八幡とわーるどとりがー・・・八幡ってB級なんだぜ・・・?   作:ちゅんちゅん丸

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こんばんわ!教導編4話です

今回もガンダムします。
ちなみにこのファンネル、イメージとしてはνガンダムのよりもブルーティアーズ的な形状のビットをイメージしてもらえればと。
もしくはレジェンドみたいな感じですね。甲羅は背負っていませんが。

そんなこんなで試験運用開始です



比企谷隊の教導4 小南のターン

- 玉狛 訓練室 -

 

『それじゃあこなみ、八幡君、準備良いかなー?』

 

いろいろと紆余曲折あったものの、予定していた新型試作トリガーを受け取った俺は玉狛の訓練室にてようやく試験運用を行う運びになった。

長年の夢の一つであるファンネルを使えるのだからもう、うきうき気分で小南と共に訓練室に入った俺まじ絶好調で、これはさすがに気分が高揚しますってなもんだ。

 

ウキウキウォッチンな俺に対する小南はすでに戦闘準備オーケーと言わんばかりに早速双月を構えていた。

あれ?なんか今にも切りかかってきそうな気迫なんすけど?ちょっとー・・・なんでもうコネクトオンしてるのー?早くなーい??

 

「いつでもいいわよっ!」

 

「・・・こっちも大丈夫だ」

 

ぶんぶん双月を振り回しながらノリノリで答える小南と、これからあれに分断される未来しか見えない俺は全く正反対のテンションで応える。

 

あれ?・・・さっきまで超テンション上がってたのに双月みたらトラウマ思い出して一気にマイナスに入ってもうた・・・正直これを使っても小南に勝てる未来が見えないんですけど・・・?つかこれ訓練モードだからトリオン消費しないかわりに、何度でも死ねるって事だからそれすなわちあれですよね?・・・キョウモタクサンブンカツサレソウダナーウレシイナー

 

ファンネルを実体化して自身の周辺をふよふよ浮いているのを見て考える。実際問題オールレンジ攻撃って聞くと強そうに聞こえるけど実際のとこそうでもないのだ、結構避けれるってじっちゃが言ってた。

 

エクストリーム的なバーサスしちゃうやつとか元帥クラスの人に当たる気がしないし?あの辺の人達には何使っても当たらないけどさ。言うほど強くなくね?みたいな。でもロマンがあると思います。

昔の人は言いました。ロマンがあれば何でもできる、3,2,1、ダー!!って。

 

そんな訳でボーダー界でも元帥クラスの強さを誇る小南にへなちょこ戦士である俺がどこまでやれるかってとこだが、まぁなんとかやるしかないだろう。いや、できるはずだ、そう、ファンネルならネ!!

 

そうやってトラウマを思い込みの力で乗り越えて気持ちを切り替えると再び宇佐美から通信が入った。

 

『それじゃあいくよー?がんだむふぁいとー?』

 

「「レディー・・・・」」

 

『「「ゴォォーーーッ!!」」』

 

開始の合図と共に前に駆けだす小南。それを見て全力で後方に下がる俺。

対小南戦術その壱、とにかく双月の間合いから離れるを行う。ニゲテナイヨ?それと同時に早速試作トリガーを放つじぇ。小町よ・・・俺を導いてくれ・・・

 

「一発目はオートで、行け!フィン・ファンネルッ!!」

 

小南との距離を取りながら全機をまずはオートで射出する。小手調べながらも四方八方からビットが飛んで小南を取り囲む。B級ならこれで勝つる!が、相手は小南である。ビットから一斉にアステロイドが放たれるもののすいすいと避けられる。それはもうすいすいと。いや、いくらなんでもおかしいだろ・・・戻ってきたファンネルたちがしょんぼりしてるように見えるのは気のせいだろうか。

 

「せめてシールド使うか双月で防ぐくらいしろよ・・・」

 

「ふふん!それのテストは玉狛でしたのよ?オートの軌道くらい覚えてるわ!」

 

そう言いながら全く減速せずに切りかかってくる小南。当然俺のスコーピオンでこいつの一撃が防げるわけもないため、戻ってきたビットを今度はシールドモードで展開して斬撃を防ぐ。

