恋する吸血鬼 (のゔぇんぶれ)
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第一話

ここは、夜の三咲町。

私、弓塚さつきはここでシオン・エルトナム・アトラシア、通称シオンとリーズバイフェ・ストリンドヴァリ、通称リーズさん、と一緒に正義の吸血鬼をしてます。

 

「おお、さつきが私のフルネーム噛まずに言えたぞ」

「はいはい、よかったですね、リーズ」

 

私達のチーム名は「路地裏同盟」。どこかで聞いた事あります?

そう、それなら私達の活動も無駄ではなかった、と喜ばしい事であります。

え?将来の夢?そうですねぇ。

まずは三咲町が平和になること。それからーーー

それからーーーーー

 

「それから何なんだ、さつき!私のお嫁さんになるっていうことか!私はいつでもいいぞ、今結婚式あげるか」

「落ちついてくださいリーズ。私の旦那さんとしてとても恥ずかしいです」

 

この事は誰にも言ってないんだけれど、私には好きな人が居てーーー

その人のお嫁さんになりたいっていう夢がーーーーー

えへへー、ちょっと恥ずかしいや。

 

「誰だ!誰なんださつき!私は許さないぞ!」

「落ちついてくださいリーズ。あとさつきは隠してるつもりでしょうがその話ばればれです。気がついてないのは貴方とリーズと貴方の好きな人ぐらいです」

 

「もぉーっ!さっきから煩いんだけど二人とも!」

「え?…いや、うるさいんだったらごめん、謝るよ」

「ごめんなさいさつき。所でー」

 

「「誰と話している(んだ?)(んです?)」」

 

「えっ、えーっと…。私の中の、インタビュアーさん?って話してるってなに?!私、一切口に出してないよ?!」

「いえ、思いっきりでてました」

「そうだぞさつき。結婚したい相手って誰なんださつき」

「えっ?!」

「初めからずーっと口に出してましたよ。…なんか変なことやってるなーと思いましたが、いつもの事なのであまり気にしませんでしたが」

「おおそうだ。ちゃんと私の名前を噛まずに言えたな。偉いぞ」(なでなで)

「えへへー、ありがとうリーズさん…。ってあれ?そうじゃないよ!聞いてたの?!」

「不可抗力ですが」

「う、うわあああああ。はずかしいよぉおおおおおおおおおおおおおお」

「そうだぞシオン。ちゃんと止めてあげて」

「それはそれで恥ずかしいと思いますが。…それにさつきは」

「あれほとんどはシオンのせいでしょー!もぉー!」

「そうだぞシオン。だからシオンは「鬼!悪魔!アトラス!」と言われるんだ」

「それを言ってるのはほとんど貴方じゃないですかリーズ。あとアトラスは悪口になるんですか」

 

「はー…もう、もう…」

「落ちつきました、さつき?」

「落ちついたは落ちついたけど…」

 

「いやぁ、やっぱり弓塚さんは乙女ですねー♪」

 

「琥珀さん!?何時?!」

「ドクターも初めから居た」

「そうですよー♪今まで黙ってましたが。そうそう、レンさんも一緒ですー」

「…(こくこく)」

 

「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああんんんんんんんんんんんんんん!!!!!シオンの馬鹿ー!鬼ー!!アトラス―!!!!!!!」

 

「私だけですかさつき!というか物投げるのやめてください!」

「「頑張ってーシオン(さん)ー」」

「避難済み?!何時の間に?!…あっやめてさつき!それは!それは危ないから!」

 

「もうしらないもおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!ばかああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 

その夜、三咲町の路地裏の一角は崩壊したとかしなかったとか。(byリーズ)




まあ、基本こんな感じですよ。

月姫リメイクはよ…
間に合わなくなっても知らないからはよ…


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第二話

「うぅーん…遠野くぅん…」

 

私、弓塚さつきは吸血鬼だ。

それも、二十七祖?とかなんだかとても強そうなグループに入ってもいいよ、って言われるぐらいにはとても強いらしい。

…私にはよくわからないんだけれど。シオンとかリーズさんによると「手がつけられないレベルだからそのままのさつきでいてね」と言われる。

そのシオンとかリーズさんだとかが倒せなかった「タタリ」だとか「ワラキアの夜」と同じなんだって。

私、そんなに凄い吸血鬼だったんだ、って思うんだけど…

 

「…だめだよぉ…遠野くぅん…こんなところで…そんなぁ…」

 

正直どうでもいいの。

私はそんな事より、私の想い人である遠野君と…えへへへへ…

 

 

「さつき、ご飯ですよ」

「う、うん…?あれ…?」

「レンさん、あまりさつきに夢を見させないで上げてください」

 

え?!夢?!

…そう、だよね。分かってる、今の私は路地裏に住んでいて、シオンとリーズさんと一緒にこの町を守っている、ってことぐらい。

それでも、夢を見るぐらいは

 

「私は許さないぞさつき!」

 

そう言って、リーズさんが怒っている。

いや、夢を見るぐらいは許してくださいよ。

 

「夢を見るぐらいは自由でしょ、リーズ」

「いや、ダメだ!だいたい誰だ、遠野って奴は!」

「あれ?リーズ、志貴とあったことないんでしたっけ?」

「ああ」

 

そうか。リーズさん、の中ではシオンの起こした事件はシオンが解決したことになってるんだ。

…あれ?でもまって…?

 

「リーズさん、遠野君殴りたい、とか言ってなかったっけ?」

「おお、あの少年か!」

「思い出しましたか、リーズ」

 

ぽん、と手をたたくリーズさん。

そして。

 

「あのハーレムを築いてる癖に本人はわざと気がついてないふりをしてる少年か!殴ってこないと!」

「まってリーズさん!リーズさんが殴ったら遠野君死んじゃう!」

 

音楽家のパンチ力は2tぐらい、と本人が言ってるぐらいだから普通の音楽家にしても多分鍛えてる男の人ぐらいのパンチ力はある。

そして、2tぐらいあるって言ってるリーズさんは普段鍛えているんだから多分4tぐらいある。

そんな攻撃受けちゃったら遠野君の命が!

 

「ちょっとまってくださいリーズ。志貴を亡きものにしたら私達の願いが。…それに、ハーレムを築いているって言っても本当に志貴を愛しているのは秋葉と晶とさつきぐらいです」

「そうなの?!というかそれってハーレムって言わなくない?!」

「まあ、私達ギャルゲーのキャラですし、一応は?」

「メタい!」

 

とてもメタいよシオン!

というか、私達以外の遠野君好きってそんなに遠野君愛してないの?!ファッションなの?!

 

「いや、だって、私の旦那様はリーズですし。真祖の旦那様は第七位ですし」

「えっ?アルクさんの彼氏さん先輩なの?!喧嘩しているのに?!」

「喧嘩するほど仲がいいって言うじゃないですか」

「…私とシオンはそんなに仲良くないのか…」

 

唯の諺に割と凹むリーズさん。

いや、ほら

 

「?なんでリーズが凹んでるかわかりませんが。私の旦那さんはリーズしかいませんよ?」

「そ、そうか!そうだよな!」

 

リーズさんが立ち直って何よりです。

 

 

「にしてもやっぱり弓塚さんって乙女ですよねー」

「そうだな、ドクター。だが私はさつきの結婚は許さないぞ」

 

だからいつからいたんですか琥珀さん…

 

「ついさっきです♪レンさんのお迎えに」

 

心を読まないでください。

やっぱり私この人苦手かも。

 

「弓塚さんが苦手でも私は好きですよー♪Wレンさんがこんなに懐くのも納得ですー♪」

「私は懐いてるわけじゃないけどね」

 

何時の間に白レンさんもいるし…。

どういうことなの。

 

「皆さつきが好きってことですよ」

「そうそう、さつきはだれにも渡さないぞ」

「…心読んでる?」

「口に出してます」

 

そう…口にでてるの…

 

「もおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!シオンの馬鹿!鬼!アトラス!!!」

 

「またこのオチですか!!!」

「頑張ってシオン(さん)-!」

「まーた避難してるしぃ!?いやだからそれはやめてくださいさつきぃ!」

 

 

この日、治ったばっかりの路地裏の一角はまた崩れたとかなんとか。(byリーズ)




オチが同じ…?
はっはっは仕方ないね。


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第三話

「うーん…」

 

私、弓塚さつきは悩んでいました。

朝ご飯は何にしようか、とかそんな単純な話ではありません。いや、私以外にとってはそのぐらいなのかもしれないけど、私にとってはとても大事な話。

私の目の前にはネコ耳。(琥珀さん作)

 

「何やってるのよ貴方は」

「…(手を振り振り)」

「あ、レンさん達…」

 

いつの間にか私の隣にいる全身白い子と全身黒(髪だけ白)の二人の女の子。名前は二人ともレン。

分かりづらいから私達は「レンさん」と「白レンさん」って呼んでいる。

確か…、夢魔っていう種族の女の子がレンさんでタタリって呼ばれる現象の最レンさんから生まれたのが白レンさん。

確か初めは白レンさんの方はレンさんと入れ替わろうと必死だったような気がしたけど、今ではそんなことなく、私達、路地裏同盟の中では一番の大人な恋をしてると思う。白レンさんは確か飼い主さんの事が好きだったような気もするけど、どうやら気のせいだったみたい…?

 

「所でそれどうしたの」

「琥珀さんが置いてった」

「何やってるのよ、あの人」

 

頭を押さえる白レンさん。

 

「…………」

「そうねえ、考えても無駄ね」

「え?何が?」

「琥珀のことよ」

「ああ…」

 

レンさんが白レンさんの服をひっぱてるようにしか見えないけれど、それで白レンさんとレンさんは通じる見たい。

そしてレンさんの言いたいことが伝わるのは白レンさんと琥珀さんとアルクウェイドさんと遠野君ぐらい。

あれ?遠野君は通じてたっけ…?

 

「…」

「で、さつき。貴方はそれをどうしようとしてたのよ」

「え、えっとね…これをつければ遠野君の家に行けて遠野君に可愛がってもらえるって、琥珀さんが」

 

「……………………………………「それ、騙されてる」」

 

「えっ」

 

えっ?騙されてるの?!

っていうかレンさんがボードで意思表示するほどの話なの?!

 

「琥珀の事はあんまり信用しない方がいいわよ」

「…(こくこく)」

「本当に?」

「本当に」

「…(こくこく)」

 

ご飯貰ってるのに信用してないんだ、とは思ったけれど口には出さなかった。

 

「それはそれ、これはこれ。そもそも私はそんなに貰ってないしね」

 

口には出してなかったけど顔には出てたみたい。

それにしても。

 

「まだ、琥珀を信じるの?苦手なのに?」

「苦手だけど…それでも、遠野君が信用してるんだから信用はしてるよ」

「……………………志貴はそこまで」

「えっ?そうなの?」

 

というかまたレンさんがボード出した?!

今日ラッキーデーなの?!

 

「えー?私志貴様の信用そんなないんですかー?」

「また突然ですね?!」

「いえいえ、そんなに褒めないでください♪ご飯が出来たのでお呼びに来たんですよー♪」

 

いつの間にか、琥珀さんが現れていた。そもそも褒めてないし…

そして、いつの間にか両肩に黒猫と白猫を乗せていた。

あっれ?!

 

「白レンさんご飯食べるんだ…」

「今日は蟹鍋です♪」

「猫に蟹はちょっと…」

 

でも夢魔だから平気なのかな…?

なんて思いながら、お三方を見送った。

ついでに耳は丁寧にお礼を言って返しておいた。

 

 

 

今日の路地裏は平和だった

 

 



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第四話

三咲町の路地裏。

 

「所でサツキ」

「なぁに、シオン」

「貴方はいつ志貴に告白するんです?」

 

そうシオンに聞かれた私、弓塚さつき。

こ、告白とかそんな…

 

「何を言っているんだ、シオン。さつきに告白とか恋愛とかまだ早い」

「いえ、さつきももうアラサーです、彼氏の一人ぐらい」

「まだ!まだ、花も恥じらう女子高校生だから!」

 

確かにもうそろそろアラサーって呼ばれる歳になってる頃だろうけれど!

…あれ?ちょっとまって…?月姫って何年前の作品だっけ…?

考えるとちょっとアラサーを超えているかもしれないから私は考えるのをやめた。

 

「それにあの少年には確か許嫁がいたような」

「え?!何それ初耳なんだけど?!」

「許嫁…、いや違うな。「初めてを…」」

「わーわーわーわーわーきこえませんー」

 

いーまーせーんー!

遠野君と「××××」した人なんていーまーせーんー!

 

「え、いつ聞いたんですか、リーズ」

「いや、私も又聞きなんだけどね。そんな事を真祖と第七位が話してたような」

「あの二人に何を話してるんですか、志貴は」

 

首をたれ、頭を横に振るシオン。

 

「それ、レンからのリークよ」

「…(こくこく)」

「何やってるのレンさん?!」

 

「…………………………………………………………………詳しくは、歌月十夜で」

 

宣伝したぁ?!

誰に向かっての宣伝かしらないけれど、宣伝したぁ?!

 

「今、歌月十夜が入った月箱は7000円ぐらいで買えるわ、お買い得ね」

「…(こくこく)」

「待って?!ちょっと待って?!私達のこの空間ってどういう立ち位置なの!?」

 

「「「「コハ○ース時空」」」」

 

あの時空ならこんな状態でも仕方ないのかな、って気がしてきた。

むこうはもっと酷いけど。(褒め言葉)

 

「まあ、ということで志貴は○貞ではないということで」

「やめろぉ!」

 

シオンの口から○貞とか聞きたくなかったしそもそも言わせてはいけない。

…そして何より知りたくなかった事実がポロっと出てて凄い悲しい。

 

「…流石にドン引きだよシオン」

「…………(引き顔)」

「…ないわー。色々とないわー」

「ですが、このメンバーで言えるのは私ぐらいでは?」

 

うん、確かにそうなんだけど。いいそうなのはシオンだけなんだけど…。

実際に口にされると、やっぱり引いちゃうというか。

 

「まあ、引かせたお詫びに何かおいしい物でも作りますよ」

「本当か?!やったー!シオンの手料理だー!」

「わーい!」

「しょうがないわね、貰ってあげるわ」

「…(こくこく)」

 

今日の夕ご飯はシオンが作ったチャーハンでした。

おいしかったです(byリーズ)




まあ、こうなるな。
月姫リメイクはよ…


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第五話

三咲町、路地裏。

私、弓塚さつきは目の前にある状況に少々戸惑いを隠せずにいた。

 

「なあ、いいだろ、シオン、さつき」

「「えぇ……」」

 

同居人のリーズさんが隣に遠野君ちにいるメイドさん(ヒスイさんって言ったっけ?)そっくりのメカを隣において、私とシオンさんに向かって土下座している状況。

これで戸惑うなっていう方が無理っていうもんだよ……

 

「大体にして、リーズ。その人形はどうしたんですか」

「いやなに、今日、ドクターが私に用事があったみたいでな。その用事をすましに遠野家へ行ったんだ」

「何それ羨ましい!ずるい!」

 

私なんて行ったところで門前払いされるのに!

「いやあ、志貴様にとってさつきさんはもう過去の人ですし…」とか言って!酷いよ!

確かに、遠野君にとって私は過去の人かもしれないけど!私はこうやって生きてるよ!って報告したいのに!

 

「どうどう、さつき。それで、どうしたんです?」

「用事自体はなんてことない話でさ。ほら、いただろう、あのキモカワイイ猫を追い払ってくれ、っていう話で」

「あれはキモいだけだよ、リーズさん…」

 

相変わらずリーズさんの美的感覚はよくわからない。

あの猫さんのどこがカワイイのか……。

 

「で、リーズはその用事を無事完遂した。そうですね?」

「ああ、何の問題もなく終わらせてきたよ。…………というか、私が顔見せたらささーって波のように引いて行ったよ……。私は可愛がりたいだけなのに……」

 

そう言っていじけ始めたリーズさん。

 

「はい、いじけないでください。で、それとその人形、メカヒスイ、はどう関係あるんですか」

「で、あのキモカワイイ猫達の引きっぷりを見てドクターが一体くれたんだ。そう、これは依頼料として貰ってきたんだ。だからいいだろ、ここにおいても!」

「「えぇー……」」

 

再び私とシオンの困惑の声がダブる。

大体にして、依頼料は普通にお金がよかったよ……。

 

「…………まあ、大体の話はわかりました」

「そうか。ならここでもらってもいいんだな!」

「それとこれとは話が別です。ねえ、さつき」

「そうだよ、リーズさん。そもそも、そのお人形さんの動力は何?」

「ドクターがいうには、企業秘密だそうだ。そしてこれは動かない」

「動かないの?!!!!!!!!!」

「ああ、動かない」

「……さつき、粗大ゴミとして回収してもらいます。手伝ってください」

「ま、まってくれ!インテリア!インテリアとして」

 

シオンの足元にすがりつくリーズさん。

ニッコリと笑うシオン。果たして結果は!

 

 

 

 

 

2500円取られましたが、無事、回収してもらいました。

計算通りです。(byシオン)

 




やっぱこの三人が一番動かしやすいですわ。


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第六話

三咲町、路地裏。

 

「あけましておめでとう御座います、シオン、リーズさん」

「はい、おめでとうございます。サツキ、リーズ」

「ああ、おめでとう二人共」

 

ということわけで、年が明けました。

 

「にしても、去年は色々あったね」

「そうだな、主にFGO」

「それ以上はいけない」

 

流石にね。確かにコ○エース時空とはいってるけどね。

月姫リメイクはまだですか。

 

「でも、そうじゃないと何もない、じゃないか」

「それは…そうですけど…」

「ちょっとは否定して!」

 

なんというか、それはそうなんだけど、私達にもなにか動きがあったはずだから!

何かあったはず、なんだから…

 

「にしても、リーズの口からFGOって聞くとは思いませんでした。やってるんですか?」

「いや、ドクターが言ってるのを聞いただけ、だけどな。そもそも私のは対応してないし」

「琥珀さんやってるんだ…」

「はい♪」

 

また突然現れた琥珀さん。

 

「うわっ、驚いた…。何しに来たんですか、コハク」

「いえいえ、年始のご挨拶周りですよー。遠野家の方も大体終わりましたしねー」

「いいなー、私も遠野君に挨拶…」

 

そのついでに、遠野君に告白してえへへへ…

 

「あー、弓塚さんはちょっと。他のお二方は大丈夫ですけど」

「なんでぇ?!」

「そりゃ、さつきが二回も目の前から消えてるからでしょ」

「志貴にとってさつきはタブー」

 

琥珀さんと一緒に来ていた白レンさんとレンさんがそう続ける。(レンさんはボードだけど)

え、二回目?タブー?!なにそれ私知らないんだけれど。

 

「志貴様、そうとう凹んでましたもんね」

「そうですか。…サツキ、志貴は諦めたほうがいいですね」

「そうだな!どうだろう、さつき。私の嫁になるっていうのは」

「リーズ?」

「あ、違うんだ。シオン。そういう意味じゃないんだ」

 

犬も食わない夫婦喧嘩が始まったようだけれど私の耳には、入らなかった。

タブー…、私の存在が志貴くんにとってのタブー…

いやでも、二回目はともかく一回目はまだ、なんとか手を打てるような…

 

「さつき?」

「何か悪い顔してますよ、サツキ?」

「あー、これはあれですね。ピアニストさんが死にますね」

「ピアニストだからね、仕方ないね」

「(こくこく)」

 

なんか顔色でバレてるみたいだけど、そう、一回目の私の失踪はあの「ロア」とかいう悪い吸血鬼が悪い。

そしてあの「ロア」っていうのは私より弱い。

倒して遠野君の前に現れても「大丈夫、私生きてるよ!」って報告すればきっと遠野君のトラウマだって克服されるはず!

それだ!!!!よーし、すぐ退治してこよう!!

 

 

 

 

 

 

 

三日後、「どこにもいなかった…、私の壮大で完璧な計画がぁ…」と肩を下げて帰ってきたみたいよ。(by白レン)




あけましておめでとうございます。
こんな感じのSSですが今年もよろしくお願いいたします。


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第七話

三咲町の路地裏。

私、弓塚さつきは目の前にあるもの、を見て少し困っておりました。

そのあるもの、とは。

 

「…どうしてこうなった…」

 

私の好きな人、遠野志貴君がよく着ているシャツ。

ち、違うの、取ったんじゃないの。風で飛んでたから、それをキャッチしただけなの。

別に取ろうとかそんなんじゃないの。信じて!

…私は誰に言い訳をしているのだろう。

 

「サツキ、大丈夫か?」

「あわっ、リーズさん?!」

「う、うん、私だけど、そんなに驚くこと?」

 

ちょっと引かれるほど驚いたみたい。

大丈夫、私、平常心平常心。

 

「な、なんでもないよ。ご、ごめんね驚かせちゃったみたいで」

「いや、いいんだが。大丈夫かい、なんか落ち着きないよ?」

「ソ、ソンナコトナイヨー」

 

下手くそな口笛を吹きながらそういう私をリーズさんは疑いの目でみてくる。

いや、まあ確かにこんなに「嘘です」みたいな態度をとってたら誰でも疑いの目を向けるだろうけれど、今、このシャツの持ち主が誰かバレたら大変なことになる。

 

「まあ、大方、志貴のシャツ拾ってこれからちょっとあれ、なことをしようとしてたんでしょうけれど」

「何?!駄目だぞサツキ!」

「な、なにをいっているのかなシオン?!」

 

いつの間にか、コンビニに買い物へ行っていたシオンが帰ってきて突然確信をつく発言をしてきました。

いや、べつにあれなことはしようとはしてないよ?本当だよ?

 

「サツキの顔に出てます」

「何っ?!そんなことあるのか?!」

「ええ、サツキはよく顔にでるので」

「そんなことない、と思うんだけど」

「いえ、よく出ていますよ」

 

そういうシオン。

いや確かに、昔から「弓塚さんって態度とか顔に出やすいよねー」とは言われていたけれども。

それでも、遠野君は気づいてくれなかったけれどね…あはは…はぁ…。

 

「凹んでいる所すみませんが、サツキ。志貴のシャツ、どうするんですか?」

「そうだよね。…私返しに行こうかなー」

 

そうだよ!凹んでる暇なんてないんだよ!

私はこれを返しに言って遠野君に「私こんなに元気だよ!」って言わないと!

