やはり俺の福引旅行はまちがっている。 特別編 (EPIPHANEIA)
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その1 『やはり俺の夜遊びはまちがっている。』

このサイトでは、初投稿になります。

いろいろ至らない点があるかと思われますが、宜しくお願い致します。


~夏休みの夜・比企谷家~

 

 

 

八幡「はっ?『世界ゲーム』?」

 

 

 

陽乃「そう。いわば、王様ゲームのタロットカードバージョンみたいなもの。せっかく、久々にみんなが揃ったお泊まりパーティーなんだから、盛り上がる事をしないとね♪」

 

 

 

めぐり「いいですね~。是非やりましょうよ~。他のみんなは?」

 

 

 

小町「小町は賛成ですよ!凄く面白そうですもん!」

 

 

 

結衣「あたしも賛成!みんなでワイワイやれるゲームだし!」

 

 

 

沙希「そういうのも悪くないね。アタシも賛成かな。」

 

 

 

八幡「……もしかして、俺以外全員賛成なんですかね?皆さん。」

 

 

 

留美「あれ?八幡は反対なの?」

 

 

 

いろは「なんですか、それー。みんなで盛り上がろうとしてるのに、水をささないで下さいよー。」

 

 

 

雪乃「これ程、貴方が空気を読めないとは思わなかったわ。自称剣豪将軍の材なんとか君と変わらないじゃない。」

 

 

 

八幡「アイツと一緒にすんな!」

 

 

 

とある夏休みの夜、俺は自宅で8人の少女達と過ごしていた。(親父とお袋は泊まり掛けの仕事の為、不在だった。)

 

 

 

雪乃、結衣、いろは、小町、留美、沙希、めぐり、陽乃。

 

 

 

以前、俺と共に北海道旅行に行き、その時に深い絆で繋がった、俺にとってかけがえのない存在の少女達だ。

 

 

 

あの旅行以来、俺を含めた9人で、一緒の時を過ごす事が多くなった。(時折、戸塚や材木座や川崎兄妹や折本辺りもいたけれど。)

 

 

 

大騒ぎになる事が多いけれど、それが何だかんだで、楽しく思える俺がいるから、もうぼっちだなんて口が裂けても言えないな。

 

 

 

でも、シャレにならない一番の大騒ぎ(そんなレベルを通り越してるけど)になったのは、俺のお見合い事件だったな……。

 

 

 

全部話すと本当に長くなるので、いろいろ割愛して話すと、両親の取引先の会社の会長に俺を紹介してくれと頼まれて、ある日千葉を離れた『ある場所』に連れてかれたのだ。(日本国内らしいけど、携帯がなく位置探索が出来なかった為、何処なのかは最後まで分からなかった。)

 

 

 

そこで同い年のお見合い相手の女の子(少し話すと、雪ノ下家より遥かに格上のお金持ちのお嬢様で、その子と俺はツインソウルという関係らしい)と出会ったのだが、その後、いろいろあってその子と駆け落ち同然で逃亡する事件をやらかしてしまい、彼女達やその子の執事達に追われていたのだ。(更に言えば、戸塚や材木座や葉山グループ、平塚先生や折本達、その子の関係者達も巻き込んでしまった上に、日本どころか変装して海外にまで逃亡する羽目にもなった。)

 

 

 

あの時は、真面目に『人生オワタ』と思いました。(運が悪かったら本当に死んでたかもしれないし、最後に海外で再会した彼女達全員にマジ泣きされてしまったし、本当に良く五体満足で生きてるなって、今でも思っている。)

 

 

 

そんな1ヶ月に及んだ大騒動の末、お見合いの話はなくなったのだが、その子と最後にお互いに涙を流しながら握手して言われた言葉が、今でも忘れられない。

 

 

 

『八幡は、泣かせちゃったみんなを幸せにしてあげなくちゃダメだよ。きっとあたしじゃなくて、みんなこそ八幡にとっての『本物』なんだから。約束だよ。』

 

 

 

「その約束を必ず守る」と、俺はその子と彼女達に声を出して誓った。

 

 

 

……こんな事、前の俺だったら、恥ずかしくて言えないし、思ってすらなかったかもしれない。

 

 

 

でも、春の旅行やそんな事もあってから、今の俺にとって彼女達は、そう誓えるくらいの『本物』になったような気がする。

 

 

 

『青春は悪である。』と言ってた俺に、今の俺を見てもらいたいぐらいですよ、本当に。

 

 

 

 

 

八幡「……分かったよ。どうせ、俺も参加させるつもりなんだろ?」

 

 

 

割愛したという割には話が長くなってしまったが、俺は渋々、陽乃の『世界ゲーム』の提案に賛同する。

 

 

 

陽乃「あれ~?八幡、随分素直じゃない?」

 

 

 

いろは「そうですよね、はるさん先輩。捻デレな八幡がこんなに素直になるなんて珍しいですよね。」

 

 

 

八幡「何言ってんだよ、陽乃、いろは。俺はいつでも素直だっつーの。」

 

 

 

まるで俺が素直じゃないと主張する陽乃といろはに対して、反論する。

 

 

 

俺はあの事件以来、小町と留美以外の彼女達にも、名前で呼び捨てするようになった上、陽乃やめぐりに対しても、タメ口で話すようになった。(正確に言えば、彼女達からの提案で、事件のお詫びも兼ねて。)

 

 

 

そして、留美以外の彼女達もまた、その事件以来、俺の事を『八幡』と呼ぶようになった。(小町が『おにいちゃん』ではなく『八幡』って呼ぶようになったのは、正直ビックリしたけど。これも彼女達からの提案である。)

 

 

 

理由を聞くと、全員が声を揃えて『あの子と名前で呼びあっていたのに不公平だから。それに、あの子に負けるわけにはいかないから。』って訳の分からない事を言っていた。何の勝ち負けをしてるんだよ……。(因みに、彼女達とその子は、最後には仲良くなり友達になった。)

 

 

 

沙希「まぁ、いいんじゃない?参加するって言ってるんだし、全員参加って事で。アタシが『世界』の時は覚悟しなよ、八幡。」

 

 

 

小町「小町も『世界』引いたら、八幡にいろんな事させちゃおうかな♪」

 

 

 

留美「私も『世界』引いたら、八幡にあんな事やこんな事……。」

 

 

 

めぐり「あら、沙希ちゃんに小町ちゃんに留美ちゃんも私と同じ考えなんだね~♪私も八幡にいろんな事してもらおうかな~♪」

 

 

 

あの……癒し系の皆さん、貴女方がそんな俺をターゲットにするような事を仰ると、他の皆さんも……。

 

 

 

いろは「いいですね~♪あのお見合い&駆け落ち事件での鬱憤を晴らすには、ちょうど良いゲームじゃないですか?」

 

 

 

雪乃「そうね。八幡、あの時、私達を散々弄んだ挙げ句泣かせた罪、ここで贖って貰うわよ。」

 

 

 

結衣「ゆきのんといろはちゃんの言う通りだね。ここで会ったが百年目って奴だよ、八幡♪」

 

 

 

やっぱりだよ……。しかも、水に流したはずのあの時の事、まだ根にもってたのかよ、お前ら。あと、結衣。そういう意味では正解かもしれないけど、俺とお前は毎日と言っていいほど会ってるからな。

 

 

 

陽乃「まあまあ。みんなの言いたい事も分かるけど、それじゃゲームにならないじゃない。せっかくみんなで盛り上がるゲームなんだから。ルールの説明をしてもいい?」

 

 

 

陽乃がそんな雪乃達を諫めながら、『世界ゲーム』のルール説明をした。

 

 

 

ルールは次の通りである。

 

 

 

・9枚のタロットカード(『死神』、『節制』、『悪魔』、『塔』、『星』、『月』、『太陽』、『審判』、『世界』)をシャッフルして、『世界』を引いた人が命令を下せる。

 

 

 

・『世界』を引いた人の命令は、どんな命令でも従わなければならない。(但し、命令はあくまでも健全なもので。最悪、ポッキーゲームやチューまで。)

 

 

 

・命令を実行出来ない場合は、代わりに結衣の手作りクッキーを食べる事。(その為に、陽乃が結衣に大量に作ってくるように頼んだらしい。結衣は『陽乃さん、酷い!』って涙目になってたが。)

 

 

 

・『世界』を引いた命令で、自分に対する命令(例:『死神』が『世界』に○○をする等)と全員に対する命令は、各人それぞれ1回のみ。あと、それらの命令の連チャンはNG。

 

 

 

・同じ内容(または似た内容)の命令の連チャンはNG。

 

 

 

陽乃「まあ、王様ゲームとほとんど一緒の内容だけど、それで異存はないかな?」

 

 

 

陽乃の問い掛けに、全員が頷く。

 

 

 

陽乃「よーし、それじゃ早速始めましょうか!覚悟しなさいよ~。あの時、私達を散々泣かせた雪辱を果たさせてもらうからね、八幡♪」

 

 

 

そんな陽乃の開始の言葉と共に、『世界ゲーム』がスタートした。

 

 

 

陽乃、アンタもあの時の事、根にもってんじゃねぇよ。ある意味、一番怖いんだから。

 

 

 

 

 

 

 

・1回戦

 

 

 

『世界だ~れだ!?』

 

 

 

俺達全員の一斉の言葉で、陽乃が配ったタロットカードをめくる。

 

 

 

小町「あっ、小町だ!やったね♪」

 

 

 

『世界』:小町

 

 

 

一番最初の『世界』は小町になった。さて、ラブリーエンジェルなマイシスターは、果たしてどんな命令を下すのか……。

 

 

 

小町「う~ん……。最初だから、あんまり重い命令は出来ないよね……。あっ、そうだ!では、命令します。『『節制』の人は、『月』の人と握手をする』で!」

 

 

 

まあ、最初だし無難だな。流石、我が妹。

 

 

 

沙希「あっ、アタシ『節制』だ。」

 

 

 

雪乃「あら、私が『月』ね。」

 

 

 

『節制』が沙希、『月』が雪乃。クールで真面目系の似た者同士が握手をする。しかし……

 

 

 

ギュウウウウウ

 

 

 

雪乃「……沙希さん、気のせいかもしれないけど、凄く手が痛いんだけど?」

 

 

 

沙希「……雪乃こそ、力入れすぎなんじゃない?アタシの手が悲鳴をあげてるんだけど。」

 

 

 

バチバチ火花を散らすように睨み合う2人。この2人、同族嫌悪みたいな感じで、相性が良くないのだ。

 

 

 

しかし、奉仕部での活動では意外にも息がピッタリで、(旅行後、沙希も大志と小町と共に入部したのだ。)数々の依頼を2人でこなす時も多い。

 

 

 

不思議だよな。性格的な相性が良くないはずなのに、仕事では相性が抜群だなんて。

 

 

 

小町「はーい、そこまで!雪乃さんも沙希さんも相性抜群なのは、分かりましたから♪」

 

 

 

そして、命令者の小町の言葉で、2人は顔を赤くしながら手を離す。

 

 

 

雪乃「こ、小町さん!何嬉しそうに戯言を言ってるのかしら!?」

 

 

 

沙希「そ、そうだよ!何でアタシが雪乃と……!」

 

 

 

2人の反論に笑いが起こる。何だかんだで、お前ら実は仲良いだろ?名前で呼びあっているぐらいだし。

 

 

 

小町「ではでは、次のゲームに行きますよー!」

 

 

 

『世界』だった小町のもとにカードを集められ、小町がシャッフルして、前のゲームのタロット番号順に配られる。

 

 

 

因みに、最初のゲームの結果は

 

 

 

『死神』:俺

 

『節制』:沙希

 

『悪魔』:いろは

 

『塔』:陽乃

 

『星』:留美

 

『月』:雪乃

 

『太陽』:結衣

 

『審判』:めぐり

 

 

 

だった。

 

 

 

最初に『死神』引くのが、俺らしいっちゃ俺らしいが、ちょっと泣きたい…………。

 

 

 

 

 

 

 

・2回戦

 

 

 

『世界だ~れだ!?』

 

 

 

その言葉と共に、自分に配られたカードを一斉に見ると。

 

 

 

結衣「あたしだ!」

 

 

 

『世界』:結衣

 

 

 

2回戦は結衣だ。アホの子は、果たしてどんな命令をするのか……。

 

 

 

結衣「それじゃ、命令ね!『『星』は『悪魔』の頭を撫でる』で!」

 

 

 

ほう。まだ序盤だから、抑えてきたか…………って、

 

 

 

八幡「あれ?俺が『星』だ。」

 

 

 

めぐり「やった~♪私が『悪魔』だよ~♪ブイッ♪」

 

 

 

雪乃・いろは・陽乃・沙希・小町・留美『なっ……!』

 

 

 

結衣「ウッ、ウソ……!?あたし、なんてアシストを……!?」

 

 

 

俺がめぐりの頭を撫でる事が決定し、早速めぐりの所に行き、頭を撫でる。

 

 

 

八幡「そ、それじゃ、失礼するぞ。」ナデナデ

 

 

 

めぐり「うん♪いいよ~♪エヘヘ……♪」

 

 

 

本当に嬉しそうに頭を撫でられているめぐり。なんかその姿が愛らしい。

 

 

 

いろは「何やってるんですか!結衣先輩!!」

 

 

 

留美「そうだよ、結衣さんのアホの子。」

 

 

 

結衣「うう……ごめん。まさか、八幡に『星』を引くとは思わなくて……って、留美ちゃん、アホっていうなし!!」

 

 

 

雪乃「いいえ、結衣さん。これはアホと言わざるを得ないわ。」

 

 

 

陽乃「そうだね~。アホガハマちゃん、やらかし過ぎだよ。」

 

 

 

結衣「み、みんな酷い!!」

 

 

 

一方、雪乃・いろは・陽乃・留美にフルボッコにされて、結衣が泣きそうになっていた。

 

 

 

沙希「まったく……まだ序盤なのに、熱くなりすぎだよ。」

 

 

 

小町「そうですよ。まだまだ本番はこれからなんだから!」

 

 

 

その一方で、沙希と小町が冷静に他のメンツを諫めていた。

 

 

 

因みに、今回のゲームは

 

 

 

『死神』:陽乃

 

『節制』:小町

 

『悪魔』:めぐり

 

『塔』:雪乃

 

『星』:俺

 

『月』:いろは

 

『太陽』:留美

 

『審判』:沙希

 

 

 

だったとさ。

 

 

 

 

 

・3回戦

 

 

 

陽乃「おっ、私だ♪」

 

 

 

『世界』:陽乃

 

 

 

なん……だと……!?まさか、こんなに早く魔王のターンが来るとは……!!

 

 

 

結衣「う、嘘でしょ!?陽乃さんが『世界』!?」

 

 

 

雪乃「姉さん……!変な命令をしたら、許さないわよ!」

 

 

 

魔王がどんな命令を下すかで、戦々恐々とする俺達。そんな俺達に対して、陽乃は命令を下す。

 

 

 

陽乃「それじゃ、命令ね。『『太陽』の人は『悪魔』の人の物真似をする』で。」

 

 

 

えっ……?『悪魔』って俺じゃねぇか!!

 

 

 

いろは「あっ、私ですね、『太陽』。」

 

 

 

八幡「ゲッ!!」

 

 

 

ば、馬鹿な……!?よりによって、いろはだと!?

 

 

 

いろは「ちょっと、『ゲッ!!』って何ですか?まさか、八幡が……?」

 

 

 

八幡「……ああ、そうだよ。俺が『悪魔』だ。」

 

 

 

いろは「何ですかそれ。もしかして、私が物真似する事で自分への好感度を試そうという腹ですか?そんな事しなくても、私の八幡への好感度は既にMAXどころかリミットオーバーしてるので、とっとと告白するなりプロポーズするなりしてください。それが出来ないなら、私の事は諦めてください。ごめんなさい。」

 

 

 

八幡「……だから、何で勝手にフラれてるんだよ?っていうか、今のは告白なのかフッてるのか、分からないんだけど。」

 

 

 

いろは「まあ、それはそれとして、八幡の物真似ですか……。うーん……。」

 

 

 

フッ、どうやらいろはの奴は、俺の物真似をするのに、困惑しているようだな。そりゃそうだ、元々ぼっちの俺の物真似をする奴は、今まで皆無だったからな!…………自分で言ってて、泣きたくなった。

 

 

 

いろは「……っ!ねぇ、八幡。私の『とっておき』の物真似をしても良いですか?」

 

 

 

八幡「……はい?何だよ、『とっておき』って。」

 

 

 

いろは「今ネタバレしたらつまんないじゃないですかー。良いですよね?」

 

 

 

八幡「お、おう。やれるもんならやってみやがれ。」

 

 

 

面白ぇじゃねぇか……。その『とっておき』とやらを見せてもらおうか、いろはすさんよ!

 

 

 

いろは「では、行きますね♪ …………」ジワッ

 

 

 

八幡・雪乃・結衣・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『えっ!?』

 

 

 

突然、目を瞑ったと思ったら、次の瞬間には涙目になるいろは。そのいろはを見て、俺達一同は驚く。

 

 

 

えっ?何?そんなに俺の物真似をするのが嫌なの?そう思った次の瞬間だった。

 

 

 

いろは「『……それでも、俺は……』」

 

 

 

八幡「……っ!?お、おい!馬鹿!待て!!まさか……!!」

 

 

 

いろはの言っていた『とっておき』、それを瞬時に理解した俺は慌てて止めようとした。しかし、

 

 

 

いろは「『……俺は……『本物』が欲しい……』」

 

 

 

俺の静止も空しく、いろはは『とっておき』の俺の物真似を披露した。

 

 

 

八幡「―――――――うわああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

 

 

近所の迷惑になりそうなぐらいの悲鳴をあげて、のたうちまわりながら悶絶する俺。

 

 

 

恥ずかし過ぎて、顔全体どころか全身が真っ赤になるくらいの、公開処刑だった。

 

 

 

結衣「アッ……アハハハハハハハハハハハ!!!!い、いろはちゃん、それは流石に笑うなって言う方が無理だよ!!ねぇ、ゆきのん!!」

 

 

 

雪乃「そ、そうね…………!それは反則よ、いろはさん…………!!クッ……フフフ…………!!」

 

 

 

抱腹絶倒で大爆笑している輩が、弱冠2名。最早、腹筋崩壊なんてレベルじゃない。

 

 

 

留美「えっ?何?何?八幡がそんな事、言ってたの?」

 

 

 

沙希「へぇー。八幡、そんな泣き顔でそんな事言ってたんだ。ちょっと、見てみたかったかも。」

 

 

 

めぐり「なんか可愛いね、八幡♪そんなに恥ずかしがっちゃって♪」

 

 

 

小町「うーん、小町も知らない所でそんな事を言ってたなんて、ポイント高いですよ、いろはさん♪一本取られました♪」

 

 

 

陽乃「いやー、やるね。いろはちゃん。後でじっくり聞きたいな、それを言った時の話♪」

 

 

 

嫌だ!!止めて!!俺の人生で一番の黒歴史なんだから、それ!!

