電撃Fiting Cross of Rider (蒼乃翼)
しおりを挟む

予告

本編はこの予告とは若干異なるかもしれません
あしからず


《絆~Cross of Venus~》

世界を渡り歩く通りすがりの仮面ライダー、ディケイド

「なんだコイツは?」

「お腹…すいた………」

次の世界はとある学園、そこで出会った銀髪シスターと共に囚われとなった少女達を救うことになるが・・・・・

「おのれディケイド~!」

「くっ…、鳴滝」

「ツカサ~!」

 

「さぁ、私の大切な希望の鎧、その眼魂(アイコン)に微睡みなさい」

 

 

 

《希望~Fiting Climax~》

仮面ライダーウィザード操真晴人はグールに襲われている少女、司馬深雪と出会った

仲間達と共に戦いに赴いたまま戻ってこない兄を探している深雪と行動を共にする晴人

その先に待ち受けていた絶夢とは・・・・・

「私は、決して絶望などしない、想い続けること…、それ自体が私の希望」

「さぁ、ショータイムだ」

 

そこ現れた禍々しい異形の鎧の怪物・・・・・《クロム・ディケイダー》

「ルォォォォォッ!」

 

 

《絶剣~Masked‐Rider GORST~》

紺野木綿季はALOの世界で旅を終えた・・・・、はずだった

しかし、謎の仙人と出会い、英雄の眼魂(アイコン)を集めればVRMMOの世界限定で生き返れると言われた

そして自分と声が似ているユルセンという仙人の化身と共に仮面ライダーゴーストとして世界を旅していた

 

「キミ…、誰?」

「お前の持ってる眼魂(アイコン)を全てよこせ!」

「ダメだよ智春(トモ)!」

ある時、同じく眼魂(アイコン)を集めている夏目智春/仮面ライダースペクターと激突する

眼魂(アイコン)になってしまった幼馴染の水無神操緒を生き返らせるために形振り構わず襲い掛かるスペクターとの激突で世界に歪が生まれ別の世界に飛ばさてしまう

 

飛ばされた先の世界で、ユウキは鵺の怪物に襲われる。その危機に白馬で駆けつけた武士は・・・・・

「あ、あなたは…」

「共にゆくぞ仮面らいだー、成敗!」

 

スペクターは宇宙空間を漂っていた。

「ここは…」

「さあ、特訓開始です」

空色の装甲を持つアバターがスペクターを容赦無く鉄拳でぶっ飛ばす

 

 

 

《電撃Fiting Cross of Rider》

全てはシャドームーンの体を乗っ取った創生王の策謀だった

 

「何人も…、俺の前は走らせない」

「さぁ、死神のパーティータイムの始まりだ」

 

白い仮面ライダーの前に倒れる仮面ライダースペクター、そこに舞い降りた焔・・・・・

 

「悪魔と相乗りする勇気、ありますか?」

「大丈夫、あたし達がついてるよ」

 

「「「変身!!!」」」

 

 

「人々の自由を…、魂燃やして守る…、それがボク達、仮面ライダーだ!!」

 

開眼、ネオ一号!永久なる英雄!本郷、一号、レッツゴー!

 

 

そして《創絶王クロス・ディザスター》との最終決戦が始まる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮面ライダーゴースト/紺野木綿季(ユウキ)

ユルセン

 

仮面ライダースペクター/夏目智春

水無神操緒

 

仮面ライダーウィザード/操真晴人

司馬深雪

 

仮面ライダーディケイド/門矢士

インデックス

 

 

絶夢

シャドームーン

創世王

 

 

 

and,DENGEKI-Riders DENGEKI heroine・・・・・・



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

絶剣~MaskedRider Ghost~  誕生

とりあえず、ゴースト誕生の経緯です
かなり大雑把なので悪しからず


大好きな人の腕に抱かれて旅を終えられるんだ・・・・

 

 

 

僕・・・・、この世界で精一杯・・・生きたよ・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お~い、お嬢ちゃ~ん、起きなさ~い」

「う~ん・・・、あと5分・・・・」

「起きん喝~~っ!!!」

「うしゃぅ!?」

ALOで着ていた服と似た感じの黒と紫を基調とした和服に雪駄を履いたユウキが飛び起きると、目の前には白髪の老人が偉そうに立っていた。

「オッチャン誰?」

「うんワシ?ワシはね、仙人」

「せんにん?」

「そう、ワシは最弱のワシ。ワシより強いワシがあと999人・・・って、千人じゃないわい!」

「・・・・・帰っていいですか?」

「でも君死んじゃってるでしょ?」

「あ・・・・」

「生き返りたい?」

「え?」

「仮面ライダーゴーストとしてなら、限定的に君を蘇らせることが可能だ」

「本当!?」

「ただし!」

「っ!」

「それは今までとは別の世界で、だ。そこで英雄の眼魂を15個集めた時、どんな願いも叶えられる」

「そしたら・・・また、今度こそアスナと、皆と学校に・・・」

「けど!」

「もぅオッチャンってば、さっきから何なのさ?」

「生き返れるのは仮想現実の世界だけだから」

 

「へ?」

 

 

 

こうしてユウキは、ユルセンという自分とやたら声の似ているお化けと共に、眼魔と戦うことになった。

 

 

「ユルセン!敵の数が多すぎるよ~!」

「あ~もぅ、そんじゃこれ使えば?」

ア~イ!バッチリミナ~!バッチリミナ~!

カイガン!ヒビキ!

平気へっちゃら!鍛えてますから!

「やぁぁ~~!!」

ガンガンセイバーを腕に装着したランスモードにしたゴーストが敵の眼魔を次々と貫いていく。

「ベルトに武器を翳して、アイコンタクトだ!」

ダイカイガン!オメガガングニール!

 

「敵がおっきすぎるよ~」

「ならこいつだな」

開眼!ディアンヌ!姉貴の嫉妬、ジャイアント!

ガンガンセイバーハンマーモードでゴーストは巨大な敵に立ち向かう

 

ダイカイガン!オメガボンバー!

 

「ダブルハンマー!」

 

 

 

 

そんなゴースト/ユウキの姿を見ている仙人ともう一人・・・・・

 

 

「これで良かったかい?明彦っち」

「あぁ、電神が捜し求めている最後の希望、それが彼女であると僕は確信している」

 

 

 

 

眩き炎と灼熱の大太刀を振るう討滅者の魂

 

煌く雷を迸らせる超能力者の魂

 

重力を操り空間を切断する機巧魔神の魂

 

そして、閃く一条の光を疾走(ハシ)らせる剣士の魂

 

 

 

 

この世界の本当の危機を、ユウキはまだ知らない・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

『絶剣~MaskedRider Ghost~』

 

「変身!」

ア~イ!バッチリミナ~!バッチリミナ~!

開眼!ゼッケン! 絶剣!抜剣!courage!

ダイカイガン!オメガブレイド!

「マザーズロザリオ~~!!」




本編はもう少しきちんと書きますので


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

絆~Cross of Venus~

DSのCross of Venusを舞台にしています
ゲームをプレイしていた頃からディケイドと親和性高そうと思っていたのを今回ここで使ってみました



 

 

 

 

「さて…、この世界は………」

 

 

世界を渡り歩く仮面ライダー、ディケイド。

普段は新しい世界に行けばその都度服装も変わるが、今回は黒にマゼンタのストライプ柄というディケイドの装甲のようなパーカーを羽織るいつものラフな格好と同じような門矢士は首から下げたトイカメラ越しに目の前の学校を覗いた。

その校舎はぼろぼろだった。士のカメラの腕前せい…、ではなく、その学校はぼろぼろに朽ち果てていた。

士は気取った足取りで校門を跨いだ。

「…ん?」

すると、校庭のあちらこちらから人影が現れた・・・否、それは人ではなかった。

ずんぐりとした頭部が特徴的な鎧武の世界の初級インベスが大量に湧き出て士に向かって来た。

「まったく…」

士は変身せずにライドブッカーを取り出しガンモードで連射してインベスを一掃した。

「さて、とりあえず誰かいないか探すか」

士は校舎内へと足を踏み入れた。

校舎内もかなり荒廃しており、窓ガラスは割れ、廊下はひび割れ、電灯は全て消えていたが、ぼろぼろの購買部と食堂の前を通った時、かすかに物音がした。

 

「誰かいるのか?」

 

士の問いに応えるように、購買部のカウンターからひょっこり顔を出したのは・・・・・

 

 

「おなか…、すいた………」

 

 

テイーカップのような刺繍が施された修道服(何故か安全ピンが大量に留められている)を着た銀髪の少女だった。

 

 

 

 † † † † † † † 

 

 

 

「ほらよ」

士は以前別の世界で共に戦った指輪の魔法使いから貰ったドーナツを与えた。すると少女はあっという間に食べてしまった。

「ごちそうさまでした」

修道服の少女はインデックスと名乗った。

「門矢士だ」

「つかさはここに何しにきたの?」

「さてな、とりあえず、写真を撮っている」

そう言うと士は食堂の様子をぱちりと一枚撮った。

「それより、この学園はなんでこんな廃れて校庭には変な怪物が徘徊してお前は立て篭もっているんだ?」

インデックスはんぐんぐと2個目のドーナツを飲み込むと士の質問に答えた。

「んとね…、ここは『電撃学園』。色んな世界と繋がっているその中心地。電撃ワールドの世界に属している世界の人なら自由に行き来できるの。でもある日それぞれの世界がおかしくなったの。ありえないタイミングで出てくるはずのない人や出来事が起こったり、世界そのものが崩壊し始めてきたの…」

「…それで?」

「で、私達はその元凶を突き止めてそれを倒すためにチームを組んだの。でもゆうじ、けいた、はるゆき、きりと、せいじ、れんたろう、こじょう、それにとうまも帰って来なくて………、そしたら次は残っていた女子達が助けに行って…、しゃな、ようこ、ひめ、あすな、アリスベル、えんじゅ、ゆきな、………あとついでに短髪も戻ってこなくて………」

「で、お前は一人でここに残っていたのか?」

「みんなが帰ってくる所を誰かが守っていないと、それにわたし直接的な戦闘ってできないし………」

士は食堂のイスに偉そうにふんぞり返ると足を組んだ。

「なるほど…、大体分かった。で、その元凶ってのは?」

「………」

インデックスは大きく息を吸うとその名を呟いた。

 

 

『絶夢』、と

 

 

 

 

 

 † † † † † † † 

 

 

 

「ここが図書室なんだよ」

「つーかこのバリケードはなんなんだ…」

インデックスは士を拠点にしている図書室へと案内したが、その入口は机やイスによって行く手を遮られていた。

「あのインベル…、じゃなくてインベス達が入ってこられないようにしてるんだよ」

「で…、俺はどこから入ればいいんだ?」

インデックスが潜りこんで行った穴は少女なら優々通れるが、男の士には小さすぎた。

「あ~…、」

結局、士はバリケードを器用に乗り越えて中に入った。

「ここから各世界へとワープできるの」

「なるほど…、」

士はキャンプ用品や食料のダンボールが散らばっている図書室内を見回した。

「でも…、本当にみんなを助けてくれるの…?」

「あぁ、どうやらこの世界での元凶は俺にも関わりがあるようだしな」

 

インデックスが呟いた元凶は一人では無かった。

 

一人は『絶夢』

 

 

そしてもう一つはその手先となっている組織・・・・・

 

 

 

奇妙な掛け声の全身タイツ戦闘員に様々異形の怪人の集団・・・・・

 

 

 

 

『エレクトリック・ショッカー』

 

 

 

 

 

 † † † † † † † 

 

 

 