 

「「それはよしておいたほうが良いと思う」(思います)」

「なんでぇ?!」

 

確かに二回目の前で消えたとは言われてるけど。

でもほら、やっぱり、こういうふうに私は生きているんだから、それぐらいの報告は許されると思うんだけれど。

 

「よし、じゃあこうしよ?じゃんけんして勝った人が遠野君に返しに行くの!」

「まあ……いいですけど」

「サツキが私たちに勝てるかな?」

「勝てるもん!勝って遠野君にシャツ返しにいくんだもん!」

 

大丈夫私なら行ける!

そう、行けるんだから!

 

「「「じゃーんけぇーんぽんっ!」」」」

 

 

私が行きました。計算通りです。(byシオン)

 

 

 

 



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第八話

三咲町路地裏。

 

「いやー、ついにこの季節が来ちゃったよ!」

 

私、弓塚さつきは張り切っていた。

何故かって?だって、2月だよ?恋する乙女にとって大事な季節だよ!!

 

「私達が豆まきをやるのってどうなんでしょうね」

 

「そうだな、仮にも吸血鬼だしな…」

 

「豆まきは過ぎてるよ?!」

 

もう2月3日は過ぎてるよ?!というかやったよね?!シオンもリーズさんもノリノリで豆を撒いてノリノリで恵方巻き食べてたよね?!

ついでにこう言う鬼に関係ある人達の場合「鬼も内~♪」と投げるのが豆まきとして正解らしいよ。

今年の方角は北北東でした。琥珀さん印の恵方巻きは美味でした。

 

「わかってますよサツキ。あの日ですよね」

 

「ああ、あの日か!」

 

「そう、あの日!」

 

「「初午」」

 

二人の回答に思わずずっこける私。

稲荷大社…稲荷…うっ頭が。

やめよう、この話はここで終わりです。乗っ取られる前に終わり。

 

「おや、違いましたか?」

 

「日付的には惜しいけど、内容的にはぜんぜん違うよ。初午と女の子はそんなに関係ないよ」

 

「日付が近くて、女の子に関係のある話…。ああ」

 

何かに気づいて手をぽん、と叩くリーズさん。

良かった!リーズさんには女の子としての感情が残ってた!

 

「あれだろ?札幌で行われるさっぽろ雪まつり」

 

「ああ!なるほど、盲点でした」

 

「盲点でもなんでもないよ!!!女の子と一切関係ないじゃない!!!!」

 

「何を言っているんださつき。さっぽろ雪まつりはデートコースらしいぞ」

 

「えっ?そうなの?!」

 

それは初耳だった。さっぽろ雪まつりがデートコースかぁ。

ちょっと遠いけど、行ってみたいな。ロマンティックなんだろうなあ…。

こうきらきら、と暗闇の中光る雪の中遠野君と二人っきりで…。

遠野君…妹さんも認めてくれたし…そろそろ…えへへへへへへへへへ。

 

「帰ってきてください、サツキ。顔がとんでもないことになってます」

 

「乙女がしてはいけない顔をしている…」

 

「…とぉーのくぅーん…エヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘ」

 

「あー、駄目ですね。これは完全にトリップしてます」

 

「遠野とは一体…うごごごごごご…」

 

「リーズ、それは無に取り込まれる人の台詞です。そんなのはどっかのピアニストに言わせておけば良いのです」

 

「しかし、シオン!私達のサツキが遠野とかいうどこの馬の骨だか分からない奴に取られるかもしれないんだぞ!それでもいいのか!」

 

「いえ、それはありえません。志貴には秋葉という鉄壁のガードがありますし、そのガード秋葉にはあの琥珀がついてますから、サツキに付け入るすきはほぼないです。それに、本人に告白する勇気は………」

 

「あ、あるもん!!!告白する勇気あるもん!!!!!」

 

今回だけは本当に本当なんだから!!!!!!

 

「あ、帰ってきましたか。…で、どうするんですか?VDに渡すんです?」

 

「渡すよ!頑張る!!!!!!!」

 

 

さて、どうなるバレンタインデー!

次回に続く!

 

 

 

 



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第九話

第八話の続きでございます。


路地裏。

 

バレンタイン!!!!

そう、2月14日はバレンタインデー!!

乙女にとって勝負の日!!!!

 

 

「うぅー…」

「言わんこっちゃない。むちゃするからですよ、サツキ」

「まあ、わかってたことではあるよな」

 

そう、その乙女にとって大事な日であった2月14日。

私、弓塚さつきは!!!!!!!

 

 

寝不足で倒れてました。シオンとリーズさんに強制的に寝かされています。

 

 

「なんでぇ…なんで、そんな大切な日なのに私ってば…」

「まぁこんな状況になってなかったとしても、渡せなかったと思いますけれどね」

「わ、渡せたもん。頑張って渡したもん…」

 

そして、ちゃんと告白したもん。

告白したんだもん…。

 

「まあ、こうなってしまっては仕方あるまい。私がチョコを食べよう」

 

そう言って、綺麗にラッピングしたチョコの箱をばりばり、と開けるリーズさん。

ああ…私の、私の努力の結晶が…。

いや確かに誰かに食べてもらえず、駄目になるのも嫌だったけれど…私の…

 

「材料費はリーズ持ちですし、仕方ないでしょう」

「…それも、そうだね」

 

そう、吸血鬼の私とシオンにお金を稼ぐ、という行動はできない。

なので、そういう役目はリーズさんであり、リーズさんがそういうことで私のチョコを食べる権利に強く文句を言えないのは確かである。

ついでにリーズさんとシオン、琥珀さんとレンさん達分(レンさん達分のはチョコじゃなくてクッキーだけれども)のもある。

 

「はい…これ…。シオンの分」

「ありがとうございます、サツキ」

「ずるいぞシオン!私の分は?あるよな、サツキ!」

「それはもちろんあるけれど」

「志貴のぶんも食べて、自分の分も食べるんですか」

 

シオンがジト目でリーズさんを見る。

 

「それはそれ、これはこれだ」

 

何故か胸を張りながらそういうリーズさん。

なぜ胸を張るかはわからないけれど、どうにも説得力があったので私は何も言えなかった。

と、ここで私の服が引っ張られた。引っ張ってきた方を見ると。

 

「…………………………」

 

口からよだれを垂らしながらレンさんが何かを訴えている。

その横で白レンさんが呆れている。ああ、これはつまりそういう。

 

「はい、レンさん。白レンさんもよかったら」

「…なんか、強請っちゃったみたいで、申し訳ないわね」

「ううん、いいの。…………あれ?」

 

レンさん…?レンさん?!?!?!?!?!?!?!?!?

 

「まって、レンさんに渡せば良かったんじゃ?!」

「気がつくのが遅かったようです。もうリーズのお腹の中です」

「はやっ?!」

「美味しかったぞ、サツキ。流石は私の嫁だ」

 

そう言って満足そうに頷くリーズさん。

私は力なく、笑うしかなかった。

 

「……………………」

 

凄い圧力でレンさんがグイグイ来るので、レンさん達の分のクッキーと琥珀さんようのチョコを渡してから私は横になった。

 

 

 

来年こそは…来年こそはレンさんに渡すんだ…

こうして私のバレンタインデーは終わったのでした。

 

 




まぁ、まだこうなりますよ。
こうなります。


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第十話

三咲町、路地裏。

 

「…なあ、シオン」

「なんですか、リーズ」

「もうすぐホワイトデーだろ?」

「そうですね。それがどうしました?」

「いや、サツキがほしがりそうなものを買ってやりたいんだが、思いつかなくてね」

 

なんだか、私の目の前でそんな会話が広げられてて少々困惑気味の私、弓塚さつき。

なんで直接聞かないのかな?

 

「本人がいるんだから本人にきけばいいじゃないですか」

「イヤ、こういうのは本人は当日まで何が貰えるのかワクワクしてほしいじゃないか」

「うん、失敗してるからね。その目論見失敗してるからね」

 

思わずツッコんでしまった。

 

「おお、サツキいたのか」

「さっき私が言ったじゃないですか」

「そうだっけか?」

 

小首を傾げるリーズさん。

この人はそういうところがある人だった、と再確認して、小さく息を落とした。

まあ、そういうところがリーズさんのいいところなんだけれども。

 

「じゃあ、サツキ。何かほしいものある?」

「ほしいもの、かー」

 

改めてそう聞かれると困ったりする。

もともとそういう物欲は薄かった方だしなあ。

 

「うーん…、思いつかないなあ。リーズさんが私のことを思って選んでくれたものならなんでも嬉しいし」

「本当か?!よしわかった指輪にし」

 

そこまでいって、シオンがリーズさんの頭を思いっきり叩いた。

凄い良い音が路地裏に響いた。

こう、パコーン!って。

 

「何を言っているんですか、リーズ」

「何も叩かなくて良いじゃないか、シオン。とても痛い」

「でしょうね。痛いように叩きましたから」

「酷いじゃないか…。私だって一介の女の子だぞ」

「一介の女の子はほいほいと指輪をあげたりしません」

「いいよ、シオン。確かに指輪とかそう出るものじゃないけど、私が何でもいいって言っちゃったのが悪いんだし…」

「サツキ…!サツキぃ!」

 

そう言って、リーズさんが抱きついてきた。

私とリーズさんの背は私がちょっと小さいぐらい、なので毎回胸の当たりに私の口があたり。

息がとてもしづらいのである。

 

「はいはい、嬉しいのはわかりましたから、そろそろ離してやってください」

「そ、そうか。ごめん、サツキ」

「う、ううん、大丈夫だよリーズさん」

「そうです。大体ですね、サツキはリーズに甘すぎです。リーズもリーズですが、サツキもサツキで…」

 

ぐだぐだ、とシオンが説教を始めてしまった。

いやうん、私が悪いのはわかっているけれど説教が始まると長いんだよねえ、シオンって。

ちょっと困った顔をしていると、リーズさんが、ぽんぽん、と肩を叩き。

ちょっと外でよう、という顔をして誘ってきた。

うーん、でも、居ないと居ないでシオンはさらに起こるしー…でもシオンのお説教は長くなるし…。

よし。

 

 

 

二人で夜の街を見守ってこようか!

そう、だって私達は正義の吸血鬼、路地裏同盟なのだから!

 

 

 

次の日から一週間、私とリーズのご飯はとても貧相でした。

ご、ごめんね、シオン。



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第十一話

一ヶ月ぶりになってしもうた…
いやまあ、忙しかったからなのですが


三咲町。

 

「いやあ…、春はいいよね」

 

私、弓塚さつきは夜桜を楽しんでいた。

お弁当はシオンが作ってくれました。

 

「そうですね」

「いいよなぁー、春。新たな出会いもあるだろうし」

「…新たな出会いかあ」

 

そう、春なのに、新たな出会い、とかそんな私達には一切ない。

頑張って菌類さん!

 

「いえ、私はわりと新しい出会いあるんですが。オルガマリーさんとか」

「誰それ?!」

「アニムスフィア家とか言いましたっけ、あの家の娘さん」

「分からないよ?!」

 

私の知らないところでシオンが友達増やしてる!

いや、別にそんなの関係ないっちゃないんだけれど。

 

「そうか…私の知らないところでシオンが不倫を…」

 

そう言って、リーズさんが凹んでいる。

いや、凹むようなところではないと思うよ。

 

「いえ不倫ではないです。あの子子供でしたし」

「わからないだろ!その子が私より可愛かったら…」

「たしかに可愛かったですけど、リーズが一番ですよ」

「本当か?!本当なのか?!」

 

そう言って、なんとか立ち直るリーズさん。

このイチャラブ空間に居させられる私。

 

「…………団子が甘いよ」

 

プレーンの団子にすればよかったかな、と思いながら私は団子を食べていました。

いやほら、私だって相手さえいれば…遠野君…

ああ、遠野君、隣にいてくれないかなぁ…

 

「そんな貴方に志貴様ロボットー!」

「うわあああ?!」

 

突然現れて心を読まれたかのような言葉を言ってくる琥珀さん。

というか何?!志貴様ロボって何?!

 

「志貴様のロボです。作りました♪」

「作っちゃったの?!」

 

というか作ってるの?!遠野君ロボって作って平気なものなの!?

わからないよ?!

 

「落ち着いてください、さつき」

「そうだぞ、落ち着いて。マッドドクターのいつもの嘘だ」

「あ、ネタバラシはっやーい。それとリーズさん、ひっどーい♪」

「酷いと思ってる顔じゃないわよ、それ」

 

なんだかわからないうちに、白レンさんとレンさんまで来ました。

 

「……………」

「ごめんね、さつき。貴方が持っている団子、レンにあげていいかしら?」

 

そう、レンさんは団子をずっとヨダレ垂らして見ています。

ああ、この流れは。

 

「あ、はい、どうぞ。白レンさんもよかったら」

「いただくわ」

 

そういって、よだれを垂らしているレンさんに団子を渡してから自分も食べる白レンさん。

まあ、こうなるとは思ってはいたから。

 

「悪くないわね。…ああ、ほら、レン。こぼしているわ。せっかく貰ったのに」

「いいんだよ、美味しく頂いて貰えれば」

 

なんだか分からないけれど、レンさんが楽しそうだから別にあげても良かった。

そう、割と大事でなんだよね。来年、レンさんに遠野君へのチョコを渡して…

えへへへへへへへへへ

 

「レン、逃げましょ」

「……………(こくこく)」

 

 

 

 

 

気がついたときには白レンサン達は遠くに行ってました…。



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第十二話

三咲町。

 

「すごーい!君は…君はなんのフレンズ?」

「いや、突然現れてそんなこと言われても…」

 

突然琥珀さんが現れたと思ったらそんなこと言われて困惑する、私、弓塚さつきなのでした。

ただそのフレーズは何か聞いたことがあるような。どこでだっけな…?

 

「突然どうしたんですか」

「おや、けものフレンズをご存じない?」

「けものフレンズ…?聞いたことが無いですね」

「いいですか、シオンさん。このけものフレンズはですね、始まる前はとっても評価が低かったんです。製作委員会は少数だし」

「たしか「てさぐれ」と同じ所だったか」

 

リーズさんが頷いている。

というか見たことあるんだ、リーズさん…。

 

「ですです。でも、「てさぐれ」ということは?」

「まあ、熱狂的なファンを生むだろうな」

「そうなんですよ。ただ、始まる前はそこまでいくとは誰も想像してなかったんですねえ」

「他にも、「メイドラゴン」とか「ガウドロ」とかあったからな」

 

メイドラゴン…?ガウドロ…?

ダメだ、この二人の会話が一切理解できない。

ちらり、とシオンの方を見ると、私と同じような顔をしている。

 

「ねえ、シオン…?」

「リーズはそういう情報どこで得てるんでしょうかね」

「まあ、アルバイトしてるし多少はお金あるんだろうけれど…ねえ…?」

「もうちょっとお金入れてくれてもいいのに…」

 

とはいえ、リーズさんのお陰で生活も安定してる、んだし強くは言えない。

でも少しは私達も働いたほうがいいんだろうなー、とか思う。

久々に缶拾いとかしようかな…。

なんて考えていると。

 

「あ、すまない、サツキ、シオン。すっかりドクターと話し込んでしまって、二人を放置してしまった」

「ううん、気にしてないよ」

「一段落ついたんですか?」

「いやー、もうちょっとかかりますかねー?…でも、流石にお二人を放置しっぱなしっていうのもあれですし」

 

そう言って、琥珀さんは何かの紙を出してくる。

何々ー…?ネカフェの割引券?

 

「今私が持っているこの、ネカフェの割引権を使って今から「けものフレンズ」をオールナイトで見る回をやろうとおもいまーす!」

「「はい?」」

「とりあえず、私が持ってるBD付きファンブックを見てそれからー」

「待って待って待って?!オールナイトで?!」

 

何を言っているんでしょうこの人達、みたいな顔をしながらそういう私。

うん、なんか理解が、理解が追いつかないよ?!

というか二人の目が怖いよ?!

 

「大丈夫、大丈夫、何も怖くないよー」

「一歩踏み出せばたのしいよー」

「「ひぃっ?!」」

 

私とシオンは逃げ出しました。

捕まってはいけない!食べられちゃう!

食べないで!美味しくないから!

たーべーなーいーでー!

 

 

 

その後、レンさんに助けてもらいました。

たーのしー!



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第13話

三咲町 路地裏。

 

「…………はっ。今日は何の日?」

 

「「ネノヒダヨー」」

 

「違うよ?!」

 

というやり取りをここ毎日しております、弓塚さつきです。

嫌だってほら、今月は5月。

5月の別名は皐月。

皐月と言えば私、弓塚さつき!

そう、今月は私の月なのです!讃えよ!たたえて早くリメイクはよ!

リメイクを出して、ファイナルさっちんを出すのです!

 

「……………………はぁ」

 

「そんなに深く溜息をつかないでよ?!」

 

「いえね、サツキ」

 

「うん?」

 

「もし今リメイクが出たとしましょう」

 

「うん」

 

「まず初見、というかFGO民は流れてきません」

 

うっ。痛いところを。

そうなのだ、今、リメイクを出したところで私達の存在を知ってる人はそうそういないのだ。

唯一の出番であった四月馬鹿の日も完全に乗っ取られたし…。

はー、これもそれも早くリメイクを出さない菌類が悪い。

 

「…じゃあ、私達がFGOに出ればいいじゃない!」

 

「サツキは志貴以外の人を愛せますか?」

 

「………………。想像できない」

 

「でしょう。万年片思いのサツキが他の人になびくとはそう思えないのです」

 

「ま、万年片思いじゃないもん!今年のクリスマスには告白するもん!うまくいくもん!」

 

うまくいく、のは完全に想像だけれども。

でも、そういうことか。私が遠野君以外の人を好きになる、のか。

…………想像はできるけれど、でもそれは私、じゃない気がするんだよ。

流されやすくて、扱いやすそう、っていう事なんだろうけれど、そこは譲っちゃいけない気がする。

 

「それに、あれです。FGOに流れるのは多分、真祖と志貴、後は「あのカレーぐらいなものです」」

 

「やっぱそうなる?っていうか恐れ知らずだねシオン。幾らあの人がカレー大好きだからってそんな呼び名をするなんて」

 

「い、今のは私ではありません!」

 

「え?じゃあ、誰?」

 

幽霊?!

…………いや、まあほら。私達が幽霊怖がるっていうのもあれなんだけれども。

 

「弓塚さーん!」

 

そう言ってシオンの後から出てきたのは見覚えのない少女。手首と足首から先はどうなってるのか分からないけれど馬である。

でも私の名前を知っている…?

 

「あ、この姿であうのは、初めてですね。私、第七聖典の守護霊、セブンっていいます。ななこ、って呼んでください。いっつもあのカレー魔神がお世話になっております」

 

「あ、これはこれはご丁寧に………。ってええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ?!」

 

第七聖典?!第七聖典ってあのシエル先輩の最終兵器の?!

私を追いかけてるときに使ってるあの装備の?!

どうして、なぜ、WHY?!

 

「……………おお、驚いた」

 

いつの間にか帰ってきていたリーズさん。

いやその反応はほとんど驚いてないね?!

 

「向こうにいた時話は聞いていたが、まさか少女だったとは」

 

「あ、そうか。リーズ、聖堂騎士でしたもんね」

 

「うん。で、ななこちゃんはどうしてここに?」

 

「家出してきました!もうあのカレー魔神にはついていけません!」

 

えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ?!

家出?!家出なんで?!アイエエエエエエエエエエエエエ?!

 

私の混乱が続いたまま、次回へ続く。




ななこ初登場である。
出したかったの…。ななこ出したかったの…。


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第十四話

前回の続きです。


三咲町、路地裏。

 

「あ、お茶です」

 

「ありがとうございます。といっても、あまり熱いのは飲めないんですけれどね」

 

えへへ、と笑う少女。

この少女は、第七経典って呼ばれるシエル先輩の武器、の精霊さん。

ななこちゃん、だっけ。

あ、今解説してるのは弓塚さつき、弓塚さつきです!

 

「で、その、ななこちゃんはどうして家出を?」

 

「聞いてくださいよ!今のマスター、彼女がいるんですけれどね?」

 

「ああ、真祖」

 

「そうそう、真祖。ついでに本来なら狩らなきゃいけない人なんですけどね?何の間違いか付き合いはじめましてね?」

 

「うん、それで?」

 

先を促すリーズさん。

 

「毎日ですね、私相手に惚気けるんですよ。やれ今日のアルクェイドはカレーを食べてる姿が可愛かっただとか、やれ今日のアルクェイドはやけに大人っぽくてドキドキしたとか」

 

「ふむふむ」

 

「もうですね。私としてはお腹いっぱいなんですよ!」

 

「あー。それは確かに分かる」

 

そう、時々なら惚気は聞けるのだけれども、毎日だとお腹いっぱいになる。

私もななこちゃんと同じように毎日聞かされてる感じである。

 

「そうですか?」

 

「そうだぞ、毎日、別にのろけてるわけではないと思うぞ」

 

「言ってる方はそうかもしれませんけれど!あれは完全に惚気です!」

 

「そうだそうだ!シオンとリーズさんも毎回惚気始めて聞いてるこっちの気持ちも考えてよ!」

 

「そう言われましても…」

 

「なあ…」

 

困ったように顔を見合わせるシオンとリーズさん。

それもまた、惚気けてる様に見えるわけで。お腹いっぱいである。

もう一回言おう。お腹いっぱいである。

 

「弓塚さんも同じ状況なんですね…」

 

「ななこちゃんもなの?」

 

「うん、こういう状況が毎日続いてですね…」

 

「た、大変ですね…」

 

そういって、私の方に手を置いてくれたななこちゃん。

うん、きっとこれもそれもあれなのよね。彼女も彼氏も居ないのが悪いんだろうけれど…。

こう毎日、惚気が続くとツライよね…

 

「まあ、…私達は置いておくとして。さつきの様子を見ると、毎日惚気けっていうのは辛いみたいですね」

 

「みたいだなぁ…。確かに家出しても仕方ないんだろうなあ」

 

「わかってもらえました?!」

 

「ええ、分かりました」

 

「じゃあ、置いてもらえたりは…?」

 

そういって、小首をかしげるななこちゃん。

お、新しい仲間がふえる?!やったねさつきちゃん!