 

 

 

いろは「だから、確認したじゃないですか。『良いですか?』って。」

 

 

 

八幡「ち……畜生……。マジで覚えてろよ、いろは…………。」

 

 

 

未だに、顔を真っ赤にしつつ涙目になりながら、いろはに恨み節を言う俺に、他のメンツが爆笑していた。

 

 

 

おのれ………ここまでするんなら、最早容赦しねぇぞ…………。

 

 

 

因みにカードの結果は、

 

 

 

『死神』:雪乃

 

『節制』:結衣

 

『悪魔』:俺

 

『塔』:めぐり

 

『星』:沙希

 

『月』:留美

 

『太陽』:いろは

 

『審判』:小町

 

 

 

でしたとさ。

 

 

 

 

 

 

 

その後は、俺の言葉通り、容赦の無い展開になってしまった。

 

 

 

雪乃と結衣が、陽乃が用意したミニ○カポリスのコスプレでゲームを続ける羽目になったり、(雪乃は『姉さん……本当に覚えてなさいよ……!』と涙目になっていたし、結衣は『ジ、ジロジロ見んなし!』と顔を真っ赤ににしていた。)

 

 

 

めぐりと留美がポッキーゲームをしたり、(因みに留美が最初に逃げ出した為、罰ゲームで留美は結衣の作ったクッキーを食べる事になった。)

 

 

 

陽乃といろはが、沙希のオーダーメイドしたゴスロリの衣装(スパ○ボOGのラト○ーニみたいな感じ)を着る事になったり、(着て現れた瞬間、俺が『陽乃もいろはも超似合わねー!』って大爆笑したら、2人に般若や修羅と遜色のない顔で睨まれました。)

 

 

 

沙希とめぐりが、妖怪ウォ○チ2のエンディングのダンスをコ○さんとコ○じろうの着ぐるみを着て踊っていたり、(しかもフルコーラスで。終わった後、物凄く汗だくになっていた。)

 

 

 

小町と留美が初代プリ○ュアのOPをキュアブ○ックとキュアホワ○トの衣装を着て歌ったり、(本人達は恥ずかしがっていたが、この2人は全員からも似合ってるって好評だった。流石、年少組の天使達。)

 

 

 

等々、とにかく笑いの絶えない展開のゲームになっていた。

 

 

 

 

 

・30回戦(最終回)

 

 

 

陽乃(ゴスロリ)「ねぇ……次で最終回にしない?」

 

 

 

雪乃(ミニ○カポリス)「そ、そうね……。夜も大分遅くなってきたし……。」

 

 

 

沙希(○マさん着ぐるみ)「八幡……アンタ、ズルしてない?」

 

 

 

八幡「はっ?何でだよ?」

 

 

 

いろは(ゴスロリ)「そーですよー。だって、八幡だけあれ以降、全然当たってないじゃないですかー。」

 

 

 

八幡「知るかよ。それを言うなら、俺はまだ『世界』を1回も引いてねぇぞ。」

 

 

 

留美(キュアホ○イト)「あっ、そういえば、確かに八幡だけ引いてない。」

 

 

 

めぐり(○マじろう着ぐるみ)「あれ?ホントだね。」

 

 

 

結衣(ミニ○カポリス)「でも、ズルいよ!あたし達全員、コスプレされられたり罰ゲームさせられてるのに、1人だけ普段着で笑っているだけだし!」

 

 

 

小町(キュアブ○ック)「みんなでやるゲームに参加してるのに、そこでもぼっちなんて、小町的にポイント低いよ。」

 

 

 

そうなのだ……。もうかれこれ29回やったのだが、3回目のいろはの物真似以降、俺が命令に巻き込まれていないという奇跡を起こしていた。(因みに、全員に対する命令は0だった。)

 

 

 

そして、未だに『世界』のカードを1回も引いていないという、更に奇跡的な確率の珍事を起こしていた。

 

 

 

幸なのか不幸なのかわかんねぇな……。ここまで、ゲームに入り込めないとなると。まあ、変な事をされていないのは、ある意味幸運なのだろうけど。

 

 

 

雪乃「では、カードを配るわね。」

 

 

 

前のゲームで『世界』を引き当てた雪乃が、全員にカードを配る。

 

 

 

頼む……せめて最後だけでも『世界』を……!最悪、そうじゃなくても巻き込まれなかったら良い!

 

 

 

『世界だ~れだ!?』

 

 

 

そして、そんな祈りが天に通じたのか

 

 

 

八幡「よっしゃあああああああああ!!」

 

 

 

『世界』:俺

 

 

 

最後の最後で、俺が『世界』を引き当てて、渾身のガッツポーズと共に歓喜の雄叫びをあげた。

 

 

 

結衣「マジで!?最後の最後で引き当てるなんて……!!」

 

 

 

いろは「ちょっとー!あまりにも恵まれ過ぎじゃないですかー!?流石にインチキ臭いですよー!」

 

 

 

陽乃「まさか、本当にイカサマしてないよね?八幡?」

 

 

 

雪乃「もしそうだったら、絶対に許さないわよ!不正幡!!」

 

 

 

八幡「ふざけんな。インチキもズルもイカサマも不正もしてねぇからな。さぁ~て、どんな命令をしようかな~♪」

 

 

 

沙希「ま、まさか……アタシ達にとんでもない命令をするつもりじゃないの!?」

 

 

 

めぐり「や、やめてよ~。私達に恥ずかしい事をやらせるつもりなんでしょ~。」

 

 

 

小町「酷いよ!!小町的にポイント低いよ!バカ!ボケナス!八幡!!」

 

 

 

留美「鬼!悪魔!!八幡!!!」

 

 

 

あの、皆さん。最後に引き当てただけなのに、そこまでフルボッコにする必要があるんですか?あと、ラブリーエンジェルなマイシスターにルミルミ。俺の名前を悪口と同じ扱いだったり、千○ち○ろと同じような呼び方されると、泣きそうなんだが。

 

 

 

八幡「……いいだろう。だったら、覚悟を決めろよ。」

 

 

 

そこまで言うなら、俺は鬼にでも悪魔にでもなってやる。彼女達に最大の試練を与えようと決めた。

 

 

 

八幡「『比企谷八幡が命じる!貴様達は……俺に口付けをしろ!』」

 

 

 

コー○ギ○スのルルー○ュの如く、俺は彼女達に命令を下した。

 

 

 

さあ、どうする?やれるもんならやってみやがれ!!どうせ出来ないだろうから、結衣特製クッキーを食べて悶絶する姿を見て、大爆笑させてもらうがな!!

 

 

その時は、言わせてもらおう!『勝った!『世界ゲーム』 完!』とな!

 

 

 

陽乃「へぇ~。それじゃ、八幡にキスしていいんだ?まさか、それを嘘だとは言わせないよ?」

 

 

 

八幡「えっ!?」ビクッ

 

 

 

俺が命令を下したと同時に、彼女達全員の目の色が変わったような気がして、戦慄する。それは、ターゲットを視線で確認したケダモノのようだった。

 

 

 

何!?もしかして、ギ○スにでもかかったの!?お前ら!

 

 

 

沙希「そういう命令なら、しょうがないよね。だって、『世界』の命令は……」

 

 

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・小町・留美『ぜった~い!!』

 

 

 

八幡「ま、待て。俺が悪かった。やっぱり、さっきの命令は無しで!!考え直すから!!」

 

 

 

めぐり「命令のキャンセルは出来ないよ。だって、私達、もう八幡のギ○スにかかっちゃったんだから。」

 

 

 

八幡「いや、何でめぐりがギ○スの話を知ってるんだよ!?」

 

 

 

留美「……そのギ○ス、確かに受け取ったよ、八幡。」

 

 

 

八幡「いやいや!そんなの受け取らなくていいから!!ス○クの台詞使わなくていいから!!」

 

 

 

いろは「あれー?それを言ったって事は、それ相応の覚悟があるんですよね?八幡。」

 

 

 

雪乃「『撃っていいのは、撃たれる覚悟のあるやつだけ』よ、八幡。」

 

 

 

八幡「いやいやいや!!そんな事で、その名台詞使わなくていいから!!っていうか、何でお前ら、コー○ギ○スそんなに詳しいんだよ!?」

 

 

 

何とかこの家から逃げ出そうとするが、既に囲まれてしまい、逃げ道を防がれていた。

 

 

 

小町「往生際が悪いよ、八幡。小町達は『本物』なんでしょ?八幡にとっての。」

 

 

 

八幡「いや!確かにそうなんだけど、俺にとってのお前達の『本物』は、『友情』や『家族』的な意味で……!!」

 

 

 

結衣「『友情』?『家族』?今更、何寝惚けた事言ってんの?あたし達の『本物』は―――――」

 

 

 

結衣のその言葉と共に、彼女達全員が俺に襲いかかり、押し倒す。そして、彼女達全員が俺の耳元で、こう囁いた。

 

 

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・沙希・めぐり・小町・留美『――――『愛』だよ』

 

 

 

八幡「や、やめろ!!やめてくれええええええ!!!!ぎゃああああああああああああ……………!!!!」

 

 

 

その後の事は、詳しくは書けない。ただ、例えるなら『PS1のバ○オハ○ード2で大量のゾンビの餌になった主人公達』のようだったとだけ言っておこう。

 

 

 

そんな事が起こっている中で、ふと思った事がある。

 

 

 

『やはり、俺の青春ラブコメはまちがっている。』と。

 

 

 

~『やはり俺達の夜遊びはまちがっている。』 おしまい~




はじめまして。この拙文を書いた作者です。

普段はpixivでSSを書かせて頂いてますが、最近このハーメルンの存在を知って、私が先日pixivで書かせて頂いた俺ガイルSSを投稿させて頂きました。

このSSの解説を簡単に説明しますと、



・pixivで書かせて頂いている俺ガイルSSのアフターストーリー

・8人のヒロイン達(雪乃、結衣、いろは、陽乃、めぐり、沙希、小町、留美)の八幡への好感度がMAX状態

・八幡の事は『抜け駆け無し』と8人のヒロイン達の間で決まっている。(誰を選ぶか八幡に決めてもらう為。因みに、ヒロイン達同士は基本的に仲が良い。)

・一方の八幡は、上条当麻や衛宮士郎並みかそれ以上の朴念仁(彼女達との『本物』を、『友情』だと思っている。小町は『家族』。)


という感じです。

最後になりますが、このSSを最後までお付きあい頂き、誠にありがとうございました。


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その2 ガハマさん誕生日記念SS 『Love Rainbow』

どうも、しがない書き手の作者です。

いつも私の拙文を閲覧して下さる皆様、コメントして下さる皆様、お気にいり登録して下さる皆様、ありがとうございます。

今回は福引旅行の特別編として、結衣の誕生日記念SSを書いてみました。1話限りの短編SSです。

以下は、設定説明及び注意書きです。

・私の拙作『やはり俺の福引旅行はまちがっている。』のアフターストーリーです。(但し、以前書いた特別編とは違う並行世界の物語です。そこで書いた八幡のお見合い話もなし。)

・旅行で結衣と八幡が結ばれて、恋人同士になったというifストーリーです。

・結衣視点の物語です。

・現在考えている本編でのエンディングとは、また別のifストーリーだと思って頂ければ、幸いです。(但し、本編で結衣と結ばれる可能性はあります。)

・話の中にオリキャラが出ますので、オリキャラが苦手という方はブラウザバックでお願いします。

・今回はいつもと少し作風が違うかもしれませんw

以上、簡単ではありますが、設定説明及び注意書きでした。

では、本編をどうぞ。


~夜・比企谷家~

 

陽乃「それじゃ、みんな準備はいい?いくよ!」

 

『ハッピーバースデートゥーユー♪ハッピーバースデートゥーユー♪ハッピーバースデーディア由比ヶ浜さん(ガハマちゃん)(結衣さん)(結衣先輩)(由比ヶ浜)(由比ヶ浜先輩)(由比ヶ浜嬢)(ゆーちゃん)♪ハッピーバースデートゥーユー♪』

 

結衣「せーの……フー!」

 

パチパチパチ……

 

陽乃「誕生日おめでとう、ガハマちゃん!」

 

いろは「お誕生日おめでとうございます、結衣先輩!」

 

沙希「おめでとう、由比ヶ浜。」

 

留美「おめでとう、結衣さん。」

 

めぐり「おめでとう~。由比ヶ浜さん。」

 

小町「おめでとうございます!結衣さん!」

 

雪乃「お誕生日おめでとう、由比ヶ浜さん。」

 

結衣「うん、みんなありがとー!!」

 

今日はあたしの誕生日。あたしの誕生日パーティーを、あたしが世界で1番大好きな人の家でやっていた。

 

戸塚「おめでとう、由比ヶ浜さん!」

 

材木座「うむ!今日は誠にめでたい!無礼講でいこうぞ!」

 

大志「おめでとうございます!由比ヶ浜先輩!」

 

京華「おめでとー!ゆーちゃん!」

 

川崎弟「おめでとー!」

 

結衣「みんなも来てくれてありがとー!!中二以外!」

 

材木座「ちょっ!何故、我だけ!?」

 

あたしの冗談に、みんな、楽しそうに笑っている。そんなみんなにお祝いされて、あたしは凄く嬉しい。

 

なんで、あたしの家じゃなくて、『彼』と小町ちゃんの家でやっているかというのは、『彼』と小町ちゃんの提案だった。

 

小町『その日、お父さんもお母さんも出張でいないんですよ。だから、小町達の家でパーッとやりましょう!』

 

『彼』も『その日だったら、近所に迷惑にならなければ、好きなだけ騒げるぞ。結衣の家だと、お父さんやお母さんの迷惑になるかもしれないからな。』と小町ちゃんからの伝言で、主催してくれたのだ。

 

そして、『彼』と小町ちゃんが誕生日を祝ってくれる人達を誘って召集してくれたのが、今日来ているメンバーだった。

 

一緒に春の北海道旅行に行った、ゆきのん、いろはちゃん、陽乃さん、沙希、めぐり先輩、留美ちゃん。

 

みんなには、『彼』の事で本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。みんなもあたしに負けないぐらい、もしかしたら、あたし以上に『彼』の事を愛していたのかもしれなかったのに。

 

だけど、みんなはあたしと『彼』の事を心から祝福してくれた。その事でみんなには心から感謝している。祝福された時、思わず『みんな、ありがとう……』って言いながら泣いちゃったぐらいだし。(みんなも泣いてたけどね。)

 

それに加えて、『彼』と仲の良い彩ちゃんと中二、沙希の弟や妹達の大志君達も来てくれたのだ。

 

今日の誕生日パーティーで、隼人君達の事が気になっていたんだけど、その話をしたら隼人君達は快く応じてくれた。(最も優美子は反対していたけど、隼人君と姫菜と戸部っちが説得してくれて、渋々同意してくれたみたい。優美子の事では、隼人君達に凄く感謝している。)

 

雪乃「それにしても、主催者の1人はどうしたのかしら?まさか、『用事があって少し遅れる』なんて言語道断だわ。」

 

小町「いやー、本当にすいません。小町も理由を聞いたんですけど、『それは小町でも言えない』の一点ばりなんですよ。」

 

留美「もしかして、浮気してんじゃないの?私だったら、いつでもOKなのに。」

 

結衣「ちょっ!留美ちゃん、なんて事言ってるんだし!?」

 

沙希「そう言えば、ここ1~2ヶ月ぐらい、なんかおかしいよね。奉仕部もアタシと大志と小町に入部してほしいって、頼んでたし。」

 

いろは「本当ですよ。私も頼んだら、『力仕事だったら大志、それ以外だったら他のメンツに頼んでくれ』とか言ってましたから。」

 

陽乃「そうなんだ。道理で最近、奉仕部に行っても見かけないんだね。」

 

みんなの言う通り、最近の『彼』はおかしい。付き合い始めた当初は毎日のようにしていたデートも、ここ1~2ヶ月ぐらいは週1ぐらいだし、ずっと奉仕部にも来てなくてすぐ帰っちゃうし……。何をしているのと尋ねたら、『今は言えないけど、やらなくちゃいけない事があるから』と言って、いつもはぐらかせている。

 

平塚先生からも、奉仕部にしばらく来ない条件で、沙希と大志君と小町ちゃんを入部させたって聞いた。なんでだろう?あたしの事、好きじゃなくなって避けてるのかな……?