古びた教会がそびえる世界へとワープした士はインデックスにメットを被せマシンディケイダーの後ろに乗せて移動を始めた。

途中、色違いの墓石があった。その数は、戻ってこなくなった人数とぴたりと合っていた。

「………っ、」

インデックスは唇を噛み締め、士の服の裾をぎゅっと握った。

「先を急ぐぞ」

士はそれを一瞥すると速度を上げた。

教会の敷地を抜けると、そこは断崖絶壁の荒地だった。

 

「みんな!」

 

そこには、インデックスの仲間の少女達が黒い十字架に磔にされていた。

「なるほど、あの背景ロールはこれを示唆していたのか」

十字架の下には一人の男が立っていた。

 

「来たなディケイド~!」

 

「つかさ、あの声が無駄に大きい人って知り合い?」

「いや、全然知り合いじゃない」

士はマシンディケイダーから降りた。

 

「おい、お前は誰だ?言っとくが、鳴滝はそんなに“薄っぺらくないぞ”」

 

「………ふむ、どうやら変装の意味はなかったようだね」

鳴滝、のような外見の薄っぺらい偽物は一枚板になると足元の影に沈み、代わり出てきたのは、薄い板の集合体という奇怪なものだった。PCのCPU用ヒートシングを人型に切り抜いたようなそれは胸に手を当てると慇懃な動作で一礼した。

「加速研究会副会長ブラック・バイス、以後お見知りおきを」

「ショッカーの怪人もいつのまにか随分と様変わりしたな」

「いやいや、私はエレクトリック・ショッカーではないよ。絶夢の…そうだね協力者、とでも言っておこうか」

「絶夢の目的は何?!みんなを放して!」

インデックスはブラック・バイスに向かって叫ぶ。

「それは無理だね。絶夢がしようとしていることに我が会長殿も大変に関心がおありでね。所詮副会長の私はそれに従うしかないんだよ」

「………気に入らないな」

「つかさ…?」

士はインデックスを下げると一歩前に出た。

「何がかね?」

「1つ、裏でこそこそしながら姿を見せないその会長殿。2つ、鬱陶しい奴に変装していたこと。そして3つ目は…」

士はディケイドライバーを取り出すと腰に当てた。

 

「お前の見た目だ!」

 

士はディケイドのライダーカードをバックルに装填した。

 

KAMENRIDE…、DICADE

 

10枚のカードが差し込まれた装甲を持つ仮面ライダー、ディケイドはライドブッカーソードモードを取り出すと刀身を撫でた。

「ほぅなるほど、たしかに私と似ているね、装甲の色はマゼンタのようだが」

「この俺をピンクと言わずマゼンタと初見で言ったことだけはは褒めてやる」

「さて、一応抵抗くらいはさせてもらうよ」

ブラック・バイスはヒマワリロックシードを大量にばらまくとクラックを出現させ、初級インベスの大群を呼び出した。

 

ATTACK RIDE SLASH

 

「はぁっ!」

ディケイドはライドブッカーソードモードを強化、分身させ、次々とインベスを斬っていく。

「さっさと決めるぞ」

ディケイドはライドブッカーをガンモードに切り替えた。

 

FINAL ATTACK RIDE DI,DI,DI,DICADE

 

ディケイドがライドブッカーガンモードから放った光弾は前方に展開されたカード型のエネルギーを通り抜けるたびに威力を挙げブラック・バイスに迫った。

「…複層装甲(レイヤード・アーマー)…」

ブラック・バイスは自信の右腕を幾枚もの板に変化させ縦一列に並べてディケイドの必殺技ディメンションブラストを防いだ。

「チッ…、パクり野郎にくせに」

ディケイドは舌打ちをした。

「………つかさ…」

「安心しろインデックス、あのパクり野郎を倒したらお前の仲間を助けて………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は…?」

振り返ると、顔を俯かせたインデックスの手が、ディケイドの装甲を貫いていた。しかし、そこから血は流れずディケイド自身も痛みは感じていなかった。

「な…、にを………」

 

 

「うふふ」

 

 

インデックスの姿が一瞬白い光に包まれると、純白のサマードレスに金髪の女性の姿に変わった。舞踏会でつけるような仮面をつけていたので素顔はわからない。

「お前…、誰だ…?」

「裏でこそこそしている、加速研究会の会長」

「!?」

「ホワイト・コスモスよ、世界の破壊者さん」

ホワイト・コスモスはディケイドの体内で丸い物体・・・眼魂(アイコン)を起動させた。

 

 

 

「さぁ、私の大切な希望の鎧に微睡みなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

カ  イ  ガ  ン  デ  ィ  ザ  ス  タ  ー

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてディケイドはベルトから飛び出た鎧に飲み込まれた。

 

 

 

 

 






最近になって2巻まで読んだ『がっこうぐらし』をちょっと意識して、さらに鎧武のインベスを登場させました
ゲーム当時は登場していなかった二人を敵にして、あと鳴滝を完全に出落ちにしましたwww


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

希望~Fiting Climax~

操真晴人は「助けて」という少女の声に導かれ、マシンウィンガーを走らせると、荒野の戦場跡地へと辿り着いた。

「さて、絶望しそうな声を辿って来たが………」

晴人は荒地に降りると、紙袋を取り出し、

「まずは腹ごしらえだ」

プレーンシュガーを食べ始めた。

すると、そのドーナツの穴に影が差した。

「ん?」

晴人が上空を見上げると、一人の少女が落ちてきた。

「おいおいウソだろ…!?」

晴人は右手に指輪をはめると待機状態のままのベルトのバックルに翳した。

 

グラビティ プリーズ

 

少女の落下速度を遅くした晴人はゆっくりと少女を抱きとめた。

「おい、大丈夫か?」

白と青緑の制服を着た黒髪の少女はゆっくりと目を開けた。

「…~っ変態!」

と、同時に晴人の横っ面に強烈な回し蹴りを喰らわせた。

蹴りの反動で腕から飛び降りた少女は薄い携帯端末のようなものを取り出して構えた。

「白昼堂々なんて不埒な真似をしようとしているのですか!」

「待て…、待て待て、俺はお前が空から落ちてきたのを受け止めただけだ…」

晴人は蹴られた頬を撫でながら弁明した。

「え…」

少女は徐々に冷静さを取り戻した。

 

 

 

「本当に申し訳ありませんでした」

「いや、もういいよ」

少女は司馬深雪と名乗り、晴人に謝罪した。

「あの…、ここはどこなんでしょう?」

「生憎、俺もここがどこかはわからない。ただ、ここは君のいた世界とは別の世界だということは分かる。俺もそうだからな」

「別世界…」

「そもそも司馬さんは…」

「深雪で構いません、操真さん」

「なら俺も晴人で。深雪ちゃん、そもそもなんで空から?」

「実は…、兄を探していて」

「お兄さん?」

「はい、実は最近私たちの周りで不可解な事が起こって………、それで兄が単独で調査に出て…」

「そのまま戻らなかった…?」

「はい…、それで私も探しに…、そしたら『助けて』という声を聞いて気付いたらこのような世界に…」

「本当か?俺もその声を聞いたぞ」

 

 

 

「………たすけて…」

 

 

 

「!?」

2人の前に突然一人の少女が現れた。

「誰だ?」

「この世界の『夢』を救って下さい…、残された希望は、『夢』は…」

それだけ呟いた少女はノイズとともに消えてしまった。

と、同時に、大量のグールが現れ、2人に襲い掛かった。

「…っこれは、」

「深雪ちゃん、下がって!」

晴人は左手に青い指輪をはめた。

 

シャバドゥビタッチヘーンシーン!

ウォーター スイー・スイー・スイー・スイー

 

ウォータースタイルに変身した仮面ライダーウィザードは左手を掲げた。

「さぁ、ショータイムだ」

ウィザードは並み居るグールを八卦掌で、あるいはウィザーソードガンで切り裂いた。大量にいたグールは次々と倒されて行った。

 

ルパッチ・マジック・タッチ・ゴー バインド プリーズ

 

ウィザードWSは水の鎖で最後のグールを捕縛すると、そのままバックドロップを決めた。

「深雪ちゃん、そっちは…」

 

「インフェルノ!」

 

深雪を中心に一気に冷気が立ち込めた、と同時に、グールの群れは業火によって全て燃やし尽くされてしまった。

「すげぇ…」

グールの群れを一掃すると、再び、先ほどの少女が現れわれた。さっきよりも力無くその姿はノイズ混じりで不安定な状態だった。

「あんたは…」

「…私は電神…、電撃ワールドの往来を管理する者」

「電神…?」

晴人と深雪に電神は懇願した。

「この世界の『夢』を救って下さい…、残された希望は、『夢』は…」

その時、電神の背後から禍々しい炎が燃え上がり、電神は消えてしまった。

 

 

「けっ、電神のやつ、まだ他の世界と繋げる力を残してやがったか」

 

 

「…お前はっ、」

「でもまぁ、おかげで面白ぇ奴とまた会えたぜ」

「フェニックス…」

電神を焼き消したのは、かつて太陽へ蹴り飛ばしたファントム、フェニックスだった。

「どうして…」

「絶夢のおかげよ」

「絶夢…?」

「絶夢がエレクトリック・ショッカーと手を組んで、お前の世界から俺を復活させてくれたのさ」

「…晴人さん、あの、アレは…?」

「深雪ちゃん、あいつは俺じゃないとダメだ、下がって」

ウィザードはウォーターウィザードリングをもう一つの青いリングと交換した。

 

ウォーター ドラゴン ジャバジャババシャーンザバンザブーン

 

仮面ライダーウィザードはウィザードラゴンと一体化した強化スタイル、ウィザードウォータードラゴンスタイルとなった。

「指輪の魔法使い、俺もただ復活したわけじゃねぇってとこを見せてやるぜ」

フェニックスは左腕に謎の装置を取り付けるとストロベリーレッドの眼魂(アイコン)を起動させた。

 

テンガン アリスベル マツギハンター・マツギ

 

眼魂(アイコン)を取り込んだフェニックスは、しかし、傍目には変化が見られなかった。

「さァ、来いよ」

ウィザードWDSはウィザーソードガンガンモードで水の魔力弾丸を連射した。

「フン!」

フェニックスは手を軽く払うだけでその弾丸を全て打ち消してしまった。

「何…?」

「炎魔の火箭(カセン)!」

フェニックスは無数の火の矢を出現させるとウィザード目掛け放った。

「くっ…」

 

ディフェンド

 

ウィザードWDSは目の前に水の楯を出現させて、それが火の矢を防御する・・・・はずだった。

 

「ぐあっ!」

しかし、火の矢は水の楯を打ち消しウィザードに直撃した。

「なんだと…」

「どうだ、これが『滅魔魔法』だ」

「滅魔…魔法だと…」

「魔法を滅する魔法。ま、俺じゃなくて借りもんの力だけどな」

フェニックスはさらに数を増やした火の矢を放った。

「晴人さん、助太刀いたします!」

深雪は前に出るとCADを操作し、氷の結晶の楯をウィザードの前に出現させた。火の矢は何本かは防げたが、あっという間に楯は打ち消されてしまった。

「炎魔の火車!」

フェニックスは燃え盛る火の車輪を出現させると深雪目掛け投げた。

「あ…」

深雪は自分に迫る火の輪を防ごうとしたが、それが無意味なことを瞬時に悟った。

「危ない!」

間一髪、ウィザードが深雪を庇って火の輪を躱した。

 

ブリザード

 

ウィザードWDSは専用魔法リングで強烈な吹雪を起こした。広範囲に及ぶそれはフェニックスを飲み込んだ。

 

「炎魔の吼怒(コウド)!!」

 

