ハイスクールD×D 異世界を繋ぐ鍵 (ドルキ)
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第1話 俺、神様に選ばれました

今回は結構原作ブレイクすると思います。


 俺こと、剣 亮吾(つるぎ りょうご)は高校生だ。俺の母親は俺の小さい時に亡くなっていて、親父も高校に上がる前に亡くなった。親父は会社の社長をしていて、今は親父の弟さんが社長をやっている。一人暮らしをしていて、弟さんから仕送りをもらっている。ただ、仕送りの額が毎月数百万円くらいある。ものすごく大きい会社のようだ。卒業したらそこに就職するつもりだ。

 

「やっぱ、FAIRY TAILは面白いな。」

 

自宅で漫画を読んでいた。生活費以外で金を使うといえば、漫画やライトノベルを買うくらいだ。自宅には、千冊以上の漫画とライトノベルがある。一番好きな漫画は、FAIRY TAILで、一番好きなライトノベルは、ハイスクールD×Dである。

 

「次は、ハイスクールD×D読もーと。」

 

何度読んでも飽きない。しばらく読んでいると、

 

「うん?なんだこれ?」

 

おかしいことに気がついた。

 

『赤龍帝、貴様が俺に勝とうなんて千年速いぞ。』

 

あれ?ライザーとリアスが結婚した。他の巻も読んでみると、

 

『聖魔剣か。余興にはなったか。』

 

コカビエルが木場を殺した。

 

『貴様も、道連れだ!』

 

カテレアの自爆にアザゼルが巻き込まれて重傷。和平が不成立。

 

「どうなってるんだ?」

 

不思議に思っていると、目の前が輝き出した。

 

「まぶしっ!」

 

光が収まると、白い空間にいた。

 

「なんだ、ここ?」

 

「ようこそ、おいでくれました。」

 

後ろから声がしたので振り返ると、黒髪のまさしく美人の女の人がいた。

 

「美人だなんて照れますわ。」

 

あれ?声に出てたかな?

 

「声は出ていません。心を読みました。」

 

心を読んだ?

 

「はい。私は、フィークといいます。物語を司る神です。」

 

「神様?」

 

自分が神って、美人なのに残念な人だな。

 

「残念とはなんですか。あなただって、顔は整ってるのにオタクだから残念と言われてるじゃないですか。」

 

オタクだと!

 

「誰がオタクだ!俺は漫画とライトノベルが好きなだけだ!」

 

「私だって、本当に神なんだから!」

 

口論が続くが、フィークと言う人は怒り方がかわいらしい。

 

「もういいや。神ってのは信じるよ。心を読まれたら信じるしかない。」

 

「ようやく信じてくれましたね。ここにあなたを呼んだのは私です。」

 

「なんで俺を呼んだんだ?」

 

「あなたも気付いていると思いますが、ハイスクールD×Dの物語が変わってしまいました。」

 

確かに、全然違う話になっていた。

 

「私は、作品の物語や人の人生の物語を司っているのですが、ハイスクールD×Dの世界にその世界のものではない邪悪な力が働き、物語が変わってしまいました。なので、あなたの世界から人を送り込み、邪悪な力を消し去り、物語を元に戻すことにしました。」

 

「なんで俺?」

 

「あなただからではなく、ハイスクールD×Dだけではなく物語を心から愛している人を呼んだらあなたに決まりました。」

 

ハイスクールD×Dの世界か。俺、特別な力ないしすぐ死にそうだな。行きたいけど。

 

「行くならば特典をつけさせてもらいます。それと、もし行くならハイスクールD×Dに関する記憶は全て消えてしまいます。」

 

記憶が消えるのか。だけど、

 

「ハイスクールD×Dのピンチなんだ。俺は行くぜ。でも、俺が行ったら物語が変わるんじゃないのか?」

 

「邪悪な心がなければ物語が変わっても後で戻せます。好きにやってください。」

 

好きにやれって適当だな。

 

「特典ってなんでもいいの?」

 

「特典はくじで決めます。」

 

フィークは箱を取り出す。

 

「そこは適当なのね。」

 

「規則ですので。過去の特典でいうと鍛えれば鍛えるだけ強くなる肉体とかがありました。」

 

結構チートだな。

 

「チートになるかは自分の努力次第です。」

 

俺はくじを引く。

 

『FAIRY TAILのルーシィ的な能力の神器』

 

くじにそう書いてあった。

 

どういうこと?俺は星霊魔導士になるってことか?

 

「これは面白い特典が出ましたね。」

 

フィークが笑う。

 

「これってどういうこと?」

 

「この特典でルーシィのようなことが出来ます。呼び出すのは星霊ではなくて異世界の強者です。」

 

異世界?

 

「つまり、あなたの知っている物語の人物を呼び出すことができます。」

 

それって、めちゃくちゃ強いじゃん。

 

「じゃあ、ルーシィの星霊衣(スタードレス)的なこともできるの?」

 

「それは、禁止手(バランス・ブレイカー)になればできます。しかし、自分が弱いと強すぎる人物は呼び出せないので自分も鍛えてください。」

 

なるほど、鍛えればいいのか。師匠的な人を呼び出せば言い訳だな。

 

「神器の使い方は向こうに着いたら自動で頭にダウンロードされますので。あと、送った後は子供になっていると思います。修行の期間ということですね。」

 

勉強するのは嫌だがしかたないか。

 

「じゃあ、速いところ送ってくれ。」

 

「わかりました。物語をよろしくお願いします。」

 

フィークの話が終わると目の前が暗くなった。

 

 

 

 

 




めちゃくちゃ違う作品のキャラクターが出ると思います。


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第2話 異世界の扉が開かれる

目が覚めると自宅のベッドにいた。立ち上がると目線が低い。鏡を見ると、子供の姿の俺がいた。

 

「子供になってるってことは、夢じゃなかったのか。」

 

『はい、夢じゃありません。』

 

頭の中からフィークの声がする。

 

『いきなり違う家だと戸惑うと思いますのであなたの家を再現しました。家の状況も同じで一人暮らしです。あと、今のあなたは5歳です。』

 

「5歳が一人暮らし出来るわけないだろ。」

 

『元々一人暮らしをしていたあなたならお金さえあれば出来るでしょう。』

 

確かに、自炊もしてたし何とかなるか。

 

『記憶が無くなってると思いますが、まずは強くなってください。それと、学校にも行って勉強する事、いいですね。』

 

「お前は、俺の親か。」

 

『親みたいなものでしょう。あと、あなたの好きな漫画らは、あなたしか入れない書斎を作りましたのでそこで読んでください。』

 

「漫画は読めるのか。ありがとな。」

 

『神器の使い方はもうわかると思いますので、これで通信を終わりたいと思います。』

 

フィークの声がしなくなった。

 

さて、鍛えてみるか。とりあえず師匠になってくれる人を呼び出せばいいのか。ONE PIECEのレイリーやNARUTOの自来也は強すぎて呼べないな。あの人ならいけるか。念じると手に鍵が出現する。金色のドラゴンみたいな鍵だ。ここはルーシィみたいに、

 

「開け、DRAGON BALLの扉、亀仙人!」

 

すると、魔方陣的なものが出現して、そこにサングラスをかけて甲羅を背負った老人が現れた。

 

「か、亀仙人!!!」

 

亀仙人が現れたことに驚く。呼び出したの俺だけど。

 

「そうじゃがお主は誰じゃ?そしてここはどこじゃ?」

 

「はい、実はあなたを呼び出したのは俺です。そして、ここはあなたのいた世界じゃありません。」

 

「違う世界ということはあの世かの?」

 

「あの世じゃありません。俺は違う世界の者を呼び出す力があります。それで、亀仙人さんに鍛えてもらおうと思い呼び出しました。」

 

「なぜお主は強くなりたいんじゃ?」

 

「この世界に危機が訪れていると聞きました。なので、人を助ける力を俺にください。」

 

「ホッホッホ、まだ小さいのに覚悟は立派じゃの。いいじゃろう、鍛えてやろう。その代わり」

 

「その代わり?」

 

「ギャルを紹介してくれんかの。」

 

何いってんだこのじいさん。漫画で聞くと笑いで済むが、リアルで聞くとただの変態じゃねえか!フィークを紹介するか。

 

『嫌です!』

 

あっ、聞こえてたのね。

 

「まだギャルの知り合いはいないので俺が大人になったら紹介するということでお願いします。」

 

「いいじゃろう。」

 

ふざけていたのはここまで。俺は子供なのに容赦ない修行をさせてもらった。

 

 

次の日

 

「だらしないの、鍛えてくれと言ったのは亮吾じゃぞ。」

 

「ぜ、全身筋肉痛です。」

 

修行を始めようとした時、亀仙人のじっちゃんの体が薄くなってきた。

 

「俺の能力の限界のようです。呼び出す時間も伸ばせるようにがんばります。」

 

「まあ、色々がんばれの。昨日の修行を続ければある程度強くはなるじゃろう。また、呼ぶとよい。」

 

亀仙人のじっちゃんは元の世界に帰って行った。

 

 

 

 

 




師匠的な人は増えていきます。


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第3話 黒髪の追われる少女

 

俺がこの世界に来て3年の月日が流れた。もちろん小学校に行ってるけど、勉強は簡単過ぎるからまだ勉強しなくてもいいよね。そして、今は森の中で修行中である。

 

「うまく、纏ができてますね。自然体でいることが大切です。」

 

「はい、ウイングさん。」

 

この人は、HUNTER×HUNTERのウイングさん。亀仙人のじっちゃんにある程度鍛えてもらったので1年程前から念の使い方を教わっている。念を使うための精孔は先日開いたばかりだ。俺は開くのが遅いと思っていたが、ウイングさんが言うにはものすごく速いらしい。亀仙人のじっちゃんとの修行の成果だろう。ちなみに、俺は強化系である。

 

「もう念の初歩は完璧ですね。戦闘にはまだ使えませんが鍛練を続ければ強くなるでしょう。」

 

「ありがとうございました、ウイングさん。」

 

ウイングさんは元の世界に帰って行った。

 

「俺も家に帰るか。家に食材なかったから買い物して帰ろう。」

 

帰ろうと歩いていると、誰かが草むらから飛びだしてきて、俺と激突してしまった。不意なことだったので俺は倒れて誰かが俺の上に乗る。

 

「いてててて」

 

「ごめんなさい!人がいるなんて」

 

謝ってきたのは黒髪の少女だ。

 

「はやく、逃げて…」

 

少女の意識が無くなった。

 

ちょっと待て!俺のせいか!あわわ、どうしよう。あれ?この子、よく見たら服はボロボロで傷だらけだ。

 

「ようやく見つけたぞ!」

 

なんだ?同じような服を着ているおっさん達が十数人現れた。

 

「小僧、それを渡せ。」

 

「それってどれ?」

 

「とぼけるな!その娘に決まってるだろ!」

 

そんなに怒らなくてもいいじゃん。

 

「なんでこの子をもの扱いしてるのかは知らないけど、渡したらこの子はどうなるの?」

 

「それは一族の恥、始末するに決まっているであろう。命が惜しければそれを渡せ。」

 

始末ってことは殺すってことか。

 

「誰が渡すか。いい年してこんな女の子によってたかって、発情期ですか。」

 

「ガキが!調子に乗りよって!貴様も始末してくれる!」

 

おっさんの一人が火の玉のようなものを出して俺に飛ばしてくる。

 

「あぶねっ!」

 

俺は少女を抱き抱えて避けた。

 

「貴様、ただの人間ではないな。」

 

「ただの子供だよ。」

 

さて、どうしようか。一人一人なら何とかなるがこれだけの人数はさすがにきつい。念も練習中だし、この子を守りながらだと両手がふさがってしまう。

 

「小僧、悪く思うなよ。」

 

おっさん達が迫ってくる。

 

「しかたないか。」

 

俺は神器を発動する。

 

「開け、キン肉マンの扉、ジェロニモ!」

 

魔方陣のようなものが出現して、キン肉マンのジェロニモが現れた。

 

「亮吾くん、どうしたズラ?」

 

なんでジェロニモが俺のことを知ってるかと言うと、呼び出せそうで仲良くなれそうな人達は、片っ端から呼び出して友達になっているからだ。

 

「ジェロニモさん、この子がおっさん達に命を狙われているんだ。逃げる間、足止めしてほしい。」

 

「わかったズラ。子供を殺そうなんて、許せないズラよ。」

 

さすが、正義超人、かっこいい。

 

「あの小僧、神器持ちか!ならば、余計に始末しよう。魔物ごとな!」

 

おっさん全員で火や雷など様々なものを放ってくる。

 

「だれが魔物のズラ!オラは超人ズラ!アパッチのおたけび!ウラララララァァァァァーーーーーー!!!!!」

 

「「「「「ぐあああああああ!!!!!」」」」」

 

ジェロニモの必殺、アパッチのおたけびがおっさん達が放ってきたものを全て打ち消し、おっさん達も吹き飛ばした。

 

「今のうちに行くズラ。」

 

「ありがとう、ジェロニモさん。」

 

俺は少女を抱えて、森の中を駆け出した。

 

 

 

 

 

 




ジェロニモ
人間の時に、悪魔超人のサンシャインに勝ったすごい人。でも、超人になってから勝率は悪い。


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第4話 少女の涙

 

 おっさん達から逃げた俺は少女を担ぎ、とりあえず自宅に向かった。怪我を治療する人を呼ぶのもいいが、いきなり怪我が直るのは変なので、怪我の手当てをしてボロボロの服を脱がし、俺の服を着させてベッドに寝かせた。中々目覚めないので俺もソファーで寝た。

 

次の日

 

俺は起きた。少女はまだ眠っているようだ。よっぽど疲れていたんだろう。この子をほっとけないので、とりあえず、学校に今日は休むって連絡しよう。

 

「うぅ・・・・・」

 

しばらくして、ようやく少女が目を覚ましたようだ。

 

「ここは?」

 

「ここは、俺の家だよ。昨日、いきなり倒れたから連れてきたんだ。」

 

「あの人達は?」

 

「よくわかんないけど君の命を狙ってたから逃げてきたよ。」

 

「怪我の治療をしてくれたの?」

 

「ああ、ほっとけないから。」

 

「助けてくれてありがとう。じゃあ私は行くね。」

 

少女が立ち上がろうとする。

 

「まだ立ち上がるなって。そんな傷だらけでどこに行くつもりだ?家に帰るなら送っていくけど?」

 

家と言う単語を聞くと、少女は暗い顔をする。

 

「家は・・・ないの・・・」

 

やべっ、まずいことを聞いたな。

 

「ご、ごめん。」

 

「いいよ・・・」

 

沈黙が続く。

 

「君のご両親は?」

 

「ああ、親はいないよ。だいぶ前に亡くなったんだ。今は親戚から仕送りしてもらって一人で暮らしてるんだ。」

 

「ご、ごめんなさい。」

 

「いいよ。これでお互い様だよ。」

 

すると、

 

ぐぅ~

 

少女のお腹の音がなった。顔が赤くなる。

 

「ごめんなさい、しばらくろくなものを食べてなくて・・・」

 

「別にいいよ。あっ、よかったらこれ食べて。」

 

俺は、お粥と漬物を出す。

 

「ごめんね。君がいつ目覚めてもいいようにつくってあったんだけど、食材があんまりなくてこんなものしか用意できなかったんだ。」

 

「いいよ。いただきます。」

 

少女がお粥を食べる。すると、涙を流し始めた。

 

「ど、どうしたの!お粥不味かった!それとも熱かった!」

 

「ちがうの。とってもおいしいよ。ただ、人に優しくされたのが嬉しくて・・・」

 

少女は涙を手で擦りながら言う。

 

「ゆっくり食べなよ。」

 

「うん・・・」

 

しばらくして、お粥を食べ終わった。

 

「お粥、ありがとう。」

 

「お粗末様でした。」

 

食器を流し台に置く。俺はベッドの隣の椅子に座る。

 

「よければ、なんであのおっさん達に追われてたか話してくれないかな。」

 

「・・・私、人間じゃないの。」

 

そう言って少女は背中から黒い翼を出す。

 

「私は、人と堕天使のハーフなの。だから、母様の一族の者が母様を殺したの。父様が堕天使だから、私が堕天使の子供だからって。」

 

少女が涙を流す。俺は少女を抱き締めた。

 

「辛かったんだね。泣きたければ泣いていいんだよ。」

 

「うわーーん!!!」

 

少女が泣いている間、俺は抱き締め続けた。少女が泣き終わると俺は離れる。

 

「行くところがないならここにいてもいいんだよ。そういえば、まだ名前言ってなかったね。俺は剣 亮吾っていうんだ。」

 

「私は、姫島朱乃といいます。本当にいてもいいの?」

 

「いいよ。俺が命にかえても朱乃ちゃんを守るよ!」

 

こうして、俺は朱乃ちゃんと住むことになった。

 

 

 

 

 




ヒロインを朱乃にしたいと思います。

まだ、増えるかもしれません。


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第5話 将来の決断

あの日から一年程たった。

 

「亮ちゃん、ご飯できたわよ。」

 

「ありがとう、朱乃姉ちゃん。」

 

一緒に暮らすようになって朱乃姉ちゃんは元気を少しずつ取り戻した。姉ちゃんと呼んでいるのは、年上だと知ったからだ。食事は交代で用意している。

 

「朱乃姉ちゃんの料理は美味しいね。」

 

「うふふ、ありがとう。亮ちゃんが作った時も、美味しいですわ。」

 

2人で食事をする。友達が少ない俺にとっては心地のいい時間だ。少ないと言ってもいない訳じゃないからな。

 

「食べた、食べた。朱乃姉ちゃん、ちょっと出掛けてくるね。」

 

「うふふ、亮ちゃん、いってらっしゃい。」

 

俺は家を出て、森に向かった。そこには男達がいた。

 

「今日もいやがったな。」

 

「また貴様か!」

 

「今日こそあれの居場所を吐かしてやる!」

 

あの日以来、たまにあのおっさん達の仲間がこの町に来るようになった。

 

「くらえ!」

 

火の玉のようなものを飛ばしてくる。

 

「よっ!」

 

俺は避ける。全く、いつも同じような攻撃してきやがって。

 

「だらっ!」

 

とりあえず、意識を失う程度にボコボコにした。

 

「さて、帰るか。アイスでも買って帰ろう。」

 

俺はコンビニによって自宅に帰った。

 

「ただいま!」

 

「おかえり、亮ちゃん。」

 

うん?なにやら真剣な顔をしている。

 

「どうしたの?」

 

「亮ちゃん、大事な話があるの。」

 

とりあえず、テーブルに向かい合い座る。

 

「話って?」

 

「ある悪魔の方から眷属悪魔にならないかと、話をいただいているの。」

 

「悪魔?」

 

悪魔がいることは聞いていたが、眷属悪魔ってなんだ?

 

「私を悪魔として転生させて迎えてもらうことで、私の家の問題を全て受け入れてくれるそうです。これで姫島の者が私を狙うことがなくなります。亮ちゃんも、もう姫島の者と戦わなくてもいいのよ。」

 

「あれ?追い返してたのバレてた?」

 

「うふふ、亮ちゃんのことはお見通しですわ。」

 

「襲われないのはいいけど、悪魔になっていいの?」

 

「亮ちゃんが良ければ、この話を受けようと思うの。」

 

そんな大事なことを俺に決めさせるのか!

 

「えーと、朱乃姉ちゃんが人でも、堕天使でも、悪魔でも、朱乃姉ちゃんは朱乃姉ちゃんだから襲われないようになるなら話を受けてもいいんじゃないかな?」

 

「わかったわ、ありがとう、亮ちゃん!」

 

朱乃姉ちゃんは俺に抱きついてきた。うっ、成長中の朱乃姉ちゃんの胸があたる。

 

「朱乃姉ちゃん、恥ずかしいよ。」

 

「うふふ、いいじゃないの。」

 

朱乃姉ちゃんは俺から離れる。

 

「では、この話を受けます。しばらくあちらに行くと思います。」

 

 

 

 

 

 

数日後

 

「では、亮ちゃん、行ってきますわ。」

 

「行ってらっしゃい、朱乃姉ちゃん。」

 

朱乃姉ちゃんは悪魔になるために出掛けて行った。

 

さて、朱乃姉ちゃんもいないし、家で修行するか。

 

ピーンポーン

 

うん、誰だ?

 

「はーい」

 

扉を開けると、二人の男がいた。

 

「どちら様ですか?」

 

って、この二人、ものすごいオーラだ。

 

「君が、剣 亮吾くんだね?」

 

体格が良い風貌の方が聞いてくる。

 

「そうですけど、誰ですか?」

 

「俺は、バラキエルという者だ。」

 

そして、もう一人の方も、

 

「俺は、アザゼルだ。」

 

どうやら、とんでもない人達が来たようだ。

 

 

 

 




子供になって精神も結構幼くなっているかな。


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第6話 訪問、黒き翼の者達

「お、お茶です。」

 

「すまないな。」

 

「おっ、気が利くじゃねえか。」

 

2人が出されたお茶を飲む。

 

ちょっと待て!なんでこの人達がいるんだ!朱乃姉ちゃんが堕天使って言うから自分で調べたら、バラキエルとアザゼルって聖書にも乗ってる凄い堕天使だろ。ラスボスみたいなもんじゃねえか!