 

そんな不安を毎日抱えながら過ごしているのが、今のあたしの現状だ。あたしのグループでは、隼人君や姫菜や優美子辺りは、その不安に気付いているみたいだけど、敢えて何もアドバイスはされていない。

 

陽乃「まだ主催者が来てないけど、とりあえず、みんなで始めちゃおうか!?」

 

結衣「はっ、はい!そうですね!」

 

いろは「それじゃ、結衣先輩!乾杯をお願いします!」

 

結衣「みんな、本当にありがとー!かんぱーい!」

 

そんな事を考えていると、陽乃さんといろはちゃんに促されて、あたしは声高々に乾杯の音頭をとって、あたしの誕生日パーティーがスタートしたのであった。

 

~1時間後~

 

大志「も、もう食べられないッスよ……。材木座先輩……。」バタン

 

材木座「フハハハハ……!どうやら、我の勝ちのようだな……!我の胃袋は…………キュ~」バタン

 

川崎弟「あー!たーちゃんもちゅうにもたおれたー!」

 

京華「ねー、はるちゃん。どっちのかちなの?」

 

陽乃「んー?どっちかな、けーちゃん?せっかくだし、主役のゆーちゃんに聞いてみようか?」

 

結衣「えっ!?あたし!?う~ん……引き分けかな?」

 

沙希「まあ、そうだね。ダブルノックアウトだし。」

 

大志君と中二がフードファイトっていうゲームをやっていて、2人とも同時に倒れたので、陽乃さんに結果をふられたあたしは、引き分けという判断をした。

 

見ていて凄く面白かったし、大志君寄りだった女の子達の応援も、途中から中二への応援の声もあったし、とにかく興奮したしなんか感動もしちゃった。

 

小町「いやー、面白かったですねー!大志君も中二先輩もよく頑張りましたよ!」

 

戸塚「本当だね。僕だけだったのに、途中から材木座君の応援もしていた人もいたよね。」

 

めぐり「材木座君も凄かったよね~。私も応援したくなっちゃったもん。」

 

未だに大志君と中二のフードファイトの興奮が未だ冷めない時だった。

 

ガチャ バタン

 

「…………いやー、凄くずぶ濡れになっちゃったねー。ウケるし。」

 

「…………いや、ウケねーよ。すぐシャワーか風呂に入りたいぜ、全く……。」

 

玄関からドアの開け閉めをする音、そして、誰か話をしている『彼』の声が聞こえてきた。

 

結衣「えっ……!?」

 

あたしはその声を聞いた瞬間、すぐにリビングを出る。みんなもそれに続くように出てきた。そして、そこには

 

雪乃・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『えっ!?』

 

戸塚「えっ?誰?」

 

京華・川崎弟『ん?』

 

結衣「えっ……!?ヒッキー……!?」

 

八幡「おう、ただいま。悪いな、こんなに遅くなって。突然のどしゃ降りになって、だいぶ濡れちまってな。」

 

ずぶ濡れになって帰ってきた『彼』――――ヒッキーの姿があった。『もう1人』と一緒に。

 

かおり「おいーっす!みんな、久しぶり!知らない人ははじめまして!折本かおり、サプライズゲストで来ちゃいました♪」

 

結衣「か、かおりん……?どうして……?」

 

ヒッキーと同じくずぶ濡れになった『もう1人』――――偶然同じ時に北海道旅行に来ていた、かおりんこと折本かおりさんもいた。

 

かおり「比企谷から聞いたよ?今日、結衣ちゃん誕生日なんだってね。おめでとー♪」

 

結衣「う、うん。ありがとう……。」

 

八幡「結衣、みんな。事情は後で説明する。まずはシャワー浴びろ、折本。着替え買ってきたんだろ?俺も体拭いて、着替えてくるから。」

 

かおり「あっ、そうだね。それじゃ、みんな。また後でね。」タッタッタッ……

 

八幡「そういう訳だ。すぐに着替えてくるから、待ってろ。」タッタッタッ……

 

結衣「あっ、ちょっと……!」

 

ヒッキーとかおりんは、そうあたし達に言うと、浴室に行ってしまう。

 

どういう事……?どうして、ヒッキーがかおりんと一緒に帰ってきたの……?

 

いろは「ど、どうして、折本先輩が先輩と一緒に……!?」

 

留美「まさか、八幡……?本当に浮気してたの、あの人と……?」

 

めぐり「そ、そんな訳ないよ~。それだったら、あの時私達が泣きながら祝福したのが、馬鹿みたいになっちゃうじゃない~。」

 

沙希「そうだね。これは納得出来る説明をしてくれないと、許す訳にはいかないね。」

 

陽乃「沙希ちゃんの言う通りだね。返答次第じゃ、只じゃ済ませないから。」

 

雪乃「あの男と折本さんには、全部白状させてもらうわ。ところで小町さん、折本さんが来る事は知っていた?」

 

小町「と、とんでもないです!小町も知らなかったですよ!本当に浮気してたら、小町も許しませんよ!あのゴミぃちゃん!!」

 

京華「さいちゃん……。」

 

川崎弟「さーちゃんたち、こわい……。」

 

戸塚「だ、大丈夫だよ。うん、八幡達を信じようよ。ねっ、由比ヶ浜さん。」

 

結衣「…………。」

 

彩ちゃんはそう言ってたけど、あたしは正直、ヒッキーとかおりんの事を疑ってしまっている。せっかくの誕生日なのに、こんなに気分が沈んじゃうなんて思わなかった。

 

2人が来るまでの間、さっきまで楽しく騒いでいたのが嘘みたいに、誰も何も言わないまま静かな時を過ごしていた。ゆきのんやいろはちゃん達はイライラしてるし、さいちゃんやけーちゃん達はおろおろしてるし……。

 

大志・材木座『う~ん……もう食べられない……。』

 

大志君と中二は、さっきので気を失っていたけどね。

 

そんな沈黙の中、2人はやってきた。

 

八幡「よう、待たせたな……って、どうした?そんな険しい顔して?」

 

かおり「あれ?どうしたの?私達が帰ってきた時、玄関まで騒いでいたの聞こえたのに。」

 

そんな悪びれた様子のない2人に、ゆきのん達が睨み付けながら問いただす。

 

雪乃「まず、私達や由比ヶ浜さんに納得の出来る説明をしてもらえるかしら?比企谷君。」

 

陽乃「返答次第じゃ、私達、何するか分からないよ。」

 

八幡「…………えっ?何の事だよ?」

 

いろは「とぼけないで下さい、先輩!どうして、折本先輩と仲良さそうに帰ってきたんですか!?」

 

沙希「アンタ、見損なったよ。由比ヶ浜と付き合ってから初めての誕生日でしょ?もし、遅れた理由がアタシらが考えている事だったら、マジで許さないからね。」

 

留美「八幡は結衣さんをこんな不安な顔をさせて、申し訳ないと思わないの?」

 

小町「小町的にポイントマイナスだよ、ゴミぃちゃん。こんな大雨の中、追い出されても文句言えないよね?」

 

めぐり「比企谷君、正直に話して。話してくれなかったら、私達納得出来ないから。」

 

みんながあたしの為に怒っていた。みんなの気持ちが痛いほど分かる。あたしも、もしこの中の誰かと立場が逆だったら、あたしもきっと滅茶苦茶怒っているはずだから。あたしだけじゃなくて、あの時のみんなの想いも踏みにじっているようなものだから。

 

八幡「……まあ、それはだな……。」

 

かおり「いいよ、比企谷。私が説明するから。」

 

ヒッキーが話そうとした時、かおりんがいつもとは違う真剣な表情で、ヒッキーに代わって、あたし達に事情を話そうとしていた。

 

かおり「実はね……私と比企谷…………」

 

やだ……やめて……!聞きたくない…………!

 

あたしは、かおりんが次に何を話すのか勘づいてしまい、思わず耳を塞いでしまう。しかし、

 

かおり「…………なんと、結衣ちゃんへのサプライズプレゼントをたくさん用意していましたーーーー!!!!」

 

結衣「…………………………えっ?」

 

雪乃・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美・戸塚『…………………………へっ?』

 

京華・川崎弟『ふぇっ?』

 

かおりんの次に出た言葉で、ヒッキーとかおりん、気を失っている大志君と中二以外の、あたし達全員が目が点になって茫然となってしまった。

 

結衣「…………あ、あたしへのサプライズプレゼント…………?」

 

かおり「そう!ずっと隠してて悪かったんだけど、2ヶ月前ぐらいに比企谷に相談されたんだ。私が1番適任だって言われてね。」

 

八幡「その、何だ。まずは、これを見てほしい。」

 

ヒッキーはそう言いながら、持っているバッグの中から、2枚のDVDを取り出す。

 

あたし達が茫然としている中、ヒッキーはリビングのDVDデッキに取り出したDVDの1枚を中に入れて再生する。すると、再生されたDVDには、

 

奈呼・璃夢『せーの…………結衣さん(ちゃん)、お誕生日おめでとうございまーす!!』

 

結衣「えっ!?奈呼さんと璃夢さん!?」

 

なんと、あたしとヒッキーが付き合うきっかけになった、北海道旅行でお世話になったバスガイドの姉妹、奈呼さんと璃夢さんが映っていた。

 

璃夢『やっはろー!皆様ー!お久しぶりでーす!!お元気ですかー!?』

 

奈呼『や、やっはろーです……。ご無沙汰しています、皆様。実は私達、結衣さんの誕生日プレゼントとして、このDVDレターを送ってほしいって、八幡さんとかおりさんに頼まれたんです。』

 

璃夢『そうなんです!八幡君が『あの旅行のお陰で結衣と結ばれたから、是非お願いします。』って事で、私達も結衣ちゃんの誕生日パーティーにこういう形で参加することになりました!あっ、あとこのDVDはかおりちゃんの家に送ればいいんだよね、姉様?』

 

奈呼『そうよ、璃夢。このDVDと一緒に、かおりさん宛に結衣さんの誕生日プレゼントもお送り致しましたから、是非八幡さんから頂いてください。私達も結衣さんの誕生日を、心からお祝い申し上げます。』

 

璃夢『それじゃ、結衣ちゃんに八幡君!それに、雪乃ちゃん、いろはちゃん、陽乃ちゃん、めぐりちゃん、沙希ちゃん、小町ちゃん、留美ちゃん、そして、かおりちゃん!また北海道に遊びに来て下さいねー!今度も私達がご案内致しますから!絶対ですよー!最後に結衣ちゃん、お誕生日、本当におめでとうございまーす!』

 

奈呼『是非、また皆様でいらしてください。皆様と再びお会いできる日を、心からお待ちしています。結衣さん、今日は本当におめでとうございます。』ピッ

 

八幡「まあ、そんな訳で、奈呼さんと璃夢さんから誕生日プレゼントを預かっているから……って、結衣!?」

 

結衣「う、ううん……。ゴメンね、ヒッキー……。」ウルウル

 

ヤッバイ……。めっちゃ、泣きそう……。

 

本当にサプライズだよ…………。まさか、奈呼さんと璃夢さんが未だにあたし達の事を覚えていてくれて、あたしの誕生日をお祝いしてくれるなんて…………。

 

かおり「ちょっと、ちょっと!まだ泣くのは早いよ、結衣ちゃん!『もう1枚』あるからね!」

 

結衣「へっ……?『もう1枚』……?」

 

ヒッキーは『もう1枚』のDVDを再生する。そしたら、今度はあたしとヒッキーが結ばれたきっかけを作ってくれた『あの人』が、あたしの誕生日をお祝いしてくれた。『あの人』もまた、奈呼さんと璃夢さん同様、DVDレターと一緒に誕生日プレゼントをかおりん宛に送ってくれた。

 

結衣「ズ、ズルいよ……。ヒッキー、かおりん…………。こんなサプライズ、本当にズルすぎるよ…………。」グスグス

 

かおり「まだまだ泣くのは我慢してね、結衣ちゃん。こっからがサプライズの本命だから。」

 

結衣「ふぇっ…………?」

 

どういう事……?ここまででもう涙腺が崩壊してるのに、これ以上何が…………?

 

八幡「……こ、これを結衣にあげようと思って……。」

 

ヒッキーは顔を赤くしながら、片手で持てる小さなケースを取り出して、中身を開ける。

 

結衣「えっ……えええ…………!?」

 

すると、その中には指輪が入っていた。しかも、この指輪、見覚えが……!

 

結衣「こ、これって、まさか……!」

 

八幡「……そうだ。結衣と付き合いはじめた時のデートで、結衣が欲しいって言ってた指輪だよ……。ちょっと、刻印が変かもしれないけど……。」

 

そう……。この指輪は、ヒッキーとデートしている時に、あたしが欲しいって言ってた指輪だ……!しかも、よく見ると文字が書かれている……。

 

『MY DEAREST YUI』って……!

 

結衣「う、ううう…………!」ポロポロ

 

もう、溢れる涙が止まらない。少しでも、ヒッキーを疑ってしまった、自分が恥ずかしいし情けない。こんなにヒッキーは、あたしの事を心から想ってくれていたのに…………!!

 

空を仰ぐふりをして、あたしは涙を隠そうとした。

 

ギュッ

 

八幡「明日もずっとその先もお前といたいんだ、結衣。結衣が俺を強くさせてくれるから。」

 

そう言いながら、ヒッキーはあたしを抱きしめてくれて、自分の手であたしの涙を拭ってくれた。

 

八幡「だから、泣かないでくれ、結衣。お前には笑顔が1番似合うんだから。」

 

結衣「…………うん!ありがとう、ヒッキー…………!!」

 

あたしはヒッキーに精一杯の笑顔を見せた。泣き顔だったから、精一杯の泣き笑いの顔になっちゃったけどね。

 

かおり「いいね~!それアリだよ、比企谷と結衣ちゃん!作戦大成功!!」

 

いろは「あの、折本先輩?」

 

かおり「ん?どうしたの?一色ちゃんにみんな。」

 

雪乃「どうやって、比企谷君はあの指輪を買ったのかしら?結構高そうな感じがするのだけれど……。」

 

かおり「あっ、言ってなかったね。比企谷、2ヶ月前から私がバイトしているカフェでバイトしているんだよ。」

 

結衣「………………えっ?」

 

雪乃・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美・戸塚『ええええええええええっ!?』

 

川崎弟「うん、どうしたの?」

 

京華「ばいと?はーちゃんが?」

 

かおり「そうだよ。結衣ちゃんの誕生日プレゼントを買うためにね。それでも少し足りなかったから、自分の貯金も崩したみたい。」

 

小町「そう言えば、おにいちゃん、最近ずっと帰りが遅かったのって、それだったんだ……。小町的にポイント爆上げだけど、どうして、小町達には相談してくれなかったの!?」

 

八幡「結衣にバレる可能性の問題だよ。折本が1番適任だったのは、結衣にバレる可能性が1番低いと思ったからだ。だから、一緒に旅行に行ったメンツは勿論、戸塚にも言えなかったんだ。まあ、あそこは雪ノ下の家も近いから、眼鏡掛けてバレないようにしていたけどな。」

 

かおり「この中で結衣ちゃんと1番遠そうなの私だもん。地元も学校も違うし、奈呼さんと璃夢さん達の事も知っているっていうのも、大きかったみたいだよ。眼鏡姿の比企谷、凄くウケるし♪」

 

八幡「いや、ウケねーから。」

 

そうだったんだ……。なんか、かおりんにちょっと妬けちゃうな……。ヒッキーのそんな知らない姿を知ってるなんて……。

 

かおり「大丈夫だって、結衣ちゃん!結衣ちゃんと比企谷の事、私も応援してるから!」

 

結衣「えっ……?」

 

かおり「バイトの時、いつも比企谷が結衣ちゃんの事で話してくるんだよ。『当たり前の事はないけど、結衣と出逢えてからの全てが奇跡のようだ』とか、『別れを知らない出逢いなんてないかもしれないけど、それでも結衣が笑うなら俺はずっと結衣の近くにいるから』とか、『どんな顔でどんな声で伝わるんだろうな?俺の結衣への想いは』とか、マジウケるノロケ話してくるしね。そんな事言われたら、応援しないわけにはいかないよ~♪」

 

八幡「ちょっ、おまっ!!それは結衣には言うなよって約束だろうが!!」

 

かおり「あれ?そうだったの?『言うなよ!絶対言うなよ!!』って言ってたから、てっきりフリだと思ったし。それアリでしょ?」

 

八幡「ねぇよ!!」

 

かおりんの暴露話にヒッキーが顔を真っ赤にしながら慌ててるのを見て、あたしもみんなも笑っている。

 

こんなにヒッキーに愛されているなんて、あたしは世界一の幸せ者かもしれない。

 

この幸せがいつまでも続いていきたい……。そんな事をあたしは心の中で願っていた。

 

 

 

 

 

 

 

―――後日談――――

 

~カフェ~

 

ある雨の休日、あたし達はヒッキーとかおりんがバイトしているカフェに来ていた。

 

八幡「……なんで、学校の休日のシフトの時に、毎回来るんだよ……。お前ら……。」

 

雪乃「あら、これは立派な奉仕部の課外活動よ。バイト谷君。それとも、眼鏡谷君の方がいいかしら?」

 

沙希「ウチの部員が粗相をしないか監視するためだよ。由比ヶ浜の依頼でもあるからね。」

 

小町「そうそう。結衣さんがいながら、小町達以外のお客様にナンパしたり、逆ナンされたりしないか、見張る必要があるのです!」

 

大志「す、すみません。お兄さん。」

 

八幡「いや、それでも明らかに部外者が何人もいるじゃねぇか……。しかも、何で毎回、俺の奢りになるんだよ……。戸塚やけーちゃん達はいいけど……。」

 

いろは「何言ってるんですか!?2ヶ月間、私達に内緒で折本先輩とサプライズを企画していた罰ですよ!暫くの間、コーヒーやケーキ御馳走してもらいますからね、先輩!」

 

陽乃「酷いな~、比企谷君。そんな事言ってたら、平日のシフトの日も来ちゃうからね♪」

 

めぐり「ゴメンね~比企谷君。でも、このカフェのコーヒーや紅茶が凄く気にいちゃったんだよ~。」

 

留美「私もここのホットミルク、好きになっちゃった。八幡、いつも御馳走様。」

 

川崎弟「このケーキおいしいね!けーちゃん!」

 

京華「うん、おいしいね!はーちゃんとかおちゃん、ありがとー!」

 

戸塚「本当にゴメンね、八幡。僕達もお邪魔しちゃって。」

 

材木座「うむ!ここのコーヒーは本物の味がする!実に美味であるぞ、八幡!折本嬢!」

 

八幡「うるせえぞ、材木座!お前に飲ませるコーヒーはねぇ!!」

 

かおり「今回カオス過ぎるんですけど、ウケる!」

 

あたしの誕生日以降、ヒッキーがバイトをしている休日の日は、あたし達が遊びに行く事が定番になっていた。(かおりんから聞いたんだけど、あたし達が行く時は、以前の休日よりお客さんが増えて売上が上がったって、店長さんが喜んでいるみたい。)

 

いつもは旅行のメンバーだけなんだけど、今回は誕生日パーティーの参加者全員で来ていた。

 

結衣「あっ……!」

 

あたしが店の外を見てみると、いつのまにか雨がやんで晴れていた。そして、

 

京華「わー!きれいなにじだー!」

 

川崎弟「ほんとだー!すごーい!」

 

ハッキリと7色のアーチを描いた虹が、空の彼方に浮かび上がっていた。

 

結衣「凄い……綺麗だね……。」

 

八幡「ああ……ホントだな……。」

 

その虹を見て、思わず呟いてしまった時、休憩に入ったヒッキーがあたしに声を掛ける。誕生日にプレゼントしてくれた指輪を嵌めたあたしの手を握りながら。

 

あたしとヒッキーの指がそっとからむ。その指にあたし達の熱を感じてる。

 

結衣「……あたし達の愛も、ずっとあの虹みたいに輝けるかな……?」

 

八幡「……きっと出来るさ。俺と結衣なら。」

 

あたし達を祝福してくれるかのように、虹は綺麗に輝いていた。

 

あたし達の愛も、あの虹のようにずっと綺麗に輝いていてほしい。

 

そう、ずっと……2人で……ずっと…………。

 

―『Love Rainbow』 おしまい―




……以上、ガハマさんの誕生日SSでした。いかがだったでしょうか?

