東方心闇録 (ゆっくり祐一)
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~序章~

初めまして! youtubeにてゆっくり実況を投稿しているゆっくり祐一です。

この物語はyoutubeに投稿している「ゆっくり茶番劇 東方心闇録」の小説版と言ったような感じです。ただ、こっちとyoutubeの方では主人公が違います。それと、物語が少しだけ違います。

それと、あんまり文章力が上手くないので温かい目で見守ってください。とりあえずゆっくり投稿していくつもりです

じゃあ本編スタートです!



「・・・はぁ」

そんなため息をつきながら、俺は寝そべっていた体を起こした。

季節は夏。世間は夏休みでたくさんの高校生たちが街中を歩いている。そんな中、俺こと神崎祐真は大学の屋上にて睡眠をとっていた。

 

「まったく・・・こっちは帰って来たばっかだってのに連れまわして・・・」

「それは一体誰の事を言ってるのかな?」

「・・・なんでここにいる?」

 

愚痴をこぼしていると背後から聞きなれた声が聞こえた。そこには知り合いの宇佐見蓮子とマエリベリー・ハーン(呼びにくいからメリーと呼んでる)が立っていた。

 

「いや、今日もサークルの活動をするから連行しに来ただけ。あんたのいる場所なんてわかりやすいから」

「・・・拒否権は?」

「ない!」

「デスヨネー」

「・・・ごめんね祐真君。戻って来たばかりなのに蓮子から連れまわされて」

 

メリーは申し訳なさそうに俺に言ってくる。

 

「・・・もう慣れたよ。はぁ、今回は大変だったってのに」

「今回はどこに行ってきたのさ? 異世界旅行」

「異世界旅行・・・あながち間違ってもないな」

 

異世界旅行・・・まあ文字通り俺は異世界に行ってました。俺の持つ能力で。ちなみにいうと、俺以外のこの二人も能力を保持してる。なんだっけ?

 

「それで、今回はどこに行ってたのよ?」

「某有名RPGの世界ですが何か?」

「そこで何をしてきたのよ・・・」

「職業を極めて魔王ぶっ殺してきた」

「「はぁ!?」」

 

魔王をぶっ殺してきたという言葉に二人はかなり驚いていた。

 

「いや、一回やってみたかったんだよね。おかげでそっちの世界の勇者一行の仲間になれたし」

「そっちの世界の勇者たちは開いた口が塞がらなかったでしょうね・・・余りの規格外さに」

「・・・そうね・・・」

 

二人はそんな風につぶやいて呆れ顔になっていた。いや、魔王倒すって男の夢だから。

 

「それで、今回はどこに連れてくんだよ」

「あっ、そうだったわね。すっかり忘れてたわ」

「忘れるなよ・・・」

 

本来の目的を忘れていた蓮子は大きく咳払いをすると、

 

「今回は近くの廃神社を調べるつもりよ。確か・・・博麗神社だったっけ?」

「・・・ああ、あそこの神社? 何か気になることでもあるのか?」

「何か面白そうな予感がするから」

「・・・って蓮子が言ってるの」

「はぁ・・・まあ事情は分かった。どうせ蓮子は意地でも連れてくだろうし行くよ」

 

以前、俺は忙しいから行けないと言った時に、俺の首元を無理やりつかんで連れていかれた。あの時は窒息死仕掛けたんだよな。三途の川が見えたし。

 

「あれ? 確か蓮子、お前今日教授から呼ばれてたんじゃなかったっけ?」

「・・・あー! そうだったー!」

「そういえばそうだったね。蓮子、今日は無理ね」

「むー・・・」

 

蓮子は唸り声をあげると、なぜか俺の方を見てきた。なんだろう、嫌な予感がするのは気のせいだろうか?

その後、俺の予感は見事的中して一人で博麗神社に行くことになった。

 

 




次回から主人公は幻想入りします
次回もゆっくりしていってね!


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第1章 ~幻想入りと出会い~
第1話 幻想入り~楽園の素敵な巫女との出会い~


作「祐真君が幻想入りします。果たして祐真君を待ち受けるのは一体何なのか?」

では、本編スタートです!


「・・・・・・はぁ、ようやく着いた」

 

山道を歩く事10分近く、俺はようやく目的の場所である博麗神社に到着した。

 

「見た感じは・・・特に何か起こりそうな雰囲気はないな」

 

視界に広がっているのは、かなりの年月が経過して風化したのであろう色の剥げた鳥居と、所々が破損し今にも崩れそうな屋根に、柱は長年の雨風によって腐敗している本殿があった。

 

「調べてきてくれって言われたけども・・・一体どこを調べればいいんだよ」

 

もしこの場に彼女がいるのならば、怪しそうなところを調べればいいとでも言ってすぐに探索を始めるだろう。

 

「いつまでも鳥居の前にいるのもあれだし・・・さっさと調べてさっさと帰りますか」

 

重い腰を上げると、早速調査を開始することにした。手始めに、近くにあった鳥居をくまなく調べてみる。

 

「・・・ん? 微量だがなんかの力が混ざってるな・・・昔ここに結界とかでも張ってたのか?」

 

異世界での経験で、多少なりともそういう方面の知識が身に付いた。おかげで今こういう風に役立っている。

 

「まあ、これだけじゃ何とも言えないし、本殿の方に行ってみるか」

 

鳥居から手を放し、俺は鳥居の中をくぐり本殿を目指そうとしたその時だった。

 

「っ!?」

 

刹那、視界が一転した。先ほどまであったボロボロの神社はその姿がまるで嘘だったかのように、きれいになっていた。後ろを振り返ると、鳥居も元の色を取り戻していた。

 

「これは・・・一体何が?」

 

突如起きた出来事に驚きを隠せない俺。とりあえず、その場に立っているのも迷惑なような気がしたので、そのまま進んで賽銭箱の前に立った。

 

「何が起きたかわからないけど・・・とりあえず賽銭しておくか」

 

そういって、懐から財布を取り出して中身を見てみる。そこには、異世界の通貨の中に諭吉が5枚に樋口が3枚、野口が4枚あった。小銭? 異世界の小銭しかありません。

 

「異世界の通貨なんか使ってもあれだし・・・腹を括って野口を捧げるか」

 

財布の中から野口を一枚取り出すと、賽銭箱の中に入れて鈴を鳴らして簡単に参拝する。すると、

 

「今参拝した音が!」

 

そんな声が聞こえたかと思うと、神社の奥の方から物凄い速さで巫女服姿の女の子が飛んできた。あれ?巫女服ってあんなに脇出してたっけ?

 

「アンタが参拝者? いくら入れたの?」

「え? いや・・・小銭がなかったから千円だけど?」

「ありがとうございます!」

 

ええ?!なんか感謝されたんだけどどういうこと!? 内心そんなことを思ってると、

 

「お賽銭を入れてくれたんだし、上がっていきなさい。お茶ぐらいしか出せないけど・・・」

「・・・じゃあ、お邪魔します」

 

女の子はそういうと俺を神社の中へと招き入れた。内装はしっかりしているな。ちゃんと掃除もされてるようだし。そんな風に考えてると、いつの間にか居間に来ていたようだった。

 

「はい、どうぞ」

「・・・これはご丁寧にどうも」ズズー

 

入れられたお茶を受け取ると一口飲んでテーブルの上に湯呑を置いた。すると女の子が、

 

「アンタ、その恰好からするなり外来人ね」

「・・・外来人? と言うか、ここどこなんだ? さっきまで廃神社だったのに、いきなり変わって・・・正直頭がついていけてないんだよ」

「ここはね・・・幻想郷っていう忘れられた者たちが来る場所よ。アンタがいう廃神社っていうのはここで合ってるわ。幻想郷には博麗大結界って言って外の世界と隔絶する結界があるのよ。それでたまに外の世界から結界に干渉して流れてくる人間のことを外来人っていうの」

「なるほど、だから俺は外来人ってことね。ちなみに、こっちに来た外来人は帰れるのか?」

 

そういっておれは女の子に聞いてみると、

 

「帰ることはできるわ。ただ、その外来人が能力を持ってた場合は帰ることができないのよ」

「・・・え? マジで?」

「マジよ。その反応からすると、何ならかの能力持ちね」

 

そうなると、俺はもうあっちには戻れないということか。今頃蓮子とメリーが神社について俺の事でも探してるのだろうな。

 

「別にそこまで気に病む必要はないわよ。こっちの生活も楽しいわよ」

「・・・そうか」

「そういえば、まだ名前を名乗ってなかったわね。私は博麗霊夢よ」

「俺は・・・神崎祐真だ」

「祐真ね。それよりも祐真、これからどうするの?」

 

確かに、もう元の世界に戻れない以上、こっちで生活をしないといけない。ただ、俺はこっちに自分の住居がないからしばらくは野宿をする必要があるかもな。

 

「あー、野宿はやめておいた方がいいわよ? 幻想郷には妖怪がいるから、食べられるわよ?」

「・・・なぜ俺が考えてることが!? と言うか、妖怪が出るのかよ」

「勘よ。妖怪が出るから野宿はお勧めしないわよ」

「じゃあどうすれば・・・」

 

そんな風に困りかけてるところに霊夢が、

 

「祐真はお賽銭を入れてくれたわけだし、しばらくは家に泊まっていいわよ?」

「・・・いいのか?」

「お賽銭を入れてそのまま野ざらしにしたら後味悪いし。ここに来た外来人は泊めてるわよ」

「じゃあ、お言葉に甘えて」

 

こうして、俺はしばらくの間霊夢の家に居候をすることになったのだった。

そして夕方。

 

「じゃあ、ご飯を作るから待ってなさい」

「あー、霊夢? 俺が作っていいか? 泊めてもらうわけだし」

「・・・祐真って料理できるの?」

「失礼な。そこら辺の料理人を泣かすくらいの腕は持ってるぞ」

「じゃあ、お願いしてもいいかしら?」

「わかった」

 

そういって、俺は調理場へと向かった。そこにあった食材はかなり少なく山菜類が殆どだった。それを見ただけで博麗神社の貧乏さが分かってしまう面でもあった。

 

「まあ、そんなこと考えても仕方ないし・・・ある食材で頑張りますか」

 

愚痴りたくなる気持ちを抑えて、近くにあった包丁などを使って料理を開始したのだった。

 




作「幻想入りを果たした祐真君、次回はあの子が神社にやってきます」

次回「普通の魔法使いと弾幕ごっこ」

誤字、脱字等がありましたら報告してください。

次回もゆっくりしていってね!


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第2話 普通の魔法使いと弾幕ごっこ

作「今回は祐真君初の弾幕ごっこに挑戦します」

それでは本編スタート!


神社に居候することになった日の翌日。

 

「・・・ん、朝か」

 

小鳥の鳴き声で目が覚めた俺は、とりあえず居間の方に向かった。

 

「あら、祐真おはよう。意外と早いのね」

 

そこには既に博麗霊夢がいた。テーブルの方を見てみると、朝食が置かれていた。

 

「ちょうどアンタを起こしに行こうと思ってたのよ。まだ寝てたらたたき起こすつもりだったんだけども」

「・・・やめてくれ。ただでさえ疲れてた体にさらなる追い打ちをかけるようなことはしないでくれ」

「疲れてたって・・・アンタ外の世界で何してたのよ?」

「いや・・・能力使って異世界を巡ってたんだよ。で、昨日帰ってきたら幻想郷に来たんだよ」

 

その言葉を聞いた霊夢は呆れた表情になっていた。何でこの話をするとみんな呆れた顔するんだよ・・・

 

「・・・まあ、取り敢えずご飯が冷めるから早く食べるわよ」

「・・・ああ」

 

霊夢が話題を変えたことで、この話は終了して朝食を摂り始めた。朝食を摂りながら俺は、霊夢にいくつか質問をしてみた。

 

「なあ、幻想郷で住むにあたって何か必要なことはあるのか?」

「必要なこと? そうね・・・弾幕ごっこができることと、能力持ってるんだったら空を飛べたほうがいいわね」

「空は飛べた方がいいはなんとなくわかるとして・・・弾幕ごっこって何?」

「まあ、その辺はご飯を食べてから説明するわ」

 

そういうと、霊夢は黙々と朝食を食べていた。俺は早めに朝食を済ませると、先に調理場で食器の洗い物をやっていた。後から霊夢がやってきてついでに俺が洗うことになった。

 

「それで、弾幕ごっこって一体なんだ?」

 

朝食後、軽く境内の掃除等を済ませた後に、縁側でお茶をすすっている霊夢に俺はそう聞いた。

 

「そうね・・・説明するのも面倒だし、実際に見てもらった方が早いのよね」

「まあ、そのほうが分かりやすいな。でも、相手はどうするんだ?」

「・・・そろそろ来る頃ね」

「? 誰が来るんだ?」

「おーい霊夢! 暇だから遊びに来たぜー」

 

誰が来るのかわからずにそんな声を出したとき、背後から声が聞こえた。後ろを振り返ってみると、そこには白黒のいかにも魔法使いっていう格好をした金髪の女の子が立っていた。

 

「ああ魔理沙。ちょうどいいところに来たわね」

「・・・霊夢がそういう時はなんか嫌な予感がするんだよな。と言うか、こっちにいる外来人は誰なんだぜ?」

「能力持ちで幻想郷で暮らすことになった外来人よ」

「そうか! 私は霧雨魔理沙、普通の魔法使いなんだぜ!」

「・・・ああ、俺は神崎祐真だ。普通の魔法使い?」

 

彼女・・・魔理沙が最後に行った言葉になんか引っかかった。そんな風に考えるしぐさをしていると、

 

「ああ、まだ祐真には話してなかったわね。この幻想郷には妖怪以外にこんな魔法使いや亡霊、神や仙人なんかもいるのよ」

「何でもありだな、この世界は」

「それで霊夢、私に何か用でもあったのか?」

 

そういって魔理沙が話題を戻してくれた。それに霊夢はお茶をすすった後に、

 

「ええ、ちょっと祐真に弾幕ごっこを見せようかと思って、相手をしてくれないかしら?」

「おっ、それなら別にいいんだぜ! 今日こそは絶対に勝ってやるぜ!」

 

二人はそういうと、空へ飛んで行った。と言っても俺が視界で確認できる範囲でだが。上空では二人が何やら話し込んでいる。話し合いが終わったかと思うと、

 

「先手必勝! 【彗星】ブレイジングスター!」

 

魔理沙がそういうと、魔理沙の周りに弾幕が展開されてそれが霊夢に向かって攻撃を開始した。

 

「甘いわね、【夢符】封魔陣!」

 

霊夢も負けじと針状の弾幕で応戦する。戦況から言えば霊夢の方が優勢だった。

 

「くっ! やっぱり霊夢は強いな」

「当り前よ、伊達に博麗の巫女はやってないわよ」

「次の一撃で決めるぜ! 【恋符】マスタースパーク!」

 

魔理沙はそういった直後、極太レーザーが霊夢を襲う。しかし、霊夢はそれを見事にかわして、

 

「これでチェックメイトよ。【霊符】夢想封印」

「しまった!? うわあぁぁ!!」ピチューン!

 

背後を取られた魔理沙は霊夢の弾幕を受けてやられていた。なるほど、弾幕ごっこっていうのはあんなものなのか。

 

「どう? これが弾幕ごっこよ」

「ああ、なんとなく理解はした」

「そう。じゃあはいこれ」

 

霊夢はそういうと、俺に白紙のカードを数枚渡してきた。

 

「これは?」

「それはスペルカードの元よ。弾幕ごっこではスペルカードを使うのよ。とりあえず、スペルカードを作ったら魔理沙と戦ったら?」

「そういえば、魔理沙は大丈夫だったのか? 至近距離で攻撃されてなんか大きな音たてて落ちたぞ?」

「ああ、大丈夫よ。スペルカードルールは非殺傷だから死ぬことはまずないわ」

 

まずないっていうことは、もしかしたら死ぬかもしれないということだろうか?

 

「そういえば、さっき簡単に空を飛んでたけど・・・どうすれば空を飛べるんだ?」

「・・・空を飛んでるイメージをすれば飛べるんじゃない?」

「適当な発言だな・・・」

 

まあ、取り敢えずイメージしてみるか。空を飛んでる・・・空を飛んでる・・・

 

フワッ

 

不意に、体が地面から離れていつの間にか空中に浮かんでいた。

 

「まさかそんな簡単にできるとは思わなかったわ・・・」

 

空中に浮かんでいる姿を見た霊夢はそんな風に言葉を出していた。

 

「なるほど・・・ルーラの応用みたいな感じだな」

「ルーラ?」

「ああ、さっき話した異世界での移動魔法みたいなものだよ。まあ、ルーラの場合は一回いった事のある町や村に瞬時に行けるっていう魔法だけど」

「驚いた・・・祐真、魔力が使えるのね」

「まあ、その世界で魔法使い極めたし・・・使えるのは当然っちゃ当然かな」

 

霊夢とそんなことを会話していると、

 

「祐真、お前魔力があるって?!」

 

いつの間にか魔理沙が空中に再び上ってきていた。なんか目を輝かせているのは気のせいか?

 

「なら、すぐに弾幕ごっこできそうだな!」

「・・・はぁ!? ちょ、待てよ!」

「そうよ魔理沙、まだ祐真はスペルカード1枚も作ってないのよ? せめて1枚作ってから弾幕ごっこはしなさい」

「そうか! じゃあ祐真、早く作ってくれなんだぜ!」

 

そうは言われてもな・・・スペルカードなんてどうやって作ればいいんだよ。そんな風に考えながら白紙のカードを見てると、

 

「念じればスペルカードはできるわよ」

「・・・そんなものかよ」

 

霊夢からそういわれたが、一体どんなスペルを作ろうか・・・すると、ある考えが浮かび上がった。これならいけるかもしれない。早速念じてみると、案外簡単にスペルカードが出来上がった。

 

「よし、魔理沙で来たぜ?」

「おっ、完成したか! じゃあさっそく始めるんだぜ! スペルカードは祐真は1枚しか持ってないから1枚でやるぜ」

 

そういうと、魔理沙は懐から何やら道具を取り出した。

 

「先手必勝! 祐真はこれを防げるか? 【恋符】マスタースパーク!」

「いきなりかよ!?」

 

魔理沙の手に持たれた道具から先ほどの極太レーザー・・・基マスタースパークが放たれた。うーん、どうしようか。

 

「取り敢えず、避けるか」

 

マスパが眼前まで来たとき、俺はそれを右に素早く動いた。すると、案外簡単に回避することができた。

 

「なっ!? 私のマスパを回避した?!」

「・・・ふぅ、武闘家の職を極めておいてよかった。これがなければ直撃してたかもな」

「へぇ・・・魔理沙のマスパを回避するなんて、すごい反射神経ね」

 

魔理沙は驚いている一方で、霊夢は何やら感心していた。じゃあ、そろそろ終わしますか。

 

「じゃ、行くぞ・・・【爆閃・魔の4】イオグランテ!」

 

刹那、魔理沙を中心に大爆発が起こった。

 

「はぁ!? ちょ、何なんだぜこれ!?」ピチューン!

 

魔理沙は爆発に巻き込まれて地面に落ちてしまった。

 

「ちょっと祐真、あれ大丈夫なの?」

「・・・加減はしたつもり」

「・・・はぁ、まあいいわ。それよりも、初めて弾幕ごっこをしてみた感想は?」

「意外と面白い」

「そう。じゃあ、そろそろ降りて魔理沙を起こさないと」

「そうだな」

 

その後魔理沙が目を覚ましたのは2時間後だった。




作「さてさて、今回使用した魔法(呪文)はイオグランテです。イオグランテはイオ系統の最強の魔法です。イオ→イオラ→イオナズン→イオグランテという順番です」

作「祐真君が幻想郷に入る前に行っていた異世界はドラクエの世界でした。今後もこう言った感じに魔法はちょくちょく出てきます。さて次回は、初めての弾幕ごっこから数日たった後のお話です」

次回「八雲紫の強制排除(前編)」の予定です。

誤字脱字等があれば報告お願いします。

次回もゆっくりしていってね!


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第3話 八雲紫の強制排除(前編)

作「ゆっくり茶番劇の序章部分まで行くのに何話かかるんだろうなー」

祐「それは作者次第だろ」

作「まあ大まかな人物を超適当に流せばすぐにでも始められるよ?」

祐「それはやめろ」

それでは本編スタート!


魔理沙との初弾幕ごっこを勝利で納めてから数日経過した。その数日間は特に大事になるような出来事はなかったものの、二回ほど魔理沙が俺に弾幕ごっこを挑んできたりしたな・・・まあその二つとも俺が勝利したわけなのだが。その時に霊夢から、

 

『アンタ、そのスペルカードだけじゃなくてもっと作っておいた方がいいわよ? スペルカードは多いに越したことはないし』

 

そういわれて、魔理沙が来ない日はスペルカードを作っていた。後は・・・人里に連れていかれて買い物の荷物持ちをさせられたり。

 

「ふぅ・・・とりあえずこんな感じかな?」

 

今現在、俺は境内の掃除をやっていた。霊夢に押し付けられたのだ。

 

『居候するわけだからそれなりに手伝ってもらわないとね』

 

その霊夢は今縁側でお茶を飲んでいた。ただ自分が休みたいための口実だったのでは?とか今更考えてしまう。

 

「霊夢ー、掃除終わったぞ」

「あら、ご苦労様」

 

縁側で霊夢に報告し終えると、近くに座ってお茶を貰った。

 

「ふぅ・・・一仕事終えた後に飲むお茶は格別だなー」

「何年寄り臭いこと言ってるのよ・・・」

「そういいたい気分なんだ。それよりも、聞きたいことがあるんだよ」

「? 何よ?」

「いや、霊夢とか魔理沙ってどんな能力持ってるのかって」

 

幻想郷で霊夢や魔理沙と出会って一週間近くは経つが、能力に関することを全く聞いてないような気がしなかった。それに自分の能力だっていまいちよく分かってないし、この際だから聞いてみるか。

 

「・・・あー、そういえば言ってなかったわね。私は空を飛ぶ程度の能力よ。んでもって魔理沙は魔法を使う程度の能力よ」

「へぇー、魔理沙はなんとなくわかるとして、霊夢は空を飛ぶ程度なんだな」

「これでも便利なのよ」

「・・・ちなみに俺の能力ってどんな感じなの? 異世界を巡れるのはわかるんだけど」

「そうね・・・」

 

そういうと、霊夢は俺を凝視し始めた。俺はその視線に耐えかねて死線を横にずらしていた。

 

「・・・! へぇ・・・」

「何かわかったのか?」

 

突如霊夢がそんな声を出したので俺はそう聞いてみた。あの反応からして何か凄い能力だったのだろうか?

 

「結論を言うわ。祐真の能力は二つある」

「二つ? 二つも能力があるのか?」

「ええ、結構珍しいケースよ。普通は一人につき能力が一つなんだけど」

「それで、一体どんな能力なんだ?」

「一つは、祐真が言った通りの”ありとあらゆる世界を巡る程度の能力”そしてもう一つは・・・」

「もう一つは?」

「・・・”記憶し再現する程度の能力”よ」

「・・・チートじゃね?」

 

記憶し再現するって、記憶さえしてればそれを再現することが可能ってことじゃんか。

 

「正直、二つともチートに近い能力よ。そんなの二つも持ってたら、間違いなくあいつに目をつけられるわ・・・」

「あいつ? それってもしかしてさ・・・そこにいるやつか?」

「え? どこにいるのよ?」

 

霊夢はあたりを見渡すが見えていないようなしぐさをしていた。どうやら本当に気付いて内容だった。

 

「・・・・・・」

 

俺は考え込むと、懐にあるご都合主義の無限道具袋からあるアイテムを取り出した。

 

「何・・・それ?」

「・・・どくばりだ。あっちの世界の武器。6本くらいあれば十分かな」

 

そういうと、気配のあった場所に向かってそれを思いっきり投げつける。その瞬間、そこにあった何かが動いた。

 

「全く、いきなり攻撃するのはどうかと思いますわよ?」

 

その場にあった風景がパックリと割れ、中から一人の女性が姿を現した。その女性の左肩には先ほど投げた毒針が二本刺さっていた。

 

「黙れ。さっきからコソコソ見てやがって。俺はそういうことをされるのは嫌いなんだよ」

「あら? それは失礼しましたわ。私としては幻想郷にやってた外来人がこの幻想郷にとって危険を及ぼす存在かを確認してたのですわ」

「だったら堂々と来ればいいだろ? コソコソとストーカーみたいに付きまとわれる身にもなれってんだよ。霊夢、この胡散臭そうなやつは誰なんだ?」

「・・・はぁ、こんなタイミングよく来るとは思わなかったわ・・・こいつは八雲紫、幻想郷を作ったスキマBB「霊夢、何か言ったかしら?」妖怪よ」

 

何か言いかけた霊夢にそいつ。八雲紫は黒い笑みを浮かべてそれを阻止した。

 

「それで? そんな妖怪が俺に何の用だ?」

「用、ね・・・そうね・・・用件は――――

 

―――神崎祐真、あなたを幻想郷に害を及ぼしかねない存在として殺しに来たのよ」

 

「っ!?」

 

八雲紫から放たれた殺気を受けた俺は、一瞬ひるんでしまった。実力としては、中ボス以上ラスボス並みの力を持っていることは容易に理解できた。

 

「ちょっ、紫! 祐真は何もしてないでしょ!? 何で殺すのよ!

