ハリーポッターと仮面の復讐鬼 (ふぁみゆ)
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プロローグ

例の伝説の超ハリポタ小説の影響を受けて書き始めました。

文才はかなり無いですがよろしくお願いします。

マグルの書く下手な二次小説に
(・∀・)アカルイミライヲー!!


「消えろ、化け物…」

 

ズドンと重たい音があたりに鳴り響いた。それは普通の人間社会では当たり前に認知されていた音、銃声…

それが今、イギリスの魔法界にて鳴り響き、夜の静寂の中でこれでもかと存在感を放っていた。

 

魔法の世界に似つかわしくない音の元凶である銃弾が、魔法の世界にはびこる怪物の身体を貫く。

襲いかかった苦痛に呻き苦しむ漆黒の怪物、その怪物の目の前には、一人の少年…

 

―その髪は夜の闇のように黒い

―その肌は自己を主張するかのような白だが、わずかに黄色がかっている

―来ている服は、この魔法の世界では珍しいマグルと呼ばれる人たちの物

―そしてその顔には目元を覆う黒い仮面

 

男はその左手に持つ銀色に光る銃を怪物に向け、何のためらいもなく引き金を引く。

 

再び重たい音が鳴り響くと同時に怪物は地面に倒れ、完全に動かなくなった。

怪物から背を向け、まっすぐ歩き始める男

その先には一人の女性がいた。

魔法使いの服を着た女性は怪物を倒した男に声をかける。

 

「ありがとう、あなたのおかげで」

 

しかし、少年は女性が言い終わる前に左手の銃口を女性に向け

引き金を引いた…

 

地面には血がしたたり、女性は横たわったまま動かなくなる。

 

歩き出した少年は地面においていたかばんを拾い上げるとゆっくりと呟く

 

「対魔術用の弾丸、どうやら、問題なく機能しているようだな。」

 

銃を腰のホルスターにしまい、仮面をはずす。

仮面の下から現れたのは、失われた左目とその周辺に大きくできた火傷の跡

 

「これでようやく動き出せる…。待っていてくれ、母さん、あなたの作り出したこの銃弾で、奴らの蔑むこの、マグルの武器で…」

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――魔法使い(バケモノ)をこの世界から根絶する

 

 

 

 

 

少年は仮面と銃を鞄にしまいこむと、何食わぬ表情で街中へと消えて行った…

 

 

 

 

 

 

これは、1991年三月。夜の闇横丁の人通りの少ない路地裏にて起こった事件である。

その日、1人の闇魔術師とマグル生まれの魔女の死体が発見された。

遺体からは、マグルの武器である拳銃の弾が発見されており、魔法界に迷い込んだマグルが気性の荒い闇魔術師に襲われ拳銃を発砲。その付近を通りかかった魔女を巻き込んだものと推察される。

マグルの魔法界侵入に対する対策は本当に万全なのか、魔法省は一度体制を見直すべきなのかもしれない。

また、発砲したマグルは未だ見つかっておらず、マグルの武器により杖を持った魔法使いが敗れた理由は解明されていない。現在も捜査は続いている。(ザ・クィブラーより一部抜粋)




感想お待ちしています

今日は2話投稿だ!


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賢者の石
特急で出会った不思議な少年


オリキャラのみで話が進みます!

もちろん、ハリーと同期なので原作メンバーも登場します。


ホグワーツ行き特急11時発

 

魔法学校へと向かう紅色の蒸気機関車

その中で一人の少女が重い荷物を持ち、席を探していた。

ブロンドの髪を横に束ねて結び、小さな体で一生懸命車両を歩く

しかし座席はほぼ埋まってしまっており、2車両歩いても座れそうな場所は見つからなかった。

 

(こんなことなら、もっと早くに家を出ておけばよかった…)

 

少女は朝、姉と談笑していたことを静かに後悔する…

もうこの車両も終わりに差し掛かり、あきらめて次の車両に差し掛かろうとしたとき

 

連結部前の一部屋を見てみると

 

四人分の座席に1人の少年だけが窓際に座っている姿が見えた。少年は一人で静かに本を読んでおり、他の席のように友達同士で雑談をしているなどといった初対面の人が入りにくい空気は全くなかった。

 

この部屋に入らせてもらえないだろうか…

読書をしているこの少年の邪魔になるかもしれない…

しかし、ここまで重い荷物を持って歩いてきたのでかなり疲れているのではやく腰を下ろして落ち着きたい。それに、このまま歩いても席が見つからないかもしれない…

 

結局少女は部屋の扉を開けて中へ入った。

 

「あの、ここに座ってもいいですか?他の席はどこも一杯で…」

 

伺いを立てる少女の声に少年は顔を上げ、少女の方を向いた。

 

その顔に少女はぎょっとした。今までは顔の右側を向けていたので気付かなかったが

 

左目はなくなっており、その瞼は常に閉じている

そして、その左目を中心に、額部分まで痛々しい火傷の跡が黄色がかった白い肌を蝕んでいる。

右側の顔立ちは整っているがそれだけに、見ただけで心を痛めてしまう火傷の跡が際立っていた。

 

おそらくこれがこの座席に誰も座ろうとしなかった理由だろう。

ひどい火傷の跡を顔に残したままの少年は10代の子どもから見れば、かなり異質な存在なのだから…

 

「ええ、どうぞ。」

 

少年は手で座るように促す

 

もう少女は逃げられない。席を譲ってもらうように頼んだのはこちらだ。そして、それを、断ることなど相手に対しては無礼極まりない。

ありがとうとだけ言い、荷物をおいた。

 

ふと、少年の読んでいた本を見る。

 

本の表紙は動いていない。というか、絵がない。

"電子工学"という、よく分からない言葉が書かれている。

どうやら、マグルの本のようだ。この少年はマグルの文化に興味があるのだろうか?

