重巡だらけのTRPG (ツリ目)
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重巡大集合!ただし代表のみ、みたいな!

鈴谷、青葉、足柄、摩耶の四人によるTRPGです。
進行速度はかなり遅いです。


「やあ、みんな集まってくれたね」

 

提督室には一人の男と四人の女性が集まっていた。

 

「各型の長女から聞いた人もいるかな。これからみんなでTRPGを始めようと思うんだ」

 

「ねえ提督、妙高姉さんからは重巡と航巡の各型から一隻ずつ来るって聞いたんだけど、利根型が来てないわよ?」

 

女性の一人、足柄が進言する。

 

 本日、早朝に提督は重巡・航巡の各型一番艦に連絡を回させた。『各重巡から一人ずつ集めてTRPGをやります。TRPGについては別紙に詳細が書いてあります。お姉さんたちは概要を説明せずに長女権限を発動させて行かせてもオッケーです。自分が行っても大丈夫だけど、出来れば行きたい人がいないか聞いてください』という紙を渡した。利根型・妙高型・最上型・古鷹型(ここでは青葉型を含む)・高雄型に伝えた。

 

 結果、来たのは足柄、鈴谷、青葉、摩耶だった。

 

「うん、それについては今から説明するよ。

 

 説明とかが書いてある紙を渡してすぐに筑摩がやってきたんだ。『利根姉さんが読んでみたところ意味をくみ取りかねていたので説明を聞きに来ました』ってね。だいたいのことを説明してルールがクトゥルフ神話、説明を聞いたら『利根姉さんには合いません、辞退します』ってさ」

 

「じゃあ筑摩が来るわけ?」

 

鈴谷の質問にも首を横に振る。

 

「僕もそう思って聞いてみたんだけど、『私は利根姉さんとセッ・・・世間話をしたほうが楽しいので遠慮します』だって」

 

「スクープの匂いがしますね」ガタッ

 

「野暮なマネはやめときな」

 

青葉が立ち上がって摩耶が止める。

 

「提督よお、あたしたちはTRPG?ってやつをやるんだよな。簡単に説明してくれよ」

 

 

~TRPGの説明中~

 

 

「だいたい分かったかな?」

 

「TRPGのだいたいのことは分かったけどさ、机の上のノーパソとヘルメットは何なの?」

 

鈴谷が言う通り、提督の机の上には六つのヘルメットと一台のノートパソコンがあった。ヘルメットは普通のものよりも一回りほど大きい。

 

「パソコンのほうは僕のものだよ。ヘルメットは親友からの送り物さ、パソコンに送られたプログラムを読み込ませてTRPGを面白くできるらしいんだ」

 

「面白くって、どんな風に面白くなるんですか?」

 

「友達が送ってくれた説明文を見ると、フィルター越しにサイコロを振ったりNPCと会話が出来たり自動でBGMが流れたり・・・パソコンが重くなりそうだなあ」

 

「ステータスは一回振りしか出来ねえのか?」

 

「んー、最初だから二回まで振り直していいよ。一つのステータスを二回、二つのステータスを一回ずつ、全部をまとめて二回のどれかのパターンで」

 

「ねえ、これってどこで振ってもいいのよね?」

 

「足柄さんのラッキースポットでもどこでもいいけど、鎮守府内にしてくれないとデータが届かないよ。あ、でもやってみたら分かると思うけど、鎮守府内なら通信もできるよ」

 

言い終わった時にはすでに足柄はヘルメットを持って退出していた。

 

「勝利が私を呼んでいるわー!」

 

その声は扉を閉めたにも関わらず、中の四人にはっきりと聞こえた。

 

「足柄さん、どこに行ったんだろ」

 

鈴谷の言葉に返る言葉はなく、ヘルメットを装着する音とパソコンを操作する音だけが響いた。

 

 




ガラガラさんはいったいどこに行ったんでしょうねえ(すっとぼけ)


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キャラシ作成

探索者作成回です。


「さて、みんな悩んでいるね」

パソコンから三人の様子を見ている。リアルでも視認できるけど、職業で決まっている技能と趣味の技能の数値のやり繰りをしている様子は、自分のパソコンかヘルメットのレンズを通さないと分からない。

