最高の料理人 (ゴルゴンx)
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プロローグ

初めまして、食戟のソーマが面白くて堪らないゴルゴンxです
今回書こうと思った理由は友達と話していてソーマのここがこうならとかたらればの話をしていたら書いてみればええやんとの事で書いてみようと思います。

初めてなので至らぬ点が多々あると思いますが一所懸命書いていきますのでよろしくお願いします


初めてまして、桜清人です。俺は今ristoranteFで

冬美さんのサポートをやっています。元々大阪に

おってんけど、親の仕事の都合でこっちに来てん。

冬美さんとは、こっちに来る前から親の紹介で知って

たんやけど。俺がこっちに来てから色々教えてくれた。

今俺は中3やけど、冬美さんの店で厨房に立たせて貰ってんねん。

俺が厨房に立つようなってもう2年、早いもんやで。

 

「清!こっちはもう出来上がるわ」

 

「了解!こっちも大丈夫やで、パスタは後10秒や」

 

「わかったわソースはいつも通りにお願いね」

 

「あいよ〜こっちは大丈夫やから休憩いきなよ冬美さん」

 

「そうね、じゃあ後お願い。今日の賄いは私が作るから」

 

 

そう言って厨房から離れ休憩に入る冬美さん。

自分で言うのもなんだがこの2年で俺の料理

の腕はかなり上達した。今では冬美さんが居な

い間厨房を任せて貰えるようにもなった。

それと、この2年で分かった事だけど俺には食材

の声が聞こえる。そのおかげで、どのタイミングで

火を入れるか、どの向きで包丁を入れると食材の

旨みを十分に発揮できるかが分かるようになった。

 

俺が食材の声が聞こえるということを冬美さんは勿論知っている。

最初は半信半疑だったけど、声を聞き作った料理を冬美

さんに食べてもらったら冬美さんは全身を震わせ、とても

美味しいと言ってくれた。

他には【霧のや】の日向子さん、【春果停】の園果さん、

【タキアマリージョ】のタキさん、【SHINO'S】の小次郎

さんも知っている。

 

日向子さん、園果さん、タキさんは、冬美さんからの紹介で知り合った。小次郎さんは、Fに食べに来た時に小次郎さんから声を掛けられ、俺の店に来ないかと勧誘された。その時の冬美さんは、とても怖い顔で小次郎さんと睨み合っていた。

 

それからは、紹介された人達の店に短期の修行に行ったりして親交を深めた。今では全員から勧誘されるまでになれた。

 

「この2年は濃い2年だったな」

 

「何が濃かったの清?」

 

「うわ!ビックリするやん冬美さん」

 

「ごめんね清、それで何が濃いの?味?」

 

「ちゃうちゃう、この2年色々な人に会って色々な料理に触れてホンマに濃い2年やったなっと思ってな」

 

「…清、話があるの」

 

「ん?なんや?」

 

「清は既に料理人として店を任せられるレベルにまで成長したと思ってる。でも、清にはもっと外の世界を見て欲しいまだまだ清の知らない料理がたくさんあるわ…だから」

 

そう言って渡された封筒には、遠月學園と書かれていた。封筒の中には、推薦状と必要事項を記入した書類が入っていた。

 

「遠月學園?なんなんこれ?」

 

「私や日向子、それに四ノ宮が卒業した料理学校よ。ただ普通の料理学校じゃあないわ、卒業率は10%未満超絶エリート校よ」

 

「超絶エリート校なんわ分かったわ、それで此の超絶エリート校に行けと?」

 

俺が聞くと、冬美さんは首を縦に振り頷いた。

 

「前から思っていた事だったの。四ノ宮や日向子タキや園果も、清が遠月に行くのは賛成していたわ。それに清のご両親も、貴方の好きにしなさいっていっていたわ」

 

いつの間に其処まで話がいってんねん!普通にビックリやわ!でも、

 

「冬美さん等が行けゆうなら行くわ」

 

「こっちから勧めといて言うのもなんだけどいいの?」

 

「ええよ。だって俺の事思って言ってくれてんねやろ?日向子さんも、小次郎さんも、タキさんも、園果さんも皆俺の事思ってくれてる。だから俺はその思いに応えたいし、それに」

 

「それに?」

 

「早よ一人前になって、冬美さん等にメッチャ旨いもん食べさせたいしな」

 

「楽しみ///」

 

よっしゃほな取り敢えず待っとれよ、遠月エリート校だかなんだか知らんけど男清人一花咲かせにいくで。




プロローグどうだったでしょうか

自分なりに頑張って書いたつもりです
次回遠月入学試験頑張って書きます

ではまた次回


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一の皿、入試

ここから原作開始です
基本は原作添いで行きたいと思います
その合間にオリジナルな話などを入れて行きたいと思います
後質問なんですがトリコの食材と料理はやり過ぎですかね?
意見お待ちしています


「いやいや、デカすぎやろここ」

 

ども桜清人やであれから色々準備を済まし今俺達は遠月の正門に当たる場所におんねんけど

 

「なんなんこのボンボンしか入ったらあかんでみたいな入り口わ俺ごっつい場違いやない?」

 

「そんな事ないですよ清君も今日からここの生徒なんですから胸を張って下さい」

 

「いやいや、俺まだ合格してへんから」

 

「大丈夫!清君なら合格間違い無しです」

 

そう言ってえっへんと何故か胸を張っている日向子さん

 

さっき俺達と言ったのは今日は日向子さんが俺の付き添いでこの遠月まで来てくれているからや。ホンマは冬美さんが来てくれる予定やってんけど、どうしても外せない用事が出来てもうてほな俺1人で行くわ言うたら狙ってたかのように日向子さんから連絡が入り、冬美さんが内容を日向子さんに説明して二つ返事で了承してくれた。そして今に至るわけやねんけど

 

「それにしてもマジでデカいな」

 

「そうですね〜結構広いですよ研究棟なんかもありますから」

 

「ほえーホンマにここ日本かいな」

 

「日本です、さぁ後はこの道を真っ直ぐ進めば試験会場に着きますから、ちゃっちゃっと合格して帰って来てください」

 

「はいはい、それよかホンマに良かったんか?こんなん書いて」

 

そう入学の書類の中には料理経験を記入する項目があったさすが料理学校だけあって普通の学校関係の書類にはない項目がある事に驚きわしたがその前にどう書けばいいか分からず冬美さんや日向子さんと色々な人に相談した、そして帰ってきた答えが、

 

「はい!清君はウチの店のスタッフ兼相談役ですから」

 

これである、まだ料理人を名乗って良い程にはなってないと自分でも分かっているが、日向子さんだけでなく冬美さんにもそう書けと言われた。他にも小次郎さんやタキさん、それに園果さんにもスタッフ兼相談役として書けと言われた。

 

「皆こう書けって言うねんな〜」

 

「清君には皆期待してるんですよ。私もそれは同じです。此処は本当に色々な料理人がいます。中には清君と衝突する人だっています。でもそんな色々人に出会って、色々な料理に触れて清君だけの料理を見つけて下さい」

 

「おお!ほな行ってくるわ」

 

「はい頑張って下さい」

 

さてじゃあ気合い入れて行くか

 

 

 

試験会場

 

 

結構ようさん試験受けるやつおんねんなざっと見ても五十人くらいはおるか、まぁそんなん関係あらへんけどな皆に背中押されてんねん合格を勝ち取るのは俺や!

 

しばらくすると周りが騒めきだし前を見ると金髪の制服を来た可愛い女の子が立っていたその横にも秘書みたいな生徒が立っていたもしかしてあの女の子が試験官?いやいやないないいくらなんでもねぇ?

 

「初めまして本日この編入試験を一任されました薙切えりなと申します」

 

はい試験官でしたー!!俺の勘ってもしかして当たる?そんな事を考えていると薙切試験官が話し出した、

 

「入試課からの通達は?」

「はい読み上げます、まず申し込み書類を参考に集団面接その後3品ほど調理の実技をその通過者をさらに「ふん下らない」」

 

「そうね、調理台をここに」

薙切試験官がそう言うと調理台が運ばれて来た

 

「メインの食材は卵、一品作りなさい私の舌を唸らせた者に遠月学園の編入を許可します、なお 今から1分間だけ試験の取りやめを認めましょう」

 

薙切試験官のその言葉のすぐ後に周りの編入生達は一目散に逃げ出した俺がなんです逃げんねんと思っているとその疑問を持っていたのは俺だけではなかったようで目の上に傷がある俺と同じ編入生が逃げ出そうとしているヤツを捕まえ話しを聞いていた、

 

「おいなんで逃げるんだよ」

 

話しを盗み聞きしてみると、首席がどうの十傑がどうの神がどうの要するに凄い人なんやろ?だからって逃げんでも良くない?

 

「・・・よろしいのですか?これでは恐らく1人も」

 

「見たでしょう?見込みのない愚図ばかり時間の無駄だわ、許可の予定は消化しましたわねなら私は私室で新作料理を試します」

 

「!(えりな様の新作料理)」

 

「どうしたの?物欲しそうな顔をして」

 

「あっ・・いえ・・その」

 

「心配しなくても試食させたあげるわよ、その前に上に報告しとかないとな、合格者は0だと」

 

「「作る品はなんでもええんか?「いいの」

 

「ってか料理も作らずに不合格とか嫌じゃ」

 

「卵さえ使用してれば問題ないわ」

 

おっし!じゃあやりますか

 

俺は調理を開始した

 

 

薙切sid

 

私の試験を受けると言った2人の男子、正直あまり期待はしてないけどふと気になり2人の応募用紙に目を通す

(幸平創真、実家は定食屋経営見るからに二流の料理人ねもう1人は・・)

 

私はもう1人の方にも目を向けた、どうせ同じだろうと思っていた私だったけどその思いは大きく裏切られた

 

(桜清人、経歴は・・!!)

 

嘘!これは本当なの?私が狼狽えてるのが分かったのか緋沙子が私に話しかけて来た、

 

「どうしました?えりな様」

 

「この桜清人君の応募用紙を見てみなさい」

 

「・・・!!これは本当ですか?」

 

「分からないわ彼に聞いてみましょう」

 

これが本当ならこの桜清人は私より凄い料理人にって事ね

 

 

sid清人

 

さてもうこれで俺の料理は完成!今日も上手く出来たな後は出すだけだ、

「桜君少し聞きたいのだけれど良いかしら?」

 

「ええよ、何?」

 

「この申し込み書類に書いてある事は本当なの?【ristoranteF、霧のや、SHINO'S、タキアマリージョ、春果亭】どれもこの学園の卒業生であり私も味見役をした事のない超一流のお店よ!そのお店の相談役と言うのは本当なの?」

 

「あぁー、まぁほんまやな皆にそう書けって言われたし後料理出来たから出してええ?」

 

「(そう、本当なのねなら)・・・ええお願いするわ」

 

「ほいさ、これが俺の料理名付けて春香るスプリングオムレツや」

 

(成る程オムレツは卵料理の基本中の基本で料理人の腕が一番分かるわね)

 

「それでは頂きます」

 

薙切試験官が俺のオムレツを口に運ぶ、口に入れた瞬間腰を抜かしそうになっていた、

 

「美味しい!!桜君どうやってここまでオムレツに深い味わいを?!」

 

「特にこれといった事はしてへんで、ただこいつら声を聞いただけや」

 

俺はそう説明すると薙切試験官は首を傾げていたが俺はそれ以上は喋らなかった、

 

「桜清人君貴方を合格とします、後日合格通知を送りますので次は入学式で会いましょう」

 

「おぉー合格やー!!ありがとう、ほな又入学式でな」

 

もう帰って良いみたいやったから俺は軽い足取りで日向子さんのとこにむかった




一の皿でした

どうでしょう?長くなってしまいましたが楽しんで貰えると嬉しいです。
では又次回


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二の皿、入学式と初授業

第2話です
感想で関西弁が強すぎると言われたので少し控えめに行きたいと思います。

ではどうぞ


おっす桜清人や、編入試験から一ヶ月くらい、今俺は遠月学園の高等部始業式に来ている、あの後合格通知が俺の所に来て今日編入の挨拶をしろと言われ只今待機中や、俺の挨拶の前に試験官だった薙切えりなが学年章なるもんを授与されとる学年章って何?皆勤賞みたいなやつ?

