俺の一族がレアモンスターなんだが。 (鰹ふりかけ)
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最高の素材の一族

さてと懲りずにやってしまいました。
駄文ですが……よろしい直進だ!
という人は楽しんでいってください


さて、突然だが皆さんは転生と言うものを信じるかな?

 

おとぎ話?空想?大いに結構だ

 

だが、自分は信じている。

 

いや、信じざるを得ないと言った方が正しいのだろう

 

実際に一度経験しているのだから……

 

 

 

 

ある日、目を覚ますと知らない男女と知らない場所で一緒にいるのだ。

当然ながら驚き体を動かそうとしてさらに驚くべきことに自分が赤ん坊になっているのだから……

 

それから、暫く赤ん坊の時期を過ごしていろいろあって割愛するが

幼少になった頃には転生したということについては確信を持っていたがここがどんな世界かは分からなかった

しかし、ある情報によってそれは簡単に判明する。

 

この世界にはあの冬木市が存在しているのだ

 

 

すぐさまここがfateの世界だと理解するが、そこまで悲観してはいなかった

 

それは、ただ冬木に近づかないようようにすればいいからだ。あの魔境に居なければ裏の魔術師なんかに殺される可能性は隕石に当たって死ぬくらいの確率である。

 

自分はこのまま成長し勉学に励み就職してやがて死ぬ

ずっとそう思っていた………

 

 

 

 

 

 

 

この世界はそんな幻想すらも簡単に打ち砕く

 

暫くして自分が魔術師の一族だった事が判明したのだ

 

しかも、名家や一般の魔術師なら少しは救いがあっただろう。そう言える程に特殊な一族だった

 

言うならばメタルスライム。いや、メタルキングの方が妥当だろう

理由は簡単、有用過ぎるのだ

 

自分の一族は鉱石魔法や金属加工に優れていた

それも、普通のものではない。

一族は魔術回路が少ないが多すぎる魔力を保有して生まれてくる。

当然のことながら魔術回路が少ないので大規模な魔術は殆ど使えない。

 

なので、先祖は考えた…………

先祖は有り余る魔力を体の中で結晶化させ一生をかけて

成長させ、それをもって道具を作り魔術の根源へと至ろうとしたのだ

 

 

その結晶は神代のものに匹敵しほぼ魔法のようなものも行使できたそうだ

しかし、それは神秘が薄れた時代では最高の触媒となった。なってしまったのだ………

 

魔術師というのは基本自分の研究以外には興味がない他人がどうなっても自分が良ければそれでいいという人種だ。あと、外道が多い

そこに、最高の触媒が戦闘能力も低い状態でいる

 

狩られないはずがない

 

こうして、わが一族の獲物としての歴史が始まった

 

始めは結晶の成長した族長によって守られていたが。段々と狙ってくる魔術師の増加によって守りきれなくなっていき次第に魔術師がいない東へ東へと一族は逃亡を始めていく。安住の地を探して追っ手を振り切って長い年月をかけて旅を続け一部が魔術があまり発達していない日本へと到達した

 

しかし、過酷な旅路の中で得るものもあった。

各地を放浪することにより様々な技術を見た一族はそれらを統合させてより高度なものに昇華させたのだ。

 

日本は一族にとって楽園だった。

自分達を狙う魔術師も少なく得意な鉱石の加工や細工をきちんと評価してくれる。そこは安寧の地だった。

 

それから月日が流れる

文明の発達によって世界が近くなり

長い安寧にドップリと浸かっていた一族は再び危機に陥った。欧米の魔術師の襲来である。

当然ながらより発展した欧米魔術にガラパゴス状態の一族が敵うわけがない……

 

多くの一族が捕まり欧米へと連れて行かれ、やがて小数は息を潜めて生き残る事がでた

今では全国でこっそりと職人として生活している。

 

自分はその子孫に当たるらしい……

 

 

「絶望したーーーーーー自分の一族に絶望したーーーーーーーーーーー」

それを聞いたのがちょうど高校生だった。

転生のお陰で勉学もよくでき、前世の失敗から学んで世渡りもうまく行っていた所に超ド級の問題が降って湧いてきたのだ。

 

同時に今まで自分に鍛冶や金属細工を小さいな時から教えてこられた訳が分かった。

恐らく両親に何かあった時に一人で生きていけるようにしておきたかったのだろう

(ただの親バカだと思っていたが何故か指導の時はいつも殺気だっていた)

 

「昨日までは人生イージーモードだったのに今日からは難易度ルナティックモードだよ………」

お先真っ暗まさに今の自分にはぴったりである。何せこれから死ぬまで綱渡りが続くのだ。

そして、自分の目標だった社長や官僚等の目立つ職業には決してなれない。

 

目立つイコールどうぞ狩ってくださいである。

下手したらニュースに映るだけでもアウトの場合だって有るのだ(祖父はそれで捕まった)

 

「これからは、成績もほどほどにしてクラスでもあれ?居たんだって呼ばれるような存在にならなくては」

目指せ小市民である。

聞いた所によると一族そのものが半ば封印指定を受けているに等しいらしく

サーチアンドデストロイならぬサーチアンドキャッチ

捕まったら最後、絶対に逃げられず即ホルマリン漬けか地下での強制的魔道具作製、大穴で繁殖用の種馬である。

 

どちらにせよ二度と日の光は浴びれないだろう

 

 

「今日の晩御飯は何かなーーうっ!!」

そんなのんきなことをつぶやきながら家路につくがちょうど家の区画に入った時に異常な感覚を感じる。

同時に父親の言葉を思い出す。

 

(いいかい、もし何か異常だと感じたら直ぐに逃げろ!何がなんでもだ。どんな些細なことでもだ)

 

「くそっ」

その言葉に従ってもと来た道をゆっくりと何も気が付かないように歩きだし暫く離れたら全力で走る。

 

 

「はあはあっゲホゲホ」

生まれてこれだけ走ったのは初めてだろう。少し離れた駅の広場まで気が付けば来ていた。

途中からまるで自分の魂が警鐘を鳴らすような感じがして止まるに止まれなかった………今でも冷や汗が止まらない

 

 

「あれがもしかしたら人払いというやつか?」

違和感を感じるエリアでは人一人も見なかった。通常ならばそんな事はありえないのだ。今の時間は一人は帰宅中の学生がいるはずである。

しかし、原作の知識でそのような術があることを知っている恐らくは確定だろう。

 

 

「まさか、バレたか?」

人払いがされているということは魔術師がいるということである。偶然あの近くで魔術柄みの事件があったならば別だが父親の調査ではそんな兆候は全く無かった。

恐らく目的は自分達家族である

 

 

「……………」

もしそうだったら直ぐにこの街を離れなければならない家の中にはそういう決まりがあった。

確かに必要だが同時に家族との永遠の別れになる可能性がある。

昨日までの平和な生活が頭をよぎる

あの温かい家庭を捨て去るのが酷く辛かった。もしかしたら何かの間違えではと思ってしまう

 

 

 

希望的憶測は時には死を招くのだ………

 

 

「っ!!」

気が付くと回りの人が前よりも減っている。普段ならば帰宅する人で溢れる駅前が平日の昼間よりも少くなっている。

異常だ!

しかし、違和感は感じない。それでも魂は警鐘をならし続ける

 

 

「離れなくちゃ」

広場から去っていくと人にあくまでも自然体の形で去ろうとするが………

 

 

 

 

「貴方、まだ逃げられると思っているの?」

後ろから凛とした声でそう言われた。女性のようだ

その瞬間まるで全身が鉛のように重くなり指ひとつ動かせなくなる。

 

「貴方も難儀な星の元に生まれてきたものね……」

まるで憐れみと少しの同情が混ざったように呟きながら正面へと歩いてくる。

 

「はじめまして、人理継続保障機関カルデア所長オルガマリー・アニムスフィアと申します。輝石の一族さん」

薄れ行く意識の中で思う。よりによってfate/grand orderかよ…………

 

ばたんっ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




感想、指摘大募集


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輝石の旅路

毎日暑いですね主人公は魔術師いっぱいの冷や汗が出まくるカルデアにいますが
皆様も健康にはお気をつけください


夢を……見ている……………何度も見たことがある夢だ

一族の者が希にみることができる祖先の記憶を……

 

 

 

青銅と語り合い、石の声を聞く祖先が見える……祖先は錫と銅に形を与え用途の概念を刻み込む名人だった……

 

首に縄をかけられながらもルーン文字や銀細工の職人としてケルトの社会で大切にされる祖先がいた……

 

長く続くポリス同士の戦争で自分達の造った武器で人が傷つくのを見て悲しみ悩む祖先がいた………

 

ローマ帝国で石工として石像を制作する祖先がいる……彼の造り出した石像は大衆を魅了した…………

 

祖先の結晶(誇り)をもって魔術師と戦う若い一族の戦士達がいた……その力はまさに魔法だった………

 

一族を守るために自作の弩で魔術師に立ち向かう祖先がいた………彼は敗れたが一族は難を逃れた……

 

砂漠を旅する一族が……海を……………

段々と記憶は自分の時代へと近づいてくる。

いつもこうだ、夢では祖先と目線があい何かを呟かれる

 

しかし、今回は長い、長すぎる………

まるで何かを伝えようとしているかのようだ。

 

なんだ?自分に何を求めているんだ?

 

待ってくれ!何を伝えたいんだ?

 

 

 

「は!」

「気が付きましたか?先輩」

ぼやけた目で声の主を探す、そこには薄い桃色の髪の触れれば砕けてしまいそうな少女がいた。

 

マシュ・キリエライト……それがこの少女の名前

主人公のパートナーであり初めてのサーヴァントそれが彼女だ。さらに彼女には秘密があるが現時点では関係ないので伏せておく

 

「君は誰だ?」

ここで自分が彼女の事を知っている素振りを見せれば余計な警戒が生じてしまう

あくまでも知らぬ存ぜぬがいいだろう

 

「…………あまりに名前を言う機会が無かったものでなんて言えばいいのかわからないのですが、そういうわけにはいきませんね」

 

「本日付けで先輩の監視役に抜擢されたマシュ・キリエライトと言います。これからよろしくお願いします、先輩」

「………監視役?」

「はい、今日いきなり所長に呼び出されて〈彼を見張っておいて!いいかしら、絶対に逃がさないようにしなさい!〉って言われまして………」

恐らくここカルデアは標高6000メートルにある施設だ。決して一人では逃げ出せない。逃亡の危険は低いし彼女もカルデアからは絶対に出られない。それに自分の事を知って何か企むことのないマシュを選んだのだろう

 

「何で先輩?」

「先輩は先輩ですよ?」

「?」

「………ところで先輩は何故ここに?」

「突然白髪のわがまま女に誘拐されたんだ」

「…………所長がそんな事をするとは驚きです。私の知っている所長はそんな人ではないのですが。先輩は随分と凄い体験をなされたようですね」

いや、馴れてたぞ!絶対に常習犯だよあの人は。というより、それで通じていいのか?オルガマリー

 

そう思っていると自分の足元がモゾモゾと動く

 

「何ん(フォウッフォーーー)うぐ!」

「紹介が遅れました。こちらはカルデアを走り続ける謎生物のフォウさんです」

「フォウ!」

「リスみたいな?ウサギ?マシュなんなんだこの生物」

「フォウさんはフォウさんです」

「そうか」

これ以上言ってもループしそうだ

 

「フォウッ、フォウキュウーー」

「随分とフォウさんになつかれてますね」

「そうなのか?」

「はい、フォウさんが私以外になつくのはのは珍しいですよ。おめでとうございます。先輩はフォウさんお世話係第2号に就任です」

「監禁中じゃなければ喜べたんだけどね」

 

 

 

 

「………それでは何か御用が有れば呼んでください」

「フォウッ」

一人と一匹はそう言って部屋から出ていく

 

 

 

 

 

 

「……………」

さてと、これからの身の振り方を考えよう

 

現在の状況は最悪である

出口のない施設(標高6000メートル)に自分の天敵たる魔術師が大量に配置で自分を加工できる工房完備

青鬼よりひどいよこれ ………製作者にクレームをいれたいぐらいだ

 

しかも、fate/grandorder………

ストーリー上一度は人類世界が消滅してしまう。

しかも下手にまきこまれたら人外や幻獣がうろつく土地に一人でポーイも有り得る

 

え?そうなる前にレフを倒せって?

無理です。ガンド数発の行使にも苦労する一族に魔神の力を持った化物を倒せと?

カレー狂人でも呼んでください

 

 

 

「逃げ場が無い………」

なんと言うことだろう。自分にとって一番危険なところが世界で一番安全だなんて

死ぬのは御免だ。何とかして魔術師が大量にいるカルデアで生き延びなければ………

 

「そうだ、後ろ楯だ!!」

原作でもうっかりトッキーが使っていた方法だ。

権威のある魔術師の比護に入ることで身の安全を保障してもらう。確かに有効だ………しかし誰を相手にするのかと相手への見返りという問題が出てくる。

 

もし、仮にこちらが提示したメリットよりも自分の結晶の方が利益を得られる場合すぐさま加工される未来が待っている。

特に宝石魔術師には出会った時点であらゆる出来事よりも自分達一族は優先されるため加工エンドに直行であるし………

 

「だいたいカルデアにどんな魔術師がいるから知らないしなーー」

情報不足だ

どこかに簡単に恩が売れてなおかつ少しでも良心があって権威のある魔術師がいないものか……………

 

 

 

 

 

 

 

「あ!」

いるじゃないか!条件にピッタリな人物が

オルガマリー・アニムスフィア

自分を拉致った張本人であり時計台を統べる12人のロードのうちの一角アニムスフィア家の現当主

性格はプライドが高くて寂しがり屋

そしてヘタレ(ここ重要)

原作でも主人公を気遣っていたりして良心が見え隠れしていた。

 

さらにオルガマリーは原作でレフが仕掛けた爆弾テロによって死亡する。精神体としてレイシフトするが本体が死亡しているために死は免れないうえにレフによってカルデアスに放り込まれ無念を叫びつつ塵になる。

 

 

それを変える

 

 

「彼女を救う、それしかない!!」

彼女を助けて自分が有益だと証明する。そして、彼女の協力者さらには部下と成れればなおいい

 

幸にしてフォウさんお世話係第2号ということは主人公はまだ来ておらず。テロまでに時間がある。

 

 

 

 

 

何か対策を整えなければ

 




ifもしstaynightだったら

赤い悪魔「結晶♪お金儲け♪」

奥様は魔女「あら、こんな所にいい杖の材料が……」

虫爺「桜よりもこっちの方がよいかのう」

執行者「フラガラック!!」


……………あかん


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猿でもできるレフ教授暗殺計画(絶望)

いや、真面目にレフを抹殺しようとかんがえたが
あれ無理じゃね?

という訳でレフを抹殺して主人公が助かる未来ってあるのかな 絶望


オルガマリーを助ける

 

そのためには3つの関門を突発しなくてはならない

 

その一つがレフ・ライノールだ

レフ・ライノールいやレフ教授は緑のコートとシルクハットの紳士的で才能に溢れた人物である。

 

である………である…………

その本性は真っ黒一寸の光すらもない、原作でもここまでの外道はいないだろう。

というよりオルガマリーを殺害した張本人である。

 

 

「いっそもう殺るか?」

そもそもこいつが爆弾テロを起こしたうえに全ての元凶なんだよな。

はっきり言ってこいつを殺れば何もかもがうまくいく

 

 

後ろにいる親玉はグダ男かグダ子に丸投げすればいい

 

 

しかし、

「ダメだ………勝てる訳がない」

正面から戦って勝てるビジョンが見えん。

たとえ自分が銃や弓で狙撃したりしても死にそうにないし自家製の竜牙兵で囲んでも全部吹き飛ばしそうだし

特攻したとしても倒せるかどうか……

「サーヴァントじゃなきゃ無理だよあんなの」

 

 

「暗殺が一番現時点で最良かな?」

暗殺したっていいじゃないか、人間だもの

 

今のところは奴には接触はしていない。

 

奴がいくら魔術師として優れていたとしても、初対面の人間からの暗殺を防ぐのは難しいだろう。

 

さらに言うならば彼は原作で主人公を凡人だからという理由でテロの標的からわざと外しているのだ。

もし、仮に主人公を徹底的に潰しておけば奴の思うがままに世界はなっていたと思う。

 

奴には人を見る目がないのか?

いや、全ての人間が虫以下の存在として見えている可能性すらも有り得る。

 

ならば、自分は奴にとって自分は言葉を話す背景に過ぎず興味すらもわかないだろう

 

だからこそ可能性がある

 

「だけどねぇ」

ここでもし仮に奴の暗殺がうまくいったとしよう。毒殺、刺殺なんでもいい。

 

問題はその先にある地雷だ………

 

救出対象のオルガマリーはレフに対して依存とも言えるような信頼をしている。

そこに自分が彼女又は世界のために奴を暗殺したらどうなるだろうか………

 

「ねえ?起きてよレフ!何で?何でなの?何故貴方が死ななくちゃいけないの?許さない絶対に許さないレフを殺したのは誰なの!」

こうなる事が容易に想像できる。これでは本末転倒も甚だしい

 

加工エンドに一直線だ。

 

 

しかし、人理は救われる。

仮に自分が衛宮系男子ならば進んでするのだろう………だが、あいにく自分は自分の身が一番可愛いのだ。

爆発すると分かっている道を自ら進みたくはないだろ

 

何?奴が裏切るという証拠を集めて暴露すればいい?

 

それこそ無理だ。

奴はこのカルデアに目的のために少なくとも10年以上も前から潜伏しているのだ。

しかも、カルデアに必要な近未来観測レンズ・シバの技術を提供しており職員の中には彼を疑う者は皆無だろう

 

そこに構成員ですらない人間が奴はスパイだ!裏切り者だ!と声をあげても噂にもならない

 

そして、そこまでしている奴が分かりやすい証拠を残しているはずもない

 

それどころか 、それによって自分を危険と判断した奴が直接的または間接的に自分を亡き者にするのがおちだ

 

 

 

 

 

 

「あれ?詰んでね……自分が助かる道がない……」

 

 

 

 

 

 

 

気分を切り替えて次だ!

2つ目と3つ目は1つ目が突破不可の場合に出てくる問題だ

それは、いかにしてレフの爆弾からオルガマリーを守りそれを妨害してくるレフをどうするかだ

 

爆弾については自分が造った護符で何とかなると思う

しかし問題は後者ホントにどうしよう。

 

 

「まあ、そこは調べるとしてまずは護符の製作だ」

事前にマシュに頼み込みマシュ監視下のもとなら行動を許可されている。目指すは工房、自分の戦場だ!

 

 

「君が工房を使いたいという変わりものかい?」

工房に着くと直ぐに声をかけられる。

レオナルド・ダ・ヴィンチだ

「はい!」

「何故に自分の魔術工房を使わない?」

「自分には魔術の防壁や使い魔よりも溶鉱炉や研磨機の方が重要だからです」

「君とは仲良くできそうだよ、名も知らぬ魔術師さん」

「こちらこそ光栄です」

 

 

「先輩は何を造るつもりなんですか?」

「御守りだよ」

そう言って慣れた手つきで鉄を熱していき

 

そして、

 

「さあ、君は何に成りたい?」

そう言って手に強化をかけながら赤く光る金属を握る

 

「そうかい、それがいいんだね」

自分の魔力をゆっくりと金属に魔力を移しながら形を整えていく。

こうなれば簡単だ後は金属が望むままにしていくだけ

 

形が完成したら次に宝石に目一杯魔力を詰め込み表明にルーンを刻み金属に固定する。

 

「よし、完成」

「お見事です。先輩」

「実に興味深い!!」

気が付いたら見学者二人との距離が短くなっていた。

 

「どうしたんです?」

特にダ・ヴィンチちゃんの興奮具合が凄い

美女に詰め寄られるのは気分的にはかまわない、むしろうれしい(一人は精神が男だが)

 

「どうもこうもないよ!何故に君がそれを知っている?」

「何がですか?」

「ああ、言い直そう。君の今使った技術は本来は失われている物だ何故君が知っているんだい?」

「さあ、なぜでしょうか?」

 

 

「まあ、いいだろう人間は秘密があった方がおもしろい」

「そうしてくれるとうれしいです」

言えないよな………祖先が教えてくれましたなんて

 

 

「マシュこれあげるよ」

「いいんですか?こんな立派な物を……」

「もらっておけばいいじゃないか、きっとそれはマシュの役にたつさ」

「では、ありがたくいただきます。先輩!」

 

「そうそう、君これからこの工房好きに使っていいよ。ただし、作業を私に見せてくれるならね」

「いいですよ」

「いいのかい!そんなに簡単に決めて」

「はい、そんなに見ることはないと思いますが………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから一週間の後…………

 

 

おかしい、間違いなく彼は異質だ

なんと言えばいいのだろうか………技術の年代が違う

明らかに現代よりも古代の手法が多く使用されている。

なんと言うか、その時代を生きていたみたいだ……

 

「古代ルーン文字に魔導銀………これだけでも戦争が起こりかねないのに今度は空気中の魔力の結晶化って………何がしたいんだい君は?」

 

 

「よし、完成!」

「なんだい?それは」

「魔力駆動式のクロスボウです。矢じりは呪いを込めた魔力結晶でシャフトには魔導銀を使ってます。自身の魔力で自動装填して連射も出来ますよ」

「そうかい……」

「ついでに竜牙兵も作りました」

「はじめま(ギャーーー喋ったーーーー)」

「君は戦争にでもいくのかい…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




魔導銀………本作品オリジナルの素材
一族秘伝の比率の合金に時間をかけてゆっ
くりと魔力を込めてできる。
魔力伝達と魔力の蓄積に秀でている




閑話どうして主人公がそんな知識があるのか

主人公の結晶に宿る先祖
「なんだこれ?」

主人公の前世の記憶を発見
ガヤガヤ
「未来が、世界がヤバイ!」
ガヤガヤ
「鍛えなきゃ」

毎晩枕元に降臨
ガヤガヤ
「次、私ね!」
「いや、俺だ?」
「間をとってわしじゃな」
「「引っ込んでろ爺ーーーー」」

主人公(眠)「うーーん、うーーん」
(そこ、力が入っとらんぞ!)
(もっと金属を優しく扱え!)
(鎚の持ち方違ーーーーーーう)



「どうしたんですか先輩?」
「いや、この頃寝不足でね」




おまけ
一族危険度チェッカー
赤い悪魔
危険
↑ ┃宝石爺┃←絶望
┃ ┃時計台ロード┃←闇にのまれよ
┃ ┃封印指定執行者┃←詰んだな
┃ ┃ 宝石爺の弟子 ┃ ←┃運がよけば
┃ ┃ 時計台宝石魔術師 ┃←┃上と同じ
┃ ┃ 時計台一般魔術師 ┃←┃努力しだい
┃ ┃ 野良魔術師 ┃←┃上と同じ
↓ ┃ 学生魔術師(天才除く ┃←何とかなる
安心

注意
魔法生物も多すぎる我一族の魔力を感知して集中的に襲ってくるので注意すること
特に亡霊やスケルトンがこの傾向を持っています


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ドキ!骨と筋肉のマッスルカーニバル

はあ、ノリノリで書いたら変なのが生まれた
………どうしよう  
消すかも…………


「諸君!ついにこの時が来た!!」

 

「今日恐らく人類は滅んでしまうだろう」

 

「ならば、それを受け入れるか?」

 

「答えは否だ!!」

 

「もう死を怖れるのは嫌だ!我々は生きる!」

 

「しかし、相手は強敵だ!なら、諦めるか?」

 

「そんなことはありえない!我々は戦う!!」

 

「全ては未来のために!!」

 

「「「「「「オオオーーーーーーーーーー」」」」」

 

さて、質問を受け付けようか?

何をしているかって?演説さ!理由は彼等が喜ぶから

 

誰にだって?

 

竜牙兵にだよ

 

何?竜牙兵に見えないだって?

 

大丈夫、僕にも筋肉ムキムキのおっさんに見える

君は正常さ!

 

 

こうなった原因は今から5日前だ…………

 

 

 

 

 

魔術の中には竜牙兵と言うものがある

 

それは名が表すように簡単に言えば竜の牙から生まれた兵士で一種のゴーレムのような存在であり簡単に戦力が増やせる。魔女メディアが使っていたあれである。

しかし、多くは骨が組み合わさったような姿でサーヴァントはびこる戦場では耐久に難があってあまり役にたたないと思っていた

 

 

思っていたのだ…………

5日前、自分が寝ているとまたしても夢に先祖が現れたのだ。その祖先はトーガを纏っておりローマで石工をしていた人物で彼は自分に竜牙兵の作り方を教えてくれた。

 

翌日、彼の教え通りに試しに竜牙兵を作ってみた

 

竜の牙にbel l issimoと彫りこんで………工房の地面に投げた

 

すると

 

工房の地面から筋肉ムキムキのローマ風のおっさんが生えてきたのだ………………

うん、何かがおかしい

 

竜牙兵ってスケルトンみたい「おはようございますマスター」 うん?

 

「……………喋った?」

 

「はい」

 

自分には手に負えなかった。なので………

 

「助けてダ・ヴィンチちゃん!」

専門家の出番だ

 

「今度はどうした!何をやらかしたんだい……」

「こいつなんだけど……」

そう言って床から出てきた竜牙兵(仮)を見せる

「美しい!なんと言う筋肉と骨格の調和だ!筋肉も堅くもあり柔軟さがあり、なんてい「ていっ!」痛っ」

長くなりそうなのでカットする

「で、彼は誰なんだい?見ない顔だけど……」

「たぶん竜牙兵」

 

 

「…………はい?」

 

 

「竜牙兵?」

ダ・ヴィンチちゃんは竜牙兵(仮)を指差す

「たぶん……」

「詳しく話したまえ!!」

ここでダ・ヴィンチちゃんに先祖の事を抜いて今朝の出来事を話す。

 

 

「君の話が本当ならば彼は竜牙兵だ。検査によると彼は工房の床と同じ材質で構成されている。言わばゴーレムの一種と言って大丈夫だろう」

そうなのか

 

「でも人間っぽいのは?」

「竜牙兵の伝説では牙を投げられた地面から人間と同じような存在が生じている別に不思議ではないだろう」

「何でこうなったか分かる?」

「正直わからない………どうせ君の魔力の量がおかしいせいだとだと思うよ」

なんだかなげやりになってきたなダ・ヴィンチちゃん

「わかったありがとう」

「気を付けたまえ…………」

 

自室へと帰る途中

「意味がわからないよ!あんなの魔法に近い何かだ!どうやったらあんな風になるんだい………」

誰かの悩む声が聞こえたが気にしないでおいた。

誰にでも人生悩むこともあるのだろう

 

そして残り4日はずっと竜牙兵を作っていた。

 

 

こうして時間軸は現在に繋がる

 

 

 

マシュによると今日、カルデアに最後のマスター候補の新人が到着するそうだ勿論一般枠の募集だ

そして、大きな実験があるらしい………

 

「今日が決戦だ!」

オルガマリーにも自分が傑作だと思う火避けと守護の護符を渡しておいた。

造った時にダ・ヴィンチちゃんの顔がひきつっていたが何かあったんだろう

 

「よし!」

背中にクロスボウを背負い腰にはナイフとボルトと竜牙兵を入れたポーチを着ける。

 

「今頃、ぐだ男とロマンがあっているはずだ……」

そのあとに奴が行動を起こす。

結局奴……レフを止める手だては見つからず仕舞い

無理に突撃して犬死にするよりはオルガマリーを助けてぐだ男をサポートする方がいいだろう。

 

すまない………名も知らぬ魔師達よ自分の力では君たちを救うことはできない。

本当にすまない………

だが、最善は尽くそう

 

 

「ーーー!」

電気が切れた!

 

(緊急事態発生!中央管制室及び中央発電所で火災発生)

 

「いくぞ!待ってろ所長自分が必ず助ける」

退避を警告するアナウンスを無視してどんどんカルデアを進んでいく。目指すは中央管制室だ!

 

 

 

 

 

…………熱い………

……息もできない…………

…………体も動かない……………

………何が起きたの?このまま私は死んでしまの………

………御父様ふがいない娘で申し訳ありません……

 

「居たぞ!瓦礫の下敷きになっている!竜牙兵手伝ってくれ!」

 

あれ?体が楽に……誰かに抱き抱えられている………

 

「出血もないし呼吸も正常だ!良かった………護符が効いたみたいだ」

 

目が霞む………あなたは誰?……………

 

「畜生!もう隔壁が閉まってやがる!」

 

……………あなたは…………

 

「せめてでもオルガマリーだけでも………」

 

………あれ?何処かに入れられた………狭い………

 

「空いているコフィンはここだけか………」

 

………ここはコフィンの中の?…………

 

「はぁ、自分が一番って思っておきながらこのざまか………お互い無事ならまた会えますよ」

 

………待って!……………

 

(レイシフト開始まで3、2、1…全行程完了)

(ファーストオーダー 実証を開始します)

 

 

 

 

 

 

 

特異点F

炎上汚染都市冬木

 

 

 

頬を伝う風が熱い………

「何とか無事だったか…………」

回りを見ると炎に包まれた都市、そこには人の営みはなくただ死のみが溢れていた。

無事にレイシフトが成功したようである

 

「今日の自分は運がいいらしいな」

本来コフィンを使用せずにレイシフトを行うと高い確率で意味消失という現象が起きてしまう。

今回無事だったのは奇跡と言ってもいいだろう

 

「オルガマリーがいない?」

ここは物語性や運命というルールが存在しうる世界なのだ。

本来オルガマリーはレイシフトの才能がない。だが、なんとでもなってしまうのが型月の怖い所でもある。

例えば幽体離脱とか……ないよな?

 

もし仮にレイシフトに成功しても意味消失とか起こされてたら堪らないからコフィンに入れたが……来てないが一番なんだけどな

 

だが、余計な介入で原作みたいにバッドエンドの罠が機雷原のようにしかけられている可能性もある

 

ここは来ていると考えて行動しよう

 

ならばここにいない原因は……恐らく座標がずれてしまったのだろう。

そうなると、なるべく早く保護しなくてはいけない。

今までの苦労が水の泡にはしたくないからな

 

「グルルッ」

「その前にこいつらを何とかしないと」

気がつくと自分の回りにスケルトンが集まって来ている

彼はポーチから竜牙兵をばら蒔きクロスボウを構えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「先輩、あれはなんでしょうか?」

「さあ?」

具田修とマシュはレイシフトした地点から他の生存者の探索をスケルトンと戦いながら行っていた。

その途中で戦闘音が聞こえたので近づいてきたのだが…

 

「唸れ私の右ストレート!」

バコン!

「オオオラーーー私の上腕二頭筋を見よ!ラリアットーーーーーー」

ガコン!

「スケルトンから武器と服を奪えーーーーーー」

 

妙な白人の筋肉達がスケルトンを襲撃していたのだ

 

 

その筋肉の集団の中にマシュは見知った顔を見つける

 

「先輩!」

「俺?」

「違います先輩の先輩です」

マシュはそう言って筋肉に近づいていく

 

「ああ……マシュか」

「先輩どうしてここに?」

「なあにちょっと巻き込まれただけさ」

「どうしてそうなったかわかりませんが、彼等はなんなんですか?」

「竜牙兵」

 

「はい?先輩何を言っているかわからないのですが…」

「マシュ!世の中にはわからない方が良いこともあるんだよ」

「わかりました、今はそうします。その代わりに落ち着いたらキチンと話してもらいます」

「そうしてくれるとうれしい」

「先輩は何をしているんですか?」

「所長の捜索だよ」

「所長がここにいるのですか?」

「たぶん、けど全然見つからないんだ……マシュは見なかった?」

「こちらも所長どころか生存者一人すらも発見できていません」

「そうかい。ところで彼は?」

「あっ紹介します。私のマスターの具田修さんです」

「はじめまして」

「君がマシュのマスターかい?なら、もしマシュを悲しませる事が有ったらあの中にほうり込んでやる!」

 

そう言って筋肉を見せ合っている竜牙兵を指差す

 

「肝に命じます」

「ならばよし!」

 

 

 

それにしても所長は何処なんだ…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




おまけ
ローマ帝国石工の祖先
ローマ帝国で石像を作っていた先祖
当時のローマでは石像とは神を彫るためのものであり死後に神となった指導者ぐらいしか作られなかった。
しかし、例外として古代オリンピックの優勝者は石像として残された。
まあ、ダ・ヴィンチちゃんの同類
ひたすらオリンピック優勝者の肉体美を再現することに人生を捧げたらしい
ちなみにbel l issimoとはギリシャ語で最も美しい男
竜牙兵の元凶

一度大衆が石像に魅了され過ぎて婚姻率の著しい低下を引き起こし都市が機能不能寸前まで追い込んだ事がある



竜牙兵(筋肉)
主人公に宿る先祖の執念と契約者である主人公の魔力の多さによって肉付きがよくなった…魔法に近いなにか
牙の投げられた地面の素材で構成されて生えてくる
現在はローマ風
かってに喋る主人公のsan値も下がる(君達は全裸の筋肉ムキムキの男をずっと見てて楽しいかい?)
生えてくるときは基本的に全裸




サーバントヒント
ローマ
天性の肉体(石工(^^)d
男性
サーバント召喚には縁も関係します


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この木なんの木 気に(ローマだ!)

ローマのサーヴァントの扱いが酷すぎるように思うの
いくら何でもなーーーあれは酷すぎる





感想や指摘を書いていただけると作者がYのポーズになります


「所長が見つからない………コフィンに入ってても無傷だからこっちに来てるなら居るはずなんだけど」

先程から竜牙兵を四方八方にやって捜索させているだが全くなんの手がかりもない。

 

 

もし仮にオルガマリーが居て放置が続けることになれば…………

 

 

 

テレレレレレーーーーテーテーテーテレレーーーー

魔物の群れが現れた

 

スケルトン(A)

スケルトン(B)

スケルトン(オルガマリー)

 

あかんやつや………

 

「探せーーー!所長が隠れてそうな穴とか隙間も見逃すなーーーーーー」

ポーチから追加の竜牙兵を撒きながら指示する

 

「…………先輩?」

「どうしたマシュ!」

「私には筋肉さん達がスケルトンに向かっているようにしか見えないのですが……」

「はい?」

慌てて荷物から望遠鏡を取りだし竜牙兵の様子を見る

 

 

 

「スケルトンが居たぞ!ーーーーー」

「「「「「「「殺せーーーーーー」」」」」」」

 

「骨だけの体で我らに向かってくるとは笑止!」

「消えるまえに筋肉の素晴らしさを教えてやろうぞ!」

「兄弟よ力を貸そうか?」

「ありがたい!喰らえジャーマンスープレックス!」

バコン!

