八幡とわーるどとりがー・・・八幡ってB級なんだぜ・・・?   作:ちゅんちゅん丸

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こんばんわ。番外編その8です。

ネタが、ありません。
迷走する昨今いかがおすごしでしょうか?
いろいろアイデアを頂きながらも形にできずに日にちばかりが過ぎていきます。これが、スランプってやつですね。いっちょ前にそんな事を思ってみたり。

うん、百年早いですね、さーせん。

そんなこんなでひねって絞って書いた番外編です。



比企谷隊の番外編8 受難な一日

ー とある受難な一日 -

 

「おかしい、おかしすぎる・・・」

 

なにがおかしいって?今日も今日とて仕事を終えた俺を待っていたのは加古さんだったからだ。休ませる気ゼロなこの世界が憎い。

ま、まあ?先日の革命により俺のチャーハンには海鮮コンボが無いので油断していた。安心していたのだ。しかし・・・

 

「まさか、普通のチャーハンにあそこまでの可能性を見出していたとは・・・・・おそるべし」

 

まさかあんな摩訶不思議な味が完成するとは思わなかった、見た目が普通なだけに完全に油断していた。むしろあれは見た目がチャーハンなだけの完全に別物だったな、今後は気を付けよう。

 

そんなわけで仕事終わりに厳しめのボディを入れられた俺は震える足を引きずりながら我が隊室に戻って来ていた。

小町よ!私は帰って来た!と心の中で叫びつつドアを開けると見事に誰も居なかった。さみしい・・・・。

 

「小町か北上に癒して貰おうと思ったが、まぁいいか・・・」

 

ひふみん先輩でも可!とか思って隊室を見回してみても我が癒し隊員達は誰も居ない。なんなら堕天した女神大井も居なければバーニング少女清姫さんも居ない。

さみしい・・・以前までの俺なら小町さえ居れば良いと思っていたのにな、そんな事を思いながら随分と広く感じてしまう隊室をずるずると足を引きずりながらソファに向かう。

 

あぁ、もう駄目だ。

思っていたよりボディのダメージが大きいようだ。一見普通のチャーハンに何を入れたのだろうか?おいしいおいしいともくもく食べていた黒江の強靭な胃がある意味羨ましい。

 

俺も生まれ変わったら黒江のような何者にも負けない胃が欲しい。あ、でもまだ死にたくない、てか死ぬわけにいかないからいいや。そんな事を考えながら意識を手放すのであった。

 

ん?ドアの開く音が聞こえたような?

まどろみから少しばかり意識を浮上させる。

いまだ仕事による疲労と加古さんの可能性あふれるチャーハンのダメージが抜けていないのでまぶたを閉じたままどこか夢見心地のように意識がふわふわしている。

起きてますか?寝てますよぉーとそんな事をフワフワと考えているような、考えていないような感じでいると、音の発生源が近づいてきている気がする。

 

「ふぅ、ただいま戻りました・・・あら?」

 

う~ん・・・この声は大井かな・・・・まぁ、いいか。寝よう。

 

「ふふ、寝ているのですか?まったく、仕方が無いですね」

 

くすくすと笑っている大井の気配にだんだん俺の意識が浮上してくる。

まったく、と楽しそうにくすくす微笑んでいる大井の気配が静かに俺に近づいて来ていた。

 

あれ?これなんか目を開けづらい感じじゃね?そんな事を思っている俺をよそに、大井は寝ている風を装っている俺に毛布を掛けてくれる。やだ、優しい・・・・。

 

「風邪を引いてしまいますよ?まぁ、それならそれで精神誠意看病しますが」

 

くすくすと微笑みながら寝ている俺の頭を優しく撫で始める大井。・・・・大井だよね?あれーーー?なんか聖母のような優しさに溢れてる気がするんすけど!?

 

「ふむ・・・・・看病するのも悪くないですね。失礼」

 

少し間が空いた後、一度はかけてくれた毛布をはがし始める大井さん。

あれーー?もしかしなくても俺に風邪を引かせようとしてない?あれー?