 いきなりレンズとパソコンに電話のマークが表示される。通信が入って来たらしい。

『提督、聞こえるかしら!?』

「聞こえるよー。もうキャラができたの?」

『それはまだだけど、最高のステータスが出来たから自慢しようかと思ったの』

「どれどれ・・・。これは・・・すごいね、全部最大値か」

『でしょ!これで私の探索者に怖いものはないわ!』

「うん。身長180センチで超絶美人、頭脳明晰で高学歴か」

『うんうん、完璧でしょ』

「しかも筋肉隆々で頑丈で」

『うん?』

「足が速いから逃げるのも追いかけるのも一人でできるし」

『ちょ、ちょっと・・・』

「教養が21ってことは年齢が最低でも6足すから27歳以上か。これだけ完璧なら高嶺の花すぎて人が近寄らなそうだね」

『ステータスの振り直しは二回まで大丈夫よね!?ちょっと振り直しするわ!』

「振り直すのはいいけど雪風じゃなくて自分で振るんだよー・・・、切れてる」

忠告を言い切る前に通信が切れた。

「・・・そういうキャラもアリだと思うけど、欠点のあるほうが面白いからね」

 

「よし、みんな探索者が完成したことだし、お披露目と行こうか」

足柄が戻って来たので全員の目の前に各探索者のデータを表示できる。距離が離れるとデータが届きにくくなるそうだ。

「じゃあ誰から表示する?誰からでもオッケーだよ?」

「んじゃ、鈴谷からお披露目するよ」

「はーい。じゃあちょっと待ってねー」

言いながらパソコンのキーボードとマウスをクリックさせる音がしばらく鳴る。

 

 

吉田 鈴谷(よしだ すずや) 探偵 24歳

 

筋力・13 素早さ・10 外見レベル・13 頑丈さ・10 

精神力・12 体格・12 賢さ・13 教養・18

SAN・60 アイデア・65 幸運・60 知識・90

言いくるめ・90 心理学・90 図書館・90 鍵開け・66 拳銃・90 

目星・85 パンチ・80 回避・60

 

「基本的なステータスは普通だけど、賢さがそこそこあって教養が高いからいろんな技能を取れているね。探偵らしく、対人とか調べものに有利な図書館、心理学、言いくるめ、鍵開けか。でもパンチと拳銃の技能を取ったのはどうして?」

「探偵の癖に浮気調査とか猫さがしとかマジありえなくない?危ないことがあったら自分の身は自分で守らないとじゃん」

「なるほどね、調査と戦闘の両方ができるってことか。いい感じに仕上がってるね」

「あざーす!」

「じゃあ、次は・・・」

「あたしは後でもいいぜ、提督」

摩耶が進言する。鈴谷の探索者のステータスをじっくり見ている様子からして、他の人がどんな風に作ったのか気になっているようだ。

「私は最後でいいわ」

「・・・となると、次は青葉だね」

「恐縮です!」

 

 

 

森 青葉(もり あおば) 新聞記者 22歳

 

筋力・10 素早さ・15 外見レベル・15 頑丈さ・9 

精神力・16 体格・10 賢さ・9 教養・15

SAN・80 アイデア・45 幸運・80 知識・75

写真術・90 説得・90 図書館・90 心理学・85 目星・75 聞き耳・65

 

「ふむふむ、これはかなり発狂しにくいプレイヤーが出来上がったね。SAN値チェックしても減りにくいし、5ポイント以上減ってもアイデアロールに失敗しやすいし。年齢が最低値になっていないのは何か理由があるの?」

「気になるんですかぁ?・・・まあもったいぶるほどの大した理由じゃなくて、社会人一年目にしようかなって」

「なるほど、社会人一年目の新聞記者っていうのも面白いね(上司からイジメとか受けやすそうだなあ)」

「恐縮です!」

 

 

 

東郷 摩耶(とうごう まや) 警官 24歳

 