 

「お前らーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

 

 

 

いろいろあったが…………

 

 

「見つかったぞーーーーーーー」

やっぱり居たらしい

暫くして竜牙兵に担がれて所長が姿を見せる

目立った外傷はなく無事なようだ。

 

「何処に居たんだ?」

「橋げたの陰で丸まってました」

所長…………

 

「で、何をやったらこうなる!」

「嫌ーーーー!食べないでーーーー私なんて美味しくないからーーーー。来て、助けてよレフ!いつだって貴方だけが助けてくれたじゃない!」

見事な錯乱ぷりです

 

「特に何もしておりません」

「そうか……マシュお願い」

「はい!」

 

「しっかりしてください!オルガマリー所長!」

「マシュ!何で貴女がここに?それにその姿……」

「これは……」

「わかってる。サーヴァントとの融合デミ・サーヴァントでしょ見れば分かるわ。それよりも!」

「いきなりこんなところに放り出されるし!怪物はいっぱいいるし!さっきなんて全裸の筋肉の化物に連れて行かれそうになったし」

それが原因か…

「所長それが……」

 

竜牙兵達「やあ!」

「………キャーーーーーーー」

 

「で、何で貴方もいるの?」

一通り具田修……略してぐだ男とマシュと言い合いをした後にその矛先がこちらに向かって来た

 

「サイレンが鳴った後に避難しようとして巻き込まれました」

コレが一番現実的な理由だろう

 

「貴方もつくづく不運とゆうか間抜ね」

そこまで言う必要はなくね。泣くぞ

 

「この筋肉達は何?」

「竜牙兵」

「は?」

もう慣れました………

 

「じゃあ?貴方は魔法に近い事をそんな片手間にやったの?………ねえ冗談でいってる。そうよね?」

この人全然信じてないな………

 

「まあ、いいわ。私が居るからにはこれからは私の指示にしたがってもらいます。いいですね?」

「はい」

とりあえず今はしたがっておいたほうがいいだろう

 

「じゃあ、まずは拠点の設置ね………」

 

 

その後召喚サークルを設置し終えてカルデアとの通信が回復したのだが………

 

「それにしても所長あの爆発の中のよく無事でしたね」

 

「ええ、レフが助けてくれたと思うの!」

 

「そのレフ教授なんですがこちらに姿がありません」

 

「じゃあレフもこっちにいるの?じゃあ早く合流しなくちゃ。レフが居ればもう安心よ!」

 

 

なんじゃそりゃ………これは酷い………

やめろ!竜牙兵悲しそうな顔で肩をポンポンするんじゃない!

 

しかし、どうしたものか………このままオルガマリーがレフに接触しようものなら高確率でカルデアスミキサーにかけてられてしまう。

かといってここで「それはやめておいた方がよいのでは」と言おうものもなら「貴方にレフの何が分かるの!」で聞く耳すらもってくれないだろう。

 

おのれ!レフめ貴様はどれだけ邪魔になるんだ!

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

それから暫く町の探索をしていたのだが…………

 

「ダメだ!ボルトが当たらない!」

「あの細腕になんであんな力が出るんだ……」

「槍でも剣でもいい!何か投げて奴の足を止めろ!」

「奴を止めろーーーーーーー」

目下敵シャドウサーヴァントと交戦していた

 

「正直サーヴァントをなめていた………」

町を捜索中に敵シャドウサーヴァントと遭遇する

本来ならば出会うのは1体のみのはずだがそこには2体目がいたのだ。

オルガマリーはすぐさま撤退を指示するが、当然ながら人の足では逃げきれない。

案の定すぐに捕捉されて追い付かれた。

マシュが片方を担当しているがご覧のように竜牙兵では相手にならない。

いや、足止めできているだけでも十分に凄いのだが……

えっ所長?所長なら壁の裏で震えてるよ

 

 

「やっぱりサーヴァントはサーヴァントでしか倒せないか……」

そう言ってポーチから竜牙兵のスケルトン殲滅の副産物である聖晶石を取り出す。数はきっちり4つだ

 

 

「頼むぞ!概念武装なんて出たら本気で死ぬから」

普段信じているとは胸を張って言えないが神に祈る

サーヴァントは触媒や縁によって召喚される人物が決定するという

どんな英雄が出てくるんだろうと期待しながらどんどんと光輝く魔方陣を見つめる。

 

 

 

 

やがて現れたのは…………

引き締まった褐色の肉体

思わず平伏したくなるプレッシャー

真紅の木を表すような槍をもった

ローマを守護する一柱

 

「ローマ(私)がローマだ!」

 

ローマ帝国を建国した偉大なる神祖ロムルスだった

 

「マスター逃げてください!」

直後に竜牙兵の悲鳴のような声が聞こえてくる

防衛線が突破されたようだ

恐らくはサーヴァントの気配を感じ取りそのマスターを狙ってきたのだろう

 

 

しかし、

「ローマ!」

こちらに来たシャドウサーヴァントはロムルスに切り伏せられて光の粒となって散っていく

 

敵シャドウサーヴァントが完全に消失したのを確認してロムルスがこちらに近寄ってくる

「お前からローマを感じる」

いや、確かにローマ帝国に祖先が居たみたいだけれど

 

「お前はローマか?」

「…………」

「いやローマだ!」

「偉大なる神祖よどうか……お力をお貸しください」

「ローマはなぜ戦う?」

「世界の未来のために!」

「世界こそローマ。ローマもまた世界なのだ……」

「では!」

「いくぞ!ローマのために」

良かった戦ってくれるみたいだ。それにまともなサーヴァントが出てくれて………安心した

ロムルスは世界の誰よりも世界を愛しそのありのままを受け入れる。このfate世界でトップクラスの良識があるサーヴァントだ

出会ってからすぐにこの御方なら最後まで戦えるそう思えるぐらいだ

これで戦って行けるレフをぶっつぶせる!!

 

 

 

戦闘が終わり無事だった竜牙兵が集まってくる。

しかし、様子がおかしい………

「このもの達は?」

「私が造った竜牙兵です」

「ならば!ローマから生まれたこのもの達もまたローマだ!」

 

「ローマはローマが好きか?」

「それもまたローマ」

 

「ローマに栄光あれ!」

 

「「「「「「ローマ万歳ーーーーーーー」」」」」」

 

「ローマ!」

「ローマ!」

「ローマ!」

「ローマ!」

「ローマ!」

 

 

………あれ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ローマ万歳
おまけ
ロムルス
ローマ帝国の建国王にしてローマの守護神
偉大なるローマを建国した御方
ローマによって産み出された学問、技術、文化はこの人によって始まったといっても過言ではない
今の人類史の基礎はこの人が創った
偉大なるローマだ!
…………偉大過ぎてなんとも言葉にできない
とにかくローマ
偉大過ぎて竜牙兵がおかしくなるくらいローマ



そこのポーズを馬鹿にした奴今日は朝までロムルス様の偉大さを語ってやるby石工







閑話


英霊トーサカ
「ずっと英霊の座で待機していました………」

英霊エミヤ
「ぷすぷす」(何とか止められたか)

ありがとうエミヤ、君の戦いを私は決して忘れない










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やろう、ぶっころしてやる!(逆恨み)

書こうとすればするほどにレフが邪魔になってくるんだが………しかしどうやっても抹殺するのが不自然になりそのようなルートが書けない


こんなに作者の殺意を受けているのに死なないレフって一体………


なんか微妙書き直すかも


「………先輩」

「マシュ何も言うな……」

「でも………」

「いいんだ………」

 

「只今のレスリングの試合の結果、優勝は竜牙兵fだ」

 

「「「「オオオオーーーーーーーーー」」」」

「おめでとーーーーー」

「いい筋肉だった兄弟よ!」

「ベルッスーーーーーーーーーーーーーー」

 

「優勝者にはロムルス様よりオリーブの冠が授与されます」

 

 

「実にローマである!」

「ありがとうございます!」

 

「「「「「「ワーーーーーーーー」」」」

 

なんぞこれ………もう一度言うなんぞこれ………

 

 

 

事の始まりはロムルスを召喚した後のすぐだ………

 

突然ロムルスが虚空を見つめ始め

「まことに遠き場所よりローマを感じる!」と叫びいきなりやり始めたのだ………

そこにおかしくなった竜牙兵が加わり今に至る

 

所長?はじめのころにロムルスに「貴方ふざけての?」と直談判しに行って途中で竜牙兵数名にどっかに担がれて行ったよ………

 

あと、円盤投げの試合の後に魔術師兄貴が「よう、お前らおもしろそうなことしてんな!まぜろや」と槍投げに飛び入り参加して見事に優勝している。

 

ちなみに円盤投げはマシュが優勝した

 

ロムルスに急ぐよう言ったのだが………

「これは実にローマであり神聖なものだ。終わるまで何人たりとも戦う事は許されぬ。これはローマなのだ!」

だ、そうだ

幸いにもこの特異点では特に時間に限りは無いため放っておいたのだが

 

それから一週間が経過し………ひとつ変化が起きていた…………

 

それは、

「有りました!桃の缶詰です!」

「よくやったマシュ!」

「先輩!こっちに乾パンが有りました!」

「ぐだ男もよくやった!」

「だが、自分には及ばないな………見ろ!」

「「コンビーフだ!ーーーーーーー」」

「所長は?」

「私は水よ!」

「「「おおおーー」」」

 

 

食糧の不足である

 

カルデアはレフの爆弾によって半ば機能停止状態で補給を受け取ることもできず。

自分の持ってきた携帯食糧もとうに尽きた………生きるためには焼けた廃墟から辛うじて無事な食糧を漁り食べて余計な体力を使わないように横になる……

 

そこには、真横で行われている華やかな競技とは真逆な光景が広がっていた。

 

「フォウさんて美味しそうだな………」

「フォフォフォフォーーーーーーーウ!」

「やめろ!ぐだ男ーー隠していたクッキーあげるから」

「先輩!」

「どうして私がこんな目に………」

ダメだ………空腹でぐだ男がおかしくなった。

 

だが、競技はさっきで最後だ!

 

こうなったのもレフが悪い!

空腹でひもじいのも計画がうまくいかないのも人類が滅んだのも………全て、全てレフが悪い!

 

レフ許すまじ!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

一人レフに対して呪詛を呟いているとは後ろから魔術師兄貴が近づいてくる。

「よう、あんた凄いな?」

「………何が?」

「あんな竜牙兵俺は見た事がない」

そう言って兄貴はオリーブの冠を着けた竜牙兵を讃える竜牙兵達を指差す

「そうか……」

「ああ、あれは俺でも真似は簡単にはできない。だがな………」

兄貴は杖を自分に突きつける

「何を!」

「何でお前があれを知っている?」

「あれとは?」

「惚けるな!!あの嬢ちゃんの首の護符。お前が造ったんだろ?お前の魔力がきっちり染み付いていた」

「それが何か?」

「あれは俺の使っているルーンに近い奴だ。それもとびきりな!」

「お前は何者だ!何で今の魔術師が知っている?」

 

 

「………………はい?」

「まさか気付いてなかったのか………ん?」

そして兄貴は少し頭をひねる

「膨大な魔力、高度な鍛治技術とルーン術、そしてこの反応………まさか!いやそんなはずは……」

何か思いついたようだ

「まさかお前……………体の何処かに結晶を持ってたりするか?」

 

「…………イヤ、ソンナコトナイデスヨ」

「………マジかよ……なら全て納得だ」

 

「昔な………高度なルーンや銀製品をポンポン造ってはパンと同じ位の銀と交換する奴がいてな……そいつのお陰で戦争が起きかけたりもしたんだ」

「ヘエーーー」

なんだろう嫌な予感が………

「そいつにはな、体の中に魔力結晶があったんだよ」

「へーヨノナカニハソンナカタモイルノデスネ」

 

「いや、もう分かったから。誤魔化そうとするな………まさか子孫が生きているとはな…………とっくに絶滅してるもんだと思ってたんだ」

「まあ、味方にしたら頼もしいよろしくな!」

兄貴が手を差し伸べてくる………自分はその手を握った。すると

 

「契約完了だな。うん?ウオオオオオーーーーーーー力が魔力が溢れてくるぜぇーーーーーーー」

突然叫び出した

 

「思った通りだやはりあったかマスターの才能が、いやそれだけじゃねぇ魔力回路以外の全てが揃ってやがる」

「今の俺は誰にも負ける気がしないぜ!」

どうやら兄貴がパワーアップしたようだ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「状況はわかりました。ではそのセイバーを倒せばこの聖杯戦争は終了。そして、この異変も終息すると」

「ああ、恐らく間違っちゃいねーな」

「それではセイバーの撃破を最優先目的とします。それよりも!」

「何で部外者の貴方がまたかってにサーヴァントと契約しているの?しかも、適正が最良とか何?私に対する当て付けなの?責任もなく大した魔術も使えない野良の癖に」

ゲシゲシ

痛い!痛い!

 

「おう、嬢ちゃんそのへんにしておいてくれ。仮だが俺のマスターなんだが………」

「わかったわよ!」

 

 

「マスターも損な役回りをするな……まあ、本人が言わないなら文句はないが……」

「ああ、ありがとう」

「でもどうしてあの嬢ちゃんを守るんだ?まさか………惚れたのか?」

「それはない!」

「そうかい?まあ、お前達の考えていることはよくわからないからな………」

まあ、もともと利用しようとしてたんだが………途中から見捨てられなくなってね

 

「愛、それもまたローマだ!」

振り返ると先程まで騒いでいた竜牙兵達が元に戻っている。その中からロムルスが出てくる。

 

「家を守る事がローマの女の美徳、男はローマと女を守る事が義務なのだ!ローマは実にローマである」

ロムルスは自分の肩に手を置きそして激励をしてくる

 

「ローマは素晴らしい!いつかローマの魅力に必ず答えるそれが、ローマなのだ!」

………だから違うって

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、怒りのレフ討伐

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




おまけ
古代ケルトの祖先
この頃から一族は鍛治で生計を立てていた
ルーン魔術が得意で一族の鍛治技術と合体させた高度な魔道具や銀製品をポンポン造り出す。
そして、それを善意で安く交換していたようだ
しかし、その道具に見合う銀が足りず銀の不足や他の銀製品の価値の下落を引き起こしてしまい
最終的に経済を破壊する古代の経済兵器と化している
たとえ捕まえてもこいつを狙っている周辺国から袋叩きにされるために下手な事ができない
歩く災厄。しかし、本人に悪気はない














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カピトリヌスの丘に舞う緑コート

二つに別けようとしたら。なんか変になってしまい仕方なく1つにまとめたらこんなになっちゃった……

ちょくちょく修正します


さて、マシュの訓練があったりスケルトンを見つけて竜牙兵が暴走したりといろいろあったが無事に大聖杯のある空洞にたどり着き

 

空洞に突入したはいいのだが………

今度は本家竜牙兵と竜牙兵(筋肉)の戦いが始まった

 

「喰らえ!我が筋肉によるアンクルホールド!」

「カタカタ」

 

「筋肉がない状態でありながらこの力!素晴らしい」

「カタカタ!カタ」

「何?貴様の筋肉と私の魔力どちらが勝つか?だとよかろう勝負だ宿敵よ!」

 

「一度バラバラになって私の攻撃を避けただと!」

「カタ……カタカタ」

「いや恥ずべき事は何もない!こちらも全力を出すまでだ!」

「カタカタ!」

 

「お前ら武器を使えや!ーーーあと何普通に会話してるんだ!ーーーーーーー」

「先輩………突っ込むだけ無駄だと思います」

「そうだよね……」

暫くすれば収まるはずだ。まあ、あんな成りだけれどもそこらの雑魚には圧勝してるし大丈夫だろう

しかし、相手は魔女メディアがつくった竜牙兵だしな…

と言いつつ観戦する

 

 

 

 

「宿敵よ!再び会わんときには兄弟として会おうぞ!」

どうやら決着がついたようだ。

いろいろ言いたい事があるが自分の為に戦ってくれたのには変わらない。笑顔で帰ってくる骨と筋肉を迎える

…………ん? 骨と筋肉?

 

イヤーいい試合だったなーみたいな空気を出すなお前ら

 

「何でいる?」

「帰る所がないらしくて……」

「らしくて……じゃないよ何で拾ってきたんだ!」

こら、そこの本家竜牙兵捨てられた子犬のような雰囲気を出すな!というかどうやって感情表現してんだよ

拾わないぞ!ダンボールに骨が入っていても

 

「ローマよ!別によいではないか。我にもかつては敵だった友がいた!」

「まあ、一度は殺しあってできる仲間もいるさ」

一方こちらは古代の英雄達、思考回路が見事に古代のまんまですありがとうございます。

その後、筋肉の圧力とサーヴァントに負けた訳だが

まあ、メディアさんがとっくの昔に脱落してる為に魔力が尽きれば元の牙に戻ってしまうらしくこれからどうしたらいいか………と思ってたらしい(翻訳)

 

だが、

「そんな魔術知らないぞ……」

そう、自分は鉱石魔術はできるのだがそれ以外がさっぱりで契約についてはからっきしなのだ

「……ということで任せたキャスター」

なので丸投げである

「まあ、俺も言い出したからな……ほらよ!あの魔女がいなけりゃ簡単だな」

さすが困った時の万能ルーン兄貴!

 

「やったな!新たな兄弟よ!」

「カタカタ!」

至る所で号泣する筋肉と骨が抱き合う謎の光景が発生する。いや、好んで見たくはないのだが……とにかくシュールだ

それからは本家竜牙兵を見かけたら仲間に誘いながら大聖杯へと前進していく

まあ、戦力が増えていいけど

 

 

「なんだ……貴様らは」

「通りすがりの一般人一行ですが」

「そんなわけがあるか!どこに骨と筋肉の大群を引き連れて歩く一般人がいる!キャスター!これはお前の仕業か?」

「一部はそうかもしれないが……基本は関わってないな」

「そうか……ならば!」

そう言ってアーチャーは自分に向かって矢を放った

 

「聖杯戦争では厄介なマスターを叩くのが定石だ!」

「……て俺?」

「ローマ!」ガキン

アーチャーの矢は自分を狙ってくるがその矢は当たる前にロムルスによって弾かれる。

「何者だ!」

「ローマはローマである!」

「また意味がわからないのが………」

「お前はローマか?」

「何をいっている!」

まあ、初対面だったらそうなるよね

 

「先輩!もうやりましょう!」

「ああ、それがいい」

「少し待っ「セプテム!」ゴフォ」

ああ………アーチャーが目の前で三人によってリンチにあっている。ロムルスなんて相性的には最悪なのに

原作でも苦労人だったがこれは

「…………なんでさ」

あっ消えた

 

ここはあの台詞を…

「アーチャーが死んだ!この人でなし!」

「何いってるんですか先輩いきますよ……」

「はい」

……誰かまともに話せる人がほしいと言ってるうちに

ようやく大聖杯にたどり着く

「おーいみんな戻れーーー」

セイバー戦前に竜牙兵達を牙の状態に戻してポーチにしまう。同時に武器を纏める

「筋肉さん達を戻してしまうのですか先輩?」

「ああ、相手はあのアーサー王どんな強力な攻撃がくるか分からないからな」

エクスカリバーって対城宝具だしな

「そういえばそうですね」

所長とぐだ男が休憩している中、地面に落ちた牙を広い集めて最後に簡単な秘密武器をつくっておく。まあ、後々必要になるだろう奇策だけどな……

 

 

 

「これが大聖杯……超抜級の魔術炉心じゃない!なんで極東の島国にこんな物が……」

ゴツゴツした岩肌に汚く明るい天井と光の柱ここは人が嫌悪感しか抱けない呪いの大釜

 

そこには黒くなったセイバーが一人立っていた

セイバー・オルタだ

セイバーとは違い黒くなった鎧そして全てを見通すような冷たい目…間違いない

 

セイバーから放たれるプレッシャーは今までよりも格段に強くあらためて英霊というものが規格外の存在である事を教えてくれる。

 

「ゴクリ……」

プレッシャーに押されて思わず後退してしまいそうになる。そんな自分の前にロムルスと兄貴が自分を守るように立った

 

「マスター臆するなよ!」

「ローマはローマのままでよい……今までと同じ胸を張って戦に臨むのだ!」

大きかった彼等の背中がさらに大きく見えた

 

やがて、セイバーはマシュを見て笑い剣に手をかける

 

「でかいのがくるぞ!」

兄貴がそう叫ぶと同時にセイバーの剣に黒、いや光すら通さないような闇が集まってくる。

そして

「エクスカリバー・モルガン!!!!!」

セイバーの掛け声と共に剣を降り下ろし、こちらに闇の奔流が向かってくる

それを、

「宝具、展開します!」

マシュの宝具が防ぐ。

しかし、

「………ダメだ少しずつ押されてる」

マシュの宝具による結界が少しずつ後退しているのが分かる。

「相変わらずのバカみたいな力だ、何か手を打たないと全員闇に飲み込まれるぞ!」

兄貴の珍しい焦った声を聞き何かしらの方法を考えようとするが

(クロスボウ……ダメだ結界を抜けた瞬間消し炭だ。竜牙兵……無理だ。この威力だとセイバーに近寄る前にバラバラになる。ナイフもダメだ。閃光爆弾効くか?あのセイバーに…………打つ手なしか)

ならば、「所長!何か手はあり………」

そこで見たのは自分の背中にしがみつき顔を隠してプルプル震える所長の姿だった。

 

ダメだ……もうおしまいだ……

 

その時、

「せめて、奴の注意が逸れせればな………」

兄貴の呟きが耳に入った

「少しでも注意を逸らせればいいんだな!」

兄貴の肩に手を置き確認する。

「ああ、逸れた瞬間に俺の宝具を当ててやる!」

ならば、ぴったりの物がある。

慌てて自分の荷物をかき回して底にあった物を取り出す

「そりゃ……」

兄貴は自分の取り出した物に驚く

それは一見ただの使い捨て打ち上げ花火に見える

「ふざけてる余裕はないぞマスター!」

「いいから集中しろ!」

キャスターの声を遮りそう言って自分は花火をセイバーとは反対の方に向け

「いいか!マシュ、キャスター絶対に驚くな!こいつは無害だ絶対に何もしない!いいな!」

マシュとキャスターが頷くのを確認して導火線に火をつける

「発射!」

花火筒から花火が飛び出してヒュルルーーーとこの場にそぐわない音を出して飛んでいく

そして、突然花火の飛んでいった方向から膨大な存在感が発せられた。それは向こうにあたかも巨大な何かが蠢いているような感じをさせる

 

虚栄の花火……それがこの道具の名前

もとは工房にあった虚栄の塵を加工して花火に詰めた物で使用すると数分の飛翔後に塵が爆発によって拡散してそこにありもしない大きな虚栄の存在感を出す。それだけ、殺傷能力は皆無であり塵も自然と消える。

環境に優しいね

 

「!」

セイバーがそれにつられて宝具の向き先を気配のする方向にをずらした

 

「今だ!キャスターーーーーーーー」

「おうよ!焼き尽くせ!木々の巨人 ウィッカーマン!」

キャスターの宝具がセイバーに直撃してセイバーの宝具が消える。それからは早かった。三人の攻撃によりあまりにもアッサリとセイバーは倒れた

そして、「グランドオーダー」という言葉を残して消える。同時に兄貴との別れも訪れた

 

「おっと、もうお別れかよ…楽しかったぜまた会おう」

そう短く話し兄貴は還っていった。

 

そして、マシュ達が勝利を喜んでいる中ずっと聖杯がある場所を見つめる。

自然とクロスボウを握る力が強くなる。

そう自分にとってはこれからが本当の戦いなのだから

 

 

 

やがて、マシュが聖杯を回収しようとした時奴が現れる

 

「まさか君達がここまでやるなんてね。と言いたいところだが、そもそも計画外の異分子が入り込んでいる時点で私の想定を外れているからね」

緑のシルクハットにコートそしてにこやかな笑顔……カルデアの顧問レフだ……

 

「レフ!レフ!なのね良かった本当に(ピュン)え?」

レフにまるではぐれた親を見つけた子供のように近づいて行こうとするオルガマリーの前にまずボルトを撃ち込み。そしてクロスボウの照準を彼に定める

 

「貴方!いったい何「黙ってろ!」

「おやおや、そこの君は気付いているみたいだね。全く無駄なことなのに……」

「黙れ外道!この裏切り者め!」

「それがなんだって言うんだい、もともと私は君達と同じ下等な生物ではないのだよ。人間がいくら死のうが泣こうが何も感じない。それどころか笑いが止まらないよ。実に滑稽だ」

「レフ?」

「マリー、君はとても愚かだ。だからこそ君がもがいているのを見ているのがとても面白い」

「嘘よ!レフあなただけがいつも助けてくれたじゃない!この前も私を燃えるカルデアの中から助けてくれたでしょ!」

「何をいっているんだいマリー、君はもう死んでいるのだよ。正確に言えば体は木っ端微塵で精神だけがこちらに来ているんだ……つまり君はカルデアに帰れない。いや、帰った時点で精神は消滅する。まあ同じか」

「うそ……」

「本当だよマリー、なんたって君の真下に爆弾を置いたからね。全く笑いが止まらない」

「何で?何でそんな事を言うの?嘘よね?」

「特別に今のカルデアを見せてあげよう」

「カルデアスが真っ赤……あれは虚像よね?そうだと言ってよ!」

「いや、本物だよ。せっかく君の為に時空を繋げたんだもっとよく見たまえ。これが君の目指した物だよ」

「………嘘。あれ、体が宙に、何かに引っ張られる!」

「いっただろう。そこは今、カルデアに繋がっている。最後に君の宝物に触れるといい」

「ちょっと待って!宝物ってカルデアス?そんな事をしたら……」

「ああ、当然分子レベルでバラバラだろうね」

「いや、嫌よ、こんなの嫌、私まだ何もしてないのに、死にたくない、死にたくない、助けて誰「アンカーショッット!」……え?」

「ロムルス!!!!」

「ローーーーマ!」

危なかった……レフから充分に離すだけじゃダメだったか。まさか離れていても所長の横に時空を繋げるなんて

お陰でフック付きのワイヤーボルトを準備するのが遅れてしまった。

フックに引っ掛かった所長ごとワイヤーをロムルスに引っ張ってもらって無事に所長を回収。後は………

 

「マシュ!ぐだ男!所長を頼む!」

「「はい!」」

 

 

「人の余興を邪魔するとは……」

「そういう性分何でね」

「全く実に不愉快だよ。まずは君を殺すとしよう」

「こちらも同感だよ!」

まず始めにクロスボウを二連射する

しかし、

「何かしたかね」

奴の前に障壁のようなものがあり全て弾かれてしまう

「ならば!」

今度はポーチからありったけの竜牙兵をばら蒔く

 

「「「「「「ウオオオオオーーーーーーー」」」」」」

あちこちから筋肉と骨が生えてくる。同時に隠していた彼等の武器をロムルスが投げ渡す

 

「槍を持っている者は投げろ!弓を射れ!ーーー無いものは石でも何でもいい!とにかく奴に攻撃の機会を作らせるな!」

叫ぶと同時に奴に向かって多くの槍や剣そして矢や礫が殺到していく

 

「ほう、なかなかやるじゃないか。けど効かないな」

しかし、奴には傷ひとつ負わせられていない

だが、その時一本のボルトが奴に飛来する。奴はそれを当然のごとく弾くが………

 

「弾いたな!」

「それが何だ?」

「行けーーー竜牙兵f!」

先程のボルトの先端には竜の牙が付いていたのだ。それは死角からの奇襲、奴に弾かれたボルトは地面に落ちてそこから竜牙兵を生じさせる。

 

「グフォッッ」

「アッパーーーー」

綺麗に竜牙兵の拳は奴の顎を捉えた

 

「そのまま叩きのめせーーーー」

「竜牙兵ごときが!ふざけるな!」

そのまま竜牙兵と奴との取っ組み合いが始まり。

やがて………

「いい加減にしろ」

竜牙兵は奴によって吹き飛ばされる

 

「人間が!下等生物の癖にいきがりやがって!」

「ロムルス行けるか?」

 

「いざ!ローマへ!」

 

「礼装発動!瞬間強化!ーーーー」

 

 

「全て、全て、我が槍にこそ通ずる。マグナ・ウォルイッセ・マグヌス!」

「ウオアアアアーーーー」

ローマの過去、現在、未来を体現した巨大な大樹が奔流となって奴を押し流していきそして押し潰す

やがて大樹は消えていき

残ったのは奴のぼろぼろになったシルクハットとコートだけだった。

 

 

「どうやら私が手を下すまでもないな。このまま空間の崩壊に巻き込まれて消えるがいい!」

何処かから奴の声が響きいてくる。逃げられたようだ

 

 

「もう、終わりなのよ………私は死ぬの……」

所長は地面に座り込んで泣いていた。その顔は絶望に染まっている。

「所長……」

「マシュごめんね……ほんとにごめんね」

今度はマシュに対する懺悔が始まる

 

「先輩!何とかならないんですか?」

「どうしようもないね、というより何もしなくていい」

「先輩!なんて事を……」

「Dr.ロマニ。48番のコフィンを確認してくれないかい?そこからならモニターで見えると思う」

「わかった……これは!」

「どうしたんですかDr.!」

「所長の体は無事だ!バイタルも正常値、怪我ひとつないよ!」

「じゃあ、じゃあ!」

「帰れるってことですよ所長」

そういい終わると同時に空間の崩壊が始まっていくが全員無事、目的も完遂。

 

 

 

 

ミッションコンプリートだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やったねみんな骨が増えたよ!
これで、筋肉飽和問題も解決だね(白目)
所長を救出完了
剥ぎ取ったコートはカピトリヌスの丘に飾られます


チュートリアルが終わった。ながい……


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閑話 ローマが休日

だいぶ物語が進んだ後のカルデアの休日を書いてみました


人理修復のため日夜戦うカルデアのマスターとそのサーヴァント。そんな彼等にも休息は必要である。

これはある日のカルデア

 

カルデア ロマニ自室

 

「カンカン、カン、バリ、ガンガン!」

「なんだい!何事だい!所長かい?寝坊した…………今日は休みじゃないか…」

彼は久しぶりの休みを惰眠を貪ることで満喫していたはずだった。

しかし、高い騒音によりそれは妨げられる

 

「全く誰だい?こんな朝から……ん?」

たまらず部屋から飛び出すと

「うぇえええええーーーー!カルデアの通路がローマ風の壁画にーーーー」

目に飛びこんできたのは壁一面に広がる壁画。オリーブを収穫する人びとや漁に出かける人びと、戦車に乗り戦う男などさまざまな壁画が描かれている

 

「誰がこんなことを………彼等か……」

ロマニの脳裏にある人物達が浮かびあがる。世界広しといってもこんな突拍子もないことを始めるのは決まっている。

「所長にどやされても知らないからね…」

ロマニはまず空きっ腹を満たすために食堂へと向かう

 

「よし!」

「「いい仕上がりだ。兄弟よ!」」

さっそく犯人を見つけてしまった

「君達!何をしてるんだい!」

 

「おお、これはDr.ロマン。何って彫刻だが……」

「この通路にはローマが足りない!」

「その通り!もっと華やかでなければ!」

こうなってしまったが最後、彼等の主である彼にも止められないだろう

ロマニは身につけたスルースキルを使って彼等を受け流して食堂へと向かう

 

「なんだい!これは?」

食堂についたロマニだが出された食事に驚愕する。

そこには、大麦粥(味付け用の魚醤あり)とイチジクのみしかなかった。

「今日の食事当番は誰だい?」

「私だ!」

厨房から出てきたのはまたしても竜牙兵

「………へ?」

「何か食事に不具合でも?これは古の軍団兵がとっていた食事。実にローマではないか!」

「そうですか………」

こいつら相手だと半永久的に終わらない、しょうがない早く帰ってケーキでも食べようと思い文句を言わずに食べる。

 

「今日は変だな?なんかいつもよりも暴走している気がするんだけど」

こう朝から竜牙兵ばかり会うのも変である。そして総じてなんだか別のベクトルでテンションが高いのだ

 

「ん?なんだ?」

帰える途中にカルデアスの確認をしておこうと思い中央区画に近づくが騒がしい

 

「無料のパンだよーーーーー」

「ワイバーンの血で染めた布地だよーーーーここでしか手にはいらない一品だ!」

「ボルドー産ワインだぞ!旨いぞーーーー今なら一杯牙三つだ!」

「竜の鱗の細工だよーーーー」

「さあ、見ていった!ロムルス様が刻まれた食器だよーーこれを買えれば貴方の食卓がローマだ!」

「先生が作ったえうりゅあれたんのフィギアでござるーーしかも木から「女神の視線!」ああ、勝手に腕がーーーーー」

「さあ、アタランテがこの頭に乗せたリンゴを撃ち抜くよーーーーー「おじさんこんなの苦手なんだけど……」

 

「なんだい、これはーーーーー」

中央区画の通路は色とりどりの天幕が立ち上ぼりあちこちで竜牙兵やサーヴァントそして職員がまざって物品を売り買いしている。一部変なの混じってるけど

 

「まるで、市場だな……」

「あれ、ドクター?」

「マシュじゃないか!なにをしてるんだい?」

「えっと……筋肉さん達のお店にダ・ウィンチさんの作ったとんでも発明や先輩製の強力な魔道具が混ざっていたらしくその確認を」

「そうか……大変だね」

「はい……」

「所で彼は?」

「先程、所長の部屋に引きずり込まれました……」

「そっか…」

ついに捕まったか………前みたいになってなきゃいいけど。

「ぐだ男君は?」

「マスターなら筋肉さんに連れていかれました」

ぐだ男くん……無事を祈るよ

 

「どうやらサーヴァントも店を出しているみたいだね」

竜牙兵に混じって召喚されたサーヴァントも市場に参加しているようだ

 

「やあ、ドクター!」

「エミヤ!君もかい……」

「いや、少しうかれてしまってな…それよりもドクターもどうだいワンプレート牙五つだ」

エミヤの手には孔雀のソテーや豚肉の蜂蜜焼きなどが乗ったプレートがある。

「牙って?」

「ああ、竜の牙のことさ。ここではそれが通貨になっているそうだ」

「そうなのかい!」

 

ちょうど物足りなかったので良かった孔雀の肉はジューシーで豚肉も美味しかった

 

「屋台というのも新鮮でいいね」

「おう魔術師!何か見ていかないか?」

「クーフーリン!君は何を売ってるんだい?」

「見ての通りルーン石さ、そこまで効果はないがお守りにはなるぜ!」

「そうか……じゃあひとつ」

「ありがとよ」

その後もロマニはメディア竜牙兵の黒海産岩塩を使ったマッシュポテトや呪腕のハサンの病みつきになるお香、フィンのスモークサーモンなど休日を満喫する。

 

 

そして

「ローーーーマ!」

「ローマ!」

「ローマ!」

 

「な、なんだ!」

 

「讃えよ勇士を!」

「人類の敵と殴りあった戦士を!」

通路を歩いていると前から異様な集団が行進してくる

彼等はいつもの裸ではなく珍しく鎧をきた竜牙兵でその先頭には、

「あれは……レフの……」

そこには棒にくくりつけられたレフのシルクハットとコートが掲げられてていた。

 

「「「「スポーリア!」」」

「いざいかん!カピトリヌスの丘へ!」

………

「なんだったんだ今のは……」

「ああ、彼等は戦利品を神に捧げようとしているのさ」

「カエサル!」

「ローマでは敵から奪った戦利品はそのまま勲章になるそれをカピトリヌスの丘にある神殿に納めるのが名誉なことなのさ!」

「そうなのか?」

「ああ、しかも彼の掲げているのは敵の司令官の衣服興奮するには充分に価する物だよ」

「そっか」

それにしてあんなことまでするのか竜牙兵は……

「おおっと、これから神祖様の握手イベントがあるのでな。ではこれにて!」

「そんなのもあるのか………」

 

 

「さあ、見ものだよ!戦いは決勝に差しかかったどちらが勝つか今すぐ賭けよう!」

訓練室の中から威勢のいい声が響いてくる。

「何をやってるんだい?」

「おお、ドクター君もどうだい?一番人気はスパルクタス!二番目は聖女マルタのタラスク!三番は竜牙兵一の筋肉!竜牙兵fだ!四番はカルデアのマスター具田修だ!」

「ぐだ男くーーん!」

「助けてドクタ「試合開始ーーー!!」

「「「「オオオオーーー」」」

「ちょっま「ギャオオオオオ」

「ああ、ぐだ男くんが……」

「反骨こそ我が人生!」「勝ちなさい!タラスク今夜は御馳走よ!」「我が筋肉の力見せようぞ!」

「ウウオオオオオーーーーーーー」

「ああ、興奮したアステリオスが乱入したぞ!」

 

 

「………無事だったらうちにくるか……」

さてと部屋に戻りますか……

 

その途中

「んーーーーーん、ん、ん!んん」

地面に転がる彼を見かける。

「ど、どうしたんだい?」

ご丁寧に足枷と手錠に猿轡までもされている

どうやら所長の部屋から逃げ出したようだ

「んーん!ん、ん!」

どうやら外して欲しいようだ……でもね……

「ごめんね……」

「んーーーん!」

僕の身のためにもそれは出来ないんだ……

「所長ーーーーーーー!」

向こうから所長が走ってくる音が聞こえる。

「よくやったわ!ロマニ!」

やって来た所長に彼は引きずられていく………

 

さて、今日は楽しかった……明日の為に早く寝るとしようか………zzz

 

 

 

 

 

「さて、兄弟よ!どれだけ竜の牙は集まった?」

「500近くだ兄弟!」

「カタカタ、カタ」

「うむ、概ね成功と言うわけか…」

「これをマスターに加工してもらって………」

「ますます兄弟が増えるな!」

「カタカタ!」

カルデアに危機が訪れる………

 

近日公開イベント「熱血、カルデア筋肉の変」

おたのしみに(嘘)

 

 

 

 

 

 

 




カルデアを埋め尽くす筋肉!室温も大上昇
彼等を倒して牙に戻せ!
彼等は全てを筋肉にしようとするぞ!このままではフォウがムキムキになってしまう。
竜牙兵を倒せ!!