 

「………………………………………」

 

「あ、レンさん」

 

レンさんがななこちゃんの腕を引っ張っている。

あ、そうか、ななこちゃんが惚気けられる、ということはきっとアルクェイドさんも…

 

「………………………………………」

 

「そうだね。ごめんね、レンさん」

 

「ななこちゃん、分かるの?」

 

「………雰囲気で」

 

まあ、たしかに雰囲気では私も分かるけれども。

でも、これはそうだね。一緒に居てあげたほうがいいかもしれない。

 

「レンさんもよく来るし、ななこちゃんも遊びに来る?」

 

「いいんですか?!」

 

「まあ、構いません」

 

「ああ、何時でも来るといい」

 

「ありがとうございます!また、来ますね!」

 

「……………………………」

 

「!…そうだね、帰ろう」

 

そう言って、レンさんとななこちゃんは帰っていきました。

こうして、ななこちゃんの家出は終わったみたい。

 

 

 

 

…先輩来なくてよかった…

そう思った今回のでき事でした。




ということで、今後もななこちゃんは出る予定。
先輩は…でるかなぁ…


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第十五話

三咲町 無人のビルの屋上。

 

「たーまやー!」

 

そう、今日は年に一度の花火大会の日。

私、弓塚さつきはシオンとリーズさんと一緒に近くにある無人のビルの屋上の上で花火をみてます。

不法侵入?…うん、皆はよそうね!

 

「いやあ、やっぱり夏は花火大会ですね」

「そうだなあ、日本の夏、って感じがするな」

「毎年それを言ってますよね」

「毎年そう思っているんだよ」

 

そういうリーズさんは浴衣。

シオンが着付けてました。

 

「まあ、毎年いいたくなる気持ちもわかりますけれどね」

 

そう同意したシオン。

浴衣。自分で着付けてました。

 

「日本人の心だよね」

 

私。もちろん浴衣。

シオンに着付けてもらいました。

凄いよね、シオン。日本人の私には出来ない着付けができるんだもん。

 

「しっかし浴衣なんてよく買えましたね、リーズ」

「いや、貰い物だ。ドクターから「秋葉様がかったんだけれど、似合わなかったようで」みたいな事を言われながら渡された」

「秋葉…」

「妹さん…」

 

浴衣が似合いそうな胸なのに…。

いや、やめよう。私妹さんに対してはそこそこ強く出れるけれども、多分これをこれ以上掘り下げたら私消滅しちゃう。

このSSの主人公なのに私消滅しちゃう。

 

「浴衣に似合う似合わないあるのか?」

「うーん、柄にもよりますけど」

「そうだね。その人のイメージに会う合わない、って感じだけれどね」

 

今、私達が着ている浴衣は確かに妹さんには合わない感じの絵柄であった。

どうして買ってしまったのか、不思議である。

イメチェンして誰かにアピールしたかったとか?いやあ、だってあの妹さんだよ?それはないよ。絶対ない。

 

「そうか、どうだろう、私はあっているか?」

「よく似合ってますよ、リーズ」

「ありがとう、シオン。君もよく似合っている」

「ありがとうございます」

 

シオンの浴衣の柄は黒地に八重桜、八重桜の色は紫。

リーズさんの浴衣の柄は黒地にダリア。

………あれ?これ、妹さん…。

 

「勿論、さつきの浴衣も素敵だぞ」

「うん、ありがとう」

 

私の浴衣の柄は空色に牡丹。

 

「…なあ、これって…」

「そうですね。秋葉はそういう所ありますから」

「もっと素直になってくれればいいのにね」

「そうだなあ」

「まあ、恥ずかしいんでしょう。ありがたく頂いておきましょう」

「そうだね」

 

今日ぐらいは遠野君にアピールするぐらいは許してあげようと思います。

だが、遠野くんは渡さない。なぜなら私が遠野くんと…

ふへへへへへへ…

 

「さつき!さつき帰ってきてください!」

「そうだぞ、サツキ!花火綺麗だぞ!」

 

ふへへへへへへ…、はっ。

 

「ご、ごめんね二人共」

「ああよかった帰ってきました」

「うん、良かったよかった。とりあえず、花火を楽しもう」

「そうだね!」

 

今日は花火大会だもの。

ということで、この三人で浴衣を着て、花火大会を楽しみました。

楽しかったです!

 

 

 

 

 

 



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第十六話(特別編。)

夏コミ前ということで!
私、このSSをまとめた本を配布致します。
値段は700円。
配置場所は、

C92 3日目東館ピブロック50a

です。よろしくお願いいたします。




ということで特別編!
主役出ません。


ー三咲町。マンションの一部屋。

 

「でね、セブン。私はこういってやったわけですよ!

「すみません、このアルクェイド・ブリュンスタッドのアクリルスタンドください!全部ください!」ってね!」

「はぁ…」

 

そう言って苦笑いをするしか出来ない私。

というかアクリルスタンド、ですか。何に使うんですかね。

…ということで私、第七聖典の守護精霊、セブンはマスターであるシエルことカレー・ド・シエルが行ってきたコミックマーケット?という大規模なイベントの話を聞かされております。

正直どうでもいいです。

でも、それを口に出すと間違いなくご機嫌を損ねるし、何よりこの美味しい人参(北海道産)を手放すわけにはいかないので、こうやって黙っているしかないのです。

 

「ですがね、セブン。向こうの人はこういったんですよ。「お客様、流石に全部は困ります」って。「お一人様一個です」って」

「まあ、そう言うでしょうよ。というか、何をやってるんですかマスター」

「何って、アルクェイド独り占めですけれど?遠野君も独り占めしたいですが、アルクェイドも独り占めしたいんですけど?」

「十分独り占めできてるじゃないですか?!」

「それはそれ、これはこれです。何より「ウェッヘッヘッヘパンツの色は何色かなー?」なんていう奴らにアルクェイドは渡せません!」

「何その危ない人妄想?!」

 

もうダメだ、この第七聖典の持ち主もうダメだ…

 

「まあ、そんなこんなでね。結局一つしか買えませんでしたよ」

「あ、一つしか買わなかったんですね」

「ごねて、「このジャンルのお客は迷惑なやつしか居ない。もう出さない」ってなったらどうするんですか。引き下がりましたよ」

 

まあ、引き下がらなくても「全部ください」とか言っちゃうお客様が居るならもう当分出ない気もしますけれどね。

なんで私はこんな人の元で働いてるのか、そしてなぜこの人を第七聖典の持ち主にしてしまったのか、今更ながら後悔しかないです。

…いえ、真祖に再会するまではまともな人…いや、食生活以外はまともな人だったのに、どうしてこうなった。

 

「まあ、いいです。通販があるのでそっちで買い占めます」

「やめてください?!」

「なぜとめるんです!」

「なぜって、普通に考えてください!そんなに使わないでしょ!」

「使いますよ!保存用、布教用、楽しむ用、ほら何個あっても足りない!」

「布教用って言ってますけれど、独り占めしたいっていう自分の言葉と矛盾してます!」

「独り占めしたいですが、布教もしたい。乙女心です」

「そんな乙女心捨ててしまえぇ!」

 

もう嫌だこんな第七聖典の持ち主。

そうだ、家出しよう。弓塚さん達のところがいいか、それともひびきちゃんのところがいいかな。

でもひびきちゃんの所、コーバックさん居るから迷惑になるかな…?後、弓塚さん達の所いくとマスターシリアスになっちゃうし…、よしたほうがいいよね…。

やっぱやめとこうかな…。

 

 

 

 

 

 

なんてことを考えながら毎日、マスターであるシエルと楽しく過ごしてます。

 

 




今度出るアクリルスタンドの写真を見たらやらなきゃ、と思って…。
秋葉様スルーなのは、まあ、うん。そうなるかなって。


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第十七話

http://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ206952.html
DLcom様において同人誌となったこの作品発売させていただいております。
もしよろしければ手にとっていただければ、と。


???? 喫茶店アーネンエルベ。

 

「いやー、それにしてもななこちゃんがお友達を連れてくるなんて」

「ひびきちゃんにはお世話になってるからね!」

「おう、馬、私にはお世話になってないってか」

「煩いツンデレ!」

 

ななこちゃんがツンテールの女の子とイチャイチャしているのを見ながら美味しいパフェを食べているのは主人公の弓塚さつきです。

 

「えーと、日々乃ひびきちゃんだっけ?」

「はい、日々乃ひびきです!よろしくお願いしますね、弓塚さん」

「うん、よろしくね。ところで、どうしてななこちゃんと?」

「なんでだっけなあ…。たしかマスターがどうだ、とか」

「ああ、なるほど。家出したのが始まりだったんだね」

「だったと思うんですよ」

 

まあ、そうでもしないときっと先輩からは離れないだろうし、離れる理由もないんだろうなあ、なんて思うわけで。

あの二人のやり取りを見てると凄いホッコリする。

だけれども二人のやり取りを見てるということは私は先輩に追われているわけでほっこりしてる時間もないのである。

 

「はー、馬、貴様、覚えておけよ」

「それはこっちのセリフだよ、ツンデレ」

 

そういって二人共こちらによってくる。

たしかツインテールの女の子の方は桂木千鍵ちゃんと言ったっけ。

ひびきちゃんはとても優しそうなかんじで、千鍵ちゃんは少し冷たいイメージを受ける。

あれ?この感じ、私はよく知ってるよ?

いやあの二人は両方共優しいし、きっとこの二人もそんな感じなんだろうけれど。

 

「もー、千鍵ちゃんもななこちゃんも仲良くしないと駄目だよ?」

「それはそうなんだが、この馬がな」

「なにさ、先に喧嘩売ってきたのはツンデレのほうでしょ!」

「んだとぉ?!」

「まあ、まあ二人共落ち着いてよ。ね、千鍵ちゃん、ななこちゃん」

 

そう言って、千鍵ちゃんに抱きつくひびきちゃん。

そして、顔が赤くなる千鍵ちゃん。あ、これは。

 

「…弓塚さん、弓塚さん」

「ん?なぁに?」

「ツンデレ、やっぱりひびきちゃんの事好きだよね」

「そうだねえ。完全にうちのリーズさんとシオンとかそちらの先輩と真祖さんみたいだよねえ」

「近いですね」

「でも、ひびきちゃんの方はその二人と違って…」

「…脈がない?」

「っぽくない?」

「…おう、聞こえてるぞお前ら」

 

そういって顔を近づけてくる千鍵ちゃん。

まあ、確かに近いところでコソコソ話してても聞こえるよね。

ただ、もうひとりはと言うと。

 

「何々、何の話かなー?」

 

と、小首を傾げているひびきちゃん。

うん、これはそのあれだよあれ。

私とななこちゃんは顔をあわせて。

 

「「どんまい」」

「…お気遣いありがとよ…」

 

がっくり、と肩を落としつつそう返した千鍵ちゃん。

本当に、大変そうだなあ。

 

 

 

そうして、アーネンエルベでの時間を楽しく過ごしていたんですよ、と。

 




やったぜ。


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第十八話

今回、こちらを聞きながら見るとわかりやすいかもしれません。

https://www.youtube.com/watch?v=3Wgjq5VIwR8
Ye Banished Privateers「First Night Back in Port」 リースバイフェが引いた曲

https://www.youtube.com/watch?v=e7t7c-TGn9U
Ye Banished Privateers「Dead Man's Song」 シオンが引いた曲


三咲町 路地裏

 

「~♪~♪~」

「リーズさんがバイオリン弾いてる。珍しいこともあるんだね」

「ファアアアアアアアアアアアアックッ」

「ひぃっ?!どうしたのシオン?!」

 

乙女が突然ファ○クとか言っちゃいけないと思うの。

はい、ということで弓塚さつきだよー。

 

「いえ、今リーズが引いてる曲の歌詞なのですか」

「えっ?!ファ○クとか言っちゃう曲なの?!」

「ええ。まあ、歌詞の最後ですけれどね」

「お、シオンも知ってたか」

 

リーズさんが弾き終わったようで会話に入ってくる。

え?なにこの曲有名なの?

 

「ええ、琥珀に「今流行りのバンドの曲ですよー」ってCDを渡されて」

「ああ、そういえば聞いてたね」

「とてもいい曲でした」

「だね。耳コピしたけれど、まだまだだな」

「Σ耳コピだったの!?」

「うん」

 

耳コピまで彼処まで綺麗に引けるなんて…。

リーズさんはやっぱ音楽家だったんだな、って再確認した。

 

「まあ、私もやろうと思えばできますけれど」

「Σできるの?!」

「ええ。私の計算に狂いはないので」

「お、なら弾いてみるかい?」

 

そう言って、バイオリンを一式渡すリーズさん。

受け取り。

 

「ふふ、見ててくださいね」

 

と、ドヤ顔をして弾き始めた。

なぜドヤ顔するのかは分からないけれど、うん。

 

「なるほど、私もこっちにすべきだったか」

「知ってるの?」

「うん。同じバンドの曲」

「そうなんだ」

「今度、サツキにもCDをかしてあげよう」

「本当、やったー!!」

 

そう言ってちょっと跳ねる私を撫でるリーズさん。

そして。

 

「ちょっと、私の演奏中なんですが」

 

そう言って演奏を中断させたシオン。

あ、そう言えばそうだった。

 

「そうだったそうだった。上手だったぞ」

「うん、ドヤ顔するだけはあった」

「そうでしょう、そうでしょう」

 

シオンの機嫌が治ってよかった。

いや、ほら、シオンの機嫌が悪いまんまだと、御飯が貧相になるから。

それでもこの二人本当に凄いね。

 

「…………」

「そう凹むことないじゃないの。サツキにはお菓子作りっていう二人には負けない特技あるんだし」

「あ、ありがとう。ってレンさん達?」

「…………」

 

ぺこり、と頭を下げたレンさん。

そして顔をあげると。涎が垂れている。

 

「あー、うん、ちょっとまってね。クッキーの作り置きあったかな…」

「なんか何時もごめんなさいね。レン、よだれ拭いて」

 

そういって、ハンカチを持ってたポシェットから取り出し、レンさんの顔を拭く白レンさん。

さて、私がレンさんのために、残しておいたクッキーを冷蔵庫(拾い物)から取り出して。

 

「お、おやつですか?お湯沸かせて、お茶にしましょう」

「おお、いいな」

 

そういってリーズさんとシオンもお茶の準備をして。

お茶会が始まります。

 

 

これが、私の、日常。です!

 

 



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十九話

三咲町。

 

…さて。今日はこの路地裏、私一人です。

そうこの、月姫ヒロインの弓塚さつきがね!

一人でドヤ顔しても誰も突っ込んでくれません。

 

「・・・・・・・・・」

 

あっれ?レンさん?!確か今日、お風呂はいる日だから来れないって聞いてたような。

まあ、聞いたのはレンさんじゃなくて白レンさんだけれども。

今、白レンさんがいれられてるのかなあ。

 

「・・・・・・・・・・」

 

首を小さくふるレンさん。

まあ、向こうから会話がないだけでこっち会話は通じるからこういうことができるんだけれどね。

レンさん、こういう行為すらめったにないから中々に意思疎通ができないのがなあ…。

 

「そう?割とレンは感情豊かよ?」

「そうなの?!」

 

白レンさんがいつの間にか来ていて驚いた。

そしてレンさんが感情豊かという情報にも驚いた。

 

「だって、そうじゃなきゃお風呂から逃げないじゃない」

「それもそうだね。…って白レンさんもお風呂は苦手?」

「苦手よ。大体、琥珀は無茶苦茶なんだから」

「…………」

「そうね。私達が逃げるから無茶苦茶になるんでしょうけれど」

「逃げるのかー」

「仕方ないのよ。あの突然上からお湯かけられる恐怖…」

 

そういって、一度震える白レンさん。

猫がお風呂苦手な理由ってそういう恐怖心からだったんだねえ。

 

「でもいいよね。お風呂入れるって」

「さつきもはいれ…あっ」

「……………」

「……ごめんなさいさつき」

 

何か私の知らない所で会話があって私の知らないうちに謝られてた?!

いや、確かに毎日お風呂入ればいいんだけどさあ…。

 

「……………」

「それもそうなんだけれど、バレたら何されるか」

「……………」

「え?!レンさんが頭下げた?!ナニを考えたの?!いや、なんかわかるけれどわからないというかわかりたくないというか!」

「私からももう一回謝るわ。ごめんなさいさつき。私の力が足りなくて」

「い、いいって!大丈夫だから!お風呂は正直一週間に一回ぐらいで」

 

女の子としてそれはどうなんだろう、って思うけれど、お金がないんだもの…仕方ないよね…。

どうしようかな、アルバイトしようかな…。

 

「でしたらー、ちょうどいいアルバイトがー!」

「「うわっひゃああ?!」」

「……………」

「突然現れる琥珀が悪いんじゃないの!」

「いっつもそうだけれど、突然あらわれるよね琥珀さん」

「いやー、それほどでもぉ」

「「褒めてない」(です)」

 

頭を描きながら、照れた笑いを浮かべる琥珀さんにそういった私と白レンさん。

というかまた心読んでますねこの人。

 

「で、アルバイトって?」

「お、やります?それでしたら、ちょっとレンさん達を連れてきてもらえますか?…あ、そうそう。今日、志貴様も秋葉様もいらっしゃらないのでお家来ても大丈夫ですー」

「あ、はい。わかりました…。っていうかその情報いります?!」

「…お風呂は嫌お風呂は嫌お風呂は嫌!」

 

逃げ出す白レンさん。

 

「あっ、逃げました。弓塚さん、ゴー!」

「えっ?!あっ、待って白レンさん!!」

 

 

 

私と白レンさんの追いかけっこが始まってるなか、レンさんはお風呂入ってケーキ貰ってたそうで。

なんで逃げ出したんですかね、レンさん…。



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第二十話

三咲町。

 

「ハッピーハロウィーン」

「トリックオアトリート!」

「サツキ、いたずらしてくれ!」

 

上から、シオン、私、リーズさんとなります。

というかリーズさん…。

あ、はい、三咲町の正義の吸血鬼、弓塚さつきとは私のことです。

 

「リーズ、ちょっとお話が」

「ち、違うんだシオン!話を聞いてくれ!」

「聞きますからちょっとこちらの方へ」

「い、いやだ!!!ちょっとしたおちゃめじゃないか!!シオンの鬼!悪魔!アトラス!!!!」

 

そう言って走り去るリーズさん。

というか走り去るぐらいならちょっとしたおちゃめ言わなきゃいいのに…。

 

「はぁ…。やれやれです」

「あははは、お疲れ様シオン」

「お疲れ様です。お菓子食べます?」

「いいの?!」

「ええ、今日はそういう日なのでしょう?お金はリーズ持ちでかってあります」

「やったー!!!!」

 

今日、夕方珍しく出かけてると思ったらそういうことだったらしい。

いやあ、ハロウィーン様様だね!

まあ、私、一切仮装してないけれども。仮装しようかなーと思ったのだけれどもよく考えたら街でないし。

 

「おかしい、サツキが仮装してないとか…。おかしい…そんなことは許されない…」

「おかえりなさいリーズ」

「ただいまシオン、サツキ。まあ、ちょっと街へかけてみたらやはりと言うか、仮装してる人たち多かったな」

「やっぱりー?うーん…するべきかなあ…?」

「うん、するべきだ」

 

力強く頷くリーズさん。

なんだろう、ちょっとコワイ。

リーズさんちょっとこわいよ…?

 

「リーズ…?」

「い、いや、ほら。せっかくのそういう機会だしな…?」

「……それはそう、ですね」

「だろう?」

「・・・さつき」

「サツキ!」

 

ひぃっ、シオンまでそっち側へ回っちゃうの?!

じりっじりっ、と迫りくる二人。追い込まれる私。

 

「待って待って待って待って?!衣装がないじゃん?!」

「そういうことなら、私におまかせー♪」

「ドクター!来てくれたのか!」

「はい♪」

 

琥珀さんまできた?!

そしてその後ろには、随分とノリノリで小悪魔の格好をしているレンさんと、私と同じように大分無理やり着せられた感じがする白レンさんの姿が。

 

「ふふーっ、もう何も怖くないぞ」

「そうです、弓塚さん、皆でやれば怖くないです!」

「…あれ?私も着せられるのですかこれ?!」

「「うん」」

「…………想定通りです。ですので着ましょうさつき」

 

さっきの間は何かな?!

シオン実は逃げる気だったよね?!でもなんか諦めたような口調だよね?!

こっち帰っておいで?!一緒に逃げよう?!

 

「……………(ふるふる)」

「…諦めなさいな、サツキ」

 

レンさんは可愛いし白レンさんも似合ってるからいいじゃない!!!!

やめてよしてこないで、ああーれええええええええええええええええええええええええ!!

 

 

 

楽しくハロウィンの街を歩きました!皆で衣装着れば怖くない!

ハッピーハロウィーン♪

 

 




な し と げ た ぜ


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第二一話

もうすぐ冬コミということで。
とは言え今回、特別編は向こうでやったのでいつもと何も変わらずに。

金曜日N35aです、よろしくお願いいたします。


三咲町 路地裏

 

「しんぐるべーしんぐるべー、すずがーなるー」

 

私、弓塚さつきは浮かれていました。

いえ、私だけではないです。町全体が浮かれています。

なぜなら、12月だから。そう、12月といえば。

 

「針供養ですかね」

「あれ、関西の方の行事だろ?」

「あ、そうなんですか?」

「らしい」

「うん、そうだとしても私達には関係ないよね?!」

 

私すっごいヒント出してたよね?!

ジングルベル歌いながら浮かれたたよね?!

そうだよ、クリスマスだよ!恋人達がパーティーピーポーする日だよ!

 

「ではないとしたら、あれかな?赤穂義士祭」

「殿中でござる!殿中でござる!」

「討ち入り前!」

 

まあ、私達、大晦日とかの時、ついつい見ちゃうけれど。あ、そうそう、テレビはあるんだよ。色々と頑張ったの。…家ないから、所謂ポータブルテレビだけど。

それでもやっぱり関係ないよ。

 

「なんだ、それでもないのか」

「それでもないのですか…。難しいですね…」

「難しくないよ?!すごいヒント出してるじゃない!」

「そうだったっけ、シオン」

「…さつきが何か歌ってたのは知ってますけれど…」

「二人共知ってるよね?!」

 

いや、たしかに海外の人達はクリスマスの過ごし方がぜんぜん違うって聞くけれども。

それでも二人共それなりに日本歴長いからわかってくれるはず!

でも、二人共顔きょとん、ってしてるから、これ、私がいいたいこと通じてないね?

