、柏木大将や元帥に聞かれたら『お前が言うな』とツッコまれるよ」

 

勇人「……否定出来ねぇな、ハハハ……」

 

優花「……」

 

勇人君……相当疲れているね……笑い声すらハリが無くなっているわね……

 

なら!私が勇人君を……

 

ギシッ……

 

勇人「ん?優花?」

 

優花「……あまり上手くないけど……行くよ」

 

私は勇人君を癒す為にソファーの上でうつ伏せになっている勇人君(旦那(仮))の上に座り、勇人君の背中のツボを親指で指圧を始めた

 

ギシッ……

 

ギシッ……

 

勇人「oh……意外と上手いじゃねぇか……」

 

優花「私のテクも相当な物でしょ?」

 

勇人「……ああ」

 

フフフ……現役看護師(ナース)を嘗めないで♪多少なりとも人体のツボの場所位は知っているんだからね♪

 

これで勇人君を昇天させてやる……

 

 

私は()()な方法で勇人君を骨抜きにしようとしたが……

 

 

 

 

バン!!

 

 

 

 

金剛「Hey!テートク!!A happy new yea……ッ!?ユカリン!何をしているのデスか!?私に黙ってmake love(性行為)をして!!狡いデース!!」

 

榛名「提督、明けましておめでとうございm……ッ!?提督……何故、榛名じゃなく副提督とヤっているのですか?」

 

鹿島「副提督さん、新年早々……ナニをしているのですか?」

 

……金剛ちゃんと榛名ちゃん、そして鹿島ちゃんに止められました

 

金剛ちゃんは羨ましそうに、榛名ちゃんと鹿島ちゃんは目のハイライトが消えた状態……言わば『ヤンデレ』に近い状態になりながら私に聞くと、勇人君が私の代わりに怠惰な表情ではあるものの、簡潔に説明した

 

勇人「違ぇよ……マッサージをして貰っているんや」

 

金剛「massage!?私もヤりたいデース!!」

 

榛名「榛名もです!!そして……」

 

鹿島「そのまま、提督さんと……ウフフ♡」

 

優花「ッ!?」

 

アカン!これはヤバい事を企んでいる表情だ!三人が完全に雌豹になっている!!

 

此処は止めないと!!

 

優花「駄目に決まっているでしょ!!()()()()()()()()のアンタ達がやるとマッサージはマッサージでも『違う意味でのマッサージ』をするのを目に見えて分かるよ!!折角、健全な状態で話を進めると思ったのに……」

 

勇人「ってか、違う意味って……まぁ確かに今の三人の状態ならマッサージじゃなくて『ソ〇プみたいな事』を()()()()だな……いや、どちらかと言うと『イメ〇ラ』か……」

 

優花 金剛 榛名 鹿島「ッ!?」

 

ソー〇って……勇人君、それは直球過ぎる発言でしょ……ん?ちょっと待って……『ヤりそう』?

 

まさか勇人君もプロの人に……

 

私は……いえ私達自身の醜い感情を抑える様に笑顔で勇人君を見ると、勇人君は私の感情を察したのか、簡潔に答えた

 

勇人「一応言っておくが、シノギ(家業)で知った位だ……お世話になった事は無ぇよ」

 

金剛「そっちデスか……良かった

 

榛名「ホッ……」

 

鹿島「……提督さんの経歴を考えれば納得しますね」

 

優花「……何だ、そういう意味で知っ……ん?『知った』って事は……勇人君は童〇!?」

 

勇人「……ノーコメントだ」

 

私は勇人君に直球過ぎる質問をすると、勇人君は私の質問を黙秘すると……

 

ガチャ……

 

雪風「しれぇ!明けましておめでとうございます!!」

 

夕立「あけおめッポイ!そして、お年玉頂戴っポイ!」

 

時雨「夕立、二言目に『それ』は無いと思うが……提督、明けましておめでとう」

 

吹雪「司令官!明けましておめでとうございます!!」

 

椛「明けましておめでとうございます勇人さん」

 

一航戦「提督、新年のご挨拶に参りました。本年も私達を、どうぞ宜しくお願い致します!」

 

ニ航戦「右と同じく、ニ航戦も宜しくお願い致します!」

 

瑞鶴「以下同文!そして翔鶴姉ぇを止めて!」

 

翔鶴「ハヤちゃん~♡ヒック!今年も宜しくお願い致します♡そしてお年()を頂戴♡」

 

勇人「明けましておめでとう、そして翔鶴……種って何だ?」

 

翔鶴「フフフ♡種って言うのは提督の精……勇人「言わせねぇよ!!大体分かっていたけどさ!」」

 

優花「みんな、明けましておめでとう……一人は出来上がっているのは気のせい?」

 

私は泥酔している翔鶴ちゃんについて聞くと、瑞鶴ちゃんは暴走している翔鶴ちゃんを止めながら答えた

 

瑞鶴「……提督さんの義妹……確か『マミ』だっけ?マミが翔鶴姉ぇに酒を勧めたせいで……」

 

勇人「……泣けるぜ」

 

マミちゃん!?何してんの!!未成年が大人に酒を勧めちゃ駄目だよ!?法律的にマジでアウトだからね!!法律に関しては……うp主!!法律の説明をお願いね!

 

やれやれ……分かりました……マミが行った行為は『児童福祉法34条』に引っ掛かるので良い子も悪い子も真似をしないで下さい by うp主

 

勇人「……んで、当の本人は?」

 

瑞鶴「……三笠教官に説教を食らっている所」

 

勇人 一航戦 椛「……デスヨネー」

 

勇人君は暴れている翔鶴ちゃん(酔っ払い)を押さえ付けながら呟くと夕立ちゃんが何かを思い出したか「あっ!?忘れてたッポイ……」と呟き、勇人君に聞いた

 

夕立「そう言えば、『鹿目まどか』ちゃんだっけ?まどかちゃんが『新年の挨拶をしたいから執務室に来て良い?』と伝言を預かっていたッポイ」

 

吹雪「まどか?司令官、『まどか』って誰ですか?」

 

加賀「まさか!?……提督の彼女!?」

 

鹿島「ッ!?提督さんの!?」

 

優花「……勇人君、私に隠れて浮気って……どういう事!!」

 

私は『まどか』という人について強い口調で聞くと、勇人君は『まどか』との関係を簡潔に説明した

 

勇人「彼女じゃねぇよ……まどかは兄貴の実姉の娘……俺の()()()だ」

 

優花「え?姪っ子?」

 

金剛「イエス!」

 

榛名「凄く良い子でしたよ」

 

椛「良い子ねぇ……まぁ此処に来る用件は()()()()()()が」

 

優花「成る程ね……そして用件って、お年玉の事ね……」

 

私は、まどかちゃんとの関係や用件について納得をすると、着物を着た10代中頃のピンク色の髪をした少女が会釈しながら執務室に入り、私達に挨拶をした

 

少女「し……失礼します、勇人さんに皆さん、明けましておめでとうございます」

 

勇人「明けましておめでとう、まどか」

 

赤城「明けましておめでとうございます……まどかさん」

 

金剛 榛名「A happy new year Madoka(明けましておめでとう、まどかちゃん)♪ 」

 

ニ航戦「あけおめ、まどかちゃん」

 

優花「あ……明けましておめでとう……えーっと……『鹿目まどか』ちゃんで合っている?」

 

少女改め『まどか』「はい、伯父が大変お世話になっています……えーっと……桜花(おうか)さん」

 

あちゃ……緊張しているのか早速『間違って』いるわね、楽にして良いのに……

 

私は、緊張している彼女(まどか)の挨拶に苦笑しながら挨拶を返した

 

優花「こちらこそ……後、読み方が間違っているわ……名字は『おうか』じゃなくて『さくらばな』って読むのよ」

 

まどか「ッ!?す……すみませんでした!桜花(さくらばな)さん!!」

 

優花「フフフ……別に良いよ……読みにくかったら『優花』で構わないよ」

 

まどか「はい……此れからも伯父さん……勇人さんの事を宜しくお願い致します……優花さん……」

 

優花「宜しくね」

 

……この子が勇人君の姪っ子!?滅茶苦茶、礼儀正しい子じゃないの!?

しかも何!?この小動物みたいな可愛さは!?此れは将来、化けるかも……

 

私は勇人君の姪っ子である『鹿目まどか』について驚いていると勇人君は横目になり、私に聞いた

 

勇人「……今、失礼な事を考えていなかったか?」

 

優花「当たり前じゃない!!勇人君の周りに居る人達って()()()()()()()()()しか居ないじゃないの!!柏木大将やら勇次君やら……」

 

まどか「ブッ飛んだ人達って……そんなに……ですか?」

 

優花「ええ、勿論『()()()()()』で……だけどね」

 

まどか「アハハ……ハハハ……苦労しているのですね……」

 

金剛「……ユカリンも人の事が言えないデース

 

鹿島 吹雪 時雨「……同じく

 

優花「何か言った?」

 

金剛 鹿島 吹雪 時雨「Nothing(何でもない)!!」

 

……ったく!折角、まどかちゃんがリラックス出来たのに、余計な事を言わないでよ!間違ってはいないけどね

 

私は金剛ちゃん達を睨むと、まどかちゃんは私達のやり取りに苦笑し、勇人君はまどかちゃんに質問をした

 

勇人「んで、用件は何だ?此処は基本的に『関係者以外、立入禁止』だぞ」

 

勇人君は優しく忠告をすると、まどかちゃんは可愛らしい笑顔になり、勇人君に『おねだり』をした

 

まどか「そうでした♪勇人さん……たっくんと私のお年玉()()♪」

 

雪風「しれぇ!!雪風にも!!」

 

夕立「ポイ!!夕立も!!」

 

吹雪 一航戦「私も!」

 

ニ航戦「提督ぅ~♡私達も頂戴♡」

 

瑞鶴「マジで!?私も欲しい!!」

 

翔鶴「私はハヤちゃんとのk……瑞鶴「ゴメン翔鶴姉ぇ!当て身!!」……グハッ……」

 

結局は全員『金目当て』かい!私だって欲しいわ!!そして瑞鶴ちゃん!!グッジョブ!!

 

まどかちゃん達が勇人君に甘える様に要求すると、勇人君は溜め息を吐き、ソファーから降り、呆れながら言った

 

勇人「……だろうと思った……ゴホン!業務連絡……()()、直ちに執務室に来てくれ……此れは強制だ……以上、連絡を終わる……んじゃ、行ってくる」

 

勇人君は放送で、みんなを召集させ、執務室から出ていった

 

 

 

 

数分後………

 

 

 

長門「何だ?いきなり召集をかけて?」

 

島風「あれ?司令は?」

 

雪風「しれぇは雪風達のお年玉を渡す為に準備をしています!」

 

叢雲「お年玉って……たった『それだけ』で召集させなくても……」

 

鈴谷「まぁ良いじゃん♪初めての『正月行事』だから♪」

 

コンゴウ「フッ、そうだな……」

 

マヤ「わーい♪お年玉♪」

 

陸奥「……あれ?まどかちゃん、マミちゃんは?」

 

まどか「……説教中です」

 

ワイワイ……

 

ガヤガヤ……

 

みんなは初めてのお年玉を貰える事が嬉しいのか、少し胸を踊らせながら勇人君を待っていると、勇人君は大きいアタッシュケースを運び、ケースを机の上に置き、微笑みながら言った

 

勇人「よし!全員集まった様だな……」

 

まどか「まだマミさんが来ていませんけど……」

 

勇人「まだ続いているのか……後で渡しに行くか……それでは、今から全員にお年玉をあげるから、呼ばれたら来る様に……先ずは大和型の二人……」

 

勇人君はアタッシュケースを開き、名前が入ったポチ袋を全員に渡していった

 

そして、私を除いて全員に渡すと勇人君は最後に渡す人を呼んだ

 

それは……

 

勇人「最後に……優花、お年玉だ」

 

優花「………へ?私も!?何で!?」

 

私は本来『貰える筈の無い』お年玉が貰える事に驚き、勇人君に聞くと、勇人君は微笑みながら答えた

 

勇人「『繁さん』からだ」

 

優花「え!?お祖父ちゃんから!?何で!?」

 

勇人「繁さんに『たまには爺らしい事をさせてくれ』と渡されたからな……ほらよ」

 

優花「あ……ありがとう………ん?」

 

マジで!?あのお祖父ちゃんから……ん?だけどお祖父ちゃんは今『刑務所』に……そして、この達筆な字は……ッ!?成る程……

 

私は違和感が残るポチ袋を手に取り、違和感の原因を察し、呟いた

 

優花「これ……勇人君の字だ……」

 

勇人「ッ!?……俺が繁さんの代筆をしたんだ、違和感が出て当たり前だ」

 

優花「そっか……お年玉ありがとう、勇人君

 

勇人「……バレてたか……」

 

フフフ♪勇人君……嘘を隠すのが下手だね……勇人君が嘘を言う時は一瞬、顔が強張るからね♪それに、お祖父ちゃんは基本、お年玉を()()()()からね

 

 

 

 

 

だけど……

 

 

 

 

 

 

 

優花「本当にありがとう……私だけでは無く、()()()()まで救ってくれて……此れからも宜しくね」

 

艦娘全員「宜しくお願いします!提t(司r)……いえ、勇人さん!!」

 

これは私……ううん、この場にいる私や艦娘達とメンタルモデル達の気持ちを私が代弁すると、勇人君は恥ずかしいのか、少し赤面しつつ、気だるそうに答えた

 

勇人「分かったから全員、泣くなや……祝い事なのに……」

 

優花「フフフ……そうね、私達らしくも無いね」

 

勇人「はぁ~……全くだ」

 

まどか「ウェヒヒヒ♪何か勇人さんって『厳格な軍人』というよりかは、みんなの『優しいお兄さん』みたいな性格をしているのですね♪」

 

勇人「そうか?……どっこいしょ……」

 

勇人君は気だるそうに頭を掻き、まどかちゃんに言われて恥ずかしかったのか、少し赤面しながら椅子に座り、言った

 

勇人「さて……全員揃った所で……青葉、衣笠、古鷹、加古……カメラを回してくれ、今から全ての提督達(読者達)に挨拶をするから」

 

青葉「もう準備完了です!!では司令にまどかちゃん、お願いします!」

 

まどか「私もですか!?」

 

衣笠「そりゃ『もう1つの物語』の主役の1人だからね♪」

 

優花「そうそう♪」

 

まどか「……分かりました」

 

加古「では!よーい……アクション!!」

 

 

 

 

 

 

カン!

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「……皆さん、明けましておめでとうございます、今年も『Admiral of Roughneck~From black to white~』と……」

 

まどか「そしてサイドストーリー『魔法少女まどか☆オーガ~全てを覆す武士達~』を……」

 

勇人 まどか「宜しくお願い致します……」

 

全員「宜しくお願い致します!!」

 

 




後書きという名の舞台裏にて

さやか「あれ?私達の出番は?」

杏子「多分無いよ」

ほむら「……残念ね」

天海「仕方無いさ、時系列的には俺達はまだ出会っていないからな……という訳で……改めて……」

「「こんな駄文ですが宜しくお願いします!!」」


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第3章「友との再会」
第28話「吉報は突然に……」


堤下、優香里の逮捕から1ヶ月後、11月5日 2200 佐世保鎮守府 執務室にて

 

勇人「……」

 

摩耶「提督、こんな眠たくなるなる番組なんか見るの止めてスマ〇マ見ようぜ」←本日の秘書艦

 

勇人「……ちょっと黙ってろ」

 

勇人は軍部に関わる記者会見の為提督室にテレビを出し、それを見ている。

 

記者『これより、大本営憲兵司令官常田一登元帥陸軍大将による記者会見が今始まります。………あ、今常田大将が入りました』

 

現在、ニュースを流しているテレビ局は全て常田の記者会見の生中継が放送されている。

 

常田『えぇ、皆さん。大変寒い中このような場にお集まり頂きありがとうございます。私、常田一登は9月20日から10月2日にかけて発生した920(キュウフタマル)事件の責任を取り、今日付で憲兵司令官辞任、並びに陸軍を退役する事といたしました』

 

常田が辞任をするといった瞬間にカメラのフラッシュが激しくなる。

 

記者『なぜ、常田大将が辞任されるのですか!?総司令官が責任を取ればいいのではないですか!?』

 

常田『このような事態を招いたのは、日頃憲兵隊を統率していたのは私にあり、未然に防げなかった私に責任があるからであります』

 

記者『後任は誰になるのですか!?』

 

常田『それは……』

 

 

常田は自身の後継者を言おうとした途端……

 

 

 

 

 

 

ブチッ……

 

 

 

 

 

勇人「……」

 

摩耶「ん?提督……何故、TVを消したんだ?」

 

摩耶は勇人に何故、TVを消した理由を聞くと勇人はタバコをくわえながら言った

 

勇人「後の事は親父から聞いたからな……常田のオッサンの後継者は……柏木だ」

 

摩耶「はぁ!?柏木大将って呉の提督……言わば海軍だよな!?何で柏木大将が……」

 

勇人「摩耶、一応アイツの本業は憲兵だぞ……」

 

摩耶「………マジで?」

 

勇人「マジ」

 

摩耶「………通りで憲兵染みた行動をしていたと思ったぜ……てっきり憲兵マニアだと思ったぜ……」

 

摩耶は勇人の説明に納得すると執務室のドアが開き、急いで来たのか、息切れしている大淀が入ってきた

 

生徒会長風の黒髪、眼鏡を付けた艦娘『大淀』「提督……ハァ……ハァ……夜遅くスミマセン……今、大丈夫ですか?」

 

勇人「ああ……ってか寧ろ、お前が大丈夫か?摩耶、水を……」

 

摩耶「お……おう」

 

摩耶は勇人の私物の冷蔵庫からミネラルウォーターが入ったペットボトルを取り出した

 

摩耶「大淀、はいよ」

 

大淀「摩耶さん、ありがとうございます……んぐ……んぐ……」

 

ゴクッ!

 

ゴクッ!

 

勇人(……なんだろ………凄く……)

 

摩耶(エロい……ってか提督!アンタ見すぎ!溜まっているのか?)

 

勇人(おい、女性が『そんな事』を言うな……)

 

摩耶(……わーったよ……ったく提督も固いな……あ、貞操概念的な意味だからな)

 

勇人(それ位、分かってる……違う意味なら憲兵待った無しだぞ……お互い……)

 

摩耶(……デスヨネー)

 

二人は大淀の飲み方に目を少し逸らした

勿論、彼女は普通にラッパ飲みをしているだけなのだが……

 

大淀「プファ……提督、ありがとうございます」

 

勇人「お……おう……んで何か問題が発生したのか?」

 

勇人は慌てて来た大淀に聞くと彼女は少し落ち着いたのか、いつも通りの口調で説明し始めた

 

大淀「は……はい、実は1週間後、此処で常田大将の後任の記者会見を行う事になりました……」

 

勇人「はぁ?何故、此処で記者会見を行う……ッ!?まさか……」

 

摩耶「提督?どうしたんだ?」

 

勇人「……摩耶、ついさっき席を外しただろ?」

 

摩耶「ああ……赤城さんが小腹が空いたから飯を持ってくる時か……それがどうしたんだ?」

 

勇人「あの時、柏木から連絡が有ったんだ……ショートランド拍地……いや赤城の『元同僚』を保護したから1週間後、此処で受け渡しになるんだ」

 

大淀「え!?普通は上城少尉……妹さんが受け渡しを行うのに何故、提督が?」

 

大淀は勇人の説明に疑問を抱き、勇人に聞くと、勇人は頭を抱えながら言った

 

勇人「……あんまり言いたくないけど、その保護された艦娘が堤下の親父『堤下督一朗』と俺のお袋が赤城同様『捨て艦』として轟沈した艦娘『加賀』なんだよ……」

 

摩耶「な!?」

 

大淀「え!?ちょ!?轟沈!?それはどういう事ですか!?」

 

勇人「……『ドロップ艦』って知っているか?」

 

摩耶「……提督、とうとう疲れがピークに達したせいで質問の答えが的外れしているぞ……休むか?」

 

勇人「……どうやら俺と個人演習をやりたいらしいな……摩耶……」

 

摩耶「……ごめんなさい!『イージスのカーニバル』だけは……だけど、ベットウェー海戦なら………モゴモゴ……」

 

勇人「……おい、聞こえているぞ」

 

大淀「『ドロップ艦』……つまり『はぐれ艦娘』の事ですか?それと一体どんな関係が?」

 

勇人の的外れな言葉に大淀は疑問を抱き、言うと、勇人は大淀の質問に答えつつ説明を続けた

 

勇人「それは表向きの説明だ……実際は深海棲艦が艦娘だった時の『記憶』『思考』等、艦娘達によって倒された弾みで甦り、また人として生を受けた艦娘の事だ……要は7カ月前の赤城と同じ現象の事を『ドロップ艦』と言われているんだ」

 

大淀「……そういう事ですか……」

 

摩耶「モゴモゴ……提督とベットのカーニバル……モゴモゴ……」

 

勇人「まぁ戦場でドンパチやってて、いきなり艦娘が現れたんじゃあ『はぐれ艦娘』と間違える事もあるが……後、摩耶……いい加減、正気に戻れ」

 

バシッ!

 

摩耶「んな!?アタシは一体……」

 

勇人は『目ぇ覚ませ!』と書かれた来客用のスリッパを持ち、摩耶に軽く叩くと摩耶は叩かれた弾みで正気を取り戻した

 

ちなみに、そのスリッパ以外に『なんでやねん』等が書かれたスリッパも何故か所持していた

 

大淀「提督、何故来客用のスリッパを?」

 

勇人「……昨日、夕張と明石、沙耶、川内、天龍、龍田と呑んでいた時に夕張の趣味の『半分こ怪人の特撮物(仮〇ライ〇ーW)』を見せられてな……」

 

大淀「ちなみに、このスリッパをカスタムしたのは……」

 

勇人「……夕張が酔っ払った勢いd……大淀「……後で『お話』……ですね、提督も三笠教官に……」……オイ、俺は関係ねぇぞ」

 

大淀「フフッ……冗談ですよ」

 

勇人 摩耶(……冗談に聞こえねぇぞ……マジで)

 

大淀「え?夕張さんと『お話』だけは本当ですよ」

 

勇人 摩耶「だから人の心を読むな!オメェは『某覚り妖怪(古〇地さとり)』か!?」

 

大淀「……まぁ、おふざけはこれくらいにして、提督、そろそろ見廻りの御時間です」

 

勇人「……分かった、行くぞ摩耶」

 

摩耶「おう」

 

二人は立ち上がり、ライトを持った途端……

 

 

キャーーーー!

 

赤城さんの足が無いぃぃぃぃぃ!!

 

ヒエェェェ!

 

プリンツ!?生きていたの!?

 

わ……私がいるゥゥゥゥ!

 

勇人「……あいつらまで……行くぞ、纏めて『お話』だ」

 

摩耶「……」

 

勇人は呆れつつ、摩耶と共に見廻り兼『お話』しに向かった

 

摩耶は………

 

 

摩耶(アタシ……こういうの苦手なんだよね……)

 

勇人「……摩耶」

 

摩耶「お願いだから言うなよ……マジで」

 

摩耶は勇人の腕に抱きつき、亡き艦娘達に恐がりつつ勇人と共に見廻りをしたのは言うまでもなかった

 

 

 

 

 



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第29話「招かざる客」

1週間後 佐世保鎮守府 特設記者会見場にて

 

加賀「………」

 

勇人「ん?何だ?俺の顔に何か付いているのか?」

 

加賀「……うるさい、殺しますよ」

 

柏木「……悪い勇人……うちの青葉が加賀にあんたのお袋さんの事を言ってしまって……」

 

勇人「……泣けるぜ」

 

加賀「泣くのでしたら『あの世』で泣いてください」

 

勇人「……この糞アマが……」

 

鹿島 龍鳳「まぁまぁ……」

 

記者達(うわぁ……何この殺気染みた空気は……ってか、あの片腕の提督……何処かで……)

 

特設記者会見場では勇人に睨み付け、嫌味を言い続けている加賀に勇人は怒りに耐え、本日の秘書艦であろう鹿島に柏木の秘書艦である大鯨……否、大鯨が改装された艦娘『龍鳳』宥められていた

 

長門(……何だろう……加賀を見ていると……)

 

霧島(昔の私達を思い出しますね……)

 

優花(勇人君!ここは落ち着いて!折角の佐世保鎮守府のイメージアップをする機会だから……)

 

赤城(本当に……加賀さんだ……)

 

二航戦 五航戦 妙高型 「あーおーばー!」

 

青葉「青葉じゃない……違った!『此処の青葉』じゃないです!!」

 

青葉(あややややや!?あっちの青葉!?何て事を言ってしまったのですか!?火にガソリンを注いだ真似を……お陰で青葉まで火の粉が被ったじゃないですか!!)

 

佐世保鎮守府の艦娘達は勇人と加賀の様子を見て冷や汗をかいたり、懐かしんだり、更には青葉を睨み付ける艦娘もいたとか……

 

 

勇人「只今より常田『元』大将の後任である柏木疾風『海軍大将』の挨拶を行います。司会は、この私『佐世保鎮守府総司令』中将の上城勇人がお送りします。では柏木……大将、ご挨拶を……」

 

柏木(……今、呼び捨てで言いかけなかったか?まぁ良いか……)

 

龍鳳 W霧島(……あ!?マイクチェックは流石に無いですね……よかった……)

 

勇人の紹介により、柏木はマイクを持ち記者達にスピーチを始めた

 

柏木「司会の紹介にありましたが俺……いえ私が大将の柏木疾風と言います。920事件の件で辞職した常田元大将には公私共々、親交があり、大変お世話になっていました……なので彼の辞職は私自身、胸が痛い思いです……そんな彼が私を後任として指名したからには、彼の意思を継ぎ、全国民の命や財産等を守る所存です!まだ若輩者の私ですが皆さん、宜しくお願いします!」

 

 

パチパチ!

 

柏木のスピーチに記者達は拍手やカメラのフラッシュが鳴り響いた、まるで柏木を歓迎してくれているかの様に……

 

だが勇人は柏木の『ある事』に気が付いた

 

勇人(……アイツ、カンペ見ながら……)

 

龍鳳(まぁまぁ、記者達は歓迎ムードなので目を瞑って下さい……)

 

勇人(……やれやれ)

 

勇人は柏木がカンペを見ながらスピーチしていたのを気が付いたが龍鳳の説得により見て見ぬふりをした

 

勇人「……ありがとうございます、では短い間ですが質問と入られて頂きます。では質問のある方はいらっしゃいますか?」

 

記者1「……はい」

 

勇人「どうぞ……」

 

勇人は記者達に言うと、記者の二人が手をあげ、マイクを持ち質問を始めた

だが質問相手が『柏木』ではなく……

 

記者1「あの……私達は柏木さんではナク、貴方二聞きたい事がありマス」

 

勇人「私に……ですか?」

 

そう、その記者は勇人に質問をし始めたのだ

 

勇人「失礼ですが、貴女達はどのテレビ局のアナウンサーですか?」

 

勇人は、その記者に違和感を感じつつ、聞くと女性記者は片言で答えた

 

記者1改め『k国記者』「ワタシは貴方ガ殺した将軍の国の記者デス」

 

記者2改め『C国記者』「私達はアナタガ人殺しだと言う事を証明しに来まシタ」

 

記者達 勇人 柏木 艦娘達「!?」

 

 

ざわざわ……

 

ざわざわ……

 

長門(……不味いな……)

 

陽炎(ちょ!?いきなりの爆弾発言投下!?)

 

霧島(……イメージダウン待ったなし……ですね)

 

勇人(チッ……厄介な奴等が紛れ込んでいたとは……これも龍光会の回し者か……仕方ねぇ……)

 

勇人や柏木、そして加賀以外の艦娘達は、いきなりK国とC国の記者の発言により、頭を抱えた

だが勇人は、ざわついた記者達やK国、C国の記者に堂々と言った

 

勇人「確かに私……めんどくさいから素で言うが、確かに俺はテメェの親玉を殺した……だが、何故アンタの所の親玉を殺した『情報』を知っているんだ?あの『場所』はアンタの所の親玉しか居なかった筈だが?」

 

勇人は二人の記者に言うと、記者は勇人の言葉に勝ち誇った口調で答えた

 

C国記者「簡単な理由デス、あの時『生存者』がいたからデス」

 

柏木(勇人……ふっ、そうか……成る程な……この『場合』と『状況』を利用して……全く、こういった『頭脳戦』では勝てる気がしないな……)

 

勇人は二人の言葉に口角を少し上げ、二人に聞いた

 

勇人「……では教えてくれないか?その情報の『提供者』を……」

 

K国記者「良いでしょう!この方デス!」

 

勇人はK国記者に挑発とも取れる言葉を発すると、K国記者は自信満々に『情報提供者』が写っている写真を大々的に見せた

 

勇人「ふっ……やっぱりか」

 

記者1「なぁ……これって……」

 

記者2「ああ……」

 

ざわざわ……

 

ざわざわ……

 

金剛(hum……流石テートクデスネ……)

 

大淀(この状況を逆手に取り、自滅を誘い込むなんて……)

 

大和(……というより、あの人達が間抜け過ぎるんじゃ……国民性的に……)

 

摩耶(……体だけではなく頭も化け物並の強さ……いや頭脳明晰ってやつか……)

 

そう、その『情報提供者』が写っている写真……否、その『情報提供者』とは……

 

C国記者「私達の『同胞』ノ基地の管理者デス!」

 

K国記者「サァ!『国際法』で死んでくd……勇人「ほう……この情報提供者……『深海棲艦』の『戦艦イ級』がね……」……何を言ってイル!お前は、この人の仲間達共々、私の将軍ヲ殺したのではないカ!!」

 

そう、その情報提供者は深海棲艦の戦艦イ級であった

 

龍鳳(……流石、上城中将ですね……提督も見習って下さいね)

 

柏木(……精進します)

 

記者1「おい!何が『国際法』に引っ掛かっているのだ!違反しているのは貴様達の首相達ではないか!」

 

記者2「そうだ!そうだ!そんな奴、殺されて当然だ!!」

 

某銀色の戦車を持った男似の記者「Mr.カミシロ!ブラボー!オォー!ブラボー!!」

 

勇人「Thank You……」

 

勇人の頭脳戦……というより二人の記者の自滅に場の空気が一転し、記者達は勇人を擁護や絶賛の声が涌き出てきたのだ

 

勇人「さぁどうする?オメェラの国の記事では『将軍殺しの男が自白した』とか『間抜けな軍師、自滅する』とか非難、中傷の内容を書くと思うが、オメェラの国『以外』の国の記事は、どんな『内容』の記事になるのやら……」

 

K国記者「クッ!」

 

C国記者「おボエてろ!」

 

二人は勇人の脅しに近い言葉に対し、悔しい表情で颯爽と記者会見場を後にした

 

勇人「……大変お見苦しい所を御見せし、御迷惑をお掛けしました。これを持ちまして新任、柏木疾風大将の挨拶を終了したいと思います。皆さん、態々遠い所から足を運んで頂き、真にありがとうございます」

 

勇人は記者達に一礼をし、記者会見は幕を卸した

 

記者達の擁護や絶賛の嵐の中……

 

 



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第30話「920の悪夢」

記者会見から翌日 0700 食堂にて

 

勇人「ふわぁ~………」

 

柏木「よぉ勇人……ってどうしたんだ!?その目の下の隅は!?」

 

W球磨「クマァ?呼んだクマ?あ、提督(上城中将)おはよークマ!」

 

柏木「呼んでねぇよ……」

 

勇人「おはよーさん……ワフッ……眠い……」

 

勇人は寝不足なのか目の下に隅が出来、欠伸をしながら食堂の椅子に座り、机の上に寝込む様に、だらけきっていた

 

柏木「……マジで大丈夫なのか?」

 

勇人「お前の所の青葉のせいで加賀に何回も睡眠妨害……殺されかけたぞ……」

 

柏木「……だから悪かったと言っているだろ……」

 

青葉「だから青葉じゃないですってぇ!!」

 

勇人「分かっているから、過敏に反応するな」

 

青葉「……本当ですか?」

 

勇人「ああ……所で柏木、これを見てくれ」

 

柏木「ん?新聞?」

 

勇人は青葉を宥めつつ柏木に今日の朝刊を渡した

 

勇人「今日の一面を見てみな……」

 

柏木「……俺の挨拶とお前の非難、中傷内容が全面的に載っているな……」

 

柏木が新聞の一面を見ると、『若き虎、柏木大将、力強い宣言』と『佐世保鎮守府、堤下以上の問題児、着任』と書かれていたのだ

 

加賀「問題児に関しては事実なのでは?」

 

勇人「いい加減黙れ……糞が……」

 

摩耶「提督、それアタシの台詞だが……」

 

勇人「……すまん摩耶、そしておはよーさん」

 

摩耶「おはよー……ファァァ……昨日は心臓が悪かったぜ……」

 

高雄「おはようございます提督……昨日の頭脳戦、お疲れ様でした」

 

愛宕「おはよー提督、よく眠れ……てないそうね」

 

鳥海「おはようございます提t………何ですか!?その隅は!?」

 

勇人「おはよーさん、あれ……どちらかと言うと自滅させたんだけどな……あと加賀のせいで寝れなかったんだ……暗殺的な意味で……」

 

勇人は高雄型の四人に挨拶をし、眠たそうに四人の質問に纏めて返した

 

加賀「当然です!あの女の関係者なら恨みを持つのは当たり前です!しかも貴方みたいに、あの女の息子であり片腕を無くす様なクズに着任する位なら殺した方がマシです!」

 

勇人「アァ?喧嘩売っているのか?買うぞ」

 

加賀「良いでしょう!では……」

 

龍鳳「まぁまぁ……加賀さん、上城中将は艦娘達を酷い事はしない人で、片腕が失ったのは……柏木「ストップ!これ以上いけない!『特別防衛機密』に引っ掛かるぞ!」……そうでしたね」

 

加賀「ふん……どうせ『あの女』や佐世保鎮守府総司令として恨みを持った連中に切り落とされたのでしょう……まぁ私としては『一般人』より弱い男が提督なんて『真っ平御免』ですから……それでは柏木大将……失礼します……」

 

勇人「……チッ」

 

加賀は勇人に捨て台詞を言い残し、食堂を後にし、入れ替わりに赤城、優花が勇人に近付いてきた

 

赤城「おはようございます提督………あれ?加賀さんは?」

 

優花「おはよー勇人k……ちょ!?どうしたの!?その顔!?」

 

勇人「……加賀なら俺に嫌みを言って、食堂から出ていったぞ」

 

柏木「あれ?あんたは桜花連合の……」

 

優花「貴方がお祖父ちゃんが言っていた柏木さん……じゃなかった柏木大将ですね?私は一ヶ月前、堤下達に誘拐され、今は佐世保鎮守府総本部の『艦娘カウンセラー兼執務官』の少尉の桜花優花と言います」

 

柏木「へ?勇人、これはどういう事だ?」

 

勇人「ああ……彼女たっての希望で2週間前、海軍に入隊、半年後に始まる『精神医療専門課程』に向けて色々と仕込んでいるんだ……」

 

柏木「……まさかだと思うが……お前も呼び出されたのか?教官として?」

 

勇人「まさか……俺は佐世保鎮守府の総司r……優花「はい!勇人君……いえ上城中将も軍医兼教官として派遣される予定です!」……はぁ?オメェ、何訳の分からん事を言っているんだ!?」

 

優花「あ!?バレた?」

 

勇人「当たり前だ……ったく!お前を入隊手続きしに大本営に行ったら920事件に巻き込まれるわ、親父は920の事件で入院中、更には加賀に命を狙われるわ……不幸だ……」

 

優花「うん……あれは……」

 

赤城「急遽、蘭さんに提督代理として此方に来た時ですか……」

 

勇人の愚痴に柏木は反応し、勇人に迫る様に聞いた

 

柏木「ちょっと待て!お前達も事件現場にいたのか!?」

 

勇人「……ああ、あれはマジで精神的に死ぬかと思ったぞ!!悲惨過ぎて!!」

 

優花「……うん」

 

柏木「………良ければ聞かせてくれないか?」

 

二人は920事件の悲惨過ぎる現場を思い出し、顔を俯くと柏木は勇人達の心情に同情しつつ二人が味わった事件の内容を聞くと優花は、あまりにも悲惨過ぎて思い出しただけで震え、勇人は溜め息をつき、答えた

 

勇人「ああ……優花、無理なら部屋に戻っても良いんだぞ、俺は兎も角、お前はまだ癒えていないからな」

 

優花「……大丈夫よ、私も新米だけど軍人だから……これ位、耐えないと……」

 

勇人「……分かった、無理はするなよ……実はな……」

 

勇人は柏木に二人が味わった事件の内容について、事細かく説明し始めた

 

あの悪夢の『920事件』の内容を……



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第31話「920事件 前編」

2週間前 0930 大本営 横須賀鎮守府 正門前にて

 

勇人「全く、妖精達のお陰で愛車が直って良かったぜ……しかもご丁寧にATとMTの両方ができるミッションを搭載してくれるとは……泣けるぜ」

 

優花「ウップ……飛行機酔いしてしまった……よく宮崎の新田原基地のC-1輸送機を借りれたわね……」

 

勇人「なぁに……そこの司令と『お話』をしてな」

 

優花「まぁ……お陰で艤装を運搬する事が出来たから良いけど……」

 

長門「オロロロロ……このビックセブンが……」←当時の秘書艦

 

吹雪「凄いです!輸送機って、こんなに速かったのですか!」

 

勇人「……おい、長門、大本営の前で吐くなよ、それに吹雪、何故お前がいるんだ?」

 

吹雪「三笠教官に『司令官と優花さんと一緒に来てくれないか?渡したい物がある』と……だから優花さん……しゃなかった桜花研修生の入隊手続きのついでに行こうと思い付きました!」

 

優花「まだ軍人じゃないから普段通りで良いよ、ブッキー」

 

勇人「……思い付きました……じゃねぇだろ!それを出発前に言えよ!」

 

勇人達は優花を入隊手続きしに大本営にやってきたのだ

 

勇人「しかし……最近物騒になったのか憲兵が多いな……まさか、あの『日本解放軍』とか言う、ふざけた『テロリスト』絡みなのか?」

 

勇人(しかし憲兵達の服装……何か変だな……)

 

勇人は今の横須賀鎮守府の様子を見て違和感を感じ、当時、話題になったテロリスト『日本解放軍』の事で頭を抱えながら言った

 

長門「多分……いや十中八九、間違いないな」

 

勇人「……ったく、あいつ等のせいで未だに寝不足、資材枯渇のWパンチで本調子じゃねぇのに……」

 

優花「そうだね……まぁお陰で佐世保鎮守府とショートランド拍地には犠牲者、負傷者が出なかっただけでも良かったね……他の鎮守府や拍地は、かなりの負傷者、犠牲者が出ているからね……」

 

勇人「そうだな……しかし、ふざけた野郎達だな……」

 

優花「全くだよ、鎮守府を潰すなんて……狂気の沙汰としか言えないよ……」

 

長門(その佐世保鎮守府を攻めた『ふざけたテロリスト』をたった『二人』で壊滅させる貴方達の方が狂気の沙汰としか思えないのだが……しかも艤装無しの丸腰で……ヤクザですか……)

 

吹雪(長門さん、優花さんと司令官の家元がヤクザ一家だと言うのを忘れていませんか?)

 

大和(……そうだったな)

 

勇人「まぁな……さて!早く母さんの所に行って入隊手続きしに行くぞ、後、艤装着けておけよ……嫌な予感がするからな」

 

長門 吹雪「はい!」

 

勇人「……所で優花、何故アイツらは呆れているんだ?」

 

優花「さぁ?」

 

勇人と優花は長門、吹雪が何故呆れているのか疑問を抱きつつ、そのまま横須賀鎮守府の教官達が集まる部屋『研修生指導相談室』に向かった

 

 

研修生指導相談室に向かっている道中……

 

 

なぁ提督……あれが……

 

ああ、親の七光りで有名な佐世保鎮守府の提督の上城だ

 

全く、新米が長門を連れてよ……妬ましいわ

 

しかも半年位前の事件で『真っ先』に逃げたらしいぞ……

 

えー!?マジ有り得ない……

 

目障りデース!!いい加減消えて欲しいデース!お前みたいなのがいるから私達の所はブラック鎮守府のままデース!!

 

提督の風上にも置けない糞提督だわね……

 

可哀想だわ……あの子達、私達以上にブラック鎮守府に配属になって……

 

ヒソヒソ……

 

 

ブチッ!!

勇人「アァ!?テメェラ!!言いたい事があるのなら直接言え!!相手するぞコラァ!!!!」

 

優花「……(タマ)……潰すぞ!!!」

 

長門「……ビックセブンの私や蒼白龍である提督に喧嘩売るなんて良い度胸しているではないか!買うぞヘタレ共!」

 

ビクッ!!

 

三人は勇人にうしろ指を刺し、非難、中傷している他の提督や艦娘達に殺気を飛ばし、睨み付けると他の提督や艦娘達は罰の悪そうな表情で俯いた

 

吹雪「司令官……」

 

長門「提督……早く向かいましょう」

 

優花「全く、アイツら……自分達の行いを棚に挙げ勇人君に酷い事を……しかも半年前の事件を自分達の手柄に……いい加減キレそうだよ……」

 

勇人「……俺も問題起こしたく無いから早く行くぞ」

 

勇人達は他の提督や艦娘達のせいで重い空気になりつつ、研修生指導相談室経へ向かった

 

 

数分後 研修生指導相談室にて

 

軍服の男「貴方が敷島型戦艦……いえ金剛型イージス艦の三笠殿に横須賀鎮守府、第2前線基地司令の上城一馬元帥に第2前線基地の工作艦の明石ですか?」

 

一馬「……だとしたら何の様だ?」

 

三笠「一馬……」

 

明石「提督……」

 

一馬は軍服の男に銃を向けられていた

そう、その軍服の男こそがテロリスト『日本解放軍』のメンバーの一人だったのだ

 

一馬もまた、机の下に隠しつつ、某セガールが愛用する拳銃『コルド・ガバメント』を構えテロリストに向けて照準を定めた

 

コッ……コッ……

 

一馬(……ふっ、来たか……)

 

一馬「大丈夫だ……そろそろ『来る』はずだ」

 

軍服の男改め『テロリスト』「ふっ、観念した様だな……お前達の御命、頂戴すr……一馬「怪我したくなければ此方に来い」……ハァ?貴様は何を言っt……」

 

ドカッ!!

 

軍服の男「グハッ!」

 

勇人「よぉ親父に母さん、明石……ん?あれ?扉の前に誰か居たのか?」

 

優花「……ブッキー……ナガモン……これが海軍式の入室の仕方なの?」

 

吹雪「そんな訳無いじゃないですか!!それと司令官!扉を蹴飛ばして入らないで下さい!!まったく……」

 

明石「あははは……相変わらずですね勇人さんは……」

 

勇人は扉を勢いよく蹴り開け、扉が勢いよく開いた弾みでテロリストは扉に当たり、吹き飛んだ

 

長門「そこの御方、大丈夫でs……一馬「長門!そいつに近付くな!!」……え?」

 

一馬は長門がテロリストに接近するのを阻止しようとしたが……

 

テロリスト「今だ!死ねぇぇ!」

 

テロリストは大和に向けて拳銃を構え、照準を合わせたが……

 

長門「甘い!」

 

パシッ!

 

テロリスト「イッ!!」

 

 

パン!

 

長門「なっ!?しまっ……」

 

パシッ!

 

勇人「……」

 

ポトッ……

 

テロリスト「なっ!?」

 

長門はテロリストの拳銃を叩き払い照準を外したが、テロリストは叩かれた弾みで照準は勇人に向けて発砲したが勇人は発砲された弾を鷲掴みし、掴んだ弾を床に落とした

 

勇人「おい長門、まだ俺に恨みでもあるのか?」

 

長門「提督!?これは故意でやったわけではないが……ごめんなさい……お怪我は!?」

 

勇人「……皮が少し剥けた位だな」

 

三笠 吹雪 長門 優花 明石「デスヨネー」

 

一馬「いやいやいや!普通は死んでいるぞ!?」

 

三笠「普通の『人間』ならね……」

 

明石「提督、勇人さんの身体は……」

 

一馬「あ……そう言えば、そうだったな……」

 

一馬は勇人の身体の事を思い出し、納得すると倒れているテロリストは起き上がろうとしたが……

 

テロリスト「この………化け物m……勇人「寝てろ!!」」

 

ドカッ!!

 

テロリスト「ブファ!!」

 

明石(うわ……エグッ!?)

 

勇人はテロリストの顔にサッカーボールを蹴る様に蹴り飛ばし、テロリストを気絶させた

 

勇人「んで、何で軍の本部にテロリストが紛れているんだ?」

 

三笠「多分、憲兵に変装して……」

 

勇人「警備ザル過ぎるぞ……オイ!起きろ!」

 

勇人は気絶しているテロリストを叩き起こした

 

テロリスト「うぐっ!!」

 

勇人「お前達は今話題のテロリストか?何故こんな真似をしたんだ?」

 

テロリスト「ふん!我々は腐りきった貴様達に報復を与え、全てを変えるためにやったのだ!!」

 

勇人「……成る程な、だが罪の無い艦娘や人間に危害を与えるのは頂けないな」

 

テロリスト「ふん!罪の無い人間だと?笑わせるな!貴様も人を殺した『殺人鬼』……我々と同じ自分の為に人を殺しただろうが!」

 

勇人「……ああ、確かに俺は人を殺した……だがテメェラみたいな『くだらない』理由と一緒にするな!」

 

ガチャ!!

 

勇人「ん?憲兵……まさか!?」

 

テロリスト「ふっ……」

 

勇人はテロリストを押さえつけ、怒鳴ると4人の憲兵が入ってきた

だが、勇人は今入ってきたのは『憲兵』では無い事に気付き、怒鳴った

 

勇人「親父!母さん!長門!吹雪!明石!コイツらを取り押さえろ!!憲兵に変装したテロリスト共だ!」

 

勇人は怒鳴ったが……

 

テロリスト2「……死ねぇ!!」

 

パン!

 

一馬「ウグッ……」

 

テロリストの一人が一馬の腹部に弾丸を放ち、腹部に当たった一馬は踞っていた

 

明石「提督!?しっかりして下さい!!」

 

長門「貴様達……覚悟しろ!全主砲、撃てぇ!!」

 

三笠「一馬ぁぁぁぁぁ!!貴様らぁぁぁぁぁ!!」

 

吹雪「許さない!!許さないんだから!!」

 

ズシャ!

 

ドーン!

 

一馬が撃たれた事に三笠はテロリストを切り殺し、長門、吹雪は主砲でテロリストに向けて発射し、部屋に居たテロリスト全員を木っ端微塵に吹き飛ばした

 

優花「上城元帥!?大丈夫ですか!?」

 

一馬「ああ……しかし油断したな……」

 

勇人「母さんに優花、それに明石、直ぐに親父の応急手当を……抜錨!長門、吹雪、行くぞ」

 

勇人達は一馬を三笠、優花、明石に任せ、広場に向かった

 

そう、海軍創設以来の悪魔の戦場に……



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第31話「920事件 中編」

数分後 大本営一階 エントランス広場にて

 

勇人「……チッ」

 

長門「何だ……これは……」

 

吹雪「……酷い」

 

三人は二階からエントランス広場を見て絶句した

 

エントランス広場ではテロリストに殺された他の鎮守府の提督や物陰で強姦され殺された艦娘や女性提督の死体、そして艦娘によって殺されたテロリストの死体や身体の一部が散乱していた状態であった

 

テロリスト「ん?オイ!上に生き残りが居るぞ!!殺せぇ!!」

 

勇人「チッ!CIWS発射!」

 

ドドドド!

 

テロリスト「くっ!」

 

勇人「長門!吹雪!救助しろ!足止めしてっから!」

 

長門 吹雪「はい!!」

 

勇人は二階から飛び下りつつ、CIWSを斉射してテロリスト達の足止めをし、長門達に命令し、二人は一階にいる負傷者達の救助しに向かった

 

長門「大丈夫か?今救助する」

 

他部隊のアイオワ「……私は貴方達をdisったのデスよ……そんな……私達を……」

 

他部隊の鈴谷「そうそう……私達の事をシカトして逃げれば良いじゃん……」

 

男性提督1「……何故俺達を助けるのだ……こんな腐りきった俺達なのに……」

 

長門「……私だって貴様を殺したい位だ……だが提督は『助けろ』と命令したのだ……提督に感謝しろよな」

 

吹雪「グダグダ言っている場合ですか!早く逃げてください!!只でさえ皆さんは司令官みたいに強くない、役に立たない木偶の坊なのに……死にたいのですか!死にたいのなら私自r……勇人「吹雪!お前も油売ってないで早く救助しろ!!CIWSの弾が無くなりそうなんだよ!!」……すみません!司令官!」

 

吹雪は救助されるのを渋っている他の鎮守府の艦娘や提督に一喝すると勇人に叱られ、救助活動を再開した

 

テロリスト「ッ!?させるか!」

 

ドドドド!

 

テロリスト「くっ……邪魔な野郎だ……」

 

勇人「オイ!テメェラの相手は俺だ!全員纏めて、かかってこい!!ヘタレ共がぁぁぁぁ!!」

 

テロリストのリーダー格「っ!!殺せ!奴を……蒼白龍を殺せ!」

 

テロリスト達「ウオォォォォォ!!」

 

勇人「邪魔だ!!どけぇぇぇぇ!!」

 

ズシャ!

 

ドドドド!

 

ドカーン!

 

男性提督1「………凄い……」

 

男性提督2「……これが戦場の凶龍と言われてた上城の姿……」

 

他部隊のアイオワ「………It's crazy………」

 

他部隊の鈴谷「うわ……マジ引くわ……ってか強すぎない?」

 

長門「フッ!貴様達の提督とは違って、私達の提督は日々鍛えているからな、今じゃ鬼クラスの深海棲艦の艦隊が出てきても単独で壊滅出来る程の力があるからな」

 

他部隊の艦娘達&提督達「ハァァァァ!?アイツ一人で……化け物じゃないか!?」

 

吹雪「まぁ……その分、資材や食料の消費は洒落にならない位減りますけど……」

 

他部隊の艦娘達&提督達「……後で資材と食料あげますから……ってか、もうアイツ一人で深海棲艦達を潰せるんじゃないか?一番強いし……」

 

吹雪「……ちなみに司令官に勝った人は柏木大将ただ一人なんですよ」

 

他部隊の提督達「……退職届出そうかな……」

 

他部隊の艦娘達「……同じく艤装解体届を検討してみようかな……自信が無くなったよ……」

 

救助された他部隊の提督や艦娘達は二階から一階の様子を見ると、勇人がテロリストにCIWSを乱射したり、ムラマサブレードで切り捨て、トマホークを発射したりと縦横無尽にテロリスト達を倒している姿を見て絶句していた

 

テロリスト「くっ!?怯むな!奴は一人だ!ここで……勇人「屑がぁぁぁ!今、楽にしてやる!!」……グハッ!!」

 

勇人「今死ねぇ!!」

 

ドーン!

 

勇人「直ぐに死ねぇ!!」

 

ドカーン!

 

勇人「骨まで砕けろぉ!!」

 

ドカーン!

ドーン!

ドドドド!

 

テロリスト達「ギャァァァァ!!日本解放軍!バンザーイ!!」

 

勇人「死ねぇ!!」

 

ズササササッ!

 

 

 

勇人は今までの鬱憤をはらすかの如く、暴れながらテロリスト達を倒して行った

 

 

他部隊の鈴谷「……これじゃ、どっちが『悪党』か分からないし……」

 

他部隊の提督1「……まるで、どこぞの『強力若本(バルバ〇ス)』だな……」

 

他部隊の提督2「……羨ましいぜ、俺もアイツみたいな力があればな……」

 

他部隊の女性提督1「はぁ~久々に勇人君の雄姿……素敵……」

 

長門「……煩い!!戦場に放り投げるぞ!!」

 

他部隊の提督達「ごめんなさい!!」

 

吹雪「司令かーん!!負傷者達全員の救助が終わりましたぁー!!今から援護しまーす!!」

 

勇人「……ようやくか、長門は後ろを、吹雪はソナーを使って二階から敵の動きを見て俺や長門に教えてくれ!スナイパーが居れば発見次第、直ぐに倒せ!分かったか!!」

 

長門「分かりました!では吹雪、頼むぞ!!」

 

吹雪「分かりました!!お任せ下さい!!」

 

他部隊のアイオワ「長門に吹雪!?Are you crazy!?ここは彼に……長門「腰抜けは黙ってろ!私達だって提督に鍛えられたんだ!!ヘタレ艦娘が!!」……what !?誰がヘタレよ!!admiral!ミー達も行くネ!!」

 

他部隊の鈴谷「私だって、同じ艦娘が戦っているのに、このまま黙って指をくわえる訳にはいかないじゃん!!長門さんに糞野r……いえ上城中将!参戦させて下さい!!」

 

勇人「……勝手にしろ、助けないからな」

 

長門「……よし!戦艦、重巡は私に着いて来い!」

 

吹雪「それ以外は私に着いて来て下さい!!」

 

勇人は呆れながら他部隊の艦娘達に言うと艦娘達は自身の艤装を着け、長門や吹雪に着いて行った

 

 

 

 

 

一方 研修生指導相談室にて

 

明石「……はい!応急手当が終わりました」

 

一馬「クッ……すまない」

 

一馬は立ち上がると三笠に止められた

 

三笠「ちょっと!?まさか貴方も戦うんじゃ……」

 

一馬「当たり前だ、息子が戦っているのに親である俺達が黙って観戦する訳には行かないからな」

 

三笠「馬鹿な事は言わないで!!」

 

明石「そうです!!提督は応急手当されたとはいえ、まだ完治していないのですよ!!」

 

三笠と明石は戦場に行こうとする一馬を止めようとした途端、優花は一馬達に覚悟した様な真剣な表情で答えた

 

優花「元帥、三笠さんに明石さん……私、戦います」

 

一馬「ッ!?馬鹿な事を言うんじゃねぇ!!お前はまだ『一般人(堅気)』だろうが!!」

 

明石「そうです!しかも優花さんは、まだD-cellの拒絶反応の処置が終わってないのですよ!!今艤装を着ければ拒絶反応が確実に出ますので止めてください!」

 

一馬と明石は勇人みたいに拒絶反応防止の処置である『深海棲艦の血を使った刺青』を施していない優花を止めたが、三笠は優花の気持ちを察したのか、優花に『ある事』を聞いた

 

三笠「優花さん……貴方、勇人に惚れているな?」

 

優花「……だったら何ですか?貴方も止めるのですか?」

 

三笠「いや……なら『これ』を持っていきなさい」

 

三笠は袋に入った錠剤を優花に渡した

 

優花「これは?」

 

三笠「これは勇人がまだ拒絶反応防止の処置をしていない時に使った一時的に拒絶反応を抑える薬さ……勿論、勇人の身体に合わせてあるから優花さんにとって強力過ぎるかも知れないが無いよりはマシだ……私達は負傷者の応急手当をするから行ってきなさい」

 

一馬「な!?」

 

明石「三笠さん……」

 

三笠「……馬鹿息子を頼むぞ」

 

優花は三笠に抑制薬を貰うと一礼し、気合いの入った口調で言った

 

優花「……はい!!ありがとうございます!では……伊勢型航空戦艦……いえ伊勢型特殊航空戦艦『日向』!!抜錨します!!」

 

優花(日向さん……力を貸して……)

 

優花は叫ぶと服装は私服であるジーンズに長袖のシャツから日向と同じ服装になり、艤装も勇人と同じくVLS、CIWS、トマホークそして日向が着けていた刀を装着した

更に日向の艦載機『瑞雲』が優花を認めたかの様にアイドリングをし始めた

 

日向(提督の事を頼んだぞ……優花さん)

 

優花(……はい!!)

 

優花は艤装を確認すると三笠から貰った薬を一錠を飲み走って勇人が居る戦場に向けて走り出した

 

勇人に助けてもらった恩を返す……いや惚れた男の為に……

 



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第31話「920事件 後編」

数分後 エントランスにて

 

勇人「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」

 

長門「はぁぁぁぁ!!」

 

他部隊のアイオワ「you're going down!!」

 

他部隊の金剛「scum!!」

 

他部隊の鈴谷「ウザい!!」

 

他部隊の日向「全主砲!発射!!」

 

勇人達はテロリスト達に主砲、副砲、更には刀等を使って倒していたが……

 

ガチッ!

 

勇人「……チッ!!CIWSもか……長門!!予備の弾持っているか!!」

 

長門「……すまない……さっき渡したヤツで最後だ……フン!!」

 

勇人「……泣けるぜ」

 

テロリスト「今だ!!死ねぇ!!」

 

勇人「ッ!?しまった!?」

 

勇人は長時間の戦闘で全ての弾が尽き、ムラマサブレードのみで戦っており、疲労が溜まり隙が出来た所をテロリストが勇人に攻撃しようとした途端……

 

優花「はぁぁぁぁ!!」

 

ズシャ!

 

テロリスト「グハッ!!」

 

勇人「優花!?お前、この姿……まさか!?」

 

優花「ごめん勇人君……ウップ!!」

 

勇人「チッ!!無茶しやがって……ここは、お前が来るような場所じゃねぇ!!さっさと……優花「嫌よ!!私だって勇人君を助けたいの!!それに勇人君だって弾切れで日本刀のみで戦っていたじゃないの!!私も勇人君や柏木中将と同じ『半艦娘』だから、みんなを守る為に戦いたいのよ!!」……分かった、優花、予備の弾持っているか?」

 

勇人は優花の決意に負けたのか参戦を許し、予備の弾の在庫を確認すると優花は認めてくれた嬉さなのか、微笑みながら言った

 

ちなみにまだ、柏木は『この事件』の後、大将に昇任した為、中将とさせて頂きます

 

優花「勿論!たんまりと持ってきたわ!」

 

勇人「なら少しくれ!!」

 

優花「了解!」

 

優花は弾を勇人に渡すと勇人は弾を装填し優花に気合いの入った口調で言った

 

勇人「さぁ!!最終ラウンドだ!行くぞ優花ァ!!」

 

優花「うん!!伊勢型特殊航空戦艦『日向』……」

 

勇人「金剛型特殊戦艦『三笠』……」

 

勇人 優花「……カチ込むぜ(出ます)!!」

 

二人は互いに気合いを入れるかの様に叫び、テロリスト集団に向けて突撃した

 

 

 

 

一方 研修生指導相談室にて

 

沖田「はぁ……はぁ……上城チャン!!無事かいな!?」

 

一馬「うるさい、腹に響く」

 

沖田側の龍讓「ん!?チョイ待ち!!何で桜花連合の孫娘が戦っているんや!?しかもウチらと同じ艤装をして……」

 

沖田「あ、ホンマや」

 

高町「え………あの娘は半年前の………生きていたの!?」

 

三笠「実は……」

 

三笠は援軍で来た沖田や高町達に優花について説明すると沖田、龍讓は半年前の事件を思い出したのか懐かしむ様に言った

 

三笠「……と言うわけよ」

 

沖田「ニッヒヒッヒ!半年前が懐かしいな……ホンマあの時は冷や汗が出たな……」

 

沖田側の龍讓「そうやな……あの再起不能だった研修生が今は佐世保鎮守府総司令やもんな……凄い出世したんやな……しかも優花はんは、女性提督や艦娘達に人気な勇人に惚れているなんて……って三笠はん!?アンタ大丈夫なん!?勇人と融合してたんじゃ!?」

 

沖田「あ!?そういえば!?」

 

三笠「今更か……ん?高町、お前大丈夫か?」

 

三笠は二人の言葉に呆れつつ、不機嫌になった高町の様子を見て、聞くと高町は不機嫌な口調で答えた

 

高町「……大丈夫です三笠教官……」

 

高町(……あの女……勇人君を……階級は同じだけど先輩として『お話』しないと……)

 

三笠「……そうか」

 

三笠 (……高町、お前もか……)

 

沖田 沖田側の龍讓(……シュラバヤ海戦待ったなしやな……同情するで……勇人)

 

明石(あはは……こりゃ勇人さんを射止めるのに苦労するよ……佐世保鎮守府の私……)

 

一馬(ん?何だ……この昼ドラみたいな空気は……)

 

高町側の長門(……元帥、私の提督が貴方の息子に惚れているのですよ)

 

一馬(……あの天然スケコマシが……)

 

三笠(……アンタが言うな……射止めるのに苦労したんだから……)

 

一馬(……)

 

ジジジ……

 

三笠「ん?無線が反応しているわね……はい、こちら三笠……応答お願いします」

 

三笠達は高町の心情を察していると無線が受信し、三笠が応答した

 

無線の相手『この声は三笠!?私よ!三笠よ!!』

 

沖田「三笠!!」

 

そう、無線の相手はテロリストに人質として捕まってた三笠元帥だったのだ

 

三笠「ッ!?三笠!!無事だったのね!!」

 

三笠元帥『うん!今、疾風に助けてもらって保護してもらっているの……そっちは?』

 

三笠「……旦那が撃たれたが、応急手当をしたから問題は無いわ」

 

三笠元帥『……そっか、私の所はテロリスト殲滅に成功したから、そっちに援軍するけど……』

 

三笠「なぁに、私の所は大丈夫さ……今は身体を休めておきなさい」

 

三笠元帥『うん……分かった、ありがとう、お姉ちゃん』

 

三笠「……姉貴ではないのだが……では柏木によろしくな、馬鹿な妹よ」

 

三笠元帥『だれが馬鹿な妹よ!!馬鹿姉ぇ!!』

 

三笠「あぁ?轟沈させてぇのか?」

 

三笠元帥『上等じゃないの!』

 

一馬「無線越しで喧嘩すんな!!馬鹿垂れ!!」

 

W三笠「すみません……」

 

一馬「まぁ無事で良かったな、後の事は俺達に任せておけ」

 

三笠元帥『うん……後はお願いします上城元帥……馬鹿姉ぇ……じゃなかった三笠を宜しくお願いします』

 

三笠元帥は一馬にお願いをすると無線を切った

 

三笠「……全く、私の事を『お姉ちゃん』とはね……」

 

沖田側の龍讓「まぁ同艦やからしゃーないけど……今は、この状況をなんとかせなアカンな」

 

一馬「同感だな」

 

沖田「上城チャン……そのダシャレは受けへんで……」

 

一馬「洒落で言ったつもりでは無いんだが……」

 

三笠「……とにかく、今は勇人達を信じるしか無いわね」

 

高町「……長門、直ぐに……」

 

高町側の長門「分かりました!では今から行きましょう!」

 

三笠「待ちなさい!人の話を聞いてたの!!長門は兎も角、貴女まで行くの!?」

 

三笠は長門と共に出撃しようとした高町を止めると高町もまた、優花と同じく決意のある口調で答えた

 

高町「分かっています!ですが、あの女と同じく私も勇人君……いえ上城中将に助けて貰いました!だから少しでも恩を返したいのです!どうかお願いです!私も出撃させて下さい!!」

 

高町側の長門「私からもお願いします!!提督を出してくれないか!!」

 

高町と高町側の長門は三笠に懇願する様に頭を下げたが……

 

三笠「駄目だ!!お前は柏木や勇人、優花さんみたいに『深海棲艦を倒す力』や『戦況判断』そして『武術を取得』して無いじゃないか!!出撃許可を出せるのは長門だけだ!!」

 

高町「しかし……」

 

沖田「まぁ、そりゃそうやな……悪いが高町は負傷者達を安全な場所まで避難させてくれへんか?」

 

三笠の一喝に高町は悔しいのか握り拳を作り、歯を食い縛った表情で答えた

 

高町「……分かりました……」

 

高町側の長門「クッ……では柏島拍地、第2前線基地所属、長門型戦艦、長門……出撃します」

 

二人は三笠の指示により、悔しいのか顰めっ面で長門は戦場に、高町は負傷者達を避難しに向かった

 

 

 

 

 

数分後 エントランスにて

 

勇人「はぁ……はぁ……」

 

優花「はぁ……はぁ……後は貴方だけよ……観念しなさい」

 

テロリストのリーダー格「この化物風情が!!何故貴様らは艦娘と同じく艤装を所有しているんだ!!」

 

勇人、優花そして他部隊の艦娘達によって、テロリスト達はリーダー格を残して殲滅したのだ

 

勇人「……これは特別防衛機密だから言えねぇんだよな……まぁこれから死ぬ貴様には関係無いが……」

 

リーダー格「クソッタレが!!」

 

テロリストのリーダー格は懐から拳銃を取り出し、勇人に向けて照準を定めた

 

勇人「……92式拳銃か……粗悪品を……」

 

優花「……これで分かったわ、貴方達のバックにC国……いえ龍光会がいることをね」

 

リーダー格「ッ!?何故分かったんだ!!」

 

リーダー格は勇人と優花の推理が当たったのか狼狽えた

 

長門「92式拳銃?提督に優花さん、何故拳銃だけで分かったんだ?」

 

勇人「あの拳銃はC国の粗悪品……というより劣化コピー品で裏社会で密輸され、主に弱小の極道組織の下っぱが使っている拳銃だ……しかも……」

 

優花「……拳銃として致命的な欠点があるのよ……それは……」

 

勇人「悪い事は言わん、その銃は止めておけ」

 

二人は実家がヤクザ組織である為、裏社会に精通しており、長門の疑問に簡潔に説明するとテロリストのリーダー格は自棄になったのか……

 

リーダー格「どいつもこいつも!!舐めやがって!!死ねぇ!!蒼白龍!!」

 

リーダー格は勇人に向けて発砲したが……

 

バン!!

 

長門「なッ!?」

 

勇人「言わんこっちゃ無ぇな……この銃は……」

 

リーダー格「う……ウワァァァァ!!手がァァァ!手がァァァ!!」

 

長門「拳銃が……これは一体……」

 

優花「簡単な理由よ、この拳銃の致命的な欠点は……」

 

勇人 優花「……暴発し易いのよ(直ぐに壊れるんだ)

 

二人は暴発し、右手が無くなり狼狽えてたリーダー格を哀れな目で見ていた

 

勇人「……俺の所でも使わないのにな……馬鹿な野郎だ」

 

優花「そうそう……これは常識なのに……」

 

他部隊の艦娘達「いやいやいや!普通の人は拳銃の知識なんか知りませんよ!」

 

長門「……まぁ無事制圧完了したから良いじゃないか」

 

吹雪「そうですね」

 

長門と吹雪は勇人達の様子を見て、少し呆れつつ、艤装を解除すると……

 

リーダー格「……まだだ!まだ終わってない!!」

 

リーダー格は勇人に突進し、勇人の艤装に座り、そして勇人の背中にしがみついた

 

勇人「チッ!!離せ!!」

 

優花「ッ!?それは……」

 

勇人は、しがみつかれたテロリストのリーダー格を離そうと暴れると、リーダー格は左手に『ある物』を持っていた

 

長門「手榴弾!?貴様!提督と心中するつもりか!!」

 

そう、テロリストのリーダー格は左手に手榴弾を持っていたのだ

 

リーダー格「どうせ死ぬのなら貴様共々だ!!日本解放g……勇人「……そんなに死にたいのなら天国までの片道切符代位は奢ってやる!シースパロー発射!サルボ!!」……なっ!?」

 

パシュ!!

 

ドゴッ!!

 

リーダー格「グハッ!!ま……まさか!?」

 

勇人「言った筈だ、死ぬのは貴様だとな」

 

勇人は艤装の上に乗っているテロリストのリーダー格をシースパローごと上空に飛ばし、そして……

 

リーダー格「や……やめろォォォォ!」

 

ドカーン!!

 

エントランスの天井でシースパローごとテロリストのリーダー格を爆破させた

 

勇人「……殲滅完了だ」

 

優花「うん……ッ!!」

 

バタッ!

 

勇人「おい!!優花!!大丈夫か!?」

 

長門「ッ!?優花さん!!」

 

勇人と長門は倒れた優花に近付き、容態を確認した

 

優花「……ウップ……気持ち悪い……」

 

勇人(……薬のお陰でD-cellの拒絶反応は出てないが、大量の死体が転がっている状態や緊張状態からの解放で心労が祟ったんだ……)

 

長門「提督!優花さんは拒絶反応を……」

 

勇人「……いや、ついこの間まで戦場の前線に立った事の無い一般人が極度の緊張状態から解放したことにより、溜まったストレスが一気に来たんだ」

 

長門「……すまない、もう少し分かりやすく教えてくれないか?」

 

勇人「……簡単に言えば安心して一気に疲れが出たんだよ……ただ『疲れが出てきた』だけなら、まだマシさ」

 

長門「……マシって……どういうことだ?」

 

勇人「精神面での後遺症が発生しているかもしれない……『心的外傷(トラウマ)』……下手したら『心的外傷後ストレス障害(PTSD)』になりかねん……長門、彼女を安全な場所に避難させてくれ」

 

長門「分かりました、では至急向かいます……優花さん行きますよ」

 

優花「うん……後はお願いね、勇人君……」

 

勇人「おう、助かったぞ……ありがとうな」

 

長門「先程の戦う姿、お見事でした……そして、お疲れ様です」

 

優花「ッ!?うん!!長門もお疲れ様……」

 

勇人は長門に指示を出すと、長門は勇人に褒められ微笑んだ優花を抱き抱え、走って避難場所に向かった

そして、擦れ違いに高町側の長門がエントランスに入ってきた

 

高町側の長門「上城中将!テロリスト共は?」

 

勇人「今丁度、殲滅完了したから……後は負傷者達を安全な場所で避難しないとな……何処の鎮守府の長門かは知らないが手伝え」

 

高町側の長門「……分かりました」

 

高町側の長門は勇人の指示により、勇人が前線で戦っていた艦娘達を治療する為、艦娘達を安全な場所に避難させた

 

こうして、艦娘含む海軍関係者の死亡者『495人』、負傷者『293人』が発生した海軍創設以来の悪夢の事件『920事件』は幕をおろした

 

 

 

 



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第32話「虎の秘策、先代の怨念」

そして現在 佐世保鎮守府 食堂にて

 

勇人「……と言う訳だ」

 

優花「……」

 

柏木「はぁ……お前は馬鹿か、今は軍人だから処罰は無しになったのは良いが、一般人が戦場に出しゃばるなんて……」

 

勇人「……悪い」

 

勇人は柏木の指摘に俯くと優花は柏木に強い口調で言った

 

優花「御言葉ですが大将、これは私の勝手な行為で行ったのです!勇人君が悪い……柏木「勇人じゃねぇ!お前に言っているんだ!!」……ッ!?」

 

柏木「勇人は、あの時、遠回しではあったが『戦場に来るな』と言った理由……分かるか?」

 

柏木の言葉に優花は俯きながら言った

 

優花「……勇人君の足を引っ張るからだと……」

 

優花の答えに柏木は間違っていると言わんばかりに強い口調で言った

 

柏木「違ぇよ!お前はまだ戦場に馴れてねぇし、今は分からんが当時、D-cellだっけか?そのウイルスの拒絶反応防止処置をしてないだろうが!!現に『PPAP』だっけか?それになりかけたんだろうが!!」

 

龍鳳「提督『PPAP』ではなくて『TPSD』です」

 

勇人「……龍鳳、『PTSD』だ」

 

柏木「……医療用語なんて知るかよ!優花!たまたま三笠教官が抑制剤持っていたから良かったものの、拒絶反応を起こして死んだら、K国とC国、その二つの国の同盟国、そして海軍、陸軍の上層部から批難、中傷を食らってまで勇人に助けて貰った命を台無しになっていたんだぞ!!」

 

優花「ッ!?」

 

勇人「柏木……」

 

柏木自身、艦娘によって命を救われた経験もあり、優花の軽率な行動に対し激怒し、叱ると優花は歯を食い縛り、俯くと、柏木は優花が悔しがっているのを見て、落ち着いた口調で言った

 

柏木「……全く……お前の教官でもあり直属の上官である勇人に似て無茶するぜ……今度から教官の命令に従えよ……分かったか?」

 

龍鳳(……提督も他人の事が言えないような……)

 

優花「……はい……すみませんでした……」

 

柏木「俺じゃない、勇人に言え!勇人は『この事件』で上層部にボロカス言われたんだからな……お前や艦娘を守る為に聞きたくも無い上層部の説教や二ヶ月間の減棒を受けたからな」

 

優花「勇人君……いえ上城教官!すみませんでした!!」

 

勇人「まぁ結果的に助けて貰ったから良いけどな……ってか説教は兎も角、何故減棒されたの分かったんだ?」

 

柏木「……柏木隊」

 

勇人は優花を許し、柏木に聞くと、柏木は一言だけ言うと勇人は納得し、察した

 

勇人「……また、その手か……」

 

柏木「……勇人、今日は休め……お前は着任してから録に休んでいないだろ?これを機会に一週間位の休暇を使って休んどけ」

 

勇人「は?……それって『大将』としての命令か?それとも『兄弟分』としての願いか?」

 

勇人は柏木の発言に唖然し、聞くと、柏木は微笑みながら言った

 

柏木「両方だ……なぁに代理は妹に任せれば良いだろ?」

 

赤城「だとしても加賀さんは元副提督や、その子供であり、現ショートランド拍地の提督である上城少尉に危害を……」

 

勇人「……加賀の怨み爆発待ったなしだぞ……俺は兎も角、蘭は……アイツはお袋に似ているから尚更殺しにかかるぞ」

 

赤城は加賀が優香里や、その子供である蘭に危害を与える危険性を柏木に言うと、柏木は秘策があるのか鼻で笑い、ネ〇フの司令官みたいなポーズで答えた

 

柏木「フッ……我に秘策あり……ってか、なら現『一航戦』である二人が蘭の秘書艦として派遣すれば良い……」

 

勇人「……つまり新しい方の一航戦を連れてくれば加賀は俺達を信用し……」

 

赤城「更に先代である私や加賀さんが彼女達の練度を上げれる……って事ですね」

 

勇人と赤城は柏木の考えの答えを言うと、柏木は少し悔しそうに答えた

 

柏木「……だから!何で俺の案の真意を当てるんだ!勇人は兎も角、赤城まで……エスパーか!?」

 

赤城「……エスパーではないのですが、読心術位は七ヶ月間『提督の秘書艦』として動いていたので取得していますが……」

 

柏木 龍鳳 高雄型 青葉「あっ!成る程……」

 

優花「いやいやいや!たった七ヶ月で身に付く物なの!?それ!?」

 

柏木「……優花、諦めろ……」

 

龍鳳「提督や上城中将もそうですが、この赤城さんも少々特殊な人なんで……」

 

優花「……今、私は化け物揃いの鎮守府に着任したんだなと、つくづく思うよ」

 

柏木 赤城「いや~♪それほどでも~♪」

 

優花「……」

 

勇人「褒められてねぇよ……」

 

勇人は優花の皮肉に、勘違いしている二人に呆れた

 

柏木「ゴホン!んじゃ明日、妹さんと現『一航戦』を呼んでおけよ!」

 

勇人「分かった」

 

赤城「楽しみですね、2代目に逢えるなんて……」

 

高雄「妹さん……いえ、上城少尉の護衛はお任せ下さい」

 

愛宕「提督は安心して羽を休んでて」

 

鳥海「私は、どうも上城少尉の事が苦手なんだけど……任せて下さい」

 

摩耶「あー……確かに鳥海とは馬が合わない人だからな……私は結構好きなんだけど……」

 

青葉「青葉も結構好きですよ、司令官以上にノリが良い人なので……」

 

赤城は2代目の赤城に逢える事に胸を踊らせ、高雄と愛宕は勇人を安心させる様に言い、鳥海は少し嫌がりつつ、摩耶と青葉は楽しみながら言った

 

勇人「んじゃ早速……柏木「既に龍鳳がlin〇で送っておいたぜ!」……ハヤッ!?ってか何故アイツの連絡先を知っているんだ!?」

 

柏木「あのな……俺達だってショートランド拍地の復旧作業をしてたからな……人脈が多ければ多いほど損をする訳でも無いしな」

 

勇人「……一応言っておくけど蘭は『彼氏持ち』だからな……」

 

柏木「……彼氏さんに同情するわ」

 

勇人「おい!それはどういう意味だ!?」

 

柏木は勇人に冗談なのか、本当に色んな意味で同情しているのか溜め息を出して答えると、勇人に突っ込まれた

 

龍鳳 高雄型 赤城 青葉「……あー……そういうことですか……同情します……」

 

勇人「だから、何でアイツの彼氏に同情するんだ!?意味分からねぇし!!」

 

勇人の寂しい叫びが佐世保鎮守府に響き渡った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 ショートランド拍地 執務室にて

 

蘭「クシュン!う~寒い……」

 

蘭側の加賀「提督、柏木大将から連絡が来てます」

 

蘭「ズズ……連絡?」

 

蘭側の赤城「何でも泊まり込みの演習……『移動訓練』の連絡らしいですけど……」

 

蘭は塵紙で鼻をかみながら、加賀からスマホを貰うと、赤城はli〇eで表示された文を見て答えると蘭は頭を抱えながら言った

 

蘭「……加賀、赤城、明日の0700から佐世保で移動訓練しに向かうぞ、先代の一航戦が稽古をつけて貰う事になったから……」

 

蘭側の赤城「えぇぇぇぇぇ!?明日ですか!?やった!!」

 

蘭側の加賀「……気分が高揚します」

 

二人は先代に稽古をつけて貰う事に胸を踊らせながら言うと蘭は困った表情で答えた

 

蘭「ただ……先代の加賀に問題があるんだ」

 

蘭側の加賀「先代の……ですか?」

 

蘭「ああ……先代の赤城は七ヶ月間、秘書艦をしつつ、兄さんのメンタルケアによって私達に危害を与えないが……加賀は一昨日着任したばかりだから……」

 

蘭側の加賀「……そういうことですか、つまり先代はメンタルケアされておらず、元副提督に怨みを持っており、その子供である提督や上城中将に危害……いえ殺害しに来る……と言う訳ですね」

 

蘭側の赤城「……怨みの連鎖……哀しい事ですね……」

 

蘭「……ああ……だが、それは『あの女』の子供として、今のショートランド拍地の提督として枷らせた『後始末』だからな……」

 

3人は哀しい表情で黙ると、執務室に蘭側の金剛型4姉妹が笑顔で入ってきた

 

蘭側の金剛「hey!テートク!一緒にティータイムを……あれ?何この空気は……」

 

蘭側の比叡「あ!?司令、もし良かったら……ん?」

 

蘭側の榛名「提督、どうかされたのですか?」

 

蘭側の霧島「……どうやら問題が発生したみたいですね」

 

蘭「ああ……実は……」

 

蘭は場の空気に戸惑っていた金剛達に説明すると金剛達は少し考え、答えた

 

蘭側の金剛「hum……では私達も連れて行って下サーイ」

 

蘭「な!?金剛!これは……」

 

蘭側の霧島「司令、柏木大将の命令では『必ず一航戦を連れてこい』としか書かれていません……つまり『一航戦を含んだ艦隊』として遠征しても問題無いかと思います」

 

蘭側の赤城「あ!?成る程……」

 

蘭側の加賀「なら提督、明日は……」

 

蘭「そうだな……アッチでも護衛は付いていると思うが、金剛、比叡、榛名、霧島……お前達に一航戦と共に第一艦隊に配属、そして私の護衛を任せる……頼りにしているぞ」

 

蘭側の比叡、榛名、霧島「任せて下さい!!」

 

蘭側の金剛「勿論デース!」

 

四人は胸を張り、力強く返事をした

現『一航戦』のレベリングの為、そして先代の怨みを無くすため……



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第33話「出迎え」

翌日 宮崎県 空軍 新田原基地 戦闘機待機場にて

 

キィィィン!

 

勇人「……来たか」

 

高雄「来たって……あの鯨みたいな飛行機に……ですか?」

 

愛宕「ねぇ提督、あの飛行機は何?旅客機にしては小太りな外見をしているのだけど……」

 

勇人「あれは『C-1』軍関係の物資や人材を運ぶための輸送機だ」

 

摩耶「なんか爆弾みたいな名前だな……」

 

鳥海「……可愛い……」

 

赤城「可愛いのですか?それ?」

 

勇人達は戦闘機待機場にて蘭達が乗っているであろう輸送機が着陸すると、勇人位の若い空軍の輸送機のパイロットが勇人達に近付き、敬礼をし、言った

 

空軍パイロット「御初目にかかれます、自分は蘭……いえ上城少尉と現在、交際をしている『一等空尉』……海軍では『大尉』の『高町 鉄也』と申します!姉の玲奈がお世話になっています!」

 

勇人「ほぅ……お前がアイツの弟で蘭の……俺は蘭の兄で佐世保鎮守府総司令の勇人だ……階級は『中将』……空軍では『将』だ……妹が世話になっているな高町一尉」

 

某シッショーの忍者男に似た輸送機のパイロット改め高町鉄也は勇人の階級、地位を聞いて驚き、緊張した様子で言った

 

鉄也「な!?将ですか!?失礼しました!!」

 

勇人「ん?俺に粗相をしたわけでも無いのに何故謝るんだ?」

 

鉄也「あ……スミマセン……自分の基地司令以上の人が交際相手の御兄さんだったんで、ビビってしまって……しかも姉の粗相で大変迷惑をかけたと祖父から聞きましたので……」

 

勇人「気にするな、所で高町一尉、年は?」

 

鉄也「はい!21です!」

 

勇人は鉄也の年を聞いて驚いた

 

勇人「21で大尉か!?凄い出世だな!?ってかアイツや高町より上じゃねぇか!?」

 

鉄也「いえいえ、彼女の為に努力したまでの事ですよ……彼女に似合う男になるために……」

 

摩耶「……なぁ高町一尉『汚ねぇ手』で上がったんじゃ……」

 

高雄「ちょ!?摩耶!?スミマセン大尉……じゃなかった高町一尉、妹が粗相を……」

 

摩耶は鉄也に疑心暗鬼になり言うと高雄は摩耶を叱り、鉄也は笑って答えた

 

鉄也「ハハハハ、まぁ祖父の絡みでガセネタで酷く言われてますが、ちゃんと幹部試験を受かり、ついこの間卒業したばかりなので、安心してください……中将、失礼ですが、御年令は?」

 

勇人「お前の姉と同じ年だ」

 

鉄也「22!?」

 

勇人「そんなに驚く事か?」

 

勇人の年齢を聞くと鉄也は面を食らった様な顔になり、勇人の質問に答えた

 

鉄也「……スミマセン……姉と比べて貫禄が有ったので……」

 

勇人「遠回しに『老けている』と言いてぇのか?」

 

鉄也「違います!!姉が子供っぽいのですよ!」

 

勇人「ははは、違いないな……しかしお前みたいな有能な男が何故海軍では無く空軍に?」

 

鉄也「……実は提督の試験、落ちてしまったのです……姉が訓練生時代の行いが悪かったせいで……」

 

勇人「……悪い事を聞いてしまったな」

 

鉄也「いえ!上城中将は悪くありません!!悪いのは自分の欲の為に行ってきた馬鹿姉ですので、凹まないで下さい!!これじゃ自分が中将に説教しているみたいじゃないですか!?」

 

勇人は焦っている鉄也を茶化すと後ろから蘭が近付いてきた

 

蘭「兄さん、あんまり彼氏を茶化さないで欲しいな……ありがとう、テツ……また今度……」

 

鉄也「……今は仕事中だから階級で呼べって……はぁ……」

 

勇人「……後で叱っておく」

 

鉄也「お手数をおかけします」

 

蘭側の金剛「上城中将!お久し振りデース!」

 

蘭側の比叡 榛名 霧島「あ!?中将!?ご無沙汰してます」

 

蘭側の赤城「上城中将に先代、御初目にかかれます、私はショートランド拍地の2代目の赤城です」

 

蘭側の加賀「同じく加賀です、今日は多忙の中、私達の為に稽古をつけて頂きありがとうございます」

 

赤城「長旅お疲れ樣です、私も2代目に会うの心待ちしていました」

 

赤城が蘭側の艦娘達に労うと、蘭は身体を解す様に背伸びをし、言った

 

蘭「ん~……ふぅ、んで早速だが本題に入るが先代……いえ兄さんの所では2代目の加賀が今問題になっていると聞いたが……」

 

勇人「ああ……まぁ、お袋の悪行の後始末みたいなもんたがら護衛を付けさせたが……蘭も準備してたのか……」

 

勇人は蘭側の金剛達を見ると蘭は微笑みながら答えた

 

蘭「備えあれば憂いなし……と言うからな、兄さんには悪いが此方も勝手に護衛を付けさせた」

 

蘭側の霧島「あの……司令、それ私の台詞なのですが……」

 

勇人「流石、俺の妹だ……高雄、赤城、蘭達をエスコートしろよ」

 

蘭側の金剛「よろしくネー!」

 

赤城「分かりました」

 

高雄「はい、お任せ下さい……此方へ……」

 

蘭達は高雄の引率により予め用意していたバスに乗った

 

鉄也「……腕まだ無いのですね」

 

勇人「ああ、一応義手を取り付けれる様にしてあるのだが、義手の耐久性が無いんだよな……アハハハハ……」

 

鉄也は勇人の左腕を見て哀しそうに言うと、勇人は場の雰囲気を和ませる様に笑いながら言うと摩耶は勇人に突っ込む様に言った

 

摩耶「提督が無茶な使い方をするからだろ!?大本営の明石さんと夕張そして親父さん……いや上城元帥が泣いていたぞ!?」

 

鉄也「へ?上城元帥?まさか……」

 

鉄也は摩耶の言葉に疑問を抱き、質問すると摩耶の代わりに鳥海が答えた

 

鳥海「……上城元帥は提督や上城少尉の『お父さん』です。元帥は空軍で言うと『幕僚長クラスの空将』ですよ」

 

鉄也「ば……幕僚長!?俺……生きて帰れるのかな……」

 

鉄也は鳥海の言葉に黄昏し始め、絶望すると、勇人は笑いながら言った

 

勇人「安心しろ、ストッパーである母さん……いや三笠教官がいるから……俺からも言っておくから」

 

鉄也「……ありがとうございます上城中将……」

 

愛宕「無駄話してないで早くバスに乗ろう!戦闘機の煩さで耳が痛いわ!」

 

勇人「そうだな……」

 

鉄也「スミマセン、ではまた会ったら飲みに行きましょう『お義兄さん』」

 

勇人「おう!またな、義弟よ!蘭をよろしくな」

 

勇人は鉄也に礼を言い、赤城が運転するバスに乗車した

 

ちなみに移動中……

 

高雄「……赤城さんって大型車の免許持っていたなんて……」

 

赤城「あ!?一応『人間』としての戸籍を持っていますので取得しました」

 

摩耶「……ちなみに人間としての名前は?」

 

赤城「……『藤田 咲』です」

 

高雄型4姉妹 蘭「中の人!?」

 

赤城「私に『中の人』なんて居ません!!」

 

ワイワイ……

 

ガヤガヤ……

 

蘭側の金剛「何だが、とってもFunnyな赤城デスネ」

 

蘭側の赤城「私ですか?」

 

蘭側の加賀「赤城さん、貴女の事では無いです」

 

蘭側の赤城「……残念です、あ!?上城中将、う〇い棒のコーンポタージュ味を貰っても良いですか?」

 

勇人「……勝手にしろ、俺は寝る」

 

勇人(……大丈夫か……人選間違えた様な……)

 

勇人は柏木の案に不安を残し、そのまま佐世保鎮守府まで仮眠を取った

 

これから佐世保鎮守府創設以来の壮絶な演習(殺し合い)に……

 



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第34話「弱味の真実」

3時間後 佐世保鎮守府 正門にて

 

憲兵「お疲れ樣です!赤城さんに総司令官!お久し振りです上城少尉、そしてショートランド拍地の艦娘の皆さん、ようこそ佐世保鎮守府へ!」

 

勇人「ん?あれ?柏木は?」

 

勇人は普段、佐世保鎮守府に居る時は憲兵の待機部屋に居る筈の柏木と龍鳳がいない事に気が付くと、憲兵は少し残念そうに答えた

 

憲兵「柏木大将と龍鳳さんなら先程、呉に戻られましたよ……私達の憲兵隊も総司令官や柏木隊みたいに強くなりたかったのに……」

 

憲兵(……ぶっちゃけ、柏木大将が備前の姿をもう一度見たかったです……あのエロい姿を……)

 

勇人「そうか……ならショートランド拍地の一航戦の演習が終わったら鍛えるか?」

 

憲兵「はい!是非!!出来れば総司令官の『Aegis ver.2』でお願い出来ますか?」

 

憲兵(そうすれば総司令官の大人のエロスが見れる……)

 

勇人「オイ、あれは今の加賀にとっては地雷だから『Aegis ver.2』は無しだ、分かったか?」

 

憲兵「……残念です」

 

勇人「残念がるな!!エロ憲兵!!」

 

憲兵「どうして分かったのですか!?」

 

勇人「……本音が顔に出てたぞ」

 

憲兵「ッ!?失礼しました!!920事件の後始末で遊びに行けなかったので……」

 

勇人「……休みの日に遊びに行けよ、俺が上に言っておくから」

 

憲兵「総司令官自らですか!?ありがとうございます!」

 

勇人「……羽目を外さん様にな」

 

勇人は憲兵に呆れるとバスは鎮守府本部へ向かった

 

 

 

 

 

 

数分後 鎮守府本部にて

 

摩耶「ん~……ようやく着いたな……って!?」

 

赤城「ええ……ッ!?」

 

赤城は本部の前に人影がバスに向けて弓を構えていたのだ

その弓を構えていたのは……

 

加賀「……」

 

艤装を着けた加賀が弓を引いて構えていたのだ

 

勇人「あの馬鹿!?バスごと……赤城!減速して右に旋回……流しても構わん!!お前達もバスが倒れない様に艤装を着けて移動しろ!!」

 

高雄型 金剛型「分かりました!!」

 

蘭側の赤城「え!?ちょ!?待って下さい!」

 

蘭側の加賀「赤城さん!何をしているのですか!!早く艤装を!先代!お願いします!!」

 

赤城「分かりました!!」

 

加賀「……沈みなさい」

 

パシュ!!

 

加賀は爆撃機を赤城達が乗ったバスに向けて攻撃を仕掛けたが……

 

赤城「……見切った!!」

 

ガゴン!!

 

ブォォォン!!

 

ギャャャャャャ!!

 

勇人「みんな!右に移動しろ!!」

 

赤城は加賀の爆撃機を避けるようにバスを減速し、シフトダウンによる荷重移動により、右にドリフトし、勇人はバスが横転しない様に高雄達に指示を出し、バスはドリフトした状態で加賀の爆撃機の攻撃を避けた

 

蘭「おっとと……これは想像以上に深刻だな」

 

蘭側の加賀「提督!?呑気に言っている場合ですか!?」

 

勇人「赤城!そのまま加賀の回りをドリフトで旋回!蘭側の一航戦!今すぐバスの上に上がって爆撃機で応戦しろ!」

 

蘭側の赤城「ええっ!?この状態で……ですか!?」

 

蘭側の加賀「上城中将!流石に私達の練度では無理です!」

 

赤城「私は出来ますが、今は運転中なので無理です!」

 

蘭側の一航戦「出来るのですか!?」

 

蘭側の金剛型4姉妹 高雄型4姉妹「私達も無理です(デース)!!」

 

勇人「……仕方無ぇ、俺がやる!高雄!摩耶!左側の窓から副砲で威嚇射撃で加賀の注意を惹き付けろ!蘭達は右後ろの非常口から脱出、愛宕に鳥海は蘭達を誘導しつつ脱出しろ!!」

 

摩耶「了解!!」

 

高雄「分かりました!!」

 

愛宕「……無茶しないでね」

 

鳥海「提督に赤城さん、姉さんに摩耶、後は御願いします……ヤァ!!」

 

ドカッ!!

 

鳥海「さ、皆さん!今のうちに!」

 

鳥海は非常口のドアを蹴り飛ばすと、非常口のドアは吹き飛ばされた

 

蘭側の金剛型4姉妹「うわ~……随分ワイルドな鳥海ですね(デスネ)……」

 

蘭「ああ……一体どんな教育方針でやっているのだ……」

 

愛宕「……提督の影響よ」

 

蘭側の金剛型4姉妹「デスヨネー」

 

鳥海「無駄口を叩かないで下さい!!さ、上城少尉!私に捕まって下さい!」

 

蘭「ああ……では頼むぞ鳥海……」

 

鳥海「分かりました!しっかり捕まって下さい!!」

 

蘭は鳥海の艤装に股がり、艤装の一部を捕まると鳥海はそのまま非常口から飛び降り、地面に滑り込む様に着地し、加賀にばれない様に本部に入って行った

 

愛宕「では金剛さん達も………えい!」

 

ドカッ!!

 

蘭側の金剛型4姉妹「え!?」

 

蘭側の一航戦「ちょ!?」

 

愛宕もまた、蘭側の金剛達を非常口に向けて蹴飛ばし、脱出させた

 

ドカッ!!

 

蘭側の赤城「ブッ!!痛た……」

 

蘭側の金剛「Ouch!!」

 

蘭側の比叡「ヒェェェェ!!」

 

蘭側の榛名&霧島&加賀「……痛っ!」

 

愛宕「よっと!あら~……ちょっと強引だったかしら……」

 

蘭側の霧島「……なら、もう少し優しく脱出させてください」

 

愛宕「ごめんね……んじゃ早く逃げるわよ」

 

蘭側の金剛型4姉妹そして一航戦は着地失敗したのか足を引き摺りつつも本部に向かって急いで避難した

 

勇人「……脱出成功だな……さて、反撃開始と……あれ?CIWSとシースパローが無い!?何処に……って!?」

 

勇人は蘭達が無事脱出したのを確認し、反撃しようと艤装を確認するとCIWSとシースパローが外されていた事に気が付き、探しながら摩耶達の様子を見ると……

 

摩耶「オラオラオラ!提督のCIWSを食らいやがれ!!」

 

高雄「馬鹿め!と言っt……勇人「オメェラ!!勝手に俺の艤装を使ってんじゃねぇ!!」……スミマセン提督……実は……」

 

摩耶「……すまん、弾……切れちゃった」

 

摩耶達は愛宕達を脱出中に弾切れを起こし、仕方無く勇人の艤装を使って応戦していたのだ

 

勇人「チッ……赤城、ちょっと弓を借りるぞ」

 

赤城「提督!?片腕だけで発艦させるのですか!?無謀過ぎます!!」

 

勇人「何とかなる!いいから貸せ!!」

 

赤城「ちょ!?」

 

勇人は赤城の弓を奪う様に持っていき、バスの天上の上に乗った

 

勇人「……」

 

グイッ!

 

バチバチッ!!

 

加賀「……爆撃機を飛ばすつも……なっ!?」

 

勇人「……クッ!」

 

勇人(イッ!?腕が……千切れそうだ……耐えてくれよ……俺の腕……)

 

ビリビリ……

 

摩耶「……なぁ姉貴、これって……ヤバくねぇ?」

 

高雄「……『ヤバくねぇ?』じゃなくて『ヤバい』のよ!!只でさえチートの塊みたいな提督が某戦闘種族みたいに凄い稲妻が発生しているのよ!!ヤバくない筈は無いわ!!」

 

摩耶「デスヨネー……」

 

赤城「ッ!?皆さん!衝撃波が来ますので、しっかり捕まって下さい!!」

 

勇人は弓を口で引っ張り、構えると勇人に稲妻の様な電気が弓に集まる様に流れていき、そして……

 

勇人「……hot scramble(緊 急 発 艦)Razgriz take off (ラーズグリーフ隊、発進)!!」

 

ドカン!!

 

高雄 摩耶「キャッ!!」

 

赤城「クッ!」

 

勇人は口を開けると激しい衝撃波と共に矢は射たれると、矢は発光し矢は戦闘機『F-14 トムキャット』2機、『F-15 イーグル』2機に変わり、加賀に向けて攻撃し始めた

 

加賀「なッ!?ステルス戦闘機!?」

 

勇人「……少しは頭を冷やせ、焼き鳥女が……」

 

F-14パイロット1改め『ブレイズ』「……FOX2!」

 

F-15女性パイロット改め『ナガセ』「FOX2」

 

F-15パイロット2改め『チョッパー』「アイツの艦載機は任せておけ!!後、霊夢……すまないな、ウチの仲間が二日酔いになってしまって……」

 

F-14パイロット改め『霊夢』「……気にしないで、さっさと倒すわよ……FOX2」

 

ドカン!!

 

加賀「……チッ!!」

 

加賀は勇人の艦載機の爆撃により、加賀の艦載機だけではなく、加賀の服や艤装が破壊され大破状態になった

 

摩耶「嘘……だろ……たった4機で……」

 

高雄「……只でさえ資材が無いのに……あんな無茶して……馬鹿め!と言っておきたいですね……」

 

赤城「……取り合えず加賀さんを入渠室に……」

 

赤城はバスを止め、加賀に近付き、容体を確認した

 

赤城「加賀さん!大丈夫ですか!?」

 

加賀「赤城……さん……まさか、昔ショートランド拍地に居た……」

 

赤城「そうです!その赤城です!今は提督……いえ上城中将の秘書艦として『生きています』!」

 

加賀は元同僚でもあり、相棒である赤城を見て殺意が無くなり、素である冷静な加賀に戻り、答えた

 

加賀「生きています……か、つまり赤城さんも……」

 

赤城「……一度、轟沈し、深海棲艦になり、提督によって再び『赤城』として復活しました」

 

加賀「……助けて貰ったとは言え、あの女の息子ですよ……復讐しようと考え無かったのですか?」

 

加賀の質問に赤城は少し黙り、真剣な表情で答えた

 

赤城「……勿論、提督が元副提督である上坂優香里の息子だと知った時は本気で殺そうと思ってました」

 

加賀「なら何故!?あの男を殺s……赤城「加賀さん!!話を聞いてください!私も『この事』を知ったのは、つい最近なんです!確かに貴女の気持ちも分かります!だが上坂優香里……いえ副提督もまた堤下に弱味を握られていたのです!当時、私達を守るために国際法を違反してまで……」……私達を守るために……ですか……それは一体……」

 

赤城「それは……」

 

加賀の疑問に赤城は少し俯き、勇人を見た

 

勇人「……分かった、この後の説明は俺がする」

 

勇人は赤城の心情を察し、バスの上に胡座をかき、座ると加賀に優香里の『弱味』の全貌を暴露した

 

勇人「お前らは、何故『深海棲艦』から再び艦娘になれたのか分かるか?」

 

勇人の質問に赤城は俯き、加賀は頭を横に振った

 

勇人「……お前らが再び艦娘に戻れるように和平派の深海棲艦達と裏で手を組んでいたからだ」

 

加賀「な!?深海棲艦と……」

 

勇人の言葉に加賀は驚き、勇人は続けて説明し始めた

 

勇人「ああ……俺も本人から聞いて驚いたが、深海棲艦にも海軍同様に二つの派閥があるんだ……海軍では艦娘達を奴隷の様に扱う連中『艦奴派』と艦娘達を家族や仲間として扱う連中『艦守派』の二つに分けられる様に深海棲艦もまた、人間や艦娘を殲滅し、深海棲艦が世界を武力で掌握する『過激派』と、専守防衛を撤し、人間や艦娘達との共存を訴える『和平派』の二つの派閥があるんだ」

 

摩耶「派閥……か……また面倒な事に……」

 

高雄「……それで提督、その和平派の深海棲艦達と上坂優香里そして赤城さんや加賀さんとは、どの様な関係に結び付くのですか?」

 

勇人「……摩耶には言ったが『ドロップ艦』の『本当の意味』を知っているか?」

 

高雄「ドロップ艦の本当の意味……ですか?」

 

摩耶「ッ!?まさか!?」

 

摩耶は先週の常田の退陣の時を思い出し、和平派の深海棲艦と赤城、加賀の関係性が結びついたのか、声を荒げると勇人は摩耶の考えが当たっているかの様に頷き、答えた

 

勇人「……そうだ、お袋は再び、お前達が艦娘……『一航戦』として復活出来る様に裏で回収し、ドロップ艦として深海棲艦に改造する様、取引をし、成立した……だが……」

 

摩耶「堤下の親父にバレて……弱味を握られ、堤下親子の飼い犬になり、艦娘だけでは無く、当時子供だった提督や勇次さん達を守る為に……わざと『あんな事』を……」

 

勇人は加賀達に説明し終えると、摩耶は優香里の行動の真意が分かり、俯くと本部から優花、長門、吹雪、二航戦が走って出てきた

 

優花「勇人君!?大丈夫!?」

 

長門「提督!?……良かった、無事だった様だな」

 

吹雪「ハァ~……司令官!!片腕で無茶して……もう……」

 

蒼龍「うわ~……派手にやらかしたわね……」

 

飛龍「……これは酷い……提督!あれほど無茶しないでって言ってたじゃないですか!?多聞丸も心配してたんだから!!」

 

小太りな中年の妖精『多聞丸』「全く……とんだヤンチャな提督だな……心臓に悪いぞ」

 

勇人「フッ……悪い悪い……長門達は至急加賀に入渠室に運んでくれ、バケツの使用は任せる、摩耶と高雄は……梯子を持ってきてくれ……降りれなくなった……」

 

勇人は艦載機を発射させた反動で腕や足がズダボロになり、恥ずかしいのか、申し訳無さそうに高雄達に指示を出すと長門達は呆れたのか溜め息をつき、答えた

 

長門「……ハァ~……分かりました」

 

高雄「……何か絞まらないわね……爪が甘い!と言って差し上げますわ……」

 

勇人「うっ!?……すまん……」

 

摩耶「ま、その『爪が甘い』所がウチの提督らしいんだけどな……ちょっと待ってろ」

 

数分後、勇人は高雄、摩耶の補助によりバスから降り、そのまま入渠室に強制的に入らされたのは言うまでも無かった

 

そして……

 

好青年の優男「あれが……佐世保の龍……『上城勇人』か……タカオ……」

 

青髪の気の強そうな女性『タカオ』「……ふん!あんなヤクザ染みた男がね……少しは骨がありそうだが、今は攻める時では無いわ……行きましょ艦長……」

 

佐世保鎮守府正門前にて勇人達を見て、勇人の実力が分かったのか、直ぐに車を発進させ、佐世保鎮守府を後にした

 

勇人(ん?車?それに……あの二人……何処かで……まぁいっか)

 

勇人はタカオそして艦長と言われた男を見て、面識があるのか、思い出そうとしたが、面倒臭くなり考えるのを止めてしまった

 

しかし、後に『深海棲艦』を上回る艦隊が勇人、柏木そして優花達に振りかかろうとは今の勇人には思っていなかった……

 

 



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第35話「加賀の葛藤、赤城との再会」

数分後 グラウンドから場所は変わり 入渠室にて

 

加賀「……ふぅ……」

 

加賀(……あの女が私達の為に……そして、あの男は私を撃沈させる事が出来るのに、あえて殺さずに『生かした』……何故……人間は……私達を『物』としか見ていないのに、柏木大将やあの女……そしてあの男……上城勇人は……チッ……頭が混乱して考えが纏まらない……ん?入浴剤か……これを入れて落ち着こう……)

 

加賀が浴槽の中で寛ぎつつ、ショートランド拍地に居た頃に言われた事と柏木や優香里の行動そして殺し合いを行ったのにも関わらず轟沈させない様に『手を抜いた』勇人を思い出し、混乱している自分を落ち着かせる様に備え付けられた浴槽の入浴剤を入れ、気持ちを落ち着かせようとした所を……

 

勇人「ちょ!?オメーラ!!袴まで脱がすな!!」

 

陸奥「ダーメ♪金剛、榛名、匍匐前進で逃亡している提督を抑えて!」

 

金剛「yes!!」

 

榛名「我儘は榛名が許しません!!提督!!いい加減入ってください!」

 

勇人「なら脱がすんじゃねぇ!!加賀も入っているだろうが!!それに……オラァ!!」

 

ガチャーン!!

 

ちょ!?待ちなさい!

 

ゴキブリみたいに逃げないでクダサーイ!!

 

この小説がR指定になるだろうがぁぁぁぁ!!

 

メタい台詞は榛名が許しません!!往生して下さい!!

 

加賀「……なにやっているの……え!?刺青!?義手!?」

 

加賀は浴槽から上がり騒ぎの現場である脱衣場を見てみると上半身裸になって日常用の左腕の義手を付け『応龍』の和堀りを上にして匍匐前進……というよりゴキブリ染みた動きで逃げ回っている勇人に、鼻息を荒くし、獲物を狩るハンターの表情になった陸奥、金剛そして榛名が勇人を追いかけているという奇妙な光景だった

 

勇人「何って?そりゃ……great……」

 

金剛「ッ!?加賀!?今すぐタオルを巻くのデース!」

 

陸奥「加賀さん!!裸で出ないで!!殿方が居る前で!!」

 

榛名「提督!!加賀さんの裸体を見ないで下さい!!加賀さんも来ないで下さい!!」

 

加賀「タオル?殿方?裸体?………!?」

 

加賀は今、自分自身が『産まれた時の姿』の状態で勇人、陸奥、金剛そして榛名の前でさらけ出して居る事に、恥ずかしくなり急いで浴槽に入った

 

加賀「……迂闊でした」

 

勇人「すまん……」

 

加賀「いえ……そもそも何故、入渠室に?」

 

加賀の質問に勇人は加賀の裸体を見ないように目を反らしつつ答えた

 

勇人「俺も半分とは言え、お前と同じ『艦娘』いや『艦息』になったからな……よっと」

 

ザッバーン!

 

勇人「アーッ……生き返る……これに酒があればな……加賀、お前も飲めるクチか?」

 

勇人は空いていた修復用の浴槽に入り、寛ぐと加賀は勇人の答えに疑問を抱き、質問した

 

加賀「私は『飲んだことが無い』から分からないが……じゃなくて、何故貴方も私と同じ艦娘……いえ艦息になれたの?それに、その刺青に左腕……」

 

勇人「……真面目なヤツだな……まぁ腕や刺青も含めて赤城絡みの事故で『失い』『成らざるを得なかった』から……かな」

 

勇人は言葉を濁らせて答えると加賀は勇人の『赤城絡みの事故』の言葉を聞いて、グラウンドの殺し合いの時の赤城の言葉を思い出し、少し考えつつ勇人に言った

 

加賀「ひょっとして……深海棲艦になった赤城さんを……」

 

勇人「……ああ」

 

加賀「……本当に無茶するのね……馬鹿ですか」

 

勇人「うるせぇ……それ、まんま赤城に言われたぞ……ったく、一航戦って意外と毒舌なんだな……」

 

加賀「私達だけではなく、みんなそう思いますよ」

 

勇人「チッ……」

 

勇人は加賀の言葉に舌打ちをし悪態を付くと、浴槽の入浴剤を開封し浴槽に入れ、加賀は小声で勇人に言った

 

加賀「……だけど、その馬鹿な行為で私だけではなく赤城さんも復活出来ました……ありがとうございます、柏木大将や貴方……いえ『上城提督』そして提督の御母様のお陰で私達『一航戦』は再び艦娘として復活出来ました……」

 

勇人「ケッ!素直じゃねぇな」

 

加賀「クス……貴方には言われたく無いわ……本当にありがとう……提督」

 

加賀は浴槽の気持ち良さからなのか、はたまた勇人の素の性格が加賀自身の性格と被ったのか、勇人の右肩に寄り添う様に近付き、微笑みながら言うと勇人もまた、若干恥ずかしそうに答えた

 

勇人「うるせぇ……ダラな事を言わずにさっさと上がれま!」

 

加賀「!?……提督って『石川県』出身ですか?」

 

加賀は勇人の方言を聞き、質問すると勇人は浴槽の縁に足を出し、寛ぎながら言った

 

勇人「ん?ああ……石川の輪島産まれの金沢育ちの生粋の石川県民だけど?」

 

加賀「あのテレビ小説『〇れ』の舞台になった所ですか……私も名前の由来なのか……石川弁を喋れます」

 

勇人「そうなん!?」

 

勇人の質問に加賀は頷くと、勇人は海軍に同郷の人間が居ない淋しさなのか、喜びながら言った

 

勇人「それなら早よ言いまっし!海軍に同郷の人間が居ないから石川弁で話す相手が居らんかったから淋しかったんや」

 

加賀「そうなん!?いや~私も素が石川弁で喋るから、建造してから数日間、みんなから『あの加賀、口が悪いな』と言われてたから石川弁で喋らんかったんや……」

 

加賀は石川弁で微笑みながら答えると勇人は加賀の苦労が分かるのか頷き、質問した

 

勇人「……それって赤城にも言われたん?」

 

加賀「そうや……だから素が出ない様に『あんな口調や性格』なってしまって、二航戦や五航戦にも迷惑かけてしまったんや……たがら……提督が石川弁で喋って来たから……気が楽になったんや……本当にあんがと……」

 

勇人「ダラブチ!礼を言うのは俺や!あんがとな……加賀」

 

加賀「フフッ……どういたしまして」

 

勇人「フン……」

 

勇人が照れを隠す為に石川弁で話すと、加賀もまた『艦名』の由来なのか、石川弁で話し、お互いの境遇が似ている事に分かり合えたのか、意気投合し会話した

 

 

 

 

 

 

同時刻 脱衣場にて

 

金剛「Wow……流石テートクですネ……一発で加賀の心を開けさせましたネー……元doctorは伊達じゃないですネー」

 

榛名「そうですね……しかも二人を見ていると同郷の友人同士が久々の再会で意気投合している様ですね……微笑ましいです」

 

陸奥「んで、本音は?」

 

金剛 榛名「……羨ましいです(デース)!!!陸奥さん(ムッチャン)は?」

 

陸奥「……貴女達と同じよ……あの天然スケコマシが……」

 

三人は勇人と加賀の様子を脱衣場から盗み聞きをし、羨ましがると……

 

蘭「お前ら……また盗み聞きしているな……まぁ今回は目を瞑るが……」

 

雷「金剛さん達狡いわ!!私にも入らせて!!私も『石川弁』位は喋れるわ!」

 

電「なのです!!」

 

響「……一応私も……」

 

暁「暁だって!!」

 

鳳翔「私もですよ」

 

龍飛「私も昔、幼少期の若専属の『教官兼SP』だったので喋れますよ」

 

青葉「まぁ……青葉は少し福井弁が混じりますが、喋れますよ」←名前の由来が隣の福井の『青葉山』な為……

 

榛名「……龍飛さんと青葉さんは兎も角……」

 

金剛「それ以外は完全に……」

 

陸奥「『中の人』の出身t……第6駆逐隊「中の人言わないで!!」」

 

電「なのです!!」

 

鳳翔「……一気にギャク感が出ましたね……」

 

青葉「……鳳翔さん、凄く……メタいです」

 

脱衣場で金剛達が言い争っていると……

 

勇人「お前ら……」

 

加賀「何をやっているの?」

 

勇人達は修復が終わり、金剛達を見て呆れながら言うと龍飛は微笑みながら言った

 

龍飛「いえ、若と加賀さんとの会話が微笑ましかったので……」

 

勇人「……まぁ加賀の本音が聞けたから良いけど、盗み聞きは止めてくれよ……」

 

龍飛「……分かりました、加賀さん、ようこそ『佐世保鎮守府』へ……私は鳳翔の試作艦『龍飛』です、宜しくお願いします」

 

加賀「龍飛?………まさか元『一航戦』の!?昨日の無礼、粗相をしてしまい、すみませんでした!!」

 

加賀は昨日の朝食の無礼を龍飛に謝罪すると、龍飛は微笑みながら言った

 

龍飛「フフッ……別に良いわよ、貴女を見ていると『昔の若』と被って懐かしいわ……後、謝る相手が間違っていますよ」

 

加賀「……お恥ずかしい限りです……提督に上城少尉、着任してからの無礼、粗相をしてしまい、すみませんでした」

 

加賀は勇人と蘭に頭を下げると勇人は『今の加賀の状態』を見て、焦りながら言った

 

勇人「俺達は気にして居ないから服を着ろ!目のやり場が困るし、風邪引くだろ!!」

 

蘭「別に良いよ……後、兄さんも服を着てくれ」

 

龍飛「……お嬢の言う通りです!若、上半身だけとはいえ、皆さんに『はしたない』姿を御見せして……せめて上着を着てください!!風邪引きますよ!」

 

勇人「……あ!?」

 

加賀「キャッ!?提督……見ないで下さい……これも提督のせいです、責任取って下さい……」

 

勇人「俺じゃなくて高雄と摩耶に言え……後、『その責任』なら全てが終わってから取るから……取り合えず……はい、バスタオル」

 

加賀「ありがとうございます……クスッ、冗談です……提督って、意外と純情ですね」

 

勇人「ッ!?……こいつ……やりやがって……」

 

加賀「やりました」

 

勇人「『やりました』じゃねぇだろ……ったく……ほら、早く着替えろ……」

 

加賀「……ありがとうございます」

 

龍飛「お優しいのですね♪」

 

勇人「……うるせぇ……ブァックショイ!!」

 

二人は今の自分の姿を見て、加賀は全裸、勇人は袴を履いたまま入渠していた為、加賀は胸と下半身を隠す様にしゃがみ、勇人はバスタオルを加賀の肩に乗せるように被せ、勇人は加賀にからかわれて、腹が立ちつつ龍飛が持ってきた勇人の部屋着であろうフード付きのパーカーを加賀に渡した

 

鳳翔「……では司令、洗濯した制服を持ってきますので再び風呂に入られては?」

 

勇人「……そうする」

 

雷「んじゃ私達も遠征の汗を流したいから入るね、司令官♪」

 

勇人 暁 電「雷(ちゃん)!?流石にそれは……」

 

響「……水着を着れば問題無い」

 

榛名「ッ!?私も入ります!!」

 

金剛「私もネー!」

 

青葉「なら青葉も!!折角の司令の生裸を写真に……蘭「アァ?」……いえ何でもありません」

 

青葉(こっわ……流石司令官の妹……凄い殺気です……)

 

陸奥「それじゃ龍飛さん、みんなの水着を持ってきて下さ……龍飛「馬鹿な事は言わないの、戦艦組と青葉さんは歓迎会の準備をしてから入って下さい、暁ちゃん達も早く水着を持ってきて入って下さい」……分かりました」

 

第6駆逐隊「はーい♪」

 

龍飛は笑顔で言うと陸奥、金剛、榛名、青葉は肩をガックシと降ろし凹みながら龍飛と共に脱衣場を後にし、第6駆逐隊は笑顔で水着を取りに自室に向かった

 

加賀「……」

 

勇人「ん?どうした加賀」

 

勇人は黙っている加賀を見て言うと、加賀は何時もの冷静な口調で答えた

 

加賀「提督……本当に此処は『元ブラ鎮』だったのですか?私が経験した状態とは違いますが……」

 

鳳翔「あ!?そういえば……司令、一体どんな方法で治したのですか?」

 

加賀はショートランド拍地の経験と今の佐世保鎮守府の状態に戸惑いつつ鳳翔と共に勇人に聞くと、勇人は懐かしむ様に加賀の質問に答えた

 

勇人「ああ、普通なら堤下の悪行で精神面での後遺症……PTSDや鬱病等に発病するのだが、此処の連中は他の所の同艦の個体差……いや個性なのか……血の気が多い艦娘(連中)が殆どだから、そうした精神病に成らずに、悪行のストレスを本能的に殺意に変え、自分自身を保っていたんだ……さっきの加賀(お前)と同じ様にな」

 

加賀「殺意……ですか」

 

鳳翔「自分自身を守る……言わば精神が崩壊しないために本能的に『自己防衛』として司令官……いえ人間を……」

 

勇人「納得したか?」

 

加賀 鳳翔「………」

 

勇人は加賀と鳳翔に聞くと、二人は少し『引っ掛かる所』があるのか、少し納得していないものの、頷いた

 

勇人「お陰でアイツらを治すのに苦労したんだぜ……大和と武蔵に主砲でぶっ飛ばされるわ、霧島と川内に砲撃を食らったり、五航戦に愛車を壊されるわ、挙げ句の果てに赤城に首絞められるしな……」

 

蘭 加賀 鳳翔「あの赤城(さん)が!?」

 

三人は勇人の答えに驚くと……

 

ガラララッ!

 

赤城「ちょ!?提督!?それは言わない約束じゃないですか!?」

 

翔鶴「提督!?あの件は謝ったじゃないですか!?」

 

瑞鶴「そうそう!それに『あれ』は、みんなを助ける為に行った『事故』だから!!」

 

蘭側の赤城「……先代」

 

赤城「二人共!?だからあれは……」

 

蘭側の一航戦「見損ないました」

 

赤城「だから違うのに!!そんな目で見ないで!!」

 

演習を終え、汗を流そうと入渠室に入ってきた赤城、五航戦そして蘭側の一航戦が勇人と加賀の会話を聞いていたのか、焦りながら弁解し、蘭側の一航戦は赤城の行動に白い目で見ていると加賀は赤城をフォローする様に蘭側の一航戦に言った

 

加賀「赤城さん、この子達はブラック鎮守府時代を経験していない『甘ちゃん』な環境で育ったから分からないものよ……この『気持ち』は……」

 

赤城「……そうですね」

 

蘭側の加賀「なっ!?甘ちゃん!?いくら先代でも……」

 

蘭側の赤城「……流石に怒りますよ」

 

一航戦「やりますか?」

 

蘭側の一航戦「……分かりました、では今すg……上城兄妹「オイコラ!ダブル一航戦!ここで喧嘩すんな!」」

 

ギロッ!!

 

加賀 蘭側の一航戦 鳳翔「ヒッ!!……」

 

翔鶴「……元々は提督のせいだと思いますが……」

 

瑞鶴「……そうそう……」

 

鳳翔「赤城さんは兎も角……翔鶴さんに瑞鶴さんは怖くないのですか?」

 

五航戦「……提督(さん)と柏木大将の地獄の訓練で馴れました」

 

鳳翔「馴れるものなんですか!?その『殺気』を!?」

 

赤城「嫌でも馴れますよ……」

 

ダブル一航戦が睨み合うと勇人と蘭は二組の喧嘩を止める様にドスを効かした極道らしい口調で言うと加賀と蘭側の一航戦は震え上がり、黙った

 

赤城「……加賀さん、改めて……お久し振りですね、そして『ようこそ』佐世保鎮守府へ……」

 

加賀「赤城……さん」

 

赤城「確か最後に会ったのは三ヶ月前の出撃以来ですね……」

 

加賀「……そうですね、私がまだ深海棲艦として活動してた時ですね……」

 

勇人「……フッ」

 

勇人は二人の久々の再会の様子を見て、二人の再会に水を差さない様に浴室に向かった

 

勇人「……さて、湯冷めしちまったし、もう一回入ってくるか……」

 

翔鶴「提督……クスッ、そうですね、では背中を御流しします」

 

瑞鶴「……提督さん!翔鶴姉ぇにエッチな事はしないでね……私は着替えを持ってくるから……鳳翔さん、行きますよ」

 

鳳翔「はいはい」

 

勇人「するかボケェ!!」

 

翔鶴「私は常に歓迎なんだけど……」

 

勇人「……入る前に水着、着とけよ」

 

翔鶴「え?何を言っているのですか?普通は浴槽で『裸の突き合い』をするのが常識じゃないのですか?」

 

勇人「色々と言いたい事があるが……取り合えず来い」

 

翔鶴「フフッ……分かりました」

 

勇人と翔鶴は浴室に入り、瑞鶴と鳳翔は脱衣場から出て着替えを取りに行った

 

二人の久々の再会に水を差さない様に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに……

 

勇人「……ハァ……」

 

雷「凄い背中……格好いいね!!」

 

響「見事な龍……ハラショー!!」

 

電「はわわわ!!凄いのです!!まるで日本絵画みたいな格好いい龍なのです!!」

 

暁「ピャャャャャャ!!怖いよーーー!!」

 

翔鶴「まぁ……逞しい御体……ゴクン……それに龍の和堀り……素敵です」

 

勇人「……見せ物じゃねぇんだけどな……やれやれ……」

 

その後、水着を履いた勇人は水着を着た第6駆逐隊と翔鶴が勇人のトレードマークである背中の和堀り『応龍』をガン見をしてた為、ゆっくりと湯船に浸かれなかったのは言うまでも無かった



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第36話「先代の意志、次世代に……」

脱衣場でのトラブルから数時間後 1800 食堂にて

 

霧島「マイクの音量大丈夫?チェック!ワン!ツー……よし!!」

 

蘭側の霧島「それ私の台詞なんですが……」

 

霧島「……アァ?」

 

蘭側の霧島「……いえ何でもありません」

 

蘭側の金剛「霧島、youの台詞でもあり『アッチ』の霧島の台詞デース……そこは目を瞑りなサーイ」

 

蘭側の霧島「……そうですね」

 

金剛「アッチの私……sorryデース……何時もはテートクや柏木大将に言われてましたので……」

 

蘭側の金剛「気にしていないデース!」

 

蘭側の比叡「アッチの金剛御姉様に私、本当に私達が加賀さんの歓迎会に参加しても良いのですか?何か申し訳ない様な……」

 

蘭側の榛名「……本当に良いのですか?」

 

比叡「良いの良いの!司令も『飯はみんなで食べた方が楽しいから参加させろ』と言っているんだから」

 

金剛「yes!dinnerはみんなで食べた方が美味しいネー♪」

 

榛名「そうですよ、ささっ……アッチの金剛御姉様達は席に着いて下さい」

 

夕立「此方の席が空いているッポイ」

 

時雨「そうだね、座ろっか」

 

白露「イッチバーン乗り!」

 

春雨「白露姉さん、最初に座るのは加賀さんですよ」

 

村雨「……もう、席に座る前に料理を運んで!」

 

千歳「歓迎会と言えば……酒よ!!」

 

隼鷹「ヒャッハー!宴だ!千歳!酒を持っt……飛鷹「あんたらが先に飲んでどうするの!」」

 

ゴン!!

 

隼鷹「痛っ!!良いじゃねぇかよ!!」

 

飛鷹「駄目に決まっているでしょ!!しかも提督が加賀さんの為に態々、故郷から取り寄せた日本酒を銀蠅して!!これは没収!!」

 

千歳「飛鷹のケチ!!鬼!悪魔!鷹!虎!飛蝗!!」

 

千代田「タトバ!?じゃなくて、千歳お姉ぇも飲まないの!!提督に叱られるよ!!」

 

ワイワイ……

 

ガヤガヤ……

 

食堂では佐世保鎮守府の艦娘達を筆頭に加賀の歓迎会の準備をしており、皆急ピッチで食事や酒を出していた

 

蘭「はいはい退いて退いて!!オードブル持ってきたよ!!」

 

蘭側の赤城「ジュル……」

 

蘭側の加賀「……ゴクン!」

 

蘭「……まだ食べるんじゃ無いぞ」

 

蘭側の一航戦「分かってますよ!!」

 

勇人「ラーーーーン!麻婆春雨出来上がったから持っていけ!!」

 

春雨「司令官、呼びましたか?」

 

勇人「蘭に言ったんだが……まぁ良い、春雨、悪いが麻婆春雨を運んでくれないか?後、足柄……カツは出来たか?」

 

足柄「勿論!」

 

勇人「んじゃ春雨は白露、村雨を呼んで麻婆春雨とカツを運んでくれないか?」

 

春雨(ッ!?私達を覚えてくださったのですね!?)

 

春雨「はい!喜んで♪」

 

摩耶「……提督、何で此処に居るんだ?加賀さんを連れて鎮守府を案内してたんじゃ……」

 

厨房で野菜を切っている摩耶は何故、勇人が厨房に居る事を聞くと勇人は笑いながら言った

 

勇人「アイツの面倒は赤城、鳳翔、明石に押し付けた」

 

摩耶「なーんだ♪……ってオイ!本来は提督の役目だろうが!!赤城さん達に押し付けんな!!」

 

武蔵「……まぁ良いじゃないか、再び提督の料理にありつけるからな」

 

大和「そうですよ……モグモグ……ゴクン!うん!流石提督!味付けもバッチリですね♪」

 

勇人「大和!!お前!!勝手に食べてんじゃねぇ!!」

 

大和「え?私はつまみk……味見をしていました」

 

勇人「……蘭の方の比叡!!俺の所の大和がお前のカレーを食べt……大和「ごめんなさい!!誘惑に負けました!!」……なら我慢しろ!」

 

勇人はつまみ食いをしてた大和を一喝すると比叡が勇人に近付いてきた

 

比叡「司令!これの味見をお願いします!」

 

勇人「ん?パンか……そして匂いから察するに中身はカレーか……もぐ……フッ……やれば出来るじゃねぇか……比叡、それを大量に作れ、但し蘭の方の比叡には作らせるな!分かったか?」

 

蘭側の比叡「それ、どういう意味ですか!!」

 

比叡「っ!?本当ですか!!分かりました!!気合い!入れて!作ります!!ウォォォリャャャャ!!」

 

比叡は勇人に誉められたのか、嬉しそうに厨房でカレーパンを作り始めると勇人の補助をしていた金剛が近付き、微笑みながら言った

 

金剛「フフッ、テートクも実は『知っていた』のですネー♪」

 

勇人「当たり前だ、毎晩厨房から龍飛さんの怒鳴り声と比叡の駄洒落染みた悲鳴が響いていたからな……食うか?」

 

勇人は食べかけではあるが、比叡特製のカレーパンを差し出すと金剛は嬉しそうに言った

 

金剛「testingデスネ♪モグモグ……ん!?It's delicious♪美味しいデーs………ッ!!!It's hot!! テートク……water please!!」

 

勇人「……こればかりは人の好みだな……はい」

 

比叡特製のカレーパンが辛すぎたのか、辛さで悶絶した金剛に水をあげると、金剛はコップに入ってた水を一気飲みをし、辛そうに言った

 

金剛「Thank You………ア"ァ"~……辛すぎて死ぬかと思った……」

 

勇人(……キャラ崩壊しかけているぞ……金剛……)

 

何だかんだなりがらも、着実に歓迎会の準備を進めていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 佐世保鎮守府内の岬にて

 

赤城「……着きました」

 

花と酒を持った赤城と明石は加賀と鳳翔を連れて『ある場所』に居た

 

加賀「赤城さん……これは……『墓』?」

 

鳳翔「それに……『慰霊碑』……」

 

そう、二人が連れてきた場所は勇人達が造った『墓』と『慰霊碑』だったのだ

 

加賀「赤城さん……何故、ここに?」

 

赤城「……加賀さんと鳳翔さん……何故、此処は『元ブラ鎮』みたいに精神的に病んでいる艦娘がいない『理由』を知っていますか?」

 

赤城の質問に二人は先程の勇人の説明を思い出し、答えた

 

加賀「……自身の精神が崩壊しない様に……」

 

鳳翔「本能的に司令や人間に殺意を向けていた……ですよね?」

 

鳳翔は赤城に質問で返すと、赤城は頷きつつ答えた

 

赤城「はい……ですが『それだけでは無い』のです」

 

加賀「……それはどういう事ですか?」

 

加賀の質問に赤城は微笑み、優しい口調で答えた

 

赤城「あの子たちは『希望』を捨てなかったのです」

 

鳳翔「希望?それは一体……」

 

鳳翔は意味を含んだ説明をした赤城に聞くと明石が赤城の代わりに答えた

 

明石「……提督……いえ『上城勇人』と言う『存在』です」

 

加賀「提督が!?」

 

赤城「はい……ここはショートランドの元提督の息子がブラック鎮守府を作り上げたのは知っていますよね?」

 

鳳翔「……はい」

 

鳳翔は堤下を思い出し、俯きながら言うと赤城は再び説明した

 

赤城「実は、その時『とある艦娘』が提督……勇人さんの本来の『初期の秘書艦』として選ばれたのです」

 

加賀「初期の秘書艦!?それって赤城さんの事では無いのですか!?」

 

加賀は赤城の言葉に驚き、聞くと赤城は頭を横に振り、答えた

 

赤城「私ではなく……本来の秘書艦は吹雪さんです」

 

鳳翔「吹雪ちゃん……が……でも何故、司令は吹雪ちゃんではなく赤城さんを選んだのですか……吹雪ちゃんを『捨てて』まで……」

 

鳳翔は怒りを含んだ声で言うと明石は俯いた表情で答えた

 

明石「『選んだ』のではなく『選らばなざる』を得なかったのです……何故なら……」

 

吹雪「あの『事件』の前日、私が堤下『前』提督に半年間監禁され、大本営に『轟沈』として処分されました……そして監禁いえ轟沈扱いにされた翌日が……」

 

鳳翔「『大本営襲撃事件』……赤城さんが深海棲艦から艦娘として復活し、司令の左腕の欠損そして司令が人間を辞め『艦息』として生まれ変わった事件ですね……ってか吹雪ちゃん!?何で此処に!?」

 

吹雪「司令官が歓迎会の準備が終わったから呼んでこいと言われましたので……」

 

加賀「……吹雪さん、ちょっと聞きたい事があるのだが……」

 

吹雪「出来れば手短にお願いします、皆さんお腹を空かせていますので……」

 

加賀は脱衣場の件で『引っ掛かる所』があったのか、吹雪に自身が『引っ掛かる所』を打ち明けた

 

加賀「分かったわ……単刀直入に言うが、何故提督……上城勇人を信用するの?貴女も堤下のせいで『人間不信』や精神が病んでいる筈だが……」

 

 

加賀は吹雪に勇人の説明で『引っ掛かる所』……そう堤下の悪行で少なからず人間不信や精神が病んでいる筈なのに『短期間』いや『彼だけ』すぐに信頼している事を聞くと吹雪は理解したのか「成る程……」と言い、加賀の説明について答えた

 

吹雪「実は、私……いえ私や足柄さん、天龍さん、そしてイムヤさんが司令官……勇人さんが着任する前から連絡を取り合っていたのです」

 

鳳翔「……つまり彼は着任する前から此処の状態を『知っていた』のですね?」

 

鳳翔の説明に吹雪は頭を横に降り、答えた

 

吹雪「いえ、私が轟沈処分されるまでは知りませんでした……いえ『言わなかった』のです……言ったら勇人さんが此処に着任しなくなる……そして堤下前提督の悪行で人間に殺意を持った人達を治してくれないと思って……」

 

加賀「だが彼は……『知ってしまった』いえ『知ってても』尚、吹雪さん達の所に……」

 

加賀は吹雪の説明を纏めると吹雪は俯きながら頷いた

 

吹雪「……だから柏木大将が堤下前提督を捕まえた後、勇人さんが着任しても危害が加えない様に、私を初め足柄さん達で、みんなを説得したのです……そして……」

 

鳳翔「全員までとは行かないが理解してくれた……という訳ですね」

 

吹雪「……はい……グズッ……すみません……もう着任の事で泣かないと決めたのに……」

 

明石「吹雪さん……」

 

吹雪は当時の不甲斐なさ……勇人が着任し気持ちよく歓迎出来なかった事を思い出したのか少し涙目になり答えると赤城は吹雪の頑張りを認めたのか、微笑みながら言った

 

赤城「いいえ吹雪さん、貴女は提督……勇人さんの為に頑張ってくれました。貴女達の頑張りがあってこそ『ここまで』回復したじゃないですか……」

 

吹雪「で……でも……私……勇人さんに……迷惑を……赤城「ううん、その事は勇人さんが一番良く知っている、勇人さんだって『吹雪が居なければもっと酷くなっていた……アイツに感謝しないとな』……と」……ッ!?」

 

パフッ……

 

赤城「おっと……もう我慢しなくて良いのですよ」

 

赤城は吹雪を慰めると吹雪は自身の頑張りが認めてくれたのか、はたまた自身の不甲斐なさを許してくれたのか、赤城に抱き着き、何かが吹っ切れたかの様に泣き始めた

 

吹雪「……ありがとうございます……ウワァァァン!!」

 

赤城「クスッ……」

 

加賀「……そういう事でしたか……」

 

明石「……彼女達が、ここまで『強い』理由は提督……『上城勇人』……いえ『救済龍』という希望の光があったからですね」

 

加賀「……先代の一航戦達も堤下に殺されるまでは希望を捨てなかったのですかね?」

 

鳳翔「……いいえ、『死んでも』尚、捨てなかった……今の明石さんの言葉で漸く先代の加賀さんと赤城さんの『遺書の内容』の意味が分かったわ」

 

一航戦「遺書?」

 

二人は吹雪のお蔭で『引っ掛かる所』が無くなり納得し、鳳翔は嘗て先代の一航戦の遺書の内容を思い出し、理解すると一航戦が鳳翔に聞くと、懐から遺書を取り出し答えた

 

鳳翔「龍の子は必ず救ってくれる……と」

 

吹雪「赤城先輩に加賀先輩……」

 

加賀「龍の子?誰の事を言っているのですか?」

 

赤城「フフッ……加賀さん、『龍の子』とは艦守派の人達が当時、訓練生だった勇人さんに付けた『渾名』なんですよ。ちなみに『龍』とは今では勇人さんが中心に付けられていますが、当時は勇人さんの『お父さん』である『上城一馬』元帥の『通り名』として浸透しきっていたのです」

 

加賀「……そうでしたか」

 

明石「当時は堤下前提督にバレない様に提督の事を『龍の子』と誤魔化し続けてましたからね……まぁ、先代の二人が解体……処刑を行った時は堤下前司令と私しか居ませんでしたので吹雪さんが知らなかったのも仕方なかったですから……」

 

吹雪「そうだったのですか……」

 

鳳翔「……私は未だに前司令を許していません……そして先代の二人が私……いえ私達の事を恨んでいると…」

 

鳳翔は先代の二人が解体したのを思い出し、吹雪同様に救ってやれなかった悔やしみから涙を堪え、握り拳を作ると背後からが聞こえた

 

勇人「鳳翔、アイツを恨んでいるのなら加賀みたいに俺にぶつければ良いじゃねぇか……但し歓迎会が終わってからな」

 

吹雪「司令官!?何故此処に?」

 

吹雪の質問に勇人は呆れながら言った

 

勇人「お前らが遅すぎるから呼びに来たんだよ……それに鳳翔に明石、いい加減『許したら』どうなんだ?」

 

勇人の言葉に明石は驚き、鳳翔は癪に触ったのか怒りの篭った強い口調で答えた

 

明石「ッ!?一体何を……」

 

鳳翔「貴方に何が分かるのですか!?私達は先代の二人が処刑されるのを黙って見てたのですよ!!それに前司令は私達を道g……勇人「ああ、確かにアイツはお前達艦娘を道具として扱った事に関しては、お前の気持ちも分かるし許さない気持ちも共感出来る……だがな……一つだけ言わせてくれないか?」」

 

勇人は二人に優しく、そして諭す様に言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「……もう、あの二人……いや『プリンツ達を助けれなかった自分自身』を許したらどうなんだ?」

 

勇人は二人に優しく、そして落ち着いた口調で言うと鳳翔は勇人の言葉を否定し答えた

 

鳳翔「私が……司令!私は……」

 

勇人「なら何故『泣いて』いるんだ?許さない気持ち……恨みだけなら『泣かない』筈だが……それに二人の右の手首に自傷行為の跡が何よりの『証拠』だ」

 

鳳翔「ッ!?」

 

明石「やっぱり提督には『お見通し』だったのですね…」

 

そう、二人は勇人の言葉で涙の雫を流していたのだ

明石は隠していたが、鳳翔も実は『分かっていた』のた……『恨み』よりも『助けれなかった自分』に不甲斐無く、そして責めていたのであろう右の手首に自傷行為……リストカットした跡が多数あったのだ

 

勇人「……アイツらの後を追うつもりだったんだな?」

 

鳳翔 明石「……」

 

勇人の言葉に二人は頷くと、勇人は呆れたのか溜め息を出し、答えた

 

勇人「馬鹿かオメェラは……それはアイツらが『望んで』いた事なのか?違うだろ、アイツらは『希望を捨てるな』……つまり『生きろ』とお前達に託しただろうが!それをお前はアイツらの望みを無駄にするつもりか!!」

 

鳳翔 明石「ッ!?」

 

一航戦「提督……」

 

吹雪「司令官……」

 

勇人は最初は呆れてたが気持ちが昂ったのか、徐々に強く怒りの篭った口調で言うと二人は勇人の言葉……いや散って行った仲間達の望みに気付いたのか、自身が行っていた愚かな行為に悔やむ様に顔を顰めっ面になり握り拳を強く握り、悔しながら勇人に言った

 

鳳翔「……私達は……彼女達の望みを無駄にしようとしたのですよ……そんな弱い私達を……みんなが許してくれるのですか……」

 

明石「そうですよ……私なんて……弱かったら、この手で……」

 

二人は勇人に言うと、勇人は二人に近付き、頭を撫で、微笑みながら答えた

 

勇人「弱かったら俺みたいに鍛えて強くなれば良い、過去の自分を倒せる位にな……それにオメェラは『生きている』じゃねぇか……もし『それ』を許さない連中が居たら片っ端から『納得させる(拳で黙らせる)』からな」

 

鳳翔「司令……」

 

明石「提督!」

 

ポフッ……

 

勇人「おっとと……鳳翔……明石……」

 

鳳翔 明石「……胸、お借りしても良いですか?」

 

勇人「……ああ」

 

鳳翔「ありがとうございます……」

 

明石「……」

 

二人は勇人に抱き着き、顔を勇人の胸に埋めながら静かに泣き始め、勇人は優しく二人の頭に手を乗せ、撫でた

そう、二人の罪を許し、優しく迎えるかの様に……

 

赤城「『弱かったら鍛えて強くなれば良い』……提督らしいやり方ですね……」

 

加賀「……少し過激な提督ですが赤城さんや吹雪さん達が彼を慕う気持ちが分かりました」

 

吹雪「……『少し』ではないのですが……って!?司令官!此処に来た『本来の目的』を忘れてますよ!!」

 

勇人「あ!?そう言えば……」

 

勇人は本来の目的を思い出した途端……

 

金剛『テートク!!hurry up!!大和hotelが……』

 

霧島『マイクチェック……している場合じゃなかった……司令!早く来てください!!飲兵衛の連中が……』

 

蘭側の金剛『比叡!stopデース!!悔しいからってcookingしないで!!』

 

蘭『兄さーーーん!!!早く来てくれーーー!!』

 

大和『もう我慢出来ません!先に……痛ッ!?武蔵!何するの!?』

 

武蔵『先に食べるな馬鹿姉ぇ!!提督よ!早く来てくれ!!』

 

優花『伊勢さんも飲んでないで手伝って下さい!!勇人君!!早く来てぇーーーーー!!収拾が着かないよぉーーーーー!!』

 

勇人「はぁ……あの馬鹿共が……」

 

そう金剛達は歓迎会が開かれず、暴れ回った飲兵衛や大食い達を止める為に態々、鎮守府のスピーカーを使って呼んでいたのだ

 

赤城「なら、早く行きましょ」

 

明石(……このまま抱き着きたかったのに……残念……)

 

鳳翔「クス……」

 

加賀「……提督、お腹空きました……早く行きましょ」

 

勇人「……分かった、だが先ずは……よし!行くか」

 

勇人は墓に御参りをし、赤城達を連れて歓迎会の会場である食堂に急いで向かった

満月の月の光そして静かな佐世保の海の波の音が加賀を歓迎するかの様に美しく輝き照らされていた……

 

 

 

そして………

 

 

 

 

同時刻 横須賀鎮守府にて……

 

柏木「……三笠、それは本当か?」

 

三笠元帥「……ええ、『アイツら』が来たわ……」

 

三笠元帥は『とある書類』を柏木に見せ、柏木は書類の内容を見て、何時ものふざけた顔付きから真剣な顔付きになり再度、確認するかの様に言った

 

柏木「……これがマジなら勇人の所で『対アイツら用』の艤装を開発しないとな……」

 

三笠元帥「……ええ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三笠元帥「『霧の艦隊』そして『蒼の艦隊』が攻めて来る前に……」

 

 

二人の龍虎に振りかかる『トラブル』と共に……

 

 

第3章「友との再会」 完

 

 



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第4章「蒼き霧の艦隊、再来」
第37話「龍の恩義そして後悔 part 1」


加賀の歓迎会から数日後 11月25日 1000 佐世保鎮守府 勇人専用のガレージにて

 

素直にI Love You♪届けよう♪君とyou love me伝わるさ♪君に似合うガラスの靴を探そう~♪

 

ガレージにラジオ番組が選曲した曲が流れ、勇人と蘭、ダブル一航戦がガレージで作業をしていた

 

加賀「提督、夏用のタイヤは何処に置けば良いのですか?」

 

蘭側の赤城「重ッ!?19インチって……よく付けれましたね……」

 

赤城「そりゃ提督が厳選したホイールですから……」

 

勇人「角に置いといてくれ……蘭、トルクレンチを持ってきてくれ」

 

蘭「はい……ってか九州にスタッドレスタイヤは必要無いんじゃ……後、ロックナットは?」

 

勇人「付けるから置いといてくれ……まぁ今朝の命令書で柏木にも『霧』と『蒼』の艦隊に対抗出来る艤装を開発しなくちゃいけねぇからな……その為には一度『実家』に戻らないと駄目だからな」

 

蘭「とうとう柏木大将も『ガン〇ム』化させる気か?兄さん?」

 

蘭側の加賀(どちらかと言うと『アーマー〇コア』だと思いますが……)

 

勇人「ガンダ〇って……そんな事を言っちゃあ『艦これ』の小説とはかけ離れた物になるから言うな」

 

蘭「メタいから言わないで!!」

 

勇人「お前が言わせてんだろうが!!」

 

蘭「アァ?糞兄貴が!()んのか?コラァ!」

 

勇人「上等じゃねぇか!今すぐ減らねぇ口を潰してやらぁ!」

 

ゴゴゴゴゴ……

 

勇人は兄妹喧嘩をしながら愛車『WRX STI』のタイヤをスタッドレスタイヤ……冬用のタイヤに交換作業をしていた

 

蘭側の加賀「ヒッ!」

 

蘭側の赤城「ちょ!!提督に中将!ここで喧嘩は……上城兄妹「アァ?」……ヒッ!」

 

加賀「……」

 

赤城「ちょ!?加賀さん!しっかりして下さい!!」

 

蘭側の一航戦は二人の殺気を含んだ空気に、お互い抱き着き怖がり、加賀に至っては殺気で気絶していたのだ

 

ガチャ……

 

蘭側の金剛「HEY!テートk……上城兄妹「アァ!?」……ヒッ!」

 

蘭側の比叡&榛名&霧島「ヒェェェェ……」

 

比叡「司令に少尉……ここで喧嘩しないで下さい!!あの娘達が怖がっているじゃないですか!!」

 

榛名「そうですよ……ここは紅茶を飲んで休憩して下さい」

 

上城兄妹「……分かった」

 

霧島「全く……仲が良いのやら悪いのやら……」

 

金剛「『喧嘩するほど仲が良い』と言いますけど……この二人の喧嘩はちょっと『アウト』デース……はいテートク、紅茶と灰皿デース」

 

勇人「……オイルとか置いてあるから吸わないが……ありがとう」

 

金剛「you're welcome♪……テートク?今何をやっているのデスか?」

 

ガレージに両方の金剛型4姉妹が入ってくると、蘭側の金剛型4姉妹全員が二人の殺気に怖がり、勇人側の金剛型4姉妹は二人を仲裁をやりつつ、ティータイムの準備をし始め、金剛は勇人に紅茶が入ったコップを渡し、ボンネットの前にのし掛かり、質問すると勇人はコップを外した夏用のタイヤが付いたホイールの上に置き、車にトルクレンチを使って冬用のタイヤが付けられたホイールを装着、固定しながら答えた

 

勇人「ふん!!ん?何って雪道用のタイヤに交換しているのだが?後、ボンネットにのし掛かかんな」

 

金剛「sorry……質問が悪かったデスね……何故仕事中にprivate(私的)な事をしているのデスか?」

 

金剛は勇人の職務怠慢な状態に機嫌を損ね、質問を変えると勇人はタイヤの空気を入れる為、ホースを繋ぎ、機械式空気入れ装置(コンプレッサー)の電源を入れ、空気圧を確認しながら答えた

 

勇人「バーカ、これも仕事だ」

 

金剛「ッ!?テートク!!質問の答えに成っていないデース!!いくらテートクでも……」

 

赤城「金剛さん、落ち着いて下さい……提督は『とある任務』の準備の為に実家に戻るのです」

 

霧島「準備?それは一体?」

 

霧島は紅茶を飲みながら赤城の言葉に疑問を抱き、二人に聞くと勇人は面倒臭そうに答えた

 

勇人「……柏木専用のイージスシステムの艤装開発及び『試作の魚雷』と『荷電粒子砲(レールガン)』の開発そして調整する為に一回帰るんだよ」

 

霧島「ブッ!!イージスシステムの開発にレールガン!?何故防衛機密である艤装が司令の実家で行うのですか!?」

 

榛名「ってかレールガンって開発出来る事すら初耳なんですが……」

 

比叡「私も……レールガンって確か小銭をコイントスする様に飛ばしながら砲射する『アレ』のことね……」

 

勇人「……どこぞの学園都市のlevel5の女子かって……まぁ『イージスシステムの防衛機密』については、あくまで『海上自衛隊』時代に使われた『イージスシステム』……言わば『イージス艦』の事を指しているから『俺の艤装』とは別物扱いだから問題は無ぇよ」

 

蘭「……まぁ作ったのは兄さんではなく、兄さんが『軍医養成課程』の時の『元教官』いえ『恩師』が開発したから規則に引っ掛かる事は無かったんだ」

 

霧島「元教官!?尚更引っ掛かるんじゃ……」

 

霧島が勇人の艤装を改造したのは『海軍の人間』言わば海軍が関わっていた事を聞くと驚き、蘭に反論すると蘭の代わりに赤城が自身の愛車『MAZDA RX-7』通称『FC-3S』にスタッドレスタイヤを着けながら答えた

 

赤城「ふぅ……大丈夫ですよ、その人は『あの事件』で責任を取って……いえ『堤下元提督』のせいで辞めさせられたので……」

 

蘭側の金剛型4姉妹「あの事件?」

 

蘭側の金剛型4姉妹は赤城の言葉に疑問を抱くと、勇人側の金剛が俯きながら言った

 

金剛「『大本営襲撃事件』デス……」

 

蘭側の加賀「ッ!?あの事件は堤下元提督と、その息子が中将や艦守派の人達を殺す為に裏で操っていたんじゃ……」

 

蘭側の赤城「そうです!!何故あの事件の無関係である中将の教官が責任を取る羽目に!?」

 

二人は金剛の言葉に強い口調で反論すると勇人は悔しいのか、歯軋りをしつつ答えた

 

勇人「……それは艦奴派の連中が俺の『やり方』に気に食わなかったからだ……だか俺は当時、艦奴派の1人である『高町元帥』の孫を助けたから処罰は免れた……だか高町元帥以外の連中は納得せず、俺ではなく俺に『今のやり方』を教えた教官に向けられたんだ……艦隊を壊滅寸前まで追い込ませた『役立たずの兵士』というレッテルを張られてな……」

 

赤城「提督……」

 

勇人は悔しそうに言うとガレージのシャッターが開き、開いた本人である勇次が煙草を吸いながら冗談を混じり、資材を持ちながら言った

 

勇次「チワーッ♪三河屋でーす♪資材を持って……ん?何この空気……」

 

勇人「おい、ここは禁煙や!吸いたいんなら車の中で吸いまっし!」

 

勇次「……了解っと」

 

勇次はガレージの前止めていた赤色のスポーツカー……いや勇次の愛車『NISSAN GT-R』通称『R-35』の車内から車内用の灰皿を取り出し、煙草を消し、吸殻を灰皿に入れ、灰皿を車内に戻し、エンジンを切った

 

蘭側の金剛型4姉妹「提督(司令)含めて皆さん、凄い車に乗っていますね……」

 

勇次「まぁ結構貰っているからな♪勿論……」←上城財閥兼神城会会長補佐でもあり次期会長

 

勇人「お前は貰いすぎだろ……まぁ……」←佐世保鎮守府総司令官兼軍医

 

上城兄弟「自腹で買った!」

 

赤城「私も人間としての戸籍が与えられたので思いきって買いました♪」

 

蘭「……兄さん達、これ以上言わないで、私が『色んな意味』で惨めになるから……」

 

蘭側の金剛「どうしてデスか?」

 

蘭の意味深な言葉に蘭側の金剛が蘭に聞くと、蘭の代わりに勇人、勇次が答えた

 

勇次「だって、蘭の車は三菱の『ランエボX』のファイナルエディションだしな……」

 

榛名「ランエボ!?提督と同じく『ラリー車』に乗っているなんて……いい趣味してますね♪」

 

蘭側の赤城「何故、提督が惨めな思いに?」

 

勇人「……糞親父のポケットマネーで買った車なんだよ……『就職祝い』で……」

 

勇次「そうそう……俺達には『G shock』だったんだぜ……」

 

赤城以外の艦娘達「……凄い扱いの差ですね」

 

霧島「ちなみに沙耶さんは?」

 

霧島の質問に勇人と勇次は当時を思い出したのか羨ましそうに言った

 

勇人「アイツは……ハァ……」

 

勇次「ベンツの『AMG GT』を貰ったんだ……あー!もう!AMGは羨まし過ぎるぞ!!」

 

蘭側の霧島「へ!?ベンツって……あの……」

 

勇人「そう、あの『メルセデス・ベンツ』の最高級のスポーツカーだ」

 

赤城以外の艦娘達「何このVIPな扱いは!?」

 

赤城「……皆さん、それ私に対しての『嫌み』ですか?」←この中で一番古い車の所有者

 

勇人以外全員「……すまん(すみません)」

 

勇人「……それ、元々俺の車だっt……赤城「提督、これ以上言わないで下さい、提督が隠していた『日本酒』の『北雪 大吟醸』を隼鷹さん達にあげますよ」……ごめんなさい、あれだけは止めて下さい!高かったんだからな!」

 

蘭側の金剛型4姉妹(あの龍が先代に土下座!?)

 

蘭側の一航戦「北雪!?飲んでみたいです!先代!!何処にあるのですか!」

 

蘭 勇次(うわ……相変わらずの『かかあ天下』な関係だな)

 

金剛型4姉妹「……」

 

加賀「……凄いギャップの差が……」

 

勇人が赤城に土下座するのを見て勇人側の金剛型4姉妹と勇次、蘭は呆れ、蘭側の金剛型4姉妹は驚き、蘭側の一航戦は勇人に我儘を言う等、『収拾が付かない(カオス極まり無い)』状態になり、加賀は勇人のギャップの差に戸惑っていると……

 

 

ブォーン!

 

 

三笠「勇人、例の……ハァ……」

 

三笠元帥(……相変わらずのかかあ天下だわ)

 

鼓膜が破れる位の激しいマフラーの爆音と共に黒い車『TOYOTA 86』が近付き、前側の窓を開け、窓からW三笠が現れ、今の状況に察しながら言った

 

三笠「……今度は何をやらかしたの?」

 

勇人「……車絡み」

 

W三笠「……うん!大体分かった」

 

蘭側の金剛型4姉妹「ッ!?三笠(お姉さま)!!」

 

蘭側の一航戦 加賀「三笠教官に元帥!?総員敬r……三笠「敬礼は良いよ、今回はプライベートで来ているから」……そうでしたか……」

 

W三笠は車から下りると三笠元帥は車酔いをしたのか、ふらつきながら言った

 

三笠元帥「う~……気持ち悪い……お姉t……三笠、飛ばし過ぎ……」

 

三笠「これくらいで根を上げるとは……情けない……」

 

勇次「同情するぞ三笠さん……」

 

三笠元帥「ありがとう勇次さん……後、ポリ袋を……」

 

勇次「はいよ」

 

三笠元帥「ありがとう……」

 

三笠元帥は勇次からポリ袋を貰うと、外に行き、草むらの中に隠れて行った

 

勇人「……んで、何の用で来たん?」

 

勇人は金剛から貰った紅茶を飲みながら三笠に聞くと、三笠は微笑みながら言った

 

三笠「あんたの『お見合い』の件でね♪勇次は勇人の所の瑞鶴と交際しているから無しになったからよろしくね♪」

 

三笠以外全員「ブッ!?お見合い!?」

 

三笠の爆弾発言に、その場にいた全員が驚くと、金剛は三笠に強い口調で反論した

 

金剛「wait!あのテートクが『お見合い』なんてあり得まセーン!!何故お見合いをさせるのデスか!?」

 

榛名「そうです!!何故提督が見合いをしなければならないのですか!?」

 

金剛と榛名は勇人が他の女に捕られたくないのか、三笠に強く抗議すると三笠は二人を見て呆れつつ『お見合い』の本当の計画を答えた

 

三笠「……龍光会とK国が極秘に進んでいる計画『将軍殺しの龍抹消計画』のためにK国が極秘で建造……というより『異世界遭難事件』で当時、保護する対象である『霧の艦隊』と『蒼の艦隊』を呼び寄せる事に成功したんだ……そして今回の『お見合い』は2つの艦隊を見つける為の『(エサ)』さ」

 

三笠元帥「そう……ウップ……上城中将を囮にすれば、『どちらかの艦隊』又は『両方の艦隊』が上城中将に接触するはずよ……」

 

勇人「あの四年前の事件か……ってか柏木にやらせれば良いじゃねぇか?後、元帥……大丈夫ですか?」

 

勇人は車酔いでふらついている三笠元帥を心配しつつ、三笠に聞くと三笠の代わりに元帥が答えた

 

三笠元帥「大丈夫……あー気持ち悪かった……疾風は軽度の『女性恐怖症』だから無理なのよ」

 

勇人「……さいですか、分かりました」

 

勇人(よく提督になれたな……アイツ……ってか抹消のターゲットである俺が囮に使うって……)

 

金剛「テートク!!」

 

榛名「浮気は榛名達が許しません!!」

 

ギュー!!

 

ミキミキミキ……

 

勇人は呆れながら別行動を取っている相棒の事を思いつつ、三笠の案を了承すると金剛は勇人の右腕、榛名は左腕に強く抱き着き、引っ張りながら抵抗し続けた

 

勇人「イテテテテ!!義手がもげる!離せ!!」

 

金剛「NO!!!」

 

榛名「離しません!!」

 

勇人「はーなーせー!!!

 

三笠「……離してやれ馬鹿共!」

 

ギロッ!!

 

金剛 榛名「ッ!?ごめんなさい!!」

 

三笠が二人に睨み、怒鳴り付けると二人は三笠に臆し、勇人の腕を離した

 

勇人「ふぅ……あーあ……義手が滅茶苦茶になってしまった……新しいのに変えるk……三笠「勇人、アンタに吉報よ……もう義手を付けた生活をしなくても良くなったわ」……はぁ?それどういう意味なんだ?」

 

勇人はボロボロになった義手を取り外し、三笠の言葉に疑問を抱き、質問すると三笠元帥が微笑みながら言った

 

三笠元帥「中将、『あの事件』で深海棲艦に食い千切られた貴方の左腕が見つかり、修復が完了したのよ」

 

勇人「……へ?」

 

勇次「……は?」

 

蘭「……ん?」

 

赤城「元帥……今、何と言いました?」

 

W三笠「だから!!勇人(中将)の左腕が見つかったのよ!!しかも何時でも付けれる状態までに修復したの!!」

 

勇人「マジで?」

 

W三笠「マジ」

 

グズッ……

 

金剛「テートク?泣いているの?」

 

勇人「泣いてねぇよ……嬉しいけどさ……」

 

W三笠は突然の吉報に耳を疑った四人に言うと、その吉報に嬉し涙を流した者がいた

その嬉し涙を流した者は勇人や勇次、蘭でもなく……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤城「本当に……良かった……」

 

そう『あの事件』で駆逐艦イ級に勇人の腕を食い千切らせるように命令した元『深海棲艦』の……いや『あの事件』の時に深海棲艦の艦隊に参加していた『元アンノウン』でもあり、勇人の専属秘書艦である赤城が自分自身の『影』でもあり、勇人の左腕を失わさせた『後悔』が無くなり、そして『全てが許された』かの様に嬉しく、感謝するように泣き崩れた

 

勇人「赤城……お前、今まで悔やんでいたのか?」

 

赤城「……はい」

 

勇人「そうか……良かったな、お前自身の『荷物』が無くなって……今、物凄く『楽』になっただろ?」

 

勇人は赤城に近付き、中腰になり、微笑みながら言うと赤城は涙と鼻水で不格好な顔になりながらも勇人に笑顔で答えた

 

赤城「はい!!!」

 

勇人「ほら、ハンカチだ、この『顔』でアイツらに見せられねぇからな」

 

赤城「ありがとうございます!」

 

チーン!!

 

三笠「勇人!!それ私のハンカチ!?」

 

勇人「あ!?」

 

勇人は堤下の再逮捕後、龍飛から三笠のハンカチを受け取っていたのか、三笠のハンカチを赤城に差し出すと御約束なのか、赤城はハンカチで涙を拭き、そのまま鼻をかんだ

 

三笠「私のお気に入りのハンカチが汚れていく……」

 

勇人「……新しいのに買い換えるから許してくれ」

 

加賀「……教官、このままじゃ話が進みませんが……」

 

加賀は、ある意味メタい事を言うと三笠は咳払いをし話を進めた

 

三笠「ゴホン!そうだったわね……まずは勇人の左腕の再生手術そして柏木の艤装の開発を行う為に一旦、地元に帰るわよ……今から」

 

蘭側の一航戦「今からですか!?私達の演習は!?」

 

三笠「大丈夫だって♪優花……いや総司令補佐官の桜花少尉がいるじゃない、彼女に任せれば良いじゃない」

 

蘭「優花さん……同情します」

 

三笠元帥「中将の車の運転は……加賀ちゃん!お願いね」

 

加賀「任せて下さい」

 

勇人「……安全運転で頼むぞ」

 

勇人は蘭と蘭側の艦娘を残し佐世保鎮守府を後にした

 

青葉「……青葉、聞いちゃいました……」

 

川内「……これは一悶着ありそうだね」

 

偶々、遠征し終えたばかりであろう青葉と川内に見つかった事に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後 佐世保鎮守府総司令部では……

 

優花「ブッ!!はぁ!?勇人君が『お見合い』!?」

 

翔鶴「しかも左腕を付ける為に実家に帰るですって!?」

 

夕張「……嬉しい様な……悲しい様な……複雑ですね」

 

明石「……青葉さん、詳しく教えて下さい」

 

執務室には優花、夕張、翔鶴、陸奥、香取、鹿島そして明石が青葉と川内に聞くと二人は優花達を安心させる様に本当の目的を説明し始めた

 

青葉「はい、三笠教官が言っていた『お見合い』はあくまで『フェイク』らしいので……」

 

川内「何でも『あの計画』に関する囮調査の一環らしいよ」

 

陸奥「……潰しに行きましょ!」

 

川内「どっちの方?」

 

香取 陸奥「両方です!!」

 

鹿島「だけど……私達、提督さんの家なんて知りませんよ」

 

香取 陸奥 翔鶴 夕張 明石「……そう言えば……」

 

鹿島の疑問に優花以外の艦娘達は頭を悩ませると、優花は勇人の実家の場所に心当たりがあるのか、少し戸惑いつつ青葉に質問した

 

優花「青葉ちゃん、勇人君達は車のタイヤを交換していなかった?」

 

青葉「はい、してましたが……それがどうかしたのですか?」

 

優花「……分かったわ、勇人君達の実家が……」

 

優花以外全員「ッ!?それは何処ですか!?」

 

優花は青葉の言葉で自身の心当たりが確信に変わったのか自信に満ちた表情で答えた

 

優花「勇人君の実家は……石川県に拠点を置く世界最強の極道一家『神城会』の『総本部』……表向きは『上城財閥会長の自宅』よ」

 

優花以外全員「優花さん!今すぐ向かいm……蘭「まずは演習だ、ほら!!さっさとやれ!!」……は、はい!!」

 

優花「蘭ちゃん……」

 

優花は執務室に入ってきた蘭を見ると、蘭は優花に近付き忠告した

 

蘭「優花さん、今兄さんは『危険な橋』を渡るのですよ……貴女達が行ったら囮計画も駄目になり、最悪……兄さんは蒼と霧の艦隊そして龍光会の刺客によって殺されます……だから今回は佐世保鎮守府で大人しくしてください」

 

優花「……分かった」

 

蘭「お前達もだ!分かったか!」

 

優花以外全員「は、はいぃぃぃ!!」

 

蘭の一喝で計画が潰されるのを免れたのは言うまでもなかった

 

 

 

 



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第37話「龍の恩義そして後悔 part 2」

勇人達が出発してから2時間後 1230 とある場所にて

 

艦長「……これは一体……」

 

昨日、勇人と加賀の演習を見ていた『艦長』と呼ばれた10代後半位の若い好青年が政治家であろうスーツの男に写真と書類を見て、焦ったかの様に言うと、男は上から目線で青年に言った

 

男「……今の日本は『この二人の男』のせいで深海棲艦が現れたり、自身の部下である艦娘を虐げているのだ……お前……いやお前達『蒼の艦隊』の力で倒して欲しいのだ……勿論、君たちが『元の世界』に帰るまで全面的にバックアップするつもりだ」

 

タカオ「……」

 

艦長「……分かった『佐世保の龍』の情報は掴んだが、『呉の虎』の情報は?」

 

男「何、慌てる事は無いさ……佐世保の龍さえ始末すれば呉の虎なんて恐るに足らんよ」

 

男は『何か』を隠しているかの様に鼻で笑い、青年とタカオに言うと青年は少し考え、答えた

 

艦長「……分かった」

 

男「では、吉報を待っているよ……千早群像君……」

 

男は艦長と呼ばれた青年『千早群像』に微笑みながら後にすると群像は顰めっ面になりタカオに言った

 

群像「……ちっ、何が『国家反逆者の男を殺せ』だ……情報が『違いすぎる』……」

 

タカオ「ええ……私も独自に調べたんだけど彼『上城勇人』は海軍の中でも類を見ない『問題児』そして呉の虎『柏木疾風』と同じく『軍生徒模範生最優秀賞』を授与する位の『優等生』でもあり『大本営襲撃事件』の功績者そして艦娘達を虐げていた鎮守府……通称『ブラック鎮守府』を救った軍医兼提督そして研修生時代も含め様々な任務、討伐戦において一度も失敗したことが無い『龍子の軍師』としか書かれていたわ……」

 

群像「しかも日本政府から、そんな彼を『抹消』してくれと……これは何かありそうだな」

 

タカオ「……ええ、先ずは佐世保の龍である上城勇人に接触しないと駄目ね」

 

群像「……それは分かっているが、どうやって接触すれば……」

 

タカオ「そこよね……う~ん……」

 

二人は考えると背後から鳥海に瓜二つの10代後半の女性が近付き、群像に報告し始めた

 

鳥海に瓜二つの女性「それなら一か月後に彼の『お見合いパーティー』が開催されるらしいよ」

 

群像「ッ!?それは本当か!?静!?」

 

タカオ「ってか『お見合いパーティー』って……」

 

群像は鳥海に瓜二つの女性『八月一日 静(ほづみ しずか) 』に聞くと静は頭を縦に振り答えた

 

静「はい、しかも、この世界の中でも群を抜いてトップの財閥『上城財閥』……言わば日本軍……いえ日本政府の『スポンサー』が主催するパーティーでもあり、彼もまた『上城財閥』の血縁者だから彼……というより『玉の輿』目当てで参加する女性が多いのよ……しかも法律上『結婚出来る年齢』に達した女性なら誰でも参加出来るらしいです」

 

群像「日本政府の!?何故政府のスポンサーの血縁者を……」

 

タカオ「……」

 

群像は勇人の家庭内情を聞いて驚き質問すると静は彼女自身の予想であるが群像の疑問に答えた

 

静「……ひょっとして上城財閥の『裏の顔』が問題になっているんじゃないのでしょうか?」

 

群像「裏の顔?」

 

タカオ「……ヤクザと同盟を組んでいたとか?」

 

タカオは静に質問すると静は頭を抱え、溜め息を出し答えた

 

静「いえ、それならまだマシです……上城財閥の裏の顔は……この世界の裏社会を統括する極道組織『神城会』言わば『反社会組織』のグループとして活動しているのです」

 

群像 タカオ「!?」

 

静「しかも全ての憲兵隊含めて警察機関は神城会には手を出せない……いえ出さないと言った方が正しいのです。神城会のシノギのメインはSPと警察機関の武器提供……VIP御用達の護衛稼業や制圧用の武器を販売をしていたらしいので……」

 

群像「ヤクザが用心棒……か」

 

静「どうします?あの男は政府の者……言わば神城会いえ上城財閥の『飼い犬』が飼い主(上城 勇人)に噛みついている状態……ここは彼と接触し『捕獲』すれば良いと思います」

 

群像「……」

 

静の案に群像は思考を凝らせ、作戦を考え、考えが纏まり、答えた

 

群像「なら静、彼に接触するためにお見合いに参加してくれないか?」

 

タカオ「……成る程ね、二人っきりになれば捕獲する事が出来るからね」

 

静「分かりました……」

 

静は群像の案に了承すると場を後にした

だが、群像達は『ある人』に聞かれた事に気付いていなかった

その人物は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柏木「……バーカ、バレバレなんだよ……勇人、今の聞いたか?」

 

呉の虎でもあり勇人の戦友でもある柏木に全て聞かれ、リアルタイムで勇人と電話で内通してた事に……

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 名神高速道路 上がり線 勇人の愛車の車内にて

 

勇人「……ああ、全く龍光会の連中は相変わらず爪が甘いな、こんなクソガキ共に俺達を抹消する様に命令をするなんてな……舐められたモンだ」

 

勇人は助手席に座り、千早群像達に舐められたのか、少し不機嫌になりながら電話で柏木に言うと、柏木は勇人に同意するかの様に答えた

 

柏木「ああ!しかも俺が勇人より『弱い』ってどういうことだぁぁぁ!!後、お前も他人(ヒト)の事言えねぇだろうが!!」

 

勇人「ッ!?電話越しで怒鳴るな!見付かるだろ!気持ちは分かるけどさ……後、最後は余計だ」

 

柏木「あ……ごめん、見付かっちゃった♪ちょっと待ってろ……」

 

誰だ!!

 

通りすがりの憲兵デース!!ではサイナラ!!

 

待ちなさい!!

 

バイバイキーン♪

 

勇人「……今何処にいるんだ?」

 

柏木「あぁ?お前ん家の近くの廃船工場……」

 

勇人(……まさか蒼の艦隊のアジトが近所だったなんて……正しく『灯台もと暗し』だな…⋅…)

 

柏木は走っているのか、少し息が荒く答えると勇人は場所が分かったのか感づき、言った

 

勇人「彼処か……まさか龍鳳も居るのか?」

 

柏木「んな訳ねぇだろ、龍鳳は神城会の連中……というより上城会長に保護して貰っている」

 

勇人「……直ぐに掛け直す」

 

勇人は電話を切り、とある人に電話し始めた

 

勇人「……ジッチャン、俺だ」

 

俊夫「……オレオレ詐欺なら……勇人「勇人だって!」……フン♪冗談だ、一体どうしたんだ?」

 

勇人「……柏木が『例の連中』に見付かったから、柏木の逃亡を支援してくれないか?」

 

俊夫「……もう手配しているぞ、陸だけではなく『空』からもな」

 

勇人「ハヤッ!?」

 

勇人は俊夫の神対応に驚きつつ答えた

 

勇人「分かった!今何処に待機しているんだ?」

 

俊夫「……もうそろそろ虎の若造と接触するはずだ、ちなみに龍鳳ちゃんも無事だ、龍鳳ちゃん、勇人だ」

 

龍鳳「あ!?中将!?お久し振りです」

 

勇人「龍鳳!?無事やったん!?」

 

龍鳳「はい、提督は……」

 

勇人「安心しろ、ウチの組員がアイツの逃亡支援しているからな」

 

龍鳳「……良かった」

 

勇人「俺もオメェが無事で良かったぜ……んじゃジッチャンに変わってくれ」

 

勇人は龍鳳が無事保護されている事に安堵し俊夫に感謝した

 

勇人「サンキューなジッチャン!また後で掛け直すわ」

 

俊夫「おう!」

 

勇人は電話を切り、柏木に再び電話し始めた

 

勇人「柏木、聞こえているか?」

 

柏木「ああ、ありがとうな♪今お前の所のヤクザの連中が蒼の艦隊を妨害してくれたお陰で逃げ切ったが……流石に陸からだけではなく上空からロケットランチャー(RPG)やガトリングガンはやり過ぎだと思うが……」

 

勇人「やり過ぎが丁度良いのさ♪ってか何故俺ん家にいるんだ?」

 

勇人の疑問に柏木は勇人に同意するかの様に笑いながら言った

 

柏木「ハハハハッ♪確かにな♪まぁ昨日お前の親父さんから連絡があってな……俺の艤装をお前ん家で開発するから来てくれと言われてな……そして龍鳳を会長に保護して貰って、ぶらついていたら偶々廃船工場に『高雄型重巡洋艦 高雄』が有ったのを見掛けたからな」

 

勇人「高雄型重巡洋艦!?マジモンの『軍艦』でか!?」

 

勇人は柏木の報告を聞いて驚くと柏木は肯定し答えた

 

柏木「……ああ、もしアレがアイツら(蒼の艦隊)の武装……いや最終兵器(切り札)なら俺達だけで倒す事は難しいぞ……お前の『Aegis ver.3(燃費が糞悪い切り札)』を軍艦化(デカく)したような(モン)だからな」

 

 

勇人「……泣けるぜ……」

 

勇人は柏木の例えの混じった説明をすると勇人は頭を抱えると、柏木もまた頭を抱え、報告し続けた

 

柏木「……更にアイツらは、それを高雄含め2つ所有している」

 

勇人「はぁ!?アイツら……この世界をぶっ壊すつもりか!?」

 

柏木「全くだ……もう一つは『伊401』……ガチの潜水艦を持っている……能力は『高雄』以上だ」

 

勇人「……無理ゲーじゃねぇか」

 

勇人は柏木の報告に悪態を付くと柏木は勇人の悪態に同感し、愚痴る様に言った

 

柏木「……だよな、せめて潜入して情報を手に入れればな……」

 

勇人「ん!?潜入……柏木、アイツらって『妖精』を認識出来るんだっけ?」

 

柏木「いや……それはないな、俺がお前と電話している時に『奴らの目の前』で動画に収めていたのにも関わらず、認識出来なかったからな……まぁ妖精を認識出来るのは艦娘と『それに準じた俺達』でしか……成る程、そういう訳か……」

 

勇人は柏木の言葉に『ある作戦』を思い付いたのか、柏木に聞くと、柏木もまた『勇人の作戦』の内容を察したのか鼻で笑い理解した

 

勇人「ああ……奴らの艦内に柏木の妖精を忍び来させてくれないか……」

 

柏木「……ったく!我が儘な兄弟なこった……分かった、あんまり期待すんなよ……さっき見付かった時に俺の正体までバレてしまったからな……んじゃ」

 

勇人「おう、任務が終わったら俺ん家で待機(大人しく)しとけよ……」

 

 

柏木「それこそ無理ゲーだ♪じゃまた後でな♪」

 

Pi♪

 

勇人「全く……」

 

加賀「提t……勇人「加賀、鎮守府の中じゃないんだから気楽に行こうぜ」……そうやね、勇人さん先ほどの電話なんやけど……相手は柏木大将やったんけ?」

 

加賀は運転に馴れたのか、昨日みたいに素の口調である『石川弁』で喋ると勇人もまた『石川弁』で答えた

 

勇人「ああ、全くダラな事を……」

 

金剛「あの……テートクに加賀、石川弁で言うの止めてくれまセンか?何か仲間外れになった様な気がしマース……」

 

加賀「なら貴女も石川弁を喋れば良いじゃないですか?」

 

加賀は悪意があるのか少しニヤけながら言うと金剛は焦った表情で答えた

 

金剛「無理デース!!」

 

勇人「金剛、無理して喋んな……後、加賀も苛めんな」

 

ジジジ……

 

勇人「ん?もう休憩時間……ッ!?」

 

金剛「unknown!?テートク……」

 

勇人「ああ、お前らは少し黙っとけよ……」

 

勇人は二人を宥めると車内の小物入れに入れてあったトランシーバーが無線を捕まえたのか、無線特有の砂嵐みたいな音を発していた

だが、トランシーバーの画面表示には『Unknown(送信者不明)』と表示されていた

 

勇人「……誰だ!」

 

勇人はトランシーバーを持ち、無線を受信している事に警戒をしているのか、相手を脅すかの様に送信者に聞くと相手は勇人のドスの低い声に臆したのか震えながら答えた

 

送信者「ヒッ!?お……怒っているの……」

 

勇人(……声が高い、それにお転婆娘……いやサバサバした口調……俺の知り合いに、そんな女性は……あ!?ウチの鎮守府に結構居るわ……んじゃ、ちょっとカマ掛けてみるか……)

 

勇人「いや悪かったな、アンタの登録していなかったからな♪番号と名前の漢字、教えてくれないか?」

 

勇人は送信者が警戒しない様に、優しく温和な口調で謝罪すると送信者は安心したのか素の口調なのか、お転婆で元気が溢れている様な口調で答えた

 

送信者改め『いおり』「『いおり』よ!四月一日と書いて『わたぬき』よ……ってか杏平どうしたの?声が変よ?風邪引いたの?」

 

送信者『四月一日(わたぬき) いおり』は勇人の事を『杏平』という男と勘違いしているのか、心配した様な口調で聞くと勇人は何かを『察した』のか、会ったことの無い男『杏平』として成りきりるかの様に軽い口調で答えた

 

勇人「ああ、寒かったからな」

 

いおり「そうね……全く、艦長は何故金沢港の近くの廃船工場を拠点にしたのか……先ほどの憲兵オタク……いえ柏木疾風の件といい、反社会組織である『神城会』に邪魔されるは……」

 

加賀 金剛「ッ!?」

 

勇人(ッ!?これは『棚から牡丹餅』って奴だな……よりによって彼方さん(蒼の艦隊)から来るとはな……金剛、スマホで奴の言葉を録音しとけよ)

 

金剛(understand!!)

 

勇人は、いおり達に聞こえない様にトランシーバーのマイク部を親指で押さえ、金剛に指示を出すと金剛は勇人のスマホを操作し、ボイスレコーダーをオンにし、スピーカー側にスマホを近付けるのを確認すると、親指をマイク部から離し、しおいに同情するかの様に答えた

 

勇人「全くだ、ここの憲兵も暇なモンだな……いい加減仕事しろってな」

 

いおり「杏平にしては最もな言葉だわ……だが……」

 

勇人(ヤバッ!?バレたか……)

 

勇人は、いおりの言葉に感付かれたのか冷や汗を流すと、いおりは……

 

いおり「さっきの憲兵オタクが呉の虎……柏木疾風だったから良かったけど……まぁ、さっきの男が佐世保の龍である上城勇人じゃ無かったのは不幸中の幸いだったが……どうしよう……霧の艦隊の攻撃で『イオナ』『タカオ』の機関部やシールド、超重力砲……あらゆる機関がオジャンになっているわ……これじゃ霧の艦隊おろか『龍虎の艦隊』さえ太刀打ち出来ないじゃないの……しかも浸食魚雷や予備のナノマテリアル等、私達の『全ての物資や武器』が神城会の連中や憲兵オタク……柏木疾風に盗まれたりと……もう!!最悪!!」

 

加賀 金剛(ホッ……)

 

勇人(霧の艦隊……どうやら奴らは元々『敵対』していたんだな……ってか仕事早いな……もう終わったのかよ……無茶するぜ……)

 

いおり「ねぇ!ちょっと!聞いているの!?」

 

いおりは勇人に気が付いていないのか、先ほどの柏木の件で焦ったのか愚痴を溢すと……

 

勇人「……ああ、聞いt……男の声「おーい、いおり!誰と連絡を取っているんだ?」……ん?いおり……誰だ?」

 

いおり「え!?杏平!?」

 

勇人(ッ!?本人か……仕方ねぇ!)

 

勇人「金剛!今すぐ録音を止めろ!バレた!」

 

金剛「oh my god……分かったデース!」

 

勇人は、いおり以外の男の声の主『杏平』の声を聞くと金剛に慌ててスマホでの録音を停止させる様に命令すると、勇人は右手に持っていたトランシーバーを………

 

勇人「これを……ふん!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グシャ!!

 

 

 

 

 

加賀 金剛「握り潰した(デース)!?」

 

逆探知防止の為にトランシーバーを握り潰したのだ

 

勇人「フゥ……これなら逆探知されても大丈夫だ」

 

加賀「ってか何故トランシーバーを持っていたのですか?」

 

勇人「……これを使えばレーダー探知機……まぁ警察の『鼠取り』やオービス、更には警察だけではなく救急車やトラック等の無線まで拾ってしまう優れモンの探知機の事だけど、これが無線を拾って、勇次、赤城そして母さん達に指示を出せるからな……まぁ向こうは必死に逆探知しても俺と同じ周波数を使ったトラックの運ちゃんを受信したり、レーダー探知機に引っ掛かったりするからな♪まぁトランシーバーがオシャカになった時点で実質『逆探知不可能』なんだけどな♪」

 

金剛「つまり相手はテートクのトランシーバーの周波数を逆探知し、その逆探知された周波数を使って来れば、このレーダー探知機で更に蒼の艦隊の無線を逆探知する……って事デスか?」

 

勇人「ああ♪更に細かく言えば周波数やタイムラグ等を計算し、発信した場所までもが分かり、その場所をナビに反映する事が出来るって訳だ♪よくストリートレースで活用していたが、まさか『こんな形』で役に立つとはな♪勿論、このシステムは警察機関しか装備されてないシステムさ」

 

金剛「oh……えげつないデース……」

 

加賀「相当ヤンチャしてたんですね……悪い人ですね」

 

Pi♪warning!catch the police radio♪

 

勇人「お!?早速引っ掛かったな♪」

 

勇人の説明に金剛は引き、加賀は勇人の罠に掛かった蒼の艦隊を想像したのか、ニヤけると勇人の車に搭載されたレーダー探知機が無線を拾ったのか、レーダー探知機のスピーカーから蒼き艦隊のメンバーである四月一日いおりと男の声の主である杏平が無線で怒鳴り付けた

 

杏平「おい!テメェ!!さっきはよくも俺に成り済ましやがって!!」

 

いおり「そうよ!!いい加減名乗れ!!ヘタレ野郎!!」

 

ギャーギャー!!

 

勇人「ハハハ♪勢いがあって若いな♪オジサンには真似出来ないぜ♪」

 

金剛「……テートク、消してくれまセンか?とても不愉快デース……」

 

加賀「……いえ、これはこれで面白いです、もう少し聞きましょ……アイツらの『負け犬の遠吠え』を……ね♪」

 

勇人「フッ♪それもそうだな……まだ逆探知が終わって無いからな……」 

 

金剛「……」

 

勇人達は二人の威勢の良い言葉を聞いて逆探知が終わるまで余裕綽々の表情で待っていると……

 

群像「いおり!!杏平!!今すぐ無線機を壊せ!!逆探知されているぞ!!」

 

杏平「嘘!?なら……オラァ!!」

 

 

 

 

 

 

 

キィィィン!!

 

 

 

 

 

 

 

金剛 加賀「ウグッ!!」

 

勇人「チッ……感付かれたか……只のクソガキの連中じゃ無さそうだな……だが……」

 

勇人は蒼の艦隊の連中に無線機を壊されたのか甲高い音が車内に響くと加賀と金剛は五月蝿かったのか耳を押さえ顔を歪め、勇人は舌打ちをし悪態をついたがナビの様子を見てニヤついた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「感付くのが遅ぇよ……クソガキ♪さて、後は『のんびり』と行こうぜ♪」

 

ナビには、こう記載されていた

 

『逆探知完了 これよりナビに表示します』と……

 



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第37話「龍の恩義そして後悔 part 3」

逆探知完了してから6時間後 1840 石川県金沢市の繁華街『片町』にて

 

柏木「……意外と人が多いな……迷った……うぅ……寒い……」

 

龍鳳「……なら何故中将の家で待機しないのですか!?……クシュン!」

 

龍鳳は嚔をし、柏木に聞くと柏木は寒そうに言った

 

それもその筈だ……その日の金沢市は『降雪』言わば『初雪』が発表されており、強い潮風に雪が降っている為、吹雪になっていたのにも関わらず二人はジャケットを着ているだけの状態なのだ

 

正直言って北陸の気候を舐めきっていたのだ……

 

柏木「なぁに……ちょっとアイツの元『教官』に会いにな……ブァックショイ!!寒すぎる!!午〇ティーのミルクティー買おっと……龍鳳は?」

 

龍鳳「教官……ですか……ですが中将の教官は『三笠教官』じゃ……あ、同じ物をお願いします……」

 

柏木「それは『提督』としての教官だ……俺が言っているのは『軍医』としての教官だ……お!?ラッキー♪当たった♪はいよ」

 

龍鳳は少し震えながら言うと、柏木は近くの自販機で紅茶を買い、自販機の御神籤が当たったのか柏木が選んだ紅茶が二つ出て、その一つを龍鳳に渡すと、龍鳳は暖かい紅茶をカイロみたいに暖を取るために紅茶を懐に入れながら言った

 

龍鳳「ありがとうございます……それで、その教官の御名前は?」

 

柏木「……名前は『藤原 慧音(ふじわら けいね)』……確か当時の階級は『中将』だったな……今は金沢市内の町医者として活動しているが『あの事件』の後、勇人の艤装のベースである『イージスシステム』を設計、開発した人なんだ……まぁ艦奴派の連中に『でっち上げ』の処罰まで食らって、自主退職したけどな……」

 

龍鳳「そうなんですか……」

 

柏木「そして……上坂優香里の姪……言わばアイツの『従姉弟』だ」

 

龍鳳「ッ!?」

 

龍鳳は柏木の言葉を聞いて俯くと……

 

チャラ男「ヒュー♪ねぇ彼女♪今暇?」

 

龍鳳「キャッ!?だ……誰ですか?」

 

柏木「おいおい……アンタ、俺のツレに何か用か?」

 

柏木(……ナンパか……はぁ……面倒臭い)

 

いかにもチャラそうな男は柏木の言葉を無視をし、龍鳳に話し続けた

そう、ナンパである

 

チャラ男「お前に用はねぇよ……ねぇ♪こんな男なんかほっといて、俺と遊ばねぇか?」

 

龍鳳「え……えーっと……」

 

柏木「おい!無視とは良い度胸しているんじゃねぇか……テメェみたいな頭の軽い奴に構っている暇なんか無ぇよ」

 

チャラ男「あぁん?オニーサン、俺に喧嘩売っている訳ェ?マジ受けるんですけど♪」

 

柏木「ほう……なら……」

 

流石に無視されたのか、チャラ男にキレかけていると……

 

 

 

 

ブォーン!!ブォーン!!

 

 

 

 

 

 

チャラ男「あぁん?……なっ!?あの黒い車は!?」

 

柏木「んあ?……全く、おせぇよ……あの馬鹿……」

 

龍鳳「キャッ!?え!?今度は誰!?」

 

三人の目の前で『ある車』が吹かしたのか、改造車特有の甲高い排気音が鳴り響くと、チャラ男は睨み付けたが、車を見て深海棲艦並に顔が真っ青になり、柏木は車の所有者が分かっていたのか呆れ、龍鳳は今だに混乱していた

そして『ある車』の所有者らしき男が車から降り、チャラ男の髪の毛を掴み脅した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チャラ男「は……勇人……さん……」

 

勇人「オイコラ!ウチのダチに何ちょっかい出してんだ!!海に沈めるぞワレェ!!」

 

加賀 金剛 摩耶「……」

 

そう、ある車とは勇人の『WRX STI』だったのだ

勿論、助手席にいた加賀と後部座席にいた金剛と摩耶は勇人の殺気に気を失っていたのだ

勿論……

 

チャラ男「………」

 

ジョロロロロロ……

 

チャラ男もまた、気を失っていた……足元に積もった雪が黄色く染まりながら……

 

柏木「……おいおい、一般人相手にガチで脅しているんだ?まぁ面倒事が片付いたから助かったが……龍鳳?」

 

龍鳳「……」

 

柏木「立ったまま気絶してる……器用な奴だな……」

 

勇人「あーすまん……やり過ぎたわ……おーい、龍鳳……しっかりしろ、俺だ」

 

勇人は掴んでいたチャラ男を放り投げ、気を失った龍鳳を起こすかの様に顔をペシペシと軽く叩くと龍鳳は気が付いた

 

龍鳳「ほげぇ?わ……私は一体……あ!?中将!?」

 

勇人「悪かったな……怖い思いをして……」

 

龍鳳「へ!?怖い思い?」

 

勇人が頭を下げると龍鳳は『何の事?』と言わんばかりに頭を傾げると柏木は頭を抱え言った

 

柏木「……こりゃ、さっきの殺気で一時的に記憶障害が起きたな……まぁ『ある意味』助かったが……」

 

柏木(でないと龍鳳が『昔みたい』に人間不信になってしまうからな……)

 

勇人「そう言って貰えると助かる……後、お前らも起きろ」

 

勇人は車内で気を失っていた三人を起こしに車に戻り、先程の龍鳳を起こすやり方で顔を軽く叩くと三人は気が付き、北陸特有の冷たい潮風に当たったのか、金剛と摩耶は身体を震えながら言った

 

加賀「……涼しいですね」

 

金剛「テートク……hotな紅茶が飲みたいネー……」

 

摩耶「寒っ!!提督、何か暖かい飲み物を………クシュン!!」

 

柏木「ん?何故摩耶が居るんだ?三笠からは弟さんと一航戦と金剛型4姉妹が来る筈だったが?」

 

勇人「ああ……実はな……」

 

柏木「待った!その前に……寒い!!訳は移動しながらで良いか?」

 

龍鳳「……クシュン!!」

 

勇人「……分かった、龍鳳は勇次の車に乗れよ」

 

勇次「よろしくな大g……じゃなかった龍鳳ちゃん♪」

 

龍鳳「今『大鯨』と言いませんでした?」

 

勇次「気にすんな♪ハハハ♪」

 

龍鳳「ハァ……今度は間違えないようにお願いしますね」

 

柏木「勇人、本当にお前の弟でもあり神城会次期会長か?お前と真逆でチャラいぞ……何故そうなった?」

 

勇人「知らねぇよ……まぁ説明は移動しながらするわ」

 

柏木達は勇人の実家に来る予定では無い摩耶……いや高雄型4姉妹が居る事に疑問を抱くと、勇人は頭を抱えながら車に乗り、移動しながら経緯を説明をした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2時間前 北陸道 下り線 松任車遊館にて

 

三笠「さて、暖かい紅茶でも買いに行くか……欲しい人いるか?私の奢りだ」

 

金剛型4姉妹 三笠元帥「是非!!」

 

勇次「俺はブラックで」

 

赤城「私は緑茶をお願いします」

 

三笠「分かったわ……うぅ……寒い……」

 

勇人「そんなに寒いか?」←ロンTにジーンズ、ブーツのみ

 

加賀「むしろ丁度良い位です」←勇人と同じく

 

三笠以外の艦娘達「……寒くないのですか!?」

 

勇次「まぁ兄貴の暑がりは筋金入りだが……チクショウ!羨まし過ぎるぞ!!」

 

三笠以外の艦娘達「はぁ!?狡い!!」

 

三笠は寒いのか、急ぎ足で建物内に入って行った

ちなみに金剛型4姉妹、赤城、W三笠はブーツにジーンズにヒート〇ック仕様のTシャツにコートそしてマフラーといった『完全防寒仕様』の私服で来ていた

だが加賀と勇人以外の艦娘達や勇次は勇人と加賀の体温の高さに嫉妬していたとか……

 

勇人「……さて、加賀もお疲れ様、後は俺が運転するから休んでおけ」

 

勇人は長時間運転をしていた加賀を労うと加賀は車から降りて身を解す様に背伸びをした

 

加賀「ん~……流石に疲れました」

 

勇人「助手席で寝てて良いぞ……後、赤城、何回ガソリンスタンドを寄っているんだ?馬力上げすぎじゃねぇのか?」

 

勇人は赤城の車……FCの燃費の悪さに呆れると赤城が言い訳をするかの様に答えた

 

赤城「だって、この車……面白いですから……」

 

榛名「まぁ気持ちは分かりますよ♪」

 

勇人「……このスピードジャンキーが」

 

三笠元帥以外の艦娘達「提督には言われたく無いです!!」

 

三笠元帥以外の艦娘達が勇人に言うと……

 

 

 

さ、寒い……

 

ちょ!?摩耶!瑞鶴さん!!バレるでしよ!!

 

これぞ『冬』!と言って差し上げ……クシュン!!

 

あら?高雄?大丈夫?

 

勇人「ん?俺達のトランクから声が……まさか!?」

 

勇人、赤城、勇次は自身の愛車のトランクから声が聞こえるのに気付き、勇次、赤城、勇人の順にトランクを開けると……

 

 

高雄 瑞鶴「うぅ……」

 

摩耶 鳥海「寒い……」

 

愛宕「パンパカ……」

 

 

パーン!!

 

 

愛宕「痛っ……くはないわね……何するの提督!!」

 

勇人は夕張特製の『お仕置きスリッパ』を出し、ビックリ箱の中身みたいにトランクから飛び出てきた愛宕に向けて叩いた

 

勇人「何するの……じゃねぇよ!!オメェラ、何故来たんだ?」

 

勇人は眉をピクピクと痙攣しながら言うと高雄はブチギレ寸前の勇人に臆しながら説明した

 

高雄「ご……ごめんなさい……実は愛宕と摩耶が『一度でも良いから提督の家に行きたい』と言うもんで……」

 

鳥海「……ごめんなさい……姉さんと摩耶を止められなくて……」

 

摩耶「……悪ィ……つい好奇心で……」

 

瑞鶴「提督さんは黙って……勇人「アァ?」……ごめんなさい、ユージンが他の女を乗せていたので……」

 

勇人「嫉妬かよ……」

 

比叡「何か……その……ごめん惴鶴、私はそんなつもりじゃ……」

 

瑞鶴「分かっているわ……比叡さんが乗った時点で……」

 

愛宕「だって……」

 

高雄、摩耶、鳥海、瑞鶴は反省したのか罰の悪そうに少し俯き謝罪したが、愛宕に至っては反省していないのか、駄々をこねていると勇次は呆れながら勇人に言った

 

勇次「兄貴……一応替えのコートが3着しかないから、高雄ちゃん、摩耶ちゃん、鳥海ちゃんに渡してくれないか?あ、ズイチャンは俺のを着てくれ」

 

勇人「……分かった、今から本部に行くから粗相が無い様にな」

 

高雄 鳥海「ッ!?ありがとうございます!」

 

摩耶「サンキュー……ハックショイ!!」

 

瑞鶴「サーンキュ♪ユージン♪」

 

愛宕「……私の分は?」

 

愛宕は勇次と勇人に聞くと、二人は口を揃えて言った

 

上城兄弟「謝罪しない艦娘にはあげねぇよ」

 

一航戦 瑞鶴「ごもっともです」

 

金剛型4姉妹(……自業自得です)

 

三笠元帥「うわ……この寒い中、この兄弟は……鬼だわ……」

 

愛宕「うわぁぁん!!ごめんなさい!!こんな寒い中の移動は嫌よぉぉ!!」

 

赤城「……愛宕さん、最初から謝罪すれば良いのに……はい、私のですが貸してあげますよ」

 

愛宕が漸く謝罪すると赤城が着替えが入ったバックの中からコートを取り出し愛宕に貸した

 

愛宕「ありがとう!!」

 

上城兄弟「……泣けるぜ」

 

三笠元帥 瑞鶴(流石双子……口癖が一緒だ……)

 

その後、買い出しに行っていた三笠と合流し、勇人が経緯を説明すると、流石親子なのか『泣けるわ……』と呆れ、柏木達が居る金沢市へ向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現在 勇人の車内にて……

 

勇人「……という訳だ」

 

柏木「……同情するぞ」

 

金剛 加賀「狭い(デース)……しかも暑い……」

 

摩耶「……ごめんなさい」

 

柏木(……ってかボロボロの義手で良く運転出来るな……)

 

助手席に乗った柏木もまた呉の艦娘達の事で苦労しているのか勇人に同情し、ボロボロになった義手を着けた勇人の運転で一旦『神城会総本部』へ車を走らせた

 

ちなみに龍鳳は……

 

龍鳳「……良く私も含めて5人も乗れましたね……」

 

勇次「……ああ」

 

瑞鶴「うわ……」

 

比叡「ヒェェェェ!!狭い!!」

 

龍鳳「ごめんなさい比叡さん……」

 

愛宕「……狭い!!瑞鶴さん、交t……勇次「アァ?文句があるなら下ろすぞ!」……ごめんなさい」

 

瑞鶴「ヒェェェェ……ユージン、落ち着いて……」

 

比叡「瑞鶴!!それ私の台詞!!」

 

龍鳳(……流石双子……怒り方が似てますね……しかし、狭いです……)

 

勇次を見て何故か納得した龍鳳であった

 



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第37話「龍の恩義そして後悔 part 4」

勇人達が柏木と龍鳳を拾ってから 30分後 1900 蒼の艦隊のアジトにて

 

群像「チッ……」

 

銀髪の少女「群像、晩ご飯持ってきたよ」

 

群像「ありがとう『イオナ』」

 

群像はコンビニで買った袋を持った銀髪の少女『イオナ』に礼を言うと柏木と勇人による『宣戦布告』である情報戦での完敗そして武器や燃料、修復資材である『ナノマテリアル』そして『高雄』と『伊401』の設計図が盗まれた事に悔しいのか顔を顰めて言うと肌黒のラテン系の青年とオレンジ色の髪をした活発そうな10代後半の少女が勇人の情報戦に一杯食わされたのか苛立ちながら言った

 

ラテン系の青年「あー!!クソッタレ!!よりによって無線の相手が『佐世保の龍』本人だったなんて!!いおり!何故気が付かなかったんだ!!」

 

オレンジ色の髪の少女『いおり』「仕方ないじゃない『杏平』!!アンタ風邪引いていたじゃない!!」

 

ラテン系の青年『杏平』「ウルセェ!!此処は横須賀や硫黄島と比べて寒いんだよ!!」

 

ワーワー!!

 

ギャーギャー!!

 

 

タカオ「うるさい!!」

 

杏平 いおり「ッ!?」

 

タカオは二人の喧嘩を止める様に一喝すると二人は喧嘩を止め、タカオは苛ついている群像に聞いた

 

タカオ「艦長、早く此処を去って新しいアジトを見つけた方が……」

 

群像「……無理だ、二人を動かす為の燃料が無い……してやられたな」

 

杏平「全く……アイツらの『やり方』厭らしいんだよ」

 

タカオ「私達の頼みの綱は政府からの『軍資金』のみ……これで、どうアイツらに抵抗出来るのよ……」

 

某エンジニアみたいなヘルメットを被っている青年『僧』「……まさしく八方塞がりですね」

 

イオナ「……一つだけ良い方法がある」

 

イオナは無表情で答えると群像を初め蒼の艦隊全員が食い付いた

 

群像「ッ!?それは本当か!?」

 

イオナ「うん、これを見て」

 

イオナはモニターを展開し、とある艦娘の写真を群像達に見せた

 

群像 僧「な!?」

 

タカオ「え!?」

 

杏平 いおり「はぁぁ!!」

 

群像達はイオナが展開したモニターを見て絶句した

何故なら……

 

静「……わ……私!?」

 

イオナ「ううん、この世界の高雄型重巡洋艦『鳥海』のメンタルモデル……いえ『艦娘』の姿」

 

そう、モニターには鳥海が写っていたのだ

 

僧「成る程……お見合いの時に静が佐世保の龍と接触後、鳥海に変装して……」

 

イオナ「そう、お見合いが終わったら鳥海として侵入、そして上城勇人を捕獲すれば良い」

 

群像「……静、頼めるか?」

 

群像は静に聞くと、静は微笑みながら言った

 

静「勿論です」

 

静は群像の頼みに快く了承した

 

だが、忘れてはならない、この『作戦』は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 金沢市内のコンビニの駐車場にて

 

勇人「馬鹿過ぎるぞ……コイツら……」

 

金剛「ここまでStupid Team(お馬鹿集団)だったとは……」

 

加賀「プッ♪」

 

柏木「救い様の無い連中だったとは……笑いを通り過ごして呆れるぞ」

 

摩耶「……つーか、よくリアルタイムで敵の本陣……しかも作戦を盗み聞きするなんて……セコイ……」

 

勇人「何言っているんだ?これは情報収集の一環だ」

 

勇次「しかし、こんな奴らが俺達に喧嘩売っていたなんて……泣けるぜ」

 

Wオリ主以外全員「同感です」

 

柏木「ってか何時の間に勇人の妖精がアジトに?」

 

勇人「柏木達を拾う少し前にアジトを偵察していた時にな♪勿論『Aegis ver.2(女の姿)』で♪」

 

柏木「……抜け目ねぇな……んで、これからどうするんだ?」

 

勇人と柏木の妖精達が蒼の艦隊の目の前でドラマの撮影みたいに動画に収めていた為、勇人達にバレバレだったのだ

しかも勇人達は群像達の間抜けな姿に笑いを通り過ごして呆れていた

 

勇人「んー……ニヤッ♪」

 

柏木「……まさかだと思うが奴らの軍資金まで奪うつもりじゃ……」

 

柏木は自販機で購入した紅茶を飲み、勇人の悪巧みを察したのか、質問をすると勇人は悪魔の様な笑みを柏木に見せ、答えた

 

勇人「奪う『つもり』じゃなくて『奪うんだよ』♪勿論、あの『蒼の艦隊(おバカ集団)』に援助している『龍光会北陸支部の連中(ロリコンの変態足長親父共)』に天誅を下しにな♪まぁ先に『資金源』である『龍光会北陸支部の連中(在日集団)』を壊滅させる」

 

柏木「ゴホッ!ゴホッ!予想より斜め上な鬼畜な発言を言っちゃっているぞ!!オメェの兄貴は!?」

 

勇人の言葉に柏木は先程自販機で購入した紅茶を器官に入ったのか噎せ、勇次に聞くと、勇次は笑いながら言った

 

勇次「ん?まだ『甘い』やり方だ♪俺なら軍資金を奪い、龍光会を潰すだけではなく群像以外のメンバーを生け捕りにし、生け捕りにした奴らをトラウマを埋め付けs……柏木「これ以上言うな!!色々と問題になる!!」……誰も拷問や臓器売買、裏風俗に売る訳では無いのだが……」

 

龍鳳 一航戦 金剛型 高雄型「充分やり過ぎです!」

 

瑞鶴「……ユージン、せめて『裏社会』のやり方ではなくて『洗脳』して私達の駒として活動させた方が良いじゃないの?」

 

勇次「お♪それは良いな♪」

 

柏木及び艦娘達「良くねぇ(無い)!!」

 

三笠元帥「お姉ちゃん……あの二人にどんな『教育』をしたの?」

 

三笠「あれは……既に手遅れだったから……」

 

三笠元帥「上城元帥と結婚する前から既に出来上がっていたのか……」

 

勇人「まぁ取り敢えず総本部に戻らないと話が纏まらないから行くか……タバコも買ったし」

 

柏木「そうだな……しかし良かった、コンビニに手袋やニット帽が売ってて……」

 

龍鳳「そうですね……クシュン!!」

 

勇人達は車に乗り『総本部』こと『神城会総本部』に向けて車を走らせた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方 佐世保鎮守府付近の海辺にて

 

吹雪「えっほ……えっほ……」

 

睦月「吹雪ちゃんに桜花副司令、早いよ……」

 

夕立「ぽいぃ……」

 

長門「う……動きにくい……」

 

柏木側の艦娘達「砂浜のランニングはキツイ……」

 

優花「この位で根を上げないで!ほら!後少しだから!ファイト!!」

 

W吹雪「ファイト!!」

 

隼鷹「うげぇ……」

 

飛鷹「コラ!隼鷹!サボらないで!!」

 

蘭「ってか何故私まで……」

 

優花達は佐世保と呉そしてショートランドの艦娘達を連れてランニングをしていた

 

優花「よし!鎮守府までダッシュ……ん?」

 

吹雪「あれ?桜花副司令?どうかしたのですか?」

 

蘭「優花さん?」

 

優花「ちょっと待って………ッ!?嘘……」

 

優花は海辺に『何か』を見つけ、足を止めると吹雪を筆頭にランニングを止め、優花に聞くと、優花は走って、その『何か』に近付き、確認すると血相を変え吹雪達に伝えた

 

優花「みんな!!ランニングは中止!!人が……倒れている!明石と夕張は至急手当てを!!みんな!運ぶよ!」

 

艦娘達「はい!!」

 

そう優花は紫のドレスを着た金髪の女性と赤を基調としたゴスロリ風のファッションに身を包んだ茶髪の少女が海辺で倒れるのに気が付いたのだ

そして蘭もまた、海に停泊している物に気が付き、驚きながら言った

 

蘭「……優花さん……あれ……」

 

優花「蘭ちゃん?あれって……アイエェェェェェェ!?何で!?金剛型戦艦『金剛』に高雄型重巡洋艦『摩耶』があるのぉぉぉぉ!?」

 

蘭側の金剛「Wow……これが私の戦艦の姿……Beautiful……」

 

そう蘭が発見したのは第二次世界対戦で轟沈した筈の戦艦『金剛』と重巡『摩耶』が発見したことに……

 

蘭「まさか……信じられない……」

 

優花「……勇人君が言っていた最重要艦隊『霧の艦隊』のメンバー……取り敢えず彼女達を保護し終え次第、この二隻をドックに!!」

 

優花は彼女達と二隻の軍艦を保護活動に向かった

 

 

 

 

 

 

 

そう、これが切欠により『蒼霧事変』の引き金になるとは優花を初め勇人、柏木達はまだ知らなかった



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第37話「龍の恩義そして後悔 part 5」

どうも皆さん、うP主です
お知らせでもありましたが、小説のタイトルを変更しました
ちなみに変更したタイトルの和訳は『荒れくれ者の提督~黒から白へ~』という意味です
お手数をおかけしますがよろしくお願いします


コンビニを出てから30分後 1935 金沢市内のビル型駐車場にて

 

摩耶「あれ?此処ってエレベーター式の立体駐車場だよな……何故此処に?」

 

摩耶は本来『神城会総本部』行く筈なのに勇人達は立体駐車場に来た理由を聞くと、勇人の代わりに柏木が答えた

 

柏木「何故って……そりゃ総本部に繋がる『隠し通路』だからさ」

 

金剛「……police対策の為デスか?」

 

勇人「んな訳ねぇだろ、ただ単に楽だからさ♪」

 

柏木「確かに楽だったな♪」

 

加賀「柏木大将、ちなみに総本部は、どんな感じだったのではすか?」

 

加賀の質問に柏木は意地悪な微笑みで答えた

 

柏木「フフフ……まぁ見れば分かる……只、一言で言うと『F〇X hound』……いや『Diam〇nd D〇gs』顔負けの『要塞』だと言う事は言っておこうかな♪後、八意さん!伏せ字が仕事していないぞ!」

 

ハッ( ̄□ ̄;)!!本当だ……次から気を付けますby うp主

 

柏木「全く……」

 

勇人「メタい事を言うな……まぁ要塞ちゃ要塞だが……」

 

勇人は呆れると先頭に並んでいた勇次が大声で言った

 

勇次「今から入れるから決して『車から降りるなよ』!!今から向かうから!!」

 

柏木 勇人 赤城 三笠「分かった(了解です)!」

 

榛名「へ?」

 

高雄「どういう事?」

 

赤城「……榛名さんに高雄さん、しっかりシートベルトをして、捕まって下さい」

 

三笠「三笠、霧島に鳥海……シートベルトは……しているね」

 

三笠元帥 霧島 鳥海「……嫌な予感が……」

 

勇次「ズイチャン、愛宕、龍鳳ちゃん、比叡ちゃんもしっかり捕まっていれよ」

 

愛宕「何故私だけ呼び捨てなの!?」

 

瑞鶴「オッケー♪」

 

比叡「ヒェェェェ!!ちょっと待って……よし!!」

 

龍鳳「何だろう……この予感は……」

 

勇人「柏木に金剛、摩耶、加賀……ジェットコースターは苦手か?」

 

加賀 金剛「ジェットコースター?初耳です(デース)」

 

摩耶「遊園地のアトラクションの一つさ、まぁ私も乗った事が無いから分からないが……」

 

柏木「ん?ジェットコースターか?あんなモン俺や柏木隊の連中にとっては『ゆりかご』みたいなモンだが……それがどうかしたのか……まさか!?」

 

勇人「さて、みんな!シートベルトを忘れずにな♪」

 

赤城達は各同乗者達に忠告すると、86(三笠の車)を先頭にエレベーター式の駐車場に入り、FC(赤城の車)R-35(勇次の車)そしてVAB(勇人の車)の順に入って行くと……

 

 

 

 

 

ブォォン!!ブォォン!!

 

 

 

エレベーター作動中にも関わらず、いきなり全車両アクセル全開で暖気運転をし始めた

 

柏木「……みんな、はいポリ袋」

 

金剛「Why?何故ポリ袋が?察しました……Thank You!柏木大将」

 

加賀 摩耶「ありがとうございます……何と無く察しました」

 

そして隠し通路が現れるとエレベーターから降りて4台は一列に並んだ

 

柏木(……各コーナーにブレーキ跡……やっぱり……これは不味いな……特に俺や運転する勇人、勇次、赤城そして三笠教官以外の艦娘達が……)

 

隠し道路の幅ば三車線で結構広く、アスファルトにはブレーキ跡が残っていた

特にコーナーに……

 

柏木「確かにお前ん家の敷地内だから文句は言わないが……くれぐれも安全運t……勇人「着いたぜ♪さぁ!ショウタイムだ♪」……人の話をきけぇぇぇぇ!!!」

 

ブロォォォォン!

 

勇人が某魔法使いのライダーみたいな事を言うと、皆一斉にアクセル全開で運転し始めた

そう、勇人、勇次、赤城そして三笠は『違法ドリフトレース映画(ワイルドス〇ード)顔負け』のドライバーテクニックで各コーナーをドリフトしたり、NOS(ニトロ)を使って加速したりと『やりたい放題』に運転してた

 

此処からは各車両の運転シーンに分けます

 

 

三笠の車の車内では……

 

三笠「う―ん……やっぱりサスペンションは少し硬めが良かったのかしら……後、馬力が無いわ……」

 

三笠は自身の愛車の状態に不満を言うと、霧島は混乱しながら言った

 

霧島「ヒェェェェ!!ちょ!?三笠御姉様!?飛ばし過ぎるです!!」

 

三笠元帥「霧島!!『私も』三笠だから!!ん?鳥海は平気なの?」 

 

鳥海「……」

 

三笠元帥は白目を向いて気絶している鳥海を見て……

 

三笠元帥「……デスヨネー」

 

霧島「ちょ!?鳥海さん!?鳥海さーーーん!!」

 

三笠元帥は諦め、霧島は鳥海を起こそうとした途端、車がドリフトしながら右コーナーの外側の壁に向けて猛スピードで突っ込んで来た

 

三笠元帥「って!!お姉ちゃん!?ぶつかるぅぅぅ!!」

 

三笠「あらよっと」

 

三笠はアクセルを少し緩み、ハンドルを戻すとドリフト状態から立ち上がり、車は外側の壁ギリギリに寄り添う形に発進した

 

三笠元帥「ふぅ……心臓に悪い……霧島?」

 

霧島「きゅう~……」←気絶

 

三笠元帥「霧島ぁぁぁぁぁ!!!」

 

三笠「さぁ行くわよ♪」

 

三笠元帥「もう止めてぇぇぇぇ!!」

 

三笠元帥の悲鳴が車内響き渡ったのは言うまでもなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方 赤城の車の車内では

 

高雄「ヒェェェェ!赤城さん!!止めてぇぇぇぇ!!」

 

榛名「凄い……あんな無茶な運転でも紅茶が零れないなんて……赤城さん!貴女は某豆腐屋のハチロク使いですか!?」

 

高雄は赤城の運転に絶叫し、助手席に座っていた榛名はコンビニで買った紅茶を飲みながら言うと赤城は微笑みながら言った

 

赤城「それは『ある意味』貴女が合っていると思いますが……まぁ、この運転技術は提督から『しごかれた訓練』の賜物ですから……やっぱり皆さん速いですね……」

 

榛名「……デスヨネー……あ!?赤城さんも紅茶、飲みますか?」

 

赤城「あ♪ありがとうございます♪」

 

高雄「呑気に紅茶を飲んでいる場合ですかぁぁぁぁぁ!?」

 

高雄のツッコミが車内に響き渡りつつFCはそのまま総本部に向けて猛スピードで走らせた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方 勇次の車の車内では

 

比叡 愛宕「………」←気絶

 

瑞鶴「あらら……やっぱりオチたわね……」

 

龍鳳「そうですね……しかし勇次さん、皆さんとは違い『ドリフト』しないのですね」

 

龍鳳は気絶している二人を心配しつつ勇次に聞くと、勇次の代わりに瑞鶴が答えた

 

瑞鶴「しないのではなく『出来ない』の……元々この車はサーキット……ドリフトには不向きの競技用の車だから……」

 

勇次「いや、出来る事は出来るが……」

 

瑞鶴 龍鳳「出来るの!?」

 

勇次「ただ……オチた二人が車内でゲロを吐かれちゃあ困るからな」

 

瑞鶴 龍鳳「デスヨネー……」

 

二人は勇次の言葉に納得し、勇次はドリフトしない運転走行『グリップ走行』をしながら総本部に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、勇人の車の車内では……

 

金剛「Wow♪」

 

摩耶「ヒャッハー♪」

 

加賀「気分がノッて来ました♪」

 

柏木「ノリノリだな……後、摩耶、お前は隼鷹か……」

 

勇人「あれ?意外と大丈夫そうだな?てっきり直ぐに気絶するのかと思ったぞ」

 

柏木「……俺もだ……ってか分かりきっていたのなら最初から余裕を持って安全運転をしろよ!!後、運転上手すぎだろ!!四駆でドリフトなんてラリーのレーサーしか出来ねぇ事を平気でやりやがって!!しかも義手で!!」

 

二人は後ろの三人の様子を見て意外な反応に少し反応に困った様子で言うと、勇人は笑いながら言った

 

勇人「んなもん馴れれば大した問題では無ぇよ……後、こう見えて、かなり『余裕』のある運転だが?」

 

柏木「……お前なぁ……」

 

勇人「それに柏木も人の事が言えねぇだろ?『ロッソ』と『TOYOTA MIRAI』を買ったそうじゃないか」

 

柏木「何故知って……あ、そう言えばMIRAIはお前ん家に止めてあるんだったな……忘れてた……」

 

勇人「自分の車だろ……さて!もういっちょ!!」

 

柏木「……やれやれ」

 

柏木は諦めたのか勇人の運転に身を任せた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃 佐世保鎮守府 勇人のプライベートルーム兼医務室にて

 

金髪の女性「……」

 

茶髪の少女「……」

 

Pi……Pi……

 

明石「……心拍数平常、外部の損傷は無い……そっちは?」

 

夕張「……アレはスクラップ寸前だけどね……よく動けたモノだね……」

 

蘭「全くだ……まぁ大事にならなくて良かったが……」

 

コンコン……

 

優花「明石ちゃんに夕張ちゃん、蘭ちゃん……二人の様子は?」

 

明石と夕張そして蘭はベッドに寝ていた二人に付けた『心拍計量装置』を確認、カルテに書き下ろしていると二人の事が心配していた優花が水が入った桶とタオルを持ってきた

 

明石「優花さん……二人は気を失っているだけなので問題は無いのですが……」

 

夕張「戦艦『金剛』と重巡『摩耶』は大破……というより轟沈(スクラップ)になっても可笑しく無い『酷い』状態よ……」

 

蘭「正直言って兄さんじゃないと直せない位の損傷の酷さ……だからな」

 

優花「……そこまで酷いんだ……」

 

優花は桶を床に置き、タオルを桶の水を吸い込ませ、絞り、それを金髪の女性の顔を優しく拭きながら言うと……

 

 

金髪の女性「うぅ……こ……此処は……」

 

優花「ッ!?気が付いたのね!?此処は佐世保鎮守府の医務室よ」

 

金髪の女性「佐世保……日本か……お前は誰だ……」

 

金髪の女性が目が覚め、優花に質問すると、優花は金髪の女性に分かりやすく、ゆっくりとした口調で答えた

 

優花「私は桜花優花……ここの副司令兼カウンセラーよ、貴女は?」

 

金髪の女性改め『コンゴウ』「私は……『霧の艦隊 第一巡航艦隊旗艦』の『コンゴウ』だ……そして隣に寝ている奴は『マヤ』だ……」

 

明石 夕張「ッ!?」

 

優花はコンゴウの言葉に「……やっぱり」と呟くと明石と夕張は警戒したのか艤装を装着すると蘭が二人を鎮める様に二人の前に手を出して静止させた

 

蘭「……敵意は無いようだな」

 

コンゴウ「ふっ……当たり前だ、千早群像……いや『蒼き艦隊』とは敵同士だからな……それに、この世界で世話になった『ある人達』との『約束』があるからな」

 

優花「約束?一体誰と約束したの?」

 

優花はコンゴウの意味深な発言に質問するとコンゴウは一呼吸置いて答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンゴウ「……海軍元帥『上城一馬』そして蒼白龍『上城勇人』の亡き姉でもあり呉の虎『柏木疾風の同期』そして元海軍大尉『上城蘭花』と約束したからな」

 

 

コンゴウは静かに、そして重い口調で言った

 

蘭「ッ!?父さんと姉さんが!?」

 

優花「え!?上城元帥が……ってか勇人君に『お姉さん』!?」

 

優花は初耳だっただろうか驚愕すると蘭は勇人の亡き姉『蘭花』について説明した

 

蘭「ああ……姉さんは元々身体が弱かったんだ」

 

優花 明石 夕張「ッ!?」

 

蘭「……そして当時軍医の卵だった兄さんは衰弱しきっていた姉さんを兄さん自身の身体に鞭を打ってまで姉さんを治療し続けていたんだ……だが……」

 

コンゴウ「……懸命の治療も報われず亡くなった……私も今さっき『この世界』で検索して知ったんだ」

 

コンゴウの言葉に蘭は思い出したのか俯き、少し泣きながら言った

 

蘭「……私も初めて見たな……あの時の兄さんが叫ぶ位の悔し泣きをしていたことに……」

 

コンゴウ「心中……察するぞ」

 

蘭「……敵に情けを掛けられるとは……私も『まだまだ』だな」

 

蘭は悲しそうに言うとコンゴウは涙を拭いている蘭に言った

 

コンゴウ「……いや、先ほど言ったが私達『霧の艦隊』は貴女達の事を敵として認識していない……私個人、彼女の恩を返す為に龍虎の艦隊と『連合艦隊』を組まないか?」

 

蘭 優花 夕張 明石「ッ!?」

 

そう、それは『霧の艦隊』が龍虎の艦隊……勇人と柏木の艦隊と手を組む事だったのだ

 

優花「ちょ!?ちょっと待ってて!!今勇人君に電話するから!決めるのは『その後』で良いかな?」

 

コンゴウ「あ……ああ」

 

優花はコンゴウの発言に吃驚しつつ勇人に電話を掛けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 神城会総本部 隠し通路 勇人の車の車内にて

 

ブーン!!ブーン!!