それに、少女は家庭環境の影響で本が好きだった。読むのも好きだし、ちょっとだけ自分で書いてみたことだってある。しかし、いくら本好きでも両親ともに魔法族だったのでマグルの本は読んだことがない。

目の前の本にはかなり興味がある。

 

少女は声をかけようとする。

 

その時、少女の声に重なるように車内販売のおばさんに声をかけられた。

ちょうどお昼ごろでお腹が空いていたのか少年もまた本を置き顔を上げる…

 

「カボチャジュースを一つ」

 

頼んだのはドリンクだけ、おばさんも食べ盛りである十代の少年を心配して「本当にそれだけでいいの?」と聞き返すがそれで十分だと少年はジュースだけを受け取る。

 

少女は食べ物は大鍋ケーキ、蛙チョコレートそしてジュースを注文した。

 

そして、おばさんが通り過ぎたあと

 

「良かったら、一緒に食べない?…」

 

と、ジュースを片手に再び本に目を落とした少年に声をかけた。

顔をあげた少年と目が合う…

 

 

僅かに少女は悪寒を感じた。

 

もちろん左目の火傷の痕を見たのも理由だろう。

しかし、それだけではない

少年の目から敵意を向けられたからだ。

ほんの一瞬…だが、確かな敵意を……

 

「いや、いらないよ。僕は元々小食なんだ。気を使わせちゃってごめんね」

 

すぐに、笑顔に戻り愛想よく、丁寧に断る少年の姿を見て少女は安堵する。

さっきの嫌な予感はきっと気のせいだろう…

そう、自分に言い聞かせた。

 

「そっか、分かった。」

 

といい、ケーキを頬張りながら目の前の少年との会話を続ける。

 

「その本、すごく一生懸命読んでるよね?なんの本なの?」

 

「電子工学、機会を制御するための技術について。簡単に言えば機械の中身についての本だね…」

 

「機械かぁ…」

 

やはりマグルの文化についての本だ。

 

「マグルの文化が好きなの?」

 

「マグル?…あぁ、そうか、君らのところではマグルと言うんだったね」

 

マグル、魔法を持たない人々の俗称。魔法界ではよく使われている言葉だ。

とくに、純血主義者の間では蔑称としても用いられるのだが、マグルという言葉に馴染のないところを見るとこの少年はマグルの生まれなのかもしれない

 

「そうだね、僕の両親は両方共マグルだからね。でも、マグルの文化が好きって言うよりは機械が好きなだけかな。僕の母が世界で名を馳せた科学者でね、幼い頃から機械に触れることが多かったから…」

 

少年の返事はなんだか当たり障りのないもの。

大鍋ケーキをひと口食べてから少女は話を続ける。

 

最初こそ火傷のあとのせいで敬遠したものの、話してみればなんてことはない普通の少年だ。この会話が新天地に行く少女の心を落ち着かせてくれた。

 

「ねぇ、えっと…名前は…」

 

「ジョシュアだよ。ジョシュア・メージャー」

 

「ジョシュア…あ、私はエマ・レイモンド。よろしくね。家はお父さんもお母さんもザ・クィブラーの編集部で働いているんだ」

 

少年、ジョシュアの家のことを聞いたからか、エマは自分の家庭について話し始める。

 

「ザ・クィブラー…確か、魔法界では結構有名な雑誌なんだっけ?」

 

「世間では電波系だって言われてるんだけどね」

 

ははは、とエマは笑う

それでも、リータ・スキーターとかいうあの記者のおかげで信憑性においては日刊預言者新聞に勝っている。そんな雑誌で働いている両親はエマにとって誇りだった…

 

「そっか…お父さんもお母さんも魔法界で働いているんだね…」

 

そんなエマの心情は、他の子供には分からないため、帰ってくるのはジョシュアのように素っ気ないものばかりだが…

 

そんな中コンパートメントから話し声が聞こえてきた。

 

特に理由はないが二人共その話に耳を傾けると聞こえてきたのは同じような年頃の少年の声だ

 

「何が英雄様だ!家柄の違いもわからないなんて!…純血の魔法使いだし、仲良くなれると思ったのに、ウィーズリーなんかと仲良くしちゃってさ!お前もそう思うだろう?」

 

聞こえてきたのはそんな会話だ。

どうやら、外にいたのは純血主義者で名家のおぼっちゃまのようだ。

 

「純血主義か…」

 

エマの母は言っていた。

魔法使いには純血主義という考えがある。

魔法族の両親から生まれた魔法使いしか認めないという風潮だ。

そのせいで魔法界では近親相姦が繰り返され、人工の減少を招いている。

その上、マグル生まれの魔法使いの差別まで引き起こしていると…

 

