バカとテストと召喚獣~もうバカとはいわせない~ (青猫ハマト)
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1話

ここは文月学園、ここでは試験召喚システムという珍しい制度を取り込んでいる場所だ。

そこで吉井明久は試験を受けていた。

 

(これが難しいと噂の振り分け試験か……)

 

(確かに難しいけど問題ない........この程度なら)

 

(十問に九問はとける!これならAクラスも余裕だ。)

 

吉井明久は元々頭は悪い方だった。

だが、ある日を境に、急に勉強を始めたのだ。

昔の彼ならば頑張ってもDクラスだっただろう。

 

ガシャン!

吉井明久の隣で音がした。

ふとみると姫路瑞希が倒れていた。

 

「おい!大丈夫か?」

 

監督の先生がよって来たので大丈夫だろうと思い、またテストを再開していると姫路は、

 

「明久くん!何で助けてくれないんですか?」

 

等と意味の分からないことをいってきたので、

 

「いや、先生が連れていってくれるから大丈夫でしょ?」

 

「ああ、私が連れていくので西村先生に監督をしてもらう。」

 

「嫌です!明久君が助けてくれるまでうごきません!」

 

記憶が確かならば姫路瑞希という人物はもっと常識を持った人だった筈だ。

だが、

 

「先生!離してください!明久君?恨みますからね!」

 

この始末である。

彼女を変えたのは他でもない明久自身なのだが流石にきづくわけもない。

 

かくして試験は終了した

結果が待ち遠しい。

 

そして当日、

 

「吉井、おはよう」

 

彼は西村教諭、生活指導の鬼として鉄人とも呼ばれている。

 

「あ、おはようございます。西村先生」

 

「ほれ、受けとれ」

 

先生は箱から封筒を取りだし明久に渡した。

 

「ありがとうございます。でも何でこんな面倒なやり方でクラス編成をしているんですか?」

 

「普通はそうするんだがなぁ」

 

「大変ですね」

 

そういって封を切る。

 

「吉井、今だから言うがな、俺はお前をもしかしたら馬鹿なんじゃないかと疑っていたんだ」

 

「たが!お前はよく頑張った!おめでとう。お前は」

 

『吉井明久……Aクラス』

 

「正真正銘の頑張り屋だ!」

 

「よっしゃあああああああ!!!」

 

 

【第一問】

 

問 以下の問に答えなさい。

 

『調理の為に火をかける鍋を制作する際、重量が軽いのでマグネシウムを材料に選んだのだが、調理を始めると問題が発生した。このときの問題点とマグネシウムの代わりに用いるべき金属合金の例をひとつ挙げなさい』

 

 

 

姫路瑞希の答え

 

『問題点......マグネシウムは炎にかけると激しく酸素と      反応する為危険であるという点

 合金の例......ジュラルミン』

 

 

教師のコメント

 

正解です合金なので『鉄』では駄目という引っ掛け問題なのですが、姫路さんはひっかかりませんでしたね。

 

 

 

土屋康太の答え

 

『問題点....ガス代を払っていなかったこと』

 

 

教師のコメント

 

そこは問題じゃありません。

 

 

 

吉井明久の答え

 

『合金の例.....未来合金(←すごく強い)』

 

 

教師のコメント

 

すごく強いと言われても。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「....これは教室なのかな?」

 

到底教室とは思えないスイートルームのようなものの前で驚愕していると、

 

「吉井....おはよう」

 

「うわっ!って霧島さんか、おはよう」

 

「吉井もAクラス?」

 

「うん、頑張ったからね。」

 

「そう、宜しく」

 

「宜しくね、霧島さん」

 

2-A 吉井明久

 

現代国語:980点

古典:1000点

数学Ⅱ:780点

数学B:826点

リーディング:995点

英語:1045点

英語X:1090点

現代社会:920点

日本史:1627点

世界史:1829点

化学:876点

物理:915点

生物:1121点

家庭科:1500点

保健体育:2080点

 

合計17784点

 

自分でいうのもアレだがうん、引くな。

 

「霧島さんは合計何点?」

 

「4896」

 

「アレ?もしかして僕が首席?」

 

「多分そう」

 

「うわっ、頑張り過ぎたかなぁ」

 




誤字報告ありがとうございました。


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2話

明久はなんやかんやで自己紹介も終わり休みを堪能していた......筈だった。

何故筈なのか?と聞かれると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在、吉井明久は殺されかけていた。そう、比喩にあらず。

何故、殺されかけているのか?と相手に問えば恐らく明久が悪いと答えるだろう。

だが、問題は、犯人だ。何故この人が自分を殺そうとしているのか明久は分からないだろう。

何せ心辺りがないからだ。

明久は、さりげなく聞いてみた。

 

「ねえ?何でこんなことしてるの?」

 

「明久君があの時見捨てたからです!」

 

恐らくこの会話で犯人は分かるだろう。

そう、姫路だ。

 

「見捨てたっていつのこと?て言うか何の話なの?」

 

「試験中倒れたのに何で明久君が運んでくれないんですか?」

 

「いや、監督の先生が運ぶって言うから」

 

「そ、れ、で、も、吉井君じゃなかったからオシオキです!」

 

?何故だろう?彼女は言葉のキャッチボールというものを知らないのだろうか?

まるで話が噛み合っていない。

それに何故自分に構って来るのか想像出来ないようだ。

 

「あ、明久君が悪いんですからね!私の気持ちを分かってくれないから!」

 

確かに、姫路は明久に好意を持っている。

だが、明久が気づくわけがない。

それどころか釘バットを持った彼女を見た明久はこう、思っているだろう。

彼女は自分の事が嫌いなのだ。

と。

とりあえず明久は再度聞いてみた。

 

「ねえ、姫路さん僕の事が嫌いなの?」

 

「な!まだ気づかないんですか?許しません!」

 

いや、気づく者がいたら素直に誉めよう。

賞金100万円ものだ。

 

「えいっ!」

 

いきなり釘バットを振り回して来た。

彼女の行動は本当に分からない。

彼女は明久を殺す気なのかと思う程の殺気をこめていた。

だが、明久に勝てるわけがない。

明久が見事カウンターを決めて、

 

「きゃあ!」

 

相手を沈めた。

明久は対人格闘では敵はいない。

あの鉄人ですら勝てるほどの強さだ。←あの鉄人すら勝てないほどの強さだ。

え?原作見てないから強さ分かんないって?

趣味がトライアスロンの仕事を

間違えてる化けもんだy「何が化けもんだ!」

地の文に突っ込まないでよ。

ってかいたんだ。

 

「読者が見ているんだからさっさと進めろ!」

 

その前にメタ発言やめろよ。

 

「ところでお前らは何をしているんだ?」

 

「先生!明久君が私に暴力をふるったんです!」

 

「何?それは本当か?」

 

「いえ、釘バットでやられそうだったので防いだだけです」

 

「おい、姫路。どういうことだ?」

 

「明久君が悪いんです!私はオシオキをしたいだけです!」

 

「吉井、何かしたのか?」

 

「さあ?何か試験の時助けなかったからだそうです。」

 

さあ?となるのは当たり前だ。何故ならさっきも言ったが本当に心辺りがないからだ。

 

「はぁ~、姫路ついてこい」

 

姫路は反抗していたが鉄人に敵う筈もなく連れて行かれた。

 

「何だったんだろう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

補習室では、

 

「姫路、お前は吉井の事が好きなんだろう?何故、殺そうとした?」

 

「明久君が気づいてくれないからです!」

 

「暴力では逆効果だ!」

 

「先生は黙って下さい!」

 

なんて事があったとか。




今日も短めです。そろそろ長編を書いていきますので宜しくお願いします。

活動報告にてヒロインリクエスト投票をしております。

ではまた今度、感想 もろもろも宜しくお願いします♪

さようなら!