 

後俺の隣に一緒に試験を受けてた目の上に傷が有る男もどうやら合格したようだ、

 

「よう!お互い合格出来て良かったな」

 

「お前も合格できてんな、俺は桜清人お前は?」

 

「俺は幸平創真、ソーマで良いよ」

 

「あ、ほんまに?ほな俺も清人でええよ」

 

「おう!よろしくな清人!」

 

「よろしくな〜ソーマ」

 

『最後に高等部から編入する生徒を2名紹介します』

 

 

おっとソーマと話してて総帥の話しを聞いてなかった、冬美さんから総帥の話しはちゃんと聞いておけと言われたけど、全然聞いてなかった

 

「じゃあ俺からだから行ってくるわ、ソーマも何話すか考えときや」

 

「おう!頑張れよ」

 

ソーマに軽く手を挙げ壇上の横からマイクの有る中心まで行き、俺は大きく深呼吸をして、

 

「初めまして桜清人と言います、遠月には自分を高めるため、そして俺が目指す料理人になるために来ました、編入したからには料理で負ける気は一切無いんでいつでもかかってきて下さい・・以上です!」

 

俺は頭を下げ壇上の端にはけた、最初にいた場所に戻ると薙切えりなとソーマが何故か言い合いをしていた、俺が戻ってきた事に気付いたソーマは俺も行ってくるわと言い壇上に上がっていった

 

「何を言い合いしとったん?」

 

「桜君、入学おめでとう」

 

「ありがとう、でどないしたん?」

 

「いえ、貴方が気にする事は無いわそれと、貴方さっき誰にも負ける気は無いって言ってたわね」

 

「言ったな、それが?」

 

「それは不可能よ、何故ならこの私薙切えりなが貴方を倒すからよ」

 

「おお!そうかそうか、ええよかかって来いや返り討ちしたるわ」

 

俺たちはそう言って睨みあったが、暫くするとお互い笑っていた

 

暫くすると会場から怒号が聞こえたので恐らくソーマがいらん事言うたんやろと思い、深くは考えなかった

 

 

 

 

 

 

始業式が終わってすぐに授業が有るとはビックリやな、さすが超絶エリート校やわ、遠月に入って始めたの授業はペアを組んでフレンチの定番ブッフブルギニョンを作るとの事、俺は割り当てられた場所に行くとすでに女の子がいた、

 

「もしかして今日のペアの子?」

 

「そうみたいだよ、私は吉野悠姫、君は桜清人君だよね」

 

「俺の事を知ってたか、清人と呼んでくれ」

 

「じゃあ私も悠姫でいいよ」

 

「おう!宜しくな悠姫、んでどうする?どっちがメインでやる?」

 

「んー清人は今回の課題自信ある?」

 

「まぁーフレンチの定番やからな、店でもよう作ったし問題ないと思うで」

 

「そうなんだ!お店って何処のお店?」

 

「それは「では調理開始」・・とりあえずこの話は後で先に料理作ろか、俺がメインでええか?」

 

「良いよ!じゃあ私はサポートに回るね」

 

それからはお互いちょっとした会話をしながらソースを作り、牛肉を煮込み後は待つだけとなった、煮込んでる間に盛り付ける皿を取りに行ってるとさっきまで聞こえていた食材の声が聞こえなくなり俺はすぐに鍋を開けるとそこには白い粉が大量に振られていた

 

「清人これって!」

 

「・・・塩だな」

 

「誰がこんな事を!」

 

俺は周りを見渡すとこちら見ながらニヤついている2人組がいた、恐らく彼奴らがやったやろ、あのボケ共食いもんを無駄にしよって

 

「どうしよう、作り直すにも時間が」

 

そうや、今は彼奴らの事はどうでもええまずこの状況をなんとかせな、とりあえず

 

「悠姫落ち着けや、まず予備の食材もろて来てくれへんか?」

 

「それは良いけど今から作っても間に合わないよ、それに中途半端な物を出したら最低評価だよ!」

 

「舐めんなよ悠姫、俺はこんなとこで落ちる程ヤワやない」

 

悠姫が持って来てくれた予備の食材を前に意識を集中して、食材の声を聞いた、こいつらが教えてくれる最高のタイミングを、

 

「悠姫、今からする事をちゃんと見ておけよ、必ずこの先悠姫の役に立つから」

 

そう言って俺は料理に取り掛かった

 

 

 

sid悠姫

 

 

言葉が出ないってこういう事なんだと私は思った、今日知り合ったばかりの清人はとてつもないスピードで食材を切り、火を通し、鍋の中に入れていく、良く見ておけと言われた理由が分かる、彼は清人は凄い料理人だ清人が下ごしらえした食材達が輝いている様に見えた、私はただ見てるだけしかできなかった

 

 

 

sid清人

 

よし完成だ!俺は作った料理を皿に移し、盛り付けをして悠姫と一緒に講師の元へ持って行った

 

「ほい先生、ブッフブルギニョン食べてーや」

 

「ふむ」

 

先生はフォークを持ち牛肉に当てた

 

「!・・・柔らかいフォークが弾む様だ」

 

先生の言葉に周りの生徒がざわつき、俺達の鍋のに塩入れた奴らも驚いていた

 

「では味の方は・・・素晴らしい!柔らかく殆ど噛む必要が無いほどだ、君たちの班はアクシデントがあったはずだが、この短時間でどうやってここまで柔らかくしたんだ?」

 

 

「答えはパイナップルや、酢豚なんかにも入ってるやろ?パイナップルには肉を柔らかくする作用があるからパイナップルを使って柔らかくしてん勿論匂いや味が残らんようにしっかり煮込んでとばしてあるから、食べやすいと思うで」

 

 

「なるほど、確かにパイナップルやハチミツなどにはプロテアーゼと言われるタンパク質分解酵素が含まれている、宜しい桜吉野ペアAだ」

 

 

ふぃ〜無事終了〜さて後片付けしますかね

 

「凄かったよ清人、どうやってやってるのあの動き」

 

「ひたすら練習あるのみや、悠姫もご苦労さん」

 

「うん!そうだ連絡先交換しよ」

 

それからは2人連絡先を交換してまた後で連絡すると言われ、その日の授業は無事終了した




第2話です
やっぱり料理描写は難しいですねf^_^;
でもこれからも頑張ります
次は明日の夜か明後日になると思います。

ではまた次回(^_^)


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三の皿、再開と極星寮

3話です、今回ある子が清人の幼馴染として登場します。
それは誰がお楽しみに、まぁ〜直ぐに分かるんですけどねf^_^;


始業式後早々の授業も終わり、俺は今極星寮に向かっている。

俺は学園近くのタワーマンションに部屋を借りてるので、極星寮に入寮するために向かっている訳やない、授業の後悠姫から連絡があり歓迎会をするからおいでと言われたので向かってる最中である、しかしここで一つ問題がある

 

「極星寮ってどこにあんの?」

 

絶賛迷子です!

 

ってか広すぎやろここ!なんやねん自分が何処におるか全然分からんわ!

 

「くそ、かっこつけずに迎えに来て貰えばよかった」

 

悠姫から分かりにくいから迎えに行こうかと話があったけど、かっこつけて行けるって言うたもんやからこの様や、ハハハ・・・!はぁー

 

「どうしよ、今から悠姫に迎えを頼むか」

 

悠姫に連絡しようか悩んでる時、俺の眼の前に見慣れた三つ編みの女の人が通り過ぎようとしていた

 

「ねね!?」

 

「え?・・!・・清人!」

 

「やっぱりねねか!久しぶり元気だったか?」

 

「久しぶりね清人、そっちも変わりない?」

 

今目の前に居るのは紀ノ国寧々、俺の一つ上の幼馴染や、大阪から越してきて初めて出来た友達でもある、知り合ったのは俺が越して直ぐ冬美さんの店に親と行った時、偶々知り合った。

奇妙な縁なもんで住んでる場所も近くとあり、ちょくちょく遊んでいた

 

「中学までは結構遊んでたのになぁ、中学からお前寮入るって言って殆ど帰って来なかったもんな」

 

「そういばそうだったわね、こっち忙しかったのよ、それで清人がここにいるって事は遠月に入ったのね」

 

「おお!また宜しくなねね」

 

「ええ宜しく、それより良いの?何処かに向かってるんじゃないの?」

 

「あーせや!ねね極星寮って分かるか?」

 

「分かるけど其処に用があるの?」

 

「そうやねん悠姫って子に誘われて食事会みたいな事すんねんて」

 

「ふーん、女の子よねその子」

 

「うん?そやけど」

 

「はぁーまぁ良い、どうせ迷ったんでしょ?ついて来なさい案内してあげる」

 

「ほんまに!いやーさすが俺の幼馴染!」

 

俺はねねに案内され極星寮に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして到着極星寮・・・・え?ボロない?

 

「なぁねね、ここほんまに極星寮なん?」

 

「そうよここが極星寮」

 

「いやいやいやボロない?どっかのハザードの舞台になりそうな佇まいやん!」

 

「どっかのハザードは分からないけど、まぁボロいのは同感」

 

ほんまにここかいな、なんか妖怪とか動く死体とかいそうじゃない?

俺がそんな事を考えてると、

 

「あんたが桜清人かい?」

 

「うわーー!出たーー!」

 

「ビクッ!」

 

「誰が山姥が出たって!」

 

「いや其処までは言うてへんよ、ってか今俺の名前呼んだ?」

 

どうやら悠姫から話が通っているらしく、俺の名前を知っていた山姥もとい大御堂ふみ御さんが中に案内してくれると言うので俺はねねに礼を言った。

 

「ありがとうねね、ここまで案内してくれて」

 

「構わないわそれより、清人あなたは私達の所までくるの?」

 

「ん?よく分からんけど行くんちゃう、何の事か知らんけど」

 

「ふふ、あなたそれで良いのかもねじゃーね」

 

「おう、サンキューな」

 

そう言って俺達は別れた

悠姫は部屋にいるらしくふみ御さんに案内してもらった、案内されてる途中、ねねとは知り合いか?と聞かれ幼馴染と答えるとなるほどねと言いながら俺を部屋まで案内してくれた。

 

 

sid悠姫

 

 

今日はこの後清人が来てくれるから、大急ぎで部屋を掃除してると扉をノックする音が聞こえ扉を開けると

 

「悠姫何を暴れているの?」

 

同じ寮の涼子だった

 

「ごめんうるさかった?ちょっとお客さんが来るんだ」

 

「何々もしかしてい男の子?」

 

涼子がニヤニヤしながら聞いてくるので不意に顔が赤くなった、

私のリアクションを見て察したのか涼子は頑張ってと言って部屋を後にした。

 

 

 

sid清人

 

 

ふみ御さんに案内され悠姫の部屋の前まで案内してもらった、さてここで問題が一つ俺は普通に入るのかふざけて入るのか、それが問題だ

 

「ふむ、どうしたもんかノックした瞬間どーんとはいったろかな?」

 

✳︎どーんと入った場合

 

「どーん!おいっす悠姫俺やで!」

 

「・・・///」

 

着替えてるやと?白の上下の下着がなんと「きゃーーー」へぶーーー

騒ぎを聞きつけたふみ御さんに発見され現行犯で中華包丁でぶつ切りにされ、鍋の中にポーイとそのまま串焼き、上手に焼けましたーー!

 

 

 

 

 

 

あかん死亡フラグ満載やシャレならん、アホな事考えてんと普通に入ろ、

 

「悠姫〜清人やけど」

 

一声かけ悠姫の反応を待つ

 

「はーい」

 

ノックして直ぐに悠姫は扉を開けてくれた、悠姫に案内されるまま部屋に案内されると女の子らしいものと女の子の部屋にはそぐわないものがあった

 

「あははごめんね、色々散らかってて」

 

そう女の子の部屋にはそぐわないもの、それは動物の屠殺道具である、普通の人ならこれを見て何これ?となる物ばかりだか俺は何度か見てるのでどうにも思わなかった。

 

「いやかまへん、この道具も何回か見た事あるしな道具からして悠姫はgibier(ジビエ)料理が得意なんか?」

 

「うん!私ブレス鳥見たく極星鳥とか作りたくて放し飼いにしてるんだ」

 

「へぇー拘ってんねんな、凄いやん」

 

「えへへ//ありがとう、そういえば聞きそびれちゃったけど清人は何処のお店で料理してたの?」

 

そういえば授業の時に話してたな、俺は悠姫にristoranteFにいた事や他にも幾つかの店で修行した事を言った、

 

「ええぇーーー!!ristoranteFってここの卒業生のお店じゃん、しかも其処で厨房任されてたって凄すぎない!清人何者なの?!」

 

「いや任されてたって言っても少しだけやで、冬美さんが休憩してる時とかだけやし」

 

「それでも十分凄いって!」

 

「そうか?」

 

「そうなの!」

 

そこからは2人で料理の話をしたり、大阪の話をしたり色々と話していると時間があっと言う間に過ぎ歓迎会を開くと連絡があったので俺達も歓迎会が開かれる部屋にいどうした

 




危ないなんとか今日中にあげれた
はい今回清人の幼馴染に若干無理やりですか、紀ノ国寧々を入れてみました、口調などは大丈夫でしたでしょうか

次回は清人、ソーマ、一色・・・想像しだけでカオスな妄想がしました。
そして次回ではトリコの食材を少しだけ出します
今後と話しに影響しないように出していきますので宜しくお願いします。

トリコの食材に関しては野菜や果物といった物しか出さない方向で行きたいと思います。
では次回


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四の皿 歓迎会と清人の皿

途中まで書いてたのに消えたーー!!