今回ガハマさんの誕生日SSを書いたのは、個人的な動機がありまして、『私とガハマさんの誕生日が近い』という事だけで書きましたw(その為、他のヒロインの誕生日SSを書くかどうかは未定です。)

お気付きの方がいるかどうか分かりませんが、この拙文のタイトル『Love Rainbow』は、某ジ○ニーズのグループの歌のタイトルが元ネタです。

八幡とかおりの台詞及び結衣のモノローグの中に、その歌の歌詞を一部使わせて頂きました。(不自然なセリフがある所がそうですw)

因みに、作中に出てきた『ある人』というのは、結衣回で登場するゲストさんです。ネタバレになってしまうから、まだ名前は出せませんので悪しからずw

この拙文にお付き合い頂いて、誠にありがとうございました。

本編の『やはり俺の福引旅行はまちがっている。』も、何卒宜しくお願い申し上げます。




では、最後に…………


ガハマさん、ハッピーバースデー!!


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その3 はるのん誕生日記念SS『BELOVED』

このSSを御覧の皆様、おはようございます(もしくは、こんにちは、こんばんは)。しがない物書きをやっている作者です。

いつも、私の拙文を閲覧してくれる皆様、ありがとうございます。

今回は陽乃さんの誕生日記念SSを書いてみました。

宜しかったら、是非閲覧してください。

では、本編どうぞ。


陽乃「へぇー、なかなか雰囲気のある店じゃない。」

 

八幡「そうだろ?俺の親父とお袋が出会った店なんだ、ここ。ぼっちになる前の小さい頃、よく親父やお袋や小町と一緒に来た事もあるんだ。」

 

今日は私の誕生日。私は春の北海道旅行で恋人になった八幡と2人きりで誕生日を祝う事にした。

 

陽乃「それにしても、八幡、よくこんなところに連れてきたくれたね。お金、大丈夫なの?」

八幡「陽乃と付き合いはじめてから、初めての誕生日だしな。特別な場所に行こうかなって思って。その為にバイト頑張ったから。」

 

陽乃「それは嬉しいんだけど、その為に大学受験落ちて浪人なんていうのは無しだよ。そんなんじゃ、父さんや母さんに門前払いされるからね。」

 

八幡「分かってるって。陽乃に恥ずかしい思いをさせる事だけは、絶対にしねぇよ。それで陽乃と別れるなんて、俺だって嫌だからな。」

 

陽乃「そ、そう。ありがとう……。私だって、八幡と同じ気持ちだよ……///」

 

八幡の言葉に、私は顔を赤くする。八幡がそんな事を言ってくれるなんて、出逢った頃には夢にも思わなかった。

 

八幡が私の事を『陽乃』と呼び捨てするようになったり、タメ口で話すようになったのも、付き合い始めた時に私がこう言ったのだ。

 

陽乃『せっかく恋人同士になったんだから、私の事を『陽乃』って呼んでよ。私も『比企谷君』じゃなくて『八幡』って呼ぶから。それと敬語もダメね。八幡と対等な関係でいたいから。』

 

それを言って以来、八幡はそうするようになった。最初の1か月はぎこちなかったけど、今ではそれが当たり前のようになったのが、凄く嬉しい。

 

知らない人からみたら、生意気なガキに思われるかもしれない。だけど、八幡の事をそんな風に思っていないし、周りにどう思われようが気にもしていない。だって、私が望んでいた事だから。

 

八幡「よし、店に入ろうぜ。陽乃。」ギユッ

 

陽乃「う、うん。」ドキッ

 

そうして、八幡は私の手を握り、店の中へと連れていった。まさか、手を握りながらエスコートしてくれるとは思わなかったので、思わず顔が赤くなる。

 

「おう、いらっしゃい。……ん?何処かで見たような……?」

 

八幡「お久しぶりです、親父さん。八幡ですよ、比企谷家の。」

 

「へっ?比企谷って……?お前、ハチか!?随分、大きくなったじゃねぇか!久しぶりだな!」

 

八幡「ご無沙汰しています。まさか、覚えていてくれたなんて、思わなかったですよ。」

 

「当たり前だろ!お前の父ちゃんと母ちゃんには、随分世話になってるからな。今でも、たまに仕事帰りに飲みに来てるぜ。」

 

八幡「えっ?そうなんですか?親父とお袋め……!言ってくれれば、俺と小町も来たのに……!」

 

「まあ、そう言うなよ、ハチ。……ん?お前の隣にいるの、もしかして小町ちゃんか?」

 

八幡「ああ、似てるけど違いますよ。俺の恋人です。」

 

陽乃「はじめまして。八幡とお付き合いさせて頂いてる、雪ノ下陽乃です。」

 

八幡は店に入るやいなや、店の店主らしき人と凄く懐かしげに話していた。そうして、店主は私を小町ちゃんと見間違い、八幡が自分の恋人だと紹介してくれて、私も挨拶をする。

 

「へっ?雪ノ下って……?まさか、あの親父と母ちゃんの娘さんか!?」

 

陽乃「えっ?父と母とお知り合いなんですか?」

 

「知ってるも何も、あの親父もウチの店にたまに飲みに来るんだよ。ごく稀に、あの綺麗な母ちゃん連れてきたりもするしな。アイツらもこの店で出会って付き合ったんだよ。ハチの父ちゃんと母ちゃんみたいにな。」

 

八幡・陽乃『…………えええええええっ!?』

 

店主の話に、私と八幡は驚きを隠せなかった。知らなかったとはいえ、まさか私の両親が出会った店だったなんて……。

 

「寄りによって、こんな店で出会って結婚した奴等の子供同士が付き合って、店に来るなんてな……。人生ってのは、何があるかわかんねぇぜ。」

 

八幡「ほ、本当ですね……。」

 

陽乃「世間は狭いって言うけど、こんな話初めて聞いたかも……。」

 

「まあ、何だ。せっかくこんな店に来てくれたから、立って話してるのもなんだし、なんか食ってけよ。その為に来たんだろ。」

 

八幡「あっ、そうですね。それじゃ、お邪魔します。」

 

そうして、私達はカウンターの席に座って、私の2人きりの誕生日パーティを始めたのであった。

 

 

 

 

 

~1時間後~

 

陽乃「う~ん。八幡、まさか飲んでなんかないよね~?ダメだよ~、私みたいに飲んでちゃ。」

 

八幡「いや、飲むわけねぇだろ……。すっかり、でき上がってんじゃねぇか、陽乃……。」

 

1時間経って、私はすっかり酔っぱらっていた。八幡が店主に、私の誕生日だって言ったところ、店主が普段店では出さない秘蔵の日本酒を出してきたのだ。

 

店主曰く、その日本酒は4合瓶しかなく、安くても7千円ぐらいするらしくて、今日出したのは、その倍以上の値段の物だった。

 

これには、流石の私も遠慮しようとしたのだが、店主が『いいんだよ。陽ちゃんの親父と母ちゃんも、この酒を一緒に飲んで付き合ったようなもんだから。』と、まさかの両親のエピソードを聞かされたので、私はその酒を1人で飲んでいたのだ。

 

それにしても、いつの間にか、店主から『陽ちゃん』って言われてるんですけど……。まあ、悪い気はしないかな。

 

陽乃「……ねぇ、八幡。1つ聞いていい?」

 

酒の力を借りてというのも私らしくないが、私は勇気を振り絞って、八幡に尋ねてみる。ずっと、聞きたくても聞けなかった事を。

 

八幡「あん?どうしたんだよ?陽乃。」

 

陽乃「……どうして、あの時、私を選んでくれたの?私に『陽乃さん、貴女の事が好きです。』って言ってくれたの?」

 

八幡「……っ!」

 

そう、あの北海道旅行の最終日、私だけでなく、一緒に旅行に行った全員が八幡に告白した。

 

雪乃ちゃん、ガハマちゃん、いろはちゃん、めぐり、沙希ちゃん、小町ちゃん、留美ちゃん、そして、私。

 

みんな、私と同じぐらい、もしかしたら、私よりも八幡の事を愛してたかもしれない。

 

しかし、八幡は私を選んでくれた。その時、私は生まれて初めて、本気で涙を流していた。本気で笑顔をみせていた。

 

これまでの仮面を被った偽りの人生を捨てて、本当の意味での私の人生を生きていこうとまで思えたぐらいだった。

 

陽乃「あの言葉が、私を変えたんだよ。八幡の言う強化外骨格を捨てて、本当の意味で私の人生を生きていこうとまで思えたんだよ。」

 

八幡「…………」

 

陽乃「ねぇ、教えて。本当は雪乃ちゃんやガハマちゃん達の方が……」

 

八幡「陽乃、俺からも1つ聞いていいか?」

 

陽乃「うん?何?」

 

八幡「……俺が陽乃を好きになった事に、理由なんているのか?」

 

陽乃「えっ……?」

 

八幡「俺にとっての『本物』―――俺にとっての最愛の人と思った人が陽乃だった。俺にはそれ以上の理由なんてないよ。」

 

陽乃「八幡……。」ウルウル

 

本当、私より3つも年下の癖に、なんて心が暖かくなる事を言ってくれるんだろう。ヤバい……あの時みたいに泣きそうになるんだけど……。

 

八幡「あっ、そうだった。そう言えば、陽乃にまだ渡してなかったよな……。」

 

八幡がその時、自分の鞄の中身を手探りで探しながら、『ある物』を取り出す。

 

陽乃「えっ?これって、まさか……!?」

 

八幡「……誕生日プレゼントだよ。前にデートした時、欲しいって言ってたじゃねぇか。このペアリング。」

 

『ある物』――――それは、私が八幡とのデートの時に、欲しいと言っていたペアリングの入っていたケースだった。

 

陽乃「あっ……!!」

 

そのケースを開けると、ペアリングに刻まれた文字を見て、

 

八幡「今更言うのもなんだけど、誕生日おめでとう、俺の最愛の人、陽乃。」

 

――――『MY BELOVED HARUNO』――――

 

八幡は、刻まれた文字を英訳した言葉で、私の誕生日をお祝いしてくれた。

 

陽乃「ううう……!!」ポロポロ

 

もう、溢れる涙が止まらない。それと同時に、私の心から溢れる喜びも止まらない。

 

八幡「陽乃……。」ギュッ

 

陽乃「っ……!!」

 

私の名前を呼びながら、抱きしめてくれる八幡。泣き笑いをしている私の微笑みも涙も、八幡は受け止めてくれた。

 

八幡「これからも、今以上、愛してる……。」

 

陽乃「うん……!!」ギュッ

 

私は、これまでにないぐらい、八幡の事を強く抱きしめた。それは、紛れもない『本物』の想いだったから。

 

仮面のない『本物』の私らしく生きられるのも、貴方がそばにいてくれたから。

 

夢から覚めた(かめんのない)私は、これからも、そして今以上に、夢から覚ましてくれた(かめんをとってくれた)貴方を愛してる。

 

それが、私の『本物』だよ、八幡……。

 

 

 

~『BELOVED』 おしまい~




以上、陽乃さん誕生日SSでした。いかがだったでしょうか?

このSSを簡単に説明しますと、

・『私の拙作『やはり俺の福引旅行はまちがっている。』の陽乃ENDのアフターストーリー』

・陽乃視点のモノローグ

・タイトルに関しましては、とある有名なバンドの歌のタイトルを使いました。また、八幡と陽乃のセリフやモノローグにも、歌詞の一部を使いました。

……という感じです。

ガハマさんの時に比べて、執筆時間があまりなかったので(仕事やプライベートの用事が多かったのです。ごめんなさい(泣))、予定していた、他のヒロイン達のシーンもカットしまいました。(泣)

この後書きまでお付き合い頂いて、誠にありがとうございました。

引続き、『やはり俺の福引旅行はまちがっている。』の方も、宜しくお願い申し上げます。

では、最後に……

はるのん、ハッピーバースデー!


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その4 八幡誕生日記念SS 『やはり俺の誕生日はまちがっている。』

このSSをご覧の皆様、ご無沙汰しています。しがない作者です。

いつも、私の拙文を読んでくださり、誠にありがとうございます。

今回の特別編は、八幡の誕生日記念SSを書いてみました。

今回の話は、以前書かせて頂きました、『やはり俺の夜遊びはまちがっている。』の続編的な話になります。

そちらを読まないと、今回の話が見えてこない所もございますので、そちらも読んで頂ければ幸いです。

では、どうぞ。


『ハッピーバースデートゥユー♪ハッピーバースデートゥユー♪ハッピーバースデーディア八幡(比企谷)(お兄さん)(はーちゃん)♪ハッピーバースデートゥユー♪』

 

八幡「せーの……フッー!」

 

パチパチパチパチ……

 

『お誕生日おめでとうー!!』

 

八幡「ああ、ありがとな。みんな。」

 

今日は俺の誕生日。比企谷家では、俺の誕生日パーティーを行っていた。

 

雪乃「おめでとう、八幡。」

 

結衣「お誕生日おめでとう、八幡!」

 

いろは「おめでとうございます、八幡!」

 

陽乃「おめでとー、八幡!」

 

めぐり「お誕生日おめでとう、八幡。」

 

沙希「誕生日おめでとう、八幡。」

 

小町「おめでとー!八幡!」

 

留美「おめでと、八幡。」

 

誕生日に参加してくれたメンバーは、以前俺と一緒に北海道旅行に行った彼女達。そして、

 

かおり「比企谷、おめでとー!!」

 

戸塚「八幡、おめでとう!」

 

材木座「うむ、今日は我が強敵(とも)のめでたい誕生日だ!無礼講で行こうぞ」

 

大志「おめでとうございます、お兄さん!」

 

京華「はーちゃん、おめでとー!!」

 

川崎弟「おめでとー!!」

 

折本、戸塚、材木座、更には川崎兄妹も参加してくれた。

 

高校生活最後の誕生日に、こんなに多くの人達に祝ってくれるなんて、夢にも思わなかった。これまでずっとボッチだったはずのに、それが不思議と嫌には思わない。やっぱり、春の北海道旅行やその後の事で変わったのかなと、つくづく思う。

 

そういえば、この間、とんでもない夢を見た。『世界ゲーム』という王様ゲームのパクリみたいなゲームをやっていたら、最後に春の旅行に一緒に行った彼女達に一斉にキスされたどころか、『メチャクチャな事』をされてしまう夢を見てしまったのだ……。

 

その夢から覚めた時には、何事もなかったように普通に起きた。彼女達も俺の部屋からいなかったし。うん、きっと心が疲れていただけなんだろうな。俺にとっての『本物』である彼女達がそんな事するはずないし。あんな悪夢はもう忘れよう。

 

京華「どーしたの?はーちゃん。」

 

八幡「ああ、いや、何でもないさ。けーちゃん達も来てくれてありがとな。」

 

材木座「ほう、八幡。貴様、京華嬢にホの字なのか?」ニヤリ

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『…………』ピクッ

 

八幡「はぁ!?何言ってるんだ……」

 

沙希「―――材木座?」

 

八幡・材木座『ん……ヒィッ!?』ゾワッ

 

けーちゃんに心配されて、材木座にその事をからかわれて、反論しようとした時だった。

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・小町・留美『…………』ゴゴゴ……

 

沙希「あんまり、ふざけた事言ってると―――明日を迎える事が出来ると思わない方が良いよ?」ゴゴゴゴゴゴ……

 

材木座「ヒッ、ヒィィィィィィィッ!!!!す、すんません!!!!」ガクブル

 

八幡「……ッ!!」ズキッ

 

彼女達が一斉に材木座を睨み付け、沙希が材木座を殺意を込めた事を言い放つ。

 

その時の彼女達の目を見た瞬間、何故か俺の頭の中から軽い痛みが走った。

 

そうだ。あんな目をした彼女達を見たのは、初めてではない。つい最近、見た事があるような……。

 

かおり「ま、まあまあ!!落ち着きなよ、みんな!!今日は比企谷のめでたい誕生日パーティーなんだからさ!!」

 

戸塚「そ、そうだよ!材木座君も悪気があって言った訳じゃないと思うよ!」

 

大志「と、戸塚先輩と折本先輩の言う通りッス!京華達もそう思うだろ!?」

 

京華「う、うん。」ガクブル

 

川崎弟「さーちゃん達、こわい……。」ガクブル

 

俺がそんな事を考えていると、折本と戸塚と大志が仲裁に入る。戸塚や大志はまだしも、折本が率先してそんな事が出来るなんて思わなかったな……。流石に今の空気はウケないだろうけど。

 

いろは「むー、しょうがないですねー。ここはけーちゃんや折本先輩達に免じて、赦してあげますよ。」

 

雪乃「感謝しなさい、材なんちゃら君。」

 

材木座「は、はいいい!!すみませんでした!!!!」土下座

 

折本や戸塚達のお陰で何とか事を上手く収められた。正直助かった。材木座が非難されるのは奴の自業自得だが、あんな目をされたら、『何か』を思い出しそうだったから……。

 

あれ……?そういえば、『夢の中の彼女達』もあんな目をしていたような、してなかったような……?

 

あといろは、今の『ゆるして』のニュアンス、怖かったぞ。確か『許して』じゃなかったか?

