博麗の神主?夢だろただの (ぬんちゃくティッシュ)
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全ての始まりは終わりの始まり
事の経緯。納得は全ての後で


☆東方project 二次創作です
☆キャラ崩壊はあってないようなものさ!
☆オリキャラ入っちゃってるよ…!
☆自分なりの捉えで書いてますから暖かくゆっくりしていってね


………ここは?古い神社?周りは妙に暗い雰囲気を漂わせている木々が群がり、神社には人の気配さえ感じない。

 

「…誰か、いないのか?」

 

よく考えても見ると、こんな暗い中に天井穴が空いてて賽銭箱には苔が生えてるような神社に人がいるわけもなく…

 

「まぁ、何で俺はここにいるのか謎になってくるんですけども…」

 

小さいことは気にしないのだ。小さいのか?

それはさておき…、声を上げても返事が無いから入っても文句は言われないだろう。など愚かな考えだと自虐しながら、神社の正面の開き戸に手をかけた。すると…

 

「………!?何だ!?」

 

いきなり目の前が真っ白になった。先程の暗界の中からはあり得ないような閃光だ。俺は死んだのか?手は合わせとこう。いただきます!…違う違う…。死ぬ間際までこうなのか…俺は…。

 

 

「…はぁ!…はぁ…はぁ…」

 

すごい勢いで目が覚めた。…夢か。よく出来た夢だったな。

 

「それは夢だと思う?」

 

「うお!!」

 

次々なんなんだ?呪われてんのか俺は?

とりあえず声がした方向に向いてみる。そこには…空間を裂いて異空間(?)から半身だけ出しているBB…お姉さんがいた。決して爆弾発言はしてません。してませんとも!

 

「驚かしてご免なさいね。私は八雲紫。一種一体のスキマ妖怪よ」

 

妖怪だぁ?でも強ち嘘では無さそうだ。現に異空間なる所から体を出してるもんこのオバサン。

 

「……」

「あら、驚く素振り見せないのね?」

 

「リアクションに疲れた」

 

それもそうだろう。変に妙な夢を見て腹筋運動以上に素早く起き上がったらいきなり知らない声が聞こえるんだもん。

 

「まぁ…そっちの方が、かえって要件に入れるわ。単刀直入に言うわね。私と一緒に来て」

 

「…はぁ?」

 

な、何言ってんだこの人…いや妖怪さんは。突然現れたら私と一緒に来て、なんて、新手の誘拐?ようかい、じゃなくて、ゆうかい、だったのね。

 

「そいうの間に合ってるんで…、お出口はあちらになります。さようなら」

 

「少しはワケを聞こうって気はないの?」

 

「見るからに怪しい奴から事情を聞こうなんて思うかよ普通…」

 

「とにかく黙って聞いて!」

 

俺の意思はないがしろにされる程軽いのか?この誘拐犯にとっては。まぁ言い忘れてたけど、俺今年で高校2年だぜ?誘拐って年じゃない気もするが…

そんなことは御構い無しに話を進める自称スキマ妖怪さん。

 

「あなたには本当は黙って付いてきて欲しかったけど、少しだけ事情を話すわ。心して聞いてね?」

 

「うぃす」

 

本当は短くして欲しいが、あまりにも真面目な目なもんですから抗えなかったんですな。

 

「私は、こことは異界の、幻想郷、と言う場所から来たの。そして、その幻想郷とこの世界では陸続きではあるのだけど、強い結界で隔離される場所なの。此処まで良いかしら?」

 

「良いと思いますか?ぜんっぜん整理が着かないけど、いわゆる、この世界にその…幻想郷とか言うのが、何かバリアみたいなもので守られて存在してる…と言うこと?」

 

「ぴんぽーん♪だいせいかーい♪♪」

 

ガキだと思われてんのか?俺…そんなに子供っぽいかな?童顔とは言われるけど…

 

「続けるわね。その幻想郷の結界なんだけど、その世界の神社の巫女が守ってるの。妖怪や外来からの攻撃も含めてね。でも、その巫女が悪いことに守ることに乗り気ではなくてね、その守りを放棄してる所も見かけるのよ」

 

そんな奴に守らしてんのか?と突っ込みたいところだがそんな野暮なことはしないでおこう。

 

「そこで、隠れた力を持った者を外から連れてこよう。がこの事の経緯。そして、その隠れた力を持った者…それがあなたよ」

 

な、何言ってんだこの人…いや妖怪さんは(2回目)。

 

「俺に隠れた力を?それは何かの間違いだろう?」

 

「それを確かめるために、一緒に来て」

 

すると、俺の足元にそのスキマが…。

 

「幻想郷にようこそ、渡瀬慶…いや、幻想郷では風籟寺弘鑾と名乗りなさい」

 

「ふうらいじ…ぐらん?」

 

否応なしに幻想郷に連れてこられた渡瀬慶、および弘鑾(グラン)は目を疑った。

 

「…ここは?」

 

「これが幻想郷。人間と妖怪と神が共存する奇跡の世界。改めて、幻想入り、おめでとう」

 

何か勝手に話を進められて、どういう原理か全く分からないスキマに落とされて、出てきたところは見たこともないところで幻想入りおめでとう?頭痛くなって来たぞ…

 

「ところで、俺の隠れた力ってのはどうしたら分かるんだ?」

 

一番…かどうかは分からないが、気になってはいる。隠れた力とは?と言うか分からないと困るんだけど…何しに連れてこられたかマジで分かんなくなっちゃうじゃん!

 

「…(ニヤッ)」

 

「…!」

 

紫が手を掲げると、大きなエネルギー玉が姿を見せる。

 

「簡単な事よ。これをあなたにぶつけるのよ」

 

「オニアクマー!」

 

「残念だけど、鬼でも、悪魔でもなく、妖怪ね」

 

「真面目に訂正してんじゃねぇ!」

 

と言い争うも空しく、エネルギー玉はこちらに目掛けて飛んでくる!

 

「……!」

 

                  続く




初めて書きました。皆さんどうでした?つまらないものと思いますが、これからも出していこうと思っているので、よろしくお願いいたします!


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博麗の力、覚醒。それは博麗にとって…

☆東方project二次創作です
☆キャラ崩壊が発生しました。直ちに避難して下さい
☆誰これ?よく分かんない奴が主人公だって~
☆全くもってのビギナーが書いてます。暖かーく読んでいただけたら幸いです

前回は主人公の渡瀬慶、および弘鑾(グラン)が紫によって幻想郷に連れてこられ、弾幕を浴びさせられそうになったところまででした。
回れ右するなら今のうちですが、心優しい方はゆっくりしていってね


 

「それは簡単な事よ」

 

「……!」

 

紫が放った大きなエネルギー玉(弾幕)は一心不乱にグランを目掛けて飛んでくる。普通の高校生にこれってアリかよ…。ああ…良い人生だったぜ、せめてもう一度ポテチ食いながらコーラ飲んで漫画でも読みたかったぜ…。ニートか俺は。

変な事が走馬灯のように駆け巡っている最中、弾幕は鈍い大きな音をたてて、グランを爆発の中へと誘う。

 

「……」

 

紫はただ黙って見守るだけ。一応犯人だからね?

爆発した後、すぐに煙が収まった。常人が食らったら間違いなく死に至るだろう。もちろんグランも普通の人間。こんなの食らって生きてるわけ…。

 

「…?あれ?生きてる…。と言うか…今何が起きたの?何一つ感じなかった。強いて言うなら目の前で何かが爆破した…だけ」

 

生きてんじゃねぇか…。そこは死ぬところだろう!それはどうかと思うが、強力な弾幕を食らっても傷1つ付かず何も感じなかった。チートじゃん最早…。

 

「私の目に狂いはなかったようね」

 

あなた自体がトチ狂ってるんですよ…と喉から出掛けたが全身全霊で抑えた。理由?面倒くさいことになりそうだからだよ、分かるでしょ?分かれよ。

 

「でも珍しいケースね。幻想入りして力が急激に開花した。これは事例が無いわ。それに…」

 

「それに…?」

 

「あなたからとてつもない妖力を感じる。私でも劣るような力…」

 

信じられなかった。今まで普通に過ごしてきて、普通に友達と接して、そんな特別な力などなかった。こけたら怪我もしたし、病気もした。なのに、あの爆発を食らって無傷。

 

「あなたの力はよく分かったわ。改めてお願いがあるの」

 

「…?」

 

紫がまたとない真面目な顔つきで言う。余程重い内容なんだろう。

 

「私と付き合って」

 

…前言撤回。やはり帰りたい。

 

「冗談よ。そんな露骨に嫌な顔しなくてもいいじゃない」

 

嫌な顔もするだろう。目の前のオバサンが弾幕かました挙げ句、付き合って下さいなんて冗談言うんだから、早く本題に入って欲しい…。

 

「あなたには、博麗の名を継いで欲しいの」

 

「博麗の名を…継ぐ?」

 

博麗と言うのは、あの結界の守り手…だったっけ?たしか廃人と化した巫女が担ってるとか。

 

「あなたの力なら守れる。それに人間の方が都合が良いから。どう?やってくれる?」

 

正直、あまり乗り気ではなかった。しかし、向こうの世界では飽き飽きしていた。毎日同じ生活、1日の楽しみを聞かれても答えられない。しかし、ここなら毎日が充実しそうな気がする。よし…!

 

「分かった、やろう!やったるで、博麗の…男なら、神主か!やるぞ!」

 

「ふふふ、やる気になってくれて何よりね」

 

こうして、グランの博麗の神主としての生活が始まった。

 

                   続く




今回は少し短かったかな?まぁ良いでしょう。次からは本格的に神主の仕事ですね。では次回もゆっくりしていってね


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霊夢との出会い、魔理沙との出会い

☆東方project二次創作です
☆キャラ崩壊が発生しました、直ちに避難して下さい
☆オリキャラが配合されております
☆初心者なのでやさしくお願いいたします!


とうとう博麗の神主と襲名したグランですが、これからの生き方はいかに変わっていくか。ちなみにこれは紅魔異変のちょっと前のお話。


紫にほぼ無理矢理博麗の神主となったグランが、まず最初に案内された場所は…。

 

「神社?…『博麗神社』?」

 

そう。この幻想郷と外界を隔離しているバリア、いわゆる、博麗大結界を維持、守る巫女の神社である。ここにその廃人がいるのか…。

 

「博麗の名を継いだからには、ここを拠点とし、異変の解決を任せます」

 

「タンマだ!異変って何の事だ?聞き様ではあまり良からぬ物なんだろうが…」

 

紫の口から出てきた不穏な言葉、異変。外の世界なら異変と聞くとそうでも無いような感じだが、幻想郷ではその博麗が動く程の大きな異変と言うものがあるのだろう。

 

「そういえば、異変について説明してなかったわね」

 

なんだろう…知らないことなのに重要な事項を忘れてやがる…って思う。

 

「異変と言うものは幻想郷に暮らす人間、妖怪、神、などが自分の私欲の為事件を起こすとする。それは外の世界なら問題無いけど幻想郷内だと不穏な空気が立ち漂うわ。それだけならまだいい。だいたいの異変は幻想郷を我が物にしようとする輩が出る。それの総称を異変と言うの」

 

「……」

 

長々と説明してくれた紫。その内容は安心できる内容ではなかった。何か普通にヤバイものに抜擢されたような…。

 

「とにかく、今はこの博麗神社に挨拶するのが先決。ここの巫女の博麗霊夢はいい人だけど、あまり物に関心を示さない子だから、気張って行くのよ」

 

「へいへい、気張って仰せの通りに致しますよ」

 

二人はその博麗神社の境内に足を踏み入れ、いつも霊夢がいると言う場所に向かった。そこには、頭には赤リボン、服は…炬燵で見えない…。

 

「寝てますけど?霊夢さんとやら」

 

「相変わらずなのね…まぁこの子が急に真面目になって働きだしたらそれこそ異変だけど」

 

随分な言われようだな…普段の生活が伺えるな…。俺って今からこの人と暮らすの?精神持つのか?

 

「ほら、霊夢!起きて!」

 

「んん…むにゅ?」

 

起きる気配が有るのか無いのか分からんところをさ迷う巫女を傍に紫はスキマから何かを取り出し、落とした。

 

『チャリーン』

 

甲高い乾いた100円玉の音。まさか、漫画じゃあるまいし、博麗大結界を守る巫女がこんな古典的な…。

 

「100円!どこどこどこ!?」

 

「引っ掛かってるよこの人!」

 

博麗大結界を守り、幻想郷の平和の為に命を張って異変解決している巫女が100円で動いたよ!?

 

「あなたに紹介したい人がいるの」

 

「なんなのよ急に、こっちは忙しいんだから…」

 

さっきまで堂々と昼寝をして、しっかり100円玉握ってる人が吐く台詞では無い気がするのは、恐らく気のせいだろう。気のせいであって欲しい。

 

「ほら、前に言ってた、博麗の名を継ぐと共に、あなたの代わりも担った人を連れてくるって。それが、このグランよ」

 

それを聞いた霊夢は顔を険しくさせた。

 

「あなたが代わりの?男…神主ってこと。神主だろうが巫女だろうが、私より強くないと…博麗は…」

 

と言っている最中、霊夢は拳を握ったことをグランは見逃さなかった。

 

「認めないわよ!」

 

不意を突いて強力なパンチが飛んでくる!…が、見極めてたグランはもうそこにはいない。

 

「…!どこ!?」

 

「いきなり殴ってくるなんて酷いじゃないですか…」

 

「…!」

 

グランは霊夢の後ろに立っていた。

 

「ちょっと瞬間移動したからって調子のってるんじゃ…」

 

「動いたら危ないですよ。俺の手にある尖った枝が、あなたの首を狙ってますから」

 

グランはこの一瞬でどこかしらの木の枝を取ってきて霊夢の首もとに構えていた。…よく考えればおもっくそ遠回りだ。

 

「…負けたわ」

 

「あら、潔く敗けを認めるなんて珍しいわね」

 

「うっさいわね!偶々よたまたま!」

 

素直じゃない霊夢にほっこりしたグランはクスクスと笑いだした。

 

「な、なに笑ってんのよ!」

 

 

 

こうして博麗の神主と襲名したグランは今日も神社の境内を掃除して…

 

「これって巫女の仕事じゃないのかよ?」

 

「下の者は働くのよ!」

 

上下関係を強要してきましたよ?全くこれで強いのが不思議に思えてくるとため息をついたところ、なにやら上空から箒に乗ってこっちに向かって来る影が…。

 

「おーっす霊夢!遊びに来たぜーってあれ?」

 

着地したかと思えば随分ボーイッシュなしゃべり方をする全身白黒の金髪少女だった。そんな少女がいかにも「何か変なのがいるぞ」と言う目で見てくる…。確かに変かもしれないけどそんなに怪しまなくても良いじゃない…。

 

「なぁ、霊夢。見ない奴がいるんだけど…」

 

予想通りの第一声です。はい、予想的中した俺を誉めて下さい。え?話を進めろって?はい、すみません。

 

「それは今日から博麗の神主となった、ふうらいじぐらんよ」

 

代名詞で呼ばれちゃったよ…。それも漢字変換が仕事してないし…え?メタい?はい、すみません。

 

「あぁ、これがその神主なのか」

 

また代名詞…俺は物なのかい?せめて、こいつ、とかそいつ、とか言ってくれないのか?

 

「おい…神主さんが涙目だぞ?」

 

「玉ねぎでも切ったんでしょ?」

 

それはおかしい!例えがおかしい!そして金髪少女も納得したような表情してやがる!

 

「ところで、神主と聞いて納得したけど、どうして神主のことを知ってたの?」

 

霊夢がそう質問する。すると金髪少女はポケットから新聞らしきものを出して…

 

「文々。新聞に書いてあったぜ?」

 

「あのバカラス…今度見つけたら焼き天狗にして屋台に並べてやる!」

 

とんでもないことを口走っている霊夢を無視しつつ、俺と金髪少女は自己紹介に入る。

 

「私は霧雨魔理沙。魔法の森に住んでる普通の魔法使いだぜ」

 

 

「俺は新しく博麗の神主となった、風籟寺弘鑾だ」

 

お互いに自己紹介が終わったところ、グランも掃除を終え、3人で親睦も兼ね、話で盛り上がった。酒を飲み、夜まで盛り上がった。

どうやら、ここで暮らしていく、心配は要らなさそうだ。元の世界、さようなら。

 

「あんたわたいに勝てたからってちょーしこいてんじゃないわよ!」

 

やっぱり元の世界に帰りたい!

 

                   続く




ここまで読んで下さった方、心から感謝いたします。次話はこれまでのあらすじと、キャラの整理(自分の)をしていきたいと思います。おられないでしょうが、続きを楽しみしている方、申し訳ございません。

あと、最後に私めからお頼みがあります。もし読んで頂けたら、感想をお願いしたいです。無理にとは言いません。よろしければお願いします。それを糧に良い小説作りをしていきたいと思っております。
では、次に会ったときも、ゆっくりしていってね


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紅い霧は命を写す鏡と成りて…
キャラ設定確認


誠に勝手ながらこの場を借りて、キャラクターの整理、および改めてこの物語での紹介とさせていただきます。
まずネタバレすると、登場人物は東方projectのキャラ全員+αとなりますが、一部を抜粋して行きます。

☆東方project二次創作です



主人公

風籟寺弘鑾(ふうらいじぐらん):命ある物を滅ぼす程度の能力

種族:人間

 

本名、渡瀬慶(わたせけい)。元々外の世界の高校生だったが、紫に連れられ幻想郷に来た。

その身体には隠れた能力があり、幻想入りと共に開花した。能力は幽々子の能力を増強した感じ。そして、その身体に宿された力は紫の予想を大きく上回り、幻想郷破壊がいとも簡単に出来てしまう力…最早チートである。ランク付けするならば、へカーティアを上回る。

全然異変解決に乗り気ではない霊夢に変わって、様々な異変を解決した。紅魔異変や春雪異変などは霊夢が出向いているが、その後ろで魔理沙と共に護衛に回っている。

遠距離、近距離、接戦、などなど戦いには長けている。

霊夢に不満は抱いていないが、心に言いたいことをしまって仕事をする根は優しい、けど怒ったら怖い。

満月の夜に変身するらしいが果たして?

 

準主人公

博麗霊夢:空を飛ぶ程度の能力 種族:人間

博麗の巫女、何代目かは不詳。

普段は炬燵で寝てたり縁側でお茶を飲んでたりと、まるで聖職者ではないが、異変に出向いたり、戦いになると持ち前の鋭い勘と身体能力で無類の強さを見せる。

冷たい性格をしていて、あまり物に関心を示さない。が、よく言えば人間でも妖怪でも差別をしないと言うことで妖怪から好かれている。本末転倒ではあるが…。

武器は霊力を宿らせたお祓い棒。このお祓い棒を切れる物は、殆どない!たぶん

 

霧雨魔理沙:魔法を使う程度の能力 種族:人間

魔法の森に住む白黒の魔女。自称普通の魔法使い

ボーイッシュな口調に人一倍乙女なキャラ。ZE♪=魔理沙と言われることも。

あまり異変に出向こうとしない霊夢を宥めて行かす保護者の位置に立っている、そして結局サクッと解決する霊夢に嫉妬と憧れを抱いている。良い親友だ。

彼女自体結構な努力家で、そのお陰で魔法の威力は人間ではトップレベル。モチーフは星屑。弾幕はパワーだZE!

また、よく人の技をラーニング(盗る)ことがちょくちょく。彼女の八卦炉から放たれるマスタースパークは風見幽香の技、ノンディレクショナルレーザーもパチュリーの持ち技だったりと、かなり青い魔法使いである。

また、紅魔館の図書館にしょっちゅう本を死ぬまで借りに行くらしい。

 

東方紅魔郷

ルーミア:闇を操る 種族:妖怪

小さな人喰らい。そーなのかー。

いつもどこかしらふわふわ飛んでる子供のような妖怪。

闇を操る能力で自に闇を纏い、獲物へ近づくのが狩の方法。しかし、局部過ぎる為バレる。

また随分な大食漢で、人間が大好物。あなたは食べても良い?

頭に赤いリボンを付けている。自分で取ることは出来ないが、もし取れたら…

 

チルノ:冷気を操る 種族:妖精

⑨ あたいったら天才ね!

妖精の湖に住む冷気の妖精。根拠の無い自信とプライドが特徴。いつも威張ってるくせして、強いものには巻かれるタイプ。本気出したら強いかも…

 

大妖精:常識化する(オリジナル) 種族:妖精

いつもチルノといる常識ある妖精。チルノのブレーキ。

名前がないキャラ第1号。チルノからも大ちゃんと呼ばれる始末。詳しいことは謎。

 

紅美鈴:気を使う 種族:妖怪

紅魔館の門番。有能か無能か、真意は死ぬまで分からない。

中国拳法に長けた妖怪だが、何の妖怪かは自分でも分かっていない。ただ尻に針がある。それがとても痛いのなんの。

一応、紅魔館では門番兼専属庭師と言う職があるが、門の前で寝るのが仕事、おやすみなさい。

 

小悪魔:人格を隠す(オリジナル) 種族:悪魔

紅魔館の地下、大図書館の主、パチュリーの使い魔としての働いている。また戦術家でもあり、ゲスさはピカイチ。

妹のココアと共に頑張っているようだ。姉がコアで妹がココア。

 

パチュリー・ノーレッジ:魔法を使う程度の能力 種族:魔法使い

紅魔館の図書館の主、レミリアの親友の喘息魔女。魔法は七曜がモチーフ。

常に本に囲まれている生活で、本の位置を全て把握しているらしい。だが動くことが儘ならないのでコアとココアに全任している。

 

十六夜咲夜:時を操る 種族:人間

紅魔館唯一の人間。メイド長。いや、PAD長でしょ。

レミリアに完全な忠誠を誓うメイド、真面目で仕事が出来る、まさにパーフェクト。

時を操ると言うのも、戻す、止める、事。消して進めることはできない。そして、その制御は常備している懐中時計で行っている。

いくら時を止める能力でもグランは止められない。

 

レミリア・スカーレット:運命を操る 種族:吸血鬼

紅魔館の主、おぜう様。

カリスマを大事に玉座に座るカリチュマ吸血鬼。戦いでは強い方で運動神経も並外れているのだが、メンタルは見た目に忠実である。太陽と炒った豆が弱点。

また、妹のフランに舐められ切っていてちょっかい出されることもしばしば。

 

フランドール・スカーレット:あらゆる物を破壊 種族:吸血鬼

紅魔館の主の妹。悪魔の妹とも。

495年間幽閉されていたため、見た目に忠実、そして力の抑えを知らない為、暴れだすと手を付けられない。

お姉さまの事が、好きなのか嫌いなのかはっきりしないが、強ち嫌いではないようだ

 

東方妖々夢

アリス・マーガトロイド:人形を操る 種族:魔法使い

魔理沙同様魔法の森に住む七色の魔女。魔女とは言うものの、人形を操る方が本分。

外に出ることは滅多になく、大体、家で人形作ったり魔法の研究をしたりしている。外に出ないとは言うものの、人里に出向いて人形劇をしたり、買い物も普通にしている、わりと都会派魔法使いである。

 

魂魄妖夢:剣術を扱う 種族:半人半霊

冥界の司り場、白玉楼の二代目庭師。

主である幽々子の為、ほぼ休みなしで働く咲夜のような頑張り屋。だが、主が大食漢も良いところで、一日の98,8%は食費で飛ぶとか。

また剣術を得意とし、今でも鍛練を積んでいるが、まだまだ半人前。時折、グランが修練を施してくれる。

 

西行寺幽々子:死を操る 種族:亡霊

悲劇の亡霊少女…は、無理があるかな?

白玉楼の主で、冥界で輪廻を待つ霊の管理をしている。

とてつもない大食漢で、1日64人分の食事を取っているとか。妖夢も苦労されておらっしゃる。

生前の記憶はない。しかし、生前から紫とは中が良かったそう。今では妖夢を弄るのと紫に弄られるのが日課。

 

八雲紫:境界を操る 種族:妖怪

博麗大結界を張った妖怪大賢者の一人。そして、グランを幻想入りさせた張本人。博麗神社の責任者でもあったりする。

彼女の式神として、九尾の狐の藍と更に式の橙がいる。

自称17才。現実数千年生きている立派なお年…何でもござアアアアアアアアアアアアア!(解説者は紫しゃまに殺されました) 




今回のキャラまとめはここまでとさせていただきます。
面白味もない御託に付き合って頂いてありがとうございます。また、場を設けてキャラまとめをしようと思います。
では、次のお話も、ゆっくりしていってね


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紅魔異変の刻─上─

☆東方project二次創作です
☆キャラが雪崩を起こしています。危険ですね
☆誰あれ?え?オリキャラ?
☆若葉マークが書いてます。暖かい目でゆっくりしていってね


神主として認めてもらったグランの初仕事は、この紅魔館による紅魔異変の解決を一人で行くこと。これは霊夢が嫌がったとか、そういうのではなく、紫のお達しでございます。キャラ順は原作に一致しません


俺が神主となって3、4日経った、そろそろ仕事にも慣れてきたが、ただ1つまだやったことのない仕事がある。それは異変解決する事。実を言うところ未だ異変は起こっていない。

 

「こんな異変も起きないんじゃ、俺が来た意味が失われるし、強さも役に立たないぞ」

 

二人は縁側に座ってお茶を啜っているのんびりタイム中。

 

「うろたえるんじゃないわよ、もしかしたらこのあと異変が起きたりするかもしれないわよ?」

 

「…だと良いんだが」

 

と言葉を発した直後だった。一面青空だった空が、赤い霧が覆っていく。

 

「本当に起きたな」

 

「言ってみるものね、…紫いるんでしょ?」

 

霊夢が急に紫がいると言い出す。俺にはまだ気配が読み取れるほど強くないと言うことか。

 

「さすが、いるのよく分かったわね」

 

本当にいやがったよ。スキマから上半身だけ登場するは、幻想郷の大妖怪、八雲紫様であった。

 

「どうせ、この異変の事でしょう?要件言ったら帰ってくれる?」

 

「そんな~冷たい~もっと歓迎しても良いじゃないのよ~」

 

目の前に大層な異変が起きているのにこのじゃれあいである。慣れてる事が伺えるが、本当に大妖怪なんだよな?孫がなついてくれなくなって寂しがってるおばあちゃんみたい…。

 

「ところで…この異変は、グラン一人で行きなさい」

 

急に素に戻るものだからビックリしたじゃねぇか…マジでやめて欲しい…。そしてなんかとんでもないこと口にした気がするんだけどこのおばあちゃん。

 

「一人で行くのか?この異変にか?」

 

「そうよ。あなた一人の力で解決してみなさい。そしたら異変解決がどんな物か、よく分かるはずだわ」

 

なるほど、そういう魂胆か。まぁ俺としても異変には慣れたいし、良い機会かもしれない。やる価値は十分にあるだろうな。

 

「分かった、行こうか。出てた方向を見てみると、妖精の湖からか」

 

そして俺はその妖精の湖に急ぐことにしたんだ、今日の俺冴えてるぅ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目指してる道中、なんか黒い玉が飛んできた。回りが霧で覆われていても、よく分かるほど局部的に黒く飛んできてる。なんなのかよく分からないが、遭遇すると面倒くさい事だけはよく分かる。…だから。

 

「スペルカード 冥符『風籟陣』」

 

スペルカードを発動すると、大地から、天空から、地平線からの四方八方から巨大な竜巻が起こる。そのせいで黒い玉は解かれ、その代わり金髪の女の子が出てきた。が、竜巻に巻き込まれ飛んでいった。

 

「ルーミアだな?この闇中に襲えると思ったんだろうか?」

 

そんなことはどうでも良い。急いで湖へと向かう。

 

「ん?湖の畔に、あんな洋風屋敷なんてあったか?案内されたときはなかったが…」

 

霧の中心もその館から出ている。シメた!あれが主犯か!と思っていると…

 

「待てぇい!」

 

とっても元気な女の子の声が聞こえたので足を止める。足は止めてないけど…。

 

「この空はお前の仕業だな!」

 

「はぁ!?」

 

なんか急に呼び止められた挙げ句犯人にされたんだけど…。その水色の髪に氷の羽のチルノ。一番遭遇したくない奴だ。遭遇したら面倒くさい確定だよ…マジで

 

「危ないよチルノちゃん!やめようよ!」

 

大妖精がしっかりしてくれてるから良いけど、チルノの奴聞いてねぇな…。こりゃ相手しなくちゃダメか?

 

「大体、何で俺が犯人なんだ?」

 

「それは、この異変が始まって一番最初にあたいの目の前を通ったからだよ!あたいってば天才ね!」

 

いつも思うんだがこの自信はどこから来るんだろう…少し羨ましい気もするが…

 

「それで犯人だなんて、冤罪も良いところだな…。んで?100歩譲って俺が犯人だったとしたら、どうする?」

 

氷付けにする。なんて言われたら即行で炎の魔法を唱えてやるが、どう来る?

 

「氷付けにして…」

 

「問答無用!『ラ・フラム』」

 

炎の魔法により、チルノは火柱に囲まれる。水属性に火で突っ込むのはリスクがあったが…

 

「相手はチルノだからな」

 

期待は裏切らなかった!しっかりと熱を受けて溶けてくれる。科学に勝てないものって無いのね。でも溶けたままはかわいそうだから、優しい俺は氷の魔法を唱えてやるんだよねー

 

「『オールフローズン』」

 

氷点下を下回る魔法で、チルノはふたたび妖精の姿に戻った。少し大人げなかったかな?

 

「きょ…今日の所は勘弁してあげるわ!」

 

やっぱり、一回ぶっ飛ばした方が⑨に効く良い薬かもしれない…。

 

 

湖を越えて、館の門前へとやって来た。ここまでなんかどっと疲れたんですけど…帰って良いですか?ダメ?ですよねぇ~はぁ…。

門前には当然門番だろう。特にこんな大きな館だ。門番がいない方がおかしい話だ。あのチャイナ服を着たのが門番だろうか?見た感じ寝てるようだけど…。まぁその方がありがたいもんですよ。黙って門に手を伸ばす。

 

「ご用件も言わず入るなんて、失礼じゃないですか?」

 

横から声がする。門番の声だろう。

 

「寝てなかったんだな、やはり」

 

「緊迫した状況ですから、今日は寝てられませんよ」

 

つまり他の日は寝てるんだね…幻想郷の人間やらは寝て当たり前なのか?紫も冬には冬眠するって言うし

 

「で?あんたを倒せば、中に入れるんだな?」

 

「倒せれば、入れますよ」

 

なんて簡単な門番だろうか。倒せば入らしてくれる、本当にありがたい門番だ。

 

「では、遠慮なく…」

 

長期戦に垂れ込むのも面倒だ、出来るならササっと切り上げたいもんだけど、相手は全く初対面でどんな妖怪かも分からない。妖気を感じるから人間ではなかろう。

なんにしても、短期勝負は曲げる気はない。

…試しに一発キツめの弾幕をかましてみる。避けられても面倒なので相手の足元に怨を埋めて身動きは止めておこう。するとどうだろう?一発で倒せちゃった…弱すぎんだろ

 

「これで文句はないな?通させてもらうぜ、紅美鈴」

 

相手の名前も知らず倒すのは性に合わないから心に忍び込んで名前を把握させて頂きました。

門番を倒し、館の数メートルはあるだろう大きな扉を開く。中はやはり暗くて広かった。正面は階段となっており、RPGに出てくるようなお城と言う感じだ。その階段を一人のメイドが降りてくる。

 

「…紅魔館へようこそ。歓迎いたしますよ」

 

なぜだろう?彼女から妖気を感じない。まさか…

 

「人間か?お前…」

 

「それが何か?」

 

「いや、興味本意だ」

 

こんな薄気味悪くて妖怪がいる館に住む気になる彼女の気が知れない…。そんなことは置いといて、本題に戻ろう。

どうやら一人で来る、所を見るとメイド長か。ただ歓迎する…それは芳しくないな。妖気は感じないが、ただならぬ能力を持ってる、それはビリビリ伝わる。

 

「……!」

 

彼女が消えた。そのとたんに背後の開けていた扉が閉ざされる。そういや開けてたままだった…

 

「…テレポーターか?」

 

「あなたがそう感じるのならそうなのでしょう」

 

しかしテレポーターじゃ、色々説明がつかないことが多々ある。例えば、彼女が消えた、同時に扉はもう閉まっていた。彼女がテレポート出来たとしても、ドアが閉まるのにはロスが生じる。二つ目、テレポートしたとして、空間に穴を開けたあとが必ず出来るがそれがない。答えは固まった。

 

「時を操ってんのか、結構な能力じゃない」

 

「敵をも褒めるその心意気はさすがです。でも、それも終わりに致しましょう」

 

まぁそうなるだろうな。しかしやられるわけにはいかねぇし、何よりもここの主について教えてもらってない。

 

「その前にここの主を出せ。あの霧を何とかして欲しくて来たんだからな」

 

「……」

 

咲夜が無言で時間を止めると、銀のナイフを数十本投げて時を戻す。さすればナイフが急に現れたと錯覚する。のだが、危機一髪、走って逃げる他ないだろう。こちとや丸腰なんだからな!?

 

「危ねぇ!」

 

そう心の叫びが漏れた直後、カウンターとして炎玉を飛ばすのだが、やはり時間を止められる為、当たるはずもなく…

 

「く…やるじゃねぇかよ」

 

「博麗の神主も大したことないようですね」

 

柄にもなく追い込まれてしまった。ここからどう巻き返そうか…

 

                    続く




今回は長くなりそうなので、前後編と分けさせて頂きました。
今まで神主として大きな異変に出向いていなかったので、原作の紅魔異変を彼一人で行ったらどうなるだろう?と言う疑問もあり、なら自分で考えてしまえと、そうなのでしょう思い立ったのです。

それでは、また次会う時刻まで、ゆっくりしていってね


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紅魔異変の刻─中─

☆東方project二次創作です
☆うわぁ!キャラが崩れてくる!逃げろー!
☆あれ?こんな奴東方にいたっけ?はぁ?主人公?
☆期待はしないで下さい。初心者が書いてます

ちょっと間あいちゃったな、ご免なさい。でも楽しみにしてくださってる方はいないと思うし~(涙目)
まぁ、続きをご覧ください。ゆっくりしていってね


「博麗の神主も大したことないようですね」

 

随分な罵倒を受けているが、今の俺はそんなの耳に入れてはいない。まぁ聞こえはするんだけど。

さてさて、そんな事はどうでも良い。相手は時間を操ると言うチートな人間。…俺が言っちゃぁおしまいか…。また、話反れた。 少しでも油断したらナイフの餌食となってしまう。刺さっても死なないんだろうが(紫の弾幕モロに食らったしね)、痛いものは痛い。マゾ的な趣味はないんで、手っ取り早く倒したい。

…まず、あの時間を操るのをどうにかしなければ。

 

「さぁ…どう巻き返そうか…」

 

「あなたの時間は私の物、どう足掻こうと無駄ですよ」

 

また時間を止める意思を見せたところ、俺は見逃さない。

時間を操る前に、身体の動きを、博麗のお札で封じてみる。

 

「……!」

 

どうやら効果はてきめんの様だ。その時間を止めるには何かをしているのが確信出来た、良い流れだ。

 

「あ…!」

 

咲夜の手から何かが落ちた。地面に落ちると壊れそうなので、紫の能力の原理のもと、地面にホールを作り、自の手に落とす。その何かは、懐中時計。これが時間操作の正体か?いや、制御していたのだろう。

 

「これが無ければ、何も出来ないのか?」

 

「舐めないで下さい!吸血鬼に命を捧げる身、弱くては勤まりません!」

 

吸血鬼だと?この幻想郷には妖怪や妖精はわんさかといるが、吸血鬼は初めてだ。西洋の妖怪が、日本に来るとはな。まったく、幻想郷は不思議な物だ。

なんて考えている間、お札の効果が薄れて来た。無限に張れるほど、博麗の力はまだ体に宿っていないと言うこと。もっと修業が必要だな。

 

「ルナ・ダイアルを返せ(間違ってたらご免なさい。あの時計、名前が分からなくて…)!

 

とうとうお札の封印が解かれて、咲夜は両手にナイフを持ち、持ち前に身軽さと修業の賜物で、体術を共じて迫る。

 

「(まずいな…)」

 

俺は弾幕や、直感など、博麗の名を継ぐに当たって極限まで切り上げられ、体術も叩き込まれたが、外の世界で喧嘩などしたことないし、不良って訳でもないから殴り合いなどそういう格闘はしたことがない。

 

「だからって負けるつもりはないけどな!」

 

大きなフラグが立ちました。でもそのフラグは今の俺にとっては存在の無いものとと同じこと。目の前の敵を倒すのみ!

だがしかし、時間操作が出来るのが、咲夜だけかと思いきや、そうではないんだな…

 

「……」

 

何故か時が止まる。咲夜はルナ・ダイアルを持っていない。簡単な事だ、このときは俺が止めている。

 

「体術で勝てないなら、能力で秀でるしか無かろう?」

 

咲夜は門番の美鈴並みに体術は鍛えられている、メイドなのに如何なものかとは思ったが、負けるわけにはいかない今、相手の能力をコピーするのも戦略の1つ。見よう見まねでやってみたが、うまくいった。

そうこう言ってるうち、咲夜の後ろを取った。

 

「…解除!」

 

「…!消えた!?」

 

目の前の敵が姿を眩ました事に焦りを見せたメイド長はスキがありまくりだった。

 

「時間を操っていたお前が、時間を操られる、そんな滑稽な場面を目の前にして、気分はどうだ?」

 

「…フフフ、屈辱ですわね」

 

咲夜は黙って両手を上げる。降参だろうか?

…俺の背後から気配を感じる。いつの間にかナイフが俺を目掛けている。

 

「私は確かにその時計で能力を制御していました。しかし、能力の制御は多少は自分でも出来ます、ただ体力を消費するから避けているだけです」

 

正直言って、誤算だった。なかなかやるじゃねぇかよPAD 長も。

だが避けれないワケではない。俺も時を操れる。その能力を使って、そのナイフの後ろに移動すれば安直である。そして…

 

「解除!」

 

時が動き出した瞬間、ナイフの行き先は咲夜へと!

 

「…!」

 

追い込まれてて考える余裕はなかったと言うことか。彼女は咄嗟に防御の姿勢、と言うより、予想せぬことが起きて怯んでるところ。

 

「危ねぇ!」

 

そこに俺が入り込んで、ナイフを全て蹴り落とした。女性をナイフで切りつけるのは、俺の趣味に合わないからだ。俺ってカッコいい!え?台無し?ご免なさい…。

 

「俺の勝ちだ、奥に行かせてもらうぜ。あ…あとこれ、返すぜ」

 

膝から落ちた咲夜の側にルナ・ダイアルを置き、それを背に奥に進む。慈悲を持っていたら異変解決など出来やしない。あくまで、冷たい心を持って、だ。

 

館の奥に進むに連れ、辺りがどんどん薄暗くなっていく。そんな時、地下へと続くような階段があった。ここで内心を明かすと、行くと面倒な事になるのは分かりきっていること。だが横着したらまた更に面倒な事になりそうなので、行く他ないのか…はぁ

 

「気を取り直して行こうか。一応ここの奴らを根絶やしにしなければならないわけだし」

 

そんな恐ろしいことはしないが、この異変に対する代償をきちんと取ってもらわねばな。

そうこう考えながら歩いていると、小さい扉がポツンとある。その小ささは俺の腹下くらいまでの高さしかない。

 

「…用心して行かなくては…!中からただならぬ力を感じる」

 

最大限に警戒しながらドアノブに手をかける。こんなに緊張感持ってドアノブに手をかけるなんて、小学生の頃に17点のテストが見つかって部屋からバレない様に出る時以来だわ…

 

「そんな昔の事…今は命かけてんだ!」

 

俺の心の悪魔的な奴が「あん時も見つかったら死ぬとか言ってたよなぁ?」なんてどうでも良いことが今になって頭を過る。

死ぬ予兆じゃあるまいし、ササっとドア開けましょう!

 

『ギギイイイィィィィィ…』

 

年季が入って軋んでいる洋風戸を開けている漫画の様な音を立てながらドアを開く。

 

「…やっぱり薄暗いんだな。でもまだ燭台があることが救いか?」

 

いくら燭台があるとはいえ、薄暗い物は薄暗い。そのうっすら見える部屋の中は、破れ散ったぬいぐるみや、壁に刺さっている無数のナイフ。更に奥には貴族の娘が使っていそうなベッドに横たわる十字架が記された洋風な棺が…。

 

 

「…ゴクリ」

 

さすがに開けるなどと言うことはしなかった。怖いわけじゃねぇからな!ただ、面倒事は避けたくて…。

 

「誰?」

 

「うひぇーー!」

 

すっとんきょうな声をあげて背筋が文字通り凍ってしまった。だっていきなり声かけられるんだもん。怖いに決まってんじゃん。

その声の主の方へ振り替えると、小さな金髪の赤い服を着て、背から宝石をぶら下げた枝のような羽がある女の子が、宙を浮いていた。

 

「人間なの?生きた人間を見るのは咲夜以外は初めてね。さっき上の方が騒がしかったけど…」

 

床に降りたって、なんかじっとマジマジと見つめられる。そんなに珍しいのだろうか?

 

「私の名前はフランドール。呼びたければフランって呼んで」

 

「…あ、あぁ!よろしくな、フラン。俺は風籟寺弘鑾。博麗の神主だ。グランと呼んでくれ」

 

何吸血鬼らしき子と意気投合してんだよ…。と自分で自分に突っ込む。

 

「私ね、この部屋にずっと閉じ込められてたんだ」

 

フランドールことフランが、ふと目に闇を浮かべて呟いた。その姿は危険を感じ取れる。

 

「生まれてからずっと独り…。お姉さまも、咲夜も、パチュリーも、美鈴も、みんな私と遊んでくれない。そんな退屈な日も今日は一区切り…」

 

とっても嫌な予感がする。なんか知らない名前も挙がってたし…パチュ…なんだっけ?あとこんな子と戦うなんて言ったらSAN値が持たんぞ…。

 

「私!グランと遊ぶ!その後で、ゆっくりとティータイムよ!」

 

彼女は遊ぶと言っていて、表情は無邪気な子供そのもの。だが、目は獲物を見据えた様に、狂気さえ感じる。

 

「…相手するしかないのか!」

 

風籟寺弘鑾とフランドール・スカーレットの狂喜なる遊乱舞が幕を開けた!

                続く

 

 

 

 

 




なんか随分長くなっちゃって、結局3話構成になっちゃいました。
あとここで1つ白状します。幻想万華鏡が何故か頭から離れなくて、紅魔異変の構成考えてたらついあれこれ浮かんで、キャラの立ち位置が似てしまっていますが、一切喝采関係ございません。セリフ等は自分で考えてコミカルにしています。
感想やご意見を戴けるのは嬉しいのですが、我ながら初心者な物で、なかなか治りません…、悪しからず。

次は出来る限り早めにうpします。物語の〆ですからね!

それでは次回も、ゆっくりしていってね


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紅魔異変の刻─下─

☆東方project二次創作です
☆キャラが原型を留めていない可能性があります
☆オリキャラだよ?オリジナルにキャラクターって書いてオリキャラだよ?
★熊本の大震災の被災者の方々、私めに出来ることは数限られますが、せめて応援させてください!中には亡くなられた方もおられます、未練として残さず、仏のもとへ成仏なさい。輪廻を迎えたその時、また新しい世界が待っているでしょう


俺は今、薄暗い館の廊下(恐らく地下と思われる)を飛行している。事情を知らない人がこの文節を見ると、全く状況が把握出来ないだろう。

厳密に言葉を変えてみよう。今、俺は地下の小さなドアから広がる大きな子供部屋、そこにいた金髪の赤色の服を来た吸血鬼の子に、遊びと言う名の人間狩りをすると唱われ、今こうして抗戦しつつ安全な場所を探している。

 

「495年ずっと閉じ込められてたと聞いたが、あの力は生まれつきか?必然か?何にしても強力過ぎる…」

 

彼女の攻撃は正確に当てに行く事は得意では無いようだ、が、その火力は食らえばまず無傷はあり得ないだろう。それに相手は一人ではない。分身して一斉に攻撃してくる。

そんな強力な攻撃を背に逃げているのも事実。

 

「逃げてばかりじゃつまんないわ!もっと遊びましょう!」

 

仕方がないだろう!4~5人ほどの分身体が追ってきてるんだもん!

時は満ちた。逃げてばかりいるのはこちらとしても癪な物がある。俺でもこのフランドールを倒せないワケでは無かろう。

 

「攻撃してほしいならしてやらぁ!」

 

とか有りがちな捨て台詞を吐くと同時に、フランの方を一直線に指を指した。

 

「…?」

 

フランも何なのかよく分かってない様子。互いに立ち止まった場所は、えらく広い場所。本が随分な数ある所、図書館と言ったところか。

そんなこんな言ってる間、指を指した俺の背後に魔方陣が浮かび上がる。そして、その手を拳を握って肘曲げ手前へ引く。するとフランの周りに漂う原子、中性子であれば全てが結晶化した。

 

「これを起爆剤とすれば、君は生き残れるかい?」

 

その言葉の約2秒後だった。目の前が光に包まれた。一瞬で広がる閃光と並走する爆音が…聞こえない。閃光も消えてきた。

 

「何が起きてる!?」

 

まるで誰かが故意に爆発を押さえた感じ。そんな時、このバカっ広い図書館の奥から、何者かが近づいてくる。ちなみにフランは破壊能力を持っていながら、中性子と原子のハイブリッド爆発は耐えれなかった様だが、回りの本やらが無傷のままである。

 

「何か騒がしいからわざわざ来てみたら、ネズミが入り込んでたワケね」

 

やって来たのは如何にも主ですよ!って感じの風貌、全体的に太く見えるような服を着て、見たらもうThe 紫なのが伝わってくる様な女性。

 

「結構な爆発があってここら一帯は消し飛ばすつもりだったんだがよ?」

 

「御生憎様、この図書館全体には強い結界を張ってあるの。どれも大切な本だから」

 

「…結界を張れるのか?一体何者だ?お前も吸血鬼なのか?」

 

この核兵器を爆発させて周り一体が無事と言うことは、かなり強い結界を張れるのだろう。タダ者ではないだろうが…。

 

「あの考えが浅はかな生き物と一緒にしないで…」

 

吸血鬼が主として立つ館に住んでいる奴が、吸血鬼を罵倒している。…何があったんだろう?