「霊夢、あなただってわかってるはずよ。神崎祐真の二つの能力は危険なことぐらい」

「だからって、何もしてないやつを殺すのはどうかと思うわ!」

「聞き分けのないことを・・・仕方ない、多少荒っぽいことになるけどこうするしかないわね」

 

そういうと、八雲紫は手をあげた。すると、先ほどと同じ空間の中から別の女性がやってきた。

 

「ぐっ!?」

 

瞬間、俺はものすごい勢いで地面にたたきつけられた。目だけ上をあげてみると、そこには先ほど出てきた女性が俺の頭をつかんで地面にたたきつけていた。

 

「紫様、お怪我は?」

「針みたいなのが刺さったけど、特に問題はないわ。それよりも藍、その子の処分お願いできる?」

「はい、わかり「・・・嘗めんなよ?」っ!?」

                  

物凄い力でたたきつけられたが、所詮は”その程度”の力でしかなかった。八雲紫よりもこっちの方はただの中ボス並みだ。ならこんなの余裕で振り切れる。

 

「こんなの、今までの奴に比べたらまだましだ」

「くっ! 大人しくしろ!」

 

再び攻撃を繰り出そうとする藍と呼ばれた女性。しかし、攻撃には多少の隙があった。

 

「甘い、【火球・魔の4】メラガイア―!」

「なっ!?」

 

藍が攻撃をした直後、俺はスペルカードを発動した。彼女は視界に現れた巨大な火の玉に驚きを隠せないでいた。その炎はそのまま藍を包んでいった。悲鳴が上がるがそんなのは気にしない。殺されかけたから逆にやり返した、正当防衛だ。

 

「藍! くっ! やっぱりあなたは危険な因子だわ」

「危険? はっ、そっちが殺しに来たんだろが。俺は自分の身を守った。正当防衛が成立するだろ? それに安心しな。別に死んでなんかない」

 

火球が当たった場所を指す。そこにはところどころから煙が出てその場に立ち尽くす藍の姿があった。

 

「・・・いいわ、私が直々に殺してあげるわ」

「殺せるものなら殺してみな」

「ちょっ! 紫やめなさい! 祐真も挑発に乗らないの!」

 

霊夢はそういって俺ら二人の仲裁をしようと試みる。だが俺もあいつも仲裁を聞く耳を持っていない。

 

「売られた喧嘩は買わないとな。後悔しても知らないぞ? 八雲紫」

「人間如きに私の相手が務まるとでも? いいわ。幻想郷のルールには外れる形になるけども、弾幕ごっこじゃない殺し合いをしましょうか?」

「上等だ、こっちは今まで命を懸けた戦いをしてきたんだ」

「でもまずは、外野がうるさいから聞こえないようにしましょうね」

 

そういうと、八雲紫は俺らの周囲に巨大な結界を展開した。すると、外にいる霊夢の声が全くと言っていいほどに聞こえなかった。

 

「周囲の音は消したわ。それと、周りから内側は見えないようにしたし。ここなら暴れても外に干渉することはないわ」

「なんで、そこまでする?」

「・・・霊夢にあなたの無残な姿を見せないためよ。見せたらあの子が壊れるもの」

「なんだ、そんな理由か」

「そう、最後に言い残すことはそれでいいのね?」

「何を言ってる、俺は死なない。逆にお前を倒す!」

 

そういって、俺は道具袋から武器を取り出した。それは、異世界で大変お世話になった伝説の剣。

 

「「さあ、はじめよう(ましょう)。殺し合いを!」」

 

俺の生死をかけた戦いが幕を開けたのだった。

 




作「今回使った呪文メラガイアーはメラ系統最強の呪文です。順番はメラ→メラミ→メラゾーマ→メラガイアーの順です。ちなみにどくばりはその名の通りの武器です」

祐「無限道具袋はドラクエの中の「ふくろ」でお馴染みのあれです。伝説の剣については次回の方で」

作「そういえば今回藍の扱いがひどかったですね・・・物語の上で仕方なかったことです」

次回「八雲紫の強制排除(後編)」

誤字脱字等がありましたら報告お願いします。

次回もゆっくりしていってね!


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第4話 八雲紫の強制排除(後編)

作「スペルカードルールから外れた殺し合いって書いたけど、スペルカードなくしたら一体どうやって書けばいいんだろう?」

祐「まあ、スペルカードなくしたら書きずらいな」

作「・・・いっそのことスペルカードを使うけど弾幕の威力は殺傷力有りの方向性で行きますかね」

祐「それでいいと思うぞ」

と言うことで、本編スタートです!



「さて、どうしたものか・・・」

 

右手に握る剣・・・かつて俺の使っていた「王者の剣」を強く握りしめながら八雲紫と対峙してた。実力をRPG表記で示すなら中ボス以上ラズボス並みだ。正面から攻撃に行ってもまともにダメージを与えられないだろう・・・

 

「あら、来ないのかしら? さっきはあんなに大見得を張っていたのに」

「こっちにも色々あるんだよ」

「そう、なら先にこっちから行かせてもらうわ! 【廃線】ぶらり廃駅下車の旅!」

「っ!?」

 

すると、紫の背後から使われてないであろう電車が現れ、俺に向かって直進してきた。あんなのまともに食らったら死ねる自身があるな・・・それが常人ならな。

 

「【剣技】真空斬り!」

 

迫りくる電車に向かって剣を振り下ろした。すると、向かってくる電車は見事に真っ二つになった。

 

「へぇ・・・電車を真っ二つにね」

「これぐらいならまだ楽だ」

「じゃあ、これはどうかしら?」スッ!

「っ、面倒だなその奇妙な裂け目」

 

紫はその裂け目の中に姿を消した。だがこの空間のどこかに潜んでいるのはわかる。本当に面倒だ。

 

「ちっ、どこに行った」

「後ろよ」

「っ!?」

 

背後を振り返ってみると、そこには至近距離で弾幕を放つ紫の姿があった。

 

~紫視点~

 

「まさか、電車を真っ二つにするとは思わなかったわ・・・」

 

スキマの中で私はそうつぶやいた。通常なら避けたりするのだが、彼こと神崎祐真は避けることもなく、ただ剣で真っ二つにして見せた。やはり、この人間は異常だ。幻想郷にとって危険人物である。

 

「でも、さすがにスキマに入ったら手出しすることはできないみたいね」

 

私を探す彼の姿を見てると面白いわね。でも、そろそろ死んでもらいましょうかね。

 

「ちっ、どこに行った」

「後ろよ」

「っ!?」

 

背後を振り向いた彼は私が至近距離で展開した弾幕を見て驚いているようだった。

 

「ふふっ、これでチェックメイトよ」

「それは、どうかな?」

「っ!? カハッ!?」

 

瞬間、腹部に衝撃が走った。下を見るとそこには彼の姿があった。

 

~祐真視点~

 

「あっぶね・・・ピリオムがなかったら結構深手のダメージを受けてたかもな」

 

紫は俺が目の前で攻撃をしたことに驚きを隠せていなかった。

 

「な、何で・・・あの弾幕をどうやって・・・」

「攻撃の直前に、瞬足呪文を使わせてもらった。後は向かってくる弾幕をゴリ押しで消した。ちなみにお前に使った攻撃はせいけん突きだ」

 

突いた拳をそのまま押してやると、紫はものすごい速さで後方に吹き飛ばされた。

 

「【氷結・魔の5】マヒャデドス!」

 

追い打ちをかけるように吹き飛ばした方に向けて呪文を放つ。瞬間、紫を中心に巨大な氷の塊が覆ってくだけた。

 

「さて、じゃあそろそろとどめと行きますかね。【火炎・魔の4】ギラ「そこ!」―――っ!?」

 

スペルカードを唱えようとした瞬間、紫の声とともにそれはさえぎられた。再びスペルを唱えようとカードを取り出す。

 

「――――――っ!?(声が出ない!?)」

 

どんなに大きな声を出そうとしても、俺の口から声を発することはなかった。何が起こったのかわからない俺に紫は、

 

「・・・どうやら当たりだったみたいね。あなたのその呪文は、声・・・基音を発することによって使える代物ね。だったら簡単よ。私の”境界を操る程度の能力”であなたの声の境界を弄らせてもらったわ」

「!?(境界を操るだって?! そっちの方がチートじゃねぇかよ)」

 

しかし、声が使えないか・・・これじゃあ呪文が使えないな。

 

「っ!」

「ふっ、無様ね・・・声がなければあなたの攻撃手段はただの弾幕か、その剣での攻撃しかできない」

 

紫は弾幕を放ちながら俺に詰め寄る。防戦一方なのは目にめてわかる。

 

「――!(なら、これならどうだ!)」

 

剣を強く握りしめて十字になるようにふるった。

 

「何をしようと無駄・・・!?」

 

紫の余裕の表情が一気に崩れ去った。なぜなら、十字に振るった剣の攻撃が大爆発を起こしたからだ。

 

「―――」

「・・・グランドクロス。要は呪文だけが封じられたんだ、だったら魔力を必要としない攻撃や祈り系統の攻撃ならまだ勝機は十分にある・・・なるほどね」

 

声が出ないので口パクでそれを表現したら、意外と通じたようだった。紫の表情はいまだに驚きの表情にとらわれていた。

 

「――!(【剣舞】剣の舞!)」

「っ!? 本当に厄介ね! あなたの攻撃は!」

 

だが、やはり呪文がない分攻撃がいくらか劣る。大技を使うにも限界がある。かといって接近戦に持ち込んでも逆に返り討ちにされるのがおちだ・・・

 

「(せめて、声が使えればな・・・うん?)」

 

ふと、ある言葉が脳裏をよぎった。

 

『一つは、祐真が言った通りの”ありとあらゆる世界を巡る程度の能力”そしてもう一つは・・・』

『もう一つは?』

『・・・”記憶し再現する程度の能力”よ』

『・・・チートじゃね?』

「(これだ!)」

 

記憶し再現する程度の能力、簡単に言えば記憶したものをほぼなんでも再現可能と言うことだろ?だったら・・・

 

「(あの能力を再現するだけ!)」

「動かないということは、死ぬ覚悟ができたのかしら?」

 

俺の考えていることをわかっていない紫はそういって俺に弾幕を放出する。密度が濃いな・・・着弾する前に能力を使わないと!

 

~紫視点~

 

「呪文を封じてもここまで強いとは・・・これは本気で行かないと」

 

境界の能力を使っても彼の攻撃は先ほどまでと大差ない攻撃だった。これはもう短期決戦しないと私が負ける可能性があるかも・・・

 

「―――」

「動かないということは、死ぬ覚悟ができたのかしら?」

 

何やら考えている様子の彼はその場から動くことがなかった。ようやく決心して殺されてくれるのか。そう思い私は弾幕を展開する。なるべく彼が苦しまないように一瞬で死ねる威力の弾幕を。

 

ドオォォォンン!!!

 

そんな音共に、彼のいたところで轟音が響き土煙が舞った。

 

「ふっ、これで終わりね。あー、霊夢になんて言おうかしら?」

 

既に死んだ人間に私は興味を示す必要性がなかったために土煙に背中を向けるようにしていた。ただ、それが間違いだった。

 

「おいおい、まさかあれで俺を殺せたと思ってるんじゃないだろうな?」

「っ!?」

 

まさか、あり得ない。だって、あの弾幕をまともに受けて立ってられるというの!? それに、何で声が出てるの?! 私の境界の力でも操れなかったの!? そんな思いを頭の中で巡らせながら振り返ってみると、そこには煙の中から出てくる神崎祐真の姿があった。

 

~祐真視点~

 

「ふぅ、無事に成功したみたいだな」

 

土煙の中から出た俺は軽く手を伸ばした。振り返っていた紫はやはり驚きの表情を作っていた。

 

「な、何で声が・・・」

「・・・これが俺の能力の一つ、記憶し再現する程度の能力の力だ。最も、この能力には弱点もあるが」

「・・・! まさかその能力で、私の能力を再現して声を戻したというの!?」

「正解、それに、弾幕はお前のあのよくわからん空間を使わせてもらったよ」

 

そういいながら俺は右手に魔力を集中させる。まずは、あいつの能力を一時的に使用不能にしてやるか

 

「八雲紫の能力の境界を一時的に消去!」

「しまっ!?」

 

これで紫は能力を一時的に使用できなくなった。そしてちょうどその頃、俺の右手に全魔力が渡った。

 

「じゃあ、これでチェックメイトだ! 【禁断呪文】マダンテ!」

「っ!?」

 

放たれた魔力は紫を中心に広がっていき、巨大な爆発を引き起こした。

 

「きゃああああぁぁぁぁぁぁ!?」

 

爆発に巻き込まれた紫はそんな声をあげながらその場に倒れた。そんな紫に俺は近づいていき、安否を確認する。

 

「・・・息はあるな。それにしてもこの魔法は加減しきれないから危険なんだよな。まあ、これ以外に言い倒し方なんか思いつかなかったし仕方ない」

 

これでも幻想郷を創り管理している妖怪を殺すのはちょっと問題になるだろう。だから加減はした。

 

「後は・・・この結界か」

 

結界の対処は簡単だ。握っている剣を結界に向けて投げつける。すると結界に亀裂が入り、それはすぐに崩れ去った。

 

「祐真!」

「・・・・・・ん?」

 

結界を出て真っ先に見えたのは、紫を心配する藍と呼ばれた女性と霊夢がこっちに向かって走ってくるところだった。

 

「ぐっ!?」

 

全魔力を放出した俺は、反動によってその場に膝をついてしまった。いや、多分膝をついてる時間も長くないだろう。

 

「・・・あー、ちょっと寝るわ」

 

走ってくる霊夢に向かって小さくそういうと、俺は糸の切れた人形のように神社の境内に倒れた。

 




作「やっぱり戦闘描写って難しいですね・・・」

祐「お前の文章力の問題でもあるだろ?」

作「そうなんだよね・・・」

祐「そういえば、今回は呪文特技の紹介はしないのか?」

作「あーうん、次回に延ばすつもりだよ。次回は設定紹介にするつもりだし」

次回「設定紹介、呪文特技説明回」

誤字脱字等があれば報告お願いします。

次回もゆっくりしていってね!


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閑話 主人公設定紹介・呪文特技説明回

作「今回は主人公の紹介をちょっとやっていきましょう」

祐「それと、呪文と特技の方も紹介しないといけないな」

じゃあ早速本編スタートです!


☆主人公 神崎祐真(20歳)

 

1能力 記憶し再現する程度の能力

   ありとあらゆる世界を巡る程度の能力

 

2補足(能力)

・ありとあらゆる世界を巡る程度の能力

 →文字通り数多の世界を巡る事の出来る能力。弾幕ごっこでの利用価値は不明。

 →これまで巡った世界。ドラクエ3,7,8,9,10・ダイの大冒険etc

・記憶し再現する程度の能力

 →目で見たものを瞬間的に構造を理解し記憶する。そして記憶しているものはほぼ再現可能。しかし、実際に目で見たものしか再現できない。例えば、魔導書を読んだとしても実際にそれを使ってみないと再現することができない。また、聴覚や嗅覚、触覚で記憶したことは再現できない。

 

3基本装備

・剣 (二刀流)常時バトルマスター風※1  

 

※1 剣術では妖夢より劣るが、剣を使う技では幻想郷1

 

4所持武器

・王者の剣 ・破壊の剣 ・稲妻の剣 ・はやぶさの剣・改×2

・メタルキングの剣 ・銀河の剣 ・疾風のレイピア etc

 

5宇佐見蓮子とメリーとの関係

・同じサークルに所属している。蓮子とは昔からの知り合いで無理やりサークルに入れられた為、正直サークルの活動をする気には起きない。(もしかしたら蓮子とメリーは今後出演するかも?)

 

6装備(防具編)

E不思議な帽子 ※2

E神秘の鎧 ※2

E祈りの指輪×10+星降る腕輪+豪傑の腕輪

 

※2 主人公以外には主人公が装備している装備を見ることはできない。主人公の意思表示で防具を見ることが可能。

 

7好きな食べ物、飲み物

・カレー、ラーメン、コーヒー

 

8嫌いな食べ物

・特になし

 

△スペルカード・呪文、特技について

 

【氷結・魔の5】マヒャデドス

 ヒャド系統最強の呪文。全体に大ダメージを与える呪文。ヒャド→ヒャダルコ→ヒャダイン→マヒャド→マヒャデドスの順である。

 

【爆閃・魔の4】イオグランテ 

 イオ系統最強の爆発呪文。イオ→イオラ→イオナズン→イオグランテの順である。

 

【火球・魔の4】メラガイア―

 メラ系統最強の呪文。単体に巨大な火球をぶつける。メラ→メラミ→メラゾーマ→メラガイアーの順である。

 

【瞬足呪文】ピリオム

 味方全体の素早さを上昇させる。この下にピオラと言う単体の素早さを上昇させる呪文がある

 

【火炎・魔の4】ギラグレイド

 ギラ系統最強の呪文。前回名前だけ出たものの仕様しなかった。周囲に炎を張り巡らせる。

 

【禁断呪文】マダンテ

 古の賢者が編み出した究極の呪文。自分の全魔力を消費して相手に大きなダメージを与える。

 

【剣技】真空斬り

 風の力を剣に宿して、相手に攻撃する特技。

 

【十字】グランドクロス

 祈りを込めて十字を切り、神の裁きを相手に与えて爆発させる攻撃(ドラクエ7攻略本参照)

 

【剣舞】剣の舞

 鮮やかな剣舞で相手を切りつける。原作はランダムに敵に4回攻撃するが、本作では攻撃は指定で不規則な動きで相手に攻撃する。

 

【武術】せいけん突き

 腰を深く落として、相手に照準を定めて一撃をお見舞いする。通常の拳よりいくらか強いダメージがある(ドラクエ7攻略本参照)

 

◇youtubeの東方心闇録との違い

 

1.本作では主人公が違う。

 

2.本作では主人公が幻想入りから始まるところから描かれている。それと、ゆっくり茶番劇の裏設定では魔理沙とは弾幕ごっこをしていない。

 

3.ゆっくり茶番劇の裏設定上で主人公は紫とフランを瞬殺したという表記をしているがこっちでは瞬殺はできず、結構苦戦して勝利する。←今後のネタバレ

 

〇神崎祐真の容姿

 

髪型 S〇Oのキリ〇君っぽい髪型

 

服装 Yシャツにネクタイ、その上に黒いロングコートを着用、革靴を履いてる。

画像はそのうち公開します(-_-)

 




作「まあ、設定はこんな感じかな?」

祐「チートじゃん」

作「ちなみに祐真君の職業は一応”賢者”と”勇者”の中間位」

祐「あいまいだな」

作「いや、ある時は賢者のようにふるまって、ある時は勇者のようにふるまってもらうから」

祐「メタいな」

作「ちなみに設定はちょくちょく更新していこうと思います」

次回「歓迎会」

誤字脱字等があれば報告お願いします。

次回もゆっくりしていってね!


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第5話 歓迎会

作「中々、構想が浮かばないな・・・」

祐「序章までの話を考えてなかったのかよ・・・」

作「序章までの話は大まかに作ってたんですよ。ただ、何分あっちと違ってこっちは文章だからね。難しいところがあるんだよ」

祐「まあ、仕方ないっちゃ仕方ない部分だな」

じゃあ、本編スタート!



「・・・うるせぇな」

 

周りが騒がしく自然と目が覚めてしまった。とりあえず上体を起こして、手に力を込める。

 

「体力・・・魔力は全部回復してるな。これなら大技放っても問題はないな」

 

魔力の回復を確認すると、俺は声がした方へと足を進めた。

 

「霊夢ー、なんか騒がしいけど何が・・・・・・」

 

とりあえず声の聞こえた場所に到着した。どういうわけか騒ぎの元凶は居間にいるようだった。襖をあけてみると、目の前の光景に押し黙ってしまった。

 

「祐真、起きたのね」

「あ、ああ・・・なあ霊夢」

「何?」

「いや、これ何してるの?」

 

そこには、八雲紫と藍と呼ばれた女性が死んだ魚のような目つきで空を見上げていた。膝の上には何やらおもりのようなものが乗っていた。

 

「何って・・・ちょっとしたお仕置きよ。あの重りを乗せたままひたすら星座。ちなみに重さは1トンよ」

「軽く拷問だよな」

「別にいいのよ。これぐらいしないと」

 

そういいながら、霊夢はこちらをジト目で見てきた。

 

「で、私に何か言うことはないのかしら?」

「・・・・・・安い挑発に乗って心配をかけたようですみませんでした」

「・・・まあ、教えなかったこっちにも非はあるから、私もそんなに怒れないんだけども」

 

そんな風に互いが謝っていると、

 

「れ、霊夢・・・お願いだからこれをどかしてくれない?」

 

先ほどまでの死んだ魚の目とは打って変わり、目には涙を浮かべた紫が霊夢を見ていた。一方の霊夢は、

 

「うーん、反省の色は微妙に見えてるんだけどね・・・でもまだ3時間しか経過してないわよ? 5時間まであと少しの辛抱よ。それとも、足りないからもっと追加してほしいのかしら?」

「い、いえ・・・あ、あなたもなんとか言ってくれない?!」

 

そして今度は俺に照準が来たようだった。

 

「霊夢、拷問するんだったら爪と指の間に針を刺してけ。物凄く痛いらしいから。ほれ、畳針」

「こ、この・・・鬼! 悪魔! 少しくらい助けるそぶりを見せな「黙れ」っ!?」

 

紫が言葉を最後までいい終わる前に、俺は紫の近くに殺気丸出しで剣を突き刺した。

 

「それが、そっちの都合で殺されかけた人間に対して言う言葉か? 何でおれがお前を助けにゃいけないんだよ。手のひら返しもいいところだぜ?」

「・・・・・・・・・」

「逆にお前が俺の立場だったらどうする? お前だって俺と同じような選択肢を選ぶはずだぞ?」

 

突き刺した剣を引き抜くと、霊夢の方を向き直った。

 

「取り敢えず、説明してくれないか? 何でおれが殺されなければいけないのかを」

「え、ええ・・・わかったわ(この殺気・・・不用意に怒らせちゃいけないわね)」

 

それから俺は霊夢から事情を聴いた。なんでも俺の能力は使いようによっては幻想郷を壊滅、もしくは滅ぼしかねない驚異となるらしい。確かに、俺の二つの能力でそれは可能だろうな。”ありとあらゆる世界を巡る程度の能力”を使って異世界にわたり、そこで”記憶し再現する程度の能力”を展開した状態でこっちに戻ってくれば、世界を軽く滅ぼせるな。その世界が生物兵器などの科学に特化した世界だったら、確実に終わってたかもしれないな。

 

「確かに、そう聞くと俺の能力は影響を及ぼす確率が高いな」

「ええ、でも祐真はそんなことするつもりはないわよね?まあ、そんなことした場合は私が退治しないといけないんだけども」

「当り前だ。自分から進んでそんなことをするもんかよ。仮にもほかの世界で世界救ってきたんだ」

「ホント規格外よね・・・それよりも、聞いたわよね? こいつはそんなことしないって」

「・・・ええ。でも、もし何か不審な行動をしたときは・・・どうなるかわかるでしょうね?」

 

威圧を込めた視線でそういってくる紫に対して、

 

「1トンの重りを乗せながら睨んだところで何の怖さもないぞ? 安心しな、俺はそんなことをしない」

「・・・本当ね?」

「本当だ」

 

そういいながら霊夢から渡されたお茶を一口すする。

 

「・・・わかったわ。あなたを幻想郷の一員として迎えるわ」

「一員として迎えてくれるのはいいんだけどな・・・なんだろうな。なんか素直に喜べないな」

「まあ、あんなことがあればそう思うのも無理はないわね」

 

そんな会話をしながら、俺は幻想郷の一員として認められた・・・ようだ。正直実感がわかないな。まあ、前の異世界だってそんなものだったが。

 

「で、霊夢。ちゃんと反省してるからこの重りどかしてくれない?」

「却下」

 

ちゃっかり紫の奴が逃げようとしたが、霊夢はそれを却下して再び罰を執行している。

 

「それよりも、正式に認められたのなら歓迎会しないとね」

「いや、別にいいよ。お金ないだろ?」

「し、失礼ね・・・まあ、確かにお金がないからやりたくはないんだけど」

「じゃあやらなくてもいいよ。そこまでしてもらっちゃ悪いし」

「話は聞かせてもらったぜ!」

 

すると、どこから入って来たのか会話に魔理沙が混じってきた。

 

「ってか、いつの間に来てたんだよ」

「ついさっきだぜ。歓迎会するんだろ?」

「どうするか迷ってるのよね・・・今回のことで迷惑が掛かってるし」

 

悩んでいる二人を見ながら、俺はあることを思いついた。

 

「なあ霊夢、いいこと思いついたんだけどさ」

「ん? 一体何?」

「確かさー、紫の能力は境界を操る程度の能力だったよな?」

「そうだけど?」

「だったらさ、その歓迎会の準備等を全部そこの紫にやらせたらいいんじゃないか? その能力使ったらいくらでもできるだろ?」

「・・・確かに。紫、いいわね?」

「え? いや、私やりたくないんだけど」

「いいわよね?」

「い、いや・・・だから「い・い・わ・よ・ね?」・・・はい」

 

霊夢の威圧交じりの視線に耐えかねた紫はしぶしぶそれを了承していた。そして霊夢は紫たちの足に乗ってあった重りを撤去すると、

 

「じゃあ、お願いするわね」

「はぁ・・・わかったわ。藍、行くわよ」

「・・・はい、紫様」

 

そんな会話をすると、二人は奇妙な空間の中に入って消えていった。その光景を見ていた俺に魔理沙が、

 

「あれはスキマっていうんだぜ。あいつはスキマ妖怪っていう固有種の妖怪らしいのぜ」

「スキマ妖怪、ね・・・うーん、こうかな?」

 

そんなこと言いながら見よう見まねでやってみたら先ほどのスキマが現れた。

 

「は、はぁっ!? おまっ、何でスキマ使えるんだよ!?」

「いや、何でと言われてもね・・・能力使って再現しただけだから」

「やっぱりお前チート能力者だな」

 

そんな会話をしていると、霊夢がこっちに戻ってきた。

 

「霊夢、その手に握られてるのって酒か?」

「ええ、そうだけど何?」

「いや・・・お前ら飲んで大丈夫なの?」

「私らは前々から飲んでるのぜ。異変解決の時の宴会とかでよく飲んでるし」

 

この世界ほど常識が通用しない世界なんかあっただろうか。少なくとも見たためしがないな。そう思いながら霊夢たちが酒を酌み交わしているところを見ているのだった。

その後、紫たちがやってきて準備が終わったらしく、そのまま歓迎会をすることになった。なんか俺の知らない人たちがたくさんいた。まあ、いずれ接触する機会があるだろうと思いながらおつまみを作っていたのだった。

 




祐「なあ、歓迎会の内容は?」

作「そんなもは初めからなかったのだ」

祐「いや、歓迎会の話ほぼほぼ最後の最後じゃん! しかも会話もなければただの説明だけって!」

作「だって、内容が思いつかなかったし・・・正直ここの話は前半がメインだったし」

祐「だったら最初から歓迎会なんてタイトルつけんな!」

次回「紅魔館からの招待状」

誤字脱字等があれば報告お願いします。

次回もゆっくりしていってね!