 

「亮吾くん。」

 

「は、はい!」

 

バラキエルさんが俺の名前を呼ぶ。

 

「そんなに固くならなくても良い。まずは・・・」

 

バラキエルさんが頭を下げてきた。

 

「朱乃を守ってくれて感謝する。」

 

え?ってことは、

 

「もしかして朱乃姉ちゃんのお父さんって、バラキエルさんですか?」

 

バラキエルさんは頷く。

 

「朱乃姉ちゃんが悪魔になるって知ってるんですか?」

 

「ああ、知っている。」

 

「良かったんですか?」

 

「これで、朱乃の安全が保証されるなら・・・それに、情愛で有名なグレモリーなら信用できる。」

 

少し暗い顔をしているが、どこか安心もしていた。

 

「さてと、バラキエルの用事も終わったし、俺の用事を済ませるか。」

 

アザゼルさんが言う。

 

「友人の娘を救ってくれたことは、俺も礼を言う。しかし、お前さんは何者だ?子供が、姫島の下の者とはいえ、撃退出来るわけがない。どんな力を持ってるんだ?」

 

んー、どうしようか?朱乃姉ちゃんにも神器のことは話してないんだよな。

 

「親がいないから、自分の身を守るために鍛えていただけです。」

 

誤魔化せたか?

 

「まあ、言いたくないならそれでいい。」

 

誤魔化せてないな。

 

「なら、俺の実力を見せましょうか?」

 

まあ、今の自分がどこまで通用するか見てみたい。

 

「ならアザゼル、俺が相手をしよう。」

 

バラキエルさんが言う。

 

「朱乃を守った力、見せてもらいたい。」

 

「わかりました。」

 

でも、どこで戦うんだ?

 

「じゃあ行くか。」

 

アザゼルさんが手を掲げると、床に魔方陣?が現れた。すると、目の前の景色が代わり、無人島のような所にやってきた。

 

「えっと、どこですかここ?」

 

「俺がたまに釣りに使う無人島だ。ここなら誰の邪魔も入らない。」

 

こんな、瞬間移動?転移?することができるなんて堕天使は凄いな。

 

「では、始めようか。」

 

バラキエルさんと向き合う。

 

「行きます!」

 

俺はバラキエルさんに向かって行った。

 

「オラっ!」

 

俺は殴りに掛かる。バラキエルさんは受け止める。

 

「でりゃっ!」

 

今度は蹴るが、また受け止められる。

 

くそっ!結構本気でやってるんだけどな。

 

今度は、数で攻める。

 

「オラオラオラ!!!」

 

俺の拳による連打。しかし、それらを全て避けられ、受け止められる。

 

「ふんっ!」

 

バラキエルさんが殴りに掛かってきた。これは避けられない。腕でガードするが、

 

「ぐぅ・・・」

 

ダメージがデカイ。本気どころか力も全く入れていないだろう。

 

「そんなものか亮吾くん。」

 

バラキエルさんは平然としている。さすがは、堕天使の幹部だ。あとで倒れるかも知れないがしかたないか。

 

「堅!」

 

オーラを通常以上出して留める。これで攻守が上がる。しかし、オーラの消費が激しい。

 

(むぅ、雰囲気が変わったか。)

 

バラキエルは思う。

 

「だりゃ!」

 

俺は殴りに掛かる。さっきよりスピードもパワーを上がってるはずだが、避けられ、受け止められる。

 

「なら、りゃあ!!!」

 

俺は地面を思いっきり殴り、砂煙を起こす。

 

ここだ!俺は右手にオーラを集中させる。全ての念の能力の応用技、硬だ。オーラを集中させるところ以外の防御は皆無に等しく、諸刃の剣だが、今の俺が出せる最大の攻撃だ。

 

「うおりゃゃゃあああ!!!」

 

バラキエルさんの腹部を思いっきり殴った。

 

「ぐぉっ!」

 

バラキエルさんは衝撃で後退する。殴られた箇所を手で押さえる。

 

「はぁはぁはぁ・・・うぅ・・」

 

俺は力が抜けて倒れそうになる。それをバラキエルさんが支えてくれた。

 

「亮吾くん、いい一撃だったぞ。」

 

「あ、ありがとうございます。」

 

硬の一撃でもほとんどダメージがないか。

 

「いや~、いいものを見せてもらった。」

 

アザゼルさんが拍手をしながら近づいてきた。

 

「体が光って見えたけど、ありゃなんだ?神器か?」

 

見えてたのか。そういえば、キメラアントでも念使いでないのに見えてたのがいたな。

 

「念といいます。体から出る生命エネルギー、オーラを操っていました。オーラを操る者の事を念使いといいます。」

 

別に隠さなくても良いだろう。

 

「念ね。最後の攻撃は下級の悪魔を倒せるレベルだったな。中級でも重症レベルだろう。しかもその若さ、将来は俺達と対等に渡りあえるくらいになるか。」

 

アザゼルさんが顎に手を当てながら言う。

 

「亮吾くん、朱乃のことは頼んだぞ。」

 

「はい、もっと強くなって朱乃姉ちゃんは守って見せます。」

 

アザゼルさんの魔方陣?によって俺達は自宅に帰った。

 

 

 

 




一撃入れましたが、バラキエルはめちゃくちゃ手加減していたということで。

雷光も使ってなかったですしね。


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第7話 高校生活の始まりです

 

 あれから数年、俺は高校1年生になった。朱乃姉ちゃんが悪魔になって別々に暮らすことになった。なんでも、朱乃姉ちゃんの主の悪魔の方が、朱乃姉ちゃんのために神主がいなくなった神社を買い取って用意してくれたらしい。まあ、別々に暮らすと言ってもよく一緒にいるし、食事も一緒に食べている。

 

キーンコーンカーンコーン

 

「では、授業を終わります。」

 

やっと昼休みか。高校の勉強ってこんなに難しかったかな?まあ、しかたないか。ここ、駒王学園はレベルの高い高校だし。もっとレベルの低い所に行こうと思っていたが、朱乃姉ちゃんが一緒の高校に通おうって言うから頑張って勉強してここに入学した。

 

「亮吾、昼飯食いに行こうぜ。」

 

「おう、行こうぜ、イッセー。」

 

こいつは兵藤一誠。俺の中学時代からの同級生だ。皆はイッセーと呼んでいる。さて、購買に行くか。あれ?

 

「財布がなーい!」

 

うう、今朝寝坊したからそれのせいか。

 

「亮吾、財布忘れたのか。俺も手持ちが少ないし。松田、元浜、金貸してくれ。」

 

イッセーが声を掛けたのは、坊主頭が松田、メガネを掛けているのは元浜と言う。この2人も中学時代からの同級生だ。

 

「生憎だが俺も金がない。」

 

「すまん、俺もだ。」

 

くっ、まあ、しかたないか。高校生がそんなに金を持ってる分けないか。

 

「しゃーない、俺達の弁当分けてやるよ。」

 

くー、こいつら、友達で良かった。

 

「キャー!」

 

「なんでここにいるんですか!」

 

廊下が騒がしいな。廊下側の扉を見てみると朱乃姉ちゃんが入ってきた。

 

「朱乃姉ちゃんどうしたの?」

 

「うふふ、実は今朝早く起きてしまって亮ちゃんの分も作ってしまったの。良ければ食べてくれませんか?」

 

「ありがとう、朱乃姉ちゃん。財布忘れて困ってた所なんだ。」

 

「うふふ、それは良かったですわ。一緒に食事もいたしますか?」

 

「それは、ごめん。友達に誘われているんだ。」

 

「そうですか。では、明日は一緒に食べてくださいね。」

 

「わかったよ。」

 

朱乃姉ちゃんは帰ろうとしたが振り向いた。

 

「亮ちゃん、今日の放課後は時間はありますか?」

 

「放課後?大丈夫だけど?」

 

「少し、付き合ってくれますか?」

 

「いいよ。」

 

「では、放課後、迎えに来ますね。」

 

朱乃姉ちゃんは帰って行った。さて、食うか。うん?

 

「「「亮吾!てめぇー、どういうことだ!」」」

 

3人が凄い形相で迫ってきた。

 

「どういうことって、どういうこと?」

 

「とぼけるな!なんで姫島先輩と知り合いなんだ!」

 

「しかも、姫島先輩の手作り弁当とは、どういうことだ!」

 

「くそー、うらやましい!」

 

「朱乃姉ちゃんは俺のお姉さんみたいな存在かな。昔、一緒に暮らしてたし。」

 

俺の一言に、3人が声をあげる。

 

「暮らしてただとー!じゃあ、姫島先輩の大事な所も見たことがあるのか!」

 

「俺なら見てたね。」

 

「俺もだ。」

 

この3人、めんどくせ~。

 

「「「その弁当、よこせ!」」」

 

3人が獣のように襲ってきた。

 

「そりゃ!」

 

「「「ギァッ!」」」

 

とりあえず、叩きのめした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

「亮ちゃん、迎えに来ましたわ。」

 

朱乃姉ちゃんがやって来て俺はついていく。

 

「学園は慣れましたか?」

 

「だいぶ慣れたよ。それで、どこに行くの?」

 

「旧校舎ですわ。そこに私の主がいるんです。1度、亮ちゃんを紹介しようと思いまして。」

 

朱乃姉ちゃんについていき旧校舎に入った。しばらく歩くと、オカルト研究部と書かれた部屋があった。

 

「部長、入りますね。」

 

朱乃姉ちゃんがノックをして、扉を開けた。中に入ると、紅の髪の少女と金髪の少年と白髪の小柄な少女がいた。

 

「朱乃、その子があなたが言っていた剣 亮吾くんね。」

 

「はい、そうです。」

 

「初めまして、剣 亮吾です。話は聞いています。リアス・グレモリーさんですね。」

 

「そうよ。初めまして。亮吾と呼んでもいいかしら?」

 

「好きに呼んでください。」

 

「僕は、木場祐斗です。君と同級生だから呼び捨てでも構わないよ。」

 

「よろしく、木場。」

 

「搭乗小猫です・・・」

 

「えっと、よろしくね、小猫ちゃん。」

 

この人達、中々のオーラだ。

 

「ねぇ亮吾、朱乃の話を聞くかぎり、あなたは変わった力を持ってるそうね。どんな力かしら?」

 

「んー、そうですね。これは見えますか?」

 

神器のことは黙って念の事だけ話そう。俺は錬を使いオーラの量を多くする。

 

「見えるわ。」

 

「うふふ、私も見えますわ。」

 

「僕も、見えます。」

 

「私も見えます。」

 

全員見えるか。悪魔や堕天使なら念は見えるのかな?

 

「これは念といいます。体から出るオーラ、生命エネルギーを操っています。念を使える者の事を念使いといいます。」

 

念の説明をした。

 

「念使いね。亮吾、会ったばかりだけどあなた悪魔になってみる気はない?」

 

「つまり、リアスさんの眷属になると言うことですね。」

 

「そうよ。」

 

悪魔か。人の生きる年齢は長くて100年、悪魔はとてつもなく長く生きるから朱乃姉ちゃんと一緒にいるには悪魔になる方がいいのかな?でも、

 

「その話、保留でいいですか?」

 

「あら?どうしてかしら?」

 

「悪魔になれば人に戻れないですし、まだ人としてやりたいこともありますし、でも、朱乃姉ちゃんと一緒にいるために悪魔にもなりたいですし、一旦考えるということでいいですか?」

 

「そう、しかたないわね。」

 

「あっ、オカルト研究部には入れてください。」

 

「わかったわ。じゃあ、私のことは部長と呼びなさい。」

 

「わかりました、部長。」

 

こうして、長い長い高校生活が始まった。

 

 

 

 




そろそろ、原作に入りそうですね。


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第8話 はぐれ討伐・・・しかし

「はぐれ悪魔討伐?」

 

俺は、部室で部長に言われた。

 

はぐれ悪魔、力に溺れるなどして主を裏切り凶悪になる悪魔のことだ。

 

「ええ、はぐれ悪魔が出たから討伐してほしいと連絡があったの。そこまで強いはぐれではないのだけれど、神器を持っているから厄介になる前に討伐してくれとのことよ。亮吾の力を見たいからついてきてくれないかしら?」

 

「部長、亮ちゃんが強いからって人間を討伐に参加させるのは危険です。」

 

朱乃姉ちゃんは心配してくれる。

 

「朱乃姉ちゃん、大丈夫だよ。もし、何かあっても朱乃姉ちゃんのことは俺が守ってみせるから。」

 

「あらあら、頼もしいわ、亮ちゃん。」

 

朱乃姉ちゃんは少し頬を赤くする。

 

「私はどうなってもいいのかしら。」

 

少し不機嫌になるリアスでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜

 

俺達は、駒王町にある、ある山にいた。

 

「部長、どんなはぐれなんですか?」

 

「フェーザと言うそうよ。なんでも風を操る神器を持っているみたいなの。」

 

作戦を話ながらはぐれ悪魔を探していると、

 

「ぐぎゃぁぁぁぁぁあああ!!!」

 

叫び声が暗闇に響いた。俺達は叫び声が聞こえた方に向かった。向かった先に何かが落ちていた。それは手だった。

 

「これは人間の手じゃないわ。悪魔の手よ。」

 

部長が言う。

 

「部長、向こうから血の匂いがします。」

 

小猫ちゃんが指をさしながら言う。小猫ちゃんの指さした方に向かうと、そこには緑色の巨体で翼がある者が何かを食べていた。

 

「あん?なんだてめぇら?こいつの仲間か?」

 

そいつが振り向いた。よく見るとその手には、はぐれ悪魔だったであろう肉片を持っていた。

 

「こいつは、ドラゴンなのか!」

 

木場が言う。

 

「ああん?ドラゴン?そんなトカゲと一緒にすんじゃねぇよ。」

 

ドラゴンじゃない。こいつは!

 

「シ・・・シンバル・・・」

 

見覚えがある、こいつはドラゴンボールのシンバルだ!

 

「亮吾、こいつのことを知っているの?」

 

部長が聞いてくる。

 

「わかっているのは、こいつの名前はシンバル。そして、悪魔でもなければドラゴンでもない、魔族です。」

 

「魔族?」

 

部員の皆は疑問に思っている。魔族など聞いたことがないからだ。

 

「とりあえず、こいつを野放しには出来ません。はぐれ悪魔以上に犠牲者がでます。」

 

俺達は戦闘体制に入る。

 

「てめぇ、俺のことを知ってんのか?まあいい、少し質問する。知らねぇ間にこんな所にいたが、ここはどこだ?殺さねぇから教えてくれや。」

 

「ここは、駒王町にある山だ。それと、殺さないってのは嘘だな。お前からは殺意のオーラがする。」

 

念能力者になってわかる。シンバルから出るオーラが見たことがないくらいに禍々しい。

 

「駒王町?知らねぇとこだな。あと、ゆっくり殺ってやろうと思ったが、やっぱ今すぐ殺してやる!」

 

シンバルが攻撃を仕掛けてきた。

 

「祐斗!」

 

「はい!」

 

部長の掛け声で木場が攻撃を仕掛ける。ものすごい速度だ。ぼんやりとしか見えない。しかし、

 

ガキーン!

 

「今なんかしたか?」

 

「くっ、硬い。」

 

木場の剣での攻撃は、シンバルの硬い鱗に阻まれた。いつの間にかシンバルの懐に小猫ちゃんが潜りこんでいた。

 

「吹っ飛べ・・・」

 

小猫ちゃんは殴るが、

 

「なんだ?蚊でも止まったのか?」

 

シンバルは平然としている。

 

「うりゃあ!」

 

「うっ・・・」

 

小猫ちゃんはガードしていたが、殴り飛ばされた。

 

「雷よ!」

 

朱乃姉ちゃんが雷を放つ。

 

「なんだこの痺れ?肩こりが取れるぜ。」

 

朱乃姉ちゃんの雷が効かないのか!

 

「喰らいなさい!」

 

部長が滅びの魔力を放った。

 

「これはなんか危険だな。はぁ!!!」

 

シンバルは口から怪光線を放ち、滅びの魔力を相殺する。

 

「くぅ、なんて強さなの・・・」

 

部長達は驚愕していた。だが、おかしい。シンバルはここまで強くなかったはずだ。

 

「お前ら、変な技を使うな。殺しがいがあるぜ。」

 

シンバルは余裕を見せている。あの防御力、突破するにはあの技しかない。

 

「皆さん、俺があいつを倒します。しかし、時間が掛かる技なので時間を稼いでください。」

 

「亮吾、いくら何でも人間のあなたが倒せる訳・・・」

 

「わかりましたわ。」

 

部長の言葉を朱乃姉ちゃんが遮る。

 

「朱乃!」

 

「部長、大丈夫です。亮ちゃんならやってくれますわ。」

 

朱乃姉ちゃん・・・

 

「朱乃がそこまで言うなら。皆!やるわよ!」

 

「「「はい、部長!」」」

 

俺は技の準備に取りかかる。

 

魔剣創造(ソード・バース)!!!」

 

木場がシンバルのまわりに剣を大量に作り出す。木場も神器を持っていたのか!

 

「剣が邪魔だな。だが、上が、がら空きだぜ。」

 

シンバルは翼で飛ぼうとするが、

 

「雷よ!」

 

「喰らいなさい!」

 

いつの間にか上空に飛んでいた部長と朱乃姉ちゃんが攻撃を放った。

 

「ちっ、煩わしいが剣を突っ切るか。」

 

シンバルが剣を壊しながら攻撃を避ける。

 

「喰らえ・・・」

 

そのシンバルに小猫ちゃんが小猫ちゃん以上の大きな岩を投げつける。

 

「ぐおっ!」

 

ダメージはないだろうがよろけた。

 

準備ができた。俺がハンターハンターでも一番好きなキャラの技。好きだが敵キャラのため呼んだら殺されるかもしれないので俺が自分で使うことにした。その必殺技は、

 

超破壊拳(ビッグバン・インパクト)!!!!!」

 

「ぐおぉぉぉぉおおお!!!」

 

俺は渾身の一撃をシンバルに放った。その衝撃でまわりの木々も吹き飛び、シンバルも吹き飛んで谷に激突した。

 

「はぁはぁはぁ・・・」

 

「す、凄い・・・」

 

部員達も今の一撃の威力に驚いているようだ。だが、ウボォーギンの一撃はもっと威力が高いはずだ。それに、ここまで溜め時間は長くない。もっと修行をしないといけないな。

 

皆で吹き飛んでいったシンバルを見に行くとシンバルは死んでいた。

 

「部長、すみません。あの技は手加減できないので」

 

「仕方ないわ。あんなに強い凶悪な生物がいるなんて思わないもの。この事は、魔王さまにも伝えておくわ。でも亮吾、何であいつのことを知っていたの?」

 

うーん、なんて説明しよう。

 

「知り合いに、ああいうものに詳しい人がいるんです。」

 

嘘は言ってないよ。一応。

 

しかし、なんでドラゴンボールのシンバルがいたんだ?しかも、強くなって。これから大変なことが始まりそうだ。

 

 

 




ウボォーギンは強いですね。

でも、クラピカが強すぎました。

ウボォーギンもこの話に出したいところです。


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第9話 軽い総督殿

 

シンバルを倒して数日たった。シンバルの遺体は後で来た悪魔の方が回収して行った。色々と調べるそうだ。多分、何もわからないと思うが。俺は休日を利用して自宅で出来る修行をしている。

 

「・・・・・ふぅ、1時間が限界か。」

 

俺は今、浮いている。舞空術の練習だ。亀仙人のじっちゃんは舞空術をできないが、気の扱いを少し教えてもらった。気の扱いはオーラに似ているから浮くこと事態は結構簡単だ。ただ、浮くのはものすごく疲れるので、今は飛べる時間を伸ばしている。

 

ピーンポーン

 

うん?誰だ?朱乃姉ちゃんか?扉を開けると、

 

「久しぶりだな。このアザゼルさんが会いにきてやったぜ。」

 

俺はゆっくり扉を閉めた。

 

「てっ、なんで閉めんだよ!」

 

アザゼルさんが扉を開けた。

 

「不法侵入で訴えますよ。」

 

「不法侵入ってお前が閉めたのがいけねぇんじゃねぇか!」

 

「はあ、で、何しに来たんですか?バラキエルさんが怒りますよ。それに、悪魔の領地に来ていいんですか?」

 

「バレなきゃいいんだよ。ちょっとお前に聞きたいことがあってな?」

 

「聞きたいこと?」

 

「ここじゃなんだからあがらせてもらうぜ。」

 

はぁ、堕天使の総督がこんなに軽い人なんて、誰も思わないよな。

 

「聞きたいことってなんですか?」

 

「この間、お前らがはぐれ悪魔の討伐に向かった時、そのはぐれ悪魔は殺されていて、はぐれを殺した生物はお前らが倒したらしいな。」

 

「どこからその情報を仕入れたんですか?」

 

「グレゴリの情報網をなめんなよ。その生物のことも知りたいが俺が知りたいのは、なんでお前がその生物について知っていたのかが知りたい。教えてくれないか?」

 

この人は軽いくせに、頭がいいし、好奇心が旺盛だな。どうしよう。異世界のことを話すか話さないか。一応信用はできそうなんだけどな。

 

「はぁ・・・誰にも言わないと約束してくれますか?」

 

もう、この人にだけ言っておこう。

 

「おっ、やっと話してくれる気になったか。」

 

「アザゼルさんは神器の研究をしているんですよね。」

 

「おお、神器の研究が俺の生き甲斐だからな。なんだ?亮吾も持ってるのか?」

 

「まあ、一応・・・」 

 

俺は鍵を作ってアザゼルさんに見せる。

 

「なんだこりゃ?」

 

アザゼルさんは鍵を持って観察している。

 

「それは俺の神器『異世界を繋ぐ鍵(ディファレント・キー)』です。他にも鍵の種類があります。」

 

「『異世界を繋ぐ鍵』?そんな神器は知らないな。神器はいまだに新しいのが見つかってるから別に不思議ではないが。一体どんな神器なんだ?」

 

「この世界にはここだけではなくて様々な世界が存在します。異世界と言うことですね。この神器はその鍵でその異世界の人を呼び出すことができます。俺の念も、異世界から呼んだ人に教えてもらいました。」

 

俺は神器の説明をした。

 

「まさか、そんな神器があるなんてな。今度、研究させてもらいたいな。だが、なんで神器の説明をしたんだ?」

 

「実は、この間倒したシンバルと言う者はその異世界にいるはずの者なんです。」

 

アザゼルさんは考え込む。

 

「たしかに、それならお前が知っていて不思議じゃないな。だが、お前が神器を使ってないのにそのシンバルってやつがいたのはどういうことだ?」

 

「それは俺にもわかりません。ただ、シンバルは異世界にいたときよりも強くなっていました。この世界にも悪人がいるように向こうにも悪人がいます。もし、その悪人達が強くなってこの世界に来たら大変なことになります。」

 

「なるほど。今日は話してくれてサンキューな。このことは誰にも言わないぜ。言った所で騒ぎになるだけだからな。じゃあもう帰るぜ。困ったことがあったら何でもいいな。」

 

「いえ、でも話してなんだかスッキリしました。」

 

アザゼルさんは帰っていった。

 

 

 

 

 




アザゼルは信用できそうなので話すことにしました。


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第10話 魔族と白龍皇

 

「・・・ふぅ、練を全力で出せるのは2時間か」

 

俺は森の中で念の修行をしている。自然の中で念を使うと上手く念を使える気がするからだ。

 

「さて、帰るか」

 

うん?気配?木の上を見ると銀髪の少年が枝に座っていた。

 

「ここはいい所だな。空気が綺麗で修行をするにはもってこいの場所だ。」

 

こいつ、めっちゃ強いな。

 

「誰だ、おまえ?」

 

少年は枝から降りてくる。

 

「俺はヴァーリ。君は剣 亮吾だろ。アザゼルから聞いている。面白い能力を持った奴がいるとね」

 

「アザゼルさんの知り合いか?だが、堕天使の気配はしないな。どちらかと言うと悪魔か人間のようなオーラだな」

 

オーラの質は悪魔や堕天使で特徴的なものがあるからなんとなくわかる。

 

「そうだ。俺は悪魔と人間のハーフでね。神器を持っているからアザゼルに保護されたと言う訳だ」

 

「ハーフと言う訳か。それで、何しに来たんだ?」

 

「俺は強い奴と戦うのが好きでね、君の実力を見に来ただけだよ。だが、まだ戦うには値しないようだ」

 

こいつ、言わせておけば!

