モモンガ様の眼窩をねぶりたいだけの話 (高反発枕)
しおりを挟む

プロローグ

初投稿の自己満作品ですのでご注意下さい。
三人称視点。


DMMORPG<Dive Massively Multiplayer Online Role Playing Game>『ユグドラシル<Yggdrasil>』。

 2126年に日本のメーカーが満を持して発売した体感型MMO。誰もがこぞって買い求め、DMMORPGといえばユグドラシルの名が必ず上がったほど一世を風靡したゲームだ。

しかしそれもかつての栄光。現在のユグドラシルはサービス終了までのカウントダウンが迫っていた。

 

 

ナザリック大地下墳墓、第9階層――

 汚れが一つも無い大理石でできたような通路を抜け、歩いていけば、そこにはマホガニーでできた巨大な両開きの扉がある。

 その中には黒曜石でできた巨大な円卓があり、41人分の豪華な席が据え付けられている。

ただ空席が目立つ。

 かつては全員が座っていた席に今ある影はたったの2つだけだ。

 

 席の1つに座っているのは、金と紫で縁取りされた豪奢な漆黒のローブを纏った人物だ。

 とはいえ普通の人間ではない。ひからびた死体を髣髴とさせる、骨にわずかばかりの皮膚がついたような姿。

 空っぽな眼窟の中には赤黒い光が揺らめいていた。

もう1つの席に座るのは目元を獅子の鬣のような髪で隠した男だ。

一見すればただの長髪の男であるが、耳の付け根から生えている角と、顔に爬虫類の鱗のようなものがあることから、こちらも人間ではない。身につける装備は青を基調とした優美さを感じさせる和装で、足を組んだ姿からかなりの長身であることがうかがえる。

 

前者は魔法使いが究極の魔法を求めアンデッドとなった存在――リッチの中でも最上位者、overlord<オーバーロード>。後者は竜人の亜種である龍人が数多のドラゴンの血を浴びることで至る最上位者、龍王<ロン・ワン>である。

両者は先程までここにいたelder black ooze<エルダー・ブラック・ウーズ>の話をしていた。

 

「しかしヘロヘロさん大丈夫ですかね?心配です」

「ブラックに転職してしまったのが運の尽きでしたねー」

「せっかくだから最後まで御一緒しませんかってとてもじゃないですがいえませんでした…」

「言えばよかったのに」

「いやぁ、そんな我が儘言えませんよ」

「モモンガさんはいろいろ気を使いすぎ。最後なんだから言いたいことは言っちゃえばいいんですよ」

「何せ死にそうなくらい疲れた声してましたし…。それでですね、バクさんは、その…」

「俺は最後まで御一緒しますよ。モモンガさん1人にしたらどつぼにはまりそうですしね」

「バクさん…!ありがとうございます…」

「お礼なんていいですって。そろそろ時間も迫ってきましたし、モモンガさんは最後はどこで?」

 

龍王が尋ねるとオーバーロードは少し思案する。

 

「うーん。せっかくですので玉座の間で迎えようかと」

「玉座の間、いいですね!御供しますよ」

「そうですか!あー…我が儘ですけどついでにあれ持っていってもいいですかね?」

 

指差したのはアインズ・ウール・ゴウンの象徴であるスタッフ型のギルド武器。

 

「もちろん良いに決まってるじゃないですか!そんなの我が儘のうちに入りませんよ」

「そういってもらえると心が軽くなります」

「モモンガさん用に皆で作ったんだし、多数決しても賛成2で何の問題もありません。最後なんだからギルマスらしくどーんとどうぞ」

 

龍王に促されオーバーロードが手におさめた瞬間、スタッフから揺らめきながら立ち上がるどす黒い赤色のオーラ。時折それは人の苦悶の表情をかたちどり、崩れ消えていく。

「「作り込み、こだわりすぎ」」

 

両者は顔を見合せ苦笑のアイコンをだす。そうしてひとしきりギルド武器の感想を言い合ったあと、二人並んで玉座の間へと歩き出した。道中すれ違うNPCはそんな二人を見て礼をし、道を開ける。

 

「玉座の間で二人っきりもなんですから彼らも連れていきませんか?」

「そうですね…。よし、我らに『付き従え』」

「お、悪の親玉らしくなってきましたね」

「ふふ、バクさんがギルマスらしくどーんとって言ってくれたからですよ」

 