 

柏木「ん?電話なっているぞ?」

 

勇人「誰からだ?」

 

勇人は隣に座っている柏木に聞くと、柏木は勇人のスマホの画面を見て答えた

 

柏木「優花からだ……出て良いか?」

 

勇人「頼む」

 

柏木は電話に出ると優花が焦った口調で言った

 

優花「勇人君!!大変!どうしよう……」

 

柏木「優花、柏木だ……アイツは今運転中だから電話は出れないんだ……言いたい事が有ったら伝えておくぞ」

 

優花「柏木大将!?実は……佐世保に霧の艦隊がやって来たの……」

 

柏木「ふーん……はぁ!?」

 

勇人「どうした柏木?」

 

勇人は柏木が驚いた様子を見て質問すると、柏木は優花の不測事態の内容を簡潔に説明した

 

柏木「勇人……よーく聞けよ……霧の艦隊が佐世保に来たんだ」

 

勇人「………マジで?」

 

優花「本当だよ!!しかも『連合艦隊』……手を組もうって……」

 

柏木「って事は敵意は……」

 

優花「無い無い!!」

 

勇人「……柏木」

 

勇人は柏木に言うと、柏木は察したのか自身のスマホで操作し始めた

 

柏木「……分かった……現時刻をもって霧の艦隊は『友軍』として扱う……と……そして大本営に送信っと」

 

勇人「聞こえたか?優花、歓迎してやれ……」

 

柏木は優花に聞こえる様にデータの内容を言うと優花は「分かった!」と答え、電話を切った

 

柏木「……しかし霧の艦隊が仲間として参入するとはな……」

 

勇人「全くだ……まぁ彼方さんの考えは分からないが、利用出来る物は利用するさ」

 

柏木「……これが吉と出るか凶と出るか……」

 

二人はそう考えながら総本部へ向かった

だが二人は失念していた……この通話は……

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 蒼き艦隊のアジトにて

 

イオナ「上城勇人の電話の逆探知完了、今から音声を流します」

 

群像「頼む」

 

杏平「さて!いよいよ龍の原始人に仕返しが出来るな♪イオナ、早く聞かせて!」

 

イオナ「ガッテン」

 

イオナは先程の勇人、柏木そして優花の会話を流すと蒼き艦隊全員が驚愕した

 

群像「チッ!?アイツら……」

 

杏平「ちょ!?霧の艦隊と組んじゃった訳ぇ!?」

 

僧「これは不味いですね……今捕られた資材等を彼女達に渡ったら……」

 

いおり「……全滅待ったなしだわ……」

 

金髪のツインテールの少女『ハルナ』「……どうする」

 

群像「……予定変更だ!今すぐ佐世保の龍……上城勇人を……仕留める!」

 

 

 

 

蒼き艦隊に盗聴されていた事に……



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第37話「龍の恩義そして後悔 part 6」

蒼き艦隊に逆探知されてから数分後 隠し通路 出口にて

 

三笠「おっ!見えてきたわ♪」

 

勇次「……良かった、コイツらが吐かなくて」

 

赤城「……皆さん、速いですね……着いていくのに精一杯でした」

 

勇人「……やっと我が家だ」

 

各ドライバーは出口が見えた事に安堵した

 

一方 各車内では……

 

三笠元帥「うっぷ……」

 

霧島 鳥海「や……やっと……着きました……」

 

榛名「私も提督に頼んで人間の戸籍を取ろうかな……」

 

高雄「……生きた居心地がしませんでした」

 

愛宕「……うっぷ」

 

比叡「……吐きそう」

 

瑞鶴「止めて!!」

 

龍鳳「私達まで被害が来ますので!!」

 

金剛「んー♪It's exciting♪面白かったデース♪」

 

摩耶「なぁ提督!もう一回!」

 

加賀「久々に弾けました♪」

 

柏木「……呑気なモンだな」

 

各車内で多種多様な感想を述べると、出口から……

 

ゾロゾロ……

 

三笠元帥 瑞鶴「ヘアッ!?」

 

高雄型「嘘!?」

 

金剛型 龍鳳「凄い……」

 

柏木「ヒュー♪流石に組員、メイド達全員でお出迎えとは……圧巻だな」

 

そう、出口門から実家『神城会総本部』までの道の両側の縁には黒いスーツを着た神城会組員そしてメイド達全員で綺麗に整列し、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

組員達「お帰りなさいませ!三笠の姉さん!!赤城の姉貴!!次期会長!!若!!『虎の兄貴』に龍鳳さん!そして、いらっしゃいませ佐世保の艦娘達の皆さん!」

 

メイド達「お帰りなさいませ!奥様!赤城様!勇次様!若様!柏木様!龍鳳様!そして歓迎します佐世保の艦娘達の皆様!」

 

神城会組員そしてメイド達全員で勇人達に対して頭を下げて出迎えてくれたのだ

その姿は正しく『圧巻』の一言である

 

金剛「……Beautiful」

 

摩耶「うわ……ってか!?何で敷地内に対空砲や攻撃ヘリ(アバッチ)F-22(ラプター)そして色んな戦車があるんだよ!!」

 

そして敷地内には対空砲や攻撃ヘリ、戦闘機そして色んな種類の戦車等が配置されており、正しく『要塞』となっていた

 

勇人「ん?裏社会では当たり前の事だが?」

 

勇人は、然も当たり前の様に言うと柏木は勇人の発言に呆れながら言った

 

柏木「……それはお前の所だけだ……普通のヤクザの事務所は無いぞ」

 

勇人「なん……だと……」

 

柏木「これは警察が此処をガサ入れするのを拒む訳だ……ヤバすぎる」

 

柏木は納得すると家の前で1人のメイドと執事が待っていた

 

メイド 執事「お帰りなさいませ奥様、赤城お嬢様、勇次様、柏木様、龍鳳様そして御主人様……お待ちしておりました」

 

勇人「おう、ただいま『咲夜』に『博和』」

 

赤城「只今戻りました」

 

柏木(何か『時間を止め』そうなメイドだな……後、後ろの執事……何処かで……)

 

柏木が、そう思うのは無理では無かった

何故なら、そのメイドの姿は某『時間停止』行うメイドに瓜二つで、彼女の後ろに立っている執事もまた某『悪魔な執事』に瓜二つだったのだ

 

金剛「テートク!このcool beautyなmaidは誰デスか!?テートクの趣味デスか!?」

 

執事改め『博和』「ええ♪これは若様である勇人様の趣m……勇人「オイコラ、俺はノーマルだ!それとアイツらに変な誤解を与えるの止めろ!」……これは失礼しました♪」

 

金剛はメイドのイメージを悪く捉えていたのか、声を荒げると勇人の代わりにメイドである『咲夜』が答えた

 

メイド改め『咲夜』「お初目に掛かれます金剛様、(わたくし)『勇人様と赤城様』専属のメイド長『五十嵐 咲夜(いがらし さくや)』と申します。そして……」

 

博和「屋敷内全てのメイド、執事達を運用そして今回、柏木様御一行の専属執事を担当します『水嶋 博和(みずしま ひろかず)』と申します」

 

柏木「ッ!?やっぱりそうか……」

 

龍鳳「提督?どうかしましたか?」

 

龍鳳は二人が自己紹介をすると柏木は何かを思い出し、納得するのを見て質問をすると柏木は少し気まずそうに答えた

 

柏木「……勇人、この人……水嶋さんは本来お前の『義理の兄貴』になる筈の男だろ」

 

勇人「……って事は『姉貴』の事を知っているのか?」

 

金剛型 高雄型 一航戦 瑞鶴 龍鳳「ッ!?」

 

勇次 W三笠「……」

 

勇人は柏木の質問に肯定するかの様に質問で返すとW三笠以外の艦娘達は驚愕し、柏木は勇人の質問に答えた

 

柏木「……当たり前だ、アイツとは海軍学校時代の『同期』だからな……これで納得したぜ、生前、蘭花が、よく『物凄く荒れてはいたが最高に出来た弟』の事……お前の事を耳に蛸が出来る位、自慢話を聞かされたからな……そして当時、蘭花の『婚約者』だった水嶋さん……アンタの事もな」

 

勇人 博和「……」

 

金剛「生前……って事はテートクのbig sister(御姉様)は……」

 

勇人「……四年前に病死した……俺が……軍医として無力だったせいで……」

 

柏木以外全員「……」

 

勇人は思い出したのか、血が出る位こぶしを強く握り、俯くと、柏木は勇人に呆れ、答えた

 

柏木「バーカ、お前は何を言っているんだ?今のお前は『四年前』のままか?違ぇだろ!俺と同じ『力』があるだろうが……今の情けない姿を蘭花が見たらどうなる?親父さんと同じ『龍』の異名は伊達なのか?過去の事を思い返すのは良いが餓鬼みてぇに『引き摺る』のは止めろ!お前らしくも無ぇ!!」

 

勇人「ッ!?」

 

最初は呆れてた柏木だが、熱が籠ったのか徐々に口調が強くなり勇人に怒鳴る様に言うと、勇人は目が覚めたのか何時も通りの口が悪く、荒々しい口調で答えた

 

勇人「それもそうだな……確かに、俺らしくも無ぇな……ありがとうな」

 

柏木「なぁに、気にすんな♪さて水嶋さん、俺達が泊まる部屋に案内してくれないか?」

 

水嶋「……分かりました、そして『義理の弟』を一喝して頂き、ありがとうございます」

 

柏木「フッ……何、アイツの兄弟分として『当たり前』な事をやったまでさ」

 

水嶋「それでも……蘭花の夫として……上城家の人間として本当にありがとうございます」

 

柏木は微笑みながら博和に答えると赤城は暗くなった場の雰囲気を明るくする為に笑顔で言った

 

赤城「提督、この任務が終わったら皆さんで蘭花さんの墓参りに行きませんか?」

 

金剛「oh!good ideaデスね♪」

 

比叡「はい!比叡!気合い!入れて!お供え物の花を準備します!」

 

榛名「比叡御姉様!榛名も手伝います!」

 

霧島「私も御供します!」

 

高雄「提督、蘭花さんが生前、大好物だった物を教えて下さい!」

 

愛宕「あら♪高雄って料理が出来るの?」

 

摩耶 鳥海「姉貴(姉さん)が……止めた方が……」

 

高雄「二人共!それ、どういう意味!?私だって出来るわ!」

 

瑞鶴「私も手伝う!」

 

加賀「手伝う以前に料理出来るの?」

 

瑞鶴「ウグッ!?それは……ユージン……助けて……」

 

勇次「ごめん、俺も料理出来ないんだ」

 

龍鳳「私も手伝いますので大丈夫ですよ♪」

 

加賀「それならお願いします」

 

勇人「お前ら……ありがとう」

 

勇人は赤城や金剛達の言葉に感謝をすると、1人の組員が走って近付いてきた

 

組員「大変です!蒼き艦隊が……此方へカチコミを掛けてきます!!」

 

勇次 艦娘達「ッ!?」

 

勇人「何だと!?数は?」

 

組員「1人……『タカオ』です!」

 

柏木「勇人、艤装は?」

 

柏木は勇人に聞くと、勇人は三笠の車のトランクから艤装を柏木に見せながら答えた

 

勇人「この通り……持ってきた!」

 

柏木「よし……なら!」

 

柏木は艤装を展開しようとした途端、勇人は柏木を止める様に強い口調で言った

 

勇人「柏木!艤装を展開するな!俺達の『奥の手』を見せる訳にはいかないからな!」

 

柏木「……それもそうだな、俺達が餓鬼相手にムキになることは無いな、赤城、龍鳳……頼む」

 

赤城「分かりました!では……」

 

艦娘全員「艤装展開!!」

 

勇次「テメェラ!直ちに武装し、蒼き艦隊を追っ払え!!」

 

組員全員「はい!!」

 

メイド達「畏まりました!」

 

勇次の言葉に艦娘や神城会組員そしてメイド達総出で蒼き艦隊を撃退しに正規の出入口付近で武器を構えた

 

そして……

 

 

 

ドカーン!!

 

 

 

 

タカオが爆薬を使って出入口の門を破壊し、勇人を探すかの様に周囲を見渡すと見付けたのか、見付けた方向に身体ごと向け、走って近付いて来た

 

タカオ「……いた!上城勇人!!」

 

だがタカオは誤算していたのだ

タカオが見付けたのは……

 

勇次「俺ぇ!?」

 

そう、勇次だったのだ

タカオは勇次に向けて飛び蹴りをしようとしたが……

 

瑞鶴「ッ!?ユージン!高雄さん!!」

 

高雄「任せて!フン!!」

 

ドカッ!

 

タカオ「ガハッ!!」

 

高雄は遠く離れた瑞鶴に言い、側にいた勇次に近付き、タカオの飛び蹴りを捌き、投げ飛ばすとタカオは地面に叩き付けられ踞っていた

 

タカオ「ウグッ……アンタは確か……艦娘の『高雄』……」

 

高雄「馬鹿め!と言って差し上げますわ……さぁ!貴女の大将を出しなさい!」

 

高雄は倒れているタカオに主砲を向けタカオを脅すと、タカオは笑いながら言った

 

タカオ「ふ……アハハハハハ!これは傑作だわ!」

 

高雄「何が可笑しいの!?」

 

高雄はタカオが大爆笑しているのを癪に障り、怒鳴り付けるとタカオは高雄に笑いながら言った

そう『勝利が確定』したかの様に……

 

タカオ「……いや、アンタ達が、あまりにも間抜けだったとは……」

 

勇人「ッ!?高雄!勇次!危ない!!」

 

勇人は上空に『ある物』を発見すると高雄と勇次を突き飛ばした

 

ドカッ!!

 

高雄「キャッ!て……提督!?」

 

勇次「兄貴ィ!!」

 

柏木「二人共!大丈b……なんじゃこりゃーーーーー!!」

 

金剛型 龍鳳 高雄型「え(What's)!?」

 

W三笠「ヤバ……」

 

一航戦「提督!?」

 

咲夜「アイツ……軍艦『高雄』の主砲で……御主人様!お逃げ下さい!!」

 

そう、上空に蒼き艦隊の軍艦『高雄』の主砲『20.3連装砲』が現れたのだ

 

タカオ「わざわざ自ら殺されに来るとは……拍子抜けよ!」

 

タカオは落胆しつつ、主砲を操作し勇人に向けられた

そして……

 

タカオ「死になさい!」

 

勇人「……仕方ねぇ!艤装展開!!荷電粒子砲(レールガン)発射!」

 

ドン!!

 

ドカーン!!

 

勇人「ウグッ!!」

 

タカオ「キャッ!!」

 

勇人は直ぐに艤装の一部である電磁砲のみ展開し、双方が同時に発射すると、2つの弾が当たり、上空で爆発し、爆風でタカオが吹き飛ばされた

 

勇人「艤装解除……危なかった……被害が無くて……」

 

タカオ「クッ……今のは一体……『何処から』撃ってきたの!?」

 

勇人は直ぐに艤装を解除し、被害が無い事を確認し、安堵した

 

柏木(あの馬鹿、無茶しやがって……幸いタカオは気付いていなかったのは不幸中の幸いだったな)

 

勇人「さぁ!お前達の目的は何だ?俺の命か?金か?復讐か?早く答えろ!!クソガキ!!」

 

柏木「いやいや、流石に復讐は無ぇから……」

 

勇次(……ナノマテリアルに浸食魚雷を盗んだ件の事じゃねぇのか?)

 

柏木(あ!?そっちね……そして、始まったな)

 

勇次(……ああ)

 

勇次 柏木(兄貴(勇人)の『会話術(脅迫尋問)』が……)

 

勇人は殺気に満ちた表情でタカオに近付き、聞くとタカオは先ほどとは、うって変わって絶望し、勇人の殺気に怯え、半泣きになり、恐怖に怯えた表情になっていた

 

タカオ(ヒッ!!……こ……殺される!!)

 

勇人「早く答えんか!!」

 

タカオ「ヒッ!?」

 

三笠(あ、流石に気絶しないか……)

 

三笠元帥(こ……怖ぁ!!)

 

組員達「ヒィッ!!」

 

メイド達 龍鳳「ヒェェェェ!!」

 

比叡「メイドの皆さんに龍鳳さん!それ!私のセリフ!!」

 

摩耶「……提督、怒りたい気持ちは分かるが落ち着けって!」

 

摩耶が勇人を落ち着かせる為に近付いた途端

 

ブロォォォン……

 

勇人 柏木「ッ!?摩耶!こっちに来るな!!」

 

摩耶「へ?」

 

ギャャャャ!

 

摩耶「うわっ!?」

 

二人は何者かが車で近付いて来るのを察し、摩耶に怒鳴ると、破壊された正門から車『ヒュンダイ ジェネシス』が猛スピードでタカオに近付き、ドリフトで駐車し、そして……

 

群像「タカオ!大丈夫か!!早く乗れ!!逃げるぞ!!」

 

タカオ「艦長!?分かった!!」

 

群像は助手席のドアを開け、タカオに言うと、タカオは急いで車に乗り、ドアを閉め、この場から去ろうとしたが……

 

勇人「ッ!?待ちやがれ!!」

 

柏木「待て!ここは逃がしてやれ!先に『やる事』があるだろ!!」

 

勇人「……チッ!」

 

勇人は逃げようとする群像達の車の上に乗ろうとしたが柏木に止められ、群像達を逃がしてしまった

 

金剛「テートク!!Are you ok?」

 

勇人「大丈夫だ、問題無い……他に被害は?」

 

金剛は勇人を心配すると、勇人は悔しそうに答えると比叡が勇人に申し訳無さそうに言った

 

比叡「正門以外の施設の損傷は無く、私達や組員そしてメイドさん達は無事ですが……司令の車が……」

 

勇人「俺の車がどうした……って!?」

 

勇人は自身の愛車を見て嘆いていた

何故なら……

 

鳥海「……うわ……」

 

摩耶「これは……」

 

柏木「廃車確定だな……こりゃ……」

 

勇次「車が炎上している……」

 

勇人の車だけタカオの攻撃により、炎上していたのだ

 

勇人「ちょ!?誰か消火器を持ってこい!!」

 

勇人は急いで消火し、数分後、火が消え、焼け焦げた車が現れ、廃車処分をしなざるを得なかった

そして……

 

勇人「……アイツらに『生き地獄』を見せてやる」

 

愛車は鎮火したが勇人の怒りが炎上し出したのは言うまでも無かった



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第37話「龍の恩義そして後悔 part 7」

勇人がタカオに車を壊されてから数分後 佐世保鎮守府にて

 

コンゴウ「……佐世保の龍と呉の虎は何と言ってた?」

 

優花「『歓迎する』と言ってた」

 

コンゴウ「フッ……そうか、宜しくな優花そして蘭」

 

優花「宜しくね、コンゴウさん」

 

蘭「……宜しく」

 

蘭(うぅ……どうしてこんな事に……あの馬鹿兄貴達は……荷が重すぎるぞ……後で胃薬を探すか)

 

明石 夕張(……同情します上城少尉)

 

コンゴウと優花は微笑みながら会話すると、マヤはコンゴウの会話を聞いて疑問を抱いたのかコンゴウに聞いた

 

マヤ「ねぇコンゴウ……『龍』『虎』そして歓迎ってどういう事なの?」

 

コンゴウ「マヤ、私達『霧の艦隊』は佐世保の龍と呉の虎……上城勇人と柏木疾風と手を組むことになったんだ」

 

マヤ「ッ!?何でまた!?ってか、そんな事をしたら……」

 

マヤはコンゴウの独断で決めた事に不服があるのか、声を荒げると、コンゴウは『事の重大さ』に気付いた上での『独断』なのか、はたまた『それ』以上に勇人の姉との恩義が『最優先事項』として判断したのか、涼しい顔で答えた

 

コンゴウ「大丈夫だ、呉の虎が私達の身の安全を確保するために手配してくれた……それに……」

 

マヤ「それに?」

 

コンゴウは一呼吸置いて答えた

 

コンゴウ「『Admirality code(アドミラリティーコード)』が、もし四年前と同じ世界に漂流したら『龍と虎』に全面的に協力しろと命令されたんだ……まぁ『それ』が無くても私は彼女……一馬と蘭花の恩義を返す為に命令を無視し『彼女達の兵器』として協力するつもりだが……」

 

マヤ「……はぁ……分かったよ、もう……」

 

優花「ちょ!?ちょっと待って!?さっきから何を言っているの!?アドミラリティーコード?私達に分かりやすく説明して!」

 

蘭「……それに兵器とは聞き捨てにならないな」

 

マヤはコンゴウの説明に呆れ、了承すると優花はコンゴウが発した言葉に優花は焦り、蘭はコンゴウ達が自身の事を『兵器』と軽視した事に怒っているのか、ドスの効いた重い口調で聞くとコンゴウは二人に説明した

 

コンゴウ「アドミラリティーコードとは、その名の通り『命令書』みたいな物だ……それと『兵器』は私達の世界では『戦士』の比喩表現みたいな物だ……現に私達は軍艦を精霊化した艦娘とは違い、元々は軍艦を電子的に『人間』として再構築したものだから、その名残だ」

 

コンゴウは優花達に分かりやすく説明すると二人は納得し、答えた

 

優花「……何かSFチックな世界だね……勇人君や柏木大将が警戒する訳だわ」

 

蘭「分かった……だが彼女達に『兵器』という言葉を使うのは止めてくれないか?此処は元々、前提督に虐げられ、悪い意味で『兵器』と言われていたからな」

 

コンゴウは蘭の御願いに「分かった」と返事すると明石がコンゴウ達に『ある事』について聞いた

 

明石「あ!?そう言えばコンゴウさんにマヤちゃん、何故、私達の世界に漂流されたの?」

 

夕張「勿論、貴女達の軍艦が『轟沈(スクラップ)』寸前の状態の理由もね」

 

コンゴウ「……分かった」

 

二人の質問にコンゴウは俯きつつ、答え、事の経緯を説明し始めた

 

コンゴウ「事の発端は、この世界の政治団体『龍光会』が四年前の『漂流事件』を再現するために当時、私達そして保険の為に蒼の艦隊を呼び起こした事が切欠だと言うのは知っているな?」

 

明石「ええ……え!?」

 

夕張「龍光会!?龍光会って提督が龍光会の幹部の1人でもあり、K国の将軍を殺した……あの龍光会!?」

 

優花「……それで、龍光会の連中は何故、四年前の事件を再現するの?」

 

優花は何故、龍光会が四年前の事件を再現する理由をコンゴウに聞くとコンゴウは淡々と優花の質問に答えた

 

コンゴウ「それは『将軍殺しの龍』つまり蘭花の弟である上城勇人を抹殺するために私達を呼び寄越したのだ」

 

マヤ「勿論、私達はアイツらの命令を断ったよ」

 

コンゴウ「……だが奴らは『我々の命令に従わなければ死あるのみだ』と言って……後から来た『蒼の艦隊』と奴らの総攻撃で……この様だ」

 

蘭 優花 夕張 明石「……」

 

コンゴウ「しかも奴らに『ナノマテリアル』や『浸食魚雷』等のあらゆる資材を盗られ、その資材を蒼の艦隊に……だから、私達が生き延びる為に佐世保まで撤退してきたんだ」

 

マヤ「……ナノマテリアルがあれば……」

 

二人は龍光会と蒼の艦隊の連合艦隊に轟沈寸前まで追い込まれ悔しいのか、はたまた恩義を返す事が出来なかった自分達が情けなかったのか、震えながら握り拳を作り、顔を歪み、経緯を説明すると明石、夕張、優花そして蘭は『この問題』の解決策を出す為に考え始めた

 

明石「うーん……ナノマテリアルねぇ……その『ナノマテリアル』の成分や性質が判れば……」

 

夕張「あるいは『それ同様』の資材があれば……」

 

優花「……それ以前にアレを応急処置が出来る技術があれば……」

 

蘭「……かと言って兄さん達が蒼の艦隊から奪回するのは難しい」

 

マヤ「……」

 

コンゴウ「奪回……そうだ!蘭!優花!さっきアイツ……上城勇人と連絡してたよな?」

 

コンゴウは蘭の言葉を聞いて思い付いたのか、二人に確認するかの様に質問すると二人は頭を縦に振るとコンゴウは二人に『とある事』を御願いした

 

コンゴウ「なら、その『スマホ』だったな……ちょっと貸してくれないか?」

 

優花「え?私ので良かったら別に良いけど何するの?」

 

優花はコンゴウにスマホを渡し、画面を開き、操作し始めた

 

マヤ「ちょ!?コンゴウ!今電話すると、アイツらに盗聴されちゃうよ!!」

 

マヤはコンゴウに忠告する様に怒鳴るとコンゴウはマヤの言葉を無視し、そして……

 

ブォン……

 

コンゴウ「……チッ!?マヤ、既に手遅れだ……盗聴されていたとはな……」

 

優花 蘭 明石 夕張「ッ!?何じゃこりゃ!?ハイスペック過ぎる!?正しくSFの王道みたいな装置は!?」

 

コンゴウの体に茨の様な模様が現れ、発光し、コンゴウを囲む様に大量のモニターが現れた

 

コンゴウ「ふむ……この男が上城勇人か……やはり雰囲気は蘭花に似ているな……いや、どちらかと言うと千早群像にも似ているな……」

 

マヤ「……って!?これ盗撮じゃないの?何故上半身裸になっている佐世保の龍が写っているの?」

 

優花「違うわよ!!偶々視界に入っただけよ!」

 

夕張 明石「優花さん!!その画像!言い値d……蘭「青葉か!お前らは!!んなもん削除だ!!柏木大将達に見られたらどうするんだ!!」……そんなぁ……」

 

コンゴウ(……優花を見ているとタカオと被るな……)

 

ガチャ!

 

青葉「呼びましt……何じゃこりゃ!?」

 

蘭「呼んでない!さっさと出ていけ!」

 

青葉「なら!何かコメンt……蘭「あぁ?」……ごめんなさい、直ぐに出て行きます」

 

ガチャ……

 

マヤ「ねぇ蘭、今のは……」

 

蘭「……後で説明する」

 

蘭は青葉を追い出すと、コンゴウは優花のスマホを使って逆探知や蒼の艦隊からサイバー攻撃されてないかチェックしつつ、スマホの中を検索していくと……

 

コンゴウ「……ん?何だ?この『ハヤチャン』にハートマークは?」

 

優花「ッ!?」

 

明石 夕張「ゆーうーかーさーん!」

 

蘭「お前達も人の事が言えないだろ……多分それが兄さんの電話番号だ」

 

コンゴウ「……分かった、盗撮されない様に妨害処置して……完了だ」

 

コンゴウは大量のモニターから盗撮妨害するデータ……言わば『ジャミング機能』を付けたデータを優花のスマホに入れ込む様に手でスライドさせ、データをスマホにインプットさせ、そのまま勇人に電話をし始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 神城会総本部 渡り廊下にて

 

途切れた息の根を~♪汚れた世界を繋ぎ止めて~♪

 

勇人と赤城、水嶋そして咲夜は柏木達が泊まる部屋を案内している最中、勇人のスマホが鳴っていた

 

咲夜「ん?御主人様、お電話ですよ」

 

金剛「早く出た方が良いネー♪」

 

勇人「……またか」

 

Pi♪

 

勇人はスマホの画面を見て優花だと知り、呆れながらも電話を出た

 

勇人「……どうした優花?何かトラブったのか?」

 

勇人は優花に聞くと、返ってきたのは優花ではなく……

 

コンゴウ「初めましてだな……佐世保の龍『上城勇人』」

 

勇人「ッ!?誰だテメェ!!優花達に何をした!?」

 

勇人以外全員「ッ!?」

 

勇人は知らない人の声を聞くと、声を荒げ、質問をした

電話の相手が先程、手を組んだ霧の艦隊の1人『コンゴウ』だとは知らず……

 

コンゴウ「ッ!?うるさい……あまり大声で怒鳴らないでほしいものだな……私は霧の艦隊の1人の『コンゴウ』だ……」

 

勇人「悪いな……少しトラブルがあったんでな……俺が佐世保鎮守府総司令の上城だ……宜しく頼む、コンゴウ」

 

金剛「ッ!?私!?」

 

柏木「な!?嘘だろ!?」

 

コンゴウは勇人の怒鳴り声に不快感を感じつつ、自己紹介をすると、勇人は謝罪し自己紹介をすると勇人の後ろから『同じ名前』で勘違いしている金剛が驚き、勇人はコンゴウに「ちょっと待ってろ」と一言入れ、柏木達に説明した

 

柏木「まさか金剛って……霧の艦隊の方の……」

 

勇人「ああ、全く律儀な女だな……わざわざ挨拶しに電話してくるなんて……」

 

柏木「それに関しては同感だ……」

 

高雄「提督!?これは一体どう言う事ですか!?何故『霧の艦隊』が!?」

 

勇人「ああ……実はな……」

 

勇人は高速道路の無線の件や霧の艦隊と手を組んだ経緯を説明すると金剛達は納得し答えた

 

金剛「hum……つまり『敵の敵は味方』だから手を組んだんデスね……今のままじゃ厳しいデスからネー……」

 

霧島「確かに……『向こう』のコンゴウ御姉様は意外と『出来る御方』ですね」

 

金剛「ッ!?きーりーしーまー!!それって私が『fool』……『馬鹿』だと言いたいのデスか!?」

 

グリグリグリ………

 

霧島「イタタタタ!痛い!痛いです金剛御姉様!!そう言った意味で言ったんじゃ無いです!!」

 

金剛は霧島に某最強の園児にお仕置きをする母親みたいに握り拳を作り、霧島の頭に捻り込む様に擦り付けると勇人は二人に呆れながらもコンゴウとの電話を再開した

 

勇人「すまん……遅れて、んで、霧の艦隊のメンバーであるアンタが俺に何の用だ?それに何故俺達と手を組んだ理由を聞きたい」

 

コンゴウ「あ……ああ……実はな……」

 

コンゴウは勇人に事の経緯そして勇人の亡き姉である蘭花に恩義を返す為に手を組む事を伝えた

 

コンゴウ「……と言う訳だ」

 

勇人は何故コンゴウ……いや霧の艦隊が連合艦隊をしたがる理由に納得したのか、警戒心がある強い口調から普段のフランクのある口調に変わり答えた

 

勇人「……アドミラリティーコード……そして姉貴に恩義を返す為に……か……どうやら俺はコンゴウ達を誤解していた様だな」

 

コンゴウ「誤解?」

 

コンゴウは勇人の『誤解』と言う言葉に引っ掛かり質問すると勇人は申し訳なさそうに答えた

 

勇人「ああ……アイツらみたいに『この世界』でコンゴウ達とドンパチやらかすかと思っていたぞ」

 

コンゴウ「ドンパチ?……『戦闘』の事か、流石に私達でも他人の敷地内で喧嘩する様な『無礼極まりない事』はしないぞ!」

 

マヤ「する訳無いじゃない!!失礼な!!」

 

コンゴウは勇人の言葉に少しムッとした表情で言い、マヤは暁みたいにプンスカと怒ると勇人は「悪い」と謝罪し本来の目的である『ナノマテリアル』について聞いた

 

勇人「……んで本題に戻るがコンゴウ達は自身の武器である軍艦を修理したいがナノマテリアルが無い……と言うより捕られたから修理が出来ないから俺達にアイツらから取り返して欲しい……って事で合っているか?」

 

コンゴウ「ああ……」

 

コンゴウが勇人の言葉に肯定すると勇人はコンゴウを安心させる様に優しく答えた

 

勇人「なんだ……あれお前達のナノマテリアルだったんだな……それなら全部俺ん家に保管しているぞ」

 

コンゴウ「ッ!?何だって!?どうしてナノマテリアルが……」

 

勇人「それなら柏木が事前にアイツらのアジトに忍び込み、盗んだんだ……」

 

柏木「上手に盗みました~♪」

 

加賀「モン〇ンみたいに言うの止めてください」

 

コンゴウ「……そうか、ありがとう」

 

柏木「あれ?シカト?」

 

柏木はコンゴウにジョークを言ったが、本人が柏木のジョークをスルーした為、少し凹むとコンゴウは勇人に礼を言い、柏木に伝えた

 

コンゴウ「すまない……この世界のジョークはまだ分からないのでな……」

 

柏木「……それなら仕方ないな」

 

勇人「まぁナノマテリアルと浸食魚雷を解析、量産出来たら佐世保に送るから楽しみにしておけよ」

 

コンゴウ「……吉報を期待する」

 

マヤ「ありがとう……龍のオジサンに虎のオジサン♪」

 

二人は電話を切ると二人はマヤの言葉にショックを受けたのか低いテンションになり、愚痴りだした

 

勇人「オジサン!?はぁ………歳は取りたくねぇな」

 

柏木「全くだ……まぁ、マヤと言うガキからすれば俺達はオッサンだけどさ……」

 

咲夜「……あのガキ、後でシメてやる」

 

博和「まぁまぁ……勇人様も柏木様も、まだヒョッ……二十代ですから、まだまだ若いですよ」

 

勇人「お前もだろ……後、さりげに『ヒョッ子』って言うな」

 

柏木「……こいつ、ゼッテー『ドS』だ……勇人、同情するぜ」

 

龍鳳(提督も人の事が言えない様な……)

 

柏木が勇人に同情すると博和は何かを思い出したのか足が止まり、勇人と柏木に伝えた

 

博和「あ!?そう言えば二人に『お客様』が御待ちになっている事を忘れてました」

 

勇人「オイコラ、それは忘れちゃ駄目だろ……んで、そのお客様は?」

 

勇人は博和に呆れながら言うと博和は真剣な表情で言った

 

博和「藤原慧音さんが御待ちです」

 

咲夜以外全員「ッ!?」

 

博和が答えると勇人達は驚き、博和に聞いた

 

勇人「何時からだ?」

 

博和「10分位前です」

 

柏木「ちっ……入れ違ったか……」

 

龍鳳「なら急いで向かいましょ!」

 

勇人達は急いで慧音が待っている部屋に急いで向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 佐世保鎮守府にて

 

コンゴウ「はぁ……良かった……」

 

コンゴウは勇人達がナノマテリアルを取り返してくれて安堵すると優花はコンゴウに素朴な疑問を抱き、聞いた

 

優花「ちょっと気になったんだけど先程コンゴウさんが勇人君を見て蒼の艦隊の1人である『千早群像』って言う人に似ていると言ってたけどコンゴウさん達の世界って『異世界』そして『未来』の地球だよね?」

 

コンゴウ「ん?ああ……そうだが……」

 

優花「なら『未来の地球』での勇人君や私達はどうなっているのかな?」

 

明石「あ!?それ、私も聞きたい!」

 

夕張「私も!」

 

蘭「お前ら……コンゴウ、すまないがコイツらに付き合ってくれないか?」

 

蘭は呆れ、コンゴウにお願いすると、コンゴウもまた蘭と同じ様に呆れながら言った

 

コンゴウ「まぁ無駄だと思うが……仕方ない、先ずは佐世保の龍『上城勇人』を調べてみる」

 

コンゴウはモニターを展開し、コンゴウ達の世界に居る未来の勇人を検索した

 

そして……

 

コンゴウ「……どうやら佐世保の龍は私達の世界でも居る様だな……なっ!?」

 

優花「どうしたのコンゴウさん?」

 

優花はコンゴウ側の世界での勇人の経歴を見て驚くとコンゴウは頭を抱えながら言った

 

コンゴウ「……これは色々と不味い事になったぞ」

 

蘭「……アッチの兄さんは何をやらかしたんだ?」

 

コンゴウ「いや……彼は普通の医者として過ごしていたが……これを見てくれ」

 

優花「なっ!?」

 

夕張「え!?」

 

明石「嘘でしょ!?」

 

蘭「……マジかよ」

 

コンゴウは優花達にコンゴウ側の勇人の写真そして経歴が記載されていたモニターを優花達に見せると皆コンゴウと同じ様に驚愕した

何故なら……

 

優花「『千早勇人』……旧姓『上城』……そして千早群像の……お祖父ちゃん!?」

 

そう、コンゴウ側の勇人は蒼の艦隊のリーダーである千早群像の実の祖父だったのだ

 

 

そして蒼の艦隊のアジトでも……

 

杏平「ちょ!?これ……ヤバくね!?」

 

いおり「……すると私達は……」

 

僧「パラレルワールドとは言え群像のお爺様……若い頃の勇人おじいさんと……」

 

イオナ「……」

 

ハルナ「……」

 

赤のぬいぐるみ『キリシマ』「ちょ!?アイツのジーさん!?ヤバい事になりそう……」

 

それは情報収集中であるタカオと群像以外の蒼の艦隊全員もまた、驚愕していた

 

そうとは知らない勇人達や群像、タカオは……

 

勇人「……アイツら……俺の愛車を……」

 

群像「……此処まで俺達を虚仮にしやがって……」

 

タカオ「……チッ!」

 

勇人 群像 タカオ「許せん(せない)!!絶対仕止めてやる!!」

 

神城会総本部そして逃走中の車内から3人の怒りが爆発した

 

異世界とは言え自身の身内相手に……



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第37話「龍の恩義そして後悔 last part」

皆さんお久し振りです!うp主の八意です
今年一年、こんな駄文丸出しの小説を読んで頂きありがとうございます
これが今年最後の投稿になりますので、また来年も駄文丸出しの小説ではありますが、宜しくお願いします
では、よい御年を(*^^*)


2100 群像達の世界の佐世保市内の病院にて

 

初老の男「……」

 

勇人に似た初老の男は病院の屋上で煙草を吸っていると一馬に似たサングラスを掛けた男が入り、初老の男に聞いた

 

一馬似の男「……こんな所に居たのか『親父』」

 

勇人似の初老の男「……翔像か、群像は今パラレルワールドの過去の地球に居るんだな」

 

初老の男『未来の勇人(以下 老勇人)』は彼の息子でもある一馬似の男『千早翔像』に聞くと翔像は肯定すると頭を抱えながら言った

 

初老の男改め『老勇人』「……泣けるぞ、俺も彼方に行けれたら……翔像、原因は掴めたのか?」

 

翔像「……ああ、何でも彼方の親父が政治団体『龍光会』の幹部を殺傷した事が原因で、龍光会は彼方の親父に報復する為に『霧』そして『蒼の艦隊』を強引に呼び寄越した事が切欠だ」

 

老勇人「……彼方の俺……何をやらかしたんだ……」

 

翔像「全くだ……」

 

老勇人は彼方(若い頃)の勇人に悪態を付き、苛つきながら言った

 

老勇人「チッ!彼方の俺が変な事をやらなければ良いのだが……」

 

翔像「……ああ」

 

老勇人は煙草を灰皿に入れ、パラレルワールドに漂流した孫を心配し、そして彼方の勇人が暴走しない事を祈りつつ、病院内に戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 勇人の世界 神城会総本部 渡り廊下にて

 

勇人「ブァックショイ!!」

 

柏木「どうした?風邪か?」

 

勇人は見知らぬ未来の自分(勇人)に噂されたのか、嚔をし、待ち人が待たせて居るため、焦りながら答えた

 

勇人「ちげぇよ!多分あのクソガキ共(蒼の艦隊)が俺の悪口を言っていただろうが……多分……」

 

柏木「ハハッ♪そうだな、お前は『タフさ』と『しつこさ』そして『悪どい事を平気でやる図太い神経』がお前の売りだからな」

 

柏木は笑いながら言うと勇人は呆れながら言った

 

勇人「……それ嫌味か?」

 

博和「多分誉めていると思いますよ♪私からすれば『愛しさ』と~♪」

 

柏木「『切なさ』と~♪」

 

勇人「『心強さ』と~♪って!何言わせんだ!!運営にまた怒られるだろうが!!」

 

柏木 博和「ちょっとしたジョークだ(です)♪」

 

金剛「テートクもメタいデース!!」

 

龍鳳「もうっ!!提督!!何漫才をしているのですか!」

 

咲夜「水嶋さんもですよ!あまり御主人様を遊ばないで下さい!でないと……殺しますよ」

 

金剛と龍鳳は勇人、柏木に注意し、咲夜は自身の上司である博和に殺意剥き出しで脅すと博和は笑いながら言った

 

博和「怖いねぇ~♪まぁ咲夜ちゃんにとっては『愛しい』御主人様ですからね♪」

 

咲夜「ドキッ!?」

 

金剛 榛名 高雄型「何ですと(What's)!?」

 

咲夜は博和の言葉に動揺し、金剛、榛名そして高雄型4姉妹は咲夜を睨むと、咲夜は動揺しているのか、しどろもどろになりながら答えた

 

咲夜「……こ……これ以上い……言わないで下さい!私は決して……」

 

三笠「……私は良いわよ♪『さっきゅん』♪」

 

動揺してくる咲夜に追い討ちを掛ける様に言うと咲夜は顔を真っ赤にし答えた

 

咲夜「奥様!?何を冗談を!?」

 

三笠「いい加減コクれば?」

 

柏木「you!コクっちゃいなよ♪そして『夜戦』に入りなよ♪」

 

金剛「ッ!?夜戦は許さないデース!!」

 

榛名「勝手は榛名達が……」

 

高雄型「許しません(せねぇぞ)!」

 

咲夜「ハァ……堪忍してつかぁさい……」

 

咲夜は赤面しつつ目で勇人に助けを求めると勇人は呆れながら助け舟を出した

 

勇人「……咲夜は生真面目だから、あんまり弄るなよ……咲夜、急ぐぞ」

 

咲夜「うぅ……畏まりました……」

 

咲夜(助かりました……ありがとうございます……御主人様……)

 

勇人(……やれやれ)

 

龍鳳 比叡 霧島(司令(上城中将)……気苦労が絶えませんね)

 

龍鳳、比叡そして霧島は勇人に同情すると三笠元帥は小声で勇次に聞いた

 

三笠元帥(……勇次さん、まさか彼女以外……咲夜さん以外のメイドさん達も上城中将の事を……)

 

勇次(……ああ)

 

三笠元帥(……何このエ〇ゲー並のシチュエーションは!?上城中将ってタラシ?)

 

勇次(……タラシはタラシでも『天然タラシ』だけどな……まぁ俺はズイちゃん一筋だから他の女には興味無いけどな♪)

 

三笠元帥(はいはい……ご馳走さまです……っと)

 

瑞鶴「ッ!?ゆ……ユージン!!!恥ずかしいじゃないの!!」

 

瑞鶴が顔を真っ赤にし勇次に怒鳴ると、1人の女性が凄い剣幕で近付いてきた

 

銀髪の女性「勇人!客人を待たせて呑気に雑談とは良い身分だな!!」

 

三笠以外艦娘達「ッ!?」

 

勇次「あ……」

 

博和 咲夜「不味い……」

 

三笠「不味いわね……」

 

その女性は大和と武蔵を足して2で割ったような長髪、銀髪、眼鏡、肌白そして白いスーツを着用した如何にも『女医』らしい外見をした女性が怒りながら勇人に怒鳴りながら近付くと、勇人と柏木は頭を抱えながら答えた

 

勇人「……悪い慧音先生、さっきまでトラブってたんだ……たがら……」

 

柏木「そこは穏便に……な?」

 

金剛「テートクに柏木大将!?この女性は誰デスか!?」

 

金剛は大和型の二人を良い所取りした様な女性『慧音』について勇人と柏木に聞くと、二人の代わりに慧音が答えた

 

女性改め『慧音』「私は『藤原慧音』元海軍中将で今は女医だ!そして、この強面の男にあらゆる医療の全てを教え込み、こいつの艤装であるイージスシステムを開発そして装着させた張本人だ」

 

柏木「自分で言うなよ……」

 

金剛「What's!?」

 

龍鳳「……どうやってイージスシステムを作ったのですか?」

 

柏木は呆れ、高雄達そして金剛達は慧音の言葉に驚き、龍鳳は慧音に聞くと、慧音は微笑みながら答えた

 

慧音「ああ、『米軍』のイージス艦のデータを『参考にして(ハッキングして)』な……」

 

柏木「……うん!正しく勇人の教官だな……コイツと同じく『やり方』が悪どいな……」

 

慧音「ふん!柏木とか言ったな?お前の所も人の事が言えないだろ?」

 

慧音は納得している柏木に少しムカついたのか、鼻で笑い、言うと柏木は負けたのか、ため息を付き、答えた

 

柏木「……そうだ……ったく『おっかねぇ教官』な事だ……って忘れるところだった!早速本題に入るが藤原さん!上城元帥から聞いたと思うが俺の艤装に『イージスシステム』を装着するって本当か?」

 

柏木は慧音に聞くと、慧音は頭を縦に頷き、答えた

 

慧音「ああ、一馬オジサンから話は聞いているぞ……それじゃ今から……と言っても今日は遅い、明日辺りで良いか?」

 

柏木「お願いします!」

 

柏木は慧音に頭を下げると、慧音は勇人を見ると微笑みながら言った

 

慧音「……勇人……優香里叔母さんの件、本当にありがとう……そして……貴方が私のせいで肩身の狭い事をさせて……ごめんなさい」

 

慧音は勇人に頭を下げると、勇人は慧音の行動に否定するかの様に悲しみに満ちた重い口調で答えた

 

勇人「……顔を上げてくれ先生、俺は佐世保の提督として『俺個人』として貴女と同じ『やり方』を忠実にやったまでさ……それに『礼』と『詫び』を言うのは俺の方だ……こんな荒れくれ者の俺に貴女の全てを教えて頂き、ありがとうございます……そして、俺のせいで……すみませんでしたぁ!!!」

 

赤城「私も……当時は敵だったとはいえ、この様な真似をして……すみませんでした!!」

 

ドサッ!!

 

柏木「オ……オイ!ちょっ!?勇人!赤城!」

 

金剛「what's!?何時も大本営の上官に常に中指を立てている様な図太い神経を持った……あのテートクと赤城が……」

 

金剛以外の艦娘達「土下座ァ!?」

 

勇人と赤城は『あの事件』の後、音信不通だった恩師に謝罪そして感謝し、土下座をすると慧音は勇人の姿を見て勇人の目を見て静かに言った

 

慧音「……確かに『あの事件』のお前の行動は頭の悪いクソガキ共がやる喧嘩とは変わりが無い……」

 

勇人「……仰る通りです」

 

慧音「そして赤城、お前は何故私に詫びを入れるのだ?」

 

赤城は慧音の質問に申し訳なさそうに深々と頭を下げながら答えた

 

赤城「……私のせいで勇人さんの左腕の事と慧音さんが……慧音「赤城の場合は仕方無かったんだから気にしていないよ!それに私は今の『二人』を見て嬉しいのよ……」……へ?それは一体どういう事ですか?」

 

赤城は慧音の言葉に疑問を抱き、質問すると慧音は微笑みながら言った

 

慧音「だって当時の貴方達は同期や同期の秘書艦達に恐れられ、誰とも手を組まれず『仲間』が居なかったけど……今は、こんなにも『心強い仲間達』に囲まれているじゃないか」

 

勇人 赤城「……はい」

 

二人は肯定すると慧音は優しく言い続けた

 

慧音「そして私に詫びを入れる?私からすれば『十二分』に貴方達から『謝礼』を貰っているぞ♪貴方達に『心強い仲間達』が出来た事に……だから今回の件、私を佐世保鎮守府の『軍属』……いえ佐世保鎮守府の『民間協力者』として参加させてくれないのかしら?」

 

勇人 赤城「ッ!?先生が!?」

 

慧音のお願いに二人は驚くと三笠は少し考え、微笑みながら答えた

 

三笠「……歓迎するわ♪」

 

三笠元帥「疾風を……お願いします」

 

勇人 赤城「ッ!?あ……ありがとうございます!!」

 

柏木 勇次「三笠(さん)……嫁を送り出す父親じゃ無いんだから……まぁ、これ以外は言わないでおくか……」

 

慧音「……宜しくな『上城総司令』に赤城秘書艦♪」

 

勇人 赤城「はい!!此方こそ宜しくお願いします!」

 

二人は立ち上がり、慧音に深々と頭を下げると柏木は場の雰囲気を壊さない様に小声で龍鳳と喋り始めた

 

柏木(意外だな……訓練時代のアイツがボッチだったなんて……)

 

龍鳳(提督、ボッチとはちょっと違いますけど……まぁ中将の同期達って中将の性格とは『正反対』で『ヘタレ』『根暗』そして色んな意味で『小さい』連中だったのですね)

 

柏木(……お前、意外と毒吐くんだな……ってか何故知っているんだ?)

 

柏木は龍鳳の言葉に驚きつつ小声で龍鳳に聞くと、龍鳳は懐かしながら答えた

 

龍鳳(中将が呉に来た時に上城元帥の許可を貰って中将の同期達の資料を閲覧しました……勿論『特別防衛機密』は閲覧していませんので安心して下さい)

 

柏木(あぁ……アイツが研修生として呉に来た時か……俺も蒼の艦隊と霧の艦隊の件で三笠に呼ばれた時に大本営でアイツの同期達と秘書艦達を見かけ、アイツの事で少し会話したんだけど……アイツら全員が『あの事件』の功績者だと言わんばかりのドヤ面で『勇人の悪口』を言い続けていたからな……あれほどアイツの同期達にムカついた事は無かったぞ!あれはもう『ゲ〇の極み』だな!あのバナナ〇ンの日〇似の気持ち悪いボーカルみたいによ!!あぁ~!もう!!ぶん殴りてぇ!!『あの事件』の功績者は勇人と三笠教官達なのによ!!)

 

龍鳳(落ち着いて下さい提督!気持ちは分かりますが人の敷地内ですよ!!しかも例えがストレート過ぎます!『それ』のファンに叩かれますよ!)

 

勇次(……まぁ叩かれるのはウチのうp主だけどな)

 

柏木「ガルル……」

 

龍鳳「虎みたいに睨まないで下さい!!」

 

高雄「ある意味、的を得た発言ですが……というより何故苛ついているのですか?」

 

龍鳳「大本営に行った時に中将の同期達と会った事を思い出してしまったのです」

 

高雄「……無駄に敵とファンが多いですからね……提督は……」

 

龍鳳は苛ついている柏木を宥めると慧音は勇人達に一馬から聞いた内容の計画を伝えた

 

慧音「まぁ兎も角、勇人の左腕の手術と柏木さんの艤装の改造は明日行うから……それまでゆっくり休むよ」

 

慧音は勇人にそう言い残し、自身の宿泊部屋に戻った

 

三笠「それじゃ明日の0830まで自由ね……んじゃお休み♪」

 

勇人「さて!柏木!飲みに行くぞ!」

 

柏木「おう!!」

 

勇次「良い店知っているんだ♪そこで飲むのはどうだ?俺の顔なら結構安く飲めるぞ♪」

 

勇人「賛成♪」

 

柏木「流石『次期会長』さんだな♪コネって大事だな♪」

 

二人は笑顔で言い、勇次が引率し、三人は出口に向かおうとしたが……

 

金剛「テートク!!私達も行くネー!」

 

瑞鶴以外の艦娘達「私も!」

 

瑞鶴「ユージン……私も良いかな?」

 

咲夜「あの……御主人様、私も同行しても宜しいのですか?」

 

三笠以外の艦娘達や咲夜が飲みに行きたがるのを見て……

 

上城兄弟 柏木「オッケーね♪」

 

三人は即答で返事を出すと博和はノリノリな三人に聞いた

 

博和「……こんなに大所帯ですとリムジンバスが必要ですね♪至急手配しますか?」

 

柏木「アンタは行かないのか?」

 

柏木は博和に言うと博和は微笑みながら言った

 

博和「行きたいですよ……ただ私は、あまり強く無いので専ら『ハンドルキーパー』ですが……それでも良いのですか?」

 

柏木「むしろ来てください!そして水嶋さん、至急リムジンバスの手配をお願いします!」

 

博和「畏まりました♪」

 

勇人「ほんじゃ……いざ!夜の金沢の街に……」

 

勇人以外全員「しゅっぱーつ♪」

 

勇人は博和が手配したリムジンバスに乗り込み、夜の金沢の街へと足を運んだ

 

 

 

 

 

そして……

 

 

 

 

 

同時刻 群像が運転している車『ヒュンダイ ジェネシス』の車内にて

 

群像「……腹へったな……タカオ、飯を食べに行くか?」

 

群像は助手席に座っているタカオに聞くと、タカオは興奮しながら言った

 

タカオ「艦長と!?是非!!」

 

群像「ふっ……なら飛ばすぞ!」

 

タカオ(まさか!これってデート!?……あの男に少し感謝しないとね♪あぁ……艦長と……)

 

群像は悶絶しているタカオを尻目にアクセル全開で夜の金沢の街に向かった

 

夜の金沢の繁華街で再び出会う事に知らないまま……

 



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第38話「蒼との接触」

勇人「皆さん、新年明けましておめでとうございます、この物語の主人公の上城です」

赤城「同じくヒロインの赤城です」

優花「ヒロインは私よ!あ!?明けましておめでとうございます、桜花優花です」

赤城「何を言っているのですか!ヒロインは私です!」

優花「私よ!」

ワーワー!

勇人「お前ら!新年の挨拶位は、ちゃんと出来ないのか!」

赤城 優花「ウグッ……すみません」

吹雪「まぁまぁ……ではグダグダになりましたが今年最初の投稿ですので楽しんで頂けたら幸いです……では!スタートです!」

勇人「吹雪……新年の挨拶が忘れているぞ……まぁ、こんな駄作丸出しな小説ですが今年も宜しくお願いします」


神城会総本部から出発してから30分後 2140 金沢市内の繁華街『片町』にて

 

ワイワイ……

 

ガヤガヤ……

 

 

繁華街はカップルや家族連れの人達によって賑わっていた

 

ただ……バスの車内では……

 

 

 

勇人「……」

 

摩耶「あれ?提督?どうかしたのか?」

 

柏木「……何だ?彼女がいないから僻んでいるのか?」

 

勇人「……ちげぇ……いや『それ』も入っているが……何か『引っ掛かる』んだよな……」

 

柏木「引っ掛かる?タカオが単独で襲撃した事についてか?」

 

勇人「ああ……後……動けねぇ……」

 

柏木「だろうな……」

 

勇人は柏木の質問に肯定すると、柏木は今の勇人を見て納得した

何故なら……

 

金剛「テートクの彼女は私デース!」

 

榛名「いいえ!榛名です!」

 

咲夜 高雄「私よ!」

 

愛宕 鳥海「何言っているの?私よ!」

 

比叡「ヒェェェェェ!!」

 

摩耶「はぁ……ったくよ……」

 

霧島「すみません摩耶さん……姉達が……」

 

ここぞと言わんばかりに金剛、榛名、咲夜、高雄、愛宕そして鳥海が勇人に抱き着いたりしていたのだ

 

そして……

 

瑞鶴「ユージン♪」

 

勇次「どうした?」

 

瑞鶴「何でもない♪」

 

赤城「もっもっ……加賀さん、マヨネーズを……」

 

加賀「モグモグ……どうぞ、赤城さんレモンを……」

 

三笠元帥「はーやーて♪」

 

龍鳳「提督♪」

 

ギュッ……

 

柏木「……何このカオスな状態は……」

 

勇人「……知らん」

 

柏木の質問に勇人は考えるのを止めた様な返事を出した

それもその筈だ、勇次も勇次で車内でイチャコラし、一航戦の二人は相変わらず酒よりも摘まみである若鳥の竜田揚げを食べるのに夢中になり、三笠元帥と龍鳳もまた備えつけていた酒を飲んだのか、赤面しつつ柏木に抱き着いていた

 

柏木「……泣けるぜ」

 

勇人「おい!それ俺のセリフ!」

 

レオン「元ネタは俺のセリフなんだが……」

 

柏木「メタいわ!後、何故お前の所の妖精達がいるんだ!!」

 

勇次郎 菊地 政宗 レオン「宴と聞いてッ!」

 

チョッパー ナガセ ブレイズ「酒が飲めると聞いて!」

 

柏木「……もういいわ」

 

勇人「まぁ癖の強い連中だが腕は一流だ……はいよ、ロックだが大丈夫か?」

 

柏木「大丈夫だ、問題無い……あ!?旨いな♪」

 

勇人「だろ♪後さっきの言葉……フラグだぞ」

 

柏木は呆れながら勇人に注がれたウィスキー『山崎12年』をロック(氷割り)で飲むと三笠は微笑みながら言った

 

三笠元帥「疾風ぇ~♪飲んでる~?」

 

柏木「ハッヤ……もう酔ってやがる」

 

勇人「霧島、三笠元帥に一体何を飲ませたんだよ」

 

勇人は黒霧島をロックで飲んでいる霧島に聞くと霧島は焼酎が入ったコップを机に置き、右手で眼鏡を整え、何食わぬ顔で答えた

 

霧島「え?黒霧島のロックですけど?」

 

勇人「ちなみに何杯飲ませたんだ?」

 

霧島「ボトル三本です」

 

霧島は足下を指を指すと、そこには三笠元帥が飲み干したであろう3本の空の焼酎ビンが転がっていた

 

柏木「オイオイ……」

 

勇人「飲み過ぎだろ……確か懐に……あった!」

 

柏木「お!?この薬は……例の『酔い止め薬』か」

 

勇人は霧島の言葉に驚きつつ、研修生時代の時に処方した酔い止め薬を懐から出した

 

霧島「『酔い止め薬』ですか?本当に効くのですか?」

 

勇人「……失礼な奴だな」

 

柏木「安心しろ、実証済みだ」

 

柏木(俺の『身体』でな……あれは良く効いたから、後で勇人に頼んで呉に送りさせよう)

 

霧島「大将が言うのなら問題無いですね♪」

 

勇人「オイ!それ、どういう意味だ!」

 

霧島「日頃の行いです♪」

 

勇人「テンメェ……」

 

柏木「ハハッ♪それは同感だ♪あんな厭らしい『作戦』を思い付く位だからな、そう思われても仕方無いぞ『上城軍医』殿♪」

 

勇人「……チッ!まぁ良い、元帥!少し飲み過ぎです!これを飲んで下さい!」

 

柏木「そうだぞ三笠!アイツの薬は良く効くぞ♪」

 

霧島は疑いながら言うと勇人は少しムッとした表情で答え、柏木は笑いながら勇人に指摘すると三笠元帥は嫌がりながら言った

 

三笠元帥「えぇー!中将が作った薬は苦いからイヤ!疾風ぇ~キスゥ~♪」

 

三笠元帥は子供みたいに、ひたすら駄々をこねると柏木は我慢の限界に達したのかキレながら言った

 

柏木「餓鬼かお前は!!良いから飲め!!勇人!赤城!加賀!霧島!」

 

勇人「了解!!オラァ!」

 

一航戦「分かりました!!ヤァ!!」

 

霧島「喧嘩の時間たゴルァァァァ!!」

 

 

ドカッ!!

 

 

三笠元帥「キャッ!?」

 

柏木(霧島……それ『色んな意味』でお前のマイクチェックの元ネタだそ……まぁ良いか)

 

赤城「上々ね♪」

 

加賀「やりました♪」

 

勇人 霧島「確保ォ!!柏木ィ(大将ォ)!!」

 

三笠元帥「ちょっ!?何するの!?まさかエ〇同人みたいに3〇やレ〇プするつもりなの!?いくら疾風でも優しk……柏木「んな訳ねぇだろ!!つーか飲み過ぎだ!いざ!挿入ゥ!!」……ウグッ……ゴグン……」

 

勇人「それを言うなら注入だ……まぁいっか……」

 

霧島「完全に下ネタな展開になっていますね……」

 

勇人「元帥をベロンベロンに酔わせた原因であるお前が言うな……そしてメタいぞ……」

 

霧島「……反省してます」

 

勇人達は暴れる三笠元帥を仰向けにし両手を地面に押さえつけ、柏木は酔い止め薬である茶色の粉薬をミネラルウォーターが入ったペットボトルに入れ、溶かし混ぜる様に上下に振り、それを三笠元帥に飲ませ、そのまま椅子に座らした

 

そして数分後……

 

三笠元帥「あれ?私は一体……」

 

高雄型「えぇー!?もう酔いが覚めている!?」

 

金剛型「凄い……」

 

咲夜 一航戦「お見事です♪」

 

柏木「ふぅ……」

 

龍鳳「提督、お疲れ様です」

 

瑞鶴「提督さん、後で『酔い止め薬』を下さい!」

 

勇人「佐世保に戻ったらな」

 

勇人は瑞鶴の要望に承諾すると勇次はハイボールを片手に瑞鶴に聞いた

 

勇次「翔鶴さん用のか?」

 

瑞鶴「うん……翔鶴姉ぇが酔っ払って迷惑を掛けないようにね……誰かさんが飲ませたせいで……」

 

瑞鶴は横目で勇次を見て答えると勇次は「ゴメン」と謝った

 

柏木「しかし危機一髪だったな……お互いの小説が18禁にならなくて……」

 

勇人「気持ちは分かるがメタいぞ……」

 

柏木は酔いから覚めた三笠元帥を見て安堵するとバスを運転していた博和が勇人達に言った

 

博和「勇次様、もうそろそろ目的地である『マヨイガ』付近に着きますよ」

 

勇次「ならバスは近くのコンビニに止めて、歩いて行くぞ」

 

博和「畏まりました♪」

 

勇人「んじゃコンビニの店長に一言言ってくる」

 

博和はバスをコンビニの大型車専用の駐車場に止め、勇人はコンビニの店長に駐車料金として皮の財布から10万を渡すと店長は喜んで駐車の許可を出し、了承すると勇人達は金沢の繁華街へと足を運んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 片町の立体駐車場にて

 

タカオ「~♪」

 

群像「随分とノリノリだな」

 

タカオ「ッ!?」

 

群像は車から降り、鼻歌を歌いながら上機嫌で歩いているタカオに微笑みながら聞くとタカオは照れを隠しながら答えた

 

タカオ「あの龍や虎についての情報収集よ!別に艦長とデートだなんて……」

 

群像「分かった……だが、まずは腹ごしらえをしたいんだが……タカオ、何か良い店知らないか?」

 

タカオ「ん~ちょっと待ってて……」

 

群像はタカオにお願いすると、タカオはモニターを出し、検索するとタカオは店のホームページに展示されている料理の画像を見て、その店の内容を群像に伝えた

 

タカオ「……それなら『マヨイガ』という店で食事する?検索したら、この店の料理が絶品らしいよ」

 

群像「そうか、ありがとうタカオ……それじゃマヨイガに行くぞ」

 

タカオ「ええ」

 

タカオ(キャー!!艦長に誉められたぁ♪)

 

タカオは群像に誉められ赤面しつつ片町の繁華街へと足を運んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後 片町の居酒屋兼スナックバー『マヨイガ』前にて

 

勇次「はい♪とーちゃーく♪」

 

勇人 柏木 三笠元帥(なんか隙間妖怪が住み着きそうな名前だな……)

 

金剛 龍鳳「ここって……スナックって事は……キャバクラ?」

 

榛名「ッ!?提督!絶対行かないで下さい!!」

 

金剛はネオンが明るく光る華々しい店『マヨイガ』を見て、店の雰囲気を勘違いしていると瑞鶴は金剛の言葉に少し右側の眉をピクリと動かし、勇次に聞いた

 

瑞鶴「ユージン……アンタ、私に隠れて浮k……勇次「キャバクラじゃねぇよ!『スナック』だ!ちなみに読者達にも説明するが、スナックって言うのは、宴会の二次会やカラオケ、ダーツ等、二十歳以上の男女、地方によっては飲酒しなければ18歳以上の男女なら誰でも遊べる店なんだよ!しかも、この店の店長は兄貴の後輩夫婦がやっているから浮気、不倫等のR指定な事は発生しねぇよ!しかも元々『スナック』は地元の客同士の交流も出来るから人脈を増やしたり情報収集するのに絶好な場所なんだよ!まぁ今では『スナック』ではなく『ガールズバー』として定着しているけど、この店はキャバ嬢との交流をメインとしてはなく、昔ながらの『やり方』で客同士で盛り上がる為の『社交場』として設けている飲み屋だからな」……なーんだ♪そうだったんだ♪もし浮気してたら……分かるよね♪」

 

勇次「しねぇし、する気も無いぞ……高雄ちゃん達も分かったかな?」

 

高雄型 龍鳳「説明ありがとうございます、そしてお疲れ様です……」

 

金剛型「納得しました♪」

 

加賀「カラオケ!?気分が高揚しますね♪」

 

赤城「加賀さん、知らないかも知れませんが店によってはタダで歌い放題ですよ」

 

加賀「ッ!?なん……だと……」

 

柏木「お前の後輩が店をやっていたんだ……しかも弟さん……メタい……」

 

勇人「……とりあえず入るぞ」

 

勇人は店の扉を開けると昔の喫茶店みたいにチリンチリンと金具同士がぶつかった軽い音が店内に鳴り響いた

 

金髪の男「あ!?いらっしゃ……先輩じゃないッスか!?お久しぶりッス!!」

 

伊勢似の女性「いらっしゃいまっし……って勇次さんに勇人さん!?」

 

二人の男女が出迎えると勇人は二人を見て驚き、喋った

 

勇人「へ!?優吾に優奈じゃねぇか!?お前らの店やったん!?ってかとうとう店を持ったん!?おめでとう!」

 

勇人は某死神の男似の金髪の男『川城 優吾』に彼の妻で伊勢似の黒髪の女性『川城 優奈』を見て驚き、嬉しそうに素である石川弁で言うと二人は笑いながら言った

 

金髪の男改め『優吾』「そうなんッスよ!まぁ勇次先輩達のお陰で店を開ける事が出来ました♪」

 

伊勢似の女性改め『優奈』「しかも土地条件の良い物件を格安に売ってもらって♪」

 

勇人「お前が紹介したんか!?」

 

勇次「勿論!」

 

咲夜「フフッ♪まぁ私達が来たら『格安』で飲み、食い、歌い放題にする約束じゃなかったのですか?」

 

優吾「覚えているッスよ!売り上げも上々ッスから!」

 

博和「まぁ、このままローンを返済していけば一年で完済出来そうですね♪」

 

優吾「そうッスよね♪まぁ先輩の連れの艦娘達か暴飲暴食しなければの話ッスが……」

 

勇人「そこまで粗相をしないと思うが……まぁ博和は烏龍茶、それ以外は『生』で♪あ!?摘まみは揚げ物で♪」

 

優吾「了解ッス♪後、ダーツとカラオケは使い放題なんでジャンジャン歌って騒いで下さいッス♪」

 

勇人、勇次、咲夜、博和そして川城夫妻は笑いながら雑談すると榛名は勇人達の雰囲気に呑まれつつ質問した

 

榛名「提督……彼達との御関係は?」

 

柏木「って!?アイツら……優吾さん達は何故コイツらが艦娘だってのを分かったんだ!?みんな私服なのに!?」

 

柏木や榛名含め全員が勇人に、それぞれ質問をし出すと勇人は纏めて答えた

 

勇人「ん?アイツらは元々『軍医過程』……いや細かく言うと高校の時にヤンチャしてた時の後輩だぞ」

 

柏木「………マジで?」

 

優吾「本当ッス♪元海軍軍医ッスよ♪」

 

優奈「まぁ私達、勇人さんみたいに頭が良く無かったから除隊したんだけどね……」

 

上城兄弟以外全員「はぁぁぁぁぁ!?元海軍!?」

 

上城兄弟以外の艦娘達そして柏木は二人の過去に驚くと……

 

 

チリンチリン♪

 

 

優吾「いらっしゃい♪」

 

客「二人だが大丈夫でs………ッ!?」

 

勇人「ん?……お前は!?」

 

客2「ッ!?アンタは!?」

 

柏木「……マジかよ」

 

優吾は客が入って来たのを察したのか、客を迎えると勇人達は店に入った客を見て驚き、客もまた勇人を見て驚いた

何故なら……

 

客改め『群像』「まさか此処で会うとはな……上城勇人!」

 

客2改め『タカオ』「チッ!?」

 

勇人「それは此方のセリフだ……クソガキ」

 

柏木「……タイミング悪すぎだろ」

 

そう客の正体が蒼の艦隊の司令官である千早群像そして蒼の艦隊の所属である軍艦『高雄』のメンタルモデルである『タカオ』が入店した事に……



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第39話「群像の正体そして……」

勇人と群像が対面している頃 同時刻 佐世保鎮守府 食堂にて

 

長門「ふわぁ~眠い……」

 

那珂「夜更かしは御肌の敵なのに……」

 

隼鷹「ん?何だ?余興か?」

 

伊勢「ふわぁ~……優花さん……こんな夜遅くどうしたの?」

 

優花達は就寝していた艦娘達を叩き起こし食堂に集合させたのだ

 

そして……

 

優花「ごめん伊勢さんにみんな、眠たい所悪いけど、皆さんに伝えたい事があるの……コンゴウさん、マヤちゃん、入ってきて」

 

優花はコンゴウ達を食堂に招き入れるとコンゴウは堂々と、そして優雅に、マヤは子供らしい明るく溌剌とした表情で入ってきた

 

大和「ん?優花さんに蘭さん……この人達……先ほどの……」

 

優花「うん……実は、この人達『霧の艦隊』の一人『コンゴウ』さんと『マヤ』ちゃんよ」

 

吹雪「え……今何て言ったのですか」

 

吹雪は優花の言葉に信用していないのか再度聞き直すと優花の代わりにコンゴウが答えた

 

コンゴウ「私は『霧の艦隊』所属のコンゴウだ」

 

マヤ「同じくマヤでーす♪よろしく♪」

 

夕張、明石以外艦娘全員「はぁぁぁぁぁ!?き……霧の艦隊!?あの『最重要艦隊』の!?」

 

二人の自己紹介に夕張、明石を除く呉、佐世保そしてショートランドの艦娘達は驚愕し声を荒げると鹿島は蘭と優花に質問し始めた

 

鹿島「ちょ!ちょっと待ってください副提督さんに上城少尉!?何故『最重要艦隊』の一つである霧の艦隊が佐世保に!?」

 

優花「実は……」

 

優花は何故霧の艦隊が佐世保に座礁した理由や経緯、同盟を組んだ経緯、蒼の艦隊との関係を言うとみんな納得したのか頭を縦に頷いた

 

優花「……という訳よ」

 

長門「……提督の御姉さんとの恩義の為に……か……」

 

武蔵「意外と律儀というか……真面目というか……」

 

天龍「見た目とは違い、良い奴なんだな……お前ら……」

 

龍田「天龍ちゃん、泣かないの」

 

天龍「泣いてねぇよ!」

 

足柄「まぁ何故か感動して泣いている天龍は置いといて……優花ちゃん、そろそろ『隠している事』を答えなさい……」

 

天龍「だから泣いてねぇ!!」

 

足柄は優花の隠し事を見破るかの様に見据えながら言うと優花はため息をし、少し俯きながら答えた

 

優花「……分かったわ、今敵対関係のある艦隊『蒼の艦隊』の司令官『千早群像』は異世界……いえ『未来』そして『艦娘と深海棲艦がいないパラレルワールド』の地球での勇人君の『孫』よ」

 

戦艦組の艦娘達「なっ!?」

 

空母組の艦娘達「はぁ!?」

 

それ以外の艦娘達「えぇぇぇぇ!?嘘でしょ!?」

 

呉及びショートランドの艦娘達「中将の孫……ヤバくね!?」

 

佐世保の艦娘達は驚愕し、呉及びショートランドの艦娘達は事の重大さに気付き、焦りながら言うと優花は再び説明し始めた

 

優花「うん、この事は勇人君達に伝えないと行けないの……勇人君が自身の孫である千早群像を『殺さない』為に……」

 

コンゴウ「私達『霧の艦隊』からすれば壊滅させてくれた方が助かるのだが……」

 

マヤ「そうそう」

 

蘭「やり合うのなら自身の世界に帰ってからやってくれ……只でさえ深海棲艦や龍光会等の問題があるのに……」

 

蘭はコンゴウに注意するとコンゴウは「分かっている」と返答した

 

長門「……なら私達も提督の実家に言って説得すれば……」

 

長門は焦りながら蘭達に言うと蘭は長門に怒鳴りつける様に答えた

 

蘭「却下だ!今ニュースで実家が蒼の艦隊の奇襲にあったんだ!危険過ぎる!」

 

夕張「しかもアイツら、提督が大事に手入れした愛車を破壊したのよ……多分、提督は今頃……キレているよ」

 

佐世保の艦娘達「あ……敵とは言え同情するよ……」

 

呉の艦娘達「……提督(司令官)……大丈夫かな……」

 

蘭「まぁ幸い犠牲者ところが怪我人すら出なかったのは良かったけどな……」

 

呉の艦娘達「良かった……」

 

蘭は柏木達の無事を伝えると呉の艦娘達に安心し、ホッと胸を下ろすと翔鶴と妙高は『ある事』に気が付いた

 

翔鶴「所で優花さん、瑞鶴は?」

 

妙高「それに高雄さん達も……」

 

二人は優花に質問すると優花と蘭は頭を抱えながら答えた

 

優花「……あの子達は今……」

 

蘭「……兄さん達と行動しているんだ……さっきテレビのニュースに映っていた」

 

翔鶴 妙高「え!?」

 

蘭「多分……無許可で外出したんだと思うが……」

 

翔鶴「あの子ったら……もう……」

 

妙高「後で『御話し』ですね……」

 

二人は呆れながら言うと……

 

鹿島「あの……私、思い付いた事があるのですが……」

 

優花「ん?どうしたのカッシー?」

 

鹿島が手を上げ、優花に自身の案を言った

 

鹿島「……いっそうの事『蒼の艦隊』を『壊滅寸前』まで攻撃し、そして『捕虜』として捕まえれば無駄な殺し合いをしなくては良いのでは?」

 

優花「それは無理よ……霧の艦隊であるコンゴウさんやマヤちゃんの軍艦はスクラップ寸前だから攻撃出来ないし、かと言って修理しようとしてもナノマテリアルが無いし、ウチの鎮守府や呉そしてショートランド拍地の設備では修理不可能……そして先程言ったと思うけど千早群像は未来の地球から来ているの……とてもじゃないけと……ん!?待てよ……」

 

優花は鹿島の案を却下し、理由を答えると、何か思い付いたのかコンゴウとマヤに質問した

 

優花「コンゴウさんにマヤちゃん……今、軍艦動かせれる?」

 

マヤ「機関部がやられているから無理!」

 

コンゴウ「私の方は機関部は無事だったが、それ以外の損傷が激しいから、あまり飛ばせないが……ッ!?成る程……そういう事か……」

 

蘭「成る程な……流石兄さんの教え子だ」

 

夕張 明石「あぁ~……そう言う事ですか……」

 

マヤは両腕を交差し、コンゴウ、蘭、夕張そして明石は優花の考えを察したのか安堵し理解すると優花は微笑みながら答えた

 

優花「……そう、コンゴウさんとマヤちゃんの軍艦を金沢にある上城財閥の系列の造船場に持っていき、直して貰うの」

 

佐世保の艦娘達「ブッ!?この人、何ブッ飛んだ事を言っているの!?」

 

呉の艦娘達「正気!?」

 

長門「馬鹿な事を言うのは止めて下さい!!それを行うには『相当のリスク』……蒼の艦隊に攻撃されてしまいます!」

 

長門達は優花の案を否定すると、優花は微笑みながら言った

 

優花「その点については問題無いよ♪勇人君と柏木大将のお陰で彼方さんもコンゴウさん達みたいに出撃不可能だから♪」

 

コンゴウ「本来ならナノマテリアル等の物資は此処で受け取る予定だったが……」

 

夕張「まぁ良いじゃない♪受け取る場所が『変わった』だけだから♪」

 

コンゴウ「それもそうだな……」

 

艦娘達「……何やってんのよ……提督(司令官)達は……」

 

優花達は笑いながらコンゴウとマヤに言うと佐世保、呉そしてショートランドの艦娘達は勇人と柏木の行動力の高さに呆れていたものの、安心しきっていた

 

蘭「考えは纏まったな……それじゃ私は父さん経由で柏木大将の兄である『恵』さんに連絡し、情報共有するから……」

 

優花「了解、私は取り敢えず勇人君に連絡をするかな……」

 

優花は勇人に連絡する為にスマホを操作し、電話し始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして蒼の艦隊のアジトでも……

 

キリシマ「嘘だろ……みんな!聞いてくれ!今、龍光会について調べたんだが、そいつら『在日アジア系の国籍』を持った連中でもありK国の将軍を殺した佐世保の龍に恨みを持つ連中だったんだ!そして私達と『霧の艦隊』を呼び寄せたのもコイツらのせいだったんだ!」

 

熊のぬいぐるみでもあり軍艦『霧島』のメンタルモデル『キリシマ』別名『ヨタロウ』が龍光会の全てを調べ尽くすと龍光会の悪行……いや蒼霧事変を作らせた黒幕だと言う事を伝えると杏平達は顔を歪め、悔しそうに言った

 

杏平「クソッ!俺達はアイツらに騙された……という訳だな」

 

僧「……これで辻褄が合いましたね……龍光会は何処かから情報を仕入れ、彼『若い頃の勇人お爺さん』が群像の祖父だと知り、彼を殺せば……異世界とは言え未来が変わり……」

 

静「艦長……いえ艦長含め私達全員……消える……」

 

いおり「……チッ!しかも群像は勇人お爺さんが『佐世保の龍』とは知らず、そして勇人お爺さんは私達の敵である霧の艦隊と手を組んだ……しかも資材全部、呉の虎や勇人お爺さんの実家である神城会に盗られ……八方塞がりね……」

 

ハルナ「……せめて佐世保の龍または彼の関係者と連絡を取れれば……」

 

キリシマ達は龍光会の策略に踊らされた事に気付き、頭を抱え、嘆いていると……

 

イオナ「ッ!?桜花優花の携帯電話のジャミング解除そしてハッキング完了!」

 

イオナはコンゴウが仕掛けたジャミングを解除しハッキングに成功すると杏平達はイオナの吉報に喜びながら言った

 

キリシマ「マジで!?よくコンゴウが仕掛けたジャミングを解除出来たな……」

 

杏平「何ぃ!?イオナ!今すぐに桜花さんに繋げてくれ!俺が説得する!」

 

杏平は意気揚々と優花達を説得しようとモニターを操作した途端、いおりが彼を止めるかの様に怒鳴りつけた

 

いおり「馬鹿!アンタが桜花さん達を説得出来る訳無いでしょ!アッチは『霧の艦隊』だけではなく軍艦を精霊化した存在『艦娘』も居る、そして、さっきドローンで神城会総本部を偵察したけど勇人お爺さんと柏木さんは『半艦息』で、特に勇人お爺さんはタカオの主砲を破壊する位の戦力を持っているのよ!しかも私とアンタそしてタカオが、あの怒らせると怖い勇人お爺さんを『怒らせた』のよ!無理に決まっているじゃん!」

 

杏平「そうだった……じゃあ、どうすれば良いんだ!」

 

いおりは杏平に怒鳴りながら言うと杏平は頭を抱え、ため息を付くと静は手を上げ、いおり達に言った

 

静「……なら私が説得させます……」

 

いおり 杏平「静が!?」

 

静「私なら名前や顔がバレていませんので……」

 

杏平「確かにそうだけど……」

 

二人は静が優花達を説得する事に驚くと僧は考え、そして……

 

僧「……妥当ですね、ではお願いします」

 

僧は静の案を了承すると静は直ぐにモニターを操作し、優花のスマホに電話……いやハッキングし優花とコンタクトし始めた

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻り 佐世保鎮守府

 

優花「さて……アイツらに再び逆探知されなきゃ良いのだが……」

 

優花はスマホを操作し、勇人に電話しようとした途端

 

ブーン!ブーン!

 

優花「ッ!?」

 

夕張「どうしたの優花さん……ッ!?非通知!?」

 

明石「……まさか蒼の……艦隊……」

 

コンゴウ「チッ……ジャミングが解除されている……十中八九、蒼の艦隊からだ」

 

優花のスマホには『非通知』と記載され、コンゴウは自身が仕掛けたジャミングが解除されたのを知ると真剣な表情で優花に言うと優花は緊張し、その電話に出た

 

優花「……誰?」

 

静「夜遅くすみません、私『蒼き鋼の艦隊』の『八月一日 静』と言う者です、佐世保鎮守府総副司令官の『桜花 優花』さんで合っていますか?」

 

優花「そうだけど……ん?蒼き鋼?」

 

優花は静が自身の艦隊を『蒼き鋼の艦隊』と紹介すると優花は疑問を抱き、質問すると静は慌てて説明した

 

静「すみません!貴女達では『蒼の艦隊』と言われている艦隊です!時間が惜しいので本題に入らせて頂きます!実は……優花「ひょっとして千早群像が勇人君……いえ佐世保の龍の孫だと言うことを伝えたかったんじゃないの?」……ッ!?知っていたのですね……」

 

優花「まぁ私たちも今さっき知ったんだけどね……此方の本題に入るが貴女達『蒼の艦隊』……じゃなかった『蒼き鋼の艦隊』は私達『龍虎の艦隊』の敵として扱えれば良いの?そこだけはハッキリと答えて!」

 

静は優花の質問に肯定すると、優花は勇人仕込みの強い口調で静……いや蒼の艦隊が彼女達に敵意があるか否か聞くと静は静かに、そして落ち着いた口調で答えた

 

静「……艦長のお祖父ちゃんだと分かった時点で敵意は無くなりました」

 

優花「……そっか、ちなみに千早群像は『その事』を知っているの?」

 

静「……いいえ、知りません……勇人お爺さんも『その事』を……」

 

優花「知らないわ……チッ!不味いわね……」

 

静「不味いって……どういう事ですか?」

 

静は少し焦った優花に聞くと優花は焦った理由を答えた

 

優花「……勇人君、先程の襲撃でキレて、本気で貴女達『蒼き鋼の艦隊』を潰すつもりよ」

 

静「ッ!?という事は……私達『皆殺し』に……」

 

静は嫌な予感がしたのか、震えながら聞くと優花は「今の勇人君なら()りかね無いよ」と答えると蒼き鋼の艦隊達は未来と今『二人』の勇人の怖さ、今の勇人がタカオを撃退させる程の戦力を持っている事そして今の勇人達はキレている事を知っていたのか彼女達はパニックになり命乞いをするかの様に焦り、震えながら御願いした

 

いおり「ッ!?先程の無線の件はスミマセンでした!!だから……」

 

杏平「ヒィッ!?ナ……ナノマテリアル等の全ての資材は差し上げますので……」

 

僧「わ……私達の負けです……どうか……」

 

いおり 杏平 僧 静「群像(艦長)とタカオそして勇人お爺さん達を止めて下さい!!御願いします!!」

 

優花「勿r……え?ちょ!?いくら敵意が無いからって艦長の相談無しに『無条件降伏』するの!?訳を話して!」

 

静「はい……実は……」

 

優花は蒼き鋼の艦隊の艦長である千早群像の相談無しに負けを認めた彼女達に驚きつつも理由を聞くと静は簡潔に説明した

 

静「……という訳です」

 

優花「成る程ね……勇人君を殺せば異世界とは言え、未来と今の矛盾『タイムパラドックス』が発生し、千早群像や静達が『消える』という訳ね……はぁ……龍光会め……こんな子供に『残酷』な依頼を……」

 

夕張「……酷い」

 

長門「……虫酸が走るな」

 

武蔵「ギリッ……」

 

吹雪「そして龍光会は手を汚さず……許せない!!」

 

艦娘達「許せない!今直ぐ龍光会を潰そう!」

 

吹雪を初め艦娘全員が怒り狂ったかの様に大声を出すとコンゴウも握りこぶしを作り、吹雪達と同じくドスの低い口調で答えた

 

コンゴウ「……馬鹿な真似を……直ぐに龍光会に粛正を!」

 

マヤ「だけど『こんな事』をしたら『アドミラリティーコード』に……」

 

マヤはコンゴウに忠告するとコンゴウは怒りに染まった表情でマヤに言った

 

コンゴウ「構うものか!!アイツら……龍光会は私達『霧の艦隊』を……」

 

大和「コンゴウさん!気持ちは分かりますが、先ずは『私達』が『すべき事』……提督の実家で貴女とマヤちゃんの軍艦を修復してから行動して下さい!今の貴女達は単なる『目立つ的』です!」

 

コンゴウ「……チッ!それもそうだな……」

 

夕立(確かに正論っポイけど……)

 

明石(……言い方キツくない?)

 

陸奥(多分、提督の影響だと思うけど……)

 

艦娘達(……うん、絶対そうだ)

 

大和は怒り狂ったコンゴウを止める様に怒鳴りつけながら『正論』を言うとコンゴウは舌打ちをし黙りこみ、夕立を初め艦娘全員が大和のキツイ言葉に小声で愚痴り、優花は考えが纏まらないのか、困りながら静達に言った

 

優花「……分かった、この話は勇人君と相談するから貴女達も変な真似はしないでね……特に千早群像……勇人君の孫にキツく言っといて……勇人君『同様』に『とんでもない事』をやらかしそうだから……」

 

静「……分かりました」

 

二人は電話を切ると優花は壮大なため息を付き、愚痴る様に言った

 

優花「ハァ~……緊張したぁ~……」

 

扶桑「お疲れ様です……しかし困りましたね……千早群像が提督の御孫さんで……龍光会の策略に乗っちゃっているし……不幸だわ」

 

山城「扶桑御姉様!それ私のセリフですが同感です!優花さん!この事を逸早く提督に!」

 

優花「分かっている……コンゴウさん、もう一度ジャミングを……」

 

コンゴウ「……分かった」

 

優花は再びスマホを操作し勇人に電話し始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間を少し遡り数分前 スナック『マヨイガ』にて……

 

勇人 群像「……」

 

タカオ(うわ……佐世保の龍に呉の虎……そして艦娘達……この状況を打破出来る方法は……)

 

柏木(……見た感じ、千早群像は勇人と同じ『タイプ』の人間だな……なら……)

 

艦娘達「ゴクッ……」

 

勇次「……しかし腹減ったな……」

 

柏木「……自由過ぎるだろ弟さん」

 

勇次「仕方無ぇだろ……俺達とアイツらは、本来飯食いに来たんだからな……」

 

柏木「それは分かるけどさ……しかし千早群像って、よく見たら勇人に似ているな……少し子供っぽいけど……」

 

勇次「そう言えばそうだな……」

 

タカオ「……それに関しては同意するわ」

 

群像とタカオは勇人が座っている席の向かい側に座り三人は『この状況』を打破しようと模索し、柏木は勇人が模索しやすい様にタカオ達と雑談するように喋った

 

勇人「……千早群像」

 

群像「何だ」

 

勇人「……お前達は『何者』なんだ?見たところ『在日特有』の顔つきでは無いのだが……」

 

勇人は群像を在日アジア系の人間だと勘違いしていたのか警戒しドスの効いた低い口調で聞くと群像は勇人を警戒し、睨み付ける様に答えた

 

群像「ああ、俺達はパラレルワールドの未来の日本から来たんだ……本業は『運び屋兼傭兵』だ」

 

勇人「未来……そしてパラレルワールドか……通りで俺達の世界にしては『オーバーテクノロジー』な武装だと思ったぜ」

 

群像「それは此方のセリフだ、あのタカオを撃退させるなんて……では単刀直入に言うが何故、霧の艦隊と手を組んだ?」

 

群像は勇人に睨み付けながら言うと勇人は眉をピクリと動かし、睨み付けながら答えた

 

勇人「お前……さてはハッキングしたな」

 

群像「……質問に答えろ」

 

勇人は群像に聞くと、群像は強い口調で喋ると勇人は溜め息を出し、答えた

 

勇人「……ああ、確かに霧の艦隊と手を組んだ……彼女達は四年前の恩を返したい為にな」

 

タカオ「四年前!?まさか……貴方は……上城蘭花の……」

 

勇人「……弟だ、姉貴は『あの事故』から半年後に亡くなったんだ」

 

タカオ「嘘……でしょ……」

 

群像「四年前?上城蘭花?タカオ、一体どういう事だ」

 

勇人は横槍を入れたタカオの質問に答えるとタカオは顔面蒼白になり慌てて群像に言った

 

タカオ「私がまだ霧の艦隊に居たときに、事故で『この世界』に漂流してしまった時に助けて貰ったのよ……しかも上城勇人と、そこの頭の悪そうな男『上城勇次』の姉である『上城蘭花』そして三人の父親『上城一馬』に手厚く保護してもらったのよ」

 

瑞鶴「ッ!?タカオ!アンタ私の彼氏を……殺す!」

 

高雄「わ……私!?」

 

瑞鶴「高雄さんじゃなくて、あのクソガキの方よ!」

 

高雄以外の艦娘達「瑞鶴さん(ズイズイ)!?」

 

タカオ「ヒィッ!?ご……ごめんなさい!」

 

勇人「瑞鶴!」

 

勇次「落ち着けズイチャン……俺は気にして無いから仕舞いな」

 

瑞鶴「……分かった」

 

瑞鶴以外の艦娘達 タカオ「ホッ……」

 

瑞鶴はタカオの発言にキレたのか艤装を展開し、弓矢をタカオに向けて構えるとタカオは怖がりながらも謝罪すると群像は納得し勇人を睨み付けるのを止めたのか少し落ち着いた表情になり言った

 

群像「……そう言う事だったのか」

 

勇人「納得したんだな……んで、俺からの質問だ」

 

勇人は群像に質問しようとした途端……

 

途切れた息の根を~♪汚れた世界を繋ぎ止めて~♪

 

愛に銃爆~♪射ち鳴らして~♪

 

勇人「……出ないのか?」

 

群像「そっちこそ出ないのか?」

 

全員(うわ~タイミング悪っ!?)

 

そう勇人と群像、両者のスマホから電話が掛かってきたのだ

 

タカオ(チッ……ハッキング出来ない!)

 

勇人「……フッ」

 

タカオはハッキングしようとしたが、コンゴウが作ったジャミング機能に苦戦し、顔を歪めているのを勇人は見て、何かを察したのか、立ち上がった

 

勇人「……ちょっと席外すぜ」

 

勇人(柏木……あの二人が変な真似をしないか見張っといてくれ……嫌な予感がする……)

 

柏木(……早めにな、俺も千早群像について嫌な予感がするからな……)

 

勇人は小声で柏木に御願いし、そのまま厨房に向かい、厨房に入ると電話の相手である優花の電話を出た

 

勇人「……お前なぁ!!千早群像とタカオが居る時に電話なんかしやがって……こんな時に掛けてくるんじゃねぇ!」

 

優花「こんな時だからでしょ!!勇人君!聞いて!!」

 

勇人「だから!怒鳴るんじゃねぇ!」

 

群像「ッ!?」

 

柏木「勇人!聞こえているぞぉー!」

 

勇人「悪い!……んで何かトラブったのか?」

 

勇人は電話に出て、小声で聞くと優花は小声ではあるが冷静な口調で言った

 

優花「うん……実は蒼の艦隊の司令官である千早群像の事だけど……」

 

勇人「ああ……あのガキがどうしたんだ?」

 

勇人は優花の真剣な雰囲気に「これはただ事じゃねぇな」と思い、優花に聞くと優花は覚悟したのか一度深呼吸をし、勇人の質問に答えた

それは勇人にとって『一番の誤算』だと言うことに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優花「……実は千早群像はパラレルワールドの未来の勇人君の孫なのよ……」

 

勇人「……何だと!?」

 

そう、千早群像は勇人の孫だと言うことに……

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 金沢市内にある龍光会北陸支部本部にて

 

スーツの男「……チッ!?コンゴウとマヤが将軍殺しの龍に……伊400、伊402よ、直ぐにコンゴウの動きを止めろ、あの女はアドミラリティーコードの命令を違反した!直ぐに捕らえてくれ!」

 

イオナに似た紫色の衣装を着た少女『伊400』「了解」

 

同じく緑色の衣装を着た少女『伊402』「分かった」

 

二人は部屋から出るとスーツの男は不気味な笑みを浮かべながら思った

 

スーツの男(一時はどうなる事かと思ったが……クックック……さて私は『あの作戦』を始めようとするか……将軍殺しの男を殺す為に用意した『上城蘭花』の遺体を使って……)

 

勇人、柏木そして優花に『今』そして『未来』を掛けた大戦争が始まろうとは……



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第40話「戰乙女達の宴」

場所は戻り スナック『マヨイガ』内の厨房にて

 

勇人「……それはどういう事だ……千早群像が俺の孫だなんて……何処で知った?」

 

勇人は驚きつつ小声で優花に聞くと、優花もまた小声で伝えた

 

優花「うん……元々は興味本位でコンゴウさんに御願いして調べて貰ったら……」

 

勇人「……成る程な、これで合点が合ったな……つまり龍光会は千早群像の祖父である俺を殺せば孫である千早群像の……いや蒼の艦隊の『存在』が無くなり、俺を殺した本人である千早群像ごと消える事により『証拠』が無くなり、アイツらの『完全犯罪』が出来上がる訳だな……」

 

優花「……うん」

 

勇人「ギリッ……クソッタレ……」

 

勇人は龍光会の策略が分かり、納得した反面、先祖殺しを依頼した龍光会に怒りを表したのか歯軋りをし苛立っていると背後からオレンジ色の巻き髪をした科学者風の女性が厨房に入って来て、勇人に聞いた

 

女性「……貴方が上城勇人さんね?」

 

勇人「赤城……ん?いや違うな、誰だ?」

 

勇人は赤城の声に似た女性に睨み付けながら聞くと、女性は勇人に敵意が無いのかビビりながらも両手を上げながら答えた

 

女性改め『ヒュウガ』「待って!私は敵じゃないわ!私は蒼き鋼の艦隊に所属している軍艦『日向』のメンタルモデルの『ヒュウガ』……まぁ貴方達では『蒼の艦隊』と言われているけどね」

 

勇人「……色々と矛盾しているぞ、そして何故此処に居るんだ?」

 

優花「蒼き鋼の……まさか勇人君……今、絶体絶命な状態なの?」

 

優花は勇人を心配すると勇人は「大丈夫だ、問題無い」と答え、ヒュウガは勇人の矛盾や彼女自身、何故此処に居る理由を説明し始めた

 

ヒュウガ「まぁ貴方達の中では矛盾していても仕方無いわ……私も龍光会の策略によって、この世界に流れ着いたのは良いが私だけ違う所に漂流したのよ」

 

優吾「そうッス……今朝、金沢の漁港に行ったら気絶していた彼女が居たんッスよ……そして……」

 

勇人「蒼の艦隊とは知らずに保護した……という訳だな……ってか何故此処に居るんだ?」

 

優吾「料理が出来上がったので呼びに来たんッスよ」

 

優吾は料理や酒が出来上がった事を言うとヒュウガは嬉しそうに言った

 

ヒュウガ「え♪料理ですって♪私も食べたいです♪」

 

勇人「……優吾、ヒュウガと群像達にも飯を出してやれ……勿論俺達持ちだ」

 

ヒュウガ「ゴチになります♪……そんで、貴方の中では敵である私達に奢るのは……何か策があるのかしら?」

 

勇人「ふん!感の良い女は嫌いじゃないぜ♪ちょっとな……」

 

ヒュウガは勇人の考えについて聞くと勇人は優吾に『とある事』を聞いた

 

勇人「優吾、この店は在日の政治団体である『龍光会』の連中が来るのか?」

 

勇人の質問に優吾は嫌がった顔をし頭を抱えながら答えた

 

優吾「来るの何も『常連さん』ッス……まぁ『悪い意味』ッスけどね……店は汚すわ、優奈に手を出そうとするわ、粗相をかますし……『お客様は神様』だと言うけど、アイツらの場合は神様でも『疫病神』ッスよ」

 

勇人「……ちなみに何時来るのか分かっているのか?」

 

勇人は優吾に聞くと、優吾はメモ帳を開き、答えた

 

優吾「えーっと……あった!予定では三日後の18時に龍光会北陸支部全員で『忘年会』を此処で行う予定ッスけど……」

 

勇人「フッ……これは好都合だ」

 

ヒュウガ「……成る程、直接アイツらから情報を引き出すのね……それなら私が……」

 

ヒュウガは龍光会から情報を引き出す仕事に立候補するが……

 

勇人「いやヒュウガは群像達の様子を見てくれ、ここは『俺と柏木』が出る」

 

勇人はヒュウガの案を却下すると二人は焦りながら言った

 

優吾「はぁ!?先輩マジで言っているんッスか!?」

 

ヒュウガ「いくら貴方達が強いからって……自殺行為よ!」

 

優花「あぁ~……そう言う事ね……分かったわ」

 

スマホ越しではあるが、優花は勇人の言葉に納得すると二人は何故納得した優花に凄い剣幕で質問した

 

優吾「優花さん!アンタ何ダラな事を言っているんッスか!?先輩は龍光会に狙われているんッスよ!!」

 

ヒュウガ「そうよ!!本来、彼らを『止める立場』である貴女が『自殺行為染みた作戦』に賛成するのよ!!馬鹿じゃないの!?」

 

優花「勇人君『あれ』を見せて上げれば?」

 

優花は二人を納得させる為に、勇人に御願いすると、勇人は溜め息を付き答えた

 

勇人「……あれは特別防衛機密に指定されて……」

 

柏木「別に良いんじゃね、優吾さん達も海軍の事情を知っているんだし♪それに龍光会の連中はお前の『あれ』と艤装を着けた俺の姿なんて知らねぇからよ♪」

 

勇人「柏木!?すっかり出来上がっているな……」

 

ヒュウガ「ゲ!?呉の虎!?」

 

柏木「ガオー♪食べちゃうぞ♪……まぁ冗談はさておき、勇人……お前と千早群像の関係は……」

 

勇人「孫……だろ?俺も、さっき優花から聞いた……今アイツらは?」

 

勇人はビール片手に厨房に入ってきた柏木に驚くと、柏木は飲みながら言った

 

柏木「アイツら……色んな意味でショックを受けて、頭を抱えているぞ」

 

勇人「……そうか、それじゃ優花、至急コンゴウとマヤの軍艦をウチまで運んでくれないか?蒼き鋼の連中には俺が言っておく」

 

優花「うん、分かった……無理はしないでね」

 

優花は勇人に、そう言い残し、電話を切った

 

優吾「……先輩に柏木さん『あれ』って何ですか?」

 

柏木「……言葉で説明するより見せた方が手っ取り早いな……艤装展開!」

 

勇人「ああ……艤装展開!『battle mode Aegis Ver.2』!」

 

二人は優吾、ヒュウガの前で艤装を展開し、勇人は女の姿である『Aegis Ver.2』になると、優吾そしてヒュウガは二人の姿を見て絶叫した

 

優吾 ヒュウガ「エェェェェェ!?先輩達(龍虎の二人)が……女に!?」

 

勇人「……これで分かったか?」

 

備前「……お前、イメチェンしたのか?三笠教官に似ているのだが……」

 

勇人「ああ、流石に『あの姿』じゃあ、お袋に似ているから直ぐに龍光会にバレるしな……バレない様に母さんを参考にして加賀に頼んで髪を切り落とし、服装を変えた」

 

備前は今の勇人の姿を見て聞くと勇人は肯定した

ちなみにイメチェンした勇人の姿は某MMDのオリジナル艦娘の『三笠』に瓜二つにした姿だったのだ

 

備前「まぁ妥当な判断だな……ってか加賀にやらしたのか……アイツ大丈夫だったのか?」

 

勇人「……震えていたぞ……多分アイツ、ショートランドの頃のトラウマでは無くてガ島の時のトラウマの方を思い出して……」

 

備前「あ、それは俺達が悪いな」

 

勇人「あの時は仕方無かったんや」

 

備前「だよなぁ……」

 

備前は勇人がイメチェンしている時の加賀を想像すると頭を抱え、愚痴るとヒュウガと優吾は二人の姿に頭がついて行けなかったのか、焦りながらいった

 

優吾「ちょ!?待ってください先輩!これは一体どういう事ッスか!?」

 

ヒュウガ「そうよ!!何故私と同じ『メンタルモデル』いえ艦娘になれるの!?」

 

勇人「悪いな、流石にお前達でも言えないな」

 

備前「……察してくれ」

 

二人は優吾達に言うと優吾は察したのか、はたまた色んな意味でブッ飛んだ二人の事を考えるのを止めたのか呆れながら答えた

 

優吾「……『特別防衛機密指定』レベルッスか……分かりました」

 

勇人「助かる」

 

ヒュウガ「え!?優吾さん!?良いんですか!?」

 

優吾「ああ、ヒュウガ……これだけは覚えて欲しいッスよ……これは『触らぬ神に祟りなし』……聞かない方が良いッス……後、これは他言無用で宜しくッス」

 

ヒュウガ「納得いかないが……分かったわ」

 

備前「ホッ……んじゃ元の姿に戻るか……艤装解除」

 

勇人「ああ……艤装解除」

 

勇人と備前は二人が納得するのを確認すると艤装を解除し柏木は少し温くなったビールを一気飲みをし、勇人は懐からタバコを取り出し、タバコを吸い始めた

 

勇人「そんじゃ俺達も戻るか」

 

柏木「ああ、群像達のアフターケアを頼んだぜ……『勇人お祖父ちゃん』♪」

 

勇人「俺はそこまで老けてねぇよ!」

 

ヒュウガ「頑張ってね『勇人お祖父ちゃん』♪」

 

勇人「お前らぁ……」

 

優吾「先輩……同情するッス」

 

少し苛ついている勇人を尻目に四人は客席に戻った

 

数分後 客席にて

 

勇人「待たせたな……ん?どうした?何で殺気立っているんだ?」

 

柏木「だから言っただろ?『アフターケア』を頼んだぜ……と」

 

ヒュウガ「うわぁ……」

 

優吾「これは……アカン」

 

優奈「これ……異世界の勇人さんのせいですから!」

 

四人は客席にいた金剛達を見て呆れていた

何故なら……

 

金剛「テートク!?これは一体どういう事デスか!?」

 

榛名 咲夜「提督(ご主人様)!あれほど浮気はしないでと言ったじゃないですか!?」

 

高雄「しかも子供ところが孫まで……」

 

愛宕「ちょっと『お話』を……」

 

鳥海「しませんか?」

 

比叡「ヒェェェ……みんな、落ち着いて……」

 

霧島 龍鳳「……はぁ」

 

摩耶 三笠元帥「何でこうなるの……」

 

群像 タカオ「ガタガタガタ………」

 

一航戦 瑞鶴 勇次 博和「……やれやれ」

 

金剛、榛名を筆頭に咲夜、高雄、愛宕そして鳥海が勇人に凄い剣幕で質問し比叡と群像そしてタカオは今の金剛達を見て臆し、それ以外は金剛達の状態に呆れていたのだ

しかも金剛、榛名、咲夜、摩耶以外の高雄型全員が泥酔しきっていたのだ

 

勇人「……泣けるぜ」

 

タカオ「嘆いている暇があったら助けて『お爺様』!!みんな武器を持って……」

 

群像「……よく彼女達を纏めれましたね……『お祖父ちゃん』……」

 

勇人「群像にタカオ!俺をジジイ扱いするな!まだ22だ!」

 

柏木「そんな事を言っている場合じゃねぇだろ!早く止めるぞ!」

 

勇人「……分かった」

 

その後、勇人達の説得により場は収まり、数分後……

 

勇人「さっきはすまなかったな……ウチの仲間達が……」

 

艦娘達 咲夜「スミマセンでした!」

 

群像「此方こそスミマセン……まさか佐世保の龍が、お祖父ちゃんだったなんて……」

 

タカオ「そうですよ……はぁ……不幸だわ……」

 

二人は勇人が群像の祖父だと知ると、先ほどまでの殺気染みた強気な態度から一変し、年相当の若々しさがあり、落ち着いた雰囲気で接し始めた

ちなみに何処からか「私の台詞よ……不幸だわ」と聞こえたのは言うまでもなかったが……

 

勇人「気にすんな、お前らは龍光会に騙されて攻撃したんだろ?」

 

群像「……はい」

 

勇人「なら、そのケジメはアイツらに取らせるつもりだから気にするな……と言いたいが、これだけは言わせてくれ……よくも俺の車を破壊しやがって!!アレ高かったんだぞ!!」

 

高雄型 瑞鶴「ソッチ!?」

 

群像 タカオ「ッ!?ごめんなさい!!」

 

柏木「オイコラ、言っている事と矛盾しているぞ」

 

金剛「そうデース!テートクの気持ちは分かりマスが、彼等に非がありまセーン!」

 

勇次「兄貴も落ち着けって!苛ついているのは分かるけどさ……」

 

勇人「……すまん、俺とした事が……」

 

勇人は柏木達に宥められ、謝罪すると群像は勇人に先程、席を外した理由を聞いた

 

群像「いえ……所でお祖父t……勇人「アァ?」……いえ勇人さん、先程席を外して何をしていたのですか?」

 

勇人「……俺の仲間が、お前達の事について報告してきたんだよ……内容は群像……お前が俺の孫だとな」

 

群像「……そうでしたか」

 

群像は勇人の言葉に安堵するとタカオはヒュウガに声を荒げながら言った

 

タカオ「……って!何でアンタが此処にいるのよ!!」

 

ヒュウガ「あら?私は優吾さんと優奈さんに保護されたのよ♪勿論、助けて貰った恩を返す為に店を手伝っているのよ♪」

 

タカオ「アンタね……本当は『優吾さんの料理(コレ)』目当てでしょ?」

 

ヒュウガ「あ、バレた?」

 

タカオ「……ったく」

 

グゥー……

 

タカオが呆れると、騒音に近い空腹音が聞こえると勇人、柏木は呆れながら空腹音を出した本人い言った

 

勇人 柏木「……おい一航戦」

 

加賀「スミマセン……お腹すきました」

 

赤城「話は後にして御飯を食べましょ?お互いの交流の為に♪」

 

ヒュウガ「クスッ♪それもそうね♪じゃ……」

 

全員「いただきます!」

 

赤城は空腹に我慢出来なかったのか、話を一旦止めさせ、勇人と群像達は少し冷えた唐揚げ等の食事を取り始めた

 

そして更に一時間後……

 

Wタカオ「アッハッハッハ♪艦長(提督)が四人も♪」

 

愛宕 龍鳳「今日から~fly again~♪」

 

摩耶「カーニバルだ~♪」

 

瑞鶴「ユージン~♪一口頂戴♪」

 

勇次「ああ♪あーん♪」

 

鳥海「ヒュウガさん~♪きゅーそくせんこー♪」

 

ヒュウガ「プフッ!?イオナおねぇさまに似ていますね♪」

 

三笠元帥「ヒャッハー♪金剛ちゃん達も飲みなさいよ♪」

 

金剛型「イェース♪」

 

一航戦「モッモッモッ………」

 

咲夜「ご主人様ぁ~♪」

 

柏木「……勇人、お前の口癖を借りるぜ」

 

博和「ご主人様、私も……」

 

勇人「……ああ」

 

群像「……俺の世界のお祖父ちゃんの口癖だが……」

 

一時間後、いつの間にか食事から宴会になり、艦娘達やメンタルモデルの二人そして勇次と咲夜が泥酔する等、カオスめいた状態に勇人、柏木、博和そして群像は……

 

勇人 柏木 群像 博和「……泣けるぜ(泣けますね)」

 

と呆れていたのは言うまでも無かった

 

そして……

 

勇人「……とまぁ、はっちゃけている馬鹿共は放置して……群像、お前達が『どういった経緯』で此方に来たんだ?」

 

群像「ッ!?分かりました……あれは3日前の事てすが……」

 

勇人は酒の肴にするつもりなのか、群像に此方に来た経緯について聞くと群像は悔しそうに顔を歪め、今にも怒りそうな口調で説明し始めた

 

まさか『この経緯』が勇人の逆鱗に触れようとは誰も思わなかっただろう……



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第41話「事の経緯 前編」

群像「……それは俺達『蒼き鋼の艦隊』が硫黄島から出る時でした……」

 

群像は勇人達に重い口調で簡潔ではあるものの、経緯を説明し始めた

 

群像「俺達は当時、拠点としてた硫黄島を捨て、タカオの船に俺と伊401のメンタルモデル『イオナ』以外の乗組員全員を乗せ、別ルートではあるが俺達はアメリカに向かっている途中でした……」

 

勇人「別ルート?何で態々面倒臭い事をするんだ?」

 

群像「その時、伊401……イオナは和平交渉をしていた霧の艦隊の一人『コンゴウ』と『マヤ』に狙われていたんだ」

 

柏木「交渉失敗し、アイツらの囮に……って訳だな」

 

柏木の答えに群像は頭を縦に振り説明を再開した

 

群像「そうです……結果は逃げ切ったのですが、逃げ切った直後、強い電磁波が発生し、その電磁波のせいで伊401とタカオは『クラインフィールド』が使えない位ボロボロになり、霧の艦隊共々、パラレルワールドの過去……今の世界に流れついたのです」

 

勇人「……そして黒幕である龍光会の依頼を断ったコンゴウ達に会い、お前達は自分の世界に戻りたいが為に龍光会の依頼を了承し、電磁波でボロボロになったコンゴウ達を……」

 

群像「………はい」

 

勇人「ッ!?」

 

グイッ!!

 

群像「ッ!?」

 

勇人は群像に聞くと群像は静かに肯定すると勇人は怒りを含んだドスの利いた低い口調で群像の胸倉を掴み言った

 

勇人「オイコラ!何が和平交渉をミスったからって尻尾を巻いて逃げ、更にボロボロになったアイツらを追い討ちを掛ける等、卑怯極まりない事をするんだ!そして龍光会……アイツらの事を疑いもしなかったのか!?どうなんだ!?」

 

群像「そ……それは……」

 

柏木「勇人落ち着けって!後、お前も人の事を言えねぇだろ!」

 

柏木は怒り狂った勇人を宥める様に止めると勇人は柏木に強い口調で答えた

 

勇人「俺はあくまで平和的に、そして霧と群像達、両方に死傷者が出ない様に攻めているだけだ!」

 

柏木「あ……そう言えばそうだったな、俺達は群像達の資材を盗み、軍資金等のルートを遮断する厭らしい攻め方……『兵糧攻め』がメインだったな……流石に『殺し』はやらねぇが……群像、一応言っておくが、お前の『返答次第』では『兵糧攻め』から『壊滅作戦(皆殺し)』に変更になるけどな」

 

勇人の言葉に柏木は勇人の作戦内容を思い出し、納得し、勇人同様、殺気が籠った重い口調で答えると群像は殺気染みた二人に臆しながら答えた

 

群像「……実はイオナの判断で龍光会と手を組んだんだ」

 

勇人「イオナ?」

 

勇人は群像が言っていた『イオナ』について聞くと柏木は群像のアジトに忍び込ませた妖精の報告を思い出し、勇人に伝えた

 

柏木「あの銀髪のガキの事だ」

 

勇人「あぁ……あの仏頂面の……」

 

ヒュウガ「あぁ!?イオナおねぇさまが仏頂面だっt……」

 

勇人 柏木「……」

 

ヒュウガ「……ごめんなさい、話を続けて」

 

ヒュウガ(ヒェェェ!彼等の後ろに龍と虎の背後霊が……)

 

ヒュウガは二人がイオナの悪口を言った事に激怒したが、二人が殺気染みた睨みをヒュウガに向けると、ヒュウガは仔犬の様に臆し黙った

 

勇人「……まずは群像のアジトにいるイオナと言われているガキとコンタクト取らねぇと詳しい内容が分からねぇな」

 

柏木「ああ……それと放してやれ……」

 

勇人は群像を放し、苛つきながらも日本酒『手取川』が入ったコップを一気飲みをし、群像達に言った

 

勇人「……チッ!ほら、さっさと帰んな!」

 

群像「……しかし」

 

柏木「悪いな群像、お前のじい様は今『ご立腹』なんだ……後、今回の事は龍光会には内緒だぞ」

 

群像「……つまり俺達は引き続き龍光会の駒として動け……という訳ですね?」

 

群像の答えに柏木は肯定し、簡潔ではあるが理由を答えた

 

柏木「……お前達を『無罪』にするには『証拠』……龍光会に拉致され、脅されたという『証拠』が欲しいからさ……まぁ龍光会に強制的に俺達の世界に拉致された時点で無罪確定だけどな……一応この事も秘密な」

 

群像「ッ!?……分かりました、では……タカオ、帰るぞ」

 

タカオ「ヒック……はぁ~い♪バイバイ『タカちゃん♪』」

 

高雄「それじゃあね♪タカオさん♪」

 

勇次「悪いな群像にタカオ、今兄貴は……」

 

群像「分かっていますよ、勇次『伯父さん』に瑞鶴『伯母さん』そして……」

 

群像 タカオ「お祖父ちゃん(お爺様)……ご馳走でした」

 

二人は柏木の言葉に嬉しくなり、笑顔で勇人達に一礼をし、店を後にした

 

瑞鶴「ちょ!?誰がオバサンですってぇー!!」

 

勇次「落ち着けって……」

 

勇人「……柏木」

 

柏木「勿論……」

 

勇人は真剣な表情で柏木を見ると、柏木は勇人の考えを察したのかニヤついた

 

勇人「……もう一件行くぞ……次はアイツらのアジトにな……」

 

柏木「……妖精の回収か、まぁアイツらから『情報』は出せそうに無いからな……水嶋さん、先に艦娘達を連れて帰ってくれないか?」

 

柏木は博和にお願いすると、博和は「分かりました」と承諾し、艦娘達を連れて店を後にした

 

ヒュウガ「……イオナおねぇさまに会いに行くのね」

 

勇人「ああ、まぁ何故イオナはアイツらと『手を組ませた訳』位は想像出来るけどな……」

 

ヒュウガ「……群像含め乗組員全員が人質にされた……と」

 

勇人はヒュウガの答えに「多分な……」と答えるとヒュウガは決意したのか、真剣な表情で勇人に言った

 

ヒュウガ「……私も連れて言って!私は龍光会には顔ところが名前すらバレていないわ♪」

 

柏木「……なるほどな」

 

勇人「分かった、だが無理はするなよ」

 

ヒュウガ「分かっている……それじゃ優吾さん♪少し席を外しますので宜しくお願いします♪」

 

優吾「了解ッス♪」

 

勇人「優吾『お会計』だ」

 

勇人は懐から財布を出し、優吾に40万円を渡すと優吾は驚き、答えた

 

優吾「ちょ!?先輩!?こんな大金……受け取れないッス!」

 

勇人「良いから受け取れよ、これは『口止め料や迷惑料込みのお会計』だ……行くぞ」

 

柏木「ああ……龍光会にバレない様に……艤装展開」

 

勇人「……艤装展開『battle mode Aegis Ver.2』……じゃ優吾に優奈……ごっぞさん♪」

 

勇人は柏木(備前)とヒュウガを連れて群像達のアジトに向けて移動した

 

 

だが………

 

 

 

 

 

 

ヒュウガ 備前「サブッ!?」

 

勇人「……柏木はともかく……ヒュウガ、だらしねぇな……」

 

ヒュウガ「タフガイの貴方と一緒にしないで……ブァックショイ!!」

 

そう、外は雪が積もっており、冷たい風が備前そしてヒュウガを襲ったのだ

しかもヒュウガは兎も角、備前は露出の多い薄着な為、冷たい風がダイレクトに身に染みてきたのだ

 

備前「勇人……コート貸してくれ……寒過ぎる」

 

勇人「……はいよ」

 

勇人(泣けるぜ……)

 

勇人は羽織っていたコートを備前に貸し、呆れながら群像達のアジトに向けて足を運んだ



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第41話「事の経緯 後編」

勇人達が群像達のアジトに向かっている頃 0030 伊勢型と優花の共同部屋にて

 

コンゴウ「ズズ……はぁ~……たまには紅茶じゃなくて緑茶も良いな……」

 

マヤ「うげ~コレ苦い……」

 

伊勢「……ってか寝ないの?」

 

コンゴウとマヤは炬燵に入り、緑茶を飲みながら寛いでいると伊勢は眠たそうに二人に聞くとコンゴウはリラックスした状態なのか顔を微笑みながら答えた

 

コンゴウ「そもそも私達『メンタルモデル』は精霊化した艦娘とは違い、あまり睡眠を取らないからな……」

 

マヤ「時間の無駄だからね」

 

伊勢「信憑性が無さすぎるわ……貴女達のリラックスした状態を見ていると……」

 

伊勢は二人を見て苦笑すると共同部屋のシャワールームから頭にタオルを巻き、バスローブを羽織った優花が出てきて、冷蔵庫から缶酎ハイを取り出しベットに寛ぐ様に横になり缶酎ハイを開封し一口飲んで、愚痴を溢す様にコンゴウ達に聞いた

 

優花「ふぅ……しかし蒼き鋼のリーダーである群像君がパラレルワールド、そして未来の勇人君の孫なんてね……ちなみにアッチの私達は何しているの?」

 

コンゴウ「ッ!?一応調べたが……どうやら彼方では『男』なんだ……名前は『桜花 悠』になっていたのだ」

 

コンゴウ(……本当は女性で佐世保の龍の『妻』である『千早優花』なんだが、こんな危険状態に『彼方の優花の情報』を提示するのは今の彼女にとって『危険過ぎる』……許せ優花……)

 

伊勢「……」

 

コンゴウは緑茶を飲みながら嘘の情報を伝えると優花は飲んでいた缶酎ハイが気管に入ったのか噎せ、驚きながら聞いた

 

優花「ゴホッゴホッ!わ……私が男ォ!?嘘でしょ……」

 

伊勢「男って……ちなみに私達『艦娘』は?」

 

優花はコンゴウの答えにショックを受け、落ち込むと伊勢は優花に同情しつつマヤに聞くとマヤは苦い緑茶をチビチビ飲みながら答えた

 

マヤ「んー……多分、私達みたいに『メンタルモデル』として活動しているんじゃないのかな?彼方では『艦娘』が存在しないし」

 

コンゴウ「まぁ妥当な結論だな」

 

マヤは伊勢の質問に答えると伊勢は「あー……納得したわ」と悟ったかの様に納得するとコンゴウはマヤの結論に同意し、炬燵の中で横になり欠伸をし答えた

 

コンゴウ「ふわぁ~……しかし、この炬燵というのは中々の快適な物だな」

 

マヤ「そうだね♪私達の軍艦に導入してみよっか♪」

 

伊勢「……完全に畳化しているわね」

 

優花「……ちょっと勇人君の部屋で酒を飲み直してくるわ」

 

優花はコンゴウの嘘の情報にショックを受け凹んだまま勇人の私室に置いてある酒を飲みに部屋から出ていった

 

伊勢「……それで何故、優花さんに『嘘の情報』を与えたの?」

 

伊勢はコンゴウに聞くとコンゴウは溜め息をつき、答えた

 

コンゴウ「……佐世保の龍『同様』命を狙われるからな……勿論、情報が公開しない様に『此方に来た時』に彼に関する人間関係は私含め閲覧出来ない様に施した」

 

伊勢「提督と同じく『命の危険』……まさか!?優花さんは……」

 

伊勢は冷や汗を出し、質問するとコンゴウは伊勢の疑問に肯定するかの様に頭を縦に振り、答えた

 

コンゴウ「……ああ、私達の世界では『千早優花』……千早群像の祖母だ……もう亡くなっているがな」

 

マヤ 伊勢「ッ!?」

 

コンゴウの言葉に二人は驚愕すると……

 

優花「……成る程ね」

 

コンゴウ「ッ!?優花!?佐世保の龍の部屋に行っていたのでは無かったのか!?」

 

優花「馬鹿ね……嘘を付くのなら、もっとマシな嘘を付きなさいよ……」

 

優花はコンゴウの話を盗み聞きをする為に、勇人の部屋に行くフリをし廊下に居たのだ

そして呆れる様にコンゴウに伝えた

 

優花「それに命の危険なんて何回も味わっているから慣れているよ……ねぇコンゴウさん、貴女は蘭花さんに恩を返す為に私達と手を組んでいるよね?」

 

コンゴウ「ああ……」

 

優花「なら私達に嘘を付くのは止めてね……私達仲間でしょ?なら絶対、嘘を付かないでね」

 

優花はコンゴウに忠告するとコンゴウは「分かった」と了承し頭を下げた

 

コンゴウ「……すまなかった」

 

伊勢「まぁ、これはこれでヤバい事になったのは変わらないけどね……」

 

コンゴウ「そうだな、奴らから狙われるからな……」

 

コンゴウは伊勢の言葉に同意すると伊勢は「そういう意味じゃなくて……」と否定し答えた

 

伊勢「……金剛達を筆頭に、この鎮守府で提督の事を『最愛の人』として慕っている艦娘達や彼を落そうとしている他の鎮守府の艦娘達や女性提督に聞かれたら……」

 

コンゴウ「……考えたく無いな」

 

コンゴウは伊勢の意味深な言葉を察すると優花は群像の祖母……勇人の妻だと知ると嬉しそうに呟いた

 

優花「私が勇人君の妻……今度から勇人君の事をダーリンと……」

 

伊勢「おーい優花さん……戻って来て……」

 

マヤ「佐世保鎮守府内でカーニバル(シュラバヤ海戦)待った無しだね……」

 

コンゴウ(言わなければ良かった……)

 

二人は呆れながら呟き、コンゴウは後悔したのか頭を抱えた

そして……

 

青葉「……青葉、聞いちゃいました」

 

青葉に聞かれ、鎮守府に広がったのは言うまでもなかった

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 金沢港付近にて

 

ゾクッ……

 

勇人「ッ!?」

 

備前「ん?どうした?」

 

備前は震えた勇人に違和感を感じ、聞くと勇人は身体が震えているのにも関わらず冷や汗を出しながら答えた

 

勇人「急に寒気が……」

 

ヒュウガ「風邪引いたの?」

 

勇人「んな訳ねぇだろ……何か嫌な予感がするな……主にウチの所で……」

 

備前「実家(総本部)でか?」

 

勇人「佐世保鎮守府の方だ」

 

勇人の答えに備前は少し考え、そして……

 

備前「………あ~……そういう事か……多分、群像の世界の『お前の奥さん』絡みだな」

 

考えが纏まったのか、手をポンと打って納得した

 

勇人「奥さん?」

 

ヒュウガ「ああ……成る程ね……」

 

ヒュウガも納得すると勇人も察したのか呆れながら呟いた

 

勇人「ったく……アイツら……」

 

備前「まぁ佐世保のシュラバヤ海戦は勇人に任せて、今『やるべき事』をしに向かうぞ」

 

ヒュウガ「ええ……」

 

勇人「……やれやれ」

 

三人はイオナと接触する為、歩いて向かった

 

 

 

 

 

数分後 蒼き鋼の艦隊のアジト 出入口前にて

 

勇人「懐かしいな……よく此処でドリフトの練習をしてたな」

 

備前「……よく捕まらなかったな」

 

ヒュウガ「……如何にも幽霊が出そうね」

 

三人は其々、思った事を呟くと先に帰った群像がヒュウガに気付き、接近し話した

 

群像「ヒュウガ?何で……ん?この人達は?」

 

タカオ「あんたねぇ!龍光会に見つかったらどうするの!?ってかアンタ達、誰?」

 

群像とタカオは今の勇人と備前を見て疑問し、聞くと勇人は群像の耳元に呟く様に言った

 

勇人「……俺だ」

 

勇人は声だけ戻し、群像に言うと群像は驚き答えた

 

群像「ッ!?おz……勇人「馬鹿!此処で叫ぶな!奴らにバレたらどうするんだ!?」……すみません」

 

備前「……単刀直入に言うがイオナに会わせてくれないか?」

 

タカオ「……今、龍光会が来ているわ……それでも良いの?」

 

タカオは勇人と備前に忠告すると二人は「構わねぇ」と答えるとタカオはため息をつき、答えた

 

タカオ「はぁ……艦長……」

 

群像「分かった……案内する……それとヒュウガは車に隠れてくれ」

 

ヒュウガ「……仕方ないわね」

 

群像は二人をアジトに案内した

 

 

 

 

 

 

 

数分後 アジト内にて

 

スーツの男「……客人が来ているのか」

 

群像「ああ……俺達『蒼き鋼』の協力者だ」

 

スーツの男は勇人達を見て微笑みながら言った

 

スーツの男改め『李』「私は龍光会北陸支部の支部長の李だ」

 

勇人「ご丁寧にどうも、私は千早さん達の協力者の1人の『笠原 三花』です……職業はマヨイガというお店でバイトをしています」

 

備前「同じく『前川 美紀』ですわ」

 

群像(『笠原 三花』に『前川 美紀』……ふっ、成る程な……名前を入れ替えれば『三笠』に『備前』……よく考えた物だな……)

 

二人は咄嗟に考えた偽名で自己紹介すると李は二人の身体を舐め回す様に見てC国の言葉で呟いた

 

李「ふむ……前川さんも良いが……やっぱり彼女『笠原さん』は私の好みだ……」

 

ゾクッ……

 

勇人(ッ!?このエロ親父……小せぇ『主砲』をおっ起たせてやがって……中身は男だってのに……単純な野郎だぜ……)

 

備前(コイツの思考がバレバレだな……まぁデカさは……悪い意味でノーコメントだ)

 

二人は李の態度に不愉快に感じたのか顔を少し歪ませると杏平が勇人に突っ掛かる様に聞いた

 

杏平「おいアバズレ!俺達は佐世保の龍を殺s……勇人「少し黙ってくれないのかしら?」……ッ!?」

 

備前「アバズレって……酷いですわ……」

 

杏平(こ……怖ぁ……まるで怒り方が勇人お爺ちゃんに似ているぜ……)

 

勇人は杏平を睨み付け、黙らせると群像は微笑みながら李に言った

 

群像「では李さん、今日は夜遅いので御帰宅なさった方が宜しいのでは?」

 

李「……残念だな、もっと彼女達と話したかったのにな……」

 

勇人「お店に来れば嫌って言う程『御相手』しますよ♪」

 

李「フフ……商売上手だな、では後日、お店に……」

 

勇人「お待ちしております李さん♪」

 

勇人は李が嬉しそうに微笑みながらアジトを去って行くのを確認すると微笑みの表情から一転し、元の荒れくれ者の表情に戻った

 

勇人「……クソッタレ!!何が御話しだ!小せぇモンを見せつけやがって!!」

 

備前「……気持ちは分かるが『その発言』は群像達の教育に良くねぇぞ」

 

静「あ……あの……三花さんに美紀さん、少し御話ししても良いのですか?」

 

勇人「ん?どうしたの?」

 

備前「はい?」

 

二人は女口調で言うと静は先程の勇人の表情に臆しつつ質問した

 

静「……お二人共……『本名』は何て言うのですか?」

 

勇人「どうして『そんな事』を聞くのよ?」

 

静「艦長とタカオの表情が……」

 

群像「クククッ……」

 

タカオ「プフフ……」

 

勇人は群像とタカオを見ると二人は笑いを堪える様に涙目になっていたのを知ると勇人は頭を抱え、静の質問に答えた

 

勇人「乙女の秘密よ♪静さん♪」

 

勇人は女口調で静の質問を答えず、微笑みながら言うと備前と群像そしてタカオは、そんな勇人に笑いのツボが入ったのか、腹を抱え、爆笑しながら言った

 

備前「ブファ!!お前が……乙女ぇ!?アハハハハ!本当は強面の男の癖に!」

 

勇人「おぃぃぃぃ!?お前がネタばらしてどうするんだ!?」

 

群像「アハハハハ!もう……無理……アハハハハ!もう変装を解いてください!お腹が……」

 

タカオ「ブッ!?もう無理!アハハハハ!!」

 

静「え!?ちょ!?どういう事!?」

 

杏平 いおり「一体どういう事?」

 

僧「全く持って意味が分かりませんが……」

 

ハルナ キリシマ「訳が分からんな……」

 

イオナ「群像、理由を説明して」

 

群像とタカオ以外、混乱し群像に聞くと勇人は呆れながら言った

 

勇人「お前ら……はぁ~仕方ねぇ、艤装解除」

 

備前「アハハハハ……腹痛ぇ……艤装解除っと」

 

二人は艤装を解除した

 

杏平 いおり「へ!?」

 

ハルナ キリシマ 静「なっ!?」

 

僧「嘘……」

 

イオナ「ッ!?」

 

勇人「……ネタばらしだ、分かったか?」

 

柏木「オッス!あの時以来だな♪」

 

群像とタカオ以外全員「エェェェ!?勇人お爺ちゃん(佐世保の龍)に柏木さん(呉の虎)!?まさか本当の協力者って……」

 

群像とタカオ以外の蒼き鋼のメンバー全員が『笠原三花』そして『前川美紀』の正体を知り驚愕すると群像は少し笑いながら答えた

 

群像「そう『俺達の本当の協力者』が彼等……『龍虎の艦隊』のリーダーであり龍光会が依頼する『抹殺』のターゲットの『上城勇人』さんに『柏木疾風』さんだ」

 

勇人「『あの時』は世話になったな……杏平にいおりィ!!」

 

柏木「脅すなよ……まぁ宜しくな」

 

静「ちょ!?待って下さい!?何故勇人お爺ちゃんに柏木さんが……」

 

杏平「まさか……俺達を……」

 

いおり「ヒィィィ!命だけは……」

 

杏平といおりは勇人の脅しに臆し、命乞いをすると勇人は呆れながら答えた

 

勇人「……冗談だ」

 

柏木「いやいや……お前の場合、冗談に聞こえないから……それより……」

 

柏木は勇人の冗談にツッコミを入れ、本来の目的の事を勇人に言うと、勇人は咳払いをし、イオナに聞いた

 

勇人「ゴホン……俺達が来たのはイオナ……お前に聞きたい事があるから此処に来たんだ」

 

イオナ「私に?」

 

柏木「ああ、まぁ夜遅いから単刀直入に言うが何故、龍光会と手を組む様、群像に指示を出したんだ?」

 

柏木は真相を知っているイオナに聞くと、イオナは悔しいのか少し顔を歪ませ、俯きながら答えた

 

イオナ「ボロボロになったコンゴウ達を見て……そして龍光会は狙撃手を使って群像達を殺そうとするから……」

 

勇人「つまりアイツらは、ボロボロになったコンゴウ達を『見せしめ』とし、群像達が『人質』になっていた……という訳だな」

 

イオナそして柏木以外全員「ッ!?」

 

勇人はイオナに聞くと、イオナは肯定するかの様に頭を縦に振った

 

勇人「……柏木、聞いたか?」

 

柏木「ああ、確りと『妖精達』がカメラで録画そしてボイスレコーダーに録音したぜ……お前達を無罪にする証拠がな♪」

 

群像「ちょ!?待ってくれ!?お爺ちゃんに柏木さん!『妖精』ってどういう事ですか!?」

 

群像は柏木が言っていた『妖精』について聞くと柏木は笑いながら答えた

 

柏木「ああ、あの時『艦娘』や『それに準ずる俺達』しか見えない妖精……言わば俺達の小さな仲間達が、お前達の所に忍び混ませたんだ」

 

勇人「勿論、お前達の作戦も俺達に筒抜けだって事さ……分かりやすい様に……艤装展開『battle mode Aegis ver.2』……お帰り霊夢にジョイ」

 

柏木「同じく艤装展開っと……待たせたな」

 

霊夢「ただいま……って酒臭っ!?勇人に柏木大将!飲んできたの!?」

 

ジョイ「ったく……私達はスニーキングミッションしているのに……」

 

柏木側の妖精達「狡いですよ上城中将に提督!!」

 

勇人「悪いな……後、艤装の中にお土産が入っているから、柏木の所の妖精達と食べてくれ」

 

備前「……お前の艤装は某四次元ポケットかって……まぁ良いか……悪いな勇人」

 

勇人「気にするな」

 

柏木側の妖精「わーい♪ゴチになります♪」

 

霊夢 ジョイ「なら許す……よっと!」

 

ピカッ……

 

群像達「ッ!?」

 

勇人と柏木は再び女の姿になり、二人の足下に待機していた妖精達が其々、二人の肩に飛び乗ると、少し発光し、光が収まると群像達は驚いた

 

勇人「んで、見えるか?コイツらが妖精だ」

 

霊夢「宜しくね……お馬鹿な艦長さん」

 

ジョイ「霊夢……あんまり群像達を馬鹿にするな」

 

柏木側の妖精達「普段、人間には見えませんからね……」

 

群像「……嘘だろ」

 

ハルナ「これは一本取られたな……」

 

キリシマ「……道理で私達の作戦通りに行かないと思ったら……」

 

杏平 いおり「卑怯過ぎる……」

 

僧「戦いに卑怯もへったくれも無いですが……狡過ぎます」

 

イオナ「滑稽な事を……」

 

静「……って事は、私が『お見合いパーティー』に参加し鳥海に変装する事も……」

 

勇人「勿論、全部リアルタイムで聞いていた」

 

備前「かなりの間抜け面だったぞ♪見ていて此方が呆れる位にな♪」

 

蒼き鋼のメンバー全員「……そりゃ勝てない筈だわ……狡過ぎる……」

 

備前「……お前達が馬鹿過ぎるからだろ……ってか本当にお前の孫なのか?馬鹿過ぎるぞ」

 

勇人「……それ俺じゃなくて『アッチの俺』に言え……まぁ良い……」

 

群像達はあまりにもショックが大きかったのか、皆酷く落ち込むと勇人はため息をつき、言い始めた

 

勇人「んで、話を戻すが『この事』は龍光会の連中には他言無用で龍光会が壊滅するまで暫く俺達と『敵対』組織として動いてくれ……後、それとコンゴウ達の船とは別の場所で伊401と高雄を修理するから後日、俺の所の造船場に持ってこいよ」

 

イオナ タカオ「分かった……ありがとう……」

 

備前「フッ……あ!?タカオにイオナ、分かっていると思うが修理の事も言うなよ……んじゃ俺達は帰るわ」

 

勇人「じゃ……お休み……」

 

二人は勇人の実家に帰ろうとした途端……

 

静「待って下さい!どうして電話では無く、直接私達のアジトに来てまで聞きに来たのですか!?私には理解出来ません!!」

 

群像「ちょ!?静!?」

 

タカオ「落ち着きなさい!お爺様達は何か策があるから此処に……」

 

静「二人は黙ってて下さい!」

 

静は勇人と備前の案に不満があり、そして龍光会に殺される『危険を犯して』までしてアジトに来た理由を声を荒げながら聞いた

まるで勇人達の行動が群像達を侮辱したかの様に……

 

勇人「…………」

 

静「いい加減答えて下さい!このまま黙秘を続けるのですか!?『蒼白龍』いえ『戦場の狂龍』と言われてた名将ではないのですか!?どうなのですか!!」

 

勇人「……」

 

静「お願いだから答えて!!貴方も龍光会の連中と同じ『クズ』では無かったら……」

 

群像「静……」

 

備前「……勇人、答えてやりな……お前の『本心』をな」

 

勇人「……分かった」

 

静の質問に勇人は諦め、ため息をつき、勇人自身の本音を静に優しく、落ち着いた表情で答えた

 

勇人「……未来とは言え孫の友達を見たかったからな……俺には海軍の同期の友人がいねぇし、親父絡みで、そいつら……まぁ艦娘達を奴隷の様に扱う連中『艦奴派』の思考を持った同期達や教官達から迫害や嫌がらせを受けていたせいで『人間不信』になっていた……そして当時、そんな俺を助けてくれた『唯一の仲間』である艦娘達を守り、恩を返す為に自ら『蕀の道』に入り込んだんだ……」

 

備前(……当時……確か『大本営襲撃事件』の時か……アイツの生い立ちは大雑把だが一応『知っていた』んだが、まさか本人の口から『生い立ちの細部』を聞くとは……)

 

静「……」

 

群像「……お爺ちゃん……」

 

勇人「……これが蕀の道に進んだ『証拠』だ……フン!」

 

ガチャ!

 

群像「な!?」

 

タカオ「ッ!?」

 

勇人は群像達の前で左腕の義手を外し、義手を群像達に見せると群像達は勇人の生い立ち、そして勇人自身が蕀の道に進んだ証拠である『左腕の義手』を見て絶句し、黙って勇人の話を聞いた

 

勇人「アッチの俺の生い立ちは分からねぇ……俺みたいに『蕀の道』に入り『修羅』なったか、蕀の道に入らず、そのまま普通の老人になったか知らないが……俺は異世界そして未来とは言え(群像)に『俺と同じ目』に合わせたく無かったんだ……だから俺の目で、お前が信用している友達……仲間を見極めたかったんだ……まぁ結局『要らぬ心配』だったけどな……これで満足したか静?」

 

勇人は昔を思い出したのか哀しい目をしていたが、普段の荒れくれ者みたいな荒々しい雰囲気ではなく穏やかで仏の様な慈愛のある優しい表情で答えると静は勇人の話を聞き、あまりにも壮絶な生い立ちに只々絶句し、そして先程、静自身が勇人に『失礼極まり無い事』をしたのを思い出し、勇人……『群像の祖父』の気持ちを察してやれなかった『情けなさ』と勇人に暴言を吐いた『罪悪感』が入り交じりながら答えた

 

静「………はい……そして先程のご無礼……すみませんでした!!!」

 

備前(静っていうガキ……見掛けによらず怖いもの知らずだな……ってか、よくキレなかったな……アイツ)

 

杏平(そうですね……)

 

キリシマ いおり(心臓が止まるかと思った……)

 

ハルナ(今人形であるお前が『心臓』なんてあるのか?)

 

キリシマ(ッ!?『言葉のあや』だ!)

 

備前は勇人に深々と頭を下げる静を見て少し感心すると勇人は頭を下げた静の頭を撫で、笑いながら答えた

 

静「ッ!?」

 

勇人「……気にするな、これからも馬鹿孫を宜しくな」

 

静「はい!!!任せて下さい!!」

 

勇人「勿論、杏平やいおり、僧、ハルナ、キリシマ、イオナ、ヒュウガ……群像を宜しくな……そしてタカオ、早くしないと他の者に『取られる』ぞ♪『二人の仲』は俺が許可する♪」

 

タカオ「え!?ちょ!?お爺様!?一体何を!?」

 

勇人はタカオに意味深な事を言うとタカオは勇人が言っていた意味が分かったのか焦り、照れながら答えると備前も察したのか微笑みタカオに言った

 

備前「ハハッ♪若いって良いな♪んじゃ俺達は帰るから今の内に『夜戦』しとけよ♪」

 

タカオ「や……『夜戦』!?」

 

群像「ん?夜戦?」

 

ハルナ「……『夜戦(意味深)』とは『夜間戦闘』の略称で、今の表現は性行……タカオ「ストップ!!それ以上喋るな!!内容が生々しいわ!!」……タグ添付」

 

勇人「ったく……フン!痛ぇ……それじゃ帰るから身体休んでおけよ、じゃ……」

 

勇人は義手を痛そうに装着し、二人は歩いて勇人の実家に向けて群像達のアジトを出ようと群像達に背を向けた途端

 

群像「お爺ちゃん……総員!!佐世保の龍に呉の虎に敬礼!!」

 

群像達は勇人達に感謝の意を答えたかったのか、蒼き鋼の艦隊総員で勇人達に敬礼をし、そのまま見送った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして一時間後 勇人の実家にて

 

三笠「あんたら……こんな時間まで何してたの!!」

 

慧音「勇人!今日『手術』するのに酒なんか飲んできたんだ!!」

 

勇人 柏木「いや……その……悪ィ……」

 

金剛型「………ごめんなさい(デース)」

 

高雄型(足が痺れてきた……)

 

勇次 瑞鶴 咲夜 龍鳳 三笠元帥 一航戦「……逃げて良かった」

 

博和「やれやれ……」

 

勇人達が帰宅し、直ぐに高雄型の四人に金剛型四人と共に正座で三笠と慧音の説教を一時間聞かされたのは言うまでもなかった

 



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第42話「誤解」

三笠達の説教から4時間後 0825 勇人の自室兼ガレージルームにて

 

勇人「グー……金剛……もう紅茶は飲めねぇ……腹の中が紅茶でパンパンだぜ……ムニャ……」

 

きょ~か~ら~fryやで♪別れ告げよう♪い~つも~の~トラウマへ~♪

 

勇人「……」

 

Pi♪

 

勇人「ふぁ~……時間は……げ!?寝坊した!?」

 

勇人は某『真〇の狂犬』が歌った様な曲が流れたスマホを操作し、時間を見ると一気に目が覚めたのか、直ぐ様ベッドから降りて急いで神城会総本部内にある医療研究室へ走って向かった

 

 

 

 

10分後 集合場所である『神城会総本部内 医療研究室』にて

 

勇人「セーフ!!」

 

三笠「5分遅刻だ馬鹿息子!!」

 

ゴン!!

 

勇人「ッ~~~~~~~~~~~~!?」

 

勇人は医療研究室に入り込むと三笠が遅刻した勇人に渇を入れるかの様に自身の艤装の主砲を勇人の頭に思いっきり当てると、勇人は余りの痛さに頭を抱え、悶えていた

 

柏木 三笠元帥「教官(お姉ちゃん)……主砲の『使い方』が間違って……三笠「なら貴方達にも『上城式起床術』を味わってみるか?」……慎んで遠慮させて頂きます」

 

金剛「oh……」

 

高雄 比叡「痛そう……」

 

摩耶「自業自得とは言え同情するぜ……提督……」

 

榛名「提督……大丈夫ですか?」

 

艦娘達は悶えている勇人を心配すると勇人は頭を押さえながら答えた

 

勇人「……お陰で完全に目が覚めた」

 

鳥海「あれで目が覚めるのですか!?」

 

霧島「まぁ司令の装甲の頑丈さは『核シェルター』並ですから主砲で『どつかれても』何とも無いのですよ」

 

勇人「どつかれた身にもなってみろ……痛ぇモンは痛ぇんだよ……」

 

摩耶「……マジで?」

 

金剛「yes!柏木大将もそうですが、テートクは大和ホテルや武蔵旅館もビックリする装甲の頑丈さを誇ってマース!」

 

摩耶「……チート過ぎるだろ」

 

摩耶は勇人と柏木の頑丈さ……装甲の強さに驚くと三笠は昨夜、勇人と柏木が遅れて帰ってきた理由を二人に聞いた

 

三笠「まぁ説教は後でするが……勇人に柏木、昨日は何処に行ってたの?勇次から聞いたが蒼き鋼の艦隊の艦長であり私の『曾孫』である群像とマヨイガで飲んだ後、二件目に行ったそうじゃないか?」

 

勇人「ああ……実は……」

 

勇人は群像達のアジトに行き、妖精の回収や蒼き鋼の艦隊が龍光会に脅され、手を組んだ経緯そして龍光会の支部長である『李』と会った事を説明した

 

勇人「……と言う訳だ」

 

三笠「……腹立たしいな……」

 

慧音「あの子達が不憫に思えてきた……」

 

赤城「そうですね……」

 

三笠含め艦娘全員が群像達を同情すると勇人は群像達を脅し、捨て駒として動かしていた龍光会に強い怒りを覚え、落ち着いてはいるが、怒りの含んだドスの低い声で皮肉った

 

勇人「……アイツら、俺を怒らせるのは『得意』らしいな……」

 

柏木「勇人『俺を』じゃなくて『俺達を』だ……まぁ気持ちは分かるが……まずは龍光会を殲滅するために俺にイージスシステムの導入と勇人の左腕を……」

 

勇人「そうだな……先生、俺の左腕は?」

 

勇人は柏木に宥められ、気持ちを切り替え、慧音に聞くと、慧音は微笑みながら長方形の箱を取り出した

 

慧音「これだ……」

 

ガチャ……

 

艦娘達「ッ!?」

 

慧音は箱を開けると冷凍保存された左腕が現れ、それを見た艦娘は絶句した

 

勇人「うわ……俺の左腕とは言え『凄い傷痕』だな……」

 

慧音「仕方無いだろ……元々はイ級の『腹の中』に有ったんだから……」

 

三笠「まぁ……実物を見るとグロいわね……」

 

勇人「……まぁ見馴れてはいるがな」

 

勇人は自身の左腕を見て愚痴る様に言った

そして勇人の左腕を見た柏木と艦娘達は……

 

柏木「……流石『軍医』……こんなグロい物を見ても動じないなんて……」

 

龍鳳「……ウップ」

 

柏木「って!?龍鳳!?頼むから絶対吐くなよ!!」

 

三笠元帥「オロロロロ!」

 

柏木「三笠ぁ!?言っている傍から吐くな!!」

 

赤城「ちょ!?元帥!?吐かないで下さい!!こっちまで……」

 

金剛「……少し『御花を摘み』に行ってきマース」

 

比叡 榛名「金剛御姉様!御供します!ウップ……」

 

高雄型4姉妹 瑞鶴 加賀「きゅ~……」

 

ドサッ!

 

勇次「ちょ!?おい!ズイチャンに高雄ちゃん達に加賀ちゃん!?」

 

霧島「取り敢えず6人を別室に……ウップ……」

 

勇人の傷痕が残る左腕を見て吐き気を促したり、気絶した者も居たとか……

 

数分後……

 

柏木「……ったく、だらしねぇな……」

 

勇人 三笠 慧音「全くだ」

 

龍鳳「無理ですよ……藤原先生や上城中将、三笠教官は兎も角、何故提督や勇次さんは平気なんですか……金剛さん達は『これ』に耐えきれず島風ちゃん並の速さで別室に避難する位なのに……うぅ……思い出しただけでも気持ち悪い……」

 

龍鳳は二人に聞くと二人はため息をつき、答えた

 

柏木「俺は本職の関係上『見馴れた』モンだからな……まぁ少し引いたが……」

 

勇次「あのな龍鳳ちゃん……俺、表向きは『会社員』だが一応『極道者』だからな……」

 

柏木 龍鳳「弟(勇次)さん……ぶっちゃけ勇人(上城中将)の方がヤクザに見えるんだが……」

 

勇次「……言うな、気にしているから」

 

龍鳳は納得し愚痴ると赤城は三笠元帥が吐いた嘔吐物を始末しながら慧音と三笠に文句を言った

ちなみに他の艦娘達は気絶したり気分がすぐれなかった為、別室に移動して安静しているのだ

 

赤城「……何で私が『これ』を始末しないと行けないのですか!?」

 

慧音「あぁ?何だ?文句あるのか?」

 

三笠「……さっさとやれ」

 

赤城「……ごめんなさい、さっさと終わらします」

 

柏木(あ……あの『かかあ天下』な赤城を……)

 

龍鳳(たった『一睨み』で黙らせた……ってか教官と慧音先生の背後に『龍』と『牛みたいな妖怪』が見えたのは気のせいですか?)

 

柏木 勇次(安心しろ……俺もだ)

 

勇人(……同情するぜ……赤城……)

 

二人の睨みで赤城が萎縮しているのを見て柏木達は驚き、それと同時に赤城に同情したのは言うまでもなかった

 

そして数分後……

 

赤城「終わった……」

 

慧音「お疲れ様、さて次は……」

 

慧音は赤城に指示を出そうとしたが勇人は慧音を止める様に言った

ただ……

 

勇人「先生、『俺の秘書艦』を顎に使うのは止めてくれないか?」

 

……完全に言い方が『自分の彼女』みたいな言い方だったのだ

 

勇次 龍鳳「ブッ!?」

 

慧音「ほう……」

 

三笠「あら?」

 

柏木「おま!?その発言は……」

 

龍鳳「……提督に言われてみたいですね」

 

柏木「……ノーコメントだ」

 

勇人「ん?どうした?」

 

勇人は皆に『そう言ったつもりでは無い』のにも関わらず、焦った柏木達の反応に疑問を抱いていた

 

赤城「ちょ!?提督!?『俺の』って……確かに『上限突破の儀式(ケッコンカッコカリ)』はしてますが……」

 

柏木(『カッコカリ』とは言え、勇人の『奥さん』になっていたのか!?)

 

龍鳳「勇次さん……この事は佐世保の艦娘達には……」

 

勇次「多分……直ぐにバレると思うな……兄貴は『あの事件』の後、赤城ちゃん以外に『アッシー(足柄)』や『天さん(天龍)』そして『イムちゃん(伊168)』とケッコンカッコカリをしたから……」

 

龍鳳「……もう手遅れなんですね……ってか意外と中将も『やりますね』」

 

勇次「……群像絡みで今、佐世保は『シュラバヤ海戦』になっているのに……止める俺の身にもなってくれよ……」

 

柏木 龍鳳「同情するぞ(します)……弟(勇次)さん」

 

慧音「貴方達『そういう関係』になったのか?」

 

三笠「健全な付き合いなら良いわよ♪」

 

赤城は勇人の発言に焦り、赤面し、恥ずかしそうに言い、柏木や勇次、慧音そして龍鳳は驚き、三笠は微笑みながら了承すると勇人は「そういう意味じゃねぇよ」と否定し答えた

 

勇人「赤城、お前……俺の『専属秘書艦』だと言うことを忘れてねぇか?」

 

赤城「分かっています!!提督が間際らしい発言をしたから……」

 

柏木「確かに……今のはお前が悪い」

 

龍鳳「まぁ上城中将らしい発言ですが……」

 

勇次「……何時か刺されるぞ……特に金剛ちゃんや榛名ちゃん、そして優花ちゃん辺りに……」

 

柏木 龍鳳「……デスヨネー」

 

慧音「……残念だ、お前の本当の妻の顔を見たかったのにな」

 

三笠「なーんだ……」

 

勇人「赤城……なんか……その……すまん」

 

赤城「……クスッ、良いですよ♪但し今夜は『寝かせません』から♪」

 

勇人「……やれやれ」

 

勇次「赤城ちゃん!!頼むから佐世保の戦場(修羅場)を悪化させないでくれ!!ホントに!!ってか兄貴も断れよ!!ガチで刺されるぞ!?」

 

柏木「まぁ『お互いの同意』で行うのなら問題無いが……弟さんの言う通り本当に金剛達に刺されるから止めとけよ」

 

龍鳳(……勇次さん、苦労してますね)

 

勇人は戸惑いつつ赤城に謝罪すると赤城は赤面しつつ微笑みながら許し冗談なのか、はたまた本気なのか、勇人に『夜戦(意味深)』に誘うと勇人は呆れ、勇次は本気で赤城に強く注意すると二人は笑いながら言った

 

勇人「安心しろ勇次、これはジョークだから」

 

勇次 柏木「なんだ……」

 

赤城「そうですよ♪そんな事をしたら……」

 

赤城は目線を三笠に向けると……

 

三笠「……赤城、そんな事をしたら……分かるよね?」

 

三笠が自身の艤装である『イージスシステム』を展開し赤城を睨み付けていたのだ

 

勇次 龍鳳 柏木「デ……デスヨネー」

 

柏木(流石『親バ艦娘』と言われてた教官だな……)

 

慧音「そろそろ本題に入りたいのだが……」

 

二人は納得すると慧音は痺れを切らしたのか勇人達に言うと三笠は艤装を解除し、答えた

 

三笠「ごめんなさい、話が『少し』脱線してしまって……」

 

勇人「『少し』じゃねぇだろ……」

 

三笠「勇人、後で『御話し』な……まぁ先に勇人の左腕の手術を行い、手術後すぐに柏木にイージスシステムを導入させるから」

 

柏木「教官、ちょっと良いですか?」

 

三笠「ん?どうしたの?」

 

柏木は三笠に質問の許可を願うと、三笠は了承すると柏木は考えながら質問した

 

柏木「イージスシステムって確か『特別防衛機密』に指定されているのですね?『そう言った問題』に関しては大丈夫なんですか?」

 

柏木は本来『イージスシステム』は『特別防衛機密指定』されているのにも関わらず、勇人の実家でイージスシステムを取り扱う事に疑問を抱いていたが、三笠は柏木の疑問に微笑みながら答えた

 

三笠「大丈夫よ、これはあくまで『イージスシステムに限りなく近い物』として、お義父さんと一緒に日本政府に脅s……話し合いをし『特別防衛機密』では無い『別物』として登録したから安心して♪」

 

柏木「まさか勇人や教官のイージスシステムも……」

 

慧音「そうだ」

 

柏木「……正しく勇人のカーチャンとお祖父さんだ……平気で財閥の力で黙らせたなんて……まぁ人の事は言えないが……」

 

勇次「カーチャン!!『それ』の後処理する俺の身にもなってくれ!政治家の連中を平和的にクレームを解決するのに苦労するぞ!!」

 

柏木(そして弟さん……不憫過ぎる……)

 

三笠の答えに柏木は呆れ、勇次に同情した

そう三笠は裏そして表の世界の全てを掌握した財団『上城財閥』いや『神城会』の力を使って日本政府を黙らせたのだ

 

勇人「まぁ財閥の力で問題は『解決』した事だし……先生、そろそろ……」

 

柏木「……もう勇人に関して考えるのを止めるわ……収拾が着かなくなる……先生、お願いします」

 

二人は慧音に手術そして柏木の近代化改修ならぬ『近代化改造』をお願いすると慧音は頭を縦に振り答えた

 

慧音「分かった……それじゃベットに寝てくれ……」

 

三笠「頑張れ……勇人……」

 

龍鳳 赤城(……提督)

 

勇次(佐世保鎮守府がマジで修羅場になっていなければ良いが……)

 

二人は慧音の指示に従ってベットの上に座り、仰向けになり、そのまま手術室へ入った



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第43話「上城蘭花という女性(ヒト)

勇人達が手術している頃 0900 佐世保鎮守府 執務室にて

 

優花「……」

 

陸奥「優花さん……今朝、青葉から聞いたが……『貴方も』龍光会に『狙われている』可能性があるのよね?」

 

大和「……まぁパラレルワールドではありますが未来の提督の『奥様』……つまり群像君の『お婆様』だから狙われるのは当然だけど……」

 

長門「何故アイツらは優花さんではなく『提督』を……」

 

優花「『そこ』よね……何でだろう……」

 

優花達は何故、群像の祖母である優花ではなく勇人を狙う目的について考えていたのだ

だが、そんな状況に違和感を感じていた伊勢が武蔵やコンゴウ、マヤ、香取、青葉そして吹雪に愚痴る様に小さな声で呟いた

 

伊勢(あれ?何時もなら修羅場になっているのに……)

 

武蔵(流石に『そんな事』をしている状況じゃ無いからな……)

 

青葉(はぁ……皆さんを説得するのに苦労しました……)

 

香取(ご苦労様です青葉さん……まぁ金剛さん達が居なかったのは、せめての『救い』でしたからね……)

 

吹雪(そうですね……金剛さんや榛名さん達なら修羅場に展開するのが目に見えますね……)

 

青葉(デスヨネー……)

 

コンゴウ(……失礼な奴らだな)

 

マヤ(コンゴウ、多分みんなは『佐世保の龍の艦娘』の方の金剛の事を言っていると思うけど……)

 

コンゴウ(……あっちの私に渇を入れてやりたいな……)

 

コンゴウは自身の悪口を言われたと思い、少し顰めっ面になるものの、マヤの説明を聞くと頭を抱え艦娘の方の金剛に悪態を付くと執務室に入院中であった一馬と秘書艦の1人である一馬側の武蔵が入ってきた

 

一馬「よぉ……何してん……ん!?お前は……コンゴウにマヤか!?」

 

一馬側の武蔵「ん?お久しぶりだな……コンゴウにマヤ」

 

優花達「上城元帥!?おはようございます!」

 

陸奥「元帥、大丈夫なの?提督から聞いたが『920事件』で負傷し、入院中だと聞いてきたが……」

 

一馬「……安心しろ、もう直った」

 

陸奥「親子揃ってタフな身体ね……」

 

コンゴウ「ッ!?一馬に武蔵……久しぶりだな」

 

マヤ「あ!?『たけぞう』に一馬オジサン♪お久しぶり♪」

 

コンゴウは少し微笑み、マヤは笑顔で一馬と一馬側の武蔵に言うと一馬は二人を見て安堵し答えた

 

一馬「久しぶりだな……龍光会にやられたと聞いていたが、元気そうで何よりだ」

 

コンゴウ「フッ……心配性は相変わらずの様だな」

 

マヤ「そうだよオジサン!私達が死ぬ訳無いじゃない!たけぞうも知っているでしょ?私達の頑丈さは……」

 

一馬「……それもそうだな」

 

一馬側の武蔵改め『たけぞう』「だからマヤ!『たけぞう』ではなく『武蔵』だ!」

 

武蔵「まぁ私は『その方』が区別しやすいが……」

 

たけぞう「なら同艦である『お前』が名乗るか?」

 

武蔵「……遠慮しておこう、失言を許してくれ」

 

たけぞうは武蔵に睨むと武蔵は練度の差で、たけぞうに敵わないと思ったのか、謝罪するとコンゴウは少し俯き、悲しそうに言った

 

コンゴウ「蘭花の事だが……残念だったな……」

 

一馬「……気にするな、アイツも『精一杯』生きたからな……」

 

たけぞう「……」

 

武蔵「……なぁ、たけz……あっちの私よ……提督の姉はどんな人だったのだ?」

 

武蔵は一馬側の武蔵こと『たけぞう』に言うと、たけぞうは武蔵に少し睨み付けたものの、少し悲しそうに答えた

 

たけぞう「……お前な……まぁ良い、蘭花提督はハヤ坊とは違い、戦いを好まず、寛大な心を持った人でもあり……身体が弱いのにも関わらず常に私達の事を気にかけていた」

 

優花「ハヤ坊?」

 

一馬「……勇人の事だ」

 

優花はたけぞうが『ハヤ坊』について聞くと一馬が代わりに答えると、たけぞうは説明を再開した

 

たけぞう「そして……ハヤ坊が軍医として唯一『救えなかった』患者だ」

 

艦娘達「え!?」

 

優花「ッ!?勇人君でさえも救えなかったの!?蘭花さんの病気って……」

 

優花達は自身を救ってくれた勇人でさえ『救えなかった』事に驚き、たけぞうに聞くと、たけぞうは俯きながら答えた

 

たけぞう「……ハヤ坊が言うには心臓の難病『進行性心臓伝導障害(PCCD)』だ」

 

優花「PCCD?それって、どんな症状なのですか?」

 

優花は一馬に聞くと一馬は優花に説明し始めた

 

一馬「『PCCD』というのは進行性の房室ブロック・脚ブロックという心電図所見を特徴とし、心臓刺激伝導系の線維変性によって突然死をきたす稀な致死性不整脈だ『進行性家族性心臓ブロック』あるいは『レネグレ・レブ病』とも呼ばれるが……」

 

優花及び艦娘達「……すみません、もう少し分かりやすい説明でお願いします」

 

一馬「……すまん、俺も勇人じゃないから説明出来ない……」

 

たけぞう「私もだ……すまない、勉強不足で……」

 

コンゴウ「……致死レベルの不整脈だと思えば良い」

 

みんな「あぁ~……」

 

マヤ「だけど『それ』って確か『ペースメーカー植え込み術(PMI)』で『治る』筈じゃ……」

 

マヤの質問にたけぞうは俯きながら答えた

 

たけぞう「……蘭花提督は、それを行うのに十分な体力を持っていなかったんだ……だからハヤ坊は蘭花提督の体力を配慮し『ある計画』を思い付いたんだ」

 

伊勢「ある計画って?」

 

コンゴウ「……ひょっとして、蘭花の幹細胞を使って『新しい心臓』を作ったのか?」

 

優花「ッ!?そんなイカれた事を勇人君がする訳が……」

 

コンゴウは一馬に聞くと一馬は俯きながら重い口を動かした

 

一馬「……概ね『正解』だコンゴウ……アイツは蘭花の体力を配慮し、一回の手術で治る様に『新しい心臓』をバイオ研究に使われている『培養技術』を応用して作ったのだ……蘭花の『遺伝子情報(DNA)』に『一番近い』勇人の幹細胞を使ってな……」

 

伊勢 吹雪「うそ……」

 

長門 香取 青葉 武蔵 陸奥「なっ!?」

 

優花「そんな……」

 

一馬の言葉に皆、絶句し俯いた

そう当時、勇人は蘭花の為に文字通り『身を削って』まで蘭花の新しい心臓を製作したのだ

 

たけぞう「……そして『新しい心臓』は出来上がったが……蘭花提督はもう……『危篤状態(手遅れ)』になっていたのだ……そして……」

 

みんな「……」

 

たけぞうは、これ以上言わなかった

何故なら皆『この後』の状況……『蘭花が病死』した事を分かっていたからだ

 

優花「……勇人君……」

 

一馬「……不幸な事に勇人が作った『新しい心臓』は医療界で『PCCD』の新しい治療法として認められ、治療法の『参考資料(サンプル)』として冷凍保存されたのだ……勇人の苦労を認めず、医学界の『ジジイ達』の『功績』としてな」

 

優花「……酷すぎる」

 

一馬が説明すると優花達は勇人が『自身の命を削って』まで製作した『心臓』を医療界の重鎮達(老人達)によって『功績』を奪われ、勇人の『苦労』を認められず、そして何より蘭花を助けようとした勇人に対して『侮辱行為』とも取れる扱いをされた事に強い怒りを露にし顔を歪めると……

 

ブーン……

 

ブーン……

 

一馬「……ん?電話だ……」

 

Pi♪

 

一馬はスマホが鳴っている事に気付き、電話に出ると、通話相手である一馬側の明石が切羽詰まる口調で話した

 

一馬側の明石「提督!!大変です!」

 

一馬「どうした明石?何かトラブルでも起きたのか?」

 

一馬側の明石「はい……実は……」

 

一馬側の明石は一呼吸を置き、答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

一馬側の明石「蘭花提督の……勇人さんが作った『新しい心臓』が……昨夜、何者かに『盗まれました』!」

 

みんな「!?」

 

一馬側の明石の報告に執務室に居る全員が驚いた

 

一馬「盗まれた……だと!明石ィ!盗んだ犯人は分かるか?」

 

一馬側の明石「はい!幸い防犯カメラに映っていたので、今から提督のスマホに送信します!」

 

一馬側の明石は防犯カメラのデータを一馬のスマホに送信し、一馬達は防犯カメラの映像を見た

 

一馬「ッ!?嘘だろ……」

 

優花達「そんな……」

 

そこに映っていたのは……

 

イオナらしき少女「……これだな」

 

イオナらしき少女が『心臓』が入っていたケースごと盗む所が映っていた

 

一馬「イオナが……あいつ……ッ!?」

 

コンゴウ「おい!!ちょっと待て一馬!こいつは『伊401』ではない!」

 

一馬は怒りを露にし執務室を後にしようとした途端、コンゴウに止められると一馬は激怒しつつコンゴウに聞いた

 

一馬「アァ!?それはどういう事だ!」

 

ギロッ!

 

優花「ヒィッ!!」

 

たけぞう以外の艦娘達「きゅ~……」

 

ドサッ!

 

優花は一馬の睨みに怖じ気づき、たけぞう以外の艦娘達は一馬の睨みの怖さに気を失った

 

マヤ「……気絶しちゃったね」

 

コンゴウ「……情けない」

 

優花「お……落ち着いて下さい元帥……コンゴウさん『伊401』……『イオナ』じゃないのはどういう事なの?」

 

一馬の睨みに震えながらコンゴウに聞くとコンゴウは重い口を動かす様にゆっくりと答えた

 

コンゴウ「……こいつは『伊400』……『伊401』の姉妹艦だ……そして私達に攻撃したのも彼女達だ」

 

一馬「……つまり『伊400』は龍光会と手を組んだんだな……」

 

コンゴウ「……ああ、しかも伊400の姉妹艦『伊402』と共に……」

 

一馬「……コンゴウ、船を出せ……今すぐに金沢に行くぞ」

 

コンゴウ「……ああ」

 

マヤ「私も同行する!!」

 

たけぞう「お供するぞ」

 

優花「ちょ!?待って下さい!私も行きます!!」

 

コンゴウは悔しそうに言うと一馬は怒りを露にしたままコンゴウ達の軍艦が停泊しているドックに向かった

もちろん優花達も一馬と同行し執務室を後にした

 

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 神城会総本部 客間にて

 

メイド「奥様!大変です!!」

 

三笠「どうしたの?」

 

客間で待機していた三笠達は切羽詰まった様子で部屋に入って来たメイドに聞くとメイドは慌てながらも三笠に報告し始めた

 

メイド「上城家の墓が……何者かによって荒らされ、蘭花お嬢様の骨壺が『無くなって』いました!!」

 

赤城 龍鳳 比叡「え!?」

 

三笠 高雄型 榛名「ッ!?」

 

瑞鶴 霧島「はぁ!?」

 

金剛「What's!?」

 

三笠元帥「何!?」

 

三笠含め待機している艦娘全員もまた、蘭花の骨壺が盗られた事に驚き、三笠は怒りを露にし、メイドに問い詰めた

 

三笠「オイ!どういう事だ!!」

 

メイド「は……ハイぃぃぃ!!私が先ほど先代達が眠っている墓を手入れしに向かいましたが……もう既に……」

 

三笠「防犯カメラには?」

 

メイド「映っています!!こちらです!」

 

メイドもスマホにコピーした防犯カメラの映像を映すと……

 

イオナらしき少女「よいしょ……あった……」

 

またもイオナらしき少女が墓を荒らし、蘭花の骨壺を抱えて、その場を後にした映像が映っていた

 

三笠「……舐めた真似を……」

 

赤城「この少女は……『イオナ』さん……」

 

龍鳳「だけど、イオナさんにしては『雰囲気』が……」

 

三笠「……イオナって……確か『群像の所』の?」

 

榛名「はい……」

 

金剛「Shit……」

 

三笠の質問に榛名が肯定すると三笠は一馬同様、怒りを露にしながらも龍鳳が感じていた『違和感』について聞いた

 

三笠「龍鳳?どうしたんだ?何か分かったのか?」

 

龍鳳「……この少女、イオナさんとは『何か』が違います……イオナさんと比べて『冷酷』……いえ『何者かによって操られている』様な雰囲気でした」

 

金剛「hum……そう言えばそうデスね……」

 

摩耶「……これは直接、群像に聞かないといけないな」

 

三笠同様、怒りを露にした摩耶が呟くと三笠は摩耶の考えに否定し、答えた

 

三笠「馬鹿者!私達が行ったら裏で群像達と『繋がっている』事を龍光会にバレてしまうだろ!」

 

金剛「どうすれば良いのデスか!?」

 

赤城「警察に通報しますか?」

 

三笠「それも駄目だ……そうすればイオナが『指名手配』され、群像達『全員』が……待てよ……」

 

三笠は赤城の案を一度却下したが、何かを思い付いたのか少し考え始め、そして……

 

三笠「赤城……今すぐ『通報』してくれ」

 

高雄「な!?教官!?そんな事をしたら……」

 

赤城「何か『策』があるのですか?」

 

赤城は『何か』を思い付いた三笠に聞くと三笠は怒りを露にしつつ、赤城の質問に答えた

 

三笠「……『器物破損』及び『窃盗』の罪で『逮捕』という名目で潜水艦『伊401』軍艦『高雄』共々、此方で群像達を『保護』するんだ」

 

赤城「……財閥の力を使って保護……いえ『逮捕』するのですね」

 

赤城の返答に三笠は肯定する様に頭を縦に振ると三笠元帥は焦りながら言った

 

三笠元帥「ちょ!?待ってお姉ちゃん!!そんな事をしたら龍光会に『バレてしまう可能性』に……」

 

三笠元帥は三笠の策に意義を唱えると三笠は三笠元帥に『そんな事』をする理由を答えた

 

三笠「確かに『リスクの高い』作戦だが……群像達が龍光会の捨て駒にされるよりかは『私達』に保護された方が二隻とも龍光会にバレずに修理し、万全の状態にした方が群像達も『私達』も『利益がある』からな……」

 

赤城「そうですね……彼女が『龍光会と繋がっている』可能性がありますからね」

 

金剛「……I see(成程ね)……」

 

金剛は三笠の作戦に納得すると勇人達を手術し終えたであろう慧音が少し疲労感を漂わせながら入ってきた

 

慧音「ふぅ……終わったぞ」

 

三笠「あら?早かったわね……お疲れ様」

 

三笠は慧音を労うと慧音は待機室に備わっていた緑茶を一気飲みをし答えた

 

慧音「全く……アイツら自分の身体を労らないのか……」

 

三笠元帥「ッ!?疾風に『問題』があったの!?」

 

三笠元帥は慧音に近づき、焦りながら聞くと慧音はため息を付き、答えた

 

慧音「柏木に関しては大した問題では無い……柏木は憲兵と提督の業務上『艤装を酷使した』せいで所々『微妙な歪み』や『小さなひび割れ』が発生していたんだ……まぁ圧縮機で『矯正』し、溶接して直し、事前に蒼き鋼の艦隊から奪った設計図を参考にして『改造した艤装』を装着、微調整したが……」

 

三笠元帥「よかった……」

 

三笠元帥は安堵すると慧音は険しい表情で三笠に言った

 

慧音「だが……問題は勇人だ」

 

三笠「……やはりか」

 

三笠元帥 龍鳳「……嘘……でしょ……」

 

三笠除いて艦娘全員「提督が……」

 

慧音は真剣な表情で答えると加賀を初め赤城、金剛型、高雄型、龍鳳、三笠元帥、そして瑞鶴が驚き、金剛は不安になりながら慧音に聞いた

 

金剛「……Dr.藤原……テートクは……何処が悪かったのデスか!?」

 

慧音「……『四年前の傷』にD-cellが入り込んでいたのだ」

 

三笠除く艦娘達「四年前の傷?」

 

三笠「……厄介な事に……そう言えば赤城達は『知らない』んだったな……実は……」

 

三笠は勇人が軍医時代、蘭花を助けきれなかった事と勇人が命を削ってまで造り上げた『新しい心臓』を医学界の重鎮達に『全て』盗られた事を説明すると赤城達は怒りを露にし、答えた

 

三笠「……と言う訳よ」

 

赤城 比叡 三笠元帥「……許せない」

 

加賀「頭に来ました……」

 

龍鳳 霧島「……虫酸が走りますね」

 

金剛「Damm it!!」

 

高雄型「ギリッ……」

 

瑞鶴「……ひょっとして『四年前の傷』って……提督さんの『心臓』に?」

 

瑞鶴は怒りを露にしつつ慧音に聞くと慧音は悲しみに満ちた表情になり、答えた

 

慧音「……心臓だけではない、各『循環器系』の臓器の幹細胞に身体の中に残ったD-cellと融合していたんだ」

 

みんな「!?」

 

三笠達は慧音の発言に驚き、俯くと慧音は更に説明をし続けた

 

慧音「……循環器系ばかりは『臓器提供者(ドナー)』がいないと治せないな……しかもタフな勇人の身体に『耐えれる』臓器がないと……」

 

榛名「なら、せめて『冷凍保存』された心臓を使えば……」

 

榛名の案に三笠は頭を横に振り、答えた

 

三笠「無理だ……確かに『DNA』では勇人に適合するんだが、元々は一般女性……蘭花の為に『DNA』を弄り、蘭花に『合わせて』造ったのだ……とてもじゃないが勇人の身体に『耐えれない』」

 

赤城「そんな……」

 

慧音「まぁ本人が相当無茶しない限り『大丈夫』からな……」

 

榛名「それなら……」

 

慧音は皆を安心させる様に説明すると先に目が覚めた柏木が勇次の肩を借りながら部屋に入ってきた

 

柏木「お待たせ」

 

勇次「……兄貴の事、聞いたのか?」

 

勇次は皆に言うと、三笠達全員が俯くと勇次は察し、答えた

 

勇次「……そうか」

 

柏木「……お互い手術は成功したらしいが……アイツ、とんでもない『爆弾』を抱え込みやがって……」

 

慧音「……『あの力』を解放したら……ゾッとするな」

 

三笠「あの力?」

 

三笠は慧音の言葉に疑問を抱き、質問すると慧音は三笠達に説明した

 

慧音「先程言ったが勇人の身体の中には『D-cell』が潜んでいる事を言ったよな?もし勇人がD-cell……いや『深海棲艦の力』を解放する事だ」

 

赤城「ちょ!?それって……」

 

赤城は不安になりながら慧音に聞くと慧音は俯き、一呼吸を置き、答えた

 

そう……まるで……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

慧音「ああ……勇人自身が『深海棲艦』なってしまう事をな」

 

三笠達に『死刑宣告』したかの様に……



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第44話「龍虎の新たな力」

慧音が勇人の身体について説明している頃 龍光会北陸支部内の研究所にて

 

李「フフフ……群像の世界の戦艦『三笠』にコピーした『メンタルモデル』の設計図にナノマテリアル……そして昨夜、横須賀に保管された『心臓』と上城家の墓にあった『上城蘭花の人骨』を使って復活させた『上城蘭花』……これさえあれば……」

 

李は不敵な笑みをし、呟くとモニターに映し出された全裸の女性が眠る様に保管されていた

 

李「流石『佐世保の龍』だ……たった『半年』で心臓を造り上げるとは……さて、そろそろ始めますか……彼女……メンタルモデル『ミカサ』の誕生を……」

 

李は格納庫に保管されていた群像の世界の軍艦『三笠』に向けて足を運び、そのまま格納庫に閉じ籠った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 神城会総本部 客間にて

 

三笠「……嘘でしょ……」

 

榛名「そんな……」

 

三笠を初め榛名含む全員が慧音の事に動揺し、落ち込むと柏木は慧音に聞いた

 

柏木「なぁ先生……それって勇人が『相当無茶』しなければ出ないんだよな?」

 

慧音「……ああ、だが……」

 

勇次「……ヤバイな」

 

柏木「ああ……アイツ、群像達の為なら『無茶』しそうだ……あの『爺馬鹿』っぷりは……」

 

三笠「爺馬鹿って……そんなにか!?」

 

三笠は驚き、柏木に聞くと柏木は「直接会いに行く位だしな……」と肯定すると金剛達は「……提督ならやりかねませんね」と勇人の行動に納得すると柏木は先程、三笠達が怒鳴っていた経緯について聞いた

 

柏木「所で、さっき怒鳴り声が聞こえたんだが……何かあったのか?」

 

勇次「あ!?そう言えば……」

 

三笠元帥「実は……」

 

三笠元帥は二人に『軍医時代の勇人の境遇』と『イオナ似の少女が墓を荒らし、蘭花の骨壺を盗んだ事』を説明すると二人は先程の呆れた表情から一転し、勇次は怒りを通り越して殺意に満ちた表情になり怒鳴り、柏木は冷静ではあるが怒りを含んだ低い声で答えた

 

勇次「……クソッタレ!!アイツら……ふざけた事を!!今すぐに……」

 

柏木「待て勇次……気持ちは分かるが落ち着けって……ちなみに三笠『警察』には……」

 

三笠元帥「通報してないわ……」

 

勇次「なら今すぐに……」

 

勇次はスマホで警察に通報しようとした途端……

 

勇人「待て、警察に通報するな」

 

勇次 艦娘達「兄貴(提督)!?」

 

龍鳳 三笠元帥「中将!?何時から居たの(ですか)!?」

 

勇人「……姉貴の骨が盗まれた辺りからだ」

 

柏木「……無理すんなよ」

 

勇人「分かっている……」

 

三笠「……訳を話して」

 

三笠は手術から目が覚め、包帯を巻かれた左腕を露にした勇人に聞くと、勇人は少し麻酔が効いているのか眠たそうに答えた

 

勇人「……サツは今、龍光会に『脅されているんだ』」

 

柏木「はぁ!?どういう事だ!?」

 

柏木は勇人の言葉に驚き、質問すると勇人は龍光会が警察を『脅している訳』を話した

 

勇人「細かく言うと県警の『御偉いさん達』が神城会(ウチ)とは無関係……どちらかと言うと対立しているアジア系のマフィアと裏で繋がっており、そのマフィアに『武器の売買』や『不正入国した外国人の関与』や深海棲艦に『海軍や陸軍』更に『神城会(ウチ)桜花連合(優花の所)等のデカイ裏組織に関する情報』を流したり……そして外国(他所)から押収した『麻薬(ヤク)』の『横流し』等をやっていたんだ……そして、その『仲介者』が……」

 

柏木「……龍光会って訳か」

 

三笠元帥「上層部()が腐っているのは何処も変わらないね……」

 

勇人「……全くだ、おかげで無関係の神城会(ウチ)まで疑惑を掛けられる始末だ……」

 

三笠「……何か良い手は無いのか?」

 

三笠は今の警察の上層部の状態に頭を抱えながら勇人に聞くと、勇人は策があるのか微笑みながら言った

 

勇人「……俺達には警察より『強い権限』を持った連中の『トップ』がいるじゃねぇか」

 

勇人は悪意のある笑みをし、柏木を見ると、柏木は察したのか溜め息をつき、答えた

 

柏木「……本当に群像のお祖父様か……まだ千早群像(お前の孫)の方が可愛げがあるぞ」

 

柏木は勇人に悪態をつくと三笠も勇人の策の内容を察し、答えた

 

三笠「あ!?成る程……柏木の権限を使えば最近、『輪島分屯基地跡地』を使って新しく出来た海軍基地『輪島拍地』の憲兵を使って……」

 

三笠は最近出来た海軍基地『輪島拍地』を思い出し、勇人の策の内容を察すると勇人は頭を横に振り、答えた

 

勇人「いや、あそこの憲兵だけでは『技術力』も『人員』も足りねぇ……『使う』のは『陸軍』……まぁ此処から近い所でなら……」

 

柏木「確か……元『陸上自衛隊』の『金沢駐屯地』で今は『陸軍憲兵学校』の一部である『陸軍憲兵養成学校金沢基地』だったよな……ふむ……成る程!あそこなら俺の『管轄内』だから権限が使えるし、人員的にも技術的にも申し分無ぇし、龍光会にバレねぇ!そして……」

 

勇次「上城財閥(ウチ)の『お得意様』だ♪『2つの権限』があれば、直ぐにでも動けるな♪」

 

三笠元帥「中将……何故その『情報』を知っているの?」

 

三笠元帥は勇人に警察の『裏情報』の入手先について聞くと勇人はタバコを咥え、左手でライターに火を着け、タバコを吸いながら答えた

 

勇人「ふぅ……警察にも『俺達側のスパイ』がいるからな」

 

柏木「………マジで?」

 

勇次「……アイツか」

 

龍鳳「『アイツ』って?」

 

龍鳳は勇次に聞くと勇次は怖がる様に震えながら喋った

 

勇次「……ズイチャン、怒らないでくれよ……」

 

瑞鶴「……内容によるけどね」

 

勇人「霧島、これはお前も『ある意味』関わりのある内容だ……俺達側のスパイの正体は勇次の元『許嫁』で石川県警の『暴力団対策課(マルボウ)』所属の警視正で親父の所の『元艦娘』の『霧島』だ」

 

艦娘達「ハァ!?」

 

柏木「なっ!?」

 

三笠 慧音「あぁ……あの子ね」

 

瑞鶴「うそ……霧島さんが……許嫁ぇ!?」

 

勇人の言葉に三笠と慧音は思い出し、それ以外は驚くと瑞鶴は勇次の胸ぐらを掴み怒鳴った

 

瑞鶴「ユージン!!一体どういう訳!」

 

勇次「待て待て待て!!それはズイチャンと付き合う前に解消しているんだ!」

 

勇人「そうだ、勇次は『お前の事が好き』だから許嫁の件を断ったんだよ!」

 

柏木「ストレートに言うな」

 

霧島「……でなければ瑞鶴さんとは、お付き合いしてないでしょ?」

 

瑞鶴「……分かっているけど……」

 

瑞鶴は霧島、加賀そして赤城の豊満の胸を見て……

 

霧島「な……何ですか……」

 

一航戦「?」

 

 

ボイン♪

 

 

瑞鶴「………」

 

 

ペタン………

 

 

瑞鶴「………ハァ~」

 

瑞鶴(翔鶴姉ぇみたいに『大きくなりたい』……)

 

……色んな意味で絶望しきっていた

 

慧音「まぁ『胸の格差社会(乙女の事情)』で落ち込んでいる瑞鶴は置いといて……柏木、艤装を展開してみなさい」

 

柏木「分かった……艤装展……あ!?忘れてた……」

 

慧音「ん?どうした?」

 

慧音は柏木に指示を出すと、柏木は『ある疑問』が浮かび、慧音に聞いた

 

柏木「勇人みたいにイージスシステムを展開するための『合言葉(セキュリティーコード)』があるのか?普通に展開すると『普段の艤装』になってしまうが……」

 

柏木は慧音に聞くと、慧音は「ああ、その事か……」と納得し、答えた

 

慧音「……初期のイージス起動のセキュリティーコードは『battle mode Aegis』で『アイツらと同じシステム』……いや柏木の『切り札』の起動コードは『battle mode Ars nova』……奴らのシステムコードを流用した。ネーミングが嫌なら後で変更すれば良い」

 

柏木「分かった……んじゃ先ずはイージスシステムで……艤装展開!『battle mode Aegis』!」

 

柏木(備前)はイージスシステムを展開すると勇人と同じ『Aegis ver.3』と極似した外形になった

 

備前「うわ……如何にも『ガン〇ム感』が出ている艤装だな……」

 

慧音「……このモードは勇人の『Aegis ver.3』と同じく『飛行走行』が可能で『VLS』『トマホーク』『ハーブーン』『CIWS』更には『電磁砲』『ATフィールド』が使えるのだが……それを運用する資材が『大和型の2倍』だから計画的に運用してくれよ」

 

勇人「ATフィールドってエ〇ァかよ!?もう少し違うネーミングにしなかったのか!?」

 

慧音「……面白いじゃないか!〇ヴァは!」

 

勇人「確かに面白いが、そのままパクるのは良くねぇぞ」

 

備前「まぁまぁ……それじゃ本題の……『battle mode Ars nova』」

 

備前が宣言すると艤装は変化し、イージスシステムの他に小型化した『浸食魚雷』に主砲である『重力砲』が追加され、艤装には緋色の虎があしらった茨模様が発光し浮かび出た

 

柏木「おぉ~♪これが群像の所のシステムか……」

 

龍鳳 三笠元帥「格好いい……って提督(疾風)!?」

 

柏木「ん?どうした?」

 

龍鳳達は今の『備前の姿』を見て驚いた

何故なら……

 

龍鳳達「『女性化』してない!?」

 

柏木「あ!?そう言えば……先生、俺は何故『女性化』せずに艤装を展開出来るんだ?」

 

柏木の質問に慧音は淡々と答えた

 

慧音「……『イージスシステム』は兎も角『アースノヴァシステム』は艦娘の姿……いや『備前』にとって『洒落にならない位の強烈な負荷』が掛かるから、負荷の小さい『本来の姿』で艤装を起動させた方が戦闘する上で都合が良いからな……これは勇人にも言えるが『アースノヴァシステム』は物凄く負荷が掛かるから『制限時間』を設けたんだ」

 

柏木「制限時間?」

 

勇人「ちなみに何秒だ?」

 

二人は慧音に聞くと慧音は目が据わり答えた

 

慧音「柏木は『120秒』勇人は『100秒』だ……それに艤装展開する際の『タイムラグ』が『0.1秒』だから……」

 

柏木「つまり俺は『119.9秒間』アースノヴァシステムが使えて……」

 

勇人「俺は『99.9秒間』……って、まるで某魔戒騎士みたいなシステムだな……」

 

柏木「言えてるな♪」

 

勇人は呆れ、悪態を付くと柏木は勇人の愚痴に同意するかの様に笑って答えた

 

勇人「それじゃ……俺も……艤装展開!『battle mode Ars nova』!」

 

勇人もまた新たなシステム『アースノヴァシステム』を起動し艤装を展開すると勇人の艤装もまた、柏木同様の装備になり、艤装には蒼色の龍があしらった茨模様が浮かび出た

 

勇人「……まるで改造車のステッカーみたいな模様だな」

 

慧音「そう言うなって、お前の場合は柏木とは違って背中の刺青に使った深海棲艦の血とナノマテリアルが共鳴反応を起こしているんだ……文句言うな」

 

勇人「……マジかよ」

 

金剛「ちょ……テートク?」

 

榛名 高雄型 一航戦「……提督?」

 

比叡 霧島「司令?」

 

瑞鶴「うわ……」

 

勇人「何だ?」

 

勇人は少し不満そうに答えると金剛は勇人の姿を見て驚きながら聞いた

 

瑞鶴「外見が……群像に似てる!?」

 

柏木「というより『若返っている』ぞ……いや、より『チンピラ感』が出てると言った方が良いな」

 

摩耶「うわ……柄悪っ!?」

 

鳥海「摩耶が言える立場では無いんだが……」

 

加賀「……正直言って関わりたく無い風貌ですね」

 

霧島「私は好みですが……」

 

比叡「ヒェェェェ……」

 

金剛 榛名 高雄 愛宕「……これは無いですね……怖くて近寄り難いです(デース)」

 

三笠「……よりによって『学生時代』の外見に……」

 

三笠元帥 龍鳳「中将の学生時代の姿!?ヤンキー感半端ない!」

 

皆、勇人がアースノヴァシステムを起動した姿を見て霧島以外『悪い意味で』驚くと勇人は皆の反応に違和感を覚え、赤城に指示を出した

 

勇人「……赤城、鏡持ってこい」

 

赤城「化粧用の手鏡でしたら……」

 

勇人「ありがとう……なっ!?」

 

赤城は化粧用の携帯型の鏡を勇人に渡すと勇人は鏡を見て溜め息をつき、呆れながら答えた

 

勇人「……よりによって『学生時代』の姿になるとは……泣けるぜ」

 

そう、アースノヴァシステムを起動した勇人の姿は顔つきは勇人の孫である『千早群像』に瓜二つだが髪型は短髪のツーブロックのウルフヘヤー、そして服装は金剛型の白の胴着、黒の袴ではなくブーツ型の艤装の靴に黒のカーゴパンツ、鼠色のTシャツに赤のロングコートを羽織った姿になっていたのだ

 

正直言って怖さ的に『ヤバい』外見になっていたのだ

 

柏木「……名〇の方のダ〇テだな……」

 

勇人「〇倉言うな!」

 

慧音「勇人は兎も角、柏木……もうそろそろ『時間』だ」

 

柏木「もう終わりか……なら」

 

勇人 柏木「艤装解除……ん?」

 

二人は艤装を解除すると勇人は身体に違和感を感じたのか少しストレッチをし違和感の『原因』を確認すると柏木は痛みを訴える様に表情が歪み、慧音に聞いた

 

勇人「何だ?身体が少し鈍っている様な感覚は……」

 

柏木「イテテテテテテ!!何だ!この『痛み』は!?」

 

三笠元帥「疾風!?どうしたの!?藤原先生!これは一体……」

 

慧音「……安心しろ、これはアースノヴァシステムによる身体に負荷が掛かり、『筋肉痛』が発生したのだ……じきに収まる」

 

勇人「……通りで懐かしい違和感……いや『痛み』を感じた訳だ」

 

柏木「……俺としては、もう味わいたくない『痛み』だ……強烈過ぎる」

 

勇人はアースノヴァシステムの起動時間が短かったのか、然程問題が無く、軽いストレッチで済ませたが、柏木は起動時間が長かった為、筋肉痛を起こし、地面に膝をついた

 

勇次「待てよ、筋力を上げればアースノヴァシステムの負荷に耐えられ、起動時間が増えるのか?」

 

慧音「概ね正解だ、まぁ勇人の場合は体内にある『D-cell』も活発するから、あまり起動時間が増えないが……」

 

勇人「つまりアースノヴァシステムは『一気にケリを着けたい時の最終兵器』って訳か」

 

慧音「そう言う事だ」

 

柏木「呑気な事を……誰か……湿布か携帯型高速修復剤を……」

 

柏木は地面に這いつくばる様に勇人に近付き、筋肉痛と戦いながら勇人に要求したのは言うまでもなかった



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第45話「裏切り」

柏木が筋肉痛で苦しんでいる頃 佐世保鎮守府 特設工房室にて

 

夕張「……ふぅ、これでマヤちゃんの船は動かせれるね」

 

明石「ええ……全く、龍光会の連中……『こんな事』をする暇があれば深海棲艦を殲滅する事を考えれば良いのに……」

 

夕張「言えてる♪……上城少尉もスミマセン……態々手伝って貰って……」

 

蘭「好きでやっているだけさ……さて!区切りも良い所だし、休憩するか?」

 

夕張 明石「さんせーい♪」

 

3人は軍艦『摩耶』の機動部を修理し終え、お茶を飲んで休憩していると特設工房室のドアから一馬、たけぞう、コンゴウ、マヤそして優花が急いで入ってきた

 

一馬「蘭、船の状態は?」

 

夕張 明石「元帥!?おはようございます!」

 

蘭「おはよう父さんに、たけぞう」

 

夕張 明石(たけぞう!?プフッ……)

 

たけぞう「……蘭、貴女もか……後、笑うな夕張に明石」

 

一馬「おはよう……早速だが二人の船を使いたい!動かせれるか?」

 

夕張「はい!だが……」

 

明石「機動部以外の損傷が激しいので、最高速度の2割位しか出せませんが……」

 

蘭「まぁ応急措置位はしてあるが『動けない』よりかはマシだ」

 

コンゴウ「……上出来だ、明石に夕張そして蘭……感謝する」

 

マヤ「蘭姉ちゃんに明石お姉ちゃん、夕張お姉ちゃん、ありがとう♪」

 

コンゴウとマヤは3人に礼を言うと明石は「これも仕事だからね♪」と言い、夕張に関しては「後で感想聞かせてね♪」と笑顔で答えるとコンゴウとマヤは各船に飛び乗り、船を起動させてみた

 

コンゴウ「凄いな……お前達の技術は……ん?『ATフィールド』?夕張、これは?」

 

コンゴウが自身の船に搭載された装置『ATフィールド』について夕張に聞くと、夕張はドヤ顔で答えた

 

夕張「フフン♪コンゴウさんのシールド『クラインフィールド』が機能不能になっていたから代用品として提督専用の艤装のシールドをコンゴウさんとマヤちゃんの船に合わせて『新しく作った』のよ♪」

 

蘭「これなら『鬼クラス』の深海棲艦が来ても大丈夫だ」

 

明石「……お陰で私達が寝不足だけどね……フワァ~……」

 

コンゴウ「……本当に至れり尽くせりだな……やはり『佐世保の龍』……いや『上城勇人』の影響なのか?」

 

コンゴウは優花達に聞くと3人は勇人について熱く語った

 

優花「そうだよ!勇人君は敵相手には『物凄く厳しい』が味方に対しては仏様がビックリする位の優しい(ダンナ)だから私も含めて『佐世保鎮守府みんな』が勇人君に従い、慕っているのよ!」

 

夕張「そうそう!しかも『セ〇ール並のタフガイ』で『頭脳明晰』……」

 

明石「そして『イケメン』で『紳士』そして『全てを難なく、こなす器用さ』……私の『最高のダンナ(仮)』じゃない!」

 

優花「明石ちゃん……今の『言葉』撤回して……」

 

夕張「そうよ……『明石の』じゃなくて『私のダーリン(仮)』よ!」

 

優花「貴女もよ……夕張ちゃん、人の『旦那』を奪わないで!」

 

夕張 明石「こればかりは譲れません!」

 

優花「あぁ?」

 

バチバチ……

 

優花達は勇人の『正妻ポジションの座』を巡って静かに、そして戦場で鍛えた殺気を飛ばすかの様に互いを睨み付けると蘭は呆れ、たけぞうは苦笑した

 

蘭「はぁ……あの馬鹿兄貴……勇次兄さんの苦労が分かった気がするな……」

 

たけぞう「そう言うな……ハヤ坊の『人柄の良さ』いや『天然タラシ』は今に始まった事では無いだろ?しかもハヤ坊のお陰で『佐世保鎮守府自体の業務が改善』され鎮守府として『正常に稼働』出来たじゃないか……」

 

蘭「確かにそうだが……」

 

コンゴウ「ま、まぁ……とりあえず落ち着け3人共」

 

コンゴウ(……これが昨夜、マヤが言っていた『カーニバル(シュラバヤ海戦)』か……末恐ろしいな……)

 

マヤ「……」

 

一馬「……とりあえず此処の修羅場は後で勇人に任せて、そろそろ出たいのだが……」

 

一馬は痺れを切らしたのか、呆れながら優花達に言うと優花達は思い出し、慌てて答えた

 

優花「あぁ!?そうだった!?今は『そんな事』をしている場合じゃなかった!コンゴウさんにマヤちゃん!直ぐに行くよ!」

 

コンゴウ「……漸くか、一馬に武蔵そして優花、乗れ」

 

マヤ「んじゃ……抜錨!」

 

二人は船を起動させ、佐世保鎮守府を後にした

今、金沢では『ある問題』が起きている事を知らずに……

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間後 1100 群像のアジトにて

 

群像「……ん?おはようタカオ」

 

タカオ「おはよう艦長……うぅ……頭痛い……」

 

杏平「夜遅くまで飲んでいるからだろ……」

 

タカオ「ウッサイわね……水……頂戴」

 

群像「……大丈夫か?はい、水」

 

タカオ「ありがとう……艦長……」

 

群像はテレビを見ているとタカオは飲み過ぎて二日酔いになっているのか、今にも吐き出しそうな状態のまま杏平に悪態を付き、椅子に座った

 

キリシマ「……メンタルモデルでも二日酔いになるのだな……」

 

群像「そうだな……ん?臨時ニュース……な!?」

 

群像はテレビを見ているとバラエティー番組から臨時ニュースに変わり、ニュースを見て焦り出した

 

群像「……あいつら、とうとう俺達を……」

 

イオナ「どうしたの群像……ッ!?」

 

タカオ「ヤバいわね……」

 

杏平「……ヤベェ、アイツら、とうとう俺達を捨てたな」

 

群像「……しかも俺達が『テロリスト』として報道されている……ふざけやがって……」

 

そう、臨時ニュースの内容が……

 

ニュースキャスター「昨夜、上城財閥のトップ、上城俊夫宅に『テロリストグループ』である『蒼き鋼の艦隊』のメンバー『千早群像』『青樹タカオ』が建物に侵入、自宅内を破壊したとして警察は先ほど、蒼き鋼の艦隊『全員』を『全国指名手配』とした模様です……」

 

そう、昨夜のカチコミにより群像達『全員』が『指名手配』された内容だったのだ

 

群像「……チッ」

 

タカオ「……お爺様に連絡してみる?」

 

杏平「勿論した方が良いぜ……流石に『こんな状態』じゃ……俺達もそうだが、勇人お爺さんも『不利』になるからな……」

 

群像「……分かった」

 

群像は少し混乱しつつ勇人に電話をし始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は少し遡り 1055 神城会総本部にて

 

勇人「……嘘だろ」

 

勇人もまた臨時ニュースを見て驚いた

 

柏木「……十中八九『アイツら(龍光会)』の仕業だな……ってか甘ぇ……」

 

勇人「一応『駆逐艦用』だからな……ソレ」

 

柏木「子供用かよ!ってか弟さん、陸軍と連絡取れたのか?」

 

柏木は勇人から貰った『飲料水用携帯型高速修理剤イチゴ味』を飲みながら言うと勇次は金沢の陸軍基地の総司令に電話し、交渉が上手く行ったのか笑顔で答えた

 

勇次「おう!しかも向こうは既に出発しているからな♪さぁ!早い所『甥っ子達』を保護しに行こうぜ!」

 

柏木「勇人に似て行動が早いな……それじゃ、筋肉痛も治ったし俺達も……」

 

勇人「ああ……行くか、勇次お前の車で行くからな」

 

勇次「へいへい……」

 

3人は勇人のガレージに向けて移動していると……

 

ブーン!ブーン!

 

勇人「非通知?誰からだ?」

 

勇人はガレージに移動しながら電話に出ると電話主である群像が焦りながら喋りだした

 

群像「お祖父ちゃん、俺です!群像です!」

 

勇人「お前か……その焦り様は……臨時ニュースを見たんだな?」

 

勇人は群像に聞くと群像は肯定し、勇人に聞いた

 

群像「はい、あのニュースは『お祖父ちゃん達』が流したのですか?」

 

勇人「ちげぇよ!俺も今さっき知ったんだ!今、お前達が逮捕される前に陸軍を使って保護しに向かうが……後、確かめたい事があるからイオナに変わってくれ……」

 

群像「分かりました……イオナ、お祖父ちゃんからだ」

 

群像はイオナに変わり、勇人に聞いた

 

イオナ「佐世保の龍……私に何の様?」

 

勇人「単刀直入に言うが……お前、俺の『先祖の墓』を荒らし、姉貴の骨を持っていただろ?」

 

イオナ「ううん……盗ってない、私はずっとアジトに待機していたから……」

 

勇人「……本当か群像?」

 

勇人は群像に聞くと群像の代わりに杏平が勇人の質問に答えた

 

杏平「ああ!イオナは昨日から外に出てないんだぜ……盗むなんて……勇人「オメェに聞いてねぇよ!タコ!」……スミマセン」

 

群像「杏平の言う通りです、イオナは盗んでいません!信じて下さい!」

 

勇人「……分かった、保護したら盗んだ動画を見せるから……じゃ後で……」

 

勇人は電話を切り、勇次は勇人に聞いた

 

勇次「兄貴、群像達は……」

 

勇人「多分イオナが盗んでない……アリバイがあったが……」

 

柏木「群像とタカオ以外『共謀』している可能性があるな……」

 

柏木の意見に勇人は「そうかも知れねぇな」と曖昧に返し、答えた

 

勇人「だが、仮にイオナが『盗んだ』んなら……」

 

柏木「龍光会……李の指示いや『脅迫』されて動いた……という訳か?」

 

勇人「ああ……まぁ早い所、さっさと保護して問い詰めればイオナ達も龍光会の恐怖に怯える必要が無くなるからな」

 

柏木「……だな」

 

勇次「……ほら、車の鍵だ……兄貴、頼むぜ」

 

勇人は勇次から車の鍵を貰い、3人は勇次の愛車に乗り群像達のアジトに向けて出発した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 龍光会北陸支部内の研究所にて

 

女性「……う……ここは?」

 

ベッドの上に横になっていた女性は目が覚め、辺りを見渡し、そして手術台らしきベッドの上に設置されている鏡に写る『自分自身の体』を見て少し混乱し始めた

その女性の姿は『某人形使いの魔法使い』を黒目、黒髪にした外見だった

 

女性(……私、確か『死んだ』筈なのに……ってか何故裸なの!?まぁ良いわ、とりあえず……)

 

女性は自身が全裸になっているのを驚きつつ、ベッドから降り、研究員のロッカーを漁り、女性の研究員のロッカーを見つけると、直ぐに女性研究員の服に着替え、再び辺りを探索し始めると机の上に書類が置かれているのを手に取り、書類を閲覧した

 

女性「ん?……C国の文字、もしかして龍光会の……ッ!?」

 

女性はC国の文字が読めるのか、書類の内容を確認し驚いた

何故なら……

 

女性「日付が……『四年後』!?私を蘇生しメンタルモデルと艦娘、そして人間のハイブリッドモデル『ミカサ』として改造……そして将軍殺しの龍である男『上城勇人、暗殺計画』!?ちょっと……これどういう事よ……」

 

女性は書類内容にショックを受けると李が研究所に入ってきた

 

李「初めまして『上城蘭花』さん……いえメンタルモデル、艦娘そして人間のハイブリッドモデル『ミカサ』さん」

 

女性改め『蘭花』「ッ!?」

 

この女性の正体は勇人の姉であり柏木の同期の『上城蘭花』本人だったのた



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第46話「蒼鋼(そうこう)防衛戦 前編」

1130 金沢市内の上空 輸送機『C-1』機内にて

 

男「チッ……嘘だろ……よりによって県警の上層部が龍光会と繋がっているなんて……」

 

鉄也「全くです!」

 

?「こちら『第6航空団司令部』から高町一尉へ……応答を……」

 

男はパイロットである鉄也に愚痴ると鉄也は男に激しく同意すると機内の無線機が反応し、答えた

 

鉄也「こちら高町、今金沢市内の上空にいます……Over……」

 

司令部「今入った情報だ……上城海将、柏木海将は今から金沢の陸軍と共に『蒼き鋼の艦隊全員』を保護しに動いた……」

 

鉄也(流石『義兄さん達』行動が早いな……)

 

男「ほう……疾風がね……」

 

鉄也「そう言えば細川さんは柏木海将の御兄様でしたよね?」

 

鉄也は操縦席に座った男『細川 恵』に質問すると恵は笑いながら説明した

 

男改め『恵』「ああ……しかも君も佐世保の龍の妹さんの彼氏だとは……親公認なのか?」

 

鉄也「いえ……まぁ義兄さん……上城海将に認めて貰いましたが……」

 

恵「ハハッ♪上城元帥は『物凄く厳しい人』だと聞いたからな♪一筋縄にはいかないだろうな♪」

 

恵は笑いながら言うと鉄也は「そうかも知れませんね……」と少し落ち込みながら答えると恵は操縦席から離れ、パラシュートが入っているリュックサックを背負い始め、ドアを開けた

 

恵「では……行ってくるよ」

 

鉄也「……御武運を……」

 

恵「君もな」

 

恵は鉄也にそう言い残し、輸送機から飛び降りた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 龍光会北陸支部内の研究所にて

 

蘭花「……貴方が私の『自慢の弟』の暗殺を企てた黒幕なの?」

 

蘭花はC国の言葉で李に警戒しながら聞くと李は笑いながら答えた

 

李「フハハハハハ!『自慢の弟』ねぇ……あの殺人鬼が……ね」

 

蘭花「殺人鬼?どういう事よ!」

 

蘭花は李が答えた『殺人鬼』について聞くと李は偉そうに答えた

 

李「まぁ君が知らないのは仕方ないんだが、彼『上城勇人』はK国の首相……いや将軍を初め、我々の同胞達を皆殺しをしたのだ……彼が率いる『佐世保鎮守府の艦娘達』と共にな」

 

蘭花「……嘘よ!勇人が……あの子達が『そんな事』をする訳無いじゃない!!」

 

蘭花は李の言葉に怒鳴ると李は呆れ、答えた

 

李「はぁ……聞き分けの悪い御方だ……では『これ』を見れば嫌でも納得するが……」

 

蘭花「……嘘……でしょ……」

 

李はパソコンを立ち上げ、蘭花に『ある映像』を見せると蘭花は絶句し座りこんだ

 

その映像の内容は……

 

勇人「オラァ!退けぇ!」

 

天龍「ハアァァァ!」

 

K国の軍人「ギャァァァァァ!!」

 

そこには勇人を筆頭に天龍や伊勢、吹雪、木曽そして雪風がK国の軍人達相手になぎ倒しながら進行していたのだ

そして……

 

K国の将軍「お前……まさか!!」

 

ズシャッ……

 

勇人「バーカ……今頃『喧嘩を売る』相手を間違っている事に気付きやがって……」

 

勇人はK国の将軍の首を切り落とし、呆れながら刀を収めた

そう、李は『この映像』……勇人達が陽炎、グラーフそして優花を救出した時の映像を蘭花に見せたのだ

 

蘭花「………」

 

李「これが貴女が生前、作り上げていった『佐世保鎮守府の今の艦娘達』の状態だ……」

 

李は2つ目の映像を蘭花に見せた

 

大和「提督……」

 

神通「わ……私の身体で……」

 

榛名「どうぞ……お慰め下さい……」

 

 

2つ目の映像は榛名を初め、艦娘達が裸になり脅えた表情になり、提督に性的暴行をされた映像だったのだ

勿論、映像で榛名が言っていた『提督』は勇人ではなく前任の堤下が逮捕前に行っていた悪行の一つである

李は蘭花に勇人の前任である『堤下』が作り上げた『ブラック鎮守府時代』を見せると蘭花は『勇人がブラック鎮守府を作り上げた』と誤解し、ショックを受け、呟いた

 

蘭花「嘘よ……」

 

李「……気持ちは分かる……元『佐世保鎮守府総司令』の貴女にとっては信じられない事だ……だが……」

 

李は、ショックを受け絶望した表情の蘭花に追い討ちを掛ける様に『次の映像』を見せ、一呼吸を置き、答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「確かに私……めんどくさいから素で言うが、確かに俺はテメェの親玉を殺した……」

 

 

 

蘭花「!?」

 

ブチッ……

 

 

李「……これが現実だ……彼もまた『人殺し』を認めたのだ……」

 

蘭花「嘘よ……嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よぉ!!」

 

李は柏木の記者会見の映像を消し、蘭花に言うと、蘭花は李の追い討ちに精神が崩壊しかけ、涙を流し、叫んだ

 

李(……後少しだ、こうすれば彼女は我々の兵器として動かせれる……)

 

李「なら佐世保鎮守府を『ブラック鎮守府』にした元凶である彼に『成敗』……いや『粛正』を与え、彼を殺せば『元の佐世保鎮守府』に戻るかも知れない……手を組まないか?」

 

李は蘭花に『悪魔の囁き』とも取れる発言をし、蘭花に言うと蘭花は目が据わり、怒りに満ちた表情で答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蘭花「……分かったわ、あの『馬鹿』を粛正するわ……この手で!!」

 

李「……決まりだな」

 

蘭花は李の作戦に乗り、勇人の殺害計画に乗ったのだ

 

李(……チョロい物だな、我々が仕組んだ罠なのに……滑稽な事だ……まぁ『蒼き鋼の艦隊』に『龍虎』そして『次期会長』には『消えて』貰おうか……我々の犬である警察に……な……)

 

李が仕掛けた策略とは知らずに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 金沢市内にて

 

勇人「おいおい……」

 

柏木「……やべぇな」

 

勇次「これは予想外だ……」

 

勇人は車を運転し、勇次と柏木も後ろを向き、焦った表情で答えた

 

何故なら……

 

警察1「公務執行妨害及び国家反逆罪で逮捕する!!」

 

警察2「お縄につかんかぁぁぁぁ!!」

 

3人「何でサツに追われているんだぁぁぁ!」

 

3人は何故か大量の警察車両に追われていたのだ

 

柏木「お前!スピード違反してねぇよな!?」

 

勇人「してねぇよ!」

 

勇次「……まさか『これ』も龍光会の……」

 

柏木「多分な……しかし何故『俺達が指名手配』されないといけないんだ?」

 

柏木は何故、何処で警察に見つかった経緯について考えると車のラジオのニュースが発信された

 

アナウンサー「たった今入った情報です!警察はテロリスト『蒼き鋼の艦隊』に加担したとして佐世保鎮守府総司令、海軍中将『上城勇人』容疑者と、その秘書である艦娘『赤城』こと『藤田咲』容疑者、呉鎮守府総司令兼憲兵司令官の海軍大将『柏木疾風』容疑者そして上城財閥次期会長でもあり、指定暴力団『神城会』次期会長の『上城勇次』容疑者を指名手配した模様です!」

 

3人「……マジで!?」

 

3人はラジオのニュースに驚くとトランシーバーから遅れて来た赤城達が無線越しで聞いた

 

赤城「提督!私聞いてません!何故私まで指名手配されないといけないんですか!!」

 

勇人「……龍光会の仕業だ」

 

赤城「……ですよね」

 

柏木「ですよね……って、お前……ってか赤城、今何処にいるんだ?」

 

柏木はトランシーバーで赤城に聞くと、赤城は少し焦りながら答えた

 

赤城「今『別ルート』で群像君達のアジトに向かっています」

 

柏木「『別ルート』?」

 

赤城「……大型トレーラーを運転しているので走れる道が限られているので……」

 

勇人「……分かった、俺達は囮として動くから、その隙に群像達を保護してくれよ」

 

赤城「分かりました、提督……御武運を……」

 

赤城は勇人達に、そう言い残しトランシーバーの通話を止めた

 

柏木「……お前の赤城は何者なんだよ……使いにくいFCまで使いこなせて……赤城の皮を被った高橋涼〇か?」

 

勇人「んな訳ねぇだろ……一応、赤城には『全ての車種』の運転免許を取得させた」

 

柏木「……まさか医療免許も……」

 

勇人「勿論取得させた」

 

柏木「お前なぁ……」

 

柏木は勇人のカミングアウトに呆れると無線が反応した

 

無線機「此方『ポリス01』ロードブロックを設置した」

 

勇人「ッ!?面倒な事に……」

 

柏木「……これは積んだな」

 

勇人は頭を抱えると警察車両が道を封鎖するかの様に横に駐車をしていたのだ

 

勇人「……2人共、掴まってろよ!」

 

2人「ま……まさか……」

 

勇人は車のタイヤを左側の歩道の段差に引っ掛け、そして……

 

勇人「オラァ!」

 

 

グワン!

 

警察「ッ!?」

 

勇人は引っ掛けたのと同時に右に急ハンドルを取ると左側のタイヤは宙に浮き、右側のタイヤのみ走行をし始めたのだ

そう、よくカーアクションで使われている運転テクニックの一つ『片輪走行』を使って警察車両の間を縫う様にロードブロックを突破したのだ

 

柏木「成る程な……これなら……」

 

勇次「……ったく、無茶するぜ」

 

勇人「まぁ、お陰で……警察車両は『大クラッシュ』何だけどな♪よっと!」

 

勇人は右にハンドルを切ると、車は浮いた左側のタイヤが地面に吸い寄せる様に着地し、そのまま走行し始めた

 

勿論、勇人達を追っていた警察車両『全部』がロードブロックしていた警察車両に正面衝突をし爆破、炎天する等、悲惨な状態になっていたのは言うまでもなかった

 



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第46話「蒼鋼防衛戦 中編」

勇人達が警察を撒いていた頃、赤城達は……

 

赤城「群像君達……無事だと良いのですが……」

 

加賀「そうですね……ってか赤城さん」

 

赤城「何ですか?」

 

赤城は助手席に座っている加賀に聞くと加賀は少し驚いた様子で聞いた

 

加賀「赤城さんって……『こんな車』でも運転出来るのですね……」

 

加賀は今、赤城が運転している『1級フラグ建築士のロボット司令官』に極似の大型トレーラーを運転している事に驚き、質問すると赤城は余裕綽々な表情で答えた

 

赤城「ええ♪『車の癖』や『コツ』さえ掴めば、どんな車でも運転出来ますよ♪」

 

加賀「……『それ』で運転出来れば苦労はしないです」

 

加賀は赤城に悪態を付くとトランシーバーから陸軍ヘリで護衛している瑞鶴と龍鳳から連絡が入った

 

瑞鶴「此方、五航戦『瑞鶴』……提督さん達、警察車両を巻いたらしいよ」

 

龍鳳「そして引き続き囮として市内を暴走し、警察の注意を惹き付けています」

 

加賀「……今の赤城さんを含め、『私達の鎮守府の人達』って色んな意味で化け物染みている人がいるのだですね……」

 

赤城「……それに関しては否定出来ませんね……ッ!?危ない!」

 

赤城は加賀の悪態を肯定するとトレーラーの前にパラシュートを開いた空軍パイロットの服装を着た男が現れると赤城は焦りながら急ブレーキを踏み、トレーラーは男……恵の前に止まった

 

恵「オイ!危ネェじゃねぇか!前を見て……ん?お前は佐世保の龍の所の……」

 

赤城「細川さん!?何で此処にいるのですか!?」

 

恵「……お前達をサポートする為に来たんだ、ちょっと失礼……」

 

加賀「あっ!?ちょっと!?」

 

赤城は空軍パイロットの服装をした恵に聞くと恵は赤城のトレーラーの後部座席に乗り、答えた

 

加賀「あの……貴方は一体?」

 

恵「俺か?名字は違うが俺は疾風の『実兄』の『細川恵』だ、よろしく♪」

 

加賀「なっ!?此方こそよろしくお願いします……」

 

赤城(あ……そこは挨拶するんだ……)

 

加賀は困惑しながら聞くと恵は笑いながら答えると加賀は驚いた

 

恵「……んで赤城……いや藤田さん、今の状態は?」

 

赤城「出来れば『艦娘』として呼んで下さい……今、提督達が警察の囮として市内を暴走しているお陰で警察全員が提督達を逮捕しようと市内を巡回している所です」

 

恵「まさか、あのGT-Rか?」

 

恵は赤城に聞くと、赤城は頭を縦に振り、肯定すると恵は呆れながら呟いた

 

恵「……どんな運転テクニックをしてんだか……」

 

赤城「……あの人のテクニックはチート染みていますからね……」

 

加賀「赤城さん、貴女も他人の事が言えないのですが……」

 

加賀は諦めたかの様に呟くと勇人から連絡が入った

 

勇人「赤城、警察車両やヘリ全部、此方に惹き付けたぞ」

 

赤城「……早いですね、一体どうやって警察の注意を?」

 

赤城は勇人に聞くと勇人は笑いながら答えた

 

勇人「俺と柏木の主砲と勇次の89式小銃で威嚇射撃をかました」

 

恵 加賀「………は?」

 

赤城「……」

 

ブチッ!

 

恵 加賀(あ!?何か切れた音が……)

 

赤城は勇人達が行った行為を聞き、激怒しながら言った

 

赤城「本当に何やっているのですか!!!只でさえ私達は龍光会の策略で『全国指名手配』されているのですよ!!本当に『全国指名手配』されたらどうするのですか!!」

 

赤城は激怒し勇人を叱ると、勇人、柏木そして勇次は笑いながら答えた

 

勇人「ハハッ♪なぁに、これは『正当防衛』さ♪」

 

柏木「そうそう♪しかも此方には『彼方さんの汚職の証拠』だってあるんだ♪これ位やっても処罰にならないからな♪」

 

勇次「う~ん♪快……感♪」

 

恵「……あの馬鹿」

 

加賀「……泣けますね」

 

勇人「じゃ、そう言う訳で群像達の事を宜しくな♪」

 

勇人達は怒りを通り過ごして呆れている赤城達を尻目に笑いながらトランシーバーの通信を切った

 

恵「弟が……すまん」

 

赤城「それは此方の台詞ですよ……提督が御迷惑を……」

 

瑞鶴「私の彼氏が馬鹿な真似を……」

 

加賀「……取り敢えず謝罪は後にして群像君の所へ」

 

赤城「そうですね……もうそろそろ着きますので飛ばしますよ!」

 

加賀の言葉に赤城達は気を取り直し、群像達が居るアジトに向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、群像達は……

 

群像「ブッ!!お祖父ちゃん!いくら囮に出るからって……」

 

杏平「……幾ら何でも『やり過ぎ』じゃねえのか!?艦娘の艤装で威嚇射撃をしたり、89式小銃をブッ放したり、挙げ句の果てには警察相手に人差し指を立てたり……」

 

キリシマ「うわ……引くわ……」

 

茶髪の少女『蒔絵』「何かアクション映画を見ている様な『暴れ方』だね……」

 

タカオ「アハハ……」

 

ハルナ「うわ……これは無いな……」

 

群像達……いや蒼き鋼の艦隊全員がテレビ越しではあるが勇人達の暴れっぷりにドン引きしていた

 

群像「俺達の世界の方のお祖父ちゃんでも『そんな事』はしないのに……」

 

僧「環境が違うと『陽動の仕方』も違いますね……」

 

イオナ「……この人達を敵に回さなくて良かった」

 

静「……激しく同意します」

 

いおり「味方にしたら『物凄く頼もしい』けど……あ!?そう言えば味方だったわね……」

 

ヒュウガ「……そうね」

 

群像達は勇人達が味方になっていた事に安堵し、それと同時に、もし勇人達が敵に回っていた事を考えているとゾッとしていると……

 

金剛「Hey!群像!向かえに来まシタ!」

 

比叡「群像君にみんな!大丈夫?」

 

榛名「どうやら間に合った様ですね♪」

 

霧島「良かった……」

 

高雄「タカオさん!無事ですか!?」

 

愛宕「パンパカパーン♪みんな待たせたわね♪」

 

摩耶「全く……提督も無茶な事を思い付くな……」

 

鳥海「仕方無いよ……あの子達を保護する為の作戦だから……」

 

三笠「お待たせ」

 

三笠元帥「……久々の艤装運転は疲れる……大丈夫、みんな?」

 

『伊401』と軍艦『高雄』が停泊している海上から金剛型4姉妹と高雄型4姉妹そしてW三笠が艤装を装着した状態で現れ、群像達の安否を確認した

 

群像「はい、此方は大丈夫です……ですが、お祖父ちゃんが……」

 

三笠「勇人達の暴走の事?それ私が『許可』したから問題無いわ♪」

 

群像「……そうでしたか」

 

金剛「……流石テートクの『mama』デース、やり方がテートクに似てマース……」

 

杏平 いおり タカオ「へ?ママ!?」

 

静「まさか……貴女は勇人お祖父ちゃんの……」

 

群像達は金剛の言葉に驚き、静が三笠に聞くと、三笠は微笑みながら答えた

 

三笠「ええ♪私が勇人の母『上城 朱里(かみしろ あかり)』……旧姓は『三笠 朱里(みかさ あかり)』よ♪宜しく群像♪」

 

群像「え!?曾祖母ちゃん!?」

 

杏平達「エェェェェ!!曾祖母さん!?」

 

三笠の自己紹介に群像達は驚くと三笠元帥は呆れながら呟き、自己紹介し始めた

 

三笠元帥「……何時の間に『人間の戸籍』を持っているのよ……ってか旧姓が『某巨人を駆逐するヒロイン(ミカ〇⋅〇ッカー〇ン)』に似ているが……あ!私は艦娘の『三笠』よ、みんなから『三笠元帥』と呼ばれているから、よろしく♪」

 

金剛「私は佐世保鎮守府総司令部所属の『金剛型一番艦』の『金剛』デース♪」

 

比叡「同じく二番艦の『比叡』です」

 

榛名「同じく三番艦『榛名』と……」

 

霧島「四番艦の『霧島』です」

 

高雄「タカオさんは知っていると思うが、私は『高雄型重巡洋艦一番艦』の『高雄』です」

 

愛宕「同じく『愛宕』よ♪」

 

摩耶「三番艦の『摩耶』様だ」

 

鳥海「鳥海です……よろしく」

 

キリシマ ハルナ「ッ!?艦娘の『私達』!?本当に味方なのか?」

 

タカオ「そうよ、彼女達は勇人お祖父様達の艦隊『龍虎の艦隊』のメンバーだから安心して」

 

タカオは金剛達が味方だと説明するとハルナ、キリシマそしてイオナは警戒を解き、安堵すると三笠は群像に軍艦『高雄』と潜水艦『伊401』の状態を聞いた

 

三笠「群像、二隻の状態は?」

 

群像「修復出来る所までは出来ましたが……燃料と弾薬が無いので動かせる事が出来ません」

 

三笠「……成る程、群像、今すぐ『抜錨』して」

 

群像「ッ!?」

 

三笠は群像に燃料が入っていない二隻を抜錨する様に命令すると群像は驚き、三笠に反論した

 

群像「ちょっと待って下さい!二隻を抜錨しても『どうやって』上城財閥の造船場まで持って行くのですか!?」

 

三笠「……金剛、引っ張って行けるか?」

 

金剛「hum……一隻位なら私『1人』で牽引出来マース!」

 

比叡「御姉様、一応『保険』として私達『だけ』で牽引し、三笠御姉様達と高雄さん達は二隻を護衛するのはどうですか?」

 

金剛「そうデスね♪」

 

群像「へ?金剛さん達が『アレ』を引っ張って行くのですか!?」

 

金剛は比叡の案に同意すると群像は驚くと霧島は微笑みながら答えた

 

霧島「私達は軍艦の精霊『艦娘』なので『それ位』はまだ『軽い方』だから余裕ですよ♪」

 

キリシマ「……艦娘としての私達って色んな意味で『化け物』染みているな」

 

ハルナ「……そこは激しく同意する」

 

ハルナ、キリシマは艦娘のスペックの高さに驚くとアジト前で車のブレーキ音が聞こえ、群像達はブレーキ音に気付き、出入口を見ると、出入口から赤城が扉を蹴飛ばし入ってきた

 

赤城「皆さん!無事でしたか!?」

 

加賀「お待たせしました」

 

恵「へぇ……これが『蒼き鋼』の『奥の手』か……」

 

群像「赤城さん、加賀さん……誰ですか?」

 

群像は一航戦の二人に恵の事を聞くと、恵は簡潔に自己紹介した

 

恵「俺?俺は柏木疾風の兄貴だ」

 

群像「そうでしたか……俺は蒼き鋼の……」

 

恵「千早群像だろ?確か佐世保の龍こと上城勇人の孫だったな……話は赤城から聞いた、さぁ!オメェ達は早くトレーラーの荷台に乗れ!陸軍と群像のお祖父ちゃん達が足止めしている間にズラかるぞ!」

 

群像「分かりました」

 

イオナ「私とタカオは船に乗るから群像達をお願い」

 

タカオ「あの船のメンタルモデルである私達が離れる訳にはいかないからね」

 

イオナとタカオは恵に言うと、恵は「分かった」と了承すると二人は船に乗り、群像達は赤城が運転してきたトレーラーに移動し始めた

 

金剛「じゃ……比叡と榛名はタカオの方をお願いシマース!霧島!錨をイオナの潜水艦に引っ掻けて!」

 

比叡 榛名 霧島「分かりました!」

 

金剛型4姉妹は艤装の鎖付きの錨を潜水艦『伊401』と軍艦『高雄』に引っ掻け、そして……

 

金剛「Let's go!!!」

 

金剛の掛け声により比叡達は二隻を牽引し、動き始めた

 

タカオ「ちょ!?動いた!?ってか速ッ!?」

 

イオナ「……しかも私達の船以上のスピードで……あり得ない」

 

高雄「私達からすれば貴女達『メンタルモデル』のスペックも化け物染みているが……ん?あれは……」

 

二人は金剛型4姉妹の馬力に驚くと高雄は前方に『何か』を発見し、三笠に伝えた

 

高雄「三笠教官、前方1時の方向に『未確認物体』を発見、確認をお願いします」

 

三笠「未確認物体……ッ!?あれは……」

 

三笠は高雄の報告を受け、確認すると声を荒げながら言った

何故なら……

 

三笠「……高雄、愛宕、摩耶、鳥海そして三笠!!砲撃準備!どうやら『エリートクラス』の深海棲艦の艦隊が此方に来たぞ!!」

 

そう、攻撃する術の無い群像達を皆殺しをするかの様に深海棲艦の大群が攻めてきたのだ

 

 

そして……

 

 

勇人「ちっ……」

 

柏木「面倒な事になったな……」

 

勇次「急いで群像の所に行くぞ!」

 

海岸沿いで警察車両から逃げ切った勇人達もまた、深海棲艦の大群を見つけ、直ぐに群像達のアジトに向かった



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第46話「蒼鋼防衛戦 後編」

勇人達が深海棲艦を発見した同時刻 1230 日本海の海上『軍艦金剛』の甲板にて

 

一馬「……チッ」

 

優花「あ……あの……元帥……」

 

一馬「何だ」

 

ギロッ……

 

優花「……何でもありません」

 

優花(滅茶苦茶怖いよぉぉぉ!!やっぱり勇人君のお父さんだ……殺気の出し方が勇人君と同じだよぉぉぉぉ!!あの元帥の方の武蔵さんでさえ足が震えているよ!!勇人君!早く助けてぇぇぇぇ!!)