 

「たしかに、今は勝てる気がしない。だがな、たまには下の者もよく見る方がいいぞ。いつその首を狩るかわからねぇからな」

 

今は勝てる気がしない。でも、いつかは越えてやる。

 

「下を見る方がいいか。覚えておく。それともう1つ、君に会いに来た目的がある」

 

「もう1つの目的?」

 

「俺は自分のチームを集めていてね。剣 亮吾、俺の仲間にならないか?」

 

「仲間?眷属と言うことか?」

 

「生憎、俺は悪魔の駒(イーヴィル・ピース)は持っていない。ただ単に色んな種族の俺がいいと思った奴を仲間に引き入れてるだけだ」

 

「仲間ねぇ。じゃあ、そこの木の後ろにいる奴もヴァーリの仲間か?」

 

俺は木を指差す。

 

「バレちまったかぁ。気配は消してたつもりだったんだがなぁ」

 

武将が着けてるような鎧を着ている男が出てきた。

 

「気配は消えてたよ。ある技を使った」

 

俺が使ったのは円だ。纏と練の応用で広げオーラを固定してその中にあるものを感じる技だ。達人は50メートルは広げられるようだが、俺は5メートルが限界だ。それと、ヴァーリ達が見えないのは陰で念を見えないようにしているからだ。凝を使えば見えるがヴァーリ達は念能力者ではないので見ることはできないであろう。

 

「俺っちは美猴、妖怪だ。よろしくだぜぃ」

 

美猴、こいつも俺より強いな。

 

「やはり、君は面白い。どうする?俺の仲間になるか?」

 

「悪いが先客がいてな、眷属悪魔にならないかと言われてるんだ」

 

「そうか、それは残念だ」

 

「仲間にはならないが友達にはなってやるよ」

 

俺の一言にヴァーリと美猴はポカンとした。

 

「うん?変なこと言ったか?」

 

次に美猴がケタケタ笑いだす。

 

「ヴァーリ相手に友達ぃ、そんなこと言う奴は初めて見たぜぃ」

 

「ふっ、俺も友達になろうなんて初めて言われた」

 

ヴァーリも少し笑う。

 

「ヴァーリは悪い奴じゃなさそうだからな。もちろん美猴も友達だ」

 

「俺っちもいいのか、なら今日から俺っちと亮吾は友達だぜぃ」

 

「やはり君は面白い。いいだろう、君とは友達になってやる」

 

「今日から俺達は友達だ。それと、今日はもう帰っていいか?修行終わりで疲れているんだ。」

 

「そうか、なら俺達も帰ろう。」

 

ヴァーリ達は帰って行った。俺も帰ろう。

 

俺は歩いて帰っている。舞空術は疲れるからだ。できるだけ歩くようにしている。うん?俺はとっさに避けた。殺気を感じたからだ。すると俺の近くにあった木が数本倒れた。

 

「誰だ!」

 

「ほぅ、俺の攻撃を避ける奴がいたか」

 

声のする方を見るとそいつは飛んでいた。しかも、見たことがある。

 

「てめぇ、タンバリンだな。」

 

そう、こいつはドラゴンボールのタンバリンだ。序盤の敵では中々の強敵だった。

 

「俺のことを知っているのか。質問するがここはどこだ?死にたくなければ言いな」

 

「ここは駒王町だ。まぁ、お前は知らないだろうがな」

 

「駒王町?たしかに知らんな。なら俺の知っている場所まで案内しろ」

 

「悪いがここにお前の知っている場所はない。それと、ピッコロ大魔王もここにはいない」

 

「そうか、なら、死ぬがいい!」

 

タンバリンは俺に高速で接近してきた。

 

「どりゃっ!」

 

タンバリンの攻撃を俺は避ける。あんなのまともを喰らえるか。

 

「りゃあっ!」

 

今度は俺が殴りにいく。しかし、タンバリンは片手で受け止める。

 

「まぁまぁの攻撃だ。あの小僧より弱いがな」

 

小僧とは悟空のことだろう。

 

それから俺とタンバリンによる殴りと蹴りの攻防戦。しかし、俺は押され始める。元々、タンバリンの方が強いのと、俺は修行終わりで疲れているからだ。

 

「そんなものか、どりゃっ!」

 

「がはっ!」

 

俺はタンバリンに殴り飛ばされる。くぅ、堅を使っていてもこのダメージか。

 

「なんだ?まだ生きてるか」

 

くそっ、こうなれば、

 

「うりゃっ!」

 

俺は念を込めて地面を思いっきり殴って砂煙を起こす。

 

「くそっ、どこだ!」

 

タンバリンは俺を見失う。俺は円を使っているのでタンバリンの居場所はわかる。念を込めてる時間は短いが仕方がない。

 

「ライト版超破壊拳(ビッグバン・インパクト)!!!!!」

 

「ぐおぉぉぉぉおおお!!!!!」

 

タンバリンを殴り飛ばす。煙が晴れる。どうだ?

 

「貴様、やるではないか」

 

タンバリンは立ち上がる。口から少し血を流しているようだがそれほどダメージは入っていないようだ。

 

「くぅ・・・」

 

念を使い過ぎた。もう、神器を使う体力の余裕もない。もう、さすがに駄目だな。朱乃姉ちゃん、ごめん・・・

 

「死ねぇぇぇ!!!」

 

タンバリンが迫ってくる。俺に止めを指すのだろう。もう、避ける力がない。しかし、タンバリンの攻撃はどこかから伸びてきた棒によって阻まれる。

 

「何者だ!」

 

タンバリンが声をあげる。棒が伸びてきた方を見ると、そこにはヴァーリと美猴がいた。

 

「俺っちは美猴。闘戦勝仏の末裔だぜぃ。分かりやすく言うと孫悟空だぜぃ。」

 

美猴って西遊記の孫悟空だったの!

 

「孫悟空だと!貴様はあのチビの仲間か!」

 

タンバリンが声をあげる。

 

「へぇ、内の初代を知ってるのかぁ」

 

美猴が言う。いや、お互いに勘違いしてるよ!孫悟空は孫悟空でも違うから!

 

「大きな音が聞こえたと思えば面白そうなことになっているではないか」

 

ヴァーリ、なんでそんなにウキウキしてんだ!

 

「美猴、手を出すな。俺がやる。」

 

ヴァーリが前に出てくる。そして、背中から光の翼を出す。

 

禁止手(バランス・ブレイク)

 

Vanishing Dragon Balance Breaker(バニシング ドラゴン バランス ブレイカー)

 

ヴァーリの言葉に反応するように背中の翼から音声が流れ、するとヴァーリが白い人身鎧(プレートアーマー)を着た姿になった。

 

禁止手!しかもバニシングドラゴンってたしかニ天龍って呼ばれてる白龍皇だろ。神滅具(ロンギヌス)じゃねぇか!

 

「そんな、こけおどし何なる!はぁ!!!」

 

タンバリンはヴァーリに向けて気功波を放つ。しかし、ヴァーリは手を前に出し、

 

『DivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivide!!!!!』

 

その音声ごとにタンバリンの気功波は小さくなっていきやがて消えた。

 

「貴様!一体なんなんだ!」

 

タンバリンが驚愕している。

 

「なんなんだ、か・・・そうだな。俺はそこの剣 亮吾の友だ。友が友を助けるのは当たり前だろう」

 

すると、ヴァーリが消えた。いや、高速でタンバリンに接近した。

 

「ぐはっ!」

 

ヴァーリはタンバリンの腹を殴る。

 

ビチッ!

 

「ギャア!!!」

 

タンバリンの翼を引きちぎる。ヴァーリはタンバリンを上空に投げ飛ばす。

 

「思ったほど強くなかったな。がっかりだ」

 

ヴァーリは手から巨大な魔力を放つ。タンバリンに命中してタンバリンは消滅した。

 

マジかよ。強くなってたはずのタンバリンをこうもあっさりと・・・これが白龍皇の力か。

 

「立てるか、剣 亮吾」

 

「何とかな。あと、フルネームじゃなくて気軽に亮吾って呼んでくれ」

 

「そうか。だが、あんなのに疲れているからって負けるようじゃ話にならんな。もっと強くなれ、亮吾」

 

「ハッ、ハッ、ハッ。ヴァーリは手厳しいぜぃ」

 

こうして、ヴァーリに助けられた。もっと修行しないといけないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、また死んじゃった。異世界の悪人も役にたたないわね」

 

「仕方あるまい。異世界でもあやつはレベルが低いやつじゃからのう。それにあの白いのは中々やりおる」

 

「次に期待しますか」

 

遠くから亮吾達を見ている怪しき影があった。

 

 

 

 

 




ヴァーリは強い。

そして、最後の奴は誰だ?


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第1章 旧校舎のディアボロス
第1話 友達の彼女は堕天使


 

俺は2年生になった。はぐれ悪魔が出ることはあったが、タンバリン以降、他の世界の者が現れることはなかった。タンバリンのことは悪魔側には内緒にしている。知ってるのは、俺とヴァーリと美猴とアザゼルさんだけだ。白龍皇に接触したと知れば部長は黙ってないだろうからな。あと、まだ俺は人間だ。人間の内に鍛えられる所まで鍛えようと思っている。そして、俺は今、登校している途中である。

 

「おっ、あれは松田と元浜じゃねぇか。おーい」

 

松田と元浜を見つけた俺は2人に近づく。

 

「ああ、亮吾か。おはよう」

 

「おはよう」

 

珍しくイッセーがいないな。

 

「おーい、松田、元浜、亮吾」

 

どうやら来たようだ。俺達、3人が振り向くとイッセーと黒髪の少女がいた。

 

「お前ら、紹介するよ。俺の彼女だ」

 

「天野夕麻です。はじめまして」

 

イッセーに彼女ね。松田と元浜は驚愕しすぎて固まっている。普通は固まるよな。こんなに可愛い子が性欲の権化と言われるイッセーの彼女って聞けばな。俺も驚いているよ。だって、堕天使だもん。良し・・・

 

「あれ~、天野さん、久しぶり」

 

「え?ど、どちら様ですか?」

 

「久しぶりだからわからないか。俺だよ、俺、剣だよ。小学生の時、同じクラスだった、覚えてない?」

 

夕麻は困惑している。そりゃそうだ。初対面だもん。夕麻は俺の方を見る。気づいたか。俺が念で空中に『何もしないから話を合わせて堕天使さん』と、書いていることを。アザゼルさんが堕天使は日本語を読めると聞いて思いついた作戦だ。

 

「ひ、久しぶりですね」

 

「イッセー、ちょっと天野さんを借りるぞ」

 

「えっ、ちょっ・・・」

 

俺は夕麻を引っ張って人気のない所に向かった。

 

「ここなら、誰の邪魔も入らないな」

 

円で確認したし、誰も来ないな。

 

「貴様、一体何者だ?」

 

夕麻はいきなり露出の多い黒い衣装になる。

 

「ちょっと変わった人間さ」

 

「どうして堕天使だとわかった?それと、さっきの空中の文字はなんだ?」

 

「さっきのは、体から出るオーラを空中で固定しただけだ。堕天使ってわかったのは堕天使に知り合いがいるんだ。俺は剣 亮吾、お前は?」

 

「レイナーレだ」

 

「レイナーレ、なんでこんな所にいるんだ?ここはグレモリーの悪魔が治める土地だぞ」

 

「そんなことは知っている。仕事しにきただけだ。神器を持っている危険分子を始末するためにな」

 

「危険分子?イッセーがそうと言うのか?」

 

「そうだ。彼女を装って始末する機会を伺っている」

 

こいつ、イッセーを殺すためにいるのか!しかも、騙した上で殺すなんてくそ野郎じゃねぇか!

 

「アザゼルさんは知ってんのか?」

 

「貴様、アザゼルさまを知ってるのか!」

 

レイナーレは驚愕している。そりゃそうだ、人間が堕天使の総督と知り合いなんて思わないだろうからな。

 

「も、もちろん知っている・・・」

 

嘘だな。

 

「お~い、亮吾、夕麻ちゃん、どこだ~」

 

イッセーが俺達を探しているようだ。

 

「そろそろ戻るか。だがな、レイナーレ、もし、イッセーに手を出したら容赦はしないからな」

 

「はいはい、そうですか」

 

こいつ、自分の方が強いと思っているな。とりあえず、イッセーの所に戻ろう。

 

「イッセー君、ごめんね、急にどこかに行っちゃって」

 

「別にいいよ」

 

レイナーレは元の格好に戻っている。

 

「じゃあね」

 

レイナーレは帰って行った。さて、俺達も学校に向かうかって、なんだこの黒いオーラは?振り返ると朱乃姉ちゃんがいた。

 

「亮ちゃん、さっきの子は誰かしら?」

 

顔は笑ってるが、め、目が笑っていない。

 

「い、イッセーの彼女だよ」

 

「そう、でもなんで腕をつかんでいたのかしら?」

 

見られてたか。

 

「い、イッセー助け・・・」

 

あ、あいつらいねぇ!逃げやがった!

 

「説明してくれますか?」

 

「は、はい・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

「部長、少しいいですか?」

 

「いいけど、なんで亮吾はボロボロなのかしら?」

 

あれから朱乃姉ちゃんのお仕置きを受けた。

 

「まぁ、いいじゃないですか。それより、今日の朝、堕天使に遭遇しました」

 

「堕天使と遭遇して大丈夫だったの?」

 

部長が心配してくれる。

 

「別に戦闘した訳じゃありません。ただ、堕天使は悪魔の領地と知っていて来ていたようです。目的は、イッセーの中に眠る神器が危険となる前に始末するとのことです」

 

「イッセー?」

 

「俺の友達です。絶対に堕天使から守ります。しばらくイッセーを尾けてもいいですか?」

 

「わかったわ。こちらも手を回しておくわ」

 

イッセー、無事でいろよ。俺が守ってやる。

 

 




原作スタート!


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第2話 狙われる親友

 

俺は、堕天使がいたことをあるところに連絡している。

 

「もしもし、アザゼルさん?」

 

(なんだ?亮吾から連絡してくるなんて珍しいな)

 

「アザゼルさん、俺の住む町に堕天使がいたんです。何でも、俺の友達に神器が宿っているから危険になるために始末すると言っていました。その事は、知っていましたか?」

 

(ああ?そんなの知らねぇぞ。そもそも、俺は神器所有者を保護するくらいなのになぜ始末しなくちゃいけないんだ)

 

「やっぱり、独断の行動か、それとも何か裏があるのかもしれませんね。」

 

(まだ、行動を起こした訳じゃないんだろ。何かあれば死なない程度にお仕置きをしてやれ)

 

「わかりました」

 

アザゼルさんとの通話が終わった。やっぱり、独断か。アザゼルさんが神器マニアなのに神器所有者を始末する訳はないよな。

 

うん?イッセーから電話?

 

「どうした?」

 

(亮吾に聞きたいことがあってな。今度の休み、夕麻ちゃんとデートすることになってどこに行ったらいいかアドバイスして欲しいんだけど)

 

「なんで俺?俺は彼女とかいないからデートとかしたことないぞ」

 

(亮吾は姫島先輩とよく一緒に出掛けるんだろ。だから女の子の行きたい所がわかると思って電話してみたんだけど)

 

「いや、俺は朱乃姉ちゃんの行きたい所に着いていくか、俺の行きたい所に朱乃姉ちゃんが着いてきてくれるかだから参考にはならないぞ。まぁ、初デートだし、あんまり嫌われるようなことをしなければいいんじゃないか?イッセーは女の子に嫌われるのは得意だし」

 

(ほっとけ!でも、そうだな。買い物してご飯食べる位にしとくよ。じゃあな)

 

電話が切れた。堕天使がただのデートをするとは思えないな。様子を見に行くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の休日

 

「イッセーくん、待った?」

 

「いや、俺も今来た所だよ」

 

普通にデートをしているな。だが、レイナーレからは悪意のオーラが見える。俺はこっそり2人をつけている。オーラは絶で消して気配を消している。しばらくして公園にやって来た。

 

「イッセーくん、お願いがあるの?」

 

「なに?」

 

「死んでくれないかな?」

 

レイナーレは、黒い露出が多い格好になった。レイナーレは光の槍をイッセーに投げる。俺は急いでイッセーの前に向かい光の槍を弾いた。

 

「イッセー、大丈夫か?」

 

「りょ、亮吾!」

 

イッセーは声をあげる。

 

「貴様・・・どこから入ってきた」

 

「ずっと、つけてたよ。イッセーを守るためにな」

 

レイナーレは翼を羽ばたかせて飛ぶ。

 

「ふん、人間の割にやるようだが、空中では戦えないだろ」

 

レイナーレは光の槍を無数に放ってきた。

 

「オラッ!」

 

俺は飛んでくる光の槍を全て拳で砕く。

 

「なに!」

 

レイナーレは驚く。

 

「亮吾、これは一体何なんだよ!」

 

「イッセー、今度説明するから逃げろ」

 

俺は舞空術で飛ぶ。

 

「貴様、人間ではないのか!」

 

「俺は人間だ。ちょっと鍛えてるだけだよ」

 

「くそっ!」

 

レイナーレは光の槍を無数に放つ。また同じような攻撃か。俺は全てをなぎはらう。

 

「痛い目に逢いたくなければ堕天使領に帰りな」

 

「ふん、もう遅い」

 

うん?俺は円を使う。

 

「イッセー!今すぐ伏せろ!」

 

「え・・・」

 

イッセーはどこかから飛んできた光の槍に貫かれた。イッセーは血を流し倒れる。

 

「イッセー!!!」

 

俺はイッセーの元に駆け寄る。

 

「良くやった、ドーナシーク」

 

「大したことない。それよりずらかるぞ。この人間は厄介だ」

 

レイナーレとドーナシークと呼ばれた堕天使の男はどこかに飛んでいった。こいつら!だが今はイッセーが大事だ。くそっ!俺が早くに円を使っていたら攻撃に気づいたのに!とりあえず、今は円を使って誰もいないことを確認する。

 

「開け!ジョジョの奇妙な冒険の扉!仗助!」

 

俺は神器を発動する。そして、リーゼントに学ランの東方仗助が現れた。

 

「仗助!見たまんまだ!イッセーを助けてくれ!」

 

「いきなり呼び出されてなんだと思ったらこいつはグレートにやべぇぜ。クレイジーダイヤモンド!」

 

仗助はスタンド、クレイジーダイヤモンドを出す。あと、なぜか俺にもスタンドは見える。

 

「すげぇ傷だが生きてるから何とかなるな」

 

仗助はクレイジーダイヤモンドの能力を使ってイッセーの傷を直す。

 

「これで何とかなるだろう」

 

「ありがとう、仗助」

 

仗助は元の世界に帰って行った。何とか助けられたけど傷つけてしまったな。とりあえず、連絡だ。

 

「もしもし、部長?」

 

(亮吾、どうしたの?)