えー・・・10機全部をシールドで使用したのに一撃でヒビはいったんすけど・・・これ一機一機の出力はそんなでもないけど全機使えばレイガストより硬くなるんじゃなかったんすかねぇ?・・・そんなビットを10機つかったフルガードでも双月一度しか防げないのかー・・・理不尽なまでの破壊力である。さすが女子校生(斧)ビットたんも泣いてる気がする。ふぇぇ・・・俺も泣きそう、ふぇぇ・・・

 

「相変わらずバカみたいな威力だなそれ・・・・」

 

「くっ・・あたしの斧を防ぐなんてやるじゃない・・・」

 

俺はげんなりとしたが、小南は防がれたのが悔しかったのか、燃えてきたぜぇ!と言わんばかりにその瞳に炎をメラメラと宿していた・・・ちょっとー、予想はしてたけどさー?この子絶対いま俺を切ることしか考えてないでしょー?試験運用の事とか絶対忘れてるでしょー?

 

「絶対ぶったぎってやるんだから!もしくは風穴よ!か・ざ・あ・な!!」

 

「お前のトリガーに穴開けられるのはねえだろうが・・・」

 

爆発させるか切ることしか出来ないトリガーセットでどうやって風穴開けるつもりなんだこいつは・・・?そんな俺の的確な突っ込みに瞬間湯沸かし器の如く小南が反応した、やべ、火に油そそいだ・・・

 

「うるさい!うるさいうるさーーーーい!バカキンj・・・八幡!!」

 

「おい、今俺の名前間違えそうになったろ?つか間違えたよな?」

 

「うるさい!かざあな開けるわよ!!メテオラ!」

 

「シールドビット展開っ!いやいや、メテオラじゃ風穴はあかないだろ・・・」

 

さっきからどこかのツンデレツインテール武偵少女の英霊を宿したかのような小南だが、やってることはやはり小南で、さっきから爆発させたり切ったりしてくる。どうやって穴をあけるつもりなのか気になるところであるが、だからと言っておとなしくやられるわけにもいかない。

 

今回の目的はあくまで試験運用だ、なので必死に回避したり逃げたりしながらビットを放つ。行きなさい!わたくしとブルーティアーズの奏でるワルツでうんぬんかんぬん!!

しかしすいすいと避ける小南、せめて防いでほしいものである。やっぱり理不尽だ。

 

「ナジェダ!!なんでそんなにスイスイ避けれるんだよ!?」

 

一応最初の以降はプログラムでなくマニュアルでビットを飛ばしているというのに全く当たる気配がないのだが・・・・?いくら現在コントロールできるのが5機のみとはいえ、先ほどよりも複雑かつ早く動かしているというのに全く当たる気配がないのは納得がいかない。こいつもしかしてゼロシステムを積んでるのだろうか?だから戦闘になるとこんなに短気になってしまうのか?

そんな小南ゼロシステムによる暴走説を考えながらビットを飛ばす、撃つ、避けられる、もっかい飛ばす、撃つ、避けられるを何度も繰り返す・・・泣きたい。

 

「ふふん!これくらいヨユーよ!!」

 

「くそ・・・納得いかないんだが・・・・俺がまだ慣れてないとは言えなんでそう避けられるんだ?」

 

そんな俺の切実な質問に小南はこいつ、何言ってんだって顔で意味不明な事を言い放った。

 

「オールレンジ攻撃って言っても、こんなの良く動くバイパーってだけでしょ?」

 

「・・・・は?」

 

出水と対戦してるようなもんでしょ、と気楽に言う小南だが、なんだそれ・・・バイパーの対処は楽みたいにしか聞こえないんだが・・・?こいつどういう反射神経してるんだよ・・・以前から攻撃当たんないなーとは思ってはいたが理不尽なまでの反応速度である。いや、この場合は俺が慣れてないだけだろうか?そうであって欲しい。

 

これがボーダートップクラスの実力なのか・・・いや知ってたけどさ。ファンネルあれば勝ち越せないまでももしかしたらワンチャンあるかも!?とか思ってたのに・・・・

 