ピックアップ筋肉ガチャ開催!!


………嘘です



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閑話2所長はぼっち(偏見)。あとかわいい

長く苦しい戦役(テスト)だった……
漸く終わったぞーーーーーーーーーーーーー
そして、しばらく見ていないうちにお気に入りが凄い事に………ありがとうございます


レフ討伐未遂事件から1週間後……

 

カルデアの爆発による被害は大きく、大量の瓦礫は竜牙兵達の人海戦術によってなんとかなったが。

損傷した機器の整備や修理は余り進んでいなかった……

 

これに対して竜牙兵を冬木に派遣し瓦礫に埋まった金属や食料を人力で掘り出す。まさに都市鉱山のような事をしてカルデアに資源を供給するなどカルデアの運営に貢献していた。

 

しかし、カルデアのなかには彼等に疑念を持っている者達もいる…

 

それは当然であり必用な事だ

 

彼等は余りに旨く動きすぎた。

 

まるでこうなることがわかっていたかのような装備や行動ははっきり言って異常である。

 

しかも素性がはっきりしない、あんな竜牙兵を使役するとなれば魔力と回路ともに相当な実力者であり必ず有名なはずだ。

 

しかし、誰も知らない……

 

オルガマリー所長に聞こうにも彼に関する話題になると露骨に話をそらす

 

怪しすぎるだろこんな奴は

 

レフとは敵対しておりカルデアへの献身も彼等がいなければ成り立たないこともわかる

 

だが、せめて目的ぐらいは知っておきたい

 

「彼等が夜中に集まって何かをしている?」

マシュとロマニが会話をしているとマシュが気になる話題を持ちかけてきた。

彼……名前や出身地などのプロフィールが皆無と言ってもいいほどで。正体が全くわからず何時の間にかカルデアに居た謎の魔術師である

高度なルーンと鉱石魔術を得意としてあの世紀の天才でも引くレベルの礼装をつくり。よくわからない筋肉の軍団を率いている。

 

世界がこのような状態でなければ時計塔の魔術師全員での封印合戦が起こりうる存在だなのだが……しかし、それをもって行っているのはカルデアの補修や物資の供給などで………例えるならロードエルメロイが無償で善意でタダ働きをしているようなものであり魔術師としては本来はありえない事なのだ。

コレが所長との何らかの契約によるものかそれとも別の狙いがあるのか確かめる必要がある。

 

「はい、ドクター。この頃夜遅くに筋肉さん達と先輩が食堂の方に歩いていくの見かけます」

人目を避けている?彼は今まで自分の魔術を平然と人前で披露している。魔術師にとって最も秘匿すべきものは魔術である。それなのに人目を避ける……魔術以上に重要な隠し事が存在するのだろうか?

 

「そうか………」

確かめなければ……

 

「どうしたのですかドクター?」

「いや、彼等についてね」

「先輩がどうしたんですか?」

「彼は何者なんだい?生きている端末から確認したんだけどカルデアの名簿には彼の情報はない。というより名前すらも不明となるとね」

「確かに……でも!」

自分の言葉にマシュはショックを受けているようだ。

 

それは仕方がない。

 

マシュは彼には何度も助けられている。

その恩人が疑われていると知ればいい気もちには決してならないはずだ………

 

「わかっているよ、彼が悪人では無いことぐらい。レフとも敵対しているみたいだしね。でも少しは彼の事を知っておくべきなのではないかな?」

「確かに……わかりました」

マシュは自分の説得に応じてくれて今夜にも彼等の調査の開始が決定した。

 

 

 

某日午前2時カルデア通路

夜更けにマシュは英霊の姿ではなく白衣の姿で通路に立っていた。

「マシュどうだい?」

「機器に異常はありません、良好です。しかし、此処には何かあるようです……」

「此方からはカメラの映像や観測でサポートしていくよそうだね此処だけが竜牙兵の数も頻度も桁違いだ」

レフがテロをしてからずっと夜間(太陽見えない地下工房だけど)は竜牙兵達が警戒して巡回をしている。

それは有難いのだが何もない食堂にカルデアスと同等レベルの警戒……何かある

 

「ドクター………」

「うん、どうしたんだい?マシュ」

「やっぱり盗聴はまずくはないでしょうか?」

やはりマシュは良識的に拒否感があるみたいだが行ってもらうしかない。

 

デミサーヴァントとしてマシュは身体能力が向上しているし。僕が行ったとしてもすぐにへま踏んで筋肉地獄行きが妥当な所だからだ

 

「仕方がないじゃないか……所長は何も教えてくれないし彼に聞こうにもはぐらかされたし」

「わかりました。では、これより開始します」

「頼んだよ!」

そう言い終わった後にマシュはゆっくりと歩き出した

時おり回ってくる竜牙兵をかわしていくのだが……

 

「ドクター!ドクター!」

「どうしたマシュ?」

「ほとんどの見張りの筋肉さん達が訓練をしていたりお互いに向かって変なポーズをしているのですが……何かの魔術儀式でしょうか?」

 

「刮目せよ我が至高の肉体を!」ムキムキ

「おお、なんと凄い腹筋の割れ目素晴らしい」

「我もああなりたいものだ……」

「よし!皆で腹筋だ!」

「「「おうよ!」」」

 

 

「唐突に全員で腹筋を始めました……全然警備になってません……」

「うああ…警備ざる過ぎじゃないか……大丈夫それは彼等の特性のようなものだから」

案外楽勝かもしれない……

 

「ええ……」

 

 

 

…………………………………………………………………

 

 

「もう嫌です!ドクター帰りましょう!」

マシュはどうにか食堂近くまでこれたのだが……途中で倒立状態で通路を全力疾走する竜牙兵や奇声を上げながら前転を繰り返す竜牙兵、通路でポーカー大会を開催している骨の方の方々など子供真っ青な現象が多発していた。

唯でさえ暗闇で見る筋肉ダルマや骨は恐いのにそれが動いて喋ってポージングしだす。

 

下手なホラー映画より恐い………

 

「マシュ……気持ちは分かる。いつからカルデアはこんな魔境じみた場所に……。けど、なおさら確かめなくちゃ。どうにかして彼等の話が聞ける所にまでいけないかい?」

「わかりました。調理場へ潜入します」

勇気をふりしぼり食堂の裏手に回って事前に準備していた鍵を使って調理場へと潜入する。すると彼等の会話が聞こえてくる

「どうやら、会議のようです」

「会議?内容は?」

「ドクター静かにしてください」

 

「これより第五回定例会議を始める!」

「「「「「おーー!!」」」」」

「では、まず施設課」

「現状ではカルデア内の瓦礫の撤去はほぼ終わっています。しかし、扉や通路などからくりがない所はどうにかなるのですが機械となると難しいです!」

「ダ・ヴィンチちゃんは?」

「気分じゃないそうです」

「あの変人発明家……わかった。次、資源課」

「はい、只今冬木にてリサイクル可能な資源や機械部品を多数の兄弟達が掘り出しております!しかしながらこの頃、何かライオンと蛇が混ざったような怪物の襲撃が増えてきております!!」

「戦闘課から何人か送る」

「ありがとうございます」

「人事課から報告します!今回冬木にて十五人の新たな兄弟をスカウトしました!!」

「そうか、これからもっと戦力がいるからこれからも頑張って」

「は!ありがとうございます!」

「戦闘課より報告!今回入った新たな兄弟達の訓練が完了しました!!」

「ありがとう。前から気になってたんだけど君らって訓練したら筋肉増えるの?てか、成長するの?」

「筋肉の張りが違うのです!」 「そうだ!」

「fなんてあんなにたくましくなったじゃないですか」

 

「……そう言えばそうだったな。最後保安課」

「現在は一応兄弟達が見廻りをしていますが特には……あ!」

「どうしたんだ?」

「数名の兄弟が先日オルガマリー所長によってボコボコにされています」

「……何があった!!」

「先日兄弟が巡回をしていた所、夜中に通路で寝間着姿の所長を発見いたしまして。不審に思って声をかけた所しばらくしてから突然泣きながら攻撃されました」

 

(((あ、察し……))

 

「所長……」「所長ェ」「マリー……」

「わかったこのことは彼女の名誉のためにも今後触れないように」

「「「「「了解!!」」」」

 

 

「どうやら普通の会議みたいですよドクター」

「構成員の九割が魔法生物の会議は普通じゃないと思うんだけど……今の所は大丈夫だね……」

そう言うロマニの声は何かが引っ掛かったような感じだった。警戒の割りにしている議題が普通過ぎるからだ

 

 

「続いてが本題だ!」

やがて議題は重大そうな雰囲気になるが

「ゴクリ……」「先輩……」

「いかにしてオルガマリーをぼっちから脱却させることができるかだ!」

「……はい?」「あい?」

余りに意外な事だったので思わず声を漏らしてしまった

 

「今何か声がしなかったか兄弟?」

「確かに」

「フォウ!フォウーー」(声真似)

とっさにマシュのフォローが入る

 

「なんだフォウか……続けるぞ。現在オルガマリーはカルデア内で孤立している」

 

「飯時も一人だよな兄弟!」「ああ…不憫な事だ…」

「保安課の兄弟から部屋から夜泣き声が聞こえるとも聞いたことがある…」

(所長……)

 

「これはオルガマリーの態度……なんというか本来の姿である臆病で小心者のオルガマリーに無理矢理とってつけたような強気で高飛車な言動が原因だと思わるが…いつか絶対に壊れる……それを予防するためにまずはぼっち脱却の方法を考える!」

 

「「「「よし!ならば筋肉だ!」」」」

「な・ん・で・さ!!!!」

 

「訓練をすれば仲間は増える!」 「筋肉があれば人が集まる」「同じ釜の飯効果は凄いのです」「自他共栄だマスター!」

 

「「「「なので所長に筋肉を!!」」」」

 

「却下だ!やめろ!」

「「「「その通り!」」」」

 

「ん?」

 

「「「資源課 施設課としては提案を否決する」」」

「「「「なぜだ!」」」

 

「お前達は戦から帰ってきて筋肉に迎えられたいか?」

「そうだ!」「女性はそうでなくては」

 

「何を言ってる今は戦時!筋肉は必須!」「仮に魔術師が筋力で襲ってくるなど考えられん!」「ここに敵がくるとか敗北寸前だろ!」

 

「戦場に来ない腰抜けめ!帰れ!」

「ならば!お前を打ちのめし人事を変えてくれる!」

「「表に出ろ筋肉野郎」」

(どっちも筋肉なんだけどな……)

 

「一回黙れお前ら!!前回の悲劇を忘れたのか?」

「「「「「「…………」」」」」

(前回……あったのか?)

 

「前にそう言って勝手に行動しただろ……しかも所長とマシュを二人きりにするとか……最悪な事を」

彼がそう言うと竜牙兵達が静かになった。そして、

「あれは……やはり女子同士の方が何かと……」

「年も近そうでしたし……」

(……マシュあったのそんな事?)

(はい、ありました。まさかこんな裏舞台があったなんて………)

 

 

「その結果が所長が泣きながら工房を襲撃…無言で大量のガンドを打ちこまれ……」

 

「あれは怖かった…」

「気が付いたら横の兄弟が壁にめり込んでた怖い」

「扉がボロボロになっていく……所長コワイ」

(いったい何をしたんだ…所長……)

 

「ではマスター何かお考えで?」

「お菓子で釣るか………」

((だめだこいつらどうにかしないと))

 

「また、ボコボコにされる姿が目にうかぶのですが」

「だよな………」

全く隠れてこそこそ何をしているかと思えば。彼等は何も企んでいないし、それどころか所長のケアまでも気を配ってくれている………君は本当に魔術師らしくないよ全く

 

(では、ドクター。今から帰還し……フォウさん?どうしてこんな所に……)

モニターには何時の間にかいたフォウが此方をじっと見つめているのがうつっている。

 

そして……

「キュー!キュー!キュー!」

突然甲高い鳴き声を発した。

(フォウさん?なに「今のはクッキー三枚で買収したフォウの警戒音!誰かいるぞ!」

「保安課なにやってた!」

「まずい……今の会話がもし所長にばれたら……」

「マスターどうすれば!」

 

 

 

「……残念だが。ローマ面に落ちてもらおう!」

「「「「「「追えーーー」」」」」」」

 

(……マシュ逃げて!今すぐ!)

(もうしてます!あっ通路が……きゃあああああああああああああああああああああ………プツン)

 

(マシュ君の事は忘れない……僕も逃げないと〈ドン!〉……ドン?)

モニター室から移動しようと椅子から立ち上がり扉に向かおうとすると何かにぶつかった……

 

「あのう……どいて頂けますか?」

「ローマ!!女児を戦場に送り出し後方の安全な所で見ているだけの男児がいると聞いてな……」

「そうですか……ではロムルス様。僕はこれで…」

会釈をして逃げようとするが……

「おまえも立派なローマ市民にしてやろう!」

「遠慮します!………待って!担がないで!」

「心配するな……3ヶ月もすればガリアの蛮族とも渡り合える。屈強な市民になる」

「う、うあああああああああああああ………」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

翌朝カルデア食堂

 

「おはよう!マシュ!ロマニ!」

「「ローマ」」

「………どうしたの二人とも?」

「「ローマローマローマローマローマローマローマローマローマローマローマローマローマローマローマローマローマローマローマローマローマローマローマローマ」」

「誰かーーーーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本編とは関係ないが……

魂(先祖)の物質化(結晶)………第三魔法

平行世界への移動(転生)………第二魔法

赤悪魔とロリブルマがタッグを組んで襲ってくるぞこれ
やったね(白目)



ローマ市民

ローマ市民にとっては徴兵は名誉なことである。
ローマの為に戦があれば勇んで駆けつけローマ軍団の主力兵士へと変貌する。
はっきり言って動員数がヤバイ!ちなみに装備は自前
また、評議員選挙の評価項目のなかにどれだけローマのために戦ったかがある。(傷がない人は当選しない)

さあ、ローマは君を必用としているぞ!!
(3ヶ月後……そこにはスケルトンと戦う元気なロマニの姿が……)





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増える竜牙兵コンボ

中途半端な所で切れちゃった。


はは……我に秘策あり!

 

この頃の我らの活動が奉仕または援助だと思っていたのか?

バカめ!あれはカルデアを機能的または物質的に支配するための布石なのだ……最終的にはカルデアが私抜きには運営できないほどに追い込んでやる!

 

「マスター?」

 

どうだ!加工できるものならしてみろ!

やりたいけどできないもどかしさに悶えるがいい!

 

「マスター!」

横にいた竜牙兵に肩を揺すられる

「なんだ!さっきから……」

「さすがにそろそろ……」

そう言われて視線を前に向ける。

 

どうやら現実逃避タイムは終わりのようだ

 

ここはフランス、自由と平等の国

視界にはなだらかな丘陵が広がり小麦畑がどこまでも続く実に牧歌的な風景だ……空にトカゲが飛んでなければ

 

そう!ここは第一特異点。

トカゲと骨と死体と狼と魚介類がうろつく魔境である

 

所でグダ男達は?

まあ、ここまでくるとお分かりだろう。

そう、またなんだ……レイシフトしたらワイバーンの群れのなかにいました。

 

「なんぞこれ……」

耐えきれず言葉が口からもれる

まだ、転移地点が違うくらいまでなら「なんだいつものことじゃないか」ですむのだが……ワイバーンによってさらにカオス成分がプラスされキャパをオーバーした

 

「先生!ワイバーンが強いのですが……」

あいつら降りて来ない!

本来、ワイバーンは飛行能力に優れた種族である。

なので攻撃は急降下からの強襲や原理不明のエアカッターだ。

 

なので……

「降りてこい!」

「貴様ら恥ずかしくないか!」

「正々堂々戦えーーーー」

 

「「「「「「「「「ギャーーーオ」」」」」」」」」

当然こうなる

(当然ワイバーンには通す義理もなく誇りも当然ない)

 

しかし、一方的に飛んでくるエアーカッターをどうにかしなくてはいけない

 

そこで考案されたのは

「蛸壺じゃーーー!」

地面に穴を掘ってそこに隠れてワイバーンの攻撃を回避し。穴から弓でワイバーンの皮膜を狙って堕落させ穴の近くにきたワイバーン狙う戦法である。

 

コレがさらにカオスを加速させる

 

「ギャオ!ギャオオオオオオオーーー」

「捕まえたぞ蜥蜴野郎!こっちへこい!」

「引きずり込めーーー」

穴から伸びてきた筋肉質な腕(多数)につかまれて穴に引きずりこまれるワイバーン

「ワイバーンて何処が効くんだ?」

「知らん!とりあえず頭でも叩いとけ!」

「ギャオオオオオオオ……」

そして暫く穴からワイバーンの悲鳴と何かがぶつかる鈍い音が周囲に響きいたのちに無惨な状態になったワイバーンが穴から吐き出された……気が付けば丘陵地帯に無数の穴があき。その穴の周囲にはワイバーンの死骸が積み上げられている風景の完成である

 

……何処のB級ホラー映画だよこれ

 

「お!また墜ちてきたぞ!」

「引きずり込め!」

「ギャ!ギャオ!ギャーーーーーーー……」

 

もう一度いう

「なんぞこれ……」

 

 

 

ワイバーン討伐(デストロイ)完了後

四方に偵察を出した結果現在地が判明

 

どうやらマルセイユに近い地点にいるようだ。

マルセイユはこの特異点有数の激戦地であるリヨン近くではあるが

 

だが…

「フランス広い……」

さすがは日本と同じ面積の国である。広すぎる!

マシュ達の大まかなルートは分かるがこの広さの中から移動ルートを割り出してその上数人だけをこの国で探すのは非常に難しい……というより無理

 

「ロムルス何か感じない?」

「不可能である!」

「だよね……」

こんな時だけカルデアの通信や探知能力が羨ましくなるものだ……そしてロマニの大切さも

現金なものだなと思いつつも今できる事を行う

 

「やっぱ物資が足らない……」

前々から想定していた事だが集団を率いる上で切っても切れない問題である。

カルデアのレイシフトではそれほど多くの物資をもっていく事ができない。なので竜牙兵達の装備は中継地を通じて受けとる事になっていた。

 

無論食料も

 

現在もっているのは携帯食料、最低限の鍛治道具そして大量のふんどしである。

 

 

ふんどし?と思うだろうが……基本的に召喚した竜牙兵(筋肉)は全裸で出てくる。

ここで想像しよう。それが隊列を組んで前方から向かって来たら……

ありがとうございます、確実に事案であります

これでは現地の住人またはサーヴァントとの対話や交渉の阻害となり最悪の場合攻撃が飛んでくる可能性もあり得る。そして上記の怪物に筋肉が加わる

 

ふんどし大事(体外的にも自身の精神衛生的にも)

 

ちなみに……このふんどしはカルデアの中で一番確保に苦労した逸品である。

 

そもそもカルデアに布の備蓄が少なかったのでほとんどがスケルトンからのryakudatuである。

それでも足りなかったので泣く泣くカルデアの服を分解して使用している。

 

その頃カルデア

〈所長ーーー僕の白衣知らない?〉

〈知らないわよ!大体日頃からきちんと整理していないからよ。全くいい大人が……〉

〈おかしいなーーー確かにここにしまったはずなんだけど………〉

 

 

 

さて、物資の補給の為にもリヨンにいかなくては……

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

10日もかかってリヨンに到着

よし!まだ壊滅もしていない

 

「やっとか………」

レイシフト地点から200キロメートルぐらい(大阪から浜松ぐらい)の移動である。

 

距離もさながら……

 

まず、地図がないので迷う!(無論コンパスなし

 

途中の住人がワイバーンから逃げていない!(案内なし

 

ワイバーンが襲撃してくるし!(1日に五回ほど

 

鎧の集団に「死ね!ーーーゴリアテーーー」て追いかけ回される!

チラッ〈身長2メートル以上筋肉まみれの巨人多数〉

 

「今日もワイバーンかよ」

住人がいないので食料も補給できず。

毎食ワイバーンだ。昨日は焼いたワイバーン、一昨日は蒸したワイバーン、その前はワイバーンの塩煮……味は鶏肉っぽい

 

「それにしてもぐだ男の異常な移動速度はどうやってるんだ……」

ちなみに考えられる候補は3つ

1やっぱり見ていない所で結構時間がかかっている

 

2身体能力が異常

 

3マシュがおぶって移動している?

 

個人的には1だと思うが……カルデアの物資持つかな?

今回、全竜牙兵を動員しているので現在カルデアには供給がないんだぞ!

徒歩でとなるとリヨンまで3ヶ月。さらに途中戦闘もあるのでもっとかかる。

 

2もこれからの戦の中で異常な身体能力を発揮しているためあり得そう……というよりたまに性別変わるって何?

原種?原種なの? 謎だ

 

3は残念な事に一番現実味がある。構図としては最悪だが…マシュならやりそう、それも喜んで

などと下らない事を考えていると

 

「おお!あれがルグドゥヌム」

「偉大な帝国の都市」

「古代の遺構もあるそうだぞ!」

「ローマ!」

「劇場があるぞ!」

「この地はかつてのローマ……」

「扉を開けろ!神祖来訪ぞ!」

竜牙兵のテンションがヤバイ!そして数もヤバイ!

 

増えました……全部で300くらいかな?〈200以降は数えてない〉

 

戦うごとに増える竜牙兵って強くね?

 

考えてみれば別におかしくはない。

そもそも竜牙兵はワイバーンから収集された牙が自分により加工そして竜牙兵になる。

 

この特異点ではその原料がたくさん飛んでる

 

なので

ワイバーン倒す→牙がドロップ→竜牙兵増える→さらに大量のワイバーンを倒す→牙が多くドロップ→竜牙兵がもっと増える。(ちなみに増える竜牙兵数と自分の睡眠時間は反比例の関係にあるぞ!

 

そろそろお迎えがくる頃かな?

まあこれだけ不審な者が蠢いていたら流石に黙ってはいないだろう。

 

「止まれ!」

ああ、やっとか。リヨン城壁の上に立つのは大剣をもった男……ある意味もっとも竜に関する伝説で知名度を誇る大英勇ジークフリートだ。

 

今回の戦いはこの男を守りつつ、いかに敵戦力を削ぎ速やかにマシュと合流できるかである。

すでに無理ゲーな感じがするが……やるしかない

 

「さて、仕事を始めますか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さて、今回ローマのために貯めてた石をぶっこんだ訳なんだが……20回して
ロムルス4枚と原初のレギオン2枚……
実にローマではないかね(白目)


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マスターの苦悩

どうやっても話があまり進まない……



リヨンに到着してから暫く経過し

 

リヨン市街城壁からは遠くで竜牙兵達の集団がワイバーンの群れをボーラ(石と石を縄でつないだ狩猟道具。当たったら体に縄が巻き付いて動けなくなる)で追い立てているのがよくみられるようになった。

 

「今日も大漁だな」

城壁にジークフリートがあがってきて会話を振りかけてくる。最初に会った時よりはだいぶフランクになっているが警戒は解いてはいないようだ。

「ああ、自慢の戦士だよ……」

「どうした?何かあったのか?」

かえってきた言葉に悩みや不安を感じとったのかジークフリートの表示が真剣になる。

 

「今しがた、報告があった」

「報告ってアレか?」

「ああ、アレだ」

ジークフリートは確認のためか城壁の一角を指差す。

そこには竜牙兵が立っているのだが……

 

「はっ(ラットスプレッド)はっ(バック)はっ(アブドミナル)はっ(サイドチェスト)……」

次々と筋肉を強調するポーズを変化させており。

暫くして竜牙兵のポージングが終わるとこちらに近づいてきた

 

「マスター、ティエールより報告です。ワイバーンの数が昨日から200匹ほど増加しているそうです」

「またか……」

 

そう!これは竜牙兵達による広域通信なのだ!

(な、何だってーーー)

 

さらに竜牙兵を五キロメートルごとに配置。これによりリヨンからマルセイユ間をわずか二時間でリレー形式の通信が可能に

(スゲー)

 

しかも明確な暗号表が存在しないため(竜牙兵達は感覚的に意味理解をしている)に敵サーヴァントには只の筋肉が不思議な踊りをしているようにしか見えない

(エニグマ式暗号よりムッこいぞ)

 

原理?腕木通信の亜種じゃないかな……

(特許申請中death)

 

「200か……」

ワイバーンが200増える。これがどれだけの絶望的かピンと来ない人も多いと思う。

言うなれば…

〈昨日は100機だった敵の戦闘機が300に増えてやがる何を言っているかわからない〉白目) のようなものだ

 

二百や三百ならばロムルスの宝具で壊滅も容易いがワイバーンがいると多数の地上戦力としてスケルトンが一緒にやってくるのでうち漏らしが多く出てしまう。

しかも陸と空の二重の戦線となり戦場が三次元化する

 

それがやっかいなのだ

 

地上戦オンリーよりも戦力が必用となり……さらに、陸と空に向ける配置が片寄れば瞬時に戦場が崩壊して勝てる戦がそうでなくなってしまう。

 

 

 

「まあ、悩んでも仕方がないか」

「そうだぞ、大将がそんなんじゃ戦士も不安になるしな。それに対策もしているんだろ?」

「ああ」

そう言ってリヨンの市街地を見下ろす

 

「ローマの兵士は皆工兵である!」

「ローマのためにーーー」

「ローマンコンクリート、マスターもわかっておられる」

あちこちで城壁の補修や蛸壺、塹壕が掘られ。ローマンコンクリートのトーチカの建設が進んでいる。

また、家々の間にはワイバーンの進入を防ぐためにロープが垂らされ、逃走経路を増やすために民家間の一部の壁が取っ払われている。

 

幸いにもワイバーンには対地能力はあまりないのでこれらは有効であると思われる

 

「この短期間によくできるな…」

「まあ、伊達にローマローマ言ってるわけではないさ」

何だかんだ頼りになるんだようちの連中は。

 

 

 

要塞は人を安心させ士気を上げる。

というよりこんだけ戦力に差がある状態で野戦なんかできるか!

ここリヨンは複数の街道が重なる流通の拠点であり防衛設備も他に比べれば充実している。少し手を加えたら十分に迎撃も可能である。

 

今できるのは情報の収集と戦力の貯蓄だけだ。

現状、いやマシュ達と合流してもこの戦いはかなり勝算がない……いくら英霊という規格外の存在を引き連れていても数千のワイバーン、スケルトンには勝てない

さらにもし邪竜が倒せなければ……もし敵サーヴァントの抵抗が激しくワイバーンが合流したら……味方サーヴァントが一人でも欠けたら……フランス軍(囮)がいなかったら……等、ひとつのピースが欠けるだけで敗北が決定する。

 

 

リアル桶狭間ダメ絶対

 

 

というより自分達よりも強大な戦力に奇襲や夜襲もせずに正面突発(しかも要塞。迷った時点でアウト)とかバカなの?死ぬの?人類滅ぼしたいの?

 

 

人類の存亡をいけるだろう?で決定させてたまるか!

なので事態を好転させる事が自分の役目である。

 

思考に浸っていると竜牙兵がまた走ってくる

「マスター、フランス軍が!」

「今度はどこだパリか?トロワか?」

「ボルドーです!」

「追い詰められてるじゃねーか!!」

早速ピース欠落の危機である

魚屋のおじさん(ジルドレ)が指揮しはじめたフランス軍残党が予想以上に苦戦しているようだ。

〈この時代では大砲しかも最古の石射砲が出てくるかこないくらいの集団に対空を求めるのも酷な話である〉

 

なんとかフランス軍を支援しなければ……援軍

(無理だな、こっちがフランス軍に襲われる)

 

敵へ部隊での牽制攻撃を仕掛けるか?

(泥沼化待ったなし!)

 

そうだ!物資を支援しよう

確か竜牙兵が夜なべして作っているワイバーン素材の武器が有ったはずだ、あれならワイバーンも倒せるはず。あと、余っているワイバーン肉を乾燥させて彼らの近くにポツポツ配置しよう!

 

 

 

〈この時、彼は知らなかった。自分の主食であるワイバーンに毒があることを……〉

ちなみに本人は身に付けている治癒のルーンのおかげで気付いてない

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

フランス軍への物資供給が行われ

毎日毎日積まれていく牙をノミで削っていく日々が続くが相変わらずマシュ達一行は見つからず。

 

「もうやだ……おうち帰る」

「マスター、今日も大漁です!」

ドサッ

「………おうち」

「マスター!マスター!」

「癒し!癒しがほすぃ。フォウ撫でまわしたい……」

 

「マスター!今夜のご飯です」

こんがり肉(ワイバーン)森のベリー添え

「パン!パンが食べたい………」

「こんな事態の時に食料を売るような人はいませんよ」

「ウム、ローマの昔を思い出すな。あの頃は狼と森で猟をよくしたものよ!よし、今からいこうぞ!」

「遠慮します……」

筋肉まみれすぎてsan値が大変な事になったりしたが

 

その時は突然やってきた

 

「マスター、オルレアン方面から連絡!サーヴァントとおぼしき魔力3つとワイバーンの大群が接近!警戒されたしだそうです!」

 

 

第一次リヨン防衛戦の勃発である

 

 




どうあがいても絶望!
大五、6特異点よりはましかもしれないが戦力的にまれにみるぐらいの絶望
原作のまま突っ込んだらアボンが目に見えている


終わる頃には
「ジャンヌ様、あいつらやっちゃいましょう!」
とかなってそう。
主人公だいぶ位置的にはダークサイド側だし


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リヨン防衛戦

さて、これだけ長いあいだ更新せずににすみませんでした!
言い訳はします、忙しかったんです(白目

すみませんでした。


報告から数分、リヨンは蜂の巣をつついたような騒ぎになっていた。

 

「返り血で滑るぞ!道に砂を撒くんだ!」

「ボルトが足りん地下からもっと持ってこい!」

「バリスタが通るぞ道を開けろ!」

あちこちで武器をもった竜牙兵が駆け回り予備の武器をトーチカに隠したり仕舞っていた兵器を引っ張り出している

 

「いざ、ローマへ!」

「頼む」

「ローマ達よ我に続け!」

「オオオオーーーー神祖様と共にーーーー」

まとまった数の竜牙兵達がロムルスと共にリヨン中央道へと走り出す。

彼らには正面の門からのスケルトンとサーヴァントを迎撃してもらう予定だ。

 

 

「なんか暑くないか?」

あんだけマッスルしてたら気温も上がるんじゃないかな?主に心理的に

「ほんとにいいのか?側に居なくて?」

「ああ、魔術師らしく穴蔵に隠れておくよ大丈夫!バックアップと全体の指揮は任してくれ」

確かにサーヴァントの近くにマスターがいれば魔力の供給や援護などもできる。

しかしマスターはサーヴァントにとっての要。

いわばゲームでいう目玉が弱点のボス戦みたく上空からのワイバーンや物陰のスケルトン等が自分に殺到することになり

そのような状態ではロムルス達も満足に戦え無いだろう。ゆえに隠れる

 

「わかった」

側にいたジークフリートも屋根を伝って離れていく。彼には側面からのサーヴァントに対しての遊撃をしてもらう

 

 

 

「そろそろ夜明けか……」

主な感覚が視力であり生態系の頂点にあるワイバーンは恐らく夜行性の生物ではないはずである。

夜明けと共に大挙して襲ってくるはずだ

「ここでサーヴァントを一人でも倒しておけば………あれ?聖杯による無限沸きが……しかし使いすぎたら召喚できたのがシャドウサーヴァントになったよなあれ。まあ、やりますか」

すべては人類の為(嘘です生きたいです自分は)と意気込み地下へと急ぐ

 

-------------------------------------

 

「きたぞーーーーワイバーンだ!」

「空を埋め尽くすほどのワイバーンがきたぞーーー!」

「あれだけあればレギオヌスを形成できるほどの兄弟が…夢が広がる!」

「ふざけてないで伝令を出せ」

 

教会を改造した司令部に各地点から情報を伝えに駆け込んでくる。

 

「報告!ワイバーンおよそ三千!」

「三千か……まあ許容範囲だな」

今回の襲撃はリヨンにいるジークフリートに対して差し向けられたものだと思う

 

サーヴァント単体に対しての軍勢としてはオーバーキルできるレベルだが

あいにくにも情報をもたらすワイバーンは全て竜牙兵により狩り尽くされている

恐らくこの謎のワイバーン消失もジークフリートの仕業にされているのだろう

なので邪ンヌは我々の存在知り得ないはずだ

 

「ロアンヌの観測地点からの報告です!

