うちのかるであ (灯篭)
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青v.s.黒

マスターが出てきますが、名前は決めていません。
皆『マスター』と呼びます。


第5章楽しかったですねー。
アサシン先生が出てきたのが一番うれしかったです。


 

 

 

 よう。

 セイバーのサーヴァント、モードレッドだ。

 

 

 俺は今、とても危険な場面に遭遇してしまった。

 

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 

 青い父上と黒い父上が睨みあいながら無言で飯を平らげてる。

 

 

 食堂のど真ん中でそんなことするもんだから、晩飯の時間にも関わらず食堂には人っ子一人近づかない。

 

 

 ちなみに俺は食堂の扉から中を覗き込んでいる。

 青い父上はともかく、黒い父上は俺に厳しいんだよな……。

 

 

「……エミヤ、おかわりをお願いします」

 

 

「エミヤ、こちらもおかわりだ。早急に作れ」

 

 

 父上二人からの注文に、厨房内にいるエミヤはてんてこまいだった。

 

 

 以前エミヤが『青いアルトリアと黒いアルトリアは同一人物にも関わらず、料理の好みがまるで違う。同時に食堂に来てほしくない』と愚痴ってたような気がする。

 

 

 ちなみに、ここではエミヤが総料理長とかいう役職についていて、カルデア専属の料理人を取りまとめてるらしい。

 

 

「さて、黒い私。貴方には少し話があります」

 

 

「私にはない。食事の邪魔だ。しばらく黙るがいい」

「いえ、ここは物申させてもらおう。貴方も私と言うのならば、王としての節度を持った振る舞いをするべきだ」

 

 

「これが私にとっての王としての在り方だ。貴様も私ならばわかるだろう。王とは強くあるべきだ。逆に言えば、強さ以外のものなど必要ない」

 

 

「その考えはあまりに危険だ! それでは国が国ではなくなってしまう!」

 

 

「その考えで統治してきたブリテンはどうなった。滅びたであろう。理想を通すには理想を捨てることも大事なのだ」

 

 

「貴方のようなやり方で滅びてきた国をいくつも見てきた! あの時代に私が失脚したのは、騎士の時代が終わりを告げただけのこと。確かに王として私は未熟だったかもしれないが、誰にも恥じない生き方をしてきた! ええ、今日こそは言わせてもらおう。貴方は間違っている!」

 

 

 強く力説した後、机を叩いて立ち上がる青い父上。

 

 

「そのような雑な料理を大量に食すとはなんということだ!」

 

 

 そこかよ!

 さっきまでかなりいい話だったのに!

 

 

「ふん。貴様が好む料理の方こそ私は気に食わない。味が細かすぎる。そんなもの味わっていられるか。だからマズいのだ」

 

 

「マズいからと言って吐き捨てるとは何事か! どのような料理であれ、作った方に敬意を表して全て残さず食べるのが礼儀というものでしょう!」

 

 

「マズい料理を作る輩に払う敬意など持ち合わせていない。料理は美味いかマズいかだ。それ以外の事柄など存在しない」

 

 

 どんどん白熱していく青い父上と黒い父上の口論。

 ていうかもう口喧嘩だな。

 

 

 お、見かねたのか厨房からエミヤが出てきたぞ。

 

 

「君たち、いい加減にしないか。ここは食事をする場所であって口論をする場所ではないぞ。続けるのなら私室に戻ってから……」

 

 

「「おかわり」お願いします」

 

 

 エミヤの言葉を無視して同時に皿を突きつける父上たち。

 

 

 さらに何か言おうとしたエミヤだったが、二人に睨み付けられ、すごすごと厨房に戻る

 情けねー。

 

 

 あ、エミヤと目が合った。

 

 

「モードレッド! 君も手伝え!」

 

 

「はあ!? 嫌だよ! 俺料理とかできないし!!」

 

 

 目が合った途端、すごい剣幕でこちらに詰め寄り、俺の腕を掴んで厨房へと連れられる。

 

 

「あの二人が揃った時の食料の減り具合は知っているだろう! 猫の手も借りたい状況なのだ!!」

 

 

 厨房に入ると料理人たちが右へ左へ上へ下への大混乱だった。

 

 

 あ、よく見るとマスターとマシュもいる。

 何やってんだあいつら。

 

 

「君はオルタ用のハンバーガーを作ってくれ! 具材は既にできているから、後は挟むだけだ! 頼んだぞ!」

 

 

 そう言い捨ててエミヤはまた調理場へと戻った。

 

 

 ……しょうがねえか。

 あとでエミヤに報酬としてバイクでも投影してもらおう。

 

