転生しても戦争だった ~数多の転生者が歴史を紡ぎ、あるいは歴史に紡がれてしまう話~ 作:ガンスリンガー中年
対抗で愉快犯なところがあるハイドリヒ
穴場で小野寺君
大穴で総統閣下w
『……以上の理由で、我々は臨時航空団を結成する。OKL(Ober Kommando der Luftwaffe:ドイツ国防空軍司令部)のヴェーファー総司令官も既に了承済みだ』
そうサンクトペテルブルクに存在する
蛇足ながら空軍人事にも開戦から移動があり、ドイツ空軍戦闘機隊総監”だった”アーダベルト・ガーランド少将はわざわざ中佐に依願降格してKLK1の副隊長として赴任すると同時前線戦闘機パイロットとして復帰し、後任はヘルマン・ヴィック大佐がケガからの復帰と同時に少将に昇進し戦闘機隊総監ヘ就いていた。
あと、”パパ・グライム”ことローランド・フォン・グライム大将が上級大将に昇進し、規模が急拡大した中央軍集団、北方軍集団、南方軍集団の航空隊の統括と調整を行うため新たに設けられた”三方面空軍統括司令官”に就任している。
そして、コラーの元に届いた命令書には、きっちりヴェーファーだけでなくグライムの署名も入っており、
『我々は臨時編成であるが、準正規航空隊扱いとなる。それ故に軍規上、部隊名が付与される。その名称は……』
”
『なお略称は”KGZ”になる。この部隊が解散となるまで各自このコールサインだ。間違えるなよ?』
こうして後に伝説として語られる”JGZ”、”ツィタデレ航空戦闘団”は生まれたのだった。
☆☆☆
(ああ、前衛要塞化したノブゴロドを”
「まあ、分かりやすくていいけど」
そうハルトマンは納得する。
普通、略称は戦闘航空団を示すJGと数字の組み合わせで、”JG○○=第○○戦闘航空団”という表記になるが、そこに単語が入るのは例外的であり、この戦闘航空団がイレギュラーな存在である事を主張していた。
状況はわかった。わかったが……
(これ絶対、予定調和って奴だよね? だって手際よすぎるし)
流石は未来の
そう、コラー少将の説明は、もう「最初から想定してました」と言わんばかりに準備万端という雰囲気だった。
蛇足ではあるが……クルスク攻略って意味での本来の”ツィタデレ作戦”は、とっくの昔にドイツ勝利で終了していた。ホント、ソ連にとって優しくない世界だ。
(上はある程度予想してて、サブプランを用意していたってことかな?)
兵が知らないことを知っている……まあ、将官という物はそういう者だろうとハルトマンは納得した。
ただ、絶対に自分がそうなりたいとは思わなかったが。
だって大変そうだし。
何せ今回、将官クラスは”ツィタデレ”が単なる”城塞”という意味を知っていて、その上で役割分担をして盤面を動かそうとしているのだ。
コラーも、自分もまた「プレイヤーの一人」であると同時に「演目と役割を与えられた役者」である事を自覚していた。
(よし。大佐まで出世したら退役しよう)
思わずそう決心するハルトマン。さて、彼の将来は
それはともかく……
「ラル大尉、またよろしくお願いします!」
とシュミット中尉共々改めて敬礼するハルトマン。
基本、現在サンクトペテルブルクに集結しているの戦闘機パイロットはMc205Bへの機種転換ローテーション組なので、尉官組や下士官が多かった。
「ああ。ハルトマン、それとシュミット中尉。今回の臨時編成戦闘機隊の隊長を紹介しておこう。顔がわかっていた方が良いだろう」
連行(?)されていった先に待っていたのは……
「ああ、君たちがハルトマン中尉とシュミット中尉か? 話は聞いているよ」
その優し気なパイロットマークを付けた制服姿の将校だった。
「”ヴォルフラム=ディートリッヒ・ヴィルケ”だ。君達と同じパイロットで、階級は中佐だな」
(うわぁ。紳士的っていうか……パイロットっていうより、どこかのお貴族様って感じの人だなぁ~)
それがラルと同じく存外に長い付き合いになるヴィルケに、ハルトマンが抱いた第一印象だった。
まあ、その印象は史実のヴィルケも貴公子のような佇まいと落ち着きのある気品に満ちた振る舞いから「
スモレンスクで同僚だったクルピンスキーも「グラーフ・プンスキ(プンスキ伯爵)」という二つ名を持っていたが、これはちょっと意味が違うっぽい。
ただし、ハルトマンにとってはクルピンスキーは立派な恩人で、普段は
ハルトマンはその時、クルピンスキーから航空近接射撃のテクニックを盗んだようだ。
ハルトマン曰く、
『戦闘機の飛ばし方はロスマン教官に、一撃離脱の空中機動はマルセイユ先輩に、射撃の極意はクルピンスキー先輩に俺はそれぞれ習ったよ』
元々の才能、ある種の天才性があるとはいえ、そりゃあ短期間にここまで強くなる筈だ。
講師が全員超一流、まさに”戦闘機パイロットの英才教育”を受けたのだから。
さて、話をヴィルケに戻すが……
