やる気を無くした第一話集 (yourphone)
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残念で小物な従者

これは「東方project」の二次創作。
何らかの理由で霧の湖付近に放り出された主人公が紅魔館の従者として過ごしていく。



僕はとある理由で、スキマ妖怪の手によってどこかへ放り出された。

 

右は森、左は広大な湖。前にしっかりとした道はなく左右は塞がれている。そんな所に送られた。

後ろ?そこまで確認してないよ。

 

此処が自分の知らない場所だとは分かっているけど、そんな事が分かっててもどうしようもなく、途方に暮れるよりはと歩き出して数分。とても赤い館を見つけた。

入ろうか入るまいか。館の前でそんな事を延々と考えてた。

 

恐らく誰かは住んでいる。門の奥に見える綺麗な噴水がそれを裏付けている。

だけどそれが人なのか、人としてもいい人か悪い人なのか分からない。

いい人だった場合は万々歳。色々情報を貰えばいい。

問題は、悪い人だった場合とそもそも人でなかった場合。その時は僕はゲームオーバー。持ち物一つ持ってないから盗られるものは唯一つ。

僕の命だ。

 

ここで命懸けの賭けをするか。或いは、別の可能性を求めてスルーするか。

ただ。スルーしたとして必ずしも何かを見つけられる訳では無いうえに、見つけたとしてもそこには必ず賭けをしなくてはいけない筈だ。

 

そう考えるとこの館にお邪魔したほうが良いか。

 

いや、でも他の何かを見つけてからでも遅くないか。

 

いやいや、そろそろ日が降り始める。つまりもうすぐ暗くなる訳で、そうなると『恐ろしい事になる』らしいからお邪魔したほうが。

 

かと言って何も対策無しに入ったら危険だ。先に何か武器になるものを探したほうが。

 

でも武器探し中に『恐ろしい何か』に襲われたら本末転倒じゃないか。

 

いや案外その何かはこの館から出てくるかも。なら一刻も速くここから逃げないと。

 

としても逃げ込む場所が無い訳で。むしろ逆に突入して仲良くなったほうが…?

 

「あのぅ?」

「はいぃっ!?」

 

ま、不味い!何時の間にか目の前に誰かが居る!

む、人間…かな?少なくとも見た目は人間だ。でもスキマ妖怪は妖怪だけど見た目は胡散くさゲフンゲフン麗しい女性だし。

 

「先程からずっとここに居るようですが…レミリア様に何かご用ですか?」

「いえ、ただの迷子です」

 

仕方無い、ここは賭けに出るとしよう。まあ、この()()()()()()()()は優しそうだし、きっと大丈夫だろう。

 

「そうですか!ならそろそろ暗くなりますし泊まっていきますか?」

「良いんですか?」

「はい!」

 

……いい笑顔だ、うん。その笑顔を信じるよ?

 

「じゃあ、お言葉に甘えて」

「それではこちらへどうぞ!」

 

メイドさんの後ろについて、中へ入る。

薄暗くなってきてるせいで少し見辛いが、この庭手入れが行き届いていて凄く美しく感じる。

 

「綺麗ですね、この庭」

「そうですか?そう言って貰えると嬉しいです!」

「え、貴女がここの手入れを?」

「はい。そりゃあもう大変なんですよ、毎日毎日」

「へぇー。それはお疲れ様です」

 

そして庭を抜け、玄関から中へ。

 

~○~○~○~○~○~

 

館の中も真っ赤っ赤だ。けど、外から見た程度の広さみたいで、まあ、この中で迷う事は…無いはず。

メイドさんは玄関から右に曲がり、真っ直ぐ歩き続け、突き当たりの階段を登る。登ったら端から一…二………六つ目の扉の前で止まった。

 

「こちらです」

「おお、広い部屋だ」

「いやまだ開けて無いですよ?」

「…あはは」

 

先走っちゃった。失敗失敗。

扉はまあ、ある意味普通。真っ赤なのと取っ手が悪魔の顔なのが真っ赤っ赤な館にベストマッチしてる。

いやなんか、取っ手に触れたら手を噛まれそうで凄く怖いんだけど。

 

「はいどうぞ」

「おお、広い部屋だ」

「なんというか、新鮮味が無いですね」

 

でも実際広い。何か洋風でふかふかしたベッドがあるけど部屋の四分の一も占めてない。

クローゼットもあるうえに机と椅子もあって尚且つタップダンスぐらいなら出来そうな広さが残っている。

まぁ、カーペット敷いてあるし、ダンスを習ってた訳では無いからタップダンスは無理だけど。

 

「ありがとうございます」

「いえいえ。夕飯は今から作ってきますね。それでは」

 

メイドさんが出ていく。と、舞い戻ってきた。

 

「すみません、ちょっと注意を。なるべく部屋の中に居てくださいね。トイレは一階の階段横です。それと……レミリア様に会ったら怒らせないようにしてください」

「レミリア様?」

「はい。この紅魔館の主です。詳しくは明日、明るくなってからで」

「分かりました」

 

気になるけど、話してくれるなら良いか。

メイドさんが今度こそ部屋を出ていく。

 

~○~○~○~○~○~

 

あー、暇だ。

 

さっきメイドさんが持ってきた夕飯は納豆ご飯。いやいやいや…えぇ~?って感じになったよ。うん。

メイドさん曰く『レミリア様がはまってまして、在庫がそれなりにあるんですよ』とのこと。

レミリア様とやらは名前からして外国人っぽい名前だしね。日本産の納豆は珍しいんだろう。

 

……ん、あれ?メイドさんは何で日本語を話せるんだ?

僕は日本人で日本語を使っている。ちなみに英語のテストは全然駄目だった。

んー。やっぱメイドとなると複数の言語を使いこなせないと駄目なのかな?次会ったら何ヵ国語使えるか聞いてみよう。

 

駄目だ、暇だ。

 

ベッドふもっふ。もふもふ。あー。ふっかふかしてる。

 

ふぅ…暇だ。

 

クローゼットの中を確認。んー。何もないけど襲われたら隠れられる位のスペースがあるな。レミリア様とやらが入ってきたら此処に隠れるか。

いや、でもレミリア様とやらが既に入ってきてるんじゃ遅すぎるか。

となると…むぅ。怒らせなければ良いだけか。

 

とはいえ暇だ。

 

外を眺めようとして気付く。この部屋、窓が無い。

なのに密閉感が無いなんてホント凄いな。広すぎるんじゃね?

あ、ちなみに靴は履いたまま。洋風だねぇ。

 

それにしても暇だ。

 

机を見る。食器が置いてある。引き出しの中には何も入ってなかった。…あ、でも一ヶ所だけ開かない引き出しが有ったな。鍵が掛かってるからどうしょうもないけどね。

 

狂おしい程暇だ。

そろそろ寝るかね。

 

部屋の明かりを消してベッドに入る。

服はそのままだけど靴は脱ぐ。

 

そんじゃ、おやすみ。

 

~○~○~○~○~○~

 

ふと、目が覚めた。朝かな?

 

……いや…誰かが居る…。

 

誰だ?例のレミリア様とやらか?それともメイドさん?

 

「貴女が今宵の食事かしら?」

「……」

 

!?…いや、答えるな。身動ぎするな。息は潜める必要は無い。ただ、自然に、寝ろ。

考えるな。いや、考えろ。

この声は聴いたことが無い。つまり、レミリア様とやらで間違いないだろう。問題は人じゃ無さそうな雰囲気を醸し出している事だ。

最悪、殺される。

 

「ねぇ、起きてるんでしょ?」

 

バレてる!?い、いや。駄目だ。反応するな。起きちゃいけない。

 

「私はね?食べ物は大人しく首を差し出すかキャーキャー楽しい悲鳴をあげて逃げ回ってくれないと詰まらないのよ」

 

首を差し出す!?と、とりあえずレミリア様とやらは確実に人食いだ。人外だ。くっそあのスキマめ、絶対この事知った上で此処に送ったろ。

 

「ねーえー。そもそも人の館に不法侵入してる時点で私はあなたを処分する権限があるのよ?」

 

あ……のメイドさんめ!せめて主にお客様が来てますよ位伝えとけよ!

 

「そろそろお腹が空いたから。あなたの顔を見せて頂戴?」

 

あ、やべ。布団を剥ぎ取られる。

目をつむる。体を丸める。

見るな聞くな喋るな震えるな感じるな憤るな!

 

「ふーん?まだ現実を受け止めないのね?」クスクス

 

なんかもうどうでも良くなってきたな。

どう考えてもここまで来たら腹くくった方が良いよな。

 

「あー。分かりました、分かりましたよ」

 

起きる。




主人公の能力は『思考時間速度を自由に変えられる程度の能力』
主人公は咲夜さんの前任で、咲夜さんに殺される事で世代交代する――という最終回だけ見えてた。

失敗理由:設定が原作と大幅に違う。紅魔館が幻想郷に来ているのに咲夜さんが居ないし。


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鬼畜縛りのマインクラフト

これは「MineCraft」の二次創作。
何故だかマイクラの世界に来てしまった実況者。
とりあえず木を切ろうとするも…



ふと周りを見回す。

 

「え、ここ…何処だし」

 

見渡す限り野っ原だ…なんだ、違和感が。

 

「……四角い?」

 

見たことある。これ、マイクラっぽいな!?

 

「え、え、でも…はぁ!?」

 

お、落ち着こう。こういう時こそ冷静に。

まず、どうして俺はこんなところに居るのか。

 

「確か仕事終わって家に帰ってパソコンつけて……あれ?」

 

パソコンつけて…何しようとしてたんだ?

 

「まぁ、それはいいか。それで…気付いたら此処に」

 

駄目だ分からん。まあマイクラについてはそれなりの知識はあるし、まずは木でもきこるか。

 

―□―■―□―■―□―

 

「えぇと、木ー木ー…あった」

 

表面が白っぽいから白樺だな。

 

「んじゃあ伐採開始、といきますか」

 

一番下を叩く。

 

コン

 

あれ?っと叩き続けなきゃ駄目か。

 

コンコンコンコン

 

……んん?

 

コンコンコンコンコンコンコンコン

 

「取れない!?」

 

な、え、どういうこった!?

 

ひびは入る。欠片も飛んでいる。なのに、取れない。

 

「まてまてまて嘘だろ、木こりが出来ないとか…まてよ?確かマイクラじゃあブロックを破壊するにはクリックじゃなくて長押しだったよな…」

 

グーで木を押してみる。やはり駄目か。ひびすら入らない。

 

「なんだ…どうなってんだよ…!?」

 

頭を抱え込み…手を見る。()()()()()()()手だ。つまり……()()()()()

 

「いやまさか…俺が四角くないから壊せないって事か?」

 

と、周りが暗くなり始める。

 

「うげ、夜になるのか。不味いな、土ブロックでも掘って凌ぐか……あぁ!?」

 

さっきまで、木をきこれなかった、よな。いや、まさかとは、思うが。

 

下を向き土ブロックを叩く。壊れない。

発想の転換で土を掬ってみる。やっぱり無理か。

と、なると。

 

()()()()()()()() ……?

 

「いいや違う。『パソコンが壊れた』マイクラ実況だって何言ってんだ俺」

 

いや、思い出した。俺はパソコンをつけて、実況用のマイクラをやるつもりだったんだあてっ!いてっ!

 

慌てて後ろを振り向く。ゾ、ゾンビ!しかも三体も!

ヤバイヤバイ、一旦退却!

 

「逃~げるんだよ~!」

 

―□―■―□―■―□―

 

「あぶっ!あぶなっ!」

 

スケルトンの矢が当たる。目の前でクリーパーがシューッってする。ゾンビが大量にスポーンしてるし蜘蛛が追ってくる。

 

「ていっ!当て逃げ!」

 

眼には見えないがマイクラの世界である以上満腹ゲージは在るだろう。

そして食べ物が無い以上、闇雲に走れないしダメージも出来る限り喰らいたくない。

 

「あたっ!くっそスケさんウザいわ!あたっ!」

 

……そういえば矢が刺さっている筈なのにそこまで痛みを感じてない。どういうこった。

 

「と思ったら痛い!ちょっ、急に痛くなるなよ!」

 

幸い、動けないほどでは無い。が、じくじくと体が痛む。

 

「む、ぐぅっ!」

 

クリーパーの爆発。奇跡的に躱す。

そういやこれ、死んでもリスポーンで済むよな?

 

ドカンっ!

 

 

GAMEOVER

score:0

 

>コンティニュー

 タイトルへ




縛り内容:マウスボタンの長押し禁止、実績解除禁止=インベントリ開けない

失敗理由:ps版のマイクラしかやってないせいで色々分からないことだらけ。
一応、縛りの抜け道としては匠の爆発によるブロック回収とか、村に置いてある(かもしれない)チェストや金床等で持ち物整理は出来る。
pc版のマイクラの村に作業台が無かったら詰む。
てか確実に詰む。


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島風と鬼畜な提督

これは『艦隊これくしょん』の二次創作。

島風こと私は颯爽と戦いたい。
けど、提督が戦わせてくれない。

提督「お前の顔が驚愕に歪むのが楽しい」

この鬼畜め!