 

「私はパチュリー・ノーレッジ。この紅魔館の図書館に住んでいる生粋なる魔法使いよ」

 

その後ろからは。

 

「パチュリー様が相手なら、博麗の神主もイチコロですね!」

 

なんか悪魔の様な感じの奴が。…これといって特徴ねぇ…大妖精みたいな立ち位置の奴…悪魔なのに、主を持つ、主より小さい。小悪魔か。小悪魔がひょっこりとパチュリーの背後から現れる。

どことなくだが、あの小悪魔は、パチュリーに対して腹に何かを持っている。やや反抗的な事も考えている様。

小悪魔についてで話が反れてしまったが、パチュリーは生粋の魔女。魔法で結界を張ってあるのだろう、だとすると、かなり強力な魔法使いと言うことだ。

 

「まぁ、とにかく。あなたは私の魔法を目の前にして成す術なく死ぬ。あなたとは研究の長さが違うわ」

 

彼女の目の前に浮く魔導書のページが捲られ、俺の足元に大きな魔方陣が浮かび上がる。

 

「…!」

 

パチュリーは誰にも聞こえないような小さな声で呪文を唱えていた。すると足元に浮かび上がった魔方陣から無数の岩柱が飛び出し俺を狙う。

 

「そんな安易に避けて大丈夫かしら?」

 

と口にした後、魔導書のページが変わり新たな呪文が唱えられる。パチュリーの背後に多数の小さめの魔方陣が浮かび、何かを撃ち出すためのパワーチャージをしている。それは俺を狙っていた。

 

「死にな…ゴホゴホっ!」

 

めっちゃカッコいいところで噎せりやがったよこの人!今危機的状況を目の前にしている俺からしてもその緊張が薄まる行為はどうかと思う…。

しかし、そんなことを考えさせる間もなく、魔方陣からレーザーが発射され、俺は避けれなかった。

 

「さすがパチュリー様!相手を一撃で仕留めるなんて!」

 

「…いや、彼はまだ死んでないわ。弱るどころか更に強い気を感じる」

 

そのレーザーによる爆発から無傷で脱出し、パチュリーに突っ込む!死ぬなんて甘いんだよ!

 

「…!」

 

咄嗟に魔法で分厚い土壁を作る。

 

「はぁ…はぁ…まさかあんなまで効いてないなんてショックだわ…」

 

「だよな、この砦も意味無かったしな」

 

俺はパチュリーの背後に立っていた。砦があろうがテレポートの前では障壁でも何でもない。

 

「…!魔導書が…!」

 

魔導書は魔法を封じ込めるため、御札で封印させてある。そんな焦りを見せたパチュリーもまだまだと言うこと。その敗者には手中にエネルギー玉を宿し、腹にワンパン。

 

「ぐぅ…!」

 

 

 

…しばらくして、パチュリーが目を覚ました。俺はパチュリーに事情を聞くため治療していのだ。

 

「ん…ぅ…ん…」

 

「目ぇ覚めたか?悪かったな強くない身体に無茶して」

 

ここから少し話だけのつまらない話だから、チャンネルは回さないで~。

ちなみに何でこんな事してるかも、会話中に分かると思います。では、語りは一旦引きますね~では後ほど。

 

「…何で、こんな事してるの?」

 

「お前、吸血鬼を考えが浅はかな生き物と一緒にするなと言ったな。吸血鬼の館に住む奴が吸血鬼を蔑むのが気になってな」

 

「聞こえないくらい小さい声で言ったつもりだったんだけど、とんだ地獄耳ね。まぁ良いわ。事の経緯を話してあげる」

 

「感謝するぜ、パチュリー」

 

「…この紅い霧だけど、ここの当主、レミリア・スカーレットが引き起こした物で、そのレミリアはあなたがさっき戯れてたフランの姉に当たるわ」

 

そう言えば、フランもお姉さまも…とか言ってたっけ。

 

「そんなレミィの仕業なんだけど、実を言うと私は反対なの。この異変」

 

「何?」

 

「レミィが勝手に言い出したのよ。異世界なら私のものに出来るかもって。咲夜は従者だからついていくと言ってるけど、私と美鈴は無茶だと反対したけど、結局押し退けてここに来て霧を広げたの。吸血鬼にとって日光は百害あって一利なしだもの」

 

「なるほどな。事情は分かった。パチュリーはどうするんだ?」

 

「あなたに、レミィを退治してほしいの。フランは悪気ないから許してあげて」

 

「フランに関しては良いよ。看病…というか看ててやってくれ。俺は、必ずレミリアを退治して、この幻想郷に再び光を取り戻す」

 

「頼んだわ、えぇと…」

 

「風籟寺弘鑾だ。あともうひとつ、フランに言うとけ。自分の意思を殻に固めて、良い結果は来ない。外で遊びたいと言う意思を強く持つなら、衝突は避けられない、てな」

 

パチュリーから事情を聞き出せた俺は、レミリアがいると言う玉間に向かった。その玉間の奥に玉座がある、そこに腰かけていたのが、本当主のレミリア・スカーレットである。彼女の手にはこの霧を操る素であろうオーブらしき物が浮いていた。

 

「…あと少し、あと少しでこの幻想郷は我が手に落ちる。クククク…」

 

「お前がレミリアだな?」

 

「何だお前は、私の邪魔をするな。だいたい、何故この館にネズミがいる?咲夜も腕を落としたか」

 

その玉座に存在するレミリア・スカーレットは、見た目は小さな子供なのにお口は達者で如何にも威圧を与える佇まい。これがカリスマ(笑)と言うものなのか?

 

「俺が何者か、もうとっくにご存知なんだろう?お前が出してるあの紅い霧、迷惑だから止めてほしいんだよなぁ!」

 

「…その頼みを、ハイそうですか、と承諾すると思うのか?」

 

「思わねえ。だから門番も咲夜もパチュリーもフランも倒したさ。紅魔館の御当主は、そんな初歩的な質問をするんだな?もうちょっと賢い質問すると思っていたが」

 

「ちょっとした確認だ。確認のお陰でお前への殺意は固くなった。誇り高きスカーレット家の力前に伏すが良い」

 

レミリアはゆっくりと玉座を立つと、手を高く掲げ、赤紫色の悪魔のような槍が姿を現す。この異変を紫に一人でと任され、初めての異変解決だ。負けるわけにはいかない!

 

「俺とて独りでにこの異変を沈めようとしているわけではない。幻想郷の平和を望む者、博麗の神主を信頼してくれている者、様々な想いを背負っている。容易くやられるワケにもいかないんでな」

 

「「覚悟だ(なさい)!」」

 

二人共に同じく言葉を交わし、紅魔異変最後の戦いが始まった。

そんな時だった。言葉を発すると同時にレミリアが姿を消した。消したと言うより、凄まじい速さで行動している感じ。

 

「…後か!」

 

僅かなる気配も逃さず、後ろからグングニルで突っ込んでくるレミリアの槍を右足を高く上げて蹴り弾き、少し怯みを見せたレミリアの隙をついて、横腹に弾幕を飛ばす。俺も少しはマシな戦い方も出来るようになった様だ。

しかし、彼女の運動神経の良さは桁外れ。当てれると思ったが間一髪で避けやがる。

 

「…やるじゃねぇか。さすが伊達に当主を務めてないってか」

 

「…フフフ、まだ甘っちょろいわね!(うそでしょ…私のグングニルを簡単に弾いて攻撃する余裕があるなんて…勝てるわけないじゃない…あの槍攻撃結構なパワーなのよ!?)」

 

なんか言ってることは涼しいのだが、表情が友達にめっちゃ楽しいからってワクワクして着いていったら崖っぷちのバンジーだった時の顔のように険しくなってる。痩せ我慢か?

 

「とにかくだ。次は俺のターンだな。チート並みの博麗の神主の強さ、その身に刻み込んでや…」

 

と、言葉が最後まで終わる前にレミリアの前から俺の姿が消える。それはそれは驚くだろう。レミリア顔負けの速さ何だから。文には敵わんけどな。

その速さを目の前に成す術なく、俺の拳から繰り出される25%のパワーをワンパン。館の外に殴り飛ばされたレミリア、俺の追い討ちは止まらず、博麗の御札が四方を囲う。

 

「霊符『夢想封印』」

 

代々、博麗の名を継ぐものに自然に宿るスペルカード、夢想封印(ただのフィクションです)は、その者の持つ戦闘力の高さで変わる。つまり、この夢想封印は異変の全てを終わらせる。

 

「…これが、博麗の力。幻想郷、恐ろしい所…」

 

そして陰陽の印を記した巨大な弾幕は、目の前を爆風に誘った。

 

「……。(初の異変解決だぜ!俺って天才!?こんなに早く終わるとか~あたいったら最強ね!おっとこれはチルノの持ちネタだったな!HAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!)」

 

自分に酔いしれる17歳、生暖かく見守りましょう…。

 

 

異変も無事解決し、幻想郷にまた青い空が存在をアピールするこの昼頃。博麗神社は解決を祝って宴を開いていた。なんともその宴は殆どが妖怪、何らかの神のみ!人間は俺と霊夢と魔理沙、あと咲夜だけである。

 

「まぁ、とにかく異変解決出来てよかったな」

 

魔理沙が大きな杯を片手に祝ってくれる。初めて会った時は第一声が見ない奴がいるんだが…だったよな。今じゃ親友だが。

 

「あぁ、なんとかできたさ。と言うか、何故犯人が来てる?」

 

「お詫びの印に。それとフランももう外で遊ばせるつもりよ。私も過保護だったのかしらね」

 

「アイツも長い間時間を奪われてたんだ。出来る限り、一緒にいてやれよ」

 

「あなたには感謝してるわ」

 

感謝?何故だ?一方的に退治しただけだが…。

 

「あなたが館に来て、紅魔館は変わった。と言うか、私が変わったのね。今まで私が最強だと思ってて館の者に威圧していた…でも、同時に家族なのだから、笑って生きれる、平和なカリスマを目指すわ」

 

「頑張れよ、紅魔館当主さん!」

 

そのやり取りを遠目で紫と横にいる亡霊、幽々子の二人は見ていた。

 

「新しい博麗は、霊夢以上に幻想郷を変えてくれそうじゃない。良い子連れてきたわね紫」

 

「イヤらしいこと考えてないでしょうね?」

 

「考えてるわけないでしょ!頭のなかは宴会料理でいっぱいよ!」

 

「それを誇らしげに言わないでよ…」

 

こうして、俺にとって博麗の大きな仕事を1つ成し遂げたのであった。めでたしめでたし!

 

 

「どうでも良いけど、これ片付けんの私達二人だけなのよね」

 

…アイツら散々に散らかしてやがる、俺に安息はない…。

 

                続く

 

 

 

 




今回はまた間が開きました。あと内容がつまらないと自分でも思います…(涙)
次回は本編には関係ない番外編でも開こうと思います。Q、理由?A、気分転換です!
とにかく、次回は本編を致しませんのであしからず。では次回もゆっくりしていってね


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友は自らの大いなる敵である
キャラに色々インタビューしてみましょう


☆東方project二次創作です
☆キャラ崩壊待ったなしですぜ!
☆初心者が書いてますので、気に食わなかったらブラウザバック推奨です!
☆オリキャラ混じってんぞ

ちなみに、神霊の異変まで全ての異変に出向いた後のお話


はーい!文々。新聞の射命丸文です!今回はこんな企画をたてて、私の新聞売れたり

 

風籟寺弘鑾へのインタビュー

Q1、おはようございます

A、それも質問なんですか?

 

Q2、ではでは質問させていただきます!

A、早くしろ!

 

Q3、あなたは何故、外の世界から来たのですか?

A、紫のバカ野郎に無理矢理連れられたんだよ。半分、いや、殆ど誘拐だぜ?これ

 

Q4、これまで幾多と異変を解決してきましたが、博麗の神主として経験が浅い中、大変だったんじゃないですか?

A、最初は大変だったけど、春雪異変の時はもう慣れ慣れでやってたな。今は平和だけどな

 

Q5、これまで一番大変だったのは、どの異変です?

A、うーん…、一番大変だったのか…、やっぱり永遠亭の異変と、神霊の異変かな…

 

Q6、何故その二つなんですか?

A、だって、アイツら強すぎるんだもん。まぁ俺からすれば容易い相手だけど、同行する霊夢と魔理沙が思ったより苦戦してね。結局は俺が殆ど解決した感じかな?

 

Q7、この東方キャラの強さをランキング付けするとしたら、あなたはどの位置に入ります?

A、それは俺に対する愚問って奴だぞ。あのへカーティアでさえでも、俺の前では無力だったぜ?神様だから期待したが…とんだ期待外れだ

 

Q8、思ったより口悪いんですね

A、お前も1回ピチューンするか?俺の全快の攻撃で

 

Q9、え…遠慮しておきます。えと…あなたは今まで本気を出したことありますか?

A、本気?そんな子としたら幻想郷は一瞬で滅ぶだろう?強いて今まで強く出した時は30%程かな?月に一人で戦をしに行った時だな。

 

Q10、月の民と30%でやって勝ったんですか!?

A、地上の奴らは月の民は強いって口を揃えて言うもんだから期待したら、期待外れも良いところだよ。もっと手加減しても良かったんだけど、誇り高いのかなんか知らないが、能書き垂れてるのがムカついたから少し力を出しただけさ

 

Q11、最後の質問です。今まで戦ってきた相手で、苦労した相手は誰ですか?

A、そうだな…。どれも楽だったが、強いて挙げるなら、まず、鬼である萃香と勇儀、あれはタフネス馬鹿力と巨人だから戦い方に困るんだ。あとは、永遠亭の薬師とニート姫かな、死なないと言うのもあるが、能力が面倒だったな。

 

Q12、質問は以上です。ご協力感謝します

A、良い新聞頼むぜ

 

博麗霊夢へのインタビュー

 

Q1、霊夢さん、ずばりグランの事どう思いますか?

A、異変の時はかなり便りになるし、私はサボれる!素晴らしいじゃないか!

 

Q2、…。次の質問に移ります…。他の方の東方作品では、…と言うよりは原作では霊夢さんと魔理沙さんで全ての異変を解決するものですが、それに関して意見ってあったり?

A、それに関してはうp主に感謝してるわ!

 

Q3、何故です?

A、当然、私は休めるからよ!他の動画やら漫画やらこの小説だって私は働いてご苦労よね~。って言いながらお茶が啜れるのよ!

 

Q4、では、博麗の巫女を辞めると?これはまた大スクープ!

A、寝ぼけた事言ってんじゃないわよ!私が本気を出せばグランなんてチョロいもんよ~♪

 

Q5、さすがフラグ建築一級ですね。その称号は伊達じゃない…っと。

A、何メモってんのよ…、ふ…フラグじゃないわよ!

 

Q6、あっれ~?でも月隠れの異変では、魔理沙さんと二人でグランさんにかかっても勝てなかったと聞いていますが?

A、…そ、そうだったっけ?また慧音が余計な歴史の改竄をしたのね…あははは

 

Q7、それ…グランさんに告げ口しても同じようなことが言えますか?

A、止めて殺されちゃうから!

 

Q8、さすがフラグ建築一級ですね。その称号は伊達じゃない。そう言えば、ずっと気になってました。魔理沙さんの事、どう思います?

A、どうって…、どうゆうことよ

 

Q9、いつも一緒にいて、昔からの親友じゃないですか?(旧作?幻ですよそれはw あれは魔理沙さんではありませんし、霊夢さんでもありませんよー)

A 、…そうね、好きか嫌いかだったら好きよ。でも恋愛感情はないわね、さすがにレズっ気はないもの。でも、いつも一緒にいて、いざいなくなると寂しくて、形は愛し合ってる形かもね…w

 

Q10、おーこれは良いことを聞きました(ニヤッ)

A、このことを都合良く書き換えて嘘記事にしてたら夢想封印100連発+身柄を幽香に売り飛ばすわよ

 

Q11、そんなことしませんてーやだなーあはは(何故バレたし…)。それより最後の質問です!ズバリ、霊夢さんが恐れている物はなんですか?

A、私への愚問…ともとれる質問だけど、良いわ。答えてあげる。頭ごなしに怒り狂ってる幽香と覚醒ver.のグランね。この二つは問答無用で危険物よ。

 

Q12、霊夢さん、ご協力ありがとうございました!

A、嘘記事書いたら…分かってるわね?

 

霧雨魔理沙へのインタビュー

 

Q1、魔理沙さんはグランさんについて思うことってありますか?

A、うーん…、すっかり幻想郷に馴染んで神主としてもいっちょ前に出来るようになったと思うんだぜ

 

Q2、アリスさんとパチュリーさんと言う強力な魔法使いがいますが、ズバリ、その二人については?

A、アリスは昔からの親友だぜ。困ったときや相談事はいつもアリスだな。何かと助けてくれて、冷たい態度でクールだけど、面倒見が良くて優しいんだぜ!一方パチュリーは…魔法の腕は見張るものがあるぜ。でも、フィジカル面では難があるんだぜ。まぁ、魔法使いとしては私がトップなのは変わらないぜ

 

Q3、…一応、命蓮寺の僧侶さんの白蓮さんも魔法を使っていますが、それに関しては?

A、魔法と言ってもその効果が直接飛んでくる事はないから、別物な気がするぜ。でも、腕は確かで心も寛大だから偉大な人だと思うな

 

Q4、いつも霊夢さんと一緒に行動してますけど、魔梨沙さんの時は靈夢さんとは知り合っていなかったんですよね?

A、文…、それは触れてはいけないところだぜ

 

Q5、昔の魔梨沙さんはうふうふ口調の女性風情で話してましたし…

A、恋符『マスタースパーク』、射命丸文は星になりました。

 

Q6、何度でも甦るさ!

A、漫画やら小説やら便利な物だぜ(メタい!)

 

Q7、最近、霊夢さんの周りには色んな人や妖怪が集まる様になってますが…

A、人はともかく妖怪は本末転倒だぜ。それに、最近寂しいんだぜ…昔は良く二人で遊んで協力して笑って泣いて、何でもなかった日々が急に変わった。今では私は霊夢にとってはその他大勢の一人じゃないかって思うんだぜ

 

Q8、そんなことないと思いますよ。霊夢さんは今でもあなたを大切な親友だと思ってます。それとも、あなたが親友を信じられませんか?

A、…そうだな。私が親友を信じなくなったらいけないな!なんか元気が出てきたぜ!

 

Q9、良かったですね。では、最後の質問です。もし…、一番大切な『何か』を失った時、どうしますか?

A、…可能なら取り戻すぜ。もしその何かが人なら、人為的に失うことがあったなら、私は決してそれを許さないぜ

 

Q10なるほど。ありがとうございました!良い記事が書けそうです。

A、期待はしてないが楽しみにしてるぜー

 

              続く(?)

 

 




前作と間が開きました、申し訳ございません!
次回はきちんと物語を投稿しようと思っています。これからも末永く(出来たら良いな~)よろしくお願いいたします!


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Scream of Grimoire(魔導書の苦痛なる叫び)

☆東方project二次創作です
☆キャラ崩壊、それは一番注意しなければならない代物
☆オリキャラ注意、目指せレギュラー!
☆初心者が書いてますので、温かい目でゆっくりしていってね

今も読んでくれている方に、誠心誠意の文字でのお礼をさせていただきます!ありがとうございます!(土下座)

今回は魔理沙が中心です。やったZE!すごいね!


神霊の異変から1ヶ月くらいか。激しい事が起きた後の平和な日々は時間を忘れさせる、素晴らしいことである。

 

幻想郷も異変の不安をやや忘れかけているこの時期、魔法の森にて、ポツンとある一軒家、誰の家かと言うと、霧雨魔法店と書いてあるところ魔理沙の家と言うことが分かる。いつもは博麗神社にいる魔理沙も、今日は家で魔法の研究をしているようだ。

 

「このパチュリーから借りた(死ぬまで借りてるぜ♪)魔導書、人間の文字じゃねぇだろ…なんて書いてあんだ?」

 

目に軽く血が浮きそうなくらい力んだ顔で魔導書とにらめっこしている魔理沙、どうやら苦戦しているようだが…。

 

「今回は誰にも手を借りないぜ!いつもはアリスに頼るが、今の私は違うぜ!なんたって神様にも勝ったんだからな~あははは!」

 

魔理沙は自分に酔いしれて情けないくらい顔を緩めている。その顔を緩めて2秒くらいしたら段々元に戻ってきた。独り森の中の家で暗○教室の殺せ○せー並みににやけていれば、空しくもなるだろう。少しは学習しているようだ。

 

「…なんて大口叩いたは良いんだけどな」

 

本当は良くないんだけど…。

 

「どんな大層なことを口にしたところで、この魔導書の文字(?)が読めるわけじゃないんだぜ…」

 

はてさて困った物だ。せっかく良い魔導書をうまく盗め…おっと、口が滑っちまったぜ。借りれたから良い研究が出来ると期待してたんだが。なんか…この文字読めそうな奴いねぇか?

 

「…あ!」

 

いた。いたじゃねぇか!この幻想郷で不可能はないってか?

 

「そうと決まればレッツごー!」

 

魔理沙はご満悦そうな顔を浮かべて箒に乗り飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は人里。目まぐるしく妖怪が行き交う幻想郷で人間が集まる里。その街並みは京都の修学旅行定番の映画村のようだが、立派な2016年であり、平成であって、江戸ではない。

 

そんな人里にはさまざまな店がある。食堂や夜雀が営む居酒屋、寺子屋と言う塾(学校)等、かなり充実している。その中、一際ボロさを感じる店がポツンとある。

その店の名は『鈴奈庵』。俗に言う図書館…なる店だ。この幻想郷で著された本から外界から流れ着いた本まで幅広く揃えられていて、その量は紅魔館の図書館に匹敵するだろう。

店主は一応いるようだが顔を見せることはまずない。そのため、その娘である本居小鈴が店番をしている。また、その小鈴とやらが大の本好きである。それが高じてどんな文字も読めるようになったと言う。

 

説明ありがとうさん。して、箒に乗った魔理沙は鈴奈庵の前で着地。

 

「小鈴ちゃんならこの文字を読んでくれるだろう!」

 

結局人の協力を得ていることは触れてはならない。

箒を手に暖簾を捲って。

 

「やってるか?」

 

「あ、魔理沙さんいらっしゃい!」

 

明るい笑顔で迎えてくれる小鈴、同じ女の子でも可愛いと思っちゃうぜ!…今笑った奴はマスパ百連発な。

 

「今日はどうしたんですか?」

 

「小鈴ちゃんって確かどんな文字でも読めるんだったよな?なら、これを読むのを手伝って欲しいんだぜ」

 

と、机の上にその魔導書を広げる。それと同時に、小鈴もその本を覗いてみることに。

 

「ふむ…」

 

何やら真剣かつ険しい顔つきに変わっていく小鈴。丸渕眼鏡をかけて、近眼の人みたいに文字を間近で見ている。

 

「…どうだ?なんて書いてあんだ?」

 

魔理沙が声をかけると、小鈴は何も答えず顔を上げた。

 

「すみません魔理沙さん。私にも、なんて書いてあるか…分からないんです」

 

「な、なんだと!?」

 

人間以外の文字を読むことができる程度の能力を目の前にしても、この魔導書の解明は無理だと言うのだろうか。

 

「マジかよ…、小鈴ちゃんでも読めないなんて」

 

じゃあどうするんだこの魔導書、明日燃えるごみに出しておくか。借り物?知らないな~。

 

「でもこれ、ただの魔導書ではなさそうですよ?文字は読めなくても、犇々(ひしひし)と伝わってくるんですよ…この禍々しい感じ

 

「…あまり気は乗らないが、パチュリーに相談してみるか。はぁ…」

 

渋々と重い足を動かし、紅魔館へとやって来た。当然、中国が門番しているワケだが、やっぱり寝ている。真面目に仕事してる所を一回でも見てみたいぜ。

寝ているとあらば、入るのは容易いことだ。ささっと済ませたいし、扉に手をかけ、遠慮なく…。

 

「私を無視して行こうなど、酷いじゃないですか」

 

「…!?起きていたのか!」

 

「…Z Z Z」

 

「……………」

 

この門番は本当に有能なのか無能なのかわからない。でも侵入を許してるから無能か。惜しかったね!

門番から入館の許可をもらったので(?)、ずかずかと図書館に入る。

 

「おーいパチュリー!」

 

さすがにだだっ広い図書館で叫んでも声が本に吸われる感じがする。そして返事がない、ただの屍のようだ。…違う違う。

一向に返事がない、聞こえていないのか?

 

「おーいパチュリー!いるんだろ!?いつもみたいに漫喫にいる感じでだらけてるんだろ!?」

 

「なんですって!?」

 

さすが、どんなに邪魔されたくないから居留守を使うパチュリーも罵倒には敏感だぜ。

 

「おっすパチュリー」

 

「く…、な、何の様よ?」

 

お、今日はやけに諦めが早いことだ。いつもならさんっざん文句を言って渋々応えるのに。

 

「まぁ、話が早くて助かるぜ!実はこの前借りた魔導書なんだが…」

 

「また!?いっつも本が急になくなって大変なのよ!?」

 

「字が読めなくて困ってるんだぜ。なんて書いてあんだ?これ」

 

「スルー!?」

 

なんて嫌そうな顔をしているが、優しいパチュリーは何だかんだ協力してくれる!だからパチュリー大好きだぜ!

 

「…え?これ…」

 

パチュリーがこの本を見るなり表情が変わる。さっきの小鈴ちゃんと言い、この字はどれだけ難しいんだ?と言うか持ち主が読めないなんて相当だぞ。

 

「この本…知らないわ、私」

 

「…え?」

 

読めるか読めないか以前の問題だった。確かにこの図書館から借りたはずなのに…。

 

「知らないってどう言うことだぜ?お前の図書館にあったんだ、知らないことはないだろう」

 

「生憎、この魔導書は見たこともない。一応、図書館の本は全て把握してるつもりよ?でも、こんな禍々しい本は置いてない」

 

パチュリーでさえ知らないこの魔導書、一体なんなんだろう?考えても仕方がないので、適当にページを捲ってみることにした。

 

「ん?なんだこれ」

 

そのページには簡易的な魔方陣、私たちが魔法を使うときに浮く魔方陣とは違うシンプルな物だ。どこか八卦をイメージさせる。だが中心には妖しく光る黒紫の宝石が埋め込まれている。

 

「随分と手を抜いたような魔方陣ね。魔理沙の八卦炉をスタンプとして押した感じね」

 

なんとパチュリーと考えてることは同じだったぜ。

 

「…んなことどうでもいい。問題はこの宝石だが…」

 

ほんの好奇心で指先で宝石に触れる。すると魔方陣が命を吹き込まれたかのように光り出す!

 

「…!魔理沙…!」

 

く…なんなんだ?指が…離れない!それになんだ?この感覚は、何かに心を貪られて行く…!

 

魔理沙を大きく包む黒紫の霧は30秒程で消えた。魔理沙は魔方陣から手が離れ、ぽつーんと直立し、顔を下に向けている。ただ…とても邪悪な気《け》を感じる。

 

「…魔理沙?大丈夫なの?」

 

「…」

 

声をかけても返事がない、さすがのパチュリーも心配しているようだ。

 

「…うぅ」

 

魔理沙から声が漏れた、死んではいないようだが。

 

「魔理沙、大丈夫?」

 

「…あぁ、大丈夫だ…ぜ?」

 

その声は魔理沙の声ではなかった。

                続く

 

 

 

 

 




しばらくぶりのお話。結局オリキャラ出てきませんでしたが、次話から出てくると思うんで、よろしくお願いいたします!


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Disaster of Lotus land(幻想郷の災厄)

☆東方project二次創作です
☆キャラ(ガラガラガラ…)、あぁ崩れちゃった
☆今度はオリキャラ入るよ
☆初心者です!しつこいようだけど、大事なことは二回言います!初心者です!言い逃れしてるのは置いておきましょう♪


「…大丈夫?」

 

黒紫の霧が消えたあとの魔理沙に声をかけてみたパチュリー。だが…。

 

「…あぁ、大丈夫だ…ぜ?」

 

そのドスが効いたような声、その声は魔理沙の声で、魔理沙の声ではなかった。

 

「…あなた、誰なの?」

 

「おいおい、酷いこと言ってくれるじゃないか。私は私だぜ、いつもの魔理沙ちゃんだぜ」

 

自分のことをちゃん付けで呼んでる魔理沙を見たら腹から笑いが込み上げて来るが、今はそんな場合ではない。場と状況を弁えよう。

 

「嘘ね…。あなたは魔理沙じゃない。今は小悪魔がちょうど里帰りしてる所だし、面倒は御免なのだけど、仕方ない。相手してあげるわ!」

 

言葉と共に魔導書(ちゃんと棚から出したわよ?)を開く、のだが…。

 

「おっと、魔導書を使う魔法使いなんて古い魔法使いだぜ」

 

魔理沙が手を翳(かざ)すと、パチュリーの魔導書が固く閉じられた。魔法ってすげー。

その隙を突いて、すかさず八卦炉を構える魔理沙もどき。

 

「…!ここまでか!」

 

 

───博麗神社───

 

「………」

 

「………」

 

霊夢と俺は今何をしているか。世紀の大勝負の真っ最中だ!

 

「最後のみかん、当然私のよね~」

 

「おやおや何を言っているんだい?普段から掃除から料理までしてあげてる僕のでしょう」

 

炬燵に入ってみかんを食べていたら、そのみかんがふざけたことに奇数個あったわけだ。つまり、1つ余る。え?もう暖かいのに炬燵にみかんはありえない?チッチッチ、幻想郷では常識に囚われてはいけないのですよ!(by、S・Kさん)

 

「そーゆー時は、先輩である私に譲るものよね」

 

「何を仰いますやら。博麗に上下は関係ありませんでしょ?それに普段仕事してないでおちゃらけて紫と幽香に一日ごと入れ替えで締め上げられてるあなたこそ、俺にこのみかんを譲るべきでしょう」

 

「……」

 

「……」

 

いかにも第一回博麗大戦がおっ始められそうな所、博麗神社に一人の人間、いや妖怪が訪ねてきた。身体中傷だらけで。

 

「ん?あれは…」

 

「美鈴!」

 

何と紅魔館の門番、紅美鈴であった。息ギリギリあるような状態で訪ねてきたのだ。

 

「美鈴!しっかりしなさい!」

 

霊夢が珍しく真面目だ…。それは置いといて、こんな状態で訪ねてくるとは、かなり切羽詰まった事態が起きているのだろう!

 

「…美鈴、喋らなくて良いからな。何があったのか、心に意識してくれ」

 

こういう時に相手の心を読み取る能力と言うのは便利で助かる。

 

「ふむ、そう言うことがあったのか。これはちょっと…いや、かなりヤバイぞ」

 

「グラン!一体何があったの?」

 

少年説明中。

 

「…!魔理沙が!?」

 

「かなり時間が経ってる。今は紅魔館にはいないだろう」

 

とにかく、紅魔館に向かう事にした二人。ただ俺は美鈴を永遠亭に運ぶから遅くなると霊夢に告げた。

 

 

ーーーーー。

 

 

紅魔館に着いた霊夢は言葉を失った。紅魔館が、跡形もなく崩壊しているからだ。

 

「これを…魔理沙が一人でやったと言うの?」

 

霊夢は俄(にわか)に信じられない様だが、突っ立っている訳にもいかないので、外壁はまだ壊されていなかった幸いの下、門をくぐり中の妖怪たちを訪ねることに。

 

「レミリア、これはどう言うことなの?」

 

「私には分からないわ。魔理沙が私たちに襲い掛かってきたの」

 

「あの目は、魔理沙の目じゃなかった…。雰囲気も」

 

フランは涙目で話した。信じた人が自分の全てを失わせた哀しさと、信じている人をこのようにさせた存在への怒りが混沌となって目に浮かんでいる。

そして美鈴を永遠亭に送り届けたグランも戻ってきた。なんとか一命を取り止めたらしい。まぁ俺が処置したんだけど。

 

「咲夜、何か知らないか?」

 

「いえ、私も何も分からないまま魔理沙に応戦してた。でも、私たちの渾身の攻撃も、全て効かなくて…成す統べなく、だわ」

 

「…そうか」

 

「魔理沙は、魔導書に取り憑かれてるわ」

 

背後からパチュリーが声を挟む。魔導書?どう言うことだろう?

 

「詳しく聞かせてくれ」

 

少女説明中。←便利だわ~これ!え?空気読め?やだな~衣玖さんじゃないのに無理だよ~

 

「なるほどな。パチュリーの図書館から借りたと言う魔導書、でも違った。んで魔方陣に触れたら身心共々支配された…」

 

「これは間違いない。異変だわ」

 

「そうね、放ったらまずい事になるわね」

 

「うわ!紫!?」

 

また唐突に姿を見せるBBAこと八雲紫が俺らの背後にいた。まぁ異変があると絶対来るから警戒はしてたんだけど。

 

「霊夢、グラン、貴女たちは魔理沙を止める。そのつもりでいるのね?」

 

「もちろんだ/もちろんよ」

 

タイミングが合致して返答する二人だが、紫はやはり…と言う少々呆れた表情と、それを許すまじ表情が混ざったような表情をしている。

 

「貴女たちが魔理沙を止める。それは勝手になさい。止めてもらわないと困るわ。…でもね、1つ忘れないで欲しいことがあるわ。もし、少しでも手こずる様ならば、彼女を殺しなさい」

 

紫から発された言葉は、氷のように冷たい刃の様でした。

 

                続く




魔理沙~!殺されちゃうの~!とアリスさんが言ってるかもしれないこの頃、この博麗の神主?夢だろただの、とは別のお話しを作ろうと思います。原作はたぶん東方で、オリキャラはないと…思う。

まぁそのときはよろしくお願いいたします!


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Nightmare Continues(続く悪夢)

☆東方project二次創作です
☆キャラが倒産(崩壊)しました
☆オリキャラ…もう定番化したね
☆そろそろ初心者脱したい…


 

「もし少しでも手こずる様ならば、彼女を殺しなさい」

 

紫から発された言葉は、氷のように冷たい刃の様でした。なんで敬語かって?そりゃそうなるでしょうよ。

 

「どういうことだ?納得いく説明があるんだろうな?」

 

「…言わずもがな」

 

紫はその6文字を返答としたらしい。当然、俺も博麗の名を継ぐものに当たって、幻想郷のルールは聞かされていた。今もそれは忘れてはいない。霊夢も同様である。

 

「…人間が妖怪化すること、だよな?」

 

「ご名答よグラン。今の魔理沙は吸血鬼の一族を容易く滅びに誘った。これは最早人間の手技じゃないわ」

 

「でも…」

 

霊夢は曇らした顔をしている。俺もそうだが、それより仲が深い霊夢にとって、一番の親友を自らの手で殺めるのは大いな抵抗がある。

 

「霊夢、あなたは人間である以上に博麗の巫女なの。人間としての行動をするなら止めないわ。でも、博麗としての行動を逸脱する、或いは従えないなら、私は止める。幻想郷の一賢者としてね」

 

紫の言い分が分からないことはない。ただ、一人の人間としての行動をするか、幻想郷不可欠の博麗の巫女としての行動をするか、霊夢の天秤が揺れている。

 

「…手こずらなければ、良いんだよな?」

 

そんなネガティブに捉えるのではなく、前向きに考えよう。魔理沙を殺す?手こずらなければ?ならば手こずらなければ良い、魔理沙を救ってやれば良い。確かに魔理沙を殺すさ。でも"魔理沙"は殺さない。

 

「…私は、あなたたち二人を信じています。彼女は今どこにいるか、それは定かではありませんが、彼女を、霧雨魔理沙を、その手で救いなさい」

 

「意外ね、紫。以前の紫なら私たちが何と言おうがルールは絶対とか言って殺せと迫るかと思ったのだけど」

 

霊夢も不思議に思っていたみたいだ。やっぱり人間も妖怪も年取れば考えることも穏やかに何のかねぇ。

 

「グラン。決して年を取ったから考えが穏やかになったわけじゃないわよ?」

 

何故バレたし…。覚り妖怪かよ…油断ならねぇ。

 

「そりゃ悪かったよ。さて、時間も限られてる。早いうち、魔理沙を見つけよう」

 

二人は、跡形もなく崩れ落ちた紅魔館を後にし、二手に別れて情報集めを行うことに。いくら切羽詰まってようが、焦っても良い結果は訪れない。地道に調査から進めることが勝利への道さ(キラッ☆)

…柄にもねぇことするもんじゃねぇ何霊夢が呆れたような顔をしてるごめんそんな目で見ないで悲しくなるから~!

 

まずは霊夢、魔理沙の行きそうな場所、と言うことでアリスを訪ねてみた。が時すでに遅しだった。家は崩れ落ちて、中でアリスが倒れていた。

 

「アリス!大丈夫!?」

 

「……うぅ、れい…む?」

 

途切れ途切れの意識の中、懸命に霊夢を捉えるアリスの目は火が弱まっている。長く話すのは危険、素早く聞き出さないと!

 

「魔理沙にやられたの?」

 

「…歯が…全く立たな…かった…わ」

 

「そう…。永遠亭に運ぶわよ、良いわね?」

 

そう言うと同時アリスを抱え、永遠亭に向かった。永遠亭は無事のようだが、いつ狙われてもおかしくない。永琳は大丈夫と言っているが…。

 

一方俺は冥界へと足を運んだ。こういう地上で荒々しいことが起きると、敏感に反応するのが霊である(ただのフィクションです)。この情報を頭に幽々子に様子を聞きに来たのだ。幸い白玉楼は何事もなかった様子。

 

「おーい幽々子。聞きたいことがあってきたぞ」

 

「あ、いらっしゃいグランさん」

 

出迎えてくれたのは庭師の妖夢だった。あのブラックホールはどこに行きやがった!

 

「おう、邪魔してるぜ。ところで、幽々子は?」

 

まさかこんな状況下でも、まだ多種多様な料理を目の前にしてるのか?

 

「下界でとんでもないことが起きてるそうで、幻想郷の主格が集まって会議をすると…。今、紫様と映姫様がおみえになってまして」

 

幽々子様、申し訳ございませんでした!さすがは幻想郷の主格だけある、きちんとこう言うことには責任を持っている様だ。それを普段からすれば良いのに…。

 

「なんか変わったことなかったか?霊が騒いだりとか…」

 

「はい。白黒が幻想郷中を破壊しようとしてると、どの霊もそんなこと言ってて、でもまだ人里には被害はないそうです」

 

まだ人里に行ってないのか…不幸中の幸いと言いたいが、何か奥歯に引っ掛かる。意図的にそうしてるように感じる。もっと聞き込みが必要そうだ。闇雲に探しても見つかる気がしないからな。

 

 

────妖怪の山、守矢神社────

 

「本当に、霧雨魔理沙なのか?」

 

魔理沙は守矢神社へやって来ていて、もう1つ激戦が終わったらしい。

 

「弾幕使わず戦っちゃダメって幻想郷のルールにあった気がするんだけど…」

 

「神奈子様、諏訪子様、ここは私が食い止めます!」

 

早苗はもうラウンド1で限界を迎えている。だがしかし、この守矢を思う気持ちは消えてはいなかった。

 

「無茶だ早苗!」

 

「そうだよ!今の魔理沙は早苗では勝てる相手じゃないよ!」

 

「良いんです。たとえこの身が裂かれて砕かれて滅びようとも、神社を守る!それは、この神社が命だからです!それを友の手によって壊されるのは死んでも嫌なんです!私が風祝で有る限り、命を持って守ります!」

 

そのボロボロの身体を無理矢理立たせ、魔理沙へと向く。

 

「くくくく…、良いじゃないか!感動の家族愛だぜ!守る気持ちと家族への思いで何でも出来ると錯覚している愚かな奴らのなぁ!」

 

魔理沙は早苗に罵倒を表し、魔法の構えを取る。ラウンド2の始まりだ!

 

「死ねぇ!」

 

「「早苗!」」

 

………………。

 

「…?」

 

「……!」

 

早苗は無事だった。と言うより、攻撃が届いていない。ふと顔をあげると…。

 

「霊夢さん!」

 

霊夢が強い結界を張り、みごと神社を守って見せた。

 

「逃げなさい!」

 

「え?でも!」

 

「聞こえなかったの!?逃げろ!神二人と逃げろ!」

 

霊夢はこれまで見せたことがない程の鬼の形相を浮かべ、逃げることを促す。神二人を共にさせたかは、早苗の保護と応急処置のためである。早苗は現代神とはいえ、まだ日は浅い人間である。その体で無理を強いていたのだ。

 

「魔理沙…。貴女とは一回本気で戦ってみたかったのよ」

 

「嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか!でも、私の邪魔をして…無事でいれると思うな!」

 

「(今のは魔理沙の声じゃなかった。魔導書が声を発している?)」

 

ラウンド2は霊夢と交代、妖怪の山、守矢神社にて本当の世紀の戦いと言うものが始まった!

 

               続く

 




今回はかなり長い…。飽きずに読んで下さってる方、本当にありがとうございます。感謝の気持ちで一杯です。

前回で少し話したもう1つオリキャラなしの東方project原作の小説を作ろうかと。そっちは僕の休憩みたいなものです(笑)
一切内容は詰まってないギャグ風に作ろうと思ってます。このシリーズとは性格がかなり変わってるかも…


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Evil God Holy War(悪神の聖戦)

☆東方project二次創作です
☆キャラが倒産(崩壊)しました
☆オリキャラ…もう定番化したね
☆そろそろ初心者脱したい…


「嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか。でも、私の邪魔をして……無事でいれると思うな!」

 

霊夢と魔理沙の戦いはかなり激しい物となった。だが…。

 

「何だぜ?霊夢、手を抜いてるんじゃないか?」

 

霊夢が一方的に攻められている。弾幕を使わない殺し合いの様な戦い。それは幻想郷のルールに反する。

 

「うるさいわね…、あんたと戦うのに手なんか抜かないわよ」

 

「だとしたら、霊夢、お前にはがっかりだぜ。私が知る霊夢は強くて圧倒的な力があるはずだが?」

 

「く…」

 

霊夢も歯を噛み締めている。隠月異変の時戦った魔理沙とは全く比べ物にならない力を油断していた事もあり、出すスペルが全て無効化される。なんという屈辱…。

 

「弱い霊夢には用はない。ただ期待しているぜ、次戦う時は、グランと一緒に来い。相手してやるぜ。次の戦場は、博麗神社だ」

 

次なる宣告を残した魔理沙は箒に乗り山を降りていった。

 

「…疲れた。眠くなって…きた」

 

戦ったことがないくらいの強さの相手と死闘を繰り上げてたため、疲労が極限に達している。修行をサボるから…。

 

 

 

「……いむ!」

 

どこか遠くから声が聞こえる…男の声ね…。

 

「霊夢!しっかりしろ!おい!!」

 

倒れている霊夢を腕に抱える。かなり弱っている様だが、魔理沙はそんなに強かったのだろうか?

 

「遅れてすまない…すぐに永遠亭に連れていくからな!」

 

───永遠亭───

 

 

本日三人目の患者にそろそろ溜め息をつく永琳を背に、霊夢の心に忍ぶ。

 

「…。なるほど、次は俺を含め相手をするのか。だが、霊夢はギブアップだ。これ以上無理をすると本格的に死ぬぞ」

 

「その通りね。最低でも3日は安静にしてないと、医者である私も手に負えなくなるわ」

 

「魔理沙は地底にも行ったそうだが、鬼である勇儀と肉弾戦で圧勝したらしい。どんな攻撃も効かず、全て弾き返されたそうだ。そんな奴相手に霊夢は無茶をしてたということだ。永琳、霊夢を頼むぜ」

 

「任せなさい。月の頭脳の私がついてる、あなたは何も心配せず魔理沙と戦いなさい」

 

「恩に着るぜ!」

 

永琳に霊夢を任せ、博麗神社へ急いだ。待ってろよ、魔理沙!

 

───博麗神社───

 

「お前…本当にあの魔理沙か?」

 

博麗神社には留守番として萃香がいたが、境内で魔理沙と立ち合っている。

 

「そろそろ聞き飽きたぜ、その台詞」

 

「質問に答えろ。お前は魔理沙なのか?」

 

萃香は魔理沙が怪しいとすぐ気付いたようだ。魔導書が取り憑いている事はまだ分からないようだが…。

 

「とにかく霊夢とグランに用があるんだぜ。いないなら出直すが?」

 

「あの二人ならすぐ戻ってくると思うぞ。ここで待つと良い。それに…今のお前を野放しには出来かねる」

 

萃香も今の魔理沙を自由にしてはならぬと悟ったのか、戦闘の構えを取る。

 

「…まぁ良いぜ。霊夢たちと戦う前の準備運動だぜ」

 

「鬼を舐めるなよ魔理沙。何に取り憑かれてるのか知らないが、所詮は人間だ。鬼に勝るわけがない!」

 

その言葉とどちらが早いか。素の小さな身体を利用し、鬼の力を魔理沙の腹へとぶつける。

 

「(…。純粋な力は勇儀に負けるが、少しはダメージを受けてるだろう)」

 

「くくくく…。まさか、それが全力とは…な?」

 

ダメージどころか怯みもしなかった。さすがの萃香も驚きを隠せないようだ。

 

「くそっ…お前本当に人間なのか?」

 

「おいおい、私は人間の普通の魔法使いだぜ?…まぁ元々お前には用はなかったんだ。消えろ…」

 

突き出された拳を掴んで引き寄せて、腹脇に八卦炉を構える。

 

「…!」

 

「恋符『マスタースパーク』」

 

鬼の四天王、して博麗神社の居候(的な)として…は関係ないか。鬼と言う怪異のトップが、最弱格の人間に完敗する瞬間であった。

マスタースパークをゼロ距離でモロに受けた萃香は白目を向けて倒れ、魔理沙はそれを如何にもつまらなさそうな顔つきで見つめている。

 

「鬼も所詮、昔話のまんまと言うことか。これじゃこの力を手にいれたところで意味がない。強きを求めてこの身体に憑依していると言うのに…」

 

「そう言うことかよ、魔理沙。…いや、『皆神之悪御霊封書(みなかみのあくみたまふうのしょ)』」

 

「…グランか。何を言うんだ、私は魔理沙だぜ?」

 

魔理沙は俺の言うことを否定し、自分は魔理沙だと言い張るが、俺だって根拠なしに言っているわけではない。ここまで妖気を追えるようになったと考えると、俺も幻想入り当初に比べて強くなったな~!