 

結衣「まあ、とりあえず始めようよ、八幡!」

 

陽乃「そーだよ、八幡!早く乾杯して楽しもうよ!!」

 

結衣と陽乃に促され、俺が乾杯の音頭を取る。

 

八幡「じゃあ、一言だけな。今日はみんな、本当にありがとう。乾杯。」

 

『かんぱ~い!!!!』

 

そうして、俺の誕生日パーティーが始まった。

 

雪乃と沙希と小町が中心となって作った料理をみんなで食べて、いろんなゲームをして盛り上がり、みんなからプレゼントをいろいろもらったりしていた。

 

奈呼・璃夢『せーの……八幡さん(八幡君)、お誕生日おめでとうございま~す!!』

 

途中では、北海道旅行でお世話になった奈呼さんと璃夢さんからのDVDレターが、誕生日パーティーのサプライズプレゼントとして

上映された。(因みに、サプライズの仕掛人は陽乃で、当日まで俺と旅行不参加メンバーだけ知らなかった。)

 

戸塚「へー!!この人達が八幡達の言っていた、奈呼さんと璃夢さんなんだー!!写真では見た事あるけど、本当に綺麗だね!」

 

材木座「むうう!!まるで2次元から出てきた女子ではないか!!我の小説に使いたいぞ!!」

 

大志「ちょっ、超綺麗な人達ッスね……!それで性格も優しいって完璧じゃないッスか……!」

 

京華「キャー!なーちゃんとりーちゃん、かわいいー!!」

 

川崎弟「すっごくきれー!!」

 

俺と彼女達と折本を除いた、2人に会った事ないメンバーも絶賛していた。

 

流石、俺達が北海道で出逢った癒しの女神様達だ。この2人を教祖に、トツカエル、メグリエル、サキエル、コマチエル、ルミエル、ケイカエルで癒し系軍団でも作りたいなと心から思う。

 

雪乃「八幡、何下らない事を考えているのかしら?」

 

陽乃「雪乃ちゃん、いつもの事じゃん。八幡が碌でもない事を考えるのは♪」

 

……だから、毎回毎回、何で俺の心の中を正確に読んでくるのでせうかね……この姉妹は……。

 

奈呼さんと璃夢さんのサプライズプレゼントに感動し、雪ノ下姉妹の発言で、みんなが笑いあっていた時だった―――

 

ピンポーン

 

―――宴もたけなわのちょうどその時、俺だけではなく、ここにいる全員にとっての、『本当のサプライズプレゼント』の届いた音が鳴り響いたのであった。

 

 

八幡「あー、俺出てくるよ。ついでにトイレも行きたいし。」

 

小町「うん、分かったよー。お願いね、八幡。」

 

俺はトイレのついでに、玄関へと向かう。

 

八幡「あーい。」ガチャ

 

「夜分遅くすいません。お届け物でーす。」

 

玄関のドアを開けると、郵便局の人が小さな袋を入れたお届け物を持っていた。しかし、疑問点が1つある。

 

八幡「あれ?この郵便物、差出人の名前が無いんですけど……?」

 

「あー、一応、差出人の名前が無くても、届けられるんですよ。この住所が書いてあったから、お届けしたんですが……。」

 

八幡「あっ、住所はここで間違い無いです。受取人も俺の名前ですし。」

 

怪しさを感じつつも、俺はサインをしてその郵便物を受け取った。袋に書かれていたのは、受取人である俺の名前とこの家の住所、そして

 

―――『Happy Birthday Dear Hachiman』―――

 

そんな言葉が大きく書かれていたので、受け取る事にしたのであった。

 

留美「あっ、八幡、お帰り。どうしたの?」

 

八幡「いや、何かこんな物が届いたんだけど……。」

 

めぐり「えっ?何?その袋。」

 

八幡「あれ?この袋も、この中の誰かがサプライズでやったんじゃないのか?」

 

陽乃「ううん。私達はあのDVDだけだよ?」

 

折本「私も知らないよ?」

 

この袋を見せた反応で分かった。全員キョトンとしているという事は、この中に『この袋』の差出人はいない。

 

となると、誰だ……?可能性があるのは、平塚先生か葉山グループか……。

 

八幡「と、とにかく、開けて見てみるか。……えっ?」

 

そうして、俺はみんなの前で袋を開けて、その中身を見せた。

 

沙希「えっ?DVD?」

 

中身は、奈呼さん璃夢さん姉妹同様、何も書かれていないDVDだった。もしかして、2人同様、誕生日メッセージのDVDなのだろうか……?

 

大志「と、とりあえず見てみませんか?誰のかは分からないッスけど……。」

 

八幡「そ、そうだな。じゃあ、再生するぞ。」ピッ

 

俺はこの瞬間まで失念していた事があった。『こんなサプライズを仕掛けそうな人間』―――それが『もう1人』いるという事を。

 

そうして、俺はDVDを再生する。すると、

 

?『―――八幡ー!!お誕生日おめでとうーー!!』

 

八幡「なっ…………!?」ガタッ

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『えっ…………!?』ガタッ

 

『こんなサプライズを仕掛けそうな人間』―――あの『お見合い&駆け落ち事件』で出逢った『あの子』が映っていたのであった。

 

 

 

 

?『八幡ー!久しぶりー!!元気ですかー!?あと、雪乃ちゃんや結衣ちゃんや沙希ちゃんにいろはちゃん、それと陽乃さんにめぐりさんに小町ちゃんに留美ちゃんも、お久しぶりでーす!!』

 

八幡・雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『………………』

 

サプライズと言うには、あまりにも衝撃的過ぎる人物の登場で、『あの子』のお見合い相手だった俺は勿論、『あの子』と友達になった彼女達もまた、呆然自失になっている。

 

戸塚「えっ!?こ、この子って確か……!?」

 

材木座「い、以前、我と戸塚氏が出会った八幡のお見合い相手ではないか!?この女子!!」

 

かおり「そうだよね!?私も会った事あるもん!!比企谷と駆け落ちしてた子じゃん!!ウケる!!」

 

……そう言えば、お前らや葉山達や平塚先生も会った事あるよな……。それから、折本!マジでウケねーよ!!

 

大志「えっ……!?お、お兄さん、お見合いしてたんッスか……!?しかも、駆け落ちって……!?」

 

川崎弟「ねーねー、おみあいってなーに?」

 

京華「たーちゃん、はーちゃん、かけおちってなーに?」

 

この中で『あの子』と出会った事の無い川崎兄妹は俺達に疑問を投げかける。特に大志は、その事実を知って唖然としていた。大志、けーちゃん達への説明は任せたぞ。

 

?『以前、八幡から誕生日が8月8日だって聞いた事があったから、今日はサプライズで差出人不明のこのDVDレターを送りました。どう?驚いた?』

 

……うん、あまりにもサプライズ過ぎるよ。俺だけじゃなくて、この場にいる全員が凍り付いてますもの……。

 

?『あー、でも、別れの時にお互い『友達になろう』って言って、あれから全然音沙汰無しだったよね?あたしも手紙や電話出来なかったのは悪いけど、八幡もしてくれなかったのは、寂しかったな……。』

 

……はい、あれからこの場にいるメンバーだけだなく、他の人達にも事情を説明したり、いろいろとあの騒動の後始末で奔走していたのですよ。ごめんなさい。

 

?『あれから、みんなとちゃんと仲良く出来てる?あの時言ったように、みんなこそ八幡にとっての『本物』なんだから、絶対に手放しちゃダメだよ。みんなも、八幡の事を宜しく頼むね。『本物』であるみんなだからこそ、八幡の事を託したんだから。』

 

……そりゃそうだよな。俺達、『ツインソウル』だしな。俺の事を心配してくれたり、彼女達を気遣ってくれるのはありがたいけどな。

 

?『あと、以前八幡が言っていた約束覚えてる?『千葉に行ったら、2人きりで遊び行こう』って。今度千葉に行くときには手紙書くから、一緒に遊び行こうね☆』

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『……ッ!!』ピクッ

 

……あっ、そういえば、そんな事言った記憶があるような……。

 

?『それじゃ、以上で八幡の誕生日メッセージとします。八幡、お誕生日、本当におめでとー!!』

 

ピッ

 

そして、DVDが再生を終えて、少しの間沈黙が支配する。

 

八幡「……全く、相変わらず台風の目みたいなヤツだな。アイツは。そう思わ―――」

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『―――八幡。』

 

八幡「えっ!?」ビクッ

 

俺が『あの子』に対する率直な感想を言って、同意を求めようとした時、

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『………………』ゴゴゴゴゴ…………

 

えっ……?な、何で皆さん、そんな目をして俺を見ているのでしょうか?しかも、その目は『あの時』と同じ……!!

 

結衣「かおりん、さいちゃん、中二、大志君、お願いだから、けーちゃん達連れて、席を外してくれない?」ゴゴゴ……

 

かおり・戸塚・材木座・大志『えっ……!?』

 

陽乃「悪いけど、返事は『はい』か『YES』か『分かりました』だけ。それ以外は受け付けないから。」ゴゴゴ……

 

かおり「は、はい……。比企谷、お大事にね……。」

 

戸塚「わ、分かりました……。八幡、頑張ってね……。」

 

材木座「い、YES,MOM!!八幡、骨は拾ってやるぞ……。」

 

大志「はいッス……。お前らも行こうか……。」

 

いやいや、ちょっと待って!折本、戸塚、材木座、大志達!!俺を見捨てないで!!俺、またメチャクチャにされちゃうから!!

 

思い出した……!!あれは『夢の中の出来事』じゃない……!!確か、『世界ゲーム』の最後で俺が変な命令をしたから……!!

 

雪乃「さて、八幡。まだ、私達の『本物』が足りないのかしら?」ゴゴゴゴゴ…………

 

八幡「い、いや!!もう間に合ってるから!!」

 

結衣「だったら、どうして『あの子』とデートしようとしてるのかな?あたし達じゃ満足出来ないの、八幡?」ゴゴゴゴゴ…………

 

八幡「ま、待って!確かに言ったけど、『あの子』からの手紙が届かなきゃ……!」

 

沙希「それじゃ、手紙が来たら、『あの子』と遊びに行くんだね?八幡は。」ゴゴゴゴゴ…………

 

八幡「ま、まあ、そりゃ約束だしな……。」

 

めぐり「ずるいなぁ~……。私達だって、八幡と2人きりで遊ぶなんて出来ないのに……。」ゴゴゴゴゴ…………

 

いろは「もー、八幡ったら、本当は未練タラタラじゃないんですかー?(『あの子』とは出来て私達とは出来ないなんて言うのは、いい度胸だな。)」ゴゴゴゴゴ…………

 

八幡「だ、誰が未練タラタラだよ!!あと、心の声が聴こえるからな、いろは!!」

 

小町「問答無用だよ、八幡。もう2度と小町達から離れられないようにしてあげるからね。」ゴゴゴゴゴ…………

 

留美「そうだね。まずは『あの時』みたいに、みんなでキスしちゃおうか。」ゴゴゴゴゴ…………

 

八幡「た、助けてくれ!誰か、誰かぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

陽乃「もう逃げ道も助けも無いよ。諦めなさい。それじゃ……」ゴゴゴゴゴ…………

 

陽乃がそう言うと同時に、『あの時と同じように』8人全員で一斉俺に襲いかかり押し倒す。そして、耳元でこう囁いた

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『私達(あたし達)(小町達)の『本物』、受け取ってね。八幡♪』

 

八幡「い、いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………………!!!!」

 

こうして俺は、『世界ゲーム』の時と同じように、彼女達にキスをされた挙げ句、『メチャクチャ』にされてしまうのであった。

 

……来年はボッチで過ごそうと心に誓った、18歳の誕生日であった。

 

~『やはり俺の誕生日はまちがっている。』 おしまい~




以上、『やはり俺の誕生日はまちがっている。』でした。

いかがだったでしょうか?

まずは謝罪から。

すいません。前回と同じようなオチで誠に申し訳ございませんでした。(土下座)

今回と前回の話の簡単な解説を致しますと、

・拙作『やはり俺の福引旅行はまちがっている。』のアフターストーリー。(但し、1つの平行世界の話であり、本編は違うエンディングの可能性もあります。)

・前書きにも書いたとおり、『やはり俺の夜遊びはまちがっている。』の続編的なお話。

・ヒロイン8人の好感度MAX状態で、抜け駆け無しとヒロイン達の間で決めている。

・最初、八幡は前回(『やはり俺の夜遊びはまちがっている。』)の出来事の記憶が抜けているので、前回の出来事は『自分が見た夢の中の出来事』だと思っている。

という感じですね。

この後書きにまでお付き合い頂いて、ありがとうございました。

本編の『やはり俺の福引旅行はまちがっている。』の方も、何卒宜しくお願い致します。


では、最後に…………

HAPPY BIRTHDAY 八幡!!


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その5 『仲町千佳の災難 ~地獄に落ちろ、バカップル~』

皆様、ご無沙汰しています。

さて今回は、pixivでとある作者様が企画された『俺ガイルマイナーカップリング大会!』というのに参加して、その時に即興で書いたSSです。

一応、八幡×折本かおりのSSになります。

宜しかったら、是非閲覧お願い申し上げます。


高校生になって初めて出逢った時のお互いの第一印象は、最悪だったように見える。

 

そりゃそうだよね。私も『彼女』も『彼』の事を馬鹿にしていたし。

 

しかし、『彼』の友人(?)から『彼』の事で怒られて、そして『彼女』がクリスマスやバレンタインデーのイベントで『彼』と再会してから、『彼女』の『彼』に対する評価は180度変わっていた。

 

『彼女』はことある事に、『彼』の話をしていた。『アイツ、今頃どうしてるのかな?』とか『アイツに逢いたい』とか、春休み入るまで毎日話していたような気がする。『彼女』は中学時代フッたはずの『彼』に、恋をしていたのだ。

 

そして、『彼女』と『彼』の運命は、春休みで大きく変わっていった。『彼女』が家族旅行で行った先に、『彼』も偶然同じ場所に旅行していたのだ。旅行2日目の夜、電話で『彼女』から聞いた時は本当に驚いた。

 

『彼女』は本来の2泊3日の予定を3泊4日にしてまで『彼』にアタックして、その結果『彼女』と『彼』は付き合う事になった。

 

これで話がハッピーエンドで終われば良いのだが、むしろ付き合ってからが『彼女』と『彼』の騒動、そして私の『災難』の始まりだった。

 

…………今回は私―――仲町千佳が、『彼女』―――折本かおりと『彼』―――比企谷八幡……このバカップルのとある騒動の始まりを、レポートしたいと思います。

 

 

 

 

 

~×月○○日 AM9:00頃~

 

かおり「おはようございまーす、姐さん。」

 

八幡「おはようございます、店長。」

 

店長「おはよう、かおり、八幡君。相変わらずのラブラブっぷりね。」

 

かおり「いやいや、こんなのまだまだ序の口ですよー。ねっ、比企谷?」

 

八幡「いや、やめろよ……。これから仕事なんだから、程々にしねぇと……。」

 

店長「八幡君の言う通りよ、かおり。千佳も凄く睨んでるし。」

 

千佳「い、いえ!!私はそんなつもりは……。」

 

かおり「何焦ってんの、千佳。ウケる!」

 

千佳「か、かおり!!」

 

店長「はい、そこまで。早く自分の持ち場について、仕事に取りかかりなさい。バカップルさん。」

 

かおり「はーい、分かりました。姐さん。」

 

八幡「は、はい。すんません。……悪いな、仲町さん。」

 

千佳「う、ううん。こっちこそゴメンね。」

 

比企谷君は旅行後、私とかおりがバイトしているカフェに私達と一緒に働く事になった。かおりが『男手が欲しい』と言っていた店長に、比企谷君を推薦したからだ。

 

比企谷君の働きぶりは、店長曰く『とても高校生とは思えない』と言っているくらいの活躍ぶりだ。仕事を覚えるのも早いし臨機応変で柔軟な対応ぶりも、店長だけでなくお客さんや私達バイト仲間の評価も凄く高い。最近では、比企谷君目当てでくるお客さんも出てきたぐらいだ。

 

何故彼目当てのお客さんが来ているかと言うと、彼はバイトの時眼鏡をしていて、眼鏡をかければあの変な目もなくなって、普通の好青年に見えるのだ。因みにその眼鏡は、かおりとの初デートの時に買ったらしい。

 

……まあ、そんなこんなで、エリートボッチと自称していた彼が意外とこういう客商売に適性があるとは、働きはじめた頃には想像も出来なかった。そのお客さん達に対して、かおりが嫉妬しているのも見ていて面白いし。

 

例えば―――

 

客A『あの、比企谷さん……。今日バイト終わったら、私達と遊びに行きませんか?』

 

八幡『あ、いや、それは……。』

 

客B『いいじゃないですかー。比企谷さん、凄くカッコいいしー。』

 

八幡『いや、別に俺はカッコ良くなんか……。』

 

かおり『あーあー、ごめんなさいねー!!ウチのダーリンが何かやらかしましたかー!?』

 

また、ある日には―――

 

客C『ねえ、坊や。今日お姉さん達とデートしない?』

 

八幡『ぼ、僕とですか!?』

 

客D『誘ってるのは私達だから、お金は心配しなくていいわよ。だから……ね♪』

 

かおり「あれー、ダーリン?ダーリンの大好きな小さい女の子達がダーリンを呼んでるんだけどー!?」

 

……こんな感じで、老若問わず比企谷君は女性のお客様から絶大な人気を獲得していた。店長も『八幡君のお陰で女性のお客様が増えたし、売上も上がった』って喜んでるし。

 

しかし、その裏でかおりは比企谷君にホッペをツネーしたり、足でゲシゲシと蹴ったりと、その嫉妬は半端無い状態だった。(勿論、お客さんの前じゃやらないけど。)最近では、『姐さん、比企谷と同じシフトで入らせて!!』と店長に頼んで、比企谷君のいる日は、必ずかおりも一緒に入っている。

 

でも今日は、不思議な事にかおりも比企谷君も自ら、『今日は厨房でお願いします。』と頼んで、厨房で仕事をしていた。何でだろう?もうすぐ私達3人上がろうとしている時間で、お客さんの入りが落ち着いたので、そっと厨房に耳を傾けていると、

 

かおり「……ねえ、本当に来るの?」

 

八幡「……間違いなく来るはずだ。昨日、小町にバレちまったからな……。」

 

かおり「……マジで!?これまでバレなかったのが逆にウケるんだけど!!」

 

八幡「……いや、ウケねーよ。まさか、お店の制服を見られるとは思わなかった……。」

 

かおり「でも、小町ちゃんにバレたって事は……。」

 

八幡「……多分、な。」

 

えっ?何、何?今の会話?私、凄く気になるんですけど!?

 

それに今、『小町』って名前が出たんだけど、もしかして女の人?かおりも比企谷君も知っているみたいだけど……。

 

店長「千佳ー。今、お客様案内したから、おしぼりとお冷、お願いねー。8人ねー。」

 

千佳「あっ、はーい。分かりましたー。」

 

いけない、いけない。今は仕事中だから、集中しないと。

 

そんな事を思いながら、私は8人分のおしぼりとお冷を用意して、お客さんのところにいきました。

 

千佳「いらっしゃいませー……っ!?」ビクッ

 

そのお客さん達のところにいった瞬間、私は恐怖というか何かを感じて戦慄しました。

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『………………』

 

そこには、いかにも『私達こそ本物のトップカースト』と言わんばかりの、8人の美少女軍団が物凄い険しい顔をしながら、席に座っていたのでした。

 

 

 

 

~PM5:00前~

 

男性客A「お、おい、あの子達、メッチャ可愛くねぇか?」ヒソヒソ

 

男性客B「ま、まあ確かに可愛いけど……。何かすげえ恐い顔してるよな……。何も喋らないし……。」ヒソヒソ

 

男性客C「そうだよな。もっと普通の雰囲気だったら、ナンパしてたかもしれないのに……。」ヒソヒソ

 

男性客D「あの子も可哀想に……。あんな雰囲気に近づかなくちゃいけないなんて……。」ヒソヒソ

 

…………そこでヒソヒソ話をしているお兄さん達。しっかりと聞こえているから!!