私の提督は鬼畜だ。

 

「提督」

「あんだ?ゼカマシ」

「島風です!…私には 「うん」 出撃命令って即答ですらない!?」

「なあ、ゼカマシ。前々からずっと言ってるだろう?」

「うぅ…」

「今の俺の艦隊はお前しか居ないんだよ。お前が出ちまったら俺は…いや、ここは守りが無くなる」

「…はい」

 

一呼吸

 

「でも本音は?」

「お前の反応が面白い、お前の顔が驚愕に歪むのを見るのが楽しい」

「この鬼畜!」

 

こんなやり取りが毎日のように行われる。

それでも出ていかないのは、いや、出ていけないのは、ひとえにここの艦娘が私しか居ないから。

 

~○~○~○~○~○~

 

「提督」

「またか、ゼカマシ」

「島風です!ほら、近くの海域の探索ぐらいなら」

「駄目だ」

「何でです!」

「はぁ。やれやれ」

 

提督がわざとらしく溜め息をつき、首を振る。

 

「何ですかわざとらしい」

「お前さぁ」

「はい」

「……あー、別に言うことなかったわ」

「な ん な ん で す か !?」

「うるさい。近所迷惑」

「いや、私達以外居ないじゃないですか」

「それもそうだが」

「私だって艦娘なんです!せめて、せめて海に浸からせて下さいよ!」

「うるさい金づち。お前じゃ泳げなくて溺れるのがオチだ。大人しく帰って寝てろ」

「寝まくったせいで寝れないんです!」

「はぁ。分かったよ」

 

そう言うと、提督は手元のノートパソコンを弄り始めた。

 

「え?」

「外に行きたいんだろう?取り合えず一番簡単な場所に行かせてやるから。…ほい、完了。ほら行けさあ行けさっさと行けそして溺れて大破してしまえ!」

「何で普通に見送れないんですか!?」

 

たまぁに優しくしてくれるから強く言えない。なんか、手玉に取られてる感じがする。

 

~○~○~○~○~○~

 

コンコン

 

「ただ今戻りました、島風です」

 

ばたばたと音がして

 

「お、おう。入って良いぞ」

 

提督の許可が出る。

 

「何やってたんですか?」

「教えん。しかし…」

 

提督がまじまじと私を眺める。

 

「何で戻ってきたんだ?」

「え?」

「そのままどっかに逃げれば良いものを、もしかしてゼカマシ、お前、ドM?」

「違います!」

「じゃあ俺に惚れてる?」

「有り得ません!」

「あ、やっぱり泳げなかったのか」

「んな訳無いでしょうが!」

 

バンッとテーブルを叩く。

 

「おいおい、俺の大事なノートパソコンが堕ちちゃうだろうが」

「なんか言い方が卑猥!」

 

何で『堕ちちゃう』なの!?『落ちちゃう』が正しいでしょうが!

 

「ふーん、卑猥に感じるんだぁ」

「む…何ですか」

「ふーん。ふ~ん。俺は『おちちゃう』としか言ってないのになぁ」

「……はっ!謀られた!?」

「そうかそうか、ゼカマシ、君はそういう奴だったんだな」

「ち、ちがっ!」

「何が、違うの、かなぁ~?」

「う、うぅ、て、提督の変態~!」

 

部屋を飛び出る。誰かに相談したいけど、私以外一人も艦娘が居ないから、一人で抱え込む。

ドS提督め!

 

~○~○~●~○~○~

 

ふぅ、危機一髪だった。危うく島風に他の艦娘の存在がバレるところだった。

いやぁ、島風強いんだけどさぁ、役割被って尚且つ島風より強い娘が来ちゃったからなぁ。

かといって島風は有名所だから解体する気にはならないし。

今はどうにか誤魔化せてるけど、どうしたものか。




寝起きのボケた頭で思い付いたネタ。

続けない理由:単純に投稿者が艦これをやってないから。
システムとか口調とか島風と役割被って尚且つ島風より強い艦娘とか分かんない。


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東方『賢者がやり過ぎた』物語

これは『東方project』の二次創作。

『妖怪の賢者』八雲 紫。
彼女は幻想郷を愛し、人を愛した。
だが…いや、()()()、か。
  『やり過ぎた』
「致命傷じゃ無いからセーフ!」
アウトですね。分かります。



「…さて、今日も行くかな」

 

私は箒に跨がり、魔力を放出。

箒に茸由来の魔力が流れフワッと宙に浮く。

 

「私の~♪朝の~♪日課~♪其・の・一 ~♪」

 

口ずさみながら博麗神社へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢は縁側に座っていた。何時ものように。

 

「お~~~~っす!霊夢!」

「…魔理沙?また来たの?」

「まあな!」

 

着陸。

風が吹き荒れる。

 

ざっざっと歩き、霊夢の前まで行く。

 

「昨日は元気だったか?私は元気だったぜ?」

「そりゃあねぇ。てゆうか昨日も夜遅くまで一緒に居たじゃない」

「あっはっは!そうだったかな?あっはっは!」

「何が可笑しいのよ」

「いや、何も?」

 

霊夢の横にどっかと座り、そっと霊夢の手をさする。

 

「何よくすぐったいわね、毎日毎日。そんなに私の手が欲しいならあげるわよ?」

「あはは、そんなこと言うもんじゃないぜ?」

「でもねぇ」

 

 

 

 

 

「私には必要ないし」

 

 

 

 

 

「…そんなこと、言うもんじゃ、ないぜ」

「だってそうじゃない。別に悲観してる訳じゃ無いけど…使えないんじゃ意味がないもの」

 

霊夢は目が見えない。

 

「だからって…」

「昔は『勘』でどうにかなったけど、その『勘』も最近鈍ってきたし」

 

霊夢は匂いが分からない。

 

「……でも…!」

「魔理沙」

 

何も見えない目で、私を見てくる。

 

「辛いなら、ここに来なくても良いのよ?」

「……。……なんだ、全然『勘』は鈍って無いじゃないか」

「かもね?」

 

霊夢の手を握る。

 

前は…ほんのちょっと前は、霊夢だって普通に暮らせてたのに。空飛んで、弾幕撃って、妖怪退治だってしてたのに。

 

「悲しいなら泣けば?私は見えないし」

「…泣くのは心の中だけで充分だぜ」

「あっそ」

 

 

こうなったのは、全部あいつの…八雲 紫のせいだ!

 

~○~○~○~○~○~

 

「へくちっ」

「…何で今日に限ってそんな可愛らしくくしゃみしてるんですか、紫様。何時ものように豪快に」

「それ以上言ったら潰すわよ、藍?」

「…失礼しました」

 

私は八雲 紫よ。『妖怪の賢者』と呼ばせているわ。

 

「まだ悩んでおられるのですか?」

「悩む?違うわ。ちょっと違う。賢者は悩まないのよ」

「ならば……後悔、ですか?」

「大正解。正解した藍ちゃんにはこの油揚げを差し上げましょう」

「元から私のものですよ、それ」

「大正解。正解した藍ちゃんにはこの油揚げを差し上げましょう」

「天丼は止めてください。死んでしまいます。賢者が」

「私が!?」

 

はぁ、下らないわね。自分のプログラムした式と話し合う程詰まらない事は無いわね。

予定調和。決まりきった運命。見えている未来。

どれもこれも、永く生きる妖怪には暇潰しにもなりゃしない。

 

「魔理沙様に謝ってきたらどうです?」

「なんであの子に?霊夢に謝りこそすれ、魔法使いに謝る義理は無いわよ?」

「そうですか?」

「えぇ。そもそも、謝って許すと思う?あの子が?」

 

無いわー。有り得無いわー。

 

「霊夢には謝ったんですか?」

「勿論。こちらの…いや、私のミスですもの。でもつっぱねられたわ。『あの程度を避けきれなかった私が未熟なのよ』ってね」

「はあ、如何にもと言うかなんと言うか」

「あの子らしいわよね?」

 

あんまりにもグータラしてた霊夢。それを見かねて不意打ちで弾幕ごっこを仕掛けたのだけど……不意打ちの一発が、まさか霊夢の顔面に当たるなんて思って無かったわ。

そして、それのせいで目と、鼻が故障するなんて。

 

「ねえ、藍?」

「何でしょうか」

「…新しい巫女、探した方が良いかしら」

「それは…」

「貴女の考えと、幻想郷を前提とした考え、両方聞かせて?」

「…幻想郷の平和の為ならば、即刻新しい巫女を探すべきです。今代の巫女は残念ながら武力を失いました。今は皆、今代の巫女と顔見知りなので異変を起こす気配は有りませんが、また外の世界から来たものが暴れたら…その時は博麗の巫女の信頼が失われる可能性が有ります」

「そうね。貴女個人の考えは?」

「……。余りにも、霊夢が不憫です。自らの失態で戦闘能力を失うなら同情の余地は無いのですが…」

「貴女の主人のせいだものねー」

「えぇ」

 

…あー、ふざけるタイミングじゃなかったわね。

ゆかりん間違えちゃった、てへ!

 

「どうするのですか?」

「んー。そうねぇ」

 

大体は藍の言った通り。新しい巫女を探すべきなのだけど、目が見えないのと鼻が効かない以外は普通に()()()のよねぇ、霊夢は。

むしろ目が見えない事を免罪符にしてグータラしてそうだけど…そこまでふてぶてしく無いと思いたいわ。

 

あの日から二週間たってないぐらい。そろそろ腹をくくる必要があるわね。

 

「……はぁ。しょうがない。あの魔法使いに怒られるのは嫌なんだけど……藍」

「はい」

「これから少し、『外』に行くわ。留守番よろしく」

「かしこまりました」

 

 

~○~○~○~○~○~

 

「と、言うわけで。ねぇ、貴女この世界から逃げてみない?」

「な、何を…?」

「良いのよ良いのよ。遠慮しないで?『魂』が見えちゃうんでしょう?」

「!?」

「名前も知ってるわよ?冴月(さえづき) (りん)ちゃん。前から目を着けてたもの」

「…もしかして、あの時の!?」

「何を指して『あの時』と言ってるのか分からないけど、貴女の母親の事なら、えぇ。その通り」

「っ!」

「良い表情(か お)ね。来なさい?貴女にはこの世界は相応しくない」

「……」

「髪の毛が白いと言うだけで虐められるのでしょう?濁った魂しか見たこと無いのでしょう?」

「違う!お母さんは濁って無かった!」

「そうかしら。まぁ、良いわ。それで、こっちに来る?それとも一生をこの腐った世界で暮らす?」

「……私は…私は…!」

 

 

 

「行くわ。お母さんを見殺しにした貴女に復讐するために!」

 




寝起きに考え付いたネタ其の二。

続けるとしたら一話目と二話目はシリアス、その後は基本ギャグテイストになるかなぁ?
ギャグ苦手だから『やる気を無くした』。
元から続けるつもりが無いだけだけど。


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遊戯王で『補正』って必須だよね?

これは『遊戯王』の二次創作。


世界は遊戯王一筋に進んだ。
遊戯王で(ほぼ)全てが決まる世界。まるで空気のように遊戯王が生活に浸透している。
そして、科学も発展していった。

九重 純香は残念な『補正』を抱え、 今日も学園で決闘する……かも。



「…これは」

「どうですか!?結果は!?」

 

 

ここは幾多のパラレルワールドの一つ

 

この世界は遊戯王一筋に進んだ

 

 

 

「その、あなたの『補正』は…正直、教えない方が…」

「教えて下さい!」

「ですが、しかし…」

 

 

ここでは、科学が進歩し、進み、()()()()()

 

 

 

「どっちにしろ、消せないんですよね?」

「……」

「『補正』が無いと此処に入れないんですよね?」

「……えぇ」

「なら、これで良いんです。最初から『主人公補正』が貰えるとは思って無かったですし。まあ、どんなに酷いのでも仕方の無い事ですよ」

「……」

「それで、私の補正は、何ですか?」

 

 

 

 

他の世界では有り得ない事…様々な『補正』を、人工的に付与出来るようになったのだ

 

 

 

「良いでしょう、教えます」

 

 

 

アニメなどで必ず出てくる『主人公補正』。

お目当ての物だけ出てこない『物欲補正』。

他にも、『悪役補正』『ギャグ補正』etc.etc…

 

 

 

 

「あなたの、『補正』は…」

 

 

 

 

勿論、良いものばかりでは無い。

 

 

 

 

 

「『()超主人公補正』です」

「…はぇ?」

 

 

 

 

こればかりは、運なのだ。

少女の運命は廻り始める。

 

 

 

 

~○~○~○~○~○~

 

 

「…『エーリアン』…『陽炎(ヘイズ)』…『悪魔の罠』……。ヤバイ、完全に間違えた」

 

私は九重 純香(すみか)

私は今日、YCT学園に入学します!