ふと、エマは目の前の少年を見た。

 

今、目の前にいるジョシュアもまた、マグル生まれの魔法使い。純血主義者からは穢れた血と呼ばれ差別される対象だ。

そんな彼はどう思っているのだろう。もしかしたら純血の魔法使い自体を嫌っているかもしれない。

勝手に入ってきて話しかけてくる純血の魔女である自分のことを、彼はどう思っているのだろうか…

 

「…純血とかマグル生まれとかって、あなたは気にしてるのかな?純血のことを嫌ってたりする?…」

 

恐る恐る聞いてみるエマ

 

自分は彼にどう思われているのか…

もし嫌いだと言われたらどうしよう…

こんなことなら、両親の話なんてするんじゃなかった…

 

しかし、心配とはよそにジョシュアの返事は…

 

「別に、気にしないよ…」

 

というものだ

 

ホッと胸をなでおろすエマ、しかし次の瞬間、最初に感じたものと同じ悪寒がエマを襲った

 

「どっちも同じ…魔法使いなんだから……」

 

なんてことはない、返事だ。言葉だけ見るなら差別思想のない好印象な言葉だろう

だが…

 

エマは、その声の冷たい響きを感じ取っていた…

 

理由はわからないが、この少年の言葉からは言いようのない不安が感じられた…

 

 

汽車が停止する。

ボグワーツ到着のアナウンスがなる。

 

「ついたみたいだね」

 

ジョシュアは先程までの柔らかい声で言うと荷物を持って立ち上がった…




次の投稿は未定ですが感想お待ちしています。 

NGシーン

「ねぇ、えっと…名前は…」

「ジョシュア・ジョースター…ジョジョと呼んでくれ」

それは!受け継がれる魂ッ!!
バァーーン!!


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組分けの儀式

組み分けの儀式ってどこの二次小説でもおんなじだからカットしようかなとも思ったのですが…


森の番人のハグリッドという男に連れられてジョシュアとエマは大勢の生徒たちと歩き始める。

 

やがて、ボートに乗り大きな湖を渡って行くと

大小様々な尖閣の塔が連なる壮大な城が見えてきた…

 

「あれが…」

 

右目だけの少年、ジョシュアは静かに呟く。

これから自分も通うことになる場所。そして、魔法使いの子どもたちが育つ学び舎ホグワーツ…

 

彼にとっての"敵"が集う場所だ……

 

「あれがホグワーツだね!大っきいなぁ!」

 

隣りに座る少女、エマは感嘆の声を上げる。

 

汽車のコンパートメントで自分の対面に座った少女。見る限りはごく普通のどこにでもいそうな女の子と言ったところだ。

だが、ジョシュアが彼女を見る目は普通の女の子を見るそれでは無かった…

 

決して表には出さない

決して相手には悟らせない

 

しかし、彼は目の前にいた少女を敵として見ていた。

両親を殺し、その事実を受け入れず隠蔽し、幼い少年に一生消えない傷を残しただけでなく罵声を浴びせ続けた連中の仲間だと…

 

(人の皮を被った化物共が…これからこいつらと一緒に生活しなきゃいけないと思うと虫唾が走るな…

だが、ここに来た目的を忘れてはいけないんだ。この学校で敵を知り、今ある装備がどの程度化物共に有効なのかを確かめる…そのためにもここで知らなきゃいけないんだ。奴らの使う、魔法のことを……)

 

かばんに手を触れ底にある固く冷たい感触を確かめる。

母が遺した銃弾が込められている、拳銃の感触を…

 

 

 

マクゴナガル先生に連れられて生徒たちは大広間に入く。

目についたのは天井があるはずの場所に広がっていた夜空だ。

魔法で天井が空に見えるようになっているらしい。

 

「デタラメだな…全く」

 

現在の科学ではここまでのことをするのは難しい。

天井を張り替え、映写機で照らしだせば不可能ではない。実際、マグルの文化にもプラネタリウムという、夜空を再現するための装置がある。しかし、これだけの広さの天井にここまで鮮明な空の映像を流すためには莫大な費用がかかってしまう上に維持が困難だ。

それをたった一つの学校の景観だけのために実現してしまう魔法界の力の強さが伝わってくる。

 

(だが、困難というだけでこれの実現は不可能ではない。それにこっちには切り札がある…)

 

自分が魔法なんかに負けるはずがない

 

そう強く言い聞かせながら他の生徒たちと歩いて行った…

 

「…ア…ジョシュア、聞いてるの?」

 

隣の少女の声を聞き思わずはっとなるジョシュア。

すぐに愛想笑いを作り、エマの方へと向き直った。

 

「ごめん、ちょっと考え事してて…」

 

「もぅ、…確かにいろいろ考えちゃうのは分かるんだけどさ。」

 

ふぅ、と一息ついた後、エマは言葉を続けた

 

「クラス分けについてよ。4つのクラスがあるんだけど、どうやって分けられるのかなって…」

 

「クラスか…」

 