 

「クーリースーマース!クリスマスです!」

「「うん、知ってる」」

 

そう言って、リーズさんは笑って、シオンは微笑んでいた。

うん、そうだった、こういう人達だった。

…まあ、だから私、この二人大好きなんだけれど。

今はそれは置いといて、だ。

 

「知ってるならのってくれてもいいじゃない!」

「いやあ、まあ、乗りたいのは山々なんだけれども」

「何年立ってもどうしても、乗り切れないといいますか」

「なあ?」

 

苦笑いをしながら、そう答えるリーズさん。

この二人でもそうなのか、なんてちょっとさびしい顔をする、私。

まあ、リーズさんは元々教会の人だし、仕方ないっちゃ仕方ないんだけれども。

 

「ただし、クリスマスは好きだよ。美味しいものが食べれる」

「そうですね。…今年、ちょっと黒、ですし、ちょっとは贅沢しますか?」

「ほ、本当に?!なら私ケーキが食べたい!」

「いいですね、ケーキ」

「ショートケーキにしようか、それとも他のがいい?」

「クリスマスといえば、ショートケーキだよ、ショートケーキ」

 

ニッコニコで上機嫌になりながらそう言った私。

ショートケーキショートケーキ♪

やっぱクリスマスっていいよね!

 

 

 

 

 

…告白?できないにきまってるじゃない。

仕方ないよ!…仕方ないよ!!!!勇気がないんだもん!!!!

来年こそ…来年こそは…

 

 

 



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第二二話

遅くなりましたが、C93で配布した「恋する吸血鬼2」DLcom様にて電子版出ております。
よろしければ手にとっていただければ。

http://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ216058.html





三咲町 路地裏

 

「くーるりーくーるりー、きみのーひとーみはー」

「ナナム◯カですか?」

「YES」

 

ということで、弓塚さつきです。

いやあ、最近、昔のドラマを見直しましてね。物語も良かったんだけどEDがね、凄い良かったの。

というかすっごい共感できたの。

 

「私の存在も遠野君にとって出会ったのが深く大きいといいんだけれどなー」

「でも、あれに当てはめるとサツキは墓の下ですよね

「うん。あ、でも、ほら、私が復活したって知らないから遠野くんにとって私は墓の下の人だし」

「アイエエエエエエエエエエエエエエエエ?!ゾンビ?!ゾンビナンデ?!」

「その反応は傷つくよ、リーズさん」

 

いつの間にか帰ってきていたリーズバイフェさんにジト目を向ける私。

いや、うん、まあ、墓の下から出てるんだからゾンビではあるんだけれど、ゾンビではない、というか。

別に傷ついてもないのでポーズだけれどね。

 

「む。それは済まなかった、すまない」

「頭上げてよ、リーズさん」

 

土下座しそうな勢いで謝りだしたリーズさんにそう言って。

うん、このポーズは軽率だったかな…?

 

「………二人共、そういうポーズは互いに傷つけるだけですからやめましょう」

「まあ、ポーズだけではないんだが。少しやりすぎたかな?」

「うん、私もジト目はよろしくなかったね。ごめんね、リーズさん」

「いや、いいんだ。サツキは可愛いなあ」

 

そういって、私の頭を撫でるリーズさん。

 

「まったく…。ああ、そうです、サツキ」

「ん?」

「貴方は先程、志貴にとって出会ったのが深く大きいといいな、って言ってましたよね?」

「うん、言ってた言ってた」

「深く大きくないとなくして凹まないのでは?」

「!!!!!!!!!!!!」

 

そこに気がつくとは、やっぱりシオンは天才だった!

そうだよね、そういうことだよね!やった!!!!!!

私はやっぱりヒロインだった!!!!

 

「まあ、あの少年は誰が相手だろうと助けられる命(女性限定)をたすけられないと凹みそうだけど」

「…まさかぁ。どこかの英雄志望の少年じゃありませんし」

「本人も否定はしそうだけれどな。…どこかの英雄志望の方にはあったことないんだが、そんななのか?」

「うーん、私もまた聞きですし詳しくは知らないのですが。……あ、一回ちらりと見たことはありますが」

「そういや、シオン、あの少年とデートに行ってたな」

「デート?!シオンが遠野くんとデート?!」

「デートというか、パトロールの延長線というか。…………まあ、志貴もその英雄志望の少年も最後に痛い目にあってましたが。というか今その話します!?」

「デートぉ?!シオンが遠野くんとデートぉ?!」

「お、落ち着いてくださいサツキ!深呼吸です!深呼吸!リーズも、…ってああ!リーズ?!」

 

「頑張れシオンー」

 

「この流れ久しぶりですが!!!!!!!やめて、枯渇庭園を広げないで!!!アッー!!!!!」

 

 

その日、三度目の爆発オチを路地裏は迎えた、とさ!(byリーズバイフェ)




爆発オチなんてさいてー(棒)


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第23話

もうすぐ猫の日ですね。


三咲町、路地裏。

 

「レンさ~ん、こっちに目線くださーい」

「…………」

「白レンさんもー」

「はぁ?!なんでやらなきゃいけないのよ!」

「ケーキで釣られたじゃないですかー」

「それは私じゃなくてレン!」

 

なんてやり取りをしているレンさん達と琥珀さんを見ている私、弓塚さつきです。

大体にしてなんでここで撮影会が行われているんでしょうか、なんていう思いはあるんだけれど、琥珀さんだから、という理由をシオンに言われてしまってはもうどうしようもない。

私とシオンはそのレンさん達撮影会を横目にお茶を飲んでいました。

 

「…………」

「いや、うん、そうなんだけど。そうなんだけど!」

「……………」

「……………わかったわよ。…………………………こういうのが嫌なだけで、貴方達が嫌いだったら一緒になんていないわよ」

「「(白レンさんによる貴重なデレシーン))」」

 

そうそう私達の前では見られることのない白レンさんのデレシーンが見れたのでまあ、良しとします。

 

「ところでサツキ」

「なぁに?」

「なんで琥珀はレン達を取っているんですか?」

「2月22日だから、じゃない?」

「…?」

「あれ?猫の日って知らない?」

「…ああ!そういうことですか」

「そういうこと」

 

頷く私とシオン。

何かこうレンさん達を囲んでの撮影会をやりたくなった琥珀さんの気持ちもよく分かる。

レンさん達夢魔であって猫じゃないですけれどね!

 

「…………………」

「あ、はい、おしまいです。ありがとうございました~♪」

「………………やっと終わったわ……………」

 

琥珀さんは撮影会が終わるとぴゅーっと何処かへいってしまいまして。

レンさんと白レンさんが私達のほうへときた。

 

「お疲れ様です。お茶とケーキ、ありますよ」

「いただくわ…」

「……………(ふんすっ)」

「レンさんはなんで気合入ってるの…?」

 

疲れきった顔の白レンさんと、ケーキを食べると聞いて何故かちょっと気合の入っているレンさん。

いやまあ、可愛いからいいんだけれど。可愛いからいいんだけれども。

 

「…ほんと、琥珀の思いつきには参った物だわ…」

「でも、白レンさん、なんだかんだ言って乗ってくれるよね?」

「そうですね」

「それは……………」

 

顔真っ赤にする白レンさんと、それをニヤニヤと見てしまう私とシオン。

どこかレンさんも…いやレンさんはいつもどおりだった。いつも通りケーキを食べてるだけだった。

 

「………………まあ、でも、ちょっと前の私なら、考えられなかったわ」

「そうだねー」

「そうですね。…そう考えると琥珀はいい潤滑油なのかもしれません」

「……………(こくこく)」

「ちょっと強引だけれどね」

 

そう言ってお茶を飲む白レンさん。

まあ、そうだね。強引だよねー、なんて話して。ちょっとして解散しました。

 

 

 

 

 

後日、「助けてください!私殺されちゃいます!」なんて言いながら逃げ込んできた琥珀さんと「待ちなさいよ!!!!!!!!なんでそれ録音してるの!!!消しなさい!!!!」と琥珀さんを鬼の形相で追いかけてくる白レンさん、っていうのが私達の目の前で行われたって付け加えておくね。

 

 

 

 



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第24話

三咲町、路地裏。

 

「第…第何回だっけ?まあいいや。

シエル可愛い大会ーin路地裏ー!!!!!!」

「「「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ?!」」」

 

突然現れた真祖さん、にそう言われて驚く私達。

あ、私は弓塚さつきです。おはようございます。

 

「いやあ、ちょっとね。暇なのよ。

だから、貴方達にもシエルの可愛さを知ってもらおうと思って」

「えぇー…」

 

笑顔でピースをしながらそういった、金髪の女性。

名前をアルクェイド・ブリュンスタッド、といいます。そう、聞いた事あると思いますが、この人真祖です。

どうやってここを見つけたんだろう、って思ったんですけれど、そう。

 

「………………(ぺこり)」

 

なんか申し訳なさそうに見えるレンさん。

そうだよね、レンさんの現マスター、この人だもんね。

…あれ?遠野君だっけ…?

 

「大体に真祖、どうしてあの…カレー臭漂う代行者なのですか…?」

「オブラートに包もうとしたんだろうけれど、漏れてるぞ」

「うん、凄い漏れてる」

「あー、そこ気になっちゃう?」

 

小首をかしげる真祖さん。いや、可愛いけれど。

確かに気になる。気になるけれどあんまり聞けなかったところではあるけれど。

いや、知ってる人で聞ける人はレンさんしか居ないけれどレンさん、話してくれないし。

遠野君は…知っているのかなあ?

 

「ま、いいでしょう。暇だから、私とシエルの関係をちょっと話そうかな。

とはいえ、大体知ってると思うけれどね」

「そうですね、というか私達のイメージでは顔合わせれば喧嘩してるイメージなんですが」

「あー、それはあれね。私がやんちゃして人類を滅ぼそうとした前までの話ね」

「アルティメット・ワン、やんちゃで済まされるのか…」

 

苦笑いをしながらそうつぶやいたリーズさん。

アルティメット・ワンってなんだろうって思ったけれども、聞いてもきっと「アルティメット・ワンはアルティメット・ワン、だよ」、って帰ってきそうなので黙って置いた。

 

「で、私やんちゃしてたんだけど、それをそれこそ文字通り命がけで止めに来てくれてね。

格好いいなーって。まあ、その時私は照れて思わず「志貴」って言っちゃったんだけどー、ねー。いやあ、それで私すぐ堕ちですよ」

 

そういって、シオンの肩をバシンバシン叩く真祖さん。

…あれ?でも、ななこちゃんの話によるとすぐ堕ちしたのはシエル先輩だって聞いてるけれど…。

違うのかな?まあ、両方共即落ちだったんだろうなあ…。

 

「あのとき、そんな事があったのか…」

「あれ?貴方会ったっけ?」

「まあ、すぐ倒されたけれどな」

「あー…。うん、ごめんね?」

 

てへぺろ、と舌を出しながら謝る真祖さん。

そう言えばものすごい怪我をして帰ってきたときあったっけ、リーズさん。っていうかほぼ死にそうだった気がするんだけれど…。

ほんとあの時はどうしよう、って思ったなあ。

 

「さて、即落ちした話をしたところで!

始めるよー!シエル可愛い大会in路地裏ー!」

「(ぱちぱちぱちぱち)」

 

レンさんが拍手している。

ああ、これはきっと逃げられないんだろうなあ…。

 

 

次回!私達は生き残れるのか!

 



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第25話





三咲町 路地裏

 

「でねー、その時のシエルがねー、凄い可愛かったの!!

私服でね!私がね来るのを待ってるのがね!凄い可愛かったの!!!」

 

そう言って、バシンバシンとシオンの肩を叩くアルクェイドさん。

はい、前回の続きでアルクェイド・ブリュンスタッドさんに突撃されております。

あ、私このSSの主人公、弓塚さつきです。

 

「ええ、わかりました。わかりましたから肩を叩くのはよしてください真祖」

「あ、ごめんね?でもあれなんだよ?それだけ私の心を掴んだっていうことでね」

「はい」

 

叩かれながら力説されて諦めたようなシオン。まあ、もうかれこれ…数時間、だもんね。

それを見て、私とリーズさんは苦笑しながら顔を見合わせることしか出来ません。

いやほらあ、下手なことを言って八つ裂きにされても嫌だし。

 

「……」

「何よ、レン」

「…」

「あ、そうね。お願い」

 

なんだかレンさんが言ってそれに対して何か会話をしているアルクェイドさん。

あ、これはレンさん「お茶かってくるね」かなんか言って逃げたやつ!

…レンさんお買い物できるの…?いや、白レンさんに頼むのかな…?

でも両方共猫モードだと拒否されそうだからなあ…。

 

「………」

「おわっ?!レンさん?!?!?」

「お茶、いれてきたわ」

「白レンさんも?…あっ、ありがとう」

 

いつ、お茶を入れてたのか、後誰がいれてたのか、わからないけれどお茶をいただきました。

あ、うん、口の中がとっても甘かったから、ストレートでありがたかったです。

はー、いいお茶っ葉をきっと使ってるんだろうなあ、としか思えない貧乏舌の私。

 

「…中々にいいお茶っ葉使ってるな」

「そうですね。凄い久々な気がします」

「えー、そうなの?」

「…」

「…仕方ないわよ」

 

何かアルクェイドさんがかわいそうにー、みたいな目をしてこちらを見たので、レンさんと白レンさんがフォローっぽい何かをいれてくれてますが。

いや、うん、フォローいれられてるほうが悲しい。

というかアルクェイドさんはいっつも飲んでるの?!

 

「アルティメット・ワンはいつそんな高いお茶を?」

「んー、志貴のお家かー、シエルの家かー。あ、そうそう、シエルと紅茶といえばね!」

「はっ…」

 

しまった、という顔をするリーズさん。

そうここから、またアルクェイドさんによるシエルさん可愛い大会がはじまる…と思ったら。

 

「………はぁ」

 

始まる前になにか、こう、場の空気が一変する感じ。

私は、私達はこの感じを知っている!

 

「あ、シエルー」

「「あ、シエルー」ではありません!貴方は何をしているのですか!」

「何って、シエル可愛い大会?」

「はぁ?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

 

あ、顔真っ赤になってるのが顔を見なくても分かる。

というか、顔とか怖くて見れないので、避難です。今回私は、シオン、リーズさんと一緒に避難です。…シエル先輩に居場所を見られた気もするけれど、多分大丈夫。

次回は引っ越してるから大丈夫。というか、多分。

 

「あああああああああああああああもう!!!!私より貴方のほうが可愛いに決まってます!!!!!!!」

「そうだけどー、でも、シエル可愛いもん。シエルは可愛い!!!!!」

「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 

シエル先輩の恥ずかしさ全快の全力のパイルバンカーが!!アルクェイドさんを!!!襲う!!!

そして私達は悟った。「あ、これこのぐらい逃げても被害受けるやつ」と。

 

 

 

私達のねぐらの路地裏は崩壊しました。(半年ぶりぐらい3回目)

アルクェイド・ブリュンスタッドさんは無傷でした。おかしいね…

 



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第26話

三咲町 路地裏

 

引っ越してない!!!!私達引っ越してないよ!!!!

あ、弓塚さつきです。

…いや、見逃されてるのはありがたいんだけど、ありがたいんだけれどさー…

 

「うーん、流石に引っ越すべきですかね…?」

「いやでも、引っ越すとしてもどこに?私達お金ないだろ…?」

「そうなんだよねー…」

 

ということで、なんだかんだでこの思い出がたくさん詰まった路地裏から引っ越せない私達なのでした。

いやほら、一応、正義の味方っていう(非公式)お仕事あるからね。そう街からは引っ越せないというか…。

…いやお金がないからとかじゃないから。絶対違うから。

 

「それでもあれですね。ここでは色々ありましたね。

動画を撮ろうとしたりとか」

「ああ、あったなあ…」

「その話はやめて!もうやらないから!」

 

パンツの色がネットの海に残ることはないから!

…いや残ってるかもしれないけれど最新のがさらされることはないから…

なんて私がちょっと凹んでいると。

 

「あれ?お引越しをお考えですか?」

「別にいいじゃない、このままで」

「…………(こくこく)」

 

いつもの三人がやってきました。

そもそもなんでいつも三人なんでしょう?いや、レンさん達は路地裏同盟の同士だからいいんだけど、琥珀さんは…。

いや、なんていうか仲間外れにしてもすごい嫌がらせされそうだししないけれども。

あとが怖い。

 

「いやあ、代行者にばれてしまいましたからねえ」

「シエルさんに?」

「そうそう、ミス・シエルに。…まあ、それでもここ一週間ほどミス・シエルが来てないから大丈夫っちゃ大丈夫そうなんだけれどな」

「…まあ、来たくてもこれないのかも。アルクさんが離さなさそうだし…」

「あー、それはありえるかもな。さつきは賢いなあ」

 

そういって、頭を撫でるリーズさん。

いやとても嬉しいんだけど恥ずかしいというか、これ完全に子供扱いだよね?

…いやあ…確かにリーズさんの中では「シオンが妻で私が旦那、サツキが娘」っていうことなんだろうけれどさー。

別にいいんだけれどさー…

 

「…リーズはいつもサツキを甘やかしますよね」

「そうか?いやまあ、可愛い女の子には弱いからな、私」

「そうだったんですか?じゃあ私にも弱いのかもー♪」

「いや、マッドドクターは…。第一印象は可愛いと思ったが、中身を知ってしまってはなあ…」

「えー、こんなにかわいい琥珀ちゃんなのにー?」

「そういうところよ」

「…………(こくこくこくこく)」

 

黒レンさんが力強く頷いている。

よほど、黙っていればかわいいのになあ、って思われてるんだなあ、琥珀さん。

そう思いましたが口には出しませんでした。なぜならそれを口にしても怖いからです。

 

 

 

なんていうか、こういう日ばっかりだよ!

でも、いいよね!私は可愛いから!ね!遠野君!



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第27話

三咲町 路地裏

 

「おーっにぃっぽーにぃっぽーにぃっぽーにぃっぽー」

「おいおいおいおいおいおい」

「おーにぃっぽーにぃっぽーにぃっぽー」

 

はい、ということであれですね!

いわゆるスポーツ、サッカーの世界大会!

ということで、私も例に漏れず応援してます。弓塚さつきです。

 

「いやあ、すごいね日本代表。中田●デすごいね!」

「違いますよ、サツキ、すごいのは小●です」

「何言っているんだ、二人共。本当にすごいのは本田凸だろう」

 

あ、私とシオンの出す名前の時代が古いのはいつものことです。

ほら、早くリメイク出さないから!こんなところに悪影響が!

…ところでこのネタ何人がわかるんでしょうか。でも、中田ヒ●も小●もすごいんだよ?

当時のトッテ●ムとかロー●でベンチ入りするって本当にすごいんだから!

凸さんは…うん…。フィ●ポさんが監督になるまではよかったよね…。

 

「しっかし、なんだろうね。私達もそうなんだけど手のひらクルー凄いよね」

「まあ、仕方がないんじゃないんですかね?元々人ってそういう所ありますし…」

「そうなんだよなあ」

「仕方ないよねえ…」

 

F●Oが売れてるうちはリメイクが出ないのと一緒!

嫌でるよ!月姫リメイクは出る!私達が信じないでどうする!

頑張れ!なす先生!負けるななす先生!

 

「ところで二人の本国はどうなったの?」

「サ●ーが………モハメド・サ●ーが…復活しましたが駄目でした…」

「私はどこ、だかわからないからなあ。…あ、協会がある國ってことならそもそも出ていない。スウェーデンに負けた」

「なるほど。……ここは日本を応援するしかないね!」

 

シオンがエジプトでいいのか、とかリーズさんはどちらかといえばスウェーデンではないのか、って思ったけれどそれを声に出すほど私は若くはなかった。

いや、私JKだけどね!永遠の16歳!

…そう言い続けて私、何年目だっけ…。

 

「……………………………………●崎…」

「そうなのよ、レンは柴●がお気に入りでね」

「あ、そうなんですか。…ってレンさんが?!レンさんさんがしゃべるほどなの?!」

「……言われてみれば!?!?!?!?!?!?!?!?そこまで気に入ってたの柴●!?」

 

私どころか白レンさんすら驚くレベル。

やっぱ柴●選手ってすごいですね!というかレンさんも白レンさんも見ているんですね。

 

「まあ、なんというかあれですけれど。所謂仮想戦争だから、戦犯になったら惨事ですよね」

「そうね。そういう点では日本はとっても平和よ」

「そうなの?」

「らしいなあ、私らもよく知らないけれど」

「…………(こくこく)」

 

やっぱり日本はいいよね!

ということで頑張れ日本!負けるな日本!

…ところで今回やけに名前隠してたのは…完全にあれ。あれだよ。

大人の事情だよ♡




W杯中だからこういうのもね。


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第28話

C94受かってました。
金曜日東P19aです。
よろしくおねがいします


三咲町 路地裏

 

「シオン?!?!?!?!?シオンだって?!?!?!?!?」

 

携帯をポチポチしていたリーズバイフェさん、ことリーズさんがそんなことを言いながら、携帯を凝視していました。

はい、私はこのSSの主人公、弓塚さつきです。

 

「あ、そういえば、私の名前を借りたいって来たような…?」

「来たのか?!?!名前だけか?!」

「…どうでしたっけ・・・?」

「大事だぞ!そこ凄い大事!」

 

そう言って、リーズさんは力説します。

いや、たしかにこれは割と大事なのでありまして。これ名前だけ貸しなら私達が出れる可能性は0だけど、ちゃんと私達、というかシオンが本人(というか設定が一緒の別世界のシオン)なら私達が真祖さんや先輩を差し置いて一番最初に出れる可能性が!

あ、いえ、出たい訳ではなくて…。出たくないわけでもないですが!

 

「…そういえばこの私の名前、喋り方がリーズっぽいですよね」

「そうなんだよな…。これは私達がシオンの中に入った可能性が…?」

「つまり私も入ってる可能性が?!?!!?」

 

やった!私FGOデビュー?!?!?!?

デビューして遠野君を求めるバーサーカーとして出る可能性が?!

…ああ、でもシオンの格好かあ…。というかシオンの姿かあ…。

 

「まあ、私としてはそれでもいいんだけれど」

「…でも私が他の方に堕ちるんですけれど、それでもリーズはいいんですか?」

「…………いやでも、それは私が堕ちる可能性でもあるから…」

 

言われてみればそうなんだよなあ。

私達が出るということは、私はその遠野君ではなくて、プレイヤーさん達に堕ちるわけで…。

それは本当に私達なのか、っていうと…。

 

「…私はリーズが他の方に堕ちるのは許せないというか…」

「お、なんだ?シオンってそんなに嫉妬深かったか?」

 

そう、笑いながら言うリーズさん。

実際、シオンがそこまで嫉妬深いキャラとはとても思えないし、きっとリーズさんだけに対してだけなんだろうなあ、って思う。

いやだって、ほら、遠野くんに対してもそこまで強い愛情を示すわけではないし…。

 

「…でもシオンは遠野くんとデート…」

「お、そういえばそうだったな。あの少年はモテモテだな?」

「…遠野くんとデート…。私はまだしたことないのに、シオンは遠野くんとデート…」

「ちょ、ちょっと落ち着いてください、サツキ。あれはただのパトロールです」

「…私はできないのに?」

「うっ」

 

そういえばそうだった。シオンは遠野君とデートしているんだった…。

むむむむ…羨ましい…!羨ましいぞ…!