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第6話 紅魔館からの招待状

久々の投稿です・・・実はインフルエンザを発症してしばらく投稿できませんでした。それと動画の方もあってこっちの編集が遅れてます。まあ、なるべく早めに投稿できるようにはします。

では、本編スタート!


俺が幻想郷に来て早くも二週間が経過した。その二週間はあまりにもハードスケジュールだった。

 

まず、歓迎会が終わった翌日は・・・酔いつぶれた妖怪やらが一室に群がっており、その光景を見た俺は見るに堪えられなくなり

 

「【自然災害】津波!」

 

思わずスペルカードを唱えてしまい、あたり一面に大量の海水をまき散らすことになり家主の霊夢に叱られてしまった。だが、この一撃がなければしばらくはあの状態が続いていただろう。だから俺は悪くない。

 

その二日後には、魔理沙がおすそ分けで持ってきたキノコ(猛毒)を食べて死にかけ、永遠亭と呼ばれる病院みたいな場所で治療された。その後魔理沙は霊夢にボコられたそうな。

 

その後は主に魔理沙が弾幕ごっこを申し出てきて、その申し出のすべてを俺が圧勝と言う結果で終わらせた。そして、

 

「次こそは絶対に勝つんだぜ! 首を洗って待ってろよ~!」

 

そんな捨て台詞を吐いて、魔理沙は自分の住んでいる場所(魔法の森と呼ばれる場所)に戻っていくのだった。

 

そして今日、いつまでも霊夢の家にお世話になるのもどうかと思ったので、どこか住める場所がないかと思い、人里に赴いていた。

 

「えーっと、上白沢さんのお宅は・・・っと」

 

人里の守護者と呼ばれる上白沢さんのお宅を探しているときだった。

 

「私に何か用か?」

 

「・・・あなたが上白沢さんですか」

 

俺の背後に買い物を終えたのであろう上白沢さんと思しき女性が立っていた。

 

「ああ、私が上白沢慧音だ。君は・・・つい最近やってきた外来人か?」

 

「まあ、そんなところです。ところで上白沢さん・・・」

 

「呼びやすいように慧音でいいぞ・・・確か、神崎祐真君。だったな」

 

「ええ、神崎祐真です。よろしく、慧音」

 

そんな感じで軽いあいさつを交わすと慧音が、

 

「ところで、私に何か用があったのか?」

 

「・・・ああ、実は・・・」

 

俺はこれまでの経緯を説明した。と言っても人里に空き家はあるか?と聞いただけなのだが・・・

 

「空き家か・・・まあ、あるにはあるぞ?」

 

「マジか!?」

 

「ああ、つい先日そこに住んでいた老夫婦が亡くなってしまってな。引き取り手がいなかったんだよ、そこでよければ譲渡するが」

 

「いや、そこでいいよ」

 

以外にあっさりと空き家を入手することができた。その後俺は、慧音によって空き家となった場所に案内された。

 

「基本的な家具等はそのままだから、後は少し掃除をするだけで問題はないだろう。何か困ったことがあったら遠慮なく行ってくれ」

 

「ああ、困ったことがあったら頼りにさせてもらうぜ」

 

そういうと俺は慧音と別れた。空き家が見つかってそこに住むことを霊夢に伝えに行くと、

 

「たまにでいいからお賽銭持ってきなさいよ。あ、小銭じゃなくてちゃんとお札ね? そうね・・・野口からで妥協してあげるわ。お賽銭持って来ればお茶をご馳走するわよ?」

 

いや、賽銭する金額とお茶一杯は釣り合わない気が・・・とか心の中で考えてたりなかったり。

 

 

???

 

「咲夜ー」

 

赤く染まった館の中で、名前を叫ぶ一人の少女。

 

「如何為さいましたか? お嬢様」

 

その声が聞こえた直後にやって来るメイド服姿の女性。その女性に少女が、

 

「例の少年、ここに呼んできて頂戴。久々に面白いことになりそうだし」

 

「わかりました・・・・・・レミリアお嬢様」

 

そういうと、十六夜咲夜はその場から消えた。そして、そこに残った少女・・・レミリア・スカーレットは小さく笑みを浮かべていた。

 

「さて、面白くなることを期待するわ。神崎祐真」

 

その日の夜、神崎祐真の家に一通の招待状が届くのだった。

 




少し短い気もしますが、今回はここまでです。

誤字脱字等があれば報告お願いします。

次回「吸血鬼との遊び」

次回もゆっくりしていってね!


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第7話 吸血鬼との遊びー前座ー

まずは一言・・・投稿が遅れてすいませんでした!

動画投稿や学校生活(主に試験勉強等)に追われて投稿する機会が全然ありませんでした。(言えない・・・艦これを頑張っていたなんて)

ゴホン、と、とにかく! 色々大変でした。なるべく早めに投稿するように努めますが、気長に待ってもらえると嬉しいです。

それでは本編スタートです!!


「・・・帰りたい」

 

不意にそう口にしてしまった。いや、多分全国にいる人間の大半がそう思うだろう。この状況を見れば。いや、だってさ・・・

 

――なんか門番がいきなり襲い掛かってきたんだから。

 

~1時間前~

 

私用でちょっと出払って、家に帰ったら一通の手紙が置いてあった。なんか凄く豪華な手紙に俺の名前が書いてあったんでとりあえず開けて中を確認してみた。

 

「紅魔館? なんか字を見るからに怪しそうな館だな。 ・・・で、内容は要するに招待状か」

 

ご丁寧に紅魔館までの地図も入れてあった。正直面倒だし行きたくはなかったんだが、さすがに相手方にも悪いだろうと考えて仕方なく行くことにした。本当に仕方なくね。(大事なことなので二回繰り返す)

 

~数分前~

 

「・・・目に悪、どんだけ悪趣味な建物だよ」

 

地図で確認しながら目的地に着いた。そこには建物全体が赤で染まっている物騒で目に悪い館があった。結構でかいな。

 

「・・・んで、招待されたのはいいけど・・・まったく出迎えの気配はなし、と」

 

普通こういうときって誰かしら出迎えがいるんじゃないの? それだけでなんか帰りたくなった。

 

「誰か人は・・・門番しかいないのか」

 

入り口の門の真ん中に一人女性が立っていた。恰好からして中国人? いや、コスプレ好きの痛い子の可能性も・・・まあいいや。あいつに聞いてみるか。

 

「・・・あのー?」

 

声をかけても反応なし、というか・・・

 

「寝てる!?」

 

立ったまま寝るとかすごいな・・・。とりあえず起こして話を聞かないとな。

 

「おーい、起きろー」

「・・・・・・・・っ!!」

「・・・は?」

 

声をかけて揺さぶった瞬間、目の前の女性は目を見開き気づくと俺の眼前に彼女の拳が見えた。

 

「危なっ!?」

「・・・かわしましたか」

 

あ、ありのまま今起こったことを話すぜ。なんか寝てた人いたから起こして話を聞こうとした瞬間襲い掛かってきた! 何を言っているかわからない・・・というかこんな時にボケるのはやめよう。

 

「・・・何の真似だ?」

「・・・いえ、ただお嬢様からここを通すなと言われているので」

「・・・いや、俺ここに呼ばれたんすけど」

 

人呼んでおいてそれは無いだろ・・・内心俺はそう思って舌打ちをした。いや、マジでふざけんなよ。

 

「此処を通してほしければ私を倒し――」

「帰る」

「・・・・・・・え?」

「いや、面倒だから帰る」

 

そう言い残すと俺はそのまま踵を返してその場を後にした。

 

 

―三人称視点―

 

~紅魔館~

 

「ええっ!? なんで帰っちゃうの!?」

 

紅魔館のとある一室、そこに主のレミリア・スカーレットが水晶玉に映っている映像を見てそう言葉を発していた。

 

「・・・当然じゃないかしら? わざわざ呼んでおいてここを通さないって、明らかに人を呼ぶような態度とは言えないけれど・・・」

「そんなの知らないわ。パチェは彼の実力が知りたくないの?」

 

レミリアはパチェことパチュリー・ノーレッジに同意を求めた。

 

「・・・いえ、確かに実力は知りたいけど、この方法じゃ明らかに彼を馬鹿にしてるわよ?」

「・・・うー」

『ちょっ! なんで帰ろうとするんですか!!』

『うるせー! こちとら貴重な時間(睡眠)を削ってまでここに来てるんだよ! それをお前、呼んでおいて通さねぇとかふざけてるだろ! 冷やかしもたいがいにしろってんだ!』

 

因みに時刻は夜の10時を回ったところ。

 

「・・・どうするのよ?」

「・・・・・」

 

水晶越しに見ていて祐真がかなりご立腹なのは明白だった。

 

『お願いしますよ! 戦ってくれないと私が危ないんですって!(色んな意味で)』

『そっちの事情なんか知るか! 恨むんならそっちの主を恨め!』

 

「・・・仕方ないわ。咲夜」

「なんでしょう?」

 

レミリアがそう呼ぶと、どこからともなく十六夜咲夜が現れた。

 

「ちょっと現場の方に行ってもらえるかしら?」

「わかりました」

 

咲夜はそういうとその場から姿を消した。

 

「さて・・・これでどうにかなればいいけど」

「どうかしらね」

 

ため息を吐くレミリアにそう言葉にしたパチュリー。正直こういった事に自分を巻き込まないでほしいと思うパチュリーだったのだった。

 

 

―祐真視点―

 

「とにかく! 俺は帰らせてもらう!!」

 

さっきからしつこい門番を振りほどいてその場から離れる・・・はずだった。

 

「っ!」

「あら、これをよけるとは予想外ね・・・」

 

後ろから飛んできたナイフを間一髪のところで回避する。はぁ・・・なんか今日は厄日だな・・・あー、不幸だ。

 

「あー、空はあんなに青いのに・・・」トオイメ

「何言ってるんですか? 今は夜よ?」

「察しろ」

「というか何故そのネタを・・・」

 

突如現れたメイドコスが俺のセリフを真っ向から否定する。そして中国コスはそのネタを知っているようだった。

 

「というか、危ないな」

「あなたが戦おうとしないからよ。さっさと戦いなさい、お嬢様が呆れてたわよ」

「そっちの事情なんか知るか。というか、俺の実力を図るためにわざわざ呼んだのかよ」

「ええ、そうよ」

「帰っていい?」

「拒否権があるとでも?」

 

クソッ、話が全く通じねぇ! そこの中国コスと同じかよ・・・

 

「・・・はあ、面倒だな・・・」

「ようやく、戦う気になったのかしら?」

「もういいよ、それで・・・だが、」

「?」

 

「――果たして、お前は俺に勝てるかな?」

 

そういうと、腰につけていた剣を抜刀する。それをちらつかせながら、

 

「宣言するぜ。お前は俺にかすり傷一つつけられない、と」

「・・・おもしろいわね、ならその宣言をぶち壊すわ。十六夜咲夜よ」

「咲夜か・・・まあいい、そっちは俺の名前知ってるだろうから紹介は省く」

 

「「――行くぞ(わよ)!!」」

 

こうして戦いの火ぶたが切って落とされたのだった。

 




明らかにタイトル詐欺のような気がする・・・そもそもレミリアと戦ってすらいない。多分レミリアと戦うのは後2話先だと思います。

そういえば話が変わるんですが、艦これ難しいですね。いまだに2-4止まりですよ。(フラグシップ怖くて先に進めないんです)

第一艦隊

旗艦 榛名改lv36

   長門改lv42
 
   陸奥改lv36

   金剛改lv34

   瑞鶴改lv38

   赤城改lv33

正直瑞鶴さんが2-4-1で中破とかするから海域を攻略できないという・・・ちなみに全員装甲MAXなんですがね・・・こういうのがあって中々先に進めないという現状。
まあ、愚痴はこれくらいでいですかねw

誤字脱字等があれば報告お願いします。

次回「吸血鬼との遊び―VS咲夜―」

次回もゆっくりしていってね!


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第8話 吸血鬼との遊び―VS咲夜―

なんとか投稿できました。

多分これからまた再び不定期ですが今後ともよろしくお願いします

魔「就職試験前日に何やってるんだか・・・」

作「だ、だだだ大丈夫だ、も、もももも問題ない」

それでは本編スタートです!


「さて・・・どうしたものかね・・・」

 

ああいった手前、正直面倒以外の何物でもなかった。さっさと終わらせて家に帰って寝たいところだ。

 

「んじゃ・・・【爆閃・魔の4】イオグランテ!」

「っ!?」

 

先手必勝と言わんばかりにスペルを発動する。あたり一面を巨大な爆発が包み込んでいく。

 

「あ、やべ・・・火力間違えたわ」

「・・・今、聞いてはいけない言葉が聞こえた気が・・・」

 

中国コスが俺に聞こえるようにそう言葉を発していた。それに補足するように俺は、

 

「・・・火力間違えたから多分この辺吹き飛ぶな。ちなみにいうが普段は火力抑えてるんだが・・・今イライラしてるから多分配分間違えたんだな。そうに違いない」

 

そう単調に言い放ってやった。正直こんな目に悪い建物なんざ壊してしまえばいい。そう考えていた数秒後、

 

ドーーーーン!!

 

紅魔館全体をイオグランテが包み込んでいき、大爆発を引き起こした。

 

「フハハハハ、見よ! 紅魔館がゴミのようだ!!」

「唐突にネタを入れないでくださいよ! というかゴミはひどくないですか!?」

 

後ろで中国コスがうるさいが気にすることはない。

 

「俺は無性にイライラしている。それを鎮めるためには多少の犠牲はつきものだ」

「――そう。なら、死ぬ覚悟はできてるでしょうね?」

「・・・広範囲に爆発をしたつもりだったんだがな」

 

俺は咲夜を中心にイオグランテを放ったのだが、なぜこいつは傷一つ付いていないんだ?もしや、瞬間移動系の能力?

 

「・・・もう少し探りを入れるか」

 

そういいながら紅魔館だった場所を見てみると、爆発の被害で紅魔館は半壊状態になっていた。いや、こっちも全壊するつもりでやったんだけどな・・・。腕が鈍ったか?

 

「今度はこっちから行かせてもらうわ、【幻世】ザ・ワールド!」

「っ!?」

 

―咲夜視点―

 

お嬢様の命令で神崎祐真と戦う事になったのだけれど、何かしら・・・この感じ、嫌な予感がするのは・・・

 

「んじゃ・・・【爆閃・魔の4】イオグランテ!」

「っ!?」

 

彼がそう言葉を発した瞬間、あたりを閃光が包み込みその数秒後巨大な爆発が襲った。だがその前に、

 

『急いで回避しないと!!』

 

私は自身の能力でその場を回避し、何とか攻撃を受けずに済んだ。しかし、私の能力が相手に知られるのは時間の問題だろう。

 

「今度はこっちから行かせてもらうわ、【幻世】ザ・ワールド!」

 

だが、気づかれる前に倒してしまえばどういって言うことはない。だから私は勝負に出た。私の能力は、時間を操る程度の能力。すべての時間は私の物。さっきの攻撃もこれで回避をした。

 

「さて、貴方には悪いけど・・・ゲームオーバーよ」

 

そういってナイフを投擲していく。彼の目の前には数多くのナイフが雨のように降り注ぐ形で止まっている。

 

「チェックメイトよ!」

 

そこで私は勝ちを確信した。

 

「果たして、それはどうだろうねぇ~」

「っ!?」

 

だがそれは、聞き覚えのある声によってあっさり打ち砕かれるのだった。そして、

 

「甘いな・・・【暴風・魔の4】バギムーチョ!!」

 

彼の放ったスペルによって、私が投擲したナイフの全ては地面に落ちていく。私は驚きを隠せなかった。

 

「な、なぜ・・・動けるの? ここは時間が止まっている世界、動けるのは私だけ・・・」

「まさか自分だけが時間の止まった世界で動けるとでも? 甘いな、時間の止まった世界なんてのはすでに経験済みだ!」

「っ!」

 

彼の攻撃をかわしつつ、自分はこの戦いには勝てない。と心の中で思ってしまっていた。

 

 

―祐真視点―

 

まさか時間を操る系統の能力者だったとは・・・そういえば、以前にも同じ感じの奴と戦ったことがあったな。確か、タイムマスターだっけ。あの時は色々大変だったな。同じ時間の繰り返しと言う地獄・・・確かそんなのアニメでもあったな、何だっけ?涼宮○ルヒ○憂鬱だっけ?

 

「さて、手の内を知ってしまった以上後は楽なんだが・・・どうする? これでもまだ戦うのか?」

「・・・いいえ、やめておくわ。私がどんなに頑張ったとしても、貴方には傷一つつけられなそうだし」

「賢明な判断だな」

 

そんな受け答えをしていると、次第に時間が動き始めていく。そしてすべての時間は元に戻っていった。

 

「さて、実力も分かってもらえたことだろうし・・・今度こそ俺は帰らせてもらうぞ? 眠くて仕方ないんだから」

 

そういって踵を返して家路につこうとした。

 

「あら、帰らせると思っているのかしら?」

 

また背後から声が聞こえた来た。今度は幼そうな感じの声だった。

 

「・・・マジでやめてくれよ。家に帰って寝たいんだからこれ以上面倒事はやめてくれ」

「人の館を半壊させておいて、這い返しますっていう馬鹿はいないでしょ?」

「元々はそっちの所為だろ?! 俺は巻き込まれただけの一般ピーポーだ。だったらそっちの自業自得だろ? 俺は知らん」

「・・・・・・」

 

恨みがましい視線を送られて、面倒になって後ろを振り返ってみた。そこにいたのは背中に蝙蝠の羽が付いたロリだった。あっ、一応いっておくが俺はロリコンではないぞ?

 

「紅魔館の主がどんなやつかと思えば、チビか」

「口の利き方に気をつけなさい、小僧」

「小僧、ね・・・さしずめどっかのスキマみたいに年食ってるタイプか。まあ、どうせそう奴に限って見た目に合わない年してるんだよな」

「察しがいいわね。私はこれでも500年は生きてるのよ」

「じゃあロリ婆ね。ということでサヨナラ」

「っ!!」

 

再び踵を返して立ち去ろうとしたとき、今度は木の幹に一本の槍のようなものが刺さった。俺はそれに驚きはしなかったが、相手を威嚇する物だということは理解した。

 

「・・・初めてだわ。ここまで馬鹿にされるとは」

「さいですか。じゃ、帰りますんで」

「いいわ! そこまで言うなら徹底的にお前を痛めつけて血を吸って殺してやるわ!」

「・・・俺に拒否権は?」

「私を侮辱している時点でそんなものはないわよ」

 

ねえ、ここの住人ってもしかして全員こんな感じなの? 俺面倒になってきたんだけど。イライラするわ・・・何かポケットにないか? おっ、飴玉あった。俺はおもむろにそれを口に運ぶと・・・

 

ガリッ!!

 

「あー、飴玉噛み砕いてもイライラ収まらねぇ・・・もういいわ。このイライラ、目の前にいる吸血鬼BBAに八つ当たりして二度と俺にちょっかいかけられないようにしてやる!」

 

今俺の表情がどうなっているかは知らんが、恐らく鬼のような形相で睨みつけているだろう。その証拠に吸血鬼BBAは一瞬ひるみながらも、

 

「来なさい、ぶっ殺してあげるわ!」

「望むところだ!」

 

第二ラウンドが始まろうとしていた。

 




誤字脱字等があれば報告お願いします。

次回「吸血鬼との遊び―VSレミリア―」

次回もゆっくりしていってね!!


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第9話 吸血鬼との遊び―VSレミリア―

最近妙に寝落ちの頻度が高いんですよね・・・布団に潜り込むだけでいつの間にか数時間が経過していることが多いんですよ。

さて、そんな事より相変わらずの不定期更新ですが、気長に待っていただけると幸いです。

それでは本編スタートです!

はぁ・・・コーヒーが美味い・・・


「・・・はぁ・・・帰りてぇ」

 

啖呵切ってみたはいいものの、正直言って面倒以外の何物でもなかった。いや、だってさ、連戦だよ? 夜中だよ? 眠気マックスなんだよ? 結論からして面倒だよ。

 

「あら? 攻撃してこないのかしら?」

 

そういってロリ婆は俺に挑発をしてくる。 ・・・ああ、今すぐにでも瞬間移動でもして帰りたい。でも、こいつ絶対家まで追いかけてくるだろうな。

 

「・・・俺は後出しじゃんけんが好きなほうでね。攻撃したいのならそっちからどうぞ?」

「・・・そう、なら後悔させてあげるわ 【神槍】スピア・ザ・グングニル!」

 

ロリ婆は先ほど俺に投げてきたものと同じものを生成して俺に攻撃をしてきた。

 

「おっそーーい!!」(某速い駆逐艦の如く)

「いや、だからネタで対応しないでください! てか、まじめに戦闘したらいいじゃないですか?」

 

後ろからさらに中国コスがそう言葉を言い放つ。てか、お前まだいたのかよ。てっきりその辺でのたれ死んでるとばかり思っていたのだが・・・

 

「くっ! なかなかやるわね!」

「おっそーーい!!」【某速い駆逐(ry)】

「いい加減にしないさいよ!!」

 

あ、ロリ婆がキレた。

 

「・・・はぁ、仕方ないな。じゃ、少しばかりやりますか」ゴオッ

「っ!?(な、何よ・・・この殺気は)」

 

少しばかり力を出すだけで震え上がってしまっているロリ婆。えー?これでもまだ2割程度なんですが・・・しかもこの程度でドラクエの世界にいたら中ボスも全然倒せないんですけどーw

 

「【火球・魔の4】メラガイアー!」

「ちょ!? な、何よその馬鹿でかい火球は!?」

「これがメラガイアーだ。さあ、これを避けてみろ! ちなみに紫んところの狐は回避できなくて真っ黒焦げになったぜ」

「はぁ!?」

 

俺のその一声で焦りは一気に増大し、ロリ婆は必死に回避している。

 

「ほらほら、逃げないと死ぬぞーーww」

「・・・鬼ですね」

「それは最高の褒め言葉だ」キリッ!

「・・・・・・」

 

中国コスがとうとう押し黙った。さて、そろそろメラガイアーの効果が切れるころだろうな。たぶんあっちは逆上しているだろうから、それなりにやるしかないだろうなぁー

 

「・・・お返しよ! 【紅符】スカーレットシュート!」

「おっと・・・。ふーん、伊達に吸血鬼してないな」

「当然よ!」

 

そういってロリ婆はない胸を張って威張っていた。

 

「何か言ったかしら?」

「・・・何も」

 

ここだけは鋭いな。まあいいや。

 

「【水撃呪文】コーラルレイン!!」

「っ!?」

 

俺の放ったスペル・・・基魔法に対してロリ婆はものすごく驚いていた。そういえば、吸血鬼って水ダメなんだっけ?