 

たけぞう「……ガタガタガタ……」

 

一馬は先程の心臓を盗まれた事に苛立っており、出発してから、ずっと顰めっ面になっていた

 

コンゴウ「一馬、苛つきたい気持ちは分かるが落ち着いたらどうなんだ?優花と武蔵が怖がっているぞ」

 

一馬「……チッ、分かった」

 

たけぞう 優花「ホッ……」

 

マヤ「……ん?コンゴウ!前方に二隻の潜水艦が……」

 

マヤは前方に潜水艦二隻を発見しコンゴウに伝えるとコンゴウはマヤの報告を受け、確認すると落ち着いた雰囲気から一変、怒り狂った表情になった

 

コンゴウ「ッ!?アイツら!!」

 

一馬「知っているのかコンゴウ?」

 

コンゴウ「アイツらが例の『心臓』を盗んだ張本人である『伊400』とその姉妹艦の『伊402』だ!」

 

一馬「ッ!?」

 

コンゴウの報告を受けた一馬もまた、コンゴウ同様、血相を変え、コンゴウに指示を出した

 

一馬「アイツらを捕まえろ!武蔵に桜花!砲撃を許可する!俺も行く!」

 

たけぞう「分かった!」

 

優花「へ?元帥まで参戦するのですか!?」

 

優花は一馬の発言に驚き、質問すると一馬は優花の質問に答えた

 

一馬「ああ、若い頃、艦娘の艤装を模した装備を明石に作って貰ったからな……まぁ今は勇人の艤装をベースに作り変えたけどな」

 

優花「……流石、勇人のお父さんだ……思考がそっくりだよ……」

 

一馬「……とりあえずコンゴウにマヤ、奴らの動きを封じ込めておけ!」

 

コンゴウ「分かった!マヤ!」

 

マヤ「りょーかい♪」

 

たけぞうと優花そして勇人の艤装をベースに人間用として開発された艤装を装着した一馬は伊400、伊402に砲撃し、コンゴウとマヤは艦娘用の三式弾を軍艦用に作り変えた特殊仕様の三式弾で応戦したが……

 

伊400「無駄な事を……」

 

伊402「侵食魚雷……発射」

 

たけぞう「なっ!?」

 

二人はたけぞう、そして優花に魚雷を発射し、本気で轟沈し(殺し)にかかったが……

 

優花「甘い!!ATフィールド発動!!」

 

優花はたけぞうを守る為に、勇人専用のシールド『ATフィールド』を発動し侵食魚雷を無効化した

 

たけぞう「すまない……」

 

優花「気にしないで……」

 

一馬 優花「トラックナンバー2628……主砲、撃ち方……始め!!」

 

ドカン!

 

伊400「……少しはやる様だね」

 

一馬「……無駄に固いな」

 

優花と一馬は主砲である『54口径OTOメララ127ミリ単装速射砲』を伊400に向けて発射し、当てると伊400は少し顔を歪めながら呟いた

 

伊402「だが……所詮『人間』だ、ここで……死ね」

 

伊402は機械の様に冷酷に喋ると伊402の艦首が花が咲く様に開いていくのをコンゴウは逸早く気付き、急いで優花、たけぞう、そして一馬に怒鳴る様に命令した

 

コンゴウ「ッ!?一馬!武蔵!優花!伊402の射程から離れろ!!」

 

伊402「もう遅い、超重力砲……発射!」

 

一馬 たけぞう「ッ!?しまった!?」

 

優花「間に合ってぇぇ!!ATフィールド!最大出力!!」

 

優花はATフィールドを最大出力にし超重力砲から一馬達を守ったが……

 

ギシッ……

 

優花(くっ……最大出力にしても『この様』だなんて……一か八か……)

 

ATフィールドは超重力砲に耐えきれないのかフィールドに亀裂が入ってきた

優花は一か八かの賭けに出たのか、一馬とたけぞうに言った

 

優花「元帥!武蔵さん!私に捕まって下さい!!」

 

たけぞう「言われなくても……」

 

一馬「捕まっているぞ!」

 

優花「……ハァァァァァァ!!」

 

ミシミシミシ……

 

優花は超重力砲を受け流す様に身体を捻りさせ直撃を避けたが……

 

バリーン!!

 

優花(ちっ……限界に達してしまったか……コンゴウさんにマヤちゃん……後はお願い……)

 

コンゴウ「優花ァァァァァァ!!」

 

優花達は超重力砲の衝撃波により艤装は破損し、吹き飛ばされしまった

 

コンゴウ「……嘘だろ……」

 

伊400「コンゴウ……アドミラリティーコードの命令違反により拘束する」

 

取り残されたコンゴウは伊400、伊402により拘束、連行されて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 群像のアジトにて

 

勇人「群像!ちっ!間に合わなかったか……」

 

柏木「……いや、間に合ったから二隻が海上にいるだろ?しっかりしろよ……」

 

勇次「……まぁ今は深海棲艦を潰すのが先だな」

 

勇人「……ああ、艤装展開『Aegis ver.3』」

 

柏木「艤装展開『battle mode Aegis』」

 

勇人 柏木「テイクオフ!!」

 

勇次「いってら~……さて、俺は『後始末』でもするかな……」

 

勇次は二人を見送った後、後ろを向くと大量の在日系のマフィア達が勇次を囲む様に立っていた

 

勇次「……言っておくが、俺は兄貴や柏木と比べて『優しく無い』んでな……悪いが全員『始末』してもらうぜ!さぁ!最高にイカれたパーティーを始めようか!!」

 

勇次は興奮しながら怒鳴るとマフィア達は勇次を攻撃し始めた

 

 

 

 

 

 

一方 金沢港付近の海域にて

 

高雄「……チッ!こんな時に何でエリートクラスの深海棲艦が現れるのよ!」

 

タカオ「エリートクラス?タカちゃん、エリートクラスって?」

 

タカオは高雄の『エリートクラス』について聞くと高雄の代わりに軍艦高雄を牽引している榛名が代わりに答えた

 

榛名「……普通の深海棲艦と比べ『タチが悪く、しぶとく』なった状態の事です」

 

タカオ「それが大量に……勝てるの?」

 

タカオは不安そうに聞くと摩耶はタカオの不安を吹き飛ばす様に自信に満ちた強い口調で答えた

 

摩耶「当たり前だ!私達だって提督にしごかれているからな!!こんなモン、提督のシゴキと比べれば準備運動(ウォーミングアップ)すら無らねぇからな!」

 

鳥海「あ、でも……この人数じゃ索敵しきれないから、索敵だけお願いしても良いですか?」

 

タカオ「……御安い御用よ!メンタルモデルを舐めないで!!イオナ!」

 

イオナ「分かった、索敵開始……ん?後方に未確認物体が物凄いスピードで接近している」

 

タカオ「しかも2つ!」

 

二人は鳥海の御願いを了承し、索敵をすると未確認物体がタカオ達に向けて物凄いスピードで接近しているのを察知すると急いで鳥海達に報告すると鳥海達は未確認物体の正体が分かっていたのか、溜め息を付き、答えた

 

鳥海「……はぁ」

 

摩耶「ったく……遅すぎるっつーの」

 

高雄「まぁ仕方ないですね」

 

愛宕「……ようやく警察から巻いた様ね」

 

金剛「遅すぎマース……」

 

タカオ「え!?分かったの!?未確認物体の正体が!?」

 

タカオは焦りながら聞くと三笠は微笑みながら答えた

 

三笠「ああ……未確認物体の正体は勇人と柏木だ」

 

タカオ「………え?」

 

タカオは三笠の答えに気が抜けた様な声を発すると水飛沫を飛ばしながらタカオとイオナの隣を通過した勇人と備前を見て驚いた

 

タカオ「ハァァァァァァ!?ちょ!?あの二人、マジで戦うの!?ってか速っ!!」

 

三笠「ああ、イオナも見ておきなさい……二人が『佐世保の龍』『呉の虎』……いえ『戦場の狂龍』と『死神の猛虎』と呼ばれる所以を……ね」

 

イオナ「……」

 

タカオ「ゴクッ……」

 

三笠は二人に微笑みながら答えるとタカオは生唾を飲み込み、イオナは目を逸らさずに勇人と備前の戦いを観戦した

 

勇人「無駄ァ!!」

 

ドカッ!

 

空母ヲ級「グハッ!」

 

備前「おーい!面倒臭ぇから此処に集めてくれねぇか?」

 

勇人「……俺の獲物まで取るんじゃねぇぞ……スゥ……無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」

 

勇人はタカオ達に被害が行かない様にミサイルや弾薬を使わずに拳のラッシュで備前が指示した場所まで深海棲艦達を殴り飛ばすと備前はレールガンを構え、そして……

 

備前「ドッカーン♪」

 

ドカン!!

 

備前は勇人が纏めていた深海棲艦を一掃する為に笑いながらレールガンを発射し、殲滅した

 

勇人「……結局は俺の取り分が、ほぼ無ぇじゃねぇか!!」

 

備前「ハハハ♪悪い悪い♪まぁ反省も後悔もしてねぇ♪」

 

勇人「……泣けるぜ、それじゃ……セイヤ!」

 

シュッ……

 

勇人「……」

 

カチン……

 

プシュー!

 

タカオ イオナ「ッ!?」

 

勇人は残った深海棲艦達に愛刀『ムラマサブレード』で居合い抜きをし、鞘に収めると深海棲艦『全員』が首と胴体が切られ、噴水みたいに出血し、そのまま海に沈んだ

 

備前「ヒュー♪流石♪」

 

勇人「はぁ……高雄達は無事なのか?」

 

三笠「……勇人、お前のせいで、ある意味『被害』が来ているぞ」

 

勇人「ん?被害……あ!?」

 

三笠は勇人に言うと、勇人は高雄達を観ると……

 

Wタカオ 三笠元帥「オロロロロ……」

 

愛宕「ウップ……」

 

摩耶「うげ~……」

 

鳥海「これは……ちょっと……」

 

金剛「It's grotesque(グロッ)!?これは流石に刺激が強過ぎマース……」

 

比叡 榛名 霧島「ヒエェェェェェ……」

 

イオナ「うぅ……吐きそう……」

 

そう、勇人の『あまりにもグロすぎる』()り方を見た高雄達が耐えきれず嘔吐したり震えたりしていた

 

勇人「……すまん」

 

備前「……医者がトラウマを埋めつけてどうするんだ」

 

三笠「まぁ殲滅したから良いじゃないか……ん?」

 

三笠は呆れながら答えるとトランシーバーが反応し、三笠は反応していたトランシーバーを取り出し、応答した

 

三笠「誰?」

 

勇次「カーチャン、勇次だ……後始末が終わったぞ」

 

三笠「もう終わったの?」

 

三笠はトランシーバーの相手である勇次に聞くと、勇次は何か物足りないのか、不満を三笠にぶつける様に答えた

 

勇次「ああ……ってかアイツら!弱すぎ!!『もやしっこ』というレベルじゃねぇぞ!!あー!もう!せっかくの『パーティー』なのに!!」

 

備前「弟さんも勇人と同じ『戦闘狂』だったとは……流石双子だな……後、殺してないよな?」

 

勇次「アイツらを殺す前に勝手に気絶した(オチた)から()ってねぇよ……」

 

備前「……そうか」

 

勇人「……ハァ……」

 

三笠「まぁ……お疲れ様、此方もカタが付いたから戻って良いよ」

 

勇次「ちぇ……わーったよ」

 

勇次は不満そうにトランシーバーを切ると三笠達は高雄達が回復した後、再び二隻を上城財閥の造船場に向けて出発した

 

 

 

 

 

 

 

そして………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1730 石川県の温泉街『和倉温泉』付近の砂辺海岸にて

 

間宮「フフッ♪今日は楽しかったわね♪電ちゃんに未来♪」

 

電「なのです♪」

 

『未来』と呼ばれた防空棲鬼(以後『未来』)「そうだね♪料理は旨かったし、和倉温泉の人々も暖かったしね♪」

 

電「正直言って『舞鶴(鎮守府)』には戻りたくないのです……」

 

間宮「フフッ♪気持ちは分かるけど……ん?あれは……」

 

電「ん?人が……倒れているのです」

 

未来「この人……何処かで……」

 

舞鶴鎮守府所属の間宮、電そして未来は砂辺に倒れている人影に気付き、近付いて見ると……

 

間宮(この人達は確か……横須賀所属の上城元帥に武蔵さん、そして佐世保所属の桜花少尉……何故『こんな所』に……まさか!?水難事故に……)

 

間宮「元帥に少尉に武蔵さん!!大丈夫で……ッ!?」

 

間宮は急いで近付き、三人を起こそうと一馬の身体を揺らすと、間宮の手に生暖かい液体の感触に赤い液体……人間の血を感じたのだ

 

間宮「未来!!電ちゃん!!直ぐに人を呼んできて!!重傷よ!!」

 

未来 電「分かった(なのです)!!」

 

間宮は満身創痍で気絶している優花と一馬そして一馬側の武蔵こと『たけぞう』を見つけると急いで二人に助けを呼びに指示し、三人を応急処置をし、電達が呼んできた漁師の人達の力を借りて、間宮達が停泊していた旅館『加賀屋』に運搬、保護されたのだ

 

そして……

 

勇人「……」

 

備前「どうした?」

 

勇人「……何でも無ぇ」

 

勇人(何だ……何か『嫌な予感』がする……これが杞憂であれば良いのだが……)

 

勇人もまた、何か悪い予感を感じつつ、二隻を運搬していた

 

まさか勇人の『悪い予感』が的中……いや『斜め上』な出来事が起きようとは……

 




どうも皆さん、うp主ですm(_ _)m
今回から『ラムネのお兄さん』様の作品『お袋の味が鎮守府に到着しました。これより、調理場の指揮を執ります』の主人公の間宮さんに電そして間宮さんの娘である防空棲鬼こと未来ちゃんがゲストとして出演する事が決まりました\(^^)/
この場を、お借りして『ラムネのお兄さん』様、出演を許可して頂いてありがとうございますm(_ _)m厚く御礼を申し上げますm(_ _)m


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第47話「命の恩人達からの激励」

1800 和倉温泉『加賀屋』の客間にて

 

一馬「うっ……此処は……」

 

たけぞう「ううっ……」

 

優花「痛た……」

 

間宮「ッ!?気が付きましたか元帥に少尉に武蔵さん!」

 

間宮は三人が目を覚ますのを気付くと急いで身体の上半身を起こそうとする一馬を補助する様に背中を支えた

 

一馬「助けてくれてありがとう……何処の所属の間宮だ?」

 

間宮「舞鶴です……元帥に武蔵さんに少尉、一体何があったのですか?こんな大怪我を負われて……」

 

間宮は三人に聞くと扉から電そして未来が替えの包帯や消毒液を持ってきた

 

電「お母さん、替えの包帯と消毒液を持ってきたのです……ハニャ!?凄い身体……」

 

未来「……思い出した!貴方は……『戦場の狂龍』『上城勇人』の父親で『戦場の龍』の……『上城一馬』さんに『戦場の魔女』こと『桜花優花』さん!?」

 

電は上半身裸になっている一馬の鍛えた肉体を見て驚き、未来は一馬そして優花の事を思い出したのか、恐怖に震えながら答えた

 

たけぞう「深海棲艦!?まさか……スパイなのか!?」

 

優花「……何故此処にいるの!答えて!!」

 

一馬「落ち着け!敵なら俺達は防空棲鬼に『殺されている筈』だ!」

 

たけぞう 優花「しかし……」

 

二人は未来を警戒すると間宮は二人に未来の事について説明し始めた

 

間宮「そうです!しかも、この子は敵ではありません!私の『娘』ですので警戒しないで下さい!」

 

一馬「そうだ……ん?『娘』?一体どういう事だ?」

 

間宮「……今は御話し出来ませんが、これだけは知ってほしいのです!彼女は敵ではありません!」

 

間宮は真剣な表情で答えると一馬は間宮の心情を察したのか、溜め息を付き答えた

 

一馬「……分かった、それと防空棲鬼……間宮「出来れば『未来』と呼んで下さい」……分かった……未来、俺の仲間が無礼な真似をして悪かった……そして、ありがとうな二人とも、お前達のお蔭で助かった……」

 

たけぞう「……礼を言うぞ、そして……すまなかった」

 

優花「助けてくれて、ありがとう……疑ってゴメン」

 

未来「うん……良いよ……」

 

未来(『通り名』とは違って優しい人達だな……)

 

未来は一馬と優花の『恐ろしい通り名』と今のギャップに戸惑いつつ、頭を下げた三人の謝罪を許した

 

電「良かったのです……此処で喧嘩にならなくて……」

 

一馬「怖がられせて悪かったな……」

 

間宮「いえ、此方も『私達の事情』を察してくれた事に感謝します……話は戻しますが、何故元帥達は大怪我を負われたのですか?」

 

間宮は一番の疑問である『一馬達の怪我』について聞くと一馬は優しい表情から一転、真剣な表情になり、答えた

 

一馬「……龍光会って知っているか?」

 

間宮 電「龍光会?」

 

未来「ッ!?」

 

一馬の質問に間宮と電は首をかしげ、未来は『龍光会』の事を知っていたのか、再び震え出した……まるで自身のトラウマを思い出したかの様に……

 

一馬「……未来は知っている様だな」

 

未来「うん……私の方は被害が無かったが、仲間から聞いた話では、アイツら、私達みたいに人と共存する派閥『和平派』を脅して、自身の利益の為に、和平派の連中を『人体実験』……言わば『モルモット』として扱われていたんだ」

 

間宮「ッ!?酷い……」

 

たけぞう「……そして龍光会と手を組んだ『霧の艦隊』の一部の派閥に『負けた(敗北した)』んだ」

 

優花「これじゃ……勇人君に顔向けが出来ないよ……」

 

電「『霧の艦隊』!?武蔵さん!霧の艦隊って……」

 

間宮「電ちゃん、知っているの?」

 

電は、たけぞうが言った『霧の艦隊』を耳にすると驚き、焦ると間宮は焦っている電に聞くと電は驚きを隠せない状態ではあるものの、間宮の質問に答えた

 

電「柏島伯地の沖田元帥から聞いた話ですが……四年前、異世界の艦隊『霧の艦隊』が此処に漂流し、深海棲艦だけではなく艦娘達まで攻撃を行い、艦娘と深海棲艦『両方の艦隊』は『大破撤退』をする位の大損害を負わせた『厄介な艦隊』なのです」

 

間宮「大破撤退!?霧の艦隊って、そんなに強いの!?」

 

間宮は驚きつつ電に聞くと電は頭を縦に振り、肯定すると間宮は唖然とし、電は再び説明を再開した

 

電「そして司令官の同期の『上城勇人』海軍中将のお姉さん『上城蘭花』中尉と上城元帥が霧の艦隊の旗艦である『コンゴウ』さんを説得し、霧の艦隊全員を元の世界に戻してあげたのです」

 

間宮「……しかし、『それだけ』だと疑問が残りますね……何故『元の世界』に戻った霧の艦隊が再び此処に漂流してきたのですか?」

 

間宮は電の説明に疑問を抱き、腕を組みながら考えると一馬は間宮の疑問に答えた

 

一馬「……海軍のスパイが龍光会に『当時の資料』を入手し、資料を元に『異世界転移装置』を開発し、霧の艦隊と『蒼き鋼の艦隊』を呼び寄せたんだ」

 

間宮「スパイ!?それに……」

 

電 未来「蒼き鋼の艦隊?」

 

三人は一馬の説明について驚き、そして『蒼き鋼の艦隊』という言葉に疑問を抱き、質問すると一馬と優花は簡潔ではあるが、説明し始めた

 

一馬「ああ……まずはスパイの件だ……スパイの正体は『920事件』を起こしたテロリスト『日本解放軍』のリーダーでもあり、会計課の『金城龍一』海軍中佐……本名『金 白龍(キム パイロン)』という男だ……まぁ金城(キム)は大本営でテロリストを殲滅していた勇人に殺されたが……多分その時に『四年前の資料』を入手し、龍光会に横流しをしたんだろう……」

 

優花「そして『蒼き鋼の艦隊』は、霧の艦隊と対立する為に作られた『私営の傭兵兼運び屋組織』言わば『テロリスト』に近い組織で、龍光会は霧の艦隊と交渉決裂した時の『保険』として、霧の艦隊の対立組織『蒼き鋼の艦隊』を呼び寄せたのよ……そして蒼き鋼の艦隊のリーダー『千早群像』は勇人君と私の『孫』よ」

 

電「ッ!?」

 

間宮「……つまり霧の艦隊と蒼き鋼の艦隊は『未来の地球』から来た……という訳ですね」

 

未来「そして霧の艦隊の派閥と手を組んだ龍光会の艦隊に……」

 

間宮と未来は二人の説明を纏め、結論を出すと二人は肯定した

 

一馬「……これは『国家絡み』の事件だ……だから『他言無用』で頼む!命の恩人達を巻き込みたく無いんだ!」

 

間宮「……分かりました、この話は『聞かなかった事』にします」

 

一馬「そうか!それは……間宮「但し、条件があります」……金か?」

 

間宮「違います!私……いえ私達の条件は……」

 

一馬は間宮の『条件』に察し、憶測の範囲で答えると間宮は否定し、間宮達は一呼吸を置いて強い口調で答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

間宮「必ず『生きて』帰って下さい!」

 

未来「……必ず『龍光会』をぶっ壊して!!もう仲間や無関係な人達を辛い目に逢わせたく無いの!!」

 

電「元帥に桜花少尉……絶対に『霧の艦隊』と『蒼き鋼の艦隊』を救って下さい!!」

 

間宮「これが『私達の条件』です!」

 

三人は一馬達に言うと立ち上がり、間宮達に言った

 

一馬「……分かった!」

 

優花「私達が『孫』と『孫のお友達』そして『仲間』を見捨てる訳が無いじゃない!間宮さん!電ちゃんに未来ちゃん!本当にありがとう!この御礼は必ず『返す』から!」

 

たけぞう「……大和型戦艦の名において、必ず『条件』を守るぞ!!」

 

一馬「……では行ってくる!世話になったな……」

 

間宮「……御武運を……」

 

電 未来「お気をつけて……」

 

三人は間宮達に頭を下げ、加賀屋を後にした

その姿は正しく『覇気に満ちた龍』の様に……




どうも八意ですm(_ _)m
今回でゲスト回は一旦終了しますm(_ _)m
私としては、このままレギュラーキャラにしたかったのですが、ラムネさんの物語に支障をきたすので、この様な形になった事をお許し下さいm(_ _)m


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第48話「先祖達(子孫達)との会合」

一馬達が加賀屋を後にした頃 1830 上城財閥内(神城会総本部内)の造船場にて

 

勇人「……これは酷いな」

 

高雄「……そうですね、整備員の『腕の悪さ』が際立っていますね」

 

勇人「ああ……ったく未来の整備員の『質』も『大した事無い』んだな……まだ俺『一人』でやった方が『マシ』だな……なぁ『いおりチャン』よ……」

 

いおり「……精進しますので、これ以上言わないで下さい……これは精神的に『来ます』ので……」

 

三笠(全く……大人げないな……まぁ内部が『こんなに酷い状態』なら勇人の『気持ち』も分かるが……)

 

勇人と高雄は『蒼き鋼の艦隊』の整備員である『四月一日いおり』に皮肉を言い、いおりは半泣きになりつつ、勇人と共に溶接棒や工具箱を持ちながら軍艦『高雄』の内部を見ると、エンジンは所々『亀裂』が入っており、重力砲も変形していた事に顔を歪めるとタカオは恥ずかしそうに言った

ちなみに高雄は『軍艦の方の高雄の内部(自身の軍艦の内部)』に詳しい為、軍艦の内部構造を全く知らない勇人のサポート兼案内をしているのだ

 

タカオ「あの……お祖父様に曾祖母様、タカちゃん……あまり内部をジロジロ見ないで下さい……恥ずかしいです」

 

イオナ「私達『メンタルモデル』にとっては『軍艦と同調(リンク)している状態』での『この行為』は裸になっているのと同じだから……」

 

ヒュウガ「まぁ!スケベな御祖父様だわ♪」

 

勇人「……機械で興奮する様な『マニアックな趣味(アブノーマルな性癖)』は持ち合わせて無ぇぞ」

 

高雄「スケベって……」

 

三笠「……勇人に高雄、これって『セクハラ』になるのか?」

 

高雄「それ……私達に聞かれても……」

 

勇人「さぁ?ってか、そもそも俺は『整備員』ではなく『軍医(医者)』なんだが……ヒュウガ「私達からすれば『医者』よ♪宜しくね上城先生♪」……ったく……ふむ……タービン辺りが酷いな、タカオ、タービンを整備するから、痛かったら言えよ」

 

タカオ「……お手柔らかに御願いします」

 

三笠は二人に質問すると、高雄は戸惑い、勇人は愚痴る様に答え、愛車を整備する様にタービンを整備し始めた

 

ガチャガチャ……

 

タカオ「アッ♡ウッ♡そこぉ♡お祖父様って、いおりと違って……ん♡意外と『テクニシャン』ですね♡アァン♡」

 

高雄「ちょ!?タカオさん!!破廉恥です!!」

 

勇人「変な声を出すな!気ィ散るわ!!」

 

勇人と高雄は悶絶し、妖艶な表情になっているタカオに一喝すると、タカオは『何か』を感じているのか、気持ち良さそうな表情で答えた

 

タカオ「分かって……アン♡『同調(リンク)』した状態での整備は私達『メンタルモデル』は人間で言うと『整体』や『アロママッサージ』を受けている状態に近いんです……あぁ♡そこぉ♡もっと下ぁ♡」

 

勇人「……泣けるぜ」

 

高雄「……この『ムッツリエロ重巡(従順)』!!と言って差し上げますわ……見ている此方が恥ずかしいです……」

 

勇人「全くだ……後、『ムッツリ』に関しては……高雄、お前が言うな」

 

高雄「……提督は『オープンなエロス』が趣味でしたか……分かりました!私も脱ぎm……勇人「脱ぐな!収拾が付かんくなる!!」……冗談です♪」

 

勇人「……泣けるぜ」

 

勇人は、悶絶しているタカオと下ネタを行おうとした高雄に呆れつつ、整備を再開した

 

三笠「……これ、二人が勇人に『セクハラ』をしているのか、勇人が二人に『セクハラ』しているか分からんな……」

 

静「そもそも修理(治療)している風には見えませんね……」

 

イオナ(……今のうちに逃げよう……)

 

イオナは今のタカオを見て、イオナ自身『タカオの二の舞』になりたくないのか、三笠にバレない様に逃亡を行おうとしたが……

 

三笠「待ちなさい、貴女には『聞きたい事』がある」

 

イオナ「ッ!?何?」

 

三笠に止められ、イオナはタカオと『同じ目』に逢うと不安を感じつつ三笠に聞くと、三笠は真剣な表情で質問した

 

三笠「昨夜、貴女は何をしていたの?」

 

イオナ「アジトで待機していたが……」

 

グイッ!

 

イオナ「ッ!?」

 

イオナはタカオと同じ目に逢わずに済んだ事に安堵しつつ三笠の質問に答えると三笠はイオナの胸ぐらを掴み、質問した

 

三笠「惚けるな!此方は『お前が蘭花の骨を盗んだ証拠』を持っているんだ!!」

 

三笠は蘭花の骨を盗まれた事に激怒しつつ、イオナに怒鳴り付けるとイオナと静、いおりそしてヒュウガは三笠の迫力に臆し、涙目になりながら答えた

 

イオナ「わ……私は………本当に盗んでない……本当よ……信じて……」

 

ヒュウガ「ほ……本当よ三笠……イ……イオナ御姉様は本当に『盗んでいない』わ」

 

いおり「ヒエェェェェ!!」

 

静「おおおおお落ち着いて下さい!」

 

三笠「……往生際の悪い糞ガキだな……『これ』を見ても白を切るつもりか!!」

 

三笠はイオナを胸ぐらを放り投げる様に離すと証拠である防犯カメラの映像をイオナとヒュウガに見せるとイオナは驚き、ヒュウガは怒りで顔を歪め、そして静といおりは『確信』を得たのか、目が据わりながら答えた

何故なら……

 

イオナ「ッ!?そんな……『あの娘』が……」

 

ヒュウガ「チッ!龍光会め……イオナ御姉様の『姉妹艦』を使って、イオナ御姉様を『犯罪者』に仕立てやがって……」

 

静「……間違い無いですね、アイツら……イオナに『似せて』犯行を……」

 

いおり「……うん!間違いない!」

 

三笠「あぁ?姉妹艦?ヒュウガ!それはどういう事だ!!」

 

三笠はヒュウガが言っていた『姉妹艦』について怒鳴り付けながら聞くとヒュウガは少し怯えつつ答えた

 

ヒュウガ「ヒィッ!!あ……アレはイオナ御姉様の『姉妹艦』の一人『伊402』……コンゴウ達と同じ『霧の艦隊』の一人よ……そして伊402とイオナ御姉様の『もうひとつ』の姉妹艦の一人である『伊400』は龍光会と手を組み、アドミラリティーコードの『最重要命令事項』である『千早群像の抹殺』そして『私達含む、群像が率いる艦隊の殲滅』をやり遂げる為に……」

 

三笠「……チッ!アイツら……ふざけた真似を!!」

 

ドカン!!

 

イオナ 静「ッ!?」

 

ヒュウガ「大型バイクを粉々に破壊した……たったワンパンで……」

 

三笠は苛立ちながら赤色のハーレー風の大型バイク『HONDA shadow』を殴り壊すと勇人と高雄はタカオの修理が終わり、先程の話を聞いていたのか、少し声のトーンを落とした声で聞いた

いおりは自身の不甲斐なさと勇人の整備の質の高さにプライドがズダボロになり『○| ̄|_(こんな状態)』になり、泣いていたが……

 

勇人「……ったく喧しいな、盗んだ犯人が『分かった』だけでも『上々』じゃねぇか……って!!俺のバイクが!?」

 

いおり「ヒック……たった数分で起動部やボディ等の全てが『新品同様』に……私の腕って……こんなに酷かったんだ……もう……自信が……」

 

高雄は、いおりが落ち込んでいるのを見て不憫に思ったのか慰めようとした

たが、それは……

 

高雄「あの……いおりさん、これは貴女の『腕が悪い』のではなく提督が『異常』なだけなので、あまり気を落とさないで下さい」

 

いおり「ッ!?ウワーーーーン!!分かっていたけど悔しいィィィ(グヤジイィィィ)!!何故『過去の人』に負けるのよォォォォ!!」

 

高雄「ちょ!?だから私達の提督がk……いおり「もう止めて!私の精神はボロボロよ!!」」

 

……無意識とは言え『追い討ち』を掛けてしまった

 

三笠「高雄、無意識とは言え、追い討ちを掛けるな……彼女が不憫過ぎる……」

 

高雄「別に追い討ちを掛けたつもりでは……ごめんなさい」

 

勇人「……お前も、たかが『お遊び』位で喚くなよ、あーあ、折角のバイクが……まだローンも残っているのに……」

 

いおり「あれで『遊び』のレベル!?私……もう駄目かも……」

 

三笠「……今叱りたいのだが、二人共『あの状態』じゃ叱れないわね」

 

高雄「……提督の場合は教官のせいだと思いますが……」

 

三笠「……あ!?勇人……ごめん」

 

勇人「あァァァんまりだァァアァ!!車ところがバイクまで……不幸だ……」

 

高雄「……提督、御気持ち察しますが、そろそろ……」

 

勇人は呟きながら呆れると、いおりは勇人の言葉で完全に自信が無くなり、目のハイライトが消え、呟き、勇人もまた、三笠にバイクを壊され、いおりと同じ状態になっていた

 

勇人「……ああ、気を取り直して……次はイオナだ」

 

イオナ「ッ!?止めて……御願いだから……」

 

ヒュウガ「駄目ですよイオナ御姉様♪医者の言う事は、ちゃんと聞かないと♪御祖父様♪私も手伝います♪」

 

勇人「おう!頼むわ!」

 

イオナ「い……イヤァァァァァァァァ!!」

 

勇人は伊401の整備をしようとイオナに聞くと、イオナは臆しながら拒否したがヒュウガに止められ、二人は伊401の内部の整備を始めた

イオナの絶叫と共に……

 

三笠「うわ……」

 

静「……物凄くカオスな状態ですね」

 

三笠「ああ……」

 

高雄「アハハ……」

 

三人は勇人達が伊401を整備している所を見て、ただ呆れるだけであった

ちなみにタカオは……

 

タカオ「アフン♡……もう……病みつきになりそう♡」

 

……違う意味で悶絶していた

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃 神城会内の食堂にて

 

群像「うわ……」

 

杏平「スゲー……」

 

キリシマ「ジュル……」

 

勇二「お!?今日は『カニ鍋』に『スッポン鍋』そして『ちゃんこ鍋』か♪」

 

俊夫「ああ♪折角『子孫達』が遊びに来たんだ♪こんな機会、滅多に無いだろ?」

 

俊夫は笑いながら宴会様の机の上に『カニ鍋』に『スッポン鍋』『キムチ鍋』そして福岡の郷土料理『鳥の水炊き』をベースにした『ちゃんこ鍋』を並べ、日本酒『金箔入清酒 金華』の封を開けた

 

勇次「お!?ジッチャン、俺にも頂戴♪」

 

瑞鶴「あ!?お祖父ちゃん♪私も♪」

 

俊夫「なら、一本持っていけ♪飲み干したら言えよ♪持ってくるから♪」

 

勇次 瑞鶴「サンキュー♪」

 

柏木「ったく、会長は孫と艦娘には『甘過ぎ』るんだよな……ほら僧、はいよ」

 

僧「あ……ありがとうございます」

 

柏木は僧に烏龍茶が入ったペットボトルを渡すと僧は群像そしてハルナのコップに烏龍茶を注ぐと、群像は重たく、真剣な表情で俊夫に聞いた

 

群像「御先祖様……いえ俊夫さん……実は俺達、貴方に……」

 

俊夫「……昨日の襲撃の件か?」

 

俊夫は微笑みながら群像の『考えている事』を当てると、群像は頭を縦に振り、そして……

 

蒼き鋼全員「はい……俺達『蒼き鋼』は龍光会に騙されていたとは言え……昨日はスミマセンでした!!」

 

群像を初め食堂に居る蒼き鋼の艦隊全員が立ち上がり、俊夫に頭を下げると俊夫は笑いながら答えた

 

俊夫「ップ♪……アハハハハ♪許していなかったら、今頃『鍋パーティー』ではなくて『穴蔵』にブチこんで痛め付けているぞ♪まぁ此方には被害が無かったしな♪」

 

蒼き鋼全員「ホッ……」

 

柏木「会長、一応『被害』があったのだが……」

 

柏木は俊夫にツッコミを入れると俊夫は笑顔で答えた

 

俊夫「勇人の車の事か?なら手配済みだ♪」

 

三笠元帥「ちなみに『どんな車』を?」

 

三笠元帥は俊夫に聞くと、俊夫は微笑みながら答えた

 

俊夫「黒の『アヴェンタドール(LP740-4)』と『ハイエース』だ♪」

 

柏木 榛名「ブッ!?アヴェンタドール!?あの『モンスターマシーン』をですか!?」

 

群像「柏木さん、アヴェンタドールにハイエースって、どんな車なのですか?」

 

俊夫の答えに柏木は飲んでいた日本酒を吹き溢し、驚くと群像は柏木に質問すると柏木は頭を抱え、柏木の代わりに榛名が答えた

 

柏木「はぁ……説明がメンドイから榛名、頼む」

 

榛名「分かりました♪『アヴェンタドール』は最新のフェラーリで馬力は700馬力の4WDという乗り手を選ぶ車で、確か……最低のグレードでの価格は『4200万』近くするスポーツカーですよ……『ハイエース』は……まぁ普通のワゴン車の事ですよ」

 

柏木「……詳しいんだな」

 

榛名「非番(オフ)の時に車好きの艦娘達を連れて、提督と一緒に車のメンテナンスを手伝っていたので♪」

 

柏木「成程な……ってかアイツ、艦娘達をパシってんじゃねぇよ……」

 

摩耶「そう言うなって……今の佐世保鎮守府(ウチ)非番(オフ)の時だけは軍法に引っ掛からなければ趣味活動は基本的に了承しているんだよ」

 

柏木「……アイツが一番『軍法違反』をしているのにな……背中の和掘りやらK国の将軍を殺すわ……」

 

霧島「そうですね……しかし御祖父様も良く4200万以上の物を買いましたね……」

 

鳥海「ひょっとして御祖父様、ローンで買われたのですか?」

 

鳥海が俊夫に聞くと、俊夫はドヤ顔で答えた

 

俊夫「いや『一括払い(キャッシュ)』だ♪まぁ二台の合計『5200万円』の『安い買い物』だったな♪」

 

柏木及び艦娘達「デスヨネー……流石『財閥長』」

 

蒼き鋼全員「ご……5200万を一括払い!?俺達の資金の10倍の金額で!?」

 

俊夫「キャッシュと言っても、俺のポケットマネーだから……柏木「会長!これ以上言わないでくれませんか!アイツらが混乱しています!」……泣けるぜ」

 

艦娘達「流石、提督(上城中将)のお祖父様です……口癖が同じですね……」

 

俊夫「当たり前だろ♪群像含めて『血の繋がった家系』だからな♪」

 

金剛「アハハ……まぁ、グランパの事デース、普通のハイエースとは『違う』ハイエースにしていると思いマース……」

 

金剛は俊夫を『グランパ』……お祖父様と呼び、少し呆れ、笑いながら聞くと俊夫は微笑みながら答えた

 

俊夫「金剛ちゃん、これに関しては『見てからのお楽しみ』だな♪後『アヴェンタドール』は佐世保に送ったから帰りはハイエースに帰ると思うから、その時に『乗り心地』を楽しみながら帰ると良い♪」

 

金剛「あーもう!焦れったいデース!私は逸早く乗りたいのに!!」

 

霧島「気持ちは分かりますが落ち着いて下さい」

 

金剛「……Understand」

 

霧島は駄々をこねている金剛を一喝すると整備し終えたのかブルーベリー色の整備用のツナギを着た勇人と三笠達が入ってきた

 

勇人「ふぃ~やっと終わった」

 

俊夫「お疲れ様」

 

艦娘達「ウホッ!良い男……」

 

勇人「やらないk……って!お前ら!言わせんな!!」

 

艦娘達「言わせました♪」

 

柏木「お前らなぁ……後、勇人も悪乗りすんな」

 

柏木は悪乗りした勇人に呆れつつ、ツッコミを入れると勇人達は席に着いた

 

勇人「さて!みんな揃ったし……」

 

群像「お祖父ちゃん、いおりとイオナは?」

 

杏平「ってかタカオ……お前、キラついてねぇか?」

 

杏平はキラついているタカオに聞くと、タカオは高揚し、笑顔で答えた

 

タカオ「お祖父様のマッサージ(整備)のお陰よ♪あれを味わったら、もう『戻れない』位……気持ち良かったわ♪」

 

比叡「あ!?それ分かります♪司令の整備は一流ですから♪」

 

柏木「……んで、二人は?」

 

勇人「……別室で凹んでいるぞ、さて二人の分は残して……では」

 

全員「いただきます!」

 

勇人の号令により食卓にいた全員が鍋をつつき始めた

 

一方、別室では……

 

 

 

 

 

イオナ「……もう、お嫁に行けない……」

 

いおり「……私の存在意義って……」

 

勇人のせいで二人は凹み、泣いていたのは言うまでも無かった

 

 

そして、日本海では……

 

 

蘭花「……久しぶりね、コンゴウにマヤ」

 

マヤ「嘘……」

 

コンゴウ「ッ!?生きていたのか!?蘭花!?」

 

勇人にとって、史上最悪な事件『蒼霧事変』が本格的に起きようとは……



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第49話「失望そして未来の問題」

1900 日本海の海上にて

 

蘭花「久しぶりね、コンゴウにマヤ」

 

コンゴウ「蘭花……何故『生きている』んだ!?死んだ筈じゃ……」

 

伊400と伊402に拿捕され、極太の鎖で束縛されているコンゴウとマヤは、死んだ筈の蘭花が群像の世界の方の軍艦『三笠』を連れて、目の前に現れた事に驚くと蘭花は冷酷で冷たい口調で答えた

 

蘭花「ええ、私は確かに『死んでいた』……だが、この子達のお陰で、再び人間として、艦娘とメンタルモデルのハイブリッドモデル『ミカサ』として蘇生する事が出来たのよ」

 

コンゴウ「……なら!何故『佐世保の龍』……いや、お前の弟である『上城勇人』に協力しないんだ!!アイツは『蒼き鋼』だけではなく私達『霧の艦隊』まで『救おう』としているのだ!!」

 

コンゴウは『勇人の目的』を蘭花に言うと、蘭花はコンゴウの言葉を嘲笑うかの様に笑い、答えた

 

蘭花「救う?……アハハハハ♪貴女、何『可笑しい事』を言っているの?今の勇人は……『嘘つき』で『人殺し』そして艦娘達を『慰め物』としか思っていない『最低の弟』よ!」

 

コンゴウ「違う!アイツは……見ず知らずの私達を『昔のお前』の様に手厚く迎えてくれて、応急措置ではあるが、私達を治す様、手配をしてくれたのだ!」

 

コンゴウは蘭花の言葉に完全否定すると蘭花は懐かしむかの様に微笑んだが、徐々に怒りに満ちた表情になった

 

蘭花「昔の私ねぇ……そんな馬鹿げた話、あるわけ無いでしょ!!コンゴウにマヤ、『これ』を見ても『そう言える』のかしら?」

 

蘭花は二人に李が見せた『映像』を見せるとコンゴウとマヤは驚愕した

 

コンゴウ「何……これ……」

 

マヤ「……酷い」

 

二人は映像を見て驚愕していると蘭花は映像を消し、二人に言った

 

蘭花「……これが勇人の……いえ人間の『本質』よ!貴女達は勇人に『騙されていた』のよ!アイツは艦娘達を脅して貴女達を『物』として扱うつもりだったの!」

 

コンゴウ「……」

 

蘭花はコンゴウに今の自身の『考え』をぶつけるとコンゴウは黙り混み、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンゴウ「フッ……フフフ……アハハハハ!こんな拙知な『やり方』に騙されるとはな……」

 

蘭花「ッ!?何が可笑しいの!?」

 

コンゴウは映像の『からくり』が分かったのか蘭花を軽蔑するかの様に笑い、答えた

 

コンゴウ「確かに、この映像は『合成』ではなく『ほぼ』正真正銘、勇人の行いの映像だ……だが、貴様は『分かっていない』……2つ目の映像が勇人『本人』ではない事をな……正直言って『失望』したぞ『上城蘭花』」

 

蘭花「……艦娘達を慰め物にした所の映像ね、何故そう言い切れる?」

 

蘭花はコンゴウの挑発染みた内容に眉をピクリと動かし、苛立っているのか、少し重い口調で質問するとコンゴウは蘭花を見下す様に答えた

 

コンゴウ「確かに、この映像に映っている神通、大和……いや映像に映っていた艦娘達は提督に怯え、殺意を込めた目で見ていたが、今の佐世保鎮守府の艦娘達は勇人の事になると『尊敬』し、まるで『愛すべき者』を見る様な『優しく』『穏やかな目』で話していたからな!そんな奴らが『殺意に満ちた表情』になる訳が無い!もし仮に佐世保の艦娘達が『映像に映っていた艦娘達』と同一人物だったとしても、それは『勇人』に向けた態度では無い!」

 

コンゴウは昨夜、佐世保鎮守府の艦娘達と交流会の時に艦娘達と対談したのを思い出し、それを蘭花にぶつける様に答えると蘭花はコンゴウの言葉を信じず、怒りに任せた表情で答えた

 

蘭花「違うわ!勇人は人を殺し、貴女達『霧の艦隊』だけではなく、テロリストである『蒼き鋼の艦隊』と手を組んだのよ!自身の駒として!貴女も分かるでしょ!!人間は『汚く』『滑稽』そして『平気で人を殺す』のを平気でやる『生物』だと……貴女は、その『人間』を殺す程、嫌っていたんじゃない!」

 

蘭花は怒り、昔コンゴウが人間を嫌い、滅ぼそうとした事を言うとコンゴウは重い口を開いた

 

コンゴウ「……ああ、確かに私は『元の世界』に戻ったら、徐々に『人間嫌い』が再発した……たが……」

 

蘭花「だが?」

 

蘭花はコンゴウの言葉に続けて聞くと、コンゴウは一呼吸置いて答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンゴウ「ここに戻ってから『お前の妹』や『艦娘達』そして『勇人達』の『優しさ』と『暖かさ』そして『強さ』に触れ、もう人間を嫌い、滅ぼそうとするの止めたんだ」

 

蘭花「……嘘よ……」

 

蘭花はコンゴウの言葉に混乱しているのか、黙り混むとコンゴウは混乱している蘭花に手を差し伸べるかの様に優しく聞いた

 

コンゴウ「……蘭花、今なら間に合う……龍光会とは手を切って、私達『蒼き鋼』と『霧』そして『龍虎の連合艦隊』と組まないか?そして私達を元の世界に戻すのを手伝ってくれないか?」

 

蘭花「……私は……」

 

蘭花がコンゴウの言葉に冷静を取り戻し、答えようとした途端……

 

李「困るんだよね……君の『嘘』によって、私の仲間が混乱させる様な事になるなんて……」

 

蘭花「李さん!?」

 

コンゴウ「ッ!?貴様!?」

 

李は軍艦『三笠』の船内から出てきて、困りながらコンゴウに言うと、コンゴウは李を見て驚き、同時に『強い怒り』が混み上がる様に怒鳴った

 

李「……蘭花君、君の『結論』は正しいから、コンゴウの嘘に惑わされちゃ駄目だぞ……現に何故、轟沈寸前の彼女達が復活しているのだ?それは佐世保の龍こと『君の弟』が彼女達を『駒としての価値』があるから復活させたからだろ?そして彼女達だけではなく、彼は自身の孫である『千早群像』が率いる『蒼き鋼の艦隊』までもが彼の駒として動いているのだ……そんな『卑怯極まりない』彼が『蒼き鋼』と『霧』を救う筈は無い!」

 

李は蘭花を目を覚ませるかの様に力強く言うと、蘭花は我を取り戻し、コンゴウに言った

 

蘭花「そうだったわね……コンゴウ……『霧』の旗艦である貴女が『愚弟』の『策略』に騙されるなんて……正直『ガッカリ』したわ……良いわ、伊400と伊402は『群像達』が率いる『蒼き鋼』を殲滅しに行って……そして、マヤ……貴女には……私と李さんと共にコンゴウの見張りよ」

 

蘭花は伊400、伊402に指示を出すと二人は了承し、その場を後にすると蘭花はマヤに指示を出すと、マヤは先程までの子供らしい可愛らしさから一転し、人形の様に無表情になり、機械の様に高揚の無い口調で答えた

 

マヤ「……分かりました」

 

コンゴウ「マヤ!?蘭花!?……貴様ァ!二人に何をした!?」

 

コンゴウは二人の様子を見て怒り、怒鳴りながら聞くと李は微笑みながら答えた

 

李「なぁに……マヤには『人格』を消して貰ったのだ、我々の兵士としてね♪」

 

コンゴウ「ッ!?貴様ァァ!!」

 

李「さて♪我々は彼女達が佐世保の龍を殺すのを待ちますか♪」

 

蘭花「……そうね」

 

李は、もう勝利したと確信を得たのか、笑いながら言うと蘭花は身内を殺す事に少なからず抵抗があるのか、少し俯いた表情で答え、伊400達の報告を待った

 

だが、これは勇人と柏木、群像そしてコンゴウにとって『怒り』を買い、自ら『破滅』に向かう事になるとは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2000 能登里山海道にて

 

一馬「……クッ!傷が染みるな」

 

優花「……元帥、あまり無茶は……」

 

たけぞう「優花、少し休憩を取った方が……」

 

一馬達は輪島拍地から借りたジープで神城会総本部にむかっていた

勿論、土地勘のある一馬が助手席に座り、優花が運転していたのだ

 

優花「大丈夫よ!勇人君や赤城ちゃん程の体力と技量は持っていないけど『これ位』大丈夫よ♪」

 

たけぞう「そういう意味じゃない……何故か知らないが、吐きそうだ……」

 

優花「え!?ちょ!?分かった!このサービスエリアに寄るね」

 

一馬「それ、高級車に慣れ過ぎて、こういう『乗り心地の悪い車』には慣れてなかったかもな、武蔵」

 

たけぞう「……すまない、この武蔵が……」

 

優花は偶々、近くにあったサービスエリアに入り、車を止めると、たけぞうは直ぐに下車し、急いでトイレに向かった

 

一馬「……フゥ……しかし和倉で間宮と電は兎も角、防空棲鬼……いや未来に助けて貰うとはな……」

 

優花「そうですね元帥……」

 

一馬は煙草を吸い、優花は眠気を覚ます為に缶コーヒーを飲み、一連の事件を纏めていた

 

優花「……元帥、群像君の事についてですが……」

 

一馬「あいつらの処分か?ほぼ『無罪放免』で話は着けてあるが?」

 

優花「違います、私が言いたいのは、群像君は勇人君と私の孫、言わば元帥の『曾孫』なんですよ……それを聞いて何とも思わないのですか?」

 

優花は一馬に聞くと一馬は煙草を携帯灰皿に入れ、答えた

 

一馬「正直言って驚いたぞ……まさか四年前に『孫』に会うわ、今回は『曾孫』まで会うことになるとはな……」

 

優花「え!?孫!?孫って言うことは……私と勇人君の『子供』に会ったのですか!?」

 

優花は一馬の言葉に驚くと、一馬は四年前、コンゴウ達が元の世界に帰った時の話をした

 

一馬「ああ、あの時、コンゴウ達が帰れる様に明石に頼んでおいた『異世界転移装置』を開発し、コンゴウ達の世界と繋がった時に、霧の艦隊内の1艦隊……いや霧の艦隊の『トップの艦隊』である『緋色の艦隊』に引き取って貰ったんだ……その時の緋色の艦隊の艦長が勇人と優花の息子『千早翔像』だったんだ」

 

優花「成る程……ん?ちょっと待って下さい!群像君率いる『蒼き鋼』はコンゴウさんが所属している艦隊『霧』と敵対しているのですね……しかも『霧』には私の息子が率いている……まさか!?」

 

優花は一馬の言葉に『霧』と『蒼き鋼』の関係を思い出し、群像の世界では『ある問題』が起きている事に気がついた

それは……

 

一馬「ああ……あっちでは、世界の情勢が絡み、そして群像そして翔像『二人』が知らぬ間に『世界を巻き込んだ親子喧嘩』が勃発しているんだ」

 

そう、群像の世界では色々と複雑な事情があるものの、本人達が知らない『親子喧嘩』になっていた事に気がついた

 

優花「……もう、たかが『喧嘩』で此処まで『大きく』するなんて……」

 

一馬「まぁ『あっち側の問題』は元の世界に戻った『連中』に任せれば良い、俺達は『今やるべき事』をするか……回復した武蔵も帰ってきた事だしな」

 

優花「そうですね……」

 

二人は、たけぞうが車に入るのを見て、二人は車に入り、再び勇人達が居る『神城会総本部』へ向かった



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第50話「老龍の逆鱗そして策略」

2030 勇人の私室兼ガレージにて

 

勇人「……大丈夫かイオナ、いおり」

 

イオナ「……うん」

 

いおり「何とかね……ってかチート過ぎるでしょ……アンタの提督さんは……」

 

瑞鶴「……うん、正直言って『就職先』間違えていると思う」

 

勇人「瑞鶴、後で『お話』な……それに機械の『仕組み』が判れば行けるんだが?」

 

いおり「……私達の世界のお爺様とは比べ物にならない位『イカれて』いるわね……」

 

勇人「……誉め言葉として受けとるぞ」

 

イオナは少し恥ずかしそうに答え、いおりは嫌みが入ったラフな口調で答えるとハルナは情報収集しているのか、勇人のPCを弄りながら言った

 

ハルナ「……今、警察の『データベース』にハッキングした……やっぱり佐世保の龍……いや勇人が言った通り『石川県警』のみ『龍光会』の援助を受けているな……何故、龍光会は警察の……石川県警にだけ賄賂等をやるのだ?普通なら東京の警察本庁に行うのが手っ取り早い筈なんだが……」

 

勇人「さぁ?後、ハルナ……経歴は残すなよ、残したらマジで指名手配されるからな」

 

ハルナ「それ位、分かっている」

 

ハルナは李が率いる『龍光会』の行いに疑問を抱くとソファーに座り『コロナビール』を飲んでいる恵が答えた

 

恵「……今現在、石川県を統括、治安を守っているのは警察じゃなくて『神城会』が行っているんだ、警察としては『本来の職務』を『ヤクザ達』に取られて『面目丸潰れ』になっている状態だ……だから県警は面目を潰された神城会本部を潰し、警察の面目を『取り戻す』為に裏で龍光会と手を組んだ……という訳だ」

 

勇人「まぁ、その方が辻褄が合うからな」

 

キリシマ「まるで私達の世界での『陸軍』と『海軍』の関係だな……」

 

柏木「……ってか兄貴!!何でテメェがいるんだ!!」

 

柏木は自身の愛車『TOYOTA MIRAI』のボンネットにのし掛かりながら言うと恵は笑いながら答えた

 

恵「そりゃ上層部からの命令でな♪後、北陸支部『以外』の龍光会は潰しておいた♪」

 

勇人 艦娘達「……は?」

 

柏木「……え?」

 

蒼き鋼全員「……今とんでもない事を聞いた様な……」

 

恵の爆弾発言に、その場に居た全員が間抜けな声で答えると恵は「やっぱり知らなかったんだな……」と呆れ、もう一度、同じ事を言った

 

 

 

 

 

 

 

 

恵「だから!疾風の『お抱えの部隊』と共に北陸支部以外『全部』の龍光会の支部を潰したんだって!」

 

勇人「ッ!?マジかよ……細川さん、それって『本当』か!?」

 

恵「ああ!後は北陸支部のみだ!」

 

勇人「本当に……ありがとうございます!お陰で手間が省けた!」 

 

柏木「……柏木隊を勝手に使うんじゃねぇ……と言いたいが、今回だけは感謝する」

 

恵「まぁ俺も上城財閥に世話になっていたからな……筋を通さないといけないからな♪」

 

俊夫「フッ♪若いのに確りしているな……なぁ細川さんや、ウチ(神城会)に入らないか?」

 

恵「ハハハ♪すみませんが御断りさせて頂きます♪」

 

俊夫「フフ♪分かっていたが……残念だな」

 

二人は恵に感謝すると俊夫は葉巻を吸いきり、灰皿に押し潰す様に葉巻の火を消し、何かを決意したのか、強い口調で答えた

 

俊夫「勇人、今回ばかりは、俺も『我慢』できん!!神城会の『力』で龍光会……いや『K国』を潰すぞ!」

 

勇人「ブッ!?龍光会だけではなく『国』ごと!?何で!?」

 

柏木「え!?ちょ!?勇人!?お前のジイさん、とんでもない事を言ったぞ!?」

 

俊夫の言葉に勇人と柏木だけではなく、艦娘達や蒼き鋼、そして恵までもが驚愕した

 

三笠「それで、お義父さんは『どうやって潰す』のですか?」

 

俊夫「まずは全世界のトップ達にK国に制裁をかけ、支援を止めるよう『脅し』、K国に在籍している『各国の大使館達』を緊急帰国させ、日本に滞在している在日の連中を強制帰国させ、K国から出られない様に仕向ける!」

 

三笠元帥「成る程……そうすれば財源等が不足しているK国は必然的に……」

 

群像「『自滅』してしまう訳ですね……」

 

柏木「だが、自滅させるだけなのに何故、各国の大使館の従業員達を緊急帰国をさせるのですか?在日の連中を強制帰国させる理由は分かりますが……」

 

柏木はK国を『自滅』させるだけなのに、何故『各国の大使館の従業員達』を帰国をさせる理由を聞くと、俊夫は笑いながら答えた

 

俊夫「……K国の上空に昔、勇人が製作した『弾道ミサイル』をブッ放す!」

 

龍鳳 三笠元帥「……え!?」

 

佐世保の艦娘達「エェェェェ!?提督(司令)が弾道ミサイルを作ったぁ!?」

 

群像以外の蒼き鋼全員「……お前のジイさん……イカれているよ……」

 

群像「……もう、俺の許容範囲を越えている……俺が『知っている』お祖父ちゃんじゃない……」

 

三笠 勇次「ああ……アレか……」

 

勇人「オィィィィ!?『アレ』をブッ放す気か!?」

 

柏木「お前なぁ!?色々とツッコミたい所があるが……何で『弾道ミサイル』を製作したんだ!?馬鹿だろ!?」

 

恵「ああ~……造船所に置いてあるヤツだな……確か、その弾道ミサイルって『核』は入っていないんだろ?」

 

恵は勇人に聞くと、勇人は呆れながら答えた

 

勇人「……核は入ってねぇよ」

 

柏木「……何だ、それなら安s……勇人「核じゃなくて化学物質『ジベンゾ-パラ-ダイオキシン類』の一種である『2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-1,4-ジオキシン(TCDD)』が入った弾道ミサイルだ」……前言撤回、お前、何『枯葉剤』を再現してんだ!!核より『タチの悪い兵器』を作りやがって……」

 

柏木は勇人が作った弾道ミサイルの中身がベトナム戦争で使われた化学兵器を再現したことに呆れながら言うと俊夫は笑いながら答えた

 

俊夫「まぁ日本の『非核三原則』には引っ掛からないから問題無いぞ♪」

 

柏木兄弟「そういう問題じゃありません!!」

 

蒼き鋼全員「……お祖父ちゃん!是非、私達の世界に来てください!そして私達『蒼き鋼』に入って下さい!」

 

勇人「……色々と面倒臭い事になるから嫌だ」

 

三笠「ゴホン……それで、何時『弾道ミサイル』を発射するのですか?」

 

金剛「発射するのを前提デスか……」

 

三笠は話を戻す為に一度、咳払いをし俊夫に聞くと俊夫は「ちょっと待って……」とスマホで誰かと連絡を取り……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一時間後………

 

俊夫「これでよし……それじゃ、明日の12時に『衛星機材』として飛ばし、K国の領空に入ったら『燃料系の不具合』として爆破し……死の雨を降らせてやる!」

 

勇人「……保険として中和剤が入った弾道ミサイルは爆破してから1時間後に飛ばせば良いのか?そうすれば中和剤のお陰で人体に影響は出ないが、K国の土や水等の穀物や魚、草や木は全滅、勿論、農業や漁業等の生産系の仕事は『廃業』になり、必然的に『崩壊』する……と言う訳だな?」

 

俊夫「ああ♪流石、俺の孫だ♪中和剤が、ばら蒔ければ証拠が消えるからな♪さぁ……」

 

勇人 俊夫「地獄を見せてやろう……俺達に喧嘩を売ったら『どうなる』のか……」

 

勇人と俊夫以外全員(……敵に回ったら恐ろしいな……まぁ同情は出来ないが……)

 

二人は殺意が籠った笑いになり、意気揚々と準備しに造船所に向かい、残った全員は二人が出ていったのを皮切りに解散した

 

まるで、二人が龍光会……いやK国と言う『玩具』を弄ぶ『子供』の様に……

 

 

 

 



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第51話「情報統括」

翌日 0800 勇人の自室にて

 

勇人「……フゥ~……」

 

勇人は一人、自室のソファーでタバコを吸いながらテレビのニュースを見ていた

ニュースの内容は……

 

アナウンサー「今日、総理を初め、各国の首脳や大統領は昨夜、K国に滞在している大使館の従業員や従業員の家族全員を緊急帰国させ、海外に滞在しているK国の人達を強制帰国させた事が分かりました……」

 

ニュースの内容は昨夜、俊夫が言っていた事を言っていたのだ

 

勇人(……ジッチャンが昨夜、通話した電話相手は『国のお偉いさん達』に電話してたんだな……ってかジッチャンも行動が早いが国の『対策』も早いな……)

 

勇人はタバコを咥えながらコーヒーサーバーを操作し、マグカップにコーヒーを注ぐとマグカップを机の上に置き、タバコを灰皿の上に置こうとした途端……

 

コンコンコン……

 

三笠「おはよう勇人、ご飯よ」

 

三笠が勇人を呼びに扉越しではあるが、ノックし、呼びに来た

 

勇人「……分かった……熱ッ!?」

 

勇人はコーヒーを一気飲みをし、タバコの火とテレビの電源を消し、部屋から出た

ちなみに寝惚けているのか、全く冷えていないコーヒーを一気飲みをし、口の中を少し火傷したのは言うまでもなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後 食堂にて

 

 

組員達「おはようございます!!若!!」

 

メイド達「おはようございます御主人様!」

 

勇人「おう……おはよう、みんな……」

 

一航戦 榛名 高雄 鳥海 龍鳳「おはようございます提督(中将)♪」

 

摩耶 瑞鶴「オッス♪提督(さん)♪」

 

蒔絵 愛宕「おはよう♪」

 

比叡 霧島「司令、おはようございます……フワァ~……」

 

勇人「あれ?ジッチャンと勇次、柏木、細川さん、三笠元帥、金剛、群像達は?」

 

勇人は、みんなに挨拶をし、まだ来ていない人達について聞くと……

 

柏木「フゥ……良い汗かいた♪金剛も成長したな♪」

 

金剛「yes♪テートクのお陰で、此処まで強くなれまシタ♪」

 

柏木「上々だな♪」

 

恵「久々に身体動いたせいで腹減った……」

 

勇次「同じく……」

 

静「皆さん、凄いですね……」

 

柏木「お前もな♪勇人と同じトレーニングについて来れるなんてな♪♪」

 

静「体力には自信がありますので♪」

 

柏木「ほう♪流石だな♪そして……」

 

柏木は静を誉め、とある人物を見て驚き、呆れながら言った

何故なら……

 

俊夫「いや~♪気持ち良かったな♪朝の準備運動には『持ってこい』の内容だったな♪」

 

普通の憲兵達でも『根を上げる程』の過酷なトレーニングに余裕で着いて来れる俊夫に驚き、呆れながら言った

 

柏木「……一番驚いたのは『70近い』会長でさえ軽々と『着いて来れる事』に驚いているんだが……流石、全世界の全てを統括する『会長さん』でもあり『勇人のジイさん』だ……」

 

恵 勇次 静 金剛「そうだな(ですね)……」

 

柏木「それに比べてアイツらは……特に群像、本当に勇人の孫か?体力無さ過ぎるぞ……」

 

柏木、金剛、勇次、静、恵そして俊夫は柏木が考えた『トレーニングメニュー』をこなしたのか、柏木、金剛、静そして俊夫はリフレッシュしたのか、良い笑顔で入り、恵と勇次はトレーニングの疲れよりも食欲……空腹になっているのか腹を鳴らし、席に座った

そして三笠元帥と群像以外のメンバー達は………

 

三笠元帥 タカオ「はぁ……はぁ………もう……無理……」

 

杏平 ヒュウガ「キッツ~……」

 

僧 ハルナ「……吐きそう」

 

群像「ゼー……ハー……ゼー……ハー……もう……無理……」

 

いおり イオナ「……ウップ」

 

キリシマ「良かった……人形で……」

 

キリシマ以外『悲惨な状態』になっていた

 

柏木「ったく、静以外の蒼き鋼の連中はトレーニングの『半分』の所でバテやがって……勇人でも最初は時間は掛かったが全部こなしていたぞ……しかも艤装をフル装備した状態で……」

 

群像「化け……はぁ……者染みた……体力です……ね……お祖父ちゃんは……」

 

群像は勇人に皮肉ると勇人は少し苛ついたのか、群像の質問に皮肉で返した

 

勇人「……本当に俺の孫か?体力無さ過ぎだろ『永遠の二番手』さんよ」

 

群像「ッ!?どうして『それ』を!?」

 

群像は『ある意味』コンプレックスである『二番手』という言葉が勇人の口から出てきたのに驚き、聞くと勇人は加賀みたいに「やりました♪」と言わんばかりのドヤ顔で答えた

 

勇人「フン♪昨日ヒュウガから聞いた」

 

ヒュウガ「テヘペロ♪」

 

ヒュウガは反省の色を見せず、舌を出し、笑いながら赤城の声真似で答えると、赤城は少し苛つきながら答えた

 

赤城「ちょ!?ヒュウガさん!私の声真似で答えないで下さい!!」

 

ヒュウガ「仕方無いじゃない♪『中の人』が一緒だから♪」

 

赤城「それは言わない約束です!!」

 

ワーワー!

 

勇人「はぁ~……んで、何で……」

 

勇人はメタい意味で口喧嘩をしている二人を放置し、本来『此処にいない筈』の客人が罰の悪そうに席に座って俯いているのを勇人は『その客』にツッコミを入れる様に聞いた

そう、本来『此処にいない筈の客人』とは……

 

勇人「親父とたけぞうは、兎も角……何でお前が居るんだ!!『優花』!!」

 

そう食堂に一馬、たけぞう、そして勇人の部下である優花が食卓の椅子に座っていたのだ

 

優花「……ごめん」

 

勇人「謝って済む問題じゃねぇだろ……そして、何で此処に居るんだ!?」

 

一馬「……ああ、実はな」

 

勇人は少し怒りながら一馬に聞くと、一馬は少し申し訳なさそうに『心臓の件』や『伊400、伊402に敗北した事』そして『和倉温泉で間宮達に助けて貰った事』を勇人に伝えた

 

一馬「……という訳だ」

 

優花「……ごめん、負けてしまって……」

 

たけぞう「……私でさえ『この様』だ……」

 

勇人「……気にするな、生きていれば、またリベンジできる……優花とたけぞうは先生に診てもらえ……先生、お願い出来ますか?」

 

慧音「スズ……分かった」

 

勇人はお茶を飲んでいる慧音に御願いすると慧音は了承し、新聞を閲覧し始めた

 

優花「勇人君、この『上白〇慧音(頭の硬い半妖の教師)』に似た人……誰?」

 

優花は新聞を読んでいる慧音について勇人に聞くと、勇人は優花の質問に簡潔ではあるものの、答えた

 

勇人「……俺に医者の全てを教えてくれた元教官……いや恩師だ」

 

慧音「君が勇人に『半艦娘』にしてもらった桜花優花さんか……私は勇人の元教官で今は町医者の藤原慧音だ、よろしく」

 

優花「こ……此方こそ宜しくお願いします」

 

優花(やっぱり勇人の教官であって、近寄りがたい雰囲気は勇人君に似ている……)

 

優花は内心、慧音に臆しつつ、一礼すると勇人は優花達を助けた『間宮達』について思い出そうと考えてた

 

勇人「舞鶴に間宮……何処かで……」

 

柏木「舞鶴……柊の所か、ちょっと待ってろ……」

 

柏木は舞鶴鎮守府の提督である柊に連絡し始めた

 

柏木「……俺だ、ちょっと聞きたい事があるんだが……舞鶴で今、休暇取っている間宮と電は舞鶴の『何番の前衛基地の所属』なんだ?……おう、分かった」

 

柏木は舞鶴の『何番の前衛基地』の間宮か分かったのか、急いで電話を切った

 

柏木「舞鶴の第二前衛基地……お前の同期『千川大地』が提督をやっている基地の間宮だ」

 

勇人「ん?同期?千山大地?誰だ?」

 

勇人は『千山大地』という男について面識が無いのか首を傾げると三笠は考えている勇人に聞いた

 

三笠「ひょっとして、『第二研修部隊』の研修生じゃないの?」

 

勇人「あの『艦娘ラブ提督製造隊』と言われてた『研修部隊』か……なら知らなくて当たり前だな」

 

柏木「ああ~……あの部隊か……なら『憲兵()』が出る幕じゃないな……しかもアッチでは『良い意味』で勇人の事を知っていたからな♪ああいう奴らが提督になってくれれば『俺の仕事』も減って楽になれるのにな♪」

 

三人は勇人の同期について、納得し、話を戻した

ちなみに勇人が居た研修部隊は『第一研修部隊』、通称『ブラック提督製造部隊』に配属されていた為、知らなかった

 

勇人「『一つ目』は解決したし、話を戻そうか……まずは弾道ミサイルについてだ……2基のミサイルについては『深海棲艦の動向』を逸早く見つけ、動きを止める為に開発した衛星通信『クラインホールドシステム』……まぁメンタルモデルが使っているシールド『クラインフィールド』を流用したシステムだけど……その衛星通信のテスト運用という名目で『枯葉剤が入ったミサイル』をK国の領空内まで飛ばし爆破またはK国の防空システムによって『破壊』してもらい、枯葉剤が他国に広がらない為と、K国の人々が出られ無くする為にクラインフィールドを展開させ、そして予定より少し早くなったが、飛ばしてから20分後に『中和剤が入ったミサイル』を飛ばし、爆破させるという作戦だ」

 

俊夫「勿論、K国とC国以外の他国には衛星通信を飛ばす為の手続きは済ましてあるから問題無い」

 

優花「ちょ!?弾道ミサイル!?何で『ヤバい物』が勇人君の所にあるの!?まさか群像君の案なの!?」

 

優花は『この作戦』を考えたのは群像だと誤解し、怒鳴ると群像は否定するかの様に頭を横に振り、答えた

 

群像「違います!俺じゃありません!優花さん、此処は未来の世界から来た俺達でもさえ『驚いている』んです!!お祖父ちゃんの『ぶっ飛んだ作戦』に……」

 

優花「……やっぱり『私の孫息子』でも驚くのね、同情するわ」

 

全員「!?」

 

優花は呆れている群像に同情すると金剛を筆頭に優花の『ある言葉』に反応し、殺気が籠ったかの様に目のハイライトが失い、勇人と優花に怒鳴った

 

金剛「wait!ユカリン!!『私の孫』って、どういう事デスか!?」

 

榛名「そうですよ副提督!!誰が群像の『お祖母様』が貴女だと言ったのですか!?」

 

優花「え?霧の方のコンゴウさんが言ったのよ♪」

 

高雄型4姉妹「ッ!?」

 

優花は今にも爆発しそうな金剛達に言うと、高雄型の四人は堪忍袋が切れたかの様に怒鳴った

 

高雄 鳥海「いくら優花さんでも『言って良い事』と『悪い事』があります!」

 

愛宕「……提督、貴方『この事』を知っていたのね?」

 

摩耶「いくら何でも『我慢の限界』だ……提督!訳を話せ!」

 

勇人「知らねぇよ!俺も今、初めて聞いたんだから!!」

 

群像 柏木「……泣けるぜ」

 

勇人「二人とも!それ俺のセリフ!!」

 

比叡「ヒェェェェ……みんな落ち着いて……」

 

霧島「そうですよ!こんな『茶番』をしている場合ですか!!」

 

金剛「霧島……私達に喧嘩を売るなんて良い度胸していますね」

 

勇人「オイ金剛、キャラ崩壊しているぞ……ってか『それ』は全てが終わってからにしろ!!話がややこしくなる!!」

 

艦娘達「……スミマセン」

 

勇人「……すまなかったな群像」

 

勇人は群像に謝罪すると群像は混乱した様子ではあるものの、許し、答えた

 

群像「別に良いですよ……俺も『亡くなった祖母』に会えて少し混乱していたので……」

 

勇人「……そうか、んじゃ最後は『心臓』を盗んだ件だ……しかもアイツら姉貴の骨も盗んだからな……アイツらの目的が分からねぇ……」

 

杏平「だよな……お爺様もお手上げなら、俺達も分からねぇな……ってかお爺様!?いつの間に左腕が復活したんだ!?」

 

僧「そういえば!?一体どうやって左腕を……」

 

僧は勇人の左腕を見て質問すると勇人は簡潔に答えた

 

勇人「昔、深海棲艦に食いちぎられた左腕が腹の中にあったんだ、そして、その仕留めた深海棲艦を解剖し、『復活』……ッ!?まさか……」

 

タカオ「どうしたのですか?」

 

勇人は龍光会が『心臓』と『骨』を盗んだ目的が分かりかけたのか、タカオとイオナに聞いた

 

勇人「タカオにイオナ!お前ら、アイツ……李に『メンタルモデルに関する設計書』みたいな物を渡したか?」

 

イオナ「……私達を治す為に『設計書のコピー』を渡した」

 

タカオ「まぁ、その時は騙されているのを知らなかったが……ッ!?まさか!?アイツら……」

 

タカオは勇人の予想……李の目的が分かったのか、声を荒げると、勇人は二人の証言に『確信』を得たのか、頭を抱え、答えた

 

勇人「……十中八九『姉貴の蘇生』……いや『姉貴をメンタルモデル化』にするつもりだ」

 

全員「ッ!?」

 

群像「ッ!?メンタルモデルに!?無理だ!メンタルモデル化だけではなく『死んだ人間』を蘇生させるなんて……」

 

群像は勇人の予想を否定すると勇人は重い口調で群像の言い分を否定した

 

勇人「……いや、人を生き返させるのは『可能』だ、現に何処かの国でマウスの幹細胞を使って『甦させる事』に成功した事案があったんだ……そして欠落している部分をメンタルモデルや艦娘の組織で補えば『人』として生を受ける事が可能だ……それに俺は兎も角、柏木と優花は『艦娘』と融合する事により『欠落した部分』を補って生きているんだ」

 

群像「そんな……」

 

僧「人として禁忌……神様に喧嘩を売った所業ですね」

 

榛名「しかし提督、メンタルモデル……『未来の艦娘』には軍艦をモデルにしないと艦娘そしてメンタルモデルとして成り立た無いのですが……特に蘭花さんは『日本人』なので『日本籍の軍艦』が必要になりますが……」

 

榛名は自身が『戦艦の榛名』の艦娘な為、艦娘いやメンタルモデルとして『軍艦』をモデルにしないと成立しない事を勇人に伝えると勇人は「そこなんだよな……」と言い、頭を抱え、答えた

 

勇人「今、俺が知っている限りではあるが、日本で現存している日本籍の軍艦は俺や母さん、そして三笠元帥のモデルとなった『三笠』と海防艦の『志賀』位だ……だが、その二隻は『盗まれた』という話は聞いていない……というよりデカ過ぎて『盗めない』からな」

 

柏木「確かに、志賀を盗むのは兎も角、三笠を盗むのにはリスクがデカ過ぎる……じゃあ、アイツらは何処で『日本籍の軍艦』を仕入れるつもりなんだ?」

 

二人は思考を巡らせ、頭を抱えるとタカオが二人に『ある事』を言った

 

タカオ「……一つだけ軍艦を仕入れる『方法』があるわ」

 

勇人「何!?それは本当か!?」

 

勇人はタカオが言った『方法』を耳にし、質問するとタカオは真剣な表情で答えた

 

タカオ「ええ、それは『私達の世界』で海底に沈んだ『三笠』をサルページし『この世界』に持ってくる『方法』よ……」

 

柏木「海底って……『お前達の世界』の三笠は轟沈されたのか?」

 

群像「いや、『俺達の世界』は温暖化が進み、海面が急上昇し、この世界の『横須賀鎮守府』……俺達の世界では『旧横須賀基地』が展示してあった三笠ごと海に呑まれたんだ」

 

群像は自身の世界の状態を簡潔に答えると勇人は考えが纏まり、答えた

 

勇人「なら、潜水艦二隻で盗むのは容易いな……後は……飯にするか?」

 

柏木「そうだな」

 

勇人は一旦話を中断し、みんな冷えきった朝食を取り始めた



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第52話「リベンジ」

1130 神城会総本部内の医務室にて

 

慧音「……ったく、叔父さんといい、勇人といい、更には勇人の部下までもが……本当にヤクザの連中は無茶する組織だな」

 

一馬「……俺達はヤクザじゃなくて軍人だ」

 

たけぞう「……」

 

優花「……ごめんなさい」

 

慧音は三人を皮肉を入れつつ、治療すると慧音は一馬に聞いた

 

慧音「……叔父さん、920事件の傷が治りきってない……さては脱走したな?」

 

一馬「……弾丸に撃たれた位、平気だ」

 

慧音「叔父さんは桐生〇馬か!?何故、大人しく出来ないんだ!!傷が開いたらどうするんだ!!」

 

優花(外見も〇生一馬に瓜二つだけど……ツッコミは止めよう)

 

優花は心の中でツッコミを入れつつ黙り混み、慧音は無茶した一馬を叱ると、群像が代えの包帯や消毒液等の薬を持ってきた

 

群像「藤原先生、代えの包帯と消毒液……そして『ロキソニン(鎮痛剤)』を持ってきました」

 

慧音「すまない……ってか群像、お前『医学』の知識があるのか?よく『鎮痛剤』が分かったな」

 

群像「よく、お祖父ちゃん……『俺の世界の勇人さん』の手伝いをしていたので、少し位は分かりますよ」

 

慧音「……『アッチの勇人』も『医者』だったのか?」

 

群像「はい、小さい所ではありましたが、お祖母ちゃんと共に『町医者』として働いていました」

 

慧音「成程な、道理で知っていたのか……」

 

一馬「お祖母ちゃんも?アッチの優花も『医者』だったのか?」

 

群像「いえ、お祖母ちゃんは『看護師』として働いていました」

 

優花「看護師って、私の前職じゃない……」

 

一馬 慧音 たけぞう「マジかよ!?」

 

一馬と慧音そして、たけぞうは優花の『前職』に驚くと勇人が入ってきた

 

勇人「よぉ、差し入れだ」

 

勇人はジュースと栄養ドリンクに菓子の詰め合わせを三人に渡した

 

一馬 優花「ありがとう」

 

たけぞう「すまない……ハヤ坊に群像、やはり伊400、伊402を迎え撃つのか?」

 

たけぞうは勇人と群像に聞くと二人は覚悟を決めたかの様に強い口調で答えた

 

勇人「……ああ、あのクソガキ共に『頭を冷やさせ』ないとな」

 

群像「イオナには悪いが……」

 

二人は答えると優花は二人に忠告する様に言った

 

優花「相手は未来の武器を使って……勇人「多分『侵食魚雷』と『超重力砲』の事だろ?俺も『持っている』」……え!?」

 

群像「……マジで?」

 

優花と群像は勇人の言葉に驚くと、赤城が走って医務室に入ってきた

 

赤城「提督!大変です!」

 

勇人「どうしたんだ?」

 

赤城は慌てているのか、焦りながら答えた

 

赤城「伊400、伊402が此方に接近しています!!」

 

勇人「……彼方さんから来るとはな……群像、俺とお前は伊401へ、それ以外はタカオの方に乗る様、伝えておけ♪」

 

群像「俺達が『(デコイ)』なるのか?」

 

群像は勇人に聞くと勇人は笑いながら否定した

 

勇人「ダラ♪『俺達』が『旗艦』になり、アイツらを沈めさせる♪その為に昨日、伊401を『弄った』からな」

 

群像「……同情するよ……イオナ」

 

慧音「……勇人に群像」

 

二人は医務室から出ようとした途端、慧音に止められた

 

勇人「何だ?」

 

群像「どうしたのですか?」

 

慧音は二人を呼び止めると慧音は作業台の上に置いてあったダイヤモンド風の模様が装飾された左腕の籠手を勇人に渡した

 

慧音「……持っていけ」

 

勇人「ん?これは?」

 

慧音「これは人工ダイヤモンドとナノマテリアルを化合して作った勇人専用の盾『ファイヤーミラー』だ……これさえあれば『超重力砲』に耐え、一万倍にして返せる盾……いや籠手だ」

 

勇人「……何か〇イア〇マンに出てきそうな武器だな」

 

群像「どちらかと言うと『メカゴジラ』だと思いますが……つまり『対超重力砲』の盾……って事ですか?」

 

群像は慧音に聞くと慧音は頭を縦に振った

 

慧音「……ああ、それと二人共……死ぬんじゃ無いぞ」

 

群像「はい!ありがとうございます!」

 

勇人「……勿論」

 

二人は意気揚々と医務室から出て行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後 神城会総本部内の造船所にて

 

勇人「待たせたな」

 

柏木「気にすんな、んで作戦は?」

 

群像「作戦は俺とお祖父ちゃんがイオナに乗り、それ以外はタカオに乗り、二人を迎え撃つ」

 

勇次「……兄貴達が『囮』になるのか?」

 

勇次は勇人に聞くと勇人は否定し、答えた

 

勇人「ちげぇよ、アイツらは潜水艦だから、同じ土俵で闘えるのはイオナだけだからな」

 

タカオ「つまり私達はお祖父様の『後方支援』……という訳ね」

 

勇人はタカオの結論に肯定すると柏木は勇人に聞いた

 

柏木「……何か対策があるのか?優花の話ではATフィールドすら破られたって話だ」

 

勇人「……大丈夫、俺には『これ』……『ファイヤーミラー』がある」

 

勇人は先程の籠手を見せると柏木は納得し、答えた

 

柏木「『ファイヤーミラー』か……それなら大丈夫だ」

 

金剛「柏木大将、その『成金丸出しの悪趣味』な籠手は何デスか?」

 

柏木「悪趣味な装飾については同意するが……ファイヤーミラーについてはタカオの中に入ってから説明する……いくぞ!」

 

勇人「ああ!ジッチャンは予定通り『弾道ミサイル』の発射の準備をしてくれ」

 

俊夫「分かった!気を付けるんだぞ!」

 

全員「ああ(はい)!」

 

勇人達は各軍艦に乗り込み、伊400、伊402を迎え撃つ為、出撃し始めた……『やられた仲間』の為に……



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第53話「予期せぬ誤算」

1150 日本海の海中 伊401艦内 司令部にて

 

勇人「……随分、近未来的な内装だな」

 

群像「そうか?俺達にとっては『シンプル過ぎる』んだが?」

 

イオナ「……勇人、私の『身体(潜水艦)』に何を仕込んだの?」

 

イオナは自身に感じる『違和感』を感じ、その事を勇人に聞くと、勇人は答えた

 

勇人「ん?ああ……昨日、弾道ミサイルの整備の『ついで』に、ちょっとばかし『超重力砲』を弄った」

 

群像「……ちなみにどんな風に?」

 

群像は勇人に聞くと勇人は軽い口調で答えた

 

勇人「俺の艤装と同調し、タカオに壊された車のパーツを使って、威力を『底上げ』した」

 

群像「ッ!?イオナをぶっ壊すつもりか!?そんな事をしたらイオナが持たない!」

 

勇人「安心しろ、耐久性も底上げしている」

 

イオナ「……成程、通りで少し『重たく』なった」

 

群像「……いおりの気持ちが分かった気がする……イカれている」

 

勇人「お前なぁ……」

 

勇人は呆れるとイオナは何かを発見したのか、急いで勇人に伝えた

 

イオナ「ッ!?敵発見!味方識別信号(IFF)から察するに……」

 

群像「……お祖父ちゃん」

 

勇人は二人の報告を受け、確認すると……

 

伊400 伊402「……」

 

そう、モニターには伊400と伊402が写っていたのだ

 

勇人「……群像、俺は超重力砲が配置している艦首部に移動するから、高雄にいるハルナ、キリシマそしてタカオにデコイ用の潜水艦を排出、そして遠隔操作で二隻を翻弄してくれ」

 

群像「分かった、柏木さんに伝えておく」

 

勇人は艤装を展開し、走って艦首に向かった

 

数分後……

 

勇人「艤装との同調そして配置管理した、群像……そっちは?」

 

勇人は艤装を展開した状態で超重力砲が配置されている装置に艤装を変形させ、伊401の全装置に接続し、同調させ、廃車になった部品を使っているのか、座席やハンドル等が現れると勇人は座席に座り、無線で群像に聞くと群像は冷静に答えた

 

群像「……今、タカオ達がデコイを操作して、アイツらを翻弄させている」

 

イオナ「……全制御権を勇人に移行する」

 

勇人「了解……さて、時間も惜しいから早めに決着(ケリ)付けるぞ」

 

勇人はハンドルを握り、アクセルを踏み、二隻に向かって突進し始めた

 

伊400「……無駄な事を……」

 

伊402「超重力砲……スタンバイ」

 

二隻は突進してくる伊401(勇人)に向けて超重力砲を展開し、照準を合わせるかの様に艦首を勇人の方に向けた

 

群像「……やはりデコイとは違う『動き』をしているからバレてしまったか……」

 

勇人「……むしろ『この方』がやり易い……艦首を開けるぞ」

 

勇人も超重力砲を発射させる為に艦首を開けると、伊401の模様か勇人と同じ『模様』に変わり、勇人は慧音から貰った籠手『ファイヤーミラー』を装着し、装着した左腕を超重力砲の発射口に突っ込んだ

 

そして……

 

伊402「超重力砲……」

 

伊400「発射」

 

二隻は伊401(勇人)に向けて、けたたましい轟音と共に超重力砲を発射すると、勇人は見切ったのか、目が据わり、言った

 

勇人「ファイヤーミラー!展開!」

 

勇人はファイヤーミラーを起動させると、籠手が蒼白く発光し、二隻が放った超重力砲を籠手で『吸収』されるかの様に吸い込まれて行った

まるで龍が超重力砲を『飲み込んでいる』かの様に……

 

伊400「なっ!?」

 

伊402「そんな……」

 

イオナ「え!?」

 

群像「はぁ!?」

 

勇人の籠手の力を間近に見た四人は驚き、声が出なかった

勿論、タカオの船でも……

 

杏平 僧 W三笠 ヒュウガ「な!?」

 

いおり タカオ 瑞鶴 勇次「何じゃこりゃー!!」

 

霧島 一航戦「あ……あり得ない……」

 

金剛「what's!?」

 

静 高雄型四姉妹 龍鳳「嘘……」

 

Wハルナ キリシマ「凄い……」

 

比叡 蒔絵「ヒェェェェ!?」

 

柏木「……これがファイヤーミラーの力だ、超重力砲を吸収し、それを『一万倍』にして返す籠手だ……しかし凄いな……」

 

恵「……これじゃ『俺達』の出番が無いんじゃ……」

 

柏木「止めろ、色々とメタ過ぎる」

 

柏木は説明をしていた頃にファイヤーミラーが起動した為、驚きながら言うとハルナは柏木の説明に『ある事』に気付き、答えた

 

ハルナ「だが、超重力砲を返す時に伊401は『持つ』のか?」

 

そう、ハルナはファイヤーミラーの能力『一万倍にして返す事』により、伊401の機体が保てるのか聞くと、柏木を含め、全員が「あ!?」と気が付き、焦り出した

 

柏木「多分、アイツ……『考えていねぇ』と思う……」

 

金剛「これじゃ『諸刃の剣』デース……」

 

摩耶「やべぇ……提督の事だ……」

 

鳥海「まぁ最悪、デコイで救出すれば……」

 

三笠「それが出来れば……な」

 

全員、勇人の事を心配し始めた……無茶な事をしない様に……

 

だが、その『心配事』が直ぐに起こるとは……

 

 

場所は戻り、伊401の艦首にて

 

勇人「くっ!?」

 

勇人(威力か強すぎて、俺の腕が『持たねぇ』……何処か威力を『消す』方法は……無いな……やっぱ返して『相殺』するしかねぇな……)

 

勇人は二隻から発射された超重力砲に耐えきれないのか、左腕が所々『出血』し、顔を歪めた

 

群像「お祖父ちゃん!?大丈夫か!?」

 

イオナ「勇人!」

 

勇人「大丈夫だ!俺が、あのガキ達に負ける筈が無ぇ!」

 

勇人は強がりながら群像とイオナに言うと、群像は勇人の左腕を見て、怒鳴った

 

群像「ッ!?嘘を付くな!お祖父ちゃんの左腕が『怪我』しているぞ!」

 

勇人「安心しろ、昨日付けたばかりだから『傷が開いた』だけだ!」

 

群像「だから!強がっt……勇人「群像!」……なんだ?」

 

勇人は群像に怒鳴り、黙らせると勇人は一呼吸を置き、群像とイオナに『ある事』を言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「今から『返す』から、しっかり捕まってろよ!タービンの出力『全開』!」

 

イオナ 群像「ま……まさか……」

 

勇人はアクセルを全開に踏み、タービンが鞭を打たれた競走馬の様に力強く動き出し、そして……

 

勇人「返すぜ!ファイヤーミラー!転射!そして超重力砲!発射!」

 

ドカン!!

 

勇人はファイヤーミラーが装着していた左腕で『押し返す』様に左腕を突き返すと、ファイヤーミラーが『溜め込んでいた』超重力砲と伊401の超重力砲の双方を発射した

まるで龍が『火を放つ』かの様に……

 

伊400「ッ!?クラインフィールド展開!面舵一杯!」

 

伊402「緊急回避!」

 

それを見た伊400、伊402は直ぐに気付き、クラインフィールドを展開しつつ、機体の向きを変えたが……

 

勇人「遅ぇよ」

 

ドゴン!

 

勇人が呟くと勇人が放った超重力砲は二隻のクラインフィールドを突き破り、二隻の司令部である艦首を残し、跡形も無く『消えて』しまった

そして……

 

バン!!

 

バチバチ……

 

勇人「ッ!?」

 

群像「な!?タービンと超重力砲が……」

 

イオナ「ブローした(壊れた)……」

 

勇人「あ!?悪ぃ……やり過ぎた……」

 

二人「沈めてどうするんだ!!糞爺ィ(勇人ォ)!!」

 

そう、勇人がファイヤーミラーを使って返したせいでタービンと超重力砲が耐えきれず、壊れ、三隻は走行不能になり、そのまま海底に沈んで行った

 

そしてタカオの所では……

 

柏木「……あの馬鹿」

 

タカオ「ッ!?嘘でしょ……」

 

金剛「Oh my god……」

 

ヒュウガ「……」

 

柏木達も伊401の状態を見て驚愕し、俯いた

何故なら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三笠「伊400、伊401そして伊402が……『lost(轟沈)』……だと……」

 

そう高雄のモニターには、こう『表示』されていた

 

『I-400 I-401 I-402……Lost』と……



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第54話「思わぬ事態」

轟沈判定が出てから数分後 1247 伊401艦内 機動部にて

 

勇人「……チッ!ギヤやシャフトがボロボロだ……」

 

勇人は伊401のエンジンを見て、頭を抱えながら答えると群像は先程の勇人の『無茶ぶり』に怒っているのか、少し強い口調で聞いた

 

群像「……直るのか?」

 

勇人「当たり前だ……と言いたいが、ギヤは溶接、矯正をすれば直るんだが、シャフトの場合は真っ二つに『折れて』いるからな……『応急処置用のシャフト』を作らないとな」

 

群像「作る?一体どうやって?」

 

群像は勇人に聞くと勇人は画面に写っている伊400と伊402を指差した

 

勇人「『あれ』の機体の部品を使って『作る』、そして、あの二人を『助ける』」

 

イオナ「ッ!?無茶な事は止めて!いくら勇人でも『水圧』で……」

 

群像「はぁ~……また無理難題を……」

 

イオナは勇人の無茶ぶりに止める様に強い口調で言うと、勇人は真剣な表情でイオナに言った

 

勇人「だが、姉妹として『助けてやりたい』んだろ?どうなんだ、イオナ?」

 

イオナ「……助けたい」

 

イオナは握り拳を作り、自身の思いを勇人に伝えると、勇人は立ち上がり、艤装を展開した

 

勇人「……決まりだな」

 

群像「だが、一体どうやって助けるんだ?イオナも言ってたが、俺達もそうだが、機体は『海底』に座礁……『水圧』も馬鹿にならない位、かかるぞ……」

 

群像は勇人に聞くと、勇人は鼻で笑い、群像の質問に答えた

 

勇人「水圧位ならファイヤーミラーを展開し続けば『ほぼ無重力状態』になるからな」

 

群像「……成程な、ファイヤーミラーなら水圧を『吸収』し、水圧を返す『反動』で機体を海面に押し出す訳か……」

 

勇人「そう言う事だ、イオナ、ハッチを開けてくれ」

 

イオナ「ハッチ開放……勇人、無理しないで」

 

イオナはハッチを開けると水圧でハッチ部分のみ海水が入り込み、海水が満たされたら、勇人はハッチの開口部から泳いで伊400、伊402に向かった

 

 

場所は変わり 軍艦『高雄』にて

 

金剛「嘘……テートクが……」

 

比叡 榛名「……」

 

高雄 霧島「……あれほど馬鹿な事をするなと言っていたのに……」

 

愛宕「ヒック……提督……群像君……イオナちゃん……」

 

摩耶「馬鹿野郎……」

 

鳥海 瑞鶴 龍鳳「……グス……」

 

三笠元帥「そんな……」

 

一航戦、そして三笠以外の艦娘達は勇人達が『沈んだ』……『戦死』した事に俯き、中には泣いていた艦娘もいた

 

だが、勇人達が『生きている事』……『死んだ事』を認めない人達がいた

それは……

 

柏木「テメェラ!何メソメソ泣いているんだ!!アイツが、そう簡単に『くたばる』訳が無ぇだろ!!泣いている暇があるんなら早く救出しろ!!」

 

加賀「僧君!アクティブソナーの反応は?」

 

僧「今のところ反応無しです!杏平!」

 

杏平「今、辺り周辺を捜索中!」

 

赤城「皆さん!しっかりして下さい!艦娘の『轟沈』とは違って『潜水艦』の轟沈なので『生きている可能性』があります!!提督の『しぶとさ』はゴキブリ並だと言うのを忘れていませんか!?」

 

三笠「確かに、勇人のしぶとさはゴキブリ並だが……酷くない?」

 

勇次「確かに……まぁ良い!ヨタロウ!ハルナちゃん!タカオちゃん!デコイで救助してくれ!」

 

キリシマ「今やっている!!それに私は『キリシマ』だ!ヨタロウじゃ無い!!」

 

恵「……この海域は『海洋プレート』があるから早めに見つけないと……」

 

ハルナ「ああ……飲み込まれたらお仕舞いだ」

 

タカオ「艦長……イオナ……お祖父様……」

 

そう、柏木や一航戦、勇次、恵、三笠そして蒼き鋼全員が勇人達が『生きている』のを信じ、捜索、救助し続けると、ヒュウガとハルナは何かを察知したのか、真剣な表情で柏木に伝えた

 

ヒュウガ ハルナ「……見つけた!」

 

柏木「本当か!?アイツらは無事か!?」

 

ヒュウガ「ええ!潜水艦はボロボロだがサーモグラフティーで艦内に『人と思われる熱源』を探知した……え!?ちょっ……」

 

ハルナ「嘘だろ……」

 

柏木「どうしたんだ?」

 

ヒュウガとハルナは『ある者』の熱源を察知すると、狼狽え、驚くと柏木はヒュウガに聞くと、ヒュウガは驚きを隠せないまま焦る様に答えた

 

ヒュウガ「大変よ!海底に『人と思われる熱源』を探知したわ!しかも轟沈した伊400、伊402に向けて移動しているわ!!今、映像を流すわ!」

 

ヒュウガは驚きを隠せないまま、今の映像をモニターに移すと……

 

柏木「……何を考えているんだ!!あの馬鹿!!」

 

三笠「ッ!?あれは……」

 

勇次「死にてぇのか!あの馬鹿兄貴!!」

 

恵「自殺行為だぞ!ん?あれはファイヤーミラー……成程な……」

 

赤城「全く……本当に無茶をする人ですね……」

 

加賀「……良かった」

 

いおり「……本当に人間なの?海底を泳いでいるなんて……」

 

金剛「ッ!?テートクが……」

 

艦娘達「生きていたァーーー!!」

 

柏木、勇次、恵そして蒼き鋼全員が海底の映像……勇人がファイヤーミラーを展開しながら伊402、400に向かって泳いでいるのに驚愕し、怒鳴り、三笠含む艦娘達は勇人が『生きている事』に喜んだ

 

キリシマ「今から救助に向かう!タカオ!ハルナ!」

 

ハルナ「了解だ」

 

タカオ「言われなくても!」

 

三人はデコイを遠隔操作をし、勇人達の救助に向かった

一方 伊400、伊402が座礁した海底付近では

 

勇人(……見つけた!)

 

勇人は泳ぎながら伊400、伊402を見付けるとファイヤーミラーの効力である『反発力』を利用し、少しずつ軌道を修正しながら伊400の内部に潜入し始めた

 

勇人(……何処か酸素が残っている場所は……あった!)

 

ザバン!

 

勇人「ハー……ハー……死ぬかと思った……マジで禁煙しようかな……ん?あれは!?伊400か……容態は……」

 

勇人は空気が残っていた場所を見付けると、其処に向けて上昇し、機体内部に上がると、倒れている伊400を発見し、直ぐ様、脈拍と呼吸の有無を確認した

 

勇人(……心拍数正常、呼吸は有り、そして内部及び外部の損傷は無い……良かった、気を失っているだけだな、それに機体は……シャフトに耐えれる物すら無いな……少し『やり過ぎた』か……)

 

勇人「おい!起きろ!」

 

勇人は『自身のせいで』内部が『悲惨な状態』に頭を抱え、反省しつつ、伊400の顔を軽く叩きながら起こすと伊400は辛そうに起き上がった

 

伊400「うっ……私は……ッ!?佐世保の龍!?何故、此処に!?」

 

勇人「出〇並のリアクションがあれば大丈夫だな……さぁ!捕まっとれよ!」

 

伊400「え!?ちょっ!?」

 

勇人は伊400の質問に答えず、伊400を抱え込みながら再び海底の中に入った

 

勇人(……さて!軌道修正……伊401に身体を向けて………ファイヤーミラー!転射!)

 

ドゴン!

 

伊400「ゴボゴボゴボ………」

 

伊400(誰か助けて!溺れる!)

 

勇人は溺れている伊400をお構い無しで、身体を伊401に向け、ファイヤーミラーの反発力を使って、一気に伊401に向けて移動し、数秒後、伊401のハッチ部分に入って行き、機体をノックするとイオナは反応したのか、ハッチ部分の海水を抜き、勇人と伊400を出迎えた

 

イオナ「勇人!それに400!?」

 

伊400「……助かった」

 

勇人「……さて!後1人だ……行ってくる」

 

群像「本当に無茶をする『ジイサン』だな……」

 

勇人「……体力の無ぇ奴には言われたく無ぇよ『ル〇ージ野郎』」

 

群像「ッ!?この糞ジジイが……」

 

勇人「アァ?ヤんのか?コラァ!?」

 

群像「ッ!?俺だって……殺るときは殺るぞ!」

 

イオナ「此処で家族喧嘩しないで、勇人……お願い」

 

勇人「チッ……はいはい分かったよ……命拾いしたな、糞孫が……スゥー………」

 

ザブン!

 

群像「こ……怖かった……『俺達の世界』のお祖父ちゃんより怖ぇ………イオナ、助かったぞ」

 

イオナ「……正直言って助けたく無かった……死にたくなかったの……そして、400が……」

 

伊400「……」←気絶

 

群像「……敵でさえ、オチたか……つくづく敵に回さなくて良かったと思うな」

 

イオナ「今は『ある意味』敵に回っちゃったけど……」

 

群像「……後で謝ろう」

 

勇人は群像に皮肉を入れつつ、再び海底に座礁している伊402に向けて移動し始めた

 

そして勇人よ……孫相手にマジギレは大人気無いぞ by うp主

 

 

 

 

 

 

場所は変わり 軍艦『高雄』にて

 

杏平「ハァ!?敵である伊400を『助けた』!?」

 

僧「まさか、お祖父様は敵である二人を……」

 

蒼き鋼全員は勇人の行動に驚くと、柏木は勇人の行動に呆れていた

 

柏木「確かに、コイツラを助ければ『李の策』が分かるのだが……リスクがデカ過ぎるぞ……」

 

勇次「李の策『以外』にも、危険を犯してまで『助ける理由』があるのか?俺なら、そのまま『海洋プレート』に沈ませるのだが……」

 

柏木「勇次、度を越えた『発言』を止めろ!『脅迫罪』で逮捕するぞテメェ!」

 

勇次「……冗談だ」

 

柏木「今の『間』は何だ?それに『冗談』には聞こえなかったぞ」

 

蒼き鋼全員「そこは激しく同意します!」

 

瑞鶴「ユージン、海洋プレートに沈ませるよりかは、人質として取り、『慰め物』として行えば?」

 

勇次「お!それも良いn……柏木「黙っていろ!この『鬼畜腹黒バカップル』が!人質を『拷問』してどうするんだ!」……わーったよ」

 

瑞鶴「はーい……」

 

高雄「コラッ!瑞鶴さん!すみません大将、私達の仲間が……」

 

三笠「すまない柏木、息子が……」

 

勇次と瑞鶴が『冗談に聞こえ無い』冗談を言うと、柏木は二人に叱り、高雄と三笠は二人の代わりに謝罪すると柏木は『叱るのに(ツッコむのに)』疲れ、ため息を付き、答えた

 

柏木「ったく……俺の所の瑞鶴とは『比べ物にならない位』脅しのレベルが洒落にならないのに……まぁ良い、キリシマ、勇人の状態は?」

 

霧島「え!?私?」

 

キリシマ「おいメガネ!お前の事じゃない、勇人なら伊402を救助するために再び海底に戻り、泳ぎながら向かっているぞ」

 

柏木「メガネって……分かった」

 

キリシマは怒鳴りながら霧島に言いつつ、柏木に報告すると霧島はキリシマの言葉にカチンと頭に来たのか、勇人みたいな『喧嘩口調』でキリシマに聞いた

 

霧島「あぁ?誰がメガネだ?ヌイグルミ野郎?」

 

霧島もまた、キリシマに挑発すると、キリシマもまた頭に来たのか、霧島同様『喧嘩口調』で返した

 

キリシマ「あぁ?ヤるのか?沈ませるぞ!」

 

霧島「上等!燃やしてやらぁ!!」

 

Wハルナ「霧島(キリシマ)!此処で喧嘩しないで(するな)!」

 

金剛「霧島、キャラが崩壊してマース!」

 

キリシマ「何を言っているんだ金剛!私は平常運転だ!」

 

キリシマは胸を張って金剛に言うと、金剛は慌ててキリシマに言った

 

金剛「shit!そう言えば同じ名前でしたネー……テディベアの方では無くて、メガネの方デース!」

 

キリシマ「て……テディベアぁ!?」

 

霧島「酷い!!金剛御姉様とは言え、酷過ぎます!!」

 

金剛「ならキャラを崩壊しないで欲しいデース!そして喧嘩しないで欲しいデース!」

 

Wキリシマ「……分かりました(分かった)」

 

柏木(いや、どちらかと言うと更に『安定した』様な……まぁ助かったぞ、金剛……)

 

柏木「ならキリシマ、伊400の機体をサルページしてくれ、そしてハルナは勇人が伊402を救出し終え次第、機体をサルページし、軍艦高雄(コレ)を使って伊401を引き上げるぞ!」

 

ハルナ キリシマ「分かった!」

 

柏木は金剛の説得に内心、感謝しつつ、キリシマ、ハルナに指示を出した

 

そして、また『新たな問題』が……

 

勇人「………ふぅ!二人目の救助、完了……って!寒っ!?オーイ!戻っ………ッ!?」

 

勇人は伊402を救助し終え、海水の温度で冷えきった伊401に戻ると……

 

群像「………」

 

イオナ「勇人……どうしよう……群像が……」

 

勇人は、群像が震えて意識が朦朧になっていたのに気が付き、容態を確認した

 

勇人「……ヤバいな、『低体温症』しかも『中度低体温症』を起こしている……」

 

そう、群像が寒さに耐えきれず低体温症を起こしている事に……



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第55話「タカオの決断」

1310 軍艦『高雄』内部の指令部にて

 

ハルナ「疾風、伊400と402の残骸回収が終わったぞ」

 

キリシマ「ったく、柏木(アンタ)といい、勇人といい、何で『この世界の人間』は『お人好し』な性格なんだ……みんな『恐ろしい異名』が付いているのに……」

 

ヒュウガ「そうそう、普通なら私達を『保護』するのではなくて『捕虜』として捕まえるのに……」

 

ハルナ「……全くだ」

 

三人は『この世界』に来て、勇人や柏木そして艦娘達が、見ず知らずの(群像)や、その仲間達、そして敵対している霧の艦隊(コンゴウ達)までもが勇人達に『保護』されている事に少なからず疑問を抱き、呟くと柏木は三人の呟きに答えた

 

柏木「俺達の『本来の敵』は平和を脅かす『深海棲艦』だ……お前達みたいに『パラレルワールドの未来』から来た連中が『第三勢力』として来たら色々と困るからな……なら敵対するより『保護』し、元の世界に返した方が『お互い』損失しないからな」

 

ハルナ「……確かに、この世界に『連れてこられた』私達は『どっちを味方』にすれば良いのか分からないからな……まぁ『連れてこられた』私達にとっては『大迷惑』な話だが……」

 

ヒュウガ「そうね……まぁ『平和的』に解決すれば『お互い』楽して『事を進める』からね……」

 

キリシマ「『敵の敵は味方』……という訳だな」

 

柏木「そう言う事だ」

 

三人は柏木の言葉に『それぞれの解釈』で答えると、柏木は概ね当たっているのか肯定するとタカオが伊401の様子を見て焦り出した

 

 

タカオ「ッ!?ちょっ……みんな!大変よ!サーモグラフティーで『急激に体温が低下をしている人』がいるわ!」

 

柏木「チッ……とうとう『最悪な状態』になりやがった」

 

金剛「最悪な状態?大将、一体……」

 

金剛は柏木の言葉について聞くと、柏木は顔を歪ませ、みんなに言った

 

柏木「……群像が『低体温症』になっている可能性がある」

 

蒼き鋼全員「ッ!?」

 

霧島「え!?司令じゃなくて群像君が!?何故ですか?」

 

榛名「そうです!提督は海の中を泳いでいたのです!何故、提督ではなく群像君が『低体温症』に?」

 

二人は柏木の言葉に疑問を唱えると、柏木は理由を答えた

 

柏木「確かに、低体温症になりやすい『条件』が揃っているのは勇人だ……だがアイツは自身の身体を『艤装の廃熱』を使って『本能的』に身体を暖めていたんだ、そしてメンタルモデルであるイオナに400、402は『コア』……まぁ『本体』の事だが、それが損傷しない限り平気なんだ……そして『消去法』で考えると……」

 

勇次「体力の無ぇ『甥っ子(群像)』が低体温症になった……という訳だな」

 

タカオ「ッ!?こうしちゃいられないわ!!」

 

勇次の言葉に柏木は肯定するかの様に頷くと、タカオは急いで軍艦を動かし始めた

 

柏木「ちょっ!?タカオ!何してる!!」

 

タカオ「だから助けるのよ!『これ』を使って!」

 

タカオは軍艦を前屈みにさせ、潜って伊401ごと救おうとしたのだ

 

柏木「バカ!軍艦が直接『潜って』救助する馬鹿がいるかぁ!!」

 

タカオ「だけど!柏木さんが『これ』を使って助けるって言ってたじゃない!!」

 

柏木はタカオに叱る様に説得するが、タカオは先程の柏木の言葉と『同じ事』を言うと、ヒュウガ、勇次そして三笠はタカオに怒鳴り付けた

 

ヒュウガ「アンタって本当に馬鹿ァ!?とうとう『頭の中』まで『お花畑』になった訳ぇ!?柏木さんは軍艦の錨をイオナ御姉様の潜水艦に『引っ掻けて』上げるつもりだったのよ!!直接潜ったら水圧に耐えきれず軍艦が『轟沈』してしまうわよ!!」

 

勇次「良くても『友鶴事件』みたいに『横転』し、俺達まで『御陀仏』しかけんぞ!無茶ぶりの専売特許は兄貴で十分だ!!」

 

三笠「そうだ!馬鹿な真似は止めろ!勇人みたいに『作戦』が無い状態では危険過ぎる!」

 

柏木達はタカオの暴走を止めようと説得していると、金剛はタカオの気持ちを察したのか、静かに、そして優しい口調で聞いた

 

金剛「……タカオ、一つ聞きたいネー……」

 

タカオ「ッ!?金剛さんも『止める』つもりなの!?」

 

タカオは金剛に強い口調で聞くと金剛は頭を横に振り、落ち着いた表情ではあるものの『芯の通った』重い口調で質問した

 

金剛「No……私はyouにquestion(聞きたい事)がありマース……タカオ……youが絶対に沈まない『保証』がありマスカ?」

 

タカオ「ええ!」

 

金剛「それは何故デスか?」

 

金剛はタカオに聞くとタカオは一呼吸を置いて、金剛に……いや艦内にいる全員に強く、決意のある口調で答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タカオ「それは簡単よ!『愛は沈まない』!!!ただ、それだけよ!!」

 

タカオは自信に満ち溢れた表情で答えると勇次は某御祭り男みたいに怒鳴り、三笠とヒュウガは呆れ返っていた

 

勇次「アカーン!!つーか、フラグ立てんなや!」

 

三笠「……メンタルモデルって、そこまで『馬鹿』だったの?」

 

ヒュウガ「いえ、彼女だけよ……」

 

三笠「……泣けるわね」

 

柏木「……俺達が止めても行くんだな?」

 

柏木は『根性論(愛の力)』で助けようとするタカオに聞くとタカオは真剣な表情で答えた

 

タカオ「ええ!」

 

柏木「……分かった」

 

三笠元帥「疾風!?正気なの!?こんな事をしたら……」

 

龍鳳「そうですよ提督!こんな無謀とも言える作戦に……」

 

柏木はタカオの行動を了承すると三笠元帥と龍鳳が柏木を説得するが、柏木は呆れながら答えた

 

柏木「……三笠に龍鳳、もし俺が『群像と同じ立場』なら、お前はどうする?」

 

龍鳳 三笠元帥「……多分、タカオさんと『同じ事』をすると思います(思うわ)」

 

二人は俯きながら答えると、柏木はタカオに『ある条件』を言い渡した

 

柏木「タカオ、条件がある」

 

タカオ「何よ?」

 

柏木「……金剛や俺を含め『艦娘全員』の錨をお前に付けさせる!お前が『轟沈』しない為の『保険』としてな!」

 

タカオ「ッ!?」

 

金剛「成程ネー♪タカオの命綱として私達の錨を使うのデスのネー♪」

 

柏木「そうだ、もし危険と判断したら即『引き上げる』からな!」

 

タカオ「ええ!ありがとう!」

 

そう、柏木の条件とは、艦娘達の錨を使ってタカオの『命綱』として救助を補佐する事だったのだ

 

勇次「……はぁ~……海軍の連中って、何で『無茶する』のが好きなんだろうな……仕方ない!俺も『付き合って』やらぁ!!」

 

瑞鶴「全く……ごめんねユージン」

 

勇次「気にすんな」

 

いおり「伯父様に伯母様、私達も付き合いますよ!」

 

瑞鶴「ありがとう……って、オバサン言うな!」

 

杏平「あー!もう!仕方無ぇ!!こうなったらヤケだ!付き合ってやらぁ!!」

 

タカオ「みんな……ありがとう!」

 

ヒュウガ「……仕方無いわね……ん?通信?」

 

勇次や艦娘達そして蒼き鋼全員が柏木の案に乗り、答えるとタカオに『通信』が入り、ヒュウガがタカオの代わりに出た

 

ヒュウガ「はい、此方『蒼き鋼の艦隊』所属のヒュウガ……応答を……」

 

ヒュウガは通信に出るとモニターにはジャミングが入っているものの、通信相手が表示された

その『通信相手』は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「……やっと繋がったか、俺だ!」

 

群像「うぅ……寒い………みんな……待たせたな……」

 

佐世保の艦娘達「提督(司令)!?それに群像君!?」

 

そう、モニターには汗を掻いている勇人と低体温症の症状である『身体を震えている』群像か映されていた

 

柏木「お前、何故『汗掻いている』んだ?内部は寒い筈だが……」

 

柏木は寒そうに震えている群像に対して、サウナに入っている様に汗を掻いている勇人を見て疑問を抱き、聞くと、勇人は暑いのか、少し疲れた表情で答えた

 

勇人「……艤装をフル回転しているせいで『廃熱』が……」

 

群像 イオナ 伊400 伊402「はぁ~♪暖かい~♪」

 

勇人「泣けるぜ……」

 

勇人が暑そうに呟くのは『無理もなかった』のだ、何故ならば、勇人は艤装を展開し、艤装の上に耐熱性の高い布を置き、群像達は炬燵に入る様に布の中に入っていたのだ

そんな奇妙な状態を見て、高雄は……

 

高雄「……泣けるわね」

 

三笠「それ、私の台詞だが……」

 

と呆れ返っていた

 

榛名「あ!?そう言えば提督は加賀さんと同じく『筋金入りの暑がり』だったわね……」

 

加賀「暑がりは認めますが……そこまでは……」

 

柏木「……逆に言えば『寒さに強い体質』いや『基礎代謝が相当高い体質』だと言う訳か……通りで低体温症にならなかった訳だ」

 

勇次「まぁ無事で成りよりだな♪んで、救助の件だが……」

 

勇次は勇人に軍艦を使って伊401を引き上げる事を言うと勇人は「成程な」と理解し、答えた

 

勇人「んじゃ俺は下からファイヤーミラーを使って押し出すから」

 

柏木「押し出すのは良いが、さっきの戦いでファイヤーミラーが溜め込んでいた力が無くなった筈だが?」

 

柏木は先程の戦いで溜め込んでいた超重力砲が尽きた事を勇人に言うと、勇人は「あぁ……その事か……」と納得し、答えた

 

勇人「それなら救助する時にファイヤーミラーを使って水圧を『吸収』したから問題無ぇ」

 

柏木「あ、通りで海底の中を泳いでいたのか……」

 

高雄「無茶する割には『計画性』がありますね……」

 

勇人「流石に俺でも『特攻』はしないぞ……」

 

三笠「……色々言いたい事があるが……勇人、出来るか?」

 

三笠は勇人に聞くと、勇人は笑いながら答えた

 

勇人「OK、余裕♪」

 

柏木「こんだけ余裕があれば大丈夫だな♪んじゃ始めるか♪」

 

柏木の号令により、艦娘全員は船から降り、錨を軍艦に巻き付かせて、勇人は伊401の船底に移動した

 

そして数分後……

 

備前「んじゃ!タカオ!」

 

タカオ「分かった!」

 

タカオは軍艦を海中に沈めさせ、伊401に向けて、水圧で徐々に壊れながらも、沈みながら向かった

 

そして……

 

タカオ(……見えた!だけど……機体が……仕方無い!伊401と……)

 

勇人(お!来た来た……って!?轟沈寸前じゃねぇか!?仕方無い!構造上『可能』だが『大博打』だ……伊401とタカオを……合体させるしか無ぇ……)

 

タカオは伊401を発見したが、機体は水圧が掛かったせいで『轟沈寸前』まで破壊されており、勇人は錨を伊401に引っ掛けながらもタカオを発見し、ファイヤーミラーを構え、そして……

 

タカオ(……船底開放!お爺様!今です!)

 

勇人(今だ!ファイヤーミラー転射!フルパワーだ!)

 

勇人は左手を伊401の船底に触れ、突き押す様にファイヤーミラーを起動させ、軍艦『高雄』に向けて『溜め込んだ水圧』を使って伊401を発射させた

だが、此処で『問題』が発生した

それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボキッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人(ッ!?)

 

勇人の左腕から『何かが折れた音』が聞こえると、勇人は左腕を押さえ付け、『強烈な痛み』に苦しんでいるのか顔を歪め、もがき始めた

そう……

 

タカオ(お爺様の左肘が『変な方向』に……まさか!?ファイヤーミラーを酷使したせいで左腕が『耐えきれず』折れたの!?)

 

そう、勇人はファイヤーミラーを酷使したせいで、左腕が耐えきれず『緊縮材』としての役割だった左肘が『骨折』し、変な方向に曲がったのだ

端から見れば『絶体絶命な状態』ではあるが、勇人は伊401に『ある保険』を掛けていたのだ

それは………

 

 

 

 

 

グイッ!!

 

 

 

 

 

 

勇人(イッ!?しかし良かった……錨を引っ掛けておいて……)

 

勇人はファイヤーミラーを展開する前に、伊401に自身の錨を引っ掛けていた為、吹き飛ばした伊401に引っ張られる状態になり、『勇人ごと』タカオに向けて急上昇し始めたのだ

そして……

 

 

 

 

 

 

タカオ(今だ!合体!モード……『Ars nova』!)

 

タカオは自身の軍艦を展開させ、所々『欠落した』伊401に補う様に合体し、潜水艦でありながら軍艦の『良さ』である機動性と対空性を兼ね備えられた伊401の新たな戦闘体勢『Ars nova』になり、そのまま海面に上昇し始めた

 

 

 

 

勇人(馬鹿野郎!!俺を艦内に入れろぉぉぉぉぉ!息が持たねぇぇぇ!)

 

 

 

伊401に錨を引っ掛けたせいで艦内に入れず、外で溺れかけている勇人を引き上げるかの様に……




此処で大事なお知らせがありますf(^_^)
次の章は『ラムネのお兄さん』様の作品『お袋の味が鎮守府に到着しました。これより、調理場の指揮を執ります』とコラボする事になりました\(^^)/
この場をお借りして厚く御礼を申し上げますm(_ _)m


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第56話「カーニバル」

1400 上城財閥内の造船場にて

 

俊夫「お!?帰って……ん?何だアレ?高雄?それとも伊401?それに……勇人?」

 

俊夫は殲滅成功した勇人達を迎えに造船場で待っていると高雄と合体した伊401『Ars nova』が勇人を引っ張りながら現れると、俊夫は少し驚き、引き摺られている勇人に聞いた

 

俊夫「……何やっているんだ?殲滅任務は?」

 

勇人「……殲滅成功、そして一応『保護』した……それと『バケツ(高速修復材)』をくれ、腕が……」

 

俊夫「……無茶しやがって、ほら『バケツ(高速修復材)』だ」

 

バッシャーン!

 

勇人「ブッ!?冷てぇ!?所でミサイルの件は?」

 

俊夫「ん?ああ♪それなら彼方さんが『撃墜』してくれた『お陰』で成功したぞ♪」

 

勇人「そうか……なら良い……『撃墜してくれた方』が『此方の言い分』が通るからな……」

 

俊夫「まぁな♪」

 

俊夫は勇人に冷えきった『バケツ(高速修復材)』をぶっかけると、勇人は高速修復材の効力で折れた左腕が治り、引っ掛けた錨を外し、陸に上がると、待機していた咲夜が急いで勇人の元に駆けつけた

 

咲夜「御主人様!?御体の状態は!?」

 

勇人「何か『暖かい物』をくれ、群像が低体温症になった」

 

咲夜「分かりました!後、御主人様の分は?」

 

勇人「俺のは良いからタオルをくれ……身体を拭きたい」

 

咲夜「畏まりました!至急、準備します!」

 

咲夜は急いで準備に取り掛かると伊401からタカオと金剛が現れ、勇人に聞いた

 

タカオ「お爺様!?左腕、大丈夫ですか!?」

 

金剛「テートク!?Are you okay?」

 

勇人「大丈夫だ、今『治った』」

 

タカオ「へ?どういう事?」

 

金剛「I see……」

 

金剛は納得し、タカオは勇人の発言に首を傾げると伊401から柏木が現れ、タカオの疑問に答えた

 

柏木「勇人や俺もそうだが、艦娘は高速修復材を掛ける事で『より早く身体を治せる』んだ……よっと!」

 

柏木は伊401から飛び降り、陸に着地すると勇人は半分怒りながらタカオに言った

 

勇人「そういう事だ……ってか、タカオ!何で俺を艦内に入れなかったんだ!?死にかけたんだぞ!」

 

タカオ「ご……ごめんなさい……あの時は必死だったの……」

 

タカオは申し訳なさそうに俯くと柏木はタカオを慰める様に明るい口癖で言った

 

柏木「タカオ、気にするな……『そういう状況にした元凶』である『コイツ』が悪いからな……それにコイツは『この程度』では死なんからな♪」

 

金剛「まぁテートクの生命力は『ゴキブリ並』ですからネー……」

 

勇人「……泣けるぜ」

 

金剛は柏木の言葉に納得し、勇人は柏木の言い分に返せず、『何時もの口癖』で黙り混んだ

 

俊夫「まぁ……無事で何よりだ……さて、そろそろ昼飯にするか………と言いたいが、伊400と402を呼んで来てくれないか?」

 

柏木「分かりました……勇次ィ!あの二人を呼んできてくれぇー!」

 

金剛「Bro!お願いシマース!」

 

勇次「わーったよぉ!」

 

柏木と金剛は軍艦の中で作業中の勇次に聞こえる様に大声で呼ぶと、勇次も大声で返し、数分後、勇次は二人を連れて来た

 

伊400 伊402「……」

 

イオナ「……俊夫さん、あまり手荒な真似は……」

 

俊夫「分かっている……二人とも、何故『こんな真似』をしたんだ?」

 

俊夫は怒りが含んだ低い口調で聞くと二人は少し震えながら答えた

 

伊400「……アドミラリティーコードで、そう命令されていたから……」

 

俊夫「アドミラリティーコード?何だソレ?」

 

勇人「俺達で言うと『命令書』みたいな物だ」

 

俊夫は伊400の言葉の『アドミラリティーコード』について聞くと、勇人は簡潔に説明すると、俊夫は納得し、勇人に指示を出した

 

俊夫「……勇人、そのアドミラリティーコードについて調べてくれないか?」

 

勇人「それなら、勇次が調べた……勇次、どうだった?」

 

勇人は勇次に聞くと、勇次はアドミラリティーコードをコピーした書類を広げ、答えた

 

勇次「……案の定、アドミラリティーコードに『記載されていたな』……そして記載されていた『内容の矛盾点』もな」

 

伊402「矛盾?」

 

伊400「それは一体……」

 

二人は勇次に聞くと、勇次は呆れながら答えた

 

勇次「ったく、こんな『簡単な矛盾』位、気付けよな……まず1ヵ所目の『矛盾』は後で『書き加えられたアドミラリティーコード』には『龍虎の艦隊を殲滅せよ』と書かれていたが、『元からあったアドミラリティーコード』には『4年前の事件と同じ状況になったら戦闘をせず、日本海軍に保護させて貰い、元の世界に帰る様、最善を尽くせ』……つまり『俺達』と戦わず、手を組みながら帰れる様『協力しろ』と『書かれていた』……そして2つ目……まぁこれが一番『矛盾している内容』だが、書き加えられた方は『姉貴を復活させろ』と書かれていたが、元からあった方は『恩人でもあり、緋色の艦隊の艦長である千早翔像の先祖の上城一家に一切、手を出すな』と書かれていた……これがアドミラリティーコードの『矛盾』だ」

 

勇次は淡々と説明すると、俊夫は少し考え、答えた

 

俊夫「つまり『何者か』が『手を加えた』……という訳か……」

 

勇人「……『何者か』って、『1人』しかいないだろ……」

 

俊夫「……李か」

 

勇次「そういう事、つまりコイツらも『群像と同じく』李に『騙された』と考えた方が辻褄が合うからな」

 

3人は考えが纏まり、伊400、402を見て言った

 

俊夫「……君たちは李に『騙された』とは言え、アドミラリティーコードに違反……そして、人として『やってはいけない事』をしてしまったんだ……それなりの『ケジメ』は取らせて貰うぞ……勇人、勇次……2人に『牛殺し』をさせてやれ」

 

勇人「……」

 

勇次「わーったよ……」

 

イオナ「ッ!?」

 

伊400 伊402「……」

 

イオナ「お願い……止めて……」

 

俊夫はドスの低い口調で勇人と勇次に指示を出すと、2人は呆れ、指を鳴らしながら伊400、402に近付き、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バチン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伊400「キャッ!?」

 

伊402「痛ッ!?」

 

イオナ「へ?デコピン?これは一体……」

 

勇人と勇次は伊400、402の眉間にデコピンをし、イオナの質問に答えた

 

勇人「バーカ!『保護』しているのに『拷問』するのは可笑しいだろ?」

 

勇次「しかも『舞鶴』の電ちゃんが『お前たちを救って欲しい』と『依頼された』からな♪礼なら舞鶴の方の電ちゃん達に言えよ♪」

 

2人は笑いながら言うと、金剛は俊夫の『牛殺し』の事について、柏木に聞いた

 

金剛「大将、牛殺しって?」

 

柏木「見て分かったと思うが……『デコピン』の『昔の言い方』だ……元々は牛を殺す為に『牛の眉間』に衝撃を与える事が『由来』されていたんだ……まぁ『諸説』はあるが……」

 

金剛「成程ネー♪」

 

ハルナ「疾風、それ『私の台詞』なんだが……」

 

柏木「どんな台詞だ、オメー!?ってか、いきなり出てくんな!吃驚するわ!!」

 

ハルナは『ある意味』台詞を取られ、柏木の背後から忍者の様に現れ、言うと、柏木は驚き、ハルナに怒鳴るとイオナは俊夫に言った

 

イオナ「……この後のケジメは……」

 

俊夫「これで終わりだ♪ひょっとして『エンコを詰める事』だと思っていたのか?」

 

イオナ「エンコ?」

 

柏木「……『小指を切り落とす事』だ、よく極道社会で使われている『処罰』みたいな物だ」

 

ハルナ「だから台詞を……」

 

柏木はイオナの疑問に答えると俊夫は笑いながら言った

 

俊夫「流石に、子供に『そんな酷な事』はしないぞ♪」

 

勇人「良かったな……イオナ」

 

勇人はイオナの頭を撫でながら言うとイオナは嬉しそうに答えた

 

イオナ「うん!」

 

俊夫「ただ、2人に『守って欲しい』事がある……」

 

伊400「なんだ?」

 

伊402「言って……」

 

俊夫は笑顔から一転し、真剣な表情で2人に言った

 

俊夫「もう……人として『間違った事』はするな……これが俺からの『約束』だ、これを守る事を誓えば、今回の事は『不問』とする……分かったか?」

 

伊400 伊402「分かった、そして『ごめんなさい』……」

 

イオナ「俊夫さん……本当にありがとう……」

 

伊400、402そしてイオナは俊夫に頭を下げると、俊夫は笑いながら答えた

 

俊夫「フッ♪では少し遅れたが『飯』にするか♪」

 

柏木「はい、後……『調理場』を御借りしたいのですが……」

 

勇人「……また『アレ』をやるのか?」

 

柏木「『ソレ』以外、何をやるってんだ?」

 

勇人「デスヨネー……」

 

俊夫「お♪柏木さんも料理を?」

 

柏木「はい」

 

俊夫「分かった♪勇人も手伝え♪」

 

勇人「……泣けるぜ」

 

勇人は呆れ、柏木は意気揚々と調理場に向かった

 

 

 

 

 

 

 

そして30分後、食堂にて

 

群像「これは……」

 

いおり「凄い……」

 

タカオ「美味しい……」

 

キリシマ「旨い!?勇人!お代わり!」

 

ハルナ「お前なぁ……」

 

ヒュウガ「あら!?このケーキ、美味しいわ♪」

 

柏木「それは良かったな♪」

 

勇人「結局、こうなるのか……」

 

食卓には勇人が作った『ホットサンド』と柏木か作った『大量のスイーツ』が並べられ、蒼き鋼全員が絶句しつつも2人が作った『フルコース』を堪能したのは言うまでもなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、K国周辺の海域内では……

 

 

 

 

 

李「許さん……許さんぞぉぉぉぉ!!上城勇人ォ!!我が祖国を『幽閉』させやがってぇぇぇ!!」

 

コンゴウ「フッ……流石だな……クラインフィールドを『そんな使い方』をするなんて……」

 

蘭花「嘘……」

 

K国周辺の海域で勇人が作った弾道ミサイルの『効力』を見ていたのか、李は激怒し、コンゴウは勇人の『やり方』に驚いたものの、感心し、蘭花に至ってはショックで少しふらついた

 

李「チッ!おいコンゴウ!貴様、何をした!?」

 

コンゴウ「フッ……貴様の『失態』である『龍を怒らせた』のが原因じゃないのか?それに私は『何もしてない』」

 

李はコンゴウに怒りをぶつける様に怒鳴ると、コンゴウは李を嘲笑うかの様に見下しながら答えると李はコンゴウの胸倉を掴んだ

 

李「貴様ぁ!!!せっかく映像を編集し、蘭花を『我々の兵器』に出来たのにィィィ!」

 

蘭花「ッ!?李さん!兵器って、どういう事!?」

 

李「チッ……」

 

コンゴウ「所詮、貴様の浅知恵では勇人には『勝てない』……蘭花、これが李の『本性』だ……勇人は私やマヤ……そして『お前』を助ける為に必ず来る!」

 

蘭花「コンゴウ……しかし、私は勇人の事を……」

 

コンゴウ「気にするな……勇人は蘭花が思っている程『小さい男』じゃ無いからな……きっと『許してくれる』筈だ」

 

蘭花「……人間嫌いの貴女が勇人を、ここまで『評価』するなんてね……分かった!李!貴方とは『手を切る事』にしたわ!」

 

李「なっ!?」

 

蘭花「そして、ごめんなさいコンゴウ……今、鎖を外すから……」

 

コンゴウ「漸くか……頼む」

 

蘭花は勇人の事を『絶大に信頼している事』に戸惑いながらも、コンゴウの説得に応じ、コンゴウに巻き付いている鎖を剥がそうとした途端……

 

李「……」

 

 

 

パチン!

 

 

 

蘭花「ッ!?何……これ……身体が『動かない』……」

 

コンゴウ「なっ!?貴様!何をした!?」

 

李は指を鳴らすと、蘭花は金縛りに掛かったかの様に、身体が動かなくなり、コンゴウは怒鳴りながら李に聞くと、李は怒りで我を失いつつ答えた

 

李「クソッタレ(他妈的屄)こうなったら、自棄だ(当这种情况发生、它烧毁)お前達を使って彼奴を殺してやる(我会杀了你使用他的家伙)!」

 

コンゴウ「なっ!?貴様!一体何を言って……蘭花、アイツは何を言っているのだ!?」

 

蘭花「不味い!?李は『私達を使って』勇人を殺すつもりよ!!」

 

コンゴウ「私達を……ッ!?まさか!?」

 

李は母国語で怒鳴り、李の母国語が分からないコンゴウは蘭花に聞くと、蘭花は簡潔に翻訳し、コンゴウに伝えると、コンゴウは李の行動に気付き、焦ると李は怒りながら言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

李「さぁ、始めようか(现在,你开始)……カーニバルをな(屠宰秀)!!バトルモード(战斗模式)『Ars nova』!!」

 

コンゴウ「や……止めろぉぉぉぉ!!」

 

コンゴウの制止を無視し、李は『三笠』『金剛』そして『摩耶』を使って、バトルモード『Ars nova』を発動させた

その三隻が『合体した姿』はまるで……

 

李「……まるで我々の復讐心を表しているようだ」

 

球体で神々しく、そして『禍々しくおぞましい姿』になっていた

正しく『復讐の鬼』になったかの様に……



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第57話「最終決戦 part 1」

1500 舞鶴鎮守府内の港にて

 

男「……」

 

勇人と同じ『提督用の白い制服』を着た男が海を見ていると、後ろから舞鶴鎮守府第一前衛基地所属の女性提督の柊が男に声を掛けた

 

柊「どうした千川少佐?遠征に出した子達の事が心配なのか?それとも『間宮に振られて』落ち込んでいるのか?」

 

柊は男『千川大地』にからかいながら聞くと千川は少し俯いた表情で答えた

 

千川「あ!?柊先輩……柊「階級で呼べ!少佐!今は勤務中だ!」……すみません柊中佐、実は今、間宮達が旅行していた場所が危険地帯だと聞いたので……同期の事が心配で……」

 

柊「……確か、君の『同期』である上城中将が柏木大将と共に『特殊任務』を行っているエリアか……彼処は今『裏社会』『国際問題』そして『蒼と霧』の問題が交わる『危険地帯(ホットエリア)』だからな……後、上城中将は無事だ……だが龍光会の策略で柏木大将と共に『指名手配』にされたが、『蒼と霧』を保護したと連絡があった」

 

間宮達の事を心配し、不安になっている千川は柊の『速報』を聞き、柊に聞いた

 

千川「ッ!?本当ですか!?」

 

柊「ああ、ちなみに『特殊任務』が終わったら『上城一家』が『御礼』に来るって言ってたぞ……まぁ柏木大将と同じく『簡単に死ぬ様な事』はしないだろう」

 

千川「良かった……無事で……」

 

千川は胸を下ろすかの様に安堵すると柊は海を見て、悲しそうに言った

 

柊「海が……『悲しんで』いるわね……それと同時に『怒っている』様に荒れている……これは『ヤバい事』が起きそうだな」

 

千川「……アイツなら絶対救ってみせますよ、僕達『同期』のエースですから!」

 

柊「……上城中将の事か?」

 

柊は千川に聞くと、千川は頷き、答えた

 

千川「はい!アイツは『人としての強さと優しさを持ち合わせた漢』ですから!」

 

柊「漢……か、海軍の人間として一度会ってみたいな……上城中将に……」

 

千川「きっと気に入ると思いますよ!アイツは『艦奴派養成部隊』と言われている『第一研修部隊』出身ですが、柏木大将みたいに艦娘達や弱い人間には『優しい男』ですから」

 

柊「……『第一研修部隊上がりの同期を嫌っている』お前が、そこまで『絶賛』する男か……なら『余計』会ってみたいものだな……『佐世保の龍』に……」

 

千川「はい!アイツが来たら会わせてみせますよ!」

 

千川(……だから、死ぬんじゃ無いぞ!上城!お前の仲間は佐世保や呉だけでは無いからな!僕達『第二研修部隊』の同期達も『お前』を『仲間』だと思っているからな!……だから『簡単にくたばる様な事』はするなよ!)

 

千川は同期であり、仲間の勇人に願う様に荒れた海を見ていた

 

そして、この事は……

 

 

間宮「……上城中将、柏木大将、桜花少尉そして上城元帥……絶対に死なないで下さい、そして血を吐き続けながらマラソンをしている様な状態に『終止符』を打って下さい……」

 

電 未来「……お願いします」

 

物陰に隠れていた間宮達に聞かれ、3人は勇人達の無事を祈った……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1800 K国周辺の海域にて

 

勇人「……群像、周辺の状態は?」

 

勇人は艤装モード『Aegis ver.3』で海面を走行し、伊401に居る群像に聞くと群像は「異常無し」と答えると勇人の隣に居る優花が申し訳無さそうに答えた

 

優花「ごめん……私の失態を片付けて貰って……」

 

勇人「気にすんな」

 

備前「しかし『驚いた』な……お前が復活するなんて……」

 

備前は優花の後ろを走行している『艦娘』を見て、驚いた

何故なら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日向「まぁそう言うな……私だって驚いているんだ」

 

そう、優花と融合していた筈の『日向』が目の前に居る事に……

何故そうなった訳については1時間前に遡る……

 

 

 

1時間前 伊401 艦内にて

 

慧音「勇人、優花さんも『改造』するぞ」

 

慧音は勇人に言うと勇人は金剛が淹れて貰った紅茶を吹きこぼし、答えた

 

勇人「ブーッ!何でまた!?」

 

比叡「ヒェェェェ!?司令!汚ないですよ!?掛かりましたよ!」

 

勇人「あ!?悪ぃ……」

 

霧島「……良かった、掛からなくて……」

 

榛名「そうですね……」

 

金剛「me too……」

 

勇人の吹き出した紅茶が比叡に掛かり、謝罪しながらも慧音に聞いた

 

勇人「アイツはそこまで練度が上がっていないのに、何故やるんだ!身体が持たねぇぞ!!」

 

慧音「大丈夫だ、最低練度でも耐えれる様にする♪」

 

勇人は慧音の『ブッ飛んだ発想』に怒鳴ると、隣に居た優花が強い意思が入ったかの様に真剣な表情で答えた

 

優花「勇人君、これは私が先生に『お願い』したの……今回だけは『命令違反』させてもらうからね!」

 

勇人「今回『だけ』じゃねぇだろ……あー……頭が痛い……」

 

柏木「勇人……『同じ立場』として同情するぞ」

 

一馬「全くだ……」

 

三笠「お前達『3人』も人の事は言えない気が……」

 

博和「奥様、これは御主人様の問題なので口を慎んだ方が……」

 

慧音 三笠「博和さん、アンタが言うな」

 

博和「これは失礼しました」

 

慧音と三笠は博和にツッコミを入れつつ、三笠は勇人にお願いするように言った

 

三笠「話は戻すが、勇人が言ってた通り、優花は改造するための練度には達していない……しかし、優花と日向は完全に完治したのだ……ここは戦力向上の為に是非、改造して欲しいの……お願い……」

 

優花「私からも……お願いします!」

 

柏木「まぁ体力的には申し分無いから『イケる』んじゃね?ヤっちゃえば?」

 

三笠元帥「疾風、それ『エロい』意味に捉えてしまうから……」

 

柏木「……すまん、失言だったな」

 

慧音「まぁ柏木さんの『言い分』は分かるが……勇人、やってくれるな?」

 

慧音達は勇人にお願いすると勇人は呆れ、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「わーったよ!ったく!群像!医務室を借りるぞ!」

 

群像「はぁ……イオナ、医務室に電力を回してくれ……」

 

イオナ「もうしている……何時でも『ウェルカム』な状態にしてある」

 

イオナは親指を立てながら言うと蒼き鋼のメンバー全員がイオナの性格の変化に戸惑った

 

静「イオナ……完全にお爺様に『感化』しちゃってますね……」

 

イオナ「勇人に制御権を移行したままになっているから、少なからず『影響』しているかも……でも『嫌いじゃない』」

 

ヒュウガ「ノリの良いイオナ御姉様も素敵です♡私もイオナ御姉様と合体したい♡」

 

タカオ イオナ「黙りなさい(黙って)!レズビッチ!」

 

ヒュウガ「ビ……ビッチィ!?酷いですわ!イオナ御姉様!私はイオナ御姉様『一筋』ですよ!!」

 

ハルナ「タカオ……お前もか……」

 

キリシマ「ってか、レズは認めるんだ……」

 

……訂正、タカオも勇人の影響を受けているのか口が悪くなっていた

 

蒔絵「レズ?ビッチ?ハルナ、『レズ』と『ビッチ』って何の意味なの?」

 

ハルナ「レズとは……三笠「調べなくて良い!子供には『早すぎる言葉』だから!」……分かった」

 

ハルナは意味を調べようとしたが、三笠に止められ、少し落ち込んだ様子になった

 

勇人「……とりあえず、優花を改造するぞ」

 

優花「優しくしてね♪初めてだから♪」

 

勇人「何のだよ!?」

 

優花「え?夜の……勇人「言わせねぇよ!!悪乗りせんと、はよ来まっし!!」……はーい♪」

 

慧音「……やれやれ」

 

勇人は優花と慧音を連れて医務室に入り、改造手術を始めた

 

群像「……お祖母ちゃんって、こんなにも『肉食系』だったのか?俺が聞いた話では『おしとやかな大和撫子』だと聞いたが……」

 

柏木「多分、アイツの影響じゃねぇか?」

 

高雄「多分じゃなくて『絶対』そうですよ」

 

イオナ タカオ「……泣けるね(泣けるわね)」

 

柏木「あ!?『それ』まで影響しているのか……」

 

三笠「それ、私の台詞なんだが……」

 

柏木「どちらかと言うと勇人の口癖なんだが……まぁ良いか、俺達は引き続き、警戒にあたるか……」

 

柏木達は海域周辺を警戒するために艤装を装着し、海面に立った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現在に至る……

 

勇人「全く……どうして俺の仲間は『肉食系』が多いんだ……」

 

勇人は呆れながら嘆くと鳥海も呆れながら勇人に言った

 

鳥海「提督のせいですよ……」

 

摩耶「まぁ私も含め、佐世保の艦娘達や女性職員全員が提督に『惚れて』いるんだ……嫌われるよりかはマシだろ?」

 

高雄「摩耶、それ提督に『告白している』と一緒よ」

 

摩耶「実際コクってんだよ……言わせんな!!」

 

優花「……人の旦那(仮)を勝手に寝取らないで」

 

摩耶「あぁ?」

 

金剛「What's do you say?」

 

榛名「勝手は……榛名が許しません!!」

 

ワーワー!!

 

霧島「やれやれですね……」

 

比叡「一応言っておきますけど、私と霧島は『ラブ』の方では無くて『フレンドリー』の方なので勘違いしないで下さい……後、御姉様達がスミマセン……」

 

勇人「気にして無ぇよ……まぁ好かれるのは『悪い気はしない』が……」

 

勇人(その『後』が面倒クセェんだよな……修羅場的な意味で……)

 

一馬「こりゃ翔像『以外』の孫が現れるかもな……」

 

三笠「……確かに、まぁ私が『許さない限り』結婚は認めないが……」

 

一馬「お前は早く『子離れ』ならぬ『勇人離れ』をしろよ……いくらアイツが『お前の血』が入っているとは言え『二十歳超えの大人』なんだぞ」

 

三笠「嫌よ……折角、勇人が私を『母親』と認めてくれたんだ!離れる訳にはいかないわ!!」

 

一馬「……駄目だこりゃ」

 

三笠元帥「……上城元帥、同情します」

 

龍鳳「流石、親バ艦娘と言われていた事はありますね……」

 

一馬「……スマン」

 

備前(ハァ……こんな状態で大丈………ん?あれは……)

 

備前は緊張感の無い状態に呆れていると、前方に宙に浮いている紫色の球体を発見し、勇人に報告した

 

備前「……勇人、あれ……」

 

勇人「ん?……なんだ、サ〇ヤ人の脱出用のポットみたいな物体は?」

 

勇人も紫色の球体を発見し、確認していると……

 

李「……死ね!上城勇人ォ!超重力砲、発射!」

 

球体の中に居た李は自身の艤装である『秋月』の艤装を展開させ、艤装と連動しながら合体した金剛の超重力砲を勇人達に向けて発射したが……

 

勇人「オイオイオイオイ!!いきなりブッ放しやがった!?ファイヤーミラー展開!!」

 

勇人は急いでファイヤーミラーを展開し、超重力砲を無効化させると優花達は勇人が無効化させた事に驚いた

 

優花「え……えぇぇぇぇ!?超重力砲を籠手で『吸い込んだ』!?」

 

備前「……あんまり『やり過ぎるなよ』……また折れるぞ」

 

勇人「……大丈夫だ、問題無い」

 

備前「それ『死亡フラグ』だから止めろ」

 

備前は呆れながら勇人に言うと群像は球体の正体が分かったのか、球体の正体を勇人に伝えた

 

群像「お祖父ちゃん、あの球体の正体……『コンゴウ』と『マヤ』そして『ミカサ』こと『蘭花叔母さん』が合体した『姿』だ……」

 

勇人「はぁ!?姉貴が!?ってか何で超重力砲をブッ放してくるんだよ!?」

 

備前「多分、お前と同じ様に李が3隻の制御権を得て、操作していると……」

 

勇人「……泣けるぜ、群像、侵食弾道を全門放射してくれ……一気にカタを付ける!」

 

勇人は群像に指示を出すと、群像は了承し、強い口調で命令した

 

群像「分かった!侵食弾道!全門放射!ばら蒔ける物は全部ばら蒔け!!」

 

備前「うわ……圧巻だな……ん!?ちょっ!?あの馬鹿!?何をやっているんだ!?」

 

群像は伊401に搭載していた全ての弾道ミサイルを謎の球体に向けて発射し、備前はミサイルの全門放射に圧巻していると、ミサイルの上に『人影』が見え、備前は人影の正体が分かり、怒鳴った

その人影の正体は……

 

イオナ「………」

 

そう、イオナだったのだ

 

勇人「ハァ!?何でミサイルの上にイオナが!?オイ!イオナ!どういう事だ!」

 

勇人は通信機を使い、イオナに怒鳴りながら言うとイオナも怒りが含んだ重く、強い口調で答えた

 

イオナ「……許せないの、私の姉妹だけではなく『友達』や『恩人』そして『無関係な人達』が『あんな屑』せいで不幸な目に逢っている事に……だから……」

 

備前「……無茶しやがるぜ……んじゃ行ってくる」

 

勇人「……親の顔が見てみたいぜ……テイクオフ!」

 

優花「そもそも、メンタルモデルに『親』なんているのかな?まぁいっか……テイクオフ!」

 

勇人、優花そして備前はイオナを護衛しに、空飛び始めた

 

三笠「いってらっしゃい……さて!私達は『邪魔者』を潰しに行きますか!」

 

一馬「……そうだな」

 

三笠達も李に同行していた『大量の深海棲艦』に向けて出撃し始めた

 

群像「我々は引き続き、上城元帥及び中将達の後方支援を行う!みんな!これで『決着』がつくから、本気で行くぞ!!」

 

蒼き鋼全員「おう(はい)!!」

 

群像(お祖父ちゃんにお祖母ちゃん……そして柏木さん、俺達……いや『俺達を含め、この世界の人達』の『怒り』をアイツにぶつけて下さい……お願いします)

 

群像は勇人達に願いを託す様に祈りながらも、後方支援に徹した

 

そう、まるで鉄壁の『鋼』が日本……いや世界を守る様に……

 

 

 

 

 

 

 

 



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第57話「最終決戦 part 2」

同時刻 見知らぬ空間で……

 

蘭花「うっ……こ……ここは……ッ!?」

 

蘭花は目を覚ますと、真っ黒な背景に破壊された石像や花壇等が散乱した空間の中で気絶しているコンゴウとマヤを見つけた

 

蘭花「コンゴウ!マヤ!」

 

蘭花は気絶したコンゴウとマヤを見つけるとコンゴウとマヤは蘭花の声に反応したのか、辛そうに目が覚めた

 

コンゴウ「ウウッ……蘭花か……」

 

マヤ「ウウッ……ん?あれ?ここ何処?」

 

蘭花「良かった……怪我は無い?」

 

コンゴウ「『強い不快感』を感じる事以外は問題無いな……」

 

マヤ「一体何が起きたの?」

 

蘭花「……やっぱり怒っているんだね、ごめんなさいコンゴウ」

 

マヤ「無視しないでよ蘭花にコンゴウ!!」

 

蘭花はコンゴウに不快感を与えた事に謝罪すると、コンゴウは否定した

 

コンゴウ「何を誤解しているんだ?私が感じている『不快感』は『あの男』のせいだ」

 

蘭花「李の事ね……だけど、良かった……無事で……」

 

マヤ「へ?李って、あのムッツリ親父の?」

 

コンゴウ「ああ……しかも安心するのは早いぞ」

 

蘭花「……ええ」

 

蘭花はコンゴウとマヤが無事だと分かり、安堵するとコンゴウと蘭花は真剣な表情になり、マヤに説明した

 

コンゴウ「マヤ、お前は李に『操られた時の記憶』が無いから簡潔に説明するが……私達の『軍艦』が李に取られたのだ」

 

マヤ「……え?つまり私達は、またアイツの『捕虜』になっちゃった訳!?というより、此処どこ?」

 

マヤは驚きながらも、荒れ果てた瓦礫の場所について聞くと、コンゴウは少し俯きながら答えた

 

コンゴウ「『私の情報共有ネットワーク』の中だ」

 

マヤ「え……えぇぇぇぇ!?あの『お茶会』が!?」

 

蘭花「情報共有ネットワーク?」

 

蘭花はコンゴウの言葉に首を傾げるとコンゴウは簡潔に説明した

 

コンゴウ「簡単に言えば『メンタルモデル専用の2〇h』みたいなものだ……まぁメンタルモデルによっては『内装』が異なるが……」

 

蘭花「2〇hって……貴女、完全に『此方の世界』に染まったわね……」

 

コンゴウ「郷に入れば郷に従え……って言うからな」

 

蘭花「……まぁ良いわ、取り敢えず、此処から出るわよ!」

 

蘭花はコンゴウの説明に呆れつつ、散乱した瓦礫から離れる様に歩いて行くと……

 

 

 

 

ゴン!!

 

 

 

 

蘭花「ブッ!?」

 

蘭花は『見えない壁』に強く当たり、鼻を押さえ、痛そうにしゃがみこんだ

 

蘭花「イタタ……何これ……『クラインフィールド』?」

 

コンゴウ「いや……『ATフィールド』だ」

 

マヤ「あ……そういえば勇人の指示で『深海棲艦』だっけ?『それ』から守る為に『壊れたクラインフィールド』の『代用品』として装着して貰ったんだった……」

 

蘭花「あの馬鹿……『余計な物』を……ってかATフィールドってエヴァ〇ゲリ〇ンじゃないの……イタタ……」

 

蘭花はATフィールドにぶつけた鼻を押さえつつ、勇人に悪態を付くとコンゴウは「そうだな……」と蘭花の悪態に同意し、言った

 

コンゴウ「こればかりは勇人に疾風、優花そして伊401に解除して貰わないと出られないな……」

 

蘭花「疾風って……柏木君!?何で勇人と一緒に行動しているの!?ってか優花って誰?」

 

蘭花はコンゴウの口から柏木の名前が出てきた事に驚くとコンゴウは簡潔に説明した 

 

コンゴウ「ああ、アイツもまた『私達』を保護するために勇人と手を組んだんだ、ちなみに優花は勇人の部下だ」

 

蘭花「……私が『死んで』から色々と変わりすぎよ……ってか柏木君は兎も角、勇人達って、戦えるの!?」

 

コンゴウ「ああ……佐世保の連中から聞いた話では勇人は『半艦息』、優花は『半艦娘』になっているが……」

 

蘭花「え……えぇぇぇぇ!?半艦息!?どうしてまた!?」

 

蘭花は驚くとコンゴウとマヤは蘭花の絶叫に耳を当て、顔を歪めながら言った

 

コンゴウ「クッ!ATフィールの中で叫ぶな!声が響く!!何も知らない『お前の気持ち』も分かるが……」

 

マヤ「うるさい……」

 

蘭花「あ!?ごめん……そう言えば、そうだったわね」

 

蘭花は二人に謝罪するとコンゴウは呆れながら言った

 

コンゴウ「ったく……話は戻るが、『これ』を解除するには勇人、優花、疾風そして401に解除して貰うしか方法が無いな……」

 

マヤ「軍艦はアイツに取られているわ……もう『お手上げ』だね……」

 

蘭花「そうね……」

 

蘭花(勇人……お願い……こんな馬鹿な姉の願いだけど、みんなを助けて……)

 

コンゴウ(勇人……疾風……優花……)

 

マヤ(何でこうなるの……もう嫌だ……勇人、助けて……)

 

蘭花達は勇人達に願いを寄せながら助けを求めた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方 李の船の周辺の上空にて

 

勇人「ちっ!?イオナぁ!!テメェ何で無茶するんや!!」

 

イオナ「……これしか方法が無かったから……勇人!後ろ!」

 

勇人「無駄ァ!!」

 

ドカン!

 

勇人「ったく!無茶しやがって……ほら!後ろに乗れ!『侵食弾道ミサイル(そんな危なっかしい物)』の上よりかはマシだろ!」

 

イオナ「うん!!ありがとう!」

 

勇人は空中でイオナに迫ってくる侵食弾道ミサイルを殴ったり、蹴ったり、更には愛刀『ムラマサブレード』と慧音が作ったナノマテリアル製の紫色の刀『毘沙門剣』で侵食弾道ミサイルを破壊、無力化しながらイオナに艤装の上に乗る様、指示を出すと、イオナは直ぐに勇人の艤装の上に乗った

 

備前「イオナを乗せながらミサイルを捌くなんてな……セイッ!」

 

優花「本当……無茶する上官だわ……ヤァ!!」

 

イオナ「ごめんなさい……ん?あれは……」

 

二人もまた、愚痴りつつ弾道ミサイルを破壊、無力化して行くとイオナは『ある物』を見つけたのか、勇人達に言った

 

イオナ「勇人!疾風!優花!右の内側を見て!」

 

勇人「アァ!?今度は何だ……なっ!?」

 

備前「嘘だろ!?」

 

優花「え!?」

 

三人はイオナの指示で李の球体の右の内側を見ると驚いた

何故なら……

 

勇人「マジで姉貴が……」

 

備前「……李の野郎……本当に死者を冒涜する様な真似を……」

 

優花「コンゴウさん!マヤちゃん!蘭花さん!!」

 

そう、そこには極太の鎖で縛られ、気を失っているコンゴウ、マヤそして蘭花が居たのだ

 

勇人「チッ……柏木!優花!イオナ!あの三人の救助を頼んで良いか?イオナ!これを使って鎖を斬れ!」

 

勇人はイオナにムラマサブレードを託し、指示を出すと、三人は勇人に託す様に答えた

 

備前「おう!」

 

優花「……分かった!イオナちゃんは私の方に乗って!」

 

イオナ「うん!李の事は、お願い!」

 

イオナは優花の艤装の上に飛び乗り、優花、柏木そしてイオナは三人を救助しに向かった

 

勇人「『李 花郎(リー ファラン)』……テメェだけは……此処で殺す!!」

 

勇人は自身の姉と仲間が『こんな仕打ち』をされた事に激怒し、殺意剥き出しのまま、李に特攻するように突撃しながら毘沙門剣を振りかざすと……

 

李「それは此方の台詞だぁぁぁぁ!上城勇人ォ!」

 

カキーン!

 

李は即席で精製した空色の大剣『ナノマテリアルブレード』で勇人の攻撃を止め、お互い剣を交えた状態『鍔迫り合い』になった

 

勇人「テメェだけは……ゼッテー許さねぇ!」

 

李「フン!こんな『粗悪な剣』で私を倒せるのかな?」

 

勇人「その言葉……そのまま返すぜ!チョン野郎!」

 

李「ッ!?小日本(劣化民族)の分際で……嘗めるな!」

 

ドカッ!

 

ドカン!

 

勇人は李を蹴飛ばし、李もまた勇人を蹴飛ばし、互いが互いを蹴飛ばされた弾みで間合いを空ける様に離れつつ互いの主砲、副砲で攻撃しつつ、体制を立て直す様に構えた

 

勇人「ほぅ……やるじゃねぇか……」

 

李「貴様もな……」

 

勇人「……では始めるか……」

 

李「……ああ」

 

勇人 李「テメェの処刑をな!チョン野郎!(我是你的执行!日本鬼子!)

 

勇人は日本語で、李は母国語で怒鳴り叫び、お互い剣を振りかざしながら突進し始めた

 

そして蘭花達が拘束されている台座付近では……

 

備前「……アイツ、上手い様に李を挑発しているな」

 

優花「……アイツの目的は勇人君を殺す事ですからね……さて!私達も救助しますか!」

 

イオナ「ッ!?優花!近付いちゃダメ!」

 

優花「え……」

 

二人は台座付近に着地し、優花は蘭花達を助ける為に近付くと……

 

 

 

 

 

ゴン!!

 

 

 

 

優花「ブッ!イタタ……こ……これ『ATフィールド』!?」

 

優花はATフィールドにぶつかり、蘭花同様、鼻を押さえながら言うとイオナは呆れながら言った

  

イオナ「……言わんこっちゃ無い」

 

備前「敵も、そう簡単に渡してくれないらしいな……ってかイオナ、それ勇人の刀だよな?何故持っているんだ?」

 

備前はイオナが抱えている勇人の愛刀『ムラマサブレード』について聞くとイオナは淡々に答えた

 

イオナ「あの極太の鎖を斬る為に勇人から借りた」

 

備前「あの馬鹿……改造済みとは言え、日本刀の中でも『トップクラスのヤバイ妖刀』を貸すなんて……」

 

イオナ「そんなにヤバイの?」

 

イオナは備前の言葉に質問すると備前の代わりに優花が答えた

 

優花「ヤバ過ぎるわよ……それ『人の血を吸い続ける妖刀』よ……昔、その刀に殺された人の『怨霊』までもが憑いている『曰く付き』よ」

 

イオナ「うわ~……」

 

備前「しかも、その刀が『()()()()()()()()()()()』が使うと、使った奴は刀に魅せられ、そのまま取り憑かれ……ジェ〇ソンや〇レデターも腰を抜かす程の殺戮兵器(キリングマシーン)となってしまうんだ」

 

イオナ「……泣けるね」

 

優花「あ、それ勇人君の口癖……」

 

備前「そりゃ今、伊401の制御権はアイツが持っているからな……それなりの影響は出る筈だ」

 

二人の説明にイオナは顔を引き吊り、ドン引きしつつ刀を抜いた

 

イオナ「だけど、ATフィールドを斬らなければ……コンゴウ達は助からない」

 

優花「ちょ!?イオナちゃん!?話聞いていたの!?」

 

優花はイオナが刀を抜いた事に怒鳴ると、イオナは何故、刀を抜いた理由を答えた

 

イオナ「……私は人間ではなく『メンタルモデル』……刀の効力は効かない」

 

備前「……成程な、効力が聞くのは『持ち主として認められていない人間』だけだからな、メンタルモデルや俺達『艦娘』には『効かない』……という訳か……なら!」

 

優花「……勇次君の気持ちが分かった気がするわ、本当にイカれているよ」

 

備前「一応お前も、その『部類』に入るんだが?」

 

優花「……後で『御話し』ですね、なら!早く終わらせましょ!」

 

優花は勇人が優花用に改造した聖剣『エクスカリバー』を構えると備前も優花に合わせて構えた

 

備前「おう!」

 

備前(……エクスカリバーって、色々ツッコミたい所はあるが、時間が欲しい!さっさと始めるか!)

 

三人もまた、全てを終わらせるかの様に艤装や刀を構え、ATフィールドを攻撃し始めた

 

そう『全ての因果』を断ち切るかの様に……



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第57話「最終決戦 part 3」

1900 李の軍艦『コンゴウ Ars Nova』の甲板にて

 

勇人「フン!ハァッ!セイッ!オラァ!」

 

李「フン!ハァッ!」

 

カキーン!

 

ドゴン!

 

ドカン!

 

勇人(奴の剣や艤装の威力に『重さ』が無いが、駆逐艦特有の『すばしっこさ』があるな……しかも、コイツ……『秋月の艤装』を『使いこなせていない』な……)

 

李(重ッ!?何なんだ!アイツの剣に艤装の威力は!?奴の攻撃の一発ずつが『戦艦並』の威力だ……ここで秋月の艤装の『弱点』である『装甲の低さ』が出てくるなんて……)

 

勇人と李は互いにの主砲、副砲で砲撃し、更には愛刀での攻防し、互いを分析しながら激しい戦闘(殺し合い)をしていた

 

そして……

 

勇人「オラァ!!」

 

バキン!

 

勇人は李の攻撃を捌きながら、毘沙門剣でナノマテリアルブレードを地面に叩き壊す様に毘沙門剣でナノマテリアルブレードを縦に叩き、そこまま地面に叩き潰し、破壊した

 

李「チッ……」

 

勇人(今だ!!)

 

勇人「此処で死にさらせぇ!!」

 

勇人は勝機(チャンス)と言わんばかりに李に止めを刺そうと突撃したが……

 

李「……フッ」

 

シャキーン!

 

勇人「ゲッ!?」

 

李「死にさらすのは貴様だ!!」

 

李は直ぐに、新たなナノマテリアルブレードを二本『精製』し、二本を交差させ、勇人の胴体を鋏で斬る様に挟み斬ろうとしたが……

 

勇人「フン!!」

 

勇人は上半身を後ろに反らせ、李の攻撃を避け、後ろに反った反動を殺さず、ナノマテリアルブレードを上に蹴り飛ばし、バック転しながら間合いを離した

 

勇人「……そんなの、ありかよ……『アレ』をイオナに渡さなければ良かった……」

 

李「戦艦の癖に身軽な男だな……」

 

勇人は『ムラマサブレード』をイオナに貸した事に後悔し、李がナノマテリアルブレードを自由に精製出来る事に驚き、李もまた、勇人の超人的な反射神経に驚いた

 

勇人「……チッ!なら!CIWS AAWオート!!」

 

勇人は右腕の機銃『CIWS』を発射させたが……

 

李「無駄だ」

 

李もまた、勇人と同じシールド『ATフィールド』を発動させ、CIWSの攻撃を防いだ

 

勇人「ハァ!?何でテメェが『ATフィールド(それ)』を持っているんだ!」

 

勇人は李に怒鳴りながら聞くと李はドヤ顔をし、答えた

 

李「貴様がコンゴウ達を保護して貰った時に『夕張』と『明石』だっけか?そいつらが『深海棲艦から守る為』にコンゴウ、マヤに『クラインフィールドの代用品』として搭載してくれた『お陰』だ」

 

勇人「……人の物を『パクる』習性はチョンの『代名詞』だったよな」

 

李「何とも言え……貴様はもう『敗北』が確定したのだ」

 

勇人「敗北……か、此処で『勝利宣言』は『死亡フラグ』だぞ『三流』……」

 

李「ッ!?減らす口を!」

 

勇人「掛かってこい!『格の違い』を見せてやらぁ!」

 

李「上等!」

 

勇人(泣けるぜ……挑発したのは良いが、ATフィールドに超重力砲、そして自由にナノマテリアルブレード(無駄にデケェ剣)を作れるわ……反則だろ……まぁ、此処で負ける(殺される)気は無ぇが……なら……)

 

勇人は李を挑発し、『()()()』を思い付いたのか、ニヤつき、刀を収め、李の攻撃を避けつつ、一気に間合いを詰めたのだ

何故『急激に間合いを詰めた』かと言うと……

 

勇人「無駄ァ!」

 

ドカッ!!

 

李「ちっ!」

 

勇人「この()()なら、テメェのデケェ剣や艤装、ATフィールドが『使えないな』!」

 

李「チッ!しまった!?」

 

勇人は李に飛び蹴りをし、李の体制を崩し、更に近付いた

そう、勇人は『攻撃範囲の広い』李の目の前まで近付く事で、李自身の攻撃を無力化し、更に、勇人が『最も得意』とする『超近接戦闘(ステロゴ)』に持って行けるからだ

勿論、体制を崩された李は『勇人の間合い』から抜け出せず……

 

勇人「これで終わりだ………さぁ、テメェの罪を数えな!」

 

李「や……止めろォォォォ!」

 

李は勇人の『行動』に拒絶するかの様に叫んだが、勇人は拳を握り締め、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」

 

 

 

 

 

 

ドカカカカカカッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人の激しい拳のラッシュにより、李は顔面が変形し、艤装は殴られた弾みで外れ、身体は青アザが出来る等、端から見ても『再起不能』と分かる位、勇人は李を拳の連打を打ち続け、殴り飛ばした

 

勇人「はぁ……はぁ……本当は殺したいが、テメェは『然るべき方法』で償って貰うからな……あー!クソッタレ!やっと終わったァー!」

 

勇人は気絶している李の横で疲れ果て、崩れる様に座り込むと備前が勇人に怒鳴る様に叫んだ

 

備前「終わったんなら手伝え!ATフィールドが壊れないんだ!」

 

優花「なかなか壊れないわね……」

 

イオナ「泣けるね……」

 

勇人「……イオナ、それ俺の台詞だ……やれやれ……ん?」

 

勇人は立ち上がり、備前の所まで移動しようとした途端、『何か』が勇人の足下に掴まり、勇人の移動を阻止するかの様に、引っ張っていた

その『正体』は……

 

長10cm砲1「ミュー!ミュー!」

 

長10cm砲2「!」

 

勇人「秋月の『長10cm砲』か……どうした?」

 

勇人は秋月の艤装の一部で、秋月の相棒的な存在『長10cm砲』に聞くと、長10cm砲はジェスチャーで勇人に伝えた……「僕達も手伝いたい」と………

 

勇人「……分かった、付けれるか分からねぇが……秋月の艤装を持ってきてくれ」

 

勇人は長10cm砲に頼むと、長10cm砲は喜んでいるのか、スキップしながら艤装を持ってきてくれた

 

勇人「サンキュー……先ずは艤装解除!さぁ、着けてくれ」

 

勇人は艤装を解除すると、艤装は発光し、消え、代わりに秋月の艤装を装着した

 

勇人「軽いな……ん?プレートに……『ショートランド拍地所属』に『秋月』……はぁ~……また蘭の所か……後で蘭に調べて、分かり次第『供養』するか……行くぞ」

 

勇人は秋月の艤装に長10cm砲を乗せ、備前達がいる場所に向けて飛び降りた

 

 

 

場所は変わり、蘭花達が束縛されている台座付近にて

 

スタッ!

 

勇人「よっと!待たせたな!」

 

備前「ス〇ークか、お前は……」

 

優花「どちらかと言うと雷〇だと思うが……ってか何で李の艤装を着けているの?」

 

優花は勇人が今、装着している秋月の艤装について聞くと、勇人は簡潔に答えた

 

勇人「ん?この艤装か?これは李のではなくて『ショートランドの秋月』の物だから、戻ったら供養すんだよ」

 

備前「……お前らしいわ、それじゃ秋月の為にも、さっさと終わらすか!勇人!頼んだ!」

 

優花「お願いね♪」

 

イオナ「よろしく」

 

勇人「お前らなぁ……」

 

備前、優花そしてイオナは疲れきっているのか、勇人に御願いすると、勇人もまた、疲れきっているのか、溜め息をし、答えた

 

勇人「……しゃーない、やりますか!ドッセイ!」

 

グサッ!

 

勇人「オラァ!」

 

クパァ!

 

勇人は毘沙門剣を取り出し、そのままATフィールドに挿し込み、挿し込んだ剣の隙間に両手を入れ、引き裂く様にATフィールドを抉じ開け、そして……

 

勇人「長10cm砲!発射!」

 

ドカン!

 

勇人が長10cm砲で攻撃した事で、脆くなったATフィールドは、そのままガラスが砕ける様に崩れ去った

 

備前「完全に『壊し方』がエヴ〇じゃねぇか……」 

 

そして、ATフィールドが壊された事により……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり コンゴウの『情報共有ネットワーク』通称『お茶会』にて

 

バリーン!!

 

 

蘭花「ッ!!コンゴウ!何か割れた音がしたわ!」

 

コンゴウ「ATフィールドが『無くなっている』!?まさか!」

 

そう、勇人がATフィールドを壊した『お陰』でコンゴウ達のATフィールドまでもが壊れたのである

コンゴウはATフィールドが張られていた場所に手を差し出すと、差し出された手は薄くなり、そして……

 

フッ……

 

蘭花「ッ!?コンゴウが消えた!?」

 

コンゴウは煙の如く『姿を消した』のだ

 

マヤ「まさか!蘭花!」

 

蘭花「……ええ!」

 

二人もまた、コンゴウが消えた場所に行き、煙の様に消えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、勇人達がいる台座付近にて

 

蘭花「うぅ……ん?此処は……」

 

コンゴウ「……どうやら戻れた様だな」

 

マヤ「はぁ~……一時はどうなるかと思ったよ……ありがとう」

 

備前「動くなよ……セイッ!!」

 

優花「ヤァ!」

 

イオナ「よっこいしょ!」

 

バキン!

 

三人は目が覚めると、備前、イオナそして優花は三人を縛っている鎖を斬り、言った

 

備前「よぉ上城!四年振りだな♪」

 

備前は笑顔で言うと、蘭花は首を傾げ、答えた

 

蘭花「へ?どちら様ですか?」

 

備前「俺だ!柏木だ!!」

 

蘭花「へ?柏木君!?何時『性転換』したん!?」

 

備前「ドンだk……って!オネェになってねぇよ!昔の事故で『艦娘』と同等の力を得たんだ!艤装を解除すれば元に戻るわ!!ってか、お前も『知っている』だろうが!!」

 

蘭花「フフッ♪冗談よ♪」

 

備前「……姉弟揃って『キツイ冗談』を言いやがって……」

 

勇人「俺は『そんな冗談』は言わないg……備前「お前じゃねぇ!勇次の方だ!」……スマン、愚弟が……」

 

コンゴウ「やれやれ……お前が上城勇人か?」

 

コンゴウは茶番している蘭花と備前を見て呆れつつ、勇人に聞くと、勇人は「ん?そうだが?」と答え、コンゴウは勇人に頭を下げた

 

コンゴウ「ありがとう……お前の『お陰』で助かった」

 

マヤ「ッ!?コンゴウが……」

 

蘭花「頭を下げたァ!?」

 

備前「ん?そんなに『珍しい事』なのか?」

 

優花「さぁ?」

 

コンゴウは勇人に御礼をした事に蘭花とマヤは驚き、備前と優花はコンゴウの行為は『当たり前』だと思っていたのか首を傾げると勇人は微笑みながら答えた

 

勇人「フン♪気にすんな♪此方こそ佐世保の連中の面倒を見てくれて、ありがとう」

 

コンゴウ「世話になっている身だ……それ位、やらないとな」

 

備前「あの……お二人さん、そろそろ脱出しないと『ヤバイ』んだが……」

 

勇人「ヤバイ?それはどういう……」

 

ゴン!

 

勇人「痛ッ!?なんじゃこりゃ!!」

 

備前は勇人とコンゴウに言うと勇人は瓦礫が頭に当たり、頭を擦りつつ、血相を変え、焦り出した

何故なら……

 

コンゴウ「李か倒れた事によって……合体状態が『保てなくなった』んだ……」

 

そう、李が倒れた事により、『コンゴウ Ars Nova』の体制が保てなくなり、崩壊するかの様に分裂し始めたのだ

 

勇人「優花と柏木そしてイオナは三人を連れて脱出しろ!」

 

備前「お前はどうするんだ?」

 

勇人「……あれを見てみな」

 

備前「あれって……なっ!?」

 

勇人は備前に言うと、備前は李が倒れた場所を見ると驚いた

何故なら……

 

優花「チッ!アイツも勇人君と同じ『ゴキブリ並』のタフさを持っているなんて……」

 

勇人「ゴキブリって……俺は『某破天荒な警察官(両津〇吉)』じゃねぇぞ……まぁ『しぶとさ』は認めてやるが……」

 

李「……上城勇人……お前だけは許さん!」

 

そう、李はふらつきながらも、立ち上がっていたのだ

そして李は懐から黒みを帯びた紫色の液体が入った注射を取り出し、自身の首に注射を刺し、紫色の液体を身体の中に注入した

 

勇人「ッ!?あれは!?」

 

備前「ん?勇人、李が持っている『ヤバそうな液体が入っている注射』は何だ?」

 

備前は勇人に質問すると勇人は慌てながら答えた

 

勇人「……『D-cell』だ、しかも純度の高いヤツを高濃度に凝縮したヤツだ!」

 

備前「はぁ!?それって、深海棲艦の『身体の中』にある『アレ』の事か!?そんな事をしたらアイツの身体は拒絶反応を起こして『死ぬ』ぞ!何故アイツは『自殺行為』を?」

 

勇人「……ヤツの賭けかもな……もし『拒絶反応を起こさなかった』ら……ヤツは()()()()『深海棲艦』になってしまう可能性があるんだ」

 

備前「……知っていたのか、お前の身体の中に『D-cell』が()()()()()()に……」

 

備前は俯くと勇人は鼻で笑い、答えた

 

勇人「当たり前だ、自分の身体だからな……勿論、()()()()()も習得済みだ」

 

備前「……体内のD-cellを操作出来るなんて……チート過ぎるだろ……」

 

勇人「お前が言うな」

 

蘭花「勇人……」

 

蘭花は勇人を心配し、少し不安そうに言うと、勇人は笑いながら答えた

 

勇人「大丈夫や!俺は昔の俺より『強くなった』からな!」

 

備前「俺より『弱い』がな♪」

 

勇人「コラ、それを言うな」

 

備前「ハハハ♪だが『強さ』は『折紙付き』だ♪上城、お前の弟は、()()()()()()()()()()に『強く』『優しい』そして『ゴキブリ並のしぶとさ』を持っている男だからな♪」

 

勇人「だからゴキブリ言うな」

 

備前「ならゴキブリじゃなくて『両津勘〇並のしぶとさ』と表現した方が良いのか?」

 

勇人「一緒じゃねぇか!!」

 

勇人と備前は蘭花の不安を取り除く様に笑いながら喋ると蘭花は安心したのか、笑い、安堵し、言った

 

蘭花「フフッ……分かったわ、勇人……アイツに『みんなの怒り』をぶつけて!そして『生きて帰ってきて』!」

 

勇人「分かったよ……()()()

 

備前「さて、俺達は脱出しますか!」

 

イオナ「うん!勇人、秋月の艤装を……」

 

勇人「はいよ……頼んだ」

 

備前達は勇人を残し、そのまま伊401に向けて飛び立った

 

そして……

 

深海棲艦化した李改め『戦艦讐鬼』「佐世保ノ龍!オ前ダケハ……」

 

勇人「相当、地に落ちたな……だが、お前のお陰で『深海棲艦』として『殺せる』事が出来るからな!さぁ!『最終ラウンド』だ!」

 

勇人はD-cellの影響なのか、醜く、大量の触手や角が生え、復讐の鬼となった李を哀れに思いつつ、気合いの入った強い口調で構え、艤装を転換した

 

そう、これで『全てが終わらせる』かの様に……



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第57話「最終決戦 part 4」

勇人が戦艦讐鬼と対決している頃 上空にて

 

女性記者「はい!只今、日本海とK国の間の海域に突如現れた謎の『未確認物体』付近にいます!今、未確認物体の中には『全国指名手配中』の男性『上城勇人』容疑者が艦娘と同じ兵器らしき物を背負って『化け物』と戦っています!」

 

上空では記者用のヘリコプターが崩壊する『コンゴウ Ars Nova』の周辺を飛び回り、記者が勇人と戦艦讐鬼が戦っている様子を撮影、レポートしていた

そして……

 

柏木「はぁ……危なかった……『Ars nova』じゃ無かったら間に合わなかったぜ……」

 

優花「間に合った……」

 

蘭花「二度目の死は勘弁願いたいわ……」

 

マヤ「速すぎるよ……」

 

コンゴウ「凄いな……」

 

イオナ「……ん?疾風、あれは?」

 

イオナは記者用のヘリコプターを発見し、艤装モード『Ars nova』に転換した備前改め柏木に報告すると、柏木はヘリコプターを見て「ヤベッ……」と頭を抱え、答えた

 

柏木「……あれは記者用のヘリだ……優花!急いで群像の所に戻るぞ!あれに撮られたら俺達は色んな意味で『首が飛ぶ』ぞ!!」

 

優花「分かっています!」

 

二人は全速力で群像がいる伊401に向けて飛ばしたが……

 

女性記者「あれは!人が……艦娘に似た兵器で空を飛んでいます!しかも上城容疑者と同じく『全国指名手配中』の『柏木疾風』容疑者に『霧乃イオナ』容疑者です!そして指定暴力団『神城会』傘下の『桜花連合』の会長の孫である『桜花優花』さんが『見知らぬ女性』を運んでいます!」

 

優花 柏木「……アカーン!!」

 

蘭花「ヤバッ!」

 

マヤ「イェーイ♪ピース♪」

 

コンゴウ「ん?撮られてマズい事があるのか?」

 

コンゴウは柏木に聞くと柏木と優花そして蘭花は罰の悪そうな顔になり、答えた

 

柏木「勇人含めて、俺達の『艤装』は『特別防衛機密』……言わば『国のトップシークレット』扱いだから『国民の前』で晒したら『首が飛ぶ』んだ……立場的にも、物理的にも……」

 

蘭花「そして私は四年前に『死亡』した事になっているから、医学界の連中にラット扱いされるのよ……ってか優花さん!貴女も極道家庭だったの!?」

 

優花「はい、元々は神城会と対立していましたが……」

 

蘭花「詳しい話は終わった後で聞くわ……」

 

コンゴウ「……つまり今、撮られたら『色々と非常にマズイ』んだな……401」

 

イオナ「分かった……長10cm砲、威嚇射撃をお願い」

 

イオナは勇人から借りた『秋月の艤装』を使ってヘリコプターに威嚇射撃をすると、ヘリコプターは威嚇射撃に臆したのか柏木達から離れた

 

女性記者「アヤヤヤヤヤ!!なんと言う事でしょう!霧乃イオナ容疑者が我々に撃って来ました!これは非常に危険ですが、我々は未確認物体の内部の様子をレポートしたいと思っています!」

 

ヘリコプターは『コンゴウ Ars nova』内部を撮影しに再び周辺を飛び回った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方 『コンゴウ Ars nova』にて

 

勇人「超電磁砲!発射!」

 

戦艦讐鬼「無駄無駄ァ!」

 

 

 

ドーン!

 

 

勇人と戦艦讐鬼は激しい攻防を繰り返していた

 

勇人「ったく、俺は〇リスじゃねぇのに……そもそもアレ……『深海棲艦』と呼ぶべきなのか?『俺の姿』より酷いな……泣けるぜ」

 

戦艦讐鬼「死ネェェェェェ!」

 

勇人「よっと!」

 

戦艦讐鬼は触手を使って勇人を刺そうとしたが、勇人は避けながら愛刀で切り落とし、呆れながら応戦した

 

勇人「……しかも理性が無ぇとは……相当、俺に『恨み』があるみたいだな」

 

戦艦讐鬼「当タリ前ダ!貴様ハ『我ガ一族』ヲ地獄ニ落トシタノダ!モウ『任務』トカ『ドウデモイイ』ノダ!」

 

勇人「我が一族?ああ……クラインホールドシステムの誤作動でお前の国が閉鎖、壊滅寸前にされた事か?あれは、お前達のせいだろ?追撃しなければ『こんな事』にならなかっただろ?逆ギレは良くねぇぞ、化け物♪」

 

戦艦讐鬼「貴様ァ!!」

 

勇人(後ろに記者用のヘリ……ヤバいな……民間人だけは巻き込みたく無ぇ……もう『首がぶっ飛ぶ覚悟』で暴れるか!)

 

勇人は外面では余裕のある挑発をしていたが、記者用のヘリコプターが居るのに気が付いており、戦艦讐鬼の攻撃により撃墜されないか内心、焦っていた

 

そして勇人は決断したのか上着を早脱ぎをし……

 

勇人「さぁ!カーニバルのフィナーレと行こうか!『battle mode Ars nova』!」

 

戦艦讐鬼「ッ!?」

 

勇人「さぁ来いよ……ウスノロ」

 

戦艦讐鬼「モウ許サン!此処デ死ネェェェェェ!」

 

勇人(……さて、『時間内』に倒さないと、俺までもが『深海棲艦』になってしまうからな!一気にケリ付けてやるか!)

 

そう……『勇人自身の首が飛ぶ覚悟』で自身の中でも『最強形態』である『Ars nova』に艤装転換し、そのまま戦艦讐鬼との攻防を再開した

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、佐世保鎮守府では……

 

蘭「ッ!?何だアレは!?そして兄さんが若返ったァ!?」

 

吹雪「え……えぇぇぇぇ!?あのヤンキーが……学生時代の司令官なんですか!?」

 

蘭「ああ……」

 

大和「何なの……」

 

夕張「キモッ!そして提督が若返ったァ!?」

 

鈴谷「夕張!それ私の台詞!!」

 

鹿島「……アレ、提督さんなの!?」

 

香取「ヤンキー感が凄いですね……」

 

陸奥「……正直言って近寄りがたいわ」

 

長門「……恐ろしいな……」

 

佐世保鎮守府にいた全員がテレビに映っていた李こと『戦艦讐鬼』と艤装モード『Ars nova』に転換した勇人の姿を見て驚愕した

 

武蔵「提督が『あんな状態』にならなざるを得ない状況だ……少尉!我々も……」

 

武蔵は蘭に出撃の許可を貰おうとしたが、蘭は頭を横に振り、答えた

 

蘭「無理だ……私達の力では『どうしようも出来ない』」

 

大和「そんな……」

 

蘭「それに佐世保から出撃しても『艤装の燃料』が持たない……」

 

蘭側の金剛「hory shit!テートク!何か策は無いのデスか!?」

 

蘭側の金剛は悔しそうに質問するが蘭は頭を横に振り、答えた

 

蘭「……今は制圧している兄さん達を『信じる』しか……」

 

吹雪「……司令官……」

 

蘭を含め、佐世保鎮守府全員が勇人達が戦艦讐鬼に勝つ事を願った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻り 『コンゴウ Ars nova』にて

 

勇人の『活動限界』まで残り時間『60秒』……

 

勇人「ハァァァァァ!」

 

勇人は戦艦讐鬼を斬っていたが……

 

戦艦讐鬼「効カヌワ!」

 

ドカッ!

 

勇人「グハッ!」

 

戦艦讐鬼は勇人に腕や触手を斬られたが、斬られて失った所を『再生』し、再生した触手を使って、勇人を凪ぎ払い、勇人は吹き飛ばされ、壁に打ち付けられた

 

勇人「チッ!只でさえ面倒な事になっているのに『再生』まで……なら!超重力砲!発射!」

 

勇人は主砲である超重力砲を構え、戦艦讐鬼に向けて射つと戦艦讐鬼もまた『コンゴウ Ars nova』の超重力砲を使って、勇人の超重力砲を双殺した

 

勇人「……そうだった、今『コンゴウの軍艦』はアイツに主導権を握られているんだった……」

 

戦艦讐鬼「無駄ナ事ヲ……シカモ、貴様ハ、後ロノ『ヘリ』ヲ『庇イナガラ』攻撃シテイル事位『オ見通シ』ナンダヨ!」

 

勇人「……だとしたら何だ?」

 

勇人は戦艦讐鬼の言葉に少し冷や汗を流しつつも、挑発染みた口調で答えると戦艦讐鬼は触手を使ってヘリに照準を合わせた

 

女性記者「……へ?」

 

戦艦讐鬼「……アノ『ヘリ』ゴト、ソノママ沈メ!」

 

女性記者「ッ!?」

 

勇人「ッ!?させるかぁ!!」

 

勇人は戦艦讐鬼が触手を使ってヘリコプターに攻撃し始めると、勇人は急いでヘリコプターに向かって来る触手を防ごうと向かい……

 

グサッ……

 

 

女性記者「………へ?私は生きて……ッ!?」

 

女性記者は戦艦讐鬼によって『沈められずに済んだ事』に安堵したが、女性記者の『目の前』の光景を見て、絶句した

 

何故なら……

 

勇人「ガバッ……」

 

勇人が女性記者……いやヘリコプターを庇い、血を吐き、戦艦讐鬼の触手により串刺しになっていたのだ

 

戦艦讐鬼「フハハハハ!殺ッタゾ!遂ニ佐世保ノ龍ヲ『コノ手』デ!」

 

女性記者「上城容疑者!?」

 

女性記者は勇人を『犯人呼ばわり』をしつつ、勇人の容態を確認すると、勇人は血を吐き、身体に刺さった触手を抜き取り、答えた

 

勇人「チッ!糞が……俺は『無罪』だって言っているだろ……マスゴミが……おい!マスゴミさんよ!」

 

女性記者「なっ!?マスゴミですって!?名誉毀損罪で……勇人「黙って聞け!クソアマが!」……ヒィッ!」

 

勇人は女性記者に睨み付け、女性記者……いやテレビを通じて世界中の人達に『事の真相』を話した

 

勇人「アイツの正体は『龍光会』の『李 花郎』だ!アイツらは艦娘や無関係な人達を脅し、『実験材料』として扱った犯罪グループだ!俺達『日本軍』や『蒼き鋼の艦隊』そして『霧の艦隊』は龍光会を『殲滅』するために行っていたんだ!分かったんなら早く離脱しろ!マスゴミが!」

 

女性記者改め『風村』「たがら私はマスゴミじゃなくて『風村綾』と言いm……勇人「知るか!それに二度も同じ事を言わせんな!早く消えろ!」……い……嫌です!私も世界中の人達に『真実』をお伝えする義務があります!」

 

勇人は女性記者を一喝するが女性記者『風村綾』が勇人の命令を拒否し、勇人の殺気に臆しながら言うと勇人は舌打ちをし、答えた

 

勇人「勝手にしろ!殺されても責任はとらんぞ!」

 

風村「分かりました!此処からは自己責任で行います!たがら……勝って下さい!」

 

勇人「……当たり前だ」

 

勇人は、唾を吐き捨てる様に血を吐き捨て、ふらつきながらも立ち上がり、所々『亀裂』や破損した『艤装』を構え、怒鳴った

 

勇人「……仕切り直しだ!行くぞゴルァァァァァァ!」

 

戦艦讐鬼「チッ!シブトイ奴ダ!!」

 

勇人「ウォォォォォ!」

 

ズサッ!

 

ズササッ!

 

戦艦讐鬼「ナッ!?」

 

勇人「このまま死に去らせぇ!!」

 

勇人は自身の活動時間が『限界』に達しているのにも関わらず、突進し、戦艦讐鬼の触手を刀で凪ぎ払い、戦艦讐鬼の目の前まで近付き、そのまま愛刀『毘沙門剣』で戦艦讐鬼を突き刺そうとした途端……

 

 

 

 

 

 

ドクン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「ッ!?」

 

カラン………

 

風村「ッ!?どうしたのですか!?上城容g……勇人さん!!」

 

勇人「ウグッ………ハァ………ハァ………『お前』なぁ……こんな時に……」

 

戦艦讐鬼「今ダ!オラァ!」

 

ドカッ!

 

勇人「ガハッ!」

 

戦艦讐鬼「今度コソ!息ノ根ヲ!」

 

風村「勇人さーん!!」

 

勇人は刀を落とし、膝を地面に着け、苦しそうに息切れをすると戦艦讐鬼はチャンスと言わんばかりに勇人を蹴飛ばし、勇人が落とした刀を拾い、そのまま踞っている勇人に向けて拾った刀を投げ、止めを刺そうとした

 

だが……

 

 

 

 

 

 

ガシッ!

 

 

 

 

 

 

 

風村 戦艦讐鬼「ッ!?」

 

勇人?「………ごちゃごちゃウルサイよ……折角『御兄様』を『休ませる』のに成功したのに……こんばんは♪化け物さん♪」

 

勇人らしき人……いや『勇人がいた場所』には『満身創痍になっていた勇人』ではなくて蝙蝠に似た翼に赤いドレスを着た某鬼畜な妹に似た『金髪の少女』が現れ、少女は戦艦讐鬼が投げてきた刀を鷲掴みをし、刀を持ち変え、笑いながら戦艦讐鬼に言うと戦艦讐鬼は勇人が『金髪の少女』に変わった事に驚き、怒鳴った

 

戦艦讐鬼「貴様……誰ダ!!」

 

勇人改め『金髪の少女』「私?私は『もう一人の御兄様』だよ♪」

 

戦艦讐鬼「フザケルナ!」

 

金髪の少女「ふざけてないよ♪まぁ……しいて言うなら……」

 

金髪の少女は一呼吸置き、狂ったかの様に笑い、殺意の込めた笑顔で答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金髪の少女改め『戦艦女帝』「私はD-cellにより創られた勇人御兄様の『もう一人の人格』……『深海棲艦』の『戦艦女帝』よ♪宜しくね♪化け物さん♪そして……さようなら」

 

戦艦女帝は笑いながら刀を戦艦讐鬼に向けて投げると、戦艦讐鬼の胸に刺さり、戦艦讐鬼は痛み、もがき始めた

 

戦艦讐鬼「グハッ!!何故ダ!何故貴様ガ『私の核』ノ場所ヲ……」

 

戦艦女帝「そりゃ、姿は『違う』が私と貴方は『同類』でしょ?それ位『知ってて当然』でしょ♪よっと!」

 

ズボッ!

 

戦艦讐鬼「グハッ!」

 

戦艦女帝は戦艦讐鬼に刺さった刀を引き抜き、笑いながら答えた

 

戦艦女帝「それに、姿は違うが私は『御兄様』をベースに創られた人格だから、私も御兄様と同じく、アンタを『殺したい』の♪さぁ!『御兄様主宰のカーニバル』の続きを始めようか♪化け物さん♪」

 

戦艦讐鬼「ッ!?アハハハ!オ前ミタイナ『ガキ』ガ、私ヲ?ナラ、アソンデヤルヨ!クソガキ!」

 

戦艦女帝「アハハハ♪そこまで言われちゃ、もう『やり直し(コンテニュー)』はできないよ♪此処で……死んでね♪『三流以下の雑魚』の深海棲艦さん♪」

 

戦艦讐鬼「コノ……クソガキガァァァァァ!!」

 

戦艦女帝「アハハハ♪そう来なくっちゃ♪さぁ!私と遊びましょ♪」

 

戦艦女帝(私が『御兄様』の代わりに殺っておくから、休んでて♪ヤバくなったら『交代』するから♪)

 

勇人(……ほどほどにな)

 

戦艦女帝は狂ったかの様に笑い、戦艦讐鬼の核に向けて攻撃し始めた

 

戦艦女帝が満身創痍の勇人を休ませる様に気遣いつつ、勇人の代わりに『ゲームを楽しむ子供』の様に……



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第57話「最終決戦 Last part」

戦艦女帝「アハハハ♪どうしたの?私に『薄い本』に出てきそうな攻撃ばかりやって?貴方、ロリコンなの?マニアックな性癖だね♪」

 

戦艦讐鬼「チッ!」

 

戦艦讐鬼(クッ!ナンダ……ガキトハ思エナイ『パワー』ト『スピード』ダ……強過ギル……)

 

戦艦女帝は戦いを楽しむかの様に笑い、戦艦讐鬼に近寄りつつ、触手を切り落として行った

 

風村「凄い……」

 

戦艦讐鬼「貴様ダケデモ……ハァッ!」

 

風村「ヒィッ!」

 

戦艦讐鬼は風村が乗っているヘリコプターに向けて触手による攻撃を始めたが……

 

ガシッ!

 

戦艦讐鬼「ナッ!?」

 

風村「え!?」

 

戦艦女帝「お姉ちゃん!邪魔だから退いて!それに貴方、余所見している『余裕』があるの?今の相手は私でしょ……そぉーれっ!」

 

ブチブチブチッ!

 

戦艦讐鬼「ギャァァァァァ!触手ガァァァァァ!全部千切レタァァァァァァ!」

 

戦艦女帝「ねぇ?子供だからって舐めているの?舐めていると……死ぬよ♪」

 

戦艦女帝は戦艦讐鬼の触手『全部』を抱え込み、一気に引き千切ると戦艦讐鬼は引き千切られ、もがき、苦しんでいると戦艦女帝は拍子が抜けたのか、飽きた様子で呟いた

 

戦艦女帝「……触手ばっかり相手にするの『飽きた』、今度は貴方を斬らせてね♪」

 

ズサッ!

 

戦艦讐鬼「ギャァァァァァ!腕ガァァァァァ!」

 

戦艦女帝「たかが腕位で嘆かないで♪それに『再生』するのでしょ?あ!?ついでに、もう片腕『もーげろ』♪」

 

ズサッ!

 

戦艦讐鬼「ギャァァァァァ!」

 

戦艦女帝は戦艦讐鬼の左腕を切り落とし、右腕を引き千切ると戦艦讐鬼は痛み、更に、もがき続けると戦艦女帝はつまらなそうに言った

 

戦艦女帝「……もう終わりなの?御兄様も何故、こんな雑魚相手に手を焼いたのかな?まぁ……どうでも良いけど……」

 

風村「すみません……私のせいで……」

 

戦艦女帝「そう思っているのなら帰って!」

 

風村「嫌です!」

 

戦艦女帝「……御兄様の気持ちが分かった気がするよ」

 

戦艦讐鬼(チッ……サッキノ攻撃デ核ガ傷付キ、再生機能ガ『失ッテイタ』トハ……今、アノ『ガキ』ニバレタラ……)

 

戦艦女帝「あれ?再生してこない?ひょっとして、さっきの攻撃で再生機能が失ったのかな?」

 

戦艦讐鬼「ッ!?ドウシテソレヲ……」

 

戦艦女帝は勇人と戦っている時の戦艦讐鬼の違和感を感じ、結論を出すと戦艦讐鬼は動揺し、戦艦女帝は「やっぱり♪」と子供がクイズに正解したかの様に喜び、答えた

 

戦艦女帝「だって、貴方……顔に出やすいから♪勿論、同情するつもりは無いけどね♪」

 

戦艦女帝は殺意の込めた狂った笑みをし、戦艦讐鬼を見ると、戦艦讐鬼は臆し、答えた

 

戦艦讐鬼「ヒィッ!マ……待ッテクレナイカ!コレデハ『フェア』ジャナイ!」

 

戦艦女帝「フェア?貴方は何を言っているの?これはゲームでもあり『殺し合い』よ♪それに貴方は、そうやって『命乞いをしてた艦娘や無関係の人達』に酷い事をしてたのでしょ?なら、殺されても『文句』は言わないで♪」

 

戦艦讐鬼「ユ……ユルシテクレ……」

 

戦艦女帝「まぁ……ぶっちゃけ『飽きた』から御兄様、後は宜しく♪」

 

戦艦女帝は目を瞑ると発光し、光が収まると、串刺しの傷が治り、多少回復した勇人に代わった

 

勇人(お前にしては『飽きるの早いな』……まぁ良い、今回ばかりは『感謝』するぜ戦艦女帝……お陰で多少回復した……終わったら飯を作ってやるからな)

 

戦艦女帝(ワーイ♪初めて御兄様に褒められた♪あ!肉料理ではなく魚料理でオナシャス!あの化け物と被るから♪)

 

勇人(……我儘なガキだな……分かった)

 

戦艦女帝(ヤッター♪じゃ、後は宜しく♪)

 

勇人は目を瞑り、戦艦女帝と会話をし、会話が終わると、目を開け、戦艦讐鬼を睨んだ

 

ギロッ!

 

戦艦讐鬼「ヒィッ!」

 

勇人「……随分、生意気な事をやってくれたよな?無関係なパパラッチに攻撃したりと……楽して死ねると思うなよ」

 

戦艦讐鬼「マ……待ッテクレ!確カニ私ハ、パパラッチヲ攻撃シタガ、艦娘ヤ無関係ナ人達ヲ『ラット』トシテ扱ッタ事ハ、亡キ将軍様ノ命令デ……私ハ悪ク無イ!」

 

勇人「……この気に及んで、また他人のせいにするのか……もう、性根が腐っているレベルじゃねぇな……哀れ過ぎるぞ……まぁ良い、荒療治だが……今から『治療』を始めるか」

 

戦艦讐鬼「治療?」

 

勇人はそう言い、背中の艤装のみ解除し、戦艦讐鬼に向けて構えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「ああ、テメェを日本海軍の『ラット(実験材料)』として扱う事をな!」

 

戦艦讐鬼「ッ!?待ッテクレ!私ガ……実験材料ニ!?ナラ、死ンダ方ガ、マダ『マシ』ダ!」

 

勇人「言った筈だ……今から治療を始めると……その前に……テメェが()()()()()()()()()()()()()()()!」

 

戦艦讐鬼「ヤ……ヤメロォォォォォ!」

 

勇人は静かに、そして未来や亡き秋月達の『思い(怒り)』を拳に乗せるかの様に、強く握り、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「一括払いで返すぜ(キャッシュ払いで行くぞ)!……スゥ………無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄………」

 

 

 

 

 

ドカカカカカカカ!

 

 

 

 

勇人は未来達の思い(怒り)を乗せた拳を戦艦讐鬼に向けて拳をぶつけていた

 

そう、その拳『一発ずつ』が龍光会によってラットにされ、亡くなった人達の『思い(怒り)』をぶつける様に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「そして、これは俺達や孫達(群像達)の分だァァァァァァ!」

 

 

 

ドカカカカカカカ!

 

 

そして、今度は蹴りまで入り、ただひたすら戦艦讐鬼に殴り、蹴り飛ばしていた

 

そして……

 

勇人「そして……これはテメェに艤装を盗られた『秋月』の分だァァァァァァ!」

 

 

ドカッ!

 

勇人は一呼吸を置き、怒鳴りながら宙に浮いた戦艦讐鬼を拳を戦艦讐鬼の顔面にめり込むように殴り飛ばした

 

 

そして……

 

 

 

 

 

 

戦艦讐鬼「ハァ………グハッ……」

 

 

勇人「お前の治療代の釣り……返すぜ!ファイヤーミラー……転射!」

 

 

戦艦讐鬼「ヤ……ヤメ……」

 

 

ドカーン!

 

 

勇人は止めと言わんばかりにファイヤーミラーに溜め込んでいた超重力砲を倒れていた戦艦讐鬼に返すと戦艦讐鬼は再生不可能になったのか、深海棲艦の艤装が剥がれ落ちる様に外れ、深海棲艦の力が無くなり、戦艦讐鬼は元の姿である李に戻った

 

李「……」

 

勇人「………後は『麻酔薬』を投与してと……これで完了だ……大淀、聞こえるか?」

 

勇人は李に麻酔薬を打ち、『再起不能』になった事を確認すると、スマホで佐世保に居る大淀に連絡し始めた

 

大淀「提督!?大丈夫ですか!?」

 

勇人「大丈夫だ……ってか『生中継』されていたな……まさか……全部『見てた』?」

 

大淀は勇人の事が心配してたのか、声を荒げながら質問すると勇人は疲れきったのか、少し覇気の無い口調で答えると、大淀は勇人が無事だと知り、泣きながらも勇人の無茶な戦いに少し怒り、涙声が混じった強い口調で言った

 

大淀「当たり前です!!あんな無茶な戦いをして!!もし提督が死んだら、どうするつもりだったのですか!!私も含め『皆さん』も心配していましたよ!!他の鎮守府の提督達や艦娘達まで心配させる様な事をして……」

 

勇人「……お前は俺の母親かって……」

 

大淀「違います!奥さん(仮)です!」

 

勇人「奥さん(仮)って……あ……そう言えば佐世保から出る前に『上限突破の儀式(ケッコンカッコカリ)』をやっていたな……その話は置いといて……大淀、今から報告するから、報告内容を『全ての鎮守府や拍地』に一斉に伝達してくれよ」

 

大淀「もう………貴方ったら……分かりました、では提督……報告を……」

 

勇人は怒り疲れた大淀に御願いすると、大淀は勇人に呆れつつ、承諾すると、勇人は一呼吸を置き、大淀に報告を始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「アンノウンの轟沈それと同時に『龍光会』の完全消滅を確認、そして『霧』と『蒼き鋼』の両艦隊の保護完了……『龍虎の艦隊(俺達)』の完全勝利だ……これより『霧』と『蒼き鋼』を連れて帰還する」

 

大和「ヤッター!」

 

吹雪「流石です!司令官!」

 

武蔵「流石、提督だな!お疲れ様♪」

 

球磨「無事で良かったクマ♪」

 

足柄「やるじゃない♪ダーリン♪」

 

伊168「足柄さん!勇人は貴女の夫じゃないです!だけど……無事で良かった……」

 

天龍「一時はどうなるかと思ったぜ……」

 

龍田「そうね……相変わらず無茶する提督だわ♪」

 

蘭「兄さん……お疲れ様」

 

ワー!ワー!

 

ヒャッハー!宴だー!

 

勇人(全く……あ!?忘れる所だった……)

 

勇人は大淀に報告するとスマホ越しではあるが艦娘達や蘭の歓喜や勇人を労う声が聞こえ、勇人は佐世保鎮守府『みんなの声』を聞いて、安心し、大淀に言った

 

勇人「大淀、舞鶴にいる『千川大地』という提督に伝えてくれないか?『後片付けが終わったら、改めて御礼に行く』と……」

 

大淀「舞鶴にですか?分かりました……くれぐれも粗相の無いように御願いしますね♪」

 

大淀は勇人に了承しつつ、冗談を言い残し、電話を切った

 

勇人「さて、マスg……鴉天狗!早く脱出するぞ!」

 

風村「私は射〇丸文じゃないです!風村綾です!!何回も言わせないで下さい!」

 

勇人「マスゴミよりかはマシだろ♪さぁ!李を連れてヘリに乗るぞ!」

 

風村「後で『名誉毀損』で訴えてやる……」

 

勇人「やってみろ♪こっちは『公務執行妨害』で訴えるからな♪勿論、財団の力も使ってテメェを……風村「すみませんでした!喜んで協力します!」……んじゃ宜しく♪」

 

風村(もう嫌……)

 

勇人達はヘリコプターに乗り、崩壊する『コンゴウ Ars nova』から脱出し、ヘリコプターの起動音が勇人の功績を拍手喝采するかの様に力強い音を発しながら、その場を後にした

 

これにより、現在と未来そして勇人の子孫達を巻き込んだ事件『蒼霧事変』が幕を下ろした

 

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 横浜中華街の喫茶店にて

 

女性用の提督専用の制服を着た女性「……上城勇人……よくも私の旦那を……いつか……お前の首を……」

 

 

新たな問題が幕を開けようとは誰も思わなかった……

 



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第58話「Let's shopping 前編」

『蒼霧事変』が終結してから二日後 東京 皇居内の正殿『松の間』にて

 

群像「ゴクッ……」

 

優花「うぅ~……緊張する……」

 

蘭花「……」

 

コンゴウ「……三人共、何故そんなに緊張するのだ?」

 

コンゴウは礼装用の軍服を着た優花、そして青色の着物を着た蘭花にスーツを着た群像の様子を見て、質問すると、三人の代わりに礼装用の軍服を着た柏木が答えた

 

柏木「そりゃ『天皇』……言わば『日本の皇帝』の前だからな……そう言えば勇人と金剛型四姉妹と高雄型四姉妹は?」

 

龍鳳「金剛さん達は入院中の中将……違った『大将』と日向さんの護衛の為、軍施設の病院に居ますよ……後、勇次さんと瑞鶴さんが見当たらないのですが……」

 

慧音「さっき勇次から連絡があったんだが……あのバカップル……ボイコットするって」

 

蘭花 柏木 三笠 群像 龍鳳 優花「はぁ!?」

 

慧音「……しかも勇人も病院から『脱走』してな……後、叔父さんと三笠元帥は会議が長引いたから少し遅れるって……」

 

慧音は頭を抱えながら答えると柏木や優花、群像、蘭花、龍鳳そして三笠が勇人の脱走と勇次達がボイコット……来ない事に驚き、怒鳴ったり、呆れながら言った

 

柏木「おいおい……まぁ弟さんの『立場上』仕方無いが……」

 

龍鳳「勇次さんに大将!フリーダム過ぎますよ!!」

 

蘭花 優花「……泣けるわね」

 

群像「病院で大人しく出来ないのか……糞ジジイ……」

 

三笠「群像、気持ちは分かるけど汚い言葉を使わないで、皇室の前よ」

 

群像「……すみません曾祖母ちゃん……」

 

コンゴウ「フフッ……『艦長』らしいな」

 

群像「艦長?コンゴウ、何故お祖父ちゃんの事を『艦長』と?」

 

群像はコンゴウの言葉に疑問を抱き、質問するとコンゴウは微笑みながら答えた

 

コンゴウ「ああ……あの事件の後、私とマヤ、400と402は『霧』を辞め、艦長が所属している『佐世保鎮守府』に配属する事になり、そして私達の軍艦の『主導権』は艦長……お前のお祖父さんが持つ事になったんだ」

 

群像「……それでお祖父ちゃんを『艦長』と……」

 

コンゴウ「ああ」

 

三笠「ったく……天皇陛下に何と言えば良いのよ……あの馬鹿息子共……」

 

三笠が困り果てていると老人の男性と政治家であろうスーツを着た男性が入ってきた

 

男性「朱里さん、彼……上城『大将』の件なら『入院している為、御迷惑を御掛けしますが、参加しません』って昨日、彼自身から連絡がありましたよ」

 

三笠「ッ!?総理大臣!?それに天皇陛下!?天皇陛下に総理大臣に対し……敬礼!!」

 

三笠達は部屋に入って来たスーツの男『総理大臣』に老人『天皇陛下』に敬礼すると陛下は笑って答えた

 

陛下「直りなさい……上城夫人に皆さん……そして楽な姿勢で良いですよ」

 

三笠「直れ!整れーつ……休め!」

 

三笠達は陛下の言葉を聞くと、三笠は緊張しているのか少し声が裏返りながらも号令を出した

 

陛下「本当に『楽な姿勢』で良いですよ」

 

三笠「いえ!わた……自分達は仮にも『軍人』でありますので、この姿勢でも『十分楽な姿勢』であります!!」

 

三笠は何時もの口調ではなく、軍隊口調……『あきつ丸』みたいな口調で答えると、天皇陛下は苦笑しつつも了承した

 

陛下「……分かりました、本当は救済龍……上城大将にも参加させたかったが……入院中なら仕方無いですね」

 

三笠「愚息達がすみませんでした!」

 

三笠は天皇陛下に頭を下げると、陛下は笑いながら答えた

 

陛下「何を謝っているのですか?彼含めて貴方達は『我が国』……いや『世界』を救ってくれた『英雄』ですよ♪勇次さんについては『仕方ありません』が……」

 

三笠「陛下の寛大な御言葉、身に余る思いです!」

 

群像「ありがとうございます!」

 

陛下「……夫人に群像君、もう少し肩の力を抜いたらどうですか?少し怖い顔になっていますよ」

 

群像 三笠「あっ!す……すみません……」

 

三笠と群像は苦笑している天皇陛下に指摘されると、顔が真っ赤になり、先程までの覇気に満ちた雰囲気から一転、普段通りのラフな口調になってしまった

 

コンゴウ「御言葉ですが陛下、三k……上城夫人や大将、柏木大将達が呼ばれる理由は察しますが、何故『未来の住人』である私達までもが『この様な神聖な場所』に呼ばれたのですか?」

 

蘭花(ッ!?あの……『女王様染みた』コンゴウが……)

 

優花 群像(敬語で質問した!?)

 

コンゴウは天皇陛下に聞くと、陛下はニコッと笑い、コンゴウの質問に答えた

 

陛下「貴女達も『この世界を救った英雄』だからですよ♪私自身『直接』御礼を言いたいからですよ♪」

 

コンゴウ「そうでしたか……無粋な事を御聞きした事を御詫び申し上げます……」

 

蘭花 優花 群像(しかも頭を下げた!?今日は厄日になりそう……)

 

コンゴウは天皇陛下に『敬意』を表すかの様に謝罪すると痺れを切らした総理大臣がコンゴウに優しく言った

 

総理「コンゴウさん……私達は気にしていないので顔を上げて下さい……授与式が開始出来ませんので……」

 

コンゴウ「……分かりました」

 

コンゴウは総理の言葉に何事も無かったかの様に普段通りの女王様染みた雰囲気を醸し出したまま、授与式を開始するのを待っていると……

 

ガチャ!

 

一馬「ハァ……ハァ……遅れてすみません」

 

三笠元帥「ま……間に合った……」

 

急いで着たのか、少し乱れた礼装を着た一馬と三笠元帥が息を切らしつつ、天皇と総理に謝罪すると、総理は微笑みながら答えた

 

総理大臣「大丈夫ですよ、上城元帥に三笠元帥……では陛下、そろそろ……」

 

陛下「フフ……では始めるとしましょうか……」

 

三笠「夫と妹分がすみません……」

 

少し混沌とした雰囲気になりつつも、授与式が開始された

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに勇人達は……

 

勇人「ったく……病院の飯は不味いし、集中治療室(ICU)に閉じ込められるわ……気が滅入るぞ」

 

マヤ「だからって……流石に脱走はダメだよ!」

 

摩耶「『チビスケ』の言う通りだぞ提督……全治『6ヶ月』と言われたのに『高速修復剤』をこっそり使って『強引に全快』して脱走するなんて……」

 

マヤ「チビスケ言うな!オッパイ星人!」

 

摩耶「あぁ?シメるぞ糞ガキ!」

 

マヤ「ウ……ウワァーン!金剛お姉ちゃん!摩耶お姉ちゃんが虐める!!」

 

摩耶「ちょ!コラ!」

 

金剛「摩耶、少しは落ち着いたらどうデスカ?」

 

マヤ「そーだ!そーだ!」

 

摩耶「テメェ……言ったな!こちょこちょこちょこちょ……」

 

マヤ「ワハハハ♪擽ったい♪止めて♪ワハハハ♪金剛お姉ちゃん!助けて!」

 

金剛「フフ♪マヤには良い罰デスネ♪」

 

摩耶「ニッシシシ♪なら『ごめんなさい』は?」

 

マヤ「分かったからやめて!」

 

ワーワー!

 

勇人「車の中で騒ぐなよ……二人共……」

 

勇人は新しい愛車の一つ『TOYOTA HiACE』を運転しつつW摩耶の喧嘩……というより『じゃれあい』に呆れていると、本革仕様のリムジン風にカスタムされた後部座席に寛いでいた金剛型四姉妹は勇人同様、W摩耶の様子に呆れつつ勇人に聞いた

 

ちなみに勇人の車には金剛型、W摩耶、ハルナ、赤城が乗車していた

 

比叡「司令……ここは?」

 

勇人「ん?日本橋だが?」

 

勇人は助手席に座っていた比叡の質問に答えると赤城が嬉しそうに勇人に御願いした

 

赤城「日本橋!?提督!なら『三越』に寄ってくれませんか!?」

 

勇人「三越にか?分かった!」

 

勇人達は、そのまま高級デパート『三越』に向けて走らせた

 

 

そして勇次達は……

 

勇次「此処が『三笠公園』だ♪」

 

杏平「うわぁ……スゲェ……」

 

僧「お爺様が軍艦化すると『こんな形』になるのですね……」

 

瑞鶴「いやいや、提督さんは船にならないよ!」

 

高雄「……提督が艦娘ではなくメンタルモデルになっていたら……ゾッとしますね」

 

タカオ「……同じく、只でさえ『チート染みて』いるのに……」

 

キリシマ「……二人の衣装には触れないのか?」

 

ヒュウガ「……触れたら負けだと思っているからよ」

 

勇次達もまた『残りのメンバー』を引き連れて海軍所縁の名所を観光していた

何故か、勇次はバスの運転手、瑞鶴はバスガイドの『コスプレ』をしていたが……

 

瑞鶴「次は『軍艦の内部』を案内するわ♪」

 

いおり「入れるの!?」

 

勇次「金さえ払えば入れるぜ♪」

 

静「なら行きましょ♪」

 

瑞鶴「そうと決まれば……レッツゴー!」

 

勇次以外全員「オー!」

 

勇次「……ノリノリだな」

 

勇次達は軍艦『三笠』の内部に入っていった

勿論、入場料は『勇次持ち』ではあるが……



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第58話「Let's shopping 後編」

どもども、私ですm(_ _)m
此処で変更があります、第58話のタイトルを変更することになりましたので、宜しくお願いしますm(_ _)m



1030 東京都内の軍付属病院の病棟の談話室にて

 

日向「……全く、提督は大人しく待つ事が出来ないのか……」

 

伊勢「そうね♪しかし驚いたわ……日向が復活してたなんて……ねぇ、お祖父ちゃん♪」

 

俊夫「ああ、よかったな日向ちゃん♪」

 

病棟の談話室でお茶を呑み、勇人の脱走について呆れていると、佐世保から急いで東京に来た伊勢が勇人の行動に苦笑しつつもお茶を呑みながら言うと、俊夫もまた笑いながら言うと日向は俊夫の『ちゃん付け』に戸惑い、答えた

 

日向「俊夫さん……遥々、遠い所から私の為に足を運んで頂き、ありがとうございます……それと『ちゃん付け』は止めてくれませんか?」

 

俊夫「ん?嫌だったのか?」

 

日向「……馴れていないので」

 

日向は恥ずかしいのか、顔を赤く染めながら言うと、伊勢と俊夫は今の日向を見て爆笑した

 

伊勢「アッハハハハハハ♪日向も乙女だね~♪」

 

日向「わ……笑うな!」

 

俊夫「アッハハハハハハ♪これに関しては俺の『性分』だ♪治す『つもり』も無い♪」

 

日向「と……俊夫さんまで……」

 

二人は日向の赤面にツボが入ったのか、はたまた日向の『意外な一面』に微笑ましく思えたのか、明るく、少々『大声』で雑談をしていると、偶々通り掛かった看護師が三人の様子を見て、勇人の脱走で苛ついていたのか凄い剣幕で叱った

 

看護師「日向さんに伊勢さん、そして会長!此処は病院ですよ!静かにしてくたさい!只でさえ院内は貴方達の『身内』のせいで大事(おおごと)になっているのに……」

 

伊勢 日向 俊夫「……スミマセン」

 

看護師「ったく……」

 

伊勢 日向「……後で提督と御話しだね(御説教だな)♪」

 

俊夫「……こういう所だけは一馬や俺に似たんだ……泣けるな……」

 

俊夫は呆れ返り、伊勢と日向は笑顔で呟いた……目は笑っていなかったが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 三越の出入口前にて

 

勇人「………ブァックショイ!!」

 

摩耶「ん?提督、風邪引いたのか?」

 

摩耶は店前で嚔をする勇人を心配すると、勇人は鼻を啜りながら答えた

 

勇人「ズズ……いや寧ろ『絶好調』だ……良し!みんな、今から自由に買い物しても良いぞ♪金は『俺持ち』だから各自クレジットカードを持っていけよ♪但し、1700になったら此処に集合な♪」

 

マヤ「え!?良いの!?」

 

ハルナ「……太っ腹だな」

 

金剛「Really!?」

 

比叡「司令!?良いのですか!?」

 

勇人「男に『二言』はねぇよ♪」

 

金剛「Yeah!!比叡!まずはティーセットの新調デース♪Let's go!」

 

比叡「はい!御姉様!」

 

霧島「よーし♪そうと決まれば……赤城さん!」

 

赤城「いざ!レストランへ♪行きますよ!霧島さん!」

 

勇人「……赤城と霧島……出禁にならない程度にな」

 

赤城 霧島「分かっていますって!」

 

摩耶「んじゃチビスケ共♪行くぞ♪」

 

マヤ「だから摩耶!チビスケ言うな!!」

 

ハルナ「重巡相手にチビスケ呼ばわりされるとはな……行ってくる」

 

勇人の号令により金剛達は嬉しそうに各自、目的の店に足を運び始めた

 

ただ『一人』を除いて……

 

榛名「……」

 

勇人「ん?どうした榛名?」

 

榛名は少し俯いている事に気が付いた勇人は、榛名に聞くと、榛名は『勇人の行為』に申し訳なさそうに聞いた

 

榛名「……提督、何故、榛名達にここまで……」

 

勇人「……それって『理由』が必要か?」

 

榛名「いえ……そういう訳では……ただ……興味本意で……」

 

榛名は勇人の質問に狼狽えながら返すと勇人は微笑みながら答えた

 

勇人「簡単(シンプル)な理由さ……榛名……いや金剛達含めて『佐世保鎮守府のみんな』が外に出歩かない『俺の為』に『気を使っていた』のか、みんな『外出を控えている事』に気が付いたんだ♪だから日頃の感謝も含め『此処に来ているんだ』……分かったか?」

 

榛名「提督……」

 

勇人「それに外では『提督呼ばわり』は止めてくれよ♪ラフな口調で良いからな♪」

 

榛名「提t……勇人さん……」

 

勇人「……さぁ!時間は限られているんだ!さっさと行くか!」

 

榛名「……ええ!行きましょ♪」

 

ギュッ……

 

勇人「おいおい……時間は限られているとはいえ、急ぐ程『迫って無い』ぞ……まぁ良いか♪」

 

榛名は勇人の腕を引っ張りながら『とある物』買う為に移動を始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後 婦人服エリアにて

 

勇人「ん?婦人服?榛名、何故俺を『此処』に連れてきたんだ?荷物持ち的な意味ならウェルカムだが……」

 

勇人(此処は衣類だけではなく、女性用の下着が売っているから……男として『一番困る場所』なんだよな……)

 

榛名「……実は勇人さんに『御願いしたい事』が……」

 

勇人「ん?何だ?言ってみろ♪」

 

勇人(まぁ艦娘とは言え『女性』だからな……買い物が多くなるから、必然的に俺は『荷物持ち』位だろ……)

 

榛名は少し恥ずかしながら言うと勇人は首を傾げ、了承すると、榛名は花が咲いたかの様に笑顔になり、自身の我が儘を勇人に言った

だが、勇人……いや『世の男達』にとっては『一番苦手で難解な要望』だったのだ

 

それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

榛名「私……最近の流行りに疎いので勇人さんの『ファッションセンス』で私の私服を『コーディネート』してほしいのです♪」

 

勇人「…………え?今何て言ったん?」

 

勇人は榛名の我儘に目が点になり、素である石川弁で質問すると榛名は顔を赤くしながら答えた

 

榛名「ですから……私の私服のコーディネートを御願いしたいのですが……」

 

榛名の要望(我儘)に勇人は……

 

勇人「……泣けるぜ」

 

勇人(助けてくれー!赤城えもーん!加賀えもーん!俺にとっては『無理ゲー』だ!!)

 

榛名「ん?どうしたのですか勇人さん?」

 

勇人「……何でも無ぇ……」

 

何時もの口癖を言い、某狸のロボットに助けを求める少年みたいに心の中で相棒である赤城や加賀に助けを求めた

 

 

 

そして婦人服売り場の試着室では……

 

金剛「Wow!榛名って大胆デスネ……」

 

霧島「そうですね♪」

 

比叡「司r……勇人さん……同情します……」

 

赤城「……よりによって勇人さんの『苦手分野』を……」

 

試着室に隠れ、二人の様子を見ていた金剛達が榛名の大胆な要望に驚きつつ、勇人に同情していた

 

金剛「What's!?テートクって、女性の私服のcoordinateが『苦手』だったのデスか!?」

 

比叡「……というより、これは『世の男性達』が一番『苦手』ですよ……」

 

霧島「……さて、勇人さんは、どう出ますかね♪」

 

赤城「……助ける気は無いのですか?」

 

金剛 比叡 霧島「面白そうだから♪」

 

赤城「……泣けますね、だが『同感』です♪」

 

赤城は金剛達が楽しんでいる様子を見て、少し苦笑しつつも勇人の行動を楽しむかの様に様子を伺った

 

 

 

場所は戻り、婦人服エリアにて

 

勇人(ん~……どうするかな……)

 

勇人は普段以上に思考を巡らせていると、勇人の『もう一人の人格』である『戦艦女帝』が勇人に質問した

 

戦艦女帝(ん?御兄様?どうかしたの?)