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3話

明久がAクラスにいるFクラス

 

 

 

「明久のやつ遅いな。初日から遅刻か?」

 

ガラガラガラ

やっときたか。

 

「すみません。すこs「早く座れ、このウジmって先生でしたか。」

 

まさか初日から遅刻とは明久はやっぱ明久だな。

 

「皆さん席についてください。HRをはじめますので。」

 

「うーっす。」

 

俺は先生の指示通り席についた。

 

「皆さん全員にー」

 

先生の話が始まったが俺は聞かん。

おっと、だれかが質問してるな。

 

「先生!俺の座布団に綿が全然入ってません。」

 

「先生!台が壊れました。」

 

普通の学校ならば変えるだろう。

だが此処は違う。

 

「我慢してください。」

 

流石に酷すぎだろ!

 

「先生!このキノコ食べていいですか?」

 

「毒が無ければ構いません。」

 

「先生!毒蛇が迷い混んでます!」

 

「補食しても構いません。毒は自分で抜いてください。」

 

駄目だ。とても此処が学校の教室だとは思えない。

 

「では自己紹介を始めてください。」

 

廊下側から始めるそうだ。

 

「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる。」

 

秀吉か。確か古典が得意だった筈だ。

恐らく戦力になるだろう。

 

「………土屋康太」

 

やはりムッツリーニもFクラスか。

あいつは保険体育なら学年1だ。

これで戦力2人目だな。

 

「島田美波です。趣味は吉井明久を殴ることです☆」

 

島田か。あいつは数学がBクラス並みだったな。

さて、そろそろ俺かな?

 

「あの、遅れて、すいま、せん」

 

「えっ?」

 

なっ!これは想定外だぞ。何でここにいやがるんだ?

 

「丁度よかったです。今自己紹介中なので姫路さんもお願いします。」

 

「は、はい!あの、姫路瑞希といいます。よろしくお願いします。」

 

姫路が居るなら作戦の練り直しが必要だな。

にしても明久はついてないな。まさかもう1年こいつらと同じとは。

 

「はいっ!質問です!」

 

「あ、は、はいっ。何ですか?」

 

「何でここに居るんですか?」

 

おい、流石に他にも言い方があるだろ。

 

「そ、その」

 

「振り分け試験の最中、熱を出してしまいまして。」

 

なるほどな。だが、助かったな。

 

「き、緊張しましたぁ~。」

 

「ところで、明久君はどこですか?」

 

「それがまだ来てねえんだよ。」

 

あいつもしかして休みか?

 

「そうですか。」

 

そうだ!先生に聞いてみよう。

 

「先生!明久は今日休みですか?」

 

「いえ、来ていますが。何故ですか?」

 

「来てる?このクラスじゃないんですか?」

 

運良くEクラスにでも行けたのか?

 

「吉井君はAクラスです。」

 

「「「「「ハアァァァァ!!!?」」」」」

 

「先生!聞こえ間違えかも知れないので何クラスかもう一度いいですか?Aクラスって聞こえた気がするんですが。」

 

「はい、Aクラスですよ。」

 

「カンニングだ!」

 

「そうだそうだ!」

 

明久がAクラスだとぉ?!カンニングしか、でも監督は鉄人だ。

できるわけが。

いや、だがもしかしたらAクラス下位には。

 

「学年首席です。」

 

無理だ!カンニングでも学年首席にはなれない!

って事は本当に実力で……くそっ!また計画が狂った!

 

「先生!Aクラスに行ってきていいですか?」

 

「姫路さん、何の用ですか?」

 

「明久君をつれ戻してきます。」

 

「姫路さん。吉井君はAクラスですよ?やめてください。」

 

「嫌です!」

 

「静かにしろっ!」

 

「まだ俺の自己紹介をしてなかったな。」

 

せめてこのメンバーでBクラスまででも行ってやる!

 

「俺は代表の坂本雄二だ!さて皆に聞きたい!」

 

俺は周りを見渡して

 

「かびくさい教室、古く汚れた座布団。」

 

「Aクラスは冷暖房完備の上、座席はリクライニングシートらしいが!」

 

「不満はないか?」

 

「「「「「大ありじゃぁっ!!」」」」」

 

「だろう?俺だって不満だ。そこで皆に提案だ!」

 

「俺達で!」

 

そう!

 

「Bクラスに試験召喚戦争を仕掛けようと思う。」

 

 

坂本雄二は戦争の引き金を引いた。




今回はあまり進みませんでした。

感想、評価、お願いします。

さようなら!


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4話

リクエスト途中結果。

霧島翔子 3票

佐藤美穂 1票

皆さん明久×優子に見飽きていますね。


Bクラスへの宣戦布告。

それはFクラスにとって、可能性のある提案だった。

 

「おい、坂本!本当に勝てるのか?」

 

「これでも俺らはFクラスだぞ?Bクラスに勝てるのか?」

 

確かにもっともな考えだ。

何故ならこれは振り分け試験の直後なのだ。

Eクラスですら勝てるのか分からない。

更にこのクラスには吉井明久は居ない。

明久ならば点数が低かったとしても観察処分者のお陰で2倍位の勢力なら互角に渡りあえる。

だが、

 

「安心しろ!勝てるメンバーは揃っている!」

 

「まずは土屋康太。名前だけだと分からない者がいるだろう。こいつはあの有名なムッツリーニだ!」

 

俺がそういうと、

 

「ムッツリーニだと!?」

 

「馬鹿な、奴がそうだと言うのか?」

 

等とムッツリーニだけで通じるので便利だ。

 

「姫路だっている!力は皆も知っているだろう。」

 

「そうだ!彼女が居る!」

 

「姫路さん!付き合って下さい!」

 

「「「「「異端者だっ!!」」」」」

 

このクラスには馬鹿しかいないのか?

勝てる気がしなくなってきた。

 

「木下秀吉だって居る!」

 

「ああ。あいつは確か木下優子の!」

 

「木下さん!結婚してください!」

 

「ワシは男じゃ!」

 

「「「「「な、なんだってー!!!!」」」」」

 

最早何も言うまい。

 

「そして島田だ。」

 

「一応、Bクラス並みの学力だ。数学だけだがな。」

 

「最後に俺も全力を出す!」

 

「坂本って神童とか呼ばれてなかったか?」

 

「って事はAクラスレベルが2人いるのか?」

 

実際俺はもう頭良くないからな。

だが、全体の士気も考えて黙っておくがな。

 

「皆!この境遇は大いに不満だろう?」

 

「「「「「当然だ!!」」」」」

 

「ならば全員筆をとれ!出陣の準備だ!」

 

「「「「「おおーー!!」」」」」

 

「俺たちに必要なのはこんなしょぼい教室じゃねえ!

 Bクラスの設備だ!