 

「・・・・・」ニヤ

「っ!?」ゾクッ

 

いいこと思いついた。こういうことになったのもすべて目の前にいる吸血鬼が悪いんだ。なら仕返しぐらいしても問題はないよな?? 結構悪質な仕返し方法だが別に問題はないだろう。

 

「【水流呪文】メイルストロム!」

「・・・くっ! また水系統の攻撃?!」

「どうしたどうした? 逃げてばかりじゃ勝てないぜ??」ニヤニヤ

 

自分で言うのもなんだが結構悪質だなーとか感じつつもやめるつもりなど毛頭ない。いつもならこの辺でやめるのだが、正直今はイライラがピークに達しているため、自分でもセーブがきかないんだこれが。

 

「まだまだ! 【自然災害】つなみ!」

「いつまでもやられっぱなしじゃないわよ! 【紅符】不夜城レッド!」

 

俺の攻撃をよけながらもロリ婆はスペカを使ってくる。しかし、甘いのだよ。

 

「【氷結・魔の5】マヒャデドス! 弾幕を、凍らせる!」

「なっ!? 弾幕を凍らせた!?」

「まだまだ! 【突風】ハリケーン!」

 

ロリ婆の放った弾幕は俺に近づく寸前で、スペカ“ハリケーン”によってその軌道が乱立し、すべてがロリ婆の元に戻っていく。もちろんまだ弾幕は凍ったまま。

 

「使えるものなら何でも使う、もちろん相手の弾幕だろうが俺の弾幕にすることが可能だぜ?」

「くっ! ・・・でも、もうこれで私の弱点の攻撃は来ないはず・・・」

 

そういうとロリ婆は安堵の表情を浮かべながら俺に向かって攻撃を放ってくる。確かに、普通に考えればそう思うだろうな。しかし・・・

 

「そう簡単に終わると思うか? 【不幸】そして惨劇は繰り返される!」

「そんなスペカ、私には無意味・・・」

 

そこでロリ婆は口が止まってしまった。なぜかって?

 

 

だってこの弾幕ごっこで使った弾幕すべての攻撃がロリ婆向かって放たれてますからね。

 

 

詳細を説明するならば、今俺が使ったスペル“そして惨劇は繰り返される”。これは文字通り繰り返されるスペカだ。使用者がこの戦闘で使ってきた攻撃全てがこの一枚で繰り返し攻撃が可能という明らかにチートカード。まあ、次回以降は絶対に使うことはないだろうな。それだけチートということさね。

 

だって見てみなよ・・・おっと、読者には見えないか。(メタい)まあ、状況を説明すると、これ以上ないかってくらいの絶望的な表情を浮かべたロリ婆が佇んでるんだぜ? まあ、正直言ってこれは同じ立場だったら俺もそんな顔するかもな。

 

そして、ロリ婆は最初は必死になって避けていたのだが、数秒後にピチューン!となった。その時の目は焦点があっておらず虚空を見つめていた。

 

「あー、やりすぎたな」

「本当よ」

 

いつの間にか俺の隣に咲夜が近づいてきていた。そしてロリ婆を抱えながら、

 

「あなた、今日はもう戻ってもいいわよ」

「元々そのつもりだったんだけど」

「この状態じゃまともに話すことなんてできないでしょうから」

「まあ、そうなるな」【某伊勢型の戦艦の如く】

「だからネタを挟まないで下さよ!」

 

そしてお前もまだいたのか、中国コス。それにしても何でこいつは艦○れネタ知ってるんだよ。

 

「っと、そういえばお前らの名前聞いてなかったな。特にロリ婆と中国コスの」

「・・・そういえばまだ言ってませんでしたね。私は紅美鈴です。ってか中国コスって何ですか!?」

「そして先ほどからうつろな目をしている方が紅魔館の主のレミリア・スカーレットお嬢様です」

「ふーん、レミリアに美鈴ね・・・」

 

よし、とりあえず名前は覚えたし・・・後は還ってゆっくり眠ろう。

 

「あっ、明日昼頃来てもらうかもしれないわ」

「・・・了解」

 

チッ! こいつらまだあきらめないのかよ!?

 

 




幻想郷に来る前の祐真君

祐「ほらほら! 逃げ惑え~!!」ニヤニヤ

タイムマスター「ぬわぁぁあああ!?」ドーン

祐「やったぜ」レベルアップ!

異世界勇者ズ「なぁにこれぇ」ボーゼン

昔からSっ気があったようだ。それはもう異世界の勇者たちが引くぐらいに・・・

・・・よくよく考えると、艦これネタ多いな・・・あっ、最近沖ノ島クリアしました。それと艦これACも始めました。面白いですねAC。

次回 「吸血鬼との遊び―VS EXステージ―」

次回もゆっくりしていってね!


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第10話 吸血鬼との遊び―VS EXステージ―

はい、久々の投稿です。相変わらずの紙投稿なので気長に待っていただければありがたいです。

さて、それでは早速スタートです。

あ、ちなみに今回は長展開ですww


翌日の昼、俺は再び紅魔館の目の前に立っていた。そして驚きを隠さずにいられなかった。

 

「建物が・・・直ってる、だと・・・」

 

そう、前日俺が半壊させた紅魔館がわずか数時間の間に完全に直っていたのである。これにはさすがに驚いたよ。そして門の前を見てみると、前日同様に眠っている門番。というか、こんなんで門番務まるのかよ?

 

「・・・・・・」

 

いいこと思いついた。早速考えたことを実行することに。思い立ったが吉日だ。指先に野球ボールサイズの火球を生み出した。そして・・・

 

「受け取れぇ!」

 

そういって門番に向かってそれを投げつける。

 

「・・・・・・は? はぁ!?」

 

すんでのところで目を覚ます門番、しかしあまりにも突飛な出来事に対応できないようであたふたしているうちに

 

ドーーーーン!!!

 

大きな煙をあげ、そこには黒焦げになった門番の姿があった。

 

「な、なななな何するんですか!?」

「ふっ、今のはメラではない。メラゾーマだ!」キリッ!

「絶対それがやりたかっただけですよね!? というかその為だけに私にそんなもの宛てないでくださいよ!」

「知らんな」

「うがあああああ!!」

 

さて、門番がいい感じに壊れたころを見計らってか、

 

「・・・あら、私が手を下す必要がなかったわね」

「なんだ? いつもお前がこんなことしてたのか? というかこいつはいつも寝てたのか?」

「ええ」

 

それで本当に門番が務まっているのか甚だ疑問だな。というか、コイツ・・・咲夜がいるということは、

 

「紅魔館の中に案内するわ」

「・・・まあ、そうなるか」

 

と、言うことで俺は紅魔館の中に連れていかれた。そして中に入った印象が、

 

「中も紅いのかよ。目に悪すぎだろ・・・」

「こんなもので文句言ってるとこの先持たなくなるわよ?」

「・・・さいですか」

 

もういっそのことグラサンでもかけて目の休ませようかな? ということでグラサンを取り出してかけてみる。うん、これでいくらかはマシになった。そしてそのまま屋敷の中を案内され、

 

「ここよ、ここにお嬢様がいるわ」

 

そういって一つの部屋の前で立ち止まった。そして咲夜は一言言葉を発するとそのまま扉を開けて中へ進んでいく。俺もそれにつられて入ってみると、

 

「・・・よく来たわね」

「来いって言われたからな」

 

そこには俺を見て若干震えているロリ婆ことレミリアが座っていた。

 

「・・・昨日は悪かったわ。夜中に呼び出して・・・」

「全くだ、最終的に家に帰ったのが夜中の3時。土地勘がないから迷いまくるし散々だ」

 

昨日はレミリアの精神をいい感じに壊して帰ったのはいいが、如何せん土地勘がなくその辺をうろうろしているといつの間にか明るくなってたんだ。おかげで碌に眠れやしなかった。

 

「それで、昨日のあの招待状は一体何だったんだ? まさか・・・俺の実力を試すだけに送ってきたわけじゃないだろうな?」

「ギクッ! そ、そそそんなことないじゃない!」

 

ダウト、そう内心思いながらも、あたかも知らないふりを突き通すようにした。

 

「で、本題は?」

「そうね・・・あなた、よければここですまないかしら?」

 

なんと、まさかの住処提供とな? しかし残念だったな(某翼神竜の使い手のごとく)

 

「残念だが、俺にはすでに住んでいる場所があるんでな。間に合っている」

「そう・・・なら、ここで仕事をしてみないかしら? 執事として」

「金は異世界の通貨換金してもらってるから当分(というかほぼ)困るつもりはないな」

「うぐぐぐぐ・・・」

 

こいつが本当に昨日の吸血鬼なのだろうか? 明らかに正反対な性格だな。

 

「ま、そういうことだからあきらめるんだな」

「・・・じゃあ、あなたが昨日使っていた魔法を見せてくれないかしら? 見たがっている子がいるから」

「・・・まあ、そのくらいなら」

 

と、いうことで・・・これから大図書館とやらに連れて行かれることになった。

 

ドガーーーーン!!

 

「「「っ!?」」」

 

突如近くから大きな爆発音が聞こえた。なんか嫌な予感しかしない。そう直感で感じてしまった。

 

「お、お嬢様・・・?!」

「え、ええ・・・わかっているわ。それにしても、なんで!?」

「・・・おい、何だ今の爆発。ここではこれが日常茶飯事なのか?」

「そんなわけないでしょ!? あれはフランの仕業よ!」

「・・・フラン、ねー。とりあえず、見に行ってみますか」

 

そういって扉を開けようとした瞬間、

 

「っ!?」

 

扉が勢いよく破壊され、入り口にはレミリアよりも若干小さい吸血鬼が立っていた。おそらく、こいつが件のフランなのだろう。というか、吸血鬼にしては珍しい羽根が印象的だ。

 

「ふ、フラン!? い、一体どうしたの!?」

「・・・アハ・・・」

 

「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

 

「っ!? お、おいおい・・・なんだよこの狂気・・・」

 

外気に漏れ出している狂気の量に、思わず俺も驚いてしまった。というか、なんでこいつこんなにたくさんの狂気を持ってるんだよ。

 

「・・・おい、これどうするんだ?」

「・・・仕方ないわ。誰かがフランの狂気を納めないと!」

「・・・じゃあ。その役俺が引き受けてやるよ。どうせお前じゃ昨日のこともあって全力を出せないだろう?」

「・・・お願いしてもいいの?」

「しょうがねぇだろ。巻き込まれたわけだし・・・何より、こういうのは俺の方が適任だ」

 

レミリアにそういって数歩前に進む。フランと呼ばれた吸血鬼はこっちを観察するように見てくる。

 

「アナタガアソンデクレルノ?」

「破壊活動が遊びか・・・まあ今はいいや。そうだ。俺がお前の遊び相手だ」

「・・・ソウ、ナラコワレチャエ!」

 

刹那、俺の近くにあった柱が大きな爆発を上げ、破片が散らばっていった。手を使わずに破壊・・・なるほど、さしずめあれが彼女の能力なのだろう。

 

「破壊関連の能力とはまた面倒な…とりあえず小手調べだ。【火球・魔の2】メラミ!」

 

右手からサッカーボールサイズの火球を生み出しそれを放つ。

 

「エイ!」

 

だが、それはフランによってあっさりと破壊されてしまった。まあ、予想はしていた。しかしまあこれも破壊されるのか・・・

 

「一時的に能力…状態を無力化する呪文、特技はあるにはあるんだが…狂気ってそれらに該当するだろうか?」

「下手すれば死ぬかもしれない戦いで何でそんなに冷静なのよ!」

 

後ろからレミリアの声が聞こえる。いや、だって別に・・・ねぇ。内心めちゃくちゃ焦ってますからね?

 

「…まあなんにせよ、それら使うにしても時間が掛るんだよな・・・仕方ない。時間稼ぎでもしますかね・・・」

「アハハ! 【禁忌】レーヴァティン!」

 

一方のフランはめっちゃ燃えまくってる剣を振り回してくる。ギリギリのところで回避しつつ、何かいい時間稼ぎはないかと模索する。そして…

 

「・・・できるかな? 【爆裂】弾岩爆花散!」

 

※弾岩爆花散、ドラゴンクエスト ダイの大冒険に登場のフレイザードの奥の手。体の岩すべてを操って敵に攻撃を与える必殺技。岩石ひとつひとつにフレイザードの意思が宿っており、砕けば砕くほどフレイザードが有利になる。

 

正直俺、岩石なんて持ってないが・・・幸いにもあたりには砕けた柱や何やらが散らばっている。それに全神経を注ぎこむことで、岩石たちは俺の思う通りに動かせる。ただ、あくまでも時間稼ぎでしかない。つまりは制限時間があるということだ。その間に別の呪文の準備を始めないと・・・

 

「コワレチャエ!!」

 

フランは狂気じみた笑い声をあげながら岩石を砕いていく。しかし、砕けば砕くほどその数は膨大になっていく。始めは一つの感覚が大きかった攻撃が、今では間隔がほぼないほど細かくなりフランに襲い掛かっている。

 

「・・・よし! あとはこれを・・・」

 

そういいながらフランが攻撃(一方的)を受けている場所を振り向き、

 

「物は試しだ! 【破邪呪文】マジャスティス!」

 

刹那、まばゆい閃光がこの一室を包み込んだ。効果があればいいんだが・・・

 

「ガ、ガアァァァァァァッッ!!!」

 

数秒後、フランのものと思われるうめき声が聞こえた。つまりは、狂気にもこの呪文は対応するということだ。そしてしばらくすると光が薄れていく。

 

「・・・・・・・・」

 

マジャスティスを放った場所には、ただ呆然と立ち尽くすフランの姿があった。

 

「ちょ、ちょっと・・・な、何があったの?」

「・・・マジャスティス。破邪呪文だ。相手の効果を無効化する系統の呪文だ。正直、狂気相手に通用するとは思っていなかったが。どうやら効果があったようだな」

「・・・あ、あれ? ここは・・・」

 

うん、声の感じを聞いても問題はないみたいだな。もう表面から狂気も出ていないし。とりあえずは大丈夫だろう。

 

「・・・ありがとう。あなたのおかげでフランが元に戻ったわ」

「別に礼を言われることはない。あの場では俺が適任だったしな」

「え? お姉さま、いったいどういう・・・」

「フラン、そのことに関して事情を聴かないといけないわ。でも、部屋がこんな状態だし・・・仕方ないから図書館の方に向かうわよ」

「う、うん・・・」

 

フランは了承すると、先に図書館へと向かっていった。てか、この館図書館もあんのかよ。すごすぎだろ。

 

「・・・さて、それじゃあ図書館まで案内するわ。そこにさっき話した子もいるから一石二鳥ね。咲夜、彼を案内して頂戴」

「わかりました。さあ、ついてきて頂戴」

「・・・ああ」

 

咲夜に連れられて、俺は図書館へと向かうことになった。

 




はい、超展開でした。個人的には次回あたりにしっかりとした感じにしていきたいと考えています。
フランとの戦闘適当だと感じても生暖かい目で見逃してください・・・

次回、魔法使いとの邂逅

誤字脱字等がありましたら教えてください

次回もゆっくりしていってね!


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第11話 魔法使いとの邂逅

はい、結構早く制作できたので投稿しました。なんか若干後半部分が無理矢理感が半端ないですが、生暖かい目で見てください。

尚、今回で紅魔館での出会いの話は終わりです。次回以降は別の場所のお話です。

それでは、本編スタートです!


「ここが図書館よ」

 

案内された先には、たくさんの本が収納されている本棚がたくさんある図書館だ。いや、よくもまあこれだけの本を集められたなと感心してしまった。

 

「でかいな・・・それで、目的の人物はまだ先なのか?」

「そうね、あと少しすれば会えると思うわよ?」

 

俺の発言にレミリアがそう返答した。しかし、これだけの本があると管理する方も大変なんだろうな。おもに分類作業すらも大変だろう。

 

「パチェ、連れてきたわよ?」

 

しばらくすると、大きなデスクが姿を現した。そこにはたくさんの本が積まれており、今にも崩れそうだった。

 

「・・・あら、もう少しだけ時間がかかると思っていたのだけれど」

 

そこから寝間着みたいな感じの服を着た子が出てきた。見た感じ、体から魔力があふれているのがわかった。

 

「いえ、ちょっと問題があってね。そのことを話すためにも早くここに来たのよ」

「そう。それよりも、早く紹介してくれないかしら」

 

そういって俺の方をちらちら見てくる女の子・・・名前わからないから紫もやしとでもよぼう。

 

「ああ、そうだったわね・・・自己紹介して頂戴」

「・・・はぁ・・・神崎祐真。外来人」

「そう・・・私はパチュリー・ノーレッジ。魔法使いよ」

 

魔法使い、通りで魔力が流れているわけだ。おそらく、そこら辺にいるなまくら魔法使いよりかは強い部類に入るだろう。

 

「それで、なんで俺を呼んだんだ?」

「ええ、昨日のあなたの魔法に興味があってね。是非ともしくみ云々を教えてもらいたいと思ってね」

「・・・言っておくが、俺のは魔法じゃない。呪文だ」

「・・・何が違うのかしら?」

 

紫もやし改めパチュリーは、興味津々のようである。しかし、魔法使いが魔法と呪文の違いを知らないとか・・・それはそれで問題があるのではないか?

 

「魔法と呪文の違い・・・根本的に違うのは、魔法っていうのは呼吸とおんなじようにごく自然に不思議な力が使えるっていう解釈だ。しかし、呪文っていうのは技を発動する前に専用の言葉を詠唱する必要性がある。もっとも、今の俺にはわざわざ詠唱をする必要性はないんだけどな。一度覚えれば感覚でどうにかなる。ためしにこれを読んでみろ」

 

そういって、俺は持っていた魔術書を放り投げた。

 

「・・・なにこれ・・・一つの魔法を唱えるのにこれだけ長い詠唱を言わないといけないの?!」

「まあ、戦場じゃそれいってるだけで死ぬかもな。だからこそ、あらかじめ詠唱しておいて呪文を覚えてから戦う感じだ」

「そういえば・・・あなたってどうやってこれらを覚えたの? 霊夢や魔理沙の話じゃいたって普通の世界出身だって言ってたわよ?」

 

ふと感じた疑問を投げかけるレミリア。その問いに俺は

 

「おいおい・・・霊夢や魔理沙から聞いてないのか? 俺の能力」

「・・・ええ」

 

まあ、それじゃあわからないかもな。てか、俺の出身を教えるくらいなら能力のことも教えとけよ・・・内心そんなことを感じ、小さくため息をつくと

 

「俺の能力は二つ。一つは“記憶し再現する程度の能力”。もうひとつは“ありとあらゆる世界を巡る程度の能力”だ」

 

「「「「・・・・・・・・は?」」」」

「いや、だから・・・」

 

数分間自分の能力について説明する。そして直後驚愕の声を一同が発することになったのは言うまでもない。

 

 

「さて、このほかにやらないといけないことがあるんじゃなかったか?」

 

さらに数分後、そろそろ面倒になってきたので話題を変更してレミリアをみた。

 

「そうだったわね。フラン、さっきの狂気。一体何があったの?」

 

俺に言われて思い出したレミリアは、優しくフランに語りかけた。

 

「う、うん・・・昨日の夜頃に、外から爆発音が聞こえて・・・何かあったのかって外を見たらそこにいるお兄さんがお姉さまたちと戦っているのが見えて・・・それを見てたら、何か胸がざわざわしたの。そして今日、昨日と同じ気配がして、そしたらいつの間にか意識が薄れて気づいた時にはさっきの部屋だったの」

「・・・つまり」

「今回の騒動の元凶は・・・」

「俺か」

 

すると批難の目が俺に向かってきた。しかし、ここである疑問が生まれた。

 

「てか、俺があそこで戦うことになったのって、どう考えてもお前だよなぁ? レミリア」

「・・・・・・っ!」

「・・・まあ、もともとの原因はレミィにあるわね」

 

そう、今回俺は呼び出されていた。それなのになぜか戦闘を強いられる羽目になり、現在こうしてフランの戦闘をやり終えて話を聞いている。根本的に問題があったのは呼び出した方・・・つまりはレミリアに問題があった。

 

「う、うー・・・・・・」

 

そして先ほどまで俺に向かっていた避難の目が一斉にレミリアに向かった。ただ一名、咲夜を除いては。

 

「さて、と・・・そろそろ家に帰っていいか? 眠いっス」

「・・・そういえば、碌に眠れてなかったんだったわね」

 

今さっきまで非難の目を浴びていたレミリアが立ち直ってそう言葉を発する。立ち直り速いなおい。

 

「全くだ。誰かさんの所為でな。じゃ、帰るな」

「そう、私としてはいつでも歓迎するわ。お金に困ったら雇ってあげるわよ?」

 

レミリアはそういって怪しく微笑んだ。

 

「冗談じゃない。そん時は別の就職先探すわ。あっ、そうだパチュリー。ここ面白そうだからまた来てもいいか?」

「ええ、別にいいわよ。個人的にあなたの呪文には興味があるから。来たときには見せてくれるとありがたいわね」

「ん、そのぐらいなら別にいいぜ」

 

それだけを言い残すと、俺はそのまま家に戻った。これでようやく眠れる。そう思い布団の中へもぐりこんだ。しかし、この時のおれはまだ知らなかった。これからさらに面倒な出来事に巻き込まれることを。

 




ちょっと今回は短かったですねw

それと、艦これの近況報告を・・・

現在イベント来てますが・・・怖くて行けてませんw まあ、実際レベル不十分ですから今回は見送る考えです。

一応、艦隊のレベル云々乗せときます。

第一艦隊

旗艦 榛名 LV59
   金剛 LV50
   長門 LV57
   陸奥 LV54
   瑞鶴 LV56
   赤城 LV50

因みに、3-2クリアの為に現在駆逐艦、軽巡のレベル上げ中・・・一応こんな感じの編成予定です。

旗艦 川内
   響
   夕立
   時雨
   島風
   雪風

もしかしたら、響がヴェールヌイになるかもだし・・・夕立たちも改二にするかもです。単純にチキン野郎ということデス・・・そこまでレベルあげるの大変です(トオイメ)

次回 「冥界? それ以前に寝かせてくれ」

誤字脱字等がありましたら教えてください

次回もゆっくりしていってね!


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第12話 冥界? それ以前に寝かせてくれ

作 はい、テスト直前の投稿です!

祐「いや何やってんだよ」

作「べ、べべべべんきょーしてるよ? でも、いきぬきしてかんんせいしたからさ・・・」

祐「馬鹿だなコイツ」

作「さ、さぁ! それでは本編スタートです!」

祐「逃げたな」

作「あ、遠征組が返ってきたかな? 艦これ起動しないと」

祐「」


前回のあらすじ

・大図書館に連れて行かれた。

・紫もやしことパチュリーと少し話した。

・フランから事情を聴いた最終的な原因はレミリアということで落ち着いた。

・家に帰ってきて布団の中にもぐりこんだ。

 

「はぁ、やっと眠れる」

 

家についてそうそう、布団の中にもぐりこんだ。昨日今日で面倒なことに巻き込まれた所為か、布団に入った瞬間疲れが一気に増した。

 

「・・・」

 

瞼と閉じて数分後、俺は夢の世界にいざなわれていったのだった。

 

------------------------------------------------------------------

 

「祐真、起きなさい!」

「ぐえっ!?」

 

いきなりそんな声が耳に入ったかと思えば、腹部に強烈な痛みが走った。思わず変な声を上げてしまった。

 

「な、何だ一体!?」

 

あわてて俺は上半身を起こし、周りを確認する。そして俺の左側にそいつはいた。

 

「あら、ようやく起きたのかしら?」

「・・・なんだお前か、紫」

 

そこにはスキマの中からひょっこりと顔を出した紫がいた。

 

「というか、いつまで寝ているつもりなのよ?」

「・・・あぁ? 今何時だ・・・?」

 

左腕の腕時計を確認する。そして驚くべきことが分かった。

 

「・・・眠ってから30分も経ってない、だと・・・?」

「あら? 夜更かしでもしてたのかしら?」

 

そういう紫の顔は明らかに笑っていた。こいつ、俺がさっきまで何してか知ってる感じだな? 知ってて俺の睡眠を邪魔したなこいつ。

 

「・・・で、何の用だ? 事と次第によっては容赦なく鉄拳制裁が下るぞ?」

「あら、女性に手を上げるのかしら?」

「その相手が明らかに事情を知ったうえで、俺の安眠妨害をしたんだ。それに、お前だから別に殴ってもいいと判断した」

「最後のはひどくないしら!?」

 

ギャーギャーわめく紫にイライラを募らせながらも、大人の対応をすることを心がける。

 

「・・・で、結局何の用なんだよ」

「あ、そうだったわね・・・あなた、冥界に行ってみるつもりはないかしら?」

「メェー界? なんだその羊がはびこる気持ち悪い世界は? そんな羊たちがメェーメェー喧しい世界なんかこっちから願い下げだ」

「いや、どんな解釈しているのよ!? 私が言ってるのは幽霊とか亡霊がいる冥界の話よ!!」

「行きたくない。まだ俺は死にたくない。というか寝させろ」

 

紫が言っていることは何となくわかっていたので、敢えてぼけてみたが、なかなか面白い反応だ。だが、最後の言葉は本音だ。

 

「大丈夫よ、霊夢たちが冥界に行っても問題がないんだもの、祐真がいっても問題はないわよ」

「だからと言って『そうですか、じゃあ行きます』っていう状態にはならん」

「私の親友が会いたがっているのよ。行ってくれないかしら?」

「・・・お前に友達いたんだな。てっきりボッチかと・・・」

 

その時、紫から発せられる謎のオーラが俺を包み込んでいった。顔を見ると笑っているのだが、その奥から得たいもしれないような恐怖というかなんというか・・・そんなものが感じられた。

 

「わかったわ。行くのね・・・それじゃあスキマで送っていくわ」

「はっ!? ちょ・・・!!」

 

刹那、俺は首根っこをつかまれ、そのままスキマの中に放りこまれた。さようなら、俺の安眠・・・心の中でそう思うのだった。

 

 

「っ! 痛ってぇ・・・」

 

気が付くと、俺は石段の上にたたきつけられていた。

 

「くそっ、あのBBA・・・」

 

思わず思っていることが口に出てしまったが、気にしないでおこう。とにかく・・・

 

「まずは・・・この石段を上るか」

 

目の前には1万段はあるだろうと思われる石段、そしてところどころに灯篭が置かれている。そんな石段を目にした俺は正直登りたくないが、おそらくこの上にあのBBAがいるだろうと踏んで、上る決意をした。

 

階段を上ること数分、

 

「あれ? よくよく考えたら、これ飛んでったほうが早いんじゃね?」

 

まだ寝ぼけてたのかは知らないが、俺は一応空を飛べるわけだ。こんな階段わざわざご丁寧に歩く必要性もなかった。

 

「さてっと・・・飛びますか!」

 

そういって空中を浮遊し、1万段もあった階段を一気に登って行った。

 

「さて、ここが頂上か・・・」

 

上に上ると、そこには沢山の桜の木が植えられていた。その中でも、奥のほうにある大きな桜に目が行ってしまった。

 

「・・・っ!?」

 

その桜を見た瞬間、俺の思考を負の感情が包み込んでいった、気が付くと、俺は自分の喉元に剣を充てていた。

 

「おいおい・・・これは相当危険な奴だぞ・・・」

 

気づかないうちに剣をのど元に突き立ててるって、なんだこの桜・・・

 

「不用意に気を抜けないな・・・この場所では」

「あの桜を見抜くとは、さすがですね」

「・・・誰だ? あのスキマBBAのお友達かい?」

 

声のかかった方向に声を返しながら少し後ろを振り返った。そこにはなんか白いもやもやが浮遊している小柄の女の子が立っていた。腰には剣が収められている。

 

「いえ、私は主の従者です。紫様の友人は私の主です」

「・・・へぇ、差し詰めアンタはその主のお迎えかなんかか? それにしては随分物騒なものを向けてるが」

 

腰に収められていた一本の剣が俺の首元に宛てられていた。

 

「ええ、確かに主からは呼んできてくれと頼まれました。でも、私個人としてはこの先にはいかせたくありません。なので・・・」

 

「・・・私と戦って、勝つことができたらこの先にお連れしましょう」

 

そういって、彼女は首元に置いた剣を横にスライドした。

 

「っ!」

 

間一髪、そういった感じで彼女の攻撃をかわすことに成功する。さて、この剣捌きは中々だな。

 

「さて・・・どうするかね」

 

彼女から一定の距離をとる。さて、一体どう対処しましょうかね・・・悩んだ末に考えた結果は・・・

 

「帰る」

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・は?」

 

 




相変わらず投稿ペースは不定期ですが、これからもよろしくお願いします。

艦これは艦これの方で、中々うまくいきませんね・・・大型建造大鳳狙いなのに全然来ないし、大和型建造すると武蔵(これは普通によかった)でした。というか、何で建造すると妹艦が先に来て、姉艦は着任するの遅いんだろう・・・

あ、そういえばうちの鎮守府に翔鶴さんが来ました。とりあえず、通常建造ででる正規空母は全員そろったかな?(大鳳以外)

さて、とりあえず・・・テスト頑張りますw

次回「剣士VS戦士」

誤字脱字等があれば報告お願いします。

次回もゆっくりしていってね!


