転生しても戦争だった  ~数多の転生者が歴史を紡ぎ、あるいは歴史に紡がれてしまう話~   作:ガンスリンガー中年

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本日も深夜アップっす……(涙
シフト制の仕事の関係でご容赦を。

さて、現実の厳しさで世を儚む作者の内面と反比例するように、今回もラブい空気……本当にラブいか?とにかく、まあサブタイ通りにヒトラーとハイドリヒと”彼らの嫁”とのイチャイチャな「誰得?」展開は入ってますw

あと、サブタイのもう一つの意味は……
とりあえず、久々の5000字超えです。








第402話 子守唄、ついでにハイドリヒとそのヨメのクリイベ ~ Komm süßer Tod~

 

 

 

 後年において、数々”この世界線”のヒトラー研究家によれば、

 

 『究極的には、ヒトラーが心を本当に心を許したのは二人しかいないのかもしれない』

 

 少なくとも当時のドイツ国内、政府内においてはかなりの人望を集めたとされるアウグスト・ヒトラーの人物評としては意外かもしれないが……一人は当然のように盟友であり親友、そして生涯において友誼が変わらなかったレーヴェンハルト・ハイドリヒ。

 もう一人は妻のエヴァンジェリンだと言うのだ。

 

 その論拠は、「ヒトラーの寝顔を知るのはこの二人しかいない」というのだ。

 生前のヒトラーは、いくらハードワークや徹夜が続いても、人前で居眠りをしないことで有名だった。

 何やら現実の日本国会の一部議員先生方にも見習って欲しいところだが……

 ヒトラーにとり、「寝る=無防備」であり、それを人前で晒すのを嫌がったらしいのだ。

 しかし、親友のハイドリヒの証言によれば、

 

『生前のアイツは、俺の前ではたまに舟をこいでたぞ? ただ、ぐっすり眠るのは確かにエヴァの前だけだったな……そういえば』

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「うふふっ♡ お疲れ様、とっても気持ちよかったわよ♡」

 

「……エヴァ、君は少し肉欲が強すぎないか?」

 

 ちょっとげっそりした気がしないでもないヒトラーだったが、

 

「さあ? でも『魂と肉体は不可分』とも言うし、それだけあなたの事を求めてる……”好き”ってことよ♡」

 

「……そうか。なら仕方がないな」

 

 エヴァンジェリンは柔らかく微笑むと、

 

 

【挿絵表示】

「ねえ……膝枕してあげよっか?」

 

「是非もなし……いや、是非に」

 

「素直でよろしい♪ サービスで子守唄もつけてあげようか?」

 

「頼む。エヴァ、お前の歌声はとても好ましい」

 

 それはとても優しい歌声で、

 

 

 

Ich weiß, Ich hab dich sehr verletzt(深く傷つけてしまったわ)

Hab mich auch selbst überschätzt(自分を過大評価していたのも確かね)

Ich dacht ich leb nur ganz allein für mich(自分は孤独だと思っていたの)

Doch jetzt nach all dem Leid und Schmerz(でも今、あらゆる苦しみと痛みを経て、)

Seh ich es selber ganz ein(すべてを理解したわ)

Einzig wichtig ist die Liebe allein(大切なのは愛だけ)

 

Mit der Last in meinem Herz(心に重荷を抱えて、)

Bleibt kein Ausweg für mein Schmerz(この苦しみから逃れる道はもうないの)

Ich Beende mich und verschwind ewig(私は自分を終わらせて、永遠に消えよう)

 

Was mal geschehn wird nicht mehr gehn(もう二度と起こらないのよ)

Was mal glücklich ist am Flehen(かつて幸せだったものは、今や願いだけが残って)

Lieben werde ich nie die Welt sie endet(私はもう二度とこの世界を愛することはできないの。世界は終わって閉じようとしてるから)

 

Ich wünscht ich wäre nie passiert(私が生まれたりしなければよかった)