 そして!」

 

「「「「「そして!?」」」」」

 

「いつかAクラスを落としてやるぞ!」

 

「「「「「うおおーーっ!!」」」」」

 

「お、おー。」

 

クラスの雰囲気に圧されたのか、姫路も小さく拳を作り、揚げていた。

いや、すごいぞ?窓割れるかと思ったし。

 

「では、須川!まずはお前がDクラスへの宣戦布告に  逝ってこい!」

 

「わかった!」

 

興奮してFクラスからの宣戦布告の恐ろしさを忘れてるな。

使いやすい駒はまだあるな。

 

 

 

 

 

15分後

 

「うぅ。」

 

案の定ボコボコにされて帰ってきたな。

 

「お疲れさん。須川。」

 

「じゃあ島田、秀吉、姫路、ムッツリーニ着いてきてく れ。作戦会議だ。」

 

 

 

 

屋上。

 

「よし、作戦会議だ。」

 

「やはり明久が居らんと寂しいのう。」

 

「あいつの弁当何だったっけか?」

 

「塩と水じゃ。」

 

「あの、それって弁当って言わないんじゃ。」

 

まああいつは金全部ゲームとかに費やすからな。

自業自得だ。

 

そんな話をしていると、

 

「やっぱり弁当なら屋上が一番だね。」

 

「そうだね」

 

「吉井君はいつもここで食べてたの?」

 

と、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「おい、明久!お前Aクラスって本当か?」

 

「あれ?雄二達?先に来てたんだ。久しぶりだね。

 確かに雄二の言う通りAクラスだよ。」

 

にわかには信じがたいが残念だな。

 

「吉井!あんた何でAクラスなのよ!今からFクラスに 戻って来なさい!」

 

「し、島田さん、どうして?」

 

「あんたにはFクラスがお似合いなのよ!他の女子とも 仲良くして!」

 

気づかない明久も明久だが島田はもうちょっとオブラートに包めよ。

 

「僕が何処に居ようが何をしようが僕の勝手でしょ?」

 

「うるさいわね!オシオキするから早く来なさい!」

 

理不尽だな。

 

「ちょっと貴女、さっきから聞いてたらどういうつも  り?吉井君を馬鹿にしすぎじゃないかしら?」

 

「そうだね。これじゃあ嫌われても可笑しく無いと思う よ?」

 

「貴女たちは黙ってなさい!部外者が入ってこない   で!」

 

たまにコイツが本当に明久が好きなのか分からなくなるな。

工藤も気付いているらしいな。

 

「部外者じゃないわよ。貴女たちに連れていかれたらA クラスの戦力に影響が出るじゃない。」

 

「そろそろ良いか?島田!今はこっちを優先するぞ。」

 

「で、でも!」

 

「でもじゃない!お前は自分の下らん事とクラスの為の

 会議、どちらを優先するんだ?」

 

そう言うと島田は渋々黙って戻ってきた。

 

「雄二達、Dクラスとでも勝負するの?」

 

「良く分かったな。」

 

「伊達に親友やってないよ。そのあとはBクラス、そし て僕達を狙うのかな?」

 

「いや、お前が居るからな。あの操作技術とAクラス並 みの点数じゃ話にならん。だがいつかは狙っていこう と思うから覚悟しとけよ?」

 

「わかったよ。じゃあ僕達は食べ終わったし帰るね。」

 

「おう、じゃあな。」

 

「では作戦だがー」

 

 

 

 

 

教室 明久SIDE

 

雄二達と別れてすわっていると、木下さんから話掛けられた。

 

「ねえ、FクラスとDクラスの戦争どっちが勝つと思う?」

 

「木下さんはどっちだと思う?」

 

「私はDクラスだと思うわ。」

 

やっぱりそう思うよね。

 

「吉井君は?」

 

「僕はFクラスかな。」

 

「どうして?」

 

「Fクラスには雄二達が居るからね。」

 

「……雄二なら勝てる。」

 

「うわっ!」

 

「.......びっくりした?」

 

びっくりしたよ!気配がないから余計怖いよ。

 

「坂本君ってそんなに強いの?」

 

「.......雄二はまとめるのが上手いから。」

 

「それに姫路さんも居るからね。」

 

 

 

 

 

 

雄二SIDE

 

「これで作戦会議終了だ!帰っていいぞ!」

 

 

待ってろよ。明久!必ずAクラスを落としてやるからな!

 

そう思いながら坂本雄二は戦争に挑もうとしていた。




さあ、やっとDクラス戦ですね。
原作通りの作戦にするかオリジナルな作戦にするか、迷いますね。

では感想、評価お願いします。

さようなら!


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5話

リクエスト途中結果!

オリキャラ 5票

霧島翔子  4票

小山・佐藤 1票

まだまだリクエストは受け付けますので、活動報告コメントに宜しくお願いします。


「須川!木下達がDクラスの連中渡り廊下で交戦状態に入ったわよ!」

 

現在、雄二率いるFクラスはDクラスをかなり圧倒しながら進んでいた。

試召戦争では耳を澄ませばこんな声が聞こえてくる。

 

『さぁ来い!この負け犬が!』

 

『て、鉄人!?嫌だ!補習室は嫌なんだっ!』

 

『黙れ!捕虜は全員この戦闘が終わるまで補習室で特別講義だ!終戦まで何時間かかるかわからんが、たっぷりと指導してやる!』

 

『た、頼む!見逃してくれ!あんな拷問耐えられる気がしない!』

 

『拷問?そんなことはしない。これは立派な教育だ。補習が終わる頃には趣味は勉強、尊敬する人は二宮金次郎、といった理想的な生徒に仕立ててやろう』

 

『それは教育じゃなくて洗脳だっ!誰か助けっ.....(バタン、ガチャン)』

 

皆は思った。

逝くわけにはいかないと。

 

「ん?全体の士気が下がった?ヤバイ!このままじゃおされる!」

 

雄二が考えている中、島田は須川を呼び出していた。

 

「須川、偽情報を流して欲しいんだけど」

 

「偽情報?良いけどスグにばれるんじゃないか?」

 

「ゴニョゴニョゴニョ.......」

 

「成る程!分かった。必ず遂行しよう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

雄二SIDE

 

俺が考えていると放送が聞こえてきた。

 

ピンポンパンポーン«連絡致します»

 

この声は須川か?作戦だろうか。

 

«船越先生、船越先生»

 

コイツは何をするつもりだ?

 

«吉井明久君が体育館裏で待っています»

 

はあ?

 

«生徒と教師の垣根を越えた、男と女の大事な話があるそうです»

 

なっ!?あいつ、あれほど他クラスを巻き込むなといったのに!

 

«ドコッ!»

 

ん?何だ?

 

«あー、あー。船越先生聞こえますか?»

 

明久?

 

«先程の放送はこの生徒の照れ隠しです。本当に話があるのはこの生徒なのであとで自由にお使い下さい»

 

.......明久には後で謝っとかないといけないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吉井SIDE

 

「ふう、片付いた。」

 

僕は須川君を片付けると教室に向かって行った。

教室に入ると、

 

「おい、吉井が帰って来たぞ。」

 

「お前いつの間に移動したんだよ!すげえな!」

 

何度も話し掛けられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな事をしていると先生が帰って来て告げた。

 

「Fクラスが勝ったようです。」

 

やっぱりね。

途中ちょっと焦ったけど無事終わったらしいね。

 

「後、転校生が来てますよ」

 

遅れて来たのかな?

その転校生は身長160位、青髪で目の色が緑色のハーフだった。

なんでかな?見たことがあるような?