 

あ、YCTって言うのはYugio(ゆうぎおう) Card(カード) Training(トレーニング)の略…らしいです。

 

ってそれどころじゃ無い!デッキ、デッキがぁ~。

 

「なんで『影霊衣(ネクロス)』とか『真紅眼(レッドアイズ)』が入った方を家に忘れるのよぉ…!」

 

私は家が遠く、寮に入る予定だ。つまり、今から取りに行くのは不可能。最低でも夏休みまでは取りに戻れなくなる…はず。

 

「お、そこの新入生!」

「は、はい!」

「入学式をやるところは体育館だ!体育館はあっちに有るからな。後、新入生は入学式終わるまでデュエルは禁止!破ったら即刻退学も有り得なくもなくもないからな!」

「は、はい!」

 

短髪の男子生徒の上級生に教わった通りに体育館へと向かう。

 

「うわぁ…思ったより、多い…!」

 

エンタメデュエルを意識したのか、体育には不必要な程の広さをした体育館。並みの学校ならすっぽりと入ってしまいそうだ。

だと言うのに、 体育館は新入生で一杯。

 

…この中で、何人が『主人公補正』(お お あ た り)を持っているのだろうか?

 

私以外にも、あの『逆超主人公補正』(ば く だ ん ほ せ い)を持っている人は……居るのだろうか…。

 

 

~○~○~○~○~○~

 

『それでは、学園長、お願いします』

 

スタスタと舞台へ上がる。

ふむ………ん、中々。上出来ね。

 

「新入生諸君!」

 

紙を見る。……『EMem』の回し方が書いてあるね…。

どうしよう、これを元にする?それとも…いや、ここは。

 

「私の先行!」

 

体育館がざわめく。

 

「私は手札から『Em(エンタメイジ) ヒグルミ』と『竜剣士 ラスターP(ペンデュラム)』をペンデュラムスケールに置くわ!」

 

使っていないデッキだけどちょっと調べればこれくらいは出来る。

 

「『ラスP』のP効果!『ヒグルミ』を破壊して二枚目の『ヒグルミ』を手札に加える!

 『ヒグルミ』の破壊時効果!デッキから『Em ダメージジャグラー』を特殊召喚!」

 

今では禁止カードとなって使用できない回し方だけどね。

 

「手札から『EM(エンタメイト) ドクロバット・ジョーカー』を通常召喚!召喚時効果発動!デッキから『EM ペンデュラム・マジシャン』を手札に加える!」

 

えーっと?次は…

 

「場には『ドクロ』と『ジャグラー』!2体のレベルは共に4!2体でオーバーレイネットワークを構築!『ラヴァルバル・チェイン』を特殊召喚!

 『チェイン』の効果発動!X(エクシーズ)素材の『ジャグラー』を切ってデッキから『H(ヒロイック)C(チャンピオン) サウザンド・ブレード』を墓地へ!」

 

一呼吸。

 

「『ジャグラー』効果!デッキから『Em ミラー・コンダクター』を手札に加える!

 そのまま『ミラコン』をペンデュラムスケールにセッティング!スケールは3と5!行くわよ!ペンデュラム召喚!」

 

着いてこられる生徒は何人居るのかしらね?

半分以上は着いて来てないと、この先辛いかも知れないわよ?

 

「エクストラデッキから『ヒグルミ』!手札からもう一体の『ヒグルミ』と『ペンマジ』を特殊召喚!

 『ペンマジ』のP召喚時効果!2体の『ヒグルミ』を破壊し、デッキから『EM リザードロー』と『EM パートナーガ』を手札に加える!

 『ヒグルミ』破壊時効果!デッキから『Em トリック・クラウン』と『Em フレイム・イーター』を特殊召喚!」

 

禁止カードの実力、見せるとき。

 

「場には『チェイン』、『ペンマジ』、『クラウン』、『イーター』!『チェイン』以外のモンスターのレベルは全て4!3体でオーバーレイネットワークを構築!

 『No.(ナンバーズ)16 色の支配者 ショック・ルーラー』!」

 

新入生たちが一気にざわつく。

EMEmのカードのそれぞれについてはよく知らない子も、『ルーラー』は知ってるのね。

 

「『ルーラー』の効果!X素材の『クラウン』を切って、私は魔法カードを宣言!

 墓地に送られた『クラウン』の効果発動!ライフを1000払い、場に特殊召喚!ダメージを受けたとき、墓地から『ブレード』を特殊召喚!2体でオーバーレイネットワークを構築!『No.85 クレイジーボックス』!」

 

ポケットからサイコロを取り出す。

 

「『ボックス』の効果発動!サイコロを振り、出た目の数によって効果が決まる!」

 

サイコロをそおいっ!と放り投げる。

新入生たちがサイコロに触れないよう、場所を開けていく。

 

「そこ!」

「は、はい…」

「出た目は何!?」

「……です」

「聞こえない!」

「3です!」

「良く分かった!」

 

3、ということは。

 

「『ボックス』の効果発動!あなたたちは手札からカードを1枚、墓地に送って頂戴!これで私はターンエンド!」

 

ざわ…ざわ…。

 

「あなたたちにはここから勝ってもらいたい!その為の『補正』なのだから!以上!」

 




『悪魔の罠』デッキのコンセプトは『罠モンスターを『ダークネスネオスフィア』で再利用していく』というもの。他に『ユベル』とか『ネオスワイズマン』とか入っている設定。

続けない理由:色んなデッキの回し方を調べるのがめんどくさい。それにOCGって運が絡んでくるから個人的に書き辛い。


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弾幕から始まる東方

これは『東方project』の二次創作です。

突如転生者に体を取られた魔理沙。
これからどう生きていくのか!?

「へいへい!私は幻想郷最強を目指す女!霧雨 魔理沙だぜ!」
『ざけんな!お前は私じゃ無いだろ!体返しやがれ!』



よっしゃ転生完りょ「…いのさ!」 ふえ!?

 

「アハハハハハハハ!」

 

な、なあ!?

 

「あ、ありのま」ピチューン

 

~○~○~●~○~○~

 

 

……なんだ、ここ?…え、あれは私!?何で!?

 

「あー、その、すみませんね?」

 

誰だお前は!

 

「スパイダーマ!じゃなくて神様です」

 

はあ?嘘つけ。マスタースパークで吹っ飛ばすぞ?

 

「体が無いのに?」

 

む…?た、確かに。

 

「おおお落ち着け、餅つけペッタン」

 

お前が落ち着け。で、何がどうなってんだ?フランとやらと弾幕ごっこしてた筈なんだが。

 

「それがねぇ、転生特典で『東方projectの霧雨 魔理沙になりたい!』とか言う子が来ちゃってねぇ。あ、『東方project』って言うのは別の世界での幻想郷の二つ名だと思っていいよ」

 

成る程。私はこれでも頭は良い方だからな。要するに誰だか知らんそいつに体を取られたと。

 

「Exactly‼(その通りでございます!)」

 

いやまぁ、私みたいな主人公に憧れるのは分かる。……にしたって何でこのタイミングなんだ?…ほら、これで被弾二回目。フランはスペルさえ使って無いぜ?

じゃなくて、もっと平和な時にすれば良いじゃないか。

それこそ、私が産まれるときとか。

 

「だってあの子がワガママ言うんだもん。『今すぐがいい!今すぐじゃなきゃ死んでやる!』って。死んでるのにね?」

 

たく。あーあー、また被弾。私の評判に傷が付いちまうぜ全く。

 

「あなたは魂だけの存在になってしまいましたからねぇ。文字どおり手も足も出ないでしょう?」

 

ちっ、たく。あーあーあー!巫山戯んなよ!私になるくらいならもっと上手く避けろよ!くそっ!

 

「おーおー。荒れてますねぇ」

 

お前は黙ってろ!

 

「だが断る」

 

キサマハモウ (# ゜Д゜) シンデイル

 

「へ?ぐはぁっ!」

 

ノリだけは良いのな。あ、フランが私を殺そうと……!?おい!おい神!

 

「なんですかい?」

 

私の体が無くなったら私はどうなるんだ!?

 

「死ぬねぇ、うん」

 

っ~~!巫 山 戯 ん な !!!

 

「あ、ちょ。…行っちゃった。冗談だったのに」

 

~○~○~●~○~○~

 

「あれれ~?もっと強い気がしたんだけどな~?」

「う…うぅ…」

 

確かに、確かに私は東方の世界へ転生させてくれって言った。魔理沙になってみたいって言ったけど!

何だってフランとの弾幕ごっこ始まる直前に転生させるのよ!

 

「詰まんないな~、『壊し』ちゃおっかな~」

「ひぃっ…!?」

 

ヤバイヤバイヤバイ死ぬ死ぬ死ぬ。

あれだ、ギャグ補正とか何とかで大丈夫だった!みたいな展開になるはずというかなってくださいお願いしますこのまま死んでしまいます!

 

「ギュッとしてー」

 

『や ら せ な い ぜ!!!』

 

「…誰?」

 

恐る恐る顔をあげる。

…黄色い鬼火みたいなのが浮かんでいた。

 

『私は霧雨 魔理沙!』

 

…どういうことだってばよ?





転生者が弱すぎて魂だけの魔理沙があーだこーだするお話。
理由:書いてて物凄く詰まらなそう。設定とかろくに考えずに書き始めたし、ギャグは苦手。


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こんな私を

これは、『東方project』の二次創作。

早苗は幻想郷に来る前、虐められていた。
しかし、あるとき告白される。それも、相手は虐めっ子!?



「実は好きだったんです、付き合ってください」

「……」

 

私の名前は東風谷 早苗。中学二年生です。俗に言う虐められっ子です。未だに馴れません、虐め。

 

それで、お昼休みに校舎裏に呼び出されて、またネチネチ色々言われるのかと思ったら、告…白…。

 

「……」

「……」

「…えっと、返事は?」

 

嬉しいと思う気持ち半分、どうせ罰ゲームの何かだろうという諦め半分、信じられないという気持ち半分。あ、150%

 

「おーい」

「…本当、ですか?」

「嘘ついたことは…無い、とは言えないかな」

 

目の前の男は虐めグループの盛り上げ役の…確か…誰だっけ?

 

「でも私、あなたの名前を…その…」

「あ、やべ」

「へ?」

 

「ギャハハハハハ!」

「ちょっと!本気にしてんの~?」

「緑の癖に?アハハハハハ!」

「ププ…お、おいニキ!もう演技は良いぞ、お前もそんなの相手に告白なんて疲れたろ?」

 

後ろから、虐めグループの残り四人が。

あぁ、やっぱり、そういう類いの虐めか。

少しでも、期待した、私が、あぁ。

 

「何言ってるのさ、わたくしはほんきでございますよ?」

「ブハッ!ちょ、笑わすなよ!」

「ギャハハハハハ!ゲホッゴホッゴハッハハッハハハ!」

「ちょ、ケン笑いすぎ!」

「アハハハハハ!つ、釣られちゃって、笑いが、アハハハ!」

 

もうやだ。帰りたい。…いや、消えたい。今すぐ、この世から。

 

「だからぁ。…まあいいか。それで、東風谷さん、返事は?」

「……はい?」

「「「「………え?」」」」

「あ、『はい』だってさ!おい、皆!俺彼女出来たぜ!」

 

な、何を言っているのか、さっぱり分からない。

え?え?あれ?ただの罰ゲームじゃ?

 

「お、おい、何時もの冗談だよな?」

「ニキの冗談ってたま~に本気かどうか分からないヨネ」

「ほら、戻ろうぜ、ニキ」

「そうよ、そろそろ時間みたいよ?」

「ん…そうだね」

 

ニキさんがグループの元へ移動する。

私の横を通るときに、

 

「放課後、ここで」

 

そんな声が聞こえた、気がした。

 

~○~○~○~○~○~

 

ねぇ、本気なの?そうよ、何であんな子を?もっと他にいい女はたくさん居るだろうに、何であいつ?

 

「良いじゃん。強いて言えば…疲れなさそうだから」

 

…お前、本気なのか?本気なんだな?…虐められるぞ?というか、虐めるぞ?

 

「いやいや、逆に東風谷さんをこっち側に持ってこれるかも」

 

それは有り得ない。絶対に。俺が言うんだから本当だ。

 

「ま、良いさ、虐めればいい。彼女と付き合うんだ、それぐらい覚悟してる」

 

「ね、リーダー。良くさ、彼女が出来て人生変わったって人たちがさ、居るじゃん?…そろそろ、変わっても良いかなぁって。思ったんだ。わりぃな?」

 

「あ、そうだ!暴力は止めてくれよ?痛いのは嫌だからさ」

 

~○~○~○~○~○~

 

今日の授業はいつも以上に身にならなかった。失敗を笑われても全く気にならなかった。というか、今日、何か笑われたっけ?