しかし、それもフェニックスが放ったブレス攻撃で掻き消されてしまった。

怯まずウィザードはさらに畳み掛ける。

 

スペシャル

 

腰部にドラゴンテイルを具現化させたウィザードは跳躍し、回転しながらフェニックスに迫った。

「魔剱、カタストロフ」

フェニックスは大剣を具現化させた。

「炎魔の怒涛!」

横一閃に振り払われた滅魔の炎の斬撃はウィザードの縦一閃に振り下ろされたそれと激しくぶつかり合い・・・・・

「がはぁ…!」

ウィザードを吹っ飛ばした。

「晴人さん!」

「大丈夫だよ、深雪ちゃん」

ウィザードはウィザーソードガンを構えた。

 

コピー プリーズ

 

ウィザーソードガンを二刀流にしたウィザードWDSはフェニックスと近接戦闘に挑んだ。

「はっはぁ~!炎魔の縦横無刃!!」

連続で繰り出される斬撃を受けるたび、ウィザーソードガンは刃こぼれし、ついに、二本とも折れてしまった。

「どうだ、絶望的だろ?」

フェニックスは魔剱カタストロフを肩に担ぐとウィザードを嘲笑した。

「まさか、1つ教えておくぞフェニックス」

ウィザードは4つの指輪をその手に握っていた。

「絶望の中にこそ、逆転のチャンスはあるんだよ!」

ウィザードはレッドガルーダ、ブルーユニコーン、イエロークラーケン、バイオレットゴーレムの指輪を投げプラモンスターを召喚した。4体はフェニックスを撹乱し、ウィザードはその隙をついた。

 

コネクト プリーズ

 

「もらった!」

ウィザードはコネクトリングで発生させた魔法陣に手を突っ込んだ・・・・その先は、

「しまった…っ!」

フェニックスが左腕に付けていた機械、それに装填されている眼魂(アイコン)を奪い取った。

「…借り物の滅魔魔法なら、これでお前はただのフェニックスだ」

「ちぃ…、だが、俺は不死身…」

その時、深雪がCADを構えた。

 

「………コキュートス………」

 

唱えた瞬間、フェニックスはその動きを止めた、否、凍り付いたように動かなくなった。

「晴人さん、今です」

「あぁ」

 

インフィニティ ヒー・スイ・フー・ドー・ボウ・ザバ・ビュー・ドゴーン

 

「フィナーレだ!」

インフィニティスタイルと変身したウィザードはアックスカリバーのハンドオーサーに触れた。

 

ターンオン 

 

ハイタッチ シャイニングストライク キラ・キラ

 

フェニックス目掛け高く跳んだウィザードは、ウィザードラゴンの幻影を纏ったアックスカリバーを振り下ろした。

再生のための思考力を凍りつかされたフェニックスは、果たして何もできないまま、粉々に砕け散った。

 

 

戦いが終わり、晴人は変身を解いた。

「深雪ちゃん、これが何かわかる?」

それはフェニックスは滅魔魔法を使うために利用したストロベリーレッドの眼魂(アイコン)だった。

「いえ、初めて見ます。あるいはお兄様な知っているかも………」

 

 

 

 

「申し訳ないが、それは返してもらうよ」

 

 

 

 

突如、2人の足下の影から声が聞こえた、と思った瞬間には眼魂(アイコン)は奪われてしまった。

「誰だ!」

晴人はウィザーソードガンを蠢く影に向けた。

「これは計画の最終目的に必要な物でね。フェニックス君が面白そうだからと勝手に持って行って難儀していたんだよ」

影から現れた人影・・・、ブラック・バイスは眼魂(アイコン)を手にすると晴人と深雪に一礼した。

「さて、申し訳ないが君達は計画に大きな支障を来たす怖れがあるので、ここで退場してもらおうか」

ブラック・バイスが片手を上げると、背後に灰色のカーテンのような空間の歪みが発生し、そこから異形の人型が現れた。

 

 

 

禍々しいオーラを放つソレは、鎧を纏っていた

 

その鎧の表面には10本のラインが走り

 

装甲の色は金属のような鈍い光沢を放つ、濁ったマゼンタ

 

晴人と深雪を見据える複眼は紫

 

 

 

「ディグルル………、ルォォォォォ!!!!」

 

 

世界の破災者 クロム・ディケイダーは雄叫びを上げた

 

 

 

 

 

 

 




炎魔フェニックス
●魔法:炎の滅魔魔法 炎の滅魔魔導士(マギカスレイヤー)
アリスベル眼魂(アイコン)をプロトメガウルオウダーに装填し発動させたことであらゆる魔法を焼き消す炎をつかうことができる

●武器:魔劔カタストロフ(まけんかたすとろふ)
2m近くもある身幅の広い大剣
滅魔の炎を纏わせる事ができる
あらゆる魔法を断ち斬る
滅魔の炎を纏っているので、何度も剣を合わせると刃こぼれする


通常魔法
◆炎魔の吼怒(コウド)
炎を一気に吐き出すブレス攻撃

◆炎魔の火車(えんまのかしゃ)
滅魔の炎を車輪状にして地上を転がし触れるもの全てを掻き消し焼き尽くす。

◆炎魔の火箭(えんまのかせん)
滅魔の炎を無数の矢にして飛ばす

◆炎魔の怒涛(えんまのどどう)
大剣に滅魔の炎を纏わせ横一閃(もしくは縦一閃)の斬撃を飛ばし、剣の軌道上にあるあらゆる魔法を掻き消し燃やす。

◆炎魔の縦横無刃(えんまのじゅうおうむじん)
連続で剣を縦横無尽に振るい、直線的な攻撃を面として展開する


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

絶剣~Masked‐Rider GORST~ ①

ユウキの格好はコードレジスタの着物姿をイメージして下さい
刀も差してます



 

 

ボクは紺野木綿季。

ALOでボクの旅は終った・・・・はずだった!

でも変なオッちゃんに15個の眼魂(アイコン)を集めると仮想現実の世界限定で生き返れるって言われて、今は仮面ライダーゴーストとしてやたら声の似ているユルセンってお化けと一緒に旅をしているんだ。

 

今ある眼魂(アイコン)は、2つ。

巨人族の女の子ディアンヌの眼魂(アイコン)。

すっごいパワーでハンマーを振り回して、その上大地を操る特殊能力もあるんだ。

 

もう1つは聖遺物ガングニールの奏者ヒビキの眼魂(アイコン)。

格闘スキルが向上してガンガンセイバーを腕に装着すれば爆発的な一撃突破の必殺技も決められるんだ。

 

集める眼魂(アイコン)はあと13個。

もう一度アスナ達と会うためにボクは今日も旅をしている。

 

 

 

 

「はぁ~…、さっきのお店のオムライスおいしそうだったな………」

「しょ~がないだろ~、お前今ゴーストで飯食えねぇんだから」

紫を基調とした着物に細身の刀を差した少女とその隣にふわふわ浮かんでいる一つ目お化けは、1人で喋っているとしか聞こえない声で話しながらとある町を歩いていた。

 

 

と、ユウキの表情が突然険しくなり、左手で刀の鯉口を切り、抜刀体勢を取った。

 

 

「誰?出てきなよ」

 

 

ユウキが後ろに声をかけると、銃弾が飛んできた。

「はぁっ!」

ユウキはALOで磨いた動体視力で弾道と弾丸を見切ると居合抜きの一刀で斬った。

納刀したユウキが腰に手を当てると変身ベルトゴーストドライバーが装着された。

「誰だか知らないけど…」

ユウキは懐からオレゴースト魂の眼魂(アイコン)を取り出すと右側面のゴーストリベレイターを押して起動状態にした。

「いきなり撃ってくるなんて…、危ないでしょ!」

バックル前面のグリントアイを開き眼魂(アイコン)をアイコンスローン装填し閉じると、ベルトからオレンジと黒のパーカーゴーストが飛び出した。

 

ア~イ!  バッチリミナ~!

 

パーカーゴーストは次々迫る弾丸を弾く中、ユウキはベルトのデトネイトリガーを引いて押し込んだ。

 

「変身!」

 

開眼!オレ!レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ!ゴースト!ゴー・ゴー・ゴー・ゴー

 

オレンジのマスクに黒いパーカー、ユウキが変身した仮面ライダーゴーストは浮遊しながら距離を取った。

「隠れてないで出てきなよ!」

すると、一人の男が現れた。

「…君は?」

ユウキは思わず身構えた。

黒のミッション系の学校の制服を着た少年は、悪魔のようにキツイ表情でゴーストを睨んでいた。

「お前の持っている眼魂(アイコン)を全てよこせ!」

少年は腰に手を当てるとゴーストと同じドライバーを装着し、青い眼魂(アイコン)を起動させた。

「うそ…、」

 

ア~イ!  バッチリミロ~!

 

「…変身…」

 

少年は無造作に眼魂(アイコン)をベルトに装填しデトネイトリガーを引いて差し込んだ。

 

開眼!スペクター!レディゴ覚悟ド・キ・ド・キ・ゴースト!

 

鬼の形相の青いゴースト、仮面ライダースペクターはドライバーからガンガンハンドを召喚するとゴーストに狙いを定めた。

「ちょ…」

「眼魂(アイコン)を遣せ!」

ガンガンハンドからの容赦無い連射攻撃を、しかしゴーストは驚異的な敏捷性で躱していく。

「たしかに連射は怖いけど、銃口の角度と指の動きでだいたい避けられちゃうよ」

ゴーストは躱しつつスペクターへと接近していった。

「やぁっ!」

ガンガンセイバーをドライバーから抜くとゴーストはスペクターに斬りかかった。

「くっ…」

スペクターもガンガンハンドをロッドモードにしてそれを受け止める。

「やぁぁ!」

しかし、かつてALOで《絶剣》の異名で呼ばれていたユウキ/ゴーストが繰り出す連続剣技はあっという間にスペクターを追い詰めて行った。

「とりあえず、キミが本気ってことはよくわかったよ。だからボクも本気でキミを倒してすけど、いいよね?」

ゴーストはガンガンセイバーを大上段に振り上げた。

 

 

「やめて!」

 

 

その時、ゴーストとスペクターの間に1人の少女が突然現れた。

「………アスナ…?」

ゴースト…、ユウキは寸前で剣を止めた。

ALOで剣を交え共に戦った、大好きな少女によく似た茶髪のポニーテール少女は、少年と同じ制服を着ていた。そしてその姿は半透明だった。

「智春(トモ)、もう止めようよ、こんな無理矢理…」

「俺は…、必ずお前を元に戻すんだ」

スペクターは背後から少女の胸に手を突っ込んだ。

「ちょ…」

驚くゴーストの目の前で少女の姿は消え、代わりにスペクターの手には黒い眼魂(アイコン)が握られていた。

スペクターはその眼魂(アイコン)を移動させ、ゴーストドライバーに装填した。

 

ア~イ! バッチリミロ~!

 

開眼!クロガネ!科學・重力・魔神相克!

 

黒い鎧のようなパーカーを羽織り、スペクターはクロガネ魂へとフォームチェンジした。

「ふっ」

スペクタークロガネ魂が左手を前に出すと、ゴーストは引っ張られた。

「ちょ…、うゎこれ…、重力?」

「はぁっ!」

ゴーストを近づけるとスペクターは右拳を叩き込んだ。

「がっ、は…」

死ぬほど痛いダメージを受けて吹っ飛ばされたゴーストは空中でなんとか体勢を立て直した。こういう感覚はALOで経験済みだった。

「すっごいパワー…、なら、力には力だ」

ゴーストはオレンジ色の眼魂(アイコン)を起動させた。

 

ア~イ!バッチリミナ~!

 

開眼!ディアンヌ!姉貴の嫉妬ジャイアント!