 

「名前は『ー』です。」

 

あれ?名前が聞き取れなかったな?なんでだろう。

その瞬間僕の意識は闇に沈んだ。




.......あまり感想が来なくて寂しいなぁ。チラッ

評価とかも欲しいなぁ。チラッ


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キャラ紹介

若干能力等のネタバレがあるかもしれません。



吉井明久

 

容姿 原作通り

 

所属クラス Aクラス

 

学年首席

 

得意科目 保体 世界、日本史

 

明久的苦手科目 数学 科学

 

腕輪 ??? ?????

 

召喚獣 原作の木刀が日本刀に変わっている。

 

召喚獣の腕輪 創造 大嘘つき?????

 

観察処分者

 

 

1年の時はFクラス下位レベルで悪友、坂本雄二と様々な騒ぎを起こしていた。

だが、2年生になる直前にある事が起こり不完全な『????』を手にしてしまう。

その能力のせいで苦しみながらも今の学力を手にすることが出来た。

『ー』と何らかの関係がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ー』

 

容姿 青髪、緑目で大人っぽい雰囲気

 

所属クラス Aクラス

 

得意、苦手科目 ???

 

召喚獣、召喚獣の腕輪 ???

 

明久と何らかの関係を持っている少女。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

島田美波

 

容姿 原作通り

 

所属クラス Fクラス

 

得意科目 数学

 

苦手科目 国語類

 

召喚獣 原作通り

 

召喚獣の腕輪 氷結 50点消費でフィールド上にいる          自分以外の召喚獣を3秒間凍らせ          る事ができる。

          だが、その間召喚獣の攻撃力が通          常の 二分の一になる。

 

 

明久の事が好きでアタックし続けているが、アタックの方法を間違えている。

明久から見ると島田は近づきたくない対象である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

姫路瑞希

 

容姿 原作通り

 

所属クラス Fクラス

 

得意科目 一般的にバランスがとれているため得意科目     なし

 

超苦手科目 家庭科

 

召喚獣 原作通り

 

召喚獣の腕輪 吸収 点数を半分払い、自分の点数が           200点以下になるまで、自分が           削った点数分吸収して、回復す           る。

 

 

島田と同じで明久の事が好きだが、理不尽な為、明久から嫌われている。だが、姫路は気づく事なくアタックを続けている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

坂本雄二

 

容姿 原作通り

 

所属クラス Fクラス

 

得意科目 家庭科

 

苦手科目 保体

 

召喚獣 原作通り 

 

召喚獣の腕輪 接続 50点払う毎に空間の接続をする          ことができる。

 

 

明久の悪友、明久の過去を知っている一人

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霧島翔子

 

容姿 原作通り

 

所属クラス Aクラス

 

得意科目 現国

 

苦手科目 家庭科

 

召喚獣 原作通り

 

召喚獣の腕輪 強化 100点払い自分の攻撃力、防御力          共に二倍にする。

          だが、その代わり速度三分の二に

          なり、跳ぶ事ができなくなる。

 

 

明久の過去を知っている、又、関わっている一人。

『ー』と明久との関係が深い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木下優子

 

容姿 原作通り

 

所属クラス Aクラス

 

得意科目 理数系

 

苦手科目 数学

 

召喚獣 原作通り

 

召喚獣の腕輪 魔剣 50点消費して1体倒すまで速度、          攻撃力が上昇する。

          その代わりに、発動している間、

          1秒に3点づつ自分の点数が、削

          られる。

 

 

明久の普通?の友達。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

土屋康太

 

容姿 原作通り

 

所属クラス Fクラス

 

得意科目 保体

 

苦手科目 数学

 

召喚獣 原作通り

 

召喚獣の腕輪 回復 一度だけ、自分の点数を元に戻す          ことが出来る。

 

明久のせいで今は保体の学年2位をやっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木下秀吉

 

容姿 原作通り

 

所属クラス Fクラス

 

得意科目 古典系

 

苦手科目 現国付近

 

召喚獣 原作通り

 

召喚獣の腕輪 乱舞 30点消費でフィールド上にいる

          自分以外の召喚獣に30ダメージ

          づつ与える。

 

???

 

明久の幼馴染み。

 

???

 

明久の幼馴染みで↑と付き合っている。



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7話

リクエスト途中結果

オリ 8票

翔子 7票

小山・佐藤 1票



まだ受け付けます。
活動報告へレッツゴー!


・・・・・・・・・此処は?

 

「明君!今日も遊ぼう?」

 

「明君!大丈夫?」

 

ああ、そうか。

あの忌まわしい過去か。

 

「明君。どうして.......」

 

僕は、君を.......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は、1年の頃、『ー』が好きだった。

でも、もう、僕は『ー』を好きになれない。

いや、なってはいけないんだ。

あれは、2年生になる前、僕と『ー』は

『ー』の家で遊んでいた。そう、

 

「明君!今度はこれ食べよ!」

 

「うん!」

 

ガチャ バタン

 

「あれ?お母さん帰って来たのかな?」

 

悪夢が近づいているのにも気づかず。

『ー』は帰って来たお母さんを迎えにいった。

僕も、せっかく遊ばせてもらっているので挨拶でも、しようとおもっていた。

その矢先、

 

「キャァァァァ」

 

と『ー』の声が聞こえた。

 

「『ー』!どうしたの!?」

 

そこに行ってみると、『ー』のお母さんがナイフを『ー』につきたてていた。

 

「貴女がっ!貴女が居るからっ!貴女が悪い!そうよ、貴女が悪いのよ!」

 

そう言いながら、『ー』の心臓を.......刺した。

 

「あら?外しちゃった。でも、次はっ!」

 

もう一度心臓にナイフをつきたてるソイツに向かって僕は考えるより先に手が出ていた。

 

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

刹那、僕が殴った衝撃で落ちてきた包丁がソイツの心臓に刺さった。

そして、僕は理解した。

僕は『ー』のお母さんを殺したんだと。

僕は理解した。

僕は、もう、『ー』の横に立ってはいけないと。

さようなら。僕の大好きな、

 

『立風 隣』さん。

 

 

この事件は正当防衛として、事が片付いた。

僕は思った。

これはもう、思い出さないようにしよう、と。

でも、僕は思い出した。

それなら、いっそ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

記憶を消しちゃえ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「....し.....!」

 

ん?何だ?

 

「よし.....ん!」

 

だんだんはっきり.......

 

「吉井...ん!」

 

なんだろう?

 

「吉井君!」

 

ハッ!

 

「ん?」

 

「やっと起きたのね。急に倒れるから心配したじゃな

 い」

 

倒れてた?

いや、それより

 

「君は.......誰?」

 

「.......え?」

 

「此処は?僕は何で.......いや、僕は誰?」

 

あれ?目の前の人が慌ててる。どうしてだろう。

 

「皆!早く集まって!」

 

この人達は?

 

「吉井君!この人誰か分かる!?」

 

「.......優子。何してるの?」

 

目の前の人は優子と言う名前らしい。

 

「君は誰?」

 

「じゃ、じゃあ、この人は!?」

 

「誰?」

 

「.......優子、どういうこと?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔子SIDE

 

転校生?誰だろう。

 

「は、初めまして!」

 

!私はしってる!

『ー』だ!帰って来るなら一言言って欲しい。

 

「名前は『ー』です!」

 

バタン!

 

彼女が言い終わらないうちに吉井が倒れた。

.......吉井。大丈夫?そう言おうとしたその時、

私達の親友、『ー』は教室から出ていった。

 

.......そうだ。忘れていた。吉井と『ー』は

『ーーーーーー』があったんだ。

でも、私が出るわけにはいかない。

早くあの関係を取り戻したい。

そう願っていた。

 

 

 

 

 

 

 

けど、どういうこと?見た感じ吉井の記憶は無くなっている。

私の知らない何かがあるの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ー』SIDE

 

あ、明君!?