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第13話 剣士VS戦士

ハイどうも、皆さんお久しぶりです。

今年一発目の投稿です。相変わらずの亀投稿ですが、気長に待っていただけると嬉しいです。

さて、では本編スタートです。

あっ、お気に入り10件になってました。素直にうれしいです。


「・・・・・・・・・・・・は?」

 

 そんな間抜けな声が発せられるまでの時間、わずか3秒。その間に、俺は回れ右をしてきた道を引き返そうとした。

 

「ちょ!? 何で帰ろうとするんですか!? ここは普通戦う流れでしょう?!」

 

と、後ろで騒ぎたてる女の子。

 

「五月蠅い、お前の普通と俺の普通は違うんだ。他人に自分の価値観を押し付けるんじゃねぇ。それに俺は“あの”スキマ野郎に“無理矢理”連れてこられたんだ。俺の意思でここに来たわけじゃない。なら俺がここにとどまる必要性を感じない。そうだろ?」

 

所々強調して言った俺に対して、納得したような顔をしている女の子。これは好機だ、

 

「じゃ、そういうことで帰るわ」

「・・・・・・はっ! 帰らせませんよ!!」

「・・・・・・チッ!」

「舌打ち!? 今舌打ちしましたよね!?」

 

チッ、なんかうまいこと言ってそのまま納得させた隙に家に帰ろうとした作戦が失敗してしまった。何で気づくんだよ」

 

「本音ダダ漏れですよ!」

「・・・・・・あ、そうだ。今日は魔理沙と約束があったんだーすぐ帰らないと」

「紫様から特に予定はないだろうと伺っています」

「そ、そうだ。今日は人里でセールが」

「ありませんよね?」

「・・・」

 

祐真は逃げ出した。しかしまわりこまれてしまった。状態じゃないか、ふざけんなよ全く。俺は家に帰って睡眠を貪りたいんだよ!

 

「・・・・・・・はぁ」

 

駄目だ。どうやっても逃げられそうにないな。仕方ない。本当に仕方ない。

「ようやくあきらめましたか」

「大変不本意だが戦ってやるよコンチクショー」

 

はぁ、こうなったのも全部あのスキマBBAの所為だ。こいつ倒してさっさと家に帰って寝てやる。今度あいつが出てきたら鉄拳制裁+O☆HA☆NA☆SHIをしないといけないな。

 

「さあ、構えてください!」

 

女の子はそう言って剣を二本握って構えの姿勢をとった。それを見た俺も剣を握る・・・

 

「・・・貴方は巫山戯てるんですか?」

 

怒気を含ませながらそういった女の子。俺の手に握られているのは剣ではなく、そこら辺に落ちていたであろう木の棒(檜の棒と命名する)だからだ。

 

「俺はこれで十分だ。剣を使うような相手でなさそうだからな」

「っ!!!」(ブチィ!)

 

まあ、8割がた嘘なんだが。正直剣を握るのが面倒というのが主だった理由。残り2割は本当にそう思っただけ。ただ盛って言っただけである。その言葉を聞いた女の子は今の言葉が相当癪に障ったらしい。

 

「・・・いいでしょう。そこまで私をコケにしたんです。後で後悔しても知りませんよ!」

「言葉一つで乗せられる奴ほど弱いもんさね。あれだ、弱い奴ほどよく吠える?」

「」(ブチブチブチブチ!!!)

 

女の子はさらに怒りを増していく。なんか後ろから変なオーラ的なものを感じるが、別に気にするほどの物でもないだろう。

 

「どうやら本当に死にたいようですね。なら・・・魂魄妖夢、参る!!」

 

そう言い、正面から突っ込んでくる女の子改め妖夢。俺はそれを軽々かわす。そして、

 

「はい、まずは一本」

「っ!?」

 

持っていた檜の棒で妖夢の首元すれすれに攻撃をする。当の本人は驚きを隠せないようだった。

 

「甘いなぁ・・・詰めが甘い。そんなんじゃ俺を倒すなんて夢のまた夢だぞ?」

「くっ! 今のはまぐれです!」

 

そういって距離をとる妖夢。恐らく次の攻撃を思案しているところだろう。

 

「どうした? 攻撃してこないのか?」

「そっちこそ、攻撃をしてきたらどうですか?」

「そうか、なら・・・・・・・行かせてもらうぞ」

 

挑発に挑発で返す妖夢に対して俺は、お言葉に甘えて一気に距離を詰める。

 

「っ!?」

 

余りの速さに、妖夢が凄く驚いていた。そして、

 

「くっ!?」

 

持っている二本の剣で俺の攻撃を防ぐ。しかし、防ぐので精一杯と言ったような感じだった。

 

「おいおい、あんなに大口叩いていた割には大したことないな。せめて傷の一つくらいはつけられると思っていたんだが」

「まだまだです! というか、何でただの木の棒が切れないんですか?! 普通は金属と木製じゃ明らかに金属の方が強いでしょ!?」

「そういう仕様なんだ。それにこいつの攻撃力なんてせいぜい1だ。というかそこに突っ込んだら終わりだ」

 

さらに檜の棒に力を籠める。だんだん防ぐことができなくなり、妖夢は防ぐことをあきらめその場から後退する。だが、

 

「はい、また一本」

「っ!?」

 

再び距離を詰め、今度はわき腹に檜の棒を突き立てる。これが本当の剣だったら妖夢は二度死んでいることになる。

 

「ま、まだまだ・・・これからです!」

「・・・もうやめておけ。俺とお前じゃ経験の差が違うんだ」

「それでも、私は・・・」

「・・・はぁ、言っておくが俺は今まで戦士、魔法戦士、バトルマスター、パラディンなど、剣を扱う職業を経験してきたんだ。お前がどんなに剣で俺に挑もうが、剣を扱うことでは年季が違うんだ。あきらめろ」

 

再び立ち上がる妖夢、攻撃を繰り出すがそれは呆気なく避けられる。攻撃をしては避けられ、俺に一本を取られることの繰り返し。そして妖夢は、

 

「なら! 【人鬼】未来永劫斬!!」

「っ! おっと・・・」

 

スペカを使ってきた。正直スペカを使ってきたことには驚いたが、あのスキマBBAやフランのスペカほどではない。

 

「ふむ・・・なら俺もスペカを使おうではないか。【我流・壱の太刀】風斬り(カザキリ)!!」

「っ!? キャアアア!?」

 

檜の棒が輝き、その状態で居合の動作で攻撃をする。刹那、檜の棒と同じ輝きの衝撃波が妖夢を襲う。そして妖夢は近くの灯篭に激突し、そのまま意識を失った。

 

「やべ、やりすぎた」

 

と言っても、全体の1割も出していないのだが・・・恐らく先の戦闘でかなり体力を消耗しており、この攻撃に耐えられなかった・・・と、俺は思っている。

 

「取り敢えず、このままにするのもあれだし・・・な」

 

仕方ない。あそこに見える建物まで連れていくか・・・てか、これ絶対あのスキマの手の上で踊らされているような気がしてならない。なぜならこうだ。

 

スキマで無理やりここにつれてこられる

コイツ事妖夢と戦闘。俺が勝つ(確信)

俺がこいつを見捨てないということを理解している(あくまでもあいつの予想)

視界に見える建物に連れていく

目的達成

 

こんな感じだ。恐らくあそこの建物に俺を連れていくように仕向けたんだろう。面倒なことをする・・・

 

「はぁ、なんか癪に障るが仕方ない。さっさとこいつ置いてさっさと帰るか」

 

そういって妖夢を背中に乗せ、先にある建物に向かって歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、これ飛んだ方が早いわ」

 

結局空を飛んで目的地まで向かった。

 




今回は妖夢をかなり煽った回ですね。後悔も反省もしません。妖夢好きの方には申し訳ないです。

誤字脱字等があれば報告お願いします。

次回「亡霊姫との出会い」

次回もゆっくりしていってね!

問題児の方も投稿しないとな・・・


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第14話 亡霊姫との出会い

本日二度目の投稿です。

正直気まぐれで編集している間がすごくあります。はたして次の投稿はいつになるやら・・・

さて、それでは本編スタートです。


「はぁ・・・だるい・・・だるすぎる」

 

前回のあらすじ。

・妖夢を煽って倒した。後悔も反省もしない(キリッ)

 

現在、背中で気を失っている妖夢を運んでいる最中。しかし、睡眠時間30分という圧倒的に短い所為で倦怠感とこんなことをした犯人に対して物凄い怒りを募らせながら、目の前に見える建物を目指して飛んでいる最中。

 

「・・・ふぅ、やっと着いた」

 

そんなに時間はかかっていないと思うが、体感では結構かかったのではないかと思ってしまった。

 

「ごめんくださーい。生物(イキモノ)を届けに来ましたー」

 

・・・・・・・・反応なし。

 

「ちわーっす三○屋でぇーす。誰かいませんかー?」

 

・・・・・・・・反応なし。

 

「あのー。生物(ナマモノ)持ってきたんですけどー」

 

・・・・・・・・反応なし。

 

「・・・・・・」(イライライライライラ)

 

これだけやっても反応がないとは一体どういう了見なんだ。普通これぐらいやったら誰かしら出てくるだろ・・・しかもネタまで入れたんだ。誰かしら出てきてツッコめよ。

 

「ごめんくーださーい!!」(ドアバーン)

 

堪忍袋の緒が切れて、ついつい門を破壊してしまった。あれだ、銀○の天パ主人公がカ○ケン登場の回で敵の屋敷の門を足で吹っ飛ばすみたいな感じ

『解りずれぇ・・・』

どこからか変な電波が飛んできたが気の所為だろう。とりあえず、そのまま進んでいこう。しばらく進んでいくと縁側のような場所に出た。え? 普通は玄関に入るだろう? はっはっはっは、たまには決められた道からそれるのも楽しいだろ。

 

「あらー? 誰かしら?」

「って人いるのかよ!!」

 

縁側には一人の女性が座ってお茶を飲んでいた。どこかの紅白脇巫女みたいだなと思ってしまった。

 

 

 

 

~博麗神社~

『くしゅん! 誰かが噂してるわね・・・魔理沙かしら? 今度会ったら適当にボコっておこうかしら?』

その日、神社にやってきた魔理沙は理不尽にも霊夢にボコられたのだった。その日のことを魔理沙は、

『ひどいんだぜ・・・暇だから遊びに行ったら噂しただろって言われて、理不尽にもボコられたんだぜ・・・私じゃないのにな・・・』(グスン) ※文々。新聞より抜粋

 

 

 

 

~場所は戻って冥界~

「いるなら反応してくれよ。何分門の前で待ってたことか」

「だって~めんどくさいんだもの~」

 

なるほど、面倒なことはしたくない・・・俺と同じではないか。

 

「ところで~後ろにいるのは妖夢~?」

「ん? ああ、戦って気を失ったからな。このまま放っておくのもあれだったし連れてきたんだよ」

「紫の予想した通りね~」

 

紫、そのワードが出た瞬間。

 

「紫・・・あのスキマBBAのこと知ってるのか?」(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ)

「え、ええ・・・紫は私の親友だし~」

「ってことは、ここにいるな。とりあえず、コイツ頼む」

 

そういって女性に妖夢を預け、意識を集中してあたりをくまなく探す。そして、

 

「そこだぁ!!!」

 

能力を使って強制的にスキマをこじ開け、中にいた紫を引っ張り出した。

 

「あ、あら祐真・・・さ、さっきぶりね」

「紫さんよ~。何が言いたいかわかる?」

「ゆ、祐真? な、何を怒ってるのかしら?」

「え~~? 俺怒ってる? ゼンゼンオコッテナイヨ?」(マンメンノエミ)

 

ジリジリと紫に近づいていく。そのたび一歩ずつ後ろに下がる紫。顔は最初のころと比べ青ざめており、額から冷や汗を流している。そして先ほどの女性に視線をやって、

 

「ゆ、幽々子! た、助けて!」

「紫~ご愁傷様~」

「う、裏切り者~~~!!」

 

助けを求めようとしても速攻で見放されてしまっていた。ザマァwww

 

「サァ~~~テ、ユカリサンヨォ。アッチデO☆HA☆NA☆SHIシヨウカ」(ニコニコ)

「だ、誰か~~~助けて~~~!!!」(ズルズル)

 

 

 

「いやぁああああああああああ!!!」

 

 

 

この日、冥界にそんな叫び声が響いたとか響かなかったとか。

 

 

「で、そういえば名前聞いてなかったな」

 

現在、この建物(白玉楼というらしい)の客間で先ほどの女性と話をしていた。

 

「私は西行寺幽々子よ~。さっきの子は魂魄妖夢よ。この冥界の管理を任されてるわ~」

「妖夢のことは聞いてる。俺は神崎祐真だ。つい最近こっちにやってきた外来人だ」

「知ってるわ~紫から聞いてるから」

 

そんな感じで談笑をしていると、

 

「ね、ねぇ・・・おろしてもらえないかしら?」

 

状況:紫、木に吊るされてる

 

「もうしばらくそのままな」

「そ、そんなー。鬼! 悪魔!」

 

さて、あいつは無視して話をしようかな。ちなみに、扉の修復代は紫持ちになった。うん、俺の睡眠時間を奪った罰だ。

 

「それにしても、あの桜は一体何なんだ? 気が付いたらのど元に剣を突き立ててたんだが?」

「あ~、あれは西行妖っていう妖怪桜よ。以前異変を起こして咲かせようとしたんだけどね~」

「霊夢たちにボコられて終わったと。そもそもあんな禍々しいのをよく咲かせようと思ったな」

「だって見てみたかったんですもの~」

 

と、言うのが異変を起こした理由らしい。話に聞くと、あの紫ですら対処できないらしい。後々紫から聞いた話なのだが、幽々子の生前の亡骸で封印されたとの事。つまるところ幽々子は亡霊だったと・・・

 

「さて、じゃあそろそろ帰らせてもらうよ。誰かさんの所為で眠いし」

「うっ・・・」

 

誰かさんの部分を強調して、紫をにらみつける。以前吊るされたままの状態で。

 

「そう~? じゃあまたね~。いつでも歓迎するわ~」

「まあ、機会があればな」

「・・・ってちょっと! 祐真これほどいてから帰ってよ!」

「あーあー聞こえないなー」

 

そんな紫の叫びを無視して、俺はスキマ(能力で再現)の中に入っていった。ちなみに数時間後、紫を縛っていたロープは従者の藍によってほどかれたそうな。

 




睡眠時間が少ないと怠くなるし、イライラしますよね?(自分だけかもしれませんが)

基本僕の睡眠時間は平日大体4時間弱でしたw

4月からは社会人なのでしっかり睡眠時間を取らなければいけないですね。

誤字脱字等があれば報告お願いします。

次回「永遠亭に薬をもらいに」

次回もゆっくりしていってね!


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第15話 永遠亭に薬をもらいに

はい、皆さんどうも。

この話をもって、第1章は終わりです。

なんか結構展開が早くなっていますがご了承ください。

だって早く異変に入りたいんです!!

それでは本編スタートです!

神崎祐真のイラストを描いてみました


【挿絵表示】



さて、あの白玉楼での事件(主に紫の所為)から2週間が経過した。あの後俺は家に戻りしっかりと睡眠時間を確保することができた。おかげでその日は夕飯を食べ忘れるという問題があったが、さほど気にかかるようなものではなかった。ちなみにこの2週間はいろんなことがあった。まずは、妖怪の山の上にある守谷神社に呼ばれるも、見張りをしていた白狼天狗に追っかけまわされ、何の気なしに散歩してたら太陽の畑に来ており、風見幽香と出くわし戦闘をすることになったり(圧勝)、地底に温泉があるということで入りに行ったら鬼に喧嘩売られたり・・・ついでに地霊殿の面々と会話した。

 

「・・・・・・はぁ」

 

現在、俺は自分の家でため息をついていた。なぜなら、

 

「・・・流行り病でどこの店も休みで暇なんだよな・・・」

 

そう、最近人里に流行り病(症状から察するにインフルエンザっぽい)が広がっており、どこの店も休みなんだよな。外に出ようにも活気のない人里を見るのもなんかあれだったのでヒッキーをしてたところだ。

 

「はぁ、なんか面白いことないかな」

 

まあ、そんなことそうそうないだろうなーとか思っていると、

 

「祐真、いるか?」

 

そういって玄関の扉が開かれた。そこには、

 

「慧音じゃないか。どうしたんだ?」

 

寺子屋の教師兼人里の守護者の上白沢慧音が立っていた。なんか深刻そうな顔をしているんだが何かあったのだろうか?

 

「ああ、実はな・・・」

 

何でも、流行り病の所為で、見回りをしている連中がノックダウン状態になったらしく、代わりに慧音が見回ることになったらしい。それで、その見回りの奴の為に薬が必要らしく、代わりに永遠亭という場所に向かってくれとの事。

「すまない。本来なら永遠亭から薬の訪問販売が来るはずなんだが、今日はまだ見てないんだ。だから、代わりに行って受け取ってきてもらえないだろうか」

「まあ、暇だったし別にいいぞ」

「ほ、本当か?! 助かる! 永遠亭は迷いの竹林の奥にある。案内人に案内を頼んでるから迷いの竹林前に向かってくれ」

「ああ、わかった」

 

そういうと、慧音は見回りに行った。丁度暇を持て余していたところだし、軽く身支度をしてさっさと迷いの竹林に行ってみるか。

 

 

~迷いの竹林~

「おっ、アンタが神崎祐真か?」

 

迷いの竹林の入り口で案内人と思しき女の子が立っていた。服装は、赤いモンペに白い髪が印象的な子だった。

 

「そうだが。お前が案内してくれるのか?」

「ああ。私は藤原妹紅、この竹林の案内とかやってるんだ。よろしく」

 

なんて軽くあいさつを交わす。妹紅の話を聞く限り、迷いの竹林はその名の通り迷いやすいとの事。竹の成長は早いからな。その奥に永遠亭があるらしく、何でもそこにいるお姫様と殺し合いをしているらしい。言葉からして物騒な話だが、二人とも不老不死らしくそこら辺はどうということはない・・・らしい。

 

「そういえば、今回訪問販売が来ない理由がわからんな。もしや迷ってるのか?」

「いや、そんなことはないはず・・・多分だけど・・・あれ」

 

そういって妹紅がある個所を指さした。そこには地面に大きな穴が開いていた。落とし穴の類か?

 

「ここ等辺にはいたずら好きなウサギがいてな。その所為でたくさんのトラップが仕掛けられてるんだ。多分それに落ちたんだろう」

「随分物騒だな。よっと」

 

穴の下を見てみると、確かに誰かが落ちていた。頭にうさ耳つけたJKっぽい奴が。しかもかなり深いな。

 

「おーい、大丈夫かー」

 

俺はそう声を掛けながら偶然バッグに入っていたロープを穴の中に投げ入れる。

 

「あ、あの・・・助けてくれてありがとうございます」

「いいっていいって、気にすんな。で、あんたは? 見た感じ薬の訪問販売風な見た目だけど」

 

JKの格好に水戸○門でお馴染みの柘植の飛○がいつも持ち歩いているような薬箱?を背中に背負っている。なんかシュールな光景なんだよな。

 

「あ、私、鈴仙・優曇華院・イナバっていいます。お師匠様とかからはうどんげとかって言われてます」

「鈴仙ね、俺は神崎祐真だ。そういや、早く人里に向かった方がいいぞ。薬を待ちわびている奴らがいるから」

「あー! そうでした!! 祐真さんありがとうございます! すぐに行かないと!!」

 

鈴仙はそういうと、人里に向かって大急ぎで走っていった。

 

「よかったのか? 一応お前が慧音から頼まれていたことだろ?」

「何か問題があってこれなかった場合だったら俺が貰いに行ってただろうが、向かった最中に事故があったみたいだし。問題はないだろ、理由を話せばわかってもらえると思うが」

「そんなんでいいのか?」

「いいのいいの」

 

そんなどうでもいい会話をしながら、俺たちは永遠亭についた。まあ場所さえわかれば今度からはスキマでこれるし。永遠亭の前で妹紅と別れ、俺は玄関に向かった。

 

「ごめんくださーい。誰かいますかー」

「あら、誰かしら?」

 

暫くして奥の方から赤と青を基調とし、銀髪で後ろに結っている女性が姿を現した。

 

「あー、最近幻想入りした神崎祐真だ。ちょっと挨拶周りっぽいものをしているんだ」

「あら、あなたが最近有名になってる祐真って人。私は八意永琳、この永遠亭で薬師をしているわ。とりあえず、中に入って頂戴」

 

永琳に案内されて、俺は永遠亭の中に入っていった。そして客間に案内された。というか俺有名なの?