NPCを引き連れ、思い出の詰まったギルド内をゆっくりと歩いていく。そうしてたどり着いた玉座の間の扉には今にも動き出しそうな悪魔の像。かつてのギルドメンバーの1人を思い出し警戒しつつ扉を開けば、荘厳な景色の中にある1つの玉座と1人のNPC。

 

「さすがに圧巻ですねーなんだかんだいって玉座の間にまともに入ったの初めての気がします」

「私もです。おっとここらでいいかな。『ひれ伏せ』。それにしてもこんなNPC配置してたかな…って真なる無<ギンヌンガププ>!?」

「あれモモンガさんが配置したんじゃないんですか?」

「いや、さすがに勝手にワールドアイテム持ち出しはしませんって。いったい誰が…」

 

オーバーロードがマスターソースをオープンし確かめればずらっと現れる長文。

 

「この設定の長さはタブラさんかな?」

「みたいです。設定厨でしたから何かのこだわりで装備させたんでしょう」

「タブラさんらしいですね。時間もありませんしもうそのままでもいいんじゃないですか?」

「それもそうですね…」

「「あ」」

 

飛ばし飛ばしテキストを読み進めれば最後に現れた『ちなみにビッチである』という文章。

 

「これはギャップ萌え狙いにしても酷い」

「仮にも守護者統括なのにビッチはちょっと可哀想な気がしますね」

「じゃあ変えちゃえばいいんじゃないですか?」

「え、いいんですかね?」

「あと10分もせずに消えちゃいますし。『モモンガを愛している』とかどうです?文字数ぴったり」

「嫌ですよ!そんなことをいうなら『バクさんを愛している』にしますよ?」

「冗談冗談。なら『ギルメンを愛している』とかはどうです?」

「それならまあ…」

 

マスターソースを書き換えた後、1つしかない玉座の譲り合いを経て、オーバーロードは玉座に、龍王は玉座の肘置きに腰掛けることになった。そうして二人でギルドメンバーの垂れ幕を眺め、それぞれの名を読み上げていく。最後の1人の名を呼び終えると、オーバーロードがぽつりと呟く。

 

「楽しかったなぁ…。本当に楽しかった」

「モモンガさん…。俺がユグドラシルを最後まで続けられたのは、モモンガさんのお陰です。本当にありがとうございました」

「何いってるんですかバクさん!私なんて名ばかりのギルマスで申し訳ないくらいで…こちらこそありがとうございました」

「それこそ何いってるんだってやつですよ。今度また飲みに行きましょう!そのときに次遊ぶゲーム、一緒に探しませんか?そこでまたアインズ・ウール・ゴウンを作れば、きっとまた皆集まりますよ」

「バクさん…」

「じゃあカウントダウンしちゃいましょうか!」

 

あえて明るい話題を振る龍王の気遣いに感謝したオーバーロードは笑顔のアイコンを出し、それに合わせた龍王も同じアイコンを出す。そして残り5秒を切ったところで両者は強制切断に備えるべく目を閉じた。

 

23:59:58、59――

0:00:00……1、2、3

 

「ん?」

「サーバーダウンの延期か?」

「その可能性はありますね…おかしいなコンソールがでない。システムダウンしている?バクさんはどうです?」

「こちらも駄目だ。…ところでモモンガさんの口が動いているように見えるのだが…」

「は?何をってバクさんの口も動いてますよ!?」

 

混乱するオーバーロードの声に反応して、聞こえるはずもない第三者の声が掛けられる。

 

「失礼ながら、何かございましたか?モモンガ様、バク様」

 

 

そうして世界が動き始めた。




次はたぶん主人公視点。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

バクさんのお話

とっても短い。
主人公視点。


俺ことプレイヤーネーム『バク』はユグドラシルでは古参プレイヤーである。

とはいっても登録時期が早かっただけで、仕事の息抜きにと広告に釣られて始めたド素人。名前はよく気持ちよく食べると言われる自分を振り返り適当につけたし、最初の種族なども響きがカッコいいからと適当に決めた。思いきりの良さと適度な緩さが売りの人間だ。