 

勇人(ん?戦艦女帝か……じきじきかくかく……)

 

勇人は簡潔ながらも榛名の要望について説明した

 

勇人(……という訳だ)

 

戦艦女帝(かゆうま……分かった♪先ずは榛名御姉様の『好み』を知る必要かあるから聞いてね♪)

 

勇人(……分かった)

 

勇人「……ちなみに榛名は『どういった服』が好みなんだ?」

 

勇人は戦艦女帝のアドバイスを聞き、アドバイス通り榛名に質問すると、榛名は少し迷っているのか、考えながら答えた

 

榛名「ん~……『カジュアルで大人の女性的なファッション』か『白か黒を基調としたフォーマルなファッション』が好きなので、よく着て行きますが……」

 

勇人「成る程な」

 

戦艦女帝(……カジュアルとフォーマルの両方を兼ね備えられた服装か……なら、白のカーディガンに黒のワンピースを選んで!)

 

勇人(分かった)

 

勇人「榛名、ちょっと待っててくれ!今コーディネートが浮かんだから行ってくる♪」

 

榛名「楽しみにしてます♪」

 

勇人は戦艦女帝のアドバイスを受け、カーディガンを探し始めた

 

だが……

 

勇人(……嘘だ……嘘だ、そんな事………)

 

戦艦女帝(あっちゃ~……売り切れちゃっていたね……残念……)

 

カーディガン売場には『売り切れ』と書かれていた看板が飾っていた

 

勇人(ん~……どうするかな……)

 

戦艦女帝(『八方塞がり』ってヤツだね……)

 

勇人(八方塞がりって……ん?)

 

戦艦女帝(御兄様?)

 

勇人はカーディガンの代用品を考えていると、『とある売場』に目が入り、思い付き、戦艦女帝に質問した

 

勇人(なぁ戦艦女帝、別にカーディガンじゃなくて……薄手のコートでも大丈夫なのか?コートなら売っていたが……)

 

そう、勇人は『女性用のコート売場』に着目したのだ

そして勇人は戦艦女帝に自身の案を出すと戦艦女帝は自信に満ちた笑顔で答えた

 

戦艦女帝(大丈夫だ♪問題無い!流石、御兄様♪)

 

勇人(フラグ立てんな!まぁカーディガンの代わりは『これ』で決まりだな)

 

戦艦女帝(そうだね♪後は黒のワンピースだね♪)

 

勇人(ああ♪さて!さっさと終わらすか♪)

 

勇人は買い物籠に薄手のコートを入れ、買い物を続けた

 

 

 

 

 

 

数分後………

 

 

 

 

榛名「……遅いですね」

 

榛名は近くの自販機で紅茶を購入し、飲みながら待っていると、買い物を終わらせた勇人が笑顔で榛名に近付いた

 

勇人「悪いな♪待たせてしまって♪」

 

榛名「すみません勇人さん……私だけ……」

 

勇人「気にすんな♪さて!榛名、試着してみろ……と言いたいが、金剛、比叡、霧島に赤城……隠れてないで出てこい」

 

榛名「へ?」

 

金剛 比叡 霧島 赤城「!?」

 

勇人は物陰に隠れていた金剛達に言うと、金剛と比叡は申し訳なさそうに、赤城と霧島は微笑みながら現れた

 

金剛「流石テートクですね……」

 

比叡「すみません……」

 

霧島「意外ですね♪勇人さんにも苦手分野があるなんて♪」

 

赤城「久々に見ましたよ♪勇人さんの困り顔をね♪」

 

勇人「見てたんなら助けろや……」

 

赤城「見てて面白かったので♪」

 

勇人「……泣けるぜ、まぁ話は戻して……榛名、これを試着しに行きな♪」

 

榛名「はい♪」

 

勇人「後で感想を聞かせろよ♪」

 

勇人はコート等が入った買い物籠を榛名に渡すと、榛名は嬉しそうに試着室に向かった

 

そして……

 

榛名「……どうですか?」

 

榛名は勇人……というより戦艦女帝がセレクトした服に着替え、勇人達に見せると、勇人達は「おぉー!」と驚き、絶賛しながら言った

 

金剛「Wow!流石デスネ♪」

 

比叡 霧島「似合い過ぎる!」

 

赤城「似合っていますよ♪」

 

勇人「当たり前だろ♪モデルが良いからな♪」

 

榛名「そんな……勇人さんも上手ですね……」

 

そう、戦艦女帝がセレクトした服装は『三越』とコラボした服装だったのだ

そして金剛達は笑顔で勇人に言った

 

金剛 比叡 霧島 榛名 赤城「そして、ありがとう『戦艦女帝ちゃん』♪」

 

勇人「何だ……バレてたか」

 

勇人は苦笑しながら言うと、金剛達は呆れながら答えた

 

比叡「流石に私達以上にファッションセンスがあったから……」

 

金剛「バレバレデース」

 

霧島「勇人さんが『お姉系』な訳でも無いので……」

 

赤城「女子力高過ぎますよ……」

 

榛名「勇人さんが戦艦女帝ちゃんと会話している所を見てたので……」

 

勇人「……デスヨネー」

 

戦艦女帝(エッヘン♪もっと誉めて♪)

 

勇人(……戦艦女帝、代わろうか?お前だけ『楽しめない』のは不公平だからな、金は俺持ちだ♪)

 

戦艦女帝(マジで!?アザーッス♪)

 

勇人「ちょっと戦艦女帝と変わりに行ってくる……」

 

金剛型4姉妹 赤城「いってらっしゃい♪」

 

金剛達は勇人のもう一人の人格である戦艦女帝に御礼を言うと、勇人は苦笑し、戦艦女帝はドヤ顔で嬉しそうに答え、勇人は戦艦女帝と変わる為に障害者用トイレに入り、10秒もしない内に出てきた

 

戦艦女帝「お待た~♪私がフランドーr……ゲフンゲフン、戦艦女帝です♪」

 

金剛「youが戦艦女帝ちゃんデスネ♪私は金剛デース♪」

 

比叡「比叡です♪」

 

榛名「榛名よ♪宜しくね♪」

 

戦艦女帝「宜しく♪金剛御姉様に比叡御姉様、榛名御姉様♪」

 

金剛 比叡 榛名「宜しくね(デース)♪」

 

金剛 比叡 榛名(か……可愛いィィィ!!お持ち帰りしたいィィィ!!)

 

勇人(こいつら……)

 

金剛、比叡そして榛名は戦艦女帝の可愛らしい仕草を見て鼻血を出し、悶絶していると霧島は眼鏡を整え、自己紹介した

 

霧島「私は……戦艦女帝「武道派の霧島御姉様?」……違います!頭脳派です!武道派に関しては貴女と勇人さんには言われたく無いわ!」

 

戦艦女帝「怖いよー!赤城御姉様ぁー!」

 

勇人(何故か俺まで!?)

 

戦艦女帝は霧島にツッコミを入れると霧島は少し怒りながら反論すると、戦艦女帝は『わざとらしく』怖がりながら赤城の後ろに隠れた

 

赤城「霧島さん……子供相手に怒らないで下さい」

 

戦艦女帝「そーだそーだ!御兄様に言いつけてやる!!」

 

戦艦女帝は霧島を煽らせると霧島は眉をピクリと動かしつつ呟いた

 

霧島「……このクソガキが……」

 

金剛「まぁまぁ……後でテートクに報告すれば良いので今はEnjoyするのデース♪」

 

霧島「……そうですね」

 

戦艦女帝「ゲ!?御兄様に!?」

 

霧島「少しは頭を冷やしなさい」

 

勇人(戦艦女帝……後で『御話し』だ)

 

戦艦女帝「ご……ごめんなさいィィィ!もうふざけないから!!御兄様の『御話し』だけは……」

 

赤城「フフッ♪いくら戦艦女帝でも『勇人さん』だけは、敵わない様ですね♪」

 

金剛達はマジ泣きしている戦艦女帝を微笑ましく思いつつ買い物を再開した

 

そして……

 

提督用の制服を着た女「……見つけた」

 

女性は懐からサバイバルナイフを取り出し、戦艦女帝に向けて刺し殺そうとしたが……

 

 

 

 

 

ガシッ!

 

 

ギュゥゥゥ……

 

提督用の制服を着た女性「ッ!?イタタタタ!」

 

何者かが女性がナイフを持っていた手と腕を掴み、凄い力で握られているのか女性は痛み、もがき始めた

その女性の腕を掴んだ正体は……

 

摩耶「ったく!面倒な事にならなくて良かったぜ……」

 

マヤ「うわぁ……痛そう……」

 

ハルナ「……そこは激しく同意する」

 

そう、摩耶が女性の腕を握り、勇人を暗殺するのを阻止したのだ

 

女性「貴様は……摩耶!?」

 

摩耶「お?私の事を知っているのか?おいコスプレ野郎……お前は何者だ?早く答えないと腕……無くなるぜ」

 

摩耶は女性の発言に警戒するかの様に強く握りしめると女性は更にもがき始めた

 

女性改め『道中』「クッ!ショートランド拍地所属の『道中 潤』だ……イタタタタ!放せ!」

 

摩耶「ショートランド?確か『妹さん』の所の……ってかコスプレじゃなくて、本当に海軍の人間だったのか!?階級も妹さんより上だし……」

 

摩耶は彼女『道中 潤』について考えているとハルナがモニターを展開し、調べながら摩耶に報告した

 

ハルナ「……今、海軍にハッキングしたんだが……コイツ『李』の内縁の妻で……ふむ、成る程……コイツの『元秘書艦』は『捨て艦』で轟沈させた秋月だったんだ」

 

摩耶「成る程な……だから通りで李は秋月の……ってか普通に犯罪行為(ハッキング)するなよ……」

 

ハルナ「すまん……」

 

摩耶「んで、コイツの腕を『へし折る』か?」

 

ハルナ「オイ……お前も人の事が言えないぞ」

 

摩耶「バーカ!これは正当防衛だ!」

 

マヤ「そうそう!やっちゃえば?」

 

摩耶は呆れながら言うと道中は顔面蒼白になり、大声で助けを求めた

 

道中「だ……誰か助けて!艦娘に暴行される!!」

 

ざわざわ……

 

誰か警察を!!

 

ワー!ワー!

 

摩耶「ッ!?オイコラ!」

 

戦艦女帝「ん?どうしたの、お姉さん?」

 

道中は大声で叫ぶと野次馬達はざわめき始め、戦艦女帝は摩耶達に近付き、仲裁に入ろうとした

 

摩耶「ッ!?バカ!此処に来るな!」

 

戦艦女帝「へ?」

 

道中(今だ!)

 

ガバッ!

 

摩耶「ッ!?しまった!?」

 

道中「此処で死ねぇ!!」

 

道中は暴れる様に腕を振り払い、サバイバルナイフで戦艦女帝に向けて刺そうとした

だか……

 

 

 

 

ガシッ!

 

W摩耶 ハルナ 金剛型4姉妹 赤城 道中「ッ!?」

 

戦艦女帝「ねぇ……お姉さん……こんな『危ない物』を子供に向けさせないで♪こんな『危ない物』は……ぎゅっとして……ドカーン♪」

 

グシャ!

 

金剛型4姉妹 W摩耶 ハルナ 赤城「ッ!?」

 

道中「ギ……ギャァァァァ!手が……手がァァァ!!貴様ァ!覚えておけよ!!」

 

戦艦女帝は道中がサバイバルナイフを持っていた右手ごと『握り潰す』と道中は潰された痛みで、もがきつつ、その場を後にした

 

戦艦女帝「あっちゃ~……御兄様の力を借りて本気で握ったんだけど……脆いね」

 

摩耶「提督の力を使うなよ……只でさえ二人とも『化け物染みて』いるんだからな……」

 

戦艦女帝「テヘペロ♪」

 

戦艦女帝は摩耶の注意に笑いながら謝罪すると、霧島は道中が落としたナイフをハンカチでナイフの刃の部分を覆いつつ、刃の部分を掴み、ポリ袋に入れ、答えた

 

霧島「まぁ彼女が戦艦女帝ちゃん……いや勇人さんを殺害する『証拠』がありますし、後は警察に『バンカケ』された時に説明すれば、彼女が『殺人未遂』及び『銃刀法違反』で逮捕されますからね」

 

戦艦女帝「バンカケ?」

 

戦艦女帝は霧島の言葉に疑問を抱くとハルナが「待ってました」と言わんばかりに気合いが入った顔つきになり、説明し始めた

 

ハルナ「『バンカケ』とは『職務質問』の隠語で主に警察や極道者そして不良達が使われている言葉を示している……タグ添付、分類……記録……そして、漸く台詞が言えた!」

 

マヤ「あははは……良かったね」

 

ハルナ「ああ……」

 

ハルナは目に涙を潤わせながら言うと、榛名は現在のハルナの様子に同情するかの様に苦笑しながら言った

 

榛名「アッチの私って……色々と苦労してますね……」

 

金剛「まぁ気軽にpoliceが来るのを待ちまショーウ♪」

 

戦艦女帝「そうだね♪んじゃ私は御兄様と変わりに行ってくる♪」

 

15分後、カモメ眉が特徴的な警察官と少し堅物そうな警察官そして速水もこみ〇似の警察官が現れ、勇人が代表として説明し始めた

 

勇人「……という訳だ、後は……」

 

勇人は堅物そうな警察官に事情を説明すると刑事は微笑みながら答えた

 

堅物そうな警察官改め『大原』「分かった、証拠も目撃者もいる事だ……ここからは俺達に任せて休んでおきない!両津!中川!これから忙しくなるぞ!」

 

大原(しかし……この青年……とこどなく『両津』に似ているな……)

 

カモメ眉の警察官改め『両津』「ったく……せっかくパチンコでフィーバーしているときに……なぁ中川……」

 

速水〇こみち似の警察官改め『中川』「先輩、今は勤務中ですよ……」

 

両津「ったく、頭が固いな……大原「両津!!」……ハイハイ分かりましたよ……」

 

中川「……泣けますね勇人さん」

 

勇人「……それは此方の台詞だ圭一、では大原さん、後は宜しくお願いします……」

 

大原「ああ!」

 

勇人「近い内にドライブに行くか?圭一?」

 

中川「はい!是非とも!」

 

金剛型4姉妹 W摩耶 ハルナ 赤城(何で色んな意味で『伝説の警官達』がいるの!?ってか知り合いなの!?)

 

勇人達は事件を大原達に任せ、再び買い物を再開し、夜にはホテルに戻った

 

そして……

 

 

 

 

 

 

2000 ホテルの一室にて

 

三笠「貴方達……よくも陛下の前で……」

 

群像「お前ら……」

 

コンゴウ「艦長、今回ばかりは羽目を外し過ぎです!」

 

上城兄弟 蒼き鋼 艦娘達「ごめんなさい!」

 

その後、三笠と群像に滅茶苦茶『御話し』されたのは言うまでも無かった

 

 

 

 



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第59話「佐世保の新たな問題」

翌日 1200 名神高速道路 下りにて

 

優花「全く……病院から脱走するわ、勇人君を殺そうとした李の奥さんの右手を破壊するわ……本当、ウチの旦那(仮)は滅茶苦茶な事をするわね……」

 

群像「激しく同意するよ……お祖母ちゃん……」

 

コンゴウ「しかも陛下の授与式をボイコットしたのは頂けないな……」

 

勇人「ウッサイ!しかし、俺が昨日付けで大将に昇任そして『大勲位菊花大綬章』を授与されるとはな……ちなみに優花、アイツの右手を破壊したのは戦艦女帝だ」

 

戦艦女帝(お母様の御話し……長かった……もう、聞きたくない……)

 

優花、群像そしてコンゴウはハイエースを運転している勇人に愚痴る様に嫌味を言うと勇人は一喝し、昨日の授与式の内容について呟くと助手席に乗っていた蘭花が呆れながら言った

 

蘭花「はぁ……反省の色は無いようね……」

 

勇人「俺のモットーは『退かぬ、媚びぬ、省みぬ』だからな♪」

 

蘭花「どこぞのサ〇ザーかって!そのまま北斗〇拳の奥義を食らいなさい!」

 

コンゴウ「……艦長なら北斗〇拳を食らっても『死なない』と思うか……」

 

優花 群像 蘭花「確かに……」

 

勇人「人を化け物扱いをするんじゃねぇ!」

 

勇人は三人にツッコミを入れると後部座席でティータイムをしている金剛が『何か』を思い出せそうなのか、迷った口調で質問した

 

金剛「ん~……テートク、私達『何か』を忘れている様な……」

 

勇人「何か?忘れ物は無い筈だが……」

 

金剛「No……物では無くて……」

 

霧島「とうとう呆けたのですか?金剛御姉様?」

 

W金剛「誰がBBAだ(デスカ)!!三笠と比べればピチピチのギャルだ(デース)!」

 

群像「金剛さんにコンゴウ!それは禁句だ!」

 

W金剛「え(What's)?」

 

群像はW金剛に注意すると蘭花と勇人は二人に言った

 

蘭花「……二人とも、喧嘩売っているの?」←メンタルモデル『三笠』

 

勇人「少し『御話し』するか?」←半艦息『三笠』

 

W金剛「すまない(sorry)……」

 

比叡「ピチピチのギャルって……」

 

優花(あ!?『お見合い』の事ね……これは隠して置こう……私の為に……)

 

榛名「あははは……ん?提督、電話なっていますよ」

 

上城姉弟はW金剛の反論に少し怒り、ドスの効いた口調で脅すと、車のナビに勇人のスマホと同調させていたのかナビには『勇次』と表記されていた

 

勇人「……もしもし」

 

勇次「兄貴か、俺だ……今何処にいるんだ?」

 

勇人「名神だ」

 

勇人は今走っている場所を勇次に伝えると、勇次は少し安堵した様子で勇人に言った

 

勇次「意外と早く着いたな……」

 

勇人「……下らない内容なら切るぞ」

 

勇人は勇次に注意すると、勇次は「ちげぇよ!」と答え、説明した

 

勇次「俺とズイチャンは京都で『遊んで』帰るから、ズイチャンの『外出届』いや『外泊届』の変更を宜しくな」

 

瑞鶴「宜しくね提督さん♪」

 

勇人「結局は『下らねぇ内容』だったじゃねぇか!しかも『朝帰り』をする前提かよ!」

 

勇次 瑞鶴「そう言う事♪兄貴(提督さん)も早く『リア充』になれよ♪じゃ♪」

 

二人は、そう言い残し電話を切り、勇人は少しキレながら言った

 

勇人「こんのぉ……リア充め……勝手な事を……」

 

コンゴウ「リア充?艦長、『リア充』って何だ?」

 

コンゴウは勇人の言葉に首を傾げると勇人の代わりに蘭花が答えた

 

蘭花「……交際相手がいる事よ」

 

蘭花はコンゴウに説明をすると、コンゴウは下らなく思ったのか、間の抜けた口調で答えた

 

コンゴウ「そーなのか……では艦長も『リア充』の部類に入るな」

 

勇人「何故そうなるんだ?コンゴウ?」

 

勇人はコンゴウに聞くと、コンゴウの言葉に理解した群像が勇人の質問に答えた

 

群像「……お祖父ちゃんには、優花お祖母ちゃんがいるじゃないか」

 

優花「そうそう♪私がいるじゃない♪」

 

金剛「違いマース!テートクは私の物デース!」

 

榛名「ッ!?勝手な発言は榛名が許しません!」

 

優花「……ヤル気?」

 

金剛「……未来の『結末』を変えてやりマース!」

 

榛名「ええ!」

 

群像「金剛さんに榛名さん!それだけは止めてください!そしてお祖母ちゃんも落ち着いて!」

 

金剛 榛名「嫌です(デース)!」

 

優花「大丈夫よ群像、私『負けない』から♪」

 

群像「それ『死亡フラグ』だから!お祖父ちゃん!何とかしてくれ!」

 

群像は三人の殺気染みた空気に耐えきれ無かったのか、勇人に助けを求めたが……

 

勇人「……俺が入ったら『火に油』……いや『火にガソリンを蒔く状態』になるから……」

 

群像「……デスヨネー」

 

群像は勇人の言葉に納得すると、コンゴウが群像に『ある事』を言った

 

コンゴウ「千早群像、艦長が優花『以外』の女性と結婚しても『アッチの世界』には全く『影響が出ない』んだが……」

 

群像「へ?」

 

勇人「んだと!?どういう事だ?」

 

群像と勇人はコンゴウの言葉に驚き、質問すると、コンゴウは金剛が淹れてくれた紅茶を一口飲み、答えた

 

コンゴウ「昨日、興味本意で『異世界転移装置』に残っていた『過去の記録』を閲覧したが……どうやら群像(お前)とは違う『千早群像』……つまり優花以外の『女性のDNA』が入った『パラレルワールドの千早群像』が『かなりの数』を李が呼び起こしていたんだ……しかも目的地が『佐世保鎮守府』……艦長のアジトに今『向かっている』んだ」

 

勇人「……は?パラレルワールドの群像が……」

 

群像「……つまり、パラレルワールドの『蒼き鋼の艦隊(俺達)』が佐世保を潰す為に……」

 

蘭花「……面倒な事になるわね」

 

勇人「ああ、しかも俺と優花、柏木の艤装そしてコンゴウやイオナ、マヤ、タカオそして姉貴の軍艦は今『佐世保で修理中(明石達に任せている)』からな……ん?」

 

三人はコンゴウの言葉に頭を抱えると、スマホと同調したナビに『大淀』と表記され、勇人のスマホに着信が入っているのか震えており、勇人はナビを操作し、電話に出た

 

勇人「もしもし、大淀か?」

 

大淀「提督!!大変です!!鎮守府に大量の『改造された伊401』が此方に向かっています!」

 

柏木「しかも全船『Ars Nova』で!」

 

勇人 群像「マジ!?」

 

勇人と群像は大淀そして、先に佐世保に戻った柏木の報告を聞き、驚いた

 

コンゴウ「……大淀に副艦長、今『動かせれる船』は?」

 

コンゴウは急いで二人に聞くと、大淀はコンゴウの質問に気まずそうに答えた

 

大淀「……ありません、全船『轟沈寸前』だったので、出撃は不可能です」

 

柏木「しかも損傷の少ないイオナでもさえ『3日』は掛かる大修理だからな……無理ゲー……いや『積んだ』な……こりゃ……」

 

勇人「……今、大和達は?」

 

大淀「今、彼方の代表格である『群像君に瓜二つの女性』を説得しに出撃してます」

 

勇人「……あまり『手荒』にやるなよ、多分……いや十中八九『大淀達の血が入った群像』だからな!間違っても『攻撃』はするなよ!!何かあったら随時報告しろよ!」

 

柏木「分かっt……へ?ちょっと待て!あの『ジョ〇サン・ジョー〇ター』や『空条〇太郎』『孫〇空』『DI〇』『雷〇』『シュ〇ちゃん』に似た『モリモリマッチョマンの変態野郎達』や『霧雨魔理〇』や『風見幽〇』『山岸由〇子』に似た『ヤバい女達』も『全てパラレルワールドの群像』なのか!?」

 

大淀「へ?本当なんですか!?あの化け物連中が!?」

 

勇人「ああ……多分

 

勇人は最後の『多分』の所だけ呟く様に言うと、柏木は勇人の呟きが聞こえたのか、同情し、答えた

 

柏木「多分って……まぁアイツらは『蒼き鋼の連合艦隊』と言っているからな……多分、お前の予想は当たっているぞ……信じたくはねぇが……」

 

勇人(パラレルワールドの群像達って……色んな意味で『チート染みて』いるじゃねぇか……俺も人の事が言えないが……)

 

群像(……『パラレルワールドの群像(異世界の俺)』の中でも『俺』が『最弱』なのか!?ショックだな……)

 

勇人と群像は柏木の報告を受けると、色んな意味でショックを受け、自信の無い返事をすると口喧嘩していた金剛達は柏木と大淀の報告を聞き、希望が湧いたかの様に喜び、大淀に言った

 

金剛「yes!yes!yes!!大淀!彼等を保護するのデース!」

 

榛名「そして歓迎して下さい!」

 

霧島「やれやれ……まぁ彼等もまた『被害者』ですからね……」

 

比叡「そうですね……お願い出来ますか?」

 

優花「……勇人君、後で『お話』ね……大淀ちゃん、彼等を『説得』そして『保護』してね」

 

何故か『不機嫌』になっていた優花は置いといて、金剛達は大淀に御願いすると大淀は「分かりました!」と返答し、電話を切った

 

勇人「姉貴、この事を赤城に連絡してくれ……お前ら!今から休憩無しで佐世保に帰還するぞ!分かったか!」

 

艦娘達 コンゴウ「はい!」

 

群像 蘭花「分かった!」

 

優花「うん!」

 

勇人「じゃ……飛ばすぜ!」

 

勇人は自身の愛車のアクセルを強く、そして深く踏み込み、急いで佐世保に向かった

勇人の孫達が『祖母達』を危害を加える事を止める為に……



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第60話「祝福そして未来に繋ぐ(モノ)

2000 佐世保鎮守府の廊下にて

 

群像「はぁ……はぁ……」

 

W金剛「き……きつい……」

 

赤城「皆さん!急いで下さい!」

 

勇人「チッ!間に合え!オラァ!」

 

ドカッ!

 

勇人達は走って執務室に向かい、執務室のドアをドロップキックをし、カーボン製のドアを破壊し、部屋に入ると……

 

ジョナサ〇似の男「……あれ?お祖父様?」

 

DI〇似の男「ジジイ……今帰ってきたのか?」

 

風見幽〇似の女性「お帰りなさいお祖父ちゃん!」

 

みんな「「「お帰りなさい『お祖父ちゃん』!そして昇任おめでとうございます!」」」

 

勇人「………どういう事だ?」

 

勇人は執務室の様子が『和気あいあい』な雰囲気に首を傾げるとソファーで寛いでいた蘭が答えた

 

蘭「あ!?お帰り兄さん」

 

勇人「おう、ただいま……じゃなくて!攻めてきた異世界の群像達はどうなったんだ!」

 

蘭「ああ……それは……」

 

蘭は勇人の質問に少し呆れると、蘭の代わりにジョナサ〇似の男達が答えた

 

ジョナサ〇似の男「実は僕達、お祖父様に御礼を言いに佐世保に来たのですが……」

 

孫〇空似の男「バアちゃん達がオラ達の事を敵と間違えて……」

 

霧雨魔理〇似の女性「一触即発の状態になった……という訳だぜ」

 

群像似の女性「……説得するのに苦労したわ……」

 

勇人「……蘭、まさか……()()()()……」

 

勇人は蘭に聞くと、蘭は頷き、答えた

 

蘭「まぁ……ほんの一部だが此処に居る()()が兄さんと佐世保の艦娘達が()()として子孫を残した群像達だ……()()は食堂に待機してある」

 

勇人「は?まだ居るのかよ!?」

 

群像「……マジかよ」

 

二人は蘭の言葉に驚くと、後ろに居た金剛が異世界の群像達に質問した

 

金剛「ん~……つまりyou達は私達の『孫』……という訳デスね!」

 

ジョ〇サン似の男改め『健人』「そうです『金剛お祖母様』……此処で自己紹介を始めますが、僕が『勇人お祖父様』と『金剛お祖母様』の方の孫『上城健人』です」

 

高橋涼〇似の男改め『涼介』「同じく『榛名お祖母さん』の方の孫の『涼介』です……医者をしています」

 

高橋啓〇似の男改め『啓介』「弟の『啓介』だ……一応WRCのレーサーチーム『蒼き鋼』のサブリーダーをやっている」

 

金剛「Wow!私の孫デスね♪宜しくネー!」

 

榛名「精悍な人ですね……この二人が榛名と提督の……」

 

DI〇似の男改め『武人』「そして私は『グラーフお祖母さん』の方の孫『上城武人』だッ!」

 

霧雨魔理〇似の女性改め『マリ』「私も武人と同じく『ドイツ人のクォーター』……まぁ『ビスマルクのバアちゃん』の方の孫で『上城マリ』だ!宜しくな、ジイチャン」

 

風見幽〇似の女性改め『遥』「私は『高雄お祖母ちゃん』の方の孫『上城遥』と言います」

 

タカオ「……通りでタカちゃんに似て『優しそう』な人だわ」

 

高雄「そうですね」

 

孫〇空似の男改め『空像』「オラは『加賀のバッチャン』の所の孫の『上城空像』だ!宜しくな」

 

加賀「……此方は馬鹿そうな孫ですね」

 

空像「ヒデェなぁ~……一応オラ『防大』上がりなんだけどな……しかも『首席』で……」

 

加賀「なっ!?防衛大学!?しかも首席で!?」

 

群像似の女性改め『來未』「加賀さん、彼が『異世界の私達』の中で『一番強く、頭が良い』のです……あ、私は『赤城お祖母様』の方の孫の『來未』です……名字は上城です」

 

赤城「賢そうな人……アッチの私の教育が良かったのかしら?」

 

來未「厳しい人でしたからね……後、暴飲暴食を止めてくれませんか?食費が……」

 

健人「お祖母様もです!暴飲暴食もそうですが、人を叱る時に英語で言うの止めてくれませんか?わざわざ翻訳するのに苦労しますから!」

 

赤城 金剛「……今後の為に『改善』します(シマース)」

 

勇人(金剛は兎も角、赤城……『絶対』改善する気、無ぇな……)

 

各自、自身と勇人の間に出来た孫を見て驚愕したり、喜んだりして会話していると優花が勇人に怒りながら言った

 

優花「勇人君!!一体どういう事!?私『以外』の女と『浮気』なんて!!」

 

勇人「俺に言うな!パラレルワールドの俺に言え!ってか浮気以前に、お前と『付き合って無い』からな!!」

 

勇人の発言に異世界の群像達が反応し、驚きながら言った

 

空像「えぇ!?ジッチャンって……『非リア充』だったのか!?ならバッチャンと付き合ってくれ!」

 

健人「何を言っているんだ!金剛お祖母様と結婚しなければ、僕が産まれないんだ!」

 

群像「お前こそ何を言っているんだ!!ろくにお祖父ちゃんの手伝いもしない癖に!!」

 

來未「永遠の二番手である貴方に言われたく無いわ!」

 

群像「アァ?」

 

武人「貧弱貧弱ゥ!!貴様みたいな『もやしっこ』が私になる位なら私が『蒼き鋼』のリーダーになってやるッ!」

 

ワーワー!!

 

マリ いおり「何て言うか……その……」

 

遥「血の気が多い連中(私達)だね……」

 

イオナ「……十中八九『勇人のDNA』のせいだね」

 

杏平「むしろ『異世界の群像(アイツ等)』だけで『蒼霧事変』を終わらせるんじゃ……」

 

ハルナ キリシマ ヒュウガ「……否定出来ないな」

 

伊勢「……やりかねないわ……」

 

勇人「……とりあえず食堂に行くぞ、構ってやれん」

 

イオナ「……そうだね」

 

勇人達は『異世界の群像達』が乱闘しているのを放置しつつ、食堂に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後 食堂にて

 

隼鷹「ヒャッハー!準一、ジャンジャン飲めよ!」

 

風〇仁似の男『準一』「隼鷹お祖母ちゃん……もう飲めない……」

 

夕張「ねぇねぇ結花!未来では『どんなアニメ』が人気なの?」

 

夕張似の巨乳の女性『結花』「ん~……私、夕張お祖母さんとは違って、あまりアニメを見ないけど、子供の時は『けものフレン〇』とか『〇パング』を見てたわね……」

 

夕張「以外と雑食なのね……」

 

夕立「ポイ!晴彦、ジャンジャン食べてッポイ!」

 

ジョ〇ノ似の男『晴彦』「無理だよ、お祖母ちゃん……食べれないよ……」

 

夕立「それでも食べるッポイ!」

 

ワイワイ……

 

勇人「……此方は此方で……」

 

蘭「……面倒な事になっているな」

 

勇人達は食堂で宴会を始めている艦娘達と孫達を見て呆れていると、厨房にいた柏木と龍鳳が呆れながら言った

 

柏木「……その『面倒な事』になっているの……お前のせいだど思うが……」

 

龍鳳「……泣けますね」

 

勇人「龍鳳、それ俺の台詞」

 

赤城「……ですが気持ちは分かりますよ」

 

翔鶴「あ!?提督!大将昇任、おめでとうございます!」

 

食堂にいた全員「おめでとうございます!」

 

勇人「お前ら、気付くのおせぇよ……まぁ良いか」

 

勇人は呆れながらも席に座ると翔鶴の孫らしき女性が勇人にコップと日本酒『手取川』を持ち、笑顔で勇人のコップに日本酒を注いだ

 

翔鶴似の女性「ささ、お祖父様もどうぞ」

 

勇人「ん?ありがとう……お前は翔鶴と俺の孫の……」

 

翔鶴似の女性『翔子』「翔子です……宜しくお願いします、お祖父様」

 

吹雪「あ!?司令官!司令官に紹介して欲しい人が……勇人「俺と吹雪の孫だろ?」……はい!譲一!来なさい!」

 

四部の空条〇太郎似の男『譲一』「分かったから大声で呼ぶんじゃねぇ……初めまして、ジg……吹雪「コラ!ジジイ呼ばわりしないで!」……お祖父ちゃん、私が『上城譲一』だ……職業は『海洋学者』をやっています」

 

勇人「ああ、宜しくな……」

 

勇人(デケェ……2メートルはあるんじゃねぇか……)←身長185㎝

 

柏木(ああ……)←上と同じく

 

吹雪「司令官に柏木大将……一応言っておきますが、二人も十分大きいですよ」

 

勇人 柏木「人の心を読むな!」

 

譲一「一応言っておくが……2メートルは無いぞ……190㎝だ」

 

勇人 柏木「十分デケェよ!!」

 

二人は吹雪と譲一にツッコミを入れると睦月と花京〇似の男が近付いてきた

 

睦月「まぁまぁ……司令官は疲れているから、困らせないで……」

 

花京〇似の男「お祖母ちゃん、彼が勇人お祖父ちゃんですか?」

 

睦月「そうだよ、典明」

 

勇人 柏木「〇京院典明!?」

 

花〇院似の男『典明』「エメラルドスプr……って、何を言わせるのですか!?」

 

譲一「落ち着きな……ほら、さくらんぼだ」

 

典明「レロレロレロレロレロレロ……って譲一ッ!君も僕をからかうの止めてくれないかッ!?」

 

睦月「典明も乗らないの!」

 

勇人「……まぁ、とりあえず宴を始めるか、では……」

 

全員「カンパーイ!!」

 

柏木(……強引に始めたな……まぁ賢明な判断だな)

 

勇人は、これ以上『自身の孫』について触れると『収拾が着かなくなる』と判断し、強引ではあるが宴会を始めた

 

 

 

そして2時間後 2300 佐世保鎮守府 屋上にて

 

蘭花「ヒロ、どうしたの?」

 

蘭花は博和に呼ばれた事に頭を傾げながら聞くと、博和は緊張しているのか、少し動作がぎこちない状態ではあるが、答えた

 

博和「ああ……蘭花……『4年前』の事を覚えているか?」

 

蘭花「ええ、覚えているわ……此処で貴方が私に『プロポーズ』をしようとした事をね」

 

蘭花は懐かしそうに答えると博和は「分かっていたのか……」と呟き、答えた

 

博和「……なら、あの時の続きだが……蘭花……」

 

博和は片膝を着き、蘭花に見せる様に四角の箱を見せ、箱を開封した

 

箱の中身は勿論……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

博和「僕と……『結婚してくれませんか』?」

 

そう、箱の中身は『婚約指輪』だったのだ

蘭花は少し俯き、博信に言った

 

蘭花「私は、一度死んだ人間……言わば『化け物』になっているのよ……そんな私なんかより『最も良い人』が……」

 

蘭花は自身の事を『化け物』と言い表すと博和は頭を横に振り、答えた

 

博和「……そんな『小さな事』なんか気にしてない……僕は『君じゃない』とダメなんだ……」

 

蘭花「ヒロ……こんな私で……良いの?」

 

蘭花は博和の言葉に嬉しくなり、少し涙声になり質問すると、博和は強い口調で答えた

 

博和「ああ!僕は君がメンタルモデルであろとも、何であろうとも『蘭花が好きだ』!この気持ちは4年前から『変わらない』!」

 

蘭花「ヒロ……グスッ……分かったわ……こんな私ですが『宜しくお願いします』」

 

 

 

蘭花は博和のプロポーズを了承すると物陰に隠れていた青葉が無線機を使って勇人に報告した

 

青葉「司令……プロポーズ成功です」

 

勇人「グビッ……よし……では、二人の祝福の為に一肌脱ぎますか!祝砲を……放て!」

 

備前「モグモグ……ゴクン!さぁ!カーニバルだ!!」

 

戦艦組「主砲!全門斉射!!」

 

赤城「第一攻撃t……じゃなかった、第一祝福隊!」

 

龍鳳「全機!」

 

加賀「発艦!!」

 

ドーン!!

 

ドーン!

 

外から携帯用のウイスキーを飲んでいた勇人とお握りを頬張っていた備前や佐世保と呉そしてショートランドの戦艦組、一航戦そして龍鳳が艤装を装着し、そして二人に花火が入った弾『祝砲』を上げた

 

蘭花「うわぁ~……綺麗……」

 

博和「そうだね……ん?あの爆撃機に垂れ幕が……ッ!?」

 

蘭花「え……この字は……勇人の字……ッ!?」

 

打ち上げた祝砲(花火)は黄、赤、緑、蒼と言ったシンプルな花火ではあるが、佐世保の静かな海に似合う『華やかな花火』になり、赤城達が発艦させた爆撃機には達筆な文字で『ある言葉』が書かれていた垂れ幕を二人に見せる様に巡回しているのに、二人は気が付き、目から涙を溢した

 

その『言葉』とは……

 

 

 

 

 

 

 

博和「『結婚……』」

 

蘭花「『おめでとうございます……上城勇人、柏木疾風……そして……佐世保、呉、ショートランドの艦娘及びメンタルモデル、蒼き鋼一同より』……みんな……」

 

そう、勇人と柏木や佐世保、呉、ショートランドの艦娘達そして蒼き鋼『全員』が二人が屋上に移動している時に書いた『垂れ幕』だったのだ

そして、屋上の出入口から花束を持ったコンゴウが二人に近付き、二人を祝福するかの様に微笑みながら言った

 

コンゴウ「結婚おめでとう……蘭花に博和」

 

博和「君は確か……霧の方の……」

 

コンゴウ「コンゴウだ……二人共の為に艦長達が急いで作り上げた『晴れ舞台』だ……少し物足りなかったか?」

 

蘭花「馬鹿ね……十分過ぎるよ……」

 

蘭花は嬉し泣きし、答えるとコンゴウは即興ではあるが『二人のカーニバル(晴れ舞台)』が成功し、安堵しながら蘭花に言った

 

コンゴウ「そう言って貰えると準備した甲斐があったな、それに蘭花『お前の初期の秘書艦達』が、お前に言いたい事があるから連れてきた……扉後ろに隠れてないで出てこい」

 

コンゴウは扉の後ろに隠れていた艦娘達を呼ぶと、隠れていた艦娘達は不安があるのか、少し俯きながら蘭花に言った

その艦娘とは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

足柄「……お久しぶりね『提督』……結婚おめでとう」

 

隼鷹「よぉ『提督』……ウップ!飲み過ぎた……」

 

蘭花「ッ!?足柄に隼鷹!?」

 

そう、かつて4年前、蘭花が提督をしていた時の『初期の秘書艦』は足柄と隼鷹だったのだ

隼鷹は飲み過ぎたせいで『千鳥足』になり、足柄は4年振りの再会に少し緊張しているのか、普段の『飢えた狼』の名に相応しい、堂々とした足取りではなく『仔犬』の様に消極的な足取りで蘭花に近付いた

 

足柄「ん~……4年も経つと『何を言って良い』か分からないわね……ってか、アンタ飲み過ぎよ」

 

隼鷹「エヘヘヘ……提督が生き返ったり『今の提督』が昇進したりと嬉しい事があったからな……」

 

蘭花「フフッ……隼鷹は相変わらずね……ん?足柄の小指に『結婚指輪』?まさか貴女も?」

 

蘭花は隼鷹の様子を見て微笑むと、足柄の小指に結婚指輪が装着されているのに気付き、聞くと、足柄は少し緊張が解れたのか、何時も通りのラフな口調で答えた

 

足柄「ええ、私も勇人……じゃなかった『現在の提督』と結婚したわ……カッコカリだけどね」

 

蘭花「フフッ、足柄に『先越されていた』とはね……」

 

足柄「貴女の場合は『ガチ』の結婚じゃない、羨ましい限りだわ……リア充め……」

 

隼鷹「そーだ!そーだ!リア充爆ぜろ!!」

 

蘭花「フフッ、なら貴女達も勇人と夜戦すれば良いじゃない」

 

足柄「……そうしたいのだが……三笠の妨害と副提督のアタックが……」

 

隼鷹「あー……今の佐世保の艦娘や女性職員の『9割』が『提督ラブ勢』になっちゃっているからな……しかも他の鎮守府の女性提督や艦娘達までもが提督に惚れているからな……」

 

蘭花「……相変わらず『親バカ』ね……母さん……ってか優花ちゃんも!?あのスケコマシ……何時か佐世保……いえ、海軍のみんなに『刺される』わよ……」

 

足柄「……いいえ、寧ろ『挿されに襲う』んじゃないの?特に金剛や榛名、大和、優花さん辺りが……」

 

隼鷹「ウチの飛鷹も『襲う気満々』だしな……」

 

蘭花「フフッ……言えてるわね」

 

二人は4年振りの再会に会話が弾み、和気あいあいな雰囲気になっていると、空気と化した博和が苦笑し、三人の猥談に自身の事を言われ、少し不機嫌になり、目のハイライトが消えたコンゴウは少し苛つきながら言った

 

博和「……女性が三人居れば『姦しい』と言うが……」

 

コンゴウ「……金剛(アイツ)のせいで私までもが『被害』が……みんな纏めて『御話し』をしないとな……艦長の『正妻』は私だとな……」

 

博和「……程々にお願いしますね……」

 

博和(コンゴウさん……貴女もですか……)

 

……訂正、コンゴウもまた、勇人に惚れていたのである

 

コンゴウ「……なぁ博和」

 

博和「何ですか?」

 

コンゴウは博和の目を見て、先程の表情とは、うって変わって真剣な表情になり、博和に脅す様に『お願い』した

 

コンゴウ「……私の『友人』を悲しませる事をしたら、地の果てまで貴様を殺しに向かうからな!」

 

博和「分かっている……そっちこそ、僕の『自慢の義弟』を裏切る様な真似をしたら……ただじゃ済まないからな」

 

コンゴウ「ああ……蘭花の事を……頼んだぞ」

 

博和「ああ……義弟……勇人の事を『お願いします』」

 

二人はそう『約束』し、雑談している蘭花達を見守った

勇人達が打ち上げた『祝福』と共に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして2日後 1000 佐世保鎮守府 出撃用のドックにて

 

勇人「もう帰るんか?お前ら」

 

勇人は元の世界に出発する群像達に言うと、群像達と艦娘達は少し名残惜しそうに答えた

 

群像「ああ……俺達はまだ『仕事』が残っているからな」

 

譲一「……また遊びに来るぜ……お祖父ちゃんに、お祖母ちゃん」

 

典明「……多忙の中、僕達の為に見送りしに来て頂いて、ありがとうございます」

 

吹雪「何時でも来なさい、歓迎するよ」

 

睦月「そうだよ!異世界とは言え『家族』だから気を使わなくて良いよ!」

 

夕立「睦月ちゃんの言う通りッポイ!後、晴彦はもう少し鍛えろッポイ!」

 

晴彦「お祖母ちゃんみたいに『無駄』な体力を付けたく無いんですよ……後、お世話になりました」

 

金剛「ケン!リョウ!ケイ!怪我と病気には気を付けてネー!」

 

榛名「三人共……御武運を……」

 

健人「フフ……分かっていますよ」

 

涼介「金剛叔母さんも御体には気を付けて……」

 

啓介「そうだな……叔母さん、結構無茶するからな……」

 

金剛「ムッ!二人共!!私をオバサン扱いをしないで欲しいデース!いくら、二人の『立場的』には合ってマスが『ちゃんとした言い方』がありマース!」

 

涼介 啓介「ごめんなさい……」

 

健人「あ!?早速『改善』されてますね……榛名伯母さん」

 

榛名「健人君、貴女の世界では私は『伯母』ですが金剛御姉様と同じく『言葉』には気を付けて下さいね」

 

健人「……すみません」

 

武人「……オイ、ババア……無茶な事はするなよ、そして早くジジイと結婚しろよな」

 

グラーフ「お前も『言葉使い』には気を付けろ……たまには遊びに来い『クソガキ』」

 

ビスマルク「フフッ……二人共、素直じゃないんだから……たまには顔を見せなさいよ……マリ」

 

マリ「……おう」

 

各自、一時的ではあるが、別れを惜しむかの様に言葉を交わすと、群像達は勇人に頭を下げて言った

 

群像「お祖父ちゃん……見ず知らずの俺達を『助けて』くれて……」

 

異世界の群像達 蒼き鋼一同「ありがとうございます!!」

 

勇人「……気にするな、俺も未来の孫達に出会えて良かったぜ……オメェラ!何かあったら帰ってこい!『佐世保鎮守府(此処)』は『お前達の家』でもあり『帰るべき場所』だからな!!俺……いや『俺達』が『何とかしてやる』からな!」

 

柏木「呉鎮守府(俺の所)にも遊びに来いよ!いくらでも『鍛えて』やっから!!」

 

異世界の群像達 蒼き鋼一同「ッ!?」

 

勇人と柏木は強く、そして群像達の心に伝える様に気合いの入った口調で言うと、群像達は二人の言葉に嬉し泣きをしつつ、気合いの入った口調で「はい!!」と答えると、勇人は異世界転移装置を調整している明石に聞いた

 

勇人「明石、群像達の船と同調したか?」

 

明石「バッチリ!」

 

イオナ「……それじゃ勇人……行ってくる!」

 

イオナは自身の船に乗ると、群像は大声で異世界の自分を含む『蒼き鋼』全員に命令を出した

 

群像「佐世保の龍と呉の虎そして『我が家族』に……敬礼!!」

 

群像達は勇人達に敬礼すると、勇人もまた群像の『感謝』に答える様に微笑み、気合いの入った口調で命令を出した

 

勇人「フッ……ガキが……明石、異世界転移装置作動!!総員!蒼き鋼に……敬礼!!」

 

バッ!

 

勇人「……全て『ケリ』を着けてこい!お前なら出来る!!行ってこい!千早群像……いや『上城群像』!!」

 

群像「……はい!!」

 

勇人は柏木を含む『全員』を敬礼させ、明石に装置を作動させると群像達の周りに電磁波が発生し、電磁波が収まると群像達は居らず、ただ佐世保の静かな波が勇人達の足下に打ち付けてきた

 

群像達の未来の安泰を表すかの様に……

 

 

 

 

 

 

第4章「蒼き霧の艦隊、再来」 完




漸く終わりましたf(^_^)
次回からラムネさんとのコラボ章が始まりますので宜しくお願いしますm(_ _)m

彼方様の作風を壊さなければ良いのですが……( ;´・ω・`)


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第5章「龍の恩返し」
第61話「龍一族、舞鶴へ」


どーも、私ですm(_ _)m
今回……というより次回からラムネさんの作品『お袋の味が鎮守府に到着しました。これより、調理場の指揮を執ります』とコラボしますので宜しくお願いしますm(_ _)m


蒼霧事変から1ヶ月後 1月10日 1000 佐世保鎮守府 執務室にて

 

勇人「……暇だ」←『紺田〇の合法レシピ』を読書中

 

吹雪「暇ですね……あ!?ゴローさんがアームロックを!?」←『孤独〇グルメ』鑑賞中

 

赤城「そうですね……あ!?私のFCと同じ『エアロパーツ』になっている!」←『頭〇字D』を読書中

 

勇人、吹雪そして赤城は仕事を終わらしたのか、各自、『一時の平和()』を楽しんでいると、ソファーに座って待機していたコンゴウが勇人達の『弛んだ様子』を見て激怒した

 

コンゴウ「艦長!!吹雪!!赤城!!最近、弛んでいるぞ!!少しは他の者を見習え!!」

 

コンゴウは強い口調で勇人達に叱ると、勇人は覇気の無い『ユルい口調』に答えた

 

勇人「そんな事言ってもな……蒼霧事変の後『新人達を教育』しに臨時の教官として年末年始の間、横須賀鎮守府(大本営)に行ったり、『金剛含む艦娘達の人間用の戸籍』とお前やマヤ、伊400、402の『新しい戸籍』を作りに総理大臣『直々』に許可を貰いに行ったり忙しかったからな……『金剛 由香奈』さんよ」

 

勇人は『人間としてのコンゴウの名前』で聞くとコンゴウは勇人の言葉に、しどろもどろになり答えた

 

コンゴウ「そ……それは感謝するが……しかしだな、私達は軍人だ……この『だらしない姿』を艦娘達に見せたくないんだ……威厳を保つ意味で……」

 

コンゴウは勇人の言葉に先程とは、うって変わって消極的な発言をすると、傍に聞いていた吹雪と赤城は苦笑しながらコンゴウに言った

 

吹雪「あの~……私も艦娘なのですが……」

 

赤城「私もですよ……」

 

コンゴウ「うっ!?そうだった……」

 

コンゴウは二人の言葉に失念していたのか、頭を抱えながら答えると……

 

 

 

 

ガチャ……

 

 

 

 

三笠「……相変わらず『サボって』いるわね」

 

執務室の扉が開き、三笠は勇人の様子を見て呆れながら入ってくると、勇人は三笠に強い口調でツッコミを入れてきた

 

勇人「サボってねぇよ!今日の業務が終わったんだよ!ってかノック位しろよ!」

 

三笠「別に疚しい事をしている訳無いでしょ?」

 

勇人「……聞いた俺が馬鹿だった、んでアイツ(柏木)は?」

 

勇人は親友『柏木疾風』の安否を三笠に聞くと、三笠は俯きながら答えた

 

三笠「憲兵司令並びに呉鎮守府総司令官『解任』そしてロシアに『飛ばされたわ』」

 

勇人「はぁ!?『解任』!?ってか、アイツ……俺以上に『ヤバイ爆弾』を抱えているのにか!?」

 

三笠「『ヤバイ爆弾』!?それ……どういう事よ!?」

 

三笠は勇人の言葉に驚き、強い口調で質問すると、勇人は頭を抱えながら答えた

 

勇人「慧音先生がアイツを『Ars Nova』に改造、診察した時の『診断書(カルテ)』を見せて貰った時に『大本営襲撃事件と同等もしくは以上の戦闘で、全身に艦娘でも耐えれない威力の攻撃を喰らうと艦娘……鞍馬から移植された艦娘特有の入渠による回復速度が低下し、最悪、柏木は今回の移植手術で得た艦娘(鞍馬)の力を失い、死ぬ』と記載されていた」

 

吹雪 赤城 三笠「嘘……」

 

コンゴウ「ッ!?艦長!副艦長を治す方法はあるのか!?教えてくれないか!!」

 

コンゴウは勇人に強い口調で質問すると、勇人は俯きながら答えた

 

勇人「……『元に戻す』方法はある」

 

勇人は俯きながら答えると、コンゴウは意気揚々と執務室から出ようとした

 

コンゴウ「ッ!?なら今すぐにでm……勇人「待てま!!『それ』は『アイツのポリシー』に反する事になるんや!俺だって『したく無ぇ』!!」……だが……」

 

三笠「……まさか!?その『治療法』は……」

 

勇人は必死になっているのか、石川弁でコンゴウを止めると、勇人同様『医師免許』を取得している三笠が勇人の言葉に察し、聞くと、勇人は頷き、一呼吸を置き、答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「ああ……再び『艦娘の身体』を移植して『元に戻す』んだ」

 

吹雪 三笠 赤城 コンゴウ「そ……そんな……」

 

勇人の言葉に四人は絶望すると、勇人は四人に『ある事』を言った

 

勇人「だが……それはあくまで『治療』ではなく『復元』だ……勿論『治療法』もある……まぁ『これ』に関しては『賭け』に近いが……」

 

三笠「賭け?それはどういう事よ?」

 

三笠は勇人の『賭け』という言葉に引っ掛かり、質問すると、勇人は、まだ確証が得ていない為なのか、少し自信の無い口調で答えた

 

勇人「……アイツの幹細胞を使って、鞍馬から移植された内蔵の細胞と柏木の細胞を融合させる事により、拒絶反応を無くし、人間としての回復力を増大させ、艦娘の力を回復させる『やり方』だ……だが……」

 

三笠「拒絶反応……それが『不安要素』になる訳ね……」

 

コンゴウ「幹細胞……まさか艦長は、四年前、艦長が蘭花の為に『新しい心臓』を作った時の治療法を応用した『やり方』を?」

 

勇人「……ああ」

 

勇人は四年前の出来事(失態)を思い出したのか、少し不機嫌になりながらも、コンゴウの言葉に肯定し、答えた

 

勇人「しかも、その『やり方』は『拒絶反応』に耐えないといけないから、患者自身『尋常じゃない位』の体力、精神力がいるからな……しかも『それ』は理論上『可能』だが、成功例が『無い』んだよ……だが、成功すれば、その『やり方』を応用した方法で『深海棲艦化した艦娘』を元に戻せるんだ」

 

三笠「……成る程ね、たがら『あの時』李を殺さず『生け捕り』にした訳ね……」

 

吹雪「まぁ……大将は前線を離れ、ロシアで長期休暇を取ったと思えば……」

 

赤城「より安全で確実な『治療法』が発見、確証出来る『期間が増える』……と言う訳ですね」

 

勇人「……そういう事だ」

 

吹雪と赤城は結論を纏め、勇人に聞くと、勇人は頭を頷き、タバコに火を着け、吸い始めると、コンゴウは『ある事』を思いだし、勇人に聞いた

 

コンゴウ「所で艦長、舞鶴の件はどうなんだ?鎮守府の業務が安定し始めたから、そろそろ『恩を返し』に行った方が……」

 

勇人「ふーっ……そうだな……と、その前に、コンゴウ、『それに関して』お願いがあるんだが……」

 

コンゴウ「何だ?」

 

勇人は申し訳無さそうに、コンゴウに『ある事』をお願いした

 

勇人「俺と赤城、明石に夕張、一航戦と吹雪、日向そして優花を『一週間』いや『それ以上の長期休暇』を貰うんだが、その間の留守……『総司令官代理』を頼めるか?」

 

コンゴウ「なっ!?わ……私が『艦長の代理』を!?」

 

勇人「ああ……」

 

赤城「私達からも、お願いします」

 

コンゴウは勇人の頼みの内容に動揺したものの、直ぐに冷静さを取り戻し、勇人の頼み事を了承した

 

コンゴウ「勿論だ!艦長の仕事内容は『もう覚えた』からな!みんなは『戦艦に乗った気分』で休暇を楽しんで来て下さい!」

 

三笠「……それを言うなら『大船に乗った気分』でしょ?」

 

コンゴウ「そうだったな……一言多いんだよ

 

三笠「何か文句でも?」

 

コンゴウは三笠の指摘に悪態を付くと、三笠はコンゴウを睨むとコンゴウは「何でも無い」と答えた

 

勇人「んじゃ、明日から舞鶴に出発するから、コンゴウ……留守を頼んだ」

 

コンゴウ「ああ」

 

赤城「それでは……」

 

吹雪「舞鶴へ!」

 

コンゴウ「フフッ……彼方の提督や夕張達には私が伝えるから、艦長達は準備してくれないか?」

 

勇人「悪いな、後は頼んだ」

 

三人は明日の出発の準備の為、ガレージに急いで向かった

まるで遠足に行く子供の様に……

 

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 佐世保鎮守府 工房にて

 

明石「夕張……『例のアレ』出来上がった?」

 

明石は『対戦車用ライフル銃』らしき小銃を点検しながら夕張に聞くと、夕張はコンゴウの『ナノマテリアルブレード』を模した剣を点検しながら答えた

 

夕張「バッチリ!しかし良いの?提督に『黙って』ナノマテリアルを大量に使って『例のアレ』を開発した事に……」

 

夕張は不安視すると、明石は夕張の不安を払拭するかの様に微笑みながら答えた

 

明石「大丈夫!バレなければ良いんだし!」

 

明石は微笑みながら答えると、作業台に置かれていた明石のスマホが震え出した

 

明石「ん?コンゴウさんからだ……もしもし……」

 

コンゴウ「私だ、艦長からの伝達だ……二人には『休暇』を与えるという伝達があった……勿論、艦長自身もな」

 

明石はコンゴウからの電話に出ると、コンゴウは先程の休暇の件を簡潔ではあるが、明石達に伝えると、二人は休暇の『内容』を察したのか、嬉しそうに答えた

 

明石「提督も!?まさか……」

 

夕張「私とデート!?」

 

コンゴウ「……一応、言っておくが……一航戦と吹雪、日向と優花そして『艦長(上城)一家』も一緒だ」

 

コンゴウは二人の様子に少し呆れ、休暇のメンバーを二人に言うと、二人は少し残念がっていたが、休暇の『本当の目的』を察し、答えた

 

明石「あ……舞鶴の人達に『お礼』しに……か……」

 

コンゴウ「……そういう事だ」

 

夕張「残念……でも何故『私達』まで?」

 

夕張はコンゴウに質問すると、コンゴウは考える様に「う~ん……」と唸っていると、コンゴウの代わりに三笠が微笑みながら答えた

 

三笠「それに関しては私が説明するわ……今、舞鶴で艤装の開発の『成功率』が『急激に低下している』のよ……だから二人には舞鶴で『低下の原因を解明』して貰いに『派遣』してもらうのよ……『旅行』も兼ねてね」

 

明石「それって……明らかに『公私混同』ですよね……」

 

夕張「ええ……」

 

明石は三笠の発言に、あまり乗り気では無いのか、溜め息を付き、答えると、三笠は二人に『ある許可』を出した

 

それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三笠「ほぅ……『泊まりOKの勇人との逢引き』は無しで良いんだな?」

 

そう、三笠は息子である勇人との『お泊まりデート』の許可を出したのだ

 

それを聞いた二人は……

 

明石 夕張 コンゴウ「行かせて下さい『お義母様』!!」

 

鼻息を荒くし、即答で返事を出した

 

何故かコンゴウまでもが勇人の命令を無視し、三笠に懇願していたが……

 

三笠「コンゴウ……貴女は勇人の命令で留守を頼まれたのでしょ?」

 

コンゴウ「ッ!?しかし……」

 

三笠「大丈夫よ、私に『良い考え』があるから」

 

コンゴウ「人は、それを『フラグ』と言うんだが……仕方ない」

 

三笠「じゃ明石、夕張……明日の早朝に出発するから荷物を纏めて置いてね……じゃ!」

 

ピッ♪

 

 

明石「ヨッシャー!!」

 

夕張「提督とデート!しかも『親バ艦娘』として有名な三笠教官『公認』の!これは頑張らないと!!」

 

明石「ええ!なら!『アレ』を千川少佐と舞鶴の間宮さんにプレゼントして……」

 

夕張「舞鶴の『私達』に『格の差』を見せつけましょ!」

 

三笠は通話を切ると、二人は意気揚々と荷物を纏め、準備し始めた

 

二人が製作した『怪しげな武器』と共に……



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第62話「舞鶴、訪問」

1000 名神高速道路のPAにて

 

勇人「……ふーっ……」

 

勇人達はPAで蘭、勇次、蘭花、沙耶そして一馬と合流する為、休憩を兼ねてPAに待機していると、自販機で購入したであろう缶コーヒーとジュースを持ってきた吹雪が急いで喫煙エリアで喫煙中の勇人に近付き、渡した

 

吹雪「司令k……勇人さーん!B〇SSのブラックコーヒーを買ってきました!」

 

勇人「お!?すまないな、お前をパシリに使って……あ、お釣りは要らないから……」

 

吹雪「いえ、気にしないで下さい!勇人さんの為なら『何でも』やりますよ!」

 

勇人「吹雪……その『発言』は止めた方が良いぞ」

 

吹雪「勇人さん『だけ』言っているので大丈夫ですよ!」

 

勇人「……駄目だコリャ」

 

勇人は少し申し訳無さそうに言うと、吹雪は天真爛漫な笑顔で溌剌とした口調で言うと、勇人は少し苦笑し、呟くと、赤城の愛車『FC3S』三笠の愛車『86』優花の愛車『FD3S』そして勇人の『もう一台の愛車』で明石が運転しているワゴン車『HiACE』が勇人の愛車『アヴェンダドール』の隣に列を作る様に駐車し、各ドライバーが車から下り、呆れながら勇人に言った

 

優花「速いよ……それ……」

 

赤城「化け物染みてますね……」

 

加賀「あの赤城さんが追い付けないなんて……」

 

明石 夕張「勇人さん……飛ばし過ぎです……」

 

三笠「ったく……アレで『ノーマル』なんて……スペック高過ぎでしょ……吹雪、どうだった?」

 

三笠は吹雪の容体……というよりアヴェンダドールの乗り心地について聞くと、吹雪は笑顔で答えた

 

吹雪「最高でしたよ!勇人さんの運転『巧かった』ので『車酔い』にならずに済みました!……しかも運転する姿が格好良かったです……」

 

三笠除く女性陣「ッ!?」

 

勇人「ん?」

 

三笠「あちゃ……」

 

吹雪は赤面し、小さく呟くと三笠を除く女性陣は驚愕し、勇人は吹雪の呟きが聞こえなかったのか、首を傾げ、三笠は「やっちまったな」と言わんばかりに困った表情になると、三笠を除く女性陣は獲物を狙う『女豹』の様に鼻息を荒くし、ギラついた目で言い争った

 

明石「何……だ……と……吹雪さん!帰りは私が勇人さんの隣に!そして私の血が入った群像君を……」

 

夕張「何言っているの!?私よ!」

 

優花「あぁ?あんたら何言っているの?私よ!」

 

吹雪「嫌です!帰りも私が助手席に座ります!そして譲一を……」

 

加賀「いくら吹雪さんや優花さんでも頭に来ました」

 

赤城「加賀さん!貴女もですか……提督!帰りだけはアヴェンダドールを運転させてください!乗りたくてウズウズしていますので!」

 

 

 

ワーワー!

 

 

 

勇人「……何故こうなった」

 

三笠「みんな勇人の事が『好き』だからよ……まぁ赤城に関しては『このスピード狂!』と言ってやりたいわね」

 

勇人「……口説いた事は無いんだがな、しかも『その台詞』高雄の……まぁ良いが……」

 

日向「良いのか……それで……」

 

三笠「……そして、勇人……アンタ、近い内に『刺される』わよ……マジで」

 

勇人「……泣けるぜ」

 

上城親子そして優花の愛車の中で仮眠を取っていた日向は女性陣の『醜い口喧嘩』に頭を抱え、呆れる様に会話していた

まぁ、『大食いのスピード狂』の赤城だけは『下心無しの健全な要望』だったが……

 

三笠「はいはい!ちゅーもーく!!」

 

夕張 明石 一航戦 優花 吹雪「ッ!?」

 

三笠は口喧嘩をしている夕張達を止めるかの様に手を叩き、大声で言うと、夕張は口喧嘩を止め、三笠に注目すると、三笠は呆れながら質問した

 

三笠「貴女達『本来の目的』を忘れたの?」

 

赤城「覚えていますよ、千川少佐の所の間宮さん達に『御礼』しに向かう事ですよね?」

 

明石「そして……」

 

夕張「アッチの『私達』に格の差を見せつける為と『勇人さんとのデート権』を貰う為に……」

 

吹雪 加賀 優花「ッ!?デート権!?私聞いていない(聞いていません)!!」

 

勇人「俺もだ……」

 

日向「あ……このパターンは……」

 

明石と夕張は『デート権』の欲しさに本気になっているのか、覇気に満ちた低い声で答えると三笠は微笑みながら言った

 

三笠「明石に夕張……」

 

明石 夕張「は……はい」

 

明石と夕張は不気味な位『笑顔』な三笠を見て、少し引いていると、三笠は二人にとって『地獄に落とす』発言をした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三笠「あれは『嘘』よ」

 

明石 夕張「はぁぁ!?それどう言う事!?訳を説明して!」

 

三笠のカミングアウトに二人は驚愕し、ブチギレた状態で三笠に聞くと、三笠は微笑みながら言った

 

三笠「アッチには明石と夕張は居ないし、開発の成功率も低下していないわ……ってか、そもそも私が『そう簡単』にデート権を与える訳無いじゃない……まぁ本来の目的は『ATフィールド』の技術提供だけどね」

 

一航戦 優花 吹雪 日向「……デスヨネー」

 

勇人 戦艦女帝(どこぞのモリモリマッチョマンの変態軍人みたいに言うなよ……)

 

明石「ふざけるな!!!」

 

夕張「この鬼!悪魔!親バ艦娘!」

 

ブーブー!!

 

三笠の発言にブーイングを飛ばすと、別ルートでやって来た蘭と蘭が『統括』している拍地『ショートランド』に所属している照月と初月が呆れながら言った

 

蘭「はぁ……相変わらずだな」

 

照月「まぁ……」

 

初月「賑やかなのは良いけど……修羅場は勘弁して欲しいな……」

 

勇人「俺だって修羅場は勘弁してもらいたいな……ん?蘭、何故『照月』と『初月』を連れてきたんだ?」

 

勇人は蘭に、彼女の愛車『ランサーエボリューションX』通称『ランエボX』の車内に居る二人について聞くと、蘭は車から下り、長時間の運転で、硬くなった身体を解す様にストレッチをし、ラフな口調で答えた

 

蘭「ん~……何って、彼女達は『道中の所の元艦娘』で今は『私の秘書艦』……というより私が『保護』している艦娘達だからな、私も『あの事件』の後、昇進試験に合格し『少佐』になり、懲戒免職になった道中の『地位()』である『ショートランド拍地の司令長官』言わば兄さんと同じ『鎮守府総司令官』になり……そして先ず『手を付けた』のは……」

 

勇人「秋月が亡くなった事で傷心しきっている二人を『癒す事』……だな?」

 

蘭「……そういう事だ」

 

照月「提督と大将には感謝しています」

 

初月「僕達の為に『少ない休暇』を使ってまで……」

 

蘭「気にするな、私だって、お前達と同じ人間だ……休みたい時だってあるさ……だから思いっきり羽を伸ばしなさい」

 

照月 初月「はい!!」

 

三笠「フフッ、すっかり『板に着いた』わね……蘭」

 

三笠は蘭の様子を見て微笑むと、蘭もまた微笑みながら答えた

 

蘭「……兄さんみたいに『ぶっ飛んだ事』は出来ないが、道中のせいで、ブラック鎮守府と化したショートランド拍地を『少しずつ』立て直していくつもりだ」

 

三笠「貴女は貴女なりの『やり方』でやれば良いわ……無理せず、マイペースに……ね」

 

蘭「……最初から『そのつもりだ』母さん」

 

三笠「……貴女は勇人と違って『物分かりが良い』からね」

 

三笠は蘭の言葉に失笑していると白のハマーに同色の80スープラそして赤のR-35が勇人達の前に止まると、ハマーから一馬と一馬側の武蔵こと『たけぞう』、80スープラから新婚ホヤホヤの蘭花、そしてR-35から勇次と瑞鶴が下り、勇人達に言った

 

一馬「待たせたな朱里」

 

勇次「よぉカーチャン」

 

蘭花「お待たせしました」

 

瑞鶴「あ!?教官!ご無沙汰しています!」

 

三笠「あら?普段は『三笠』と呼ぶのに?」

 

三笠は一馬が『人間としての三笠の名前』で呼ぶと、一馬は微笑みながら言った

 

一馬「今回は『軍人』ではなく『家族の長』として行くからな」

 

三笠「それもそうね……じゃ、全員揃った所で行きますか」

 

勇人達は各自、車に乗り、そのまま京都の舞鶴鎮守府へ向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1300 舞鶴鎮守府 正門前にて

 

千川「ん~……もうそろそろ着く頃だが……」

 

間宮「そうですね……」

 

電「……ひょっとして『渋滞』に捕まったんじゃ……」

 

千川「……今の時期、あり得るかもな……」

 

千川、間宮、電そして防空棲姫こと『未来』は上城一家を出迎えをする為に正門前で待機していた

ただ未来だけは……

 

間宮「未r……防空ちゃん!大丈夫よ!上城大将は深海棲艦だけの理由で襲ってくる様な『危ない人』じゃないから!現に防空ちゃんの『御願い』である『龍光会を壊滅』して貰ったじゃない!だから私の『後ろ』に隠れないで出てきなさい」

 

未来は勇人の異名『戦場の狂龍』のせいなのか、勇人に感謝する『以上』に恐怖心が優っていたのか、臆しながら間宮の後ろに隠れていると、千川と電は恐怖に怯えている未来を安心させるかの様に微笑みながら言った

 

千川「そうそう、アイツは普段の行いのせいで一部の提督達に『怖れられて』いるが、根は『良い奴』だから安心して」

 

未来「だって……もし『異名通りの恐ろしい人』だったら……」

 

電「大丈夫です!もし大将が暴れても『ストッパー』がいるので安心して欲しいのです」

 

間宮「ストッパー?誰の事を言っているの?」

 

間宮は電の言葉に疑問を抱き、質問すると、電は間宮の質問に答えた

 

電「大将の秘書艦『赤城』さんに大将の母親でもあり、艦娘の『三笠教官』なのです」

 

間宮「母親?つまり元帥の『奥さん』……ってか艦娘は『艤装解体』をしない限り『妊娠出来ない筈』じゃ……」

 

千川「……まぁ色々あるんだ、察してやれ」

 

間宮「分かりまし……」

 

千川は間宮に言い、間宮は千川の言葉に了承しようとした途端

 

ブロォォォォン!

 

間宮 電 未来「ッ!?何!?この轟音は!?」

 

千川「この『ロータリーサウンド』に『ボクサーエンジン特有の低音』……やっと来たか……」

 

間宮(まるで『ワイルドス〇ード』のワンシーンみたいに『違法改造された車』が並んでいますね……あ、あのフェラーリみたいな車を運転していたのが提督の同期生の『上城勇人』さんですね……何か『某悪魔狩りの双子のお兄さん』に似てますね……ちょっと未来にとっては『刺激』が強すぎる人だわ……)

 

千川は改造車特有の『轟音』を聞き分け、轟音の正体が分かったのか溜め息を付き、呟くと正門から白のFC3S、赤のR-35にFD3S、黒のランエボX、同色のベンツAMG、白のハマーに80スープラ、黒のハイエースに86、そして同色のアヴェンダドールが舞鶴の正門前で停車し、FC3Sのドライバー『赤城』と『加賀』そしてアヴェンダドールのドライバーである勇人と助手席に座っていた吹雪が降り、千川に言った

 

勇人「よぉ千川」

 

吹雪「初めまして!千川少佐!秘書艦の『吹雪』です!」

 

赤城「お初目に掛かれます……上城大将の専属秘書艦の赤城です」

 

加賀「同じく専属秘書艦の加賀です」

 

間宮 未来(あんな人が吹雪を秘書艦に!?似合わな過ぎる!!)

 

千川「おう……って、お前!アヴェンダドールに乗っていたのか!?しかも吹雪!生きていたのか!?」

 

勇人「ああ」

 

吹雪「はい!瀕死の所を司令官に助けて貰いました」

 

吹雪は「御心配を御掛けしました」と千川に言うと、勇人は千川に頭を下げた

 

千川「お……おい、どうしたんだよ」

 

勇人「『あの時』はすまなかったな……当時の呉と佐世保はブラック鎮守府を改善しながら佐世保と呉に攻めてきた深海棲艦達を阻止していたからな……助け船を出せなくて悪かったな」

 

千川「あの時?ああ、間宮が誘拐された時か……佐世保と呉が『そういう状態』なら仕方無いか……」

 

勇人「助かる」

 

千川は勇人の再会に喜びを感じる以上に勇人の『愛車』と轟沈した筈の吹雪が『生きている事』に驚いているのか、顎が外れる位に口が開き、驚いているとハマーと86そしてFD3Sから一馬、たけぞう、優花そして三笠が降り、千川に近付いた

 

一馬「久しぶりだな千川、お前の所の間宮達に世話になったな」

 

千川「ッ!?上城元帥に教官!長旅お疲れ様です!」

 

一馬「そんなに疲れてないんだが……おい優花、千川に自己紹介を……」

 

優花「分かりました!少佐!お初目に掛かれます!私は勇人k……上城大将の部下の『桜花 優花(さくらばな ゆうか)』大尉です!」

 

千川「話は柊中佐から聞いているよ、確か『桜花連合』の会長の……」

 

優花「孫です……今は佐世保鎮守府『総副司令』兼『メンタルカウンセラー』として勤務しています!」

 

千川「そうか……僕は上城大将の同期の『千川大地』だ……上城から話は聞いたが『あの事件』の同期達の『軍人として、あるまじき行為』……本当にすまなかった……同じ同期として『恥ずかしい限り』だ……」

 

優花「いえ、少佐達は『悪くありません』ので頭を上げて下さい!それに私が恨んでいるのは大将を除く『第一研修部隊』の人達ですよ!」

 

千川「……そう言って貰えると助かる」

 

三笠「何か謝罪ばかりで気が滅入るな……千川、お土産よ」

 

三笠は紙袋に入った物を千川に渡すと、千川は嬉しそうに言った

 

千川「これ……長崎名物のカステラ!?しかも『入手困難』な『岩永梅寿軒』のカステラ!?ありがとうございます!」

 

電「うわぁ……美味しそう……」

 

電もまた、物欲しそうにカステラを見ていると、三笠はトランクから、お土産のカステラを取り出し、電に渡した

 

三笠「安心して、電の分もあるからね……はい」

 

電は三笠からカステラを受け取り、嬉しそうに答えた

 

電「ッ!?ありがとうございます」

 

三笠「第六駆逐隊と一緒に食べてね」

 

電「分かりました」

 

間宮(この人が『三笠』さんですか……何か私と『同じ匂い』が……)

 

三笠は土産である長崎名物『カステラ』を千川そして電に袋ごと渡すと二人は頭を下げ、お礼を言うと、勇人は間宮の後ろに隠れていた未来に気付き、近付きながら言った

 

勇人「ん?お前が例の防空棲姫か?」

 

未来「ああ……そうだが……」

 

勇人「そうか……」

 

ポフッ……

 

未来「……へ?」

 

未来は勇人に怖がりつつ、警戒すると、勇人は未来の身長に合わせる様に中腰になり、未来の頭を撫で、微笑みながら言った

 

勇人「親父と部下を助けてくれて、ありがとうな……」

 

未来「此方こそ……龍光会を潰してくれて……ありがとう……」

 

勇人「フッ、気にすんな……ただ個人的に『気に食わなかった』だけだからな」

 

未来(あっ……この人も元帥と同じく器のデカイ人だ……何だろう……この暖かい雰囲気は……お父さん?)

 

勇人(柏木の所の『軽巡棲鬼』みたいな奴だな、しかも敵意が無い辺り『和平派』の深海棲艦か……しかも『間宮の娘分』で親父達を助けて貰ったから『敵意丸出し』で接する訳にはいかねぇな……)

 

戦艦女帝(ズールーイ!!お兄様に撫でて貰えるなんて!!)

 

勇人(……我が儘言うな)

 

未来は勇人の行動に戸惑いつつも、御礼を言うと間宮は笑顔で未来に言った

 

間宮「ね、大将は『危険』では無かったでしょ」

 

間宮は未来に優しく言うと、未来は嬉しそうに言った

 

未来「うん!見かけに寄らず『優しい人』だね!何か『お父さん』みたいに暖かく、強い人だね」

 

千川「お父さん!?上城!テメェ……」

 

千川は勇人に怒りながら言うと、勇人は目のハイライトが消えた状態『ヤンデレ化』した千川を説得する様に少し強い口調で言った

 

勇人「千川落ち着けって!それに『お父さん』って……俺はそこまで老けてねぇよ!まだ22だ!」

 

電 未来「そっち!?ってか22って司令官(アイツ)より若くて階級が上なの!?」

 

千川「あんな『化け物(チート野郎)』と比べんな……」

 

勇人「聞こえているぞ、テメェ」

 

一航戦「……否定しないのですか」

 

……訂正、千川を説得するのではなく、蒼霧事変以降、自身の年齢に敏感になり、ツッコミを入れる勇人だった

そんな勇人に悪乗りするかの様に上城夫婦は微笑みながら言った

 

一馬「フッ……なら俺は『お祖父ちゃん』って訳か」

 

三笠「フフフ、そうね」

 

たけぞう「お祖父ちゃんって……」

 

千川「元帥達まで……悪ふざけは止めて下さい!」

 

勇人「……弄られた身になってみろ千川……」

 

千川「あの子に父親扱いされるのは本望だ!」

 

勇人「……やれやれ」

 

勇人は千川に呆れると電は勇人に撫でられた未来に羨ましそうに呟いた

 

電「……上城大将に撫でて貰えるなんて……狡いです……」

 

間宮「なら撫でて貰えば良いじゃないの?私は遠慮しますが……」

 

電「……何か恥ずかしいです」

 

間宮「大丈夫よ、間違っても『暴れる事』は無いから」

 

電「それは分かっています!」

 

勇人「暴れるって……人を猛犬扱いをするんじゃねぇ!」

 

間宮「フフッ、それは大将の『異名』のせいですよ」

 

勇人「俺の所の間宮と比べて本音をズバズバ言うんだな……泣けるぜ」

 

勇人は何時もの口癖で嘆くとR-35のドライバーである勇次と交際相手の瑞鶴、80スープラのドライバーである蘭花が痺れを切らしたのか、少し怒りながら言った

 

勇次「……そろそろ入ろうぜ!通行の邪魔になるからな!」

 

瑞鶴「そうそう!」

 

蘭花「ガソリンが減るから、早く停めたいのよ!」

 

千川「そうだな……では入ってくれ、歓迎するよ」

 

照月「大しょ~……待ちくたびれましたよ……」

 

初月「全く……待機してた僕達の身にもなってくれませんか?」

 

勇人「悪いな、んじゃ……」

 

佐世保組全員「お邪魔しまーす♪」

 

千川の案内で佐世保組全員、舞鶴の正門をくぐり、敷地内に入っていった

 

ただ……

 

未来「あの人達、滅茶苦茶良い人達だね」

 

間宮「ええ、しかし……」

 

ブロォォォン!!

 

ブロォォォン!!

 

ギャギャギャギャギャ!

 

勇人「姉貴に優花!!『ケツを流しながら(ドリフトしながら)』移動すんな!!スマートに運転しろま!!他人の敷地に迷惑を掛けんなや!!しかも明石!ハイエースでドリフトすんなま!横転するぞ!!」

 

明石「テヘペロ♪ついノリで」

 

夕張「ウップ……気持ち悪い……」

 

優花 蘭花「ごめんなさーい!!」

 

勇次「兄貴!石川弁が出てるし!」

 

一馬「お前もだろ……」

 

三笠「……泣けるわね」

 

蘭 照月 初月「……同じく」

 

沙耶「……色んな意味で『ツッコんだら』負けね」

 

ブロォォォン……

 

間宮「……近辺の騒音苦情と上城夫婦と大将そして『私達』の心労……待ったなしだわ……」

 

未来「……倒れなきゃ良いんだが……特に勇人さんが……」

 

千川「……色々と苦労しているんだな、アイツ……」

 

電「なのです……」

 

これから起こるであろう『小さな問題』に頭を抱える四人だった

 



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第63話「御召艦ならぬ悪飯艦(おめしかん)

1800 舞鶴鎮守府 厨房にて

 

勇人「……」

 

三笠「うーん……ちょっと薄いわね……間宮、塩を」

 

間宮「分かりました」

 

勇人と三笠は厨房を借り、間宮と伊良湖共に料理をしていると、千川と鳳翔は申し訳なさそうに言った

 

千川「教官に上城、間宮……スミマセン……」

 

鳳翔「本当にスミマセンでした!」

 

勇人「気にするな……しかし……」

 

三笠「……比叡だけではなく金剛まで……はぁ~……」

 

上城親子 間宮 伊良湖「泣けるぜ(泣けるわ)……」

 

3人は何故、嘆きながら調理しているのは今から1時間前に遡る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間前 1700 工房にて

 

勇人「……なぁ千川、今から榛名と夕張を『建造』するぞ……『最低レシピ』で」

 

千川「建造するって……二人同時にか!?しかも最低レシピで!?」

 

勇人は今の舞鶴の艦娘の状況を把握し、戦力増大の為に榛名と夕張を建造しに工房に来たのだ

千川は勇人の発言に面を喰らっていたが……

 

勇人「ああ、先ずは『オール30』で……ポチっとな」

 

千川「って!?上城!!勝手に資材を使うな!!」

 

勇人「安心しろ……大本営に掛け合って資材代は『俺の給料』から『天引き』する様、頼んでおいた」

 

千川「課金すんなよ……って!?」

 

千川は勇人の行動に溜め息をつき、呆れながら建造時間を見ると、驚愕した

何故ならモニターには……

 

『01:22:00』←モニター画像

 

 

千川「建造時間が1時間超え!?しかも『オール30』で!?」

 

そう、最低の量……言わば『駆逐艦レシピ』で資材を回したら『軽巡』いや『夕張の建造時間』がモニターに表記されていたのだ

勇人はモニターを見て、確信を得たのか、ニヤつきながら言った

 

勇人「……十中八九『夕張』だな……よし、次は……燃料『400』鋼材『600』それ以外は『30』で……ポチっとな」

 

勇人は建造機に資材を設定し、『戦艦の最低レシピ』で建造を始めるとモニターが表記された

 

『04:00:00』←モニター画像

 

勇人「4時間……フッ……『榛名』だな」

 

千川「お前……スゲェよ……一発で榛名と夕張を……」

 

千川は勇人の強運に驚愕すると、勇人は首を傾げながら答えた

 

勇人「そうか?ちなみに『初めて』建造したんだが……」

 

千川「……雪風並の『強運』だな……」

 

勇人「伊達に修羅場をくぐってないんでな……高速建造材(バーナー)を使うか?」

 

勇人は千川に『建造中の二人』に高速建造材を使って、直ぐに建造を終わらせるか質問すると千川は頭を横に振り、答えた

 

千川「いや、それに関しては金剛達と一緒に出迎えたいから今はいい」

 

勇人「夕張もか?」

 

勇人は建造中の夕張にも高速建造材の使用について聞いたが、千川は「1時間位なら使わなくても大丈夫だ」と答えると……

 

勇人「そうか……ん?なぁ千川……何か厨房から『変な匂い』がするが……まさか!?千川!ガスが漏れている可能性がある!今すぐに警報器を鳴らしてくれ!」

 

勇人は異臭を察知し、千川に指示を出すと、千川もまた勇人と同じく異臭を感じた

 

千川「ガスだと!?分かった!」

 

千川も異臭を察知し、勇人の指示で警報器を鳴らしに行こうとした途端、加賀が血相を変えながら急いで工房に入り、勇人に報告した

 

加賀「提督!大変です!厨房で金剛さん達が調理を始めています!」

 

勇人「調理?ガス漏れでは無いのか?」

 

加賀「違います!ガス漏れなら今頃『火事』になっています!」

 

千川「なんだ……ガス漏れじゃなくて良かっ………良くねぇ!!今すぐ止めに向かうぞ!!」

 

勇人「……そんなに急ぐ事か?」

 

千川「当たり前だ!!」

 

加賀「提督も早く!」

 

勇人「大袈裟だな……たかが『調理』ごときで……」

 

勇人は呆れ、溜め息をつき、呟くと、厨房から怒鳴り声が聞こえた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三笠「自分ら!!訓練をサボって、何勝手に料理しとんや!!料理の基本すら出来てないのに!

 

赤城 間宮「そうですよ!!」

 

千川側の赤城「ふぅ……間一髪でしたね」

 

金剛「ヒッ!?」

 

比叡「ヒェェェェ!!」

 

勇人「……千川に加賀、さっきの言葉を撤回するぜ……母さんが『石川弁』でキレている程だ、これは急いで行った方が良いな……加賀、千川、行くぞ」

 

千川「……事の重大さに気付いた様だな」

 

加賀「ええ」

 

3人は急いで厨房に向かった

 

 

数分後 厨房前にて

 

金剛 比叡「……」

 

三笠「……ん?勇人と千川か……」

 

勇人「一体どうしたんや?そんなに怒鳴り散らして?」

 

勇人は金剛と比叡が正座され、正座されている二人を仁王立ちで睨んでいる三笠に聞くと、千川は二人が『行った事』を察知し、呆れながら勇人の質問に答えた

 

千川「……『また』か」

 

勇人「また?なぁ千川……ひょっとして二人は……マジで『調理』を……」

 

千川「……ああ」

 

三笠「あれを『料理』と言えたらな」

 

三笠は汚物を見るように厨房に置かれている『金剛と比叡が作った料理が入った鍋』を指を指すと勇人は厨房に置いてある『鍋の中身』を見に厨房に入った

 

勇人「そんなに酷くは………え?」

 

勇人も鍋の中身である『二人の料理』を見て絶句し、三笠に問い掛けた

 

勇人「これ……本当に『料理』か?『化学兵器』の間違いじゃねぇのか?」

 

三笠「残念ながら……本人曰く『カレー』だとさ」

 

勇人「あれでか!?ジャイ〇ンシチューより酷ぇ……」

 

そこには言葉で表現出来ない位のグロテスクな風貌で異臭を放つ『化学兵器』もとい金剛と比叡が作った『カレー』が置かれていた

 

金剛「化学兵器!?」

 

比叡「〇ャイアンシチュー!?大将!いくらなんでも酷過ぎます!!」

 

ブチッ!

 

千川「あ!?何か切れた音が……」

 

間宮「た……多分切れたのは……大将と三笠さんの『堪忍袋』だと思いま……上城親子「アァ?」……ヒッ!?」

 

千川「あかん……二人共、キレてる……」

 

間宮と千川は上城親子の頭の中から『切れた音』が聞こえ、察し、千川は『二人の怖さ』を知っているのかトラウマが再発したかの様に震え、間宮もまた『二人の迫力』もとい『殺気』に臆すると、二人は金剛と比叡に殺意の籠った口調で怒鳴り着けた

 

上城親子「その『酷過ぎる物』を作ったのはテメェラ(自分ら)だろうが!!!」

 

金剛 比叡「ヒェェェェ!!ゴ……ゴメンナサイィィ!!」

 

間宮 千川「ヒェェェェ!!」

 

千川側の赤城「きゅ~……」

 

二人は戦場で鍛えた『殺気』を飛ばすと金剛、比叡、間宮そして千川は二人の殺気に毒され、恐怖に脅え、震えだし、千川側の赤城は殺気に耐えきれず『気絶』すると、勇人側の一航戦(赤城と加賀)は二人を宥めるかの様に説得し始めた

 

赤城「提督、落ち着いて下さい……彼女達も悪気があって『作った』のでは無いのですよ」

 

加賀「教官もです!今は説教をしている場合ではありません!」

 

勇人「はぁ~……仕方ねぇ、捨てるの『勿体無い』から、この『化学兵器(比叡カレー)』は俺が『処分』するから、母さんは作り直してくれ」

 

三笠「『勿体無い』に『処分』……まさか!?」

 

間宮「大将!?『それ』を全部食べる気ですか!?」

 

勇人「『それ』以外、何があるんだ?よっと!」

 

二人は一航戦の説得に冷静さを取り戻し、勇人は金剛と比叡が作ったカレーを『処分』しようと、大鍋に入ったカレーを持ち上げ、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「いただきます………」

 

ゴクッ……ゴクッ……

 

金剛「ッ!?私達が作ったカレーを……」

 

比叡「『飲んでいる』……」

 

勇人は大鍋に入ったカレーを『力士が杯で酒を飲む』様に豪快に飲み始めた

 

三笠「あの馬鹿……勿体無いからって……」

 

間宮「まぁ後片付けが『無くなった』から良いのですけど……じゃなくて!大将!今すぐ止めて下さい!自殺行為です!!」

 

千川「死ぬ気か!?」

 

赤城「……加賀さん、飲料型の高速修復材は?」

 

加賀「一応『持ってきた』わ……」

 

三笠達は勇人の行動に驚愕し、心配していた

そして……

 

 

ドン!

 

金剛 比叡「!?」

 

勇人「プファ……マッズ………ごちそうさまでした」

 

千川 金剛 比叡「の……飲み干した!?」

 

間宮「ば……化け物染みていますね……」

 

千川達は勇人が『化学兵器(比叡カレー)』を青汁を飲んだかの様に、しかめっ面になりつつも完食(完飲?)した事に驚愕すると、三笠は勇人が比叡カレーを飲み干した『本当の理由』を察していたのか、少し呆れながら言った

 

三笠「あんたねぇ……いくら金剛達が『私達の為』にしてくれたからって『それ』を全部飲む事は無いでしょ……」

 

金剛「ッ!?」

 

比叡「知っていたのですね……」

 

三笠「……当たり前だ、こう見えて『5人の母』いや『6人の母』だからな……人の気持ち位『察しない』と子育てなんか出来ないわ」

 

三笠と勇人は二人の気持ち……『世界を救った勇人達に感謝する為』に、わざわざ千川に『料理禁止令』を出されたのにも関わらず、勇人達に感謝したいが為に上官である千川の命令を『破って』まで行った事を知っていたのだ

そして勇人は口の周りに付いた比叡カレーを自身の右手の甲で擦り付ける様に拭き取り、溜め息を付き、先程とは、うって変わって優しい口調で答えた

 

勇人「あのな、母さん……俺は『コイツら(二人)の気持ち』を踏み弄る程『野暮な事』はしねぇぞ……さて!赤城に加賀、二人が使った鍋や調理器具を洗ってくれ……調理を始める」

 

一航戦「分かりました」

 

千川「間に合うのか?1830から夕飯だぞ?」

 

勇人「大丈夫だ、問題ない……二人共……今、榛名と夕張を建造しているから出迎えを頼む……高速建造材(バーナー)の使用は任せる」

 

金剛 比叡「ッ!?大将……ありがとうございます!!」

 

金剛と比叡は勇人の『漢気』に嬉し泣きをしながら感謝しつつ、工房へ向かうと間宮は勇人の行動に誉めるかの様に微笑みながら言った

 

間宮「フフッ……流石『元帥の息子』……凄い『漢気』のある青年ですね」

 

三笠「いや、勇人の場合は、ただ単に『馬鹿』なだけさ……私も手伝うわ」

 

千川側の赤城「うぅ……お腹空きました……」

 

赤城「アッチの私……呑気ね……」

 

千川側の赤城「?」

 

加賀 間宮「……泣けますね」

 

上城親子「二人の気持ちは分かるが、それ俺(私)の台詞……」

 

勇人と三笠、一航戦そして間宮は気絶から目が覚めた千川側の赤城を見て呆れながらも、夕飯までに間に合わせるかの様に急いで調理し始めた

 

そして今に至る……

 

 

勇人「よしっ!箱の中に入っていた(アジ)『全て』の3枚おろしと下拵えが終わったぜ!赤城!衣の準備は?」

 

勇人は先程、間宮と三笠が商店街の特売で大量に箱買いした鯵『全部』を捌き、下拵えを終わらし、赤城に聞くと、赤城は少し焦りながら答えた

 

赤城「既に出来上がっています!」

 

勇人「上々!伊良湖!油の温度は?」

 

伊良湖は油が入った鍋に箸の先端を入れ、確認し、勇人の質問に答える様に頷き、答えた

 

伊良湖「オッケーです!」

 

勇人「うし!加賀!サラダは?」

 

加賀「後はドレッシングを作るだけです!」

 

赤城「加賀さん!ドレッシングは冷蔵庫に入っていますので大丈夫ですよ!」

 

加賀「そうですか……なら、準備完了です」

 

勇人「上々!母さん!豚汁は?」

 

三笠「後は味噌を溶いて入れるだけよ!」

 

勇人「間宮!ご飯は?」

 

間宮「後、10分で炊き上がります!」

 

勇人「よし!まぁ……本当は、もっと『オカズ』を作りたかったが……時間が無ぇ……」

 

間宮「御気持ち察します、大将……ですが本当に助かりました……私一人なら短時間で此処まで出来ませんからね……」

 

勇人「何、気にするな……こういう『修羅場』は大歓迎さ……ウチのシュラバヤ海戦と比べればな

 

勇人は間宮、三笠、一航戦、伊良湖と連携しながら夕飯である『鯵のフライ』を調理していたのだ

勿論、勇人自身は『料理の品数』を増やしたかったが、時間が無かった為に断念し、悔しながら呟き、間宮は勇人の気持ちに同感しつつ、宥めていたが……

 

千川、鳳翔そして千川側の赤城は勇人達の様子を見て驚愕しながら言った

 

千川「アイツに『こんな趣味』があったなんて……意外だ……」

 

千川側の赤城「本当に、提督の同期なんですか?天道〇司並のチート人間じゃないですか……」

 

鳳翔「しかも、先程の漢気に加えて、料理や戦闘も出来る男なんて……艦娘……いえ『女性』にとって、是非とも『旦那』にしたい『理想の男性像』そのものの御方……ですね」

 

千川「そうだな……僕もアイツみたいに器用にこなせたら……」

 

千川側の赤城「あれは器用というより、化け物ですね……彼に弱点があるのですか……」

 

千川「ある訳無いだろ……弱点があったら大将まで『這い上がって』来ないだろ」

 

千川側の赤城 鳳翔「デスヨネー……」

 

3人は勇人達を見て驚愕していると、間宮、三笠、伊良湖、一航戦そして勇人は安堵したかの様に溜め息を付き、言った

何故なら……

 

勇人「はぁ~……漸く……」

 

一航戦「終わりました……」

 

間宮「間に合った……」

 

三笠「ホッ……」

 

伊良湖「はぁ~……」

 

そう、夕飯が出来上がったのだ

時間は『1828』……タイムリミット『ギリギリ』だったのだ

 

勇人「みんな、お疲れ様……さて!さっさと料理を運んで、新しく来た二人(夕張と榛名)の歓迎会を始めますか!」

 

間宮 伊良湖 鳳翔 一航戦「はい!」

 

千川側の赤城「ジュル……」

 

三笠「はぁ……久々に疲れたわ……」

 

間宮「三笠さん、四十前後とは言え、まだまだ行けr……三笠「失礼な!そこまで老い耄れていないわ!!まだピチピチの28よ!!」……え!?嘘!?」

 

間宮は三笠の年齢を聞き、驚愕した

 

三笠「……本当よ、建造後、直ぐに身体年齢と精神年齢を図った上での実年齢よ」

 

間宮(『前世の私の年齢』を足しても、私より『若い』なんて……ん?28才?だとしたら大将との年齢が……)

 

間宮は三笠の年齢を聞いて『勇人との年齢での矛盾』に首を傾げると三笠は間宮の疑問を察したのか、簡潔に答えた

 

三笠「バツイチなのよ……一馬は……」

 

間宮「あぁ~……そう言う事ですか……」

 

勇人「そう言う事だ……後、嘘を付くな母さん、船の年齢で言ったら『金剛より上』……三笠「しばくわよ馬鹿息子」……ごめんなさい」

 

勇人は三笠の発言に悪態を付きつつ、料理を運び、並べていると、訓練し終えた艦娘達や一馬、たけぞう改め『武蔵』、蘭花、優花、蘭に勇次達が疲れきった表情で入ってきた

 

電「疲れたのです……」

 

未来「流石『戦場の龍』……訓練(シゴキ)もパネェ……」

 

一馬「そうか?一応アレでウォーミングアップ(小手調べ)なんだが?」

 

優花「……あのレベルで!?」

 

蘭花「リハビリには酷なレベルよ……」

 

蘭「……あれは……まぁ……」

 

勇次「ってか、何で『一般人』である姉貴や俺、沙耶まで……泣けるぜ……」

 

沙耶「全くよ……」

 

艦娘達「同情します勇次さんに沙耶さん……」

 

勇人「お!?良いタイミングに来たな!さぁ!みんな!さっさと席に着きな!今から新しく来た夕張と榛名の歓迎会を行うから!」

 

勇次「兄貴……さては逃げたな……」

 

勇人「俺の本業をしただけだ」

 

優花「それを一般的にサボりと言うのだが……」

 

一馬「勇人、後で金剛達と訓練な」

 

勇人「……泣けるぜ、では新しく来た二人も来たから、始めるか!オーイ!入ってきてくれ!」

 

勇人達は席に着き、建造し終えた二人を呼ぶと、二人は緊張しているのか、少しぎこちない足取りで、みんなの前に立った

 

千川側の夕張「始めまして、夕張です!」

 

榛名「金剛型三番艦の榛名です!」

 

勇人「宜しくな二人共!」

 

勇人は二人に握手する様に手を差し出すと二人は勇人と握手し、笑顔で答えた

 

千川側の夕張「はい!宜しくお願いします!提督!」

 

榛名「貴方が提督ですね!こちらこそ宜しくお願いしま……ん?提督、何故『私服』で?」

 

榛名は勇人の服装を見て疑問を抱くと、勇人は苦笑しながら答えた

 

勇人「非番だから舞鶴に来ているんだ……俺は『佐世保鎮守府総司令官』の海軍大将『上城勇人』だ」

 

千川側の夕張「ん?何故、佐世保の人が?それに総司令?」

 

榛名「すみません上城大将……説明をお願いします」

 

二人は勇人の立場『総司令官』について首を傾げると勇人は二人に説明した

 

勇人「『総司令官』は『海上自衛隊(海軍の前称)』の名残で残っている名称でな……お前達としては『佐世保鎮守府連合艦隊司令』言わば『司令長官』と説明した方が良いかな?」

 

千川側の夕張「……はぁぁぁぁ!?佐世保のトップゥゥゥ!?」

 

榛名「え……えぇぇぇぇ!?それじゃ……本当の提督は?」

 

勇人「うーん………さぁ~……誰でs……千川「上城、二人で遊ぶなよ……これ以上イジるの止めてくれないか?」……ハハッ!ワリィワリィ……」

 

二人は勇人の立場の説明を聞き、驚愕し、慌てふかせているのを見て、どこぞの古畑みたいな口調でイジると、千川は勇人を一喝し、二人に苦笑しつつ説明し始めた

 

千川「あはは……僕が君たちの提督でもあり、舞鶴鎮守府所属の海軍少佐『千川大地』だ……彼は先程、説明にあったと思うけど彼は佐世保鎮守府総司令官でもあり、僕の『同期』だ……宜しく」

 

榛名「そうだったのですか……びっくりしました……」

 

千川側の夕張「そうですよ……いきなり佐世保のトップが来るなんて……」

 

勇人「ハハッ!悪かったな……それじゃ二人の歓迎会を始めるぞ!」

 

間宮「新しく来た二人と上城一家の歓迎会を込めて……」

 

上城一家 艦娘達「カンパーイ!!」

 

榛名 千川側の夕張「宜しくお願いしまーす!」

 

勇人達は間宮の乾杯の音頭と同時にビールやハイボールが入ったグラスを持ち、二人を歓迎するかの様に宴を始めた

 

そして勇人に『ある異変』が起きた

 

勇人「さて!食べるかな!では……いただきm……」

 

 

 

ズギッ!

 

 

 

勇人「ッ!?」

 

未来「勇人さん?どうしたの?」

 

電「大将?」

 

赤城 間宮「提督(大将)……ま……まさか……今頃になって……」

 

三笠「……言わんこっちゃ無い」

 

未来と電は鯵のフライを食べようとした勇人が、いきなり強ばった表情になったのに気が付き、勇人に聞くと、赤城と間宮は冷や汗を流し、察すると、勇人は頭を縦に振り、腹部を押さえながら答えた

 

勇人「……まさか比叡カレー(アレ)が『遅効性』だったとは……少し席を外すぜ」

 

未来 電「アレって?」

 

間宮「金剛さんと比叡さんが作ったカレーを『全部食べた』からよ」

 

未来 電「ッ!?」

 

そう、勇人は比叡カレーを食べた(飲んだ?)せいで『腹部内部が大破した(腹を壊した)』のだ

 

赤城「提督……飲料型の高速修復材です」

 

勇人「……あんがと………ウグッ!!い……行ってくる……」

 

未来「勇人さん、案内するよ!」

 

電「はわわ!大変なのです!大将!此方へ!」

 

勇人「あ……ありがとう……」

 

勇人は赤城から飲料型の高速修復材を受け取り、直ぐ様、未来と電と共にトイレへ急いで向かった

 

間宮「三笠さん……先程の『彼の漢気』を訂正します……やはり、三笠さんの言う通り『後先考えない馬鹿』いえ『相当無茶をする若者』ですね……」

 

三笠「……分かって貰えたか……はぁ……」

 

赤城「頭は悪く無いのですが……まぁ……」

 

間宮 三笠 赤城「……泣けますね(泣けるわ)」

 

3人は勇人を見て呆れながら勇人の口癖を呟きながら食事を取り始めたのは言うまでもなかった……

 

 

 

 



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第64話「闇に堕ちた幼き龍」

勇人が舞鶴で悲惨な目に逢っている頃 佐世保鎮守府では……

 

間宮「はぁ~……提督……優花さん……」

 

伊良湖「何で私達を連れて行かなかったのかな……」

 

鳳翔「……少し寂しいですね」

 

龍飛「……貴女達が行ったら『この子達』の御飯は誰が作るの?気持ちは分かるが……」

 

大和「提督……」

 

摩耶「はぁ~……」

 

那智「提督と飲みたかったのに……」

 

羽黒「……」

 

金剛「……I need you back admiral(提督、戻ってきて)……」

 

比叡「優花さん……」

 

佐世保鎮守府……言わば勇人側の艦娘達が『勇人と優花が居ない鎮守府』に寂しさが混み上がっているのか、少し落ち込んだ表情で呟いていると提督代理であるコンゴウやメンタルモデル達そして慧音が鎮守府の様子を見て、溜め息を出し、答えた

 

コンゴウ「艦長達が居ないだけで……こんなにも士気が下がるなんて……」

 

慧音「全くだ……情けない……」

 

マヤ「それほど二人の存在が『大きい』からじゃない?」

 

伊400「……そうだね」

 

伊402「……しかも、こんな『葬式みたいな雰囲気』が1週間以上も続くなんて……」

 

メンタルモデル全員「泣けるわ……そして、艦長に優花さん……早く帰ってきて……こんな状況、耐えきれない……」

 

慧音「……お前らもか……」

 

メンタルモデル達が勇人の口癖で嘆き、舞鶴に居る勇人と優花に助けを求める様に呟き、慧音もまた、そんな佐世保鎮守府に頭を抱えたのは言うまでもなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 舞鶴鎮守府 食堂にて

 

間宮「あら?三笠さんって……意外と呑みますね」

 

間宮は三笠の飲みっぷりに圧巻しつつ、聞くと、三笠は首を傾げながら答えた

 

三笠「そう?これでも少ない方よ……貴女は勇人の所の間宮と比べて呑まないわね?お茶ばかり飲んでいるが?」

 

三笠もまた、勇人側の間宮と比べて、全く呑んでいない間宮に聞くと、間宮は申し訳なさそうに俯き、答えた

 

間宮「すみません……お酒苦手なので……」

 

三笠「苦手なら仕方無いわね……烏龍茶のお代わり、いる?」

 

間宮「あ……ありがとうございます」

 

未来「うわぁ……三笠さん、何時も『どれ位呑まれる』のですか?」

 

トイレから戻った未来は日本酒のビンを半分飲んだ三笠に驚きつつ、オレンジジュースを飲みながら質問すると、勇人の夕飯の分まで食べている赤城が答えた

 

赤城「もっもっ……ゴクン!そうですね……何時もなら焼酎ビンを1つ空ける程『呑みますね』からね」

 

未来「へ?嘘でしょ!?」

 

三笠「……『焼酎ビン』1本じゃ『足りないわ』……家では『ウイスキーボトル』6本は空けているわ……勿論、旦那や帰省した子供達(勇人達)と一緒にね」

 

赤城「流石、提督の母親ですね」

 

未来「うわぁ……何この『飲兵衛一家』は……」

 

間宮「飲めて羨ましいですね……」

 

三笠「飲兵衛一家って……ってか、赤城……それ勇人の……」

 

赤城「おっと!つい旨すぎて……」

 

三笠「わざとらしい態度を取るな」

 

赤城「バレました?」

 

三笠「泣けるわね……」

 

三笠は勇人の夕飯を食べていた赤城に一喝し、呆れると間宮は赤城に苦笑しつつ、三笠に『とある話』を持ち掛けてきた

 

間宮「あはは……ところで三笠さん、二人の教育の為に御聞きしたいのですが、上城大将は『どんな幼少時代』を過ごしていたのですか?」

 

未来「あ!?それ私も聞きたい!勇人さんの幼少期は『どんな子供』だったの?」

 

三笠 赤城「……」

 

間宮は今後の二人の為の参考程度に、未来は興味本意で勇人の『幼少時代』について聞くと三笠と赤城は顔を俯いた

 

間宮(まさか……)

 

未来(地雷……踏んじゃった?)

 

二人は三笠と赤城の表情を見て、少し青ざめると三笠と赤城は二人に重い口調で聞いた

 

三笠「……聞きたいの?勇人の子供の時の話を?」

 

赤城「あまり良い話では無いのですよ?それでも良いのですか?間宮さんに防空棲姫……いえ未来さん?」

 

未来「え!?いやいやいや!そんなに『辛く重い話』になるのなら言わなくて大丈夫ですよ赤城さんに三笠さん!折角の楽しい歓迎会ですから!ね!お母さん!」

 

未来は場の空気を壊したく無いのか、はたまた二人の雰囲気に臆したのか、二人の話を避けようと間宮に同意を求めたが……

 

間宮「いえ……三笠さんに赤城さん、大将の幼少時代の『お話』……御聞かせて下さい」

 

未来「ちょ!?お母さん!?空気呼んで!!」

 

間宮は未来の意見を拒否するかの様に二人の警告に同意すると三笠は「……分かったわ」と言い、答えた

 

三笠「それじゃ……と言いたいが未来ちゃん、席を外してくれない?」

 

赤城「子供には少々『刺激の強い内容』ですからね」

 

未来「……うん、そうする……勇人さんの事も心配だしね」

 

未来は二人の警告に従い、逃げる様に席を外し、トイレに籠っている勇人の様子を見に行った

 

間宮「では、話してくれませんか?大将の……勇人さんの幼少時代を……」

 

三笠「……分かった、あれは10年前……」

 

三笠は間宮に勇人の幼少時代について語り始めた

 

三笠「当時、私は艦娘でありながら、人間としての戸籍『三笠朱里』いえ『上城朱里』という名前を国から貰った時なんだけどね……一馬の薦めで一馬の子供達……勇人達に挨拶しにマンションに上がり込もうとした時、一馬の『元妻』で勇人達の実の母親『上坂優香里』が丁度、幼き頃の勇人を鈍器で頭や身体等に暴行を加えていたんだ……当時『転勤族』で年に一回は『帰れるかどうか』分からない一馬の目を盗んでね」

 

間宮「ッ!?それって、大将の実の母は大将達に……育児放棄(ネグレクト)……いえ『児童虐待(チャイルドアビュース)』を……」

 

三笠の冒頭の語りに間宮は驚き、三笠は頷き、悲しい目になりながら語り続けた

 

三笠「そう、しかも蘭花、勇次、蘭、沙耶は、そこまで酷くなかったが、当時の勇人は……『病弱だった蘭花』よりも酷く、全身に痣や打撲傷、酷い所では『骨まで変形』していたわね……当時の勇人の身長は電……美咲ちゃん位の大きさで、体重は『30キロ前後』そして顔や身体は()け、息をするだけでも精一杯な状態……完全に『栄養失調』いえ『危篤状態』になっていたわ……勿論、一馬も『知らなかった』のよ」

 

間宮「そんな……」

 

間宮は勇人の酷い幼少時代を聞き、驚愕すると三笠は間宮を安心させるかの様に、優しく語りかけた

 

三笠「勿論、直ぐ様、優香里と離婚し、五人を勇人の祖父……私の義理の父親が経営している財閥『上城財閥』のグループ内の病院に緊急入院させ、事なきを得たんだけどね……」

 

間宮「そうだったのですか……」

 

三笠「そうじゃ無かったら、勇人は『居ない』でしょ?」

 

間宮「それもそうですね……良かった……」

 

三笠「だけど……此処からが『厄介な事』になっていったのよ」

 

間宮「厄介な事?」

 

間宮は安心し、胸を撫で下ろすと三笠は俯き、完治後の勇人について語り始めた

 

三笠「蘭花、勇次、蘭、沙耶は後遺症が無かったが……勇人だけは児童虐待(チャイルドアビュース)による精神的な後遺症で『兄弟姉妹達』以外の人間や艦娘を信用しなくなった……いえ『兄弟姉妹達を守る為』に一馬や私を含む『艦娘達』そして世の中の人々を『敵視』していたのよ……そして、高校に上がる頃には堅気(一般人)相手に恐喝、暴行、窃盗……あらゆる悪事に手を染めて行ったわ……まぁ強姦と麻薬だけは『やらなかった』が……」

 

間宮「あの大将が……そこまで堕ちていたなんて……」

 

間宮(前世の私より『酷く』そして『辛い過去』を……)

 

間宮は学生時代の勇人の様子を聞いて、ショックを受け、俯くと三笠は間宮の気持ちに共感するかの様に少し溜め息を付き、語りかけた

 

三笠「ああ……だが、私……いえ私達『艦娘達』が勇人の更正に力を注いだんだ……彼女と同じ人間に『させない』為に……」

 

間宮「そして更正に成功した……という訳ですね……」

 

間宮は三笠に聞くと、三笠は頭を横に振り、答えた

 

三笠「更正には成功したが、更正させたのは『私達』では無いのよ……勇人を更正したのは『とある人』の出逢いがあったから更正出来たのよ」

 

間宮「とある人?一体それは……」

 

間宮は三笠の言葉に疑問を抱き、質問すると三笠はコップに入った日本酒を飲み、答えた

 

三笠「……勇人の当時の高校の同級生……いえ元『交際相手』の『東風谷 早苗(こちや さなえ)』という女性の力によって更正出来たのよ」

 

間宮「東風谷……早苗さん……」

 

間宮は勇人の元交際相手である女性『東風谷早苗』について聞くと、三笠は先程の暗く、重い口調から一転、顔が綻び、思い出を思い返す様に懐かしく感傷しながら答えた

 

三笠「ええ、早苗ちゃんもまた、勇人と同じように『児童虐待(チャイルドアビュース)』の経験のある人よ……しかも彼女の両親は当時、酒に溺れ、ギャンブルにハマっていたの……だが彼女は当時の勇人……いえ今の私や勇人とは『違う物』を持つていたの……勇人以上に『不運な目に合った』のにも関わらず……ね」

 

間宮「違う物?それは一体……」

 

間宮は三笠の『違う物』について聞くと、三笠は一呼吸を置き、答えた

 

三笠「……あの子は全てを許す『寛大な心』を『持っていた』のよ……とてもじゃないが、普通の人には出来ない事よ」

 

間宮「なんか聖母みたいな人ですね……」

 

間宮は勇人の元交際相手である東風谷早苗の第一印象を『聖母』と喩え、三笠は微笑みながら答えた

 

三笠「ええ、彼女こそが『今の勇人』を作り上げた功労者(MPV)よ……そして勇人も彼女の人柄に惚れ、彼女もまた『勇人の根本的な本質』である『大切な者を守る信念』に惚れたのよ……そして更正した勇人が行った事が……」

 

間宮「今まで迷惑をかけた人達や三笠さん含む『艦娘達(人間達)』に『恩義』を返し、過去の自分と『決別(ケジメ)』を付ける為に海軍に……」

 

間宮は三笠の言葉の『答え』を予想し、答えると、三笠は頷き、答えた

 

三笠「そういう事……まぁ入隊する時に、二人共『お互いの将来』の為に別れたのよ」

 

間宮「……そうだったのですか」

 

間宮は『過去(前世)の自分』と重なっていたのか、勇人の幼少時代に共感しながらも、辛い過去を乗り越えた勇人に誉め称えるかの様に笑顔で言うと、三笠は少し恥ずかしながら間宮に御願いをした

 

三笠改め『朱里』「そういう事……後、これは私からの『御願い』なんだが……非番の時は私の事を三笠ではなく、『人間としての名前』である『朱里』って呼んでくれないかしら?流石に非番の時でも『艦娘(三笠)』と呼ばれると疲れるのよ……」

 

間宮改め『美奈』「分かりました三k……朱里さん、なら私の事を『間宮』ではなく『美奈』と呼んで下さい、そうすれば同艦(他の私)が居ても間違えないと思いますので……」

 

朱里「そうするわ、美奈さん」

 

美奈「だから『さん付け』しなくても良いですよ朱里さん!貴女の方が『上』ですから……」

 

朱里「なっ!?失礼な!まだ老い耄れて……美奈「年齢(とし)じゃなくて立場的な意味ですよ」……あ!?ごめんなさい、早合点していたわ」

 

美奈「フフッ、提督や大将そして未来達に恐れられている『戦場の母』も『女性らしい一面』があるのですね」

 

朱里「……あの時の勇人の気持ちが分かったわ、アンタ……相当『肝が据わっている』わね」

 

美奈「フフッ、それは『貴女も』でしょ……あ!?大将が戻ってきたみたいですね?」

 

朱里「あ、お帰り」

 

美奈は勇人の幼少時代や恋愛そして『入隊動機』を聞き、朱里と同じく顔を綻ぶと、トイレから戻った勇人、未来そして電が食堂に入ってきた

 

勇人「う~……漸く治まった……あ!?」

 

赤城「あ………テヘペロ」

 

勇人は自身のオカズ(主菜)が無い事に気が付き、赤城を見ると、赤城は勇人の鯵のフライを頬張りながら勇人と目が合い、勇人は笑って済ませようとした赤城に怒鳴りながら言った

 

勇人「……アーカーギー!!テメェ、(ヒト)の飯を食べやがって!!まだ一口も手ぇ付けてねぇんだぞ!!」

 

赤城「だって足りませんでしたので!」

 

勇人「ドヤ顔で言うな!」

 

赤城「ドヤァ……」

 

勇人「テメェ……ならお前の秘蔵の酒を飲んでやらぁ!!加賀ァ!!持ってこいま!!」

 

勇人は怒鳴りながら千川と千川側の一航戦と飲んでいた加賀に命令すると、加賀は微笑みながら未開封の日本酒『赤城山 特別本醸造』を持ってきた

 

加賀「既に持ってきてあります」

 

赤城「ッ!?それは……何故持ってきたのですか!?独りで飲みたかったのに!」

 

加賀「千川少佐の方の一航戦(私達)と飲みたかったので……」

 

勇人「相変わらず準備は速いなぁ……なら飲むぞぉ!!加賀に千川に千川の方の一航戦!付き合えや!!」

 

W加賀「提督(大将)と!?これは気分が高揚します」

 

千川「よし!!付き合おう!今度こそ酔い潰してやるぞ上城ォ!!」

 

千川側の赤城「是非!!御供します!!」

 

勇次「兄貴!!俺も入れてくれ!!」

 

瑞鶴「私も!!」

 

勇人「おう!!酒の代金『全額』此方の赤城持ちだ!!今日は宴や!!」

 

赤城「ッ!?それだけは止めて下さい!!新しく入ったFCのエアロパーツの代金が払えなくなります!!」

 

勇人「知るかぁ!!俺の飯を食った方がワリィんや!!」

 

ワーワー!

 

朱里「フフッ……さっきまでの『葬式染みた重い空気』が嘘の様に消えたわね」

 

美奈「これも今の大将の『人柄』……いえ『不幸や苦難を乗り越えた大将()』だからこそ『出来る事』だと思いますね……子育てに苦労した貴女や私と同じ様に」

 

朱里「そうかもね……では、私達も飲みますか?」

 

美奈「……ちなみに拒否権は?」

 

朱里「『無い(上官命令)』よ」

 

美奈「アハハ……程々に御願いします」

 

朱里と美奈はドンチャン騒ぎをしている勇人達を見て微笑みつつ、宴会を楽しむ様に笑い、騒いだりと一夜を過ごした

 

そして1時間後……

 

美奈「の……呑めへん……」

 

朱里「御屠蘇1杯で『そこまで』……弱すぎる」

 

勇人「つーか、苦手と分かってて飲ませんなま……完全にパワハラで訴えられるぞ」

 

朱里「……ごめんなさい」

 

勇人「泣けるぜ……はい、酔い止め薬に水だ」

 

美奈「あ……ありがとう……勇人君……」

 

勇人「君付けかよ……優花じゃあるまいし……まぁ良い、千川、間宮の部屋は?」

 

千川「それなら……未来「アンタは駄目だ!勇人さん!私が案内するよ!」」

 

勇人「ん?千川に聞いたが……まぁ良いか、んじゃ未来、案内してくれ」

 

未来「うん!」

 

朱里「私も着いて行くわ……」

 

千川「……この扱いの差……酷すぎない?」

 

千川側の赤城「……日頃の行いのせいです」

 

千川「……泣けるな」

 

勇人「それ俺の……まぁ良いか……よっこいしょ!」

 

ヒョイ!

 

勇人(ん?意外と軽いな)

 

戦艦女帝(意外って……御兄様、それ『ある意味』失礼な発言だよ)

 

勇人(……悪い)

 

泥酔した美奈を勇人が『お姫様抱っこ』をし、朱里と未来と共に部屋に戻った美奈であった……

 

 

 



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第65話「鬼の新たな金棒、龍の制裁」

上城一家の歓迎会から翌日 0600 厨房にて

 

勇人「ふわぁ~………ん?おはよう間宮に伊良湖、鳳翔」

 

千川「う~……飲み過ぎた……おはよう」

 

伊良湖 鳳翔「おはようございます提督に大将」

 

美奈「おはようございます……大将、昨日はスミマセンでした……」

 

勇人は眠たそうに欠伸をし、千川は二日酔いになりながら厨房に入ると、伊良湖と鳳翔は挨拶をし、美奈は昨日の失態で勇人に迷惑をかけたせいで少し気不味そうに言うと、勇人は微笑みながら答えた

 

勇人「そんなの気にしていねぇ、むしろ母さんが無理に『飲ませたせい』でなったんだ」

 

千川「そうだよ、間宮が気にする事では無いよ」

 

美奈「でも……二人「上官命令だ、昨日の事は『気にするな』……分かったか、間宮?」」

 

二人は命令(権力)を使って美奈に言うと、美奈は「スミマセン……」と平謝りをし、調理を始めた

 

勇人「さて、俺も始めるか……千川、大釜を持ってきてくれ」

 

千川「はいよ」

 

勇人は千川が持ってきた大釜に米と水を入れ、豪快に研ぎ始めると、美奈は勇人の手際の良さに驚きながら言った

 

美奈「……慣れていますね」

 

勇人「そうか?アッチでは間宮、鳳翔、龍飛さん、そして伊良湖と一緒に飯を作っているんだが……」

 

美奈「大将自身も厨房に立つのですか!?」

 

勇人「それくらい普通じゃね?柏木も厨房に立って調理する位だしな……スイーツ限定だけどな」

 

美奈「柏木大将もですか!?本当に二人共……『弱点』があるのですか?」

 

勇人「……当たり前だ」

 

千川「……お前や柏木大将に『弱点』がある事自体、初耳なんだが……」

 

勇人「お前らなぁ……」

 

勇人は美奈と千川の言葉にツッコミを入れる様に呟くと、伊良湖は龍飛について考え始めた

 

伊良湖「ってか大将、『龍飛』って誰ですか?」

 

鳳翔「私がまだ『特務艦』だった時の『名前』ですよ」

 

勇人「……俺に料理を叩き込んだ艦娘だ」

 

伊良湖「という事は……佐世保に鳳翔さんが『二人』居るって事ですか!?ズル過ぎます!!」

 

伊良湖は佐世保の人員を聞き、羨ましそうに言うと、勇人は米を研ぎかながら、嘆く様に言った

 

勇人「仕方ねぇだろ……元々、佐世保は『ブラック鎮守府』だったから、調理以外に建物の復旧や艦娘達の治療等で人手が『足りなさ過ぎる』んだよ……只でさえ、今は『霧の艦隊の一部』を受け入れているのに……」

 

千川「……マジかよ」

 

美奈「……霧の皆さんも『よく食べる』のですか?」

 

美奈はコンゴウ達の食事について質問すると、勇人は溜め息を付き、少し疲れきった口調で答えた

 

勇人「アイツら『赤城並』に食べるぞ……特に『元旗艦』であるコンゴウは大和、武蔵とフードファイトをする始末だ……調理が追い付けねぇ……」

 

美奈「あはは……大将……同情します」

 

勇人「同情するなら佐世保に来てくれ……」

 

千川「オイコラ、勝手に口説くな」

 

千川は勇人のスカウトにヤンデレモードで叱ると、勇人は呆れながら説明した

 

勇人「一応言っておくが『調理要員』としてだ、下心はねぇよ……お前も佐世保(俺の所)の台所事情を聞いただろ?」

 

千川「うっ!?そりゃ、そうだが……」

 

千川は勇人の言葉に反論出来ないのか、しどろもどろになり、勇人の言葉に渋々、理解すると美奈は勇人にスカウトについて聞いた

 

美奈「それって上官命令で……ですか?」

 

勇人「いや、俺個人の『御願い』だ……無理強いはしねぇよ」

 

美奈「なら、御断りさせて頂きます……私が居なくなると舞鶴の台所事情と金剛さん達のストッパーが……」

 

千川「ホッ……」

 

勇人「……そうだったな、悪かった」

 

美奈「いえいえ、もし佐世保に遊びに来たら手伝いますよ」

 

千川「……僕も『その時』になったら手伝うよ」

 

勇人「マジで助かる」

 

勇人は厨房の人員確保的な意味で美奈をスカウトしたが、美奈は微笑みながら断ると、勇人は謝罪しつつ調理を始めると勇人側の夕張と明石が『怪しい気箱』を持ってきたまま、厨房に入ってきた

 

夕張 明石「おはようございます少佐に間宮s……提督!?」

 

勇人「おはよう……ん?二人共、それは?」

 

夕張「あ……えーっと……」

 

明石「それは……」

 

勇人は二人が持ってきた『2つの怪しい気箱』に関して聞くと、二人は顔を真っ青になり、しどろもどろに言葉を濁らそうとしたら、美奈と千川が気箱の大きさを予測し、二人に聞いた

 

美奈「『箱の大きさ』から察するに、それって……『新しい包丁』に……」

 

千川「何かの武器らしいが……」

 

夕張「はい!此方です」

 

夕張は二人の言葉に意気揚々と箱を開封すると、箱の中身の一つはナノマテリアル特有の空色の刃物、もう一つは対戦車用のライフル銃を近未来風にカスタムされた武器が入っていた

 

美奈「うわぁ……綺麗……」

 

千川「ちょ……これ……まさか『マルス133』のレプリカじゃねぇか!?完成度高ぇなオイ!?」

 

明石「そりゃ『ナノマテリアル』を『たんまり』使った『極上の刃物』いえ『M87光剣』と『完全に再現した』マルス133ですから!」

 

二人は箱の中身を見て、驚愕すると、明石は自信に満ちた表情で答えると千川は驚き、美奈は明石の言葉に違和感を感じ、明石と夕張に聞いた

 

千川「何だと!?」

 

美奈「だけど……『見た目』が剣というより『包丁』ですが……」

 

そう、M87光剣の外見が包丁になっていたのだ

美奈の質問に夕張は某テレビショッピングの司会者みたいに力強い口調で説明した

 

夕張「今は『クッキングモード』……言わば『待機状態』にしていますが、いざとなれば『本物の剣』になります!しかもナノマテリアルを使っていますので、刃こぼれはしないので、研ぐ必要が『ありません』!そしてマルス133は艦娘の弾薬も使えるだけではなく、レールガンとしても『使えます』ので、人間でも鬼クラスの深海棲艦を倒す事が出来ます!!」

 

美奈「え!?本当に!?」

 

千川「本当に良いのか?貰っても?」

 

明石 夕張「はい!差し上げます!」

 

美奈「ありがとう!!」

 

千川「いょっしゃーー!!」

 

二人は夕張から新しい武器を貰って嬉しそうに顔を綻ぶと、勇人はドスの聞いた口調で夕張達に聞いた

 

勇人「ほう……『ナノマテリアル(アレ)』をたんまりと使ったとな……」

 

明石 夕張「あ!?」

 

二人は笑顔になっている勇人の言葉に失念していたのか、顔が引き釣り、動きの悪い機械の様に勇人を見ると、勇人は笑顔のまま二人に聞いた

 

勇人「ちなみに『何番』のナノマテリアルを使ったんだ?」

 

明石「……『マテリアルナンバー87』と『133』です」

 

勇人「量は?」

 

夕張「……『M87光剣』は400、『マルス133』は900……です」

 

ブチッ!

 

美奈 千川「あ……このパターンは……」

 

二人は何かが千切れた様な幻聴が聞こえると、顔が引き吊り、この後の状況を察したのか、耳を塞ぐと、勇人の顔が笑顔から般若の様な顔になり、そして……

 

勇人「こんのぉダラブチ!!何で俺と優花、柏木の艤装の資材を大量に使うんや!!大型建造をする気か!アレを量産するのに、どれだけ苦労すると思っておるんや!!しかも『無許可』で使いやがって!!まだ『タカオの軍艦』が直っていねぇのによ!!

 

夕張 明石「ご……ごめんなさぁぁぁぁい!!」

 

千川「ってか、ナノマテリアルを大量量産する事自体、凄いんだが……」

 

勇人は石川弁で怒鳴り散らすと、二人は島風並の早さで勇人に土下座をすると美奈は昨日のカレーの件で勇人の殺気に慣れたのか、冷静になり、勇人を宥めた

 

美奈「大将、落ち着いて下さい」

 

千川「二人は僕達の為に作ってくれたんだ……だから許してやってくれ」

 

勇人「……ったく、仕方ねぇ……ここは二人に免じて許すが……無許可でやったら御話しな……はぁ~……何度も何度も……」

 

夕張 明石「ッ!?ありがとうございます!」

 

千川「ん?何度も?初犯(初めて)じゃないのか?」

 

勇人は溜め息を付き、二人を許すと、千川が勇人の『何度も』と言う言葉に引っ掛かり、質問すると、勇人は少し顰めっ面になりながらも答えた

 

勇人「……ああ、あの二人、隠れながら『能力等を完全に再現した特撮アイテム』を量産すんだよ」

 

美奈「はぁ!?」

 

千川「……マジかよ」

 

勇人「しかも、俺には報告無しで開発しまくるからな……泣けるぜ」

 

美奈「……本当に同情します」

 

千川「……変態鎮守府じゃねぇか」

 

勇人「……ウルセェ、ほら!さっさとメシ作るぞ!」

 

二人は勇人に同情しつつ、朝食の準備に掛かったのは言うまでもなかった

 

 

 

 

 

 

朝食後 1000 千川の執務室にて

 

勇人「ほう……内装はシンプルに纏めてあるんだな……」

 

赤城「そうですね」

 

勇人と赤城は千川の仕事場である執務室を見て回ると電と未来が百科事典並みの分厚い『書類』を持ってきて、勇人に渡した

 

電「上城大将、これが『艦娘達及び司令官』の健康状態を記した『カルマ』です」

 

未来「それを言うなら『カルテ』だよ……はい」

 

勇人「凄く分厚いな……ありがとう電に未来」

 

電「いえ……所で何故『カルテ』を?」

 

電は勇人の指示で舞鶴に所属している艦娘達や千川達の健康状態を記した書類『カルテ』を持って来て、持って来させた理由を勇人に聞くと勇人の代わりに赤城が答えた

 

赤城「提督は『軍医』と兼業しているので、医者として把握しておけば『健康状態』だけではなく『艦娘の個性』を知り、個性を利用した艦隊運用が出来るのです」

 

電「軍医!?『お医者さんごっこ』が好きではなくて……」

 

未来「……アイツの同期だから『あり得る』かも……」

 

勇人「……本物の医者だ」

 

電 未来「……信じられない」

 

赤城「お二人さんの『気持ち』……分かりますよ」

 

勇人「お前まで……泣けるぜ」

 

勇人は三人の発言にショックを覚え、執務室の椅子に座ると……

 

コトッ……

 

勇人「ん?何か落ちたぞ?」

 

勇人は椅子に座った弾みで『何かが机の下に落ちた事』に気が付き、机の下を見てみると……

それは……

 

勇人「SDカード?どれどれ……ッ!?」

 

電「大将、どうかしたの……あ!?」

 

未来「あの野郎……あれをコピーしていたのか……」

 

赤城「提督!?昼間っから何見ているのですか!?溜まっているのですか!?」

 

勇人「お前こそ昼間からナニ言っているんだ!ってか……」

 

勇人は軽い気持ちでSDカードに記録していたデータをスマホに入れ、確認すると勇人は黙り混み、眉間の皺が増えていき、ドスの効いた口調で電と未来に聞いた

何故なら、あのSDカードには……

 

勇人「あの野郎……間宮の入浴を盗撮しやがって……」

 

未来「勇人さん、勿論コレは……」

 

勇人「『破棄処分』に決まっているだろ!」

 

電 赤城「デスヨネー……」

 

そう、SDカードには間宮、電そして未来が旅行していた時、旅館の温泉に入浴していた動画が撮されていたのだ

そして……

 

千川「さて、書類業務を……オイ、上城……俺の『宝物』に何をしているんだ?」

 

千川は書類業務しに執務室に戻ると、自身が盗撮した映像を勇人達が見ている所を目撃し、少し怒りながら言うと、勇人もまた、ドスの効いた声を出し、キレながら言った

 

勇人「アァ?お前の宝物を『破棄する』んだよ!」

 

電「では、大将……処分の方を『お願いします』」

 

千川「ッ!?テメェ!『最後のSDカード』を……返せぇぇぇ!」

 

千川は刀を抜き、勇人が持っているSDカードを奪い捕ろうとしたが……

 

勇人「無駄ァ!」

 

ドカッ!

 

千川「グハッ!!」

 

美咲 未来「ッ!?」

 

勇人に鳩尾(みぞおち)を殴られ、踞っていた

 

電「武道経験者で剣道有段者である司令官を……」

 

未来「ワンパンで沈めさせた……」

 

赤城「……一応、提督は学生時代『殺傷有りの違法の地下格闘技大会のチャンピオンの常連』だったから『実戦慣れ』しているのです……しかも当時『無殺傷』言わば『手加減』しつつ、勝ち続けていたので……」

 

電 未来「はぁ!?格闘技大会のチャンピオン!?しかも『舐めプ』で!?勇人さん(大将)に勝てる人がいるの!?」

 

赤城「一人だけ『居ますよ』……相手は日本最強の憲兵部隊『柏木隊』の隊長そして提督の『親友』の『柏木疾風』大将です」

 

電 未来「最強の憲兵部隊の隊長の人と親友!?司令官(アイツ)以上に人脈が凄いですね……」

 

二人は赤城から勇人の経歴を聞き、驚愕すると悶絶していた千川を勇人は左手で千川の頭を掴み、千川に『忠告』する様にドスの効いたヤクザ口調で言った

 

勇人「オイコラ!同期のよしみで『無かった事』にしてやるが……今度『変な真似』をしたら……」

 

千川「ウグッ……したら?」

 

勇人は右手に持っているSDカードを千川に見せ、そして……

 

 

グシャ!

 

バキバキバキ………

 

 

 

千川「ッ!?」

 

勇人はSDカードを握り潰し、千川を脅した

 

勇人「『コレ』みたいに男として、人間として『再起不能』にしてやるからな……分かったか?」

 

千川「……はい、分かりました」

 

電(うわぁ……)

 

未来(お母さんとは『違うベクトル』で『おっかない人』だ……流石『戦場の狂龍』だ……恐ろしい人だ……)

 

二人は勇人のキレた様子を見てドン引きすると扉をノック音が聞こえ、ノックした本人である間宮が入って来た

 

間宮「二人共、ちょっと手伝っt……大将!何をしているのですか!?提督にアイアンクローをかまして!?」

 

間宮は勇人が千川にアイアンクローをしているのを見て驚愕し、強い口調で聞くと、勇人は笑いながら答えた

 

勇人「ん?なぁに、ちょっと『訓練』をしてただけさ」

 

赤城「……大した事ではないので心配しないで下さい」

 

千川「そうだ……上城に訓練を付き合って貰ったんだ……イタタタタ!」

 

間宮「……大将、あまり過激な訓練は止めて下さいね……二人共、大将の方の明石さんと夕張さんの所に行って『M87光剣(これ)』の取説を貰って来てね、私は朱里さんと買い出しに行ってくるから御願いね♪」

 

未来 電「はーい♪」

 

間宮は二人を連れ、執務室を後にした

 

勇人「さて!今からリンt……『訓練』をするかな」

 

千川「今『リンチ』って言わなかったか!?オイ!」

 

赤城「提督……ほどほどに御願いします」

 

勇人「おう!」

 

千川「や……止めろォォォォ!!死にたく無いィィィ!!」

 

勇人「安心しろ!艤装(アレ)無しで殺るから!」

 

千川「だから止めろォォォォ!!二人共!助けてくれぇぇぇ!!」

 

未来「……いっぺん死んでこい」

 

電「なのです」

 

千川「薄情者ォォォォ!!」

 

満面な笑みをした勇人は千川を連れ、訓練場に向かった

 

 

此処からは『音声』のみ御聞き下さい

 

「ちょ!?待てって上城!!話せば分かる!!お前にも分かる筈だ!人を愛する気持ちを……」

 

「それは分かるが、テメェの場合は『度が過ぎる』んだよ……少し『頭冷やそうか』?」

 

「ま……まさか!オラオラですかァァ!?」

 

「残念だが『それ』じゃあない!スゥ……無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄……」

 

ドガガガガガガガガ!!

 

その後、勇人は千川を滅茶苦茶『訓練(御話し)』をした

 

そして2時間後 1230 執務室にて

 

千川「………」←満身創痍+気絶

 

赤城「提督……『加減』という言葉を知っているのですか?」

 

勇人「こんな奴に加減するつもりも無いな」

 

赤城「……デスヨネー」

 

電 未来「大将(勇人さん)、グッジョブです♪」

 

ボロ雑巾の様にボコボコにされ『満身創痍』な千川を見て赤城は呆れ、電と未来は勇人を誉めるかの様に笑顔で答えたのは言うまでも無かった



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第66話「異変」

どうも私ですm(_ _)m
活動報告にも記載したと思いますが、コラボ相手のラムネさんが運営にアカウントロックをされ、執筆不可能の状態になりました
ですが、予めコラボ内容の流れは打ち合わせ済みなので、打ち合わせた流れを、そのまま小説に出す形にしていこうと決めましたので御理解の程、宜しくお願いしますm(_ _)m


勇人が千川をしばいて(訓練して)いる頃 C国の排的経済水域内(EEZ)の深海棲艦の基地にて

 

道中「ちっ!佐世保の龍に上城の若女狐め!」

 

道中は三越の件で勇人に敗北、そして道中の役職である『ショートランド拍地司令長官』の座を蘭に奪われ、二人に殺意を当て付けるかの様に深海棲艦の艤装に八つ当たりをしていると今の彼女の秘書艦である戦艦棲鬼が流暢な日本語で彼女を宥め始めた

 

戦艦棲鬼「落ち着いて提督、佐世保の龍と魔女は舞鶴に、そして呉の虎はロシアに居るから、今、佐世保、呉を攻めるのなら今しか無いよ……その時に怒りをぶつければ良いじゃない」

 

道中「馬鹿なの!アイツらが居なくても、元『霧の旗艦』であるコンゴウやマヤ、そして艤装の素材を『ナノマテリアル』に変換し、化け物並に強くなった佐世保と呉の艦娘達に殺られるのが『目に見えている』わ!」

 

道中は戦艦棲鬼の案を一蹴し、ヒステリックを起こしながら言うと、戦艦棲鬼は「確かに……」と冷静に判断し、思考を手繰り寄せると、何か思いついたのか、手をポンと打ち、答えた

 

戦艦棲鬼「そうだ、舞鶴の近くの海域に和平派の深海棲艦の基地に所属している防空棲姫を人質にし、佐世保の龍を誘き寄せれば……」

 

道中「……何故『防空棲姫』を?アイツとの関係性が見当たらないんだが……」

 

道中は防空棲姫……未来と勇人の関係性について聞くと戦艦棲鬼は微笑みながら答えた

 

戦艦棲鬼「フフフ……それが関係があるんだなぁ~……アイツは彼女が『魔女』そして『戦場の龍』を助けて貰った『恩義』を返す為に『敵』ではなく『妹』みたいに接し、彼女もまたアイツを『父親』みたいに接しているからな……つまり……」

 

道中「……そこを利用する訳だな?」

 

道中は戦艦棲鬼の言葉に笑みを浮かべ、聞くと、戦艦棲鬼もまた笑みを浮かびながら答えた

 

戦艦棲鬼「……そうだ、今の舞鶴の『奥の手』である魔女と狂龍が『居なくなれば』舞鶴を沈めさせるのは容易くなる」

 

道中「そうね……あの二人が舞鶴から出た時が……」

 

戦艦棲鬼「一番の好機……という訳だ」

 

道中「なら、戦艦棲鬼は今日の夜、舞鶴の和平派の基地を襲撃し、防空棲姫を拉致ってきて……私は『上城勇人』を殺す準備をするから」

 

戦艦棲鬼「分かった……気を付けるんだぞ」

 

戦艦棲鬼は道中を心配しながら舞鶴に向けて出発し、道中は笑みを浮かびながら叫んだ

 

道中「……さあ、佐世保の龍よ!私の夫を飼い殺した罪そして、私を虚仮にした罪を払って貰うわよ……アンタの命でな!!」

 

道中は勝利を確定したかの様に、喜び、叫んだ

だが、道中は失念していたのだ……今の舞鶴いや日本海軍の『奥の手』は勇人と優花だけでは無かった事に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1300 舞鶴鎮守府 食堂にて

 

千川「……」

 

もっもっもっ……

 

勇人「……」

 

ガツガツガツ……

 

美奈「大将……凄く食べますね……」

 

美奈はパーティーを開くかの様に大量の料理を勇人が凄い勢いで食べているのを見て、驚愕していると、勇人は口の中に入っていた食べ物を飲み込み、答えた

 

勇人「ゴクン!仕方ねぇだろ、俺はオン(仕事)の時は艦娘と同じ事をしているんだ……消費するエネルギーも『洒落にならない』からな」

 

千川「……間宮は知らないんだっけ?上城が半k……勇人「お前、機密漏洩で死にたいのか?」……あのなぁ、テレビで特別防衛機密である『お前や桜花君そして柏木大将が半艦娘である事』をテレビで曝け出したんだろ?」

 

美奈「ゴホッゴホッ!さ……三人が半艦娘!?」

 

美奈は勇人、柏木そして優花が『半艦娘』だと知ると、飲んでいた緑茶が器官に入ったのか、噎せながら驚くと、勇人は満腹になったのか、空になった皿や茶碗等を纏めながら答えた

 

勇人「ご馳走さまっと……あの時は仕方無かったんだよ、それに俺と柏木は半艦娘じゃなくて『半艦息』だ」

 

美奈「……どういった経緯で半艦娘に?」

 

美奈は三人の経緯について聞くと、勇人は少し俯きながら答えた

 

勇人「柏木に関しては分からないが、俺は『大本営襲撃事件』で負傷した時に、優花は『将軍殺害事件』の時にウイルスに感染していたんだ……それを治す為に艦娘と融合し、患者自身……まぁ『俺達』の事だが『半艦()』になった訳だ……」

 

美奈「……ちなみに大将と大尉が艦娘としての『名前』は?」

 

勇人「……俺は『金剛型特殊戦艦試作艦(零番艦) ()()』、優花は『伊勢型特殊航空戦艦試作艦(零番艦) 日向』として生まれ変わったんだ」

 

美奈「三笠!?まさか……ウイルスを治す治療法って……朱里さんと……」

 

美奈は勇人の『三笠』と言う言葉に驚き、ウイルスの治療法の内容を察すると勇人は重い口を開き、美奈に言った

 

勇人「……察しの通りだ、一時的ではあるが、俺は母さん、優花は日向と融合し、ウイルスを治し、半艦娘になったんだ」

 

美奈「そんな……」

 

美奈は勇人が艦娘になった切欠を聞いて、悲しい表情で俯くと、勇人は笑いながら言った

 

勇人「そんなに凹むなよ、この身体になった()()で艦娘と一緒に前線に立ったり、艦娘の身体のメカニズムも分かったし、そして何より、俺の身体に『母さんの血』が入った……言わば、絆だけではなくDNA的にも『親子』になれたんだ、本当『願ったり叶ったり』とは、この事だな♪ハッハッハッハ♪」

 

千川「笑い事じゃねぇだろ……しかも他人事みたいに言いやがって……」

 

千川は勇人に呆れながら呟くと、勇人は鼻で笑い、答えた

 

勇人「御生憎様、俺は『過去の事』は気にしてねぇ性格(タチ)だからな♪過去の事でウジウジ悩むよりかは、前に進んだ方がエエ♪」

 

千川「確かにそうだが……」

 

美奈(本当に彼……強い人だわ……流石、元帥と同じく『龍』の異名は伊達じゃないわ……)

 

勇人は他人事の様に笑いながら言うと美奈は勇人の強さに驚くと、千川は未来について質問した

 

千川「……所で防空棲姫は?」

 

勇人「ん?未r……アイツなら基地に送ったぞ」

 

千川「艦娘の力を使ってか?」

 

勇人「それ以外、どうやって送るんだ?1人で大荷物を抱えて帰らせるつもりか?」

 

勇人は然も当たり前かの様に千川に聞くと、千川は勇人の言葉に同意し、更に質問した

 

千川「だよな~……それと上城……何故、防空棲姫の事を『未来』と呼ぶんだ?」

 

美奈(ッ!?しまった……)

 

千川は上城一家が防空棲姫の事を『未来』と呼ぶ理由について質問すると、美奈は少し顔を引き吊り、勇人は「そんな事か……」と呟き、答えた

 

勇人「確かにアイツは深海棲艦……言わば『敵』だ、だが俺達『家族』は間宮、電そしてアイツに助けて貰ったんだ、だからアイツを『敵』として無く『恩人として』アイツ自身が決めた自身の名前である『未来』……『人』として接していたんだ」

 

千川「人として……か」

 

美奈「というより、大将は『人』というより『娘』として接している様に見えますが……」

 

勇人「……そうか?」

 

千川「……ああ」

 

勇人「うーん……何かなぁ……初めて会った気にならねぇんだよ……初対面なのにな……」

 

美奈「それはどういう意味ですか?」

 

勇人は美奈の言葉に「ん~……」と声を唸らしながら考えながら答えた

 

勇人「上手く言葉に出来ねぇが、初めてアイツに会った時に『懐かしさ』と『嬉しさ』そして『愛しさ』が少しずつ涌き出てきたんだ」

 

美奈「懐かしさと嬉しさ……ですか」

 

美奈は少し混乱している勇人に聞くと、勇人は混乱を抑えるかの様に落ち着いて答えた

 

勇人「ああ、他の防空棲姫には『そんな気持ち』が出ないのに、アイツだけには『出てくる』んだよ……しかも未来は俺の事を『お父さん』と呼んだ途端、何故か知らねぇが、涙が零れる程『嬉しかった』んだよ……何でやろ?」

 

千川「ん~……ひょっとして、家族愛に『飢えている』とか?」

 

千川は少し考え、自身の結論を勇人に言うと、勇人は千川の結論をキッパリ否定した

 

勇人「それは無い、寧ろ家族愛が有り過ぎて『重く感じる位』からな……特に母さんから……」

 

千川「……それもそうか、何せ三笠教官の渾名は『親バ艦娘』と言われる位『親バカ』だもんな」

 

勇人「……本当に『子離れ』して欲しいぜ」

 

千川「アハハ……同情するよ」

 

美奈「……」

 

勇人「同情するなら……ん?間宮?どうかしたのか?腹痛いんか?」

 

千川「さっきから険しい顔になって?本当に腹痛いのなら、上城に診てもらえば?」

 

勇人と千川は険しい表情になっていた美奈を心配しながら聞くと、美奈は二人に気付き、微笑みながら答えた

 

美奈「いえ、晩御飯の献立を考えていました……御心配を御掛けしてスミマセン……」

 

勇人「気にすんな」

 

千川「仕事熱心に考えるのは良いけど、上城(この馬鹿)みたいに『ワーカーホリッカー』になるまで追い込まないでくれよ……また倒れたら、みんなが心配するからね」

 

勇人「そうそう……って、オイ!誰が馬鹿や!こう見えて医者や!!」

 

千川「お前の場合は医者でも『ヤブ医者』じゃねぇのか?」

 

勇人「……どうやら治療が必要みたいだな、艤装展開『battle mode Ars Nova』」

 

千川「ちょ!?それは『あの化物を倒した』一番ヤバイ艤装じゃん!!殺す気か!!」

 

勇人「喧しい!!治療を始めるから来い!!逃げんなぁ!!」

 

千川「いやいや!まだ死にたく無いから、逃げるんだよぉー!」

 

ワーワー……

 

美奈「フフフ……」

 

美奈(……大将の前世が『あの人』では無さそうね、あの人の『来世』が大将なら『私の名前』を聞いだけで『何かしらの行動』に出ますからね……しかし、大将のアルスノヴァの姿……本当に『あの人』に似ているわね……)

 

千川は勇人を弄り、勇人はツッコミを入れたりと子供染みた会話に微笑ましく思ったのか、顔が綻び笑いながら二人を見守ったのであった

 

 

 

 



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第67話「裏切り」

勇人達が昼食を取ってから数時間後 1800 舞鶴鎮守府の海域内の和平派の深海棲艦の基地にて

 

未来「皆さーん!勇t……佐世保の人が作った『炊き込みご飯』が出来ました!」

 

空母ヲ級「……ただ温め直しただけじゃないか?」

 

未来「だって……お母さんや勇人さんみたいに料理が出来ませんから……」

 

空母ヲ級「勇人さん?まぁ良いか」

 

北方棲姫「う~ん♪良い匂い♪」

 

未来は仲間達を呼ぶと、ヲ級は未来の調理にツッコミを入れ、北方棲姫は匂いに釣られて流れる様に席に座った

しかし、ヲ級もそうだが、最近の深海棲艦は日本語が堪能なのは触れないで頂けたい

 

泊地水鬼「これが炊き込みご飯……ゴクッ……」

 

港湾水鬼「泊地水鬼……涎、出ているわよ」

 

泊地水鬼「あっ……」

 

北方棲姫「港湾お姉ちゃんも出ているよ」

 

港湾水鬼「ッ!!」

 

北方棲姫は涎を垂らしている二人に注意すると、二人は涎を拭き取り、赤面し、恥ずかしそうに俯いた

 

未来「アハハ……」

 

空母ヲ級「では、みんな揃ったから食べるか?」

 

北方棲姫「そうだね!それじゃ……」

 

未来「頂きます」

 

未来以外全員「いただきまーす!!」

 

未来を含め、深海棲艦全員が手を合わせ、炊き込みご飯を食べ始めた

 

未来「ん~♡流石、勇人さん♡出汁が効いて美味しい~♡」

 

空母ヲ級「旨っ!?これ……防空棲姫の母さんが作ったの?」

 

未来「ううん、違いますよ」

 

北方棲姫「美味しい……だけど『お母さん』が作った炊き込みご飯の味が違うけど……」

 

空母ヲ級「うん、お母さんのホッコリする優しい味付けとは違って、力が溢れてくる様な『ガツンとくる』力強い味付けになっているな……物凄く美味しいが……」

 

港湾水鬼「ねぇ防空棲姫、この炊き込みご飯を作った『勇人さん』って誰?」

 

港湾水鬼は未来が口走ってた『勇人』について聞くと、未来は炊き込みご飯を口一杯に入れ、顔を綻びながら答えた

 

未来「モグモグ……ゴクン!『戦場の狂龍』の事ですよ♪」

 

未来以外全員「ッ!?」

 

未来は炊き込みご飯を作った本人である勇人の異名を答えると、未来を除く全員が箸を止め、未来に聞いた

 

空母ヲ級「……すまん、今『とんでもない名前』を聞いた様な……」

 

泊地水鬼「ええ……」

 

北方棲姫「うん……」

 

港湾水鬼「……防空棲姫、この炊き込みご飯……『蒼霧事変の時(あの時)』に私達の同胞の仇……いえ『貴女自身』の仇を取ってくれた……あの龍が作ったの?」

 

港湾水鬼は驚愕しながら未来に聞くと、未来は笑顔で答えた

 

未来「そうですよ、しかも私達『和平派』の事を理解してくれている人なので、私を敵としてはなく『人』として接してくる優しい人でした……というより『お父さん』みたいでした……」

 

未来は最後の部分だけ、みんなに聞こえない様に呟くと、港湾水鬼だけが未来の呟きが聞こえたのか、微笑みながら答えた

 

港湾水鬼「あの狂龍を『お父さん』とね……今度、佐世保に行って『御礼』しに行かないとね、防空棲姫の『お母さん』と一緒にね」

 

未来「ッ!?はい!」

 

未来は港湾水鬼の言葉に嬉しそうに答えると、戦艦水鬼が基地に帰って来た

 

戦艦水鬼「……ただいま」

 

未来「あ!?お帰りなさい先輩」

 

港湾水鬼「ん?どうしたの?何か良い事があったの?」

 

港湾水鬼はニヤついている戦艦水鬼に聞くと、戦艦水鬼はニヤつきながら答えた

 

戦艦水鬼「ああ、佐世保の龍を()()作戦を思い付いたんだ!」

 

北方棲姫 泊地水鬼「!?」

 

港湾水鬼「……あんた、私達を()()()つもりかい?お前は人間や艦娘と共に()()()()()()を作り上げようとした()()じゃないか!馬鹿な事を言うのは止めろ!」

 

港湾水鬼は戦艦水鬼の裏切り発言に冷静ながらも、怒りが含んだ低い声で質問すると、戦艦水鬼は鼻で笑い、答えた

 

戦艦水鬼「共存ねぇ……そんな子供染みた()()()()()をしている事に()()が指したのよ!」

 

未来「先輩!冗談は顔だけにして下さい!!どうして勇人さんを殺す真似を!?」

 

未来は戦艦水鬼の裏切りに激怒しながら説得すると、戦艦水鬼は未来を睨み付け、答えた

 

戦艦水鬼「……お前は()()()のか?お前が艦娘『秋月』だった時、人間に()()()()()をされた事を……」

 

未来「私が人間に……」

 

未来は戦艦水鬼の言葉に驚愕すると、戦艦水鬼は溜め息を着き、答えた

 

戦艦水鬼「……この様子じゃ、本当に忘れているな……なら、思い出させてやる!お前が艦娘の時にショートランド所属の提督に()()され、最後には()()()として轟沈(沈め)させられたんだよ!」 

 

未来「そ……そんな……私が……」

 

港湾水鬼「ッ!?あれは!」

 

未来は戦艦水鬼から艦娘時代の未来……いや秋月としての境遇を知らされると未来は崩れる様に座り込むと、何かを察知した港湾水鬼が艤装を展開し、未来や空母ヲ級、北方棲姫に怒鳴った

 

港湾水鬼「貴女達!今すぐ舞鶴に逃げて!!裏切り者の集団が此方に()()()来る!」

 

未来 泊地水鬼「え……」

 

空母ヲ級「なっ!?」

 

北方棲姫「嘘……囲まれている……」

 

北方棲姫は戦艦水鬼の仲間が基地を囲む様に包囲されているのに気が付くと、戦艦水鬼は鼻で笑い、答えた

 

戦艦水鬼「フッ……今頃気付いたか」

 

戦艦水鬼は無線機を使い、外で待機している深海海月姫に指示を出した

 

戦艦水鬼「深海海月姫、攻撃して」

 

深海海月姫「りょーかい♪第一攻撃隊、全機発艦……砲撃開始!」

 

深海海月姫は艦載機を飛ばし、他の深海棲艦は基地に向けて砲撃を始めると、深海海月姫が発艦させた艦載機が未来に攻撃をし、未来は艦載機の爆撃により吹き飛ばされた

 

未来「キャッ!?」

 

空母ヲ級「ッ!?防空!?」

 

未来「私は大丈夫ですが……艤装が……」

 

空母ヲ級「ホッ……アンタ達!!許さないよ!!第一攻撃隊、全機発艦!」

 

空母ヲ級は未来の安否を確認すると、未来の艤装は破壊されたが、未来自身には怪我が無い事に安堵しつつも、裏切った深海海月姫や戦艦水鬼に強い怒りをぶつける様に、自身の艦載機を飛ばし、応戦したが……

 

戦艦水鬼「無駄無駄無駄ァ!」

 

戦艦水鬼は空母ヲ級を嘲笑うかの様に、ヲ級の爆撃機を破壊し、戦艦水鬼のペットである『ゴリラみたいな化け物』がヲ級、北方棲姫、泊地水鬼そして未来を殴り飛ばした

 

未来「グハッ!」

 

北方棲姫「キャッ!」

 

泊地水鬼「チッ!」

 

空母ヲ級「クッ!!」

 

港湾水鬼「ホッポ!ヲ級!防空!泊地!貴様ァ!!!」

 

港湾水鬼もまた、仲間を攻撃した戦艦水鬼に強い怒りをぶつける様に鋭利の爪で戦艦水鬼に攻撃を始めたが……

 

戦艦水鬼「遅い!!」

 

戦艦水鬼は港湾水鬼の攻撃を避け、攻撃をかわされた事により不安定な体勢になった港湾水鬼の顔に向けて蹴り飛ばした

 

港湾水鬼「ブッ!!」

 

未来「先輩!!此処は一旦、逃げましょ!!私達では倒せません!!」

 

北方棲姫「そうだよ港湾お姉ちゃん!!」

 

空母ヲ級「……同感だ」

 

泊地水鬼「……港湾!!」

 

港湾水鬼「クッ!仕方ない……みんな!撤退だ!!」

 

港湾水鬼は怒り狂った感情を抑え込みながら未来達に指示を出したが、戦艦水鬼は逃亡する未来達に向けて主砲を構えた

 

戦艦水鬼「そうは問屋が卸せん!此処で死ねぇ!!」

 

 

ドカン!

 

戦艦水鬼は未来達に砲撃をすると、基地は砲撃の勢いを受け、けたたましい炎を上げながら崩壊した

 

そして未来達の運命は……

 



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第68話「コンゴウの決断」

戦艦水鬼が未来達の基地を襲撃する数分前 舞鶴鎮守府付近の海域にて

 

コンゴウ「………」

 

大和「……コンゴウさん、一体どうしたのですか?急に出撃して?」

 

不知火「そうですよ、しかも()()()()()まで手を出してまで……」

 

那珂「うぅ~……夜更かしは御肌の敵なのに……どうして出撃を?」

 

那珂は愚痴を溢しながらも、大和と不知火そして那珂はカモメと戯れているコンゴウに聞くと、コンゴウは()()()()がしたのか、少し顰めっ面になりながら答えた

 

コンゴウ「……海が荒れていたからな」

 

神通「海が……ですか?」

 

神通はコンゴウの詩人染みた答えに首を傾げると、コンゴウは神通の質問に頷き、答えた

 

コンゴウ「ああ、私の()()()、海が荒れている状態は()()()()()()()()()()()()()なんだ」

 

大和「……それって、群像君の世界に居た時の()()ですか?」

 

コンゴウ「そうだ」

 

大和はコンゴウの答えに納得したのか、黙り混むと、川内はコンゴウの言葉に嬉しそうに言った

 

川内「録でもない事……って事は夜戦が出来るの?」

 

コンゴウ「……そうなる確率が()()()()()事には間違い無いな」

 

川内「マジ!?なら早く殺ろ……神通「姉さん!」……ちぇっ……神通のケチ……」

 

川内の不謹慎な発言を止めるかの様に神通は川内を一喝すると、川内は不満そうに顔を歪め、野次を飛ばすと、不知火が少し不安そうにコンゴウに言った

 

不知火「……ですがコンゴウさん、たった()()()()()()()で他の……舞鶴の管轄まで()()()()と舞鶴の艦娘達は兎も角、大本営の連中が黙ってはくれないと思いますが……」

 

コンゴウ「……それに関しては『()()()()()による舞鶴への増援』と言っておけば大丈夫だ」

 

不知火「……さいですか」

 

不知火(司令……同情します)

 

不知火は舞鶴に居る勇人に同情すると……

 

 

 

 

ドカン!!

 

 

コンゴウ 大和 川内型 不知火「ッ!?」

 

コンゴウ達は少し油断していたのか、爆発音を聞いて驚いた

 

コンゴウ「ッ!?建物が……大和!至急、崩壊している建物に偵察機を!」

 

大和「分かりました!」

 

コンゴウは大和に偵察機を飛ばす様、指示を出すと大和は偵察機を直ぐ様、飛ばし、爆発の原因となった建物……未来達の基地付近まで偵察させると……

 

大和「………ッ!?」

 

コンゴウ「どうした?」

 

大和は偵察機からの伝達を聞き、顔を顰めると、コンゴウは顔を顰めた大和に聞くと、大和は伝達内容をコンゴウに報告した

 

大和「偵察機から伝達……深海棲艦が……仲間を潰しに掛かっています」

 

コンゴウ「敵同士が!?何故……」

 

コンゴウは深海棲艦同士が争っている事に疑問を抱くと、川内、神通が基地に照明を当て、コンゴウに報告した

 

川内「此方も目視で確認出来たが……あれは提督が言っていた『未来』という防空棲姫と特徴が()()している深海棲艦が居るんだが……どうする?」

 

神通「しかも()()()()です」

 

コンゴウ「……」

 

川内と神通は未来達が瀕死の重傷を負っている事に気が付き、コンゴウに指示を仰ぐと、コンゴウは腕を組み思考を巡らした……

 

未来達を保護する(恩義を選ぶ)のか、未来達を敵として倒す(恩義を仇で返す)のか、()()()か取るか……

 

そして、考えが纏まったのか、大和達に指示を出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンゴウ「……重傷の深海棲艦を()()し、艦長が居る舞鶴に搬送するぞ!私と川内型は戦艦水鬼達の足止めをするから、その間に大和と不知火は防空棲姫達を船の中に入れ、応急措置をしてくれ!船に搬入し終え次第、撤退だ!」

 

那珂「了解!」

 

神通 大和 不知火「分かりました!」

 

川内「って事は……夜戦だァァァァァ!!ナイスな判断だよ!コンゴウさん!!」

 

コンゴウ「無駄口を叩くな川内!行くぞ!」

 

コンゴウは勇人の恩義の為に、未来達を()()()()にし、興奮した川内を一喝しつつ、大和達に指示を出すと、大和、川内型そして不知火は気合いの入った口調で了承し、未来達を保護する為に出撃をし始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方 未来達は……

 

未来「ウグッ………」

 

港湾水鬼「防空!!確りして!!後、もう少しで舞鶴に着くから!!」

 

北方棲姫「良かった……瓦礫が盾になってくれて……」

 

空母ヲ級「ああ……」

 

泊地水鬼「……でもアイツは追ってくるよ」

 

港湾水鬼「ああ……ッ!?嘘でしょ……」

 

未来「先輩……一体どうしたのですか?」

 

未来達は瀕死の重傷を負いつつ、戦艦水鬼の砲撃から逃げて来たのだ

 

そして未来は砲撃による()()()()()を負い、港湾水鬼に抱き抱えながら戦艦水鬼から逃げていると、港湾水鬼は『ある艦隊』を見つけたのか、少し青ざめながら言った

 

港湾水鬼「……よりによって、()()()()()()()である()()()()が率いる艦隊が此方に……」

 

北方棲姫「え!?あの……チート艦隊の!?」

 

泊地水鬼「……終わった」

 

空母ヲ級「……短い人生だったな」

 

そう、港湾水鬼が見付けたのは『コンゴウ達』だったのだ

 

コンゴウを見た途端、未来以外の和平派の深海棲艦達は絶望し、死を覚悟したが、未来だけは()()()()()()()()()を勇人から聞いていたのか、希望が湧き、ボロボロの身体に鞭を打つかの様に、コンゴウ達に大声で言った

 

未来「()()()()()()()()()()()のコンゴウさーん!!私達を()()()()()()!!」

 

港湾水鬼「馬鹿ッ!あの霧の……ん?」

 

北方棲姫「今……()()()()()()()()()と?」

 

港湾水鬼と北方棲姫は未来の言葉に首を傾げると、コンゴウは未来達に聞こえる様に大声で答えた

 

コンゴウ「分かった!!大和!不知火!」

 

大和「分かりました!」

 

不知火「了解しました」

 

戦艦水鬼「ッ!?させるかぁ!深海海月姫!」

 

深海海月姫「分かった!此処で死ねぇ!!」

 

戦艦水鬼はコンゴウ達に向けて砲撃や爆撃機で応戦したが……

 

大和「無駄です!クラインフィールド起動!!不知火さん!」

 

不知火「分かりました」

 

大和は戦艦水鬼達の攻撃をコンゴウ……いやメンタルモデルしか装備されていない筈のシールド『クラインフィールド』を未来達を覆い囲む様に展開し、戦艦水鬼達の攻撃を防ぎ、不知火は未来達をコンゴウの船まで誘導し始めた

 

戦艦水鬼「はぁ!?何故、艦娘が()()()()()が使えるんだ!?」

 

コンゴウ「私が艦娘でも使える様に()()()()

 

深海海月姫「ふざけた真似を……まぁ、あの爆撃の中だ……川内型の三人は確実に……」

 

神通「沈んでいませんよ」

 

川内「私達も使()()()からね」

 

戦艦水鬼 深海海月姫「ッ!?」

 

二人は大和がクラインフィールドを発動させた事に驚愕し、悔しがると、激しい爆撃の中、猛スピードで接近してきた川内型の三人が殺意剥き出しのまま、短刀(ドス)を構え、言った

 

川内「だから……死ね」

 

神通「御命……頂戴します」

 

那珂「さぁ!川内型(那珂ちゃん達)ステージショー(殺戮ショー)が始まるよ!!」

 

深海海月姫「馬鹿な!!あの爆撃の中を……グハッ!!」

 

戦艦水鬼「深海海月姫!」

 

川内「まずは一人目……」

 

戦艦水鬼「させるかぁ!!」

 

深海海月姫は神通に斬られ、片膝を着くと、川内は深海海月姫にトドメを刺すかの様に、刺し殺そうとしたが、戦艦水鬼は川内を沈める為に砲撃をしたが、川内は砲撃を避け、トドメを刺さずに間合いを取った

 

川内「危ない危ない……」

 

神通「もう……無茶をして……」

 

川内「ハハッ♪悪い悪い♪」

 

深海海月姫「戦艦水鬼、助かっt……」

 

深海海月姫は戦艦水鬼に礼を言おうとした途端……

 

 

 

 

グサッ……

 

 

 

 

深海海月姫「ガハッ!!き……貴様……」

 

コンゴウ「雑魚が……消え失せろ」

 

コンゴウは川内の代わりに、軍艦からナノマテリアルブレードを投げると、ナノマテリアルブレードは深海海月姫に刺さり、深海海月姫は苦しみながら、そのまま海に沈んで行った

 

戦艦水鬼「海月姫ぇぇぇぇ!!」

 

那珂「他人に構っている場合?」

 

戦艦水鬼「なっ!?しまった!!」

 

那珂「それじゃ……バイバイ」

 

那珂は戦艦水鬼の懐まで入り込み、刺し殺そうとした

たが……

 

コンゴウ「待て那珂!防空棲姫達の搬入が完了した!撤退だ!」

 

川内「なーんだ……もう終わったのか……」

 

神通「仕方無いですね」

 

那珂「まだまだ殺りたかったのに……」

 

コンゴウ達の()()()()()が完了し、コンゴウは暴れ回っている川内型の三人に撤退命令を出すと、三人は不満そうに了承し、未来達を手当てする為に船に入っていった

 

戦艦水鬼「チッ……」

 

コンゴウ「お前達のボスに伝えろ……()()()()()()()()()……と」

 

戦艦水鬼「……」

 

コンゴウは戦艦水鬼を脅しながら舞鶴へ撤退して行った

 

未来達の命を救う為に……



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第69話「医龍、爆誕」

2000 舞鶴鎮守府 出撃ドックにて

 

勇人「……ふぅ」

 

勇人は出撃ドックから見える海を眺めながら、ベンチに座り、何か思い更けているかの様に、タバコを吸っていた

 

勇人(……未来……って、何で俺は、アイツの事を()()してんだ?クソッ……結論が出ねぇ……)

 

そう、勇人は未来と自身の関係性について考えていたのだ

だが、結論が出てきていないのか、少し苛ついた表情で煙草を吸い続けると、後ろから朱里が現れ、勇人に言った

 

朱里「……隣り、良い?」

 

勇人「……ああ」

 

勇人は朱里に言うと、朱里は勇人の隣りに座り、電子煙草を吸い始め、勇人の悩みについて聞いた

 

朱里「……あの子の事が心配?」

 

勇人「まぁな……ったく、何で俺が深海棲艦……いや未来の事を案じなければならねぇんだ……ガキを孕ませた覚えなんか無ぇのに……こんな気持ちは初めてだ……」

 

勇人は朱里に愚痴る様に答えると、朱里もまた、勇人の言葉に同意するかの様に頷き、答えた

 

朱里「成る程ね……勇人の診察結果(悩み事)についてだが、勇人は未来ちゃんに()()として慕われているから、あの子に()が移ったかも知れないわね」

 

勇人「情……ねぇ……」

 

朱里「そう()()()方が自然よ……それに今後の為に『子育て』の()()にもなるしね♪いい加減、嫁と孫を見せなさいよ♪」

 

勇人「あのなぁ……ん?間宮……じゃなかった、美奈か?どうしたん?」

 

朱里「あら?明日の朝の献立の相談?」

 

勇人は朱里の言葉に少し納得しつつも朱里の前向きな考えに呆れながら、吸いきった煙草の火を消し、携帯灰皿に入れると、神妙な表情で二人に近付いて来る美奈に気が付き、質問すると美奈は朱里の質問を否定し、勇人に聞いた

 

美奈「違います……大将と朱里さん、少し()()()()()()()があります」

 

勇人「ん?何だ?」

 

勇人は美奈に聞くと、美奈は意を決し、二人に質問した

だが、その内容は二人にとって、()()()()()()()()()だった

 

美奈「二人は『前世』……前の人生の記憶がありますか?」

 

上城親子「前世?」

 

二人は美奈の言葉に「こいつ、何を言っているんだ?」と言わんばかりの呆れた表情で質問すると、美奈は呆れた表情の二人に少し俯いた表情で答えた

 

美奈「この様子だと()()みたいですね……」

 

勇人「だから何や……そんな霊的現象(オカルト)染みた事は()()()や……早苗(アイツ)じゃあるまいし」

 

朱里「……成る程ね、貴女……()()()()()わね?」

 

美奈「……はい」

 

勇人「持っている?」

 

朱里は美奈に聞くと、美奈は肯定し、意を決したのか、勇人の質問に答えた

 

美奈「……実は、私……そして未来は()()()()()()()()()()()建造されました(産まれてきました)』」

 

勇人「……は?」

 

朱里「……やっぱり」

 

勇人「『やっぱり』って……知ってたのか!?母さん!」

 

勇人は美奈と朱里の発言に驚愕しつつ、朱里に聞くと、朱里は頭を静かに横に振り、答えた

 

朱里「んな訳無いでしょ、美奈さんの発言を()()()だけよ」

 

勇人「……色々と、ぶっ飛び過ぎで頭が追い付けねぇ……」

 

朱里「同感よ……まぁ良いわ、美奈さん……未来ちゃんの……いえ『貴女と未来ちゃんの前世』について、御話しを聞きたいわ」

 

朱里が美奈に言うと、美奈は俯いた表情で答えた

 

美奈「……大将の()()()()()()と比べれば()()()()()()になりますが……」

 

朱里「ゴクッ……」

 

勇人「……」

 

朱里は美奈の神妙な雰囲気に飲まれ、生唾を飲み、勇人は静かに美奈の前世の話を聞こうとした途端、何かに急いでいるかの様に全力で走ってきた大淀が勇人達に報告し始めた

 

大淀「大変です大将!!舞鶴に……霧の艦隊がやって来ます!!」

 

勇人「はぁ!?まさか……コンゴウが!?」

 

大淀「はい!一体どうすれば……」

 

朱里「落ち着いて大淀、今コンゴウは味方よ」

 

大淀「それは分かっています!!問題はコンゴウさんからの伝達内容です!!」

 

勇人「……内容は?」

 

勇人は冷静になりつつ、神妙な表情で大淀に聞くと、大淀は慌てながらもコンゴウの報告内容を簡潔に説明した

 

大淀「『我、急患を運送中、至急、佐世保鎮守府総司令である上城大将に治療をお願いしたい』……だそうです」

 

勇人「……で、その急患は?」

 

勇人は大淀に聞くと、大淀は勇人の『仕事モード』に少し臆しながら答えた

 

大淀「……防空棲姫率いる()()()()()()()()です、特に防空棲姫……いえ、未来ちゃんが()()()()()になっていると言う事です」

 

朱里 美奈「ッ!?」

 

勇人「なっ!?」

 

三人は大淀の報告を聞いて、驚愕すると美奈は血相を変え、上城親子に懇願した

 

美奈「そんな……朱里さん!大将!防空棲姫……未来達を助けて下さい!お願いします!」

 

美奈は二人に頭を下げ、懇願すると、二人は立ち上がり、芯のある強い口調で答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「……大淀、今すぐウチの明石と夕張を叩き起こして、()()()()()()()()()()を取りかかってくれ!」

 

朱里「時間が無いの!早く!!」

 

大淀「わ……分かりました!!」

 

美奈「大将……朱里さん……」

 

美奈は上城親子の言葉に感謝し、涙を溢すと、朱里は美奈に優しく言った

 

朱里「大丈夫、未来ちゃん達は必ず()()()わ……勇人!!」

 

勇人「分かっている!艤装展開!『mode Sup Weapon Medic』! 」

 

勇人は改造された艤装を展開すると、艤装はハーブーン、トマホーク、CIWSと言った『超攻撃的な武装(普段の艤装)』は装置されておらず、代わりに艦娘用のクレーンや患者用のベッド、手術用のメスといった『治療器具』や麻酔やロキソニン(鎮痛剤)そして高速修復材等の『治療薬』が多数、備えられている艤装になっていた

まるで勇人自身が『最先端医学の結晶体』と誇示をしているかの様に……

 

美奈「……凄い、これが大将の……艤装……」

 

朱里「……アンタ、また()()したんか?」

 

美奈は勇人の艤装を見て、驚愕し、朱里は呆れながら言うと、勇人は時間が惜しいのか、一言だけ返した

 

勇人「ああ」

 

朱里「……本当、()()()を持つ母は苦労するわ……あ、虎じゃなくて()だったわね……」

 

勇人「冗談言っている暇があれば受け入れ準備をしいや!!コンゴウ達が来たぞ!!」

 

勇人は朱里に一喝すると、軍艦では『あり得ないスピード』で舞鶴に近付いて来るコンゴウ達を見つけ、コンゴウも自身の軍艦を()()()()()()の様に錨を沈めさせ、錨を利用したドリフトをし、横にスライドしたまま、出撃用ドックに入って来た

 

コンゴウ「艦長!」

 

勇人「コンゴウ、急患の状態は?」

 

コンゴウ「港湾、拍地、北方、空母ヲ級は軽傷……だが防空棲姫は……」

 

勇人「分かった!今から防空棲姫の治療を始める!」

 

朱里「コンゴウ達は引き続き港湾、拍地、北方、空母ヲ級の治療に専念して!」

 

コンゴウ「もう防空棲姫以外の深海棲艦の治療は終わった……私も手伝おう」

 

勇人「相変わらず仕事が早いな……分かった!手伝ってくれ!」

 

コンゴウ「ああ!」

 

勇人はコンゴウの報告を聞き、急いで軍艦の中に入って行った

 

美奈「大将……朱里さん……コンゴウさん……お願いします……」

 

美奈は何も出来ない自分に歯痒く思いながら、勇人達に思いを託す様に祈った



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第70話「未来の正体 part 1」

2040 軍艦『金剛』内の医務室にて

 

未来「ウグッ……は……勇人さんに朱里さん……」

 

医務室のベッドで横たわっている未来が勇人達を見て、少し安堵すると、勇人は未来の身体を見て、力強い口調で未来を励ました

 

勇人「大丈夫だ、()()()()()()()なら一晩も要らねぇ……俺達に任せろ」

 

未来「うっ……本当?」

 

未来は勇人の発言に少し驚愕すると、勇人は未来の頭を優しく撫でながら答えた

 

勇人「俺を()()と思っているんだ?お前の()()()でもあり()()()()()()()()()()()()()()()だぞ……だから安心しな」

 

未来「……うん!!」

 

勇人は未来を安心させる様に、力強く、優しい口調で答えると、未来は勇人を信用し、完全に安心したのか、笑顔で答えると、コンゴウは勇人の言葉に呆れ、恥ずかしそうに呟いた

 

コンゴウ「艦長、自分で言わないで下さい……(家族)として、恥ずかしいです」

 

朱里「気持ちはわかるが、それ()()()()よ……んで、容態は?」

 

朱里は勇人の発言に呆れつつ、未来の容態について聞くと、勇人は神妙な表情で答えた

 

勇人「左右の肋骨に二本ずつ、座骨、肩甲骨に『不全骨折』そして太股の骨が『完全骨折』しかも折れている全ての骨が『閉鎖骨折』……更に腹部、両腕、両足に中度の火傷そして腹部の軽度の『内蔵損傷』……正直言って()()()()()()()()()()()()()()()……いや、艦娘として轟沈判定……言わば()()()()だ」

 

コンゴウ「ッ!?嘘だろ……」

 

コンゴウは勇人の診察結果を聞き、驚愕し、絶望しきった表情で俯くと、朱里は俯いているコンゴウとは()()に余裕綽々な表情で勇人に聞いた

 

朱里「……だけど、勇人(アンタ)の腕なら、こんな怪我位、()()()()()()治せるのでしょ?」

 

勇人「()()()()()()()を言うんじゃねぇよ」

 

勇人もまた、朱里の発言に呆れつつも、内心、美奈と同じく、未来達を()()()()()()()()()()()()()()()や、その()()に強い怒りを抑え込んでいるのか、はたまた未来を()()()()()()に執念を燃やしているのか、ドスの効いた確りとした口調で答え、手術用の医者服(スクラブ)を着込み、マスクを付け、薄手のゴム手袋を付け、未来の手術の準備を始めた

 

勇人「……さぁ!術式(治療)開始だ!母さんは未来に全身麻酔(全麻)を、コンゴウは俺の補助を頼む」

 

朱里「ええ!」

 

コンゴウ「はい!」

 

勇人は気合いの入った口調で言うと、朱里とコンゴウも手術用の医者服(スクラブ)を着込み、マスクと薄手のゴム手袋を付け、未来の治療に取りかかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方 美奈達は……

 

美奈「……」

 

美奈(……私も朱里さんや大将、大尉と同じ艦娘なのに、どうして戦う力……いえ()()()()()()()()()()()()が無いの……そうすれば未来や、みんなを守れるのに……)

 

美奈はベンチに座り、勇人や朱里、優花みたいに『大切な人』いや『大事な娘達(未来達)を守る力』が無い事に悔やみながら未来の無事を祈り続けていると、未来達の受け入れ準備が終わった一馬と優花、蘭花は美奈に近付き、聞いた

 

一馬「隣、良いか?」

 

優花「……」

 

蘭花「美奈さん、少し良いかな?」

 

美奈「元帥に桜花大尉そして蘭花さん……」

 

美奈は三人がベンチに座れる様に端に移動すると、三人はベンチに座ると蘭花は美奈の心境を察していたのか、美奈に質問した

 

蘭花「……美奈さん、貴女は今『自分も勇人と同じ()()()があれば』と思っているでしょ?」

 

美奈「ッ!?どうして()()を!?」

 

美奈は蘭花の言葉に驚愕していると、蘭花は「やっぱり……」と呟き、少し膨らんだ腹部を擦りながら答えた

 

蘭花「私も貴女と同じ、()()()の母親よ……」

 

美奈「蘭花さん……やはり貴女も()()()()()()()()が欲しかったのですか?」

 

美奈は蘭花に聞くと、蘭花は俯きながら答えた

 

蘭花「ええ……そして、私は……もう()()()()()わ」

 

美奈「え!?持っている!?それ……どういう意味ですか!?」

 

蘭花「……」

 

美奈は蘭花の発言に驚き、狼狽えながら聞くと、蘭花は答えたく無いのか、俯いたまま黙り混むと、一馬と優花が蘭花の心境を察したのか、代わりに説明した

 

一馬「……蘭花は2ヶ月前までは戸籍か()()()()んだ」

 

美奈「戸籍が……無い……つまり蘭花さんは……」

 

一馬「……故人、言わば『死人』だったんだ」

 

美奈「……」

 

美奈は一馬の発言に驚愕し、言葉を無くすと、優花は美奈に聞いた

 

優花「……続けて良い?」

 

美奈「……お願いします」

 

美奈は冷静を取り戻し、答えると、優花と一馬は一呼吸を置き、説明し始めた

 

一馬「……蘭花は本来、子供も産めない位の病弱な身体だったんた……その身体が限界に達し、四年前に亡くなったんだ」

 

美奈「四年前に……ですか……」

 

優花「うん……そして私達が美奈さん達に助けてもらった事件『蒼霧事変』の時に龍光会が()()()()()()為に、四年前、蘭花さんの治療用に勇人君が()()()()()()()()()()()()()()()()()を盗んで、艦娘と人間、メンタルモデルのハイブリッドモデル『ミカサ』として()()()()()()()のよ」

 

美奈「ッ!?そんな……それじゃ……龍光会は大将を()()()()為に、未来の地球の住人であるコンゴウさんや大将の孫である群像君を呼び出し、そして蘭花さんを……」

 

蘭花「……」

 

美奈は蘭花が蘇生させられた本来の目的を聞き、驚愕し、龍光会の蛮行に強い怒りが込み上げてくる気持ちを抑えながら聞くと、蘭花は静かに頭を縦に振ると、美奈は怒りの含んだ口調で呟いた

 

美奈「……酷すぎる」

 

美奈は蘭花が蘇生させた経緯を聞き、血が出る位に強く拳を握り絞めていると、優花は美奈の気持ちに同意しつつ、美奈を安心させるかの様に優しく、事件の結末について簡潔に説明した

 

優花「……ええ、だけど蘭花さんやコンゴウさん、そして群像君達は龍光会を裏切り、勇人君と柏木大将と手を組み、龍光会を潰したの」

 

美奈「……そうだったのですか」

 

蘭花「……だから、私が持っている()は本来、()()()()()()()()()為に持たされた力なの……勿論、私としては『不要な力』よ、だけど勇人は、そんな()に言ったのよ」

 

美奈「……何て言ったのですか?」

 

美奈は勇人が蘭花に言った言葉について聞くと、蘭花は一呼吸を置き、答えた

 

蘭花「『俺の力も()()()()()()()()()()だ……だが、それは力の使い方を間違った奴がする愚行だ、力を使う本人が間違った使い方をしなければ、それは、()()()()()()()()にもなり、()()()()()()()にもなる……大丈夫や、姉貴は優しいから間違った使い方をしねぇし、もし使い方を間違っていたら、俺が本気で止めてやるから安心しな』……って」

 

蘭花は『蒼霧事変』の後、与えられた能力により、最愛の人や勇人達に危害を与えてしまう可能性がある事に悩んでいた時を思い出し、蘭花の悩みを治す為に勇人が蘭花に言った言葉を、そのまま美奈に伝えると、美奈達は勇人の言葉に重味を感じたのか、少し顔を伏せ、呟いた

 

美奈「……凄く説得力のある言葉ですね」

 

蘭花「……ええ」

 

優花「……私も」

 

一馬「……美奈の気持ちは痛い程分かるが、今はアイツが未来を救ってくれる事を願おう」

 

美奈「……そうですね」

 

美奈達は勇人が未来を救ってくれる事を願いながら、ベンチに座り、待機した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方 軍艦『金剛』内部の医務室改め『特設手術室』にて

 

未来「……」

 

勇人「……太股の骨の接続が終わった……コンゴウ、高速修復材が入った霧吹きを……」

 

コンゴウ「此方に……」

 

勇人は未来の太股を切り開け、骨をボルトで仮留めではあるが接続し、コンゴウから高速修復材が入った霧吹きを貰い、高速修復材を掛けながらボルトを外して行った

 

コンゴウ(凄い……たった()()()()()()で骨折している箇所()()を治しきるなんて……)

 

勇人「今から太股の縫合(ナート)を行う……コンゴウ、未来のバイタル(身体状態)は?」

 

コンゴウ「心拍、脈拍、血圧、呼吸数そして体温値『全て正常(オールクリア)』です」

 

勇人「上々……よし!後は腹部だ、コンゴウは引き続き未来のバイタル(身体状態)の監視を……」

 

コンゴウ「分かりました」

 

コンゴウは勇人の医者としての腕前を間近に見て驚愕しつつ、勇人の指示に従い、未来のバイタルチェック……言わば身体状態を確認し続け、勇人は未来の腹部内部の治療をするため、メスを使い、腹部を開帳させると、勇人は深海棲艦である未来の体内に『無い筈の()()()』を見つけ、驚愕し、呟いた

 

勇人「……おいおい、嘘だろ……」

 

朱里「どうしたの?」

 

朱里は勇人の反応すると、勇人は頭を抱えながら答えた

 

勇人「……未来の背骨付近に艦娘の艤装を付ける為の専用アタッチメント(接続部)が付いていた……しかも、酷い損傷だ……」

 

コンゴウ「何だと!?」

 

朱里「ッ!?未来ちゃんは元々()()だったの!?」

 

そう、勇人が見つけたのは、未来の体内に湾曲の金具や、何かを装着する部品……艦娘用の艤装用の接続アタッチメントだったのだ

 

朱里とコンゴウは未来が元艦娘だという事を知り、驚愕すると、勇人は溜め息をつき、答えた

 

勇人「……ああ、アタッチメントの形状から見て、十中八九『秋月』だ、しかも損傷具合を見る限り、未来の元提督は彼女を捨て艦……いや()()として扱っていたかも知れねぇな」

 

コンゴウ「……酷い」

 

朱里「ギリッ……んで、どうする?」

 

朱里とコンゴウは未来を奴隷扱いをした元提督を殴り飛ばしたい気持ちを抑えながら勇人に指示を仰ぐと勇人もまた朱里同様、強い怒りを抑えながら二人に指示を出した

 

勇人「……コンゴウ、至急、秋月の予備のアタッチメントを持ってきてくれ……交換する」

 

朱里「分かった」

 

コンゴウ「分かりました」

 

勇人は二人に指示を出し、直ぐ様、未来の体内にあるアタッチメントの交換作業に取り掛かった

 

そして数分後……

 

勇人「……縫合(ナート)完了、現時刻を持って手術を終了する……未来を入渠室に」

 

朱里「……流石ね、分かったわ」

 

コンゴウ「……お見事です、艦長」

 

勇人は疲労困憊とした表情で宣言すると、二人は勇人を誉め、三人は未来を舞鶴の入渠室に搬送し始めた

 

 

 

 

 

 

そして、舞鶴の出撃ドックにて……

 

勇人「……」

 

美奈「ッ!?」

 

勇人は軍艦から下りてくると、美奈は勇人に近付き、勇人の肩を掴み、揺らしながら聞いた

 

美奈「大将!未来は……あの子は!?」

 

美奈は疲れきった勇人の身体を揺らしながら聞くと、勇人は疲れているのか、苛ついた口調で答えた

 

勇人「揺らすんじゃねぇ!此方は疲れているんや!!」

 

勇人は美奈に怒鳴るが、美奈は未来の事で我を失っているのか、少し強い口調で聞いた

 

美奈「そんなの知りません!!早く答えて!!」

 

勇人「ちょ!?落ち着け!手術は()()したんや!!だから揺らすんじゃねぇ!」

 

美奈「ッ!?良かった……」

 

勇人「……泣けるぜ」

 

優花「流石ね♪」

 

蘭花「お疲れ様♪」

 

一馬「……」

 

勇人は美奈達に未来の治療が成功した事を報告すると美奈は膝から崩れる様に座り込み、胸を撫で下ろし、優花と蘭花は勇人を労い、一馬は疲れきった勇人の様子を見て、違和感を感じているのか、少し神妙な表情で見ていると、軍艦からベッドに乗せた未来を運搬しているコンゴウと朱里が美奈達に強い口調で言った

 

コンゴウ「安堵するのは良いが、防空棲姫を入渠室に運んでくれ!!」

 

朱里「はいはい退いて退いて!!急患よ!!」

 

美奈「ッ!?未来!」

 

美奈は運搬中の未来に寄り添い、そのまま入渠室に向かった

 

美奈(本当にありがとうございます……大将……)

 

未来(我が娘)を救ってくれた勇人()に感謝をしながら……

 

 



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第70話「未来の正体 part 2」

2300 舞鶴鎮守府の医務室にて

 

勇人「……」

 

勇人は椅子に座り、()()()()()()()()()が入った袋を開封し、水が入った受け皿の中に入れ、使い捨ての薄いゴム手袋を装着し、金具を清掃していた

 

勇人(……俺の感が正しかったら……未来は……)

 

そう、勇人は未来の体内に残っていた()()()()()()()()()()()を洗浄していたのだ

 

そして数分後、洗浄が終わり、今はコンゴウが軍艦の代用として使っている『ショートランドの秋月の艤装』の接続部に填める様に照合すると、艤装と接続器具が噛み合った事に勇人は溜め息を付き、答えた

 

勇人(……やっぱり、未来は元々、道中に所属していた艦娘『秋月』本人だったのか……なら、未来達の基地に襲撃した連中の()()は道中率いる『過激派』の連中だな……しかし何故、俺では無く、未来を……)

 

勇人は未来の正体が分かり、一連の事件を憶測しつつ、洗浄した金具を新しい袋に入れ、密封し、血で汚れた水を廃棄しに医療用の流し台に流し、煙草を吸うと、扉をノック音が聞こえ、ノックした本人が勇人に聞いた

 

一馬「勇人、起きているか?」

 

勇人「親父か……どしたん?」

 

勇人はノックした本人である一馬を部屋に入れると、一馬は患者用のベッドに座り、勇人に質問した

 

一馬「夜遅いから単刀直入に言う、未来の身体に()()()()()()()?」

 

一馬は先程の違和感を勇人に言うと、勇人は煙草の灰を灰皿に落とし、未来の体内に残っていた秋月の接続器具を見せながら答えた

 

勇人「……これを見てくれ」

 

一馬「ん?これは秋月の接続器具?何で勇人が?」

 

一馬は勇人から接続器具を受け取り、質問すると、勇人は煙草を吸いきり、灰皿に押し付ける様に火を消し、答えた

 

勇人「それ、未来の()()に在った物だ」

 

一馬「なっ!?それじゃ未来は……」

 

一馬は勇人の言葉に驚愕すると、勇人は溜め息を付き、答えた

 

勇人「蘭の所……元ショートランド所属の秋月だ」

 

一馬「……蘭が殺した(轟沈させた)のか?」

 

一馬は怒りの含んだドスの効いた低い声で聞くと、勇人は頭を横に振り、一馬の憶測を否定した

 

勇人「いや……未来(秋月)殺した(轟沈させた)のは蘭の前任の道中だ」

 

一馬「……アイツか」

 

勇人「……ああ、しかし分からねぇ部分があるんや……どうしてアイツは俺ではなく未来を襲ったんだ?」

 

一馬「何か()があるかも知れないな……」

 

二人は道中の行動に思考を巡らせていると、ノック音が聞こえ、ノックした本人が勇人達に言った

 

柊「大将に元帥、柊です……入室許可を御願いします」

 

勇人「柊?」

 

一馬「柏木の知人で、千川の先輩でもあり第一前衛基地の提督だ……許可する」

 

一馬はノックした本人である柊に入室許可を出すと、柊は御辞儀をし、勇人に言った

 

柊「大将、一体どういう事ですか?」

 

勇人「何が?」

 

勇人は柊の質問に質問で返すと、柊は少し苛ついているのか、少し強い口調で質問した

 

柊「未来は兎も角、何故()()()()の治療を行ったのですか?」

 

柊は他の艦娘達を起こさない様に声の音量を落としつつ、勇人に問い詰めると、勇人は柊の質問に簡潔に答えた

 

勇人「俺は医者としての()()を全うしただけだ」

 

柊「だからって、敵である彼女達を……」

 

勇人「確かに彼女達は敵だ……だが、これを見ても()()()を言えるか?」

 

勇人は柊に秋月の接続器具を見せると、柊は首を傾げながら聞いた

 

柊「大将……これ、秋月の接続器具ですよね?何故これを?」

 

一馬「……未来の体内にあったんだ」

 

柊「なっ!?それじゃ未来……いえ彼女達は……納得しました、貴方は元艦娘である彼女達を……」

 

勇人「ああ」

 

柊は勇人の真意を理解し、納得すると、勇人は立ち上がり、部屋から出ようとした所を一馬が勇人に聞いた

 

一馬「何処へ行くんだ?」

 

勇人「風呂場(入渠室)

 

柊「夜戦しに?」

 

勇人「違ぇよ!回診だ!」

 

勇人は柊にツッコミを入れつつ、カルテを挟んだバインダーを持ち、入渠室に向かった

 

 

 

 

 

0000 入渠室前の更衣室にて

 

勇人(さて、アイツらの回診をする前に……)

 

勇人「艤装展開、『battle mode Aegis ver.2』そして艤装脱着……っと」

 

勇人(これなら絵面的にも問題無いな……よし)

 

勇人は女の姿である『Aegis ver.2』に変身し、艤装のみ外し、未来達が入っている入渠室の扉を開けた

 

港湾棲姫「ッ!?誰だ!」

 

拍地棲姫「ん?」

 

空母ヲ級「ッ!?お前は……」

 

北方棲姫 未来「このオバサン……誰?」

 

勇人「オ……オバサン!?」

 

美奈「……誰ですか、貴女は?」

 

深海棲艦達は女の姿になった勇人を見て、首を傾げながら、美奈は警戒する様に強い口調で聞くと、勇人は呆れながら答えた

 

勇人「……俺だ」

 

美奈「え?」

 

深海棲艦全員「ッ!?」

 

勇人は声だけ元に戻すと美奈以外の深海棲艦達は驚愕し、そして……

 

美奈「ひょっとして、大s……深海棲艦全員「キャーーー!!女装をした変態が堂々と覗きに来たぁぁぁ!!アッチ行けぇぇぇ!!」……ちょ!?皆さん!!落ち着いて!」

 

勇人「落ち着けって!俺は……港湾棲姫「エッチ!!」……痛ッ!回診に来t……空母ヲ級「変態!!」……ブッ!だから物を投げるの止めt……未来「これでも喰らえぇぇぇ!!」」

 

 

 

 

 

カーン!!

 

 

 

 

 

 

勇人「ンガッ!?」

 

美奈「大将!!」

 

深海棲艦達は勇人を覗きに来た変態だと勘違いをし、裸体を腕等で隠しながら、空になったバケツや桶、シャンプー容器等を勇人に向けて投げつけ、未来が投げたバケツが勇人の顔面に直撃した

正しく文字通り、未来達の回診に来た勇人に未来は、回診に来た勇人(命の恩人)()()の一撃を与えたのだ

 

そして美奈は、そんな状況を解決する為に未来を含む深海棲艦全員に怒鳴り散らした

 

美奈「……アンタら、いい加減にしぃ!命の恩人である大将相手に何しているんやぁ!!こんな事をやって、恥ずかしく無いんかぁ!!

 

未来を除く深海棲艦全員「()()()()で恥ずかしいよ!!……って大将?」

 

未来「ひょっとして……勇人さん?」

 

勇人「……」

 

美奈の怒鳴り声で正気を取り戻し、それと同時に顔を青ざめながら、未来が最後に投げつけたバケツが勇人の顔面に直撃したのか、鼻血を出し、出血を抑える為、綿を鼻の穴に詰め込んでいる勇人に聞くと、勇人は黙って頭を縦に頷くと、深海棲艦全員が浴槽から立ち上がり……

 

深海棲艦全員「す……スミマセンでしたぁぁぁぁぁ!!!

 

自身が裸体である事を忘れ、頭を下げる未来達であった

 

勇人「……気にしてねぇよ、と言うより俺の()()()()だったな……」

 

美奈「いえ……後、何故()()を?声まで女性になっていますし……」

 

美奈は勇人の『Aegis ver.2(女性の姿)』について触れると、勇人は美奈の質問に答えた

 

勇人「女装じゃなくて、本当に女性になったんや……分かりやすく言うと、この姿は艦娘で言うと『メインの艤装の改2』の状態で、俺の体内にある艦娘の力を最大限に発揮した姿なんだ……まぁ、この姿は艦娘の力を使った時の()()()みたいなものさ……後、艤装を解除すれば元に戻れるから」

 

美奈「まるで鈴谷さんの『コンバート改修』みたいですね」

 

未来「ってか、それを自分の意志で自由に出来るなんて……」

 

勇人以外全員「……チート過ぎる」

 

勇人「……まぁ、それはさておき……今から回診を始めるから、1人ずつ前に出るように」

 

深海棲艦全員「はーい」

 

美奈達は勇人のスペックを聞き、驚愕していると、勇人は本来の目的である未来達の回診を始めた



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第70話「未来の正体 Last part」

勇人が未来達を診察している頃 0030 C国付近の深海棲艦の基地にて

 

戦艦水鬼「……すまない、任務()()した」

 

戦艦水鬼は道中に頭を下げ、報告すると道中は戦艦水鬼の報告を聞き、発狂したかの様に声を荒げながら言った

 

道中「はぁ!?何で失敗するの!!戦力も数も此方の方が()なのに!?」

 

道中は発狂しながら失敗の原因を戦艦水鬼に聞くと、戦艦水鬼は俯きながら答えた

 

戦艦水鬼「……佐世保の龍が率いる『霧』……いや『霧龍(うりゅう)の艦隊』にやられたのだ……」

 

道中「ッ!?アイツ……霧の艦隊を使って……」

 

戦艦水鬼「……ああ」

 

道中「クソッタレ!!!」

 

道中は失敗の原因はコンゴウ率いる霧の艦隊によって潰された事を知ると、怒り狂い、その怒りを椅子や机等の備品にぶつける様に蹴り飛ばした

 

戦艦水鬼「……んで、どうする?今、舞鶴は龍や魔女、更には霧の旗艦であるコンゴウがいるぞ……此処に攻めて来たら私達『壊滅』待った無しだ……」

 

戦艦水鬼は道中に指示を仰ぐと道中は怒りが少し収まったものの、苛ついた表情で答えた

 

道中「……チッ!少し考える時間を頂戴」

 

戦艦水鬼「分かった」

 

道中は作戦を練り直す為、自室に籠った

 

戦艦水鬼「……やはりコイツは使えないな……そろそろ()()()()しないとな」

 

戦艦水鬼もまた、道中を()()()()()()()を押し、部屋を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 舞鶴鎮守府 入渠室にて

 

港湾棲姫「……」

 

勇人「……異常無いな、気分は?」

 

港湾棲姫「……姿は女になっているとはいえ、男に見られて……恥ずかしい……」

 

港湾棲姫は勇人に裸を見られ少し赤面していると、勇人は港湾棲姫の心境を察し、ラフな口調で答えた

 

勇人「これでも()()()()()()はしているぞ……はい終わり、次は未来だ」

 

勇人は全裸になった深海棲艦達を診察していたのだ

 

勇人は未来を呼ぶと、未来もまた恥ずかしそうに勇人の前に座った

 

未来「……御願いします」

 

勇人「ああ」

 

勇人は未来の腹や骨折した場所である太股、脇そして肩を触りながら行う診察『触診』を行い、異常の有無を確かめた

 

勇人「……痛い所は?」

 

未来「ううん、少し擽ったいけど……」

 

勇人「なら問題無いな……それじゃ、肩を回して」

 

未来「うん……回したよ」

 

勇人「回してみて痛い所は?」

 

未来「無いよ、むしろ軽くなった気がするよ」

 

勇人「上々、それじゃ……」

 

勇人は触診を終え、未来に骨折した場所である肩、脇そして太股を動かす様、指示を出すと未来は勇人の指示に従って動かし、骨や筋肉の異常の有無を勇人に報告した

 

そして数分後……

 

未来「……一通り動かしてみたんだけど、問題無かったよ」

 

勇人「……そう()()()な、それじゃ未来達はコンゴウの船の中で、ゆっくり休んでいてくれ」

 

港湾棲姫「……私達を捕虜に?」

 

港湾棲姫は勇人の指示(気遣い)に深読みをしたのか、少し殺気を込めた口調で言うと、勇人は港湾棲姫の質問を否定し、答えた

 

勇人「んな訳ねぇだろ、オメェらは今、俺の()()だろうが……未来だけなら兎も角、オメェらが鎮守府内にいたら、色々と問題になるだろうが……後、医者()の言う事は必ず守れよ」

 

港湾棲姫「……分かった、後……みんなを代表して……治してくれて、ありがとう」

 

未来「ありがとう……勇人さん」

 

勇人「おう、おやすみ未来」

 

未来「おやすみ……お母さん……お父さん……」

 

勇人は未来達に伝えると未来は微笑み、勇人の事を『お父さん』と呟き、勇人に一礼をし、コンゴウの船に向かったのを見計らって美奈に聞いた

 

勇人「……さて、美奈……お前に聞きてぇ事が()()()()()()……答えて貰うぞ」

 

美奈「……」

 

勇人は先程のラフな雰囲気から一転、神妙な表情になり美奈に言うと、美奈は黙って頷いた

 

勇人「まず1つ、お前達『二人の前世』の事だ……簡潔で良いから経緯を説明しろ」

 

美奈「……それって何時もの()()()ですか?」

 

勇人「……御願い?何を言っているんだ……これは()()()()だ……今回の襲撃の事で何か()があるかも知れないからな」

 

美奈「ッ!?……分かりました」

 

美奈は、勇人の殺気染みた雰囲気(仕事モード)に怯え、少し震えながら承諾し、答え始めた

 

美奈「……私……いえ私達『親子』は前世の記憶を持った状態で、この世に生まれた事はご存知ですよね?」

 

勇人「……ああ」

 

美奈「未来は……前世の私が初めて産んだ娘でしたが……」

 

美奈は俯いた表情で説明すると、勇人は美奈の様子を察し、答えた

 

勇人「流産……か」

 

美奈「……はい」

 

勇人は前世の未来の死因を聞くと、美奈は肯定し、説明を再開した

 

美奈「そして……私は当時の夫と別れ、また新しい家庭を作り、そして……」

 

勇人「……何かしらの事故や病気で死亡、転生してしまった訳だな……1つ質問、何故、当時の夫と離婚したんだ?当時の夫の不倫か?」

 

勇人は美奈の説明に疑問が生じ、説明を止め、質問すると美奈は意味深な言葉で返した

 

美奈「……当時の私達は()()()()のですから……」

 

勇人「若すぎた?……ッ!?テメェ、まさか……()()()()()の為に避妊もせず、『不特定の男(愛していない野郎)』とヤって、未来を……」

 

勇人は美奈の『若すぎた』という言葉を深読みをし、美奈に睨み付ける様に殺気を飛ばすと、美奈は勇人の誤解を解く為に殺気に震えながら説明した

 

美奈「ち……違います!私は前世()も今も、愛した男性しか行いません!!人をアバズレ(ヤリ〇ン)呼ばわりをするのは、止めて下さい!!当時、避妊せずに行った事は認めますが……

 

美奈は勇人の誤解を解く為に震えながらも強い口調で否定すると、勇人は美奈に気不味そうに言った

 

勇人「……悪い、()()()()()()()みたいだな……つまり当時、交際していた男……未来の()()()()()との『若気の至り』で身籠り、未来を流産をしてしまった訳だな?」

 

美奈「……はい」

 

勇人(……まぁ、()()()()での『若気の至り(子供の時の失敗談)』に関しては俺も()()()()が言えないからな……少し言い過ぎた)

 

勇人は言葉を濁らせながら結論を纏め、美奈に聞くと、美奈は肯定し、勇人は美奈に対して『侮辱』した事に反省しているのか、殺気を飛ばすのを止め、2つ目の質問を美奈に聞いた

 

勇人「……そうか、1つ目の質問は終わりだ……2つ目は()の未来についてだ」

 

美奈「あの子に何かあったのですか?」

 

美奈は勇人の質問を聞き、食い付く様に聞き直すと、勇人は美奈に未来の体内にあった『秋月の接続部(例の物)』を見せた

 

勇人「これ……分かるか?」

 

美奈「これは一体?」

 

美奈は首を傾げ、勇人に聞くと、勇人は美奈の質問に答えた

 

勇人「秋月の艤装の接続部だ」

 

美奈「秋月さんの……ですか……それと未来の関係性は一体?」

 

美奈は勇人の本意を察しれていないのか、はたまた医療の心得が無いのか、勇人に聞くと、勇人は少し俯き、答えた

 

勇人「……未来の()()()()()()()だ」

 

美奈「ッ!?そうでしたか……」

 

勇人「……()()()()()様だな、何故言わなかった?」

 

美奈は勇人の説明に驚きはしたものの、直ぐに落ち着きを取り戻し、答えると、勇人は美奈の様子を察し、聞くと、美奈は勇人の質問に気不味そうに答えた

 

美奈「すみません……未来(あの子)は『秋月型の誰か』としか言っていなかったので……」

 

美奈は勇人に謝罪しながら説明すると、勇人は溜め息を付き、説明を続けた

 

勇人「……秋月型の誰か……ねぇ……多分、未来は秋月として()()された時に一部の記憶が失ったんだな……」

 

美奈「轟沈!?ちょ……大将!?未来は……一度()()()()のですか!?」

 

美奈は勇人の『轟沈』という言葉を聞いて、驚き、声を荒げながら聞くと、勇人は静かに美奈の質問に答えた

 

勇人「……ああ、しかも蘭の『前任』である『道中潤』という女に……」

 

美奈「そんな……大将!どうして、どえらい事(大事な事)を黙っていたんや!!」

 

美奈は勇人の説明に混乱しているのか、前世の時に使っていた関西弁の方言の1つ『播州弁(はんしゅうべん)』で勇人に問い詰めると、勇人は美奈を落ち着かせる為に、ドスの効いた声で言った

 

勇人「オイ、落ち着け!俺も、さっき知ったんだ!」

 

美奈「ワレ(お前)の言い訳なんか聞きとうないわ!!」

 

勇人「だから落ち着けって!!」

 

勇人は混乱し、激怒している美奈を窘めようと冷静に説得すると、美奈は無意識ではあるが勇人に対して『絶対に言ってはいけない事』を言ってしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美奈「それに、ワレ(お前)みたいな『ぱっぱらぱーな(頭の悪い)クソガキ』が『()()()()()』で苦労もせずに大将まで上がり積めた事自体、()()()()()し不愉快や!何か言ったらどうなんや!!やっばアホな部下達の頭であるワレ(お前)には分からん事なんか?」

 

勇人「ッ!」

 

そう、美奈は今まで勇人が積み重ねてきた経験や苦労、更には『提督として』だけではなく『医者として』そして『勇人の家族や艦娘達』に対して侮辱したのだ

流石に美奈を説得していた勇人も堪忍袋が斬れたのか、勇人は自身の左手で勇人の胸ぐらを掴んでいる美奈の右手を腕ごど捻りさせ、そのまま左手だけで美奈を掴み上げた

 

美奈「い……痛い……た……大将……離して……」

 

美奈は勇人に腕を掴まれた痛みに少し正気に戻り、痛そうにもがき始め、勇人は本気で殺す気になっているのか、美奈の右腕の骨を折ろうと強く握り、言った

 

勇人「アァ?自分(テメェ)、死ぬ覚悟は出来t……朱里「うるさい!!自分ら(お前達)、今何時だと思ってるんやぁぁ!」」

 

 

 

 

ゴン!

 

 

 

 

 

 

美奈「痛っ!!あ……朱里さん!?」

 

勇人「ンガッ!母さん!?」

 

朱里「取り敢えず二人とも、正座!!」

 

勇人 美奈「しかし……」

 

朱里「はよ!」

 

勇人 美奈「……はい」

 

偶々、通りかかった朱里が入渠室に入り、ヒートアップした二人に怒鳴り付け、拳骨をかまし、艤装を展開させ、正座させた

 

朱里「事の発端は何なの?」

 

勇人「実は……」

 

勇人は一連の経緯を説明した

 

勇人「……という訳だ」

 

朱里「……成る程ね、これは勇人がキレるのは当たり前ね」

 

朱里は勇人の説明に腹立っているのか、少し怒りの入った口調で納得すると、勇人は立ち上がり、朱里に言った

 

勇人「という訳で、俺は寝るわ、おやすみ」

 

勇人は機嫌悪そうに荒々しく扉を開け、入渠室を後にした

 

朱里「あっ!?ちょ……ったく……後、美奈さん」

 

美奈「はい……」

 

朱里は勇人の行動に呆れると、美奈を睨み、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パチーン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美奈「ッ!?何をするのですか!?」

 

朱里は美奈にビンタをし、怒りながら美奈の質問に答えた

 

朱里「アンタ、勇人が『どんな思い』で過ごしてきたか分かるんか!あの子は今の地位まで上がるのに『私達の力』を使わず、全て『自分の力』で伸し上がって来たのよ!しかも想像を絶する位の苦汁や後悔、苦難()()を受け止めながら……なのにアンタは……」

 

美奈「……」

 

朱里「チッ!今日は遅いから、はよ戻りぃ!このままだと……殺しかねないからね」

 

美奈「……はい」

 

朱里は美奈の無責任な発言に怒りながら言うと、美奈は立ち上がり、俯いたまま入渠室を後にした

 

美奈(……大将がそこまで怒るなんて……少し言い過ぎました)

 

そして内心、勇人の激怒に驚きつつ、部屋に戻る美奈であった

後に美奈は勇人の軍人になってから今までの経緯を聞き、酷く後悔するとは知るよしも無かった

 




播州弁……難しいです……( ;´・ω・`)


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第71話「美奈の後悔 前編」

美奈とのトラブルから数時間後 0830 舞鶴鎮守府 食堂にて

 

勇次「ふわぁ~……おはよう……」

 

美奈「おはようございます、勇次さん」

 

千川「よぉ……弟さん」

 

勇次「千川、それを言うの止めてくれないか」

 

瑞鶴「おはよう……あれ?ユージン、提督さんは?」

 

瑞鶴は、まだ食堂に来ていない勇人について聞くと、勇次は「知らねぇ、起きたら居なかった」と答え、勇人の不在に違和感を感じつつ席に着くと、先に食事を終わらせ、コーヒータイムに洒落こんでいる千川、蘭、照月、初月が瑞鶴の質問に答えた

 

蘭「兄さんなら父さんとコンゴウを連れて、舞鶴の軍刑務所に向かっている」

 

初月「昨日の事で何かあったのかな?」

 

照月「……大将と元帥の事だ、あの防空棲姫について上坂さんに聞きに行ったのじゃないのかな?」

 

照月と初月はコーヒー……というよりカフェオレを飲み干し、勇人の行動を憶測で答えると昨夜の出来事で少し俯いた美奈が蘭に質問した

 

美奈「……少佐、何故大将は……わざわざ刑務所に?」

 

美奈は蘭に質問すると、蘭は昨夜の出来事を聞いていたのか、少し怒りながら答えた

 

蘭「……貴様に関係無い事だ」

 

美奈「……」

 

勇次「ちょ!?蘭!今の言い草は無ぇだろ!!防空棲姫……未来ちゃんは間宮ちゃんの娘分だろうが!!母親が娘の事を思うのは至極当然だろうが!」

 

瑞鶴「そうだよ!!いくら何でも今のは酷すぎるよ!」

 

千川「少佐、君には母親の気持ちが分からないのか!」

 

勇次と瑞鶴、千川は蘭の態度に気に食わなかったのか、少し怒りながら言うと、蘭は静かに答えた

 

蘭「三人は知らないんだな……昨夜の出来事を……」

 

勇次「……昨夜、何かあった?」

 

蘭「ああ……昨夜、見回りをした時にな……」

 

蘭は勇次と瑞鶴、千川、照月そして初月に昨夜のトラブルについて未来の正体を伏せながら説明した

 

蘭「……という訳だ」

 

勇次「……」

 

瑞鶴「……間宮さん、いくら未来の事で混乱していたからって、助けて貰った提督さんに、この『仕打ち』は酷すぎるよ……」

 

美奈「……私も軽率な発言だど思い、反省しています……すみませんでした」

 

千川「部下が軽率な発言をしてしまい、すみませんでした」

 

瑞鶴は軽率な発言をした美奈に静かに叱ると美奈は反省しているのか、千川と共に頭を下げ、答えると、勇次は静かに美奈に聞いた

 

勇次「……『すみません』……ねぇ……なぁ間宮ちゃん、兄貴が入隊してからの経緯を知らないのか?」

 

美奈「……いいえ、知りません……勇次さんに提督は知っているのですか?」

 

美奈は勇次の質問に頭を横に振り、答えると、勇次と千川は美奈に()()()()を発する様に強く、重い口調で答えた

 

勇次「ああ……一応言っておくが、学生時代よりも酷い内容だ……さっきの謝罪ですら軽率に思える位にな……それでも良いか?」

 

千川「僕はアイツの『提督研修過程』の時しか知らないが……それでも酷い内容だ……」

 

美奈「……お願いします」

 

美奈は二人の警告を承諾し、御願いすると、勇次は勇人の『軍医過程時代』の内容を言い始めた

 

勇次「兄貴は18……いや19になる時に軍に入隊……いや姉貴を治す為に自ら『日本海軍付属医学学校』に首席で入学したんだ」

 

美奈「医学学校って……『医大』!?しかも『首席』で!?」

 

瑞鶴「うるさい、少し黙って」

 

美奈「……すみません」

 

美奈(……学生時代の境遇をバネに『此処まで這い上がる』なんて……私は何てダボ(バカ)な真似を……)

 

美奈は瑞鶴の冷たい言葉に俯きつつ、勇人の強さと美奈自身の弱さと比べ、『今の自分』に情けなく思ったのか、拳を強く握り、悔やんでいると、勇次は再び説明を続けた

 

勇次「そして兄貴は様々な研究結果や論文、難病に効く新薬の製造、そして更に医学生としては異例の『大学2年生』の時に医師免許を取得し、階級も『中尉』に上がり、教官達からの信頼も得ていた位の()()()としてな」

 

千川「なっ!?僅か2年で!?しかも『中尉』!?あり得ねぇだろ!!普通なら医師免許を取得するだけでも4年以上はかかるのに……」

 

瑞鶴「……改めて聞くと、提督さんのチートっぷりは、此処から『始まった』んだね……」

 

二人は勇人の化け物並の頭脳に驚愕すると、勇次は「全くだ、双子なのにな」と同意しつつ、これからの説明に悔しく思っているのか、少し怒りが入った口調で説明を再開した

 

勇次「そして……学校を退()()そして()()されたんだ」

 

美奈 千川 瑞鶴「た……退学!?」

 

照月 初月「じょ……除隊!?大将は一度、軍を辞めたのですか!?」

 

初月と照月は勇次に勇人が除隊した理由を聞くと、勇次の代わりに蘭が重い口を開け、説明した

 

蘭「……姉さん絡みの件で除隊されたのだ」

 

千川「蘭花さん絡み?」

 

美奈「ま……まさか……」

 

蘭の簡潔な説明に千川は首を傾げ、美奈は昨夜、蘭花の生い立ちを聞いており、勇人の退学との関係性が結び付いたのか、神妙な表情で聞くと、勇次は美奈の憶測が合っているかの様に頷き、答えた

 

勇次「ああ……兄貴の功績に気に食わなかった医学界の重鎮達は、姉貴の手術失敗()を理由にして『兄貴自身の細胞()を削ってまで作った()()()()()』……いや、兄貴が作り上げた功績や心臓等、()()剥奪(横取り)』したんだ……そして教官達は医学界の重鎮達に脅され、姉貴の死で『精神崩壊した(用無しになった)』兄貴を()()()()()様に……」

 

千川「……酷い」

 

瑞鶴「そんな……あんまりだよ……」

 

勇次は勇人が退学(除隊)された理由を答えると、美奈以外全員が俯き、呟き、美奈は勇人の境遇に少し涙を潤わせ、呟いた

 

美奈「私は……そんな大将に……」

 

勇次「……幸いにも医師免許だけは盗られなかったが……そして、姉貴の死から立ち上がった兄貴が行った事は生前、姉貴が提督業をしていて、兄貴は、そんな姉貴の()()を受け継ぎ、()()として再び海軍に入隊し直した……と言う訳だ、後は千川、御願い出来るか?このままだと暴れそうだから……」

 

瑞鶴「ユージン……大丈夫?」

 

勇次「なんとか……」

 

勇次は今にも暴れそうな身体を震え、抑え付けながら言うと、瑞鶴は勇次の精神回復(メンタルケア)しに寄り添った

 

千川「勇次君……あまり無理するなよ……」

 

勇次「大丈夫だ……ありがとうズイチャンに千川……」

 

瑞鶴「……本当に無理しないでね」

 

千川「ヤバくなったら言ってくれよ」

 

勇次「……ああ」

 

勇次は落ち着いたのか、溜め息を付き、瑞鶴と千川に御礼を言い、水を一気飲みをし、千川は落ち着いた勇次を心配しながら説明を再開した

 

千川「さて……今度はアイツが『提督研修過程』の時に過ごしてきた内容だ……まぁ軍医時代と比べれば生易しいかも知れないが……僕とアイツは同じ時期に入隊した同期だと言うのはご存知だよね?」

 

美奈「……はい」

 

千川「僕は『艦娘は家族でもあり兄弟姉妹だ』というモットーの研修部隊『横須賀第二研修部隊』、上城は『艦娘は奴隷』という『ふざけた事』を言っている研修部隊『横須賀第一研修部隊』に配属されたんだ……第一研修部隊に配属された上城の待遇は……正直言って()()()()……何故なら『艦奴派』の上官達に『再教育』という名の()()、上官に媚びを売っている同期達による()()()()()()()()に耐え続けていたんだ……これも蘭花さんの遺志を受け継ぐ為、そして艦娘達に恩義を返す為に……」

 

美奈「ッ!?そんな……提督!何故、研修時代の時に大将を……勇人さんを救わなかったのですか!」

 

千川「そ……それは……」

 

美奈は勇人の学生時代、軍医時代そして提督の研修時代の不遇さに今にも泣き出しそうな位の声で千川に訴えると、蘭が美奈の訴えに『何かが切れた』のか、キツく、そして冷たい口調で言った

 

蘭「貴様が言える()()じゃないだろうが!!兄さんの全てを()()()()したアバズレが!!少しは身を弁えろ!!海軍の事情を知らないくせに!!」

 

美奈「ッ!?」

 

美奈は蘭の一喝で必死に堪えてきた涙腺が崩壊し、泣き崩れると、瑞鶴は蘭の発言に顔を引き釣り、小声で勇次に呟いた

 

瑞鶴「うわ……流石、提督さんの妹だわ……口悪ッ……よくユージンは提督さん譲りの口の悪さが出ないわね」

 

勇次「まぁ……蘭は兄貴……いや親父の影響を物凄く受けて育ったからな……」

 

瑞鶴「あの元帥まで!?想像出来ないわ……」

 

勇次「更に細かく言えば二人はジッチャン似の口の悪さだ」

 

瑞鶴「……マジかい」

 

瑞鶴は普段の()()な一馬と俊夫を想像していたのか、少しショックを覚え、頭を抱えると、千川は美奈を慰めながら言った

 

千川「大丈夫かい?無理なら部屋に戻るかい?」

 

美奈「グスッ……う……ウチ()……大将に……」

 

千川「……蘭君、少し言い過ぎでは無いのか?」

 

千川は蘭に少し強い口調で言うと、蘭は怒りが収まらないのか、怒鳴りながら言った

 

蘭「御言葉ですが千川少佐、彼女は私の兄であり、貴方の同期……いえ()()に対して人格()()を否定、侮辱したのですよ!本来なら『名誉棄損』並びに、上官(兄さん)を侮辱、意志に反した事による『()()()()()』として処刑(解体)されても()()な事を彼女はやったのですよ!むしろ言い足りない位だ!」

 

千川「それは分かっているのだが……」

 

勇次「落ち着け蘭、お前の気持ちは……蘭「兄さんは黙って!私は納得出来ないの!」」

 

蘭は勇次の説得を無視し、美奈と千川に吠える様に昨日の出来事について罵声を浴びせ続けると、勇次は少し苛ついたのか、極道者(ヤクザ)としての片鱗を蘭にぶつけた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇次「()()

 

 

 

 

 

 

 

ギロッ!