 

「さて、少しここで待っててもらえるかしら。姫様を呼んでくるから」

「・・・姫様? ああ、妹紅と殺し合いをしてるっていうあの姫様か」

「あら、あの子とあったの?」

「まあ、ここまで案内してもらったからな」

「そう。じゃあ待ってて」

 

そういって奥の方に引っ込んでしまった。俺は出されたお茶を飲みながら適当に時間を過ごしていると、

 

「あら、実物の方がかっこいいわね」

 

奥の襖から別の女の子が出てきた。恐らくこの子が姫様とかいうやつなんだろう。

 

「私は蓬莱山輝夜よ」

「ああ、俺は――」

「知ってるわ。神崎祐真よね? 文々。新聞に載ってたわよ。妖怪の山を征服したとか色んな武勇伝があるわね」

「あのパパラッチあることないこと書きやがって・・・言っておくがそんなことしてないからな」

「ええ、わかってるわ」

 

あの烏、今度会ったら即刻焼き鳥の刑にしてやる。心の内でこんなことを思っていた俺。そんな時ふと頭にあることが過った。

 

「輝夜・・・? お前、もしかしてかぐや姫か?」

「あら、私のこと知ってるの? ええ、そうよ」

「外の世界では有名だからな。お前が月に帰る話は。まさか地上にいるとは思わなかったが」

「月にいても面白くないしね。永琳と一緒にここにとどまったのよ」

「なるほど」

 

俺は輝夜と結構話し込んだ。途中からゲームの話題が出てきたときは驚いた。まさか重度のゲーマー基NEETだとは思いもしなかったが・・・

 

「うどんげ、帰って来るのが遅いわね」

 

そう言いながら、永琳が客間にやってきた。それを聞いて思い出した俺は永琳に、

 

「ああ、鈴仙ならさっき人里に行ったぞ。なんかかなり深い落とし穴に落ちてたみたいだったし」

「・・・てゐの仕業ね・・・後でお仕置きしておこうかしら」

 

なんか不穏な言葉が聞こえたが気の所為だろう。

 

「さて、それじゃあ挨拶も済んだことだし。そろそろお暇させてもらうわ」

「そう、それじゃあね」

「いつでも来なさい。歓迎するわ」

 

病院から歓迎されるというのはどうなんだろう。内心そんなことを思いながら人里へと戻っていくのだった。

 

後日、流行り病は鈴仙の持ってった薬で治り、人里はいつものような活気が戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、俺が幻想郷にやってきて二か月がたったある日。幻想郷をいまだかつて襲ったことがないような異変が起こることになる。しかし、この時の誰しもがそんなことが起こるとは思わなかったのだった・・・

 




はい、第15話いかがでしたか?

次回から異変の話に入っていきます。

それと、皆さん体調管理はしっかりしてくださいね。特に新しい環境で生活される方は慣れない環境で体調を崩してしまうこともありますから(中学、高校と慣れない環境によって毎回風邪をこじらせてます・・・)。

次回 ~第2章 心闇異変編~

   「異変始動 狙われた祐真」

誤字脱字等があれば報告お願いします。

次回もゆっくりしていってね!


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閑話其の二 幻想郷縁起での祐真の内容

はい、異変に始まる前に前回の閑話での主人公の設定や幻想郷でのことを幻想郷縁起風に書いてみました。その後、ちょっとした小話的なのがあります。

それでは本編スタートです!


 

二つ名 異界を渡る旅人

 

名前 神崎 祐真

 

能力 記憶し再現する程度の能力

 

   ありとあらゆる世界を巡る程度の能力

 

種族 人間

 

危険度 極低

 

人間友好度 高

 

主な活動場所 人里

 

人里から少し離れた場所の家に住んでいる外来人。服装は黒いコートを身にまとい、幻想郷では見慣れない服を着ている。彼の住んでいる家には、外の世界の道具や異世界から持ち込まれたものが多い。性格は基本面倒くさがりだが、やるときはしっかりやるらしい。後、相手を挑発する事が多いらしい。

 

・能力について

 

記憶し再現する程度の能力は、その名の通りあらゆることを記憶して、それを再現してしまうという規格外な能力。しかし、弱点もあるらしい。※1現在、妖怪の賢者である八雲紫の能力、紅魔館のメイド長の十六夜咲夜の能力、その他数名の能力を記憶して再現している。

 

一方、ありとあらゆる世界を巡る程度の能力は、自分が行ってみたい世界などを思い浮かべたりすると、その世界への道が現れるのだという。その能力のお陰で、幻想郷でも屈指の存在という認識が彼の周囲に広がりつつある。

因みにだが、この能力を使って彼は、妖怪よりももっと質の悪い敵たちと戦い、世界を救ったという噂がある。※2

 

・彼の謎

 

彼は幻想郷では決まった職業に定着していない。なんでも、異世界での通貨を換金したらとんでもない額になったらしく、働かなくてもいい感じになっているとの事。

また、彼は時々「昔は戦士として・・・」や「これでも前は海賊・・・」など、多数の職業を経験したと言っているが、果たしてそれが本当なのかは彼しか知らない。

 

・目撃報告

 

・以前冥界に来たときに手合わせをしたら、棒切れ一本で戦われてあっさり負けてしまった。今度こそ絶対に勝ってみせます(白玉楼庭師)

 金属と木製の戦い、圧倒的に不利なのに勝ってしまうとは、彼は一体何者なのだろう。

 

・神社に来るたびにお賽銭(野口)を入れてくれるから、私としては有り難いわ(楽園の素敵な巫女)

 それは恐らくあなたが強要したからでしょう。

 

・あいつに魔法を使ってもらったら、あまりの凄さに驚いたんだぜ。同じ魔法使いとしてなんか負けた感が凄いんだぜ・・・(白黒魔法使い)

 彼は異世界でたくさん経験を積んだ(であろう)からすごいんだと思います。

 

・以前紅魔館で料理を作ってもらったんだけど、私よりも美味しくて女として負けた気がするわ・・・(完全で瀟洒なメイド)

 彼はスペックが高すぎるんです。気を落とす必要はないです。

 

・彼が異世界の話をすると喜々と話すことが多いんだけど、聞いてるこっちからすると、本当にそんな世界があるか疑問だし行った事があるというのも疑問に思えるわ。多分その点だけでスキマと同じくらい胡散臭い。(カリスマ【笑】吸血鬼)

 真実は彼のみがしっていると思います。あと、自分で【笑】と付けて悲しくないですか?

 

・彼にゲームで勝てたことが一回もないわ! どうしてかしら?(NEET姫)

 彼は外来人なのでその面でも精通しているかもしれませんね。

 

・この前人里で子供に手をあげてた大人に対して一発殴ってから説教かましてた。あれは大の大人でも引くほど怖かった・・・(寺子屋教師)

 確かその時その場に気絶者がでましたね。不用意に怒らせてはいけないようですね。

 

・対策

 

彼は基本他者に危害を加えることはないので、対策をとる必要はないだろう。ただ、不用意に睡眠を阻害すると、機嫌が悪くなり何をするかわからない(と思う)のでそこさえ注意すればいいだろう。

 

※1 本人曰く秘密との事。

※2 本人の機嫌がいいとその時のことを話してくれることがある。

 

 

「・・・・・・・」

 

以前俺は人里で稗田阿求という少女から幻想郷縁起に乗せたいからということで取材・・・みたいなものを受けた。まあ、自分としてはしっかりと答えたつもりなんだが・・・どうやら書いた本人や周りはこの事をガセのように思っているようだ。

 

「というか何この二つ名。すっげー厨二感満載なんだが」

「あら。私はいいと思うけど? 異界を渡る旅人さん?」

 

子バカにするように、俺の隣にいつの間にか現れていた紫が口元を扇子で隠す。恐らくその後ろでは笑いをこらえているのだろう。

 

「・・・さて、そろそろ昼時だな。何か作るか」

「それなら私ももらおうかしら?」

 

コイツ・・・人を馬鹿にした挙句昼飯を集るときた。さすがに頭に来るな。

 

「今、何か紫の聞こえた気がするが気のせいか。いかんな、とうとう幻聴が聞こえてしまったか」

「え? いや、ちょっと?」

「あーあー、本当は昼は前日の残りのそばがたくさんあるから肉蕎麦作って、紫にも振舞ってやろうと思ったんだが。幻聴なら仕方ないな。一人分だけ作るか」

「ちょっとストップ! さ、さっきの事謝るから蕎麦を食べさせてくださいお願いします!」

「・・・仕方ないな」

 

謝ると言ったので、約束通りそばを振舞うことになった。

余談だが、紫の蕎麦にだけ大量に唐辛子とわさびを入れて、それを食した紫があまりの辛さに悶絶し、その場に気絶したのは言うまでもない。

 




いかがでしたか? 若干スペックが高すぎ! とか思っている方。僕も編集中そう思ってしまいましたが気にしないでください・・・

それと、先日お気に入り登録が増えて15件になってました。本当、こんな駄文を見てくれてありがとうございます。

次回こそはちゃんと異変を書いていきます。

誤字脱字等があれば報告お願いします。

あ、後感想やアドバイス等も頂けたら嬉しいです。

それでは次回もゆっくりしていってね!


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第2章 ~心闇異変編~
第16話 異変始動 狙われた祐真


はい、皆さんどうも。ゆっくり祐一です。

今回から第2章 ~心闇異変編~がスタートします。

正直文章力がないのでうまく書けないところもありますがご了承ください。youtubeにあげてる茶番劇とは微妙に内容が違います。なのでそういう違いを見ていただくのも面白いかもしれません。

それでは本編スタートです!


俺が幻想郷にやってきて丁度2か月がたった。最初は色々戸惑っていたが、現在はすっかりこっちの生活にも慣れ、人里で買い物をしながら暇を持て余していた。

 

「さて、人里で買う物は大体こんな感じでいいか」

 

久々にピザでも作ろうと考えているのだが、如何せんかまどがなく作るのですら一苦労だ。外の世界のピザ屋でよくあるような機械があれいばいいんだが・・・

 

「今度香霖堂にでも行ってみるか。もしかしたらあるかもしれないし」

 

もしかしたら閉店した店の物が流れ着いている可能性だってあるだろうし。

 

「それにしても・・・」

 

不意に足を止める。ここ最近、俺の周囲が何やら騒がしい。普通に魔理沙たちがいて騒がしい、というわけではない。なんかこう、俺の周囲を嗅ぎまわっているっていう感じ。変な気配を感じるのだ。それに人里も心なしか活気がない気もする。

 

「そろそろ幻想郷にもやってきたのかねぇ。不景気が」

「いや、そんなものではない」

 

冗談交じりにつぶやいた言葉に反応が返ってきた。振り返ってみると、そこには慧音がいた。

 

「だろうな。不景気にしては店員の態度が普通だったし。なんか、何かにおびえている・・・っていう感じだったな」

「・・・一目見ただけでそこまでわかるのか。そうなんだ、実は最近人里であるうわさが広がっているんだ」

「噂?」

 

確かに、こういった場所では噂話一つでかなり信用したりするケースがあるな。前に異世界でも同じ経験があったし。

 

「んで、どんな噂なんだ?」

「・・・自分と同じ人物がその辺をうろついているんじゃないかっていうんだ。それにそいつらに出会うと死んでしまうっていう噂だ」

「・・・ドッペルゲンガーか? その辺もう少しkwsk」

「いや、噂自体はこれが全てなんだ。ただ、それと重なるように人里の外で里の人間の死体が見つかったんだ。誰かが言った噂が本当に起きたと信じ込んでしまってな。ほとんどの人間が家に閉じこもってるんだ」

 

確かに、それじゃあ普通の奴なら信じ込んでしまうな。ただ、

 

「・・・俺には意図的に起こったようにしか思えない。偶然にしては出来過ぎている気がするんだ」

「・・・私もそう思っている。だから私なりにも調べてはいるんだがうまくいかなくてな。それと私の方でも問題があってな」

「ちなみにそっちの問題は?」

「・・・ルーミアが最近寺子屋に姿を見せないんだ。チルノ達に聞いてもここ最近見ていないと言ってな。一教師としては心配なんだ」

「それも重なって中々うまく調査しきれてないと・・・」

「・・・恥ずかしながらな」

 

ふむ、一見関係ないような問題かもしれない。だが、一つの可能性としては人里での問題とルーミアの問題はつながっているというのもあるな。

 

「・・・わかった。俺の方でもこの問題は調べてみる。ついでにルーミア見つけたら慧音の事話しておくから」

「そうしてくれると助かる。では、私はこれから寺子屋の仕事があるから失礼する」

「ああ」

 

そういって慧音は寺子屋に向かっていった。そんな後姿を見ながら、

 

「・・・んで、お前はこの問題をどう思う? 紫」

「あら、気が付いていたのね」

 

俺の隣の空間がパックリ開いた。その中から八雲紫が姿を現す。

 

「当り前だ。そっちも何か話したそうな視線を向けてただろ」

「ええ、あなたには話しておいた方がいいいと思ってね。恐らく、あなたも気づいているでしょう?」

「・・・それはあれか? 最近変な気配を感じるあれか?」

「その通りよ」

 

やはりか。まあ、コイツの事だからしっかりと調べているだろう。

 

「結論から言うわ。最近大妖怪を中心に付近から変な気配を感じるっていう話をよく聞くわ」

「・・・大妖怪だけか? もっと広がっていると思っていたが」

「私も気になって魔理沙や霊夢に聞いてみたけど、そんな気配はない。勘違いじゃないかって言われたわ」

「じゃあ、何で俺にはわかるんだ?」

「・・・それはあなたも薄々わかってるんじゃないの?」

 

無作為にするんだったら既に周りには知られているはず。しかし、大妖怪と俺にしか気配を感じさせていないということは・・・

 

「何が目的かは知らないが、敵は大妖怪と俺に用事があるということか」

「ええ。恐らくは」

「・・・・・・・・」

 

しかし、これは面倒なことになったものだな。敵の目的が分からない以上、下手に不意を見せるわけにはいかなくなったな。これからは周囲に気を配らないといけないとかマジ・・・ん?

 

「・・・・・・・・」

「祐真? どうしたの?」

 

急に無言になった俺に紫がそう話しかけてくる。

 

「そういえば紫、ちょうどいいところに来てくれた。ちょっとこれを俺んちにおいてくれ」

「・・・はぁ?! い、いきなり何よ! 大体あなたも同じ――」

「―――――」

 

紫の言葉を遮るように、耳打ちをする。そして少ししてから、

 

「そ、そうだったわね。わかったわ。けど、後でちゃんと報酬はもらうから」

「あーはいはい。昼飯の一割やるから」

「それでいいわ。それと、それ置いたら竹林まで来てくれないかしら?」

「・・・竹林? 何でまた」

「いいから」

「・・・わかった」

 

うなずくと、紫がスキマを開いてくれた。そこに荷物を入れて家に送った後、紫はスキマの中に消えていった。

 

「さて、じゃあ俺も竹林に行くか」

 

重い足取りで俺は竹林を目指した。

 

 

―三人称視点―

 

人里のとある路地の一角、そこにある人物の行動をマークしている人影がいた。

 

「・・・なるほど、竹林ですか」

 

その人物は八雲紫の何らかの理由で竹林に呼ばれたようだった。その人影はそれを好機と見た。

 

「絶対に逃がしません。必ずあなたをこっちに引き下ろします。待っていてください――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――祐真さん」

 

 

その人影――魂魄妖夢の姿をした何かは、ゆがんだ笑顔を浮かべながら高らかに笑っていたのだった。幻想郷で今までにない大きな異変が起こり始めようとしていた。

 




いかがでしたか? 基本的に茶番劇での1話の内容を何分割かして投稿していくと思います。

これから先の投稿ペースは本当に不明ですが、気長に待っていただけると嬉しいです。でも、なるべく早く投稿するようには務めます。

次回「竹林の戦い 侵攻する闇」

誤字脱字等があれば報告お願いします。

感想、アドバイス等もできればお願いします。

次回もゆっくりしていってね!


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第17話 竹林での戦い 侵攻する闇

最近、寝落ちの頻度が上がってきて動画を編集する時間が無くなっていく・・・

動画の方の心闇録の方が投稿出来てないので、できるだけ早く投稿したいと考えてます。そちらの方もよければどうぞ・・・

祐「宣伝乙」

それでは本編スタートです


「さて、ここでいいだろう」

 

現在、俺は迷いの竹林の中にいる。先ほど紫からここに呼ばれたからだ。そして時間をおかずに、

 

「来たわね」

「ああ」

 

スキマの中から紫が出てきた。その顔は真剣そのものだった。

 

「それで、本当なのかしら? 私たちを見ていたやつがいるって」

「・・・ああ。どことなく俺らの方を見ていたやつがいたんだ。もし仮に、そいつが先の気配の正体だとしたら、あそこでの戦闘はマズい。そう考えてさっきの提案を出したんだ」

 

実はさっきの迷いの竹林云々の話は全て作り話。本当はその気配をおびき出すためにわざと罠を仕掛けたという感じだ。

 

「さて、それじゃあ向こうさんが来るまで準備でもするか」

「準備?」

「ああ。と言ってもそれほど大きな準備じゃない。単純に精神統一とかそんな感じの物さ」

 

敵の力が未知数な為、下手に攻撃をすればどうなるかわからないからな。

 

「っと、どうやら来たみたいだな」

「・・・・・・」

 

かすかだが竹林の中を歩く音が聞こえる。それに、先ほど感じた気配と同じだ。やはり俺らをつけていたか。

 

「・・・もう、幽々子様には困ったものですよ・・・あっ、ここにいましたか二人とも」

「・・・妖夢? 何でここに?」

 

竹林の中から出てきたのは、白玉楼の庭師を務めている魂魄妖夢。しかし、なんといえばいいんだろうか。確かに妖夢なのは妖夢だ。だが、何かが違うというのだけは確実にわかった。

 

「妖夢、どうしたの? 私たちに用事?」

「ええ、そうなんですよ。幽々子様がお二人とお話がしたいから呼んできてくれる~? って言われて・・・」

「あらあら、何かしらね?」

「・・・・・・・」

「・・・あの、さっきから何で祐真さんは黙ってるんですか?」

 

情報が少ないが、やってみるしかないか。

 

「・・・なあ、妖夢」

「? はい、何ですか?」

 

「――お前、本当に魂魄妖夢か?」

 

「っ、な、何言ってるんですか? 私は本当に妖夢ですよ」

 

俺にそう聞かれた妖夢?は当たり前のように言葉を返した。

 

「・・・そうか。そうだよな」

「そ、そうですよ」

「そうだよなー。妖夢が陰でコソコソ俺たちの事を尾行してたりするわけがないよなー。でも、それだったらさっき感じた妖夢の気配は一体何だったんだろうな」

「っ!? どうしてそれを!?」

 

あっ、コイツすぐにボロ出しやがった。ちょろいな。

 

「もしかして、気が付かないとでも思ったか? 隠れるにしても妖力がダダ漏れ、それに見られている気配が隠しきれてない。お前尾行のセンスないぞ。それで、お前は誰なんだ? 妖夢の姿をした何かさん?」

「くっ! まさかこうも簡単に見破られるなんて・・・!」

「いや、お前がチョロいだけだ」

「・・・で、結局妖夢?がつけていた張本人なの?」

 

気配を感じなかった紫はそう俺に聞いてくる。

 

「ああ。だが、コイツが一体何なのかがわからない」

「・・・フフ、バレてしまっては仕方ありません。そうです、私が祐真さんをつけていた張本人です。でも、あなた方の言葉に訂正があります。私は正真正銘の魂魄妖夢です」

「正真正銘、だと?」

「ええ、私は魂魄妖夢の心の闇が具現化した存在。彼女が早く一人前になりたいという負の欲などによって生み出された存在」

「・・・それで、その心の闇が俺に何の用だ?」

 

戦闘態勢を崩さないように心の闇の妖夢に聞いてみた。しかし、なぜ心の闇が表に出ているかそれが疑問でならない。

 

「・・・それについては私をこの世界に顕現してくれた方がお話します。あなた方は黙って私についてきてくれればいいんです」

「・・・断る、と言ったら?」

「致し方ありません。多少痛めつけてでも連れていきます!」

 

心の闇の妖夢(以降、闇妖夢)は背中に帯刀している二本の剣を握りしめ、俺に切りかかってきた。

 

「ちっ! 心の闇の方が表の妖夢より強いだと?!」

「当り前です。心の闇は欲に強いですからね。表の私なんかに負けるわけがないです」

 

これはこれで結構予想外だった。しかし、対抗手段がないというわけではもちろんない。

 

「だが、それで勝った気になってるんじゃお前は俺には勝てない」

「な、何を・・・?」

「宣言しよう、お前は俺には勝てない。剣を使わずに勝ってやろう」(ゴゴゴゴゴゴゴゴ)

「っ!?」

 

闇妖夢は俺の出した殺気に一瞬ひるんだ。だが、これが決定打となった。

 

「ならば早速・・・【火炎・魔の3】ベギラゴン!」

「なっ!?」

 

闇妖夢を包み込むように灼熱の炎が取り囲んだ。

 

「くっ! こ、これくらいどうってことは・・・」

「追加だ。【爆閃・魔の4】イオグランテ!」

 

ベギラゴンを切って出てきた闇妖夢に対して、追撃でイオグランテを放つ。闇妖夢を中心に大きな爆発が響き渡る。

爆発してから数秒後、あたりに覆っていた土煙は晴れた。その先には、

 

「ぐっ、う、うううぅぅぅぅ・・・・」

 

所々から黒い煙をあげながらも、その場に立ち続けようと踏ん張る闇妖夢の姿があった。

 

「ふむ、この状態でまだ立っていられるか。だが、この攻撃を受けた後でも果たして立っていられるかな?」

「あ、あ、あ、あぁぁぁぁ・・・・・」

 

完全に戦意がそがれている闇妖夢に対して、とどめと言わんばかりに俺は、手に小さな火球を作り出した。そして、

 

「これで最後だぁ!」

 

その火球を第三宇宙速度並みの速さで闇妖夢に投げつける。さすがにこの速さにはついていけないだろうな。そしてその火球は闇妖夢に触れて・・・

 

ズドォォォォォォォォン!!!!

 

そんな音と共に、周辺が焼き野原と化してしまった。うん、さすがにこれはやりすぎたかな。

 

「や、やりすぎたか? これでも100分の1まで抑えたつもりなんだが・・・」

「あ、あなた・・・やりすぎよ。妖夢相手にメラガイアーは・・・」

「・・・何言ってるんだ? 今のはメラガイアーじゃないぞ? メラだ」

 

どこぞの大魔王よろしくが言いそうな名言をオマージュさせてもらった。実際、魔力が高い奴ほど初期の呪文ですらバカでかい力になることだってある。

 

「あなた、それが言いたいためにあれを使ったんじゃ・・・?」

「あ、バレた?」

「・・・・・・はぁ」

 

もう少し緊張感を持てと言われてしまった。いや、結構緊張はするもんだよ。主に火力的な問題で。

 

「さて、問題はこいつをどうするかだよな」

「そんなの、脅してでも目的の人物のところに行けばいいんじゃないの?」

 

さらっと物騒なことを言い放った紫。まあ、それが一番手っ取り早いんだけども。

 

「・・・じゃあ、コイツを起こしてさっさと目的の人物のところにでも倒すか」

 

そう言いながら妖夢の頬に檜の棒で突っつこうとしたとき、

 

 

 

 

「あら、別にその必要はないわよ?」

 

 

 

 

「「っ!?」」

 

瞬間、背後におぞましい気配を感じた。俺と紫はその場から飛び退いて、背後に感じた気配の持ち主を見た。

 

「れ、霊夢・・・? 霊夢なの?」

 

そこにいたのは、博麗霊夢・・・に似たナニカ。姿かたちは博麗霊夢そのものだ。しかし、その体からは霊夢の物とは思えないほどのおぞましい気配を感じた。それに、まとっている服も、いつもの紅白の巫女服ではなく、黒と白を基調とした巫女服だった。

 

「霊夢・・・? ああ、博麗の巫女の事ね。残念だけど、私は博麗霊夢ではないわ。私の名前は“博麗霊華”。この異変の首謀者とでも言っておこうかしら?」

「・・・異変の首謀者?」

「あら、気づいているでしょ? 最近大妖怪とあなたの周りに謎の気配を出してたの。あれは私がやってたことなのよ?」

「・・・まさか、人里の人間が一人死んでいたっていうのも・・・お前の仕業か?」

「ええ。まさか私たちの話を聞いている人間がいるとは思わなくてね。知ってしまったのだから仕方なく殺したのよ。でもまあ、そのおかげで人里では噂が広まったのだし、結果は良しとしてるわ」

 

つまり、一連の流れは全てこいつの策略だったというわけだ。どういうつもりでかは知らないがこいつは、ドッペルゲンガーの噂を広めようとしていた。だが、それを偶然聞いていた人里の人間がいて、そいつを口封じのために殺した、と。

 

「さて、神崎祐真。私はあなたに用事があってきたのよ。ご同行願えるかしら?」

「・・・断る」

「そう、なら仕方ないわね。 ―――あなた達」

 

霊華が右手を振った。その瞬間だった。

 

「「っ!?」」

 

俺と紫は驚愕した。そこにいたのは、チルノや大妖精。射命丸文や犬走椛などと行った幻想郷の住人達だった。

 

「おいおい、どういうことだ一体?! 何でお前らがそいつの味方に?!」

「何か勘違いしているようだけれど、この子たちは持ち主の心の闇を具現化した存在よ」

「心の闇?!」

 

マズイ、さすがにこの数を裁ききるのは骨が折れるな・・・恐らく、コイツの能力は闇に関係する能力。下手に力を抜いたらヤバいかもしれない。

 

「紫・・・」

「・・・なにかしら?」

 

だからこそ、俺は紫に向かってこう言った。

 

「此処は俺が何とかする。お前は神社に行って霊夢たちにこのことを知らせろ。異変が起きてることを!」

「・・・あなた一人置いて行けるわけないでしょ」

 

紫がそう俺に反論してくる。そんな中でも敵は近づいてくることをやめない。だから俺は、

 

「早く行け! お前がいると俺が力を発揮できないんだよ! 俺のことはいいからこのことを知らせて来い!」

「・・・わかったわ」

 

紫は渋々納得したといった表情をしてから、スキマの中に消えていった。

 

「良かったのかしら? 仲間がいたほうが効率が良かったんじゃないの?」

「はっ、俺が力を出せば周囲に被害が出る。仲間にまで被害が出かねない状況でいても足手まといなだけだ」

「・・・そう、ならすぐにでもそれが失敗だっと後悔させてあげるわ。あなた達、行きなさい!」

 

霊華の号令を皮切りに、幻想郷の住人たちの心の闇が一斉に攻撃を始めた。

 

「・・・はっ! 後悔するのはそっちの方だってわからせてやる!」

 

 

そして、迷いの竹林で心の闇の軍勢との戦いが始まったのだった。

 




この話で最後まで行かなかったので、次回に回します。茶番劇1話の内容がまさか分にするだけで3話分になるとは思いませんでしたw

なるべく早く投稿するようにはします。

次回「霊華の狙い」

誤字脱字等があれば報告お願いします。

感想やアドバイス等もあればお願いします。

次回もゆっくりしていってね!