Bin der inner Schuld verliert(私は抱えるべき罪さえも失ってしまったの)

Und niemand wird mir jemals mehr vertrauen(そして、もう誰も信じてくれないでしょう)

Ich weiß Vergangnes bleibt bestehen(過去は残ることを私は知っているのだから)

Doch kannst du Stolz nicht sehn(でも、あなたは私の想いを見ることができないから)

Und genau daher wird mein Schmerz nie vergehn(だからこそ、私の苦しみは消えることはないの)

 

Es ist doch alles sinnlos(全てが意味を失って)

Es stürzt jetzt(全てが今、崩れ落ちていくの)

alles ganz ein (崩れてゆく)

alles ganz ein (崩れてゆく)

alles ganz ein (崩れてゆく)

 

Es ist doch alles sinnlos(全ては意味を失って)

Ich lass mich(私はただ、完全に)

einfach ganz fallen (落ちていくの)

einfach ganz fallen (落ちていくの)

einfach ganz fallen (落ちていくの)

 

Tief in meinem Herz(心の奥底では、)

Weiß ich, dass ich nie mehr lieben könnt(もう二度と愛することはできないと分かっている)

Verlor alles(全てを失ってしまったの)

Alles...(全てを……)

Alles was mir wichtig war, wichtig in meiner Welt(私にとって大切なもの、私の世界で大切なものすべてを)

 

Ich wünscht ich wäre nie passiert(生まれてこなければよかったのに)

Bin der inner Schuld verliert(罪悪感に苛まれ、負けるのは私)

Und niemand wird mir jemals mehr vertrauen(そして、もう誰も信じてなどくれない)

Ich weiß Vergangnes bleibt bestehen(過去は残ってしまうの)

Doch kannst du Stolz nicht sehn(でも、あなたは私の想いを見ることができないから)

Und genau daher wird mein Schmerz nie vergehn(だからこそ、私の苦しみは決して消えないの)

 

Es ist doch alles sinnlos

Es stürzt jetzt

alles ganz ein

alles ganz ein

alles ganz ein

 

Es ist doch alles sinnlos

Ich lass mich

einfach ganz fallen

einfach ganz fallen

einfach ganz fallen

 

Stürzt alles ein

Stürzt alles ein

LStürzt alles ein

ass mich jetzt fallen

ass mich jetzt fallen

ass mich jetzt fallen

Stürzt alles ein

Stürzt alles ein

Stürzt alles ein

 

 

 

 優しすぎて魂までも癒されそうな……美しく残酷な”この世界には無いはずの歌”だった。

 

”……ぱしゃ”

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「なあ、エヴァ……昨夜、何やら液体に還元される妙な夢をみたんだが……」

 

 12月25日の朝、目覚めた開口一番のゲン……ヒトラーの言葉がそれだった。

 

「あら、偶然ね? 私も似たような夢を見たわよっ♪ 液体になったあなたと私が混ざりあって一つになって、どこまでがあなたでどこまでが私かわからない……とてもとても幸せな夢だったわ♡」

 

「そ、それは果たして幸せなのか?」

 

「幸せよ? だってずっとあなたと一緒に居られるもの♡」

 

 エヴァンジェリン、なんか愛が重くね?

 

「そ、そうか……そういうものか」

 

「そういうものよ♪ でも、本当に今は戦時中だから多少は仕方ないけど……リフレッシュは大切よ? あなたが死んだら代わりははいないもの」

 

「それはエヴァも同じだぞ? お前が死んだら代わりはいないし、代わりを新しく(つく)るつもりもない。俺はお前が居れば、それでいい。十分だ。他はいらん」

 

 いや、ヒトラーも重いか……

 ただ、その言葉はエヴァンジェリンにハートに見事にぶっ刺さったようで……

 

「おーじぇ、しゅきぃ……ねえ、今日は一日お休みだよね? クリスマスだもんね」

 

 トロンとした熱に溶けたような瞳と、

 