四話です


悠姫の部屋でずっと喋っているともうすぐ歓迎会を開くと連絡が有った、俺達二人は歓迎会が開かれる部屋に向かっている時、不意に俺の携帯が鳴り液晶を見ると知らない番号だった

 

「悪い悠姫、先行っといて電話きたわ」

 

「わかった、部屋の場所分かる?」

 

これで分かると言えば前の二の前なので素直に教えて貰っい悠姫を先に向かわせた

 

「さて誰やろ、もしもし?」

 

『桜清人の携帯で合っているか?』

 

「合ってるでどちらさん?」

 

『俺だ清人、銀だ』

 

「おぉー!銀さん、携帯変えたん?」

 

『ああ前のが壊れてしまってな、ところで清人お前遠月に入ったらしいな』

 

「入ったで〜」

 

さらさらと話しているが電話相手は堂島銀、俺に料理の楽しさを教えてくれた人で初めて会ったのは親の紹介やった、最初に会った時はまぁ〜凄いのなんのって雰囲気がヤバかったわ

 

 

『・・と・・よと・・清人!!』

 

「!ごめんごめんぼーっとしてた」

 

『全くしっかり聞いてくれ・・もう一度言うぞお前達1年はもう直ぐ宿泊研修がある』

 

「宿泊研修?」

 

『そうだ宿泊研修とは名ばかりの地獄の研修だ、遠月ではその研修で1年はふるいにかけられ、恐らく1年の半数が其処で消えるだろ』

 

「半数って凄い数やな、まぁ一年自体の人数もマンモス級やけどな」

 

『そうだな、其処で清人・・お前はこちら側でその宿泊研修に参加してもらいたい』

 

「はい?どゆこと?」

 

『お前の実力は既に1年の括りから飛び抜けすぎている、確かに一年の中では現段階でもかなりの腕を持った者もいる、だがお前は其処らから更に別格だ、特に清人お前のspécialité・・あれは俺もあいつも衝撃を受けた』

 

「・・・あの料理はあの時の俺の全てを詰めたからな、今はもっと進化しとるで」

 

『だろうな、だからお前はこちら側で参加して欲しいのだお前は舌も確かだ』

 

「分かった、でも俺だけええの?」

 

『今回は特別処置として学園長の了承も得ている、今回俺だけで無くあいつの推薦も入っていたからな』

 

「さよか、ほなええわ」

 

『ああでは宿泊研修の時に会おう』

 

「え?銀さんくんの?」

 

『行くさ、お前と会えるのは楽しみにしているぞ』

 

そう言って電話を切られて、本当銀さんは変わらんな〜、取り敢えず電話も終わったので俺は歓迎会がひらかれている205号室に向かった

 

 

 

 

しばらく歩くと何やらどんちゃん騒いでる部屋があった、部屋番号を確認すると205と書いてあったのでノックをする

 

「はーい」

 

出てきたのは髪の長い美人さんやった

 

「あ〜悠姫おる?」

 

「もしかして貴方が桜くん?」

 

「そうや、桜清人や宜しく」

 

「宜しく、私は榊涼子よ」

 

「よろしくな」

 

俺は榊に案内されて中に入った、中に入ると既に大盛り上がりだった、

 

「えらい盛り上がっとるの」

 

「遅いよ清人」

 

声の方を見ると悠姫がいた、手招きされたので近くまで寄ると見知った顔がいた

 

「ソーマやん、お前もここ住んでるん?」

 

「清人か!お前も呼ばれたのか?」

 

「俺の横におる可愛い子からのお誘いや」

 

「///」

 

なんや何顔赤くしてんや?熱でもあるんか?

 

「お前何言ってんだ」

 

ソーマにもジト目をされた解せぬ

 

しばらく悠姫とソーマ、榊と紹介された田所恵と話していたが話の最中肩を叩かれ振り向くと裸エプロンの男がにこやかに話しかけてきた

 

「初めまして僕いっし「近寄るなん変態!!」ええー!」

 

俺は咄嗟に悠姫と榊、田所を自分の背中に隠した

 

「なんやあんた一体どこから入った、この変質者!!」

 

「違う違う僕は遠月学園2年一色慧、君と同じ遠月の生徒だよ」

 

「嘘つけや!こんな変態あるわけないやろ!」

 

「本当だよ、一色先輩はここの寮生で遠月の生徒だよ」

 

悠姫に言われほんまか?と周りに確認した所本当のようだった

 

「ほんますいません、まさかホンマに生徒で先輩やったとは」

 

「いいよいいよ、僕もこんな格好だし・・それより挨拶だ改めて僕は一色慧ここの寮唯一の2年だ」

 

「桜清人です、よろしく」

 

其処からは一色先輩も交えて大いに盛り上がり、気がつけばもう時計は夜中の12時を指していた、悠姫もいつの間にか俺の膝を枕にして眠っている俺は悠姫が体を冷やさないように毛布を掛けた。

 

「あぁ・・今夜は本当に楽しい夜だね、改めて歓迎するよソーマ君、それと清人君も」

 

「やー・・こちらこそっすわ」

 

「あざっすー」

 

「もう料理が尽きたね、鰆の切り身があったはずだ、僕が何か作ろう」

 

「その格好で調理するんすか」

 

やっぱり変態やないか!口には出さないが俺の中では一色先輩は変態のカテゴリーにランクインしている

 

「さぁ・・できたよ召し上がれ二人とも」

 

「「いただきます」」

 

「っ!!」

 

「へぇー」

 

上手いな・・鰆のピューレ添い、かなりのレベルやなここの寮生の中ではトップの味や、でもこれはまだ序の口やろうな・・・ソーマ気づいとるか?一色先輩は全然本気出してへんぞ

 

「ソーマ君それに清人君、式では面白い事を言っていたね・・・遠月の頂点を目指すのはそんなに簡単じゃないかもしれない」

 

なんやこの人

 

「遠月学園十傑・・・第7席一色慧改めて宜しく」

 

「あんたが十傑!!」

 

「・・・」

 

「さぁ次は君たちの料理を食べてみたいな」

 

なるほど、俺達を見定めるつもりか

 

「お待ちをっ!!」

「君はしないのかい?」

 

「俺は悠姫がまだ寝てるんで、起きてからで」

 

「優しいね〜君は」

 

二人で話しているといい匂いがして来た、その匂いにつられたのか悠姫も目を覚まし俺が膝枕をしていた事が分かると真っ赤になりながら謝って来たので気にせんでと言ってソーマの方をみた

 

「お待ちどう、ゆきひら裏メニューその改鰆おにぎり茶漬けだ!」

 

お茶漬けか、如何にも大衆食堂のメニューって感じやな、一色先輩も同じような事思ってそうやな、そして一色先輩達はお茶漬け食べた

 

 

結果的に言うとかなら美味かったみたいだな、みたいと言うのは俺は食べていないから・・・鰆がね俺の分まで無かったてん・・・goddamn!!

 

「ごめんね清人君、まさか食材が無くなるとは」

 

「気にせんで下さい、それに料理なら持って来てるんで」

 

そう言って俺は自分が持ってきた料理をだした

 

 

sid一色

 

清人くんが持ってきた料理はどうやらデザートのようだ、沢山食べて最後の締めにデザートとは良いものだ

 

「ほいこれが俺の持ってきた・・・虹の実のアイスや」

 

「虹の実?聞いた事が無いな」

 

「まぁ食べてみて下さい、きっとビックリするから」

 

「じゃあ・・・!!」

 

「なにこれー!!凄く美味しい!!」

 

「本当!!それに味が・・・」

 

「清人君、僕はこんな料理食べた事が無いよ・・この料理の一番の特長は味が7段階も変わる事、どうやればこんなに繊細且つ豪快に味を7段階も変えられるんだい?」

 

「それは秘密や・・どうや悠姫、ソーマそれと榊に伊武先俺のデザートは」

 

「凄く美味しいよ!こんなの初めて!」

 

「私もよ本当に美味しい」

 

「・・・美味かった」

 

「・・・・・・」

 

恐らくソーマ君は今必死に理解しようとしている、あの変わる味をそして自分より遥かに強い清人君という料理人を

 

「清人君、素晴らしかったよ」

 

「どうもそれより聞いてええっすか?」

 

「なんだい?」

 

「・・・10傑って何?」

 

 

『お前もかーーー!!!』

 

これからは本当に楽しくなりそうだ




一回消えてから創作欲が〜OrL
なんとか書き上げました
楽しんでください


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五の皿、匂いと食戟

はい第五話です

今回はあの人と対面・・・まぁ誰かわかりますよね笑
ではどうぞ


あの歓迎会から数日、俺はある所に向かっていた

 

「ええーっと、ここを左で次の突き当たりを右と」

 

はぁ〜・・・・遠月広っろ!!アホちゃうか、なんでこんな広いねんデカすぎやねん、遠月の正門入ってからもう30分以上歩いとんねんぞ、もうあかんバイク買お、許可を取れば校内も乗ってええみたいやし

 

 

その後さらに20分程歩くと、漸く目的の建物にたどり着いた

 

「やっと着いた、よし行くか」

 

息を整え気合いを入れて・・・ピーンポーン・・・ん?もしかして留守?

 

いやいやいや、留守は止めて頑張って来たのに、俺がどうしよか悩んでいると

 

「ここで何やってんだお前」

 

「いや〜ちょっとここの汐見潤さんに用があって」

 

「なんだ潤の客か、なら入りな」

 

「あれお前関係者?」

 

「あぁ、俺は葉山アキラ、潤の助手をやってる」

 

「そうだったのか、俺は「桜清人だろ」知ってたのか」

 

「まぁな、取り敢えずついて来い」

 

俺は葉山について行きある部屋に通された

 

「この部屋でちょっと待ってな」

 

葉山はお茶を出しながらそう言って部屋を出た、俺は出されたお茶飲みながら部屋で待っていると、微かにスパイスの匂いがしてきた、スパイスの匂いがだんだん近くなり、ドアが開く

 

「ごめんなさい、お待たせしました」

 

そう言って頭を下げてくる白衣を来た女性、俺は頭を上げてもらい自己紹介をした

 

「初めまして、桜清人です」

 

「こちらこそ初めまして、このゼミの責任者、汐見潤です」

 

そう俺がここに来たのは、汐見さんに会うためにきたのだ、銀さんにこの先スパイスなどの香味料の知識は必ず必要になる、と言われたのでなら紹介してやと言ったら、汐見さんを紹介してくれた

 

「銀先輩から話は聞いていたので、何が目的かは把握してます」

 

「銀さんから話来てましたか、あの人とは大違いだ」

 

「・・・そうですね、大違いです」

 

俺達二人が話しているあの人(・・・)とは・・・まぁその内話すときも来るだろう

 

それからは葉山も混ぜて三人でスパイスの話をした、さすがスパイスの権威と言われるだけはあった、葉山の嗅覚も恐ろしい程繊細だった、俺が試しに目隠しをしてスパイスを嗅がせると全て言い当てた、こいつも多分銀さん風に言えば、玉、なんだろうな

 

その後は普通に話を聞いたり葉山とふざけて潤さんを弄ったり、普通に楽しかった。

 

 

 

 

潤さんの所に行ってから数日、エリート校遠月と言っても高校なので普通に高校の授業もある、今日は数学と現代文だった、授業も終わり放課後どうしようか考えていると、ソーマと田所が俺の所に来た

 

「清人、この後暇か?」

 

「暇だな、ちょうど放課後どうしよか思てたからな」

 

「おお!そりゃー良かった、じゃあ行こうぜ」

 

「何処に?」

 

「丼研!」

 

そう言ってソーマはズカズカと教室を出て行った

 

「なぁ田所」

 

「何かな桜くん」

 

「清人でええよ」

 

「じ・・じゃあ・・清人君」

 

「おう、ほんで田所無理せんでええで」

 

「え?」

 

「ソーマ勝手に決めてるやろ、用があるならそっち行きや、ソーマには俺が言っとくし」

 

「大丈夫だよ、それに・・・私も気になるし」

 

「わかった、ほな行こか」

 

俺と田所もソーマの後に続き丼研を目指した。

 

「あっ清人君・・・私も恵って呼んで欲しい///」

 

俺はわかったと言ってそのまま二人でソーマを追った

 

 

 

 

丼研到着やで

 

 

 

「ちわー」

 

丼研の扉を開けると、どっかのジョーよろしくの人が燃え尽きていた、取り敢えずどうしたのか聞いたところ、どうやらこの研究会は数日中に潰されるらしい、なんでそうなるのか聞いていたら、扉が勢い良く開かれた

 

「なんや?」

 

開かれた扉からぞろぞろと業者が入ってきた、どうやら建物を壊すだの改装するだのを話していた

 

「そ?じゃあソレで!」

 

「な・・・なんのつもりだよ水戸」

 

水戸と言われた女と丼研主将の小西寛一は言い合い始める、かと思いきや水戸がまさかの壁ドン!!

 

大事なことやからもう一度言うで、壁ドンや!!初めて見たでしかも女からの壁ドンやで!!凄いな!

 

そこからの小西主将は弱かった、根性ねえなと思っていると、小西主将がボソっと肉魅と呟いた、その瞬間皮剥包丁を振り下ろし小西主将の髪の毛をバッサリ切り落とした

 

「おおおお!?」

 

すんげー切れ味やなあれ

 

「もし、もう一度言ったら解体(バラ)すぞ」

 

いや、あかんよ人解体したら、捕まるで?