 

蘭「ッ!?……分かったよ……」

 

瑞鶴「ヒッ!?」

 

勇次は暴走した蘭に殺気を込めた一喝をすると、瑞鶴は怯え、蘭は先程までの狂犬染みた暴走から一転、怯えた子犬の様に黙り混み、勇次の説得に渋々、承諾した

 

千川「流石、上城の弟だ……殺気がアイツ()()()()だ」

 

勇次「そりゃ双子だからな……それに、このままだと間宮ちゃん……自殺しかねんからな……後、妹がすまなかったな」

 

千川「……僕達は蘭君に侮辱されて当然な事を行ったんだ……気にしていない」

 

勇次は蘭の暴走について、千川に謝罪すると、千川は蘭の訴えに()()()()()が分かったのか、少し俯きながら言うと、勇次は美奈の状態を気遣ってか、みんなに言った

 

勇次「……間宮ちゃんが、この『状態』じゃ、話が進まないな……続きは後日で良いか?」

 

美奈「……大丈夫です、続けて下さい……」

 

美奈は無理をしているのか、勇次の気遣いを拒否し、少し涙声になりながら言うと、勇次は美奈に優しく問い掛けた

 

勇次「……本当に大丈夫なのか?この後の話は()()()()精神崩壊しまうぞ(イカれてしまうぞ)……それでも良いのか?」

 

美奈「……覚悟は出来ています」

 

勇次「分かった……と言いたいが、カーチャンに優花ちゃん、大和ちゃん、隠れてないで出てくれば?」

 

勇次は廊下で盗み聞きをしている朱里、優花そして大和に言うと、朱里は電子煙草を吹かしながら、優花は少し苛つきを抑えながら、そして大和に至っては昨夜のトラブルを聞いて完全に激怒し(キレて)、艤装を展開しながら現れた

 

大和「……間宮さん、貴女……よくも私達の提督を……覚悟出来てますよね?」

 

優花「まぁまぁ……美n……間宮さんは勇人君の過去を知らなかっただけだから……ここは落ち着こうよ……ね?」

 

大和「し……しかし……」

 

朱里「大和、落ち着きなさい……彼女が勇人の()()を知ってもらう為にね」

 

大和「……分かりました」

 

大和は二人の説得に応じ、艤装を解除し、苛つきながら席に座った

 

勇次「それじゃ……始めようか、兄貴が人間から半艦息になった『()()()()』をな……」

 

勇次は神妙な表情で説明を始めた

 

勇人が龍として目覚めた切欠である『大本営襲撃事件(あの事件)』を……



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第71話「美奈の後悔 後編」

0830 舞鶴鎮守府 食堂にて

 

勇次「……では話すぞ」

 

勇次は重い口を、ゆっくり開く様に美奈達に『あの事件(大本営襲撃事件)』の全貌を説明した

 

勇次「あれは今から一年近く前に遡るが、事件の前夜……兄貴は当時、初期の秘書艦『吹雪』が佐世保の……今の兄貴の前任である『堤下督郎』の陰謀により()()()()にされた事にショックを受け、自棄酒になっていたんだ……それについてはカーチャンと千川は知っているだろ?」

 

朱里「……ええ」

 

千川「上城が酒に酔って上官達を病院送りにした時か……成程、だからアイツは……」

 

千川は事件の前夜、勇人が酒に溺れ、暴れた原因を知り、納得すると、勇次は再び説明を再開した

 

勇次「そうだ……そして事件当日、兄貴達(第一研修部隊)は艦娘達の陣営指導の為、横須賀の海域内で訓練をした時に……」

 

優花「……大型勢力を持った深海棲艦達が大本営に攻めてきたのよ」

 

勇次「そうだ……って、何故知っているんだ?」

 

勇次は説明中に優花が入って来た事に驚き、質問すると優花は事件により両親を亡くした悲しみが蘇ったのか、俯きながら答えた

 

優花「……私も『あの事件』の時……パパとママを亡くしているから……」

 

勇次「……そうか、なら部屋に戻るか?辛くなるぞ」

 

勇次は優花を気遣う様に優しく言うと、優花は「大丈夫、そこまで弱くないから」と気丈に振る舞いながら言うと、勇次は説明を続けた

 

勇次「無理するなよ……そして当時、兄貴の同期達……()()()()()()()()()の事だが、そいつらは兄貴とカーチャン含む艦娘達を置いて一目散に逃げたんだ」

 

美奈「……だから提督は()()()()()()である大将達に『謝罪』していたのですか……」

 

勇次「そういう事だ……だから、あまり千川を責めないでやってくれ……アイツは、この事件に関わっていない(無関係)とは言え、結構気にしていたからな」

 

美奈「分かっています」

 

千川「そう言って貰えると有難いよ……弟さん」

 

千川は勇次に感謝すると勇次は「だから『弟さん』と言うのは止めろ」とツッコミをし、説明を続けた

 

勇次「……んで、話を戻すが、当時、()()()()()()()カーチャン達(艦娘達)は大型勢力を持った深海棲艦の軍団に勝ったんだが、カーチャンは瀕死の重傷になり、兄貴に至っては片腕が無くなっていた……いや駆逐艦イ級だっけか?そいつに()()()()()()()んだ」

 

美奈「片腕!?で……ですが……今の大将の腕は……」

 

美奈は()()()()()()()()()が深海棲艦に片腕を取られた事に驚愕しつつも、今の勇人と当時の勇人の矛盾点である片腕の有無について聞くと、勇次は俯きながら答えた

 

勇次「ああ、それに関しては、この前の事件である『蒼霧事変』の時に兄貴の腕を食い千切ったイ級が見つかり、イ級を解剖、食い千切られた腕を取り出し、再生手術をしたんだ……おっと、話が逸れたな……兄貴は天さん(天龍)の刀を使って、深海棲艦達を壊滅させ、当時『深海棲艦』だった赤城ちゃんを元に戻したんだが……戦いの時に『D-cell』というウイルスに感染したんだ」

 

千川「D-cellだって!?」

 

美奈「提督、D-cellって?」

 

美奈はD-cellについて聞くと、千川は動揺を隠せないまま、美奈に説明した

 

千川「深海棲艦しか持っていないウイルスで、普通の人間が感染すると……拒絶反応を起こし……死ぬんだ」

 

優花「そして、その治療法は瀕死の艦娘と一時的に()()させ、感染者の自然治癒力を使って、瀕死の艦娘を回復、自然治癒力をつけさせ、感染者自身を()()()にし、感染者の体内にD-cellの抗体が作られ、治療する方法よ……ただし、融合した感染者は完治し、艦娘と分離しても……一生、人間(元の生活)()()()()()()過ごさないといけない……」

 

美奈「ッ!?それじゃ大将は、そのウイルスのせいで朱里さんと……」

 

美奈は千川の説明に付け足した優花の説明で、昨日、朱里から勇人の幼少時代を聞いていたのか、勇人が朱里と融合した理由を察し、聞くと、勇次は美奈の予想が当たっているかの様に頷き、答えた

 

勇次「そうだ、兄貴とカーチャン……お互い救う為に一時的に融合し、兄貴は人間を辞め、()()()として行動し、深海棲艦だった赤城ちゃんを専属秘書艦として迎え入れ、今も尚、艦娘達や平和を願う『みんな』の為に兄貴自身が、みんなを守る『盾』として行動し続けている……という訳だ」

 

勇次は美奈達に大本営襲撃事件の内容そして勇人の今の信念を説明すると、美奈以外の舞鶴そしてショートランドの連中は俯き、黙り混んだ

 

照月「……酷い事件だったんだね」

 

初月「……うん、それに大将は、瀕死の重傷になっても自分を貫き通す事が出来るなんて……」

 

千川「……そんな事があったのか……」

 

美奈以外の連中は勇人が自身の信念を貫き通した事に圧巻しつつも、大本営襲撃事件の酷さを聞き、俯いていると、美奈は、そんな勇人に対して、()()()()()()()()()()()に見舞われ、そのまま泣き崩れ、懺悔をする様に朱里に言った

 

美奈「ウチ……大将に……酷い事を……」

 

大和「漸く気付いたのですか、貴女が行った『事の重大さ』を……」

 

美奈「はい……」

 

大和は美奈に追い討ちを掛ける様に冷たい目で美奈を睨み、言うと、美奈は泣きながら大和の言葉を肯定すると勇次は大和を窘めながら言った

 

勇次「まぁまぁ、大和ちゃんが怒りたい気持ちも分かるが、少しは大人になれよ」

 

大和「ッ!?勇次さんは悔しく無いのですか!?彼女は……提督を……」

 

大和は勇次の発言に悔し涙を流しながら言うと勇次は俯き、少しドスの効いた低い口調で答えた

 

勇次「……俺だって悔しいさ、だけどな……それは兄貴と間宮ちゃんの問題だ……俺達が横槍を入れる権利は無ぇよ……それに兄貴は自分自身を侮辱された事に怒ったんじゃ無ぇよ」

 

大和「……じゃ、提督は何故怒ったのですか?」

 

大和は勇人が怒った()()()()()を勇次に聞くと、勇次は目を据わり、一呼吸を置き大和達に答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇次「間宮ちゃんが()()()()()そして俺達()()を侮辱したからさ」

 

大和「え!?」

 

初月 照月「ッ!?」

 

蘭「な!?」

朱里 千川「……」

 

瑞鶴「提督さん……」

 

そう昨夜、勇人が怒ったのは仲間や家族を侮辱された事に怒ったのだ

そして美奈以外、全員が勇人が怒った理由を聞き、驚愕し、俯き、美奈に至っては勇人の信念が自身の信念と被り、美奈は同じ信念を持った勇人に()()()()()()()()に悔やんだのか、()()()()()()()()をした

 

美奈「……提督……今すぐ私を……()()してください……私は……人々を癒す為に造られた艦娘『間宮』として、()()()()()()()をしてしまったのです……どうか……お願いします……」

 

千川「馬鹿な事を言うな!出来る筈が無い!馬鹿な事を言うのは止めろ!」

 

美奈「これがウチ()なりの謝罪(ケジメ)や……ウチ()が居なくても()()()がいるから……」

 

勇次「ッ!?」

 

美奈は千川に自身を解体……言わば自決したいと言ったのだ

それを聞いた勇次は美奈の行動に美奈の胸ぐらを掴み、怒鳴り散らした

 

美奈「ッ!?勇次……さん……」

 

勇次「ダラ!!お前が死んだら未来ちゃんや電ちゃん達はどうなるんや!!お前は艦娘『間宮』以前に、あの子達の()()やろ!!確かに『お前(間宮)』が死んでも代わりがいるが、あの子達(未来達)の母親は、()()しかおらんのや!!今度()()()()を言って見ろ!俺は……いや俺達()()はテメェを一生許さんぞ!!」

 

美奈「ッ!?」

 

瑞鶴「ユージン……」

 

勇次もまた、勇人同様『児童虐待(チャイルドアビュース)』の経験があったのか、無責任な発言をした美奈に激怒し、美奈に渇を入れると美奈は正気を取り戻し、勇次に謝罪した

 

美奈「……すみません勇次さん、私……」

 

美奈は勇次に謝罪すると、勇次は美奈の胸ぐらを掴んでいた手を放し、答えた

 

勇次「……謝る相手が間違っているぞ、謝るのなら兄貴に言ってくれ……俺達では無い」

 

美奈「しかし……私は……」

 

美奈は昨夜の勇人の様子を思い出し、不安になっていると、朱里が美奈に優しく言った

 

朱里「大丈夫、あの子は基本的に優しい子から許してくれる筈よ……そんなに不安なら私も付き添ってあげるから……ね」

 

優花「まぁ……このままだと間宮さん……本気で自殺しかけないからね……メンタルカウンセラーとして私も付き添うよ」

 

蘭「私は許さn……勇次「蘭」……チッ!次は無いからな……」

 

大和「……分かりました、間宮さんの処罰は私達の提督に任せます」

 

美奈「皆さん……本当にありがとうございます!」

 

千川「皆さん……寛大な処罰、ありがとうございます!」

 

美奈と千川は勇次達が昨夜のトラブルについて許すと二人は嬉しかったのか、泣きながら頭を下げた

 

 

そして、廊下では川内型と不知火が盗み聞きをし、昨夜の事について話していた

 

川内「成る程ね……みんな()()()()()よ……」

 

不知火「川内さん、それは不知火達も()()()いるのですか?」

 

川内「う~ん……そんな面倒臭い事を言ったつもりでは無いんだが……」

 

不知火は川内の発言に深読みをし、質問すると、川内は不知火の質問に思考を回らせているのか、黙り混み、代わりに神通と那珂が優しく答えた

 

神通「きっとそうですよ不知火さん……何せ姉さんは軽巡の艦娘の中で一番、()()()()()を受けているのですから……」

 

那珂「そうそう、何せ川内ちゃんは提督の事がs……川内「馬鹿ちゃん!これ以上言うな!」……()鹿()()()()()()を併せないで!」

 

川内は那珂が自身の秘密を暴露しかけた事に赤面し、止めると不知火と神通は笑みを浮かべながら言った

 

不知火「フフ……あの()()()()()()()()川内さんがね……」

 

神通「ええ、あの姉さんが提督に恋心を……ねぇ……」

 

川内「二人まで!?私ってイジられキャラなのかな?」

 

那珂「まぁ良いじゃん、昔と比べれば……あ!?」

 

神通「どうかs……ッ!?」

 

不知火「不味いですね……」

 

川内「ん?どうしたの?」

 

川内の悪態に神通、那珂そして不知火は微笑ましく笑うと川内の背後に『とある人』が、()()()()()()()で立っているのに気付き、川内以外の艦娘達は冷や汗を流した

その人物とは……

 

朱里「ほう……盗み聞きとは良くないわね……」

 

川内「ッ!?きょ……教官……何時から此処に?」

 

朱里「貴女の恋心の話を始めた辺りからね……んで、盗み聞きを計画した黒幕は?」

 

神通 那珂 不知火「……」

 

川内の背後に立っていた朱里が笑顔で川内達に問い詰めると神通、那珂そして不知火は川内を指差した

 

川内「え!?ちょ!?みんな!?」

 

朱里「フフ……川内には『特別な夜戦』を殺らせてあげるわ……逝くよ」

 

神通「……骨は拾ってあげます」

 

不知火「……南無」

 

那珂「……ごめん川内ちゃん」

 

川内「みんなの裏切り者ぉ……」

 

朱里は川内を引き摺りながら演習場に向かい、神通達は連行される川内に合掌をした

 

川内の悲痛な叫びと共に……

 

 



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第72話「襲撃の真相 前編」

勇次が美奈達に『大本営襲撃事件(あの事件)』の内容を説明し始める数分前 0800 舞鶴市内にて

 

勇人「Zzzzzz………」

 

コンゴウ(艦長、近いです……それに……)

 

ムニュ……

 

コンゴウ(顔が胸に当たっています……あぁ……艦長と……)

 

一馬「……しかし昨日、勇人が美奈にキレたのは驚いたな……アイツが()()()()にキレる事は絶対しないのに……なぁコンゴウ」

 

一馬は自身の愛車(ハマー)を運転しながら、勇人が()()()まで未来達の看病(診察)をしていたのか、後部座席でコンゴウの膝を枕代わりに使い、熟睡しているのを呆れつつコンゴウに言うと、コンゴウは勇人を襲いたい欲求に耐えながら、熟睡している勇人の頭を撫でながら答えた

 

コンゴウ「そうだな……私も未だに信じられないな……艦長が艦娘相手にキレるなんて……」

 

コンゴウもまた、昨夜の勇人の行為に信じられないのか、俯いた表情で答えると一馬はコンゴウの気持ちが分かっているのか、コンゴウ同様、俯きながら答えた

 

一馬「ああ……しかしコンゴウ……お前も、この世界に来てから随分と()()()()なったじゃねぇか」

 

一馬はコンゴウの変化について触れるとコンゴウは微笑みつつ、首を傾げながら答えた

 

コンゴウ「そうか?私は何時も通りだが?」

 

一馬「いや、昔のお前なら勇人(人間)に触れただけで拒絶反応を示し、最悪『殺し』に掛かるからな」

 

コンゴウ「……そこまで酷かったんだな……私の()()()()が……」

 

一馬「まぁな……後、コンゴウ……勇人に()()()いるだろ?」

 

コンゴウ「なっ!?な……何故それを!?」

 

一馬はニヤけながら言うと、コンゴウは狼狽えつつ、一馬の言葉に肯定すると、一馬は今のコンゴウの状態を見て呆れながら答えた

 

一馬「……コンゴウ、お前さっきから勇人の寝顔を、ずっと見ていたからな」

 

コンゴウ「……タカオや伊401も千早群像に、()()()()()で接していたのかな……」

 

一馬「イオナは分からねぇが、タカオは群像にゾッコンだ……あれは、下手すればタカオが『ヤンデレ』になりそうで怖いな……」

 

コンゴウ「ヤンデレ……か……後で調べてみるか」

 

一馬「……やめろ、『お前』が病むと世界が崩壊するから」

 

コンゴウ「……それは『アニメでの私(平行世界の私)』であり、この私ではないから、それは無い」

 

一馬「メタ過ぎるぞ!!ってか、この世界に順応し過ぎてるぞコンゴウ!」

 

コンゴウ「メタい?何を言っているか分からないが、私は『あの装置(異世界転移装置)』を使って、平行世界の私……いや()()を見に行っただけだが……後、誰かが言った言葉だが……『激流に身を任せろ』という言葉を聞いて、それを実行したまでだ」

 

一馬「ト〇か、お前は……何か疲れたぞ……」

 

コンゴウ「大丈夫か?運転代わろうか?」

 

一馬「お前のせいだ……この野郎……」

 

一馬はコンゴウの順応性の高さに驚き、悪態を付きつつも軍刑務所に向かった

 

 

 

 

 

 

1時間後 0900 舞鶴市内の軍刑務所前にて

 

一馬「……着いたぞ」

 

コンゴウ「……何かプ〇ズンブレ〇クの舞台になりそうな場所だな」

 

一馬とコンゴウは車内越しで刑務所を見ると、コンゴウは海外ドラマを喩えた表現で呟くと一馬は「当たり前だ」と呆れ、言った

 

一馬「そりゃ刑務所だからな……ってかコンゴウも海外ドラマを見るんだな」

 

コンゴウ「ああ、アッチの世界と比べて、この世界は『娯楽』が多いからな……後、夕張と秋雲が持っていたPCゲーム『東方風神録』の舞台となった『幻想郷』と言う世界に行ってみたいな……まぁ流石に()()()()()は行けないだろうが……」

 

一馬「完全にノリが某破壊者(門〇司)だな……まぁ本人が楽しんでいるのなら良いか……それに一応、言っておくが……勇人は5年位前に、マジで幻想郷に()()()()()()()からな……」

 

コンゴウ「なっ!?本当に実在するのか……あの幻想郷が!?」

 

一馬「ああ……ちなみに『あの装置(異世界転移装置)』を手掛けたのも、幻想郷のエンジニア(技術者)と、()()()の協力があったからこそ出来た物だ」

 

コンゴウ「……知らなかった……」

 

一馬はコンゴウの行動に苦笑しつつ、勇人が昔『幻想郷』に行った事を言うと、コンゴウは『幻想郷』が実在した事に驚くと、勇人はコンゴウの声に反応し、欠伸をしながら言った

 

勇人「ふわぁ……ウルセェな……もう着いたのか?」

 

コンゴウ「おはようございます艦長」

 

勇人「おはよーさん……と言っても二度寝してしまったからな……」

 

一馬「……相変わらず呑気な奴だな……さて、勇人も起きた事だし、優香里に会いに行きますか」

 

勇人「ああ……眠い……

 

コンゴウ(優香里って、確か……一馬の前妻で艦長の実母だったな……何故、あの様な場所(軍刑務所)に……刑務官として勤務しているのか?)

 

コンゴウは勇人の実母である優香里について疑問視しながら、三人は刑務所内に入って行った

 

 

 

 

1時間後 刑務所内の待合室にて

 

勇人「……zzzzzz」

 

コンゴウ「……艦長、いい加減起きて下さい」

 

コンゴウは待合室のソファーに座りながら寝ている勇人を優しく起こすと、勇人は比叡みたいに慌てて起き、コンゴウに言った

 

勇人「ハッ!?寝てねぇぞ!」

 

コンゴウ「完全に寝ていましたよ……まぁ、それは置いといて……何故、実母である優香里と会いに?しかも、軍刑務所(此処)に?」

 

コンゴウは勇人に此処に来た理由について聞くと勇人は懐から煙草を取り出し、一服しながら答えた

 

勇人「ふぅ……未来についてだ」

 

コンゴウ「未来ですか……あの子と優香里との関係性は一体……」

 

コンゴウは今居る場所が軍の施設だと言う事を配慮をしているのか、未来が防空棲鬼だと言う事を()()()()()午〇ティーを飲みながら言うと、勇人は刑務官が出されたコーヒーを飲みながら答えた

 

勇人「……それは帰りに言う、コンゴウには、()()()をやって貰う為に同行させたんだ」

 

コンゴウ「ある事?」

 

コンゴウは勇人の言葉に首を傾げながら聞くと、勇人は周りに聞かれたく無いのか、コンゴウの耳元で誰も聞かれない様に小声で依頼した

 

勇人「……面会室の防犯カメラにハッキングをし、他の刑務官達にお袋との会話内容を()()()()()()()にしてくれないか?

 

コンゴウ「なっ!?まさか優香里は……刑務官では無く……()()なのか!?」

 

勇人「……」

 

コンゴウは勇人の犯罪行為染みた依頼に驚きつつも、勇人の依頼の内容を察し、質問で返すと、勇人は黙って頷くとコンゴウは溜め息を着き、答えた

 

コンゴウ「ハァ……分かりました……」

 

コンゴウは勇人の言葉に理解し、承諾すると、手続きから戻って来た一馬が二人に近付き、言った

 

一馬「イチャつくのは勝手だが、そろそろ面会だ……行くぞ」

 

勇人「イチャついてねぇよ!ちなみに面会室の番号は?」

 

一馬「893号室だ」

 

勇人「ヤクザ(893)かよ……コンゴウ、後は頼んだ

 

勇人はコンゴウに小声で言うと、コンゴウも周りに聞こえない様に小声で返事をした

 

コンゴウ「分かりました、今から()()を遂行します……すまない、化粧を直したいのだが、トイレは何処に?」

 

刑務官「彼方です」

 

コンゴウ「分かった……ありがとう」

 

勇人は面会室の室番に悪態を着きながら一馬と共に面会室に向かい、コンゴウは軍刑務所にハッキングをしに女性トイレに足を運んだ

 

未来襲撃事件の真実を得るために……

 

 

 

 

 



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第72話「襲撃の真相 後編」

1030 軍刑務所 面会室『893』号室前にて

 

勇人「……此処か」

 

一馬「ああ……ん?コンゴウは?」

 

勇人「御花を摘みにいった」

 

一馬「……成程な、んじゃ行くか」

 

勇人と一馬は扉の前に立ち、一馬は扉のドアノブに手を掛け、時計回りに捻りさせ、扉を開けると、部屋はガラスで仕切られ、仕切られたガラスの向こうに義手、義足を着けた優香里が椅子に座って待機し、勇人達を出迎えた

 

優香里「……久しぶりね、一馬にハヤチャン」

 

一馬「俺は逢いたくなかったがな」

 

優香里「……相変わらずツレないわね」

 

勇人「自業自得やろ……久しぶりだな、お袋……」

 

優香里「ええ、久しぶり……ハヤチャン」

 

勇人「マジで『それ』は止めてくれないか?もう22だぞ」

 

優香里「あら?()()()()()には許したのに?」

 

勇人「うるせぇ」

 

一馬「()()()()()だけは、お前譲りだな……」

 

優香里「そう?」

 

勇人「……泣けるぜ」

 

一馬は優香里の再会に顰めっ面になり、勇人は普段通りの傍若無人な態度で軽い雑談をしながら椅子に座り、同席していた刑務官に御願いした

 

勇人「……すまないが、久々の親子の再会だ、席を外してくれないか?」

 

刑務官「分かりました……外で待機してますので変な真似を起こさないで下さい」

 

勇人「わーったよ」

 

勇人は刑務官が退室したのを確認すると、部屋に備え付けられていた防犯カメラを見た途端

 

 

 

ボン!

 

 

 

小さな破裂音が聞こえ、優香里は破裂音に違和感を覚え、勇人に聞いた

 

優香里「ん?何か破裂音がしなかった?」

 

勇人「そうか?俺には聞こえなかったが?」

 

一馬「気のせいじゃねぇのか?」

 

一馬(アイツ、傍聴出来ない様に遠隔操作で施設のブレーカー内の全てのカメラの電源ヒューズを過電圧で破壊しやがった!?いくら何でも、やり過ぎだ!)

 

勇人(……だが、これで()()()()()()()()()から良いか……もう少し()()()()()()で無力化してくれよ……)

 

一馬と勇人は内心、コンゴウの大胆なやり方に焦りつつも、何時もの冷静な態度を変えず、勇人は優香里に質問を始めた

 

勇人「お袋、ショートランドの秋月について、何か知っているか?」

 

優香里「秋月?まさか道中の所の?」

 

勇人「ああ、出来れば道中に関する情報も知っていたら教えてくれないか?」

 

勇人は優香里に御願いすると、優香里はカメラを気にし出したのか、少し言葉を濁らせながら言った

 

優香里「……そんな事をしたら……」

 

勇人「カメラか?カメラなら()()()()

 

優香里「はぁ!?一体どうやって!?ってか()()()って、どういう事?」

 

勇人「……俺のツレがブレーカーのヒューズを遠隔操作で破壊したんだよ

 

優香里「ツレ?誰を連れてきたの?」

 

優香里は勇人の言葉に驚きつつも、一馬以外の勇人の同行者について聞くと、一馬は外で待機している刑務官達に聞かれたくないのか、カメラを壊した同行者(コンゴウ)について小声で答えた

 

一馬「……()』霧の艦隊のコンゴウだ、今は勇人が創設した部隊に所属しているんだ

 

優香里「はぁ!?あの()()()()()の……勇人「声がデケェ!」……ごめんなさい、ってか、一体どうやって仲間にしたの!?

 

優香里は一馬の言葉に驚愕し、小声でコンゴウが仲間になった経緯について聞くと、一馬は冗談を交えながら、さっきより少し大きな声で簡潔に答えた

 

一馬「『仲間にした』というより、あの事件の後、()()()()()()()んだけどな

 

優香里「まぁ♪蒼霧事変の時の友軍の旗艦を口説くなんて、御盛んな事ね♪

 

一馬「全くだ、若い頃の親父みたいに見境無く口説きやがって……

 

二人は微笑みながら小声で言うと、勇人は二人にツッコミを入れながら本題を言った

 

勇人「誤解を招く言い方は止めてくれ……んで、んで話を戻すが、秋月を一航戦(赤城と加賀)みたいに、再び艦娘に戻れる様、手配したのは、お袋か?」

 

優香里「……」

 

勇人は神妙な表情で聞くと、優香里は黙って頭を頷いた

 

勇人「……だろうと思った」

 

優香里「って事は秋月も勇人の所(佐世保鎮守府)に?」

 

一馬「いや舞鶴だ」

 

優香里「何故、舞鶴の事を貴方達が?」

 

優香里は勇人達が舞鶴に居る事に疑問し、質問すると勇人は簡潔に答えた

 

勇人「蒼霧事変の時に世話になったからな……その御礼参りだ……今は防k……未来(秋月)を保護している」

 

優香里「……成程ね、それで秋月を轟沈させた道中について聞きたい訳ね」

 

勇人「そう言う事」

 

優香里は内容を察し、質問すると、勇人はラフな口調で肯定すると、優香里は「分かったわ」と言い、道中について説明し始めた

 

優香里「道中の素性は分かっているよね?」

 

勇人「ああ、年齢は俺と同じ年……というより『高校の時の同級生』で18の時に提督として海軍に入隊し、去年、ショートランドの司令長官に就任し、蘭が築き上げた『ホワイト鎮守府(艦娘達の楽園)』を再び『ブラック(地獄)』に変え……そして、この前の『蒼霧事変』の時に俺を殺そうとしたが失敗し、警察から殺人未遂として逮捕状が発令、海軍は道中に懲戒免職を出し、今も尚、逃亡中……だよな?」

 

優香里「……ええ、そうよ」

 

勇人「……だが、アイツが提督をしていた時の戦術(やり方)が分からんのや……アイツは夫である李が俺に()()()()された恨みを持って攻めて来ているのは分かっていたが……」

 

優香里「……北の将軍様といい、C国の政治家といい、更にはテロリストまで……相変わらず『世界規模の最重要人物(とんでもない人物)』相手に喧嘩を売るなんて……ホント、()()()()()は一馬に似ているわね……」

 

一馬「うるせぇ」

 

勇人「……お袋」

 

優香里は今までの勇人の行動を思い出し、呆れながら一馬に同意を求めると、一馬は少し不貞腐れながら答えると、優香里は「ごめんなさい、話が逸れたわね」と謝罪し、道中の『やり方』について説明し始めた

 

優香里「道中は勇人や柏木みたいに、最初から、()()()()()()()()を使って()()黒幕(ターゲット)に攻撃するようなタイプじゃないわ……むしろ()()で、手始めに標的となる人(ターゲット)の周りの人や仲間、更にはターゲットの最愛の人にまで『手を掛ける(殺しに掛かる)()()()()()()()()()で攻めてくるのよ……そして……」

 

勇人「……ターゲット()が冷静な判断が出来ない位、()()()()()になった所を攻める(始末する)訳だな」

 

勇人は優香里の説明に道中の『普段の作戦内容(やり方)』を察し、答えを言うと、優香里は静かに肯定した

 

優香里「……そうよ」

 

勇人「チッ!胸糞悪い糞女(クソアマ)だ……あいつだけは!!人間(ヒト)として、許してはいけねぇ!!」

 

一馬「全くだ……このまま野放しすると()()()()になるぞ」

 

勇人「……ああ」

 

道中の冷酷で卑劣な戦術に二人は憤怒し、優香里に関しては『事の重大さ』が分かっていたのか、目が据わり、神妙な表情で言った

 

優香里「勇人、あの女は勇人の同期である『第一研修部隊』の連中と手を組んでいるわ……あの女が率いる仲間は深海棲艦だけでは無い事を()()()()()!」

 

勇人「……上等!!一泡吹かしてやらぁ!!」

 

一馬「ああ!情報ありがとうな優香里」

 

優香里「やるからには()()()にね……私も、道中の事が大嫌いだからね……後、勇人」

 

勇人「何だ?」

 

勇人と一馬が意気揚々と退室をしようとした所を優香里は勇人を止め、止めた理由を言った

 

優香里「……()()()()()()()()()()が昨日、面会に来て、二人に伝言を頼まれたのよ」

 

勇人「……何て?」

 

勇人は『優香里に似た女性』と勇人の元交際相手である早苗の伝言について聞くと、優香里は伝言内容を勇人に伝えた

 

優香里「……私に似た女からは『五年前、貴方が封印した()()()()()を使う時が近い内に来るから、時間があったら幻想郷(私達の所)に来るように……』と、そして早苗ちゃんからは『暇な時で良いので、鎮守府の艦娘達や部下達と一緒に()()()()に遊びに来てください、皆さん、逢いたがっていますよ』と言ってたわ」

 

勇人「……分かった、んじゃ俺達は舞鶴に戻るわ、ありがとう」

 

一馬「……今度は朱里と孫を連れて来るからな」

 

優香里「ええ、楽しみにしているわ」

 

勇人と一馬は優香里に礼を言い、コンゴウと共に刑務所を後にし、舞鶴鎮守府に戻った

 

道中に反撃の狼煙を上げる為に……



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第73話「和解そして隠された真実」

1300 舞鶴鎮守府 食堂にて

 

未来「遅いな……お父さん……一緒に遊びたかったのに……

 

未来は食後の一服をしているのか、緑茶を飲み、鎮守府から見える景色を見ながら()()()()()()()()()みたいに勇人の帰りを待っていると、後ろから勇次と瑞鶴がカルピスソーダに食用ハッカ油を混ぜて作った武蔵特製の炭酸飲料水『セイピスソーダ』を飲みながら未来に近付き、優しく喋り出した

 

勇次「……完全に兄貴の事を親父扱いにしているな、未来ちゃん」

 

瑞鶴「ええ」

 

未来「ッ!?勇次さんに瑞鶴さん!まさか、今の()()()を……」

 

未来は今の独り言について赤面しながら聞くと、瑞鶴は微笑み、勇次は陽気な笑いを出しながら、答えた

 

勇次「ハッハー!勿論だ♪兄貴が認めて貰えれば俺は未来の『叔父貴』になるのか~……それも悪くねぇな」

 

瑞鶴「案外、可愛い所があるじゃん♪」

 

未来「ちょ!?瑞鶴さん!?弄らないでぇ!……後、勇次さん、もし勇人さんが私を娘と認めてくれれば、勇次さんの事を()()()()と呼んで良い?」

 

勇次「構わねぇよ♪」

 

未来「やった!」

 

瑞鶴「……私に『叔母さん』と呼ぶのは止めてね」

 

未来「分かったよ♪『瑞奈(ずいな)叔母さん』♪」

 

未来は先程の仕返しなのか、笑顔で人間としての瑞鶴の名前『鶴崎 瑞奈(つるさき ずいな)』として呼び、叔母さん扱いをすると、瑞鶴は未来の仕返しに暁みたいに怒り出し、未来に怒鳴った

 

ちなみに姉の翔鶴の人間としての戸籍の名前は『鶴崎 翔華(つるさき しょうか)』なのは余談である

 

瑞鶴「ちょ!?待てや!早速、言っているじゃないの!!しかも私の『人間としての戸籍』で叔母さん扱いをするんじゃないの!!」

 

未来「あっかんべー♪さっきの仕返しだよ♪七面鳥さん♪」

 

瑞鶴「こんのぉ……クソガキがぁぁぁぁ!」

 

瑞鶴は未来の挑発に、眉とトレードマークであるツインテールを吊り上げ、艤装を装着せずに未来を追い掛け始め、未来は笑いながら逃げて行った

 

勇次「……完全に遊ばれているな」

 

朱里「……ええ」

 

千川 艦娘達「あはは……」

 

港湾棲姫 美奈「後輩()がスミマセン……」

 

二人の様子を見て、食後の一服をしていた一馬と勇人以外の上城一家と舞鶴、佐世保、ショートランドの艦娘達そして千川は未来に遊ばれている瑞鶴を見て苦笑し、港湾棲姫と美奈は未来の行動に只々、勇次達に謝罪していると……

 

勇人「相変わらず賑やかだな……ただいま」

 

コンゴウ「戻ったぞ」

 

一馬「……ただいま」

 

美奈「ッ!?お……お帰りなさい大将……」

 

未来「ッ!?一馬さんにコンゴウさん!そして、お父さん!お帰りなさい♪」

 

美奈と美奈は勇人達が帰って来たのを確認すると、美奈は少し脅え、未来は笑顔で出迎えると勇人は笑顔で「おう♪」と答え、未来の頭を撫でていると、千川とコンゴウは何時ものヤンデレモードで勇人に言った

 

千川「おい上城、その手を退かせ」

 

コンゴウ「千川少佐の言う通りです、その手を退かして下さい」

 

未来「いや!退かさないで!というより、もっと撫でて!」

 

大和 美奈 川内型「あははは……」

 

不知火「……敵ながら、羨ましい限りです

 

電「……敵では無いのですが、同感なのです

 

勇人「……泣けるぜ」

 

朱里「……それ、私の……まぁ良い、勇人……優香里から得た情報は?」

 

朱里は佐世保で見慣れているのか、少し呆れながら優香里の情報について聞くと、勇人は普段のラフな表情から一転、神妙な表情で答えた

 

勇人「……ああ、実は……」

 

勇人は未来の頭を撫でながら優香里の情報を朱里達に報告した

 

勇人「……という訳だ」

 

朱里「……胸糞悪い話ね、私達の部下達を使って『こんな事』を……」

 

勇次「……兄貴、組員達(俺の兵隊達)を使うか?これは()()()()()()()じゃねぇ、俺達『()()()()()』だ」

 

蘭花「確かに……なら私の船も使う?」

 

蘭「事情は聞いた……ショートランドの艦娘達(私の仲間達)を使うか?」

 

沙耶「私はハヤ兄みたいに、戦う事は出来ないけど、私のコネでメディアを操作させて、道中を追い込ませる?」

 

コンゴウ「救難隊含め、佐世保鎮守府全員、何時でも出撃可能です……艦長、指令を……」

 

千川 柊「舞鶴もだ!」

 

優花「……何時でも出撃出来るよ」

 

照月 初月「大将!」

 

勇人を除く全員が道中の戦術や未来を襲った理由を聞き、怒りが含んだ強い口調で勇人に指示を仰ぐと、勇人は静かに頷き、答えた

 

勇人「……ああ、だが……今は()()()()()

 

朱里以外全員「ッ!?」

 

朱里「……その訳を聞こうか」

 

朱里は勇人が出撃しない訳について聞くと、勇人は道中の動きについて答えた

 

勇人「……アイツは第一研修部隊と繋がっているんだ、今、全勢力で道中を潰しにかかったら舞鶴は『()()()()』になり、アイツらは、その隙に攻められたら……」

 

勇次「……成程な」

 

未来「……お母さん……」

 

未来は勇人の説明に恐怖心が込み上げてきたのか、震えながら美奈に抱き着き、答えた

 

未来「もう……死にたく……ないよ……私から……離れないで……」

 

美奈「未来……」

 

美奈は脅えた未来を見て、何も出来ない自分に不甲斐なく思い悔しそうに呟くと、勇人は未来を安心させる様に近付き、頭を再び撫で、優しく答えた

 

勇人「分かっている、だが、その為には……未来、お前を『秋月(艦娘)』に戻し、港湾達を400か402に隠す」

 

未来「ッ!?」

 

朱里「……成程、未来ちゃん達を艦娘に戻し、潜水艦内部(海底)に待機させれば……」

 

初月「敵として狙われずに済む……という訳ですね」

 

勇人「そういう事だ……先ずは未r……未来「……嫌よ……」……ん?どうした未来?」

 

勇人は二人の発言に頷くと未来は先程までの安心しきった表情から一転、何かを思い出したのか、震えながら強い口調で言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未来「嫌!!いくら、お父さんの作戦だからって、絶対、()()に戻るのは嫌!!もう、()()()()()()()()()()()()()を思い出したく無いの!!」

 

照月「え!?」

 

初月「今……()()()()()()()()()()と……大将!まさか未来の正体が()()()()()だと言う事を()()()()()のですか!?」

 

蘭「……兄さん……」

 

未来の発言に照月は驚愕し、初月に至っては勇人に問い詰める様に胸ぐらを掴み、質問すると、勇人は重たい口を開き、答えた

 

勇人「……ああ、手術の時に分かったんだ……黙ってて悪かった」

 

美奈「初月さんに照月さん……実は私達も()()()()()のです……今まで黙ってて、ごめんなさい」

 

初月「ギリッ……()()()()だと!?ふざけるなァァ!!」

 

初月は勇人の謝罪に気に食わなかったのか、怒鳴りながら主砲を勇人に向けて、発砲しようとした途端、蘭が初月に近付き、そして……

 

 

 

ガン!

 

 

ガッシャーン!!

 

初月「クッ!何をするんだ!提督!」

 

初月は蘭に蹴飛ばされ、食堂の机等が蹴飛ばされた初月にぶつかり、破損し、蘭が初月を蹴飛ばした訳を聞くと、蘭は静かに答えた

 

蘭「初月、お前の気持ちも分かる……だが兄さんも悩んでいるんだ……このまま()()()()()()()()()か、()()()()()()()()()()()()()()()()をな……だから、全てが終わったら告白するつもりだったんだ……なのに、お前は……」

 

初月「提督……大将、スミマセン、僕とした事が……」

 

蘭「すまない兄さん……部下が……」

 

勇人「気にするな、こういうのは()()()()()……間宮も()()()()は気にするなよ」

 

美奈「……ッ!?ありがとうございます!大将!」

 

勇次「結局、許すのかい……まぁ兄貴らしいが……」

 

瑞鶴「そうね」

 

蘭は暴走した初月を正気を取り戻させる為に、静かに、そして、はっきりと勇人が決断すべき事の一つである『秋月(未来)の処遇』の事を告白すると、初月は申し訳なさそうに勇人に謝罪し、朱里は瓦礫の中で座り込んでいる初月に近付き、優しく手を伸ばした

 

朱里「初月、立てるか?」

 

初月「……大丈夫だ、僕は艦娘だ……これ位、屁でも無い」

 

初月は軽い脳震盪を受けたのか、頭を抱え、ふらつきながら立ち上がると朱里は少し驚愕し、苦笑しながら呟いた

 

朱里「……ったく、同じ()()でも蘭の所はガッツがあるわね……蘭に似たのかしら?」

 

蘭「……兄さんの(秋月達)と比べればヘタレだ」

 

初月「……アッチの僕達がタフ過ぎるんだよ」

 

照月「言えてる」

 

蘭の嫌味に初月は悪態を付くと、舞鶴の艦娘達は初月に同意をするかの様に笑っていると、勇人は呆れながら言った

 

勇人「オイコラ……まぁ話を戻すが、道中については後日、改めて『出撃する(挨拶しに行く)』として……問題は……」

 

赤城「道中と手を組んだ『元第一研修部隊』……提督の同期達の問題ですね?」

 

赤城が今一番の問題である『道中が勇人と千川の同期達(第一研修部隊)と手を組んだ事』について触れると、勇人は頭を抱えながら言った

 

勇人「はっきり言って、第一の同期全員『艦娘達の的(銃殺刑)』にすれば、問題が無くなるんじゃねぇか?」

 

未来「あっ!?それ良いアイd……美奈「自分ら!!何物騒な事を言っとるのや!駄目に決まっとるやろ!!」……ケチ

 

勇人「あぁ?」

 

美奈は播州弁(素の自分)で勇人達に叱ると、未来は不満そうに口を尖らせ、勇人に至っては昨日()()の殺気を美奈にぶつける様に睨むと美奈は震え、昨夜のトラウマが蘇ったかの様に怖がりながら、先程の言葉を修正し、言った

 

美奈「ヒッ!?勝手な発言をし、す……スミマセンでした!!で……ですが……あ、あの言葉は未来に悪影響を及ぼすので……もう少し『優しく(ソフトに)』、お願いします……」

 

勇人「……仕方ないだろ……これに関しては生まれ持った(モン)だ……」

 

未来「お父さん!後でヤクザの言葉を教えt……美奈「未来!」……はーい……」

 

勇人「……泣けるぜ」

 

千川「……今の(作戦)……完全に上城の私怨が入っていましたね……教官」

 

朱里「……ええ……ん?勇人、何処に行くの?」

 

勇人「タバコ吸いに付近の海岸に行ってくる」

 

勇人は溜め息を付きながら美奈の御願いに答えつつ、自身の問題を解決策を出すために、タバコを吸いに席を外した

 

 

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 舞鶴鎮守府付近の海岸にて

 

深海海月姫に似た茶髪の女性「……Where is this?(此処は何処?)

 

勇人にとって、思いもよらない幸運に巡り逢おうとは……

 

 

 



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第74話「波乱」

勇人が道中について説明している頃 とある森林にて

 

優香里に瓜二つの金髪の女性「……さて、貴女の彼氏……いえ()()()()()()は、道中の戦略(あの女のステージ)に、どの様に行動(攻略)をするのかしらね……早苗」

 

優香里に瓜二つの女性が顔を隠す様に扇子を開き、森林の獣道を歩きつつ、緑色の髪をした女性『東風谷早苗』に聞くと、早苗は女性の発言に深読みをしたのか、首を傾げながら言った

 

早苗「心配なのですか?(ゆかり)さん」

 

優香里に瓜二つの女性改め『紫』「……いいえ、今、()()()()()()()()()……いえ、()()()()()()()()()()()の彼が、どんな奇抜な方法(常識外れの戦略)で攻略してくるか、楽しみなのよ」

 

早苗「確かに……しかも、ハヤチャンの能力は()()()……いえ()()()が崩壊する能力()……あれが無い状態で、どの様に……」

 

紫「……そうね、まぁ今の彼なら、あの能力の()()()である()()()()()があるから問題無いが……しかし……困ったわ」

 

早苗「困った?何かトラブルでも?」

 

紫は、()()()()()()()について頭を抱え、早苗の質問に答えた

 

紫「貴女も神奈子から聞いたと思うけど、渡部美奈と渡部未来……来世(彼の所)では舞鶴鎮守府所属の補給艦『間宮』と防空棲姫いえ『秋月』……そして彼の前世『龍崎 謙一(りゅうさき けんいち)』さんとの関係性よ」

 

早苗「神奈子様から話は聞いています……ハヤチャンの前世と美奈さん、そして未来ちゃんとの関係は()()だった事ですよね?それが何か問題でも?」

 

早苗はハヤチャンの前世……いや勇人の前世である龍崎謙一と美奈が元夫婦、つまり未来の本当の父親が勇人本人である事を伝えると紫は溜め息を付き、答えた

 

紫「()()()よ……普通、死んだ者の転生は、この先の未来か異世界の人間や動物に転生するのが常識だと言うのは『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』でも知っているわよね?」

 

早苗「はい……」

 

紫「しかし……龍崎謙一……いえ彼の前世は今も()()()()()のよ……彼と()()()()で」

 

早苗「へぇ~……え!?ちょっと待って下さい!!龍崎さんは今も生きているのですか!?しかも龍崎さんと同一人物(同じ魂)であるハヤチャンが居るのに!?」

 

早苗は転生での矛盾である『同一人物の人間()が同じ世界に()()居る事』に驚愕し、紫に質問すると、紫は早苗の質問に簡潔に答えた

 

紫「……それは何者かが龍崎さんの魂を()()し、片方の魂を彼に、そして、もう片方を彼の前世である龍崎さんとして転生させた黒幕が居るのよ」

 

早苗「……だからハヤチャン、未来ちゃんがハヤチャンの事を父親として呼んだ時と美奈さんに対しての感情の差が出たのですね」

 

紫の説明に早苗は俯きつつ、憶測ではあるが結論を纏めると、紫は早苗の結論が正しかったのか頷き、答えた

 

紫「そういう事、だから彼の魂は半分近く『空っぽ』になったから、空っぽになった所を()()()()()体内に残ったD-cellを使って、もう一つの人格を無意識に作り上げたのよ」

 

早苗「それが戦艦女帝ちゃん……ですね」

 

紫「そう……さて、私達は幻想郷に戻って、博霊神社で、お茶にしますか?今の問題は彼に任せれば良いわ」

 

早苗「……そうですね」

 

紫は今の問題を勇人に任せると、隙間を出現させ、二人は隙間に入ると、隙間は消えて行った

 

 

 

 

 

同時刻 舞鶴鎮守府付近の海岸にて

 

勇人「ふぅ……」

 

勇人(……やっぱ、第一研修部隊(あの連中)を欺く為には未来を秋月に戻さないと行けないが、未来は秋月になるのを()()している……一体どうやって、未来(お転婆娘)を説得するか……ん?あれは……)

 

勇人はタバコを吸いながら、未来を説得する方法を考えていると、覚束ない足取りで近付いて来る深海海月姫に似た女性に気付き、女性は流暢な日本語で勇人に聞いた

 

深海海月姫に似た女性「……スミマセン、此処は何処ですか?」

 

勇人「……舞鶴だ……ん?お前は確か『サラトガ』か?アメリカ空母の……ってか、オメェ!大破しているんじゃねぇか!?ちょっと待ってろ!」

 

勇人は深海海月姫に似た艦娘『サラトガ』の状態が大破状態になっていた事に気付き、急いで近付き、彼女に携帯型高速修復材を振り掛けると、サラトガは大破状態から回復し、少し元気が出たのか、より流暢な日本語で勇人に礼を言った

 

サラトガ「Thank You……貴方、舞鶴鎮守府の提督ですか?」

 

勇人「いや佐世保だ……サラトガは何故、大破状態で舞鶴に流れ着いたんだ?」

 

勇人はサラトガに聞くと、サラトガは俯きながら答えた

 

サラトガ「元々は私……『深海海月姫』だったのです」

 

勇人「……ドロップ艦か、ちなみにサラトガ……いや深海海月姫に勝った艦隊は何処の鎮守府だ?」

 

勇人はサラトガ(深海海月姫)を倒した艦隊について聞くと、サラトガは倒された恐怖が蘇り、震えながら答えた

 

サラトガ「……貴方が所属している佐世保の艦隊……『霧龍の艦隊(佐世保鎮守府救難隊)』のコンゴウに串刺しにされて……」

 

勇人「……そうか」

 

勇人(あの馬鹿……ナノマテリアルブレードで……)

 

サラトガ「……ちなみに貴方の名前は?」

 

サラトガは勇人に質問すると、勇人はコンゴウの行動に呆れつつも、自己紹介を始めた

 

勇人「……『佐世保鎮守府総司令官』の上城勇人だ」

 

サラトガ「ッ!?まさか貴方が……戦場の狂龍!?」

 

勇人「……そうだ」

 

サラトガ「ッ!?」

 

勇人はサラトガの質問に答えると、サラトガは勇人に臆し、より震えながら艤装を展開させると勇人はサラトガを窘めながら言った

 

勇人「安心しろ、敵意は無い……とりあえず舞鶴に戻るぞ、詳しい話は其処からだ」

 

サラトガ「……understand(分かりました)

 

勇人は恐怖で震えているサラトガを連れて舞鶴鎮守府に戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後 舞鶴鎮守府 執務室にて

 

千川「……ふぅ、終わった……上城のお陰で仕事が捗ったな……本当、あの洒落にならない量の書類を一晩で終わらすなんて……」

 

榛名「そうですね」

 

霧島「では、そろそろ……」

 

金剛「休憩デース!比叡!ティータイムの準備ネー!」

 

比叡「はい!」

 

千川「料理はするなよ」

 

金剛 比叡「分かってますよ!」

 

千川と金剛型4姉妹は仕事が終わったのか、金剛型4姉妹の恒例のティータイムの準備に取り掛かると勇人はサラトガを連れて執務室に入って来た

 

勇人「よぉ千川、仕事捗ってるか?」

 

サラトガ「……」

 

千川「お前のお陰でな……ん?上城、後ろの艦娘は?」

 

金剛型4姉妹「ッ!?まさか……」

 

勇人は軽い口調で、サラトガは頭を下げて挨拶すると、千川はサガトラを見て首を傾げ、勇人に聞くと、勇人は鼻で笑いながら答えた

 

勇人「サラトガだ……鎮守府付近の海岸に漂流されていたのを保護したんだ」

 

サラトガ「Hello……航空母艦『サラトガ』です。サラとお呼びくださいね。よろしくお願い致します。」

 

千川「な……ナイストゥーミートゥー……サラ」

 

勇人「それを言うなら『nice to meet you too』だろうが……」

 

千川「……仕方無いだろ、いきなりアメリカ空母の艦娘が来たんだ……誰だって驚くさ」

 

金剛「そして大将、無駄にネイティブな発音デスネー」

 

勇人「お前が言うな……まぁ良い……千川、至急、間宮と未来、電そしてコンゴウを呼んで来てくれないか?昨日の件についてだ」

 

金剛「私?」

 

金剛は自分の事と勘違いしているのか、勇人に聞くと、勇人は失念したのか、頭を抱えながら言った

 

勇人「……メンタルモデルの方だ」

 

勇人は金剛に言うと、金剛は理解し「understand!」と答え、美奈達を呼びに行った

 

千川「昨日の襲撃の件とサラトガ?上城、一体どういう事だ?」

 

千川は勇人に昨日の襲撃事件とサラトガとの関係性について聞くと、勇人は金剛が淹れた紅茶を飲みながら答えた

 

勇人「……それは全員揃ってから説明する……ただ……」

 

千川「ただ?」

 

勇人「……間宮とっては()()()では無いな」

 

千川「……頼むから昨日みたいに暴れる様な真似は止めてくれよ」

 

勇人「……それは美奈(アイツ)に言え、今回の事件……一筋縄には行かんぞ」

 

千川「……泣けるな」

 

千川は勇人の説明の内容を察したのか、呆れながら勇人に言い、美奈達が来るのを待っていた

 

まさか千川の予想を()()()()()()になろうとは……



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第75話「母鬼の怒り、龍母の気持ち」

1500 横須賀鎮守府内部(大本営内部)の部屋にて

 

男「……フフ、とうとう……あの問題児を仕返しをする事が……」

 

勇人と同じ提督用の制服を着た男が笑いながら呟くと、男の秘書艦である大鯨が男に恐怖に震えながら異議を唱えた

 

大鯨「提督様……それは……」

 

男「何だ?奴隷風情が俺に文句を言うのか?」

 

男は大鯨の発言が気に入らなかったのか、顰めっ面になり、大鯨を殴り飛ばし、地面に倒れ、悶えている大鯨の髪を掴み上げ、大鯨を脅す様に言った

 

大鯨「ガバッ……ゴホッ……しかし……あの人は……」

 

男「……『大本営襲撃事件(あの事件)』で()()()()()()()()()()()()()()()をしたアイツ(上城)()()()事が無いんだ!お前は俺の()()を取れば良いんだ……分かったな?」

 

大鯨「……分かりました、では……失礼します」

 

大鯨は男に殴られた原因で軽い脳震盪を起こしているのか、少しふらつきながら男の機嫌を取りに()()()()()()()と、男は勇人に復讐心を燃やしているのか、高々に笑いながら言った

 

男「フフフ……あの事件の前日のリベンジ……確り()()()()()()!!上城ォ!!」

 

男は高々に宣言し、自身の欲求を大鯨にぶつけ始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 舞鶴鎮守府 執務室にて

 

美奈「遅れてスミマセン、夕飯の下拵えに手間を取ってしまって……」

 

朱里「……ちなみに夕飯は『鶏のすっぱ煮』よ」

 

未来 電「スミマセン……お母さんの手伝いで遅れました」

 

勇人「気にすんな……ってか、それ……俺の好物じゃねぇか!」

 

朱里「ええ、今日は鶏肉が安かったから箱買いしてきたの」

 

勇人「ヨッシャー!」

 

千川「意外と子供っぽい所もあるんだな……アイツ……」

 

美奈「大人びているのか、子供っぽいのか分からない人ですね……」

 

赤城「……オンとオフの差が激しい人ですからね……提督は……」

 

加賀「提督は鶏のすっぱ煮が好き……っと」

 

吹雪「加賀先輩、さっきから何をメモっているのですか?」

 

加賀「……気にしないで下さい」

 

勇人は急いで来たのか、少し息を荒くなった美奈達に優しく、そして夕飯が勇人の好物な為、喜びながら言うとコンゴウはサラトガを見ながら勇人に質問をした

 

コンゴウ「艦長、そろそろ本題を……」

 

勇人「ゴホン……美奈達を呼んだのは昨日の襲撃の件についてだ……サラトガ、説明を……」

 

勇人は子供染みた発言を訂正するかの様に咳払いをし、自身の背後に隠れているサラトガに言うと、サラトガはコンゴウに臆しながら説明し始めた

 

サラトガ「……yes sir(了解しました)……私は『サラトガ』と言います……そして私は元々、深海棲艦『深海海月姫』だったのです」

 

未来「ッ!?何でコイツが居るの!?お父さん!何故、始末しなかったの!?」

 

未来はサラトガの元々の姿が未来達を襲った道中の仲間である『深海海月姫』だと知ると、怨みが入った強い口調で勇人に問い詰めると、勇人は未来の質問を質問で返した

 

勇人「未来、今此処でサラトガを始末すると『どうなる』?今まで艦娘達を始末した連中の()()を知っているだろ?」

 

未来「うっ……そ……それは……」

 

千川「……つまり、サラトガから道中の目的等を全て吐かせるつもりだな?」

 

千川は勇人の考えを察し、聞くと、勇人は頷き、肯定した

 

勇人「そうだ、そしてサラトガ……お前に拒否権と黙秘権があるんだが……もし、()()をしたら……コンゴウ」

 

勇人はコンゴウを呼ぶと、コンゴウは勇人の考えを察し、ナノマテリアルブレードを出現させ、それをサラトガの首元に当てた

 

コンゴウ「……ナノマテリアルブレード(この剣)()()()()()()()()()()()からな」

 

コンゴウはサラトガを脅すとサラトガは恐怖を抱き、美奈の足元に抱きつき、震えながら答えた

 

サラトガ「Nooooooooo!(ひえ~っ!)わ……分かりました!分かりましたから、命だけは……」

 

美奈「ちょ!?サラトガさん!?」

 

未来「コンゴウさん!さっさと殺しt……勇人「お前は黙ってろ!」……ひっ!?」

 

朱里「コンゴウ、彼女(サラトガ)を脅すんじゃないよ」

 

コンゴウ「……分かった」

 

勇人は未来を、朱里はコンゴウに一喝すると、コンゴウは渋々ナノマテリアルブレードを仕舞い、恐怖に怯えているサラトガに優しく聞いた

 

朱里「ごめんなさいね、今、ウチの連中は道中の襲撃に『気が立っている』のよ……貴女が知っている情報を全て教えて……勿論、貴女の処遇は現時刻をもって佐世保鎮守府に配属する事になったから」

 

勇人「まぁ、妥当な処遇だな」

 

赤城「そうですね」

 

加賀「……こればかりは、仕方無いですね」

 

サラトガ「……I see……分かりました、私が知っている事、()()を話します」

 

サラトガは朱里の説得に安心したのか、コンゴウに怯えながらも道中の戦略や目的を説明し始めた

 

サラトガ「道中は自身の夫である李が戦場の狂龍……いえ提督が()()()()をしているのは知っていますよね?」

 

勇人「ああ」

 

美奈「……大将、李を飼い殺しって……ペットじゃ無いんですから」

 

勇人「そう言うな、アイツには色々と利用価値があるから今後の医学の為に貢献してもらわないとな」

 

未来「そうそう、私達をラットにした罰だよ」

 

美奈「貴方達ねぇ……泣けますね」

 

朱里「……んで、何故、道中は李を飼い殺しをしている勇人では無く、未来達を襲ったの?」

 

朱里は美奈にツッコミを入れたい気持ちを抑え、サラトガに聞くと、サラトガは説明を再開した

 

サラトガ「勿論、最初は提督を殺そうとしたのですが……」

 

勇人「戦艦女帝が道中の右手を()()し、殺し損ねたんだろ?」

 

サラトガ「……はい」

 

朱里「あ……あの時か……」

 

赤城「提督……いえ戦艦女帝ちゃんが不審者を追っ払った時の事ですか……」

 

加賀「……あれは提督……いえ戦艦女帝ちゃんの正当防衛だから私達に非は無かったのですが……」

 

美奈「え!?右手を破壊!?それに戦艦女帝!?大将!?一体どういう事ですか!?」

 

美奈は勇人達の言葉に驚愕し、勇人に質問すると、勇人は溜め息を出し、答えた

 

勇人「簡潔に言えば俺が深海棲艦になった姿だ……まぁ、こればかりは見せた方が速いな……」

 

勇人は目を瞑ると、勇人の身体は発光し、そして光が収まると金髪の少女改め『戦艦女帝』が欠伸をしながら朱里に言った

 

戦艦女帝「ふわぁ……御母様に赤城御姉様に加賀御姉様そして吹雪御姉様……おはよう」

 

朱里「おはよう……ごめんね、起こして……」

 

赤城「おはようございます」

 

加賀「……相変わらずマイペースな子ですね」

 

吹雪「戦艦女帝ちゃん、おはよう」

 

朱里、赤城、加賀そして吹雪は眠たそうに目を擦っている戦艦女帝に挨拶をすると美奈達は勇人が戦艦女帝に変わった事に驚愕した

 

美奈「……へ?大将が……」

 

千川「金髪の……」

 

電「幼女になったのです!?」

 

未来「しかも羽が生えている!?」

 

戦艦女帝「ほえ?オバサン……誰?」

 

美奈「ッ!?オ……オバサン!?」

 

朱里「コラ、オバサンじゃなくて、間宮()()()()でしょ!」

 

ゴン!

 

戦艦女帝「痛ッ!?ごめんなさい……間宮御姉様……」

 

戦艦女帝は美奈にオバサンと呼ぶと、朱里は拳骨をし、一喝すると美奈は戦艦女帝の頭を撫でながら、優しく自己紹介を始めた

 

美奈「良いのよ、私は舞鶴の間宮で朱里さん達から『美奈』と呼ばれているわ……宜しくね戦艦女帝ちゃん」

 

戦艦女帝「うん!宜しく!後、御兄様達が御世話になっています」

 

美奈「此方こそ、大将……戦艦女帝ちゃんの御兄さん達に御世話になっています」

 

未来「うわ……凄く礼儀正しい深海棲艦だ……しかも、お母さんにオバサン呼ばわりは……命知らずな事を……

 

電「本当に深海棲艦ですか……育ちが良すぎる……まぁオバサン呼ばわりは……

 

美奈(……未来も戦艦女帝(この子)みたいに落ち着いてくれれば……しかし、この子……メチャクチャ良い子じゃないの!?本当に大将が深海棲艦になった姿ですか!?もう()()ですよ!?)

 

未来と電は小声で戦艦女帝について呟くと美奈は二人の話を聞いていたのか、二人に呆れながら呟くと朱里は美奈の心中を察したのか、美奈に謝罪するかの様に、申し訳無さそうに言った

 

朱里「ごめんなさいね、美奈さん……ウチの馬鹿息子のせいで……後、この子がオバサン呼ばわりをして……」

 

美奈「……仕方無いですよ、大将に『あんな過去』があったから……後、戦艦女帝ちゃん、別に私の事をオバサンで良いですよ」

 

朱里 戦艦女帝「え?それ……どういう事?」

 

朱里と戦艦女帝は美奈の発言に疑問視すると、美奈は二人の耳元で小さく答えた

 

美奈「……私は身体は若いのですが、実年齢は()()()()なんです

 

朱里「ッ!?マジで!?」

 

戦艦女帝「……御母様より年上だったなんて……てっきり御母様の方が年上(オバサン)だと思った……」

 

朱里「女帝、何か言ったかしら?」

 

朱里は戦艦女帝の呟きを聞いていたのか、睨み付けながら言うと、戦艦女帝は慌てながら「何でも無い」と答えると、加賀が痺れを切らしたのか朱里達に言った

 

加賀「あの……そろそろ本題の方に……」

 

朱里「……そうだったわね」

 

サラトガ「分かりました……」

 

サラトガは深海棲艦化した勇人(戦艦女帝)に戸惑いながらも、説明を再開した

 

サラトガ「道中は提督……戦艦女帝さんのbrother(御兄さん)を暗殺に失敗し、再び復讐を始める為に李の人脈を使って、私達『深海棲艦』を引き連れて防空棲姫……未来さんの基地を襲撃、そして未来さん以外の深海棲艦を皆殺しをし……」

 

千川「……僕以外の舞鶴の主戦力である艦娘達や上城一家、佐世保の人達を道中のアジトに向かわせる餌として未来を人質に取った……という作戦だったのか?」

 

千川はサラトガの説明(道中の作戦)の内容を予想し、答えるとサラトガは肯定し、説明を続けた

 

サラトガ「……はい、そして提督達を一掃する為に道中のアジトを閉鎖し、人質ごとアジトを破壊する作戦でした……」

 

朱里「……言葉通り、()()()にさせるつもりだったのね……泣けるわ」

 

サラトガの説明に朱里達は道中の卑怯極まりない戦略に怒りが表れているのか、苛立ちながら言うと、美奈は拳を震えながら戦艦女帝に言った

 

美奈「戦艦女帝ちゃん、大将……いえ貴女の御兄さんに伝えて欲しい事があるの」

 

戦艦女帝「ん?何を?」

 

戦艦女帝は美奈の御願いに耳を傾けると美奈は決意のある強い口調で御願いした

 

その『御願い』とは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美奈「……私も皆さんと同じく『戦える』様に改造してください!御願いします!」

 

美奈以外全員「ッ!?」

 

勇人(……)

 

美奈(自分)を改造手術し『戦闘員(兵士)』として前線に立つ事を勇人に御願いしたのだ

 

戦艦女帝(御兄様……)

 

勇人は戦艦女帝の五感と同調している為、美奈の気持ちを察したのか、戦艦女帝に言った

 

勇人(……戦艦女帝、みんなに伝えてくれ……今夜、『手術を始める』と……)

 

戦艦女帝(え!?何で!?)

 

勇人は美奈の願いを承諾すると、戦艦女帝は勇人に反論すると、勇人は承諾した訳を戦艦女帝に説明した

 

勇人(……道中の襲撃で一番()()()()()のは美奈だ、しかも身内()をボコボコにされたんだ……誰だってキレるさ)

 

戦艦女帝(それは分かっているよ!分かっているけど……私は反対だよ!美奈さんは舞鶴の間宮御姉様でもあり、未来の母親だよ!娘の為だからって()()()()()()()()()()()()よ!!)

 

戦艦女帝は勇人に強い口調で反論すると勇人は戦艦女帝の反論に論破した

 

勇人(……()()()()()()()、娘を守る為に身を挺してまで戦うんだ……それに、()()()()()()()()()が居るだろ?)

 

戦艦女帝(……そうだった、私達の家族に()()()()()()()が居るんだった……はぁ~……分かったよ、伝えるよ)

 

戦艦女帝は勇人に説得され、頭を抱えながら美奈達に勇人の伝言を伝えた

 

戦艦女帝「御兄様から伝言だけど……今夜、手術を始める……って」

 

朱里「……」

 

美奈「ッ!?本当ですか!?ありがとうございます!」

 

赤城「提督!?何を言っているのですか!?」

 

加賀「馬鹿な事を言うのは止めて下さい!」

 

未来「そうだよ!!戦艦女帝も、何故お父さんを止めないの!?」

 

戦艦女帝……いや勇人の言葉に朱里は黙り混み、美奈は礼を言い、一航戦と未来は戦艦女帝と勇人に反論すると戦艦女帝は一航戦と未来の反論に答えた

 

戦艦女帝「私達も美奈さんと同じく()()()()()()()に前線に立っている人が居るから、()()()()()()を尊重したいの……そうでしょ?御母様?」

 

戦艦女帝は朱里に言うと、朱里は参ったと言わんばかりに溜め息を付き、答えた

 

朱里「……そこまで言われたら反論出来ないわね」

 

赤城 千川「三笠教官……」

 

未来「朱里さん……」

 

朱里「美奈さん、これだけは言っておくわ……この手術(改造)を受けたら……もう二度と『日常』に()()()()()()……それでも良いの?」

 

朱里は美奈に最終警告を発しているかの様に強く、重い口調で確認すると、美奈は朱里の言葉に惑わされず、芯の入った強い口調で答えた

 

美奈「……構いません、お願いします」

 

未来「お母さん……」

 

未来は美奈を心配そうに見ていると、朱里は「分かった」と答え、コンゴウに指示を出した

 

朱里「コンゴウ……夜までに手術の準備を」

 

コンゴウ「分かった」

 

美奈「朱里さん……」

 

朱里「……私達の負けだ……やるからには徹底的に弄るから覚悟しておいてね」

 

美奈「ッ!?はい!お願いします!」

 

朱里は微笑みながら美奈に言うと、美奈は朱里に頭を下げると朱里は黙って手術の準備を始めた

 

龍母が舞鶴の女神を鬼にする為に……




間宮改造計画は私の案では無く、ラムネさんの強い希望により作られた案なので「八意が無許可でラムネさんの間宮(オリ主)を改造しやがった!!許せん!!」等のコメント、メッセージは止めて下さいm(_ _)m


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第76話「龍母の姉、推参」

1700 軍艦『金剛』 特設手術室内にて

 

勇人「ん~……どうするかな……戦艦にするか、空母にするか……重巡も捨てがたい……」

 

朱里「軽巡や駆逐艦にしないの?」

 

勇人「年齢的にアウトだ……四十近くの人を子供にするのは……朱里「私が悪かったから言わないで!」……なら言うな」

 

勇人と朱里は美奈の手術の段取りを考えているのか、顎に手を添えながら思考を巡らせているとコンゴウが入室し、勇人に報告を始めた

 

コンゴウ「艦長に三笠、400と敷島が来ました」

 

勇人「そうか……え?コンゴウ、今……『敷島叔母さん』が来たと言ったか?」

 

勇人はコンゴウの報告に耳を疑い、コンゴウに聞くと、コンゴウは頷き、答えた

 

コンゴウ「はい……しかも敷島は『甥っ子に会わせて!』と懇願し、今、400が暴走した敷島を止めている所です」

 

朱里「……あの馬鹿姉、家で大人しくしてろと……勇人、()()()()()()()わよ……400が止めている隙に……」

 

勇人「言われなくても分かって……」

 

勇人は朱里の忠告に従い、手術室から出ようとした途端……

 

 

 

 

 

ガチャ!

 

 

 

 

 

 

 

 

金剛に似た赤髪の艦娘「勇人ォォォォ!逢いたかったよォォォォ!!

 

勇人「あ……間に合わなかったか……グハッ!?」

 

金剛に似た赤髪の艦娘は手術室に乱入すると、勇人に飛び付く様に抱き着き、勇人は飛び付いてきた敷島に対処仕切れず、そのまま敷島に抱き倒されると、後から伊400が入り、コンゴウと朱里に謝罪しながら言った

 

伊400「ごめん、三笠にコンゴウ……敷島を止められ無かった……」

 

朱里「……間に合わなかったか……」

 

コンゴウ「はぁ~……敷島、いい加減離してやれ……艦長が困っているぞ」

 

朱里は自身の姉であり、金剛似の赤髪の艦娘『敷島』の登場に頭を抱え、コンゴウは敷島にドスの効いた声で言うと、敷島はコンゴウの言葉を無視し、答えた

 

敷島「嫌!せっかく可愛い甥っ子に会えたのよ!!」

 

勇人「あの……兎に角、降りて下さい……身動きが取れません……」

 

勇人は敷島に苦手意識があるのか、普段の荒々しい口調ではなく丁寧な口調で敷島に御願いをすると、敷島は勇人の要求を拒否するかの様に、更に強く抱き締めながら言った

 

敷島「嫌!さぁ勇人!私とフュージョンしましょ……」

 

勇人「止めろォォ!誰か助けて来れェェェェ!!」

 

敷島は勇人の唇を奪おうとした途端、朱里が艤装を展開し、敷島に怒鳴った

 

朱里「いい加減にしろ馬鹿姉!!

 

ゴン!

 

敷島「痛ッ!?何するの!?朱里!」

 

朱里は自身の主砲で敷島にぶつけると、敷島は頭を摩りながら言うと、朱里は敷島の()()()()()()()に怒り、怒鳴った

 

朱里「何するの……じゃないわよ!!アンタ、甥っ子(勇人)相手に何しでかすのよ!!」

 

敷島「何って?ジョークの入った挨拶だけど?」

 

敷島は微笑みながら答えると朱里は反省の色を見せない敷島に激怒し、更に怒鳴り付けた

 

朱里「アンタねぇ!イギリスのMP(憲兵)の隊長であるアンタが冗談とはいえ『人として、やってはいけない事』をしてどうするの!!」

 

敷島「はいはい分かったよ……勇人もごめんね」

 

敷島は朱里の長い説教を聞きたくないのか、仕方無く認め、勇人を離し、謝罪すると、勇人は溜め息を付きながら言った

 

勇人「やっと離れてくれたか……」

 

勇人は安堵すると、朱里の怒鳴り声を聞いたのか、急いで来た美奈と千川が息を荒くしながら手術室に入ってきた

 

美奈「朱里さん!一体どうしたので……ん?この人、誰ですか?金剛さんに似ているのですが……」

 

千川「上城!大丈……ん?貴女は?」

 

美奈は敷島について聞くと、朱里は美奈に自身の姉である敷島の自己紹介を始めた

 

朱里「……この()()()は私の()で、敷島型戦艦一番艦の……」

 

敷島「敷島よ……今はイギリスのMilitary Police Team(憲兵部隊)JOSTAR(ジョースター)』の隊長をしているの……ってか朱里!実の姉に変態呼ばわりは酷くない!?」

 

敷島は朱里の説明に納得いかないのか、少し怒りながら反論すると、朱里は毅然とした態度で答えた

 

朱里「事実でしょ?」

 

敷島「違うわよ!アンタみたいに『貞操概念が古くない(ムッツリスケベではない)』だけよ!!」

 

朱里「あぁ?誰がムッツリだ?」

 

敷島「あら?ヤル気?」

 

二人は互いに睨み付けながら言うと美奈と勇人は二人の喧嘩の仲裁に入った

 

美奈「二人共!姉妹喧嘩は鎮守府の外でやってくれませんか!」

 

勇人「そうだ!他人(ヒト)の敷地内で喧嘩すんな!」

 

敷島「……ごめんなさい」

 

朱里「……見苦しい物を見せてしまったわね」

 

勇人と美奈は二人の喧嘩を止めに入ると、二人は渋々、謝罪すると千川は敷島の立場を聞いて、少し驚愕しながら質問した

 

千川「しかし……イギリス版の『柏木隊』と言われている英国最強の憲兵隊『ジョースター』の隊長が何故、舞鶴に?」

 

敷島「休暇を使って保護した艦娘の療養しに来たのよ……イギリス(アッチ)でも日本と同じく『ブラック鎮守府』の増加が問題になっているからね」

 

勇人「……()()()()は万国共通かよ……泣けるぜ……んで、その療養している艦娘は何処に?」

 

勇人は頭を抱えながら敷島に聞くと、敷島も頭を抱えながら言った

 

敷島「今、佐世保鎮守府(勇人の所)に居るわ」

 

勇人「……はぁ!?何で佐世保(ウチ)に!?」

 

勇人は敷島の答えに驚愕し、質問で返すと敷島は勇人に申し訳無さそうに答えた

 

敷島「だって、保護された艦娘達(彼女達)が『なら、ブラック鎮守府をResort Navy base(リゾート鎮守府)に変えた()()()()()()で療養したい!!』……と駄々をこねるのよ……」

 

勇人「佐世保鎮守府をリゾート呼ばわりするな」

 

伊400「勇人……同情する」

 

コンゴウ「全くです……」

 

勇人「……一応お前達も、その()()()()()()()に所属しているのを忘れてねぇか?」

 

伊400「……泣けるよ」

 

コンゴウ「……やれやれ」

 

勇人は、まだ見ぬイギリスの艦娘達にツッコミを入れ、伊400とコンゴウに同情されると美奈は苦笑しつつ、勇人達に言った

 

美奈「まぁ、イギリスの艦娘達の治療は大将に任せて……大将に皆さん、もうそろそろ夕飯が出来上がるので食堂に来て下さい……勿論、敷島さんと伊400ちゃんもね」

 

敷島「え!?私達もゴチになって良いの?」

 

伊400「……良いの?私……結構食べるよ」

 

敷島は驚き、伊400は自身が大食いな為、少し遠慮しがちになっていると、美奈は伊400の不安を一掃するかの様に笑って答えた

 

美奈「コンゴウさんや大和さん達みたいにフードファイトする程、食べないでしょ?」

 

伊400「……それはそうだけど……」

 

勇人「……400、ここは相手の好意に甘えるのが礼儀だ……」

 

美奈「そうですよ♪」

 

千川「遠慮する事は無いよ♪」

 

勇人は伊400に言うと、美奈と千川も勇人の意見に賛成するかの様に答えると、伊400は美奈に頭を下げ、感謝と申し訳無さが混ざり合っているのか、少し控え目に答えた

 

伊400「……ゴチになります」

 

敷島「同じく、ゴチになります」

 

敷島も釣られて感謝すると美奈は微笑み、勇人達は美奈に申し訳無さそうに食堂に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 道中の基地にて

 

道中「……恭一兄さん、今の舞鶴の状態は?」

 

道中は大本営に居る『恭一』と言う男と通話し、舞鶴鎮守府の現状について聞くと、電話相手である恭一は気持ち良さそうに言った

 

恭一「ああ……今の所、異常無しだ……大鯨も上手くなったな……アァ……」

 

道中「……()()()()()()だったの?」

 

道中は恭一という男が大鯨と『()()()()()()()』のか、咀嚼音に似た激しい音を発している事に呆れながら言うと、恭一は「大丈夫だ」と答え、続けて言った

 

恭一「……あの問題児に一泡を吹かしたいんだろ?なら……良い作戦があるんだ……聞くか?」

 

道中「ええ……」

 

恭一は作戦内容を咀嚼音に似た激しい音で掻き消す様に発しつつ、道中に説明すると道中は恭一の作戦に乗ったのか、微笑みながら言った

 

恭一「……と言う作戦だ……乗るか?」

 

道中「……流石兄さん、この発想は無かったわ♪これなら……」

 

恭一「……決まりだな」

 

恭一と道中は、この作戦に勝利を確信したのか、高々に笑い、電話を切った

 

だが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「……馬鹿ね、こんな浅知恵で勇人に勝てる筈無いでしょ……まぁ良いわ、これを勇人に報告しますか……()()()()()()も兼ねてね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人と()()……いや、()()()()()()()()()()()に盗聴された事に二人は気付いて居なかった……



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第77話「幻想の世界からの助っ人」

1800 舞鶴鎮守府 食堂にて

 

未来 敷島 上城一家「……」

 

ガツガツガツガツ………

 

優花「……勇人君と未来ちゃんは兎も角、あの勇次君や蘭花さん、蘭ちゃん、沙耶ちゃん、敷島さん、更には元帥や教官まで一心不乱に鶏のすっぱ煮を……しかも『飛びっきりの笑顔』で……」

 

瑞鶴「あのユージンまで……」

 

美奈「仕方無いですよ、今晩のメニューである『鶏のすっぱ煮』は大将達にとって()()()であり、上城家『代々伝わる()()()()』ですからね」

 

優花「嘘!?勇人君の好物!?美奈さん!!後でレシピを教えて!」

 

瑞鶴「私も!!」

 

美奈「クスッ……良いですよ……しかし……」

 

優花「……ええ」

 

瑞鶴「うん……まぁ……」

 

美奈は一心不乱に鶏のすっぱ煮を美味しそうに食べている上城一家と敷島そして未来を見て、作り甲斐があったのか、微笑みながら言うと、優花と瑞鶴は勇人達の大好物を聞いて、血相を変えながら美奈に御願いすると、美奈は喜んで承諾し、三人は静かに別の席を見て呆れ始めた

 

何故なら……

 

コンゴウ 大和「………」

 

ガツガツガツガツ!

 

もっもっもっもっ!

 

ゴクン!

 

コンゴウ 大和「お代わり!!」

 

二人はフードファイトをしているかの様に急いで食べていると、美奈と瑞鶴そして優花は二人に呆れつつ叱った

 

美奈「……貴女達は少し自粛してください」

 

瑞鶴「またフードファイトして……提督さんに怒られるよ」

 

優花「コンゴウさんに大和ちゃん!!あれほど勇人君に『フードファイトをするな』と言われたやろ?勇人君に『がられても(怒られても)』知らんばい!」

 

美奈「がられて?優花さん『がられて』って?それに……『ばい』?」

 

美奈は優花の言葉について聞くと、優花は恥ずかしそうに答えた

 

優花「ッ!?……実は私、産まれも育ちも『佐世保(九州)』だから、気を抜けると、つい方言が……恥ずかしい……」

 

美奈「九州弁ですか……とても可愛いらしい方言ですね♪」

 

加賀「同感です」

 

瑞鶴「そうそう、提督さんと加賀さんの『ドキツイ方言(石川弁)』と比べればね♪」

 

優花「ちょ!?ワガラ(三人とも)!?これ以上、ウチをせせがらんといてぇぇぇ(私を弄らないでぇぇ)!」

 

加賀「頭に来ました、瑞鶴……後で提督と()()()ですね」

 

瑞鶴「……ごめんなさい、言い過ぎました」

 

美奈と瑞鶴は微笑みながら言うと、優花は恥ずかしさのあまり、赤面し、方言全開で二人に言い、加賀は瑞鶴に静かに一喝すると、離れた場所で千川が鎮守府の雰囲気を楽しんでいるのか、微笑みながら赤城に聞いた

 

千川「これほど楽しい食事になるなんて……佐世保の食堂も『こんな感じ』なのか?」

 

赤城「はい、佐世保では『日常茶飯事』の風景ですよ♪……ん~♡美味しい~♡」

 

赤城は鶏のすっぱ煮を頬張りながら言うと、千川は赤城を見て、感傷深くなり、呟いた

 

千川「フフッ……かつて、上城と同じく『第一研修部隊(艦奴派の同期達)』を……いや()()()()()()()()()()()()()君が上城以外の人間と食事を取るなんて……」

 

赤城「ッ!?しょ……少佐!?あの時の事は言わないで下さい!それと水を……」

 

赤城は千川の呟きに赤面し、喉を詰まらせたのか、苦しそうに言うと、千川は烏龍茶が入った自身のコップを赤城に渡した

 

千川「大丈夫かい!?はい、お茶……」

 

赤城「あ……ありがとうございます……」

 

赤城は千川から烏龍茶を貰うと、そのまま豪快に一気飲みをし、喉の詰まりが解消し、安心するかの様に溜め息を出し、答えた

 

赤城「ふぅ~……死ぬかと思った……助かりました」

 

千川「どういたしまして」

 

赤城は千川に礼を言い、再び鶏のすっぱ煮を堪能し始めると赤城の目の前に『空間が裂けた様な隙間』が表れ、隙間から『とある女性』が顔を出し、赤城の鶏のすっぱ煮に手を出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女性「あら?鶏のすっぱ煮?少し貰うわね♪」

 

赤城 千川「ッ!?」

 

千川と赤城は隙間から表れた女性に驚きつつ、赤城は艤装を展開させ、その怪しい女性に警戒し、怒鳴る様に質問をした

 

赤城「誰ですか!?貴女は!?私の御飯を奪って……」

 

千川「早く答えろ!!」

 

赤城と千川は女性に怒鳴ると、勇人達も赤城の怒鳴り声に反応し、赤城を見ると、女性は勇人と目が合い、女性は懐かしそうに言った

 

女性「久しぶりね……博麗の巫女の『(かげ)』の血縁者『上城勇人』さん」

 

勇人「なっ!?お前は……」

 

勇人は驚愕すると、女性を警戒し、艤装を展開している優花が勇人に聞いた

 

優花「勇人君!何故、優香里が此処に!?」

 

勇人「……『ゆかり』は合っているのだか『お袋』じゃねぇよ」

 

女性「失礼ね!私は優香里さんみたいに『オバサン』じゃないわよ!まだピチピチの17歳よ!」

 

優花「()()()じゃないよ!ってか17には見えないわ!!」

 

女性「酷いわ!勇人も何か言って!!」

 

勇人「悪い……俺も優花と同意見だ……ぶっちゃけ、170……女性「もう止めて!ゆかりんのライフはゼロよ!!」」

 

優花(……敵意は無いようだね)

 

勇人は優花の質問に呆れながら答え、女性は遠回しに『年増扱い』された事に腹を立て、強い口調で答えると、朱里と一馬は微笑みながら女性に言った

 

朱里「久しぶりね『紫』……後、ウチの息子と部下が失礼な発言をして御免なさいね……」

 

一馬「相変わらず奇抜な登場だな……もう少し普通に現れないのか?」

 

女性改め『紫』「ゴホン……ええ、貴女も相変わらずね『ミッチャン』♪『カズ』は少し老けたわね……」

 

一馬「当たり前だ、俺はアンタと違って普通の人間だからな」

 

美奈「ッ!?朱里さんに元帥!この人……紫ちゃんでしたっけ?その人と知り合いなんですか!?」

 

美奈は三人の和気あいあいな雰囲気に戸惑いながら聞くと、朱里は紫を紹介し始めた

 

朱里「ええ、五年前の『連続失踪事件』の主犯でもあり、異世界『幻想郷』の長の……」

 

紫「『八雲(やくも) (ゆかり)』よ、宜しくね」

 

コンゴウ 艦娘達「ッ!?」

 

紫は軽く頭を下げるとコンゴウは頬張った白米が喉に詰まらせ、水を一気飲みをし、驚愕しながら質問した

 

コンゴウ「げ……()()()だと!?まさか!?異世界移転装置を手掛けたのも……」

 

紫「私よ……ってか、何故『未来の住人』である貴女が幻想郷を?」

 

紫は未来の住人であるコンゴウが幻想郷を知っている事に疑問視するとコンゴウは紫の質問に答えた

 

コンゴウ「……TVゲームで知ったんだ」

 

紫「……成程ね、元失踪者が現世に戻り、幻想郷をモデルに……なら私の『能力』と『身体』は御存じでしょ?」

 

紫はコンゴウ達に質問すると、コンゴウは険しい表情のまま、紫の質問に答えた

 

コンゴウ「……能力は『境界を操る程度の能力』で……『妖怪』だから、艦娘やメンタルモデルみたいに()()()()()()……で合っているのか?」

 

コンゴウは紫のスペックについて簡潔に答えると、紫は微笑みながら言った

 

紫「大正解♪流石、勇人の部下だわ」

 

コンゴウ「……部下じゃなくて妻(仮)だ」

 

優花 瑞鶴以外の佐世保の艦娘達「コンゴウさん!!冗談は止めて!!私が妻(仮)よ!」

 

美奈「モテモテですね♪大将♪」

 

勇人「……泣けるぜ」

 

勇次「同情するぜ」

 

瑞鶴 舞鶴の艦娘及び深海棲艦達「同じく」

 

美奈は勇人に微笑みながら言うと、勇人は頭を抱えながら、何時もの口癖でぼやくと、紫は何かを思い出したのか、微笑みの表情から一転し、神妙な表情で勇人に言った

 

紫「あ!?思い出した……勇人、今の問題事である道中の件だけど、彼女の作戦が分かったわ」

 

上城一家「ッ!?何だと!?」

 

美奈「ッ!?紫ちゃん!!教えてくれませんか!?道中の……あの女の作戦を!!」

 

上城一家と美奈は紫の言葉に食い付くかの様に質問すると紫は一呼吸を置き、微笑みながら答えた

だが、それは勇人にとって()()()()()()だったのだ

それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

    

 

 

 

 

 

 

 

紫「道中は勇人達が、あの女の基地(アジト)に出撃したのを見計らって、物の抜け殻となった(主力艦隊が不在となった)舞鶴鎮守府を攻め落とすつもりよ……しかも同時進行で未来を捕獲しに攻めてくる勇人の同期達『共々』ね」

 

全員「ッ!?」

 

勇人達が想像している以上に()()()()()()()()()内容だった事に……

 



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第78話「龍の封印された能力の解放 前編」

勇人達が紫の報告を聞いている頃 佐世保鎮守府 食堂では……

 

比叡「ひぇぇぇぇ!!何で佐世保に外国の鎮守府の艦娘が来るのぉぉぉ!」

 

龍飛「比叡さん!口を動かす暇があれば手を動かして下さい!!」

 

鳳翔「……只でさえ、佐世保鎮守府は人が多いのに……」

 

間宮 伊良湖「全くです!!」

 

摩耶「……泣けるな」

 

今現在、佐世保鎮守府の厨房では艦娘全員が参戦し、戦場と化していた

 

何故なら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アークロイヤル「……お代わりをくれないか?」

 

ウォースパイト「It's me!!(私も!!)

 

アイオワ「hurry up!!(早く持ってきて!!)

 

リシュリュー「……ウグッ!み……水を……」

 

コマンダ・テスト(以後『コマ』)「リシュリュー!水よ!!」

 

リシュリュー「Merci(ありがとう)

 

イオナ「……相変わらずの五月蝿さだ」

 

群像「……そうだな」

 

佐世保の艦娘全員「何で外国の鎮守府の艦娘達がウチに居座っているのぉぉぉぉ!!それに未来に帰った筈のイオナと群像君達まで!?」

 

敷島が保護した艦娘達と未来の世界に帰った筈の『蒼き鋼』が居座り、保護された艦娘達は山盛りに盛り付けたミートパスタをダ〇ソン顔負けの吸引力でミートパスタを啜り、空になった大皿を積み上げ、佐世保の艦娘全員に御代わりを要求し、蒼き鋼全員は罰の悪そうに頭を下げながら言った

 

群像「……俺達は修理中のタカオの船の様子を見に来ただけなのですが……ごめんなさい、忙しい時に来てしまった上に夕飯まで……」

 

武蔵「気にするな、此処は『()()()()()』なんだ……気負う事は無い」

 

長門「そうだ、何時も通り『寛いで』いれば良いんだ」

 

蒼き鋼全員「本当にスミマセン……」

 

ウォースパイト「それじゃ、私達も寛ぎm……長門「お前らは遠慮しろ!!一週間分の食料を一晩で食い付くしておいて……少しは控えろ!!」……I'm sorry」

 

武蔵と長門は群像達に気を使っているのか、微笑みながら答え、ウォーズパイトの言葉に怒りが爆発し、怒鳴ると、天龍は急いで来たのか、走って食堂に入ってきた

 

天龍「ハァ……ハァ……第二の基地の連中を連れて来たぞ!!」

 

長門「……漸くか」

 

天龍は少し息切れを起こしつつも、長門に報告すると、長門は安堵し、第二前衛基地の提督と二人の秘書艦を出迎えた

 

長門「犬走少尉、着任して早々、私達の援助要請を認可して頂き、ありがとうございます」

 

長門は犬耳と尻尾が特徴の白みの掛かった銀髪の女性『犬走(いぬばしり) (もみじ)』に礼を言うと椛は意気揚々と答えた

 

椛「気にしないで下さい……さて、時雨さんに夕立さん!行きますよ!」

 

椛側の夕立「ポイ!」

 

椛側の時雨「分かったよ!」

 

夕立「あっちの私に時雨……ごめんッポイ……」

 

時雨「本当にごめん……休んでいる所を……」

 

夕立と時雨は椛側の自分達に礼を言うと椛の秘書艦である椛側の夕立と時雨は微笑みながら言った

 

椛側の時雨「気にしないで……こういうのは()()()()だろ?」

 

椛側の夕立「ポイ!夕立の所も資材やら給料とかで、総司令に世話になっているッポイ……これ位、屁でもないッポイ!」

 

時雨「そう言って貰えると有難いな……」

 

長門「なら、早速……」

 

椛「分かりました!部下達の恩義の為に助太刀します!」

 

椛達は意気揚々と厨房に入り、調理を始めた

 

佐世保の艦娘達(……何故、犬走少尉の頭に犬耳が付いているんだ?それに、あの尻尾……本物?)

 

椛側の夕立と時雨(……さぁ?)

 

小さな疑問を抱きながら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 舞鶴鎮守府 食堂にて

 

勇人「チッ!また面倒な作戦を思い付きやがって……」

 

千川「全くだ!」

 

紫「あら?何時もの勇人なら直ぐに解決策を出すのに?何か問題でも?」

 

勇人と千川は道中の作戦に悪態を付きながら頭を抱えこみ、紫は二人の様子を見て、質問すると、朱里が勇人の代わりに答えた

 

朱里「……時間が無いのよ……美奈さんの手術とリハビリをしなくちゃいけないのよ……」

 

朱里は頭を掻きながら言うと紫は「やっぱりね……」と()()()()()()()()()()かの様に呟き、答えた

 

紫「………なら尚更、『博麗神社で封印されている()()()()()』を解かないといけないわね」

 

勇人「はぁ!?」

 

朱里「ッ!?()()を解放するの!?()()を解放したら幻想郷……いえ『()()()()()()』が崩落するわよ!!」

 

一馬 勇次「あの()()()()()()をか!?反対だ!!」

 

蘭 沙耶「紫さん!!()()()()()だけは止めて下さい!!」

 

蘭花「え?勇人に……()()?」

 

勇人「……そっか、姉貴は入院中で知らなかったんだな……まぁ、5年前の失踪事件で能力を手に入れ、その能力を『()()()()()()()()』から紫に頼んで封印して貰ったんだ」

 

蘭花「え……そんなにヤバいの!?」

 

勇人「ああ……」

 

紫の案に上城一家()()が猛反対すると、美奈とコンゴウは紫に勇人の封印された能力について質問した

 

美奈「あの……大将の能力って?」

 

コンゴウ「そんなにヤバい能力なのか?」

 

紫「……はっきり言って『戦場の狂龍』の名に()()()()ヤバい能力よ……」

 

美奈 コンゴウ「ゴクッ……」

 

紫は二人に忠告をする様に険しい表情で言うと、二人は生唾を飲み、紫は一呼吸を置き、勇人の封印された能力の名称を答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「勇人の能力は……『森羅万象を司る能力』よ」

 

コンゴウ「森羅万象を……ッ!?確かにヤバい能力だ……」

 

美奈「森羅万象を司る能力……ですか」

 

コンゴウは顔を強張り、美奈は勇人の能力にピンと来ないのか、首を傾げながら言うと、紫は言葉の意味について説明した

 

紫「コンゴウだけが『勇人の能力のヤバさ』に気付いたわね……森羅万象とは『天地間に存在する、数限りないすべての万物や事象』という意味で、『森羅』は樹木が限りなく連なること。『万象』はすべての形ある物という意味よ」

 

優花 千川 艦娘及び深海棲艦全員「スミマセン……もう少し……いえ、()()()分かり易い説明を御願いします」

 

美奈「ごめんなさい……私からも御願いします」

 

上城一家、紫そしてコンゴウ以外『全員』が頭痛を起こし、紫に御願いすると、紫は溜め息を付き、勇人の能力の別称を答えた

 

紫「はぁ……分かり易く言うと『()()()()()にする能力』よ」

 

優花 千川 艦娘達及び深海棲艦全員「あぁ~………はぁ!?不可能を()()に!?」

 

美奈「……とんでもない能力ですね」

 

コンゴウ「だけど……紫の能力には『程度』が入っているのに、艦長の能力に『程度』が入っていないのだが……何故なんだ?」

 

コンゴウが紫の能力の名称『境界を操る()()の能力』の『程度』という言葉が入っているのに勇人の能力だけは()()()()()()事に気が付き、紫に質問すると、紫は「そこよ……」と呟き、答えた

 

紫「簡単に言えば『程度』が付くのは幻想郷では当たり前な事で、妖怪や人間、更には神まで、自身の能力に()()()()()()()()()()()()()為に『程度』が付くの……つまり、勇人の能力に『程度』……言わば『力の上限』が無く、『制御しづらい』のよ」

 

千川「……つまり、()()()()()『上城の能力』が暴走すれば……」

 

優花「地球……いえ『有りとあらゆる全て』を……破壊する事が……()()に……」

 

紫の説明に千川達は勇人の能力の危険性に気が付き、青ざめながら言うと、紫は千川達の言葉を肯定しつつ、不安を取り除かせる様に微笑みながら答えた

 

紫「そういう事、だけど安心して……勇人は5年前と比べて身体的にも、精神的にも『相当強くなった』わ……勇人が艦娘と人間の力を最大限に発揮した最終形態『Ars Nova』でなら『封印された勇人の能力(幻想郷最強の能力)』を簡単に制御出来るわ」

 

勇人「……逆に言えば『Ars Nova』以外の状態では()()()()()……って事か?」

 

勇人は紫の説明に裏を返した結論を述べると紫は微笑みを崩さず、勇人の結論を否定した

 

紫「いいえ、今の貴方でも十分に制御出来るわ……ただ万が一、暴走したとしても『Ars Nova』でなら被害が出ずに済む……という訳」

 

勇人「……成程な、紫……今すぐ能力を封印させた壺を持ってきてくれ……」

 

一馬「ッ!?正気か!?」

 

勇人「ああ……美奈と未来の為だ!紫!頼む!」

 

美奈「大将……」

 

未来「お父さん……」

 

勇人以外の上城一家「……やれやれ、どうなっても知らないぞ……」

 

勇人は紫に頼むと紫は神妙な表情になり「腹は括ったようね……」と呟き、片手を隙間に入れ、探り、隙間から大量の御札が貼られていた骨壺が取り出され、机の上に置いた

 

紫「……これが勇人の能力が封印されている壺よ、解放の方法は知っているわね?」

 

勇人「ああ……んじゃ……」

 

パシッ!

 

勇人「あぁ?」

 

勇人は壺の蓋に貼っていた札を剥がそうとしたが、紫は札を剥がそうとした勇人の手を折り畳んだ扇子で軽く叩き、慌てながら言った

 

紫「待って!貴方……()()()()で能力を解放させる気?」

 

勇人「……あ!?そうだった、艤装展開『battle mode Ars Nova』……それじゃ………フン!!」

 

勇人は艤装を展開し、再度、札を剥がし、蓋を解放させた直後、壺の中に右手を突っ込み、顔を歪ませた

 

勇人「ウグッ……これはキツいぜ……」

 

未来「お父さん!!」

 

勇人「来るな!!能力に巻き込まれるぞ!!」

 

未来「しかし……」

 

美奈「未来、ここは大将を信じましょ……ね?」

 

未来「……うん」

 

未来は勇人の事が心配で近付くが、勇人は苦しそうに一喝し、痛みに耐えながら、能力を吸収して行った……

 

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「スゥ……ハァッ!!」

 

パリーン!!

 

勇人は壺に入った右腕を力むと、壺は割れ、勇人の右腕が血塗れになり、勇人は痛みに耐えながら座り込んだ

 

勇人「痛っ………」

 

日向 夕張 明石 一航戦「ッ!?提督!?」

 

美奈 照月 初月 舞鶴の艦娘達 深海棲艦達「大将!?」

 

優花「勇人君!?」

 

吹雪「司令官!?」

 

瑞鶴「提督さん!?」

 

未来「お父さん!!」

 

朱里 一馬 蘭花「勇人ォ!!」

 

勇次 蘭 沙耶「兄貴(兄さん)!!」

 

傷を負った勇人を介護しに、その場に居た全員が勇人に向かったが、勇人は痛みが残っているのか、辛い表情になりながらも怒鳴った

 

勇人「………来るな!!全員離れろ!!まだ抑えきれてねぇんだ!!」

 

美奈「しかし……」

 

紫「彼の言う通りよ!まだ能力と身体が完全に馴染んでいないわ!藤田……いえ赤城さん、高速修復材を持ってきて!少しでも身体に馴染ませる為に!!早く!!」

 

赤城「分かりました!」

 

千川側の赤城「私も手伝います!!」

 

W赤城は紫の指示を受け、急いで舞鶴鎮守府の『資材保管室』に向かい、勇人は痛みに耐え続けていた……

 

 

恩人や仲間の為に……

 

そして、娘分である未来を助ける為に……

 



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第78話「龍の封印された能力の解放 後編」

どうも、私ですm(_ _)m

下らない事ですが、最近、本編のUAを見たのですが……エr……ゲフンゲフン、お色気回だけが急激に多い様な気がします( ;´・ω・`)

何でやろ?


1830 幻想郷 守矢神社にて

 

早苗「……ハヤチャン……大丈夫かな……」

 

早苗は神社の石段に座り、勇人の事が心配なのか、不安そうに俯くと上空から色違いではあるが、早苗と同じく脇の空いた巫女服を着た十代後半の黒髪の女性が降りて来て、早苗に言った

 

女性「……勇人の事が心配?」

 

早苗「ッ!?霊夢(れいむ)さん!?ハヤチャンの所に行って無かったのですか!?」

 

早苗は女性……『博麗(はくれい) 霊夢(れいむ)』の登場に驚くと、霊夢は疲れた表情になり、気だるそうに答えた

 

霊夢「ええ、勇人が休暇に入ったから幻想郷に()()()のよ……はぁ……あのババア……隙間(能力)を使って、私を()()にして……」

 

そう、勘の良い皆様は御気づきだと思うが、『ババア』とは紫の事を察しており、霊夢は紫の命令で勇人の艤装の妖精(作業員)として活動していたのだ

 

しかも……

 

霊夢「……しかも、報酬が無いのよ!!そりゃ、勇人に恩があるし、『又従兄弟』の為だからって……幾らなんでも、ボランティアは有り得ないわよ!!」

 

報酬が無い……つまり『慈善活動(ボランティア)』で行っていたのだ

 

霊夢の怒りの含んだ不満に早苗は……

 

早苗「あはは……お疲れ様です……」

 

苦笑いをしつつ、只、霊夢に同情するしか無かった……

 

霊夢「……まぁ、それは後で紫と()()()をして……アイツは何故『封印させた壺』を勇人に解放させたの?アレを再び解放したら、勇人はアンタと同じく現人神(あらびとかみ)……いや、勇人の場合は『戦艦三笠』の付喪神(つくもがみ)になるわよ……只でさえ()()()()()、軍艦の精霊である()()()()()()()()のに……」

 

霊夢は勇人が付喪神になってまで『今回の問題』を解決させたい理由について苛ついていると早苗は苦笑しながら答えた

 

早苗「ハヤチャンの場合……蒼霧事変の時に御世話になった人達への『恩返し』の為に能力を解放したと思います」

 

霊夢「それは分かっているけど……恩返しとは言え、やり過ぎよ!能力を解放せずに『私達』を頼れば良いものの……あの馬鹿……何故……私達を頼ってくれないの……早苗だけでは無く、私だって……『勇人の事が好き』なのに……何で問題事を独りで抱え込むの……」

 

早苗「霊夢さん……」

 

霊夢は最初は怒りの含んだ強い口調で言ったものの、徐々にに口調の強さが弱くなり、最終的には少し涙声になった状態で呟くと早苗もまた、勇人の事が諦めていないのか、霊夢に同情するように呟いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 舞鶴鎮守府 食堂にて

 

勇人「ウグッ……チッ……」

 

紫「勇人!高速修復材を掛けるわよ!!」

 

勇人「ああ……」

 

W赤城「せぇーのぉ!!」

 

バッシャーン!

 

舞鶴鎮守府では勇人が嘗て『捨てた能力』を再び身体に馴染ませる為に舞鶴、佐世保及びショートランドの艦娘達、上城一家そして敵である深海棲艦までもが勇人に『ありったけ』の高速修復材を掛けていた

 

勇人「チッ!……まだだ!!」

 

紫「次!!」

 

吹雪「はい!!」

 

勇人は右腕の激痛に耐えながら顔を歪み、怒鳴り、艦娘達は勇人に高速修復材を掛け続けていると、勇人に『ある変化』が現れ、勇人の変化に美奈と未来は真っ先に気付き、驚愕した

 

美奈「ッ!?大将の髪が……『銀髪に染まりながら伸びている』!?」

 

未来「しかも、目の色が『赤色』に!?」

 

そう、勇人の髪が銀色に染まりながら伸びていき、目も日本人特有の茶色の瞳から赤色に染まって来たのだ

 

紫は美奈と未来の発言を聞き、みんなを急かす様に強く言った

 

紫「ッ!?もう少しよ!!勇人の能力が身体に馴染み始めているわ!!此処からが正念場よ!!」

 

艦娘全員「はい!!」

 

紫「勇人!そして戦艦女帝!!此処からが正念場よ!!意地でも能力を『抑えなさい』!!」

 

勇人「言われなくても……」

 

戦艦女帝「分かってるつーの!!」

 

紫は勇人と戦艦女帝を激を飛ばすと能力の制御が不安定なのか、勇人は戦艦女帝と入れ替わりながら力むと勇人の身体は徐々に発光し始め、紫は直ぐ様、能力を発動させた

 

紫「ッ!?隙間解放!!」

 

紫は勇人を隙間の内部に入れさせ、隙間を閉じさせた

 

紫「ふぅ……これで一安心ね……」

 

美奈「あの……大将は?」

 

紫は安堵し、椅子に座ると美奈は隙間の中に消えていった勇人の容態について聞くと、紫は疲れきった表情で答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「……能力の『再解放』に成功したわ、後は光が収まれば自分から隙間を抉じ開けて出てくる筈だわ」

 

美奈 上城一家 千川「ホッ……」

 

艦娘及び深海棲艦全員「はぁ~……良かった……」

 

未来「……本当に……良かった……」

 

紫の言葉に、その場に居た全員が安堵し、中には安心しきって腰を抜かす者まで居た

 

そして……

 

 

 

 

 

パン!!

 

紫以外全員「ッ!?す……隙間が……『破裂した』!?」

 

紫「え!?嘘!?私の隙間が一瞬に……まさか!?」

 

勇人を閉じ込めた隙間が破裂したの様に抉じ開けられ、その場に居た全員が抉じ開けられた隙間を見て、警戒していると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦艦女帝「……あ"ー……きつかった……ほら!御兄様も早く!」

 

勇人に似た銀髪赤目の男「分かったから急かすな……」

 

敷島 朱里 一馬 蘭花「え!?勇人!?」 

 

優花「勇人……君?」

 

勇次「んな!?」

 

蘭「な!?」

 

沙耶「嘘……」

 

舞鶴の艦娘及び深海棲艦達「大……将?」

 

佐世保の艦娘達「戦艦女帝ちゃんに……この人、誰ですか!?」

 

未来「ヒッ……」

 

美奈「え……誰、このブ〇リーを銀髪にした様な人は……」

 

千川「どちらかと言うと、セフィ〇スに似ているんだが……まぁ、それは置いといて……ひょっとして……上城か?」

 

隙間から出て来た戦艦女帝と勇人に似た長髪の銀髪赤目の男に紫以外『全員』が驚き、千川は恐る恐る、銀髪の男に聞くと、男は疲れきっているのか、覇気の無い口調で答えた

 

銀髪赤目の男改め『勇人』「ああ……ってか、ブ〇リーにセフィ〇スって……完全に悪役じゃねぇか……」

 

美奈「いやいやいや、この姿は……どう見たって『悪役』ですよ!!」

 

千川「しかもラスボス級の!!」

 

未来を除く深海棲艦達「……正直言って、今すぐにでも『無条件降伏』をしたい位『おっかない』です」

 

千川と美奈は色んな意味で変わり果てた勇人にツッコミを入れる様に驚きつつ言うと、未来は勇人の様子を見て怖がりつつ、近付きながら言った

 

未来「ほ……本当に……お父さんなの?」

 

未来は色々と変化した勇人に不安を感じながら言うと、勇人は微笑み、優しく未来の頭を撫でながら言った

 

勇人「ああ……心配掛けて悪かったな……未来……」

 

未来「ッ!?……お父さん!!」

 

未来は外見が変わったが内面は()()()()()の勇人に安心し、泣きながら勇人に抱き付き、涙声になりながら言った

 

未来「本当に心配したんだよ!!私達の為だからって、あんな危ない事をして……この馬鹿親父!!」

 

勇人「馬鹿親父って……その口の悪さ……誰に似たんだ?」

 

未来「そんなの、()()()()に決まっているでしょ!!」

 

勇人「()()()の?」

 

美奈「……勇人君(大将)の方だと思います」

 

勇人「泣けるぜ……なぁ紫、直ぐに元に戻りたいんだが、どうすれば良いんだ?」

 

勇人は未来の言葉に苦笑しつつ、紫に質問すると、紫は今の勇人の状態に微笑ましくなりながら答えた

 

紫「フフフ……それは簡単よ、艤装を解除すれば元に戻るわ」

 

勇人「そうか……なら、艤装解除……っと」

 

勇人は艤装を解除すると、髪は黒くなりつつ短くなり、目も日本人特有の茶色に戻り、服装も金剛型に近い和装から少し着崩れした提督の制服に戻り、安堵すると戦艦女帝は『ある違和感』を感じ、言った

 

それは……

 

 

勇人「ふぅ……この姿だと軍の規律に引っ掛かるからな……良かったぜ」

 

戦艦女帝「うん………ん?あれ?御兄様と融合()()()()()()()()()……それに()()()()!!」

 

そう……戦艦女帝が勇人と融合せず、トレードマークである羽が無くなっていたのだ

 

勇人「あ……そう言えば……紫、まさか……俺と戦艦女帝を分離させたな?」

 

勇人は戦艦女帝の言葉に首を傾げながら紫に聞くと、紫は微笑みながら言った

 

紫「当たり前じゃない……そうしないと勇人が()()()……いえ()()()になれないじゃない」

 

蘭花以外の上城一家「やっぱり……最初から、()()()()()で……」

 

艦娘及び深海棲艦全員「付喪神?」

 

優花 蘭花 千川「はぁ!?付喪神ィ!?」

 

美奈「提督に大尉、蘭花さん、知っているのですか?」

 

紫の発言に蘭花を除く上城一家は紫の考えがわかっていたのか、溜め息を付き、艦娘及び深海棲艦達は首を傾げ、蘭花、優花そして千川は付喪神の意味を知っているのか驚愕し、美奈は驚愕した三人に付喪神について質問すると三人を代表として優花と千川が全員に分かりやすく付喪神について説明し始めた

 

優花「……簡単に言えば『物に霊が宿って誕生する妖怪』の事よ」

 

千川「代表的な例が『百鬼夜行』に描かれている妖怪達がそうだ」

 

二人が付喪神について簡潔に説明すると美奈は先程の勇人の姿と想像してた妖怪とのギャップに戸惑いながら言った

 

美奈「……大将の場合、妖怪というよりかは悪役風の神様みたいな雰囲気だったのですが……」

 

勇人「……ガチの妖怪の姿よりかはマシだろ」

 

美奈「……そうです……って!?妖怪になれるのですか!?」

 

艦娘及び深海棲艦全員「ッ!?」

 

美奈は勇人の言葉に驚きながら聞くと、勇人は呆れながら言った

 

勇人「んな訳、無ぇだろ……つーか、なってたまるか」

 

美奈「……良かった」

 

未来「……正直言って、見たかったな……」

 

艦娘及び深海棲艦全員「止めて!」

 

美奈「未来!!」

 

未来「冗談だって……」

 

勇人「……泣けるぜ」

 

勇人の言葉に全員が胸を撫で下ろすと紫は美奈と勇人のやり取りを見て微笑ましくなりながら呟いた

 

紫「フフフ……流石、三人の前世が()()()だから息がピッタリね……微笑ましいわ……」

 

美奈 未来「ッ!?」

 

勇人「ん?何か言ったか?」

 

美奈と未来は紫の呟きが聞こえたのか驚愕し、勇人は聞こえなかったのか、紫に聞くと、紫は「何でも無いわ」と答え、続けて言った

 

紫「まぁ、今の勇人の状態は『現人神』……()()()()()()()()()になっているから多少、制限されているが能力が使えるわよ……それじゃ、私は元の場所に戻るから、何かあったら『能力を使って』私に連絡してね♪」

 

紫はそう言い残し、隙間に入り、隙間ごと消えていった

 

勇人「……能力……か……再び『持つ事』になるとはな……さて、体力も回復したし………美奈!!」

 

美奈「ッ!?はい!」

 

勇人は気合いを入れ直し、美奈に言うと、美奈は勇人の気合いの入った声に驚きつつ、答えると、勇人は能力を解放したのか、蒼白いオーラを放しながら言った

 

勇人「2130(9時半)頃に、コンゴウの船に来い……()()()()

 

美奈「ッ!?」

 

朱里「……始める気だね……美奈さんの()()()を……」

 

勇人「ああ」

 

朱里は勇人の言葉を聞いて、朱里は勇人の言葉の意味が分かり、静かに言うと、美奈は覚悟を決めたのか、目が据わり、真剣な表情になり、気合いの入った声で答えた

 

美奈「はい!!お願いします!!」

 

千川「……上城、間宮……いや美奈を御願いします」

 

勇人「分かった……今から準備に取り掛かる……」

 

勇人は蒼白いオーラを放しつつ、()()()()()()()を勇人に示した美奈に答える様に力強く、そして父親(一馬)譲りの『強い信念』と二人の母親(優香里と朱里)譲りの『優しさ』を表しているかの様にオーラの模様が『龍』に変わりながら食堂を後にした

 

勇人の新たな()を目覚めながら……



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第79話「大改造」

どうも、私ですm(_ _)m

最近シリアス続きだったので、少し『お色気』とパロディが入った『ギャグ回』というより『シリアル回』にしていますので、どの部分がパロっているのか見つけながら閲覧して下さい( ;´・ω・`)

ちなみに私の作品内の『お色気』=『ガチエロ』じゃないので悪しからずm(_ _)m


2130 軍艦『金剛』内部の特設手術室にて

 

勇人「……ヤベー……艤装の改造に手間取った……」

 

勇人はブルーベリー色をした整備服(ツナギ)から手術用の緑色の服『スクラブ』に着替えている最中、手術室のドアが開き、美奈が入って来た

 

美奈「……御待たせしまし………ッ!?」

 

美奈は覚悟を決めたのか、神妙な表情で入って来ると『ある物』を見て、驚いた

 

その『ある物』とは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シェン〇ン〈さあ、願いを言え、どんな願いも叶えてやろう……

 

 

 

 

 

 

 

 

美奈「ヒッ!?し……シェン〇ン!?」

 

美奈の目の前に堂々と『シェン〇ンに似た龍』が現れたのだ

 

勿論、皆さんは御気付きだと思いますが『シェン〇ンに似た龍』とは勇人の背中の和堀り『応龍』の事である

 

美奈は手術室に来るタイミングが悪かったのか、はたまた美奈の為に改造した艤装に手間取った勇人が悪いのか、着替え中の勇人と鉢合わせになったのだ

 

勇人「あ!?悪ぃ……此方は着替えているんだ……もう少し待ってくれないか?」

 

美奈「あ!?分かりまし……やのうて(じゃなくて)!!何故、背中に刺青(モンモン)が入っとるんや!?」

 

美奈は一瞬だが部屋から出ようとしたが、勇人にツッコミを入れるという『関西人特有の(サガ)』を出しつつ、背中の和堀に驚いているのか、素の自分を出しながら背中の和堀について追求すると、勇人は溜め息を付き、答えた

 

勇人「……D-cellの拒絶反応を防止する為に掘ったんだ……艤装を解除すれば消えるから安心しろ……それに播州弁は止めてくれないか?喧嘩を売られている感じがして、あまり良い気持ちでは無いからな……寧ろ『キレたくなる』」

 

美奈「あ!?す……スミマセン……後、()()を未来に見せないで下さいね……」

 

美奈(しかし良かった……ズボンだけは穿いていて……後、元帥に負けず劣らずの凄い筋肉でした……凄く……男らしいです……)

 

美奈は勇人の筋肉に赤面しつつ、釘を刺す様に勇人に言うと、勇人は「分かっている」と答え、手術用の服に着替えた

 

勇人「さて、今から始めるからベットに寝てくれ」

 

美奈「分かりました……後、服や下着は脱いだ方が良いのですか?」

 

美奈は恥ずかしいのか赤面しつつ、勇人が手術を行い易い様に言うと、勇人は少し考え、美奈に言った

 

勇人(……艤装の再調整と外傷の有無の確認を兼ねて検査するか……)

 

勇人「……ああ、ついでに艤装の再調整と外傷等の異常の有無を確認するから痛い所や違和感があったら教えてくれ」

 

美奈「分かりました」

 

勇人は美奈に背を向け、検査の準備に取り掛かり、美奈は勇人の指示に従い、服とスカート、そして下着類を脱ぎ始めた

 

そして、数分後……

 

美奈「脱ぎました」

 

美奈は豊満な胸を隠す様に勇人に背を向けながら言うと、勇人はカルテと鉛筆を持ち、美奈の身体の検査に取り掛かった

 

勇人「そうか……ふむ……艤装の接続部のサイズから察するに『重巡』いや『戦艦』か……外傷及び接続部付近の骨格の異常は無し……っと、んじゃ今度は()を見せてくれないか?」

 

美奈「前もですか!?」

 

美奈は勇人の発言に驚愕し、恥ずかしながら言うと、勇人は溜め息を付き、呆れながら言った

 

勇人「……一応、言っておくが()()()()()ぞ……というより佐世保(ウチ)同艦(間宮)()()()()()()

 

美奈「ッ!?」

 

勇人は美奈に言うと、美奈は勇人の言葉を早合点したのか、白い目で勇人を見ながら怒鳴った

 

美奈「……見損無いました大将!職権乱用で間宮(同艦)と性k……勇人「()()()じゃねぇよ!!佐世保(ウチ)では月1に俺が直々に艦娘全員や所属隊員『()()』の健康診断をしているんや!!それに俺は()()や!!女性の身体は見馴れている!!」……あ、そう言えば……スミマセン、忘れてました」

 

美奈は勇人の本業を忘れていたのか、失念しつつも謝罪すると勇人は溜め息を付き、言った

 

勇人「ったく、誰が未来を()()()と思っているんだ……まぁ、それはさておき……勇次!瑞鶴!千川の方は?」

 

勇人は外で待機していた勇次と瑞鶴に言うと、勇次は気怠そうに答えた

 

勇次「安心しろ、当て身で気絶させた(眠らせた)……ってか、間宮ちゃんの身体に異常は?」

 

勇人「ねぇよ……今の所は……」

 

勇次「()()()は……か……分かった、引き続きズイチャンと待機しているわ」

 

瑞鶴「()()()()()は止めてね、只でさえ佐世保の提督ラブ勢のトップの連中が来ているから、舞鶴で暴れたら困るからね」

 

瑞鶴は釘を刺す様に勇人に言うと、勇人は瑞鶴にツッコミを入れる様に言った

 

勇人「しねぇよ!!ってか、誤解を招く言い方は止めてくれ!!」

 

美奈「大丈夫ですよ、もし襲われそうになったら大声で叫びますので安心して下さい」

 

勇次「なら安心だ」

 

瑞鶴「そうだね」

 

美奈は微笑みながら言うと勇人は「泣けるぜ」と何時もの口癖を呟き、少し呆れた表情で言った

 

勇人「ったく……んじゃ、前も検査するから身体を向けてくれ」

 

美奈「……分かりました」

 

美奈は前を勇人に向けると、勇人は美奈の引き締まった腹部(ウエスト)を触診し、引き締まった腹部(ウエスト)に似合わない位の豊満な胸部(バスト)を聴診器で心臓の心拍数を確認し、太ももや脚部、更には女性らしい安産型の臀部(ヒップ)を触診し、身体の異常の有無を確認した

 

勇人(ほう……普段の家事(業務)の『恩恵』なのか、佐世保の間宮(ウチ)と比べ物にならない位、体幹や筋肉は確りしているんだな……なら()()()()()()()を装着しても問題無いな……ただ、如何(いかん)せん、補給艦なのか『骨密度(装甲)の低さ』が心配だな……どうするかな……)

 

美奈(うっ♡意外と大将って……テクニシャンな腕を……た……耐えるのよ……私……これは()()()()()()だから……アァン♡)

 

勇人は自身の『馬鹿力』で美奈の身体を傷付けない様に力を加減しつつ、診察すると、勇人は美奈の『隠された筋力(スペック)』の高さに驚きつつ、美奈の弱点である『骨密度(装甲)の低さ』の改善策について頭をフル回転し、神妙な表情で考え、美奈に至っては……

 

美奈「……ウッ♡ンンン♡

 

勇人「……オイ、検査中だ……変な声を出すな」

 

美奈「ッ!?ご……ごめんなさい……」

 

勇人(……タカオと()()()()に……泣けるぜ……)

 

美奈(……耐えれるかな……大将の()()に………アン♡)

 

何かを我慢しているのか、『妖艶な声』を出す美奈に勇人は呆れつつも、そのまま美奈の身体を検査し続けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして数分後……

 

勇人「……終わったぞ」

 

美奈「……」

 

勇人「はぁ~……泣けるぜ、たかが検査で()()()()なんて……まぁ良い、気絶しているのなら()()()だ……先ずは紫の能力を使って……『隙間解放』」

 

勇人(これじゃ、俺が美奈に()()()()()()をヤッた後じゃねぇか……良かった……母さんが居なくて……)

 

勇人は悶絶しながら妖艶に気絶している美奈に呆れながら、美奈を手術台に乗せ、紫の能力を具現化した物『隙間』を解放させ、美奈の上に隙間を重ね、隙間を開け、顔を隙間の中に入れ、美奈の体内……というより骨を検査し、検査が終わったのか、隙間から顔を出し、検査結果をカルテに記した

 

勇人(……やはり骨密度が人間と同じ強度か……此処は……あった!)

 

勇人は手術室に置かれていた『少し大き目のビン』を見つけ、ビンの蓋を開け、粉末にしたナノマテリアルをビンの中に入れ、混ぜ合わせた

 

勇人(これこれ……骨の主成分である『ハイドロキシアパタイト(リン酸カルシウム)』っと……そして『ごく少量』のナノマテリアルを混合させ……よし!戦艦用の骨の主成分の完成だ!後は……隙間に……よし!後は……)

 

勇人はナノマテリアルと混合した『ハイドロキシアパタイト(リン酸カルシウム)』を隙間に投入し、全て出し切った後、骨がハイドロキシアパタイト(リン酸カルシウム)を吸収するのを待っている間、隙間を一旦、閉鎖し、艤装を展開した時の服装の制作に取り掛かった

 

 

 

 

 

 

ちなみに外では……

 

勇次「うーん……間宮ちゃんが気絶しない方に賭けるぜ」

 

瑞鶴「good!もし外したら京都の料亭のフルコースを奢ってね♪」

 

勇次「勿論だ」

 

美奈が検査中も含めて『()()()()()()()()』について、ほのぼのと『賭け事』をしていたのは言うまでも無かった



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第80話「宣戦布告」

勇人が美奈の新しい戦闘服を制作している頃 道中のアジトにて

 

道中「さて、偵察に行った艦隊はどうしているのかね……あら?戦艦水鬼、どうだった?佐世保の偵察は?」

 

道中は少しでも有利に立ちたい為、まず手始めに勇人に関する情報収集の為、自身の偵察部隊を佐世保に送り出し、優雅に食事を楽しんでいると、偵察に行ってた戦艦水鬼が『大破』の状態で帰投し、悔しそうに報告を始めた

 

戦艦水鬼「クッ……偵察任務……失敗した……」

 

道中「ブッ!……はぁ!?失敗しただと!?なんで!?」

 

道中は夕飯後の食後酒である『古越龍山』の紹興酒『陳年8年』が口の中に入れていたのか、紹興酒を吹き溢し、戦艦水鬼に聞いた

 

戦艦水鬼「……ああ、まさか出撃中に()()()()()()()()()()()()()()とは……予想外だ」

 

道中「な!?あの女に似た奴が!?一体どういう訳!?」

 

道中は予め佐世保に偵察に向かわせた艦隊が()()()()()()()のせいで偵察部隊が壊滅された事に憤怒し、戦艦水鬼に偵察部隊が『壊滅された経緯』について聞いた

 

戦艦水鬼「……ああ、私達が出撃中の事だけど……私達が佐世保の管轄の海域に入った時に『あの女』が現れ、私達に『月が綺麗わね……貴女達が死ぬのには()()()()()の時間だわ……だから、この世から消えてね♪』と殺気染みた笑顔で言った途端、()()()()()()()()()()を出現させたのと同時に()()が走って来て、そのまま私以外の仲間達が電車に()()()()()()』のよ……私も未だに()()()()()のか分からないのよ!!」

 

戦艦水鬼もまた、海上で『非現実的な出来事』に混乱しているのか、道中に八つ当たりをするかの様に怒鳴ると道中は苦汁を飲む様に顰めっ面になり答えた

 

道中「佐世保の龍め……『蒼き鋼』や『霧の艦隊』以外にも『()()()()()()』と手を組みやがって……しかも痛い先手を……」

 

戦艦水鬼「チッ!?佐世保の龍もそうだが、『謎の巨大勢力の親玉』であろう『あの女の力』は危険過ぎる!!今すぐアジトを離れるべきだ」

 

道中「……上等じゃないの!!あのDQN(不良)上がりの七光り野郎を……徹底的に潰す!!」

 

戦艦水鬼「ッ!?」

 

二人は『優香里に似た女』に()()()()という完膚無きに殺られた()()()()を味わいつつも、戦艦水鬼は『優香里に似た女』の危険性の高さに危機を感じ、道中に忠告すると、道中は戦艦水鬼の忠告を無視し、闘志が湧いたのか、怒りながら言うと、戦艦水鬼は道中の発言に驚き、答えた

 

戦艦水鬼「お前!!私の話を聞いていなかったのか!?あの女は()()()()を持っているのだぞ!!」

 

道中「……なら、その女が率いる『謎の巨大勢力』を手中に収めれば良いわ……先ずは……」

 

道中は戦艦水鬼に自身の作戦について説明しようとした途端……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次に貴女は……『あの女を見付け、捕獲次第、スパイとして調教するわ』……と言う!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

道中「あの女を見付け、捕獲次第、スパイとして調教するわ……ハッ!?」

 

紫「フフフ……」

 

突如、天井から紫が現れ、道中の言葉を先読みをし、茶化す様に言うと、戦艦水鬼は紫を見て、怒りを露にし強い口調で言った

 

戦艦水鬼「ッ!?こいつだ!!こいつが偵察部隊を壊滅させた女だ!」

 

紫「こんばんは……あら?勇人の所と比べて、あまり美味しそうな御飯では無いわね……艦隊の指揮だけではなく料理の腕前もイマイチね」

 

道中「アンタが……偵察部隊を……」

 

道中は突然、天井から隙間が現れ、隙間から『偵察部隊を壊滅させた女』……『八雲 紫』に怒りを露にし、ドスの利いた声で警戒する様に質問をすると、紫は道中を小馬鹿にする様に口元を隠す様に扇子を開き、微笑みながら答えた

 

紫「大正解♪私の()()で全滅させたわ」

 

道中「……何故、私達の邪魔をするのだ?」

 

道中は小馬鹿にする紫に腹が立ちつつ、怒りを押し殺しながら紫に質問をすると、紫は道中を小馬鹿にしつつ、呆れた表情で質問に答えた

 

紫「そんなの簡単よ……貴女……いえ貴女達の事が()()()()()()だけよ……だから龍の艦隊(勇人達)と手を組んだのよ」

 

道中「……たった、()()()()()()()で私達を……」

 

紫「……それ以外、()()()()()()?」

 

紫は道中の質問に答えると、道中は紫の答えに激怒しているのか、握り拳を作り、震えながら質問で返し、紫は道中を挑発しながら答えると、道中は紫の発言に激怒し、声を荒げ、怒鳴り付けた

 

道中「ふざけないで!!アンタの()()()で此方は壊滅寸前になりかけたのよ!!どうしてくれるの!!」

 

紫「あら?そのまま壊滅してくれた方が良かったのかしら?」

 

道中「貴様ァ……」

 

紫は道中の怒りを煽る様に微笑みながら答えると道中は苦汁を噛み締め、悔しそうに言うと、紫は更に怒りを煽る様に道中の過去について言った

 

紫「まぁ……自分の地位を上げる為に、裏で艦奴派の上官相手に『()()()()()()()()()()()()()()』に『()()()()()()()()()()()()()』勇人に()()()()()()()()()()()()()()のは目に見えて分かるけどね」

 

道中「な!?き……貴様ァ!」

 

道中は怒りが爆発し、そのまま紫の顔面に拳を突き付けようとしたが……

 

紫「無駄よ……隙間オープン♪」

 

紫は自身の顔の前で隙間を発現させ、道中の拳を隙間に入れ、隙間の出口を道中に向かせ、道中の拳は隙間を通じて、そのまま道中の顔面にめり込んだ

 

道中「グハッ!!」

 

紫「まぁ……時間も遅いし、そろそろ本題である『宣言』しますか……」

 

道中「宣言……だと?」

 

紫は余裕のある表情から一転、目が据わり、堂々とした態度で道中に()()した

 

 

その宣言内容とは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「……先程の全滅を機に私達『()()()()()()()』は()()()()()()に勇人達と手を組み、貴女達に『宣戦布告』をする!!」

 

道中 戦艦水鬼「なっ!?」

 

そう、紫は道中達に宣戦布告……言わば『道中の敵』として(おおやけ)に宣言したのだ

 

道中「貴様……最初から……()()()()()で……」

 

紫「ええ、そうよ……まぁ宣言しなくても貴女達が残された道は私達に『()()()()()()()()()()()()』しか無いけどね……それじゃ、せいぜい楽しみなさい、()()()()()を……ね」

 

紫は道中に格好着けながら言い、隙間を使い、煙の様に、その場から消えて行った

 

道中「ち……チクショーーーーー!!何なのアイツ!!アイツの気紛れで偵察部隊が全滅されたり、それに『幻想郷』!?ふざけた事を言いやがって!!!あー!!もう!!折角、明日の夜に舞鶴鎮守府を攻めるつもりだったのにィィィ!!」

 

戦艦水鬼「……まさか、お前の兄も『幻想郷の連中』だったか?そいつらに妨害されているかも知れないな……」

 

道中「まさか……兄さんが、そんなヘマを……ん?兄さんからだ……もしもし……」

 

道中が恭一の事を絶大に信頼しているのか、戦艦水鬼の予感を鼻で笑い、否定すると道中の携帯電話(スマホ)が震え、携帯電話(スマホ)の着信を見て、恭一から電話が掛かり、道中は少し不安になりつつも電話に出た

 

恭一「……すまん潤……第一研修部隊の連中との交渉が長引きそうだ……」

 

道中「長引く?何か問題でも?」

 

道中は恭一が起きたトラブルについて聞くと、恭一は一呼吸を置き、申し訳無さそうに言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恭一「交渉用の餌に使う筈だった大鯨が……何者かによって()()()()()()()

 

道中「はぁ!?大鯨が!?」

 

そう、恭一の唯一の艦娘でもあり、秘書艦の大鯨が何者かによって轟沈されたのだ

 

道中は恭一の失態に驚きつつも轟沈された原因に心当たりがあるのか、質問した

 

道中「それって……深海棲艦の攻撃による轟沈では無くて……人間が大鯨を?」

 

恭一「良く分かったな……そうだ、大鯨を轟沈させたのは『お前の元部下』でもあり『佐世保の龍の妹』……『上城蘭』だ」

 

道中「な!?上城が!?アイツは今『舞鶴』にいるのに……」

 

恭一「なんだど!?舞鶴に!?一旦どうやって短時間で舞鶴から横須賀に移動出来たんだ?」

 

道中「そこよね……ッ!?まさか!?」

 

恭一「どうした?何か思い当たる節があるのか?」

 

道中は大鯨を轟沈させた犯人が蘭だと知り、驚愕しながらも恭一の目撃情報の矛盾である『蘭の居場所』について頭を抱えると、道中は先程の紫の言葉を思い出したのか、何かに気付いた表情になり、恭一に報告した

 

道中「……大鯨を轟沈させたのは上城ではなく、上城に()()()()()()()の仕業だわ」

 

恭一「……第三者?何故そう言い切れる?」

 

道中「実は……」

 

道中は紫が言った言葉『幻想郷の住人』を思い出し、自身が紫の独断で偵察部隊を壊滅された事を恭一に報告した

 

道中「……と言う訳よ」

 

恭一「幻想郷……そして優香里に似た女……チッ!!舐めた真似を……」

 

道中「……どうする……兄さん」 

 

道中は激怒した恭一に聞くと、恭一は直ぐに冷静さを取り戻し、道中に言った

 

恭一「……潤は今すぐに艦隊の再編成をしてくれ、俺も『代わりの艦娘』を準備して、再び交渉するから」

 

道中「……分かったわ、兄さんも幻想郷の連中に気を付けてね」

 

恭一「……お前もな」

 

道中は恭一を心配しながら通話を終えると、椅子に座り、艦隊のメンバーを再編成しているのか、頭を抱えながら残った紹興酒を口に含み、上手い様に飾り付けをしていないエビチリを食べ始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、横須賀鎮守府付近の海域では……

 

大鯨「……」

 

蘭に瓜二つの九尾の女性「……これで時間を稼ぐ事が出来ました……後は大鯨を舞鶴に……」

 

紫「……お願いね……『(らん)』」

 

蘭に瓜二つの九尾の女性『八雲(やくも) (らん)』は気絶した大鯨を背負いながらトランシーバーで紫に報告しつつ、舞鶴鎮守府に向けて飛び立った

 

 

 




どうも、私ですm(_ _)m

自分で執筆しているのも変ですが、紫さん……チート過ぎます!!



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第81話「改造完了」

2300 軍艦『金剛』内部の特設手術室にて

 

美奈「う………うん……」

 

勇人「……目が覚めた様だな」

 

美奈「ッ!?大将……あ……あの……その……スミマセン……」

 

勇人は目が覚めた美奈を見て、一声掛けると美奈は先程の検査で絶頂された(イカされた)事に赤面しつつも、検査時の『妖艶な状態』になっていた事に謝罪すると勇人は普段通りのラフな口調で答えた

 

勇人「気にしてねぇよ、()()があったからな」

 

美奈「前例?」

 

美奈は勇人の言葉に首を傾げ、質問すると、勇人は遠い目になり、少し悟ったかの様な口調で答えた

 

勇人「……メンタルモデルのタカオやコンゴウを検査している時にな……ったく、発情した(サカった)猫じゃあるまいし……」

 

美奈「あはは……同情します」

 

美奈(あの神の手(ゴッドハンド)をメンタルモデルに……羨まs……ゲフンゲフン!怪しからん!しかも、それを()()()で行うから、尚更タチが悪いわ!)

 

美奈は勇人に同情しつつも内心、勇人にツッコミを入れ、理性を保ちつつも呆れた様に苦笑していると、手術室に手術用の医師服を着たコンゴウが入ってきた

 

コンゴウ「艦長、お待たせしました……此方が美奈の戦闘服の案を纏めた資料です」

 

コンゴウはデータを目視出来る用にモニターを展開し、勇人に見せると、勇人は美奈の戦闘服について、まだ迷っているのか、手に顎を添えながら言った

 

勇人「……これだけ案があると迷うな……」

 

コンゴウ「そうですね……私としては装甲を重点的に上げたハルナの服装をモチーフにした戦闘服の方をオススメします」

 

勇人「……あれは機動力が損なわれるから却下だ」

 

コンゴウ「なら大和や武蔵の戦闘服をモチーフにしたコレは?」

 

勇人「……あれはアカン、露出が高過ぎて千川が暴走する……俺としては扶桑型をベースにした戦闘服が……」

 

コンゴウ「……コレは不吉なので止めて下さい」

 

勇人「……デスヨネー」

 

勇人とコンゴウはモニターを操作しながら美奈の戦闘服に関して討論をしていると、美奈はコンゴウが展開させたモニターを見て、驚愕した

 

美奈「え!?何このターミネー〇ーに出てくる様なモニターは!?」

 

コンゴウ「ん?これは()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()『タブレット端末』だが?」

 

美奈「へ?これがタブレット端末ですか!?」

 

勇人「まぁな、今じゃ、メンタルモデル専用のパソコンになっているからな……俺も最初は驚いたが

 

美奈「……さいですか」

 

美奈(半世紀後の未来って……こんなに進んでいるんや……大体、勇人君も、よく佐世保鎮守府に()()()()()()()()を……考えるのは止めよう……ん?)

 

未来は勇人達……いや佐世保組のハイスペックな設備に考えるのを止めたのか、呆れる様に呟くと、タブレット端末内に展示された『ある戦闘服』を見て、勇人に質問した

 

美奈「大将……この『没』と書かれていた戦闘服とは?」

 

美奈は資料の中に『没』と書かれた戦闘服について聞くと、勇人は俯き、少し気不味そうに答えた

 

勇人「あぁ……これは機動力や装甲等のスペックや改造した『美奈の艤装』のシンクロ率が()()()()、美奈の身体に対する()()()()()()()服なんだが……何せ、この服装自体が()()()()()()()からボツにしたんだ」

 

コンゴウ「………これはボツにして正解ですね……縁起が悪過ぎます」

 

勇人「そうだろ……後、お前の暴走形態(アルスノヴァ)をモチーフにした戦t……コンゴウ「あれは、私にとって『黒歴史(トラウマ物)』だから止めて下さい!!」……仕方ないな」

 

美奈「……」

 

勇人は俯きながら、ボツにした理由を美奈に伝えると美奈は何を思ったのか、神妙な表情で勇人とコンゴウに言った

 

美奈「……大将、それにコンゴウさん……私の戦闘服を『()()』にしてくれませんか?」

 

コンゴウ「ッ!?このボツになった服を!?」

 

勇人「はぁ!?何故、それを選ぶんや!?もっとマシな物があるだろ!」

 

勇人とコンゴウは美奈が『ボツになった縁起の悪い戦闘服』を選んだ事に驚愕し、美奈に聞くと、美奈は『その戦闘服』を選んだ理由を勇人達に答えた

 

美奈「……私の覚悟は大将達が思っている程、生半可な物ではありませんし、この戦闘服は『私の覚悟』いえ『決意』を表している様な服装だからです……それに……」

 

勇人 コンゴウ「それに?」

 

勇人達は美奈の言葉に納得しつつも、美奈に聞くと、美奈は一呼吸を置き、この戦闘服を選んだ『もう1つの理由』を勇人達に伝えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美奈「大将……いえ、勇人君がウチの身体が壊れない様に()()()()()作り上げた戦闘服(コレ)を使いたいんや!!勇人君……いえ()()!お願いやから、ウチの戦闘服を……コレにして!!」

 

美奈は勇人が俯き、気不味そうになった理由を察したのか、真の入った強い口調で言うと、勇人は溜め息を付き、答えた

 

勇人「……分かっていたのか……俺が『()()()()()()()()()()()()()()』を……」

 

そう、勇人自身が『没にした戦闘服』は、勇人が思考を重ねに重ね、デザイン性を無視したものの、間宮(美奈)の身体にとって()()()()()()()()を美奈は()()()()()()のだ

 

勇人は少し俯きながら言うと、美奈は微笑みながら言った

 

美奈「フフフ……勿論や!ウチは『補給艦 間宮』でもあり『あの子達(未来と美咲)の母親』や!勇人君の考えなんて、()()()()()に分かるわ!それに勇人君、ウチや未来達そして舞鶴鎮守府の『みんな』がアンタの事を()()()()()()()()……だから、勇人君もウチ等を()()()()……お願いや……」

 

美奈は強さが入った優しい口調で答えると、勇人は「参った」と言わんばかりに両手を上げ、呆れた様子で美奈に言った

 

勇人「……わーったよ、俺の敗けだ……戦闘服については、これで決定だな……製作する前に聞きたい事があるんだが、『謙一』って……誰?」

 

勇人は美奈が言った台詞に『謙一』について聞くと、美奈は意を決し、勇人の質問に答えた

 

美奈「勇人君、よく聞いてや……謙一はウチの前世の夫……()()()()()でもあり、()()()()()()や」

 

コンゴウ「な!?艦長の……()()だと!?」

 

勇人「へぇ~………はぁ!?お……俺の!?それって、誰からの情報だ?」

 

二人は美奈の告白に驚愕し、勇人は動揺しつつ美奈に聞くと、美奈は勇人が更に混乱しない様に優しく、簡潔に答えた

 

美奈「……紫ちゃんです」

 

コンゴウ「……泣けるな」

 

勇人「同感だ……あのババア……余計な真似を……コンゴウ、今から美奈が選んだ戦闘服を製作(開発)するから、()()()()()()()()()()を持ってきてくれ……後、俺の前世が美奈の夫だと言うのは黙っていろよ……色々と()()()()()になるからな……主に千川(アイツ)絡みで……」

 

コンゴウ「りょ……了解しました」

 

コンゴウ(……覚えてろよ……紫……)

 

美奈の告白に二人は動揺を隠せないものの、紫に悪態を付き、勇人は『美奈が決めた戦闘服』を作る(開発する)為に、コンゴウに指示を出すと、コンゴウは少し冷静になったものの、動揺しながらナノマテリアルを取りに手術室を後にし、戦闘服の製作に取り掛かった

 

 

 

 

そして1時間後……

 

 

 

勇人「出来た……」

 

コンゴウ「……お疲れ様です」

 

勇人は美奈の新しい戦闘服が完成したのか、少し疲労困憊になりながら呟くとコンゴウは勇人に熱めの緑茶が入った湯飲みを渡すと、勇人は緑茶を飲みながら言った

 

勇人「ありがとう……熱っ!?コンゴウ、お茶を淹れてくれるのは有難いが……もう少し冷やしてから渡してくれ……熱くて飲めねぇ

 

コンゴウ「あ!?すみません、艦長が猫舌だった事を忘れてました」

 

コンゴウは勇人が猫舌だった事を忘れていたのか、謝罪すると勇人は微笑みながら御礼を言った

 

勇人「忘れてたのなら仕方ないな……だけど、お陰で目が覚めた……ありがとう」

 

コンゴウ「いえ、私は艦長の正t……ゲフンゲフン!軍艦()です……艦長の為なら『何でも』やります」

 

コンゴウは少し赤面しながらも、優しく言うと勇人は嬉しさ反面、少し苦笑いをしながら答えた

 

勇人「そう言って貰えるのは有難いが……」

 

美奈「フフフ……何や自分ら……『新婚ホヤホヤの夫婦』みたいに初々しいな……」

 

美奈は勇人とコンゴウを微笑みながら茶化すと勇人は呆れながら言った

 

勇人「新婚って……結婚以前に彼女すら居ないんだが……」

 

美奈「あら?そうなん?ならコンゴウさんが勇人君の彼女になればええやん♪彼女、見た目とは違って『尽くし系』やから、忙しい勇人君にピッタリや♪」

 

勇人「何故そうなるんだ……まぁ忙しいのは合っているが……」

 

勇人は呆れながら言うと、コンゴウは自分の気持ちを全面的に出したのか、暴走した状態で勇人に言った

 

コンゴウ「私は一向に構わんッ!!寧ろウェルカムだ!さぁ艦長!私とヤらないか?」

 

勇人「何でコンゴウを含めて、佐世保(ウチ)の連中は直ぐに下ネタの方(猥談)に持ってくるんだ!!つーか、ヤらねぇよ!!」

 

勇人はコンゴウにツッコミを入れるとコンゴウは勘違いをしたのか俯きながら言った

 

コンゴウ「なっ!?私に魅力が無いのか……」

 

勇人「女子力(魅力)の数値がカンストする位、有るわ!!つーか、今は『()()()()()()』じゃねぇやろ!!それに美奈!俺は千川より()()()()だと忘れてねぇか?」

 

美奈 コンゴウ「ッ!?そうでした……スミマセン大将(艦長)……」

 

勇人「……取り敢えず、手術は終わったから食堂に戻るぞ」

 

美奈とコンゴウは申し訳無さそうに謝罪すると、勇人は溜め息を尽き、呆れながら、二人を連れて食堂に戻った

 

 

 

 

また新たな()()()()が舞鶴に入って来るとは、勇人も含め、3人は知らず知らずのまま……



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第82話「吉報と凶報」

はい、本日2度目の投稿ですm(_ _)m

本当は一話に纏めたかったのですが、長過ぎた為、分割することになりましたm(_ _)m

後、意外な人が『ある物』に暴走します……


勇人が美奈の改造が完了した少し前 食堂では……

 

未来「……私の前世の『お父さん』が勇人さんだった事を……紫さんが教えてくれました……そして電は、お母さんの娘でもあり、私の妹『美咲』として接していたの」

 

敷島「嘘……」

 

深海棲艦達「マジかよ……」

 

照月 初月 電「そんな……」

 

優花 瑞鶴以外の佐世保所属の艦娘達 千川「……」

 

未来のカミングアウトに、その場にいた全員が驚愕すると、一馬は何かを察したのか、朱里、勇次、蘭、蘭花、沙耶そして瑞鶴に言った

 

一馬「……朱里、勇次、蘭花、蘭、沙耶、瑞鶴……今すぐに……」

 

朱里 瑞鶴「……止めよう」

 

舞鶴鎮守府の艦娘及び深海棲艦全員「……私達も手伝います」

 

蘭花「……巻き込まれたく無いから私と蘭、沙耶と勇次は逃げるわ」

 

蘭「……流石にコレは……止められそうに無い」

 

沙耶「激しく同意するわ」

 

勇次「おう……じゃなくて!!止めろよネーチャン!!今、兄貴は手術中だろ!!」

 

一馬は瑞鶴以外の佐世保の艦娘達や優花そして千川が目のハイライトが消え、今から手術中の勇人に向かおうとするのを察したのか、瑞鶴と上城一家『全員』に命令すると朱里、瑞鶴が一馬の命令に了承し、勇次は蘭花や蘭、沙弥に一喝すると蘭花は遠い目になり、勇次に言った

 

蘭花「……勇次、私達にアレを止めれる技量()があると思う?」

 

勇次「俺と蘭は無いが、アンタはあるだろ……寧ろ、ネーチャンが適任だと思うが……」

 

蘭花「……身籠っている私にアレを止めろと?」

 

勇次「……ごめん、さっきの発言……撤回するわ」

 

蘭花「よろしい……んじゃ私達は……」

 

勇次は蘭花が身籠っている事を忘れていたのか、失念し、謝罪した途端……

 

 

 

 

 

ガシャーン!!

 

全員「!?」

 

一馬「何だ!?敵襲か!?」

 

突然、食堂の窓から蘭に瓜二つの九尾の女が大鯨を抱えながら突入し、食堂にいた全員が突入した女に警戒すると、女は急いで来たのか、息切れをしながら答えた

 

女「す……すまない……急いで来たからな……割らしてしまった窓については、後で弁償する」

 

一馬「ああ……じゃねぇ!?紫も『この世界』に来てたから薄々、分かっていたが……お前も()()()とはな……」

 

蘭「……全くだ」

 

勇次「……しかも『飛鳥文〇アタック』でカチコミとは……二人揃って、()()()()()()()()()が出来ないのか?藍?」

 

蘭花「沙耶、勇次が言った『飛鳥文〇アタック』を分かる人なんているの?」

 

沙耶「……うp主(八意)以外、知っている人はいないと思うけど……」

 

朱里「二人とも、一応言うけど……メタいから止めろ、彼方様(ラムネさん)の所の作風を壊すな」

 

沙耶 蘭花「……ごめんなさい」

 

勇次「カーチャンも充分メタいぞ!!」

 

一馬は女……藍にツッコミを入れ、呆れながら言い、藍は大鯨を椅子の上に乗せると上城一家以外()()が女を見て驚愕した

 

何故なら……

 

千川「ら………蘭君!?」

 

優花「蘭ちゃんって……三つ子だったの!?」

 

艦娘全員「えぇぇぇ!?少佐(司令)が……()()!?」

 

そう、藍の顔が蘭に()()()だったのだ

 

そして……

 

美奈「お待たせしました」

 

コンゴウ「手術は大成功だ」

 

勇人「あー疲れた……ん?八雲じゃねぇか?久しいな……お!?」

 

藍「ゲ!?は……勇人……」

 

勇人は藍の『ある所』を見て、少し高揚すると、藍は顔を引き釣り、逃げようと後退りをすると、勇人の目は疲れ目から少年の様な輝いた目になり、藍に近付いた

 

何故、藍は勇人から逃げようとした理由は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「八雲ォ!!それをモフモフさせろォォォォォ!!

 

モフッ……

 

上城一家「あ!?やっぱり……」

 

勇人はフサフサな藍の九尾に向けて飛び込み、九尾に埋もれながらリラックスし、藍の九尾を堪能し始めたのだ

 

勇人「あー……5年振りに、このモフモフ感を…………たまんねぇ……」

 

藍「ちょ!?勇人……お……重い……いや……5年前と……比べて『重くなった』な……」

 

そう、藍が勇人を避けてた理由は、勇人が藍の立派な九尾を堪能する事で藍の身動きが取れないから勇人を避けていたのだ

 

一馬「……勇人、モフりたい気持ちは分かるが降りろ」

 

朱里「藍が困っているわ」

 

勇人「はぁ~♪」

 

上城夫妻「……ダメだコリャ……」

 

美奈「あ……あの大将が……」

 

未来「堕ちた……だと!?」

 

コンゴウ(ゴクッ……あの精神的に強靭(タフ)な艦長が……アッサリ墜ちるとは……私も……)

 

コンゴウは藍の九尾の感触に堕ちた勇人を見て、興味本意で恐る恐る藍の尻尾を触ると……

 

ファサ……

 

コンゴウ「ッ!!!!!こ……これは……失礼するぞ」

 

コンゴウは藍の九尾に触れた途端、身体に電気が走ったかの様な衝撃を受け、思い切って藍の九尾に飛び乗った

 

モフッ……

 

コンゴウ「……はぁ~……何だろ……この優しさに包まれた感触は……堪らん……」

 

勇人「分かるだろ?このモフモフ感……」

 

コンゴウ「はい……艦長が堕ちた理由が分かりました……」

 

美奈「コンゴウさんまで堕ちた!?」

 

藍「……泣けるな」

 

美奈は藍の尻尾に飛び乗り、尻尾のモフモフ感に虜になったコンゴウに驚き、藍は腑抜けた二人を見て、呆れると一馬は二人を見て申し訳無さそうに藍に質問した

 

一馬「……藍は何故、大鯨を連れて舞鶴に来たんだ?後、二人がすまないな」

 

一馬は藍が此処に来た理由について聞くと、藍は先ほどの困り顔から一転し、神妙な表情で答えた

 

藍「尻尾に関しては、もう馴れた……此処に来た理由は大本営で道中と手を組んでいた()()()()についての報告と美奈さんが『新しい力』に馴染ませる為の時間を稼いでいたんだ……その時間を稼ぐ為に……」

 

勇次「その裏切り者の駒……いや秘書艦である大鯨ちゃんを拉致って来た……という訳だな?」

 

勇次は憶測し、聞くと、藍は頭を縦に振りながら答えた

 

藍「拉致……というよりかは『再起不能』にさせたんだがな……勿論、痛め付けた訳では無いから安心して」

 

美奈「そうですね……大鯨さんには()()()()()()()()()ですね……一体どうやって再起不能に?」

 

美奈は()()の大鯨を見ながら藍に聞くと、藍の尻尾を堪能している勇人が美奈の質問に答えた

 

勇人「……大鯨の……いや全ての艦娘の体内に艤装の接続部に艦娘が敵により損傷を受けた事を提督に知らせる装置『エマージェンシー(Emergency)コール(Call)システム(System)』……通称『ECS』を発動そして誤作動を起こさせたんだ」

 

美奈「ECS……ですが、ECS(その装置)は艦娘の()()にあるのに、どうやって操作をしたのですか?」

 

美奈は体内にある『ECS』が何故、発動した理由を勇人に聞くと、勇人は発動させた『からくり』について答えた

 

勇人「なぁに、簡単な事さ……(こいつ)は紫の式神(ペット)だから、紫と同じく『隙間』を使って、ECSを弄ったんだ……まぁ、こんな風に……大和、少し擽ったいぞ」

 

大和「え!?ちょ!?提督!?く……擽ったいです……」

 

勇人は使い捨てのゴム手袋を着け、隣にいた大和の下腹部辺りに隙間を具現化させ、隙間に手を入れ、弄ると、勇人のスマホに緊急速報に似たアラームか流れ、スマホに『大和の状態』が表示され、勇人はスマホを美奈に見せた

 

勇人「美奈……俺のスマホに何て書かれている?」

 

美奈「えーっと……『Yamato(大和) Lost(轟沈)』と書かれ……ッ!?成程、そういう『からくり』だったのですか……」

 

大和「うっ♡……提督、これ以上『弄る』のは止めてくれませんか?……イキそうです……んん♡

 

勇人「そう、これが八雲が大鯨を再起不能にさせた『からくり』だ……んじゃ、元に戻すぞ……後、大和……変な声を出すな」

 

勇人は再び大和の腹部を弄ると、アラームが止まり、スマホには『Yamato(大和) Alive(復活)』と表示され、美奈は勇人にスマホを返し、納得した様子で答えた

 

美奈「つまり尻尾が付いている方の藍さんが大鯨さんを気絶させ、隙間で……」

 

勇人「そういう事、大和もありがとうな……」

 

勇人は隙間を閉じ、消滅させると、大和は腰が抜けたかの様に座り込み、高揚し、妖艶な表情で勇人に言った

 

大和「……もっと味わいたかったのに……残念です」

 

勇人「お前なぁ……まぁ、話を戻して……今の大鯨は『書類上での轟沈』言わば『()()()()()()()』になっているんだ」

 

美奈「なら大鯨さんのECSを再起動させれば……」

 

美奈は勇人に大鯨のECSを再起動させる様に言うと、勇人は大鯨の状態を勇人の『ある器官』で異常を感じたのか、溜め息を尽き、答えた

 

勇人「……ダメだ、()()()()再起動すれば道中と手を組んだ連中にバレる……それに、この大鯨は……連中に相当()()()()()()()のか『()()()()()()()』と『()()()()』が混ざり合った『()()』を僅かに感じ取った……これは精神(メンタル)的にも病んでる可能性が()()()()()な」

 

勇人以外全員「ッ!?」

 

勇人は未来と北方棲姫(子供達)の前なのか、『塩素に近い匂い』の正体を隠し、大鯨の容態を説明すると勇人以外全員が絶句し、勇人は千川とコンゴウそして柊に質問をした

 

勇人「千川、コンゴウ、柊、今の高速修復材(バケツ)の在庫は?」

 

千川「……お前の能力解放の時に高速修復材(バケツ)の在庫()()を使ったから第二前衛基地(ウチ)には無いぞ」

 

コンゴウ「……スミマセン艦長、千川少佐と同じく」

 

柊「……千川、第二前衛基地ところが鎮守府内の全ての在庫を大将に使ったから、今の舞鶴には高速修復材(バケツ)の在庫が無いぞ」

 

千川「本当ですか!?はぁ……泣けるな」

 

三人は頭を抱えながら言うと、勇人は申し訳無さそうに言った

 

勇人「……舞鶴のみんな、ゴメン」

 

美奈「仕方無いですよ……大将は私達の為に傷を負ってまで能力を手に入れたのですから、大将が落ち込む必要はありませんよ」

 

美奈(ゴメンって……大将って、意外と素直で可愛い所があるのですね……大将の事だから直ぐに顰めっ面になるのかと思いました)

 

千川「そうだぞ上城、まぁ……高速修復材(バケツ)については、間宮や未来の為の『先行投資』だと思えば格安な投資だ……むしろ謝罪(ワビ)を入れたいのは僕達の方だ……役に立たなくてゴメンな」

 

柊及び艦娘全員「……うん、あれは仕方無いですね」

 

勇人は舞鶴に高速修復材(バケツ)が無い事に落ち込み、申し訳無さそうに舞鶴所属の艦娘達や柊そして千川に謝罪すると美奈は微笑みながら、千川は『美奈達の先行投資』だと笑いながら、柊と艦娘全員は勇人が能力を解放する時の悲惨さを思い出したのか呆れながら勇人を慰めると勇人は申し訳無さそうに答えた

 

勇人「そう言って貰えるとマジで助かる……」

 

藍「それに関してだが……勇人、お前も隙間が使えるんだよな?なら隙間を使って『佐世保の高速修復材(バケツ)』を使えば良いのでは?」

 

藍以外全員「………あ!?そうだった」

 

藍は勇人が先程、大和に隙間を使ったことを思い出し、隙間を経由し、佐世保の高速修復材(バケツ)を使用する案を勇人に伝えると、勇人を含む全員が失念していたのか手をポンと打つと、藍は呆れながら言った

 

藍「……やれやれ、それじゃ続きは明日にするから大鯨を入渠室に運ぶか?」

 

勇人「……おう」

 

勇人は藍の指摘に恥ずかしそうに大鯨を抱え込み、そのまま入渠室に運び、各自解散になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして佐世保鎮守府では……

 

群像「……これが佐世保の在庫かぁ……結構あるんだな……」

 

イオナ「凄い……」

 

足柄「……これでも少ない方よ」

 

群像とイオナそして足柄は嫌な予感かしたのか、眠れずに足柄の引率ではあるが、佐世保鎮守府内を散歩し、『在庫貯蓄室』の中を見学していた

 

群像「……これで少ない方って……」

 

イオナ「……仕方無いよ、勇人は今、タカオの船を1人で直しているんだ……」

 

足柄「まぁ私達も手伝いたいが、機械についてはサッパリよ……ん?あれは……」

 

足柄はバケツの上に空間を裂いた物を見付け、近付いた途端……

 

 

 

 

 

 

 

クパァ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「あった……高速修復材(バケツ)が……ん?足柄に……群像とイオナか……まぁ、ゆっくりしていけや……んじゃ」

 

 

シュ~……

 

 

 

足柄「お……おおおおおお……お化けぇぇぇぇぇ!!!悪霊退散!悪霊退散!」

 

群像「ギィャャャャャャ!!出たァァァァァ!!足柄さん!お祓い棒は何処ですか!?」

 

イオナ「きゅ~……」←気絶

 

足柄が見付けた『空間を裂いた物』の正体は勇人が発動させた『隙間』で、隙間から流れる様に勇人が現れ、バケツを持ち、その場から去ると足柄、群像そしてイオナは勇人の事を悪霊だと勘違いし、非常にカオスな状態になったのは言うまでも無かった……

 

 




何か本能的にネタを入れないと行けないと思うのは私だけでしょうか?


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第83話「美奈の『癒しの治療法』」

翌日 0900 舞鶴鎮守府 入渠室にて

 

大鯨「……う……うう……ほげぇ?此処は……ん?間宮さん?」

 

藍に気絶させられた大鯨が風呂の湯気によって作られた水滴が重力に負けて滴り落ち、落ちてきた水滴が大鯨の額に当たると大鯨は目が覚め、辺りを見ていると、丁度良いタイミングに美奈が玉子雑炊と水を持参し、入渠室に入ってきた

 

美奈「大鯨さん、大丈夫ですか?」

 

美奈は心配そうに大鯨に言うと、大鯨は少し怯えながら言った

 

大鯨「だ……大丈夫です……あ……あの……此処は?」

 

美奈「舞鶴鎮守府の入渠室ですよ……それに怖がらないで下さい、私達は貴女を保護しただけですから」

 

大鯨「私を……保護?」

 

美奈は大鯨の容態を聞き、少し安堵したのか、微笑みながら簡潔に質問内容を答えると、訓練し終えたばかりの勇人が艤装用の戦闘服を着たまま入渠室に入ってきた

 

勇人「ふぅ……やっぱり朝練は気持ちが良いな……ん?気が付いたか大鯨……」

 

大鯨「ッ!?さ……佐世保の龍が……何故、舞鶴に……」

 

美奈「朝練、お疲れ様です大将」

 

勇人「おう」

 

美奈は勇人を労うと、勇人は服を脱ごうとしたが、美奈に止められた

 

美奈「……大将、今の状態で脱ぐのは止めてくれませんか?アレは大鯨さんが怖がります」

 

勇人「……そうだったな、艤装解除」

 

勇人は艤装解除し、戦闘服から水着になり、そのままシャワーを浴びた

 

勿論、美奈が言ってたアレとは勇人の背中の和堀である

 

勇人「ふぅ……スッキリした……んじゃ大鯨、疲労困憊になっている所を悪いが……」

 

勇人は大鯨に道中と手を組んでいた連中について聞こうとした途端、大鯨は勇人を見て、震え、怯えだし、恐怖のドン底にいる様な表情になり、混乱しながら勇人に言った

 

大鯨「ヒィッ……た……大将『様』……私の勝手な判断で……も……申し訳ございませんでした……直ぐに……か……身体で……御奉仕を……」

 

大鯨は何を思ったのか、服を脱ぎ始めると美奈は雑炊が乗っている御盆を床に置き、急いで暴走する大鯨を勇人と共に、止めに掛かった

 

美奈「落ち着けや!これは大将の命令でやっているんや!服を着いや!!」

 

勇人「そうや!お前はゆっくり休んでいろ!」

 

大鯨「ッ!?し……しかし……」

 

大鯨は美奈と勇人の方言が入った怒鳴り声に我に返り、狼狽えながら聞くと二人は冷静さを取り戻した大鯨にホッと胸を撫で下ろし、優しく言った

 

美奈「……安心せぇ、大将や提督のみんなは優しい人やから、大鯨さんが思っている程、悪い事はせぇへんで……まぁ大将の強面の顔については『慣れろ』としか言えへんが……」

 

勇人「なっ!?」

 

美奈「大将、此処は敢えて乗って下さい……私に()()があります……」

 

勇人「……成程な……分かった、美奈の()()に乗ってやるぜ

 

美奈は大鯨に聞こえない様に小声で勇人に御願いすると、勇人は美奈の考えを察し、了承し、美奈の言葉に乗った

 

勇人「オイコラ、誰が強面や?自分も人の事が言えねぇ方言を言いやがって……」

 

美奈「大将のヤクザ口調よりかはマシや……バー〇ル似のイケメンなのに勿体無い過ぎるやろ」

 

勇人「ダン〇ェ……って!何言わせるんや!!」

 

美奈「大将が勝手に言ったんやろ?しかも、それ……ネタの方や!」

 

美奈は微笑みながら勇人を茶化し、勇人は美奈の『真意』が分かったのか、微笑みながら悪態を付くと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大鯨「……フフッ」

 

美奈「あ!?笑いましたね?」

 

大鯨「ッ!?スミマセンでした!!私みたいな『兵器』が馬鹿な真似を……」

 

大鯨は二人の漫才染みた会話に小さく笑い、直ぐに血相を変え、青ざめながら謝罪すると勇人は微笑みながら大鯨に言った

 

勇人「ん?馬鹿な真似を?お前は何を言っているんだ?別に笑いたかったら笑えば良いんだぞ?それに、お前は人間だ……人間が笑って『何が悪い』んだ?美n……間宮は敢えて大鯨(お前)を笑わせる為に言ったんだ……俺達(人間)に対しての恐怖心(トラウマ)を消すためにな」

 

そう、美奈の考えとは、恐怖心で混乱している大鯨を笑わせ、恐怖心を解かせようとしたのだ

 

美奈「そう言う事です、だから協力してもらった大将には申し訳無いと思っていますが、大鯨さんの為に笑わせたのですよ」

 

勇人「別に気にしてねぇぞ、これも治療の()()だ」

 

大鯨「……私は……人として生きても良いのですね?」

 

美奈「勿論!」

 

勇人「当たり前だ……もし、お前を兵器扱いしている奴がいたら潰してやるからな!」

 

美奈「その時は私も参加しても宜しいのですか?」

 

勇人「ああ」

 

大鯨「ッ!?グスッ……うう……ありがとう……ございます……」

 

美奈「フフッ……少し冷えたけど朝食の雑炊も食べてね」

 

勇人「味は御墨付きだ」

 

大鯨「はい!頂きます!」

 

大鯨は二人の暖かい言葉に身に染みたのか、嬉し泣きをしながら感謝し、少し冷えた雑炊を嬉しそうに食べ始めた

 

美奈の『やり方』に流石の勇人も……

 

勇人(……正しく『母は強し』……ってヤツたな……軍医(専門家)の俺でもさえ()()()()()()()()な……しかも、こうアッサリと大鯨の恐怖心(トラウマ)を打ち消しやがって……完敗だ、俺の負けだ)

 

軍医(専門家)として負けを()()()程の『やり方(治療法)』だった……

 

勇人「……まぁ、間宮が言った通り、ここの連中は、お前のボスとは違って『悪いヤツ』がいねぇ……だから此処でゆっくりと養生しろよ……俺も軍医……いや()()()()()として全身全霊を賭けて()()()やるからな……」

 

美奈「そうですよ、しかも大将の医者の腕はブラッ〇ジャッ〇顔負けですから信用しても大丈夫ですよ……顔の怖さも〇ラック〇ャック顔負けですけどね」

 

大鯨「……はい!宜しくお願いします!大将『様』」

 

勇人「『はい』って……泣けるぜ……後、『様』は要らねぇよ」

 

大鯨「す……スミマセン……大将『閣下』」

 

勇人「貴様を蝋人g……って、デーモ〇小〇じゃねぇよ!!」

 

大鯨「フフッ……スミマセン」

 

美奈「見事なノリツッコミですね」

 

勇人「……うるせぇ」

 

完全に弄られキャラになった勇人は大鯨が笑っている事に安堵しつつ、何時もの口癖で若干呆れると朝練で疲労困憊になった千川がふらつきながら入ってきた

 

千川「ったく、上城……お前の訓練も元帥と同じく洒落にならない位『ハード』だぞ……お!?目覚めたか大鯨君」

 

大鯨「はい、私の為にありがとうございます……えーっと……誰ですか?」

 

大鯨は礼を言い、千川に聞くと、千川は簡潔に自己紹介を始めた

 

千川「僕は『舞鶴鎮守府 第二前衛基地』の提督をやっている千川だ……この様子だと精神的に問題無い様だね」

 

勇人「間宮のお陰でな……」

 

勇人は美奈のお陰で大鯨の精神治療が終わった事を言うと、美奈は謙遜し、恥ずかしそうに言った

 

美奈「いえいえ、私と大将は大鯨さんが恐怖心を打ち消す為に『手を差し伸べた』だけですから……」

 

千川「それでも凄いよ!!」

 

勇人「全くだ」

 

美奈「本当にお恥ずかしい……」

 

千川は純粋に、勇人は先程の仕返しをするかの様に微笑みながら美奈を誉めると勇人は『ある事』を思い出したのか「あ!?」と少し呆気染みた声を上げ、大鯨に聞いた

 

勇人「治療に専念していて『本題』を聞くの忘れてた……大鯨、少し聞きたい事があるのだが……大丈夫か?」

 

大鯨「ん?聞きたい事?」

 

大鯨は首を傾げると勇人は少し抵抗があるのか、俯きながら聞いた

 

勇人「……『道中 潤』について聞きたいんだが?」

 

大鯨「ッ!?妹様を!?」

 

勇人は大鯨に道中について聞こうとした途端、大鯨は再び怯え始めると勇人は大鯨を安心させるかの様に優しく言った

 

勇人「安心しろ……これは、お前を()()為に聞くんだ……それに書類上、お前は()()扱いになっているから連中に狙われる事は無ぇよ」

 

大鯨「良かっ……へ!?ご……轟沈!?しかし……私は生きて……」

 

大鯨は安心感を得たのと同時に自分が轟沈……死亡扱いになっていた事に驚きつつ、生きている自分に戸惑いながら勇人に聞くと、勇人は轟沈扱いになった経緯を簡潔に説明を始めた

 

勇人「それに関しては大鯨……いや全ての艦娘の体内にある装置『ECS』……まぁ艦娘のコンディションを提督に伝える装置だけど、その装置を弄り、誤作動を起こしたんだ……勿論、後で『新しいECS』に交換するから心配しなくて良いぞ」

 

千川「……交換?そのまま再起動させた方が良いのでは?」

 

勇人「馬鹿、交換せずに再起動させるとECSの味方識別信号(IFF)が大鯨の()ボスに伝わる様に設定されているから、交換しないと駄目なんだ」

 

美奈「なら、その……IFFでしたっけ?その信号だけを書き換える事は出来ないのですか?」

 

美奈は勇人に質問すると、勇人は頭を横に振り、答えた

 

勇人「それは無理だ……コードを書き換える為には、大鯨を一旦『仮死状態』にさせないといけないからな……これ以上、大鯨に負荷を与えたくねぇ」

 

美奈「仮死状態!?信号を書き換えるだけで大鯨さんを!?」

 

美奈は勇人の説明に驚くと勇人は肯定し、説明を続けた

 

勇人「ああ、しかも変更されたコードが不適合になったら大鯨は……脳がコードに照合されず、そのままショック死するんだ……だから負荷が一番掛からない方法である『交換』が一番の()()()んだよ」

 

勇人は三人に説明をすると、千川は勇人に質問した

 

千川「……んで、その新しいECSはどうやって調達するんだ?舞鶴には無いぞ」

 

勇人「……それなら()()がある、ちょっと待ってろ」

 

勇人はスマホで『ある人』に電話を始めた

 

勇人「……もしもし俺だ、ロシアでの休暇を満喫しているか……ジッチャン」

 

俊夫「ああ……ん~………久々のボルシチは旨い……さぁ柏木君、これは俺の奢りだ」

 

柏木「ゴチになります……お前、今、休暇で舞鶴に居るんだろ?」

 

勇人「お!?よく分かっt……って!?柏木と飯を食ってたのか!?」

 

俊夫「たまたま会ったんだ……んで用件は?」

 

柏木「またトラブルか?」

 

千川「ッ!?ジッチャン!?まさか……上城財閥会長の『上城俊夫』さん!?それに柏木大将!?」

 

美奈「ああ……そう言う訳でしたか……」

 

大鯨「ほげぇぇぇ!?大将が何故、会長と!?」

 

勇人が電話している相手が勇人の祖父こと俊夫とロシアに駐在している柏木だと知り、千川と大鯨は驚き、美奈は納得したが勇人は三人を無視し、本題に入った

 

勇人「予備の『大鯨のECS』って、まだあるのか?」

 

柏木「大鯨のECS?呉には無いぞ」

 

俊夫「大鯨ちゃんのECS?なら家に置いてあるんだが……欲しいんか?」

 

勇人「ああ……説明する手間が省けたぜ」

 

俊夫は勇人の真意が分かったのか、質問で返すと勇人は少し明るい口調で肯定すると、俊夫は勇人に質問を投げた

 

俊夫「だが……所属コードは入力されていないぞ」

 

勇人「それなら此方で入力する」

 

俊夫「……分かった、予備のECSは、お前のガレージに保管してあると思うから取りに来い」

 

勇人「サンキュー!()()()取りに行くわ」

 

俊夫「すぐに?まぁいい、大鯨ちゃんを必ず完治させろよ……んじゃ」

 

柏木「頑張れよ……兄弟、早く大鯨を元気にさせろよ」

 

勇人は電話を切り、安堵したかの様に胸を撫で下ろし、大鯨に言った

 

勇人「あちゃ……ジッチャンと柏木に大鯨の事がバレていたか……大鯨、少し聞きたい事があるんだ」

 

大鯨「はい?」

 

勇人「お前の転属先の事だが、佐世保と舞鶴……どっちが良い?」

 

大鯨「へ!?て……転属!?」

 

勇人は所属コードを入力する為に大鯨が行きたい鎮守府について聞くと、大鯨は勇人の言葉に少し混乱し、千川は勇人に質問した

 

千川「何故そんな事を言うんだ?」

 

勇人「……予備の大鯨のECSには『所属に関するコード』が入っていないんだ……だから」

 

美奈「此処で決める……という訳ですね」

 

千川「成程……大鯨君、これは難しく考えない方が良いぞ……ウチでは交通の便があるし、観光スポットが山程あるんだ」

 

千川は勇人の説明に納得し、さりげに舞鶴鎮守府に配属する様に勧誘すると、勇人はツッコミを入れる様に言った

 

勇人「オイコラ、さりげにアピールすんな……まぁ佐世保鎮守府は他の鎮守府の艦娘達から『リゾート鎮守府』と言われている位『快適』で舞鶴と負けず劣らずの観光名所が多数あるんだ……しかも設備や訓練等の鎮守府本来の質の高さは大本営以上だ」

 

美奈「そうですね……佐世保は全てにおいて()()と言われても仕方無い位の質の高さを誇っていますからね……」

 

千川「なっ!?上城もアピールするな!!」

 

勇人「うるせぇ!後、間宮!変態は余計だ!!」

 

勇人は少し顰めっ面になり、ツッコミを入れる様に反論すると美奈は勇人の異常性について答えた

 

美奈「いやいやいや!あれはホワイトやリゾートを通り越して()()()()()で変態鎮守府や!!未来の艦娘であるメンタルモデルの軍艦(身体)を治したり、軍艦『金剛』を『移動要塞』に改造するわ、艦娘全員に『クライアントシールド』や『MTフィールド』を装着させたり……普通の鎮守府では『ありえへん』よ!!」

 

勇人「そうか?ちなみに『クライアントシールド』じゃなくて『クラインフィールド』、そして『MTフィールド』じゃなくて『ATフィールド』だ」

 

千川「良く軍法違反にならなかったな……お前……」

 

勇人「フン、こう見えて『総理大臣』から直々に許可を貰っているから軍法上『()()』だ……財閥の権力を使って脅したが……」

 

千川「オイコラ、今()()()()()()()()()を聞いたぞ」

 

千川は勇人の呟きにツッコミを入れる様に少し強い口調で聞くと勇人は笑いながら答えた

 

勇人「ハハッ!気にするな、さて大鯨……お前の希望を聞きてぇ……何処に配属したいんだ?」

 

勇人は大鯨に聞くと、大鯨は眉を八の字になり、腕を組みながら困り、考えていた

 

大鯨「いきなり言われても……なら舞鶴鎮守府と移動要塞になっている軍艦『金剛』の内部を見てからで良いですか?決めるのは『その後』で……」

 

美奈「……そうですね」

 

千川「そうだね、それじゃ案内するよ」

 

勇人「分かった、んじゃ……まずは舞鶴鎮守府からだ……行くか」

 

ヒョイ!

 

大鯨「ッ!?ちょ!?大将!?」

 

美奈「あら……あらあら♪お姫様抱っことは紳士的ですね♪されてみたいですね♪」

 

勇人「……一回しただろ間宮、行くぞ」

 

大鯨は配属する際の判断材料が足りないのか、舞鶴と軍艦の内部を見てから決める事を勇人達に言うと、三人は納得し、勇人は大鯨をお姫様抱っこをし、内部を案内した

 

だだ……

 

大鯨「あの……大将、着替えてくれませんか?胸の筋肉が……」

 

勇人「あ!?悪い……」

 

間宮「しかし、凄い胸筋ですね♪」

 

大鯨「そうですね……相当鍛えられていますね」

 

勇人「だろ?」

 

千川「でも……『上城の雄ッパイ(それ)()()()のでしょ?」

 

勇人「御安心下さい!筋肉の緩急的な意味で柔らk……って!千川!どこぞのテレビショッピングみたいに弄るの止めまぁ!」

 

千川「いやいやいや、お前こそ悪乗りするな……」

 

脱衣場で千川の弄りに呆れ、ツッコミを入れる勇人だった

 

 

 

 



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第84話「案内 舞鶴鎮守府編」

1000 舞鶴鎮守府 執務室にて

 

大鯨「ほげぇ……此処が執務室ですか……」

 

勇人「相変わらず寂しい部屋だな……もう少しインテリアを増やしたら?」

 

千川「そんなに寂しい部屋か?」

 

美奈「そうですよ、大将の言う通り、何かインテリアを買えば良いじゃないのですか?」

 

千川「ふむ……後で検討してみよう」

 

勇人は車椅子に乗せた大鯨を押しながら千川の仕事場である執務室に来ていたのだ

 

勇人と美奈は千川のシンプル……というより質素な仕事場(執務室)の内部を見てアドバイスをすると千川は素直に聞き、少し考えると美奈と千川は勇人に質問をした

 

美奈「大将、参考までに御聞きしたいのですが……佐世保の執務室はどんな感じにしているのですか?」

 

千川「良かったら教えてくれないか?」

 

勇人「佐世保(ウチ)か?佐世保(ウチ)は季節やイベントに合わせてインテリアを変えているんだ……例えば夏なら屋台や浮き輪等を配置し『海の家』にしたり、正月なら炬燵に鏡餅を置いたりしているんだ」

 

美奈「へぇ……なんか楽しそうな執務室ですね」

 

勇人「……そうか?俺は艦娘達の為に行ったまでだ……お陰で財布が軽くなったが……」

 

千川「……同情するよ」

 

千川は勇人の呟きが聞こえたのか、勇人の肩に手を添え、慰めると執務室に訓練の報告しに来た勇人側の一航戦が入って来た

 

赤城「提督に少佐、訓練の事について……って大鯨さん、大丈夫ですか?」

 

大鯨「はい、御心配をお掛けました」

 

加賀「提督、何をやっているのですか?」

 

勇人「ん?ああ……大鯨の配属先についてな」

 

加賀「配属?」

 

加賀は勇人の言葉に首を傾げると美奈は二人に分かりやすく説明した

 

美奈「ECSのコードを入力する際、配属先を決めないといけないので、鎮守府と軍艦『金剛』を案内していたのですよ」

 

赤城「そうだったのですか……」

 

加賀「ちなみに何処に配属するのですか?」

 

赤城は納得し、加賀は大鯨に聞くと、大鯨は少し難しい顔になり、答えた

 

大鯨「う~ん……今の所『佐世保』の方が良いと思っています……」

 

勇人「ほぅ……佐世保(ウチ)にか……」

 

赤城「え!?佐世保に!?」

 

加賀「是非とも佐世保に来て下さい!!歓迎します!!」

 

二人は大鯨の言葉に嬉しそうに言うと、それを聞きつけた千川側の一航戦が入り、二人に反論した

 

千川側の赤城「ちょっと待ったぁぁぁぁ!!大鯨さん!今からでも遅くありません!!すぐに考え直して下さい!!」

 

千川側の加賀「そうですよ!!色んな意味で()()()()()()()()()()()()()()()なんかより、舞鶴の方が良いです!!」

 

勇人 一航戦「ッ!?」

 

美奈 千川側の赤城「あ!?加賀さん!!それ『禁句』!!」

 

千川「あの馬鹿……」

 

千川側の加賀「え?私……何か不味い事でも……」

 

美奈「当たり前です!!」

 

千川側の加賀が無意識とは言え『言ってはいけない事』を言ってしまったのか、美奈と千川は顔面蒼白になり、急いで千川側の加賀を叱ろうとしたが……

 

勇人「オイコラ、誰の家族がキ〇ガイだ?加賀ァ!!!」

 

赤城「轟沈する(死ぬ)覚悟は出来ていますか?」

 

加賀「……頭に来ました」

 

千川側の加賀「ヒッ!!!!!」

 

美奈が千川側の加賀を叱る前に勇人は『Ars move』になり、一航戦は艤装を展開し、殺意丸出しの状態で千川側の加賀に脅すと千川側の加賀は恐怖のあまり腰を抜かし、泣きながら縮こまると美奈も『あの時』のトラウマが再発したのか、少し震えながら勇人に言った

 

美奈「た……たたた大将……お……落ち着いて下さい……加賀さんも悪気があって言ったんじゃ……」

 

千川「加賀君!!今すぐ謝るんだ!!殺されるぞ!!」

 

千川側の加賀「わ……分かりました!!大将に赤城さんにアッチの私……侮辱してスミマセンでしたぁぁぁぁ!!」

 

千川側の赤城「加賀さんを許して下さい!!!」

 

千川側の一航戦は泣きながら三人に土下座をすると、勇人は舌打ちをし、艤装を解除し、ドスの効いた声で二人に言った

 

勇人「チッ……今度から気を付けろよ……()()()()からな……二人共、艤装を解除しろ」

 

赤城「……分かりました」

 

加賀「……チッ」

 

美奈 千川「ホッ……」

 

千川側の一航戦「ガタガタガタ………」

 

勇人は二人に命令すると赤城は渋々、加賀に至っては納得いかないのか舌打ちをしながらも艤装を解除した

 

大鯨「ほげぇぇぇぇ!?た……大将が……何故『艤装』を!?」

 

大鯨は勇人達の殺気に怖じけつつ、勇人が艤装を展開出来た理由について聞くと勇人は少し不機嫌になりながらも大鯨に言った

 

勇人「……昔の事故でなったんだ……後は聞くな」

 

千川「まぁ一応『アレ』は核兵器よりヤバいから国自体が『アレ』を『特別防衛機密』に指定されているんだ……聞かない方が身の為だ」

 

大鯨「特別防衛機密レベルの!?わ……分かりました……」

 

大鯨は勇人の艤装が特別防衛機密だと知ると、驚愕しながらも勇人の艤装について触れるのを止めると、勇人は一段落したのか、一呼吸を尽き、みんなに言った

 

勇人「さて、鎮守府内を全て見て回ったし……次は軍艦『金剛』の内部を案内するぜ……行くぞ」

 

美奈「宜しくお願いします」

 

大鯨 千川「ゴクッ……」

 

赤城「私達は御遠慮させて頂きます」

 

勇人「ん?何でなん?」

 

勇人は一航戦の二人が残る事に少し疑問視すると、加賀は微笑みながら言った

 

加賀「私達は『この子達』と『御話し(訓練)』をしないといけないので……」

 

赤城「ええ……あの二人に『侮辱した罰(特別な訓練)』を受けさせる為に……ね?御二人さん?」

 

千川側の一航戦「ッ!?提督……間宮さん……助けて下さい……」

 

勇人側の一航戦が微笑みながら千川側の一航戦を睨み付けると、二人は怯えながら千川と美奈に助けを求めたが……

 

美奈「無理無理無理!!!そんな事をしたら大将が……」

 

千川「……上城の方の一航戦、ほどほどに御願いするよ」

 

勇人「……やり過ぎるなよ」

 

赤城「フフ……分かっていますよ」

 

加賀「さて、貴女達の提督から許可を貰いましたので……行きますよ」

 

ガシッ!

 

ズルズル……

 

千川側の一航戦「嫌だぁぁぁぁ!!死にたく無いぃぃぃ……」

 

ガチャン……

 

勇人側の一航戦は助けを求めている千川側の一航戦の襟を掴み、そのまま引き摺りながら執務室を後にした

 

千川「……大丈夫かな……」

 

勇人「大丈夫だ……アイツらも加減しながら訓練するさ……多分

 

美奈「アハハハ……」

 

大鯨「……自業自得とは言え、御愁傷様です」

 

勇人「それな……んじゃ、今から軍艦『金剛』の内部を案内するぞ」

 

執務室に残った四人は千川側の一航戦に同情するかの様に合掌しつつ、勇人が改造した『移動要塞』である軍艦『金剛』に向けて足を運んだ

 

 

そして佐世保鎮守府 第二前衛基地 執務室では……

 

 

群像「あの……犬走さん」

 

椛「……はい?」

 

群像は向かい席に座っている椛に『ある事』いや『椛の隣に座っている女性』について聞いた

 

群像「隣の『巫女さん』は誰ですか?」

 

椛「……私の上s……知人の『東風谷 早苗』さんです」

 

群像「知人……ですか……」

 

群像は椛の隣に座っている女性こと早苗について聞くと、早苗は微笑みながら答えた

 

早苗「ええ、私が椛の知人でもあり、ハヤチャン……いえ群像君の祖父である『上城勇人』の()()よ」

 

群像「……え?お祖父ちゃんの……彼女?」

 

椛「群像さん、一応訂正を入れますが彼女は貴方のお祖父様の『元カノ』です……それに早苗さん、此処では『彼女発言』は止めて下さい!色々と問題になりますから!」

 

群像「……そうでしたか」

 

早苗「ちぇ……」

 

群像は早苗の爆弾発言に少し驚いたのか、呆気ない口調で質問し、椛が早苗の発言に訂正を入れながら答えると群像は安堵し、お茶を啜ると……

 

バーン!!

 

早苗「ッ!?」

 

群像 椛「あ……」

 

突然、何者かによって扉が爆破され、早苗は驚き、椛と群像は爆破した犯人が分かっていたのか、少し呆れ始めた

 

その犯人とは……

 

金剛「テートクのgirl friend(彼女)!?どういう事デスか!?」

 

榛名「許さない……榛名の提督を……」

 

鹿島「早苗さん……少し御話しをしませんか?」

 

比叡「ヒェーー!?落ち着いて下さい金剛御姉様!!」

 

霧島「榛名も落ち着いて!」

 

香取「鹿島!!彼女は提督の元カノよ!!だから正気に戻って!!」

 

武蔵「すまない犬走少尉に群像……客人の前で……」

 

目のハイライトが消え、殺意に満ちた表情で艤装を展開した金剛と榛名そして鹿島が執務室の扉を破壊したのだ

 

そして比叡と霧島そして香取が慌てて三人を止めるかの様に羽交い締めをし、武蔵が申し訳無さそうに椛達に謝罪すると椛と群像は頭を抱えながら、早苗は微笑みながら答えた

 

椛「はぁ~……遅かったか……」

 

群像「ったく……あの天然タラシが……」

 

早苗「別に構わないですよ……お久しぶりです『たけぞう』さん」

 

早苗は武蔵を一馬側の方だと勘違いをし、頭を下げると武蔵は「やっぱりか……」と呟き、少し頭を抱え、早苗の言葉を訂正する様に答えた

 

武蔵「……それは提督の『父親』の方だ、それに私は貴女とは『初対面』だが……」

 

早苗「あ……スミマセン……てっきり……」

 

早苗は勇人側の武蔵を一馬側の武蔵(たけぞう)だと勘違いをし、申し訳無さそうに武蔵に謝罪すると、武蔵は微笑みながら答えた

 

武蔵「フッ……気にするな、一般人からすれば同艦の区別は出来ないからな……一応知っていると思うが、私は大和型二番艦『武蔵』だ、宜しく頼む」

 

早苗「ハヤt……上城大将の『()交際相手』で『友人』の東風谷早苗です、先程は失礼しました」

 

金剛「ッ!?」

 

武蔵と早苗は互いを握手すると金剛は早苗の『ある言葉』に反応したのか、鬼気迫る様に質問した

 

金剛「テートクの『元カノ』デスか!?それじゃ……テートクの『初めて』を奪ったのは……東風谷さん、貴女デスか!?」

 

榛名 鹿島「ッ!?」

 

群像「ブッ!?ちょ!?金剛さん!!朝から何を言っているのですか!?早苗さんが困っています!!」

 

金剛「群像は黙って下サーイ!!さぁ!早く答えるのデース!!」

 

榛名「答えて下さい!!」

 

鹿島「どうなのですか!?」

 

金剛、榛名そして鹿島は群像の言葉を遮り、早苗に鬼気迫る勢いで質問……というより尋問を始めると、早苗は勇人と付き合っていた頃を思い出したのか、赤面しながら答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早苗「……ハヤチャンは『初めて』かどうかは分かりませんが……私の『()()()』をあげましたよ」

 

金剛 榛名 鹿島「なん……だと……」

 

早苗の爆弾発言に三人は崩れ落ちるかの様に膝を付き、ショックのあまり言葉を失った

 

群像「何て言うか……その……『巫女』として『その発言』は不味いんじゃ……」

 

椛「……全くです」

 

武蔵「()とは言え……流石、提督の彼女だ……相当、肝が据わっているな……」

 

群像達は早苗の発言に色んな意味で呆れると、早苗は微笑みながら答えた

 

早苗「フフフ……こういうのは常識に()()()()()()()()()のですよ武蔵さん」

 

武蔵「……皮肉のつもりで言ったんだが……」

 

群像「早苗さん……それ、お祖母ちゃんに()()言わないで下さい」

 

早苗「お祖母ちゃん?」

 

早苗は群像の『祖母』について聞くと、群像の代わりに武蔵が答えた

 

武蔵「副総司令官の『桜花優花』大尉の事だ」

 

早苗「あぁ……成程……蘭花さんの隣に飾っている写真の女性が群像君の祖母でハヤチャンを狙っている女性ですね……あの女には絶対渡さないわ

 

早苗は執務室に飾っている『歴代の提督達の写真』の中に『蘭花と同じく女性用の提督服を着た若い女性』……『桜花優花』と書かれていた写真を見付け、対抗心を燃やしているのか、嫉妬しながら納得すると武蔵は早苗の呟きが聞こえたのか、少し呆れながら言った

 

武蔵「……これ以上、佐世保(ウチ)を修羅場にするの止めてくれないか?提督が心労で倒れるからな」

 

早苗「フフフ……必ずハヤチャンと寄りを戻して……群像君とは違う『未来』を作ってやるわ……」

 

武蔵「人の話を聞けよ」

 

群像「うわ……まるでタカオを見ている気分だ……」

 

霧島「……同感です」

 

群像は早苗を見て、群像の世界に残っているタカオと被ったのか、少し呆れながら言うと霧島もまた呆れながら同意した

 

ちなみに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブルッ……

 

勇人「ッ!?」

 

美奈「どうしたのですか?」

 

美奈は軍艦『金剛』に向けて移動中の勇人が震えたのを感じ取り、恐る恐る質問すると勇人は少し青ざめながら答えた

 

勇人「何か寒気が……」

 

美奈「風邪を引いたのですか?」

 

勇人「違う……この感覚……()()味わった感覚だ」

 

美奈「……あまり無理しないで下さいね」

 

勇人「ああ」

 

美奈は何かを察したのか同情する様に優しく勇人に問い掛けたのは言うまでも無かった



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第84話「案内 戦艦(移動要塞)『金剛』編」

1200 佐世保鎮守府 食堂にて

 

早苗「へぇ……此処が食堂ですか……」

 

椛「はい」

 

早苗は椛の案内で食堂に来ると、勇人が所属する佐世保鎮守府の艦娘そして蒼き鋼全員が早苗の事を注目し始めた

 

摩耶 杏平「……デケェ胸だな

 

長門「ほう……彼女が犬走少尉の知人か……」

 

ビスマルク「らしいわね……何か服装も『金剛型』に似ているわ……彼女……」

 

マヤ「……というより、あの人……鈴谷お姉ちゃんに似ているね」

 

熊野「そうですわね……」

 

妙高「青葉さん、よく彼女……早苗さんの情報を掴めましたね」

 

妙高は早苗と勇人の関係を掴んだ青葉に聞くと、青葉は意気揚々と答えた

 

青葉「はい!イオナさんのお陰で彼女の素性が分かりました!」

 

イオナ「これ位、動作でもないよ」

 

妙高「ご苦労様です二人共……お陰で彼女が『龍光会のスパイ』では無い事が分かりました……ありがとうございます」

 

イオナ 青葉「いえいえ」

 

群像「何しれっと犯罪行為をしているんだ……この人達……」

 

妙高は青葉とイオナを労うと早苗は群像を見付け、昼食が乗せてある御盆を持ちながら質問をした

 

早苗「群像君……隣、良い?」

 

群像「良いですよ」

 

イオナ(ッ!?この人……普通の人間とは……違う……)

 

青葉「……貴女が東風谷早苗さん……てしたっけ?少し御聞きしたい事があります」

 

早苗「良いですけど……群像君、彼女達は?」

 

早苗は群像と同席している妙高と青葉そしてイオナについて聞くと、群像は簡潔に説明した

 

群像「『妙高』さんと『青葉』さん、そして俺達『蒼き鋼』の仲間の『イオナ』だ」

 

イオナ「……宜しく」

 

妙高「妙高です、貴女の経緯は青葉さんから聞きました」

 

青葉「どーも♪青葉です♪早速ですが『取材』しても良いですか?」

 

早苗(え!?しゅ……取材って……何か……青葉さんって……幻想郷(ウチ)のパパラッチに似ているなぁ……まぁ『あの人』ほど酷くは無さそうから大丈夫かな)

 

青葉はジャーナリストの血が騒いだのか、少し興奮しながら聞くと、早苗は『知人』と被ったのか、少し懐かしながら答えた

 

早苗「良いですよ」

 

青葉「それでは……まず一つ目、司令との関係は?」

 

早苗「私の()()()で友人です」

 

艦娘全員「ブッ!?何だって!?」

 

青葉「アヤヤヤヤ!!司令官の元カノ!?」

 

早苗「はい……まぁ高校を卒業する時に別れましたが……」

 

早苗の答えにその場にいた艦娘全員が驚き、青葉もまた驚きつつ興奮し、答えた

 

青葉「アヤヤヤヤ……司令にしては甘酸っぱい恋愛をしていたのですね……」

 

群像「意外だ……あのお祖父ちゃんが……」

 

早苗「甘酸っぱいって……」

 

妙高「青葉さん、早苗さんと提督の恋話を聞いてどうするのですか……私達が聞きたいのは『()()()』では無いでしょ?」

 

妙高は青葉が取材(尋問)の主旨を間違っている事に呆れながら指摘すると、青葉は咳払いをし、神妙な表情で早苗に質問を始めた

 

青葉「ゴホン!……では質問を再開しますが……単刀直入に言います……佐世保に来た目的を教えてくれませんか?司令に逢いたかったら舞鶴に行けば良いじゃないのですか?」

 

青葉は早苗が佐世保に来た理由について聞くと、早苗は微笑んだ表情から一転、神妙な表情になり、佐世保に来た理由を答えた

 

早苗「実は佐世保の皆様に御願いしに参りました」

 

妙高「御願い?」

 

妙高は早苗の御願いについて聞くと、早苗は頷き、本来の目的である佐世保鎮守府を訪問した理由を言った

 

早苗「はい……御願いというのは……舞鶴に居るハヤt……上城大将の()()()()()()を助けて欲しいのです」

 

群像「前世……ですか……」

 

妙高「それで……提督の前世の家族って言うのは誰の事ですか?」

 

早苗「それについては今、舞鶴鎮守府に起きた問題と共に説明します……」

 

早苗は今、勇人達が抱えている問題や前世そして早苗を初め、幻想郷の住人達が勇人と協力している事を事細かに説明し始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方 舞鶴鎮守府 軍艦(移動要塞)『金剛』の司令部にて

 

勇人「此処が佐世保の移動要塞……軍艦『金剛』の司令部だ」

 

千川「すげぇ……」

 

大鯨「見た事の無い機材が沢山ありますね……」

 

美奈「何かSFの映画に出てきそうな部屋ですね」

 

千川「そうだね」

 

千川達は勇人の案内で軍艦内部の司令部を案内すると、千川達は司令部の近未来の設備に只々、驚いていた

 

勇人「千川に間宮、座ってみるか?」

 

千川「え!?座るって……お前の席にか!?」

 

美奈「ウチが大将の席に!?」

 

千川と美奈は勇人にサプライズに驚きつつ、嬉しそうに聞くと、勇人は微笑みながら言った

 

勇人「ああ……蒼霧事変の時(あの時)に世話になったからな……これ位してもバチは当たらん」

 

千川「マジかよ!?んじゃ……御先に失礼して……」

 

千川は興奮しながら艦長用の席……勇人の席を座ると、座った視線が全てのモニターを確認出来る様に再調整されているのか、更に興奮しながら言った

 

千川「スゲェ……まるで宇宙戦艦ヤ〇ト……いやガン〇ムに乗っている感覚だ……VRゲームと比べ物にならない位『現実的』だ……」

 

勇人「宇宙戦艦〇マトって……まぁ戦艦は当たっているが……」

 

勇人は興奮した千川に苦笑すると軍艦の持ち主であるコンゴウが微笑みながら司令部に入ってきた

 

コンゴウ「なら少佐、このまま宇宙に行ってみるか?」

 

千川「え!?」

 

美奈 大鯨「あ!?コンゴウさん、お邪魔してます」

 

美奈と大鯨はコンゴウに一礼すると、コンゴウは微笑みながら「気にするな、寛いでくれ」と言うと、千川は先程のコンゴウの発言に驚き、聞いた

 

千川「コンゴウ……これ宇宙まで行けるのか!?」

 

コンゴウ「超重力砲とクラインフィールドを使えば可能だ」

 

勇人「止めろ、超重力砲で地球が崩壊する」

 

コンゴウ「なら艦長のファイヤーミラーで……」

 

勇人「俺を殺す気か!!」

 

コンゴウ「フフ……冗談です」

 

勇人「加賀みたいに言うな」

 

美奈(どう見ても夫婦漫才しか見えへんな……)

 

千川「……上城を敵に回さなくて良かった」

 

大鯨「……全くですね……藍さんに感謝しないといけませんね……」

 

千川達は勇人とコンゴウのぶっ飛んだ発言に驚愕しつつ、改めて勇人の異常性に肝が冷え、同時に勇人が味方だという事を安堵したのは言うまでも無かった

 

勇人「……ったく、んで大鯨、一通り案内したが……決まったか?」

 

勇人は本来の目的である大鯨の配属先について聞くと、大鯨は悩みながら申し訳無さそうに言った

 

大鯨「うーん……舞鶴と佐世保……両方共『魅力的』で楽しそうで……正直言って、まだ……」

 

大鯨は未だに悩んでいる事を勇人と千川に伝えると、二人は大鯨の心情を察し、微笑みながら言った

 

勇人「……まぁ焦る事は無ぇさ、お前の親玉(元提督)と道中との()()し終えた後でも良いからな」

 

千川「そうそう、気長に考えれば良いよ」

 

大鯨「本当にスミマセン……」

 

美奈「復讐って……完全に悪人じゃないですか」

 

美奈は勇人の発言に呆れながらツッコミを入れると勇人は鼻で笑いながら答えた

 

勇人「悪人は兎も角、復讐は間違っちゃいねぇだろ?」

 

美奈「確かにそうですけど……」

 

千川「間宮……上城という男は『()()()()()』だから……」

 

美奈「……泣けますね」

 

勇人「オイ、それ俺の……まぁ良い、もう昼時だから食堂に移動するぞ」

 

勇人は美奈のセリフに不満があるのか、少しだけ顰めっ面になりながらも昼食を取りに美奈達を連れて食堂へ足を運んだ




何か最近、ウチのオリ主が徐々に悪人になっている様な……
書いている私が言うのも変ですが……これじゃ、どっちが悪人か分からないですね( ;´・ω・`)


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第85話「早苗の願い」

1300 佐世保鎮守府 食堂にて

 

早苗「……という訳です」

 

早苗は今起きている舞鶴の問題である勇人の前世の妻子である美奈と未来の為に5年前『捨てた能力』を再び取り戻した事や勇人の魂が分割された事、幻想郷の住人達が勇人に協力している事、そして一番の問題である道中について事細かに説明すると、その事に居た全員が黙り混み、黙然とした状態を変える様に那智が早苗に聞いた

 

那智「……つまり貴s……じゃなかった、貴女は今、提督が()()()()()()()を片付けるのを()()()()()()()……という訳だな?」

 

那智が簡潔に早苗の要望を纏め、質問すると、早苗は頷き、肯定した

 

早苗「はい……」

 

青葉「……何か色々とブッ飛んだ問題ですね……司令官が『森羅万象を司る(化け物染みた)能力』を手に入れたり、前世の妻子の関係や李の妻である道中の復讐、更に貴女達『幻想郷』の人達が青葉達と『()()()()()()』なんて……とてもじゃないですが、()()()()()()()ですね」

 

青葉は今、勇人が抱えている問題や早苗の要望を簡潔に纏めつつ、あまりにも現実離れした問題に早苗の言葉に信用出来ず只々、呆れていた

 

早苗「確かに現実離れをした『ブッ飛んだ問題』ですが……これは本当の話です!!皆さん!信じて下さい!!御願いします!!」

 

早苗は自身の説明に信用していない青葉達に訴える様に少し涙声になっているが、強く、はっきりとした口調で頭を下げると、頭を下げた早苗を見て『ある艦娘』が早苗に優しく言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

足柄「……私は()()()()わ、早苗ちゃん……私達に出来る事があれば教えて!」

 

隼鷹「異世界の住人との共同作戦か……面白そうじゃん!私は()()()()!」

 

早苗「ッ!?……あ……足柄さんに……隼鷹さん……ありがとうございます!」

 

そう、足柄と隼鷹が早苗の言葉を信じ、早苗の要望を承諾すると、早苗は二人が信用してくれた事に感謝し、頭を下げると二人は懐かしいそうに早苗に言った

 

隼鷹「気にすんなって!しかし昔と変わっていないんだな……確か……何年振りだっけ?」

 

足柄「ハァ……()()よ、お久しぶりね……()()()()()

 

早苗「5年……それに……その()()は学生時代の……ッ!?まさか……蘭花さんの!?」

 

早苗は二人の発言に学生時代の事を思い出し、二人は曾て蘭花の秘書艦だった事を知り、驚愕しながら聞くと、二人は微笑みながら言った

 

足柄「漸く思い出してくれたわね……サナチャン」

 

隼鷹「久しぶり!!相変わらず良い乳しているな!!」

 

ムニュ……

 

早苗「ちょ!?早速セクハラですか!?」

 

隼鷹「良いじゃん♪減るモンでもないし♪」

 

モミモミモミモミ………

 

早苗「それ、完全に『酔っ払ったタチの悪いオッサン』のセリフですよ!!ってか離して下さい!!」

 

飛鷹「………いい加減にしろ!!このドアホ!!」

 

ゴン!!

 

隼鷹「ひでぶ!!」

 

隼鷹は早苗に抱き着きながら、早苗の豊満な胸を鷲掴みしながら早苗との再会を嬉しそうに言い、早苗は隼鷹の酔っ払いのオッサン染みた(セクハラ)行為から解放したいのか、暴れていると隼鷹の背後から飛鷹が隼鷹の頭に拳骨を与え、早苗に頭を下げ、謝罪をした

 

飛鷹「……ごめんなさい早苗さん、ウチの隼鷹(バカ)が……」

 

隼鷹「痛ッ~………飛鷹!!誰がバカだ!!」

 

飛鷹「アンタ以外、誰が居るのよ!!アンタの知り合いとは言え、挨拶代わりにセクハラをする艦娘(馬鹿野郎)なんて居ないわよ!!ほら!アンタも謝りなさい!」

 

妙高「隼鷹さん!!」

 

隼鷹「ちぇ……ごめんな……ちと『やり過ぎ』たわ」

 

早苗「はぁ~……別に良いですけど……」

 

隼鷹は飛鷹と妙高の一喝に反省したのか、頭を掻きながら謝罪すると早苗は少し呆れながら許すと杏平は少し前屈みになりながら小声で群像に言った

 

杏平「群像、少しトイレに行ってくる……」

 

群像「ハァ……」

 

静 いおり イオナ「……最低」

 

僧「()としての気持ちは分かりますが、此処は耐えて下さい」

 

杏平「はい……完全に生殺しだ……」

 

杏平は蒼き鋼全員に説得(非難)され、渋々、我慢するのであった

 

陸奥「……ねぇ早苗ちゃん」

 

早苗「はい、何でしょうか?」

 

陸奥「幻想郷の住人達って、全員『能力』持ちなの?」

 

陸奥は能力について聞くと、早苗は微笑みながら了承し、答えた

 

早苗「全員が能力を持っている訳ではありません、持っているのは神様、妖怪、妖精、天狗、魔女、鬼そして一部の人間しか持ってませんよ」

 

陸奥「神様に妖怪それに鬼!?まさか早苗ちゃんや犬走少尉も!?」

 

陸奥は早苗の発言に驚き、椛と早苗に聞くと、二人は至極当然な表情で答えた

 

椛 早苗「はい、持っていますよ」

 

陸奥「……ちなみに、どんな能力を?」

 

陸奥は二人の言葉に呆れながら聞くと、二人は自身の能力について簡潔に説明した

 

椛「私は『千里先まで見通す程度の能力』です」

 

陸奥「千里!?一里って大体4㎞だから……ッ!?()()()()()先まで見えるの!?」

 

椛「そうですよ」

 

陸奥「艦載機要らずの能力だわ……羨ましいわ……」

 

長門「マサイ族みたいな能力だな……それで早苗さんは、どんな能力を?」

 

陸奥は椛の能力に驚き、長門も椛の能力に少し驚きながらも早苗の能力について聞くと、早苗は言いたく無いのか、言葉を濁らしながら伝えた

 

早苗「私の能力は……あまり実用的な能力ではありませんよ……それに陸奥さんや扶桑さん、そして山城さんには()()を買ってしまうので……」

 

陸奥「反感?早苗ちゃんの能力って一体……」

 

扶桑「私達に関係のある能力なの?」

 

山城「まさか……『不幸を起こす程度の能力』では無いでしょうね?」

 

陸奥は早苗の『反感』という言葉に引っ掛かり、扶桑型と共に、更に追及すると、椛が早苗の代わりに早苗の能力の正体を伝えた

 

椛「真逆ですよ山城さん……彼女は『()()()()()()程度の能力』を持っています」

 

陸奥「……え」

 

扶桑「今……」

 

山城「私達とは無縁の言葉を聞いたような……早苗さん、貴女の能力って?」

 

三人は椛の言葉に目を瞬きをし、信じられないのか、早苗に聞くと、早苗は三人の反感を買う覚悟で自身の能力を打ち明かした

 

早苗「……そうです、私は『奇跡を起こす程度の能力』を持っています」

 

陸奥 扶桑 山城「……」

 

早苗は自身の能力を聞いてくれた三人の神妙な表情に怖くなり、そのまま黙り混んでいると、三人は早苗にとって意外な発言をした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陸奥「奇跡!?早苗ちゃん!何故、こんなに『()()()()()』能力を持っていた事を黙っていたのよ!」

 

扶桑「全くよ……私達に気を使う必要が無いじゃない」

 

山城「少しは自信を持って!これは貴女が手に入れた能力だから!」

 

早苗「………へ?妬んだりしないのですか?特に扶桑さんと山城さん……」

 

陸奥「妬む必要が何処にあるのよ?」

 

扶桑型姉妹「他の鎮守府の私達と一緒にしないで……提督が着任した時点で不幸なんて起きた事が無いわよ……提督が私達の()()を受けているから

 

長門(同情します……提督……)

 

早苗「……良かった、皆さんの寛大な心に感謝します!!」

 

早苗は三人が早苗の能力に褒め称えている事に戸惑いつつ、安堵すると扶桑は早苗の能力について聞いた

 

扶桑「気にしないで……ちなみに、その『奇跡』は早苗さん以外の人も対象になるの?」

 

早苗「……まぁ『その気』になれば()()()()()()()()()()も可能です」

 

陸奥 扶桑「ッ!?何……だ……と……」

 

山城「……早苗さん!是非、佐世保に残って下さい!!」

 

早苗は扶桑の質問に答えると、陸奥と扶桑は驚愕し、山城は早苗の能力に頼りたいのか、佐世保に残る様、強く言ったが早苗は、そんな山城に申し訳無さそうに答えた

 

早苗「スミマセン……私には巫女(本業)があるので、残る事は出来ません」

 

山城「……そうだったわね、無理難題な事を言って御免なさい……」

 

早苗「いえ、此方こそ要望に御答え出来なくてスミマセン……」

 

扶桑「早苗さんが落ち込む事は無いわ……それに山城、提督に頼んで守谷神社(幻想郷)に行ける様にすれば良いじゃない?そうすれば早苗さんの業務に支障が出ませんし、私達も非番の時に守谷神社に()()()()()()()()

 

早苗「ッ!?」

 

扶桑は落ち込んだ山城と早苗を慰めつつ、山城とは逆の提案を言うと、早苗は先程の落ち込んだ表情から一転、喜びに満ちた表情になり、意気揚々と答えた

 

早苗「それなら大歓迎ですよ!!幻想郷の住人達も貴女達『艦娘』と逢いたがっていますので!!」

 

陸奥「フフッ……決まりね」

 

長門「はぁ~……お前達なぁ……また提督の仕事を増やして……」

 

武蔵「まぁ良いじゃないか……あの義理堅い提督の事だ、この問題が終わったら幻想郷の住人に御礼参りをすると思うからな」

 

長門「……否定出来んな」

 

陸奥は微笑み、長門は勇人の仕事が増えた事に同情し、武蔵は勇人の性格を知った上で長門を窘めると青葉は早苗に言った

 

青葉「では、取材を終わらして頂きます……御協力有難う御座います」

 

早苗「此方こそ、今回の作戦の増援を認可して頂き有難う御座います!」

 

間宮「なら、今回の作戦の交流会と言う事で……皆さんと『御茶会』にしますか?」

 

陸奥「フフッ……そうね」

 

金剛「そうと決まればティータイムデース!!」

 

間宮は取材が終わった事を察し、全員と御茶会をする提案を言うと早苗を始め全員が御茶会(交流会)を始めた

 

今回の作戦の必勝祈願も兼ねて……



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第86話「紫の作戦」

1400 軍艦(移動要塞)『金剛』内部 作戦室にて

 

勇人「ふぅ……先に道中の連中を潰すか?」

 

勇次「ん~……だが、それをしたら道中の兄貴にバレるぜ……先に道中の兄貴である『道中恭一』を潰した方が良いのでは?」

 

一馬「……難しいな」

 

勇人と勇次そして一馬は煙草を吸いながら道中の所についての作戦を考えていると、同席していた千川が煙たそうに言った

 

千川「なぁ上城……換気扇が追い付いていないんだが……ゲホッゲホッ!」

 

勇人「……だから外で待ってろと言っただろ」

 

勇人は呆れながら言うと、千川は咳をしつつ、勇人の言葉を肯定しながら、質問した

 

千川「それもそうだが……何故、金剛内部の作戦室で?」

 

千川は執務室ではなく、金剛内部の作戦室で会議している理由を聞くと、一馬が、その理由を簡潔に答えた

 

一馬「そりゃ煙草は吸えるし、此処は戦場の『あらゆる局面』をVRで再現、シミュレーションが出来るからな」

 

勇次「勿論、()()()()()()()()にも対応出来るからな……あ!?兄貴、煙草頂戴」

 

勇人「……ほらよ、まぁコンゴウには少し働いて貰うがな……」

 

千川「成程な……しかし煙たいな……」

 

コンコンコン……

 

一馬「開いているぞ」

 

千川は納得すると作戦室の扉からノック音が聞こえると一馬は扉をノックした本人を招き入れると美奈が緑茶と羊羮を持参しながら入った

 

美奈「会議お疲れ様です、お茶請けを持って……って!?作戦室が煙で充満しているんじゃありませんか!!少しは換気して下さい!!」

 

千川「……間宮、一応……換気扇をフル稼働して、()()()()()だ」

 

美奈は煙草の煙で作戦室の内部が充満されている事に驚き、千川は呆れながら言うと、美奈は子供を説教する様に強い口調で三人に怒鳴った

 

美奈「……三人共!!煙草は外で吸って下さい!!いや、寧ろ今から()()して下さい!!特に大将!!医者が煙草を吸っていては患者に迷惑が掛かります!!

 

勇人 一馬「なっ!?」

 

勇次「ウェ!?」

 

三人は美奈の禁煙命令に驚きつつ、上城兄弟は強い口調で美奈に抗議した

 

勇人「おい、この軍艦は佐世保()の管轄だ!それの権限は俺しか持っていないんだ!美奈には関係無いだろうが!」

 

勇次「そうや!!兄貴が許可を出したんや!!美奈さんに言われる筋合いは無ぇよ!」

 

一馬「確かに、これは勇人が……いや、二人共……今すぐ火を消せ……千川の顔が青白くなってきているぞ」

 

千川「……ゲホッゲホッ!」

 

勇人「あ!?これは不味いな……勇次」

 

勇次「おう」

 

一馬は美奈に反論をしようとしたが、千川の表情が青白くなってきた事に気付き、二人に喫煙を止める様に言うと、勇人は千川を見て、直ぐに煙草の火を消し、勇次は千川を担ぎ、外に運んだ

 

ちなみに外で見ていた未来と電改め『美咲』、赤城そして朱里は……

 

未来「ん?火事?」

 

赤城「違いますよ、提督達が煙草を吸いながら作戦を練っているんですよ」

 

美咲「ハニャ!?煙草!?元帥も喫煙者だったとは……」

 

朱里「……やれやれ」

 

未来「三人共……ヘビースモーカーだからね……ってか煙……多くない?」

 

赤城「……そうですね、提督達も禁煙すれば良いのに……ねぇ教官?」

 

朱里「……それが出来れば苦労はしないわよ……私も

 

美咲「教官も吸うのですか……」

 

朱里「ええ、だけど電子煙草しか吸わないから喫煙者に入るかどうかは分からないが……」

 

未来「まぁ、お父さんみたいにヘビースモーカーにならなければ良いけど……」

 

朱里「……改善するわ」

 

軍艦から排出される大量の煙草の煙を見て呆れる四人であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後 舞鶴鎮守府 作戦司令室にて

 

勇人「……ったく、喫煙者にとって世知辛い世の中になったな」

 

勇次「……全くだ」

 

一馬「今回ばかりは仕方無いな……蘭花も身籠っているからな」

 

優花「そうですね」

 

四人は『()()()()!明石印の禁煙飴 ミント味』を舐めながら今回の作戦内容を練っていた

 

美奈「ったく……明石さんに大尉、夕張さんもスミマセン……作業を中断させてまで飴を作らせてしまって……」

 

美奈は明石に謝罪すると明石と優花は笑顔で、夕張は残念そうに答えた

 

明石「気にしないで下さい、私達も提督のヘビースモーカーには頭を悩ませていましたから」

 

優花「まぁ『あの問題』は駆逐艦達には悪影響だからね……良かった、入隊前に禁煙して

 

夕張「私は喫煙する提督の姿が好きだったのに……残念です」

 

美奈「……これで禁煙が出来れば良いのですが……」

 

美奈は少し苛ついている勇人達を見て頭を抱えながら呟くと作業司令室の天井から隙間が現れ、隙間から紫が煙管(キセル)を吹かしながら現れた

 

紫「ふぅ……どーも♪みんなのアイドル『ユカリン』でーす♪」

 

一馬 勇人 勇次「アァ!?」

 

紫「え!?ちょ!?何、苛ついているの!?ちょっとした()()()()を出しただけなのに!!」

 

紫は禁煙による『禁断症状』が出ている三人に少し涙目になりながら宥めると、勇人と一馬は苛つきながら紫の茶目っ気(冗談)で苛ついている事を否定し、忠告した

 

勇人「違う違う、それと紫……()()()()()()()()()()ぞ」

 

優花「激しく同意するよ」

 

一馬「………タイミングが悪過ぎるぞ」

 

紫「へ?それ……どういう……」

 

紫は三人の言葉に首を傾げ、質問しようとした途端……

 

美奈「紫ちゃん!