「ま、まぁ?まだ俺も慣れてないだけだし?すぐに勝てるし?」

 

「ふふん、楽しみにしてるわ!今はまだ5機だから簡単に避けれるけど、流石にこの動きを10機でされたらあたしもまぁまぁ本気になるかもね?」

 

「くっそ、絶対当ててやる・・・」

 

ぐぬぬな感じで悔しがる俺に対して小南は超上から目線でドヤ顔してやがる、くそ、これ出水あたりにされたら殴りそうだが、これが美少女の力か・・・ちょっとかわいいじゃねぇか。

でもやっぱり悔しいのでその憤りをビットに込める。

 

「あたれぇーーー!!」

 

「ほいっと♪」

 

頭の中で落花生の種をはじけさせながらビットを飛ばすもまたもや可愛らしい声と共にかるーく避けられる・・・ならば!

 

「でゅへいん!でゅへいん!!でゅへいん!!!」

 

「まだまだね」

 

吼え立てる感じで、我が憤怒がデュへインしてラ・グロンドメントしちゃうんだから!とばかりにデュへインしてみたが、当たらないのなんのって・・・くそう!まだだ!

 

「これしきのことで! それでも! だとしてもー!」

 

「ふふん♪まだまだね!バカキn・・・八幡!!」

 

またもや鼻歌交じりに避けられる・・・当然ここまでの間にも俺が分割されたり爆発したりとかしちゃったりしてからに、心が折れそうである。

 

「あぁ・・・なんという失態だ・・!俺は・・・僕は・・・私は・・・・!」

 

「ふふん♪・・・あっ、・・・・そ、その、・・・・ごめんね?」

 

あれやこれやといろいろ試すものの、全然小南に攻撃を当てることが出来なかった俺はついに両手両膝をついてしまった、く、悔しい!でも感じちゃう!!嘘です、普通にへこむ。

あまりにも攻撃が当たらな過ぎて本気でショックを受けてしまった俺。その事に気づいた小南が慌てて駆け寄りながら謝罪してくる・・・その中途半端な謝罪が傷ついたハートにとどめを刺した。

 

「いや、運用テストだからな。全然当たらなかったけど助かったよ、まじで。いっぱい分割されたけど、サンキュな。斧で風穴開くと思わなかったわ、まじで」

 

「うぅ・・・その、ごめんね?」

 

俺のセリフに小南も自分が試験運用の事を忘れていたのを思い出したらしく、心底申し訳なさそうな表情で謝ってくる。やべ、あまりにも当たらなくて言い過ぎたかもしれん。

 

「いや、すまん。まじで助かったから。小南じゃないといろいろなパターン試せないからなっ!小南が回避してくれたおかげでいろいろ対策が見えてきたからマジで助かった!」

 

「そ、そう・・・?ホントに助かった?あたし八幡の役に立った?」

 

なにこの娘、こんなしおらしい事言ってくる健気キャラじゃないでしょ・・・ギャップがすごい。正直、ぐっときました。

 

しかしこれは本当の事だ、小南のおかげで多くのパターンが試せたのは事実である。今後の課題は小南の反応を超える速度と数でいかに複雑な軌道で飛ばすかだが、いろいろと思考錯誤したために今回だけでかなりのデータが収集出来た。

 

まぁたしかに全然当たらな過ぎて泣きそうではあったが・・・結局ほとんど避けられたしなぁ。さすがに後半は俺も慣れて来たためビットの動きが鋭くなりさすがの小南もシールドやら双月でガードしていた。有効打はほとんど入れられなかったけどネ!!