ジョシュアもその話は知っていた。

ホグワーツではその生徒の資質や正確に合わせたクラスに分けられるという

しかし、クラスに分けの方法は誰にも教えないのがこの学校の代々の伝統らしい

 

ある者は自身の身だしなみを整え

ある者は予習してきた呪文の復唱を行っている。

 

正直、魔法使いの分類方法などジョシュアは全く興味がなかったが隣の少女になんとなく話を合わせる

 

「そうだね、性格を重視しているみたいだから性格診断テストや心理テストみたいなものでもやるんじゃないかな?」

 

ジョシュアの出した意見は本人の性格を測るのだから心理テストをやるのだろうという割と平凡な答えだ。

安直だが理には叶っている。

 

しかし

 

「心理テスト?…マグルの世界ではそういうのがあるの?」

 

どうやら、魔法界ではあまりメジャーではないらしい。

 

「えっと、心理テストっていうのはね…」

 

軽く心理テストの説明をするジョシュア、エマは本当に知らなかったらしくなるほど、そんなものがあるんだなどと関心していた。

 

「確かに性格を見るなら、いい方法かもしれないね。でも、このホグワーツではやらないかな?」

 

「どうして?」

 

「だって…」

 

と、言いかけたところで先生からの号令があった。

 

「静かに!これより、組分けの儀式を始めます。」

 

すると、奥に置かれていた帽子が動き始めた。

 

私はきれいじゃないけれど

人は見かけによらぬもの

私をしのぐ賢い帽子

あるなら私は身を引こう

山高帽子は真っ黒だ

シルクハットはすらりと高い

 

私はホグワーツ組み分け帽子

私は彼らの上をいく

君の頭に隠れたものを

組み分け帽子はお見通し

かぶれば君に教えよう

君が行くべき寮の名を

 

グリフィンドールに行くならば

勇気のある者が住まう寮

勇猛果敢な騎士道で

他とは違うグリフィンドール

 

ハッフルパフに行くならば

君は正しく忠実で

忍耐強く真実で

苦労を苦労と思わない

 

古く賢きレイブンクロー

君に意欲があるならば

機知と学びの友人を

ここで必ず得るだろう

 

スリザリンではもしかして

君はまことの友を得る

どんな手段を使っても

目的遂げる狡猾さ

 

かぶってごらん 恐れずに

興奮せずに、お任せを

君を私の手にゆだね(私は手なんかないけれど)

だって私は考える帽子

 

突然歌い出した帽子にあたりがざわめく

 

「ABC順に名前を呼びます。名前を呼ばれたら防止を被って組み分けを受けてください。」

 

Aから順に名前が呼ばれ始める。

 

「へぇ〜帽子だって…?、どうしたのジョシュア?」

 

隣にいるエマは早速ジョシュアに声をかけるが彼の額に流れている一筋の汗を見て心配そうに声をかけた。

 

「え?いや、なんでもないよ。ちょっと緊張しちゃって…」

 

なんとか取り繕うジョシュア、しかし、彼は動揺していた。

 

(帽子を被っただけでクラスを分ける?まさか、人間の考えを読むとでもいうのか?……)

 

だとしたら、自分が奴ら魔法使いの敵だということが早々にバレてしまうのではないのか…まさか、入学の時点でこんなことが起こるとは思っても見なかった…

 

「ベネット・ジョンソン」

「ブランドー・ディオ」

 

どんどん名前が呼ばれていく

その様子を観察するジョシュア

 

どうやら帽子から発表されるのは名前だけのようだ

 

しかし、生徒によってクラスが発表されるまでの時間にばらつきがある。

もしや、心を読むための時間だろうか…

 

「メージャー・ジョシュア!」

 

そして、いよいよジョシュアの番が来た

ここで怪しい動きをすることは出来ない。

 

大人しく座席に座り、帽子をかぶる。

 

僅かな沈黙

 

(ほう、勉強は得意なようだな。努力を惜しまない勤勉さもある)

 

脳内に響く声

帽子から聞こえてきた声に思わず声を出しそうになるのをぐっと堪える

 

(レイブンクローでなら、うまくやっていけるだろう。だが…)

 

ジョシュアに緊張が走る

 

(大きな野望があるようだな。その目的のためなら手段を選ばぬ狡猾さを持っている…)

 

「!?」

 

こいつ、心を読んでいる。

これ以上はマズイとジョシュアは焦った。

 

(スリザリンは嫌だスリザリンは嫌だ…)

 

心を奥まで読まれたくないがために頭の中で帽子に語りかけることで儀式を中断しようと考えたのだ。

幸いこの願いを持つ生徒が多いことはエマから特急の中で聞いていた。これならば怪しまれることはないだろう

 

(ほう…なるほど。そうだな、ならば君の願いを叶えよう)

 

儀式は終わりだ。助かった

と安堵する。しかし…

 

(君の野望はスリザリンで叶えられるものではなさそうだからな…)

 

帽子は最後にそんなことを言った…

 

「レイブンクロー!!!!」

 

レイブンクローの上級生たちから拍手が上がる

マクゴナガル先生は帽子を取り上げると先輩たちの元へと向かうようにと促す

 

レイブンクローの席へと移動しながら一度振り返った。

先生たちはこちらに拍手を送っている。

 