どうして明君がここに?

そんなに私達の仲を取り戻したいの?

答えてよ!『ー』!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

病院 明久SIDE

 

..............僕は、誰なんだ?

 

目の前の人が何かいっている。

隣ではそれを悲しそうに聞いている人がいる。

この人達は誰なんだろう。

悲しいって何だっけ?

 

.....................もういいや。

何でか知らない。だけど、記憶は取り戻さない方がいいような気がする。

 

『明君!久しぶりだねっ!』

 

「っ.......!」

 

頭痛がする。

それに、何だ?この声、懐かしい気がする。

 

「明久!大丈夫?」

 

何で大丈夫かなんて聞いているんだろう?

いや、そもそも、

 

「明久って.....................誰?」

 

その人達はもっと悲しい顔をしていた。

何だ?これも懐かしい。

僕は一体、

 

「誰?」

 

「え?」

 

僕は

 

「一体、誰?」

 

「明久、どうしたの?」

 

「僕は一体誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?」

 

怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い

 

「怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い」

 

もう、何だっていいや。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?SIDE

 

やはりあの子と明久を接触させて良かったわね。

 

明久..............もっとなき叫んで私を楽しませて?

 

 

 

 

 

待ってるよ




明かされる真実。

シリアス展開。

そして!

明久.......ぶっ壊れました。

ヤバイ、これからどう書こう。

考えてなぁぁぁぁい!

まあ、なんやかんやで無理矢理繋げます。

感想、評価お待ちしております。

バイバイ!


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8

 後日、僕は学校に行く気力もなくただただ家で寝そべっていた。

 いつもならゲームをしているはずがやはりそういった気持ちにはなれなかった。

 このまま、登校拒否してやろうか、と部屋のすみで黄昏ながら、昨日の事を思い出した。

 

 あれ、絶対に人違いじゃないよね...。だとしたら、なんでこの学校に来たんだ?

 倒れて、病院で目覚めるまでの間。僕は、ずっと一つの単語を繰り返していたらしい。

 

 嫌だ、と。

 

 実際、そんなことは全く覚えていないし、夢を見た記憶もない。

 さて、これからどうしようかな。

 登校拒否とは考えたものの、そんなことをしていたら親にも迷惑がかかってしまうし、Aクラスの皆にも申し訳がたたない。

 本当にどうしよう。

 

 そんな事を考えていると、ピンポーンとチャイムがなった。

 誰だろう。

 扉を開けるとそこには島田美波の姿があった。

 

 え!?

 僕が驚いたと同時に、彼女はバットを出して殴りかかってきた。

 わりといい僕の動体視力のお陰で、なんとかソレをかわすことができ、とっさに玄関の外に飛び出した。

 勢い余ったバットは止まることをしらないように、地面に叩きつけられた。

 外した勢いをさらに上乗せしたかのように、先程よりも速く、力強く振り回してくる。

 まるで、怒りを溜め込んでいるかの様に。

 無言でなければ怒りが爆発してしまうかの様に。

 迷いなき一本がそこにあった。

 

 何度も避けていると、音に気づいたのかお隣さんがこちらの様子をみにきた。

 お隣さんは一瞬遅れてバットを持った少女が僕を殴ろうとしていることに気付き、すぐに警察に通報しようと携帯をだす。 

 しかし、時すでに遅し、お隣さんが携帯を出した途端、彼女のバットは生き物のように軌道を変えて、お隣さんの頭に鈍い一発を与えた。

 倒れたお隣さんの頭から血が出ている。

 ヤバイ。どうしよう。これマジだ。

 

 「AKIHISAa!!」

 

 今まで無言だった彼女がついに言葉を発した。

 爆発したようだ。

 離れついても分かる異常な殺気に恐怖しながらも避け続ける。

 警察にはお隣さんに彼女が向かっていった時にどうにか連絡できた。

 あとは、警察がくるまで逃げるだけだ!

 

 チラッと後ろを見る。

 そして驚愕した。

 先程まで10メートル程離れていた彼女が今は5メートル程の場所にいる。

 そして、孤軍奮闘虚しく、捕まってしまった。

 僕はバットで殴られて気絶してしまった。

 

 

 

 再び目を覚ますと、そこは病院だった。

 隣には警察の人がいた。

 しばらくして僕が起きている事に気づいた警官が話し掛けてきた。

 

 「あ、君。気がついたのかい。どうだい?なにか思いだせる?」

 

 「あ、あの。僕は何で?」

 

 「君、だよね。通報してくれた人。僕が現場に行くと気絶していた君とそれを引っ張る女性、あとは君の隣の住人らしき人が倒れていてね」

 

 「あ、そうだ!お隣さんは!?あと、彼女は!?」

 

 「まあ、少し落ち着いて。君のお隣さんは無事だ。なんとか急所は避けていたらしいから。それで、女性なんだけど、僕達が確保したよ。現行犯だ」

 

 「...そうですか」

 

 「...まあ、とりあえず落ち着くまで一人にしておくから。何かあったらそこのボタンを押せば近くの警官が飛んでくるから」

 

 「はい、分かりました。ありがとうございます」

 

 「うん。それじゃ」

 

 ガチャンと扉の閉まる音で警官は出ていった。



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9話

 夜が来た。

 僕はまだ病院にいる。

 午後8時をきり、活気がある場所と活気が無い場所に分かれた。

 病院は暗かった。

 二択ならば圧倒的に活気が無い場所だろう。

 

 あの後、落ち着きを取り戻した僕は質問をされた。

 順調に答えていくと、警官の電話が鳴った。

 少し時間がたつと警官の表情が固くなり出した。

 かけ終わると焦りが顔に出ていて、どうしたんですか?と聞いた。

 警官はいや、ちょっとね。とはぐらかしつつも今日はとりあえずいいから、明日また宜しくね。と僕に言った。

 それを二つ返事で返すと、警官はすぐさま扉をあけて、念のため警備つけておくからね。と言った。

 

 僕は何の事か分からず返事をして、今に至るというわけだ。

 僕は、とりあえず寝ることにした。

 直後だった。

 

 ガッ!と何かを殴る音がした。

 その後聴こえたのは警備の人のものであろう、うめき声。

 ガチャリと鳴り、扉がゆっくりと開く。

 影で、入ってきた人物は見えなかったが、誰だか分かった。

 2人いた。

 一人はバット。もう一人は、刃物らしきものを持っている。

 刃物の方はわからないが、バットの方は分かる。

 

 「し、島田さん?」

 

 影達は無言で歩み寄ってきた。

 そこで、影が薄れて様々な色が見えてきた。

 片方は目を紅くして、今にも襲いかかってきそうな島田美波。

 もう片方は、模擬日本刀を持ち、目が死んでいるのでは無いかと思わせる程の怖さを誇る成績優秀者姫路さんだった。

 

 「AKIHISA!殺す...ッ!」

 

 「吉井クーン?どうしたんですかぁ?ふふふ、フフフフフフ。フフフフフフフフフフフフフフフフフフ!!」

 

 ダメだ!狂気の沙汰じゃない!

 島田はすでに、人の言葉のしゃべり方を忘れかけており、姫路は何かにとりつかれている。成績優秀者という肩書きを既に無くしていた。

 

 そもそもどうやって島田さんは脱け出して来たんだ!?

