八幡とわーるどとりがー・・・八幡ってB級なんだぜ・・・? 作:ちゅんちゅん丸
夏バテの為全然書いてなかったけど、八幡の誕生日くらいあげてやんよ!と思いましてね!
急いで書いたので誤字脱字はご勘弁を!いつもの事でしたね!サーセン!!
本日は本編も上げておりますので本編は一個前を見て下され!
という訳で、誕生日くらいは八幡を甘やかしてもいいよね、という回です。どぞ!
ー とある日の比企谷隊 -
「ふぅ・・・・・」
防衛任務上がりのとある午後。俺は比企谷隊の隊室にてひとり録画してあるぷりぷりなキュアキュアを見ながらマッ缶を飲むというとても優雅でロハスな感じの時間を過ごしていた。
「この甘さ・・・口内にいつまでも残るくどすぎるほどの甘み・・・だがこれがいい・・・・」
あぁ、素晴らしきかな午後のティータイムならぬ、マッ缶タイム。
いろんな人に勧めたけどいまだに理解者が北上とか雷とか一部の人しかいないマッ缶だけど、それでも千葉を愛し、マッ缶を愛する俺は毎日のこの時間を大事にしていた。・・・・・していた。
過去形である。過去形なのだ・・・・・それは比企谷隊の堕天した女神こと大井さんがとても、大層コレをダメだと言ってくる為、今ではこうして大井がいない時にしか飲めないのだ。
だからこうして大井がいないのをいいことに一人マッ缶パーリィーとしゃれこんでいたのだ。
「ふぅ・・・うまい・・・・あっ」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
しゃれこんでいたのだが、ふと視線を感じたので扉の方に視線を向けるとあら不思議。いつのまにやら大井さんが帰ってきていたらしく、ジトッとした目で俺を見つめていた。俺も思わず無言で見つめ返す。
「・・・・はぁ・・・またそれですか・・・・・」
「・・・・・はい、すみません」
とてもあきれたような表情でこちらを見つめてくる大井に反射的に謝罪する。してしまう。
俺ってばまじ大井さんに頭上がらなすぎでかなしい。
「いつも言っていますが、それは健康に良くないので控えるようにとお願いしたはずですが?」
「・・・・いや、まぁそうなんだが・・・」
そう、大井には俺の健康のためにと飲まないようにお願いされていたのだ。
そんな気遣いをしてくれる大井にはとても感謝しているのだが、千葉県民とマッ缶は切っても切れない関係なのだ。特に今日みたいに、タヌキに試作トリガーの試験をさせられて、加古さんのある意味当たりチャーハンを食べた上で防衛任務をこなし、ちょっと怖い表情で明日忍田さんとこに出頭するように命じられた今日みたいな日にはこれを飲んでないとやってられないのだ。・・・・はぁ、明日何言われんだろ・・・・。
「人生は苦い事ばかりなんだ、マッ缶くらい甘くてもいいだろ?」
「・・・・またそれですか・・・・しかし・・・・ふむ」
俺のいつもの決めセリフに大井はあきれたような表情を浮かべた後、考えるような表情を浮かべる。
「たしかに、少し仕事が多すぎたかもしれません。それに・・・わかりました。」
「え?仕事へらしてくれるん?」
いつものように説教されるのかと思ったら、大井さんからまさかの恩情が!え?まじで!?
「ええ、そうですね。それも検討しておきましょう。それと、着替えたいので5分だけ外に出てもらってもいいですか?」
「おう、わかった?」
おお、すばらしい!大井がまさか仕事を減らす方向で検討してくれるとは!!滅多に無い事に有頂天な俺は少し大井が頬を染めながら話していたのを軽くスルーしていた。
しかし大井が仕事を減らす方向に考えてくれるとは珍しいこともあるもんだ。あれか?なにかいい事でもあったんだろうか?