「ん? ああ、そうだが」

 

 蕩けるような微笑みで……

 

 

【挿絵表示】

「もう1回、一つになろう♡ きっと、それはとてもとてもまた気持ちのいいことだから♡」

 

 

 

 まあ、”偉大なる独裁者”にも、休みは必要ということにしておこう。

 ただし、クリスマス休暇に「本当に体が休まるか」は甚だ疑問だが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*******************************

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、ヒトラーの夫婦像を見たのであれば、”もう一方”も人情という物。

 前にどこかで書いた記憶もあるが……「史実では部下であるシェレンベルクと浮気して、毒殺騒ぎになった妻」とは、レーヴェンハルト・ハイドリヒはさっさと離婚して久しい。

 というより、”バルバロッサ作戦”の開始前に年若い”今の妻”と再婚していた。

 そして、その妻はというと……

 

 

【挿絵表示】

「ねぇ、レーヴぇ~、まだぁ?」

 

 すっごく甘ったるい声で夫をベッドで誘っていた。

 

 彼女の名は、”アストリーデ・ハイドリヒ”。前述のハイドリヒが再婚した2番目の妻で、まだ20代だ。

 そして、彼女の旧姓は”アストリーデ・アスカン(・・・・)”。

 この名前にピンと来た方は西欧史に造詣が深いと思われる。

 アスカン家、または”アスカニア”家、あるいは”アスカーニエン”家。

 11世紀には神聖ローマ帝国の領邦君主としてラテン語表記でその名を記録に残し、中世から近世を通してアンハルト公国を治め、一族はブランデンブルク辺境伯領、ザクセン=ヴィッテンベルク、ザクセン=ラウエンブルク、リューネブルク侯領までも統治した歴史的事実を持つ古い時代の豪族だ。

 また、その傍流はロシア皇帝に繋がる血筋だ。

 

 アストリーデの実家も本流や直系とは言い難いが、それでも一族の名の一つである”アスカン”を名乗ることが許された、中々の良家であった。

 何のことはない。”この世界線”のヒトラーもハイドリヒも、「年下の良家の息女」を娶ってる訳で、やはり似た物同士なのかもしれない。

 ちなみにエヴァンジェリンとアストリーデも共通項があり、「情熱的な押し掛け女房」タイプであることだ。

 要するにアストリーデもハイドリヒにベタ惚れしている。恐らく、ハイドリヒも反応を見る限り似たようなものだろうが。

 

 ハイドリヒは、流石にヒトラーほど異性に奥手ではなかった(何しろ、ヒトラーはエヴァンジェリンと初婚だ)が、まあ年下の女性にグイグイ迫られて「勢いに負けた」という結果はヒトラーと同じだったりする。

 人生とはまさに合縁奇縁、摩訶不思議な物だ。

 

 ちなみに……”TV版では年上好きな赤い機体が愛機の誰かさん”に印象……違うな。外見的”アイコン”が似てる気がしないでもないが……別にドイツ空軍の大尉とかではない。

 普通に「活発で活動的なだけ」のお嬢様だ。多分。

 

「我慢のないことだな? この好き者め」

 

「あら? そういう風にそうなるようにワタシを”調教”したのはレーヴェじゃない? それにそんなワタシが大好きなんでしょ♪」

 

「それはそうだな。確かに愛してる」

 

 そして、ハイドリヒの手が伸びて、

 

「きゃん♡」

 

 

 

 

【挿絵表示】

「えへへっ♪ 脱がされちゃった♡」

 

「可愛いぞ、アストリーデ」

 

「ねえ、レーヴェ……あなた、”金髪の野獣(ケダモノ)”とかって呼ばれてるんでしょ? それって絶対、”コッチ”の意味でよね? 一体、ワタシや前の奥さん以外に、何人の女を泣かせてきたのかしら?」

 