 

 とりあえず俺はパンを手に取った。

 

 




青と黒は仲が悪い。

白とサンタは仲がいい。


閲覧ありがとうございました。


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ランサー会議

我がカルデアのランサー事情。


ほんとにごめんなさい。


 出席者:クーフーリン・ディルムッド・ヘクトール・レオニダス1世

 欠席者:ロムルス・プロトクーフーリン・武蔵坊弁慶

 

 

 

 カルデア内にある複数の会議室の1つ。

 唯一使用中の札が掛けてある部屋には、ランサークラスのサーヴァントが集まっていた。

 

 

「ではこれより、第三回ランサー会議を開催します! 議長は前回に引き続きこの私、レオニダス1世が務めさせていただきます!」

 

 

 出席予定者が集まったのを見計らい、レオニダスが前へと出た。

 その後に続くようにディルムッドもホワイトボードの傍へと進む。

 

 

「書記を務めます、ディルムッド・オディナです。よろしくお願いします」

 

 

「うむ! さて、今回の議題は前回の会議で決めました通り……」

 

 

 ディルムッドがホワイトボードに大きく議題を書いていく。

 

 

「『マスターがランサークラスを軽視している件について』です! 詳細説明をディルムッド殿、よろしくお願いしますぞ」

 

 

「かしこまりました。現在、ランサーのサーヴァントで最もレベルが高いのはクーフーリン殿の52です。これは我がカルデアのスターティングメンバーのレベルには大きく劣ります。他のランサーサーヴァントも皆、一段階目の霊基再臨を終えるのみという現状です。この問題について、今回は私たちで話し合おうという趣旨でございます」

 

 

「実際、マスターがレア度至上主義なのが問題だよなあ。相手がアーチャークラスでも金時の野郎とジャンヌで何とかなってることも理由の一つだろ」

 

 

 クーフーリンが足をテーブルに乗せながら言った。

 

 

「オジサンは楽だからいいんだけどね~。あ、これマスターには内緒な?」

 

 

 ヘクトールはだらんとテーブルにもたれかかっている。

 

 

「やはりここはランサークラス総出で我が主に直談判するべきではないでしょうか。我が主もサーヴァントの忠告を無下にするようなお人ではないでしょう」

 

 

「しかし、マスターのことだ。忠告はとりあえず聞いておくが、実践は後回しってことになりかねねえぜ」

 

 

 うーん……と会議は行き詰まる。

 

 

「あれだ、弓の修練場に一回連れていかせて、対アーチャーでのランサーの使い勝手の良さを知ってもらおう。そこそこレベル高い俺なら十分使えるだろ」

 

 

「異議あり! それは異議ありですぞクーフーリン殿! 使いやすさという点においては私がこの中では一番でしょう! 低レベルでもスキルの使い方によっては金時殿を生き長らえさせることができますぞ!」

 

 

「あん? 馬鹿言っちゃいけねえ。 俺の即死が刺されば敵がどれだけ強かろうと一瞬でお陀仏だ。こと周回に置いて俺の右に出るランサーはいねえよ」

 

 

 わーわーと今にも殴り合いに発展しそうな勢いで口論を始めるクーフーリンとレオニダス。

 それを傍でおろおろと止められないでいるディルムッド。

 我関せずと言った風に大きく欠伸をするヘクトール。

 

 

 もはや収拾がつかなくなってきている会議室にコンコンと軽いノックが響いた。

 

 

「どーぞー」

 

 

 ヘクトールが気の抜けた声で返事をすると、入ってきたのはトレイにコーヒーを載せて持ってきた彼らのマスターだった。

 

 

「皆お疲れさま。会議やってるって聞いたから差し入れにコーヒー持ってきたよ。で、どんなこと話し合って……る……」

 

 

 マスターがコーヒーをテーブルに置き、ホワイトボードを見て固まった。

 

 

「あ、やべ」とクーフーリン。

「あちゃー……」とディルムッド

「こ、これは違うのですマスター!」とレオニダス。

「あー、コーヒー美味い……」とヘクトール。

 

 

「こ、これからは気を付けるから……」

 

 

 とても気まずそうな顔をしながらマスターは早足で会議室から出ていく。

 

 

 サーヴァントたちもやってしまったという風に落ち込みながら会議室を後にする。

 

 

 残ったのは湯気が立つ4つのコーヒーカップと、そのうちの1つを飲んでくつろいでいるヘクトールだけだった。

 

 

 




最近クーフーリン育て始めました!!


スキル見るとレオニダスも結構強そうなんだよなあ。


これからはレア度に縛られずに育てていこうと思います。


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