筋力・12 素早さ・9 外見レベル・14 頑丈さ・13 

精神力・12 体格・11 賢さ・11 教養・18

SAN・60 アイデア・55 幸運・60 知識・90

応急手当・90 言いくるめ・90 回避・90 組み付き・90 

マーシャルアーツ・89 精神分析・81 パンチ・80

 

「基本ステータスについては特にコメントなしとして。技能は戦闘関連のモノをメインに取ったんだね」

「(教養だけじゃダメなのかよ・・・)当ったり前だろ?あたしは摩耶様だぜ?」

「でもそれならキックのほうが良かったんじゃないの?キックはダメージが高い代わりに初期値は低いけど、精神分析をもっと低くしたらこのパンチと同じくらいに出来たと思うけど」

「おう、最初はキックにしようと思ったんだけどよお、説明を読んでたら精神分析ってのも取りたくなったんだ。キックだと精神分析ってのが心許なくなるんだよ」

「?どういうこと?」

「だからさあ、精神分析ってマジでヤバいときになかったらマズイだろ?」

「確かに発狂している人がいると不味いけど」

「説明によると精神分析は自分には使えないみたいですよ」

「自分には使わねえよ、あたしだったらうまく立ち回れるしな。他のやつが発狂って状態になったら誰かが助けてやらねえと危ないだろ。あたしがやったら他の連中も自分のやりたいことに専念できるしな」

提・鈴・青・足((((口は悪いけどめっちゃ良い娘!!))))

 

 

 

醍醐 足柄(だいご あしがら) モデル 25歳

 

筋力・12 素早さ・18 外見レベル・18 頑丈さ・14 精神力・18

体格・15 賢さ・18 教養・19

SAN・90 アイデア・90 幸運・90 知識・95

変装・90 パンチ・90 キック・90 組み付き・90

マーシャルアーツ・90 回避・90 心理学・90 信用・88

 

「たぶん僕に言われて振り直したんだろうけど、あんまり雪風に無理言っちゃいけないよ足柄さん」

「な、なんのことかしらねぇ~。ほら、日ごろの行いが良いからダイスの目も良かったのよきっと!」

「・・・それにしてもモデルか、自分で職業を作るとはね。武闘派のモデルなんて聞いたことないけど」

「外見レベルが最高に高いのよ?きっと男どもが私を放っておかないわ」

「変装は身元がバレたら人が集まるから?」

「ええそうよ、私の魅力でみんなメロメロよ!」

「(メロメロは死語じゃないかな)心理学と信用はどうして?」

「青葉が思うに、プロデューサーやスタッフの人との関係があれこれ・・・取材に行ってもいいですか?」

「うふふ♪別にいいわよ♪」

青(チョロイ)

 

 

 