 

紫「ッ!?な……何よ、いきなり怒鳴らないで!吃驚したじゃない!!」

 

紫は怒鳴った美奈に驚き、美奈に言うと、美奈は鬼の結構になりながら紫の煙管を奪い、怒鳴り付けた

 

美奈「三人は兎も角、アンタ『()()()』やろ!!なして煙草を吸うんや!!これは没収や!!」

 

紫「え!?私が未成年!?ヤッt……じゃなくて!!それは『妖怪の年齢』としての17歳で幻想郷では『()()()()()()()』だから問題無いわよ!!煙管(それ)を返しなさい!!」

 

美奈「駄目に決まっているやろ!!」

 

紫は美奈に没収された煙管を取り返そうと隙間を使って無理矢理、煙管を隙間の中に入れようとしたが、美奈は勇人に身体を改造されていたのか、『某赤髪の不良のバスケマン(桜木〇道)』顔負けのディフェンスで煙管を守っていると、美奈の背後から藍が隙間を使って現れ、美奈と紫に質問した

 

藍「ったく、騒がしいな……美奈さんに紫様、これは一体?」

 

美奈「あ!?藍ちゃん!?紫ちゃんが未成年なのに煙草を吸っていたのよ!藍ちゃんも何か言ってあげて!!」

 

紫「藍!式神として命ずるわ!!今すぐ煙管を奪還して!!」

 

藍「……分かりました」

 

藍は何を思ったか知らないが、二人のうち、()()()()()()()を呆れながら承諾し、美奈が守っていた煙管を簡単に奪った

 

美奈「ちょ!?藍ちゃん!?」

 

紫「グッジョブ♪さぁ、それを渡しなさい」

 

藍「……」

 

紫は笑顔で藍が持っている煙管を寄越す様に言うと、藍は煙管を両手で握り持ち、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

藍「フン!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バキッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「ッ!?藍!!貴女、裏切るつもりなの!?」

 

藍は紫に見せ付ける様に煙管を右膝を使って真っ二つに『へし折り』、紫は激怒しながら聞くと、藍もまた紫に激怒しながら言った

 

藍「紫様!!あれほど『この世界』で喫煙を行うのを止めろと言ったではありませんか!!」

 

紫「知った事では無いわ!!つーか、アレ高かったのよ!!」

 

藍「そんなの知りませんよ!!紫様も良い機会です!!勇人と一緒に禁煙して下さい!!いや……禁煙しろ!!」

 

美奈「そうです!!煙草は『百害あって一利無い』のですよ!それに美容にも悪いのよ!!これ以上『ババア扱い』されたくでしょ?」

 

紫「ウグッ!?」

 

美奈は藍の説教に便乗するかの様に禁煙する様、説得すると、紫は美奈の『ババア扱い』という言葉に身に染みたのか、先程までの威勢は収まり、申し訳無さそうに言った

 

紫「……分かったわ」

 

美奈「分かったのなら宜しい」

 

美奈は反省した紫を見て少し安堵すると、勇人は禁煙症状である苛つきを醸し出しながら紫に聞いた

 

勇人「んで、何の要件で此処に?」

 

紫「これは貴方にとって吉報か凶報かは分からないが……実は早苗が勝手に『この問題』を蒼き鋼を含む佐世保の艦娘()()にバラしたのよ」

 

勇人「あのダラ……余計な真似を……」

 

優花「勇人君、早苗って誰?」

 

勇人「ッ!?……椛の友人で紫の仲間だ」

 

勇人は一瞬だげ顔を強張らせ、直ぐにラフな表情に戻り、緑茶を飲みながら椛と早苗の関係の事を簡潔に言うと、美奈は歓迎会の時に朱里が勇人の幼少時代の事を思い出し、勇人に聞いた

 

美奈「早苗さんって……まさか、大将の()()()の『東風谷早苗』さんの事ですか?」

 

明石 夕張 優花「ッ!?」

 

勇人「ブーーーーッ!!何で、()()()を知っているんや!!」

 

美奈「今後の育児の為に『大将の子供時代』を朱里さんから聞きましたが……私、何か不味い事でも?」

 

一馬「……ああ」

 

紫「アンタねぇ……言ってはいけない事を……」

 

勇人は美奈の言葉に動揺したのか、飲んでいた緑茶を吹き溢しながら聞くと、夕張と明石は凄い剣幕で勇人に質問した

 

夕張「提督!!これはどういう事!!」

 

明石「訳を話して!!」

 

勇人「訳って……そう言われてもな……」

 

勇人は二人の尋問に戸惑うと、優花が急いで二人の仲裁に入った

 

優花「ちょ!?ちょっと待って二人共!!何で勇人君に元カノが居ただけでキレるの!?落ち着いて!!」

 

夕張 明石「これが落ち着いていられますか!!もし仮に、元カノである早苗さんが提督を狙っていたら……」

 

二人は早苗が再び勇人を狙っている可能性を危惧していると、優花は『その可能性』を否定しながら窘めた

 

優花「それは無いわ!!もし狙っていたら、真っ先に舞鶴鎮守府に()()筈でしょ?それに、勇人君位の年齢なら1人や2人位の元カノが居ても()()()()()()でしょ?」

 

夕張 明石「た……確かに……皆さん、スミマセン……お見苦しい所を見せてしまって……」

 

優花「……全くよ」

 

優花は二人が冷静さを取り戻したのを確認すると、安堵しつつ呆れながら言うと上城親子は優花の行動に驚き、呟く様に会話した

 

勇人「なっ!?この事で一番『()()()()()』優花が……」

 

勇次「二人の仲裁に入っている……だと……」

 

一馬「流石、勇人の妻(仮)だ……」

 

勇人「オイ親父、妻とか以前に付き合って無ぇからな」

 

一馬「なら、さっさと身を固めろよ……佐世保の為に……」

 

勇人「泣けるぜ……」

 

紫「………取り敢えず、話を戻しても良い?」

 

紫は少し呆れながら言うと勇人は咳払いをし、答えた

 

勇人「ゴホン、ああ……構わないぜ」

 

紫「それじゃ……今回の作戦の事だが、私に良い案があるわ」

 

勇人「ほぅ……じゃ、その作戦の案とは?」

 

勇人は紫の案に食い付く様に聞くと、紫は微笑みながら言った

 

その作戦とは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「……先に道中を生け捕りにし、兄である恭一を騙し、二人を殺害する作戦よ」

 

紫以外全員「なっ!?」

 

道中以上に()()()()な作戦だったのだ

 

 

 

 



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第87話「勇人の賭け」

勇人が紫の作戦に驚いている頃 群馬県のとあるマンションの一室にて

 

ピンポーン♪

 

金髪の少女「はーい!……あ!?いらっしゃい三笠さん」

 

博和「いらっしゃい、三笠さん」

 

このマンションのインターホンが流れ、金髪の少女が玄関を開けると三笠元帥が手土産を持って、マンションの一室……というより蘭花のマンションに遊びに来たのだ

 

三笠元帥「お邪魔するわ『マミ』ちゃんに博和さん……はい、横須賀のお土産よ」

 

金髪の少女改め『マミ』「ッ!?ありがとうございます!今すぐお茶を準備します!」

 

三笠元帥は十代中頃で巻き髪が特長の金髪の少女『巴マミ』いや、今は一馬と朱里の養子で勇人の義理の妹『上城マミ』に横須賀のお土産『間宮羊羮』を渡し、マミは嬉しそうに台所に行き、三笠元帥は微笑みながら座椅子に座った

 

三笠元帥「……しかし、あの子……マミちゃんが大将の()()()()になるとはね……」

 

博和「そうですね、しかも『親受式』をボイコットした時に勇人と佐世保の艦娘達がマミちゃんを助けたとは……」

 

三笠元帥「フフッ……あれは大変だったわよ、親受式をボイコットした大将が三越で買い物した帰りに事故に巻き込まれて、世間に非難される覚悟でマミちゃんを()()()からね……」

 

博和「あの時の陛下や総理の寛大な処罰に感謝しないといけませんね」

 

三笠元帥「……処罰と言うより、あれは()()に近い処罰だわ」

 

二人はマミと勇人の出会いに懐かしそうに会談するとマミは紅茶が入ったティーカップを机の上に並べながら言った

 

マミ「お待たせしました……お義母さんに『お裾分け』して貰った紅茶『フォートラム・メイソン』を淹れてきました」

 

三笠元帥「フォートラム・メイソン!?あの馬鹿姉ぇ……私に内緒で高級の紅茶を……私も欲しかったのにィィィ!!」

 

マミ「フフッ……大丈夫ですよ、まだ有りますので持って行きますか?」

 

三笠元帥「本当に!?流石、大将の義妹よ!気前が良いわ!!」

 

博和「というより、よく手に入ったな……ソレ……」

 

マミ「フフフ……そうですね……」

 

三笠元帥は朱里が高級の紅茶を隠し持っていた事に悔しいのか、羨ましそうに言うと、マミは三笠元帥にフォートラム・メイソンを分け与える事を提案すると三笠元帥は喜んで承諾すると、三笠元帥は微笑んでいるマミを見て安心したのか、マミの()()について安堵しながら触れた

 

三笠元帥「……しかし良かったわ、あの()()から立ち直ってくれて……」

 

マミ「……これも兄さんや兄さんの所の金剛さん達のお陰です、兄さん達が居なかったら私も『死んでいた』かも知れません」

 

三笠元帥「……強いのね、両親も事故で亡くなっても尚、強く生きるなんて……」

 

三笠元帥は両親の死から立ち直り、強く生きているマミを見て微笑み、マミを褒め称えるかの様に呟くとマミは三笠元帥の賛美に少し俯き、三笠元帥の言葉に謙遜し、答えた

 

マミ「いえ……正直言って、まだ引き摺っている所もあります……只、兄さんが入院中の私に、こう言ったのです……『亡くなった人は、どんな事であろうとも戻って来ないし会える事は無い……だが死んだ人は魂になっても、今生きている()()()()の側に寄り添い、守ってくれるんだ……だからマミも死んだ両親の為に強く、そして()()()()()()()()()()()()を手に入れ、日々を過ごす事が死んだ両親への()()()()()()であり()()()()()()()()になるんだ……』……と言ってくれました」

 

三笠元帥「フフッ……大将らしい不器用な考えね……」

 

博和「ええ……そうですね」

 

マミ「はい!私は、その()()で救われた気がします」

 

三笠元帥「そうね……じゃ、今度はマミちゃんが大将達に()()()をしないとね」

 

マミ「はい!」

 

マミは三笠元帥の言葉に強く、はっきりと答え、紅茶を堪能し始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり 舞鶴鎮守府にて

 

勇人「……道中兄妹を……()()……か……」

 

勇次「ずいぶんブッ飛んだ事を言うな……」

 

一馬「……お前ら二人が言うな……んで紫、お前の作戦の内容の細部を教えてくれ……」

 

先程の微笑ましいシーンから売って変わって、舞鶴鎮守府は紫の作戦の案に緊迫した雰囲気になっていたのだ

 

一馬は紫に作戦の細部について聞くと紫は微笑みながら懐から『ある本』を取り出し、一馬達に渡した

 

紫「……これを読めば、()()()()()()()わ」

 

勇人「ん?……『ブラッ〇ジャ〇ク』……ッ!?まさか……」

 

勇人は紫から漫画『ブラッ〇ジャッ〇』を受け取り、読み始めると、勇人は漫画の内容と紫の作戦の細部が結び付いたのか、少し驚きながら聞くと、紫は微笑みながら答えた

 

紫「ええ、私の作戦の要は()()……貴方の()()()()()()()()()()が重要になっているわ」

 

一馬「成る程、これなら……」

 

勇次「道中の作戦を逆手に取る事が出来るな」

 

美奈「……私は反対です」

 

紫「……理由を聞こうかしら」

 

一馬と勇次は紫の作戦の細部を察し、賛同すると、美奈は紫の作戦に反対し、紫は美奈に質問をし、美奈は少し怒りながら答えた

 

美奈「仕返しの為だけに……殺すのは間違っています!!彼女達にも罪を償う権利があります!!」

 

美奈は道中兄妹を殺す事を嫌がり、二人に真っ当な方法で罪を償わせる事を強く要望すると、紫は美奈の意見に反論した

 

紫「残念だけど、その彼女達の罪の償い方は……『死』しか無いわ……彼女達は、この世界の法律『国際法』に引っ掛かっているのよ」

 

美奈「国際法?」

 

美奈は紫が発言した言葉『国際法』について聞くと、紫の代わりに一馬が道中が犯した国際法の一部を簡潔に説明した

 

一馬「……深海棲艦と裏で手を組んだ事による処罰だ、それを犯した者と深海棲艦達は基本的に()()()になるんだ」

 

美奈「ッ!?銃殺刑!?」

 

千川「なら、僕達も……」

 

二人は自身も国際法を犯している事に気が付き、冷や汗を流しながら聞くと、勇人は二人の不安を一掃する様に答えた

 

勇人「だから4()0()0()()()()んだろ、要はバレなければ良いんだ……それに未来達は被害者だ、奴らにバレた時の作戦は纏まってある」

 

美奈「え!?バレた時の作戦があるのですか!?」

 

千川「教えてくれないか!?」

 

勇人「それは……あ、そういえば取り上げられたんだった」

 

二人は勇人に作戦がある事に驚き、食い付く様に聞くと、勇人はタバコを取り出そうと懐を漁ったが、美奈に取り上げられた為、諦めて飴を口に含みながら答えた

 

勇人「1つは連中にバレる前に未来を含め『全員』を艦娘に戻し、連中の目を欺く作戦だ……だが……」

 

美奈「……問題は未来が()()()()()()()()()()()()()……ですね」

 

勇人「ああ……もう1つは……これに関しては()()に近い作戦だ……」

 

千川「賭け?つまり『リスクが相当大きい事』なのか?」

 

千川は勇人の『賭け』について触れると、勇人は意を決したのか、神妙な表情で答えた

 

勇人「ああ……それは法の目を掻い潜った『やり方』だから、失敗すれば……全員『処刑』されるリスクのある方法だ……それでも聞くか?」

 

勇人は美奈と千川に聞くと、二人は黙って頭を縦に振り、肯定すると、勇人は「分かった」と答え、もう1つの作戦内容を打ち上げた

 

勇人「……今の未来達の立場を『保護』から『捕虜』に格下げ、完全に未来達の身柄を舞鶴鎮守府……柊か千川のどちらかに権限を持たせる事だ……」

 

美奈「ッ!?未来達を……敵として……」

 

千川「……もし奴らが僕達が未来達を保護している事がバレたら……」

 

千川は勇人の『もう1つの作戦』が失敗した時……未来達を保護していた事が公に公表された時の処罰について勇人に聞くと、勇人は俯き、重い口調で答えた

 

勇人「……刑法81条『外患誘致罪(がいかんゆうちざい)』そして国際法の1つ『戦時国際法』の『戦争法規』の中に記載されている条令『戦争犯罪』に引っ掛かり、国……いや全ての同盟国の連中によって、舞鶴鎮守府(俺達)『全員』が処刑()される」

 

千川「ッ!?そんな事が……」

 

美奈「……道中は……それを狙って……」

 

二人は道中の作戦の要である『外患誘致罪』により勇人達を一掃する名目があった事に憤怒し、悔しそうに呟くと紫は勇人の説明に溜め息を尽き、呆れながら言った

 

紫「ってか……よく、そんな()()()()()()を覚えてるわね……だけど、それは私達だけではなく、道中達も『外患誘致罪(国家反逆罪)』に引っ掛かっているのでしょ?それに、此方は『()()』である『大鯨』がいる事を忘れてない?」

 

紫は今、絶体絶命に追い込まれているのは勇人達だけではなく、道中達も同じ状態になっている事を伝え、それを証明する為の証人である大鯨について触れ、勇人に言うと、勇人は頭を横に振り、答えた

 

勇人「……無理だ、今の大鯨は『死人扱い』になっているから証人として認められ……ん?まてよ……ッ!?そうか!!その『手』が有ったんだ!!」

 

紫「フフッ……どうやら()()()()様ね」

 

千川「ッ!?一体どうしたんだ?」

 

勇人は紫の言葉の真意に気が付き、立ち上がると千川は勇人の様子に少し驚きながら聞くと、勇人は紫の言葉の真意を打ち明けた

 

勇人「ああ、証人喚問の時に大鯨のECSを『再起動』させるんだよ!」

 

美奈「大鯨さんの……ッ!?成る程……そうすれば私達が未来達を捕虜として捕まえていた事の『()()()』を上げ、裁判官達は私達の味方になり……」

 

一馬「『外患誘致罪』及び『艦娘保護法』により、道中達は処刑される……という訳だな」

 

美奈と一馬は勇人の言葉の真意を捉え、纏めると紫は微笑みながら言った

 

紫「フフッ……流石、勇人だわ……こういう『()()()()()』を思い付くなんて……」

 

勇人「お前が言うな……まぁ俺としては『リスクの無い方法』である未来達を艦娘に戻す方法を取りたいが……」

 

美奈「あの子()()……ですね」

 

美奈は未来が艦娘に戻りたがらない事に懸念しているのか、少し俯くと一馬と勇次は勇人に『ある命令』を出した

 

それは勇人だからこそ『出来る命令』だった……

 

一馬「そうだな……勇人、お前が未来を説得しろ……お前ならブラック鎮守府を立て直した実績があるからな」

 

勇次「しかも前世とは言え()()()()だろ?なら軍人としては無く、()()として未来を説得してくれないか?」

 

そう、二人は勇人がブラック鎮守府を立て直した実績と未来と勇人の関係を利用し、未来を説得する事だったのだ

 

それを聞いた美奈と美咲は勇人に頭を下げ、懇願した

 

美奈「私も協力しますので、未来を……あの子を説得して下さい!お願いします!」

 

美咲「お願いします!お父s……上城大将!」

 

勇人「……」

 

勇人は二人の懇願を聞き、黙り混み、そして意を決したのか、溜め息を尽き、答えた

 

勇人「……あの頑固娘を説得するのは骨が折れるが……分かった……」

 

美奈 美咲「ッ!?ありがとうございます!」

 

勇人「……行くぞ美奈」

 

美奈「はい」

 

勇人は立ち上がり、美奈と共に未来達が待機している潜水艦『伊400』に向かった

 

そして……

 

憲兵「……アイツが俺の()()()()()か……美奈……未来……アイツと共にアンタらを守るさかい……だから……もう1人の俺(上城大将)、未来を頼んだぞ……」

 

二人を見守っている憲兵の名札には、こう記載されていた

 

 

 

勇人の前世と同じ名前『龍崎 謙一』と……

 



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第88話「大規模改造そして……」

勇人達が伊400に向かっている頃 伊400 客間にて

 

未来「……あ……あの……」

 

戦艦女帝「ん?」

 

未来は漫画『ブラ〇クラ〇ーン』を読んで寛いでいる戦艦女帝に戸惑っているのか、少しぎこちない口調で質問した

 

未来「ほ……本当に……お父さんの別人格なの?」

 

戦艦女帝「そうだよ、未来ちゃんからすれば……伯母さん?お姉さん?う~ん……分かんないや」

 

空母ヲ級「……分かんないって……もう少し自分の事を真剣に考えた方が……」

 

ヲ級は戦艦女帝の不真面目な態度に少し苛ついているのか、反抗的な態度で言うと、戦艦女帝はコーラを一口飲み、海老煎を食べながら言った

 

戦艦女帝「だって、私だって分かんない時もあるもん……それに御兄様は御兄様、私は私よ……性格の違い位は出るよ」

 

港湾水鬼「……私は私……か……女帝様、私にも海老煎を分けてくれませんか?」

 

北方棲姫「女帝ちゃん!!私も頂戴!!」

 

港湾水鬼「コラ!北方!!女帝『様』でしょ!!」

 

戦艦女帝「別に良いよ……後、港湾さん、女帝『様』は止めてくれない?私……港湾さん達と同じ深海棲艦だよ」

 

北方棲姫「そうだよ!しかも、女帝ちゃんは勇人さんと同じく『優しい人』だよ!そんなに怖がらなくても良いよ!」

 

戦艦女帝は海老煎を袋ごと港湾水鬼と北方棲姫に渡し、様付けについて嫌がっているのか、少し顰めっ面になりながら言うと、港湾棲鬼は戦艦女帝の要求を拒否しているかの様に頭を横に振り、答えた

 

港湾水鬼「いえ、そんな大それた事を……私には出来ません」

 

戦艦女帝「……なんか『嫌われている感じ』でへこむよ……あ!?北方ちゃんもコーラ飲む?」

 

北方棲姫「うん!!いっぱい淹れてね!」

 

戦艦女帝「りょーかい!」

 

戦艦女帝は港湾水鬼の発言に少し落ち込みつつ、北方棲鬼と共に会話を楽しんでいると……

 

未来「……女帝さん、少し御話しをしたいのですが……」

 

戦艦女帝「え!?会話に入りたいの?新しい海老煎を持って来るから少し待って……」

 

未来「違います!!雑談じゃなくて相談事です!」

 

戦艦女帝「なーんだ……で、その相談とは?」

 

戦艦女帝は少し落胆し、未来の相談事について聞くと、未来は神妙な表情で戦艦女帝に悩みを打ち明けた

 

未来「……道中みたいに悪い人が()()()()()なら女帝さんは、どう動きますか?」

 

未来は自身が艦娘『秋月』の時に味わった地獄を、秋月(未来)ではなく戦艦女帝()()なら、どう動くかについて聞くと、戦艦女帝は至極当然な態度で答えた

 

戦艦女帝「んなもん……()()に決まっているでしょ……ぶっちゃけ『殺られる前に殺らない』と私の身が持たないよ」

 

未来「殺すって……そこは、お父さんと同じ事を言うんだね……」

 

戦艦女帝「まぁね……まさか未来ちゃん、頭では分かっているけど、精神(中身)は秋月に戻るの()()()()()()んでしょ?」

 

未来「ッ!?」

 

戦艦女帝は未来の気持ちを察したのか、未来の気持ちを当てると、未来は黙り、少し混乱しながら戦艦女帝に言った

 

未来「そうかも知れません……ううん、そうだよ!頭では分かっているよ!!秋月にならないと折角逢えた『お父さん達』が道中達に殺されてしまう事位!!だけど……だけど……」

 

未来は混乱し、泣きながら戦艦女帝に訴えると、戦艦女帝は神妙な表情になり、未来の言葉を訂正するかの様に少し強い口調で言った

 

戦艦女帝「……確かに未来ちゃんの気持ちは分かる、だけど未来ちゃんの場合は御兄様の事を()()()()()()()()()()から秋月になるのを拒んでいるんでしょ……それに、私の兄……ううん、()()()()()()が、そんな()()()()()()()()()()()に殺される筈が無いでしょ!少しは自分の父親を信用したらどうなの!!前世は酷い人だったかも知れないけど、今じゃアンタの為に自分の名誉……いや命だって投げ捨てる位の『お人好しの塊』みたいな野郎だよ!!だから……一回だけでも良い……御兄様に全てを委ねてみたら?」

 

未来「……考えておくよ」

 

戦艦女帝は未来の悩みを一掃しつつも、勇人に全てを託す様に言うと未来は一言だけ返し、そのまま俯いた

 

戦艦女帝「……これは御兄様が苦労する訳だわ……そうでしょ?御兄様に美奈お姉さま?」

 

勇人 美奈「ッ!?」

 

戦艦女帝は未来の様子を見て、呆れつつも、扉越しに盗み聞きをしていた二人に言うと、二人は申し訳無さそうに入ってきた

 

勇人「……すまん、盗み聞きをするつもりは無かったんだが……」

 

美奈「本当にごめんなさい……」

 

二人は未来達に頭を下げると、未来は二人が此処に来た理由を憶測ではあるが聞いた

 

未来「……ひょっとして、私が艦娘になる様に説得しに来たの?」

 

勇人「……ああ」

 

未来の質問に勇人は先程の盗み聞きに罪悪感を感じていたのか、少し俯きながら言うと未来は戦艦女帝の説得に応じたのか、覚悟を決めたかの様に真剣な表情で勇人達に言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未来「……分かったよ、私……秋月(艦娘)に戻るよ」

 

美奈「え!?」

 

勇人「……秋月に戻れば、艦娘の時の()()()()が完全に蘇るぞ……それでも良いのか?」

 

そう、未来は艦娘に戻る事を決意したのだ

 

美奈は未来の発言に驚愕し、勇人は未来が艦娘の時に虐げられた記憶が蘇る事を危惧しているのか、忠告すると未来は覚悟が入っているのか、勇人に強い口調で答えた

 

未来「うん!それに、お父さんも()()()()までして私達の為に『能力』を手に入れたのでしょ?私だって『お父さん()』と『お母さん()』の『娘』よ!!そんな私が『それくらいの事』で怖がる程『弱くない』よ!!」

 

美奈「未来……」

 

勇人「……分かった、それなら『あの作戦』が使えるな……二人共、耳を貸してくれ………ゴニョゴニョ……」

 

美奈は未来の言葉に只々、驚愕していると、勇人は未来の意志を尊重し、未来の精神的負担を配慮した作戦を二人の耳元で小さく言い、二人に聞いた

 

勇人「……という作戦だ」

 

美奈「ッ!?それじゃ大将が……」

 

未来「確かに『その作戦』なら私だけではなく、みんなの負担が軽くなるし、勇次さん(伯父さん)達に迷惑掛からない……そして何より、アイツらを完全に欺けれるけど……お父さんが……」

 

二人は勇人の作戦に反対しているかの様に、少し戸惑いながら言うと、勇人は微笑みながら言った

 

勇人「気にするな……俺の『装甲の高さ(頑丈さ)』は核シェルター並の頑丈さを誇っているんだ……だから乗ってくれるか?」

 

勇人は二人にお願いをすると美奈は勇人の作戦に乗ったのか、決意のある強い口調で答えた

 

美奈「……分かりました、その時は……()()()()()()()貰います」

 

勇人「……決まりだな、よし!オメェラ!!今から未来と戦艦女帝以外『全員』を艦娘に戻すぞ!」

 

深海棲艦全員「私達を艦娘に……って、艦娘!?」

 

深海棲艦達は勇人の言葉に驚愕すると、美奈は勇人の作戦の一部ではあるが、簡潔に説明した

 

美奈「大丈夫よ、これは『道中達を騙す』為に艦娘に戻すのよ……この作戦が終わったら元に戻すから……ね?大将?」

 

勇人「ああ……未来……いや俺達の為に……協力してくれないか?頼む!!」

 

勇人は代表として今の和平派の深海棲艦のリーダーである港湾水鬼に頭を下げると、港湾水鬼は慌てながら勇人に言った

 

港湾水鬼「ちょ!?勇人さん!!頭を上げて下さい!!貴方ほどの凄い漢が私達に頭を下げる必要なんて無いですよ!!それに、勇人さんは私達に『命令』したじゃないですか……『医者()の言う事は必ず守れよ』……と、だから私達は、そんな勇人さんに()()()()()()()()し、()()もしています!だから……私達は、そんな勇人さんの命令なら命だって捧げれます!!ね?みんな?」

 

深海棲艦全員「うん!!だから……顔を上げて下さい!勇人さん!!」

 

港湾水鬼達は自身を救ってくれた勇人の事を絶大に信頼した上で勇人達の御願いを了承すると、勇人と美奈は頭を下げながら言った

 

勇人「本当に……ありがとう……お前ら……」

 

美奈「ありがとう……ございます……」

 

深海棲艦達「だから顔を上げて!お母さんに勇人さん!!私達、一応『敵』だから!!」

 

勇人「……そうか、よし!!今から未来以外の深海棲艦全員の手術を開始するから金剛に来てくれ、美奈は俺が考えた作戦を親父達に伝えてくれ……但し『あの事』は伏せておけよ……道中達を欺く為に……な?」

 

勇人は頭を上げ、先程の作戦を一馬達に伝える様、指示を出すと、美奈は「分かりました」と了承し、執務室に戻った

 

勇人「さぁーて……第2ラウンドと行くか……精々、道化者(ピエロ)の様に踊っていろよな……道中……」

 

 

勇人は微笑みながら呟き、軍艦『金剛』に移動し、数分後、未来以外の深海棲艦達の手術を開始した

 

まるで、道中達(ピエロ)を嘲笑うかの様に……



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第89話「早苗の決意そして……」

ドーモm(_ _)m
艦これとアズールレーン、そしてサバゲーのアプリ『hyde and fire』にハマっている私ですm(_ _)m
最近のアプリゲームはクオリティが高いですね( ;´・ω・`)

しかも無課金で遊べるのが嬉しいですね(。uωu)♪

では本編を始めます(。uωu)♪

追伸 アズールレーンで三笠が無課金で3連チャン建造に成功しましたm(_ _)m


勇人が深海棲艦達を手術している頃 佐世保鎮守府付近の海域にて……

 

群像「あの……早苗さん、少し聞いても良いのですか?」

 

早苗「はい?」

 

群像は長門、ビスマルクそして金剛を連れて、自身の潜水艦(伊401)に乗り、()()()()()に待機している早苗に無線を通じて『とある場所』……いや『()()()()()』について驚きながら質問をした

 

その、()()()()()とは……

 

群像「……何故、()4()0()1()()()()()()()()()()()のですか!?」

 

長門「あ……あははは……提督と()()()を……」

 

金剛「……oh my god」

 

ビスマルク「……嘘……」

 

そう、早苗は伊401の上空を飛行していたのだ

 

そして何故、蒼き鋼と長門達そして早苗が出撃しているのか、それは今から数分前に遡る……

 

 

 

数分前 佐世保鎮守府内の食堂にて……

 

群像「……なぁイオナ、俺達もお祖父ちゃんの救援に行った方が良いのでは?」

 

群像はお茶会を楽しみつつ、今、勇人が抱えている問題や危険性を考え、自身の考えをイオナに相談するとイオナは紅茶を飲みながら答えた

 

イオナ「うん……それに今の舞鶴の戦力……勇人の戦力では道中に勝てる確率は……()()()()……群像、今すぐ出撃準備をして」

 

イオナは、いくら厭らしく、そして豪快な攻め方をする勇人でも勝てる見込みが無い事を見越し、少し強い口調で言うと、それを聞いていた早苗は目を光らせながら、群像達に言った

 

早苗「出撃!?群像君!私も連れていって!!」

 

群像以外全員「ッ!?」

 

早苗は群像達に目を光らせながら懇願すると、群像と金剛は今の早苗の様子を見て、激怒したのか、物凄い強い口調で答えた

 

群像「早苗さん!これは遊びでは無いのですよ!!分かっているのですか!!犬走さんは兎も角、貴女『()()()』だろうが!!」

 

金剛「yes!!これはgameじゃなくて『本当の戦場』デース!!一般人が来る所ではありまセーン!!」

 

椛「まぁまぁ、二人共落ち着いて下さい……早苗さん、これは『弾幕ごっこ』の延長ではありませんよ……勿論、()()()()()()()()()()()()()()()で発言します……」

 

椛は二人を窘めつつ、一呼吸を置き、意を決して早苗に強い口調で答えた

 

椛「ふざけるのは口だけにしろ!!死にたいのか!!私は()()()()()()()()()()を知っているし、白狼天狗だから簡単には死にませんが、貴女は現人神……()()()()()()()()()()()でしょうが!!勇人さんみたいに()()()()()()()()じゃないんだから、少しは身の丈に合った発言をしろ!!」

 

早苗「ッ!?」

 

早苗に一喝すると、早苗は椛の言葉に異議を唱える様に強い口調で返した

 

早苗「私だって、これが()()じゃない事位は知っているわ!!そして何より……私だって『ハヤチャンから貰った能力』を使ってハヤチャン達を助けたいの!!ねぇ群像君に皆さん!私を……連れていって下さい!!御願いします!!」

 

早苗は群像達に頭を下げると群像は早苗の要求を否定し、怒鳴り付けた

 

群像「馬鹿な事を言うのは止めろ!!早苗さんも()()()()()()事は知っています……だが、これは……」

 

群像は怒鳴り付けているとイオナは早苗の気持ちを察したのか、早苗に聞いた

 

イオナ「落ち着いて群像……早苗、本当に……私達と一緒に()()()()()()?」

 

早苗「はい!!」

 

イオナは群像を窘めながら早苗に聞くと、早苗は強い口調で即答するとイオナは少し考え、答えた

 

イオナ「……分かった、椛……すまないが、佐世保の艦娘を借りたいんだが良いかな?」

 

椛「ッ!?イオナさん!早苗さんの出撃を許可するのですか!?」

 

イオナは椛に御願いをすると、椛は早苗が出撃を許可した事に驚き、怒鳴りながら言うと、イオナは椛の言葉を反論した

 

イオナ「……彼女も()()があって、此処に来ているんだ……なら、その()()を踏み弄る訳にはいかない……それに彼女は()()()()()()だと言う事を忘れて無い?」

 

椛「……分かりました、早苗さん……此処からは貴女が死んでも、私達は一切()()()()()()()()……それでも良いのでしたら許可しますよ」

 

椛はイオナの説得に折れたのか、溜め息を尽き、早苗に()()()()ではあるが、許可を出すと早苗は頭を上げ、神妙な表情で言った

 

早苗「はい!」

 

長門「はぁ……柏木大将といい、副提督といい、何故、提督の知人達は滅茶苦茶な事を……」

 

ビスマルク「……そうね」

 

金剛「……Oh dear(泣けるわ)

 

早苗の非常識極まり無い要求を認可した事に長門、ビスマルクそして金剛は呆れながら呟くと群像もまた呆れ、椛に御願いをした

 

群像「……なら犬走さん、お祖父ちゃんの方の長門さん、ビスマルクさん、そして金剛さんをお借りしたいのですが大丈夫ですか?」

 

椛「……空母勢は要らないのですか?」

 

群像「……彼方にコンゴウがいます……コンゴウ1人で大丈夫だと思います……それに今の佐世保のトップは貴女です、貴女の()()で俺達『蒼き鋼』は何時でも出撃しますよ」

 

群像は椛を気遣う様に優しく言うと、椛は群像の気遣いに感謝しながら言った

 

椛「……蒼き鋼の皆さん、ご協力ありがとうございます!では長門、ビスマルク、金剛の3人は蒼き鋼と共に出撃をし、舞鶴に滞在している総司令官と接触、接触後の権限は総司令官に移行する!そして早苗さん!」

 

早苗「ッ!?な……何……」

 

椛は気合いの入った口調で命令を出し、早苗の名前を言うと、早苗は驚き、少し気圧されながら聞くと、椛は優しく、そして芯のある言葉で早苗に言った

 

 

 

 

 

 

 

 

椛「必ず生きて帰って下さい……そして……勇人さん達を()()()()

 

早苗「ッ!?分かったよ!!ハヤチャンの事は任せて!!」

 

椛「それ以外の人達は私と共に鎮守府内部を含め、近辺の海域の警備を御願いします!」

 

全員「はい!!」

 

椛は全員に指示を出すと、全員が椛の指示に従い、各員、配置に着き、早苗は蒼き鋼、長門、ビスマルクそして金剛と共に舞鶴に向けて出撃をした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今に至る……

 

群像「しかし、あの犬走さんが妖怪……いや『()()』だったとは……」

 

長門「そうだな……全く、提督の知人にマシな人がいないのか……」

 

静「……嫌味ですか長門さん?」

 

静は長門の呟きが聞こえたのか、自身の事を言われたと思い、少し不貞腐れながら聞くと長門は「お前達の事では無い」とキッパリ否定すると杏平が上空に3つの人影が見えたのか、慌てて群像達に連絡を入れた

 

杏平「ッ!?上空に人影が!!」

 

群像「何だと!!早苗さん!そちらに人影が見えますか?」

 

群像は急いで上空に待機している早苗に連絡を入れると、早苗は人影の正体が分かったのか、少し苦笑しながら答えた

 

早苗「あははは……やっぱり()()()()()()()()のですね……」

 

群像「待ちきれなかった?……ッ!?まさか早苗さん……この人影の正体は……」

 

群像は早苗の言葉を察したのか、少し驚きつつ、微笑みながら聞くと早苗は群像の憶測が当たっているかの様に肯定し、答えた

 

早苗「群像君、その『まさか』ですよ……ったく、遅いですよ……『霊夢さん』」

 

早苗は3つの人影の先頭に立っている紅白の巫女『博麗霊夢』に呆れながら言うと、霊夢は少し機嫌悪そうに言った

 

霊夢「あぁ?文句なら紫に言って!此方はメンバーを揃えるのに苦労したんだから……」

 

マリに似た少女「なぁ霊夢、コイツラが勇人の仲間なのか?」

 

霊夢「ええ、そうよ魔理沙」

 

咲夜「お久しぶりですね、金剛様に群像様」

 

金剛「お久しぶりデーs……って!?Ms.五十嵐!?何で此処に!?」

 

群像「五十嵐さん!?何故……()()()()に……」

 

ビスマルク「マリ!?……にしては『幼い』わね」

 

マリに似た少女改め『魔理沙』「マリ?おいおい、()()()だぜビスマルク……私は『霧雨魔理沙』だぜ……」

 

ビスマルク「ごめんなさいね……あまりにも()()()()から……」

 

金剛と群像は咲夜を、ビスマルクは自身の未来の孫『マリ』に似た少女『霧雨魔理沙』を見て驚愕すると長門は霊夢と面識があるのか、ある質問をした

 

長門「ひょっとして……提督の妖精の『霊夢』か?」

 

霊夢「ええ、なら証拠として『()()()()()()()()()のアンタが勇人に行った悪行』をばらしても良いわよ……」

 

長門「……あれは止めてくれ、私にとっては『()()()』だ」

 

霊夢が長門に脅迫染みた事を言うと、長門は頭を抱え、少し顰めっ面になりながら答えると咲夜は二人の会話に呆れながら言った

 

咲夜「……()()()()()……とんだ下らない駄洒落ね……まぁ良いわ、私は『この世界の戸籍』では『五十嵐 咲夜』ですが……『幻想郷での名前』言わば『()()()()』は『十六夜(いざよい) 咲夜(さくや)』と申します……今は上城財閥と幻想郷の館『紅魔館』のメイド長をしています……以後、お見知り置きを……」

 

咲夜は群像達に一礼をすると、群像は3人のリーダーである霊夢に苦手意識があるのか、警戒しながら聞いた

 

群像「……蒼霧事変の時(あの時)みたいに厭らしい作戦を……」

 

霊夢「しないわよ、それは勇人の命令で行っただけ……まぁ、あの時は私も勇人も、少し『やり過ぎた』と思うけどね……」

 

霊夢もまた蒼霧事変の時を思い出したのか、反省する素振りを見せると早苗は蒼霧事変の時の勇人の活躍を知りたいのか、興奮しながら言った

 

早苗「え!?あの時のハヤチャンの勇姿!?どんな内容だったのですか!?」

 

霊夢「……聞かない方が良いわよ、あれは一般人にとっては刺激が強過ぎるからね……さぁ!こんな所で無駄話をしないで、さっさと舞鶴鎮守府に行くわよ!!」

 

霊夢は早苗の質問を曖昧に答え、群像達に命令を出すと群像は「ああ!」と気合いの入った口調で答え、全員に命令を出した

 

群像「……現時刻を持って、蒼き鋼と龍の連合艦隊……いや『蒼き龍の艦隊』は『幻想郷の住人』と同盟を組み、舞鶴に滞在しているお祖父t……いや上城大将の援助しに向かうぞ!!あの時の恩を返す為に!!」

 

蒼き鋼全員 長門 金剛 ビスマルク「はい!」

 

魔理沙「流石、勇人の孫だぜ……勇人が『学生の時の容姿』だけではなく、『気合いの入れ方』までソックリだ……」

 

咲夜「ええ……私達も負けてられないわね……霊夢!」

 

霊夢「ええ……アンタ達!!気合い入れていくわよ!!アイツの為に!!」

 

魔理沙「おう!!」

 

咲夜「ええ!」

 

早苗「はい!!」

 

霊夢達は気合いを入れ直し、再び舞鶴に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「フフ……これで漸く『役者』が揃ったわ……さぁ、佐世保の龍と舞鶴の鬼そして私達を怒らせた事を後悔させてあげるわ………さぁ霊夢に勇人……思いっきり『暴れなさい』……」

 

遥か上空で早苗達を見て、宴を始めるかの様に高揚とした気分で呟く紫であった……



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第90話「舞鶴大異変 part 1」

1730 舞鶴鎮守府 食堂にて

 

美奈「……皆さん、晩御飯の途中ですが、大将の『作戦』の内容を伝えます」

 

勇次「作戦?という事は……」

 

一馬「未来の説得に『成功』したんだな?」

 

美奈は食事中の艦娘、上城一家そして千川と柊に勇人の作戦について言うと、勇次と一馬は烏龍茶を飲みながら聞くと、美奈は頷き、勇人の作戦について言った

 

美奈「はい、未来は一時的ではありますが、艦娘に戻る事になり、ショートランドの照月さんと初月さんは作戦終了後は舞鶴に配置する事になりました」

 

蘭「……まぁ妥当な判断だな」

 

朱里「んで、何時『攻める』の?それに出撃メンバーは?」

 

朱里は作戦の要である『時間』と『出撃メンバー』について紅茶を飲みながら聞くと、美奈は何かを隠す様に少し目を反らしながら言った

 

美奈「……先ずは()()()()の佐世保鎮守府の艦娘達、コンゴウさん、そして朱里さんと私が出撃します」

 

朱里「……勇人抜きの『連合艦隊』か……」

 

千川「……大丈夫なのか?いくら上城に改造されたからって……」

 

千川は美奈を戦場に行く事を反対しているのか、心配しながら美奈に聞くと、美奈は千川の心配を払拭する様に笑顔で答えた

 

美奈「大丈夫です、大将が私の為に()()()()使()()()()()『敷島型の艤装』を改造し、大将の艤装モード『Ars nova』に近い装備……確か……『鬼夜叉』という艤装モードとして私にくれました」

 

朱里「……マジかよ」

 

美咲「お母さん……その『鬼夜叉』モードって?」

 

美咲は美奈が言っていた艤装モード『鬼夜叉』について触れると、美奈は少し考え、みんなに言った

 

美奈「これは『見せた方が早い』ので、お見せします……艤装モード『鬼夜叉』……」

 

美奈は艤装を展開するためのセキュリティーコード(合言葉)を言うと、美奈の身体は発光し、数秒で光が収まると美奈以外『全員』が驚き、美奈に言った

 

千川「なっ!?こ……この戦闘服……」

 

一馬「……あの馬鹿、短期間で此処まで改造をして……」

 

コンゴウ「……相変わらず良い仕事をしていますね……艦長……」

 

朱里「成る程……主砲を『超重力砲』と『荷電粒子砲』のハイブリッドタイプに改造、接近戦用としてM87光剣を美奈さんの背丈に合わせて『アップグレード(大規模改造)』をしたのか……そして……何故に『バット』?」

 

勇次「おいおい……兄貴、何故間宮ちゃんの戦闘服を『白装束』にしたんだ……縁起が悪過ぎるぞ……」

 

柊「……イカれているよ、アンタの兄貴は……」

 

沙耶 蘭「……全くです」

 

そう、美奈の戦闘服……否、艤装モード『鬼夜叉』としての姿は、あの時、勇人とコンゴウが『縁起が悪過ぎる』と理由にボツにしたのは『死に装束』と言われている着物『白装束』だったが、彼女(美奈)自らの懇願で仕方なく採用したのだ

そして武装に関しては、腰にM87光剣とナノマテリアル製の野球用のバット、そして艤装の外見は金剛の艤装と『瓜二つ』だが、超重力砲と荷電粒子砲の2つの機能が持ち合わせている『勇人特製』の『艤装』を装着された姿だったのだ

 

まるで美奈の『覚悟』と『決意』そして『怒り』を表したかの様な姿だった

 

美奈の艤装モード『鬼夜叉』を見た全員が縁起の悪い戦闘服や魔改造された艤装を見て、驚きながら呟くと美奈は作戦内容の説明を再開した

 

美奈「……皆さんの御気持ちは分かります……だけど、私はこれを選んだので、文句は言わないで下さい……話を戻しますが、この作戦の要は『軍医としての大将の腕』と『時間』そして……朱里さんと紫ちゃんの二人が要になります……出撃は0000(午前0時)の予定です」

 

美奈は作戦内容を伝えると朱里は作戦の要の一人になっている紫の行方について聞いた

 

朱里「……肝心の紫は?」

 

美奈「ッ!?そう言えば……」

 

美奈は今、舞鶴鎮守府に居ない紫に気付き、辺りを見ると……

 

 

 

 

 

クパァ……

 

 

 

 

 

紫「お待たせ、作戦内容なら聞いていたわ……」

 

美奈「紫ちゃん!!一体何処に行っていたの!!」

 

美奈は行き先を告げないまま隙間を使って席を外していた紫に怒鳴ると、紫は微笑みながら答えた

 

紫「なぁに、私達も幻想郷のメンバーを集めていたのよ……今回の作戦に()()()()なメンバーをね」

 

朱里「ピッタリ?」

 

朱里は紫が集めて来たメンバーについて聞こうとした途端

 

 

ガチャ!

 

 

群像「……ご無沙汰しています、ひいお祖母ちゃん」

 

早苗「お久しぶりです、オバサマ」

 

朱里「群像!?それにサナチャン!?」

 

朱里は群像と早苗を見て驚くと、一馬は群像を見て、学生時代の勇人と被っているのか、懐かしそうに聞いた

 

一馬「君が勇人の孫の……」

 

群像「千早群像です、貴方が俺の『曾祖父』の……」

 

一馬「……上城一馬だ、宜しくな……そして久しぶりだな東風谷ちゃん」

 

早苗「お久しぶりですオジサマ……ハヤチャンは?」

 

一馬「……知らん」

 

美奈「大将なら軍艦『金剛』に……えーっと……貴女が大将の『元カノ』の……」

 

早苗「東風谷早苗です……()()がお世話になっています……『美奈』さん」

 

美奈「ッ!?どうして私の名前を!?」

 

美奈は早苗の発言に驚きつつ質問すると、早苗は微笑みながら答えた

 

早苗「紫さんに教えて貰いました」

 

紫「そりゃ……私達の味方だから、名前くらいは把握しといた方が良いでしょ?」

 

美奈「そうでしたか……宜しくね、早苗さんに群像君」

 

早苗 群像「はい!宜しくお願いします!」

 

美奈と早苗そして群像は互いに頭を下げると、優花は早苗の『()()()()』に頭に来たのか、怒りの含んだ強い口調で早苗に問い質した

 

優花「ちょ!?アンタ!!()()()()()()って、どういう事!!」

 

優花は早苗の爆弾発言に対して怒りの含んだ強い口調で問い質すと早苗は優花を小馬鹿にする様に微笑みながら答えた

 

早苗「そのままの意味ですよ……まぁ貴女には関係の無い事ですので……」

 

優花「んだと……」

 

早苗「……やりますか?」

 

優花「上等よ!此処でアンタの顔面整形をやってやらぁ!!」

 

早苗「奇遇ね、私も同じ事を考えてたわ……掛かってこい!!」

 

千川「ちょ!?優花君、少し落ち着いて!」

 

群像「早苗さん!お祖母ちゃんに喧嘩を売ってどうするのですか!!お祖母ちゃん、この人は『お祖父ちゃんの元カノ』ですので、落ち着いて下さい!!」

 

優花 早苗「二人は黙ってて!!」

 

群像 千川「ヒイッ!?は……ハイィィィィ!!」

 

群像と千川は二人の険悪……というより一触即発な状態を解決しようと仲裁に入ったが、二人の殺気に当てられ、萎縮すると、美奈は朱里と紫に聞いた

 

美奈「……紫ちゃんに朱里さん、ちょっと二人を黙らせたいので、粛正の許可を貰っても?」

 

朱里「……構わないわ、優花の()()は勇人に()()()から……」

 

紫「……お願いね」

 

朱里と紫は美奈の考えを察したのか、少し呆れながら答えると、美奈は早苗と優花の間に入り、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴン!!

 

 

優花 早苗「痛ッ!!何するの!!」

 

二人は美奈に拳骨を食らい、頭を擦りながら美奈に聞くと、美奈は二人の『くだらない喧嘩』に一喝を入れる様に強い口調で怒鳴り付けた

 

美奈「アンタら!今『勇人君の取り合い(そないな事)』をしている場合か!!それは佐世保でやれや!!それに早苗さん!!今のはアンタが悪いんや!!優花ちゃんに謝りや!!そして優花ちゃん!!アンタは軍人やろ!!堅気相手に何キレているんや!!早苗さんに謝りや!!

 

早苗 優花「なっ!?わ……私が!?何でコイツに!?」

 

美奈「はよせぇ!!見苦しいんや!!

 

早苗 優花「………チッ

 

美奈は謝罪を渋っている二人に一喝すると、二人は小さく舌打ちをし、渋々、頭を下げた

 

早苗「……分かりました、ごめんなさい」

 

優花「……ごめん、だけど……アンタの事を認めないから!」

 

早苗「ええ……今は休戦よ」

 

美奈「これで良し!」

 

美奈は二人の喧嘩が止まった事に安堵すると、勇次達は『佐世保の日常』と被っているのか、少し呆れながら呟いた

 

勇次「……はぁ……」

 

瑞鶴「……泣けるわ」

 

一馬「……やれやれ」

 

美咲「なのです……」

 

日向「それはそうと、何故群像達が此処に?」

 

日向は群像達が舞鶴鎮守府に来た理由について触れると群像は少し俯きながら答えた

 

群像「今のお祖父ちゃんでは道中に勝てないと思ったので……」

 

紫「親孝行ならぬ『祖父孝行』ね……良い心掛けだわ……」

 

群像「はい……えーっと……貴女は確か……俺の『実の曾祖母』の『上坂優香里』さん?」

 

紫「違うわよ!!ババアじゃないもん!!」

 

美奈「()()()じゃないですよ、紫ちゃん」

 

群像は紫を上坂と勘違いをし、紫はキッパリと否定し、自己紹介を始めた

 

紫「そうだったわね……ゴホン……私は幻想郷を統括している者……言わば『幻想郷の長』の『八雲紫』よ……貴方が勇人の孫の千早群像ね……本当に学生時代の勇人に瓜二つだわ……」

 

群像「あの人の孫ですからね……それより、今の現状を知りたいのですが……」

 

紫「……早苗が言った通りよ、勇人は早苗と同じ現人神……いえ付喪神になり、今、勇人が考えた作戦について説明している所よ」

 

群像は今の舞鶴の現状について紫に聞くと、紫は簡潔に答え、緑茶を飲むと、群像は微笑みながら言った

 

群像「……俺達は『良いタイミング』に現れたのですね」

 

紫「フフッ……ええ……これは良い意味で予想外な事よ……まさか『蒼き鋼』が参戦するとはね……」

 

紫は群像の考えを察したのか、悪巧みをするような笑みを溢しながら呟くと手術を終えた勇人が少し疲れているのか、栄養ドリンクを飲みながら食堂に入って来た

 

勇人「あ"~……漸く終わった……お!?群像、来てたんか?」

 

群像「ああ……って!?大丈夫か!?ゾンビみたいに『酷い顔』になっているぞ!?」

 

群像は大人数相手に手術をしたせいで、誰から見ても『疲労困憊』になっている勇人を心配すると、勇人は疲れ切っているのか、覚束無い足取りで席に座り、群像を安心させるかの様に微笑みながら答えた

 

勇人「ゾンビって……李のアレよりかはマジだろ……」

 

群像「確かにな……」

 

勇人「……んで、お前が来るって事は未来で何かあったのか?」

 

群像「いや……タカオの船の様子を見に来たんだ」

 

勇人「そうか……」

 

勇人と群像は久々の再会に嬉しいのか、緑茶を飲み、微笑みながら雑談をすると、早苗は勇人を見て、嬉しそうに言った

 

早苗「久しぶり!ハヤチャン!」 

 

勇人「ブーッ!?な……何でオメェが居るんや!!」

 

優花「勇人君!!」

 

勇人は早苗の登場に緑茶を吹き溢し、驚愕しながら聞くと優花は先程のトラブルに頭が来ているのか、勇人の胸倉を掴み、問い質した

 

優花「この女とは、どういう関係なの!!」

 

勇人「さっき言っただろ……元カノだって!」

 

早苗「違うわよ!私はハヤチャンの彼女よ!!」

 

勇人「オメェも何を言っているんや!!ってか、こんな事をしている場合じゃねぇだろ!!落ち着けや!!」

 

優花「……そうだったね、ごめんね」

 

勇人「はぁ……泣けるぜ……そして、早苗……」

 

早苗「ん?」

 

優花は勇人に一喝され、冷静さを取り戻し、謝罪しながら胸倉を離すと勇人は早苗に少し強い口調で質問した

 

勇人「何故、お前が居るんや?此処は、お前が来ても良い場所では無ぇぞ!」

 

早苗「……私もハヤチャンと一緒に戦いたいの!」

 

早苗は此処に来た理由を簡潔に答えると勇人と優花は早苗が戦場に行く事を反対しているのか、早苗に怒鳴り付けた

 

勇人「はぁ!?お前が!?馬鹿な事を言うのは止めろ!!これは遊びじゃねぇんだぞ!!」

 

優花「そうよ!!堅気であるアンタが来ても足手纏いになるだけよ!!今すぐに幻想郷に帰って!!」

 

勇人と優花は早苗に戦場の恐ろしさを体験させたく無い為に二人は早苗を幻想郷に帰る様に強く薦めると早苗は「嫌よ!」と否定し、勇人達に自身の強い意思をぶつけた

 

早苗「私だって五年前と比べて強くなったの!!()()()みたいに『みんなのせい』でハヤチャンを……()()()()()()()()!!」

 

優花「傷付けた?アンタ……当時、彼氏だった勇人君を……攻撃したの?」

 

早苗「……ええ」

 

優花「ッ!?アンタ!それでも勇t……勇人「落ち着け優花、それに関しては後で説明する……あれは仕方無かったんや」……勇人君……」

 

勇人「……早苗」

 

早苗は昔、勇人を傷付けた事を暴露すると、優花は早苗の暴露に激怒し、早苗に問い質そうとしたが、勇人に止められ、渋々、引き下がると勇人はドスの効いた低い口調で早苗に言った

 

勇人「オメェ……戦場を舐めてんのか?そんな『()()()()()()()』で参加出来ると思っているのか?」

 

早苗「ちっぽけ!?私にとっては『()()()()()()()』よ!」

 

早苗は勇人の『ちっぽけな理由』という言葉に癪に触れ、激怒し、怒鳴る様に反論すると、勇人は戦場で早苗を死なせたく無い為に敢えて強く、そしてドスの効いた怒鳴り声で反論した

 

勇人「たかが『一人の男を傷付けたくない』という()()()()()でか………ハッ!笑わせんな!!此方は『()()』や『()()』そして『この先の()()』……『()()()()()』為に(タマ)張っているんや!!俺は早苗に『()()()()』をさせる為に()()()()()()んじゃ無ぇ!!」

 

早苗「ハヤチャン……」

 

優花「……」

 

早苗は勇人の反論に答えれず、悔しそうに顔を顰めると紫と美奈は勇人を窘めながら懇願した

 

紫「まぁまぁ……勇人に優花、もし早苗がヤバくなったら私の隙間で幻想郷に帰還させるから……此処は早苗の能力……いえ早苗を信じてあげて……」

 

美奈「……私も紫ちゃんの意見に賛成です、彼女……早苗さんの『気持ち』そして『覚悟』が痛い程『分かります』……だから……私からも、お願いします!」

 

早苗「紫さん……美奈さん……」

 

美奈と紫は勇人と優花に頭を下げると、勇人はドスの効いた低い口調で早苗に聞いた

 

勇人「……椛は何て言ってたんや?」 

 

早苗「……必ず生きて帰って来い……と……」

 

早苗は既に覚悟を決めているのか、目が据わり、芯のある強い口調で勇人の質問に答えると、勇人は溜め息を吐き、参ったと言わんばかりに呆れた表情になり、早苗に言った

 

勇人「……わーったよ、早苗は蒼き鋼……いや群像の指示に従ってくれ……群像、早苗を頼んだぞ」

 

群像「フッ……最初から『()()()()()』だ」

 

早苗「ッ!?本当に!?」

 

勇人「ああ……但し、俺からも()()がある」

 

早苗「条件?」

 

勇人「ああ……その条件は……」

 

早苗は勇人の条件について聞くと、勇人は一呼吸を置き、神妙な表情で答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「『()()()()()()()()()』そして『()()()()()』……俺からの条件は、それだけだ……」

 

早苗「ッ!?うん!!」

 

優花「ちょ!?勇人君!アイツの参加を認めるの!?」

 

早苗は勇人の許しが出た事に嬉しそうに頷き、優花は早苗の参加を認めていないのか、声を荒げながら怒鳴ると勇人は優花に早苗の参戦を許可した理由を答えた

 

勇人「ああ……それにアイツの能力は、ある意味『()()()()()()()()』を持っているからな……それに()()()しか方法が無ぇ……」

 

勇人は早苗の能力の『厄介さ』を知っている為、それに賭ける事を優花に伝えると、優花は勇人に聞いた

 

優花「能力?アイツの能力って?」

 

優花は早苗の能力について聞くと、勇人は溜め息を吐きながら早苗の能力をうち明かした

 

勇人「……早苗の能力は『奇跡を起こす程度の能力』だ」

 

優花「奇跡……だけど何故、勇人君以上に()()()()()と?」

 

優花は何故、勇人が早苗の能力を危険視するのか聞くと、勇人は危険視する理由を答えた

 

勇人「ああ、早苗が持っている能力の対象……いや奇跡の対象が自分含め『味方全員』しか発動出来ないんだ……つまり、逆に言えば敵にとって遥かに()()()()、そして()()()()()()()()()()()()()()()()()……という訳だ」

 

優花「ッ!?……恐ろしい能力だね……分かった、アンタ……いや早苗さん……貴女の参加を()()()よ……だから、私達の足を引っ張る様な真似は止めてね」

 

早苗「優花さん……分かったわ!」

 

勇人「……群像、早苗以外に参戦するメンバーを教えてくれ」

 

勇人は群像に聞くと、群像は緑茶を飲み干し、一呼吸を置き、答えた

 

群像「佐世保からはビスマルクさんに長門さん、金剛さん……幻想郷からは『博麗霊夢』さん『霧雨魔理沙』さん、そして『五十嵐』……いや『十六夜咲夜』さんが参戦する事になったんだ」

 

勇人「はぁ!?咲夜は兎も角、魔理沙そして霊夢までもか!?」

 

勇人は又従兄弟である霊夢が参戦する事に驚くと……

 

 

 

 

 

 

 

 

バン!

 

 

 

 

霊夢 魔理沙「こんのぉぉぉ……馬鹿勇人がぁぁぁぁぁ!!何で私達に相談しなかったのよ!!

 

杏平「落ち着いて霊夢さんに魔理沙さん!!此処で暴れないで下さい!!」

 

長門「気持ちは分かるが落ち着けって!!」

 

僧「流石、お爺様の血縁者ですね……あのビッグ7の長門さんが簡単に引き摺られているとは……」

 

長門「感心してないで二人を止めろ!!」

 

僧「ッ!?そうでした!!二人共、落ち着いて下さい!」

 

霊夢 魔理沙「はぁぁぁなぁぁぁせぇぇぇぇぇ!!」

 

咲夜「全く……旦那様に奥様、そして皆様……大変お見苦しい所を見せてしまってスミマセン……」

 

一馬「お……おう……」

 

霊夢が扉を蹴り飛ばし、霊夢と魔理沙を押さえている長門、杏平そして僧を引き摺りながら勇人に涙声で怒鳴り付けると勇人は二人の覇気に少し臆しながら答えた

 

勇人「そ……それは……俺達の問題だ、幻想郷の連中に迷惑を掛けたく無かったんだ」

 

霊夢「だからって!何で独りで抱え込むのよ!!私達『家族』じゃないの!!そんなに私達の事が頼り無いの!?」

 

魔理沙「そうだ!!少しは『仲間』である私達を頼ったらどうなんだ!!」

 

優花「ん?仲間は兎も角……()()?」

 

優花は霊夢の発言に首を傾げると、咲夜が霊夢と勇人の関係を小声ではあるが、簡潔に答えた

 

咲夜「霊夢は御主人様……いえ勇人さんの()()()()なんですよ」

 

優花「ああ……成程ね」

 

優花は咲夜の説明に軽く頷き、納得すると、勇人は強い口調で二人に反論した

 

勇人「()()そして()()()()()()()、危険な目に遇わせたく無かったんだ!確かに霊夢と魔理沙は幻想郷の中でも相当強い事は()()()()()()()()()!だかな、それは『弾幕ごっこ』……言わば()()()()()()()だ!レミリアやフラン、咲夜、美鈴(メイリン)みたいに()()()()()()()()だろ!」

 

霊夢 魔理沙「ッ!?私達だって、()()()()()()()()は味わっている()!!」

 

長門「……提督、魔理沙の実力は分かりませんが、霊夢は常に提督と共にしていたので実力は申し分有りません……だから……霊夢と魔理沙を作戦に加わってくれませんか?私達も二人をカバーしますので……」

 

霊夢「長門……」

 

長門は勇人に助言を出すかの様に控え目にお願いすると勇人は呆れ、舌打ちをし、機嫌悪く答えた

 

勇人「……チッ!わーったよ!……長門、二人……いや()()を頼んだぞ」

 

長門「了解しました」

 

魔理沙「漸く分かって貰えたか……馬鹿勇人……」

 

優花「漸く落ち着いて……ん?三人?」

 

勇人「咲夜の事だ」

 

優花「成程ね……」

 

群像「……それで作戦内容は?」

 

美奈「それは私が説明します……」

 

群像は場が落ち着いた事に安堵しつつ、作戦内容について聞くと、美奈は作戦内容を簡潔に説明した

 

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍崎「……大将に八雲さん、少しお話がありますので御同行を御願い出来ますか?」

 

勇人「ん?分かった……」

 

紫(ッ!?とうとう『()()』について話すつもりね……)

 

勇人と紫は龍崎の願いを受け、席を外し、食堂を後にした

 

 

 

 

数分後 出撃ドックにて

 

龍崎「……此処なら誰にも聞かれないな」

 

勇人「オイ龍崎、何故此処に連れてきたんだ?」

 

勇人は先程の騒動で少し機嫌が悪いのか、怒りの篭った口調で聞くと、紫は龍崎が勇人を呼んだ理由を察したのか、一呼吸を置き、答えた

 

まさか、その理由は勇人にとって『有り得ない事』だったのだ

 

それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「……()()()()()()()()()()()()()()()()……でしょ?」

 

勇人「ッ!?片割れ……だと……」

 

勇人と同一人物(魂の片割れ)との再会だった事に……



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第90話「舞鶴大異変 part 2」

どうも私ですm(_ _)m

これが今年最後の投稿です

こんな駄作感丸出しの『2つの作品』を読んで頂き、誠にありがとうございます

来年もまたメインの『Admiral of Roughneck~From black to white~』とサブの『魔法少女まどか☆オーガ~全てを覆す武士達~』の2作品を宜しくお願い申し上げます

では皆さん、良い御年を……


美奈が群像達に作戦内容を説明している頃 神城会ロシア支部にて

 

俊夫「……こりゃ面倒な事になったな」

 

俊夫は『とある書類』を見て、頭を掻き、顔を顰めると、高級そうな椅子に座っているバラライ〇似の金髪のロシア系の女性と俊夫の隣に立っている白髪が少し入った大和似の凛々しい女性が日本語で悪態を吐いた

 

金髪の女性「全く、何で若様の問題が此処まで……」

 

白髪混じりの女性「……それほど『規模がデカイ問題』だって事よ……Карина(カリーナ)、ガン子ちゃん……いやГангут(ガングード)は?」

 

金髪の女性改め『カリーナ』「……今、若様の命令で横須賀から此方に向かっています……だが、彼女……いや朱里さんの所のガングードは……」

 

ロシア系の女性……いや『神城会ロシア支部』の支部長であり、シベリア拍地の司令長官『Карина(カリーナ) Николаевич(ニコラーエヴィッチ) Врангель(ヴラーンゲリ)』は艦娘『ガングード』について『何か問題が有る』のか、頭を抱えながら言うと、俊夫の妻であり、勇人の祖母『上城(かみしろ) 真琴(まこと)』はカリーナの考えを察したのか、神妙な表情ではあるが簡潔に答えた

 

白髪混じりの女性改め『真琴』「……ブラック鎮守府から保護した艦娘?」

 

真琴はカリーナの重苦しい雰囲気を察し、『ガングードは提督(上官)に虐げられ、精神的に病んでいる』と判断し、カリーナに聞くと、カリーナは頭を横に振り、真琴の答えを否定した

 

カリーナ「……()()()じゃないわ、彼女は……極度の()()()()なのよ……しかも若様みたいに羅針盤を使わないから尚タチが悪いのよ」

 

真琴「そっちなの!!しかも羅針盤無しで!?馬鹿だろ!?勇人みたいに高性能の羅針盤……航法装置(TCN)すら無いのにか!?」

 

カリーナ「ええ……彼女も若様の影響で……」

 

俊夫「……泣けるな」

 

真琴「……あの子の影響力って凄まじいわ……」

 

朱里の所のガングードの滅茶苦茶な性格に上城夫妻は呆れていると、軍服を着た壮年の男が部屋に入り、カリーナ達に日本語で報告をした

 

男「報告します大佐!横須賀のガングードが此方に来ました!」

 

カリーナ「へ?あのガングードが迷わずに来たのか!?」

 

男「はい……どうしますか?」

 

カリーナ「ライコフ軍曹、ガングードを呼んで来てくれ……彼女は若様から伝言を預かっているから……」

 

カリーナは報告に来た男『ライコフ』に命令すると、ライコフは「понимание(了解しました)」とロシア語で了承(敬礼)すると、ライコフは廊下で待機していたガングードを部屋に招き入れ、ガングードと入れ替わる横にライコフは部屋を後にした

 

ガングード「Долгое время нет(お久しぶりです),председатель(会長)

 

俊夫「Долгое время нет(久しぶりだな),Вы привыкли к Японии(日本に慣れたか)?」

 

ガングード「Я еще не привык к этому(まだ不慣れな事があるが)……」

 

真琴「俊ちゃんにガン子ちゃん、雑談は此処までにして……ガン子ちゃん、アイツからの伝言があると聞いていたが?」

 

真琴はガングードが預かっている『勇人の伝言』について聞くと、ガングードは『ガン子ちゃん』と呼ばれた事が嫌なのか、顔を顰めながら言った

 

ガングード「……アイツからの伝言は……『()()()()()()()()使()()()()から()()()()()』と……」

 

真琴「……()()()()()()を渡るつもりね」

 

ガングードは勇人の伝言を、そのまま伝えると、真琴は『自身の立場』を察し、勇人の事を心配しながら呟くとカリーナは真琴の立場を知っているのか、真琴の立場……いや『本職』について言った

 

カリーナ「……『ヤクザ側のスパイ(サクラ)』……いや現役の『国際刑事警察機構(ICPO) 日本支部局長』としての()()……か……」

 

真琴「………」

 

そう、真琴の本職は『神城会 会長代行』でもあり『国際刑事警察機構(ICPO)』の日本支部局長……つまり世界を舞台に活躍する()()()()()、しかも日本支部局長という最高役職に就いていたのだ

 

真琴は勇人()の願いに頭を悩ませていると、俊夫は真琴に助言を出すかの様に優しく言った

 

俊夫「……此処は勇人を助ける為に権力を使ったら?あの『書類』が本当なら……勇人達は()()()()ぞ」

 

俊夫は悩みの種である『書類』を見せると、真琴は納得し、答えた

 

真琴「……そうね、分かったわ……()()()日本支部局と舞鶴鎮守府に行ってくるわ」

 

ガングード「今から!?ロシアから日本まで相当距離があるぞ!?」

 

カリーナ「それに、プライベートジェットでも半日以上は掛かるわ!?この書類……若様達の『処刑状』に記載されている時間に間に合わないぞ!!」

 

真琴は意を決し、答えるとガングードとカリーナは悩みの種である書類……『外患誘致罪』で勇人を()()()()()()と『()()()()()()』で()()()()()()()()()()()、言わば『()()()()()()』に記載されている時間に間に合わない事を伝えると、真琴は策があるのか、微笑みながら答えた

 

真琴「私を誰だと思っているの?二代前の『()()()()()()()()』であり『()()()()()()()』を持っているのよ……んじゃ……隙間オープン!」

 

クパァ……

 

真琴「それじゃ、後は宜しく!」

 

真琴は紫と同じ隙間を展開させ、隙間に入ると、隙間ごと消滅し、真琴は日本に移動した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 舞鶴鎮守府 出撃ドックにて

 

勇人「……オイ、俺の魂の片割れって……どういう事だ!!」

 

勇人は龍崎に強い口調で問い詰めると、龍崎は勇人に申し訳無いのか、俯いた表情で答えた

 

龍崎「あの2人……美奈と未来を不幸な目に逢わせたく無かったんや……堪忍なぁ……」

 

勇人「()()って……テメェ!それでも美奈の夫であり未来の親父か!家族の長なら最後までケジメを取らんかぁぁぁ!!」

 

紫「ちょ!?勇人!!落ち着いて!!」

 

勇人「これが落ち着いていられるか!!」

 

勇人は美奈から『若気の至り』で未来を流産させた事を聞いていた為、龍崎の『他人任せ』そして『自分勝手』な発言に堪忍袋が切れ、胸倉を掴み、怒鳴り散らすと龍崎は悔しいのか、顔を顰め、少し涙目になりながら答えた

 

龍崎「ワシかて、前世とは言え、美奈の夫として……()()()()()()未来の父親として助けたかったんや!せやけど……アンタみたいにワシは()()()()()()()()()()そして()()も無いんや!!だからワシは、二人に不幸な目に逢わせたくなかったらから『不幸にさせる根本的な所』である()()()()()……()()()()()()()()を切り離したんや!しかし、アンタは……ワシが想像していた以上に『()』『()()』……()()()()()()を手に入れた事を知り、それに賭けたんや!」

 

勇人「結局は()()()()じゃねぇか!!目ぇ覚ましてやる!!」

 

龍崎「ッ!?」

 

龍崎は素である播州弁で勇人に訴える様に答えると、勇人は龍崎の気持ちを否定し、龍崎を殴ろうとした途端……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未来「お父さん!!これ以上やったら『()()()()()()()()()』が死んでしまうよ!!」

 

戦艦女帝「ストップストップ!!御兄様、今は『こんな事』をしている場合じゃないよ!!」

 

龍崎「未来……それに戦艦女帝……」

 

勇人「二人共……何時から其所に?」

 

未来と戦艦女帝は龍崎を殴ろうとする勇人を羽交い締めをしながら止めると、勇人は先程の暴走から一転し、普段の冷静な表情になり、二人に聞くと、未来は気不味そうに答えた

 

未来「……最初から居たよ」

 

戦艦女帝「というより、御兄様達が()()()()()()()()()()()()()……というのが正しいけどね」

 

勇人「……マジかよ……って事は()()()()()()()?」

 

勇人は二人に聞くと、二人は「うん」と頭を縦に振り、肯定すると、龍崎は未来に気不味そうに言った

 

龍崎「未来……大きくなったな……今、幸せか?」

 

未来「……よく私の前で父親面なんか出来たよね」

 

勇人「……悪い」

 

未来は龍崎に悪態を吐くと、勇人は先程の行き過ぎた行為に未来を失望させたと誤解し、謝罪すると、未来は慌てて勇人の誤解を否定し、龍崎に聞いた

 

未来「お父さんの事では無いよ!お父さんは私達の為に身を削ってまで助けてくれたんだ!……お父さん……何で私達に正体を隠していたの?」

 

勇人「知らねぇ……俺も初耳だ……」

 

未来「だから、お父さんじゃ……あー!もう!ややこしいなぁ!!……恥ずかしいけど……『()()』じゃなくて『前世の記憶を持ったお父さん』の方に聞いているの!!」

 

勇人「パパって……あのなぁ……」

 

未来は『二人の父親』が居る事に混乱したが、勇人の事を『パパ』と恥ずかしそうに言い換え、龍崎に何故、正体を隠していた理由について聞くと、龍崎は頭を下げ、隠していた理由を答えた

 

龍崎「……ワシの正体がバレたら、せっかく第二の人生を満喫している二人の幸せを壊したく無かったんや……それにワシは……もう、未来を失いたく無いし、二人を失う位なら……二人を『ワシの片割れ(上城大将)』や『千川少佐』に任せて、ワシの事はそのまま墓に持っていくつもりやったんや……本当にすまなかった……」

 

勇人「……やっぱ、一発ぶん殴らせろ!」

 

勇人は龍崎の自分勝手な理由に情けなく思い、気合いを入れさせる為、握り拳を作り、手を出そうとしたが……

 

紫「だから駄目だって!勇人の気持ちも分かるが、その行為は懲戒免職(クビ)になるわ!!それに貴方は半艦息であり現人神(付喪神)になったばかりだから、未だに力加減が出来ていないでしょ!下手打って殺してしまったら、どうするの!」

 

勇人「……チッ」

 

紫に一喝され仕方無く拳を解き、舌打ちをすると、未来は勇人と同じ気持ちなのか、龍崎を睨み付ける様な鋭い目付きになり、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バチン!!

 

 

 

 

 

龍崎「ッ!?未来……」

 

紫 勇人「……」

 

戦艦女帝「うわ~……スナップの効いた良い音出すなぁ~……」

 

……龍崎の左頬に平手打ちをし、涙声になりながら『娘』として龍崎に怒鳴り吐けた

 

未来「私やお母さんの幸せを壊したく無いから一生『正体を隠し続ける』?笑わせないで!!それはお父さんの『我が儘』じゃない!パパは記憶の無い状態で転生してから()()()()()()()()()()を味わいながらも努力し、みんなを守れる力を手に入れ、辛い事があっても、ひたすら前に進んで行ったのよ!そしてパパはお父さんの身勝手な理由で『本来お父さんが味わう不幸』全てを受け止め、パパが本来『味わうべき幸運』をお父さんが奪ったの気付いてないの!?それでパパに詫びを入れる所か『()()()()()()()()()()()』でパパを怒らせたんじゃないの!私は……いえ、お母さんと私は、こんな『()()()()()()()()』を見たくないの……」

 

龍崎「未来……」

 

未来は泣きながら龍崎に自身の気持ちを訴えると龍崎は先程の発言に情けなく思ったのか、俯くと、龍崎は勇人に頭を下げ、()()()()()として、そして()()()()()として勇人に懇願した

 

龍崎「アンタ……いや勇人さん……こんな情けない『未来の父親(魂の片割れ)』だが……どうか、二人を助けてくれませんか!!お願いします!!」

 

未来「パパ!私からも改めて、お願いします!」

 

龍崎と未来は勇人に頭を下げると、勇人は隙間を発動させ、隙間から煙草を取り出し、一服をすると、勇人は少し苛つきながら答えた

 

勇人「チッ……言われなくても助けてやるよ」

 

龍崎「本当か!?」

 

龍崎は勇人の了承に安堵すると、勇人は煙草を踏み消し、苛つきながらも了承した理由を答えた

 

勇人「当たり前だ、美奈達に()()()()を救ってくれた『()()』もあるし、オメェの片割れだが俺は未来の()()であり、前世の()()()()()だ……()()の為なら何だってやるさ……それに、お前は『俺』という(存在)を作ってくれたんだ……その()()だけは()()()()()()()

 

そう、勇人は()()そして()()……正しく『()()()()()()』という理由で……否、(勇人)らしい『()()()()』で『()()()()()()』理由で了承した事を二人に伝えると、未来は勇人の性格を()()()()()()のか微笑み、龍崎は自身の()()()()()を持った勇人に感謝する様に頭を更に深く下げ、自身の今の気持ちを伝えた

 

未来「フフッ……パパらしい理由だね」

 

龍崎「本当に……ありがとうございます!!美奈と未来……二人をお願いします!!」

 

勇人「……お前も出来る限りの事はやれよ、そしてテメェの口から美奈に伝えろよ」

 

龍崎「はい!!」

 

勇人「……んじゃ、戻るぞ」

 

勇人は捨てた煙草を携帯灰皿に入れ、煙草ごと隙間に片付け、龍崎の謝罪を許し、龍崎と紫を連れて、食堂に戻った

 

 

 

 

そして 大本営にて……

 

 

 

 

 

 

 

恭一「諸君、我々は明日1000を()って、舞鶴に滞在している深海棲艦を『拿捕』及び『処刑』をし、そして君達『第一研修部隊』の()()()()()である上城勇人に『死の鉄槌』を食らわせるぞ!!諸君らの活躍に健闘することを願おう!!」

 

勇人の同期達「了解!!」

 

恭一が勇人の同期『第一研修部隊』上がりの提督達を引き連れ、意気揚々と準備していた事に勇人達は知らなかった

 

 

それと同時に……

 

 

 

 

 

真琴「……バカね『死の鉄槌』を喰らうのはアンタ達だって言うのに……しかし『勇人の処刑状』の()()()()()()が間に合って良かった……んじゃ、私は舞鶴に行きますか!」

 

勇人の祖母(上城真琴)』……いや『二代前の博麗の巫女』こと旧姓『博麗真琴』によって『圧倒的に優位』になっている事も……



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第90話「舞鶴大異変 part 3」

勇人が龍崎の願いを承諾している頃 1900 舞鶴鎮守府 食堂改め『緊急会議室』にて

 

美奈「……という作戦です、早苗ちゃん達も分かりましたか?」

 

早苗「……すみません、軍隊用語が、かなり入っていたので……もう少し分かりやすい説明をお願いします」

 

魔理沙「……私もだ」

 

美奈「……そう言われても、私も大将の言葉を『そのまま』伝えたから……」

 

美奈は勇人の作戦を事細かに伝えると、霊夢は勇人の作戦を簡潔に纏め、早苗達に伝えた

 

霊夢「……つまり敵陣に入ったら、()()()()()本気で暴れれば良いのよ」

 

早苗 魔理沙「あっ!納得しました(しだぜ)!!」

 

美奈「……簡潔過ぎませんか?」

 

美奈は霊夢の簡潔過ぎる説明に少し呆れると、霊夢は自身の性能を把握した上で、美奈に簡潔過ぎた説明について答えた

 

霊夢「そう?私達は『空を飛べる』のよ……陣形も糞も無いわ」

 

美奈「……そう言えば、そうでしたね……しかし霊夢ちゃん、巫女なのに口が悪いわね

 

朱里「ごめんなさいね、彼女も勇人に似て素行が……」

 

美奈「……大将の影響力は凄まじいのですね……」

 

美奈は勇人の影響力の凄まじさに頭を抱えると席を外していた勇人と紫が入ってきて、少し苛つきながら呟いた

 

勇人「ったく!何で次から次へと……」

 

紫「……泣けるわ」

 

美奈「大将に紫ちゃん!!一体何処に行ってたの!?」

 

勇人「……美奈、お前……いや、俺にも関係のある話を聞いてきたんだ」

 

美奈「私と大将に……ですか?」

 

勇人「ああ……入ってこい……()()

 

勇人は美奈に関する話を聞いてきた事……龍崎の事を美奈に伝えると、美奈は首を傾げ、勇人に聞くと、勇人は食堂……否『緊急会議室』の前に待機している龍崎を呼ぶと龍崎は俯きながら入ってきて来た

 

龍崎「し……失礼します……」

 

美奈「龍崎……大将、この憲兵さんは?」

 

勇人「……龍崎、テメェの口から伝えろよ」

 

龍崎「……分かった」

 

美奈は龍崎の名字を聞いて、勇人に聞くと、二人は神妙な表情になり、龍崎は自身の事を告白した

 

龍崎「久しぶりやな……美奈」

 

美奈「ッ!?まさか……謙一!?」

 

朱里「え!?ちょ!?どういう事!?前世の美奈さんの夫って……勇人じゃなかったの!?」

 

朱里は勇人の前世である龍崎が此処にいる事に驚き、勇人に聞くと、勇人は呆れながら答えた

 

勇人「……こいつが俺という魂を作ったんや」

 

紫「……というより、龍崎さん自身の魂の一部を切り捨てた()()が勇人なのよ」

 

美奈「……どうして……そないな事を……」

 

千川「へ?『()()()()()』だと!?何故そんな真似をしたんだ?」

 

美奈と千川は龍崎が自身の悪魂である勇人を作り上げた事に驚愕し、千川は魂を切り捨てた理由を龍崎に聞くと、龍崎は俯き、そして申し訳なさそうに答えた

 

龍崎「……ワシがそのまま転生すると、ワシだけじゃなく美奈達が不幸な目に遇うからや……だから……その()()()()()である悪達を切り捨て、そのまま黙って人生を全うしたかったんや……そして、その悪魂が……」

 

勇人「……()として生まれ変わったんや、まぁ……悪魂というよりかは『コイツが来世で受けるべき不幸の魂』が『俺の魂』と言う訳だ……」

 

美奈「……」

 

龍崎は俯きながら説明をすると、美奈は何かの感情を貯めるかの様に黙り混み、そして……

 

 

 

 

バチン!!

 

 

 

 

勇人 龍崎「ッ!?」

 

 

美奈「……このダボ!!ウチらに不幸な目に遇わせたく無いから、そないな事をやったんか!!しかも今の自分が受けるべき不幸を勇人君に丸投げして!恥ずかしく無いんかい!!

 

龍崎「……」

 

勇人「うわ……未来と同じ反応しているな……流石、親子……」

 

紫「……貴方の前世の元妻だけに、血の気が多いわね……」

 

赤城「同じく……」

 

美奈は『何かの感情』の正体である『怒り』を爆発するかの様に涙を流し、龍崎の顔を叩き、怒鳴り散らすと龍崎は黙ると朱里と一馬は美奈を窘める様に優しく説得した

 

朱里「落ち着いて美奈さん……貴女が怒りたい理由も分かる……だけど、それ以上に龍崎さんに()()しているの」

 

一馬「……確かに龍崎は男として……夫として『最低な事』をやったが、勇人の親として『感謝』しないといけないからな」

 

美奈「ッ!?感謝……ですか?このダボな元亭主に……ですか?」

 

美奈は上城夫妻の『感謝』について聞くと、夫妻は龍崎の前に移動し、龍崎の前で微笑みながら答えた

 

朱里「ええ……龍崎さん……」

 

一馬「……龍崎」

 

龍崎「は……はい、三笠教官に元帥……」

 

朱里「今から私達が言う事は貴方の上官としては無く『あの子の親』として言うわ……」

 

夫妻は微笑みつつ、一呼吸を置き、龍崎に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朱里「息子を……()()()()()()を作ってくれて『()()()()()』……貴方のお陰で『子供が産めない』私に()()()()()が出来た事に感謝します……」

 

一馬「……本当に『ありがとう』」

 

……頭を下げ、勇人の親として『感謝の気持ち』を龍崎に伝えたのだ

 

龍崎と美奈は夫妻の感謝の言葉に萎縮しつつ、慌てながら夫妻に言った

 

龍崎「ちょ!?教官に元帥!?顔を上げてくれませんか!?ワシは……自分勝手な理由で大将を……」

 

美奈「そうですよ!!謙一は私達『家族』の為に大将を……『貴方達の息子』である勇人君を不幸にさせてしまったのですよ!!普通なら『謙一の家族』として朱里さん達に殴られても文句が言えない事をしたのに……それを……」

 

二人は夫妻に顔を上げる様、慌てながら言うと夫妻は二人に優しく、そして『親』としての信念を二人にぶつける様に重い口調で答えた

 

一馬「……それでも俺は……いや、()()()()は、龍崎のお陰で勇人が()()()()()()()()……その『感謝の言葉(ケジメ)』だけは着けさせてくれ……」

 

朱里「……あの子の母親として、此れだけは言わせて……」

 

美奈「元帥……朱里さん……」

 

美奈は二人の言葉に先程の怒りが沈み、申し訳無さと感謝の気持ちが混み上がっているのか、俯いていると、勇人は神妙な表情で美奈に言った

 

勇人「それに俺は『今まで味わってきた不幸』で()()()()()()()()()()()()……むしろ不幸を味わったからこそ()()()()()し、かけがえの無い『()()』や『()()』に出会えたからな……だから悲しい(ツラ)になるな、俺達は感謝しているんや……それに美奈は、こんな湿気た(ツラ)になるよりかは、何時も通りの()()()()()()()()()()()()()()()()()()な明るい表情(ツラ)の方が似合っているからな……ホラ!こんな湿気た(ツラ)()()()()()()()()()に見せる訳にはいかねぇだろ……だから、シャキっとしろ!!ウジウジと湿気た(ツラ)をしてんじゃねぇ!!『舞鶴鎮守府憲兵隊所属 海軍曹長 龍崎謙一』に『補給艦』……いや『()()()()()()() ()()() 間宮』!!」

 

美奈「ッ!!はい!!」

 

龍崎「本当にありがとうございます!」

 

勇人「はぁ……泣けるぜ」

 

二人は勇人に『申し訳無く』思っているのか、湿気た表情になっていると勇人は、そんな二人の表情や考え、そして感情を一掃するかの様に活を入れると美奈は勇人の活に驚き、龍崎は勇人の言葉で救われたのか、嬉し泣きをしながら頭を下げると勇人は何時もの二人に戻って安堵したのか、はたまた一馬と朱里に『自慢の息子』と言われ恥ずかしいのか、或いは『その両方』なのか、悪態を吐くかの様に何時もの口癖を呟くと……

 

 

 

 

 

クパァ……

 

 

 

大和似の女性「ふぅ……久々に能力を使ったら疲れた……あら?何、この湿気た空気は……それに久しぶりね『紫ババア』」

 

紫「ババアって……アンタに言われたく無いわ!!」

 

上城一家「ッ!?」

 

霊夢「ゲ!?せ……()()()()()()()()()が何故……」

 

突然、紫と同じ隙間が現れ、隙間から白髪が混じり、少し老けた大和に似た女性が現れると、霊夢と上城一家全員が女性の事を知っているのか、面を喰らったかの様に驚くと千川は紫の仲間だと思いながら質問をした

 

千川「あの……どちら様ですか?見た感じ『紫さんの知人』っぽいのですが……」

 

紫「……腐れ縁よ……全く、よりによって()()()()()()()()()()が来るなんて……」

 

美奈「歴代最強?朱里さん、この人は一体……」

 

美奈は大和似の女性について朱里に聞くと、朱里は先程のラフな雰囲気から一転し、緊張しているのか、少し強張った表情で答えた

 

朱里「……美奈さん、この人は……私の『()()()()』の……」

 

大和似の女性改め『真琴』「『()博霊の巫女』であり『()()()()()()() ()()()()()』そして『朱里ちゃんの義母』の上城真琴よ……久しぶりね『蘭花ちゃん』に『ハヤちゃん』『ユージン』『蘭ちゃん』に『サッチャン』」

 

上城一家と霊夢以外全員「ッ!?」

 

大和似の女性……いや勇人の祖母である真琴は久々の孫の再会に喜んでいるのか、微笑みながら勇人に言うと勇人は「おう……」と恥ずかしそうに答えると美奈は真琴と勇人の関係そして真琴の素性に驚きを隠せないまま真琴に質問をした

 

美奈「大将の御祖母様に……インターポール!?インターポールって、あの銭〇刑事や春〇が所属している……あの……」

 

真琴「そう、あの『国際警察』よ……息子夫婦が世話になっているわね……間宮ちゃん」

 

美奈「いえいえ!私達こそ元帥達……いえ一馬さん達にお世話になっています!後、出来れば『美奈』で呼んで頂けると有難いです」

 

美奈は慌てて頭を下げつつ、本名である『美奈』と呼んで貰える様、お願いをすると真琴は微笑みながら「分かったわ」と了承すると勇人は真琴に『ある事』について聞いた

 

勇人「バーチャン、()()()について、どうなったんけ?」

 

真琴「……案の定、道中兄妹だけではなく、ハヤちゃんにも()()()が来てたわ」

 

勇人「やっぱりか……勿論……」

 

真琴「ハヤちゃんのだけは取り消したわよ……全く、美奈ちゃん達を守る為に無茶苦茶な事をして……誰に似たのよ……」

 

紫「アンタに似たのよ……しかもアンタと()()()()を再び習得したのよ」

 

真琴「……泣けるわ」

 

勇人 朱里「バーチャン(お義母さん)!!それ()の台詞!!」

 

真琴は勇人の滅茶苦茶な行動(作戦)に呆れていると美奈と優花が真琴が発言した処刑状について聞いた

 

優花「ちょ!?待って下さい!!勇人君に処刑状!?何故ですか!?」

 

美奈「優花ちゃんの言う通りです!大将は処刑される様な『悪事』はしていないのですよ!!何故、処刑を……」

 

千川「……成程……アイツらも汚い事を……」

 

美奈「提督、大将が処刑される理由が分かったのですか!?」

 

優花「教えて頂けませんか?」

 

二人は勇人が処刑される理由を真琴と千川に強く問い質すと処刑される理由を察した千川が二人に自身の予想を言った

 

千川「これは、あくまで『()()()()』だが……上城が処刑される理由は上城の部下であるコンゴウ達が『未来達』……和平派とは言え深海棲艦を救った事により、コンゴウ達の上官(ボス)である上城がコンゴウ達や僕達が犯している罪……『外患誘致罪』を上城が全部背負い、そして……上城を憎んでいる連中の()()()()……いや艦守派に対する()()()()として……」

 

真琴「……正解よ、だから()()()()()()()()()()()()()()()()()よ」

 

美奈「ホッ……そうだったのですか……」

 

朱里「勇人は、この事を()()()し、お義母さんに……」

 

勇人「ああ……まぁ、処刑状(それ)を出すって事は道中達も相当切羽詰まっている様だしな……」

 

紫「それもそうね……ん?『だけ』?ねぇ真琴、その処刑状は勇人以外に発行された人……いえ『処刑される人』が居るの?」

 

美奈と勇人そして朱里は真琴の権力で処刑状が揉み消された事に安堵すると、紫は真琴の言葉に引っ掛かった部分があったのか、真琴にそれを聞くと、真琴は「相変わらず鋭い感ね」と呟く様に紫を少し誉め、微笑みながら答えた

 

真琴「ええ、あの令状には道中兄妹も()()になっていたわ」

 

勇人「ちなみに道中兄妹(アイツら)は、その事を……」

 

真琴「知る訳が無いじゃない……道中兄妹(アイツら)が知っているのはハヤちゃんの処刑状しか知らないわよ……勿論、その処刑状は無効になったけどね」

 

真琴は悪意のある微笑みをし、勇人に言うと、群像は二人の悪どい会話に呆れつつ、処刑状について触れた

 

群像「流石、お祖父ちゃんのお祖母さんですね……ですが、処刑状を揉み消した事になると柏木さんが率いる憲兵部隊『柏木隊』に……」

 

そう、真琴の違法行為(職権濫用)に柏木隊が黙っていない事を示唆すると、真琴は微笑みながら答えた

 

真琴「分かっているわ、柏木隊の行動を()()()()()、道中兄妹の処刑の御手伝いをさせるのよ……」

 

勇人「()()()()()?それに()()()()……ッ!?まさか……道中兄妹の()()()()()は……」

 

勇人は真琴のやり方を察したのか、真琴に聞くと、真琴は勇人の答えが当たっているのか、頭を頷き、答えた

 

真琴「そ!柏木隊に任せる事にしたのよ」

 

そう真琴は道中兄妹を処刑させる為に、わざと柏木隊にハッキングしやすい様に柏木隊特有のホットラインを使って令状を発行したのだ

 

勇人「……恐ろしい事をするな……」

 

真琴「フフフ、ハヤちゃんも人の事が言えないでしょ?」

 

勇人「まぁ良い、お陰で此方が勝てる材料……いや、美奈達が暴れる口実が出来た事だし……みんな!今から出撃の準備をしてくれ……0000(午前零時)に出撃するからな!」

 

艦娘達及び蒼き鋼「はい!!」

 

コンゴウ 伊400「了解した」

 

勇人の掛け声により、その場に居る全員が気合いの入った声で答え、出撃準備を始めた

 

 

 

 

 

 

 

そして 呉鎮守府 柏木隊本部では……

 

永木「上城め……態々、ウチのホットラインを使って……フッ、仕方無いな、あの()()()()()()()をしますか?隊長?」

 

柏木「……頼んだ、俺達も舞鶴の間宮達には世話になったからな……間宮と千川にあったら宜しく言っといてくれ……」

 

今、外国に滞在している柏木は電話越しではあるが、永木の報告を聞き、勇人の祖母である『真琴の作戦』を察し、指示を出し、柏木隊を舞鶴に向かわせた

 

勇人が第一研修部隊(同期達)に殺されるまで、残り『13時間』……



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第90話「舞鶴大異変 part 4」

0000 舞鶴鎮守府 出撃ドックにて

 

勇人が道中達に処刑されるまで、残り『8時間』

 

美奈「……皆さん、準備は出来ましたか?」

 

戦艦女帝 朱里 敷島「勿論!」

 

艦娘達「はい!!」

 

霊夢「……まさか、連合艦隊の旗艦(リーダー)がアンタになるとはね……大丈夫なの?」

 

美奈「……大将の命令で、こうなった以上、仕方ありません……本当は大将も来れば良かっのですが……正直、不安だわ

 

W赤城 早苗「……御気持ち察します」

 

霊夢「……私も不安になってきたわ」

 

艦娘達と戦艦女帝は美奈の質問に気合いの入った声で答え、霊夢は美奈が連合艦隊の旗艦……言わば『艦隊の頭(リーダー)』に配置されている事に不安なのか、愚痴を溢すと、それを聞いた優花と魔理沙が霊夢を窘める様に言った

 

優花「まぁまぁ……霊夢ちゃんも含め、私達は舞鶴の海域についての羅針盤の癖や特徴は知らないんだし……此処は美奈さんに従おうよ……ね?」

 

魔理沙「そうだぜ霊夢、いくら空を飛べても羅針盤がトチ狂ったら私達、上空で迷子になるのがオチだぜ」

 

朱里「……最悪、収拾が着かなくなったら、私が臨時の旗艦になれば良いからね」

 

美奈「なら、最初から旗艦になってくださいよ!!」

 

朱里「面倒臭いから嫌よ」

 

美奈「……泣けますね」

 

霊夢「本当『それ』よ……はぁ~……レミリアも呼べば良かったわ、アイツなら能力で……」

 

霊夢は人選を間違えたのか、ほんの少し後悔し、ぼやくと咲夜は微笑みながら答えた

 

咲夜「……お嬢様なら妹様と美鈴と共に先に戦場に向かっているわ」

 

霊夢「え!?レミリアだけじゃなく……美鈴とフランまで!?」

 

戦艦女帝「フランって確か……私に瓜二つの子だよね?大丈夫なの?()()()()()()では精神的に不安定……いや人格が変わる位の()()()だと知ったんだけど……昔の御兄様みたいに能力が原因で暴走しないよね?」

 

戦艦女帝は曾て勇人の記憶と共有していたのか、記憶を読み込み、レミリアの妹『フランドール・スカーレット』について触れると咲夜も戦艦女帝と同じ気持ちなのか、少し不安感がある口調で答えた

 

咲夜「……それが一番の不安要素です……妹様の神経は『()()()()()()()()()()』なので……」

 

戦艦女帝「……私が御兄様みたいに『()()()()()()()()()()()()()』と言いたいわけ?」

 

美奈含む艦娘全員 魔理沙 早苗 群像「プフッ!?」

 

霊夢「プッ!アハハハハハ!アンタも意外と()()()()()()()を吐くのね♪流石、勇人の妹だわ♪アハハハハハ!」

 

戦艦女帝「まぁね♪」

 

咲夜「ッ!?別にそんな事を……」

 

咲夜は戦艦女帝に悪態を吐かれると慌てて否定すると舞鶴鎮守府の放送から勇人が戦艦女帝と霊夢達に怒鳴った

 

勇人「コラ霊夢、魔理沙、咲夜に女帝!!此処で油を売ってんじゃねぇ!!時間が無いんだぞ!!後、誰が()()()()()()()()()()()()()だ?アァ!!」

 

戦艦女帝「ゲ!?お……御兄様!?しかも聞いていたの!?ご……ごめんなさいィ!!」

 

咲夜「すみませんでした御主人様ァァァ!!」

 

魔理沙 霊夢「ウグッ!分かったから怒鳴らないで!!凄くうるさいから!!」

 

勇人「……ったく、出撃カメラでバレバレだってのに……悪いな美奈、この馬鹿共の茶番に付き合って貰って……」

 

勇人は放送で美奈に謝罪すると美奈は緊張が解れたのか、普段通りの穏やかな表情で答えた

 

美奈「大丈夫ですよ、戦艦女帝ちゃん達のお陰で緊張が解れました……大将、御命令を!」

 

勇人「ああ……これより現時刻を持って道中と戦争を始める……全員、抜錨せよ!!」

 

勇人は強い口調で美奈達に命令すると、美奈は覚悟を決め、張りのある強い声で「了解しました」と言い、美奈達は出撃用のカタパルトに乗った

 

美奈「……『補給艦』改め『金剛型特殊戦艦 二番艦』間宮……出撃します!!」

 

朱里「『改金剛型イージス艦 零番艦(プロトタイプ)』三笠……さて!暴れますか!」

 

赤城「佐世保鎮守府所属、一航戦『赤城』出ます!!」

 

加賀「同じく『加賀』……出撃します」

 

群像「イオナ、俺達も出撃だ」

 

イオナ「うん!抜錨そして急速浮上……『火器管制(アーマメント)』『味方識別(IFF)』そして『羅針盤(ナビゲーション)接続完了(オンライン)

 

優花「……『伊勢型特殊航空戦艦 日向』……出撃します!!」

 

霊夢「……さて!行きますか……『ラーズグリーフ隊』パイロットネーム『Priestess(プレステス)』……出るわ!」

 

美奈達は呆気に取られている魔理沙と咲夜そして早苗を置き去りにし、戦場に向かうと、置き去りにされた三人は少し戸惑いながら言った

 

魔理沙「プレステスって……行っちゃった……まぁ良いか、では霊夢の真似をしながら……パイロットネーム……ん?なぁ早苗、これ何て読むんだ?」

 

早苗「ごめんなさい、私……英語が……ハヤちゃーん!!このパイロットネーム……何て読むの!?」

 

早苗と魔理沙はIFF信号が入力されている通信装置(スマホ)を開き、二人共、英語が苦手なのか、空軍用の識別名前『パイロットネーム』が英語……しかも筆記体で書かれていた英単語が読めず、勇人に懇願すると、勇人は早苗が英語が苦手だった事を思い出したのか、頭を抱え、呆れながら答えた

 

勇人「そうだった、英語に馴れていない魔理沙は兎も角、早苗は英語だけは常に()()()()()()だったのを忘れてた……魔理沙は『Magus night(メイガスナイト)』、早苗は『Miracle force(ミラクルフォース)』だ……咲夜、二人を頼んだ」

 

咲夜「畏まりました……では、パイロットネーム『Luna dial(ルナダイヤル)』出ます!!」

 

魔理沙「あっ!?咲夜!置いていくな!!」

 

早苗「待って下さいよぉぉぉぉ!!」

 

二人は咲夜を追い掛ける形になりながらも急いで出撃をした

 

そして執務室で待機していた勇人と千川そしてコンゴウは美奈達が無事に出撃した事に安堵し、勇人とコンゴウは慌てながら千川に言った

 

勇人「……頼んだぜ……みんな……さて!千川、俺達も始めるから美奈達の指揮を頼む!コンゴウ!」

 

コンゴウ「頼んだぞ……千川少佐」

 

千川「任せろ!未来を……助けてやってくれ!」

 

勇人とコンゴウは『もう1つの要』である『未来を秋月(艦娘)に戻す』為に急いで未来が待機している『移動要塞(軍艦) 金剛』に向けて走って移動した

 

 

 

 

 

 

 

0030 K国の海域付近の過激派の深海棲艦のアジトにて

 

赤髪の大陸系の胴着を着た女性「Jaooooo!!」

 

ドカッ!!

 

戦艦イ級「グハッ!」

 

蝙蝠に似た翼を持った少女「……何時にも増して張り切っているわね……美鈴(メイリン)

 

赤髪の大陸系の胴着を着た女性改め『美鈴』「久々の戦闘ですよ!しかも段幕ゴッコでは無くて!これは格闘家として血が騒ぎますよ!レミリアお嬢様!」

 

蝙蝠に似た翼を持った少女改め『レミリア』「全く……フランは兎も角、アンタまで興奮するとは……ねぇ!!」

 

ブォン!!

 

深海棲艦達「ギャァァァ!」

 

大陸系の胴着を着た赤髪の女性『(ホン) 美鈴(メイリン)』はドアノブカバーに似た帽子を被り、蝙蝠に似た翼を持った少女『レミリア・スカーレット』に胸を踊らせ、意気揚々と答えるとレミリアは『ハイテンションになっている(キラついている)』美鈴に呆れつつ、自身の武器である槍『グンニグル』を振り回し、深海棲艦達を一掃していると狂喜しながら他の深海棲艦達を薙ぎ倒している戦艦女帝似の少女が笑いながら言った

 

戦艦女帝似の少女「アハハハハハ♪お兄ちゃんの邪魔をする『悪い人』は私が許さないわ♪アハハハハハ♪」

 

レミリア「……フラン、アンタは殺り過ぎよ……もう少し冷静に……」

 

レミリアは自身の妹であり、宝石みたいな翼を着けている所以外、戦艦女帝に瓜二つな少女『フランドール・スカーレット』に頭を抱えながら言うとフランドールは、この戦場を()()しながらレミリアに返した

 

戦艦女帝似の少女改め『フラン』「何で?昔お兄ちゃんが私に言ったのよ……『殺り過ぎが丁度良い』って♪だから私は、()()()()()()()()()()を守りながら楽しんでいるの♪」

 

レミリア「……あの馬鹿、フランに何て事を教えたのよ……」

 

美鈴「アハハ……勇人さんらしい言葉ですね……さて!死にたい人は掛かってきなさい!!」

 

レミリア「……泣けるわね……まぁ良いわ、掛かってきなさい!私達の同志を怒らせたら、どうなるか教えてあげるわ!」

 

レミリア達は道中の仲間である過激派の深海棲艦を再び挑発し、戦場を駆け巡った

 

勇人が道中達に処刑されるまで、残り『7時間半』……



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第90話「舞鶴大異変 part 5」

お久し振りです、うp主の八意です

まず投稿が、かなり遅れました事を御詫び申し上げます

実は私が住んでいる所に豪雪による被害が発生し、それを処理する為に仕事と執筆作業を休み、只ひたすら豪雪による被害の対応に追われていました

今は落ち着いたので、何時も通り不定期ではありますが、出来るだけ短い時間で投稿する様、心掛け、皆様に楽しんで貰える様、執筆しますので宜しくお願い致します


レミリア達が過激派の基地で暴れている頃 0300 道中達のアジト付近の海域にて

 

勇人が道中達に処刑されるまで、残り『5時間』

 

敷島「ん?……ねぇ朱里……あのジ〇リ映画に出てきそうな建物が道中(ターゲット)のアジトなの?」

 

朱里「知らないわよ」

 

美奈「知らないって……とりあえず大将に聞いてきます」

 

敷島は遠方にある悪趣味な建物を見つけ、朱里に報告すると、朱里は素っ気無く答え、美奈は朱里の態度に呆れつつ、建物が道中のアジトか否かを確認したい為、スマホをテレビ電話に設定し、そのまま勇人に通話を始めると数回、着信音が鳴った後、勇人では無く紫が電話に出た

 

紫「はいはーい♪みんなのアイドル『ゆかりん』よ♪今勇人は、()()()()()()よ……要件を聞こうかしら?」

 

美奈「……そう言えば、そうでしたね……では紫ちゃん……あの悪趣味な建物が道中のアジトですか?後、真面目にやってね?」

 

美奈は巫山戯(ふざけ)けている紫を優しく一喝をしつつ、カメラで悪趣味な建物を映しながら聞くと紫は悪趣味な建物を見て、少し顔が引き釣りつつ、美奈の質問に答えた

 

紫「ごめんなさいね……しかし、相変わらず悪趣味な建物ね……そうよ、あの〇ブリ映画みたいな建物がアジトよ」

 

美奈「……分かったわ、ありがとう紫ちゃん」

 

美奈は紫に礼を言い、通話を終えると上空に待機してる霊夢が痺れを切らしたのか、はたまた任務時間が少ない事に焦っているのか、少し焦りながら言った

 

霊夢「……あー!もう!焦れったいわね!!アレが道中のアジトだと言う事が分かったから、1発お見舞してあげるわ!!スペルカード!宝具『陰陽飛鳥井』!」

 

ボン!

 

美奈 敷島 艦娘及び蒼き鋼全員「デカッ!?」

 

焦った霊夢は巨大な陰陽玉を召喚すると魔理沙と早苗そして咲夜以外全員が霊夢が召喚した陰陽玉の大きさに驚愕した

 

その陰陽玉の大きさは……

 

優花「うわ……『フジテ〇ビの球体型の展望台』並にデカイわね……ソレ……」

 

そう、某テレビ局の球体の展望台と同じ大きさだったのだ

 

優花は霊夢が召喚した陰陽玉の大きさに驚愕すると霊夢は少し焦りつつ、強い口調で叫んだ

 

霊夢「『女にだって、弾幕(タマ)はある』って事を道中達に見せつけてやるわ!!」

 

霊夢は下ネタ染みた発言を言うと美奈達は呆れつつ、呟いた

 

群像「()()って……相手も女性なんですが……」

 

赤城「……流石、提督の血縁者ですね……豪快過ぎます……そして提督の息子並に……凄く……大きいです……」

 

早苗「……そうですね、ハヤチャンの主砲は……世界水準を越えていますからね……」

 

優花「え!?勇人君のアレ(主砲)ってデカイの!?ってか、早苗ちゃんは兎も角、赤城さんも勇人君と!?」

 

優花は赤城の発言に睨み付けながら言うと、赤城は優花を安心させるかの様に冷静に、そして懐かしそうに答えた

 

赤城「安心して下さい優花さん、私は提督との淫らな行為は一切していません……私自身、お恥ずかしい過去の話ですが、研修時代に訓練の疲れを癒す為に()()()()()()()()()()()()()に入渠室に入り、衣類を脱いでいる時に偶々、先に入っていた提督が風呂から上がり……その時に()()()()()()のです……提督の()()()を……」

 

赤城は自身の『過去の思い出(失態)』を優花達にカミングアウトをすると美奈達は呆れ、一部の艦娘達ではあるが羨ましそうに呟いた

 

魔理沙「()()……ねぇ……」

 

大和「偶々……魔理沙さん、ひょっとして提督の金t……戦艦女帝「ストップ!!これ以上、言わないで!!色々と問題になるから!!」」

 

金剛「oh……羨ましいデース……」

 

優花「あ……うん、これは当時、確認を怠った赤城さんが悪いわ……」

 

長門「ほぅ……提督の専属秘書艦である赤城もミス(失敗)はするんだな……意外だな」

 

ビスマルク「……事故とは言え、同情するわ……」

 

加賀「……これが俗に言う『ラッキースケベ』ですか……羨ましい限りです……」

 

武蔵「……学生時代のハヤ坊を見ている様だ……」

 

美奈「佐世保の艦娘の皆さんに霊夢ちゃん!!女の子が『そんな事』を言わないで!!ってか『陰陽玉(それ)』を仕舞って!!」

 

朱里「そうよ!落ち着いて霊夢!!それを放ったら……」

 

美奈と朱里は暴走寸前の霊夢を慌てて説得を試みると霊夢は二人に反論した

 

霊夢「大丈夫よ!道中を呼び出す為の陽動だから威力は抑えてあるわ!んじゃ……ヤァッ!!」

 

ドカッ!

 

霊夢「後は道中達が出てくるのを待ちましょ」

 

美奈「……大丈夫でしょうか……」

 

朱里「……泣けるわ」

 

霊夢は朱里の不安を一掃するかの様に反論し、その巨大な陰陽玉をヤクザキックで道中のアジトに向けて蹴り飛ばし、道中達が出てくるのを待った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 道中のアジトにて

 

道中「zzzzzz……」

 

道中は美奈達が攻めて来ている事に気が着いていないのか、呑気に寝ていると……

 

 

ドカン!!

 

 

道中「ッ!?何!?一体どうしたの!?」

 

道中は突然の轟音に驚き、直ぐに起きると、道中の部屋に戦艦水鬼が焦りながら入り、急いで道中に報告をした

 

戦艦水鬼「大変だ!!佐世保の龍が……龍の連合艦隊が攻めて来た!!」

 

道中「はぁ!?佐世保の龍が!?アイツは今日の朝には処刑されるのに……何でよ!?」

 

道中は戦艦水鬼の報告に混乱し、焦りながら戦艦水鬼に問い詰めると、戦艦水鬼もまた、突然の出来事に頭が処理仕切れて無いのか、混乱しながら答えた

 

戦艦水鬼「知らないわよ!!いきなり()()()()()()()()()()()が此方にデカイ玉を撃ってきたのよ!!」

 

道中「デカイ玉?それに巫女?……ッ!?まさか!?例の!?」

 

戦艦水鬼「ああ……幻想郷の連中が奇襲を掛けて来たんだ……」

 

戦艦水鬼は徐々に冷静さを取り戻してきたのか、今の現状を理解し、道中に伝えると、道中は美奈達の奇襲に怒りを露にし、怒鳴りながら言った

 

道中「チッ!舐めた真似を!他の基地は?」

 

戦艦水鬼「……今、確認を……なっ!?」

 

道中「ッ!?嘘でしょ……」

 

戦艦水鬼と道中は他の基地の現状を確認すると、モニターには基地の『壊滅』を表す文字『destruction state』と表示されていたのだ

 

そう、他の基地を壊滅させた主犯は『紅魔館組(レミリア達)』だったのだ

 

それを見た道中は更に混乱し、戦艦水鬼に聞いた

 

道中「どうして他の基地が壊滅しているのよ!!アイツらの数だけでは他の基地を壊滅する事が出来ないのに!?」

 

戦艦水鬼「……まさか、幻想郷の兵力は……あの()()()()()()()()()()のか……」

 

道中「……チッ!役に立たない連中が……みんな、出るわよ!!あの艦隊を潰せば勝機はあるわ!!」

 

戦艦水鬼「分かった!」

 

道中は待機している深海棲艦達全員に出撃命令を出し、道中は人間用に改造された艤装を装置し、出撃をした

 

既に美奈達の罠に掛かっている事を知らずに……

 

勇人が道中達に処刑させるまで、残り『4時間半』……



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第90話「舞鶴大異変 part 6」

美奈達が奇襲を始めた同時刻 0330 軍艦(移動要塞) 『金剛』内部の手術室にて

 

勇人が道中に処刑させるまで、残り『4時間半』

 

勇人「……縫合(ナート)完了だ……コンゴウ、全身麻酔(全麻)を止めてくれ」

 

コンゴウ「分かりました」

 

勇人はコンゴウに指示を出し、縫合傷から発生する二次感染を防ぐ為に、手術した患者の全身を高速修復材を染み込ませたガーゼを張り、その上から包帯で巻き、数分後、包帯を巻き終えると、それを待ってたかの様に患者は目を覚ました

 

患者「……うっ……うう……」

 

勇人「気が付いたか……気分は?」

 

勇人は患者の容態を確認すると、患者は勇人に悪態を吐くかの様に呟いた

 

患者「……『最悪』としか言えないよ……『あの時』の思い出が完全に『蘇ったよ』……後、包帯のせいで動けないし喋り難い……外して……」

 

患者は勇人に悪態を吐きつつ、包帯を外す様に頼むと、勇人は患者の容態に安堵しつつ、患者の要求を一掃する様に呆れた口調で答えた

 

勇人「……最低でも『4時間』は我慢しろ」

 

患者「ちぇ……」

 

コンゴウ「艦長、あの作戦について御聞きしたい事がありますが……」

 

勇人は患者の要求を断ると、コンゴウは勇人に今、行っている作戦について疑問点があるのか、腕を組み、右手を自身の顎を触れながら勇人に聞くと、勇人はコンゴウの疑問点を察したのか、少し沈黙し、コンゴウに聞いた

 

勇人「………『道中恭一』と『第1研修部隊の同期達(犯す事しか能がない猿共)』が来た時の対処か?」

 

コンゴウ「ッ!?」

 

患者「……」

 

勇人は美奈達が()()()()()()()()で恭一についての対処……言わば『勇人が処刑されない作戦』について聞くと、患者は黙り混み、コンゴウは自身の疑問点が勇人に当てられたのか、少し面を喰らいつつ、答えた

 

コンゴウ「そうです……しかも破棄されたとは言え、奴らは『()()()()()()証拠(処刑状)』を持っています……もし艦長が処刑され、道中が上層部に処刑状を見せれば、上層部はアイツの事を信用し……我々の作戦が失敗になる所が上層部により()()()()()()が消されます!その事は分かっているのですか!」

 

コンゴウは勇人の事が心配しているのか、焦りが入った強い口調で答えると、勇人はコンゴウの心配を察し、溜め息を吐き、小声でコンゴウの質問に答えた

 

勇人「……分かった、これは美奈と未来しか伝えていない『この作戦の本当の要(ネタバレ)』だが……」

 

勇人は美奈と未来だけしか教えていない『()()()()()()()』をコンゴウに伝えた

 

勇人「……と言う訳だ」

 

勇人は美奈と未来しか知らない()()()()()をコンゴウに伝えると、コンゴウは勇人の作戦に反対なのか、激怒し、怒鳴り吐ける様に反論した

 

コンゴウ「艦長!!間宮を……美奈を()()()()()()つもりですか!!いくら作戦だからって、美奈達を苦しめるのは間違っています!!それに……その作戦が()()しても艦長は……」

 

勇人「……まぁ只では済まないな……最悪『撃沈()』されるな」

 

コンゴウ「分かっているのなら、何故変更しないのですか!?」

 

コンゴウは自分の命を軽く見ている勇人に頭に来ているのか、更に声を荒げ、今にも胸倉を掴む勢いで勇人に聞くと、勇人はコンゴウを窘めながら答えた

 

勇人「落ち着けコンゴウ、これは恭一の性格を()()()()()、より()()()()()()()()()()()()()を行う為にやるんだよ……処刑状(あれ)さえ破棄すれば()()()()()()()()()()()()()()()になるからな」

 

コンゴウ「……確かにそうですが……しかし、私は……」

 

コンゴウは勇人の作戦の流れ(シナリオ)を聞き、頭は分かってはいるが、自身の恩人である勇人が『汚れ仕事』を行う事に反対しているのか、合理性()恩義(気持ち)が相反し、戸惑いながら言うと勇人は微笑みながらコンゴウに言った

 

勇人「お前の……いや、お前達の気持ちも分かる、だが『勝利を得る為には、それ相当の犠牲(代価)は付き物』が相場だからな……それに美奈は、それを()()()()()()()んだ……だから、お前も協力してくれ……コンゴウ」

 

勇人はコンゴウに頭を下げ、御願いをすると、コンゴウは冷静さを取り戻し、勇人の本当の作戦に乗り気では無いのか、少し顰めながら言った

 

コンゴウ「……本当は反対だが、()()()()なら仕方無い……但し、私が危険と判断したら止めるからな……」

 

勇人「スマン……お前まで『汚れ仕事』を……」

 

勇人はコンゴウも勇人と同じ仕事を行う事に申し訳無く思っているのか、俯きながら言うと、コンゴウは頭を抱え、溜め息を吐き、答えた

 

コンゴウ「……間接的とは言え、二人には『恩義』と『悔悟(かいご)の情』があるからな……」

 

勇人「……助かる」

 

患者「悔悟の情?」

 

患者はコンゴウが言った『悔悟の情』言わば『コンゴウ自身の過ち()』について聞くと、コンゴウは簡潔に説明をした

 

コンゴウ「……二人……いや三人を『蒼霧事変(あの事件)』に巻き込ませた事だ……」

 

コンゴウは予め、勇人から蒼霧事変(あの事件)の経緯を聞いており、三人を巻き込ませた事に申し訳無く思っているのか、俯きながら言うと、患者は顔全体に包帯が巻かれている為、表情は分からないが、微笑んでいる様な優しい口調でコンゴウに言った

 

患者「あれは気にしていないよ、コンゴウさん達だって群像さん達みたいに、道中の夫である李に()()()()()()()()()のでしょ?寧ろ『恩』があるのは私達『和平派』の方だよ……だから気を落とさないで」

 

コンゴウ「……艦長に()()、優しいんだな」

 

患者「まぁね♪」

 

勇人「……話は済んだか?なら()()()()

 

コンゴウ「分かりました」

 

患者「うん……」

 

勇人は二人にそう言い、別の作業に取り掛かった

 

 

 

 

 

 

そして、手術室前では……

 

 

 

千川「……泣けるな、アイツが『そんな事』を考えていたなんて……全く……」

 

一馬「……馬鹿息子が……何でもかんでも『背負い過ぎ』だ……俺たちが居るのに……」

 

紫「……同意見だわ、私達も勇人の負担を減らす為に、一緒に()()()()()()?千川少佐?カズ?」

 

千川「……そうですね」

 

一馬「ああ」

 

三人は勇人の『本当の作戦』を盗み聞きをし、神妙な表情で手術室を後にした

 

 

 

 

 

 

そして、道中達のアジト付近の海域にて

 

道中「……ま……間宮……だと!?何故『補給艦』が……」

 

美奈「………漸く現れましたね……道中さん」

 

道中達は戦場に出ると、美奈は未来達に『酷い事』をした道中に怒りを抑え、神妙な表情で言うと、道中は美奈が出た事に面を喰らいつつ、美奈達を嘲笑うかの様に笑いながら言った

 

道中「フフフ……アハハハハハ!!私達も舐められたモンだわ!まさか補給艦()()()に私達を倒すなんて……親子揃って()鹿()()()を……」

 

美奈「……それがどうかしたんか?ウチはワレみたいな()()よりかは、強いで」

 

道中「ッ!?小娘ねぇ……まぁ中身が()()()()()()()()みたいな間宮とは……とんだ『出来損ない艦娘(不良品)』が産まれたモンだわ」

 

美奈「それはワレには言われとうないわ……『戦艦女帝(子供)相手に()()()()()()ダボなガキ』に……」

 

道中「チッ!減らす口を……」

 

美奈「それは御互い様や……『最近の()()()()』は口だけは達者の様やな……」

 

道中「なっ!?」

 

美奈は道中の挑発に乗らない様に、挑発で返すと、美奈の言葉に朱里と敷島を初め、佐世保、舞鶴そして蒼き鋼全員が気不味そうに美奈に言った

 

佐世保及びショートランドの艦娘達「……ごめんなさい、ビックマウスな提督(司令官)で……」

 

舞鶴の艦娘達「上と同じく……」

 

朱里 敷島「身内が大変ご迷惑を御掛けします……」

 

蒼き鋼全員 戦艦女帝「……ごめんなさい、生意気な半人前で……」

 

美奈「……ごめんなさい、『()()()()()()()』じゃなくて、この『()()()()()()()()』に言っているのです」

 

道中「アバッ!?」

 

美奈は仲間達に誤解を与えてしまった事を謝罪し、先程の言葉を訂正すると、道中は面を喰らいつつ、道中は美奈を怒らす為に、未来達に行った悪行をさらけ出した

 

道中「……まぁ良いわ……アンタ達も防空……いえ秋月と同じ目に逢わせてあげるわ……私の『()()()()』としてね……」

 

美奈「商売道具?」

 

美奈は道中が言った『商売道具』について怒りを押し殺し、眉をピクリと動かし、苛つきながら聞くと、道中は美奈達の精神を狂わせる為に高々と答えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

道中「ええ、曾ての防空棲姫……秋月を私の商売(裏家業)の為に彼女を()()()()、艦奴派の男達やC国とK国の慰め物として、()()()()()()()よ……まぁ、アンタと教官みたいな()()は『売り物』にならないが、教官の息子である勇人()には『Aegis ver.2(女の姿)』で一生『()()()()()()()()()()()』として利用させて貰うわ♪そっちの方が()()()()()()()()()()が高いし、他所の紳士達(お得意様の皆様)の好みにドンピシャな『()()』だからね♪」

 

 

そう、道中は提督業をしている傍ら、裏で艦娘達を風俗染みた事をしたり、更には人身売買をし、巨額の富と権力を手に入れていたのだ

 

道中は美奈達を脅しも兼ねて、美奈達に精神攻撃(挑発)を行うと美奈は無言になり、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美奈「……せへん」

 

道中「え?何だって?もしかして怖じ気付いたの?」

 

道中は美奈を逆撫でる様に聞き返すと美奈は必死に溜め込んでいた怒りを爆発したか、道中に怒鳴った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美奈「許せへん!!ワシの大事な娘に、そないな事をさせて!!生きて帰せると思うなや!!」

 

美奈は自身の怒りで暴走し、バットを持ち、そのまま道中に殴ろうとした途端、霊夢と魔理沙は慌てて止めに入った

 

霊夢「ちょ!?美奈さん!?落ち着いて!此処でキレたら相手の思うツボよ!!」

 

魔理沙「そうだぜ!あのアバズレを殺したい気持ちも分かる!此処は……」

 

美奈「二人は黙ってろ!!邪魔するんなら……殺すで!!」

 

霊夢 魔理沙「ッ!?」

 

美奈は止めに入った霊夢と魔理沙に殺意を込めながら一喝すると朱里は静かに美奈を止める様に手を前に出した

 

美奈「……朱里さんも止めるんか?」

 

美奈は殺意の籠ったドスの効いた声で言うと、朱里は静かに頭を横に振り、美奈に言った

 

朱里「アンタ独りで殺るんか?」

 

美奈「……だったら何や」

 

美奈はドスの効いた声で答えると朱里もまた、顔には出て無いが、声から察するに『相当怒っている』のか、美奈と同じくドスの効いた低い声で答えた

 

朱里「……私も()()()()()()()()?私の大事な子供を『こんな目』に逢わす訳には行かへんからな……」

 

朱里もまた、道中の悪行に怒り浸透しているのか、美奈とタッグを組む様、お願いすると、美奈は朱里の心情を察したのか気合いの入った強い口調で答えた

 

美奈「勿論や!!さぁ朱里さん……行くで!!」

 

朱里「ええ!私達(母親)を怒らせると、どうなるか教えてやらぁ!!さぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朱里 美奈「此処で死にさらせぇ!!道中ァ!」

 

二人は殺意の籠った声を荒げつつ、そのまま道中に向かって攻撃……いや殺しに向かった

 

そして道中も……

 

 

道中「上等!掛かって来い!!ババア共!!」

 

道中もまた殺意の籠った声で二人を殺しに向かった

 

 

今、現時刻(0400)を持って、道中の艦隊(ピエロ達)美奈の艦隊(母鬼達)との全面戦争が始まった

 

皆の怒りをぶつけ合うかの様に……

 

勇人が道中達に処刑されるまで、残り『4時間』……

 



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第90話「舞鶴大異変 part 7」

0400 幻想郷内の竹林にて

 

勇人が道中達に処刑されるまで残り『4時間』

 

紅いカーゴパンツを履いた白髪の女性「……眠い……」

 

黒髪の女性「……なら一勝負する?妹紅(もこう)

 

紅いカーゴパンツを履いた白髪の女性改め『妹紅』「……()()()()に無駄な体力は使いたく無ぇよ『輝夜(かぐや)』」

 

黒髪の女性改め『輝夜』「……それもそうね」

 

紅いカーゴパンツを履いた女性『藤原妹紅(ふじわらのもこう)』は早朝でまだ眠気が取れて居ないのか、はたまた寝ていないのか、喫煙し、眠たそうに黒髪の女性『蓬莱山(ほうらいざん) 輝夜(かぐや)』に言うと、輝夜もまた、外の世界(勇人達の世界)の状況を察しているのか、残念そうに呟くと二人の前に隙間が現れ、隙間から勇人とコンゴウが出てきた

 

勇人「久しぶりだな妹紅、輝夜」

 

コンゴウ「……此処が幻想郷か……」

 

妹紅 輝夜「ッ!?は……勇人!?アンタ(貴方)……何で隙間を!?ってか、アンタ(貴女)誰?」

 

二人は勇人が隙間を使って現れた事に驚愕しているのか、ハモりながらコンゴウに聞くと、コンゴウは一礼し、微笑みながら答えた

 

コンゴウ「妻の由香奈です……旦那が世話になっています」

 

妹紅 輝夜「あ!?此方こそお世話に……って!()()()()ぁ!?結婚したの!?」

 

二人はコンゴウの発言に驚き、動揺していると勇人がコンゴウの発言を訂正した

 

勇人「そんな訳無ぇよ!部下のコンゴウだ!オメェも何言ってんだ!!」

 

コンゴウ「……ただの茶目っ気だ」

 

勇人「……冗談に聞こえなかったぞ」

 

妹紅「何だ……良かった、フリーで……」

 

輝夜「……それで、何故勇人も隙間を?」

 

二人は隙間から勇人とコンゴウが現れた事に驚き、動揺しながら聞くと、勇人は輝夜に簡潔に説明し、()()()()()を輝夜にした

 

勇人「昔の能力を再び手にしたんや……輝夜、朝早くから悪いが今すぐに()()を呼んでくれ、人手がいるんや」

 

輝夜「……分かったわ!」

 

勇人は二人に『永琳』という人を呼んで来る様、御願いすると、輝夜は慌てて永琳という人を呼びに走って呼びに行った

 

妹紅「……しっかし、お前が、()()()()()()()()()()()を再び手にするとはな……どういう風の吹き回しだ?」

 

妹紅は5年前を思い出したのか、呆れながら聞くと、勇人もまた、5年前を思い出したのか、少し俯きながら答えた

 

勇人「……前世とは言え()()()()()()()に……な」

 

妹紅「家族……ねぇ……アンタの口から、()()()()を聞くなんてな……槍でも降ってきそうだな」

 

妹紅は5年前と今の勇人の性格の変化に戸惑っているのか、悪態を吐くと、勇人とコンゴウは微笑みながら妹紅の悪態を返した

 

勇人「槍では無く、砲弾(爆弾)なら日常茶飯事に降っているが?」

 

コンゴウ「フッ……確かに……」

 

妹紅「……馬鹿、物理的な意味で言ったんじゃねぇよ……なぁ勇人、本当に……人間を辞めた事を後悔してないよな?」

 

妹紅は勇人が現人神……人間を辞めた事についての心情を聞くと、勇人は鼻で笑い、他人事の様に微笑みながら答えた

 

勇人「フッ……何を今更……俺は1年前に()()()()()()()()()()んだ……後悔なんて、するかよ」

 

妹紅「フッ……そうだったな、すまん……いらん事を言って……」

 

勇人「気にするな」

 

妹紅は勇人に謝罪すると、懐から赤色のパッケージが特徴の煙草『Marl boro』を取り出し、煙草を一本、口に咥え、勇人とコンゴウに薦めた

 

妹紅「吸うか?一服する時間はあるだろ?」

 

勇人「……フッ、懐かしいな……昔()()()()()()()な……貰おうか」

 

妹紅「アンタ……えーっと……由香奈、アンタも吸うか?」

 

コンゴウ「いや、煙草は苦手なのでな……それに『コンゴウ』で構わない」

 

妹紅「……残念だ」

 

勇人と妹紅は喫煙し、コンゴウは煙草の煙が苦手なのか、少し顰めっ面になっていると永琳を呼びに行った輝夜と『仮〇ラ〇ダーW』のヒー〇ト〇ガーモードみたいな配色の医者服(ドクターコート)を着た銀髪の女性が少し息を切らしながら勇人に近付いて来た

 

輝夜「ハァ……ハァ……呼んできたわ」

 

銀髪の女性「ハァ……ハァ……何なのよ……相変わらず人使いが荒いわね……勇人……」

 

勇人「貴女にだけは言われたく無いです……お久し振りです、八意(やごころ)先生」

 

勇人は銀髪の女性『八意(やごころ) 永琳(えいりん)』に一礼をすると永琳は勇人の言葉に驚いているのか、少し戸惑いながら言った

 

永琳「え?何時もは私の事を『呼び捨て』で……紫から聞いた話だけど、本当に貴方も医者(同業者)に?」

 

永琳は勇人が自身の職業である『薬師』……今で言う『医者』になっていた事に少し驚きつつ、勇人に聞くと、勇人は微笑みながら自身の肩書きについて簡潔に答えた

 

勇人「はい、今は『佐世保鎮守府総司令』兼『軍医』として勤務しています」

 

永琳「佐世保鎮守府総司令って……一番偉い人じゃないの……それで、その『新米の軍医』さんが私に何の用?」

 

永琳は勇人を茶化す様に要件を聞くと、勇人は永琳の『新米』という言葉に少し苛ついたが、直ぐに冷静になり、要件を簡潔に答えた

 

勇人「単刀直入に言うと『手を貸して』頂きたい……今、行っている作戦には多くの負傷者が発生する可能性がありますので……御願いします!」

 

コンゴウ「私からも御願いします!」

 

勇人とコンゴウは永琳に頭を下げると永琳は少し考え、そして考えが纏まり、勇人に聞いた

 

永琳「……私だけで()()()()()()()鈴仙(れいせん)も呼ぶ?」

 

永琳は人員増加の為、助手である『鈴仙』という人も呼ぶ事を提案すると、勇人は鈴仙の事を知っているのか、嬉しそうに答えた

 

勇人「ッ!?是非!御願いします!」

 

妹紅「なら私達は『慧音』と『命蓮寺』の連中を呼んでくるわ!人員が多い程、それに越した事は無いだろ?」

 

勇人「本当か!?頼む!」

 

コンゴウ「有難い……ん?慧音?藤原先生なら佐世保に……」

 

二人は頭を下げ、感謝すると、コンゴウは妹紅が言った『慧音』という人を聞き、勇人の恩師である『藤原慧音』の事を思い出したのか、首を傾げると妹紅はコンゴウの考えを察したのか、溜め息を吐き、簡潔に答えた

 

妹紅「違う違う……藤原慧音(勇人の恩師の方)ではなく、幻想郷(私達の方)の慧音だ……本名『上白沢(かみしらさわ) 慧音』だ……人里で教師をやっているんだ」

 

コンゴウ「……ややこしいな、同じ名前がいると……」

 

コンゴウは少し混乱しながら呟くと妹紅もまた「全くだ」と同意すると永琳は勇人に急かす様に言った

 

永琳「人員に関しては私達に任せて、勇人達は舞鶴に戻って家族を救う準備をして!姫様から聞いたが()()()()()のでしょ?」

 

勇人「ああ!それでは御願いします!行くぞコンゴウ」

 

コンゴウ「分かりました、では頼むぞ……八意先生」

 

勇人達は永琳に任せ、隙間を使い、再び舞鶴に戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 道中のアジト付近の海域にて

 

朱里「オラァ!」

 

美奈「ヤァッ!!」

 

ブォン!

 

道中「甘い!」

 

カキーン!

 

ドカッ!

 

朱里 美奈「クッ……」

 

朱里と美奈は自身の接近戦用の武器(刀とバット)を使い、道中に攻撃したが、道中は深海棲艦の艤装を改造した自身のアーマー(艤装)を巧みに利用し、二人の攻撃を防ぎ、そのまま力ずくで二人を押し返し、吹き飛ばした

 

美奈「アホみたいに硬いな……なら『大将が作った刀(M87光剣)』で……」

 

朱里「チッ……勇人の刀(ムラマサブレード)が刃こぼれを……これは一筋縄には行かんな、もう1つの刀(毘沙門剣)を使うか」

 

二人は道中の艤装の強度の高さに驚きつつ、気合いを入れ直し、宮本武蔵みたいに二刀流になり、構えると道中は二人を挑発するかの様に嘲笑い、主砲を二人に向けた

 

道中「あら~♪残念ね♪オバ様達の自慢の武器がボロボロに……可哀想に♪先ずは『()()()()』として、間宮の娘分である電から……」

 

ガチャ……

 

美咲「ッ!?」

 

美奈「美咲!!」

 

道中は嘲笑いながら油断していた美咲に主砲を向けると、美奈は道中の『この後の行動』を察したのか、直ぐに美咲に近付き、美咲を庇う様に抱き着いた

 

美咲「お……お母さん……」

 

道中「此処で死ねぇ!!」

 

ドカン!!

 

電「ッ!?」

 

美奈(チッ……せめて美奈(この子)だけは……)

 

朱里「美奈さん!電ァ!」

 

道中は勝利を確信したのか、嘲笑うかの様に二人に三式弾を放し、確実に二人を始末したいのか、何発、何十発の三式弾を二人に当て続けていた

 

ガチッ!

 

道中「……あら?もう御仕舞いなの?意外と呆気なかったわね♪」

 

朱里「嘘……私のせいで……」

 

そして、道中の三式弾が弾切れになり、美奈の周りには硝煙が立ち篭り、朱里は自分を責め、道中は勝利を確信したのか、嘲笑いながら硝煙が晴れるのを待っていると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美奈「……ウチと美咲は……()()()()様やな……流石、大将や……シールドだけではなく、道中(アイツ)の攻撃に耐えれる様にウチの艤装の剛性を底上げしていたんやな……でないとウチか死んでたな」

 

美咲「……ッ!?お母さん!?」

 

道中「何!?あれほどの弾をブチ込んだのに()()()()()だと!?」

 

朱里「ッ!?美奈さん!電!空砲を……放て!」

 

朱里は硝煙の中から美奈が安堵した声と美咲の驚いた声を聞き、急いで空砲を放し、硝煙を吹き飛ばすと煤を被っているが無傷の美咲と全身傷だらけの美奈が現れ、朱里は急いで二人に近付き、安否を確認した

 

朱里「二人共!大丈夫か!?」

 

美咲「教官……電は大丈夫ですが……お母さんが……」

 

美奈「ウチは平気や……そんなの掠り傷や……まだ戦えるで!」

 

朱里「……ホッ、良かった……」

 

朱里は二人が軽傷(小破)になっているものの、無事だと知り、安堵すると美奈の艤装から勇人の妖精であるレオンが硝煙を吸ったせいで咳き込みながら現れ、美奈に安堵しながら言った

 

レオン「ゴホッゴホッ!泣けるぜ、お蔭でクラインフィールドとATフィールドがオシャカになっちまったぜ」

 

美奈「スミマセン妖精さん、私のせいで……」

 

レオンは二人(美奈と美咲)が無事だった事に安堵しつつ、美奈に基本的な艦娘の戦い方(艤装の使い方)を簡潔に説明した

 

レオン「気にするな、それにレオンで良い……間宮……いや美奈は接近戦の武器があるとはいえ、無闇に近付き過ぎだ……此処は間合いを取って砲撃をかませながら攻撃をすれば良いんだ」

 

美奈「レオンさん……しかしワシは……あのダボを直接……」

 

美奈は道中の卑劣な攻撃に怒り、怒り(感情)をレオンにぶつける様に言うと、レオンは勇人の艤装の特性を熟知しているのか、美奈の怒り(感情)に触れない様に優しく、そして簡潔にアドバイスの真意について説明した

 

レオン「気持ちは分かる、だがアイツの艤装の『真髄』は接近戦じゃ無い……()()()()()()()()()()()()()()()が、アイツの艤装の真髄(強味)だ」

 

美奈「コンゴウさんと()()()が……ッ!?そう言う事でしたか……流石、大将や……大将の『変態っぷり(魔改造)』には感謝せぇへんとな……ありがとうな!レオンさん!」

 

レオン「……Woman consuming care(泣けるぜ)

 

美奈はレオンの説明に勇人特製の艤装の『本当の使い方(戦い方)』が分かったのか、主砲を道中に向け、ドスの効いた声で道中に言った

 

美奈「仕返しや!!これでも食らえ!!電磁砲(レールガン)発射!!」

 

道中「ッ!?」

 

美奈は主砲を電磁砲(レールガン)に変え、道中に向けて発射すると、道中は電磁砲(レールガン)を回避する事が出来ないのか、艤装(アーマー)を盾の様に変形し、美奈の電磁砲(レールガン)から守ろうとしたが……

 

 

 

 

 

 

 

美奈「無駄や」

 

 

 

 

ドカン!!

 

 

 

道中「グハッ!!」

 

美奈の電磁砲(レールガン)の威力の高さに道中の艤装(アーマー)が破損し、道中ごと吹き飛ばしたのだ

 

美奈「さぁ、これでアンタの艤装はオシャカになったで……」

 

朱里「……覚悟は出来ているよな?」

 

道中は艤装(アーマー)が無くなった事で先程までの余裕が無くなり、腰を抜かし、美奈達に命乞いをする様に顔面蒼白になり言った

 

道中「ヒィッ!!お……お助けを……」

 

美奈「安心せぇ、()()()()()()()()()()()……」

 

道中「ほっ……なら私を見逃s……美奈「ただし……」……へ?」

 

美奈「()()()……取らせて貰うで、朱里さん、このケジメはウチにさせて!」

 

朱里「……分かったわ」

 

朱里は美奈の心情を察し、美奈は怯えている道中にゆっくりと近付き、道中に聞いた

 

美奈「……道中、ケジメを付ける前に聞くが、何回()()()()()()()()?」

 

道中「何回?私を……許すんじゃ……」

 

道中は震えながら聞き返すと、朱里は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のか、静かに美奈に言った

 

朱里「……気が済むまで、()()()()()……但し、殺さないでね」

 

道中「ッ!?まさか!?上城が花朗(旦那)にした事を……た……助けてくれ!!」

 

美奈「何言っているんや、これが道中(アンタ)()()()()()()()や!!これが私達(ワシら)の……」

 

道中は()()()()()()()()()()()が分かったのか、更に震え、泣きながら命乞いをすると、美奈は拳を作り、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美奈「『怒り』やァァァァ!!」

 

 

ドカカカカカカカカ!

 

美奈は道中に拳のラッシュを浴びせた

 

その拳には親としての()()、そして子供の()()()を一発一発、道中にぶつける様に突きつけた

 

美奈「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!」

 

美奈は道中に拳のラッシュを浴びせ、宙に浮いた道中に最後の拳をぶつける為、両手の拳に力を溜め、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美奈「これが………未来と美咲(ウチの娘)の怒りの分や!」

 

ドカッ!

 

道中「グハッ!!」

 

美奈は左手の拳で道中の腹部を殴り……

 

美奈「そして、この一発はウチからのオマケ(怒り)じゃぁぁぁぁ!!」

 

自身の力の全てを右手の拳に込め、ぶつける様に道中の顔に拳を与え殴り飛ばした

 

道中「グハッ……ガハッ……」

 

美奈「……ハァ……ハァ……」

 

朱里「……気が済んだ?みんな、さっさと舞鶴に帰るわよ」

 

朱里は疲労困憊な美奈に優しく言い、撤退命令を出すと美奈は朱里達にバレない様に無線機を使い、()()()()に連絡を入れた

 

美奈「此方、舞鶴所属の間宮……現時刻を以て道中の艦隊を()()()しました……後は御願いします……『大将』」

 

無線機の相手「……了解」

 

美奈は無線機を切り、倒れている道中を見ると、道中は既に()()()()()、美奈は、()()()()()()に覚悟を入れ、神妙な表情で道中のアジトを後にした

 

勇人が同期達に処刑されるまで、残り『3時間』……



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第90話「舞鶴大異変 part 8」

どうも私ですm(_ _)m
運営が新しい機能を開発したので、テスト運用も兼ねて投稿しました(*^^*)

後、この作品に出てくるレミリアは『カスガソフト』様の『忙しい人の為の幻想郷』シリーズのレミリアをベースにしていますので、ご理解の程、お願いしますm(_ _)m


0530 とある部屋にて

 

勇人が同期達に処刑されるまで、残り『2時間半』……

 

道中「うっ……ウウッ……」

 

道中(……此処はどこ?真っ暗で良く見えない……それに身体が()()()()()()()し、()()わ……)

 

道中は暗闇の部屋のベットらしき台の上に寝かされており、薬剤投与されたせいで身体に異変を感じ取りつつ、謎の倦怠感を感じながらも辺りを見渡すと一組の男女が道中に近付き、冷淡な口調で道中に言った

 

男「……漸く目ぇ覚めたか、道中」

 

女「……こいつが例の……」

 

男「……ああ」

 

道中「ッ!?」

 

道中は男の声に反応すると男は道中を汚物を見る様に冷たい目で見つつ、冷淡な口調で言った

 

男「……フム、麻酔が効いていないな……『コンゴウ』……麻酔の量を増やせ、眠らせたら()()()

 

道中(チッ!麻酔が効いていて誰だか分からないし、()()()()()()()()()()()()()……それに……()()()?……ま……まさか!?私を……)

 

道中は麻酔が効いているのか、会話の内容を聞き取れていなかったものの、男が()()()()()()()を察し、顔面蒼白になると、男の助手である女が男の命令に従う様に機械を弄った

 

女「了解しました……『艦長』」

 

道中(誰だか分からないが……止めてぇぇぇ……)

 

道中は二人の行動を阻害する様に暴れようとしたが麻酔が効いている為、抵抗出来ぬまま剥製の様に寝てしまった

 

道中「……」

 

男「落ちたか……さて、そろそろ手術を始める……メス……」

 

男は道中が麻酔のお蔭で昏睡状態になった事を確認すると、道中の顔に向けてメスを入れ始めた

 

まるで、男が道中に『死に化粧』を施すか様に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 K国の海域にて

 

美奈「……」

 

朱里「美奈さん、どうしたの?道中を倒してから士気が落ちているが……」

 

朱里は美奈の異変を感じ取り、美奈に聞くと、美奈は俯きながら「何でもありません」と答えると他の基地を殲滅してたレミリア達と合流し、レミリアは朱里に微笑みながら言った

 

レミリア「待たせたわね咲夜、そして久しぶりね……三笠」

 

美鈴「御無沙汰しています三笠さん」

 

美奈(ッ!?幼女に……翼!?あの子、何者……)

 

咲夜「レミリア御嬢様!?よく御無事で……」

 

美鈴「咲夜さ~ん……私の事を忘れていませんか?」

 

咲夜「あら?居たの美鈴?」

 

美鈴「居ましたよ!最初から!」

 

朱里「フフッ、久しぶりね、レミに美鈴……咲夜から聞いたが貴女達も勇人の我が儘(作戦)に?」

 

美鈴「当たり前ですよ!!勇人さんに恩を返す機会(チャンス)なんですから!!」

 

レミリア「アンタは()()()()で参戦したんだろ……それで、貴女が勇人の前世の妻の……」

 

美奈「ッ!?美奈です、この度は私達を支援して頂き、ありがとうございます……レミリアさんに美鈴さん」

 

美奈は二人……特にレミリアの姿を見て驚愕しているのか、慌てて自己紹介すると、レミリアは苦笑しながら言った

 

レミリア「……其処まで畏まらなくても良いよ、普通に『レミ』でかなわないわ」

 

美鈴「そうですよ、レミリア御嬢様は重苦しい雰囲気が()()ですから、気楽に居ても大丈夫(無問題)ですよ」

 

美奈「……分かったわ」

 

美奈(美鈴さんは兎も角、レミちゃんって……壮厳(カリスマ)な雰囲気に似合わない性格ですね……)

 

美鈴は兎も角、かなりブランクな性格のレミリア(おぜうさま)であった

 

美奈はレミリアの雰囲気と性格とのギャップに戸惑っていると、レミリアの後ろからフランドールが現れ、朱里に抱き着いた

 

フランドール「あ!?朱里オバチャン!お久し振り!!」

 

朱里「おっとと、フランも相変わらずね……」

 

朱里はフランドールを受け止め、微笑みながら言うとフランドールは笑顔で答えた

 

フランドール「うん!朱里オバチャンも元気そうで……ん?何で私が居るの?スペカ使っていないのに?」

 

戦艦女帝「ほぇ?」

 

フランドールは戦艦女帝を見て、自分のスペルカード(必殺技)『禁忌 フォーオブアカインド』で現れた分身だど勘違いしていると朱里はフランドールの質問を簡潔に答えた

 

朱里「違うわ、あの子は『もう1人の人格の勇人』よ……今は分離しているが……」

 

フランドール「え!?もう1人のお兄ちゃん!?」

 

戦艦女帝「うん……えーっと……貴女がフランドールさん?」

 

戦艦女帝はフランドールの()()()を知っているのか、珍しく敬語で質問すると、フランドールは微笑みながら答えた

 

フランドール「そうだよ、それに私も御姉様と同じく、堅苦しい挨拶は苦手だから普段通りの喋り方で良いよ、女帝ちゃん」

 

戦艦女帝「そう?なら普段通りに喋るね!宜しく!フランちゃん!」

 

フランドール「宜しく!」

 

二人は子供らしい笑顔で自己紹介をすると、レミリアは二人を見て微笑みながら二人に言った

 

レミリア「新しい友達が出来て良かったわね、フラン」

 

フランドール「うん!」

 

レミリア「戦艦女帝、フランの事を宜しくね、あの子……『能力』のせいで、あまり友達が居なかったからね……」

 

戦艦女帝「うん!私もお兄様と同じ能力を貰っているからね!」

 

レミリア「……なら問題無いか」

 

戦艦女帝「ねぇフランちゃん、この作戦が終わったら佐世保の艦娘達(御姉様達)と遊ぼ!」

 

フランドール「ッ!?うん!!!」

 

レミリア「……本当に良かったわ……フランを連れてきて……」

 

美奈「そうね……」

 

美奈(レミちゃんって、見かけに寄らず物凄く良い子じゃないの!?オバチャン……泣きそう……)

 

レミリアはフランドールの笑顔を見て、自分の事の様に嬉し泣きをし、美奈は三人の会話に微笑ましく、そしてレミリアの気持ちを共感し、感動していると、朱里は美奈の心情を察したのか、呆れながら言った

 

朱里「……美奈さん、()()()も、まだまだ御若いからオバチャン発言は止めなさい」

 

美奈「……人の心を読まないで下さい」

 

美奈は朱里の読心術にツッコミを入れると、レミリアは笑顔から神妙な表情に一転し、美奈に()()()()をした

 

レミリア「美奈さん……貴女、未来(子供)を守る為に舞鶴に戻るのでしょ?なら()()()()()()()()()()()方が()()()()

 

美奈「ッ!?それはどういう事?」

 

美奈はレミリアの忠告と()()()()()()()が矛盾しているのか、少し驚きながらレミリアに聞くと、レミリアは美奈の考えを見透かしている様に目を据わりながら答えた

 

レミリア「……簡単な理由よ、早く行けば未来は助かる……だけど……」

 

レミリアは一呼吸を置き、レミリアの口から()()()()()()を口にした

 

 

それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レミリア「()()()()で勇人を……()()()()()()()()を見てしまったのよ」

 

全員「ッ!?」

 

美奈「……」

 

美奈が勇人を()()()()()()()()に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして 首都高速湾岸線にて……

 

恭一「……アイツの遺伝子情報(DNA)の『サンプル』があって良かったぜ……でないと俺まで『これ』に感染してしまうからな……うっ!」

 

恭一が『黒ずんだ液体』と『紅い液体』を混ぜ、注射器で自身の首筋に注入すると、恭一の身体はメタボ体型から筋肉質になり、目の色も紅色に変色した

 

恭一「……さぁ!上城……俺達を怒らせたらどうなるか、死を以て償わせてやる!」

 

生まれ変わった恭一が勇人を殺害する事を楽しみにしているのか、高々に笑いながら舞鶴に向かった

 

勇人が同期達に処刑させるまで、残り『2時間』……



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第90話「舞鶴大異変 part 9」

0600 K国の海域付近にて

 

勇人が同期達に処刑させるまで、残り『2時間』……

 

朱里「ちょっと!?レミ!それはどういう事よ!!何故、美奈さんは勇人を……冗談でも聞き捨てにならないわ!」

 

金剛「Yes!!これは笑えないJoke(冗談)デース!!それにテートクは核シェルター並の装甲を持っているのに何故、()()()()のデスか!?」

 

朱里と金剛は『()()()()()()()()()()』を見たレミリアに強い口調で問い質すと、レミリアは俯きながら二人の質問に答えた

 

レミリア「勇人は娘……いえ、家族(みんな)を守る為に勇人は()()()()()()()()()()()()()()()()で美奈に殺されるのを()()()()()のよ」

 

美奈「ッ!?そんな……」

 

美奈(大将は私達を守る為に()を……あれほど『()()()()』と言ってたのに……ウチは……)

 

美奈は勇人に聞かされた『本当の作戦』の打ち合わせの時に()()()()を見抜けなかった不甲斐なさに拳を強く握り、悔やんでいると、レミリアは美奈を安心させる様に優しく『()()()()()()()()』を導き出した

 

レミリア「……それはあくまで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()で、勇人が艤装を展開した状態、又は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()わ」

 

美奈「え……ウチの……()()()?」

 

美奈はレミリアの言葉に希望の光が現れたかの様に悔やんだ表情から一転、神妙な表情で聞き返すと、朱里は勇人の『本当の作戦』の全貌が見えて来たのか、レミリアに聞いた

 

朱里「……成程ね、あの子の本当の作戦は……」

 

レミリア「……()()()()()()()

 

朱里「……泣けるわね」

 

レミリアは朱里の考えが当たっているのか、溜め息を吐きながら答えると美奈はレミリアの推理力に驚きつつ、勇人を殺す必要が無くなったのか、安堵した表情でレミリアに聞いた

 

美奈「良かった……所で何故、レミちゃんが本当の作戦を()()()()()()?」

 

美奈はレミリアが勇人の『本当の作戦』の()()()()()()()()理由について聞くと、レミリアは何故、勇人の『本当の作戦』を知った経緯を説明した

 

レミリア「……私達は『能力』を使ったからよ」

 

美奈「能力?レミちゃん達の能力って一体?」

 

美奈はレミリアの能力について聞くと、レミリア、フランドール、美鈴そして咲夜は自身の能力を美奈達に教えた 

 

レミリア「……私は『運命を操る程度の能力』を持っているわ」

 

美鈴「私は『気を使う程度の能力』を持っています……勿論『気』とは『気功』や『波紋』……人間が本来持っている力の事で『相手を思い遣る気持ち』の方ではありませんので御間違えの無い様、お願いします」

 

咲夜「私は『時間を操る程度の能力』を……」

 

フランドール「そして私は『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』を持っているの……」

 

美奈 艦娘達 蒼き鋼「はぁ!?何そのチート染みた能力は!?」

 

レミリア達は自身の能力を美奈達に説明すると、美奈達はレミリア達の能力を聞いて驚愕すると、朱里は『ある人』について咲夜に質問をした

 

朱里「咲夜、『パチェ』は?」

 

咲夜「パチュリー様は持病の『喘息』が再発したので……」

 

朱里「……相変わらず貧弱な魔女だわ……今度、勇人に頼んで診察させてみるわ」

 

咲夜「……申し訳ございません、奥様」

 

朱里は『パチェ』こと『パチュリー・ノーレッジ』が不在の理由について聞くと、咲夜は申し訳無さそうに答えると美奈達の会話を聞いていた群像がレミリアの能力に驚きを隠せないまま、レミリアに聞いた

 

群像「レミリアさん、まさかだと思いますが……その……レミリアさんとフランドールさん、そして美鈴さんは……人間では無いのですか?」

 

群像はレミリア達の種族について聞くと、レミリアは微笑みながら答えた

 

レミリア「ええ、私とフランは『吸血鬼』で、美鈴は貴方の祖父……勇人と同じ『妖怪』よ……妖怪の種族は違うが……」

 

群像「……泣けるぜ」

 

レミリア「流石、勇人の孫ね……容姿だけではなく口癖も一緒だわ……」

 

レミリアは群像の仕草や容姿そして口癖を見て『勇人の血縁者』だと改めて知ると美奈はレミリアの事を信用したのか、朱里達に指示を出した

 

美奈「分かりました、ではレミちゃんの能力を信じ……皆さん!周りを警戒しながら舞鶴に帰還しましょ!大将の『本当の作戦』を成功する為に!」

 

全員「了解!」

 

朱里達は美奈の指示に従い、周囲を警戒しながら舞鶴に帰還し始めた

 

そして……

 

男「……完了だ、後はアイツが誘いに乗ってくれれば……」

 

女「……そうですね」

 

とある場所で道中に『死に化粧』を施した男女が疲れ切った口調で会話し『ある人』を待ち構える様に神妙な表情で暗闇の部屋を後にした

 

自身の仲間そして家族を賭けた戦いが再び始まろうとしていた……

 

勇人が同期達に処刑させるまで、残り『1時間』……



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第90話「舞鶴大異変 part 10」

どうも私ですm(_ _)m

今三つ目の小説……アズールレーンを題材にした二次小説『平行世界の最弱の龍が重桜に『保護』されました、これより治療を始めます』のネタバレ成分が入っていますので、アズールレーンの小説を楽しみにしている方、又はネタバレが嫌いな方は『最初の所』をスルーして頂けると幸いですm(_ _)m




0730 舞鶴鎮守府付近の海岸にて

 

勇人が同期達に処刑させるまで、残り『30分』……

 

紫「……」

 

紫は舞鶴の海を微笑みながら眺めていると、何故か手術服(スクラブ)を着用し、マスクを着けた勇人が疲れ切った表情で紫に聞いた

 

勇人「……何処に行っていたんだ?探したぞ……」

 

勇人は紫の勝手な行動に少し怒りながら言うと、紫は微笑みながら答えた

 

紫「……ちょっと()()()にね」

 

紫は勇人の質問に答えると、勇人は紫の目を数秒間、確りと見つめた

 

勇人(……『第三の目(サードアイ)』解放……ッ!?これは……泣けるぜ……)

 

勇人は自身の日本人特有の茶色の目を蒼色に変え……否、相手の心を読み取る能力(スキル)である新たな目『第三の目(サードアイ)』を自身の眼球に具現化させ、紫の心情(野暮用)を閲覧すると、紫の野暮用が分かり、呆れながら答えた

 

勇人「……ったく、問題事(火種)を増やすんじゃねぇよ……」

 

勇人は呆れながら言うと、紫は勇人を安心させる様に微笑みながら言った

 

紫「大丈夫よ、貴方には一切、()()()()()()()

 

勇人「……まぁ良い、今はそんな事をしている場合じゃねぇ、行くぞ……」 

 

紫「ええ……」

 

勇人は紫の性格を熟知しているのか、はたまた紫の気紛れに呆れているのか、深追いするのを止め、紫と共に鎮守府に急いで戻った

 

勇人(……平行世界(パラレルワールド)とは言え『()()()』を助けてくれるとはな……大した女だぜ……お前は……ありがとうな)

 

紫の()()()に感謝しながら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして……運命の処刑時刻である『0800』 舞鶴鎮守府 正門にて

 

永木「……此方、柏木隊所属の永木だ……上城、配置完了だ」

 

勇二「はいよ!!此方は何時でも戦えるぞ!千川!武器(得物)を持ってきたか?」

 

千川「ああ!!」

 

一馬「……勇人」

 

一馬達は恭一達を出迎える為、武器を所持し、待ち構えていた

 

一馬は勇人の作戦に乗り気では無いのか、少し俯きながら呟くと別所で待機していた永木が無線機を使って一馬に聞いた

 

永木「元帥、どうしたのですか?さっきから俯いたままになっているが……」

 

一馬「……永木、お前は『勇人の本当の作戦』の全貌を聞いていないのか?」

 

永木「いえ、聞いていませんが……」

 

一馬「そうか……」

 

永木「ただ隊長からの命令で……」

 

一馬「ん?アイツからの?」

 

一馬は永木に質問で返すと永木は柏木に頼まれた命令を一馬に言った

 

永木「……隊長の命令は『道中恭一を防空棲姫と上城に()()()()()、それ以外の連中は意地でも()()()()()()』と言ってました」

 

一馬(ッ!?アイツ、勇人の性格を分かった上で……やはり、こういう所は()()()()()()()なんだな……)

 

一馬は柏木の命令に()()()()()()()()()があったのか、感傷に浸っていると恭一達か乗せた輸送車が正門を突き破り、輸送車から勇人と千川の同期である『第一研修部隊』の連中が次々と輸送車から降りて来た

 

勇二「ッ!?来たぜ!!」

 

千川「全員で迎えに討つぞ!!アイツの作戦を成功させる為に!!」

 

一馬「ああ!!」

 

永木「了解!!」

 

千川は気合いの入った口調で一馬達に言うと、第一研修部隊のリーダー格が千川を嘲笑いながら言った

 

リーダー格「へっ!あの『アマチャン研修部隊』が()()()()()()()()()()()()()()に勝てる筈、無いだろ!さぁ!上城を出せ!!ヘタレ野郎!!」

 

千川「ヘタレ野郎?それは君達の事じゃないのか?それに、大本営襲撃事件(あの事件)を解決したのは三笠教官達と上城だ!……だから貴様達が英雄面してんじゃねぇ!腰抜け共が!」

 

リーダー格「貴様ァ……」

 

勇二「おっ!兄貴みたいな口調で喧嘩を売りやがったな♪意外と血の気が多いみたいだな♪」

 

勇二は千川の言い返しに驚きつつ、千川を誉めると千川は小さな声で勇二に言った

 

千川「……今の発言は流石に僕も()()()()からね……あの事件は上城が決死の覚悟で救った事件だ、その決死の覚悟で挑んだ上城(仲間)を侮辱したアイツらが()()()()()()()()()()のは気に要らないからね……勇二君もそうだろ?」

 

勇二「……当たり前だ、少しばかりアイツらに『()()()』しないとな!」

 

勇二は気合いを入れる為に上着を早脱ぎをすると、勇二の背中には幸運の鳥『瑞鳥』と『鶴』が共に翔んでいる絵柄の和掘りが描かれていた

 

その絵柄は、まるで……

 

千川「お!?瑞鳥に鶴……まさか!?」

 

勇二「ああ!ズイチャンをイメージしたオーダーメイドの和掘りだ!先月、漸く出来上がったんだ!!結構痛かったんだぞ!!」

 

千川「……馬鹿な事をして……だが、こういう表現は()()()()()()

 

最愛の人(瑞鶴ラブ)』を表してしる様な絵柄だったのだ……

 

そして、勇二はリーダー格に嘲笑いながら言った

 

勇二「へっ!あんな雑魚相手に自慢の背中を見せるのは気に食わんが……掛かってこい!今から『()()()()()()()()』の始まりだ!」

 

リーダー格「この……ヤクザ風情がぁぁぁぁ!!」

 

勇二「ヤクザ『()()』じゃねぇ!!俺は『ヤクザ(極道者)』だ!兄貴の……いや、家族の恩義と義理を御返しをするために……」

 

勇二は突撃しているリーダー格に向けて、殺意を込めた低い声で言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇二「貴様達の御命、頂戴するぜ!!行くぞォォォ!!」

 

勇二の言葉を待っていたかの様に千川達は第一研修部隊の連中に向けて攻撃を始めた

 

 

そして……

 

恭一(……フッ、アイツラは囮だ……俺は上城がいるであろう軍艦『金剛』に向かうか……)

 

別ルート(出撃ドック)から侵入した恭一は勇人が居るであろう軍艦『金剛』に向かった

 

だが、それは()()()()()()()()()()()だとは知らず……



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第90話「舞鶴大異変 part 11」

0830 軍艦(移動要塞)『金剛』内の医務室にて

 

 

勇人「遅いな……」

 

勇人は医療用のベットの上に全身包帯が巻かれている女性を冷たい視線を送りながら、()()()()を待っているかの様に苛立ちながらタバコを吸っていると、艦内のアナウンスが侵入者を感知したのか、別室で待機しているコンゴウから電話が鳴り、勇人は電話を受け取り、コンゴウは勇人に報告した

 

コンゴウ「艦長……ついに()()()()

 

勇人「……そうか、分かった……コンゴウ、()()()()だ」

 

勇人は電話を切り、侵入者を待ち構えていると……

 

 

ドン!

 

 

恭一「やっぱり此処に居たか……上城、久しぶりだな」

 

恭一は医務室の扉を蹴り飛ばし、意気揚々と勇人に言うと勇人は後ろを振り向きながら恭一に言ったが……

 

勇人「久しぶりだ………な!?本当に……道中教官か?」

 

恭一「フッ……ああ……」

 

勇人は恭一の()()姿()を見て驚愕した

 

何故なら……

 

勇人「あの……メタボ体型な教官が……()()()()()だと……まさか!?お前『D-cell』と『俺のDNA()』を使って……」

 

恭一「流石『医龍』の名を持つ軍医だな……感で答えるとは……正解だ、お前のDNAは唯一、D()-()c()e()l()l()()()()()()()()()()()()だからな……これも、お前を殺す為に自ら投与したのだ」

 

そう、あの時、恭一は2つの薬……否、D-cellと勇人のDNAを投与した事により、勇人と同じ()()()()()()()()()()になっていたのだ

 

勇人は恭一が薬の力で痩せた原因を自身の長年の感で言い当てると恭一は嘲笑いながら勇人に言うと、勇人は恭一に悪態を吐いた

 

勇人「チッ!この化け物が……」

 

恭一「それに関しては、お前に言われたくないな……艦娘(兵器)と合体したサイボーグ人間には……なぁ!!」

 

ドカッ!!

 

勇人「グハッ!!」

 

恭一は勇人の悪態に反論すると、予備動作も無しで一気に勇人の目の前に移動し、勇人は対処仕切れなかったのか、恭一の拳が勇人の鳩尾に食らい、勇人は腹部を抑えながら立ち上がろうとしたが……

 

恭一「オラオラオラ!!」

 

ドカッ!!

 

バキッ!!

 

ドゴッ!!

 

勇人「グハッ!ガバッ!ゴホッ!」

 

恭一「フハハハハ!どうした?(義兄)を倒したお前が手も足も出ないのか?……拍子抜けだ、此処で死ねぇ!!」

 

恭一は不安定な体勢になっている勇人に追い討ちを掛け、そのまま決着(処刑)しようと常人には見えないスピードで勇人に追撃をし、拳を勇人に向けて攻撃をしようとした途端……

 

ガシッ!!

 

恭一「なっ!?」

 

勇人「……こ、コンゴウ……」

 

コンゴウ「……大丈夫ですか艦長」

 

勇人「……何故お前が来たんだ?」

 

コンゴウ「……コイツに話があってな」

 

勇人「話?」

 

恭一の拳はコンゴウによって制止され、コンゴウは恭一に『ある取引』を始めた

 

コンゴウ「なぁ道中、此処は取引をしようじゃないか?」

 

恭一「取引?」

 

恭一はコンゴウの取引について聞くと、コンゴウはベットに寝ている女を指差し、恭一に言った

 

その取引の内容は()()()()()……否、()()()()()()()()()()内容だった

 

それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンゴウ「ああ、その取引は艦長を殺す前に、ベットの上に寝ている女……『()()()()』を()()してくれないか?この通りだ……」

 

勇人「なっ!?」

 

恭一「ほう……例の防空棲姫をね……」

 

そう、勇人の延命との条件に未来……防空棲姫を明け渡す事だったのだ

 

勇人はコンゴウの発言に激怒し、コンゴウの胸倉を掴み、恭一の攻撃により全身傷だらけになった身体を鞭を打つかの様に血を吐き、コンゴウに怒鳴った

 

勇人「テメェ!!今、自分が言った事を()()()()()()のか!?ふざけた事を言うんじゃねぇ!お前は人の……人間の情が無いのか!?」

 

勇人はコンゴウに怒鳴り散らすとコンゴウは涼しい顔をし、勇人に言った

 

コンゴウ「……私はメンタルモデル『コンゴウ』だ、人間ではない……私の第一使命は……艦長、貴方の命を守る事だ、()()()()()()()()()に艦長が死ぬのは見たくないだけだ……さぁ道中、早く防空棲姫を持っていってくれ」

 

コンゴウは恭一に防空棲姫を連行する様、促すと恭一は微笑み、満身創痍な勇人に嘲笑うかの様に高々に笑いながら言った

 

恭一「フハハハハ!良かろう!先に防空棲姫の処刑を始めよう!上城!お前の娘分が殺され、絶望しきった顔で娘分を追わせてやるからな!フハハハハ!」

 

勇人「ふざけんな!コンゴウ!退け!!」

 

コンゴウ「……フン!」

 

ドカッ!

 

勇人「ッ!?放せ!!コンゴウ!!」

 

コンゴウ「……」

 

恭一「フッ、無様だな!部下であるメンタルモデルでさえ倒されるとはな!では上城、()()()()()()()()()()()()()()()!」

 

恭一は高々と笑いながら防空棲姫を連行し、勇人は恭一を止める様にコンゴウを押し返そうとしたが、コンゴウに羽交い締めにされても尚、暴れ続け、恭一は勇人を見下す様に医務室を後にした

 

 

 

たが勇人は防空棲姫を連行した恭一に……

 

 

勇人「フフフ……アハハハハハ!何が『娘分が死ぬのを楽しみに見とけ』だと!笑わせるぜ!!」

 

激怒する所が恭一を嘲笑うかの様に高々と笑っていたのだ

 

コンゴウは取り押さえている勇人を離し、心配しながら勇人に言った

 

コンゴウ「こうアッサリと()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……艦長、大丈夫ですか?」

 

勇人「大丈夫な訳ねぇだろ……肋骨や肩甲骨にビビが入ったぞ……それに、あの野郎……李と同じ事をしやがって……だが、それのお蔭で『コレ』を奪い取る事が出来たから、まぁ善しとするか……」

 

勇人はコンゴウに支えられながら懐から『ある書類』を取り出し、コンゴウに見せた

 

コンゴウ「これは……例の『艦長の処刑状』……ですか?いつの間に盗んだのですか?」

 

そう、勇人が奪い取ったのは恭一が持っていた書類『勇人の処刑状』だったのだ

 

コンゴウは恭一から盗んだ経緯について聞くと、勇人は微笑みながら簡潔に答えた

 

勇人「殴られている時に、こっそりと隙間を使ってな……」

 

コンゴウ「……本当に無茶しますね」

 

勇人「うるせぇ」

 

?「なぁ大将、出てきてもええんか?」

 

?「パパ、もう終わったの?」

 

コンゴウは勇人の捨て身の行為に呆れていると艦内の無線から『播州弁で通話してきた男』と『勇人をパパと呼んでいる少女』が心配した口調で勇人に聞くと、勇人は血を吐き捨て、一呼吸を置き、無線の相手に連絡をした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「ああ……後は奴が()()()()()()()のを待つだけだ……もう大丈夫だ……『未来』」

 

勇人は別室に隠れてた龍崎と少し肌白くなった秋月……否『未来』を呼ぶと、未来は勇人の身体の傷を見て慌てながら勇人の安否を確認した

 

未来「そう、これで上手k……ッ!?パパ!大丈夫!?凄い怪我しているよ!!お父さん!救急箱を!!」

 

龍崎「ッ!?分かった!!」

 

勇人「いや、大丈夫だ……これ位の傷……クッ!」

 

勇人は気丈に振る舞いながら立ち上がろうとしたが、想像してた以上に酷い怪我を負っていたのか、激痛が身体中に響き渡り、膝を着くと二人は勇人に慌てて寄り添い、心配した表情で勇人に言った

 

未来「パパ!無理はしないでって、あれほど言ったじゃない!!パパが死んだら……私……」

 

龍崎「未来の言う通りや!!アンタはワシらの為に充分やってくれたんや!!もう休めや!!後の事は柏木隊に任せればええんや!!」

 

二人は重傷の勇人に休ませる様に強い口調で説得をすると、勇人は自前の根性で立ち上がり、二人を諭す様に言った

 

勇人「……それでも俺は『この決着(大仕事)付けさせる任務(終わらせる仕事)』が残っているんや……だから、そこを退けまぁ……二人共……」

 

未来「嫌よ!!これ以上……私達の為にパパを傷付ける所を見たくないよ!!」

 

龍崎「ワシもや!!アンタが回復するまでは一歩も動かん!!」

 

勇人「お前ら……そこを……」

 

コンゴウ「なら艦長、これを使って下さい……」

 

二人は頑なに動こうとはせず、未来は勇人の介抱を、龍崎は勇人が出て行かない様に出入り口の前に立っていると、コンゴウは勇人に『ある容器』を渡した

 

勇人「ッ!?流石やコンゴウ!よく分かったな!俺の考えを……」

 

コンゴウ「……私を誰だと思っているのだ?艦長の考え位は分かっている……佐世保に貯蓄していた『それ』を全部持っていたから数には困らない筈だ」

 

勇人「……パーフェクトだ、コンゴウ……ゴクッ……ゴクッ……」

 

勇人はコンゴウから『ある容器』を貰い、笑顔で答えながら、その容器を外し、容器の中から水筒を取り出し、勇人は水筒の中身の青白い液体を飲んでいると未来は勇人が『受け取った水筒』を見て、首を傾げた

 

未来「コンゴウさん、これは?」

 

未来は勇人に渡した水筒について聞くと、コンゴウは微笑みながら答えた

 

コンゴウ「これは艦長が丹精込めて制作した新しい応急修復材(ダメコン)……『飲料型携帯高速修復材』だ」

 

そう、コンゴウが渡したのは勇人がコストの高い装備『応急修復要員』……通称『ダメコン』の代わりに低コストで制作した新たな応急修復材(ダメコン)『飲料型携帯高速修復材』だったのだ

 

未来は勇人の考えを察したのか強い口調で龍崎に指示を出した

 

未来「ッ!?お父さん!直ぐにパパの飲料型携帯高速修復材(ダメコン)を取り上げて!パパ!今すぐ吐いて!!」

 

龍崎「おう!!」

 

二人は勇人が再び戦場に赴く事を阻止する為に勇人の飲料型携帯高速修復材料(ダメコン)を取り上げようとしたが……

 

カラン……

 

未来 龍崎「ッ!?遅かったか……」

 

勇人「……プファ、相変わらず飲みにくい味だぜ……隙間解放!行ってくる!」

 

コンゴウ「御武運を……艦長」

 

勇人「おう!」

 

勇人は飲料型携帯高速修復材(ダメコン)を飲み干し、味が気に食わなかったのか、顰めっ面になりながら空になった飲料型携帯高速修復材(水筒)を放り捨て、身体が完全に治ったのか、隙間を展開させ、医務室を後にした

 

未来「コンゴウさん!!何故パパを回復させたの!パパがまた『あの男』に殺されるかも知れないのに!!」

 

龍崎「そうや!コンゴウはん!!アンタも大将……アイツが死ぬのを見たくないんやろ!!」

 

二人は勇人を回復させたコンゴウを責める様に強い口調で問い質すと、コンゴウは勇人の事を絶大に信頼しているのか、余裕のある笑みを浮かびながら答えた

 

コンゴウ「艦長が殺される?馬鹿を言うな……艦長は『不死身』だ、お前たちも見ただろ?蒼霧事変(あの時)の艦長の頑丈さ……いや、ゴキブリ並の生命力の高さを……」

 

未来「しかし……」

 

龍崎「チッ!アンタとは話にならん!!ワシが、あの馬鹿を止めに行ってくる!!未来は此処で待ってろ!!」

 

未来「ちょ!?お父さん!?」

 

龍崎はコンゴウの話に耳を傾けず、急いで勇人がいるであろう正門まで走って行った

 

コンゴウ「はぁ……あの馬鹿、アイツが艦長を止めれる訳無いだろ……」

 

未来「パパ……お父さん……」

 

コンゴウは龍崎の行動に呆れ、未来は二人の父親(勇人と龍崎)の事が心配……否、悪い予感がしたのか、少し俯きながら二人の無事を祈った

 

だが、未来の悪い予感が的中するとは……



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第90話「舞鶴大異変 part 12」

0900 舞鶴鎮守府正門付近にて

 

勇次「オラァ!!」

 

ドゴッ!

 

リーダー格の男「グハッ!こ……この野郎!!」

 

バキッ!!

 

勇次「チッ!しぶてぇ野郎だ……だが、兄貴が手出しする程、強くないな……来いよヘタレ野郎、武器なんか捨てて掛かってこい!」

 

勇次と第一研修部隊のリーダー格の男は殴り合いをしており、両者共に疲労困憊になっており、二人の周りには千川達のお陰でリーダー格の仲間達が気絶している所を見て、挑発染みた発言をすると、リーダー格の男は息を荒くし、疲労困憊の身体に鞭を打つ様に構え、勇次の挑発に激怒したのか、自身の武器であるナイフを捨て、我を失いながら怒鳴った

 

リーダー格「貴様ぁ……また俺を虚仮に……野郎ブッ殺してやらぁ!!」

 

勇次「フッ、そう来なくちゃ張り合いが無いからな……遊んでやるよ!」

 

勇次は自身を奮い立たせ、挑発しながらリーダー格と交戦していると、鎮守府内部から防空棲姫を担いで来た恭一が高々に笑いながらリーダー格に言った

 

恭一「もう遊びは御仕舞いだ!今から防空棲姫と上城の処刑を開始する!」

 

勇次「なっ!?てめぇ!!未来を離せ!!」

 

リーダー格「ッ!?教官!何故、上城からではなく防空棲姫を先に処刑するのですか!?」

 

勇次は防空棲姫が恭一に捕まった事に怒鳴り、リーダー格は恭一が防空棲姫の処刑について質問すると、恭一は勇人に勝利した事に喜んでいるのか、高揚し、不敵な笑みを浮かべながら言った

 

恭一「フフフフ……金城、お前は初耳なのかも知れないが、この防空棲姫は上城の『娘分』だ……貴様も上城によって親父が殺されたんだろ?なら親父さんの弔いとして防空棲姫(上城の娘分)を、お前の手で始末すれば良い……」

 

勇次「な!?金城!?まさか『日本解放軍』のリーダーの……『金城(キム)の息子』だと!?」

 

リーダー格改め『金城』「ッ!?そうだったのですか……道中教官!ありがとうございます!なら御言葉に甘えて……」

 

勇次「止めろ!この子に手ぇ出すんじゃねぇぇぇぇ!!」

 

そう、リーダー格の正体は920事件で勇人が殺したテロリスト『日本解放軍』のリーダー『金城 龍一』本名『(キム) 白龍(パイロン)』の息子『金城(かねしろ) 龍二(りゅうじ)』こと『(キム) 龍二』だったのだ

 

金城は恭一の言葉を聞き、不敵な笑みを溢しながらナイフを拾い、勇次は勇人から聞いていたのか、第一研修部隊を率いているリーダー格が勇人が殺した金城(キム)の息子だと知ると、勇次は金城が防空棲姫を殺すのを止める為に突進したが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恭一「消えろ、非国民が!!」

 

ドカッ!!

 

勇次「グハッ!!」

 

恭一が瞬時に勇次の懐に入り、恨みを込めた拳を勇次の腹にめり込む様に拳を入れると勇次は血を吐き、地面に蹲っていると、背後から隙間から勇人が現れ、倒れた勇次の容態を急いで確認した

 

勇人「間に合っ……ッ!?勇次!!大丈夫か!!」

 

勇次「遅ぇよ……糞兄貴が……大丈夫だ、ちぃっとばかし肋骨二本が折れただけだ……痛ぇ……」

 

勇次は自身の経験から怪我の状態を察し、勇人に報告すると勇人は勇次に恭一達に聞かれない様に小声で言った

 

勇人「……お前は『これ』を持って休んでろ

 

勇次「……これが()()()()()か、親父から聞いたぜ、未来ちゃんの代わりとなる防空棲姫の()()()()()だって事をな……」

 

勇次は勇人から処刑状を受け取り、そして一馬から『勇人の本当の作戦』を聞いていたのか、血を吐き捨て、笑みを溢しながら言うと、勇人は少し呆れながら言った

 

勇人「……やっぱりバレてたか……そうや、そして()()()()()はコンゴウの船で待機しているんや

 

勇次「……本当に無茶する兄貴なこった……わーったよ、俺は暫く休むわ……永木にも伝えておくわ」

 

勇人「おう」

 

勇次は勇人の()()()()()()()()()()()()()()()に安堵し『勇人の本当の作戦』を永木に伝える為に無線機を使い、報告し始めると勇人は恭一の前に立ち、静かに、そして殺意を込めながら言った

 

勇人「……テメェ……よくも弟を……」

 

恭一「安心しろ、お前を殺したら弟達も後を追わせるつもりだ……だから娘分を殺されるのを見てろ、金城……殺れ」

 

金城「分かりました」

 

勇人(フッ、そろそろ麻酔が抜ける頃か……此処で()()()()()()()!)

 

恭一は防空棲姫を投げ捨て、金城は懐から拳銃『92式拳銃』を取り出し、拳銃の照準を防空棲姫の胸に合わせ、トリガーを引こうとした途端、勇人は眠っている防空棲姫を起こす様に大声で防空棲姫の正体を告白した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「スゥ………()()()!!いい加減()()()()()!!俺の同期に()()()()()!!」

 

恭一「なっ!?お前は何を……」

 

防空棲姫?「うう………ん?」

 

金城「ウオッ!?」

 

パン!

 

防空棲姫?「ウグッ!」

 

勇人の怒鳴り声に恭一は首を傾げ、防空棲姫は目を覚まし、金城は勇人の怒鳴り声に驚き、驚いた弾みにより拳銃を発砲すると放たれた弾丸は防空棲姫の胸に当たり、防空棲姫は撃たれた弾丸の痛みにもがいていると、恭一は勇人の言葉に頭の整理が出来ていないのか、混乱しながら聞いた

 

恭一「なっ!?どういう事だ!?何故、潤が関係しているんだ!!それにアイツは()()()()()()()()!!」

 

恭一は混乱しながら勇人に怒鳴ると、勇人は自身の本当の作戦が成功した事に不敵な笑みを溢し、恭一を嘲笑いながら本当の作戦内容を告白した

 

勇人「ククク……バーカ、さっきまで演技をしていたのを気付いていなかったとはな……6時間位前に間宮達にボコボコにされたアンタの妹を俺の()()で舞鶴に移送させ、俺が()()()()()()()()を治療も兼ねて防空棲姫に()()()()()()()!勿論、顔だけではなく全身あらゆる所『全て』にな!ほら!可愛い妹が死にかけているぜ!兄として『最後の言葉』を掛けてきな」

 

恭一「クッ!潤!!」

 

そう、勇人の本当の作戦は美奈達が道中を倒した直後、隙間を使って道中を舞鶴に強制移送させ、道中を治療しながら防空棲姫(未来)に整形し、恭一が自身の妹を防空棲姫(未来)と誤認させる様に演技をし、恭一に『家族(兄妹)殺し』の罪を被せると共に『勇人を処刑する権利書』である処刑状を盗み、処刑状を隠滅させ、道中兄妹を文字通り『地獄に落とす』為の作戦だったのだ

 

勇人は恭一を煽る様に言うと、恭一は慌てて防空棲姫……いや妹である潤に近付き、容態を確認した

 

恭一「潤!!大丈夫か!」

 

道中「ううっ……兄さんなの?私達……負けたの?」

 

道中は悔しいのか、泣きながら言うと、恭一は頭を横に振り、優しく声を掛けた

 

恭一「いや、俺達には、あの処刑状が……ッ!?無い!?何処に落としたんだ……」

 

恭一は懐から処刑状を出そうとすると、勇次は煙草を吸いながら勇人に預かっていた処刑状をちらつかせながら言った

 

勇次「ひょっとして『これ』の事か?」

 

恭一「な!?いつの間に!?」

 

恭一は勇次が処刑状を持っていた事に驚愕すると、勇次は高々と笑いながら恭一に言った

 

勇次「バーカ!オメェが兄貴をボコボコにしている時に、兄貴が盗んだんだよ!兄妹揃って間抜けだな!まぁ、俺達にも()()()()()()()()()()が出来るみたいだから、この書類は……」

 

勇次は処刑状にライターの火を炙せ、処刑状を燃やしながら言った

 

道中兄妹「ッ!?嘘……」

 

勇次「……たった今から()()だ、これで良いだろ?兄貴?」

 

勇人「……相変わらず、えげつねぇな……お前……」

 

勇人は勇次が行った『見せしめ』に呆れながら言うと、勇次もまた勇人の言葉に呆れながら言った

 

勇次「敵に『家族(兄妹)殺し』をさせた兄貴には言われたくねぇよ……この悪魔が……」

 

千川「うん、勇次君の言う通りだ」

 

勇人「まぁ、そう言うなって……お!?どうやら帰って来た様だな」

 

勇人は笑いながら言うと、正門付近の海岸から美奈達が帰還したのを見て、微笑みながら言うと、美奈は神妙な雰囲気を醸し出しながら言った

 

美奈「……大将、あの子は?」

 

美奈は『本当の作戦』が終わっていないと思っているのか、演技とは言え激怒した表情になりながら聞くと、勇人と千川は美奈に安心させる様に微笑みながら言った

 

勇人「……もう()()()()()()()()()()()から、そんなに気を張るなよ……美奈」

 

千川「そうだよ、君が上城をボコボコにする必要が無くなったんだよ」

 

美奈「ホッ……そうだったのですか……って!?何故、私が大将をボコボコにする事を()()()()()()()()()()!?」

 

そう、勇人の作戦内容には美奈の役割である『防空棲姫(未来)を差し出した勇人に未来の母親として徹底的に殴り付ける役割』があったのだが、帰りの遅い美奈の代わりとして『美奈の役割』を勇人が演じ、そして『()()()()()()()()』をコンゴウが演じていたのだ

 

美奈は千川が『本当の作戦』の内容を把握していた事に驚き、質問すると、千川は微笑みを崩さないまま答えた

 

千川「上城とコンゴウの会話を()()()()をしたんだ」

 

勇次「そして、美奈さん達が帰還する迄に終わらせた……と言う訳や」

 

美奈「……心配して損したわ」

 

朱里「全くよ……ありがとうね、レミ」

 

レミリア「……どういたしまして」

 

美奈は安堵しながら悪態を吐き、朱里とレミリアは勇人の無茶な作戦に呆れながら言うと道中は『もう持たない』のか、苦しみながら恭一に最後の言葉を掛けた

 

道中「兄さん……こんな奴らに殺されたく無いよ……助け……て」

 

ガクッ……

 

恭一「潤……おい潤!!しっかりしろ!!潤!ジューーーーン!!」

 

恭一は亡き妹を見て号泣し、勇人は煙草を吸いながら恭一に言った

 

勇人「スゥ………フゥ……先ずは一人目の『処刑』が完了したな」

 

勇次「……だな」

 

恭一「ッ!?処刑だと!!貴様ァ!!よくも……よくも潤を!!ぶっ殺してやる!!」

 

美奈「ッ!?大将、此処は私達に……」

 

美奈は勇人を怒り狂った恭一から守る為に勇人の前に走って移動をしたが、勇人は美奈を止める様に手を差し出し、殺意の籠った雰囲気を醸し出しながら言った

 

勇人「待て、此処は俺が殺る……作戦とは言えアイツが身内(勇次)に攻撃したからな、兄貴として許せねぇんだよ!来いよ三流風情(ドサンピン)が!俺が直接、地獄に叩き落としてやらぁ!!」

 

恭一「此処で死ねぇ!!上城ォォォォ!」

 

勇人「行くぞゴルァァァァ!!」

 

勇人は恭一が勇次に行った行為に恭一と同じく怒り狂った口調で恭一に挑発すると恭一は勇人の挑発に更に怒りが込み上がり、冷静さを失いながら勇人に突進をし、勇人も恭一に向けて突進し始めた

 

この事件(因果)に終止符を打つかの様に……



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第90話「舞鶴大異変 part 13」

恭一「フン!フン!ハァッ!セイッ!オラァ!」

 

勇人「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」

 

ドガガガガガガガガガッ!

 

恭一「オラァ!」

 

勇人「無駄ァ!!」

 

ドガッ!

 

勇人と恭一は互いの()(蹴り)を使って相手の攻撃を捌きつつ、常人では見えない速さで攻防を繰り返し、二人が同時に放った拳が相手の拳に当たり、二人は相手の拳の威力の強さに耐えきれず、そのまま後退り(バックステップ)をするかの様に後ろに吹き飛んだ

 

勇人「チッ……李より厄介な身体になっていたとは……泣けるぜ」

 

恭一「フン……貴様も蒼霧事変(あの時)以上に強くなっていたとはな……これは骨が折れるな」

 

勇人は恭一が薬で勇人と同等の身体能力を手に入れていた事に悪態を吐き、恭一もまた、勇人が『見知らぬ能力』を手に入れていた事に悪態を吐くと二人の格闘を見ていた美奈と千川そして幻想郷の連中は二人の……否、勇人の身体能力の高さに驚いているのか、開いた口が塞がらない状態になりながら言った

 

美奈「こ……これが大将の……」

 

早苗「す……凄い……」

 

千川「……凄い身体能力だ」

 

レミリア「……吸血鬼である私が言うのも変だが、アレは完全に化け物だわ……」

 

群像「……泣けるぜ」

 

美奈達が勇人と恭一の格闘に驚いていると、金城は拳銃を美奈に向け、恨みを込めながら呟いた

 

金城「……なら、せめて間宮だけでも!」

 

勇人「ッ!?美奈!?」

 

美奈「へ?」

 

パン!

 

勇人は金城が拳銃を構えているのに気付いたが、反応が遅かったのか美奈を庇う前に発砲音が鳴り響いた

 

だが、その発砲音は金城から発したのではなく……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カラッ………

 

 

 

 

 

 

 

 

金城「チッ!」

 

永木「ふぅ……危ない危ない」

 

勇人「サンキュー……永木」

 

別所で待機している永木が発したのだ

 

永木は日本製の突撃銃(アサルトライフル)『64式小銃』を使って金城の拳銃に狙撃をし、拳銃のみ吹き飛ばすと金城は拳銃を吹き飛ばした弾みで手が痺れたのか、手を抑えながら言った

 

金城「……腕利きのスナイパーが居たとは……」

 

恭一「金城、下手に動くと射殺されるから『何もするな』……これは命令だ」

 

金城「……分かりました教官」

 

恭一は金城に優しく命令すると金城は渋々、了承すると、勇人は嘲笑いながら言った

 

勇人「今から死ぬ奴が、そんな余裕があるのか?」

 

恭一「……ぬかせ、クソ野郎……」

 

勇人「なら、精々その『クソ野郎』に瞬殺されんな……よぉ!!」

 

ドカッ!

 

恭一「グハッ!!き……貴様ァ……」

 

勇人は拳法の一つ『八極拳』の技の一つで、全身の瞬発力を利用し、相手の腹部に肘を当てる技『躍歩頂肘(やくほちょうちゅう)』を恭一に不意討ちをすると恭一は腹部……否、内臓にダメージが入ったのか、血を吐き、地面に踞りながら恨みの籠った声で呟くと勇人は止めと言わんばかりに全身の神経を集中し、静かに呟いた

 

勇人「……これで終わらしてやる……龍光会の因縁や何もかも全てを……」

 

レミリア「ッ!?まさか!?止めなさい勇人!!今の精神状態での変身は()()()()()()!!」

 

勇人「ウルセェ!!これ以上、仲間が傷付くのを見たくねぇ!!艤装展開……」

 

勇人はレミリアの説得を聞かず、そのままドス黒いオーラを放し、全神経を集中させる様に深呼吸をし、一呼吸を置き、静かに呟いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「Battle mode(バトルモード)……『Monster(モンスター)』!!」

 

勇人は静かに、そして相当強い殺意を込めながら呟くと勇人の身体はドス黒く発光し、ドス黒い光が収まると勇人の身体は更に鍛えたかの様に筋肉が肥大化し、髪も銀髪のロングヘアー、目の色は朱色に変色し、服装も金剛型に似た和装の姿になっていた

 

そう、勇人は『戦艦三笠』の付喪神になったのだ

 

ただ……

 

美奈「ッ!?大将のオーラが蒼白く……無い……」

 

群像「ッ!?何だ……あの『赤みが掛かったドス黒いオーラ』は……」

 

勇人が付喪神化する際のオーラが蒼白色では無く、仲間や家族が傷付いた事による『負の感情(怒りと殺意)』に染まったかの様な『赤みが掛かった漆黒のオーラ』を放していた事に……

 

レミリアは5年前の『勇人の暴走体』を思い出し、血相を変えながら美奈達に怒鳴った

 

レミリア「ッ!?不味いわ!!早苗!!フラン!!霊夢!!美鈴!!咲夜!!魔理沙!!三笠!!群像!!優花!!美奈さん!!今すぐ暴走した勇人を止めるわよ!!」

 

美奈「え!?暴走!?大将!!落ち着いて下さい!!此処で暴走したら……」

 

群像「落ち着けお祖父ちゃん!!暴走したら相手の思う壺だ!!」

 

霊夢「そうよ!!だから元に戻って!!」

 

優花「勇人君!!」

 

美奈達は暴走した勇人を止める為に勇人に近付いたが……

 

勇人「邪魔だ………境符『四重結界』」

 

ドン!

 

美奈達「キャッ!!」

 

群像「クッ!」

 

勇人は美奈を吹き飛ばす様に結界を張り、結界の中には恭一と勇人そして金城……三人を閉じ込める様に結界を張ったのだ

 

恭一「ッ!?な……なんじゃこりゃ!?貴様に、こんな『隠し玉』を!?」

 

金城「上城ォ!!此処から出しやがれ!!」

 

勇人は自身の能力や艦娘の力そして勇人本来の身体能力を極限まで高めた姿『モンスター(付喪神化)』をすると、恭一と金城は勇人の付喪神(妖怪)の姿に度肝を抜き、勇人の付喪神(妖怪)化した姿に顔面蒼白になり、臆しながら聞くと、勇人は『付喪神化』による暴走なのか、一人称や言葉使いが普段のヤクザ染みた口調ではなく、荘厳で、尚且つ神々しい口調で答えた

 

勇人「うむ……これは我の隠し玉だ……それに我を倒さなければ出られぬぞ……金城……」

 

金城「ヒィッ!この……化け物が……」

 

恭一「チッ!なら……金城!!これを注入しろ!」

 

金城「ッ!?これは?」

 

恭一は懐から赤い液体が入った注射器を金城に渡すと、金城は注射器の中身について聞くと、恭一は神妙な表情で答えた

 

恭一「『D-cell』と『上城のDNA』を混ぜた『ドーピング剤』だ……早くしろ!あの化け物に殺されたく無いのか!!」

 

金城「ドーピング!?わ……分かりました!!」

 

金城は急いでドーピング剤を首筋に浮いている血管に注入すると、金城は顔面蒼白になっていた表情から一転、高揚感に満ちた不適な笑みを浮かべ、笑いながら恭一に言った

 

金城「あぁ~……この高揚感……癖になりますね教官……まるで覚醒剤(ヒロポン)を打っている様だ……最高にハイになりますね……」

 

恭一「……そうか」

 

恭一(フッ……馬鹿な男だ……あのドーピング剤には『上城のDNA』と『D-cell』そして覚醒剤(ヒロポン)の主成分である『メタンフェタミン』が混入されたドーピング剤だと言う事を知らずに……哀れな男だ……)

 

そう、恭一が渡したドーピング剤は『勇人のDNA』『D-cell』の他に国の指定薬物として認定されている覚醒剤『ヒロポン』の主成分である『メタンフェタミン』が混入されたドーピング剤だったのだ

 

金城は恭一から渡されたドーピング剤には覚醒剤(メタンフェタミン)が混入されているのを知らず、覚醒剤の乱用による精神症状の一種『高揚感』と『破壊衝動』に駆り立てながら勇人に言った

 

金城「イヒヒヒ!さぁ上城ォ!!早く殺ろうか!!こんな楽しい殺し合い(行事)……ビンビンに勃って勃ちまくって変になりそうだ!!教官!行きますよ!」

 

恭一「ああ……行くぞ上城ォ!!」

 

勇人「哀れな男達だ……掛かってくるが良い」

 

勇人は二人を挑発をする様に手招きをすると恭一は妹が殺された恨みを込めながら、金城は自身の禁断症状による破壊衝動に駆り立てながら勇人に攻撃を始めた

 

そして……

 

龍崎「ハァ……ハァ……間に合った……大丈夫か美奈?」

 

未来「お母さん!」

 

美奈「ウチは大丈夫や……それより大将が……」

 

龍崎「大将が……な!?これがアイツの……」

 

未来「パパがどうした……ッ!?な……何これ……ねぇお母さんに早苗さん!一体どういう訳ですか!?何故パパが付喪神になったのですか!!」

 

美奈「……」

 

勇人を追い掛けてきた未来と龍崎は暴走した勇人を見て、驚愕し、暴走した勇人に怖じ気付きながら早苗と美奈に聞くと美奈は黙って俯き、早苗は勇人の性格を知っているのか、何故『勇人が暴走した理由』を未来達に言った

 

早苗「……道中達による卑劣な行為によってキレた状態で付喪神……しかも暴走体になったの、そして……」

 

龍崎「ッ!?暴走……だと!?」

 

未来「……パパが暴走すると、どうなるの!?」

 

未来は勇人の身を案じているのか、不安になりながら早苗に聞くと、早苗は『勇人が暴走体になった際の代償』について静かに、そして悲しい表情になりながら答えた

 

そう、その代償とは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早苗「……このまま暴走状態が続くと、鍛えているとは言え、ハヤチャンの身体が付喪神化による暴走状態に耐えきれず……死んでしまうの……」

 

早苗以外全員「ッ!?」

 

……()()()()()()()()だったのだ



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第90話「舞鶴大異変 part 14」

勇人が暴走体になっている頃 ロシア国籍の政府旅客機内にて

 

柏木「……」

 

金髪のメイド「……」

 

柏木は日本とロシアの上層部の命令でドイツに向かって移動を始めていた

 

柏木「……何か嫌な予感がするな」

 

柏木は舞鶴に居る兄弟分(勇人)の事が心配なのか、少し落ち着かない様子で機内食を食べていると、金髪の若いメイド……否、柏木専属の変態メイド『Октябрьская(オクチャブリスカヤ) революция(レボリューツィヤ)(以後オク)』が柏木の様子に不安感を感じながら慣れない日本語で質問をした

 

金髪のメイド改め『オク』「ドウシタの?サッキカラ浮かない顔をシテ?()()()()()()のか?なら私が疾風の……」

 

柏木「違ぇよ!ってか何でテメェは俺が何かある度に()()()()()()()()()()!!『勇人の所のメイド長(五十嵐さん)』を見習って欲しいぜ……」

 

オク「イガラシ?アア~……あの『ペチャパイ』で『ムッツリスケベ』な上城家のメイドの事カ……」

 

柏木「……それ、五十嵐さん本人に聞かれたら殺されるぞ、それに五十嵐さんは華奢な見た目とは違い『()()』だから胸のせいで普段の業務や戦闘に支障を来すからメイド服の下にサラシを巻いているんだ」

 

オク「成る程ネ……てっきりパットを仕込んでいるかと……ってか、ソノ情報……誰から聞いたの?」

 

柏木「五十嵐さんの雇い主である勇人から聞いた……」

 

柏木は発情したオクに一喝しつつ『五十嵐(十六夜) 咲夜』に関する情報をオクに伝えるとオクは何を血迷ったか、柏木に強い口調で言った

 

オク「まさか疾風!?私ではナク、あの『隠れキョヌー(巨乳)メイド』に惚タノ!?」

 

柏木「んな訳ねぇよ!!『お前は五十嵐さんを見習え』って言ってんだよ!!メイドの立ち振舞い的な意味で!!」

 

オク「何ダ……Я с облегчением узнал, что(そういう事だったの)……それで何故、浮かない顔になってイタノ?」

 

オクは柏木に()()()()()()()を追求すると、柏木はオクの言葉に一喝(ツッコミ)をし、ため息を吐きながら本題に入った

 

柏木「ハァ……実は舞鶴鎮守府……京都の街に建てられた鎮守府の事だが、そこで大問題が発生したんだ」

 

オク「大問題?あの上城家のボンクr……ゲフンゲフン『海軍の問題児(上城勇人)』と『隠れキョヌー(巨乳)メイド』が何かヤラカシタの?」

 

オクは勇人と咲夜に苦手意識があるのか、少し毒の入った言葉で柏木に聞くと、柏木はオクの言葉に呆れながら答えた

 

柏木「だから五十嵐さんをディスるのは止めろ……まぁ、その大問題には、ある()が発生したせいで、勇人と舞鶴に所属している間宮そして防空棲姫が絡んでいるんだ……」

 

オク「噂?それに防空棲姫が?」

 

オクは柏木の言葉について首を傾げながら聞くと、柏木は噂の内容が()()()()()()()なのか、頭を抱えながら答えた

 

柏木「ああ……俺も信じられない内容だが、永木から聞いた噂の内容によると、舞鶴の間宮と勇人そして防空棲姫の前世の関係が『()()』なんだよ」

 

オク「……何とマァ……メルヘン染みた内容ね……」

 

オクはブッ飛んだ内容に信用していないのか、少し呆れながら言うと、柏木は「全くだ」と同意し、少し冷えた機内食を食べていると、柏木のスマホが震え始めた

 

柏木「ん?永木からだ……もしもし、何か問題でも起きたのか?」

 

柏木はスマホを確認し、通話相手である永木に聞くと、永木は焦りながら柏木に報告した

 

永木「もしもし柏木か!?ヤバい事になった!!」

 

柏木「ヤバい事?」

 

柏木は動揺した永木の口調を聞いて、リラックスした表情から一転し、神妙な表情になり、永木に聞くと、永木は焦りと動揺が混じりながら報告した

 

永木「上城が……()()()()!!」

 

柏木「暴走?何時もの事だろ?」

 

柏木は蒼霧事変での勇人の暴れっぷりを知っているのか、少し呆れながら言うと、永木は柏木に怒鳴りながら言った

 

永木「そういう意味じゃねぇよ!!今回の暴走は……パワーアップした上城……いや、()()()()()()()()が制御不能で暴走してんだよ!!」

 

柏木「………はぁ!?付喪神ィ!?それにアイツが制御不能に陥ったァ!?永木!直ぐにアイツ今の姿を見せてくれ!」

 

柏木は急いで永木に舞鶴の現状を見せる様、指示を出すと、永木はリアルタイムの舞鶴の状態をスマホ越しで柏木とオクに見せた

 

永木「これが()()()()()姿()だ!!」

 

柏木「なっ!?こ……この姿……まさか……五年前の事件の『金沢連続失踪事件』の首謀者に……()()()だ……」

 

オク「о мой Бог(何これ)………これがアノ……」

 

柏木は付喪神化した勇人の姿を見て勇人の暴走体を見た事があるのか、学生時代の勇人が紫によって幻想郷に拉致られた事件『金沢連続失踪事件』を驚愕しつつも思い出し、オクに至っては勇人の姿を見て、只々、絶句していると柏木は我に返り、勇人が何故、暴走した経緯について永木に聞いた

 

柏木「永木ィ!!何故、勇人が暴走したんだ!!」

 

永木「そ……それは……アイツが……」

 

永木は今、舞鶴で起きている()()()()()()()に対応仕切れていないのか、混乱しながら報告を始めようとしたが、恭一の攻撃で負傷した勇次が永木の所に避難したのか、永木の代わりに説明を始めた

 

勇次「それは俺が説明する、永木は辺り周辺を見張ってくれ!」

 

永木「す……すまない」

 

柏木「勇次か、久しぶりだな……今オメェの兄貴が暴走した経緯について聞いていたが……」

 

勇次「……簡潔に言うと、道中の連中の1人が兄貴の前世の奥さん(カミサン)である『舞鶴の間宮』を殺そうとしたから、兄貴は……」

 

柏木「……つまり、あの馬鹿の悪癖(短気)によって付喪神化による暴走が勃発した……という訳か?」

 

柏木は勇次の報告を簡潔に纏め、質問すると、勇次は「ああ」と答えると柏木は何か閃いたのか、勇次に『ある事』について聞いた

 

柏木「……勇次、今アイツと連絡取れるか?」

 

勇次「まぁ、兄貴の耳には無線機が付けられているから問題無いが……まさか、暴走状態の兄貴を……」

 

勇次は柏木の考えを察したのか、少し狼狽えた声で聞くと、柏木は神妙な表情で勇次の質問に答えた

 

柏木「ああ、勇人を説得する……」

 

勇次「……これで暴走状態が治るか分からないが……分かった、今、兄貴に繋げるわ」

 

柏木「頼む」

 

柏木は勇次にお願いをすると、勇次は急いで勇人の無線機に繋ぎ始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は少し遡り、舞鶴鎮守府にて

 

勇人「無駄無駄無駄ァ……」

 

金城「イッヒヒヒヒ!!流石、上城だ!こんなにタフなら、さぞかし性欲も凄そうだな!!」

 

勇人「……下品な男だ、実に不愉快だ」

 

恭一「龍二!!遊んでいる場合か!!早く上城を殺せ!!」

 

勇人は金城を見て不愉快そうに呟き、恭一は焦っているのか、怒鳴りながら金城の下の名前で呼ぶと、金城は暴走状態の勇人を見て、覚醒剤(ヒロポン)の使用による初期症状である『爽快感』が表しているのか、楽しそうに答えた

 

金城「何を言っているんだ教官、こんな玩具、楽しまなければ損じゃないか!さぁ上城!!俺を楽しませてくれよ!!」

 

勇人「……良かろう、まずは貴様からだ!殺してやるぞ!(キム)龍二!!」

 

勇人は覚醒剤(ヒロポン)の投与によって、文字通り勇人と同じ『暴走状態(狂戦士)』になった金城(キム)に挑発をすると、金城(キム)は勇人に本名で言われた事に腹が立ったのか、先程までの楽しい表情から一転し、激怒した表情になり、勇人に怒鳴りながら突進した

 

金城「ッ!?貴様ァァァァ!その名前で言うんじゃねぇ!!」

 

勇人「無駄ァ!」

 

金城「オラァ!」

 

ドゴッ!

 

金城「ブッ!!強ぇな……」

 

勇人「クッ……クククク………所詮ドーピングしても、こんなものか……此処で死ね!」

 

ゴキッ!!

 

金城「……」

 

美奈「な!?」

 

未来「ッ!?」

 

勇人と金城は互いの拳を交差させ、相手に攻撃した状態『クロスカウンター』になったが、勇人は金城に失望したのか、そのまま金城の頭部を吹き飛ばす勢いで片方の拳を金城の顔面に入れると、金城の顔の骨が砕けた音が発し、金城は崩れる様に倒れた

 

恭一「りゅ……龍二ィィィ!!」

 

勇人「……後は御主だけだ……教官」

 

勇人は金城が戦闘不能(リタイア)になった事を確認し、恭一を睨み付けながら言うと、恭一は先程までの余裕のある表情から一転し、怒りに染まった表情になり、勇人に怒鳴った

 

恭一「貴様ァ……潤だけではなく俺の部下まで……許さん!!」

 

恭一は懐から黒みが掛かった『紫色の液体が入った注射』を取り出し、それを自身の首筋に注入すると、恭一の身体は瞬く間に深海棲艦みたいな黒く禍々しい装甲(アーマー)が現れ、背中には触手が生えた醜い姿になった

 

そう、恭一は『D-cell』を投与した事によって、李と同じ『深海棲艦(化け物)』になったのだ

 

恭一「アァ……コレハ良いナ……力が……溢れてクル」

 

勇人「フン……あの男と同じ事を……哀れな男だ……ッ!?グハッ!!!」

 

ビチャッ!!

 

恭一は深海棲艦化による影響なのか、言葉が片言になっていき、勇人は呆れた途端、胸に強い激痛が走ったのか、胸を押さえながら片膝を着き、血を吐き出した

 

そう、勇人の身体が付喪神化による暴走に耐えきれず、悲鳴を挙げていたのだ

 

美奈「ッ!?大将!!」

 

未来「パパ!?」

 

群像「お祖父ちゃん!!」

 

霊夢「勇人!!もう止めて!!このままじゃ勇人が死んじゃうわ!!早苗!咲夜!何としても、暴走した勇人を止めるわよ!!」

 

早苗「はい!!」

 

咲夜「それくらい分かっている!スペルカード!幻影………」

 

霊夢と早苗そして咲夜は全身全霊を賭け、勇人が張った結界を破壊しようと攻撃を始めた途端、三人の耳に着いた無線機が何者かによって受信し、三人を諭す様に言った

 

その相手とは……

 

?「待て三人共、此処は俺が説得する」

 

早苗「ッ!?誰ですか!!今此方は……」

 

咲夜「この声は……お久し振りです、柏木様」

 

霊夢「ッ!?か……柏木大将なの!?」

 

そう、勇人の兄弟分(親友)の『柏木疾風』本人だったのだ

 

?改め『柏木』「ああ、久しぶりだな霊夢に五十嵐さん……言いたい事が山ほどあるが、先ずは、あの馬鹿は俺が止めるからアイツに繋げてくれないか?」

 

早苗「ッ!?」

 

柏木は芯の入った重い口調で三人に言うと、早苗は柏木の要望(賭け)に応じたくないのか、強い口調で反発した

 

早苗「ふざけないで!!大体、貴方は誰ですか!?ハヤチャンを馬鹿にして!!貴方みたいな()()には用が無いのですよ!!」

 

柏木「馬鹿にして無ぇよ!オメェこそ誰だ?勇人の友達(ダチ)か?巫女みたいな服を着て……風俗嬢(イメ〇ラ嬢)か?」

 

早苗「ッ!?誰が風俗嬢(イメク〇嬢)ですか!!本物の巫女です!!」

 

柏木は早苗の喧嘩口調な質問に少し頭に来たのか、苛つきながら質問をすると、霊夢は柏木の援助に安堵しつつ、二人の仲裁に入り、窘めた

 

霊夢「落ち着いて早苗に柏木大将……早苗、彼は勇人の親友の『柏木疾風』さんよ……彼は『今の勇人の性格』を一番()()()()()()()し、人間としての身体能力の高さは『()()()()』だから問題無いわ……それに柏木大将は勇人の同業者で()()()()()()()()()()()()

 

早苗「ッ!?」

 

柏木「流石霊夢、俺の事を良く知って……ん?早苗?まさか五年前の『金沢連続失踪事件』の被害者の一人『東風谷早苗』さんか?」

 

霊夢は早苗を窘めながら説得すると柏木は気持ちを切り替え、冷静さを取り戻し、早苗の名前を聞いて、五年前の事件を思い出し、早苗に聞くと、早苗は霊夢の説明を聞き顔面蒼白になり、柏木に謝罪した

 

早苗「そうです……そして、すみませんでした!!ハヤチャンの親友だとは知らず知らず……」

 

柏木「何、気にするな……話を戻すが霊夢に五十嵐さん、アイツと話がしたい……繋げてくれるか?」

 

咲夜「……畏まりました」

 

霊夢「分かったわ、ただし無茶しないでね……アンタも勇人みたいに無茶しそうだから……」

 

柏木「なぁに、ただ()()だけだから無茶しようが無いぞ……良し!繋がったな……」

 

柏木は霊夢の呟きに苦笑しつつ、無線の周波数が勇人の無線機と同調したのを確認すると、柏木は息を思いっきり吸い、吸い込んだ息を一気に吐き出す様に勇人に大声で怒鳴った

 

柏木「勇人ォ!!オメェ何暴走してんだァァァァ!!しかも血ぃ吐きやがって!!死ぬ気か!?

 

勇人「ッ!?柏木殿か?何故、我の無線機に……」

 

勇人は柏木の怒鳴り声に一瞬だが我に帰り、柏木に聞くと、柏木は勇人の口調に少し驚きつつ、勇人に怒鳴り散らした

 

柏木「弟さんと永木に頼まれたんだよ!!しかも短気を起こして暴走だぁ?弱小のチンピラじゃねぇんだから少しは冷静にならんかァ!!オメェの強味は、()()じゃねぇだろ!!()()()()()()()()()()()を起こさせる気か!!」

 

勇人「大本営襲撃事件の……ウグッ!あ……頭が……」

 

ドサッ……

 

勇人は柏木の怒鳴り声による物なのか、はたまた暴走状態による脳が悲鳴を挙げているのか、激しい頭痛が起き、勇人は激しい頭痛に耐えきれず、そのまま気を失った

 

柏木「オイ、何寝ているんだ!!まだ俺の説教が終わってねぇし、道中の処刑が終わってねぇぞ!!さっさと起きやがれ!!………勇人ォ!!

 

柏木は気絶した勇人を叩き起こす様に怒鳴ると、勇人のドス黒いオーラは徐々に消え失せ、髪も銀色の長髪から黒色の短髪に変わり、服装も提督用の制服に戻った

 

そう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「う……ウウッ……あ……あれ?俺は一体……って!?何故、(キム)が殺られとるんや!?それに何故、化け物が目の前に!?」

 

恭一「ッ!?」

 

……完全に何時もの勇人に戻ったのだ

 

勇人は荘厳で神々しい口調から普段の『石川弁』に戻り、暴走状態の時の記憶が無いのか今の状況を把握しておらず、少し混乱しながら言うと美奈は今の勇人に安堵し、勇人に怒鳴った

 

美奈「ッ!?大将!!無茶な真似をして!!()()()()()()()()()()!!」

 

勇人「……マジで?俺……死にかけたん?」

 

勇人は目を瞬きをし、美奈の言葉に驚いているのか、少し呆気ない口調で聞くと、美奈達は勇人の『緊張感の無い態度』に安堵と怒りが込み上がったのか、美奈達は勇人に強い口調で怒鳴った

 

未来「そうだよ!馬鹿親父!」

 

群像「ったく!!心配掛けやがって!!」

 

長門「全くだ!!」

 

咲夜 吹雪「良かった……元に戻って……心配してたのですよ!!」

 

一馬 優花「こんのぉぉぉぉ……馬鹿息子(亭主(仮))が!ついさっきまで吐血し、死にかけていたんだろうが!!」

 

朱里 ビスマルク 霊夢「そうよ!!柏木(大将)が説得をしなかったら死んでたのよ!!」

 

勇人「え……()()!?それに()()()()()!?ひょっとして……俺、また()()を?」

 

勇人は冷や汗を流しながら美奈達に聞くと、美奈達は黙って頷くと勇人は頭を抱えながら「……泣けるぜ」と呟くと、柏木は勇人の態度に呆れ、釘を刺す様に強い口調でアドバイスを出した

 

柏木「はぁ~……暴走状態の時の記憶が無いとは……お気楽な野郎だぜ……まぁ良い、くれぐれも短気を起こした状態で『付喪神化』だっけ?それに変身するなよ!!じゃ!頑張れよ!」

 

勇人「わーったよ、あんがとな……兄弟!」

 

柏木「おう!」

 

勇人は柏木に礼を言い、無線機の電源を切ると、深海棲艦(化け物)と化した恭一を睨み付けながら構え、気合いの入った強い口調で叫んだ

 

勇人「……さて!そろそろ化け物退治を始めるか!!行くぞ!化け物!!艤装展開!『battle mode Ars nova』!無駄ァ!」

 

恭一「来イ!上城ォ!オラァ!」

 

ドカッ!

 

勇人は曾て李を倒した艤装モード『Ars nova』に艤装展開すると、二人は拳を相手の顔面にぶつける様に突き出し、互いの拳同士がぶつかり、二人は拳の威力により吹き飛ばされ、間合いを取り、お互い構え直した

 

そう、本当の決着を付けるために……

 

 



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第90話「舞鶴大異変 Last part」

勇人「無駄無駄無駄無駄無駄無駄……」

 

恭一「オラオラオラオラオラオラ……」

 

ドガガガガガ……

 

勇人 恭一「無駄ァ(オラァ)!!」

 

ドガッ!!

 

勇人と恭一は某奇妙な冒険並に拳のラッシュを相手に攻撃し、互いの拳同士が当たり、二人は相手の攻撃の衝撃波により吹き飛ばれながら間合いを離すと、それを見ていた美奈達は暴走から収まってはいるが、暴走状態によるダメージを負った(ハンデを背負った)勇人の動きを見て心配そうに呟いた

 

美奈「……大将」

 

未来「パ……パパ……」

 

群像「お祖父ちゃん……」

 

千川「上城……お前……」

 

勇人「ハァ……ハァ……チッ!体力が落ちていやがる……制限時間が……」

 

勇人は先程の付喪神化による影響なのか体力が落ち、息切れしながら呟くと恭一は勇人の呟きが聞こえていたのか、微笑みながら言った

 

恭一「制限時間?……フッ、成程ナ……コノ姿ノ弱点ハ『長期戦ニハ向カナイ事』ダッタノカ……ナラ、ユックリ調理ヲシヨウカ……」

 

勇人「抜かせ、テメェみたいな三流には()()()()()()()だ……来いよ!」

 

恭一「小癪ナ……」

 

勇人の挑発に恭一は癪に触ったのか、触手で勇人の身体を貫こうと攻撃したが……

 

勇人「無駄ァ!!」

 

ブチッ!

 

……そのまま触手を鷲掴みをし、引き千切ると、勇人は主砲を構え怒鳴った

 

勇人「今度は此方の番(俺のターン)だ……超重力砲!発射!!」

 

勇人は主砲である『超重力砲』を恭一に向けて発射しようとした途端、勇人の艤装が停止し、電子音で勇人に警告を出した

 

 

 

 

 

 

 

 

Warning(警告)! Time is up(時間切れです)! Please immediately return to the Aegis mode(至急、イージスモードに戻って下さい)!

 

 

 

 

 

 

 

 

美奈「え!?」

 

未来「嘘……こんな時に……」

 

魔理沙「ちょ!?勇人!!今すぐ私達と変われ!!時間切れになっているぞ!!」

 

そう、勇人のアルスノヴァでの活動時間が無くなったのだ

 

艤装の電子音は勇人に警告を出し続けていたが、勇人は自身の艤装に渇を入れる様に怒鳴った

 

勇人「チッ!!動けよポンコツ!!こんな時に停止してんじゃねぇ!!」

 

 

 

 

Warning!

 

 

Warning!

 

 

 

 

勇人「動けって言ってんだろ!!」

 

ガチャガチャ!

 

Warning!

 

勇人「クソッタレ!!」

 

恭一「……ドウヤラ『時間切レ』ノ様ダナ……『アルスノヴァ』ノ行動時間デハナク、貴様ノ命運ガナァ!!」

 

ドカッ!

 

勇人「グハッ!!」

 

恭一は艤装が停止した勇人に勝ち誇ったかの様に不敵な笑みを溢しながら触手で勇人を凪ぎ飛ばすと、勇人は恭一の触手により自身が張った結界に打ち付けられ、地面を這う様に蹲った

 

勇人「クッ……は……はよ……動けまぁ……」

 

恭一「シブトイ奴ダナ……ココデ死ネェ!!」

 

一馬「勇人!!」

 

優花「勇人君!!」

 

金剛 大和「テートク(提督)!!」

 

美奈 龍崎「大将!!」

 

恭一は止めと言わんばかりに触手で勇人の頭に向けて突き出そうとし、勇人は苦しみながらも艤装を再起動させようと悪足掻きをし、只ひたすら艤装を操作し続けていると、勇人の……否、勇人達の願いが届いたのか、勇人の艤装が発光し、電子音が英語で言葉を発した

 

その電子音が発した言葉とは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……D-cell was Awake(D-cellが覚醒しました)!

This than to move to the 『abyssal fleet mode』(これより『深海棲艦化』します)!

 

勇人「……漸く動いたか……」

 

群像 艦娘及び幻想郷組全員「え!?」

 

上城一家及び優花「ッ!」

 

恭一「ナッ!?」

 

千川「え!?上城!!今すぐ艤装を解除するんだ!!」

 

美奈「え!?ちょ!?提督!何故、艤装を解除させようとするのですか!?折角、再起動したのに!?」

 

美奈は千川の言葉に驚きながら千川に聞くと、千川は勇人の艤装から発した英語の電子音の意味が分かったのか、美奈に分かりやすく答えた

 

千川「アイツは……今から道中と同じ()()()()になるんだ……」

 

美奈「え……そんな……」

 

美奈は千川の説明に絶望に満ちた俯いた表情になると、勇人は微笑みながら美奈達に言った

 

勇人「安心しろ、こんな事になるのは覚悟の上だ……しかも()()()()()()()()()()()……未来!良く見ておけよ!!これが……俺の……()()()()』が()()()()()した姿だ!!Under weapon's code(裏艤装展開!)!『abyssal dragon fleet mode(深海龍神)』!!」

 

勇人は未来達に気合いの入った口調で答えると、発光した光は勇人を包み込む程、大きくなり、そして直ぐに光が収まると、深海棲艦化した勇人の姿は美奈達が度肝を抜く位、激変した

 

美奈を含む艦娘達及び幻想郷組「な……なんじゃこりゃ!?」

 

柏木隊全員「ッ!?嘘だろ……」

 

上城夫婦「勇人……お前……」

 

勇次「あ……兄貴が……」

 

恭一「ナ……コレガ上城ガ……『深海棲艦』ニナッタ姿……」

 

深海棲艦化した勇人「……久々になったな、この姿ハ……」

 

深海棲艦化した勇人の姿は人間の形になってはいるが、髪は銀髪、目は赤色だが木曽みたいに左目が包帯らしき物に巻かれており、額から鹿を思わせる角が包帯を突き破ったかの様に生え、艤装服(アーマー)は金剛型に似た衣装ではなく『近未来の忍者みたいな防具』を身に付け、更に両腕は深海棲艦と思わせる様な禍々しい巨大な籠手が装着された姿になったのだ

 

まさに、その姿は『龍が人間と融合した姿』だったのだ

 

勇人改め『深海龍神』「ッ!アブねぇアブねぇ……この姿になると、さっきみたいに暴走してしまうからな……待たせたな!道中!此れなら制限時間(残機)も無ぇから思う存分殺れるなぁ!!」

 

深海龍神(勇人)は一瞬だが気張り、自我を取り戻しつつ恭一に挑発染みた発言をすると恭一は『奇跡的に復活し、更には自身と同じく深海棲艦になった勇人』を見て、勇人の圧倒的な戦闘力の差を戦わず、見るだけで察し、恐怖感を感じ、言葉を震わせながら言った

 

恭一「キ……貴様……本当ニ俺ト同ジ『深海棲艦』カ!?カ……格ガ違イ過ギル……」

 

深海龍神(勇人)「当たり前だ、お前も知っているんだろ?俺の(DNA)は唯一『D()-()c()e()l()l()()()()()()()()()()』をな……ってか、戦艦女帝と分離する()()()D-cellも完全除去してくれよなクソババアが……」

 

深海龍神(勇人)は自身の(DNA)がD-cellと完全に適合している事を恭一に思い出させる様に答えると、深海龍神(勇人)は腰に装着されていた改造された日本刀『ムラマサブレード』を抜刀し構えると、恭一は深海龍神(勇人)に臆しながら怒鳴った

 

恭一「ソ……ソンナ事……絶対有リ得ナイノダ!!俺モ貴様ト同ジ(DNA)ヲ投与シタ筈ナノニ……何故ココマデ差ガ出ルノダ!!」

 

深海龍神(勇人)「……冥土の土産に教えてやるよ、それは簡単(シンプル)な理由だ……俺の(DNA)とテメェの(DNA)()()()()()()()()()()()()()()D()-()c()e()l()l()()()()()()()()()……細かい事は『あの世』に行って勉強してこい……俺からの宿題だ」

 

恭一「キ……貴様ァ!!此処デ死ンデ堪ルカ!!」

 

深海龍神(勇人)は勝利を確定したのか、嘲笑いながら説明すると恭一は自棄を起こしたのか、怒鳴りながら触手を使って深海龍神(勇人)に攻撃を始めたが……

 

深海龍神(勇人)「やれやれ……大人しくしていれば良いものの……結界解除……咲夜、俺に()()()()()

 

咲夜「畏まりました……では……」

 

深海龍神(勇人)は結界を解除し、咲夜に言うと、咲夜は勇人の考えが分かったのか、太股に装備している大量のサバイバルナイフを指の間に挟む様に持ち、構えると二人は呪文を唱える様に高々と宣言し、能力を開放した

 

深海龍神(勇人)「スペルカード……幻影『白金星の(スタープラチナ)……』」

 

咲夜「スペルカード!幻影……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深海龍神(勇人) 咲夜「『世界(ザ ワールド)』!!」

 

パチン!

 

二人は指を鳴らすと美奈達だけではなく風景や空間全てが動画の一時停止みたいに停止した

 

そう、咲夜の能力は『時間を操る程度の能力』だったのだ

 

勿論、深海龍神(勇人)もまた『森羅万象を司る能力(不可能を可能にする能力)』を持っている為、咲夜と同じ能力が使える事が『出来る(可能)』だからこそ、二人で『時を止めた』のだ

 

咲夜「まずは……」

 

シュッ!

 

咲夜は指に挟んでいた大量のサバイバルナイフを恭一に向けて一気に投げると、投げたナイフ全てが恭一の前に停止し、深海龍神(勇人)は恭一の背後に周り、背中に着いている触手を……

 

深海龍神(勇人)「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」

 

ズザザザザ!

 

……全て斬り落としたのだ

 

そして……

 

深海龍神(勇人)「境府『四重結界』……もう良いぞ咲夜」

 

咲夜「分かりました……そして……」

 

深海龍神(勇人)「時は……」

 

咲夜 深海龍神(勇人)「動き出す……」

 

パチン!

 

グササササササッ!

 

二人は指を鳴らし、再び結界を展開し、時間停止を解除すると大量のサバイバルナイフは恭一の身体に突き刺さり、背中の触手も斬り落とされ、恭一は二人の行動に困惑し、刺されたナイフと触手を斬られた激痛に耐えきれなかったのか、もがきながら深海龍神(勇人)に言った

 

恭一「キ……貴様ァ……イツノ間ニ……」

 

深海龍神(勇人)「……さて!咲夜のお蔭でテメェの(心臓)の場所が分かった事だし、そろそろ終わらせるか!美奈!未来の目を塞いでくれないか?此処から先は『()()()』だ」

 

深海龍神(勇人)は美奈に指示を出すと、美奈は深海龍神(勇人)が今から行う内容を察したのか、黙って未来の目を手で塞ぐと深海龍神(勇人)は未来が美奈の手によって見えなくなった事を確認すると、深海龍神(勇人)は『大仕事の仕上げ(処刑執行)』に取り掛かった

 

その『大仕事の仕上げ』否『恭一の処刑内容』とは……

 

深海龍神(勇人)「……フン!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グシャッ!

 

 

 

 

 

 

 

美奈を含む艦娘達及び幻想郷組全員「ッ!?」

 

佐世保組及び上城一家 柏木隊全員「ウッ!?」

 

恭一「ギャァァァァァァ!!俺ノ……俺ノ『核』ガァァァァァァ!!」

 

深海龍神(勇人)は恭一の胸に手を捻り込ませ、恭一の体内にある(心臓)を掴み出し、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深海龍神(勇人)「これで………終わりだ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グシャッ!!