ただ一人、物憂げな視線をこちらに送る。アルバス・ダンブルドアを除いて…




組み分け帽子だけでここまでテンパるのってジョシュアだけだと思ったんだ





おい、オリ主入学早々情けねぇぞ…


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エマのクラス分けと生き残った男の子

勢で書けたのでこのまま投稿します


ジョシュア・メージャーが席についたのを見送ったエマは視線を再び泳がせた。

その先にいたのは同級生。

丸メガネをかけた少年だ。

無論ただの少年ではない。いま現在、最もこのホグワーツを騒がせている少年。

赤ン坊でありながら名前を言ってはいけないあの人を退けたという生き残った少年

 

「ハリー・ポッター…」

 

今年はあのハリーポッターが入学するという話は記者である母から聞いていた。

そして、そのハリーポッターが今、視線の先にいる。

その事実にエマは震えていた。

 

エマ・レイモンドには夢がある。

魔法界で活躍する記者になるという夢が

 

記者志望であるエマにとって、ハリーポッターという著名人は学校で出会った最高の取材対象だと感じられた…

 

本当なら特急からずっと喋ってくれたジョシュアともハリーの話や自分の夢の話をしたかったのだが、彼は組み分け帽子が来てからとても緊張していたようでとても話しかけられる雰囲気ではなかったのが少し残念だ。

 

「ポッター・ハリー!」

 

ハリーの名前が呼ばれるとあたりが少しざわめき始めた。

生き残った男の子。

やはり学校中の注目の的だ…

 

帽子をかぶるハリー

しばらくの間沈黙が降りる。

 

どうやら、どの寮に行くのか帽子自身も決めかねているようだ。

生き残った男の子はどの寮に入るのか…

誰もが注目して見つめる

 

無論、エマも注目していた…

 

「グリフィンドール!!!!」

 

グリフィンドールの席へと移動するハリー

 

それを見たエマは思った

 

(私もグリフィンドールに入りたい!)

 

ハリーポッターは将来必ず話題になる。そのためこの学園生活で親しくなっておけば将来記者になった時に必ず特をすると考えたからだ。

 

「レイモンド・エマ!」

 

そして呼ばれる名前

頼んでみてなんとかなるかは分からないが帽子さんにお願いしてみよう!と思い席についた

 

(そうか、君は…)

 

頭の中ですぐに念じるグリフィンドールがいいと…

 

(グリフィンドール…残念だがその寮は君の夢を叶えるのに大きな妨げになるだろう)

 

え、とエマは動揺する

グリフィンドールは勇敢なものが集う場所。現場に向かい情報を集めるためには勇敢さが必要だと彼女は思っていた。

だから、自分もグリフィンドールに入れる可能性があると思っていたのだ

 

(だが、勇気は言い換えれば無謀にも成り得る。グリフィンドールに選ばれるということは一番自身を危険に晒す可能性が高いということだ。命だけでなく、その名誉や世間からの信頼もな…)

 

考えたこともなかった。命だけなら彼女はかけることができるだろう。しかし、名誉や信頼は捨てることができない。彼女は記者になったら、自分の記事を読んでもらいたいと思っているからだ。信用を失って誰も読んでくれなくなったら意味がない

 

(故に君には夢のためにもこの寮に入ってもらおう)

 

「レイブンクロー!!!!」

 

レイブンクローの先輩たちからの拍手が上がる

こうしてエマはレイブンクローへと入ることとなった。

 

(まぁ、いっか…ハリーとは同じ学校なんだから会うことだってできるし…それに…)

 

通りがかり、列車で出会った少年に声をかける

 

「同じ寮だね。よろしくジョシュア」

 

「こっちこそ、よろしくね。」

 

(魔法学校に来て初めて出来た友達と同じなんだから…)

 

そして、エマは席についた…

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「ハリーポッターか…」

 

席についたままジョシュアはその様子を見ていた。闇の帝王から生き残ったと言われ、特別視されている少年。周りの生徒からは尊敬や羨望といった眼差しで彼を見ていた。

しかし…

 

(何が英雄様だ…奴もまた、人に害なす化物であることに変わりはない)

 

ジョシュアがその少年に向けた眼差しは…敵意だった



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授業風景

投稿してから数日も経っていないのに感想や評価をつけていただき、読者の皆様には本当に感謝です!!


今回はあまり盛り上がらない閑話的な話ですがよろしくお願いします!


レイブンクローの生徒は勤勉なひとが多く、勉強に対しては比較的真面目に取り組んでいた。

 

授業の前には教科書を開いて予習をし、授業の後には皆で復習をする。

その真面目さは闇の魔術に対する防衛術を担当しているクィレル先生が驚くほどのもの。

 

生徒たちは順調に点数を稼いでいった

 

点数がもらえないのは魔法薬学のスネイプ先生くらいなものだ。

スネイプ先生も授業中に生徒を当てて、質問を出してくる。

 

「この問題を、メージャー…分かるか?」

 

「はい、ーーーー」

 

しかし、正しく答えても「よろしい」というだけで中々点数をくれない。

もともとスネイプ先生はスリザリン贔屓だと噂されていたため点数を奪い合うレイブンクロー寮には点数を与えないつもりなのだろう。

 