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第18話 霊華の狙い

今日はいつもより少し長めです。

とういうかまもなく深夜の一時になりそうです。この時間に投稿するの多分初めてですね。

それでは本編スタートです


「行くぞ! 【火炎・魔の4】ギラグレイド!」

 

スペルを唱えた瞬間、俺を囲うように大きな火炎が立ち上る。その炎に、無作為に突っ込んできた心の闇の軍勢の大半がギラグレイドの餌食となり、残りは数えるほどにまで減っていた。

 

「おいおい、バカ正直に突っ込んでくるか普通。殆ど跡形も残ってなく消滅してるじゃねぇか」

 

残る敵の数は・・・ひーふーみー・・・6体か。弾幕を展開される前にさっさと倒しておきたいところだな。

 

「【瞬足呪文】ピオリム」

 

補助呪文の一つ、対象の素早さを上昇させる呪文を自身にかけ、弾幕を展開しようする敵の懐めがけて走り出す。

 

「【我流・参の太刀】風斬り!」

 

持っていた檜の棒(第17話参照)から無数の衝撃波が広がり、敵めがけて飛んでいく。その衝撃波は、以前妖夢と戦った時よりも鋭さを増している。それを受けた敵は真っ二つになり、切り口からは瘴気のようなものが立ち上っていた。

 

「やっぱり、あなたはすごいわね」

 

敵の後ろで優雅に観戦していた霊華が口を開いた。

 

「あそこまでいた心の闇の軍勢を、こうもあっさり倒すんだもの」

「・・・お前、何が目的だ。何の目的でこんなことをした」

 

一通り敵を倒した俺は、戦闘姿勢は崩さぬまま霊華を睨んだ。そんな俺の姿を見た霊華は依然表情を崩さずに、

 

「私は私の計画の為に異変を起こしてるのよ」

「・・・計画、だと?」

「ええ」

「その計画はなんだ。何をするつもりなんだ?」

 

睨んでいるうえに殺気を出しながら質問をする。それでも霊華は表情を崩すことなく

 

「簡単よ、私の能力でこの世界を支配するためよ。幻想郷にとどまらず、世界全てを支配するのよ。これは序章に過ぎないわ」

「お前の能力? 闇に関係する能力で世界を支配すると・・・」

「あら、闇に関係する能力じゃないわ。私の能力は、“闇を支配する能力”よ」

「っ!? 支配だと!?」

 

霊華の口から発せられた言葉に、俺は驚かずにはいられなかった。それはつまり、霊華はありとあらゆる闇を自分の意のままにすることができるってことだ。それに、

 

「・・・程度が、ない?」

「ええ、この能力は程度でなんか表せるものではないもの」

 

程度がない、つまり俺たち以上の力を有しているということになる。これはさすがに分が悪すぎる。

 

「安心しなさい。貴方に危害を与えるつもりはないわよ。ただ、そのためには条件を飲んでもらうけど」

 

俺の心を読み取ったのか、霊華はそう言葉を発した。

 

「条件、だと?」

「ええ、そうよ。別に無理な要求じゃないわ」

 

霊華は先ほどまでの表情とは一変し、一層にこやかな表情になった。

 

「――あなた、私の仲間にならないかしら?」

「・・・・・・何?」

 

余りにも突然の出来事に、俺は一瞬その言葉を理解することができなかった。

 

「私の計画を成功させるためには、あなたの能力が必要なのよ。その“記憶し再現する程度の能力”と“ありとあらゆる世界を巡る程度の能力”がね」

「・・・俺を使ってお前の理想の世界を作らせようっていうのか」

「あら、ちゃんと報酬も出すわよ? 私の仲間になれば、支配した世界の半分をあなたに譲渡するわ。それに、この異変であなたに危害を与える連中から守っても上げるし。どうかしら?」

「・・・断る」

 

そういった瞬間、霊華の表情が変わった。

 

「・・・なぜかしら? お互いにとって良好な条件でしょ?」

「・・・俺には仲間を裏切ることなんてできない。ましてやその言葉を聞いたらなおさらお前に協力する気はない。そしてもう一つ、今時世界の半分をやろうなんてセリフはどこの魔王も口にしないぞ」

 

俺の知ってる限り、そのセリフを言ったのは初代ドラ○エのラスボスとダイの○冒険のハ○ラーくらいだぞ。

 

「――そう、なら・・・力づくにでもあなたを従えて見せるわ」

「っ!?」

 

刹那、彼女の纏っていたオーラが変わった。先ほどまでの感じとは違い、これは確実にヤバイ。様々な職を経験し、たくさんの世界を渡ってきたからこそ分かる。この状態は危険すぎる。俺でも勝てるかどうか・・・

 

「先に言っておくわ、あなたは異変を解決する立場じゃないわ」

「・・・どういう、ことだ」

「言葉の通りの意味。私にはわかるわ。あなたは異変を起こす、起こしかねない立場の存在」

「っ! 【雷撃】ジゴスパーク!!」

 

まるで心を見透かされているような感じがしてしまい、とっさに攻撃してしまった。まさか、あり得ない。こいつが“あの事”を知っているなんてことが。

 

「【氷結・魔の5】マヒャデドス!」

 

土煙が舞う中、追撃としてマヒャデドスを放つ。これで多少は時間が稼げるだろう。そう考えていた。しかし、

 

「あら、もしかして今ので時間稼ぎでもしようとしたつもりかしら? 生憎だけど、この程度では時間稼ぎなんてできないわよ?」

「・・・くそっ!」

 

やはり、か。これじゃあこっちが不利だ。どうにかして、この局面を打破しなければ・・・いっそのこと、ルーラを使ってこの場から撤退することも可能だ。だが、そうやすやすと見逃すはずがない。こうなったら・・・

 

「【謎符】パルプンテ!!」

「っ!?」

 

何が起こるかわからない。博打呪文を使った。運がよければ、俺はこの戦いを強制終了することができる。後は運を天に任せるしかない。そんな時、閃光があたりを包んだ。どうやら、成功したようだ。

そして俺はその場から退くことができたのだった。

 

 

 

三人称視点

~博麗神社~

 

ここ博麗神社はいつも通りだった。神崎祐真と八雲紫が迷いの竹林で異変に巻き込まれていることも知らず、いつも通り縁側でお茶をすすりながら暇を持て余していた。そこに、

 

「よーっす、霊夢」

「帰りなさい。アンタに出すものなんて何もないわよ。魔理沙」

 

魔法の森に棲んでいて、いつも紅魔館から本を借りる(死ぬまで)名目で盗んでいく“普通”の魔法使い、霧雨魔理沙が例の如く神社に遊びに来ていた。

 

「来て早々、随分な挨拶なんだぜ」

「当り前じゃない。アンタ毎回人ん家のご飯を集りに来て、挙句に戸棚に入れてるお茶菓子とかを勝手に食べる奴なんておかえり願いたいところよ」

「勝手に食べてるわけじゃないんだぜ。お菓子の方が貧乏巫女に食べられたくないって言ってるから私が代わりに食べてるんだぜ」

「コイツ・・・ああ言えばこう言う」

 

・・・と、いつも通りの日常を送っていた。しかし、二人はこの日常がすぐに終わりを告げることなど知る由もなかった。

そして多少時が過ぎ、いつも通り他愛もない話に花が咲いている最中、大きな爆発音が広がった。

 

「「っ!?」」

 

その音を聞いた二人はすぐさま反応を起こした。何が起きたのか、それを調べに行こうとした瞬間、

 

「れ、霊夢! 大変よ!」

 

目の前にスキマが現れ、中から八雲紫が出てきた。二人は焦った紫を見て、

 

「紫、どうしたのよ」

「珍しく焦ってるみたいだけど何かあったのか?」

「た、大変なことが起こってるのよ!」

「お、落ち着きなさいよ。一体何があったっていうのよ」

 

霊夢が紫を落ち着かせると、再び同じ質問を紫に投げかけた。すると紫は、

 

「実は、迷いの竹林で大変なことが起こってるのよ」

「迷いの竹林? あそこらだったらいっつも妹紅と輝夜が殺し合いしてるところだろ。何をそんなに焦ってるんだぜ」

「違うのよ。もっと危険なことが起きてるの。下手をすれば、この幻想郷が無くなるかもしれないくらいに!」

「「っ!?」」

 

妖怪の賢者の口から出た言葉に二人は驚きを隠すことができなかった。さらに深く理由を尋ねると、

 

「現在、幻想郷を心の闇の軍勢が攻撃しているのよ。恐らくまだ迷いの竹林だけが被害にあっているのだろうけど、いずれどんどん広がっていく可能性があるわ」

「は、早くどうにかしないといけないんじゃないのか?!」

 

「・・・今、祐真が身を挺してその軍勢と戦っているわ」

「ま、まあ。祐真が戦っているんなら大丈夫だろう」

「ええ。確かに彼がいれば問題ないでしょう。でも、心の闇の軍勢が危険なわけじゃないのよ。一番危険なのは――」

 

「――それを操っている奴が危険なんだ」

 

「「「っ!」」」

聞こえたその言葉に、三人は驚いて声の方向を振り返った。そこにいたのは、

 

「っ! 祐真!」

 

そう、心の闇の軍勢と戦っていた神崎祐真だった。

 

 

 

パルプンテが上手く成功した俺は、すぐさまルーラを唱えて博麗神社にやってきた。するとすぐに、紫たちが話していたので俺もそれに声をかけた。色々と質問されたが、基本的には紫があらかた説明していたそうだ。

 

「とにかく、この異変を解決しないといけないわね」

「ああ、そうなんだぜ!」

 

そういって、霊夢と魔理沙が声をあげ異変解決に向けてその場から出発しようとした時だった。

 

 

 

「あら、こんなところにいたのね」

 

 

 

「「「「っ!?」」」」

 

その言葉を聞いた瞬間、ほどけていた緊張の糸がまた張り詰めた。まさか、この短時間で居場所を突き止めたのか?!

 

「あらあら、博麗の巫女に妖怪の賢者までいるわね」

「あ、あれは・・・私、なの?」

「・・・いや、違う」

「ええ、彼の言う通りよ。私は博麗霊華、あなたとは違う」

「苗字が同じなんだぜ」

 

確かに同じ博麗。もしかして博麗に関係がある人物なのだろうか。だが、今はそんなことを考えている暇がない。この現状をどうにかすることが先だ。

 

「で、その霊華が何の用かしら?」

「そうね。そこにいる彼を差し出してくれないかしら?」

「嫌よ。祐真がいなくなったら誰がこの神社にお賽銭を恵んでくれるのよ」

「いやそこかよ!」

 

俺のことは金蔓としか思っていない霊夢さん。ふざけんなよ、というかこういう状況でよくそんなことが言えるな。

 

「・・・そう、ならやっぱり力づくで貰ってくしかないわね」

「っ!」

 

霊華が俺に向かって捕まえようと試みる。俺はそれを避けようと戦闘態勢を撮ろうとした時だった。

 

「祐真、ここは私がやるわ」

「なっ!?」

 

俺と霊華の間に、紫が割って入った。そして紫の口から発せられた言葉に、俺は驚きを隠せなかった。

 

「ば、バカ! お前コイツの力を知ってるだろ!」

「だとしても、よ。幻想郷を危険にさらすような奴は、私が倒す!」

「意気込みはいいけど、あなたじゃ私を・・・あら?」

 

すると、何故か霊華はその場に立ち止まった。そして紫をまじまじと見つめてから、

 

「あなた、随分と良い心の闇を持ってるわね」

「・・・何を言ってるのかしら?」

「あなた、幻想郷をこよなく愛している。でも、愛しているが故にそれを壊そうとする輩を許さない。そのためにあなたは力を求める。たとえそれが闇の力であっても、あなたはそれを受け入れてその輩を排除する。そうでしょ?」

「なっ!?」

 

先ほどまで俺に向けれられていた矛先は紫に向けられていた。もしや、この流れは・・・まさか・・・

 

「・・・マズイ! 紫! 速くスキマに逃げろ!」

「だから、あなたの中に眠る心の闇を解放してあげる。そうすれば、あなたはもっと強くなれるわ」

「っ!?」

 

霊華は、紫の肩をつかむと二人の足元に闇が広がり、二人はその中に沈んでいく。

 

「紫!」

 

俺は紫を助けようとその場に駆け寄ろうとした時だった。

 

「此処から先には通さないわ」

「っ!?」

 

そこには闇でできた大剣を持った、ルーミア風の服装をした女性が立っていた。いや、まさか・・・こいつは、

 

「まさか、お前・・・ルーミア、なのか?」

「ええ、そうよ」

「闇を支配する・・・闇を操る程度・・・なるほど。そういうことか」

 

恐らく、コイツは霊華の能力によって支配されているのだろう。ともなると、これはこれで厄介な事だ。

 

「どけ、邪魔だ」

「だから通さないって言ってるでしょ」

「くっ! 霊夢! この場所に強度の強い結界を張れ!」

「わ、わかったわ」

 

霊夢は早急に結界を張った。そして一応二人にはその中に入ってもらった。

 

「邪魔だ! 【氷結・魔の3】ヒャダイン!」

「【夜符】ナイトバード!!」

 

俺とルーミアの放った弾幕が衝突し、相殺された。くっ、本当に面倒だ。紫と霊華はすでに半分以上闇の中に沈んでいた。

 

「ちっ! 道を譲れ! 【剣技】稲妻斬り!!」

「甘いわ。【夜符】ディマーケーション」

 

再び弾幕が衝突し相殺された。ヤバイ、コイツもこいつで相当の実力者だ。下手すればラスボス並みだろう。そして、

 

「さて、二人もいなくなったし。私も撤退しようかしら。でも、一応あなたも連れていこうかしらね」

「やれるもんならやってみな。なら、俺は持てる力でお前を退ける!」

 

ルーミアが近づいてくる。まだだ、まだ近づけろ。俺は全ての魔力をこの一撃の為に注ぎ込む。そして、

 

「今だ! 【禁断呪文】マダンテ!!!」

 

刹那、俺を中心にまばゆい光が包み込む。そして、その光は紫色を帯びた瞬間巨大な爆発があたりに広がった。

 

「っ! これは・・・いったん撤退しないとマズイわね」

 

ルーミアはその言葉を残し、消えてしまった。だがそれでも、マダンテは発動したままだ。マダンテは自身の魔力をすべてつぎ込んで放つ呪文。ゆえに魔力が高ければ高いほど威力は絶大だ。しかし、

 

「ちっ! れ、連戦したせいか・・・体が動かない」

 

マダンテは体に負荷がかかる。さらに連戦もしているとなれば体にかなりの負担がかかってしまう。現在俺はそんな状況だった。自分中心にマダンテを発動してしまったせいで、動こうにも体がボロボロで身動きが一切取れない。

 

「ヤバ、巻き込まれる・・・」

 

その言葉を最後に、俺の意識は暗転した。

 




さて、これで茶番劇で言う序章の内容は終わりです。次回は茶番劇で言うところの第1章紅魔館編の内容です。

なんかこの時間までPC弄ってると、眠気飛んじゃいますね。

次回「紅魔館攻防戦」

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次回もゆっくりしていってね!


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第19話 紅魔館攻防戦

皆さん、お久しぶりです。最近は本当に忙しくて全然投稿できていませんが、気長に待っていただけると嬉しいです。

今回のお話は、茶番劇で言う第1話のだいたい半分ぐらいの内容です。ちなみに小説版では少し改編しています。

それでは本編スタートです!


「・・・知らない天井だ」

 

目を覚ますと、そこはどこかの部屋だった。上半身を起こして周りを確認してみる。

 

「・・・目に悪いな。紅魔館か」

「目に悪い=紅魔館という発想は如何なものかしら?」

 

そこら辺が赤々しい壁に囲まれた部屋を見て紅魔館と理解した俺に、隣から呆れかえった言葉が聞こえた。その声の方向を振り返ると、

 

「咲夜か」

「気が付いたようね。お嬢様がお待ちよ」

「・・・そうか」

 

ベッドから体を下ろして軽く伸びをしながら状態をチェックした。

 

「・・・うん、体も問題ないし。魔力も全部回復したな」

「それじゃあ、行くわよ」

「うい」

 

咲夜に連れられ、俺はレミリアのいる場所へと案内された。

 

「来たわね」

 

案内された部屋には、優雅に紅茶を飲むカリスマ(笑)幼女ことレミリア。紅茶のカップを近くのテーブルに置くと、

 

「さて、あなたに聞きたいことがあるのよ」

「聞きたいこと、ねぇ・・・一体何を聞きたいのやら」

「とぼけないで。私が聞きたいのは、今起きている異変についてよ」

 

やはり、か。どうやって今起きていることを知ったのやら。あ、運命見えるんだったら異変が起こっていることも見えるのか。

 

「異変と言っても、俺だってわかることは少ない。強いて言うなら敵さんの名前と目的ぐらいだし」

「それだけわかっているのなら十分よ。教えなさい」

「まあ待て、話すのは構わないが・・・役者が足りないだろ?」

「・・・それもそうね」

 

と、言うことで霊夢と魔理沙がここに来るまで待つことになった。その間は特に何も話すことなく、ただただ無音の時間が流れていく。そして、

 

「レミリア。ここに祐真来てるでしょ!」ドアバーン

「おい霊夢、扉は蹴破るものじゃないんだぜ・・・」

 

そんな会話と共に、霊夢と魔理沙がやってきた。これで役者はそろったな。

 

「ええ、来てるわ。これから異変の事を問い詰めようとしてたのよ」

「問い詰めるって・・・俺別に異変起こしてるわけじゃないんだけど」

 

レミリアの言葉にそう返しながら、

 

「そういえば、何で俺紅魔館にいたんだ?」

「あなた、紅魔館の近くで倒れてたのよ。事情も聴きたかったしこうして運んできた次第よ」「なる」

 

ふとした疑問の謎が解け、胸にあったもやもやが無くなった気がした。それじゃあこっちも話しますかね。

 

「んじゃ、説明しますか。異変の内容云々を」

「お願いするわ」

「まず、この異変は恐らく今までの異変よりも酷い可能性がある」

「それって一体? というかあなた今まで起きた異変を知ってるの?」

「まあ、紫とかから聞いてたし。聞いた話と今回の異変を比べてみたんだよ」

「そう」

「それで、どういった意味で酷いのかしら?」

 

そういえば、霊夢たちには俺が見たことを話してなかったような気がするな。なら知らないのも無理がないか。

 

「今回の異変の首謀者、博麗霊華の能力が“程度”の能力持ちじゃないからだ」

「程度じゃない? つまり・・・」

「そう、俺らの上位版という風な考え方だ。あいつの能力は“闇を支配する能力”」

「・・・なるほど、確かにそれは厄介な能力ね。でも確か、それに似た能力を持ってる妖怪がいなかったかしら?」

 

この異変の危険性を理解したであろうレミリア。そしていいところをついてきた。

 

「ああ、それに似た能力をルーミアが持っている」

「そういえば、何であの時ルーミアが邪魔してきたんだぜ?」

 

ふとした疑問を投げかけてくる魔理沙。おいおい、これはなんとなくわかるだろ。

 

「おそらくだが、ルーミアは霊華の能力によって操られている、もしくは支配されている可能性がある」

「霊華の能力だったら有り得る話ね」

「ああ、有り得る話だ。だからこそ、俺はこう考察を立てたんだ」

「・・・一体、どんな考察かしら?」

 

その場にいた咲夜がそう口を開いた。その場にいた全員が一斉に俺の方を見てくる。

 

「霊華の能力は恐らく“全て”の闇を支配するはず。もしそうだとしたら、人間の中に眠る心の闇をも操ることだってできる。現に顕現させて攻撃をしてきた。こうは考えたくはないんだが、今は顕現させることしかできないとしたら、いずれは個人の心の闇を支配し、ルーミアみたいに支配して操り人形にする事だって可能になることだってあるかもしれない」

「そ、そんなの巫女である私にかかれば問題はないはずでしょ」

「そんなに甘いものではないわ。もし祐真の言うことが本当だとすれば・・・霊夢、あなた自身に眠る心の闇すらも支配して、博麗の巫女を操り人形にする事だってあるかもしれないわよ」

「レミリアの言う通りだ、霊夢。人間だれしもが心に闇を持っている。善人の塊みたいなやつにだって必ずそれはある。どんなにお前が“博麗の巫女”という特別な存在だとしてもだ」

 

その言葉を最後に、その場は一気に静まり返った。そしてそれを俺が壊した。

 

「・・・まっ、俺が知ってることと独自解釈はこんな感じさね。何か参考になったかい?」

「・・・・・・いえ、正直規模が大きすぎて何も言えないわ」

「「「同じく」」」

 

レミリアの言葉に賛同する霊夢、魔理沙、咲夜。おいおい、こんなので何も言えなかったらお前ら異世界じゃ通用しないぞ??

 

「いや、この程度で驚かれても困るんだけど・・・俺なんてこれの何十倍も規模の大きいことを体験して勝ってきたんだけど」

「「「「それはアンタが(お前が・あなたが)チートなだけよ(だぜ)」」」」

「否定はしない」

 

そう言いながら腕時計を確認する。ふむ、そろそろ来そうだな。

 

「さて、お前ら。戦闘態勢をとりさなされ」

「? 何でよ」

「現在、此処、周辺、敵だらけ、アーユーオーケー?」

「あら、あなたも気づいていたのね」

「伊達に旅人やってねぇよ」

 

どうやら俺とレミリア以外の奴は気づいていなかったみたいだな。というか気づけよ。さっきから殺気が漂ってるんだぞ。さっきだけに。

 

「いました! 祐真さん!」

「「「っ!?」」」

 

いきなり部屋の扉が開かれ驚く霊夢、咲夜、魔理沙。恐らくその声の主のせいもあっただろうね。

 

「・・・よぉ、差し詰め“闇”早苗。かな?」

「こ、コイツが・・・」

「こ、心の闇・・・どう見ても本物の早苗なんだぜ」

 

驚きを隠せていない霊夢と魔理沙はついついそんな言葉をつぶやいていた。そんな中でも、こいつらはぞろぞろとやってきて俺を取り囲んだ。

 

「さて、潔く霊華さんのところに来てもらいますよ」

「だから何度も言ってるだろ。俺はそっちに行く気はない。失せろ」

「・・・しかたありませんね。あんまりこんな手は使いたくないんですけど・・・みなさん」

 

“闇”早苗の号令の元、俺を取り囲んでいた心の闇の軍勢たちは一斉にスペルカードを手に取った。なるほど、物量で襲うという魂胆か。

 

「おい、お前ら。死にたくなかったらスペカ使ってこいつらと応戦しろ。俺も適当に遊ぶから」

「遊びの範囲なのかしらコレ?」

「気にしたら負けなんだぜ」

「そうね」

 

お前らひどくない? まあ、別にいいんだけどさ・・・

 

「んじゃまぁ・・・去ね。【火炎・魔の5】ギラグレイド!」

 

刹那、俺の周りを紅蓮の炎が包み込んでいく。炎は敵をどんどん飲み込んでいく。そして炎が消えたころには、半数近い敵が跡形もなく消滅していた。

 

「」

 

それをみた闇早苗は絶句していた。まあ、仲間が一瞬で消滅したんだ。無理もないだろう。

 

「さて、お前ら。無事か?」

「無事か・・・って、アンタ私らがいること忘れてない?! 今までのと威力が段違いじゃない!」

「だって、俺まだ本気出してなかったし。今でも5割ですが?」

『』

 

その言葉に一同啞然。というかお前らそればっかりだな。

 

「さぁ~て、最後はお前だけだ。とりあえずやられとけ」

「っ! ま、負けません!【秘術】一子相伝の弾幕!」

 

“闇”早苗はスペカを発動して、俺を倒そうと試みているようだが、そんな軟な弾幕じゃあ、この俺を倒すことなんかできないぞ。

 

「・・・・・・・・・喝ッッッッッッッッッ!!!!!!」

「っ!?」ビクッ

 

多少のにらみを利かせながら、纏うオーラを一層濃くして威圧する。案の定、その声の大きさと威圧感に一瞬だけひるんだ。

 

「【昇天呪文】二フラム!」

 

一瞬の隙を突き、昇天呪文を唱えてみる。正直、これは対アンデット用の呪文だから聞くかどうかは五分五分なんだよなぁ・・・

 

「え?! か、体が・・・透けていく・・・い、意識が・・・」

「・・・どうやら効くみたいだな。対アンデット用昇天呪文」

「効かなかったらどうしてたのよ」

「それは・・・まあ・・・あれだ。炎で一発」

 

今の光景を見ていたレミリアにそうツッコまれた。、まあ、こういうのは手探りでやってかないといけないから、仕方ない部分もあるんだよ。

 

「さて、あらかた片付いたかな?」

「・・・ほとんどアンタがやってたけどね」

「気にしなさんな。体力温存ができてよかったじゃないか」

 

ひとまず、この場に平穏が訪れたのだった。だが、俺たちは知る由もなかった。これはまだ、序章に過ぎない物だと。

 




茶番劇と違う点

・雄叫び→一喝
・ジバルンバ→二フラム

後はちょっとした設定の変更などをしました。次回は第1話の後半部分です。

次回「ニセモノ」

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第20話 ニセモノ

お久しぶりです。最近は本当に忙しくてまともに編集できてないです。

それにちょっと事情もあって疲れが相当溜まってます。

正直今回は魔理沙の口調がおかしくなっているかもしれないですが、気にしないでください。

それでは本編スタートです!