 

「…そうだ、サツキ。シオンがいった遊園地へいこうか。私達では、ちょっと役不足かもしれないが」

「………お金はリーズさん持ち?」

「うん、最近お金入ったからな。いいぞ」

「わーい!!!!!遊園地行こう!!!!」

 

遊園地で釣れる当たり私もチョロインなんだろうなって思いました。

それでも遊園地なんて久しぶりだもん。楽しまなきゃ!

 

 

ということで路地裏同盟三人で遊園地を楽しみました!

楽しかったです!

 



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第29話

三咲町 路地裏

 

「「ハッピーバースデーサツキ」」

「ありがとうありがとう!」

 

ということで本日、8月15日は私、弓塚さつきの誕生日です!

おめでとう私!ありがとう私!ありがとうってなんだ私。

いやはやー、また来ちゃいましたよ、このときが。えーっと私今年で幾つになるんだっけ…?

まあ、永遠の高校生だしそんな関係ないんだけどね!

 

「いやあ、しかしあれだな。こうやって三人で誕生日を祝うのは初めてだったりする…?」

「かもしれませんね、なんだかんだで色々ありましたし」

「あー、そうかも。それでも毎年ケーキは買ってきてくれてたような…?」

「まあ、プレゼントとか買えなかったから、ケーキぐらいはね」

 

そう言って、私の頭を撫でるリーズさん。

ん?ということは今年プレゼントあるってことなのかな?

いや、別に、あれなんだけれど。欲しがるほど私は子供ではないけれども、それでもやっぱりもらえるものはほしいと言うか。

 

「さて、ケーキを食べて今日はもう寝ましょうか」

「えっ?!早くない?!まだ夜は始まったばっかりだよ!?」

 

夜、というか私達にとっては朝だけれども。

これから私達の時間ー、っていうのに!あ、リーズさんは朝も全然平気なんだけれどね。そうじゃないとお金稼げないもんね。

というか誕生日プレゼント…

 

「知らないのか、サツキ。誕生日プレゼントは早く寝ないともらえないんだぞ」

「そうですよ、サツキ。明日の朝、目が覚めると枕元にプレゼントが置いてあるんです」

「クリスマスかな?!」

「そうだぞ。誕生日も同じだぞ」

「そうですよ」

「そうだよ(便乗)」

 

いつの間にか、琥珀さんが混ざってました。

いっつもいつの間にか混ざってますよね、琥珀さん。

 

「……………………」

「いや、レン。確かにそのケーキ持ってきたの私達だけれども。今日はさつきの誕生日だから。そのケーキはさつきが「食べていいよ」って言うまで食べちゃだめよ」

「………………………」

「……ごめん、さつき。先にケーキいただいてもいいかしら?ごめんなさいね」

「よだれひどいもんね。どうぞどうぞ」

 

レンさんのよだれがリミットブレイクしていたので琥珀さん達がもってきたケーキを食べてもらうことにしました。

まあ、琥珀さんが来ているということはレンさん達も来ているということで。

 

 

「持ってくるまでよくケーキ無事だったね」

「なんとか他のもので釣ってたわ。クッキーとか与えておけばここまでひどくはないし…」

「…………………………」

「まあ、私もケーキには弱いけれど、レンほどではないわよ」

「………………」

「ほんとにぃ?」

「ほんとよ!っていうかさつきまで!」

 

今回はレンさんとシンクロできたみたいでした。

いや、なんとなくそういうかなーって思ったから言ってみたらそうだったみたい。よかったよかった。

 

 

ということで来てくれた琥珀さん達と私の誕生日パーティしました。

…翌日本当に枕元に私への誕生日プレゼント(小物とかタオルとか)置いてあってうらしかったです。

ありがとう、シオン、リーズさん、琥珀さん、レンさん達。これからもよろしくね。

 



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第30話

気がついたら2ヶ月放置していた。
何を言ってるかわからないだろうがもっとな(ry


三咲町 路地裏。

 

「遠野君…うぇっへへへへへっへ…そんにゃぁ…まだはやいよぉ…」

「……………」

「……………ね、ねえレン」

「…………………」

「いや、そうなんだけどね」

 

…えーっと。私、レン。通称白レン。

こう、レン、通称黒レンに連れられて弓塚さつきだとか、シオン・エルトナム・アトラシア、リーズバイフェ・ストリンドヴァリが住処にしている路地裏に来ているわ。え?つながりがわからない?

「MELTY BLOOD」シリーズ最新作、「MELTY BLOOD Actress Again Current Code」を買いなさい。今すぐ。St○amで3000円以下、セールがくれば更に安くなるわ。

さて、横道にそれたわね。どうして今、こんな事になっているのかっていうと。

レンが「そろそろ勤労感謝の日も近いし、お世話になっているのだから感謝をしないと」と言い出して「まあ、そうね。感謝しなきゃね」って言ったのが始まり。

で、私達にできる感謝っていう話になり。

夢を見せようという話になり。

 

 

今に至る。

 

 

 

「………………」

「いや。このまま放置は流石にまずいわよ」

「………………………………………………………むぅ」

「そもそもやろうっていったのレンだからね?!私完全に巻き込まれただけだからね?!」

 

ジト目を向けていろいろと言ってくるレンにたいしてそうつっこむ私。

そう、私はただ巻き込まれただけである。はじめからクッキーとか買っていけばいいじゃないって言ったのにレンがどうしてもこれがいい、って言ったからこれをしたらさつきがこうなったのである。

ほら、やっぱり私関係なくない?!なんでレンの中で私も悪いことになってるの?!

 

「……んにゃぴ…………遠野くぅん……」

「………………」

「そうね、「んにゃぴ」っていう寝言は可愛いわね。…いや、可愛いのはいいんだけれど」

「…………………」

「そうね?お布団へ連れてって方が良いわね?」

「……………」

「…………いや、レン足持ってよ」

「………………」

 

こうして、どちらかが脚を持つかのちょっとしたなすりつけあいが始まったの。

いや、だってほら、引きずるのは可愛そうだし…。私達、さつきの脚を持てるかどうかわからないし…。

 

「あれ?レンさん達、どうしたんです?」

「………………」

「あ、ちょうどいい所きたわ、シオン。さつきを布団に連れていきたいのだけれども、脚持ってもらえるかしら?」

「…なるほど、いいですよ」

「んにゃぁ…………遠野くん…………」

 

シオンに脚の方を持ってもらって、私とレンは一緒にさつきの上半身をもったのよ。

 

「あゃあ…遠野君、お姫様抱っこは…いぇひひひひひひひひひひひひひひ」

「「さつき……」」

 

まあ、確かに夢を見せているのは私とレンなのだけれども。こんなにだらしない顔をするとは思ってもなかったわ。

…どうしましょう、ちょっと起こす?なんておもってたら。

 

「……………………ふぇ……………」

「あ、レン?」

「………・・………」

「そうね。おはよう、さつき」

「…おはようございます……」

 

一体どういう状況だ、という顔をしてこちらをみるさつき。

いやぁ、まあ、それはそういうことなんですが。うん。

 

 

 

 

その後、羞恥心にまみれたさつきの攻撃でレン以外の私達は大変な目に会いました。

…レンが一番の悪なのに…そんな…馬鹿な…



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第三十一話

来ちゃったんだもの…来ちゃったんだもの!

C95 二日目 東S34bにて新刊配布(予定)です。
今回、一話、描き下ろしがあります。頑張らせていただきます。
値段はいつもと同じく500円。よろしくお願いいたします。

といいましたが600円です、すみません600円です。
よろしくおねがいします。




三咲町 路地裏。

 

「ということで、改めて!」

「シオン!FGO登場おめでとう!」

「…ありがとうございます…」

 

なんだか釈然としてない顔をしているシオンを囲んでパーティをしている私達!路地裏同盟です!そして私は、このSSの主人公、弓塚さつきです!

いやーめでたい。とてもめでたいですよ。

シオンがきたということは私達も絶対にくる!そして「誰だこの最かわキャラは。なになに、月姫に出てくるキャラ…?なるほど本編をや、なにできない?リメイクはよ」ってなるはず!

そして私のストーリーが追加されて!そして私は遠野くんと!デェヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘ

 

「さつき!さつき!乙女がしてはいけない顔をしているぞ!」

「はっ」

 

そうだった、私は乙女。妄想しすぎた!

いやぁ、本当に。ねえ。ありがたいことですよ。うん。

…ただ、ですね。なんでかその出れたシオンが浮かない顔をしているんですよ。

 

「…で、どうしてシオンはそんな顔を?」

「いえ、平行世界の私が出れたことはとてもめでたい事なんですが…平行世界の性格が…どう考えても私じゃなくリーズ…」

「えー?そう?私、「カット」とか「リテイク」とか使わないよ?」

「確かに口癖はそうですけれど、口調とか、性格とか!」

「えー?なあ、サツキ。私あんなに砕けた口調に社交性あるか?」

「うん」

 

いやね?はじめ、リーズさんは聖堂騎士団の人だから口調と性格硬い感じがするなーとは思ったけれど、よくよく絡んで見ると全然そんな口調硬くなかったし、性格もあんな感じだし…。

確かにシオン、なんだけど、シオン、ではない感じはする。まあ、平行世界?ってやつなのだし仕方ないのかもしれないけれど。

 

「後、あれですね。向こうの私、親があれなんですよ。いえ、確かにこの私の親もあれといえばあれなんですが…」

「あれ、かあ。というかあれ、向こうだと凄い落ち着いてるのにな」

「えっ?そうなの?!」

「うん、凄い落ち着いてた。少なくともあんなテンションで「カットカットカットカットカットカットカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアット」とか言いそうにない」

「…それ別人なんじゃ?」

「まあ、平行世界だしな」

 

平行世界って凄い。…ん?まてよ?

もしかしたら平行世界で私と遠野くんが付き合ってる可能性がある!絶対ある!

よ、よーし勇気出てきたぞ!こっちの私だってまけないぞー!!!!!!!

 

「なにか気合い入れ直してますが、さつき」

「なぁに?」

「さつきの話は志貴にはタブーなので」

「うっ」

「あー、言ってたな。眼の前で消えたって」

「うっ…で、でもそれも平行世界の話だし…」

「……あ」

「その考えはなかった」

「だよね?!だよね?!?!?!??!」

 

まあ、どちらかと言えばこっちの三人で路地裏同盟として活動してるほうが平行世界っていう考えもあるんだけれど…、ほ、ほらそこ触れてはいけない。

大丈夫大丈夫。遠野君つよいもん、乗り越えられてるよ。

 

 

まあ、なんにせよリメイクの希望は見えた!

いい風来てる!!!!!!!!!!!!!!!!

…来てる、よね?

 

 

 

 



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第32話

コミケまで一週間切ったということで。
まあ、通常ですが。

C95 二日目 東S34bにて新刊配布です。読み切りあります。
値段は600円です。よろしくお願いいたします。
またDLsite.com様でも取扱いただいております、値段は少々お値上げをさせていただき、700円になっております。よろしくお願いいたします。

是非に、是非にお手にとっていただければ、と!


三咲町、路地裏

 

 

「祝!私誕生日ー!!!の翌日!!!!!!いええええええええええええええええええええええええい!!!!!」

「「ひえっ」」

 

なんかアルクさんに突撃されました。

あ、皆さんこんにちわ、このSSの主人公、弓塚さつきです。

というか、今日クリスマスなのに何しに来てるのこの人。いや、ほら、言ったりしたら間違いなく塵にされるから言わないけれども。

というか、リーズさんはクリスマスのなんかいろいろで忙しく働いてるときにこなくても!私達の攻撃力が!!!!!!!

なんて思ってたら。

 

「あ、あの真祖…?」

「ん?」

「きょ、今日はほら、クリスマスですよね?ほら、彼女さんとか志貴のところいかなくていいのですか…?」

 

切り込んだー!!!!シオンが切り込んでいったー!!!!!

と、あ、そうか、といいそうな顔をした真祖さんことアルクェイドさん。

 

「んとねー、シエルは協会のお手伝いで居なくてー、志貴達…というか、遠野家はなんか色んな人達とパーティしてるから流石にお邪魔かなーって」

「ああ、なるほど。そういうのでしたか…。ではなぜ、うちに?」

「え?うーん…。暇そうだったから?」

「そ、そうですか」

 

いや、確かに暇だけれども!!!!暇なのは間違いないけれども!!!!!!!

だからといって来られても!!!!

いや…うん…だからといって来るなと言ってるわけではないんだけれども…。

 

「ということで、ケーキとお酒を買ってきたのよ。一緒に食べましょ?」

「わーい!!!御飯だ!御飯だよ、シオン!」

「ありがたいですね!!」

 

いっつも御飯に悩んでる(リーズさんが入ってからはそんなことはないけれど)私達にとってはとてもありがたいこと!

というかこんな事で掌返すなんてアルクさんは…?

 

「まあ、こないだ食料に困ってそうだったからね。優しい私に感謝しなさい?」

「「はい」」

「よし。じゃあ、いただきましょう♪」

 

あんまり気にしてなかった模様。よかったー…なんか気にされてたら私達ひとたまりもないよ。

あっという間に塵だよ。さよなら遠野君だよ。遠野くんどころじゃなくてさよならみんなになるところだったよ。

あえなく最終回だったよ。よかった…ほんと、アルクェイドさんの気に触れなくてよかった。

 

「そう言えば何を買ってきたんですか?」

「えっとねー…。ど定番のケン○ッキーでしょ?不○家のケーキでしょ?後、ハンバーガーとかいろいろ!」

「なるほど、ほとんどジャンク」

「なによぉ?美味しいんだからね?ジャンク」

「わかります」

 

なんだろう、突然食べたくなるよね、ああいう感じのジャンク物って。

こう、人工物らしい人工物というか。悪口になってるけれど決して悪口ではないのですよ。

そして実際美味しいからしかたないね。

 

 

こうして、アルクェイドさんの誕生日会を楽しんだ私とシエルでした!

え告白・・・?なにそれ美味しいの…?

 

 



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第三十三話

三咲町 路地裏

 

「…で、これはどういうことかな?」

 

にっこりと笑いながら雑誌を指差して、こう私にきいたリーズバイフェさん。そして其の隣ではシオンがうなずいていました。ひえっ、完全にこれあれだ。取り調べだ…。

あ、はい、皆さんこんにちわ。弓塚さつきです。

そう、えーっとですね。シオンに続いてFGOに登場しそうなのが私、そう、私、月姫のメインヒロイン(予定)の弓塚さつき、なんです。

それも重要キャラのマスター、として。

 

「え、えっと…。こないだ、琥珀さんによばれて、ちょっとしたスタジオへ足を運んだらですね…」

「ほう」

「なんかわけのわからないうちにこの人(八華のランサー)のマスターになって、って言われまして…」

 

なんだかそのときはご挨拶した程度だったけれどとっても綺麗な人でした。

なんの話か一切わからないかったけれどね!というか其の時に歴史の勉強でしか知らない織田信長さんとか沖田総司さんみたいな人たち居たけど?!どういうことなの?!?!?!?!?!??!

…まあ、琥珀さんには「流行りのコスプレイヤーですよ」って言われましたけれどね。それを聞いた本人たちが「いや、織田信長そのものじゃが?!」って言ってましたけど、まあ、凄いなりきれる人なんだな、って思いながら見てました。

その後琥珀さんとその織田信長さん(本人談)の喧嘩(というよりじゃれ合い)を沖田総司さん(本人談)と一緒に見てました。止める気はなかったです。

 

「まあ、本人もよくわかってないことがよくわかったが。…それとは別に」

「サツキ。サツキの固有結界ではその八華のランサーとやらは消滅してしまうのでは…?」

「そうなんだよね…。なんで無事なんだろう…?」

「そもそも固有結界、制御できるのか?」

「できない」

 

できない。そう、私がマスターになった、とは言え私の固有結界は枯渇庭園。魔力をそもそも枯渇させてしまうのである。マスター、になれる人たち(魔術師っていうんだって)の天敵、みたいな感じなのにマスターって…。

うーん、よくわからないけれど、きっとそれはこのなんとも言えない今の状況(リメイクを待って15年)を打破するいい流れが来てるんだと思うよ!

 

「いやー、それにしても弓塚さんですかー」

「そうなんだよなあ。まさかサツキがなあ」

「まったくもって驚きです。想定外です」

「そんなに?!?!??!?!?!?!?」

 

いつの間にか現れた琥珀さんと、それに追随して頷くシオンとリーズさん。

嫌でもそんなに驚くこと?!だって、ヒロイン(仮)だよ?!

 

「いやあ、確かに私、いえ、私の可能性の一つ、ですか。が、FGOに現れて私達、路地裏同盟、どころか月姫のキャラとの繋がりができたとはいえ…」

「真祖っていうワードもだしたしな」

「ああ、虞美人さん。美人で可愛いですよねえ」

「な。可愛かった」

「リーズ?」

「いやっ?!一番可愛いのはシオンだぞ?!」

 

なんか痴話喧嘩始まっちゃった。というか私関係なくない?!

虞美人さんと私関係なくない?!いや、真祖のワードが出たならアルクさんが先だろって話になるのはわかるけれど!

それでもほら、私だったんだし!出しやすそうだしね?

 

「…まあ、何にせよおめでとうございます、サツキ。一緒にFGOを盛り上げていきましょう」

「おーっ!…ってFGOでいいの?!月姫リメイクへ流さないの?!」

「それはそれ、これはこれです。月姫リメイクに私出ませんし」

「あ、それは私もだな。…この流れに乗って私も出ないかなあ…」

「どう思います琥珀さん?!」

「そうですねえ。…乗っ取ってくれれば私も出やすいんですが」

「乗っ取るの?!?!?!?!あ、でも、そうか。乗っ取るのはいいのか」

 

とりあえず、まて次報!



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第34話

三咲町。

 

「ふふーん♪」

「ななこちゃんどうしたの?」

「へっへー、今日はですね、ちょっとチョコレートをですね」

「チョコレート?!」

 

そうだよ!今月はVDがあったんだよ!

あ、皆さんこんにちわ。弓塚さつきです。ということで今月はVDだったんだけれども…。

 

「ななこちゃん渡す相手いるの?」

「えっと、マスターでしょ?弓塚さんでしょ、シオンさんでしょ、リーズさんに渡して…」

「わぁ、いっぱいいた!?あ、そうだ。私からもななこちゃんに」

「わーい!」

 

まあ、精霊さんだから大丈夫だと思うけれど、お馬さんにチョコレートって平気なのかな、なんて思いました。

ついでにちゃんとシエル先輩に渡しててえらいなーって思いました。

 

「ところで弓塚さんは?」

「まあ、私も似たような感じかなあ。シオンに、リーズさんに…琥珀さんぐらい」

「琥珀さん?」

「あー。遠野くんのところの召使いさん…?」

「なるほど。そこから志貴に?」

「…あっ!」

 

そうだよ!琥珀さんに渡すんだから遠野君にだっていくよ!

直接渡せないのは残念だけれども、でもそうすれば!

…いやなんで思いつかなかったんだろう。えーと、大量に作っておいたチョコの残りは、と…。

 

「残念だったな!チョコの残りは私が食べた!」

「意地汚いですね、リーズ」

「いや、食べていいものかと思ってな」

「…あ、うん、食べてよかったです…」

 

ざんねん わたしの さくせんはおわってしまった 。

はー、いやあ、もうちょっと早く来てくれてればなあ…。

 

「…ところで、セブンちゃん」

「なんでしょ?」

「ちょっとお高いチョコ買ってきたほうがいいかな?」

「そうですね。失敗を取り返すにはそれしかないと思います」

「だ、そうですよ。サツキ。良かったですね」

「わーい!お高いチョコだ!わーい!わーい!ありがとう、リーズさん!」

 

遠野くんに手作りチョコを渡せなかったのは残念だけれども、いつまでもそんなことで凹んでいたらシオンやリーズさんに悪いものね!

だから、お高いチョコが貰えるなら喜んじゃう。いや、はじめから狙ってたわけじゃないよ?!

本当に本当だよ?!

 

「…いやあ、現金なサツキもかわいいぞ」

 

そういって、私の頭を撫でるリーズさん。

いや、現金っていう言葉は褒め言葉ではない気がするけれど、まあ頭なでてくれてるからいいか、なんて思いつつ。

まあ、なんかこう子供扱いされてる気もするけれど、まあ頭を撫でられる事は嫌ではないので、素直に撫でられておく。

 

はい、今年はこんな感じだったよ、バレンタインデー!

…遠野くんにあげようって思っただけ一歩前進だと思わない?ねぇ?!



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第三十五話

三咲町 路地裏

 

「はい、ということで、サツキの相方は皆さんのお察しの通り、上杉謙信公でしたー!」

「わーわーわー!」

「本物だった…本物の上杉謙信公だったよ…」

 

はい、ということで皆さんこんにちわ。このSSの主人公、弓塚さつきです。

いやあ、驚いた。まさか私にシオンみたいな、魔術師としての才能があるなんて。

あれ、でもシオンは錬金術師だっけ…?まあ、でも錬金術師も魔術師だし…。

う、うーん、考えすぎると頭から煙出るよ…。

 

「だ、だいじょうぶかサツキ!」

「まあ、確かに色々と信じられないかもしれませんが。サツキは割と才能があったということで」

「…うん、ありがとう。二人共。しっかしホント、驚きだよねえ…」

「そうだな。まあ、流石にこっちに連れてくることはできなかったが、仲良くできそうでよかったじゃないか」

「そうだね…。つまり、遠野くん家にいる琥珀さんと仲がいいあの二人も本物っていうことだよね…?」

「え、あれ以外にノッブ考えられます?」

「考えられない…って琥珀さん?!」

 

やっぱり突然現れた琥珀さん。

とは言え、最近驚くの私だけだし、そもそも私も中々驚かなくなってきたし。

まあ、それでいいとは思うけれどね。

 

「いやあ、今度「にせもののっぶwwwwwwwww」って沖田さんに教えてみましょうか」

「なんか死にそうだからやめてあげてぇ!」

「しっかし、弓塚さんがマスターですか」

「驚きだよなあ」

「ですよねえ」

「まあ、これでも吸血鬼、だからね。…あれ?向こうでも一応そういう設定あるんだっけ?」

「あ、ありますあります。真祖ってこないだ出てきました」

「ぐっさん」

「あ、リーズさんも知ってましたか」

 

誰だろうぐっさん…。お笑い芸人の誰か、かな?