 

オレンジの牛皮のようなパーカーを羽織り、ゴーストはディアンヌ魂となった。

「パワーなら、こっちも負けないよっ!」

ガンガンセイバーにゴーストガジェットの一体であるクモランタンを合体させたハンマーモードにするとスペクターに殴りかかった。

「ちっ…」

スペクターは腕を交差させそれを受け止めた。ゴーストディアンヌ魂のパワーは下の地面をスペクターを中心に陥没させた。

「いったぁ~…、堅いなもぉ~」

ゴーストは背後に跳んで間合いを取るとガンガンセイバーを握っていた手をぷらぷらさせた。

「………」

スペクターは無言のままゴーストドライバーのデトネイトリガーを引いて押し込んだ。

 

ダイカイガン! クロガネ オメガドライブ!

 

スペクタークロガネ紺の右腕に高重力エネルギーが集中し、一個の球体が形成された。

「こっちだって」

ゴーストディアンヌ魂はガンガンセイバーの鍔部分の目玉模様エナジーアイクレストをゴーストドライバーのグリントアイに翳し、アイコンタクトさせた。

 

ガンガンミナー!  ガンガンミナー!

 

「はぁぁ…」

ゴーストはガンガンセイバーハンマーモードを身体の後ろで回しながらエネルギーを一転に集中させる。

 

 

そして、2つの超威力が激突した。

 

 

「ライダー…、パンチ!」

 

 

ガンガンミナー! オメガボンバー!

 

「マザーカタストロフ!」

 

 

 

 

高重力の拳と大地を巻き上げながら振り上げられたハンマーが激突すると・・・・・・・

 

 

激突点を中心に空間が歪み始めた。

 

 

「おい、やばいぞユウキ!今の衝撃で空間が…」

ユルセンとゴースト、そしてスペクターは歪によって生じた空間の裂け目に吸い込まれてしまった。

「クッ…、」

 

 

「うゎぁ~~~!」

 

 

 

 

 

 

 

 

その様子を見ている1人の男。

 

 

その男は空中にフワフワ浮いていた。

 

 

「ジッハッハッハ、こいつぁ面白いことになってきたなぁ。夏目の坊主をスペクターにしたのは間違いじゃなかったな」

 

 

長く威圧的な色の金髪に着物。

 

 

禿げた頭頂部には何故か舵輪が刺さっており、両足は何故か剣だった。

 

 

男は笑いながら頭上に浮かぶ巨大な岩の飛行船へと飛んでいった。

 

 





《仮面ライダーゴースト》/紺野木綿季(ユウキ)
仙人がとある目的のためにユウキを一時的にゴーストとして生き返らせた
ALOでの剣技と体捌きはゴーストになっても健在、むしろ磨きがかかっている
浮遊状態からの剣技も得意

ユルセン
ユウキとやたら声が似ている一つ目のお化け
とある人物のアバターらしい・・・・・・


《仮面ライダーゴースト ディアンヌ魂》
固有能力:大地操作
巨人族ディアンヌの眼魂(アイコン)で変身した形態
オレンジ色の牛皮のようなパーカーを纏う
ガンガンセイバーハンマーモードを軽々振るうパワーで攻める戦法を得意とする
また、大地を自在に操ることもできる

必殺技オメガボンバー
ガンガンセイバーハンマーモードを回転させ、その分だけエネルギーを貯め、一気に大地の土砂ごと振り上げる



《仮面ライダースペクター》/???
とある少年が眼魂(アイコン)となってしまった幼馴染の幽霊を元に戻そうと難儀している時にとあるオッサンから譲り受けたゴーストドライバーとスペクター眼魂(アイコン)で変身した仮面ライダー

本来は温厚な少年だったが、焦りと苛立ちから表情は荒み、一人称も本来は『僕』だったが、『俺』になってしまった

クロガネ眼魂(アイコン)
少年の幼馴染の幽霊の少女がある日突然変わってしまった眼魂(アイコン)
わずかな間だけ姿をあらわすことができる

《スペクター クロガネ魂》
固有能力:重力操作
スペクターがクロガネ眼魂(アイコン)で変身した形態
黒い鎧のようなパーカーを纏う
左手で引力、右手で斥力を操る

必殺技オメガグラビティ
右手に高重力のエネルギーを球形状に集束させそのままパンチを繰り出す



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

絶剣~Masked‐Rider GORST~ ②

今回は2話連続で載せます


僕はユウキ。

仮面ライダーゴーストとして眼魂(アイコン)を集めていた、ある日・・・

突然現れた少年が青いゴースト、スペクターに変身して襲い掛かってきた。

返り討ちにしようとしたら、いきなりアスナに似たポニテの女の子が現れて・・・そしてら眼魂(アイコン)になってスペクターが重力を操る姿になっちゃった。

すごいパワーの相手に僕もディアンヌ魂で対抗したんだけど、2人のオメガドライブが激突した瞬間・・・・・・、

 

 

空間に歪が生じて別世界に飛ばされちゃった(・ω<)テヘペロ

 

 

 

 

 

「う~ん…、」

ユウキは目を覚ました。

「ここは…」

 

 

「お、目が覚めたかい?」

 

 

布団から起き上がったユウキは周囲を見回すとそこは木造の家屋、長屋だった。

声をかけたのは身の丈が180cmはあろうかという大男だった。はだけた単衣の着物の胸元には金襴のお守り袋が揺れていた。

「ここは…?」

ユウキはまだ頭がぼんやりしていた。

「エドワールドだよ」

「エド?って、江戸時代!?」

ユウキは素っ頓狂な声を上げた。

「俺ぁホンダ・セイシロウってんだ、おめぇは?」

「ユウキ…」

「ユウキ、か。ずいぶん珍しい名前だな」

セイシロウは布団を畳み風呂敷に包んで梁に張った太綱に吊るしながら、ユウキが往来で行き倒れていた経緯を説明した。

「ほれ、お前の刀も手入れしといたぞ」

細身で反りの小さいユウキの愛刀はゴーストになった時仙人から渡された一振りだ。

「しっかし、生っ白い奴だな、そんなんじゃ剣術もからっきしだろ」

「………そうでもないよ」

「へぇ、じゃあ少しやってみっか」

長屋の裏路地に出たユウキとセイシロウ。

ユウキには木刀を貸し与えたセイシロウは、戸口に突っ張る心張り棒を手にしていた。

「そんなのでいいの?」

「遠慮しないでかかってきな」

セイシロウは片手でユウキを挑発した。

「…じゃ、遠慮無く!」

ユウキは一気に間合いをつめてセイシロウにかかっていったが・・・

「ほいっと」

セイシロウはあっさり弾いてしまった。

「まだまだ!」

ユウキは何度も打ちかかるが、セイシロウは余裕を持って全部弾き、捌き、打ち返されてしまった。

「なんだ、案外剣術もやるじゃねぇか」

「…一太刀も、…浴びせて、ないけどね…」

十数分の打ち合いでユウキは汗だくになっていた。

「面白い太刀筋だったけど、何流なんだ?」

「え~と…、アルブヘイム流…?」

「聞いたことねぇな」

セイシロウは懐から新しい手拭を出して汗だくのユウキに渡すと手を叩いた。

「よし、ちょっと飯でも食いに行くか」

「え…、」

「大丈夫、奢ってやっから」

セイシロウは途惑うユウキの手を引っ張って行った。

雪駄でチャリチャリと粋な足音をさせながら歩くセイシロウとそれに着いて行くユウキ。

 

「おや、ホンダの若様」

「ご機嫌よう」

 

町の人たちから声をかけられるセイシロウをユウキは不思議そうに見ていた。

「セイシロウさんっていいとこのお坊ちゃんなの?」

「呼び捨てでいいよ。まぁ…、一応な、でも俺ぁ庶長子…、本妻じゃなく側室が生んだ子でな、家督が継げねぇ冷や飯食いだから家を出て一人で暮らしをしてんのさ………」

そんな会話をしながらセイシロウが連れて来たのは天ぷらの屋台だった。

「お、セイシロウさん、今日は珍しい、お連れがいるんですかい」

「あぁ、俺んとこの客だ。治作のとっつぁん、穴子の天ぷらを頼まぁ」

「あいよ!」

セイシロウは天ぷらが揚がるのを待っている間に、隣のそば屋の屋台でかけそばを二杯買ってきた。

「ほぅい、揚がったよ」

天ぷら屋の治作は揚げたての穴子天をそばの上に乗せた。

「ほら、食いねぇ」

「えっと…、ボクはいいよ…」

ゴーストとなっているユウキは食事やさらには睡眠も必要としない体質になっているのだ。

「なんでだ?ここの天ぷらは絶品だぜ、そばも挽きたて打ちたて茹でたてだぞ」

「その…、ダイエット中で………」

「だいえっと?」

「じゃなくて、そう、今は修行中なの。修行の一環で一切食べないことになってて………」

ユウキの苦しい言い訳を、しかしセイシロウは納得したようだった。

「そうかい、修行ってんじゃ、仕方ねぇな」

「ごめんなさい」

「謝るこたぁねぇよ」

セイシロウは早々に自分の分を食べるとユウキの前の丼を手にして食べ始めた。がっついているようで、橋先は少ししか濡れておらず、背筋を伸ばして脇も締まっていた。育ちの良さがさり気なく表に出ていた。

「ごちそうさん、また来るぜ」

 

 

 

そばを食べ終えたセイシロウとユウキは河原に寝そべっていた。

「お前、これからどうするんだ?」

「う~ん、今ユルセン………、仲間が探してくれてると思うから、それ待ちかな」

「そっか、仲間がいんのか」

水面を眺めるセイシロウに、ユウキは訊いた。

「セイシロウはさ、実家と仲が悪いの?」

ユウキはセイシロウにどことなくアスナの面影を感じていた。

「………本来なら嫡男である弟のタダカズが跡を継ぐんだ。けど、自分で言うのもあれだが、俺は文武両道でな、ホンダの本家の長老や他の親族からもご先祖のタダカツ様の生まれ変わりだって言われてて………、それで庶長子だけど俺を後継ぎにって声もあるんだ」

「それが煩わしくて家飛び出してこうやって無理矢理放蕩息子の無頼漢を気取ってる、ってこと?」

「なっはっは、まぁ簡単に言えばそうだな」

セイシロウは笑うとユウキの背中をバンバン叩いた。

その時、町の方で悲鳴が上がった。

「なんだ!?」

 

 

セイシロウとユウキが駆けつけると、そこには頭は猿、胴体は狸、手足は虎、尾が蛇という怪物、鵺ヤミーがさらに全身タイツエレクトリック・ショッカー戦闘員を引き連れていた。

「なんだあの化け物どもは…」

「セイシロウ、街の人たちを」

セイシロウが走っていくのを確認したユウキは懐から眼魂(アイコン)を取り出すと駆け出しながらドライバーに装填した。

 

ア~イ!バッチリミナ~!

 

「変身!」

 

開眼!オレ!レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ!ゴースト!ゴー・ゴー・ゴー・ゴー

 

仮面ライダーゴースト変身したユウキはエレクトリック・ショッカー戦闘員をガンガンセイバーで斬りながら鵺ヤミーに迫った。

「ガゥ!」

鵺ヤミーは右腕を虎の頭に変化させるとガンガンセイバーを白羽取りして反対の爪で攻撃した。

「うわっ!だったら…、これだ!」

防火用水として雨水を貯める天水桶に突っ込んだゴーストは頭に被さった桶を取ると、眼魂(アイコン)を取り出した。

 

ア~イ!バッチリミナ~!

 

開眼!ヒビキ!平気へっちゃら鍛えてますから!