 

「イッセーが襲われました。何とか命は助けましたが堕天使のことを知ってしまったので明日にでも部室に連れていって説明してもいいですか?」

 

(わかったわ。場合によっては私の眷属にするかもしれないわ。堕天使が狙うほどの神器なんて眷属にすれば面白いかもしれないし、保護も兼ねてね)

 

「わかりました。眷属になるかはイッセーの意思なんで」

 

通話を切った。とりあえず、イッセーをイッセーの家まで運ぶか。

 

 

 

 




ちょろっと原作を変えました。


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第3話 新入部員入ります

 

昨日、堕天使からイッセーを助けて家に送り届けた。もちろん、イッセーの両親にバレないようにした。俺は今、登校している途中である。

 

「だから、夕麻なんて知らねぇって」

 

「そうだ、お前に彼女なんて出来る訳ないだろ」

 

イッセーと松田と元浜は何を言い争ってるんだ?

 

「どうした、おまえら?」

 

「亮吾、イッセーが変なんだ」

 

「彼女がどうこう訳わからんことを言うんだ」

 

そうか、レイナーレは記憶を改ざんしていったんだな。

 

「亮吾、お前にも夕麻ちゃんを紹介したよな!」

 

紹介したどころか戦ったんだけど・・・

 

「イッセー、ごめん。俺も知らない」

 

「そ、そんな・・・」

 

「ほら、イッセーに彼女なんて出来る訳ないだろ」

 

「行こうぜ」

 

松田と元浜は先に学校に向かった。

 

「イッセー、昨日のこと覚えてるか?」

 

「昨日のこと?はっきり覚えてないんだよな。夕麻ちゃんとデートしてたような気はするんだけど・・・」

 

「公園で襲われたよな」

 

「な、なんで・・・夢じゃなかったのか!」

 

「天野夕麻のことを知りたければ、俺と放課後にあるところに行ってほしい」

 

「わ、わかった」

 

俺とイッセーは学校に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

「イッセー、行くぞ」

 

「おう」

 

俺はイッセーを連れていく。歩いていると、

 

「キャー、木場くん!」

 

「かっこいい!」

 

木場が俺達の方に歩いてきた。

 

「なんだよイケメン」

 

イッセー、そんなに敵意を向けなくても・・・

 

「ひどいな。僕は亮吾くんと同じ部活だから一緒に行こうと誘いに来ただけなんだけど・・・」

 

木場は苦笑いしながら言う。

 

「亮吾は俺と行くところがあるんだよ。イケメンはどっかに行きな」

 

「イッセー、ひどいぞ。まあ、いいじゃねぇか。そもそも向かう所は一緒なんだし」

 

「はぁ!部活!」

 

まぁ、驚くよな。

 

「行こうぜ、木場、イッセー」

 

「そうだね、亮吾くん」

 

「ちょっと、待てよ!」

 

俺達は部室に向かった。

 

「亮吾、お前の部活って何なんだよ」

 

「あれ?言ってなかったっけ?ここだよ」

 

旧校舎についた。

 

「旧校舎?」

 

「そう、オカルト研究部だよ」

 

俺達は旧校舎に入り、部室に入った。部室に入ると小猫ちゃんだけいた。

 

「あれ?小猫ちゃん、部長たちは?」

 

「3年生は授業の関係で遅れるそうです」

 

(こ、この子は駒王学園のマスコット、1年の搭乗小猫ちゃんじゃないか!)

 

イッセーは心の中で思う。

 

「あっ、小猫ちゃん、こいつが兵藤一誠」

 

「どうも・・・」

 

「こ、こちらこそ、どうも」

 

ガチャッ

 

扉が開いた。

 

「あら、もう来ていたの。遅れてごめんなさいね」

 

「あらあら、お早いですね」

 

「大丈夫ですよ、部長、朱乃姉ちゃん。俺達も今来たところですから」

 

(この方々は、駒王学園のお姉さま、リアス・グレモリー先輩と黒髪ポニーテールの姫島朱乃先輩じゃないか!なんだ、このオカルト研究部にふさわしくない豪華メンバーは!)

 

イッセーは心の中で驚愕している。

 

「兵藤一誠くん、今からあなたに起こった出来事について話してあげるわ。」

 

部長がいつも通りに部長の椅子に座り、イッセーはソファーに座る。

 

「兵藤一誠くん、イッセーと呼んでもいいかしら?」

 

「そ、そりゃもうご自由に呼んでください」

 

「イッセー、私たちは悪魔なの」

 

イッセーは困惑している。そりゃそうだ、いきなり悪魔なのって言われたら誰でも困惑する。部長たちは悪魔の翼を出す。

 

「ほ、本当に悪魔・・・りょ、亮吾も悪魔?」

 

「いや、俺は人間だよ」

 

「イッセー、この子に見覚えはあるわね」

 

部長はレイナーレの写真を見せる。

 

「彼女は堕天使、私達、悪魔の敵よ。それであなたは命を狙われた。その身に宿す神器のせいでね」

 

「神器?」

 

「そうよ。自分の思う強いものをイメージしてやって見なさい。そうすれば、神器が現れるはずよ」

 

イッセーは少し考え立ち上がり、両手を合わせて構えを取る。あ、あれは!

 

「ドラゴン波!」

 

すると、イッセーの左腕に赤い籠手が装着される。『龍の手(トゥワイス・クリスタル)』?なんか違うような・・・それより、

 

「イッセー、なんで空孫悟のドラゴン波なんだ!やっぱり最強はアガリちゃんの地球砕きだろ!」

 

アガリちゃん、この世界のアラレちゃんみたいなものだ。

 

「いや、やっぱ子供の頃のヒーロー、空孫悟だろ」

 

「どちらでもいいわ、そんなこと」

 

「部長!これははっきりさせないといけません!」

 

オカルト研究部員は困惑しているが、これははっきりさせないといけない。

 

「残念イケメンオタク・・・」

 

「小猫ちゃん!俺はオタクじゃない!漫画が好きなだけだ!」

 

「亮ちゃん」

 

「なに、朱乃姉ちゃん」

 

「うふふ、少し大人しくしましょうか?」

 

こ、これは、怖い時の朱乃姉ちゃんだ。

 

「ご、ごめんなさい」

 

「うふふ、いいのよ。わかってくれたら」

 

部室が静かになる。

 

「イッセー、相談なんだけどあなた悪魔になってみない?」

 

「それはどう言うことですか?」

 

部長は悪魔の歴史を簡単に説明し、眷属悪魔としてのあり方、悪魔の爵位について話した。

 

「どう?悪魔になってみる?」

 

「自分のハーレム・・・うぉー!なります!ハーレムを作って見せます!」

 

こいつ、簡単に悪魔になること決めやがって。俺はいつ悪魔になるか悩んでるのに。部長は兵士の駒を取り出す。

 

「じゃあ、私の兵士にするわね」

 

「兵士?」

 

「また、機会がある時に説明するわ。それじゃあ転生させるわね」

 

部長が呪文を唱える。しかし、何も起こらない。

 

「あら、1つでは足りなかったかしら?」

 

部長は2つ目の兵士の駒を取り出して呪文を唱える。しかし、何も起こらない。

 

「変ね?まだ足らないのかしら?」

 

中々イッセーは悪魔に転生出来ず、そして等々兵士の駒、8個全てを使ってようやく転生することが出来た。

 

「ま、まさか全て使うことになるなんて・・・」

 

部長含めオカルト研究部員は驚いた。俺も驚いている。

 

「イッセー、お前すげぇな」

 

「な、なんかわからないけど俺ってすごいのか?」

 

こうして、イッセーがオカルト研究部に入部した。

 

 

 

 

 



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第4話 神器のことバレました

連続投稿。

暇なので。


「ハーレム王に俺はなる!」

 

イッセーが宣言する。こいつ、相変わらずだな。

 

「なあ亮吾、お前は人間なのになんでオカルト研究部に入ってるんだ?」

 

イッセーが聞いてくる。

 

「勧誘はされてるんだけどな。1度、悪魔になると人間に戻れないから決心がつくまで待ってもらってるんだよ」

 

「ふ~ん。じゃあ、亮吾も神器とか持ってるのか?」

 

「いや、俺が使うのは念だよ」

 

俺は、普段は陰で隠しているオーラをイッセーの見せた。

 

「なんだ!この光!」

 

「これが念だよ。オーラとも言われていて体から出る生命エネルギーを操るんだ」

 

「すげぇ。じゃあ、この前のが夢じゃなかったのなら飛べるのか?」

 

イッセーが聞いてくる。

 

「亮吾、飛べるとはどういうことかしら?」

 

部長が聞いてくる。そういえば、舞空術は見せたことがなかったな。俺はその場で浮かぶ。

 

「これは舞空術。体の気を操って飛ぶ立派な武術です」

 

俺は説明する。

 

「気ですか・・・」

 

小猫ちゃんが少し暗い表情になる。あれ?気に何かあるのかな?

 

「亮吾すげぇな。俺もその舞空術を使えば飛べるのか?」

 

「イッセーは悪魔なんだし、自分の翼で飛べよ」

 

俺は笑いながら言う。

 

「それもそうだな。じゃあ、俺が堕天使に貫かれたときの怪我はどうやって治したんだ?」

 

「うっ、そ、それは・・・」

 

それを話せば異世界のことも話さないといけないんだよな。とりあえず、舞空術をやめて床に立つ。

 

「い、イッセー、何言ってんだよ。お前は転んで気絶しただけで、怪我なんかしてないだろ」

 

「いや、あれが夢じゃなかったんなら俺は腹を貫かれたぞ」

 

イッセーに悪気がないのはわかるけど、何とか誤魔化せないかな。

 

「ハハハ、イッセーは頭を打ったから混乱してたんだろ」

 

「そ、そうかなぁ・・・」

 

誤魔化せたか・・・

 

「亮ちゃん」

 

「な、何朱乃姉ちゃん?」

 

「嘘はいけませんよ。亮ちゃんが嘘をついてる時は私にはわかるんですよ」

 

朱乃姉ちゃん、そんなに俺のことを見てたのか。

 

「亮吾、隠していることを言いなさい。」

 

部長を言ってくる。

 

「はぁ、まぁいつか言おうと思っていましたし。わかりました。言いますよ。ただし、誰にも言わないでくださいね。たとえ、魔王さんであっても」

 

仕方がないな。

 

「それほど重要なことなのかしら?」

 

部長が聞いてくる。

 

「はい。皆さん、この世界には色々な世界があることを知っていますか?」

 

「冥界や天界のことかしら?」

 

「確かに、部長の言う通り冥界などもあります。しかし、俺達はそこに出入りできます。悪魔なんで天界に行くのは無理ですけど、理論的には行けます。」

 

「何が言いたいのかしら?」

 

俺は鍵を作る。

 

「実は世界はここ以外にたくさんの世界があります。異世界としましょう。俺の神器『異世界を繋ぐ鍵(ディファレント・キー)』はその異世界の人達を呼び出すことが出来るんです。それでイッセーの怪我を治せる人を呼び出しました」

 

俺は説明をした。

 

「ま、まさかそんなことあり得ないわ」

 

部長が信用してくれない。

 

「うふふ、私は信用いたしますわ」

 

「朱乃!」

 

「亮ちゃん、もしかしてあの時もその神器を使ってくれたんですか?」

 

朱乃姉ちゃんは初めて会ったときのことを言っているんだろう。

 

「うん。言わなくてごめんなさい」

 

「いいのよ。私は亮ちゃんのことを信じるとあの時に誓いましたから」

 

朱乃姉ちゃん・・・

 

「じゃあ亮吾、誰か呼んでみてくれないか?」

 

イッセーが言う。

 

「う~ん、向こうの人達も向こうの生活があるからしょっちゅう呼び出すことは嫌なんだけどな。まぁ、あの人ならいいか」

 

俺は鍵を構える。

 

「開け!DRAGON BALLの扉!亀仙人!」

 

俺は亀仙人のじっちゃんを呼び出した。

 

「亮吾、どうした?修行か?」

 

「ごめん、じっちゃん。この人達に俺の能力を説明するために呼んだんだ」

 

じっちゃんはみんなの方を見る。

 

「なんだ、このじいさん?」

 

イッセーが言う。

 

「俺の師匠の1人の亀仙人のじっちゃんだ。俺の格闘術はじっちゃんに鍛えてもらったんだ」

 

「そんなに凄そうには見えないんだけど?」

 

部長が言う。確かに、見た目はヨボヨボのじいさんだけどな。

 

「ふほ~、そこの娘さん方、いいおっぱいをしておるのう」

 

じっちゃんは部長と朱乃姉ちゃんを見て言う。

 

「じいさん、おっぱいの良さがわかるのか!」

 

イッセーが声をあげる。

 

「なんだお主、お主もおっぱいの良さが分かるのか?」

 

「そりゃもう。おっぱいには、無限の可能性がある俺の人生そのものなんだ」

 

「若いのに分かるのか。お主、名前は?」

 

「兵藤一誠、イッセーって呼んでくれ」

 

「イッセーか。お主とは仲良くなれそうじゃ」

 

イッセーとじっちゃんは変態同士、何か共有しているようだ。うん?小猫ちゃん?

 

「えい」

 

「「ぎゃあ~!」」

 

小猫ちゃんが二人を殴り飛ばした。

 

「エッチなのは嫌いです・・・小さくて悪いですね」

 

小猫ちゃんはご立腹のようだ。

 

「イッセー、じっちゃん、あんた達が悪いよ」

 

「うっせぇ、おっぱいは男の夢だ!」

 

「イッセー、良く言ったわい。そうじゃ、夢じゃ!」

 

こいつら・・・はぁ

 

「もう帰れ!」

 

俺はじっちゃんを強制的に元の世界に戻した。

 

「あぁ、同士!」

 

「うるさい、イッセー!」

 

俺はイッセーの頭にチョップした。

 

「亮吾、あのおじいさんは本当に強い方なの?」

 

部長が聞いてくる。

 

「本当はすごいんですよ。向こうじゃ武術の神様なんて言われていますから。1度、向こうの月を破壊したこともありますよ」

 

部長達は驚愕している。

 

「つ、月を破壊!!!」

 

イッセーが声をあげる。

 

「向こうとこっちじゃ強さの基準が違うから」

 

「強すぎるだろ!」

 

「ただ単なる戦闘ならこっちの世界にもじっちゃんより強い人達はたくさんいるぞ。魔王やら堕天使総督やらこっちだって化け物揃いだ」

 

イッセーは驚愕している。部長達は魔王を知っているため納得はしている。俺は魔王に会ったことも見たことをないけどね。

 

「お、俺、悪魔として強くなれるか不安になってきた」

 

イッセーは不安になっているが、これから新しい部員を加えて部活が始まっていく。

 

 

 

 



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第5話 迷子のシスター

 

「イッセー、元気出せよ」

 

「うう、こんなんじゃ上級悪魔になるにはどれくらいの時間がいるんだ・・・」

 

イッセーが悪魔になって数日がたった。俺は悪魔じゃないから夜の悪魔の仕事は行ってないけど、イッセーは契約を取れないから落ち込んでいた。しかも、契約が取れないのに評価は最高だという。部長は前代未聞でどうしたらいいかわからないと言っていた。あと、魔方陣で転移出来ないくらいに魔力がないらしい。

 

「はぅっ!」

 

うん?俺とイッセーが振り返ると、シスター服を着ている子がころんでいた。俺達はその子の元に向かう。

 

「だ、大丈夫?」

 

イッセーが声を掛ける。

 

「うぅ、どうして何もないところでころんでしまうのでしょう。すみません、ありがとうございます」

 

少女が立ち上がる。すると、風が吹き少女のヴェールが飛んでいく。イッセーはそれを拾う。

 

「拾っていただきありがとうございます」

 

少女が礼を言う。その少女は金髪の緑の瞳をしているまさしく美少女と言うのに相応しい姿をしていた。イッセーが少女を見て固まっている。

 

「どうした?」

 

俺はイッセーを軽く叩く。

 

「あ、ご、ごめん」

 

イッセーはヴェールを少女に渡す。

 

「旅行?」

 

「いえ、この町にある教会に赴任してきたんです。ですが、場所がわからない上に言葉も通じないので困っていたんです」

 

悪魔はどの言語でも会話が出来るからイッセーは会話が出来ているんだな。俺は、朱乃姉ちゃんに同じようなことが出来るように魔力を掛けてもらっている。

 

「亮吾、この町に教会って1つだけだよな?」

 

「確かに、1つしかなかったよな」

 

でも、今は無人だったような気がするな。

 

「俺が案内してやるよ。亮吾、いいよな?」

 

「時間はあるし、いいぞ」

 

イッセーは、悪魔と教会が関わったらいけないことをあんまり自覚してないな。俺もついていって何かあれば守ってやるか。

 

「本当ですか!ありがとうございます。これも主のお導きですね」

 

少女は手を合わせて祈り始めた。少し、イッセーはダメージを受けたようだ。俺達は教会に向かった。その途中で、

 

「うえ~ん!」

 

膝を擦りむいて泣いている男の子がいた。少女が近づき、

 

「男の子がこのくらいで泣いてはだめですよ」

 

少女が傷に手をかざすと、淡い緑色の光が放たれ傷が治っていく。たしかこれは、『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』だったか。俺が少々、神器を知ってるのは、アザゼルさんが神器の話をしてくれるからだ。

 

男の子が傷が治ったので喜んでいると、母親のような方が来て、男の子を連れて行った。しかし、その人が少女を見る目はまるで異質なものを見ているかのような目だった。少女が気を落としていると、

 

「ありがとう、お姉ちゃん!」

 

男の子が大声でお礼を言ってきた。でも、日本語がわからないので、

 

「ありがとう、お姉ちゃん、だって」

 

イッセーが少女に翻訳してあげた。

 

「すみません。つい、癖で」

 

少女が舌を出して微笑む。そして、再び教会に向かった。

 

「凄い力を持っているんだね」

 

イッセーが言う。

 

「はい、神様がくださった素敵な力です。あ、あれが教会ですね」

 

少女が言うように教会が見えてきた。

 

「お、俺達、行くところがあるから行くね」

 

イッセーがあわてて離れようとしている。悪魔の本能で教会が危険と感じているんだろう。

 

「教会にいらしてください。お礼をさせてくれませんか?」

 

少女が言う。

 

「俺達、急ぎの用事があったんだ。俺は、兵藤一誠、イッセーって呼んでくれ」

 

「俺は、剣 亮吾だ。剣でも亮吾でも好きなように呼んでくれ」

 

「私は、アーシア・アルジェントです。アーシアとお呼びください」

 

「シスター・アーシア、また今度ね・・・」

 

「イッセーさん、亮吾さん、またお会いしましょう」

 

俺達はアーシアと別れて、学校に向かった。

 

 

 

 

 



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第6話 はぐれ悪魔バイザー

「2度と教会に近づいてはだめよ」

 

俺とイッセーは部長に怒られていた。

 

「今回はそのシスターを送ってあげたことで見逃してもらったようだけど、いつ、光の槍が飛んできてもおかしくなかったのよ」

 

「そ、そんなにヤバい状況でしたか・・・」

 

たしかに、浅はかだったか。

 

「亮吾、あなたは悪魔じゃないからあまり強くは言わないけど、悪魔と教会の関係は知っているでしょう。なんで、イッセーを止めてあげなかったの?」

 

「すみません。あのアーシアって子がほっとけなかったんです。それと、もし、イッセーが攻撃されたら俺が守ってあげるように着いていきました」

 

「とにかく、もう教会に近づいてはだめよ。私も熱くなったわ」

 

説教は終わった。

 

「亮吾、なんか悪いな」

 

「俺こそ悪い。人間の俺が1人で連れて行ったら良かったな」

 

イッセーはいい奴だな。

 

「うふふ、お説教は済みましたか」

 

いつの間にか、朱乃姉ちゃんが俺達の後ろにいた。

 

「討伐の依頼が大公から来ました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜

 

「朱乃、この廃墟であってるのね」

 

部長達、グレモリー眷属と俺ははぐれ悪魔を倒すためにある廃墟に向かっていた。

 

「はぐれ悪魔って何ですか?」

 

イッセーは部長に質問している。

 

「はぐれ悪魔は悪魔なって力に溺れて、主を裏切ったり殺したりして凶暴になる悪魔よ。はぐれ悪魔は見つけ次第、討伐するか捕獲しないといけないの。今回はすでに人間に被害が出ているから討伐の依頼が来たと言う訳よ。それと、今回で悪魔の戦いと眷属の特性について教えておくわ」

 

「特性ですか?」

 

「そうよ。あなたを転生させる時に使った悪魔の駒(イーヴィル・ピース)にはそれぞれ特性があるの」

 

話していると、殺気を感じてきた。

 

「うまいのかな、不味いのかな、甘いのかな、苦いのかな」

 

