JOJOの名を継ぐものがダンジョンに潜るのは間違っているのだろうか (水凪刹那)
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現れる波紋戦士

 【波紋】

 極東に伝わる秘術であり、人間の可能性のひとつ

 

 鍛え抜かれた肉体から発せられるエネルギーは体を癒す気と呼ばれるものと似ている。

 その中でも、優れた波紋使いは波紋戦士と呼ばれ世界に波紋を広げる旅に出た。

 しかし、波紋を使えるものは少なく次第に波紋使いは数を減らし今では波紋使いはたった一人ある男だけたった。

 一族の中でも飛び抜けた才能を持ち波紋の上位互換【幽波紋】をも使いこなす男

 そんな最後のは波紋戦士は今、世界で唯一ダンジョンと呼ばれる塔がある町「オラリオ」に来ていた。

 

 奴の名はジョハネ・ジョースター!!

 人呼んでJOJO!!

 

 ここから始まるは誰も知らない一人のJOJOの物語

 

 

ⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠⅠ

 

 

 マフラーを靡かせて一人の男が現れる。

 

 朝早くまだ、店も開いていない時間からその男は武器も持たずにダンジョンに向かっていた

 

 「たく、武器を持てって言われてもよー剣以外は使ったことないし、並みの剣じゃあ、耐えられねぇし困ったもんだぜ」

 

 ぼやきながら歩いている男には武器らしきものは見えずあるのは腰につけたクラッカーと不釣り合いな緋色のペンダントだけだった。

 

 あまりにも軽装なため一重には彼が「冒険者」と呼ばれものとは気がつかないだろう。

 

 「さて、今日も一稼ぎいきますか」

 

 一呼吸、深く息を吸って男は迷宮…【ダンジョン】に挑んでいった

 

 

ⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡ

 

 

 「オラァ!!」

 

 ダンジョン。

 それは「オラリオ」の町にある巨大地下迷宮だ

 そして、その「ダンジョン」に潜りそこに闊歩する「モンスターわを倒し、それで生計を立てる者達を「冒険者」と呼ぶ。

 

 「冒険者」達は皆、【ファミリア】と呼ばれる集団に属している。

 【ファミリア】の説明は…また今度だ

 

 しかし、この男…ファミリアに所属していない

 基本、「ダンジョン」に潜ることが叶うのは【ファミリア】の【主神】の加護があるからだ。

 

 「冒険者」はその加護を【ステータス】と言う形で受けとり自身の力を高めることができる。

 逆に言えば、【加護】無しで「ダンジョン」潜るのは自殺行為なのだ。

 

 だが、

 

 「ゴブリン三体か…」

 

 この男全く怯むこと無く既にゴブリン二十体、更にしたの階層にてオークを三十体狩っている。

 

 「いくぜ!!」

 

 ダンジョンのけして細いわけではない通路でゴブリンに瞬時に近寄りその両手に纏わせる【波紋】にる攻撃を仕掛ける

 

 「ゴゥ!?」

 

 十メートル近く離れていたのにも関わらず瞬きの間に近付いてきた男にゴブリンは全く反応できずにいた。

 

 「食らえ!!波紋疾走(オーバードライブ)!!」

 

 右ストレートがゴブリンに当たった瞬間辺りに響く鉄の扉に弾丸をぶち当てた音

 これが、波紋の流れた音だ

 

 「ゴァァァァ!?」

 

 男の両手がゴブリンに触れると触れた部位からゴブリンの体が溶け始める。

 

 そこでようやく、自身達の前にいるのが補食対象ではなく!!分達が相手になるようなものではなく!!ただ、自分達が倒されることを待つしかない、そこまでの強者である事に気がついた!!

 

 「あと二体!!一気にいくぜ!!来やがれ!!『エンペラー』!!」『メギャン』

 

 

 そこまで来て、男がどこからともなく取り出したのは大型回転式拳銃、名は『エンペラー』波紋の他に使えるもうひとつの能力『幽波紋』そのうちの一体だ

 

 「いくぜ、輝け!!波紋の弾丸!!『銀色の波紋疾走(メタルシルバーオーバードライブ』!!」

 

 銃口から放たれた弾丸は銀色の波紋を纏いながら残りのゴブリン二体に当たり、呻き声も出させずにその命を絶った

 

 「ふぅ、そろそろ帰るか…あんまり稼いでも疑われるだけだし、それに大分稼げたろ」

 

 波紋により朽ち果てていくゴブリンを見ながら男は迷宮をあとにした…否、しようとした、だが!! 

 

 『ヴヴォオオオオオオオオオオオ!!』

 

 「っ!?なんだ!?下の階層か!!」

 

 男がいた四階層より下…五階層よりその音は聞こえた!!

 否、音ではない!!これは声!!それもこんな上層ではなくもっと下、中層クラスのモンスターだ!!