 

 「吉井くん。それはですねー。私が逃亡を手伝ってあげたからなんです」

 

 ダメだ!心が読まれている!これじゃ逃げようもないじゃないか。

 

 「へえ、吉井。逃げようとしてたんだぁ。じゃあたっぷりと御死汚忌してあげなくちゃね」

 

 今度は人の言葉を取り戻した島田さんまでだと!

 狂気のせいで、足が言うことをきかない。

 逃げる選択肢も闘う選択肢も無いってどんなクソゲーだよ! 

 半ば諦めていると、声がした。

 

 「警察だ!動くな!手を挙げろ!お前達は包囲されている!」

 

 銃を構えながら警官が入ってくる。

 だが、いっこうに彼女達は手を挙げない。

 

 「おい!どうした!撃つぞ!」

 

 更なる脅しが入る。

 

 「どうして、ですか?」

 

 「え?」

 

 思いもよらぬ返しに警官は一瞬唖然とする。

 

 「だって、動くなって言ってたじゃないですか。」

 

 なんて屁理屈だ!確かに正論だけども!

 

 「確かに...」

 

 「アンタはアンタで何納得してんだよ!」

 

 「すまないが入りなおしてもいいか?」

 

 「駄目だよ!状況見ろよ!そんな場合じゃないだろ!」

 

 「あ、そうだ!確保ー!確保ー!」

 

 一斉に警官が彼女達を制圧して事なきを得た。

 警察にはあまり頼らないでおこうと思った。




 ガンガン評価や感想、お気に入り登録してもエエんやでぇ。
 頼みます。


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明久バスターズ

 最近ネタに走っているのでシリアスです。()
 これは、突然作者が思い付きで始めたシリアスです。
 正直、本編に関係ないです。
 どっかで見たことあるとか感じるかも知れませんが、完全オリジナルなので()


 この街の名は、イカイトゲンセ・マジワッテル。

 元、博多。

 一夜にして、崩落・再構築され、異次元の租界となったこの都市は今、平行世界を望む境界点、地球上で32番目に剣呑な緊張地帯()となった。

 バカどもの集う街にうごめく、奇怪生物・神秘現象・波動犯罪・机上科学、一歩間違えれば人界は川の侵食不可逆の混沌に呑まれるのだ。

 

 そんな街で、世界の銀行を破る為暗躍する秘密月謝アキヒサ羅武ブラザーズ。

 この物語は、その構成員達の戦いと日常の記録である。

 

 

 それは唐突に起こった。

 いつものように、海岸沿いを逆立ちしながら時速95メートルで歩いていた時だった。

 吉井明久は突然、不安を感じたのだ。

 それが何か全く分からないが、とにかく明久は不安感に包まれた。

 その時だった。

 動揺し、下半身を露出し、片足をかじりながら逆立ちをしてたたずんでいた彼はいつの間にか、自分の家に居たのだ。

 隣には最愛の、そして天使である明久の弟、吉井秀吉が座っていた。

 

 「ッ!これは!?」

 

 明久が驚くなか、頭上には大きな輝きが広がっていた。

 そして、それは二人に聞いたのだ。

  

 「犠牲になるのはどちらのち○こだ」と。

 

 さらに突然の事に足が、いや手が震えてバック転しか出来なくなった明久に再び問いかける。

 

 「さあ、早く選べ」

 

 ッ!ここは僕が!

 そう思うも、全く声が出ない。

 そうこうしているうちに、秀吉が口を動かす。

 まさか、ダメだ!やめろ!

 

 「やめろ!秀吉ぃぃぃ!」

 「奪うなら儂から奪うのじゃ!」

 

 あ、あぁ...。

 秀吉の答えに満足したのか、それは

 

 「承知した」

 

 とそれだけ残し、秀吉のち○こを奪いとった。

 そして、僕に何かを施し消えていった。

 残されたのは、大事な大事なアレを無くしてしまった秀吉、そして。

 

 

 髪の毛を根こそぎ持っていかれ、代わりに植えられた一本の毛と金色に輝く僕のアレだった。

 

 「ヴッくっ!あぁ、ぁぁ!うぁぁぁあ!」

 

 なき叫ぶ秀吉と僕の声は、とても印象的だというように、脳裏から離れることはなかった。

 僕はこの日を一生忘れない。

 そう、僕の運命を分けた、この日の事を忘れることなんてないだろう。

 

 

 

 ハロー秀吉。聴こえていますか?兄ちゃんは元気です。

 異界と現世の交わる街、イカイトゲンセ・マジワッテルに来てから、一ヶ月。

 この街は相変わらずゴタゴタで、非日常に囲まれていますが、楽しく暮らせています。

 

 こんど、そっちに帰ろうと思います。

 まあ、今度とは言っても数ヵ月先になりそうだけど。

 仕送りは忘れないように振り込んでおくので心配はしないでください。

 つもる話もありますから、此処で話すのは辞めておきます。

 それじゃあ。

 僕の最愛の弟、秀吉へ。

 明久より。

 

 僕はボイスレコーダーにそう吹き込んだ。

 アレを失ったショックで視力を失ってしまった秀吉。

 それを何とかするべく、この街に来た僕は異界と現世の交わっていることに期待している。

 

 なぜなら、此処ならばアレは無理でも視力だけは取り戻せるかも知れない。そう考えたからだ。

 

 「とはいっても、今はしがなくバーガー屋のバイトをしてるわけだけど」

 

 僕がこの街に来てから資金を調達しようとアルバイト志願をした、初の店。

 まさか二つ返事で了承されるとは思ってなかったが、今はそこで働いている。

 だが、いまならば、二つ返事で返された意味が分かる。

 僕の働いているバーガー屋『姫路』の看板娘である姫路さん。

 彼女は果てしなく料理が下手なのだ。

 いや、下手で表せるような腕前ではないだろう。

 その実力は作るもの全てが人体に絶大なダメージを負わせる物になるほどである。 

 もう、言わずとも分かるだろう。

 

 今日もバイトだ。

 そう思って、大路地に出た僕は後悔する。

 

 「ヒィィヤッハァァァァァァァ!」

 

 小型ミサイルを所構わず撃ち込んでいる二人組が見えた。

 最悪だ。

 この街では、これが普通だ。

 それくらい分かっているが、まだ慣れそうにない。

 

 「オラオラオラァァオラオラオラァァ!」

 

 走って逃げようとする僕に非情にも此方にピンポイントで撃ち込まれるミサイル。

 死を覚悟しながらも、逃げ回る僕に不幸が続く。

 真後ろに撃ち込まれたミサイルにより前に飛ばされる僕。

 そんな僕の顔面に衝撃が走る。

 何だ!?と思い、地についた僕が顔を上げると再び衝撃が。

 蹴られた、二回目だから分かる、蹴られた。

 すると彼は口を開いた。

 

 「よう、新入り。いつまでたっても来ないと思ったら何こんな所をほっつき歩いてんだ?」

 

 「は?」

 

 後に仲間となる彼との出会いは最悪だった。

 

 

 だが、こうして秘密月謝明久羅武ブラザーズ。

 何故か偶然僕の名前が入っている組織。

 世界の均衡を守るために作られたその組織との関わりを明久は確かに持ったのだ。

 