なんか訳のわからないことを言っているはぐれ悪魔が現れた。その姿は上半身は女性のようだけど、下半身は化け物みたいなまるでケンタウルスみたいな姿をしていた。

 

「なんだこいつ、化け物じゃん!」

 

イッセーが驚いている。

 

「はぐれ悪魔バイザー、グレモリー公爵の名の元にあなたを消し飛ばしてあげる」

 

「小癪な小娘め、貴様の紅の髪のように貴様の鮮血で染めてやる。」

 

バイザーが襲ってきた。

 

「雑魚ほど洒落のきく台詞をはくものよ。祐斗」

 

「はい、部長」

 

部長の合図の元、木場が高速でバイザーに近づく。

 

「祐斗の駒は騎士。その特性はスピードと達人級の剣術よ」

 

「ぎゃぁぁぁぁ!!!」

 

木場がバイザーの両腕を切り落とした。そのバイザーに小猫ちゃんが近づいて行く。

 

「小癪なぁぁぁ!!!」

 

バイザーが小猫ちゃんを踏みつける。

 

「小猫ちゃん!」

 

イッセーが心配して叫ぶ。

 

「大丈夫よ。小猫の駒は戦車。その特性はバカげた力と防御力、あれくらいじゃびくともしないわ」

 

すると、小猫ちゃんがバイザーを持ち上げて、

 

「吹っ飛べ・・・」

 

バイザーを殴り飛ばした。

 

「うふふ、次は私ですわ」

 

朱乃姉ちゃんがバイザーに近づき、雷を放つ。

 

「ぎゃぁぁぁあ!!!」

 

バイザーは悲鳴をあげている。

 

「朱乃の駒は女王。王以外の駒の特性を持っている無敵の副部長よ。そして・・・」

 

「うふふ、元気ですね。もっといたしましょうか」

 

朱乃姉ちゃんは顔を赤くして、雷の威力をあげていく。

 

「究極のSよ」

 

部長が言う。

 

「Sってめっちゃ怖いんですけど・・・」

 

イッセーが怖がっている。

 

「イッセー、何もなければ、朱乃姉ちゃんは優しいよ」

 

「何もなければって何があればあんなことになるの!」

 

イッセー、何もしなければ大丈夫だよ。

 

「朱乃、もういいわ」

 

「うふふ、名残惜しいですが最後は部長に譲りますわ」

 

部長がバイザーに近づく。

 

「最後に言い残す言葉は?」

 

「・・・殺せ」

 

「そう、消し飛びなさい」

 

部長が滅びの魔力を放ち、地面ごとバイザーを消し飛ばした。

 

「帰るわよ」

 

「「「はい、部長」」」

 

部長の一言で帰り出す。

 

「部長、兵士の特性ってなんですか?」

 

イッセーが部長にきく。

 

「兵士の特性は今は特にないわ」

 

部長の一言でイッセーはしょんぼりする。

 

「亮吾、なんで何もしないのについて来たんだ?」

 

イッセーが聞いてきた。

 

「普段もついてきてるよ。人間だからほとんど何もしないけど。一応、朱乃姉ちゃんのことは守るって誓ったしね」

 

「うふふ、嬉しいわ、亮ちゃん」

 

朱乃姉ちゃんが抱きついてきた。う、こ、これは昔と違って胸の衝撃が凄まじい。

 

「亮吾、てめえ!」

 

イッセーが殴りにきた。

 

「うざい!」

 

「ぎゃあ!」

 

イッセーにチョップを入れた。

 

「朱乃姉ちゃん、恥ずかしい・・・」

 

「うふふ、仕方ありませんね」

 

朱乃姉ちゃんが離れてくれた。ふぅ、あんなの良く耐えてるよな俺は。

 

カランッ

 

うん?物音?俺は円を使う。

 

「部長、待ってください。誰かいます!」

 

俺の一言でイッセー以外がまた戦闘体制に入る。

 

「お前ら誰だ?」

 

暗闇から何者かが現れる。

 

 

 

 

 



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第7話 凶暴な蟻

 

「誰だお前ら・・・」

 

暗闇から何者かが現れる。徐々に姿が見えてきた。その姿は人のような形だが、顔、体、それは人とは思えない風貌をしている。

 

「部長、あいつもはぐれ悪魔ですか?」

 

イッセーが部長に聞く。

 

「違うわ。悪魔ではないようだけど・・・」

 

部長も困惑している。

 

「お前ら誰だって聞いてるんだ!ぶっ殺されたいか!」

 

こいつは相当短気で機嫌が悪そうだ。

 

「私はリアス・グレモリー。この子達は私の眷属悪魔達よ」

 

部長が自己紹介する。度胸ありすぎだろ!

 

「悪魔?何、ワケわからんこと言ってんだ」

 

お前が聞いといて、なんだこの言いぐさは・・・

 

「お前、ラモットだな」

 

こいつはハンターハンターのラモットだ。

 

「ああ!なんで俺のことを知ってんだ!」

 

だから、なぜそんなに怒る必要がある。

 

「亮吾、こいつのこと知ってんのか?」

 

イッセーが聞いてくる。

 

「少しな。こいつの名前はラモット。キメラアントだ」

 

「キメラアント?」

 

俺以外は困惑している。

 

「凶暴な蟻だよ。こいつはキメラアントと人間と動物が交配することによって生まれた怪物だ。はぐれ悪魔何かより人の命なんかは何とも思ってないイカれた奴で、しかも、念能力者です」

 

俺は簡単に説明する。

 

「こいつも念を使えるのか!」

 

イッセーが驚愕している。

 

「部長、俺1人でやります」

 

「亮吾、1人で大丈夫なの?」

 

部長が聞いてくる。

 

「わかりません。でも、俺の力を試したいんです」

 

タンバリンにやられてから随分立つからな。多分、タンバリンより弱いはずだからこいつくらいには勝てないとな。俺はラモットに近づく。

 

「舐めやがって!死ねぇ!」

 

ラモットが向かってくる。速いが木場ほどじゃないな。

 

「うらぁ!!!」

 

ラモットが殴ってくる。俺はそれを受け止める。

 

「りゃあ!!!」

 

今度は俺が殴る。

 

「ぐっ!」

 

ラモットは少し吹き飛ぶがこらえる。

 

「てめえも念を使うのか」

 

「そういうこった」

 

やはり、キメラアントはタフだな。頭を潰すくらいじゃないと倒れないか。

 

「死ねぇ!」

 

ラモットは蹴りを放ってくる。あれを試すか。

 

「ふん!」

 

ラモットの蹴りを受け止める。そして、足を両手で握る。それで、両手に流によってオーラの攻防力を80ほどにして思いっきり握り力を込める。

 

パンッ!

 

ラモットの足が音をたてて破裂した。

 

「ぐぎゃぁぁぁぁ!!!あ、足がぁぁぁぁ!!!」

 

ラモットがもがき苦しむ。

 

「これで動けないな」

 

俺は念を右腕に込める。

 

「や、やめろぉぉぉ!!!」

 

超破壊拳(ビッグバン・インパクト)!!!!!」

 

俺の渾身の右ストレート、ラモットは後ろにあった壁ごと粉々になった。

 

「ふぅ、超破壊拳もうまくコントロールできてるな」

 

俺は部長達の元に戻る。すると、部長達は漠然としていた。

 

「どうしました?」

 

「りょ、亮吾、お前そんなに強いのか?」

 

イッセーが驚きながら聞いてくる。

 

「まだまだだよ。この世界には俺より強い奴等がまだまだいるからな」

 

「亮吾、さっき足を握った時に何をしたの?」

 

部長が聞いてくる。

 

「あれは握撃ですね。念によって握力を強化して思いっきり握って血液の流れを止めて行き場をなくして血管や筋肉を破裂させる技です」

 

あれはグラップラー刃牙の花山薫の技を俺なりに念で再現した技だ。

 

「さぁ、帰りましょう」

 

みんなは呆然としているが、夜も遅いので帰ることにした。しかし、また違う世界の奴がいたな。堕天使のことが終わったらアザゼルさんに言いに行こう。

 

 

 

 



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第8話 決戦前

 

ラモットを倒してから数日がたった。あれから何事もなかったが、今日はイッセーが学校を休んでいた。

 

「松田、元浜、イッセーは?」

 

「知らねぇ」

 

「風邪じゃねぇの」

 

みんな知らないのか。悪魔の事情で休んでるのかな?俺は木場のクラスに向かった。

 

「木場、今日イッセーが休んでるんだけどなんか知ってるか?」

 

「ちょっとね。ここじゃ何だから人のいない所に行こうか」

 

木場が立ち上がり俺はついていく。

 

「まさか、木場くん×剣くんなの」

 

「全てが完璧の木場くんと、顔はイケメンでオタク気質の剣くん、これは萌えるわ」

 

「やっぱり剣くんが攻めかしら」

 

「でも、剣くんって姫島お姉さまとお付き合いをしていたはずじゃなかったかしら?」

 

なんか聞こえてくる。木場も苦笑いしている。あと、誰がオタク気質だ!なんで男となんか!木場はいい奴だよ、友達として。しかも、俺って朱乃姉ちゃんと付き合ってると思われてるの!なんやかんやで、旧校舎の部室につき、話を始めた。

 

「実は昨日、兵藤くんが契約のために向かった所にはぐれ神父がいて、襲われたんだ。」

 

「イッセーは大丈夫だったのか?」

 

「怪我をしたけど、幸い僕達が駆けつけて救出したんだ。だから、今日は体の大事をとって休んでいるという訳なんだ」

 

一応無事か。しかし、はぐれ神父か。

 

「その神父の名前ってわかるか?」

 

「フリードと名乗っていたよ。あとシスターのアーシアというものがいたよ」

 

アーシアがはぐれ神父と?あんなに優しい子がなんではぐれ神父なんかといるんだ?

 

「木場、そのアーシアは脅されたりしてなかったか?」

 

「それはわからないけど兵藤くんを助けようとしていたらしい。悪魔と知っていてもね」

 

やっぱり無理矢理か。でも待てよ、堕天使はわざわざ悪魔の領地の廃教会にアーシアを呼び寄せた。たぶん、堕天使上層部を欺くためだろう。アーシアの持つ神器は強力な回復の力を持っている。てっことは、

 

「アーシアの身が危ないな」

 

「どういうことだい?」

 

「堕天使はアーシアの『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』を奪う気でいるな。神器を抜かれたものは死んでしまう」

 

話をしている間に、小猫ちゃんが来て、部長と朱乃姉ちゃんもやって来た。しばらくして、休んでいるはずのイッセーがやって来た。

 

パンッ!

 

「何度言えばわかる!あの子のことは忘れなさい!」

 

部長がイッセーの頬をぶった。なんでも、休んでいる時に堕天使から逃げ出したアーシアと出会ったがまた堕天使に連れて行かれたと言う。

 

「なら、俺を眷属から外してください!」

 

「出来る訳ないでしょ!どうして、わかってくれないの」

 

すると、朱乃姉ちゃんが部長に耳元で何かを言う。

 

「用事が出来たわ。この話はここまでよ。朱乃ついて来て」

 

「部長、まだ話は終わってないです」

 

「イッセー、兵士の特性はあの時はないと言ったけど、ある特定の条件では特性を使えるの。プロモーション、私の許可か私の認めた敵の本陣で王以外の駒に昇格できるの。敵の本陣は教会とかが最たる例よ。イッセー覚えておきなさい。神器は想いの強さに応えてくれるの。想いが強ければ強いほど力を発揮してくれるわ」

 

なるほど、教会を敵の本陣って認めた訳だな。イッセーは気づいてないようだけど。たぶん、部長達はレイナーレ以外の堕天使を始末する気だな。

 

「部長、俺もその用事について行っていいですか?」

 

「どうしてかしら?」

 

「気になることがあるので。それと、朱乃姉ちゃんが心配なんです」

 

「うふふ、亮ちゃんは優しいわ」

 

「私は心配じゃないのかしら。まあ、いいわ、来なさい。祐斗、小猫、あとは任したわよ」

 

部屋から出ていく部長達に俺はついていく。

 

「部長、今から堕天使達と戦闘すると思うんですが・・・」

 

「そうよ。それでどうしたのかしら?」

 

「殺さないでくれますか?」

 

「どうしてかしら?」

 

「ある方に殺さない程度でお仕置きしてくれって言われてるんです」

 

「ある方って誰かしら?」

 

「今回の件が終わったら言います」

 

「わかったわ」

 

俺達は魔方陣であるところに転移した。

 

 

 

 



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第9話 不気味な鳴き声の黒虫

 

転移すると木の上の枝に少女が座っていた。

 

「これは、これは、悪魔さんじゃないっすか。あと、人間もいるっすね。うちはミッテルトって言うっす」

 

「これはご丁寧どうも。私はリアス・グレモリー、彼女は私の女王で、この子は私の眷属候補よ。残りの眷属は教会に向かったわ、堂々とね」

 

「なに、裏から来ると思ったのに・・・まぁ、いいっす。あんた達を足止めすればいいだけのことっすから」

 

ミッテルトが翼を出して飛び上がる。

 

「来なさい、ドーナシーク、カラワーナ」

 

すると、魔方陣のようなものが出現して、2人の男女の堕天使が現れた。

 

「小僧、また会ったな」

 

「ミッテルト、命令しないでくれる」

 

この3人のオーラはそれほど凄くない。ラモットの方が強かったな。

 

「どうせ戦うなら1対1でやらないか?3対3で丁度いいだろ?」

 

俺は提案する。

 

「亮吾、どういうつもり?」

 

部長が聞いてくる。

 

「イッセー達のこと信じてるんで。だから、少しでも時間を稼ごうと思いました。」

 

「そう、まあいいわ」

 

「うふふ、腕が鳴りますね」

 

こちらは戦闘準備満タンのようだ。

 

「人間が、舐めよって!」

 

「私達を、愚弄する気か!」

 

ドーナシークとカラワーナが怒っている。

 

「まぁ、いいじゃないっすか。じゃあ、うちからやるっすね」

 

ミッテルトが前に出て、ドーナシークとカラワーナは後ろに下がる。

 

「言い出しっぺは俺なんで俺から行きますね」

 

「わかったわ」

 

「うふふ、亮ちゃん、気をつけてくださいね」

 

俺が前に出て、部長と朱乃姉ちゃんは後ろに下がる。

 

「人間っすか。飛んでちゃ卑怯っすね。」

 

「心配はいらないよ」

 

俺は舞空術を使って飛ぶ。

 

「人間のくせに飛べるんすか!これは楽しめそうっすね」

 

ミッテルトは光の槍を作って放ってくる。

 

「ふんっ!」

 

堅を使い体を強化する。そして、右腕で殴り、光の槍を粉砕する。

 

「なっ!」

 

ミッテルトは驚愕する。

 

「驚いてる暇はないぞ!」

 

俺は高速でミッテルトに近づく。

 

「くっ!」

 

ミッテルトは光の槍を作り、手で持って攻撃してきた。

 

「ふんっ!」

 

流による攻防力の移動で槍を受け止める所を70くらいにして受け止める。

 

「りゃあ!!!」

 

軽くミッテルトを殴り飛ばし、地面に落ちる。俺も地面に降りる。

 

「ぐっ・・・こいつ、やるっす」

 

ミッテルトが立ち上がる。

 

「くたばるっす!!!」

 

ミッテルトは光の槍を投げてくる。今回も砕くか。うん?これは!

 

俺は槍を避けて全速力でミッテルトに近づく。

 

「なっ!はや・・・」

 

ミッテルトは俺の速度に驚いてるようだ。足をオーラで強化したらこのくらいは出来る。だが、今はそんなことはどうでもいい!

 

ズバーン!!!

 

すると、爆発が起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リアス視点

 

どうなってるの!亮吾が堕天使に近づいたと思ったら急に爆発が起きた。亮吾は無事なの!

 

「亮ちゃん!!!」

 

朱乃が叫ぶ。

 

爆発の煙が収まると少し離れた所にミッテルトを守るようにして抱える亮吾の姿があった。先程の爆発で上着は吹き飛び背中には火傷の傷があった。

 

「亮吾、大丈夫なの!」

 

「・・・大丈夫です」

 

意識はハッキリしているようだけど相当なダメージを受けているみたいだ。

 

「うっ・・・」

 

亮吾は片膝をつき、ミッテルトを離す。

 

「なっ!あ、あんた何やってるんすか!なんで、敵であるうちを守ったりしたんすか!」

 

ミッテルトが問いただす。

 

「はぁ、はぁ、今回の件で堕天使を殺さないでくれって言われていてね。それより、不味いな」

 

亮吾の言う通り、なぜ突然爆発何て起きたのかしら?亮吾の目線の先を見るとそこには全身真っ黒の巨大な人のような姿をした者がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亮吾視点

 

円で気づいて咄嗟に流で背中にオーラを集中させたからこれくらいですんだが、少し不味いな。

 

「じょうじ」

 

あの黒い体を見覚えがある。

 

「テラフォーマー・・・」

 

そう、テラフォーマーズのテラフォーマーだ。

 

「よくも、亮ちゃんを!!!」

 

朱乃姉ちゃんが雷を放つ。しかし、テラフォーマーは平然と受けている。

 

「ハハハ、面白い生物が居たものだな。どうだ、我達の仲間にならないか」

 

ドーナシークが近づいていく。

 

「やめろ!近づくな!!!」

 

俺は叫ぶが、

 

ゴキッ!

 

ドーナシークの頭が肩につくように折られた。

 

「貴様!よくも私達の同胞を!」

 

カラワーナが光の槍を放つ。

 

「じょうじ」

 

しかし、テラフォーマーには全く効かない。すると、テラフォーマーは手を前に出す。

 

「死ねぇ!!!」

 

カラワーナが近づく。すると、テラフォーマーの手から火炎放射器の如く高温ガスが放たれる。

 

「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」

 

カラワーナが灼熱に焼かれる。

 

「な、なんて生物なの・・・」

 

部長と朱乃姉ちゃんは驚愕している。

 

「部長!朱乃姉ちゃん!こいつはテラフォーマー、進化したゴキブリです!」

 

俺は叫ぶ。

 

「こ、これがゴキブリなんすか!」

 

ミッテルトが驚く。

 

「しかも、ミイデラゴミムシの能力で高温ガスを吹き出します!走る速さもゴキブリが人間台になったので下手な騎士クラスくらいの速度です!離れて魔方陣を貼っていてください!」

 

「わ、わかったわ」

 

部長と朱乃姉ちゃんは共同で防御魔方陣を貼る。

 

「亮ちゃん、どうするつもりなの!」

 

「こいつを倒します。神器を使ってでも!」

 

俺は立ち上がる。

 

「無理っす!うちの仲間が2人もやられたんっすよ!人間が敵う訳ないっす」

 

ミッテルトが言う。俺はミッテルトの頭に手を置く。

 

「心配すんな。離れてな」

 

俺は笑顔を作り言う。ミッテルトは後ろに下がる。

 

「こいよ、テラフォーマー!」

 

俺は叫ぶ。すると、テラフォーマーはこっちに注目する。

 

「じょうじょう」

 

こっちに向かってきた。

 

「うおぉぉぉ!ライト版超破壊拳(ビッグバン・インパクト)!!!!!」

 

テラフォーマーは吹き飛んでいった。やっぱり速い。念を込める時間が短くなる。

 

「じょうじ」

 

テラフォーマーは立ち上がる。やっぱり神器を使うしかないか。

 

「開け!テラフォーマーズの扉!燈!」

 

魔方陣のようなものが現れて、膝丸燈が現れる。

 

「燈、呼んですまない」

 

「別にいい。こっちにもゴキブリが出たか」

 

「ミイデラゴミムシの能力を持ってる。高温ガスを手のひらから出すからそれに気をつけて動きを止めて欲しい。止めは俺がさす」

 

「了解」

 

燈は薬を打って変態する。

 

「じょうじょう」

 

テラフォーマーが向かってくる。

 

「うおぉぉぉ!」

 

燈が迎え撃つ。

 

「じょうじ」

 

テラフォーマーが高温ガスを放つ。燈は当たる寸前で避け、テラフォーマーに近づき、対テラフォーマー振動式忍者刀『膝丸』でテラフォーマーの両腕を切り落とす。

 

「じょうじょうじょう」

 

テラフォーマーが蹴りを燈に放つ。しかし、テラフォーマーの動きが止まった。

 

「捕獲、完了」

 

そう、燈のベースはオオミノガ、目に見えないほどの強靭な糸を出すことができるので、それをテラフォーマーに絡めて動けなくしたのだ。しかも、腕を切ったのでガスを出すことを封じた。

 

「ありがとう、燈。あとはまかせろ」

 

俺は右腕に限界までオーラを込める。

 

「うおぉぉぉ!!!!!超破壊拳(ビッグバン・インパクト)!!!!!」

 

俺の超破壊拳でテラフォーマーが粉々になり、回りの木々も吹き飛び、クレーターが出来た。

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・うっ・・・」

 

俺は片膝をつく。

 

「すげぇ、威力だな、亮吾」

 

「ありがとう、燈」

 

「また、あんなのが出たら呼んでくれ」

 

燈は元の世界に帰って行った。

 

「亮ちゃん、大丈夫!」

 

朱乃姉ちゃんが抱きついてきた。

 

「はぁ、はぁ、朱乃姉ちゃん、大丈夫だから離して。今、体が痛いから」

 

「あっ、ごめんなさい」

 

朱乃姉ちゃんが離れてくれる。

 

「本当にあなたは凄いわね」

 

部長が言う。

 

「ギリギリでした。もう、念も使えません」

 

本当にギリギリだった。燈を呼ばなかったらどうなっていたか。

 

「あ、あの・・・」

 

ミッテルトが声を掛けてくる。

 

「どうした?」

 

「た、助けてくれてありがとうっす」

 

「ごめんな。お前の仲間を救えなくて・・・」

 

「気にしなくていいっす。うちが助かったのはあんたがいたからっすから。」

 

「もう、悪さはやめるか?残りの者だけでも命を救いたい。罰は受けると思うけど」

 

「わかったっす。もう、悪さはしないっす」

 

「いい子だ」

 

俺がミッテルトの頭を撫でると、少し頬を赤くしているように見えた。

 

「部長、もう俺戦えないんで戦闘は任しましたよ。たぶん、もう大丈夫だと思いますけど」

 

「わかったわ。イッセーの元に向かいましょうか。その堕天使も連れて」

 

俺達は魔方陣で教会に向かった。

 

 

 

 

 

 




今までで1番、1話の文字数が多くなりました。
ミッテルトだけ3人の中で生き残りましたね。
これからミッテルトをどうするかは、未定です。


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第10話 終結

フリードからレイナーレの戦闘は省略します。原作とかわりないので。


イッセー視点

 

木場と小猫ちゃんの協力で、あのイカれ神父、フリードを倒した。そして、はぐれ神父とレイナーレがいるところから2人の助けを借り、アーシアを連れ出すことが出来た。しかし、アーシアの神器がすでに取られていて、アーシアが死んでしまった。そして、俺はレイナーレと対峙する。光の槍で足とかを貫かれたがレイナーレをぶっ飛ばしたいと思う強い想いに応えるように、神器の形が変わった。『Boost!』の音声が聞こえる度に力が沸いてくるような気がする。そして、

 

「吹っ飛べ!堕天使!!!」

 

「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」

 

俺はレイナーレを殴り飛ばした。

 

「へぇ、ざまーみろ」

 

俺は寝かしているアーシアに歩み寄る。

 

「ごめん・・・ごめんな、アーシア・・・」

 

俺は涙を流して膝をつく。すると、

 

「お疲れ、まさか、1人で堕天使を倒すなんてね」

 

「遅せぇよ、色男」

 

木場が現れた。

 

「部長に手を出すなって言われていたからね」

 

「あなたならやれると信じていたわ」

 

部長が現れた。

 

「部長!?」

 

「さすがは私の兵士よ。良くやったわ」

 

部長が俺の頭を撫でてくれる。

 

「あらあら、教会がボロボロですわ」

 

朱乃さんが言う。

 

「部長・・・まずかったですか?」

 

「教会は、天使は堕天使の陣地、悪魔が入っただけで問題になるけれど、今回は問題ないわ」

 

問題ない?