 

「それにしても、随分顔色が悪いですね・・・きっと私があなたに無理をさせすぎたせいですよね、すみません。ですが、私は北上さんと同じくらい。いえ、もしかしたらそれ以上にあなたが・・・・・だから、すみませんでした」

 

いやね?今はタヌキ寝入りしてるし、グロッキーなのは加古さんのせいなんだ。とか言えない空気になってしまった。やべ、これもう完全に寝てる事にしとかないとじゃないですか・・・。

俺は背中に冷や汗を浮かべながらも必死にタヌキ寝入りを続ける事にした。

そんな俺の決意をよそに、いまだ俺が寝ていると思っている大井は頭を撫でながら独白を続けていた。

 

「このような状況でないと正直に話せないなんて・・・私もあなたの事をとやかく言えませんね・・・・」

 

「本当にごめんなさい・・・・」

 

まさか大井があのスパルタに対してやりすぎたと自覚していたとは・・・・。

自分でもよく耐えたなーとか思っていたけどね?わかっていたなら自重して欲しかったと思うものの、大井のスパルタが無ければこの間の大規模侵攻を乗り切れなかったかもしれない。そう思ってしまう。

少なくとも大井が入る前の俺ではこの間の戦いを乗り切れなかっただろう。だからこそ、大井には感謝してる・・・・そんな事、このタイミングで言ったら殺されるかもなんで、ひたすらタヌキ寝入りするが。

 

そんな葛藤をする事しばらく、俺が寝たふりをして、大井が撫で続けるという時間が過ぎていく。

だんだんまた眠くなって来たな・・・そう思い始めていると、大井が動きはじめた。

 

「あら、もうこんな時間ですか。そろそろ行かないとですね」

 

その言葉と共に大井が立ち上がる気配がする。

ふぅ、何とかごまかしきれそうだな、そう安堵するが、なかなか大井は動き出さなかった。

あ、あれ?もしかして俺が起きてるかと疑ってるのん?や、やばい・・・冷や汗が・・・・。

 

「起きてないですよね・・・・?」

 

寝てますよ!!とか当然言える訳ないのである。

 

「戸締り、良し。周辺確認、良し。八幡さん、良し・・・・すー、はー・・・・ゴクリ」

 

え!?なに!?なんの確認なの!?殺される!?殺されちゃうのん!?もしかして起きてるのばれて殺されちゃう!?どうしよう?起きるべき!?起きるべきなのん!?

そんな感じで脳内で大パニックになっている俺をよそに、大井の気配が近づいてくる、もう、ダメだぁー!!死んだー!!!!

 

「んっ・・・・。ふぅ、これは、とても恥ずかしいですね・・・・・」

 

大パニックな俺に大井の爽やかな香りがしたかと思うと同時に額に柔らかな感触がした。

・・・・・え?

 

「ふふ、でも、悪くないですね」

 

・・・・・・え?

 

「それでは、行ってきますね?」

 

・・・・・・え?

 

しばらく俺の思考はフリーズして、そのまま再度意識を手放すのであった。

 

って、できればいいんだけどね?こんなん寝れる訳ないだろが!!!なに?!なんなの!?今の何!?

いや、わかるけどさ!わからんだろが!?意味わかんねぇよ!?

 

そんな感じでぐぉぉぉぉ・・・とソファの上でもだえる事しばらく、ようやく落ち着いて来た。

ふぅ、きっとあれだ。

 

夢だな。うん。寝よう。

もう意味不明過ぎてね、とりあえず寝ようと思いました、まる。現実逃避じゃないよ?ないよ?

 

そんな事を思っていると、再度ドアを開ける音が聞こえた。うん、もうね、寝たふりでいこう。

 

「ますたぁー?安珍様ー?清姫ちゃんですよー・・・・あら?」

 

おぉっと、今度は清姫さんですか。うん、寝てやり過ごそう。寝てるとわかれば帰ってくれるさ!くれるよね?

 

「あらあら、ますたぁはねていらっしゃいましたか」

 

くすくすと微笑みながら近づいてくる清姫さん。

寝てるので用があるならまた今度ね!そんな願いを込めてタヌキ寝入りを続行する。

 

俺が寝ていると見て、清姫さんは先ほど大井が座っていたところに同じく収まり、やはり同じく俺の頭を撫で始めていた。

最初は敵として、ブラックトリガーとして相対していた清姫さんだが、気が付いたらボーダーにいるわ、しれっと教導隊に入るわとなかなかファンタジックな行動をする不思議な美少女である。

最初は俺の事を安珍様と呼び、生まれ変わりだなんだと言ってきて困ったものだ。さすがにボーダーに入ってそのままという訳にもいかないので、呼び方を変えてもらったら現在のマスター呼びになったのだ。