勘で決めたようなアバターだったが幸いにもそう悪いステータスにはならず、また亜人種であることから異形種狩りの対象にもならずで、ソロで自由気ままにゲームを楽しんでいた。

そんな俺がモモンガさんに出会ったのは竜騎士<ドラグーン>のジョブをとるため、ドラゴンを乱獲していた頃だった。

 

 

 

竜騎士<ドラグーン>になるためにはなにがしかのドラゴンをテイムしなければならない。そりゃ竜に乗れなきゃ竜騎士じゃないから当たり前だ。しかし俺はいつまで経ってもテイムできなかった。しかもテイムに時間がかかるせいでギリギリまで弱らせるために使った毒でドラゴンが死んでいく。それを繰り返すせいでそのフィールドのドラゴンを枯らしてしまい、次のフィールドへ。そこでもまたテイムできず、と悪循環に陥っていた。

いっそのこと諦めてしまおうか…。そんな思いを抱きつつ惰性で隣のフィールドへと足を運んでいたそんなとき。亜人種特有の策敵能力の高さで人間種のプレイヤーたちに追いかけられるスケルトンのプレイヤーを発見。むしゃくしゃしていた俺は、多勢に無勢とは卑怯なり!という大義名分のもと、八つ当たりのために人間種のプレイヤーを不意打ちで倒した。もちろん今でも反省はしていないし後悔もしていない。そうして結果として助けることとなったスケルトンのプレイヤー『モモンガ』さんと仲良くなり、そして衝撃の情報を受け取ることとなる。

 

竜騎士<ドラグーン>になるためにはドラゴン種のモンスターの討伐数が30以下でなければならないことを。

ちなみに竜騎士<ドラグーン>になろうと思った時点で俺の討伐数は30を余裕で越えていたため、完璧な無駄足。そしてよくよくステータスを見ればドラゴン・スレイヤーのジョブが獲得できる状況だった。

 

 

しょんぼりアイコンを連打する俺を見て哀れに思ってくれたモモンガさんは、とても親身に対応してくれた。お陰で、龍人が先祖帰りしたという設定の龍王<ロン・ワン>にまでなれた。しかもその過程で異形種になった俺をギルドにも誘ってくれた。そしてアインズ・ウール・ゴウンの皆に出会えた。仕事の息抜きにと始めただけのユグドラシルを、サービス終了まで楽しむことができた。

 

 

つまり何が言いたいかといえば、俺とモモンガさんしか話す者がいない場所で見知らぬ第三者の声が聞こえた時点で、前衛職である俺がモモンガさんを守らなきゃって話だ。




次はおそらくモモンガ様視点。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

モモンガ様がセクハラされる話

タイトル回収。モモンガ様視点。


ユグドラシルのサーバーダウンを信頼できる友人と迎えることができたモモンガは戸惑っていた。予定の時間を過ぎてもログアウトしないのだ。何とも締まらないオチに気が抜けながら、GMコールをするためにコンソールを呼び出そうとするも、反応がない。隣にいるバクさんに確認を取れば、バクさんも同じ状況のようでひとまず安心する。まあ、いずれ解消されるだろう。

 

それにしても何だか気取った話し方をするバクさんに違和感を覚える。中二病にでも目覚めたんですか?と揶揄しようと手元から目を離したところで、こちらを凝視するバクさんからあり得ない言葉がでる。

 

「…ところでモモンガさんの口が動いているように見えるのだが…」

「は?何を…ってバクさんの口も動いてますよ!?」

 

どういうことだ!まさかの新規アップデートか?!

いや、あり得ない。そんなことをすればとてつもないデータ用量でサーバーがパンクする。

 

一瞬の混乱が何かに抑制され、冷静な思考が戻ってくる。何だこれは。自分の状況に戸惑っているところへ、自分でも、バクさんでもない。女性の声が掛けられる。

 

 

「失礼ながら、何かございましたか?モモンガ様、バク様」

 

 

NPCが喋っている。明確な意思を持って!こちらを!心配そうに!見つめている!