 

黄みがかったオレンジのパーカーを羽織り首にマフラーを巻いた姿、ヒビキ魂となったゴーストは大きく跳び上がると鵺ヤミーに迫った。

「グルゥ…」

鵺ヤミーが唸ると体からセルメダルがこぼれ、そこからクズヤミーが大量発生した。

「はぁぁ~~っ!」

ゴーストは拳、蹴り、肘打ち、踵落し、膝蹴りと次々と打撃技を繰り出しクズヤミーを屠っていった。

 

ダイカイガン! ヒビキ オメガドライブ!

 

デトネイトリガーを引いて押し込み、引いた右腕にエネルギーを集中させ、一気に前方へダッシュして拳を突き出した。

「貫けぇ~~~!!!」

ゴーストは爆発的な推進力で残るクズヤミーの集団を一直線に貫いた。

「でやぁ~!」

その勢いのままゴーストは鵺ヤミーにアッパーを繰り出した。

「ゴァッ!」

しかし、虎の腕で受け止めた鵺ヤミーは蛇の尻尾でゴーストを叩きつけた。

「うっ、ぁ…」

反動で変身が解けて地面に倒れてしまったユウキに、さらに召喚されたクズヤミーが迫る。

 

 

その時・・・・

 

 

「おらぁっ!」

 

 

突然現れたセイシロウの蹴りがクズヤミーを吹っ飛ばした。その手には愛刀が握られていた。

セイシロウは逃げたわけではなかった。長屋に戻り、刀架の刀を手に文字通り押っ取り刀で助っ人に来たのだ。

「てめぇら、人の可愛い妹分に何しやがんだ!」

刀を抜くとセイシロウは次々とクズヤミーを斬り伏せていった。

「くっそ…」

しかし、鵺ヤミーが生み出すクズヤミーは一向に減る気配がない。

「セイシロウ、ボクはいいから早く逃げて」

「馬鹿野郎!んなことできっか」

セイシロウは倒れたユウキを庇うように立ちはだかった。

「ルルゥ…」

鵺ヤミーの唸り声と共に、クズヤミーが迫る・・・・・・

 

 

その時、遠くからこちらに近付く影が・・・・・・

 

 

「なに…?」

「馬の蹄、足音…?」

 

 

ユウキとセイシロウが呆気に取られていると、その影はどんどん近付いてきた。

毛並みが綺麗な白馬に豪奢な馬具。それに跨っている武士は手綱を打つとクズヤミーの群れに突っ込み、2人を助けた。

「嘘だろ…、」

「セイシロウ、この人は…?」

「この人…、いや、お方は………」

セイシロウが口を開こうとするのを、馬上の武士が視線で制した。

「マツダイラ・ケンノスケだ」

マツダイラと名乗った武士は馬から降りると袴が汚れるもの構わずに膝をついた。

「大丈夫か」

「あ、はい…」

ユウキが立ち上がるとセイシロウはケンノスケの前に跪いた。

「ホンダの風来坊だな」

「はっ…、セイシロウです」

「お主の噂は耳にしておる」

「………」

「素行を咎めるようなことはせぬ。今は、このエドを守るために、その力貸して欲しい」

「はっ、御意のままに」

その時、セイシロウのお守り袋が光り出した。

「セイシロウ、それは?」

「あ、あぁ…、ご先祖が使っていた刀の鍔だよ。本家の爺様からお守り代わりって」

「ちょっと貸して」

セイシロウがお守り袋から出した鍔を受け取ると、ユウキは人差指と中指だけを立てた刀印を結び、鍔の前で目玉の紋様を描いた。

「こいつぁ…」

「なんと…」

セイシロウとケンノスケは驚いた。鍔の光がユウキのドライバーに吸収されると、そこから鎧武者のパーカーが飛び出した。

鹿の角の兜を被ったその武者は・・・・

「ご先祖様………?」

「うむ、あれこそ戦国最強と謳われしホンダ・ヘイハチロウ・タダカツ様だ」

『トクガワ家に連なる御仁と御見受け致す』

パーカーは物々しい声でマツダイラに問うてきた。

「はっ」

『そこなる若造は、我が末裔だな?』

「はい…、セイシロウと言います」

『我が殿、イエヤス様が築きしこのエドを蹂躙せし魑魅魍魎を退治するぞ!』

パーカーはユウキを睨み付けた。

『ゆくぞ!』

「は…、はい!」

パーカーがゴーストドライバーに吸収されると、眼魂(アイコン)が現れた。

ユウキはそれを装填した。

 

ア~イ!バッチリミナ~!

 

先ほどのパーカーが飛び出すとユウキの背後に佇み、ゆっくりと変身ポーズを取った。

それに合わせるように、ユウキは左斜め前に突き出した右腕でゆっくり弧を描いた。

 

「ライダー…、変身っ!」

 

そして、素早く左腕を突き出すと同時にデトネイトリガーを引いて押し込んだ。

 

開眼!タダカツ!戦国最強れっつごぅヘイハチロウ!

 

無骨な鎧のパーカーを羽織ると、頭部に本来の角の左右に鹿の角が現れた。

ゴーストタダカツ魂がガンガンセイバーを握ると柄が伸び、ガンガンセイバースピアモードとなった。

「ユウキ…、その姿は」

「そうか、お主も仮面らいだーだったのだな」

「セイシロウ、マツダイラさん、行くよ」

「おぅよ、ご先祖の前で無様な姿は見せらんねぇしな!」

セイシロウは刀を肩に担いだ。

「共にゆくぞ、仮面らいだー」

マツダイラは八双に構えた刀を峰に反した。

「成敗!」

マツダイラは峰打ちで次々とクズヤミーを倒し、背後から迫る気配を察知すると切先を向けて牽制、そして堂々とした太刀筋で返り討ちにした。

「おぅらっ!」

セイシロウはまるで獣のように素早く、そして力強い太刀筋でクズヤミーを倒していく。

「はぁぁっ!」

そして、戦国最強の武人の魂を纏ったゴーストはクズヤミー数十体をガンガンセイバースピアモードの一振りで倒し、鵺ヤミーと対峙した。

「グルゥワァ!」

鵺ヤミーは両腕を虎の頭部と爪に変化させ、雄叫びを上げた。

『かァッ!』

しかし、変身しているにも関わらず分離したタダカツゴーストの気合でそれは掻き消され、逆に怯んで動けなくなってしまった。

 

ダイカイガン! タダカツ オメガドライブ!

 

「ライダ~…、キ~~ック!」

 

ゴーストが放ったライダーキックを喰らった鵺ヤミーは苦悶のうめき声を上げながら爆散した。

 

 

 

 

「お~~い、ユウキ~」

戦いが終ると、空から巨大な幽霊船、ユウキとユルセンが移動に使っているキャプテンゴーストが飛来した。

「仮面らいだーよ、これを持って行くが良い」

マツダイラは懐から眼魂(アイコン)をユウキに手渡した。

「これは…」

「かつてこの世界を守ってくれた英雄の魂が宿っておる。いずれお主の力になることだろう」

それは、仮面ライダーオーズの眼魂(アイコン)だった。

「はい、ありがとうございます」

そんな中、セイシロウは少し淋しそうだった。

「行っちまうのか…」

「まぁね。でも、生き返…、修行が全部終ったら、また来るから、そしたら天ぷらそば奢ってよ」

「あぁ、もちろんだ」

「えへへ、じゃあね、セイシロウお兄ちゃん!」

ユウキが跳び上がり乗り込むと、キャプテンゴーストはあっという間に時空を越えて行ってしまった。

 

 

 

 

「あ、オッちゃん」

船の甲板にはユルセンと、ゴーストの力を与えてくれた仙人のオッちゃんがいた。

「ユウキよ、非常にまずいことになった」

仙人は珍しく険しい表情をしていた。

「絶夢、エレクトリック・ショッカーこの二つの勢力が手を組み電撃ワールドを中心とした全人類眼魂(アイコン)化計画を進めているのだ」

「え…、なにそれ?」

「世界を1つに、などと謳っているがその実は体よく人類を、世界を支配しようとしているのだ。そしてその中にかつてワシと共にゴーストの研究をしていた者がいる」

そして仙人は重々しくその名を口にした。

「『金獅子のシキ』、奴はワシらの研究成果を持ち出しエレクトリック・ショッカーに取り入った。そして今は絶夢の計画に協力しているのだ」

「あ、そういえばこの世界に来る前に青いゴーストと戦ったんだけど………」

「あれはスペクター。ゴーストと同じシステムだが性能はゴースト以上。その危うさからワシが封印しておいたのをシキが持ち出したのじゃ」

「あの変身していた男の子は…?それに眼魂(アイコン)になっていた女の子も」

「『夏目智春』、そして少女は『水無神操緒』、アスラクラインの世界の住人で一度は神をも倒した者達だ。しかし、その時から元の世界に戻れなくなり、旅をしているところをシキの実験部隊に発見され、少女の方はシステム『IQ』の実験で眼魂(アイコン)にされてしまったのだ」

「そんな…」

「しかし、シキはそのタイミングで現れ眼魂(アイコン)を集めれば何でも願いが叶うと唆し、自分の手駒としてスペクターの力を与えたのじゃ。その危険性を秘匿してな」

「危険性って?」

「変身者への負担が大きすぎるんじゃ。今のまま変身し続ければ、ベルトが壊れるより先に変身者の夏目智春の方が死んでしまう」

「………止めないと」

「おいおい、お前自分のことほったらかして他人の心配かよ~。どんだけお人好しだよ」

ユルセンがユウキの周りをふわふわ浮かびながら毒を吐く。

「眼魂(アイコン)化計画が実行されたらもうボクが生き返っても誰もいなくなってるよ、そうでしょ?オッちゃん」

「うむ…………」

「なら、夏目君を止めて、ついでにシキとかエレクトリック・ショッカーとか絶夢を倒さないと」

「ワシも打てる手は打つ。頼んだぞ、ユウキ」

仙人はその場からふっと消えた。

 

 

「それにしてもお前、とんでもない人と一緒にいたな」

「へ?セイシロウお兄ちゃんとマツダイラさんのこと?」

「マツダイラ?何言ってんだ、あれはトクガワ・ヨシムネだぞ」

「え…?それって………」

「征夷大将軍だな」

 

「将軍だったの~~~!?!?」

 

 

 





現在のゴーストの眼魂(アイコン)
オレ魂 ディアンヌ魂 ヒビキ魂
タダカツ魂 オーズ魂


《仮面ライダーゴースト ヒビキ魂》
戦姫絶唱シンフォギアのヒビキの眼魂(アイコン)
格闘スキルが向上し、一点突破の技を得意とする
オメガドライブ(ライダーパンチ)
右拳(もしくは両拳)にエネルギーを集中させ、一気に加速し敵を貫く


《仮面ライダーゴースト タダカツ魂》
タダカツ眼魂(アイコン)で変身し、タダカツゴーストを纏った姿
変身の際は一号の変身ポーズをパーカーゴーストと一緒にする
ガンガンセイバースピアモードでの白兵戦が得意
オメガドライブ(ライダーキック)
強力なキックを放つ
電光を纏わせたり空中で決めるなどの派生技がある


※このホンダ・ヘイハチロウ・タダカツは、真田丸の本多平八郎忠勝(藤岡弘、)をイメージしています
あのお方、鎧も刀槍も軽いという理由で重くした特注を使っているらしいです
フル装備の鎧武者姿は、もう一号(真)よりも強そうです
史実とか策略とか関係なく、一人いるだけで全部なんとかしそう
関ヶ原も一人で西軍倒しそう・・・・
・・・そりゃマリオおじさんも勝てないわ・・・