 

「放課後、ここで」

 

校舎裏。何で、来たんだろう。まだ、期待してるから?

何度も何度も裏切られてきたのに?

 

「はぁ…」

「……」

 

きっとずっと一人でここに立つことになるんだろう。

夜になって、帰る後ろ姿を指差されるんだろう。

 

「あぁ、嫌だなぁ」

「…何が?」

「生きるのが…っ!?いつの間に!?」

「ついさっき」

 

まさか真横に待ち合わせの人が居るのに気が付かないなんて。

 

「それより、まあ、さっきはかなり強引に告白した訳だけども、実際は…ドウデスカ?」

「何で片言…」

「あ、ちゃんとやり直したい?そっかそっか」

 

そういうと、ニキさんは少し離れて私と向かい合う。

 

「実は前から好きでした、付き合ってください」

「……。私、は…」

 

どうしよう。どうすれば良いの?

 

「……」

「……。…私は虐められてます」

「うん」

「私の地毛は緑色です」

「うん」

「家は神社で、おじさんおばさんたちには『現人神』と呼ばれてます」

「うん」

「喋るのが苦手です」

「うん」

 

 

 

「こんな私が、好きなんですか?」

 

 

 

 

「うん」

 

 

 

 

 

~○~○~○~○~○~

 

学校では瞬く間にある噂が立った。

 

すなわち、

「元グループの頭脳、『殺人鬼のニキ』が虐められっ子と付き合い始めた」

と。

 





一話目のサブタイトルは『好きなんですか?』

続けない理由:恋愛物とか、書ける気がしないので


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デジャブとアンデジャブの東方世界

これは、『東方project』の二次創作。

何故か未来の事を知っている霊夢。
見た事ある、しかしなんかおかしい世界でいつも通りに過ごしていく。


私は博麗 霊夢。博麗の巫女よ。

 

私にはちょっとした秘密みたいなのがある。

何故か分からないけど、小さい頃から未来の事が分かるっていうか…強い既視感をよく覚えるのよ。

 

ほら、今も

 

「空が赤い霧に包まれてるわね。…んーと、確か黒幕は…」

「霊夢ーーー!」

 

しかし、この記憶?とは全く違う事がチョイチョイあるのよ。

例えば、いましがた空から降りてきた私の親友、霧雨 魔理沙。

魔女の服や飛ぶのに何故か箒を使うのは良いんだけど

 

「これ、異変じゃない?確か、異変解決って巫女の仕事よね?手助けするわよ!」

「要らないわよ」

 

こんなに女々しかったっけ?

まぁ、流石に馴れたけど。

 

「えぇ~~!?」

「要らないのよ」

「二回も言った~!」

「大事な事なので二回言いました。それじゃあね」

「あ、まっ待ってよぉ~」

 

訂正、未だに馴れないわ。

 

~○~○~○~○~○~

 

確か、最初に出逢うのは『宵闇の妖怪』だった筈。

なんだけど、今はお昼。夜に活動するあれは出てこない。

 

「あ、妖精だー」

「よくもまぁ、そんなに呑気で居られるわね。ほら、弾幕撃って来てるわよ?」

「そうみたいね!」

 

私は熟練の技で、動かずとも相手の弾幕に当たらない様になってる。自動追尾(ホーミング)のお陰で相手を見る必要も無いしね。

 

「ふぅ。妖精多かったね!」

「全然。むしろ少ないぐらいよ?」

「え」

 

魔理沙はこんな性格になっちゃってるけど、腕が落ちた訳では無い。

その証拠に、今のところ弾幕を全て避けきってる。

 

「嘘だ~?」

「言ってなさい。痛い目を見るのは私じゃ無いし」

「うぅ…霊夢は何時だって厳しいよぉ」

 

語尾に『ぜ』が付かないと魔理沙って感じがしない。

 

……いや、まぁ、その、前世の記憶だか未来の記憶だか分からないけど、女の子らしい魔理沙とこの記憶の中の『魔理沙』をつい重ねて見てしまう。

今の魔理沙を見ないといけないのは分かるけど、どうしても違和感が付いて回る。

 

しかも、この誰にも言えない悩みは魔理沙に限った事じゃない。

霖之助さん。八雲 紫。……今は亡き先代。

きっと後々会うあのうるさい奴等も、きっと。

 

「……む、霊夢!」

「ん、あ?何?」

「無視するなーーーー!!!」

 

あら、何時の間にか氷精の所にまで来ていたのね。

 

「聞いてなかった。悪いけどもう一度お願い」

「わたしが最強だと!世に知らしめてやる!まず手始めにお前たちを倒してやる!」

「御丁寧にどうも」

 

氷弾が飛んでくる。

 

~○~○~○~○~○~

 

「きゅ~」

「ま、勝って当然よね」

「霊夢、流石ね。…でも、人の話はちゃんと聞いてあげてね?」

「あーうんそれは悪いと思ってるわ」

 

氷精の頭をぽんぽんと叩く。

 

「ご免なさいね」

「むむ、まあ、わたしは寛大だからな。許してやろう」

「はいはい」

 

チルノはなんと言うか……あぁ、カリスマね。うん。

 

「それじゃあね」

「うん!また会おう!その時はわたしが勝つ!」

「私とも遊んでね!じゃあね!」

 

…大妖精は?まあ良いか。

 

 

 

 

「ようやく見えてきたわね」

「霊夢、あれは?」

「紅魔館。吸血鬼の住みかよ」

「きゅ、吸血鬼!?血、血を吸われちゃう!?にんにく!十字架!あとはあとはえーーと」

「落ち着きなさい」 バシッ

「いたっ!」

 

さて、それじゃあさっさと攻略しますか。

紅魔館の前に降り立つ。

 

「と、忘れがちだけどあんたも居るのよねぇ」

「紅魔館へようこそ。わたくし、門番の(ホン) 美鈴(メイリン)と言います」

「あ、御丁寧にどうも。私は霧雨 魔理沙です」

 

魔理沙が箒から降りてお辞儀する。

そこまでする?普通。

 

「お客さま方は事前にアポイントメントを取っていませんね?」

「え、え?」

「そうね。てか、そんぐらい分からないの?覚えてないの?記憶力皆無?」

「念のための確認です」

 

なんか堅苦しいから煽ってみたけどへにもかけない。

私の苦手なタイプね。

 

「お嬢様方に会いたいのならまた明日来てください」

「あ、は、はい。霊夢、それじゃあまた明日」

「馬鹿言わないで魔理沙。……はぁ、馬鹿なの?」

「に、二回も言った!?」

「こういうのはねぇ、どうせ明日来ても中に入れさせてくれないパターンの奴なのよ」

「えぇ!?」

「……普通そうじゃない?だって相手は黒幕よ?わざわざ異変を解決されたい訳無いじゃない」

「そっかぁ…じゃあどうするの?」

「勿論」

 

右手に針、左手にお札。

 

「押し通る」

「やる気ですか?これでも私は強いですよ?」

「余裕よ、よゆー」

 

~○~○~○~○~○~

 

「くっ…まさかここまでとは」

「少し手こずったわね。ま、良いわ。行きましょ魔理沙」

「え、う、うん」

 

後ろで魔理沙が美鈴に何か渡してるけど…ま、それくらいは別に良いかな。私だって鬼じゃない。

紅魔館の中に突入する。

 

「ん、図書館の方に入った?…あのメイドのせいか」

「うわぁ!すごい!本が一杯!」

「げほげほっ。誰…?」

「あ、ちょっと通るわね」

「え」

 

面倒だからスルー。

 

「ちょ、まちなさ、げほっ」

「大丈夫?マスクつける?」

 

うん、魔理沙が対応するし良いでしょ。

図書館を抜け、廊下へ。

 

「にゃあ!」

「ん、猫?って、いや、その……はぁ!?」

 

そこには、猫耳猫尻尾のメイドが……





別にやる気を無くした訳では無いけど、続けるつもりはない。そんな感じ。
因みにレミリアはむっちゃカリスマ。の予定。


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私がゲシュタルト崩壊な使い魔

これは、『ゼロの使い魔』の二次創作。


ルイズ・フランソワーズは使い魔を呼ぶ。

「宇宙の何処かに居る私の使い魔よ!」

失敗したかに見えた魔法は、しかし成功した。
だが、呼び出されたのは有り得ない者だった。



「宇宙の何処かに居る私の使い魔よ! 今ここに現れなさい!」

 

ルイズ・フランソワーズは大きく杖を振った。

しかし、この桃色の髪をした可愛らしい女の子は、魔法を上手く発動できたことが無いのである。

 

当然、爆発。煙が視界を閉ざす。

 

「ど……どうなったの…?」

「げほっごほっ! な、なんなのよ!」

 

煙の中に立つ人影がある。

よく見えないが、確実に居る。その事実に、ルイズは驚喜した。

次の瞬間、煙が晴れ、有り得ない者を見ることとなる。

 

「「・・・え、私?」」

「ル、ルルル、ルイズが二人~~!?」

 

そこに居たのは、もう一人のルイズ(自分)と一人の平民だった。

 

~○~○~○~○~○~

 

「俺は平賀 才人」

「私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ」

「私もルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ」

 

むぅ……と睨み合う二人。才人は蚊帳の外。

 

もはやこの程度の事では才人は驚かない。良くも悪くも非常識に慣れきっていた。

とはいえ、やはり少しだけ混乱していて、二人に増えたルイズを見ながら

 

(はぁ~、どっちも可愛いなぁ~)

 

惚気(のろ)けながら現実逃避していた。

 

因みに、ルイズたちは使い魔の契約をしていない。

理由は使い魔として呼ばれたのが二人だったからだ。

 

一度に複数の使い魔を呼び出した者は居ないし、複数の使い魔を従えている貴族も居ない。

 

「本当に私なのね」

「それはこっちの台詞よ。何で、何で私の使い魔が自分なのよ……しかもおまけ付き」

「おまけ付きって、おま、俺は平賀 才人っていう立派な名前があるんだよ! 忘れたのかよ!」

 

ルイズに言い返した後にふと思う。

ん? 何かこんなやり取りしたこと有ったな。何時だったか…と悩む。

 

「知らないわよ! サイト? 変な名前ね!」

 

急にうだうだと何か悩み始めた平民はほっといて、ルイズはルイズと改めて向かい合う。

 

「…え、何でそんなに睨んでくるのよ」

「睨んでなんか無いわ」

「睨んでるわよ」

「睨んでない!」

「睨んでる!」

 

不味い雰囲気を感じた才人が、二人の間に割り込む。

 

「まあまあルイズ、喧嘩は止めよう、な?」

「邪魔よ!」

 

あわれ、勇敢な使い魔は後ろに居たルイズに股間を蹴り上げられ、悶絶する。

 

「あ、あああ、あんた! 私のサイトに何してんのよ!」

「はぁ!? たかが平民でしょ!? 私のって……いや、ままま、まさか、あんた」

 

ルイズが顔を青くしてルイズに詰め寄る。

 

「あの平民の事、好きなの?」

「う、そ、それは……うん

 

小さく呟かれた自分自身の言葉に、ルイズは衝撃を受ける。

その衝撃は、まさに筆舌に尽くしがたい物で

 

「え、ちょっと!」

「あ、おい! ルイズ、ルイズ!」

 

ルイズは、気絶した。





才人だけを戻しちゃうとありきたりな『強くなってニューゲーム』だし、ルイズだけを戻しちゃうと投稿者の趣味によってR-18になるので、思いきって二人とも戻す。

他のネタとしては、才人がヤンデレメーカーっていうのを思い付いたけど色々ヤバイので(俺は)却下。


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オラリオの化け物な何でも屋

これは、『ダンジョンに出会い(ry』の二次創作。

唯一にして最大のダンジョン都市オラリオ。
そこで何でも屋を経営している一人のモンスターが居た。
人型だが顔が最悪な彼は、モンスターであることを隠し、今日も金と甘いものを報酬にダンジョン、またはバベルへと急ぐ。



今日は月に一度の相場確認の日。

 

「おーう、『腐り仮面』久しぶりだな!」

「腐ってない、苔むしてるだけダ」

「似たようなもんだろぅが!」

 

顔見知りの八百屋にあっはっはと豪快に笑われた。

まあ確かに俺の顔は苔むしてるし腐ってるように見えても仕方無いが、それとこれとは別だ。

 

「んで、今日は何の用だい?」

「ただの相場確認ダ」

「そうかい。何でも屋ってのは野菜の相場まで覚えなきゃならんのか。あれだな、子持ちの主婦みてぇだ!」

「うるせェ」

 

軽口を交えつつ相場確認。

 

「ふーン。全体的に安くはなってる、がなァ。質が悪くなってねえカ?」

「んー? 気のせいだろ。俺は何時もと同じようにしてるぜ」

「そうか、なら良いガ」

 

りんごを一つ買ってバベルを出て、自分の店に帰る。

 