グリフィンドールに対しては、6年生で習うような難問を出して不当に減点をしていると噂されているがバッフルパフとの合同授業しか行っていないレイブンクローの生徒はその実態を知らない。

 

そんな中エマが気になっていたのは特急で出会った友人、ジョシュア・メージャーだ。

 

別に飛び抜けて才能がある訳ではない。特別成績がいいわけでも悪いわけでもない。

彼は左目の火傷という特徴があるにも関わらず、"目立たない"のだ。

 

成績はまさに中の中。レイブンクロー生の大多数が答えられる問題には答えられるし、レイブンクローの中でもよほど優秀な生徒でない限り答えられない問題には答えられない。至って平凡な一生徒と言った印象だ。

 

その様子にエマは不自然さを感じている。

 

と、言うのも…

 

「え、また図書館で勉強するの?」

 

「うん、もっと知りたいんだ。魔法について…」

 

彼はとても勤勉なようで、暇があれば図書館で本を借りてずっと勉強しているような生徒だたからだ。

勉強量だけで見れば勉強熱心なレイブンクロー生の中でもトップクラスだろうとエマは見ている。

しかし、勉強量があまり実力に直結していないように思えた。

 

「ねぇ、もし良かったら談話室で一緒に勉強しない?ほらみんなでやったほうが頭に入るし」

 

勉強量に反して成績が上がらないことを不憫に思った。エマからの提案

 

しかし、ジョシュアは右手を出して断る

 

「ありがたい話だけど遠慮させてもらうよ。僕は好きなことを調べてるだけだからみんなの勉強の邪魔になっちゃうからね」

 

「そっか…好きな本読んでるだけなら邪魔しちゃ悪いもんね…」

 

そして、二人は別れる。

 

(本当に、大丈夫なのかな…)

 

エマは不安そうな目でジョシュアを見つめる。

電車であった時から彼女の第六感は告げていた。

彼には何かがあると…

 

そして、記者を志す彼女は、その違和感を無視できずにいた…

 

「少しだけ、様子を見ておこうかな…」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

 

図書館に入ったジョシュアは本を読んでいた。

闇の魔術に対する防衛術についての本などの戦闘に使う呪文についての本だ。

 

これを読めば敵である魔法使いの戦い方がわかると考えて読み始めたのだが…

 

(何が魔法だ…戦いに使う呪文など、化学兵器で代用できるものばかりじゃないか……)

 

火を放つ呪文は火炎放射器があれば十分だし爆弾を使えば遠距離にも火をつけられる。

失神呪文は拳銃で急所以外を狙えばもっと早く決着がつく。

 

人間の科学は魔法に負けてなんかいないじゃないか

 

それが、本を読んだジョシュアの感想だった。

 

(すぐにでも奴らと戦えるのかもしれない…だが…)

 

あの組み分け帽子の件以来、自分の正体はすでにバレているかもしれないという疑念があった。学校の先生たちは特に自分を警戒している様子は見られない。しかし、この学校の校長、アルバス・ダンブルドアだけは違った。あの教師だけはこちらに対して物憂げな視線をおくりつづけている。

自分の正体に気づかれている以上、目立つ行為は避けなければならない。そのためこの学校では慎重に動く必要があった…

 

(落ち着け、ここに来たのは奴らのことを詳しく知るためだ。…何も予定は狂っていない…)

 

そんなことを考えながら本をめくっていると、一人の少女が自分の脇を通り抜けていった。

 

グリフィンドールの制服に身を包んだ縮れ毛の少女。背格好からするに同学年だろう。

 

ジョシュアはぼんやりと思い出していた。

(確か、ハリーポッターと一緒にいた…)

 

まぁ、自分には関係ないことかと本を棚に戻すために立ち上がった。

 

 

この時のジョシュアは考えもしなかった。すれ違った少女、ハーマイオニー・グレンジャーとその仲間ハリー・ポッターとロン・ウィーズリーの三人組に"最悪の形"で対面することになるとは…




次回はハロウィンのトロール事件です!!





とはいえ、レイブンクロー寮だからあまり教師陣との特筆すべき関わりが思いつかなくて授業のことで取り立てて書くことが思いつかないんですよね…(´・ω・ `)

「小説を書く前に伏線を考えてこようとは思わなかったのだね?ファミユ…」


あの、すみません。

その代わりハロウィンの事件は盛り上げようと思います。気合入れてがんばりますのでよろしくお願いします(*_ _)


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稲妻vs業炎ー序章ー

やっと書き上がりました!

しかし、こうやって書いてみると難しいですね…

一部魔法の効果が違う可能性がありますが温かい目で見守って欲しいです


「トロールが!! 地下にトロールが!!」

 

「お知らせせねばと思って・・・」

 

そう言って、闇魔術に対する防衛術の講師、クィレル先生が気絶したのは、生徒たちが楽しみにしていたハロウィンパーティの前だった。

 

魔法界に住む巨大生物、トロール。巨大な体を持ちとてつもないパワーを秘めている怪物。

 

そのトロールが校内に現れたのだ。

その知らせに生徒たちは騒然となった

 

どうして学校に怪物が?

襲われたらどうするのか?