我、敵サーヴァントを視認!確認できたサーヴァントは男1女2。その内二人は槍を持っているのがわかりました!」

「わかったありがとう」

恐らく男はブラド、女は槍を持っているのはマルタか邪ンヌだろう。もう一人の女は誰かわからん

「それと……地上に巨大な亀がいるとい報告が……」

「亀?……あ!」

タラスクだ……と言うことは槍をもった女のサーヴァントはマルタで確定だ。

 

「全員に伝達!遠慮なく叩け!ローマの技術を見せつけろ!」

「「「応!」」」

 

 

「ワイバーンが投石機の範囲に入った」

「投石機の弦を巻け!」

「特殊弾装填」

キリキリとロープが竜牙兵によりクランクが巻かる事で引かれワイバーンの腱を使用した弓の部分がしなり。

そしてアームの部分に弾がのせられる

 

「「「発射ーーー!」」」

そして投石機から投石され、投石された弾はワイバーンの群れに飛んでいく

 

ここで

空飛ぶワイバーンに投石とかw

当たんねえよw

とか思われるかも知れない。だが、それも想定済であるのだ

 

今回の弾にはリヨンで見つけた火薬、そしてワイバーンの鱗とワイバーンから抽出した竜脂を染み込ませた落ち葉が詰め込まれているのだ………すなわち

 

 

即席の破片手榴弾である

 

大きな爆音がワイバーンの群れの中で起こり爆弾から放たれた鱗が周囲のワイバーンの皮膜を突き破り揚力を失ったワイバーンが堕落していく

さらに爆発音で平衡感覚を失ったワイバーンも地上へと落下していく

 

「よしやったぞ!」

「第二陣いくぞ」

「バリスタを用意しろ」

うち漏らしたワイバーンを今度はバリスタが狙う

 

ここまでは順調だったが敵サーヴァントもやられっぱなしではない

 

「ん?」

「どうした、、、、、、、」

「なんか前から何か来てないか?」

「何!……亀だ!亀が突っ込んで来るぞ!」

「「「なんだと!」」」

今度はタラスクが正門に突っ込んできたのだ。

 

「急げーー亀?が突っ込んで来るぞ!」

「門を押さえろ!」

「我等の筋肉を今ひとつに」

「「「「唸れ我等の上腕二頭筋」」」」

城門の近くにいた竜牙兵達が慌てて城門を押さえるが

「GAYYYYYYYYY」

「ローーーーマ!」

「無念!」

ボーリングのピンのごとくタラスクに城門ごとはね飛ばされた。

この事はすぐに司令部に伝わる

 

「城門が破られただと!」

「亀が突っ込んで来ました!スケルトンが雪崩れこんできてます!」

「ロムルスに伝達!中央通りに防衛線を形成してくれ」

タラスクだと!やられた……今回は空ばかり気にしすぎた地上の脅威はスケルトンぐらしか想定してない、このままだと地上で押しきられる。

 

ここは竜牙兵に懸けるしかない

 

----------------------------------

 

 

「ローマ達よ!」

「「「ロムルス様!」」」

「ローマの強さは団結である。横にいるローマを命に代えても守るのだ。さすればローマ(兄弟)もまたローマ(自身)を全力で守るであろう。愛、絆こそ人の強さ、すなわちローマである」

「「「「「「「「オオオオオオオオーーーーーーー」」」」」」

 

 

竜牙兵達の叫びは続く

「我等偉大なるレギオン」

 

「我等の中には一人の英雄もおらず」

 

「されど万人の勇者あり」

 

「前から来る敵には恐怖を」

 

「その背中を見る者には勇気を与えん」

 

「この盾は敵を叩き潰し!」

 

「剣は敵の横腹を切り裂かん!」

 

そして……

 

「行くぞローマ達よ!いざ、ローマへ」

「「「「「「「ローマへ」」」」」」」

はち切れんばかりに高まった士気の竜牙兵達は迫り来るスケルトンに躍りかかる

 

--------------------------

 

 

「中央防衛戦こちらが優勢です!」

「そうか!引き続き頼む!」

中央はどうやらなんとかなったようだ。あとは敵の英霊の行動だな

「敵の英霊は?」

「ロムルス様のところに一人、もうひとりはジークフリート殿が交戦中との事です。」

「そうか………まて!もう一人はどうした?」

「行方がわかりません!」

まずい。もしアサシンだったら詰みかかってる。すぐにでも対策をしなくては

「周囲の竜牙兵をここに集結させろ!それと各見張りに敵の捜索を命令、急げ!」

しかし、教会の外にいた別の竜牙兵が駆け込んでくる

「マスター逃げてください!」

「なんだ!」

「敵が、敵サーヴァントが……」

竜牙兵は何かを伝える前に自分をかつぎ上げ外へと走り出す。

そして、次の瞬間彼が何を伝えようとしたか理解することになる

 

「敵英雄!直上急降下ーーーーー」

竜牙兵の叫びと共に教会の屋根が崩れサーヴァントが降ってきたのだ。

 

「あら、こんにちは。貴方が魔術師かしら?」

ダメだ……ああ、前言撤回だ来るならば戦闘力の低いアサシンやキャスターでよかったのに

 

よりによって……

 

「せ、、、」

「せ?」

「世紀末覇王だーーーーー逃げろーーーーーー」

「貴方!初対面の乙女になんて物言いなの!」

ステゴロ上等のマルタさんだった

 

「マスター何をそんなに怯えて……」

「我らにお任せを」

と二人の竜牙兵がかかんに立ち向かうが

「いきなり女性に暴力とは野蛮ね、セイッ、オリャ!」

「「グホアアアアーー」

そしてエジプトの壁画のごとく壁の中にいる状態になるのだった

 

「囲めーーーーー後方から弓兵を!いや、バリスタを持ってくるんだ!」

自身の持っている宝石魔術で何重にも結界を張り少しでも時間を稼ごうとするが

 

「面倒だわ。セイッ」

正拳突きひとつで意図も簡単に破られるまずい、今はロムルスもジークフリートも動けない。しかし、彼女を止めるすべが我らにはないのだ………詰んだ。

その絶望までのプロセスの途中でもサイと同等(800㎏)ある竜牙兵が盾ごと吹き飛ばされいく

 

「諦めてたまるか!周りからもっと戦力を集めるんだ。生き残るぞ、行くぞ皆突撃!」

背中からボウガンを手に取りマルタに標準をあわせようとしたその時

すぐ近くで膨大な魔力を感じると同時にどんどんと自分から抜けていく

 

慌ててその方向を振り向くと、そこには

一組の竜牙兵達(骨と筋肉)がいた。

 

そして、彼等ははっきりと

 

「行くぞ、兄弟!合体だ!」

 

そう告げたのだった。

 

 

 




感想、指摘募集中です。


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行くぞ、兄弟よ合体だ!

明けましておめでとうございます!
本年もよろしくお願いいたします。

どうやって合体するのか苦労しました。


 

辺りの魔力濃度は上昇を続け、やがて竜牙兵の周囲は光りに包まれていく

周囲の竜牙兵やマルタ、もちろん自分も含めて全員が直視できず目をそらしたり手で遮ったりする。

 

その中で気になる言葉をマルタが発した

「エーテルですって!何でこんなところにそんなものが集まるのよ……」

 

エーテル……サーヴァントの外殻を構成する物質であり

錬金術でいう四大元素の外にある架空の物質である(一説には惑星、宇宙を構成する物質ともある)つまり観測されないが存在しなければならない物質である。

 

 

というよりも知らんぞ!なんにしようとしてるんだあの筋肉ども………もしエーテルとかだったらただでさえロンドン塔から目をつけられているのにそこにアトラス院まで追加するのか?

それ以上に消費魔力が多すぎるぞどんだけ食うんだあれ…………

 

やがて

「行くぞ!兄弟!」

「カタ、カタ!」

筋肉が骨を上空へと放り投げた。

 

骨がバラバラに分かれてエーテル漂う空中に浮かぶ

 

「来るんだ!兄弟!」

(ほ、骨がシャベッタアアアア)

「応!!」

それに合わせて筋肉のほうも地面を蹴って飛び上がり

「「合体!」」

筋肉が盛り上がっていき骨がもとあった場所に戻るかのように筋肉の中に格納される

しかし、胸部や肘、膝等は深紅に染まった骨に覆われていく

 

そこに

「受け取れ兄弟達よ!」

それを見ていた周囲の竜牙兵の一人がそこに自分が持っている盾を投げ込んだ

「「感謝する!」」

投げ込まれた盾には余った骨が張り付き変形して丸盾にと変わる

 

そして、

「「竜牙兵、重装歩兵モード!」」

深紅の骨鎧を纏い一つになった竜牙兵が降り立った

それはまるで古代の主力歩兵、王政ローマ初期の姿そのものだ

 

「兄弟よ!」

彼が叫ぶと筋肉の内から突き破るように深紅の骨槍が生えてくる

「いざ、行かん!」

それを受けとり竜牙兵はマルタに対して

槍を突き出す

「姿が変わっても動きは同じね……」

しかし、その突きをマルタは余裕を持って横にかわし、突きによって隙ができた左半身に対してその拳を叩き込んだ

 

「「効かぬ!」」

だが、その拳をしっかりと確実に丸盾で受け止める。

その体は衝撃を吸収し一歩たりとも後ろに下がらなかった

「え……嘘!」

これにはさすがのマルタも驚き少し動きを止めてしまい、そこに竜牙兵の二度目の槍突きが繰り出された

 

「何度も同じって分からないかしら」

マルタは以前と同じように回避するのだが………

「兄弟、頼む!」

「応!」

槍の向きが変わった……いや、伸びている

 

「なんですって!」

マルタの回避により検討違いの場所に向かっていた槍はグニャリと曲がり回避したマルタを追うように進んでいく

 

そしてついに

「くッ」

マルタの右腕に届いたのだ!

 

しかし、サーヴァントはこのようなダメージではかすり傷ぐらいである。

「よくもやってくれたわね……」

傷を負ったマルタは右手を見て全力では使えないことを悟り今度は左腕を繰り出した。

「来るぞ!」

マルタの動きに対して丸盾を構えて受けとめようとするが、その拳は竜牙兵を狙わずに槍を打ち砕いたのだ

「なんだと!だが……」

槍が砕かれたことに動揺するが持っていた盾を左腕に叩きつけた

盾に着いていた骨の装飾が鋭利に変形し伸びて突き刺さりマルタの左腕をも傷だらけにする。

 

 

「これでお互い武器がありませんね」

傷ついた両手を握りしめてそうマルタは言うが……

「それはどうかな?」

竜牙兵の筋肉から新たな槍が生えてきたのだ

 

「反則じゃないかしらその槍」

「なんとでも言うがいい、ここは戦場なり。貴女も本気をだせ!」

「さっきまで私にやられてたのに……わかったわ。来なさい、タラスク!」

そう高らかにマルタは呼び掛けるのだが

 

タラスクが来ない

 

「ちょっとーーータラスクーーーーー聞こえてるでしょーーーーー」

更に声を大きくするのだが……

 

タラスク来ない

 

「どうしたのかしらあの子……事故にでも遭ったのかしら?」

 

-------------------------------------

 

その頃、タラスクは

 

「居たぞーーーーー追えーーーーー」

「まさか、亀じゃ無かったとは…」

「一回捕まえたのにまさか空を跳ぶとは……」

「俺は兜が欲しい、マスターに頼もう!」

「なら俺は新しい盾がいいな」

「高位の竜だと……じゃあ新しい兄弟達はさらに強くなるのでは?」

「マスターにやっとまともな食事をさせてあげると思ったのに……」

「あやつ今度捕まえたら噴射孔にモルタルを流し込んでやる!」

 

「「「「「「「「「まてーーーーーーーーーーーーー」」」」」」」」

「gyaaaaaaaaaaーーーーーー(姐さんーーー助けてーーーーー)」

 

大量の竜牙兵に追われていた

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

マルタがタラスクを呼んでいる間にも周囲から竜牙兵の増援が集まってくる

 

「射てーーーーーーマスターと兄弟を援護しろーーーーーー」

後方の陣地や周囲から弩兵が集結しマルタに対して雨あられとボルトが降り注ぐ

両腕が十分に使えない今のマルタにとっては十分な脅威になった。

そこに

「囲めーーー攻撃の隙を与えるな!」

「兄弟に続けーーー抜剣!突撃ーーーー」

周囲から竜牙兵が切りかかってくるのだ。これにはさすがのサーヴァントでも対応できず傷が増えていく

 

「これはさすがに……厳しいわね」

まあ、ここで倒されればやりたくない虐殺をやらなくてもいいわねと思いつつサーヴァント以外にやられるのも英霊としての矜持に………と思っていたら

 

「gyaaaaーーーーgyaaaaaaaaaa(姐さん!逃げましょう!」

「「「「「「まてーーーーーーー」」」」」」

「タラスクやっと……貴方なんてもの連れて来るのよ!」

ようやくやってきたタラスク。しかし、その後ろには大量の竜牙兵がおまけとしてついてきたのだ

 

「全く………」

あきれながらもタラスクに飛び乗りそのまま裏門へと向かうマルタ

当然竜牙兵が追撃を行うも相手はライダークラス追い付けるはずもなくさらに裏門をも破壊された上に逃がしてしまった。

 

 

「やったぞ!我等の力でサーヴァントを撃退したぞ!」

「兄弟、それにしても凄い筋肉だな」

「それに兄弟どうやればあのような事ができるのだ?」

 

「「そうだな……我等は毎日の筋トレと組手でここに至ったのだ。これでマスターとローマを守れるのだ!あれ、ところでマスターは?」」

「そういえば……途中から姿を見ていないな………」

「まさか、敵の手に……」

「そんなはずあるか、探すんだ!」

「ん?今何か踏まなかったか?」

竜牙兵が足元を見ると

 

「アバババッバババババババ………」

「「「「「マ、マスターーーーーーーーー」」」」」」

マスターがぶっ倒れていた。

 

「何が起きた!」

「マ、マスター、マスターがーーーー」

「どうすれば!どうすれば!」

ここに竜牙兵はいままで一番の混乱に陥った。大勢の筋肉が右往左往しあるものはロムルスに祈り、あるものはスクワットを始めだす

 

その騒ぎを聞き付けて

敵サーヴァントがマルタに合わせて撤退したためにこちらに向かっていたジークフリートが到着してすぐにだき抱えて体調を見る。

 

「魔力の使いすぎだな。急激な消費に体がついていかなくなったんだ。もともと体力が低下していたからな……暫く休めば目を覚ますだろう」

「良かった、本当に………」

「どうなる事かと……」

 

敵のサーヴァントは全員撤退、残ったワイバーンやスケルトンの殲滅の順調に続いていた

 

しかし、城壁や門や各防衛施設の損傷は激しく。さらに投石機やバリスタの弾も不足気味であった。

 

次の侵攻を防ぐほどの余力はリヨンには存在しなかったのだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さて、今回のエーテルについての設定は調べても調べても余り確実な物がありませんでした。
間違っていたらごめんなさい


ところで皆さん……爆発と必殺技はお好きですよね(断定、アンケートではありません。感想に書き込まないでーーーー運営に焼却されちゃいます。


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閑話バレンタイン戦線異常なし〈前半〉

突然ネタが思いついた
けしてwなんとかの影響は受けてないはず
(嘘です)
本当ならばバレンタインまでおいて置きたかったが我慢できませんでした


今年もこの日がやってきた

2月14日……バレンタインである

 

 

 

 

 

 

 

バレンタインとは古のあるローマ皇帝が兵士が結婚すると士気が下がるため毎年行われていた結婚相手を選ぶくじを禁止し。

これに対しキリスト教徒のバレンタイン司教が異議を唱えた事が発端という説もある。

 

なので……ローマ成分に侵食されつつあるカルデアではそんなステキイベントが起こるはずもなく

 

そもそも、ローマ軍は大部分が若い市民で構成されており。

ローマのために日夜鍛練に励む彼らには出合いなどいっさいがっさいない。

悲しいほどにない…基本的に一度兵士になれば25年間は兵役につく。

そのため、兵役が終わるまで結婚出来ないし、いちゃつくこともできず下手すれば多数が童の帝王である事も否定出来ない。

 

愛餓男の集団である。

 

さらに……一応の指揮権をもつ貴族(飾り)の代わりに前線で軍を率いる実質的な指揮官である百人隊長に至っては生涯結婚しない!

一生をローマの為に捧げる勇者であるのだ

 

 

 

魔法使い候補と魔法使いを超越したなにかが生まれる可能性がある軍団の目の前でバレンタイン?チョコレート?などとワイワイすれば……後はわかるよね?

 

 

始まりは唐突だった

カルデア某所

沢山の竜牙兵達が集い鍛練に励んでいた

 

そこに

ざわざわ……

「「「この戦時にバレンタインだと!」」」

彼等はカルデアにいるサーヴァント達とは違い各時代の特異点で日夜、鉱石を掘り(密採掘)農作を行い(密農)猟をして(密猟)、交易をして(領主への不届けおよび商業ギルド無所属)来るべき戦いに備え物資を蓄えている。

 

そして、その場所は時代に影響を与えないために幻想種が蔓延る人が寄り付かない辺境がほとんどであり。その場その場で襲いかかってくる怪物と戦闘する。

 

ちなみに当面の敵はサーヴァントを殴り殺す巨大ヤドカリの軍勢である

 

「ローマが亡ぶかの瀬戸際だぞ!」

「なんという腑抜けた考え」

「我らの心は常在戦場!」

彼等は憤慨した……日夜戦場を駆け回り日々怪物と戦う我らに比べてあまりにも意識が欠けているのではないだろうか?と。

 

「しかしな………………息抜きは必要だろ……」

だが、サーヴァントは腐っても英雄だ。いくら昼間から食堂で酒を飲み廊下で寝転んでいても英雄なのだ。ここにいる誰もが単身では絶対に勝てないのだ。

 

「ウム、ならば腑抜けた者達のみを連行すればいいのでは?」

ならば我々に負けるようなサーヴァントのみを筋肉まみれにしよう!そうすればカルデアの戦力も上がるし。

 

 

なによりバレンタインの邪魔ができる。

 

 

「「「「それだ!!」」」

ここにいる誰かがそう思った。

もともと多少の差異があれども同じ竜牙兵だ頭の中はほぼローマと筋肉で占められる。

一人が考えることは伝染するかのように全体の考えになる

 

 

「よし!リアじゅうには制裁を!」

「何だそのリアじゅうとやらは?」

「マスターがいうには鍛練もせずに心に決めた伴侶も選ばずヘラヘラしている者を指すらしい…」

そこに年中魔術士から逃げ回り転校を重ねて枯れ草色の青春を送った彼等のマスターの偏見のみの知識が油を注ぐ

「なんと非生産的な……許せん!」

「我々が立派な兵士に鍛え直そうぞ!」

 

「「「「リアじゅうには制裁を!兵士には祝福を!」」」」

 

「「「「皆に伝達を!武器庫から武器を持ち出せ!」」」」

 

「「「「我らの筋肉で乱れきったカルデアの風紀を正すのだ!!!!」」」」

 

こうして自らが堤をきったがごとくフル武装のバレンタインの使者達が解き放たれたのだった。

 

 

某所

「ねえ、ロマニ……」

「どうしたんだい、マリー?」

「あのね……いつもね。支えてくれてありがとう」

「ど、どうしたんだ!マリー何か変なものでも食べたのかい?」

「違うわよ!それで…これ」

「チョコレートかい!ありがとうマリー!」

「今日はバレンタインだからみんなに配っヒィ!」

「なんだい?うん、後ろ?」

震えながらロマニの後ろを指差すオルガマリー

 

ロマニが後ろを向くとそこには肌色の壁しか見えない。そして、少し経ってそれが竜牙兵達の胸板だと気が付く。

「ど、どうしたんだい?こんなに集まって、何かあるのかい?」

 

竜牙兵達はロマニとオルガマリー。そしてロマニの手元を見比べ

「決定的だな!」

「ウム、物を確認した」

「Dr.ロマニ貴様には30秒の猶予をあたえる!もし、貴様が逃げ切れなければ……」

「兵営に連行する!」

「その腑抜けた体が鋼鉄の肉体になるまでは帰れると思うな!」

 

ダッ

「…………またこのパターンか!!」

ある程度竜牙兵と付き合いがあるロマニはすぐさま状況を理解。そして、一目散に走り出す。

「逃がさん!」

「合図を送れ!」

それを見た竜牙兵の一人がふんどしから角笛を取り出して他の竜牙兵に合図を送る。

 

「うああ、まだ追ってくるよ……でも前とは僕も違うよ!これでも訓練プログラムを受けて足には自信があるんだ!」

すでに逃走をはじめて数十分以外な事にロマニはまだ捕獲されていなかった。

 

何故なら、このロマニ。ぐだおや主人公が特異点を這いずり回っているときこっそりと肉体改造に取り組み。なおかつカルデアの構造を熟知しているためになかなかしぶといのだ

「えーと次はここの通路を右に……なんだいこれは?」

そして逃走経路を考えながら角を曲がると通路が盾で塞がれていた。

「こんなの反則だよ!」

思わずロマニは不平を述べるが

 

「軍人にとって予想外、想定外とは恥の骨頂なり!」

「「「「しかり!しかし!」」」」

「僕は軍人じゃあないけど…」

「筋肉があれば突破は容易なり」

「そんなむちゃくちゃな」

「「「「うらやまけしからん!死ねえええええええええ」」」」」

 

「本音はそれかい!」

こいつらついに開き直りやがった。そうロマニは思うが、そうしている間にも追っ手は迫るもので後ろの方から地揺れを響かせて竜牙兵達が迫ってくる。

 

ドドドドドドドドドド

「「「居たぞ!」」」

「「「「「ぶち殺せえええええ!」」」」

「なんか増えてる!そして主旨が違うよ!待って!助け」

そしてロマニは筋肉の海に消えるのだった

 

 

時を同じくしてカルデア食堂

 

「なんだ、この騒ぎは?」

厨房からフライパンを片手に顔にシワを作りながらアーチャー(エミヤ)が通路からの戦闘音を聞いて出てくる

「また竜牙兵が暴れてるらしいぜ」

それに対してテーブルで酒を飲んでいるクーフーリンが答える

「またか……」

毎度の事ながら元気な奴らだとこれまでの騒ぎの原因を頭に浮かべどう鎮圧するかプランを考えていく

 

「それで今回はなんだ?」

「よくわかんねえ……チョコがどうとかはなんかいってたな」

それを聞いたアーチャーはすぐさま理解し。ああ、嫉妬かと納得する。

今回は実害がないなら放って置いていいだろう。まあ、誰かしらが止めるだろと思いフライパンを下ろす。

「まあ、それなら大丈夫だろう」

「あ?どうしてそんなことが言える?」

「彼等は兵士、色恋事とはもっとも遠いところにいる存在だ。その前で女を侍らせでもしたら怒るのも当然だと思うがな………貴様!何故離れる!」

 

「いや…女と聞いてお前といて録な事がなかっただろうが!」

 

「まて、女難は否定出来ないが今回は違う!考えろ!先ず相手がいない。貴様にはこの曲者ばかりのカルデアに愛を囁くような奴がいるか?」

 

「そりゃ……ないな」

クーフーリンの頭の中にはケルトの男戦士勢と戦闘凶の師匠そして自身に対して好意がむき出しで考えてる事がよく分からない奴が一人出てくる。

 

背中に氷を入れられたような寒気に襲われる

 

 

「そうだろ!だか「あ!エミヤとクーフーリン!」……ん?」

そして自らの持論が証明されて少し機嫌よく語るエミヤは途中で割り込んできた明るい声によって話しを中断される。

そして、首をゆっくりと回す

「まっマスター?」

「どうしたの?エミヤ」

そこにいたのは彼等のマスターであるぐだ子だった。

 

ぐだ子は大勢のサーヴァントと契約を結ぶ事以外は普通の人間である。

だだ、一点を除けば………

 

それは一定期間ごとに性別が反転する事だ!

この魔術および科学に真っ向から喧嘩を売る現象だが……この謎に挑んだキャスターや職員はいずれも?%&!$&%?$(運営による干渉)されており気にしないで決着したのだが……その現象が自分達をピンポイントで襲撃してくるとは誰も思っていなかったのである

 

そのままぐだ子(地獄への使者)はニコニコしながらうでを後ろに回して近寄ってくる。

(不穏な空気を感じ取ったハサン等は姿をすっと消えるのだった

 

そして

「じゃじゃーあん!君たちにチョコを持ってきたんだ!ほら、他の皆のもあるよ!」

使者は地獄への片道切符を取り出す

 

凍りつく食堂内そして

「に、」

「逃げろーーー!」

「散開!」

食堂にいたサーヴァントは一斉に逃げ出した。

ある者はskillをつかってまで逃げる一刻も早くこれから起こる惨劇から逃れる為に

 

「あれ?みんな恥ずかしがりなんだから」

皆が逃げ一人食堂に残されたぐだ子は逃げた皆を追いかけるのだった。

 

「何で今日はマスターが女なんだよ!昨日男だったじゃねえか!」

「知らん!口より足を動かせ!来るぞ!」

走る二人の前方には竜牙兵達が集結しはじめている。

「来たぞ!大盾を構え壁を作れ、通路を遮断しろ!」

「「「応!」」」

号令により瞬時に盾による障害とその間から突き出してくる長槍による陣形が狭い通路いっぱいに形成され

「ち、壊れた幻想!!」

 

それに対してアーチャーは即座に壁の根元を投影した宝具で爆発させ/突破口をつくる。

 

「やりすぎだろ」

「貴様は最近来たばかりだから知らないだろうが。あんなので彼等が倒せるか!せいぜいできて足止めぐらいだ」

その証拠にもうすでに追跡隊が再編されてこちらに迫る

 

「うおっしつけえな!」

「彼等には疲れとかそんなもろもろがない。ほおって置いたら魔力が尽きるまで永遠に追いかけて来るぞ!」

「ほんとに目茶苦茶だな……まて!嫌な音が聴こえて来やがる!」

「なに!」

クーフーリンの意見にアーチャーは耳を澄ます。そして

 

「走れ弓兵!戦車だ!」

「戦車だと……」

それは古代の戦争での恐怖の代名詞である戦馬に引かせて歩兵を蹂躙するチャリオットの車輪の音だった

この狭い一本道で戦車となると非常にまずい。そう思っているうちに後方からキャラキャラと車輪が軋む音が聴こえてくる。

 

だが…ここでひとつ疑問が生じる

「戦車と言っても何に引かしているんだ?」

ここカルデアには馬などいない。ましてや魔獣などもスペース的に飼育は無理である。

「そういえばそうだな」

 

やがて車輪の音の主が現れた。

 

「走れ!兄弟風より速く‼」

「「ローーーーマ!」」

「射手準備は?」

「何時でもいけるぞ兄弟!」

 

「「人力車じゃねえか(ないか)」」

まさかの動力が竜牙兵である。しかし、ふざけた姿でも兵器は兵器

「射てーーー足を狙え、殺すなよ」

「了解!」

戦車に搭載された中型のバリスタが唸りをあげて次々と弾を吐き出していく

「戦車搭載型のバリスタが翔んで来やがる!」

「貴様には矢避けの加護ががあるだろうが!」

「バカ言うな!ありゃもはや槍だぞ!しかも足場が安定しているせいか狙いがどんどん正確になってきてやがる」

「なら、これで車軸をやれるか?」

アーチャーは大きめの剣を投影してクーフーリンに投げ渡す

「槍じゃねえのがちと不満だが余裕だ!」

そして受け取った剣を手投げ斧の要領で体をバネにして投げつける

 

だが……

カンッと悲しい音を立てて剣は跳ね返され光の粒となり消えていく

「ローマ!マスターの武具がそんなことで傷つけられるとでも!」

「何を素材にしたらあんなのができる!」

「アイツまた変なものを作りやがって」

そういっていぜんとして追跡は続いていき

 

「ローマからプレゼントだ!受けとれ!」

後ろから今度はバリスタとは違うものが飛んできた

「火炎壺だ避けろ!」

それは攻城時に使われる兵器…投擲して相手を焼き殺す陶器製の油を入れた物に酷似していた。

「本気で殺しにきてやがる……」

だが、壷が割れても火はつかず周囲には甘い胸焼けするような匂いが漂う

 

「奴ら壺に溶かしたチョコレートを入れて投石紐で投げてきてやがる。避けろ!火傷で動けなくなるぞ!」

「手段が姑息過ぎるだろ……」

 

 

「どうする宝具を打つか?」

「いや、いちいちやってたらこちらがじり貧だ!」

「じゃあどうすんだよ!」

「こうするんだ!」

そう言ってアーチャーは目の前の地面を投影した剣で打ち砕いた

 

そして

「戦車は急には止まれないーーーー」

「「「ローーーマーーー」」」

穴に車輪が引っ掛かった戦車は大きな音を立てて空中で一回転したのちに壁にぶつかった。

 

「まあ、そうなるよな……これからどうするんだ?」

崩壊した通路を見ながらクーフーリンが呟く

「まあ、いつもの事とはいえ彼を頼ろうと思う」

「彼……あいつか」

それに対してアーチャーはそうだと言って通路の通気孔に手をかけるのだった

 

 

「本当にこんな所にいるのか?」

汚れた通気孔を進みつつアーチャーに疑問をなげかける

「ああ、部屋がない彼は暖かさを求めて暖房用の空調パイプがあるここに住んでいる」

「部屋がない?何でまたそんなことになってんだ?」

「この前に黒い方のアーサー王がきただろう?」

「そうだな。それがどうしたんだ?」

「彼女はアーサー王の暴君としての面が強く出ているんだが………彼女が所長の部屋を奪略したのさ」

「……………」

このときクーフーリンの頭の中で

(おいお前……)オルタ

 

(な、何かしら)所長

 

(部屋を寄越せ今すぐに!)オルタ

 

(どういう事かしら?)所長

 

(………分からないのか?あのような狭い場所ではなく我にふさわしい居城を欲しているのだ!)オルタ

 

(それって……)所長

 

(この部屋だ!)オルタ

 

(む、無理よそんなの「チャキ鞘を動かす音」どうぞお使いください)所長

 

(ウム)オルタ

 

(あのう……私はどうしたら?)所長

 

(知らぬ!どこえでも行くがいい)オルタ

バタン

と容易に想像できてしまったのだ

 

「で……それが奴がここに住むことに何の関係があるんだ?」

「そのあとに所長が彼の部屋に住みついたんだが……」

「なるほど小言と飛んでくるガンドから逃げる為にこうなったわけか……」

「その通りだ」

そういいながら二人は通気孔の中を進んでいく。

すると最初はホコリや油がこびりついていた壁や床が段々と綺麗になってきたのだ。そしてあるところでアーチャーが突然立ち止まる。

「止まれ!」

「どうした……なるほど」

そこにあったのは隠されたルーンによる魔術トラップ群だった。その種類は多種多様におよびこれを作った人物の根気と周到さがわかる。

「しっかしまあ…光、炎、惑わしと非殺傷が多いな何を警戒してるんだか」

トラップを解除しながらそういうと

 

「おそらくナイチンゲールとマシュ対策だろう」

ルールブレイカーを形成してトラップを解除しながらそうかえされた

「何でまたそんなことになってんだ!」

「ナイチンゲールは不潔になった彼の住みかを消毒(焼却)しにマシュは部屋に連れ戻そうとするからな彼にとっては天敵同然だろう……着いたぞ」

トラップ群を抜けると天井、通路ともに広くなりちょっとしたスペースが出来ており、そこには折り畳み式の机と椅子そして膨大な量の書類が積み重なりその奥には段ボールでできた小屋のような物が建っていた。

 

「ようこそ、現カルデアの中枢へ」

アーチャーは皮肉を含ませて言うのだった。

 

後半へ続く

 




感想、指摘募集中


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バレンタイン戦線異常なし〈後半〉

さて、春ですね
資格試験があったんですorz
あと書こうとして終着点がわからんようになったりと
いろいろありまして
できる限り続ける所存でありまして
申し訳ありません


「しっかしまあここがあいつらの本拠地か規模の割にずいぶんと質素だな」

一応の規模は正規のローマ兵士が300人それと後方にいるもの達もかなりいるのだ……今思えば簡単に国が落とせる規模である。

クーフーリンはゆっくりと歩き出してパイプ椅子の上に座って机の上を物色し始める。

 

「一応逃亡中の身だからな。だが、ここで彼等の集めてきた魔力リソースの集計と分配や工房での兵器構想が決められているんだが」

エミヤは地面に落ちている紙を避けながら机にむかう

 

「そうかい……なんだこりゃ!」

クーフーリンは机の上にあった赤い紙を手に取り流し見ていると突然驚いたような声だした

 

「どうした?」

「おい、これを見ろ!」

クーフーリンは見ていた紙をこちらに差し出す

 

それには

 

 

「工房報告書」

マスター、かねてより構想されていた我等の兄弟達が苦労して集めた素材や資源を掠めとっていくコルキスの王女への報復兵器がテスト段階に入りました

問題点を抽出したため一度工房へお戻り下さい

魔力感知式二足歩行爆雷

〈「イアソン君version3」開発チーム〉

 

 

 

 

 

「彼はまだ懲りてないのか……またへんてこな物を作って」

「いいじゃねえか俺はあの魔女の顔が固まるのを見て見たいぜ」

クーフーリンは紙を机の上に放り投げて奥にある段ボールハウスに近づいていく

 

「で、ここが奴の家か……」

クーフーリンはそいいながら段ボールを何回か叩くとカンッカンッとおよそ素材とはかけ離れた金属音がなったのだ

「強化と加工によって変質しているそうだ……たしかワイバーンくらいの固さとか言ってたな」

エミヤはどこからか出した携帯コンロに火を付けて持ってきたスープを煮込み始める

「なにやってんだ?」

「こうするのが一番早い。手伝え」

エミヤからうちわを渡されたクーフーリンは渋々スープから発生する匂いを段ボールハウスへと扇いで送る

 

すると

 

「ご飯!ーーーー」

中から人が飛び出してきてスープ鍋の中身をそのままがっつがっつと食べていく

「ご馳走さまでした!」

やがて食べ終わったのか元気よくあいさつをしてくる

「おお、エミヤじゃあないか!この前渡した包丁の様子はどうだい?」

キラキラとした視線を向けてくる彼に対して

「使ったらシンクまで切れたんだが……切れすぎだ!何を切ろうとしてるんだ?」

 