 

「虞美人さん、でしたっけ?」

「虞美人さん?!?!?!?!?!?!秦の時代の?!」

「そう、その虞美人さんです♪」

「ぐっさん可愛いよぐっさん」

 

ぐっさん呼びでいいの?!そんな偉大な人をぐっさん呼びでいいの?!

というか項羽さんまでいるの?!何考えてるの菌類?!

いや、まあ、そこまで深く考えてないんだろうけれど…。

 

「虞美人さんかぁ…。勝てないよぉ…」

「いや、まあ。弓塚さんなら勝てそうですけどね。あ、でも意外と友達になる可能性のほうが…?」

「まあ、似たようなタイプではあるよな。一途な吸血鬼なわけだし」

「そうなの?」

「まあ、あっちは「項羽様以外○ね」って感じだけど」

「えっ」

 

えっ、そんなやばい人なの虞美人さん…。というか私そんな人と似たようなタイプだと思われてるの…?嘘でしょ…?

嘘でしょ…?

 

何ていう感じにショックを受けたけれども。私もFateの一員として!

頑張るぞ!!!!!!!!

 

 

…いや月姫リメイク早く!!!!!!!!

 



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第三十六話

三咲町

 

「あー、平成の間にリメイクこなかったよ…」

「もう終わるもんなあ、平成」

「でも、想定内でした」

「本当?!」

 

シオンがドヤ顔してそんな事いうもんだから、私は突っ込んでしまいました。

あ、はい。皆さん、平成最後のGWどうお過ごしでしょうか。このSSの主人公でありTYPE-MOON作品月姫のヒロインにしてFate/Grand Orderのマスター、弓塚さつきです。

いやぁ、人気者は辛いなあ。……月姫のリメイク、平成の間に来ると思ったんだけどなあ、来なかったよ遠野くん…

ところで、皆さん出かける予定とかあります?私達は出かける予定は・・・ないです。リーズさんがお仕事ありますし。私達もお仕事しないといけない、よね、シオン。

 

「しかし、私達がこういう風に一緒にいるようになってから10年かあ」

「MBAACCからもうそんな立ちます…?」

「たつみたいだな」

「うわあ…、そんなに経つの?!」

 

そりゃ、平成から令和になるよ。十年だもん。十年といえば、小学生が高校生に、中学生が大学生に、大学生が社会人になるよ。

さらに言えば社会人がもう中堅ってよばれる立場の人達だよ…。

時代の流れはほんと、残酷だよ、遠野くん。

 

「十年ですか…。ほんと、色んな事がありましたね」

「そうだね、4月1日といえば私達だったよね」

「最近、呼ばれないけれどな…」

「リヨさんばっかりだよね」

「まあ、それも早くリメイクをしないからなんですけれど」

「本当だよ!」

 

リメイクが早く来てればこんなことには!

…でも、そうするとこの三人でいることもなくなっちゃうのかもしれないなあ、と思うとちょっとさみしい気もするんですよ。

リメイクが来るということは、私が本当の本当に月姫のメインヒロインになって、なおかつ救われて、路地裏で過ごすことはなくなって。

遠野くんと一緒にいられるけれど、…うん。それは嬉しい。遠野くんと一緒にいられるのはとても嬉しいんだけれども。

なにかこう、もやもやする!わからないけれど!

遠野くんも大事だけどこの二人も大事。とっても大事。

 

「………サツキ」

「いやあ、ほんとにそこまで思われているんだと思うと嬉しいんだけれど、恥ずかしくもあるな」

「…あっ?!どのへんから口だしてた?!まあ、いいんだ。二人にもちょっとだけきいてほしかったから」

 

今回は割と冷静でした。言ってるけれど、今回は、聞かせるつもりで考えてたからね。

そう、いつもだったら言わないんだけどね。年号も変わることだし、少しはね。

 

「ほんと、大好きだよ二人共」

「サツキ…」

「サツキ!!私もだ!!」

 

ぎゅーっ、と抱きしめてくる二人。うん。嬉しい。

私は、遠野くんも、この二人も、大好き。

 

 

 

 

あ、なんか。最終回っぽくなったけれど、リメイクまでは続きます。

続けるんだから!



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第37話

三咲町 路地裏。

 

続いた!まだ続いた!

いやぁ、ほら、約一ヶ月音沙汰なかったし、前回が本当に最終回っぽかったから続かないかなと思ってたけど、良かった続いた。

なんて胸をなでおろすも、今日は今の所一人です。

シオンは琥珀さんと一緒になにか作ってるみたいだし、リーズさんはお仕事です。

 

「………………………」

「お茶、いただけるかしら」

「おわっ?!レンさん達?!」

 

いつの間にかレンさん達が現れてました。

まあ、いつものことなんだけどね。にしても…

 

「なんか、湿気吸ってる?」

「髪の毛のことかしら」

「うん、いつもよりなんかこう…」

「…………」

「そうね、この時期は、ちょっとね」

 

猫っ毛だからか、こういつにもまして全身ぺたんこしている。

ぺたんこしているお二人はとても可愛いのだけれども、まあ、大変そうだな、って思う。

 

「そうか、とりあえずお茶入れるね?」

「ん、よろしくね」

「……………………」

「なにか、こう、お茶うけあるかしら?レンのよだれがリミットブレイクしてるわ」

「あ、お菓子あるよ。食べる?」

「…………………」(こくこくこくこくこくこく)

 

めっちゃくちゃうなずいてるレンさん。とりあえず、ポテト○ップスを開けます。

シケってないといいけれど。

ほんと、この時期から食材に気をつけないといけない。なにせすぐ湿気にやられちゃうからね。

 

「………………」

 

もっしゃもっしゃと食べるレンさん。なんかとっても幸せそうで、私まで嬉しくなっちゃう。

まあ、本当は猫にそういう味の濃いもの上げちゃいけないんだけど…、まあ、レンさん達、猫っぽいけれど猫じゃないからセーフセーフ。

白レンさんに至ってはカニ食べてたけど何も問題なかったし。

 

「…………………」

「カニ鍋は食べられたわよ。けど、あなたはそれ独り占めしたいんでしょ。食べてなさい」

「あれ?そうだったっけ?!」

「だったわよ。食べようとしたらあの忌わしきブサイク猫が…!」

「お、おちついて!!女の子がしてはいけない顔してる!」

 

なんか、すごい憎々しい顔をしだしたので白レンさんに落ち着いてもらうために紅茶とケーキをプレゼントしました。というかどうして思考読まれたんだろうと思ったけど、レンさんがきっとよんだんだ。それを伝えたんだろうなあ、と邪推。

いやあ、冷蔵庫があるっていいよね。食べ物は傷みにくくなるし、ケーキ(リーズさんがお仕事帰りに買ってくる)も入れてられるし。ほんと、文明の利器万々歳だよ。

あとはなー、お風呂があれば最高なのになー。

 

 

 

ということで、私、レンさん、白レンさんで6月最初の土曜日を楽しんでました!

楽しかったよ!



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第三十八話

三咲町 路地裏

 

「いえーい!!!!夏だー!」

「夏だなっ!」

「…いつも思うんですけれど、リーズもサツキもよく元気になれますね…」

 

夏がきて嬉しい私、弓塚さつきとリーズさんことリーズバイフェさんとジメジメした夏がだめなシオンという図。

はい、どうもこんにちわ!このSSの主人公にして、月姫のメインヒロイン、そしていま絶賛大人気の八華のランサーこと長尾景虎さんのマスターである、弓塚さつきです!

いやあ、ホント、人気者は辛いですね!

…だから、そんな人気者が出てくる月姫リメイクを早くですね。ちゃんと私√を作ってリメイクを早くですね!間に合わなくなってもしらないぞ!!

 

「なんだ、シオン、暑さにまたやられているのか」

「暑さというよりジメジメした湿気にですね…」

「あー、確かに湿気はね」

「湿気かあ。…まあ、なれてしまった感じがあるからなあ」

「リーズさん、すごいね」

 

まあ、大抵の外人はどちらかといえばシオンに近い感じだと思うんだよ。確かに日本の夏はシオンがいたエジプトとかリーズさんがいたイタリアなんかとぜんぜん違うからね。

…いや、リーズさん、すごくない?確かに十年近く日本にいるとはいえ、毎年暑くなる上に毎年ひどくなる湿気に勝ってるってだいぶすごくない?

鍛え方が違うのかなぁ…?

 

「まあ、あれだな。たまには海にでもいこうか」

「海はまずいです。私達死にます」

「そうか?…あ、そうか」

「そうそう、泳げないからね」

 

吸血鬼に流水はNG。いや、渡れる吸血鬼いる、っていうかあのピアニスト渡れるらしいんだけど。

…いや、ずるくない?あの新人さんずるくない?処す?処す?

処せば体が軽くなるだろうし…。でも、私、あの人が親なんて嫌だなあ。まあ、私、今、マスターなんですが。

ドヤァ

 

「どうした、ドヤ顔して。可愛いから許すけれども」

 

そういって、私の頭を撫でるリーズさん。まあ、なんかこう、ドヤ顔してる人なでたくなるよね。わかる。

わかるけれど、なんだろう。撫でられるととても恥ずかしい。そして。

 

「…むぅ…」

 

シオンがなにか言いたげにこっちを見ている!ほら、リーズさん気づいて!

 

「お、なんだ。シオン。シオンもなでてほしいのか?」

「そ、そういうわけじゃありません!ただ、ですね。リーズはさつきを甘やかしすぎっていう」

「そうだな。まあ、私は可愛くて頑張ってる女の子好きだからな」

「…たしかにサツキは頑張ってますが…」

「シオンも頑張ってるぞ。な?」

「うん、頑張ってる頑張ってる」

 

シオンをなでながら、そんなイケメンセリフを吐くリーズさん。なんだろうね。やっぱり様になるよね。

…まあ、この人も乙女なんだけれど。

そして、私も頑張ってるシオンを撫でるのでした。

 

 

顔真っ赤にしてシオンがどっかいっちゃったのはまた別のお話。

 



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第三十九話

三咲町 路地裏

 

「「Happy Birthday、さつき」」

「わー、どうもありがとう!…とは言え、もう誕生日を祝ってもらって嬉しい歳、ではないんだけどね…」

「まあ、そういうな。ケーキあるぞ」

「わーい、ケーキ!!」

 

はい、ということで皆様こんにちわ!このSSの主人公の弓塚さつきです!

いやあ、毎年祝ってもらってる気がしましたが、今年もやってきました、弓塚さつき誕生祭!いや、ただの誕生日なんだけど。こう言うとなんか自分が特別な人間になれた気がするよね。

気がするだけだけど。

 

「いやあ、去年から今年にかけては色々ありましたね」

「そうだな。さつきがマスターになったり」

「あー。ね。なんていうか一大イベントだったね」

「ですよね。所で最近、そういうお話は…?」

「あー、…来てないね?」

 

なんだろう、こう、一休みというか出してやったからいいだろ、的な雰囲気がぷんぷんする。

いや、それでもいいんだけどね?忘れされてなかっただけいいんだけどね?

あ、そうそう。たまーに上杉さんとはお茶をしてるよ。うん、召喚だけしてバイバイとかは味気ないですしね!ね!

………え?このSSに出てこないのかって?それは…うん…。もうちょっと時間おいてからかなーとか…。

 

「あ、そうそう。FGOといえば、ネコが出たらしいですね」

「あ、出てたでてた。いや、ガッツリ出てたわけじゃなくて、分かる人は分かる場所、にらしいけれど」

「えーっと、バトルフィールドのスロットの絵柄、だっけ?」

「そう。あれ見つけた人すごいですよね」

「ねー。本当にすごい」

 

なんていうか、ビックウェーブ来てるよね。そういう遊びだとしてもネコさん入れるってもうビックウェーブ以外のなんでもないよね!

ついに来ちゃうんじゃない?!さっちんルートが!弓塚さつきルートが来て、他のヒロインを駆逐しちゃうときが!

……いや、でもルート来るとなあ…。こういう風に三人でいる、みたいなあれが…。いや、確かに新月潭では私、吸血鬼化してないからあってないっていう話だけど…。

 

「どうした、さつき。難しい顔して」

「大方、自分のルートが来たらこうやって一緒にいる時間がなくなっちゃうし、みたいなこと考えてるんじゃないですか?」

「ふえっ?!シオンはエスパーかな??!」

「いえ、さつきがわかりやすいんです。…大丈夫ですよ、さつき。私達はずっと一緒です」

「そうだぞ、さつき。…いや、確かにさつきが吸血鬼にならなかったら私達は会えないかもしれない。が、どんな姿でも、私はさつきを見つけ出してみせるぞ」

「どんな姿って、えぇ、私、人間じゃなくなるの??!……でも、そう言ってもらえて嬉しいな。あとは遠野君と…えへへへへへへ…」

「さつき!乙女がしちゃいけない顔になってます!」

「そうだぞさつき!お父さんは認めないぞ!」

 

 

なんていいながら。私は今の、幸せを噛み締めているのです。

来年もこの三人で、……いれたらいいな!




ちょっと遅れましたがさっちん誕生日おめでとうございます!


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第四十話

またあいてしまった…。
というかコミケまで後二ヶ月しかない!どういうことだ!


???? アーネンエルベ

 

「はい、えーっと。長尾景虎、さん、でしたよね。お久しぶりです」

「はい。マスター、お久しぶりです」

「ま、マスターだなんて。そうですね、さつきと呼んでください」

「さつき、ですか」

 

はい、ということで皆さんこんにちわ!二ヶ月ぶりの弓塚さつきです!というか時間が流れるのが早い!十五夜とか色々あったのに!いや、まあ、いつもの三人で、ぐだぐだしてただけだけど!

まあ、それは置いといて。今ですね、織田信長さんに呼ばれてアーネンエルベに来ているわけですが。私を呼んだ信長さんはおらず、目の前にはフードをかぶったお姉さんがいました。そうです、私のサーヴァント(だっけ?)である、長尾景虎さんがいらっしゃってました。

 

「あ、え、えっと、何か頼みますか?」

「そうですね。お酒はありますか?」

「お酒?!お酒あるかなぁ…?」

「ないぞ」

「あ、ですよね」

 

いつの間にか私達の近くに来ていた千鍵ちゃんにそう言われて、納得をせざるを得なかった私です。いや、まあ、お仕事熱心なのはいいと思うんだけど、ちょっとは声かけてほしかったな。

 

「むう、そうですか。じゃあ日本茶を」

「あ、私は紅茶、ホットで」

「ん。…待ってて」

 

そう言って奥へと消えていく千鍵ちゃん。いや、まあ、ちゃんとお仕事してくれるからいいんだけど、もうちょっと愛想よくならないかなーなんて思いながら。

…というかひびきちゃんがいないせいかいつもより更に機嫌がよろしくないような…。いやそれを口にしたら私間違いなくやられるから口にはしないけれど。

さて、話を長尾景虎さんに戻しまして。

 

「と、ところで。景虎さんは…本当にあの、上杉謙信で?」

「上杉謙信、と呼ばれたことはないのですが。まあ、その上杉謙信が長尾景虎だといっていたのなら、そうなのでしょう」

「な、なるほど。……一体どうやって召喚したんだ私…」

「おや?記憶にない?」

「それがまったく…」

 

いやほんと、どうやって召喚したんでしょう。いやでも、はぐれサーバントだった景虎さんを私はなんとか助けようとするだろうし、そっちの可能性も…

 

「どうせ、あれじゃろ。厠で乙ってたところをさつきが助けたとかそんな感じじゃろ」

「えっ?!そんな理由で?!っていうか、厠で乙ってたて?!」

「其の話は結構ですので!さつきも詳しくは聞かないように!」

「あ、はい」

 

なんだか触れてはいけない所に触れてしまったようだ。というか信長さんはさっきまでどこに居たのか。厠か。……いや、そもそも乙女が厠とかいわない!

いやまあ、そもそもなんで私、こんなすごい人達と一緒にいるんだろう。…まあ、月姫のヒロインだからね!それはこんなすごい人達と居られるようになるよね!

ということで、信長さんと景虎さんと一緒にアーネンエルベでお茶をしましたとさ。

 

 

 

月姫リメイクはよ!!!!!!!!(発作)



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第四十一話

前から1クール開いてる…?



三咲町 路地裏

 

私、弓塚さつきはその報を聞いた時、思わずガッツポーズをした。

TYPE-MOON展にて月姫リメイクが来たというのだ。ついに!ついにきた!ついに私がメインヒロインとして!活躍するときが!

 

「……すみません、さつき。盛り上がってるところ悪いのですが」

「何?!いや、とめないでシオン!今歴史の変換期にきているんだから!」

「いえ、まだ変換期と言うには…。そもそも、Fateの15周年記念の最初で取り上げられただけですよね?」

「それだけでも!それだけでも十分快挙なんだよ!?」

「そうだぞ!シオン!いや私は月姫の事はよくわからないけれども、それは凄いことなのは、新人の私でもわかるぞ!」

「でしょ?!流石リーズさん!」

 

私は、おもわずリーズさんに抱きつく。そして、シオンにジト目を送る。リーズさんは新人っていいのかわからないけれど、もう10年選手ぐらいな気もするけれど!でも、リーズさんは新人さん!誰がなんと言おうとも新人さんなんだから!

いやほら、なんかリメイクで新人さん来たみたいだけど…その人とはまだ顔合わせできてないんだよねえ。したい気もするけれど、なんか四人目のヒロイン枠を取られそうで。

いや、四人目のヒロインは私だけれども。

 

「そんなに盛り上がれるものなんですか?」

「そうだよ!いやたしかに最近、「月姫出すぞ出すぞ詐欺」が多くて冷めるのもよく分かるけれども。それでも!それでもだよ!こういう公の場でゲーム画面が出た!っていうのは大事なんだよ!詐欺じゃなくなるんだよ!」

「そういうものなんですか…」

 

なんだかシオンが、こう、覚めている。いや、それでもなんだろう、シオンも一応喜んでくれてる気はする。長い付き合いだから、それは凄いわかるんだよ。

わかるんだけどもうちょっと乗ってくれてもいいんじゃないかなーって割と思う。いや、大事だけれどね。こう、冷静になる人って。

 

「…ねえ、シオン。乗り切れないのって私達だけなのかしら?」

「みたいですね、白レンさん。……白レンさんのところも?」

「そうなのよ。レンと琥珀がね」

「そうですよね。まだ正式発表ではないですもんね」

 

やれやれ、と肩をすくめるシオン。それに同意するようにうなずく白レンさん。

 

「確かに、まだ正式発表はされていません!が!ねえ、弓塚さん!」

「そうですよね、琥珀さん!こういうのは!雰囲気を作っていくことが!」

「「何よりも大事!」なんです!」

「………………!!!!!」

 

私達の言葉に力強く頷くレンさん。いやいつの間来ていたんだろうという疑問符は浮かぶけれども、いつものことだしそもそも今はそんなことより大事なことがあるもの!

そう!何よりも!大事なことが!皆!雰囲気を作っていこう!月姫リメイクを!出させる雰囲気を!!!!!!

 

 

 

 

これで、FGOに取り込まれたら面白いんだけどね!いや私達としては面白くないけれどね!



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第42羽

コミケ受かったけれどどうしようかなーっていう感じです。
いやほんと、コロナがね…

まあ、それはそれとして。


??? アーネンエルベ

 

「これはこれは、いつもウチのサツキがお世話になっております」

「これはこれは、ご丁寧に。こちらこそマスターにはお世話になって」

「ウチのさつきが迷惑をかけておりませんか?」

「いえ、むしろのっぶと沖田さんがマスターにはご迷惑を」

 

シオンとリーズさんと長尾景虎さんが互いに頭を下げているという不思議な空間にいます。いや、まあそもそもアーネンエルベさん自体が不思議空間と言われればそのとおりなんだけれども!

あ、はい、皆さんこんにちわ。このSSの主人公であり月姫のメインヒロインであり長尾景虎さんのマスターという主人公属性もついた弓塚さつきです。

なんかこの挨拶も久しぶり?…どうだったかな。

 

「いや、軍神が一番迷惑かけてるじゃろ」

「そーだそーだ、沖田さんは迷惑かけてないぞー!」

「いや、二人共、それなりに・・・・、いやでも、そうでもない…」

 

まあ、そうですね。…いやほら、私めったにそっちに行かないから、っていうのもあるんだけれど長尾さんとか沖田さんとかにそんなに迷惑をかけられてるイメージがないというか。まだ、マスターとしての意識はそうないというか。

…あれ?でも沖田さんは遠野くんの妹さんのサーヴァントじゃなかったっけ…?んー、どうだったかなー。

 

 

「ところで、しおんさん、でしたっけ?」

「そうですが」

「…いえ、よく知ってるしおんさんより成長しているなーと」

「ふむ、なるほど」

「あー。いや、よく知っているが、やはりそちらから見てもそうなるのか」

 

うんうん、と頷くリーズさん。そういやリーズさんはFGOやってるんだっけ。いやじゃあ、だったら私をあそこまで問い詰めなくても良かったんじゃないかな?!?!?!?!

いや、出る可能性があるっていうのとやってるのとはぜんぜん違うんだろうけれど。

 

「…りーずさんは、きゃぷてん、さんに似ているような気がしますが…」

「何だ、シオンー?向こうでも私に会いたかったのかー?そうかー」

「……」

「無言で肘打ちはやめてくれ…いたい」

「あの、スネを蹴らないでほしいのじゃが!言っているのはワシではない!」

 

なんだかシオンが照れているのかよくわからない顔で、リーズさんとノッブさんに暴力を振るっている。

いや、ノッブさんはたまたまシオンの前にいただけなんだよなあ。いや、凄いてれてるときってバタバタしますからね、仕方ないけれどね。

 

「いやあ、…いいですね。恋」

「ねー。沖田さんもそう思います」

「いや、恋はいいんだけどさ。リーズさんは兎も角ノッブさん可愛そうじゃない?!」

 

いやまあ、ノッブさんは普段が普段だからこうなるのも仕方ない、って顔されてますけど!可愛そうじゃないの?!ちょっと助けてあげてあげてもいいんじゃない?!