「これで全員の探索者が出来あがったし、君たちの意識をシナリオの世界に飛ばすよ」

パソコンを操作して、数分かからずに作業が完了する。と、すぐに通信の通知が入った。

「もう何かやるのかな」

通知を開くと、表示された顔は艦娘ではなかった。

 通信を入れたのはプログラムとヘルメットを送った友人だった。

『キリ、ヘルメットとプログラムは届いたか?』

犯罪者レベルで目つきは悪いけど、ツンデレで世話焼きなことを知っている提督ことキリは笑顔で受け答えする。

「届いたよー。ソウが送ってくれたのを使ってみてやりやすそうだったからさ、さっそく遊び始めているところなんだ」

『どうだ、けっこう使い勝手はいいだろ』

「かなりね。作ったのは夕張さんと明石さんかな。すごいね、自動でBGMが入ったりとか」

『それは俺が入れたオプションだな』

「へ、そうなの?あ、それとさ、画像を読み込ませてNPCの顔に出来るのもいいよね。ネットで拾った画像を使ったりとかできるし」

『それも俺が作って組み合わせたオプションだな』

「・・・ソウが入れたオプションって他に何かある?」

『ゲーム内での痛みとリアルでの痛みのリンクだな。最大で足の小指をタンスの角にぶつける程度のもんだが』

「もうさ・・・夕張さんと明石さんと一緒に何か開発したらいいんじゃないかな」

『気が向いたらな。今は前に四人でやったシナリオを艦娘の連中とやっているから無理だけど』

「へえ、あのシナリオをやっているんだ。終わったら色々と教えてねー」

『おう。んじゃ、切るぞ』

通信が切られた。画面をしばらく見てからプログラムの自由性を、説明を読みながら確認していく。一通り目を通して思わずため息が漏れた。

「・・・頑張ったらソウ一人でも作れたんじゃないかな」




とくにないです。


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始まり始まり~

足柄さんの職業をモデルにしたはいいけど扱いにくいですはい。


「さてと、シナリオはどうしようかな」

新しいシナリオにしようかとも考えるけど、ちょっとめんどくさい。ルルブに載っているものをやってもいいけど、どうせならオリジナルがやりたい。

「うん、ソウもやってるみたいだし、こっちもあれをやろっかな」

 

 

 今、四人がいるのはとある喫茶店だ。カウンターに並んで座っていて飲み物を飲んでいる。

「ここんとこ退屈すぎじゃん?」

近所の探偵事務所で働いている鈴谷が隣にいる三人に言った。

「スクープもありませんしねえ」

新聞記者の青葉はカメラのレンズを磨きながら同意を示す。

「私のところを取材してもいいのよ?」

モデルの足柄は青葉に向かって提案した。

「何も起こらないに越したことはねえだろ。青葉んとこはそういうのじゃねえし、足柄は事務所を通さなくてもいいのか?」

スーツを着て出来るキャリーウーマンになっている摩耶がそれぞれに返答をする。

 店の中には四人の他にもお客さんがいてそこそこ賑わっている。

 

摩[今って何月なんだ?]

K[え?うーん、決めてなかったなあ。誰か希望の季節はある?]

青[はい、青葉は夏くらいが良いです]

足[あら、どうして?]

青[いろいろと美味しい写真が撮れそうですし、夏くらいが仕事に慣れ始めるくらいの季節じゃないですか]

鈴[じゃあみんなも後輩が出来てる時期かー]

K[んー、とりあえずこんな感じで行こうかな]

 

外の日差しから逃げ出したみたいに数はたくさんいるが、暑さのせいで騒ぐ気力はないようだ。

「こんだけ暑けりゃスクープを用意するほどの気力もねえんだろ」

「それじゃあ困るんですよー。足柄さんのネタだけじゃ飛ばされちゃいますし」

「え?!全部ボツになってたの?!」

「そりゃそうじゃん、青葉ってばLINEで愚痴ってたよ。『ただのグラビアだけだったら載せられないってボツになってます』って」

「嘘!?」

「あー、あたしのとこにも来てたなーそれ。話題作りにゴリ押しでぶち込むなよな、婚活とかあたしらまだ早いだろ」

「べ、別に婚活なんて意識してないわよ!」

「でも聞きましたよ?うちの編集長がイケメン特集の雑誌を何冊か頼まれたって」

「え、嘘!?」

「青葉が聞いたってのは引っ掛けだったとしても今の『え、嘘』で確定じゃん?」

「そ、それはそうと鈴谷の仕事はどうなっているの?確か探偵よね?」

「あー」

 

鈴[ねえ提督、鈴谷ってば探偵事務所で働いてるじゃん?上司のことなんか教えてくんない?]

K[TRPGをやってるときはキーパーって呼んでね。探偵事務所の台所事情とかはちょっとあれだけど、上司は二人だけだよ。一人は僕が前に使っていた探索者だから僕のまんまで、もう一人はデータを送るよ]

 