そんなこんなで小南のおかげで何日かかけて馴染ませようと思ってたファンネルが今日一日で大分馴染んだのだ。

 

「おう、小南のおかげで大分このトリガー馴染んだわ、助かった。」

 

「そ、そう?それならよかったわ」

 

さっきまでちょっとなみだ目になっていた小南だが、俺の言葉に安心したのか、まだ少し顔が赤いものの、ニコっと微笑む。

 

「おう、でも次こそはきっちり当ててやるからな」

 

「ふふん、楽しみにしてるわ」

 

しおらしくなった小南もようやくもとに戻り、お互いにニヤリと笑いながら今回の試験運用を終了する。

 

その後は小南と宇佐美と俺でファンネル(仮)の正式名称考えたり、有効な運用方法やプログラムを話し合った。いつのまにか名前で呼ばれてたような気もするがきっと気のせいだろう。

 

話し合い後は愛妹であるところのパーフェクトシスター小町とパーフェクトオールラウンダーレイジさんの作ったパーフェクトな夕飯に舌鼓をうち、またもや烏丸に騙された小南にカジカジされたりして過ごす。かじられすぎて将来自分の頭髪が無事でいられるのか心配になっているものの、我慢である。

そうこうして玉狛にいると、本日最後の目的であるセクハラエリートの迅さんがやってきた。おっそーい!

 

「ただいまー、お、やってるなー」

 

「あ、迅さんおかえりー」

 

宇佐美が出迎え、小南と烏丸とレイジさんも戻ってきた迅さんを出迎えて話していた。玉狛は10人位しかいないため、仲が良いのだ。いつも正座させられてるからって羨ましくなんてないんだからねっ!

 

そんな中、俺は何してるかって?もちろん小町にセクハラの魔の手が行かないように体を張って守ってますが何か?

 

「よう、比企谷。ってそんなに警戒しなくてもダイジョブだから・・・」

 

本気で警戒している俺とニコニコしながら俺に守られてる小町。そしてげんなりするセクハラの図。客観的にみると迅さんの立場がデンジャラスである、通報待ったなしだ。しないけど。

 

「まぁ冗談はさておき。いつものたんます」

 

「はいよ、実力派エリートにおまかせだ」

 

そして、今回玉狛に来た最後の目的を果たすべく、しぶしぶ、本当に遺憾の意ではあるものの、このセクハラエリートに小町を合わせに来たのだ。

 

「最後に見たのは一か月前か?一応今回も言うが、俺の予知は絶対じゃないし、予知を教えたからとしてもいい結果になるとは限らない」

 

「わかってますよ。それなりにちゃんと見えるのは近い未来で先の未来はおぼろげにしか見えない。でも、少しでも小町に危険が迫る可能性があるなら、それを知りたい。だから俺は迅さんに協力してるんですから」

 

「まぁわかってるとは思うけど、一応な」

 

俺の存在意義は小町を守ることだ。そのためボーダーに入った後、未来予知のサイドエフェクトを持つ迅さんの話を聞いたときには少しでも小町の危険を排除するためにと一も二もなく飛びついたのだ。

 

それからというもの俺は玉狛には入らないものの、定期的に訪れて小町の未来を迅さんに見てもらいつつ、ここの仕事やトリガーの試験運用を手伝っていた。まさにギブアンドテイクである。

 

「それじゃあ、ちょっと向こうで話すか」

 

「「よろしくお願いします」」

 

小町と2人でしっかりとお辞儀をする。ふだんはアレな人だが、この人のサイドエフェクトによって助けられた人は多い。俺達もそうだ。だからこういう時はしっかりと感謝の気持ちを込めて言うのだ。

 

「お巡りさん、この人ですっ!!」・・・・と。

 

どさくさに紛れて小町の手を握ろうとしたセクハラさんの手をはたき落としながら俺は割と本気でこのボーダーという組織に対して不安を抱くのであった。

 

あ、もちろんその後しっかりと小町の未来を見てもらいましたよ?そんでその後説教した。セクハラが泣くまでめちゃくちゃ説教した。

そんな感じで教導隊としての最初の一日が終わるのであった。

 

 

 

 




というわけで小南のターン?でした。

次回は大井と北上の試作トリガーを出します。こしょっとね。

北上様がスーパー北上様になったりします。
大井っちも活躍したりしなかったり。

そんなこんなでオリジナルトリガーという名のガンダム武装を放り込みつつ原作に向けて進めていきたいと思いますのでこれからもよろしくお願いします。



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