 

 

なんて言いながら、私もシオンを止められないのでノッブさんのスネはもう少しだけ蹴られるのでした、とさ。



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第43羽

世の中大変ですね。
いやほんと…。


三咲町 路地裏

 

「ねーねーおはなみいこうよーおはなみー!」

 

そういってゴロゴロとしている真祖、アルクェイド・ブリュンスタッドさんを見ながら困惑をの笑みを浮かべるしかない私たち、路地裏同盟です。

あ、皆さんこんにちわ。このSSの主人公、弓塚さつきです。アルクェイドさんは突撃してきましたが私は元気です。

 

「あ、あの真祖?」

「おーはーなーみー!お花見行くって言うまで、何も答えませんー」

「えぇ…」

 

ぶーぶー、と言いながらまるで幼児のように転がるアルクェイドさん。一体何が彼女をそこまで駆り立てるのか。そしてこんなところでゴロゴロされると間違いなく遠野くんが…、はっ、遠野くんが来るかもしれないからこのままごろごろさせてればいいのでは?!

私ってばなんで気が付かなかったんだろう!天才!

 

「なんて思ってるでしょうけれど、志貴は秋葉と一緒にどこかへお出かけだそうですよ」

「そっかー、残念だなーさつきー。本当に残念だー」

「全然残念じゃなさそうな笑顔でそう言われても全然心に響かないよリーズさん?!…いやというか思考読むのやめて?!今回は口に出してないよ?!」

「いやー、顔に出てましたし」

「顔に?!」

 

顔隠すようにマスク買おうかな…。ちょっとは出回るようになったよね、流石に。

 

「…まあ、遠野君がお出かけして暇っていうのはわかりましたが、アルクェイドさん」

「おーはーなーみぃー。シエルつれないんだもんー」

「なるほど、真祖お世話枠の二人がつれないから此方に来た、というわけか…。いやそもそも私達がお花見しそうっていう考えはどこから?」

「レンとあのー、なんていったっけ。レンと一緒にいるメイドさん」

「琥珀、ですか?」

「そうそう!レンと琥珀がね、「いつだったか、シオンさん達とやったお花見楽しかったですねー」なんて話てたからー!私もやりたいなーって!」

 

なるほど、この騒動の始まりは琥珀さんとレンさんか…。なんか夜空に「ごめんね(テヘペロ)」してそうな琥珀さんが現れかけているので、今度現れたら腹パンをお見舞いしようと思います。顔はあと残っちゃうからね、ボディーにします。

はぁ、とため息を付きながら。

 

「あの、アルクェイドさん?」

「なに!?お花見行く気になった?!」

「まあ、行ってもいいんですけど…、ちょっとお酒飲みました?」

「飲んだ!シエルのところでビール数杯!夜はこれからだー!って言いながらシエルと一緒に夜桜見に行こうとしたらシエルはもう寝るって言うから」

「あっ」

 

あの代行者、酔っぱらいの相手が面倒になってこっちにぶん投げてきたぞ?!ち、畜生、私達が勝てないからって面倒事をなげてきやがって…!くっそう、私達が強くなったら腹パンを食らわせてやる!顔はあと残っちゃうからね、ボディーにします。

 

 

そうして私達はアルクェイドさんと一緒にお花見へ行ったんだけれども、リーズさんが絡み酒したり、シオンが脱ぎそうになったり、アルクェイドさんが大暴れしたりと大変でした…。それはほら、また別のお話に…。ねかせて…。

 



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第44羽

三咲町 丘

 

「いえーい!!!!みんなー、のんでるー!?」

 

すでに出来上がっている真祖ことアルクェイドさん。あ、はい皆さんこんにちわ。このSSの主人公、弓塚さつきです。前回、終わった後の惨劇はちら、とお話しましたけれど、今回はそのお話です。うん、もうなんていうか、初っ端酷い。

 

「飲んでるぞー!」

「飲まされてます…」

「私まだ未成年だしお茶に」

「お茶だとー?!盾の人、ちゃんとお酒を渡さないとだめじゃない!」

「そうだな。サツキ、こっちにしなさい」

「お酒!私未成年!」

 

シオンとリーズさんはまあ、成人してるからいいとして私はまだ未成年。ぴっちぴちの女子高校生なんだからお酒は飲めない!飲まそうとするのも犯罪…になるんだけど、この人達の前だとそんなの意味なさそうだしなあ。

とりあえず、まだ飲めないので未成年を押していくしかない。皆は強要してはいけないよ。女子高生との約束だ。

 

「「うぇっぷ」」

「汚いですよ、真祖、リーズ」

「いやあ、久しぶりにビール飲んだが、最近のビールは凄いな」

「でしょ?毎年美味しくなってるのよね」

「確かに美味しいですけど、日本の麦酒、ちょっと苦味が強いんですよね」

「あ~。確かに諸外国のに比べるとそうなるかな。バ○ライザーなんかも苦いけれど」

 

なんて、ビールのお話をしているアルクェイドさん達。んー、わからないなあ。私未成年だもんなー。……そう言い続けて何年になるかわからないけれど。リメイクが早くこないから!早く来れば!!!いいのに!!!

 

「・・・ところでしんそ、熱くなってきたんだが、脱いでいいか?」

「あ、私も脱ぐ」

「まてまてまてまてまて。二人共待ってください!」

「「なんで?」」

「誰も見てないからって、乙女がすぐ服を脱ぐんじゃありません!」

「そ、そうだよ二人共!というかまだそんなの…のんでる?!」

 

二人でそれなりの量開けてるよアルクェイドさんとリーズさん。いや、まあシオンもそれなりに飲まされてるんだろうけれどそれでもこの量ほとんどリーズさん達でしょ?

そりゃ脱ぎたくもなるとは思うけれども、乙女が服を脱ごうとするのはちょっと異常事態なのでは?!

 

「なんだぁ、シオン。シオンは私の体が汚いっていうのかぁ…。こんなに毎日キレイにしているっていうのにぃ…」

「いや、そう言っているわけじゃないんです!ですが」

「なーかせたーなーかせたー。しーおんがーなーかせたー」

「泣かせてません!というか真祖はなんですか!」

「まあ、最近、落ち着いてお風呂入れるようになったのは凄い進歩だよね」

 

いや、ほんと、昔ではちょっと考えられないけれどお風呂、毎日入れるようになりました。リーズさんのおかげです。ココ最近までずっとニ、三日に一回入れるかどうかだったからね。大分進歩したからね。

 

「そうですが…、それとこれとは」

「同じだぞ!同じだから、シオンも脱ごう!」

「そうだぬげぬげー!」

「何を言っているんですかあなた達!あ、ちょっとやめて!脱がそうとしないで!助けてサツキ!」

「私にはちょっと…」

 

絡まれて脱がされそうになるシオンを横目に見ながら、私は我関せずとお茶を飲むのです。え、前回脱ぎそうになったシオンっていってた?ううん、気の所為だよ気の所為。脱がされそうになった、だよ。

 

 

 

…早くこの地獄絵図終わらないかなあなんて思いながら、お花見を過ごしました。

いや、アルクェイドさん来ると毎回こんな感じだよ。今日はまだカレードシエルさんいないからマシな方。



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第45羽

三咲町 路地裏

 

「じーめじめ」

「じーめじめ」

「……………」

 

はい、私弓塚さつきと白レンさん、レンさんの路地裏同盟まともな方チーム(シオンもまともな方…かなあ?)で路地裏でじめじめしております。

いやあ、ほんと、梅雨っていやになっちゃうよねえ…。

 

「ところで、さつき。貴方あのピアニスト倒さないの?」

「……んー、倒してもいいんだけど私消えない?」

「代替わりするだけでしょ?消えるのは向こうじゃない?」

「そっかー。……あれ?でも私こないだ倒したときはタタリで気の所為だったんだよね?」

「…」

 

頷くレンさん。タタリ、と言ってしまってから白レンさんの方をちらりと見たけれど、なんとも思ってない、というかまあ、それは白レンさんだからっていうのもあるのかもしれない。

まあ、レンさんも白レンさんもそんなに気にしてなさそうだからいいかなって。

 

「あ、そうね。タタリはさつきだものね」

「………」

「ひえっ!?怒ってらっしゃった?!」

 

じぃーと私を見てくるレンさん。まあ、そうだよねえ。お怒りだよねえ、なんてしょんぼりしていると、

 

「じょーだんよ、じょーだん。私がそんなことで怒るとおもって?」

「……………」

「それはそれ。これはこれ。食べ物取られたらレンだって怒るでしょ?」

「………………」

「でしょう?」

「カニ食べれなかったのまだ根にもってらっしゃるの」

「当たり前じゃない」

 

ふふん、と胸を張るようにそういった白レンさん。いや何もいばるようなことではない気がするのだけれども。よほど大事だったんだなあ、カニが、…というよりその大事な人、と一緒に食べようとしたことが。

まあ、私もその気持はわからないでもないんだけれども。遠野くんと一緒になにか食べようっていうときに邪魔されたら怒っちゃうかも。…いつか、そんな機会が訪れるのかな。

 

「ねえ、レンさん達。聖杯って」

「やめときなさい。きっとろくでもないことになると思うし、貴方一度、「聖杯でも無理」って言われてるんでしょう?」

「・・・・・・・・・・」

「夢の中でならなんとかって話だけど」

「そんなに叶う可能性ないの?!私の願いって?!」

 

確かにヒロインになりたい、って願いは聖杯でも無理って言われたけれど、それ以外も無理なの?!そんな私無理言ってた?!

いや、なんだろう、私が聞く限り遠野くんの中では私はもう死んでる人みたいだし、トラウマになってるみたいだけどさあ!それをなんとかさあ!私のルート使ってさあ!

…それがまず無理なのはわかってるけれども…。

 

 

リメイクぅ…リメイクはよぉ…。



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第47羽

三咲町 路地裏

 

「さーて今日のごっはんはーうっぉっぼぉうっ!?」

 

三ヶ月前の宣言通り、現れた琥珀さんにボディーを決めておきました。

なお私が本気でやると琥珀さん死んじゃうから大分威力は抑えております。あ、皆様こんばんわ。このSSの主人公、弓塚さつきです。

いやほら、珍しくご飯持ってきてたしなにか裏があるのではみたいな、感じで。

 

「よよよ…弓塚さんったらひどい…。私が何をしたというのです…」

「いや、ドクター。ドクターの普段の行いを見てるとわりと仕方ない所があると思うぞ」

「えー、そんなー。普段の行いはいい方ですよー?たまーに少々暴走するだけで」

「その少々が普通の人達にとって少々ではないんですよ」

「えー、本当にー?」

 

ダメージからあっさり復活して、シオンとリーズさんと会話をする琥珀さん。いや、確かにだいぶ威力は抑えてはあるよ?だけどあっさり回復されるのもわりとショックではあるんですよ。

何者なんでしょうね、この使用人さん…。

 

「ところでコハク?料理を持ってきたって言ってますけれど」

「あ。そうですそうです。弓塚さん、今月誕生日ですよね?」

「え?来月だけど?」

「え?」

「え?」

 

やだこの使用人さん私のボディーブローで記憶が…?

いや、ボディーブローで消える記憶ってなんでしょう。頭揺れるところがないじゃないですか。なんですか。ボディーのところに頭脳があるんですか。こわい、人間ではないのでは…?

いや、流石に人間ですよね?わからない…わからないよ…。

 

「…………」

「そうね。琥珀は人の誕生日、あまり興味がないだけよ、さつき」

「あっ、そうだよね。アッハハハ、私ったら失礼な想像を」

「まあ、でも私も「こいつ本当に人間…?」ってなるときあるけれどね」

「………」

 

いつの間にか私の隣に来ていたレンさんと白レンさんと話す私。まあ、琥珀さんがいるってことはレンさん達もくるので、いつものメンバーが揃うわけですよ。やったねさっちん、路地裏メンバー勢揃いだよ!

 

「おいやめろ」

「はい」

 

というまあ、いつものツッコミもあるわけで。いやあ、そのね。今年、色々と大変だからね。こういういつもの日常ってとても大事だと思うんですよ。

だからね、早く梅雨明けないかなーって。…いや、私達普段でも海いけないんだけど。あれ・・・?でも水着きたきが、あ、あれはプールか。そうだよね、プールだもん。そうそう、流水入れるなんて…?

 

「あ、そうだ。今日だと思って弓塚さんに誕生日プレゼント持ってきたんですよ」

「あ、本当ですか?それは嬉しいな。なんです?」

「新しい水着です」

「え?」

「水着です!」

 

 

琥珀さんにはもう一発腹パンをいれておきました、とさ。



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第48羽

三咲町 路地裏

 

「あづいー…」

「あづいなー…」

「湿気さえなければ…、そんなことはないでしょうか…」

 

ということで皆様こんにちわ。熱帯夜なので元気のない私達、路地裏同盟です。そして路地裏同盟一の力持ち、弓塚さつきです。

いやあ、今月は私の誕生日だったんですけれど、そんなことをやる元気すらわかないです。

いや、なに…?先月とのこの差は一体何…?いや、私とシオンは昼間は活動しないから昼間はわからないけれど夜ですらこの暑さって昼だとどうなるの…?

 

「なんか、こう暑いとアイス食べたいよな…。あれ、買ってあったか…?」

「ここ最近ずっとアイス食べてた気がするからもう買い置きないかもしれませんね…」

「うわあ…そんな記憶も薄れているぐらいなのかあ。そうめん、とかも買い置きしておかないとなくなるかな?」

「そうだな。そうめんはこないだの流しそうめんたのしかったなぁ。流水だったから、痛い痛いってなりながらもあれだったが」

「いやあ、あれでもちゃんとした流水だったんだねぇ。でも、楽しかったよね。あの機械またあるからまたやろうね」

「そうですね。…茹でるときはホント地獄でしたけどね」

 

暑いのに更に熱いことになるからね。でもねー、そうめん。やっぱ夏の風物詩だよね、普通に食べるもよし流して食べるもよし、夏バテにも効くので、やっぱりそうめんって大事だよ。

まあ、毎日そうめんだと栄養面で大変なことになるからたまーにカレーを食べてるけれど。

…はっ、カレー?!いや、大丈夫大丈夫、先輩来てないからカレー食べてても平気。

 

「カレーあるところに来ますよ、あのカレー魔神」

「ひえっ?!本当に?!!??!?!?!…ってななこちゃん」

「やっほー、皆さん。アイスをですね、琥珀さんたちに持ってきてもらいました!なお、私はイチャイチャルームから逃げてきました!」

「あ、イチャイチャし始めたんですね。…この暑いのによくやります」

「まあ、その間は来ないから大丈夫だろう」

「あ、アイス冷蔵庫に入れておきますねー。レンさんがもう一つ食べてますが」

「………(もっもっもっもっもっも)」

「食べるか、会話しようとするか、どっちかにしなさい」

「(もっもっもっもっも)」

「食べるのを選択するのね…」

 

はい、ということでいつものメンバーが揃いました。いやほら、まあ、この暑い中来てくれるのは嬉しいんだけど。

あれ…白レンさん…?そうだ!白レンさんの固有結界は、あれじゃないか!

 

「ねえ白レンさん?」

「いやよ」

「まだ何も言ってないじゃない!?」

「いやほら、どうせ固有結界の中に入れろっていうんでしょ?い・や」

「はい…」

 

あっさり私の願いは断られてしまいました。これはもう無理ですね。それにしてもあついよぉ…避暑したいよぉ…。



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第49羽

半年以上おまたせしておりました。申し訳ない。
そして、うん。ついに来ましたね。


三咲町、路地裏。

 

「ついに!!!!!」

「ついにきたな!!!!!!」

「きましたね!!!!」

「やりました!」

「(こくこくこくこくこくこく)」

「私のルートが!私がメインヒロインになる世界が!!!!ついに!!!!!」

 

「「「それはない」です」」(こくこくこくこくこくこく)

 

「皆でそんな否定することなくない?!あんなに動いたんだよ?!」

 

はい、ということで私達の住処にいつものメンバーが集っております。あ、皆様おはこんばんちわ。このSSの主人公、弓塚さつきです。

いやあ、ついに来ちゃいましたね。このときが。月姫リメイク!いやあ、待ちに待った!待ちに待ちましたよ!

 

「いや、でもさつき。リメイクが来てルートが来るってことは私達と会えない、ということだろう?」

「あ、そ、それはそうだね」

「まあ、私は会えますけどねー♪」

「(こくこく)」

「あー、そうですね。遠野家のお二人は会えますか。…あれ?レンさんとさつきってどっちがか助かるとどっちかが助からないって話じゃなかったですっけ?」

「そうなのか?」

「あ、あー。そうですね」

「それに触れちゃう?!」

 

そう、忘れがちなのだけれども、レンさんを助けるルートが「歌月十夜」で私、弓塚さつきを助けるルートが「MELTY BLOOD」っていう話だった気がするんだよ。いや、私もそこまで覚えているわけじゃないしレンさんに至っては普通にメルブラ出てるからすっかり忘れられがちの設定なんだよねえ。

いやほら、なんかレンさんがこっち見てる。

 

「…………………」

「ごめんね、さつき。ケーキある?」

「あ、うん。白レンさんも食べる?」

「いただくわ」

 

なるほど、レンさんがこっちを見てたのはケーキ食べたかったのね。まあ、いつの間にか白レンさんも混ざっているし。いや、レンさんと琥珀さんがいるなら白レンさんもいるよね。

と言うことで、レンさんと白レンさんにケーキと紅茶を出して食べてもらうことにしつつ。

 

「はー、しかしそうですか。まあ、声優変更は仕方ないですよね」

「そうだね、仕方ないですね」

「でもきちんと真祖っぽかったぞ」

「うん、なぜだかわからないですけど「あ、真祖だ」って思いましたね」

 

そうだね、遠野君もアルクェイドさんもぴったりだったからね。

ええ・・・うん、絵も含めて。まあ、なんだろうね。仕方ないところはあるよ。あるけれど、

 

「カレーを押さないとわからないうちのご主人wwwwwwwwwwwwww」

「命知らずかな?????」

 

ななこちゃんがニッコリ笑ってきたところで来月に続く!




続く!


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第50羽

三咲町 路地裏

 

「まあ、たしかに、リメイク発表当時から言われてましたけど…」

「そうなんだよな」

「でしょう????なんなんですかね、あのマスターの変わりっぷり」

「変わっても変わらなくてもシエルは可愛いよ?」

 

なんだかいつの間にかアルクェイドさんまで混ざってるぅ!!

はい、皆さんこんばんわ。ついに来てしまった月姫、月姫リメイクの真ヒロイン弓塚さつきです!

そういえば私が吸血鬼になった理由がいなくなりそうなんですが、それは大丈夫なんでしょうか。大丈夫でしょう。私があんなに動いていたんですから!せーふせーふ。

いや、生き残って某アニメルートもありえるんですが。いやだぁ、ただの女子学生Aはいやだぁ…。

 

「どうしたの、サツキ?」

「………?(きょとん)」

「いや、ごめんね。ちょっと忘れ去られた記憶を思い出して」

「あー。あのピアニスト」

「…………………………………」

「そうね、彼が削除されるとなると誰がボスになるんでしょうね」

「タタリの誰か…?サツキラスボス?」

「………………」

「その展開は読めなかった!結局殺されてるじゃん私!いや、女子学生Aよりはマシだけれども!」

 

いや、今の状態はタタリと呼ばれる、存在なんだけれども。そのタタリを生み出したのはズェピア・エルトナム・オベローン、ワラキアの夜さんなんだけれども。

Fate世界で二番目に出た月姫キャラですね。一番最初はあそこで

 

「シエルはなんだってかわいいんだから!ヒロインなんだよヒロイン!わかる?!」

「あ、はい」

 

四人相手に自分の彼女がどれだけ可愛いか力説している真祖様です。いや、なんだ。遠野君の中では真祖様もヒロインのうちの一人なんだけれども。それは置いておくことにしているのかなあ…。

Fateに出たときは「真のマスターはメガネかけてて学生服を着ている男の子」っていってたんだけどなあ。

 

「………………」

「まあ、そうね。そういう人よね、あなたのマスター」

「……………………」

「なんだって?」

「人の常識で考えてはいけない」

「あー…」

 

まあ、そうなるよね。人の常識で考えると多分遠野君ですらただのクズになっちゃうからね。

いや、遠野君は人のはずなんだけども。人って言っていいのかはよくわからないけれども。いや、人だよ!私の大好きな人!

 

「なになに?サツキ達もシエルの可愛さを知りたいって?」

「いえ、そんな事は一言も言って」

「何?シエルが可愛くないっていうの…?」

「いえ、そんな事は言っておりません!シエル先輩は可愛いです」

「よろしい。じゃあこっちきて。あの四人と一緒に私の話に付き合ってもらうわよ!」

「「はい…」」

 

 

黒レンさんは逃げましたが白レンさんに捕まってました。逃さんぞ、という白レンさんの意思を強く感じる。

多分リメイクが出てもこんな感じなんだろうなあ、みたいなことを思いながら私はアルクェイドさんの話を聞いていました。

 



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第51羽

三咲町 路地裏

 

「どういうことですか!!!!!!!!」

「そうだそうだ!!!!!!!!私らが出ないならそれはもうメルブラじゃないぞ!!!!!!」

 

私をがっこんがっこん揺らしながらそう言っているシオンとリーズさん。あ、皆さんこんにちわ。このSSの主人公で月姫の真ヒロイン、弓塚さつきです。

いや待って、これ以上私揺らされたら倒れちゃう。倒れちゃうよ。

 

「お、おちついて…。シオンもリーズさんも私に当たらないで…」

「はっ、すみません。サツキ」

「大丈夫か、サツキ!まったくひどいなシオンは」

「リーズ?」

「あ、はい、ごめんなさい、サツキ」

 

 

シオンに睨まれてしゅん、としながら私に謝ったリーズさん。やっとこさ、開放されました。

いや、なんかこう、終わったは良いんだけれども後遺症か、まだ能が揺れてる気がする。そりゃ2tぐらいの力を持つリーズさんに揺らされたら能が揺れるのも当たり前かぁ。いや当たり前か、みたいな反応はおかしくない私?