「コンセプトは魔竜にも使えるキッチン用品だけど……わかった今度はそれに耐えれるまな板を作る」

 

「違う!そうじゃない!第一あんなドラゴンを倒せるような文化包丁が量産されたら私の宝具が……」

全く方向が違う答えに対してこめかみを押さえて唸るエミヤ

「なあ、話がずれちゃあないか?」

ここでクーフーリンにより会話の方向修正が入った

 

「すまない、久し振りに何も混ぜられてない食事の匂いがして興奮したんだ。二人ともここへは何しに来たんだ?」

二人の脳裏に混ぜ物?という疑問が生じたのだがここではそっとしまっておいた

 

「外でお前の部下が大暴れしてるんだ!」

クーフーリンがかけよって肩を揺らす

「竜牙兵が………バレンタインか。なら大丈夫だ。竜牙兵もバカじゃない自分達のおふざけで人類が滅ぶのは本望ではないはずだ。暴れてるのはシフト外の一部だろう」

あいつらってシフトで動いているのか…と思いつつ話を続ける

 

「違う!俺たちが襲われてる事に関してだ!」

「かまって欲しいんだろう、たまにはいいじゃないかな」

 

「何が(いいじゃないかな)だこちとら大迷惑なんだよ!何か方法はないのか!」

クーフーリンは体を持ち上げてブンブンと振り回す

「バレンタインが終るのを待てばいいじゃないか。明日には普通に戻ってると思うけど」

「お前あいつらのマスターだろ!」

「あんまり干渉はしたくないんだよ彼等には彼等の意志があるからね。わかった少し待ってて」

そう言って彼は段ボールハウスへと戻っていき暫くすると

 

「この頃作った道具だけど好きなの持っていっていいよ」

そこには武骨なお鍋が鎮座していた

「なんだこれは?」

並べられた物品を見てアーチャーは手にとろうとするが

「さっ触るな弓兵!!!!」

クーフーリンに伸ばした手を叩かれた

「……何をする」

「ばか野郎!こいつはあの一族だぞ。あいつらは武器とか用途がしっかりとしている物はまともだがそれ以外はダメだ」

「まさか……」

「そうだ、あいつらは装飾品とか戦闘に関わってないものを作る時には何も考えていない!」

クーフーリンのその言葉にアーチャーは素早く後ろに下がる

「おい!作っている途中で夢中になったりして意識が飛んだりしたか?」

クーフーリンのその質問に対して

「えっと……すまない」

彼はバッサリと返した

「マジか……」

がっくりとするクーフーリン

 

「みたところ刻まれているのは同じルーン文字のようだがお前くらいならば解析できるんじゃないのか?」

それを横で見ていたエミヤが疑問に思ったことを述べるのだが

「これが古代とか神時代の系統だけならばな…………だが、現代系統とかアレンジされた物が混じりすぎてもはや意味がわからん状態になってやがる」

これに対しての対処が決まらず悩んでいると

 

「いや、効果はわかっている」

あっさりと答えが判明した

「今までのなかで最高傑作なんだ!あのワイバーンだらけの餓えに苦しんだ特異点から考えていた逸品。名付けて美味しいシチュー鍋」

いきいきと話す制作者だがクーフーリンの冷や汗は増加する。

「ちょっとまて!材質はなんだ!」

「さあ?」

「術式は?」

「知らん!」

「じゃあなんなんだよ効果は!」

「ただ、何でも食べれる物を投入すれば美味しいとは言えないが食べれない訳ではないシチューができる」

なんとも微妙な能力である

「いいのではないか?特異点では役にたつだろ?」

しかし、エミヤに対しては評価は上場だッたが…どうしたことかクーフーリンの顔色が悪化していき

「弓兵エエエエ!今すぐ破壊しろろおおお!」

突然クーフーリンは叫び出した

 

「いったいどうした!」

「今すぐだ!すぐにだ!」

「何を焦っている!」

「最高傑作とか言ってるものに録な物がなかったんだよ!例えば木を香木に変える香呂とかあったが。いざ使ってみたら周囲を重度の魔力で汚染する兵器だったり、他にも共振で城を破壊する綺麗な音がでる鐘とかそんなやつの類いだ!」

「しかし……」

いきなり他人の持ち物を破壊してもいいものかと戸惑ってしまい

 

「もういい!俺がやる!」

その間にクーフーリンがゲイボルグで突き刺した

 

しかし

 

「貫通しないだと!全力を出してないとは言えどもゲイボルグを止めるだと…」

高い金属音を響かせて鍋はゲイボルグを受けとめてしまった。

そして暫く間を置いて鍋が不気味にカタカタと振動を始めたのだ

 

「なんだ!何が起こってやがる!」

クーフーリンはとっさに危険を感じて横に身をかわす

すると今度は鍋から魔力で構成されたと思われる光線が放出された

 

放たれた光線は排気孔の壁に当たり轟音をたてて爆発する。

周囲は壁の破片や埃が舞って視界が悪くなり暫くして視界が確保できるとそこには壁だった所に大穴が空いていたのだった

 

「なんだったんだ今のは?」

ようやく考えることができるようになったエミヤが呟くと

「わからん!」

キッパリとした声がかえってきた

「「お前が言うか!」」

「それよりいいのか?あんな大きな音だ竜牙兵が大量に押し寄せてくるぞ」

その証拠に先ほどから竜牙兵のものと思われる地響きがこちらに近づいているのが聞こえてくる

 

「くそ!どうする?」

「とりあえず此処を離れるぞ!」

それを理解した二人は段ボールハウスから飛び出した……もう一人の襟首を掴んで

「……え?何で僕も?」

「いざとなったらお前を筋肉どもの中に放り込んで時間稼ぎにしてやる!あと鍋を捨てろ!」

「何て恐ろしい事を考えるんだ!死ぬ!間違えなく死ぬから止めろーーー」

「知るか!もとはお前が原因だからな少しは役にたってもらうぜ」

「クーフーリン貴様ーーーおうふ」

排気孔から飛び出して暫く走ると突然急停止をしその反動をもろにくらう

どうしたことかと前をみると

 

「ドゥフフフwwwリア充発見でござるww」

リア充死すべしとかかれたTシャツをきた黒ひげがいた

「何のつもりだ」

「いえですね、バレンタインと聞いていつものことながら拙者涙で袖を濡らしていたのでござる。まさかこのような大義名分が手にはいるとは……全拙者大歓喜www」

「へえ、貴様一人で我々を相手すると」

「そうは言っていないでござるww。先生方お願いします」

 

すると

「「「リア充に死を」」」

天井や横の壁、床下を突き破ってワラワラと竜牙兵が現れる

「囲まれたぞ!」

「いや、これくらいの数ならすぐに突破も余裕だ」

だが竜牙兵たちは行動を起こさずにジリジリと包囲を狭めていき

「兄弟!プランAだ!」

「「「「応よ!」」」」

そして一斉に何かを投げつけた

 

「なんだこれは?取れん!」

「ゲイボルグに絡み付いてやがる」

投擲された物は彼らと武器に絡み付き動きを阻害していく

 

「ローマ!みたか我らの力を!」

「黒獣の分泌物を精製してつくったアルトリア属の食糧庫襲撃対策のアルトリアホイホイの威力を!」

「いくらサーヴァントといえども身動きできないだろう」

 

「貴様!いったい何を」

「デゥフフフwww拙者完全勝利!つれていけ!」

「離せ!おい、どこへ連れていく気だ!」

「「「練兵場だ」」」

複数の竜牙兵に担がれて運ばれていく

 

-------------------------------------

 

 

 

所変わってこちら練兵場

 

「助けてくれーーー!」

「来たぞ逃げろ!」

「もういやだ!スクワットは嫌だーーーーーーーーーーーー」

逃げ惑う一般職員

「「「「「さあ、共にローマに至ろうぞ!」」」

それを逃がすまいと追いかける竜牙兵

 

「はっはっは。大丈夫だ!あと一週間もすればおはようからおやすみまで筋肉しか考えられないようになるからな。苦痛も感じなくなる!安心だな!」

「「「嫌だーーーー離してくれ!」」」

「逃げ場などない観念しろ!」

 

まさに地獄が広がっていた

 

 

「ローマが一匹、ローマが二匹、ローマが三匹……「しかりしろサンソン!君までい逝くんじゃない!」

「ああ、マリー……ローマって最高だね……」

「サンソーーーーーーン」

 

「ちっ!冗談じゃない。俺はこんなところさっさとおさらばさせてもらうぞ!」

「アンデルセン……両肩を掴まれていては台無しだぞ……」

「知るか!ジェロニモ貴様も抵抗しろ!いったい俺達は何処に連れてかれるんだ」

「知らん……ちょっと待て看板が…」

 

―――→

バーサーカーと遊ぼう

ふれあい広場

 

助けてくれーー〉

さあ共に圧政に立ち向かおうぞ〉

待てヘラクレス!腕はそっちにあああああああ〉

Gaaaaaaaa♪Gau♪Gau♪〉

 

「「離せ!離してくれ」」

 

 

「これは……」

絶句するエミヤ

「まあ、あいつらにはきついだろうがこれぐらいなら別にきつくは…ゴアフ」

「このバカ弟子が!」

「ゲッ師匠!」

「全く此処にいると言うことは不覚を取ったという事だと思うが……本来ならば直接私が鍛え直したいところなのだがいい修行の場があると聞いてな」

「「修行場?」」

「貴様らを常夏の島へ連れていってやろう」

 

 

――――――――――――――――――

 

見渡す限りのエメラルドグリーン色の海うっそうとしげるジャングル……まさに常夏の島

此処は第四特異点にある名もなき島のひとつである

 

「で、何でこんなところに連れて来やがった?」

いきなり連れて来られたクーフーリンはスカハサに尋ねる

「修行だ!以前此処をあの筋肉どもが資源採集のために拠点を作ろうとしたんだが失敗したそうだ。此処は特異点の影響をもろに食らったらしくて凶悪な魔獣がうようよいるらしい。そこでだ!なまった貴様らにサバイバルがてら開拓して貰おうと思ったわけだ」

 

「なるほど主旨は理解した。だがな…」

クーフーリンは頷きそして周囲を見渡す

そこには戦闘が苦手ではないがサーヴァントが10体いやそれ以上いた

 

「これだけサーヴァントがいたらすぐに終わっちまうぜ」

気楽そうにそう言うがそれを横目に

「バカ弟子が…これは修行だと言っただろうが」

スカハサはそう呟くのだった

 

「では私は帰るが……せいぜい簡単にくたばるなよ!」

「何度も言われなくともわかっているつーの。ハイハイ」

スカハサはカルデアに戻り。連れて来られた面々を集めこれからの事を相談しようとすると

「なんか地響きが聞こえないか?」

島の奥から何かが迫ってくるのがわかる

「どーせ魔獣とか言ってもワイバーンとかそんなレベルだろ。誰か見てこいよ」

「わかった私がみてこよう」

そしてエミヤと数人のサーヴァントが様子を見に行ったのだが……

 

「走れ!!」

エミヤが慌てて戻ってきたのだ。その方向を見てみると

 

「GAYYYYYYYYYaaaaaaaaa」

バレンタイン殺すマン×24

 

「逃げろ!デーモンがダース単位で襲って来やがる!」

まともに戦っても戦闘むきのサーヴァントがおらず正面からの戦闘を避けるべく

彼らは分散してジャングルに逃げ込む

 

だが

「森ヒトデだ!」

「何でこんな所に魔猪が居やがる!」

ジャングルの中はそれを上回る驚異が潜んでいたのだ

 

「畜生!残っているのは?」

「さっきシェイクスピアがワイバーンにさらわれたから4人だ!」

その問いにエミヤが答える

 

「いやはや、ここまでの魔境が残っているとは。まさか私が親指かむかむをつかうことになろうとは」

「さすがです、殿!」

残る二人のフィンとディムルテッドも息を整えるのだが

 

「間違いなくあの年増師匠の差し金「六匹追加だ!」師匠オオオオ」

クーフーリンがそう言うと同時にモニターが開き魔猪が出現して

「ブモオオオーーーーーー」

「殿ーーーーーーーー!」

そして流れるように魔猪はフィンに突っ込み綺麗に放物線を描いてフィンが跳ぶ

 

「逃げろ!」

「助けてくれ!」

「ヴぎゃあああああ」

その日島から悲鳴が絶える事はなかった

 

それから一週間

さすがと言うべきか数日で体勢を建て直し。まず、いつものごとく離れた所に飛ばされ木の根本でガタガタ震えていた主人公を回収

 

主人公の指揮のもと魔獣に耐えられるような施設の建設と防衛を繰返し

日夜襲いかかってくるドラゴンや魔猪、ローマと叫ぶ謎の原住民を跳ね返せるようになった。

 

ようやく安定した生活を始めたのだが

いつものようにエミヤが主人公が持っていた鍋で海魔の脚とワイバーンの腕を煮込んでいると偶然にも蜘蛛が鍋に落ちてしまったのだ

 

そこからまた新たな恐怖が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「美味しいシチュー鍋」
危険度特大

本物品はダヴィンチ工房にて常温で厳重に錠を着けて保管する事。
持ち出す場合はオルガマリー所長に申請し許可を得たうえでモニター管理下で運用すること

本オブジェクトは未知の金属で構成された西洋式の鍋のような形状をしています

見た目通り普通に触っても何も起きませんが鍋の中に食材をいれて火にかけることにより異常性を発揮します。
鍋を使い調理することにより内部の食材を分解し決まった形、味、色のシチューを形成します(食材を変えても不思議なことに単一のものしか形成されません)
また、制作者いわく味はレトルトだそうです。

また、鍋に魔力を主体とした攻撃を加えた場合は内部に特殊なコーティングがされているようで内部で増幅し反射させる機能を持っています。

warning warning
本オブジェクトには生き物を絶対に入れないこと。
投入された生物は分解、再構成されて×××になります。

レポートM氏
あれはなんだ蜘蛛の胴体に海魔の脚、ワイバーンの鱗に皮膜。
あれはまるで……




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敵の敵は敵である

4月からまた忙しくグガガガ
なります……




唐突だが今自分は限界を迎えようとしている。

サーヴァントを撃退してはや二日間も眠っていたらしく予想以上に体に負担がかかっていたようだ。

大量の竜牙兵の運用や戦闘時の術式の使用も原因のひとつだが何よりも食糧の不足が著しい

 

忙しい自分に変わって竜牙兵が食事を用意してくれるのだが…やはり主食はワイバーンであり

その主食を自分達で大量に虐殺してしまったので新鮮な物が手にはいらなくなってしまった

 

そしてなによりも

「「「「祖国フランスに栄光を!」」」

 

「来たぞーーー門を塞げ!」

「一人も通すな!だが、殺すな!」

 

「城壁にかかった攻城梯子は倒すんじゃないぞ!怪我人がでる」

 

「邪悪なる竜が消え去った!これは神の御導きに違いない‼」

 

「こう上腕二頭筋できゅっと気絶させろ、装備を剥いで後でフランス軍陣地に放り込め」

 

「邪悪なる悪魔め!神の裁きを受けよ!」

 

「そっとやさしーく筋肉で包むんだ!」

 

前の戦で沢山のワイバーンを排除したことによりリヨン周辺のワイバーンが減少

 

それに伴って敗走していたフランス軍が勢いを盛り返し、ここぞとばかりに交通と軍事の要所であるリヨンに集結。

 

現在進行形で攻城戦を慣行している。

 

 

このまま勝ち目のない戦いをリヨンで行うのは愚の骨頂あり。こちらとしてはさっさと逃げたい

だが、このままリヨンを空にすると大挙してフランス軍が流れ込み占領という形になる。

 

そして、魔竜を伴った邪ンヌ様御一行が襲来すると言う流れになる……被害規模は想定できない

 

 

そうなると最終局面での援護は勿論。

 

貴重な男衆大量絶滅による影響で百年戦争完全敗北(本来の歴史ではイギリスで内乱が起きてグダグダに)からのマルセイユ共和国不成立(邪ンヌちゃん大勝利)が起きかねん。

 

まあ、ここリヨンはフランスでの一揆や内乱のメッカであり多少の人理修復でのカバーストーリー(男性の謎の大量戦死)が起きても大丈夫なはず

 

だが、このままスルーしていい理由にはならないので

フランス軍を極力傷つけずやんわりと撃退し続け

襲来する邪ンヌを受け流しつつ(このときに邪ンヌの脅威をフランス軍に見せつけて戦意喪失させる)撤退しマシュとの合流を目指す。というクソゲーをプレイするはめになった

 

……といってもこちらも最初にいった通り限界なのだ

フランス軍による包囲陣による外部からの補給の遮断により

上記のワイバーンの絶滅とも相まって貧相な食事がさらに悪化

結果的に魔力の生産量が激減し竜牙兵が維持できなくなった。あと体の節々が痛い

 

今も魔力パスの安定しない新しい竜牙兵から肉体が崩壊し牙に戻るという現象も起きていて

数も減り続けている………残っているのはほ冬木からの古参兵であり少数精鋭とはよくいったものだ

 

勿論サーヴァントも影響を受けない訳がない竜牙兵よりも魔力を使うため弱体化が激しい

 

どうしてこうなった

 

 

「川が!」

「不味いぞ……」

思案に浸ってると竜牙兵が騒ぎだした

「どうした?」

「マスターやられました!」

「奴ら上流に死体を投げ込んだみたいです」

「水が腐ってます!」

ついにこのときが来てしまったか……

中世において大砲が発達しないうちは城壁の突破が難しく大抵は正面で戦い気を反らしつつ兵糧攻めや土竜攻め等が行われる

 

包囲されてからまだ数日のうちに外から腐乱死体や燃焼物が降り注ぎ

 

夜にはフランス軍陣地から騒音が鳴り響き休養を妨げる

 

まさに定石という攻めかただがここまで行動が早いとは…流石はフランス陸軍元帥が指揮しているだけはある

これでリヨンで籠城できる日数が大幅に減ってしまったわけだ

 

逃げたらフランス軍が……留まっても不毛な魔力消耗戦+餓死、邪ンヌを止めれないとなる

 

唯一の希望は竜牙兵の通信が生きておりリヨン外部の情報が分かりオルレアンに動きがない事ぐらいだ。

 

マシュ達が到着してもあの量のフランス軍をどうにかできるとは思えないし。

邪ンヌをリヨン到着時の状態では倒せないだろう

 

どうすれば……いざとなればジークフリードだけでも無傷で……だが……竜牙兵を道連れにするのはなあ……

 

「ハア、リヨンが無ければいいのに……ん?」

 

 

そうだ!リヨンがあるからこんなに苦労するんだ。

それにどうせ邪竜に破壊される町だ誰がどうしようといいじゃないか

 

「よし、イケる!これならイケる!ロムルス!ジークフリード!面白い事を考えたんだ。聞いてくれ!」

 

この作戦には今までの比ではないほどの魔力を消費する。

当然ながら自分はこのようにボロボロであるが結晶は無事であり魔力を供給することはできる

 

但し少しの量を自分から摘出しそれを加工しなくてはならないが…そもそもこの結晶、最近異物である事が判明したのだ

 

空腹と疲労で倒れるごとに祖先の呟きが聞こえるのだが、その中にも聞き捨てならない言葉があった

 

「結晶が先である」

 

今までは祖先がありまる魔力を結晶化させたと思っていたが

 

何らかの出来事で一族に結晶が侵入

結晶、一族の魔力(生命力)を吸収開始。多数の一族が耐えきれず死亡し絶滅の危機に

一族の中に結晶の吸収量を上回るもの達が負荷に適応して誕生

体内の魔力が多くなったことにより結晶濃度が上昇し吸収量が増加

それに対してryを何百世代と繰り返して今の驚異的な生命力をもつ自分がいるわけで

この宝石、ルーン魔術や技術は結晶に抵抗しようとしたり、利用しようとして発達したものなのだ

 

まさに結晶とは体内で生命力をすいとる癌そのもの

 

取り除けばよくないか?

と思えるのだが…もう遅すぎたのだ

 

結晶を抜き取られると死んでしまうのは知られている

しかし、直接の死因は魔力(生命力)過多による細胞の変質

つまり、一族の魔力生産量が異常に進化し続けたことにより結晶がなくては生きられない体になってしまったのだ

 

しかし、異物であるがために少量ならば使用できる。

威力は保証済みだ

 

「あと綺麗な水と、刃物、干した羊の腸を持ってきてくれ」

 

人知を越えたサーヴァントにはサーヴァントのみしか通用しない

ならば彼らが想定できない奇策を使うまで

 

「邪ンヌよ待ってろ……ギャフンと言わせてやる」

 

――――――――――――――

 

 

数日経過後

sideマシュ

私達は特異点に到着したあとに

まず、先輩達が居ないことに気が付きました。

周囲を探しても発見できず、今も行方不明のままです。

 

先輩も心配なのですがロムルスさんや筋肉さん達がいっしょだと思うので大丈夫なはず………

です

 

ですが、毎日襲ってくるワイバーンや魔物を見るとやはり心配になってしまいます

 

「先輩無事でしょうか……」

今日も一日中歩きました。しかし全く目的地に着く気配もありません

外の世界はバーチャルでしか見たことがありませんでしたので

こんなにも遠くまで歩いた事はありませんでした。

 

それにしても……星が綺麗ですね空気に匂いもありますし現代のフランスもこのような感じなのでしょうか?

 

マスターは寝ていますしジャンヌさんとマリーさんはさっきから二人でお話が盛り上がってますし。する事がありません

「ねえ、マシュ。貴女さっきから大切そうにそれを触っているけどそれはなに?」

手持ち無沙汰にペンダントを触っているとこちらにマリーさんが側に来ているのに気付く

ここまで近づいいることに気がつかないなんて私も不安だったのだろうか

 

「これは先輩からもらったペンダントです」

「先輩?まあ!マシュが先ほど言っていたはぐれてしまったもう一人の魔術師さん?」

「そうです」

「で、どんな人なの?」

いつの間にかマリーさん表情が人懐っこい猫みたいなものに変わっていて。

ニコニコとしながらグイグイと押し寄せてくる、だが不思議なことに不快感は皆無だった。

 

「詳しくは私もしらないんですが高度な魔術を手を振るように使えて筋肉さん達を連れた凄く頼りになる魔術師なんです」

「筋肉さん?」

「先輩の使い魔さんです。けれど独自に意思を持って考え、動いて戦って助けてくれます」

「まあ!素敵ね。是非お話してみたいわ、マシュが笑顔で話すなんてとっても素敵な方に違いないわ」

「………」

「マシュ?どうしたの?」

先輩が良く思われるのは嬉しいのですが……なんでしょうかなんだか胸の奥がもやもやします

 

これは一体なんでしょうか?

 

 

「二人ともそろそろ夜が明けて来ました。出発しましょう!」

それから暫くマリーさんとのお話しを楽しんだのですがついにあのもやもやが何か分からないまま夜が明けてしまいました。

マスターを起こさなくていけません!

 

「ぐだおくん、マシュもしっかりと休めたかい?今日中にフランス南部の一大交易都市リヨンに着くそこなら彼の手がかりもあるに違いない」

コンソールが開きロマンの声が聞こえてくる。

ここまでの都市の多くが既に壊滅していたので不安が残るが今日には会えるかもと希望を持って立ち上がる

 

 

だが……

「ここがリヨンですか……」

「何てことだ!今まででいちばん酷い」

リヨンは壊滅していた

殆どの建物が木っ端微塵になり地面にはおびただしい数の武器や鎧そしてワイバーンの死体が転がって足場がない状態だ

だが、私は大きな違和感を感じていた

 

「こんな状態じゃ生きている人なんて……」

マスターは悲しげな表情でそうこぼしながらも周囲の瓦礫をどかして生存者を探そうとする

 

私はこの違和感が何か探ろうと周囲を確認する。そして瓦礫の中に燃え残った布切れがあるのに気が付いた

 

「これって………」

それは青地にオリーブの葉そして月を象ったもの

 

つまりカルデアの旗だった

 

「先……輩?」

思わず膝をついて座り込んでしまう。

此処にコレがあると言うことは

先輩はもう

 

「マシュどうか……これって」

急に座り込んだ私を心配してマスターがかけよってくるが私が持っているものに気が付き言葉をなくす

「マシュ、ぐだ男くんどうしたんだ!」

突然の沈黙に驚いたロマンが呼び掛けてくる

私は無言で旗を差し出した

 

「これは!……そうか」

ロマンは言葉をうしなったように沈黙する

そして

「所長!何処に行くんだい!」

そのような声がモニターを通して聞こえてくる

 

 

「おかしいですね人の御遺体がひとつもありません」

 

「ええ、ジャンヌ。倒れているのはワイバーンのものだけ。これって」

 

「マリー!やはりおかしいさっきからワイバーンの忌々しい音が聞こえないんだ」

 

「本当!じゃあ」

 

「これだけのワイバーンを倒した人物が居るということになりますね」

落ち込んでいる二人を別に同じく違和感を感じていたサーヴァント達は真相を知ろうと話し込み出した。

しかし、それは思わぬ乱入者により中断させられる形となった

 

「ローーーーーーーーーーーーーーマ!」

「ゆるせん!」

「貴様ら!ぶっ殺してやる!」

「良くもマスターを!」

瓦礫の中から筋肉で構成されたとしか思えない巨人達が現れた

 

「周囲に魔力の反応多数!バカな!今までで反応なんてなかったのに……しかもこれって」

その姿を見てマシュは涙を流しながら駆け寄る

「筋肉さん!」

しかし、マシュに向けられたのは冷たく光る鋼だった

 

「どうしちゃたんですか……筋肉さん……」

振りかった刃をよけてひとまず後退したマシュは信じられないようなものを見るように竜牙兵を見つめ声をかけるが

 

「「「「マスターの仇いいいいいいいいいい」」」」」

怒り狂った竜牙兵にはその声は聞こえていないのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




おまけ
今の話とは時間が違います

「オルガマリーぼっち対策室」

薄暗い部屋の中に10人ほどの竜牙兵が集まり真剣に一心にあるプリントを見つめている

そこには
(アンケートサーヴァント用
貴方はここカルデアの最高責任者を知っていますか?)と書かれていた

数十秒の後に
「で、結果は?」
「それがだな……」
一人が立ち上がりホワイトボードを裏返す

60%ロマニ(類似回答含む
35%マスター(類似回答含む
1%オルガマリー(マシュ
4%無回答、意味不明

「「「ここまでとは…」」」

「早急な知名度対策だな!」
「だが…どうする」
「マスターは先日またやらかして所長に捕まってるし」
「以前のように…「「「「却下だ!」」」」……ローマ」

「銅像を作るか?」

「「「「それだ!」」」」」
「何で今までで誰も作らなかっただ?」
「よしやろう!今すぐにでも」

数日後
オルガマリー胸像

「どうしてダメだったんだ?」
「さあ?」
「胸像だと年寄りくさく見えるだそうだ」
「じゃあ全身作るか…」
「そうだな」

数日後
オルガマリー像
「また、苦情だ…もう少し威厳があったり神秘的なものをつくれだそうだ……」
「威厳……?」
「神秘……?」
「どうすれば……」
行き詰まった竜牙兵達の前に神からのインスピレーションが舞い降りる
「ねーダーリン?お外でお話ししようかしら?」
「ハイライトさん戻っててええええええ」
「いいわよ…とことんお仕置きしてあげるわ」
「いやあああああ」

「………剥くか?」
「そうだな」
「ノミと彫刻刀を持って来てくれ兄弟!」
「応!」

翌日
オルガマリー像(露出80%アップ
「逃げろーー」
「皆殺しにされるぞ!」
「隔壁を閉めろ!はや」
「きぃうだいいいいいい‼」


「酷い目にあったな」
「で、何が悪かったんだ?」
「神秘的じゃないか」
「わからん」

「「「………盛るか」」」


数日後
オルガマリー像(露出80%筋肉150%アップ

オルガマリー〈白目

「ダメだったな…」
「筋肉、露出共にローマの像をモチーフにしたのにな」
「わからん!」

「話は聞かせてもらった!」
「「「お前は!竜牙兵G」」」」
「兄弟達よこの像に足りないのは物語性だ!」
「物語性だと!」
「まあ見てな」

数日後
竜を屠り勝利の雄叫びを叫ぶオルガマリー像(露出80%筋肉150%アップ

「所長が倒れた!医務室へ急げ!」

「おっかしいなー権力者とか架空の功績をでっち上げるの好きそうなのに」
「でも格好いいよな」
「「「うん」」」
「本当に手詰まりだぞ。何か何かが足りないんだ」

「話は聞かせてもらった!」
「「ダヴィンチちゃん」」

「先ほどの像なかなかいい線いってるじゃないか!だがね、君たちの作品には動きがないのだよ像とは一瞬の出来事を固定するもの躍動感が重要だよ!」

「躍動感…」
「動き…」
「うーむ」
「わからん…」

「じゃあ動かすか?」
「「「「それだ!!」」」」」

数日後
竜を屠り勝利の雄叫びを叫ぶオルガマリーゴーレム(露出80%アップ筋肉150%アップ

「じゃあ起動するぞ!」
「やっとか!」
「………所で俺達何作ってるんだ?」
「決まってるだろ……あれ?」

「起動!」
ゴーレムの目に光がともる
「で、誰がゴーレムをコントロールするんだ?マスター居ないんだぞ……」


「「「「「「あ、」」」」」


保安部
「あー兄弟今日も平和だな」
「そうだなどうだいシフトがおわったら一緒に訓練でも」
「それは〈目の前をオルガマリーゴーレムが通過〉……敵襲うーーーーー」

「敵襲うううううう!全保安部員は第1種装備にて集結!」
「敵は第2ブロックまで進行しているぞ!」
「レーザー射って来やがったあああああ」
「止めろ宝具を打つなここは地下だぞ落盤したら……ぎゃあああああああ」




エミヤがルールブレイカーで止めてくれました。


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17話

「返せ!マスターを!」

マシュの呼び掛けにも反応せず剣を降り下ろした竜牙兵はそのままマシュに追撃をかけようと剣をそのまま突き出す

「筋肉さん!私です!止まってください」

「ローーマアアアア!」

ブンとまるで車がかなりの速さで横を通った後のような風切り音をたてて剣が突き出さる。

 

その軌道には迷いなど一切感じられなかった。

 

「ダメだ!話が通じてない!」

 

ロマニがそう叫んでいる間にもマシュに投げ槍が何本も飛来してくる

マシュはとっさに避けるが今度は三人の竜牙兵達が飛びかかる

 

「「「ローーマの仇いいいいい」」

 

「くううっ」

マシュは盾で拳を受け止めるが竜牙兵三人分の重さと威力である次第に敗け始め後退し出す

 

「マシュ!」

マシュの援護するためにジャンヌが竜牙兵達の足に旗を叩きつける

さすがにサーヴァントの一撃をくらい竜牙兵も脚が傷付き一時的に動けなくなるが

 

「ローマ!」

「なっ………」

しかし直ぐに竜牙兵は脚の傷を再構成で修復して後退する

 

「アマウデス!」

「わかってる!それっ」

そこにマリーとアマウデスが魔術による攻撃を後退して無防備になった隙に叩き込む

魔術は魔力の軌跡を描きながら飛翔し確かに直撃するのだが

 

「「「ローーーーーーーーーーーーマ!」」」

 

「………嘘だろ」

魔術の着弾による土煙の中から無傷の竜牙兵が現れる

 

「前から思ってはいたが………彼ら強すぎないかい?」

「ドクターそんな事いっている場合で「ロオオオオマアアアア!」

「ローマ!」「ロオオオオマアアアア」「ローーマ!」「ローーマアアアア!」「ロオオオオマアアアア」

 

「数が増えました………」

「マシュ今すぐここから離脱しよう!幸いにも街の出口はここから近い!」

竜牙兵の叫び声に呼応して瓦礫から更なる竜牙兵達が目を覚まし戦闘に加わり始め

状況が不利だと感じたぐだ夫は撤退を進言。

この状況下では異論などなく全員がそれに従い走り出す

 