 彼はその組織で何を思い、何を学び、どう成長していくのであろうか。

 もう一度言おう。

 異界と現世が交わるこの街を拠点とし、世界の均衡を守る為の秘密月謝明久羅武ブラザーズ。

 これはその構成員達の戦いと日常の記録であり。

 

 明久に降りかかる多くの災厄を記した記録である。

 

 




 はい、完全オリジナルですね。
 あ、あと秘密月謝明久羅武ブラザーズは名前くらいなら出そうかと。
 調子乗った感ありますが。
 まあ、機会があれば続きを出そうかと。
 字数が少ないのは許してください。

 ではでは!またお会いしましょう。
 感想 評価まってます。


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あっきひさの噂♪ 10話

 ついに、UA10000越え!
 おめでとう! 
 ありがとう!
 これも、突如思い付きで初めてしまい、先の事を全く考えないような作者の書くこの小説を読んでくれた皆様のお陰です。
 
 ところで、本作品のヒロインですが...。
 おそらくオリになるかと。
 また、霧島さん希望の方、本当に申し訳御座いません。
 霧島さんが明久にとられちゃうと、雄二どうしよう展開になってしまうため、不可能とさせてただきます。
 あまり票が多ければ考えますが...。

 と、とにかく!ありがとうございました!



 明久の日常。

 

 朝4時に起きる。

 かなり早起きで、朝から部屋にはカリカリという音が絶えない。

 

 朝6時に朝食をとる。

 いつも料理は明久が作っており、その腕は上物である。

 

 朝7時に登校しだす。

 学校につき次第、勉強を始める。Aクラスの設備は勉強に最適過ぎるまであるため、かなり気に入っており、何時間居ても飽きないと感じている。

 

 昼に昼食で弁当を食べる。

 これも、自作であり売れば2000円以上はするであろう物で、クラスメイトからねだられることもしばしば。

 

 放課後には、数時間学校で勉強をした後に文字通り、真っ直ぐ家に帰る。

 帰宅部の誇りという二つ名があるが本人は気付いていないらしい。

 

 家に帰ってからは、素早くカップラーメンで夕食を済ませ、すぐさま勉強に意識を移す。

 一日のノルマを達成したら、あとは時間と睡魔の許す限り、ゲームに時間を費やす。

 

 夜11時、明日への希望と過去の過ちに折り合いをつけて就寝。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 一悶着あった後、僕はなにかが引っ掛かったまま寝っ転がっていた。

 奥歯に差し掛かったかのような気持ちが睡魔を起こすことなく襲いかかる。

 ーーーーあと、少し。なんだろうなぁ、喉まででかかってるのに。あぁ、まどろっこしい!

 数分悩んだ末、ついに分かった。

 

 「僕は、記憶を無くしている筈だ。なのになんで島田さんや姫路さんを覚えていたんだ?」

 

 よく考えると両親のことも大体知ってるし、学校名も覚えている。

 なのに、あの二人だけ覚えているのは変じゃないか。

 ハッ!まさか。

 

 僕は、彼女達の事が、すk...「んなわけあるか!」

 

 「うわぁぁ!だ、誰だ」

 

 後ろを振り返る。

 そこにはぼくの親友、雄二がいた。

 

 「よう、」

 「あ、やあ。...じゃない!雄二!なんで居るの!?」

 「あ?んなことは良い、いいか、よく聞け。」

 「いや、何を!そもそもどうやって病室に!?」

 「ええい!黙れ!いいか、明久。お前は...」

 「ッ!僕は...?」

 

 「今、秘密結社明久ラブブラザーズに追われている」

 

 「ちょっとまてい!」

 

 何!?秘密結社明久羅武ブラザーズって!

 

 「ちょっとまって!話が見えてこない!そもそもなんだよ、ブラザーズっt」

 「とにかく聞け!奴等はお前の命を刈り取ろうと今も進行している!こうなれば時間の問題だ!」

 「いや、だかr」

 「お前、あいつらに何をしたんだ!」

 

 話を聞く気がないのか!

 しかもここ病院だよ!?

 

 「って、何をって言われても。特になにm」

 「うるせえ!黙って聞いてろ!」

 「理不尽なっ!...とにかく落ち着いて」

 「あ、ああ」

 

 数分後、ようやく雄二が落ち着てきたので、僕は改めて話を切り出した。

 

 「それで、何だって?」

 「それがな...」

 

 最初は何がなんだかわからなかった。

 雄二の話はどれも我々にとって神秘的で、決して信じられないようなものだったけれど。

 それでも、彼の誠意は我が心の奥底へと届いたのだろうか。

 不思議な気分だった。

 いや、信じるべくして生まれた感覚なのかもしれない。

 とにかく、我にとってその話の全ては未知に包まれ、それでいて雲の上のような存在とは思えない気がしたのだ。

 全てを知った今、我、いや俺がしなければならぬことは心得たつもりだ。

 さあ、連れていって頂こう。

 異世k「起きろ明久!」

 

 「ぐほらぁ!」

 

 痛い!何だ、何が起こったんだ!

 

 「そ、それより異世界は!?」

 「なにいってんだ。お前は俺の話を聞いて倒れたんだろうが」

 

 ...なんだ、夢か。

 

 「それで、話って?」

 「二度は言わん。思い出せ」

 

 思い出す、思い出す...ハッ!

 明久羅武ブラザーズ。襲われる。命。時間。様々な単語を思い出す。 

 そして、そのあとに続いた雄二の話。

 そうだ。

 

 「明日...彼らは我々の神聖なる大地が引き裂かれる...」

 「じゃあな」

 

 そう言って帰り出す雄二。

 

 「待って!ごめん!ふざけすぎた!」

 

 僕の謝罪に雄二は振り返る。

 何だかんだ言っても優しい奴だ。

 やっぱり親友なんだね、僕たちは。

 すると、雄二は口を開く。

 

 「嫌だね」

 

 ドアを閉める雄二。

 またまた、すぐ戻ってきてくれるくせに。

 

 ...おかしいな。もう10分は経つぞ? 

 あれ、これってもしかして。

 

 「ゆ、雄二?居るんだよね?ねえ?ねえ。ね...え...」

 

 「本気で帰った!?!?」

 

 ありえない!そこはツンデレであるべきだろ!

 しょうがないなもう一回だけだぞ、的なやつだろ!?

 何も聞けてないんだけど!

 ちょっ、ちょっと?!

 

 数分後、落ち着いた僕は、諦めて思い出そうとした。

 

 「そういえば、明久羅武ブラザーズってなんだっけ」

 

 そうだ、明久羅武ブラザーズは確か。

 僕の命を刈り取ろうと...。

 って、うえぇっ!?

 

 明久羅武ブラザーズって秘密結社だとかなんとか。

 となると、その構成員は?

 島田さんや姫路さんってことになる。

 だけどなぜ、僕の命を?

 それに、彼女らを覚えているのは?