「ヴィルケ中佐が今回の”ツィタデレ統合航空団”、戦闘機隊の飛行隊長だ。腕と指揮能力に関しては心配いらんぞ? 何しろ実績がある」
何やらよく知ってるらしいラルの言葉にヴィルケは小さく溜息を突き、
「まあ、戦闘機乗りの最先任である以上、役割は果たすが……正直に言えば、せっかくの新型機だ。一介のパイロットとして存分に飛んでみたかったところだな」
するとラルは苦笑して、
「そりゃ無理ってものですよ、中佐殿。何しろ少佐のころからJG3(第三戦闘航空団)の団長補佐(副団長)やってるんですから」
なんとなく察してもらえると思うが……ラルの現在所属している”JG3”、第三戦闘航空団の副隊長がヴィルケだった。
☆☆☆
良い機会だからドイツ空軍の現行の編成を振り返ってみよう。
最小戦闘単位が2機編成の”
かつては3個飛行小隊(12機)で中隊を組んでいたが、現状は戦争が激化したので通常、4個小隊16機で”
そして、飛行大隊指揮小隊4機+3個飛行中隊の52機で”
最後に航空団指揮小隊4機+3個飛行大隊=160機で”
無論、これは基準値で当然状況に応じて増減はある。
本来、”
他にも爆撃機だけで編成された爆撃航空団ならば”Kampf Geschwader:KG”などと表記される。
原則として、この機種別の航空団が集まって”航空艦隊(Luftflotte)”や”航空軍団(Fliegerkorps)”というより大きな集団となっていくのだが
だが、今のサンクトペテルブルグ駐留ドイツ空軍陣営に単一機種で航空団を編成できる機体もパイロットも存在しない。
なので航空中隊単位での『空の諸兵科連合航空団』、”Kombiniertes Geschwader”となるのだ。
スモレンスクに居る”KLK1”も”Kombiniertes Luftfahrt Kampfgruppen:統合航空戦闘団”というのもイレギュラーというか、試験的に編成された「航空艦隊や航空軍団より小規模で、各種航空隊(つまり航空団にこだわらず航空隊単位で集めてしまおうという)の諸兵科連合をする」という試みで生まれた……ごめん。これもまたしても大体クルスが悪い。
いや、このツィタデレ統合航空団(KGZ)の編成は明らかに”KLK”を参考にしてるのだろうが、これがサンクトペテルブルグで編成されるのは何とも因果を感じる。
それもさることながら、指揮官がコラー少将。それにヴィルケ中佐にラル大尉、ハルトマンにシュミット中尉。
これにルーデル少佐率いるJu187組までいる。
確かに数はかき集めても通常編成の
加えて防空専門とはいえ200機に及ぶ、ロスマン特務上級曹長らが鍛えた”VG39”戦闘機隊もサンクトペテルブルグにはいる。
ノブゴロド攻略において、赤軍は信じがたい数の陸だけでなく「空の兵力」も投入することだろう。
しかし……制空権、ノブゴロド上空の空の覇権を掌握するのは、もしかしなくてもかなり困難かもしれない。
圧倒的な数で摺り潰すのがソ連の常套手段だとしても、そう簡単に摺り潰せるとは思えない面々が、サンクトペテルブルグを中心に集結していた。
そして、またしても新キャラのニー……いえいえ、才気あふれるヴィルケ中佐w
この人も逸話が凄いんですよね~。
損失を恐れた空軍上層部から飛行禁止命令が出て、それでもコッソリ出撃してスコアを増やして、そして最後は(本人の望み通りに)戦いの空で散ったってエースです。
戦闘機隊だけでヴィルケ中佐、ラル大尉、シュミット中尉、そしてハルトマンw
爆撃機隊筆頭に魔王ルーデル少佐と主治医のガーデルマン大尉。
航空隊司令官にコラー少将……臨時編成なのに”ツィタデレ統合航空団”は、(主にソ連にとって)地獄かな?
しかもサンクトペテルブルグ
ちなみにパイロット、まだ増えますw
次回、その気配が……
それとハルトマン、果たして素直に退役できるかな?w
次回もどうかよろしくお願いいたします。
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ちょっとお知らせです。
え~、実は三月三日より新しい仕事が始まります。
実は1月からモラトリアム(ニート言わない)を楽しんでいたんですが……というかモラトリアムになったから連載再開したんですが……まあ、流石に働かないと食べていけませんのでw
ウ〇娘の引換券付き限定ジュエルもフルコンプしなきゃならないしね~。
せっかく天井する前にオルフェ引けたしw
という訳で現在、数話先、前哨戦である航空戦が始まったあたりまではストックがありますが、その先は毎日少しずつ書き溜めて、休日に何とか仕上げるって感じになると思うので、どこかの時点で更新ペースが落ちると思われます。
おそらく更新も帰宅後の時間帯になると思います。
最低でも、ノブゴロド防衛戦(なんちゃってツィタデレ作戦?)が終わるまで更新してゆく予定ですので、どうかご了承いただけると幸いです。