「ローーマアアアア!」

「ローーマ!」

「ロオオオオマアアアア!」

それに対して竜牙兵達は雄叫びをあげながら追跡を始めるのだった

 

~~~~~~~~~~

 

「いったいどうしたでのしょうか?彼らリヨンを出ると直ぐに引き返しましたが………」

「………わかりません。ですがあまりに様子がおかし過ぎました」

一同がリヨンを脱出したのだが不思議とリヨンを出たとたんに攻撃が止み怒りを露に迫ってくる筋肉達磨は消え去り平和な風景が戻る

 

「アマウデス彼らはもう近くに居ないの?」

「ああ、マリー彼らがたてる地鳴りのような音はしないよ」

アマウデスからその言葉がでてマリーは安堵の表情を見せる

 

 

「確かにいまのところ竜牙兵らしき反応は見当たらない。だがなぜだ?なぜ彼らは追って来ない?」

「わからないことだらけだ……とりあえず情報が欲しい。近くの村か街に向かおう」

ここにきて不可解なことが多すぎたのでマシュ達は竜牙兵達に何があったかを探るべく移動を開始する

 

「………平和過ぎます」

「そうだね、ここまでワイバーンやその他魔獣の反応がないなんて………」

一行はリヨンから現在まで一度たりとも襲撃を受けなかった。

それどころか敵対する魔獣の類いの反応すらない。

現在のフランスの状況下ではあり得ないこが起こり得ていた

 

そして街道に沿ってしばらく進むと

 

(カンッ!カンッ!カンッ!)

突然何処かから金属を叩く音が聞こえ、さらにそれがなり終わると連続して別の場所から同じ金属音が鳴りはじめ

次第に金属音が遠くへ遠くへと広がっていく

 

その直後

「魔力反応感知!……このパターンは竜牙兵だ!数は30正面からかなりの速さでで接近してくるぞ!」

「こちらでも確認した。これは確かにあの筋肉どもの音だ……だが妙だ」

「妙とはどういうこと?アマウデス」

「ああ、先程の筋肉どもの足音には強い敵意と怒りが感じられたんだが、今回のは敵意どころか歓喜が伝わってくるんだ」

「それって!」

アマウデスの言葉にマシュが期待こもった声を上げる

しばらくすると正面から土煙を上げて半裸筋肉達磨が隊列を組んで近づいてくる。

マシュを除いたサーヴァント達は先程の経験と異様さそして威圧感から戦闘体制に移り

マシュだけが笑顔で走っていく

 

「筋肉さん!」

「おお、マシュよく無事で!」

竜牙兵は走ってきたマシュを優しく受けとめた

 

「どうやら大丈夫のようだ」

その様子を見てサーヴァント達は戦闘体制を解きマシュに続いて近づく

 

「筋肉さんがいると言う事は先輩は無事なんですね!」

マシュは歓喜と興奮を隠さないで竜牙兵話しかけるが

「………」

「………え」

竜牙兵は顔を下にして悲痛な表情をするだけだった

 

「………気になる事はあるがまずはこの特異点の情報を教えて欲しい」

呆然とするマシュをあえて無視してロマニが問うと

「ここは危険だ………すべては拠点に帰投してから話そう」

竜牙兵はそう言って無理につくったような笑顔で案内をすべく歩き始めた

 

―~―――――――――――

 

一行は先程の場所から少し離れた山に着き山道を登り始めていた

 

「そういえば何故こちらの場所がわかったんだい?」

「我らの監視網にマシュとぐだ男が引っかかたからだ」

「元々はワイバーン対策の防空監視をしていたんだが………最近は奴等我らの姿を見たとたん逃げ出すようになってな」

「それからはマシュ達の捜索に力をいれていたんだ」

各々の竜牙兵が別々に喋る

 

「そろそろ着くぞ!」

やがて岩肌が剥き出しの斜面に到着し竜牙兵が到着を宣言する

 

「見たところ普通の山ですね………」

「本当にここが拠点なのかい?」

何もない所に案内されて不振がる面々だが

 

「まあ見ておけ………兄弟客人だ!」

先頭にいる竜牙兵が横たわる大岩に呼び掛けると

 

「………ローーマ!」

ゆっくりと大岩が動き始めやがて人の形へと変化していく

「これって?」

「………」

余りの出来事にマシュを含めて全員が唖然としロマニのみが驚いた声を上げる

「なんと言う事だ………それ竜牙兵だ」

「ドクター何を言って」

「それからは竜牙兵の反応がするんだ!いきなり現れたらから見間違かと思ったが間違いない」

「「「「その通り!」」」」

ロマニがそう言い終わると目の前の岩の巨人から複数の声が聞こえてくる

 

「我らは元々コア以外は土塊なり!」

「形は自由自在」

「故にこのようなことまで可能となる」

「皆が揃えば力も5倍!」

「合体はローマなり!」

それらは右足、左足、右腕、左腕、胴体から発せられ

やがて五人の竜牙兵に分裂した

 

「「「「「ようこそ!我等が拠点へ」」」」」

彼等はそう言って道を開ける

 

「岩塩坑ね!」

入り口を通り狭い坑道を進む。

その途中左右の岩壁に白くきらきらとした結晶が含まれているのにマリーが気付く

 

「ここは破棄された坑道を我等が改造したものだからなローマに塩坑を掘らせれば世界一よ」

「もうすぐ広い場所につくぞ」

竜牙兵の言うとおり狭い坑道をしばらく進むとドーム状の広い空間に出る

 

空間は縦三メートルくらいで奥行きはかなり広く所々に他の場所へ繋がるであろう入口が散在していた。

部屋の中央には大きなフランスの地図が設置され

その上で複数の竜牙兵達が駒を動かし作戦をたてていた

 

「戦況報告!東部方面の市民疎開作戦がバレたああああああああああああああ」

「不味い!撹乱作戦(ローマの休日)を前倒しにしろ!」

「リヨン付近の戦力を結集させて疎開する市民を囮とした本拠地への殴り込みがあるように警戒ささせるん!」

 

「できるだけ目立つようにするんだ!」

「目立つようにってなにをすれば………」

 

「………ロマニがいつも観てるあの躍りでも踊っとくか?」

 

「「「「それで行こう」」」」

 

「やめて!お願いだから僕の癒しを汚さないで!」

 

「「「「ん?」」」」

そして、地図の周囲で指揮をとっていた竜牙兵のがマシュ達に気がつき

「やっとこの時がきたか……よくぞ、よくぞ来てくれた!」

涙を流しながらそう話しかけてきたのだった

 

――――――――――――――

「どうぞ此方へ」

司令部にいた竜牙兵の案内のもとどんどんと地中深くに降りていく

「ジャンヌ」

「ええ、護衛が先程よりも重装備になってきてますね」

地下に潜るにつれて竜牙兵の練度も装備も良くなってくるのがわかる

 

「よく来たなローマよ!」

やがて坑道の終点と思われる場所へ着いたと思えば奥からロムルスが歩みよってきた

 

「ロムルスさん!」

「息災であったか!」

「はい!」

マシュはロムルスに駆けよっていく

その様子を見て他のサーヴァント達は呆然とする。

 

「ねえぐだ男さん?ロムルスってあのロムルス?」

「多分マリーさんが考えている人で間違ってはないはず」

「………嘘だろ」

「信じられません!」

「皆さんいったいどうしたんですか?」

「ねえマシュ………神格持ちのサーヴァントが簡単にでてきたら普通は「いかにもローマがローマである!」

「………」

突然のロムルスの登場に動揺がはしり事態を余りにも普通に受け止めているマシュに思わずマリーが説明しようとするが

いつもの如くロムルスが話を切断する

 

「そなた達からローマを感じる!」

「………えーと」

「我等はそので「いやローマであるのだ!」

「アマウデスあなたが丁寧な言葉を使うなんて」

「しかたがないだろ相手は西洋文化の根本を作った御方だぞ無礼な振る舞いはできないよ」

 

「そうだ!ロムルスさん先輩は何処ですか?」

「ローマよ汝に渡す物がある」

ロムルスはそう言ってボロボロのノートをマシュに手渡した

 

「これって………」

「ローマの日記だ」

そこにはこうかかれていた

 

△◯日目

食料が尽きかけている。

カルデアから持ち込んだ食料等はかなり前になくなった

現地調達できるような野草や動物が本当に居ないどうなっているんだ?

 

×△日目

昨日の疑問が解けた。

ひさかたぶりに見た鹿が目の前でワイバーンにさらわれた

多分家畜や大型哺乳類、鳥が居ないのもこのせいだ

 

◯×日目

食料が尽きた

仕方なくワイバーンを食べてみたのだがなかなかいける

ただ、食べた後に体のあちこちが痛むのはどうにかならないものか………明日にはリヨンに着く

なんとか補給ができればいいのだが

 

◯◯日目

リヨンがもぬけの殻だった。

さすがと言ううべきか食料の類いは残っておらず

他の物資が補給できただけでも幸いとすべきだろう

ここリヨンは交通網の要所

ここ待てばマシュ達と合流できるはずだ

 

××日目

ワイバーンを見る頻度が少なくなってきた………狩りすぎた可能性もある

余剰な物は干し肉にして保存すべきだろう

リヨンの要塞化も着々と進行している。順調だ

 

△◯日目

本日サーヴァント三体とワイバーン三千の襲撃をうけた。

どうにか撃退したのだが防備設備と弾の不足…何よりも食料がない

奴等は再びリヨンに来るだろうリヨンを放棄すべきだ

 

◯×日目

なんと言う事だワイバーンを倒し過ぎたせいでフランス軍残党が勢いを増してリヨンに集結し始めた。

逃げて!頼むからここは死地なんだ!

………お腹がすいた

 

◯◯日目

リヨンがフランス軍に包囲されてしまった。

包囲の突破は容易だがそうすれば前代未聞の規模の虐殺が起きてしまう

此処から動けなくなってしまったどうすればいいのだろうか?

後、日に日に痩せいていく自分を心配してか竜牙兵が独断で包囲を突破して近隣の都市に食料の徴発に向かっていた。

サーヴァントと敵対しなければよいのだが

 

◯◯日目

フランス軍の攻勢は激しさを増している。すでに水源は汚染され都市に可燃物が投げ込まれている。消火は更なる水の汚染を引き起こし魔力も体力も減っているのが実感できる。

今夜は木屑のお粥。まともな物が食べたい

 

◯ …日目

椅子◯

机×

棚×

ベット△

 

 

◯日目

みずがのみたい

 

いすがうまい

 

×■△

いす……うま

 

いすうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうまうま

 

?日目

ここ数日どうかしていたようである

久方ぶりに竜牙兵がワイバーンを仕留めた!

体の痛みやしびれはさておき満腹とはなんと素晴らしいことだろう

さて、残念ながら事態はこれ以上の好転は望め無さそうだ

まともに書けるうちに書いておこうと思う

明日サーヴァント五体とバカみたいにでかいドラゴンが襲撃してくる。

 

恐らく自分は敗れるだろう

だができる限りの足掻きをしようと思う。

リヨン全体に爆発術式巡らせておいた。

明日奴等がリヨンに来たらリヨンごと爆破してやる!

 

ps

マシュ・ぐだ男もしも君達がこれを読んでいるならば自分は敗北しているはずだ

できる限りの戦力は逃がそうと思う彼等が君達の助けになるはずだ頑張ってくれ

 

後、ボルドーとティエールに向かうといい。

そこにいるサーヴァント達が力を貸してくれるはずだ

最後に

まあ自分は特殊な個体だから直ぐに殺されはしないだろう

だから、また会おう!

それと結晶の欠片マシュが持っておいてくれ

 

日記はここで終わっている

 

「先輩………」

「これは………」

「まさかこんなことが」

日記に書かれていた内容にカルデアの面々は沈黙してしまう

 

「では先輩は………」

「守れなかった」

「我等に力が有れば……」

マシュがそう呟くと周囲の竜牙兵達からすすり泣きのような物が聞こえてくる

 

「でもどうしてだい?君達の性格なら意地でもその場に止まるはずだろ?」

「マスターは我等に命じたのだ(逃げろと)。当然我等は反対した!契約にも抵抗した!」

「ここに居る兄弟達はここにいたくて居るのではないのだ……出来れば止まりたかった!」

「だが、マスターと付き合いが長い一部の兄弟達は命令に抗いリヨンに残ったのだ」

「兄弟達は無理をしたのだろう理性が消えてしまったのだ」

「結果兄弟達はリヨンに近づく全ての者に攻撃するようになった」

「兄弟達は待っているのだマスターが帰ってくるのを」

リヨンで襲いかかってきた竜牙兵達の原因が判明したわけだがここで新たな疑問が生じる

 

「え!じゃあ何で君達動いているの?」

ロマニがそう尋ねると

「答えはこの中にある」

竜牙兵達がゆっくりと扉を開け始めた

 

すると

(Biiii!Biiii!Biiii!魔力濃度増大!危険領域です!)

「なんだい!いきなり魔力濃度がはね上がったぞ」

カルデアの魔力計が異常値を観測し警戒音が発せられる

同時に

「うっ………」

「マスターどうしたんですか!」

ぐだ男が倒れた

 

「筋肉さん!これは」

「やはりマシュだけか………マスターの言うとおりだ」

「耐えられなかったか」

竜牙兵は倒れたぐだ男を介抱し始めマシュにそのまま進むように仕草する

 

「わかりました………」

マシュは仕草に従い扉の奥に進む。部屋は思ったよりも狭く奥行きがなかった

中央には祭壇のような造りの石製の台座がありその上にマシュの小指ほどの七色に光る宝石が鎮座している。

 

「綺麗………」

マシュはその輝きに目を奪われ暫く立ち止る

だがその間にもカルデアの計器の数値が上昇していく

 

「マシュそれを速く収容して!」

余りの数値にロマニが叫ぶ

マシュははっとして自分の盾の中に宝石をしまいこんだ

 

「今のはいったい?」

収容すると同時に魔力濃度は急激に下がり平常値をしめす

「まさか賢者の石か?いや色や特徴が伝承と違う………なんなんだいそれは?」

数値が下がったのを確認してからロマニが先程の現象について考察し始める。しかし思うような答えが出てこない

 

「今の魔力………暖かくて優しいまるで先輩が何処にいるみたいです」

「まさかそんな………ダ・ヴィンチちゃん手伝ってくれ!」

「どうしたんだロマニ………なんだこれは!」

「何て事だ……」

モニターの向こう側が騒がしくなる

 

「ドクターどうしたんですか?」

「今の魔力…波長・性質何もかもが彼と一致したんだ」

「それって………」

「ああ、その宝石は彼の魔力で構成されているんだ!」

「あり得ません!こんな高濃度の魔力が先輩の中に有れば先輩も無事ではないはずです」

「そうだ!通常こんな物が体内に有れば人間どうにかなってしまう。だがここに存在している」

「では何故?」

 

「ひとつの可能性として彼が人間ではない可能性がある」

「確かに猛毒のワイバーンとか普通に食べてたし……」

「人外じみたものしか基本的に作らないし……」

「いっそ死徒ですと言われたほうがしっくりくるし」

あらよあらよというちに彼が人間を超越した存在であるという意見が沸きだしてくる。

 

マシュはそれらを否定しようと反論しようとするがその声は喉を越えることはなかった。

 

信じたい

 

だが私は彼を知らないのだ

 

味方なのか?それとも………そう考えただけで今まで感じたことも無いような寒気に襲われる。

 

だが

「それは大丈夫よ!彼は人間。ただ、特殊な部族なだけよ」

議論の最中オルガマリーがいきなり発言したのだ

 

「そういえば、彼は君がつれて着たんだよね?何者なんだい」

ダ・ヴィンチちゃんが問いかける

「彼は輝石の一族その末裔よ」

その答えにモニターの向こうカルデア指令部はしばしの沈黙の後に爆発したように一斉に喋りだす

 

「「「「「…………………は?」」」」」

「ちょと待て!実在したのか?」

「いやそんな馬鹿な?」

「伝説通りならばあの筋肉達も説明がつく」

 

職員達は同僚と議論を始めその場が収集できなくなっていく

 

「静かにしたまえ!」

喧騒の中ダ・ヴィンチちゃんが一喝し話しだす。職員達は我にかえったようにはっとして

 

「まあ、質問したいことは山ほどあるが。今は彼の日記に従おう。恐らくだがマリーアントワネットやアマウデスのようなサーヴァントが召喚されている可能性も大いにあり得る」

 

「今は戦力を集めるほうが優先だ!」

 

 

……………………………

 

それから数日後フランス全土に狼煙があちこちから立ち上った。

 

それらが伝える情報はひとつ

 

「時来たり、ローマの兄弟達よ集結せよ!」

 

次回第二特異点終結

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





携帯が水没

fgoデータプッツン

引き継ぎコードもちろんとってるさ


…………スクリーンショットで


携帯を変えてからの最初の冬木は絶望的なんだぜ

皆もデータは守ろう………後悔する前に







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オルレアンの戦い(前編)

本作品最大の被害者はサーヴァント
カーミラ・ブラドファンの皆様ごめんなさい


さて、場面は変わりまして。

 

こちらオルレアン敵の本拠地の囚われのヒロインならぬ囚われの主人公death

 

「戻しなさいよ!今すぐに!」

只今……あれ、もし特異を点全て片付けたとしても自分住所不定無職になるんじゃ?と思いつつ邪ンヌに襟首持たれてシェイクされています

 

何故こうなったかと言われますと

 

テレテッテーーーー魔弾山崩しーーーーーーーー

 

某ロボット風に言ったわけだがこの魔弾……いや術式をありったけ彫りこんだ魔力結晶か

 

そもそもはこんな状態に無理やり放り込んだオルガマリーへの怒り・恨みからの報復グッズなのだがばれたら後が怖いのでパラメーターを隠蔽に全振りしてるのだ!

 

効果は幻術を見せ寒イボ・お肌かさかさ・シミ・そばかす・シワ・ほうれい線が見えるようになることと

 

………胸が平らに見えるようになる(周囲含む

 

原理は簡単

発射された魔弾が対象に命中すると同時に半液状化し付着し相手の魔術回路に寄生する。

その後相手の魔術回路からの魔力供給を受けて幻術を展開し本術式を隠蔽した後に効果を発現させるというわけなのだ

 

欠点としては相手の素肌に命中させる必要があり難易度が高いことと本職のキャスターに検査されるとバレることぐらいだな

 

これを追い詰められた時に至近距離から撃ち込んだのだ

 

……邪ンヌに

 

この時サーヴァントに自分の術式がかなうはずがないと思いつつ野郎ぶっ殺してやるののりでやってしまったのだが………効いたしかも胸だけ

 

身体が魔力で構成されているせいか?アベンジャーだからとか理由はわからないが効いてしまい

 

御山が平原になった

 

更に幸か不幸か相手側にまともなキャスターがいなかったのだ。

結果邪陣営は原因を特定することができなかった

 

こうしてサーヴァントに意味のわからんことをする警戒すべき魔術師が誕生し

 

「毎日拷問されております!」

「何訳の分からないこと言ってるの!」

現在進行で骨を折られかけております

 

「ところであんた本当に人間?切り傷とか翌日に治ってるし。骨折っても二日後にはくっついてるし」

魔力が多い=生命力が強いであり我が一族は異常な回復力と復帰力を持っている

 

一瞬便利だなと思った貴方。

言い換えれば拷問しても直ぐ治るから拷問し放題なんだぞふざけんな

 

「マスター!血液検査の結果が出たぞ」

「結果はサンソン?」

「出るわ出るわワイバーンの毒に毒にんじん・トリカブト後毒キノコの毒が数種類。コイツ人間か?」

「自信がなくなってきたわ………」

歴史的に毒とか薬とか盛られ続けてるからな大抵のものには耐性がある

 

というよりやっぱりか竜牙兵の摘んできた野草のなかに混ざっていたか毒草

 

 

「というよりなんか目が達観してるのよね………」

「何者だ?コイツ」

「ハア、何度目よ………あんた名前は?」

 

「ナマエガアリマセンアナタガナズケテクダサイ」

「こいつ!サンソン、ナイフ!」

サンソンからナイフを受け取った邪ンヌはそれを主人公のけつにぶっ刺した

 

「………」

「悲鳴ぐらいあげなさい!調子が狂うわね」

「もう血が止まってるぞ………興味深い。マスター解剖していいか?」

「さすがにやめなさい!半分になって喋りだしたらトラウマものよ!」

あっ無理、それ死にます。

 

邪ンヌは目の前にいる意味のわからない存在をどうすべきか思案する。

まずは目の前の魔術師を見つめる……綺麗な魚の眼をしている。

次に自分の胸を見るフランス平原である。

いらっとして再びナイフの柄を握ろうとするが

 

「おお、ジャンヌ!ついについに完成しましたぞ」

「ジルできたの?」

「ええ、カーミラの協力の元完成しました」

そう言ってジル・ド・レはシールのような物を邪ンヌに手渡す

 

そしてニヤリと笑い

「ねえ、これが見えるかしら?これはね令呪擬きみたいなものなのこれを貴方に付けるわ………さあどんな記憶が観れるのかしら?楽しみだわ。ああ、もちろんあんたからは何もできないわよ。残・念・ね!」

「それやめたほうが………」

あわてて止めようとするが邪ンヌはそれを嫌がっているとみて笑いながらシールを張り付けた

 

 

______________________________________________

 

(ねえ?赤ちゃん返して?私の赤ちゃん?)

(やめろおおおおおおお眼をくりぬかないでえええええええええええええええ)

(痛い、苦しいいいいいいいいい)(もう殺してえええ)

(娘をかエセえええ)(もう産みたくないの………)

(いやああああ熱いの嫌痛いのも嫌ああああああああああああああああ)

(僕の手………手………手………手手手手手手手

(向こうは嫌!嫌!嫌だああああああああああああ)

(死にたくない!死にたくない!死にぎゃhstdbjdbdhdっsんbsっgsjdkfjfjfjf)

 

_______________________________________________

 

「………キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

「ジャンヌ!」

「マスター!」

あ~あもう知らん

 

「貴様何をした!」

何もしていません邪ンヌの自爆です

 

時たま見る先祖の記憶の中に子孫への魔術師がどれだけヤバいのか戒めとして自身の体験を色濃く残す場合がある。

まあ、拷問や実験等の非道を子孫に見せ生存率をあげるのが目的だろうが………内容がね

 

人呼んでホラゲバットエンドオールスターズ

 

おかげでグロ耐性やsan値が鍛えられたわけだがな

 

人間の記憶はほとんどが圧縮された情報というのをどこかで聞いたことがある。

元祖オールスターズは先祖の術式か数年かけて見るのが定石となっているが………今のはいったな十年分ぐらい一気に

 

さすがのサーヴァントとはいえあれはきついはずだ

 

「ジャンヌ!しっかりしてください!」

「何が起きたんだ?」

白目剥いて動かなくなった邪ンヌをジル・ド・レとサンソンが運んでいく

 

 

 

翌日

 

「貴方、復讐者にならない?才能あると思うの」

勧誘されました

 

翌々日

「ねえ、魔術師なんてこちら側にこれば何人でも殺り放題なのよ!さあ!私と一緒にいきましょう!」

 

「なあ?もしそれを終えたらなにが残る?」

 

「何も残らないわよ。でも何もできないで自分を滅茶苦茶にした奴等がのうのうと生きてるよりもいいじゃない

そう思わない?」

 

「確かにそうだよな………でも一瞬で今までの行いが死という代償で終わるのもな」

 

「じゃあ貴方が望む復讐は何よ?」

 

「そうだな………奴等より偉大なことを考えることかな?」

 

「なによそれ」

 

「いいかたを変えれば奴等を殺すことを考えるよりもどうやれば奴等が悔しがるか考えること」

 

「ハア?バカじゃない?」

 

「例えば遠い未来に残る魔術師達がどうにもできないような巨大な像を造るとか」

 

「………は?」

 

「ロマンじゃないか………まあ、君の場合は受肉して子供を産んでドヤ顔で教会に行くとか面白いと思う」

 

「何言ってるの?」

 

「復讐には観客が必要なんだよ。誰も残らない復讐程悲しいものはない、こうして現界したんだ楽しまないと」

 

「何言ってるのか分からないわ」

 

「ローマだよジャンヌ……分からないとしても自分の思いを見つけそれを望む限り私は貴女を否定しないことを誓おう」

 

「…………」

 

「ジャンヌ君は何がしたい?」

 

「私は私チュドオオオオオオオオオオオオン!何!」

 

「大変ですジャンヌ!筋肉どもが!」

 

___________________________________________

 

オルレアン郊外

 

「竜牙兵300推参しました!」

「やはり数が…………」

「大丈夫ですドクター。サーヴァント的に戦力は同じです」

 

「だがなあ、これだけの数の差があるんだよ」

ドクターの言うとおりオルレアン城周辺の大地はおびただしい数のスケルトンに覆われ空もワイバーンで真っ黒サーヴァントの数が同じとはいえあそこには魔竜もいる

のだ敵の本拠地に届くのか?

 

「我等が必ずや送り届けようぞ!」

「筋肉の前にワイバーンやスケルトン等敵ではない!」

「他の兄弟達もこちらに向かっているはず」

「もう何も怖くない!」

一人すごい死亡フラグをぶったてているが士気は高くやる気に満ちている

 

 

「よし、最終確認だ!まず竜牙兵護衛のもと敵軍勢の中に突入。各サーヴァントに出会い次第こちらもサーヴァントをぶつけるような形で足止めする。そしてマシュ達本隊が城内へ突入した後に城門を閉鎖し敵の侵入を防ぐ

最後にジークフリートは魔竜を頼む」

ぐだおが作戦内容を確認すると共に竜牙兵の編成が完了する

 

「隊を3つに分ける!支援スキルがある兄弟は三軍に、我こそはというもの………全員だな、よし!フランスの兄弟に先陣を任そう」

「装甲歩兵と古参は亀甲隊列を編成!絶対にサーヴァントを守り抜けええええ」

 

竜牙兵は先陣をきり道を開く一軍、サーヴァントを護衛しつつ城門への突入とサーヴァントの援護を行う二軍

そして指揮・投石機やバリスタによる援護を任務とする三軍にわかれ陣形を形成する

 

 

そして

 

「いざ!ローマへ!」

「「「「「「「ローマへ!」」」」」」」」

ロムルスの掛け声と共に第一軍が突撃を開始する

 

雄叫びと共に兵士達は走りだす。

全員が一寸の乱れもなく盾を繋ぎながらかなりの速さで

走り続ける。

 

同時に戦太鼓が鳴らされ軍勢の中からカルデアとローマの旗がたてられる

 

そして、

「抜刀おおおおおおお!」

「「「「「「オオオオオオオオオオ!」」」」」」」

剣が抜き出され盾の間から剣の林が生える

 

抜かれた剣は日光を反射して輝く

それは竜牙兵にっとっては先頭部隊が敵に接敵することを示し

敵側には竜牙兵がスケルトンの弓の射程に入ったことを示した

 

 

次に動いたのは邪ンヌ側だった。

 

「弓兵つがえええええ!一斉射撃射てえええええ!」

スケルトン弓兵から矢が放たれ雨のように降りそそぐ

 

「矢がくるぞおおおお!盾を上に向けて防ぎつつ相手陣地へ流れこめ」

竜牙兵は盾を上にあげて矢を防ぎつつ敵の弓兵の死角である敵の中に入り込もうとする。

 

それに対しスケルトンは槍の密集運用を行い切っ先を揃え迎撃しようと構える

 

「抜刀を確認!」

「前方掃射!兄弟たちの道を開けろ!」

そこに後方に控えていた投石機から一斉に炸裂弾が射出される。

 

弾はまっすぐに飛翔しスケルトンの直上で爆発そして弾から高速でワイバーンの鱗がスケルトンにふりそそぐ

 

それにより隊列がバラバラになり

 

そこに全力疾走する竜牙兵が激突した

「進め!進めめえええ」

「振り返るな前だけを

見ろ」

 

盾と骨がぶつかり金属音とならしながら盾の壁は骨の海を凪ぎ払っていく

スケルトンはどうにかそれを止めようとするが勢いは止まらない

 

「gyaaaaaa!」

「ワイバーンが来たぞ!上方確保おおおお!」

みかねたワイバーンが上空から襲いかかる

それに対し前列の竜牙兵を守るべく後ろの竜牙兵が盾を屋根のように重ねる

 

盾の屋根にワイバーンが群がり竜牙兵は盾の間から必死に迎撃しつつ走る

そこらかしこで飛来するエアーカッターとワイバーンの爪により竜牙兵が倒れるがそれを乗り越えて進み続ける

 

「ワイバーンを打ち落とせ」

「早く組み立てろ!」

「撃ちもらしたスケルトンがいるぞ」

「護衛は迎撃!他は組み立てを急げ」

 

ワイバーンを倒すべく後方から分解されたバリスタの部品を担ぎ前線に向かうが第一軍の突撃を逃れたスケルトンが群がってくる

これにより前線への援護が大幅に遅延することになる

 

前線の竜牙兵は進撃を続け第二軍共にオルレアン城目前まで迫るが

 

「なかなか良い兵を持っているな」

「ええ、スケルトン程度では歯がたたないようね」

ヴラドとカーミラが行く手を遮る

 

「サーヴァントか!」

「五十人程ついてこい!止めるぞ!」

側面の遊兵が二人のサーヴァントを止めるべく取り囲む

 

「なかなか硬いな」

ブラドは地面から槍を形成し竜牙兵を串刺しにする。

正面に盾を構えていた竜牙兵はなすすべなく空中へと吹き飛ばされる

 

「兄弟!大丈夫か?」

「外郭が半分やられた……当たりどころが悪いとやられるぞ」

初手を打たれた竜牙兵は警戒しつつ包囲の輪を縮めていく

 

「怯まないか………良きことだ」

「ヴラド。次、私にやらして」

そう言ってカーミラは杖をこちらに向ける

 

直後、おびただしい数の光弾が竜牙兵を襲う。それを盾で防ぎつつ投げ槍を投擲するが

全方位から投げられた槍は掠りもせずかえって味方にあたる始末

 

 

 

 

「さて、どうするのかね?」

ヴラドが不適な笑みを浮かべつつこちらを観察する

 

「しかたがない……本気を出すぞ」

「応!」

 

 

そう言って竜牙兵は鎧・兜・具足を全て脱ぎ捨て全裸になった

 

 

全裸である

 

 

 

「ぬ?」

「はい?」

呆然とし固まるサーヴァント達

 

「いくぞ!」

「「「「「「ワアアアアアアア」」」」」」

迫る肉の壁、衝撃的な出来事に初動が遅れ気づけば見渡せば筋肉・筋肉というような形相を呈してくる

あわてて槍を振るおうとするが全方位が筋肉まみれ(しかもかなりの重量あり)である

 

「槍に筋肉が絡みついているだと!」

当然の如く槍は多くの手に掴まれ。更に次第に体の方へと延びていく

必死になって振りほどこうとするが重くて抜けない

 

そして

「幻想の鉄処女!」

「血塗れ王鬼!」

「不味い!皆さがれえええええ!」

状況打開のために宝具が発動され

 

「「ぐあああああああああああ」」

二人の竜牙兵がそれぞれ宝具の餌食になった

 

やがて、ボロボロになった竜牙兵が吐き出され回りの竜牙兵に助けられる

「無事か?」

「衛生兵来てくれ!」

「盾で兄弟を囲め!絶対に死なせるな!」

セメントを持った竜牙兵がかけよりヒビの入った箇所にセメントを塗り込んでいく

だが、それを制止してボロボロの竜牙兵は起き上がる

 

「兄弟達よ聞いてくれ………「喋るんじゃない!しっかりするんだ」いや!聞い………てくれ」

 

「「俺達二人以外に宝具で…やられた奴はいるか?」」

「いや!いない」

「「だったら……」」

サーヴァントにバレないように目配せをする。

 

しばらくして衛生兵を除いた全員がとびきりの笑顔で立ち上がり

 

「カーミラよ様子が変だぞ……」

「ええ、なんだか嫌な予感がするわ」

空気が変わった事を感じとりサーヴァント達は撤退しようとするが

 

「まあ、待つんだ!紳士淑女の皆様」ダブルバイセプス

 

「もう少し」サイドチェスト

 

「遊んで」モストマスキュラー

 

「いかれては?」オリバーポーズ

 

しかし、回り込まれてしまった

 

 

「「「「こいつら対人宝具しか持ってないぞおおおおおおお!囲んで殴れええええええ」」」」」

笑顔で飛びかかってくるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




長いので折りました後半も頑張って早く仕上げます


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オルレアンの戦い(後編)

お待たせしました
これからも時間を見つけて書いていきたいです


________________________

 

 

「はっきり言ってこの戦い正面から勝つのは難しい」

一人の竜牙兵がゆっくりと話し始める。

その言葉に異議を唱える者はおらず。

 

ただ頷く

 

「勝機はあるのかい?」

ロマニがたずねる

 

「我の突破力にかかれば数多のワイバーンやスケルトンなど問題ないのだが………」

「今回は攻城戦!目的地にたどり着いたとしても城門を落とさなければならない」

「もたもたしていれば敵に囲まれその場で終わりだ」

 

今戦のネックは攻城戦であること

 

おびただしい数の敵軍を突破しさらに敵サーヴァントの妨害下で城門を打ち破る。

これが非常に難しい。

動きの遅い破城槌や攻城塔は使用不可さらにカタパルトやバリスタも射程外

 

「対城宝具持ちはこの中いるのか?」

「「「「………」」」」

「……工兵に爆薬を埋め込んでもらうか?」

「物見からは城門の厚さはわからない、打算的だ!」

思い思いに案を出し会うが、すぐさまマイナス点があげられ否決される

 

「私の宝具でまず敵を一掃するのはどうかしら?」

「一度は前面の敵を一掃する事ができるが……側面の攻勢が止まらない」

「宝具を耐えて直接飛び込んでくる敵サーヴァントも予想される」

 

「空からいくか?」

「「「………は?」」」

「リヨンの時に使った爆発術式があっただろあれで我々を打ち込んで壁を越える」

 

竜牙兵を弾丸のように発射し城壁を越え門を内側から開くという案もだされるのだが

これも発射地点がオルレアンに近い事と敵サーヴァントの目の前で竜牙兵を打ち上げられるような装置を作るのは困難とされるため却下となる

 

 

「ならば下からだ!クロアカ・マキシマからの侵入を進言する」

「「「クロアカ・マキシマだと!」」」

 

クロアカ・マキシマとは

ローマ王政期に首都ローマにて建築された下水道の事をいう。

当初の目的は湿地からの排水を河川に流すためのものであるがローマで完成したのちに主要なローマ全土の都市に建築された

ローマが崩壊したのちも機能を続けている物もあるが、ほとんどが忘れ去られ暗渠となって存在していることが多い。さらに、これらの遺構は都市の中心部に沿って配備されているため都合が良かった。

 

「オルレアン周辺の地図を持ってこい」

「資材の配備急げ!」

かくして地下からの侵入を目指す壮大な土竜作戦が計画された。

同時に陽動と主攻としての地上軍の編成も開始される

 

「ちょっと待ってくれ!坑道を掘る?今から?」

「そうだが」

「どれだけ時間がかかると思っているんだ!」

ノリノリでツルハシを準備しだす竜牙兵達にロマニが切り込む。

 

「目測で数時間ほどあれば完成しそうだが?」

「ファ?」

「直線的に掘るだけだろ?」

「水脈とか岩盤があったらどうするんだい?」

「まあ、見ててくれ………こちらには地中調査機があるんだから」

「地中調査機?」

すると竜牙兵は立ち上がりモーツァルトを担ぎ上げる

 

「なんだね!止めろ!どこに連れていく気だ!」

「貴殿の聴力活用させていただく!」

「うあああああああああああ」

そのまま数人で神輿のように担いで何処かに行ってしまった

 

そして現在に至る

 

竜牙兵がツルハシとスコップで恐ろしい勢いで坑道を掘り進めていく

本来硬く重量のあるはずの岩石がまるでバターのようにするりと削れる。

おそらくスコップとツルハシにも何か細工がされてるのだろう

 

削った直後に支え木が立てられ阿吽の呼吸で土砂がトロッコで運ばれる

 