 

でも、確かにあのお兄さん達の言う通り、近付きがたい雰囲気というかオーラを出している。こんなお客さん達、春休みの時に来たあのお客さん達(白い髪の男とシスター服の女の子と幼い女の子、その隣の席にいた5人組の親子(?))以来だ。

 

しかも良く見ると、何人かは何処かで見たことあるような顔をしている。黒髪ロングのお姉さんとお団子頭の女の子とショートボブのお姉さん、あの親子(?)の母親達に何処と無く似ているし、青髪のポニーテールの子もあの幼い青髪の女の子になんとなく似ているような気がする。もしかして、あの親子(?)の関係者とか……?

 

千佳「ご、ご注文がお決りになりましたら、お伺い致します。失礼します。」

 

そう言いながら、席を離れようとした時だった。

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『――――比企谷君(ヒッキー)(先輩)(比企谷)(おにいちゃん)(八幡)。』

 

千佳「っ!?」ビクッ

 

後ろを振り向い瞬間、彼女達の口から一斉に比企谷君の名前が出てきた。

 

雪乃「比企谷君が部活をサボってこのお店で働いているとお伺いしたので来たのですが、どこにいるのですか?ついでにいえば、折本さんなのだけれど。」

 

いろは「先輩ったら折本先輩と付き合ってから、奉仕部も生徒会の手伝いもほとんどやらなくなっちゃったんですよねー。」

 

結衣「かおりん、本当にズルいし!ヒッキーを独り占めしちゃって!!」

 

小町「このお店でかおりさんと一緒に働いているのは、昨日制服を見つけた時点でバレてるんです。小町や沙希さん達を奉仕部に入部させた理由も分かりましたよ。」

 

沙希「全くいい迷惑だよ。アタシも予備校とかで忙しいのに。それに折本も卑怯だよ。」

 

めぐり「そーだよねー。かおりちゃん、後から参加しておいしい所を全部取っちゃって、私達から比企谷君を奪っちゃったもんねー。」

 

留美「私達は八幡を奪い返しに来た。かおりの魔の手から救う為に。」

 

陽乃「さあ、早くお姉さん達に教えてよ。比企谷君と折本ちゃん、いるんでしょ?ねえ?」

 

千佳「ひっ!!」ガクブル

 

な、何!?この人達!?もしかして、かおりと比企谷君の関係者!?しかも、目のハイライトが全員消えてるんですけど!?これが俗に言う『ヤンデレ』ってやつなの!?メッチャ寒気がしたのだけれど!?

 

店長「どうしたの、千佳?お客さん達と話し込んで。」

 

千佳「あっ、て、店長!!」

 

そんな時、救いの女神、いや、店長が私とお客さん達のところにやって来た。やっぱりここぞと言う時は頼りになります、店長!流石、かおりから『姐さん』って呼ばれてるぐらいです!!私も『姉貴』と呼ばせてもらいますよ!!

 

千佳「あ、あの、店長。あの2人は……。」

 

店長「ああ、もうとっくに上がっちゃって、早々に帰ったわよ。」

 

千佳「…………はい?」

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『…………えっ?』

 

店長「貴女達が話し込んでいる間に、そーっと裏口からね。デートに行くとか行ってたし、今頃ラブラブデート中じゃないかしら?」

 

かおりと比企谷君は、私がこんな目に遭っている間、早々にデートに行っていた。って言うか、アイツらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!いつのまに逃げたのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!

 

陽乃「こ、こうしちゃいられないわ!!私達も早く比企谷君達の後を追わなくちゃ!!」

 

雪乃「えっ、ええ!!」

 

留美「う、うん!!」

 

結衣・いろは・めぐり・沙希・小町『は、はい!!』

 

タッタッタッタッタッ…………‼

 

そうして、あのお客さん達は嵐のように去っていった。

 

千佳「な、何だったんでしょうか……?あの人達……?」

 

店長「さあ……?まあ、『命短し恋せよ乙女』とも言うし、彼女達も八幡君に惚れてるんじゃないの?かおりと同じようにね。」

 

千佳「ハッ……アッハッハッハッハッ…………。」

 

そ、そう言う事なのね……。天然の女誑しでスケコマシ――――何処の青○月○さんや結○リ○さんですか…………。

 

こうして、私はかおりと比企谷君のバカップル、そして『あの8人の美少女達』の騒動にたびたび巻き込まれる事になったのだ。

 

いろんな事がありすぎて何を話したら良いか分からないけど、そのせいで私の進路―――かおりと比企谷君と一緒に北海道大学に進学することまで決まってしまった。(海浜総合高校が始まって以来の快挙らしい。)

 

『あの8人の美少女達』の何人かが、私達を追っかけて北海道大学に進学した人達もいたり、更には私以外の全員が知りあいのバスガイドの姉妹が巻き込まれたりと、大学生になってからも、私の周りの環境は騒動ばかりだった。

 

そんな数年にも及ぶ騒動に決着が着いたのは、かおりと比企谷君の結婚式だった。

 

かおり「皆さん、今日は来てくれて本当にありがとうございます。私、折本―――ううん、比企谷かおりはこれから一生、比企谷と――――八幡と添い遂げます!!」

 

八幡「親父、かーちゃん、今まで本当にありがとう。折本―――いいや、かおりのお義父さん、お義母さん、俺はこれからもずっとかおりを愛し続けます!!」

 

私はこの挨拶を聞いて、思わず嬉し泣きをしてしまった。私だけじゃない。バイトでお世話になった店長、北海道で知り合ったバスガイドの姉妹、比企谷君やかおりのご両親をはじめ、みんなが泣いていた。

 

因みに『あの8人の美少女達』も何故か出席していて、ずっと泣いてばっかだった。(間違いなく悔し涙であった。全員が『悔しい』とか言ってたし。)そんなに悔し涙を流すぐらいだったら出席しないほうがいいのに……。

 

そして、チャペルでのかおりのブーケトスで、私がブーケを受け取った時に、あのバカップルはこうのたまった。

 

かおり「見て見て、八幡!!千佳が私のブーケを受け取ったんだけど!!ウケる!!」

 

八幡「千佳も早く運命の人を見つけろよー!!俺とかおりみたいになー!!」

 

な、な、な、な、何言ってくれてるの、アンタら!!アンタらの騒動の後始末やフォローを頑張ったせいで、私は彼氏を作る暇なんて無かったんだからね!!

 

そんなバカップルに対して、私はこう叫んだ。

 

千佳「うるさぁぁぁぁぁぁい!!!!地獄に落ちろ、バカップル!!!!」

 

―――仲町千佳の災難 ~地獄に落ちろ、バカップル~――― おしまい




以上、八折カップリングSSでした。


今回はいつもの『福引旅行』シリーズと違い、(と言ってもベースになったのはそのシリーズですがw)とある作者様の企画された『俺ガイルマイナーカップリング大会!』に、息抜きやリハビリも兼ねて参加してみようと思い、書いてみました。

……って言うよりも、八折のはずなのに、第三者の仲町さんが主人公なんで、正直イチャイチャがあんまり書けて無いですよね……(泣)

こんな物書く暇があったら、早く『福引旅行』の続き書けよって思う人も、きっといると思いますよ……(自虐)

今回の話は、かおりルートのアフターストーリーみたいな解釈で良いかなと思います。

かおりと八幡、そして北海道の戦いで敗北した8人のヒロイン達の新たなる騒動に巻き込まれる仲町さん……本当に可哀想ですね(他人事)

次回は、『福引旅行』の第19話を投稿する予定です。もうすぐ投稿する予定なので、暫しお待ちくださいませ。

最後までこの拙文にお付き合い頂き、誠にありがとうございました。これからも宜しくお願い申し上げます。


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その6 ルミルミ誕生日SS 『One Love』

公式で発表されてないルミルミの誕生日SSです。

宜しかったら、是非閲覧お願い致します。


結衣「(北海道旅行でヒッキーと留美ちゃんが恋人同士になった……。)」

 

いろは「(まさか、先輩が留美ちゃんと相思相愛になるなんて……。)」

 

陽乃「(正直、油断していた。最年少の留美ちゃんが勝つなんて思わなかったから……。)」

 

沙希「(未だに凄く悔しい気持ちもある。アタシ達だって、留美に負けないぐらい、比企谷の事を愛してたから……。)」

 

小町「(でも、誰がおにいちゃんに選ばれても恨みっこ無しでと決めていた。)」

 

めぐり「(私達全員が旅行の最終日に比企谷君に私達の想いを告げて、その結果、比企谷君が選んだのは留美ちゃんだった。)」

 

雪乃「(私達は比企谷君と鶴見さんを祝福し、2人のこれからを応援する事にした。)」

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町『――――そう心で誓ったはずなのに…………。』

 

ナレーション(川崎京華)『このおはなしは、はーちゃんとるーちゃんがこいびとになったあとの、さーちゃんたちのおはなしです。では、どーぞ!』

 

 

 

 

 

 

―――奉仕部部室にて―――

 

雪乃「……全員集まったようですね。」

 

結衣「……」

 

いろは「……」

 

陽乃「……」

 

沙希「……」

 

めぐり「……」

 

小町「……」

 

雪乃「では、これより『比企谷八幡&鶴見留美、バカップル被害者の会』の定例ミーティングを始めます。」

 

ナレーション『あるひ、さーちゃんたちがあつまって、はなしあいをしていました。みんな、なぜかとてもこわいかおをしています。さーちゃんたち、こわいよぉ……。』

 

雪乃「まず、小町さん。貴女の受けた被害を報告してください。」

 

小町「はい。この間、家でこんな事があったんです……。」

 

 

 

 

 

 

~Case 比企谷小町~

 

八幡「……はあっ!?お見合い!?」

 

比企谷父「そうだ、八幡。実は、取引先の偉いさんと親しくなってな。」

 

比企谷母「聞いた話だと、その人も八幡と同じ学年の孫娘がいるらしいの。それで八幡の話をしたら、向こうが食いついてきてね。」

 

八幡「……悪いけど、断る。俺には彼女がいるからな。」

 

比企谷父・比企谷母『…………はっ?』

 

八幡「だから、彼女がいるって言ったんだよ。信じられないんだったら、小町に聞いてもいいし、その彼女と連絡とってもいいぞ。」

 

比企谷父「ば、馬鹿な……!?小町、本当か!?」

 

小町「う、うん……。この間、小町達が北海道旅行に行ったでしょ?その時に出来たんだよ。」

 

比企谷母「こ、小町まで……!!八幡、小町を買収しているとか、そんな事は……!」

 

八幡「だーかーらー!そんな事するかっつーの!!分かったよ!だったら、明日会わせてやるから!!時間空けとけよ!!」

 

こんなやり取りがあって、次の日おにいちゃんは留美ちゃんを家に招待して、両親に会わせたんです。

 

比企谷母「あ、貴女が八幡の言っていた留美ちゃん!?」

 

留美「はい。初めまして、鶴見留美です。」

 

比企谷父「ま、まさか……本当に八幡の彼女なのか!?」

 

留美「そうです。私と八幡は北海道で将来を誓いあった仲です。」

 

両親も最初は警戒していたのですが、見た目と反して凄くしっかりしている留美ちゃんと話していくうちに、両親はすっかり留美ちゃんの事が気に入っちゃったんです。

 

比企谷父「ハハハ、そうかそうか。小町とはまた違う天使が来たみたいで嬉しいよ。まるで、小町の妹が出来たみたいだ。」

 

比企谷母「留美ちゃん、八幡の事を宜しくお願いね。私達に孫の顔を見せてね。」

 

留美「うん、任せて。それが私の今の夢だから。」

 

こうして、おにいちゃんのお見合いの話はなくなりました。しかし、その日の夜……

 

八幡『…………お、おい、留美。今日はやけにキスしたがるな……。』

 

留美『……これは、お仕置だよ。だって、私をこんなに不安にさせて……赦さないんだから……。』チュッチュッ

 

八幡『ゴメンな。愛してるぜ、留美……。』チュッチュッ

 

留美『……私もだよ、八幡……。』チュッチュッ

 

小町が宿題をしている時、隣の部屋から如何にもイチャついてますよって言わんばかりの声やキスの音が聴こえてくるんです!!防音仕様じゃないから、小町の耳に嫌でも入ってくるんですよ!!

 

留美『八幡……私、将来お義父さんやお義母さんが喜ぶような子供作るからね。』チュッチュッ

 

八幡『大丈夫だよ。俺とお前の子供が、親父とかーちゃんが気に入らないわけ無いだろ……?』チュッチュッ

 

留美『お前じゃない、留美だから……。あん……♪』チュッチュッ

 

~Case End~

 

 

 

 

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希『………………』(# ゜Д゜)(;・∀・)(゜ロ゜)

 

ナレーション『こまちゃんのおはなしをきいたさーちゃんたちは、なにもいわないままおくちをあんぐりさせていました。なかには、おこっているようなひともなんにんかいるみたいです。どーして、おこってるのかな?』

 

結衣「こ、小町ちゃん……その話、本当なの……?」

 

小町「はい!もー、本当にバカップル以外の何者でもないですよ!」

 

結衣「違うよ!ヒッキーのお見合いの話だよ!何でそんな話が出てくるんだし!?」

 

小町「えっ!?そ、そっちですか!?」

 

雪乃「これは由々しき事態ね。まさかあの男にそんな話がくるなんて…………姉さん?」

 

陽乃「し、知らないよ!私もこの話、初耳だから!」

 

沙希「でも、ある意味留美と付き合ってて良かったかもね。もし、留美やこの中にいる誰かと付き合ってなかったら、その話断れなかったかもしれないし。」

 

いろは「本当ですよ!もし、そうなったら、絶対に許しません!!」

 

めぐり「ま、まあ、とりあえずは無くなって良かったよね~。雪ノ下さん、次行こうよ~。」

 

雪乃「分かりました。では、次は私の報告です……。」

 

ナレーション『つぎは、ゆきちゃんのおはなしです。ゆきちゃんはどんなおはなしをするのでしょーか?』

 

 

 

 

 

 

~Case 雪ノ下雪乃~

 

雪乃「ふう……今日は天気もいいし、散歩かでらに近くのカフェで読書でもしようかしら。」

 

ある休日、私は気分転換に近くのカフェで読書しようと思い、出掛けました。そうして、店内に入ったのですが……。

 

店長「いらっしゃいませ。お客様は1名様でしょうか?」

 

雪乃「ええ、そうです。」

 

店長「かしこまりました。ご案内致します。」

 

「―――ギャハハハハハハ!!比企谷と留美ちゃん、マジウケるんだけど!!」

 

雪乃「……ん?」

 

店内に案内されようとした時、聞いた事ある声と名前が聴こえて、私はそちらの方に振り向きました。すると、そこには…………

 

八幡「ぐっ……お、折本……。まさかお前、ここで働いてたのか……。」

 

かおり「そ、そうだよ……!まさかこの『カップル限定DXラブジュース』を初めて注文したのが、比企谷と留美ちゃんだなんて……!マ、マジでウケすぎて腹筋崩壊なんですけど……!」

 

留美「別にいいでしょ、かおり。私と八幡、恋人同士なんだから。」

 

かおり「うんうん、分かってるよー、留美ちゃん。北海道で私や雪ノ下さんや結衣ちゃんや一色ちゃん達を蹴落として、比企谷と恋人になったんだもんねー。」

 

留美「分かってるならいい。私と八幡の事を応援するって約束を忘れてないみたいだね。」

 

かおり「勿論だよ~!でも、比企谷に留美ちゃん、笑うなって方が無理だから、これ!ギャハハハハハハ…………!」

 

千佳「ちょっ、ちょっと、かおり!うるさいわよ!他のお客さんも見てるじゃない!!」

 

比企谷君と鶴見さんが、まるで優勝カップのような器に入ったジュースを2つのストローで飲んでいて、それを(店内で働いていると思われている)折本さんが大爆笑している光景がありました。

 

 

雪乃「………………」

 

店長「お客様?いかがなさいました?」

 

雪乃「あっ、すみません。急遽用事が入ったので、申し訳ないのですが、今日はやめときます……。」

 

私はお店を出る事にしました。そんな光景を見せつけられるなんて、耐えられないですもの…………。

 

~Case End~

 

 

 

 

 

結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町『………………』(つД`)(´;ω;`)( TДT)(´・ω・`)

 

雪乃「以上が、私の被害報告です…………くっ…………」

 

ナレーション『ゆきちゃんのおはなしをきいたさーちゃんたちは、こんどはしょんぼりしたりないていたりしていました。おはなしをしたゆきちゃんも、かなしそうなかおをしています。どーして、みんなかなしいかおをしているのかな?』

 

陽乃「雪乃ちゃん…………頑張ったね…………。」

 

雪乃「姉さん…………慰めなんて、いらないわよ。」

 

結衣「ゆきのん。あたし、ううん、ここにいるみんながよく頑張ったと思ってるよ。ゆきのんの事。」

 

雪乃「グスッ…………そ、それでは次にいきましょうか……。次は―――――」

 

ナレーション『このあともけーかのおねーちゃんのさーちゃんをはじめ、ゆーちゃん、いーちゃん、はるちゃん、めぐちゃんが、つぎつぎとはーちゃんとるーちゃんのことをはなしていました。そのたびに、さーちゃんたちは、おこったりかなしんだりしょんぼりしたりしていました。さーちゃんたちもいろいろたいへんなんだなーって、けーかはおもいます。』

 

雪乃「くっ…………あの男と鶴見さん、本当に何なのかしら……!?私達をここまで苦しめるなんて…………!」

 

ガラッ

 

ナレーション『ゆきちゃんがそんなことをいっていると、とつぜん、きょーしつのとびらがひらきました。』

 

静「…………何をしているのだ、お前ら?揃いも揃って。」

 

結衣「あっ、平塚先生…………って、あれ!?」

 

留美「こんにちは。…………久しぶり、みんな。」

 

いろは「る、留美ちゃん!?」

 

ナレーション『とびらをひらいたのは、しーちゃんせんせいでした。しかし、しーちゃんせんせいのとなりには、なぜかるーちゃんもいて、さーちゃんたちはとてもおどろきました。』

 

沙希「ど、どうして留美がここに!?」

 