 

「…いい加減隠すのをやめたらどうだ?俺にその誤魔化しが利くと思ってるのか?だとしたら、俺も随分舐められたものだ」

 

「くくくく…。何でバレた?」

 

「日本唯一の魔導書、そしてその中身はあらゆる日本の神の悪心を凝縮して封印させた、それがお前だ。元々神の実体を持つ奴が暮らす幻想郷で、神話の神は存在しない。それは、お前に封印しているから。つまり、ただならぬ力が体から漏れてれば神を身に卸すことが出来る俺が見逃すわけがない。神主とはそう言うものだ(そんな本現実にも幻想郷本作にもありません。主が厨二飛ばして考えました…)」

 

正体がバレて少々焦りを見せ出す魔導書魔理沙。だが、どこかしら悲しげな表情もうっすら伺える。

 

「魔理沙。本当は憑依された身体に抗ってるんだよな?ちょっと待ってろよ。すぐに出してやるからな」

 

すると魔導書魔理沙の目から一粒の涙がこぼれた。…心は強いんだな。

 

「くそ…お前は許さねぇ!死を持って悪神地獄で苦しめ!」

 

「その涙ぐんだ顔で物騒なこと言うんじゃねぇ笑うだろうが!」

 

「お前…意外と酷い奴なんだな」

 

…刻は夜、月も見事に満月を頂点で姿を現している。

 

「満月の夜…か。魔導書よ、運が悪かったんだよ、お前は」

 

「なんだと?」

 

俺は上空を見上げ、満月を見つめた。すると身体中から煙が立ち上がり、全身を覆い尽くした。

 

「…月の満ち欠けで夜は力が変わってきてね。新月に近いほどだと弱くて、満月に近いほどだと強くなる。そして今、欠けなしの満月だ。問答無用で行くぞ!」

 

グラン、またの名、ルナはその言葉を良い終えた同時に、目にも止まらぬ速さで背中を取る。

 

「…!動きが見えなかったぞ…どうなってやがる!?」

 

そんなことお構い無し!背を取られたことに瞬時に気付いた魔理沙は密かにルナの背後に八卦炉をセット。

 

「(食らえ!ファイナルスパーク!)」

 

セットされた八卦炉から放たれた図太い光線はルナにモロに命中した。

 

「よし!」

 

魔理沙は今の一撃でルナを倒せたつもりでいるようだが、果たしてどうだろうか?

 

「嬉しそうだな魔導書よ。まさか今のへなちょこビームで倒せた気でいたのか?」

 

「…!何故!?今のは渾身の一発だぞ!マダ○テみたいな一発だぞ!?」

 

「俺が覚醒した時の能力…言ってなかったがな。万物を覆し操る程度の能力。お前のファイナルスパークは、ちょいと俺の周りの空気密度を限界まで密集し、操って障壁にしたのさ。要するに、俺の周りは絶対障壁で守られてる」

 

「そんなのありかよ!」

 

「こっちのターンだ!行くぞ!龍符『黄龍の覚醒』」

 

大地を割り、光輝き出てきたのは、四方の神獣、青龍、玄武、白虎、朱雀を束ねる神獣、黄龍である。

 

「世を光包む黄龍よ!暗き野望を持った悪神を光に満ちさせ、封書に永遠なる封印を処せ!」

 

───翌日、博麗神社───

 

 

「…、、。」

 

「目ぇ覚めたか?魔理沙」

 

「グラン?ここは…博麗神社か?私は…一体?」

 

「いろいろな。まぁありもしない体力を無理矢理酷使したから身体に軋みが見える。安静にしとけ」

 

魔理沙に取り憑いていた魔導書はルナの召喚スペルによる黄龍が永久の封印をかけ、博麗の強力な御札を張り、境内の祠に供養している。

霊夢は無事に回復し、魔導書の封印とともに被害にあった建物が元通りになり、紅魔館も再び活動を始めたと言う(何の?知らんな)。

 

 

魔理沙に憑依した、皆神之悪御霊封書の魔方陣は八卦をイメージしたものとされており、その自然と人生を支配、その野望を写したものとなっている。それを封じていたのが、魔理沙が触れた宝石、封石と呼ばれる物である。また、八卦の方角に神を置いたとして、その悪や怨恨から妖しさを醸していた。

 

 

───博麗神社、封書の祠───

 

「…(キョロキョロ…)、…ぅん!」

 

「なーにやってんだ、小鈴!」

 

「あ…いや、その…えへへ」

 

「悪いが可愛い顔では免ずる事は出来かねる。珍しいし読みたい気持ちも分かるが、もう永遠なる封印を施してるから、誰にも開けられないよ」

 

「犠牲者がでなくて良かったですね」

 

               おわり

        ※魔導書はフィクションです!

 

 

 

 

 

 

 

 




なんか…クオリティーが低すぎて地面掘ってる気がしてならないうp主の妖でございます。読者の皆様の支えと、僕の勝手でここまでこれました。感謝致します!
一応こっちにもストーリーがあるのですが(しょうもないですけど)、もうひとつの連載を考えてて、それを実行するなら全体的に更新ペース落ちます。まぁ元々遅いですけど

では、この話はこれくらいにして、それでは皆さま、次回もゆっくりしていってね


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長き悔いは一矢の如く
Retaliation of Lunatic(狂喜の報復)


☆東方project二次創作です
☆キャラ崩壊…もう言わずもがなだよね?
☆オリキャラチートだからよ?マジで
☆下手さ故、ご了承ください!


月、それは地球の衛星、それが巷の常識である。もし、そこに生息する生物がいるとしたら?それは地球の生命体より強力で、知もしっかりしている。決してあり得ない話ではないだろう…。

 

 

 

───八雲家───

時は満月3日前の夜。

 

─side 八雲紫─

 

「藍しゃま~、一緒にお風呂入りましょ~?」

 

「おぉ…ああ、入ろうか」

 

「お願いだから風呂場を赤く染めないでね」

 

藍と橙が風呂向かう。私は平然とした顔をしてるけど、ちょっと考え事をしてるの。こんな明るい月は久しぶりね…。あのときも、こんな明るい満月だったわね。

 

「昔の事なんて思い出すものじゃないわ。だって私は17歳だもの」

 

かれこれ自分は17歳だと言い張って何年経つだろう?認めたくはないけど、千年以上生きてる以上はやっぱりBBAなのかしら?

そんなことはどうでも良いのよ。問題は、この私が月の民に大敗を記したこと。月の民は無類の強さを見せる、それは私も認めるわ。でも負けたままでは癪なのよね。

 

…あれは、何年前になるのかしら?もうかなり前だと思うけど。私と幽々子と萃香、そしてその他大勢の妖怪たちで月に戦争に行ったっけな~月面戦争なんて格好いい名前つけてるけど、そんな良いものではないわ。…。思い出しただけで悔しさが込み上げてくるわ。

 

「…どうにかギャフンと言わせられないかしら。つい最近はお酒を盗み出す事に成功したけど、やってる事が小さいわ…。誰よりも分かってんのに…」

 

少し欠けた月を眺めながら考え事をするのも悪くないわね。今夜は月見酒といきましょう。

 

さて、本題に戻りましょうか。月の連中を強さでギャフンと言わせたいわね、無謀なのは百も承知だけど。とは口にしても、この地上に月の民の強さに十分対抗できる人なんて…。

 

「あ…。一人いたわね」

 

私としたことが、自分で連れてきた人間を忘れるなんて、年かしら?

 

「でも、霊夢たちはあの綿月姉妹に完敗してるし、そんな化け物相手に、大丈夫かしら?グラン」

 

心配しても仕方がないわ。明日博麗神社に行ってみましょう。そうと決まれば、もう結構飲んだし寝ようかしら、おやすみなさ~い。

 

───博麗神社───

 

翌日、朝の巳の刻。

 

─side グラン─

 

「ほら、境内は広いんだから、モタモタしてっと日ぃ暮れるぞ?」

 

「いくらなんでも一人で境内を隅から隅まで掃除なんて無茶だぜ…」

 

今、魔理沙が博麗神社を隅っ隅まで掃除してくれている。実は掃除以外にもやることは山ほどある。

 

「仕方がないだろう?魔導書のせいとはいえ、魔理沙のせいでもあるんだから。霊夢も完治してるわけではないし、でもその体で幻想郷中謝罪するのに着いてきてくれたんだぜ?」

 

「うぅ…、私は何も知らないのに…。しばらくは魔導書には触れないぜ…」

 

今回の異変は魔理沙にとっては良い薬だったかも知れないな。コレならパチュリーの本を借りることは少なくなるだろうよ。

 

「ずずず…。魔理沙も何だかんだで、責任は感じてるのね。止めてあげられなくて、申し訳なかったわ…。今度から真面目に修行しようかしら」

 

…。どうやら霊夢にも良い薬だったかも。ありがとー良ぃ~薬です!

そんな事はどうでも良いんだよ。さっきから何やら妖気を感じる。この境内には人間しかいないはず。だとしたら、誰かが近づいてる…この濃い妖気は紫だな。

 

「いやっほぅー!霊夢ぅ!」

 

やっぱり。空間裂いて出てきたスキマBBA 。

しかし、向こうから姿を現すなんて珍しいこともあるもんだ。…いやしょっちゅうあるか。何にしても何らかの用があって来たんだろうが、紫が持ち運んでくる内容は良かった試しが一度もない。心して聞こう。

 

「霊夢ぅ、大丈夫?ゆかりん、すっごく心配したのよ?」

 

…嘘こけ。紅魔館にきてからどこかいったじゃねぇかよ。

 

「…もうぅうっとっしい離れろ!」

 

この孫とおばあちゃんのやり取りみたいな件ってどこの幻想郷も存在するんだろうか?できれば、してほしくないが…。

 

「用があって来たんでしょう?だったらささっと言って帰ってくれるかしら?」

 

「んもぅ~冷たい~ちべたい~」

 

霊夢、よくこんな小判鮫みたいに引っ付いてくるやつをそばに生きてこれたな…。初めて霊夢を軽く尊敬した瞬間である。

 

「おい紫、戯れはそれくらいにして用件あって来たんだろう?だったら早いうちに用件言ってくれだぜ?」

 

「そうね、博麗神社に来るとコレが日課になってるからつい…ね?」

 

ね?じゃねぇんだよ。急に現れたと思ったら少女と老婆がイチャつきあうんだからこちらとて困るわや。

 

「良いから離れなさいよ!」

 

 

霊夢も紫から解放され、いったん落ち着こうと言うことで、部屋の炬燵を三人で囲む。ちなみに魔理沙は掃除はまたで良いと霊夢が無理矢理帰らした。

 

「まず、私がここに来たのはグランに用があるからなの」

 

「俺にか?」

 

何だろう?良い予想が生まれない…、大穴をあけるしかない競馬に勝機の予想が生まれないくらいだ。なんかどうせ面倒事叩きつけるんだろうな。

 

「あなたは、かなり昔、私が月の民と戦って負けた事、知ってる?」

 

「あぁその話は聞いてるぜ。手も足も出なかったってな?」

 

「そう。全く歯がたたなかった。そして、これは最近だけど、霊夢たちも月に行った。あなたは博麗の留守番だったけど、そのときもやはり戦いになったわ。でも霊夢たちも負けて、地上は月には敵わないと悟ったわ」

 

「ふむ。話には聞いていたが、本当にたった一人に玉でかかっても敗北を記した…。確か永琳たちも月の奴だったな、確かに強かったが…」

 

「でも、あのとき私たちを月に行かしたのはあくまで囮なんでしょ?それに酒を盗るだけって」

 

確かに、満月の夜に境界が開くとか行って、帰ってきたのは負けた連中と酒だもんな。正直言えば呆れる。

 

「そこでよ。月からこんな内容の文が届いたわ」

 

式典の原稿を包む紙みたいなものを取り出した紫。その紙には随分な達筆で『穢れき地上の民よ』とあった。かなり下に思われてんな。

包み紙から本文紙を取り出し読んでみると、適当な挨拶と、月の大切な御神酒を盗った事への報復を下す、とある。要約すればだが。

 

「なるほどな。こうも挑戦状が来たからやっちゃろうってことか?」

 

「そう言うこと。今の幻想郷には兵器があるもの。放っとく手はないわ」

 

「そう言うことか。俺も月の連中とは戦ってみたいと思ってたぜ」

 

「良かった、じゃぁ次の満月…明日の夜ね。一人だけど頑張ってね!」

 

「おぅ!…おぅ?今よく聞こえなかったが…一人で、って言ったか?」

 

普通にスルーしてはならないところを普通にスルーしようとしてしまった!訳を聞き出さんと月には行けれないぞ。

 

「グランなら一人で良いでしょう」

 

なんとも、淡々と簡単に答え、買い被っている…。

まぁとにかく、盗んだ御神酒の報復として手紙を寄越したと…。

 

「まぁ、良い!月の強さを体感するチャンスだ、地上の民が口揃えて強いとか言うから期待しちまうな。

 

              続く

 

 

 




東方儚月抄を思い出して、さらに地上のリベンジが起きる…と行ったところです。インタビューでもあったように、30%で勝利したと言う情報を紐解いて行きましょう


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Victimization Eve(血祭りの前夜祭)

☆東方project二次創作です
☆万が一キャラが崩れても責任は一切負いかねます
☆オリキャラ含有量70%(適当)
☆そろそろ初心者って言うのも辛いのかな?


 

 

───月、月の都───

 

─side 綿月豊姫─

 

「はむ…んぐんぐ」

 

今年の桃も甘く実ったわね、実に甘美な実だわ。依姫ちゃんにも食べさしてあげたいわね。

 

「お姉様…今ので17個目ですが、よくそんな美味しそうな表情を崩しませんね」

 

「だって美味しいんだもの♪依姫ちゃんも食べなさい」

 

「結構です、あまり食べすぎると太っちゃいますよ?」

 

「美味しい物を目の前に気にしちゃダメよ」

 

こうやって我が妹と他愛もないお話をすることが幸せを感じる。御師匠様はどうされてるでしょう?

さっきから気になってたけど、地上で何か動きがある。この前うっかり霊夢たちに総員送ったから酒を盗られたけど、正直気にしてないわ。

 

「どうされました?難しい顔をして…」

 

「依姫ちゃん、この先もしかしたら争い事が起こるかもしれないわ。ウサギたちには可愛そうだけど、訓練をより力を入れてちょうだい」

 

「え…?あ、はい!今ちょうど訓練中ですから、今からでも!」

 

「今日はまだ良いわ。いきなり訓練を重くしても体を壊すだけよ」

 

「…お姉様がそう言うなら…」

 

依姫ちゃんは意思は固いけど、私には従ってくれる。良い妹を持って本当に幸せね。…地上の動きがまだ小さいから良いけど、油断は出来ないわね…。明日には満月で地上と結界が繋がる、それで来るつもりね。…良いでしょう、月の力を全てつぎ込んであげましょう!

 

 

─翌日、午の刻 博麗神社─

 

─side 風籟寺弘鑾─

 

満月は今日だったな。月が上り出すのは酉の刻、あと六時間はある。

 

「確か、結界が繋がるところって妖精の湖だったか?」

 

「そうよ、そこで私が境界を紡げば月の海に出てくるはずよ。今、月の連中はいきなり動きを見せる私たちを見て行動を移してるはずよ。タイミングは今日しかないわ」

 

確かに月は強いと聞く。この紫が裏を描こうとするところを見ると、よく分かる。

 

「グラン、月の豊姫と依姫には気をつけて。あの綿月姉妹は実質月の都の長よ、他にも月の民にも厄介なのがいる。もし都の連中が手こずり出したらもしかしたら、そいつらも出てくる可能性があるわ」

 

「…物騒だな、月ってのは」

 

幻想郷の実力者二人が揃いも揃って月を警戒して…行くのやめようかな?

 

───妖精の湖、午の刻───

 

今までも普通に夜の湖は見てきた。しかし、こんなに大きな力を感じる湖は初めてだ。心なしか湖が輝いてるようにも見える。

 

「今ね。まだ上に上ってないけど、月へ紡ぐには十分だわ。グラン、準備は良い?」

 

「正直気が進まないが、良いぜ」

 

「気を付けるのよ。それじゃ…」

 

湖に光照らす月の反射にスキマが生まれる。どうやらそこに足を踏み入れば月に行けるようだ。

 

 

 

───月、海───

 

…。ここが月か?本当だ。広く海があるし、青き美しい我が地球がある。ガガーリンが言ってた地球は青かった、てのは本当だったんだな。でも確かそんなこと言ってないという話もある。

 

「…どうしてこうも話が脱線するかね」

 

思わず口に出してしまった。どうやら月に辿り着いて気が高揚しているようだ。

 

「しかし…、都はどこだ?だいたい地球が見える月面の正反対に月人が住んでいると聞いたが?」

 

先程も言ったように、上空を見上げると地球が見える。ただ真上と言うわけではないところを見ると、距離は遠くはないだろう、飛行して行けばすぐ着きそうだ。

 

俺と月の戦の火蓋が落とされようとした瞬間である。

 

               続く




次回、とうとうグランと月の勢力がぶつかります。ただ日常記の方もあげたいのでご勘弁ください…


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Moon(月)

☆東方project二次創作です
☆キャラ雪崩警報発令中
☆オリキャラ入ってワッケ分かんねぇんだけど
☆戦闘シーンは割愛します。読者の豊かな創造力と想像力で戦闘をイメージしてください


───月の都───

 

─side 綿月豊姫─

 

今日が地球から見て満月となる日、さすがに結界が繋がる時だけあって、海から離れていても大きな力を感じるわ。それに、もうお客様がお見栄になってる様ね。

 

「依姫、うさぎ達の訓練はどうなっているかしら?」

 

「はい。いつもより訓練量を増やし、より濃い結果を産み出すよう今も精進しています」

 

「そう…分かったわ」

 

この前の戦いでうさぎ達は実戦不足だと発覚して以来、出来る限り紅白戦を意識させているけど、正直言って、あまり期待していない。言い方は悪いかもしれないけど、チェスで言うとこポーン、将棋で例えるなら歩、と言ったところかしら?相手の強さが分からない以上、手段を選んでいる場合じゃなくなる事もあり得るから考えておきましょう。

 

「依姫ちゃん」

 

「…なんでしょうお姉様」

 

「お客様には、厚く歓迎しなくちゃね」

 

そう。大切なお客様がわざわざ遠い地上からご足労頂いているのだ。歓迎の意を示さないと失礼にあたるわ。

 

「月の軍をお客様の元へ…」

 

「え?軍を出すまででもないでしょう!相手は一人なんでしょう?」

 

「一人と言えど、油断したら蟻一匹に落城させられるわよ。良いから、海に軍を派遣しなさい」

 

「ふむぅ…、お姉様がそう言うなら…。レイセン、軍をお客様の所に行かすように」

 

「え!?私がですか!?…分かりました…行って参ります」

 

本当に良い妹を持てて幸せね。

 

「ところでお姉様」

 

「ん?どうしたの?」

 

「いつまで…桃を召し上がるつもりですか?」

 

今年の桃は見事に豊作でここまで一杯食べれるなんてそれこそ幸せじゃないかしらね~。ん~美味しい!

 

「仕方がないことよ。桃が実りすぎて傷んでしまう前に食べておかないと♪」

 

「…まぁ良いですけど、程々にしてくださいね。太ったお姉様は見たくないですから」

 

太った私…考えただけで…いやああああぁぁぁぁ!

 

「想像しちゃったみたいですね…」

 

 

───月、静かの海───

 

─side 風籟寺弘鑾─

 

にしても、月ってこんなに広かったのか?飛んでも飛んでも都に着く気配がない。方角が違うのかな?

 

「迷ったか…?」

 

そう言えば、紫は都がある場所は幻想郷同様結界で守られている、と言っていたな。でも海がある以上結界内だと思うんだが…うーん分からん。

 

「ん…?なんだ…あれは?人か?」

 

遠目だが人らしきが無数にこっちへ向かってきている。武装している様にも見えるか…歓迎されてんな。

恐らく遠目に見える人の群れは月の都の軍隊だろう。綿月姉妹とやらが仕向けたに違いない。面白くなってきたじゃねぇか!

 

─20分後─

 

月の軍は地上の軍よりはるかに上を行っていた。だが、その更に上に俺が立っていた…それだけだ。

 

「月の軍って未知なる力を駆使して来るかと思いきやとんだ期待はずれだ。…あとは軍師だけか?」

 

倒れている軍の奥に一際身体が大きい男が待ち受けていた。面白いじゃねぇか、少しは楽しましてくれるんだろうぜ?

 

「地上の民よ…。月の軍を一人で倒すとは大した腕に覚えがあるようだが、俺はこの軍の連中とは比ではないぞ」

 

偉そうな口を叩くおっさんだぜ。どうやらかなり自分の腕に自信があるのだろう。萃香が軍師の様な大男と戦ったら巨大化が維持できなかったと言っていたが、こいつのことか?

 

「例えお前が強かろうが弱かろうが、俺はお前を倒して月の都に行く。それだけだ」

 

「都には一歩も踏み入れさせん!」

 

すると大男は俺の二倍はあろう巨単刀を取りだし構える。こちとや丸腰だが良かろう。月の実力者の力、存分と味わおうではねぇか。

 

─10分後─

 

「ぁ…ぁぁ…」

 

大男は倒れた。思ったより手応えがなくて手を抜いて戦ったが、確かに軍の連中とは桁が違う。認めよう、こいつは強い。だが、全てを断砕させる程度では俺には勝てねぇぞ。

 

「ん?いつの間に都の目の前に?」

 

全く気づかなかった…と言うよりはいきなり目の前に現れた感じだ。かなり強い結界で守られていたようだが…。

 

「………誰だ?」

 

月の民だろうか?片翼が生えて口を押さえている銀髪の女性。

 

「俺は地上の人間だ…あんたは?」

 

「…………」

 

あれ?聞こえてんのかな?それとも無視されてる?俺無視されてる?ナニコレ新手のイジメ?向こうから話振って無視られたんですけど…。

 

「…都が最近騒がしいと思ったら…さらに五月蝿くなっても迷惑だ。去れ」

 

あ、やっと口きいた。だんまりすぎるだろ…こいつは、何か深い理由があるのか?

 

「俺は…はっきり言うと、月を潰しに来た。…と言うが正しいか。以前、月の都は神霊と地獄神に侵略されかけていたんだよな?弱いくせに誇り高い…大っ嫌いなんだよな、そういうの」

 

「…………。お前に綿月様に会わせるわけにはいかない。どうしてもと言うなら、私を越えろ。さぁ運命は逆に動き出した。決められた運命にお前は抗えるか?」

 

予想はしていたさ。まぁ綿月姉妹を倒す前のウォームアップと洒落込もうか。だがしかし…。

 

「1つ聞かせてくれ。あんたの名は?」

 

「…希神サグメ」

 

「…そうか。行くぞ!」

 

 

───綿月家───

 

─side 綿月豊姫─

 

…都を覆っていた結界が今ほどかれた。お客様は私たちの歓迎を快く受け取ってくれた様で何よりね。…そろそろかしら?

 

「依姫ちゃん、うさぎ達はもういつでも出れそう?」

 

「はい。今なお訓練中ですが、いつでも出動可能ですよ」

 

準備は万端ね。月人に抜かりはないってね♪

依姫ちゃんも祭壇から刀を取りだし、腰に填めて集中してるわね。遠路はるばるお越しいただいたお客様には、全力でお応えしないとなりません。油断大敵ですね。

 

「民と戦っているようね。互いに弱いわけではないけど、野放しには出来ないわ。そろそろ出向きましょうか…」

 

                続く

 

 

 



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Lunatic Holy war (月の聖戦)

☆東方project二次創作です
☆キャラがジェンガ化、崩れるぞ…!
☆オリキャラ95%配合
☆クオリティゼロの全く面白くないものとなっておりますので、怪我、吐き気、病気、発作、死亡、その他による損害は全く責任を負いかねます。悪しからず。自己責任でどーぞ


 ───幻想郷、博麗神社───

 

 ─side 八雲 紫─

 

 弘鑾を月に送って月明かりが少し斜めから差すようになった。時間が刻々と過ぎている証拠ね。

 霊夢は相変わらず無関心な立ち会い方をしているけど、視線は月から離してない。冷たいことを口にしている内では心配しているのね。相変わらずと言うか、これが博麗霊夢ね。

 そうこう考えてる傍ら、珍しい参拝客が訪れてきた。

 

「うまく行ってるのかしら?彼…」

 

「永琳…いらっしゃい。とりあえず御賽銭入れてきて」

 

「…随分なご挨拶ですこと。まぁ良いわ。御賽銭は入れないけれど」

 

 霊夢の戯言も落ち着いた大人の対応で受け流した、さすがは月の頭脳、八意永琳…ってところかしら。とりあえず、永琳とうどんげが参拝に来た…と。

 

「一体何の用よ?」

 

 賽銭入れてくれなかったからか、霊夢は随分ムスっとした感じに尋ねる。この金に対する異様な執着を持つ巫女…どうにかした方が良いのかしら?

 

「そんなに邪険にしないで。ただ様子を見に来ただけよ。元々月人だった私が気にしてはいけないのかしら?」

 

「そうですよ。いくら嫌な古巣でも行く末は気になりますよ」

 

「わ…悪かったわよ…」

 

 …グラン。月ではうまくやっているかしら?

 

 

 

 ───月、月の都───

 

 ─side 風籟寺 弘鑾─

 

 月の民であろう、希神サグメをピチュり、都の中心にようやく辿り着いた。はぁ…疲れた、帰ろうか!

 

「帰ったら恐らく1ヶ月くらい紫に殺されまくるんだろうな…進むほかないってこった」

 

「そうよ。ここまで来たら後には退けないわよ?」

 

「誰だ!?」

 

 声の方向へふと振り替えると、月のうさぎ、月兎たちが銃剣を向けて、その後ろに女性が二人。一人は腰に刀を収めている女剣士という感じにポニーテール。もう一人はロングヘアーの貴婦人のような女性。扇子を持っているから尚更そう見える。

 

「あんたらが、綿月姉妹か」

 

「えぇ、いかにも。改め、歓迎いたしますわ。ようこそ、月へ。ようこそ、月の都へ。自己紹介が遅れて申し訳ないけど、私は綿月豊姫」

 

「私が、綿月依姫だ。豊姫お姉様の妹である」

 

「依姫、そんなに堅くならないの」

 

 要するに、貴婦人の方が豊姫、ポニテ剣士の方が依姫、そういうことね。しかし、性格が全くもって真逆なんだな。堅物と柔和かよ…。

 

「お客人様、まだ私達からの歓迎は終わってはいませんわ。このうさぎ達が歓迎したいと…」

 

「それは嬉しい限りですな。心行くまで歓迎の意に浸りましょう」

 

 言うが速いか、うさぎが一斉に襲ってくる。少しは手応えを期待できそうだな!

 

 ─約20分後─

 

 うさぎは一匹残らず倒れた。さすがに殺めてはいないよ?月の軍よりは少しやるようだが…一番の要因は…。

 

「完全に実戦不足なのね…。この頃平和だから…」

 

 完全に台詞を取られちまった…。俺が主人公やっちゅうんに!この物語のなかでのイメージも霞のように薄いのにほぼレギュラ-的な人に…!…あ、メタい?失礼いたしやした~!

 

「やはり私たちがやるしかないのね」

 

「私が行きます。お姉様はお待ちください」

 

「あら、そう?ならゆっくり見させていただこうかしら」

 

 どうやら依姫が相手のようだ。どんな力を見せるか知らないが、霊夢が手こずった相手だ。油断は出来ない。

 

「いざ、尋常に勝負…」

 

 すると依姫は目を閉じ、両手を少し浮かせた。

 

武甕槌神(たけみかづちのかみ)よ…。あの者の朱き血を刀身に納めよ…』

 

 すると四方八方から刀が飛び出し、まるで血に飢えた狼が食らい付くかのように襲ってくる。

 今のは…刀剣に関しての神。身に卸すことが出来るのか?つまり、彼女も俺らと同じ聖職者、巫女と言ったところか。

 

「ほう…全て避けて神の動作を沈めるとは。…お前も聖職者か。穢れ多き地上の神主に何が出来るかと舐めていたが、少しはやれるのか?」

 

「穢れがあろうがなかろうがアンタを倒すさ」

 

「では、やってみろ!」

 

火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)よ、あの愚者を紅蓮の炎で燃やし尽くせ!』

 

 俺の足下が熱い…火がついてやがる!

 

伊邪那岐命(いざなぎのみこと)よ。大地を歪ませ、愚者の足を不自由のあらんことを!』

 

 …!動けねぇ!いつの間にここの地盤は足に入り込んだ地形をしてたんだ!

 

志那都比古神(しなつひこかみ)よ、紅蓮の火柱を風で分裂させ、愚者を灰にするのだ!』

 

 火柱が分かれて向かってくる!どう避ける?普通に避けてもつまらない。もっとも足が不自由なため時間を止めれてもスキマが使えても瞬間移動が使えても仕方がない。考えたな…だが…!

 

『シヴァよ。大地を砕き、我が身に自由のあらんことを!』

 

 まず足を自由にさせるが、火の龍は迫ってきている。

 

大黒主大神(おおくにぬし)よ。我が身に守りをきたせ!』

 

 炎の龍は守りにぶつかり消滅。神を身に卸し戦うのは疲れる。だが、もう神には用はない。自分自身で勝ちに行ってやる!

 

「さて、次は俺のターンだ」

 

 拳を握り、依姫に向かって全力疾走!あいにく、俺の武器はなくて拳と妖術が武器なんだよな…せめて刀ほしいよ…。

 

「…甘い!」

 

天照大御神(あまてらすおおみかみ)よ。奴を太陽熱で焼き付くせ!』

 

「…!」

 

 あぶねぇ…。もうちょいで丸焦げになるところだ。時間を止めて避けたが。確か咲夜も同じ手でやられたんだったっけ?当然、衣服に焼き跡はない。

 

「あなたも、以前の人間のような変わった能力をお持ちなのですね」

 

「さぁ、果たしてそうだろうか?」

 

「これでカタをつけましょう。そして穢れ多き地上に帰るのです!」

 

禍津日神(まがつひのかみ)よ、あの者に最大なる災厄を引き起こせ!』

 

 さすがに俺でも災厄は、かわしきれなかったがその厄はどうやら、俺がいた所に向かって起きている。…つまり。

 

「その方向に俺はいないぜ、依姫」

 

「…!何…!残像を攻撃してたというのか!」

 

残像を残せる程早く行動できるようになったところを見ると成長したな~♪自己満足を済ましたところで、反撃に入る。さっきまで苦戦している()()をしていたが、それもここまでだ。

 

「お前を…。そうだな、ワンパンで…。そう、ワンパンで倒してやる!神や神霊、巫女神などの力と俺の力どっちが強いだろうな?」

 

「それはやるまでもないであろうが、この戦をお前の返り血で朱戦(せきせん)としてやる」

 

天手力男神(あめのたぢからをのみこと)よ。目の前の愚者を拳で亡き者とせよ!』

建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)よ。お主の草薙剣で、目の前の愚者を両断とし、悪きを祓えよ!』

 

戦闘に秀でた神を同時に二人を1つの体に卸すとは…。本気で倒しに来ているな?…だが。

 

「言ったはずだ。ワンパンで倒してやる。全力を出すまでもあるまいが…」

 

手に(くう)を握り潰し、拳を後ろに引き…。

 

「出力、8%…」

 

前へと突きだした。しかし、神を卸した身の寸距離で止める。何故か?それはレディを傷付けるのは俺の趣に合わないからだ。…今笑った奴表出ろ。

小言はどうでも良い。だが…今一番の問題が…。

 

「もー!このパワーリミッター不完全な物だから8%のはずが10%出てたじゃん!お陰で依姫の背後は隕石が通ったみたいになってるぞ」

 

「………」

 

依姫は膝から崩れ落ちた。負けるはずがないと天狗のように誇り高く物言いをし、大口叩いた割には無様な負け方をしたから当然だろう。

 

「ところで…、豊姫?まだ続けるのか?」

 

「まさか。認めるわ、私たち月人の負けよ。地上の民もここまで強くなったのね。御師匠様もあの私と同じ能力を持った妖怪も良い駒を送ったわね」

 

「…目的は達成したし、月が沈むまで時間がない。都、請わして悪かったな。軍はもう少し強くしとけよ。それじゃあな」

 

かくして俺は再び静かの海から地上へ戻った。

 

 

───地上、博麗神社───

 

「今帰ったぞ」

 

「無事だったのね。良かったわ…」

 

「で…、勝敗の結果は?」

 

「無論、勝利だな。さすがに月人は強かった。…が、とんだ期待はずれだ。俺のワンパンを耐える奴がいない…」

 

「まぁそんなことより、宴を開きましょう!」

 

「はぁ!?紫あまり調子乗ったこと言ってんじゃないわよ!」

 

「まぁ良いじゃない。せっかくの勝利の美酒が飲めるのよ…!」

 

「悪いが、酒は持って帰ってはいない。それに聞きたいことがひとつある。何で月に奇襲をかけさせた?」

 

「ぅ…。それは…月人らを見返したくて…」

 

「俺はお前の私利私欲のために月まで行って都を壊さしたのか?」

 

「……はぃ」

 

「宴は後だ。紫を締め上げてくるから良ければそにうちにでも宴をやっておいても良いぜ」

 

「霊夢ぅ!助けてぇ!」

 

「嫌ですごゆっくりどうぞー」

 

「霊夢の薄情者ぉー!」

                 終わり

 



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古き良き在らぬ記憶の遅れた報復
春雪異変の刻─上─


☆東方project二次創作です
☆キャラ?そんなん姐さんが破壊しちまったよ
☆原作イメージを尊重している方は引き返しを推奨致します。
☆オリキャラ混入してますが気にしなーい


今回の作品は、少し前に紅魔郷の事をしましたが、その続き、妖々夢の物語です。
ですが、原作の妖々夢とは違い、春雪は春雪でも、今一度計画を練り直して行こう。と言う感じになっております。理解できません。すみません。
それではゆっくりしていってね



───冥界、西行妖前───

 

「幽々子様、全て手筈通りです」

 

「…そう、さすが妖夢ちゃんね。見てごらんなさい、この西行妖を。下界の春を今かと待ち構えているわ。…始めましょう。命在るもの訪れぬ暗き地で、亡霊の宴を…」

 

「…厨二くさいですよ幽々子様」

 

「んもぅ!良い雰囲気でラスボス感出してたのにぃ!」

 

「はぁ…。命在るもの訪れぬ暗き地で、亡霊の宴を…。ぷふっ!」

 

「ちょ…ちょっと!一晩考えて導きだしたカッコいいフレーズを笑わないでよ!」

 

愉快に始まった、西行妖の再開花計画。大したこと無さげな異変だが、幻想郷の結界に関わろうなど、まだ先の話である。

 

 

───幻想郷、博麗神社───

 

─side 風籟寺 弘鑾─

 

おかしい。絶対におかしい。何がおかしいかと言うと…。

 

「おい、ここにあった饅頭は?」

 

「知らなーい。アンタ食べたんじゃなかったの?」

 

棚にしまってあったハズの昨日買った人里で噂だった饅頭の最後の1つがない!!

買って帰ったのは4つ。二人で2つずつと言うことで、霊夢は一気に2つ頬張っていたが、俺は昨日1つしか食べてなくて、もう1つは今日の昼のデザートに食べようと置いておいたのに…。

 

「霊夢、()()()()()()()が…食べたか?」

 

「何よ。私が食べたとでも言いたいの?まさか私を疑ってるわけ?」

 

「言ったハズだ。疑ってはいない」

 

まず金目の物と食べ物にはすぐ飛び付くから今のところ一番怪しいのは霊夢だが…、言い訳をさせたらペテン師と化すからな。それに…昨日今日と誰一人来なかったし饅頭に手を伸ばせる奴なんて…居過ぎる…。でも他人より目の前を疑えって名探偵が言ってたし(嘘ですよ~)。

 

「ハハ…。面白い冗談じゃない。この博麗の結界の守り主が欲を働かせた事があるって言うの?」

 

「あんじゃねぇかよ沢山と。昨日なんか饅頭に目を光らせて頬張ってたじゃねぇか。あれを食欲と言わずしてなんと言う?」

 

「うぐ…痛いところを突いてくるわね。でも食べたのは紫かも知れないわよ!」

 

…!紫の事をすっかり忘れてた。そういえばあのオバサンそんな能力持ってたな。

しかしだ、あいつに聞いてみてもとぼけられる可能性が99.9%なんだが…ダメもと聞いてみようか?今は春だから冬眠から目覚めてるだろう。

紫をここに呼び寄せる方法は簡単だ。

 

「紫にも話を聞いてみる。もし本当に霊夢が食べたんなら、霊夢が自腹切って饅頭買ってこいよ?」

 

「分かったわよ~食べてないし」

 

さて、紫を呼び出すか。

 

「おーい紫BBA」

 

「ちょ…グラン!」

 

こうすれば5秒くらいで姿を現すハズだ。

 

「………………………」

 

…来ない。変だな、いつもなら、なんですってぇ!って言いながら出てくるのに。

 

「おかしいな?声が小さかったか?」

 

「今でも冬眠してんじゃない?」

 

「まさか。もう桜の蕾が出来てきたところだぜ?もう春なのに…」

 

『ガラガラガラ…』

 

誰かが戸を開けて入ってきた。そう言えば今日は閉めてるんだったな。何故かって?いつも寝てるときは戸を閉めてるんだが、春の暖かさから動きたくなくて…ずっと卓袱台に向かい合ってお茶を飲んでいたんだ。

ところでノックせずに入ってくるっていったら、まぁ一人しかいねぇわな。

 

「おーっす霊夢、グラン、外は雪降ってて寒いぞ…」

 

やっぱり魔理沙だったか。そんな厚着して靴まで雪が引っ付いて…。

 

「雪…だと?」

 

俺は慌てて戸を開けた。そしたら一面銀世界が広がっていて、咲きそうになっていた桜も意気を感じないし、空から雪が斜め降りになってる!?どうなっていやがる!今は確かに春だぞ!

…昨日まで全然雪が降る気配なんてなかったし暖かかった。おまけに春告精のリリーホワイトまで飛んでいた。つまりこれは…。

 

「異変だな、これは」

 

「また白玉楼の連中の仕業か?でもあいつら桜が咲かないことは知ってるはずだぜ…?」

 

「おそらく、新しい手立てが見つかったのよ。寒いのは嫌だし、ささっと片付けましょう」

 

おお…。珍しく霊夢がやる気になってる!しかし本当に珍しいな。…まさか。

 

「お前まさか饅頭食ったことをこれでうやむやに出来るって思った肚なんじゃねぇか?」

 

「(ギクッ…)。まさかそんなワケないじゃない~やだわ~あははははは…」

 

「まぁ良いが、紫に聞けば必然的にお前になるからな」

 

「なんだぁ霊夢、つまみ食いしたのか?子供じゃあるまいし」

 

「と…とにかく行くわよ!」

 

結局誤魔化しやがったぞ霊夢の奴。まぁそれはともかく、これが異変である以上は出向かなければなるまい。

ただ…物凄く嫌な予感がする。今まで以上に気を引き締めて行かねぇとな。

 

一方…。

 

 

───紅魔館───

 

─side 十六夜 咲夜─

 

「咲夜」

 

「はい。お呼びでございましょうか?」

 

私は完全で瀟洒な従者、十六夜咲夜でございます。常日頃お嬢様のお呼びがかかっても大丈夫なように耳を意識しております。←どうでもええから早よ進めんかい!

 

「咲夜、今…何月かしら?」

 

お嬢様から思いもよらぬ単純な質問をしてきた。わざわざこんな事を聞くために私を呼んだのかしら?でも聞かれた以上答えないと失礼に値する。

 

「4月でございます」

 

「4月…。そうよね、年明けて4ヶ月経ったのよね…。でも何か、おかしくはないかしら?」

 

おかしいところ?それはあなたの質問ですよ。と言いたいところだけど、窓の外を見ると"おかしいところ"は直ぐ様分かる。

 

「突然の大雪と寒気ですね」

 

「私はこれを異常気象だと思えないのよ。前にも似たことがあったからかしら?」

 

「そうですね。しかし、霊夢やグランが行きますよ」

 

「…。咲夜、この異変。あなたも出向きなさい」

 

は…?今お嬢様は何と仰った?異変に出向けと?

 

「なぜ、私が出向くのです?」

 

「嫌な予感がするからよ。何なのかは良く分からないけど、霊夢と魔理沙では些か不安がある。グランも居るけど過信は出来ないわ。それに、冥界は妖怪や神は入れない、人間しか入れない領域と聞いた事があるわ(そんな設定ありません)。紫はスキマで入れるけど、私たちは無理でしょう。だから、ね」

 

ね…と言われましてもね…。でもまぁ、お嬢様の感じる運命はそう語っている。それで十分口実にもなるわね。

 

「かしこまりました。では早速、行って参ります」

 

                 続く

 

 



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春雪異変の刻─中─

─上海と蓬莱と神主のほっこり(?)談話─
上「シャンハーイ!(神主ってまるでZUNさんみたいですね)」
蓬「ホーライ!(私たちの作り主とこんなキモオタと一緒にしたらダメですよー)」
神「いやいや、仕方がないじゃん?男で神社に就くって事は、巫女じゃなくて神主になっちゃうでしょ?決してあのお方と一緒~とか思ってないからね?」
上「シャーンハーイ…(それにいつも作る小説、中身スカスカじゃないですか…)」
神「小説は書く気がわいたらやるって感じで、ストーリーもその場その場でパッパッと浮かんできてそのまま書いてるからね」
蓬「ホーラーイ?(そんな小説を誰が読むと思ってるんですか?)」
神「うぐ…。俺の小説ってそんなにつまらないかな?面白いなんて思ってないけどさ」
上&蓬「シャンハーイ!&ホーラーイ!(つまらないです!ソッコーやめることをお薦めします!)」
神「何もそこまで言うかよ…(泣)」
蓬「ホーライ(少し言いすぎました)」
上「シャンハーイ、シャーンハーイ(面白くないですし、つまらないですけど、恐らく、本当に恐らく読者様がいらっしゃるかもしれませんよ)」
神「上海、蓬莱、ありがとー!」
上&蓬「シャンハーイ&ホーライ(泣くなキモい)」
神「えぇー…」

小説開始早々ディスられておりますが、まだまだやりますよ~まだまだ退きませんよ~スミマセン。

何か上海と蓬莱が冷たーい目で見てきてるので手っ取り早く言いたいことを言います。僕の小説つまらなかったら無理せず退きましょう。無理せずとも…ね、無理しないで…ねぇ


───幻想郷、上空───

 

─side 風籟寺 弘鑾─

 

しかし、物の見事に雪が積もっていやがる。桜が

咲かけている時季と一緒に雪を見るのは久しぶりだ。とは言え、幻想郷に来て初めてだったな、あん時は。

 

「ところで、これは本当に冥界の奴らの仕業なのか?」

 

「さぁね。今はあくまで見切りで冥界に向かっているけれど、生憎この当てずっぽうは百発百中ではないの」

 

それを自信ありげに胸張って言うことではないと思う。だが本人は嬉しそうなので放っておこう。時期に直るし。

 

「なら、再び調査に行くべきなんじゃないか?」

 

「嫌よ、面倒くさい」

 

ホワッツ!?今この野郎面倒くさいって言いやがった…!誰だよこんな奴を博麗の巫女にした奴は!

 

「だったらお前らだけで冥界へ行ってこい。俺は今回パスさせてもらう。無鉄砲なやり方は性に合わないんでな」

 

「あら、そう。なら勝手にすれば良いじゃない。こんな異変あたしたちだけでサクッと解決してやるわよ。行くわよ魔理沙」

 

「…お、おう。グラン、私は信じてるぞ」

 

二人は冥界を目指して飛んでいった。さて…帰るか。

まさか仲間割れするとは思いもしなかったが、これで分かるだろう。自分への過信が…。

俺もこの異変は冥界の奴らの仕業だと踏んでいる。神社で紫をBBA呼ばわりしても出てこなかったのも、彼女も絡みがあると説明がつく。しかし今の冥界は無防備に攻め入ると却って自分の血で紅くなる。準備するためにも調査をさせようと思ったんだけどな。

 

「今は知らん。時が来るのを待つだけだ」

 

 

───冥界と下界の界隈───

 

─side 霧雨 魔理沙─

 

やっと着いたぜ。かなり上空にあるものだから行くのも一苦労だぜ。

 

「なぁ霊夢、良いのか?グランの事…」

 

「知らないわよ。あんな石頭の頑固野郎なんて…犯人は決まってんのよ」

 

今回の霊夢はグランには頼らないと頑なに決めた様だが、果たしてそれが正しいのか…?何にしても目の前の敵を倒すまでだぜ。

 

「相変わらずこの石段は長いわね…。もうちょっと短くすれば良いのに…」

 

とか言っているけど、結局は飛行して行くんだから変わらんと思うんだが…。…っと、そうこうしているうち、門が見えてきたぜ!

門の前には守護するものあり、待ち構えていたように門前に仁王立ちする銀髪の二刀を持つ半人半霊の庭師、魂魄妖夢。どうやら霊夢の勘は当たっていたようだ。グランの心配は杞憂だったんだな。

 

「ここは冥界です…。命在る者が気安く訪れる様な場所では御座らん。お主達の疾く下界へ戻るが良い」

 

「…妖夢。言っている事は素晴らしくカッコいいし、様になってるわよ」

 

「それは…お褒めの言葉、ありがとうございます」

 

「でも…。何で顔真っ赤っかで言ってるのかしら?」

 

「……!!」

 

おぉ…茹でタコみたいに赤くなってきたぞ。少し湯気みたいなの出てないか?さっきの台詞の時も赤かったが…。

 

「…そ、それは」

 

─遡ること30分─

 

─side 魂魄 妖夢─

 

「妖夢ちゃん、ちょっと良いかしら?」

 

私が最終的な準備運動として剣の素振りをしている時、幽々子様がお呼びになっている。余程な事なのでしょうか?

 

「はい、何でしょう?」

 

「折角カッコ良く相手を迎えれる門前に立つなら、それこそ言うべきでしょう?」

 

…何でだろう?全然良い予感がしない。と言うか、何を言わせるつもりなんだろう?

 

─そして現在─

 

─side 霧雨 魔理沙─

 

「…で、何を言うのかを聞いたら、先ほどの台詞を言え…と…。恥ずかしぃ…厨二病だと思われちゃう…」

 

なにかと苦労してるんだな妖夢も。…何かここに来た趣旨が忘れられてる気が…。

 

「それはお気の毒に~んで?門前にアンタが立っているってことは私の勘に狂いはないってことね」

 

「…。そうです。ですが、黙ってあなた達を通すわけにはいきません。私が直々にお相手しますよ」

 

さすがは霊夢の勘と言ったところか。あとは私たちの強さを妖夢にぶつけるだけだぜ!

 

「…あまり舐めないでくださいよ?これでも、冥界の守り主ですから」

 

 

───博麗神社、居間───

 

─side 十六夜 咲夜─

 

お嬢様にこの異変に出向けと言われて出てきたは良いけど、霊夢たちはもう向かったのかしら?お嬢様に意見するつもりは毛頭ないけれど、霊夢たちが向かったのであれば大丈夫な気がする。そのことはお嬢様は分かっておらっしゃるハズなのに、どうして私なんかを派遣したのだろう?