 そもそもなぜ記憶がないのか。

 原因はなんだろうか。

 

 思い出そうとするたびに、僕の左手と右目が痛くなる。

 なぜかは分からないけど痛くなる。

 

 思考の海に沈んだ明久はいつの間にか眠っていた。

 




 ええ、調子乗りましたよ。
 ええ、自分で書いててヤバいなって思いましたよ。
 まあ、なんとかなるさって精神でやろうかと思っています。
 というか皆さん、こんな作品がお気に入りなんて人生の1厘くらい損してませんか?大丈夫でしょうか。
 てことは100人くらい損してるってことか。(良い意味で)
 
 では、また。
 感想 酷評是非とも下さい。
 これからも成長していきたい私を何卒よろしくお願いします。


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11話

 受験終了!
 少しずつ思い出しながら書いていきます。
 これからも何卒よろしくお願いします。


 次に目を覚ますと、眼前に女子がいた。

 それも、後ろ姿でさなくしっかりとこちらを目で見据えている女子が。

   

 「やっと起きたぁ」

 

 どうやら知り合いらしい。

 でも、結局僕は目の前の女子が誰かなんて分からない。

 だから、聞こうとした。

 

 貴女は?と。

 

 だが、その言葉が紡がれることはなかった。

 

 声が出ないのだ。

 

 「いい加減にしなよ、もうちょっとなんだから」

 

 「そうは言ってもさ」

 

 僕の声が聴こえた。

 僕は声が出ないんじゃない、話せないんだ。

 

 僕の意思など関係無く、淡々と話しは続く。

 

 「もういいよ!」

 

 「こっちだって真剣なんだよ!」

 

 「ッ...!」

 

 彼女が悲しそうな顔をする。

 少し心が痛む。

 

 すると、場面が変わった。

 

 彼女は泣いていた。

 

 「なんで、なんで!」

 

 「...」

 

 「明久!なんで!?」

 

 「...」

 

 何故か見慣れたような感じのする光景。

 

 僕は何も答えない。

 

 僕は血の付着したまさしく呪いの包丁のようなものを握って何かを刺していた。

 

 また、胸が痛んだ。

 

 そして、また場面が変わった。

 

 「うちの息子に近付かないで頂きたい」

 

 「見て、彼が...」

 

 「人殺しが」

 

 今度は罵詈雑言の嵐だった。

 

 だが、今回はあまり痛まない。

 

 それを境に場面は急かされているように、急激に流れ始める。

 

 「貴方が...!」

 

 「このバカが」

 

 「一生の恥だ」

 

 「死んで詫びてよ」

 

 痛みは強くなった。

 

 そして、とうとう耐えられなくなり目が醒めた。

 覚醒した。

 

 「...夢か」

 

 妙な夢だった。

 それに、まだ何か痛むような...。

 

 「ッ!ゴホッゴホッ!...ハァハァ」

 

 何だ、苦しい。

 胸がつかえるような錯覚に囚われる。

 

 

 ようやく落ち着いた頃には、さっきの夢なんて忘れていた。

 

 時間を確認する。

 午前3時。

 

 起きるにはまだ早い。

 

 だが、何故か寝ようとは思わなかった。

 

 それどころか、あちこちが痛む体に鞭を打ち、必死に立った。

 

 そして、歩行補助用具に身を委ねるように歩き出す。

 

 怪我などないが、何故か痛みを感じ、そして歩こうと思った。

 

 できるだけ安静にと言われた僕だが、そんなことは頭の片隅に追いやって、病室から出た。

 

 廊下に出た僕は、あてもなく勘で左に歩いた。

 

 数メートル歩くと右手に階段が見えた。

 

 どこに通じているかは知らなかったが、何かに誘われるがままに階段を登っていった。

 

 その階段は屋上に通じていた。

 

 普段なら錠が付けられていて、入れない筈の屋上は開いていた。

 

 何気無しに扉を開ける。

 

 

 屋上には何もなく、ただひっそりとした空間が佇んでいた。

 

 そんな空間に僕は安心感を抱いていた。

 

 きっとこの空間。虚無感や、静けさに支配されているこの空間は、僕の今の心に似ているのだ。

 

 数分間そこにいた僕は、病室に帰ろうと、振り向いた。

 

 しかし、そこには、姫路さんがいた。

 

 「!姫路さん!?」

 

 笑っていた、まるでフフフと言っているような笑い方だった。

 

 「吉井くん、酷いじゃないですか。私たちに酷いことをして」

 

 「君たちが僕を襲ってきたんじゃないか」

 

 「黙れっ!とにかく、そんな吉井くんにはお仕置きが必要なんです」

 

 そう言った姫路さんの目には生気が宿っていなかった。

 

 そうだ、忘れていた。

 

 昼間の雄二の警告を。

 

 僕はたった今、明久羅武ブラザーズに命を狙われているんだ。

 

 「それじゃあ、死んでください♪」

 

 駄目だ、これは人の話なんて聞かないタイプだ。

 

 「ひ、姫路さん。何故僕を狙うんだい?」

 

 「?そんなの決まってますよ。殺したいからです」

 

 「じゃあ、な、何故殺したいんだ?」

 

 「殺したいんです」

 

 意味が分からない。

 

 後ろに一歩退く。

 

 彼女は二歩詰める。

 

 狂気の沙汰じゃない。

 

 「さて、終わりですっ!」

 

 彼女が手に持っている鉄パイプを僕に降りかざす。

 

 咄嗟に目を瞑る。

 

 だが、衝撃は来なかった。

 

 「姫路確保!」

 

 あの刑事だった。

 

 姫路さんの腕を掴み、手錠をかけた。

 

 「無事かね」

 

 「は、はい。大丈夫です」

 

 「ふぅ、よかった」

 

 彼は、安堵の息をもらす。

 

 「彼女は精神的にアレらしくてね。君を襲ったのもさして理由は無いんだろう。隔離して、後で精神病院に送ろうと思っていたが、甘かった。すまなかったね」

 

 「あ、いえ。大丈夫ですよ」

 

 「そうか」

 

 なるほど、精神疾患だったのか。

 道理で可笑しかった訳だ。

 

 「それじゃあ。今回は助けれたけど、今度はそうも行かない。屋上なんかに上がるなよ」

 

 それだけ言い残し、刑事は屋上から出ていった。

 

 

 「もどるか...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 side 霧島 学校にて

 

 「ねえ」

 

 「っ」

 

 目の前の少女がビクッとした様子で振り返る。

 

 私は、聞いておきたかった。

 

 「私たち、何処かであったことはある?」

 

 「あ、あにょ、な、な、無いと、思いましゅ」

 

 ダウト。

 

 「何処で会った?」

 

 「え、いや、そにょ」

 

 「緊張しなくていい、吉井が貴女を見て倒れたから気になっただけ」

 

 「そ、その」

 

 何かある、と思った。

 

 むしろ何か無かったら吉井は何かの病気であることになる。

 

 だが、あんなタイミングで倒れるなんて偶然にしては出来すぎている。

 

 だから、原因らしき人物に当たったのだが...。

 

 「えっと、そにょ、あにょ」

 

 噛み噛みで、言葉の整理が追い付いついてない。

 

 これは、長くなりそう、と感じた。

 

 

 

 side change

 

「ねえ」

 

 急に話しかけられ、私はビクッとなりつつ、振り向いた。

 

 「私たち 何処かで会ったことはある?」

 

 霧島さんだった。

 

 淡々と無感情にも聞こえる声。

 

 あの頃から変わってない。

 

 けど、私は嘘を吐こうとした。

 

 「あ、あにょ、な、な、無いと、思いましゅ」

 

 ヤバい、声が裏返った。

 

 「何処で会った?」

 

 簡単に嘘を見破られた。

 

 「え、いや、そにょ」

 

 「緊張しなくていい。吉井が貴方を見て倒れたから気になっただけ」

 

 っ!やっぱり、怒ってるのかな。

 

 「えっと、あにょ、そにょ」

 

 混乱して言葉が上手く見つけられない。

 

 落ち着くまで、時間がかかりそうだ、と自分で思った。

 

 

 

 

 




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