 

ちょっと、かなり強大なトリオン量を誇る清姫さんだが、その実態はやや思い込みが激しいものの、献身的な美少女である。

マスターを、ますたぁと可愛らしく呼んできたり、ニコニコと微笑んでくれたりと可愛らしい。ほんとね、あとはもう少し思い込みが改善されればなぁ・・・。

 

そんな清姫さんも最近ではすっかりボーダーに馴染んだようで、教導隊らしく試作トリガーの試験運用を主に手伝っている。

チームに入ってランク戦をさせようと思ったが、トリオン量が圧倒的過ぎてさすがに気が引けたのと、本人もまったく興味を示さなかったため、現在ではほぼ比企谷隊所属みたいな感じになっている。人数居るから違うんだけどね?

基本ソロで活動しつつ、試作トリガーの運用試験をしている感じだ。

ちなみにパラメーターがマジでやばかった。

トリオン30

攻撃  15

防御  15

機動  3

技術  5

射程  5

指揮  1

特殊戦術5 トータル79なんだとか。

トリオン量がおかしなことになっているが、これがブラックトリガー起動時じゃなくて、ボーダーのトリガーを使っての数字だとか言うから笑えない。

ブラックトリガーに適合していなかったらアフトの新しい神にされてたんじゃね?

 

現在では雨取クラスの膨大なトリオン量を元に、タヌキが広範囲攻撃型のトリガーを意気揚々と作っているらしい。

どんなに頑張って作っても清姫さんの本来のブラックトリガーには遠く及ばないだろうが、それは言わないのが優しさだろう。どうやら本当に忍田さんはその情報を城戸さんらに上げずにいてくれているようだ。たくさん切られた甲斐がある。もう二度とごめんだが。

 

そんなこんなで現在の清姫さんはメテオラ、ハウンド、シールドをメインとサブに両方入れ、試作トリガーの詠唱型トリガー、スレイヤーズを入れているそうだ。完全に侵略兵器ですね、はい。

タヌキのおっさんの趣味が爆発した結果、どこぞのドラまた清姫さんになっている為、うかつに防衛任務にいれられない不思議。あのタヌキがいったいどこを目指しているのだろうかと俺の中でもっぱらの噂である。

 

そんなここ最近の清姫さんの出来事を振り返っている間も清姫さんはもくもくと俺の頭を撫で続けていた。

 

「うふふ、ますたぁ~、すてきなねがおです♪」

 

よせやい、照れるじゃねぇか・・・・。くすくすと微笑む清姫さん。とっても上機嫌である。

 

「あぁ、それにしても、これはもう・・・・じゅるり」

 

じゅるり?・・・先ほどまでの微笑ましい感じから一転、なんとなく空気が変わったような・・・・具体的に言うと、採取してたらイビルジョーが来たような・・・。

 

「ちょうどだれもいませんし、これならますたぁと・・・・うふふ」

 

俺と何!?誰も居ないとか確認されると怖いんですけど!?俺がびくびくしている間も清姫さんはくすくすと微笑んでいる。どすんどすんとイビルジョーが近づいて来ているようなプレッシャーだ・・・。

 

「では・・・・・いただきます」

 

いただかないでぇーーー!!!俺はとっさにがばりと起き上がり、にこやかに清姫さんに微笑みかける。ひきつっていたが。

 

「ふぅ!良く寝たな!おや清姫さんじゃないディスカァー」

 

今起きましたアピールを全力でする。若干棒読みなのはご愛敬だろう。そんな俺にびっくりしたのか清姫さんは目をぱちくりさせながらこちらを見ていた。かわいいなチクショウ。

 

「・・・・いただきます」

「なんでやねん」

 

もう起きたのであきらめてくれアピールをしたにも関わらず、清姫さんはグイグイくる。

思わず関西弁で突っ込みながら清姫さんを押しとどめる俺。

ぐいぐい来る清姫さんと必死に押しとどめる俺の攻防は、長くは続かなかった。

 

「あっ!清姫さん!また私の八幡君に!!」

「いや、那須のじゃないからな?」

「そうです、ますたぁはわたくしのです」

「いや、清姫さんのでもないからね?」

「当然です、私のですからね」

「いやいや、大井さん?なんでそうなるのかしらん?」

 

俺の貞操の危機を感じて飛んできました!と言いながら隊室に突入してきた那須と大井。

それによって俺と清姫さんの攻防は中断されたのだが、君達のじゃないからね?と丁寧に突っ込むと、それぞれ3人がコイツ何言ってんだ?というような表情でこちらを見ていた。ちょっと可愛いじゃねぇか。イラっと来たけど。

 

「俺は小町のだ」

「いや~小町的にポイント高いけど、それはないかなー」

 

ドヤァと自信満々に告げると、いつの間にか戻っていた小町にするっと拒否られてしまう。あれー?