 

今まで無かった異常事態に生徒たちは軽いパニックを起こしてしまう

 

「どうしたらいいの?あんなのに襲われたら…」

 

「き、きっと大丈夫だよ。先生たちがなんとかしてくれるよ」

 

「もう、ダメだ…おしまいだぁ…逃げるんだ、勝てるわけがない!」

 

静まれというダンブルドアの号令により、一先ず落ち着きを取り戻す。

ひとまず監督生と共に一同は寮へと避難することになった…

 

エマの所属するレイブンクロー寮の生徒たちも寮への道を行く

 

歩きながらエマは考えていた

 

一体なぜ…このボクワーツにトロールという怪物が侵入したのか?

 

「偶然、トロールが入り込んでくるわけないよね?あんな大きな生き物、入ろうとしたらすぐに気づかれちゃうよ。ジョシュアはどう思う?」

 

と、隣にいるはずの同級生に目をやる。しかし…

 

「!、ジョシュア!?」

 

彼女の隣にその男子生徒の姿は無かった…

 

 

 

ーーーー

 

 

 

「逃げろ!ハーマイオニー!」

 

ハリーはトロールの頭にしがみついたまま叫ぶ。

トロールのことを聞いたハリーはトロールの入り込んだ、地下の女子トイレに来ていた。

 

理由はただ一つ、ハーマイオニーを救うためだ。

ロンの言葉で深く傷つき、トイレで泣いていたために逃げ遅れた彼女を助けるため、たった一人で乗り込んだのだ。

 

巨体を持った怪物に一人で立ち向かう。10歳の少年とは思えない危険な行為。怪物を目の前にすれば普通の子供であれば、足がすくんで動けなくなってしまうだろう…

 

しかし、彼の強すぎる勇気と正義感は目の前の少女を見捨てることを許さなかった。

 

トロールは頭に張り付いたハリーを振り落とそうと動きまわる。

 

ハリーもそこから落とされないように必死だった…

 

だから、ハリーは気づかなかった。

ハーマイオニーが立ち去ったあと、もう一人の来訪者が来ていたことに…

 

バァン!!

 

耳を突くような破裂音が響き渡る。

 

そして、その瞬間、トロールの動きが止まった

 

「え?」

 

突然のことで理解が追いつかないハリーは呆然としてしまう。

 

バァン!バァン!バァン!

 

すると、同じ破裂音が三回鳴り響き、トロールは糸が切れたかのように膝をつき、地面に倒れてしまった…

 

トロールの頭から降りたハリーは、顔を上げる。

すると、そこにいたのは…

 

自分と同じくらいの年齢をした男の子だ。この学校で見かける黒の魔法着ではなく、ベージュのズボンに白いパーカーという外の世界で普通に見かけるような軽い服装、パーカーのフードを被り、少し薄暗いその顔の下には顔を覆う黒い仮面…

そして、その右手には、美しくも禍々しく光る。銀の拳銃が握られている…

 

「何が危険な魔法生物だ。図体がでかいだけで獣と何も変わらないじゃないか…」

 

その少年はまだ低くなっていない声で喋り始める

 

「どんな凶暴で危険な獣も、人類はその叡智で道具を生み出し、使うことでそれらより強い力を手に入れて来た。魔法界とはいえ、獣であるならば、人類に倒せない道理はない…」

 

その様子を見たハリーが立ち上がる。

 

少年を見たハリーは思った。

 

トロールを倒したのは彼だ。なら、彼は自分の窮地を救ってくれた恩人なのではないかと

 

少年がハリーを見るのと同時にハリーは声をかける

 

「助けてくれたんだよね…ありがとう…」

 

「…助けた…だと?……ふん」

 

しかし、その少年は、巨大なトロールの命を奪ったその銀の拳銃を今度はこちらに向けてきた

 

「ここに来たのはお前を助けるためではない。ここに現れたトロール、そしてお前たち魔法使いを殺す為だ!!」

 

突如向けられた銃口と、自分に対する明確な殺意。

 

「今この場所なら、例え生徒が死んでいても、トロールによる事故に見せかけられる。生きている罪を贖いここで死ね!ハリーポッター!」

 

引き金が引かれるその刹那、ハリーはすぐに地面に伏せた。

弾丸は伏せたハリーのすぐ真上を横切る

避けなければ弾丸は彼の頭に命中し、確実にその命を奪っていただろう。

 

さっきのトロールの時にも命を落とす危険はあったが、トロール自身は本能のままに暴れていただけだ。

しかし、今、目の前にいる少年は違う。

 

拳銃という凶器を持ち、明確な殺意を自分にむけている。何もしなければ、間違い無く殺される。

 

急いでハリーはトロールの後ろに走る。

 

その間も相手は何度も発砲し、そのうちの一発が左腕をかすめたが、その痛みを堪えて必死で走った。

 

倒れたトロールの巨体に隠れ、盾にする。

 

あれが拳銃ならば撃つものとの間に遮蔽物があれば弾丸が自分の体を貫くことはない。

 

相手の少年もそれを分かっているからか、マガジンを抜き取り弾丸の装填を始める。

 