 

「なぁ、邪魔だから出てってくれないか?小一時間したら帰って来ていいからさ」

 

「し・・・勝負はまだついてねぇだろうが」

 

「見えてるったいったろ?」

 

「えりな様も仰ってたよ、丼なんていくらこだわってもB級グルメでしかない低俗な品、遠月に必要ないってね」

 

「あんたがどんな品作ろうとあたしの超高級肉には勝てねぇんだよ!」

 

「食材の値段だけで喜んでちゃ、料理人の名折れだと思うぜ」

 

「ソーマに同意だな、食材の真価は値段では決まらない」

 

俺達は今の水戸の発言は許すわけにはいかない、確かに腐っていたりすれば話は別だか、安い食材でも調理次第で高級食材に引けを取らないラベルまで待っていくことができる、それをこいつは、水戸は知らない

 

「先輩・・・その食戟俺に任せてくんねーかな」

 

「なんだよあんた、部外者は引っ込んで・・・!あんた編入生!?始業式の・・・あんたとは話してみたかったんだ」

 

「あちゃー先越されたー、俺もしたかったな食戟」

 

「き・・清人君何言っての!」

 

「しゃーない、ソーマ俺から取ったんだ・・・勝てよ」

 

「おう!」

 

その後水戸も了承し、食戟は行われるらしい

 

 

たのしみやな




第五話です。なんとか今日中に間に合った。
次は食戟ですよ、そして清人はある人と・・・
では次回


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六の皿、激突と接触

第六話です
結局間に合わなかった_| ̄|○

どうぞ楽しんで下さい。


ソーマと水戸が食戟をする事になって早2日、決戦まで後1日となった今日、ソーマと恵が俺の所に来ていた

 

「清人どうよ?」

 

「良いんちゃう?水戸の出方にもよるけど、丼としての在り方を崩さず、更にそこから新しさを出してるし」

 

「そうか、お前がそう言うなら良さそうだな」

 

「けど手は抜くなよソーマ、お前は負ければ退学やぞ」

 

 

そう、食戟の条件は水戸が勝てば、丼研の廃部とソーマの退学、ソーマが勝てば丼研の継続と水戸の丼研入部、若干釣り合っていない気もするが、その条件で承認されたので仕方ない

 

「清人君は見に来てくれるよね?」

 

「行くで〜任しとき」

 

「しっかりと俺が勝つところ見とけよ清人」

 

「はいはい、ちゃんと勝てよソーマ」

 

「おう!」

 

その後二人は最後の調整すると言って丼研に向かっていった

 

 

 

食戟当日やで

 

 

 

 

「ひやー人多いなー」

 

食戟が行われる会場に来た俺は、まず人の多さに驚いた、そこそこ広い会場にほぼ満席状態、見に来てる奴らのボルテージも既に最高潮、恐らく始業式でのソーマの踏み台宣言、が拍車をかけてんねんやろうな、俺が会場を見渡していると後ろから声をかけられた

 

「やぁ清人君」

 

「へんた・・・一色先輩やん」

 

「今変態って言おうとしなかったかい?」

 

「気のせいちゃいます?ところで何か用っすか?」

 

「まぁ良いや、少しついて来てくれないかな、君に紹介したい人が居るんだ」

 

そう言われ俺は一色先輩について行った

 

 

案内されたのはVIP席見たいな個室で会場を上から観れる様になった場所だった、前面がカラス張りになってて結構高く見通しも最高だった、中には既に二人先客がいた

 

「あれ?ええっと・・・薙切えりなやったな、試験官してくれた」

 

「おい貴様!そんな馴れ馴れしい口の利き方を「いいわ緋紗子」えりな様」

 

「貴方は恐らく私より強いでしょ?それに一色先輩よりも」

 

「いやいや分からんで実際、料理勝負した訳でもないし、自分も相当腕持っとるやろ?一色先輩も」

 

「清人君にそう言ってもらえると嬉しいね」

 

「その余裕が強者の証拠ではなくて?それと私の事は名前で呼んでもらって構わないわ」

 

「ほな呼ばしてもらうわえりな、俺の事も清人でええで」

 

「分かったわ清人君」

 

「秘書の子も良かったら仲良くしよな」

 

「!・・・私は」

 

「いいじゃない緋紗子、貴方も異性の友達少ないでしょ?」

 

「分かりました・・・改めて新戸緋紗子だ、宜しく頼む」

 

「よろしく緋紗子」

 

「っな///」

 

「あれあかんかった?名前で呼んだら」

 

「いや構わない、その代わり私も清人と呼ばせてもらうぞ」

 

俺はええよと言って会場に目を向けた、話してる間に食戟は始まっていたらしく、ソーマも水戸も調理を開始していた

 

水戸の方は・・・あれはかなり質の良い牛肉やな、声が生き生きしとるし、それにあの水戸の包丁捌き、的確にスジを落としとる、やっぱそれなりのレベルは有るか

 

「清人君はどう思う?今回の食戟」

 

「さぁ?確かに水戸の牛肉はかなりの高級やと思います、でも料理は値段やない」

 

「料理は値段じゃない、その考えは私にも分かるわ・・でも高級食材は味が良いのも確かよ、料理は美味しくて初めて料理と呼ぶ、違う清人君?」

 

「確かにでも俺はな、どんな食材でも美味しく食べられて食べた人の気持ちを最大限に満たす、それが料理であって、味が良くても心が満たされんかったら、それは料理やないと俺は思っとる」

 

「・・・・」

 

「素晴らしい考えだね清人君」

 

「あくまでも俺の持論っすけど」

 

「いや、その考え間違っていないと思うよ、それより試合が動いるよ」

 

 

一色先輩言われ会場を見ると水戸が料理を出していた、スクリーンには、A5和牛のロティー丼と書いてある、審査員は既に実食をしており、どうやら評価は上々のようだ、でも

 

「あれじゃ駄目だ」

 

「なんでダメなのかしら清人君、私から見てもかなり美味しそうだけど」

 

「丼ってのを水戸は理解してへん、A5の高級牛肉を使うのはええけど、あいつご飯の事考えてへんやろ」

 

「っ!!まさか」

 

そう言ってえりなはスクリーンに映された水戸はレシピを見る、試験官をするほどならメニューを見れば分かるだろ

 

「ガーリックライス」

 

「せや、A5和牛に合わせてご飯まで強したら、喧嘩すんで」

 

俺の言葉でえりなはさっきまでの余裕が無くなっている、現に水戸の料理は実食が終わったが、まだライスが残されている、対するソーマが出したのはシャリアピンステーキ丼、

 

「これで勝敗は決まったな」

 

「清人、どうしてそう言い切れるんだ?」

 

緋紗子の質問に俺は答えた

 

「元々シャリアピンステーキは1936年に来日したオペラ歌手、フョードルシャリアピンのために作られたメニューや、当日歯痛に悩まされていた彼の、柔らかステーキが食べたいと言う条件から考案されたもんや、やから海外にはあらへん日本独自のステーキや」

「シャリアピンステーキは分かったが、それで何故勝敗が決まるんだ?」

 

「メニュー見てみ、内容に赤ワイン、水溶き片栗粉、焦がし醤油、それに練り梅、赤ワインはステーキを焼いた後に投入、ステーキの肉汁も残ってるやろうからそれと合わせて玉ねぎを煮詰める、更に水溶き片栗粉でとろみを付け肉とご飯の絡みを強くする」

 

「確かに美味しそうだか、それだけでは」

 

「まだ終わってへんわ。次に焦がし醤油や、あれで味を整えて、焦げをも調味料として使っとる。そして最後があの練り梅、あれをご飯のに混ぜていくらでも食えるような食欲感を出しとる。実際見てみ審査員かきこんどるやろ」

 

「!本当だ、水戸のガーリックライスは残っているのに幸平創真のは完食、審査員がおかわりまで要求している!」

 

「水戸は丼を理解してへんって言うたやろ?丼ってのは一椀で完結するもんや。水戸のは丼に見えて丼やない、これがソーマの勝ちって言う俺の意見や」

 

 

その後俺の言った通りソーマは勝った、まぁこれでソーマの退学も無し丼研も存続めでたしめでたしや

 

「清人君、どうして貴方は食べてもいないあの二人の料理をあそこまでわかったの?」

 

「試験の時言うたやろ?声が聞こえるって」

 

そう言って俺はソーマ達の所に行こうとした時、不意に扉が開いた

 

「ちょっと待ってくれるかな清人君、最初に言ったよね紹介したい人がいると、紹介するよ・・現十傑第1席司瑛司先輩だ」

 

「初めまして、君の事は聞いてるよ桜清人、改めて僕は司瑛司、現十傑第1席だ」

 

「どうも桜清人です・・・で俺に何か?」

 

「一色が君の事を強く勧めてきてね、どんな男なのか見てみたかったってのもあるんだ、後君の料理にも興味が有る」

 

司先輩は俺を見てそう言うが、俺はこの司先輩があまり気に入らなかった、なんでかと言われれば分からないが、俺とこの人は敵同士そんな気がして仕方なかった

 

「今日は顔合わせ程度だ、近いうちに他の席も紹介するよ、じゃあまた会おう桜清人」

 

そう言って司先輩は部屋を出ていった




結局間に合わなかった、すいません

仕事の合間をぬって投稿、楽しんで下さい
食戟中の料理内容はスクリーンで観れると言う設定にしました
ではまた次回!


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七の皿、地獄の宿泊研修その1

お気に入り300件超え!!
ありがとうございます、凄く嬉しいです
これからも頑張って行くのでよろしくお願いします。

でば7話です、どうぞ


ソーマと水戸の食戟から早数日、俺は今極星寮の畑に来ている、何故俺が極星寮の畑にいるのか、それはほんまに早い早朝、悠姫から俺の携帯に連絡あった、俺は夜通しである料理を作ってたから朝早くやったけど電話に出れた、悠姫からの電話の内容は畑に来ないか?というもんやった、俺は面白そうやったから直ぐ行くと返事して電話を切った。

 

そして俺は極星の畑にいるわけだか、なんであの人褌一丁で作業してんねん、やっぱり変態やな一色先輩

 

「悠姫、榊とか伊武崎はおらんの?」

 

「後で来ると思うよ、二人とも先に自分の仕事してくるから」

 

「あぁーそういえば聞いたな、榊は麹、伊武崎は燻製が得意やったな」

 

「そうそう、でもありがとうね来てくれて」

 

「いやいや、こっちこそ誘ってくれてありがとう、それに朝から可愛い女の子の声を聞けて役得やで」

 

「・・うん///」

 

それから二人で畑の野菜を摘みながら収穫したり、ソーマもトマトを摘んでいた、榊や伊武崎も合流して畑作業をしていた、暫くすると恵がお昼と言って弁当を持った来てくれた

 

「悪いな恵、俺まで貰っちまって」

 

「うんうん!私なんかの料理で良いならいくらでも///」

 

「なんかじゃないで、このおにぎりとか特に、ササミはパサついてないし、豚肉も柔らかい・・・どれも丁寧に仕事してるやん」

 

そしてソーマになんでこれが授業で出来ないのか、と突っ込まれ恵はウグッと言って、自分があがり症だという事を話していた

 

「恵は少し考え過ぎなのかもな、もっとリラックスして調理をすればこのおにぎりの様に高レベルの料理ができるわ」

 

「ありがとう清人君、私頑張ってみるね」

 

 

そこからは皆極星寮に戻った、戻ると極星寮に宿泊研修の知らせが届いていた、周りの皆は遂に来たかなど言っているが、俺は前から知っていたので特に驚きはしなかった。

 

「これが遠月の教育だ・・・学園総帥が言う、玉、の選抜は既に始まっている」

 

「一色先輩も去年参加したんですよね?」

 

榊が一色先輩に聞く

 

「勿論、僕の代でも連日何十人もの生徒が強制送還、退学させられて行ったよ」

 

「まぁ厳し事には変わらんわな」

 

「僕の何個か前の学年は半数が退学になったよ」

 

その言葉に遂に恵が倒れた、俺は慌てて恵を受け止める、恵はもうダメだべと真っ白になっていた

 

「取り敢えず恵は落ち着け、それと先に皆に言っとくわ、俺は宿泊研修生徒側では参加せえへんから」

 

『えぇー!!』

 

「なんで?どういう事?」

 

悠姫が俺に詰め寄って聞いてくる、近いって恵が潰れる、俺は悠姫をどかして説明をする、敢えて銀さんの名前を出さずに銀さんとの電話の内容伝えた

 

「確かに清人君のレベルは1年生の枠から飛び抜けているしね、この前の虹の実のアイス、あれは凄かった」

 

「そういう訳で、俺はお前らを落とす側に回るわけだか、容赦はせえへんけど、お前らなら乗り越えられる信じてるからな」

 

 

それからは皆やる気なり燃えていた、恵は相変わらずビクビクしてるけど

 

 

 

 

 

研修当日やで

 

 

 

 

 

俺は学園から車で宿泊研修の行われる遠月離宮に来ていた、本当ならバスで皆で来るはずだったんだか、俺は先に会場に来ていた

 

「さて、着いたけどどこに行ったら「だーれだ」何してんの日向子さん」

 

いきなり後ろから目隠しをされたが声で誰か簡単に分かるわい!