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

仮面ライダースペクター 凍えて、開眼

 

「ん…、」

 

 

倉庫のような場所で少年が起き上がると制服のポケットからもぞもぞと這い出てきた眼魂(アイコン)から半透明の女子も現れた。

『智春(トモ)…、大丈夫?』

「あぁ、若干頭はくらくらするけど…」

黒のミッション系の制服を着た少年・・・夏目智春と、半透明の幽霊少女・・・水無神操緒は状況を確認した。

「ゴーストと技が激突した影響で空間に歪ができたのか…」

『ここは…、っ智春(トモ)!』

積み上げられたコンテナの隙間にいた智春と操緒の周囲には、いつの間にか大量の殺人人形(ウィジェット)、機巧護衛機(カスタス・マキーナ)が潜んで二人に狙いを定めていた。

「くっそ…」

智春はスペクター眼魂(アイコン)を取り出したが・・・

『ダメ!もう変身しないで!』

しかし、それを操緒が必死に止める。

「けど…」

今の智春は魔精霊(サノバ・ジン)も召喚できず、操緒も眼魂(アイコン)になっているので黑鐵も呼び出せない。

 

 

その時、紅の炎が智春達に襲いかかろうとしていた殺人人形(ウィジェット)と機巧護衛機(カスタス・マキーナ)を燃やし尽くした。

 

 

「ペルセフォネ」

『ペルペルありがと~』

高月奏との契約により生まれた、華鳥風月四名家高月家の使い魔(ドウター)、春の女神の名を冠する火蜥蜴、ペルセフォネが顕現し、地獄の業火で敵を焼き尽くしたのだ。

 

 

『仮面ライダースペクター、ようやく起きましたか』

 

 

「誰だ!?」

突然、謎の女性の声が倉庫内に響いた。どこかから通信してきているようだ。

『そうね、あなたの脚長お姉さん、とでも名乗っておきましょう』

「は…?」

『あの~、脚長お姉さん?ここは一体どこなんですか?』

『ここはスペース・ワールド。そしてここは軌道エレベーターエンデュミオン』

『う…、宇宙?』

『ここの中心部に来なさい。そうすれば貴方が欲しがっている眼魂(アイコン)があるわ』

「何っ!?本当か」

『えぇもちろん』

『でも脚長お姉さん、私たちここの道とか分からないんだけど…』

『心配しないで、案内役をつけます。では、待ってますね』

通信が切れると、突如、二人の前に黒い人型ロボットが転送されて現われた。

「…こいつが案内役?」

『えっとね…、【BLACK KNIGHT】って機体に書いてあるよ』

ブラック・ナイトは何も言わず歩き出した。智春と操緒は慌てて後を追う。

 

 

軌道エレベーターの中継ステーション内を、ただひたすらに歩くロボット一体、人間一人、幽霊一人、そして火蜥蜴一匹。

「………喋らないな」

無言で無機質な足音をさせているブラック・ナイトに、智春は思わず突っ込んでしまう。

『…そういう智春(トモ)だって、スペクターになってから全然操緒と話ししなくなったじゃん』

智春の隣に浮かぶ操緒は口を尖らせた。

「それは…、俺はお前のために」

『それ、自分のこと“俺”とか言っちゃって…、どういう心境の変化なわけ?』

「…ルゥ~…」

そんな二人に挟まれて、ペルセフォネはどうしたらいいかと焦っていた。

「とにかく、今は先を急ぐぞ」

智春は早足になりブラック・ナイトを追い越した。

 

「うわっ…!」

 

途端、ブラック・ナイトが智春の制服の襟を掴んで引っ張った。

「なにす…」

ブラック・ナイトは智春の抗議を無視すると、指先から霧を噴出した。すると、前方に赤外線のセンサーが視認できるようになった。

『あ…、もしかして智春(トモ)があのまま進んでいたらセンサーに引っ掛かってた?』

ブラック・ナイトは何も言わず、指先から氷の弾丸を発射し、センサーを破壊し、再び進んだ。

 

 

 

 

エンデュミオン某所

「兄者…、センサーが破壊された。それに偵察に行かせていた殺人人形(ウィジェット)に機巧護衛機(カスタス・マキーナ)も全滅したようだ」

「そうか、どうやら我ら兄妹でかかるしかないようだな」

 

 

 

 

「結構歩いたな」

『あ、でもなんかあそこのエレベーター乗れば中心部まで行けるっぽいよ』

操緒の指差した方向、エレベーターの前に、突如、二つの影が降ってきた。

「なんだ!?」

ブラック・ナイトにも似た機体、青と赤の二体のロボットは智春達の前に立ちはだかった。

「我は宇宙鉄人グランダイン!」

「同じく、スカイダイン!」

「エレクトリック・ショッカーのため、この世界の眼魂(アイコン)は我らキョーダインがいただく」

「邪魔をするなら容赦はしない」

「………すかよ…」

『智春(トモ)…?』

「渡すかよ!眼魂(アイコン)は俺が貰う!」

智春はゴーストドライバーを装着すると操緒が止める間もなくスペクター眼魂(アイコン)を起動させた。

 

ア~イ!  バッチリミロ~!

 

「変身!」

 

開眼!スペクター!レディゴ覚悟ド・キ・ド・キ・ゴースト!

 

智春は青い鬼の形相の仮面ライダー、スペクターに変身すると宇宙鉄人キョーダインに向かって行った。

「ッァ!」

スペクターのパンチをグランダインは軽々と受け止めた。

「トァッ!」

グランダインの強力なパワーから繰り出されたパンチはスペクターを反対側の壁まで吹っ飛ばした。

「くっそ…、操緒!」

『…うん!』

操緒はクロガネ眼魂(アイコン)となり、スペクターはそれを手にすると起動させた。

 

ア~イ!  バッチリミロ~!

 

開眼!クロガネ!科學・重力・魔神相克!

 

クロガネ魂となったスペクターは互角になったパワーでグランダインと殴り合った。

「兄者!」

しかし、そのスペクターの背後から妹のスカイダインが襲い掛かる。両腕のスカイカッターを展開するとスペクターを背後から切り裂いた。

「が…、」

スペクターは背後にパンチを繰り出すが、スカイダインのスピードには追いつけなかった。

「喰らえ!」

スピードで圧倒するスカイダインの刃がスペクターに迫った。

 

その時、ブラック・ナイトが胸部装甲を開き、そこから機関銃を露出させるとスカイダイン目掛け一斉掃射した。さらに、ペルセフォネがグランダインに火炎放射を放った。

 

「何っ!?」

「くそ…」

キョーダインはスペクターから距離を取った。

「助かった…」

ブラック・ナイトは細剣、ブラッケスト・リーパーを構えるとスカイダインの前に立った。「そっちは任せていいんだな?」

スペクターの問いかけにブラック・ナイトは頷いた。

「よし、行くぞ!」

スペクターは再びグランダインとのパワー勝負に、ブラック・ナイトは細剣を振るいスカイダインの二刀流を捌き、的確に攻撃を与えていった。その動きは、佐伯玲士郎のサーベル捌きにも通じるものがあった。

「…小癪な、スカイダイン!」

グランダインの呼びかけに、スカイダインはすぐさま戦闘域から大きく離れた。

「グランブラスターX!」

グランダインの胸部から発射させたビームがスペクターたちに直撃した・・・・

 

 

・・・ように見えた。

 

 

「…?」

直撃を免れたが、衝撃でクロガネ魂が解けてトランジェント状態になったスペクターは防御体勢を取った腕の間から状況を確認した。

「ブラック・ナイト!?」

その前には自慢の強固な装甲をぼろぼろにしたブラック・ナイトが両手を広げてスペクターを庇うように立っていた。

「どうして…」

ぼろぼろになったブラック・ナイトはその場に崩れ落ちた。下半身は朽ち果て、上半身も辛うじて原形を留めている状態だった。

 

『………な…つ……め、くん…』

 

ブラック・ナイトが始めて言葉を発した。それは見た目と反したか細い少女の声だった。

「え…?」

智春も、クロガネ眼魂(アイコン)から現われた操緒も、その声を知っていた。

 

その時、二人は音楽を聴いた気がした。

 

モーツァルト第十三番セレナード

 

 

アイネ・クライネ・ナハトムジーク

 

 

 

 

『哀音…ちゃん…?』

ブラック・ナイト、その中心部には翡翠色の眼魂(アイコン)が埋め込まれていた。

「どうして…」

『……あなたは、……ひとり…じゃない………、眼魂(アイコン)の力に………飲み込まれないで…』

ブラック・ナイトはその言葉を残すと同時に、機体が完全に崩れ落ちた。

「………ぁ、あああああああああ!!!!」

スペクターはトランジェント状態のままキョーダインに怒り任せに突っ込んで行った。

しかし、グランダインのパワーにも、スカイダインのスピードに手も足も出ずに返り討ちにあってしまった。

「どうした仮面ライダー、それで終りか?」

「かつて我ら兄妹と戦った仮面ライダーは決して諦めず、仲間との絆で勝利を掴んだぞ」

ブラック・ナイトの残骸の所まで吹っ飛ばされたスペクターは歯を食い縛り自分の不甲斐無さに床を殴った。

そんなスペクター、智春に操緒が現われて寄り添った。

 

『智春(トモ)…、智春(トモ)は1人じゃないんだよ。私だって、奏っちゃんも朱浬さんもニアちゃんも、洛芦和のみんなも、哀音ちゃんだってついてるんだよ』

操緒のその言葉に、ずっと智春の心を縛り付けていたものが解けた。

「………ごめん、操緒………、僕…、焦ってた」

 

智春はブラック・ナイトの残骸の中に遺された眼魂(アイコン)を握りしめた。

「哀音…、力を貸してくれ………」

智春はヒスイ眼魂(アイコン)を起動させた。

 

ア~イ!  バッチリミロ~!

 

開眼!ヒスイ!翡翠の氷、哀音の祈り!

 

 

美しい翡翠色のパーカーを纏い、スペクターはヒスイ魂となった。

「新しい眼魂(アイコン)を使ったところで、」

「我ら兄妹には敵いはしない!」

キョーダインは手を繋ぎ合わせるとエネルギーを集束させた。

「「グラヴィトンXブラスター!!」」

キョーダインから放たれた重力光線は、先ほどのグランダイン一体よりも遥かに威力が上だった。しかし、スペクターに当たることは無かった。

「何…!?」

「兄者…、これは」

キョーダインは周囲に氷霧が発生していることに気がついた。光線技はこれによりエネルギーの集束がバラけて、本来の威力を発揮できなくなっていた。

「…決めるよ」

スペクターヒスイ魂は静かにゴーストドライバーのデトネイトリガーを引いて押し込んだ。

 

ダイカイガン! ヒスイ オメガドライブ!