 

「部長、持ってきました」

 

小猫ちゃんがレイナーレを引きずってきた。持ってきたって・・・

 

「とりあえず、起きてもらおうかしら。朱乃」

 

「はい、部長」

 

朱乃さんが魔力で水を作りレイナーレの顔にぶっかけた。

 

「ゲホッゲホッ!」

 

レイナーレは咳き込みながら目覚めた。

 

「ごきげんよう、堕ちた天使さん」

 

「紅い髪、グレモリーの娘か・・・」

 

レイナーレが部長を睨む。

 

「してやったりと思っているな。すぐに増援が来て・・・」

 

「増援は来ねぇよ」

 

声のする方を見るとなぜか上半身裸の亮吾と、ゴスロリ風の衣装を着た金髪の少女がいた。

 

「ミッテルト!あなた、裏切ったのか!」

 

少女はミッテルトと言うのか。しかし、レイナーレの言葉を聞くかぎり、ミッテルトと呼ばれた少女は堕天使と言うことだ。

 

「レイナーレの姉さん、うちが間違っていたことに気づいたっす。それに、この方はうちの命の恩人っす」

 

「命の恩人?どういうことだ?カラワーナとドーナシークはどうした?」

 

「・・・死んだっす」

 

ミッテルトは暗い顔をする。

 

「グレモリーの娘!貴様達が同胞を殺したのか!」

 

レイナーレが声をあげる。

 

「違う。俺達が殺した訳じゃない。でも、救えなかったという点では殺したようなものかもしれない」

 

亮吾が言う。

 

「レイナーレの姉さん、うち達は変な生物に襲われたっす。その生物にカラワーナとドーナシークが殺されたっす。うちもあぶなかったんっすけど、この方が体を張って守ってくれたんです。そして、その生物を倒してくれたんです。罪を償うなら命を救うと言われたので、罪を償うことにしたっす」

 

ミッテルトが言う。

 

「レイナーレ、アーシアは部長が転生させてくれるから神器をアーシアに返せ。それとも、死にたいか?」

 

アーシアを、転生?

 

「部長、どういうことですか!」

 

「前代未聞だけれど、このシスターを私の僧侶にしようと思うの。彼女の回復の力は僧侶として発揮してくれると思うから」

 

アーシアが悪魔になるけど、生き返るのか!

 

「レイナーレの姉さん、神器を返した方がいいっすよ」

 

「くぅ・・・」

 

レイナーレは苦渋の決断で神器を俺に投げてきた。俺はアーシアに神器をつける。

 

「じゃあ、転生させるわね」

 

部長が僧侶の駒を出し、呪文を唱え、アーシアの体の中に駒が入っていく。

 

「・・・イッセー・・・さん?」

 

あああ、

 

「アーシア!!!」

 

俺はアーシアに抱きついた。

 

「アーシアァ!守れなくてごめん!」

 

「いいんですよ。こうして、また、イッセーといれるんですから」

 

アーシアは俺の頭を撫でる。

 

「これで一旦、終わりか。そういえばイッセー、お前の神器は『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』だな。」

 

亮吾が言う。赤龍帝の籠手?

 

「神滅具って言われてる特別な神器のことだ。『赤龍帝の籠手』は、十秒毎に自分の力を倍にするんだ。その力を極めれば神をも越える力を出せるって言われている」

 

なんと、そんなに凄い神器だったのか!

 

「とりあえず、堕天使をどうするか?」

 

亮吾が言う。たしかに、どうする?

 

「連絡するか?」

 

亮吾はどこかに電話する。

 

「もしもし、はい、俺です。すみません、堕天使の内、2人が命を落としました。2人は生きています。いえ、俺達じゃなくて、例の生物の仕業です。これから、この2人をどうしますか?はい。はい、わかりました。それではまた生物については今度話します。堕天使は今は俺が監視と言うことでいいんですね。では、失礼しますね」

 

亮吾は電話を切った。

 

「部長、この2人は俺が預かります。後日、堕天使から迎えをよこすそうです。それと、謝罪も今度するそうです」

 

「亮吾、誰に電話していたの?」

 

「アザゼルさんです」

 

アザゼル?どこかで聞いたことあるような?すると、俺以外は堕天使を含めて固まっている。

 

「亮吾、どのアザゼルかしら?」

 

部長が訪ねる。

 

「堕天使総督のアザゼルさんです」

 

堕天使総督って、

 

「えええええええええええ!!!!!」

 

堕天使総督!!!!!

 

「貴様、本当にアザゼル様と知り合いだったのか!」

 

レイナーレが驚愕しながら言う。

 

「昔、ちょっと知り合う機会があってね。部長、よろしいですか?」

 

「え、ええ。亮吾が預かりなさい」

 

こうして、堕天使の騒動は終わった。

 

 

 

 

 




もう1話書いて、次の章に入りたいと思います。


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第11話 堕天使からの迎え

 

イッセー視点

 

レイナーレ達との戦いから数日がたった。アーシアは今後のことを決めるために今は旧校舎に住むようになった。今は、普通の部活の時間のため、亮吾も部室に顔を出している。

 

「亮吾、堕天使と住んでいて危なくないか?」

 

亮吾が堕天使の総督と知り合いでも、レイナーレ達と一緒にいるのは危険じゃないかと思い、聞いてみた。

 

「別に、もし戦っても俺の方が強いし」

 

そうだ。亮吾は人間なのにめちゃくちゃ強い。

 

「気になるなら見に来いよ。夜の仕事まで時間があるんだろ?」

 

そういえば、亮吾の家は行ったことはなかったな。

 

「アーシアも来てくれないか?」

 

「私もですか?」

 

アーシアが首を傾げる。

 

「あいつら、今日の夜に迎えが来るんだ。その前にイッセーとアーシアに謝りたいらしいんだ」

 

あいつら、今日帰るのか。

 

「わかった、行くよ」

 

「私も行きます」

 

俺とアーシアは亮吾の家に行くことになった。亮吾の家って、どんな感じの家なのかと考えていると、

 

「あそこが俺の家だよ」

 

亮吾が指差す方を見ると、俺の自宅よりも大きい一軒家が建っていた。

 

「ええ!亮吾、お前一人暮らしだろ!なんであんなに家がデカイんだ!」

 

「俺の親がいたときから住んでたからな。今は親父の弟さんが管理してくれている。」

 

そういうことか。そういえば、亮吾って一人暮らしの割りに金に困ってた所見たことないな。

 

「まあ、入ってくれよ」

 

亮吾が玄関の扉を開ける。

 

「お兄ちゃん!おかえりっす!」

 

いきなり、ミッテルトが亮吾に抱きついてきた。

 

「ただいま。ミッテルト、離れてくれるか」

 

「いやっす。離さないっす」

 

え?なにこれ?

 

「亮吾さん、お帰りなさい」

 

「ただいま。レイナーレ、ミッテルトを離してくれるか?」

 

「わかりました」

 

レイナーレはじたばたするミッテルトの襟を掴んで引きずっていく。

 

「亮吾、なんか馴染んでないか?」

 

「そうなんだよ。あいつら、話してみると色々溜まっていたらしくてな。話をする内に結構仲良くなれたよ」

 

この数日でそんなに仲が深まったのか。

 

「なんで、ミッテルトにお兄ちゃんって言われてるんだ?」

 

「いつの間にか言われるようになったからわかんないな」

 

「とりあえず、上がってくれ。」

 

俺とアーシアはリビングに通された。リビングにはレイナーレとミッテルトが立っていた。あの時とは違い、ミッテルトは水色のTシャツに黒っぽいズボン、レイナーレはベージュのワンピースを着ていた。

 

「レイナーレ、ミッテルト、連れてきたからあとはまかせるぞ」

 

亮吾は部屋から出ていく。しばらく、沈黙が続く。

 

「イッセーくん、アーシアさん、ごめんなさい!」

 

レイナーレが頭を下げる。続けて、ミッテルトも頭を下げた。

 

「謝って済むようなことじゃないのはわかっています。しかし、私はあなた方の命を奪ってしまった。本当に申し訳ありません!」

 

「レイナーレさん、ミッテルトさん、顔を上げて下さい」

 

アーシアが言う。

 

「たしかに、命を奪われました。しかし、ここに呼ばれたことでイッセーさん達に出会えることができました。悪魔になってしまいましたが、ある意味、感謝しています」

 

アーシア・・・なんて優しい子なんだ。

 

「恨んでないのか?罰を受けることを覚悟していたのだけれど?」

 

「はい、恨んでいませんよ」

 

アーシアはとびきりの笑顔で答える。アーシアがそんなんだと、俺も強くは言えないな。

 

「俺も騙されたのはちょっとムカついたけど、恨んでないよ。そもそも、俺は殺されてないしね」

 

「そんなはずはないわ。たしかに、ドーナシークに貫かれたはずよ」

 

「亮吾の神器で治してもらったんだ。異世界から俺の傷を治すことが出来る人を呼び出したって言ってたぜ」

 

「異世界?どういうこと?」

 

あれ?知らなかったのか?

 

「あ、じゃあ、あの虫みたいな人は、異世界の人だったんっすね」

 

ミッテルトは知っているようだ。

 

ズタズタズタズタ

 

うん?亮吾が部屋に戻ってきた。どうも怒っているようだ。

 

バチッ!

 

「痛てっ!」

 

俺は亮吾に叩かれた。

 

「何すんだよ!」

 

「こっちのセリフだ!何、俺の神器のこと教えてるんだ!レイナーレもアーシアも知らないんだぞ!黙っとく約束だったはずだ!」

 

そういえば、そうだったっけ。

 

「亮吾さん、異世界とは何のことですか?」

 

レイナーレが亮吾に聞く。

 

「はぁ、知ってしまったから言うけど、お前らは絶対に誰にも言うなよ。約束だ」

 

「わかりました」

 

「ラジャーっす」

 

「はい、わかりました」

 

レイナーレ、ミッテルト、アーシアの順番で返事をした。それから、亮吾は神器と異世界の説明を3人にした。そのあと、結構話すようになった。

 

「レイナーレは、前と雰囲気違うよな」

 

「実は、結構キャラを作っていたの。本当の私はこんな感じよ」

 

「そうなんだ」

 

「イッセー、アーシア、そろそろ部室に戻った方がいいんじゃないか?お前らは転移できないだろ?」

 

時計を見ると結構時間が立っていた。

 

「そうだな。アーシア、戻ろうか」

 

「わかりました、イッセーさん」

 

俺とアーシアは部室に戻ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亮吾視点

 

イッセー達が帰った後、堕天使からの使いを待っていた。すると、リビングの床に魔方陣が出現した。その魔方陣から銀髪の少年が現れた。

 

「なんだ、ヴァーリが来たのか。珍しいな、戦いもないのに引き受けるなんて」

 

「別に、たまたま予定がなかっただけだ。アザゼルには多少の恩義があるからね。」

 

「お兄ちゃん、誰っすか?」

 

「亮吾さん、この人は誰ですか?」

 

うん?堕天使なのに知らないのか?

 

「なんだ?ヴァーリのこと知らないのか?」

 

「仕方ないことだ。俺のことを知っている堕天使はほとんどが幹部クラスの奴らだからね。」

 

ヴァーリが答えてくれた。

 

「ヴァーリはアザゼルさんが集めている神器所有者の1人だよ。今世紀の白龍皇だ」

 

レイナーレとミッテルトは驚愕する。

 

「白龍皇!じゃあ、イッセーくんのライバルになるの!」

 

レイナーレが言う。

 

「イッセー?誰のことだ?」

 

「兵藤一誠って言ってな、俺の友達でこの前悪魔になったばかりなんだけど、実は赤龍帝でな。レイナーレはイッセーにやられたというわけだ」

 

「赤龍帝、ついに目覚めたか」

 

ヴァーリは笑みを浮かべる。

 

「ヴァーリ、まだ手を出さないでくれよ。今回は、レイナーレが油断してただけだから勝ったようなもので、めちゃくちゃ弱いから。主の悪魔に鍛えられると思うから強くなるまで待っていてくれ」

 

「わかった。弱い者と戦いたくはない。赤龍帝の前に亮吾と戦いたいものだ。また、強くはなっているな」

 

「できれば戦いたくないんだけどね。」

 

「ふぅ、ではそろそろ帰ろうか?お前ら俺の魔方陣に入りな」

 

ヴァーリは魔方陣を展開する。

 

「亮吾さん、この数日ありがとうございました」

 

「ああ、俺も楽しかったぜ」

 

レイナーレは魔方陣の上に乗る。

 

うん?ミッテルトが動かないでいる。

 

「・・・いやっす・・・お兄ちゃんと離れたくないっす」

 

少し、涙目になっている。俺はミッテルトの両肩に手を置く。

 

「ミッテルト、罪を償うって言ったよな。俺もこの数日は楽しかったし、離れるのは少し寂しいけど、約束は守らないと駄目だ。また、遊びに来ていいから今回は帰りなさい」

 

「ぐすっ・・・絶対、また来るっすよ」

 

ミッテルトは魔方陣の上に乗る。

 

「じゃあな。また、来いよ。ヴァーリも今度、ラーメンでも食いに行こうぜ」

 

ヴァーリの魔方陣で転移していった。

 

 

 

 




次回から新章に入ります。


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第2章 戦闘校舎のフェニックス
第1話 部長の異変


新章に入ります


 

レイナーレ達が帰っていって数日がたった。アーシアは駒王学園に通うことになり、イッセーや俺と同じクラスになった。そして、ホームステイという形でイッセーの家に暮らすことになった。

 

「イッセー、アーシア、おはよう」

 

「亮吾、おはよう」

 

「亮吾さん、おはようございます」

 

俺達、3人は登校している所だ。

 

「「アーシアちゃん、おはよう」」

 

「松田さん、元浜さん、おはようございます」

 

松田と元浜はアーシアに挨拶されて感激している。

 

「くぅー、美少女からの挨拶は染みるな」

 

「わかるぞ、元浜。」

 

「お前ら、俺と亮吾もいるんだぞ」

 

イッセーが言う。

 

「うるさい、裏切り者共!」

 

「そうだ。なんで、アーシアちゃんとお前が一緒に住んでるんだ。亮吾だって、姫島先輩と仲がいいのが羨ましい!」

 

こいつら・・・はぁ

 

「イッセー、俺達に少しくらい女の子を紹介してくれてもいいんじゃないか?」

 

「そうだ、そうだ」

 

イッセーは携帯を取りだしどこかに電話した。

 

「1人大丈夫な子がいた。ぜひ、お前らに会いたいそうだ。ここで待ち合わせで来てくれって。友達も連れてくるそうだ」

 

「ここって、有名なスイーツの店だな。」

 

「イッセー、どんな子なんだ?」

 

「お、乙女だな」

 

イッセーは言葉に詰まりながら言う。イッセーにそんな女の子の知り合いっていたっけ?

 

「乙女、いい響きだ!」

 

「その子の名前は?」

 

「ミ、ミルたん・・・」

 

ミルたんってたしか・・・

 

「イッセー、ミルたんと知り合いなのか?」

 

「亮吾、ミルたんを知ってるの?」

 

「アニメのイベントに行く奴ならほとんどの奴が知ってるぞ。結構、有名だからな。でも、あいつはおと・・・」

 

俺はイッセーに口を塞がれる。

 

「乙女だよな。乙女」

 

まぁ、いいか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

授業が終わり、俺、イッセー、アーシア、木場は話をしながら部室に向かっていた。

 

「昨日、部長が?」

 

「そうなんだよ。昨日の夜に部長が俺の部屋に来てさ、様子がおかしかったんだよ。なんか知らないか?」

 

「俺は知らないな。朱乃姉ちゃんなら知ってるかも」

 

「そうだね。朱乃さんは部長の懐刀だからね」

 

部室の扉の前に来ると、

 

「僕がここまで近づいて初めて気づくなんてね」

 

木場が言う。イッセーとアーシアは何のことかわからないようだ。たしかに、知らない人の気配がする。扉を開けると、すでに部長、朱乃姉ちゃん、小猫ちゃん、そして、知らない銀髪の知らないメイド服を着ている女の人がいた。この人、なんてオーラをしているんだ!バラキエルさん並のオーラだ。

 

「全員揃ったわね」

 

部長が言う。

 

「私はグレモリー家に仕えているメイドのグレイフィアと申します。実は・・・」

 

グレイフィアさんが話そうとすると、魔方陣が出現した。

 

「これは、フェニックスの紋章」

 

木場が言う。すると、魔方陣から20代前半くらいのホストみたいな格好をした男性が現れた。

 

「人間界は久しぶりだ。会いに来たぜ、愛しのリアス」

 

これから、波乱が巻き起こる。

 

 

 

 



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第2話 フェニックス襲来

 

フェニックス、不死を司る上級悪魔だったはず。なんで、この人がやって来たんだ?