 

「もう〜もっと楽しまないと」

 

「いや、このやり取り結構やってるからあきたわ」

 

「えぇー、もっと「日向子遊んでないで話しを進めるよ」冬美先輩」

 

日向子さんと戯れていると冬美さんが声をかけてきた

 

「久しぶり清人、元気そうね」

 

そう言ってニコっとしてくれる冬美さん

 

「元気やで、それに色々吸収出来たし、取りたいもんも出来たしな」

 

「なんだ一席でも取るのか?清人」

 

いきなり話しに割って入ってきたのは小次郎さんやった

 

「まぁー取りに行こかなとは思ってます、現一席にも会ったし」

 

それから皆で色んな話しをして、銀さんがもう始めるから集合しろと言ってきたので俺たちは集合した

 

 

 

 

sidソーマ

 

 

今日から宿泊研修、地獄だと言われてるけど俺は楽しみだった、けど

 

「す・・・すっげぇぇぇ!!」

 

「さすが金持ち学校、こんな立派なホテルまでやってんのかー」

 

「この辺りのホテルとか旅館全部遠月が母体だぜ」

 

「あぁそう・・・もう何聞いても驚かなくなってきたわ」

 

相変わらずぶっ飛んだ学校だ、後から一泊8万と聞いた時は腰を抜かしそうになった、それから皆で会場に移動したがなんかピリピリしてるな

 

「お?おー!!肉魅じゃんかー、しばらくぶりー!」

 

「ゆ・・・幸平・・・///」

 

{お前は緊張感なしかー!}

 

その後肉魅達と話していると

 

『おはよう、諸君』

 

「幸平、気合いれな始まるよ」

 

いよいよ始まるのか、俺は気合いを入れ壇上に注目した、それからシャペル先生が合宿の概要を説明してくれた、要するに講師の定めた一定のラインを超えられなければ退学って事らしい、やっぱり一筋縄では行かなそうだな

 

『審査に関してだか、ゲスト講師を招いている、多忙の中今日のために集まってくれた、遠月学園の卒業生だ』

 

 

「卒業生だって!?」

 

『ってことつまり・・・卒業まで辿り着く者を数えるには片手を使えば足りるだろう』

 

『卒業率一桁を勝ち抜いた天才たち!!』

 

あれが卒業生か、ん?あれは清人!

 

「それと今回は特別に一年から一人講師のサポートとして桜清人に講師側で参加してもらっている、桜には講師達と同じ権限を与えている」

 

まじかよ!!確かに生徒側では参加しないと聞いていたけど、まさか講師と同じ権限まであるなんて!!

 

「ちょっと待って下さい!どうして俺たちと同じ一年の桜が講師と同じ権限を持つんですか?!しかも講師側で参加なんて不公平過ぎませんか?」

 

「簡単な事だ、清人はテメー等とレベルが違うからだ、こいつは俺の店だけでなく、水原に日向子、他にも卒業生の店で働きスタッフ兼相談役としての立場を獲得している、それだけでテメー等とは格が違うんだよ」

 

 

まじかよ!!清人のやつそんレベルだったのか、俺はまだ清人の事を測りきれていなかったのか

 

「それと今質問してきたお前・・退学、帰っていいぜ」

 

「!!?」

 

なっ・・・いきなりこんな所で!!

 

「どうしてですか!?」

 

「整髪料に柑橘系の匂いが混じってる、こいつは料理の香りを霞ませるんだよな、お洒落は必要だ、作る人間がダサいと料理に色気が無くなるからな、でも次からは無香料のヘアリキッドを選ぶといい」

 

「ま・・・待って下さい!何・・・退学!?たったこれだけの事で」

 

「お前なんか勘違いしてへんか、客は別にお前の匂いを嗅ぎにきとんちゃうねん、うまい飯を食いにきとるんじゃ、料理ってのは扱う食材によって匂いもその食材に影響する物もあるんや、お前・・・ここにおる卒業生達の店潰す気か」

 

清人の言葉と気迫に反論したヤツが黙り込んでしまった、俺も正直ビビっちまった、やっぱり清人は凄い奴なんだな、それからは堂島先輩がマイクを取り話しを聞き、俺たちの地獄の宿泊研修がはじまった




はい7話です、所々端折ってますが楽しんでもらえれば嬉しいです

でばまた次回


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八の皿、地獄の宿泊研修その2

第8話です

遅くなりましたが、どうぞ楽しんで下さい。



地獄の宿泊研修初日、1年生は各々指定された場所に行き、心を落ち着かせてるやろな。

 

初日の俺は冬美さんと一緒に行動していた、今日は冬美さんのサポート、順番に色々な講師の手伝いを頼まれた俺は冬美さんが受け持つ部屋に入った

 

「おはよう1年生のみんな、今日君達を受け持つ水原冬美よ、それと」

 

「おはようさん、知ってると思うけど桜清人や、よろしく」

 

「堂島さんから説明があったように、清人も研修中は講師と同じ権利を持つわ、清人の判断は私の判断と思ってもらって構わないわ、それじゃ今日の内容を清人から」

 

「俺かいな、じゃあしっかり聞いてや、今日皆に作ってもらうんはアンティパスト、要するに前菜や、食材は前に用意してある物ならなんでも使ってええで、自分が一番自信ある前菜料理を持ってこい、単純に上手ければ合格、上手くなければ不合格や、冬美さんが口にするのは一組一回だけや、時間は120分、じゃあ始め!!」

 

俺が合図を出すと皆その場で悩んでいた、まぁ悩むのも当然や、なんせチャンスは一回だけ、冬美さんが不味いと言えばその時点でバイバイや、この試験の意図は、続きを食べたいと思わせるかどうか、与えられた時間の内に料理を出す、それは料理人とって当たり前、その程度も出来ない料理人は遠月にはいらない、そして一回だけの審査、前菜とはその後の料理を食べたいと思わせる事、つまり食欲を駆り立てる役目がある、一回と言うのは一発で客の胃を掴めるかどうかが試されとる

 

「それにしても遠月も無茶言いよるな」

 

「何が?」

 

「一年ってほとんど客前に立った事無いやろ?そんな奴らにチャンスは一回、プレッシャー半端ないやろな」

 

「そうね、でもこの程度乗り切れない様なら先は無いわ」

 

「確かにな、俺も最初は全然ダメやったしな」

 

「清人はまだマシな方だったわよ、今回一年はどれだけ残るのやら」

 

冬美さんと話していると、直ぐに食材を取りに来た組みがいた

 

「ここからなら何使っても構わないわのよね?」

 

「ん?ええよ、好きなん使ってや」

 

「ありがとう、それと初めましてね、私は薙切アリスよ、よろしくね、後ろにいるのはりょう君よ」

 

「ども」

 

「よろしくな、二人はもう決まったんか?」

 

「ええ、これくらい直ぐ出来なければ料理人は名乗れないわ」

 

この二人は合格やな、こんなかではトップクラスの腕やろうな、冬美さんもこの二人は合格する人間やと思ってるみたいやな

 

 

その後何組も食材を取りに来て調理を開始していた、薙切アリス、黒木馬ペアは難なくクリア、他にも何組かは余裕を持って合格した、それからしばらくして時間切れになり、このクラスは30組み60人の生徒がいたが、合格したのは半分の15組時間残らなかった、時間も過ぎ冬美さんと終わろうかと話していると

 

「待って下さい!俺は納得行きません!」

 

冬美さんに不合格を言い渡され帰る退学しか残っていなかった生徒が冬美さんに申し立てる

 

「何が納得いかないのかしら?」

 

「桜の事です!なんでそいつだけ特別扱いなんですか!」

 

「最初に言ったでしょ、清人は一年の括りから飛び抜けているの、これは学園総帥が決めた事よ」

 

「それでもです!それに僕は高級料理店の息子だ!そんな奴に劣ってるとは思えない!」

 

「・・・」

 

冬美さんは今の言葉でかなりイラついている事がわかるなぁ、しゃあないからこの辺で力の差を教えたろか

 

「ええで、ほな見せたるわ俺の料理を」

 

 

俺はそいつにそう言って余ってる食材で調理を始めた

 

 

sid冬美

 

清人の事を悪く言う生徒を睨み、君が清人の何を知っていると言いたかった、でもその前に清人が自分の料理を見せると言って調理を始めてしまった、正直こんな所で清人の料理を出さなくても私はいいと思う、清人の料理は私達の常識をことごとく覆してきた、食材の声が聞こえると清人が始めて言ってきた時、私は頭でも打ったのかと思った、でも違った、清人が調理した食材は輝いて見えたから、完成した料理を食べてみると今まで食べた事の無い美味しさで体が震えた、私は清人には本当に声が聞こえているんだと確信した

 

「ふん!あんな余った食材で何が作れるってんだ」

 

「清人を舐めすぎよ、あれだけあれば十分な料理を作れるわ」

 

「!ふん、どうだか」

 

完全に舐めてるわね、私は清人の方を見ると清人は包丁を取り出していた

 

「皆清人の包丁捌きを見ておきなさい、特に合格組はね、必ず貴方達のモチベーションを上げるわ」

 

私の言葉にこの教室にいた生徒達は清人に視線を向けた、清人は包丁を取り出すと目にも留まらぬ速さで野菜達を切っていく、私もつい最近まで全く見えなかったけど、最近ようやく見える様になった、少しだけどね

 

「なんだよあの早さ!人間技じゃない!」

 

「見て!野菜が糸みたいに細くなってる!」

 

「なんだよあいつ・・・バケモンかよ」

 

包丁捌きだけで何人もの生徒がざわつく、合格組は冷や汗を流しながらも清人の包丁捌きを少しでも取り込もうと必死に見ていた

 

「よっしゃできたで!」

 

清人はとてつもないスピードで調理を終わらせた

 

「ほら食えや、セロリとクリームチーズディップチコリー添えや」

 

清人は料理を不満を言った生徒の前に出す、その生徒は恐る恐る手を伸ばし、一口食べる、口に入れた瞬間その生徒は膝から崩れ落ち

 

「う・・・美味すぎる・・・こんな味俺には出せない」

 

どうやら清人の凄さはわかったようね、私は清人の側に向かい、清人の作ったり料理を一口貰った、

 

「っ!」

 

ダメ!体の震えが止まらない、これが清人の凄い所、体の芯から来る衝撃がどうしても抑えられない

 

「美味しい!このチーズディップの中に入ってるのはセロリ、それにレモンの酸味が良いアクセントになってる」

 

「やろ、それに少しだけオリーブオイルを混ぜてあるから風味は倍増や」

 

凄い!この短時間でここまで繊細な味わいを出すなんて!やっぱり遠月に入学させて良かった

 

「わかった?これで清人が貴方より強い料理人って事を」

 

私はその後皆にもっと上を目指すようにと言って自分の担当講義を終わらせた

 

 




第8話、なんとか挙げられた、慌てて書いたので間違っていたり
ん?と思う箇所があるかもしれませんが、楽しんでもらえれば嬉しいです
次回は明後日ぐらいになると思います、では次回


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九の皿、地獄の宿泊研修その3

前回は、急ぎ過ぎて不出来な物を出してしまい申し訳ありません。
今回、感想の中で清人の容姿はどんなの?と感想を貰いましたので、ここで書いときたいと思います。
桜清人、身長178㎝、体重72キロ、顔は中世的で髪の色は桜色、髪型はツーブロック、調理の時は髪の毛を後ろで縛ってる

これが僕の想像する主人公の容姿です。

では続きをどうぞ


初日の研修が終り2日目の今日、俺は日向子さんの試験官補佐をやっている。と言っても日向子さんのお題は、遠月リゾートの敷地内にある物を使って一品作るといったものなので、俺は特に何かする訳でも無く要するに暇やねん。

 

各々それなりの品を持って来てるけど、日向子さんは美味しくないと一喝、まぁ似たような料理ばっかで飽きるわな、俺がそんな事を考えていると日向子さんが話しかけてきた。

 

「そういば幸平くんと恵ちゃんペアは面白かったですよ」

 

「おもろかった?何が?」

 

「私のお茶うけを使ってパリっとした揚げ物を持って来たんですよ」

 

「お茶うけって、今バリバリ食うとるそれ?」

 

「そうです、岩魚のお柿揚げですって」

 

「あいつ絶対途中で思いついたやろ」

 

ソーマもアホやな〜と呑気に考えていると、日向子さんの課題が時間終了間近になってきた、日向子さんは俺にアイコンタクトで合図を送り俺は課題終了と皆に告げた。

 

 

 

そしてまさか、あんな事が待ってるとは俺は思わんかった

 

 

 

 

 

 

俺と日向子さんの講義は他の講義との関係上少しズレている、ホテルに戻っている最中、小次郎さんが受け持つ生徒が使っている調理室の前をとおり掛かると銀さんがその部屋の前に立っていた。俺と日向子さんは銀さんに近づいて行くと中から小次郎さんの怒号が聞こえた、慌てて中を見るとソーマが小次郎さんと言い合いをしていた、俺は何があったのか聞くため中に入ろうとしたが、銀さんに止められ先に銀さんが部屋に入って行った。

 

 

部屋に入るとソーマが食戟をしろと小次郎さんに言っていた、何故そうなったのか理由を聞くと、どうやら小次郎さんがわざと痛んだカリフラワーを混ぜていて、それを恵が選んで調理した9種の野菜のテリーヌが小次郎さんには不服だったらしい

 

「美味しいじゃないですか!田所恵さんが作った品!」

 

確かに美味い、俺も食わせてもらったけど味もしっかり付いとるし、野菜の色も綺麗やでも

 

「ルセットを変えた、それが不合格理由やろ小次郎さん」

 

「さすが清人だな良く分かってる、そうだ俺はルセットを変えて良いとは一言も言ってねぇ」

 

「なんでなんだよ!少しでも料理を良くしようと田所は「ソーマ!」

っ!」

 

「いいかソーマ、料理人にとってレシピ通り作るのは基本中の基本や、それにお前が店を持っていたとして指示していた事と別の事をやられたらどう思う?」

 

 

「それは!・・・でもお前は良いのかよ清人このままじゃ田所はここで」

 

「良いも悪いもこの場のボスは小次郎さんや、俺がどうこう言える立場やあらへん」

 

「清人の言う通りだ、分かったらとっとと「でも」あん?」

 

「恵の咄嗟の判断力とそれを実行した度胸、その辺は評価してもええんちゃいますか?小次郎さん」

 

「フン、何を言い出すんだ清人、そんなもんが「清人の言いう通りだ」っ!」

 

「四ノ宮、お前の儲けた審査基準に不満は無い、だが・・・少なくとも彼女は状況に対処しようした、そのガッツには一考の余地が有るとは思わないか?」

 

「思わないね、ちっとも思わない」

 

「私は余地有ると思いまーす」

 

銀さんが言った後、日向子さんも便乗する形で銀さんに賛同、小次郎さん絶対イラついてんなアレは、

 

「致し方ない、非公式の食戟、俺が取り仕切ろう」

 

おっと!マジでやんるかい!小次郎さん相手に?