静「ああ、鶴見君に聞いたら、今日比企谷と学校で待ち合わせしていたらしくてな。校門の前に立っていたところを私が見つけて、ここに連れてきたというわけだ。」

 

陽乃「そ、そうなんだ……。でも、何で留美ちゃん、比企谷君と待ち合わせしていたの?」

 

留美「…………今日は私の誕生日なの。それで、八幡がここで渡したいものがあるって言ってたから、来たんだけど。」

 

めぐり「えっ!?そうなの!?留美ちゃん、おめでと~!」

 

留美「ありがとう、めぐりさん。それで八幡は?」

 

ナレーション『るーちゃんがはーちゃんがどこにいるのか、さーちゃんたちにきいていたときでした。』

 

八幡「おーい!留美ー!!こんなところにいたのかー!!」

 

ナレーション『はーちゃんがるーちゃんのところにぜんりょくしっそうでちかづいてきたのでした。』

 

 

留美「あっ、八幡!」

 

八幡「悪い、てっきり校門のところにいると思ったんだけど、何処にもいなくて……。もしかして、平塚先生に連れてこられたのか?」

 

留美「うん。私の方こそゴメンね、八幡。」

 

八幡「そうか、大丈夫だ。平塚先生、すみません。」

 

静「気にするな。それより、比企谷。鶴見君に渡したいものがあるそうだな。」

 

八幡「あっ、そうだ!(ゴソゴソ)留美、これを受け取ってくれないか?」

 

留美「う、うん。…………えっ!?これって……!?」

 

八幡「以前、留美とデートした時に『欲しい』って言ってたペアリングだよ。留美と付き合ってから、初めての誕生日にいいと思ってな。」

 

ナレーション『はーちゃんがるーちゃんにプレゼントしたのは、ペアリングでした。そのリングには

 

『One Love Rumi』

 

って、かかれていました。』

 

留美「は、八幡……!」ウルウル

 

八幡「留美は、俺の全てなんだ。百年先も愛を誓えるぐらいのな」

 

留美「バカ……。その頃には、おじいちゃんとおばあちゃんになるどころか、2人とも死んでるでしょ……。」ウルウル

 

八幡「ありえないっつーの。留美といれば、どんな未来だって輝いているから。留美がいれば何もいらないし、絶対に幸せにするからな。」

 

留美「何言ってるの……。本当、バッカみたい……。」ポロポロ

 

ナレーション『るーちゃんがないていましたが、すごくよろこんでいました。なんで、ないてるのにうれしいのかな?』

 

静「……んっ!そういえば、比企谷に鶴見君はこの後、用事があるのではないのか?」

 

留美「……あっ、そうだ……!この後、家で誕生日パーティーをすることになってたんだ。八幡も来るんだよね?」

 

八幡「おう、勿論だ。お前の御両親が会いたがってるんだよな?ルミルミ。」

 

留美「だからルミルミ言うな、キモいから。それに、お前じゃなくて、留美。」

 

八幡「はいはい。もう、このやり取りもすっかり定番だよな。そんな訳で小町、今日は夕飯はいらないからな。」

 

留美「こんな事、定番にされたら困るんだけど……。小町さん、今日も八幡借りてくね。それじゃ、みんなもまたね。」

 

静「ああ、気をつけて帰るんだぞ。」

 

タッタッタッ…………

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町『………………』

 

ナレーション『はーちゃんとるーちゃんがいなくなったあと、まんぞくそうにみおくったしーちゃんせんせいと、めがてんになっているさーちゃんたちがのこっていました。』

 

陽乃「し……静ちゃん……。」

 

静「うん?なんだ、陽乃?」

 

陽乃「どうして、比企谷君が留美ちゃんにプロポーズみたいな事をしていたのに、そんな平然としているの?まさか、結婚を諦めたって事?」

 

静「バカ言え、そんな訳あるか。比企谷を変わったのが、素直に嬉しいだけだ。まさか、あの林間学校やクリスマスイベントで出逢った鶴見君が、変えてくれるとは思わなかったけどな。」

 

雪乃「そ、そうですね……。まさか、比企谷君があんな事言うなんて……。」

 

静「……まあ、それ以上に私にとって、嬉しい事があるけどな。」

 

結衣「嬉しい事?何ですか?」

 

静「フフフ、それはだな…………お前達が『愛の敗北者』になった事だ!!特に陽乃、お前がな!!」

 

沙希「あ、『愛の敗北者』!?」

 

陽乃「ど、どういう事!?それに特に私って……!!」

 

静「……忘れたとは言わせないぞ。北海道旅行の時、電話で『比企谷と婚前旅行』とかほざいてたよなぁ!?それでこのザマとは、私を笑い死にさせるつもりか!?」

 

いろは「そ、そう言えば、確かにはるさん先輩、言ってましたよね……。」

 

陽乃「くっ、くぅぅぅ…………し、静ちゃん…………!!」(涙目)

 

静「これからも7人仲良く、傷の舐め合いでもしているのだな。そして、私のように『独神』と呼ばれるがいい!!ハッハッハッハッハッ…………!!」

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町『い、嫌あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………!!!!!!』

 

 

 

 

 

ナレーション『こうして、はーちゃんとるーちゃんはふたりでしあわせになって、さーちゃんたちは、しーちゃんせんせいとおなじように『どくがみ(どくしん?)』とよばれるそんざいになったのでした。めでたしめでたし。…………それで、『どくがみ(どくしん?)』ってなーに?』

 

 

 

 

 

~鶴見留美誕生日SS 『One Love』 おしまい~




このSSを御覧の皆様、いつもお世話になっております。

今回、このSSを書いた理由はただ1つだけです。

―――ルミルミの誕生日が公式でも発表されてない!!―――

それだけの理由で、これを書きましたw

今回の作品は、私の拙作シリーズ『やはり俺の福引旅行はまちがっている。』の留美ルートのアフターストーリー的な解釈で書きました。

タイトルは当初、別のタイトルだったのですが、書いていくうちに某ジャニーズの歌が思い浮かんで、それにしようとしましたw(いつも通り、八幡の台詞の中に歌詞を載せていますw)

次回は、本編のルミルミ回完結編を投稿する予定なので、そちらも宜しくお願い致します。

このSSを拝読して頂き、誠にありがとうございました。これからも宜しくお願い申し上げます。

最後に…………ルミルミ、ハッピーバースデー!!


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その7 思い付きで書いた話 『やはり俺達の配役はまちがっている。』

~?~

 

20××年、千葉県某所

 

当事者達以外、誰にも知られる事がない戦いが起こっていた。

 

『最後の1人になった者だけが、1つだけ自分の望みを叶えられる』

 

その言葉を信じて参戦した15人のストライカーによる戦いが…………。

 

 

結衣「人を守る為にストライカーになったんだから、ストライカーを守ったっていいじゃん!!」

 

由比ヶ浜結衣@ストライカー『ミカエル』

 

 

 

雪乃「……だったら生きて、その願いを叶えなさい!!」

 

雪ノ下雪乃@ストライカー『ラファエル』

 

 

 

千佳「これでストライカーが1人消えたね。」

 

仲町千佳@ストライカー『マリシテン』

 

 

 

いろは「英雄って言うのはですねー、英雄になろうした瞬間に失格なんですよー。貴女、いきなりアウトって訳です♪」

 

一色いろは@ストライカー『ガブリエル』

 

 

 

沙希「次に消えるストライカーは…………アタシだ………。」

 

川崎沙希@ストライカー『ツクヨミ』

 

 

 

 

かおり「これで本当のゲームオーバーだね♪」

 

折本かおり@ストライカー『フドウ』

 

 

 

めぐり「ここかな~。祭りの場所は♪」

 

城廻めぐり@ストライカー『ヨミ』

 

 

 

優美子「ヒキオ、もうあーしらに関わるなし!あんたの妹のせいで隼人達が……!!」

 

三浦優美子@ストライカー『イザナギ』

 

 

 

静「いいか。多くを助ける為に、ひとつを犠牲にできる勇気を持つ者が真の英雄だ。」

 

平塚静@ストライカー『イザナギ・ゼロ』

 

 

 

姫菜「愚腐腐腐腐……♪やっぱり、貴女は英雄に程遠いなって思ってね。『ガブリエル』さん♪」

 

海老名姫菜@ストライカー『ダイコクテン』

 

 

 

南「どう!?ウチ、強いでしょ!?お買い得だよ!」

 

相模南@ストライカー『アシュラ』

 

 

陽乃「人間は皆、ストライカーなんだよ♪」

 

雪ノ下陽乃@ストライカー『クシナダ』

 

 

 

戸塚「僕は勝たなくちゃいけないんだよ……。どんな卑怯な手を使ったって……勝たなくちゃいけないんだ!!」

 

戸塚彩加@ストライカー『ウリエル』

 

 

 

留美「私は存在する…………最強のストライカーとして…………!!」

 

鶴見留美@ストライカー『ルシファー』

 

 

 

小町「私と戦うのは、『最後の1人』です……。」

 

比企谷小町@ストライカー『エデン』

 

 

 

八幡「小町、もうやめろ!!お前のやっている事はまちがっている!!」

 

比企谷八幡@物語のキーパーソン

 

 

 

―――この戦いに、正義はない―――

 

結衣「―――あたしは、絶対に死ねない……!1つでも命を奪ったら、ゆきのんはもう…………後戻り出来なくなるよ!!」

 

―――そこにあるのは、純粋な願いだけである―――

 

雪乃「―――私はそれを望んでいる…………!!」

 

 

 

――――『Strike the Strikers』――――

 

 

 

――――戦わなければ、生き残れない………――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~比企谷家~(八幡side)

 

八幡「………………」

 

材木座「………………」(冷や汗ダラダラ)

 

雪乃「…………さて、この駄作の予告編及び設定資料について、何か申し開きはあるかしら?材なんちゃら君?」

 

突然、『新作の原稿と設定資料が出来たから、是非見てほしい』と家にやって来た材木座は、現在進行形で正座をしながら冷や汗をダラダラとかいていた。

 

電話で『今日は家に彼女達がいないか』と俺に確認をしていたのは、こういう事だったのか……。

 

確かに俺は、奴に彼女達がいない事は告げた。彼女達が全員でららぽーとに買い物に行ったからだった。

 

結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美「………………」

 

しかし運の悪い事に、彼女達は予定よりも早く帰ってきた為、奴の原稿を目にする事になった。それで、モデル(というよりもむしろ本人役)である彼女達に正座を命じられ、材木座は正座させられているという訳だ。

 

……っていうか、この話、明らかに『仮○ライ○ー龍○』のマルパクリじゃねぇか……。出てくる登場人物の台詞やキャッチフレーズまでパクってるし、ストライカーという設定やコードネーム(?)みたいなものも、『モン○ト』のパクリだし……。しかも、(彼女達には言ってないが)ネタバレしちまうと、このプロローグに出てきた登場人物、全員――――。

陽乃「へぇー、お姉ちゃん、ある大企業の社長って設定なんだね。なかなか悪くない設定じゃないの?…………『その設定だけ』はね。」ギロリ

 

材木座「っ!」ビクッ‼

 

めぐり「ねえ~、どうして私の役が凶悪犯罪者で、沙希ちゃん達を○す役になるのかな~?ねえ~、教えてほしいな~?」ジロリ

 

材木座「っ……!!」ビクッビクッ‼

 

材木座の原稿を見た陽乃とめぐりの年長コンビが、目のハイライトを消して材木座を睨み付ける。その目はお願いだから、マジでやめろよ……。『あの時の事』を思い出すから……。

 

いろは「それに、中二先輩の役みたいなもの見たら、結衣先輩の勤務先の先輩で、私が結構デートに誘おうとしてるみたいですね~。…………何で私が中二先輩ごときにフラレなくちゃいけないんですか……。」ハイライトOFF

 

沙希「それだけじゃないよ。アタシがストライカーっていうやつになったのも、大志が死んだからっていう設定になってるっぽいしね。…………アンタ、マジでぶん殴るだけじゃ済まさないよ。」ハイライトOFF

 

結衣「そーだし!!あたしとゆきのんが主人公みたいだけど、何でゆきのんからお金借りたり、ゆきのんやいろはちゃんやめぐり先輩から『バカ』って言われるんだし!!」ハイライトOFF

 

材木座「ヒッ、ヒィッ!!」ガクブル

 

続いて、結衣・いろは・沙希からも、ヤンデレっぽい目で、自分達の設定にクレームをつけられる材木座が怯える。だから、その目マジでやめろって……。

 

留美「私と小町さんの設定は比較的優遇されてるよね。私達、ラスボスみたいな立ち位置みたい。……私は、本当に最後のほうにしか出ないみたいだけど。」ハイライトOFF

 

小町「うーん、小町の設定は悪くないんだけど、幽霊みたいな存在だっていうのがポイント低すぎるから、落第点かな。……誰も八幡と結ばれないのもね。」ハイライトOFF

 

材木座「グ、グハァッ!?」

 

更に、年少組の小町と留美にさえも、養豚所の豚を見るような目で睨まれる材木座が血を吐きそうな声を出す。あの、小町……、この話ラブコメじゃないからね。(一部その要素はあるが、戸塚×結衣みたいな感じになる)

 

さて、いよいよ一番お怒りであろう、この方の番だ……。

 

雪乃「さあ、さっさと説明しなさい。何故、『私と葉山君が恋人同士』という、おふざけにも程がある設定にしたのかしら?」ゴゴゴゴゴ…………

 

材木座「ヒイイ!?す、すんまそん!!」土下座

 

……そうなのだ。雪乃の役を簡単に説明すると、『昏睡状態になった恋人を救う為にストライカーになった』という設定なのだ。しかも、その恋人役は他ならぬ葉山…………。

 

雪乃「今すぐ書き直しを命ずるわ。その昏睡状態の恋人役を八幡にしなさい。」

 

八幡・材木座『…………はい?』

 

い、い、い、いきなり何を言うだァーーー!?そんな事言ったら、他のメンバーも……。

 

いろは「ま、待ったぁーーーー!!雪乃先輩、それはダメです!!それだったら、書記ちゃんの私の秘書兼ボディーガード役を八幡にしてくださいよーーーー!!」

 

結衣「ゆきのんもいろはちゃんもダメだし!!だったらあたしも、さいちゃんの役を八幡と変えてもらうからね!!」

 

めぐり「ゆ、結衣ちゃんもダメだよ~!八幡は私になつく少年役でいいと思うよ~!」

 

沙希「アタシは雪乃の意見に賛成だね。それだったら、別の話でアタシも八幡と恋人同士の役になれるし。」

 

陽乃「沙希ちゃん、それだと『元恋人同士』になっちゃうよ。八幡は私に仕える執事役でいいんじゃないかな?」

 

小町「みんな、ダメです!!八幡は小町とラブラブな兄妹役のままでいいんです!!」

 

留美「小町さんの言う通りだよ。私が他のみんなを倒して、八幡を救う役になるんだから。」

 

ギャーギャーギャーギャー

 

あーあ……また騒ぎが始まったよ……。

 

そう思いながら、雪乃のポーズの真似をしながら溜息をついていたところだった。

 

材木座「は、八幡!!後は任せた!!サラダバー!!」ピュー

 

八幡「あっ……!おい、コラ!材木座!!」

 

彼女達の騒ぎと俺の一瞬の隙をついて、材木座が逃亡した。あの野郎……デブの癖に、なんて逃げ足の速さだ……!

 

結衣「あれ!?中二は!?」

 

八幡「ああ……お前らが騒いでいる間に逃げたぞ。」

 

雪乃「何ですって!?……まあいいわ。材なんちゃら君は後日制裁を加えるとして、八幡に聞きたい事があるのだけれど。」

 

八幡「な、何だよ?」

 

留美「八幡はこの話だったら、どの役がいいの?当然、物語のキーパーソンの人の役がいいよね?」

 

小町「当たり前でしょ?現実と同じ、相思相愛な兄妹の役だよ!あっ、今のは小町的にも八幡的にもポイント高い!」

 

その役だとお前らも絡むけど、結衣と雪乃の方が結構絡むぞ……。『その兄妹』も何気にシスコン&ブラコンなのは、認めるがな。

 

いろは「何言ってるんですか!?八幡は私の秘書兼ボディーガード役ですよ!私に美味しい料理作ってくれるんですから!」

 

めぐり「う~ん……それだったら、私と八幡が絡む機会が何気にあるから、いいかもしれないね~。」

 

その役は、確かにいろはとめぐりの役と絡む機会が多いんだよな……。めぐりには酷い目に遭わされるけど。

 

陽乃「だから、みんな~。八幡は私の執事兼運転手役で決定だって。」

 

結衣「陽乃さん、何言ってるんだし!?八幡はあたしと遊園地やお好み焼き屋さんでデートをするストライカー役で、決定なんだからぁ!!」

 

陽乃の言ってる役は、ある意味一番適任かもしれない。俺、そんなに目立たないチョイ役のほうがいいから。

 

結衣の言ってる役は、最後のほうだけだからいいかも……。お姉ちゃん役は戸塚でオネシャス。

 

雪乃「全部却下よ。八幡は病院で眠っている私の恋人役以外、あり得ないわ。」

 

沙希「それでいいかもね。アタシとも比較的絡める役だし。…………雪乃に盗られるのは癪だけど。」

 

その役、確かに雪乃に凄く絡むし、沙希にも(別の話で)絡むんだよな……。寝てるだけの場面も多いし、楽かも。

 

陽乃「さあ、八幡。答えてもらうからね。」

 

八幡「ぐっ…………。」

 

俺があれこれ考えているうちに、陽乃に答えを促される。

 

さて、どうしようか……。この8人が誰も傷つかないような役…………っ!そうか!『あの人』の役だ!!

 

八幡「……分かった、決めたよ。俺が選ぶのは―――。」

 

 

 

 

 

―――――その後の事は、俺の名誉の為にも割愛させてほしい。

 

ただ、一言―――

 

『なんで毎回『メチャクチャ』にされちゃうんだよ…………。俺は……俺は……役を選んだだけなのに…………』

 

―――とだけ、言わせてください…………(泣)

 

 

 

―――『やはり俺達の配役はまちがっている。』 おしまい―――




この拙作を御覧の皆様、お世話になっております。

『やはり俺の福引旅行はまちがっている。』シリーズを書いている作者です。



まずは…………こんな下らない話を書いて、本当にすみませんでした!!(土下座)

何でこんな話を書いたかというと……

・pixiv及びハーメルンで他の作者の方々が書いてらっしゃる『俺ガイル×仮面ライダーシリーズのクロスSS』の影響。

・昔ハマっていた『仮面ライダー龍騎』が、最近毎週金曜にようつべで公式配信されていて、再びハマってしまった。

・ようつべで毎週土曜に配信されている『モンストアニメ』の影響。

この3つの要素が原因で、つい魔が差して書いてしまったとしか言い様が無いです。本当に重ね重ね申し訳ありません。

因みにこの話は、『やはり俺の夜遊びはまちがっている。』『やはり俺の誕生日はまちがっている。』の続編的な話です。

あと、pixivではこんなアンケートも設置しました。(本当に下らない内容ですが(笑))

Q.八幡が最後に選んだ役は?