オラリオの西の方。

少し古ぼけている木造建築。少し暗めの木材を使用してあり、三角屋根が特徴と言えば特徴か。

看板は無いが、扉に『閉店』と書かれたプレートがかかっているのでかろうじて何かの店だと分かる。

 

プレートを取って中へ。一つだけ置いてある机……大きめの机の引き出しから『オープン(何でも受け付けます)』と書かれたプレートを取りだし、扉にかけて戻る。

 

 

オラリオの『何でも屋』の一つが開店した。

 

 

 

ー ダ ン ま ち ー

 

 

俺は『何でも屋』を営んでいる。ちょっとした理由で何処かのファミリアに入る訳にはいかないからな。

その理由ってのは…まぁ、簡単に言えば俺が『異端児』だからだろうな。

 

ここ、オラリオにはどでかい『ダンジョン』が存在する。

文字通り『ダンジョン』だ。モンスターが大量に住んでいるうえに、無限に湧き出てくる。

 

んで、『異端児』ってのはその『ダンジョン』で産まれたモンスターの中でも人間のように理知があるモンスターのことを言うらしい。

 

 

そう、俺はモンスターだ。正式名称は知らないがな。

 

 

けどまぁ、『異端児』ってのは珍しいのかどうなのか、少なくともオラリオの中では見たことが無い。

そもそも俺が本当に『異端児』なのか分からないけど……な。

 

カランカラン

 

「いらっしゃイ。ここは……ってなんだ、あんたカ」

「せや。神様自らやってきたんやもっと嬉しそうな顔してもええんやで?」

「イェーイやったぜ金ずるが依頼をもってやってきタ」

「大正解や」

 

客である神、ロキがポイッと丸めた紙を投げ渡してくる。

 

「神が紙を投げるってカ? どれどレ」

 

なんやそれおもし下らないやないかとか聞こえてきた気がしたけどそれどころじゃない。

 

「おいおい、あんた、これ本気かヨ」

「あぁ」

「あー、ギルドに無いのかヨ」

「あったらそっちで買ってるわ」

「だよなァ」

 

今回の依頼、楽と言えば楽。面倒と言えば面倒でしかない。

 

「金は言い値で払うから、よろしゅうな」

「あーはいはイ。明日の正午にここに来てくレ」

 

しっかし、何でこんなもんが必要なのかねぇ。

 

紙に書かれた依頼内容。それは、『ミノタウロスの魔石で直径15センチ以上のやつ、頼むで』と書いてあった。

 

 

 

ー オ ラ リ オ ー

 

 

服はいつも通り、音がならない生地で出来たもの。

その分耐久性は一切無いが、まぁダメージを喰らわなければ良いだけだし。

 

その上から薄茶色のフード付きローブを着る。そしてフードを深くかぶる。

ローブの内側には大量のポケットがあり、そのにマイナスドライバーやらナイフやらペンやら店のカギやらなんやらかんやらどうたらこうたら沢山入っている。

 

それとフードの内側にも左右に二つ、ポケットが付いてる。今回は何も入れてないけど。

 

後は白の軍手つけて黒のゴムブーツを履いて完了。

 

 

 

 

 

まぁ、着替えて無いけどな!

 

 

つまりさっきバベルに行った時と同じ格好ってことだ。

仮面? つけてないぜ。…あぁ、苔むしてるとか腐ってるとかが腑に落ちないってか?

 

あれだ、そもそもの顔が、な。

少し嫌だが、細かく描写するぞ。

 

 

 

 

顔には皮や肉が無く、頭蓋骨をそのまんま浮き出させた感じ。しかも軽くひび割れてるらしく、緑の苔みたいなのがひびから増殖、今では目と口と……多分耳以外は緑の苔に覆われてる筈だ。

 

オラリオの人たちは俺がそういう仮面をはめてるものだと思ってくれてるから良いけどな。んじゃなきゃとっくに討伐されてるわ。

 

 

さてと、そろそろダンジョンへ行きますか。

ミノタウロスの出現階層ってどのくらいだったかねぇ。





なお神の恩恵を受けていないのでくそ弱い。
弱いのを逆手にとることでダンジョン内では(一人でいるときに限り)安全に進める。勿論例外はあり。

何でも屋……オラリオなら上手くいけばかなり儲かりそうだな。


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人工尾獣『零尾』の存在

これは、NARUTOの二次創作。


彼は人間で()あった。
彼は実験体だった。
彼は五人目だった。

彼は逃げ出した。逃げ切れなかった。

でも、足掻いた。
そんなお話かもしれない。


僕は人間なの?

 

「いいえ、違うでしょう」

 

なら、僕は何者なの?

 

「今は何者でもありません」

 

僕は生きてるの?

 

「生かされています」

 

なら、僕は何のために生きてるの?

 

「『零尾(ゼロビ)』となるためです」

 

僕の名前は?

 

「ありません」

 

僕の友達は?

 

「知りません」

 

僕は……………………。

 

 

 

 

「……きなさい。じゅ……だぞ! 起きろ!」

「ん。あ、おはようございます」

「おはようじゃねぇ!」

 

武骨な先生に拳骨を貰った。うーん、デリシャス………違うか。

 

「まったく。この授業は卒業試験の実技で試される術なんだぞ! 実技だからと言って座学をおろそかにしていいという訳じゃないからな!」

「はい、すみませんでした」

 

機械的に言う。

まぁ先生の言う事は分かる。

 

「で、だ! この『分身の術』は比較的簡単な術……ではあるが、チャクラコントロールが出来てないと上手くいかないからな!」

「せんせー!」

 

隣の男の子が先生に質問する。

 

「なんだ?」

「なんで『分身の術』が卒業試験の実技なんですか?」

「ふむ、それはだな。先程も言った通り簡単な術だからだ!」

 

うーん、と男の子は理解できていないようなので横から口を出す。

 

「それなら『変化の術』とか『口寄せの術』とか出来るの?」

「え? いやいやいや、どっちも難しい術なんだろ?」

「そうだね。なら火遁、土遁、水遁らへんは?」

「出来るわけ無いだろ!」

「でしょ? なら『分身の術』は?」

「それくらいなら、まぁ」

「そう言うこと」

 

と、終わりのチャイム。

先生に礼をしてさっさと教室を出ていく。

 

「んー。つまんない夢を見た気がしたけど」

 

ま、いっか。

俺の名前は零切(ぜろきり) (らい)

忍者アカデミーの最高学年。卒業試験が目の前で手招きしている歳だ。

 

学校を誰よりも早く出て、ふとブランコの方を見る。

 

今は誰も居ない。誰も座っていない。誰も漕いでいない。

 

………去年まではあそこに……忌み嫌われし狐、それを身に受け入れた…いや、封印された、忌み人が居たのだけど。

 

ちらほらと噂は聴こえてくる。

 

けど、そこに九尾の狐は出てこない。だから、俺も気にしない。

 

たらたらと歩き始める。

 

 

……人工尾獣作製プロジェクト『零尾(ゼロビ)

 

俺の存在理由であり、生存理由であり、そして死亡理由にもなる。

内容は簡単、っていうかそのまんま。

 

『尾獣を人工作製出来れば、そしてそれを複製(コピー)、そして量産(ペースト)出来れば木の葉の里の戦力は激増する』

 

当然、非公式。今の火影である綱手様に知られたら、きっと多分確実に潰される。そんなのは思考するまでもなく分かる。

 

……ま、どっちにしろ未だに上手く言ってないのだけど。

先生どもは俺が零尾になれると期待しているようだけど、俺としてはそんなこと無いだろう、と思う。

ただ他人より大量のチャクラを保有できただけなんだから。

 

「ん……」

 

研究所から指定されている家を通り過ぎる。

 

「ふっふふふーん♪」

 

そのまま歩くこと数分。

 

「ただいま」

 

火影の住居、その地下。出入り口は外にあるゴミ捨て場の扉。

 

中に入る。

 

俺が掃除を欠かさないおかげで、元ゴミ捨て場とは考えられないほどこざっぱりしている。

 

「水は……おぉ、二日分も溜まってる」

 

飲み水は上から垂れてくる水滴を集めてどうにかしている。

今日は何時もより多く垂れてきたみたいだ。

 

焼却炉が隣にあるおかげで比較的暖かい。

 

そこいらから拾ってきた毛布を集めた布団も上々。誰も入ってきていないみたいだね。

 

バックを置く。さぁて、分身の術の練習だ。




調べてみたら零尾(れいび)というのが公式で居るらしく。

うぅむ、考えることは同じか。無念。


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May・Cazaghryの学園生活

これは東方projectの二次創作。

鎌鼬の風切 迷。東洋の妖怪である彼女は、何故か西洋の妖怪学園に存在していた。
ある日、迷は学園カースト最上位の吸血鬼の――レミリア・スカーレットの『もの』になる。


「ボクは風切 迷。鎌鼬っていう妖怪です。…………『かまいたち』、『Kamaitati』です。『cut caused by whirlwind』…………じゃなくて? かざぎりです。メイ・カザギリ」

 

「ふーん……貴女、背がでかいわね。私の日陰になりなさい」

 

「え?」

 

「もう決まったから。同じクラスに移動しなさい。上には伝えておくわ」

 

「で、でも、勉強が……」

 

「歯向かうの? 吸血鬼の私に? 学園最強の私に? 死ぬわよ、貴女」

 

「うぅ……」

 

「ああ、物に感情は要らないわ。意見は私に聞かれたときにだけ言いなさい。拒否権は無いわ。逃げることも許さない。貴女はただ私とあの忌々しい太陽を遮ってればいいのよ」

 

「………………………{…………………はい。

 

「いい子ね、素敵よ。あぁそうだ。物なのに使える主人の名前も知らないのはいけないわね。わたしは『Remilia Scarlet』。レミリア・スカーレットよ。()()()()()

 

 

 

……以上が、迷の学園登校一週間目に行われた会話である。

 

早速閑話休題。

 

取り敢えず、風切 迷の容姿を書いてお茶を濁しておこうか。

(いたち)のような色の……くすんだ黄色の髪を持つ。髪型はベリーショート。

服は洋服で、黄色を基調に緑のリボンで飾られているTシャツに黒っぽいジーパン。

身長はなかなか高く、いまだ50歳いくかどうか程度しか存在していない(妖怪としてはかなり若い)のに170cmに届いている。

性別は女である。……………………女である。ただし胸は無い。

美人……に見えるかどうかは人によるが、最低限ブサイクではない。

 

何故日本の、東洋の妖怪が西洋に存在しているのかは分からない。

何故若い妖怪なのに背が高いのか。

 

まぁ、そんなもの今は関係無い。関係有るならそのうち描写されるだろう。今は迷の学園生活だ。

 

初めの描写の通り、迷は学園生活開始早々レミリアの『物』になった。役割は吸血鬼であるレミリアの日除けである。

 

 

 

「そこよ。えぇ。……ふぅ、これでようやく涼めるわね」

 

{ Thats good. (それは良かった)

 

「ん~。風がいい感じに来て良いわね。やっぱり教室では窓側ね」

 

{ I see. (ですね)

 

レミリアの言うことに逆らわず、窓とレミリアの間に立つ。その許可はおりている。

レミリアはこの学園の最大の出資者、スカーレット家の一人娘なのだ。ただでさえスカーレット家は過激なことで知られているから、先生どころか学園長のワーウルフでさえ反対できない。

 

「……つまんないわね」

 

{ Do you want to tell me something ?(何か話しますか?)

 

「そうねぇ、貴女について知りたいわ」

 

{ OK.(了解)

 

「な、なぁ。まだ授業中なんだが……」

「は?」

 

勇気をふるって声をかけてきた先生(犬顔だからヘルハウンドか)だが、レミリアのひと睨みで怖じ気づき、すごすごと引き下がった。

 

「ふん。……さぁ、話して」

 

{ OK. My……

 

ガラーーン! ゴローーン!

 

「あ、休みね。行くわよ」

 

{ Of course.(勿論)

 

レミリアが席を立つ。それに合わせて動き、影を常にレミリアに被るようにする。それは意外と難しい事で。

 

「っ………… Hey, May. What does this mean?」

 

 

意味は、「ねぇ、迷。これはどういうこと?」

 

レミリアのその白い腕が一部灰色になり、煙がたっている。

 

 

「!? ご、ごめんなさい!」

「減点2。貴女に感情は要らないわ」

「っ……!」

「ほら、こっち来なさい」

 

レミリアが迷を引っ張っていく。その勢いはレミリアの熱心な取り巻きでさえも道を開けるほどだった。

連れられた先は暗室。

 

「……座りなさい」

 

{ Yes, My master.

 

「数回……そうね、三回までは許すわ。それ以降は消す」

 

{ Thank you very much, Master.(ありがとうございます、ご主人様)

 

「でも、それとは別に感情を持ったわね?」

 

{ Yes.