 

その後小次郎さんと銀さんが言い合いしたが、銀さんの気迫ある一喝で食戟は行われる事になった。

時間は今日の課題が全て終了した後、そしてソーマが負ければソーマ自身も退学になる条件で食戟が了承された、俺はソーマと恵を追いかけ、廊下の途中で二人を見つけた

 

「ソーマ、恵!」

 

「清人ぐん・・・私の所為でソーマぐんも・ひぐっ・・」

 

恵は泣きながら俺の胸に顔は埋めた、俺は恵の頭を優しく撫でながら二人に話した

 

「ごめんな、庇いきれなかった、ソーマお前も」

 

「そんなごと無い、清人ぐんは講師側だもんしがだないよ・・ひぐっ」

 

「俺もそう思うぜ清人、それにこうなったのは俺の所為だ気にすんな」

 

ニヒヒと笑うソーマを見て俺も笑う

 

「ソーマ、恵やるからには勝て!お前らなら大丈夫や」

 

その後恵を落ち着かせ、残りの課題を乗り切る様にと言って二人と別れた

 

 

 

 

 

午後の課題が終わり、俺達は遠月リゾート別館に来とる、ここは今回使う予定が無いから邪魔が入らんねんて、俺はソーマ達を案内して地下の厨房に入る、入ると恵が驚きの声を上げた、それもそのはず卒業生達が何人もおったからやった。

 

「今回公平に審査する為、審査員として水原、関守、ドナードに審査をやってもらう、そして今回の料理メインは田所恵、君がメインで調理する事、それでは食戟開始!」

 

「私がメインで調理を・・・」

 

「そうだ、レシピを君一人で決めるんだ、幸平はサブとしてサポートに回れ」

 

「なっ・・・堂島先輩!食戟を挑んだのは俺っすよ、なのになんで」

 

「簡単な事やソーマ、銀さんは無理を通して今回のこの食戟を取り持ってくれとる、なら銀さんの条件も飲むべきや、それにソーマお前の料理で恵が生き残って何になる?そんなんじゃこの先必ず恵は落ちる、恵がこのまま残れるのか否か、それは恵自身が決めて証明せなあかんねん、恵今回の食戟メインは恵や」

 

俺の言葉に緊張がピークまで来たのか体が震え出し、呼吸も過呼吸気味になりだした、俺は恵を落ち着かせる為に恵の頬に手を置き優しく話しかけた

 

「大丈夫や恵、お前なら大丈夫、俺なある人に言われてん、料理ってのは皿の上に自分の全部を載っける事だって、恵自分の料理を作るんや、恵だけの恵だから作れる料理を」

 

俺の言葉を聞き恵は落ち着いてメニューを考えだした、その後小次郎さんが先に調理に取り掛かり、ソーマ達も下ごしらえを始めた。

 

しばらくして小次郎さんの料理が先に完成した、小次郎さんの料理はシューファルシ、フランスの家庭でも出てくる一般的な料理、だが中身は全くの別物、中の肉は地鶏胸肉のファルスか、それにこの包んでいるキャベツはサボイキャベツ、加熱すれば上品な甘みが出るやつやな、日本では縮緬キャベツと言われとったっけ?

 

「さすが小次郎さんやな、フランスでのレギュムの魔術師って二つ名は伊達やないな」

 

 

次に恵の料理虹のテリーヌ、小次郎さんの課題のルセットと似た様な品やな、見た目も綺麗やしそれにこれは、ドライトマトか面白いな

 

「なるほど、四ノ宮は新鮮さの美味、そして田所君のは熟成の美味、全く異なる切り口でアプローチしている!」

 

やるやん恵!これなら大丈夫やろ、その後判定に移り最初は小次郎さんが勝っていたが、銀さんがコインを恵の皿に置いた、日向子さんも何故か500円を皿に乗せた、なんで500円かはツッこまんとこ、俺もノリで500円をおいたし

 

「なんのつもりだ、堂島さん、清人」

 

「本当に分からないか四ノ宮」

 

「小次郎さん、俺は小次郎さんに憧れてたよ、でも今の小次郎さんは見てて面白いないねん」

 

「清人テメー調子にのるなよ!」

 

「調子に乗ってんのはアンタだろ小次郎さん!アンタいつまで同じ所で止留まってるつもりやねん!いつまで停滞しとんねん!」

 

「っ!お前いつから気づいてた」

 

「プルスポール勲章を取った辺りから、小次郎さん早く前の小次郎さんに戻ってや、俺はそんなあんたに憧れたんちゃうねん、それに恵のテリーヌ食うてみ、大事な事思い出せるやはずや」

 

俺は恵のテリーヌを小次郎さんに差し出した、小次郎さんは恐る恐るテリーヌに手を伸ばした、小次郎さんは大事な事を思い出したのか少し涙を流し恵の退学を取り消しにした、恵は喜びの余り泣き出し俺に抱きついて来た、そしてその後食戟は終わり今回の怒涛の食戟は幕をとじた




間に合わなかった_| ̄|○ごめんなさい

そして今回長い、無駄に

取り敢えずお楽しみいただければ嬉しいです

では次回


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十の皿、地獄の宿泊研修その4

第10話です。
今回で地獄の宿泊研修篇もほぼ終わりです。
次の話で最後の研修の締めと少しオリジナルを入れたいと思っています。
ではどうぞ


「う〜ん・・・もう朝か」

 

ソーマと恵そして小次郎さんの食戟が終わって次の日、今日を生き残ればこの宿泊研修は終わりになる。

俺も最後だけ参加さしてほしいと言うてんけど、ダメだと銀さんに一括されたから俺も逆ギレ、俺にも料理させろーとごねた所、宿泊研修が終わり次第空いた時間で卒業達、つまり冬美さん達に俺の料理を振る舞う事になった。

 

「さて起きるか「ふにょん」ん?」

 

なんや?なんか柔らかいもんが俺の左手に、俺は何か確かめる為にもう一度手を動かす

 

「ん・・あっ///」

 

なんやなんや!なんか聞こえたぞ!俺はもう一度手を動かす

 

「あっ・・清人〜///」

 

「冬美さん!なにやっての!!」

 

はい冬美さんが何故か俺のベットにいました。

 

「清人なら良いんだけど、朝から激しく///」

 

「待て待て待て!なんでおんの冬美さん!ってかさっきの柔らかいのは」

 

「私のむ「言わんでええわ!」むぅ」

 

「そんな顔してもかわええだけやで、ってかマジでなんでおんの?」

 

「かわっ///んんっ、昨日荒れてたから人肌恋しいと思って」

 

「さよか、ってか人肌恋しいってなんやねん!」

 

朝から冬美さんと一悶着繰り広げ、俺の朝は終わった。

 

 

 

 

 

朝の一悶着から数時間、俺は今最後の研修内容である

 

卵を使った朝食料理の監視官をやってんねけど、皆色々考えて来とるなぁ、この課題は昨日の夜に銀さんにより発表され、皆寝ずに考える奴とかもおるらしいわ。

 

「清人、この課題はなにが狙いか分かるか?」

 

俺と一緒に監視官をやっている銀さんから話しを振られた

 

「ん?まぁ多分理解してると思うで、この課題で試されてるのは老若男女問わず受け入れらる料理を作ること、それと銀さんが言ってたように驚きを持たせる事つまり、オリジナルに近い料理を出せるか、驚きが強ければそれだけで客の目を惹くことは出来る、けどそれだけじゃあかん」

 

 

「その通りだ、では清人お前が言ったそれだけでは駄目と言った意味は?」

 

「これは簡単やろ、食べる人の五感をどれだけ刺激できるか、見た目、匂い、味、口に入れたときの感触、それらを上手く刺激出来ればこの課題はなんなくいけんちゃうの?」

 

「やはりお前はずば抜けているな、お前をこちら側で参加させて正解だったよ」

 

 

この会話を区切りに俺と銀さんは監視に戻りホールを見回る、この課題はビュッフェ形式になっとるからまず見た目、そして匂いで客を惹きつけなあかんけど、俺はある生徒の前で足を止めた。

 

「やっぱお前の料理は美味そうやな、えりな」

 

「久しぶりね清人君、同じ学校なのに中々会えなかったわね」

 

「それはしゃーないやろ、お互い忙しいかったしな」

 

「そうね、所で私の前で止まったなら食べていきなさい、私の料理を」

 

「いや、美味そうやから食いたいねんけど、俺一応監視官やから食うたらあかんとおも「構わんぞ清人、食いたければ食え」・・・ええねんて、じゃあ一個もらおかな」

 

「くすっ、ええどうぞ」

 

えりなに笑われたのは少し恥ずかしかったけど、気を取り直してえりなの料理を見る、えりなの料理はエッグベネディクト、アメリカ発祥の朝食とされとるけど諸説が有り曖昧な部分も多い料理やな、見た目は普通のエッグベネディクトやけど、えりな程の人間が作れば普通の料理でも何倍も美味しそうに感じる、俺はエッグベネディクトをナイフで一口大に切りフォークで口に運んだ

 

「・・・!なるほどカラスミか」

 

「流石ね、その通りカラスミを加えてあるわ」

 

「確かにこのエッグベネディクトは美味い、ベーコンやマァフィンの火入れは完璧や、それにこのオランデーソースの酸味も良い味を出しとる、でもこれだけではその辺にあるエッグベネディクトとあんま変わらん、そこでカラスミを使った訳やな、魚卵も卵や鶏卵だけが卵ちゃうからな」

 

「やはり貴方は一年の括りを飛び抜けてあるわね、講師側って事が納得できるわ」

 

 

「そらどーも、取り敢えず美味かったごっつぁん!えりななら直ぐに200食行くやろ、頑張りや」

 

えりなの料理を食べ俺は隣のキッチンに目を移した、其処にはソーマがいてソーマはスフレを作ってるみたいやけど、そのままやったらヤバいでソーマ、俺はソーマの前まで行った。

 

「よう清人、どうだ食ってくか?」

 

「ほな貰うわ」

 

俺はソーマに貰ったミニスフレオムレツを食べた、うん普通に美味い、スプーンで押すと軽く跳ね返る程の弾力にふわふわのスフレのような感触、確かにこの味と見た目なら大丈夫だろ、このままの状態ならの話やけどな。

 

「ソーマ美味かった、でも一つだけ言うとくわ・・・このままやったらお前ここで落ちるぞ」

 

「なっ!どういう事だよ清人!」

 

「悪いな、友達として言えるのはここまでや、後はお前が気付かなあかんねん、頑張れよ」

 

俺はそのまま他の生徒を見に行った。

 

 

sidソーマ

 

 

どういう事だよ、このままじゃあ俺が落ちる?このスフレオムレツじゃあ駄目なのか、俺は何故駄目なのか考えていると

 

「清人君に感謝するのね、貴方のその料理じゃ清人君の言う通りここでサヨナラよ」

 

俺は理由が分からなかったが取り敢えず料理を切らさない様に次次と焼いていった。

 

 

それから暫くして次の焼けた分を出そうとした時、俺は清人の言葉の意味をようやく理解した。

 

そうスフレが時間と共に萎んで全く美味しそうに見えなかった、萎んだせいで客足も無くなり、全部薙切の方に客足は向いていた。

 

「そうか、これが清人の言葉の意味だったのか」

 