…考えても答えが見つからない。とりあえず、博麗神社に着いたけど、霊夢いるかしら?いつもは渋って面倒くさがって行きたがらないけど…。

 

「失礼します…」

 

ゆっくりと障子を開けて中を伺ってみると、既に霊夢の姿はなかった。もう冥界に向かったようね。でも、神社に誰もいない…ワケではなかった。

 

「グラン、異変に向かってないの?」

 

「咲夜か。どうした?」

 

「質問を質問で返さないで。あなたは異変解決を放ってるなんて珍しいじゃない」

 

「…。しゃあねぇ…」

 

青年説明中…。

 

「なるほど。そう言うことでしたか…」

 

「大方、お前も異変に向かうんだろう?冥界には人間しか往き来できない。霊夢たち3人で異変解決するしかない今、油断は出来ないぞ?特に今の冥界はあの時の春雪異変とは違う。…根拠はないけどな」

 

グランがここまで警戒するなんて、本当に珍しい。それに嘘をつく様な人ではないから信憑性がある。…ところで。

 

「グランは、もう行かないの?」

 

「さぁな。気が向いたら行くさ」

 

「気が向いたら…ねぇ」

 

「そう言う咲夜は何しにここに来たんだ?霊夢はもういないぜ、早い内に冥界に行って霊夢の助太刀でもしてやれ」

 

「…私はあなたにどうこうお願いするつもりはないわ。でもねぇ、もしこの体で異変解決失敗に陥ったら、あなたは彼女らを見殺しにしたことになる。それだけ忘れないで」

 

そう言い残しておけば、感情ある者ならこの先の行動は変わるはず。感情があれば、の話だけどね。

一応用件は済ませたからあとは冥界に向かうだけね。霊夢たち、ちゃんとうまくやってるんでしょうね?

 

「…見殺し、か。…外の世界でも、見殺しの慶って言われてたっけ」

 

 

───冥界、白玉楼門前───

 

やっと着いたわ。この石段長すぎでしょ…常人ならへたってるわよ。

あそこに倒れているのは誰かしら?どうやら激戦が繰り広げられた様だけど、倒れているのは妖夢じゃない?白黒の色が認識出来るところ…。

 

「魔理沙!」

 

嘘でしょう!よく見ると桜の木の下にも霊夢が気を失っている。これ全部、妖夢が殺ったって言うの?あの子何時の間に強くなったのかしら?

 

「魔理沙!しっかりしなさい!」

 

「さ…くや…、う…うし…ろ…」

 

「うしろ?…!」

 

『ヒュン!』

 

ギリギリだった。私の能力に感謝ね。しかし…、気配を全く感じなかった。自慢じゃないけど、常日頃お嬢様に気を配ってるせいか、気配を感じとる力がついて、それは霊夢に劣らないはず。

 

「避けましたか、さすがは時を操る咲夜さんです。霊の心得で気配を完全に消していたのですが…」

 

そう言う事だったの…謎が1つ解明されたわ。しかし、魔理沙がいなかったら今頃私は真っ二つだったろう。

霊夢と魔理沙をたった一人で倒したとあらば、グランの言っていた事は間違ってはいなかったわね。さて…どう相手を切り崩そうかしら…。

 

「来ないんですか?」

 

挑発だろうか?まさか妖夢が挑発を使ってくるなんて成長したものね。つい最近まで、型にはまったような、剣をひたすら振り回す様な感じだったけれど…。

 

「相手を知らず攻めるのは愚か者がやることよ。もっとも、そこに倒れてる二人は過去の経験からの先入観で攻めたからこうなるの」

 

「落ち着いてますね。未知なる敵と対峙しても冷静さを保つあなたを私は尊敬しています。ですが、自分から答えを求めないと、自ずから出てきてくれるほど、答えは甘くありません。…行きます!」

 

妖夢も一本の刀を取りだし、上段の構えに入る。見ない構え方ね…。

 

「妖夢、あなた剣の流派を変えたの?」

 

「そんなことはしてませんよ。ただ、素早い相手を狙うなら、払って切るより、突きに特化した、かつ防御も素早く移れる上段の構えのほうが良いことに気づきました。確かに慣れない内は扱いづらいですが、使いこなせれば無類の強さを見せます。…これが"天念理信流"と言う剣術です」

 

…かなり長く力の入った説明をしてくれた、のは良いのだけど途中から私の耳は筒と化したわ。まぁ、大変だったってのはよく伝わったわ。

 

「その天念理信流とやらで霊夢と魔理沙がやられるのなら、期待して良いのね?」

 

「…はい!」

 

はい!と同時に構えに入っていた姿勢を後ろに崩し、そこから脚のバネを利用してか、急速に突きが飛んでくる…危ない!

 

『カキィーン…!』

 

警戒していてよかった…あと私のナイフにバタフライナイフがあって助かったわ。普通の銀ナイフだったら、このスピードでは貫かれていたでしょう…侮れないと言うことね。しかし、今も刃と刃がカリカリ音をたてて貫こうとする方とそれを防ぐ方が力比べ状態に陥っている。手入れを怠っているワケではいないけど、やはり日本刀の強度にナイフが負けるのも時間の問題、どう立て直そう…。

 

「理信流の突きを防ぐとは…さすが、…と言いたいところですが、理信流は当然これだけではありません。真剣に勝負です!」

 

                続く

 

 

 

 



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春雪異変の刻─中弐─

神主と上海蓬莱トーク

神「ここ最近で急に梅雨入りしたなぁって感じるんだけど、どう?」
上「シャンハーイ、シャーンハーイ(人形の私たちからすれば湿気が多くて参っちゃいますよ)」
蓬「ホーライ、ホーライ(アイロンも乾燥機にもかけれないので我慢するしか出来ないんですよ)」
神「やっぱり人形って大変だね」
上&蓬「シャンハーイ!&ホーライ!(同情するなら除湿機付けろ!)」
神「仕方がないだろう?二人が暑い暑いってエアコンやら酷使してたじゃない、そりゃ壊れるよ…」
蓬「ホーライ(人形にとって環境は大事なのです!)」
上「シャンハーイ(湿気でカビてきたりするのはイヤですからね)」
神「それもそうか。でも酷使したのは仕方ないとはいかないし、エアコン戻ってくるのあと一週間だよ」
上&蓬「シャンハイ!?&ホーライ!?(一週間!?)」
神「それまで扇風機で我慢だね。ほら、うちわで扇いであげるからショボげないで…」
上「シャンハーイ(いつもキモいのに今日はやさしいですね)」
神「キモ…あのねぇ、俺はいつも優しいぞ?」
蓬「ホーライ、ホーラーイ(でも、良いところは?って聞かれて優しいって言うのは良いところが無い人へのフォローですよね?)」
神「そんなこと無い!そんなこと…そんな…ねぇ?ある…か…な?」
上「シャンハーイ(あらら、今度は神主さんがショボげちゃった)」
蓬「ホーライ、ホーライ(放っときましょう、スマブラでもやりましょう?)」
上「シャンハーイ!(やるやる!)」
神「少しは私の心配をしろよ!」

さて、神主は上海と蓬莱に好かれるときは来るのでしょうか?
では、本編始まります!最後までご覧いただけたら幸いです。


───博麗神社───

 

─side 風籟寺 弘鑾─

 

「……ふあぁ」

 

咲夜が冥界に発って小一時間経とうとしていた。俺は炬燵に入り過ぎて少しアツくなり体を出して外の寒さと丁度良い程度に体感温度が保たれながら寝転んでいる。

実は咲夜が残した言葉、それが頭の中を過っていた。

 

『この体で異変解決失敗したら見殺しにしたことになる』

 

見殺し。俺も外にいた頃は見殺しの慶って言われてたっけ。何でも自業自得の人を助けようなんて虫酸が走る。

 

「だが…、今は本当にそれで良いのだろうか?」

 

…さて、どうするかな?

 

 

───白玉楼、門前───

 

─side 十六夜 咲夜─

 

「…く、なかなか上手く剣を振ってるじゃない。命中はしてないけど」

 

「痩せ我慢しても無駄ですよ、咲夜さん。少し疲れも見えて際どい所で避けています。幸い、あなたは時間を操れると言うやや有利な能力で疲労をカバーしている様ですが…」

 

「そこまで観察出来るなんて、余程凄い訓練でも受けたのね」

 

さすがにこの私も予想だにしない出来事だった。魔理沙はともかく、霊夢までK.O.を食らうなんて。

今は相手の強さに口を開けてる場合ではないわ。ここは冷静に相手の動きを観察してみましょう。一回攻撃の事を忘れるの。

 

「凄い訓練?いえ、これが私の全力です。さぁまだ攻撃は終わりませんよ!」

 

来る!しっかり見極めないと!

今の妖夢は上段の構えで剣を振っている。その構えから最初はほぼ100%突きから来ているわ。おそらく少ない力でスピード任せに攻撃できる突きで私のナイフを負かせると踏んでいるのでしょう。だけどさっきからちやほやと突きの数が減った気がする。まぁ警戒するに越したことはない。

 

「…危ない!」

 

予想通り、突きで攻撃してきた。妖夢自体も素早いから強力ね…ギリギリだったわ。

さて、突きから来るのが大体流れで払い切りが向かってくるはず。ここはナイフでも応戦できるけど、今はそのタイミングではないわ。

 

「せぃや!」

 

『ヒュン!』

 

やはり!いくら強い剣術を使っていても、型にはまった戦い方ではかえって足を引っ張ることもある。この妖夢の動きも大体、1つの行動があれば連動して次の決まった動きが来る。それを突けば勝機は見える!

…いや、早まるのはちと急ぎすぎでは?この様に単にマニュアルのような剣術使いであるなら、霊夢たちが負けるなどあり得ない。何か秘密が…。

 

「少し変わりましたね。私の動きを完全に予想している感じですね」

 

「そうね。多少は予想して動いてるわ。おかげで少しは疲れも抑えられるわ」

 

「…そうですか。ただ、今あなたには剣術しか使っていません。いくら私の能力であろうとも、剣なら誰でも振れます。ただ…」

 

「…!消えた!」

 

気付いた時には妖夢は目の前におらず、私の首元には光輝く鋭い剣が当てられていた。

 

「あなたの能力と()()()()を持たれるのはどんな気持ちですか?」

 

私の能力と似た?どう言うことかしら?

 

「私は剣術を扱う程度の能力だけではありません。相手の視界から外れる程度、重力を操る程度、そして無力化させる程度の能力の3つが私に宿りました」

 

「それってほぼチートじゃない?」

 

「裏の大人の事情って奴をここで言っちゃいますか?主が変な妄想してるから仕方がないですよ。ほら、グランさんなんて私よりチートですよ?」

 

「それもそうね…さて。そんな能力があるから霊夢たちは負けたのね」

 

とてつもなくメタい話を繰り広げた後、話を繋げるのは厳しいものね。

霊夢が破れた理由はこれだったのね。どれだけ攻撃しても視界から外れられれば正面の攻撃は効かないし、仮に攻撃が当たりかけたら攻撃を無力化すればダメージはない。空を飛ぶ事も、重力を掛けて浮かさなくすれば良い。いくら霊力でも化学の目の前では無力と言うこと、これが正に無力化させる…か。

 

「強くなったのね、妖夢。どうせ私が時を止めて移動しようとしても、無力化させられてるから今の私は普通の人間となってると言うこと。私の負け…か」

 

悔しいが今まで自分の能力がどれだけ活躍していたのかが良く分かった。幼い頃は大嫌いだったけど…。いざ無力になるとありがたみが分かるわね。今こうして避わせないんだもの。

 

「さぁ、首は飛ばしません。ですが、少々お邪魔なので峰を打たせてもらいます」

 

すみません、お嬢様。私、咲夜めでは、この異変は解決出来なさそうです…。

 

「では…」

 

『ヒュ……カーン…!』

 

…?切られてない?それより後ろの方で乾いた金属音が聞こえたけど…。そぉーっと振り返ってみると、そこには…!

 

「く…!やはり来ましたか、グランさん!」

 

博麗神社でぐうたら寝ていたグランであった!

 

 

─side 風籟寺 弘鑾─

 

だから言ったはずだ。油断していったら自分の血を浴びるって。なのに何だ?霊夢と魔理沙は桜の木の下で倒れてるし、咲夜は妖夢に首に剣をかけられてる。このままじゃまずいな。仕方がない!

 

『ヒュ……カーン…!』

 

俺は急いで咲夜の下へ走り、ギリギリお払い棒…ではなく日本刀で防御したのは良いが、俺っていろんな武器が使えるな…あらゆる武器を使う程度の能力ってか?

 

「く…!やはり来ましたか、グランさん!」

 

「おい、咲夜!霊夢ら連れて離れてろ!今の妖夢は幽々子より断然強くなってやがる、激しさは度を超えるぞ!」

 

「分かったわ!」

 

そう言うと、咲夜は遠くまでは行かずとも二人を連れてこの場から離れた。

 

「さ…てと。お前の相手は、俺が引き受けたぜ」

 

「あなたなら気付いてますよね?」

 

剣の刃の辻合いから弾かれ、お互いに構えに入り聞きたいことを聞き出さねば。

 

「お前の能力…だろう?」

 

「ご名答です。ならもう分かりますよね?あなたに勝ち目は…いえ、この世の生き物に勝ち目は…」

 

「…あるんだよな~それが」

 

「ぇ…、いやいや、いい加減な事言っても無駄ですよ。私には強力な4つの能力がありますから」

 

どこで手に入れたのかは知らねぇが、確かに強い。下手に手出しするとそれこそ霊夢達の二の舞だ。だが、俺には不可能はないんだよ。この博麗の神主に特別に卸された神体は様々な力を持っている。これぞ、チートと言うヤツさ!…少し悲しいかな?

 

「それなら、来いよ。()()()()()()()()()()、相手してやるよ」

 

「…!な…何?」

 

そう言いながら妖夢は構えられた楼観剣を落とす。そして膝から倒れ落ちた。

 

「力が…全然入ら…ない…!」

 

「俺に勝ち目はないだと?博麗舐めてんじゃねぇぞ。今のお前は、俺の『無にする程度の能力』で力を無にされた…と言うワケだ。当然、お前の能力も無に出来る。つまり…お前は剣を握れなくなる」

 

「あなたには、やはり敵いません…師匠。参りました」

 

やっぱ…こう、幼げがある女の子に師匠って呼ばれるって良いね~(笑) 妖忌もこんな思いで剣を教えてたのかな?今度能力で聞いてみよ。

ただ…妖夢は破れた。能力のぶつかり合いだったが、上には上がいる事を教えれたのは良い収穫だと言えよう。だけど、今から幽々子に説教しに行くから動かれても面倒だ。悪いが身動きは止めておいて貰いたい。

 

「悪いな、妖夢。痛くはないから…」

 

なんか…イヤらしい響きね♪…ささ、続き続き。

首元に手のひらを当て、先ほどの能力で意識を無にして動きを封じた。決して何処かの地下宮殿の主の妹とかではない。無意識ではない。

 

「さて…幽々子、いるんだろう?門のところで身を隠してるのは分かってる」

 

「んもぅ…ちょっと見逃してくれたって良いじゃない。どーせ桜の木の下で対面したらカッコいいじゃない」

 

「お前は一体何を目指してんだ?冒頭に妖夢に突っ込まれたりクサいセリフ吐かせたり…妖夢も被害者だな」

 

ややメタい気もするが、いちいち気にしてたら話が進まない。ささっと本題に入ろう。

 

「まぁ良い。聞きたいことが山ほどある」

 

「あら、なら中へどうぞ。お茶でも飲みながら…」

 

「いや、良い。そんな年下を弄っちゃうお姉さんみたいなキャラ撒かなくても良いからさ。何でまた桜を咲かせようとしたのか。それを教えてほしいんだ。あと妖夢の覚醒についても」

 

「むぅ…。じゃあまず、妖夢ちゃんの覚醒から話すわ。あの子の力は、西行妖が埋め込んだ物よ」

 

…どう言うことだろう?西行妖、つまりあの大桜が妖夢に力を与えたと言うのか?バカな話も良いところだ。西行妖は散った、その引き換えとして幽々子が存在してるんだ。

 

「信じられないような顔をしているけど、これは真実よ。あの子は間違いなく、あの桜の影響を受けてる。まさかこうなるとはね」

 

「それと、幽々子が再び西行妖を咲かせようとしていることが関係しているのか?」

 

「それは…、つい先週の話よ。私が西行妖はもう花を見せないのかしら…って呟いちゃったのが始まり」

 

「やっぱり原因おめぇか!」

 

「そしたらね…」

 

「無視かよ!」

 

段々俺の扱いが酷くなってる気がするが、今はそれどころではないんしたね、どーもすみませんねぇ。

 

「妖夢ちゃんが協力してくれると言ったから、今一度ここに桜を咲かせようと思ったのよ」

 

「しかし、それは無理なはずだ。昔のこの異変で分かっただろう?この木の魂はお前の身柄を代として封印された。お前が死なない限り…と言うか消滅しない限り桜は咲かんぞ」

 

「でも、それは誰が決めたの?誰かが決めたのではないなら覆せる」

 

「ムチャな理論だぜ…」

 

「そこで昔のやり方を元に、下界の春をこの木に送り込んだ。すると、思いもよらぬ事が…」

 

「それが、妖夢の覚醒か」

 

「私には抑えきれなかった。西行妖の強い呪いと妖力には敵わないわ。まぁ私としては計画が捗るから良かったんだけど」

 

「ちっとも良くねぇ!霊夢らは惨敗したし、やはりお前を退治しなくてはならん」

 

「そこまでよ!」

 

やや遠くやや近い所から聞き覚えがある声が聞こえた。いつも神社に現れては霊夢に引っ付いて鬱陶しがられるおばあちゃんみたいな奴の声が。振り向くと案の定。

 

「紫…?」

 

さっきは呼んでも出なかったくせに。何を企んでやがる?

 

                続き

 

 




ここまでの御覧、ありがとうございます。
皆様に、勝手ながら折り入ってお願いがございます。是非、評価、感想をドシドシご応募お願いしたいのです。気が向いたらで構いませんので、よろしくお願いいたします!


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春雪異変の刻─下─

~神主と上海と蓬莱トーク~

上「シャンハーイ(神主さん、いつまで落ち込んでるんですか)」
神「だって、ことあるごとにキモいだの死ねだの言ってくるんだもん…」
蓬「ホーライ、ホーラーイ(死ねとは言ってませんよ、この世から存在ごと消えてくださいって言いましたよ)」
上「シャンハイ。シャンハーイ(そうですよ。寝ぼけたこと言わないで下さい)」
神「遠回しに死ねって言ってんじゃないか!じゃあ聞くけど、死ねって言う理由は?」
上「シャンハーイ(まずあなたが神主と言う時点で有り得ません)」
蓬「ホーライ(下賤な奴は閻魔の判決の下に地獄へ落ちれば良いのですよ)」
神「そんな物騒なこと笑顔で言うなよ…そしてこっち見て言わないで…俺に言ってるみたいじゃん…」
蓬「ホーライ(はぁ?)」
上「シャンハーイ(あなたに言ってるんですよ?さぁ、今すぐ地獄へ)」
神「うわーん、人形二人がいじめてくるー!」
上「シャンハーイ(あ、走って行っちゃいましたね)」
蓬「ホーライ、ホーライ(どうしましょう?アリスさん)」
ア「ほっとけば良いでしょ…」

神主は果たして白でしょうか?黒でしょうか?あたかも認められないグレーと言うのが出てくるか、それは神主の人柄で変わりますが、恐らく黒ですね(笑)
それでは本編をどうぞ


───白玉楼、縁側───

 

─side 風籟寺 弘鑾─

 

「そこまでよ!」

 

博麗神社で紫BBAとまで呼んだのに一向に現れなかった紫がなぜ今ここに?いったい何を企んでやがる?

 

「この異変の犯人は幽々子だけど、私でもあるの」

 

幽々子が犯人なのは最早疑いようの無い事実だ。しかし、紫を含め犯人だと言い張るのはどう言うことか?

 

「まず、この桜にまた花を付けようと言う事になった件について話すわ。幽々子がこの西行妖の満開を見たいと言ったことを知った私は、幽々子に協力したの」

 

「ちょい待ち!何でお前が異変を引き起こす側についてんだよ?」

 

普段異変があれば霊夢を無理矢理にでも行かせたり、俺だって異変解決の増強化を図って連れてこられたハズ、いちいち本末転倒なことをする…。

 

「…幽々子の生前は私と仲が良かった、知ってるわね?」

 

「あぁ。だが死後に生前の記憶をスライドするのは許されなかった」

 

「生前は笑顔だった。楽しそうに話をしてた。常に桜を背に…。でも、幽々子の死を遂げて、亡霊として生きてきた今しがた、本当の笑顔が戻っていないの。だから、桜の樹と妖怪の境界をいじって、妖木に変えたの。そしたら妖夢が覚醒して、花が咲くのは目の前…」

 

紫の言い分はとても良くわかった。友を思う気持ちは、色褪せる事はない…ということ。だが…。

 

「ずいぶん自分勝手な…。これは、1人間としては賛同してやろう。だが、1博麗の神主としては、到底許せる事ではない。分かるよな?」

 

「……」

 

紫は何も言葉を発さず、静かに小さく頷いた。

 

「だから、お前を1つの妖怪として、退治する!」

 

「悪いけど、手加減しないわよ?当然勝てば下界はずっと冬でしょうね」

 

「お前…本当に大妖怪の賢者なのか?」

 

「今は、違うわね…。さぁ、始めましょう!」

 

と、紫は持っている日傘を斜めに振ると、左右に藍と橙が召喚される。どうやら、紫への道は、ずいぶんと長いようだ。

 

「今さらだが、式を使うのはちょっとずるいんじゃないか?」

 

「式は私の分身でもあるの。私の力で妖力を埋め込んでるんだから」

 

…もう紫には何を言っても無駄だ。今に始まったことではないから別に苦では無いが、相変わらず面倒くさい。もう黙って式を相手するしかないようだ…!

 

─30分後─

 

式二人は俺の手によって倒された。藍も橙も侮っていたよりも強く、能力が複数覚醒していた事も確認できた。どれもこれも紫が仕向けた事なんだろうか?だとしたら、西行妖、恐ろしい大木だ。

 

気のせいだろうか?俺らが激しい戦いを繰り広げ、力と力がぶつかる瞬間が数えきれないほどあった。力の衝突は新たな力を生み出す。それを抽出してか、桜がちやほやと花を開き始めた。幽々子自身には何も起こってない所を見ると、妖力がピークを迎え始めた…と言うところ。

これは、まずいな…コイツの力が過剰になって冥界の均衡が取れなくなったら地獄に影響が出てくる。それに、今でも地上の春を吸い上げている。それが中断されるとは到底考えられない。答えは1つだ。

 

「さて…紫。あとは、お前だけだ」

 

「さすが、私が睨んだ通りだったわね。私があなたをここに連れてきて、強くなった。そして、今私を追い込む存在になろうとは、あのときの自分じゃ考えられないでしょうね」

 

「御託は良い。当然、春雪異変の主犯は幽々子だ。しかし、それ以上に叩いておかなければならない存在がある」

 

「それが、私なのね」

 

「…お前はこの木に妖怪として境界をいじって妖木へと変えた。だがそれは幻想郷にとっては強すぎる存在となった。お前は知らないだろうが…今、博麗大結界は崩壊しかけてる。それはこの西行妖が問題だからだ。今コイツは、たった1つの能力で幻想郷を破壊してる。"不安定を創る程度の能力"でな。そこでだ。宿し主を倒せばこの木は再び封印されし樹に戻るだろう。この木は、言わばお前の式だからな」

 

「そう。なら、あなたなら私を、西行妖を止められると言うの?ほんの10年前、あなたを除いた人間3人が私と戦ったけど勝てなかった」

 

「俺は俺だ。奴らのような弱き人間と違う。博麗の神主としての名と使命を引き継いだ者として、お前を退治するさ」

 

そして体全体に力を送る。先程の式との戦いで消耗はしたが大した事はない。まずは小手調べからと参ろうか。…とは言うものの、相手は小賢しい手を使う紫だ。何が飛んできてもおかしくはない。体に風穴が出来ないように気を付けなければ。

 

「はぁ!」

 

しかし、どれだけ弾幕を打ち込んでみても、本気になった紫はスキマで防げる。俺が言えたものではないが、チートだと思う。しかし、無にする程度の能力があれば、行けるかも知れない!

…だがおかしい。無にしようと力を送り続けているのにスキマは普通に現れる。なぜだ?

 

「ふっふっふ…、私の能力を無にしようったって、そうは行かないわよ?今私は、境界を操る能力そのまんまを使ってるわ。物を移動させるのにスキマを使わなければならない…なんて固定観念に囚われると、怪我するわよ?」

 

スキマを使わず物を…つまり力をスキマなしで移動。…まさか、俺の後ろに?

 

「…っな!!?」

 

思わぬサプライズだったが、なんとか当たらず避けれた。警戒しておいて正解だった…。紫が覚醒したのはこれだけでは無い気がする。時間もないわけだし、パパっと片付けよう。

しかし、俺の無にする程度の能力がなぜ効かないのか?説明も何も受けていないから分からない。ただ恐らくだが、あくまで境界を操ると言うのはスキマだけのことを言っているのか?でも物を移動させるのも能力のはず。なぜ無にならない?

 

「事態を掴めてない、と言う顔ねぇ」

 

当然だ!こんなに事態を掴めないのは、幻想郷に連れてこられる時以来だわ!…懐かしいな。まぁ…考えれば分かるんだろうけど、今はその時間も惜しい。

 

「今、あなたは私を無にすると言う意思を見せたこと…私が見逃したと思う?私は"境"を操る。あなたは気付いていないでしょうけど、今、あなたの能力の有無の境を操っているわ。当然、有を無くして無にすることもできる。同じことをしていると言うわけ」

 

「最早何でもアリだな…つまり、今の俺は能力を持たないただの人間。と言うことだな」

 

…まぁ、予想の範疇だからまだ良いが、戦いづらくなったぞ…。さぁどうする?

 

「紫、もうやめて」

 

この緊迫した間に、幽々子が入り込んできた。そこには厨二めいて、おちゃらけた幽々子はおらず、とても真面目な顔をしていた。

 

「紫、西行妖を普通の桜に戻してちょうだい」

 

「何でよ!?花を咲かそうと望んだのはあなたの方よ!」

 

「確かに、私はもう一度満開が見たいと言ったわ。だけど、それが無理なのはわかってる。悪乗りした私も悪いけど、たった1つの小さい望みのために、目の前の親友が崩壊者になるところを見るのは辛いの。桜を咲かせることは無理なのはもう知ってるの、だからやめて」

 

「幽々子…」

 

幽々子が涙ながらに紫を止める。友を間違った方向へ進めないためにも声を張ったのだろう。やはり責任を感じてるようだ…が。

 

「幽々子…内心、映画のヒロインみたいな位置付けになってみんなの好感度が上がる発言をして悲劇の美女…シチュエーションを楽しもう!…ってことか?まぁ口に出さないだけ学んだか?」

 

「ちょ…言わないでよ!」

 

「クスクス…やっぱり幽々子は変わらないわね。分かったわ、この異変は諦めるわ。悪かったわね」

 

ものすごく変な終わり方をしたが、無事解決だな。幽々子が残念キャラに堕落したのは新たな異変だが…。

 

こうして紫は幻想郷を再築し、怪我をさせたあの3人にお見舞いに行ったそう。

あ…紫に聞いておかなくちゃならないことがあるんだ。

 

「なぁ紫。お前…神社の棚にあった饅頭食ったか?」

 

「はぁ?食べるわけないでしょ?いくら私でも人の食料を盗む真似はしないわよ」

 

…解決した。すべてが分かった…。

 

「霊夢ぅーーーー!俺の饅頭ぅーーーーー!!」

 

                 終わり

 




やっと終わりました、東方妖々夢。結局最後はド下手くそな感じに終わっちゃいました。それでもよろしくお願いします!

次の話は何にしようか迷ってますが、東方永夜抄か、適当に何か挟むかもしれません。予定がグチャグチャで申し訳ございませんが、以後よろしくお願いします!


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いろんなキャラにインタビューしてみましょう!第二段

神主と上海と蓬莱トーク

神「あっつ…暑い…」
上「シャーンハーイ(暑いばかり言わないで下さい…)」
蓬「ホーライ、ホーライ(マジで暑くなっちゃいますよ…そもそもエアコンはまだ直らないんですか?)」
神「河童たちから連絡があってね…、思ったより複雑で部品が足りないのと、にとりの気まぐれでもう一週…二週は延びるそうだ」
上「シャンハイ…(死んだ…)」
蓬「ホーライ…(私たちに秋は訪れないようです…)」
神「ほら、元気だして!こう言うこともあろうかと、チルノに頼んで氷塊を作ってもらったんだ」
蓬「ホーラーイ?(これをどうするんですか?)」
神「部屋内に置いておけば少しはひんやりするだろうし、かき氷にだって出来るよ、作ろうか?」
上「シャーンハーイ!(食べたいです!)」
蓬「ホーラーイ!(早くこの生き地獄から抜け出したいです!)」
神「よーっし、ちょいと待ってろよ、すぐ作ってやるからな」
上&蓬「シャンハーイ&ホーライ(いつもありがとうございます)」
神「初めてだな…君らに礼を言われたのは…うぅ、目から熱いものが…」
上「シャーンハーイ!(泣くな氷が溶ける気持ち悪い)」
蓬「ホーライ(良いから早く作って下さい)」
神「やっぱり最後までこんなオチか!」

恐らく人形はツンデレ?主は上海&蓬莱に親しくしてもらえるのはいつになりましょうかね(笑)
では本編どうぞ


はーい!清き正しい射命丸文は今日も元気ですよー!

また始まりましたー射命丸文のいろんなキャラにインタビューしてみよう!…と言うことで、前回は主人公のグランと霊夢さん、魔理沙さんの3人に聞きました。と言うことで、今回は紅魔郷キャラ編となりますね!根気よく聞いてきましたよ!色んなこと聞いて、ここだけの情報とかがある…と良いですねぇ。

それでは、早速一人目から参りましょう!

 

一人目、ルーミア

Q1「本日はご協力ありがとうございますー!」

 

A「そーなのかー!」

 

Q2「あ…あのぅ…ルーミアさん?」

 

A「そーなのかー!」

 

Q3「質問行きます…。ルーミアさんは普段どこに住んでるんです?」

 

A「住拠はないよ?いつもふわふわ飛んで暮らしてるね」

 

Q4「急に素になりだすのやめていただけますか…」

 

A「んー?そーなのかー?」

 

Q5「もぅ良いです…次の質問ですよ?あなたにとって大切な人って誰ですか?」

 

A「それは決まってるのだー!グラン以外あり得ないのだー!」

 

Q6「ほう…グランさんもこんな小さな子を手込めにするなんて…隅に置けないですねぇ~。でも、何でグランさんなんでしょう?」

 

A「グランの肉は美味しそうだからなのだー!」

 

Q7「…やはり妖怪は妖怪なんですねぇ。では、一番の友達は誰ですか?そこから大切な人に繋がるでしょう」

 

A「友達…たぶん選べないのだー。やっぱり一緒に遊ぶチルノや大ちゃんとか、たまにお店に行くと楽しくなるみすちーも好きなのだー。私は皆が好きなのだー!」

 

Q8「おぉー。ルーミアさん…良いこと言ってくれますねぇ…涙が出そうですよ。こんな純粋な子が、きっと幻想郷を平和にしてくれているんでしょうね」

 

A「(そうでも言っておかないと下手すると人気が下落するかもだから、ここは黙っておくのだ…)」

 

Q9「ん?ルーミアさん何か言いました?」

 

A「え…?あー、何も言ってないのだー」

 

Q10「そーなのかー」

 

A「そーなのだー」

 

Q11「わはー」

 

A「わはー」

 

Q12「何やってんだあたしゃ…。これで質問は終わりですよ、結局1つしか聞かなかったけど、まぁ面白かったですよ」

 

A「ありがとうなのだー!」

 

ルーミアインタビュー結果

取材難易度:Lunatic

結果:優しくて純粋(?)なのが分かった

 

 

二人目、大妖精

Q1「よろしくお願いしまーす」

 

A「よろしくお願いします!」

 

Q2「おぉー、元気がよくてよろしいですね!では早速…、好きな人を教えてくだ…」

 

A「チルノちゃんです!」

 

Q3「あ…はい、チルノさんの他にも好きな方は…」

 

A「チルノちゃんです!」

 

Q4「えっと…」

 

A「チルノちゃんです!」

 

Q5「分かりましたから…!えと、じゃあ普段はチルノさんと何をされてるんですか?」

 

A「そうですね、普通に遊んだり遠くへ行ってみたり面白そうなことがあれば出向いたり…ずっと一緒ですね。私たち…もうそろそろCまで行くんじゃないかしら…」

 

Q6「大妖精さん?大丈夫ですか?完全に上の空状態に鼻血出てますよ…ティッシュ使ってください」

 

A「ティッシュ…チルノちゃんの…白い…」

 

Q7「あややや…さらに鼻血を噴出させて倒れてしまいました…次の人に行きましょうか。ありがとうございましたー大妖精さん」

 

A「チルノ…ちゃん…でへへへ…そんなとこ…」

 

大妖精インタビュー結果

取材難易度:Hard

結果:大妖精、チルノ、超LOVE!

 

 

⑨人目、チルノ

Q1「ではよろしくお願いします」

 

A「何やってんのしゃめーまる」

 

Q2「インタビューですよ!チルノさん自分で了承したじゃないですか」

 

A「ふーん。でも、私に聞くことはないであろう!」

 

Q3「何故に?」

 

A「私は最強!それだけだ!」

 

Q4「見事に予想通りの返答でした…霊夢さんみたいにフラグ立てて下さって、まぁ面白いんですけどね。とにかくチルノさんは最強(笑)と…」

 

A「そうだ!歪み様のない事実だ!」

 

Q5「じゃあ、グランさんと1VS1で全力バトルと行きましょうか」

 

A「…いやぁ、今日は最強の調子が悪いから、また今度の機会に…いやぁ残念!」

 

Q6「むぅ…まぁ良いです。グランさんにはきちんと報告しておきますんで」

 

A「…おーい。白目向いて気を失ったのですか?仕方ない…次行きましょう」

 

チルノインタビュー結果

取材難易度:Easy

結果:あたいったら最強(笑)ね!

 

 

四人目、紅美鈴

Q1「挨拶は省かせて頂きまして、早速複数の質問をさせていただきますね。まず…起きましょうか?美鈴さん…?」

 

A「…はっ!ね、寝てませんよ咲夜さん!今日も真面目に不審者侵入者を叩いて…!」

 

Q2「落ち着いて下さい!普段どれだけ咲夜さんに絞められてるんですか…」

 

A「絞められてるなんて物じゃないですよ!毎日殺されてますからね!」

 

Q3「とは言いますが、殺されると言うのは自業自得と言うものではありませんか?侮辱するわけではありませんが…」

 

A「う…でも仕方がないではないですか!毎日晴れの日も雨の日も暑い日も寒い日も門の前に立たされるんですよ?疲れもしますし、眠くなりますよ」

 

Q4「ですが…それはあなたの仕事でしょう?それを生業にしてるんでしょうに…。それに、すぐそこで咲夜さんスタンバイしてるんですけどね…」

 

A「…ゑ?」

 

Q5「生憎ですが、防音室でインタビューしてるわけではないので、外にはいくらか筒抜けなんですよね…美鈴さんは外では寝てたようですが…」

 

A「あ…あー!悪い冗談じゃないですかぁ!嘘ですよー!門番楽しいなぁ!」

 

Q6「今更遅いわよ!美鈴、覚悟できてるわね?」

 

A「ぇ?今日はもう殺されたじゃないですか!」

 

Q7「1日1回なんて誰が決めたのかしら?」

 

A「ぎゃああああ!射命丸さん助けてください!」

 

Q8「インタビューにご協力頂きありがとうございましたー」

 

A「ああああああああぁぁぁぁぁ!!」

 

インタビュー結果

取材難易度:不明

結果:苦労と呑気のハイブリッド

 

 

五人目、小悪魔

Q1「では早速質問です。大妖精さんには聞きませんでしたが、公式でも二次でも名前が与えられてないんですよね?本当はどういう名前なんですか?」

 

A「それ…言わなきゃダメです…か?」

 

Q2「出来れば答えていただきたいですね。皆さん結構知りたがってますよ?まぁ無理にとは言いませんが」

 

A「まぁ…言っても良いんですけど、とても長くて自分でも覚えれてないんですよね。もしかしたらじゅげむの3倍はあるかな…その内小悪魔と言う呼び名が定着してそっちで良いかなって。大妖精さんもそんな事情があるそうですよ」

 

Q3「そんな理由だったのですか!?(ただのフィクション)では、名前を聞くのはまたの機会ですね。では次の質問です。あなたがコアと呼ばれて、妹分はココアと呼ばれていますが、実際に妹はいらっしゃるんですか?」

 

A「真実を言うと、私に妹はいません。恐らく二次かと。でも、妹…ほしいですねぇ…」

 

Q4「なら…誰かに頑張ってもらいましょう?小悪魔さんの妹を作りましょ…」

 

A「……………」

 

Q5「すみません…取り乱しました。お願いですからその冷ややかに呆れた目をするのは勘弁してください…」

 

A「全く、もう質問はないんですか?」

 

Q6「おーっと、最後にひとつだけですね。一応一人平均10問の質問が目標ですから!」

 

A「はぁ…。で、最後の質問は?早くしないとまだ仕事が押してるんですよ」

 

Q7「小悪魔さんってとても下衆な方法だったり、考えられたフォーメーションで戦禍を切り抜けたりと結構な策略家ですが、それって…」

 

A「二次ですよ…私ってそんなにミリタリーなイメージがこびりついてますか?」

 

Q8「ミリタリーと言うか、性格の悪さが浮き出ている…といった感じですね」

 

A「いやいや、性格が悪いなんてデマですよ!視聴者の皆さーん、私は純粋無垢な乙女ですよー」

 

インタビュー結果

取材難易度:Normal

結果:二次で生きる女悪魔

 

 

六人目、パチュリー・ノーレッジ

Q1「では早速…、パチュリーさんは、1日の半分以上は地下の図書館で暮らしておりますにあたって、外の情報ってどうやって得てるんですか?」

 

A「それってアンタが聞いて大丈夫なの?まぁ咲夜が話してくれたり、アンタん所の新聞も読んでるよ」

 

Q2「あややや!それはありがたき事でして。でも情報を得たと言っても…」

 

A「アンタねぇ、私を完全引きこもりと思ってるようだけど、結構外に出るわよ?」

 

Q3「それは意外ですね。…では、次は…魔理沙さんについてでも質問しましょうか。魔理沙さんのことどう思っています?」

 

A「泥棒、それ以外有り得ないわ!」

 

Q4「あややや…これは魔理沙さんは結構なものを盗ん…コホン!…借りていったんですね。返すのはいつになるんでしょう?」

 

A「返すわけがないじゃない。今までと言うもの死ぬまで借りるなんて言って返さないんだから泥棒よ!」

 

Q5「でも…まんざらではないんじゃないですか?言葉はツンツンしてますけど、表情はウキウキした感じに笑ってますけど」

 

A「…!別にっ!嬉しくなんてないんだから、怒ってるんだから!」

 

Q6「はい、ツンデレ頂きました乙でした!…と、意外な一面を見させてもらいました…(トップ記事はパチュリーさんはツンデレだった!これで決まりです!)」

 

A「随分にやけてる様だけど…変なこと書かないでちょうだいよ?」

 

Q7「そりゃあもう!誠実な(嘘)新聞を書かせてもらいますよ!」

 

A「…本当に大丈夫かしら?」

 

Q8「ご心配されずとも。最後の質問です。パチュリーさんはーそのぉ…なんと言うか…おならが…強烈っっってのが…噂なんですけど」

 

A「誰が言ったのよそんなデマ!そりゃ…全くしないワケではないにしても、人に気を使って小さくするわよ…って!何言わせるのよー!!!」

 

Q9「すみませんすみませんすみません!」

 

A「…たくぅ」

 

インタビュー結果

取材難易度:Easy

結果:天然入ったツンデレ可愛いかも?

 

 

七人目、十六夜咲夜

Q1「最初の質問は、単純に、なぜ紅魔館に人間として?吸血鬼の獲物でしょうに」

 

A「それは…話すと長くなるわね。うp主が次回の物語で出してくれるそうよ?(うp主:…ぇ?)」

 

Q2「おぉー、それは必見ですね!では、次の質問…の前に、美鈴さんは?」

 

A「今は石抱の刑に処してるわ。今ごろ石の数は6個くらい行ってるんじゃないかしら?」

 

Q3「お…恐ろしい…。ちなみに、石は何個乗せるつもりですか?」

 

A「そうねぇ、今度は煩悩の数乗せてあげようかしら」

 

Q4「煩悩の数…108個ですか?足つぶれますよ!」

 

A「大丈夫よ。今までの最高記録は97個だったから新記録なるわね」

 

Q5「(お…おっかねぇ…) じゃ…じゃあ次行きましょうか!咲夜さんは巷ではPAD長と呼ばれている様ですが、…結局、咲夜さんの胸には入って…何でもありません私は何も言ってません!」

 

A「そう…賢明な判断ね」

 

Q6「(これ以上ではこの893さんの威圧に耐えれません…これで終わりにしましょう!)し、質問はこれで終了です、ありがとうございました!」

 

A「…命拾いしたわね」

 

インタビュー結果

取材難易度:Lunatic

結果:怖い、やぁさんだあれは…

 

 

八人目、レミリア・スカーレット

Q1「まず最初に、今の紅魔館の情勢はどう思いますか?」

 

A「どうってねぇ。昔外にいた時は縄張り争いで戦いが絶えなかったけど、今じゃすっかり平和で戦いの垢が取れたんじゃないかしら?それが一番なのよ」

 

Q2「おぉーさすがカリスマの言うことは深いですね!」

 

A「それほどでもないわよ?まぁ、今はもっともフランがきちんとした子に近づいてるのは喜ばしいことね。昔は感情狂のキラーマシンだったから」

 

Q3「それほど、幻想郷は良き所なんですよ。さて次の質問です。ネーミングセンスは壊滅的ですが、実際どう思ってるんですか?」

 

A「はぁ?この素晴らしきネーミングセンスが分からないって言うの?私のネーミングセンスは周りがどんなに考えても辿り着けるような代物じゃないのよ?」

 

Q4「周りがどんなに考えても辿り着けないのは、レミリアさんが際立ってセンスが悪いからじゃ…」

 

A「咲夜ー!もう一人石抱を受けたいって奴がいるんだけど!」

 

Q5「あやややややや!!すみません!暴言でした!!」

 

A「…許すのは今回だけよ?」

 

Q6「さすがカリスマです!心の器が大きいレミリアさんは、他の方にはない物が込められてるんですね!」

 

A「いやぁ…それほどでも…ねぇ」

 

Q7「(誘惑に弱すぎるでしょう…) まぁ、質問はこれで終わりですよ、ありがとうございました!」

 

A「いい記事を期待してるよ」

 

インタビュー結果

取材難易度:Normal

結果:失われたかのように思われたカリスマが醸し出ていた。

 

 

最後9人目、フランドール・スカーレット

Q1「質問良いですか?フランさん」

 

A「ぇーつまんなーい、遊んでよー」

 

Q2「取材が終わり次第遊びますから、今はお願いしますよぅ」

 

A「むぅ…分かったよ」

 

Q3「感謝いたします。では始めに、外はどうですか?幽閉されていた時と比べ、空は広いでしょう?」

 

A「うん!外で思いっきり遊べるんだもん!グランには感謝してるよ」

 

Q4「良かったですね。では次…実の姉のレミリアさんについてですが、好きですか?」

 

A「んーアイツは面白くない。嫌いじゃないけど何か味気足りないんだよね」

 

Q5「アイツと来ましたか…随分レミリアさんをなめてる様ですが…?」

 

A「だってアイツ弱いんだもん。閉じ込められてた時は本気を出しても手の届かない場所にいたのに、今となればカリスマも落ちぶれてキュっとしたらすぐにドカーンしちゃうんだもん」

 

Q6「すごく可愛らしい表情で恐ろしいことを言いますね…でも、お姉さんは大切にされてくださいね。たった一人のお姉様なんですから」

 

A「…分かったよ、今度はお姉様とも積極的に遊んでもらって、本気で遊ぼう!」

 

Q7「(あれ…?これってレミリアさんに牙が向いたんじゃ…まぁ良いか、運命操れるんだし) えぇ、これからでも遅くないですよ、頑張りましょう!さぁ、質問は以上です、遊びましょう!」

 

A「うん!」

 

インタビュー結果

取材難易度:Hard

結果:おっかねぇ

 

 

ふぅ!これで紅魔郷の方たち全員のインタビューが終わりました!結構キャラに恵まれてていいですね。インタビューしてて飽きないですよ♪少し怖いけど…

今度インタビューするときは妖々夢の方たちですね、ではそのときまで、射命丸文は颯爽とお別れいたします!

 

                終わり



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新たなる存在、忘れ去られる存在
一人の少女の幻想入り、それは偶然か必然か…


神主と上海&蓬莱トーク

神「もう梅雨も開けようって時なのに二人は何してんの?」
上「シャンハーイ?(見てわかりませんか?)」
蓬「ホーライ(雨乞いをしてるんですよ)」
神「あれだけ雨は嫌だって言っておきながら雨乞いなんて、どういう風の吹き回しだ?」
蓬「ホーライ、ホーラーイ(じゃあ聞きますけど、私たちが雨で可愛そうになってるところを見せないでネタがあるんですか?)」
上「シャーンハーイ、シャンハーイ(それに私たちに慈悲の目が向くこと間違いなしですよ。こんな手捨ててなりますか?)」
神「悪かったよ!ネタがなくて!でも頼むからやっと雨とはおさらば出来ると言うときに雨乞いしないでよ…」
上「シャンハーイ(まぁエアコン直りましたし良いでしょう)」
蓬「ホーライ(ネタなんて神主さんをいじめ通せばいくらでも出ますし)」
神「ちょおおっと待てえええええい!!」
上「シャンハーイ?シャンハーイ(なんですか?あなたに拒否権なんてありませんよ?)」
蓬「ホーラーイ(ささ、歯を食い縛ってくださいね)」
神「アリス助けて!」
ア「だが断る!」
神「神なんて…居なかった…」

神主、明日にはぼろ切れになっちゃってますね(笑)(笑)

それでは早速本編どうぞ!ゆっくりしていってね♪


───幻想郷、某所───

 

─side  ???─

 

「ん…ぅう?」

 

私ったらいつの間にか寝ちゃってたわ……ぇ?ここはどこ?私…さっきまで大学のサークルで異世界の研究をしてたはず…。

 

「月を見ても星を見ても何処なのかが分からない…」

 

私の名は宇佐見蓮子、京都の大学で異世界の研究をしてたんだけど、目を覚ましたら見たこともない所に来ちゃってたの。

 

「…ここ、日本なのよね?海外だったらお手上げよ?でも、周りに生えてる木は杉の木?なら日本の緯度、経度で間違い無いわね。湿潤な気候の木だもの」

 

文系の私でも生物真面目にやってて良かったと初めて思った瞬間ね。高校まで習ったことが命の危機になるとこうも役立って来るとはね…。

 

「あ!メリーは!?メリー!いないの!?」

 

『がさがさ…』

 

向こうの方から音がする…何かが来る…!