その驚きもまた、抑制される。

こちらに敬意を持っているようだからひとまずは安全か?何もかもが分からない。しかしこのままでいられるわけもない。状況の確認のため、声を掛けようとした瞬間、目の前を半分龍化したバクさんに遮られ、怯えたような声が聞こえた。

 

「も、申し訳ございません!至高の御方々の会話にしもべが口を挟むような不敬を!この無礼、このアルベドの命を持ってどうか、どうかお許しください!」

「…よい。許そう。その場で待機せよ」

「ありがとうございます!」

 

俺を庇ってくれたのか、と思うと同時に、頭の中に声が響く。

 

ーモモンガさん聞こえますか?

ーバクさんですか?

ーよかった、繋がった!

ーこれはメッセージですか

ー頭の中で話せるみたいで。反射的に動いちゃってすいません。アルベドビビらせちゃいました。

ー庇ってくれてありがとうございます。いえ、良い判断だと思います。お陰である程度今後の対応が浮かびました。いったいこれはどういう状況だと思いますか?

ー男のロマンでいうなら、一昔前に流行った異世界転移ってやつじゃないかと。荒唐無稽ですが…

ー異世界転移…。でもそれくらいじゃないと感情が抑制されたりとかの説明がつかないか…。となると周囲の状況確認が必要ですね

ー俺も言葉が抑制されているようで偉そうにしか話せないんですよ!恐らくスキルの影響かと思うんですが…。状況確認、俺行きましょうか?

ー外が安全かも分からないのになにかあったらどうするんですか!

ーあっはい

ーあ、感情抑制された。…ひとまず斥候を放つ意味とこちらの命令を素直に聞くかの実験で指示を出します。バクさんはじっとしていてください

ー了解です!

 

バクさんの行動力というか素直さは美徳であるけど、何だかなあ。ぼやきつつメッセージを切り、あたりを見回す。…あれはたっちさんが創造した`セバス・チャンか。確かカルマも善性であったはずだし、見た目も人間だからよほどでない限り大丈夫だろう。

 

「セバス。大墳墓を出、周辺地理を確かめ、もし仮に知的生物がいた場合は交渉して友好的にここまで連れてこい。交渉の際は相手の言い分を殆ど聞いても構わない。行動範囲は周辺1キロだ。戦闘行為は極力避けろ」

「了解いたしました、モモンガ様」

「メイドの1人も連れて行け。もしお前が戦闘になった際は即座に撤退させ、情報を持って帰らせろ」

「――直ちに」

「セバスについていく1人を除き、他のメイドたちは各階層の守護者に連絡を取れ。そしてここまで――いや第6階層、アンフィテアトルムまで来るように伝言を伝えよ。時間は今から1時間後。それが終わり次第、お前達は9階層の警戒に入れ。それとアウラに関しては私から伝えるので必要は無い」

「「「「「「はっ」」」」」」

 

ーこんな感じでどうです?

ーいいと思います。この短時間でよく思い付きましたね!さすがです

ーありがとうございます

ー残ってるアルベドはどうするんですか?

ーあー…。ちょっと実験しようかと

ー実験?

ーむ、胸を揉もうかと

ー…

ーいや!やましい意味は無くてですね?セクハラでGMに連絡がいかないかとですね!

ーそんなに重ね重ね説明しなくても分かってますよ

ーなら無言はやめてください!

ーしかし、目の前でそういうことやられるのはちょっとなあ。あ、いいこと思い付いた

 

 

そう、この時点で悪い予感はしていたのだ。バクさんの思いつきは良い意味でも悪い意味でも人を振り回す。かつてのギルド最盛期で起きたあれやこれやの騒動を思い出し、何をする気だと問いただそうとしたときにはバクさんの顔が目の前にあった。

 

「な、何を」

「じっとしていろ」

 

ベロリと、眼窩を長い舌でねぶられる。生身の人間であるなら体験出来なかっただろう感覚に身体が強張る。ぞわりぞわりと皮膚などもうないはずの身体に鳥肌が立つ気がした。

何だこれは何だこれは何だこれは。

思考がまとまらない。感情が抑制されない。見えるのは、真っ赤な色をした舌と、普段は髪で隠れている目と、鱗の浮いた端整な顔。

 

「ふむ。何事もないようだ。このような接触では…モモンガさん?」

 

とりあえず殴っておいた。

 




▼メインターゲットを完了しました
次はきっと主人公視点。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