1.結衣の勤務先の編集長役

2.結衣と雪乃の下宿先の喫茶店マスター役

3.相模さんの婚約者役

4.通りすがりの仮面ライダー役

5.カテゴリーキング鎌田さん役

余談ですが、一番多かったのは4でしたw

こんな拙作のような話しか書けませんが、これからも宜しくお願い申し上げます。


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その8 思い付きで書いた話 『やはり俺達の配役はまちがっている。 ep.2』

またしても、こんな物を書いてしまった…………orz

今回も本当にくだらない内容です。

それでも宜しければ、どうぞ。


ナレーション(檜山○之)『この平和なる世界に突如として現れた、謎の軍団『ボウギャック』。彼等は世界を暴虐非道の限りを尽くし、滅ぼそうとしていた……。

 

そんな彼等に、過去の世界中の英雄達の力を受け継いだ少女達が、世界の平和を守るために立ち上がる…………。』

 

 

 

結衣・雪乃・いろは・沙希・小町『偉大なる先人達よ!私達に力を!! 『アドヴェント、コウリンジャー』!!』

 

 

 

ナレーション『運命に選ばれた5人の女子高生の少女達……』

 

結衣「あたしに……こんな力が……?」

 

結衣「『真田幸村』の力を受け継ぐ者!『コウリンレッド』!」

 

 

雪乃「私達の使命……忘れたとは言わせないわよ!姉さん!!」

 

雪乃「『クーフーリン』の力を受け継ぐ者!『コウリンブルー』!」

 

 

いろは「めぐり先輩!私は……貴女を救います!」

 

いろは「『アーサー』の力を受け継ぐ者!『コウリンイエロー』!」

 

 

沙希「許さないよ……!アタシの家族を……傷つけるような奴らは……!!」

 

沙希「『ヘラクレス』の力を受け継ぐ者!『コウリングリーン』!」

 

 

小町「おにいちゃん……!絶対に……絶対におにいちゃんを……!」

 

小町「『ナイチンゲール』の力を受け継ぐ者!『コウリンピンク』!」

 

 

 

ナレーション『少女達をサポートする、彼女達の理解者達……』

 

 

静「お前達……!必ず生きて帰ってこい……!」

 

京華「さーちゃん、みんなー!まけるなー!がんばれー!!」

 

 

 

ナレーション『彼女達の前に現れる謎の3人の少女達……彼女達は何者なのか……?そして、敵なのか味方なのか……?』

 

 

めぐり「なるほどね~。はるさんの言っていたとおりだよ~。ちょっと、弱すぎるかな~。」

 

めぐり「『ナポレオン』の力を受け継ぐ者!『コウリンホワイト』!」

 

 

留美「バッカみたい……。貴女達のやっている事は、ただのヒロインごっこに過ぎないよ……。」

 

留美「『ジャンヌダルク』の力を受け継ぐ者!『コウリンシルバー』!」

 

 

陽乃「フフ~ン♪その程度の力じゃ、私に勝つなんて到底無理だよ、雪乃ちゃん♪」

 

陽乃「『ギルガメッシュ』の力を受け継ぐ者!『コウリンゴールド』!」

 

 

 

ナレーション『そして、彼女達の敵である『ボウギャック』、その中心人物である『ジェネラル・セブン』と呼ばれる者達もまた、過去の英雄の力を有していた……。』

 

 

材木座「ククク……。『コロンブス』の力を持つ我が、貴様等のような小娘共に負けるはずなかろう……。」

 

 

戸塚「見せてあげるよ……。僕の『ネロ』の力をね……。」

 

 

南「ウチの『明智光秀』の力だったら、あんた達を倒す事ぐらい楽勝でしょ♪」

 

 

戸部「パネェーわー!この『ジル・ド・レ』の力、ヤバすぎっしょ!」

 

 

優美子「そんな攻撃、無駄だし。あーしの『妲己』の前じゃね。」

 

 

姫菜「愚腐腐腐腐~。私の『マリー・アントワネット』のお味はいかがかな~♪」

 

 

葉山「さあ、かかってくるがいい。『仲達』の力を持つ、この俺を倒せるならね。」

 

 

 

ナレーション『そして、彼等を束ねる『ボウギャック』の首領、その側近にして最愛の者……。』

 

 

 

八幡「非業の死を遂げた『かの英雄』の無念を受け継ぎし、この世界の覇者。我が名は『黒の英雄』―――八幡。」

 

 

かおり「八幡の愛の為に生き、八幡の愛の為に戦う『かの女』の力を受け継ぎし者。『紫の英雄』―――かおり。」

 

 

 

ナレーション『史上最大の危機が迫るこの世界を、少女達は守る事が出来るのか……?』

 

 

 

雪乃「何ですって……!?もう一度、言ってみなさい!!」

 

謎の侍赤「聞こえなかったのか?お前達のような素人は引っ込んでいろ。死にたくなかったらな。」

 

 

いろは「諦めない事……ですか?」

 

謎の天使赤「そうだよ。とにかくやってみるんだ。諦めなければ……必ず何とかなる。」

 

 

謎の格闘家赤「お前達も今日から俺のムニムニだ!!」

 

小町「ム、ムニムニ!?何を言ってるんですか!?」

 

 

謎の刑事赤「お前ら!器物破損の罪で逮捕だ!!」

 

沙希「ア、アタシ達が!?何の事だよ!?」

 

 

留美「何なの?貴方……。」

 

謎の眼鏡「気をつけろ……。もうすぐこの世界に、『世界の破壊者』がやってくる……。」

 

 

謎の姫赤「いざ、参る……。息子が認めたお前達の実力、ここで示せ!」

 

めぐり「む、息子さん!?私より年下みたいなのに!?」

 

 

謎の赤赤「お前達の力、見せてもらうぞ!スーパー戦隊に相応しいかどうかを!!」

 

陽乃「上等じゃない……!怪我しても知らないわよ!!」

 

 

結衣「みんな……派手に行くよ!!」

 

謎の海賊赤「言ってくれるじゃねぇか!俺達も負けてらんねぇな…………いつもより、派手に行くぜ!!」

 

 

 

ナレーション『運命に選ばれた少女達の未来は……?』

 

 

 

結衣・雪乃・いろは・沙希・小町『過去から未来へと舞い降りる、愛と勇気の魂!!』

 

 

ナレーション『人は少女達の名をこう呼ぶ。』

 

 

 

結衣・雪乃・いろは・沙希・小町『英霊戦隊! コウリンジャー!』

 

 

――――『英霊戦隊 コウリンジャー』――――

 

OPテーマ『英霊戦隊 コウリンジャー』歌:No○(Pro○ect.R)

 

EDテーマ『Let's Advent! コウリンジャー』歌:サイ○ックラ○ー(Pro○ect.R)

 

 

 

 

ナレーション『少女達の世界の存亡をかけた戦いが、今、始まる…………。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~比企谷家の近くの某カフェ~(八幡side)

 

八幡「………………」

 

材木座「………………」(冷や汗ダラダラ)

 

雪乃「……さて、今回も私達をネタに小説を書いたという訳ね。材なんちゃら君。」

 

季節も大分寒くなってきた11月のとある日曜日、材木座の奴はまたも俺に、自分の書いた小説のプロットと設定資料、予告編の原稿を持ってきた。

 

『今回は前回の反省から作り上げた自信作だ!是非とも読んでほしい!…………ところであの8人はいないだろうな?』と電話で言ってきて、今回も(電話をかけてきた時には)本当にいなかった+家では帰ってきた時に逃げられないという判断のもと、俺の家の近くのカフェでそれを読む事にした。

 

そうしたら、彼女達も偶然ここのカフェにいて、俺と材木座は捕まってしまったのだ。『八幡!?謀ったな、八幡!!』と材木座は言っていたが、本当にただの偶然だ。

 

…………それで予告編を読んでみての感想だが、今度の話のベースはスーパー戦隊物かよ……。設定も『F○te』や『モン○ト』辺り、敵の組織名もパクってるし、俺が何で敵側、しかも(戸塚や折本はまだいいが)お前や葉山達のボスをやってるんだよ……。(ネタバレすると、ラスボスは葉山で、俺と折本は味方になるらしい。)

 

それに、8人が出会う『謎の赤い人達』や『謎の眼鏡』、どう見ても『歴代の戦隊レッド』や『おのれディ○イド』だし、OPとED唄う人達も、特撮やアニソンの歌手では常連の人達じゃねぇか……。仮にテレビでやるとしたら、この人達が出てくれる訳ねえだろうが……。

 

あと、『謎の眼鏡』が出るって事は、『通りすがりの仮○ライダー』も出るって事じゃねぇか。どんだけ無茶苦茶な設定なんだよ……。確かに、スーパー戦隊と仮○ライダーがコラボする事が最近多いのは、事実だけどな……。

 

俺の結論を言えば、現役の戦隊の人達に『スーパー戦隊を…………なめるなよ!!』って言われそうなパクリだらけの駄作というのが、正直な感想だった。しかし、他のみんなの反応は違っていた。

 

陽乃「へー。今度はお姉さん達がスーパー戦隊をやるんだね。なんか面白そうかも。」

 

結衣「そーですね!しかも、あたしがレッド役ですよ!!あたし、小さい頃マ○レッドとか好きだったしー。懐かしいなー。」

 

八幡・材木座『へっ……?』

 

陽乃と結衣の予想外の評価に、俺と材木座が思わず目が点になる。

 

めぐり「私とはるさんと留美ちゃんは、追加戦士の枠なんだね~。」

 

留美「そうだね。最初は私達敵側みたいだけど、結構おいしい役かも。」

 

…………結構詳しすぎだろ、めぐりに留美よ。確かに作品によっては、追加戦士は結構おいしい所を取る役になる可能性がある。

 

それを言ったら(ネタバレになるが)、俺と折本は最後の追加戦士で、最終決戦で葉山と相討ちになって、『帰ってきたスーパー戦隊シリーズ』や『VSスーパー戦隊シリーズ』で、8人の大ピンチの時に1日限りで復活をはたすっていう、ある意味、1番おいしい所取りの役の設定なんだよな……。(明らかに俺と折本は、ゲ○レンジャーの2人組のパクリ)

 

いろは「私達のイメージカラーと合ってるかもしれませんね。私がイエローで小町ちゃんがピンク、沙希先輩がグリーンなのも悪くないかも。」

 

沙希「まあ、アタシもブルーっぽいけど、雪乃の方が合ってそうだと思うよ。」

 

雪乃「そ、そうかしら、沙希さん。私はどちらかといえば、めぐり先輩のホワイトがいいのだけれど。」

 

小町「大丈夫ですよ!雪乃さんはブルーが合ってますって!小町がピンクはポイント高いからグッジョブですよ、中二先輩!」

 

材木座「ほ、本当か!?」

 

…………前回と違って、みんなの評価が悪くないっぽいけど、気のせいか?8人とも、もしかしてやってみたいのか?スーパー戦隊。

 

留美「でも、どうせだったら、『プリキ○ア』や『セー○ームー○』や『マジカルパテ○シエ小○ちゃん』や『プラズマイ○ヤ』にみたいにした方が、可愛くて良かったのに。どうして、そうしなかったの?」

 

しかし、留美のこの何気無い質問が、事態を一変させる事になった。留美、他の3つはともかく、『セー○ームー○』を知ってる事が、驚きを隠せないのだけれど。

 

材木座「むうう……。確かに考えたのだが、それらの作品だとヒロインとして年齢的にキツいのが、約2名…………」

 

陽乃・めぐり『何か言った?』ハイライトOFF

 

八幡・材木座『ヒッ!?』ガクブル

 

この大馬鹿野郎……!!何て事言いやがる!!言っておくが、陽乃以上の年齢のプリキ○アっているからな!!

 

材木座の失言と同時に、陽乃とめぐりが病んだ目で奴を睨む。

 

留美「納得いかないのが、私と陽乃さんとめぐりさんが、あの葉山っていう金髪のお兄さんに洗脳されてるって設定。何なの、これ?」

 

陽乃「留美ちゃんの言う通りだね。私達が隼人に操られるって、気に入らないんだけど。」

 

めぐり「そ~だね~。しかも、葉山君に『お前達は利用価値が無くなった、役立たずが。』って言われて捨てられるところを仲間になるっていう設定が、嫌かな~。」

 

あっ、ヤバい。留美まで……。これを皮切りに、他のみんなからも、いろんなツッコミが始まった。

 

雪乃「それを言うなら、私も言いたい事があるわ。私の必殺技が、暴言で相手を凍りつかせる『氷の女王(アイス・クイーン)』?非常に不愉快なのだけれど。」

 

いろは「私も文句ありますよ!!何で私の特技が、『1㎏カレー5分で完食』なんですか!?もっと、女の子らしい特技にしてくださいよー!!」

 

沙希「アタシも言わせてもらうよ。葉山の手下になった大志が途中で敵で出てきて、アタシ達が倒すって設定になってるよね?…………今すぐアンタをぶちのめしてやろうか?」

 

小町「小町も異議ありです!!終盤で『葉山先輩の罠で小町達の正体がばれて、学校を退学させられた上、学校や街の人達から迫害を受ける』って何なんですか!?しかも、『敵のボスの妹』って理由で、小町が1番虐められるみたいですし!」

 

結衣「あたしもだよ!!何で前回みたいに、『バカレッド』って言われるんだし!?しかも、今度は敵味方関係なくみんなから!!しかも、エンディングでゆきのんと沙希は卒業できるのに、あたしだけ留年でいろはちゃんと同級生になるって設定だし!!」

 

……材木座、本当に彼女達に喧嘩を売ってるわけじゃないよな?

 

材木座の書いた設定に、彼女達が激怒している。しかも、半分ぐらいは葉山が原因だ。葉山の設定は『嫌な悪役のテンプレを全部盛り合わせた』というべき設定なのだが、ここまでくると、材木座も葉山に恨みをもってるのかと思うぐらいだ。逆に葉山が哀れに思える。

 

陽乃「……そして、1番気に入らない設定は『これ』よ。」

 

陽乃が俺と折本の設定資料を開いて、材木座に物申す。遂に、その設定にツッコむかと思った瞬間、彼女達は一斉に口を開いた。

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『何で、私(あたし、アタシ、小町)達の『許嫁』の八幡が敵で、折本さん(かおりん、折本先輩、折本ちゃん、かおりちゃん、折本、かおりさん、かおり)が八幡の恋人役なの(なんですかー)!?』

 

八幡「…………はっ?」

 

み、みんな、またしても何を言うだァーーーー!?

 

「折本が俺の恋人役というのは、みんなからしたら抗議したくなるのは分かるよ。だけど、『恋人』通り越して『許嫁』っておかしいだろ!?それに、『許嫁』って幼い頃に親同士が約束した結婚相手って事だからな!?『婚約者』や『フィアンセ』ならまだ分かるけど、そもそも俺達婚約してねぇし、あくまでも友達以上恋人未満…………」

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『…………八幡?』

 

八幡「はっ!?」

 

材木座「は、八幡!?お主……!?」

 

し、しまった……!今の考え、口に出してたか!!

 

八幡「い、いや、みんな、これは……。」

 

陽乃「何?私達じゃなくて折本ちゃんの方がいいって言うの?恋人役。」

 

めぐり「ふ~ん、未だにかおりちゃんの事、吹っ切れてないんだね。かおりちゃんじゃなくても、『あの子』とか奈呼さんや璃夢さんでも良いとかって、思ってるのかな?」

 

八幡「ち、違う!そんなつもりじゃ……!」

 

沙希「そんなつもりじゃなかったら、どんなつもりなのさ?大体、今の発言どういう意味?」

 

雪乃「そうよ!私達、こんなに八幡を愛してるのに!!」

 

留美「どうせだったら、八幡の配役変えない?例えば、『マジカルパテ○シエ小○ちゃん』の一○楽先輩みたいな役とか。」

 

小町「あっ、それ、ポイント高いかも!!戦ってる小町達の1番の理解者で、応援してくれる役だよね!!」

 

いろは「私も賛成!!そうして、最後は私達とラブラブな関係になるんですよ!!オールバックの眼鏡姿で白い詰襟の制服の八幡も見てみたいですよ!!」

 

結衣「あたしも賛成!!勿論、小○ちゃんの役はあたしだからね!いろいろ共通点が多そうだし!!」

 

結衣、共通点があるのは否定しないが、どちらかといえば、お前は小野寺小○よりも桐崎千○だと思うぞ。(中の人的に)

 

八幡「おい、材木座……なっ!?」

 

このままでは、収拾がつかなくなりそうなので、元の原因の材木座に声をかけた。しかし、

 

『八幡へ 代金は置いていく。骨は拾ってやるぞ。サラダバー。』

 

そこには、既に材木座の姿はなく、コーヒー代と置き手紙が残されていた。

 

あ、あの野郎ぉぉぉぉぉぉ!!!!また、どさくさに紛れて逃げやがったなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

 

陽乃「さあ、八幡!今回の八幡の役はどうするの!?このまま!?それとも、留美ちゃんの提案した役!?」

 

八幡「ぐっ…………。」

 

ど、どうするか……。正直言うと、あまり目立たない役がいいのだが……。もしくは、何話だけのゲスト的な役…………そうか!!『あの役』だったら!!

 

八幡「わ、分かった。今回の俺の役は―――――――」

 

 

 

………………その後の事は、R-18的な展開になってしまった為、割愛させてもらいたい。

『いい配役ね(だね、ですね)。感動的だわ(だよ、です)。だが無意味よ(だよ、だね、です)♪』

 

『彼女達にヤンデレな目でそんな言葉を言われ、家まで拉致された』とだけ、言わせてくれ…………(泣)

 

 

 

 

~やはり俺達の配役はまちがっている。ep.2~ おしまい




…………はい、すんませんでした(土下座)

最近、ジュウオ○ジャーやゴーカ○ジャー等を見たら、つい書きたくなっちゃったんです。

こんな文しか書けませんが、良かったらこれからも宜しくお願い申し上げます。






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