たぶんあれだな、北上関連でいい事でもあったんだろうな。とかそんな事をのほほんと考えていた俺はのほほんとしたまま、大井から入室の許可が下りて、特になにも思う事なく隊室のドアを開けるのであった。開けてしまったのであった。
「おかえりなさいませ、ご主人様」
「・・・・・・・・」
のほほんとドアを開けた先にはメイドさんがいた。超綺麗なメイドさんはとても綺麗なお辞儀をしながら俺を出迎えてくれた。
目の前の超綺麗な、大井によく似たメイドさんはお辞儀から顔を上げると、とても綺麗な微笑みを浮かべてくれる。少し頬が赤くなっているのが八幡的にポイント高かった。
「すみません、間違えましたっ!」
「あっ・・・」
とりあえず謝罪と共にドアを閉める俺。
ふぅー、ふぅー落ち着けよぉー俺。しっかりと深呼吸をして目をごしごしとこする。
隊室のドアを再度確認する、比企谷隊、よーし!
間違いない。うん、あれだ。さっきのはたぶん幻覚だろう。俺ってばたしかにクラシカルなメイド服とか大井と綾辻と那須に着せたいなぁ、なんで俺が着ないとなんだろうってずっと考えてたからな、たぶんその幻覚だ。うん。
そう自分に言い聞かせて再度ドアを開ける。
「おかえりなさいませ、ゴシュジンサマ・・・・こちらへどうぞ」
「あ・・・はい」
再度ドアを開けるとやはり綺麗なメイドさんがいて、思わずドアを閉めそうになったが、笑顔のセリフの裏で、次閉めたらわかってんだろうな?的な声が聞こえた気がしたので素直に従う。笑顔なのに超怖い。つか声低っ!なんで笑顔でこんな声だせんの!?
うん、あれね、大井に似てるなーとか現実逃避してたけど、どうやら幻覚ではなく現実のようだった。
え!?なにこれ!?なんなの!?大井は一体俺に何をしようとしているんだ!?
「それではご主人様、こちらへお座りください」
「あ、はい・・・・」
相変わらず笑顔のままの大井。ちょっと顔が赤いのがとてもキュートではあるのだが、一体何をされるのか戦々恐々な俺はビクビクしながら大井の勧めに従いソファに座る。
ビクビク、きょろきょろする俺に再度、最上級の微笑みを向けた大井はそのままお茶の準備を進めはじめた。
・・・だから!ナニコレ!!??なんなの!?!?!?!?
と叫びたいのを必死にこらえながら大井の様子を伺う。
どうしよう、すごくメイド服が似合いまくってるんすけど、これあれか?その服似合ってるな、とか言った方がいいのん?でもそんなの言ったら、はあ?何言ってるんですか、キモ。とか言われたりしないかな?
どうするのが正解なのん!?教えてよママン!!
「どうぞ・・・・」
「あ、はい・・・」
未だに少し顔を赤くしながらもやはりにこやかに微笑みながら紅茶とお菓子を出す大井と、それをビクビクしながら見る俺。
そんなびくびくな俺の隣に失礼しますといいながら大井が隣に座ってくる。すごい近くに座った。超いい匂いした。え、マジでなんなの!?
「ふぅ・・・・では、いきます!」
「え、マジでなん「あ、あ~~~ん」・・・・・」
肩と肩がぶつかるくらいの至近に座った大井は、静かに深呼吸をすると、キリっとした表情をしたかと思えば、クッキーを手に持ち、俺の発言にかぶせてとんでもないことをしてくるのであった。
え、だいじょうぶ?って心配したくなるくらい顔を赤くした大井はちょっと涙目になりながら俺にあ~んをしてきていた。
恥かしいならなぜやるし!?って思うものの、早く食べろという大井の視線に反射的に従い大井の手にあるクッキーを口にする。うむ、味がわからんね!
「ふ、ふふ、どうですか?おいしいですか?」
「あ、あぁ。うまい」
「そうですか、それは良かったです。それではもう一枚。あ~~ん」
顔を真っ赤にした大井は微笑みながら感想を聞いてくるが、さすがに味がわからんね。とかいえるわけもなくうまいと告げるとホッとしたような表情を浮かべる。そしてまたあーん。お前は鬼かと言いたい。なにが目的なんだー!?