「さて、十分休憩は取ったし、そろそろ動くか」

 

現在、敵との戦闘後。俺たちは紅魔館の一室で軽く休憩をとっていた。といっても、俺以外の奴らにとっては何もしてないので休憩と言えるかは疑問だが・・・

 

「あら、どこに行くの?」

 

部屋の扉に手をかけたところを、レミリアに声を掛けられ立ち止まる。

 

「ああ、ちょっと図書室に用事だ。預けたもんを返してもらいに行くところだ」

「・・・パチェに何か貸してたの?」

「ああ、ちょっとした魔道具だ。異世界産のな」

 

つい最近、俺は紅魔館を訪れた際に図書館に立ち寄り、前々からパチュリーに頼まれてた魔法関係の事を教えていくうちに、魔道具・・・つまりは魔力が込められた道具、武器、防具関係の何点かを貸してたのだ。

 

「おっ、図書館に行くのか? なら私も行くんだぜ」

 

と、俺たちの話を聞いていた自称魔法使い霧雨魔理沙が立ち上がった。聞くところによると、コイツは借りるという名目で、他人の物をパクっているという話を何度か聞いたことがある。そして最後には、死ぬまで借りるだけだと来たもんだ。死んだから返すって・・・

 

「別にかまわんが、俺の目の前で窃盗行為は許さんぞ」

「窃盗じゃないんだぜ! 死ぬまで借りるだけなんだぜ」

「世間一般的にはそれを窃盗というんだが・・・」

 

駄目だ。こいつに何を言っても聞く耳を持たないようだ。というか。こいつ外の世界に出ることになったら絶対警察のお世話になるだろうな。そんなことを考えてしまう。

 

「んじゃ、私はここでまったりしてるわ~」

「別にいいけれど、その代わりお茶とお菓子は出せないわよ?」

「・・・いいわよ。別に」

 

昨夜の言葉に、若干落ち込んでいる霊夢。もしかしてあれか? この場にとどまってお茶とお菓子をたかろうとしてた口か?

 

「んじゃ、言ってくる。そんなに時間はかからないとは思うけどな」

「行ってくるんだぜ」

 

そういって、俺と魔理沙はその場を後にした。

 

 

 

 

 

「毎回思うんだが、この図書館やっぱり広いよな」

 

場所は変わって図書館。最初に来た時も思ったんだが、本当にここは広いよな。それにたくさんの本もあるし。魔法関係の習得にはそう困らなそうな場所だよな。

 

「それで、預かりものを返してもらうって言ってたけど、何を貸したんだぜ?」

 

隣でどんな本を盗もうか考えているであろう魔理沙がそう聞いてきた。こいつの前で魔道具のことはあんまり言いたくないんだよなぁ・・・いつ家にやってきてとっていくかわからないし・・・

 

「まあいろいろだ」

「そうね、色々あったわ」

 

すると、俺たち二人の声とは違う声が聞こえてきた。と言っても、俺と魔理沙には知ってる声でもあるが・・・。そこには、紫もやしことパチュリーが小悪魔を引き連れてやってきていた。

 

「よぉ、1週間ぶりだな。どうだった? 魔道具の方は?」

「ええ。とてもいいものが見れたわ。魔法にああいう使い方があるとは知っていたけれど、実際に見てみると結構参考になったわ」

「そうかい、それはよかった」

 

「小悪魔」パチュリーはそういって、近くにいた小悪魔に俺が貸した魔道具を渡すように合図をした。小悪魔は俺に魔道具を渡してくれた。そして気づいた。

 

「ん、渡した時よりもきれいになってるな」

「ええ、いいものを見せてくれたお礼にね。キレイにしてあげたのよ」

「・・・よく言いますよ。散々私をこき使ってきれいにさせたくせに」

「ふんっ!」

 

ふぎゃ! という謎の奇声と共に、小悪魔がその場にうずくまってしまった。人使い・・・悪魔使いが荒いんだなぁ・・・

 

「そういえばさ、パチュリー。お前んとこに“王者の剣”落ちてなかった? こんな感じの奴」

「・・・ああ、あれね。あれからどことなく強い魔力を感じていたから厳重に保管しておいたわ」

「やっぱりここに置きっぱだったか」

「何で大事なものを置き忘れるのかが疑問ね。こぁ、あれを持ってきなさい」

「・・・はーい。全く人使いが荒いんですから・・・」

 

ぶつぶつと小言を言いながら奥の方へと向かった小悪魔。そんな光景につい苦笑してしまう。数分後、王者の剣を携えた小悪魔が戻ってきた。

 

「さて、こぁも戻ってきたことだし、ちょっとさっきの事を聞かせてほしいわ」

「さっきの事って・・・お前の事だから水晶玉とかで見てたんじゃねぇの?」

「ええ、見てたわ。でも、実際に敵と出くわしたとき、相手の外見が同じじゃない。あれの見分けとかはどうすればいいのよ」

「ああ、なるほど」

 

どうやら、パチュリーは今後のことを踏まえて、敵さんに遭遇した際の見分け方を知りたいらしい。

 

「あれ簡単だぞ。少し意識すれば、あいつらの内側から禍々しい物を感じ取れるはずだぞ」

「・・・そう。なら今度実践してみるわ。ありがとね」

「・・・だが、果たしてそうやすやすとうまくいくものかね」

「・・・・・・どういう意味?」

 

俺の言葉に疑問をぶつけたパチュリー。まあ、その反応が普通だ。

 

「簡単だ。いくら魔法にたけた奴でも、本人であるかどうかを見分けることは難しいんだ。例えば・・・」

 

そういい、俺はとある呪文をつぶやく。すると、

 

「・・・なっ・・・?!」

 

パチュリーは驚きの声をあげた。まあ、無理もないかなぁ

 

「どう? これでも本人だって見分けられるのかしら?」(レミリア風口調)

 

なぜなら、変化呪文「モシャス」を使って、俺はレミリアの姿に化けているのだ。

 

「・・・驚いたわ。それもあなたの言う呪文なのかしら?」

「ええ。これは変化呪文「モシャス」。いろんな姿に変身できる呪文よ。まぁ、ほとんど使わないマイナー呪文なんだけれどね」(レミリア風ry)

「あなたがレミィの口調をまねると物凄い違和感が感じるから、そろそろ解いてくれるとありがたいのだけれど」

「・・・おっと、これは失礼」

「お前、ホントに何でもありなんだな」

 

パチュリーにそういわれ、渋々呪文を解くと今度は魔理沙から呆れられた。解せぬ。

 

「そんで? どうよ。実際何の違和感も感じられなかっただろ?」

「・・・ええ、そうね」

「ほれ、そんな状態で挑んだら、最悪お前の命が危うい。ここは異変解決者常連の連中に任せとけ。最も、俺はこいつらでも危ない気はするんだが・・・」

「おいおい、私らじゃ異変解決できないっていうのか?」

 

そういって、魔理沙は俺を心外だぜというようなまなざしで見ていた。

 

「・・・まあ、お前がそういうんならそうなんだろうな」

「・・・そのいい方。信用してないだろ?」

「・・・いや、信用はしてるぞ。多分」

 

さて、そろそろ戻るか。あんまり長居してもこの隣の奴がしつこく責め立てるだろうからな。早く帰ってこの件に関する情報を集めていた方が得策だろう。

 

「んじゃ、目的の物も戻ってきたし。そろそろお暇させてもらおうかな」

「あら、もう少しゆっくりしていけばいいのに」

「俺も本当はそうしたいけどね、隣がうるさいから集中できん」

「おい、それって私のことか?」

「外野がうるさいから、俺帰るわ。じゃあなぁ~」

「って、おい! 待てよ!」

 

外野(魔理沙)をおいて、俺は図書館の扉を開けて外に出ていった。

 

 

(三人称視点)

 

「・・・・・・」

「・・・・・・」

 

図書館に佇むパチュリーと小悪魔。祐真たちが外に出たのを見計らい、

 

「・・・ねえ、どう思う?」

 

不意に、パチュリーが小悪魔にそう問いかけた。

 

「・・・はい、パチュリー様の言う通りかと思います。私にも見えました。彼の死相が」

「やっぱりね・・・だとすると・・・」

 

小悪魔の言葉を聞いたパチュリーは小さく、小悪魔に聞こえるような声の大きさで、

 

「・・・彼、死ぬわね。そして、その後が彼に最も不幸が降りかかる」

「・・・パチュリー様、どうにかならないんでしょうか?」

「・・・私達じゃ、どうすることもできないわね」

 

そんな声はもちろん、図書館の外にいる祐真たちにはきこえなかった。

 

 

(祐真視点)

 

「んじゃ、私は先に戻ってるぜ」

「ん。わかった、俺は少し考え事をしてから戻るからよ」

 

図書館から出た俺たちは、霊夢たちがいる場所に戻る途中だったが、俺は少し思うところがあったため、魔理沙を先に返してすこし考え事をすることにした。

 

『あいつは・・・霊華は、一体俺の事を知ってるのか? 異変を解決する立場じゃない。異変を起こす立場・・・まさか、あれを知っているのか? あり得ない、だって、あれは――』

 

そんな考え事をしていたせいだろう。俺は考えることに集中していた。その為、気づくのが遅くなってしまった。

 

グサッ!!!

 

「っ!? グボッ!!?」

 

体を異物が貫いた。血液が逆流し、堪えきれずに吐血してしまった。異物は俺の体から抜かれ、そこから血液がとめどなく流れていく。

 

「て、テメェ・・・」

 

薄れ良く意識の中、俺は俺を貫いた奴を見た。そこには、

 

「・・・フフッ、所詮人間。弱い物ね」

 

憎たらしいほどの笑みを浮かべたレミリアが俺を身下ろしていたのだった。

 

 

(魔理沙視点)

 

「・・・おっそいな」

 

祐真と別れてから約十分ぐらい。考え事をしていたにしても遅い。何かあったのか?

 

「・・・はぁ、仕方ない。戻るか」

 

そういい、来た道を戻る私。

 

「・・・血の匂い? 一体どこから?」

 

暫くすると、うっすらと血の匂いが漂ってきた。歩を進めるたびに、その匂いは強くなっていく一方。そして、

 

「ゆ、ゆう・・・ま?」

 

祐真と別れた場所へと戻ると、そこには血だまりを作ってその場に倒れている祐真の姿を見つけてしまった。余りの出来事に、私は碌に声を出すことは出来なかった。

 

「お、おい! しっかりするんだぜ! 一体誰にやられたんだぜ?!」

 

ハッとなり、急ぎ祐真の元に駆け寄り祐真の状態を見る。

 

「・・・まずいんだぜ。早く永遠亭に連れて行かないと・・・!」

「あら、その必要はないわよ」

「っ!? こ、この声は・・・!」

 

あり得ない。その声を聴いたとき、私の頭の中でこの出来事を起こした人物を発見した。でも、そんなはずはない。だってあいつは・・・“レミリア”は

 

「・・・レミリア、お前が・・・祐真をやった、のか?」

「ええ、そうよ」

 

嘘だ。あり得ない、だってあいつは今、霊夢たちと一緒に部屋にいるはずだ。仮に外に出たとしても、コイツが祐真を殺す理由はないはずだ。

 

「・・・どうして、祐真を」

「あら、何か勘違いしているようだけれど、彼はまだ死んでないわよ。そうね、今は瀕死状態よ。そして、あなたはどうして私が彼にこんなことをしたのか疑問に思っているようだけれど、理由は簡単よ。あいつ・・・霊華の元に連れていくためよ」

「っ!? じゃ、じゃあおまえは・・・心の闇?!」

「ええ、その通りよ。でも、彼から聞いていたはずなのに気づかないなんて。やっぱりあなた、今回の異変解決は諦めたら?」

「はっ! 誰が諦めるかよ! お前なんか紅霧異変の時みたいにぶっ飛ばしてやるんだぜ!」

 

 

「――あら、私が前のようなヘマをすると思うかしら? それよりも、彼の身を案じるより自身の心配をしたらどうかしら? 貴女には少し、実力の差を見せたほうがいいわね」

 

 

「っ!?」

 

心の闇のレミリアの放った言葉に、私は一瞬背筋が凍る感じがした。ミニ八卦炉を構えた手が震えている。

 

「ふふっ、今の事で一瞬ひるんだわね。それが、貴女と私の実力の差よ。それに、私のカリスマでもあるわ」

「ば、バカな!? レミリアのカリスマなんて・・・カリスマとも呼べないものなはずだぜ!?」

「・・・それは、表の私が使いこなせていないだけの話よ」

 

マズイ、私の本能がそう告げている。しかし、ここで逃げるわけにはいかない。ここで逃げてしまったら、祐真を助けることができない。だから私は、

 

「いいや! 絶対に倒してやるぜ! 【恋符】マスタースパークッッ!!」

 

未だ震えている手を固定し、照準を心の闇のレミリアに向けてマスパを放つ。

 

「・・・甘いわね。やっぱり、あなたはまだ未熟ね。【闇・神槍】スピア・ザ・グングニル」

 

心の闇のレミリアはそういうと、漆黒に染まったグングニルを手に取り、マスパに向かってそれを投げつけた。

 マスパとグングニルはぶつかり合い、周囲に衝撃波が発生する。私はマスパが押し切られないように、必死に八卦炉に力を籠める。だが、

 

「う、嘘・・・だろ?」

 

マスパとぶつかり合っているグングニルが、どんどん威力をあげマスパを押し始めた。

 

「く、くそっ! お、押し切られる!!」

 

直撃を避けるため、私は後ろに大きく回避する。マスパの力を弱めたため、グングニルの攻撃が押し切り、マスパは一瞬にして掻き消されてしまった。そして私がいた場所にグングニルが直撃する。だが、それだけでは済まなかった。

 

「なっ!? ぐぅっ!?」

 

グングニルの余波が周囲に広がり、それに巻き込まれた私は紅魔館の壁に勢いよくたたきつけられた。

 

「ふっ、所詮人間、脆いわね。さて、あなたはまだ立ち上がるのかしら?」

「・・・あ、あたり・・・まえ、なのぜ! 【魔砲】ファイナルマスター・・・」

「動きが遅いわ。それじゃあ隙だらけよ」

「ぐふっ!?」

 

スペルカードの発動をする前に、反対側の壁にたたきつけられた。ヤバイ・・・意識が・・・

 

 

 

(三人称視点)

 

「さて、邪魔な魔法使いも倒れたことだし、さっさと彼を回収して戻りましょうか」

 

そういい、心の闇のレミリアは彼の元に歩こうとした時だった。

 

「【神槍】スピア・ザ・グングニル!」

「っ!」

 

彼女の心臓めがけ一本の槍が襲い掛かる。しかし、それを難なくとかわす心の闇のレミリア。攻撃が飛んできた方向を見るとそこには、

 

「全く、帰りが遅いから見に来てみれば・・・これはひどいありさまね」

「そうね。二人ともダウンしてるし、何よりアンタの家がボロボロね」

 

 

博麗の巫女こと博麗霊夢と、紅魔館の主レミリア・スカーレットが立っていた。

 

「あら、誰かと思えば・・・碌にカリスマ力を使えないダメ主と博麗の巫女じゃない」

「黙りなさい。よくも私の家をボロボロにしてくれたわね。いくらあなたが私の姿をした心の闇でも、許さないわよ」

「あらあら、そこに倒れている二人よりも紅魔館を優先するの? 薄情なのね」

「勿論、二人の事も大事だけれども・・・何で私が二人を優先しないと思う?」

 

唐突の質問に、疑問符を浮かべる心の闇のレミリア。そして、ハッと気づいた。

 

「・・・まさか!」

「ええ、咲夜っ!」

「かしこまりました。お嬢様」

「っ!」

 

心の闇のレミリアの背後から十六夜咲夜の声が響く。後ろを振り返った時にはすでに遅かった。祐真と魔理沙はすでに回収されており、霊夢たちの手にと戻っていた。

 

「これで、貴女の作戦は失敗したわね。大人しく元の場所に戻りなさい」

 

レミリアはそういい、心の闇を追い返そうと試みる。しかし、

 

「・・・フフフ。まさか私がこんなことを計算していないとでも?」

「・・・なんですって?」

 

心の闇のレミリアの言葉に、逆に疑問符を浮かべるレミリア。そして次の瞬間。

 

「っ! レミリア、伏せなさい!」

 

霊夢が叫んだ刹那、数本の投げナイフが心の闇のレミリアの背後から飛んでくる。それを住んでのところで交わした三人。

 

「あら、惜しかったわね。もう少し仕留められたのに」

 

「「「っ!?」」」

 

その声に、レミリア、霊夢、咲夜の三人は驚きを隠せなかった。なぜならそこにいたのは、

 

「大丈夫ですか? お嬢様?」

「ええ、大丈夫よ“咲夜”」

 

心の闇の十六夜咲夜が、主である心の闇のレミリアを守るように佇んでいたのだった。

 




最近は艦これのACカードを集めています。最近は有名なネットショッピングサイトで忠犬コンビ2人を購入しました。二人合わせて1万5千円くらいしました・・・最近のカードは高いですね...( = =) トオイメ目

誤字脱字等があれば報告お願いします

次回「表と裏の実力の差」

次回もゆっくりしていってね!


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第21話 表と裏の力の差

はい、PCで編集するのが面倒になってきたので、iPadにキーボードをつないでメモ帳に書いたのをペーストして投稿しています。

PCはあくまでも動画編集用や動画閲覧、何か調べ物をしたりとかに使っていく予定です。

とまあ、身の上話はいいとして・・・早速本編へと行きましょうか。

それでは本編スタートです!


 

〈三人称視点〉

 

「さて、これで流れが変わったわね。表の私、こっちに彼を引き渡しなさい」

 

心の闇の十六夜咲夜が現れ、闇レミリアはレミリアにそう提案を出す。

 

「愚問ね。私が祐真を渡すとも?」

「・・・それなら仕方ないわね。咲夜」

「わかりました」

 

闇レミリアがそう言うと、闇咲夜が動き出す。

 

「っ! 咲夜、祐真と魔理沙を連れて安全な場所に行って手当てをしなさい!」

「し、しかし! お嬢様・・・!」

「咲夜、これは命令よ。一刻も早くここから遠い場所に行きなさい!」

「っ! わかり、ました」

 

咲夜は、何もできない自分に歯がゆさを覚えながらも、レミリアに言われた通りに行動を開始しようとする。しかし、

 

「させないわよ? 咲夜!」

「かしこまりました」

 

”闇レミリア”がその行動に待ったをかけるように”闇咲夜”に行動を指示する。いつの間にか咲夜の前に立ちふさがるような形になった。

 

「さて、表の私。初めまして・・・と言うべきかしら?」

「・・・ええ、出来れば会いたくなんてなかったんだけれどね」

 

互いの咲夜は、持っているナイフを構え、戦闘態勢をとる。少しでも動けば、持っているナイフを投擲すると言わんばかりに、にらみ合いが続く。そんな緊張感が周りに広がっていく。

 

「どうしたのかしら? 攻撃してこないの?」

「お望みとあらばやってあげるわ」

 

「「【奇術】ミスディレクション!!」」

 

それは同時だった。二人の咲夜の放った弾幕は互いに衝突しあいそのままかき消されて行った。

 

「あらあら、表の私の実力はこんなものなのかしら?」

「そっちこそ、裏のわたしの実力はそのていどなのかしら?」

「・・・言ってくれるわね」

「相手が私って言うのは・・・やりにくいものね」

「あら、弱音かしら? 言っておくけれど、こっちの方が良かったと思うわよ? あなたに、心の闇のお嬢様を倒せるのかしら?」

「そ、それは・・・」

 

咲夜は言葉に詰まった。心の闇の咲夜が言っていることは事実だ。咲夜には自分の主人であるレミリアを倒すことなんてできなかった。

 

「お嬢様に感謝することね。もしもお嬢様があなたと戦いたいと言ったら、あなたは防戦一方で死んでいたかもしれないわよ?」

「くっ! 次は・・・これよ!」

「・・・諦めが悪いわね。まあ、どんな攻撃かなんて言うのはある程度把握はできてるけども」

 

「「【幻象】ルナクロック!」」

 

またも同じ技を繰り出される。しかし、先ほどと同様に両者の攻撃はかき消されていく。

 

「こ、これもダメなの?!」

「無駄よ、私はあなたなんだから、あなたが次に使うスペルカードだって把握することなんかたやすいものよ」

「それに、2枚のスペルカードを使っただけで、私とあなたで力の差は歴然だと思うのだけれど・・・?」

「そ、それでも・・・私は」

「・・・はぁ。仕方ないわ。なら、見せてあげるわ」

 

「【幻世】ザ・ワールド」

 

刹那、世界の時間が止まった。その中で、動くのは”闇咲夜”のみ。

 

「さて、あなたはこの数を捌ききれるのかしらね?」

 

そう言いながら、”闇咲夜”はナイフを投擲する。ある程度の量のナイフを投擲し終えると。

 

「そして時は動き出す」

 

その言葉とともに、止まっていた世界に色がつき、世界の時が再び動き出す。

 

「っ!?」

 

驚愕の表情に包まれた咲夜は、慌てて飛んでくるナイフを回避する。しかし、

 

「ぐっ!?」

 

いくつかのナイフが咲夜の体を掠っていく。

 

「な、なぜ・・・時間が」

「なぜ、ね。簡単よ。姿形は同じでも、中にあるものは違う。中にあるものが同じなら、あなたも止まった時間の中でも動けるわ。でも、中にあるのは心の闇の人格。似て非なるもの。だから時間が止まった時、あなたの時間は止まったのよ」

「・・・今の話だと、私が時間を止めればあなたの時間は止まるってことよね?」

「・・・単純ね。今の話を聞いたからって、自分も同じようにザ・ワールドを使おうとしたって無駄よ。そんなことは私がさせないわ」

 

二人の咲夜は再びナイフを構える。戦況は”闇咲夜”の方が有利な状況にある。一方の咲夜は危機的状況にあるのだった。

 

 

 

〈紅魔館ー地下〉

 

「・・・何の音だろう?」

 

地下の一室にはレミリアの妹のフランが本を読んでいた。最初は集中して読めていたが、途中から聞こえてきた音によって集中力が切れていた。

 

「また魔理沙とかがパチュリーのところで暴れてるのかな?」

 

読んでいた本を閉じ、部屋の入り口まで歩みを進める。

 

「もー、せっかく今いいところだったのに・・・ちょっと様子を見てこようかな?」

 

そう言ってドアノブに手をかけようとした瞬間、

 

「困るなぁ・・・まだ時期じゃないんだけど」

「っ!?」

 

背後から聞こえてくる声に思わずその場から飛び退いたフラン。

 

「だ、誰っ!?」

「誰だっていいじゃないか。そんなことより、今この場から出ていかれるとのちの計画に影響を及ぼすからやめてほしいんだよねぇ」

 

その場にいたのは、黒いローブを身にまとった人物。声からして男だろうとフランは判断した。

 

「計画?」

「おっと、つい口が滑ってしまった・・・仕方ない。ここは口封じのためにも・・・君の心の中を覗かせてもらうよ」

「っ!?」

 

一瞬、フランは自分の中に何かが入り込んでいくような感じを覚た。そしてしばらく悪寒が止まらなくなりその場から動けなくなった。

 

ローブをまとった男だろう?は少し間を開けると、

 

「なるほど・・・これは予想よりもいいものをもっているみたいだ。これは使わないてはないね」

「な、何を言って・・・」

「なに、君の中にある”狂気”を有効的に使わせてもらおうと思ってね。彼が一時的に押さえ込んだみたいだけど、それを外させてもらおうよ」

「まっーー!?」

 

言葉を発そうとしたした瞬間、とてつもない負の感情がフランの全身を駆け巡った。余りの不快さに彼女は照っていられるのも精一杯になってしまい、ついにそのばにたおれてしまった。

 

「ふふっ、さてと。君が目覚める頃には、すでに君という存在がなくなっているかもしれないけど、気を悪くしないでね。これも彼を堕とす為だからね。恨むんなら彼を恨んでね」

 

そんな言葉を聞いた瞬間、フランは意識を失ったのだった・・・




いかがでしたか? ちなみに今どれくらいのないようなのかというと、茶番劇の第2話「力の差を乗り越えろ」の中頃部分までです。それにプラスして、第3話の伏線を入れてみました。実際茶番劇ではこの伏線を入れてなかったので、急展開になってしまったので、小説版では入れるようにしました。

次回はレミリアの戦いになります。一応茶番劇をベースに編集していくつもりです。第2話分書けるといいなw

次回「力の差を乗り越えろ」

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