暫くそれらを続けているとモーツァルトの聴感が風の吹く音をとらえた

 

「進路変更右へ!」

「「「「「おうよ!」」」」」

 

進路を変更し風の音の方向へと掘り進む

そして、ボロリという音と共に空間と貫通する

先頭にいた竜牙兵がふんどしから松明を取り出し火を灯し侵入すると

 

その先にはレンガで構成されたトンネルが広がっていた

 

そのままゆっくりとレンガに指を当てて口元へと運び嘗める

「ペロッ……これはローマ!」

「1800年物の味わい!」

「ローマのにほいがするぞおおおおお!」

続々とトンネル内に竜牙兵が侵入していく

 

ひとしきり騒いだのちに

瓦礫に埋まった出入口を発見し持ってた爆薬で発破

前回の轟音

 

オルレアン城内へと侵入を開始

門を制圧する部隊とマスター救出部隊に分かれて行動を開始した

 

そのころオルレアン城塞前では

「スケルトンの勢いが強すぎます」

「装甲の厚いセイバークラスで壁を作れ!ランサークラスは間から攻撃を!」

「射撃はアーチャークラスの兄弟に任せろ周囲の者は装填に集中しろ。ここではボルトが金より貴重だ」

膨大な数のスケルトンに対して盾兵で四方を囲み簡易的な城塞を形成少しずつでも要塞へと接近を試みる

 

 

「正面に邪竜!」

「ジークフリートに連絡!信号弾上げ!」

「だめです槍が刺さらない・・」

「トカゲが怖くて戦ができるかローマなめんああああーーーーー鱗の間にねじ込めえええええええ」

「かかれ!かかれえええええ」

 

 

腐っても伝説の化け物、竜牙兵の持っている武器では歯が立たず無情にもすべての攻撃が硬い鱗のまえに無力化される

必死になって飛び掛かり質量にて足止めを試みるがとりついたとたんに跳ね飛ばされる

 

 

 

だが、あきらめない。ワイヤーフックを被膜にかけて綱引きの要領で引っ張り始める。同時に足に対してタックルを複数の竜牙兵が敢行する

それを邪竜は埃を払うように爪を振り下ろす

 

足に取りつていた竜牙兵が一瞬のうちに土くれに戻る

 

「このくそトカゲがああああああ」

仲間が作り出したわずかな隙に工兵が鱗の間に爆薬を詰めこみ爆破する

[Gyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa]

硬い鱗は爆発の衝撃を外へ逃がすことができず内部の組織を破壊して回るその痛みに耐えかね邪竜は悲鳴を上げる

 

「よし!ダメージが入った弓兵傷を狙ええええええ」

すかさず鱗がはがれたところにボルトが大量に打ち込まれその追撃に再び邪竜が悲鳴を上げる

「Gyaaaaaaaaaa・・・aaaa?]

 

しかし、ここで異変が起きた

 

邪竜の傷が癒えたのだそれもきれいさっぱりと

 

「は?」

「・・・え」

周囲の兵士が唖然とする

慌てて弓兵が腰の毒瓶を確認すると禍々しい褐色の粘液には赤十字が刻まれている

それは主人公が少し前に作った回復薬の試作品だった

 

それはより効率の良い魔力回復を目標に思い付きでつくられた

簡単に言えばジャム・・・黄金リンゴの

余っていたリンゴ達を使ってコトコト煮詰める事六時間。鍋から漏れる高濃度の魔力で周囲を汚染し周囲に阿鼻叫喚の地獄を出現させた劇物

ちなみに、効果を試そうとクーフーリンに声をかけたところ矢除けの加護をフルに使い逃亡されたため効果は未知数である

 

黄金リンゴ自体が神話に出てくるような存在なのだ

一つでも荒れ地を草原に変え枯れた森林を蘇らせられるポテンシャルを持つ。

それを複数使い濃縮したのだ

 

この劇物が何らかの手違いにより竜牙兵の装備に混入したのだ

 

異変はすぐに起きた

治ったはずの傷が開き中からブヨブヨとした肉塊が生え流血を伴いそれはさらに成長していく

 

細胞の異常増殖、すなわち癌

 

それが目の前の現象の正体であった。ありえないほどの治癒力の向上により細胞の分裂周期が狂い無秩序な増殖を続ける。邪竜の体の栄養が酸素がそれに奪われ、増えた肉塊はさらに体の動きさえも阻害していく

 

ジークフリートが到着するころにはほぼすべてが終わっていた

 

邪竜討伐の報が戦場を駆け巡る

同時にワイバーンたちが邪竜のコントロール下から解放され自らの意思で行動しはじめた

 

思えば彼らが正気を取り戻したことが彼らにとって一番の不幸であった

 

彼らはみてしまった

眼下に広がる同胞の亡骸の海を血に染まった大地を

 

幾百もの同胞の返り血を浴びて褐色の肌になった悪鬼を

 

自分たちよりも上位の竜を屠る化け物を

 

幾百もの同胞の怨嗟の声を浴びつつこちらに向かってくる異形の群れを

 

「「「「「「ロオオオオオオオマアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」」」」」

やがてそれらはおぞましい雄たけびを上げこちらに向かってきた

 

恐怖 恐怖 恐怖

それだけが頭の中を支配する。そこには数日前には生態系の頂点にいた生物のかけらもなかった

横を飛んでいた同胞が撃ちをとされ眼下で蹂躙される

 

こちらに向かってくる敵意の嵐

 

 

事実上の壊走

 

 

ワイバーンは逃げ出した

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ワイバーンが逃げ出したことにより敵サーヴァントに戦力が集中していく

サーヴァントたちはじりじりと狭まっていく筋肉の輪に剣を槍を振り回し近づかせないようにしようとするが背後から足元から筋肉質の腕がとらえようとにじり寄る

 

次第に追い詰められ最初は足首を次に腕をとつかまれじりじりと筋肉の海へと引きずり込もうとする

 

「貴様をローマにしてやろうかあああああああ」

「いやああああああああああああ」

「くっカーミラ」

「つぎは貴様だあああああああ」

全方位からの物量質量のごり押しによりサーヴァントたちが筋肉の海に沈んでいく

そもそも対軍宝具をもっていないサーヴァントがほとんどであったことがここまでの悲劇を生んでいく

 

大勢は決した

 

わずかな抵抗をする敵サーヴァントを残してジャンヌを中心としたサーヴァントと竜牙兵が先行部隊が開城した正門からオルレアン城塞になだれ込んでいく

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「来たか・・・」

オルレアン城塞の地下牢にどたどたと踏み込んでくる足音が響く

「マスター!」

「よくぞ御無事で・・・うう」

地下牢を疾走する竜牙兵はやがて囚われのマスターを見つけすぐさま牢屋の鉄格子を曲げて手錠を壊しマスターを開放する

「行かなければ・・・」

自由になった主人公は拷問で傷ついた足を引きずりながら移動をはじめる

 

「マスター安静にしなければ「肩を貸してくれ」

「どちらへ?」

「王座の間へ」

本来であるならばいつ倒れてもおかしくないのだがその歩みはとまらない

 

やがて時間をかけつつも王座の間に到着する

その場ではジル・ド・レェの宝具によって召喚された海魔と竜牙兵の戦闘が行われていた

 

竜牙兵の実力で言えば何とでもない敵であったのだが様子がおかしい

 

「なんだこいつらぬるぬるするぞ」

「こぶしが滑る!」

「キシャアアアアアアア(なんだこいつら硬い)」

「シャア!グウアグワ!(歯が立たない!削れない!)」

なんと海魔がだす粘液が竜牙兵の攻撃を滑らせまるでウナギをつかもうとするがごとく無力化

逆に海魔はその歯で竜牙兵にかみつくが硬すぎてダメージを与えられない状態になっていた

 

「そうだ投げろ!」

「「「「「うおおおおおおおおおお」」」」」

体に巻き付いてくる海魔を引きはがし一人の竜牙兵が海魔を放り投げそれに倣って周りの竜牙兵も壁に向かって海魔を投げる

 

室内を飛び交かう海魔

しかし、ゴム質の体の海魔にはあまりダメージは与えられない

 

「キシャア!キシャア!」

複数の海魔が竜牙兵の関節部に絡みつき動きを封じようとする

「ぬおおおおおおおお!」

それに抵抗して竜牙兵が筋肉に力をこめる。さらに周囲の竜牙兵が引きはがそうと近づくが粘液でぬるぬるとなっていたためにそこらかしこで転倒していく

 

テカテカに輝く筋肉と海魔がぬちゃぬちゃと絡まって動けなく事例が多発

 

「イヤアアアアアアアアアアアア」

その光景に耐えられなくなった邪ンヌの悲鳴が響く

悲鳴のもとに視線を移すとジャンヌと邪ンヌの姿があった

 

ジャンヌと邪ンヌはお互いに武器を構えた状態たが周囲の状況のせいか邪ンヌが追い詰められており

おそらくあと数撃で勝負が決まるそのような状態であった

 

急いで彼女たちのもとへといそぐ

 

そして、彼女たちが最後の攻撃を仕掛けようとしたとき

「待ってくれ!」

「あなたは?」

「・・・」

そこにわりこんだ

双方攻撃の姿勢をやめこちらへと視線を移す。ジャンヌはこちらをいぶかしげに見つめ邪ンヌはこちらをにらみつけてくる

 

「初めましてカルデアのマスターその2です以後お見知りおきを。そちらの彼女と話がしたいのですがよろしいでしょうか?」

ケガをしている体を無理やり動かし姿勢を整え会話を行う

「・・・わかりました」

最初は思案顔だったジャンヌだが主人公の目をじっと見つめてからそう答え武器をおろす

 

それを確認してから邪ンヌに体を向ける

「なによ・・・笑いに来たの!ボロボロになった私を見て復讐したくなったの?いいわ・・・やりなさいよ!」

邪ンヌは自虐の笑みを浮かべながらそうまくしたて無抵抗というかのように腕をひろげる

(やればいいのよ!どうせあなたも彼らと同じなんでしょ・・・さあ!さあ!)

 

それをみてゆっくりと邪ンヌへと手を伸ばし

 

「共に行こう邪ンヌ!」

そう言い放った

 

「は?」

「えええええ!」

邪ンヌとジャンヌが驚きの声を出す

 

「何考えてるのよあんた?」

邪ンヌがつかみかかろうとする

後ろに控えていた竜牙兵が動こうとするがそれをとめる

 

「だから一緒に旅をしようと「だからなんでそうなるのよ!」おおう」

「あれだけいためつけたのに!なぜよ・・・」

「きみはまだローマを知らないからだ」

「はい?」

 

「君が仮にここで果てるならばその魂は意思はここに囚われたままだ・・・だから!行こう!永遠に続く海の向こうへ!火を噴く山々を、偉大なる都市の数々を、エメラルドに輝く海を、どこまでも続く砂の海を、霧の都を、眠らぬ街を、うっそうと茂るジャングルを。時を超えてすべてを見せよう。あなたはこれだけのことをしたのだどうせ行くのは地獄だ、これからの我らの旅路はそれ以上だろう・・・だがどうせ行くのならば楽しいほうがいいだろう?」

 

そういって再び手を差し出す

 

「ばっかじゃないの?」

下らないそう吐き捨てるが

「ではなぜあなたは笑っているんだい?」

その言葉と裏腹に彼女は少し笑っていた。これがありもしない空想への嘲笑によるものか呆れ笑いかはわからない

だが確実に彼女の表情は柔らかくなっていた

 

「まあ、きれいな景色を見せたいという自慢に似た気持ちもあるがな」

「・・・あっきれた」

受け答えに心底呆れたように少し笑って武器を下す

 

 

「で?どうする?」

「そうね・・・まあ考えておくわ」

「「!」」

答えを聞こうとすると不意にジャンヌと邪ンヌから黄金の粒子がとけだしていく

 

「ジルがやられたようね・・・」

「ああ」

「じゃあまた」

「アベンジャーになるならいつでも歓迎よ」

「なるか!」

そういって邪ンヌは消える

 

「ありがとうございます」

ジャンヌがこちらに礼をしてくる

「なに、ただの自己満さ。最終的に振られちまったし」

 

やがて自身のからだからも黄金の粒子が立ち上りだす

そこらかしこから竜牙兵の勝鬨の声が聞こえてくる。それを聞きながら視界が暗転する

 

第1特異点修復完了

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ようやく本章開始

我は影、真なるローマ

我はローマ、ローマは汝

次回、永続狂気帝国セプテム

「二人のローマ」

お楽しみに





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囚われマスター

一部時間の流れがおかしい気がする
生存報告書
下ネタ注意


第二特異点

ローマ帝国の首都ローマ

地中海周辺と欧州のほぼ全域を支配するその都市は各地からの特産品・資源・人であふれ盛大な活気に満ち溢れていた。

通りは全て煉瓦で覆われ三階以上の建築物がそれを挟むようにどこまでも続き、あちこちに染色された布地がはためく

 

この時代における最も発展している場所であるのは誰の目にも明らかであろう………と目を輝かせて見渡しつつも何処か逃げ込めそうな穴や路地をこっそりと探すが

 

「先輩、いきますよ!」

しかし、すぐさまマシュが鎖を引っ張る。

サーヴァントとして強化された力には逆らえず前にのめり込むように首に繋がれた枷が引っ張られトボトボと歩み始める

それを見てマシュは満足そうに笑いながらローマ観光を再開する

 

おそらく先ほどまで輝いていた眼は濁っているだろう

 

横を歩くグダ男に助けを身振り手振りで訴えるが、彼は困ったようなしぐさを見せやがて何もなかったかのように振る舞い始めた

 

見捨てやがったこいつ

 

 

そして、直後に降りかかるプレッシャー

発生源はグダ男の横を歩くキヨヒー瞳孔が怖い

ごめんなさいあなたのマスターとはなにもやってません!無関係ですと必死に首を振ってアピールする

 

竜牙兵?

逃げたよあいつら特異点に着いて召喚した直後に

 

 

どうしてこうなった

 

 

さかのぼることレイシフト前

 

オルレアンから帰還したじぶんはオルレアンでの戦闘の問題点を洗いだし対策をたてていた

 

結論 遠距離攻撃手段が少なすぎる

 

現状竜牙兵が使用できるのは投げ槍・クロスボウ・投石機など原始的なものしかない(ルーンや治金技術が高いため威力はそれなりにある)

それがほぼ役に立っていないのだ

 

ワイバーンや低級モンスター等はオーバーキルできるがちょっとでも硬い敵や素早い敵等になるとほぼ当たらない・ダメージが入らないである

結局は突撃しーの囲みーのでボコって処理していたがその度に被害が出るわけで……

 

飛距離の面でも問題だらけであるこちらの射程は魔術で強化してもせいぜい一キロメートル

それに対して敵アーチャークラスのサーヴァントは数キロ先から正確に当てて来る

オールレンジ一撃離脱戦法なんてされたら堪らない

 

もっと射程を!

もっと火力を!

 

といったわけで造りました

ゲーザー砲(テッテレテッテテー―)

 

仕組みは簡単ゲイザーの目玉から摘出した水晶体を収束レンズに研磨&加工

砲身を造り内部を魔導銀でメッキしてルーンで光増幅機構を形成

そしてそれらを組立るだけであら不思議

後ろから魔力をぶちこむだけでゲイザーービイイイイム

が発射できる兵器が完成

 

で、実際に撃って見た

 

結果シミュレーションルーム大破

 

余りの出力に砲身が耐えきれず溶解し周囲に熱線を撒き散らすことになった

幸いにも竜牙兵には火避けのルーン護符を装着していたために無傷

被害は隅で訓練していた槍ニキが黒焦げになっただけであった

 

そしてこれがある意味決定打になった

カルデア内でやっぱりあいつ隔離しておいたほうがいいじゃねと言う腐りきった意見が増え

その日の内に

「先輩!大人しくしてください!痛くしませんから」

「嘘だ!目が怖い!」

「心外です!私は!先輩のためを思って(ゴトッ)」

マシュの懐から落ちる首輪

 

ダッシュで逃げた

 

「畜生こうなったら最後まで抵抗してやる………ごめんなさい身体強化やめて!お願いだから!待っ………あ゛あ゛あ゛あ゛」

捕獲されました

 

それからはマシュと所長の二十四時間体制の環視の元での生活が続き精神的にも理性的にも追い詰められて行き

 

「これは父性!これは父性!」

「デカイにゃんこ!デカイにゃんこおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

「ディアンケト!ディアンケト!」

が口癖になる

 

脱出?

脱走?

もちろん計画したよ

いや、そもそもこんなことに備えてあちこちに脱出路を掘りまくってたんだけど

 

部屋に放り込まれた直後に

「いいのか?こんなことして竜牙兵が黙ってないぞ!今にきっと彼らが押し寄せて(((((我々は一向にかまわないぞ!))))))」

声と共に開く天井・床・壁計五ヶ所

「貴重な脱走路がああああああああああ「ハイハイ埋める埋める」あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

とマシュ達が抜け穴にモルタルを流し込む

 

 

「まだだ!こんなこともあろうかと」

マシュが居なくなったのを見計らいベルトのバックルを回す。

するとカチンと音がなりバックルが割れる

「これさえあれば首輪なんぞ………」

近藤さん<( ・∀・)ノ

竜牙兵<すり替えておいたのさ!

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛………諦めんぞおおおおおおおおおおおおおお」

 

自分の髪の毛を一本抜くと同時に服に織り込まれた外部魔力術式を起動し首輪に対して解析魔術を放つ

そして髪の毛に強化魔術をかけて針金の硬度を持たせるあとはこちょこちょすれば……

 

カチという音と共に首輪が落ちる

同時に阻害されていた魔術回路が繋がるのを感じる

魔術さえ使えればこんな所なんて余裕とテンションを上げながら牢の扉に近づく

 

電子ロックだった

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……」

 

しばらく絶望しながらビクンビクンしていると靴に水銀を仕込んでいた事を思い出す

あれを操って回路を焼き切れば……靴の裏側をめくる

 

ぎっしり詰まった近藤さん<( ・∀・)ノ

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

 

こうして完全に囚われの身に

苦行の日々は5日ほど続きその期間マシュや所長と一緒に過ごすことになった

やがて次の特異点が発見される

 

このときどんなに嬉しかったのか言葉に表せない

 

ついに自由になれる

 

そうして挑んだレイシフト

 

すみわたる青空、白い雲、真横でじっとこちらを見つめるマシュ…………

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

 

現在に至る

 

 

 

 

ここから

今回の現状裏側

 

シミュレーションルーム大破直後

カルデア有識者委員会開催

 

「やっぱり彼なんとかしないとね」

「だね……」

頷き合うロマニとダヴィンチちゃん

「でも先輩だって悪気があった訳じゃないんです!」

マシュが弁護を行うが

「はい、マシュこれ」

ピラリとダヴィンチちゃんがマシュに紙を手渡す

 

----------------------------------------------

 

冷却チャンバーが魚醤の保管所になっている事案について

 

鍋が逃げたパート3

 

この頃廊下を小さなtintinが歩いているのを見たんだが俺疲れてるのかな

 

探せ!GG報告書156

 

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「こっこれは」

「全部彼がらみなんだよなーー」

「前のGG事件とかヤバかったし」

 

注釈GG事件

以前に彼が某鍋で合金を作っている最中に鍋にGが落下し結果魔術・物理に過大な耐性を持ったGが爆誕繁殖

元より生命力に優れておりそれらにバフがついたために駆除は困難を極め魔術素材に大きな被害が発生

最終的に職員の私物である殺虫剤により事態は収束に向かったが………現在も生き残りがいる

 

「でも!でも!」

「大丈夫さマシュ手荒なことはしないよ。少し落ち着いてもらうだけさ」

「だが、竜牙兵達がね………」

彼を捕獲する前にあの筋肉達をなんとかしないといけない、反乱なんて起こされたらおそらく一瞬で制圧されるに違いない

サーヴァント?確かにサーヴァントなら竜牙兵を圧倒することができる

だが、それよりも早く主電源室や魔力リアクター・冷却チャンバーが制圧されサーヴァントへの魔力供給が停止されるだろう

 

「というよりも明らかに警戒されているんだよね」

「そうだねロマニ………というより何で彼みたいなのがいるのかな?ねえ所長?」

ビクンと肩が飛び上がるオルガマリー

 

「えっとそれは……ゴニョゴニョ」

「マリーちょっとこっちこようか」

ダヴィンチちゃんがオルガマリーを連れて席を離れる

 

「えっ日本に行った時に………あまりに珍しいかったから………気絶!………でスーツケースに!」

 

やがて帰ってくる

 

「所長が拐ってきたらしい」

「「「「は?」」」」

「少し前にオルガマリーが父親の足跡をたどって極東に行ってたよね?そのときに発見して気絶させてカルデアに連れてきたそうだ」

「えっえええええマリー………」

「最低です!」

「仕方がないじゃない道端にあんなのが歩いていたら誰でも驚くでしょう!」

 

「しかし、これはこちら側のイメージが悪すぎるぞ!」

「うーむ!彼に弱点とかないのかい?」

「伝わっている伝承もほとんど断片的だからねえ」

「そういえばクーフーリンさんが親しそうにしていましたが何か知っているかもしれません」

 

クーフーリン槍が呼び出される

 

「あいつらの話を聞きたいだああ」

「ちょっとこの頃被害が多くてねもちろんメリットも大きいんだけど」

「そりゃあいつ独身だからなそうなるな」

「「「「「?」」」」」

「あいつらは基本的に男しかいない。で、どいつもこいつもあんなのばっかりだ!鍛冶の腕はいいんだがトラブルばかり起こす」

「その時の対処法は2つ。酒と女だ」

「全然そんな風に見えないんだけど」

「「「コクコク」」」」

 

「あいつら酒にくそほど弱い!ミードでも一口でひっくり返るし酒精の匂いで酔っぱらう」

「あと、あいつら基本的にくそ弱いから女房に徹底的に尻に敷かれる。バカなことやらかそうとしたらすぐさま鉄拳制裁だからなあ」

 

「基本的に善良で甘いやつらが多いんだが………住んでる場所も鉱山の奥とか深い渓谷とか火山とか人があまりこない場所にいることが多い」

「あと、迷宮とか洞窟の奥深くでいきなり店や加治屋があったらだいたいこいつら関連」

「まっこんなところか!じゃあな」

クーフーリンは去って行った

 

 

「「「「「………」」」」」

「いい案があるんだけど」

「本当かい!ダヴィンチちゃん」

「ちょっと行って来るね」

 

 

(竜牙兵詰所

「「「「「なあにいいいいいマスターを閉じ込めたいだとおおおおおおおおおおお」」」」」」

詰所を訪ねて要件を伝えると竜牙兵は立ち上がり臨戦体制に入る

あちこちで剣を抜く音が聞こえ天井からクロスボウの腱を絞る音も聞こえる

「まあ、落ち着きたまえ。君たちにとっても悪い話ではないはずだ、閉じ込めると言っても少しの間ゆっくりしてもらうだけだから」

「なに!」

「戯れ言を!」

「ローマ!ローマ!」

 

「今ならマシュと所長をつけよう!」

 

「「「「「なん……だと」」」」」

一斉に動きを止める竜牙兵達

やがてざわざわと騒ぎ始める

 

なぜこのようになったのか?

それは竜牙兵達が抱える大きな問題のせいであった

 

所長ぼっち問題よりも上位に君臨するそれは

 

〈マスターいきおくれ問題〉である

 

ローマにおける結婚適齢は十代なのだ。

しかも後半に入ればほぼいきおくれ状態

 

マスター二十才

 

重大な問題であり竜牙兵の頭を悩ましていた

まさに渡りに船!竜牙兵は歓喜した

 

 

「ほいっ!マシュ」

ポンと武骨な首輪がマシュに渡される

「これは?」

「ダヴィンチちゃん特性の拘束具さ!なんと魔術も使えないようにもなるおまけ付き」

「でも!でも!」

「マシュ、よく聞いて。彼今回は無事だったけれどもいつもこうというわけには行かない。あんだけバカなことをやっているし、いつか危ない目に遭うに違いない。だから、これは予防策」

「予防策………」

「じゃあ、あとは任せたよ!」

 

 

ダヴィンチちゃんが立ち去った後

腕の中で鎖がじゃらリと鳴る

 

思い返せば

先輩には助けてもらってばかりだった

カルデア爆発事件の時には自分を守る護符を持たせてくれた

レフとも先陣を切り戦い

オルレアンでは真っ先に戦場に飛び込み自分達が進めるように道を切り開いてくれた

 

同時にリヨンでの喪失感を思い出す

 

守りたい

 

でも………先輩は行ってしまう

 

自らの犠牲を問わず

 

戦火の中に

 

オルレアンの絶望を再び味わうのか?

 

嫌だ………嫌だ

 

そうだ………保護しよう

 

先輩がこれ以上危険に走らないようにずっとしまって置けばいいのでは

 

じゃらリと鎖が鳴る

 

「先輩………管理してあげます」

その瞳はきっと濁っていただろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




みんな久しぶりだねローマしてるかい?

主人公の鳴き声が汚いのは仕様

マシュ病んでる

所長?拾ってきたペットの面倒は自分で見なさい

ファルスってググってみて

国家試験なんだよなゲロ吐きそう

しばらく無理かね

感想とかくれたらめっちゃ嬉しい
尻尾ブンブンする


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第三勢力ローマ

第二特異点千年狂気帝国セプテム

 

ざっくりいえば新しきローマが神祖からローマとはなんぞや?と試練を受けるシナリオ

 

出てくる敵サーヴァントもほぼローマよりであり。

親玉であるロムルスも同じくローマの滅びを望んでいないというレフも驚くような状態である。

 

はっきり言って楽チン

 

前回のオルレアンとは違い

明確な味方勢力(ネロローマ)が存在している上に、聖杯の抑止力である味方サーヴァントも勢揃い

 

士気も高く地理にも明るいさらに補給線の心配もない

 

問題としてはレフは当然ぶちのめすとして、そのあとに出てくるアルテラさんである。

 

もしも彼女がローマに到達すれば人理修復失敗

 

ローマは灰となる

 

要するに彼女をローマに行かせなければこちらの勝利なので………万が一アルテラさんが召喚された時に時間稼ぎを行えばいいだけなのだ(時間稼ぎができるとは言ってない

さらにアルテラさんは道に沿って移動するため進行進路を予想しやすいので対策はたてやすい。

 

また、レフをアルテラさんを召喚する前に塵も残さず消し飛ばせばアルテラさんがそもそも召喚されない可能性がある。

 

で、ここまでが原作を通りのシナリオが進む場合の対策と目標であるのだが………ロムルス召喚してるんだよな

 

敵さんのボスが別の存在になっていた場合は全ての道筋が崩壊してしまう

ロムルスだからこそローマとは別のローマをつくって本来の歴史を歪めるなんぞというめんどくさいことをしている訳で……初手アルテラとかヤバい詰む

 

あれ?不味くね?

 

と思いつつ情報を収集するために部隊を小分けにして出立させた直後にマシュに捕獲された。

 

その時に近衛も伝令も全員逃げやがった

 

ある程度の指示もしているので不利になるような行動をするとは思えないが………いくらなんも酷いと思う

 

まあ、わかるよ。マシュ怖いもん

 

笑顔でふらふらと首輪持ってこっちくるんだもん

 

逃げようとしたらマシュ盾が飛んできて目の前に刺さるし

 

後はマシュと一緒にローマに向かってネロに遭遇してローマ入りとなった訳だ。

 

ロムルス?どっかいったぞ。

彼に行ったっては何をしようとしているかはわからないが何かを感じた風の台詞を言って竜牙兵引き連れて旅立った。

まあ、非常時になればいつでも呼び出せるしローマの不利になるような事もしないだろうからほっといてる。

 

 

 

日中ローマを観光し終えて夜になった

 

「じゃあおやすがっ!」

そう言って足早に事前に聞いていた寝室へ向かおうとするがマシュに鎖を引かれ阻止される。

「何しようとしてるんですか?」

「えっいや、そのね………はいわかりました」

さすがに一緒はまずいっしょと一生懸命訴えるがマシュの眼光に怯んで従う

グダ男に一瞬援護を求めて視線を移すがグダ男自身がキヨヒーに巻き巻きされて拉致されかけていた

 

見なかった事にしよう

 

マシュの監視の中で寝床に転がりこみ早く寝ようと瞳を閉じると猛烈な眠気に襲われた

昼間に興奮しすぎて疲れているのかな?と眠気に身を任せようとするが

 

「ようやく効いてきたみたいですね………」

とマシュが意味深な言葉を発したのだ。そのあとにも化学合成されたとか耐性がどうとかの呟きが続く、よく聞こえない

 

悲報、なんか盛られた模様

 

なんとか抵抗を試みるも眠りに落ちてしまった。

 

数刻

やっとこ目覚めたのだが、背中にやわこいものが当たっている感触がする。

しかも暖かい、さらに花の香りを彷彿とさせるような柔らかくい香りがする。

 

ふりかえるとマシュが寝床にいた。

 

自らの身体を丸めるようにして寄り添って眠っている。

 

普段の凛とした雰囲気はなく、年相応の少女の姿がそこにあった。

 

マシュのてが自分の袖をぎゅっと掴んでいるのに気がつく、そしてその手と肩が震えているのがわかった。

 

怯えているのだ

 

気づいてしまう

 

彼女が抱える恐れの正体に。

自らが消えてしまう恐怖そして人類そのものの運命がこの小さな少女の肩に重圧としてのし掛かる

 

普段の姿は作り物、強気でまるで戦乙女のような姿は自分と周囲を守るための鎧で、その内側は今にも潰れそうに感じる。

 

自分の眼にはそのようにしか見えなかった

 

ゆっくりと頭を撫でる

なぜそうしたのかはわからなかった。ただ、手が自然に伸びたのだ、彼女が心地よさそうに眠っているのを確認して安堵する。

同時にうっわ今の自分きめえええええと自己嫌悪に陥り頭を抱えて唸り周囲に目撃者がいないか確認する。

 

だれもいないことを確認しているとマシュが寝相でもぞもぞと動きこちらにさらに密着してくる

 

「マシュ………いい夢を」

せめて彼女が休めるように………少しでも安心感を得られるならばこれくらいはいくらでも許そう

 

 

 

「………!」

マシュを見守っていると自分の通信機が鳴る。側にいる彼女を起こさないように応答する。

 

「ドクター?」

「その様子だと邪魔したかい?」

腕の通信機からモニターが出現しロマニの姿が映る。同時にこちらの様子が向こう側に見えたのだろうロマニがばつの悪そうな表情で顔を掻いている。

 

「いいや、問題ない。何か問題が?」

「特にはないよ。基本方針は先ほど決めた通りネロ皇帝に同行するのは変わらない………ただ、少し話したかっただけだよ」

よく考えてみればロマニとの通信はこれが初めてである上に普段から二人で話す機会がなかった事に気が付く

 

「別に何もしてないぞ!」

「そこは大丈夫だよ。マシュがそこまで安心して身を任せているんだから」

言葉に対して少し驚き照れ隠しに頭を掻く

 

「ああ、それと………入って来ていいぞ」

「?」

寝室のバルコニーに声をかける

 

するとバルコニーの手すりを筋肉質の腕がつかみ音をたてずに竜牙兵が登って来て室内へと侵入する。

 

「マスター報告「しーーー」………了解しました」

自分に声をかけようとする竜牙兵に対してマシュが寝ていることを指で差し声を低くするように示唆する。

竜牙兵はそれを理解して足音を立てないように近付き小声で話し、そして何処か(想像したくない)から羊皮紙の束を取り出し自分に渡す。

 

「それは?」

「各地に散った竜牙兵の報告書………問題ないな。ありがとう」

「ローマ!」

受け取った書類を確認して緊急性の高いものがないかを確認して問題がないと結論づけて竜牙兵にお礼を言う

竜牙兵は少し嬉しそうな表情を見せ小声で当然だと返事をする。

 

「そちらに送れるか?」

「大丈夫だけど………これって」

羊皮紙をモニターに向けるとスキャンが始まり向こう側にも情報が表情されロマニが驚きの声をあげる。

そこにはローマ周囲の敵対しうる部族の様子や戦力と各地の都市の状態や噂が書かれていた。

 

ローマ帝国の周囲には敵対する部族が複数存在する。

 

ローマの北東に位置する現代のドイツの土地を支配しているゲルマン系部族

ブリテン島の北部には未だ復讐に燃えるケルト系部族

ローマ近郊でさえもサムニウム人の残党が、さらに東に向けばローマと何度も争っている大国パルティアが存在している。

 

これ以外にもローマ国内でのゴタゴタに乗じて反乱を画策するような人々は無数にいるし、属州となっているガリアの地に住むガリア人達だって征服されてから幾ばくが経過してるけどカエサルによるガリアへの侵攻への怨みはいまだ忘れていない

 

 

ガリア人は推定8~9万人。

それほどの人口の反乱が起きればひとたまりもなくローマは崩壊する。

 

レフだけでなくそれらへの警戒をしなくてはならないのだ

 

ローマは現在混乱の最中、各地の州軍とは連絡がつかず兵の召集も困難な上にそれに加え明日にはネロを含めた軍勢がローマを出発する。

 

多少の守備兵力を残すとは言えどもほぼ空に等しい、そこを他勢力になんぞ侵攻されたら確実に死ぬ

 

badendまっ逆さまである。

 

「ありがたい!ここからだとそちらの詳しい情報はわからないからね。これからもお願いできるかい?」

「もちろん、気になる事があればいつでも言ってね」

こちらとしても情報を集めるのはいいのだが集計してデータ化を行うのは苦手であるため当然である。

 

一通りローマの状況について話し終えると竜牙兵はベランダから飛び降り去っていく

 

「彼等はそのまま自由にさせておくのかい?」

「えっなんで?」

「頭が痛いよ………」

 

何を言ってるんだお前はともいうかのように真顔で即答する彼に対してロマニは頭を抱える

 

彼の使役する創造物達ははっきり言って異常の領域を突破しているのだ

 

特にあの筋肉達

 

力は強く数人で木製の城門なら素手壊すし、防御もサーヴァントの攻撃を受けて致命傷の状態で耐える。

しかも、集団での行動が得意で対サーヴァントや攻城戦では組織的な作戦を元に戦闘を行う。

 

しかも、彼謹製の武具を装備しているため、あらゆる状況に対応できる。

 

だが、これよりも厄介な点が存在する、機動力と経戦能力の高さである。

 

彼等は魔法生物の一種

 

そのため、マスターの魔力が持つ限り活動が可能なのだ………つまり、彼等は食事も睡眠も休息も酸素さえも必要としない。

 

戦闘での負傷というものもない(コアが壊れない限り牙に戻ってまた新しく身体を構成するため)

確実に倒さない限りすぐさま戦線に復帰してくる。

 

これらの性質のため昼夜問わず歩き周り複雑な地形でも難なく越え、川や浅い海や湖も水中を歩行して相手を地の果てまで追いかける筋肉の軍勢が誕生した。

 

 

さらに前回の特異点はマスターに代わり全体の指揮を取る将校のような個体も確認された上に作戦レベルではなく戦略を持って行動してるし

 

そして新型(重装型)の出現………

 

確実に言える。

 

こいつらが現代に解き放たれたら国が滅ぶ

 

いや、世界が無茶苦茶になる。

 

それなのに彼は竜牙兵を好き勝手させているのだ、いつか取り返しのつかないような事にならなければよいのだがと危惧するが

同時に彼等は優秀な戦力であるためこの非常時においてはありがたい存在でもあるのだ

 

特異点では予測不可能な事が起きるため無理を言って撤収させる訳にもいかないし、彼の機嫌を損ねるのも避けたい