「ようやく理解したようね、ビュッフェに於いて見栄えと美味しさの持続性は何よりも重要になる・・・つまり君はこの課題で最も作ってはいけない品を選んだの!」

 

「・・・・・」

 

「ようやく君とお別れね・・・後30分間私の美しい料理を指をくわえて眺めておいでなさい」

 

 

落ち着け俺こんな所で終われるか、俺は親父を超えて清人を超えて、この遠月のてっぺんを取るんだ、考えろもっと冷静になれ俺

 

「残り30分ちょいで190食、まず客を捕まえて・・・ふぅつ・・・ギリギリか・・・っし!」

 

俺はこんな所で負けれるかよ

 

 

 

sid清人

 

 

ソーマのやつようやく気付いたか、ここからどうやって挽回する?時間は残り少ないで、俺はソーマを見ているとソーマが一人の女の子を捕まえて目の前でスフレを作って差し出した、女の子はそのスフレを食べ美味しいとはしゃいでいた、その騒ぎを聞きつけまた客が来る、そして人が人を呼びソーマの前には人だかりが出来ていた。

 

ソーマはチャンスとばかりに客の目の前でスフレを作りながら料理を出していった。

 

「成る程ライブドアクッキングか、考えたなソーマその方法ならギリギリやけど行けるかもな」

 

俺の予想通りソーマはギリギリ200食を達成し、この課題をなんとか乗り切った。結構ギリギリだったが終わりよければ全て良しや、さぁ今度は俺らの番やな

 

 

 

 

合宿も5日目の16時、一年は皆ロビーに集められていた。皆ざわざわしていて落ち着きが無く、表情は疲れ切っていた、そしてロビーに銀さんから最後の課題を発表すると言うと皆絶望の顔になっていた、まぁ嫌やろなでも安心しぃや、この課題はここまで残った一年へのご褒美や

 

「ではこの宿泊研修最後のプログラムを始めよう!」

 

 

「うげぇーーやっぱり来たーー!!」

 

「もう無理だーー!」

 

安心しろって、このプログラムは

 

「ようこそ!」

 

「ここまで生き残った628名の諸君に告ぐ、宿泊研修前課題クリアおめでとう!最後のプログラムとは、合宿終了を祝うささやかな宴の席だ、存分に楽しんでくれ」

 

『やったぁーーーー!!』

 

「さぁ・・・皆テーブルへ!今から君らには卒業生達の料理で組んだフルコースを味わって頂く!」

 

銀さんの言葉で皆は歓喜の声を上げた、俺も悠姫達を案内して料理を配膳していく。

 

俺も明日に備えないとな、俺は悠姫達と話しながら明日の事を考えていた




次の話でオリジナルを挟みます。

オリジナルは初めてなので上手く書けるか分かりませんが、頑張りますので宜しくお願いします。

では次回!


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十一の皿、合宿終了そして

ほぼオリジナルです。

どうぞ


地獄の宿泊研修も終わり、卒業生達のフルコースを味わった一年生達は後は帰るだけと思っている、しかし食事会の最中に銀さんから発表があった。

 

「皆今日まで良くぞ生き残った、その褒美として明日1日をこの遠月で過ごし英気を養って欲しい、その際にかかる費用などは遠月が負担する」

 

 

その言葉に一年生達は歓喜の声を上げた、そりゃー嬉しいやろ、なんせ全部タダやねんからな、その後は特にこれといった事も無く食事会は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

最終日やで

 

 

 

 

今日は最終日、一年生達は思い思いに行動している。ソーマ達極星寮組は遠月ホタルのプールや遊具施設に遊びに行っとる、俺も誘われてんけど俺は別の用事で行かれへんと言って断った。

 

その別の用事とは

 

 

「では始めようか清人、ここに居る卒業生達にお前の料理を振舞ってくれ」

 

そう俺は今日、卒業生達に俺の料理を振る舞う。

今回、振る舞う俺の料理はたまたま宿泊研修前から作っていたあの料理、俺はそれを卒業生の人達に出した。

 

「お待たせしました、今回俺が出す料理はスープです」

 

「スープか、清人お前にしては簡単なもんを選んだな」

 

そう言って笑う小次郎さん、スープだって馬鹿にしたらお仕置きだべ〜

 

「四ノ宮先輩は本当に捻くれてますねぇ、だからおんな「ゴッ!」お・・おおっ」

 

小次郎さんをおちょくった日向子さんが頭にチョップをくらい、頭から煙を上げていた。

 

「四ノ宮、清を馬鹿にしたら許さない」

 

「ヘェヘェ、相変わらず清人には優しいねぇ水原」

 

小次郎さんと冬美さんがまた睨み合う、この二人は合うと必ず睨み合って威嚇し合っとる、もっと仲良くして欲しいもんやで

 

「お前達いつまで遊んでいる、今回の目的は清人の料理を食す事だ、喧嘩がしたいなら外でやっていろ」

 

いつまでも止めない二人を銀さんが一括、漸く二人は止まった。

 

「今回は関守さん、ドナートさんも来てくれてありがとうございます」

 

「何を言っている、君は四ノ宮や水原だけで無く堂島さんからも認められている、そんな君の料理を食べれるんだ、こちらから是非お願いしたいくらいだったよ」

 

「その通りです、君の腕を見れるなら幾らでも時間を開けるよ」

 

「ありがとうございます、では皆様お待たせいたしました、こちらが今回の俺のスープ料理、センチュリースープです」

 

俺は卒業生の皆さんの前にセンチュリースープを出した、卒業生達は出された皿の蓋を取る、すると蓋を開けた瞬間この部屋いっぱいにオーロラが広がった。

 

「なんだこれは!オーロラ!」

 

「なんでオーロラが!?もしかして!」

 

「このお皿から出てるの?!」

 

オーロラが出た事に驚愕している小次郎さん達、そして卒業生達は皿の中に目を向けると

 

「おいおい清人どういい事だ、何もねぇじゃねぇか」

 

「清君、オーロラには驚きましたが何故何も入ってないお皿を?」

 

小次郎さんと日向子さんが皿に何も入って居ないと言う、そう俺が出した皿には何も入って居ない・・・ように見えるがそうじゃない、中身はちゃんと入っている、ただ見えていないだけ

 

「・・・!四ノ宮、乾、匂いを嗅いでみろ!」

 

銀さんは気づいたみたいやな、銀さんに言われ二人は皿に顔を近づけた

 

 

「なっ!確かに匂いがする、しかもなんて濃厚な匂いだ!こんな匂いを今まで気づかなかったとは」

 

「本当です!でも匂いはするのにお皿の中には何故何もないんでしょう」

 

 

不思議に思っとるな、俺もこれを作った時はほんまにビックリしたわ。声の通り作った言ったらこれやもんな

 

「清!これはどういう事?なんで濃厚な匂いはするのにお皿には何も無いの?」

 

冬美さんが俺に聞いて来たので俺はスープの事を話した

 

「確かに皿の中にはスープが入ってるで、ただ見えへん、いやめちゃくちゃ見にくいだけやねん、このスープは透明度が高すぎんねん」

 

「それは本当か!この透明感、透明度が高いとかそんなレベルでは無いぞ!まさに透明そのものだ」

 

「数え切れないほどスープをこしましたから、灰汁取りも何百回としました」

 

「果てしない調理過程ですね、こんなスープ僕に作れないですよ」

 

 

関守さんとドナートさんが口々に感想を述べる、でもこんなんで驚いて貰ったら困るで、この料理はここからやで

 

「この程度で驚いてたらあかんで皆さん、さぁスープを飲んで下さい」

 

 

俺は言葉に卒業生達は、スプーンを持ちセンチュリースープを飲んだ。

 

 

sid銀

 

 

 

俺は開いた口が塞がらない、清人が出してきた料理センチュリースープ、これは本当に今まで見た事ない料理だ、それにこの透明感、肉眼ではほぼ見えないこんな料理があった事に驚きつつも清人に勧められスプーンをスープに浸した口に運んだ。

 

 

「・・・もぐ!・・・なんだ!?思わず噛んでしまった!」

 

なんて濃厚なスープなんだ!まるでステーキを口に入れたような濃厚さだ

 

「凄すぎる!旨味の種類・数がハンパなく詰まってる」

 

「美味しさのぶ厚い層が口の中でだんだん広がる!」

 

関守とドナートも驚いているようだな、それに四ノ宮や水原、乾も皆驚きを隠せていない、こいつらは紛れもない天才達だ、その天才達をしても驚かせる清人の料理、紛れもなく清人も天才の器、そしてここまでの料理を出せる清人自身はまだ成長段階・・・末恐ろしいな。

 

 

それから暫くスープを堪能しながら皆で話していると、思わぬ来客があった。俺達以外この厨房を使ってる事を知っているものはいない、それでもここに来たという事は何かを感じただろう彼女また

 

「失礼します、誰かおられま・・・堂島さん!それに卒業生の皆さんも、それとなんてお顔をされているのですか?」

 

 

訪れた彼女、薙切えりなはそう言って俺達に鏡を渡してきた。はっきり言って気持ち悪い顔をしている、顔の筋肉という筋肉が下がり、なんとも形容しがたい顔になっている。

 

「あぁー言うの忘れとった、このスープ飲むとな顔が大変な事になんねん、皆凄い顔になっとるで」

 

清人は笑いながら補足説明をしてくるがまもう少し早く教えて欲しかったものだ。

 

 

 

sid清人

 

「どないしたんえりな後ろに緋紗子もおるな、二人とも今日は完全オフやろ?」

 

「え・えぇそうなのだけど、何故かここに足が向いてしまって」

 

無意識に足が向いたか、やっぱりえりなも食材に選ばれた料理人か、まだ足らん所も多いけど必ず化けるやろうな

 

「えりな達がここに来た理由はこれちゃうか?」

 

俺は鍋の蓋を開け、センチュリースープを見せた。鍋の蓋を開けた瞬間、またオーロラがこの部屋いっぱいに広がる。その光景を見てえりなと緋紗子が驚く

 

「これはオーロラ!」

 

「なんで厨房にオーロラが!」

 

驚いてる二人にセンチュリースープの説明をすると、飲んでみたいと言うので二人に振る舞った。

 

「なんて濃厚なの!!」

 

「ふわぁぁぁ、美味しい!」

 

二人も美味かったようで良かった、緋紗子は既に顔が蕩けてるな

 

「清人君、この料理凄すぎるわ!一体何種類の食材を入れているの?」

 

「軽く100種類は超えてるな、時間もアホみたいにかかるしな」

 

「でしょうね、美味しすぎるものこんなの食べた事ないもの」

 

「ありがとうえりな、緋紗子は・・・大丈夫か?」

 

俺は緋紗子の方を見るとへたり込んで震えていた、えりなが慌てて近寄ると美味しすぎて腰が抜けたらしい、そんな美味かったか?

 

そして俺の食事会も終わりになり、未だ立てない緋紗子をおんぶして俺達は厨房を後にした。

 

 

sid銀

 

 

清人達が厨房から去って30分程か、残った俺達はある事について話していた。それは清人を十傑に推薦するかどうかだが

 

「いいんじゃないですか堂島さん、俺は推すぜ清人を」

 

「そうですね、正直あのスープを飲んだら十傑すら霞そうですね」

 

「なんなら僕の店で働いて欲しいですね」

 

四ノ宮、乾は賛成か、ドナートは少しズレているがまぁ良いだろう

 

「水原、関守お前達はどうだ?」

 

今まで黙っていた二人に俺は話を振った

 

「私は反対です、清にはもっと同世代と切磋琢磨して欲しい」

 

「同じくです、もう少し機を待ってみてわ」

 

成る程、どちらも頷ける意見だな

 

「よし!今回の清人の十傑推薦は見送る!もう少し機を待っていようと思う」

 

その後、一年生達は遠月に帰り卒業生達も各々の店に帰っていった




ヤバい、オリジナルって思ってた以上にムズイ!
しかも次回もオリジナルになる模様、俺は書けるのだろうか_| ̄|○

今回はどうだったでしょうか?楽しんでもらえれば嬉しいです。

では次回


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十二の皿、出張inフランス

お待たせしました。
漸く執筆する余裕が出てきましたので、書いて行こうと思います。
ただ、前の様にはまだ書けそうにありませんので。週に1話〜2話のペースで行こうと思います。

では今回はほぼオリジナル回です。どうぞ〜


「清人!パイ生地の準備はできてるか?」

 

「問題ないで小次郎さん!」

 

「よし!仕上げにかかるぞ!」

 

どうも清人です。今俺は、フランスの小次郎さんの店を手伝ってます。何故俺がここにおるか、それは一週間前に遡る。

 

 

 

 

一週間前

 

 

 

一年生の地獄の宿泊研修も終わり、暫くたった6月。この時期になると、いくつかの講義が休みになり、生徒達はちょっとした連休ができる。休みの期間は、長いやつで二週間にもなるやつもおる。まぁ俺もその一人やねんけど。

 

っと言うわけで、俺もFに帰って冬美を手伝おうかなと思っててんけど。

 

 

「清人お前今休みだろう?」

 