 

「お仕置き」

 

そう言うと、レミリアは迷を蹴りあげる。

 

「ガフッ」

「駄目よ。これは許さない」

 

蹴る。

 

「うぐっ」

「駄目ね」

 

蹴る。蹴る。

 

「ガッアッ……」

「駄目ね」

 

蹴る。蹴る。蹴る。蹴る。蹴る。蹴る。蹴る。

 

「…………」

「目がきつい。駄目」

 

蹴る。蹴る。蹴る。蹴る。蹴る。蹴る。蹴る。蹴る。蹴る。蹴る。蹴る。蹴る。蹴る。

 

「どう?」

 

{ Thank you very much, Master.

 

All right.(よ ろ し い) ……そうね、こう言う時は My body shadows you. My heart is power to you. と言いなさい」

 

{ My body shadows Master. My heart is power to Master.(ボクの体は貴女に影を。ボクの心は貴女に力を)

 

「All right. Thats good. そろそろ時間ね。行くわよ」

 

{ My body shadows Master. My heart is power to Master.

 

「……いちいち言わなくて良いわよまだるっこしい」

 

{ OK.




本気で進めると長くなりすぎるのでここにシュート。


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幻想にて星と自然が出会うとき

これは、クロスオーバー作品。

舞台――幻想郷

主人公――空条承太郎(ジョジョの奇妙な冒険)
     N(ポケモン)

ここまでくるともはや前書き書くのもしんどいな、クロスオーバーってやつは。


「ちっ、うっとおしいぞ!」

 

オラァッ!

 

星の白銀(スタープラチナ)が妖精を殴る。

 

ピチューンと音がし、妖精たちは消える。

 

「やれやれ、このままじゃ()()がねぇぜ」

 

(この間式をあげたと思ったらいつの間にかこんな見たことねぇ場所に飛ばされた。こんなふてぇ真似をしてくれた奴の顔を殴らねぇと気がすまないが…………たく、こんな森の中じゃあ歩くのさえ一苦労だぜ)

 

「ッ! またかッ!」

 

森の奥からわらわらと妖精が現れる。

 

「この空条承太郎、かかってくる火の粉は払わせて貰うが……流石にガキ、それも女の顔を殴るのはちと心が痛むぜ」

 

容赦はしねぇけどな。

 

オラオラオラオラオラオラオラオラッ!

ピチューンピチューンピチューンピチューンピチューン

 

(とはいえ、一々相手にしていたら疲れるだけだな。ジジイじゃねぇが……逃げるか?)

 

承太郎は走り出…………そうとして、すぐに足を止める。

 

「…………誰だ?」

 

振り向き、誰かに語りかける。

 

「こそこそ隠れて見てるんじゃねぇぜ。俺を相手にするんならもっとしっかり隠れねぇと……バレバレだぜ」

 

いつの間にか手に持っていた小石をヒョイッと木の下に放る。

 

「今のは警告だ。俺の星の白銀(スタープラチナ)はそこらの小石で木を貫通させるぐらい楽に出来るだけのパワーがある。…………意味は分かるな?」

 

と、木の後ろから一人の男が出てくる。

 

「スタープラチナっていうトモダチは知らないなそれともそういうニックネームなのかい?言いづらくないのかい?いやまあ僕は他人の趣味に言い掛かりはつけないけどそう言えばよく僕のトモダチの『イリュージョン』を見破ったね凄いよ」

 

ボソボソと早口に捲し立てる男。

 

「あーん? てめぇ、もっとしっかり口開けてはっきり言えやぁ!」

「あぁ、それはすまない。僕がトモダチと喋るときはあれくらいが丁度良くてね。すまない。そうだ、名前を言ってなかったね。僕はN。よろしく。君の名は?」

「……承太郎。空条承太郎だ」

「クージョー君だね、よろしく」

 

(なんだこいつ、ここまで素直だとむしろやりにくいぜ。まぁ………どうやら俺をここへ飛ばした奴、ってわけじゃあなさそうだが)

 

承太郎はこっそり胸を撫で下ろし、男……Nに対する警戒を解く。

 

「そうそう、そう言えば、僕道に迷っちゃってて。どこか近くにポケモンセンターがある場所、知ってるかい?」

「…………ポケモンセンター? 知らねぇな、そんな建物」

「そうかい」

 

(ポケモン……センター? 何を言ってやがるこいつ。ポケモンセンターっつったら、ゲームの話だろうが。……まさか、こいつ頭がイカれてんのか?)

 

承太郎、意外にもポケモンを知っているらしい。

 

「やれやれ。見たところ戦いに向いた能力も無さそうだし、とんだお荷物が舞い込んだ……ってところか?」

「ところでクージョー君、あっちから水の音が聴こえてこないかい?」

「あん?」

 

星の白銀(スタープラチナ)を出して耳を澄ませる。

 

……確かに、遠くの方から水の音が。

 

「聴こえるな。……はぁ、他にあてもない。そっちに向かってみるか」

「じゃあ、これから少しの間よろしく。クージョー君」

 

(……いつの間にか一緒に行くことになってやがる。………………まぁ、こんな奴でも『旅は道連れ世は情け』と言うしな)

 

「足手まといだったら置いていくからな、N」

「勿論」




承太郎は398さんとガチバトるしNは『……誰かが泣いてる』ってフランの部屋に特攻かますし。
Nに振り回されるばっかの承太郎も徐々にその状況を楽しみ始めるし。


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ポケモン遊戯の王になる!

ポケモンin遊戯王の二次創作です。

色式 真白はデュエリスト。とあることで転生し遊戯王の世界へ。
特典は5Dsの世界とカードの精霊を見れるというもの……なのだが、デッキが。デッキがぁ、オリカだ!


一人の男が天(部屋の中なので正確には天井だ)に向けて祈っている。

 

「おぉ……神よ……」

 

両手を指を絡めるように組み、天(井)に突き出している。

 

「まず、願いを叶えてくださり、ありがとうございます……」

 

ちなみに、この部屋には他に誰も居ない。

 

「転生先は遊戯王……カードの精霊の目視……どちらも良好でございます……」

 

そして ダンッ! と両手を床に叩きつける。

 

「何故! オリカなのですか! モルファやバジェは駄目なのですか! 水晶機巧(クリストロン)は駄目なのですか!」

 

5Dsの世界観ではペンデュラムやエクシーズは無いです。よって不可能。

水晶機巧はアクセルシンクロとダブルチューニングが後半にならないと(アニメ的に)出せないのでエクストラがえげつないほど少なくなりますけど?

 

「…それに……」

 

脇に置いてあるデッキの一番上をめくる。

 

『ピッカァ』

 

カードの精霊が出てくる。

赤いほっぺ、黄色の肌、背中にしましま、雷を模した尻尾。

 

「ポケモンカードゲームを知らないのですか、神よ!」

 

{ でんきねずみポケモン ピカチュウ

 

 レベル4 光属性 雷族 ATK1800 DEF300

 効果

①1ターンに1度デッキから『ポケモン』カード1枚を墓地に送ることができる }

 

『ピッカァ?』

「可愛いから良いんだけど……。コンセプトも、まぁ、分かりやすいですし」

 

ピカチュウをデッキに戻し、デッキをシャッフル。左腕に着けているデュエルディスクに セット。

 

「ライフは4000先行ドロー有り。俺の先行、ドロー。…………んー、これなら、フィールド魔法トキワの森を発動」

 

{ トキワの森

 

 フィールド魔法

①1ターンに1度自分の手札・墓地から『ポケモン』モンスター1体を特殊召喚できる

②このカードが破壊されたとき、デッキから『ポケモン』モンスター1体を特殊召喚する }

 

「そして効果を使って手札からビードルを特殊召喚。そしてビードルリリースコクーンに進化守備表示」

 

{むしポケモン ビードル

 レベル2 地属性 昆虫族 ATK200 DEF0

 通常モンスター }

 

{むしポケモン コクーン

 レベル3 地属性 昆虫族 ATK0 DEF2000

 効果

①このカードは自分フィールド上の『むしポケモン ビードル』をリリースすることで特殊召喚できる

②このカードは1ターンに1度破壊されない }

 

「手札からキャタピー召喚リリーストランセルに進化守備表示」

 

{むしポケモン キャタピー

 レベル2 地属性 昆虫族 ATK0 DEF200

 通常モンスター }

 

{むしポケモン トランセル

 レベル3 地属性 昆虫族 ATK0 DEF2000

 効果

①このカードは自分フィールド上の『むしポケモン キャタピー』をリリースすることで特殊召喚できる

②このカードは1ターンに1度破壊されない }

 

「んー? これ強くないですよね……では、永続魔法フレンドリィショップ発動」

 

{ポケモン販売所 フレンドリィショップ

 

 永続魔法

①1ターンに1度デッキから『ポケモン』通常魔法1枚を手札に加える

②このカードが墓地に送られた場合『ポケモンのフレンドリィショップ』以外の墓地の『ポケモン』魔法カードを手札に加える }

 

「それで、効果でデッキから……スーパーボールをサーチ、即発動」

 

{ポケモン捕獲機 スーパーボール

 

 通常魔法

デッキの上から5枚をめくりその中から『ポケモン』モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。

『ポケモン捕獲機 スーパーボール』は1ターンに1度しか発動できない }

 

「んーー、居るのはピカチュウ・コラッタ・コラッタ・ビードル。……ならばピカチュウ特殊召喚。効果でデッキからポケモンセンターを墓地……で良い?」

 

{ポケモン蘇生所 ポケモンセンター

 

 永続魔法

①1ターンに1度墓地の『ポケモン』通常モンスター1体を特殊召喚できる

②このカードが墓地に送られた場合墓地の『ポケモン』モンスター1体を手札に加える}

 

「……いや、違う。ここは指定されてないから落とすのはフレンドリィショップ。それで……あーっもう! どっちにしろ効果使えねぇ!」

 

ドンドンドンッ!

 

「さっきからうるさいよ! ここは皆のアパートなんだから静かにしなさい!」

「すみません!」

 

大家さんに怒られる男。

 

「はぁ。身分証明はデュエルディスクで良いらしいですし、仕事でも探しますか……」

 

『ピッカッチュウ♪』




遊戯王の二次創作書く人は尊敬してます。けっこう書くの難しいんですよ。
回し方調べなきゃいけないしカードの効果調べなきゃならんしそれプラスストーリー考えなきゃいけないとか。


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遊戯王 MH-X

これは、モンスターハンター の世界に迷い混んだデュエリストのお話。


龍歴院、その会議室は紛糾していた。

なにせ全く未知のモンスターが確認されたのだ。それも多数。

古龍かどうかも確認できず、取り敢えずの名前を付けようにも多すぎるうえに生態が理解出来ないのでできず。

 

「えぇい、これをどうしろと言うのだ、上は!」

「どうするも何も、我々には監察するしか手はない……」

「その報告だけでこれまで発見されたモンスターの半分を優に越えるのだぞ! 人手が足りぬ!」

「そ、それは……」

 

と、会議室の扉が叩き開けられる。

 

「室長、室長!」

 

入ってきたのは麓のベルナ村で専属ハンターへモンスターの情報を伝えている研究員だった。

 

「なんだ! 今は会議中だぞ! 滅多な事では……」

「専属ハンターが狩りました!」

「……何?」

 

あまりにも有り得ない事が聞こえ、聞き間違いかと思い聞き返す。

 

「ですから! あの専属ハンターが、新種のモンスターを、狩りました!」

「なにぃ!?」

 

急遽、そのハンターを呼び出すこととなった。

 

だが。

 

「なにぃ!?『よほど重要な事で無い限り呼ぶな』だぁ!?」

「……こればかりは、我々の自業自得でしょう。ベルナ村に来たばかりの彼を貶しまくったのはあなたですから」

「だが、これこそ重要な事だろう!」

「彼にとっては重要ではない、という事ですね」

 

ふっ…と外へ目を向けるベルナ村常駐の、主席研究員。

 

「この世界に決闘……デュエルなど存在しないと言った時の彼の顔は、なんとも絶望していたのに」

「む?」

「いえ。何でもありませんよ」

 

研究員は、この中で彼だけはそのハンターと親しいのである。

 

「では、私はこの辺で」

「待て、来たばかりではないか。とにかくもっと詳しく奴について教えろ。まずはそこからだ」

「一言で言えば我儘、ですかね」

「は?」

「それでは」

 

主席研究員はさっさと部屋から出ていってしまう。

 

「っ~~! 我儘なのは! よぅく知ってるわ!」

 

 

「―――となった訳ですけど、ハンター殿」

「ふん、自業自得だ。俺の仲間たち(カード)を馬鹿にしたのが悪い」

「ですよね」

 

主席研究員の目の前。一人のハンターが立っている。

……だが、とてもハンターとは思えない出で立ちだ。装備らしい装備を着けておらず、緑色のインナー一丁。

その背には武器が無い……大剣や太刀といったメジャーな近距離武器や、弓やボウガンといった遠距離武器は勿論、ランスやハンマー、双剣操虫棍、狩猟笛さえ。

 

代わりに、左腕に謎の物体を装着している。

片手剣の盾のようなその物体には8000の数字が浮かび上がっている。

また、左手へ向けるように一束のカードがセットされている。片面、しかも一番上のカードしか確認出来ないが、茶色く、見ていると吸い込まれそうな模様が描かれている。

 

「しっかし、旧砂漠とやらに探索に行ったらまさかのレドックスだ。中々楽しかったが……如何せん、疲れるな……狩りというものは」

「レドックス……ですか」

「あぁ。巌征竜(がんせいりゅう)-レドックス。……あっちでは限りなく強いモンスターだったが、やはり仲間が居なければどうにでも出来るな」

 

少し硬かったがな、とハンターが笑う。

 

(これが、決闘者(デュエリスト)……デュエルディスクという見たこともない武器に加え、デュエルスタイルという独自のスタイルを使いこなすハンター、ですか。フフ……)

 

主席研究員の眼鏡の奥の眼が、キラリと光った。




さすがに遊戯王で狩りは想像がつかないので却下。正直、これを書くのでさえ凄く難しかった。


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黒いかばん?