部下の忠誠心が上司に心労をためる話

スマホでろくに添削せず書きなぐっているのでそのうち大規模に編集する可能性大。
主人公視点。


 

魔法詠唱者の攻撃(物理)怖すぎだろ…。

ステータスの関係で殴られようと無傷だが、無言でやられると見た目もあいまって安物のホラーアトラクションのようだ。

確かに不躾な行動だったとは思う。しかし上下関係がはっきりしている女性にセクハラするよりはましでしょ?そんな意味を言語補正が掛かるなか言葉を尽くせばなんとかやめてもらえた。ついでにフレンドリーファイアが解禁されていることも分かったし、一石二鳥じゃないですか!的なことをいえばまた殴られた。酷い。

そうして二流漫才のようなやり取りを繰り広げたのち、早めにアンフィテアトルムへ向かおうと話がまとまった。

 

ギルド内ならほぼどこでも行ける指輪、リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン。その性能を確かめる良い機会じゃないか?とモモンガさんに提案すれば了解を得られたので、普段は外にいるため外していた指輪をいそいそと指にはめる。

さあ行くか、二人揃って何気なく前を向けば、セクハラされそうになっていたアルベドが視界にはいる。息が荒くなっていた。もう一度いう。アルベドの息が荒くなっていた。この短い間にいったい何が起こった。モモンガさんの方を見ればこちらもアルベドの様子に気づいたようなのでメッセージを飛ばす。

 

ー何かしましたねモモンガさん

ー断定口調はやめてください!何もしてませんよ!

 

モモンガさんは無実なようだ。となるとあの発情期ですといわんばかりの表情はなんだ。何に発情したの…こわ…。しかも雰囲気がリアルで付き合ってたヤンデレストーカーちっくの子と一緒であるというおまけ付き。

 

ーモモンガさんじゃないなら放置。転移しましょう

ーえ!

ーえ?

ーいや、理由くらい聞いといた方が今後のためになるかな、と

ーほう。つまりリアルでも魔法使いなモモンガさんはどう見ても発情期な女性に何で発情してんの?と聞けると。いやぁ、勇気あるな流石ギルマス

ー…

ーついでに、彼女の雰囲気以前話してたヤンデレストーカーちゃんとそっくr

ー転移しましょう!そうしましょう!

ー了解

 

ヤンデレストーカー。略してヤンストの対処法は私的に飴と鞭の飴のみ与えること。飴が分からないうちは手を出さない方がいい。

 

転移する間際、奇声が聞こえたのが良い証拠である。

 

 

 

 

 

ところかわってアンフィテアトルム。

男装少女と男の娘の双子が迎えてくれる。あの動く18禁の業は深い…。そして二人を可愛いと思えてしまう俺の業。大差ないのは人間だからだねしょうがないね。

 

話すと口調から怖いかな、と気遣って挨拶は控えめ対応。モモンガさんは容赦なく話しているが、双子は目をキラキラさせて聞いている。はたから見れば悪い魔法使いが幼児を洗脳して連れ去る間近といったところか。そんなことを考えてたら睨まれた。おかしい…メッセージしてないのに…。

 

 

守護者が集まるまでモモンガさんが魔法の実験をするというので見学。不思議だ骨が格好よく見える。華麗に魔法を放つ姿を見るとスキルは問題なく使えるようだし、とりあえずは大丈夫か、と転移してから緊張していた身体の力を抜く。何にしても途方もない世界に来てしまったものだ。

観客席から空を仰げば星空が広がっている。ブルー・プラネットさんは本当に良い仕事をしたもんだ。

 

 

アルベドに触れさせずにいたのは、近距離での万が一を考えて。

モモンガさんを茶化すのは、自分が最終日集まろうといったせいで巻き込んだと思わせないため。

誘われたのに自分もスキルの試し撃ちをしないのは、双子に手の内を見せないため。

 

いざとなればモモンガさんを連れて逃げなければ、と気を張っていたのが馬鹿らしく思えるほど綺麗な星空である。

 

 

 

 

そうこうしているうちに守護者が揃ってきたようだ。モモンガさんにメッセージで呼ばれて隣に行く。

 

やがて始まる忠誠の儀。

 

それを受けて思うのだ。あ、これアカンやつや、と。

 

 




次はたぶんサブターゲット視点。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。