 

「なぁ霊夢、こんなところまで来てなんなんだ?もう10時になるし、帰って寝たいんだけど…」

 

「良いじゃない、たまには夜の見回りも必要でしょ?私は全っ然眠くないわよ」

 

「そりゃ昼の11時まで寝ておいて起きたと思えば昼ごはん食べて昼寝とか抜かしてまた寝て…一日の半分寝たんだから仕方がないだろう?俺は眠いんだ」

 

「まぁ今日くらい眠れない夜に付き合ってよ」

 

人だ…良かった、変なところでは無いみたいね…日本語喋ってるし、望みはあるわね。味方かは分からないけど。

 

「ん?そこにいるのは誰だ?」

 

気付かれた!?音はさせてないし、声も息も殺してるのに…。でも、気付かれたなら仕方ないわね。いい人そうだし。

 

「はい…私…です」

 

「見ない顔ね。服装的にも幻想郷(ここ)の人間じゃない、外の人間ね」

 

外の世界?どういうこと?ここって地球よね?日本よね?月だって見えるし、月にはウサギが餅をついてるのが見えるし…!

 

「霊夢、この子戸惑ってるぞ?まずここは何なのか説明しないと」

 

そう、まずここが何なのかを教えて欲しい。そうじゃないと頭がおかしくなりそうだわ。

 

「それもそうね。じゃあ一から説明するわね。一回しか言わないからよく聞きなさいよ?」

 

「はい…!」

 

「まず、ここは幻想郷。妖怪と神と人間が共存する夢の世界。外の世界というのは、幻想郷の住民から見てあなたたちが住むところを指してるわ。一応外の世界とは陸続きなんだけど、結界で決別されてるから実質は異世界となるわ」

 

「そんな異世界に外から迷い込んでくると言うのは何も珍しい事じゃない、ただ1つ気を付けないとならないのは、ここの妖怪を甘く見ないことだ。ここの妖怪は擬人化したかのように人間の如く接してくる、だが妖怪は人間を主食として生きているのが殆どだ」

 

「一応この幻想郷にも絶対な掟があってね、ほんの数年前結界が弱まったとき外から人間がたくさん来たことがあったんだけど、そこで妖怪は人間を食べてはならないと言うのができたの。1、幻想郷の人間を食べてはならない。2、結界異変より以前に幻想入りした人間を食べてはならない。3、異変後の人間はこの限りではない」

 

「つまり…お前は対象外なんだよ」

 

「…!?」

 

私が対象外?だとしたら…食べられちゃうの!?

 

「もしかしたら…私たちが妖怪であなたを食べちゃおうかしらぁ?」

 

「いやああぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

いい人だと思ったのに化けてた妖怪だったなんて!

 

「本末転倒なふざけた冗談かましてんじゃねぇ!!」

 

男性の方が女性を思いっきり拳骨した…どうやら悪い冗談だったみたい。

 

「痛ったぁ…何も本気で殴ることないじゃないのよ!ほんの可愛いジョークでしょう?」

 

「「可愛くねぇ!/可愛くないですよ!」」

 

なんと口が揃った。この男性とは気が合いそう…良かった。ギクシャクしてたんじゃ心細いよ。

 

「ったく。ごめんな、こんなふざけた様な巫女でさ」

 

「いえ、全然…ぇ?巫女?」

 

巫女ってどういうこと?確かに赤と白の服装着てるし…まぁ色のバランスが外の巫女とはずいぶん違うけど。

 

「あぁ、紹介が遅れたわね。この近くに私らの神社があるから、そこで話しましょう。ここじゃいつ面倒な妖怪に遭うか分かったもんじゃないわ。グラン、能力で連れてって」

 

「おめぇなぁ…俺は何でもできると思ってるようだが大間違いだぞ?まぁ、テレポートくらいはできるが…」

 

この人たちに付いていっても大丈夫そうね。もしかしたら元の世界に戻るヒントがあるかも。

 

 

───博麗神社───

 

ここが神社、やはり日本なのね。もしかしたら洋風の神社とか変な想像してたけど普通で…なんか安心したわ。

 

「心配しなくても、この幻想郷には洋風の館は何個かあるさ」

 

「え!?」

 

何で分かったの!?口に出してた!?喋ってたつもりはないんだけど…。

 

「あんたも結構からかってんじゃないのよ」

 

「わりぃ…あんまりにも怯えた様子だったから心の様子を視てたんだ。そしたらそんなこと思うほど余裕が出来たかと思うとつい…な」

 

もう何が何なのかよく分からない…異世界の研究をしてたけど、いざ異世界に来てみるとこうも混乱するなんてね、また良い経験じゃないかしら!

 

「…大分心に安定が見えてきたな」

 

「落ち着いた様ね。じゃあ改めて自己紹介といきましょうか」

 

おっと、ちゃんと話は聞いておこう。帰れるヒントを見つけないと!

 

「まぁまず私からね。私はこの幻想郷の平和と人間、神、妖怪のバランスを管理して、もとい結界も管理を任されてるわ、肩書きとして博麗の巫女、博麗霊夢よ」

 

「次は俺だな。霊夢と同じように管理を任されてる博麗の神主、風籟寺グランだ」

 

「ぇ…あぁー、私は宇佐見蓮子と言います…大学生…です」

 

そもそもここの世界の人に大学生なんて通じるのかしら?

 

「だいがくせい…?なにそれ」

 

「学校として一番上級の学校の生徒のことだよ。大学生か、ならこの幻想郷に居続けるよりは元の世界で勉強する方が断然良いね」

 

まぁ…正直言って真面目に勉強してる…って訳でもないし、大学もサークルが目的だし…。でも戻してくれそうね、良かった。

 

「まぁ簡単な紹介が終わったなら、どうする?すぐ帰る?私たちもうそろそろ寝たいから決断は早くお願いね」

 

「帰りたい…帰りたいです」

 

「分かった。今結界に裂け目を作るからちょいと待っててくれ。…せや!」

 

凄い…空気を殴ったらそこにホールが出来た…この人たち人間なのよね?

 

「あぁ、正真正銘人間さ。ホールが消えるまでそう長くないから早く行けよ?」

 

「あ、はい…。お世話になりました、霊夢さん、グランさん」

 

やっぱり心を読まれるのは慣れないわね…。

 

「元気でね、蓮子」

 

「また来れる機会があるなら、ぜひまた来てくれ。歓迎するぜ」

 

「はい、ではまた…」

 

幻想郷…そんな世界があったなんて…うふふ。

 

─side 語り手─

 

蓮子はホールに飛び込んだ瞬間、ホールは消えてしまった。

 

「霊夢、これはマズイ兆候なんじゃないか?」

 

「分かってるわ。今はまだ浅いけど、時期にヤバイわね…」

 

 

───外の世界、京都の某大学のサークル室───

 

─side 宇佐見蓮子─

 

「ん…ぅ…ふああ…」

 

私ったら、こんなところで寝落ちしちゃってた…。

 

「…変な夢だったな」

 

あれが夢なのか分からない。もしかしたら現実かも知れない、けれど、異世界のことを知れたのはどちらにせよ収穫はあった!

 

「おはよう蓮子、早いわね」

 

ぇ?おはよう?メリーが今来て…私…ぇ?

 

「今…何時?」

 

「朝の9時よ。何時に来たの?」

 

「…昨日の朝10時…よ」

 

「…は?帰ってないの?寝落ちたの?」

 

「うん…恥ずかしながら。それより聞いてメリー!私ね、変な夢を見たのよ!」

 

               終わり…?

 

 

 



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銀のナイフは殺しを嫌う
銀のナイフは殺しを嫌う


─神主と上海&蓬莱トーク─

上「シャンハーイ、シャーンハーイ(本当にしましたね、咲夜さんの過去の話)」
神「だって、前々回のインタビューで咲夜が変なこと言っちゃうから…」
蓬「ホーライ(とは言えつまらない不可避ですけど)」
神「それは言わないで…結構気にしてるんだから」
上「シャンハーイ(だったらもうちょっといい話作れば良いのに)」
蓬「ホーライ(毎回面白くもない話作ったって誰が読むんです?)」
神「それ前にも言ってたよね…。そんなにつまらなくもないこともない…気がしないワケでも…」
上「シャンハーイ、シャンハーイ(ハッキリしてください、自信ないってハッキリと!)」
神「そこは自信ありじゃないんだ」
蓬「ホーライ。ホーラーイ(あんなのに自信を持たれても困りますよ。少しは自覚したらどうですか?)」
神「でも見てくれてる人は一杯いると思いますよ!」
蓬「ホーライ(幸せな方ですね)」
上「シャンハーイ(キモいくらいに幸せなんでしょう)」
神「そんなこと言っちゃって良いの?僕泣いちゃうよ?」
上&蓬「シャンハーイ&ホーライ(ご勝手に~)」
神「あーんまーりだー!!(泣)」

神主が好かれるときは来るのだろうか?来るとしたら百年後?死んでますね。

では本編どうぞ!





───外の世界、某国───

 

─side 十六夜咲夜(今は名前はない)─

 

私は、私が嫌い。もとい、私は、私の力が嫌い。

私の名前はない。年は17。幼い頃からこの能力のせいで虐げられ、忌み嫌われてきた。親にでさえ見捨てられた。私はこの力で誰かを殺してきたワケではない。誰かを傷つけた覚えもない。なのに、人間は自分と異なる″何か″があるとすぐに突き放す。それが常人に有るべきではない力だったらなおさらである。

私は、そう言う人間を目が腐るほど見てきた。その度に私は人間を恨み、失望する。神は、一体私に何の怨みがあるのか?理解できない、私は何なのか?

 

今日も、名も場所も分からない街を歩く。何のために?何を求めて?そんな光はない。ただ、死ぬのを恐れている。生きる価値がないのに、笑える話ね。

 

「今日は奪った金で、パンでも買えるかな?」

 

働き手がないが、死にたくはない。だから、人間を少し脅せばすぐ金が手に入る。いけないことなのは百も承知だ。ただ…。

 

「まだ発起はないわね…」

 

私は能力を持ってるけど、それをコントロール出来ない。いつそれが発起するか分からない。

そう言えば、まだ言ってなかったわね。私の能力は。

 

「…」

 

周りがピタッと動きを止めた、私自身は動ける。つまり、時を操ること。操ると言っても、自分の意思でコントロールしてるワケではないし、時を止めることしか出来ない。それに、止めてから十数秒で解除される。使い勝手が悪い。

とは言うけど、この能力だけでは我が身は守れない。だから、常に手持ちとしてナイフを所持している。昔から使ってるから投げナイフはお手のもの。百発百中の自信はある。

 

そんなことはどうでも良い。今日はこの金で凌ぐ。いつまでこの生活が続くのか…。

 

 

───森───

 

人が集うところから離れて、森の中へとやって来た。やはり、こっちの方が落ち着く。皮肉な話ね。

噂ではこの近くに吸血鬼が住む大きな館があるらしい。また、その吸血鬼の首には巨額な懸賞金がかけられているらしい。

 

「…くだらない。そこまでしてお金が欲しいのかしら?」

 

私だってお金は欲しい。しかし、命の保証のない金は受け取らないに越したことはない。

今日は疲れたから、ここで寝ることにするわ。お休みなさい。明日も頑張って生きるわよ。

 

─翌日─

 

「ぅん…ふあぁぁ…もう朝か」

 

森の中で寝起きと言うのも乙と言うもの、目を開ければ緑に囲まれた少女の姿が…。

 

「うわ!誰よあんた!」

 

「驚かしてごめんなさい。私の屋敷の近くで寝てるものだから気になってね?」

 

屋敷の近く?と言うことは、この小さな子が巨額な懸賞金がかけられている吸血鬼?いやいや、まさか…。

 

「それは余計なお世話と言うものよ。あなたもお家に帰りな、私に纏わないでよ?」

 

少しきつめの言葉を吐き落として森を去る。あんな子供に付き合ってるほど私も暇じゃないし、お人好しでもない。義理もないしね。

 

「………まぁ、多分戻ってくるわね」

 

「お嬢様、ここにいらしたんですか?」

 

「ああ美鈴、近いうちに紅魔館に一人の人間が住むようになると思うわ」

 

「人間が…ですか?」

 

 

───森近くの街───

 

何だったのだろう?あの小さな子は。ちょっとしか話してないけど、口ぶりで分かる、子供ではない。なんと言うか淑女の口調で、落ち着いていた。…まさか本当に。

 

「吸血鬼だとでも言うのかしら?」

 

正直言ってまだ信じていない。あんな幼い子が吸血鬼なんて。それもここら一帯の血を牛耳っていると言う話まで立つのに…。

 

考えても仕方がないわ。目的のない人生、明日生きれるか分からない今、金を集めないと。

 

「……」

 

また周りがピタッと動きを止めた。力が発起したのだ…この状況を目の当たりにする度に自分を殺したいと思う。でも、自分で自分を殺せるほどの度胸はない。情けない話だ。

 

「ねぇ?そこのあなた」

 

「…!!」

 

誰かに話しかけられた!?時間はまだ止まってると言うのに、誰なのだろう?

振り返ってみると、そこには私を見つめる紫色の長髪を靡かせた女性、パジャマみたいなのを着ている等と特徴はいくらでも挙げられる様な外見をしている。そんな女性が何者か、そして何の用で声をかけられたのか、さっぱり理解が出来ない。

 

「この時を止めたのは、あなたなのかしら?」

 

「…そうだったら、なんだって言うの?」

 

「いいえ、別に。すばらしい能力じゃない。大切にしなさいな」

 

再び時は動き出した。動きを止めていた周りの人達が一気に歩き始める。

 

「あんた、それだけで私に声をかけたのか?」

 

「そうね。ちょっと興味が湧いたから。でも気にしないで、…と言っても無駄か。一応自己紹介しておきましょう。でも場所が悪い、申し訳ないけど、場所を移させて頂戴」

 

 

───森───

 

「…!いつの間に!?」

 

「ここなら怪しまれず自己紹介ができるわね。私の名前はパチュリー・ノーレッジ。普通のしがない魔法使いよ」

 

いきなり何なのかと思えば今朝の森へと連れ戻されてしまった。それにその犯人は目の前の魔法使いだと言い張る女。魔女となると森がお好きなのかしらね。

そもそも魔法使いにしがないとかあるのだろうか?

 

「あなたは?」

 

えぇ…?私も名乗らないとダメな感じ?こうやって人と対峙するのも久しぶりだから早くどこか行って欲しいのだけど。仕方ないわ…。

 

「…名前はない。私はただの人間だ。だが、なぜか時を止めれるが、自制出来ない。これで満足か?」

 

早く解放して欲しいにもかかわらず、答えとして首を横に振ったパチュリーとやらはいつになったら私を自由にしてくれるのかしら?心配してくれるのは嬉しいが、今までそんな感情を見せて結局は力を目の前にして敵にする。殺されかけたことだってある。もう誰も信用出来ないわ。

 

「あなた、1回うちに来ない?」

 

「はぁ?何で私があんたの家に行かなきゃならないの?」

 

「良いから。相手のご厚意には従っておくものよ?時には大きな見返りとする何かがあるかも…」

 

そんな都合の良い話は大体我が身を滅ぼす。今まででも腐るほど体験してきた、腐るほど見てきた。…だが、なぜだろう?私の勘は目の前の魔法使いが危険だと言う認識を図っていない。

…この先生きていくためにも、付いて行っても構わないだろうか。

 

「分かった。そこまで言うなら、お前の家に連れてってもらおうか」

 

「良かった、ここで見捨てたくなかったしね。とは言え私の家じゃないけど…」

 

「ん?なんか言ったか?」

 

「別に、行きましょう」

 

 

───紅魔館───

 

「はぇ~、おっきい屋敷に住んでるんだねぇ!」

 

「まぁね。ひとつ正直に言うけど、ここ私の館ではないの」

 

はぁ?てめぇの家ではないのに私は連れてこられたのか?

 

「言い方を変えると、私はここに棲み着かせて頂いてるの。ここの主で私の親友、レミリア・スカーレットに」

 

レミ…リア?どこかで聞いたことがある名だ…。ダメ、思い出せない。

 

「まぁ、まずレミィに紹介するわね」

 

パチュリーに連れられバカでかい屋敷を奥に奥に進むと、玉座が見えてきた、そして誰か座っているようだ。

 

「レミィ!外にこの子がいたんだけど放っとけなくてさ。暫く置いてあげれないかな?」

 

「どんな奴だ?ん?」

 

「あっ!今朝の!」

 

今朝のあの少女が目の前の玉座に腰かけている…。と言うことは、今朝会った少女がレミリア・スカーレットで、首に大量金額が架せられ黒き翼をもつ吸血鬼…。

 

「やはり、戻ってきたわね。手厚く歓迎させて貰うわ。美鈴!?」

 

叫んだ瞬間メイド服を来た朱髪のメイドが走ってきて、レミリアに寄っていく。どうやらメイド長のようだ。

…手厚く歓迎?吸血鬼の館に泊まるのはいくらなんでも危険ではないだろうか?

 

「パーティーの準備が出来るまでゆっくりしていると良いわ。パチェ、この子を…名前は?」

 

「…私に名前はない」

 

「そう…。まぁ、パチェ、この子と図書館にでも行って話でもしてきなさい」

 

結局、よく分からずままパチュリーに付いていき、着いたのは恐ろしく巨大な図書館。そこでまたパチュリーと一対一で話をするとは…。

レミリアの話を一応聞いたところ、とても落ち着いた良さそうな人だったし、全くの見ず知らずの私でも歓迎すると言ってくださった。しかし、この吸血鬼の首には…大きな金がかけられている。今の私の生活は正直言って余裕はない。いつ飢えるか分かったものじゃない。パーティーの中どさぐさに紛れて殺る?でも…。

 

「難しい顔して、どうしたの?」

 

「ぇ?あぁ…別に」

 

思わず顔に出していたか。今までポーカーフェイスで幾度とやり抜いてきたが…一人の少女相手にこんなに考えたのは初めてね。歓迎してくれたから?違う、こんな私に親切にしてくれたから?違う。今までもそう言う人はたくさんいた。けど、奴隷みたいにしたり身体が目的で偽りの親切だったり…。もうワケが分かんない。

 

そうこう考えてるうちにパーティーの時間になってしまった。答えはまだ見出だせてない。でもここでやらなければ二度と訪れなかろうチャンスを逃してしまう。

 

「やるのよ、私!」

 

 

───紅魔館、大広間───

 

パーティーとは言ってもこの館内の小規模なもの。パーティーなのかしら?これって。まぁメイドたちも骨を抜いているみたいだし、パーティーと言えそうね。

わいわいと酒を片手に笑い声が聞こえて気分が高揚する中、私だけ笑えない。酒は未成年飲んじゃダメよ。…レミリアを殺るのは今しかない。でもその一歩が踏み出せない。私って結構なチキンだったのね…。

 

「ねぇ?」

 

「…!!」

 

ビックリした…こうやって深く思い考えてる時に後ろから声をかけるもんじゃないわよ。

声をかけてきたのはレミリアだった。獲物が向こうから来てくれるとは、またとないチャンス!なのに、ナイフを取り出す手が動かない。何かに操られてるワケではないのに…!

 

「あなた、何で私を殺らないのかしら?」

 

「え…?」

 

…今、何て言った?

 

「顔を見れば分かるわ。さっきこの館で初めて会ったとき、あなたは迷ったような顔をしてた。そして今、あなたの表情は今まで私を殺そうと目論んだ奴らの表情だった。私を殺そうとしてるんでしょ?私なら目の前にいるわよ?」

 

「知ったような口を叩きやがって…」

 

言葉を発す同時に時が止まる。なんと怒り任せに意識したら時が止まった!怒りってすげぇ!

また動き出さないうちに背後に回ってナイフを取り出す、殺るなら今しかない!

 

「解除!」

 

「時を操れるのね、すばらしいじゃない」

 

「黙れ。お前の言う通り、私はお前を殺すつもりだ。殺して大金を手にいれる!」

 

「美鈴、ありがとうね教えてくれて。気を使う能力も磨かれたじゃない」

 

自分の首元にナイフを突きつけられても、従者に気を配る…こいつは?

 

「あなたが私を殺せば、あなたは裕福になるかしら?」

 

「あぁ、一生遊べる金が手に入るさ」

 

「そう…。なら、あなたの好きにしなさい。私は、あなたになら殺されても良いわ」

 

…!ダメだ…手が動かない。このレミリアとか言う奴は自らに刃を向ける者に対しても尚笑顔で私の心配をしてくれる…。

 

「どうしたの?殺らないの?」

 

「…!」

 

周りの静けさが気味悪い、そんな中私は一人の吸血鬼を殺そうとしている。人一人殺せないくせに…。

殺意なんて、最初から無かった。私は私のため殺しを働こうとした。情けない、私はとんだボンクラだ…。

首にかけていたナイフを思わず床に捨てる。私は負けた…。こんな親切な人を、私は殺せない…。

 

「…それがあなたの決断なら、私たちは何も言わないわ」

 

「お嬢様!大丈夫でしたか!?」

 

…また1つ、私は居場所を失った。もうどこに行ってもいるところはない。

 

「ねぇ?あなた」

 

「…?何?惨めに負けた私を笑おうっての?」

 

「とんでもないわ。私は、あなたを買いたいの」

 

私を買いたい?どういうことだろう?

 

「あなたを雇いたい。メイドとして、この館に来てもらいたい。ダメかしら?」

 

「…!」

 

自分を殺そうとした者を雇いたいなんて…私は愚か者だ、こんなすばらしい方を、殺めようなんて。そしてこの館に歓迎してくれる。…あれ?目から水が、悲しくなんてないのに…この気持ち…初めて…そして。

 

「…この私を、あなたの下に働かせてください。粉骨砕身、あなたに仕えます」

 

「フフ…。ようこそ、悪魔の館、紅魔館へ…」

 

 

カリスマとは何か?それは簡単で難しいもの。

 

…ただ、言えることが1つある。

カリスマは、欲してなる物ではない。生まれ持った者が生かせるかでカリスマは決まる。カリスマはカリスマであろうとした瞬間カリスマでは無くなる。

そして、レミリア・スカーレット…彼女は至高のカリスマを持っている。

 

 

 

…ハズだったのだが。

 

 

───幻想郷、紅魔館───

 

「フラン!私のプリンは!?」

 

「知ーらなーい。宇宙の彼方にでも消えたんじゃないの?」

 

「嘘おっしゃい!食べたんでしょ!?食べたんじゃなかったらなんだって言うの!」

 

妹様と仲良くなられたのは喜ばしい。しかし、毎日おやつの時間になるとこうなるのは勘弁願いたい。カリスマは…生まれ持った者が生かせるかで決まる…あのときのカリスマはなんだったのかしら…。

 

                終わり

 

 

 

 

 

 

 

 




☆十六夜咲夜の名前の由来

十五夜と言うのがあるのは皆さんご存じの通り。その十五夜の翌夜を十六夜と言うらしい。その十六夜から見て十五夜は昨夜(さくや)である。そのさくやを弄って咲夜と名付けて、十六夜咲夜が誕生したと言う。レミリアにしては良いセンスですね。   (諸説あり)


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キャラ設定確認 其の二

神主と上海&蓬莱トーク

神「梅雨が完全に去ったと思ったら今度は燦々と照り付けてくる太陽の光…夏は辛いね…」
上「シャーンハーイ(私たちにとってはとても嬉しいですよ?)」
蓬「ホーライ、ホーラーイ(人間と違って汗はかきませんし、何より天日干しで除菌されるのが嬉しいですよ)」
神「良いねぇ汗かかないなんて…日向ぼっこしてるし、エアコン切っちゃろ?」
上「シャンハーイ!シャーンハーイ(だーだー!ダメダメ!エアコンないと生きていけませんわ!)」
蓬「ホーライ(天日干しよりエアコンですよ!)」
神「結局エアコンに頼っちゃうのかよ…。あんまり酷使しすぎるとまた壊れてにとりに頼まなきゃ…」
蓬「ホーライ?(エアコン煙出てません?)」
上「シャンハーイ?(…え?)」
エ「プシュ…ガクン……」
神&上&蓬「壊れたーーー!!/シャンハーイ!!/ホーラーイ!!」
上「シャンハーイ!シャンハーイ!(どうるんです!エアコン壊れたら生きていけませんって!)」
蓬「ホーライ、ホーラーイ?(ただでさえ神主といると暑苦しいのにエアコンが無いなんて、神は私に滅びろと?)」
神「悪かったな暑苦しくてさ!まぁエアコンが壊れたからってまた直してもらえば…」
上「シャンハーイ…(あづ…動きたくないです)」
蓬「ホーライ…(神主さん勝手に終わらせておいて…)」
神「おい!それじゃこのトークの落ちをどう付けろっていうん…」
ア「完全にフェードアウトされてしまったわね…」

またまたエアコン2週間かかります!それまで人形二人は持つのか?エアコンが早いか人形が早いか…何でも良いからエアコンはよ…(笑)

それでは本編どうぞ♪


東方萃夢想

伊吹萃香:密と疎を操る 種族:鬼

ロリっ子、飲んべえ、つるペタ言うな。

元々妖怪の山での鬼の四天王の一人。見た目は幼いが妖力の強さはピカイチで戦うにしてもかなり面倒な相手となる。

鬼の四天王の中では結構な跳ねっ返りで他の鬼と連れ合おうとしない。しかし何かと一人は寂しいからとか勇儀と酒を飲み明かしているところをよく見かける。

いつもひょうたんに酒を入れて持ち歩いている根っからの飲んべえで酒が切れると子供のように酒を欲しがる。少し可愛いかも…ロリコンじゃないよ?

密と疎とは物の密度を操って重くしたり軽くしたり、はたまた霧にしたりと、またそれが我が身にも出来ると言う結構便利な能力を持っている。

 

 

東方永夜抄

リグル・ナイトバグ:蟲を操る 種族:妖怪

私は蛍の妖怪です!決して台所によく出現するGではございません!

あらゆる虫を意のままに操ると言う変わった妖怪、自分自身が蛍の妖怪であるため、基本的には夜行性である。だが活動的にOFFの時はチルノやルーミアたちと遊んだりと子供みたいな一面を見せる。因みに男の子っぽいが列記とした女の子。

蛍の妖怪ですと言い張るのだが基本的には虫なので水と殺虫剤に弱い。退治するときにはゴキジェ〇トプロが必須となります。

 

ミスティア・ローレライ:歌で人を狂わす 種族:夜雀

人里から少し離れたところにヤツメウナギの蒲焼きを専門とする他、焼鳥撲滅の為に日々焼鳥を作る屋台を経営する妖怪。結構常連が多く、経営難とかでは全くない。

屋台を開く他はやはりチルノたちと遊んだりしていることが多い。大妖精と隣り合う常識人である。そのほか、命蓮寺の幽谷響子とバンドを組んで活動していたり、結構アクティブな妖怪である。

自分の店を持つのが夢で、実現のために日夜ヤツメウナギを焼いている。

 

上白沢慧音:(覚醒前)歴史を食べる 種族:獣人

      (覚醒後)歴史を創る

I!LOVE!もこたん!

人里で子供が勉強する場、言わば寺子屋を開く獣人。獣人とは言うものの、普段は人間その物で、満月の夜の時だけ覚醒してハクタクとなる。

いつも一人孤独に生きようとする妹紅を気にかけ、家に行って料理したり話し相手になったりと一緒にいることが多い。どうやら昔助けられた事の恩返しとかなんとか。

能力の歴史を食べると創ると言うのは、歴史を無かったことにするのが食べること。無理矢理その方向に持っていくのが創ること、結構ややこしいものだ。

 

因幡てゐ:人を幸福にする 種族:妖怪兎

にひひひひ…今日はどんな落とし方しようかな~?

永遠亭に住み着いている妖怪兎。どうやら健康に気を使いすぎて長生きをした結果妖怪と化してしまったらしい。健康で居てみるものだね。

住み着いていると言うのも、ただ住み着いているのではなく、永遠亭で働く兎たちの指揮を取って行事等をまとめるには彼女が必須となる。

人を幸福にするというのはガセネタかもしれない。昔話にもある因幡の白兎のようにイタズラ好きでよく落とし穴を作って、その度にうどんげが実験台になる。時折何個作ったか分からなくなった時に永琳が落ちたことがあり、そのときは一週間休み無しで新薬の実験台にされて死にかけたこともある。当然グランにもイタズラを仕掛けたこともあるが、そのときは冗談抜きで殺されかけたと言う。それでもやめない!イタズラは私の命よ!

 

鈴仙・優曇華院・イナバ:狂気を操る 種族:玉兎

てゐ!もういい加減落とし穴作るの止めてよ!

元々月の軍にいた月兎だったが、結局良いように使われただけの存在であることに嫌気がさし、地上へ逃げ込んできた。そこで月の頭脳である永琳がいると言う永遠亭に匿われる、など結構苦労した模様。

狂気を操ると言うのは相手に幻覚を見せるなど、侮るとすぐにでも殺られる強者で、永琳の新薬の実験台にされて体も丈夫になりパーフェクトな身体を手に入れた。やったね!凄いね!

頭につけている耳は飾り、根本にボタンが見える。バニーかと思いきやブレザースカートと言う清楚な服装で人気も高いとか。

普段は永琳の薬を人里に売り回るのが仕事、もとい修行である。

人を襲わない妖怪兎と周りから思われているため、変わり者だとも言われている。

因みにこの長ったらしい名前は、まず鈴仙の部分は本人自身の名前、優曇華院は永琳が、イナバは輝夜が考えたと言う。

 

八意永琳:あらゆる薬を作る 種族:月人

えーりん!えーりん!助けてえーりん!

元々月の賢者で、輝夜の付き人、もとい現在月の都のトップである綿月姉妹の教育係も請け負っていた秀才…いや、鬼才と呼ぶべきか。今は色々ワケありで地上の竹林に永遠亭と名付けた診療所を開設して生活している。

姫である輝夜が働かないことにため息を吐きつつも、日夜新薬の研究に没頭して、出来上がり次第うどんげに世のため人のための実験台になってもらう。もはや一つの生活習慣である。

性格は比較的穏やかで、何でも冷静に解決へと導いてしまうお姉さん的な、アダルティな雰囲気も醸す…少しマニアック?いえいえ、どツボですよね?

また秀才なる射手でもあり、どんなに遠くても確実に当ててくる。そして潜在する力も強力な物、ただひけらかさない。

あまり知られていないことだが、太陽の畑に住み着く花の妖怪とはあまり仲は芳しくない。

 

蓬莱山輝夜:永遠と須臾を操る 種族:月人

えぇ~?私が本気出したら世界が滅ぶし~。

元来は月のお姫様である。

一度地上へと訪れた時(俗の竹取物語である)、あまりにも楽しかった物だから、永琳に禁断の秘薬、蓬莱の薬を作らせ、永琳と共に服用した。これは月において死をも持して罰せられる事もある(死ねないけど)大罪であり、それを受けた輝夜は自ら望んで地上へと追放された。因みに永琳が服用したのは輝夜が追放を受けた後のことで、あとを追う様に追放を受けたと言う。

そんな複雑な過去をお持ちなはずなのに今となれば付き人を困らせる糞ニートである。どの歯車が狂ったのやら…。

過去に一度地上へと訪れた時、成長した輝夜の美貌に惹かれた貴族が次々求婚してきた時があり、それを無理難題な条件を付けて断った。そのなかに藤原家もあり、その末裔である妹紅が輝夜に対して父上が恥をかかされたと毎晩殺そうとしているが、今はただの暇潰し、もといデート見たいになっているのも事実。

永遠と須臾を操ると言うのは、永遠の時間のなかにも須臾、要するにしばらくが存在する。そのしばらくは他人に取っては短いほんの数秒かもしれないが、本当はうんと長い時間かもしれない。そのしばらくを操るのが彼女の能力。分かりやすく言うと、他人は一秒でも彼女自身に取っては一年でも0,01秒でもある。咲夜とは違った時間操作が可能なのだ。

 

藤原妹紅:老いることも死ぬこともない 種族:人間(蓬莱人)

もこたん!ふれー!もこたん!ふれー!by慧音

迷いの竹林に独りで暮らしている孤高の少女だが、今は慧音といることが多い。竹林で迷った者の案内をしている。

その昔、平安にまで遡り、藤原家の貴族がおったそうな。その一番下の子が妹紅である。彼女自身は父上を尊敬しているが、当の父上は妹紅に愛を注いではいなかった。そんなときに輝夜求婚騒動となり、藤原家が騒いでいるときに家出したと言う。輝夜は最終的に帝に蓬莱の薬を託し月に帰った。そして帝は月に一番近いところ、つまり富士山頂に薬を持っていくよう仕向けた。一方妹紅は族の人間と共に軍をつけて山頂に置いた薬を持ち出した。…が、魔が差した妹紅は族を殺し薬を奪って服用。それが妹紅が不老不死になったワケ。(諸説あり)

昔は妖怪退治を生業とし、お得意の火を操る力を使い焼き殺してきたが、今はそれをしようと言う気配もない。平和になったものだ。

 

東方花映塚

射命丸文:風を操る 種族:鴉天狗

毎度お馴染み!清き正しい文々。新聞の射命丸文でございまーす!…ありゃ?

嘘か実か一向に信憑性の薄いほぼでっち上げとヤラセで成り立っている文々。新聞の記者である。(文:酷すぎませんか!?)

記事になることなら何だってやってやろうじゃん!と言う燃えるジャーナリスト魂を魅せるが如く、日夜幻想郷を飛び回っているが、現実はむなしく新聞の人気は信憑性の薄さからして芳しくない。いつもでっち上げてるものだから、その度にボコボコにされるのももはや日常茶飯事だ。

普段は妖怪の山に住拠を構えていて、元々妖怪の山にいた鬼たちとも親しかったり。でも頭は上がらない。

結構舐められがちで弱々しいイメージがこびりついているが、結構長生きで千年も前から妖怪の山に住み着き、強さはスカーレット姉妹に匹敵する。もぅーちょっとってころで花の妖怪にも達するか…それは無理があるか。

 

風見幽香:花を操る 種族:妖怪

今ゆうかりんって言った奴出てきなさい?特別に7割の力で踏んであげるから…。

いつも太陽の畑にいる花の妖怪。何時なんどきでも花の手入れを怠らず、とても大事にしている純情な子…だと思ったら負けだと思え。花の妖怪と聞けば可愛いかもしれないが、現実はそうではない。幻想郷の最強の一角とも言われる彼女は、その強さを持って尚凶暴と言うものだから恐ろしい。また相手の感情を逆撫ですることを得意とし、楽しみながら戦闘へと導く。…恐ろしい。当然、花を切ったり潰したりすると死を意味する。

常日頃日傘を手放さず、とっても大切にしているのだが、以前チルノが野原に落ちていた日傘を拾って振り回して遊んでいたら折れてしまったと言う。その時大妖精から、その日傘は幽香のだと聞かされた。…が⑨であるチルノには理解さえ出来なかった。しかし、とっても大切にしていた日傘を折られた幽香は目を黒く染め上げ、狂ったように怒り、チルノを跡形も残らなくなるよう痛め付けた…と言う逸話がある。

 

小野塚小町:距離を操る 種族:死神

映姫様!私小町は毎日真面目にサボらず働いております!(嘘)

三途の川の渡舟の船頭をしている、大きな鎌が目印の死神。幻想郷にて亡くなった霊を閻魔の裁判に裁かれるべく、彼岸から裁判所まで送り届けるのが仕事。霊と世間話するのが仕事中の楽しみ。…だが仕事をすることは本当に珍しい。

普段は彼岸の花畑で鼻風船膨らましながら気持ち良さそうに寝て、閻魔に叩き起こされて24時間耐久説教へと突入する。このサボり癖にも困ったものだ。この上巨乳なので映姫からしてみれば完全に目の敵である。

このサボり癖が酷い故に、外の世界で災害が起きて大量の人が亡くなったときにサボっていた。そのせいで幻想郷で霊があらゆる季節の花を咲かせるようになったと言う。そのときはさすがに閻魔もキレたようだ。

 

四季映姫・ヤマザナドゥ:白黒はっきりさせる 種族:閻魔

あぁ、あなたは問答無用で黒です。異論はすべて却下します。

地獄の裁判で霊の罪の重さを元に白か黒かを決める閻魔である。因みに彼女は幻想郷を担当しており、名前にもそれは影響している。四季は名字、映姫は名前、ヤマは古代、金の国の言葉で楽園、ザナドゥは閻魔。つまり、楽園の閻魔である。

子供みたいな背の低さは世のロリコンを唸らせるが口は達者で沈着冷静である。して、かなり強かったりする。でもやはり背の低さがコンプレックスで、さらにサボり癖が酷い船頭が巨乳とあるものだからこの私自ら黒と判決を下したいくらいムカつくと言う。

彼女は回りが本当に嫌がる程の説教する癖があり、地獄で非番の時は地上へとやって来て、捕まえた奴を次々説教を強いている。実はこの説教には、死後の霊の罪を軽くするためにやっていることを知られていない。

 

              紹介は続く

 

 

 

 



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色褪せぬ記憶と消えぬ過去の運命
隠月異変(永夜異変)の刻─上─


神主と上海&蓬莱トーク

上「シャンハーイ?(ところで神主さんって本作東方projectってやったことあるんですか?)」
神「う~ん、その質問しちゃう?」
蓬「ホーライ(さっさと答えろやハゲ)」
神「禿げてねぇわ!むしろフッサフサで髪量が多くて困るときだってあるんだぜ!?」
上「シャーンハーイ(どうでも良いけどどうなんですか?)」
神「ど…どうでもって。まぁ、実のところ、本作東方projectはやったことはない」
蓬「ホーライ!?ホーライ(うそっ!?キモいんですけど)」
神「今のとキモいと何の関係が!?
上「シャーンハーイ…シャンハーイ(やったこともないのにこんな事してるんだ…ただのにわかだったんですね)」
神「いやぁね?俺だってすっごくしたいよ?でも金がないゆえにPC買えなくてさ…本作風景は動画でしか見たことがないんだ」
上&蓬「シャンハーイ!&ホーライ!(メタい話してんじゃねぇ!)」
神「君らが始めたんだよね!?」

神主の仰る通りで私自身東方project本作のゲームをやったことがありません。唯一本作に触れたのは漫画の茨華扇と鈴奈庵と儚月抄ですかね…。その他での東方はすべて二次です。にわかですみません!

では、本編をどうぞ♪ゆっくりしていってね!


───幻想郷、永遠亭───

 

─side 蓬莱山輝夜─

 

…満月に近くなって来たわね。そのお陰で夜の闇に閉ざされた幻想郷も少しは明るく感じる。良い月だわ…でも。

 

「永琳…」

 

「はい、何でございましょう?」

 

横で新薬の研究をしている永琳もまたこの月を見て考えを持っていると思う。確信はないけど、同じ月人だもの。

 

「満月になると、月の使者がやってくる…と言う話、知ってるかしら?」

 

「…はい」

 

「私たちにとっては、それはよろしくない事。月を追放された私たちを使者が探してるとあれば…」

 

そう。月で大罪を犯して追放を受けた私たちは幻想郷と言う不思議なところで周りにも知られず隠居している。それを月に知られたりしたら…まずこの平穏な日々が、やっと平和な暮らしが訪れたと言うのにそれを壊されるのはもうこりごり。

 

「やりましょう。月を隠すのよ」

 

 

───博麗神社───

 

─side 風籟寺グラン─

 

柄にも無いことを言うかもしれないが、今日は良い夜、そして満月だ。いつにも増して周囲を明るく照らしている。…はずなのだが。

 

「なぁ霊夢、月の形…おかしくないか?」

 

「今日は満月のはずなのに、少し欠けてる。昨日満月に近い月だったのに今日はそれに比べてかなり欠けてるわね…」

 

「これは異変だな」

 

まったく…どうしてこうも幻想郷は異変ばかり起こるんだろうか…。さすがにこの異変では紫も出てくるだろう。

 

「当然、出てくるわよさすがに」

 

「…いきなり出てきて声をかけるのはやめろと言ってるだろう?」

 

いつも急に出てきて心臓に悪いんだよ…まぁもう慣れたけど、年が増すとこうやって図々しくなるんだろうか?はぁやだやだ。

 

「ねぇグラン?なんか失礼な事考えてない?」

 

「気のせいだ。それより、お前が出てきたと言うことは何かあるんだろ?」

 

紫は今までの異変を知っているはずだが霊夢曰く姿を現すことは珍しいらしい。

 

「えぇ。月が満月であるべきなのに欠けている。これは人間には何ら影響はないわ。でも月明かりを元に行動する妖怪にとっては死活問題よ。だから解決してほしいのよ」

 

そう言うことか。確かに妖怪の殆どが夜が行動時期だし、月明かりを便りにする妖怪はそれに当たる。目の前の紫だってそうだ。

 

「自分一人で動くのが面倒なだけなんじゃないの?」

 

「人間には影響ないから妖怪とコンビになって解決するのよ。私と霊夢でね」

 

「話聞きなさいよ!」

 

「今回は俺の出番はないみたいだな」

 

「何言ってるの?あなたは一人で行ってもらうわ」

 

何で俺はいつもこう…一人でやらされるんだろう?紅霧異変のときも一人でいかされたし…。

 

「で…、この異変を解決するためには朝になってもらうのは困る。だから夜と朝の境界をつつかしてもらうわよ」

 

仕方ないか…これも。これで幻想の結界チームこと霊夢と紫。でなぜか俺は一人で行かされるハメになった。

 

 

───魔法の森、アリス邸───

 

─side アリス・マーガトロイド─

 

おかしい…時計は午前の7時を指していると言うのに外は真っ暗も良いところ。一体何が起きているのかしら?

まぁ悩んでても仕方がない、どうせ異変だろうし。でも不思議と博麗の巫女と神主が動いていない。霊夢はいつも通り面倒くさがって出動してない、これなら納得できるけど、グランが動かないのは少し気になるわ。

 

「たまには自分で行こうかしら」

 

とは言え、何をどこから調べれば良いのか分からないわ。…仕方ない、ここはいつも異変に出向いている魔理沙を頼るしかないわね…。

 

 

───霧雨魔法店───

 

─side 霧雨魔理沙─

 

「夜が明けない、これは間違いない…異変だぜ!」

 

『コンコン』

 

ん?誰だ?こんな時間に…いや来ても良い時間帯だ。外が暗いものだから時間感覚が狂ってやがるぜ。

 

「開いてるぜ」

 

「おはよう、魔理沙」

 

やって来たのはアリスだった。向こうから来るのは珍しいこともあるもんだぜ。あとおはようはおかしいと思うが…。

 

「どうしたんだアリス。私はこれからこの異変を…」

 

「その異変なんだけど…私も向かおうと思ってたんだけどどうすれば良いか分からなくて」

 

何だ…そうだったのか。言葉を遮られたからなんか敵意があるのかと思ったぜ。

 

「なら一緒に行こうぜ!アリスもいれば百人力だぜ」

 

と言うことで禁呪の詠唱チームは魔理沙とアリスで決まった。

 

 

───紅魔館───

 

─side 十六夜咲夜─

 

今日のお嬢様は何か落ち着かない様子でございます。朝食の時からでしたか…。理由をお聞きいたしましたが、話す気配さえありません。

今日は一切日の光は差しませんでした。その代わり、ずっと満月の出来損ないが空に浮かんでいます…。

もしかしたらその異変に出向こうとしていらっしゃるのでしょうか?一人でこんな事を?とんでもない話でございますよ、お嬢様。

 

そうこう言っている場合ではございませんね。朝食を終え、片付けも手早く終わらせた私は玄関前にて待ち伏せておきます。お嬢様に一人で行かせるのはさすがに従者として許せませんから。

 

「今日は咲夜にばれずに来れたわね。さすがに日が差さないのは怪しすぎる。完全に異変よね」

 

やはりそうでしたか。完全で瀟洒な私にはお嬢様のお考えになってることなど、手に取るように分かります。

 

「周りの妖怪らは知らないけど、私にも日は出てもらわないと困るわ…紅霧異変の時とは違うこと言ってるわね。博麗が動いてないから私から行かないと」

 

「私″たち″…ですよね?お嬢様」

 

「うわ!咲夜!?何でここに!?」

 

「私が館にいて悪いでしょうか?」

 

「そう言うことじゃないわよ!何でバレたの!?」

 

「落ち着かない様子でいらっしゃるお嬢様を見逃すような従者はお嬢様のお仕え出来ませんから…」

 

「さすがね…。なら一緒にいきましょう」

 

えぇ行きましょう。今日は楽しい夜に…おっと、朝でしたね。楽しい朝になりそうです。

こうして夢幻の紅魔チームは結成された。

 

 

───冥界、白玉楼───

 

─side 魂魄妖夢─

 

春雪異変から何ヵ月か経ち、私の能力も元に戻った。なんかもったいない気もしたが、幽々子様が自ら異変を取り止めたのなら従うのが従者である私の仕事でもあり、正しき行為でもある。

そんな平和が戻った今、地上では何か新たな異変が起きているようだ。幽々子様はまだその事を知らない。報告するべきなんだろうけれど、まず間違いなく面倒な事になる。ただでさえブラックホールのせいで食費について頭を抱えているのに、また新しい事で頭を抱えたくない。穏便に済ますのが賢明よ。

 

「妖夢ちゃん」

 

「はい、何でございましょう?言っておきますが、もう朝食のおかわりはナシですからね?」

 

「ゑ…?」

 

このおっぱいお化けが…まだ食おうって思ってるのか…?今ので朝食全メニューおかわり4回目だよ?

 

「…てのは冗談よ。本気にしちゃって妖夢ちゃんもまだm…ごめんなさいだから剣を抜く仕草は止めてちょうだいお願いします」

 

「はぁ…で、本当は何の用ですか?」

 

「あなた…私に隠し事してない?」

 

…!?バレてた?なぜ…きちんと落ち着いて会話もしてたし、怪しげな行動をとった覚えもない。ここは誤魔化しとこう。

 

「い…いやぁ…かかかか隠しごごごごご事なんてててててななななないですよよよよよ!?」

 

う…自分ながらものすっごく動揺してしまった…こんなの誰が見ても分かってしまう…。

 

「あら…おかしいわね。確かに隠し事あると思ったんだけど…」

 

「おいこれくらい気付けよ!」

 

「認めたわね?隠し事してたこと」

 

「あ…!」

 

しまった…まんまと乗せられてた…。やっぱりこの方には頭が上がらない。

 

「どうして、気付いたのですか?」

 

そうだ、なぜ気が付いたのか。怪しげな事は一切していないのにも関わらず幽々子様は見抜いていた。

 

「そんなの、妖夢ちゃんの顔にべっとり書いてたわよ?私に隠し事があるって。だって今朝起きてから妖夢ちゃんったら凄い難しい顔しちゃって。大方、私に言おうか迷ってたんでしょ?怪しげな行動をしてなくても分かったわよ」

 

「う…」

 

口にされたことはすべて合ってる…。まさか顔に現れてたなんて…剣士としてまだまだなのかもしれない。表情を読まれたら終わりだからね。

 

「さ、隠してること洗いざらい話しなさい」

 

「はい…えっと…」

 

少女説明中…。

 

「…と言うわけです」

 

「なるほど、地上ではそんなことが起きてたのね。冥界じゃあ朝でも夜でも真っ暗だからねぇ。んで?何でこんな大切なことを黙ってたのかしら?」

 

「言ったら面倒な事になると思いまして…」

 

「何よ私を疫病神みたいに!まぁ良いわ。妖夢ちゃん、すぐに支度して」

 

「な…何のですか?」

 

「異変に出向くのよ。どうせ暇なんだし行きましょうよ」

 

「行きましょうよって…どうやって情報集めるんですか?」

 

「適当にうろうろしてれば何かにぶつかるわよ~」

 

だ…ダメだ…上手くいく気がしない…この先にあるのは絶望しかないのか?