これは、『けものフレンズ』の二次創作。

ジャパリパークに迷子が二人。
一人は赤い服、一人は黒い服。
さて、あの子は何のフレンズ?


ジャパリパークのさばんなちほー。

 

「食べないでください!」

「食べないよ!」

 

その場所でそんなやり取りがあったのはほんの三十分前。

 

 

そこへ一人のフレンズが通りがかった。

 

「……」

 

黒い半袖、黒い手袋。癖のある髪が、帽子のように見える何か黒いものからチラッと覗く。

 

「…………イカナキャ」

 

羽は無い。耳も無い。だが、背中に黒くて四角い物体を背負っている。

その姿は、三十分前にそこに居た『かばんちゃん』にそっくりだった。

 

「……イカナイト」

 

そのフレンズは何処かへ向かう。理由は分からない。

ただ、『イカナケレバ』という焦りだけがあった。

 

――しかし。

 

「ココ、ドコ?」

 

完全に迷っていた。

 

 

―― ――

 

 

「もしかして……ナマケモノのフレンズ?」

 

『かばんちゃん』が『サーバルちゃん』にそう聞かれていたとき。

 

 

「……?」

 

例のフレンズは遠くに二人の人影を見つけていた。

 

「ン……?」

 

両手で双眼鏡のような丸を作り、目に当てる。

 

「……ソウダッタ」

 

うんうんと頷き追い掛ける。

 

 

二人が坂を登りきり反対側に降りている時、そのフレンズは坂の下まで辿り着いた。

 

「ヨシ」

 

そして登ろうとして

 

「ウワワ」

 

転がり落ちていった。

 

 

―― ――

 

 

「……」

 

例のフレンズはさばんなちほーの木の後ろにしゃがんでいた。

隠れているつもり。……バレバレだが。

 

そして木の向こうには二匹のフレンズ。

 

「むむむぅ……何処に行ったのだー!」

「アライさーん、はやいよー」

 

紺色っぽい服を着たフレンズ、『アライさん』とクリーム色の大きい耳を持つフレンズ、『フェネック』だ。

 

「フェネックはなんでそんなにノンビリ出来るのだ!? ジャパリパークの――」

「『危機』でしょ? 何回も聞いたよー」

「そうなのだ! だからノンビリしてられないのだ~!」

 

少しずつ声が遠ざかっていく。

 

「イッタ……?」

 

例のフレンズが木の後ろから覗きみる。

 

 

『フェネック』と目があった。

 

 

「ヒゥッ……!?」

 

慌てて、しゃがみこむ。今度は帽子のつばを握り、グイッと引っ張って顔を隠す。

 

「…………アライさーん」

「フェネック! 何をしてるのだ!? 置いていっちゃうのだ!?」

「………………あー。アライさーん、そこに面白いのが――」

「はーやーくー! すーるーのーだー!」

 

『フェネック』は木を見、『アライさん』を見て、

 

「……まぁいいか。待ってよアライさーん」

 

駆けていった。




もし書き続けるならば『けものフレンズ』のアニメ見て進めないと……。


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El Shartale

これは『アンダーテール』の二次小説。

エポット山に一人の男が落ちた。
彼は滅多に人の話を聞かなかった。
彼は幾つもの名前を持っていた。

時に、逃げ出し。時に、話し合い。時に、助け合う。
時に応援し、時に買い物し、時にドラムになり、時に一番いいのを頼む。

「またPAPYRUSに負けたのか?」「大丈夫だ、問題無い」


あなたの名前は?

 

****|

 

E n o c |

 

これでいい?

 

*はい

 

 

Loading……

 

 

それは雲の上に存在した。

巨大な手のひら……指が六本あるが。

そんな不思議な建造物(?)の上に、男が二人。

 

「Enoc・・・あー、そんな装備で大丈夫か?」

 

彼の名はルシフェル。時空を駆ける大天使だ。

 

「大丈夫だ、問題ない」

 

そして、Enocと呼ばれた男が自信満々に返事をする。

 

「………本当か? もっと良いのがあったろう?」

 

ルシフェルが心配するのも無理はない。Enocの格好は……

 

「そうか? 僕はこの、シャツ、というものが気に入ったんだ」

 

青に紫のストライプのシャツ。ジーパン。彼の見事な金髪は何故か茶色に染められている。

 

「そ、そうか」

 

この装備()を用意したのが自身ということもあり、説得を諦めるルシフェル。

 

「あー、まさか気に入るとは思わなかったな。光栄だよ」

 

皮肉を交え遠回しに『違うのにしろよ』と伝えてみる。……が、このEnoc、至極真面目。

 

「あぁ、そう言って貰えるなんて、この装備も嬉しがってるさ」

 

その癖少しばかりユーモアがあるから厄介だった。

 

「それじゃあ、行ってくる」

「あ、おい」

 

制止の声も届かず、巨大な手のひらからEnocは飛び降りる。

 

「……ふっ。人の話を聞かない奴だな」

 

そして、ルシフェルは指を鳴らす。

 

 

「……ここは?」

「おっと、これはしまったな……Enoc、ここはエポット山。一度登ったら降りてくる事は無いと言われている」

「つまり、『知恵』を持ち去った堕天使達が居るかもしれない」

「あー……どうだろうな」

 

ルシフェルが言葉を濁すが、既にEnocの意思は固まっている。

 

「よし、行こう」

 

ストライプのシャツのまま、その山を登り始める。

 

「『そこに山があるから』、か。……あぁ、気にしないでくれ」

 

ルシフェルはEnocから少し離れ、携帯電話を取り出す。

 

「やぁ。……ああ。今のところ順調さ。あいつは人の話を聞かないが……まぁ、良い奴だからな。ん? …………ははは、君には負けるさ。……ああ、もしもの時は何とかする。じゃあ」

 

通話を切る。周りを見回すが、既にEnocの姿は見当たらない。

 

「おっと、見失ってしまったか……私には関係無いが、な。Enocが泣き出してしまうかもしれない」

 

誰かにウインクし、指を鳴らす。

 

 

エポット山の山頂。

 

「ルシフェル、これは……」

「噴火口だな。Enoc、落ちないように――」

「うわっ」

 

Enocは足を滑らせ落ちていった。

 

「…………全く、何時になったらあいつは話を聞くんだ?」

 

四羽の鳥がEnocの後を追うように噴火口の中に飛び込む。

 

「あれは大天使の……いや、紹介は後にしようか。それに、()()知っているだろう? さて……」

 

そして、指が鳴らされる。

 

 

 

 

パチンッ





個人的に発想は良かった。ただ、明らかに面倒。悲しいな。


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SFG~少し不思議な幻想郷~

これは、『東方project』の二次創作。

《妖怪の賢者》はスキマ妖怪。故にその姿を見たものは居ない。
《楽園の素敵な巫女》は綺麗な巫女。その素朴な性格に惹かれる者は多い。
《普通の魔法使い》は不遇な魔法使い。運が実力の内ならば、彼女は半分の実力で幻想郷を回るのか。

他にも他にも。

そんな少しずつおかしな幻想郷で。ひときりおかしな少女はおかしい事に気付かず……異変を楽しんでいく。


私は今、自然が沢山ある村で何か恐ろしい者に追われている。

ポツンと立っていた電柱に登って難を逃れる。

その何かは、電柱から少し離れた所からただジッとこっちを見ていた。

 

そこで、ふと『これ、夢じゃない?』と気付く。

途端、見えていた景色が、色が、ぼやけていく。あんなに早鐘を打っていた心臓は平穏に戻り、あんなに軽かった体に肉体が付いていく。

 

それでも夢の中に居たくて、何かしてみようと近くにある家の屋根に乗ってさっき襲ってきた何かの事を覗き見る。

 

体感で朝六時かな。そろそろ起きなくちゃ。

 

その何かはよくよく見たらドレスを着ていた。

 

目を開けて、枕元の時計を見る。六時五分前か。

 

何かはこちらを見て、笑いかけてきた。

 

 

……あぁ。起きなきゃ。そろそろまずい。遅刻してしまう。

 

「おはよう」

「ん、―――むぅ」

 

寝惚けてる。頭のエンジンを温めていって、目が重くて開けられないのに耳はよく聞こえる。だけど理解できない。

起き上がり、改めて時間を確認しようとして手を伸ばすけど、空を切る。

あれ……落とした? 慌てて、でも寝起き故にさして素早くなく、地面を探る。ざらざらと、砂が手につく。

 

 

 

寒っ! あれ、布団は? ていうか、ここどこ!?

周囲を見回すと、目をつぶっても何処に何があるか分かる自分の部屋ではなく、外だった。

 

 

「こちらを選ぶとは、面白いですわね」

「うひぃっ!?」ゾクゾクッ

 

首筋の後ろをなぞるように声がした。後ろを振り返るが、誰も居ない。

ただ、整備されていない道と鬱蒼(うっそう)とした木々があるだけ。……いやほんとここどこ!?

 

「ってかさっきの声は」

「ここですわ」

「あひぃっ!」

 

今度は脇の下!? 何されてるのってかどこで喋ってるの!?

 

「ちょ、ちょ、ちょっと!? 誰なの!?」

「私は……八雲紫。スキマに潜む者よ」

 

今度は左右の森から。まるで木々が喋っているかのようだ。

じゃなくて。

 

「隙間? つまり、さっきは私と服の『隙間』から話し掛けてきたってこと?」

「そうですわね」

 

今度は足元。下を見るが誰も居ない。

 

「……紫さんは見えないほど小さいの?」

「え? ……クスクス。あなたはスキマを見ていないだけよ」

 

次は頭から。隙間……髪の毛の間かな? なんだか楽しくなってきた。

 

「ここは幻想郷。あなたは『(ゆめ)現実(うつつ)の境界』を自力で抜けてきた稀有な人間なのよ」

「ひぃあっ! 服の隙間は止めて!」

「あらごめんなさい……なら、手と手を合わせてくださる?」

「こ、こう?」

 

神社でお祈りするように、手を合わせる。

 

「そうそう。これで安心できるでしょう?」

「あ、はい」

 

手の間から声がする。変な感じ……まるで手品師になったみたい。

 

「では改めて。ここは幻想郷、忘れられた者たちの楽園。そして私は《妖怪の賢者》八雲紫。一応聞くけど、貴女の名前は?」

「えっと、最上(もがみ)寧々(ねね)

「寧々……《現実(うつつ)を移る者》といったところね」

「え?」

「なんでもないわ」

 

なんでもないのか。そういえば、紫さんの姿ってどんなのだろう。そっと手を開いてみる。

 

目が合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……いや、目が()()()

 

「ひぃっ!?」

 

思わず飛び退(すさ)る。コロンと目玉が地面を転がる。

 

「あら、スキマが見えたのね。やっぱり貴女は――」

 

紫が何か言ったけど。そこから先は聞き取れなかった。

 

あまりの出来事に失神したから。




スキマ妖怪とは、日常の隙間――ソファの下、電柱の裏、少し開いた扉といったもの――からただじっと見つめてくる妖怪です。
見られるだけなので別に害は無いんですが、実害は無いんですが。常に『見られている』という状況が人間を追い詰めていくのです。

ってなんかの漫画で見た覚えがある。


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とあるギルドナイトちゃん

これは、『モンスターハンター』の二次創作。

蟲を扱う少女。素手でモンスターを殴り付ける青年。
二人はコンビ。凸凹コンビ。
モンスターを狩る。人を狩る。
―――じゃあ、お仕事始めましょうか。


その少女は雪山を歩いていた。小柄な体躯を雪に潜ませ、気配を極限まで殺し、ソロリソロリと、標的に近付く。少女の着ている白く染めたルドロス装備は、少女を雪と同化させている。

そっと自らの武器を取り出す。それは、操虫棍のようで操虫棍でなかった。

 

まず、棍と呼ぶにはあまりにも短い。マラカスを二つ繋げたような長さだ。

そして、両側に蟲笛が付いている。……つまりモンスターを攻撃するための刃が無いというということだ。

 

「イケ」

 

少女は小さく呟き、武器を振る。人間には聞こえない音が鳴り、少女の左手に張り付いていた一匹の蟲が飛び立つ。

ケーニヒゴアビートルと名付けられているその蟲はかなりのパワーを誇っており、少女の蟲笛の指示に従い標的へ突き進む。

 

そして、標的へと手痛いダメージを与える。

 

パヲォォォオォッ!