 

スペクターヒスイ魂を中心に、哀しく澄んだ音色が響きだした。

 

 

それは、機巧魔神(アスラ・マキーナ)《翡翠》の能力。

 

 

共鳴するもの全てを凍らせる【凍てつく波動(オト)】

 

 

「ぐ…、おのれ…、仮面ライダー………」

「兄…、者………」

キョーダインは二人揃って永遠の凍結に囚われてしまった。

 

 

 

 

智春と操緒、ペルセフォネはエレベーターに乗り、エンデュミオン中心部へと到着した。

「よくぞここまで来ました、仮面ライダースペクター」

中心部の部屋は何もなく、ただ中央に車椅子に座った優美な帽子とワンピースを着た空色のF型アバターが居るだけだった。

「私はスカイ・レイカー。このエンデュミオンで眼魂(アイコン)を守っていました」

『守っていた、って誰から?』

「エレクトリック・ショッカー。貴方達が倒したキョーダインはこの世界の眼魂(アイコン)を奪うために送り込まれた刺客だったんです」

「そのエレクトリック・ショッカーってのは…」

智春の問いに、しかしスカイ・レイカーは答えなかった。

「詳しいことはゴーストから聞きなさい」

「…げ、」

『智春(トモ)、ちゃんと謝んなよ。女の子にいきなり襲い掛かったんだから』

「…わかってるよ…、つーか女の子ってあいつ刀で銃弾斬っちゃうような奴だぞ」

そんな二人のやり取りを見てスカイ・レイカーは微笑んだ

「スペクター、約束通り眼魂(アイコン)を差し上げましょう」

スカイ・レイカーは白い眼魂(アイコン)を智春に差し出した。それは、フォーゼ眼魂(アイコン)だった。

「仲間との絆、それを忘れなければ大丈夫です。これはそういう眼魂(アイコン)ですから」

「…はい」

『ありがと、脚長お姉さん』

スカイ・レイカーは部屋の隅のポータルを指差した。

「あれでゴーストの母船に一気にワープできるわ」

『ほ~い、じゃあ智春(トモ)、ペルペル、いくよ』

「ペルゥ~」

「わかったよ…、じゃあ、スカイ・レイカーさん、ありがとう」

スカイ・レイカーは手を振り二人と一匹を見送った。

 

 

 

「………頼んだわよ、さっちゃんやカラスさんを…、どうか助けて………」

 

 

 

 

 





現在のスペクターの眼魂(アイコン)
スペクター眼魂(アイコン) クロガネ眼魂(アイコン)
ヒスイ眼魂(アイコン) フォーゼ眼魂(アイコン)


《仮面ライダースペクターヒスイ魂》
機巧魔神(アスラ・マキーナ)《翡翠》の眼魂(アイコン)
凍結系の能力を使うことができる
オメガドライブ【凍てつく波動(オト)】
絶対零度の高周波により相手を凍らせる


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

What’s you a name?

あのライダーが参戦


 

 

キャプテンゴーストはいわゆる幽霊船である。

なので、時折こんな人物も・・・・・

 

 

「あの…、あなたは?」

 

 

ユウキの目の前には体格の良い壮年の男性が佇んでいた。その身からは歴戦の強者の風格が窺える。50代のようにも見えるが、それ以上にも見える。

「…私は、――だ。……ここは、三途の川か?」

「ん~、似て非なるというか…、――さんは、その…、死んだんですか?」

「そうだな…、ずいぶん長く戦ってきたが…、どうやら限界が来たようだ………、燃え尽きたんだよ………」

男は自分の手を見つめて呟いた。

「………嘘ですね」

「…なに?」

「ボクは15年しか生きてないけど、それでもわかります。あなたの目にはまだ命の炎が燻っています。まだ遣り残したことがあるんでしょう?」

「あぁ…、遺してきた人、まだ答えを聞いていない者………、」

「なら、あなたはまだこっちに来ちゃダメです!」

「しかし…、俺の体はもう…」

「限界なんていくらでも突破できます。正義信じ握り締めて、命ある限り守りきりましょうよ!」

「………」

男はユウキの目をじっと見つめた。

「そうか…、君は…、君も…」

男はふっと笑った。

「名は?」

「ユウキです」

「ありがとうユウキ、俺はまだ…、生き続けなければならないようだ」

「そうですよ」

男は革ジャンの懐から深緑色の眼魂(アイコン)を取り出した。

「これを」

「眼魂(アイコン)?」

「君が真にその力を、意思を、覚醒させたなら必ずそれが使えるはずだ」

男はそう言い残すと不死鳥の姿になり飛び去って行った。

 

 

 

 

 

「なんてことがあったんだ」

『うわ~、なにそれマジで幽霊?すっご~い』

ユウキの話に操緒は興奮していた。

「なぁ…操緒、なんでそんなに馴染んでんの?僕ら半日前にここに来たのに」

そんな二人を見て智春は溜息を吐いた。

 

 

 

 

 

ボクはユウキ。

仮面ライダーゴーストとして眼魂(アイコン)を集めているんだ。

ある日、同じく眼魂(アイコン)を集めている仮面ライダースペクターの夏目智春と水無神操緒と出会って激突した。

だけどそのスペクターの力っていうのはゴーストよりも危険で仙人のオッちゃんが封印していたんだけど、金獅子のシキって人が悪巧みのために智春を騙して変身させていたんだ。

事情を知ったボクはエレクトリック・ショッカー、シキ、そして智春を止めることを決意した。

そしたらいきなりキャプテンゴーストに智春と操緒と、なんか火蜥蜴のペルセフォネが転移して来ちゃった。

「………」

『ほら、智春(トモ)』

「いきなり襲って…、ごめん」

「うん、いいよ」

ボクは智春をあっさり許した。

「いや、軽いな!」

ユルセンは智春の使い魔(ドウター)ペルセフォネに弄ばれていた。

 

 

 

 

『へぇ~、じゃあそのアスナって人と私って似てるんだ!』

「うん髪色とか、あと声とか」

操緒とユウキはすっかり意気投合して幽霊同士ガールズトークに花を咲かせていた。

現在、キャプテンゴーストは荒野の上空を地上にある破壊されたレールを辿りながら航行していた。

「…っ!誰!?」

突如、ユウキは殺気を感じ、操緒の前に立つと腰の刀に手を添え抜刀体勢を取った。

『え…、なになに!?』

「敵か…?」

操緒と智春も周囲を警戒した。

「………、っそこ!」

ユウキは一気にジャンプすると鯉口を切り、マストの影目掛け抜きつけの横一刀を振るった。

 

 

「おっと、危ない危ない」

 

 

果たして、ユウキの攻撃を弾いて躱したのは黒い服を着た男だった。男はユウキの攻撃を弾いたナイフを手の中でくるくる回しながら余裕の表情を浮かべていた。

「どうやらあの男は何かに取り憑かれているみたいだな」

「うぇぇ!?じゃあ無闇に攻撃できないじゃん…」

ユルセンの言葉にユウキは慌てた。

「どうしたの?戦わないの?」

男はユウキベルトを装着するとバックル部分にライダーパスを翳した。

「変身」

 

スカルフォーム

 

海賊とシャチをモチーフとした黒いアーマーに船長帽のような電仮面、首にはマフラーを模した電レール。

仮面ライダー幽汽スカルフォームは大剣を振りかざし、ユウキに斬りかかった。

「くっ…、」

ユウキは刀を抜刀すると横一文字に大剣を受け止めたが、ユウキの力では完全には防げず、膝をついてしまった。

「ユウキ!」

『ユウキちゃん!』

その時、荒野を疾走する一台のバイクがキャプテンゴーストへと近付いていた。

漆黒のバイクには同じ色のライダースーツを身に纏いフルフェイスヘルメットを被った女とその後ろには白衣の男が乗っていた。破壊されて上向きになったレールをジャンプ台に、バイクは跳ぶと、キャプテンゴーストの甲板に降り立った。

「おいおいおい、また敵かよ~」

慌てふためくユルセンに、バイクの女は手を挙げて首を振った。

「大丈夫、僕らは敵じゃないよ」

後ろに乗っていた白衣の男はバイクから降りると奇抜な色のベルトを装着した。

「ちょっとそこの男…、まぁ僕の知り合いなんだけど、バグったイマジンが取り憑いていてね、その手術のために来たんだ」

「は…、手術?」

白衣の男はゲームカートリッジのようなアイテム、ライダーガシャットを手に持った。

 

マイティアクションX

 

カートリッジが起動するとキャプテンゴーストを中心にチョコレートのブロックがいくつも出現した。

「運命は、俺が変える!」

口元に笑みを浮かべると一人称が僕から俺に変わった白衣の男は腕を大きく回した。

「変身!」

ガシャットを下向きにしてベルトに差し込むとゲームのキャラクター選択画面が現われ、その中から奇抜な髪型のキャラクターを選択すると、そのキャラクターへと変身した。

 

レッツゲーム!メッチャゲーム!!ムッチャゲーム!!!ワッチャネーム?!

 

アイム ア カメンライダー

 

その姿は・・・・・・・・・

 

 

「え…?」

四頭身

 

「は…?」

四頭身

 

『えっと…』

四頭身

 

「すげぇずんぐりむっくりしてるな」

ユルセンの言う通り、変身した姿は四頭身だった。

「このレベル1じゃないとアイツからバグったイマジンを分離できないんだよ」

 

ガシャコンブレイカー

 

三頭身ライダー・・・、仮面ライダーエグゼイドLv1は装甲と同じ色のハンマーを持つと幽汽スカルフォームをキャプテンゴーストの船外にぶっ飛ばした。

「さぁ、早く行って」

エグゼイドと黒いライダーの女性はそのまま荒野へと飛び降りた。

 

荒野に降り立つと、エグゼイドは右手を開いて決め台詞を言い放った。

「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」

 




去年のジュノンボーイコンテストで北海道出身者がグランプリを獲得、というニュースを知ってから、「いつか仮面ライダーになるかも、そしたら初の北海道の仮面ライダーだ」と思っていたらこんなに早くなるなんて
今までの北海道ゆかりのライダーって、凍鬼さんしかいなかったしwww


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Who’s that guys?

ソードアートオンラインオーディナルスケール見ました
ラストバトルのアスナのシーンは泣けるでぇ


 

 

ボクはユウキ、仮面ライダーゴースト。

エレクトリック・ショッカーを止めるために絶夢の本拠地を目指している。

智春と操緒、それにペルセフォネが仲間に加わったけど、智春の変身するスペクターは危険らしい。

だから今戦えるのはボクだけ・・・、

変なお医者のお兄さんが変身した四頭身の仮面ライダーに助けられて、あともう少しで敵の本拠地に辿り着きそうなんだ。

 

 

 

キャプテンゴーストは破壊された線路の荒野をさらに進み、そして古い戦場のような世界に出た。

「よし、オッサンの言う通りならこの先に絶夢の城が…」

舵を握るユルセンがそう言うと、またしてもキャプテンゴースト目掛け、新手の敵が攻撃を仕掛けてきた。

『ちょ…、ミサイル!ミサイル!!』

操緒が指差した方向から、無数のミサイルが飛んで来た。

「緊急脱出~~!!」

ユルセンが叫ぶと、突如、キャプテンゴーストが消えた。

「へ?ええええええ~~~~!?!!?」

当然、乗っていた智春はまっ逆さまに落ちた。

ユウキとユルセン、そして操緒は浮遊で、ペルセフォネも小さな翼で安全に着地した。そして智春は地面に真っ逆さまに落ちた。

『智春(トモ)~大丈夫?』

「………なんとか、」

空を飛んでまともに着陸した経験が皆無の智春たちの前に、ヘッドライト部分が機関砲になったかなり凶暴な車が土煙を上げながらドリフトして止まった。

運転席に乗っていたのはどこぞのキャリアと言っても通じるくらいハンサムな男で、助手席からドアを飛び越えて降りた男は線は細いが凶悪そうな顔立ちをしていた。

運転席の男の腰には両側にジェット噴射機が付いた帯が金色のベルト、タイフーンが巻かれていた。

「変~…、身!」

ハンサムな男、黒井響一郎が大きく変身ポーズを取ると、黒いカラスの羽が舞い散り、青に近い緑のボディに黄色い複眼、両手足首には鷲が地球を掴んでいる絵に稲妻のマークが刻まれたレリーフが掘られた手械と足枷が付いた改造人間、仮面ライダー3号に変身した。

「…変身」

 

エターナル

 

凶悪な顔立ちの男、大道克巳がエターナルメモリをロストドライバーに装填すると、白いボディに黒いマント、東部にはEを横倒しにした様な触覚、複眼は両目が繋がり∞の形になった仮面ライダーエターナルに変身した。

「くそ…、」

智春はゴーストドライバーを腰に装着した。

「智春!君は戦っちゃダメ!」

『ユウキちゃん…、』

「…戦うよ、大丈夫…、まだ大丈夫だ…」

ユウキと智春はゴーストドライバーを装着し、オレゴースト眼魂(アイコン)とスペクターゴースト眼魂(アイコン)を起動させた。

「…わかった、でも無茶だけはしないでね」

 

ア~イ!  バッチリミナ~!