こうして、幽冥の住人チームは結成された。

 

さてはて、この先チーム4つとなんか一人がそれぞれ異変解決に意を決した。

この先どうなることやら…。

               続く

 

 

 

 

 

 

 



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隠月異変(永夜異変)の刻─中─

神主と上海&蓬莱トーク

神「何か永夜抄って書くのすごく難しい…書く度につまらなくなっていってる気がする」
上「シャンハーイ?(今更気付いたんですか?)」
蓬「ホーライ(つまらないに関しては1話目からでしょう)」
上「シャーンハーイ(今回はつまらなさに磨きがかかったと言うことですよ)」
神「悲しい…。このままだと花映塚は険しくなるな…。この路線は変えるべきか…」
蓬「ホーラーイ?(別に東方本作に拘らなくても良いんじゃないですか?)」
上「シャンハーイ(ぶっちゃけ二次って書いてある時点でもう何でもありでしょ)」
神「それはそれで問題なんじゃないかな?本作に拘らなくても良いとしても、何でもアリってなったらマジで荒れちゃうから…」
蓬「ホーライ、ホーラーイ?(じゃあ、これからの路線はどうするんですか?)」
上「シャンハーイ?(下手な事考えてたら明日はないですよ?)」
神「何でそんなに回答次第で生死が決まるみたいな流れに持ち込もうとするの?」
上&蓬「シャンハーイ&ホーライ(キモいからです)」
神「即答!?」
上「シャンハーイ(冗談はさ…。これからどうするんですか?)」
神「今、冗談はさておいて…って言おうとしたのを止めたよね…?冗談を取り消したよね?本気って事だよね!?」
蓬「ホーラーイ?(逆にキモくないなんて言えるほどあなた上品じゃないですよね?)」
神「…それもそうか(やけくそ)。まぁこれからは永夜抄を済まして、オリジナルの物語を作っていこう。あ、まだ完結するつもりはないので!」
上「シャンハーイ(完結しなくても私たちが完結させるんですけどね)」
神「…ぇ?」


果たして神主は生き残れるでしょうか?つねに人形二人が刃を向けている状態で、物語を書いてもらいましょう(笑)

あと、この永夜抄は書くのにレベルが高すぎて、私みたいな初心者が書くものではありませんでした。始めたからには最後までやりますが、かなり面白くないと思うので、期待に添えていなかったら即行ブラウザバックしていただいても結構です。いや、してください!お願いします。
つまらんくても見る!と言う心優しい方はゆっくりしていってね


───博麗神社───

 

─side 風籟寺グラン─

 

結局、霊夢と紫は颯爽と異変の調査へ向かい、俺は一人になってしまった。まぁ、一人でも異変の調査くらいは出来るのだが、なんか…寂しいじゃない?

 

「柄にでもねぇこと言いやがる…。行くか」

 

ずっと博麗神社に居座ってるワケにも行かないので、ひとまず手がかりを探すことからだ。

俺のこの博麗から授かった勘が正しければ、俺ら以外にも何らかと異変に出向いている。ただ、他の連中は霊夢らと違い、夜が明けないことが異変だと思っているようだ。それに、本格的に異変へ乗り出してるのは魔理沙達だけか?レミリアと幽々子は完全に暇潰しだな…。

まぁとにかく人里の人間も、今回の異変は永夜異変だと解釈しているらしい。誰一人として月の異変だとは思っていない。そのため、人里で聞き込みをしようにも月に関する情報は皆無だろうな。どうしたものかな…。

…千里の道も一歩からだ。小さい情報でも聞き方次第で有力な情報になるかもしれない。夜行性の妖怪に聞いてみようかな?一応死活問題なんだし。

 

 

一方その頃霊夢&紫チームは…。

 

 

───幻想郷、人里はずれの草原───

 

─side 博麗霊夢─

 

結局、紫に言われるがままに人里を出たけど、結局情報はない。よく考えれば当たり前の事だ。そこで考え方を変えてみることにし、人里から離れたわけだけど、紫は一体何をするつもりなのか、さっぱり見当がつかない。

 

「これからどうすんのよ?手当たり次第に妖怪に聞き回るわけ?」

 

「あら…それも良いわねぇ」

 

「やめて…考えただけで頭が痛くなるわ…。でも、ここに来たのには明確な理由があるんでしょう?」

 

「…かなり昔の話になるけれど、月から幻想郷に移住している人物がいるらしく、数千年と前から正体を晴らさず様に迷いの竹林に住み着いてるって噂を聞いたことがあるの」

 

「初めて聞く話ね…」

 

「なんでも、月から追放された者だとか。あなたも竹取物語は知ってると思うけど、そのモデルとされた人物まんまが今に至ってるとしたら…?」

 

「そんな姫が月から追放されて、ここに住んでるのなら、月なんか見たくもない…あっ!」

 

「気づいたわね?さぁ、竹林に向かうわよ」

 

「待って。無闇に行ったら迷って出られなくなるわよ」

 

「大丈夫だってぇ。もし何かあれば私のスキマでどうにかなるわよ」

 

…不安しかない。

 

 

───人里───

 

─side アリス・マーガトロイド─

 

結局、異変の内容だとか現状だとか、浅い情報ならいくらでも落ちてるけど、肝心な種馬と犯人が未だに分からない。

ただひとつ、幻想郷の記憶である稗田阿求に聞いた話によると、満月の夜になると、竹林の奥の方で何か騒いでるような音や声が聞こえると、それもかなり昔から言い伝えられてるみたい。魔理沙もその話を聞いて、竹林を目指しているところなのだけど、迷いの竹林は普通は行かない場所、そんなところに人が居るなんてあり得ない…。

 

「ねぇ魔理沙」

 

「ん?なんだぜ?」

 

「竹林の中に、どうやって入るつもりなの?普通は入ったらほぼ確実に遭難するような場所なのに、準備なしで突っ込むのはマズイと思うのよ」

 

「大丈夫だって!アリスと私がいれば怖いもの無しだぜ!」

 

と、結局言いくるめられて着いてっちゃうのよね…。

 

 

そしてこの2チームはそれぞれ竹林の中に入っていった。

 

 

───人里はずれの草原───

 

─side 風籟寺グラン─

 

情報もなにも、まずどうやって異変の原因を突き止める?俺は幻想郷に来てから日は浅くて、一応勉強はしたつもりだが、霊夢や紫と言った奴らほど幻想郷と言うものを知らない。

ここは風を遮るものがないため、吹く風が心地よく感じられる最中、何か背中に嫌々しい気配を感じた。なんと言うか、ゾクッとする感じが…。

 

「誰だ?俺の後ろに立っている奴は」

 

後ろの安否を確認するためにも独り言紛いな問いをぶつけてみる。黙ってずっとこのゾクッとする感じを堪え忍ぶのはごめん被るからな。

 

「気付かれてたか。よく分かったね、私が居たってこと。私はリグル・ナイトバグ」

 

俺の勘はどうやら腐ってはいなかったようだ。ふと後ろを振り向くと、そこには黒いマントを靡かせ、頭には触角みたいなのが生えてて、全体的に虫って感じがする…。ゾクッとする感じの正体はこれか。昔っから虫だけは苦手だったんだよな…。だが、敵か味方か分からない今は弱みを見せてはならない。

 

「博麗をなめんじゃねぇぞ…妖怪」

 

「あんたが博麗の神主か?なら、この異変を晴らすつもりだよね…。そんな事されたら、夜行性からして困るんだね」

 

なるほど、こいつは夜行性の妖怪。そんな夜行性からすれば夜が明けない事はいかに都合が良いか、考えればすぐ分かることだ。

今はどんな小さい情報でも良い。敵でも味方でも良い。とにかく月に関して聞き出さないと…。

 

「なぁお前。今日の月、おかしいと思わないか?」

 

さすがに露骨過ぎたかもしれないが、この際目は瞑ろう。

 

「どういう事だい?」

 

「今日は満月のはずだ。夜行性にとっては月明かりは不可欠。新月になると皆活動的にはならず落ち着いているのが普段から見てとれるのだが?(ただフィクションですよ)」

 

「確かに、私たちは月明かりがないと生きていけない。今晩の月はえらく暗いと思ったんだ。今日は満月だと言うことは誰もが知ってる。だから今日の月は暗いのは皆不自然に思っていた。その矢先に夜が明けないじゃないか。と言うことは、何らかの結界が月に被って見えていないだけだと思ってな。まぁ私たちからすればさほど気になることじゃない」

 

ものすごく分かりやすく説明してくれて非常にありがたい。

リグルが言うには月に関しては違和感があったようだが、今一つだな。その月の異変に関しての情報がない。また、隠してるようにも見えないから、ここで退くのが一番だろう。変に時間を取られてもかなわんからな。

 

「分かった。情報ありがとうよ、リグル…その名前、覚えたぜ」

 

「ちょっと待て。せっかく夜が続いてくれると言うのに、それを阻止しようと言うやつを目の前にして、見逃すと思うのかい?」

 

まぁ…なんにしても夜は明けるんだけどね…。これは夜が続いてんじゃなくて、夜を引き伸ばされてるだけだから。

とはいえ、みすみす行かしてくれそうにもない。仕方がねぇ、腕の錆を落として行くのも悪くはないだろう。

 

「見逃して…くれねぇわな。なら、見逃させるまでさ」

 

「蟲の恐怖を、肌で感じさせてあげるよ…」

 

やべぇ…鳥肌立ってきた…。

 

「…!?」

 

一面真っ黒…!何が起きてる!?ルーミアでも来たのか?いや、周囲の音は一切聞こえない。その代わり、ブーン…って音は群れを成して聞こえてくる。もしかして…。

 

「蟲に囲まれてるのか!?」

 

「フフフ…、私の『蟲を操る程度の能力』は地味に思われがちだが、蟲は群れで行動すれば、どんな猛獣でも抵抗できない。ようするに、お前は蟲に囲まれた虎のようなものさ」

 

ごめん…蟲のせいで後半何言ってるのか分からなかったけど、相手は蟲を操る事ができるのは分かった。…マジかよ。俺のSAN値がまもなく地面を掘り起こしそうだよ…。

待て待て待て待て待て待て待て待て!れれれれれ冷静にかかかかかか考えるんだ!…くそ、落ち着かねぇ!例えて言うなら、好きな人にラブレターを渡そうとしてもなかなかその一歩が踏み出せずなんか変な人みたいになってるキョロ充のようだ!ちなみに、ラブレターを渡せず悩んでいる君、渡せず踏み留まってるのは心のどこかに迷いがあるからだ!人間は100%の気持ちじゃないと行動しない生き物だ。だからこそ迷うなら考えて、気持ちが確立したらまた立ち上がるのだ!!

…なんなんだ俺は?それはともかく、蟲の弱点…虫…殺虫剤?そんなもんない。寒さ?今は夏だから虫も活発になっている分、寒さには弱いかもしれない!

 

「科符『0Kの幻想』」(科学分からない人にはごめんなさい)

 

「な…!虫が凍えていく!!」

 

思った通りだ。豪炎でも良かったんだが、虫を瞬死させるには寒さが一番だろう。それに絶対温度の0度はかなり冷たいから有効に使えたかな。

 

「あとはお前だ!業火の中に悔いを改めるが良い!!惡夢『アナザーインフェルノ』」

 

我ながら…大人げなかったかな?子供相手にムキになっちまったぜ。でも、虫は嫌いだ。

 

草原のど真ん中で派手な火柱をあげたあとはきちんと水をかけておくなど後処理もしておいて、更に情報を集めないと、0に0が足されただけだ。何の役にも立たない

 

「お…?」

 

山肌が見えてくるほど草原の端に行くと、良い匂いが漂ってくる。花の甘い香りとか、妖怪が出す幻想の香りとかではなく、ソースが絶妙に絡めついた焼鳥の様なものが焼かれている匂いだ。不思議と心も落ち着いてくる…。さっきは蟲の妖怪リグル(あの野郎)のお陰で心身ともに疲れてしまった。情報集めがてら寄っていくか。暖簾には八ツ目鰻と書かれている。どうやら鰻と酒が飲めるようだ。異変にも息抜きが必要なのさ!

 

「よう、やってるかい?」

 

「あ、いらっしゃいませ。初めてのお客さんですね~どうぞ」

 

暖簾をくぐれば気分も解れるような明るさで、良い感じだった。店主は人間じゃないようだ、珍しい事だ。どうやら妖怪?夜雀かな?隣にも客が二人いて、結構繁盛している。

 

「その服…博麗神社の神主さんですか?」

 

「ん?あぁ、そうだけど、よく分かったな。今異変の調査をしているところなんだ。して、聞いても良いか?」

 

「はい、力になれる限りお答えしますよ」

 

すると隣の客が…。

 

「帰るよ。美味しかったぜ」

 

「お勘定はここに置いておきますね」

 

俺が来たからか、そそくさと帰ろうとする。…。

 

「なぁ店主。ここら辺で、夜…あるいは月に関する妖怪や人間はいるか?」

 

この質問をぶつけると、隣の客の銀髪の女と紅葉をモチーフにしたような帽子を被った女のうち、銀髪の女が足を止める。

 

「月…夜…。この辺り…はよく存じ上げないですね」

 

「そうか…悪いな」

 

「なぁアンタ…」

 

何だ?さっきの客が俺に話しかけてきた。確実にさっきの質問に反応したな。生憎、今の俺は満月になると覚醒すると言えど、今は満月を()()()()()()から覚醒できない。

 

「何だ?」

 

「アンタ…何を探ってる?」

 

「おめぇには関係ねぇ話だ。もっとも、おめぇの後ろに連れてる女が妖怪だと言うなら、話は別なんだがな…」

 

「…!何でお前が慧音を疑う!?」

 

「疑うたぁ聞こえが悪いな。博麗を舐めてもらっちゃ困る。目の前の存在が何者なのかが識別できない様じゃ博麗は勤まらんからよ」

 

「そう言うことか。だが、今は彼女は関係ない。関係するのは、私がお前に提供してやれる月に関する情報だ」

 

お…!何だか脈があるぞ!うまく聞き出せば、異変の根元までの道が一気に近くなるが、この様子じゃ、何か条件付きで…ってなりそうだ。面倒くせぇ…。

 

「その情報とは?」

 

「情報と引き換えて、お前がどれだけ強いか見せてみろ」

 

「はぁ?」

 

その言葉を聞いて、俺もさすがに屋台に座ってるわけにも行かない。どうやら穏便には済みそうにはなさそうだ。

 

「お前らが今追っている異変の犯人は恐らく月人だ。確信を持ったワケではないが、間違いない」

 

「月人がこの近くにいるのか?意外とあっさり教えてくれたねぇ」

 

「情報はいくらでも教えてやれるからな。だが、その月人を相手にするほどの強さがあるのか。それでその先に行くための条件だ」

 

案の定、条件付きでだった。おいしい話ほどワケがあるってな。

 

「それで、俺にどうしろってんだ?」

 

「私を倒していけ。竹林の中で野垂れ死んだお前の死体を処理するのは面倒だから、前もって死体処理することにするよ」

 

「また情報を得れた。犯人は迷いの竹林にいるのか」

 

「そこには永遠亭と言って、月人が住むところがある。そこの奴等は…悔しいが、私よりかなり強い」

 

「いや…そもそもアンタの強さ知らないし…」

 

「だから今から戦って、私を倒せるなら月人相手はどんなものか予想できるだろう?」

 

「スッゴく優しいんだな」

 

「うるさい!さっさと来いよ!蓬莱人の力を見せてやる!!」

 

こうして、グランとさすらいの蓬莱人、藤原妹紅の竹林進出をかけた戦いが始まろうとしていた。

 

                 続く

 

 

 

 



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隠月異変(永夜異変)の刻─中弐─

神主と上海&蓬莱トーク

神「そういえば、もうすぐ原爆の日だね」
上「シャンハーイ?(何です原爆の日って?)」
蓬「ホーライ?(何か外の世界の風習ですか?)」
神「この際だから説明しておこうか。原爆の日ってのは、8月6日、9日とあるんだけど、俺が産まれるうーんと前、幻想郷が出来て半世紀なるかってところの1945年のその日にアメリカの軍用機が6日に広島、9日に長崎に原子力爆弾を投下した日なんだ」
蓬「ホーラーイ?(その原子力爆弾って、そんなにすごいんですか?)」
神「一応核兵器だからね。この幻想郷にも核を操るのがいるじゃない?」
上「シャーンハーイ(地霊殿の霊烏路空さんですね)」
神「彼女の能力が暴走したら…想像つくかい?」
上「シャーンハーイ…(考えただけでもすごく恐ろしいです…)」
蓬「ホーラーイ…(人里すべてが吹き飛びそうです…)」
神「それと似たような…いや、それ以上の事が外の世界で意図的に起こされたんだ」
上&蓬「シャンハーイ…&ホーライ…(え…?)」
神「幻想郷なら博麗がいるし、妖怪やら神やらが止めにはいるかも知れない。けど、無力な人間をただ自分の欲望のために殺戮の的にしたんだ。何の罪もない人間をさ」
蓬「ホ…ホーライ…(む…惨いです…)」
上「シャンハーイ…(人間ってロクなことやりませんね…)」
神「だから、その惨劇を忘れないように、そして繰り返さないように、こういう日を設けたんだよ。だから君たちも手を合わせてあげて…ね?」


今回のトークは暗い話題になっちゃいました…テンション上げていきましょう!
でも、この内容は、曲げようもない真実です。核廃絶に向けた動きもありますが、まだ微々たるものです。ですが、核は要らない!(うにゅ?)と言う心を忘れないでください。お空は別ですよ?
僕の住む広島では毎年この日近くになるとこう言う話題でテレビが持ちきりなんだよね。まぁ、皆さんも原爆の日、これを機に知ってみてもいかがでしょう?

さて、これから明るい内容で、面白くない本編をどうぞ♪


───幻想郷、人里外れの草原───

 

─side 風籟寺グラン─

 

月の情報を集めてたら、いつの間にか蓬莱人の喧嘩相手をするようになってしまった。どうしてこうなった?

とにかく、今目の前にいる敵を倒して先への情報を得ないと。月の情報を完全にチェックメイトしてるのに、次々塞がってくるビショップだのルークだのナイトだのポーンだの…。そしてこの蓬莱人は情報をキングと置いたら隣にいるクイーンと言ったところだ。…懐かしいな、外の世界にいた頃はチェスもハマってたっけ。

 

「来ねぇのか?なら、こっちから行くぜ」

 

この沈黙が相手に攻撃を促したかのように拳に炎を纏い殴りかかってくる。空気くらい読んで殴ってきて欲しいものだ。今完全に昔の思い出に浸っていたシリアスなところだったろうに、あろうことかいきなり目の前が火の海だ。原爆投下後みたいじゃねぇかよ。(まもなく8月6日、原爆の日となります。この惨劇が二度と起こらぬよう、私たちもお祈り致しましょう)

 

「まったく、衣玖さんの空気を読む程度の能力を見習って欲しいもんだねぇぇああっぶねぇ!!」

 

言葉を発しているうちに次の攻撃が来る。悠長に喋る時間を与えてくれないと言うことか?まぁそもそも、この夜が開ける事はないワケではないし、紫だって年だし疲れたって言って結界がほどけたりするかもしれないからゆっくりはしてられないんだよね。

 

「何だ何だ?避けてるだけでは結果は見えてこないぞ?常人なら疲れ崩れるだろうが、千年近く生きてる私に疲れなどない。耐久戦に持ち込んだところで、自分の首を絞めるだけだ」

 

とはいえ、相手の動きをしっかり見て、戦いの癖や法則性、更にはフェイントなどのテクニックを光らせるタイミング、すべてに於いてデータを算出した後に弱点を突く。それが俺の戦い方で、初めて戦う相手を知るための手段だ。今更耐久戦に持ち込むのが無駄と言われても止めるつもりはない。さすれば相手のイライラも溜まってくるだろう。そうなれば妹紅も本物の妖術と言うものを見せてくる、それに全力で答えないと、俺の強さを分かってもらえない。かといって本気は出さないけど。ぇ?何で出さないのかって?そりゃ、俺が本気出したら世界が滅ぶから…。

 

「おい、お前いい加減に攻撃してこいよ。ずっと避け続けている事が強いとは限らないんだぞ?蓬莱『凱風快晴─フジヤマボルケイノ』」

 

妹紅がとうとう痺れを切らし、スペルカードを使用してきた。いつにも思うが、本当にこのスペルはカッコいいと思う。俺も見よう見まねでやってみようと思ったが、スペルが量産されると価値が下がると思うから、遠慮している。

とにかくだ。スペルにより妹紅の背後に不死鳥が浮かび上がり、真っ赤な弾幕が俺を目掛けて飛んでくる。避けることは容易いが、更には分散型の弾幕が不規則に飛来し、まるで花火のように近づいて破裂するような厄介な弾幕も。まさに富士山が噴火したような、面倒な弾幕のオンパレードである。これが蓬莱人の持てる本気…と言うやつなのか?

 

「フフ…。甘いねぇ、アマアマちゃんだねぇ」

 

何キャラか不安定になってしまっているところは一旦置いといて、この弾幕はかなり避けやすい飛び方をしている。安全ゾーンは無いものの、遠目に見れば規則的な動きをしているのが分かる。分散型の弾幕は不規則だが、それに沿って避けていくことで俺を目掛けてる弾幕はボールを避ける要領で攻略すれば、勝ち目は十分にある。

 

「なんでだ!?何で当たらない!?」

 

「確かに、相手を封じ込むのには良いスペルだ。だがな、避け方にコツと言う存在が大きすぎたな。コツをつかめば容易くかわせる。それに、俺からすれば、こんなもの当たったところで痛くも痒くもない」

 

そろそろ面倒だ。一気にカタをつけてやる。結局、妹紅の攻撃を避け続けてるだけだが、別に構わないだろう。あのサイ〇マ先生だって避けて食らってワンパンだもん。

 

「行くぞ!霊符『夢想封印』」

 

博麗伝統(フィクションです)の大技で、妹紅のスペルをすべて封じ、完全な無血勝利を納めた。何かしっくり来ない戦いだったけど、優しく見守ってね。戦うの面倒なんだもん。死にたくないし。

とにかく。約束通り、妹紅に勝って、情報も仕入れたんだし…あれ?

 

「どこに向かうんだっけ?」

 

「迷いの竹林だ!!」

 

何だ、妹紅まだ生きてたのか。まぁ当然だけど。死んでたらそれはそれで事件だよ…。

 

 

そして、俺は蓬莱人、藤原妹紅の情報をもとに、迷いの竹林に向かう。だけど、迷いの竹林ってその名の通り、迷うんだよね?どうしようか…まいっか。適当に歩けば着くだろう。←迷いフラグ

 

 

───迷いの竹林───

 

─side 霧雨魔理沙─

 

阿求の求聞史紀によると、迷いの竹林の真ん中に何かがあるという話だが、どうも胡散臭い。阿求を信じていないってワケではないんだが、確証が得られていないものを、あたかも本当にあるかのように信じろと言われても、信憑性に欠ける。神様を信じろって言われてるのと同じだぜ。いるけど実際。でもこう虐げているが、求聞史紀にはあくまで噂として書かれている。誰も見たとか、行ったとか、まったく記載されていないところを見ると…やはり…。

 

「どうしたの魔理沙、難しい顔なんてしちゃって」

 

「あ…?あぁ…ちょっと考え事をな」

 

「ふーん。なんにせよ、情報がない今、怪しい竹林の中を調査する他ないでしょ?未知なる場所こそ、何かがあるハズよ」

 

うー…アリスに半分心を読まれたか。こうなったら仕方がないさ、竹林をとことんまで調べあげてやろうじゃねぇか!…ただ。

 

「この竹、何回見たよ?」

 

「印として人形置いて正解ね。4回は見てるから、迷ってるわね」

 

人形を置いて何がどう正解なのだろう?ただ迷ってしまったという一番知りたくない事実を痛感しただけなんですけど。

とにかく迷ってしまったものは仕方がない。そもそもここの調査に来たんだから、迷ってるなら迷ってるなりに調査を続けよう。

 

「ねぇ、魔理沙。あれ…」

 

「ん?アイツは…霊夢か?なぜこんな所に?」

 

遭難して気分が萎えた時に親友の姿を見ると心底安心するぜ。

 

「とにかく行ってみましょう」

 

「いや待て。アイツ、紫と一緒にいやがる。何か企んでるんじゃないか?」

 

「まさか、あの二人が?」

 

「よく考えてみろ。こんな迷いの竹林に居るか普通。それに、異変の解決に紫が絡むなんて有り得ない。今まで静かすぎると思ったら、そう言う事か!行くぜアリス!」

 

「結局行くんじゃない…」

 

 

─side 博麗霊夢─

 

竹林に入って数分が経った今、目の前の景色がまったく変化を見せない。迷っているのかしら?紫は大丈夫としか言わないし、本当に大丈夫…?この調子で月の異変の元凶を突き止められるのかしら?

とにかく、早いところ見つけ出しましょう。でないと、別の異変と勘違いする奴が現れて邪魔しに来るかも知れない。特に私と紫がこんな変な所で一緒にいるものだから、変な疑いを持たれそうだわ。そんなとき、誰もいないと思われていた竹林の中で、聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「動くと撃つ!…いや、撃つと動く、だ」

 

時既にお寿司…いや時既に遅しか…。今一番絡みたくない奴、魔理沙が現れた。でも、まだ一縷の望みは残されているはず!もしかしたら魔理沙も月の事で…いや、ないわね。あの感情型ライフル弾のような奴が頭を利かして考慮された上で目の前で浮かんでいるとは思えない。

 

「撃つと動く?日本語としてどうなの?」

 

「ちっちっち、甘いぜ霊夢。動くと撃つってことは、半分撃つ気がないってことだ。つまり…」

 

「撃つと動く。100%撃つ気でいるということね」

 

「そして、お前は撃ったら避けるために動くだろ?…もう意味分かるよな?」

 

「分からないわね。なぜアンタが私に絶対的な宣戦布告をされなければならないかが分からないわ」

 

「いつまでたっても夜が明けない。今だって昼頃なのに空は太陽じゃなくて月が見える。これは間違いなく異変だ。そして、お前らは動かなかった。神主もだ。そこで、この竹林でお前らを見たんだ。紫もいるところを見ると、紫が夜の境を弄って、外から邪魔されないよう、霊夢が結界を張ってる。こんなところだろう?」

 

まったく、どうしてこうもどうでも良い所で勘良く考えてくれるのよ…こうなれば、もう仕方がないのかしら?相手は完全に私を異変の犯人だと思ってる。

 

「違う…と言いたい所だけど、魔理沙が正解よ。だけど話を聞いて。これは邪魔を許してはいけないの」

 

「なんにしても、私らはお前らの邪魔をする。理由は2つだ。明るい朝を迎えたいのと、親友のお前を正しい道に戻すためだぜ!」

 

「こうなると思ってたわ!この真の異変を解決するために、邪魔はさせない!!」

 

こうして始まった魔理沙との戦い。これは楽しくなりそうね。

一応、私の後ろに紫、魔理沙の後ろにアリスとそれぞれコンビを成して挑んでいるけど、主に戦うのは先陣切手の私と魔理沙と言う形。前から本気で魔理沙と戦ってみたかったのよね。向こうはどう思ってるかは知らないけど、私が思うに結構魔理沙も強いと思う。私みたいなその場での対応ではなく、1歩先、更に1歩先を見据えて行動に写して最小限の力を駆使できるようにする、やや頭脳的なタイプだから、厄介でもある。なんにしても、本気で勝ちに行かないとね。

 

「霊夢!私たちは何時だって本気だよなぁ!?」

 

何を今更?まさかね、こんな初歩的な質問をぶつけられるなんて…。

 

「何年親友やってると思ってんの!?友に加減はいらないわ!」

 

そう返答すると、魔理沙は満足したかのように笑顔を浮かべると、感情をばら蒔くように星屑の弾幕を散らしてくる。しかしこの星屑の弾幕って綺麗よね。私なんて長方形よ長方形。それも赤かオレンジ、或いは水色?3色よ?魔理沙なんか色それぞれって感じじゃない。これは…メンタル面で敗色濃厚ってやつかしら?

 

「いやいや…。弾幕は色じゃない、弾幕はパワーよ!!」

 

「ちょっ!それ私のセリフ!!」

 

魔理沙がなんか言ってたみたいだけど、ちっとも聞こえなかったわね。きっと私を褒めちぎってたんだわ。

そんなことよりも目の前の弾幕に集中しないともう至近距離に…。

 

「来てるからねぇ危なっ!!」

 

私としたことが、舞い上がってるわね!このテンションで行きましょう!

まず手始めに飛んでくる星屑を避けて出来る限り距離を縮めたい。そしてある程度近づけたら紫に協力してもらって、スキマから光線を放ってもらう。実のところ、私の通常攻撃より紫の通常攻撃の方が攻撃力が高くて、光線を放てるから隙なくダメージを与えられる。さすが隙間(スキマ)妖怪ね。それにスキマは複数個出せるから、光線も何本も相手を目掛けてくれる。敵となれば恐ろしいが、味方になってくれるとこうにまで心強いなんてね。

 

「くそぅ!魔符『ミルキーウェイ』」

 

一発目のスペルカードはミルキーウェイか、少し様子を見ようって肚ね。とはいえ、このスペルは行動を制限されるから少し苦手なのよね。まぁ、このスペルに限った話ではないんだけど、ダメージを与えにくいと言うのはやはり扱いづらい。でもダメージを与えられない訳でもない。間を縫うように攻めれば的確にダメージを与えられる!

 

「さすがにこれじゃまずかったか!魔空『アステロイドベルト』」

 

ミルキーウェイを更にノット数を細かくしたスペルで追い込もうと言うことか。基本的な攻略パターンはミルキーウェイとそう大差ない!いける!

避けて避けて的確に、大きくないが正確に当てることで、相手にダメージを、通算して大ダメージを与えられる。そろそろかしら、スペルなしで戦うタイミングは…!

 

「こうなったら食らえ!恋符『マスタースパーク』」

 

かかった!八卦炉を取り出した所で、攻撃は一気に単調化される!そこを鋭で突けば…!

 

「戦ってるのは魔理沙一人じゃないわ!」

 

はっ!存在感薄すぎてアンタのことすっかり忘れてたわ…アリス!

 

「何かものすごく失礼なこと考えてない?」

 

う…妙に勘が良いわね…。勘が良い奴ほど厄介な相手はいない。警戒しないと!

 

「結界を操れるのは、巫女特有の能力じゃないわよ!」

 

その言葉の瞬間、魔理沙の八卦炉から放たれた図太いマスタースパークは私をめがけず、少し上に放たれた。

 

「どうしたの?しばらく撃ってないから方向が定まらなくなったかしら?」

 

「言ったはずだぜ?結界は巫女特有の能力じゃない。魔法使いにだって結界は使えるぞ!お前ならこの意味分かるよな!?」

 

結界?一体…、…!まさか!

 

と思ったときには遅かった。私の真後ろにアリスの人形によって形成されていた結界が繋がっていて、マスタースパークはその結界を通して私をめがけていたなんて、私の勘も鈍ったわね。しかし、今こうして思考を浮かべられるほどの残機がまだあったっけ?今のマスタースパークは結構削り取られるんだけど…。恐る恐る目を開けると、よく見覚えのある人物がマスタースパークを封じていた。

 

「グラン!」

 

「情報をざっと集めて竹林に入ったらお前らが仲違いを起こしてて見に来たらこの態とはな。腕が落ちたんじゃないか?霊夢」

 

「うっさいわね!たまたまよ!たまたま!」

 

「へぃへぃ。分かっておりますよ。たまたまマスタースパークの餌食になりかけてたんですねぇ」

 

コイツあとで夢想転生百連発かましておこうかしら…どうせ死なないんだし、百発くらい耐えるでしょ。

今はとにかく、グランが加わった以上は負けるわけにはいかなくなったわね!

 

「やっぱりお前も噛んでたんだなグラン!」

 

「おう魔理沙!人聞き悪いこと言うなって!お前らは違った認識で異変を見てるんだよ!」

 

「どう言うことだぜ?」

 

「それは、戦いが終わってからだ!」

 

と言ってグランはこの場を離れ…っておい!

 

「何してんの!?グランも戦うんじゃないの!?」

 

「まさか。お前らが戦うなんて面白いじゃねぇか。それに入り込むのは野暮ってもんだろ」

 

く…結局味方はいなかった…ということね。ならば仕方がない!スペル勝負だ!今までの戦い方が違う?まぁ、たまには本作にそうのも悪くないんじゃない!?

 

「行くぜ霊夢!『ブレイジングスター』」

 

いきなり大きく飛び級したわね。マスタースパークの次がそれなんて。はっきり言って、このスペルが一番厄介だ。ファイナルマスタースパークも星屑を散らしつつも追跡型マスタースパークが迫るからキツいんだけど、ブレイジングスターはまさにラストスペルと言ったところかしら?一定時間持ちこたえれば自然消滅するんだけど、ここは敢えて自分で叩きましょう!本来は食らってからだけど、まぁ良いでしょ!

 

「これで最後よ!神霊『夢想封印─瞬─』」

 

放たれたスペルは星屑をばら蒔きながらマスタースパークが如く突進してくる魔理沙を七色の光が包み込み、大きな爆発を伴う破裂音と魔理沙のスペルもろともすべてを消し去った。

 

「…終わり、か」

 

こうして短くも濃い戦いが幕を閉じた。

グランも合流し、落ち着いた所で魔理沙に説明しなければならない。…が。

 

「何か見える…」

 

「何か建物か?もしやこれか…異変の元凶は」

 

どうやら激しい戦いで、囲っていた強力な結界が解けたようだ。

 

「???頼む、私に説明をしてくれ…でないと置いてけぼり感がスゴくて空しいからさ」

 

「あぁ…」

 

すっかり忘れてたわ。今日は物忘れが激しい日ね。

 

               続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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隠月異変(永夜異変)の刻─下─

神主と上海&蓬莱トーク

神「ここで1つ謝らせて下さい」
上「シャンハーイ?シャンハーイ(何やらかしたんですか?まぁクオリティ低いとかつまらないとかでしょうけど)」
神「うっ…鋭い…。その通りなんだ。今回永夜抄をやったわけだけど、ものすごくつまらないストーリーになっちゃって…」
蓬「ホーラーイ(まぁ今に始まったわけではないですけど)」
神「とにかく、次からはもっと面白いものを作ります。今回は暖かい目でお願いします。ごめんなさい」
蓬「ホーライ?(これからどうするんですか?)」
上「シャンハーイ(東方本作から離れるって言ってましたけど)」
神「うん。そのつもりだよ。これからは神主の日常を描こうと思ってるんだ」
上「シャンハーイ、シャーンハーイ(日常なら、サブの小説の日常記があるじゃないですか)」
蓬「ホーライ…(丸々被ってるじゃないですか…)」
神「日常記は神主はいないし、やはり別物で日常を描くから問題ないよ」
蓬「ホーラーイ(あとはコイツがいなければ本当に良いんですけどね)」
上「シャンハーイ、シャンハーイ(本当ですよ。キモいし何か暑苦しいし)」
神「そこまで言いますか…。キモいはまだしも暑苦しいのは夏のせいでしょ?」
上「シャンハーイ…シャンハーイ(今は秋ですよ…立秋迎えましたから…)」
神「でもまだまだ太陽はギンギラギンだよ」
蓬「ホーライ…(秋姉妹は何してるんでしょう…)」
秋姉妹「私たち関係ないよ!?」


秋、立ったはずなの夏がウザいくらいアピールしてきますね…。そろそろ涼しくなってほしいですねぇ…はぁあちー。

今回永夜抄は大変つまらないストーリーになってしまったことを、期待してくださっていた方々にお詫び申し上げます!


───幻想郷、迷いの竹林───

 

─side 風籟寺グラン─

 

ひとまず、魔理沙とアリスに事の経緯をすべて話した。一応、異変の事、続く夜の事、すべて理解してくれた魔理沙&アリスは俺たちに着いていくと言い始め、仕方なくだが行動を共にすることになった。

 

先程までの激しい戦いによってか、何らかの結界が解かれて、謎の和風建造物が露となった。紫も以前言っていた気がする。竹林の中から奇妙な声や明かりが見聞き出来るとか、どうやらその正体はこの建物らしい。

 

「また偉く落ち着いたような建物が出てきたわね」

 

霊夢がポツリと誰もが思ったことを口走った。そう、噂はあくまで噂と言うが、今はそれが当てはまる。声は全く聞こえなくてシン…っとしたように静かで、明かりと言う明かりも、篝火も置かれていなく、月明かりで照らされている状態。だが、それと正反対に、この施設からは今までに感じたことの無いほどの強力な妖気を感じる。まだ博麗になって異変は四つ目だけど(紅魔郷、妖々夢、萃夢想…)、ビンビン感じるから、かなり濃い妖気なのではないだろうか。

 

結界が解け、近づくことが可能となった施設の入り口らしき門が目の前にあった。

 

「…行くわよ」

 

霊夢の一言で俺と霊夢(紫はスキマの中)と魔理沙(アリスは人形となって帽子の中)は門を潜ろうとしたとき…。

 

「今日はもう…往診の時間は終わっています。おとなしく帰って…ってうわぁ!!」

 

一人のうさみみを付けた女の子が落とし穴に落ちていった。しかし結構深めに掘られた穴だな…相当の熟練者が落とし穴を作ったんだろうな。

 

「にししし…まーた引っ掛かったねーれーせん。おとなしく帰って…まぁ良いタイミングで落ちてくれたね(笑)」

 

脇の藪からまたうさみみを付けた更に小さい女の子がいたずらっ子な笑い方をして出てきた。どうやら、この落とし穴を作ったのはこのうさぎ?らしい。

 

「…ぐ…くくぅ……!て…てゐぃ!またあんた落とし穴を作ったの?いい加減にしてよ…決まったと思ったのに…!」

 

「まぁ良いじゃん!笑いが取れたかもだから♪」

 

今に始まったと言うわけでも無さそうだ。とにかく、本題に入らないと、いつまでもこんな茶番を見続ける事になるぞ…!

 

「こいつら放っといて先行くか?」

 

「待ってぇ!あなたたちを通してしまったら私は師匠に殺されてしまうんです!」

 

「知ったこっちゃねぇな。行くぜ」

 

そう言って俺らはうさみみの子を尻目に中に入る。

 

「仕方ない!これだけは使いたくなかったんだけど!」

 

すると、視界が一気に紅く染まり、辺り一面にさっきの子が複数見える。どうなっているんだ?彼女は分身でも使えるのか?いや…それじゃこの紅い視界が説明つかない…。

 

「くそ…こうなったら片っ端から倒していくんだぜ!」

 

と魔理沙は八卦炉を取りだし、囲む女の子(以降はうどんげと言う)を攻撃するも、当たってるはずなのに爆発も何も起きない。

 

「無駄ですよ…。あなた達の攻撃は私には当たらないわ。そんな風にがむしゃらに撃ちまくったって、見えてるものは存在しないもの」

 

見えてるものは存在しない?…もしや!

 

「みんな、今は攻撃するな!」

 

「何でよ!今でも目の前にいるかもしれないのに!」

 

「今俺達は幻覚を見せられてる。原理はどうか知らねぇが、この辺りの“波”が意図的に操られてるんだ。そのせいで、波の微妙な傾斜で目からの受光線が屈折させられ、あたかも何人もいるように見せられてるんだ!」

 

そう。恐らくだが、こいつの能力はそう言う類いの物だろう。遭遇するとかなり面倒な奴に遭遇したってことか。とにかく、今は無闇に攻撃したところで、あさっての方向に撃ってる様なものだろう。それに、下手に動くと見えない弾幕にピチュられるかもしれない。

 

「フフフ…。よく気付きましたね。でも、気付いたところで、対処は出来まい」

 

「それはどうかな?」

 

原理を知ったらば、もう簡単だ。変えられた波を再度戻せば良いだけだ。

俺の能力は命ある物を滅ぼす程度の能力、だが、これは設定上の話だ。幽々子の能力を増強しただけなら別に強くも何ともない。ただ、俺が満月により覚醒し、ルナと化した場合ならば…そうさ。今日は満月だ。見えないって言うだけで覚醒しないワケではない。ならなぜ蓬莱人との戦いでは覚醒しなかったかと言うと、正直面倒だったからだ。最終ボスとの戦いの為、温存していたのだ。

つまり、今の俺は覚醒状態。万物を覆し操る程度の能力を持して、この波を操れば、勝機は充分ある。

 

「み…見た目が変わった!?」

 

初見の人はそれはビックリするだろう。何せ覚醒後の俺は言っても信じてもらえないくらい別人になるからな。これだけはどうにかして欲しいものだ。

 

「ルナ!一ヶ月ぶりね!」

 

そして霊夢や魔理沙にも毎度同じ反応をされる。

 

「俺だ!昨日もさっきまでも会ってただろうが!それより、俺がこうなった以上、幻覚は無意味だ」

 

 

───数分後───

 

このうさみみのうどんげ、地味に強かったが、結局は俺の前ではどうってこと無かったな。

 

「あら…とうとう来ちゃったのね…」

 

「誰だ!?」

 

そこに立っていたのは黒髪の超ロングが美しい女性と、銀髪の赤と青の衣装が特徴的の女性が立っていた。そして、この二人からただならぬ妖気を感じる。一筋縄ではいかなさそうだ…。

 

「お前らか、月をあんな風にしたのは」

 

「バレちゃったのね…。迷いの竹林の中は大丈夫だと思ってたんだけどね…」

 

「まず、なぜこんなことしたのか…説明してもらおうか?それとも、激しく花火を散らし合うか?」

 

「良いわ。この経緯を話してあげる」

 

と言うことで、銀髪の永琳と黒髪の輝夜が経緯について説明してくれると言うので、居間に移動した。どうやら戦いを避けたいようだ。

 

「まず、私たちは、月から来た月人なの。そして、こちらは月の姫様だった方よ。だけど…」

 

─淑女説明中─

 

「…と言うことがあったのよ」

 

「なるほどね。つまり、月の使者に連れて行かれたくなくて、満月になったら使者が来るところを満月じゃなくして、使者を来させないようにしたのか」

 

「そう、その解釈が正しいわ。月の使者は最も高い山に降り立つと言うから妖怪の山を張ってたんだけどね」

 

最も高い山ねぇ。ここらだと富士山だろうな、ん?ちょっと待てよ?竹取物語でも帝は蓬莱の薬を富士山に置いたって言うからには、使者は富士山に来るのでは?そして、外からは…。

 

「あぁ、月の使者なら心配ないぜ」

 

「ぇ?何でそう言いきれるの?」

 

「だって、ここらで一番高い山は妖怪の山じゃねぇ。外の世界にはもっと高い山がある。妖怪の山なんてそれらに比べれば低いのなんの。外からは幻想郷に意図的には絶対入ってこれないし存在を確認できないし、妖怪の山に降り立つなんて、こんな月から遠い地に降り立つことはねぇだろう」

 

説明をざっと終わらしたら、二人は何でそんなこと今まで気付かなかったんだろう?って顔をしていた。どうやら、気付いたみたいだな。

 

「師匠!話は聞きましたよ!でも、それなら閉鎖的に暮らさなくても良くなったんですよ!喜ばしいじゃないですか!」

 

うどんげはどれだけ丈夫なのか知りたいくらい丈夫だな…。あれだけ攻撃食らってもこうやってピンピンしてやがる…。

 

 

こうして、永い長い夜は終わりを迎えたときは、翌日の夜となっていたと言う。

 

「もう夜は嫌!」

 

               終わり

 



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忘れ去られる存在、無き行く存在
二人の少女、異世界の狼煙


神主と上海&蓬莱トーク

蓬「ホーライ…(はぁ…)」
神「ねぇ、蓬莱どうしちゃったの?」
上「シャンハーイ(実は数時間前の事なんですけどね)」
人形説明中…
上「シャンハーイ(……と言うわけです)」
神「…つまり?アリスの人形劇をすると言うんで人里行ったら、子供たちはアリスと上海の名前を覚えてくれてたけど、蓬莱だけ漢字が難しくて覚えられてなくて…ってことで良いね?」
上「シャンハーイ(キモい神主にしては良い解釈だ)」
神「サラダにドレッシングかけるくらい普通にキモいを付けて呼ばないでよ」
上「シャーンハーイ?シャンハーイ(だって普通に神主だったらZUNさんと被っちゃうじゃないですか?だから失礼なので、あなたは“キモい”神主ですよ」
神「…ま、しゃあねえか。で、蓬莱ももう少し覚えやすく、考える必要がありそうだな」
上「シャーンハーイ(人里でうろ覚えで呼ばれた名前はホウレン草だのほうれい線だのラインナップスゴいですもん)」
神「まぁ、気にすんなって蓬莱」
蓬「ホーライ?(キモい神主さん?)」
神「そうだったーーーー!!シリアスで忘れてわ…。んなことより、蓬莱だって人里の子を笑顔にしたくて頑張ってるんなら、俺はそれを評価したいぜ。名前覚えられなくったって、お前の存在を覚えてくれてるなら、それで良いじゃねぇか」
蓬「ホーライ…!ホーラーイ!ホーライ!(神主さん…!ありがとうございます!これからも頑張ります!」
上「シャンハーイ(キモい神主さんにしては良いこと言いますね)」
神「そりゃどーも」


ア「ありがとう。お陰で蓬莱は元気を取り戻して次の劇を張り切ってるわ」
神「そうか。名前、覚えられると良いな」
ア「何でこうも優しいのに女は寄らないのかしらね(笑)」
神「うっせぇ!」


こんなにも優し(そうなだけど実は…?)い神主なのに、なぜモテないんだぁ!(切実)
まぁ叶わぬ夢を嘆いたって仕方有りません。こう言うときは、本編を見て発散しましょう!