 

「リアス、なんで人間なんかがいるんだ?」

 

フェニックスの男が俺を見て言う。

 

「彼は将来的に私の眷属になるの。居ても問題ないわ。それに人間だけれど、すでに下級悪魔以上の力を持っているわ」

 

部長が説明してくれた。

 

「愛しのリアスって、あんた誰だよ!」

 

イッセーが声をあげる。

 

「誰、お前?」

 

「部長の兵士の兵藤一誠だ」

 

「あっそ」

 

興味が無さそうに部長の方を見る。

 

「リアス、俺のことを眷属に話してなかったのか?」

 

「言う必要がなかったから話してないだけよ」

 

「相変わらず手厳しいね」

 

フェニックスの男は苦笑しながら言う。

 

「皆様、彼はフェニックス家の三男であられるライザー・フェニックス様でございます。リアスお嬢様の婚約者であられます」

 

グレイフィアさんが説明してくれた。

 

「婚約者!!!」

 

イッセーが驚愕している。婚約者か。上流階級の貴族社会の悪魔では良くある話と聞いているが、部長の態度から察すると結婚は嫌なんだろうな。

 

「いや~、リアスの女王が淹れてくれた紅茶はウマイな」

 

部長がソファーに座りその隣にライザーが座り部長の髪や体を触りながら紅茶を飲むライザーが言う。

 

「痛み入りますわ」

 

朱乃姉ちゃんがお辞儀をする。その顔は笑っているように見えるけど、目が笑っていない。ライザーの態度が嫌なんだろうな。俺もだ。

 

「いい加減にして!私はあなたなんかと結婚する気はないわ!」

 

部長が立ち上がる。

 

「リアス、俺もフェニックス家の看板を背負ってるんだよ。泥を塗るわけにはいかないんでな」

 

ライザーも立ち上がり、一触即発の空気になる。2人ともオーラは凄いけど、ライザーの方がだいぶ強い。

 

「お嬢様、ライザー様、私はサーゼクス様のめいでここにいます。これ以上の勝手をなさいますと、私も容赦をいたしせん」

 

グレイフィアさんからとてつもないプレッシャーが放たれる。

 

「最強の女性悪魔と称されるあなたに睨まれたら、さすがに俺も怖いよ」

 

ライザーが苦笑しながら言う。

 

「お二方、お話が了承されない場合は、レーティングゲームで結果を決めるようにと言いつかっています」

 

レーティングゲーム、俺は参加できないな。

 

「こんな好機はないわ。ライザー、ゲームで決着をつけましょう」

 

「いいのか、リアス?お前の眷属はそこの人間以外のここにいる連中だけなんだろ?」

 

「そうよ。それがどうかしたかしら?」

 

すると、ライザーの後ろから15人の女性悪魔が現れた。全員、美女、美少女揃いだ。

 

「俺の眷属は全て揃ってるし、レーティングゲームの勝ち星も多い。やっても結果が見えているだろ」

 

たしかに、全員中々のオーラをしている。しかし、勝てないほど強くもない。ライザーの自信は自分の不死の力のためだろう。あれ?イッセーが号泣している。

 

「リアス、なんでこの下僕は泣いてるんだ?」

 

「この子の夢はハーレムを作ることなの。ライザーの眷属を見て羨ましいと思ったんだわ」

 

イッセー、こんな時くらいは冷静でいろよ。

 

「ハーレムに憧れてるのか。なら・・・」

 

すると、ライザーは眷属の1人とディープなキスをやり始めた。

 

「貴様では、一生出来まい」

 

ライザーはあざ笑う。

 

「お前、部長と結婚してもそうやって他の女の子とそういう行為をするんだろ!何がフェニックスだ、焼き鳥野郎!」

 

イッセーがキレた。

 

「焼き鳥野郎だと!おい、リアス。眷属の躾がなってないんじゃないか」

 

ライザーが言うが部長は無視をする。

 

「こんな奴ら、ゲームするまでもねぇ。俺が今倒してやる!」

 

イッセーが神器を発動して、ライザー達に向かって行こうとする。俺はイッセーの腕を掴む。

 

「離せ、亮吾!」

 

「イッセー落ち着け。部長の立場を考えろ。それにイッセーじゃ勝てない」

 

「そんなもん、やってみなきゃわかんないだろ!」

 

『Boost!!』

 

音声がなり、イッセーの力が強くなって俺の腕を振り払いライザー達に向かっていった。

 

「やれ、ミラ」

 

ミラと呼ばれた少女は手に持っている棍でイッセーを吹き飛ばす。

 

「ぐはっ!」

 

イッセーが口から血を流す。

 

「イッセーさん!」

 

アーシアがイッセーに駆け寄り、回復を始めた。

 

「ミラは俺の眷属で1番弱いが、お前なんかより実戦豊富で悪魔としての質も上だ。『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』、笑わせるな。お前なんかが持ってたら、宝の持ち腐れだ。」

 

たしかに、ライザーの言う通り、イッセーはまだ弱い。

 

「しかし、使い方次第では面白いゲームが出来るかもな。リアス、10日やろう。その間に強くなりな」

 

「私たちに、ハンデをやろうというの?」

 

「勝てるゲームに勝っても面白くない。そのくらいのハンデがあってもいいだろう」

 

ライザーなりに、部長のことを思っての行動だな。

 

「部長、少しいいですか?」

 

「何かしら、亮吾?」

 

「俺を悪魔にしてください」

 

俺の発言に部長たちは驚く。

 

「亮吾、いいの?」

 

「はい、いつかは悪魔になろうと思ってましたし、それに皆が戦うのに指をくわえて見ていることは出来ません」

 

「1人増えれば多少マシなゲームが出来るか」

 

ライザーが言う。

 

「部長、お願いします」

 

「わかったわ。亮吾の力を考えて戦車にするわね」

 

部長が駒を取り出して、呪文を唱える。これで俺も悪魔に・・・あれ?ならない。

 

「部長、もしかして、俺って戦車では足らなかったですか?」

 

「そ、そのようね。これは計算外だったわ」

 

戦車にならないってことは俺って駒価値6以上!これはさすがに俺も計算外だった。

 

「ハッハッハ。リアス、残念だったな。」

 

ライザーが笑いながら言う。

 

「しかし、今回のゲームは非公式だ。そいつも参加させてもいいぞ」

 

「いいの!あんた以外に優しいな」

 

「以外は余計だ。それでは10日後に会おう。赤龍帝、リアスに恥を欠かせるなよ」

 

そういって、ライザーは眷属達と転移していった。

 

「部長、眷属になれなくてすみません」

 

「仕方ないわ。残念だけど亮吾を眷属にするのは諦めるわ。オカルト研究部として、今回のゲームは頼むわよ」

 

「部長、任してください」

 

「亮ちゃん・・・」

 

朱乃姉ちゃんが寂しそうな顔をしている。

 

「朱乃姉ちゃんごめんなさい。悪魔になれなくて。ずっと一緒にいたかったんだけど・・・」

 

「仕方ないわ。それだけ亮ちゃんが強いってことですもの。もしかしたら、他の良い悪魔の方が亮ちゃんを眷属にするかもいたしませんし、大丈夫ですわ」

 

俺は悪魔になれなかったけど、今回のレーティングゲームは勝って見せます。

 

 

 



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第3話 合宿やります①

俺達はライザーとのレーティングゲームに向けて合宿をするために山の中にある部長の別荘に向かうため、山道を歩いていた。

 

「ぜぇー、ぜぇー・・・部長、少し休憩しましょうよ」

 

「駄目よ。もうすぐ着くから頑張りなさい」

 

「わ、わかりました・・・」

 

イッセーは大きいリュックを背負って疲れているためか、部長に休憩しようと言ったが、却下された。

 

「部長、山菜がたくさん採れましたから今夜の夕食に使えますね」

 

木場が山菜を持って部長に言う。それをイッセーが睨んでいる。同じような荷物を持って平然としている木場に嫉妬しているんだろう。

 

「お先です」

 

イッセーより大きな荷物を背負っている小猫ちゃんがイッセーの横を通りすぎる。

 

「参りました!」

 

イッセーが小猫ちゃんに驚愕したのか声をあげた。小猫ちゃんは戦車なんだからこのくらい余裕だろ。

 

「亮吾、飛んでないでお前も歩けよ!ズルいぞ!」

 

イッセーが言うように、俺はイッセーと同じくらいの荷物を持って舞空術で飛んでいた。

 

「ズルいってなんだよ。これも修行だぞ。ずっと気を使ってるから歩くより疲れるんだよ」

 

「そ、そうなのか?」

 

「俺は人間だからな。こんな時にも鍛えないとな」

 

しばらく歩くと部長の別荘が見えてきた。だけど、それは別荘と言うよりは、豪華で立派な屋敷だ。

 

「早速着替えて修行するわよ」

 

女子達は着替えるために違う部屋に向かった。

 

「イッセーくん、覗かないでね」

 

「イッセー、覗くなよ」

 

「誰が野郎の裸を覗くか!!!」

 

冗談も交えながら俺達も着替え出す。

 

皆が着替え終わり、イッセーと木場は剣術の修行を始めた。俺はその間に小猫ちゃんと修行を始める。

 

「小猫ちゃん、今回のレーティングゲームは絶対に勝つために神器で向こうの人を呼ぶからその人と修行しよう」

 

「わかりました」

 

色んな人と修行した方が、修行になるからな。

 

「開け!キン肉マンの扉!ウォーズマン!」

 

魔方陣のようなものが出現し、全身黒を基調とした姿の超人、ウォーズマンが現れた。

 

「やぁ亮吾くん。今日はどうしたのかな?」

 

「ウォーズマンさん、実は今度レーティングゲームというものをするんです。実戦形式での戦闘になるので、その修行のためにウォーズマンさんを呼びました」

 

「なるほど。つまり組み手をしてほしいということだね」

 

「そういうことです。よろしくお願いします」

 

「もちろんだ。協力させてもらうよ」

 

さすが正義超人、話がわかる。

 

「じゃあ小猫ちゃん、まずは君からウォーズマンさんと組み手をやろう」

 

「亮吾くん、その子と組み手をするのか?こんなに小さな女の子をあいてはさすがにできない」

 

「小さな・・・」

 

小さなという単語に反応した小猫ちゃんが殴りにいった。ウォーズマンさんはそれを避ける。

 

「小さなとか言わないでください」

 

「これはすまなかった。君は随分とやるようだ。俺も心して掛かろう」

 

ウォーズマンさんと小猫ちゃんは組み手を始める。小猫ちゃんは打撃を中心に攻めるが、それは避けられる。

 

「当たらない・・・」

 

「君の攻撃は素直過ぎる。フェイントとダメージを与える攻撃が分かりやすい」

 

さすが、ファイティングコンピューターと言われるウォーズマンさんだ。相手の攻撃を見切っている。

 

「はあ!」

 

「う・・・」

 

小猫ちゃんは飛ばされ片膝をつく。

 

「大丈夫か、小猫ちゃん?」

 

「大丈夫です。まだやれます!」

 

小猫ちゃんは立ち上がる。

 

「その意気だ」

 

その後、小猫ちゃんがイッセーと組み手をする時間になるまでウォーズマンさんと組み手、及び戦闘技術を学んだ。

 

「時間だね。ウォーズマンさんありがとうございました」

 

「ありがとうございます・・・」

 

「いいよ。亮吾くん、小猫ちゃん、レーティングゲーム頑張って」

 

ウォーズマンさんは元の世界に帰って行った。

 

「亮吾先輩すみません。私だけ組み手してしまって」

 

「気にしなくていいよ。俺は神器でいつでも呼べるしね。それにあれもやろうと思うから」

 

「あれ?」

 

「あとのお楽しみだよ。だけど、確実に強くなれるから。イッセーが待ってるから行ってあげて」

 

「・・・わかりました」

 

小猫ちゃんはイッセーの元に向かった。

 

 

 

 



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第4話 合宿やります②

 

小猫ちゃんがイッセーと組み手をやりに行ったので、今度は木場と修行することにした。今は作戦を立てている。

 

「木場って自分と同じテクニックとスピードでお前よりパワーを持ってる奴と戦うことになったらどうするんだ?」

 

「そうだね。神器をうまく使うとかかな?」

 

「木場って日本刀とか作れるか?」

 

「日本刀?作れなくはないけど、どうしてかな?」

 

「作れるんだな。よし・・・」

 

俺は神器を使う。

 

「開け!トリコの扉!マッチ!」

 

魔方陣が出現し、白いスーツを着ているマッチが現れた。

 

「亮吾、俺を呼び出して何のようだ?」

 

「すみません、マッチさん」

 

俺は頭を下げる。

 

「亮吾くん、この方は?」

 

「この人はマッチさん。居合いの達人なんだ。木場ならマッチさんの技を覚えられると思ってな」

 

「おいおい、亮吾、この小僧が俺の技を使えるって。笑かすなよ」

 

「なら、試しますか」

 

木場は西洋風の魔剣を作りマッチさんに斬りかかる。マッチさんは自分の持つ名刀『竜王』を使いそれを防ぐ。

 

「そんなもんか」

 

「なら・・・」

 

木場は騎士の特性を生かし、高速で動き回る。そして、フェイントを交えて何度か斬りかかる。マッチさんはそれを防ぐ。

 

「速いな。だが、俺はもっと凄まじい戦いを見た。その戦いをしていた者の方が速かった。俺とお前では経験が違う」

 

たぶん、トリコとトミーロッドの戦いのことで、木場より速い者とはトミーロッドのことだろう。

 

「これが異世界の者の力か・・・」

 

木場が驚愕していた。

 

「だが、その歳でたいした腕だ。いいだろう。教えてやろう」

 

なんやかんやでマッチさんは優しいな。マッチさんは木の前に立つ。

 

「ふぅー・・・」

 

マッチさんは体の力を抜く。実際に見れるのか。感激だな。

 

「はあ!!!」

 

マッチさんは縦に木を一刀両断する。

 

「これが俺の技、脱力による居合いだ。力を抜けば抜くほど居合いの降り幅、スピード、威力が増す」

 

「なるほど。僕の足りない力を補う技術ということですね」

 

それから、夕食まで木場はマッチさんに技術を教えてもらっていた。

 

「教えれるのはここまでだ。あとは自分でがんばりな」

 

「マッチさん、ありがとうございました」

 

木場が頭を下げて、マッチさんは少し笑い元の世界に帰って行った。

 

「亮吾くん、マッチさんを紹介してくれてありがとう」

 

「別にいいって。今度のレーティングゲーム、絶対に勝とうぜ」

 

「ああ、絶対に勝とう」

 

俺と木場はレーティングゲームに勝つことを決意した。それから皆で集まり夕食を食べ始めた。

 

「イッセー、今日の修行で何かわかったことはあるかしら?」

 

部長がイッセーに聞いた。

 

「はい、俺が1番弱かったです」

 

「そうね。それは間違いないわ」

 

部長、そんなにはっきり言わなくても。

 

「祐斗も朱乃も小猫もレーティングゲームの経験はないけど実戦をこなしていて戦闘に慣れているわ。亮吾も実戦という点では私達以上にこなしているわ。アーシアとイッセーは実戦の経験はほとんどないけれど、アーシアの回復とイッセーのブーステッド・ギアも無視できない。相手も承知のはず。逃げれる程度の力はつけなさい」

 

逃げれる程度か。今回は相手が相手だからそれだけではダメなんだけどな。

 

「部長、5日目くらいに俺が考えてる修行を皆でしたいんですけどいいですか?」

 

「それは私のプランを変更してでもする事に意味がある修行なのかしら?」

 

「はい。絶対に強くなれる修行です」

 

「亮吾がそこまで言うことなら信用するわ。さて、食事も済んだしお風呂にしましょうか?」

 

「お風呂!」

 

イッセーが声をあげる。

 

「あらイッセー、私達と入りたいの?」

 

「そりゃもう!」

 

「私は構わないけど皆はどうかしら?アーシアは愛しのイッセーと入れるわよね?」

 

アーシアは顔を真っ赤にして小さくこくりと頷いた。

 

「朱乃はどうかしら?」

 

「うふふ、殿方の背中を流すのもいいですわ」

 

朱乃姉ちゃんは不適に笑う。

 

「小猫はどうかしら?」

 

「いやです」

 

結構食い込みに小猫ちゃんが言った。

 

「じゃあ、この話はなかったことで」

 

イッセーは涙を流した。俺達は男子だけでお風呂に向かって入浴する。そこでもイッセーは女子風呂を覗こうとしていたので俺はイッセーを叩きのめしたのであった。

 

 

 

 



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第5話 合宿やります③

 

合宿2日目、今日は悪魔としての勉強をしている。俺もいつ悪魔になれるかわからないので一緒に勉強した。

 

今はアーシアから教会のことについて教えてもらっている。悪魔になってしまったため、何度か聖書を読もうとするが頭痛がするのか頭をおさえている。なんとも、微笑ましい光景だ。

 

「アーシア、ありがとう。今度は亮吾の話を聞きたいわ」

 

部長が言う。

 

俺の話ってことは、神器のことだよな。つまり、異世界の話と言うわけだ。

 

「そうですね、何て言えばいいんでしょうか・・・」

 

異世界の物語を言うのはまずいからな。

 

「亮吾、亀仙人のじいさんの世界はどんな世界なんだ?」

 

イッセーが聞いてきた。じっちゃんの世界か。

 

「じっちゃんの世界は天下一武道会って言う武道の大会が開かれるくらい武道が盛んな世界です。じっちゃんはその大会で優勝したこともあり、向こうの地球人では上位10人くらいには入る力は持っていると思います」

 

「あのじいさんはやっぱり強いんだ」

 

イッセーが感心している。

 

「亮吾、今の地球人って言い方だとほかの星にも人がいるのかしら?」

 

部長が聞いてくる。

 

「はい、そうです。じっちゃんの世界には地球以外にもたくさんの人種がいます。宇宙を支配する帝王、戦闘民族、超絶パワーの人造人間などが存在します。その中にじっちゃんを入れると月とスッポン、そのくらい実力が離れています」

 

「ええー!!!月を破壊するじいさんが話にならないなんてどんな世界だよ!!!」

 

イッセーを含め、部員は驚愕している。

 

「じゃあさ、じいさんをレーティングゲームで呼び出せばライザーの野郎を倒してくれるんじゃないか?」

 

イッセーが言う。

 

「イッセー、残念だけどそれはできないわ。神器で人を作って操るならできるけど、神器で人を呼び出せば使い魔でないならルール違反になるわ」

 

部長が言う。

 

「そうだぞ、イッセー。それに、ライザーの野郎は他人じゃなくてお前がぶっとばしたいだろ」

 

「そうだよな。俺はライザーをぶっとばす!」

 

イッセーは拳を掲げて宣言する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合宿5日目、みんな修行の成果が徐々に出始めている。そして、今日は俺が言っていた修行をするために全員同じ部屋に集まっていた。

 

「亮吾、5日目だけど何するんだ?」

 

イッセーが聞いてくる。

 

「今日の修行はある人を神器で呼び出します」

 

俺は神器を使って鍵を作る。

 

「開け!メルヘヴンの扉!ガイラ!」

 

魔方陣が出現し、そこから老人にしては屈強な体格のガイラが現れた。

 

「ガイラさん、今日はよろしくお願いします」

 

「任しておけ。準備は済ましてある」

 

俺とガイラさんは話をしているが部長達は戸惑っていた。

 

「あっ、紹介がまだでしたね。この人はガイラさん。異世界のメルヘヴンって言う国の人です」

 

「今日は亮吾に頼まれたからお前たちの修行をつける。覚悟するがよい」

 

ガイラさんが挨拶をして、部員達も挨拶をかわした。

 

「ガイラさん、みんなの強さはどのくらいですか?」

 

俺はガイラさんに質問する。

 

「そうだの、強い者でビショップの上位くらいで弱い者でポーンくらいかの。ナイトのコウガくらいなら倒せそうではある」

 

なるほど、ナイトの1番弱い奴なら俺達でも勝てるか。

 

「亮吾くん、今のはどういうことだい?僕は騎士の駒だよ」

 

「私も女王ですわ」

 

木場と朱乃姉ちゃんは聞いてくる。

 

「そういう事じゃないんだよ。メルヘヴンにはチェスの駒って名乗るテロリスト達がいるんです。そこの兵士の階級に使われているのがナイトとかの位なんです。1番強いのはキングで、そのあとに、クイーン、ナイト、ビショップ、ルーク、ポーンって続きます」

 

俺はチェスの駒の説明をした。

 

「そういうことだ。しかし、お前達はまだ若い。まだまだ強くなれる」

 

「では、ガイラさん。1日程、よろしくお願いします」

 

「わかった。では、行くぞ」

 

ガイラさんは、キーホルダーのような銀で出来た物を出す。

 

「みなさん、逃げないでくださいね」

 

俺の言葉に部員のみんなは首をかしげる。

 

「ディメンションアーム!修練の門!」

 

ガイラさんが叫ぶと俺達の足元に巨大な門が出現し扉が開き、俺達は、その中に落ちて行った。

 

 

 

 

 



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第6話 合宿やります④

俺達はガイラさんに修練の門に入れてもらった。落ち方は予想していたので舞空術でゆっくりと着地した。部長達も悪魔の翼を出してゆっくりと降りた。ただし、

 

「イッセー、起きろ」

 

イッセーは翼で飛ぶことが出来ないので地面に激突した。

 

「イッセーさん、すみませんでした」

 

アーシアも飛ぶことが出来なかったがイッセーの上に落ちたために無事だった。

 

「イテテ、何が起きたんだ?」

 

イッセーが起き、キョロキョロしながら言う。

 

「ここは修練の門の力で来れる異空間だ。その名の通りに修練に適した空間だよ」

 

「どこが修練に適しているのかしら?」

 

部長が聞いてくる。

 

「色々とありますが1番の理由は時間ですね。ここで流れる時間は外の60分の1で流れます。つまり、ここでの60日は外での1日と言うことになります」

 

俺の説明に皆が驚愕する。

 

「1日で2ヶ月修行できるなんてスゴすぎるだろ!もう、残りもここで修行しようぜ!」

 

イッセーが言う。

 

「イッセー、残念だけどそれは出来ない」

 

「何で?」

 

「理由は2つ。俺の神器でガイラさんを呼び出せるのは何もしなければおよそ1週間。ここへ来てる間は60日で1日と計算するけど、俺も修行するから呼び出せるのは3日くらいだ。もう1つの理由はガイラさんの体力と魔力だ。ガイラさんは寝もせずに1日の間、魔力を使ってくれている。ガイラさんの体力的にも、俺のレーティング・ゲームに向けてのコンディションのためにもここへ来れるのは1日だけなんだ」

 

説明し終わると地面が盛り上がり巨大な人の形をした岩のが数10体現れた。

 

「皆さん、これはアームと呼ばれる魔法を使うための道具を使うことによって呼び出せるガーディアンです。これはそのガーディアンのストーンゴーレム、第1の試練です。それぞれ倒しましょう」

 

俺はそう言ってストーンゴーレムに向かう。

 

「うらっ!!」

 

俺は1体を殴り飛ばした。

 

「皆、私たちも続くわよ。イッセーは神器を使ってもいいわ」

 

「「「「「はい、部長!」」」」」

 

アーシア以外の部員で戦闘を開始する。

 

戦闘を開始して10数分、ストーンゴーレムの大群を倒しきった。皆はこのくらいなら余裕があるな。1人を覗いて。

 

「イッセー、大丈夫か?」

 

「はぁ、はぁ、はぁ、しんどい。なんで皆は平気なんだ・・・」

 

イッセーは息が切れていた。だけど、合宿開始前なら倒すことも出来なかったはずだ。成長している証拠だな。

 

「ガイラさん!次、お願いします!」

 

『わかった』

 

俺が叫び、ガイラさんが答えると皆の影が伸びていき自分と同じ形になって現れた。

 

『そいつはネイチャーアームのシャドーマン。その影は自分と同じ力と魔力を持つ。次の修行相手は自分自身だ』

 

ガイラが説明してくれた。皆はそれぞれ散らばりシャドーマンと戦い始めた。

 

さて、俺もやりますか。俺はシャドーマンに殴りにいく。しかし、受け止められた。さすが俺だな。

 

次にシャドーマンの殴りによるラッシュ攻撃。俺はその攻撃を避けたり、受け流したりして反撃の隙を伺う。しかし、反撃の隙を見せない。一旦距離を取る。

 

次のことを考えているとシャドーマンの右手に念が込められていく。おいおい、念も使えるのか!