「・・・犬とか猫さがしばっかかな。社長は全然社長っぽくないし、もう一人の上司はたまにしか事務所に来ないから退屈」

「その上司二人はどんな仕事してんの?」

「殺人事件とか解決しちゃいます?」

「イケメンで独り身だったりする?」

矢継ぎ早の質問に記憶の箱をひっくり返して一つずつ答えていく。

「社長のほうは何やってるのかわかんない、たまに出かけて帰って来て、どこに行ったのかって聞いても警察署ってはぐらかすし」

「警察署に来てるならあたしも見たことあるかもしれねえな」

「もう一人もたまにしか顔出さないから人伝(社長から)しか聞いてないけど、IT関係の件を解決してるらしいんだよね。ネットとかよくわかんないけど」

「それで?」

足柄が自身の質問の回答を求める。

「ITのほうは女性でけっこう美人だったよ。社長は、まあまあかな」

「どのみちスクープにはなりませんか・・・」

「そんな殺人事件が起こったらあたしんとこにも伝わるっての」

「やっぱりそんな簡単ではないわよね・・・」

【目星ロール 青葉 目星 75→48 成功】

目星に成功した青葉は足柄のカバンに雑誌がはみ出ていることに気付いた。

青(・・・あー、そのうち編集長に話を聞いてみましょうかね)

 

K[さて、そろそろ話を進めようか。

 君たちは知り合いの人から呼び出されてここに集まっているんだ。詳しいことは彼が登場してからになっているんだ。これから登場させるけど質問はあるかい?・・・ないみたいだね」

 

 

 四人が話していると喫茶店のドアが開いた。背丈は足柄と同じくらいで顔立ちは整っているほうだ。男前と言って差し支えないだろう。

 四人に気付いた男は手を挙げながらやってきた。

「どうも皆さん、お忙しい中集まっていただきありがとうございます」

呼び出した男―大神はそれぞれに言った。

「無理を言ってしまってすみません、出来れば早急にお話したかったもので。久々にお会いしたわけですし、もっと穏やかなものが良かったのですが・・・」

年齢は25歳で、今集まっているメンツの中では足柄と同じく最年長だ。だけど年下の三人にも敬語で話していて真面目な人間だということが分かる。

「やっほー大神さん」

「なんだよ、やらかしたってんなら弁護士を呼びな」

「待ってください!その前にスクープに取り上げさせてください!」

「こんにちは、大神くん」

それぞれが挨拶?をして、一番端に大神が座る。

奥から鈴谷、摩耶、青葉、足柄、大神の順に座っている。

「そんなわけないでしょう、俺は何もしていませんよ」

「じゃあ何で呼んだの?」

「美味しい話ですか?」

「逮捕できねえの?」

「婚活始めたの?」

「・・・みなさんをお呼びしたのは他でもありません。俺の友人を助けてほしいんです」

冷やかしを無視して話を進めようとする。

「友人は最近様子がおかしくて・・・」

「ちょっと待ちな」

強引に話を進めようとする大神を摩耶が止めた。

「あたしたちは話があるって集まったってのに強引すぎやしねえか?」

「すみません、どうも焦ってしまっているようです・・・。あ、お冷お願いします」

ウェイターに水を頼んで一気に飲み干す。

「皆さんもお忙しいことは存じ上げています。しかし、俺にはもうみなさんしか頼れる人がいないんです。どうか話だけでも聞いてください」

 

K[ここでみんな目星を振って。振らなくても大丈夫だけど、やってくれたらありがたいかな]

【目星ロール 鈴谷 85→33 成功

       青葉 75→02 クリティカル!

       摩耶 25→78 失敗

       足柄 25→65 失敗】

K[失敗した二人は何も気づかなかったよ。鈴谷は大神くんが前よりもやつれてるように見えたかな。クリティカル(大成功)の青葉は・・・目の下にクマが出来ていることにも気付いて、最近は睡眠もあんまりとれていないことも分かった]

 

「それって大神さんがやつれてるのと関係あるの?」

「・・・やっぱりそう見えますか」

「目の下にクマも出来てるみたいですし、ちゃんと寝ていませんね?」

2人の指摘を受けて大神は黙り込んでしまった。

 

足[ねえキーパー、大神くんの情報をもらえないかしら。彼の人柄次第で対応も変わるわよ]

摩[それもそうだな。なんかねえのか?]