 

 

 

 

 

……そのまま握り潰したのだ

 

恭一「ギャァァァァァァ……」

 

恭一は深海龍神(勇人)心臓()を握り潰されたせいで地面に倒れたまま動かなくなり、深海龍神(勇人)は倒れた恭一の首に指を当て、脈を確認すると、深海龍神(勇人)は安堵し、覇気の無い疲れきった口調で呟いた

 

何故、安堵したかと言うと……

 

深海龍神(勇人)「……後は知り合いの閻魔のクソガキに任せるか……千川、柊……現時刻を以て()()()()()()()()()()()()()()()()……」

 

そう、恭一の死亡を確認し、現時刻を以て『舞鶴大異変』が解決したのだ

 

そして……

 

深海龍神(勇人)「結界解除……オメェラ……殺るのか?」

 

千川「……一応言っておくが、これは()()()()()()()……()()だ、現に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……処刑されたくなければ此処から去れ!!」

 

第一研修部隊の同期達「ッ!?ヒィィィィ!?」

 

深海龍神(勇人)と千川は第一研修部隊(嘗て)の同期達に静かに、そして殺意剥き出しのまま恫喝すると同期達は深海龍神(勇人)の殺気に当てられたせいなのか、千川達が同期達を処刑する権限を持っていたのか、はたまた両方なのかは分からないが泣き叫びながら舞鶴鎮守府を後にした

 

そして千川は深海龍神(勇人)の隣に移動し、二人はお互いを労うかの様に安堵しながら会話を始めた

 

千川「……どうやら奴ら、僕の()()()()を信じ、尻尾を巻いて逃げて行ったね……上城」

 

深海龍神(勇人)「……ハッタリにしてはリアル(ガチ)過ぎる内容だったぞ、正直な話、俺も騙されたぞ」

 

千川「ハハッ!お前まで騙されるとは……『異名()』が泣くぞ……ってか、()()()()()()()()()()?正直言って……怖いんだが……」

 

深海龍神(勇人)「おっと!そうだったな……艤装解除っと……」

 

深海龍神(勇人)は今自分自身が深海棲艦になっていた事を思い出し、慌てて艤装を解除すると『深海龍神』……改め『勇人』は何時もの白い軍服に黒髪短髪になったのと同時に全身に強い鈍痛が駆け巡り、辛そうに千川に言った

 

勇人「ウグッ!!!!!!ち……千川……コンゴウに携帯型高速修復材(ダメコン)を貰いに……行ってくれねぇか……」

 

千川「ど……どうしたんだい!?まさか深海棲艦化した事によるダメージが……」

 

美奈「ッ!?大将!!気を確かに!!」

 

千川と美奈は痛そうにもがいている勇人を見て焦りながら言うと、群像は勇人の痛みの原因を知っているのか、呆れながら千川と美奈に説明した

 

群像「……ほっとけば治りますよ、その痛み……『深海棲艦化』いえ『長時間のアルスノヴァの酷使』によって起きた『筋肉痛』ですから……」

 

美奈 千川「………へ?き……筋肉痛……ですか?」

 

勇人「ッ!?ば……馬鹿!そ……それを言うなま……締まらねぇだ……ろ……」

 

勇人は這いつくばりながら群像にツッコムと美奈……否、その場に居た全員が呆れながら勇人に言った

 

 

 

 

 

 

 

美奈達全員「みんなを心配させた罰です、暫くは、そうして下さい」

 

 

 

 

 

 

勇人は美奈達全員の言葉()を聞き……

 

勇人「……泣けるぜ」

 

何時ものセリフで嘆いたのは言うまでもなかった……



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第91話「断罪」

ども、夏に入り、熱中症に2回(内、重症化した熱中症による緊急入院1回)発症した私ですm(_ _)m

皆さん、分かっていると思いますが『今年』の夏の気温は馬鹿みたいに高いので、夏コミ等で外出をする際、小まめに水分補給をする等『熱中症対策』は確実にしてください( ;´・ω・`)

死んだら元も子もないのですから……(((^^;)

まぁ、私事はさておき、今回は『あの事件の黒幕』である道中兄妹の『その後』についてスポットを当てて見ました(*^^*)

これを読んで『ザマァwww』や『ネタをぶっ混むなwwww』と爽快に笑って頂けたら幸いですm(_ _)m

では、本編スタートです(。uωu)♪


舞鶴大異変が終結してから数分後 幻想郷の『とある場所』にて

 

 

大鎌を持った赤髪の女性「Zzz……ん?お客か?」

 

大鎌を持った赤髪の女性は船の上で寝ていたが二人の来客が来た事に気付き、起き上がると二人の来客は苛つきながら女性に言った

 

男「チッ!!此処は何処なんだ!?彼岸花が咲き誇っているわ、怪しい川まで……」

 

女「兄さん……私達、()()()()()()()のよ……」

 

大鎌を持った赤髪の女性「いらっしゃい、此処は幻想郷内部のスポット『三途の川』という所だ……アンタ達が勇人に殺された『道中潤』さんと『恭一』さんだね?話は隙間妖怪から聞いたよ」

 

男女改め『道中兄妹』「ッ!?三途の川!?それにアンタは?」

 

大鎌を持った赤髪の女性はバスガイドみたいに二人に簡潔に説明すると道中兄妹は此処が三途の川だと言う事を知り、驚きながら大鎌を持った赤髪の女性に聞くと、女性は微笑みながら答えた

 

大鎌を持った赤髪の女性改め『小町』「(あたし)かい?私は『小野塚(おのづか) 小町(こまち)』……アンタ達を映姫(えいき)様……閻魔様の所まで案内する()()さ」

 

恭一「ッ!?し……死神だと!?」

 

潤「……ねぇ死神さん、死んだ私達は一体どうなるの?」

 

恭一は小町が死神だと知り驚愕し、潤は恐る恐る小町に聞くと、小町は二人の悪行を察したのか、見下しながら答えた

 

小町「小町で良いよ……映姫様の裁判を受けるのさ、まぁアンタ達は間違いなく()()()()になるが……」

 

潤「……分かったわ、なら案内して」

 

小町「はいよ、んじゃ乗りな」

 

潤「ええ」

 

恭一「ッ!?潤!お前……気でも狂ったのか!?」

 

恭一は潤が諦めながら小町の古ぼけた船に乗った事に驚き、潤を止める様に怒鳴ると、潤は考えがあるのか、恭一に微笑みながら小声で答えた

 

潤「私は至って冷静よ……閻魔様に頼んで間宮と同じく転生してもらい、再び上城に復讐をするのよ」

 

恭一「転生……成程な、なぁ小町さんよ……俺も閻魔様の所に連れて行ってくれ」

 

小町「……はいよ」

 

潤は自身の企みである『美奈と同じく記憶を持った状態で転生し、勇人に復讐する事』を恭一に伝えると、恭一は潤の企みを知り、不敵な笑みを溢しながら船に乗ると、小町は不敵な笑みを溢している恭一に不信感を抱きながら、船を出港した

 

 

 

そして、それを上空(隙間)で見ていた紫と真琴は呆れながら会話をした

 

紫「……転生しても尚、勇人に復讐しようとするなんて、しぶとい兄妹ね……勇人と映姫には悪いが、あの兄妹には()()()()()()……真琴、御願いね」

 

真琴「……泣けるわね、せっかく勇人が与えた()()を踏み弄るなんて……分かったわ」

 

真琴は二人が勇人の情けを踏み弄った事に呆れつつも、少し怒りが籠った口調で出港中の小町に近付いた

 

真琴「久しぶりね、小町ちゃん……それに初めまして道中さん……現世では()()()()()()()()()()()()()()

 

小町「ゲ!?先々代の博麗の巫女様が何で此処に!?」

 

潤「先々代の博麗の巫女?」

 

恭一「それに孫?ってか誰だ?このババアは?」

 

小町は真琴を見て顔を引き釣り、後ろめたい事がある様に挙動不審になりながら言うと、潤は小町の言葉に首を傾げ、恭一は真琴に警戒しているのか、喧嘩口調で質問をすると、真琴は恭一の『ババア発言』に少し苛ついたのか、ドスの効いた低い声で自己紹介を始めた

 

真琴「私は『上城真琴』……嘗て、この幻想郷を統治していた『先々代の博麗の巫女』であり、アンタ達を殺した勇人の『祖母』よ」

 

道中兄妹「ッ!?アイツの!?」

 

小町「……よりによって勇人や映姫様より()()()()が幻想郷に来るなんて……今日は厄日だ……」

 

小町は真琴が現れた事に頭を抱え、真琴の強さを知っているのか、絶望しきっていると、真琴は小町の様子を見て苦笑しながら言った

 

真琴「安心して小町ちゃん、()()()()()()()()()()()については映姫ちゃんには黙ってあげるから……」

 

小町「マジで!?いや~悪いね♪」

 

真琴は小町の『後ろめたい事』である『サボり(居眠り)』を閻魔様である映姫に言わない約束をすると小町は暗い表情から一転し喜びながら言うと、真琴は小町に『内密にしてあげる条件』を微笑みながら言った

 

真琴「但し、内密にしてあげるから、この『愚か者の二人』から『六文銭』を()()()()()()()()

 

小町「ッ!?ちょ……それって……」

 

道中兄妹「六文銭?」

 

小町は真琴の条件の真意が分かったのか、驚愕しながら呟き、道中兄妹は真琴が言っていた『六文銭』について小町に聞くと、小町は俯きながら答えた

 

小町「……映姫様……いや閻魔様の所に行く為の片道切符の値段さ……現在の値段に換算すると『300円』位さ」

 

恭一「安っ!?」

 

潤「……それで小町さん、その六文銭を払わないとどうなるの?」

 

恭一は六文銭の値段を聞いて驚き、潤は片道切符の値段である『六文銭を払わないとどうなる』か小町に質問をすると、小町は俯きながら答えた

 

小町「出港前に『払えない事』が分かれば乗船拒否が出来るが……出港した後に『払えない事』が分かれば………この『三途の川』に突き落とすのさ」

 

潤「え!?三途の川に!?」

 

恭一「成程な……このババアは俺達を三途の川を泳いで閻魔の所に行かせる為に……」

 

真琴「……失礼な糞餓鬼だな、勇人を見習って欲しいわ……概ね正解よ、但し……無事、泳いで渡れば私のコネで記憶を持った状態で転生させる様に映姫ちゃんに伝えておくわ……まぁ、()()()()()()()()()()だが……」

 

道中兄妹「ッ!?」

 

真琴は恭一の言葉に顰めっ面になりながらも、自身の企みを肯定し、二人に条件付きではあるが記憶を持った状態で転生する機会を与えると、二人は楽して三途の川を渡りたいのか、ポケットを漁りながら小町に言った

 

恭一「泳いで渡れって……誰が面倒臭い事を……小町、今すぐ六文銭を……あれ?」

 

潤「そうよ!300円位なら払って……ッ!?無い!何で!?」

 

二人は焦りながらポケットを漁ったが札ところが小銭すら無い事に驚愕しながら小町と真琴に聞くと、小町は溜め息を吐きながら答えた

 

小町「……六文銭の正体は現世の金ではなく『生前に行った善行の数』……言わば『徳』で作られた金さ、アンタ達は生前、悪行ばかり行っていたから徳が無いんだ……」

 

道中兄妹「そ……そんな……」

 

小町は呆れながら六文銭の正体を二人に伝えると、二人は顔面蒼白になり、真琴は二人を哀れに思いつつ微笑みながら言った

 

真琴「フフッ、だからアンタ達は『泳いで渡る』しか方法が無いのよ……ちなみに、アンタ達が転生して勇人に復讐を企んでいた時点で六文銭が消滅したのよ……簡単に言えば自業自得よ……さて、話は終わったし、降りて貰うよ!」

 

ガシッ!

 

道中兄妹「ッ!?」

 

真琴「あら?意外と軽いわね……」

 

恭一「ちょ!?止めてくれ!!頼む!来世で纏めて払うから!!」

 

潤「そうよ!!だから降ろして!」

 

真琴は二人の白装束の上着を鷲掴みをし、そのまま持ち上げると、二人は真琴の筋力に驚きながら懇願したが、真琴は微笑みながら……

 

真琴「ええ、お望み通り、今から降ろしてあげるッ……ポイッ!」

 

ポイッ!

 

バッシャーン!

 

……夕立の真似をしつつも、そのまま二人を三途の川に放り投げたのだ

 

小町「ポイって……一体誰の口癖なんだ?」

 

真琴「白露型駆逐艦四番艦『夕立』を精霊化した女の子の口癖よ」

 

小町「精霊化……確か三笠と同じ『艦娘』と言われている女性達の事か……ってか、コイツら……カナヅチなのか?溺れている様に見えるが……」

 

恭一「た……助けて!」

 

潤「お願い!私達……泳げないの!」

 

小町は溺れている二人に呆れながら言うと真琴は何かを思い出したのか、「あ!?」と間の抜けた声を発し、二人に微笑みながら忠告をした

 

真琴「言い忘れていたけど、この三途の川には『勇人のペット』であり『魂を食らう魔物』が居るから食われない様に映姫ちゃんの所まで泳いで逃げてね♪」

 

道中兄妹「へ?魔物?」

 

二人は真琴の遅過ぎた忠告に焦りながら聞き返すと三途の川の底から影が表れ、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バッシャーン!

 

 

 

 

 

 

?「グオォォォォォォン!」

 

恭一「な!?」

 

潤「ヒィッ!?何、この『エ〇ァ弐号機みたいなデカブツ』は!?」

 

三途の川の底から〇ヴァ弐号機に瓜二つの魔物が二人を恫喝するかの様に雄叫びを上げながら現れた

 

真琴は三途の川から現れた魔物を見て懐かしむ様に近付き、優しく頭を撫でながら言った

 

真琴「久しぶりね『アスカ』♪貴女も勇人()と同じく、この二人に怒っているの?」

 

?改め『アスカ』「グルルル……」

 

『魂を食らう魔物』であり『勇人のペット』であるアスカは真琴の問い掛けに肯定するかの様に低い声で唸ると恭一は溺れながらも魔物(アスカ)について真琴に聞いた

 

恭一「ちょっと待て!何故、アイツのペットが此処に!?しかも何故エヴ〇に!?」

 

真琴「……彼女は生前、勇人の愛犬の名前がエ〇ァンゲリ〇ンのキャラから取ったのよ……だから、()()()()で魔物としての姿が『こんな姿』になったのよ」

 

潤「アイツの愛犬!?まさか……あの『ジャーマンシェパード』の来世が、あの魔物なの!?」

 

潤は勇人の亡き愛犬を知っているのか、震えながら聞くと、真琴は潤の経歴を思い出したのか、アスカを撫でつつ微笑みながら言った

 

真琴「そう言えば貴女、勇人と同級生だったわね……そうよ、勇人と私しか懐かった『あの()()()()()()()()()()()()』の来世が『()()()』よ……取り敢えず、この子もアンタ達に()()()()()()()があるらしいから聞いてあげてね♪では……言葉の境界を弄るわね♪」

 

パチン!

 

真琴「さぁアスカ、アンタの言葉で直接二人に言いなさい」

 

真琴が微笑みながら指を鳴らすとアスカは先程まで獣みたいに低い声で唸っていた状態から()()みたいに歯軋りをし、怒りを抑えているのか、苛ついた声で二人に言った

 

アスカ「……アンタ達バカァ?現世で悪行三昧な事をし、更に『あのお人好しな主』の六文銭(情け)を踏み弄るなんて……本当に救えない馬鹿だわ……主には悪いけど永遠に転生が出来ない様に今すぐ食い殺してやる……」

 

恭一「ヒィッ!?」

 

潤「お……お助けを……魂だけは……」

 

二人はアスカの殺意に当てられ、顔面蒼白になり溺れながらも急いで命乞いならぬ『魂乞い』をするとアスカは二人の願い(魂乞い)を聞いて頭に来たのか、二人を恫喝するかの様に強く、ドスの効いた怒鳴り声で二人に言った

 

アスカ「何が『魂だけは』ですって!?誰がアンタ達を助けるかって!幻想郷から見ていたけど、アンタ達だって今までに無関係な人達を拐い、拐われた人達の命乞い(助け)を無視し、殺しや人身及び違法の内臓売買、挙げ句の果てには拐った人を慰め者にしてたじゃない!!それに私は主の情けを踏み弄ったアンタ達を今すぐにでも食い殺したいの!!アンタ達の魂乞い(望み)なんて聞かないわよ!!」

 

道中兄妹「ヒィッ!!!」

 

小町「うわぁ……この怒り方……まんま勇人だわ……ってか、あの二人……本当に救いようが無いグズだわ……」

 

真琴「そうね……んじゃアスカ……二人を()()()()()()()♪分かっていると思うが、()()()()()()()()()()♪」

 

小町はアスカの怒り方に苦笑しながら言うと、真琴は小町の言葉に同意しつつ、笑顔でアスカに命令すると、アスカは真琴の命令に不敵な笑みを見せ、高揚しながら言った

 

アスカ「んなもん分かっているって!さぁーて!アンタ達!覚悟しなさい!」

 

恭一「ッ!?潤!今すぐ泳いで逃げるぞ!!アレに喰われたら2度と転生が出来ないぞ!!」

 

潤「言われなくても分かっているわ!兄さんも早く!」

 

二人はアスカから逃げる様に急いで船が向いている方角に身体を向かせ、泳ぎ始めたが……

 

アスカ「遅過ぎるっつーの!」

 

ガシッ!

 

道中兄妹「ッ!?」

 

アスカの巨体から逃げ切れず、アスカに摘ままれ、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスカ「では……()()()()

 

道中兄妹「や……止めろぉぉぉぉ!」

 

パクッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

ブチブチブチブチッ!

 

 

 

 

 

 

 

バキボキバキボキ!

 

 

 

 

 

 

 

 

ポタ…………

 

 

 

 

 

 

ポタ…………

 

 

 

 

 

 

……そのままアスカの口に放り込まれ、何かを擂り潰している様な不快な音を発し、口から二人の血を溢しながら二人を咀嚼したのだ

 

小町「うわぁ……相変わらずグロい音を出しながら食っているな……」

 

真琴「え……ええ……」

 

小町と真琴はアスカの食事に顔が引き釣り、少し青ざめながら呟くとアスカは咀嚼した二人を飲み込み、静かに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスカ「比叡の料理より不味かったわ……()()()()でした……」

 

……二人の魂の『完全消滅』もとい『アスカの食事』が終了した

 

真琴「……それじゃ、要件も済んだから映姫ちゃんへの報告は宜しくね♪紫、帰るわよ」

 

紫「……ハイハイ」

 

アスカ「……気を付けてね」

 

小町「……は……はい」

 

真琴は二人の魂が完全消滅した事を確認すると後始末を小町に任せ、真琴は退屈そうに上空に待機している紫と共に勇人の世界に戻った

 

そして……

 

小町「……はぁ~……また映姫様の半日説教コース確定だわ……嫌だな……」

 

小町は上司である閻魔大王『四季(しき) 映姫・ヤマザナドゥ』の説教が嫌なのか重い足取りのまま映姫の所まで出港し直したのは言うまでも無かった……



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第92話「アズールレーン(平行世界)の龍への贈り物(火種)

舞鶴大異変が終結してから3時間後 1130 佐世保鎮守府 勇人の私室兼医務室にて

 

鹿島「えーっと……ロキソニン(鎮痛剤)メタノール(消毒液)、包帯及びガーゼの在庫は……まだ有りますね……香取姉ぇ、提督さんが開発した『携帯型高速修復剤(ダメコン)』と『飲料型高速修復剤(ボトル)』の在庫(ストック)は?」

 

香取型の二人は舞鶴大異変が終結した事を勇人から聞き、勇人の命令で私室に置いてある薬品全てを舞鶴に届け、多数の負傷者を治療する為に在庫を確認していたのだ

 

鹿島は香取に勇人が作った『ダメコン』こと『携帯型高速修復剤』そして『ボトル』こと『飲料型高速修復剤』の2つの在庫の有無について聞くと、香取は頭を抱えながら鹿島に言った

 

香取「……すっからかんよ、多分コンゴウさんが今回の作戦の為に勝手に持ち出したと思うわ……」

 

鹿島「……あの人は提督さんの事になると、提督さん以上に滅茶苦茶な事を平気でやる人だからね……はぁ……泣けますね」

 

香取「鹿島、それ貴女が言えた事では無いのでは?」

 

鹿島「……」

 

香取は鹿島の言葉に呆れながら反論すると、鹿島は図星なのか、黙り混むと部屋に……というより香取の目の前で隙間が発生し、隙間から勇人と長門が現れた

 

クパァ……

 

勇人「よぉ香取に鹿島、在庫が切れているモノはあったか?」

 

長門「凄いな……すぐに佐世保に着くとは……」

 

香取「キャッ!?」

 

 

ドスン!

 

 

勇人 長門「香取、大丈夫か?」

 

香取「イタタ……て……提督に長門さん!いきなり目の前で隙間から現れないでくれませんか!?吃驚したじゃないですか!」

 

勇人「悪い……次から気ィ付けるから……」

 

長門「……すまん」

 

勇人と長門は自身のせいで尻餅を着いた香取に謝罪すると、鹿島は少し起こっている香取を窘めながら勇人の質問に答えた

 

鹿島「まぁまぁ香取姉ぇ、提督さんと長門さんも悪気が有って目の前で隙間を出した訳でもないから……提督さん、薬品の在庫(ストック)の件ですが……ダメコンとボトル以外の在庫は十分有るので問題無いかと……」

 

勇人「……だろうと思った、ダメコンとボトルはコンゴウが全部、舞鶴に持ってきたからな……所で鹿島『プロマゼパム(精神安定剤)』の在庫は、まだ残っているのか?」

 

長門「提督、プロマゼパムって何ですか?」

 

勇人「精神安定剤の事だ」

 

勇人は鹿島に『精神安定剤』こと『プロマゼパム』の在庫の有無を聞くと、鹿島は勇人の考えを予測し、勇人に質問をした

 

鹿島「はい……それって『秋月(艦娘)に戻った未来ちゃん』の為に……ですか?」

 

鹿島は未来が艦娘の時の記憶が全て蘇った事を勇人から聞いていたのか、未来の身を案じ、未来の事を心配する様に神妙な表情で勇人に聞くと、勇人は鹿島の心配事を払拭する様に微笑みながら答えた

 

勇人「いや、プロマゼパム(精神安定剤)を処方するのは未来じゃねぇ……『()()()()()()』に処方するんだ……それに未来は美奈……舞鶴の間宮に似て精神的にタフだから問題無ぇよ」

 

勇人は鹿島の予測を一部否定し、処方相手である『平行世界の勇人』に渡す事を鹿島に伝えると、鹿島は未来が異常が無い事に安堵しつつも勇人の言葉に長門と共に首を傾げながら再び質問をした

 

鹿島「そうでしたか………ん?()()()()()()()()()?何故、平行世界に?」

 

長門「平行世界の提督に……ですか?」

 

二人は勇人の言葉に首を傾げながら再度、質問をすると、勇人は何故『アズールレーン(平行世界)の勇人』にプロマゼパム(精神安定剤)を処方する経緯を簡潔に説明した

 

勇人「ああ、今回の作戦の協力者であり、幻想郷の長である紫が気紛れで平行世界の俺……『人間が艦娘達に虐げられ続けていた世界の俺自身』が艦娘達の……いや()()()()()()()()()()を、まともに喰らい、瀕死の重傷を負ったんだ……そいつを助ける為に紫が艦娘に似た女性『艦女』と呼ばれている世界の佐世保鎮守府に移転させ『アッチの世界の明石』が平行世界の俺を治療したんだよ……」

 

香取型姉妹「ッ!?」

 

長門「な!?この私が提督を殺める真似を……」

 

香取型の二人は勇人の言葉にショックを受け、絶句し、長門は勇人の言葉に香取型の二人と同じ様にショックを受け、混乱しながら呟くと勇人は混乱している長門を落ち着かせようと優しく言った

 

勇人「長門、お前の事じゃねぇよ……『平行世界』の方だ」

 

長門「……私が……『恩人』である提督を、この手で……」

 

長門は勇人の説得を無視するかの様に絶望し、膝を落とし、身体を震わせながら呟くと勇人は懐から『ある物』を取り出し、それを長門の右肩に叩いた

 

勇人「だから死んで無いって!最後まで人の話を聞かんか!」

 

スパーン!!

 

長門「ッ!?て……提督……それに……これは……夕張がふざけて作った『来客用のスリッパ』……」

 

そう、勇人は長門に叩いた物とは『目ぇ覚ませ』と書かれていた緑色のスリッパ……柏木が大将に昇任した時に夕張が『仮〇ラ〇ダーW』を見て、酔っ払った勢いで開発(再現)した『お仕置きスリッパ』だったのだ

 

長門は叩かれた音を聞き、正気を取り出し、少し戸惑いながら勇人に聞くと、勇人は少し呆れながら長門に言った

 

勇人「ったく、最後まで人の話を聞くモンだぞ……それに平行世界の俺は生きているから安心しろ」

 

長門「そうだったのか……良かった……」

 

香取「でも何故、平行世界の提督にプロマゼパム(精神安定剤)を?治ったのなら要らない筈ですが?」

 

香取は勇人に聞くと、勇人は香取の質問を答える様に再び経緯を説明し始めた

 

勇人「それについては、さっき説明したが、平行世界の俺は艦娘達に虐げられ続け、平行世界の長門の砲撃により瀕死、紫が艦女と呼ばれている世界に移転し、アッチの世界の佐世保鎮守府の明石によって九死に一生を得た……というのは聞いたよな?」

 

香取「はい……ッ!?まさか……平行世界の提督は……艦娘達に虐げられ続けたせいで……精神が崩壊寸前に……」

 

香取は勇人の言葉と自身が味わった過去の……ブラック鎮守府時代の佐世保鎮守府の境遇が重なり合ったのか、平行世界の勇人の状態を憶測し、勇人に聞くと、勇人は黙って香取の質問を返した

 

勇人「……そうだ、俺が佐世保に着任した時のお前達以上に酷い状態だ……まだ結論が出てないが『PTSD』の可能性があるな」

 

鹿島「そんな……」

 

香取「……何故、普通の人間である平行世界の提督が……こんな酷い目に……許さない……」

 

長門「……提督、今すぐにでも平行世界の提督が居た世界に……」

 

三人は勇人の説明を聞き、平行世界の自分自身に怒りを露にしているのか、歯軋りをし、拳を強く握り、怒りが入った重い口調で勇人に聞くと、勇人は黙って頭を横に振り、三人を窘めながら言った

 

勇人「いや……今『人間達を虐げていた方の艦娘の世界』に出撃(カチコミ)をするのは良策では無い……まずは平行世界……『艦女と呼ばれている世界』に移転させた『平行世界の勇人()』の容態を確認してから決める」

 

長門「提督……」

 

勇人「それに俺自身、今後の参考の為に艦娘とは違う女性がいる世界……『艦女の世界の情勢』というのを見てみたいしな」

 

勇人は微笑みながら本音を三人に言うと、三人は勇人の言葉に怒りが収まり、それと同時に勇人の本音(我儘)に呆れ、溜め息を吐きながら言った

 

長門「……ったく、提督らしい理由ですね」

 

香取型姉妹「……そうですね」

 

勇人「まぁ平行世界とは言え『俺自身』だからな……長門、隙間を常時解放させるから部屋にある全ての医薬品を舞鶴に居る『八意永琳』という女医に渡してくれないか?人手が足りなかったら椛達を呼んでも構わねぇ、俺と香取型の二人は平行世界の佐世保鎮守府に潜入し『アッチの俺』の容態を確認し、薬を渡しに行くぞ」

 

勇人は微笑みながら三人に命令を下すと長門は『アズールレーンの世界(艦女と呼ばれた世界)』に興味があったのか、少し残念そうに承諾し、香取型の二人は少し嬉しそうに承諾した

 

長門「私も行きたかったが……仕方無い……分かりました、至急、全ての医薬品を八意先生に渡します」

 

香取型姉妹「ッ!?はい!」

 

勇人「んじゃ、行ってくる……長門、後は頼んだ」

 

長門「分かりました……」

 

勇人は2つの隙間を展開させ、香取型姉妹と共に『アズールレーンの世界(艦女と呼ばれた世界)』に繋がった方の隙間に入り、佐世保鎮守府を後にした

 

長門「……アッチで問題が起きなければ良いのだが……大和、受け取る準備は出来たか?」

 

大和「はい」

 

長門「それじゃ、これを……」

 

長門は勇人の『問題事に巻き込まれ易い体質』否『問題を起こしてしまう性格』に懸念しているのか、少し不安になりながらも隙間を通じて薬品を舞鶴に待機している大和に渡し、作業を始めた

 

まさか、長門の心配事が起きてしまい、大事(おおごと)になってしまったのは、また『別の物語』で……



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第93話「千川の決意」

1300 舞鶴鎮守府内のグラウンドにて

 

大和「八意先生、薬を持って来ました」

 

永琳「ありがとう大t……え……これ全部……佐世保の医務室に保管してある薬?」

 

大和「はい、そうですが?足りませんか?まだ有りますよ」

 

大和は長門から受領した大量の医薬品が入っているであろう山積みになっている段ボールを片手で負傷者を治療している永琳の所に持ってくると、永琳は華奢な大和が大量の医薬品が入っている段ボールの山を片手で持って来た事に驚いているのか、目を瞬きをし、少し狼狽えながら聞いた

 

永琳「じゅ……充分過ぎるよ、ってか重くなかった?」

 

永琳は大和の怪力に驚愕しつつ、大和を気遣うと、大和は某鬼のライダー(仮面〇イ〇ー響鬼)みたいな砕けた敬礼(ポーズ)をし、微笑みながら答えた

 

大和「鍛えていますので……ってね♪」

 

永琳「そ……そう……なら、それ全部、鈴仙に渡して……」

 

大和「あれ?スルーですか……受けると思ったのに……分かりました、鈴仙さん、これを御願いします」

 

大和は自身の冗談(ジョーク)が永琳に通用しなかったのか、少し残念そうに苦笑しつつ、永琳の隣に居たブレザー(学生服)風の制服に身を纏った兎耳の女性『鈴仙』こと『鈴仙(れいせん) 優曇華院(うどんげいん) イナバ』に山積みになった大量の段ボールを鈴仙に渡そうとすると、鈴仙もまた大和の怪力に驚いているのか、焦りながら言った

 

鈴仙「はい、分かりましt………って!?無理無理無理無理!!!こんな大量な段ボール、持てる訳無いじゃないですか!!」

 

永琳「あら?貴女も『現役の軍人』でしょ?なら持ちなさい」

 

鈴仙「()()()ですよ師匠!!もう除隊してますって!!それに大和さん達(艦娘達)と一緒にしないで下さい!!」

 

大和は永琳が鈴仙に鬼みたいな『命令(無理難題)』を押し付け、鈴仙は焦りながら答えるのを見て少し苦笑しながら鈴仙に言った

 

大和「まぁまぁ鈴仙さん、荷物持ち等の補助はしますので、そのまま治療に専念して下さい……」

 

永琳「……仕方無いわね……鈴仙、そのまま作業を続けて頂戴」

 

鈴仙「ホッ……言われなくても、そうしますよ……では大和さん、包帯を出して下さい……それと勇次さん、此処で煙草を吸わないで下さい……でないと尻に弾幕(座薬)をブチコミますよ」

 

勇次「……それは勘弁願いたいな」

 

鈴仙は永琳の命令(無理難題)が回避された事に安堵したのか溜め息を吐きつつ、補助に回った大和に指示を出しながら負傷者達の治療に専念し始めた

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 グラウンド内のベンチにて

 

龍崎「……ふぅ……ん?少佐?」

 

龍崎は負傷者達を運搬し終え、煙草を吸い、ベンチに座り、小休憩を取っていると龍崎に近付いてくる千川に気付くと、千川は持っていた缶コーヒーを渡し、龍崎を労った

 

千川「……お疲れ様、龍崎曹長」

 

龍崎「……此方こそお疲れ様です少佐、後、娘と美奈が大変御迷惑を……」

 

龍崎は千川に深々と頭を下げ、申し訳無さそうに言うと、千川は微笑みながら言った

 

千川「気にしてないよ、所で上城は?」

 

龍崎「アイツは今『平行世界』に行って『平行世界のワシ』……ん?『平行世界のアイツ』やったっけか?……まぁ『平行世界(アッチ)の上城さん』を治療している所や……じゃなかった、している所です」

 

龍崎は勇人が自身の片割れである為、『平行世界の勇人』であると同時に『平行世界の龍崎』に混乱しつつも、播州弁(方言)を混じりながら簡潔に答えると、千川は「相変わらずの仕事馬鹿(ワーカーホリッカー)だな……アイツ……」と苦笑しながら呟き、そのまま龍崎に言った

 

千川「別に良いよ、普段通りの喋りで……」

 

龍崎「し……しかし……」

 

龍崎は千川の気遣いに戸惑い、狼狽えながら聞くと、千川は微笑みながら答えた

 

千川「君だって大将(上官)である上城(アイツ)の事を方言丸出しで喋っていたじゃないか、今更、敬語使われても違和感しか出ないよ……それに僕は上城みたいに君を『戦友(親友)』として接したいのだ」

 

龍崎「……堪忍な、千川さん」

 

千川「だから気にしなくて良いのに……所で龍崎君、君に『確認』したい事があるのだが……」

 

龍崎「確認?何や?」

 

龍崎は千川の言葉に甘えるかの様に頭を少し下げ、少し微笑みながら言うと、千川は龍崎の素性を知る為に神妙な表情になり『ある確認』をした

 

その『ある確認』とは……

 

千川「ああ、龍崎君……君は現世で間宮……いや美奈と再婚する為に海軍に入隊し、僕達に近付いたのか?」

 

龍崎「……………は?ワシが美奈と()()?」

 

千川「ああ……」

 

……龍崎が現世で美奈と再婚する為に近付いたか否かの確認だった

 

龍崎は千川の言葉(確認)を聞いて驚愕したのか、目が点になりながら瞬きをしたが、すぐに正気に戻り、少し呆れながら言った

 

龍崎「……んな訳無いやん、美奈が建造する前には、もう舞鶴鎮守府の憲兵として着任してたわ、それにワシは()()()や、()だって居るわ」

 

千川「ホッ……そうか……それは良かっ……え?龍崎君が……()()()!?しかも()()()!?」

 

龍崎「……この様子やと、ワシは独身だと思っていたやろ?」

 

千川「……すまない、てっきり……」

 

千川は、てっきり龍崎は独身だと艦違い……ではなく勘違いをしていたのか、龍崎の言葉に驚愕していると二人の後ろから柊が缶コーヒーを飲みながら近付き、驚いている千川に呆れながら言った

 

柊「人は見掛けに依らない物だぞ……少佐」

 

千川 龍崎「ッ!?中佐!?お……お疲れ様です!!」

 

二人は柊を見て立ち上がり、挨拶(敬礼)をすると、柊は微笑みながら「お疲れさん」と労いながら龍崎に言った

 

柊「……やはり『大将の片割れ』だけであって、煙草の吸い方や口の悪さは大将に瓜二つね」

 

龍崎「……いや、アイツ……じゃなかった、大将の場合は過去の境遇……いやワシの身勝手な行動をしたせいで、ああなってしまったのかと……」

 

龍崎は柊の言葉(冗談)を真に受けたのか、少し俯くと千川と柊は落ち込んだ龍崎を励ます様に微笑みながら言った

 

千川「自分を責めるなよ龍崎君、アイツは君に感謝しているんだ」

 

柊「そうよ、それに私達もまた『救済龍(ヒーロー)』を作ってくれた貴方に感謝しているのよ……」

 

龍崎「ヒーロー……か……ワシの行動が、そないな事をしてたんか……所で、お二人さんの『子供の時の夢』ってなんや?ワシは記憶を持った状態で転生したから考えた事が無いんや」

 

柊 千川「子供の時の夢……か……う~ん……」

 

龍崎は二人の励ましから立ち直ったのか、微笑み、場の雰囲気を更に和ませる為なのか、雑談内容である『二人の子供の時の夢』について聞くと二人は過去を思い返す様に深く考え、千川は思い出したのか、微笑みながら自身の子供の時の夢を龍崎に告白した

 

千川「……確か、僕の子供の時の夢は……『正義の味方』になりたかった……かな」

 

柊「フフフ……もう『なっている』んじゃない……」

 

龍崎「……せやな」

 

柊と龍崎は千川の子供の時の夢である『正義の味方』を聞いて、微笑みながら言うと、千川は『自身の子供の時の夢』と『今の立場』と比べ、少し違っていたのか、眉を八の字になり、少し渋りながら言った

 

千川「う~ん……確かにそうだけど、少し違うんだよな……今の立場も一般人から見れば『正義の味方』かもしれないが……僕が言いたいのは上城や優花君そして柏木大将みたいに艦娘と共に前線で戦う事を言っているんだ……だが……」

 

柊 龍崎「だが?」

 

柊と龍崎は千川も勇人や柏木みたいに『艦娘と共に前線で戦う夢』に多少呆れつつも、千川の最後の言葉に引っ掛かったのか、首を傾げながら復唱すると千川は少し俯きながら夢の続きを説明した

 

千川「……その夢を掴めるのは、生半可な覚悟……いや『全てを失う覚悟』を持たないと掴めない()だと知ったのは上城が自身の命を賭けて僕や艦娘達を守った『大本営襲撃事件(あの事件)』や『舞鶴大異変(今回の事)』で痛感し、僕は、その夢を()()()()()……そして、それと同時に上城は無意識ではあるが僕に『新たな夢』を与えてくれたんだ」

 

柊 龍崎「新たな夢?」

 

二人は勇人が千川に与えたであろう『新たな夢』について聞くと、千川は先程まで俯いた表情から一転、何かに吹っ切れたかの様に微笑み、二人に『自身の新たな夢』について語り始めた

 

千川「……僕には『僕しか護れない場所』がある……って事かな」

 

龍崎「千川さんしか……」

 

柊「護れない場所?」

 

二人は千川の新たな夢である『千川が護る場所』に単純な意味合いで受け取ったのか少し疑問を抱き、千川の気持ち(本音)を探る為に聞き返すと、千川は微笑みながら自身の気持ち(本音)をぶつけた

 

千川「うん、上城や柏木大将みたいに日本……いや『この世の未来』まで護れる程『スケールの大きい事』は出来ないが、二人が安心して護れる様に僕は『僕しか出来ない事』……『舞鶴鎮守府(此処)美奈達(みんな)を護る事』にしたんだ……これだけは二人には()()()()し、()()()()()()()()よ」

 

龍崎「……成る程な」

 

千川は確固たる決意を表しているのか、目を遠く見つめ、神妙な表情で二人に本音をぶつけると、柊は千川の本音を聞き、微笑みながら言った

 

柊「素敵な夢ね……少佐、その夢……私達も持っていいかしら?」

 

柊は千川の夢に共感したのか、千川に願うと、千川は微笑みながら言った

 

千川「良いですよ……この『思い()』は僕だけの『()』では無いのですから」

 

龍崎「……『護る()』……か……千川さんらしいな……所で中佐の『子供の時の夢』は?」

 

龍崎は千川の決意()を聞き、納得したかの様に微笑みながら呟き、柊の『子供の時の夢』について聞くと、柊は微笑みながら龍崎に言った

 

柊「フフフ……私も少佐と『()()()()()』を持っていたのよ……子供の頃に見たプリキ〇アを見て、私もプリキュ〇になりたかったのよ……子供らしい幼稚な夢よ」

 

龍崎「フッ……娘と同じ()を持っていたんやな……」

 

千川「中佐って……意外と乙女な物を見てたのですね……」

 

柊「うっさいわね少佐……私だって見るわよ……今も……」

 

龍崎 千川「え……今も……ですか?」

 

二人は柊の爆弾発言に顔を引き釣り、かなりドン引きをしているのか、狼狽えながら聞くと、柊は自身の呟きが二人に聞こえたのを知ると慌てながら弁解をし始めた

 

柊「ちょ!?い……今のは無し!忘れて頂戴!!」

 

龍崎「ほほう……」

 

千川「りゅ……龍崎君、上城みたいに悪巧みを思い付いたような笑みを溢すのを止めてくれないか?凄く嫌な予感がするのだが……」

 

龍崎は柊の隠れた趣味を知ったのか、悪意のある不敵な笑みを溢し、千川は龍崎の悪巧みを察したのか、上官である柊に悪戯をするのを止める様に説得をしたが、龍崎はスマホを弄り、某動画サイトを開き、『とある動画』を流した

 

それは……

 

龍崎「ポチッとな♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっと背の高さが、ちっちゃい女の子

 

イケてるお姉さんに憧れているよ。

 

口癖は「めちょっく!」

 

それと「フレフレ!」とみんなを、よく応援する。

 

 

 

変身に使うのは『ミラ〇ク〇スタル・ピ〇ク』

 

爆弾を守りたい!という気持ちと、みんなを応援するプリキュ〇、〇ュアエ〇ルに変身!

 

 

 

 

 

柊「みんなを応援!元気のプリ〇ュア!キュ〇エール!」

 

 

キラーン☆

 

 

 

永琳 鈴仙 勇次 大和 柏木隊「………」

 

柊「ッ!?」

 

龍崎「ククク……計画通り」

 

千川「だから止めろと言ったのに!!」

 

……そう、龍崎はプリキュ〇の変身シーンを流したのだ

 

龍崎は柊が台詞ところが決めポーズまで取った事に悪意丸出しの笑みになり呟き、千川は頭を抱えながら龍崎にツッコミを入れると柊は自身が先程までプリキュ〇の変身シーンを再現していた事によって周りが温かく、そして冷たさが混じった視線を感じたのか、赤面しながら、その場に居た全員に……

 

柊「……その場に居る全隊員に告ぐ、私の『特別防衛機密(密かな楽しみ)』を決して漏洩しない(言わない)でぇ!!」

 

全員「あ……はい……」

 

龍崎「ククク……久々に面白い物が見れたな♪」

 

千川「……せっかくの良い雰囲気が台無しだよ……」

 

……涙声が混じった怒鳴り声で、その場に居た全員に釘を打つかの様に『柊の特別防衛機密(自身の隠れた趣味)』を漏洩しない様に強く言い残し、脱兎の如くグラウンドを後にした

 

そして、それを見てた美奈と未来そして美咲は……

 

美奈「……二人共、ああ言う大人になっちゃ駄目よ、いいね?」

 

未来「……どっちの方の大人に?」

 

美奈「……お任せするわ」

 

美咲「……自滅とは言え、中佐……ドンマイです……」

 

美奈「……私達はそのまま宴会の準備をしましょ」

 

未来 美奈「はーい」

 

……柊に同情しつつ、何事も無かったかの様に再び宴会の準備を再開した



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第94話「宴の準備 朱里編」

1500 群馬県見滝原市内の『とあるマンション』改め『蘭花夫妻』兼『上城マミ』のマンションの部屋の玄関前にて

 

マミ「今日はありがとうね二人共♪私の悩みの為に来てくれて……」

 

まどか「いえいえ♪」

 

青髪の少女「気にしないで下さい、マミさん♪」

 

マミ「そう言って貰えると有難いわ……ん?」

 

青髪の少女「どうしたのマミさん?」

 

マミ「……何でも無いわ」

 

マミは下校中であろう『青髪の少女』と『まどか』に申し訳無さそうに言うと、二人は気にしていないのか、微笑みながら答え、マミは二人に釣られて笑みを溢しながらドアノブに手を掛けると『ある違和感』を感じ、思考を巡らせ始めた

 

マミ(ん?鍵が閉まっていない……まさか義母さんか勇人兄さんが来たのかな?合鍵を持っているのは二人しかいないし……大丈夫よね……)

 

マミ「二人共、ちょっと待ってて……身内が来ているかもしれないから……」

 

マミは施錠されていない玄関に少し不信感を抱きながらドアを開け、入った

 

ガチャ……

 

マミ「ふぅ……ただいま……義母さん、勇人兄さん」

 

マミは、てっきり『朱里』か『勇人』または『両者』が『遊びに来ている』と誤認し、部屋に居るであろう二人に言うと、マミを出迎えて来たのは勇人でも朱里でも無く、意外な人がマミを出迎えて来たのだ

 

それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三笠元帥「あ!?お帰り、マミちゃん」

 

マミ「え!?三笠さん!?何故、此処に……それに……掃除まで……」

 

そう、エプロンを着用し、ダイ〇ン製の掃除機を片手に掃除している三笠元帥であった

 

マミは何故か三笠元帥が部屋を掃除している事に驚愕し、狼狽えながら聞くと、三笠元帥は微笑みながら答えた

 

三笠元帥「仕事の帰りに来ているだけよ♪それに合鍵は、博和さんの了承を得た上で、蘭花さんから受け取っているから不法侵入じゃないから間違えないで♪」

 

マミ「あ……ハイ……後、鹿目さん達が来ているのですが……」

 

マミは三笠元帥が何故、マミのマンションに居る経緯を知り、納得しつつ、マミは友人達を連れてきた事を三笠元帥に言うと、マミの背後から『まどか』と『青髪の少女』が少し引きながら三笠元帥に挨拶をした

 

まどか「ご……御無沙汰しています……三笠さん」

 

三笠元帥「久しぶり、まどかちゃん♪」

 

青髪の少女「こんにちは……えーっと……まどか、この綺麗な人……三笠さんと知り合い?

 

青髪の少女は知らない女性……もとい三笠元帥を見て、三笠元帥の容姿端麗な姿に少し赤面しつつも、まどかに聞くと、三笠元帥は青髪の少女の小声が聞こえていたのか、微笑みながら答えた

 

三笠元帥「私?私は蘭花さんの親戚で横須賀の海軍基地に勤務している『三笠』よ♪『まどか』ちゃんに……えーっと……名前は?」

 

三笠元帥は微笑みながら簡潔に自己紹介をし、青髪の少女に名前を聞くと、少女は少し挙動不審になりながら答えた

 

青髪の少女改め『美樹さやか(以後 さやか)』「『美樹(みき) さやか』……です、まどかと同じ学校に通っています」

 

三笠元帥「フフフ、そんなに畏まらなくて良いわよ♪まどかちゃんと同じ学校って事は……さやかちゃんも蘭花さんの生徒?」

 

三笠元帥は少女……さやかの緊張を解す為に目線を合わせる様に中腰になりながら聞くと、さやかは三笠元帥の言葉を聞いて緊張が解れたのか、三笠元帥に釣られて笑みを溢しながら答えた

 

さやか「はい♪」

 

三笠元帥「そう、宜しくね♪さやかちゃん♪」

 

二人は微笑みながら握手をすると、まどかも二人の雰囲気に飲まれたのか、笑みを溢しながら『此処に来た目的の参考資料』であろう『男性用のファッション雑誌』やら『アクセサリー雑誌』等の大量の雑誌を鞄から取り出し、マミに聞いた

 

まどか「所でマミさん、今回は『勇人さん』と『勇次さん』の『誕生日プレゼント』を決める為に来たんだけど……何が良いかな?」

 

マミ「う~ん……まぁ実際、兄さん達の誕生日は『来月』だから急ぐ事は無いけど……それに、兄さん達は結構『大人(アダルト)な趣味』を持っているからね……難しい所よね……」

 

マミは勇人と勇次の好みに少し語弊のある言葉を発しながら思考を巡らせていると、さやかはマミの語弊のある言葉にショックを受けたのか、狼狽え、まどかは何故か悟ったかの様な優しい表情にながら答えた

 

さやか「え!?アダルト!?まさか……マミさんの御兄さん達って『エッチなビデオ(アダルトビデオ)』を見るのが……いや……マミさん自身が御兄さん達を誘惑し……」

 

まどか「まぁ勇人さんも男性だからね……後、さやかちゃん……それ以上、言わないで……お願いだから……」

 

マミ「ッ!?ち……違うわよ二人共!!()()()()()()で言ったつもりでは無いわよ!!酒や煙草等『金額的』にも『年齢的』にも私達では()()()()()を言っているのよ!後、美樹さん!私が兄さんに処〇をあげるつもりは無いから!!ってか、そんな事をしようとしたら兄さん達の『御話し(御説教)』待った無しよ!!只でさえ義母さんの説教でトラウマになったんだから……」

 

三笠元帥「マミちゃん、何さらっと自滅してんのよ……ってか、最近の子って老成(マセ)ているわね……」

 

マミは二人の言葉に赤面しながら弁解すると、三笠元帥はマミの言葉に少し呆れ、さやかはマミの真意が分かったのか、胸を撫で下ろし、再び思考を巡らせながら言った

 

さやか「な~んだ……んで、マミさんは『私達でも買える大人なプレゼント』について私達に相談しに呼んだ……って事だよね……難しいな……」

 

マミ さやか まどか「う~ん………大人の趣味……かぁ……三笠さん、何か良い物がありますか?」

 

三人は相当悩んでいるのか三笠元帥に助け舟を要求すると三笠元帥は微笑みながら助け舟を出した

 

三笠元帥「……なら『クラシック音楽』ならどう?勇次さんなら兎も角、大sy……じゃ無かった、勇人さんは仕事中に音楽を流すから喜ばれると思うわ♪それにマミちゃん達の『お小遣い』でも買えるしね♪」

 

マミ さやか まどか「それだ!!ありがとう三笠さん!!」

 

三笠元帥「いえいえ♪」

 

三笠元帥は微笑みながら自身の案を三人に言うと、マミ達は意気揚々と叫び、すぐにスマホで検索していると、マミのスマホに『朱里さん』と表示した状態で着信が来たのか、音楽が鳴り響いていた

 

マミ「ん?義母さんからだ……」

 

Pi♪

 

マミ「もしもし義母さん、マミです」

 

三笠元帥「ゲ!?お……お姉ちゃん……舞鶴大異変の後処理をサボった事がバレて……」

 

マミは通話相手が朱里だと知り、少し緊張した表情になりながら通話すると、朱里はマミの心情を察したのか、上機嫌な口調でマミに言った

 

朱里「そんなに緊張しなくても良いわよマミ、所で三笠居る?」

 

マミ「はい、居ますが……」

 

三笠元帥「……じゃ、私はこれで……」

 

三笠元帥は朱里に後ろめたい所があったのか、そそくさと部屋から出ようとした途端、朱里は三笠元帥の呟きが聞こえたのか、三笠元帥とマミに怒鳴る様に命令した

 

朱里「逃げんな愚妹!!マミ!三笠を取り押さえて!!

 

マミ「は……ハイィィィ!!」

 

三笠元帥「ちょ!?マミちゃん!?」

 

マミ「ごめんなさい三笠さん!セイヤッ!」

 

ドカッ!

 

ガシッ!

 

三笠元帥「痛ッ!マミちゃん!!離して!!お姉ちゃんの()()()()()()()なんて聞きたくないわよ!!だから離して!!」

 

マミ「嫌です!!私も義母さんの()()()()を聞きたくないです!!此処は大人しくして下さい!」

 

マミは朱里(義母)仕込みの徒手格闘(CQC)を駆使し、三笠元帥を投げ飛ばし、そのまま寝技を掛け、三笠元帥の動きを止めると、さやかはマミの意外な特技に驚いているのか、狼狽えながら、まどかに聞いた

 

さやか「……まどか、マミさんって……武道の有段者?」

 

まどか「……違うよ、これは朱里伯母さんがマミさんに日本海軍式格闘術……確か『徒手格闘(CQC)』だっけ?それをマミさんに仕込ませたんだ……主に『痴漢対策』にと……」

 

さやか「痴漢対策?う~ん……あのマミさんが痴漢に……」

 

さやかは彼女(まどか)の説明を聞き、中学生とは思えないマミの大人びた美貌と抜群なプロモーションを見て……

 

ボイィィィン♪

 

キュッ♪

 

ボン♪

 

 

さやか「……うん、あの顔と身体なら狙われても仕方ないね」

 

……手をポンと打ち、納得したのは言うまでも無かった

 

さやかは、まどかの説明に納得すると、朱里が先程の怒鳴り声から一転し、まどか達に微笑んでいるかの様な柔らかい口調で言った

 

朱里「あら?久しぶりね、まどかちゃん」

 

まどか「お久し振りです、朱里伯母さん」

 

さやか「初めましてオバサン、私は……」

 

まどかは先程のやり取りに苦笑しながら挨拶をし、さやかもまた、まどかと同じように苦笑しながら自己紹介をしようとしたら、朱里は柔らかい口調を崩さないまま、さやかに言った

 

朱里「(蘭花)から聞いているわ……『美樹さやか』ちゃんでしょ?『姪っ子(まどか)』と『義娘(マミ)』がお世話になっているわね……これからも宜しくね」

 

さやか「宜しく御願いします、オバサン」

 

朱里は柔らか口調を崩さないまま彼女(さやか)に言うと、三笠元帥はマミの寝技から抜け出すのを諦めたのか、溜め息を吐きながらマミに言った

 

三笠元帥「はぁ~……マミちゃん、もう逃げないから離して……関節がキマって地味に痛いから……」

 

マミ「……分かりました」

 

マミは大人しく三笠元帥を離すと、三笠元帥はマミに寝技を掛けられたせいで関節を少し痛めたのか、肩を揉みながら機嫌悪そうに朱里に聞いた

 

三笠元帥「………んで、御用件は?」

 

朱里「そんなに不貞腐れ無くても良いじゃん……今すぐ舞鶴に来て……『舞鶴大異変(あの事件)』の後処理が終わらないのよ」

 

朱里は柔らかい口調で三笠元帥に御願いすると、三笠元帥は顔を歪ませながら言った

 

三笠元帥「嫌よ、只でさえ此方も忙しいから……」

 

三笠元帥は朱里の要望を断ると、朱里は柔らかい口調を崩さないまま、残念そうに三笠元帥を誘惑しながら言った

 

朱里「……そっか、折角アッチで()()を始めようとしたのに……」

 

ガタッ!

 

三笠元帥「ッ!?え……宴会……だと……」

 

マミ まどか さやか「み……三笠さん?」

 

三笠元帥は朱里の『宴会』という言葉を聞き、動揺すると、朱里は三笠元帥を追い込ませる様に残念そうに挑発した

 

朱里「それに娘の『()()』や『勇人の()()()』更には『()()()』が会いたがっているのに……本当に残念ね」

 

朱里は三笠元帥に残念そうに挑発すると、三笠元帥は朱里の挑発に乗ったのか、鼻息を荒くし、朱里に言った

 

三笠元帥「ッ!?何を言っているのよ!!今から舞鶴に行くわ!!」

 

朱里「なら待っているわ♪それじゃ♪」

 

三笠元帥「ええ!大量の酒を持ってきてあげるわ!!」

 

Pi♪

 

三笠元帥は鼻息を荒くしながら通話を切ると、さやかは朱里の言葉を聞いていたのか、驚愕しながらマミに言った

 

さやか「ねぇマミさん……さっき、マミさんのお母さんが言っていた『沙弥』って……あの大女優の……『サヤ』様?」

 

マミ「ええ、あの『サヤ』様が私の『義姉(姉さん)』よ♪」

 

マミは、さやかの質問に微笑みながら答えると、さやかは声を荒げ、羨ましそうに三笠元帥に懇願した

 

さやか「はぁ!?……あの『サヤ』様がマミさんの御姉さん!?滅茶苦茶羨ましい!!三笠さん!!舞鶴に着いたら、私宛にサヤ様のサインを送って下さい!!私、大ファンなので!!」

 

まどか「ちょ!?さやかちゃん!?興奮し過ぎだよ……少しは落ち着いて……ね?」

 

さやか「出来ぬぅ!!」

 

まどかは友人(さやか)を落ち着かせようと宥めようとするが、さやかは『某戦闘民族(ブ〇リー)』みたいに興奮し、胸を張って答えると、三笠元帥は今の彼女(さやか)の心境に微笑ましく感じたのか、顔を綻ばせながら答えた

 

三笠元帥「フフフ……分かったわ、沙弥ちゃんに伝えておくわ♪」

 

さやか「ッ!?ありがとうございます!!」

 

さやかは三笠元帥に一礼をすると、三笠元帥は玄関に移動し、微笑みながらマミ達に言った

 

三笠元帥「それじゃマミちゃん、後の事は御願いね♪」

 

マミ「はい、分かりました」

 

さやか「サインの事を忘れないで下さいね三笠さん♪」

 

三笠元帥「フフフ……勿論よ♪では行ってくるわ♪」

 

まどか「お気をつけて……」

 

三人は三笠元帥を見送ると、さやかは興奮から冷めきれていないのか、鼻息を荒くし、マミに言った

 

さやか「しかし、マミさんの御姉さんであり、まどかの伯母さんが……あの『サヤ』様だなんて……凄過ぎるよ!!」

 

マミ「フフフ……私からすれば沙弥姉さんより勇人兄さんの方が凄いと思うんだが……」

 

まどか「あぁ~……確かに……今じゃ、沙弥さんより勇人さんの方が世界的にも有名になっちゃっているからね……」

 

まどかとマミは、さやかの興奮に少し引きつつ、苦笑しながら勇人の事を言うと、さやかは勇人について聞いた事があるのか、首を傾げながら聞いた

 

さやか「へ?サヤ様よりも?……ってか『上城勇人』って何処かで聞いた様な……」

 

まどか「さやかちゃん……ニュースとか見ていないの?」

 

まどかは少し呆れながら友人(さやか)に聞くと、さやかは目を反らしながら答えた

 

さやか「……見ないよ、ってか『勇人さん』って何者?マミさんの御兄さんだと言う事は知っているんだが……」

 

さやかは申し訳無さそうにマミに聞くと、マミは苦笑しながら勇人について簡潔に答えた

 

マミ「……勇人兄さんは蘭花先生の弟で軍医……言わば三笠さんの同僚よ」

 

さやか「ふ~ん……軍医か……軍人と比べて、あまり凄そうに聞こえないね……」

 

まどか「ちょ!?さやかちゃん!?」

 

さやかは勇人の職業を聞いて、軍医の凄さ……というより、勇人の仕事内容が分かっていないのか、他人事の様に言うと、マミは苦笑しながら「確かに軍医は目立たない業務かもしれないわね……」と答え、一呼吸を置き、優しく説明した

 

マミ「……だけど、兄さんみたいに『縁の下の力持ち的な存在』が居るからこそ、私達が毎日、平和に過ごせる為に三笠さんを始め軍人そして艦娘達が日本を守っているから平和に過ごせれるのよ……それに兄さんの本業は『佐世保鎮守府の司令官』よ……それだけは分かって頂戴ね……美樹さん」

 

さやか「うん……ってか、司令官をしながら軍医の仕事をするって……地味に凄くない!?マミさんの御兄さん!?こりゃ、マミさんや蘭花先生が自慢したがる訳だよ……私だって、自慢したくなるよ……こんな『頭脳明晰』な御兄さんが居たら……」

 

さやかはマミの説明に驚愕し、マミや蘭花が常日頃、勇人(身内)を自慢する理由を聞いて納得すると、マミは微笑みながら言った

 

マミ「フフフ……そうね♪さて!いい加減『本題』に入りましょ♪御茶を淹れてくるわ♪」

 

まどか さやか「はい♪」

 

マミ達は微笑みながら本題である『勇人と勇次の誕生日プレゼント』である『クラシック音楽』の曲について御茶会を交えながら会議を始めた

 

ちなみに会議中……

 

さやか「う~ん………」

 

さやか(マミさんの御兄さん……『上城勇人』さん……何処かで聞いた事が……ッ!?思い出した!?確か恭介の担当医が言っていた……あの『医龍』と言われていた名医の人だ!?)

 

マミ「美樹さん?どうしたの?」

 

まどか「どうしたの?さやかちゃん?」

 

さんか「ッ!?何でもないよ……」

 

さやか(……三笠さんに恭介について、勇人さんに伝えておけば良かった……ゴメン恭介……)

 

さやかは、勇人の『もう1つの異名』である『医龍』を思い出し、入院中の友人に謝罪するかの様に俯きながら会議を再開した

 

だが、さやかは……否、さやか達は知らなかった……

 

未来の物語(番外編)』で勇人が彼女達(さやか達)を救ってくれる事に……

 

その物語は、また『未来の物語(番外編)』で………



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第94話「宴の準備 霊夢&勇人編」

朱里が三笠元帥を誘っている頃 幻想郷 博麗神社にて

 

霊夢「はぁ~……我が家が一番だわ……もう、あんな堅苦しい所は勘弁願いたいわ……」

 

早苗「アハハハ……お疲れ様です……ん?」

 

早苗は博麗神社内部の居間に寝転がっている霊夢を苦笑しながら労うと縁側に座っていたスーツを着た女性……風村綾が緑茶を飲み、微笑みながら言った

 

風村「アヤヤヤ……随分、御疲れの様ですね……霊夢さん」

 

風村は霊夢と面識があるのか、まるで友人の様に接すると、霊夢は気だるそうに風村に悪態を吐いた

 

霊夢「同情するんなら、お賽銭箱に金を入れなさいよ……『(あや)』」

 

風村「……やっぱり………()()()()?」

 

風村は霊夢の『(あや)』という言葉に苦笑いをしながら霊夢に聞くと、霊夢は頷き、風村に言った

 

霊夢「当たり前よ……『蒼霧事変終結後(あの時)』勇人やラムネさんとナガツキさん(コラボ相手の皆様)、更には読者達に散々『鴉天狗』やら『パパラッチ』更には本名である『射命丸!!』と言われていたじゃないの……正体を隠したいのなら、ちゃんと隠しなさいよ……それに勇人はアンタの『()()に高い取材魂(ジャーナリズム)』のせいで瀕死の重傷を負ったのよ……後で謝りに行きなさい」

 

早苗「……そうですよ『射命丸(しゃめいまる)』さん!それに隠すのなら、せめて妖力位は抑えて下さい……後、メタ過ぎますよ霊夢さん……」

 

風村改め『射命丸』「アヤヤヤ!?今の勇人さんに!?霊夢さんに早苗さん、私に『死ね』と言いたいのですか!?」

 

そう、読者達の皆様も御存じだとは思うが、蒼霧事変の時に勇人が庇った女性記者『風村 綾』の正体は、あの幻想郷の新聞記者(マスゴミ)であり、椛の上司そして幻想郷最速の天狗『射命丸(しゃめいまる) (あや)』本人だったのだ

 

『風村 綾』改め『射命丸 文(以後 射命丸)』は霊夢と早苗の言葉に冷や汗を大量に流し、かなり焦りながら言うと、二人は射命丸の反論に完全に頭に来たのか、鬼気迫る勢いのまま射命丸に怒鳴った

 

霊夢「当たり前よ馬鹿天狗!!アンタのせいで勇人は死にかけたのよ!!いっぺん死んでこい!!」

 

早苗「そうですよ!!少しは頭を冷やして下さい!!」

 

射命丸「そんな~……此処は……逃げますか!」

 

霊夢「あ!?コラ!!逃げんな!!」

 

射命丸「嫌です!!それじゃ二人共、ご機嫌……」

 

射命丸は二人の言葉に顔面蒼白になり、勇人の御説教(御話し)を聞きたくないのか、自前の俊敏さを利用し、博麗神社から抜けようとしたが………

 

?「逃がさないネー!!」

 

?2「待て!」

 

ガシッ!

 

射命丸「ッ!?」

 

早苗と霊夢が使っていた隙間から女性らしい品のある手が二つ伸び、逃げようとした射命丸の襟を掴みながら射命丸を掴んだ二人の女性……というよりW金剛が隙間から現れ、眉をピクピクと痙攣しながらドスの効いた重い声で射命丸に言った

 

金剛「Ms.射命丸……あの時は、よくもテートクの邪魔をしてくれたネ……」

 

コンゴウ「……少し……頭を冷やすか?」

 

射命丸「ゲ!?ダブル金剛……さん……あの時は大変御迷惑を御掛けしました……だから……命だけは欲しいので離してくれませんか?」

 

金剛「どうするコンゴウ?」

 

射命丸は二人に謝罪という名の命乞いをすると、コンゴウは射命丸の命乞いを無視するかの様にナノマテリアルブレードを召喚し、既に艤装を展開した金剛に微笑みながら言った

 

コンゴウ「……今日は艦長の大好物である()()()()を追加する……『下拵え』は私がやっておくから『焼き』の方は頼んだぞ」

 

金剛「……understand!」

 

霊夢「私も手伝うわ!調味料(スペルカード)位は出してあげるわよ!」

 

早苗「私も!ハヤチャンに酷い事をさせた罰です!!」

 

金剛はコンゴウの言葉に気合いの入った声で答え、霊夢と早苗もまた、懐からスペルカードを取り出し、殺気丸出しのまま射命丸に近付くと、射命丸は恐怖に怖じ気づいたのか、身体を震わせながら四人に言った

 

射命丸「アヤヤヤ!!み……皆さん、本当に殺るのですか!?冗談は口だけにして欲しいです!」

 

コンゴウ「………これが冗談に()()()()?」

 

コンゴウは相当苛ついているのか、ナノマテリアルブレードを射命丸の首に当てながら言うと、射命丸はコンゴウの言葉に完全に怖じ気づき、顔面蒼白になりながら命乞いをした

 

射命丸「……本当にごめんなさい!!もう勇人さんに関しては今後、取材はしませんので命だけは御助け下さい!!」

 

射命丸は本当に死にたく無いのか、土下座をしながら命乞いをすると、射命丸の背後から新しい隙間が現れ、隙間から真琴と勇人が現れ、コンゴウ達を窘めた

 

真琴「まぁまぁ……本人も反省しているんだし、許してあげれば?」

 

勇人「もう過ぎた事だし、俺は気にしていないから艤装を仕舞いな……これは命令だ」

 

射命丸「ッ!?ありがとうございます!!」

 

W金剛「御祖母様(グランマ)艦長(テートク)!?」

 

霊夢 早苗「伯母様(真琴さん)勇人(ハヤチャン)!?正気!?」

 

四人は勇人と真琴の言葉に驚愕し、射命丸は安堵しながら頭を下げると、勇人は射命丸に微笑みながら言った

 

勇人「ああ……ただ射命丸には少し()()()()()()()()()があるんだ」

 

射命丸「手伝って……貰いたい事……ですか?」

 

射命丸は勇人の言葉に首を傾げると、勇人は微笑みを崩さず、そのまま自身の要件を射命丸に言った

 

勇人「ああ、幻想郷の能力者全員を呼んで今夜、舞鶴で宴会をするんだ……だが俺は『別件』で今すぐに『平行世界』に行かないといけないんだ……だから射命丸には悪いが、俺の代わりに宴会の参加者を集めて貰いたいんだ……やってくれるか?」

 

勇人は『別件』で『平行世界(アズールレーン)に行く事』と『勇人の代わりとして射命丸が舞鶴の宴会の参加者を集めて欲しい事』を伝えると、射命丸は土下座の体勢から立ち上がり、意気揚々と勇人に答えた

 

射命丸「勿論です!!後、集合先はどうします?」

 

勇人「……『博麗神社(此処)』か『守谷神社(早苗の所)』に集合してくれれば、後で紫が隙間で参加者全員を舞鶴に転送するつもりだ」

 

射命丸「分かりました!!では……そぉーれぇ!!」

 

ブァサッ!!

 

勇人「ッ!?」

 

霊夢 真琴「ちょ!?」

 

早苗 コンゴウ「キャッ!?」

 

金剛「oops!」

 

射命丸は勇人の願いを快諾し、スーツを脱ぎ捨て、普段着である『修経装束』に着替え、背中の黒い翼を一気に開くと、勇人達は射命丸の翼から発した風圧に吹き飛ばされ無い様にナノマテリアルブレードを地面に刺し、しがみついたり、艤装の重みを使って足腰を地面に這わせる様に踏ん張っていると射命丸は「アヤヤヤ……」と呟き、申し訳無さそうに勇人達に謝罪した

 

射命丸「……すみません、久々に『元の姿』に戻れる解放感を味わいたかったので、つい……」

 

勇人「まぁ気持ちは分かるが、控え目に頼むぞ……」

 

射命丸「本当にスミマセン……」

 

真琴「だけど、ハヤチャンも()()()から良いでしょ?」

 

射命丸「あ!?成程……勇人さん、何か良い物が見れました?」

 

勇人「ッ!?何をだ?」

 

勇人は射命丸の気持ちを分かっていたのか、苦笑しながら答え、真琴は悪意のある笑みを溢しながら勇人に聞くと、勇人は心当たりがあるのか一瞬、顔を強張ったが、直ぐにポーカーフェイスになり、二人に聞き返すと二人は笑みを崩さ無いまま、勇人の質問に答えた

 

その『心当たり』とは……

 

真琴「往生際の悪い孫ね……ダブル金剛ちゃんと早苗ちゃんの『色』は?」

 

射命丸「見えた範囲で御願いします」

 

勇人「ダブル金剛は『黒』早苗はサラシから透けたブラの色から察するに『ピンク』……って!?何を言わせんだ!!」

 

射命丸「はい♪言わせました♪」

 

真琴「相変わらず動体視力は良いわね……流石、私の孫ね♪」

 

……事故とは言え、W金剛と早苗の下着を見てしまった事だった

 

W金剛と早苗は勇人に見られた事に何故か残念そうに呟いた

 

W金剛「ッ!?艦長(テートク)に見られた……今夜、艦長(テートク)と夜戦の時に見せたかったのに……」

 

早苗「ハヤチャンに私の勝負下着……見られちゃった……今夜、ハヤチャンとヤる時に見せたかったのに……」

 

霊夢「いやいやいや!?普通なら『どこ見ているのよ!!』とか『この変態!!』って言いながら、恥ずかしそうにビンタをする(オチ)でしょ!?ってか『ソレ』をしたら佐世保鎮守府内で『第三次世界対戦(地上最悪のシュラバヤ沖開戦)』待った無しよ!?それにアンタも何、素直に答えているのよ!!」

 

霊夢はW金剛と早苗そして勇人に一喝(ツッコミ)をすると、勇人は悟ったかの様に遠い目になり、霊夢の一喝(ツッコミ)を返した

 

勇人「……今回の事件で、前世含めて『俺の失態(黒歴史)』が(おおやけ)になったからな……色んな意味で吹っ切れたよ……霊夢……」

 

霊夢「あ……そう言えば、そうだったわね……同情するわ、勇人」

 

勇人「……泣けるぜ」

 

霊夢は色んな意味で吹っ切れた勇人に同情するかの様に勇人の肩にポンと手を乗せ、呆れながら言うと、射命丸はニコニコと微笑みながら翼を使って少し上昇しながら勇人に言った

 

射命丸「ゴホン……では、私は今夜の宴会の広報を行いますので、後は御願いしますね♪それでは!」

 

勇人「おう、頼むぞ」

 

勇人は射命丸に願いを託すと、射命丸は意気揚々と光の速さの如く幻想郷の空に消えて行った

 

そして……

 

勇人「んじゃ、俺は別件の用事を済ませてくるわ……バーチャン、後は宜しく」

 

真琴「はいよ、気を付けてね」

 

勇人は射命丸を見送った後、直ぐに別の隙間を展開し、その隙間に入り、残りの仕事を真琴に押し付け、その場を後にすると、真琴は微笑みながら承諾し、見送ると、真琴は微笑みを崩さ無いまま四人に言った

 

真琴「さて!宴会までの間は稽古をするわよ……四人共」

 

霊夢「ゲ!?……逃げるわよ!早苗!ダブル金剛!!」

 

早苗「勿論です!!宴会前に『満身創痍にされる(ピチュられる)』のは嫌ですからね!!」

 

コンゴウ「……そんなに強いのか?」

 

金剛「見た感じ、普通のWomanにしか見えないネー……どれ位に強いのですカ?」

 

二人は真琴の強さを熟知しているのか、如何にも『嫌そうな表情』になり、W金剛に簡潔ではあるが説明した

 

霊夢「……『戦闘モード Monster(付喪神)』になった勇人とタメ張れるわ」

 

早苗「しかも真琴さんは、ハヤチャンと『同じ能力』を持っているのです!」

 

W金剛「What!?(なっ!?)Really?(本当か?)

 

W金剛は二人の言葉に驚愕しながら聞き返すと二人は黙って頷くと、W金剛は真琴をチラ見し、互いを見て……

 

金剛「Disarmament(艤装解除)……Kongo(コンゴウ)

 

コンゴウ「……I do not even have to say it(言われなくても分かっている)……よいしょ……」

 

スッ……

 

コンゴウ「……Run!(撤退!)

 

金剛「Allight!!(了解!!)

 

ピューッ!

 

早苗 霊夢「速ッ!?ってか、置いて行かないで(行くなぁ)!!」

 

……小声ではあるが英語で会話し、コンゴウはロングスカートの膝の部分を持ち上げ、金剛は艤装を解除し、一目散に舞鶴に繋がっている隙間に逃げようと走り出し、早苗と霊夢もまたW金剛に釣られて慌てながら逃げようとしたが、真琴は呆れながら指を鳴らした

 

真琴「やれやれ……隙間閉鎖」

 

パチン!

 

シュッ……

 

W金剛 早苗 霊夢「なっ!?」

 

ズサーッ!

 

真琴は、野球のヘッドスライディングをする様に隙間に飛び込もうとした四人を幻想郷に閉じ込める様に隙間を閉鎖すると、四人は、そのまま地面に擦り付ける様に滑り倒れ、真琴は微笑みを崩さないまま、倒れている四人に近付きながら言った

 

真琴「……あらあら、余程『特別な稽古』をしたいらしいわね」

 

霊夢「いやいやいやいや!私だって死にたく無いわよ!幻想郷史上『()()()()()()()()』と言われていた伯母様に勝てる筈が無いわよ!!」

 

早苗「私もです!!」

 

W金剛「以下同文(me too)!!」

 

四人は真琴から発せられているドス黒いオーラに怖じ気ながら答えると、真琴は自身の通り名に不満を抱えているのか、霊夢達に愚痴を吐く様に答えた

 

真琴「『幻想郷史上最低最悪の破壊巫女』って……私『門〇士(ディ〇イド)』や『常〇ソ〇ゴ(ジ〇ウ)』じゃないのよ……しかも酷い『通り名』ね……せめて通り名が『姉さん』みたいに『幻想郷史上()()()()()()()巫女』にして欲しかったわ」

 

霊夢「……それ、死んだ御祖母様に聞かれたら『幻想郷崩壊レベルの大異変勃発(姉妹喧嘩)』待った無しだわ……」

 

霊夢は少し身震いをしながらも悪態を吐くと、霊夢の隣に新たな隙間が現れ、隙間から紫が顔を出し、先程のやり取りを聞いていたのか、呆れながら真琴に言った

 

紫「よっこいしょ……その通りよ真琴、只でさえ五年前の勇人が能力による暴走をしただけで幻想郷が崩壊寸前になったのに貴女まで暴走したら幻想郷ところが『平行世界』含め『全ての世界』が崩壊するわ……後、霊夢を借りるわよ」

 

ガシッ!

 

霊夢「ちょ!?紫!?何で私が!?」

 

霊夢は、いきなり現れた紫に襟を掴まれた事に動揺しながら紫に聞くと、紫は相当切羽詰まっているのか、少々強い口調で霊夢の質問に答えた

 

紫「勇人絡みの別件で保険を掛けたいの!!真琴!霊夢だけ稽古から外してくれない?」

 

真琴「……嫌よ、それに勇人(あの子)の別件で保険なんか掛ける必要が無いわよ……あの子、私に似て相当強いから問題無いわよ」

 

真琴は紫の要望を微笑みながら拒否すると、紫は少し苛つき、先程から更に増して強い口調で真琴に言った

 

紫「逆に『()()()()』から『()()()』が勇人や此処を狙っている可能性が極めて高いのよ!!それでも嫌なら霊夢の代わりに『メンタルモデル(蒼き鋼)』と『勇人の所(佐世保鎮守府)』の『金剛型全員』と交換するから、それで手を打って頂戴!!」

 

紫は鬼気迫る勢いのまま真琴に言うと、真琴は紫が発言した『アイツ』についての情報が既に耳に入っているのか、先程まで微笑みから一転し、神妙な表情になり、紫の説得に応じ、霊夢に命令した

 

真琴「……成程ね……アイツならアンタと同じ『目的の為に手段を選ばない奴』だからね……霊夢……今すぐ勇人の手伝いをしなさい……これは『博麗一族()』と『博霊一族()』両方の力を使わないと、非常に厄介な事になるわよ」

 

霊夢「……大体分かったわ、んじゃ『一仕事』してくるわ……紫」

 

霊夢は事の重大さを『ある程度』知ったのか、はたまた真琴の稽古から早く抜けたいのか、少し急かす様に紫に御願いをすると、紫は霊夢の足元と頭上に隙間の割れ目を召喚し、慌てながら言った

 

紫「分かったわ!隙間解放!それじゃ頼んだわよ!!」

 

紫は霊夢の足元と頭上の隙間を解放すると、霊夢は足元の隙間に落とすと同時に足元の隙間を閉鎖し、頭上の隙間から勇人側の比叡、W榛名、霧島そして『摩耶に似た勝ち気のある茶髪の女性』が落下し、無事に幻想郷に集まった事を確認し、すぐに自身の隙間を閉鎖し、幻想郷を後にした

 

比叡「ヒェーッ!?これはどういう訳ですかダブル金剛御姉様!?ってか此処、何処?それに貴女は?」

 

榛名「御祖母様、何故……榛名達を?それに……」

 

ハルナ コンゴウ「ッ!?嘘だろ……真琴(御祖母様)、これは一体……」

 

霧島「眼鏡眼鏡……皆さん、私の眼鏡は?」

 

金剛「知らないデース……ってか、貴女は?」

 

比叡と榛名は真琴に『今居る場所』と『茶髪の女性』について、ハルナとコンゴウは女性の正体を知っているのか、少し狼狽えながら真琴に質問すると、霧島は眼鏡を無くし、裸眼では見えている物『全て』がボヤけてるせいなのか、普段の知性溢れる穏やかな目付きから一転し、鋭い目付きになりながら探すと、茶髪の女性は呆れながら自身の頭の上に引っ掛かっている眼鏡を外し、霧島に渡した

 

茶髪の女性「ホラ、眼鏡なら此処にあるぞ」

 

霧島「あ……ありがとうございます……ッ!?貴女は?」

 

霧島は女性から眼鏡を受け取り、そのまま掛けると、目の前にいる見知らぬ女性が居た事に少し動揺し、その女性に聞くと、女性の代わりにコンゴウが狼狽えながらも霧島達の質問に答えた

 

コンゴウ「……キリシマの『本来の姿』だ」

 

金剛型4姉妹「はぁ!?あの『ぬいぐるみ(テディベア)』が!?」

 

そう『摩耶に似た勝ち気のある茶髪の女性』の正体は、あのテディベアである『キリシマ』本人だったのだ

 

キリシマは金剛型4姉妹の反応を見て、自身も驚いているのか、少し狼狽えながらコンゴウに言った

 

茶髪の女性改め『キリシマ』「え!?私が元の姿に!?コンゴウ!手鏡を貸してくれ!」

 

コンゴウ「……はいよ」

 

コンゴウは持参している手鏡をキリシマに渡すと、キリシマは手鏡越しではあるが、自身の今の姿を見て、余程嬉しかったのか、興奮し、感極まって泣きながら叫んだ

 

キリシマ「ほ……本当に……元の姿に戻っている!!ヨッシャァァァァァ!!!これで『ヨタロウ』やら『蒼き鋼のマスコットキャラ』とか言われなくて済むぞォォォ!!」

 

ハルナ「良かったなキリシマ……しかし何故、アイツ自身のナノマテリアルが枯渇しているのに身体が元の姿に戻れたんだ?」

 

ハルナはキリシマが人形になった原因である『キリシマ自身のナノマテリアルが枯渇している事』について触れながら真琴に聞くと、真琴はキリシマが喜んでいる事に安堵し、微笑みながら答えた

 

真琴「簡単よ♪一時的ではあるが、ナノマテリアルの代わりに私の『霊力』でキリシマちゃんを元に戻したのよ♪勿論これは、あくまでも『一時的』だから私の霊力が底に着くか、キリシマちゃんに供給している霊力を止めれば元のテディベアに戻るから注意してね」

 

キリシマ「マジかよ!?流石、勇人のバーチャンだ!!私達に出来ない事を平然にするなんて……そこにシビれる!あこがれるゥ!」

 

真琴「フフフ♪誉めたって何も変わらないわよ……さて!全員揃った事だし……稽古するわよ」

 

早苗 W金剛「ッ!?」

 

比叡「へ?」

 

榛名「稽古……」

 

霧島「ですか?」

 

ハルナ「……んで、その『稽古内容』は?組手?演習?」

 

キリシマ「稽古!?ならバッチコイだ!久々に『この身体』で戦いたいからな!!早く始めようか真琴!!」

 

真琴は微笑みながら本来の目的である『稽古』を始める事を全員に言うと、早苗とW金剛は顔が引き釣り、キリシマは興奮し、それ以外の連中は首を傾げながら真琴に聞くと、真琴は微笑みを崩さないまま比叡達の質問に答えた

 

真琴「そんなバイオレンスな事はしないわよ♪今回の稽古内容は『宴会芸の練習』よ♪」

 

W金剛「へ?」

 

早苗 比叡 榛名 霧島「宴会……」

 

キリシマ「Guy?(ゲイ?)

 

ハルナ「……何故、宴会芸を?それは勇人と千早群像が担当するんじゃ……」

 

金剛達は真琴の稽古内容である『宴会芸』だと聞き、W金剛は安堵しながらも、その場に居た全員が首を傾げながら聞くと真琴はキリシマの流暢な発言に苦笑しつつも、金剛達の質問に答えた

 

真琴「キリシマちゃん、それは違う『(Guy)』よ……ハルナちゃん、今勇人が別件で平行世界『アズールレーン』に行っている理由を知っているわよね?」

 

ハルナ「……『平行世界の艦娘に虐げられた方の勇人』を治療しに……だよな」

 

金剛「………成程ネー、だからグランマは……」

 

ハルナは簡潔ではあるが、勇人が平行世界に行った理由を答えると、金剛はハルナと真琴の言葉をヒントに真琴の考えを察したのか、微笑みながら呟くと真琴は金剛の考えが当たっているのか、金剛の考えを肯定し、自身の考えを金剛達に伝えた

 

真琴「そうよ、アズールレーンの方の佐世保鎮守府に着任した『平行世界の勇人』を祝う為に宴会芸を行うのよ……それに、今後『アッチの勇人』と関わるであろう貴女達が彼に『艦娘に対しての最悪なイメージ』を払拭し、本来の貴女達(艦娘達)はアズールレーン版の艦娘……確か……『艦船』だったかしら?その艦船と同じく『人類を守る軍人』だと知ってもらう為にね」

 

そう、真琴は平行世界の勇人の着任祝いと共に、艦娘に対して強いトラウマを持っている平行世界の勇人の意識を変える為に宴会芸を始めたのだ

 

金剛達は真琴の『本当の目的』を聞き、余程ショックなのか、少し俯きながら言った

 

比叡「あ……成程……」

 

早苗「確かに……アッチのハヤチャンは金剛さん達を見て……」

 

ハルナ「アッチの艦娘と一緒にされてしまうからな……」

 

榛名「……それに、あんな『極悪非道な金剛御姉様達』と一緒にされる御姉様達からすれば『傍迷惑』……いえ……『虫酸が走る話』ですね……」

 

コンゴウ「……メンタルモデルである私達からしても『許しがたい事』だ」

 

キリシマ「……全くだ」

 

霧島「……私と金剛御姉様は過去に司令を危害を加えていた身として、あまり強く言えませんが……本当に許せない話ですね」

 

金剛「……Yes」

 

金剛達は『平行世界の勇人』が受けた待遇を事前に勇人か紫から聞いていたのか、話を纏める毎に、徐々に『平行世界の勇人が元居た世界の艦娘達』に対しての強い怒りが身体の内側から込み上がってくるかの様に殺気の籠った真剣な表情になりながら話を纏めると、真琴は金剛達の怒りを落ち着かせる為に、微笑みを崩さず、金剛達の気持ちを切り替える様に少しハリのある強い声を出し、金剛達に言った

 

真琴「だから、アッチの勇人に再認識させる為に行うのよ!分かった?」

 

真琴は微笑みながら金剛達に言うと、金剛達は黙って頷くと真琴は隙間から宴会芸用の衣装であろう『金剛型に似た巫女服』を取り出し、メンタルモデル側の金剛型三人に渡しながら言った

 

真琴「後、コンゴウちゃん達は『コレ』を着て練習してね」

 

コンゴウ「これは?」

 

ハルナ「多分『宴会芸用の衣装』だ」

 

キリシマ「うわぁ……如何にもパンツとブラが見えそうな『際どい衣装』だ……真琴、まさか『コレ』を……」

 

メンタルモデルの金剛型三人は真琴に渡された衣装を見て、()()()()()()()()に顔を引き釣ると真琴は微笑みながら答えた

 

真琴「その通りよ、ちなみに『コレ』は歴代の博麗の巫女達が着ていた物を仕立て直した物よ……勿論、着るよね?」

 

真琴はドス黒いオーラを放しながら微笑みかけると、メンタルモデルの金剛型三人は……

 

メンタルモデルの金剛型三人「……泣けるぞ」

 

金剛型四姉妹 早苗「……同情します」

 

真琴「よし!では始めるわよ!」

 

……何かを諦めたかの様に勇人の口癖を言いながら渋々、衣装に着替え、金剛型四姉妹と早苗と共に宴会芸の練習を始めたのは言うまでもなかった……



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第94話「宴の準備 Last part 群像&イオナ編」

金剛達が博麗神社にて宴会芸の練習を行っている頃 佐世保鎮守府 軍艦(移動要塞)『金剛』専用ドックにて

 

群像、イオナそしてWランの四人は佐世保に残留している艦娘達に舞鶴で行う宴会を誘いに八雲の隙間を使って佐世保にやって来た

 

群像「お祖父ちゃんや紫さんだけではなく、まさか藍さんまで『隙間』が使えるとは……」

 

蘭「……一応言っておくが二人共、人間である私は使えないぞ」

 

イオナ「分かっている……しかし群像に蘭、完全に勇人の人脈に関して驚かなくなったね」

 

群像「……馴れって怖いな」

 

イオナ 蘭「……うん」

 

藍「……出来れば私の事を『八雲』と言って欲しいな……主に蘭と差別化する意味で……」

 

蘭「それに関しては、うp主(八意)が悪い……私の元ネタを貴女にしたせいだからな……」

 

藍「……身も蓋も無い事を言うな蘭、うp主には悪いが()()()使()()()()()()()()()()()……隙間解放」

 

 

クパァ………

 

 

九尾の式神 執筆中……φ(..)カキカキ……

 

 

シュン………

 

 

 

藍改め『八雲』「隙間閉鎖……これで良し」

 

蘭改め『上城』「……『こういうネタ』が使えるのは台詞形式ならではの強味だな……後、さりげに私の方を弄るな……元に戻せ」

 

八雲「仕方ないな……再度、隙間解放」

 

 

クパァ……

 

 

再度 執筆中……φ(..)カキカキ……

 

 

シュン……

 

 

八雲「そして閉鎖……御望み通り元に戻したぞ……さて、本題である残りの艦娘達を宴会に誘いに行くか……此処から近い部屋は……」

 

上城改め『蘭』「……確か……すぐ近くにトレーニングルームがあった筈だ」

 

八雲「……では、そこに行こう」

 

蘭「……ああ」

 

群像 イオナ(しょ……初っぱなから……メタ過ぎる……ってか八雲さん、うp主にしか出来ない事を平然とやるなよ……)

 

群像とイオナはWランの『メタい会話(タブー過ぎる内容)』を聞いて、この後の先行きに強い不安感を感じたのか、溜め息を吐き、頭を抱えながらトレーニングルームに足を運んでいる二人の後を着いて行った

 

 

 

 

 

 

 

数分後 トレーニングルーム前にて

 

八雲「……此処か」

 

蘭「ああ」

 

群像「お……お邪魔します……」

 

ガチャ……

 

四人を代表として群像が恐る恐るトレーニングルームの扉を開けると、そこには………

 

空像「ダリャ!!」

 

ドカッ!

 

Wラン 群像 イオナ「ッ!?」

 

準一「くっ……チェストォ!!」

 

ドゴッ!

 

空像「ガハッ!イテテ……オメェ、やるなぁ……流石、平行世界のオラだ……これだけ強ぇと……オラ、ワクワクすっぞ!」

 

準一「フッ……それは此方の台詞だ空像……来い」

 

某美食家(ト〇コ)に瓜二つの男『敦』「……オーイ!來未!交代の時間だ」

 

來未「え!?もう時間なの!?はいストップ、時間切れよ……次は『敦』と……」

 

某記憶喪失なライダー(津〇翔一)に瓜二つの好青年『翔一郎』「……俺の番だね、行ってくるよ愛宕お祖母ちゃん」

 

愛宕「ファイト!翔一郎!!」

 

敦「よし!行ってくるぜ……大鳳バァちゃん」

 

大鳳「フフッ、御武運を……敦」

 

隼鷹「お疲れ!準一に空像♪ほら、これでも飲んで一息入れな♪」

 

準一「ありがとう……って!?隼鷹お祖母ちゃん!これ日本酒じゃないか!!またお祖父ちゃんに叱られるぞ!」

 

空像「それに隼鷹さん、オラ……下戸だから飲めねぇぞ……」

 

隼鷹「……下戸なら仕方ないな……あ!?ちなみに、この事は飛鷹に黙ってくれないか?」

 

準一「……保証出来ないな、それは……」

 

ワイワイ……

 

ガヤガヤ……

 

蘭「お!?組手か……」

 

八雲「先程の戦い……二人の元ネタ的な意味でだが、ドラゴン〇ールと鉄〇の主役同士のドリームマッチを見ている様な豪華な稽古だったぞ……二人共」

 

準一「あ……ありがとうございます」

 

空像「ヘヘッ、何か恥ずかしいな……そう言われっと……」

 

群像「……泣けるな……」

 

……勇人の孫達が艦娘や佐世保鎮守府所属の隊員達を連れて試合形式で稽古をしていたのだ

 

イオナは色んな意味で精神的に疲労している群像を慰める様に同意し、空像達に質問を問い掛けた

 

イオナ「……そうだね、所でみんな……何故此処に?」

 

イオナは空像、準一そして大鳳と勇人の孫である『敦』の筋骨粒々な身体に少し引きながら空像達に聞くと、空像達は自身が作ったであろう『自家製プロテインジュース』を飲みながらイオナの質問に答えた

 

空像「何故って……オラ達、ジッチャンの手伝いしに来たんだ……んぐ……んぐ……プファ!うめぇなぁ!」

 

準一「……何せ、今タカオの船は御祖父ちゃん一人で直しているんだろ?……ん?俺のはバナナ味か……旨い……」

 

敦「だから『平行世界のお前』である俺達が来た……という訳だ……旨ぇ!なぁ翔一郎、お代わりをくれ♪」

 

來未「それに良い大豆を使っているせいか、口当たりも良いわね♪何処で売っているの?」

 

空像、準一、敦そして來未はイオナの質問に答えながらプロテインジュースを飲むと、想像以上に美味だったのか微笑みながら、愛宕と勇人の孫である『翔一郎』に聞くと、翔一郎もまた空像達の絶賛に顔を綻びながら優しい口調で答えた

 

何故なら……

 

翔一郎「『俺の世界の上城財閥』の目玉商品さ♪いやぁ~……開発には苦労したよ~……素材である大豆は『オーガニック(有機栽培)』じゃないとジュースの味や風味が落ちるし、尚且つ女性の顧客の要望(ニーズ)に合わせて、ジュースに美容成分『大豆イソフラボン』を入れたりと……本当に苦労したんだから……」

 

そう、空像達が飲んでいるプロテインジュースを開発したのが翔一郎本人だったのだ

 

來未は自身が飲んでいるプロテインジュースが翔一郎によって開発された事を聞いて驚きながら呟いた

 

來未「え!?翔一郎さんが開発したの!?凄いわね……だけど……大豆イソフラボンって確か……あ!?不味いわね……」

 

來未は翔一郎が言っていた『大豆イソフラボン』を聞いて『大豆イソフラボンの性質』を思い出し、その性質のせいで『ある事』を危険視していると、空像、準一そして敦が先程飲んでいたジュースに『大豆イソフラボン』が入っていると思ったのか、翔一郎に怒鳴る様にジュースについて聞いた

 

何故なら……

 

空像 敦 準一「大豆イソフラボンって………『植物性エストロゲン』の事か!?まさか……(オラ)達……()()()()()()()()()()()()()!?」

 

群像「止めろ!女性陣の前だぞ!」

 

そう、大豆イソフラボンの別名は女性ホルモンに似た成分『植物性エストロゲン』の事だったのだ

 

ちなみに植物性エストロゲンの性質は男性ホルモンである『テストステロン』と、その物質が活発した成分であり男性特有の欲求成分『ジヒドロテストステロン』という2つの物質の進行を阻害してしまう性質を持っているのだ

 

つまり……男性特有の欲求を失い『二度と戦えない身体』になってしまうのだ

 

空像達は大豆イソフラボン(植物性エストロゲン)の性質を熟知しているのか、男としての危機感を募らせながら翔一郎に問い詰めると、翔一郎は微笑みながら空像達の不安を一掃した

 

翔一郎「大丈夫だよ、空像君達が飲んでいるのは『大豆イソフラボンを徹底的に除去した男性用』だから安心して」

 

空像 敦 準一「ホッ……良かった……」

 

來未「……それに大豆イソフラボンを過量摂取しなければ大丈夫な筈よ」

 

納豆等の大豆製品が好きな男性読者の皆様、ご安心を……來未が言った通り、大豆イソフラボンこと植物性エストロゲンは過量摂取しなければ然程、問題無い成分であり『アンチエイジング(若返り)』や『骨粗鬆症』更には『更年期障害』等に効く成分なのだ

 

だが空像達は………

 

空像 敦 準一「だとしても心配なんだよ!!これは男として『死』と同じ意味になるんだ!!」

 

……男として死にたくないのか、必死に反論した

 

そんな様子を見ていた愛宕は空像達の気持ちを理解しているのか、微笑みながら來未に説明した

 

愛宕「來未ちゃん、これは男女の営みをしていく上での死活問題よ……分かって頂戴ね」

 

來未「男ってメンドクサイわね………あら?群像にイオナちゃん、どうしたの?また舞鶴で問題でも?」

 

來未は愛宕の説明を聞いて少し呆れながら納得し、群像とイオナの存在に気付き、二人に聞くと、群像は先程の來未達の会話を聞いていたのか、苦笑しながら來未の質問に答えた

 

群像「いや、お祖父ちゃんが舞鶴で宴会を行うから佐世保の連中を呼んで来て欲しいと……それにすまない、平行世界の俺が失礼な発言を……」

 

來未「気にしてないわ、しかしお祖父様が舞鶴で宴会を……ねぇ……空像、そう言えば一緒に来ていたアンタの双子の弟は?」

 

來未は空像と一緒に来たであろう『空像の双子の弟』について聞くと、空像は頭を掻きながら答えた

 

空像「……『空牙(くうが)』か……アイツならタバコ吸いに席を外しているぞ……」

 

群像「空牙って……」

 

イオナ「2000個以上の技を持ってそうな人だね……んで空像、その空牙と区別する方法は?」

 

空像「えーっと……アイツとオラの見分け方は……」

 

イオナは空像の双子の弟『空牙』について聞こうとした途端、空像に瓜二つの肌黒の男がトレーニングルームに入り、空像とイオナの会話を少し聞いていたのか、微笑みながら言った

 

空像に瓜二つの肌黒の男『空牙』「……私が弟の空牙だ、蒼霧事変(あの時)は兄さん達が世話になったな……群像にイオナ」

 

空像「……見て分かると思うがアイツの方がジッチャンに似て悪人面で口調はバァチャンに似てんだ」

 

空像は自身の双子の弟『空牙』の事について紹介すると、群像とイオナは空牙の容姿を見て意見が一致したのか『()()()()()()()()()()な空牙』に呆れながら呟いた

 

そのキャラとは……

 

群像「服装は違うが口調と言い、容姿と言い………完全に『ゴ〇ウブラ〇ク』じゃないか……」

 

イオナ「……どちらかと言えば肌の色的に『タ〇レス』に似ている」

 

空牙「フッ……それ、良く言われるが極悪人では無いし、闇落ちした訳では無いぞ……ちなみに肌が黒いのは仕事の訓練による日焼けだ」

 

空像「一応、コイツの仕事は警察官だ……」

 

群像「警察官って………説得力が無さ過ぎるぞ、そこのゴク〇ブラッ〇擬き」

 

イオナ「そうだよター〇ス擬き……それに私達、警察官に対して、あまり良い印象が無いから……」

 

空牙「あの事件で龍光会のせいで指名手配された件でか……その件に関しては未来とは言え同業者として深く御詫びする………兄さん、少し()()に付き合ってくれないか?空気の流れを変えたい……」

 

空像「……仕方ねぇな

 

……『〇クウブラッ〇(ターレ〇)』に瓜二つだったのだ

 

空牙は群像の小さく呟いたツッコミが聞こえたのか、空像に小声で頼むと空像もまた空牙の頼みに答える様に面倒臭そうに頭を掻きながら了承し、二人は場の雰囲気を明るくする為に群像のツッコミ精神を煽り、群像を巻き込みながら即興の演劇(悪乗り)を行った

 

空牙「……では……フフフ……オレの志も……美しさも……オレという存在のすべてが、ただひたすらに孤高!!」

 

空像「なんかオメェ気持ち悪ぃな………なぁ群像」

 

群像「ああ、全く………ってオイ、そこのサイ〇人に瓜二つの兄弟……何、勝手に即興で〇ラゴンボー〇のワンシーンを再現しているんだ……それに俺を巻き込むな」

 

空像 空牙「……乗りが悪い(ワリィ)なぁ……アッチの兄さん(オラ)は……」

 

イオナ「……悪乗りしやすいのは勇人に似たんだね……分かります」

 

敦「なら俺も……この世の全ての……」

 

翔一郎 愛宕 大鳳 準一「だから、やらなくて良い!話が進まないから!」

 

隼鷹「……泣けるな」

 

空牙と空像は呆れ返っていた二人の言葉に悪乗りするかの様に即興ではあるが演劇を行うと來未は悪乗りした二人に一喝(ツッコミ)を入れながら八雲と共に『ある御願い』をした

 

來未「二人共、悪乗りは止めて………後、御願いがあるんだけど……他の佐世保鎮守府の連中に『お祖父様主宰の宴会』が舞鶴で行う事を伝えに行ってくれない?集合場所は……」

 

八雲「此処で良いぞ……頼めるか?」

 

二人は空像と空牙に佐世保鎮守府の連中に宴会の勧誘を御願いすると空像と空牙は微笑みながら答えた

 

空像「勿論だ、空牙は?」

 

空牙「……愚問だな、それじゃ來未と群像そしてイオナは先に舞鶴で宴会の準備しに戻ってくれないか?犬走少尉から聞いた話では佐世保だけではなく『幻想郷の住人達』とやらが参加するから()()()()()()()()()()になるんだろ?と言うより()()()()()()()になるから酒等の()()調()()()()()()は大丈夫なのか?」

 

來未「……あ!?そう言えば……そこについては大丈夫なのですか?」

 

空牙は相変わらずニヒルな笑みを溢しながら承諾し、椛から宴会の規模を事前に聞いていたのか、宴会用の酒と食材と人材が不足する事を來未と共に懸念し、八雲に伝えると八雲は空像達が承諾した事に安堵しつつも翔一郎と共に空牙の疑問に答えた

 

八雲「……話が早くて助かる、物資に関しては群像達や幻想郷の連中、更には三笠元帥が酒や食材等を持ち込みで参加するから問題無い」

 

翔一郎「それに俺と敦は調理師免許を持っているから彼方の間宮さん達の手伝い位は出来るから問題無いよ」

 

敦「そう言う事だ」

 

群像「……翔一郎は兎も角、敦が持っているとは……意外だ……」

 

イオナ「……てっきり食べる専門かと……」

 

敦「お前らなぁ……」

 

群像とイオナは敦の意外な特技に少し驚きながら呟くと八雲は笑みを溢しながら言った

 

八雲「……という訳だから物資と人材に関しては問題無いから安心してくれ」

 

空像「分かった……んじゃ、とりあえずは……」

 

空牙「『彼処』から行くか……それじゃ行ってくる」

 

大鳳「私も御供します、多分この二人だけだと『彼方の提督』が混乱してしまいますので……主に容姿的な意味で……」

 

大鳳は二人の容姿による混乱を招く恐れがあったのか、自ら率先し、二人と共に行動する事を群像達に伝えると、群像は安心しながら言った

 

群像「それなら安心だな……この二人だけじゃ彼方の提督に誤解を生んでしまうからな……特に空牙の容姿が……」

 

空牙「おやおや、これは手厳しいな群像……しかし悪乗りが裏目に出てしまうとは……」

 

空像「ハハッ、それなら仕方ねぇなぁ……なら大鳳さん」

 

大鳳「ええ、行きましょ」

 

大鳳は二人を連れてトレーニングルームを後にすると群像は少し安堵しながらイオナに言った

 

群像「……しっかり者の大鳳さんなら大丈夫だろう……なぁイオナ」

 

イオナ「……だと良いのだが……」

 

來未「どうしたのイオナちゃん?何か問題でも?」

 

來未はイオナの歯切れの悪い口調に気付き、イオナに聞くと、イオナは眉をハの字になり、少し考えながら答えた

 

イオナ「……何か嫌な予感がする……」

 

群像「あの『トラブル製造機(メーカー)』であるお祖父ちゃんの事か?それなら()()()()()だろ?」

 

來未「……否定出来ないわ」

 

イオナ「違う、群像と來未……二人と()()()()()()についてだ」

 

群像 來未「()と『平行世界のお祖父ちゃん()』が?何で?」

 

二人はイオナの嫌な予感の原因が自分自身だと言う事に首を傾げながら聞くと愛宕と隼鷹はイオナの予感と勇人が今行っている平行世界『アズールレーン』での『艦娘』こと『艦船』の自分自分の性格を把握しているのか、苦笑しながらイオナの考えを察した

 

愛宕「ああ……そう言う事ね」

 

隼鷹「成程な……」

 

イオナ「……そういう事……群像、悪い事は言わない……舞鶴に行くのは私達だけにした方が良い」

 

イオナは群像と來未に忠告すると二人は『平行世界(アズールレーン)艦娘(艦船)達の相当癖の強い性格』を軽視しているのか、微笑みながら答えた

 

群像「心配性だなイオナは……いくら癖が強くても……」

 

來未「お祖父様程、強く無いわよ……それに平行世界とは言え、見ず知らずのお祖父様を快く受け入れてくれた優しい人達よ……心配するだけ無駄よ」

 

イオナ「……どうなっても知らないよ」

 

イオナは頭を抱えながら呟くと八雲は皆の話が纏まった事を察し、微笑みながら言った

 

八雲「話が纏まった様だな……では來未に群像そしてイオナ……今すぐ準備しに戻るぞ」

 

來未 群像「はい」

 

イオナ「……分かった」

 

八雲は隙間を解放し、三人を連れて舞鶴に戻った

 

まさかイオナの悪い予感が『平行世界(別の物語)』で的中したのは言うまでも無かった………

 

 

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「……役者は揃った様ね……後は勇人が『あの問題』を片付ける事を待ちましょ♪」

 

上空から傍観していた紫が不敵な笑みを溢しながら佐世保鎮守府を後にした……



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第95話「平行世界の艦船との邂逅」

皆さん、大変お待たせ致しましてスミマセンでした

私は今現在『とある企画』の為に同じ艦これの二次小説を執筆している某作者の代筆を行っております

尚、今回の最後付近に、その某作者が執筆している作品の主人公をシークレットゲストとして参加させていますので、よろしくお願い致します

後、分かっててもシークレットゲストのネタバレは御遠慮を御願い致します

後、軽いアンケートもあるので、もし良かったら御答えして頂ければ幸いです


1900 舞鶴鎮守府 食堂内の厨房にて

 

ワイワイ……

 

ガヤガヤ……

 

武蔵「オーイ大和!これを持っていってくれ!」

 

美奈「此方も出来上がりました!勇次さんに(ちぇん)ちゃん御願いします!そして未来!これを平行世界の大将……いえ彼方に待機しているビスマルクさんに渡して!!」

 

勇次「はいよ!!」

 

大和「分かりました!」

 

2つの尻尾を着けた少女『橙』「分かりました!皆さん退いて下さい!!」

 

未来「分かったよ!!」

 

ワーワー!!

 

今、舞鶴鎮守府の厨房及び食堂は朝の通勤ラッシュの如く忙しく、そして戦場のような緊迫感のある雰囲気を醸し出しながら宴の準備をしていた

 

何故なら……

 

赤城「皆さん、早くしてください!!彼方の艦娘……『平行世界(アズールレーンの世界)』の『艦船(わたし)達』が、もうそろそろ此方に来ます!!加賀さん!!この料理を彼方の世界に待機しているグラーフさんと千川少佐に送って下さい!!」

 

加賀「分かりました!『にとり』さん、彼方のネット回線の状態は?」

 

水色の整備服を着た女性『川城にとり(以後 にとり)』「もう既に終わっているよ!!後はコッチのと同調するだけだよ!!」

 

……平行世界の艦船達が此方に訪問するからだ

 

赤城は厨房で調理し、完全した料理を加賀に渡したり、にとりは自前の通信機材を彼方の世界に繋いだりと今の舞鶴鎮守府は完全に修羅場になっていたのだ

 

そして……

 

翔鶴「はぁ……はぁ……皆さん!!彼方の私達が来ました!!今、群像君達と一緒に来ますので至急、祝福準備を御願いします!!」

 

美奈「もうですか!?では皆さん!作業を中断して下さい!!」

 

全員「はい!!」

 

美奈は翔鶴の報告を聞き、作業(調理)中の艦娘達及び幻想郷の住人達に命令すると全員が作業及び調理を中断し、急いで食堂の出入口に集まると、犬と思わせる獣耳にミニスカの白い軍服そして黒髪のポニーテールの女性が異世界の環境に戸惑っている艦船達の先陣を着る様に堂々とした足取りで食堂に入り、美奈達に自己紹介をした

 

尚、平行世界の艦船もといアズレンの艦船は『AL〇〇←名前』と表記します

 

黒髪の女性改め『AL高雄』「此処が上城殿の世界か……皆様、御初目に掛かれます……拙者は『重桜(じゅうおう)艦隊 佐世保鎮守府』に所属する『高雄』と申す……以後、お見知り置きを……そなたが此処の世界の拙者か?」

 

高雄「え!?ええ……此方こそ宜しくお願いします……アッチの私ってタカオさんとは真逆で何か侍っぽいわね……」

 

摩耶「……そうだな、しかも性格だけではなく胸も()()()……」

 

高雄「ちょ!?摩耶!!」

 

AL高雄「ん?何がデカイのだ?」

 

摩耶「何でもない、此方の話だ……私は摩耶様だ……宜しくな平行世界の姉貴」

 

AL高雄「う……うむ、此方こそ宜しく頼む……アッチの摩耶は上城殿までとは行かないが口が悪いな……それに何が()()()のだ?全く以て分からぬが……」

 

高雄は『AL高雄(平行世界の自分)』に対してのイメージがタカオと同じく『現代的(ギャル)な高校生風のラフな性格』だと思っていたのか、自身の憶測(イメージ)と目の前に居るAL高雄の性格とのギャップに摩耶と共に戸惑っていると愛宕が艦船達の緊張を解す為に微笑みながら自己紹介を始めた

 

愛宕「へぇ~貴女がアッチの高雄ね……私は愛宕、アッチの私みたいに『肉食系ヤンデレ』では無いし、上城少尉が元居た世界の『娼婦(ヤリ〇ン)な私達』じゃないから安心してね♪」

 

AL高雄「肉食系って……まぁ強ち間違ってはいないな……しかし平行世界とは言え自分自身の事を娼婦って……酷くないか?」

 

高雄「……言い(ツッコミ)たい気持ちは分かるけど、私達としては『アッチの艦娘』と一緒にしたくないから言っているのよ……艦船の私」

 

AL高雄「……承知した……後、出来れば名前で呼んで頂きたいのだが……平行世界とは言え同じ艦船(なまえ)だから致し方無いか……」

 

幼稚園児風の服を着た茶髪の少女「ほ……本当に指揮官(しゅきかん)を苛めた方の『悪い艦娘』では無いの?」

 

AL高雄は愛宕の自虐染みた……もとい『平行世界(陰の世界)自分(愛宕)』を罵った説明に少々呆れると自身の後ろに隠れている幼稚園児風の服を着た茶髪の少女こと『AL睦月』が舌足らずな口調で不安そうに聞くと愛宕はAL睦月の背丈に合わせる様に中腰になり持ち前の天真爛漫な笑顔を溢しながら答えた

 

愛宕「ええ♪だから怖がらなくて大丈夫よ♪えーっと……名前は?」

 

AL睦月「む……睦月……」

 

AL睦月は愛宕を見て少し警戒心が解けたのか愛宕の笑顔に釣られたかの様に少し笑みを溢すと愛宕は笑顔を溢しながら言った

 

愛宕「睦月ちゃんね♪それじゃ『お近づきの印』に()()をやりましょ♪佐世保鎮守府所属の駆逐艦達及び高雄型に深海女帝ちゃん、そしてスカーレット姉妹、全員しゅーごー♪」

 

勇人側(佐世保組)の駆逐艦達及び深海女帝「はーい♪」

 

高雄 摩耶 鳥海「え"!?私達も!?嫌だなぁ……」

 

レミリア「……泣けるわね」

 

フランドール「ほぇ?」

 

AL睦月「アレ?」

 

AL高雄「『アレ』って言うのは何だ?それに……何故、駆逐艦達が?」

 

二人は愛宕が言っていた『アレ』について首を傾げると愛宕に呼ばれた睦月と叢雲が二人に近付き、睦月は微笑み、叢雲は苦笑しながら自己紹介を交えて説明した

 

睦月「大丈夫だよ艦船の私、凄く簡単な動作だけで元気が出る『おまじない』みたいな事だよ♪あ、私も睦月だから宜しくね♪」

 

叢雲「叢雲よ、まぁ『アレ』の動作は恥ずかしいかも知れないが……お付き合い願おうかしら」

 

AL高雄「う……うむ……承知した」

 

AL睦月「おまじない……なら睦月もやる♪」

 

愛宕「それじゃ始めるわよ♪では両手を『ばんざーい』して……」

 

AL高雄は叢雲の言葉を聞き少し不安そうに戸惑い、AL睦月は睦月の『おまじない』だと聞いて子供特有の高揚感を全面的に出すかの様に胸を踊らせながら答えると愛宕はAL睦月みたいな幼稚園児の服を着た駆逐艦達……もとい『平行世界(アズールレーン)の睦月型達』に分かり易く教え、そして『アレ』のメインである『とある台詞』を高々と、そして祝うかの様に満面な笑みで叫んだ

 

その『台詞』とは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛宕「そして、こう叫んでね♪せぇーの……………パンパカパーン!

 

勇人側(佐世保組)の駆逐艦達及び深海女帝「……パンパカパーン!

 

フランドール「パンパカパーン!!」

 

電 美咲「パンパカパーン……なのです」

 

高雄 鳥海「……パンパカパーン………って摩耶!!貴女達もやりなさいよ!」

 

摩耶「絶ッ対嫌だ!!こんな羞恥プレイみたいな事を誰がやるんだ!!レミリアさんも何か言ってくれよ!!」

 

レミリア「パンパカパーン……あら?意外と楽しいわね……今度、ウチの妖精メイド達にやらせみようかしら……」

 

摩耶「……泣けるな」

 

AL睦月型全員「パ……パンパカパーン」

 

愛宕「声が小さいわよ……もう一回、せぇーの……」

 

AL睦月型全員「……パンパカパーン!

 

愛宕「はい♪上手に出来ました♪」

 

AL高雄「な!?そ……その様な事を……拙者も行えってのか!?流石に恥ずかしくて出来ぬぅ!!」

 

……愛宕の代名詞である『あの台詞(パンパカパーン)』であった

 

AL高雄は愛宕の『おまじない(パンパカパーン)』を見て茹で蛸の様に赤面しながら答えるとAL睦月は先程の『おまじない(パンパカパーン)』が大変気に入ったのか、楽しそうにAL高雄に言った

 

AL睦月「楽しいね♪これを指揮官(しゅきかん)に見せれば指揮官(しゅきかん)も元気が出るよ♪高雄お姉ちゃんもやって♪」

 

AL高雄「駄目だ、拙者には出来ぬ……それに今の指揮官の前で『コレ』は()()だ……」

 

摩耶「……うん、コレは今の上城少尉には、やらない方が良いな……これは姉貴の『代名詞(お決まり)』みたいな台詞だしな……後、チビスケ達……『それ』を上城少尉……チビスケ達の指揮官の前では絶対やるなよ、再びトラウマが再発してしまうからな」

 

摩耶はAL睦月達に『平行世界の勇人』の前で『おまじない(パンパカパーン)』を行わない様に忠告をするとAL睦月達は不満そうに「はーい……」と了承すると後ろに待機していた群像が先程のやり取りを見て微笑ましかったのか、笑みを溢しながら美奈に聞いた

 

群像「アハハハ……所で美奈さん、今何処まで進んでいるのですか?」

 

美奈「一応、一通りの宴会料理が出来上がりましたが平行世界の……いえ重桜の佐世保鎮守府の食堂が壊滅状態になっていますから運搬には時間が掛かりますね……何せ大将……群像君のお祖父ちゃんの方の赤城さん達のせいで彼方の食堂が滅茶苦茶になりましたから……」

 

千川側(舞鶴組)の一航戦「え!?本当ですか!?どうしてくれるのですか!?これ以上、一航戦(私達)の品位を落とさないで下さい!!」

 

勇人側(佐世保組)の一航戦「……ご……ごめんなさーい!!」

 

群像「マ……マジかよ、重桜の皆さん……身内のせいで彼方にご迷惑をお掛けしてスミマセンでした!!」

 

群像は美奈から今現在の彼方の佐世保鎮守府の食堂の現状を知り、顔面蒼白になりながら重桜の艦船達に頭を下げると狐耳に銀髪のボブカット、銀色の九尾そして白と蒼を基調とした和装の女性(艦船)『AL加賀』は群像の善意ある謝罪を聞き、微笑みながら答えた

 

AL加賀「……もう過ぎた事だ、気にしてない……それに私達は上城さん……お前の祖父に助けて貰ったんだ、その恩義を返す為に宴会準備を手伝いしに来たんだ……すまないが今、誰が宴会の指揮を取っているのは?」

 

美奈「私です……あ!?自己紹介が遅れましたね、私は『補給艦 間宮』本名は『岡部 美奈』よ……手伝いしに来たのは悪いけど、後は料理を貴女達の世界に運搬するだけだから適当に座っててね」

 

美奈は微笑みながら言うとAL加賀は「し……しかし……そうなると上城さんに助けて貰った私達の立場(恩義)が……」と申し訳無さそうに言うと三笠元帥が仕入れた大量の酒が入っている段ボールを肩に担ぎながら厨房に運んでいる長門と二航戦の三人がAL加賀の言葉を聞き、微笑みながら美奈の真意を伝えた

 

長門「気にするな、八雲さんの気紛れとは言え、お前達は平行世界の提督を助けて貰った恩人達だ……」

 

飛龍「だから美奈さんは貴女達を『客人』として迎え入れたのよ……ねぇ蒼龍」

 

蒼龍「そう(りゅ)う事……モグモグ……」

 

美奈「……蒼龍さん、摘まみ食いは厳禁ですよ」

 

美奈は摘まみ食いをしたであろう蒼龍に優しく一喝すると蒼龍は口に入っている食べ物を飲み込み、美奈に弁解した

 

蒼龍「モグモグ……ゴクン!違いますよ、私が食べているのは『おやつ(満〇バー)』なので摘まみ食いなんかしてません!」

 

美奈「……泣けますね、それじゃ()()さん、その段ボールを武蔵さんに渡してくれませんか?」

 

艦船達「ッ!?」

 

長門「分かった……」

 

長門は美奈の指示に従い、段ボールを担ぎながら厨房に入ろうとした途端……

 

AL高雄「……貴様が指揮官を!!」

 

バッ!!

 

長門「……アッチの高雄は、かなりの好戦的だな、それに私は少尉を虐げていないんだが……」

 

AL高雄「うるさい!!拙者は……貴様が指揮官殿を『こんな目』に合わせた貴様が許さんのだ!!」

 

長門「……そうか」

 

AL高雄は先程までの戸惑いから一転し、素人目から見ても長門を殺すと言わんばかりの強い殺意を込めながら軍刀を抜刀し軍刀を長門の首に当てながら怒鳴ったのだ

 

長門はAL高雄に臆する事無く、普段の堂々とした振る舞いを見せながらも少し悲しい表情になりながら呟くと高雄と摩耶はAL高雄の行動に慌てながら仲裁に入った

 

高雄「ちょ!?アッチの私!?一体どうしたの!?何故、長門さんを殺そうとするのですか!?」

 

摩耶「何だか知らねぇが取り敢えず刀を仕舞えって!!」

 

AL高雄「うるさい!!それに拙者は平行世界とは言え()()()殿()()()()()()()()()()()()()()()()()()に施しを受ける程、腐っては無い!!」

 

摩耶「アァ?テメェ……平行世界の姉貴だからって調子に乗るな……なら私が相手にしてやるよ!!」

 

AL高雄「面白い……やってみろ!!」

 

高雄「落ち着いて摩耶にアッチの私!アッチの私、訳を説明して!!」

 

高雄は今にも暴れそうなAL高雄と摩耶を窘めながら説得すると長門はAL高雄が激怒した原因を知っているのか悲しい表情のまま二人に言った

 

長門「……高雄に摩耶、退いてやれ……これは平行世界とは言え()()……いや()()受けるべき『罰』だからな」

 

摩耶「はぁ?長門さんが受けるべき『罰』?それは一体……」

 

高雄「……長門さんは()()()()()のですか?アッチの私が激怒した原因について……」

 

長門「……ああ」

 

摩耶と高雄は長門が言っていた『罰』について首を傾げながら聞くと、AL加賀は長門に対しての強い怒りを抑え混む様にドスの効いた低い声を発しながら説明した

 

AL加賀「平行世界の……指揮官が曾て居た世界の方の長門(貴様)は常日頃から自身の不満をぶつけるかの様に指揮官を甚振(いたぶ)り続け、最後に自身の主砲で指揮官を瀕死の重傷を負わせたんだ……」

 

高雄「嘘………長門さんが……少尉を……」

 

摩耶「だが、それは『平行世界の私達』であって『此処の私達』に復讐するのは間違っているだろ!!」

 

摩耶はAL加賀の説明に異議を唱えると、AL高雄は先程の長門の言葉の真意を察し、それを蒸し返すかの様に長門に怒鳴った

 

AL高雄「だが長門(貴様)は『自身も受けるべき罰』だど言っていた!!貴様も平行世界の長門と同じく、自身の提督(指揮官)である上城殿に危害を加えていた卑怯極まり無い女だ!!どうなんだ!」

 

AL高雄は長門の言葉の真意である『勇人に危害を与えた事』を察し、怒鳴りながら聞くと長門は悲しそうに俯き、AL高雄の質問に答えた

 

長門「……ああ、私は曾て提督……勇人さんに危害を与えていたし『演習』と言いながら『殺し』まで行った大罪人だ……もし『この程度』で私の罪が無くなるのなら……やってくれ」

 

高雄「ッ!?長門さん!!それは、あの時『仕方無かった』んですよ!!それに……」

 

摩耶「ッ!?姉貴!!これ以上、火に油を注ぐのを止めてくれ!!今の平行世界の姉貴は……」

 

AL高雄「()()()()()()……だと!!貴様ァ!!」

 

AL高雄は長門と高雄の発言に完全に我を失い、そのまま長門に突き付けた刀を、そのまま長門の首に向けて振り下ろそうとした途端……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美奈「………このダボが!アンタ何、長門さんにキレているんや!!それに啖呵切る相手が()()()()()()やろ!!少しは頭を冷やさんかい!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

AL高雄「痛ッ!!な……何をする!!」

 

高雄 摩耶 長門「み……美奈さん……」

 

美奈はAL高雄の暴走を止めるかの様に重い拳骨をAL高雄の頭に振り下ろしたのだ

 

AL高雄は美奈の拳骨により少しではあるが冷静さを取り戻し、狼狽えながら美奈に聞くと、美奈は長門を殺そうとしたAL高雄の行動に強い怒りを露にしながらもAL高雄を諭す様に怒鳴りながら言った

 

美奈「……自分、今()()()()()()()()()()()()?艦船……いや軍人として『あるまじき行為(こと)』をしでかしたか分かっておるんか!!アンタの方の指揮官……『平行世界の勇人君』の為に報復したい気持ちも分かる!ウチや大将……いや、此処に居る全員がアンタラの気持ちに共感出来るし、今すぐにでも『平行世界(陰の世界)』にカチコミをしたい気持ちもある!!だが今アンタが行った事は『アンタの方の指揮官が曾て居た世界の艦娘達(ウチら)』と()()()()()()()()()に気付いていないんかぁ!!どうなんや!!」

 

AL高雄「ッ!?それは……その……」

 

AL高雄は美奈の迫力に圧され、完全に子犬の様に大人しくなるとAL高雄の背後から黒髪の巫女服風の和装をした少女がAL高雄を窘めながら申し訳無さそうに長門に謝罪した

 

少女「……高雄、御主の気持ちは分かるが今回に関しては此方に非があるぞ……『彼方の余』よ、仲間が大変無礼な事を……三笠様と指揮官殿の代わりに御詫び申すぞ……」

 

未来「……え!?」

 

長門「いや、それは……ん!?彼方の()!?つまり君が……彼方の()か?」

 

高雄「……流石にそれは無いんじゃ……」

 

美奈「……ねぇ嬢ちゃん、お名前は?」

 

長門と高雄そして美奈は少女が『彼方の長門』言わば『重桜(平行世界)の長門』だと聞き、先程までのシリアスな空気から一転し、悲しみと動揺等の雰囲気が立ち込める混沌な雰囲気に変わり、長門達は少し動揺し、美奈は動揺しながら聞くと『長門と名乗る少女』は先程までの申し訳無さそうな表情から堂々とした威厳のある神妙な表情になりながら自己紹介を始めた

 

そう、この少女が……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少女改め『AL長門』「余?余は『四代目重桜連合艦隊旗艦 ()()』である。上城殿の艦娘達よ……以後、お見知り置きを……」

 

重桜(平行世界)の長門』本人だった事に……

 

それを聞いた長門(艦娘)達は………

 

長門以外の艦娘達「………えぇーっ!!!彼方の長門さんは………()()ォ!?」

 

長門「………泣けるな」

 

美奈「と……取り敢えず長門ちゃん達は席座って寛いでいてね……聞いていないわよ、まさか彼方の長門さんが子供だったなんて……」

 

AL長門「う……うむ、皆の者……席に座って待機だ……分かったか?」

 

艦船達「は……はい」

 

……月まで吹き飛ばれたかの様な衝撃的な事実に動揺したのは言うまでもなかった

 

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空像「えぇーっ!?彼方の長門さんって……こんなに()っ子だったのか!?」

 

空牙「……兄さん、素が出ているぞ」

 

大鳳「……これは誰だって素が出ますよ……こんな月までぶっ飛ぶ様な衝撃に……」

 

敦「どうします少尉?」

 

『少尉』と呼ばれた緑色の服を着た少女「それ私に聞かれても困りますよ……どうします籃さん?この雰囲気の中で私達が出たら……」

 

準一「……更に混乱を招くかも知れないぞ」

 

翔一郎「……こんな時に限って……」

 

八雲「……仕方無い、彼方の勇人の所に行ってみるか、彼方なら手伝える所があるかも知れないしな」

 

椛「そうですね」

 

隼鷹「……マジかよ、だから愛宕は、それを『先読み』して我先に舞鶴に行ったのか……私、彼方の()を止めれる自信が無いぞ……」

 

今の舞鶴の状態を察し、勇人が居る『平行世界(アズールレーン)の世界』に仕方無く行ったのは言うまでもなかった……

 

ちなみに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桃色の髪をした和装の女性「勇人ォ!何で私を誘ってくれないのぉぉ!!行きたいのに!!」

 

額に稲妻の様な傷痕がある朗らかな少年「先生、今授業中ですよ……それに先生が行ったら彼方の食料が無くなりますよ」

 

女性「だからって贔屓じゃないの!!狡いわ!!」

 

何処かの平行世界で宴の誘いが来なかった幻想郷出身の女性が嘆いていたのは言うまでもなかった



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第96話「時空を越えた大宴会」

どうも私ですm(_ _)m

今回はシークレットゲストの正体が分かるので皆さんは「あ!?あの少女か……」と分かると思います(*^^*)

ではスタートですm(_ _)m


2000 舞鶴鎮守府内の厨房にて……

 

美奈「………ふぅ、これでよし……後は大将と少尉が『彼方の勇人君達の世界』に料理(コレ)を……未来、これを運んで!」

 

未来「はーい」

 

 

クパァ……

 

 

勇人「とう!ただいま♪」

 

少尉と呼ばれている少女「おっとと……お……お邪魔してます美奈さんに未来さん」

 

未来「キャッ!?ちょっとパパに少尉!!壇〇斗がコンテニューした様な登場しないで!!料理がひっくり返る所だったんだよ!!」

 

勇人「ハハハッ♪悪い悪い」

 

少尉「……本当にすみません」

 

美奈は一通りの宴会料理の調理を終え、右腕で自身の頭を軽く拭き、一息入れると美奈の足元付近に隙間が現れ、隙間から勇人と『少尉と呼ばれている少女(以後 『少尉』)』が壇〇斗が土管から現れたかの様に隙間から勢い良く現れると未来は勢い良く現れた二人に驚き、運搬していた料理をひっくり返そうになり、美奈は隙間による勇人達の登場に慣れたのか微笑みながら聞いた。

 

美奈「お帰りなさい大将に少尉。どうでしたか?」

 

勇人「なぁに、少し『小さなトラブル』が起きたが、ほぼ準備完了だ。」

 

美奈「流石、大将♪仕事が早いです……ん?小さなトラブル?」

 

美奈は勇人の仕事の速さを褒めながらも、勇人が発言した『小さなトラブル』について聞くと勇人の代わりに少尉が苦笑しながら答えた。

 

少尉「……勇人さん所の金剛さんと榛名さんが原因で『彼方の勇人さん』が気絶しちゃったんですよ……」

 

美奈「……何となく察したわ。金剛さん達の挨拶である『バーニングラブ(熱い抱擁)』によって彼方の勇人君がトラウマを再発し……」

 

少尉「……挨拶によるものではありませんが御察しの通りです美奈さん。」

 

未来「まぁ、あの二人は……ねぇ……」

 

勇人「……あの二人には後でキツく言っておく」

 

美奈、勇人、未来そして少尉は金剛達の性格を熟知しているのか金剛達の『バーニングラブ(抱き着け癖)』が仇となって『彼方の勇人』こと『アズールレーンの勇人(以後 『AL勇人』)が気絶した事に頭を抱え、彼を同情しながら頭を抱えると『コンゴウに似た朗らかな雰囲気を醸し出している金髪の女性』と『茶髪のツインテールの女性』が紅茶を片手に持ちながら三人に近付き、微笑みながら言った。

 

金髪の女性「フフッ♪どうやら『普段の彼方の(わたくし)と榛名』は凄く情熱的な艦娘(艦船)の様ね榛名♪博霊さん……じゃなかったわ。上城大将、私達も何か手伝う事ある?」

 

ツインテールの女性改め『AL榛名』「そうですね金剛姉さん。上城さん、微力ながらも手伝いしに来ました。」

 

勇人「ん?彼方の金剛と榛名か……大丈夫だ。全て終わったから……所で初めての舞鶴鎮守府……いや『()の世界』の居心地はどうだ?」

 

勇人は微笑みながら金髪の女性こと『AL金剛』とAL榛名に質問すると二人は笑みを崩さず、相当寛いでいるのか柔らかい口調で勇人の質問に答えた。

 

金髪の女性改め『AL金剛』「まるで我が家(佐世保鎮守府)に居る様な暖かく優しい居心地ですわ♪」

 

AL榛名「そうですね♪私も『他の世界(鎮守府)』で此処まで寛げるなんて思ってもいませんでした。」

 

AL金剛とAL榛名は微笑みながら答えると勇人は「それは良かった」と二人に釣られて微笑むと『青みの掛かった銀髪をした知的な女性』と妹紅そして慧音が近付き、言った。

 

銀髪の女性「やぁ、は………勇人、ひ……久しぶりだな。」

 

慧音「勇人、宴の進展状況は?」

 

勇人「後は『アイツ』が目ぇ覚めるだけだ。それに久しぶり。元気にしてたか?」

 

銀髪の女性「あ……ああ……」

 

妹紅「おいおい慧音、久しぶりに『片思いの人』に逢うからって緊張すんなよ……よぉ勇人、ついさっき振りだな」

 

銀髪の女性は勇人を見て頬を赤く染め、妹紅は銀髪の女性を茶化し、慧音は開封した一升瓶『芋焼酎 黒霧島』を片手にラッパ飲みをしながら言うと勇人は微笑みながら言った。

 

勇人「本当に『ついさっき振り』だな妹紅。後、既婚者である先生を茶化すなよ。」

 

慧音「片思い?一体、何を言っているんだ妹紅さん?」

 

妹紅「違う違う、アンタの事じゃないよ藤原先生。それに勇人も悪乗りするな。幻想郷(私達)の方に言っているんだ。ほら慧音、お前も何か言ったら?」

 

銀髪の女性改めて『上白沢 慧音(以後 『慧音』)「そ……そんな事を言われても……勇人が……ただでさえ昔はヤンチャ系の美男(イケメン)だったのに、今はこんなにも精悍で知的ある美男(イケメン)に成長したなんて……それに妹紅もそうだろ!勇人に惚れている事を!」

 

妹紅「な!?け……慧音!!それを言うなって!!」

 

ワーワー!!

 

ガヤガヤ!

 

美奈「フフッ♪本当にモテモテですね大将♪」

 

勇人「何故そうなるんだ……モテようとした覚えが無ぇのに……」

 

少尉「……素の性格が『天然スケコマシ』ですからね。大将は……」

 

慧音改め『藤原』「……そうだな」

 

AL金剛「スケコマシって……」

 

AL榛名「……上城さんが私達の鎮守府(世界)に着任しなくて本当に良かったわ。でないと()()()()()()()()()()()()()()』が起こるからね。」

 

未来「シュラバラ沖海戦って……アッチの世界でもあるんだね……ソレ……」

 

AL榛名「ええ……」

 

五人は慧音(上白沢の方)と妹紅の痴話喧嘩に呆れ、AL金剛とAL榛名は苦笑しながら呟くと『狐耳を着けた偉そうな少女』もとい『AL長門』が『ある問題』が勃発し、相当切羽詰まった表情で近付き、涙目になり慌てながら聞いた。

 

ちなみに今話から勇人側の慧音こと『藤原 慧音』の表記は『藤原』そして幻想郷側の慧音こと『上白沢 慧音』の表記は『慧音』と表記しますので御理解の程、宜しくお願い致します。

 

AL長門「た……たたた大変だ博霊殿!いい加減『宴』を始めてくれぬか!?幻想郷の住人達と御主の艦娘達そして余以外の艦船達が勝手に盃を始めているのだ!しかも御主の私物らしき酒を銀蝿しておるのだぁぁぁ!!余だけでは収拾が着かぬから助けて欲しいのだぁぁ!」

 

AL長門は『ある問題』である『参加者の一部が勝手に盃を始めた事』を勇人に伝えると、勇人は何時もの「またかよ。泣けるぜ」と呟きながら頭を抱えると美奈は勇人と同じく頭を抱えながらもAL長門が勇人の事を『博霊』と呼んでいた事について触れた。

 

美奈「大将の所は飲兵衛が多いですからね。勝手に飲ませておけば……ん?博霊?長門ちゃん?何故、大将の事を『博霊』と?」

 

美奈はAL長門に優しく質問するとAL長門は美奈の優しさに少し落ち着きを取り戻し「た……多分、此方の指揮官と被らない様に行った偽名だろう……」とAL長門も子供特有の安直な思考による予想を立てながらも美奈と同じく首を傾げながら答えると少尉は何故、AL長門や一部の艦船達が勇人の事を『博霊』と呼んでいた本当の理由を美奈に説明した。

 

少尉「それもありますが『博霊』は大将の『もう1つの本名』いえ『幻想郷での名前』なんですよ。分かり易く言うと歌舞伎役者が本名とは別に役者としての本名を先代達から『襲名された名前』みたいな物ですよ。ちなみに大将の『幻想郷での名前(もう1つの本名)』は『博霊 飛龍』です。」

 

美奈「あ……成程ね。芸能人で言う『芸名』みたいな物ですね」

 

少尉「そうです」

 

AL長門「襲名に幻想郷って……しかし先程の素振りや()()()()()()()()()()()()()()()()()から察するに御主も紫殿と同じく幻想郷から来た客人か?」

 

美奈は少尉の説明に理解し、手をポンと打ちながら答え、AL長門は先程の少尉の説明や少尉の頭上に浮いている雲らしき物を見て少尉に聞くと、少尉は然も当たり前かの様にあっけらかんな表情になりながら答えた。

 

少尉「()()は違いますが、()()は『幻想郷の住人』として参加してます」

 

AL長門「そうだったのか、これは失礼……ん?()()は?それはどういう事だ?」

 

AL長門は少尉の発言に首を傾げながら聞くと少尉は微笑みながら答えた。

 

少尉「私は大将の部下であり、私自身の出身は『幻想郷』なんですよ」

 

AL長門「なぬ!?幻想郷出身の指揮官……いや提督だったのか!?名を何て申すのだ?」

 

AL長門は少尉が幻想郷出身だと知り、少し狼狽えながら聞くと少尉は『艦船と呼ばれている平行世界』こと『アズールレーンの世界』の『とある内約』について聞き返した。

 

少尉「……それって()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?ですが、そんな事をしたら『特別防衛機密』こと『最高機密』に引っ掛かるのでは?」

 

AL長門「うぐっ!?そ……そうだった……余とした事が……先程の問い掛け、忘れてくれぬか?」

 

AL長門は初めての平行世界に内心、心が踊っていたのかアズールレーンの世界での『最高機密(特別防衛機密)』に指定されている『提督(指揮官)の本名』について触れかけていた事に失念し、顔面蒼白になりながら少尉に懇願すると勇人は今にも泣き出しそうなAL長門を見て微笑みながら言った。

 

勇人「長門、それはあくまでも『アッチの世界』に()()()()()()()()()だ。この世界に居る時は『アッチの事情(最高機密)』は()()()だから罰せられる事は無ぇよ。その件に関しては『アッチの三笠達』と『脅迫(御話し)』したから問題無ぇよ」

 

AL金剛 AL榛名「え!?そうだったのですか!?てっきり……」

 

勇人「でなければ『アッチの俺』だけでは無く『俺』まで罰せられるからな。」

 

AL金剛 AL榛名「で……ですよね……」

 

美奈 未来 少尉「『御話し』と言う名の『脅迫』ですね……分かります」

 

AL長門「よ……良かった……重桜の旗艦である余が過ちを犯す所だった……では、再度聞くぞ。御主の名は?勿論、余の世界で使うであろう偽名も教えてくれぬか?」

 

AL長門は勇人の言葉を聞き、安堵しながら少尉の『本名』とアズールレーンの世界で使う『偽名』の2つの名を聞くと少尉は微笑みながら自己紹介を始めた。

 

少尉改め『魂魄 妖夢(以後『妖夢』)』「分かりました。私の偽名は『白楼(はくろう) (みどり)』であり本名は『魂魄(こんぱく) 妖夢(ようむ)』です。役職は『佐世保鎮守府第三前衛基地 基地司令』の『海軍少尉』です。以後、お見知り置きを……」

 

AL長門「なぬ!?御主……いや魂魄殿は博霊殿の部下だったのか……」

 

AL金剛「しかも……子供でありながら……提督に……」

 

AL榛名「嘘でしょ……」

 

AL長門は少尉もとい妖夢の立場を聞き先程の偉そうな雰囲気は何処へ行ったのやら、妖夢に敬意を表すかの様に猛省し、AL金剛とAL榛名は子供である妖夢が提督に就いている事に驚くと勇人は何故、妖夢が提督に就いた経緯を簡潔に説明した。

 

勇人「妖夢は俺が着任してから3ヶ月後に着任したんだ。しかも提督になる為の『研修生期間』を()()()()()()()()()()からメディア等で『日本が産んだ天才少女』やら『海軍の看板娘』と数多く報道されていたからな」

 

妖夢「ちょ!?勇人さん!!止めて下さい!!恥ずかしいです……」

 

AL長門「なぬ!?そうだったのか……」

 

美奈「嘘やろ……こんな純粋そうな子が……」

 

未来「……『現実は小説より奇なり』と言うが、これはブッ飛び過ぎる内容だね。私達も他人の事が言えないが……」

 

AL金剛「そうね……」

 

AL榛名「……ちなみに上城さんが着任した当時の反応は?」

 

美奈達は妖夢が着任するまでの経緯やメディア等で報道された内容を知り、驚愕し、AL榛名は軽い好奇心で勇人が着任した時に報道された内容について聞くと勇人はAL榛名の質問に苦笑しながら答えた。

 

勇人「俺の時は『前任以上の問題児』やら『日本海軍一の狂人』『日本海軍が産んだ地上最低最悪な愚者』『日本海軍の汚点』と叩かれ、更に妖夢が着任した時の報道内容は『可憐な天才少女である魂魄少尉を良からぬ事をする為に着任させた最低野郎』等、メディアにボロカス叩かれたからな。しかも新聞やニュースで一面を飾る程の……」

 

アズレン組「うわぁ……これは酷い……」

 

美奈 未来「あははは……そこまでボロカス言われていたとは……」

 

妖夢「当時の民衆は前任達のせいで勇人さんの事を、あまり良い様に思っていませんでしたからね……」

 

六人は着任した当時の勇人の報道(悪評)を聞き、只々、作り笑いをしていると勇人のスマホにTV電話が入り、勇人は通話相手である『AL勇人』の電話に出た。

 

勇人「よぉ、目ぇ覚ましたか?勇人?」

 

勇人は画面に映っている貧弱に痩せ細った体型以外、勇人に瓜二つの男である『AL勇人』に陽気な口調で聞くと、AL勇人は申し訳無さそうに言った。

 

AL勇人「ああ……僕とした事が……また……」

 

勇人「気にするな。所でアッチの状態は?」

 

勇人は陽気な笑みを溢しながらAL勇人に聞くと、AL勇人もまた陽気な勇人に釣られたのか、リラックスした口調で答えた。

 

AL勇人「うん。此方は東風谷さんや優花ちゃん、そして三笠元帥達のお陰で宴の準備は終わったよ……ただ……」

 

AL勇人は落ち着いた口調で彼方の状況を勇人に報告しようと、スマホのカメラを自身の背後を映すと……

 

 

 

翔一郎「……」←飲み過ぎてダウン

 

敦 隼一 千川「……すまん。お祖父ちゃん(上城)()達では収拾が着かない状態になってしまった……」

 

朱里に瓜二つの艦船『AL三笠』「ほう♪三笠元帥は朱里殿の妹分で東風谷殿は、あの上城殿の……」

 

三笠元帥「そうよ♪しかし角が生えている所以外、お姉ちゃんに瓜二つね♪」

 

早苗「同感ですね三笠元帥。そして私が勇t……じゃなかった。飛龍君の彼女ですよ三笠さん♪」

 

優花「誰が勇t……じゃなかった。飛龍君の彼女だコラ。アンタの場合は『()()()』で、飛龍君の彼女は私だろうが!」

 

コンゴウ「違うぞ優花!この私が艦長の許嫁だ!!」

 

兎耳を着けた艦船『AL飛龍』「三人共、何言っているんだ!博霊さんは僕の旦那様になる人だ!!しかも『牛みたいな体型(太っちょボディー)』をした女が艦娘としての(飛龍)だなんて信じられません!!」

 

飛龍「(デブ)じゃないもん!!ガリガリなアンタとは違って私の方がオッパイが大きいもん!!それに此処の飛龍は私と比べて貧相過ぎる体型だなんて、どうかしているわ!!」

 

AL飛龍「ッ!?何だと!?」

 

兎耳を着けた艦船『AL蒼龍』「ちょっと飛龍!!すみません。妹や仲間が……」

 

蒼龍「……それは此方のセリフよ。相棒達が御迷惑を……」

 

2つの角を生やした少女『伊吹(いぶき) 萃香(すいか)(以後『萃香』)』「良いぞぉ!もっとやれぇぇぇ!!」

 

額に一角の角を生やした女性『星熊(ほしぐま) 勇義(ゆうぎ)(以後『勇義』)』「ハハッ♪良いねぇ♪宴に艦娘と艦船の恋の喧嘩……心が滾るなぁ♪」

 

隼鷹「……此処の愛宕と(隼鷹)がダウンしたから後は宜しく。赤城に大鳳」

 

九尾の尻尾が着いた艦船『AL赤城』「な!?何で私が!?元々は彼方の世界の醜い恋愛模様のせいでこうなったのよ!!私を巻き込ませないで!!」

 

着崩れした花魁風の和装をした艦船『AL大鳳』「そうですわ!!上城様!この大鳳達に助けを!!」

 

優香里に瓜二つの女性『友伽里』「博霊さん!いい加減始めて頂戴!!これじゃ本当に収拾が着かない状態になるわよ!!」

 

ワーワー!!

 

ヒャッハー!!

 

AL勇人「……勝手に宴会を始めちゃって、今まさしく『時空を越えたシュラバラ沖海戦』が勃発しているんだ」

 

AL勇人は今現在の彼方の世界では艦船と艦娘そして一部の幻想郷の住人達による『時空を越えたシュラバラ沖海戦(酒肉竹林なカオスな状態)』になっている事を勇人達に見せると勇人は物凄く重い溜め息を吐きながらAL勇人に言った。

 

勇人「はぁ~……分かった。今から始めるからモニターの電源を入れてくれ。此方も収拾が着かない状態になっているからな」

 

AL勇人「う……うん……それじゃ、また後で……」

 

勇人「おう」

 

W勇人は宴会の最終準備をする為、一旦電話を切り、勇人は会場に設置されている特大モニターの電源を入れ、戦場で培った大声で会場に居る全員に怒鳴った。

 

勇人「………ゴルァァァァ!!今から祝勝会及び歓迎会の挨拶を行うから一旦、飲むのを止めんかぁぁぁぁぁ!!

 

全員「ッ!?」

 

AL加賀「……漸くか。」

 

AL加賀は勇人の一喝に安堵したが偶々、隣に居た陸奥が飲酒による気分の高揚感に身を任せているのか、妖艶で陽気な口調で勇人の一喝を無視し、AL加賀に酒を飲ませた。

 

陸奥「えぇ~……節介、アッチの加賀と呑んでいたのに……ほら加賀、もう一杯♪もう二杯ィ~♪もっと呑んじゃえぇ~♪」

 

AL加賀「んぐ!?ちょ!?止めろ陸奥!?ってかナチュラルに脱がすな!!そして触るな!!」

 

陸奥「あらあら♪アッチの加賀もムッツリとはね♪なら此処で産まれた時の姿に晒してあげるわよ♪」

 

AL加賀「や……止めてくれぇぇぇ!!」

 

AL加賀は泥酔している陸奥のハラスメントに相当困り果て、誰かに助けを出すかの様に大声で叫ぶと勇人はAL加賀の状況を見て、呆れながら長門に言った。

 

勇人「……長門。何とかしろ」

 

長門「了解しました。フン!」

 

ゴン!!

 

陸奥「フニャッ!?」

 

長門は陸奥の暴走を止めるかの様に拳骨を咬まし、AL加賀に申し訳無さそうに言った。

 

長門「すまない。妹が迷惑を……」

 

AL加賀「……全くだ。」

 

長門「……提督に少尉、鎮圧完了です。御挨拶を……」

 

長門は拳骨を食らって気絶している陸奥を放置し、先程の申し訳無さそうな控え目な口調から何時もの凛々しい武人の様な口調で勇人に報告すると勇人は長門の男前な鎮圧方法に苦笑しながらモニターに映っているAL勇人と共に宴会の挨拶を始めた。

 

勇人「漸くか……幻想郷の皆様、陳びに重桜の皆様。今回の祝勝会、陳びに……」

 

AL勇人「僕の着任祝の為に準備して頂いて、ありがとうございます。申し遅れましたが僕は平行世界の勇人です。階級は少尉です。」

 

AL赤城「そして()()()()()()()()()()であり()()()()()()()()()()()()()()()()()()()である『重桜』の赤城と申します。以後、お見知り置きを……」

 

AL勇人とAL赤城は画面越しではあるが参加者全員に自己紹介をし、勇人はAL赤城の発言に物凄く呆れながらもマイクを持ち、挨拶の続きを始めた。

 

勇人「さりげにアイツの正妻ポジションに着きやがった……抜け目ねぇな……まぁ良い、長ったらしい挨拶は性分じゃねぇから、此処までにして……では……」

 

勇人はマイクから持ち変える様に足元に置かれている日本酒を持ち、持った日本酒の封を開け、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人「益々の御発展を願い、そして今回の出会いに感謝して………カンパァァァァァァイ!!!

 

「「「カンパァァァァァァイ!!!」」」

 

勇人の宣言により、3つの世界を巻き込んだ『大宴会』の幕が開いた……




はい、シークレットゲストの正体は姫桜様が執筆している東方と艦これのクロスオーバー系の二次小説『魂魄妖夢がブラック鎮守府に着任しました。』の主人公である『魂魄妖夢』ちゃんでした(~▽~@)♪♪♪

姫桜様は艦これのクロス二次の他にハリポタと東方のクロスオーバー系の二次小説も執筆しており、大変面白いのでオススメです(~▽~@)♪♪♪


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第97話「美奈達を転生させた天使(黒幕)からの伝言そして母鬼の願い」

ワイワイ……

 

ガヤガヤ……

 

デデン!!

 

加賀「~♪」

 

AL加賀「~♪」

 

青葉「ほうほう。彼方の世界は仮初め(カッコカリ)ではなく、本当に結婚……言わば『ガチ婚(カッコガチ)』をするのですね……しかも此方と同じく重婚オッケーとは……何ともまぁ……男の夢(ハーレム)と言いますか……修羅場発展待ったなしな問題ですね」

 

鈴谷に似た女性『AL青葉』「……そうよ。重桜には赤城さんを始め、数多くの『訳有り(ヤンデレ)艦船』が数多くいるから今の指揮官が来るまで、みんな怖がって集まらなかったのよ……『仮初め(カッコカリ)』で留まっている此処(この世界)が羨ましいわ……」

 

射命丸「アヤヤヤ……何ともまぁ……切実過ぎますね……彼方の世界は………」

 

青葉「……心中察します」

 

ワーワー!!

 

勇人が宴会を宣言してから半刻(30分)後、会場はW加賀の歌声(加〇岬)をBGMにし、酒特有の強い刺激臭と酔っ払い達の騒音が会場全域に広まり返っていた。

 

そして厨房でも……

 

勇人「オラオラオラオラァ!!」

 

トトトトト!!

 

ドン!!

 

勇人「未来!これをアッチの俺の所に持っていってくれ!!」

 

未来「了解!!隙間繋げて!!」

 

勇人「おう!」

 

ピューッ!!

 

勇人「港湾!!酒の在庫は?」

 

港湾棲姫「ありません!!」

 

勇人「なら軍艦(フネ)から持ってきてくれ!!隙間繋いでおくから!!」

 

港湾棲姫「分かりました!!」

 

勇人「大鯨ぇ!サラトガ!パンズは出来たか?」

 

大鯨「勿論です提督!」

 

サラトガ「……It's very busy(本当に忙しないわね)……取り敢えず『アメリカンサイズ』に作ってみたんだけど……良かったかしら?」

 

勇人「上々!ならハンバーガー作ってくれ!!今、別のを作ってて手が放せないから具材(トッピング)は任せる!!」

 

大鯨 サラトガ「分かりました(Yes sir)!!」

 

……楽しくドンチャン騒ぎになっている会場とは裏腹に、違う意味で『ドンチャン騒ぎ』もとい『戦場』になっていたのだ。

 

美奈は調理による疲労が来たのか一息入れ、肩を回しながら呟いた。

 

美奈「……ふぅ、大将や妖夢ちゃんみたいな料理自慢の人が参戦しても追い付かないなんて……今回ばかりは骨が折れるわ……」

 

妖夢「……そうですね。良かった、幽々子様が居なくて……」

 

美奈と妖夢は溜め息を吐きながらも調理を再開すると勇人は美奈の疲労を察したのか、厨房に居る全員に言った。

 

勇人「手が空いたら各自、休憩を取れよ。最悪、重桜や幻想郷の連中にもやらせておくから!!特に美奈、お前は手術(改造)してから、あまり日が経っていないから無理すんな。」

 

美奈「……それもそうね。それじゃ間宮に妖夢ちゃん、少し休憩を取るから後は御願いね。」

 

妖夢 間宮「はい、分かりました。」

 

龍飛「若もですよ。貴方は働き過ぎです。此処は私達に任せて食事でも取られては?」

 

大鯨「そうですよ提督」

 

勇人「……んじゃ頼むわ。俺も歌わせろ加賀ァ!!」

 

AL加賀「ちょ!?上城さん!?今、私が……」

 

加賀「……泣けるわね。では大鯨さんが佐世保に着任した歓迎会を兼ねて、もう一曲……」

 

美奈は勇人の気遣いに甘えるかの様に肩を回しながら間宮と妖夢に任せ、休憩する為に食堂のテラスに、勇人は龍飛と大鯨の気遣いに甘え、W加賀が居るステージに向かい、W加賀と共に歌った。

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後 食堂の野外テラスにて……

 

美奈「ふぅ……艦娘の身体で良かったわ……前世(まえ)の身体だと過労死していたわ……ん?」

 

美奈は前世の身体……言わば『生身の人間』では無くて本当に良かったのか、少し疲労困憊になりながら紅茶を飲んで一息入れると自身の足元に突如『ピク〇ンを彷彿させる様な白色の人型の小動物』を発見し、微笑みながら言った。

 

小動物「うぇい……」

 

美奈「あら?『うぇい』じゃないの……一体、何処に行ってたの?」

 

美奈は『ピクミ〇に似た白い小動物』もとい『美奈のペット』こと『うぇい』を見て心配そうに言うと、うぇいは美奈に心配させてしまった罪悪感なのか、申し訳無さそうに小さく礼をし、美奈に説明した。

 

ただ………

 

 

小動物改め『うぇい』「うぇ……うぇうぇうぇい……うぇーい」

 

美奈「…………ごめん、何言っているか分からんわ」

 

うぇい「うぇ~い……うぇ!ウェーイ!!」

 

ピカッ!

 

美奈「ッ!?ま……眩しい……」

 

人の言葉が話す事が出来なかったのだ。

 

美奈は自身のペットである『うぇい』の言葉が分からず、申し訳無さそうに言うと、うぇいは思考を巡らしているかの様に首を傾げながら考え、何か思い付いたのか、いきなり雄叫びを上げ、一瞬、身体を光らせると美奈は、うぇいが放った光に驚き、光を直視しない様に目を瞑ると、うぇいの声に似た白い翼を着けた蒼髪の少年が美奈に優しく言った。

 

うぇいの声に似た少年「ふぅ……漸く『本来の身体』に戻れた……目を開けても大丈夫だよ美奈さん」

 

美奈「ウウッ……ッ!?ま……まさか……『うぇい』?」

 

美奈は足元に居た筈の『うぇい』が居らず、代わりに天使を彷彿させる様な白い翼を着けた少年が居た事に驚愕しながら聞くと、少年は微笑みながら言った。

 

少年改め『うぇい』「そうだよ♪これが僕の本来の姿さ。この姿では『お久しぶり』だね美奈さん」

 

美奈「嘘やろ……うぇいの正体が……()()()()()()()()()()()使()だったの!?」

 

美奈は少年の正体が『うぇい』だと言う事に吃驚し、狼狽えると『うぇい』は「そうだよ。ビックリさせてゴメンね」と謝罪しながらも言った。

 

うぇい「所で美奈さん、今幸せ?前世の前夫やら未来ちゃんが来たんだけど……」

 

美奈「……フフッ♪見たら分かるやろ?今、メッチャ幸せや♪それに君が私達『家族』を転生させた御蔭で私と未来、謙一そして大将……いや謙一の片割れである勇人君は、()()()()……いや『艦隊これくしょん』と『東方プロジェクト』そして『色んなゲームやアニメの世界』が()()()()()()()()()として命を与えたんやろ?それに()()()()()……『勇人君』を作ったの……君でしょ?」

 

美奈は自身を含め『美奈の家族』を転生させた張本人である『うぇい』の不安を一掃するかの様に微笑みながら答えると、うぇいは美奈の発言に少し驚きながら言った。

 

うぇい「ッ!?何故、この世界を……それに……そこまで……」

 

美奈「前世の最後に結婚した人との間に出来た子供が、そのゲームにハマっていたからね……思い出すのに時間が掛かったわ……後、最後は母親の感よ」

 

美奈は「精神的に歳を取りたくは無かったな……」と少し自虐染みた台詞を呟くと隙間から紫が現れ、先程の会話を聞いていたのか物凄く呆れながら言った。

 

紫「……やっぱり、貴方が美奈さん達を転生させ、勇人の魂を作った張本人だったわけね……そうでしょ『うぇい』……いいえ『天使兵 ラファエル』」

 

うぇい改め『ラファエル』「ゲ!?隙間b……紫様!?いつ戻られたのですか!?」

 

紫「ずっと此処に居たわよ……それに、さっき『()()()()()』って言わなかった?糞餓鬼?」

 

紫は『うぇい』こと『天使兵 ラファエル(以後 ラファエル)』を睨み付けるとラファエルは子犬の様に怯えながら「そ……そんな大それた事は言いませんよ紫様!!」と声を震わせながら否定すると美奈は少し苛ついている紫を嗜めながら言った。

 

美奈「まぁまぁ紫ちゃん。うぇい……じゃなかった、ラファエル君も悪気があって言ったんじゃ無いから許してあげてね……」

 

紫「……まぁ良いわ。貴方の口の悪さは今に始まった事じゃないからね。んで、何しに来たの?宴に参加したいのなら勇人に伝えるが?」

 

紫はラファエルが来た理由を憶測で聞くと、ラファエルは微笑みながら答えた。

 

ラファエル「勿論、参加しますが……その前に僕は美奈さんとハヤト様そして紫様に『ある人』から()()を預かっています」

 

美奈「私と大将そして紫ちゃんに?誰から?」

 

美奈はラファエルの発言に首を傾げながら聞くと、ラファエルは微笑みながら『ある人』に頼まれた伝言を伝えた。

 

ラファエル「……紫様とハヤト様は『アズールレーンの世界の紫様』から、そして美奈さんは『前世の最後の家族』から伝言と写真を預かっているよ」

 

美奈「え!?写真!?」

 

紫「やっぱりね……まぁアッチの私からの伝言は私と勇人に対しての苦情って事かしら?」

 

美奈は顔を強ばり、紫は苦笑しながらラファエルに聞くとラファエルは紫の予想が当たっているのか苦笑しながら答えた。

 

ラファエル「……大正解です紫様。彼方の紫様からの伝言は『彼方の厄介事を此方に持って来ないで二人共!!只でさえ結界が不安定なのに崩壊したらどうするの!折角、正月は寝正月で過ごそうと思ったのに!』……とキレながら言ってました。そして美奈さん、貴女への伝言は……」

 

ラファエルは苦笑しながら紫と勇人への伝言を伝え、そして一呼吸を置き、美奈への伝言を伝えた。

 

その伝言内容と写真とは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラファエル「……『家族全員、元気に過ごしています。そして美奈の家族として、この世界の幸せを掴める様、切に願います。』……と『現在の家族写真』と共に渡されたんだ。だから舞鶴に居なかったんだ」

 

美奈「そうなんかぁ……ありがとう、ラファエル君………ッ!?」

 

……美奈の家族の安否と今、現在の家族写真だったのだ。

 

ラファエルは微笑みながら美奈に写真を渡すと美奈は写真を見て口を手で隠し、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美奈「……グズッ……ウウウ……」

 

紫「ッ!?………成程ね。これは母親として吉報ね……ねぇラファエル?」

 

ラファエル「そうですね♪何せ……」

 

……膝を着き、号泣し出したのだ。

 

紫は泣き崩れた美奈を見て一瞬、動揺したが写真を見て美奈の……いや母親としての心情を察したのか微笑みながらラファエルに言うと、ラファエルは微笑みながら美奈が号泣した理由を答えた。

 

何故なら……

 

 

ラファエル「……写真に美奈さんの孫娘である『奈美(なみ)』ちゃんが()()()()()()()()()()()()で写っているからね♪母親として喜ばしい事だよ……ん?どうやら此処でも家族が集合したらしいね」

 

……勇人と同世代の若い夫婦もとい美奈の息子夫婦が自身の孫娘を抱き抱え、美奈に幸福感を与えるか様な満面な笑みを溢した状態で写されており、写真には『母さん、この赤ん坊は貴女の孫娘の奈美です』と一言書かれていたのだ。

 

美奈は自身の息子が結婚そして子供(孫娘)が出来た事に感極まり、泣き崩れていると偶々、煙草を吸いにテラスに来たであろう謙一が煙草を咥えながら、未来と美咲そして千川は夜風に当たりたいのかココアを飲みながら現れ、微笑みながら言った。

 

謙一「……この様子やと美奈に孫が出来たんやな?」

 

千川「ほほぅ……この人が間宮の前世の家族か……」

 

未来「へぇ……この人が私の父親違いの弟なんだ♪やっぱり母さんに似ているね♪」

 

美咲「はわわわ!?も……物凄く可愛いです」

 

美奈「ッ!?み……みんな!?どうして此処に!?」

 

美奈は慌てて涙を拭き、狼狽えながら四人に聞くと四人を代表として千川が微笑みながら答えた。

 

千川「何、みんな宴会でハシャギ過ぎたから休憩しに来たんだ……まぁ、上城(アイツ)はカラオケ終わった後、すぐに佐世保の艦娘達を巻き込んで神様や妖怪、更には艦船達の飲兵衛達と飲み比べをしているけど……」

 

未来「……あそこまで『蟒蛇(うわばみ)』だと娘として正直、引くわぁ……見てみる?」

 

美奈「……ごくッ……」

 

美奈は若干、顔を引き釣っている未来を見て生唾を飲み、恐る恐る会場を覗き見をすると、其処には……

 

 

 

 

 

う~ん……もう……らめぇ……

 

ぎ……ギブアップ……

 

 

 

 

その場に居た艦娘、艦船そして幻想郷の住人達は飲み比べによって深酒による阿鼻叫喚に悲痛を訴え、死者の如く地面に這いつくばる等、正しく地獄絵図と化していた。

 

そして、その『飲み比べに勝利した王者』否『地獄絵図にした元凶』が……

 

 

 

勇人「ゴクッ……ゴクッ……プファ!みんな、だらしねぇなぁ……ホラ、もっと飲めよ神奈子に瑞鶴よぉ……ってか大鯨、柏木(アイツ)龍鳳(同艦)とは違い、()()()()()だったのは予想外だったな」

 

大鯨「そうですか?まだまだ行けますよ♪ささっ!もう一杯どうですか?」

 

勇人「『一杯』じゃなくて『一本』持ってきてくれ♪ほら飲めよ二人共♪今日は俺のオゴリだ♪」

 

大鯨「分かりました♪すみませんアッチの伊勢さん『ピンドン』を一本持ってきて下さい♪」

 

白い道着を着た茶髪の艦船『AL伊勢』「ピンドンって……水茶屋(キャバクラ)と勘違いしてねぇか上城さんに大鯨?それに私は給仕(ボーイ)じゃねぇ!」

 

大鯨「フフ♪冗談ですよ♪伊勢さんもお代わりしますか?」

 

勇人「まぁ無理強いはしねぇよ♪」

 

AL伊勢「おう!!頼むわ!」

 

勇人「はいよ♪」

 

……『死屍累々な風景(酔い潰れた参加者達)』を見下すかの様にステージの上で胡座を掻き、一升瓶片手に豪快にラッパ飲みをする勇人と酒を上品にコップに淹れ、キャバ嬢みたいに勇人に抱き着きながら、お茶を飲む様に酒を飲んでいる大鯨そしてピンドンをラッパ飲みをし陽気に微笑んでいるAL伊勢が居たのだ。

 

勇人は微笑みながら紫色の短髪の女性こと『八坂 神奈子』と茶髪のポニーテールの艦船『AL瑞鶴』に酒を勧めると神奈子とAL瑞鶴は深酒による顔面蒼白になりながら勇人に言った。

 

紫色の短髪の女性『八坂 神奈子(以後 神奈子)』「む……無理だ……ウップ……」

 

茶髪の女性『AL瑞鶴』「無理よ……アンタ達……どんだけザルなのよ……『酒の神 バッカス』の生まれ変わりじゃないの……」

 

勇人「無理なら仕方ないな……後、最後は誉めているのか?貶しているのか?」

 

AL瑞鶴「……後者の方よ。それ位、分かって頂戴」

 

AL瑞鶴と神奈子は吐きそうなのか、口を抑えながら勇人に悪態を吐くと『とある酒』を持っている瑞鶴が満面の笑みを溢しながらAL瑞鶴のコップに『とある酒』を注いだ。

 

瑞鶴「それに関しては同感よ♪はい♪」

 

トクトクトク……

 

AL瑞鶴「おっとと、ありがとう……ッ!?酒臭っ!?アッチの私!?コップに何淹れたのよ!?絶対、水じゃないよね!?」

 

AL瑞鶴は瑞鶴が持っている『とある酒』を『水』と勘違いしていたのか、コップに口を運ぼうとした途端、酒特有のアルコール臭を感じ取り、血相を変えながら瑞鶴に聞くと、瑞鶴は悪意丸出しの満面な笑みを溢しながら『とある酒』の正体を答えた。

 

瑞鶴「え?『スピリタス』だけど?」

 

AL瑞鶴「それストレートで飲んじゃ駄目なヤツじゃん!アンタ、私を殺すつもり!?」

 

大鯨「スピリタス!?流石にソレは駄目ですよ!?彼方の瑞鶴さんに恨みがあるのですか!?」

 

勇人「スピリタスは止めておけ瑞鶴!アレはアルコール度数が『96%』とクソ高い酒なんだぞ!今すぐ仕舞え!アッチの瑞鶴を殺す気か!!」

 

AL瑞鶴は瑞鶴が注いだ『とある酒』の正体が通称『飲めるエタノール』と比喩される程アルコール度数が最も高い酒『スピリタス』だと知り、少し怯えながらも余程、スピリタスを飲みたくないのか大鯨と勇人と共に強い口調で怒鳴ると瑞鶴はドス黒いオーラを放しながら悪意丸出しの笑みを溢しながら答えた。

 

瑞鶴「それは無いよ。それにアンタが私とは逆に()()()()()()()()()で妬むつもりで淹れた訳じゃないから安心して♪」

 

AL瑞鶴「いやいやいや!?明らかに私怨だよねアッチの私!?翔鶴姉ぇ!酔い潰れてないで助けt……」

 

瑞鶴「良いから飲みなさいよ!!この『デカパイ空母』!!」

 

瑞鶴は個人的な私怨でAL瑞鶴の口にスピリタスを強引に流し込むとAL瑞鶴は抵抗するかの様に、もがき続けたが……

 

AL瑞鶴「んー!!んー!ゴクッ!……きゅぅ~……」

 

バタン!!

 

勇人「ッ!?瑞鶴!?隙間解放!伊勢!今すぐゴミ袋を持ってきてくれ!!今から胃の中に残っているスピリタスを摘出する!!」

 

AL伊勢「ッ!?分かった!!」

 

神奈子 大鯨「……少し、やり過ぎなんじゃ……」

 

瑞鶴「……安心して。100倍に薄めたヤツだから……それに今、提督さんが隙間を介してアイツの胃の中に残っている酒を全て摘出しているから急性アルコール中毒には、ならない筈よ♪」

 

神奈子「……なら問題無いな」

 

大鯨「……大丈夫かなぁ……」

 

勇人「大丈夫じゃねぇし大問題だ!!大鯨!!スポドリを持って来い!!」

 

……呼吸困難に陥り、そのまま100倍に薄めたスピリタスを飲んでしまい、気絶したのだ。

 

美奈達は、それを見て頭を抱えながら呟いた。

 

謙一 未来「……カオスや」

 

美奈「……カオスやね」

 

紫 千川「逃げて良かった」

 

ラファエル「……天界に帰って良いかな?」

 

美咲「気持ちは分かりますが駄目です」

 

美奈達は呆れながら呟くと厨房に居た妖夢とサラトガが慌てながらテラスに入り、美奈達に助けを出した。

 

サラトガ「間宮さん!!早く戻って!!料理が追い付かないの!!」

 

妖夢「それに全ての食材が無くなりそうです!!紫様!!至急、食材を確保しに行って下さい!!お金は勇人さんの『白金色のカード(クレジットカード)』で支払って下さい!!」

 

美奈「え!?嘘やろ!?分かったわ!紫ちゃん!至急、食材を調達してきて!」

 

紫「……仕方ないわね。妖夢、勇人のカードを貸して……ついでに新しい煙管を新調しよう

 

美奈は慌てながら紫に指示を出しながらサラトガと妖夢と共に厨房に戻り、紫は妖夢から勇人のクレジットカードを受け取り、隙間を介してスーパーに向かうと残った五人は勇人が持っていたクレジットカードについて会話を始めた。

 

千川「……魂魄君が持っていた上城のクレジットカードって……確か()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……だよね?」

 

ラファエル 美咲「……多分」

 

未来「……今度お父さんとパパそして『千川さん』に奢って貰おうかなぁ……私、産まれて直ぐに死んじゃったから()()()()()()()()()()()()()()()……」

 

謙一「ッ!?それは財力的な意味で……ホンマ堪忍してくれ……未来」

 

千川「流石に僕達の財力では……ん!?み……未来!?今、僕の事を……『名前』で……しかも『父親』と……」

 

千川は未来が発した言葉に耳を疑ったのか少し動揺しながら聞くと、未来は恥ずかしそうに顰めっ面になりながら答えた。

 

未来「……今回の事でパパや紫さん達だけではなくアンタにも助けて貰ったから()()()()()()だよ……それに、まだ私は、お父さんとパパ以外の男を父親と認めていないから勘違いしないで」

 

千川「ハハッ……手厳しいな」

 

謙一「ハハハハ♪まるで付き合っていた当時の美奈を思い出すな♪まぁ頑張れよ少佐♪未来は美奈に似て頑固者やからな♪さて!ワシ達も参加しますか?」

 

未来 美咲「……勿論」

 

ラファエル「……それじゃ、お邪魔しまーす」

 

未来は顰めっ面になりながら千川に伝え、謙一は付き合ってた当時の美奈を思い出し、微笑みながら千川にエールを送りながら会場に戻ると千川は美奈が残した紅茶を飲みながら呟いた。

 

千川「……やっぱり上城(アイツ)は凄いよ。『美奈達の問題』だけではなく『アッチの問題』まで解決するとは……まるで『某魔王(常〇ソウゴ)』いや『レッドマ〇』みたいな男だな。さて、僕も行きますか」

 

千川は勇人を某特撮のヒーローに喩えながら評価し、飲み干したコップを持ちながら会場に足を運び、勇人と共に酒を交わした。

 

その後、千川は自身を含め癖の強い舞鶴鎮守府の仲間達を常日頃から面倒を見てくれた美奈に感謝し、『美奈達の問題』や『平行世界の勇人達』を救った勇人を褒め称え、御祭り騒ぎをしている宴を更に盛り上げるかの様に陽気に、そして自身の感謝を行動で示すかの様に自ら進んで勇人達と飲み明かした。

 

だが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美咲 未来 ラファエル「……うん。分かっていた」

 

謙一「む……無理や……大鯨さんや彼方の伊勢さんは兎も角、やっぱコイツは……予想以上に蟒蛇だ……だが娘の前で醜態を曝す訳には……」

 

千川「そうだな……クッ……吐き気が……か……上城、お……お代わりを……」

 

勇人「……娘達の前だからって無理すんな二人共!只でさえテメェラは下戸なのに……」

 

大鯨「そうですよ。少佐達は酒弱いのですから無理を為さらない方が良いですよ。ねぇ彼方の伊勢さん」

 

AL伊勢「そうだそうだ!下戸は黙って水飲んどけ!」

 

美奈「いやいやいや!!ただ単にアンタらが強過ぎるだけやろ!それに飲み過ぎや!妖夢ちゃん!三人のお酒を没収して!これ以上、三人に飲ませたらアカン!」

 

妖夢「同感です!!これは没収です三人共!!」

 

勇人 大鯨 AL伊勢「えぇ~……まだまだ行けるのに……返してぇ~」

 

美奈 妖夢「駄目ったら駄目です!!これ以上、被害が増えるのは嫌ですから!特に大将(勇人さん)!貴方の暴飲暴食が原因で軽度の食糧難に陥っているのですよ!少しは控えて下さい!!」

 

大鯨 AL伊勢「そんなぁ~……」

 

勇人「……泣けるぜ」

 

……勇人と大鯨そしてAL伊勢の飲む量とスピードに着いてこれず、すぐに根を上げたのは言うまでも無かった。

 

 

そして数日後 舞鶴鎮守府正門前にて……

 

一馬「柊に千川、龍崎そして美奈、世話になったな」

 

朱里「また遊びに来るわよ美奈さん」

 

上城一家を代表として上城夫妻は微笑みながら言うと柊、龍崎、千川そして美奈もまた悪態を吐き、微笑みながら答えた。

 

柊「また遊びに来てください♪まぁ厄介事は勘弁願いたいのですが……」

 

千川「そうですね」

 

龍崎「ハッハッハ♪そりゃ言えてるな♪」

 

美奈「それは大将の悪運次第ですね♪」

 

勇人「俺次第かよ!?まぁ迷惑掛けてしまったのは否めないが……」

 

勇人は四人の悪態に乗り、ツッコミを入れると未来は勇人達との別れに名残惜しいのか俯いた表情になりながら言った。

 

未来「……また会えるよねパパ?優花さん?」

 

未来は名残惜しそうに悲しい表情になりながら言うと勇人と優花は微笑みながら未来を優しく頭を撫でながら答えた。

 

勇人「勿論だ。これが永遠の別れじゃねぇからな。たまには皆を連れて佐世保(ウチ)に遊びに来いよ♪勿論『今の姿』でな♪歓迎するぞ♪」

 

優花「そうよ♪それに未来ちゃんは私の『命の恩人』であり、私の可愛い『妹分』なのよ♪その恩人を拒むなんて私の信念(ポリシー)に反するわ♪」

 

勇人「妹分って、お前なぁ……」

 

未来「ッ!?パパに優花さん……ううん『優花姉ぇ』、本当にありがとう♪それにパパが私達『和平派』の為に艦娘(秋月)深海棲艦(防空棲姫)の両方になれる様に改造してくれたんだもん♪娘として嬉しい限りだよ♪後、遊びに来たらパパと優花姉ぇのクレジットカードで何か奢ってね♪」

 

美奈「コラ未来!すみません大将に大尉、娘が……」

 

美奈は未来の我儘に一喝をし、二人に謝罪すると二人は陽気に微笑みながら答えた。

 

勇人「何、気にするな。前世とは言え()()()()()()()であり()()()()()()でもあるからな……遊びに来たら何か奢ってやるよ♪勿論、美咲もな♪」

 

優花「盛大に歓迎するよ♪キャビアやフォアグラ、勇人君が隠しているウィスキー『山崎55年』等の最高級の酒や食材で持て成すよ♪勿論、全て勇人君持ちだけどね♪」

 

上城夫妻「ほほぅ……あの『300万以上する高級ウィスキー』を……ねぇ……」

 

勇人「ああ……って!?何で俺の隠し酒を優花(お前)が知っているんだ!?隼鷹達に見つからない様に()()()()()()()()()()に隠していたのに……あ!?しまった!?」

 

上城夫妻「……ボンネット、オープン。おぉ~……これが山崎55年かぁ♪勇人、これは()達が押収する♪」

 

勇人「ちょ!?止めてくれ!!まだ一口も飲んでねぇんだぞ!!」

 

上城夫妻「お前にコレは早すぎる!!」

 

勇次「狡いぞ兄貴!!俺にもくれや!!」

 

沙耶 深海女帝 一航戦「え!?山崎55年!?私達にも頂戴!!」

 

勇人「だから、これは俺の秘蔵の酒だから、あげねぇって!!」

 

蘭「だからって『山崎55年(ソレ)』を10本以上、買い占めるのは、やり過ぎな気がするが……ってか全部飲む気か?流石に身体壊すぞ……だから兄さんの身体を労り、私も1つ貰おうか?」

 

勇人「駄目に決まっているやろ!!」

 

ワーワー!!

 

優花「アハハハ……所で本当に良かったのですか?『美奈さん達の戸籍』の件で……」

 

勇人は自身の酒を車に隠し持っていた事を優花にバレて相当焦ったのか、つい『隠している場所』まで自白していまい、最高級のウィスキーを奪おうとする上城一家を止めていると優花は一家の欲望が渦巻いている醜い取り合いに苦笑しながら『美奈達の戸籍』の件について聞くと美奈は少し不満そうに俯きながら答えた。

 

美奈「……本当は未来にも『戸籍』を与えたかったのですが……」

 

未来「私が()()()()()。確かに私が『人間としての戸籍』を手に入れたら生活していく上で何一つ不自由の無い生活を送れるんだけど……そうしたら……パパが……」

 

優花「……成程、未来ちゃんは仮にも『深海棲艦(人類の敵)』だから、戸籍を作ったら戸籍作成の代理人である勇人君が『外患誘致罪』として処罰されるから戸籍の件を()()()……という訳ね?」

 

優花は微笑みながら俯いている未来に言うと、未来は「うん……」と小さく頷くと優花は笑みを崩さず、優しく言った。

 

優花「……なら、さっさと未来ちゃん達みたいな和平派の人達が安心して日常を過ごせる様に私達が()()()()()()()()()()()()()()()()()……じゃなかった、()()()()()()()()()()()♪ねぇ勇人君?」

 

優花は微笑みながら上城一家の防衛戦に勤しんでいる勇人に言うと勇人は微笑みながら「おう!」と短く答えると、優花は美奈と龍崎に『もう1つの質問』があるのか少し不安そうに聞いた。

 

その『質問』とは……

 

優花「ねぇ美奈さん。最後に1つ……貴女は前世の夫である龍崎さんと勇人君……二人の内どちらかと再び()()()()()()()()()()()?」

 

美奈 龍崎「……へ?ウチ(ワシ)大将(美奈)と?」

 

優花「……はい」

 

……宴会前に千川が龍崎に聞いた質問である『二人の内どちらかが美奈と寄りを戻す事』だったのだ。

 

二人は優花の質問に美奈は優花の質問に呆気を取られ目が点になり、龍崎は千川の質問の出来事を思い出し、失笑すると美奈、龍崎そして千川は優花の不安を取り除くかの様に微笑みながら答えた。

 

千川「美奈については分からないが龍崎君は既婚者だから寄りを戻す事は、まず無いよ桜花君。」

 

龍崎「そうや。せやからワシらの事は心配せんでええから思いっきりアタックすればエエ♪」

 

美奈「そうよ優花ちゃん。それに大将……勇人君は未来が、もし流産せずに生きていたら()()()()になっているからね♪ちなみに私は彼を『異性(おとこ)』ではなく『物凄く手の掛かる不良息子』として接しているから、それは無いわ♪それに仮に彼を異性(おとこ)として接しても……」

 

優花「接しても?」

 

千川「……」

 

美奈は苦笑が混じった笑みを溢しながら優花と美奈の発言に安堵した千川と共にハイエースに荷物を乗せている間宮、伊良湖、AL飛龍、霊夢そして早苗を目線をやると……

 

間宮 伊良湖 AL飛龍「……私の旦那に手を出したら分かるよね?美奈さん?」

 

霊夢「……取ったら潰すわよ。特に優花」

 

早苗「……貴女だけは負けたくないです優花さん」

 

優花「アァ?それ、どういう意味よ『Wイメク〇巫女』」

 

霊夢「アァ?何だって?」

 

早苗「誰が『Wイメ〇ラ巫女』ですか?」

 

バチバチバチ……

 

美奈「……優花ちゃんやコンゴウさんを初め、艦娘や艦船、神様そして妖怪達が乱戦している第三次世界大戦(シュラバヤ沖海戦)に参戦する程、肝が据わっていないわよ。それに三人共、喧嘩なら佐世保か幻想郷でやってね?」

 

優花 霊夢 早苗「チッ……はい」

 

千川 龍崎 柊「で……デスヨネー……」

 

未来「いやいやいや、そう言いながらナチュラルに優花姉ぇ達を止めれる時点で充分肝が据わっているよ!お母さん!」

 

……先程の会話を聞いていたのか、深海棲艦でもさえ怖じ気づく程の『ドス黒い禍々しい殺気』を美奈達に放している5人が居たのだ。

 

美奈は霊夢、優花、早苗のいがみ合いを一喝しつつも自身が勇人か龍崎のどちらかと寄りを戻すつもりは無い事を優花と千川に伝えると千川は胸を撫で下ろしながら優花に言った。

 

千川「……と言う訳だから大丈夫だよ。安心して上城(アイツ)を口説き落としてくれ……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()………」

 

優花「あ~……()()()()()でしたか……『応援』してますよ少佐」

 

千川「ありがとう優花君」

 

美奈「ん?最後は聞き取れ無かったが……大将そろそろ出発した方が良いのでは?」

 

龍崎「少佐が何言ったが分からんが今の時期『Uターンラッシュ』になっているから混み始める前に出た方がエエぞ大将」

 

美奈と龍崎は千川の小言が聞こえなかったのか、首を傾げつつも混雑を避ける為に上城一家に忠告を出すと勇人は秘蔵の酒(山崎55年)を一馬達に殆ど取られ意気消沈しつつ答えた。

 

勇人「……おう。そうするわ……折角の酒が残り一本に……泣けるぜ……」

 

妖夢「……『身から出た錆』とは言え心中、御察します勇人さん」

 

勇人「……そう言ってくれるのは妖夢だけや……んじゃ!そろそろ出るぞ!妖夢、シートベルトは着けたか?刀はハイエースに置いてきたか?トイレは済ませたか?半霊と酔い止め薬を忘れるなよ?」

 

勇人は少し落ち込みながらも妖夢を茶化しながら確認すると妖夢は「分かっていますよ!!子供扱いしないで下さい!!」と勇人に子供扱いされ少し御立腹に答えると美奈と未来は二人の会話(やり取り)に微笑ましく感じながら勇人に言った。

 

未来「アハハハ……心配性だな……」

 

美奈「……こうして見ると大将は妖夢ちゃんの『オトン(父親)』に見えてしまうわね……まぁ良いわ。大将、先程宣言した通り『貴方自身のやり方』で早く()()()()()()()()()()()()()()()()()()。これは私達からの『願い』であり『約束』でもありますから必ず守って下さいね♪」

 

未来「約束してねパパ♪」

 

美咲「だけど無茶はしないで欲しいのです……」

 

龍崎「……同感やな。大将はワシと違い、義理人情を重んじる余り結構無茶するタイプやからな……」

 

千川「全くだ」

 

柊「……柏木大将に宜しく言って下さいね上城大将」

 

美奈、未来そして柊は微笑みながら、美咲と龍崎そして千川は俯きながら勇人と約束すると勇人は微笑みながら軽く鼻で笑い、車のエンジンを起動させながら答えた。

 

勇人「フッ、当たり前だ。俺を誰だと思っているんや……んじゃ、世話になったな!みんな!」

 

佐世保組「お世話になりました!」

 

勇人達は美奈達に感謝の意を伝えると改造車特有のカン高い排気音を『ある願い』を乗せるかの様に強く鳴り響かせ、舞鶴鎮守府を後にした。

 

まるで美奈達の幸せを願うかの様に……

 

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドイツのとある郊外にて……

 

 

 

 

柏木「ちっ……油断したな……この俺が撃たれるなんて……」

 

 

 

 

 

医者としての腕を試される試練(トラブル)と……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異世界の古びた教会にて……

 

 

 

 

銀髪の天使「クソッ!この私が……」

 

 

 

 

勇人の精神力を試される試練(トラブル)が同時に降りかかろうとは……

 

 

 

第5章「龍の恩返し」 完




や……やっと舞鶴編が終わった……

そしてラムネ様、スミマセンでした!彼方で好き勝手行ってしまって……

次回からは台詞形式から普通の形式に変わるので、御理解の程、宜しくお願い致します。

それと次の章から、ある程度ですが物語が進んだら『18禁の方』と同時進行で行いますので宜しくお願い致します。



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第6章「佐世保の多忙な日常」
第98話「激務(面倒事)の始まり……」


ども私ですm(_ _)m

今話から台本形式では無く普通の小説形式で執筆して行く事になりました(*^^*)

たまにゲストとして桜姫様の妖夢ちゃんが出ますので宜しくお願いしますm(_ _)m

後、私自身のスマホが原因不明の不具合が起き、これ以上執筆すると読み込めなくなってしまう事態に陥った為、今回は短めになっていますので物足りない気持ちも分かりますが御理解の程、宜しくお願い致します。


話は遡り『舞鶴大異変』発生の2ヶ月前 警察本庁 会議室にて……

 

「……(あて)が『例の鎮守府』に……ですか?」

 

静寂感のある寂しい会議室の中、少し訛りが入った中性的な若い婦警が上司である『警視監の階級証を着けた壮年の男性』から受け取った『命令書』そして『彼女の名が記載されている退職届』を閲覧しながら聞くと、男は『例の鎮守府』いや『その鎮守府に居る軍人』に対して強い怒りを露にするかの様にドスの効いた重い声を発しながら答えた。

 

「ああ。『忠実(まめ)』には建前上ではあるが警察官を退職し『一般入隊希望者』として『例の鎮守府』に着任して欲しいんだ」

 

「……大体、察しました。『あの事件(蒼霧事変)』で(あて)に『警察の面目』をドン底まで叩き落とした『あの男の悪事に関する証拠』を見付け、逮捕する為に……潜入任務(モグラ)を?」

 

若い婦警こと『大岡(おおおか) 忠実(まめ)』は自身の父であり警視総監『大岡(おおおか) 忠信(たたのぶ)』の真意である『とある鎮守府に所属している男を逮捕する事』を察し、『スクリーンに映された男』に積年の恨みをぶつけるかの様に強く、重い声を発しながら聞くと忠実は忠信の予想が当たっているのか顔を顰めながらもパソコンを操作し、パソコンの動画を投影機に介し、『その男が写った動画』をスクリーンに投影しながら忠実に言った。

 

その動画には……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そうだ。我々『警察の面目』をドン底に叩き落とし、更には軍の任務とは言え『街中での暴走行為』『公務執行妨害』等、自身が犯した数々の犯罪を有りとあらゆる手を使って証拠を抹殺した忌々しい『この男』に『正義の鉄槌』を下す為だ!!」

 

……佐世保市内のスーパーの防犯カメラで撮影されたであろう『その男』の姿は『背中に某Vチューバー(キズナ〇イ)の絵と某Vチューバー(キズナア〇)の口癖である"ファッキュ~"と白く可愛らしい文字が入った桃色の痛ダサT』に『ブカブカの黒のスウェット生地の長ズボン』そして『黒色のクロックス』を着用し、緩い表情になりながら大量の酒と摘まみを篭に入れ、上機嫌に鼻歌を歌いながら買い物している『趣味(ヲタ感)丸出しの若いダメ男』が映っていたのだ。

 

そう、その『趣味(ヲタ感)丸出しの若いダメ男』こそ…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「~♪……お!?『King Oscar』とガンダ〇のコラボ商品『オイルシャアディン』じゃねぇか!これペペロンチーノに加えると三倍増しに旨くなるんだよなぁ……よし!明日の晩飯はコレを使ったペペロンチーノにするか♪ならワインは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……『本作の()()()(←ここ重要)』であり二人が目の敵にしている男『上城勇人』の姿だった。

 

忠実はスクリーンに映っている勇人の服装(部屋着)と表情そして覇気の無い緩い台詞(独り言)が自身に喧嘩を売っている様な挑発的な姿に見え、怒りが込み上がったかの様に身体を震わせ、歯軋りをしながら忠信の命令を承諾した。

 

「ギリッ……ふざけた格好を……分かりました。この(あて)にお任せを……御先祖様の名に懸けて上城勇人に正義の鉄槌を下しに行ってきます!!では警視総監……いや『父ちゃん』行ってくる!!」

 

「期待しているよ忠実……」

 

忠実は怒りを露にしながら二人の先祖であり江戸時代の警察の名称『町奉行』として有名な偉人『大岡(おおおか) 忠相(ただすけ)』の名に掛けて鼻息を荒くし、会議室を後にした。

 

だが……

 

 

 

 

 

「……あの『正義バカの頭でっかちな彼女』が『若が居る鎮守府』に潜入任務を……これは色んな意味で不味いから若達に伝えた方が良いわね」

 

その一部始終を勇人の父であり『大本営総副司令官 海軍元帥』こと『上城 一馬』の下で働いていた『元艦娘 霧島』であり今は『マルボウ』こと『警視庁組織犯罪対策部』に所属しているスパイ(サクラ)『霧島 恭子』に盗聴されている事に……

 

そして、これが切欠に勇人……いや彼を含め佐世保鎮守府に所属している全隊員が佐世保鎮守府創設以来『過去最悪な面倒事』に巻き込まれようとは……



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第99話「勇人、友を治療しにドイツへ……」

私です。

前書きを使って皆様に『2つの件』について謝罪をさせて頂きます。

まず一つは『第98話の内容が短過ぎる』または『簡略過ぎる件』です。

これは私自身スマホで執筆しており、そのスマホが原因不明の故障により読み込めなくなってしまったからです。

こればかりは私自身どうしようも無かった為、故障したスマホのスペック限界ギリギリまで執筆し、それを投稿しなざるを得なかった為、短過ぎる文になってしまいました。


そして最後に『試験的にNGシーン導入の件』についてです。

これは私が構築した『新章のシナリオ内容』が、あまりにもダークでシリアス過ぎる内容になってしまう為、緩衝材を兼ねて『NGシーン』を導入したのですが、皆様から『スマホの故障の件』と相まって「真面目にやれ!」等の厳しい御叱りや「作風の雰囲気に合わないから止めて欲しい」等のアドバイスを多数受けた為、NGシーンを削除し、今後一切その様な事は行わない事に決めました。

この場を御借りして皆様に不愉快な思いをさせてしまった事を深く謝罪させて頂きます。

では、それを踏まえて本編をどうぞ……


舞鶴を出発してから数時間後 1330 九州自動車道 北九州SAにて……

 

「お兄……勇人さん、少し御聞きしたい事がありますが……」

 

妖夢は勇人の愛車である『改造(カスタム)された黒色のランボルギーニ・アヴェンダドール』の車内の助手席に座り、小動物の様にオレンジジュースをチビチビ飲みながら聞くと、勇人は自身の愛車の隣で喫煙しつつ妖夢の『言いたい事』を察し、タバコを携帯灰皿に入れ、コーヒーを飲みながら運転席に座り、答えた。

 

「……明後日、佐世保(ウチ)に着任する新兵『大岡 忠実』についてか?」

 

勇人は妖夢の『言いたい内容』である『忠実についての経歴』について聞き返すと妖夢は頷き、忠実について不思議そうに聞いた。

 

「はい。勇人さんの方の大淀さんから聞いた情報ですが彼女の父親が『警察官の一番偉い人』だと聞きましたが……可笑しいですよね?何故、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が警察官を辞めて軍人しかも『私達の所(佐世保鎮守府)』に来るのですかね……何か知ってます?」

 

妖夢は自身の疑問点である『勇人と極似している家族関係を持つ忠実が警察官から軍人に転職した事』について首を傾げながら聞くと勇人は2ヶ月前に恭子から聞いていたのか、重い溜め息を吐き、嫌そうに答えた。

 

「知っているも何も……アイツは『潜入任務』として軍人に転職したんだ。そして、その任務の目的は『俺』なんだ」

 

勇人は2ヶ月前、恭子から聞いた『忠実の目的』を簡潔に伝えると妖夢は勇人の『御人好しな性格』否『彼の容姿端麗な外見』と『優しい人柄』が災いし、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と勘違いし、物凄く呆れながら忠告した。

 

「……勇人さん。貴方の性格は嫌でも分かっていますが無意識で他の女性達を口説き落とさないで下さい。後々、面倒な事に……」

 

「違ぇよ。ソッチじゃねぇ……だが『忠実(アイツ)目的(面倒事)』は下手すれば今『俺が抱えている問題事』に拍車が掛かり、俺だけでは無く妖夢や優花達にも被害が来る内容(面倒事)だ」

 

勇人は妖夢の予想をキッパリと否定しつつも『忠実の目的(面倒事)』が『勇人が抱えている問題』を悪化させ、その『飛び火(問題)』が妖夢達に降りかかる事を伝えると妖夢は事の重大さに気付き、慌てながら聞いた。

 

「へ!?其処まで酷くなるんですか!?勿体振らずに教えて下さい!忠実さんの目的が勇人さんに関係ある理由を……」

 

「それは……ッ!?妖夢!!伏せろ!!」

 

「ッ!?ちょ!?」

 

妖夢は勇人の説明に強い危機感が芽生え、少し強い口調で聞くと勇人は妖夢の質問に答えようとしたが隣に停めてある車に乗っている人が懐から『何か』を取り出したのを見付け、先程までの年相応の緊張感の無い緩い表情から一転し、血相を変えながら左手で車のエンジンスターターを押しつつ、急いで右手と上半身を使って『何か』から妖夢を守る妖夢の頭を押さえた途端……

 

 

パン!!

 

 

……『何か』の正体である『拳銃』が二人に向けて無言で発砲したのだ。

 

妖夢は勇人の行動そして拳銃が二人に向けて発砲した事に驚き、動揺しながら言った。

 

「キャッ!?ちょ!?銃声!?勇人さん大丈夫ですか!?()()()()()()()()()()!!」

 

「大丈夫だ。銃弾(オモチャ)なんて効かねぇよ。よりによって回天組と龍光会の残党が……人も多いし場所も悪い!一旦、逃げるぞ!」

 

勇人は今の騒ぎにより野次馬が集って来る事を懸念し、背中に()()()()()()()()()()()()()()()()()()を飛び散ったフロントガラスごと払い落とし、急いで車のギアを入れ、タイヤと地面の摩擦音を強く鳴り響かせながら走り去ると勇人達を発砲した男は自身の愛車であろう『勇人の愛車(ランボルギーニ)対策』として『某ストリートレーサー(ワイル〇スピード)風』に改造(カスタム)された『オレンジ色のTOYOTA JZA80 Supra』に乗り、それを遠くから見ていた『C国系の若い男性』が男と同じくレーシングカーに改造された『銀と青色のツートーンのBMW M3 GTR』に乗り、二台は勇人と同じくタイヤと地面の摩擦音を鳴り響かせながら勇人を追い掛けて行った。

 

そして逃走中の勇人の車内にて……

 

「チッ!!よりによって妖夢が居る時に……あの時みたいに『変装』しとけば良かった……しかも、あの二台『ニトロ』まで積んでやがる……まるでワ〇スピじゃねぇか」

 

「ちょ!?勇人さん!飛ばし過ぎですよ!!もう少しスピードを落として下さい!!それに()()()()()()()()()()()()って『あの格好』は本当に恥ずかしいので止めて下さい!!」

 

「俺だって恥ずかしいわ!!『こんな事』になっていなかったら誰も好き好んで着ねぇよ!!」

 

そう、あの時『ふざけた格好をしてた理由』は勇人は過去に『C国等の戸籍を持った大陸系の移民達』が集まった政治組織『龍光会』と嘗て『日本三大極道組織』と言われていた極道組織『回天組』を彼の兄弟分(戦友)『柏木 疾風』と勇人の右腕であり『日本三大極道組織』の一つであり勇人の実家『神城会』に吸収された極道組織『桜花連合』の会長の孫娘『桜花 優花』と共によって『壊滅』された事による『報復行動』によって民間人を巻き込ませない様に敢えて『かなり悪目立ちな格好』をし、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を利用し、行動を制限させる為に変装していたのだ。

 

勇人は2ヶ月前、忠実達に撮られた時みたいに『ヲタ系のダメ男に()()しなかった事』と『偶然にも隣に妖夢を乗せていた事』に後悔しているのか嫌そうに舌打ちをし、二台の異常な迄の鋭い加速力を見て、冷静に分析しつつも動揺している妖夢にツッコミを入れながら打開策を考えつつ超高速域(時速300kmオーバー)のスピードを維持しつつ運転していると二台は勇人の車を挟む様に並び、ドライバーは勇人の車を強制的に止める様に勢いを着けて幅寄せをしてきたが……

 

「……残念」

 

グン!!

 

 

「ウッ!?勇人さん!!いきなり急ブレーキしないで下さ……えぇぇぇ!?二台が()()()()()してる!?」

 

……それを冷静に見計らい、避ける為に急ブレーキをすると二台は互いに勢い良く衝突し、その事が原因で挙動が乱れ、かなりスピードを出していた事も相まって制御不可能に陥り、二台は弧を描きながら道路を塞ぐ様に滑り込む様に停まると勇人は急ブレーキの反動で前屈みになりながら動揺している妖夢を落ち着かせる様に真剣な表情になりつつも落ち着いた口調で言った。

 

「妖夢、歯を食いしばれよ……」

 

そう言って勇人はハンドルに後付けされた『2つのボタンの安全カバー』を外し、アクセルペダルを一気に踏みつつ『2つのボタン』を同時に押すと……

 

ドン!!

 

「ウグッ!!キッツゥ……え!?ちょ!?『クラインフィールド』!?勇人さん!!ストップ!ストップ!!特攻だけは……」

 

「……大丈夫だ。俺に任せろ」

 

「え!?ちょ!?ぶつかるぅぅぅ!!」

 

「「く……クソッタレェェェェ!!」」

 

勇人の車内……細かく言うと勇人の座席の下に搭載されたニトロがエンジン内部の燃焼部に噴出され、二台に負けず劣らずの鋭い加速力を発揮するのと同時に自身の愛車に仕込んでいた『佐世保鎮守府が開発した独自の軍用防壁装置』である『クラインフィールド』が車と妖夢を養護する様に『幾多に連結された八角形(ハニカム)模様の緑色の半透明の防護壁』が現れ、妖夢は急発進による強烈な重力により座席に押し潰され、それに耐え続けながらもバリケードの様に停まっている二台に向けて闘牛の如く突進しているのを見て焦りながら追手の二人と共に死を覚悟し、目を瞑ると……

 

 

 

 

 

 

「……ッ!?其処だ!!」

 

グン!!

 

「キャッ!?……あ……あれ……()()()()()()()……よ……良かった……」

 

「な!?」

 

「ソンナノ……アリですか……イカれてマス……」

 

……勇人は絶妙なハンドル捌きによりバリケードの様に停まっている『二台の間』を突進してくる闘牛の様に豪快に、そして針に糸を通す様に精密に通り抜け、そのまま何事も無かったかの様に颯爽と走り逃げたのだ。

 

妖夢は死を覚悟していたが衝突による強い衝撃が来なかった事と追手が来なくなった事に安堵し、勇人の命を狙っていたドライバーの二人は勇人の大胆過ぎる行動に満身創痍になりながらも只々、唖然していると勇人は少し身体を震えている妖夢をケアをする様に優しく謝罪した。

 

「悪かったな。怖い目に逢わせてしまって……」

 

勇人は追手が来なくなった事に安堵しつつも妖夢を慰めながら謝罪すると妖夢は相当怖かったのか泣きながら勇人に怒鳴り吐いた。

 

「こ……こここ……怖かったですよ!!私を殺すつもりですか!霊夢さんや魔理沙さんみたいな危ない真似をして……」

 

「だから悪かったと言ってんだろ……」

 

「謝って済む問題じゃないですよ!!幸い死人が出なかったから良かったものの、これからは穏便に事を運んで下さい!!命が幾つ有っても足りませんよ!!アクション映画みたいな事をして……それよりも先程の続きですが……」

 

妖夢は勇人を叱りつつも先程の質問の続きである『忠実の目的が勇人自身』について聞き直すと勇人は先程までの柔らかい表情が消え、神妙な表情になりながら答えた。

 

「忠実の目的についてか?アイツの目的は……俺を『逮捕』する為に軍人に転職したんだ」

 

「……え!?勇人さんを逮捕する為に!?まさか……」

 

妖夢は勇人が逮捕される事に思い当たる節が『()()()()()()()()()』のか血の気が引き、狼狽えながら聞き返すと勇人は困惑した表情になりながら答えた。

 

「……ああ。俺が佐世保に着任した時に孤立無援な鎮守府を再建する為に『実家(神城会)』から『援助』を受けていた事や『蒼霧事変』の時に軍の作戦とは言え街中を暴走したり、挙げ句の果てに『舞鶴大異変』で敵である『深海棲艦』を助けたりと……逮捕される理由なんて幾らでも有るからな……そう考えると、よく逮捕されなかったな俺……」

 

勇人は嘗て行っていた行動を思い出しつつ他人事の様に呆れながら答えると妖夢は勇人が行った『過激な行動』に理解を示すかの様に励ましつつ、警察が世間に『隠した悪事』を吐き捨てるかの様に強く荒々しい口調で警察を非難した。

 

「でも、それって仕方無いじゃないですか!!当時『孤立無援の超絶ブラックだった佐世保鎮守府』を、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、『蒼霧事変(ばったん作戦)』の時だって()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、挙げ句の果てに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()()()り、警察(アッチ)だって他人(ヒト)の事が言えない事をやってきたじゃないですか!!どうして何時も勇人さんばかり『こんな目』に……」

 

妖夢は最初は警察に対して強く非難していたが最後は傷付いた艦娘達を治療したり佐世保鎮守府……そして日本国民の平和の為に数多く貢献してきた勇人に対しての『あまりにも酷過ぎる仕打ち』に対して悔し涙を流しながら言うと勇人は忠実の目的を小馬鹿にする様に微笑みながら『忠実に対しての対策内容』を妖夢に言った。

 

それは……

 

「仕方無い事さ。アイツらの『強行行動(卑劣なやり方)』は法律に認められているから『公営ヤクザ』と言われているんだ。だから、アイツらを敵に回した事位『承知の上』だ……それに俺が逮捕されるのは、あくまで『今までの行い』が()()()()()()()()()()()()()()だ。要は()()()()()()()()()()()()()♪だから舞鶴の宴会準備の時に佐世保鎮守府内の全ての基地に残っている『援助情報が記載されている会計書類』や『必要悪で行った書類』全てを『特設ドック』ではなく『隙間』の中に隠したんや♪つまり……」

 

そう勇人は舞鶴大異変の時に嘗て『捨てた能力』である『森羅万象を司る能力』別名『不可能を可能に出来る能力』を手にしたお蔭で平行世界や異世界等に繋がる空間『隙間』を司る事が出来、それを利用して『忠実に見られたら不味い証拠(もの)』を全部『隙間』に隠したのだ。

 

妖夢は勇人が行った対策を聞き、心配して損したのか呆れ返りながらも自身もまた勇人の恩恵(悪事)を受けていた為、妖夢自身も逮捕される心配か無くなった事に安堵し、胸を撫で下ろしながら礼を言った。

 

「……勇人さんと紫様、籃さん、真琴さん、そして『その能力に近い力を持った人』じゃないと閲覧出来ない……という訳ですね。相変わらず平然と悪どい事を……ですが助かりました」

 

「気にするな。それに俺が黙って忠実の言いなりになると思うか?『守りの対策(証拠隠蔽)』だけではなく『攻めの対策(切り札)』もあるんだ♪」

 

()()()?それは一体?」

 

妖夢は勇人が言ってた『攻めの対策(切り札)』について首を傾げながら聞くと勇人はその『対策(切り札)』について()()()()()()()()()()があるのか難しい表情になりながら、その事を交えながら妖夢に分かり易く打ち明けた。

 

「……今、外国に行っている『元 呉鎮守府総司令官』の『柏木』を()()()()()()()()()に頼んで、もう一度『呉鎮守府』に再着任させ『柏木隊』を復活させる。ただ忠実の着任には間に合わないのは想定範囲内だが問題は今の『呉の総司令官』に問題有るんだよな……」

 

「成程……勇人さん御得意の『人脈戦法』を使って……あの『柏木隊』なら警察に対抗出来ますが……何故『今の呉総司令官』が問題になるんですか?」

 

妖夢は勇人の対策に納得しつつも今の呉総司令官との関係性について聞くと勇人は重い溜め息を吐きながら答えた。

 

「……柏木が築き上げた功績を我が物にし、それを利用して呉を再び()()()()()()()()()()()()()。本来なら、それを取り締まる柏木隊が呉に残る筈だったが柏木が離れる際『艦奴派(かんどは)の連中』……言わば()()()()()()()()()()()()()が柏木隊の隊員達は各鎮守府や拍地に散らせた事により今の呉総司令官を押さえ付ける効力が無いんだよ……つまり……」

 

「……止める人が居ないから今の呉総司令官は好き勝手出来る……と言う訳ですね……許せない……」

 

妖夢は勇人の兄弟分(親友)であり憲兵部隊『柏木隊 隊長』そして『元 呉鎮守府総司令官』の『柏木 疾風』が行った『業務改善』や『憲兵業務で培った経験』を生かし佐世保同様『超絶ブラック鎮守府』と言われていた『呉鎮守府』を再建した功績を艦奴派の軍人によって奪われ、再び『ブラック鎮守府』にさせた事に強い怒りを露にし、歯軋りをしながら呟くと勇人もまた今の呉総司令官に怒りを露にしつつも自身の『特務軍医長としての権力』では何も出来ない歯痒い気持ちを押さえ付けながら今にも怒りによって暴走寸前になっている妖夢を窘めながら言った。

 

「……妖夢。気持ちは分かるが俺の権力では、どうする事も出来ん……幾ら人脈や権力があったとしても……」

 

「……そうですか……ん?勇人さん、レミリアさんから御電話来てますよ」

 

妖夢は悔しそうに呟きつつも勇人のスマホと同調しているナビに『レミリア』と表示されているのに気付き、勇人はナビを介してレミリアの電話に出た。

 

「……どうしたレミリア。何か逢ったのか?」

 

勇人は先程の悔しい気持ちを押し殺し、普段通りの落ち着いた口調でレミリアに聞くとレミリアは相当焦って居るのか、怒鳴り散らしながらも物凄く簡潔に勇人に命令した。

 

「勇人!大変よ!!今すぐドイツに向かって!!」

 

「………は?何故ドイツに?」

 

「あの……レミリアさん?もう少し細かい説明を御願いします」

 

二人はレミリアの簡潔過ぎる命令に目をパチクリと瞬きをし、呆気に取られているとレミリアは妖夢の質問を無視するかの様に勇人に再度、命令を出した。

 

その命令とは……

 

「説明する時間が無いわ!!今すぐドイツに向かわないと貴方の兄弟分である『柏木疾風』が殺されるわよ!!しかも()()()()()()()()()()()()()()()を見てしまったのよ!!撃たれる運命は、もう変えれないけど()()()()()()()()()()()()()()()!!その条件は()()()()()()()()()()()()()()()()()!!そうなっては必然的に『貴方達でも解決出来ない取り返しの着かないトラブル』が来るわよ!!さぁ!そうならない内に早く!!」

 

……勇人の兄弟分(親友)である『柏木疾風』を助けて欲しい事である。

 

レミリアは自身の能力である『運命を操る程度の能力』を使って柏木の運命を見た事を簡潔に答えつつ命令すると勇人は静かに、そして神妙な表情になりながらレミリアに答えた。

 

「……分かった。場所は?」

 

「首都『ベルリン』の日本大使館前よ!今、美鈴とパチェが紫と永琳に連絡しているから少し遅れると思うが……」

 

「……八意先生と紫が来るのなら心強い!!妖夢、今からお前を隙間で佐世保に転送するから佐世保に着任次第、すぐに『その事』を三笠元帥に報告しろ。そして……」

 

勇人はレミリアの命令を承諾しつつも妖夢に『三笠元帥に報告』させると共に『ある提案』を妖夢を介して三笠元帥に伝える内容を妖夢に伝えた。

 

「……という事を三笠元帥に伝えてくれないか?この『提案』が上手く行けば柏木だけではなく柏木隊の連中や呉の艦娘達も助けれる筈だ……やってくれるか?」

 

勇人は神妙な表情になりながら妖夢に命令すると妖夢は『勇人の作戦』の真意を理解したのか鼻息を荒くし、気合い入れながら答えた。

 

「勿論ですよ!もう1人の恩人である柏木大将と呉の艦娘達の皆さんを救う為ならッ!!」

 

妖夢は鼻息を荒くし、意気揚々と答えると勇人はフッと鼻で軽く笑い、妖夢と同じく気合いが入った声で妖夢とレミリアに言った。

 

「それでこそ俺の妹分(部下)だ!!レミリア!柏木(アイツ)寿命(制限時間)は?」

 

「持って3時間よ!!大丈夫なの!?」

 

レミリアは勇人の質問に短く、そして簡潔に答えると勇人は『柏木の寿命(制限時間)』を聞いて余裕の笑みを溢しながら言った。

 

「大丈夫だ。問題無い!それじゃ今から任務を遂行する!!妖夢、今から隙間経由で佐世保に送るぞ!」

 

「はい!!お任せ下さい!!」

 

「では!隙間解放!!後は頼んだぞ妖夢!!」

 

妖夢は勇人の言葉に強い口調で答えると勇人は、すぐに隙間を展開し、妖夢を佐世保に転送させ、そのまま高速道路から降りながら車の前に隙間を展開し、そのまま隙間に突進する様に隙間に入り、ドイツへ向かった。

 

最初の問題事である『兄弟分(柏木疾風)を救う』為に……

 

 

 

 

 

 

 

 



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第100話「柏木救助作戦 前編」

此処でですが、この小説も遂に『100話』を迎える事が出来ました(*´∇`)ノ

これも、こんな駄文丸出しの小説を暖かく読んで下さっている読者様の皆さんのお陰ですm(_ _)m

本当にありがとうございますm(_ _)m

こんな駄文丸出しの酷い小説ですが、これからも御付き合いの程、宜しくお願い致しますm(_ _)m

それと今回からは読み易さを考え、英語等の台詞は全部『斜体』を持ちいる事しましたので御理解の程、宜しくお願い致しますm(_ _)m

そして最後に……


後半から『グロテスクな表現』がありますので、ご注意をお願い致しますm(_ _)m


ドイツの現地時間 0700 ベルリン州内の市街地にて……

 

ワイワイ……

 

ガヤガヤ……

 

 

 

この時間帯のドイツ国民は勤勉な日本国民に似た国民性を持っているのか朝早くから出勤している為、この時間帯はあまり混雑しておらず買い物客やカフェで『朝食のコーヒー』ならぬ『朝食のビール』を嗜む者達で賑わっており、日本とは違う空間を醸し出しながらも穏やかな日常を味わうかの様に賑わっていた。

 

そう、あの男がドイツに来るまでは……

 

 

 

 

 

 

「オラオラオラ!!其処を退けぇぇぇ!!此方は急いでいるんや!!」

 

「もっと飛ばして!!警察が来るまでに早く現場に!!」

 

「分かってる!!」

 

この穏やかで静かな日常を破壊するかの様な『黒塗りの高級スポーツカー(ランボルギーニ)』に『車の排気音(エキゾースト)』そして覆面しているが『会話の言葉』から察するに『若い日本人の男女』の怒鳴り声が町中を響きかせながら町中を暴走していた。

 

そう、その男女こそ……

 

「勇人!!次の交差点を左に曲がって!!」

 

「分かった八意先生!!」

 

柏木を助ける為に先程、日本から隙間経由で不法入国をした勇人と幻想郷の薬師『八意 永琳』だったのだ。

 

勇人は除雪されてない塵積もった雪道を利用し、上手く車を滑らせながら交差点の左に曲がると永琳は勇人の運転技術の高さに少し驚きながらも目の前に走っている『車高を落とした黒塗りのSUV』こと『VOLKSWAGEN(フォルクスワーゲン) T-cross』に怪しさを覚え、相当切羽詰まった表情になりながらも勇人に『T-cross(怪しいSUV)』について聞いた。

 

運転技術(テクニック)は衰えていないわね貴方……ん!?あの車、減速して来ているわね……勇人!!あの車を避けて!!何か嫌な予感がするわ!!」

 

「言われなくても……ッ!?永琳!!」

 

「……了解!」

 

勇人は減速するT-crossを難なく避けるとT-crossの助手席が窓を開けて隣に着いた勇人にアサルトライフル『AK-47』を向け始めた事を勇人は察し、窓を開けながら永琳に命令すると彼女は狭い車内で強引に弓を構え……

 

「……正当防衛よ!悪く思わないで『ジャガイモ野郎』!

 

シュッ!!

 

「ッ!!!」

 

「ギャァァァ!!」

 

……強く引かれた2本の矢を勢い良く放し、1本は『AK-47を持った男の右肩』に命中し、もう1本はドライバーの両腕を焼き鳥の串の様に貫き通すとドライバーは両腕を貫いた矢を見て『激しい痛覚』と『見るに耐えない残酷な両腕の現状』で錯乱し、それを表すかの様に車が制御不能(スピン状態)に陥り、そのまま電柱に激しくぶつかり、炎上した。

 

永琳はドイツ語で相手を罵りながらSUVを撃沈させると勇人は永琳の腕前を褒め称えるかの様に口笛を鳴らし、微笑みながら言った。

 

「ヒュ~♪貴女も衰えてませんね先生♪」

 

「当たり前よ。じゃなかったら幻想郷(アッチ)で生き残れ無いわよ……所で今さっきの連中が貴方の兄弟分を……」

 

永琳は勇人の言葉に苦笑しながらも先程の車が柏木を襲った連中との関係性について言うと勇人は神妙な表情になりながら答えた。

 

「十中八九『クロ(当たり)』だな……しかも柏木(アイツ)の居場所は『防衛機密』に指定されている『軍の機密情報』だ……つまり……」

 

「テロリストが軍の機密情報を『盗み読み(ハッキング)』したか……軍に『諜報員(スパイ)』を紛れ込ませ、その情報をテロリストに流出(なが)した……という訳ね……なら早く行きましょ。追手が来る前に!」

 

「ああ……ん?『アッチの明石』からだ……」

 

永琳は勇人の推理を先読みし、勇人の推理を肯定する様に腕を組み、思考を巡らせていると車のカーナビに同調している勇人のスマホに『ネコアカシ』という人物から電話が掛かり、勇人はスマホに同調しているカーナビを操作し、通話に出ると『ネコアカシ』もとい『アズールレーンの世界の明石(以後 AL明石)』が相当切羽詰まった状況なのか焦りながら勇人に懇願した。

 

「……もしもし重桜の明石ニャ!上城さん!ヤバい事が起きたニャ!!今すぐ重桜(こっち)に来て欲しいニャ!!」

 

AL明石は焦りながら勇人に言うと勇人もまた柏木を治す事を優先的に考えているのか声を荒げながら答えた。

 

「無理だ!!此方も今、ヤバい状況になっているんだ!!」

 

「ニャんと!?上城さんの所も!?ちなみに今、どういう状況ニャ?簡潔に教えて欲しいニャ」

 

AL明石は相当切羽詰まっている勇人の事が心配なのか恐る恐る聞くとは焦りながらも簡潔に答えた。

 

兄弟分(ダチ)がドイツで撃たれたから治療しに向かっているんや!!今、急いでいるから切るぞ!!」

 

「ド……()()()!?それに()()()()!?りょ……了解ニャ……忙しい時に電話してゴメンニャ……」

 

AL明石は申し訳無さそうに電話を切ると二人の会話を聞いていた永琳が呆れながら勇人に聞いた。

 

「……良いの?こんな事情とは言え、協力関係のある『重桜艦隊』の要請を『あんな風』に断って……」

 

永琳は呆れながら聞くと勇人はスマホと同調したカーナビを操作しながら永琳の質問に答えた。

 

「大丈夫だ。アッチは今『彼方の俺』を含めて鎮守府全員が『体調不良(二日酔い)』で人手が足りないから俺を頼ったんだ……今、秘密回線で鹿島に連絡入れて……よし!繋がった……」

 

勇人はカーナビを操作し通話相手である鹿島に繋がった事を確認すると鹿島は『勇人の事情』を把握しているのか心配そうに勇人に聞いた。

 

「て……提督さん……御無事ですか?」

 

「……大丈夫だ。今の所、任務に支障を来すトラブルは無ぇよ。所で鹿島、今『アッチの加賀達』は居るか?」

 

勇人は自身の職場兼自宅である『佐世保鎮守府』に『アズールレーンの世界の加賀達』が居る事を確認すると鹿島は首を傾げながら答えた。

 

「はい。今隣に居ますが……」

 

「ん?どうした上城さん。何かトラブったのか?」

 

鹿島は首を傾げながら聞くと隣に居たであろう『アズールレーンの世界の加賀(以後 AL加賀)』が鹿島の様子を察し、神妙な口調で勇人に聞くと勇人はAL加賀の質問が当たっているのかAL加賀の『推理力の高さ』と『AL加賀の声が鹿島に極似している事』に内心戸惑いながらも『AL明石が切羽詰まっている事』を簡潔に伝えた。

 

「……アッチの世界でトラブル発生した。今ネコアカシが切羽詰まっているから医務室に行って『酔い止め薬』を『全部』持って行ってくれ。必要なら『配合書(レシピ)のコピー』を持って行っても構わん」

 

勇人はAL明石(ネコアカシ)の緊急要請に応えるべく、自作の『酔い止め薬』と、その『薬の配合書(レシピ)のコピー』をAL加賀達に持って行かせる事を命令するとAL加賀は勇人の言葉の真意を理解し、苦笑しながら答えた。

 

「ネコアカシって……まぁアッチのトラブルに関しては上城さん、貴方が無理矢理飲ませた所為(せい)でもあるからな……それじゃ御言葉に甘えるぞ……世話になったな」

 

「お世話になりました上城さん♪また重桜に遊びに来て下さいね♪何時でも歓迎しますよ♪ほら飛龍、帰るわよ」

 

AL加賀は苦笑いをしつつも御礼を言い、彼女の同行者である『アズールレーンの世界の蒼龍(以後 AL蒼龍)』は勇人の事を好意に思っているのか柔らかい微笑みを溢しながら一礼するとAL蒼龍の妹である『AL飛龍』は嫌そうに駄々を捏ねた。

 

「ちょ!?待って下さい姉様に加賀さん!?僕は此処に……」

 

AL飛龍は駄々を捏ねると二人はAL飛龍の我が儘に苛立ちを覚え……

 

「そんな悠長な事を言っている場合か!!私達の世界もトラブルが起きているんだぞ!!蒼龍!この馬鹿空母を連れて帰るぞ!!」

 

「はい!さぁ帰るわよ飛龍!!」

 

ガシッ!!

 

「ちょ!?イタタタタタッ!!姉様に加賀さん!!分かりましたから兎耳(みみ)だけは引っ張らないでぇぇぇ!!!」

 

ズルズル……

 

「「「………」」」

 

Pi♪

 

……一喝しながらAL蒼龍の兎耳を掴み、彼女を引き摺りながら、その場を後にした。

 

勇人と永琳そして鹿島は三人のやり取りを見て呆れつつも勇人は彼方の事(佐世保鎮守府)を鹿島に任せる様に黙って通話を切り、先程の混沌と化した空気を一掃するかの様に神妙な表情で永琳に聞いた。

 

「……それで先程の続きだが、正当防衛とは言えテロリストを殺す必要があったか?生きていれば聞き出せれるのに……」

 

「切り替え早いわね貴方!?まぁ……それに関しては大丈夫なんじゃないの?貴方が佐世保に連絡している時に『あの三人』に伝達し、其所に向かっていると思うから……それに急所を外して射ったから安心して」

 

永琳は勇人の切り替えの早さに戸惑いを見せつつも、大破した車に永琳の仲間達が向かっている事を伝えると勇人は神妙な表情から一転、テロリスト達を同情するかの様に少し青ざめながら言った。

 

「あの三人か……三人に捕まったテロリスト達に同情してしまうな。もうそろそろ日本大使館に着くから準備してくれ」

 

「ええ……ん!?勇人!日本大使館前に人が倒れているわ!?それに救急車も来ているわ!」

 

「チッ!遅かったか……仕方ねぇ!!」

 

永琳は日本大使館前で倒れている『若い日本人の男』こと勇人の兄弟分である『柏木 疾風』と救急車に助けを求めている『柏木専属の金髪メイド』そして重傷の柏木を救急車に乗せている所を発見し、血相を変えながら言うと勇人は舌打ちをし、車を救急車の隣に止め、二人は直ぐに車から降り、助けを求めていたメイドに強い口調で聞いた。

 

「おい!そのメイ……ゲッ!?何で、あの『変態メイド』が居るんだ!?」

 

チッ……よりによって、あの『ボンクラ御曹司』が……

 

『ボンクラ御曹司』は余計だ『オク』!まぁ喧嘩は後にして一体何が逢ったんだ!?

 

勇人は『柏木専属のメイド』こと『Октябрьская(オクチャブリスカヤ) революция(レボリューツィヤ)(以後 オク)』とは面識があるのか、お互いの顔を見た途端、物凄く嫌な表情になりながらも彼女の母国語『ロシア語』で聞くとオクは今にも泣き出しそうに勇人達に助けを求めた。

 

……実は疾風が射たれたの……お願い勇人!!疾風を……私の主を助けて!!貴方達の不法入国(悪事)は私の(コネ)で揉み消すからさ!だから……だから……

 

オクは藁をも(すが)る思いで勇人達に泣きながら懇願すると永琳は救急車に入れられた柏木の容態を見て神妙な表情で勇人に言った。

 

「ヤバいわよ勇人……アイツらが射った弾丸……艦娘が使っている弾丸を日本海軍が改良した『人間用の銃器にも使える対深海棲艦用の弾丸』こと『AAF弾』を使っているわ。しかも4発も!!」

 

「はぁ!?AAF弾を!?あれはヤベェぞ……オク!単刀直入に聞くが『運転』出来るか?

 

勇人は永琳の診察結果に焦り始め、ロシア語でオクに聞くと彼女は泣きながら答えた。

 

え……ええ……ッ!?まさか……私が救急車を!?

 

汚名返上したかったら手ぇ貸せ!!病院に搬送中に治療する!!

 

時間が無いの!!早く!!

 

二人はロシア語でオクを救急車を運転する様、強い口調で説得するとオクは涙を右腕で拭き取り、気合いの入った強い表情になりながら答えた。

 

「……分かったわ!!少し荒いけど我慢して頂戴!!

 

「分かった!レスキューの連中には悪いが此処で降りて貰うぜ!!早よ降りろ!!」

 

私達は彼の『専属医』で派遣された関係者で今から行う治療は日本の『防衛機密』に触れる事だから降りて頂戴!!

 

「「「ヒィッ!?は……はいィィィ!!」」」

 

勇人は荒々しく日本語で、永琳はオクが揉み消せなかった場合の保険として自身の立場を偽りながらもドイツ語で降りる様に命令すると救助隊員達は二人の鬼気と殺気が入り交じった強い気迫に気圧され、身体を震わせながら降りると勇人は運転席に座ったオクに「行け!」と伝える様に壁を強く叩くとオクはエンジンを入れ……

 

疾風を頼んだわよ!!ボンクラ御曹司に三つ編みの御婦人さんよ!!

 

柏木の事は二人に任せるかの様にアクセルを強く踏み込み、そのまま『上城病院 ドイツ支部』へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして同時刻 勇人達が襲われた現場にて……

 

クッソォ………よりによって、あの『日本の暴龍』がドイツに居るなんて……奴は確か舞鶴に居た筈だが……

 

しかも化け物並にタフな女を連れて……聞いて無ぇよ……

 

クッ……まぁ良い。柏木だけでも仕止めたからヨシとしよう……さて……『あの御方』に報告を……

 

勇人達を襲った連中は二人の予想通り『柏木を襲ったテロリスト達』であり、リーダー格の男は自身も含め全員『満身創痍』になりながらもスマホで『柏木を襲わせた黒幕』に連絡を入れようとした途端『赤いカーゴパンツと男用のワイシャツを着用した銀髪の女性』と『ブレザーを模した衣装を着た兎耳の女性』そして『桃色を基調とした和洋折衷の衣装を着た黒髪長髪の女性』がリーダー格の男に現れ、銀髪の女性は男に近づきながら言った。

 

「残念だが、これは没収だ」

 

銀髪の女性は男が所持してたスマホを取り上げ、ポケットに入れると男は先程の事故で満身創痍になりながらも銀髪の女性もとい『藤原妹紅(ふじわらのもこう)(以後 妹紅(もこう))』に強い口調で聞いた。

 

だ……誰だテメェらは!!あの男……上城勇人の関係者なのか!?