自分の安全を確保したあと、ハリーはある行動に出た。

本来ならば逃げることを第一に考えるべき場面。

しかし、彼の勇気は時に無鉄砲さとなり、判断力を鈍らせる。

 

自分に向けられているのは確かな殺意。しかし、それを向けているのは理性のない魔法生物ではなく人間だ。

人間ならば理由もなく人を殺そうとはしない。きっと彼はなにか誤解しているに違いない。

 

だからこそ、彼は…

 

「君は一体なんなんだ?どうして僕を殺そうとするんだ!」

 

説得という手段を取った

しかし少年はそんなハリーの言葉を笑い飛ばす

 

「害虫を駆除するのに、理由が必要か?俺はただ、魔法使いという人に仇なす害獣共を退治しているにすぎない」

 

少年の足音が響く

 

右か左のどちらかから回り込んでくるのだろう。相手がこちらに来る前になんとかしなければならない。

 

「害獣って、どういうことなんだ!?魔法使いだって同じ人間だろう!」

 

「黙れ!化物が人間を語るんじゃない!!」

 

自分の言うことは間違ってはいないはずだ。しかし、相手はこちらの言葉を一方的に突っぱねてくる。

 

その瞬間に分かった。

この相手に、説得は通じない。

 

すぐにハリーは思考をめぐらせる

 

戦う?しかし、今持っているのは杖だけだ。

戦うための呪文なんて知らない。

 

使える呪文はこの前、授業で習ったものを浮かせる呪文だけだ。

 

足音はこく一刻と自分の方に迫ってくる。

このままでは殺されてしまう。

 

その時…

 

「!」

 

ハリーの目にトロールが持っていた。大きな棍棒が目に入った。

 

「ハリー!」

 

そこへ聞こえてきたのはハーマイオニーの声。

隣にはロンがいる

 

なかなか戻ってこない自分を心配してきたらしい。

だが、状況は最悪だ。

 

「来ちゃダメだ!!」

 

急いで声を張り上げるも仮面の少年は入ってきた二人に気づいてしまった。

 

銃口は遮蔽物のあるハリーではなく後から来た二人に向けられてしまう

 

ー迷っている暇はない

 

ハリーはトロールの体から出ていき、杖を落ちている棍棒に向けた。

 

「ウィンガーディアム、レヴィオーサー!!」

 

棍棒に習ったばかりの呪文をかける。

 

棍棒は地面を離れ宙に浮きはじめた

 

その声と音に仮面の少年は振り返る。

 

 

これがぶつかれば仮面の少年は死んでしまうかもしれない。死ななくても大怪我を追うかもしれない

だが、もうそんなことにかまっている暇はない!

友達を、ここにいる銃を持った殺意から守るためにはこうするしかない

 

ハリーは、杖を振った

それに伴い、棍棒は勢い良く少年に飛んでいく。

 

これをあいつにぶつければ…

 

すると、少年は

 

ガチャリと音を立てると、何を思ったのか右手に持った拳銃を飛んでくる棍棒に向けると

 

パァン!

 

引き金を引いた

 

弾丸が棍棒に当たりカキンと鈍い音が鳴る。

飛んでくる棍棒を止める勢いと威力は当然無い。ないはずだが…

 

音がなった瞬間ハリーの杖を持つ手が軽くなる

そして、飛んでいた棍棒は何事もなかったかのように、地面に落下

 

その姿はまさに、魔法が解ける瞬間を見たかのようだった。

 

「…はぁ、はぁ…」

 

ハリーの表情が絶望にひきつる

逆転をかけた一手がこうもあっさりと防がれてしまった。

もう友達もいる中、トロールの体に隠れるわけには行かない。それに、今からトロールの方へ走ったとしても間にあわないだろう

 

「つまらん芸を…」

 

再び自分に向けられる銃口

 

この時ハリーは、生まれて初めて、死を間近に感じた。

闇の帝王に襲われた時には幼いがゆえに理解できなかった死をその身に感じていた…

 

(殺される…)

 

仮面の少年の後ろにいる二人の友達は恐怖で動けなくなっている

それは、ハリーも同じだった。

 

しかし、その時

 

 

突如、どこからか飛んできた閃光が仮面の少年の横をかすめた

閃光は仮面の少年の後ろにあった棍棒を真っ二つに切り裂く

 

「何っ!?」

 

振り返った少年。視線の先には出口の扉があるだけだ…

閃光は少年に向けて容赦なく飛んでくる…

 

「ちっ!!」

 

見えない位置からの攻撃に少年は堪らずその場から逃げ出した。

 

 

 

緊張が解けたハリーはその場に膝をつく。

死の恐怖から解放されたことで、生きていることに対する安堵感がどっと湧き上がってきたのだ

 

「こんなところで、何をやっているのだ。ポッター」

 

そこへ現れたのは魔法薬学の教師、セブルス・スネイプだ。

自分のせいでまたグリフィンドールが減点を受けてしまうかもしれない。

ハリーはぼんやりとそんなことを考える。

 

その時ハリーは気づけなかった、スネイプ先生が

 

どういうわけか、その手に杖を持っていたことに…

 

 

 

その後、現れたマクゴナガル先生の計らいでグリフィンドールは逆に点数を増やしたようだ…




………長い


ではでは、感想、お待ちしております。


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