「それはどちらかと言えば”私の部下(シェレンベルク)”の方の評価だと思うが……ところで、アストリーデ。その言葉は挑発と受け取っていいか?」

 

「お好きにどうぞ♡」

 

「言ったな? 骨の髄まで喰い散らしてやろう」

 

「うん♡ いっぱい食べて♡」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 そして、25日の朝……

 

 

【挿絵表示】

「ねぇ~レーヴぇ、もう一回シよぉ♡」

 

「やれやれ。我儘なお嬢様なことで」

 

「だってワタシ、正真正銘のお嬢様だもの♡」

 

 

 

 まあ、時には戦士にも休息は必要ということでご容赦願いたい。

 ただ、”この世界線”の後世の歴史家にもあまり着目されないヒトラーやハイドリヒにもあった「日常の一コマ」、実は「二人揃って大変な愛妻家だった」ということを記しておきたい。

 

 戦争とは無関係?

 いや、そうとも言えない。

 「戦っても守りたい」というのは、立派な理由になるのだから。

 

 今の時代、確かにこういう「直情径行で泥臭い恋愛」はもう流行らないかもしれない。

 しかし、この時代、確かにヒトラーもハイドリヒも、「彼らなりの想いを抱き、人間として生きていた」のだ。

 

 その証拠でもある、「クリスマスの解放で、人間らしく肉欲に溺れる一コマ」を描いておきたかったのだ。

 

 ”聖なる夜”が”性なる夜”に成り代わっていた?

 いやいや、それもまた人間という物じゃないだろうか?

 ”愛しい人”と一緒に居るのなら、尚更に。

 

 

 

 それに……おそらく来年、44年はこのように二組の夫婦が睦む暇など、当面は無いのだろうから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ヒトラー、ガッツリ”補完”されとるやん(挨拶

果たして、LCL化は夢か現か幻か……
ちなみに作中に出てきた「ドイツ語版の”Komm, susser Tod(甘き死よ、来たれ)”」は実在していて、

Evangelion「 Komm süßer Tod」German Cover | Nexus

で検索すると聴くことができると思います。
ただ作中の”エヴァンジェリンの子守唄”のイメージは、

Mili-Komm Süsser Tod (lyrics in description)

のイメージです。とても”柔らかく穏やかな”アレンジですよ♪


まあ、ヒトラーもハイドリヒも、初登場から働き通しでしたし、偶には嫁とこう「愛に塗れる日」も良いでしょう?

というより……
・米ソで”最恐の独裁者”として恐れられるのに、実は愛妻には防戦一方(タジタジ)のヒトラー
・策略家なのに愛妻とは「若々しいイチャラブ展開」を望むハイドリヒ

を書きたかっただけだったりしてw
まあ、二人共どんな私生活なのかイメージしづらいキャラですし、「意外な一面」もあっては良いのではないかと。

無論、エヴァンジェリンの元ネタが某零号機さんであるように、同じ作品繋がりでアストリーデは当然のように”赤い弐号機”さんが元ネタです。

新劇場版の「見た目は大人になれないエヴァの呪い」、シン・エヴァの「シンジを多分好きだったけど、先に大人になっちゃった」発言、そしてTVシリーズの「年上の男性に思慕する」要素をミックスしたらこんな感じに……
でも、個人的には”空母”でも”駆逐艦”でもないと思ってます。
何しろアストリーデは「愛で満たされて」ますからね~。
これ以上、承認欲求が発露する訳もなく、「お転婆なお嬢様育ちで、生意気な(フリをする)、ただただ可愛いハイドリヒの嫁」としてこの先も生きていくんじゃないかと。

あと、裏話的ですが……エヴァンジェリンも「ヒトラーしゅきが出るとポンコツ娘」なんですが……
ヤバさは完全に、
エヴァンジェリン>アストリーデ
って感じです。作者的に。

さて、次回はクリスマスが辛うじて絡みますが、また国境を超える予定です。

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次回もどうかよろしくお願いいたします。






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