 

男はドイツ語で妹紅に聞くと妹紅はドイツ語が分からないのか男の胸倉を掴み、恫喝する様に怒鳴り聞いた。

 

「あぁ?テメェ……何訳の分からん事を言ってんだ?日本語で喋ろ!!」

 

「落ち着いて妹紅。此処は私達に任せて……ええ。貴方の言う通り私達は彼の『協力者』よ♪今から私達の質問に答えてね♪そうすれば()()()()()()()()

 

もし変な事を考えていたら……その場でソーセージの具材に変えるわよ

 

「お前ら喋れるのか!?」

 

妹紅は兎耳の女性こと『鈴仙(れいせん)優曇華院(うどんげいん)・イナバ(以後 鈴仙)』と黒髪の女性『蓬莱山(ほうらいざん) 輝夜(かぐや)(以後 輝夜)』が流暢なドイツ語を発した事に驚くと輝夜と鈴仙は苦笑しながら答えた。

 

「当たり前じゃない。貴女と同じく伊達に永く生きてないわよ」

 

「まぁ少ししか喋れませんが……」

 

「マジで!?んじゃ翻訳任せた!!」

 

「ったく、貴女ねぇ……」

 

「仕方ありませんよ姫様……それで、単刀直入に聞くが貴方達の雇い主を教えろ!!

 

二人は妹紅の言葉に少し呆れながらも鈴仙は妹紅に胸倉を捕まれているリーダー格の男に恫喝するとリーダー格の男は三人を見下すかの様に唾を吐き捨てながら言った。

 

ケッ!テメェらみたいな糞ガキ相手に喋る程、俺達は落ちぶれて無ぇよ!!

 

男は三人に中指を立てるかの様に鈴仙の質問を断ると鈴仙は「はぁ~」と軽く溜め息を吐きながら妹紅に言った。

 

「……妹紅さん。軽く()()()()()()()。火力は『スモーク(炙り)』でお願いします」

 

「この様子だと交渉決裂したんだな……分かった!!んじゃ……フン!!」

 

妹紅は鈴仙の要求に大体察したのか内心「相手も強情だな……まぁ同情は出来んが……」と男を哀れみながら指を鳴らし、自身の能力の一つである『火を操る能力』を使い、男の足元を炙る様に発火させると男は足元に現れた業火による熱で阿鼻叫喚に悶え始めた。

 

ギャャャャャ!!いきなり炎が足元に!?熱い!!熱過ぎる!!

 

「もっと火力を上げるか?」

 

「……このままで大丈夫ですよ。死なない程度に炙り続けて下さい」

 

妹紅はリーダー格の男が悶えている様子を見て自身の嗜虐心を煽られたかの様に微笑みながら鈴仙に聞くとリーダー格の男の仲間の一人がリーダー格の男を助ける為にショットガンを構え、妹紅の頭に照準を合わせ、そして……

 

「……リーダーを放せ!!この糞アマが!!

 

「「「ッ!?」」」

 

バン!!

 

……リーダー格の男を助ける為に妹紅の頭に目掛けて撃ったのだ。

 

「「や……やったか?」」

 

撃った男とリーダー格の男は弾が妹紅の頭に命中し、確実に妹紅を仕留(あや)めたと思い安堵しながら呟くと撃たれた妹紅は撃たれた弾みで少し後ろな退きながらも……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……『リザレクション』っと……痛ってぇなぁ~……まだ抗える体力が残っていたとはな……少し火力を上げるか!!」

 

なっ!?い……()()()()()……だと!?こんな有り得ない事が……ギャャャャャ!!!

 

ヒィィィッ!!ば……化け物かよテメェは!!

 

弾に貫き通され、花火の様に飛び散った頭部を自身の能力である『不老不死』の力で欠損した頭部を骨から再構築する様に完治し、完全に治ったのか首をゴキゴキと左右に傾げながら確認し、何事も無かったかの様にリーダー格の男の足元に展開した炎の威力を上げたのだ。

 

妹紅は撃たれた事によって腹が立ったのか火力を上げ、発砲した男を含め残りのテロリスト達の『見せしめ』としてリーダー格の男を焼き続けているとテロリスト達は『不死身である妹紅』と『リーダー格の男の悲痛な叫び』に完全に怖じ気付き、身体を震わせながら満身創痍になっている身体に鞭を打つかの様にふらつきながら立ち上がり……

 

こ……こんな化け物相手に殺されてたまるか!!逃げるぞ!!

 

……リーダー、スミマセン!!

 

……敵前逃亡を図ったのだ。

 

勿論、三人はそれを見過ごす訳には行かず……

 

「……スペルカード。新難題『金閣寺の一枚天井』!妹紅、上空(うえ)は私がやるから陸路(まわり)を頼むわ!!鈴仙はアイツらを精神的に追い詰めて!」

 

「ヨッシャ!なら勇人から借りたスペカを使わせて貰うわ!!食らえ!!スペルカード!炎壁(えんへき)業火の防壁(ファイヤーウォール)』!!」

 

「了解……スペルカード。散符『真実の目(インビシブルフルムーン)』」

 

輝夜は上空に巨大な金色の天井を召喚させながら二人に指示を出すと妹紅は勇人から借りた必殺技(スペルカード)を使い全員を円で囲む様に炎の壁を作り出し、鈴仙は自身の能力である『狂気を操る程度の能力』を使い精神的に追い詰められているテロリスト達の恐怖心を更に煽る様に魑魅魍魎達の幻影を見させるとテロリスト達は三人の能力に肉体的にも精神的にも限界が来たのか炎の壁の外にいる一般人に助けを求めた。

 

ひ……ヒィィィッ!!!化け物達が俺達を……だ……誰か助けてくれ!!

 

誰でも良いから救急車と警察を!!

 

自首でも何でもするから誰かアイツらを止めてくれぇぇぇぇ!!

 

テロリスト達は一般人に助けを求めると輝夜は勝ち誇ったかの様にテロリスト達を嘲笑いながら言った。

 

何故なら……

 

無駄よ♪この空間は他の一般人に認識されない様に()()()()()からね♪

 

……輝夜の能力である『永遠と須臾を操る程度の能力』を使ったからだ。

 

輝夜は、その能力の本質である『一瞬(須臾)』の時間を我が物にし『時間止め(永遠)』を使って、この場所だけ擬似的に()()()()()()()()()平行世界(パラレルワールド)』を発生させた事を伏せながら伝えるとテロリスト達は完全に屈服したのか白旗を上げる様に怯えながら言った。

 

わ……分かった!!分かったから助けてくれ!!全部、白状するから!!

 

「「もう止めてくれ!!気が狂いそうだ!!頼む!!全て吐くから助けてくれ!!」」

 

テロリスト達は恐怖のあまり失禁をし、泣き叫びながら命乞いをすると輝夜は口角を少し上げ、鼻で笑いながら聞いた。

 

……最初から、()()()()()()()()()()()……愚かな事を……んで、誰が黒幕なの?

 

ああ……依頼主は……

 

リーダー格の男は恐怖に身体を震わせながら『依頼主(黒幕)』について全て白状した。

 

……という訳だ。た……頼む!!全て話したから命だけは助けてくれ!!

 

「ッ!?不味いわね……まさか日本海軍に『裏切り者』が居たとは……」

 

「……そうですね」

 

「ん?ん?一体どうしたんだ?」

 

輝夜と鈴仙はリーダー格の男が白状した『黒幕の正体』を聞き、狼狽えながら驚愕し、妹紅はドイツ語が分からなかった為、二人の深刻な表情に戸惑いながら聞くと輝夜は強い口調で鈴仙と妹紅に命令した。

 

「訳は後で話すわ!!妹紅!今すぐ取り上げたスマホを鈴仙に渡して!!そして鈴仙は妹紅からスマホを受け取り次第、すぐに勇人の車を回収しに向かって!!早く!!」

 

「はい!!妹紅さん!!スマホを!!」

 

「……この様子だと『相当ヤバい事』になったんだな……それじゃ鈴仙、頼んだぞ」

 

妹紅は鈴仙にスマホを渡し、炎の壁の一部を解除すると鈴仙は解除された壁から抜け出し、脱兎の如く走って勇人の車が停めてある日本大使館に向けて走り向かうとテロリスト達も生き残る為に鈴仙の後を追う様に必死に着いて行こうとしたが……

 

「オイコラ!誰が逃げて良いと言ったんだ?テメェらは残れ!!」

 

ボワッ!!

 

「「「熱ッ!?俺達を逃がすんじゃ無かったのか!?」」」

 

……それを阻むかの様に再度、炎の壁を展開し、テロリスト達の逃亡を阻止したのだ。

 

テロリスト達は再度、現れた炎の壁によって衣類が燃え上がり、悶えながら言うと輝夜は高揚した笑みを溢しながら言った。

 

当たり前じゃない♪それに私は『楽にしてあげる』とは言ったが『命だけは助ける』とは一言も言ってないわよ♪さぁ……一緒に逝きましょ♪

 

「「「ちょ!?そ……そんな……た……頼む!!命だけは助けてくれ!!」」」

 

輝夜は笑みを溢しながら言うと上空に設置されている天井板の高度をテロリスト達の恐怖心を煽る様に徐々に下げて行くと妹紅は輝夜が今『行おうとしている事』を完全に察し、呆れながら呟いた。

 

「……ったく、結局は心中(コレ)かよ……」

 

「フフフ♪この絶望感に染まった良い顔……堪らないわぁ~♪後は仕上げに妹紅の炎で……フフフ♪」

 

「……私も他人の事が言えないが悪趣味過ぎるぞ、テメェ……グロい物を見たく無いから外に待機するか」

 

妹紅は完全に悪役になった事に酔いしれている輝夜に呆れ返り、悪態を吐きながら火傷による瀕死の重傷を負ったリーダー格の男を突き放し、輝夜に全てを任せる様に燃え盛る炎の壁を強引に抜けると輝夜は自身に酔いしれているのか妹紅が抜けた事を知らず、そのままじっくりと天井板を下げながら……

 

「祈りは済んだ様ね……なら逝きましょ♪」

 

「「「や……止めろォォォォォォ!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

グシャッ!!

 

 

 

 

 

 

 

「うっわぁ~……スゲー嫌な音がしたぞ……取り敢えず遺体を焼き尽くすか……グロいのを見たくないし……スペルカード。蓬莱『凱風快晴(フジヤマヴォルケイノ)』!!」

 

自身ごと天井板に押し潰され、何かを磨り潰した様な不快極まりない轟音を発したのだ。

 

外に待機していた妹紅は不快極まりない轟音に顔を引き釣りながらも天井板ごと焼き尽くすと灰と化した天井板の中からゾンビの様に這い出てきた『消し炭と化した異形の何か』が現れ、妹紅に不満があるかの様な不機嫌そうな声を出しながら言った。

 

「……ったく、私一人にさせるなんて薄情ね……貴女……」

 

その『異形の何か』は妹紅の事を知っているかの様に不満を打ち明けると妹紅は、その『異形の何か』の『正体』を既に知っているか呆れながら言った。

 

その『正体』は……

 

「バーカ、私をテメェの心中(悪趣味)に巻き込ませるんじゃないよ『化け物ニート姫』」

 

「ニート姫は兎も角『化け物』は貴女に言われたく無いわ!!取り敢えず『リザレクション』っと……」

 

……そう、あのテロリスト達と共に心中した筈の『輝夜』本人だったのだ。

 

輝夜は妹紅の悪態に少し頭に来たのか少し強い口調で一喝(ツッコミ)しつつも先程、妹紅が行った回復系のスペルカード『リザレクション』を発動させ、自身の能力の一つである『不老不死』の能力を発動させ骨から再構築される様に回復していくと妹紅はポケットからタバコを取り出し、紫煙を味わうかの様に喫煙しながら聞いた。

 

「スゥ~……ハァ~……んで、黒幕の正体は誰なんだ?」

 

妹紅はタバコを吸いながら先程、鈴仙と輝夜が狼狽えていた理由である『黒幕の正体』について聞くと輝夜は顔を顰めながら言った。

 

「……二人居るわ。1人は勇人の父親である『一馬』と同期であり彼と同じ役職『大本営総副司令官』の『吹瀬』という男と、二人目は『勇人の鎮守府』にいる第4前衛基地司令官『藤岡 涼花(すずか)』の父親違いの弟『藤岡 春』という男よ。アイツは今、勇人が抱えている問題である『龍光会と回天組との因縁』に深く関係があるのよ」

 

「……よりによって『一馬と同じ役職の人間』が黒幕だなんて……待てよ。まさか藤岡……だっけ?ソイツは()()()()()()()()()()と同じく()()()()()()()って言うオチじゃねぇよな?」

 

妹紅は輝夜の発言に嫌な予感がしたのか罰の悪そうに顔を顰めながら聞くと輝夜は妹紅の憶測が当たっているかの様に重い溜め息を溢しながら答えた。

 

「……血縁者という点では間違っているが概ね正解よ。藤岡涼花は戸籍上『元回天組 組長』であり現在服役中の『藤岡 春彦』の孫娘よ。そして勇人の部下である『大岡忠実』の交際相手の『藤岡 春』の父親違いの姉……言わば彼が本当の『回天組の血縁者』よ。そして彼女が入隊した本当の理由は……」

 

「……血は繋がってはいないものの、回天組(家族)を殲滅させた対立組織である『神城会』の……しかも、その『血縁者』である勇人に報復する為……か……ん?ちょっと待て!?勇人は今、新人であり元警察の『大岡忠実』について頭を悩ませているだろ……まさか!?『吹瀬の野郎の目的』って……」

 

妹紅は今、勇人が抱えている問題である『大岡忠実』と『壊滅された回天組と龍光会からの報復行動』との関連性を思考し、もし()()()()()()()()()()()()()()()()()が頭の中に過ったのか顔面蒼白になりながら言うと輝夜は妹紅と同じ憶測を持っているのか、悔しそうに俯きながら言った。

 

「……そう、あの三人を手を組ませながら今のテロ行為の黒幕として勇人に罪を被せ、処刑……いえ最悪、連帯責任として佐世保鎮守府に所属している全ての人間達が警察や回天組の連中に()()()()()()()。それは即ち、日本にとって『どういう意味』を示しているか分かるでしょ?」

 

「……『後ろ楯(佐世保鎮守府)』が無くなった日本は敵国に攻められ、再び『第二次世界対戦後の屈辱』を味わう羽目になる……という訳か……しかし腑に落ちない所があるんだが何故、吹瀬は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?勇人を殺す事は自身の首を絞めている事と同じなのに……」

 

妹紅は輝夜の真意を察しながらも今回の黒幕の1人であり勇人の父『上城一馬』と同じ『大本営総副司令官(日本海軍のナンバー2)』である吹瀬が、自身の立場等『全て』を()()()()()()()()()()()()()について首を傾げながら聞くと輝夜は溜め息を吐き、呆れながら答えた。

 

「……知らないわよ。それは帰ってから調べれば良い事だし……」

 

「……だな」

 

輝夜は面倒臭そうに答えると、勇人の車を回収してきた鈴仙が勇人の車を運転しながら二人の元に駆け付け、疲労困憊になりながら言った。

 

「ひ……姫様に妹紅さん……回収が終わりましたぁ~……」

 

「「………」」

 

二人は半泣きになっている鈴仙……いや今の勇人の車の現状を見て絶句し、頭を抱えながら鈴仙に言った。

 

何故なら……

 

「貴女……勇人の車を『廃車寸前までボコボコ』にして……それ高級車(物凄く高いヤツ)よ」

 

「だって……コレ……暴れ牛みたいに運転し難いもん……どうしよ……勇人さんに殺される……」

 

「……取り敢えず勇人に報告する前にバレない様に『コレ(勇人の車)』を河童の所に持って行くぞ。それじゃ隙間妖怪に連絡してと……」

 

「……すみません妹紅さん……」

 

……所々ぶつけて来たのかエアロパーツとガラスは割れ、ドアやボンネットは凹み、エンジン部から煙が出る等、高級スポーツカーとは言い難い『見るに痛々しい哀れな姿』になった『勇人の愛車』こと『ランボルギーニ・アヴェンダドール』で二人に合流したからだ。

 

妹紅は頭を抱えながらも三人の協力者である『隙間妖怪』こと『八雲 紫』に連絡し、数秒も経たない内に隙間が現れると三人は廃車寸前……というより廃車になった『勇人の車(ランボルギーニ)』を押しながら隙間に入り、ドイツを後にした。

 

そして、三人は気付かなった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……イーッヒッヒッヒ♪良い事、聞きましたわぁ~……この問題に私達が便乗すれば……あの男『ハヤト』に復讐が出来るわね……首を洗って待ってなさいよ……『博霊の頭領』さん♪」

 

上空から三人の会話を聞きていた『黒い翼を着けた銀髪長髪の少女』が不敵な笑みを溢し、勇人に相当『恨み』を持っているのか、この問題を更に混乱させようと動いていた事に……

 

柏木死亡(タイムリミット)まで残り『2時間』……



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第100話「柏木救助作戦 中編」

妹紅達が隙間経由で日本に帰国している同時刻、佐世保鎮守府 第三前衛基地 執務室では……

 

「……繋がりませんね……こんな時に……」

 

妖夢は勇人の命令で大本営に電話をしていると彼女の秘書鑑である天龍と木曽が珍しく妖夢が苛ついている表情を見て狼狽えながら聞いた。

 

「い……一体どうしたんだ妖夢?そんなに苛ついて……」

 

「あ……『兄貴』絡みで何か問題でも起きたのか?」

 

天龍は狼狽えながら首を傾げ、木曽は妖夢の兄貴分(保護者)である勇人の身に何か起きたと推測し、その事を妖夢に質問する様に聞くと妖夢は『何も知らない能天気な二人の発言』と『大本営が電話に出ない事による苛立ち』が相まって自身の苛立ちを爆発させる様に怒鳴りながら答えた。

 

「あーもう!!うるさい!!此方は急いでいるんですよ!!静かにしてくれませんか!」

 

「「ヒィッ!?は……ハイィィィ!!」」

 

「妖夢、ちょっと落ち着きなよ。急いでいるのは分かるけど……」

 

「其所で失敗したら元も無いわ。一体どうしたの?」

 

妖夢は能天気に聞いた天龍と木曽に自身の苛立ちをぶつける様に怒鳴ると二人の姉妹鑑である北上と龍田が妖夢の怒りに震えている二人を窘めながら聞くと妖夢は二人の発言に我に帰りながらも少し急かす様に二人の質問に答えた。

 

「……今ドイツに居る勇人さんから伝言を頼まれたのですよ。しかも事を急いでいるんです」

 

「そうだったの……ん?『ドイツ』?」

 

「………ちょっと待って。今、総司令官は舞鶴では無く『ドイツ』に居るって言わなかった?」

 

龍田と北上は妖夢の説明に納得しつつも今現在、勇人がドイツに居る事に嫌な予感を感じ、恐る恐る妖夢に聞くと、妖夢は神妙な表情になりながら事の経緯を簡潔に説明した。

 

「……ニュース見てないのですか?今、勇人さんはテロリストに襲撃された『元 呉鎮守府総司令官』の『柏木大将』を治療する為に八意先生……私の知人の医者と共にドイツに居るのですよ」

 

「「…………はぁ!?柏木大将を治療する為に!?ってかテロリスト!?」」

 

「……此方も、あの新入りについて頭を抱えているのに……」

 

「……全くよ。それで妖夢、総司令官の伝言の内容は?」

 

天龍と木曽は妖夢の説明に事の重大さに気付いたのか、かなり狼狽え、北上は自身の言葉通り頭を抱えながら悪態を吐き、龍田は妖夢の任務である『勇人の伝言を大本営総司令官に伝達する任務』の内容である『伝言内容』について真剣な表情になりながら聞くと妖夢は時間が無いのか、かなり大雑把に説明した。

 

「……『()()()()()()()()()()()()()()()()』を三笠元帥に提示する事です」

 

「大岡って……あの警察上がりの新兵さんの事ね。何故、延ばす必要があるの?何か彼女に疚しい事でもあるの?」

 

龍田は妖夢の説明に首を傾げながら聞くと、ある程度の事情を知っている北上は神妙な表情になりながら妖夢の代わりに自身の憶測を交えた説明を続けた。

 

「……そんな子供染みた生易しい事では無いよ。『総司令官側の私』から聞いた情報だけど、彼女は兵士や憲兵すら持っていない『ある権利』を使って総司令官を……いえ下手すれば、この鎮守府を解体するつもりだよ。だから総司令官は、それを阻止する為に妖夢を通して大本営に『ある提案』を提示させているんだよ……そうだよね妖夢?」

 

「……そうです」

 

「……ねぇ妖夢に北上、その……彼女しか持っていない『権利』というのは?」

 

妖夢は頭を頷き、北上の憶測を肯定すると龍田は北上が言った『ある権利』について触れると北上は普段の緩い表情から真剣な表情になりながら答えた。

 

「……『勅令解体権』と『委託外部逮捕権』を持っているんだ。しかも本来なら総司令官である()()()()()()()()()()()()だったが、一部の上層部は大将を敵視いや『排除対象(汚点)』として見ているから警察と裏で共同し、強引な手口で大将では無く彼女に与えたんだ」

 

「「ッ!?嘘だろ!?あの新兵が『大本営総司令官と同格の権利』を!?」」

 

「チッ……不味いわね。しかも警察と組んでいたとは……」

 

「勅令解体権に委託外部逮捕権?」

 

北上の説明に天龍と木曽は忠実が持っている権利に驚愕し、龍田は舌打ちをし、神妙な表情で呟き、妖夢は北上が言った権利にピンと来なかったのか、首を傾げながら聞き返すと北上は妖夢に分かり易く説明し直した。

 

「……分かり易く言うと『勅令解体権』は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()の事で『委託外部逮捕権』は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()の事を言っているんだ。本来なら、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()に使われるんだが……」

 

北上は妖夢に分かり易く、そして『その権利の本来の使い方』を簡潔に伝えると妖夢は『勇人の伝言の真意』が分かったのか、勝ち誇った笑みを溢しながら言った。

 

「……解体に逮捕ですか……だから勇人さんは……彼女の権利を利用して……相変わらず悪どい真似をしますね……」

 

「よ……妖夢……その『腹黒い笑み』は止めてくれないか?まるで『社畜上がりの幼女兵士(ター〇ャ・デグレチャ〇)』に見えるから……幼い声も相まって……」

 

「……全くだ」

 

天龍と木曽は妖夢の悪どい笑みを見て、ドン引きしながら注意すると執務室に置かれている黒電話が鳴り響き、それを龍田が取り、普段の柔らかい口調で通話相手に聞いた。

 

「私が出るわ……はい。此方『佐世保鎮守府 第三前衛基地』の龍田です。御用件を御願いします『桜花(さくらばな)総副司令官』」

 

龍田は通話相手が『鎮守府のナンバー2(総副司令官)』こと『桜花(さくらばな) 優花(ゆうか)』だと思い、通話相手に聞くと、通話相手は相当切羽詰まった様子で龍田に怒鳴った。

 

「龍田ちゃん!!大本営の三笠よ!!今すぐ大将に代わって!!早くして!!」

 

「ッ!?落ち着いて下さい。今、大将は席を外しています……それに、()()()()()ですか?」

 

「あーもう!!()()()()()()よ!!早く大将に代わって!!」

 

「元帥、落ち着いて下さい。今、内線を通して……」

 

「ッ!?龍田さん!今すぐ私に代わって下さい!!」

 

「ちょ!?妖夢!?この電話は()()()()()()()()()()()()()()が……」

 

「其処まで配慮しますから貸して下さい!!」

 

龍田は通話相手である『大本営総司令官の三笠元帥』の怒鳴り声に驚いたのか、少し顔を顰めながらも切羽詰まっている彼女を落ち着かせながら勇人のスマホに繋げようとした途端、妖夢は通話相手が三笠元帥だと知り、電話を奪い、三笠元帥の要件を先読みしたかの様に真剣な口調で三笠元帥を窘めた。

 

「御電話、変わりました。妖夢です。今、勇t……じゃなかった上城大将は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

妖夢は、この通話が忠実(警察)達に盗聴される可能性を恐れているのか相当、言葉を濁らせながらも毅然とした態度で伝えると三笠元帥は妖夢の言葉を聞き、我に帰り、自身の冷静さを取り戻すかの様に深呼吸しながら呟いた。

 

「………え!?大将と八意先生が!?よ……良かった……あの二人なら……きっと……」

 

三笠元帥は妖夢の言葉の真意を察したのか強い安堵感が込み上がったかの様な涙声になりながら呟くと妖夢は自身の目的(任務)である『勇人の伝言』を安堵感に浸っている三笠元帥に渇を入れる様に真剣な表情になりながら伝えた。

 

「……安心するのは早いですよ三笠元帥。私は大将から『伝言』を預かっていますので、それを実行してから感傷に浸って下さい」

 

「グスッ……ごめんなさい。私とした事が……その『大将からの伝言』って?」

 

「はい。実は……」

 

三笠元帥は妖夢の優しい渇を受け、先程までの安堵感が混じった涙声を払拭するかの様に真剣な口調に変わると、妖夢は本来の目的である『勇人の伝言』を伝えた。

 

「………という訳です。そうすれば警察上がり特有の『正義感の塊』を身体で現した様な性格を持つ大岡軍曹は自発的に『大掃除』を行い、貴女が『後仕上げ』をすれば()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()から反感を買わずに済み、()()()()()()()()()()()を取り戻せる……という訳です」

 

「「なっ!?軍曹を利用して……」」

 

「成程……あの新兵を使って『時期外れの大掃除』を……ねぇ……」

 

「なかなか強かな事をするわね……あの御大将は……」

 

天龍、木曽、北上そして龍田は妖夢から『勇人の伝言』もとい『勇人の作戦』を聞き、驚愕すると共に勇人の作戦が()()()()()()()()()()()()()()だと知り、安堵感が混じった笑みを溢すと三笠元帥は勇人の作戦を聞き、悪どい笑みを溢しながら答えた。

 

「……相変わらず悪どい事を平気に思い付くわね……あの御大将は……まぁ、それ位なら良いわ♪彼女には『研修』として明後日、彼方に送り込む様に手配しておくわ♪それじゃ、彼を宜しくね♪」

 

「……宜しくお願い致します三笠元帥。では失礼致します」

 

妖夢は微笑みながら通話を切ると天龍達は勇人の伝言内容を聞いて完全に一本取られたのか、呆気が混じった乾いた笑い声を出しながら呟いた。

 

「あははは……まさか『大将の経歴』を理由にし『軍人として()()()()()()』を使うなんて……」

 

「……一本取られたな」

 

「まぁ『彼方さん達の艦娘達』にとっては吉報でもあるし、あの新兵の正義感(自己欲求)が満たされるし、そして何より此方の時間も稼げるから、お互い()()()()()()()()()()だね♪流石、御大将♪」

 

「流石、妖夢の兄貴分だわ♪これなら安心して時間を稼げるわね♪」

 

天龍達は勇人の作戦に勝利を確信したかの様に和気藹々に会話していると妖夢は自身の任務(仕事)が終わって、一瞬ホッとした表情になりながらも自身の帯を締め直す様に神妙な表情で天龍達に言った。

 

「……そうですね。これで最悪『勇人さんの汚職事案(不法入国)を抹消する時間』と『勇人さんの切り札』である『柏木大将を治す時間』が稼げましたから良いのですが……()()()()()()()()()()()()……」

 

「引っ掛かる?何が?」

 

天龍は妖夢の疑心感が入った言葉に首を傾げながら聞くと妖夢は難しい表情になりながら答えた。

 

「はい……何故、警察は勇人さんを……いえ大将を必要以上に『いちゃもん』を吐ける様に迫って行くのかなぁ……って……軍の命令とは言え、警察だけでは無く一般市民まで迷惑を掛けたのは事実ですが、この事は()()()()()()()()()()()()()()()だと言う事は総理大臣含む『全国民』が()()()()()()なのに……」

 

「いちゃもんって……まぁ強ち間違っては無いが……何でだろ?」

 

天龍は妖夢の喩えに少し苦笑しながらも首を傾げると執務室に軍服を着た容姿端麗の若い女性が勝手に入り、彼女の人柄の良さを表したかの様な優しい微笑みを溢し、話を聞いていたのか妖夢の疑問に答えた。

 

「簡単な理由よ。()()()()()()のせいで警察(サツ)は勇人君に壊された『存在価値』を取り戻そうと躍起になっているのよ。その『見せしめ』として必要悪(職権乱用)で鎮守府……いえ日本を救った彼を必要以上に攻めているのよ。ただいま妖夢ちゃん」

 

「「「「ッ!?お……おおお……お帰りなさいませ(あね)さん!!」」」」

 

「あ!?優花さん、お帰りなさい。大将は今……」

 

天龍達は慌てながら、妖夢は笑みを返しながら女性もとい『妖夢達の上官(姉貴分)』であり『佐世保鎮守府のナンバー2』こと『桜花 優花』に言うと、優花は笑みを崩さないまま一連の経緯を簡潔に言った。

 

「分かっているわ。今、別件で勇人君はドイツに居るんでしょ?所で状況は?」

 

「……一先ず『1つ目の最悪の事態』だけは避けました」

 

妖夢は少し不安感を募らせながら優花の質問に一言だけ返すと優花は「上々ね」と妖夢を誉めるかの様に微笑みながら返し、少し不安感を募らせている妖夢達を励ます母親の様に優しく妖夢の頭を撫で、続けて言った。

 

「……後は勇人君と八意先生を信じましょ。あの二人なら必ず治してくれるから……ね♪」

 

「……そうですね。信じましょ……彼を……」

 

妖夢は優花に頭を撫でられ、彼女の優しく柔らかい雰囲気に甘える様にリラックスした表情になりながら答え、勇人達を信じながら普段の業務に取り掛かった。

 

余談だが……

 

「「「「やっぱり癒されるなぁ~……」」」」

 

「ん?皆さん、どうしたのですか?」

 

「「「「ッ!?い……いや、何でも無い……」」」」

 

「アンタ達ねぇ………気持ちは分かるけど、早く持ち場に戻って」

 

天龍達は妖夢の仔犬の様な覚束無い業務作業を見て癒されたのは言うまでも無かった。

 

だが勇人も含め、皆は知らなかった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本の『とある鎮守府の屋上』にて……

 

「……イーッヒヒヒッヒ♪『艦娘』に『人間』……これを使えば面白いになりそうですわ♪さぁ……お手並み拝見と行こうじゃないの……人間が人間を裁く瞬間をね♪」

 

これが『1つ目の最悪の事態の回避』では無く、後々『平行世界の"過去と現在(いま)の時代"を巻き込んだ厄介事』を誘発する『切欠』になろうとは……



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第100話「柏木救助作戦 後編」

ドイツの現地時間 0730 ベルリン州の高速道路(アウトバーン)を走行している救急車の車内にて……

 

柏木死亡(タイムリミット)まで残り『90分』……

 

今、高速道路(アウトバーン)に乗ったわよ!そのまま上城病院に向かうよ!!

 

「……漸くか」

 

「ええ……」

 

ん?どうしたの?何かあったの?

 

オクは相当切羽詰まっているのか声を荒げ、焦りながら後部座席で柏木を手術している勇人と永琳にロシア語で報告すると勇人と永琳はオクの運転技術の低さに少し怒りながら不満を溢した。

 

何かあったの……じゃねぇよ!!テメェ、高速道路(アウトバーン)に乗るまでに何回ぶつけているんだ!!これでもアイツの専属メイドか!!このままだと病院に着く前に廃車になっているぞ!!柏木だけでは無く俺達を殺す気か!!

 

「……『咲夜』か『佐世保(勇人)の方の赤城』を連れてくれば良かったわ。これは酷過ぎるわ……」

 

勇人と永琳は高速道路に乗るまでにオクが道中ぶつけまくったせいで勇人の愛車と同じく『廃車寸前になった痛々しい姿になった救急車』を見て怒鳴り散らすとオクは二人の言葉に反論(逆ギレ)するかの様に怒鳴り返した。

 

し……仕方無いじゃない!!私だって()()()にして漸く免許取ったんだし……多少のミス位、目を瞑って!!

 

「「ペーパードライバーかよ!?しかも四回も落ちたのか!?」」

 

「……後、悪報を『もう1つ』……今、()()()()()()()()()()

 

「「え!?マジで………」」

 

勇人と永琳はオクのカミングアウトと悪報を聞き、二人はガラス越しではあるが、恐る恐る後ろを見ると……

 

警察だ!!其処の救急車!!今すぐ止まれ!!

 

止まらないと強行手段に移るぞ!!

 

我がドイツ車の性能は世界一ィィィ!これに勝る物はないイイィ!!!

 

「「…………」」

 

其所には『けたたましい警告音(サイレン)』を鳴り響かせた『白のポルシェ911』に『白のAudi アヴァンド』そして『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』こと『ランボルギーニ・カヤルド polizei』が勇人達が乗っている救急車を煽っていたのだ。

 

勇人と永琳は後ろで煽っているポルシェとランボルギーニを見て顔面蒼白になり、永琳は声を震わせ、物凄く狼狽えながら勇人に言った。

 

「は……ははは……勇人、あれ……ど……どどど……どう見ても……勝ち目無いよね。『車の性能的』にも『ドライバーの技量的』にも……」

 

「チッ……仕方無ぇ、妹紅達に連絡してみるわ」

 

勇人は自身の車を回収し終えているであろう妹紅に電話をすると通話相手である妹紅が勇人の電話に出て、何か『後ろめたい気持ち』があるのか挙動不審になりながら応答した。

 

「ど……どどど……どうしたんだ勇人?私にな……何か……」

 

「ああ。実は今、警察に追われているから回収した俺の車を使って警察を撒きたいんだが……高速道路(アウトバーン)に持ってきてくれないか?」

 

勇人は簡潔に、そして冷静に今の状況を説明し、自身の車で警察を撒きたい主旨を伝えると妹紅は自身の『後ろめたい気持ち』になった原因である『勇人の車を廃車にした事』を詫びる様に申し訳無さそうに謝罪した。

 

「ご……ごめん勇人!実は……あの車を回収に行ってた鈴仙が『廃車』にしてしまって……今、にとりの所で『大規模修理中』なんだ」

 

「………スマン妹紅。今『車が廃車になって幻想郷(にとりの所)で直している』と聞こえたが……俺の聞き間違いか?」

 

勇人は妹紅の謝罪に余程ショックだったのか、一時的に思考が停止したものの再度、聞き返すと妹紅は近くに居た鈴仙と輝夜と共に相当申し訳無い気持ちで一杯なのか、そのまま土下座をするかの勢いで再度、勇人に謝罪した。

 

「ご………ごめんなさい!!聞き間違いでは無く、ガチで廃車になりました!!」

 

「ご………ごめんなさぁぁぁぁい!!私のせいでぇぇぇぇ!!師匠だけには言わないで下さぁぁぁぁい!!」

 

「本当に申し訳無い事をしたわ……あの高級車を廃車にして……」

 

「………泣けるぜ。後、鈴仙……既に手遅れだぞ」

 

勇人は三人の善意のある謝罪に怒る気力が無くなると共に鈴仙に一言だけ伝えると隣で聞いていた永琳は鈴仙達に説教をしたい気持ちを押さえているのか、ドスの効いた低い声を発しながら言った。

 

「……鈴仙、勇人の車の修理代は貴女の『毎月の給料』から引いておくわ。そして姫様に妹紅、今後『FG〇(スマホゲーム)の課金』を『禁止』します。分かったわね?」

 

「ッ!?い………yes ma'am!!」

 

「yes sir!!」

 

「え!?ちょ……私だけ重くないですか!?ってか師匠が居るのなら教えて下さいよ勇人さん!!」

 

輝夜と妹紅は電話越しではあるが永琳の殺気(怒り)に触れ、声を震わせながら永琳の罰を了承し、鈴仙は永琳の罰に不服なのか、勇人に八つ当たりをするかの様に怒鳴ると永琳は鈴仙の不服に激怒しながら反論した。

 

「当たり前じゃない!!!根本的に言えば貴女が『勇人の車(ランボルギーニ)』を壊したんでしょ!!只でさえ永遠亭(ウチ)は二人の『3桁を行く程(100万以上)の重課金』のせいで『火の車(大赤字)』なのに、追い討ちを掛ける様な真似をして……それを遣り繰りしている私の身にも、なって欲しいわ!!!」

 

「ウグッ!?そ……そう言われると……反論出来ません」

 

「「………本当に、ごめんなさい」」

 

永琳は火の車と化した家計を遣り繰りしている苦労と不満をぶつける様に三人に反論すると勇人は暴走している永琳を窘める様に優しく言った。

 

「……先生、今は……」

 

「……そうだったわね。じゃ、チャッチャッと治療(手術)しますかね……勇人、隙間経由でセボフレン(全身麻酔)投与」

 

「……隙間解放、セボフレン(麻酔)投与」

 

永琳は自身の家族のせいで勇人の車を廃車にした事による罪悪感を募らせながらも電話を切り、気持ちを入れ替える様に一呼吸をし、手術を始めた。

 

「……身体検査(バイタルチェック)、異常無し」

 

「……分かったわ。メスと開口器を……」

 

永琳は勇人に命令しながらも撃たれた右肩の傷口を広げる様にメスを入れ、開口器を使って血管や破損した筋繊維を掻き分けて行くと『何かの薬品が凝固している黒い粒子が備えられている弾丸』を見付け、その弾丸を再確認するかの様に軍兵器に詳しい勇人に聞いた。

 

「……見付けたわ勇人。例の『弾丸(AAF弾)』よ」

 

「ああ。だが摘出は俺がやる……弾丸に備えられている粒子には『枯葉材(TCDD)』と『エボラウィルス』そして今、流行している『例のウィルス(新型コ〇ナウィルス)』が混合した『BOW(生物兵器)』が入っているから医療だけでは無く兵器関係の専門家じゃないと摘出出来ない弾丸だ。しかし、この粒子が破裂して柏木に感染しなくて良かったぜ……でないとベルリン……いやドイツ全土が大規模感染(パンデミック)が起きるからな」

 

「……一番考えたく無い結末ね。なら御願いするわ」

 

「分かった」

 

永琳は勇人の説明を聞き、自身が言った『一番考えたく無いの結末』の内容が『某ゾンビゲーム(バイオ〇ザード)』の『街並み(ラ〇ーンシティ)』を想像したのか、少し安堵しながら助手に回っていた勇人に変わると、勇人は隙間からピンセットを取り出し、慎重に弾丸を左に回しながら摘出し始めた。

 

だが、此処で問題が起きたのだ。

 

何故なら………

 

「ッ!?……ぬ………抜けねぇ……何でだ……坐骨に刺さって無ぇのに……」

 

……AAF弾が何かしらの原因で摘出出来ない状態に陥ったのだ。

 

永琳は勇人の呟きを聞いて、少し動揺しながら傷口を確認しに覗いた。

 

「……え?ちょっと見せて……ッ!?成程……これがレミリアが言っていた『時限爆弾の正体』だった訳ね……」

 

「……何か分かったのか?」

 

永琳は傷口を見て、少し動揺ながらも『弾丸が摘出出来ない原因』を判明し、少し苛ついている勇人に簡潔に説明した。

 

その『原因』とは……

 

「……凄く簡単な理由よ。彼の身体が自己修復を始めているわ。しかも相当『速い速度』で……」

 

「チッ……そう言えばコイツの自然治癒力も俺と同じ高い治癒力を持っている事を忘れてた……なら……」

 

……凄まじい速度で破損した筋繊維や毛細血管等が再生し始め、それが原因で弾丸を粒子ごと押し潰すかの様に圧迫し始めたのだ。

 

つまり勇人と同じ身体を持つ『柏木の()()()()()()()()()』が『AAF弾(生物兵器)を起爆させる為のスイッチ』として化けていたのだ。

 

勇人は完全に失念しながらも『ある事』を行う為に永琳に真剣な表情になりながら言った。

 

「……先生、今から『止める』から俺に触れて下さい」

 

「分かったわ。ちょっと失礼するわ……」

 

永琳は勇人の命令を微笑みながら承諾し、彼女が装着している手術用のゴム手袋には血が付いている為、必然的に身体を勇人に預けるかの様に密着し、寄り添う形に触れると勇人は永琳の行動に同じ医者として納得しつつも、永琳の魅力的な美貌と女性らしい魅惑的な身体に男性として少し照れているのか、それを表す様に赤面し、苦笑しながら発言した。

 

そう、勇人が発言した『止める』と言うのは………

 

「はい。触れたわよ……さっさと止めて頂戴」

 

「そこまでガッツリと密着しなくても………まぁ良い、本日『二回目の()()()()』だ……スペルカード!幻影『白金星の世界(スタープラチナ・ザ・ワールド)』!!」

 

……『二人以外の()()()()()()()()()()』だったのだ。

 

勇人は自身の能力の『発動呪文』である『スペルカード』を高々に宣言すると景色や高速道路(アウトバーン)を走行中の車両等、二人以外の『全て』が()()()()()()()()()()()()()()()()と永琳は能力を発動させた勇人から離れ、先程の密着行為が恥ずかしかったのか赤面しながら言った。

 

「……これで自己再生(時限爆弾)が止まったわ。さぁ、再開するわよ………」

 

「ああ……鋏型ピンセット(ケリー)を……」

 

勇人は気合いを入れ直すかの様に真剣な表情になりながら柏木の身体に埋め込まれている弾丸(AAF弾)を左に回しながら摘出し始めた。

 

そして、時間を止めた事が功を成したのか……

 

「……フン!!」

 

グチャッ……

 

カラン……

 

……長時間、空気に触れたせいで粘り気が増した血液が付着したものの無事、1つ目の弾丸(AAF弾)の摘出が成功したのだ。

 

勇人は慎重に、そして粒子に触れない様に摘出した弾丸(AAF弾)を受け皿が入った密封式の袋に入れ、右肩の傷口を素早く縫合しに取り掛かると永琳は相当集中していたのか、冷や汗を流している勇人の額をハンカチで拭き取りながら優しく言った。

 

「……漸く1つ目が摘出出来たわね」

 

「……本当に『漸く』だな。『2つ目』と『3つ目』は『腹部』に……そして『最後』は……」

 

「『胸部』ね。それじゃ私は腹部を行うから胸部の所を御願いね」

 

「……ああ。頼む……ッ!?」

 

永琳は先程の摘出手順を覚え、勇人に命令すると勇人は右肩の縫合を終え、『一番難所』である胸部に埋め込まれている弾丸(AAF弾)の摘出作業に取り掛かった。

 

そして勇人は胸部に撃たれている弾丸(AAF弾)には備え付けられた粒子の一部が流出され『とある臓器』に注入するかの様に刺さっており、先程以上の危機感を募らせたのか少し顔を強張せながら鋏型ピンセットこと『ケリー』を使って摘出作業を行った。

 

何故なら……

 

(………弾丸(AAF弾)が肋骨を貫通し、肺まで達してやがる。しかも粒子が流出している……仕方無い!術後、暫くの間『不整脈』が起き『息苦しくなる』が恨むなよ柏木……)

 

……その『とある臓器』の正体である『肺の一部』が亀裂が入った粒子の成分に浸食され、その弾丸(AAF弾)が粒子の成分を注入するかの様に刺さっており、弾丸(AAF弾)のみの摘出が不可能になっていたのだ。

 

勇人は柏木の超人的な自然治癒力に全てを賭けるかの様に『とある摘出方法』を利用して『鋏型ピンセット(ケリー)』から『電気ケーブルが備え付けられた特殊なメス』こと『電気メス』に持ち変え、柏木の肺に向け、電気メスを入れた。

 

その方法とは……

 

(………弾丸(AAF弾)を浸食された肺の一部と共に切除する『楔状切除(けつじょうせつじょ)』で除去するしか方法が無い!!)

 

……そう勇人は肺癌の手術に用いられている肺切除術『楔状切除』という方法を使い、弾丸(AAF弾)を摘出しようとしたのだ。

 

読書の皆様にも分かり易く説明するが『楔状切除』と言うのは『肺癌』の手術に最も用いられている手法であり、切除方法は文字通り、肺の外側の『ほんの一部』を()()()()()()()()()為の肺切除術である。

 

勇人は肺癌の手術を応用し、浸食された肺胞と弾丸(AAF弾)を除去しに電気メスを入れると電気メス特有の高周波電流による高熱が発生し、何かを燃やした様な不快な匂いと共に煙が舞い、それと同時に高熱によって『正常な肺胞』と『汚染された肺胞』との境目を斬りながら電流メスの高熱による『正常な肺胞の切創部(切り傷)』を溶接の様に塞ぎながら除去施術を行うと、先に摘出が終わった永琳が心配そうに勇人に言った。

 

「……ソッチは相当ヤバい事になっていたわね……大丈夫?」

 

「正直言って『止めれる時間(活動時間)』を越えているから持って『10秒』だ……永琳、急いで別の袋を準備してくれないか?」

 

「ッ!?分かったわ!!」

 

勇人は短期間で『2つ以上の能力を乱用した事』による『精神疲労』が発生し、それが原因で超人的な精神力を持った勇人でさえ集中力が低下し、視界がぼやけ、辛そうに命令し、自身の疲労を抗う様に自前の根性で施術し続け、そして……

 

「……よし。取れた……永琳!!」

 

「はい!!」

 

ポトッ……

 

……無事、摘出する事に成功したのだ。

 

そして………

 

「縫合と『艤装展開防止装置』の起動は任せる……………()()()()()………()()()()………スペルカード……凍符『完全凍結(パーフェクト・フリーズ)』……現時刻を以て手術(オペ)終了っと……」

 

……疲労困憊になりながら『後始末(縫合処置)』を永琳に任せると共に時間停止を解除し、先程摘出した『汚染された肺胞が着いた弾丸(AAF弾丸)』を瞬間凍結させ、凍結させた弾丸(AAF弾)を永琳が先程、準備した袋に入れ、空気が漏れない様に密封したのだ。

 

永琳は後始末(縫合処置)をしながら勇人を労った。

 

「お疲れ様、後は休んでて……」

 

「……ああ」

 

勇人は永琳の労いの言葉を素直に受け入れ、備え付けられた椅子に深々と座ると運転中のオクが疲れきった勇人に渇を入れる様に怒鳴った。

 

()()()に何、一服してんのよボンクラ御曹司!!!それに私達、警察に追われているのよ!!!何とかしなさいよ!!!

 

オクは『勇人が手術中に一服している事』と勝手に思い込み、警察に追われている状態と合わさって切羽詰まった口調で言うと、勇人は疲労困憊になりながら、オクに安心感を与える様に優しく報告した。

 

何故ならば……

 

「……安心しろ。もう『()()()()()()()』それに()()()()()()()から焦らんで良いぞ

 

はぁ?()()()()()()()?それ、どういう………ッ!?パトカーが路上で()()()()()()()!?一体、何が起きたのよ!?説明して頂戴!!

 

……先程まで追跡していた3台の警察車両がボンネットから煙を出し、路上に停車していたのだ。

 

オクはバックモニターとミラー越しではあるが『3台が原因不明の故障により停車している事』と『既に手術が完了している事』に先程まで切羽詰まった状態による不安感が拍車が掛かる様に混乱しながら言うと、永琳は後始末(縫合処置)を終え、柏木の上半身を『高速修復材を染み込ませたガーゼと包帯』を使って巻きながら優しく微笑みながらオクの質問を冗談混じりで答えた。

 

さぁね♪日頃の行いが良かったんじゃない?……勇人、休んでいる所を悪いが艤装展開防止装置を起動させてくれない?艤装(きかい)に関しては専門外だから………」

 

「はいよ……よしっ!起動完了っと……まぁ、そういう訳だ

 

いやいや、そんな『神頼み(運任せ)』で解決する様なトラブルじゃないでしょ!!私にもカラクリを教えなさいよ!!先程の『密着の件』やら『変な空間から医療器具が出てきた事』全てを!!

 

オクは相当腑に落ちなかったのか、バックミラー越しで一部始終を見ていた為、その一部始終の出来事について物凄く強い口調で問い質すと二人は微笑みながら答えた。

 

それに関しては()()()()()()()()だから運転に集中しろ

 

()()()()()()()()()()()だから気にしないで♪

 

「……日本の特別防衛機密(例のアレ)』ね。なら触れないでおくわ。私だって命が欲しいし……取り敢えず、そのまま病院に向かうわ

 

賢明な判断だな。んじゃ頼むわ……後、八意先生『コレ』を……」

 

オクは二人が遠回しではあるが、先程の行為が『特別防衛機密』に触れる事を察し、問い質すのを諦めたかの様に覇気の無い溜め息を吐きながら答え、運転に集中すると勇人はオクに聞かれない様に小声で懐から『ケースに入れてあるCD』を取り出し、それを永琳に渡した。

 

「ん?何これ?」

 

「CDだ」

 

「それ位、分かっているわよ!!CDの『中身(データ)』を聞いているの!!こんな時にボケないで!!んで中身は?」

 

永琳は勇人の返答(ボケ)一喝(ツッコミ)をしつつも再度、CDの中身(データ)について聞くと、勇人は勝ち誇った笑みを溢しながら『CDの中身(データ)』を答えた。

 

「『平行世界の紫の能力』が入っている」

 

「……え?ちょっと待って………それって確か『陰の世界』に『宣戦布告』を出した時に彼方の紫から()()()()()()()()()()()()()()……あのCDよね?まさかだと思うが、それを彼に?」

 

永琳は勇人からデータの内容を聞いて数日前、永琳自身は関わって無いが舞鶴で起きた『もう1つの厄介事』である『アズールレーンの世界』と『この世界の平行世界』である『陰の世界』で起きた『平行世界の勇人を救助』と『護衛』そして『陰の世界の住人達に対する宣戦布告事案』こと『重桜護衛作戦』を思い出し、その『戦利品の1つ』である『CD』と『勇人の考え』を察し、物凄く嫌な予感を募らせながら聞くと、勇人は微笑みながら肯定した。

 

「そう。コレをアイツの『艤装』の『代用品(代わり)』として与えるつもりだ。勿論、柏木に合わせて調整(チューニング)はしてある」

 

「……大丈夫なの?調整(チューニング)を施したとは言え、あの『紫の能力』よ?精神に対する負荷(ストレス)が相当大きいわよ」

 

永琳は平行世界とは言え『紫の能力』である『転移能力』こと『隙間』の強過ぎる能力(ちから)が柏木の精神を蝕む事を懸念していると勇人は永琳の心配事を払拭するかの様に微笑みながら答えた。

 

「それなら『検証済』だ。同じ物を複製したCDを優花にあげたが、何とも無かったぞ」

 

「貴方ねぇ……自分の部下を実験台(ラット)にするなんて……貴方イカれているわ」

 

永琳は彼の部下である優花に『実験台』として検証した勇人に対して汚物を見る様な殺気ある強い眼差しをし、落胆した低い声を出しながら軽蔑すると勇人は永琳の誤解を解く為に苦笑しながら『実験台についての経緯』を簡潔に弁解した。

 

「一応言っておくが、その『案』は優花(アイツ)が『発案』したんだ。しかも発案理由が『あのチート能力が複製出来るんなら複製品でも良いから私に頂戴!!早苗ちゃんには負けたくないから!!』と『私欲』と『早苗に対する嫉妬心』丸出しの『犬も食わない下らない理由』で俺の反対を押し切り、自ら施術を施したんだ……しかも、その『強い欲望』のせいなのか紫の能力を()()()()()()()()()()()からな……俺でもさえ自身の能力を手懐けるのに四苦八苦していたのに……泣けるぜ」

 

「……同情するわ勇人。そして先程は疑ってしまってゴメンね……検証が済んだ経緯(りゆう)が分かったから始めましょ」

 

永琳は毒が入った勇人の弁解(経緯)を聞き、『発案理由が下らな過ぎる事による呆気』と『勇人に対する同情(労い)』をしつつも肩にポンと手を添えながら先程の誤解を詫びると勇人は苦笑しながら柏木の上半身を起こし、永琳に指示を出した。

 

「そうだな。それじゃCDを柏木の頭に入れてくれ」

 

「分かったわ。彼が暴れない様にしっかり押さえてね」

 

勇人は柏木の身体を固定する様に押さえると永琳はCDケースからCDを取り出し、それを柏木の頭に恐る恐る近付けるとCDは柏木の頭の中に入る様に消え、永琳は『柏木の身体に何も起きなかった事による安堵感』と『初めて他人に能力を与える施術をした事によるプレッシャーからの解放感』そして『物凄く簡単な施術で能力を授けた事による確認が出来ない疑心感』が一気に込み上がり、その現実を再確認するかの様に恐る恐る勇人に聞いた。

 

「こ……これで良かったの?物凄くアッサリと終わったんだが……」

 

「それで良い。後は……目覚めるのを待つだけだ。そしてオク……」

 

何よボンクラ?

 

勇人は不安になっている永琳を窘める様に優しく答え、柏木の手術そして能力付加施術が完全に終了した事により多少、気持ちに余裕が生まれ、何時ものチンピラ染みた口の悪い口調に戻り、運試中のオクに優しく言った。

 

「………ありがとう。お前のお陰で柏木を治す事が出来た。後、医者に"柏木を至急『高速修復材が入った浴槽』に浸けてくれ"と伝えてくれないか?俺達は帰国するから……」

 

勇人は柏木を助ける為とは言え自身の無茶振りに答えてくれたオクに礼を言うとオクは勇人の御礼に戸惑い、気味の悪い寒気を感じ取り、狼狽えながら答えた。

 

………アンタが私に()()()()()()()()………何か嫌な事が起きそうで怖いわ……それに今の言い方だと『故郷に婚約者を待たせている一般兵士の最後の言葉』を言っている様に聞こえるわ

 

オクは勇人の御礼に物凄く縁起の悪い喩えで勇人に答えると勇人と永琳はオクの喩えに苦笑しながら答えた。

 

「……んな訳無ぇだろ。俺には婚約者ところか『御相手(カノジョ)』すら居ねぇし、身体の頑丈さに自信があるから、そんな『死亡フラグ』は立たねぇよ。んじゃ、後は頼んだ

 

そうよ。何せ、勇人の『生命力』はゴキブリの様に『しぶとい男』だから問題無いわ。それじゃ……」

 

二人は柏木の事をオクに任せ、さりげに二人の足元に展開していた隙間に飛び込む様に入るとオクは『勇人の言葉(手術結果)』に感極まったのか目に涙を潤わせ、声を震わせながら呟いた。

 

バカ………御礼を言いたいのは私の方よ。本当にありがとう『ボンクラ御曹司』………いえ……元『御主人様』……」

 

オクは自身の前職が『上城財閥』の『メイドの一人』しかも勇人の『元 専属メイド長』だった為、勇人の事を『御主人様』と呼びながら只、勇人の義侠心によって救われた事にひたすら感謝しながら柏木を上城病院に向かい、到着後は医師に勇人の伝言を伝え、それを処方したお陰で………

 

 

 

 

翌日、上城病院の特別病室にて……

 

 

「う……う~ん……ん?此処どこ?俺は確か撃たれて……それに撃たれた所が治っている!?ま……まさか勇人が……」

 

は………疾風!!大丈夫!?何処か痛い所ある?

 

ッ!?イテテテ!!傷口に染みるから抱き着くな!!早く離れろ!ソッチの方が痛ぇよ!!

 

あっ………ゴメン………

 

………何事も無かったかの様に病室のベットから起き上がり、何時もの『微笑ましいやり取り』で目覚めたのは言うまでも無かった。

 

 

そして『一つ目の厄介事』が終わったのと同時に『勇人にとって人生最悪の厄介事』こと『佐世保鎮守府創設以来の大問題』という『時限爆弾』が刻一刻と刻み始めて行った。

 



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第101話「悪夢の始まり」

柏木を治療してから数分後、幻想郷『紅魔館』の『王室』にて……

 

「……どうやら『一つ目の厄介事』が済んだようね。良かったわ……」

 

王室に置かれている椅子に座って安堵の溜め息を溢している『蝙蝠の翼を持った女性』こと『レミリア・スカーレット』は『紅白に配色されている若い巫女』こと『博麗 霊夢』に自身の能力で『柏木の死』という『最悪な運命』が無くなった事に胸を撫で下ろすと霊夢はレミリアの姿を見て、少し驚きながら聞いた。

 

「ええ……ってか、アンタ……何時の間にモリ〇ン並の『スケベボディ』に成長したのよ」

 

霊夢は『自身が知っているレミリアの姿』と『大きく異なっている姿』に戸惑いながら聞くとレミリアは微笑みながら言葉を濁らす様に答えた。

 

「何、『咲夜に関する交換条件』として『吸血鬼としての私の我が儘』を聞いて貰っただけよ」

 

「……勇人の血を飲んだ訳ね。ちなみに、どの位『飲んだ』の?」

 

()()で『1リットル位』飲んだかな」

 

「アンタだけでは無く、フランも飲んだのかい……ってか、アイツ………よく貧血にならなかったわね」

 

「そうね。まぁ彼の味は……あの時、彼は酒を飲んでいたせいでもあるが『高級ラム酒を贅沢に使った甘さを抑えたパウンドケーキ』と『ウイスキー』が混ざった『"甘美な甘さ"と"ほろ苦さ"が残る"大人の味"』だったわね……思い返すと、また飲みたくなるわ……洋酒を彷彿させる様な強い深味に、それに負けない甘美な味を腹一杯に……ジュルリ……」

 

「……そこまで聞いてないわよ。ってか止めなさい。ガチでアイツが貧血になるから……んで、話を戻すけど私に頼みたい事って?」

 

霊夢はレミリアの吸血鬼特有の『吸血衝動』に呆れながら忠告しつつ『本来の目的』である『レミリアからの依頼』について触れるとレミリアは先程までの物欲しそうな大人の色気を醸し出した妖艶な雰囲気を一掃するかの様に咳払いをし、威厳のある雰囲気を醸し出し、真剣な表情で霊夢に言った。

 

「ゴホン……そうだったわね。霊夢、咲夜は今、勇人の命令で数名のメイド達を連れて『艦船と言われている平行世界』……確か『アズールレーンの世界』だっけ?その世界に滞在しているの。それで貴女には……」

 

「……私も『二人の勇人』の為に『アズールレーンの世界に行け』と言う訳ね……答えは『NO(イヤ)』よ。此方も生活が掛かっているからね。ボランティアなら早苗に頼みなさいよ……ったく、咲夜に任せれば良いのに面倒臭い事を押し付けるわね

 

霊夢はレミリアの依頼内容を先読みをし、面倒臭そうに答えるとレミリアは「心の声が出てるわよ霊夢」と苦笑しながら一喝(ツッコミ)をしつつも、レミリアの依頼に全く乗り気では無い霊夢が快く2つ返事をする為の秘策である『ある条件』を霊夢に提示しながら呟いた。

 

その条件とは……

 

 

「………()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「ッ!?」

 

「しかも『俊夫さん』から聞いた話では『()()()()()()()』と聞いていたからね。まぁ貴女が受けないのなら美鈴(メイリン)に頼んで……」

 

「喜んで受けさせて貰うわ!すぐに紫に連絡して頂戴!!」

 

「……金絡みになると目の色が変わるわね貴女。本当に()()()()()()()()()()()()かしら?巫女としてのプライドあるの?」

 

……『高額報酬』がある事を提示したのだ。

 

レミリアは霊夢が巫女の身でありながら『醜い欲望丸出し』で自身の依頼を快く承諾した事に呆れながら毒を吐くと霊夢は……

 

「プライドだけで生活出来るかぁぁぁぁ!!しかも勇人の祖父(ジイ)さんの『金絡み(小遣い有り)の依頼』なら喜んで受けるわよッッッ!!」

 

……目の色を変え、息巻きながらレミリアの悪態に答えたのだ。

 

レミリアは先程までの『怠惰』で『やる気の無い雰囲気』を醸し出していた霊夢が目の色を変え、鼻息を荒くしている表情を見て物凄く呆れながら忠告した。

 

「………単純ね貴女。なら佐世保に居る優花に頼んで彼方に転送させて貰えれば良いわ。間違っても、あの隙間妖怪には()()()()()()。でないと貴女にも『取り返しのつかない悪運』が来るからね」

 

「あー……何となく想像付くわ……あの紫なら『それなら分け前(マージン)を貰うわ♪』と言いながら殆ど持って行くからね……分かったわ。それじゃ佐世保に行ってくるわ……邪魔したわ」

 

霊夢は「……そして待ってなさい!!私のお小遣いィィィィ!!!」と完全に自身が『金の亡者』と主張するかの様に目の色を変えながら紅魔館を後にすると部屋の隅に隠れる様に聞いていた『ネグリジェに似た柔らかい衣装を身を纏った紫色の髪をした若い女性』が先程の一連の経緯を聞いて苦笑しながらレミリアに言った。

 

「………こんな『子供染みた嘘』に乗るなんて……意外とチョロかったわね。レミ……まぁバレたら()()()()が……」

 

「……後で勇人に頼んでおくわ『パチェ』」

 

レミリアは『ネグリジェ風の衣装を着た女性』こと『パチュリー・ノーレッジ』の忠告に少し青ざめながら答えるとパチュリーは呆れながらも親友であるレミリアが何故、霊夢に依頼した『本当の目的』について触れた。

 

「……まぁ良いわ。それで何故、霊夢をアズールレーンの世界に?」

 

「………『勇人に対して未だ嘗てない程の厄介事』が見えたからよ。だから霊夢には勇人の厄介事による『余波』を他の世界にまで影響を受けない様に彼方の世界で対策を発案させる為に行かせたのよ」

 

「未だ嘗てない程の厄介事?しかも、その厄介事に関する対策を霊夢がアズールレーンの世界で?話が少し突飛しているわね……詳しく教えてくれないかしら?」

 

パチュリーはレミリアの神妙な表情に少し狼狽えながら聞くとレミリアは神妙な表情を崩さず、ただ一言だけパチュリーに言った。

 

「…………5年前、勇人に封印された筈の『アイツ』が現れた運命を見てしまったの……」

 

「ッ!?嘘でしょ………だって『アイツ』は暴走した勇人の手によって惨殺され、再生(転生)しない様に厳重に封印した筈じゃ……」

 

パチュリーはレミリアが発言した『アイツ』について聞くと、自身の……いや過去に幻想郷で起きた異変の中でも『全ての世界のバランスが崩壊する程の史上最悪な異変』だった為、その事を思い返すかの様に顔面蒼白になり、狼狽えながら聞くとレミリアは頭を抱えながら答えた。

 

「確かに『アイツ』は勇人に惨殺された後、封印されたわ。それについては私も封印に関わっていたから間違い無いわ……だけどね、誰かの陰謀で『アイツ』を復活させたのよ……()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「……勇人に恨みを持った者が『金沢連続失踪事件(この事)』を聞いて、『アイツ』を復活させ、彼を社会的に……いえ文字通り『()す気』で復活させた……という訳ね……もし『アイツ』が手始めに行うとしたら……」

 

「……手始めに『アイツが嘗て居た世界』を手中に収め、この世界の住人達を何かしらの方法で味方に着け、勇人は断頭台で処刑される罪人の様に住人達の前で『見せしめ』として殺されるわ。しかも『コッチの問題』が『最悪の結果』になったら………」

 

「……『今まで起きた事件に関する全ての責任を勇人が償う』と彼を嫌うマスコミ達は意気揚々と大きく報道し、『アイツに洗脳された国民達』はマスコミに踊らされ、下手すれば『同犯者』である『佐世保鎮守府に所属している艦娘含め全隊員』と『一族含め彼に関わった者"全員"』を断頭台に……考えただけで恐ろしいわね」

 

「……全くよ。だから手始めに霊夢を彼方に行かせ、『彼方の勇人』いえ『彼を含め佐世保鎮守府の艦船達』に協力を求めているのよ」

 

レミリアは自身の能力で『一番最悪な結果』である『勇人含め佐世保に関わりを持っている全員』が『彼らの義賊紛いな行い』によって処刑される運命を見て、それをパチュリーに簡潔に伝えると、パチュリーはレミリアの発言に少し引っ掛かる所があるのか、難しい表情になりながらレミリアに聞いた。

 

「……だけど引っ掛かる所があるわ。何故レミは彼女を『彼方の世界』に?避難させるだけなら兎も角、対策を練るのなら『アイツが嘗て居た世界』に居た方が、より良い対策が出ると思うが……」

 

パチュリーは自身の疑問点である『霊夢を"アイツが嘗て居た世界"に行かせない様に仕向けた事』について聞くとレミリアはパチュリーの質問に重い溜め息を溢しながら理由を言った。

 

「………簡単な理由よ。『アイツが嘗て居た世界』が『彼方の過去の世界』だからよ。つまり……」

 

「……アイツを殺す為の『手掛かり』が有ると読んだ訳ね」

 

パチュリーはレミリアの答えに納得するとレミリアは「……そうよ」と答えつつ、再度難しい表情になり、声を唸らせながら言った。

 

「しかし………う~ん………何か引っ掛かるのよねぇ~……」

 

「引っ掛かる?何が?」

 

パチュリーはレミリアが相当悩んでいる様子を見て、首を傾げながら聞くとレミリアは眉をハの字にし、相当悩んでいる表情になりながら答えた。

 

「……アイツが、どうやって『この世界に介入した方法』が見当つかないのよ。アイツには隙間妖怪や勇人、優花そして先程『複製した平行世界の隙間妖怪の能力』が使える様になった柏木さんみたいに、()()()()()()()()()()()()()()()()()のよ。一体どうやって……」

 

「……優花や柏木……だっけ?その()()()()()()()()か、または()()が勇人を()()()()()()をしようとして……」

 

パチュリーは『アイツ』が『この世界に介入する方法』として優花か柏木の内のどちらかと手を組む……つまり『勇人を裏切る事』を予想するとレミリアはパチュリーの予想を否定するかの様に物凄く呆れながら答えた。

 

「……それは無いわ。優花は勇人に助けられた事で絶対的な信頼を寄せているし、一方的ではあるが『勇人(最愛の人)に尽くす女』よ。それに柏木さんは勇人と『同じタイプ』で『非常に義理人情に重んじる男』よ。あの二人が裏切る事は、まず無いわ………だけど………」

 

レミリアはパチュリーの予想を否定した理由を答えつつ、『裏切り』に関して一番『心当たり』のある人物を思い出し、神妙な表情で声を詰まらせるとパチュリーはレミリアが声を詰まらせている原因である『裏切る可能性のある人物』を神妙な表情で答えた。

 

「………紫の事を言っているのね。その『裏切り者』って……」

 

「……そうよ。あの隙間妖怪の事よ……何時もの『気紛れ』を起こして『アイツ』を……」

 

「……泣けるわ。それ……」

 

パチュリーはレミリアの真意である『紫が気紛れを起こして裏切る事』を察し、幻想郷では『恒例行事(何時もの事)』なのか「……またかよ」と言わんばかりに物凄く呆れ、頭を軽く抱えながら呟くと一部始終を聞いていたであろう如何にも『魔女』と言わんばかりの『白黒の魔導師の衣装を纏った金髪の10代後半の女性』が血相を変えながら王室に入り、二人に強い口調で反論した。

 

「ちょっと待て!!何で紫が裏切り者だと決め付けているんだ!!アイツは確かに『気紛れ』で『何考えているか分からん奴』だが私達を……特に勇人を裏切る事は絶対しない奴だって事を知ってんだろ!!!」

 

「何で貴女が居るのよ!!この『泥棒魔女』!!」

 

「『泥棒』とは失礼な!!魔導書(グリモワール)()()()()()()()()()()()だぜ!!」

 

「それを世間一般では『泥棒(借りパク)』と言うのよ『魔理沙(まりさ)』!!今すぐ『借りた魔導書(モノ)』を返しなさいよ!!でないと勇人を呼ぶわよ!!」

 

パチュリーは『魔導師に似た衣装を纏った女性』こと『霧雨 魔理沙』に彼女に対しての不満である『魔導書を返して欲しい事』を怒鳴り散らしながら勇人を使って脅すと魔理沙はパチュリーの『勇人を使った脅し』が少し効いたのか「また後で返すから、そう怒んなって……な?」と先程の鬼気迫る気迫は何処へ行ったのやら、少し狼狽えながらパチュリーを窘めるとレミリアは先程の『裏切りに関する問題』について溜め息を吐きつつも呆れながら魔理沙に聞いた。

 

「……まぁ、パチェの事は『何時もの事』だから置いといて………魔理沙、貴女の意見を聞きたいわ。何故あの()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

レミリアは神妙な表情で魔理沙に聞くと、彼女は先程の狼狽えを打ち消すかの様に強い口調でレミリアの意見に答えた。

 

「簡単な事だぜ!アイツは5年前『勇人の命』と『能力』を奪おうと画策し、奪った能力を使って幻想郷を破壊しようとしたんだぜ!そんな奴に寝返る事は『勇人を裏切る』……いや『幻想郷を捨てる事』になるんだぜ!だから……」

 

「……此処の統括者として裏切りは()()()()()()()……という訳ね」

 

「そうね……貴女にしては『まともな事』を言うのね」

 

「まともな事って……あのなぁ……」

 

レミリアとパチュリーは魔理沙の意見に納得すると魔理沙はパチュリーの嫌味に少し頭に来たのか、眉を軽くピクピクと痙攣させつつも、パチュリーに対して反論したい気持ちを抑えながらレミリアが不安事を一掃しようと鬼気迫る強い口調でレミリアに聞いた。

 

「まぁそういう事だぜ!それにレミリア、アンタが5年前、勇人に言ったじゃねぇか……『貴方の未来(運命)は"数々の酷く残酷な未来(運命)"が待っているわ。だが貴方なら"新たな仲間達"と共に乗り越えられると信じている』って……だから勇人はレミリアを信じ、柏木さんや優花みたいな新たな仲間達(佐世保の連中)と共に『数々の残酷な未来(運命)』に打ち勝ってきたじゃねぇか!!それとも何だ?『勇人がアイツに殺された未来(運命)』を()()()()()()()()()()()()()()()()()()?5年の間に牙を抜かれ『()()()』になったのか?レミリア?」

 

魔理沙はレミリアに『勇人が敗北する運命』つまり『殺される運命』についての有無を強い口調で問い質すとレミリアは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……言ってくれるわね。貴女……私を舐めんじゃないわよ!!!上等じゃない!!!あんな『ゲス天使』の思い通りにはさせないわ!!パチェ!!今すぐ昼寝中のフランと美鈴を叩き起こして外の世界に行って対策を練るわよ!!」

 

「……霊夢の件について前言撤回するわ。貴女も単純ね……だが嫌いじゃないわ」

 

……魔理沙の挑発に自身の『吸血鬼としてのプライド』に火が付いたのか魔理沙の挑発に乗る様に躍起になり、苦笑しているパチュリーに指示を出し、外の世界に向けて急いで博麗神社に向けて飛び立った。

 

そして残された魔理沙は……

 

「………アリスの所に行くか。レミリアも躍起になったんだし……」

 

……レミリアが躍起になった事を嬉しく思い、自身の友人であり『人形師』兼『魔法使い』である『アリス・マーガトロイド』の所へ足を運んだ。



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第102話「勇人が考えた『計画(シナリオ)』」

勇人達が日本に帰国してから数時間後 1200 大本営『政府連絡会議室』にて……

 

コンコンコン

 

「……(あて)です。秘書艦『叢雲』と共に参りました」

 

「入室許可を……三笠元帥」

 

忠実と彼女の初期の秘書艦『叢雲』は三笠元帥に呼ばれ、会議室の扉をノックし、入室許可を求めると三笠元帥の変わりに物凄く威圧感のある男性特有の低い声が忠実達を威圧するかの様に重く低い声を静かに発しながら言った。

 

「……許可する」

 

「「ッ!?は……入ります……ッ!?」」

 

忠実と叢雲は男の威圧感のある低い声に少し臆しながらも部屋に入ると会議室に居るメンバーを見て冷や汗を流しながら驚愕した。

 

何故なら其処には『元帥の階級証を着けた若い女性』こと『三笠元帥』だけではなく先程『忠実達の入室を認めた男』もとい『勇人の父親』でもあり『元帥の階級証を着けた某堂島の龍(桐〇一馬)に瓜二つの壮年の男性』こと『大本営総副司令官 海軍元帥 "上城 一馬(かみしろ かずま)"』と彼の『秘書艦』兼『妻』である『平行世界(アズールレーン)の三笠の角を取った容姿』の艦娘『三笠教官』こと『上城 朱里(かみしろ あかり)』を始め、会議室に居る軍人全員が『将官』又は『元帥』の階級証を着けた者しか居らず、しかも全員が『歴戦を潜り抜けた軍人』だと誇示するかの様な極道者(ヤクザ)顔負けの強面で並々ならぬ凄味を醸し出している威圧感を纏わせる軍人達が忠実達を睨み付ける様に鋭い眼光になりながら椅子に座っていたからだ。

 

その威圧感を肌で感じた叢雲は……

 

(ヒッ!?あ………あの上城元帥だけではなく各鎮守府の総司令官達が殆ど全員が此処に居るとは聞いていないわよ!!しかも全員、何故か凄い剣幕になって睨み付けているし……あーもう!!呉と舞鶴そしてショートランドの総司令が居ないのは良いとして、何で上城大将(私達の上官)も居ないなのよ!!今すぐにでも逃げたしたいわよ!!!)

 

……蛇に睨まれた蛙の様に顔面蒼白になり身体を震わせながら萎縮し、冷や汗を滝の様に流しながら黙り込むと忠実は前職(警官時代)で鍛えられていたのか、会議室に漂う強い威圧感を一掃するかの様に毅然とした態度で三笠元帥に要件を聞いた。

 

「……三笠元帥、(あて)……いえ自分に要件って?」

 

忠実は一馬達を煽る様に睨み付けながら聞くと一馬の右隣に座っている『左目に眼帯を着けたテクノカットの壮年の痩せ男』こと『柏島泊地基地司令 海軍元帥 "沖田 吾朗(おきた ごろう)"』が忠実の態度に不敵な笑みを溢しながら全く動じない忠実を茶化した。

 

「イーッヒヒヒッヒ♪お嬢ちゃん、そないな怖い顔になんなや♪女の子は女の子らしく愛想良く微笑むモンやでぇ~♪ホレ、ワシを見てみぃ!このチャァァァァミングなスm……」

 

「貴方には聞いていないですよ沖田元帥。しかも()()()()ですよ。それに喧嘩売っているのですか?」

 

「ちょ!?喧嘩売ってんは司令官(アンタ)でしょ!?スミマセン沖田元帥!せっかく私達の緊張を解す為に気使って頂いたのに………ほら!貴女も謝りなさいよ!!」

 

忠実は沖田の言葉を遮り、少し苛立ち、棘のある口調で沖田に言い返すと叢雲は忠実の発言に顔面蒼白になり慌てて謝罪すると、沖田も忠実の言葉に眉をピクリと動かし、先程までのコミカルな笑みが消え、ドスの効いた低い声を発しながら二人に言った。

 

「……叢雲チャンは少し黙っとき……嬢チャン、いくら()()()()()()()()()()()()()()()()とは言え、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を知っといた方がエエで……しかも嬢ちゃんを、()()()()()()()()()()()()をした『無能で情けない親の(ツラ)』を一発ぶちかましたいなぁ……そして、こんな『ド阿呆(アホ)な部下』を持った勇人に同情するわ」

 

「ッ!?んだと!!!(あて)だけではなく父ちゃんを馬鹿に……ムグッ!?」

 

忠実は沖田の発言に完全に激怒し、沖田に突っ掛かろうとした途端、隣で萎縮していた叢雲が我に返り、慌てて忠実の口を抑えながら羽交い締めをし、号泣しながら謝罪した。

 

「本当に、その通りです!!!後で強くッ!!強ぉぉぉぉく言っておきますので、どうか御勘弁をッ!!」

 

「司令官も許してやれや……叢雲が心労で今にも泣きそうな表情(かお)になってきてるで……ってか泣いているで」

 

叢雲は沖田にペコペコと振り子の様に頭を下げながら謝罪し、彼の秘書艦である『龍驤』が呆れながら沖田を窘めていると彼の向かい側に座っている『熊を彷彿させる様な大柄な体型で坊主頭の壮年』こと沖田と一馬の同期であり『大湊鎮守府総司令官 海軍元帥 "永倉 大河(ながくら たいが)"』が龍驤の意見を持つ様に苦笑しながら言った。

 

「せやで沖田。叢雲が俺達にビビりながら止めに入ったんや。これ以上、泣かす様な真似はすんな」

 

「……え?ワシが?嬢チャンには兎も角、叢雲チャンを泣かした覚えが無いで兄弟?」

 

沖田は永倉の窘めに「自分ら何言うてんねん?」と言わんばかりに怪奇そうに首を傾げると永倉と、彼の秘書艦である『鳳翔』は龍驤と共に沖田の『無自覚な発言』に重い溜め息を吐き、頭を抱えながら困惑した表情で沖田に言った。

 

「ド阿呆(アホ)。俺達は『元帥(トップ)』で中途採用の大岡は兎も角、叢雲は練度的にも経験的にも、まだまだ『新兵(半人前)』や。そないな奴が『元帥(トップ)』しかも大人数でガン付けられたら怖がるのも無理ないで」

 

「そうですよ沖田元帥。現に叢雲さんが、それで泣いているではありませんか」

 

「せやで。司令官(キミ)にとって、これが『日常(ふつう)』かも知れへんが叢雲(新米)にとっては()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()に晒されているんや。もう少し(ちょっち)優しく接しないとアカンで……」

 

「……仕方(しゃあ)無いな。そこまで言われたんなら……堪忍な叢雲チャン。怖い思いをさせてしまって……」

 

「いえいえいえいえ!!此方こそ沖田元帥の御厚意を無駄にしてしまってスミマセンでしたァ!!」

 

沖田は永倉、鳳凰そして龍驤に叱喝され渋々、謝罪すると沖田の隣に座っている『温厚そうな優しい顔付きの長髪の壮年の優男』こと『ブルネイ泊地基地司令官 海軍大将 "新堀 駿(にいぼり しゅん)"』が叢雲に同情し、優しい笑みを溢しながら言った。

 

「叢雲ちゃん。此処が怖かったら『(あや)ちゃん』と共に一旦、部屋を出て休むかい?」

 

新堀は微笑みながら隣に座っている『新堀の妻』であり『お団子ヘヤーをした小太りの女性』こと『ブルネイ泊地副基地司令官 海軍少将 "新堀 綾"』と共に部屋を出る様に勧めると綾と『二人の秘書艦』である『妙高』もまた、心労で今にも倒れそうな叢雲を気遣い、微笑みながら言った。

 

「そうした方が良いわ。此処は今の叢雲ちゃんにとって刺激が強過ぎるからね……何なら昼食も兼ねて今から間宮さんの所に行く?」

 

「勿論、少将が『私達の分』を奢って……ね♪」

 

「そうそう……え?『私達』?まさか妙高ちゃんも行くの?」

 

「当たり前です。少将の主治医である勇人さん(上城大将)から『少将は"糖尿病"になっても可笑しく無い食生活を送っているから暴飲暴食をしない様に監視してくれ』と頼まれましたので♪」

 

「泣けるわね……それじゃ行こっか?」

 

二人は雑談をするかの様に叢雲を誘うと叢雲は身体を震わせ、かなり萎縮し(ビビリ)ながら「は……はははは……はいィ!!」と怯える様に2つ返事をし、三人は会議室を後にすると新堀の向かい側に座っている『黒髪でオールバックが特徴の壮年の男性』こと『一馬の従兄弟』である『鹿屋基地総司令官 海軍中将 "岡田 彰(おかだ あきら)"』と一馬の後ろに立っている男もとい『一馬と朱里の右腕』であり『髪はやや茶色混じりの黒髪で爆裂頭(ボンバーヘット)が特徴の壮年の男性』こと『大本営副司令補佐官 海軍少将 "錦山 一番(にしきやま いちばん)"』がゴホンと咳払いをし、場の雰囲気を和ませる為にラフな口調で会議室に居る全員……特に今だに互いを睨み付けている朱里と忠実に言った。

 

「「………」」

 

「……大岡に朱里さん。お互い睨み(ガン)付け合うのは止めて下さい。話が進みません」

 

「そうですよ姐さん。それに大人気(おとなげ)無いですって、こんな『ガキ相手』に本気(マジ)にならないで下さい」

 

「……分かったわ」

 

「ッ!?(あて)を子供扱いにするな!この極道者風情が!!」

 

「……言葉を変えようか大岡(クソガキ)。誰に対して睨み(ガン)付けてんだテメェ!()()()()()()()()()()()()()()()()()!!」

 

「……チッ、分かりました」

 

朱里と忠実は二人に諭され、朱里は渋々食い下がり、忠実は一番が自身を『子供扱い』にされた事に少し頭に来たが一番の『只ならぬ強い威圧感が籠った強い一喝(正論)』に気圧され、舌打ちをしながら黙り込むと三笠元帥は漸く『本題』に入れるのか、重い溜め息を吐きしながら忠実を呼んだ訳を言った。

 

「はぁ~………ありがとうね岡田中将に錦山少将。これで漸く『本題』に入れるわね。大岡軍曹、急遽で悪いが秘書艦(叢雲ちゃん)と共に1700(本日17時)から数日間『呉鎮守府』で研修しに行って貰う事になったわ」

 

「……何故、自分が呉に?上城大将が行けば良い話じゃないですか。彼方()との親交があるのですし……」

 

忠実は三笠元帥の命令に不服を唱え、そして『勇人が自身の汚職に関する証拠を隠滅する為の時間稼ぎ』を懸念し、この事に一番適任である勇人を指名しなかった理由を三笠元帥に睨み付けながら聞くと、三笠元帥は忠実の態度に少し苛ついたが、流石は伊達に海軍の総帥なだけであって表情一つ変えずに淡々と忠実の質問に答えた。

 

「それは無理な話よ。これは『上城大将からの命令』で急遽、各鎮守府や泊地のトップからの認証を得なくちゃいけない案件だからよ。だから……」

 

「……各鎮守府や泊地のトップの方々が殆ど顔を揃えて此処に居る……という訳ですね。では、その案件……()()()()()()()()()()

 

忠実は毅然とした態度で勇人の案件を断ると朱里は忠実の態度に気に食わず、怒りを堪える様に眉をピクピクと痙攣させ、相当ドス効いた低い声を発しながら聞いた。

 

「……訳を聞こうか糞ガキ」

 

朱里は相当苛立ちながら訳を聞くと忠実は朱里を見下しながら答えた。

 

「訳?それは簡単な事ですよ。()()()()()()()()()()()()()()()()……いえ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

忠実は自身が懸念している事である『勇人の証拠隠滅』を遠回しで、しかも勇人の事を『階級(上城大将)』では無く『呼び捨て』で答えると朱里は忠実の『本当の入隊目的』を思い出し、そして、この短期間で分かった『彼女の性格』を把握し、それを利用するかの様に毅然とした態度で忠実に反論した。

 

 

それは……

 

 

「……成程ね。まぁ前職が異色(警察)上がりの糞ガキらしい『安っぽい理由』だが、これだけは言っておくわ。先程の会話や勇人に対しての『呼び捨て』も含め、私達の命令を逆らう事は()()()()()()()()()()()()()よ。警察時代(前職)の時に『警視総監(当時のボス)』いえ『アンタの父親』に何言われたか分からんが『今のアンタのボス』は私達だ。このまま反抗的な態度を取り続けていると()()()()()()()()()()()()?それでも良いのか?」

 

……相当遠回しな表現ではあるが、忠実の『強い正義感』を煽る様に『リアル(現実世界)では"自衛隊法"』であり『この作品に於ける"日本軍刑法"』の内容である『日本軍刑法(自衛隊法)第五十七条』の一部である『上官の命令に服従する義務として"隊員は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()"』と定めている内容を示唆させ、それでも反抗的な態度を取り続けていると『今後の捜査(行動)を制限する事』を示唆すると忠実は自身の『警察一家』で育った性格上『馬鹿正直に法律(ルール)に従ってしまう性分』が自身の意見を邪魔するかの様なジレンマを露にし、その事で反論出来ないのか、舌打ちをしながら……

 

「……チッ、分かりました。では本日1700を以て呉鎮守府に研修しに行って参ります。そして先程の御無礼を御許し下さい」

 

……負けを認めるかの様に悔しそうに命令を承諾したのだ。

 

朱里は忠実の敗北宣言を聞き、少し疲れた表情で何時もの口癖である「……泣けるわね」と呟くと三笠元帥の左隣に座っている『某六代目(堂島〇吾)を彷彿させる様な黒髪のオールバックに鋭い眼孔をした壮年の男性』こと『忠実を入隊させた推奨人(パイプ)』であり『もう一人の大本営総副司令官』こと『海軍元帥 "吹瀬 大吾(ふかせ だいご)"』が勇人が考えた案件に不備がある所を見付け、忠実を庇う様に、それを三笠元帥に指摘した。

 

「……ですが、この案件には『現 呉鎮守府総司令官』である『楠木少将』の()()()()()()()()()()()()。これじゃ、この案件は『無効』になるのでは?」

 

吹瀬は『現 呉鎮守府総司令官』である『海軍少将 "楠木 一雄(くすき かずお)』の認証印が無い事を指摘すると三笠元帥は既に対策を取っているのか微笑みながら答えた。

 

「それなら問題無いわ。先程『口達(電話)』で伝えたら、アッサリ『承諾』してくれたわ。何なら、その時の会話録音(ないよう)を聞く?」

 

「……結構です」

 

吹瀬は三笠元帥の説明に少し不機嫌そうに答えると一馬は話が纏まったのを察し、真剣な表現で三笠元帥に言った。

 

「……話は纏まった様だな。それじゃ『アイツ』に連絡してみるとするか……今から陸路で移動すると指定時間に呉に着かないからな」

 

「そうね。なら、ついでに彼の事を大岡軍曹に紹介してあげてね」

 

三笠元帥は一馬に御願いすると一馬はスマホを操作し、此処に居る全員に紹介するかの様に通話の音量を最大音量にし、そのまま無線機を掴む様に持ち、『とある男』と通話を始めた。

 

「……俺だ。今大丈夫か『和平(かずひら)』?」

 

一馬は通話相手である『和平』という男に聞くと和平はラフで陽気な口調で一馬の質問に答えた。

 

「お!?『義兄(にい)さん』じゃないか♪どうしたんだ?また輸送機(オスプレイ)を貸して欲しいのかい?」

 

「ああ。勿論……」

 

操縦者(パイロット)付きで……だろ?分かった。今すぐ横須賀に手配しよう」

 

「助かる」

 

「……な!?あの輸送機(オスプレイ)を易々と!?ってか貴方、何者ですか!?上城元帥の弟だと分かりましたが……」

 

吹瀬は和平が易々と輸送機(オスプレイ)を貸してくれる事に驚愕し、和平の正体について聞くと和平は「そう言えば皆に自己紹介がまだだったな……」と失念しながらも気を取り直し、通話をテレビ電話に変え、自己紹介を始めた。

 

そう、彼の『正体』とは……

 

「……俺は『日本空軍 新田原(にゅうたばる)基地 副司令官』の『空将』……いや今は一昨日の法律改正で階級が『空軍元帥』に変更になった『(かがみ) 和平』だ。宜しく頼む。そして俺達の関係は……」

 

「……俺の『元妻』の『父親違いの弟』言わば『元"義理の弟"』だ」

 

「「なっ!?嘘だろ……現在『服役中』の……あの女の『弟』!?『グラサン』は兎も角、何故『金髪』なんだ!?軍人云々の前に公務員を舐めているのか!?」」

 

……勇人の『実母』である『上坂 優香里』の『父親違いの弟』つまり一馬の義弟であり『新田原基地の副司令官(ナンバー2)』だったのだ。

 

吹瀬と忠実は和平の素性を知り、彼の容姿が『金髪のオールバックにグラサンを掛けた壮年の男性』という『某生物災害の黒幕(アル〇ート・ウェ〇カー)』を彷彿させる様な容姿だった為、社会人として一喝すると和平は二人の反応に苦笑しながら弁解した。

 

「そう言われるとなぁ……まぁ『グラサン』は現役(パイロット)時代の名残(クセ)で着けているだけだし、『金髪(コレ)』については俺と姉貴は『ドイツ人の混血児(ハーフ)』だから『金髪(コレ)』は『地毛(昔から)』なんだ。そこの所、理解してくれよ」

 

「まぁ、その『元妻の(DNA)』が入ったせいで俺のガキ達は必然的に『ドイツ人のクォーター』しかも娘達全員の地毛が『金髪』になってしまったが……」

 

「……複数の意味で面倒臭い家柄ですね。上城元帥」

 

「うるせぇ」

 

和平は苦笑しながら弁解し、それを捕捉を入れる様に一馬が説明すると二人の説明に悪態を吐きながら納得する吹瀬は兎も角、忠実は勇人が『ドイツ人のクォーター』だと初めて知り、かなり狼狽えながら言った。

 

「な!?上城大将が……『ドイツ人のクォーター』だと!?てっきり『純血の日本人』かと思ったぞ……何故この様な情報を教えてくれなかったのですか!?」

 

()()()()()()()()()()からよ……という訳で和平さん。このクソガキと叢雲を、さっさと呉に送って頂戴。非常に目障りだから……」

 

朱里は忠実の事が気に食わないのか相当機嫌悪そうに和平に御願いすると和平は朱里が『和平を嫌っている』と誤解し、少し悲しそうに聞いた。

 

「そりゃ送るが……『坊主憎けりゃ釈迦まで憎い』という諺みたいに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

和平は『自身の姉(優香里)が起こした事件』でもあり『一馬が優香里と離婚した原因』である『幼き頃の勇人達(我が子供達)を虐待していた事』について親族として勇人達を守れなかった後悔の気持ちが込み上り、俯きながら聞くと、朱里は和平の問に否定するかの様に慌てながら答えた。

 

「ち……違うわよ!!このクソガキと少しトラブっただけよ!!誤解させてゴメンナサイ……貴方には海軍の人間として……いえ『あの子の母親』として大変感謝しているのに……私ったら……」

 

朱里は忠実に対しての怒りを和平にぶつけてしまった事を猛省し、弁解すると和平は自身の誤解が解け、胸を撫で下ろしながら言った。

 

「ホッ……良かった……それじゃ誤解が解けた所で本題に移るが、この新人を呉へ送れば良いんだな三笠元帥?」

 

「ええ。御願いね鏡元帥」

 

三笠元帥は微笑みながら言うと和平は「……それじゃ今から手配しよう」と言い残し、そのまま通話を切ると三笠元帥は先程の笑みが消え、真剣な表情で全員に言った。

 

「漸く話が纏まったわね……これを以て会議を終了する。皆さん遠い所から、ありがとうございます」

 

「……漸くか、なら私は失礼するよ。行こうか大岡軍曹」

 

「……はい」

 

吹瀬は三笠元帥の解散宣言を聞き、忠実を連れて一目散に会議室を後にすると三笠元帥を除いた全員が吹瀬の先程までの会話や行動に違和感を感じ取り、全員を代表として朱里が、その事を三笠元帥に聞いた。

 

「……ねぇ三笠、先程の命令拒否と言い、私達に噛み付いたりと……まるで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。何か知っている?」

 

「……やっぱ……分かる?」

 

「当たり前や。勿体振らずに、はよ教えてぇな〜三笠チャン……」

 

朱里は吹瀬の行動に首を傾げながら、沖田は人を食った様なコミカルな関西弁(方言)で聞くと三笠元帥は朱里の質問に答える様に溜め息を吐きながら答えた。

 

「相変わらず鋭い洞察力ね、みんな……ええ、そうよ。というより此処からが『本題』なんだけどね」

 

三笠元帥は朱里と沖田の質問に答えると一番が恐る恐る三笠元帥に聞いた。

 

「『本題』?三笠元帥、まさか今回の徴集(本題)って……先程、ドイツで襲撃にあった柏木大将について……ですよね?」

 

一番は『彼女の個人的(プライベート)な意味』ではあるが『一番触れて欲しく無い男』こと『柏木疾風』について恐る恐る触れると三笠元帥は「ええ、そうよ」と呆気羅漢(あっけらかん)に答えながら席を立ち、吹瀬が座っていた『一人用の白色の革製ソファー』のクッションの下を探りつつ続けて言った。

 

「……でも、その前に……」

 

 

ゴソゴソゴソ……

 

 

 

「……あった。やっぱり、今回の事で()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「「「ッ!?」」」

 

三笠元帥はソファーに隠されてた『ある物』を取り出すと朱里を始め、此処に居る全員が再度、険しい表情になり、一番が皆を代表として狼狽えながら『ある物の正体』と『それを交えた憶測』を答えた。

 

その『ある物』の正体とは……

 

「……『()()()』……だと……まさか、あのクソガキと吹瀬元帥は……今回の襲撃事件の『黒幕』または『黒幕の一員(グル)』だと言う事ですか……」

 

……吹瀬が三笠元帥達の『本題』を盗み聞きをする為に仕込んだ『盗聴器』があったのだ。

 

一番は海軍の人間が『裏切り』しかも『総副司令官(ナンバー2)』が黒幕と手を組んでいる事を質問すると三笠元帥は艦娘特有の強い握力(ちから)で盗聴器をグシャッと筋骨隆々の大男が林檎を握り壊す様にバラバラに握り壊し、それを表現するかの様に怒りを露にしながら一番の質問に答えた。

 

「……そうよ。それを逸早く知った疾風を……」

 

「海外に飛ばし、其処で黒幕が率いるテロリストによって『襲撃(口封じ)』された……という訳ね。それに落ち着きなさい。現に柏木は()()()()()()()()()()()()()()()()。仕返しなら勇人に任せれば良いわ……」

 

「……そうだったわね。後で大将に礼を言わないとね……」

 

朱里は三笠元帥の怒りを鎮静させる為に宥める様に説明を付け足すと新堀は『ある疑問』が頭に過り、それを三笠元帥に聞いた。

 

「……でも、それだと『今回の事』と『吹瀬元帥の行動』との関係性が結び付く要点がありませんよ。それに黒幕って一体……」

 

新堀は『今回の襲撃事件』と『異様な迄に忠実を贔屓する吹瀬の行動』に辻褄が合わない事を伝えると三笠元帥の代わりに一馬が神妙な表情で『今回の黒幕』を伝えた。

 

「……先程、勇人の協力者から聞いた情報だが、柏木を襲った黒幕はドイツに拠点を移した『回天組の生き残り』の連中が今回の襲撃事件を起こしたんだ」

 

「『回天組』!?回天組って、確か柏木大将と上城大将が潰した筈の……あの極道組織ですか!?もし、仮にそうなら柏木大将を襲った辻褄が合いますね……まさか!?柏木大将の所在を流したのも……」

 

新堀は少し狼狽えながら聞くと一馬は少し俯きながら答えた。

 

「……『吹瀬(アイツ)』が情報を流出したんだ。それに今回の黒幕は回天組だけじゃねぇんだ」

 

「え!?回天組だけでは無い!?それは一体……」

 

一馬の告白に新堀の動揺を皮切りに此処に居る全員が動揺し始めると永倉だけが狼狽えず、ドッシリと構えながら腕を組み、自身の憶測の一部を答えた。

 

「あの嬢ちゃんと関係があるんやろ?上城?」

 

「……ああ」

 

一馬は永倉の質問に一言だけ答えると岡田と彼の秘書艦である『武蔵』は一馬の真意が分かり、舌打ちをしながら立ち上がり、荒い口調で『もう一つの黒幕』である『警察』を罵る様に言った。

 

「チッ!寄りによって『警察(サツ)』が極道組織と手を組んでいるとは……フザケた真似をしやがって!!」

 

「全くだ!!あの小娘に一矢報いてやる!!」

 

「あの……岡田中将に武蔵ちゃん、御気持ちは分かりますが、その点に関しては他人の事が言えないので、過剰に反応しないで下さい……それに落ち着いて下さい」

 

一番は怒り狂った岡田と武蔵を窘めていると岡田は一番の言葉に更に怒りが増し、恫喝する様に胸倉を掴み、長門と共に反論した。

 

「それは()げぇぞ一番(イチ)!!俺達の場合は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!それに、アイツ等みたいに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!それに誰に対して反論(口応え)してんだ?アァ!!」

 

「そうだ!!その情け無い奴に好き勝手やらせるつもりか!?どうなんだ少将!!」

 

「口応えした事は後で詫びを入れますし、今から『その事』について会議するので冷静になって下さい……このままじゃ話が進みませんよ二人共……」

 

一番は二人の鬼気迫る迫力に少し押されながらも説得し続けていると沖田と龍讓は少し怒りながら三人に一喝した。

 

「……一番(イッチャン)の言う通りや!怒り(キレ)たい気持ちは分かるが少し落ち着いたらどうなんや岡田に武蔵チャン!それに詫び入れんでエエぞ一番(イッチャン)

 

「せや!今は少将の言う通り、今は『大岡(警察)に対する対策』を練らなアカンやろ!!ってか武蔵!!本来、止める立場であるのに何一緒になってキレているんや!!秘書艦としての心構えが足りんとちゃうんか!!少しは皆を見習えや!!堪忍な少将、とんだ苦労をさせてしまって……」

 

「ッ!?……スマンな一番(イチ)、見苦しい所を見せてしまって……皆さん、お騒がせをさせてしまいスミマセンでした」

 

「ッ!?す……すまない少将、この武蔵が……」

 

沖田と龍讓は一番に加勢し、ドスの効いた低い声を発しながら強く一喝しつつ一番に優しく言うと岡田と武蔵はハッと我に返り、冷静さを取り戻し、静かに一礼しながら着席をすると朱里は『もう一つの黒幕』である『警察』に対しての『対策』を既に練っていたのか苦笑しながらも余裕のある優しい表情をしながら皆に言った。

 

「それなら安心して、既に勇人が()()()()()()()()。そうでしょ三笠に一馬?」

 

「ああ……」

 

「ええ」

 

「「「……へ?そうなの?」」」

 

「なぁ〜んだ……それならそうと、早く言って下さいよ三笠元帥に姐さんに(カシラ)ァ!とんだ『とばっちり』を受けたんじゃないですか……それで、その『若が考えた内容(対策)』とは一体?」

 

一馬と三笠元帥は頭を縦に振り、肯定すると二人を除く全員が朱里の発言に面を喰らい、目をパチクリと瞬きをし、代表として一番が先程の『とばっちり(岡田と武蔵の恫喝)』が今だに少し尾を引いているのか安堵を溢しながら聞くと三笠元帥はゴホンと咳払いをし、先程『妖夢から聞いた内容』もとい『勇人が考えた作戦(シナリオ)』を、そのまま口に出した。

 

「……まずは大岡軍曹を呉に『研修生』として派遣させ、軍曹が『あの権利』を行使するまで呉に留まらせるのよ。そして『あの権利』が発動したら『一つ目の作戦』を起動させるのよ」

 

「『あの権利』って……確か……三笠元帥と同じ権利である『勅令解体権』に『委託外部逮捕権』の事ですね……ッ!?まさか今の呉鎮守府の総司令官を『退任』させる為に『わざと』大岡を……ですが、仮に退任させたとしても『後任』は一体誰が……それ以前に()()()()()退()()()()()()()()()()()()()()()って、出来るのですか?『退任させる証拠』が無いのに……」

 

一番は『忠実の権利』と『呉鎮守府』との関係性を考え、外見は極道者だが流石は伊達にエリート(将官)軍人の階級を持っているだけの高い推理力(頭脳)を発揮し『大岡を呉に派遣させた理由』でり『一つ目の作戦』である『現 呉鎮守府総司令官』である『楠木を退任させる事』に結論付け、その後始末である『楠木の後任者』と『作戦の要の一つ』である『楠木を退任させる決定的な証拠』について触れると三笠元帥は一番の疑問を払拭するかの様に微笑みながら答えた。

 

「それなら問題無いわ。証拠なら呉の『龍鳳ちゃん』と『青葉ちゃん』が私達に密告したのよ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()……ね」

 

三笠元帥は意味深な発言をすると一番は三笠元帥の意味深な発言である『楠木の証拠』を察し、物凄く重い溜め息を吐きながら現在の呉の現状を察し、呟いた。

 

そう、現在の『呉鎮守府の現状』は……

 

「……また『"ブラック鎮守府(クロ)"事案』かよ。鎮守府は『キャバクラ』や『エッチ(ピンク)な店』じゃねぇんだぞ……それで楠木少将を退任させた後、一体誰を後任者にするのですか?」

 

……前任(柏木)が築き上げた『艦娘達を含め全軍人達が最高な環境で職務に従事できる理想郷』こと『ホワイト鎮守府』を現任(楠木)が『地獄』に変え、若き女性軍人や艦娘達に『性的紛いの行為等』を彼女達の意思を問わず『強要』したりと、楠木は彼女達を含む所属している全軍人に劣悪な環境で職務に従事させる鎮守府、通称『ブラック鎮守府』にさせていたからだ。

 

一番は「……またかよ」と言わんばかりに困惑し、頭を抱えながら悪態を吐くと三笠元帥を含め、その場に居る全員が一番の悪態(意見)に同意するかの様に「うんうん!」と強く頷き、三笠元帥は重い溜め息を吐きながら一番の『もう一つの質問』である『楠木の後釜(後任者)』について答えた。

 

「……それなら上城大将から指名されているわ。大岡軍曹によって楠木少将を退任させた後、『疾風』を再度、呉に着任させ、各鎮守府にバラバラになった『柏木隊』を呉で『再編成』させるのよ」

 

「柏木大将を……そして柏木隊を……ですか……つまり大岡を呉に研修させる本当の目的は『楠木を退任させて柏木大将の為に(役職)を空ける事』と『警察と同権力を持った憲兵部隊』である『柏木隊を再編成させる事』が目的だと言う事ですか……ですが、それ位なら態々(わざわざ)、大岡を使ってまで『退任』いや『懲戒免職(クビ)』に追い込ませ無くても普通の憲兵部隊を使えば良いじゃないですか……」

 

一番は勇人の作戦に過剰な(まで)に楠木を懲戒免職を追い込ませる事に少なからず抵抗があるのか、少し呆れながら言うと朱里は何故、勇人が楠木を過剰な(まで)に追い込ませる理由を言った。

 

「……簡単な理由よ。上城大将が『元"極道者"』で『当時の研修部隊の風潮』である『艦奴派の思考』に『逆らっていた』との理由で今だに嫌われ続けていると同じで『元"警官"』で『軍の風潮に逆らっていた』と()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()に対しての『彼女自身のイメージアップ』の為と上城大将が『佐世保鎮守府』を『再建』する為に行った『上城財閥との必要悪(汚職)に関する証拠』を『隠蔽(隠す)』いや『隠滅する(消す)為の時間稼ぎ』として大岡軍曹を使って、この様な作戦を思い付いたのよ」

 

「成程、だから若は……ん?ちょっと待って下さい。先程の岡田中将との一悶着の件に触れますが、岡田中将は俺に『上城財閥は国の公認で俺達()を支援している』と聞いていましたが何故『公認している所との証拠を()す必要がある』のですか?公認だから疚しい事なんて無い筈なのに……」

 

「ッ!?……えーっと……その……お姉ちゃん!!後の説明を御願い!!」

 

一番は勇人の作戦の真意を理解しつつも三笠元帥の矛盾である『国の公認で上城財閥から支援して貰っている』のに何故『それに関する証拠(書類)を消す事』について触れると三笠元帥は『国の公認による支援』とはいえ『"軍法"と"国の法律"に違反している』言わば『勇人が上城財閥に"国と軍が認めて無い物"を支援して貰っている事』を知っているのか、一番の指摘に気不味そうに目を反らし、自身の口から言いたく無いのか勇人の事を一番理解している朱里に責任転嫁すると、朱里は「……泣けるわね」と呆れながら三笠元帥が躊躇した理由である『勇人が法律に定めていない物を受け取っている物』の『正体』を明かした。

 

それは……

 

「……分かったわ。私が一番(イチ)さんの質問に答えるわ。一番(イチ)さん、勇人は『前任の諜報(スパイ)行為』のせいで当時の政府が支援物資を止めた佐世保鎮守府を再建する為に止む無しに上城財閥(実家)から『大量の金銭(カネ)』を受け取ったのよ」

 

「あ〜……アレでしたか……そりゃ隠滅()したくなりますね。相手が警察が絡んでいると……しかも軍が、それを黙認していた事を知ると……軍いや政府自体が解体されても可笑しくありませんね……」

 

……『金銭』である。

 

一番は過去を思い出したかの様に気不味そうに当時の佐世保鎮守府の現状を思い出し、当時の勇人の必要悪(汚職)を黙認していたが、相手が法に厳しい警察相手が知ると日本軍自体が解体されてしまう危機感を募らせながら言うと朱里は神妙な表情で皆に言った。

 

「……そういう事よ。だから勇人は昔の佐世保鎮守府の艦娘達を助けた様に『逸早く呉に所属している艦娘達を含めた全隊員を助ける為』に『大岡』を呉に出向させる事で『軍の解体(最悪の結末)』を避けると共に『自身の必要悪(汚職)の証拠を隠滅させる時間を稼いでいる』のよ。だけど、それは……」

 

「大岡が呉に滞在する時間によって『作戦の趣旨』が変わるからだ。大岡が楠木の悪事を早い段階で見付ければ、その分『呉の皆を早く助けれる』が『証拠を隠滅する時間が短くなる』……そして逆に遅ければ遅い程『救助が長引くが証拠を隠滅する時間を稼げる』……という訳だ」

 

一馬は朱里の説明を付け加え、夫婦揃って神妙な表情で説明し終えると会議室に備えられている黒電話が会議室に漂う緊張感のある重い空気を一掃するかの様に強く鳴り響いた。

 

ジリリリリリ!!

 

「……あ!?内線が入っているわ。少し失礼するわ」

 

三笠元帥は強く鳴り響いている会議室の内線(黒電話)に一息置いて優しく出た。

 

「……はい。此方、会議室の三笠元帥よ。どうしたの?」

 

三笠元帥は優しく内線相手である『正門警備に従事している中年の男性憲兵』に問い掛けると、憲兵は少し困惑した口調で三笠元帥に聞いた。

 

「あ!?会議中失礼します。憲兵の『難波』です。今、三笠元帥と朱里元帥に『来客』しかも『季節外れ(ハロウィン)の仮装をしたルーマニア人の女性』が来ているのですが……」

 

内線相手である中年の憲兵こと『難波 顕』は少し困惑しながら報告すると難波の近くに居るであろう『ルーマニア人の若い女性』こと『レミリア』が相当切羽詰まっているのか自身の母国語である『ルーマニア語』で難波に言った。

 

ちょっと変わりなさいよ『○Nちゃん』!!私は二人に急用があるのよ!!後、(コレ)本物(自前)よ!!

 

分かりましたカラ少し落ち着いて下サイ。今、確認(アポ)を取っていますノデ、もう暫く御待ち下サイ……それに俺は『水ど○』の『あの人(ヤスケ○)』じゃねぇんだぞ『厨二病外人』が……」

 

「……聞こえているわよ!!さっさと三笠元帥か朱里を呼びなさいよ!!でないと暴れるわよ!!」

 

「これは失r……ってか日本語喋れるのか!?」

 

「当たり前よ!!」

 

ワーワー!!

 

ギャーギャー!!

 

難波はレミリアの悪態に呟く様に愚痴を溢しつつも切羽詰まっている彼女に対して『馴れないルーマニア語』を駆使しながら冷静に窘めていると三笠元帥は二人の会話(やり取り)に苦笑しながら言った。

 

「あははは……分かったわ難波軍曹。今そちらに……」

 

「ッ!?この声はレミリア!?ちょっと貸して!!」

 

「ちょ!?お姉ちゃん!?」

 

三笠元帥は苦笑しながら難波の要求に答えようとした途端、朱里は相手がレミリアだと知り、血相を変えながら三笠元帥が持っている受話器を奪い取り、難波に言った。

 

「朱里よ。難波軍曹、今すぐ彼女を『政府連絡会議会議室』に案内して頂戴!彼女に聞きたい事があるの!!」

 

「なっ!?あの厨二病外人を……ですか!?」

 

「なら窓を開けて頂戴!!直接行くから!!それに憲兵さん、私は厨二病じゃなくて本物の吸血鬼(ヴァンパイア)よ!!ホラ!早く退かないと噛み付くわよ!!」

 

朱里は急いでレミリアの入門を許可するとレミリアは難波を恫喝する様に離れさせ、朱里は急いで会議室の窓を全開に開けると、レミリアは朱里が窓を開ける様子を確認し……

 

「フッ……彼処ね。それじゃ……邪魔したわ」

 

ハジュッ!!

 

「「「ッ!?」」」

 

「ま……マジかよ。本物(マジモン)吸血鬼(ドラキュラ)だったのか……あれ?でも何故『昼間』なのに活動出来るんだ?」

 

「……そして、お邪魔するわよ。そして皆様、御久しぶりです……」

 

……自身の翼を勢い良く羽撃(はばた)き、そのまま電光石火の如く窓から会議室に入ったのだ。

 

レミリアは会議室内をパタパタと羽を器用に動かしながら先程の勢いを消す様に空中停止(ホバリング)し、優雅にスカートを少し摘み上げながら一礼すると朱里は「いらっしゃい」と歓迎しつつ窓を閉め、自身がレミリアに聞きたかった内容である『この作戦の結末』について聞いた。

 

「丁度良かったわレミ。今、勇人が考えた作戦について貴方の意見を聞きたかったのよ」

 

「……それって『もう一つの厄介事』である『"私の能力"で大岡という女を呉に出向させた事による運命(結果)を知りたい』いえ『都合の良い運命(結果)に変えたい』……という訳ね?」

 

レミリアは自身の能力である『運命を操る程度の能力』を使って、朱里達の不安材料である『勇人の作戦による2つのデメリットを無くす事』を遠回しな表現で聞き返すと朱里は「……話が早くて助かるわ」と肯定するとレミリアは呆れながら答えた。

 

「……なら()()()()()()()()()。既に勇人は舞鶴に在住している時に自身の証拠を隙間に隠したから問題無いし、あの隙間妖怪も『証拠』に関しては()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()から見付かる事は、まず無いわ……」

 

「……それなら良かった」

 

「後は大岡軍曹に龍鳳ちゃんから証拠を渡せば……」

 

朱里はレミリアの発言を聞き、安堵感を溢す様にホッと溜め息を溢し、三笠元帥は早速、呉に居る龍鳳に連絡を入れようとした途端、レミリアは『此処に来た目的』である『一番危惧している運命』こと『幻想郷で起きた最悪な運命』を朱里達の安堵感を一掃するかの様に神妙な表情で続けて言った。

 

「……それよりも大変な事が起きたのよ。しかも、()()()()()()()()()()()()()よ……」

 

「「「ッ!?」」」

 

「……それは聞き捨てにならないな。詳しく教えてくれ」

 

「ええ。結論から言うわ……」

 

レミリアは神妙な表情で朱里達に言うと、朱里達は驚愕し、代表として一馬が真剣な表情で聞くとレミリアは真剣な表情で『自身が見た運命の結末』を答えた。

 

そう、それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……このまま対策を行わないと『全ての世界』が崩落するわよ」

 

全ての世界が崩落する事に……



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第103話「勇人に恨みを持つ天使からの『宣戦布告(プレデュード)』」

どうも皆様、私です。

これが今年最後の投稿になります。

来年から18禁の方と同時進行に執筆しますので宜しくお願い致します。

それでは良いお年を……


場所は変わり、石川県 霊峰『白山』の山中にて……

 

「……此処ですね。貴女の力が封じ込められている祠は……」

 

人気が少なく、静寂な山中で『眼鏡を掛けた如何にも知的感溢れる若い男』が少し疲れた表情になりながら同行者であり、先程、勇人が柏木を救助する為にドイツで大暴れしている所を文字通り『高みの見物』をしていた『継ぎ接ぎだらけの痛々しい4つの大きな漆黒の翼を着けた銀髪の少女』に聞くと、少女は祠を見て『ある物』が手に入る事を歓喜するかの様に微笑みながら言った。

 

「ええ。あの忌々しい男『博霊飛龍』に……ゴホン、いえ此処では『上城勇人』でしたわね……あの男のせいで(わたくし)は今まで地獄を……」

 

少女は勇人の事を間違って『彼の"もう一つの名前"』であり『博霊一族としての本名』である『博霊飛龍』と読んだが、自身の言い間違いを取り消す様に、そして自身の昂りを抑える様に咳払いをし、今度は憎悪を込めて呟くと、同行している男は少女の憎悪(気持ち)を理解し、少女と同じ様に憎悪を込めながら言った。

 

「……御気持ち察します。私も『あの男』に復讐をする為に、貴女の封印を解いたのですから……そして見せしめとして、あの男の友人である『柏木疾風』を抹殺しようとしたが……」

 

「あの男が『博霊の頭首としての能力(ちから)』を『取り戻した』から、逆に『返り討ち』にされた……と言う訳ですね。なら私達も『あの男』に対抗する為に『失われた私の能力(ちから)』の開放を急ぎましょ」

 

「分かりました……フン!!」

 

少女は男に祠もとい『祠の下に眠っている少女の能力』を開放する様、急かすと男は祠に貼られている札を剥がし、勢い良く祠を蹴り倒し、そのまま掘り起こすという非常に罰当たりな所業をすると、男は『赤みが掛かった半透明の結界が張られている骨壷』を見つけ出し、その事を少女に報告した。

 

「……見付けました。ですが結界が……」

 

「分かっていますわ……『パープル』そして『フリック』今すぐ結界を壊して」

 

少女は呆れながら『パープル』という人物を呼ぶと背後から『銀髪に両目に包帯を巻かれている所以外"八雲紫"に瓜二つの容姿の女性』こと『パープル』と『パープルと同じ銀髪だが露出度の高い服装で背中に茨模様の入墨(トライバルタトゥー)が入った"朱里"に瓜二つの女性』が忍者の様に現れ、少女の命令に従った。

 

「……分かったわ……ハァッ!!」

 

「……フン!!」

 

2人は結界が張られている骨壷に念を送ると結界はガラスが砕け散ったか様にバラバラに崩れ落ちると男は2人に礼を言い、結界が解けた骨壷を少女に渡した。

 

「……わざわざスミマセン、パープルさんにフリックさん。非常に助かりました。では、これを納め下さい」

 

男は2人に一礼してから骨壷を少女に渡すと少女は「ありがとうございます」と微笑みながら受け取ると少女は骨壷を高く持ち上げ……

 

「……やぁ!!」

 

パリーン!

 

 

……そのまま地面に叩き付け、骨壷を破壊したのだ。

 

少女は地面に骨壷の破片が散らばっている中から現れた『禍々しく黒く光っている半透明の球体』を手に持ち、それを自身の胸に押し付ける様に身体に染み込ませ、球体を体内に全部入れると少女は、まるで年不相応(としふそうおう)に異性を誘惑する様な妖艶て高揚感のある幸せそうな表情になりながら快楽に身を任せる様に呟いた。

 

「ウッ♡ウウッ♡……あぁ〜♡この懐かしい感覚(痛み)屈辱(記憶)……非常に身体に馴染みますわぁ〜♡」

 

少女は高揚感に満ちた幸せな表情になりながら『謎の球体』を身体に取り込む事に成功すると男は安堵しながら言った。

 

「……無事に終わって何よりです」

 

男は少女の身体を気遣いながら言うと、少女は男の反応に困惑するかの様に苦笑しながら言った。

 

「相変わらず心配性ですね貴方は……ええ。これで私は『死の輪廻』から開放されました……御協力、感謝しますわ」

 

少女は男に礼を言うと、男もまた少女が『謎の球体』を取り込んだ御陰で『自身の計画』が飛躍的に進んだ事を喜ばしく思い、口角を少し上げながら答えた。

 

「いえいえ、これも『貴女の計画』でもあり『私の計画』が飛躍的に進む為に必要な事ですので……では、そろそろ『元の世界』にお戻りになって、貴女の計画の1つである『自身の戦力増加』に御努め下さい。私は『上城勇人』を『社会的に抹殺する』為の『下準備』を行いますので……では後ほど……」

 

「分かりましたわ。では、この世界の下準備を御願い致しますわ」

 

男は3人に一礼し、近くに停めていた黒塗りのワゴン車に乗り、その場を後にすると少女は男に対して絶対的な信頼を寄せており、男を快く見送る様に微笑みながらパープルとフリックに言った。

 

「……彼ほどの有能な(人間)が、この私と同盟を組むなんて……全てが終わったら彼にも私達の能力(ちから)の一部を授け、私達の配下にしたいですわ……」

 

少女は男の事を大層気に入っており、高揚感に満ちた幸せそうな笑みを溢しながら言うとパープルは少女に異議を唱えた。

 

「……それをしたら貴女様の能力(ちから)が弱体化するのでは?私なら『何かしらの方法で"弱体化"させた上城勇人』を抹殺し、あの男の『能力(ちから)』を貴女様に与え、先程の能力(ちから)を彼に与えれば良いと思います。言わば、この世界で言うと能力を『底上げ(アップグレード)』すれば万事解決するので無いかと……」

 

パープルは少女に自身の訂正案を述べると少女は「ふむ……弱体化ねぇ……」とパープルの意見を取り入れりかの様に思考を巡らせ、パープルが言った『勇人が弱体化する方法』が思い付かず、顔を顰めながらフリックに聞いた。

 

「……ねぇフリック、上城勇人と似たような身体(作り)になっている貴女なら、どの様に弱体化を行うの?」

 

少女は勇人と似たような性質(身体)を持っているであろうフリックに聞くと、フリックは考えがあるのか、口角を上げながら言った。

 

「……簡単な事ですよ。あの男を『此方の世界』に来る様に誘導し、幽閉させるのと同時に、あの男の体内に飼っている『アレ』を『地獄の瘴気』で弱らせれば良いわ」

 

フリックは自身の考案である『勇人を"少女の世界"に閉じ込め』そして『勇人の体内に宿している"アレ"を地獄の瘴気で弱体化させる事』を伝えると少女はフリックが言った『アレ』の性質について触れた。

 

「『アレ』……確か『闇堕ちした艦娘』こと『深海棲艦』しか持っていない『D-cell(バイ菌)』の事ですわね……何故、瘴気がD-cell(バイ菌)に効くのかしら?私は、この世界の医学には疎いので教えて頂けないかしら?」

 

少女は自身が現代医学に関して疎い事を恥ずかしそうに公表しながらも『D-cellと瘴気の関係性』について聞くと、フリックは少女に分かり易く説明した。

 

「……分かりました。簡潔に教えます……あのウイルスは、あの男が抱えている『爆弾』と同時に『能力(ちから)を発動する際の切欠(トリガー)』としての役割があります。その役割(トリガー)を瘴気で弱体化……あわよくば無効化すれば……」

 

「……『能力(ちから)を発する切欠(トリガー)』が無くなり、普通の人間と化した上城勇人を仕留め易くなる……という訳ですね」

 

少女はフリックの説明を理解し、彼女が考えた策の結末を予想しながら言うとフリックは「……そうです」と肯定し、続けて言った。

 

「……ですが、この作戦は『あの男』が此方の世界に来なければ意味がありません。何か策が御有りですか?」

 

フリックは自身の案の肝である『勇人が少女達の世界に来させる為の理由』について聞くと少女は悪意のある笑みを溢しながら言った。

 

「イーッヒヒヒッヒ♪それなら()()()()()()()()で『あの男』を此方の世界に誘導が出来ますわ♪その為には元の世界に戻って、彼を此方の思惑通りに上手く誘導すれば良いですわ。では戻りましょ……私達の『復讐』の為に……」

 

少女は不敵な笑みを溢しながら能力を再び取り戻した恩恵で『完全に修復された漆黒の翼』を大きく羽撃かせ、そのまま2人を連れて、この世界を後にした……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして同時刻 大本営 政府連絡会議室にて……

 

「……世界が崩壊するって、どういう意味よレミ?またC国やK国が勇人にちょっかい出す事件が見えたの?」

 

朱里はレミリアの発言に一瞬、動揺したが、過去の事例を思い出し、憶測だが『勇人の事を恨んでいる敵国が何か良からぬ事をする』と結論し、その事をレミリアに聞くと、レミリアは重い溜め息を溢しながら言った。

 

「違うわよ。そんな子供同士の喧嘩みたいな低俗過ぎる原因(事態)じゃないわ……5年前の『あの天使』の事、覚えてる?」

 

「「「ッ!?」」」

 

レミリアは朱里の憶測を『子供の喧嘩』と表現しつつも否定し、5年前に起きた事件で関わっていた天使について聞くと、その場に居る全員が『その事』を思い出し、表情を曇らせながら、代表として朱里が答えた。

 

「……ええ。今でも鮮明に覚えてるわ。暴走した勇人の手によって惨殺され、『惨殺された身体』は青森県の『恐山』に、そして『あの"クソ天使"から引き剥がした能力』は『白山』に封印された……あの『クソ生意気な天使』の事ね……まさか()()()()()()()()()()()()()()……って言うんじゃないよね?」

 

朱里は頭を抱えながら、自身の憶測が外れる事を願う様に神妙な表情で聞くとレミリアは俯きななら先程『白山で能力の再開放に成功した少女』こと『封印された筈の天使の名前』を言った。

 

そう、その名前は……

 

「……その『まさか』よ。誰かが、あのクソ天使……『サリエル』を復活させたのよ」

 

「「「ッ!?」」」

 

「……こんな時に一番厄介な奴が……泣けるわね」

 

……キリスト教やユダヤ教等の数々の神話に出てくる天使の階級の中でも最高位である『大天使(アークエンジェル)』の1人であり『死を司る大天使』こと『サリエル』だったのだ。

 

朱里を初め、その場に居る全員が『サリエルの復活(最悪過ぎる悪報)』に驚愕し、顔を顰めるとレミリアは真剣な表情になり、朱里達に言った。

 

「全くよ……だが策はあるわ」

 

「……詳しく聞きたいわ。レミの作戦を……」

 

朱里はレミリアに策がある事を知り、真剣な表情で聞くと、レミリアは朱里達に応える様に真剣な表情で答えた。

 

「……簡単な事よ。彼を『彼方の世界に"行かせず"』サリエルを『この世界』に留まらせる様に誘導すれば、そのまま『始末』出来るわ。只、如何せん……」

 

「……紫ね。あの女の性格上、自身に仇なす者は早目に潰したい『せっかちな性格』だから勇人を……」

 

朱里はレミリアとは『逆の出来事』いや『最悪過ぎる悪手』である『紫が勇人を彼方の世界に行かせる事』を懸念し、その事をレミリアに言うと、レミリアは神妙な表情になりながら答えた。

 

「……それよ。もし勇人が彼方に行ったらサリエルが仕掛けた罠によって弱体化され……」

 

「……勇人はサリエルに殺され、『この世界』いえ『この世界も含め"全ての平行世界"』がサリエルの手によって……という訳ね」

 

朱里はレミリアが見た『最悪の運命』である『勇人がサリエルに"敗北する(殺される)"結末』と『この世界を含めて全ての平行世界がサリエルに滅ぼされる結末』をレミリアの発言を遮る様に答えると、レミリアは「……そうよ」と答え、三笠元帥は事の重大さを察し、勇人が彼方の世界に行かない様にする為の『対策』があるのか、手をポンと打ち、レミリア達に言った。

 

「大将が彼方に行かない方法……そうだ!私の仕事を全部『大将』に押し付ければ大将は嫌でも此方に残るわ」 

 

「……アンタ、こんな時に何馬鹿な事を言ってんのよ。只、単にサボりたいだけでしょ」

 

「違うわよ!!そりゃ少しはサボりたい気持ちもあるが……」

 

「あるのかよ!」

 

朱里は三笠元帥の考えを一喝(ツッコミ)しつつも呆れながら否決すると、先程までドッシリと座っていた永倉と沖田が口角を上げ、三笠元帥の考えに賛同した。

 

「……いや、ソレでエエのとちゃうんか?そうすれば勇人は『サボり癖の強い三笠元帥が残した仕事の後始末』を嫌でも、せぇへんとイカンからな」

 

「せやで!そして勇人は上城チャンに似て『お人好しな性格』やから紫チャンの願いを快く引き受けてしまう可能性があるんや!此処は三笠元帥のサボり癖を利用して何としてでも勇人を此処に留めさせておけば此方(ワシら)にも、まだ勝機があるんや」

 

「2人揃って酷くない!?私はまだサボり癖なんか……」

 

「「いやいや、付いているやろ!」」

 

「「「……仰る通りです三笠元帥。これ以上サボらないで下さい。大将(勇人)が過労死します」」」

 

「……俺も同意見です。若に、これ以上の負担は通常業務に支障が来ます」

 

「みんなして……泣けるわ。それでレミリアさん、この作戦なら最悪の結末を回避する事が出来るの?」

 

三笠元帥は2人にボロカス言われながらもレミリアに聞くと、レミリアは自身の能力を使って運命を閲覧し、レミリアは結果の内容を頭を抱えながら言った。

 

「……少しはマシな運命になるわ。ただ、あの隙間妖怪が強硬手段に出れば……」

 

「……それだけは意地でも止めたいわね。皆の意見を聞きたいわ。何かある?」

 

朱里達は紫が強硬手段等の『数々の問題』について3日3晩、会議し続けた。

 

だが、この問題の鍵である勇人に三笠元帥の仕事を早急に回さなかったせいで……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その24時間後、紫の強硬突破により勇人は『サリエルの世界』に飛ばされる羽目になろうとは……



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第104話「(勇人)に飼い慣らされている猛犬(忠実)

三笠元帥達が『勇人対策』に対しての会議を始めてから数時間後 1630 呉鎮守府 執務室にて……

 

「……もうそろそろ来るな。あの女新兵が……グフフフ……」

 

「……」

 

執務室に備え付けられている高級感のあるアンティーク調のソファーに座って寛いでいる壮年の男こと『現 呉鎮守府総司令官 海軍少将 楠木 一雄(以後 『楠木』)』が忠実の履歴書を見て気味の悪い笑みを溢しながら『新たに建造された涼月』の尻を鷲掴みをし、擦りながらセクハラをしながら忠実を待ち続け、涼月は自身の大人しい性格が災いし、反抗出来ず、自身の嫌悪感に耐え、顔を顰めながら黙り続けていると……

 

 

コンコンコン……

 

 

「佐世保鎮守府から研修に参りました大岡と叢雲です。入室許可を御願いします」

 

「ッ!?」

 

「チッ……意外と早く来たんだな……良い所だったのに……」

 

楠木の行き過ぎた行為をタイミング良く止めるかの様に忠実と叢雲が執務室の前に来たのだ。

 

涼月は安堵し、楠木は悪いタイミングで扉を叩いた忠実に恨めしそうに顔を顰め、涼月の尻から手を離し、忠実と叢雲に命令した。

 

「……許可する」

 

「「……入ります」」

 

忠実は今の呉に嫌な予感を感じ取り、叢雲は自身の司令官である忠実より上の階級である楠木に対して緊張し、2人は真剣な表情で入室すると楠木は忠実の身体を舐め回す様に見て、呟いた。

 

「フム……外見は『上の中』だな……後は、どう調理するかだ……」

 

「……チッ、早速セクハラ紛いな事を……」

 

(おいぃぃぃ!?楠木少将にセクハラされたからって何、舌打ちしてんのよぉぉぉぉ!!仮にも上官よ!!もう嫌……セクハラ上官に傍若無人な司令官に……ゔぅ……胃がキリキリと痛む……)

 

忠実は楠木の下心丸出しの視線を感じ、自身の嫌悪感を表す様に顔を顰めながら舌打ちをし、叢雲は楠木に舌打ちをした忠実に内心、驚愕し、今現在の状況に悪態を溢すのと同時にストレスによる胃痙攣を起こし、顔を顰めながら腹部を押さえると楠木は顔を顰めた忠実に鼻で笑いながら答えた。

 

「……この『上官に対しての反骨精神』は君の『教官』兼『上官』である『上城大将の教え』かな?大岡君?」

 

楠木は忠実の上官である勇人に対して貶しながら聞くと忠実は……

 

「………それがどうかしたのですか?此方も貴方の無粋な視線に嫌気を差しているのですよ。それ『セクハラ』ですよ」

 

「ッ!?」

 

(ちょ!?此処で大本営の二の舞いを起こす気なの!?しかも今の悪行を上城総司令官に擦り付けた!?ってか助けて上城総司令官!!この馬鹿を何とかして欲しいわ!!でないと私が胃潰瘍になってしまうわ!!)

 

……楠木を見下しながらも呆気羅漢に肯定したのだ。

 

叢雲は今現在、佐世保鎮守府で業務中の勇人に助けを乞いつつも忠実の反抗的な態度に『この世の終わり』と言わんばかりに顔面蒼白になり、冷や汗を滝の様に流しながら腹部を押さえ続けていると楠木は一瞬、顔を顰めたが、自身の劣情を忠実に悟られない様に陽気な微笑みを溢しながら答えた。

 

「……フフフ。いや〜済まないね。君が『フェミニスト(女権拡張論者)』だったとは知らなかったんだ。以後、気を付けよう……それに今日は遅い、明日からビシバシと調ky……ゴホン!教導していくから、そのつもりで」

 

楠木は微笑みながら忠実達に言うと忠実は楠木を睨み付けながら「分かりました。明日から宜しく御願いします」と一言捨て、忠実の無礼な態度のせいで疲労困憊になっている叢雲と共に執務室を後にすると楠木はニタァと気持ち悪い笑みを溢し、再度、涼月をセクハラし始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして場所は変わり艦娘寮の一室にて……

 

「うわぁ……まるで『女版の大将』みたいな人すね」

 

「アヤヤヤ……あのモグラ(新兵)を『二重スパイ』として使うなんて……しかも大将まで『変な能力』を持っていたなんて驚きますよ……」

 

執務室に備え付けられた盗聴機を介して艦娘寮の一室こと『青葉の私室』で今の会話を盗聴していた『緑色の和服を着た艦娘』であり、嘗て柏木の秘書艦である『龍鳳』とカメラを持った艦娘『青葉』が『気味の悪い空間を介して地面から上半身だけ出した男』こと『勇人』にドン引きしながら聞くと、勇人は『自身が考えた作戦』が順序良く進んでいる事に口角を少し上げ、2人の反応に苦笑しながら言った。

 

「まぁ、この能力の御蔭で柏木を治したんだから引くなよ二人共。それに地味に傷付く」

 

勇人は苦笑しながら2人に言うと2人は頭の中では理解はしているが、やはり……

 

「それは分かっていますけど……やはり……」

 

「……『床から上半身だけ出した大将』もそうですが、その床に出した『隙間自体』が()()()()()んですよ!如何にも闇堕ちしそうな紫一色な空間なんで絶対に入りたく無いし、そもそも見たくも無いんですよ!何とかならないんですか?」

 

……今現在の『勇人の姿』及び『隙間』に対して未だに生理的嫌悪感を抱えていたのだ。

 

2人は上半身のみ出している勇人もそうだが、彼が出した隙間に「生理的に無理ィ!!」と言わんばかりに気味悪そうに伝えると勇人は「そう言われてもなぁ……『慣れろ』としか言えんな」と小さく(ボヤ)きながらも続けて言った。

 

「まぁ、この能力については他言無用で頼むし、その話は置いといて本題に入るが……2人は『楠木の証拠』を持っているよな?」

 

「はい。持っていますが……それを今から大岡軍曹に渡せば良いのですか?」

 

「すぐに処しますか?」

 

2人は勇人の質問に答えながらも、自身の考えを勇人に促すと勇人は真剣な表情で2人の質問に答えた。

 

「渡すのは合っているが()()()()()。だから更に証拠を掴む為に今から楠木に『罠』を仕掛ける」

 

「「へ?『罠』……ですか?」」

 

青葉と龍鳳は勇人が発言した『罠』と言う言葉に首を傾げながら聞くと勇人は「まぁ見てなって……」と一言添えながら懐からスマホを操作し、誰かに電話を掛け始めた。

 

その『通話相手』とは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 場所は変わり『旧 柏木の私室』であり『現 来客専用宿泊部屋』にて……

 

プルル!プルル!

 

「……電話(スマホ)鳴っているわよ司令官」

 

「ああ……ッ!?上城勇人からだ……」

 

「だから総司令官の事を呼び捨てで言うんじゃないの!!」

 

……勇人が二重スパイとして呉に送り込んだ忠実だったのだ。

 

叢雲は忠実の呼び捨て発言に一喝したが、忠実は叢雲の一喝を無視し、顔を顰めながら勇人からの電話に出た。

 

「……何の用だ『汚職軍人』?」

 

(しょ)(ぱな)から何喧嘩売ってんのよアンタは!!総司令官に怒られるわよ!!スミマセン総司令官!!後でキツくッ!!キツゥゥゥく言っておきますので!!」

 

忠実は勇人に啖呵を切る様に喧嘩口調で電話に出て、叢雲は相当焦りながら忠実に一喝しながら謝罪すると勇人は忠実の発言に、あまり気にして無いのか叢雲の謝罪に冗談を交えながら返答した。

 

「気にして無ぇよ。佐世保(ウチ)は『家族の様なアットホームな職場』を売りにしているからな」

 

「ホッ……それ『ブラック企業』の『謳い文句(キャッチフレーズ)』ですよ総司令官」

 

「……え?マジで?ヤベェな……だから配属希望者が集まらなかったんだな……後で謳い文句を変えるか」

 

「……知らなかったんかい。まぁ良い意味で『アットホームな職場』は事実なんで、そのままで良いと思いますよ……良かった。直属の上官が陽気で相当器のデカい人で……」

 

叢雲は勇人の発言に物凄く安堵しながらも佐世保鎮守府の謳い文句に軽い指摘(ツッコミ)を入れると忠実は勇人と叢雲の発言を汲み取り、悪態を交えながら聞いた。

 

「フン!その、お前自身が『汚職に塗れた最低野郎(ブラック企業の頭)』の癖に、良く平然と言えたモンだな……んで、何の用だ?コッチは、あの変態に苛ついているんだ。簡潔に……」

 

忠実は上官(勇人)相手に高圧的な態度で要件を聞こうとした途端……

 

ゴン(ゲンコツ)!!

 

「ッ〜!!!!」

 

「折角、総司令官がアンタの無礼を快く許してくれたのに、何また火を着ける様な真似をしてんのよ!!本当にスミマセン総司令官!!今、秘書艦権限で処した所なんで許して下さい!!」

 

……忠実の数々の無礼にストレス耐性が限界に達した叢雲が激怒し、忠実に(拳骨)を入れたのだ。

 

叢雲はストレス性胃痙攣による腹痛に耐えながらも忠実が起こした『勇人に対しての数々の無礼』に今にも土下座をしそうな気迫と申し訳無さが籠もった強く重い口調で勇人に謝罪すると勇人は忠実絡みで苦労が絶えない叢雲を同情し、只々「あははは……」と苦笑しなざるを得なかった。

 

勿論、青葉の私室で一部始終を聞いていた龍鳳と青葉もまた……

 

「叢雲ちゃん……何も知らないとは言え……」

 

「そうですね……しかも彼女、一昨日『横須賀』で建造され、何も聞かされず秘書艦に着きましたからね……」

 

「「……叢雲ちゃん(さん)『ドンマイ』です」」

 

……『忠実の正体やら目的』そして『勇人が警察や敵対している裏組織(回天組と龍光会)に目を付けられている事』等、()()()()()()()()()()()に同情し、小さく静かに合掌した。

 

場所は戻るが忠実は叢雲による鉄拳制裁を食らい、相当痛かったのか、頭を抱えながら悶絶し、涙目になりながら叢雲に怒鳴った。

 

「ッ〜〜……上官に向かって何『暴力』を振るっていんだ叢雲!!暴行罪で逮捕するぞ!!」

 

総司令官(直属の上官)相手に『言葉の暴力』を振るったアンタに言われたく無いわ!!それを止める秘書艦(ワタシ)の気持ちを考えなさいよ!!この箱入り不良娘が!!」

 

「ッ!?んだと!!」

 

ワーワー!!

 

叢雲の反論を皮切りに2人は喧嘩を始めると勇人は苦笑しながら何時もの口癖である「……泣けるぜ」と忠実の反骨精神に『過去(新兵時代)の自分』を重ね、悪い意味で懐かしさを覚えるかの様に溢しながらも喧嘩を始めている2人を優しく窘めた。

 

「まぁまぁ、俺は本当に気にして無いから喧嘩は其処までにしてくれないか?それに大岡、お前に『やって貰いたい事』があるんだ」

 

「ハァ……ハァ……(あて)に『やって貰いたい事』?」

 

忠実は叢雲との喧嘩に少し疲労困憊になりながらも勇人に話の意図を聞くと勇人は自身の考えである『楠木に対しての罠』を簡潔に指示を出した。

 

「ああ。大岡には楠木との会話内容をスマホで録音して欲しいんだ」

 

「……まさか、(あて)を呉に出向させた本当の目的は、呉の艦娘達を含む女性隊員達を助ける為に囮操作員(スパイ)として潜入させたんだな?」

 

忠実は『勇人の考え』であり『忠実を呉に行かせた本当の目的』である『艦娘達を含む女性隊員全員を助ける為に楠木を逮捕する事』を完全に察し、それを勇人に聞くと彼は微笑みながら答えた。

 

「そうだ。勿論、楠木に関する証拠は既に龍鳳と青葉が持っているんだ。だが……」

 

「どれも『決定的な証拠』には至らない……と言う訳だな?それなら『乗ってやる』が質問がある。もし『(あて)が持っている権限』を使った場合、被害者である『呉の連中』は大丈夫なのか?あの権限は状況に寄っては最悪、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が……」

 

忠実は勇人の目的に同意し、自身の正義感が静かに燃え上がるかの様に少しづつ躍起になりながらも自身が持っている権限である『勅令解体権』と『委託外部逮捕権』を施行した場合の最悪の結末である『呉の艦娘達を含む全ての隊員達を露頭に迷わせてしまう可能性』を遠回しな表現で懸念すると、勇人は忠実の不安を一掃するかの様に微笑みながら答えた。

 

「それなら心配無ぇよ。それも手を打ってあるから問題無ぇよ。だから思う存分、暴れて来い。そして何か遭ったら龍鳳に頼め。彼女は呉鎮守府の古株だからな」

 

「……噂以上に『手の早い男』だ……分かった。今回だけは貴様の命令に従わせて貰おう……」

 

「吉報を期待しているぞ大岡。それと叢雲にあまり苦労を掛けさ……」

 

Pi♪

 

「……さて!アイツを、どう調理していこうかな……」

 

「オイィィィ!!何、最後の所だけ無視してんのよォォォ!!」

 

忠実は勇人の用意周到なアフターケアに呆れながらも、その眼光は『勇人みたいに殺意に染まった軍人』としては無く『正義を貫く警官』として強く、そして何事にも屈さない不屈の精神が宿った『全てを裁く断罪人の目』になりながら勇人の言葉を遮る様に電話を切り、そのままベットに寝転がりながら作戦を練り始めた。

 

叢雲がベットの中で今後、忠実が起こすであろう『規律違反』に頭を抱え、泣いている様子を尻目に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして青葉の私室では……

 

「あ、切れた。叢雲、大丈夫かな……ストレスで禿げなきゃ良いんだが……」

 

「そうですね……しかし大将、これは完全に……」

 

「『オーバーキル』ですね……まぁ楠木少将(あの野郎)には地獄に行ってもらいますが……」

 

勇人、龍鳳そして青葉は今後の叢雲に同情しつつも、龍鳳と青葉は『勇人が仕掛けた作戦()』である『忠実と楠木との会話を録音する事』によって『楠木が罪から逃げる為の口実を作らせない様』にし、二重スパイと化した忠実が持っている権限を使って徹底的に陥れる作戦に苦笑しながら呟くと龍鳳は『この作戦』に少なからず疑問が沸き、首を傾げながら勇人に聞いた。

 

「ですが、この作戦は大岡軍曹じゃなくても大将自身が行えば万事解決するのに何故、敢えて彼女にさせたのですか?」

 

龍鳳は何故『勇人』では無く『忠実』を使った事に少なからず疑問が沸き、それを勇人に聞くと、勇人は龍鳳の質問に少し困惑しながら理由を答えた。

 

「本来なら俺自ら出向くべきなんだが……そうなると大岡が『()()()()()()()()()()()()()()()が逮捕される口実(証拠)』になってしまう可能性があるのと、楠木が『龍光会』と『回天組』の『回し者(スパイ)』から『警察のスパイ』である大岡を使って『2つの組織の関係性』を見極める為に大岡を呉に出向させたんだ」

 

「大将が楠木少将に対して過激な制裁……あ!?お得意の『無駄無駄ラッシュ(拳によるリンチ)』ですね……」

 

「……そして私刑(リンチ)を行った場合、楠木少将は『上官からパワハラされた』と口実が出来、大将は『名誉毀損罪』を始め『侮辱罪』『脅迫罪』『暴行罪』『傷害罪』そして最悪、楠木少将を手違いで殺してしまったら『殺人罪』も付与されて、尚かつ『隠蔽した数多くの必要悪(賄賂罪や入管法やら、その他諸共)』が見つかった上での罰則は……うわぁ……」

 

「青葉さん。大将が逮捕されると、判決はどうなるのですか?」

 

青葉は興味本位ではあるが、試しに自身が覚えてる限りの勇人が犯した罪を計算している所を龍鳳が恐る恐る聞くと、青葉は顔を引き釣りながら勇人が犯した罪による『判決内容』を狼狽えながら伝えた。

 

何故、青葉が其処まで狼狽える理由が……

 

「し……ししし……『死刑』ですよ!!艦娘(青葉達)で言う『解体』ですよ!!これは流石にヤバ過ぎますって!!そもそも必要悪とは言え『犯した罪』が()()()()()()()()!!」

 

「嘘ッ!?死刑!?それで良く逮捕されませんでしたね………」

 

……勇人が逮捕されたと仮定し、必要悪とは言え、彼が起した数多くの余罪が原因で『無慈悲な判決』を言い渡されるからである。

 

龍鳳は青葉の結論を聞き、驚愕しつつも未だに警察(世間)にバレず、のうのうと過ごしている勇人に呆れていると勇人は苦笑しながら『自身の罪を揉み消した関係者』に感謝しながら答えた。

 

それは……

 

「これに関しては『総理大臣』と『柏木』に感謝しないとな。でなかったら……」

 

「「……うん。佐世保ところが国自体が『物凄く悲惨な状態』になっていますね」」

 

……国の長である『総理大臣』と現在、ドイツで入院中の『柏木』に対してだった。

 

勇人、龍鳳そして青葉は2人の御蔭で警官(世間)にバレずに済んだ事に安堵しながらも龍鳳と青葉が先程、勇人が言った『忠実を出向させた"もう一つの理由"』について触れた。

 

「……話を戻しますが大将、先程『警察』と『龍光会』そして『回天組』との関係性を見極める為にと仰っていましたが……」

 

「あの新兵の様子を見る限り、無関係の様に見えますが……」

 

2人は忠実の様子を見て、警官は既に『同盟を組んだ回天組と龍光会』とは無関係だと主張しながら質問すると勇人は「それは少し違うぞ」と2人の主張を一部否定し、『もう一つの理由』である『3つの組織の関係性』について続けて言った。

 

「俺が言ってんのは『3つの組織』が『手を組んでいる事』を『警察版の大本営』こと『本庁』勤務だったとは言え『その末端にいた大岡』が、この事を『把握している』か『否か』を確認する為なんだ」

 

勇人は『警察が裏で手を組んだ組織の内容』を忠実が把握しているか否かを確認する為に送り込んだ事を簡潔に説明すると龍鳳は『組織絡みの問題』に「……またですか」と言わんばかりに呆れながら言った。

 

「……警察は既に手を組んでいたのですね。泣けますね……」

 

「まぁ、過去に石川県警(その末端)が裏で龍光会と勝手に手を組んでいた位だからな……しかも、もし警察が裏組織と繋がってた事がバレたとしても……」

 

「……『司法取引』で何とかなりますからね」

 

「「はぁ〜………泣けるぜ(ますね)」」

 

勇人は龍鳳の心情を察し、2人揃って呆れ返っていると青葉は勇人の考えを纏め、2人の心情を察し、呆れ返りながら聞いた。

 

「あははは……つまり大将は今回の事を利用し、大岡軍曹を完全に『海軍(コッチ)側の人間(スパイ)』と認識させる為に敢えて、この情報を警察に流す事で3つの組織の『今後の動向』及び『関係性』を見極める為に行う……で良いんですよね?」

 

青葉は勇人の考えを完全に察し、簡潔に纏めると勇人は微笑みながら答えた。

 

「それは『物のついで』だ。本当の目的は呉の連中(お前達)を助ける為に動いているだけだ。まぁ『救済方法(やり方)』は此方の都合上、俺らしく無い『陰険な救済方法(やり方)』になってしまうが……そこは勘弁してくれ」

 

勇人は最後、少し不満を零す様に顔を顰めながらも作戦の目的が『呉の連中を助ける事』を龍鳳達に伝えると、龍鳳達は勇人の言葉に微笑みながら答えた。

 

「いえいえ、提督だけでは無く、今こうして私達を助けてくれるだけでも感謝しているのに……」

 

「そうですよ。青葉達は感謝しているのですよ……だから後は青葉達に任せて下さい」

 

2人は勇人に微笑みながら感謝の意を表すと勇人は2人に釣られ、微笑みながらも、すぐに顔を曇らせ、2人に『もう一つの御願い』をした。

 

「助かる。後、もう一つ『御願い』があるんだが……」

 

勇人は申し訳無さそうに2人に言うと、2人は勇人の『もう一つの御願い』の『中身』を察し、先程までの微笑みから苦笑に変わり、勇人に言った。

 

「……分かっていますよ大将。『楠木少将から性被害を受けた艦娘達』及び『叢雲ちゃん』の『メンタルケア』ですね」

 

「それも青葉達に任せて下さい。まぁ叢雲さんに至っては彼女次第ですが……」

 

2人は苦笑しながら答えると勇人は「頼む」と苦笑しながら答えると、勇人の左手首に着けられている『腕時計型のスマホ』こと『Apple Watch』が反応し、それを逸早く気付いた龍鳳が苦笑したまま勇人に伝えた。

 

「そうですね……ん?大将、腕時計が何か反応してますよ。ってか何時の間に『OMEGA Speed master(高級腕時計)』から『Apple Watch』に変えたんですか」

 

「あ!?しかもそれ、最新式じゃないですか!?青葉にも見せて下さ………ん?『重桜(おもさくら)の俺』とは?」

 

2人は勇人が着けているApple Watchを見て、珍しそうに言うと勇人は青葉が『Apple Watchに表示されている相手の名前』を読み間違えた事を訂正しながら電話相手である『重桜の指揮官』こと『アズールレーンの世界の勇人(以後 『AL勇人』)』について物凄く簡潔に説明した。

 

「『平行世界の俺』の事さ。ソイツと連絡する為にApple Watchに変えたんだ。それに『おもさくら』じゃなくて『重桜(じゅうおう)』だ」

 

勇人はApple Watchのタッチパネルを操作し、電話にでるとAL勇人が少し申し訳無さそうな控え目な口調で勇人に聞いた。

 

「もしもし博霊さん。僕です」

 

AL勇人は電話が繋がった事を確認し、勇人に聞くと勇人は『ドイツの件』で援助出来なかった事を謝罪した。

 

「『勇人』か……あの時はスマンな。此方も……」

 

「明石さんから聞いたよ。人命に関わる事をしていたのなら仕方無いよ。それに、あの『苦過ぎる薬(酔い止め薬)』が効いたから大事に至って無いよ。所で博霊さん、今此方の世界に来れる?」

 

AL勇人は既にAL明石から勇人が来れなかった経緯を聞いており、勇人の謝罪を快く許すかの様に温和な口調で彼の言葉を遮り、要件を簡潔に伝えると勇人は落ち着いた口調でAL勇人に聞いた。

 

「……急患か?」

 

「どちらかと言うとね」

 

AL勇人は勇人の言葉を簡潔に伝えると勇人は「ちょっと待ってろ」と言い残し、通話を切ると龍鳳と青葉は『AL勇人の中性的な声性と柔らかい口調』に物凄く驚愕しながら聞いた。

 

「この声の主が『平行世界の大将』なんですか!?何か村○歩みたいに声が高いですし……」

 

「……何て言うか……その……平行世界の大将に対して大変失礼な事を言いますが大将と比べて凄く貧弱そうですね……本当に『平行世界の大将』なんですか?」

 

2人はAL勇人の声と口調を聞き、普段から聞き慣れている勇人の『妖艶な低音ボイス(DI○似の低い声)』と『それに似合った荒々しい口調』とのギャップが大きく異なったせいで混乱状態に陥ると勇人は苦笑しながら答えた。

 

「そうだ。ちなみにアイツの階級は『少尉』だ……んじゃ、呼ばれたから行ってくる。後は宜しく」

 

勇人は後の事を2人に任せ、沈む様に隙間の中に隠れ、そのまま隙間を閉じると青葉は混沌と化した空気に任せる様に苦笑しながら会話した。

 

「司令官や青葉達そして日本を助けながら平行世界に行ったりと……相変わらずパワフルな人ですね……」

 

「……そうですね」

 

青葉は苦笑しながら多忙な勇人を労う様に呟き、龍鳳は『嫌な予感』を察したのか、俯きながら答えると青葉は俯いている龍鳳に首を傾げながら聞いた。

 

「ん?どうしたのですか龍鳳さん?さっきから気分が優れないですね……今だに、あの『隙間』に嫌悪感を抱いているのですか?」

 

青葉は憶測で龍鳳が俯いている理由を簡潔に聞くと龍鳳は「それもあるんですけど……」と肯定し、俯きながら続けて答えた。

 

「……大将に何か『嫌な予感』を感じたんです」

 

「『嫌な予感』……つまり『大将が警察に負ける』と予感しているのですね?」

 

青葉は龍鳳に彼女の『嫌な予感』の内容である『勇人が負ける事』を当てると龍鳳は心配そうに一言だけ溢し、頷いた。

 

「………はい」

 

龍鳳は俯きながら答えると青葉は龍鳳の不安を一掃するかの様に微笑みながら答えた。

 

「大丈夫ですよ。只でさえ『化け物(司令官)並』に強いのに、あの『気味悪い能力』を手に入れた大将が負ける事は絶対『あり得ませんよ』。今回の事も『あの時』みたいに勇猛果敢に、そして綺麗サッパリ解決してくれますって!何せ、あの大将ですよ!そんな()()()()()()()()()()()()()()()()()()は絶対起きませんよ」

 

青葉は勇人の強さに絶対的な信頼を寄せており、それを龍鳳に微笑みながら言うと、龍鳳は青葉の言葉に暗くなった表情が消え、何時もの柔らかい表情になりながら答えた。

 

「……そうですね。私とした事が……では私達も明日に備えて寝ましょうか?鎮守府『再建』の為にね」

 

「そうですね」

 

2人は勇人から任された『任務』を再確認しながら気合を入れ直し、そのまま就寝準備に取り掛かった。

 

しかし運命とは皮肉な事に『龍鳳の予感』を斜め上の『過酷で残酷な運命』に着実に進んでいようとは……



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第105話「地上最悪の大異変、勃発」

私です。

今回から『DepraviA~とある提督の悪夢奔走記(トラウマウォーカー)~』の一部を改正した状態でコピーしている部分があります。

理由に関しては、彼方の作品がR指定な為、それを健全化及び過激な表現を抑える為に改正しております。

それでは本編に移ります。


忠実が呉に着任してから24時間後、1740 佐世保鎮守府 本部執務室にて……

 

「………それ本当なの間宮ちゃん、伊良湖ちゃん、大鯨ちゃん、迅鯨(じんげい)ちゃん?勇人君が()()()()()()()()()()()()()()()()って……」

 

「間宮さん、経緯を説明して頂戴」

 

「……あの提督の事だ。何かやらかしたんだろ?」

 

優花は普段、妖夢達に見せる優しく柔らかい雰囲気が消え、如何にも軍人らしく凛々しく、そして事の重大さを表しているかの様な真剣な表情で割烹着を着た3人の艦娘『間宮』『伊良湖』『大鯨』そして時代劇に出てくる峠の茶屋の看板娘に似た服装をした艦娘『迅鯨』に彼女の秘書艦である『伊勢型の2人(伊勢と日向)』と共に聞くと4人を代表として間宮が相当切羽詰まった表情で優花に事の経緯を説明し始めた。

 

「はい!それは魂魄少尉と提督そして本日の秘書艦である明石さんが『夕餉』兼『新作の主菜(オカズ)開発』をしている時に………」

 

 

 

 

今から30分前 1710 本部食堂にて……

 

 

ガツガツガツガツ………

 

 

 

 

もっもっもっ……

 

 

 

 

 

「……今回の料理は勇人さんの大好物である鶏もも肉を炭火焼きにし『鰹のたたき』と同じ調理法及び鰹以外の食材を使った料理『鶏肉のたたき』にしてみたのですが……これを鎮守府のメニューに取り入れてはどうでしょうか?」

 

妖夢は勇人と明石に『料理を振る舞った本来の目的』である『鎮守府の新作メニューの開発及び味』について聞くと、勇人と明石は腕を組み、右手を顎を優しく掴む様に添え、先程までの満面な笑みから一転し、眉をハの字にし、少し悩んでいるのか、首を傾げながら言った。

 

「旨いな……黒酢のお陰で鶏肉の旨味もバッチリ生かされているし、玉葱の噛み心地と風味、擦り下ろした生姜とニンニクの風味の良さが鶏肉の旨味を更に引き立て、非常にバランスが取れた味だ……だが、ニンニクが多いのか、この味付けは、どちらかと言うと『隼鷹(じゅんよう)』や『那智(なち)』みたいな『飲兵衛』向きな濃い味になっているぞ……妖夢」

 

「私は結構好きな味ですが……何か白米(ゴハン)じゃなくて日本酒が欲しくなる味ですね」

 

勇人と明石は妖夢に自身の感想を包み隠さず伝えると、妖夢は勇人と同じく腕を組み、少し思考を巡らせながら勇人に言った。

 

「ふむ……なら、これをニンニクを少な目にし、その分、玉葱と酢を多めに入れる事によりサッパリした味付けになった状態で御飯の上に乗せるとか?」

 

「成程……敢えて『サッパリ系』にするのか……よし、今度は俺が作ってみるか……モグモグ……ゴクン!味の評価を宜しく頼むぜ、妖夢に明石……出来れば厳し目にな。間宮、伊良湖、迅鯨、大鯨、今すぐ準備してくれ」

 

「「「「はい。分かりました」」」」

 

「ッ!?はい!!お任せを!!」

 

「ヤッター♪久々の提督の手料理だ♪」

 

勇人は妖夢が調理した『鶏肉のたたき』からヒントを得たのか、妖夢が調理した料理を綺麗サッパリ平らげ、口角を上げながら間宮、伊良湖、迅鯨そして大鯨に指示を出しながら調理場に向かおうと立ち上がった途端……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヤッホー♪貴方には悪いけど()()()()()s()……ゲフンゲフン、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……隙間解放!」

 

 

 

 

 

 

クパァ………

 

 

 

 

 

 

 

「え?……………はぁぁぁぁぁぁぁ!!()()かよ!ってか、今さっき暇潰しって言わなかったかぁぁぁ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒュゥゥゥ…………

 

 

 

 

 

 

「ッ!?勇人さぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」

 

「「「「「て………提督!?」」」」」

 

 

突然、紫が現れ、紫は勇人の有無を言わせない様に勇人の足下に隙間を具現化させると、勇人は突如現れた隙間に対処出来なかったのか、そのまま隙間に吸い込まれる様に落ちて行った。

 

紫は勇人が隙間に落ちていった事を確認すると颯爽と食堂を後にすると妖夢は突然起きた出来事に混乱し、焦りながら明石に聞いた。

 

「た……大変ですよ明石さん!!勇人さんが……勇人さんが……」

 

妖夢は混乱しながら明石に聞くと、明石は冷静になりながら妖夢、間宮、伊良湖、迅鯨そして大鯨に指示を出した。

 

「分かっています。間宮さん、伊良湖さん、大鯨ちゃん、そして迅鯨ちゃんは、すぐに『この事』を優花さんに!!少尉は提督の安否を確認すべく、すぐに電話して下さい!!これをスマホに繋げ、その電波を逆探知し、居場所を特定させます!!」

 

「「「「はい!!」」」」

 

明石は自身が制作した『小型の電波逆探知装置』を妖夢のスマホに繋げながら指示を出すと間宮、伊良湖、大鯨そして迅鯨は急いで優花が居る本部執務室に走って向かった。

 

 

 

そして現在に至る……

 

「……と言う訳です。今、少尉と明石さんが提督の安否を確認している所です……ど……どうすれば……」

 

間宮は突然の出来事に焦りながら優花に経緯を説明すると優花は自身の、そして勇人の能力を完全に把握し、その事を踏まえて混乱している間宮達に優しく諭した。

 

「大丈夫。勇人君なら、すぐに帰って来るよ……だって私と同じ『隙間』が使えるから強制的に飛ばされたからって無駄な事よ」

 

「「……デスヨネー」」

 

「「「ッ!?そ……そうでしたね」」」

 

「隙間?」

 

間宮、伊良湖、伊勢型の2人そして大鯨は勇人の能力の一部であり、優花の能力である『隙間』が使える事を忘れていたのか、先程までの混乱状態が消え、安堵を溢し、新人である迅鯨は優花の発言に眉をハの字にし、首を傾げながら優花に聞くと大鯨が優花の代わりに簡潔に説明した。

 

「先程、提督を落とした穴の事ですよ迅鯨さん。あの『穴』……と言うより『空間』は色んな場所や国、未来や過去、更には異世界まで行ける便利な能力なんですよ。提督だけでは無く副提督も使えるんですよ」

 

「……へ?何その『どこ○もドア』と『タイムマシーン』を合体した様な能力は!?しかも副提督だけでは無く提督も使えるんですか!?」

 

迅鯨は大鯨の説明に『某タヌキ型の未来ロボット(ドラえ○ん)』の『移動道具(ど○でもドア)』に喩えながら目をパチクリと瞬きをしながら驚くと優花は迅鯨の質問に答えた。

 

「そうよ。私は隙間操作だけ使えるが、勇人君……いえ上城提督は隙間だけでは無く『時間』や『自然現象』等『ありとあらゆる全ての現象(モノ)』を『統括(操作)』出来たり、他人の心を読む事だって出来るのよ」

 

「……提督は神にでも成るつもりですか?」

 

迅鯨は一部ではあるが勇人の能力を聞き、思考が停止したかの様に呆気に取られながら聞き返すと伊良湖と日向は迅鯨の質問に答えた。

 

「『成るつもり』では無くて、もう()()()に、そして『()() ()()』の()()()()()()()()()()()

 

「私も最初、聞いて驚いたが受け入れるしか無いんだ迅鯨。提督は複数の意味で規格外な男だからな」

 

「……へ!?そんなの聞いてないですよ!!ってか規格外とか、そう言うレベルじゃないですよ!!そもそも何ですか!?提督が『戦艦 三笠の付喪神』であり『現人神』って!!」

 

迅鯨は2人の説明に脳内の処理が追い付かず、それを表しているかの様に大混乱しながら答えると勇人の安否を確認しに終えた明石が、間宮達が締め忘れてた『ナノマテリアルと炭素繊維(カーボンセラミック)を化合した特別仕様の執務室の扉』を軽くノックし、呆れながら優花に言った。

 

「優花さん、扉が開きっぱなし。外まで丸聞こえですよ」

 

「それ私じゃないよ」

 

「……ごめんなさい。私です」

 

間宮は明石の注意を受け、申し訳無さそうにそそくさと扉を閉めると優花は明石に勇人の安否について聞いた。

 

「……んで、勇人君は無事だったの?」

 

優花は真剣な表情で明石に聞くと、明石は顔を俯かせ、『勇人の安否』について答えた。

 

「……提督は無事です」

 

「「「「「……デスヨネー。提督はゴキブリ並の生命力(しぶとさ)を持っていますからね……」」」」」

 

「ホッ……良かった。御無事で……」

 

「………」

 

間宮、伊良湖、伊勢型の2人そして大鯨は明石の報告聞いて予想通りの結果だったのか然程、心配せず、苦笑しながら答え、迅鯨は勇人が無事だった事に胸を撫で下ろし、安堵した表情で呟くと優花は俯いている明石の表情を見て、相当嫌な予感を感じ、明石を睨み付ける様な鋭い目つきで彼女に聞いた。

 

「……だが『別の問題』が発生したのね?」

 

「「「「ッ!?」」」」

 

「「……そっちのパターンか……」」

 

優花は明石に問い質すと伊勢型の2人は「やっぱり」と言わんばかりに頭を抱え、間宮達は優花の質問に動揺すると明石は俯いた表情で『別の問題』について報告し始めた。

 

そう、勇人の身に起きた『別の問題』とは……

 

「はい………提督は何かしらの原因で能力が『弱体化』し、()()()()()()()()()

 

「「「「なっ!?」」」」

 

「「………泣ける()」」

 

「………やっぱりね」

 

………勇人が自身の能力が弱体化したせいで帰還不可能になっていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして場所は変わり『ドイツ ベルリン市内』の『上城病院』の『特別病棟』にて……

 

「……何か嫌な予感がするな」

 

勇人と永琳の手によって九死に一生を得た柏木が優花と同じく『相当嫌な予感』を軍人としての本能的に感じ取り、その事を独り言の様に呟くと、お見舞いに来た『ドイツの軍服を着た凛々しい顔付きの金髪の若い女性』と柏木のメイド『オク』が柏木の独り言を聞いて柏木と同感なのか俯き、金髪の女性が不安そうに言った。

 

「……ああ。勇人が『何かしらの厄介事』に巻き込まれた気が……」

 

金髪の女性は勇人と顔見知りなのか、彼を呼び捨てで自身の予感を流暢な日本語で柏木に伝えると、柏木は金髪の女性の正体を交えながら答えた。

 

彼女の正体は……

 

「十中八九そうだろうな……しかし『白銀の女龍』と言われている『キール鎮守府の若き総司令官』の正体が『独裁者(ヒトラー)の隠し子の子孫』であり『勇人(アイツ)の母方の又従兄妹』だったとはな……『ターニャ·フォン·ヒトラー海軍少将』さんよ」

 

……現在のドイツでは禁句(タブー)になっている嘗ての独裁者『アドルフ·ヒトラー』の『子孫』であり『勇人の母方の又従兄妹』である女性こと『ターニャ·フォン·ヒトラー(以後 ターニャ)』だったのだ。

 

柏木はターニャを誂うかの様に軽い口調で言うとターニャは少し嫌な表情をし、柏木に言った。

 

「……出来れば日本籍での名前である『上坂 (あおい)』と言って欲しいな。この事は公にしてないんでな……でないと政府が煩いんだよ

 

「ナラ中間を取ッテ『ターニャ·ウエサカ』と名乗レバ?」

 

オクは皆が感じている『嫌な予感』のせいで暗くなった雰囲気を明るくする為、わざと明るく、そして軽い口調で『ターニャ』こと『碧』に言うと(ターニャ)は「ッ!?その手が合ったか!!」と驚愕しながら手をポンと打つと柏木は2人の会話を聞いて呆れながら『碧』こと『ターニャ』に頭を下げながら言った。

 

「……今は『そんな事』をしている場合じゃねぇだろ。ターニャ、スマンが『勇人達が不法入国した事』を消してくれないか?アイツは俺の為に自身の首を絞めてまで助けて貰ったからな。無理な事を言ってんのは分かる……だが……」

 

「……私からモ御願い……疾風の要望に答エテあげて……」

 

柏木とオクはターニャを呼んだ理由である『勇人達が不法入国した事』を隠滅して欲しい事を頭を下げ、懇願するとターニャは、そんな無理難題な要望を……

 

「別に良いぞ。勇人(アイツ)が何か悪さをする時は大半が人助けだからな」

 

……呆気羅漢に答え、了承したのだ。

 

柏木とオクは軽い口調で了承したターニャに動揺し、狼狽えながら言った。

 

「え!?ちょ!?そんな簡単に了承して良いのか!?」

 

「結構ヤバイ依頼よ!下手すれば貴女の首が飛ぶワヨ!!本当に大丈夫ナノ!?」

 

2人は狼狽えながら言うとターニャは2人を見て苦笑し、ラフな口調で答えた。

 

「大丈夫よ。こう見て私、嘗ては『勇人の婚約者候補の1人』だったから財閥や政府にも少なからず『コネ』があるのよ。まぁ結局は早苗に取られてしまったが……」

 

「イヤイヤ……コネって……何か異名と言い、豪快な性格と言い、やり方と言い……まんま『女版の勇人』だな……アンタ……」

 

「……ソウネ。なら御願いするわターニャ……くれぐれも……」

 

「分かっている。それじゃ隠滅しに行ってくる……」

 

柏木とオクはターニャの常行手段と言い、性格と言い、更には異名までもが勇人に極似している事に呆れながらターニャを見送るとターニャは何か忘れていたのか、ドアノブを触る手前で止まり、柏木に『ある事』について聞いた。

 

「そう言えば柏木さん。貴方、勇人と仲良いんだよね?」

 

「ああ。兄弟の盃まで交わした程だ……それがどうしたんだ?」

 

「……勇人って独身なの?それに早苗と別れたって本当?」

 

ターニャは個人的な質問である『勇人が独身か否か』と聞くと柏木は首を傾げながらも呆気羅漢に答えた。

 

「ああ。全て『本当』だ。アイツから聞いたから間違い無い……それがどうしたんだ?」

 

「ッ!!!」

 

あ……そう言う事ね。ってか諦めて無かったのね

 

ターニャは柏木の返答に先程までの軍人らしい凛々しい表情から一転し、恋する乙女の様に顔を赤く染め、顔を綻ばせつつも再度、気合いを入れるかの様に……

 

「……それ聞いて安心したわ……さて!!『未来の旦那様』の為に人肌脱ぐわよ!!それじゃ!!ビスマルク!!行くわよ!!」

 

え!?ちょ!?待ちなさいよ!!

 

ガチャン!!!

 

……躍起になり、自身の情熱を表すかの様に颯爽と、そして豪快に扉に手を掛け、廊下に待機していたターニャ側のビスマルクと共に病棟を後にしたのだ。

 

そして、それを見ていた柏木とオクは……

 

「前言撤回。アレは『女版の勇人』ではなく『ドイツ版の優花』だ」

 

「……どちらかと言ウト『ドイツ版の早苗』ダナ……」

 

……彼女が勇人の為に躍起になっている所を見て、呆れながら訂正しなざるを得なかった。

 

だが、柏木達は知らなかった……

 

この一手が更に混乱を招き入れる事に……



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第106話「隙間越しの大手術 前編」

ども、私です。

今回の話は『DepraviA~とある提督の悪夢奔走記(トラウマウォーカー)~』の第5話「凌辱されし姉妹との出会い 後編」の内容を一部『改正』及び『性的な表現を消した』り、『直接的な表現』から『曖昧な表現』に変えた状態で出しますが、手術シーンな為『一部グロ表現』がございますので注意を御願い致します。


1745 佐世保鎮守府 執務室にて……

 

「はぁ……よりによって勇人君が弱体化しているとは……それで勇人君が飛ばされた世界って、どういう世界なの?」

 

優花は明石からの報告を聞き、重い溜め息を溢し、頭を軽く抱えながら聞くと明石は俯きながら聞き返した。

 

「……副提督『デプラビア エグリゴリ』というPCゲームを御存知ですか?」

 

「ええ……知っているわ。あの『悪趣味全開の18禁のゲーム』の事ね。私も前職の職業柄、グロ耐性を付ける為に遊んでみたんだけど、あまりにもグロ過ぎて途中で投げ出したわ……ッ!?まさか、勇人君は……その世界に……」

 

優花もまた前職である『看護師』の訓練の一環としてだが、嘗て『デプラビア』をプレイした事があり、あまりにもグロ過ぎる内容から手を引いた事を伝えながらも、明石の発言に『勇人がデプラビアの世界に飛ばされた事』を憶測し、顔を青ざめ、狼狽えながら聞くと、明石は俯きながら答えた。

 

「……はい。提督は、その『悪趣味全開の18禁のゲームに極似した世界』に飛ばされました」

 

「「「「「なっ!?」」」」」

 

「嘘……そんな……」

 

優花を始め、伊勢型の2人、間宮、伊良湖、大鯨そして迅鯨が明石の言葉に絶句すると明石は優花達に追い打ちを掛ける様に俯きながら報告を続けた。

 

「……しかも提督は『全裸』いえ『大破状態になっているセレニアさん』と『民間人』を保護しながら悪魔達を一掃し続けているのです」

 

「……よりによって『悪魔』……『ネフィリム』の体内にいるとは……しかも手負いのセレニアさん達を保護しながら進んでいるとは……セレニアさん達の為に此方からアシスト出来ないかな……」

 

優花は明石の報告を聞き、勇人が『デプラビアの序盤ステージ』である『ネフィリムに食われた村』に居る事そして、まだ見ぬ女性天使兵『セレニア』の身を案じながら、解決策を手探りで探すかの様に苛つきながら考えていると伊勢は何かを思い付き、不安そうに呟いた。

 

「……それなら弱体化している提督でも使える様に艤装を改修すれば……う~ん……だけど……そうすれば必然的に艤装を『弱体化(デチューン)』しないと駄目だし……」

 

「そうだよね……う〜ん……」

 

「アッチでも瑞雲が使えれば……」

 

伊勢と日向そして優花は伊勢の発言を参考に思考を巡らせていると明石は何かを思い付いたのか、先程までの暗い表情が消え、鬼気迫る勢いで優花に言った。

 

「……ッ!?あります!ありますよ!!たった1つだけ『弱体化(デチューン)する必要の無い艤装』がッ!!」

 

明石は3人の呟きを聞き、たった1つだけ『弱体化(デチューン)する必要の無い艤装』がある事を優花達に伝えると優花は明石の言葉に食い付き、声を荒げながら明石に聞いた。

 

「ッ!?あるの!?それは一体!?」

 

優花は明石の発言に食い付き、声を荒げながら聞くと明石は優花と同じく、声を荒げながら『弱体化(デチューン)する必要の無い艤装』を答えた。

 

それは……

 

「『刀』ですよ!!提督の愛刀である『ムラマサブレード』と『毘沙門剣』そして魂魄少尉の『白楼刀』と『楼観刀』なら、そのまま使えますよ!!」

 

……勇人専用の近接武器である『ムラマサブレード』と『毘沙門剣』そして妖夢の愛刀である『白楼刀』と『楼観刀』なら弱体化(デチューン)せずに使用出来るからだ。

 

明石は鬼気迫る勢いで自身の案を唱えると優花は少し難しい表情になりながら明石に言った。

 

「確かに、それは良いアイデアだけど……2人の刀は『曰く付きの物凄くヤバイ刀』よ。それに私の剣や妖夢ちゃんの刀もそうだけど『ムラマサブレード』と『毘沙門剣』は『大規模修理(オーバーホール)』しているから使えないし、そもそも『毘沙門剣』は『比叡山延暦寺の僧侶』の『南光坊 天海』さんが所有している『退魔剣 毘沙門剣』を特殊製法で複製し、勇人君が()()()()()()()()()()()()()()()為に『魔改造(アレンジ)』しているから私達の技量では歪みしか直せないわ」

 

「複製……ッ!?なら、その僧侶に頼んで『提督の毘沙門剣』の『原型(オリジナル)』である『退魔剣 毘沙門剣』を借りれば……」

 

明石は意気揚々と言うと優花は溜め息を溢しながら言った。

 

「……それは『無理』よ」

 

優花は明石の案を否決すると明石は面を喰らい、狼狽えながら言った。

 

「な!?何故ですか!?」

 

明石は狼狽えながら聞くと優花は神妙な表情で理由を答えた。

 

「……『原型(オリジナル)の毘沙門剣』は『鬼の一族』または『鬼の一族に認められた人』通称『鬼武者』と言われている人しか使えないのよ」

 

「つまり……提督は鬼武者では無いから使えない……という事ですか……」

 

明石は何故、勇人が『原型(オリジナル)の毘沙門剣』を使用出来無い理由を察し、俯きながら言うと優花は「……そうよ」と頷き、明石の案を参考に自身の案を皆に説明した。

 

「……だが策は残っているわ……『ムラマサブレード』と『エクスカリバー』に付いている装置を全部外し、ムラマサブレードの本来の姿である『妖刀 村正』と私の愛剣『聖剣 エクスカリバー』を勇人君に渡すの」

 

「え!?だけど、それをしたら弱体化(デチューン)してしまう事と同じじゃ……」

 

伊勢は優花の発言に矛盾を指摘すると優花は微笑みながら言った。

 

「それは違うわ。『私の愛剣(エクスカリバー)』もそうだけど、あの刀に付いている装置は『刀としての効力』を抑え付ける『拘束具』としての役割も兼ねているのよ……それを外せば……」

 

「……妖刀そして聖剣としての効力が遺憾無く発揮する……と言う訳ですね……なら副提督、コレを御願いします!!」

 

明石は優花の案を聞いて、スマホを優花に渡し、意気揚々と部屋から出ようとすると優花は明石の様子に少し狼狽えながら聞いた。

 

「ちょ!?明石さん!?一体、何処に行くの?」

 

「『特設ドック』ですよ!今から『ムラマサブレード』と『エクスカリバー』を元の姿に改装しに行ってきます!!それでは!!」

 

明石は優花の制止を無視し、意気揚々と部屋から出ると優花は唖然とした表情で呟いた。

 

「え!?だから今『大規模修理(オーバーホール)中』だって……行っちゃった……」

 

「……『エクスカリバー(聖剣)』や『村正(妖刀)』を魔改造するって……この鎮守府の技術力は化け物並ですね」

 

「……褒め言葉として受け止めるわ迅鯨ちゃん……ん?勇人君からだ……」

 

優花は呆れながら迅鯨の悪態を返すと明石のスマホが鳴り響き、通話相手が勇人だと知り、急いでTV電話に出ると、勇人は相当緊迫した重い口調で言った。

 

「……明石、ヤバイ事になった。2人が悪魔の子を孕んでやがる……今から中絶手術を行うから手を貸せ」

 

(ッ!?やはりレベッカさんが……ん?『2人』?レベッカさんとセレニアさん以外の民間人を保護したんだね……)

 

勇人は真剣な表情で要件を伝えると優花は勇人の報告を聞き、勇人(アチラ)の現状を憶測しながら答えた。

 

「明石さんならスマホを置いて、そのまま『特設ドック(工房)』に行ったから居ないよ。一応、聞くけど2人の中絶方法は『ソウハ法』で良い?勇人君?」

 

優花は勇人の電話を聞き、中絶方法の1つである『ソウハ法』言わば『"特殊なハサミ状器具(胎盤鋏子)"を用いて手によって体内の異物をかき出す方法』を提案すると勇人は電話の主が分かり、安堵しながら言った。

 

「優花か……と言う事は事情を……」

 

「明石さんから全部聞いたわ。勿論、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()もね……」

 

優花は勇人の事が心配そうに聞くと勇人は真剣な表情で『自身と同世代であろう銀髪の天使兵』こと『セレニア』と優花に言った。

 

「……なら話が早い。お前も『隙間』が使えるんなら此処に来てくれ。セレニア、今から『優花』……『俺の相棒』が来るから彼女の補佐を頼む」

 

「あ……ああ……良かった。ハヤトとユカリ以外にも隙間を使える人が来てくれて……セレニアだ。宜しくユウカ」

 

「分かった。それに宜しくねセレニアさん。それじゃ今から隙間でソッチに行くから待っててね……隙間大解放……あれ?嘘?ど……どうしよ……」

 

「どうした?」

 

「ユウカ……ま……まさかだと思うが……」

 

「「「「副提督(司令)……まさか……」」」」

 

勇人は優花の覇気の無い声を聞いて首を傾げると優花は先程までの気迫が籠もった強い声から一転し、慌てた声を発しながら勇人とセレニアに言った。

 

何故なら……

 

「その『まさか』よ!!勇人君とセレニアさんが居る世界に『繋がらないよ』!!」

 

「はぁ!?隙間が繋がらないだと!?俺のは繋がるのにか!?」

 

「……だろうと思った」

 

……優花の隙間が繋がらなかったのだ。

 

2人は優花の報告を聞き、セレニアは薄々感付いていたのか、重い溜め息を溢しながら落胆し、勇人は優花の隙間が繋がらない事に驚愕すると優花は突然の事態に少し混乱しながら勇人に命令した。

 

「え!?勇人君の隙間は繋がるの!?なら繋げて!!早く!!」

 

「……あんまり期待すんなよ……隙間大解放!!」

 

勇人は神妙な表情で弱体化している能力に鞭を入れるかの様に隙間を大きく開放すると、隙間は勇人の世界に無事『繋がった』が……

 

「小さっ!?これじゃ私ところが海防艦(チビ達)すら入れないよ……」

 

「もう少し大きく出来ないのか?」

 

「「はわわわ!?空間の先に部屋が!?」」

 

「……これが限界だ」

 

……その隙間が幼児が漸く通れる位の『小さな隙間』だったのだ。

 

勇人は2人の落胆した声に申し訳無さそうに言うと優花は重い溜め息を溢しながら勇人に言った。

 

「……弱体化してると聞いていたが、まさか此処まで弱体化してるとは……仕方無いわ。『ガブリエルと悪魔の遺伝子情報(DNA)の解析』も兼ねて『ソウハ法』から『吸引法』に移行するわ」

 

「なら俺の私室に『医療用の艤装』があるから艦娘達を呼んで持って来てくれ……ってか、あの『蝙蝠もどき』……『堕天使』だったのか……」

 

「分かった!みんな!手を貸して!」

 

優花は勇人に『ソウハ法』から『吸引法』言わば『特殊機械で圧力をかけ金属棒を体内に入れ、吸引をかけることで胎児ごと吸い出す方法』を提案すると、勇人は優花の提案に賛同し、優花に指示を出すと優花は間宮、伊良湖、大鯨、迅鯨そして伊勢型の2人を連れて部屋を後にし、勇人の部屋に置かれている『医療機械』であり『衛生兵』の名を持つ()()()()()()()の1つである『Sub Weapon Medic(メディック)』を見付け……

 

「みんな!準備は良い?せぇーの!!」

 

 

 

ギシッ……

 

 

ギシッ……

 

 

ギシッ……

 

 

「「「「「……(おっも)いィィィィ!!後少しィィィ……」」」」」

 

……全員総出で、その艤装(装置)を持った途端、その重量の凄さを物語るか様に床の軋む音と優花達の悲鳴を勇人達に聴かせる様な重々しい足取りで隙間の前まで運び……

 

 

 

「ゆっくり下ろして!!」

 

「「「「いよっこいしょ!!」」」」

 

 

 

メキャッ!!

 

 

 

「「「「お……重たかった……」」」」

 

「ふぅ……あ"〜重たかった……持って来たよ!『メディック』で良いんだよね?」

 

……その艤装(装置)の重量から、ゆっくり開放するかの様に隙間の前に慎重に置いたが、艤装(装置)の重さに床が耐えきれず、置いた所だけ陥没したのだ。

 

優花を始め、手伝った艦娘達が息を切らせながら言うと勇人は「上出来だ。ありがとう」と労いながら、能力使用による体力消費を抑える為に『セレニア達に対しての通訳用の隙間』を消し、優花に指示を出した。

 

「まずは通訳用の隙間を消してっと……それじゃ『吸い込んだ異物を入れるタンク』に『空気圧縮機(コンプレッサー)』を付けてくれ」

 

「『家庭用(小型のヤツ)』で大丈夫?」

 

「大丈夫だ。寧ろ『工業用(大型)』だと圧が強過ぎて、ジルとレベッカの内臓(なか)を痛めてしまう可能性があるからな。勿論、タンクは2つだ。後、この事は明石にも一報入れておけよ」

 

勇人は優花を始め、その場に居る艦娘達に的確に指示を与えていると、セレニアは勇人達の手際の良さに圧巻しながら彼女と同じく、勇人の手際の良さや勇人の世界等に圧巻している『2人と同世代であろう短髪の女性』こと『ジル』と『眼鏡を着けた少女』こと『レベッカ』に母国語(英語)で言った。

 

……手際が良いな。まぁ何言っているか分からんが……

 

これが日本(ジパング)の言葉ですか……しかし日本(ジパング)の女性も意外とパワフルですね。あんな大きい物を5人で……

 

……日本(ジパング)に対する女性のイメージが粉々に破壊されたわ

 

3人は色んな意味で只々、舌を巻いていると勇人は準備が終えたのか、英語でジルとレベッカに指示を出した。

 

準備完了だ。ジルにレベッカ、恥を覚悟で言うがスカートとパンツを脱いでくれ

 

「「え!?脱ぐのですか!?」」

 

……見損なったぞハヤト!!か弱い2人をトドメを刺そうとするな!!

 

レベッカとジルは勇人の発言に再度、驚愕し、セレニアに関しては勇人が『重症患者の2人にトドメを刺す』と勘違いをし、激怒しながら言うと優花が苦笑しながら今から行う治療の内容を慣れない英語で簡潔に説明した。

 

違ウ違ウ、彼女達の体内に溜まっテいる異物を、コノ機械で全部吸い出すのよ。ソノ為に脱がないとイケナイの。分かった?

 

……そうだったのか。すまない、とんだ早合点をしてしまったな

 

セレニアは申し訳無さそうに言うと勇人は隙間を介してゴム手袋とマスクを装置し、2人に指示を出した。

 

分かった。まずはジル、横になってくれ……優花、彼女に全身麻酔(セボフルラン)の準備を」

 

「分かったわ……ジルさん、顔を隙間に入レテ

 

あ……はい……うわぁ……此処が勇人さんの世界ですか……凄い……それに眠たく……Zzzz……

 

優花はジルに慣れた手付きで管が繋がっている全身麻酔用のマスクをジルに付けるとジルはセボフルランを吸い込んだせいで、すぐに眠ると勇人は寝ているジルを見て、少し顔を顰めながら優花に指示を出した。

 

「今から中絶手術を始める……開口器に吸引用のキュレットを」

 

「はい」

 

勇人は優花から『手術用開口器』と『キュレット』言わば『中絶手術を行う際に使われている特殊手術道具』を勇人が『その特殊手術道具(キュレット)に吸引用の管や何かしらの機器を着けた特別仕様の自作キュレット』を受け取り、開口器の固定作業を終え、セレニア、レベッカそして優花の所に居る艦娘達に忠告した。

 

「……準備完了……セレニアにレベッカ、此処から先は『グロ注意』だ。見ない方が身の為だ……そしてお前達、特に新人の迅鯨は見ない方が良い。トラウマになるぞ」

 

「「「「は……はい……」」」」

 

あ……ああ……

 

わ……分かりました

 

セレニア達は勇人の忠告を聞き、ジルから目を反らすと優花は艤装(装置)の起動準備を終えた事を勇人に言った。

 

空気圧縮機(コンプレッサー)の圧力調整、並びに艤装の暖気運転が終わったわ。何時でも行けるよ」

 

「では……『中絶手術(オペ)』開始だ」

 

勇人は優花の報告を聞き、自作キュレットに装着されているボタンを押すと……

 

 

 

 

ズゴゴゴゴッ!!

 

 

 

激しい吸引音を発し、自作キュレットを使って器用に洗浄並び摘出を始めたのだ。

 

勇人は自作キュレットを使い、傷を付けない様に優しく搔き回しながら異物をタンクに排出させると優花は大豆程の大きさの物体がタンクに入った事そして異物の排出が止まった事を確認し、その事を勇人に報告した。

 

「………ッ!?全排出、並びに摘出を確認!」

 

「……良し。迅鯨、アルコール漬けのコットンを……」

 

「わ……分かりました……はい……ッ!?」

 

勇人は優花の報告を聞き、ジルの中絶手術が終わった事に少し安堵しながら迅鯨に指示を出すと、迅鯨は艤装(装着)に備え付けられている棚を上げ、アルコール漬けのコットンが入っている瓶を見つけ、それを勇人に渡したが……

 

「ッ!?ウッ……」

 

バタン!!

 

「ッ!?迅鯨!?しっかりして!!」

 

「やはり見てしまったか……ほら『伊勢』、彼女を提督の部屋に……」

 

「……分かったわ『日向』。提督、彼女を別室に移動するわ」

 

渡した時に偶々、キュレットと開口器が入っているジルの姿を見てしまい、あまりにも残酷な絵面と臭いが鼻と脳に刺激し、自身の精神が耐え切れず、そのまま気絶したのだ。

 

伊勢と日向は気絶した迅鯨を背負い、勇人に報告すると勇人は「……分かった」と手術に集中しているのか、2人の報告を聞き流す様に淡々と答え、迅鯨から受け取った消毒用のコットンを使い、キュレットと開口器を外しつつ、ジルを消毒及び清掃していると優花はジルの体内から全て排出された異物が入ったタンクを取り出し、そのタンクを大型のゴミ袋に入れ、密封し、間宮に言った。

 

「間宮さん、コレを特設ドックに居る明石さんに渡して。重かったら台車使っても良いから」

 

「うぇ〜……コレをですか……分かりました……」

 

間宮は優花の命令に顔を顰め、そのタンクを腫れ物扱いをするかの様に嫌そうに答え、タンクを台車に載せ、部屋を後にすると勇人はジルの中絶手術を終え、優花に命令した。

 

「……ジルの中絶手術が終わったぞ。全身麻酔を解除しろ」

 

勇人はジルの中絶手術を終えた事を優花に言うと優花は慣れた手付きで全身麻酔用のマスクを取り外し、英語でレベッカに言った。

 

ジルさんの手術が終わったワ。次はレベッカさんの番ヨ。セレニアさん、彼女を安全な場所に、オ願イシマス

 

あ……ああ……了解した……コレが日本(ジパング)の技術か……凄すぎる……

 

あ……あの……お姉ちゃんの手術は……

 

レベッカはセレニアが狼狽えながらジルを介護しているのを尻目に不安そうにジルの手術の結果を聞くと優花の代わりに勇人が淡々と答えた。

 

安心しろ『成功』だ。直に目が覚めるだろう……さぁ、次は『お前』だ。早く頭を隙間の中に入れろ

 

ホッ……分かりました……ッ!?

 

勇人はレベッカに淡々と答えると、レベッカはジルの手術が成功した事に胸を撫で下ろしつつ、自身の頭部を隙間に入れるとレベッカは『勇人の世界』及び『仕事部屋』である『佐世保鎮守府 基地本部 執務室』の内装を見て、勇人のセンスで模様替えされた『シックで落ち着いた内装になっている執務室』に興奮しながら呟いた。

 

こ……此処がハヤトさんの世界……まるで貴族の部屋みたい『豪華絢爛』でありつつ日本(ジパング)らしい『質素で無駄の無い内装』ですね……一度で良いから、こういう部屋で寛いでみたいですね

 

全てが終わったら俺の権限で幾らでも寛いでやるから今は目の前の事を片付けるぞ……優花」

 

「うん……レベッカさん、ちょっと失礼スルヨ

 

勇人はレベッカの発言に先程までの緊張感が少し解れ、苦笑しながらも優花に指示を出すと優花は素早くレベッカに全身麻酔用のマスクを着け、麻酔を送るとレベッカは極上のベットの上で爆睡するかの様に、直ぐに眠りに着くと勇人はレベッカに注入した麻酔が効き始めた事を確認し、優花に指示を出した。

 

「……新しい吸引用のキュレットに開口器を……ついでに……」

 

「新しいタンクとホースの準備ね。もう終わっているよ……はい、キュレットと開口器」

 

「流石だ……では始めるぞ」

 

勇人は優花から新しい吸引用のキュレットと開口器を受け取り、慣れた手付きで開口器をレベッカに設置し、ジル同様に激しい吸引音を発しながら吸引用のキュレットを使い、体内に溜まっている異物を吸い始めた。

 

だが吸引し始めてから数分後、問題が発生した……

 

 

ズゴゴゴゴッ!!

 

ズゴッ!!

 

 

 

「チッ……不味い事になったな」

 

「……ええ」

 

どうした?何か問題でも起きたのか?

 

勇人と優花は顔を顰めながら呟き、セレニアは2人の表情を察し、少し不安そうに聞くと2人は『レベッカの身に起きた問題』を簡潔にセレニアに説明した。

 

その問題とは……

 

胎児がデカ過ぎて、キュレットでは吸えないんだ

 

シカモ、胎児が暴れているせいで出血が激シイのよ

 

なッ!?

 

摘出する筈だった胎児が育ち過ぎて吸引用のキュレットだけでは吸引不可に陥っただけでは無く、胎児が暴れているせいでレベッカから血が大量に流れ始めた事に……



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第106話「隙間越しの大手術 後編」

私です。

今回も18禁の方を健全化した状態で送りしますので、宜しく御願い致します。

そして、しつこい様ですが『グロテスク注意』です。


「……此処まで育っているとは……予想外だ。しかも出血が激しい……」

 

「ええ……」

 

勇人と優花は内心、焦っているのか、表情を曇らせながら呟くとセレニアは二人が発言した日本語が分からないものの、今の現状を察した上で勇人が喋った日本語を出来る限り翻訳し、焦りながら言った。

 

と……どうすれば良いんだ!?このままだとレベッカが……

 

セレニアは焦りながら聞くと勇人は顔を顰めながら舌打ちをし、強い口調で優花に命令した。

 

「チッ……仕方無え……優花!!今から隙間による『帝王切開』に移行する!!異物の全摘出は終わっているか?」

 

「終わっているわ!」

 

「ならレベッカの頭を此方に入れてくれ!隙間を縮小させる!!」

 

「了解!!」

 

勇人は物凄く強い口調で優花に指示を出すと優花は隙間を介して頭部だけ出ているレベッカの頭を『隙間の向こう側の世界』である『デプラビアの世界』に押し出し、勇人に負けない位の物凄く強い口調で勇人に言った。

 

「……押し出したわ!!早く隙間を!!」

 

「……隙間縮小!!そして隙間大展開!!」

 

勇人はレベッカの頭部が此方側に来た事を確認すると、すぐに隙間の広さを麻酔用のチューブ程の小ささに縮小し、もう1つの隙間をレベッカの腹部の真上に展開し、そして……

 

「フン!!」

 

ネチョ……

 

隙間に両手を入れ、レベッカの体内を掻き出す様に不愉快極まりない粘り気と水気のある音を発しながら胎児を掴み……

 

「ッ!?オラァ!!」

 

バシャッ!!

 

ポタ……

 

ポタ……

 

……そのまま強引に胎児を引き上げたのだ。

 

そして引き上げた胎児は勇人に引き上げられた事に……

 

 

オギャー!オギャー!

 

「……素直に喜べないな。今から行う事を考えれば……」

 

「……そうだね」

 

「………」

 

勇人に抗うかの様に背中の蝙蝠みたいな翼を激しく羽撃かせ、そして勇人を威嚇するかの様な悪魔らしい汚い産声を上げたのだ。

 

勇人は過度の能力使用による疲労困憊になりながらセレニアと優花に命令した。

 

……セレニア、ナイフを……出来れば『聖力(天使の力)』が宿っているヤツを……そして優花、吸引用のキュレットを……」

 

「……うん」

 

………分かった

 

二人は勇人の命令を聞き、優花は隙間の空いた小さな空間に吸引用のキュレットを通しながら哀しそうに渡し、セレニアは腰に残ったナイフの一つを取り出し、取り出したナイフに念を送ると、ナイフは薄い白色に発光し、そのナイフを勇人に差し出し、自身が思っている『勇人が行う行動』に哀しく俯きながら聞いた。

 

……悪魔とは言え、このナイフで赤子を殺すのか?

 

セレニアは哀しく俯きながら聞くと勇人は左腕で胎児を抱え込みつつ右手でセレニアのナイフを受け取りながら哀しく答えた。

 

……んな残酷な事をする訳、無ぇだろ。今から胎児を『幽体離脱』言わば『魂を肉体から剥がす』んだよ。その為にはレベッカに繋がっている『臍帯(せいたい)』俗に言う『へその緒』を切り落とすんだよ

 

……結局、殺す事には変わり無いか

 

「……それしか方法が無いのヨ。この子の為にもネ

 

「……さぁ、手術再開だ」

 

セレニアと優花は内心、勇人がナイフで胎児を殺さない事に安堵したものの、胎児の魂を取り出せ、生命活動を止める……結局『殺す事』に変わり無い事に俯きながら言うと勇人は右手に掴んでいるナイフで臍帯(へその緒)を切り落とし、吸引用のキュレットに持ち替え、慣れた手付きでレベッカの体内を清掃していると勇人に抱え込まれている胎児が母親であるレベッカを守るかの様に……

 

 

ガブッ!!

 

 

「痛ッ!コイツ……もう自我が……それに強い咬合力(こうごうりょく)だ……肉が食い千切れそうだ……」

 

ハヤト!?

 

「大丈夫、勇人君!?」

 

……勇人の左腕に噛み付いてきたのだ。

 

セレニアと優花は悪魔の胎児に噛み付かれた勇人を見て驚愕しながら勇人の安否を確認すると勇人は痛みに耐えているのか、顔を顰めながら答えた。

 

「クッ……だ……大丈夫だ……後処理が終わったぞ。後は『1000倍に希釈した高速修復材』と『コットン』を……早く……」

 

「分かった!!ちょっと待ってて!!」

 

勇人は痛みに耐えながら優花に命令すると優花は慌てながら了承し、艤装(装置)に備え付けてあるであろう棚を漁り始め、『高速修復材』と書かれた容器を見つけ、高速修復材を手に取り、高速修復材からスポイドで一滴だけ取り出し、その一滴に色んな薬品と混ぜ込み、『1000倍に希釈した高速修復材』が入った霧吹きとコットンを小さな隙間に捻り込み……

 

「ぐぬぬぬ……」

 

スポン!!

 

「ふぅ……漸く通った……はい。高速修復材とコットン」

 

……空気が抜けた様な軽快な音を発しながらも、霧吹きとコットンを彼方の世界に送ったのだ。

 

「相変わらず無茶するな……ありがとう」

 

勇人は希釈した高速修復材が入った霧吹きと消毒用のコットンを受け取り、胎児の噛み付きによる激痛に耐えながらレベッカの体内に高速修復材が入った霧吹きを使い、隈なく霧吹きを吹き掛けると傷だらけになった体内が逆再生するかの様に傷口が塞がり始めるとセレニアはレベッカが徐々に治って行く様子に驚愕しながらも胎児の噛み付きで出血多量によって顔を青ざめている勇人を気遣いながら言った。

 

なッ!?水を掛けただけで……傷口が……まるで聖水だな……その『コーソクシューフクザイ』って言うのは……ハヤト、本当に大丈夫か?顔色が、どんどん悪くなってきているぞ

 

だ……大丈夫だ………こ……これでレベッカが死ならずに済んだ事だし……つ……次の段階に移行する……オラァ!!」

 

ブチッ!!

 

勇人はレベッカの口に着けている全身麻酔用のチューブをレベッカから取り外すと共に隙間を閉じさせ、激痛を紛らわすかの様に悪態を溢し、勇人の左腕に噛み付いている胎児を自身の噛み付かれた部分だけではあるが皮膚ごと引き剥がし、彼の皮膚をしゃぶっている胎児の口に強引に全身麻酔用のチューブを通すと、胎児は勇人の『大量の血』と『引き千切った皮膚』を食した事で満足したのか、満足そうに麻酔の力で眠ると勇人は()()()()()()()()()()()()()のか、左腕の動脈が顕になり、其処から勢い良くあふれる出血を止める為に霧吹きに残った高速修復材を豪快に掛け、顔を顰めながらセレニアに言った。

 

「チッ……筋肉(にく)と動脈まで持ってかれたか……セレニア、左腕に何か布を巻き付けてくれ。出来ればキツくな

 

あ……ああ……

 

セレニアは勇人の指示に従い、ジルが穿いているロングスカートの一部を切り取り、その切り取ったスカートの一部を使って勇人の左腕を縛る様に巻き付け、不安そうに作業が終わった事を伝えた。

 

こ……これで良いか?

 

ああ。本当は綺麗な布を使って『圧迫止血』したいが仕方無い……そろそろ始めるぞ……はぁぁぁ……『解』ッ!!」

 

 

ボッ!!

 

 

ッ!?あの炎が……あの赤子の『魂』か……私が知っている魂の色が違うんだが……どうしてなんだ?

 

勇人は胎児をレベッカの腹の上に置き、右手で胎児の頭を優しく触れ、一喝した途端、胎児が優しく発光し、胎児と魂が分離していくかの様に『青白い光を発した炎』こと『人魂』が現れ、その人魂が蛇の様に勇人の右腕に巻き付いて来たのだ。

 

セレニアは『自身が知っている魂の色の違い』に戸惑いを見せると勇人は応急処置したとは言え、重傷の身体に鞭を打つかの様に険しい表情になりながら右腕に巻き付いている人魂を右の掌に集めながら答えた。

 

……青白い光を発する事は、この人魂は『敵意が無い事』を示しているんだ。遺体を退かしてくれないか?今から行う術に支障が出る

 

勇人は険しい表情になりながらセレニアに命令すると、セレニアは「わ……分かった」と戸惑いながら生命活動が止まった胎児を優しく抱え、別の所に安置すると勇人は目を瞑り、呪文を唱え始めた。

 

「……元柱固真(がんちゅうこしん)八隅八気(はちぐうはつき)五陽五神(ごようごしん)陽動二衝厳神(おんみょうにしょうげんしん)、害気を攘払し、四柱神を鎮護し、五神開衢、悪鬼を逐い、奇動霊光四隅に衝徹し、元柱固具、安鎮を得んことを、慎みて『第十六代目 博霊頭首 博霊(はくれい) 飛龍(ひりゅう)』こと『上城 勇人』の名の元に五陽霊神に願い奉る……」

 

勇人は険しい表情になりながら陰陽師が唱える呪文を淡々と唱えると彼の身体が太陽の様に薄い橙色に発光し、それと同時にレベッカの下腹部に『小さい陰陽玉』を模した痣が現れ、それを間近に見てたセレニアと優花は普段の豪快果敢で陽気な勇人からは想像着かない静粛さと厳格な雰囲気が合わさった神々しい空気に圧倒しながら呟いた。

 

「凄い……これが『霊媒師(博霊一族)』としての勇人君の……」

 

ゴクッ……これがハヤトの……

 

二人は勇人から醸し出す神々しい雰囲気に只々、圧倒されると勇人は優しく目を開き、右の掌に収まっている人魂に俯きながら言った。

 

……すまんな。驚かして……君には酷な事を言うかも知れないが……

 

勇人は人魂に申し訳無さそうに言うと、人魂は少女の様な透き通った声を発しながら勇人に言った。

 

……分かっています。私は貴方の手によって殺された事を……ですが、それは仕方無い事です。悪魔である私が産まれれば貴方だけでは無く母さんまでもが……私を『あの世』に送り返すのですか?

 

人魂は不安そうに聞くと勇人は優しく首を横に振りながら答えた。

 

……違う。俺は君を『あの世』に()()()()()()()()()()

 

「ッ!?除霊しないの勇人君!?」

 

ホッ……良かった。なら何か方法があるのか?私に出来る事があれば()()()()()()()()

 

優花とセレニアは勇人の発言を聞き、優花は狼狽え、セレニアは『自身の口癖』であり『天使兵としての理念』である『人の子の魂の安息の為に』……守るべき対象や規模は異なるが勇人と同じ『平和の為に戦う事』を信念にしており、勇人が除霊しない事に安堵しながら聞くと勇人は二人の質問に簡潔に纏め、答えた。

 

それじゃ、セレニアは聖力を常に俺に注いでくれ。今から行う術は相当『霊力』を使うからな……それに優花、この人魂も『被害者の1人』だ。それに折角、産まれて来たのに、そのまま『あの世』に送り返すのは『この子』にとって酷な話だ。だから、この子をレベッカの子宮に『禁忌憑依』させ、この子の来世を『レベッカの子供』として転生させるんだよ」

 

「……霊媒師になっても相変わらず神様に喧嘩を吹っ掛ける様な真似を……この子を再び『レベッカさんの子供』として転生させるのは良いけど、本来『産まれる筈の子供』はどうするの?」

 

優花は人魂をレベッカの子供として転生させる事による弊害である『転生した"もう1つの新たな魂"の行方』について聞くと勇人は呆気羅漢に答えた。

 

「その点については大丈夫だ。2つの人魂を受け入れる様に術と軽い遺伝子操作をして、一度きりだけど『双子』として産まれる様に弄るつもりだ……さぁ始めるぞ」

 

「術と遺伝子操作の同時進行だなんて……本当に無茶苦茶な事をするわね……本当に出来るの?」

 

「……俺を誰だと思ってんだ?」

 

「……そうだったわね。日本軍が生んだ『チート軍人』だもんね。これ位『朝飯前』だもんね」

 

優花は勇人が今から行う『2つの作業』である『幽体離脱した人魂をレベッカの子供として再転生させる事』と『別の新たに転生した人魂の為にレベッカの体質を弄る事』に苦笑しながら呟くとセレニアは二人の日本語による会話の内容が分からず、不安そうに狼狽えながら聞いた。

 

お……おい、私を除け者にするな。せめて今から行う内容を簡潔に説明してくれないか?日本(ジパング)の言葉が分からないんだ

 

そうだったな。簡潔に言うと、この子の来世を再び『レベッカの子供』にする為に色々と術を掛けるんだ。勿論、後でジルにも同じ術を掛けるつもりだ

 

セレニアは勇人の説明に驚愕し、神しか出来無い事を霊媒師の能力を持った勇人が行う事に狼狽えながらも強い口調で異議を唱えた。

 

ッ!?お前、正気か!?神しか許されない禁忌を……

 

ああ。だから不足分の霊力を、お前の聖力で補おうとしてんだ……それに、お前は俺に『何でもやる』と言ったよな?なら、今から行う『(禁忌)』に加担しろよ

 

勇人は険しい表情をセレニアに見せない様に冷や汗を掻きながらも無理矢理、作り笑顔をしながら言うとセレニアは呆れたかの様に軽い溜め息を溢し、仕方無しに勇人の命令に従った。

 

ハァ〜……分かった。それじゃ今から聖力を送るぞ

 

セレニアは内心「とんでも無い奴を仲間にしてしまったな……」と思いながら少し後悔しつつも、少し恥ずかしそうに勇人の背後に移動し……

 

 

ギュッ……

 

 

……へ?セレニア?何故『抱き着く必要』があるんだ?

 

「ちょ!?セレニアさん!!こんな時に何『誘惑』しているの!!」

 

……そのまま背後から勇人に抱き着いたのだ。

 

勇人はセレニアの『奇怪過ぎる行動(抱き着き)』に呆気を取られ、優花は血相を変えながら日本語で一喝するとセレニアは日本語は分からないが優花が激怒している様子を察し、何故『抱き着いた理由』について簡潔に言った。

 

私みたいな一般の天使兵の場合、こうしないと聖力が送れないからだ。私だって本当は血塗れになったハヤトに抱き着きたく無いし、こんな『不埒な行為』はしたくないんだ。許してくれ、ユウカ

 

……分かったワ。今回だけは目を瞑ってアゲルワ……但し、勇人君は全て終わったら『お説教』ね」

 

「何で俺だけが!!ゴホン!まぁ良い……始めるぞ」

 

勇人は優花の『厳しい発言(冗談?)』に一喝(ツッコミ)を入れつつも気合いを入れ直すかの様に咳払いをし、懐から2枚のスペルカードを取り出し、両手を使いながら呪文を唱えつつ、セレニアに気合いを入れる様に喝を入れた。

 

「……(りん)(びょう)(とう)(しゃ)(かい)(じん)(れつ)(ざい)(ぜん)!博霊飛龍の名の元に、この者の安息と生命を与え、この者の忌々しい輪廻から開放せよ……気合い入れろよ!ガッツリ持ってかれるからな!!

 

ッ!?分かった!

 

セレニアは勇人に喝を入れられた事に更に強く抱き着き、勇人は『禁忌呪文(タブースペル)』である『霊媒師としての自身の禁忌奥義(ラストスペル)』を強く唱えた。

 

「行くぜぇ……禁忌奥義(ラストスペル)!『無想転生 禁忌転生』そして更に『無想転生 黄金体験(ゴールドエクスペリエンス)』!!」

 

勇人は自身の禁忌奥義(ラストスペル)を強く唱え、手に持っていた2枚のスペルカードを地面にメンコを打ち当てるかの様にレベッカの腹部に打ち当てるとレベッカの身体が薄い橙色から黄金に輝き出し、その発光の源である『レベッカの腹部に張り付いた2枚のスペルカード』の真上で人魂が『本来の姿である赤毛が入った黒髪の赤子』になり、赤子特有の愛くるしい笑みを溢しながら勇人に感謝の意を示した。

 

私と母さんの為に禁忌まで犯してまで……本当にありがとうございます。ハヤトさん……これで私と母さんは救われました

 

気にすんな。今度は、ちゃんとした人間に産まれて来いよ。こんな恥ずかしい呪文を再び唱えるのは、もう沢山だからな

 

勇人は人魂の感謝の言葉に安堵し、茶化すかの様に微笑みながら言うと人魂は勇人に釣られて微笑んだが、何かを忘れていたのか、少し慌てながら『その事』を勇人に言った。

 

フフフ……あ!?あの……大変、厚かましい事ですが、もう一つ『願い』があります。もし私が産まれた時『私の名付け親』になって欲しいんですけど……駄目でしょうか?

 

人魂は今にも少女が泣き出しそうな雰囲気のある涙声になりながら勇人に御願いすると、勇人は微笑みながら『人魂の名前』を考え始めた。

 

フッ……なら(ついで)に今、此処で決めてやる……そうだな……ヘレナやシェリー、アシュリー……イヤイヤ、流石に『バイ○キャラ』で命名するのは、幾ら何でも()()()()()()()……ん!待てよ……確か……『あの名前』なら……よし!決めた!

 

え!?早っ!?もう決めたのですか!?是非、教えて下さい!

 

そ……そんな事よりも早く終わらしてくれ!!聖力が底を着くッ!!

 

勇人は思考を重ね、人魂の名前を決めると人魂は勇人の声に驚き、セレニアは『聖力切れ』を起こしかけているのか、艦娘で言う『中破状態』に陥り、相当切羽詰った表情で勇人に言うと勇人は微笑みながら人魂に『名前』を着けた。

 

その『名前』は……

 

「……今日から君の名前は『Lucia(ルシア)』だ。この名前はラテン語で『Lux()』という意味を捩った名前でもあり『聖女 ルチア』の様に『困った人を助ける優しい人間』になって欲しいから、そう名付けた。もし君が男として生きたいのなら『Lucio(ルシオ)』と名乗れば良い。意味も一緒だからな

 

……ラテン語で『光』という意味を捩った名前であり、四世紀初めに『ディオクレティアヌス帝』の迫害で殉教した『シチリア島シラクサの聖女』こと『聖女 ルチア』みたいに『困った人を救済する優しい人間に成長して欲しい』という願いを込めて、人魂に『ルシア』として名を与えたのだ。

 

勇人は『人魂』こと『ルシア』に名前を与え、更にルシアに分かり易く説明した途端、2枚のスペルカードが更に色濃く金色に発光し、粒子になりながら消え、粒子になったスペルカードはレベッカの下腹部に出来た陰陽玉に似た痣の下に小さく筆記体で『Lucia』と刻み、そのまま風に乗って消えるとルシアは感極まって、嬉し涙を流しながら勇人に礼を言った。

 

『光』そして『救済の聖女様』……『ルシア』……これが『私』の『名前』……ハヤトさん!こんなに素晴らしい名前を与えて下さって、ありがとうございます!この御恩は一生、忘れません!!そして……母さんとジル叔母さんの事を宜しく御願いします!

 

ルチアは勇人の粋な計らいに感極まったかの様に嬉し涙を溢し、全身全霊を掛けて礼を言いながらレベッカの下腹部に表した小さな陰陽玉に吸い込まれて行くと勇人はルチアの嬉しい表情を見て、北叟微笑みながら優花に言った。

 

「一生って……まだ始まって無ぇだろ……まぁルシアが喜んでくれて何よりだな。なぁ優花……」

 

「うん。後はレベッカさん次第だね。勿論、結果は?」

 

「分かり切っているだろ?成功だ。現時刻を以て『中絶手術(オペ)』並びに『除霊』終了だ……あー疲れた……」

 

「フフフ……お疲れ様」

 

二人は少し疲労感を顕にしながらもルシアが救われた事に満足そうに笑顔で和気藹々に会話すると、聖力切れを起こし、いつの間にか艦娘で言う『大破状態』になっており、勇人に獅噛(しが)みついているセレニアが相当窶れた表情になり、かなり疲労しているのか今にも倒れそうな身体を支えるかの様に勇人に縋り、勇人に言った。

 

は……ハヤト……良い雰囲気になっている所を悪いが……お前の『残った霊力(ちから)』……分けてくれないか……防具(アーマー)が維持出来無いし、お前の身体に獅噛みつくだけで『やっと』だ……

 

……あ!?スマン、忘れてた……ほほぅ……しかし『愛宕』に負けず劣らす『デカい』な……」

 

「………勇人君?」

 

「ッ!?ン"ン"ッ!!スマン、俺とした事が……では始めるぞ」

 

優花は『不可抵抗』ではあるがセレニアが密着し続けた事により『健全な男のサガ』に負けそうな勇人に「セクハラ駄目ゼッタイ!!!」と言わんばかりにドスの効いた声で優しく一喝すると勇人は先程の失言及び失態を撤回するかの様に咳払いをし、霊力をセレニアに送ると、セレニアは勇人から霊力を受け取ったのか、元の『西洋の甲冑』を身に纏い、安堵しつつも甲冑に違和感を感じ取り、その事を勇人に言った。

 

ふぅ……これで……ん?甲冑が服の様に『軽い』な……

 

セレニアは普段、着ている甲冑が『軽い』言わば『装甲性能が低下している事』を勇人に言うと、勇人は疲労感を漂わせながら答えた。

 

当たり前だ。俺もセレニアと同じ『霊力切れ(ガス欠)』を起こしているんだ。完全に戻る訳、無いだろ

 

……スマン。お前の事を考えずに……

 

セレニアは勇人もまた『霊力切れ』を起こしているにも関わらず、ほんの僅かに残った霊力を絞ってまで、完全とは言えないが自身の甲冑を復元して貰った事に少なからず罪悪感に見舞われ、謝罪すると勇人は自身の疲労感を誤魔化す様に肩を軽く回し、セレニアと優花に言った。

 

気にして無ぇよ。半日休めば回復するからな……優花も手伝ってくれて、ありがとうな。また何かあったら連絡するから」

 

「……うん。無茶しないでね」

 

優花は心配そうに答え、隙間に通している麻酔用のチューブ等を自身の世界に片付けると、勇人は自身の世界に繋がっている隙間を閉じ、それを確認すると伊勢型の2人と伊良湖は安堵を溢し、会話し始めた。

 

「「しかし二人を助けるだけでは無く……」」

 

「まさか幽霊まで救うとは……『馬鹿』が付く程の『お人好し』ですね……司令は……」

 

3人は勇人の性格を知った上で悪態を零す様に褒め称えると大鯨もまた勇人を褒めるかの様に微笑みながら言った。

 

「そうですね……ですけど、これが『あの人』の『良い所』でもあり、私達が提督に『惚れた部分』でもありますが……」

 

大鯨は微笑みながら伊良湖と伊勢型の2人に言うと、3人は口角を少し上げ、大鯨の言葉に同意した。

 

「……はい」

 

「そうね」

 

「……だな」

 

3人は大鯨の言葉に微笑みながら同意すると優花は手をパンパンと叩き、気合いが入った声を出し、4人に命令した。

 

「さぁ、無駄口を叩かずに、この艤装を片付けるわよ!!」

 

「「……そうだった。また、あの艤装の片付けが残っているんだった……泣けますね」」

 

「……」

 

「……まぁ、そうなるな」

 

4人は優花の命令を聞き『完全に忘れていた』のか、はたまた『思い出したくなかった』のか、勇人の艤装を見て、嫌そうに顔を顰めながらも優花と共に艤装を『勇人の私室』に戻したのは言うまでも無かった……

 

 

 

 

 

 

 

優花が勇人の艤装を片付けている頃、東京内の大学『東京大学』の『とある研究室』にて……

 

「……藤岡様、此方が当時、上城勇人が軍医大に在学してた時に削除した『例のヤツのコピー』です」

 

「……ほう、これが……」

 

『優花に似た若き男性研究員』がパソコンを開きながら先程『サリエルと手を組んでいたインテリ風の若い男』であり今回の大異変の黒幕の1人である『藤岡 春(以後 『藤岡』)』に『勇人が軍医大学生時代に削除した』とされる『復元された"とある論文データ"の内容』を見せると藤岡は興味深く内容を黙読しているとパソコンを操作している研究員が北叟笑(ほくそほほえ)みながら行った。

 

「完全とは言えませんが、此処まで『復元』には苦労しましたよ……今も尚『医学界(我々)の権威を脅かす脅威』となっている上城が自身の姉を治す為に新薬を制作及び研究してた時に偶然発見した『副産物』があったとは……」

 

「まさか皮肉な事に論文(データ)上ではあるが治療薬を作るつもりが偶然にも『人類史上類を見ない地上最悪の細胞兵器』を作ってしまうなんてな……あの男が『愚行』に走る訳だ……私も『あの男の立場』なら『このデータ』を『別の発想』で遺憾無く発揮させるのにな……」

 

藤岡は口では当時の勇人に対して同情する発言をしたものの、表情は研究員と同じく勇人に並々ならぬ恨みを持っているのか、勇人に対して『切札(奥の手)』を手に入れたかの様に北叟笑みながら言うと研究員もまた新たな研究材料が増えて『研究者』として、そして『その男性研究員の個人的な目的』に近付けた事に興奮し、北叟笑みながらも勇人が嘗て『削除したデータ』の『復元作業』に取り掛かりながら。

 

「……全くです。この新種の細胞が艦娘や深海棲艦を含め、こんな愚行を起こした罪人達に鉄槌を下せる『良い細胞の論文(データ)』を削除するなんて……狂気の沙汰しか思えません」

 

「そうか……つまらない事を聞くが何故君は、其処まで艦娘や深海棲艦……いや軍人達を恨むんだ?」

 

藤岡は研究員の発言を聞き、興味を湧き、微笑みながら聞くと、その研究員は先程迄の北叟笑んでいた表情が消え、顔を歪ませ、如何にも『この世の全てを恨んでいる』かの様な強い憎悪感を藤岡にぶつける様に強い口調で『自身の素性』を交えて答えた。

 

「当たり前だ!!俺の両親は一年前、横須賀で深海棲艦、艦娘そして海軍の人間に見殺しにされたんだ!!しかも、その当時の艦娘達の司令官でもあり、両親を見殺した全ての元凶である『上城勇人』によって俺の両親だけではなく『桜花連合(家族)』を解体させ、挙げ句の果てには『優花(愚妹)』が、あの男の娼婦になったと言わんばかりに喜んで入隊したんだ!!家族として『全ての軍人』……特に、アイツを許す訳にはいかねぇだろ!!」

 

「ッ!?まさか!?『大本営襲撃事件』の……すみません『(れん)博士』……貴女に辛い過去を思い出させる様な真似をして……」

 

藤岡は『優花似の若い男性研究員』であり『優花の双子の兄』である『桜花 (れん)(以後 『蓮』)』の辛い過去を軽々しく聞いた事により、軽い罪悪感が湧き、少し俯きながら謝罪すると蓮もまた先程の醜態を藤岡に晒してしまった事による罪悪感が湧き、慌てて謝罪した。

 

「ッ!?す……スミマセン藤岡様、私とした事が……」

 

「いえいえ、誰にだって本音を零したい時だってありますよ……ですが、これで博士が何故、私と『手を組みたがる理由』が分かりました……まさか()()()()()()()()だったとは……」

 

「……藤岡様も、あの男によって『回天組(家族)』を……そして身内が海軍に……」

 

蓮は藤岡の呟きを聞き、神妙な必要で消極的に聞くと、藤岡は只でさえ暗い部屋(研究室)なのに雰囲気までもが暗くなるのを阻止するかの様に苦笑しながら答えた。

 

「……はい。まぁ私の場合は『あの男』と『柏木』のせいで……ですが……博士、雑談は此処までにして、そろそろ……」

 

「……そうですね。『私達の復讐』の為に……そして『こんな愚かな軍人達に鉄槌を下す』為に……」

 

蓮は藤岡の言葉を聞き、気合いを入れ直すかの様に軽い溜め息を溢しながら勇人が削除した『論文(データ)』が入っている『新種の細胞の名前が記載されている題名(フォルダー)』をクリックし、復元に取り掛かった。

 

そして数分後、その題名(フォルダー)には、蓮花によって『削除された名前』と『細胞の効力のデータ』が復元され、藤岡は蓮の背後からデータを閲覧し、微笑みながら呟いた。

 

「これが上城が『消した細胞(人工ウイルス)』の『データ』か……」

 

藤岡は勇人が消したデータを見て北叟微笑んでいると蓮は興奮しながら『消した細胞(人工ウイルス)』の内容を藤岡に説明した。

 

「はい。まさか復元された題名に『罰』や『苦痛を与え続ける』という意味を持つ『名前』を付けるなんて、当時からイカれていたのですね……しかも、この効力は地球上にある物『全てを性質異常』させ『内側から破壊する性質』を持っており、常に『成長』そして『変異する性質』を持っていますね……この『地上最悪の新種の細胞(ウイルス)』を完全復元すれば……」

 

蓮は興奮しながら『勇人が削除したデータ』を復元していると藤岡もまた『削除したデータ』の名前を聞いて大変気に入りったのか、北叟微笑みながら『細胞(人工ウイルス)の名前』を呟いた。

 

その名は……

 

 

 

「『地球上"全て"に永遠の苦痛を与え続ける細胞』……『Punishing Virus(パニシング ウイルス)』……これを使えば……アイツは……クククッ……」

 

 

 

Punishing Virus(パニシング ウイルス)

 

 

それは軍医学校時代の勇人が治療薬を研究した際に作られた『偶然の副産物』である『核より恐ろしい性質を持った細胞兵器』だと知り、この世から『隠滅した細胞』であり、この世界だけでは無く、全ての平行世界や異世界に『最悪の終末(DEAD END)』を起こす『死神』ある。

 

今、正に二人の凶人の手によって細胞(死神)が蘇ろうとしている……



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