そう問いただしたいのはやまやまだが、一枚目を食べさせて興がのったのか、大井はとても楽しそうに俺にクッキーを差し出している。なにが目的なのかは気になるものの、とても楽しそうに微笑んでいる大井に水を差すのもあれだ。
それからしばらく、大井が楽しそうに微笑み、ひたすらにクッキーを差し出してくるのを食べ続けるだけの時間が過ぎて行った。
何がしたいのかはさっぱり不明だが。たまにはこういうのもいいかもしれんと思った。正直クラシカルなメイド服を着た大井超可愛いし。・・・そんな事言えんけど。
しばらくそうして過ごしていると机の上のクッキーが無くなっていた。
ようやく大井に聞けるかな?と思ったら、またもや大井が顔を赤くしながら深呼吸をしていた。あれ、なんかデジャビュ・・・・。
「ふぅ・・・・よし!ではご主人様。どうぞ・・・」
深呼吸をした大井は顔を真っ赤にしながら膝をポンポンとたたいていた。
「・・・・?」
ポンポンとたたく大井に何がしたいのか不明な俺はえ、なに?という表情を向ける。それをみた大井はちょっとムッとした表情をした後、おもむろに俺の頭を両手で持ち、そのまま自身の膝に頭をのせていた。ふぁっ!?
「お、大井しゃん!?」
「無駄な抵抗は辞めて下さい」
無駄な抵抗って・・・いやそのセリフこの状況で使うやつとちゃいますやん!?
あわわってする俺と顔を真っ赤にしながら俺の頭を自身の膝に押さえつける大井。まじで何なの!?
「お、大井・・・?さっきから何がしたいんだ?」
「・・・気持ち良くないですか?」
いい加減気になった俺はようやく疑問を大いにぶつけるが、大井は少し不安そうな表情で俺に問いかける。
大井さんや・・・そのセリフは危険だとおもうんだ・・・。
大井の無自覚なセリフに俺のミニ八幡が反応しかけるが、鋼の精神で押さえつける。
「いや、大井の膝枕はめちゃくちゃ気持ちいいんだが・・・」
「それは良かったです」
俺の発言に大井はホッしたような表情を浮かべて微笑んでいる。そんな表情を見て、俺の顔も赤くなっているのを自覚する。おおう、ハートのビートもやばい事になってるんですけど・・・。
「ふふふ・・・よしよし♪」
ハートのビートがやばい感じにドキコンドキコンしている俺とは対照に大井はまだ少し顔を赤くしながらも楽しそうに微笑みながら俺の頭を撫で始めていた。
「人生は苦い・・・・確かにそうかもしれませんね。でも・・・・」
「大井・・・?」
先程までの楽しそうな大井の表情はいつのまに少し悲しそうな表情になっていた。
「でも・・・・私は、私達はあなたに元気でいて欲しいのです。いつまでもそばにいたいと思っています。だから、甘さが欲しいのであれば私がこうしてあなたを癒します。ですからどうか、いつまでも・・・」
「・・・・・」
悲しそうな、それでも必死に思いを伝えてくる大井に俺は何も答える事が出来なかった。
マッ缶が健康に悪いからという話からなぜこんな告白みたいな事をされているのかさっぱり不明だとか、これもう大井ルートでゴールインじゃね?とか大井を見てると胸が高鳴るとかいろいろあるけど、とりあえずあれだ。
「その、なんだ大井・・・・」
「はい・・・・」
俺の言葉に瞳を潤ませながらうなずく大井。なんか空気がアレな感じになっているがとりあえずまずはあれなのだ。
「その、大井の言ってくれる事は嬉しい。俺もこれからは気を付けるようにする。だから、な?」
「はい・・・・」
「まずはそこで覗き見していてる小町に説教しないか?」
「・・・・・・そうですね」
俺のセリフと目線の先を見た大井は小町をとらえる。
すると小町はやばっ!言い逃げ出す。それをみた大井は深くため息をつきながら俺の発言にうなずく。
その後、逃げた小町を無事確保した大井は小町を正座させ、2時間くらい説教をするのであった。
「いつまでも・・・・・か」
大井のセリフを思い出した俺はそれからはマッ缶を控えよう、そう思うのであった。
という訳で、八幡の誕生日くらい甘やかしてもいいよね回でした!!
次回こそは本編と言いますか、大規模侵攻編も終わらせたいと思っています。
夏バテがひどくてまったく進まないですが・・・・。がんばります。
そんなこんなで次回もよろしくです