 

標的……銀嶺(ぎんれい)ガムートは、自らの食事の邪魔をする不埒な輩に制裁を加えるため、雄叫びをあげる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

約15分後、そこにガムートの死体が落ちていた。

 

「フゥ~。流石に二つ名ガムートは疲れたなぁ」

 

手を合わせ、銀嶺ガムートに一礼。自然への感謝と人間の勝手な都合で殺す事への謝罪をこめる。

 

「ありがとう、アナタは強かったよ。相手がワタシじゃなかったら……アナタは負けなかっただろうね」

 

そうして、剥ぎ取りを始める。その小さい体に似つかわしくない武骨なナイフで、足元の硬い雪を削り取り、頭の甲殻を全身を使い全力で切り、ガムートの腹に生えている赤色の剛毛を抜き、それに覆われた柔らかい肉を切り出す。

 

「はいケニー、お疲れ。オーシもどうぞ」

 

二匹の蟲に切り出したばかりの肉を与える。二匹の蟲はキャリキャリと鳴き声を上げ、上質な肉に食らい付く。

 

「つまーり。これで今回は終わりってことだな!?」

「そーユーことだね」

 

隣のエリアから青年が現れる。……声と体格から、恐らく青年であろう。白疾風―――二つ名ナルガクルガの装備のみを身に付けた青年は、少女に近付く。

 

「はえぇ……ほんっとーにその蟲たちで倒したんか」

「うん。っていうか見てたデショ?」

「まーなっ!」

 

にひひと青年は笑うが、忍者のような見た目の白疾風装備ゆえに口元が見えない。……そして、青年の目は全く笑っていないのだった。

 

「じゃあ『銀嶺』ガムートの観察任務終了」

「ただいまより、帰還しまーすっと!」

 

 

 

 

―――ポッケ村

それは雪山の麓にある村。小さくも温泉があり、最近観光名所となった洞窟もある。

 

また、雪山の麓という場所にあるが故にモンスターの襲撃が後を絶えない。その為常にハンターが雇われており、ハンターへの支援も充実している。

 

「やっほ、おバちゃん。カリナが帰っタよ」

 

少女は、焚き火に当たる老齢の女性に声をかける。

 

「まあまあお帰り。怪我はなぁい?」

「大丈夫ダよ?……バンキの大声で雪崩が起きないか心配ダッタけど」

「あらあらまあまあ。大変だったでしょう?」

「そこらへん、俺っちは調整してあるからだーいじょーぶっつったんだけどなぁ」

 

先にアイテムポーチの整理をしていた青年―――バンキが、話に入ってくる。

 

「え~ほんト~?」

「おうとも。んでオババ様、今日は服に火が付いてるみたいだけど」

「おや? そりゃ大変。ちょいと場所を変えようかい」

 

勿論、村長であるオババ様の藁を束ねた服に火は付いていない。

それでも村長はひょこひょこと自らの家へ移動する。

村長と同じほどの身長の少女―――カリナはオババ様の横に並んで、バンキはその後ろから着いていった。

 

 

 

 

 

「それで?」

 

家に入って開口一番がこれだ。オババ様の雰囲気は一転している。ふわふわした外での態度と、俺っちたちみたいなハンターへの態度は全然違う。―――と、バンキは考える。

ただ、バンキはそれに反対するつもりは一切無い。むしろ清々しく思う。

……横に立つ少女がどうだかは分からないが。

 

「どーにも違法な阿呆が居るみてぇでしてね。さっきのクエストの帰り、俺っちたちが狩った訳でもねぇポポの死骸が残ってた」

「今なら、スグにでもヤれるけど? 大体の場所は分カッてるから」

「ならば、次に違法狩猟をした瞬間からマークしてください。その者が戻り、確かな違法と確認出来たら」

「ん、違法狩猟確認ダヨ」

 

少女は確かにここに……ポッケ村の村長の家に居るし、いかなスキルであろうと遠く離れたハンターの動向をリアルタイムでの観察は不可能だ。

 

しかし。

 

「では、クエストを受注しているかどうかの確認をお願いします」

 

少女はそれが可能だ。ここに居る者たちはそれを知っている。

 

「ダッテさ」

「あ、俺っちの出番もあるのね。へいへい、そーゆー書類仕事は任せんしゃい。……まぁ、俺っちたちの特別許可狩猟クエストと被ってる時点で黒なんやけどね」

 

普通クエストが被る事は無い。

例えば、下位のハンターが雪山へ採集に行くのと同時に上位のハンターがドドブランゴの狩猟に行く……というのはほぼ有り得ない。

 

何故なら、ギルド(或いは村長たち)がクエスト間である程度の時間調整をしているからだ。方法は簡単。アイルーたちに適度にマタタビを与えるだけ。

 

また、下位のハンターが狩り場へ行くとき、あらかじめ上位のモンスターたちが狩り場へ出ていく事を封じるハンターたちが居る。

 

ギルドナイトと呼ばれる者たちだ。

 

「それではお願いしますよ」

「……処分はこっちで決めてイイのかな?」

「出来る限り、平和かつ穏便に」

「ハーイ」

 

ここからは、ギルドナイトの仕事だ。




舞台はモンハンクロスの世界で。


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終夜廻

これは、『深夜廻』の二次創作。

青いリボンをつけた少女。夜をさ迷う彼女は、ふとしたことから見たことの無い場所へ辿り着く。
その場所は、少女の住む町よりもお化けが身近で……。
注意:深夜廻のネタバレを若干含む可能性があります。



今日も夜がきた。いつもはチャコと一緒に町を探索するんだけど、今日はなんとなく一人で行こう。赤いリボンをお守りに持って、と。・・・。

後はライトを肩に掛けて、と。電池が残っているか確認するためにカチカチする。

ちゃんとついたり消えたりしてる。

 

「チャコ、今日はいい子で待っててね」

クゥーン

 

ユイは居なくなっちゃって、まだユイのことを考えると胸が痛いけど、うん。大丈夫。

家を出て左右を見る。お化けは、居ない。

持ち物を確認・・・小石が8、お金が9、紙飛行機が2、虫かごが2、魚クッキーが3、塩が2。袋は無いや。

今日はどこに行こうかな。もしかしたらまたあの人に会えるかもしれないし、隣町に行ってみようかな。

今日は最後の日だから歩いていこう。目に焼き付けておこう。いつでも思い出せるように。

私は、明日、引っ越しします。

 

「っ・・・!」

 

追われてる・・・。右手でライトを動かして照らす。白い影のお化けが近付いてきてる。心臓がドキドキする。

けど、もう何回も逃げてきた。大丈夫。

 

 

 

>ーλ(σ).........   (). . .

 

 

 

結局あの人には会えなかった。残念だな。けど、もしかしたら会えるかもとあの人に会った最後の場所まで歩いてきた。

そう、あのトンネルだ。途中から崩れちゃってたトンネル。ここに来るまでに小石とお金は10になるまで拾った。

 

「・・・やっぱり、暗いな」

 

ライトで照らしても足元しか見えない。

 

「・・・?」

 

あれ、岩が無い・・・? どういうことだろう・・・?

奥に何かあるのかな。今夜で最後だし、行ってみよう。

私は奥に足を進める。

 

「っ・・・!?」

 

トンネルの向こう側が見えた。けど、今、誰かが話しかけてきた・・・?

ライトで周りを照らす。でも、誰も居ない。何も居ない。心臓はちょっとドキドキしてる・・・。

 

「気の、せい・・・?」

 

気のせい、みたいだ。先に進もう。

 

        あら…?

          珍しいわね…

>ーλ(σ).........   ようこそ…

 

 

トンネルの先は長い階段があった。くねくね曲がってて、手すりも無いからちょっと疲れるな・・・。

ときどき黒い手みたいなお化けが近付いてくるけど、ライトで照らすと逃げていった。明るいのが苦手なのかな?

そして、草ぼうぼうの広場を越えて頂上に着いた。

 

「これ・・・神社・・・?」

 

そこにあったのは神社。けっこう広い。ライトで周りを照らしつつ、神社の賽銭箱の前まで進む。

お金をポイッと投げる。カランカランと音を鳴らしてお金は賽銭箱の中に入る。

・・・何も起きな「あややややや!」うわぁっ!

 

「こ、こ、これはスクープです! 見出しは《真夜中に賽銭! 謎の少女!》ですね!」

 

びっくりした・・・心臓が凄いドキドキしてる。いつの間に後ろに?

 

「あやや? おっとこれは失礼しました。私は射命丸(あや)と言います。以後お見知りおきを」

「えっと・・・私は、ハルって言います」

「ハルさんですか! 成る程成る程」

 

アヤさんは手帳に何かをサラサラと書いてる。何を書いているんだろう。

・・・あれ? この人・・・!?

 

「は・・・羽・・・!?」

「あややや? 天狗をご存じでない? ということはもしかしなくても外の人間ですかね」

 

私は逃げ出した。



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ジョジョの奇妙な冒険~イナズマイレブンは諦めない~

これは、ジョジョの奇妙な冒険第四部《ダイヤモンドは砕けない》とイナズマイレブンGO!のクロスオーバー。


あ……ありのまま今起こった事を話すぜ!
『おれが歩いていたら何も無い所に突然バスが現れた!』
な……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……。頭がどうにかなりそうだった……。
催眠術だとか超スピードだとか、そんなチャチなもんじゃ断じてねえ。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……。

※ポルナレフは出てきません。



「とーちゃーく! 時代は1999年だ!」

「ここがインタラプト? 本当かいワンダバ」

 

 その場所にバスが現れた。奇妙なことに虚空から現れたのだ。

 その瞬間を見た者は居なかった……のなら良かったのだけど。

 

「おいおいおいおい、仗助ぇ~! ありゃ~なんだってんだぁ? オレには、あのバスが沸いて出てきたように見えたけどよぉ~」

「シーッ! 静かにしろ億泰! あれは明らかに新手のスタンドだろーがっ」

 

 ちょうどバスの後ろ、死角となる部分に不良が二人。

 一人は東方仗助(ひがしかたじょうすけ)。ハンバーグのような髪型をしているが、その事を本人に言ってはいけない。命が惜しければ、だが。

 もう一人は虹村億泰(にじむらおくやす)。野球ボールのような模様のある顔面は恐ろしいものだが、その実仲間思いの良いやつである。

 

 この二人、偶然通りがかっただけなのだがそれは必然でもある。

 何故ならばこの二人がバスを見る事により物語が始まるのだから。当然、かどうかは微妙だがこの二人もとある能力を持っている。

 それは―――おっと、バスで動きがあったようだ。それにわざわざ言うまでも無い。

 

「おっ、バスから人が降りてきたぞ。ひーふーみー……いっぱい」

「あのよぉ億泰。いくらおめーがバカだっていっても、人ぐらいは数えてくれよぉ」

「うるせぇ」

 

 不良二人はごちゃごちゃ喋りながらこっそりと監視を続ける。

 

「少なくともこのアーティファクトがここに連れてきたんだから、ここに何かあるんだ」

 

 まずバスから降りてきたのは緑色の髪を二つにまとめた少年。

 そこからぞろぞろと少年たちが降りてくる。全員同じジャージを着ている事から、どうやら何かのスポーツグループらしい。となると後から降りてきた女の子三人はマネージャーだろう。マネージャーたちは私服だった。

 

「おいおい……ありゃ~()()()だ! 中学生たちが沢山だ丈助!」

「見りゃあ分かるっての億泰。問題は……どいつがスタンド使いかって事だが……」

 

 そうして監視―――端から見たら覗き―――を続ける二人に、より驚愕な光景が現れる。

 

「なっ―――()()()()()()()()()()()()()()()がっ! 動いているっ!?」

「ど、どーなってんだありゃあっ! あいつもスタンドなのかぁっ!? それともスタンドが動かしてるのかぁっ!?」

「ま、待て億泰。あ、アレを見ろ……!」

 

 丈助が指差す先。そこには―――

 

「んなっ()ぃ!? ()()()()()()だとぉっ!? しかも()()! どうなってやがる!」

「ヤベェ……()()()()()()()()億泰! 仮にアレらが、バス・ぬいぐるみ・石が()()()()()()()()()()()()()()()()()! こりゃ~承太郎さんや康介を呼ばねぇと……いくらなんでも俺らじゃ対処しきれねぇっ!」




ジョジョとイナズマイレブンのコラボがこれっぽっちも見つからなかったから書こうと思ったけど……無理……GOじゃないと絡ませられないのにGO知らない……。


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