K[じゃあアイデアで振って、成功したら彼の人柄について思い出せるよ。あ、大神くんはみんなの大学時代の友達で、卒業してからはSNSを介した連絡しか取っていなかったよ。呼び出されたのはそこからね]

【アイデアロール 摩耶 55→48 成功

         足柄 90→07 成功】

K[アイデアに成功したから彼の人柄について思い出すことが出来たよ。

 大神くんは話し方からも分かる通り、とっても真面目で、堅物すぎて有名だったよ。ちょっと自己犠牲しがちなラノベの主人公みたいな性格で、常識人な立ち振る舞いから先生からの信頼も厚かったよ」

 

「話くらいは聞いてあげましょう。請け負うかどうかはそれからでも遅くないわ」

足柄の言葉を受けて摩耶もうなずくことで同意を示した。

「とっとと話しな、あんたがふざけたことを言うために呼びだしたってことはねえだろうし」

「・・・ありがとう、ございます」

四人に深々とお辞儀をする。

 

 

 

「俺が大学で心理学を学んでいたことはみなさんも知っていたと思います。カウンセラーの資格を取った俺は大学でスクールカウンセラーになりました。その大学に勤めている友人の様子がここのところおかしくなっているんです」

大神は話し始めた。

 

 彼が言うにはその友人がおかしな宗教にのめり込んでいたという。そんなものに傾倒してはいけないと止めようとしたのだそうだ。しかし、その友人は大神の言うことに耳を傾けなかった。それどころか日を追うごとにおかしなことを口走り始めた。

『あなたも一緒に来なさい。そうすればあなたも愚人という枠組みから抜け出せます。我々は賢人なのです、あなたが選ばれた人間なら分かるはずです』

虚ろな目で語る友人はドラッグでも決めているようだったそうだ。こちらが何を言っても相手は聞く耳を持たず、洗脳しようとする人形のように同じことばかりを繰り返した。

 

 どう考えても正気とは思えない友人に嫌な予感がした大神は、宗教団体について調べようと友人の後を尾行した。その宗教団体に潜入し、何が友人をおかしくしたのか調べるために。

 そして、彼はその宗教団体の講演をしている会場に辿り着いた。そこで彼は見てしまった。何百人もの人が無言で舞台を見つめる様子はライブが始まる直前のようだったが、その全員が無表情で私語の一つもない様子は異常だった。

 およそ一時間と経たないうちに大神は見てしまった。

 

 

「集まった連中がおかしな呪文みたいなものを唱え始めました。すると、舞台に上がっていた人間の身体が崩れていったんです」

「マジックショーだったんですか?」

「いえ、違います。もし映像だったり、布をかぶせて戻したら灰になっていたというのなら分かります。もちろんCGか何かでタネがあるはずだと思ったんです。でも、現れたアレは嫌でも現実だと理解させました」

「・・・アレって、どういうことなの?」

「・・・・・・・」

大神はおかわりした水を一気に飲み干して言った。

 

「あれはバケモノでした」

 

「形状は神話にでも出てくるもの以上におぞましい姿でした。現実にいてはいけないあの姿に、俺は逃げ出すことも出来ませんでした。……かろうじて目線だけは動かすことが出来ましたが、すぐに後悔しました。集まっていた連中は恍惚の表情を浮かべていて……、集まった人間とバケモノの二つが異常な空気で支配していました・・・」

大神が言ったことを想像してしまった四人は悪寒が走った。

 

【SANチェック 0/1】

K[クトゥルフTRPGの醍醐味、SAN値チェックの時間だよー!]

鈴[キーパーが夜の川内みたいでキモい]

【SAN値チェック 鈴谷 60→07 成功

          青葉 80→17 成功

          摩耶 60→44 成功

          足柄 90→72 成功】

 

メンタルが強い四人は欠片も動揺しなかった。

「そのあと、進行役のような人が出てきてどこの国の言葉か分かりませんが、何かを言っていました。何を言っているのか理解できませんでしたが、その内容が連中を洗脳していることは分かりました」

「俺のほうでも色々と調べてはいるんですが、詳しいことは全く分からないんです。相談というのは他でもない、その友人を助けたいんです。一介のカウンセラーでは友達のカウンセリングくらいしか出来ないんです。教団関連の話になるとまるで会話にならないので友人から何かを聞き出すこともできません」

 

青[これを引き受けたらシナリオが始まるんですか?]

K[そうだよ。ツンデレして裏でこっそりやってもいいんだよ?]