 

 「不味いな…恐らく人はいるだろう…助けるべきなのだろうが冒険者は基本的に不干渉を貫くべきだ!!だが、俺は冒険者ではない!!ならば、俺は誰だ!!俺はジョハネ・ジョースターだ!!冒険者じゃねぇ!!よし行くか!!」

 

 男…ジョハネ・ジョースターは五階層へと降りるための階段へと走った。

 

 

ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ

 

 ダンジョン五階層

 

 四階層から降りてきたジョジョが見たのは二体の『ミノタウロス』に追いかけられる四人パーティー。

 そのうち一人は足を怪我しているらしく担がれていた。

 

 「Oh No!!何てこった畜生!!」

 

 『ミノタウロス』はLv2に分類されるモンスターだ。

 一体一体が上層部のモンスターの比ではなくLv1の冒険者では歯が立たずLv2の冒険者でもそれなりの力と数を会わせなければ勝ち目はない。

 

 「いけ、シャボンカッター!!」

 

 両手の手袋にシャボンを付け波紋を纏わせた状態で高速回転させて飛ばす。

 それがシャボンカッターだ。

 ジョジョが放ったシャボンカッターはミノタウロスの一体の足を切り裂き注意を向けることに成功した。

 

 「おいてめぇら!!さっさと下の階層に逃げやがれ!!」

 

 「す、すない!!」

 

 パーティーリーダーらしき男がジョジョに礼を言いそのまま下の階層に降りていく。

 

 「さあ、かかってきな牛ども」

 

 『フゥー、フゥー、フゥーッ………!!』

 『ヴァァァ!!』

 

 「へっ!!頭に血が上ってやがるな単細胞!! 

 

 言葉が通じたかは分からないが確かにミノタウロスはジョジョの方に注意を向けそのまま戦闘体制にはいった。

 

 「肉弾戦闘なら『スタープラチナ』!!」

 

 星の白銀の名を持つ幽波紋『スタープラチナ』

 二メートル近い体は鍛え抜かれたもので人の形を取った幽波紋

 それが今回呼び出したものだ

 

 「刻め!!波紋と幽波紋のビート!!『山吹色の波紋疾走(サンライトイエロー・オーバードライブ)』!!」

 

 自身の両手と『スタープラチナ』の両手に波紋を纏わせた状態で高速のラッシュ!!

 

 『「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」』

 

 『ウ、ウボァ!?』

 『ブルゴバァ!!』

 

 二体のミノタウロスは急に接近したスタープラチナに気がつかずそのまま一撃!!

 さらに、追撃にジョジョのラッシュ!!

 

 「裁くのは…俺の幽波紋だ!!」『オー…ラァ!!』

 

 最後に『スタープラチナ』のアッパーが決まりその体に波紋が流されどんどん溶けていくミノタウロスを尻目にジョジョは六階層に向かう階段の方向に指を向け

 

 「貴様ら!!見ているな!!」

 

 溶けていったミノタウロスの代わりに現れたのは、女神と見間違うような少女だった。

 

 青色の軽装に包まれている細身の体に、鎧からうかがえる四肢は美しい。

 腰まで延びている金髪もその美しさを引き立てている。

 

 「なるほど、『ロキ・ファミリア』所属、Lv5の【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタインか…」

 

 少女…アイズ・ヴァレンシュタインはジョジョの問に小さくうなずき

 

 「…あなたの後ろにいたあれは何?」

 

 「見えているのか!?こいつが!?この『スタープラチナ』が!?」

 

 質問に答えるように具現化させたままのスタープラチナを【剣姫】はじっと見てきた。

 その後ろから続々と恐らく同じファミリアであろう人物達が近付いてきた。

 

 「アイズ!!ミノタウロスはどうした!!」

 

 「…彼が倒していた」

 

 「彼が?そうか、すまないが名前と所属ファミリアを聞いても言いか?あと、パーティーメンバーはどこかな?」

 

 近付いて来てすぐさま金髪の小人族がジョジョに怒涛の質問をしてきた

 

 「待て待て待て待て質問は一つづつだ。あと、人に名前を聞くときは自分から名乗れ小人族」

 

 少し驚きつつもいつも道理のノリで返したジョジョに回りの奴等も少しキョトンとしつつも直ぐに自己紹介を始めた。

 

 「ああ、すまないね僕としたことが。改めまして【ロキ・ファミリア】所属団長のフィン・ディムナだ。」

 

 「同じく【ロキ・ファミリア】所属副団長のリヴェイア・リヨス・アールヴだ。見てのとうりエルフだ」

 

 「なるほどね、あんたが有名な団長さまか…ああ、あとの人は別に要らないぞ、ここまでこればあとは頭さえわかれば名前は出てくるから良いからな。さて、俺の紹介だな…」

 

 そう言って少し息を吸い

 

 「俺の名はジョハネ・ジョースター。パーティーは無しついでに言えば所属ファミリアもなしだ」

 

 その時その場が凍りついた 



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