速さを求めた転生オリ主 (())
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速さを求めた転生オリ主

初めての戦闘描写です。
生暖かい目でご覧下さい。


 最初は憧れだった。ストレイト・クーガーという一人の男の生き方に憧れた。でも俺にはそんな生き方は出来なくて、だからせめて彼の『速さ』に追い付きたいと、 そう思っていた。

 

そんなことを考えていた俺にチャンスがやってきた。『速さ』を。『能力』を。『可能性』を手に入れるチャンスが。

 

神様転生。そんな形でチャンスがやってきたのだ。

 

そして、()は俺に聞いてきた。

 

「特典は、なにが良い?」

 

俺は答えた。

 

「『誰よりも速くなれる可能性』…それと……『ラディカル・グッドスピード』を」

 

憧れに追い付くために。憧れを追い抜くために。

 

そうして俺は転生したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『速さを求めた転生オリ主』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

転生した世界には自分の魂を【固有霊装(デバイス)】として顕現させ、魔力を使い異能を行使する【伐刀者(ブレイザー)】という者達がいる。

 

俺は【伐刀者】を目指していた。誰よりも速くなるために。

 

『速さ』に関する成長速度は凄まじかった。中学生になる頃には、音など軽く置き去りにしていた。だが、まだだ。俺は何よりも速くなれるのだ。光だって置き去りにしてやる。

 

そんなことを考えている俺だが、今は『七星剣武祭』の準決勝前である。

 

準決勝の相手は破軍学園の東堂刀華だ。これほど嬉しいことがあるだろうか彼女との戦いがこの『七星剣武祭』で一番の楽しみだったのだから。

 

速度も技術も申し分ない、いや、技術なら相手の方が圧倒的に上だ。そんな相手と戦えばきっと俺はもっと速くなれるはずなのだ。

 

さぁ、戦いに行こう。自分よりも強いであろう相手に俺の『速さ』で勝つために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

戦いが始まった。───瞬間、爆音

 

 

 

ゴォッッ──!!

 

 

 

凄まじい速度で俺と東堂刀華が衝突したのだ。

 

俺には近距離での攻撃しかない、だから───眼にも止まらぬ速さで蹴りまくっていた。

 

しかし、それらはすべて捌かれる。

 

「────!!」

 

「────!?」

 

このとき俺にあったのは純粋な驚きだった。……まさか、俺の速さに追い付くとは

 

「───ッ!?」

 

驚いている暇はなかったようで、その隙を狙われ吹き飛ばされた。

 

俺はそのまま相手に向かって加速し、技を放つ。

 

「衝撃のォ───」

 

東堂刀華が退いた(・ ・ ・)

 

「ファースト・ブリットォォ───!!!」

 

会場が吹き飛び砂煙を撒き散らす。

 

次の瞬間、東堂刀華が目の前にいた。それも刀は、もう半分抜刀された状態で。

 

「─────かはッ」

 

壁に叩きつけられたが腕で防いだので吹き飛ぶだけですんだ。

 

……いや、そんなことより何故かわせたんだ。行動を起こしたのは吹き飛ばされてすぐだぞ。余裕でかわせるほど東堂刀華は速くない。それともここまで隠してたとでも言うのか──!!

 

そんなことを考えてる暇は無いようだ。東堂刀華がこちらに向かって来る。

 

「───雷切」

 

こちらを真っ二つにするのではないか、という攻撃を

───全力で避けた

 

「なんッ──のォ──ッッ!!」

 

避けられはしたがすぐに追撃が来る。

 

「──────!!」

 

「なん──ッッ──!!」

 

どういうことだ、何故こうも先を読まれるんだ!?

 

「───チッ」

 

軽く舌打ちをする。

 

とにかく、相手の能力を考えてみよう。

 

俺は避け続けながら考えた。

 

「えぇっと……刀……電撃……電気?…………電気!?」

 

漫画で読んだことがある。微弱な電気信号から心を読む能力者、めだかボックスとかで!!

 

いや……でも…もしそうだとしたら、俺の速さじゃ足りない……

 

「いや、違う」

 

自分の考えを自分で否定する。

 

そうだ、心を読まれたってあの男(ストレイト・クーガー)は戦っていたじゃないか。

 

それに、何よりも───

 

「───今の速さで足りないなら、もっと速くなればいい!!」

 

まだまだ、伸びるはずの俺が全力を出してとどかないと感じているなら、全力を超えれば良い。全力であって限界では無いんだから!!

 

向きを変え、相手に向かって加速する。

 

「ぐッ──おぉッ──」

 

足が悲鳴をあげる。無視しろ俺。一度上にとどけば俺の体は勝手に馴染む。そういう風にできてるのだから。

 

「───うぅっ──っらァァ───!!」

 

「!?」

 

東堂刀華が目を見開き驚いている。当然だ。俺だってこんなに速くなるとは思わなかった。いや、今も速くなり続けている。

 

それはともかく

 

「さぁ、いくぜぇぇ──」

 

更に加速し、技を放つ。

 

「壊滅のォ───」

 

東堂刀華は構えた。真っ向から受ける気か。

 

「セカンド・ブリットォォ───!!」

 

「雷切!!」

 

 

 

ズドンッッ───!!!

 

 

 

爆音と共に周りに余波が飛ぶ。周りの被害はわからない。それでも戦いが終わっていないのは確かだ。

 

だからこそ、あのセリフを言い切り札を切ろう。

 

「『受けろよォ───俺の速さを!!』」

 

全力の証に好きなセリフを言わせてもらった。

 

そして両者が決着のための技を放つ。

 

「瞬殺のォ────」

 

「──────」

 

東堂刀華が踏み込む。同じ技で迎え撃つつもりか。いや、同じ技でも先程よりも強くて速そうだ。侮らずに全力で──

 

「ファイナル・ブリットォォォオオオオッッ────!!!!」

 

「──雷ッ──切ィィ───!!!!」

 

二人の必殺が衝突する。

 

光が吹き荒れた。見ていた者すべての目が、耳が、鼻が、舌が、肌が、すべての感覚が消え失せた。

 

少しずつ感覚が戻り、観客たちはもう原形をとどめていない会場を見る。

 

そこにいたのは──────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────血まみれの体で天に拳を掲げる『最速』の男だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日談みたいなもの

◇◆◇

 

あのあと、俺は東堂刀華に勝つも決勝に出られない程に消耗し、仕方なく辞退することになった。

 

しかし、それ事態はどうでもよく全快になった俺にあったのは『東堂刀華とまた()りたい』という思いだけで、それ故に行動も速かった。

 

俺は破軍学園に転入することにした。もう、来年には転入することになっている。どうだ、速いだろ!

 

東堂刀華(気になる女の子)を追いかけて東堂刀華(気になる女の子)の通っている学校に転入する』やろうとしていることがストーカー染みている自覚はある……というか、これまんまストーカーだよ、と感じているがそれでも戦いたくて仕方がないのだ。

 

だから、きっと俺は東堂刀華に惚れたわけではないのだ。……ないのだ………多分

 

 




オリ主ステータス

【固有霊装】『ラディカル・グットスピード』
【伐刀絶技】『フォトンブリッツ』
『衝撃のファースト・ブリット』
『壊滅のセカンド・ブリット』
『瞬殺のファイナル・ブリット』
【二つ名】 『最速』

◆パラメーター
攻撃力:A
防御力:A
魔力量:B
魔力制御:B
身体能力:A
運:C


いかがでしたか?
楽しんで貰えれば幸いです。
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有難うございました。




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