摩[このメンツでツンデレとか誰得だよ。ま、こんだけ困ってるなら引き受けるっきゃねえな]

K[何か聞きたいことがあるなら聞いたほうがいいよ。あ、僕じゃなくて大神くんにね]

 

「その教団の名前、講演をしていた場所、あんたの友達の情報、教えてもらおうか」

手帳とペンを取り出した摩耶が大神に言った。

「教団の名前は『浮雲教会』です。講演をしていた場所は俺が働いている大学の近くの教会です。友人はその大学の四回生で、最近は図書館にこもっていて授業にはほとんど参加していません。詳しいことはメールで送らせてもらいます」

「その人とはどんな関係?」

「彼女は大学生で、俺がカウンセラー、真面目な学生だったので目についたらしく、教授が相談して来たんです。何度かカウンセリングしたのですが、あまり成果がなくて・・・」

足柄の問いに答えながら肩を落とす。

「青葉も編集長に話を聞いてみます」

「鈴谷も社長に何か知らないか聞いてみるよ」

「みなさん・・・」

安堵の息を漏らして、四人を見る。

「ありがとうございます、本当にありがとうございます」

深々と、90度以上腰を曲げて礼を言った。

「良いってそんなに頭下げなくてもよ。つーか、男なら簡単に下げんじゃねえ!」

「すみません」

再び頭を下げる大神を見て鈴谷が茶化す。

「大神さんをいじめちゃダメだよ摩耶ちゃん」

「摩耶ちゃん言うな!」

「解決したら記事にしてもいいですか?」

「どうせ大したことにならないから諦めなさい」

四人が話していると突然電話の着信音が鳴る。

「すみません、俺です」

電話を取り出して操作する。どうやらメールが来たようで、すぐに立ち上がる。

「用事が入ってしまいました。俺の方でもなんとか手を尽くしてみますが、みなさんもどうかよろしくお願いします」

そう言って大神は喫茶店を後にした。

 

 

 

K[導入はこんなところかな。ここからは完全にフリーだよ、誰かと一緒に行動してもいいし一人で動き回っても大丈夫。それぞれの情報を常に知っておきたいって人がいたらすぐに伝わるようにするから言ってね]

摩[じゃあよ、あたしは他の奴らの状況も教えてくんねえか?なんか遭ったときにすぐ助太刀できるからよ]

K[あー、それなんだけどね、操作する君たちが他のキャラの状況が分かっても、自分達が操作しているキャラはそれを知ることはできないんだ。つまり、『操作している摩耶』が他の人のピンチを知ることが出来ても『キャラの摩耶』は知ることはできないんだ]

青[つまり、誰かのピンチに駆けつけたかったら理由がないとダメってことですか?]

K[うん。でも他の人が次の行動に困っている時にアドバイスをすることはできるよ。『あの時の自分の発言からこんな行動が出来る』とかね]

鈴[ふうん。とりあえず鈴谷は事務所に戻って上司に話を聞こうかな]

足[仕事場で噂話くらいは聞けるかもしれないわね]

青[青葉はさっきも言った通り会社に行きます。名前は・・・マルクト社にしますね]

摩[あたしは署に行くかな。ああいう怪しい話ならなんかあるだろ]

K[えっと、ちょっと待ってね。えー青葉はマルクト社で、鈴谷は探偵事務所で、足柄さんはモデルの仕事場で、摩耶様は警察署ね。うん、ちゃんと入力したよ。それじゃようやく始めるよ。

 

[レッツ・クトゥルフ!]




女性の服装ってよく分からないのでこんな服装がこの艦娘に似合うとかのアドバイス欲しいです。


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青葉のターン、ドロー!