突然小次郎さんから国際電話が入り、直ぐにフランスの俺の店に来いと俺の用事そっちのけでフランス行きが確定。基本的人権の尊重はどこいってん、俺は冬美さんにその事を伝えると。

 

 

「さっき四ノ宮から連絡があった、清の成長のため仕方ない」

 

 

なんとまぁ冬美さんもOKを出したので、俺はえりな達にフランスに行くと伝え、次の日にフランス行きの飛行機に乗った。

 

 

 

これで冒頭に戻るんやけど、結構忙しんだなこれが。流石フルスポール勲章を受賞した小次郎さんの店や、さっきから客が切れる事がない。俺は厨房で全体のサポートを任された、いきなり来た俺がそんな役をやってええんか聞いたら

 

「俺を除いてお前以上に仕事できるヤツはまだ(・・)ここにはいねえよ」

 

「まだなんや」

 

俺がニヤついた顔で小次郎さんに聞き返すと、知らん顔して調理に戻った。それからは全体を手伝いながら、厨房にいるみんなとコミュニケーションを取っていった。

 

「清人って凄いね、料理長のスピードについていけるなんて」

 

「そんな事ないっすよリュシさん、なんだかんだ必死です」

 

俺は肉料理担当のリュシ・ユゴーさんと会話をしながらも、手は休めず作業を続けた。

 

「えぇーでも料理長言ってたよ、あいつ程料理に愛されたヤツを見た事ないって」

 

「え!小次郎さんがそんな事言ってたんすか?」

 

「うん!すっごく褒め・・て・・・・た・・・・」

 

いきなり黙って大量の汗をかき出したリュシさん、なんか俺の後ろを見てるような

 

〈手だけ動かしてろ!〉

 

うわ〜小次郎さんめっさ睨んどる、リュシさんは何か感じ取ったのか凄いスピードで頷いて作業に戻った。

 

それから数日、早いもんで俺がここに来て既に一週間。帰りの飛行機の関係上明日の夜にはフランスを出なあかんねんけど、なんでも今日の夜に新作料理のコンペをやるらしく俺も参加しろ言われた。

 

 

「ええんすか?俺みたいな新参者が入っても」

 

「構わねえよそれに言ったろ、お前にはそれだけの実力がある」

 

「そうそう、昨日作ってくれた賄いの鶏のトマト煮バスク風凄く美味しかったし」

 

「私も反対なんかしないわよ、清人君はそれだけの力があるもの」

 

今話したのは高唯【カオ・ウェイ】さん、普段はサービス担当やけど前まで肉料理を担当しとったらしい。

 

「俺も賛成だ、清人の料理をもっと食べてみたい」

 

次に副料理長のアベルさんが、俺の料理を食べてみたいと言ってくれた。

 

「分かったか清人、今ここにいる連中はお前の事を認めているだからお前は今出せる最高の品を出せ!」

 

 

「分かったで小次郎さん、最高の品だしたるわ!」

 

俺は俄然燃えてきた、絶対全員唸らせるような品を出したる

 

 

 

そして夜、新作料理のコンペはスムーズに進み残すは俺だや。今俺が出せる俺の料理、しっかり見たってや小次郎さん

 

「お待たせしました、白菜もズワイガニの土のドレッシング 土の泡添えです」

 

これが俺が今出せる最高のフランス料理や!

 

 

sid小次郎

 

俺は清人が出してきた料理に名に違和感を覚えた、今あいつ土って言わなかったか?

 

「清人君私の聞き間違いかな、今土って言わなかった?」

 

「言ったで、土ドレッシング 土の泡添えって」

 

唯が俺の代わりの聞いてくれたが、聞き間違いじゃなかったか。

 

「待て待て清人!いく何でも土ってお前・・・」

 

まぁアベルが言う事も分かる、料理において土を使うなんてのはタブーだ。それを清人は敢えて選び俺たちの前に出した、それ程までに自信があるのか。俺は覚悟を決め、清人が出した料理を口に運んだ。

 

 

sid清人

 

小次郎さんが俺の出した料理を口に運んだ、暫く咀嚼すると

 

「美味い!」

 

「本当ですかシェフ!」

 

「あぁー美味い、清人これはなんだ?本当に土か?」

 

「紛れも無い土やで、ただ普通の土やなくて黒土やけどな」

 

「黒土?なんだそれは?」

 

アベルさんが聞いてきたから答えよか

 

「黒土ってのは元々は火山灰土っていう関東ローム層の表面部分の土なんですよ、そこに枯れた葉っぱなどの植物が長い年月をかけて出来たのが黒土です」

 

「腐葉土みたいなものか、しかし食材としては無理があるんじゃないか?」

 

「大丈夫ですよ、安全面もしっかり考慮してるしそれに栄養価もかなり高いんで」

 

「なるほどな、確かに土を使う料理は聞いた事がある。清人今回は其処からとったな」

 

「まぁそうですね、でもその料理自体は俺のオリジナルやで」

 

「ふん、相変わらずお前は面白い料理を作りやがる」

 

「小次郎さんにも負けたないんすよ」

 

「はん、ぬかせまだ負けねえよ」

 

「いつか必ず負かしますよ、俺の料理で」

 

「ふん!・・・よし合格だ、明日より清人の料理をメニューに加える」

 

 

新作料理のコンペも終わり、俺は日本に帰国。その後聞いた話しによると、俺の作った料理が大反響を呼んだとかよんでないとか




はい、どうでしたでしょうか
もうグダグダですね、分かってす。
オリジナルって本当難しい、オリジナル書いてる人は本当に凄いと思う。
また少し空きますが、次回をお楽しみ

土料理本当にあるんだよ笑


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十三の皿 秋の選抜 選ばれた者達

遅くなってすいませんm(._.)m
仕事が立て込んでおり、とても忙しいのです。
頑張って週に1〜2話は上げたいのですが、どうしても時間が取れない^^;
言い訳はこの辺にして、第13話楽しんで下さい(^.^)


NOsid

ここは遠月学園10傑評議会会議室、ここでは遠月におけるあらゆる物事が決められる。そして今日もまた、ある議題について話し合いが行われていた。

 

「この生徒の選抜入り・・・審議をやり直すべきです!!」

 

「しかしその生徒について先日可決を」

「いいえ!彼の素行には問題がありますわ!由緒ある美食の祭典に相応しいとは思いません!」

 

今、異を唱えているのは薙切えりな。今回の議題、秋の選抜についてある生徒が出る事に反対の意見を唱えている。その生徒とは

 

「薙切君、料理に対する君の意見は常に正しい・・・なのに何故か創真くんの事になると、どうも非論理的に感じるね。彼と何かあったのかな、例えば・・・個人的に?」

 

「っ別に!・・・ただ私はこの男が不適格だと・・・」

 

そう、反対されているのは幸平創真である。

 

「一色さん・・・貴方こそ、ご自分の寮の後輩を優遇なさってるんじゃありません事?」

 

「ふふ・・・そんな事ないさ」

 

威嚇するように話す薙切えりなに対し、にこやかに受け流す一色との間には確かに火花が散っていた。

 

「俺は推すぜ?」

 

そこに新たな賛成意見を述べた者がいた、第九席叡山枝津也。

 

「確かに学園での実績は少ねぇ、遠月に入って日が浅いようだしな。けど合宿では土壇場の機転で200食達成・・・初日の課題でも高評価を得ている。こういう型破りな素材こそ祭典を盛り上げてくれるんじゃねぇか?何が不満なのか俺には分からねぇなぁ」

 

「そうだな、それに既に選出されているが俺は桜清人を再度推すよ」

 

叡山の後に話した男は、第1席司英士。遠月評議会のトップに君臨する男である。

 

「よし、ではこれで最終決定としよう!」

 

司のその言葉で議題は終わり、各々部屋を出て行った。

 

 

sid清人

 

よっ!清人や、俺は今学園の真ん中にある広場に来てる。何故来たかと言うとやな、秋の選抜に出られる生徒が掲示板に張り出されるらしいねん。さて、俺も選ばれてるか確認しよ。

 

「おぉー!あったあった」

 

俺の名前は直ぐに見つかった、俺は他に悠姫や恵達の名前が無いか探していると

 

「おっしゃらー!!」

 

「痛ったい!」

 

なんやら逞しく声が聞こえたので、そっちに視線を向けると悠姫達がおった。

どうやら、悠姫も入ってるみたいやな。俺は悠姫達に合流すべく、悠姫達の元に向かった。

 

「よう悠姫、どうやら名前あったみたいやな」

 

「あっ!清人、うんあったあったよ!!」

 

「私もあったわ、それに伊武先君や幸平くんも選ばれてるわ」

 

「そっか、創真今度は俺も参加するからな。覚悟しとけや」

 

「へへっ、やっと清人とやれるんだな。楽しみでしょうがねぇよ」

 

「俺もや!お互い楽しもうや」

 

「おう!」

 

俺たちは握手をして、お互いに気合いを入れた。そして、帰りに悠姫から選抜に選ばれたお祝いに食事会をすると言われ、その食材会に誘われた。特に断る理由も無かった俺は二つ返事で了承して、悠姫達と一緒に極星寮に戻る事にした。

 

 

でもこの時、俺は思ってもいなかった。あの人が来ているなんて




ちょっと短いかな?^^;
次はもう少し長く書きたいと思ってます。
では、また次回(^.^)
また少し空きますが、必ず更新するので待っていて下さい。
よろしくお願いします(^.^)


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十四の皿 親子と師弟

ひっそり更新〜
遅れて申し訳ないです。原作が最終局面ぽいので、全部終わってからと思ってましたが、続きが読みたいと言ってくれてる読者様がいますので、投稿したいと思います。

楽しんでね


side清人

 

掲示板で秋の選抜出場者を確認した後、俺は誘われたのもあって極星寮に来ていた。

選抜に選ばれたメンバーは不安と期待が入り混じったような面持ちだった。

 

俺は選抜に選ばれたメンバーに

 

「今から不安になってもしゃーないやろ?」

 

「清人…」

 

「選抜までまだ時間はある!自分の最高の品を出せるように全員で頑張ろうや」

 

「そうだね、今から不安になってたら本戦になんかいけないもんね!」

 

「清人君、私も頑張るよ!」

 

「その意気や恵!」

 

他のメンツも不安そうな顔は無くなった、俺たちそのまま極星寮のキッチンに向かった。

俺は居るのはてっきりふみ緒さんだけだと思っててんけど、

 

「よう創真、それに清人も帰って来たか!ちょっと手伝え」

 

「ん、わかった」

 

「いやいや、城さん!いつ帰ってきてん!後、創真お前も少しは疑問持てや!」

 

「っ!幸平のノリで手伝いそうになったわ!なにやってんだこんな所で!!?」

 

「それが普通の反応や!」

 

「なんだい?知り合いかい?」

 

「ど・・・どなたですか?」

 

「遠月学園及び極星寮のOBだよ」

 

「遠月OB!!?」

 

「ジェネレーションギャップだねぇ・・・十傑第二席才波城一郎を知らないとは」

 

『元十傑第二席!!?』

 

「さ・・・いば?」

 

「そういやー、銀さんが才波って言っとったな」

 

「あ、そろそろ米が炊けるぞ創真、清」

 

「うるせぇ!いいから説明しやがれ親父ィ!!」

 

『親子!!!?』

 

「取り敢えず俺も説明してほしいな師匠」

 

『弟子!!?』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「親父が遠月OBで、極星寮出身で、しかも十傑・・・さすがにコレは・・・1度に飲み込むのは気力が・・・」

 

「おお・・・珍しく幸平が動揺してる・・・」

 

「まぁ〜無理もないやろ、自分の親父が同じ学校で、同じ寮出身で自分よりも更に上にいた事なんか、そう直ぐには飲み込めんて」

 

「清人はあまり驚いてないよね?」

 

「俺は元々、城さんがどういう人か知ってたし、短い間やったけど城さんの元で料理を学んでたからな」

 

「ほんとに!!?それって凄い事だよね!!?」

 

「まぁーそうやな、恵まれてたと思うで・・・色々な料理を知れたし、常識ってもんを壊せる強さを得られたんは城さんのおかげやな」

 

「なんだなんだ清、二人でイチャイチャしてー」

 

「イチャイチャはしてへんよ、ってかマジでなんでいきなり来たん?」

 

「まぁー創真とお前が何処まで成長したか見に来たってのもあるが・・・清、後で話がある。」

 

「重要なん?」

 

「かなりな、これには銀も一枚噛んでる。取り敢えず後で話そう」

 

「わかった」

 

 

それからは城さんが作った料理をみんなで食べた、各地を旅した城さんらしい他者多用な料理、中にはゲテモノ料理もあったけど、それはあのゲテモノ親子に任せておこう。

 

その後、俺は城さんと二人で話しをした。城さんから聞いた話は衝撃的な内容で、正直信じられないと言うのが俺の感想だった。しかし遠くない内にそれは確実に起こると城さんに言われ、俺は嫌な汗をかいた。城さんにはまだ動かなくて良いと言われてんけど、何人か話を聞かなあかん人が出来たから、その人らには話してみると城さんに伝えた。出来る事なら起きてほしくはないねんけどな。



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