───外の世界、京都の某大学サークル室───

 

─side マエリベリー・ハーン─

 

蓮子がサークル室で寝過ごしてからと言うもの、幻想郷と言う異世界に行った…だとか、そこには変わった巫女と神主がいた…とか、妖怪や神もいるらしい…とか、その人達は日本語を喋るんだ…とか、目を輝かせて私に言ってくるようになった。

私自身も異世界について研究しているけれど、こうも人が異世界体験をしたと言ってるのって、頭が逝ったように見えるのね。特に蓮子は寝ていた物だから、夢でも見たのだろうと最初は思っていた。でも、話は随分と鮮明で、何より嘘をついているような目ではなかった。かれこれ蓮子とは長い付き合いだけど、彼女は嘘をつくような人ではないわ。…信憑性には欠けるけど。

 

今もなお、蓮子は異世界の研究を大学の勉強以上に熱を注いでいるみたい。単位ヤバイとか言ってたくせに、随時余裕じゃない。

私も、その異世界を信じていないワケではない。信じてなかったらこんなサークル入ってないしね。でも、やはり夢だと思う部分もある。たった一晩の夢だった。その夢を見たと言う直前もつい前日だったし、やはり夢では…?

 

と言う夢事件から一週間経った。あれから蓮子はその夢を見ていないらしい。研究のしすぎで頭が異世界に行った気になってたから夢に出てきたんでしょうね。

 

「ねぇメリー。あなたって確か境界を見ること出来たわよね?」

 

「ぇ?えぇ、出来るけど、どうするつもりなの?」

 

「ウフフ…。日本の神社について調べてたら、こんな神社があったのよ!」

 

そんなことを言って、私に『日本の神社大図鑑 あなたも日本中の神社に行った気になれる!目指せ制覇!』と言う本を見せてきた。なんと小学生が読みそうな図鑑で調べてたのね…私少し悲しいわ。

 

「えっと…どれどれ?『博麗神社』…?これがどうしたの?」

 

「どうしたもこうしたもないわ!私が夢に見た神社がこの神社なのよ!」

 

「蓮子…あなた熱でも出た?」

 

「違うわよ!本当なの!博麗の巫女と神主がいたの!そこでね…?」

 

また何か蓮子は企んでるみたい。まぁ、面白そうだし、これが本当に異世界に関するものだったら、大発見じゃない!うっすら信じられないけど、蓮子がここまで言うなら、ね。

 

「この神社に、明日行ってみましょうよ!」

 

「明日って…。蓮子あんた明日3月に1回の講義でしょう?これは取っておかないと単位ヤバイんでしょう?次やるのは11月よ?その時に受けてたら、期末で追い込まれて冗談抜きで留年になるわよ?あの講義のレポートバカみたいに多いから」

 

「う…留年か…異世界か…。期末頑張ってやろうじゃない!私は行くわよ!」

 

もう、変なところで頑固なんだから。え?私は講義に出なくても良いのかって?大丈夫よ。だって去年の内に受けたし。

 

「と…ところで!この博麗神社は長野県にあるらしいのよ」

 

「へぇ…長野県にねぇ…。は?長野県…?」

 

「ちょっと遠いけど、行けそうね!」

 

「ちょっと待って!日帰りじゃないの!?」

 

「え?泊まりじゃないの?」

 

「京都からどれだけあると思ってんのよ…。新幹線でも結構遠いわよ?」

 

「まぁ…良いじゃない!細かいこと気にしなくても!」

 

 

……………………………。

 

 

───長野県某所、博麗神社───

 

「まさか本当に来ちゃうなんて…。蓮子あんた最早卒業する気ないでしょ?」

 

「確たる異世界が見つかれば、こんな世とはおさらばよ!」

 

確か、蓮子が言ってたけれど、その異世界には神や妖怪が暮らしている。易々と異世界に行ったら襲われるのでは?

 

「行くのは良いけれど、準備はしておいて損はないでしょう?いくらなんでも二泊三日の荷物だけじゃ不味いんじゃない?」

 

「ここまで来て弱音なんか吐けないわ。とうとう博麗神社に来たんだもの。秘封倶楽部も最終目的達成の瞬間よ」

 

それもそうね。私も自ら望んでこの秘封倶楽部に入ったんだから。私だって内心ドキドキしてるし、今にも歴史的瞬間を目の当たりにしようとしてるんだから。でも私がまともでないと、二人とも興奮してたら正しい判断が出来なさそうだから、ここはクールに…。

 

「メリー。あなたの能力で、この付近にあるハズの結界の中を見てみて」

 

「分かったわ。…行くわよ」

 

私は境界を見る力がある。どちらの手でも良いけれど、人差し指と中指の間に目を持ってきて気を集中させると、何かが裂けられ、中を見ることが出来る。…確かに、この境内の空間を裂いて中を見てみると、どうやら違う世界があるようだ。今ここの博麗神社は苔が生えて、天井に穴が開いてるようで、周りが生い茂った木で囲まれている状態であるからして、向こうの神社は随分と掃除が整えられてる。

 

「なるほどね。これが異世界の正体…」

 

「見えたのね!?やった!言った通り異世界はあるのよ!」

 

「でも…。行く手段ないわよ?」

 

「…あっ」

 

こいつ…すっかり忘れてたって顔してやがる。それはともかく、見つけたは良いけれど行けないんじゃ、ここまで来た意味は失われる。どうするんだろう蓮子、諦めないのは知ってるけど。

 

「と…とりあえず、この神社の開き戸を開けてみましょう?」

 

「はぃ!?」

 

何さらっととんでもないことを!?完全にお札貼ってるし、開けたら呪われるって展開が予想できるんですけど!

 

「ちょっとさすがに不味いんじゃないかしら…。お札貼ってあるし、不要に触るものじゃないわよ…」

 

「だ…大丈夫よ!お札なんて気休めなんだから!」

 

と言って、蓮子は勢いよくお札をベリっと剥がし、開き戸を開けてしまいやがった。終わった…私の人生…。

 

「うっ!何っ!?いきなり光が!」

 

開けた瞬間眩い光が私ら二人を包み込んだ…!!

 

              続く

 

 



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光浴びし者は幻想となる


神主と上海&蓬莱トーク

蓬「…(…)」
上「シャンハーイ…(また蓬莱が萎れてます…)」
神「今度は何だよ?」
ア「実はね…」
少女&人形説明中…。
神「要するに?普段動画や絵師のイラストで、上海ばかり出てて蓬莱が少なすぎて落ち込んでんのか?」
上「シャンハーイ(そう言うことですね)」
神「確かに言われてみれば、アリスの人形が出るの動画で蓬莱が出るのは珍しいからな。ほぼ上海だけだな…」
ア「私も蓬莱を同じように接してるけど、言われてみれば、上海ばかりだったわ…」
上「シャンハーイ…(自覚はあったんですね…)」
神「まぁ元気出せって蓬莱!」
蓬「ホーライ…?(キモい神主さん?)」
神「デジャヴ…知ってた…キモい付けられるの。んな事より、蓬莱!お前は、自分の存在をどう思ってる?」
蓬「ホーライ…(私なんてどうせオマケキャラなんですよ…)」
神「何でそう思う?アリスの人形は、上海と蓬莱なんだ。上海+αだって言われたことあるのか?ないよな?みんな蓬莱だって使いたいんだよ。でも…1体いるかいないかで動画制作がキツくなったりするからみんな使えないんだよ。苦渋の選択の末、仕方なく、割愛してるんだ。でも俺は、蓬莱も仲間だと思ってるさ!な?俺達とわいわい話そうぜ?蓬莱がいないと始まらねぇんだ」
蓬「ホーライ…ホーライ!(神主さん長いです…でもありがとうございます!)」
上「シャンハーイ、(蓬莱、何かごめんなさい)」
蓬「ホーライ(ううん謝らないで上海)」
ア「ありがとうグラン」
神「良いって事よ。実際、蓬莱いないと盛り上がらないからな」
ア「その調子で次回はゴリアテも入れてほしいの」
神「良いってこ…はぁ!?ゴリアテ!?却下だ却下!」
ア「何でよ!人形みんな仲間じゃないの!?」
神「アイツ喋らねぇしでかすぎるんだって!」
上&蓬「シャンハーイ!&ホーライ!(文句言わず出してあげなさい!)」
神「お前らこう言うときだけ一致団結してんじゃねぇよ!」



次回…(多分)ゴリアテ参加です。

実際に見てみても蓬莱が出演してる動画やらイラストやら、少ないですよね。それに関しては些か不満がありますね。

では本編どうぞ!


 

───幻想郷、博麗神社付近の森───

 

─side マエリベリー・ハーン─

 

「んん…ぅん?」

 

気を失ってたのかしら?確か…蓮子が神社の開き戸を開けた瞬間、光に包まれて…ここどこよ?さっきの景色と打って変わって、神社はないし木々が生い茂って、幸いに空は明るいけど、場所がまるで把握できない。確かに神社の直ぐ近くは何もなくて、ただ石畳が敷かれてただけだけど、それもない。確実にさっきの場所とは違うところだと言うことが伺える。

そう言えば、蓮子の姿が見えないわね…まだ頭がぼーっとするから辺りを見回していないけど、恐らく遠くには行ってないでしょう。さすがにそこまでバカじゃないはずだからね。…フラグじゃないよ?完全に遭難フラグだけど、フラグになんてなってたまるものですか!…戯れ言はどうでも良いから、とりあえず、辺りを見回してみましょう。蓮子が倒れてるかも…。

 

「………」

 

いた。ちょっと離れてるけど倒れてたわ。フラグ回収しなくて良かったわ…。とにかく、あのバカの安否は確認できたから起きるのを待ちましょう。一人で行動するのは危険すぎるわ。

 

…数分後。

 

「ぅ…んん…。…はっ!ここは!?」

 

「知らないわよ…こっちが聞きたいわ」

 

とりあえずバカは起きたから、良しとしよう。どうせ蓮子も考えてること私と一緒なんだろうし、まずこの森を出ないと。

一度落ち着いて、話し合ってみることにした。結局無鉄砲に行っても危険は深まるから、もしもの事のために策を持ってても損ではないはず、と思ったゆえの話し合いだ。

 

「この森を出る…と言うより、神社に戻った方が良いんじゃない?」

 

蓮子が突如提案してきた。森からの脱出ではなく、今一度神社に向かおうぜって事らしいが、なぜ神社に戻らなければならない?まぁ確かに、ここはその異世界と言われる場所かもしれない。けれど…。

 

「なんにしても、私はここを異世界だと思う。いや、異世界と言うより、幻想郷と言うべきかしら。神社に戻れば、幻想郷なら神主さんと巫女さんがいるはずだし」

 

「でも、ここが異世界だって保証はないし、第一、どこに神社があるか、これじゃ分かんないわよ」

 

…結局意見は出るが、行動に移せない意見ばかりでまとまらない。早くしないと日が暮れちゃうし…。

 

「ん…?何あれ…」

 

蓮子が何かを発見したようだ。何だろうと思い、視線を辿ると、一人の女の子がいた。小学生くらいで金髪で赤いリボンを着けて、全体的に黒い服を来た女の子がいた。何でかは知らないけれど、腕を左右とも横に伸ばしてる。疲れないのかしら?

とにかく、一応人に会えたのは良かったけど、不自然でもあった。こんな人気もない森で、女の子が一人で歩いて…。

 

「ねぇ君?」

 

「んん?何なのだー?」

 

蓮子がまた急に話しかける!もう少し慎重に行動出来ないかなぁ!まぁ…進展がないよりはマシかもしれないけど。それに日本語が通じるなんて、ハーフかしら?

 

「君、一人なの?…お父さんお母さんは?」

 

「……。(ニヤッ)」

 

ぇ?何?この子…宙に浮き出した!?え?

 

「そーなのかー。お前ら外の人間なのかー」

 

「外…?一体どういう…」

 

「やっぱりだ!!」

 

「きゃああ!!!!」

 

いきなり大声で…なんなのよ蓮子!!!寿命がかなり縮んだわよ!?

 

「ここは幻想郷なのよメリー!やったわ!!」

 

やったわ!!…じゃないわよ!!今絶対にヤバイ光景が前にあるんだから!この子絶対人間じゃない…もし本当にここが幻想郷だったとするならば、この子は恐らく妖怪の類いかしら?

 

「外の人間、新しいのだー。目の前の人類は…食べても言い人類…?」

 

完全に獲物をロックオンした目だ…もうダメか…!!蓮子…あんた一生恨んでやるわ!

そりゃ私だって異世界に期待してたわよ!でもいざこう直面すると恐ろしいって良く分かったわ…。でも…もうおしまいね…。

 

「恋符『マスタースパーク』!!」

 

「「…!?」」

 

な…何!?次から次へと何なの!?人喰い妖怪の次は野太いビーム…頭が痛くなってきたわ。

 

「大丈夫かお前ら!?」

 

誰…?魔女みたいな格好した女性…。

 

「おいルーミア。見境なく人間食ってんじゃねぇぞ?」

 

「魔理沙、そいつら新しい外の人間なのだー!食べても問題ないのだー!」

 

「もう一発マスパ行っとくか?今度のは痛いぜ?」

 

「むぅ…」

 

おぉ…人喰い妖怪が去っていく…!

 

「助けてくれて、ありがとうございました」

 

「いやぁ、たまたま見つけただけだぜ。ほんのちょっと前に…」

 

数分前…。

 

─side 霧雨魔理沙─

 

くっそー…。日に日に美鈴の奴がしぶとくなっていきやがるぜ。お陰で図書館へ行けないし本を盗め…借りれなかったぜ…。仕方ねぇ…霊夢んとこ行くかぁ…ん?何だアイツら。見ない奴二人に、ルーミア?見たところ襲われてる感じだな。ちょうど良い、憂さ晴らしも兼ねて助けてやろうか。

 

「恋符『マスタースパーク』!!」

 

さすがにマスパはやり過ぎたか?ま良いか。ルーミアはああ見えて丈夫だし。

 

「大丈夫かお前ら!?」

 

この二人、見たところ外の人間みたいだな。もう長年霊夢と一緒にいて行動してると、外の人間かどうかってのがすぐ分かるようになった。便利なのか便利じゃないのか分からないぜ。

まぁとにかくだ。こいつらが外でも内でも良い。ルーミアはまだ来れるほど力あるようだ。面倒くさい、こう言う手の妖怪は。

 

「おいルーミア。見境なく人間食ってんじゃねぇぞ?」

 

「魔理沙、そいつら新しい外の人間なのだー!食べても問題ないのだー!」

 

こいつも言うようになりやがったな。確かに幻想郷の掟からすれば、この二人は食べても文句は言われないが、ここまで助け船を出したなら、守ってやらなくてはな。

 

「もう一発マスパ行っとくか?今度のは痛いぜ?」

 

「むぅ…」

 

さすがに諦めたみたいだな。チルノだったらしつこかっただろうけど、ルーミアで良かったぜ。

 

「助けてくれて、ありがとうございました」

 

「いやぁ、たまたま見つけただけだぜ」

 

              続く

 



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結界の危機は再び会う日まで…


神主と上海&蓬莱トーク

神「おい…どうするんだよ俺の家が跡形もなく崩れちまったじゃねぇか!」
上「シャンハーイ(まぁわざとじゃないんですから)」
神「いやお前がわざとさしたんでしょうよ!」
蓬「ホーラーイ(こんな小さな事で怒るなんて気が小さいんですね)」
ゴ「……」
神「何で俺の家が壊されたのに俺がディスられてるの…?…でゴリアテは何か喋れよ!(無理です)」
上「シャーンハーイ(ともかく家は鬼や咲夜さんに頼めば良いじゃないですか)」
蓬「ホーライ。ホーラーイ(そうですよ。いつまでもメソメソしてちゃいけませんよ!)」
神「慰めてくれてるんだろうけど、やっぱり少しいじめてるでしょ…」
ゴ「……」
神「…で結局ゴリアテは一言も喋らなかったね」

なぜ上海はゴリアテを呼んだんでしょう?分からないのでアリスに引き取ってもらいましょう。

それでは本編どうぞ


 

───幻想郷、博麗神社付近の森─

 

─side マエリベリー・ハーン─

 

とりあえず、目の前の白黒の魔女さんに助けてもらえたのは本当にありがたいけれど、正直言って味方か敵か分からないから、安易に近寄りたくはないんだけど…。どうせあのバカの事だし、警戒も無しで向かっていくんでしょうけど。

 

「お前たち…見ない服だが、外からの人間なのか?」

 

「外…?」

 

そういえば、さっきの女の子の妖怪も外の世界の…って言ってたわね。どういう事なのかしら?やっぱり、私たちの世界はここと違う場所となるのね。つまり…外の世界って、私たちが住む世界の事なのかしらね。我ながら命懸けになるとここまで思考が巡るものなのね。大学の勉強もこれくらい思考を巡らせられれば、いちいち試験期間に入って頭を抱えなくても良くなっただろうに…。

話が反れてしまった。外の世界って物に帰れるかどうかも定かではない今は、このバカと共に生き延びる策を考えつつ行動しないと。…あと私がしっかりしてないとバカが勝手に何か始めるから気を付けないと!

とにかく、目の前のえらくアクティブな魔女が助けてくれて、ここが異世界だと言うのが確定された。…となれば、蓮子が言う博麗神社に行けば、大丈夫かもしれない。

 

「まぁ、外の人間なら、こんなところでウロチョロしてちゃ危ないんだぜ。この近くに博麗神社があるからそこへ行こう」

 

ん?脈がある!どうやらこの流れで行けば博麗神社へ無事辿り着けそうだわ。

 

「やっぱり近くに博麗神社があるのね!来て正解だったでしょう!メリー!!」

 

…本当に1回このバカたれをぶん殴って良いかしら?神様だって1回くらいの大きな過ちは許してくれるわよねぇ。

 

「取り乱しちゃダメよ私…取り乱しちゃダメよ私…(小声)。そんなことより、今はその神社にいくのが先決でしょう?私たちだけじゃ迷うから、案内お願い出来ますか?…えぇと」

 

「そういえば自己紹介まだだったんだぜ。私は霧雨魔理沙、普通の魔法使いだ」

 

魔法使いに普通も特殊もあるのかな…?

 

「私は宇佐見蓮子。こっちはマエリベリー・ハーン、メリーって呼んで」

 

なんかさも当たり前のように私の自己紹介を盗られたんだけど…。それに私の承諾無しで呼び名が決められたんだけど…。いや、最早いつもの事だからどうってこと無いんだけど、やはり度にどうにかして注意しようと思うんだけど…ねぇ。

 

「よろしくなんだぜ。それじゃ神社へ向かうぜ」

 

良かった、何とか日が落ちる前に神社に行けるんだから…真っ暗になったらお手上げよ…。(現在、未の刻…未三ッ時)

 

 

───博麗神社───

 

─side 風籟寺グラン─

 

ザッ…ザッ…ザッ…。

 

「ふぅ…。まぁ大体、境内もこれくらい綺麗になれば、参拝客も心がゴミならぬ護美(ごみ)されるだろう」

 

良いねぇ、我ながら綺麗に掃除できたと思う。外にいたときにテレビで護美の事を見てて良かった。精神は忘れていないようで何より。

これでざっと、朝起きて神社の掃除して俺と霊夢の分の料理作って修行の一環として二時間ほど座禅、それが終わったら駄々こねる霊夢を黙らすために聖職者では御法度の昼食を作り、広い境内を一人で掃除をして…。

 

「完全に寺の僧じゃねぇか!て言うか何で俺が全部一人でやらなきゃなんねぇんだよ!」

 

そうだ。ここ最近俺だけずっと仕事してる気がする。まぁ掃除をした後なんか気持ち良いけれど…なんか納得いかない。

 

「…んで?霊夢、お前は何やってんだ?」

 

「明日の暇潰し計画表製作よ。何に関してもスケジューリングは大事だからね」

 

こいつ…1回博麗の巫女として存在を消した方が良いんじゃねぇのか?

 

「明日は暇じゃないぞ?神社の掃除と料理と修行と…」

 

「あなたがこの世界に来るまでやってました~!」

 

「嘘つけが。お前がぐぅたら生活して博麗が衰落しかけてたから俺が連れてこられたんじゃねぇか!」

 

「…あんたとは1回本気で戦ってみたいと思ってたのよ」

 

「奇遇だな、俺もお前と本気で殺り合ってみたかったんだよ」

 

「ストップだぜ、二人とも。客が来たんだからもてなしくらいしてくれだぜ」

 

…そうだ。こんなバカ相手にムキになってる場合じゃない。これからまだ仕事はいっぱいあるんだからな。

 

「客なら客らしく大人しくしてなさい。私はグランに私をバカにしたことを後悔させてやるんだから!」

 

霊夢も言うようになったな…。さっき昔の話したけど、会ったばかりの時はまだ働いてくれるから良かったけど、今はただのクソニートだぞ。

 

「実はそう言うわけにも行かなくてな。外の人間が迷い混んできたんだ」

 

うむ?博麗としてのお仕事か?外に世界から迷い混んでくるのは珍しくないが、その時は絶対俺は気付くハズ。迷い混んだポイントで結界のアンバランスを感じ取って、気にしなくても気付く。だが、今回はそれはなかった。なぜだろう?結界のアンバランスは感じなかったし見出だせなかった。結界は張られたままだし、どこか弱った感じもない。…となれば、結界を抉じ開けた感じか?それとも紫のスキマで送られたか…恐らく後者だな。

 

「外の人間?またぁ?今日はもう店終いよ!」

 

『げんこつ!!』

 

「痛てててて…いきなり何?げんこつキャラになっちゃったの?」

 

「やかぁしいわ。何が店終いだまったく。…ところで、その外の人間はそこにいるのか?」

 

「あぁ、おーいもう良いぜ」

 

なんだ待たせてたのか。それは悪いことしたな。

 

「お久しぶりです、グランさん、霊夢さん!」

 

ん…?この子は…いつだったか迷い混んでた子だ。それと…もう一人増えて迷い混んだ様だけど。

 

「久しぶりね、…えぇと」

 

「えぇ…霊夢さん忘れちゃったんですか?」

 

「いやぁ…覚えてるんだよ実は」

 

「余計にたちが悪いぜ霊夢…」

 

忘れてるようだこの赤い通り魔。代わりに紹介しておくと、以前も迷い混んでた外の世界の大学生である宇佐見蓮子だ。もう一人は分からないが、以前に友達に関することを聞いたから、その子なんだろうと思うんだが。

 

「…んで?あの時帰りたいって言うから帰したのに結局また来たんだな」

 

「いやぁ…やっぱり親友と来たかったんですよ!」

 

まぁ良いだろう。友達思いなのはとても良いことだ。

 

「それじゃ私は帰って寝るぜ。紅魔館で魔力使いすぎて眠いんだぜ」

 

魔理沙は颯爽と帰っていった。さてさて、この二人から話を聞いておかないと、一体どうやって、そしてなぜ戻ってきたのか。

 

 

…この時まだ俺らは知らなかった。この二人の幻想入りで、あんなことになろうとは…

 

               続く

 



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少女の過ちの代償は世の滅び

神主と上海&蓬莱トーク

神「夏も終わって秋に近づいてるね」
上「シャンハイ、シャンハーイ(本当ですよ。夏はいろいろとありましたね)」
蓬「ホーラーイ(エアコンが中々直らなくて結局この夏エアコン付けた回数片手で数えれますよ)」
上「シャンハーイ…、シャーンハーイ…(ありましたねぇ…どこかのおバカさんが壊すから…)」
神「いやいや、エアコンが壊れたのは君たちの酷使でしょ!」
蓬「ホーライ(覚えてませんねぇ)」
神「そんなこと言っちゃうんだ~。じゃ、今度台風来たとき外で天日干ししてあげる♪」
上「シャンハーイ!(神主さん私たちを殺す気ですか!)」
蓬「ホーライ…ホーラーイ!(汚い…そんなことだからキモいって言われるんですよ!)」
神「ちょっとそれは関係ないでしょ!あまり虐めてたら泣くよ?」
上「シャンハーイ(キモい死んで)」
蓬「ホーライ(軽ーく一回転して死んで)」
神「そんなに死んでほしいなら死んでやろうじゃねぇか」
上&蓬「……」
神「何か止めろよ!!」

人形は密かに人間に殺意を持ってることがあります。気をつけましょう。

では本編をどーぞ


───幻想郷、博麗神社───

 

─side 風籟寺グラン─

 

「…で!二人はいとも簡単に幻想郷に来れちゃったってわけね」

 

二人が言うからには、外の世界にこの神社とまったく同じ名前の神社があって、その社の開き戸を開けたら白い光に包まれてここに来た…と言うことらしい。ざっと言えばな。この手口、俺が幻想入りした時に似てるんだな。…まさかね。

 

「しかし何で外の博麗神社になんて行ったんだ?」

 

「いやぁ…えへへへ…。どうしても忘れられなくれですねぇ」

 

「まぁ良い。恐らくだが、直接ではないにしろ、噛んでる人物…と言うより妖怪がもう一人いる」

 

「幻想入り…だったら決まりね。あいつしかいないわ」

 

「紫、いるんだろう?姿現したらどうだ?」

 

すると何もなかった空間が裂けて、そこから一人のオバサンが…。

 

「ねぇあんた今失礼なこと考えなかった?」

 

「それは夢だ。そんなことより、この二人の幻想入りに関して、少なからず関与してるよな?お前」

 

「…さすが。察しはついてたようね。そうよ、一回目は丁度結界が弱くなって、あなたも未熟だったから。でも、今回はワケが違う」

 

何やら話は重たい方向に進んでいるようだが、今回はかなり重要な異変になると言うことだ。

 

「霊夢、グラン、あなた達の博麗の力、感じる?」

 

「はぁ?」

 

いきなり何を言い出す?言っている意味がわからない。博麗の力を感じるか?それは当然…ん?

 

「グラン、あなたは気付いたようね」

 

「どういうこと?紫、分かるように説明しなさい」

 

「…なら霊夢、飛んでみなさい」

 

「え?何のつもり?」

 

「良いから、空を飛んでみなさい。それで分かるわ」

 

言われた通りに警戒しながら従う霊夢、なのだがしばらくたっても飛ばないし浮かないし、飛び立つ気配もない。

 

「と…飛べない?」

 

「気付いた?」

 

「ど…どういうこと?」

 

「博麗の力が消えた…。そう言うことだな」

 

そう。今俺ら二人は、博麗の力が宿っていない。それだけではない。俺は強力な妖力を持っているが、それさえも消えている。考えられる理由は、1つ心当たりがある。

 

「今、あなた達二人はただの人間となってしまった。その理由は、そこの外来人よ」

 

「ぇ?私達…ですか?」

 

「前回は危なげながらも、短期間で一人だったから良かったの。でも今は二人が長く居る、力が大きすぎるのよ」

 

「でも…何でそんなことが起きるの?今の今まで外来人はよくいたじゃない!」

 

「…それは幻想郷への入り方が問題なのよ」

 

「入り方?」

 

つまりをいうと、今までの外来人は、『迷い混んだ』形で幻想入りをし、何ら影響はなかった。だが今回の件は、彼女らが外の博麗神社の札を剥がしたのが問題だったと言う。

なぜこの札が俺らの異変に関係しているのか。それは、この札は、博麗の力を確たる物にするための封札で、剥がしてしまったら封が解かれ、力は分散し逃げていってしまう。幻想郷内で貼ると博麗の驚異に成りうる敵が剥がさないようにと外の世界の人間が訪れないであろう場所の博麗神社に張っていたのだが、今回彼女らが剥がしてしまったことによって起きた出来事がこれである。

 

「…と言うことね」

 

「なるほどね、合点が行ったわ。なら、幻想郷は今まずいんじゃないかしら?」

 

「えぇそうよ。もうもはやこの二人を元の世界に返すだけでは収まりがつかないの。今でも結界が崩れようとしているのだから」

 

「ご…ごめんなさい!私の出来心でお札を剥がしてしまって…」

 

「今は謝るな。謝るんだったら生きて俺らに謝れ。もっとも、そんときの俺らはこの姿か、墓石になってるがな」

 

とにかくだ。解決策を見つけないことには、博麗の巫女、神主が存在しないのと同様なことになっているため、博麗大結界は崩れ落ちてしまう。

まずやらなきゃならないことは、この二人を元の世界に返すこと。だが、戻したところでどうしようもないし、札を張り直したところ、1回剥がした札と言うのはお守りと一緒で焼かないとならない。2度使えば事態は悪化してしまう。また札を作るのには最低1週間かかる。まず間に合わない。

 

「…詰んでるなこれは。どうするよ?」

 

「とりあえず、紫はこの子らをさっさと外へ逃がして!」

 

すると黙って紫は二人をスキマで覆い被し、外の世界へ移動させた。どこに行かしたかは知らないが、博麗神社の付近には降ろしていないようだ。さすがに危険すぎるからな。

 

『ゴゴゴゴ…』

 

「…!もう崩壊が始まりだしたか…」

 

「…。紫、外の世界へはスキマで行ける?」

 

「行けるわ。でも、札を張り直そうと言うのは無理なことよ」

 

「いや、無理ってワケではないぞ」

 

「グラン、策があるの?」

 

「紫、前に教えてくれたよな。博麗の力の正体は霊力。霊力は体に宿ることで本来の力を叩きだし、宿り主に力を伝うと。そして、霊力は物にも憑くが、何よりも人体より憑くものはない…って」

 

「言ったわね。あなたがまだ博麗の神主になりたての頃だったわね。…まさか」

 

「何を思ったのか知らねぇが、恐らくそのまさかだ。俺が外の博麗神社に行って逃げた霊力を再び俺の体に宿らせる方法だ。生き残れば、幻想郷に戻って霊力を霊夢に送れば良い。もし耐えられなくて息絶えてしまっても、霊力は遺体に残るから、スキマで遺体を回収してくれ。解放されてかなり時間は経っているが、媒体が存在しないから浮遊しているはずだ。外の人間に取り憑く前にどうにかしないとまずいぞ」

 

「…でもグラン、そんなことしたらあんたの身体じゃ持たないわよ!神主の身体じゃないんだから!」

 

「勝算はあるの?」

 

「安全な博打なんてもなぁねぇさ。これは賭けだ。俺の全身全霊をかけての大ギャンブルだ」

 

「グラン…」

 

「俺は死んだって悲しむ奴はそぅはいねぇ。守りてぇんだよ、この楽しかった日常を。何だかんだ喧嘩して、笑い合って、協力し合って、こうやって過ごせて楽しかった日常を守りたいんだ」

 

「グラン…!あなたは死なない!絶対に死なない!死ぬなんて…あり得ないの…」

 

「霊夢…」

 

俺のために涙を流すなんて、コイツも成長したんだな。人のために涙を流すなんてまずなかったからな。…でも。

 

「すまん霊夢。最後の最後の俺の我が儘だ。聞いてくれ。俺は死んだって構わない。悔いはねぇさ。この幻想郷を守れるなら、この楽園を守れるなら、この命、尽きるまで燃やしてやろうじゃねぇか!」

 

「覚悟は…良いのね?グラン、…いや、渡瀬慶」

 

「久々だな、俺の本名。あぁ良いぜ。元気でな、霊夢。もし死んでしまったら、皆によろしくな」

 

「……」

 

「おい、いつまで泣いてんだよ?まだ死ぬと分かった訳じゃねぇんだぜ?送るときくらいは、笑顔で…な?」

 

「う…うぅ…」

 

霊夢は涙を必死にこらえ、無理矢理口角を上げて笑顔を見せた。

 

「お前の笑顔が見れよかったぜ。紫、頼むぜ」

 

「…行くわよ」

 

そして、紫のスキマは俺を覆い被さり、その場から消えた…。

 

 

           続く(次回最終回…かな?)

 

 

 




ここまでこんなつまらない物を読んでいただいて、ありがとうございます!

この『博麗の神主?夢だろただの』を、次回最終回…ではないですが、第一シーズンを終了と、させていただきます。第二はあるのかと、思われる方も居るでしょう。ありますよ!そう簡単にはやめませんよ。
…ですが、日常記と明治18年以降の上海アリスにちょっと力を入れようと思っているため、次回を持って、一旦打ち切らせていただきます。復活は未定です。急に復活することもあるので完全打ち切りではないです。気分次第でパッとあげるので、これからもよろしくお願いいたします!!


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新たな人生、博麗の神主、引退
新たへの狼煙、博麗の神主


神主と上海&蓬莱トーク
上「シャンハーイ?(何で戻ってきたんですか?)」
蓬「ホーライ?ホーライ?(また罵られに来たんですか?Mですか?)」
神「違うよ!第2パートをそろそろ始めようかと思っただけだよ!」
蓬「ホーラーイ(隠しもせず本音を言ってきましたね)」
上「シャンハーイ(どうせ面白くないのに…)」
神「面白いかどうかは書いてみてからだよ。まぁ今回のは面白くないから次回からだね」
上「シャンハーイ(続くと良いですね)」
蓬「ホーライ(せいぜい潰れなきゃ良いですね)」
神「何でちょいちょいネガティブなの?」


お久し振りです!今作より、博麗の神主 Part2をしていきたいと思います!

P.S.博麗の神主の題名変わるかも…


───外の世界、とある神社───

 

─side 渡瀬慶(風籟寺グラン)─

 

「…んぅ?くぅ…頭いてぇ…」

 

ここは…?俺は確か…。

 

「そうだ。紫のスキマで外の博麗神社に来たんだったな」

 

しかし…この神社、何処かで見たことがあるような…。幻想郷内ではなく、渡瀬慶として外の世界にいたときに…ふんわりと…。

…。

思い出した。あの時の夢の神社だ。苔が生えてて周囲は木々が生い茂ってて、紫に初めて会った直前に見てた夢の神社だ。まさかあれが博麗神社だったとは…。

おっと、こんなことしてる場合じゃない!一刻も早く…あれ?禍々しい感じもないし、博麗の力の放出も、お社から漏れてる形跡もない。全て吸収し尽くしたのだろうか?ならば今一度神社に博麗の力を封じ込めよう…。

 

 

………。

 

「…て、……きて!…起きて!起きてったら!」

 

「…!ここは?」

 

「何言ってるの慶、あんたの部屋でしょうが!さっさと着替えてしまいなさい、学校に遅れるわよ」

 

お母さん?神社は?博麗は?…夢、だったのか?

 

「えらく長くて妙な夢だったな…」

 

残念なような、寂しいような…。博麗の神主…ただの夢だったってことか。

 

「果たしてどうかしら?」

 

「うわぁ!誰だ?この声は紫!?」

 

「そうよ、私」

 

「一体…何が起きてるんだ?」

 

「記憶はまんまなのね…。良い?始終話すからよく聞いてね」

 

─熟女説明中─

 

「…てことよ」

 

つまりな話、俺は記憶がまんまで、時の境界の間に飲み込まれてしまったらしく、偶然にも、神社の夢を見なかったその日の俺に意識が飛んだらしい。ちなみに博麗の力は消えてないようだ。

 

「さぁ行きましょう。私たちの幻想郷(ふるさと)へ」

 

 

全てが合点に合い、幻想郷は再び平和に戻った。風籟寺グランという英雄によって。

 

 

───幻想郷、博麗神社───

 

「お帰りなさいぃグラン!」

 

帰ってくるなり早々霊夢が涙ぐみつつ笑顔で迎えてくれる。帰ってきたんだな!

 

「紫、霊夢、ただいま!ただ、まだ伝えてないことがある」

 

「何かしら?」

 

「俺、博麗の神主…辞める!」

 

「辞めるって…どういう事よ?」

 

「俺、よろず屋になろうと思うんだ」

 

 

と言うことで、俺は今日を持って博麗の神主を引退する。そして、次会う日には、俺は人里でポツンとやってる依頼受けよろず屋『風籟』の店主になってるはずだ。それまでさらばだ!あ、タイトルは博麗の神主?夢だろただの…のままだけど、章は大きく変わるからよろしくお願いねー!あぁ、初依頼楽しみだなぁ~♪まぁありきたりなよろず屋なんだけどね。

 

           続く(よろず屋へ)



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初の依頼は一筋ではあらず

※今回のトークは割愛!


 

───幻想郷、人里───

 

─side 風籟寺グラン─

 

つい最近まで博麗の神主だったのを引退して、人里にてよろず屋にを開くことになったグランは、人里の中心外れにポツンと店を構え、依頼を待っているところだが、開店祝いとしてなのか霊夢と魔理沙が遊びに来ていた。

なぜよろず屋を始めようかと思ったか、話すと長くなるが、話が拗れる可能性があるために話しておこう。

元々、幻想郷には博麗の巫女がいて、その巫女が自堕落な物だから補強材として連れてこられたのが俺だ。そして色々霊夢と接して博麗はかなり強大なものとなり、幻想郷のパワーバランスが崩れるのも時間の問題だったのだ。そこでだ。俺が博麗の名を下ろし、よろず屋として、一般の幻想郷住民として生活するならばパワーバランスは安定し、今一度博麗は均衡を保たれている。

自堕落だった霊夢も俺と接することでかなり更正できたらしく、紫も霊夢に任せることに心配をしなくなったという。俺としては少し寂しい気もするが、これが霊夢のためというなら仕方があるまい。

 

そうこう祝われて、無事によろず屋『風籟』がオープン。実際によろず屋ってどういう事をするのか?大体は依頼主に雇われる事だ。つまりは何でもやりますよ屋…と言うこと。

一般なよろず屋としては、人里外れに香霖堂があるが、あれば依頼されて動く物ではなく、幻想郷でも珍しいものを売ることでよろず屋の看板を掲げている。ウチとしては商品は物品ではなく俺の労力が金となるのだ。

 

大体の店の概要が説明出来たところで、1つ言わせてもらおう。

 

「店の片付けくらいして帰ってくれよ!」

 

開店祝いとして小さな宴が開かれたのだが、片付けもせず霊夢と魔理沙は帰っていきやがった!初っぱなからこれとは…先が思いやられる…。

 

 

 

やっと片付けが終わった…思ってた以上にアイツら店内汚して帰っていきやがって…今度神社に行ったら暴れてやる…!

はぁ…まぁ無事によろず屋を始められたのもあの二人のお陰でもあるし、不問としてやろうか。あとは記念すべきお客様第1号を待つのみだ!

 

 

 

『ガラガラガラ…』

 

ん?お客さんかな?

 

「ごめんください。あら、本当にやってるのね」

 

「その件、春雪異変の時もあったよな…咲夜、どうした?依頼か?」

 

店を開いて一番最初に来たのは紅魔館のメイド長、咲夜であった。どうやら一人できたようだが。

 

「いえ、依頼じゃないわ。お嬢様があなたが店を開いたのが本当なのかを知りたいそうで、こうやって様子を見に来ただけよ」

 

「なんだ客じゃねぇのか?気を使って損したぜ」

 

「あれで気を使ってたの?思いっきりタメだったじゃない」

 

「客に敬語は使わない主義なんでね。ささ、依頼じゃないんなら営業妨害になる前に帰った帰った」

 

「ひっどーい!一応これでも客なのよ!」

 

さっきは客じゃないって言ってたじゃねぇかよ…依頼がないんなら本当にお引き取り願いたいんだけどなぁ…。

 

「ごめんください、ここなら何でも依頼を受けてくれるって聞いたんですけど…」

 

「お、いらっしゃい!見ろ、これが正しい客だ。分かったら冷やかしは帰ってくんな」

 

「まぁ…分かったわよ。お嬢様の命令は遂行できたわけだし。また来るわ」

 

また来るのか…出来る限りはこれっきりにしていただきたいんだがな…。依頼があるならいくらだって相手してやるが冷やかしはやめていただきたいもんだ。言うなれば博麗神社に賽銭入れに来たんだと思いきや鐘鳴らすだけで帰っていく参拝客を見た霊夢のような感情だな。

 

「ったく、待たせたね。…んで、依頼だったね」

 

改まってお客の方に顔を向ける。さっきは咲夜がいて気にしてなかったけど、ご来店したのはまだ幼さを感じる少女だった。まさか第1号が子供になるとはな…。

 

「はい…実はお願いがあって…」

 

─少女説明中─

 

「…と言うことなんです」

 

「なるほどねぇ…」

 

つまる話、このお客さんの依頼というのは、妖怪の山付近で友達と毬で遊んでいたとき、強く蹴りすぎて何処かに行ってしまったっきり分からないらしい。

…いやいや、っちょっと待て!

 

「するってぇと、お前さんは妖怪の山まで行ったのか?」

 

「えぇっと…ぅん…」

 

『ポカっ』

 

「あいたっ!」

 

俺は少女に対して軽く拳骨を一発下した。いきなり何をしているか疑問に思うだろうが、子供だけで妖怪が屯う所に行くと言うのはどれだけ危険なことなのか、よく考えれば分かることだ。

 

「あれだけ子供だけで妖怪の山に行くなって言ってるだろう。妹紅ら自警団とか博麗の巫女も注意を呼び掛けてるだろうが」

 

「ふぇーん…ごめんなさい…」

 

「分かれば良いんだ。今度からは気を付けて、他の場所で遊ぶんだぞ?毬は見つけてきてやるからさ。依頼はしっかり承ったぜ」

 

子供にはきちんと叱って分かったらきちんと優しく、特にお客さんである以上は教育も依頼のうちだ。もちろん、子供からお金を請求する事などするはずもない。当たり前の話だ。

ところで…今一度仕事内容を確認しよう。

依頼主は人里の少女。依頼は妖怪の山で無くしてしまった毬を探してほしいという至極簡単なもの。初めてのお客さんが随分楽な仕事というのも乙なものだな。

 

ただ…1つ問題がある。妖怪の山は名の通り、妖怪が住まう山。故に他の種族、言うなれば部外者の侵入をこれでもかと言うほど警戒しており、山の衛兵である白狼天狗が先頭に迎え撃ってくるはずだ。常に千里眼を持つ天狗の見張りにより隠れ進むのは無理だろうから、予めアポを取っていかないと厳しいだろうな…。

 

…とは言うけどさ、毬無くして探したいから山に入れて~っつって入れてくれるだろうか?恐らくだが無理だろうな。うぅむ…どうしたものか…。

 

「…悩んでも仕方がないか。博麗の神主だった俺に不可能はねぇ!」

 

 

───妖怪の山、見張り丘───

 

─side 射命丸文─

 

「……」

 

お、椛も真面目に見張りやってますねぇ。精が出ますね。私もネタがないかとウロウロしてたところですけど、収穫なしですねぇ。気晴らしに椛でも驚かしてあげましょうか…にひひ…。

 

「……(そろ~そろ~…)」

 

「何をやってるんですか?私をビックリさせようとしても無駄ですよ」

 

「あややや!気付いていたんですか!さすがは椛ですね」

 

「まったく、あなたも自分の仕事に就くことを…ん?侵入者です」

 

およ?こんなときに侵入者なんて珍しいですねぇ。アポが来てるわけでもありませんし、誰が来たんでしょうかね。

 

「侵入者は私が迎え撃ってきます。文さんは上へ報告をお願いします」

 

「分かりましたよ、気を付けてくださいね」

 

「ありがとうございます」

 

 

───妖怪の山、入り口付近───

 

─side 風籟寺グラン─

 

少女は大体入り口辺りみたく言ってたけど、結構な力で蹴ったんなら変な所に飛んでいった可能性があるな。これはくまなく探さなければならないかもな。まったく骨が折れる…。

 

「そこまでだ!」

 

「…?」

 

何だ?と言ってももう予想はついてたよ。白狼天狗のお出ましだ。幸い一人しか来なかったけど、天狗は結団性の塊だからな…すぐに応援が来るだろう。面倒な事になったぜ…。

 

「ここからは妖怪の山のテリトリーだ。部外者はお引き取り願おう」

 

「なぁ椛、そんな堅いこと言わんとさ、俺はただ探し物に来ただけであって決して荒しに来たわけじゃない」

 

「黙れ。いくら相手が元博麗の神主だろうと、承諾有るものでないなら早急に立ち去れ」

 

まったく相変わらずというか、お堅いねぇ。真面目なのはとても良いことなんだけど、これじゃいつまでたっても依頼が片付かねぇ。絶対失敗に終わりたくないからな。

 

「あややや、誰かと思えばグランさんじゃないですか」

 

上空から明るい声が聞こえる。ふと見上げるとそこには…。

 

「お、文、久しぶりだな。ちょっとお前からも頼むよ、よろず屋の仕事が片付かねぇんだ」

 

「…!(キラッ)よろず屋…ですか?」

 

「あぁ、博麗の神主を引退してよろず屋を始めたんだ」

 

「(ネタ来たー!)椛、このグランさんには私の監督の下で行動させます。それで文句ないですね?」

 

「は…何をいきなり…そもそも上への報告は…」

 

「大丈夫ですよ。私が保証します。椛はゆっくり休んでてください」

 

「…。まぁ良いでしょう。でも、少しでも不審なことをするとすぐに天狗を向かわせますからね」

 

「感謝します、椛」

 

おぉ、文の言うことを聞いたのか剣を仕舞って去っていった。たまには良いことやるじゃないかと感心したいのだが、目的は嫌でも分かってしまう。

 

「はぁ…一応礼を言うが、お前が恩を売るマネをしてるときは大体悪巧みしてるときだったりネタ欲しさだったりするよな」

 

「あややや!酷いじゃないですかグランさん。私ってそんなに信用ないんですか?清く正しい文々。新聞がそんな風上にも置けない精神なワケないじゃないですか~嫌だなぁ~」

 

「どうだか?まぁ俺は別に新聞のネタに使われても良いんだよ。ポジティブに考えれば良い宣伝になるしな。だけど仕事の邪魔だけはしないでくれよ?」

 

タダでさえ妖怪の山は広くて困るのにどこにあるかも分からない毬を一人で探すってんだから邪魔はごめんだ。

…ん?一人?いや、一人じゃねぇな。

 

「そうだ。ネタはやるから仕事手伝えよ」

 

「…え?」

 

「一人でやるよりは随分時間の短縮になるし、お前どうせ暇だろ?」

 

「えぇ…」

 

と言うことで文も快く手伝ってくれると言うので有り難い話だ。本当に持つものは友達ってやつだな。

手伝ってくれるに当たって文に探すものを説明すると、何か心当たりがあるらしく、この山の神社の巫女さんが信仰集めも兼ねて山麓の清掃に勤しんでいたところ、まだ新品のように綺麗な毬が捨てられていたから拾った…と言っていたらしい。恐らく…いや、確実にその巫女と言うのは守矢のアイツだろう。この山で神社を建てるなんて変わった考えを持った奴と言ったらアイツらしかいねぇ。行き先は固まったね。

 

 

───守矢神社───

 

 

「おーい!誰かいるか?」

 

……。返事がない…屍ではないようだ。

しかし本当に返答も何もない。依頼された以上はクリアする義務があるわけだが、こんなしょうもない所で躓いてしまうとは…どうしようか?