青葉と青葉の上司のお話です。


【昼 鈴谷 探偵事務所】

 大神から相談を受けて鈴谷は自分の事務所に行くことにした。「桐壺探偵事務所」という探偵事務所の売上は可もなく不可もなくという感じだ。

「桐壺さん、ちーっす」

そう言いながら事務所のドアを開ける。お客さんもいなくて日が高いので照明は半分しかつけていない。事務所の窓際の作業机にはくせ毛で猫目の男が座っていた。眠たそうなその男は鈴谷の姿を見て

「こんにちは、鈴谷ちゃん。今日も相変わらず仕事はないから休んでていいよ」

社長の『桐壺 海(きりつぼ かい)』は言った。

「別に仕事しに来たんじゃなくってさ、桐壺さんに訊きたいことがあって来たの」

「仕事場に来たのに仕事はしないっていうのは叱ったほうがいいのかもしれないけど、どうしたの?君の手には負えないような事件でもあったの?」

パソコンをカタカタと操作し始めた桐壺が言う。

「鈴谷の友達の大神さんの友達が変な宗教団体に入っちゃったんだって。大神さんがその友達を助けたいって相談してきたんだけど、なんか意味わかんない感じだから何か知ってたら鈴谷に教えて?」

 

鈴[大神さんから聞いた話を全部話すじゃん?]

 

「・・・『浮雲教会』かー」

話を聞き終わった桐壺が気難しそうな顔で相槌を打った。いつの間にかパソコンを操作する音も途絶えている。

「何か知ってる感じ?」

「知ってるっていうか、聞いたことがあるっていうか・・・」

桐壺の態度は煮え切らない。

「知ってるなら教えてよ」

「これは、うーん、大した話でもないしなあ」

 

K[彼から話を聞きたかったらロールプレイ、もしくは技能を使ってね。良い感じにいかなかったらお茶を濁されるよ]

鈴[んじゃ、言いくるめってのを使おっかな]

 

【言いくるめロール 鈴谷 言いくるめ 90→19 成功】

「じゃあ大神さんの一件を全部桐壺さんに押し付けるよ?」

「う、うーん、まあこれくらいなら話しても大丈夫かな・・・」

余計な仕事を増やしたくないからか、彼は話し始めた。

 

 

「僕が調べたことじゃないけど、そんなに間違った情報はないはずだよ」

パソコンを操作しながら話し始める。

「『浮雲教会』っていうのは5年くらい前から活動が目立ってきた宗教団体なんだ。

どういうわけか規模が急に拡大されてきて警察にもちょっと目を付けられ始めてるんだ。

ただ、具体的に何をしているっていう確たる情報もないから強行もできない。

噂で何か怪しいことに手を出してるっていうのはあるけど、どこから流れ出したのか分からないし尾ひれがついているようなものも多いと思う」

パソコンを操作しながら言っているのである程度の情報をまとめているようだ。

「噂が多すぎるし意味不明なのもあるから実際のところは存在以外は何も分からない、ってところかな」

「ふーん」

桐壺からの情報はもうないようだ。

「手が空いたら僕のほうでも調べてみるけど、鈴谷ちゃんはあまり関わらないほうが良いと思うよ」

「・・・・・・?なんで?」

桐壺は困ったような顔をしている。

「なんていうか、空回りしそうな気がするんだ」

「空回り?」

「最悪、ただの愉快犯のうわさでそれに振り回されることになると思う」

「・・・・・・・」

「ま、ただの勘だから基本的に自由にしていいからね」

 

 

 

K[特に何もないなら桐壺からの情報はないよ。何かするかい?]

鈴[もう一人の人は来ない感じ?]

摩[普段はこいつ一人だけなんて経営は大丈夫なのか?]

K[もう一人は夜にしかやってこないよ。完全に夜行性だからね]

青[川内さんみたいな人ですか?]

足[どうせだから待ってみてもいいかもしれないわね。どうせ今日一日は合流しないでしょうし]

K[じゃあもう一人が来るまで待つ感じ?]

鈴[んー、じゃあそうしよっかな]

K[それなら鈴谷の場面はここで切って・・・、次は誰にする?]

足[青葉か摩耶を見てみたいわね(オオトリはもらったわ)]

青[あとから行動したほうが面白そうですし、摩耶さんから先にお願いします]

摩[んじゃ、先にいかせてもらうぜ]

K(警察署ってことは・・・ソウの探索者を登場させられるね)




お気づきかもしれませんが、高速艦のほうの提督とこっちの提督は知り合い設定です。
特に(意味は)ないです。


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