ア~イ!  バッチリミロ~!

 

トランジェント状態の二人の背後をオレンジと青のパーカーが飛び交った。

「変身!」

「変身!」

 

開眼!オレ!レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ!ゴースト!ゴー・ゴー・ゴー・ゴー

開眼!スペクター!レディゴ覚悟ド・キ・ド・キ・ゴースト!

 

ユウキは仮面ライダーゴーストに変身すると3号に、スペクターはエターナルに向かっていった。

「何人も…、俺の前は走らせない」

「さぁ、死神のパーティータイムの始まりだ」

 

 

 

 

 

 

「やっ!」

ゴーストが振り下ろしたガンガンセイバーを3号は手械の鎖で弾いた。

「はぁっ!やっ、てやぁっ!」

ガンガンセイバーでの連続攻撃を3号はあっさりさばいてしまった。絶剣ユウキの技量をもってしても3号の戦闘力はそれを凌牙していた。

「それなら、これで!」

 

ダイカイガン! オレ! オオメダマ!

 

「やあっ!」

ゴーストは大型の眼魂(アイコン)型エネルギーを3号目掛けて蹴り飛ばした。

「…ライダーパンチ」

3号は右腕にエネルギーを溜めるとオオメダマを殴り返してゴーストに直撃させた。

「わぁぁっ!」

オオメダマの直撃を食らって変身が解けたユウキは地面を転がって倒れてしまった。

「どうした、それでお終いか?」

「くっ…、」

「拍子抜けだな。かつて俺の前を走った仮面ライダーはどんな状況でも決してエンジンを止めることはなかったぞ」

3号の言葉に、ユウキの中で何かがスタートした。すると、懐から突如眼魂(アイコン)が飛び出してきた。それは以前とある男から託された・・・、

「そうですよね、今こそ、使わせてもらいます…、」

ユウキは眼魂(アイコン)を構えた。

「本郷さん!」

そして起動させた。

 

ア~イ!  バッチリミナ~!

 

通常よりも大きい濃い緑色のゴーストパーカーが飛び出すと、突風が吹き荒れた。

「ライダー…、変っ身!!」

 

開眼!ネオ一号!永久なる英雄!本郷、一号、レッツゴー!

 

ユウキは通常よりも二の腕が太く赤いマフラーを靡かせた、仮面ライダーゴーストネオ一号魂へと変身したのだ。

「考えるのはもう止めた。思ったままに走ってやる!」

ゴーストネオ一号魂はその巨躯からは想像できない程軽やかに連続で側転しながら3号にキックを食らわせ、怯んだ隙を付いて掴んだ。

「ライダースイング!」

そのままジャイアントスイングで3号を空中へ放り投げた。

ゴーストネオ一号魂はそれを追うようにジャンプし、空中で再度掴むと一本背負いで地面に叩きつけようとした。

「くそっ!」

3号はゴーストを振りほどくと反撃をしようとした。しかし・・・

「なっ…」

ゴーストは空中でさらに上昇して躱してしまった。元々ゴースト/ユウキは幽霊なので空中での浮遊はお手の物。それにALOでの空中戦の経験が加われば・・・

「ライダーッ、ヘッドクラッシュ!」

ゴーストは3号の頭を両足で掴むと回転を加え、地面に叩きつけた。

「ぐはっ…」

3号はすぐに立ち上がったが、ダメージは大きくふらついていた。

ゴーストネオ一号魂は着地と同時にゴーストドライバーのデトネイトリガーを引いて押し込んだ。

 

ダイカイガン! ネオ一号 オメガドライブ!

 

「電撃ライダーキ~ック!!」

両足に電撃を纏わせたゴーストは高くジャンプすると前方宙返りをし、そこから必殺のキックを3号に直撃させた。

 

 

 

 

 

 

一方、スペクターはエターナルと交戦していた。

スペクターは短期決戦で臨んでいったが、エターナルは羽織っている黒いマント、エターナルローブを翻してパンチにキック、全ての攻撃を無効化してしまった。

「はっはぁっ!」

カウンターでエターナルの青い炎を纏った回し蹴りが繰り出された。

「ぐ…」

スペクターは辛うじて防いだ。

エターナルはコンバットナイフ型の武器、エターナルエッジにユニコーンメモリを装填した。

 

ユニコーン マキシマムドライブ

 

螺旋状のエネルギーを纏わせた刺突が、スペクターのベルトに直撃した。

「がっ…、ぁ…!」

変身が解けた智春の腰のゴーストドライバーは破壊され、スペクター眼魂(アイコン)も木端微塵に砕け散ってしまった。

『智春(トモ)!』

操緒は智春の前に立ちはだかった。

「馬鹿…、操緒、どけ…」

『どかない!言ったでしょ、智春(トモ)には操緒がついてるよ、って』

「操緒…」

エターナルの凶刃が、操緒に迫った。

 

「止めろっ!」

 

 

 

 

「焔月!」

 

 

 

突如、エターナルと操緒の前に紅蓮地獄(パイロクラズム)の業火の刃が割って入った。

「え…、」

『これって…』

茫然とする二人の前に降り立ったのは、操緒と同じ洛芦和高校の女子の制服を着た少女だった。

黒髪に光る緑の瞳の少女の名は・・・・

「高…月…?」

『奏っちゃん…?』

智春の契約悪魔、高月奏が舞い降りた。

「やっと…、会えましたね」

奏は緑色に光る瞳から大粒の涙を零した。

「どうやって…」

「連れてきてもらいました。あの人に」

『誰に…?』

すると、エターナルの前に灰色のソフト帽を被った黒い髑髏の戦士が立っていた。

「なんだ…、てめぇは?」

「誰でもいいさ、けどあえて言うなら、ただの死人さ」

「そうか、奇遇だな俺も死人さ」

髑髏の戦士、仮面ライダースカルスカルマグナムを連射しながらエターナルに接近戦を挑んだ。銃身を楯に、銃弾を打撃とする格闘術とナイフ格闘術の攻防は熾烈を極めた。

「これならどうだ?」

エターナルはドライバーのエターナルメモリをマキシマムスロットに装填した。

 

エターナル マキシマムドライブ

 

「ぐ…」

すると、スカルの動きが鈍くなり、エターナルはそこに強烈なキックを決めた。

「がは…」

変身が解けて被っていた帽子が脱げると、その下の顔を見た智春と操緒は驚いた。

「直兄!」

「ナオ君…!?」

それは智春に瓜二つの顔の、智春よりも年上の男、夏目直貴だった。

「いや、でも…直兄は………」

『そうだよ、このナオ君は…』

今二人の目の前にいる夏目直貴を名乗っていた男は、実は一巡目の世界の夏目智春で、すでに死亡しているはずだった。

「このスカルメモリの力で一時的に、な。色々と裏で動いていたんだが…、やっぱ自分がやられてんのは黙ってられなくてな」

きつい目付きを緩めながら直貴は智春にアタッシュケースを押し付けた。

「後は任せたぞ、二巡目の俺…」

「あぁ…、」

直貴は頷いた智春の表情を見ると満足そうに笑い、そして消えた。

「操緒、奏」

智春はアタッシュケースの中に収められたWドライバーを装着した。

『うん、大丈夫操緒と奏っちゃんがついてるよ』

「悪魔と、相乗りしてくれますか?」

操緒は黑鐵眼魂(アイコン)へと変化し、さらにそこから銀色のメタルメモリへと変化した。そして、智春の右側に立った奏はもう一つのWドライバーを装着し、赤いヒートメモリを握っていた。

 

 

「「変身!!」」

 

 

奏がヒートメモリを装填すると、それは智春のWドライバーのソウルサイドに転送され、同時に奏の身体は意識を失って倒れた。

智春は転送されたヒートメモリを押し込み、さらにメタルメモリも装填した。

 

ヒート メタル

 

ドライバーを開くと、そこには右半分が赤色、左半分が銀色の戦士、仮面ライダーWが立っていた。

「面白ぇ!」

エターナルはエターナルエッジを握り直すとWヒートメタルに迫った。

「「はぁっ!」」

Wヒートメタルは背中のメタルシャフトを抜くと凶刃を弾いた。

「いきます!」

右目が点滅して奏の声で喋るとWヒートメタルはヒートメモリを抜いてメタルシャフトに装填した。

 

ヒート マキシマムドライブ

 

「「ボルケーノダンシング!!」」

炎を舞い散らせながら振るわれたメタルシャフトをエターナルはローブで無効化しようとした。

「何っ!?」

しかし、メタルシャフトが纏っているのは紅蓮地獄(パイロクラズム)の業火。その炎はローブを焼き貫き、エターナルに直撃した。

「がはっ…!」

エターナルは膝をついた。

「舐めるなァッ!」

エターナルはローブを脱ぎ捨てると全身にある複数のマキシマムスロットにメモリを装填した。

 

ロケット ユニコーン ヴァイオレンス マキシマムドライブ

 

エターナルの右拳に3つのメモリの力が集まり、禍々しいオーラを放っていた。

Wヒートメタルもそれに応じてメタルメモリを腰のマキシマムスロットに装填した。

 

メタル マキシマムドライブ

 

「「メタルグラビティ!!」」

高重力エネルギーを集約した左拳が、黑鐵を彷彿とさせる黑の拳撃(ライダーパンチ)を放った。

ヴァイオレンスで凶暴化し強化された腕力、ロケットの噴射力、さらにユニコーンの突貫力を合わせたエターナルのライダーパンチと激突すると、凄まじいエネルギーが飛び散り、周囲で爆発が起きた。そして・・・・

「「はぁぁ…、やぁっ!!」」

競り勝ったのはWヒートメタルだった。

エターナルは殴り飛ばされ変身が解けた。

「かっは…、はは…、死ぬのは…もう三度目か………」

大道克巳は妙な満足感を浮かべると、消滅した。

 

 

 

 






《仮面ライダーゴーストネオ一号魂》
キャプテンゴーストに現われた本郷猛から渡された眼魂(アイコン)
二の腕が太くパーカーも通常より大柄で首には赤いマフラーが靡いている
得意技
◆ライダースイング:連続側転から繰り出すキックで相手を怯ませ、そのままジャイアントスイングで投げ飛ばす
◆ライダーヘッドクラッシュ:空中で相手の頭部を挟んで回転を加えて地面に激突させる
必殺技
◆電撃ライダーキック:電撃を纏ったライダーキック


《仮面ライダーWヒートメタル》
スカル(直貴=一巡目の智春)から託されたWドライバーで智春と奏が変身。
操緒はクロガネ眼魂(アイコン)からメタルメモリへと変化する。
紅蓮地獄(パイロクラズム)の業火と黑鐵の高重力・パワーで戦う。
必殺技
◆メタルグラビティ:メタルメモリをベルトのマキシマムスロットに装填し発動
拳に高重力エネルギーを纏わせて殴る黑の拳撃(ライダーパンチ)
◆ボルケーノダンシング:メタルシャフトにヒートメモリを装填し発動する。高月家の炎舞に似た華麗かつ激しい動きでメタルシャフトを振るい、敵を薙ぎ払う



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。