 

「なぁ文、本当に守矢が毬を拾ったのか?」

 

「確証がないんですよね。私は真実ではなく情報を集めるだけですから」

 

「それもそうか、無駄足だったな」

 

「あ、グランさん!」

 

帰ろうとしてお社に背を向けた瞬間に声をかけられた。この声は紛れもない、早苗だ。

 

「ん?なぜさっき返答がなかったんだ?」

 

「いやぁ…神奈子様と諏訪子様とで人生ゲームやってましてね。ちょうど私に子供ができて二人に借金したところで外から何か聞こえたんで、良いところを断つのはちょっと…と思いまして」

 

「あのなぁ…何で人生ゲームなんて生々しいゲームをこの幻想郷でするんだよ…。それに子供ができてって…ギリギリだよ。と言うか、普通に参拝客を無視しようとしてのな?」

 

「初めはそう思ってたんですけど、神奈子様がさすがに神社側としてどうなのか?と言うことで…」

 

「お前ら霊夢よりたち悪ぃな…。まぁ良いや。さっさと依頼を終わらせて帰ろう」

 

「そういえばグランさん、博麗の神主を引退してよろず屋を開いたんですよね?今度依頼に行きますよ!…で、要件は?」

 

「お前はメリハリが極端なんだよ…。…ダメだ、早苗さんのペースにはまりこんでる…苦手だわ…やはり。で、お前、毬を拾ったか?」

 

「毬をですか?」

 

「あぁ、人里の子供らが遊んでて無くしてしまったらしくてな。文情報でお前らが新品のような毬を拾ったとか」

 

「あぁ、アレならこれですよね?」

 

パッと早苗が手をかざすと毬がパッと現れた。便利なものだな…。

 

「おぉそれだ!たぶん」

 

「そうだったんですね。常識に囚われてはいけないと言う教訓のもと奇跡をこの毬に染み込ませたんですけど…」

 

「…お前は一体何がしたいんだ?まぁとにかく、そいつをあの子の元へ届ければ依頼クリアだな」

 

 

───人里、風籟───

 

「ほれ」

 

「わぁ!ありがとう!」

 

「今度からは妖怪の山近くで遊ぶんじゃないぞ。…と言うか、奇跡を染み込ませたって、どう言うことなんだ?」

 

「ん?どうしたのお兄さん?」

 

「いや…ちょっとその毬蹴ってみてくれ」

 

「え?…うん、こぅ?」

 

と女の子は軽く俺の方に蹴ったのだが、その毬は豪炎を纏ってシュートとして飛んできた!!ファイアトルネードだ!!トルネードしてないけど。

…ギリギリかわしたんだけど、後ろの木に激突し、凪ぎ倒れてしまった。

 

「ちょっと守矢に文句言ってくる!」

 

               終わり

 

 

 



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風の囁きに七曜の嵐

元神主と上海&蓬莱トーク

上「シャンハーイ?シャンハーイ(そろそろやめません?この要らない件)」
神「要らないって…このコーナーを楽しみにしている…は自惚れすぎだけど、まぁまぁ見てくれてる方だって…」
蓬「ホーラーイ?ホーラーイ(こんなの見てる人いると思いますか?今まで何ら話してないのに)」
上「シャーンハーイ(そして私たちも別に貴方と話す筋合いないですから)」
神「そんな悲しいこと言うなよ…暑いときも寒いときも前座として盛り上げて来たじゃない?」
上「シャンハーイ…(むしろ盛り下げてる気が…)」
神「何ならアンケートしてみる?」
蓬「ホーライ?(アンケートですか?)」
神「そ。読者の皆様にこの件は必要か不要か」
上「シャンハーイ?(全員不要って答えるんじゃないですか?)」
蓬「ホーラーイ、ホーラーイ!(答えは決まってるんですから、無駄な抵抗はやめてさっさと夕食作ってくださいよ!)」
神「俺っていつから夕食係になったのさ!」


…とまぁ、人形二人はこのトークの場の存在は必要か悩んでるそうです。良ければでは良いので、アンケートを協力いただければ幸いです。


それと最近他の小説もあって手が廻らないので、日常記の方は一旦締めさせていただいています。ご了承ください。
落ち着いてきたら再び上げようと思います。


では長い前置きは終わりにして本編どうぞ!


───紅魔館、ヴワル魔法地下図書館───

 

─side パチュリー・ノーレッジ─

 

この図書館の本は、世界の魔導書から童話、極め付けは雑誌や漫画など、本と言われる物なら可能な限り集めて、棚に仕舞い込んでいる。私からしてもこの本の多彩さは他人に誇れるし、私自身も本は好きだから全て頭に入ってるから博識にもなる。私にとってこの図書館の本はかけがえのないものなのよ。

そんな中、毎度毎度使い魔である小悪魔が本のチェックをする度に本が何冊かないと報告が上がってくる。外の世界にいるときは無かったんだけど、幻想郷に来てからと言うもの、3日おきにチェックする度に2、3冊消える。まぁ、原因は分かってるのだけどね。皆もお分かりでしょう?

確かにここはヴワル魔法地下『図書館』よ?図書館と言うものは人里の鈴奈庵のように期日を設けて本を貸し出す施設ね。それはそれで良いと思う。私だって鬼じゃないし、貸してと言われれば期日ありで貸してあげるわ。でも、黙って持ち出して「死ぬまで借りてくぜー!」…なんて言って一冊も返ってこないのはさすがに腹が立つわ。

今まで何度も対策は取ってきた。だけど神様があの泥棒を味方しているのか分からないけど、一向に破られるばかりで本を持っていかれる。さすが霊夢と共に異変解決をしてるだけあって、そういう類いはどうってことないのね。はぁ…そろそろどうにかしないとヤバイわよね…。

 

 

───よろず屋『風籟』───

 

─side 風籟寺 グラン─

 

「…と言うことで依頼があるの!」

 

「帰れ!」

 

いきなりウチにやって来て接客用の机をバンッ!…って殴って3秒間痛がったと思えば長々と事情説明してその上で依頼なんて…絶対に面倒事に巻き込まれるヤツじゃないか。

一応来店はパチュリーと咲夜の二人。咲夜に至っては本当にお客として来やがったってことになる。

 

「そんな事自分で解決しろよ。俺がわざわざ出る幕じゃねぇだろうよ」

 

依頼は選ばないつもりでは居たんだけど、それはたった今撤回させてもらった。魔理沙がパチュリーの本を死ぬまで借りると言うのは日常茶飯事だし、今更やーやー騒ぐものでもないと思う。それに魔理沙を敵に回すと、別に良いんだけど面倒なんだよな…後々。

 

「それに、お前らのところだって強者揃いじゃねぇか。魔理沙に向かって全員で貸し出しを阻止すれば良いじゃない?」

 

「いや…それも考えたんだけどね…この前レミィに相談したらね…」

 

 

「私たちを頼るのも結構だし友達だから助けてあげたい気持ちで一杯よ?でもね、あの本は貴方の所有物でしょ?貴方のものなら、貴方で解決なさい」

 

 

「…なんて言われたのよ」

 

「何なんだその作られたような文句は…」

 

あのレミリアがこんな臭そうなセリフを吐くかな?まぁ普段から行方不明のカリスマを火の中水の中ポリバケツのゴミ箱の中、あらゆる所を探すようなヤツだから、何かに影響された可能性があるな。この前なんかレミリアがわざわざウチに来ていきなり…。

 

「カリスマって何なのかしら…」

 

…なんて言って、適当に辞書にありそうな感じで説明したらどこか消えてったし。あ、そんときは咲夜はいなかったな。

そんな彼女がカリスマ性ある助言をしたとあらば、恐らく書籍辺りに影響されたんだろう。

 

「そう言えばこの前レミィにカリスマに関する本を訪ねられて、『一人は皆に何が出来るか─カリスマへの道』ってのを貸したの」

 

「原因はそれだ…アイツの背伸び…。…んで?身内に断られたからウチに来た…ってことでも良いんだな?」

 

「そう思ってくれて良いわ。レミィもよろず屋を使うなとは言ってなかったし、勿論協力してくれるわよね?」

 

「はぁ?やれる依頼とやれない依頼があるんだ。依頼を選んだってバチは当たらんだろう」

 

「当たらないでしょうね。でも残念ながら私の依頼はやれない依頼ではないはずよ?至極簡単なお仕事、一回で良いから魔理沙をガツンと塞き止めて、これ以上本を盗らないようにして欲しいのよ」

 

「それを魔理沙本人に言ってみたらどうだ?」

 

「言ったわよ。でも借りてることを一向に変えないから、言わばこれは最終手段ね」

 

これってもう断れない感じになっちゃってる?俺としてはこう言う争いに関しては面倒だから受けないつもりで居たんだけど…。特に今回の敵は幻想郷で一番狡猾で小賢しいやり口を使うヤツだからな。そのくせ、弾幕や攻撃はパワー任せだから厄介な相手に変わりはない。受けたくねぇな…。

とはいえ、いつまでも文句並べて依頼を断ったってパチュリーは引きゃあしないし、もしかしたらたんまりと報酬が貰えるかもしれないし、ボーナスワークだと思えば少しはやり気になれっかな?…はぁ。この依頼を境に暗殺とかの依頼が来そうだ。

 

「…ったく、しょうがねぇな。やってやるよ!その依頼受けてやる。魔理沙に二度と本を盗む気が起こらなくなるくらいのトラウマを味わって貰おうじゃねぇかよ。戦争だ!この幻想郷に戦争が始まるぞぉ!!」

 

あれ…?俺ってこんなキャラだっけ?ま…いっか。

そんなこんなで引き受けてしまった魔理沙討伐依頼。もうあまりにもパチュリーがしつこいから仕方なく受けてしまったが、やるからには全力で行かせて貰う。俺の店のモットーは何事も手加減なしで…だからな。元博麗の神主の力を持して本を守ってやろうじゃねぇか。

 

               続く



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泥棒退治には戦闘民族を

神主と上海&蓬莱トーク

神「結局アンケート取ってみたけれど、まぁ予測はしていたね…」
上「シャンハーイ(一件だけ…ですねw)」
神「w付けんなし…」
蓬「ホーラーイ(まぁそれほどこのコーナーに関心が寄せれてないって事ですよ)」
上「シャーンハーイ(そろそろ現実と言うものを見たらどうですか?)」
神「現実逃避してるみたいに言わないで…。まぁ、アンケート一件だけだけど、その一件は楽しく読ませていただいてるって言ってるから、まぁ続けられる限りは続けるよ?」
蓬「ホーライ(まぁ続けるのは一向に構わないんですけどねぇ)」
上「シャンハーイ(私たちの身にもなってみてください)」
神「ん?どうしたんだ?」
上「シャンハーイ…(乾燥で髪がパチパチなんですよ…)」
神「冬だから仕方がないよねぇ。乾燥するから静電気で髪が荒れるよね。俺男だから関係ないけど」
蓬「ホーライ…(全世界の男死ねば良いのに…)」
神「ガチトーンで全世界の男を敵に回すの辞めてもらって良いかな…。俺が殺されるんだけど…」
上「シャンハーイ!(だが断る!)」
蓬「ホーライ(あなたが死ねば全世界の生命が平和に暮らせますよ)」
神「そ…そこまで言うか…」

人形から神主はどにように思われてるのでしょう?真相はふかーい闇の中に葬り去られたのです。

ちなみに、最近上海と蓬莱のキャラがばらつく傾向にあるので、今一度整理したいと思うので、あとがきをお借りします。

それでは、短いですけど、本編どうぞ!


───幻想郷、よろず屋『風籟』───

 

─side 風籟寺グラン─

 

さて…。パチュリーの無茶な依頼を勢いで受けてしまったが、よろず屋である以上はこうなることは覚悟してたつもりだ。だが、戦争を引き受けるなんて元博麗の神主としてどうかと思うんだよな。まぁ、今は博麗とは一切関係ないからとやかく言われる筋合いはないってやつさね。…博麗の神主か。未だに結界は完全に戻ってないし、博麗の天秤には俺の力が大きすぎるから、今戻っても結界の崩落を促進させるだけだ。魔理沙みたいに『異変解決の専門家』…として行動するのも悪くはないだろうから、現状を維持したってバチは当たらんだろう。

 

話が反れてしまったが、今回の依頼は、本を借り(盗み)に来る魔理沙を1回ガチでギャフンと言わせて欲しいとの事。やり方は求めないらしい。ちなみに紅魔館の連中(パチュリーと小悪魔以外)は一切手を貸すつもりはないらしい。家族だの仲間だの言ってるくせに友の戦いは蚊帳の外かよ…。まいっか。とりあえず…。

 

 

───紅魔館───

 

「よく来てくれたわねグラン。パチュリー様なら図書館に居られるはずだから」

 

紅魔館に入るなり、最初に歓迎してくれたのは冷やかしの咲夜である。あ、美鈴は歓迎してくれなかったのかと言うと、門前で蒲団敷いて気持ち良さそうに寝てたけれど、これを咲夜に言ったら間違いなく美鈴の晒し首が執行されるから言わぬが仏って奴だね。

今の場面は仏ってのも縁起悪いな…遺体の事を用語でホトケって言うから、何にせよ晒し首決定だね。でももしものための戦闘要員としても頼れるから言わないで置こう。

 

「ありがとう咲夜。今一度聞くけれど、レミリアらは手を貸すつもりは?」

 

「聞いてる通り、全く無いそうよ。何でも、魔理沙のように面倒くさい奴を敵に回したくないとか」

 

「それってパチュリーが俺を雇ってる時点で手遅れな気がするぞ…。何て言ったって今日1日門番するのと変わらないからな。危害を加える火の粉は完全に叩き潰すぜ?」

 

「何その米軍の最強兵みたいな物言いは…。まぁ良いわ。貴女が門番だったら心強いわね。今日はぜひよろしくね」

 

 

───ヴワル魔法地下図書館───

 

「おーい、パチュリーいるかー?」

 

「あ、グラン。やっと来たわね待ってたわよ!さぁ早速門の前に…」

 

「ちょおっと待った!この前聞きそびれたが、それなりの報酬はあるんだよな?」

 

俺だって報酬のない仕事は承けないことにしている。金に汚いって思うかもしれないけど、俺も仕事だしいくら相手が困っていようとも金がないと割りに合わない。博麗の巫女は違ってボランティアではないからな。

 

「それはもちろんよ。さすがにタダで働いてもらおうとは思ってないわ」

 

「それを聞いて安心したぜ。…んで?その報酬ってのはどんなのだ?返答次第で仕事の質が変わるってもんだが…」

 

「報酬は…、私の…からd…」

 

「何かまた帰りたくなった…」

 

 

─数分後…─

 

「落ち着いたかパチュリー」

 

「うぅ…いくらなんでも拳骨で鎮めることないじゃない…私だって頑張ったんだから!」

 

「冗談が何でそっちの方向へ飛ぶかなぁ…エロ本の読みすぎじゃないのか?」

 

「エロ同人なら…」

 

「……」

 

聞いた俺がバカだった。さすがにこんな健全な小説にR18を持ってくるのはご法度だからねぇ…。

 

「まぁ何でも良いけどさ。あんまり他人にやるなよ?パチュリーは可愛いし艶やかなんだから、…本気にしちまうだろ?」

 

「…ぇ?」

 

えんだーーーーーーいやーーーーあいおーーーるうぇいずらーびゅうううううう!!↑↑↑(熱唱)

 

「何やってるんですか二人とも…」

 

「お、小悪魔。寂しいなら入るか?案外吹っ切れるもんだぜ?」

 

「お断りします。それよりグランさんがそっちに回ったら話が前に進まないんですけど…」

 

「(´・ω・`)」

 

───紅魔館、門前───

 

「…と言うことで、グランには形上では門番を任せるわ」

 

図書館での阿鼻叫喚たる出来事は小悪魔によって鎮圧され、平和が戻った。感謝の印に後日、八意XXの秘薬を郵送しておきましょう。

…で、咲夜の案内で門番を任せられるようになった。まぁ門番をしに来た訳ではなかったんだが、次いでにってことで門番も依頼されてしまった。無償で…。今度からは金取ってやる…。

 

「仕方がねぇな。やるからには全力でやらせてもらう。次は金払えよ」

 

「分かったって。さぁ、門番として最初に仕事だけど、そこに蒲団敷いて気持ち良さそうに熟睡を取られている寝坊助さんを起こしてくれるかしら?」

 

「美鈴を起こすのか?別に良いけど…」

 

いざ挑戦!

 

「おーい。起きろー美鈴、朝だぞー」

 

「うぅ…咲夜さん…朝は小籠包で…むにゃむにゃ…小学校じゃないですよぉ…」

 

「そんな甘い起こし方じゃ美鈴は起きないわよ。そいつったら紅魔館爆破してもピタ一文動かなかったのよ」

 

「くぅ…簡単には起きないとは思ってたが…」

 

「美鈴を起こすのに手段を選んでちゃ日が暮れるわよ。私が手本見せてあげるから」

 

咲夜さん挑戦!

 

「まぁこれと言って特徴はないわね。まず寝ている美鈴に近づいて…」

 

「ふむふむ…」

 

「幻符『殺人ドール』ぅううう!!!!!!!!!」

 

「はああああぁぁぁぁ!?」

 

おぉ…見事に美鈴は穴だらけだ…。

 

「…。ふぅ…。まぁざっとこんな感じよ!」

 

「まぁざっとこんな感じよって言ってスペルカード披露されるとは思わなかったわ…」

 

だ…大丈夫なのか?今からでも依頼断ろうかな?こんな戦闘民族紅魔郷と行動共にしてたら気が狂いそうだ…。はてさて…この先どうするかな?

 

               続く

 




神主と上海&蓬莱のキャラ確認

☆神主
このコーナーにおいて中心人物。
プレハブ小屋で行われてそうなトークショーをアリスの協力のもと二人の人形と前座トークを務めるが、人形二人からは本心でキモい人と思われており、話しかける度に罵声が浴びせられる。
性格は普通の男性という感じ。気配りがよく効いて優しい。何よりも聞いてくれる方を大切にしており、意見をきちんと聞く真面目ちゃん。故に人形二人に堅物と言われる始末だが、方針を変えるつもりはないと、案外頑固な人物である。

☆上海人形
アリスの人形。一番よく使われるために、知っている人物も多い。
結構口が悪く、思っていることをすぐ口にするタイプ。性格はまっすぐで良いのだが、まっすぐであるがために自分に素直で相手が傷付くのを笑う悪趣味な奴。だが根は優しく、正義感は強い。でも面倒くさがり。
神主の事はロリコン変態玩具だと思ってるらしく、嫌いつつもオモチャにして遊ぶ。

☆蓬莱人形
アリスの人形。一応上海と一緒に出ることが多いが、大体上海しか使われない動画が多くて蓬莱の存在を知らないという者が居ることが悩み。
引っ込み思案で落ち着いた感じで上海とは対照的だが、また思っていることをすぐ口にするタイプなので、気持ちはすぐ現れる。だが、神主以外にはだんまりを突き通す不思議ちゃん的存在。意外と冷酷で関心のない物には汚物を見るような扱いをする。引っ込み思案どこ行った?
上海はライバル。神主はよく分からない物で出来てるゴミだと思っている。だが影ながら神主を感謝しているらしい。

☆アリス
上海と蓬莱を操っている張本人。だが、操っているだけで、感情は人形が自立して持っている。
時おり登場しているが、本人は神主を嫌ったりはしていない。むしろ真面目なところに感心するとコメントしているとの事。何でも、トーク開設前に、ネタにするために、人形には神主のことは死ぬほど嫌いと言う設定にしてって言われたときは驚いたらしい。

☆エアコン
もはや環境で健康が左右される人形にとっては神のような存在。だが、それゆえに酷使され過ぎてしまったために故障してはにとりに直してもらって…の繰り返しであるが、現在でも稼働中。
ちなみに、夏での設定温度は19度で冬の設定温度は30度。リモコンは人形が独占して、使用頻度は1日22時間を毎日であるから故障は不可避。不憫なエアコンである。

☆にとり
神主は良いお得意様でカモである。勝手に壊れて持ってきてくれるために、エアコンの買い換えを反対している。一方人形たちは買い換えを希望しているらしい。

               以上


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今日の友は明日の敵


元神主と上海&蓬莱トーク

上「シャンハーイ(死ねキモヲタが)」
神「あまりにも唐突すぎやしませんかね…(泣)」
蓬「ホーライ(黙れ死ね)」
神「何最近死ねって言葉が流行ってるの?流行らしちゃダメだよそんな言葉!」
上「シャーンハーイ(だって見れば見るほど気が萎えて行くんですもん)」
蓬「ホーラーイ(出来る限りは目を合わしたくないんですけどね)」
神「偉く今日は殺気立ってるね…どうかしたの?」
蓬「ホーライ…(別にどうって事はないんですけどねぇ…)」
上「シャンハーイ(乾燥でカサカサになってイライラするんですよ)」
神「あれ?人形って湿気がダメで乾燥している方が望ましいんでしょ?夏なんか死ぬほど文句言ってたじゃん」
上「シャンハーイ…(乾燥のニュアンスが違いすぎるんですよ…)」
蓬「ホーライ。ホーラーイ(そうですよ。ポカポカしててカラッとした感じが良いんですよ)」
上「シャンハーイ(こんなガサガサな乾燥はデリケートな私らにとって相応しくありません)」
神「贅沢だなぁ…。冬の乾燥はどうにもならないよ?加湿器でも付ける?」
上「シャンハーイ!シャンハーイ!(おぉ!早く付けてください死ね!)」
蓬「ホーライ!(カサカサしてもう我慢できないです死ね!)」
神「絶対冬の乾燥のイライラだけじゃないでしょ本当は…」


散々人形たちに罵倒されまくっている元神主。ここまで来たらもしかしたら新しい事に目覚めちゃう?
人形と言うロリ少女に罵倒されてドMロリコンに…そうなったらこのコーナーもお仕舞いですわ…。

今回は少し…いや、かなりつまらないものとなっております。体調崩さぬようお気をつけてご覧ください


 

───紅魔館、門前───

 

結局、門番と言う仕事の説明は、そこで寝てた美鈴にスペルを一発食らわしただけで終わってしまった。そのため、とにかく魔理沙が来たら全身全霊で追い返せば良い話だ。気が乗らねぇな…ったくよ。

雇い主は紅魔館の主の友人であることから、まぁ大層な物品やら金一封やらは貰えると信じてここに立ってるが、最近爆破オチが流行ってるせいで財政難の波が寄せているらしい。

…1度引き受けたらやり通すのがウチのポリシーだからどうにもならないが、報酬がないってんなら紅魔館の爆破オチは不可避ってことだな。チリ1つ残らないようにしてやろう。

 

 

…そんなこんなやってると、ウトウトとしてしまう。日差しが暖かくて門前で何もせず立ってるだけだから眠くなってしまう。美鈴の気持ちも分からなくもないかな。

そもそも魔理沙は今日来るのだろうか? パチュリー曰く絶対来るらしいが、これで来なかったら報酬だけ貰って帰ることになりそうだ。

 

……ん?アイツは?

 

「はぁ…グランの奴が引退してからと言うもの、仕事が全部私に来るじゃないのよ…もぅ!見回りもグランにやってもらってたし…ぶつぶつ…」

 

なんか、霊夢が前方上空を飛んでるんだけど、結構遠いんだけど何を言ってるのか容易く予想が出来るな…。多分、俺が引退したから全部アイツにのし掛かってるから、ぶつぶつ文句言いながら見回りしてるんだろうな…。

 

「まったく…紅魔館にも様子を聞かなくちゃならないんだっけ?美鈴の奴と来たら行く度に気持ち良さそうに寝てるから聞きそびれるし…何より私が楽したい時間を割いてまで聞きに来てんのに寝られたら…レミリアに殴り込みに行こうかしら…。…あら?」

 

降りてくるな。確かに見回りのルートには紅魔館も入ってるし、付近の様子を聞き込まないといけないからな。

 

「ちょっと、何で紅魔館の門にあんたがいるのよ?」

 

「居て悪いのか?霊夢」

 

「別に。あんたの場合は地獄で会っても月で会っても驚かないし居ても可笑しくないから」

 

「後者はどういう意味だゴラ…神出鬼没な奴みたいに言わんといてくれ」

 

まったく…霊夢も相変わらずと言うか…なんと言うか…。久々にこうやって話すのに第一声から罵倒に入ってっからね。とは言え、こいつが急に上品な乙女っ子になってたら異変として神主復活するんだがな。…それは何時になるか分からんし、なるかどうかも定かではない…と。

 

「悪かったわよ悪かった…。んで?さっきの質問だけど、なぜあんたが紅魔館の門番やってんのよ?依頼なの?」

 

「半分正解で半分不正解だな。確かに依頼でここに立ってるが、実は門番としての依頼じゃなくて、ある人物を紅魔館に入れない様にして欲しいって言われてんだ」

 

「……なるほどねぇ」

 

察しが良い霊夢の事だ。俺が何を頼まれて、その依頼は誰がしたのか、そしてなぜそんな依頼をしたのか。恐らくお見通しだろう。

あの白黒のバカ野郎が本を盗みに来るのは霊夢も知っているし、もう回数は数えきれないくらい行っていることもまた知っているはずだ。これ以上何を言い訳してもムダだな。

 

「まぁ、元気によろず屋やってるんだったら心配事もないわね。あと、今は一応紅魔館の一員である以上、ここ近辺での問題事とか聞いておかなくちゃならないのよ」

 

「そうだったな。今のところ何もないぜ。…今のところは…な?魔理沙よ、そこに隠れてんのは分かってるんだぜ?」

 

「げ!見つかっちまったぜ!」

 

悪いが、人の不可解な動作を感じ取れなくなるほど落ちぶれてはいないつもりだ。それに、かなり警戒していたようで、気配が濃かったからすぐに分かったよ。霊夢と話してる途中でもな。

 

「悪いな、霊夢。ここ近辺にはしばらく平和は無さそうだぜ」

 

「それもそうね。でもこれは博麗が手を出せる件ではないから好きになさい」

 

「恩に着るぞ」

 

と言って、霊夢は引き続き幻想郷の見回りに戻っていった。…さて、一人聞き出さないとならない奴がいるな。

 

「魔理沙、言い残す事はあるか?」

 

「ちょちょちょ!ちょい待ち!グランは何か勘違いしてるんだぜ!」

 

何をこの期に及んで俺の勘違いだぁ?あんなに分かりやすく隠れてからこっそりこっちの状況を伺ってたじゃねぇかよ。

 

「勘違い?」

 

「私は、別にこの紅魔館には何の用もないんだぜ!ただ本を借りに…」

 

「おぅお嬢さんどうやら死にてぇようだな?」

 

「こ…今回は見逃してくれよぉ…」

 

…こいつの今回って信用ならねぇんだよな。絶対明日来るぞ。

 

「まぁ今回は見逃してやるが…次来たときは…分かってるな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

……と言うことで、一応脅しに脅しを魔理沙にかけて帰らしたけど、何かしら影響があると良いんだが…。

 

 

そして、その日はもう魔理沙が来るともなく、俺の依頼も終わり、報酬を受け取った。

その報酬と言うのも、きちんとした現金で払ってくれたから良かったが、財源が不明なのに金は目が眩むほどあった。…どうなってんだ紅魔館…まぁ気にしてもしゃあねぇ。今回の仕事はこれで終わり、明日からまた新しい仕事を受け付けるとするか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───翌朝、よろず屋───

 

 

朝起きて身支度して一番最初にやることは店内の清掃と、商い中の看板設置。それも終わり無事に開店を迎えたよろず屋『風籟』は今日も暇なんだろうな。

 

つくづく思うが、博麗の神主だった頃が今はスゴく懐かしい。あの時は霊夢には手を焼いたが、毎日が楽しくて、霊夢もヤるときはやってくれるし、異変解決も楽しかった。…さすがにそれは不謹慎か。

俺が引退しても尚、博麗は均衡を保ち、またそれに漬け込んで異変が起きるかと思ったが、意外とすんなりと時は流れた。

 

もし仮に新たに異変が起こったとしても、俺は解決に身を乗り出すつもりだ。魔理沙同様、異変解決の専門家としてな。霊夢自身、それを受け入れてくれている。…いや、受け入れてくれていると言うよりは、半ば強制的に異変解決に来いと言われてしまっているため、サボるわけにはいかないのだ。

 

 

おっと、つまらない世間話はこれくらいにしないと、なんか珍しいお客さんが訪ねてきたぞ。本当に珍しいな…。

 

「魔理沙、いらっしゃい。今日はどうしたんだ?」

 

「昨日の事、忘れてはいないよな?」

 

「あん?昨日?悪いがそこまで物忘れするほど年はとってないぞ」

 

「なら話は早いぜ」

 

一体魔理沙は俺にどうしようってんだ?昨日の仕返しによく分からない実験薬でも投与されるのか?そんなことしたらただじゃすまねぇぞ…一次幻想郷大戦繰り広げるぜ…。

 

「話と言うのも、聞き入れてくれるか分からんが、依頼をしたいんだ」

 

「なんだ…仕事の話だったのか…。そりゃ、報酬次第で俺は動くまでだ」

 

「おぉ、さすがグランだぜ!」

 

まぁ…なんか容易く予想できちゃうんだよな…魔理沙の依頼って。

前も言った通り、俺は仕事を選ぶつもりはない。よって、昨日は依頼主だった奴から寝返って敵になることだって多々ある。恐らくだが、今回の魔理沙の依頼もそのケースだろう。

 

「その依頼なんだが、私が紅魔館の図書館から本を盗m…ゴホンゴホゲホン…!本を借りれるように手助けしてくれ」

 

「おい聞こえたぞ!今盗むって言いかけただろ!」

 

「き…気のせいだぜ。グラン最近疲れてるんじゃないか?」

 

「ならこの依頼を棄却して休みにするかな」

 

「それは…、こ…言葉の綾って奴だ!グランがこんなことで疲れるような柔な奴じゃないだろ?」

 

なんだろう…まるで人間外の化け物だと言われてる気がしてならないんだが…。と言っても、魔理沙の事だから悪気あって言っているわけではないだろうから気にしないが、他の奴だったら輪廻も許されない体にしてやる所だぞ。…そんなことしたら映姫にどやされそうだ。

 

とにかくだ。休みのは冗談として、目の前のお客さんが、紅魔館の図書館の本を借りるのを手伝って欲しいと言う至極単純なもの。断る理由はない。どうせ暇だしよ。

 

「まぁ…良いぜ。その仕事受けてやるが、報酬はきちんと用意してくれよ?キノコ大量とかだったら即棄却だからな」

 

「ぇ…」

 

「…お引き取り願おうか」

 

「分かった分かった!お金は何とかするから!」

 

「盗んだ金は受け取らないからな?」

 

 

と言うことで、パチュリーの魔理沙討伐依頼からひっくり返り、魔理沙の紅魔館図書館の本を借り(狩り)に行く手伝い依頼に転身した。これがよろず屋って奴だ。異論は認めん。

 

                続く



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赤い紅い城を落とすには…

神主と上海&蓬莱トーク

神「三月になったねぇ…春だねぇ…」
上「シャンハーイ(暦では春になってるはずなのに…)」
蓬「ホーラーイ(何でこんな肌を刺すように寒いんですか…)」
神「それはどうにも言えないよ…気圧配置とかの問題なんじゃないの?」
蓬「ホーライ(適当なこと言ってんじゃねぇよ死ねよ!)」
神「それは言い過ぎじゃないですかぁ…(泣)」
上「シャンハーイ(無責任な事言うからですよ)」
神「いや…むしろ自然現象に対して責任を求められても…」
上「シャンハーイ、シャーンハーイ(とにかく、今は寒すぎるので帰りますんで)」
蓬「ホーライ(あとは適当に締めておいてくださいな)」
神「なんか見た光景だな…てかおい!本当に帰るのかよ!なぁアリス!お前は帰らないよな!?」
ア「………」
神「無言で片手あげて『それじゃ』…じゃねぇって!マジで本当に帰っちゃったらネタ要s……」


またまたフェードアウトで終わっちゃったこのコーナー。少々雑だったり?でもそれが良いと思います!(笑)

本当に3月なのに寒いですよね…季節の移り変わりが一番風邪を引きやすいので気を付けて下さいね

それでは本編どうぞ♪


 

───よろず屋、風籟───

 

と言うことで、前日に紅魔館のパチュリーの依頼で警戒の的であった魔理沙から折り返して依頼があった。その内容は、本人曰く、紅魔館の図書館の本を”借りる”手伝いをして欲しいとの事。

”借りる”と言えば聞こえは良いかもしれないが、誰しも分かっているであろう返済期限は当本人がお亡くなりにならない限りは発覚しない。当然の話だ。依頼主は本を盗むつもりでいるのだからな。

金で動く俺もかなり現金なヤツだと思うが、現実を見ても、正義貫徹よりも生活資金工面の方が優先される。俺はもう博麗の神主ではないんでな…世のため人のため思考を捨てることにしている。…道徳は持ってるつもりだぜ?

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで引き受けてしまった依頼は絶対に成功させなければ意味がない。当然、安直な考えで突っ込んでも、あの紅魔館の事だ。かなりのヤり手が集まる戦闘民族となればいとも簡単に弾かれてしまうだろう。

今回は相手が悪いと言うのもあり、翌日、珍しく作戦を企てて行こうと言うことで、魔理沙と俺で店にて入念に打ち合わせている。

 

まぁ、相手がどのように守りを張ってくるのか、戦策においては不利有利が生まれるため、パターンは複数予想しておかないと、俺一人なら大丈夫なんだが、今回は横に魔理沙が居ることで動きが制限されるし、言ってしまえば襲撃が目的では無いのだから、出来る限りは見つかるなんて事は避けたいが、二人では玉になっても目立つ。

二手に分かれようにも、あのメイド長が神出鬼没のために見つかりやすい。片方が見つかれば、もう一方はかなり動きにくくなる。

それも考慮した上で、分かれる案はボツになったり…と真面目に紅魔館の本をぬすm…おっと、借りようとしているなんてな…ルパンでもこんな物のために作戦なんて立てないぞ。

 

 

そうこう真面目に策略を思考して、気づけば日は陰っていて営業時間はとっくに終わっていた。柄でもないことをしているが、中々楽しいものだ。こうして考えに考えてベストな動きが出来るように段取りを組んでいく。時間を忘れるのも納得できるな。こうして完成したのだから特に嬉しいものだ。

…ただ、これは悪巧みに過ぎないのは分かっている。今回限りで悪事から足を洗うか。

 

「今日はもう暗くなってるぜ…」

 

「遅くなっちまったからな。夜の幻想郷は物騒だからな、今日は泊まっていけよ。明日が決行日なんだから、ちょうど良いだろう?」

 

「おー、ありがとうなんだぜ」

 

と言うことで泊まることになった魔理沙。もしものためにウチには3人分の布団を用意していたから良かった。

して、一応疚しい事はないよう距離は置いてあるが、同じ部屋(よろず屋は一部屋しかない)に敷いた。

 

「…変なこと考えてないだろうな?」

 

「まさか。下らねぇ事言ってる暇があったらサッサと寝やがれ明日は早いぞ」

 

「…ちょっとは照れてくれたって良いじゃねぇか」

 

「悪いが霊夢との生活で耐性が出来ちまってるんだ。色仕掛けにも引っ掛かる気が知れないぜ」

 

「むぅ…納得行くようで行かないぜ…」

 

なんだかムスッとしたご様子の魔理沙。全く仕方がないな…まぁ、普段は見せないけど、本当は誰より乙女な所が俺は好きなんだけどな。変な意味じゃないぞ?

そんな今の魔理沙のムスッとちょいおこな感じが可愛らしくて、ついつい魔理沙の頭に手をのせてなでなでしてしまった。

 

「まぁ気にすんなって魔理沙。お前だって可愛いんだから、自信持てよ」

 

「むぅ~…」

 

おぉ…顔が茹でタコ見たいに真っ赤になった。純粋な反応なのがまた面白いな♪

 

「もう私は寝るぜ!ちくしょ…嬉しいじゃねぇか…」

 

最後の方が上手く聞こえなかったが、どうやら満更でも無いようだな。何かとニヤけて布団に入っていった。

たまにはこんなラブコメ風な感じがあっても全然アリだと思います!

 

「…俺も寝るかな。頭使って疲れた」

 

明日は決戦の日だ。どんな事態に遭遇するか分からない今はとにかく体を休めるのが先決。…と言うことで、おやすみなさーい…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───翌日、風籟───

 

 

作戦決行日、その緊張は店内に漂って…。

 

「おい魔理沙起きろ!いつまで寝てんだもう朝方過ぎたぞ!」

 

漂っていなかった。相変わらずと言ってしまってはそれまでだが、この一連の件で緊張は全くないことが伺えた。まぁ、緊張してしまっては慎重になる必要がある作業でシクる可能性がある。かえって好都合だろう。

 

「ふあぁ~…おはよー」

 

やっと起きた魔理沙はまだ寝ぼけてるのか、いつものさばさばした感じはなく、寝起きの女子高生が如くゆるふわな感じであった。

 

「あぁおはよう。そら、ちゃちゃっと起きて準備しろ。朝飯は出来てるからな」

 

いい加減眠気を覚ますように促し、朝食が並べられている机に座らせる。全く…これで独り暮らしってのは心配になってくるな。

 

「おぉ~美味しそうなんだぜ!ひさしぶりのまともな朝飯だぜ!」

 

何やら霊夢みたいな発言をされてらっしゃるけど、別に大したメニューではない。食パンにハムエッグにニンジンのポタージュ、フルーツサラダ、飲み物は濃いめのコーヒーで眠気覚まし…という感じで洋風な朝食メニュー。我ながら上手くできたと思うぜ。

 

「食べたら着替えて準備しろよ。その間俺は人里のパトロールしてくるから」

 

「パトロール?よろず屋ってパトロールもやるのか?」

 

「やっぱりじっとしていられなくてな。朝の開店前と昼に見回りをするようにしてるぜ。ほれじゃ行ってくるから、急いで食べんでも良いからな」

 

 

 

 

…………………。

 

「…美味しい。グランの料理か…一緒に住んだら毎日食べれるのか」

 

魔理沙は心なしか、そんな生活も良いだろうとしみじみ思うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───妖精の湖、湖畔───

 

 

そしてやって来た紅魔館。俺も魔理沙も準備は万端、いつでも突っ込める状態だ。

 

今回のミッションを振り替って見よう。依頼は紅魔館の地下図書館の本を”借りる”のを手伝ってほしいというもの。どういう事なのかは知っていたので、俺の能力を貸してほしいと言う要望のもと、俺は依頼を受けてここにいる。

 

…して、今回の策は何個か立ててきたが、崩れる可能性だって大いにあるわけだから、臨機応変に動くつもりではある。しかし、その事態までの運びは型にはまった様に行動するため、今一度確認する必要があるだろう。

 

一番のベースであるAは、紅魔館の真裏から気配を殺して侵入することから始まる策。

一番基本的なことではないだろうか。門番の美鈴が『気を使う程度の能力』を持っているため、普通に気配を殺しても気づかれてしまう。生憎、居眠りしていても気付かれるので、能力を使っても気で気付かれる。…と言うことで、俺の『無にする程度の能力』を以て、俺らの気配を”無”にすることで、美鈴への気も無に出来る。

あとは簡単な話だ。紅魔館の中に侵入出来たら、周囲を警戒しつつ地下へと向かうのみ。至ってシンプルだ。

 

作戦の変更はその都度行っていく。現時点はAで決行し、Bに変更があれば、その時Bの説明をしよう。

 

 

               続く

 

 



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策士、策に裏切られる?


神主と上海&蓬莱トーク


屋外にてお花見中…

神「春だねぇ…桜咲いてるねぇ…」
上「シャンハーイ(ポカポカ気持ちいいですねぇ…)」
蓬「ホーライ(良い具合に天日干しされます…)」
幽「お団子も美味しいわねぇ…」
神「そうだねぇ…団子はみたらしが…って!ここで何やってんだ幽々子!」
幽「いやぁ、桜って言ったら私じゃない?だから特別ゲストってことで呼ばれたの」
神「ぇ?俺呼んでないぞ?誰に呼ばれたの?」
幽「そこで黙ってる人形二人に…」
上&蓬「シャンハーイ&ホーライ(な…なんの事かなぁ…)」
神「まぁ、別に呼んだことは良いんだけどね。花見は人が多い方が楽しいし。…しかし、面倒くさがりの幽々子がよく花見なんかに来たね?」
幽「だって、来てくれたら神主さんの奢りで食べ放題って言われてね」
神「ゑ?」
幽「妖夢ちゃんも喜んで行ってらっしゃいって送り出してくれたわ」
神「ちょ…!上海!蓬莱!俺何も聞いてないんだけど!?このブラックホールの財布になるっていくら必要だと…」
上「シャンハーイ(今桜見てるんですから黙ってください)」
蓬「ホーライ(騒ぐなんて花見マナーが悪いですよ)」
神「あ…すみません。…何で俺が謝らなくちゃならないの?(泣)」
幽「お団子無くなったから、次は桜餅ね!」
神「お前も少しは遠慮しろよ!」
幽「えぇ~無理☆d(^-^)」
神「あああああぁぁぁぁぁぁぁ(自重)」


はぁ…俺のお金が…翼生えて飛んで行っちゃったお…。
ちなみに花見の総合費用の98.6%が食費で130万円になって、後日請求書がしっかり神主の名前で届きました。本当にありがとうございました!

それではつまらない不可避の春とはまったく関係ない本編どうぞ♪


───紅魔館裏(気配は消している)───

 

 

一応、門番に気付かれないように気配を殺して、紅魔館の真裏までやって来た。ここまではトントン拍子で事が進んでいる。まぁ、この時点で事が進んでいないのであれば、プランなど捨てるのだが、恐らく大丈夫だろう。隣にいる魔理沙も、館に侵入することなど慣れているだろうから依頼は滑らかに終わらせそうだ。その後は知らん。

 

さて、気配を消し続けて、バレないうちに全てを終わらそうぜって言うプランAの実行に入ろうか。門番には気付かれてはいない。入るなら今だろう。

 

「行くぞ。準備は良いか?魔理沙」

 

「あぁ!私の八卦炉もいつでも撃てるぜ!」

 

「プランぶち壊すつもりか?お前…」

 

こいつは冗談で言っているのか本気で言っているのか本当に分からない喋り方をするから、肝っ玉が冷えるってやつだぜ…。穏便に済まそうってときにマスパぶっ放されても困るし、もしそんなことしたら…まぁ俺だけ逃げて魔理沙は…知らね。

とにかく、魔理沙も形はどうであれ準備は万端のようだ。これなら行ける!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻にて…

 

 

 

───紅魔館、地下図書館───

 

 

まったく、パチェったらこんなところに呼び出して何なのかしら?私を含め、皆はこの図書館に関して一切手を触れないとあれほど言ったと思うんだけど。

なんにせよ、玉間でゆったりとくつろいでいたってのに急に呼び出すほどの用なのだろうから、よほど大きい事情なんでしょう。もしこれでどうでも良い事、あるいは図書館の本に関することだったら、明日でも紅魔館10周マラソンでもやってもらおうそうしよう。

 

「あ、レミィ。ありがとう来てくれて」

 

「別に良いわよ、どうせ暇だったんだし。んで?用って何?」

 

そう聞くと、パチェは表情を曇らせた。何やら紅魔館10周マラソンとか言ってる場合では無いかもしれない重大な事が…。

 

「おととい辺りだったかしら。私がグランの所に依頼したのを知ってるわね?」

 

「え?えぇ、知ってるわよ。それがどうしたの?」

 

…さっき表情を曇らせたのは何だったの?何か紅魔館の存亡がかかった事象なのか、はたまた表情を曇らせるほど恋愛に悩んでいるのか…と考えた私がバカだったっての?

落ち着くのよ…落ち着くのよレミリア…。

確かに、本に関してグランに依頼をしていたのは私も知ってるわ。それを、本の相談と結び付けるのはさすがに早いかもしれない。カリスマたるもの、人の話をきちんと聞かねばならないのよ。平常心平常心…。

 

「うん。もしかしたら…の話なんだけどね。グランが魔理沙に寝返ったんじゃないかって思うの」

 

「はぁ?」

 

グランが魔理沙に寝返った?つまりは、この前は協力してくれてたけど、もしかしたら今は敵かもって事か。でもそれが何だって言うのかしら?

 

「まぁ聞いてね。確かに、この事に関しては触れないって言ったのはレミィだけど、これだけは言っておかないとって思ったから」

 

「ふぅん…。まぁ良いわ。長い付き合いの親友だもの。続けてちょうだい」

 

私もまだまだお人好しね。←満更でもない

まぁ、どれだけ意地汚い魔理沙の相手をするのが嫌だとしても、図書館の本は紅魔館の予算で賄ってるわけだし、これ以上盗まれても買い足すための費用もバカにならないわ。ここは真剣に聞いた方がいいかもね。

 

「ありがとうレミィ。先日、魔理沙がウチに来たときはグランが立ち憚り失敗に終わった。でも、付き合いも長い魔理沙の事は私も知ってるつもりよ。それ故、絶対に彼女は諦めない事が脳裏を過ったの」

 

確かに…。人のものをよく盗んだり、他人の不幸は蜜の味♪みたいな事言ってるけれど、彼女自身はかなりの努力家で、絶対にやり遂げるまで手段を変えてでも諦めない。それを考慮すると、そのまま事なきを終えたとは考えにくい…。

 

「そんな魔理沙がグランに追われたとあって、グランの依頼は達成した瞬間から抹消される。つまり、魔理沙が報酬の約束をしたらグランは魔理沙に付く…そう言うことになるわ」

 

パチェが言ってることは筋が通っている。狡猾な考えを持つならば、敵を友にすることだって簡単な事。それで敵を落城させる事だって可能だ。それも今回は友に付いたのがグランと言う状況的に最悪な人物。ここの本が全て無くなりそうね…。

 

「分かってきた顔してきたわねレミィ。無理と約束事を破棄する上でお願いするわ。私たちに力を貸して…?これ以上紅魔館の図書館の本がなくなって、もしかしたら今回で本が全て無くなる事だって有り得るわ。そんなことされたら…私…何して生きていけと言うのよ!」

 

「いや運動しなさいよ!」

 

「………。魔法使いにフィジカルなんて…」

 

「赤の他人を例に出すけど、魔理沙だって運動神経抜群だし、アリスも人並みには運動できるわよ?」

 

「…………」

 

……突っ込みが痛すぎたのかしら?黙っちゃって沈黙が訪れちゃった。

まぁ、さすがにこの図書館の本全てが無くなってしまったら可愛そうだし、パチェの生き甲斐でもある本だからねぇ。親友として守ってやりたい気持ちもある。だけど…。

 

「ねぇパチェ?あなたの気持ちも分かるし、助けたいと思うわ。でもね、たった1つの事に対して紅魔館の仲間を戦の民にしたくないの!私の気持ちも分かっt…」

 

「助けてくれたら『吸血鬼専用の能力増強剤 効き目永遠』って薬の研究して、すぐ出来るんだけどな…」

 

「よーし!咲夜ぁ!戦争の準備よ!紅魔館の名に懸けて、盗賊二人を八つ裂きにしてくれるわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「能力増強剤の話をしたらレミィの性格変わるから使いたくなかったんだけど…仕方がないよね♪」

 

         

 

               続く

 

 

 

 

 



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