ここまで共に過ごしてきた千葉の美しい兄妹愛は・・・?小町エンドは?

 

「無いよー」

「まじか・・・・・」

「マジだよ」

 

まじかぁー・・・とがっかりしている間も清姫さんと那須と大井のバトルは続いていた。

 

「ますたぁ?ますたぁはわたくしをえらんでくださいますよね?」

 

清姫さんがそっと俺の右腕を抱き寄せてくる。身長差から上目遣いになっているうえ、しっかりと抱き寄せられた事で清姫さんの着やせしながらもしっかりとしたボリューム感あるお胸様が俺の腕を包み込んでくる。ともすればそちらに意識が向きそうになってしまうところを今度は反対の手を取られる。

 

「ダメです。私のです。そうですよね?」

 

清姫さんに触発されたのか、普段の強気な大井はどこに行ったのさと言いたくなるくらい弱々しい表情で、でもしっかりと俺の左腕を抱き寄せてくる。そんな捨てられそうな表情をしないでくれ、きゅんとくるから。

ボーダー内でもひふみん先輩や刑部姫ことおっきー、国近さんに並ぶお胸様の持ち主である大井により、俺の左腕も大変な事になっていた。ついでに八幡の八幡が覚醒しそうでそちらも大変な事になりそうである。

 

「八幡くん?わたしでしょ?」

 

そんな俺をあざ笑うかのように那須が俺の顔に手を添えて、視線を合わせてくる。あ、これあごクイってやつや・・・。俺の目の前、少しでも顔を動かせばキスをしてしまいそうな距離に那須の信じられないくらい整った顔があり、俺の心臓がさらに躍動する。

 

「い、いや・・・しょの・・・・」

 

左右から大井と清姫さんが、正面に那須。

右も左も柔らかくて、正面からは那須の美貌が、視覚をとざそうにも感触と少女達の爽やかで、甘い匂いにくらくらしてしまいそうだ。

現実に意識を向けても別の意味でくらくらしてしまう。

どうすればいいのん?天国の、ママンとパパンに聞くも、答えは帰って来ない。

 

「あらあら、ますたぁはわたくしのですよ?」

「いえ、私のです」

「それはどうかしらね?」

 

「「「・・・・・・・」」」

 

ママンとパパンがたよりにならないので、やはりここは小町か!と再度小町に助けを求めようとすると、小町は焦ったような表情でわちゃわちゃしていた。

え?どしたん?てか助けて?という表情で小町を見ると、あれをとめて!という表情が返ってくる。

え、どれ?と思い、小町の視線の先を見ると、清姫さんと大井と那須が今にもバトル開始しそうなくらいバチバチしていた。

 

え?あれ俺が止めんの?先に俺の命の鼓動が止まりそうなんだけど?ともう一度小町に視線を向けるもいいから止めてと返されてしまう。

 

えー・・・まじかー・・・。だが、確かにここで止めないと、清姫さんのトリガーで暴れられたらここが大変なことになってしまう。

 

やるしか・・・ないのか・・・ゴクリンコ。

 

「ヤ、ヤメロォーーーー!!」

 

そうして俺は爆発させるのが大好きなロリっ子魔女のごとく声を上げながら争いの仲裁に入るのであった。

 

・・・・まぁ、もちろん?その後なぜか3対1で対戦する流れになって、ぼろくそにやられたけどね?

そんな感じで今日も俺のハードな一日が過ぎていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、番外編その8でした。

たんに、清姫さんのトリガーセットやらパラメータを書きたかった為の回でした。
とてもピーキーな清姫さんでした。

次が最後の予定です。まぁ、ネタが降ってきたら書きますが、一応次で完結扱いにします。

何を書くかは不明ですね・・・最後くらいまじめに書くか、いつものノリで書くかはいまだ考え中。
俺達の戦いはこれからだエンドになるのは確定ではありますが、どうしましょね?
そんなわけで次回もよろしくです!!

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