 

シャドーマンは念を込めた右手で殴りにくる。俺は避けるが、その衝撃に吹き飛ばされた。

 

「くっ・・・」

 

思わず声が出てしまった。俺のビッグバン・インパクトってこんなに威力があったっけ?

 

「面白え!うおおおお!!!」

 

こうして、修練の門での60日の修行が行われた。

 

 




ハイスクールD×Dの4期が始まるそうですね。

嬉しすぎます!


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第7話 レーティング・ゲーム開始です

修練の門での修行も終えて合宿も終わり、レーティング・ゲームの当日になった。

 

皆、合宿が始まる前よりも強くなった。特にイッセーは一時的にではあるが上級悪魔に匹敵するほどの攻撃ができるようになった。

 

試合が始まるまであと2時間になった。初の上級悪魔との真剣勝負だ。身を引き締めていかないとな。

 

「亮ちゃん、そろそろ部室に向かいましょうか」

 

朱乃姉ちゃんが俺を迎えにきてくれた。

 

「亮ちゃん、その格好は?」

 

俺の服装を見て朱乃姉ちゃんは戸惑っている。

 

「この格好じゃまずかった?」

 

「いいえ、亮ちゃんのことだから考えがあるのですね」

 

俺達は部室に向かった。

 

部室に着くと、イッセーとアーシア以外は揃っていた。みんな試合の前にリラックスしている。俺も準備体操をゆっくりと始めた。しばらくしてイッセー達もやってきた。

 

「亮吾、その格好はなんだ?」

 

イッセーが聞いてくる。

 

「カッコいいだろ」

 

「全然カッコよくないだろ」

 

かっこよくないだと!

 

「イッセー、カッコよくないだと!これは師匠から貰った胴着だぞ!」

 

そう、俺の格好はオレンジ色を基調に背中と胸の所に亀の文字が刻まれている亀仙流の胴着だ。

 

こんな話をするのも試合前に緊張しないようにするためだ。

 

開始10分前、グレイフィアさんがやってきた。これから始まる試合の説明をしてくれた。

 

「なお、魔王ルシファー様も今回の試合を拝見されていますのでお忘れなきように」

 

「そう、お兄さまが・・・」

 

部長が呟く。

 

「亮吾、今、部長が魔王様をお兄さまって言ったのは聞き違いか?」

 

「いや、正真正銘、部長のお兄さんは魔王だぞ」

 

イッセーの問いに答えると、

 

「魔王ぉぉぉぉぉっ!?部長のお兄さんって魔王様なんですか!?」

 

「ええ」

 

イッセーが驚く中で部長がさらりと答えた。

 

それから準備が整い、時間が来たので俺達は魔方陣の光に包まれて試合会場に転移した。

 

転移した先は駒王学園とそっくりな場所だった。グレイフィアさんのアナウンスが聞こえ試合が始まった。始まったと言ってもまずは準備段階、木場と小猫ちゃんがトラップを仕掛けに行き、朱乃姉ちゃんも幻術などを張りに行った。

 

しばらくして、俺達は動き出す。小猫ちゃんとイッセーが体育館に向かった。木場と俺で罠に掛かったライザーの眷属を迎え撃つことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセー視点

 

俺と小猫ちゃんで体育館のライザー眷属と戦っていた。小猫ちゃんは相手の戦車の方と戦い、俺は3人の兵士の少女と分担して戦っている。

 

「見るがいい。これが俺の新必殺技『洋服崩壊(ドレス・ブレイク)』!」

 

パチッ

 

「「「キャー!!!」」」

 

俺の新必殺技で少女達の服が消し飛んで裸になる。これはいい光景だ。

 

「変態!」

 

「女の敵!」

 

少女達が俺を罵ってくる。俺は甘んじて受けよう。

 

「・・・見損ないました」

 

向こうで戦っている小猫も引いているようだ。

 

「食らいなさい!」

 

小猫ちゃんの相手のチャイナドレスを着ている方が足に炎を纏って蹴りにいった。しかし、小猫ちゃんは小さく身を屈めてその蹴りを避けて後ろに回り込んだ。

 

そして、後ろから飛び乗り足を相手の足に絡めて、両腕を掴んで相手を拘束する。

 

「くっ、こ、こんなもの!」

 

相手の方が外そうともがけばもがくほど、どんどんと技が食い込んでいく。

 

「パロ・スペシャル。逃がしません」

 

「ぐぅぅぅぅっ・・・」

 

どんどん締め上げていく。

 

これが小猫ちゃんの修行の成果か。うん、怒らせないようにしよう。

 

『イッセー、小猫、聞こえる?』

 

通信機から部長の声が聞こえてきた。

 

『朱乃の準備が整ったわ。作戦通りお願いね』

 

俺と小猫ちゃんは出口に向かって駆け出した。俺達が体育館から出ると、

 

ドォォォォォオオオオオオンッ!!!

 

轟音と共に朱乃さんの雷が体育館に降り注いだ。

 

『ライザー・フェニックス様の戦車1名、兵士3名、戦闘不能』

 

グレイフィアさんのアナウンスが聞こえる。

 

「やったね、小猫ちゃん」

 

俺がハイタッチしようとしたら小猫ちゃんはさらりと避けた。

 

「触れないでください。最低です」

 

ジトーと小猫ちゃんは俺を睨んできた。

 

「大丈夫だって、味方には使わないから」

 

「それでも最低です」

 

本格的に嫌われたかな。

 

次に木場と亮吾と合流するために向かおうとしたその時、

 

ドゴォォォォッン!!!

 

俺の目の前で爆発が起きた。

 



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第8話 戦闘、始まります

 

ドゴォォォォッン!!!

 

俺の近くで突如爆発が起きた。爆発の煙が晴れると、そこには俺を守るようにして立つ小猫ちゃんがいた。体からは煙が出て至るところが火傷を負っていて服もボロボロになっている。

 

「小猫ちゃん!」

 

俺は倒れかけている小猫ちゃんを抱きかかえる。

 

「小猫ちゃん!気づいてたらなんで逃げないで俺を庇ったりなんかしたんだよ!」

 

「・・・イッセー先輩は勝負の・・・要です。絶対、勝ってください」

 

小猫ちゃんは言い終わると意識がなくなり光に包まれてその場から消えた。

 

『リアス・グレモリーさまの戦車1名、リタイア』

 

グレイフィアのアナウンスが聞こえてくる。

 

「撃破」

 

謎の声。上空から聞こえたから上を向くとそこにはライザーの女王が飛んでいた。

 

「相手を狩るなら何かを終えて油断している瞬間に隙が出来て、狩りやすい。犠牲を出してでもこちらの駒は多いですからあなた方を始末出来れば十分。まあ、あの戦車の子は気づいていたようだけどね」

 

くっ、確かにこいつの言う通り小猫ちゃんがリタイアしたのは俺が油断したからだ。でも、

 

「てめぇ!!降りてきやがれぇぇぇ!俺が相手だ!」

 

それでもこいつは許せない。

 

「うるさい兵士のボウヤね。さっきの子のように爆発してみる?」

 

ライザーの女王がこっちを攻撃してこようとしていると、

 

「あらあら、あなたの相手は私がしますわ。ライザー・フェニックスさまの女王のユーベルーナさん」

 

俺を庇うように朱乃さんが入ってきた。

 

「イッセーくん。ここは私に任せて亮ちゃん達と合流してください」

 

「でも!」

 

俺が食い下がる。

 

「イッセーくん。あなたにはあなたの役割があります。小猫ちゃんが自分を犠牲にしてまであなたを庇ったのはあなたを信じていたからです。お行きなさい。ここは、私の仕事です」

 

そうだ。俺には俺の役割がある。それに俺がいたら朱乃さんの邪魔にしかならない。

 

「だいじょうぶ。小猫ちゃんの仇は私が取ります。この女王は、私が全身全霊を持って相手を致します」

 

その言葉と共に朱乃さんから雷の如くオーラが吹き荒れる。

 

「朱乃さん!頼みます!」

 

俺は亮吾達と合流するために運動場に向かった。

 

『ライザー・フェニックスさまの兵士3名、リタイア』

 

しばらくして、グレイフィアさんのアナウンスが聞こえてくる。今のは木場と亮吾が敵を倒したアナウンスだ。

 

ガシッ!

 

運動場へ向かう俺の腕を誰かが掴んだ。身構えたが、

 

「なんだ、おまえらか」

 

木場が腕を掴んでいて、その横に亮吾がいた。そして、俺達は物置のような所に身を隠す。

 

「すまん、俺を庇って小猫ちゃんが・・・」

 

「放送で聞いていたよ。でも、イッセーくんを庇ってリタイアしたってことは・・・」

 

「そうだな。イッセーを、俺達を信じているんだ。必ず勝つってな」

 

そうだ。小猫ちゃんの分まで俺達が勝つんだ。

 

「必ず勝とう!」

 

俺達が勝つと意気込んでいると、大声で女性の声が聞こえてきた。

 

「私はライザーさまに仕える騎士のカーラマインだ。こそこそと腹の探りあいをするのも飽きた。いるのはわかっている。出てこい」

 

ずいぶん豪胆な性格の人だな。

 

「名乗られてしまっては騎士として出ないわけにはいかないか」

 

「そうだな。男としても出るしかないか」

 

素直に出ていく木場と亮吾の後を着いていく。運動場には甲冑を着こんだ方がいた。

 

「僕はリアス・グレモリーさまの騎士の木場祐斗」

 

「俺は兵士の兵藤一誠だ!」

 

「俺は・・・そうだな、助っ人の剣亮吾だ!」

 

若干、亮吾で詰まったが俺達はそれぞれ名乗った。

 

「リアス・グレモリーの眷属悪魔にお前達のような戦士がいたとはな。人間にもこのような者がいたことに驚きだ。とても正気の沙汰ではない」

 

あんたが言うか。

 

「しかし、私はお前達のようなバカが大好きだ!さて、やるか」

 

カーラマインが剣を構える。

 

「騎士同士の戦い・・・待ち望んでいたよ。個人的には尋常じゃない斬り合いを演じたいものだ」

 

「よく言った。グレモリーの騎士よ」

 

そこから、木場とカーラマインの戦闘が始まる。どちらも速い。とても目で見て追い付けない。

 

「イッセー、釘付けになるのもわかるけど相手が来たぞ」

 

亮吾の言葉を聞いて振り替えると、そこにはライザーの眷属悪魔がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亮吾視点

 

木場とカーラマインが戦闘を始めるとほぼ同時にライザーの眷属達が現れた。その数は6人。これは女王と王以外の全駒をこっちに送ってきたようだ。

 

それにしても、あの縦ロールの髪型の少女、ライザーとオーラと気が似ているな。

 

「あんた、ライザーの親戚かなんかか?」

 

思わず聞いてしまった。

 

「あら、あなた下等な人間の癖に意外に観察する目を持っていますわね。ライザーは私の兄ですわ。それと、私は戦いませんの」

 

は?ライザーは妹を眷属にしてるのか?

 

「あいつは変態じゃねぇか!」

 

イッセーが言う。たしかに、自分の妹をハーレムに入れるなんて変態だな。

 

「イッセー、多分あの仮面を着けている人は戦車だ。あの人の相手をしてくれ。俺は残りの奴とやる」

 

「わかった」

 

イッセーは仮面を着けた人と戦う。

 

さて、妹さんは戦わないようだし俺の相手は4人か。多いな。

 

「貴様、舐めているのか」

 

相手の大剣を持った、多分騎士の人が言う。

 

「舐めてなんかいない。全力で行くぜ!」

 

俺はオーラを全開にする。

 

相手の獣人のような2人が仕掛けてきた。素早い動きで左右から挟み込むように攻撃してきた。俺はそれぞれ左右の腕で攻撃を防ぐ。防がれるとは思ってなかったのか2人は驚愕の表情を浮かべていた。

 

「やぁー!」

 

相手の僧侶の人が炎を放ってきた。

 

俺は獣人の2人の力を利用して、俺の前で2人を激突させた。

 

「なに!」

 

僧侶は慌てて炎の軌道を変えてそらした。

 

「はぁ!」

 

騎士が頭上から剣を振り下ろしてきた。俺はそれを白羽取りする。

 

「なんだと!」

 

騎士は驚愕した。両手がふさがったため、俺は騎士を蹴り飛ばした。

 

「ぐはぁっ!」

 

騎士は吹き飛ぶが体勢を立て直して踏みとどまる。俺を警戒したのか距離を取り出す。

 

「あら、人間の癖にやりますわね。ですが、あれはどうするつもりなのかしら?」

 

ライザーの妹の視線の先を見る。そこには、校舎の上で戦う部長とライザーの姿があった。

 

おいおい、なんで部長がライザーと一騎討ちしてんだ?部長でもさすがにライザーには勝てない。速く向かわないと。

 

「食らえ!洋服崩壊!!」

 

イッセーの方を見る。そこには、相手の女性の服を吹き飛ばすイッセーの姿があった。

 

何してんだ!あいつはこんなことのために魔力の修行をしていたのか!

 

「イッセーくんがスケベでごめんなさい」

 

木場がイッセーの行動を相手に謝っていた。

 

「何謝ってんだ!食らえ!ドラゴン・ショット!」

 

イッセーの魔力の攻撃が戦車の人を飲み込んだ。

 

『ライザー・フェニックスさまの戦車1名、リタイア』

 

どうやら、倒したようだ。

 

「さて、僕もそろそろ決めようか」

 

木場は日本刀のような魔剣を造り、力を抜く。

 

「貴様、なにを戦闘中でリラックスしている!」

 

カーラマインが木場に高速で向かって行く。カーラマインが木場に斬りかかる直前、目にも映らぬ速さの居合いがカーラマインに放たれ、カーラマインから血が吹き出す。

 

「な・・に、見えなかった」

 

「脱力からの居合い。マッチさんの技名は竜王一刀両断だけど、僕の場合は魔剣一刀両断って所かな」

 

カーラマインが光に包まれた。

 

『ライザー・フェニックスさまの騎士1名、リタイア』

 

木場も倒したな。これで人数的には五分五分だ。

 

「木場!お前の神器を解放しろ!」

 

イッセーが近づき木場に触れる。

 

『Transfer!!』

 

イッセーの籠手から音声が聞こえてくる。

 

「魔剣創造!!!」

 

それと共に木場が神器の力を解放する。すると、地面から大量の魔剣が出現して、ライザーの眷属達を貫いていく。

 

『ライザー・フェニックスさまの騎士1名、兵士2名、僧侶1名、リタイア』

 

今ので大量に相手がリタイアした。赤龍帝の籠手の譲渡の力を上手く使えるようになったか。これで相手は3人だ。

 

『リアス・グレモリーさまの女王1名、リタイア』

 

え、俺は耳を疑った。朱乃姉ちゃんが負けた…

 

 

 




原作より、強くなっている設定なので小猫ちゃんはイッセーを庇ったことにしました。

木場も脱力でカーラマインをねじ伏せましたね。


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第9話 亀仙流の奥義

メリークリスマス!!!

クリスマスですね。久々に書いてみました。


朱乃が負けた。それを聞いた亮吾は耳を疑った。しかし、今までの経験から咄嗟に円を使い、まわりの気の様子も伺った。

 

「イッセー!今すぐ避けろ!」

 

亮吾は念を使い身体を強化して、叫びながらイッセーに向かって駆け出した。そして、イッセーを押し倒した。それとほぼ同時にイッセーがいた所が爆発した。

 

「ぐあっ!」

 

「くぅ!」

 

直撃はしなかったが爆風で亮吾とイッセーは吹き飛ばされた。吹き飛ばされた2人は多少の火傷などを負ったがまだまだ戦える。2人は立ち上がり、

 

「木場!」

 

亮吾は叫んだ。が、

 

「ぐあぁ!!」

 

イッセーと亮吾の目には爆発に飲まれた木場の姿があった。

 

『リアス・グレモリーさまの騎士1名、戦闘不能』

 

グレイフィアのアナウンスが流れる。

 

「撃破」

 

そう呟いたのは、上空を浮遊しているライザーの女王のユーベルーナ。

 

「お前!よくも木場を!」

 

イッセーがユーベルーナに激怒する中、ユーベルーナを見た亮吾はユーベルーナの姿がおかしいことに気がつく。

 

「あいつ、なんで無傷なんだ」

 

そう、ユーベルーナは朱乃と戦闘したにも関わらず無傷だったのだ。

 

「ふふ、これのおかげよ」

 

ユーベルーナが取り出したのは小さなビンだ。

 

「チッ、フェニックスの涙か」

 

亮吾は舌打ちをしながら呟いた。

 

フェニックスの涙、フェニックス家が量産している回復アイテム。フェニックス家の財政のほとんども支えている。レーティング・ゲームには各チーム2つまでの持ち込みが許可されている。

 

「卑怯なんて思わないでくださいね。ルールにしたがって持ち込んでいるんですもの。そちらの僧侶の回復の神器の方がよっぽど反則染みているわ」

 

「てめぇ!今すぐ降りてこい!」

 

イッセーが挑発するように叫ぶ。そのイッセーの前に、イッセーに背を向ける形で亮吾がユーベルーナに立ち塞がる。

 

「イッセー、お前は部長の所へ行け。こいつの相手は俺がする」

 

「でも、こいつがみんなを!」

 

イッセーが食い下がろうとする。そんなイッセーに亮吾は激怒した。

 

「アホ!部長が負けたらそこで試合は終わるんだ!さっさと部長の所に行け!それに…」

 

亮吾は拳を握り締める。

 

「朱乃姉ちゃんのためにも俺がこいつを倒す」

 

亮吾は決意を固める。

 

「わかった。そいつは任せる。俺はライザーを倒してくる。負けんなよ」

 

「お前もな」

 

イッセーと亮吾は拳を合わせて、イッセーは校舎の方に向かった。

 

「行かして良かったのか?」

 

亮吾はユーベルーナに聞く。

 

「構わないわ。あんな雑魚が行った所で何が出来ると言うの。むしろ、あなたを向かわす方が危険だわ」

 

ユーベルーナは余裕があるのか不適な笑みを浮かべている。

 

「では、ユーベルーナ。私もお兄様の所に向かいますわ」

 

レイヴェルはユーベルーナに近づいてそう言うと炎の翼を羽ばたかせ飛んで行った。

 

「あなたこそ、レイヴェルを向かわしても良くて?」

 

「あいつは戦わないんだろ。問題ない」

 

一瞬の静寂が訪れる。そして、最初に動いたのは亮吾だ。亮吾は舞空術を使い高速で飛んで行く。

 

「はっ!」

 

ユーベルーナは数多くの爆炎の火球を亮吾に放った。

 

「くっ!」

 

亮吾も避けるが、数が多い火球を全て避けることは出来ない。避けれない火球は念で強化した手で弾く。亮吾は徐々に後退していく。

 

「ふふ、飛べるようですが遠距離の攻撃が出来る私の方が有利ですね」

 

ユーベルーナは不適に笑う。

 

「くそ!」

 

亮吾は苦虫を噛むような顔をする。

 

「しかたないな」

 

亮吾は両手首を合わせる。

 

「行くぜ。か~め~は~め~波!!」

 

亮吾の手から放たれた気の光線がユーベルーナに向かう。

 

「なに!」

 

ユーベルーナは予想外の攻撃に急遽、防御魔方陣を張る。

 

ズバーンッ!!

 

防御魔方陣とかめはめ波が衝突し、爆発が起き爆煙が起きる。

 

「くっ!」

 

ユーベルーナは煙に飲まれる。そして、その煙の中から、

 

「なっ!」

 

ユーベルーナは、煙の中から目の前に現れた亮吾に驚愕する。亮吾は円で煙の中でも相手の位置が正確に分かるのだ。

 

超破壊拳(ビッグバン・インパクト)!!!!!」

 

「ぐきゃぁぁぁあ!!!」

 

亮吾の必殺技がユーベルーナに炸裂した。

 

 

 



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