なのでやんわりとマシュを通して彼に常識を叩き込もうとしているのだが………彼の異常性が斜め方向にぶっ飛んでいるために対応が追い付いていないのが現状である。

 

ダヴィンチちゃんの案でマシュと所長というストッパーをつける事には成功したが……本当に頭が痛いよ

 

「何でもないよ。それじゃあ、明日に備えてしっかりと休んでね」

少し強引だが通信を終了する。

さて、これから忙しくなるぞと気合いを入れ直して資料を見直しにかかる

 

 

 

同刻

ローマ皇宮ではこれから出陣する皇帝とその軍のために式典の準備が進められていた

 

そのような熱気にとは関係ないとばかりに城壁の上で見張りの兵があくびをする。

 

彼等はお留守番役を引いてしまったもの達

 

盛り上がる中心部をうらやましそうに時々横目に見ながらぼんやりと城壁の外を見ているとローマに向かう街道を一騎の馬がこちらに向かっているのが見えた。

 

「ありゃなんだ?」

「ん?おかしいな……この時間に連絡はないはずだが」

横にいた同僚と共に城壁の櫓に上り同時に周囲に警戒を呼び掛ける

 

「おい!ありゃローマ兵だぞ!」

「様子が変だ!誰か見てこい!」

ローマまであともう少しというところで騎馬から人が力なく落っこちたのだ。

これは大変とあわてて城壁から人が送られて救助されたのだが、落馬した人物が治療を拒みうわごとのように同じ事を繰り返す

 

ベルギガ(フランス北東部)の城塞が陥落したと

 

まさか………とそこにいた誰もが思った。

ガリア人の反乱だと!しかも短期間で要塞が陥落するなどあり得ない。

それにガリアには数個の軍団が駐留しているはずである彼等はどうしたんだ?と

 

しかし、それを伝えにきた者の様子がおかしい

 

一応司令部に一報を入れておこうと防衛部隊の百人隊長は伝令を出す

 

この時誰も事態を深刻に考えてはいなかった

 

 

「まただ!しっかりしろ!」

「医者をよんでこい!」

「どうなっているんだ…こりゃ」

駆け込んできた騎馬は増え続けていた。

アクティニカ(フランス南西部)ルグドゥネンシス(フランス北西部)等の主要な属州に加えて各地の関や砦からも早馬がやってくる。

 

どれも口を揃えて砦が都市が落ちたと言うのだ。

ただ、不可解な事があった。

 

「身長2メートル近い全裸の筋肉と骨が攻めてきただと、ふざけるな!」

軍団の指揮所で司令官が机を叩きつけて部下にどなる……どの報告者もまるで白昼夢を見たと言わんばかりの情報を伝えてくる

 

「城門がパンチで吹き飛んだ!」

「上から筋肉が降ってきたんです」

「海から筋肉が攻めてきた!」

「骨が!骨が徒党を組んで城壁をよじ登ってきたんです」

 

これをどうやって皇帝陛下に報告しろと言うのだ………

 

「たたたたっ大変です!」

「今度はなんだ!」

再び部下が飛び込んでくるが、今までの様子とは違い血相を変えて礼儀などお構いなしな様子をみてこれ以上の事態が起こりうるのかと危惧する。

 

そして

「敵軍の詳細報告が届きました!」

「なんだと!」

「そ、それが・・」

「もったいぶらずに早くしろ」

 

「敵軍が王政ローマを名乗っています!」

 

 

 

 

 

おまけ

 

君たちはウェスタ神という神を知っているかい?

 

ローマにおける竈を守護する一柱なのだが………ぶっちゃけ竈ってwと思っている方も多いと思う

 

だが、竈なめちゃいかんよ

 

古代において竈は生活の中心であり、家庭の中心であった。そのため、家庭の守護神とされることも多かった

 

また、ギリシャにおけるポリスという概念はそれぞれの家庭の集合体という側面が多くその守護神である竈神は人々に深く信仰され同時に一番近い神であった。

 

もちろん、ギリシャの流れをくむローマにおいても同様である

 

そして都市が成熟するにしたがって新たな側面での信仰も生まれていく。

当時の古代世界においては儀式、契約は炎の前で交わされ炎は神聖なものとしての側面が多く

そのため、火の守護神は徐々に儀式の神と呼ばれるようになる

 

ローマ帝国における儀式………皇帝の戴冠式や先勝宿願などのあらゆる面で関わるようになりローマ帝国での重要度が高まっていき

ついにはフォロ・ロマーノ(カエサルによって計画された都市計画。政治と経済・神殿の中心地、ぶっちゃけ霞ヶ浦と銀座とかを混ぜ混ぜしたもの)が建設された時に一番最初に建築されたのがウェスタ神殿であった。

 

 

ちなみにこの神様処女神である。

そして神につかえる巫女も純潔が義務付けられた

 

そのため、権力闘争に敗れた権力者の娘が放り込まれる事が多かった。

ウェスタ神の巫女………主な業務内容(神殿の火を絶やさないように360日ずっと薪をくべる。神殿の清掃あと塩パン)

 

ちなみに、男との関係を持った場合は刑罰が生き埋めなのでご注意下さい

 

………ロムルスのお母さんここの巫女さんなんだよね

 

まあ、妊娠がばれたら生き埋めにされるので方便としてアレスに襲われたということにしたという説もあります

 

 

さて、ここまで竈神とはなんぞやといってきましたが……ウェスタ神もう一つ呼び名がありまして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昔はヘスティア神って呼ばれてました。

 

 

 




もしも、のお話

もし、筋肉達があの世界に迷い込んだら

「ベルくん今日もじゃがまるくん貰ってきたよ!」
「わあ、こんなに!ありがとうございます神様!」
「ごめんね、こんなものしか食べさせてあげれなくて」
「そんなことありません!僕はこれだけでも十分です」
「君はいい子だねナデナデして上げよう」
「ちょっ神様止めてください!」
「照れない照れない」
壊れた教会の地下でささやかな晩餐が開かれる。
けして豪華とは言えない食事だが一人と一神は笑顔で笑いながら幸せそうに団らんしていた。

その様子を近くの建物の上から見守るもの達がいた
「「「「「「「ローマ」」」」」」」」

翌日二人が目を覚ますと
「神様!大変です!」
「どうしたのベルくん?」
「教会の前に大量の魔石が落ちてるんです」
「何だって!」
二人が階段を上がり表を確認するとそこには人の膝まで積み上げられた魔石の山がいくつもあった。

「こ、これって………」
「誰の落とし物………ですかね?」
「違うと思うよベルくん」
「でも、誰か困っているかもしれません!僕一度ギルドにいってきます!」
「あっベルくん、行っちゃった………でも何でこんなものが」

その日から二人の間に不思議な事が起こり始める

朝起きれば山のように魔石が積まれており

気がつけば教会が修復され

時折積み上げられる塩パン

闇討ちされるウェアウルフ

やがて少年は出会う………本物の英雄に

この夏
ダンジョンにローマが殴り込む

「ダンジョンにローマがいるのは間違っている」



まで想像できた

ウェスタ神の名前で登場してたら一発でわかったと思うの………ぶっちゃけあの衣装からアニメ最後まで水か何かの神様だと思ってました。





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閑話白い悪夢

ギャグベースだよ


それは考えていた。

 

自分はなぜ産み出されたのかと

 

 

ダヴィンチちゃん工房の隔離金庫No.8の中に美味しいシチュー鍋は収容されていた。

 

そこに収容されている他の物達とは違い脱走することもなく本当におとなしかった。

それゆえの油断であったのだろうか、担当職員が2週間もの間金庫の扉は確認しても中身を確認せずに放置してしまったのだ。

 

翌日、職員が金庫室を見に行くと金庫室の扉に大穴が空いており室内の金庫が破裂していたのだった

 

 

 

カルデア通路

 

「腹がへったな」

「俺もだ」

二人の男性が並びあって歩いていた。

かたや白衣もう一方は白い作業服を着ており丁度食事に向かうところであろうか冗談混じりの雑談をしつつ食堂へとむかっていた

 

「それにしてもこの頃食事の内容がよくなったな」

「ああ、初期の頃のレトルトばかりにはもう戻れんよ」

レフによる爆発テロが起きた直後はカルデアに貯蔵されていた食品類、主にレトルトパウチ食品や缶詰が職員たちに提供されていた。

 

初めの頃は物珍しさからか喜んで食べていたが二週間・三週間と経つにつれて苦痛を感じ始めたのだ

 

毎日、毎日、缶詰とオートミールとレトルト食品そして日光を浴びていないために大量のビタミン剤が食堂で配給される。{水耕栽培施設からの葉物野菜の供給はあったが復旧における労働力の不足により生産量が低下しまさに焼け石に水の状態}

 

いつの間にか食卓から笑顔が消え、皆機械のようにそれらをかきこんでいく日々が続くようになってしまう

 

明らかに下がっていく士気と作業効率、そして日に日に高まるストレスと不安感がカルデア職員達をを蝕んでいく

 

 

そのときだった、特異点に出向いていた竜牙兵たちが新鮮な野菜や肉類、魚介類を回収してきたのだ。

 

これにより食堂が本格的に稼働し毎食バランスの取れた食事が提供されはじめカルデアの危機は去ったのだった

 

今では毎日メニューが変わり職員たちの数少ない娯楽の一つになっている

 

「ああ、それにしてもお腹がすいたな・・・ん?」

「どうした?」

食事がまちどうしくてたまらないのか作業服の男が再度呟きながら目を閉じ今日のメニューを予想して顔を緩ませるが違和感を感じてピタリと歩みを止める

 

「何か聞こえなかったか?」

「いや、特に何もないぞ」

はじめは気のせいかと思ったが。

 

やはり何か聞こえる

 

まるで金属が擦れるような音が

 

「気味が悪いな………」

「嫌な予感がするぞ」

金属が擦れる音は段々と大きくなり今まで聞こえていない様子だった相方も眉をひそめ周囲を見回していた

 

ここカルデアは立派な魔境である。

筋肉が蠢き骨が踊り、意味のわからない物体が徘徊しているのが現状であった。

 

ほとんどは無害であるのだが度々騒動に巻き込まれ鍛えられた職員はいつでも逃げ出せるように身構え、そしていち早く迫る危険を捉えようと二人背中を合わせてお互いの死角をカバーする。

 

そして、現れたのは

 

「鍋だと!」

「こいつか………」

廊下の曲がり門から現れたのは金属製の鍋であった、驚くと同時に少しだけ安堵し胸を撫で下ろす。

この鍋はカルデアに存在する彼の道具の中では危険度は高いが対処が簡単であったからだ。

 

つまり、対応さえ間違えなければ無害なのだ

 

 

 

 

 

 

だが、少し考えて欲しい

 

鍋って動けたっけ?

 

 

 

 

 

それは現実逃避に近い何かだったのだろう

カーリングの石みたく床を滑走しつつこちらに迫る鍋を二人はただ見ていることしかできなかった

「「うああああああああああああああああ」」

 

 

 

 

 

 

 

カルデア食堂

 

同厨房内

 

「さて、こんなものか」

「できたのですか?」

「ああ、少し待ちたまえ」

グツグツと煮込まれたカレーの前でエミヤはそういいながらコンロのスイッチを切り

お皿を持ってテーブルに待機しているアルトリア(剣)の前へと手際よくよそったカレーを運ぼうとする。

 

が………

(ガシャアアアン

突如として壁が崩壊してその向こう側より何かが飛来してくる

 

「なんだ!………またか」

思わずカレーを持って固まるエミヤ

すかさずエミヤの持っているカレーをちゃっかり確保して食べ始めるアルトリア

 

暫くのフリーズしたのちにエミヤは壁を突き破ってきた物の正体を瞬時に把握してこめかみを抑え、同時に武器を構え様子を見る。

 

鍋はコチラの様子を伺っている。

暫くしてズリズリとシンクの上を動き器用にコンロをつけてその上に収まった

 

 

・・・・・チーン!

 

やがてシチューが出来上がり周囲にクリーミーな香りが満ち足りる。

 

「何が目的なんだ………」

シチュー鍋は答えない、また器用にコンロのスイッチ操作して切りシンクの上を移動し始める。

 

そのときだった

「おう、腹がへっグヴォアアアアアア」

「魔力放出だと!」

鍋は食堂へとクーフーリンが入った瞬間に物凄い勢いで加速してクーフーリンの顔面へとめり込んだのだ

シチューが満杯となって重くなった鍋がめり込んだクーフーリンは跳ね飛ばされて床に倒れるがさらにそこに鍋の追撃が入る。

 

「オボボッオボボ……………ガタン」

すかさず倒れたクーフーリンの口元へと自らの中身を流し込む鍋、やがて頭部に鍋を被っているような状態になり必死にクーフーリンが頭から鍋を外そうもがき暴れるのだが

 

暫くして動かなくなった

 

死因 溺死(シチュー)

 

「ランサーが死んだ!」

「そんなことより、おかわりをお願いします!」

ものの数分でサーヴァントが倒されたことに戦慄しつつ武器を構え直し厨房から撤退を試みようとゆっくりと後退していこうとするが、セイバーが空気を読まずに皿を差し出したのだ。

その瞬間、今度はセイバーに向かって鍋が飛びかかる。

あわてて鍋をその間に入り剣で鍋を叩き落とそうとするが予想よりも強い衝撃を受けてなんとか受け流す事しかできなかった。

 

食堂の椅子や机を巻き込みながら転がる鍋を横目にセイバーの手をとって食堂から飛び出す

 

走る、走るどこが安全なのかわからずとにかく他のサーヴァントや筋肉がいる訓練所へと向かう

後ろを振り返ると鍋がこちらに向かって床を滑ってくるのが見えた。

 

「くそッ!」

振り向き様に鍋に向かって矢を放つが鍋はギュルリと回転しつつ不規則に跳ね回り避けてしまう。

 

鍋はそのままの勢いで壁に当りその反射で此方の頭部めがけて飛来する。

 

頭を瞬時に下げて鍋を回避するが回避した先でさらに鍋が跳ね返って今度は腹部を狙い向かってくる

投影した双剣を重ねてなんとか受け止めるが質量に押されて徐々に後退していくのがわかった

 

つばぜり合いは続きエミヤは壁際に追い詰められていく

鍋がどうにか中身を食べさせようと徐々に顔に向かって双剣が押し上げられていく

 

段々と押し上げられる両腕、鍋から立ち上る熱気を顔で感じられるような距離まで追い詰められる。

 

「ハアアアアアアアアア!」

あともう少しで鍋が口に届こうかと言うときに鍋が吹き飛んだ。

横を見るとセイバーが柄だけの剣を持った状態で鍋に対して構えており、聖剣でぶん殴られた鍋はというとさすがにダメージがあったのかカルデアの通路へと消えて行く

 

 

「ひとまず退いたか………」

なんとか撃退できたのを確認して投影を解くと同時に思案する。

 

相変わらず無茶苦茶な存在だなと思い付くもなんとか止めなくてはならない

どうしたものかと考えていると

 

「どうやら無事なようだな」

すっと緑アーチャーが現れる。

どうやら宝具で隠れていたようだ、困ったように頭を掻きつつため息をつく

 

「ああ、なんとかな」

「で、どうする?」

「やるしかないだろ………」

「だよな………」

こうして手の空いているサーヴァントが集められ対鍋を旗印とした討伐隊が結成される。

 

これだけのサーヴァント相手ならすぐに鎮圧できると思っていたが、そうはいかなかった。

 

 

「畜生!どこから来やがる」

「完全に相手のテリトリーに入っちまったな」

「音だ!音グヴォアアアアアア」

何もなかったはずの壁からいきなり鍋が飛び出してくる

 

頭数を得た討伐隊は鍋を追い詰めるべく前衛にセイバーやランサーで固め後衛からアーチャーが援護しライダーとアサシンが退路を断つという鉄板の布陣で挑んだ

 

しかし、鍋はそれを察知してか戦術を各個撃破に移行

 

マスターや筋肉が掘った抜け道や通気孔が密集しているエリアに誘導し孤立したサーヴァントを死角から奇襲し始めた

 

最初は軽く考えていたサーヴァント達も廊下に口からシチューを流して倒れる味方が増えるに従って真剣な表情で対応に当たるが、隠し通路に設置されたトラップやマシュ対策の魔力デコイによりすぐに位置を見失い。

 

いつどこから現れかわからない鍋に恐怖した

 

 

「ガガ、ヴぁアリーもうずこし………」

「サンソンが殺られた!」

「急いで肺からシチューを吐き出させるんだ!」

またしても被害者が出てしまう。

一番後ろを歩いていたサンソンが天井から降ってきた鍋に頭を覆われ溺れ口からシチューを垂れ流しながら倒れる。

 

サンソンの救護をしつつ集団で塊って鍋とにらみ合って

お互いの隙を探ししつつ距離を開けていく

 

その時、一人のサーヴァントがある事実に気付いた

 

鍋の中身がなくなっていることに

 

ここぞとばかりには攻勢に出るサーヴァント達

だが、再び逃げる鍋

 

やがて鍋は換気ダクトに逃げ込んだ

 

ガタンッガタンとダクトを移動していくがそこは配線やパイプなどが天井に露出しており追跡が容易くその出口に武器を構えたサーヴァントが集まる

 

今か今かと待ち構えていると異変が起きた

 

Gとネズミ達がダクトから逃げるように飛び出してくる

 

さらに

「フォフォオオオオオオオオオオオウ!」

フォウまでもがあせるように飛び出してくる

 

「なんだったんだ今のは………」

「来るぞ!」

唖然としつつも今度は金属が擦れるような音が聞こえてくるのを確認して武器を構え直す

 

チュドオオオオオン

爆音と共に鍋がダクトを突き破ってきた

 

 

「奴のトラップか!」

「散るな固まれ!」

彼のマシュ避けトラップを利用し爆発と共に現れた鍋に

多少の動揺を起こすが流石というべきかサーヴァント達はすぐさま対応にあたる。

 

「おい!ちょっと待てシチューが………」

「増えているだと!」

「馬鹿な!今までの間に食材何てなかったは………」

現れたシチュー鍋にはシチューが並々と満ちていた

サーヴァント達の間に衝撃が走る。

何故?今までの間に食材になりそうなものはなかったはずと今までの行動を振り返る

 

「ま、まさか………」

そして一つの予測に至る、ダクトに逃げ込んだ後に起こった出来事を思いだし

 

絶望する

 

「にげろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

「いやあああああああああああああああ」

サーヴァント達は一目散に逃げ出し

 

それを嬉々として追い回す鍋

 

ここに地獄が顕現した

 

 

「馬鹿ねえ………霊体化すればいいだけじゃない」

「なるほど!」

霊体化すれば物理的攻撃は効かないといって一部の者達が霊体化を行って逃亡しようとするが

 

「嫌あああああああ………スポッ」

仲良く吸い込まれてシチューになった

 

「「「「………嘘だろマジかああああああああ」」」」

 

その試みを影から見ていたサーヴァント達は二重の意味で恐怖する

目の前で起きた悲劇とさらに凶悪さが増したシチューが此方に迫っていることに

 

「来るなあああああああああああ!」

「「「「「おい、馬鹿やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」」」

加速していくカオスのなか一人のサーヴァントが錯乱しシチュー鍋へと魔力弾を放ってしまう

 

周囲のサーヴァントが止めようするも鍋の中へと命中

 

そして

 

「「「「「「うああああああああああああ」」」」」」

シチューを纏った魔力光線がサーヴァントに襲いかかる

 

 

「なんでさ!」

「何でですかねえ?」

シチューまみれのサーヴァントの残骸がそこらかしこに

転がる中をシチュー鍋が新たな獲物を求めて去っていくそれを確認して二人に人影が現れる。

 

エミヤと緑アーチャーであった

 

「収集不可能だ!」

「だよなぁ」

 

「やっこさんとこにいくのかい?」

「仕方ないだろ!」

まるで苦虫を噛んだような顔をしてエミヤがゆっくりと歩み出す

それもそのはず、元をいえば今回の騒動を起こしている鍋は筋肉達が暴れているのを止めてもらうために彼を訪問して出現したのだ。

 

まさにやぶ蛇

 

それゆえに今度は何が飛び出して来るかわかったものではないからだ

 

「それにだな………彼をかれこれ一週間ほど見ていない」

「………あー、憂鬱だわ。マジだるい」

彼の生活サイクルで食堂に現れるのは日常であった。

故郷の味に惹かれてか、マシュに捕獲されてもすぐに脱走してやってきていたのだ。

それが一週間も現れないとなると………

 

「マジのヤツじゃないですか………」

「どうしてこうなった」

 

「「はあ、」」

二人のアーチャーはとぼとぼと彼の部屋へと向かう

 

 

所長室前

「「「「押せえええええええええ」」」」

「「「「迎えうてえええええええ」」」」

 

筋肉達が大乱闘をしていた

 

「「「「「何故わからん!これは新たなローマへの軌跡だと」」」」」」

「「「「「流石に一週間は不味いだろ」」」」」」」

通路いっぱいに盾を並べ押し合いへし合いを繰り返す筋肉達。大きな質量がぶつかりあう。

凄まじい衝撃のもと筋肉達の腕が吹き飛び、顔も飛ぶ。

 

「なんだこれ………」

「もう帰ろうぜ………」

明らかにめんどくさい相手を前に踵を返す二人

こうしてカルデアの抑止力は消滅した

 

 

それからと言うもののスタッフはドアを突き破ろうとして体当たりをし続ける鍋に恐怖しつつ籠城し

 

捕まったもの達は自分たちの周囲をぐるぐると回り続ける鍋に強制的にシチューを食べさせられる。

 

サーヴァント達は隠れ忍び

 

筋肉の乱闘は終わらず

 

そして所長室から悲鳴が響く

 

 

バッドエンド29

白い悪夢

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





鍋は主人公が飢餓による狂気の狭間の中で産み出された道具です。
そのため、周囲の飢餓を撲滅しようとする強い意志が宿っております、はい。

暫くの間放置されると自ら動きはじめて周囲に自らを必要とする対象を探索し始めます。

基本的に鍋は飢えを解消しようと空腹を訴える相手へと自動的に届けようします。
そのため、お腹がすいた・腹が減った・今日の献立はなんだろう等の空腹をほのめかす相手を優先して配給を開始します。

対処法
喜んでシチューを食べてあげてください。
そうすれば鍋は安心して落ち着きます
ただし、シチューを食べた後に何も言わない……とまだ足りないと判断しより多量のシチューを届けにきます。



あとがき
みんなシチューには気をつけよう
特に夏場
黄色ブドウ球菌は加熱しても意味がないぞ




酷いめにあった


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call of roma

前回までのダイジェスト。

特異点到着マシュに捕獲されて虜囚状態。

そして、離散した筋肉達。

 

 

 

 

この時代のガリアはローマの支配下であり多くの植民都市が築かれおり。食料や資材などが大量に産出する上に今回においては世界を侵食するような敵意もなく、史実ど通りのルートでいくならばそこまで助力はいらないと考えており。

 

そのため竜牙兵達には、今一度の大補給を行うために各地へと派遣し現地の安全確保と資源収集を命じていた。

 

今思えばかなりやってしまった感が有るのだが・・・自分がマシュに捕まり、統制が全くできない事になるとは考えていなかった。

 

所でマシュさん、何でさっきから自分の足首をじっと見てるんでしょうか?

 

イヤアアアアアアアアアアアア

 

その頃、ガリアちほー。

 

「ロオオオオマの都市だ入れろ!」

「門を開けろ!」

「この腕を見てくれ・・・すごくローマだろ?」

 

「「「「らちが開かないぞ!ぶちやぶれえええええれ!!!」」」」」

 

前回はジークフリードという抑止力がいたため、あまり暴れていなかったが。

 

今回は保護者不在である。

 

はっちゃけて植民都市へ入場しようとするが・・・守備兵から見れば全裸巨漢筋肉の軍団が奇声をあげながら突っ込んで来るのだ。

 

当然の如く矢による迎撃が来るが竜牙兵の前ではそんなものは効かない・・・はずである。

だが、彼等は撤退した。

 

なぜか?

 

この時、竜牙兵の中では重大な矛盾が発生していた。

 

(自分たちは神祖のもとで戦うローマ兵士である。なにゆえに我々はローマからの攻撃を受けているのか?)

 

小休止

 

「「「「「見てくれ同胞よ、いい筋肉だろ?」」」」

竜牙兵による初めての交渉が行われた。

 

 

→ → → 竜

→ → 牙(アーーーー!)

→ → → 兵

 

相談タイム

 

「俺ら全裸じゃん・・・」

「「「「それだああああああああア!!!」」」」」

 

ローマを語るには、文化も優れていなくてはいけない。

なんという失態。

急いでローマにふさわしい服を見つけなくては。

しかし辺りを見れば森だらけこのような所では服など夢のまた夢。

 

しかし、ここで竜牙兵に天啓がはしる。

 

ローマ兵士の中にはライオンの毛皮を被った者達がいる、その多くは輝かしい戦働きをした隊長格や軍の象徴たる軍旗を掲げる旗手達である。

 

(その場に運悪く居合わせてしまったキマイラ)

アアアアアアアアアアア

 

「ローマ兵だよ!」

 

「「「「「「化け物だああああああああああああ」」」」」

「「「逃げろ❗死にたくなあい」」」」

 

キマイラから剥ぎ取った皮をかぶり堂々と都市に向かうと、なんと門が空いているではないか。

我々を理解してくれたのか同胞達よ!抱きしめてやるぜええええと意気揚々と入場するが、そこには誰もいなかった。

市民も兵士も奴隷ですらもいなかった、皆迫り来る脅威から都市を捨てて逃げたのだ。

 

しょんぼりとする竜牙兵達。

だが、すぐに遺跡ではない本物のローマ都市にこれたのだと喜んで周囲を動き周る。

建物を観賞したり、兵士が残した武器を磨いたりして楽しみ始める。

 

没頭し気がつくと夜があけており。

 

そして、あれよあれよといううちに救援要請を受けた周囲のローマ軍に包囲されていた。

 

ここでまた、竜牙兵達に矛盾が生じる。

 

包囲しているローマ軍から「蛮族よ投降しろ」という声まで聞こえて来るのだ。

 

ローマ軍から蛮族扱いされている

 

だが、我々は神祖のもとで戦うローマ(人類)軍であり。

これの否定は、神祖への冒涜である。

 

そして、

「「「「お前らローマじゃねえな?」」」」」」

「「「「本物のローマを見せてやるぜ」」」」」

 

「「「「「「ヒャッハーーーーー」」」」」」

 

 

 

 

 

 

ガリア駐屯軍団

 

壊滅

こうなった。

 

 

 

 

その少し前

 

ガリア南西に広がる森林にて、英霊として顕現したカエサルとそれに付き従う者達は危機に陥っていた。

 

皆一様に視線を下に向けて無言で震えながら行軍する。

上を見てはいけないと念じながらひたすら歩く。

 

「ふざけるなああ!ふざけるな!あああああああああ」

極度の緊張状態の中でパニックになった者が、剣をがむしゃらに振り回し走り出す。

 

そして

隊列から離れた瞬間、周囲の地面や木々から腕のようなものが飛び出し。

あわれな犠牲者を森の闇へと引きずりこんでいく。

 

見られているのだ。

 

周囲の地面からも森の木や岩などからも視線を感じる。

 

さらに、我々の後ろを木々が追いかけて来ている。

 

木や石から太い重厚な腕と足がはえドスンドスンと追いかけて来ている。

 

怖い、怖い、怖い。

 

できる限り戦友との間を詰めてお互いを守るように歩き続ける。

 

しばらく歩き続けると前方に灯りが見えた。

軍団の全員が希望し待ち望んだ光だ文明の光が見える。

 

進む速度が上がり皆走り出す。

 

 

だが、そこで待っていたのは新たなる脅威であった。

 

(傭兵一週間一シゲル、シックルでもいいよ)

そう書かれた看板を持った全裸達がいた。

 

彼等はにっこりと笑い。

体に力を入れた。

 

バキバキと隆起する上腕二頭筋、谷のような腹筋、柱のようなヒラメ筋。

 

「「「「ローマ!」」」」」

 

SANチェック失敗。

 

我々は敗走した、けして少なくはない数の兵士が森へ消え統制が取れた頃には軍団はその数を減らしていた。

だが、カエサル様がいてくださったおかげで軍団としての動きを取れていた。

 

散って行った戦友を惜しみながら前へと進む。

最悪な事にまだ森からの視線を感じる。

 

行軍していると今度は沢山の松明の光が見えた。

ローマ軍だ!他の軍団がいる!もしかしたらはぐれた戦友達かもしれないと皆目に生気が戻る。

 

 

 

 

 

 

 

俺たちは馬鹿だった。

 

 

 

 

(傭兵団一週間一シゲル、シックルでもいいよ♡)

 

数が増えていた。

 

<SANチェック失敗>

 

パニックになる軍団。隊列から離れてしまった戦友が森へ引きずりこまれていく。

カエサル様が剣を構えて自分たちを守ろうと筋肉達へと走り出す。わずかに正気を保った者達がそれに続く。

 

私も行かなくては!剣を片手に飛び出そうとした時、筋肉達がピタリと動きを止め上を見はじめた。

 

竜だ!

 

誰かがそういった。

 

見れば夜の闇こちらに竜が飛来して来ていた。

竜はこちらを無視するかのように筋肉に向かっていき、そして襲い始めた。

 

頑張ってくれ!

 

その場の誰もが竜を応援する。

筋肉が吹き飛ぶごとに歓声が上がり、竜が傷つけば悲鳴が上がる。

 

やがて、竜の首が折られた。

筋肉が竜の首に絡み付き首の骨をゴキリと砕いたのだ。

沸き上がる血しぶきを受けた筋肉がこっちを向く。

 

「ローマ!」

微笑んでいた。

 

SANチェック失敗

 

 

キャラロスト

 

 

 

 

本シナリオ解説

 

要するにただの見物客。

 

ガリア南西に派遣された竜牙兵達がカエサルとその軍団を発見し見物にやってきた。

 

森からの視線

「戦場では高さこそが正義」

木々にしがみついたり登ったりしている竜牙兵達。

注意して見れば森の木の上ををはい回る彼等の姿が観察できるだろう。

 

ついて来る木々達。

「戦場とはかくれんぼだぜ、新兵」

戦場の極意を理解した竜牙兵達。

全身に蜂蜜を塗りたくり葉っぱを付け、丸太を正面に構えてカモフラージュしている。

よく見れば月光が反射して光って見える。

 

地面からの視線

「相手から見える面積を減らせばいいのだろう?」

カエサルをより近くで見物しようとした竜牙兵達。

首の下からが地面に埋まっている。

主に大胸筋を動かして地中を進む、目をこらせば闇の中からこちらを見つめる首達が見えるだろう。

移動するときに木々の根っこがちぎれる音がするので比較的気がつきやすい。

 

兵士を引きずりこんでいく手のようなもの。

手である。

こんな幻想種がうろつく森ではぐれたら危険でしょ?保護しないと。

 

謎の傭兵

見物だけでは我慢できず抜け駆けした竜牙兵。

 

増えた謎傭兵

抜け駆けよくないよね?まぜろ。

 

自分の縄張りに意味もわからない存在が跋扈しているのに気付き排除しに来た森の主。

被害者

 

語り部

「見てくれ俺の筋肉を、ローマ!」

 

 

 

 

こんな事がガリア中で起こっていた。

 

 

 

 

ガリアが筋肉とプロテイン(捕らえたローマ兵が練兵と称した虐待の時に飲まされる飲料原料は主に竜種)に飲み込まれている中でも。

 

マシュとグダオの旅は進む。

 

 

しかし、ここで重大なアクシデントにみまわれてしまう。

想定が甘かったとしか言えない。

 

 

レオニダス強すぎ問題である。

 

 

スパルタの王であるレオニダスとそれに従うスパルタ兵達が襲いかかって来る。

 

はい、ここで問題。

あれっと思う事はないだろうか?

 

 

 

 

スパルタ兵(なぜ顕現してるんだお前ら)

 

 

これによってヤバい事が起きた、レオニダスが倒せないのだ。

謎の聖杯効果か何かで顕現しているスパルタ兵士が強すぎて草はえない。

 

以前ローマ軍は最強と言ったが、あれは本当だ(異論は認める)。

 

ローマ軍は数の暴力で殴るのが基本であり

相手が一万ならそれ以上をさらに負けたら同数か増強された軍団が押し寄せて来て叩き潰す。

装備を統一して、訓練をして平均的な個をまとめあげそして大量に運用する。

 

そのための道路、そのためのローマ街道である。

 

では兵士の質は?

 

訓練してから1、・2年の兵士と生まれた時から戦士として鍛えてる戦闘民族が、同数かある程度の差で戦ったらどうなるかわかるだろうか。

 

つまり

 

「にげるんだよおおおおおおおお」

 

「あんな化け物に勝てる分けがないだろうが!逃げるぞ!・・・あっ」

足元からからガチャリという音が聞こえきて転ぶ。

 

「先輩!」

 

「ぐだ男!」

 

「はい!令呪をもって命ずる!」

 

「先輩!先輩!せんぱああああああああああああい」

 

 

 

 

「ゆるして」

レオニダス「ダメ」

 

 

撤退終了後

ネロ陣営

先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩

「マシュ落ち着いて!」

「私のせいで!先輩が先輩がうああああああああああああああああああああああ」

「けど、今から向かっても遅いし何より勝てない」

「でも、でも・・・」

狼狽するマシュを落ち着かせながら、これからの対策をぐだ男は考える。

 

「清姫」

「お側に」

「いけるか?」

「難しいですわ、わたくしバーサーカーですもの」

「だよなーー」

 

「あっ!」

そこでマシュが何かに気がついたかのか、あわてて天幕に戻りそして飛び出して来る。

 

「これがあれば!大丈夫です!いけます!」

「マシュなにそれ?」

「先輩の道具です」

「ヒィイ!」

「落ちつくんだマシュ!」

「早まるんじゃない!」

短い悲鳴をあげるぐだ男、通信機から静止するドクターとダビィンチちゃん。

 

マシュが手にもっていたのは角笛のような形をした物体、静止を聞かずマシュはそれを口に含み吹く。

 

シューという空気が漏れる音だけが聞こえて来る。

 

「何で?何でですか先輩!」

ならない角笛に悲鳴をあげるマシュと不発に終わったそれを見てほっと一息つく周囲。

 

「・・・マシュそれなんなんだい?」

だが、一人だけダビィンチちゃんだけが警戒するような声で問う。

「お守りです・・・吹けば必ず助けが来る笛だって」

「・・・何がくるんだい?」

「えっと・・・同胞・家族って先輩は言ってました」

 

「すぐに専門家をよびたまえ!」

それを聞いたダビィンチちゃんが血相を変えて叫ぶ。

 

「ダビィンチちゃん?」

「ヤバい、ヤバい❗」

「どうしたの?」

「君たちには聞こえなかったのか?羽の音だ!」

「え?」

「空気に混じって羽が動く音が聞こえたんだ!私の完璧な体は聞き逃さない」

「まさか!」

「発動してるよ・・・多分」

 

呼び出されたクーフーリンがやって来る。

かるったそうな顔でモニターに映る、どうせ馬鹿が何かやらかしたんだろ?というかのように。

 

クーフーリンの目が見開かれた。

 

「逃げろ坊主!」

「え?」

「いいから逃げろ❗死にたくないだろ、走れええええええええええええええ」

 

 

ビイイイイイイイイイイイ

ビイイイイイイイイイイイイ

「強大な魔力反応を確認!対象こちらに向かって来ます!」

「空気成分に異常検出!なんだこれ?何で空気から重金属が検出されてんだ!」

「対象・・・これは地面を走っているのか?姿を捕らえられません!」

 

 

 

 

 

 

 

「死だ、死がやって来やがる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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