なんだろう、いつの間にか私も随分と人間から離れてしまった気がする。まあ、リメイクくるし私はちょっと人間、というかヒロインに近づけるかな。

そしたら遠野くんと…ウェヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘ

 

「戻ってこい!サツキ!乙女がしてはいけない顔をしているぞ!」

「はっ!…嫌でも実際どうするんだろうね?シオンが出ないってことはリーズさんも出ないだろうし、…あれ?路地裏同盟解散…?」

「嫌だ!」

 

がっ、と私の方を掴んで真顔でそういったリーズさん。いや、まあ、うん、私も嫌なんですけれども。

 

「そうです!なんてこと言うんですか、サツキ!」

「そうです!謝ってください!弓塚さん!」

「………………………………!!!!」

「いや、琥珀もレンもそこまで関わりないでしょ?」

 

シオンと、いつの間にか現れた琥珀さん達に囲まれながら私はとりあえず。

 

「軽率な発言でした、申し訳ない」

 

と、謝ったのでした。白レンさんだけは「いや謝る必要性どこにもなくない?」みたいな顔しながら私を見ているけれども。

いやぁ、でも、なんか、こう。謝らなくちゃいけないような気がして。そりゃそうだよ、私達路地裏同盟の人気は隠れも含めてとんでもなくいるんだから、私が簡単に解散とか言っちゃいけなかったんだよ。

だって、私達路地裏同盟の絆は絶対だもん。

 

「………………………」

「いや、それは思っても言ってはいけないわ」

「………………」

「…それはそうね。いやでも、先に言ったのはレンじゃない」

「……………………」

「卑怯よそれ」

 

なんかレンさんと白レンさんが私の心読んで言い合ってるけれどそれはそれ!これはこれ!路地裏同名の絆は絶対だもん!



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第52羽

まーたお久しぶりの更新に。




三咲町路地裏

 

「いやー、ついに私と翡翠ちゃんが発表されちゃいましたね!」

「フケイ…フケイ…」

 

なんだか突然現れた琥珀さんに白い布を被せられ、尚且なんだかこれをよんでください、と書かれた紙を渡された私、弓塚さつき。いや、何この状況。

なんで私は渡された紙に書かれてる「フケイ」って言っているの???どうして???わけがわからないよ。

 

「「………?」」

「賢さGの顔しない」

 

うーん今日はいつにもましてネタがカオスであります。まあ、そのね、私の新しい声優さんはこのセリフをよく言う人もやってるらしいし、賢さG顔っていうのは真祖の新しい声優さんのキャラがそういう顔するらしくて私達も割と切っても来れない話な訳なんですけれども。

 

「でもあの顔、正直真祖もしそうですよね」

「ぷっ」

「たーしかにー」

 

聞かれてないとわかっているから言える発言をするシオンにそれを同意する琥珀さんに吹き出すリーズさん、知らないぞ、私は関係ないからね!

ほら、レンさんいるからいつバレるかわからないんだからね!私は知らないからね!

 

「…………………」

「大丈夫よ、今日、あの人は某協会の人のおうちでだる絡みしてるらしいから」

「助かった。いや、シエル先輩は助かってないんだけど、正直私達は助かった」

「でしょう?…ところでいつまでその白い布しているの。外しなさいな」

「うん、そうだね。今の時期ちょっと暑いからね」

 

白レンさんに言われて白い布を脱ぐ私。いやほんと、どうしてこんな事になったのか。下手したらピラミットと一緒に突撃…いや、何をいっているんだ私は。そんな記憶はない。ないんだから。

 

「そういえば新しく出たPVであの少年がシオンっぽい動きしてたよな?」

「あー。シエルっぽいとも言えますが」

「あの動きはシオンも確定なのでは?つまり私も出れるのではないかな?」

「私の話は終わりました、って言われちゃってますが?」

 

じと目をリーズさんに向けるシオン。いやまあ、たしかにそう言われちゃってるんだよねえ。でも、そう言われてもなんかありそうっちゃありそうで。

あの世界を更に公式で広げようと思うとなんか中々に難しい気がするんだよねえ。二次創作とかならともかく。

…なんかすごいメタい話をしている気がするけれど、それもいつものことだからキにしないきにしない。

 

「…あの、私と翡翠ちゃんの話も」

「だって、そんなに変わってないし…」

「動かしてみないとわからないですけど、翡翠も琥珀もそこまでリメイク、って感じではないですよね」

「マッドドクター感がちょっと薄れた、か?」

「それぐらい、ですかね」

「ヨヨヨヨ…これでも私頑張っているのに…」

 

なんか泣くような仕草をして崩れ落ちた琥珀をなんだかそれぞれの顔で見つめる私達。まあ、それぞれの顔で見られるのは琥珀さんのいつものあれのせい、って事で。

でも、今年はとっても楽しみなことが増えて、うれしいね、遠野くん!

 



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第53羽

三咲町 路地裏

 

「シエルの!私服が!!!!!!かわいい!!!!!!!!!!!!!」

 

現れたと同時にそんな事を言い放った真祖、アルクェイド・ブリュンスタッド様。あ、はい皆さんこんにちわ。このSSの主人公、弓塚さつきです。

いや、たしかにあのPVのシエル先輩は可愛かったとは思いますが、私達に言うことでしょうか。いえ、絶対言わなくていいことだと思います。いやだって、この流れ絶対あれじゃないですか。パイルバンカー食らって爆発するやつじゃないですか。

いやだぁ…折角私達は静かに正義の味方をしているだけなのに。いや、なんだよ、静かな正義の味方って。

 

「またですか真祖。いや来るとは思っていましたが」

「思ってたならいいじゃん!聞いてよ!シエルの私服がね?!」

「かわいい、っていう話でしょう。いえ、あなた見慣れているのでは?」

「見慣れてはいるけれどもそれはそれ、これはこれ。メディアの違いよ」

「メディアの違い」

「そう、メディアの違い」

 

うんうん、と頷きながらそういった真祖様。ベタぼれなのはいいのだけれど、その度にうちに来るのはいかがなものか。今の所はななこちゃんもレンさんたちも来ていないのでこの攻撃力の高いラブラブ攻撃を受けるのは私とシオンだけだ。リーズさんはお仕事で留守だよ。今日ほどそれが羨ましいと思ったことはないよ。

私達もやはりお仕事をしないといけないのではと思う。いや、私達に向いてる仕事って何、と言われると困るんだけれど。

 

「いやー、ほんとね。眼福ってやつよ。私のかっこいい姿も見せられたし」

「なんだかすごい対峙してましたよね」

「まあ、それはね。メディアの違いをね」

「便利ですよねそれ」

「便利よね。私は今後も使っていこうと思うわ」

 

ふふん、とした顔をする真祖様。いや、こうやって見ると美人さんでかわいいんですけれどね。そりゃ遠野君だって美人だって思うよ。…むぅ、なんかすごいあれだ。もやもやはする。遠野くんは私だけ見ててくればいいのに。

そうすれば私と一緒に……うぇへへへへへへへへへへへへへへ…

 

「ねえ、あなたの相方、乙女がしてはいけない顔をしている気がするんだけれど」

「いつものことなんで気にしないでください」

「そう?」

「所で、ミス・シエルは志貴の記憶を消せるのでしょうか」

「無理、じゃない?なんかシエルの上司とかなんだかわからない人が増えてるからその編が絡んでくるんでしょうし」

「なんだかわからない人」

「あなたの相方みたいな普通の人っぽいのいるじゃない?あの人、なんだか知ってる顔してたり何も知らない顔してたりするじゃない?だからなんだかわからない人ポジ」

「ノエルでしたっけ?……サツキ、ライバルが増えてますよ」

「ふぇ………?何?」

「おかえり」

「おかえりなさい。ということで、真祖。二人でしっかりとミスシエルの可愛さについて聞きますから、どうぞ」

「いいの?!じゃあね、じゃあね」

 

 

その話は、夜明けまで続いたという。どうしてくれるの、シオン…。



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第54羽

三咲町 路地裏

 

「そういえば、リメイク、町違うんじゃなかった???」

「えっ?!!?なんか私の誕生日を祝う雰囲気なのにそれぶっこむの!?!?!?!?」

 

はい、皆さんこんにちわ!弓塚さつきです!

皆さんの日付だと先日になりますが、今日!私の誕生日です!おめでとう私!ありがとう私!

あ、そうそう時代背景、というか、1990年代から2000年代にはなってるらしいよ。町は、町はどうだったかな…?

………いや、ね?あのほら、その前にアプリゲーであれ、あったでしょ?”ほぼ同じ時期に書かれてるんだよね?ひとの…ひとのこころが……。

リメイクこわいよぉ!!!!!!!あんなに待ち遠しかったはずのリメイクがとてもこわいよぉ!!!!!!!!

 

「落ち着いてくださいサツキ。メの人の顔になってますよ」

「なるよぉ…」

「まあ、あれはな…。とはいえ、あれ、私とシオンでもやってるよな?」

「そうですね。あれは、リーズルートですっけ?」

「うん」

「シオンはあそこまでとんでもないキャラじゃないじゃん」

 

え!?リーズさんとシオンが辿るかもしれなかった最後をご存じない?!それは大変だ!

今すぐ旧作のMELTY BLOODをやるんだ!!!!…いや、まあ、そのなんだろうね。そうあのメルブラももう旧作になるんだよねえ。いやあ、ほんとリメイクくるのは嬉しいんだし新作も来るのは嬉しいんだけれど、そうかあ、旧作っていう扱いかあ。

まあ、10年だもんね、そうなるよねえ。

 

「ところで、あれだな。私達は新作の方に来るのかな…?」

「どうなんでしょうね。私達の話は書き終わったっていってますもんね」

「そうなんだよねえ。でも、同じような事言ったけどアルトリアさんはかかれたじゃん?」

「結果がアレだとしてもな」

「あれだとしても、だよ。つまり私達もかかれるよ」

「そうだと、いいですね」

「そうだな!期待は持たないとだな!」

「まあ、話があれになるかもしれませんけれどね」

「ひとのこころがない!」

 

いや、もっとなんかあるじゃん。あれじゃなくていいじゃん。いやでもほんとね、心エピソードまってます。私達がこう、幸せになるエピソードをね!あれはいいからね!!!!

 

「ということで、おめでとうございます、サツキ」

「ケーキを食べようケーキを」

「なんかついでっぽい!けれど、ケーキを食べよう。三人で食べるとおいしいものね!」

 

そう、今日は私の誕生日!みんな、祝って!いや、もう終わってるとか言われそうだけれども祝って!今日は私が主役だよ!



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第55羽

三咲町 路地裏

 

「いやあ……いやぁ……!」

 

見ました?!見ましたね?!月の裏側PVでの私のヒロイン顔!!!!!あれはすべてのヒロインを過去にする顔ですよ!!!!

あ、皆さんこんにちわ、このSSの主人公で、月姫の真ヒロイン、弓塚さつきです!!ふふふっ、いやあ、待ったよ!待った!この時を!まった!

 

 

「トリップしてますね」

「サツキー、かえってこーい。まだクラスメイトBの可能性は捨てきれないぞー」

「そ、そんなことないもん。だって、あんな素敵な一枚絵をもらえたんだよ?」

「そうですね、あれは可憐でした」

「でしょー?」

 

にっこにこの私。いやあ、ほんとあれよねあれ。待ったかいがあったってものよね。

いやだってさあ、あんなの期待しかないじゃない!ついに!私が!

 

 

「まあ、でもあれですよね。いつ出るかわからないですよね」

「うっ…、いやでも、汚い話、売れたんでしょ?」

「そうらしいな。まあ、この勢いでメルブラも頼むぞ」

「そうですね、メルブラもお願いしたいですね」

「メルブラも売れれれば私達出れるものね!」

 

いやまあ、私はほぼ確定したところはあるのだけれども。やりました。なにせヒロインですからね。やったね!

 

「まーた志貴様のトラウマになるだけな気もしますけれどね。カーナビになったあれのせいで」

「カーナビwwwwwwwwwwwwww」

「いやいやいやいや、今回はちゃんと遠野君と結ばれるから!見ててよー!」

 

いつの間にか現れた琥珀さんにそういった私。いやまあ、琥珀さんが突然現れるのはいつものことなんだけれども。でもまあ、あれだよねあれ。

 

「琥珀さんがしっかりまともだったよね。一枚絵だと」

「ヨヨヨ…ひどいわ、弓塚さん。まるで私がまともじゃないかのいいよう…」

「いや、マトモじゃないでしょ」

「マトモじゃないと思いますよ」

「マトモっていう言葉を辞書でお引きになって?」

 

リーズさん、シオン、白レンさんが一気につっこんでいきました。一番パンチラインがすごかったのは白レンさんだと思います。いわゆるラップバトルだったら割と盛り上がるレベルで。

レンさんが、うなずいていいのかうなずいちゃまずいのか、みたいな表情をしかけてるようなしかけてないような。いや、してないわ。レンさんはいつもどおりの表情だったわ。

 

「なんだろう、味方が居ない!翡翠ちゃんにいやしてもらいたい!」

「まあ、このメンバーで味方を求めようとしたのが失敗だったね、ドクター」

「そうそう、でも、まあ。私達は感謝もしてますよ」

「まあ、そうだね」

「……本当?」

「本当、本当」

「あっ、こらっ。調子に乗らすと!」

「まあ、そうですよねー。この琥珀ちゃんが居ないと皆さん困りますもんねー」

 

立ち直りが早い。というか、ちょっとうざかった。うん、これは白レンさんの言う通りあれだった。調子に乗らせてはいけなかった。

なんて思いながら、日々をすごしているのでした、と。



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第56羽

三咲町 路地裏。

 

「むー!!!むむぅーっっ!!!!!」

「ということで第三回、シエル可愛い大会を行いたいと思いまーす!」

「………………………」

「「「はい」」」

 

なんだか口にガムテームをはられた女の人を抱きかかえて現れた真祖、アルクェイド・ブリュンスタッドさんとレンさん。そして逆らったら死ぬ事がわかっているので、決して逆らわない私達、弓塚さつき、シオン、リーズバイフェさん。

あ、みなさんこんにちわ。約三ヶ月ぶりぐらいです、このSSの主人公、弓塚さつきです。

 

「むぅー!!!!むむぅううううううううううううううううううううううううう!!!」

「うっさい」

「むっっ」

 

無理やり連れられてきただろうに、抱えられてる状態から地面に落とされる女の人。哀れすぎる…。

 

「あ、あの、ノエル先生…?」

「なんだ、サツキ?知り合いか?」

「ああ、うん。リメイクで追加された、…代行者の一人で愛染ノエル先生。多分仮名だろうけれどね。…色々とだめな大人で、まあ、私ぐらいしか女生徒は優しくしてなかったかなあ」

「まあ、なんとなくそれはわかります。雰囲気で」

「むぉ………。むぇむぇむさん……」

 

痛くないようにガムテームを剥がしつつ、なんとかノエル先生を救出する私。この人どれだけあれか、っていうのはまあ、本編をやってもらうことにして。

 

「きいて…弓塚さん……。この吸血鬼、私が寝ているときに襲ってきてここまで連れてきたの…。ひどいと思わない…?」

「あー。そういうときもあります。多分、アルクェイドさんは遠野君とシエル先輩に素っ気なくされたのでは?」

「…………そういえば、ふたりとも忙しそうでした」

「先生は?」

「暇だったわ」

「だからだと思うよ」

「そんな……」

 

なにか、そんな事があるわけがない、とアルクェイドさんを見るノエル先生。だか、アルクェイドさんはニッコリ笑って。

 

「すごーい!さつきは名探偵か何かなの!?」

「いえ、なんでしょう。経験からくるなにか、です」

「15年以上だもんなあ…」

「そうですねえ…」

「そんなに長い間この吸血鬼放って置かれたの!?」

「退治しようにも、……地球壊れちゃいますし…」

「地球そのもの、だと思ってほしいわ」

「暴れたあとの話です」

「あー。うーんそこまで、そこまでやらないと思うけれど」

 

思わずリーズさんの顔を見やる私。なんだかとてもなにかいいたそうな顔をしているが、それを言ったらここで私達の命が終わる、みたいな雰囲気である。そして、私の顔を見るとなんだか悟ったように苦笑いを向けてくるのであった。

まあ、そうだよね。そういう反応しかないよね。

 

「ということでー!さつきが説明してくれたところではじめよー!第三回、シエル可愛い大会ー!」

「…ぇ」

 

ノエル先生が私達を見やる。まあ、そうだよね。ノエル先生からしたらなんとも言えないよね。でもここで、否定すると命がいくつあっても足りない、と言う顔をして首を振る。

 

「………………………はい……………」

 

なにか本能で悟ってくれたらしい、ノエル先生。よかった、よかった。

いやまあ、良かったのは私達だけでノエル先生は何も良くないだろうけれどね!

 

 

その後、アルクェイドさんの独壇場は夜明けまで続いた、とさ…。

 



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第57羽

半年以上ぶりになります。
書かないとモチベーションが上がらないですし…上げるぞ…上げるぞ…


「「ハッピバースデー、リーズさーん」」

「ハッピバースデートゥーミィーッ」

 

ということでお久しぶりです。このSSの主人公にして、月姫ヒロインの弓塚さつきです!

なんか毎回久しぶりって言ってる気がするのだけれども、なんでしょうね。うp主のやる気そんなないからですかね?

出せー、やる気出せー

 

「どうしたんだ、サツキ。私のめでたい日にそんな難しい顔して」

「ああうん、なんでもないの。ところでリーズさんって何歳になったの?」

「おおっと、それは乙女の秘密だぞ★」

 

可愛いポーズをしてそういったリーズさん。多分この後しつこく帰依たら4tパンチが飛んでくるやつだ。コワイ。

まあ、でもその、乙女にそういう話をするのはタブーだったよね、失敬失敬★ほら、私達乙女だし。つまり私の年齢を聞くことはタブーだぞ★

うーんなんかあれだ。こんなのりだったっけ?こんなのりだった気もするけどもうちょっと落ち着いてた気もする。

 

「それにしても、私達の長い付き合いでリーズさんをこういうふうにお祝いするのって初めて?」

「かもしれないな。なんだかんだいって私は忙しかったし」

「そうですね、なんかリーズがこの時期いるって珍しいですね」

「かもしれないなあ。あとは、そうだな…色々とあったからな、ここ最近」

「そういやリメイク去年だったね。私、ヒロインだったからね」

「あー、はいはい。ヒロインヒロイン」

「あー!シオン、なんだかおざなりぃ!」

 

プンスコ、する私。もう一年も立つんだねえ。いやはや、時が流れるのは早いというかなんというか。なんだかもうちょっと早く私の話が来そうだったけれどもうちょっとかかるかなあ。

いやでも、10年以上待った私達だからね、いつでもまつよ。待つのは得意だからね。

 

「メルブラの第二次追加メンバーは誰が来るんだろうなあ。私達くるといいなあ」

「主役ですからね、遅れてきても仕方ないですね」

「やっぱりそうだよね、主人公はおくれてくるもんだよね!」

「(こくこく)」

「そうですわね。真の主人公、この私が」

「白レンさんはないと思うよ?」

「なんでよぉ!」

 

ぷんすこする、いつの間にか来ていた白レンさん。いやほら、白レンさんはそのなんていうか。

 

「いい、白レンさんが来るっていうことは多分一緒にあのブサイクさんたちも来るんだよ?」

「かわいいじゃないか、あの猫たち」

「いや、可愛くないわよ。シオン、あなたの連れ添い大丈夫?」

「大丈夫、だと思います。…いえその、誕生日なのでちょっと浮かれているかもしれませんが」

「そうだそうだ。誕生日なんだぞ!私にあの猫たちを可愛がらせろ!」

「ダメです」

「嫌です」

「とっても嫌」

 

私、シオン、白レンさんに拒否られ、黒レンさんに肩のあたりをぽんぽん、と諦めるよう叩かれ、なんだかリーズさんがしょんぼりしてしまいました。

いやほら、いくら誕生日とは言えねえ…?

 

「まあ、いい、明日ドクターにあったらモフらせてもらうんだ」

「モフらせてもらうの…?」

「ああ、もちろんだとも。多分ドクターにならいいって言ってもらえるからな!」

 

なんだか明日、遠野家が大変なことになりそうだけど、私はいけないからなぁ、残念だなあ。

なんて思いながら、今日のリーズさんの誕生日を祝ったのでした。



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第58羽

「あの、その…アルクェイドさん?」

「ふふー、この人達は知ってるかな?」

「あ、えっと…弓塚さんだけ…」

 

あ、はい。アルクェイドさんが連れてきているのはマシュ・キリエライトさん。そして私はこのSSの主人公、弓塚さつきです。

えーとですね、私とマシュさんの出会いはその、今はもう手に入らないかもしれない私が出ている同人誌、「恋する吸血鬼」の描き下ろし分で書かれてます。…うん。なんとかして再販させるね!私の力で!なんとか!!!!!なんとかさせたい!!!!!!

まあ、それはおいといて。そうですね。マシュ・キリエライトさんは、もうこっちの住民ですもんね。アルクェイドさんは向こうへ行ってしまった感じはするけれど。その代わりマシュさんがきてくれました。

…いや、私は何をいっているのか。

 

「おお、そうか。私はリーズ・ストリンドヴァリ。そしてこちらは」

「シオン・エルトナム・アトラシアです。よろしくお願いします」

「リーズさんと、シオンさん…。シオンさん?」

「ああ、そうか。…これ、この空間だから言っておくけど、私はFGOをやっているからわかるぞ、その感覚」

「あ、やってらっしゃるんですね」

 

なんだか、嬉しそうに頷くマシュさん。。まあ、そうだよね。やってるって言われると嬉しいよね。わかるわかる。私も。

 

「サツキはまだ出てないだろう?」

「そうですよさつき」

「いやいやいや、出てる!月姫リメイクに私出てるからね!?というか心読まないで!?」

「あ、いえ、弓塚さん。さっきのは声に出てます」

「えっ」

「ちょい役では?」

「ちがうもん!…いや、何も違わないけれど、続編が出れば私ヒロインだもん!」

「そういうことにしておこうか」

「そうだねー」

 

私を撫でるマシュさん以外の三人。嫌なんだその余裕。見てろよ!すごい見てろよ!

いやほら、原作者によると他のヒロインを過去にするらしいからな!そうやって余裕ぶってられるのもいまのうちだぞ!

…と思ったところで口には出せないのです。多分口に出したら、私の体がFGOの敵見たく爆発四散しちゃう。いや、今回は本当に。思ってるだけです。

え?何度も爆発四散してるだろって?何を言っているんだね、君たちは。

 

「…ところで弓塚さん」

「はい?」

「あの、シオンさんと私の知ってるシオンさんとは、別人なんですよね?」

「そうだね。背大きいでしょ?」

「…あ、たしかに、ちょっと大人っぽいです。向こうも考え方は大人っぽいですけどどこか子供っぽさもあって」

「見てみたいなー」

「可愛いよ、相方の彼がいないと寝れないとかねー」

「あー、ネロさん」

「なんだシオン!私がいながら!」

「違いますー!あの私は私じゃありませんー!」

「なんだ、そうか」

「「いいんだ…」」

 

なんて思いながら、なぜ、ここにマシュさんが来たのか!それがわかるのは次回!

多分!わからない!次回もこんな感じでマシュさんを混ぜてのあれかもしれないけれど!

わかるといいな!



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