ジパング×艦これ ~次元を超えし護衛艦~   作:秩父快急

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みらい着任編
航跡1:国防海軍横須賀鎮守府


 

 西暦2012年。ハワイ沖に突如として出現した深海棲艦の攻撃により、地球人類は制海権を奪われた。国際連合はこれに対処すべく、国連軍を派遣。しかし近代兵器では人間サイズの深海棲艦対し、有効なダメージを与えることは出来なかった。更に深海棲艦の武力は圧倒的であり、世界最強と言われたアメリカ軍海兵隊でさえ壊滅的被害を受けた。また、国際連合からの要請により派遣された海上自衛隊。しかし、イージス艦部隊ほぼ全滅状態となり………。唯一、深海棲艦に対抗できたしらね型護衛艦も…。横須賀基地まで帰港出来たが、既に使い物にならなくなっていた。今では湾内入口で簡易の灯台として機能していた。

 

 

 

 

しかし、深海棲艦との戦いが始まってから一年後…。

日本の防衛省技術研究所にて、対深海棲艦用の装備が極秘開発された。その装備を使える者は既に決まっていた。

 

 

「はじめまして、吹雪です。よろしくお願いいたします!」

 

 

 

素朴で可愛い、中学生高学年位の女の子が提督に向かって話す。それが、通称艦娘と呼ばれる存在である……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから3年後…。全滅した韓国、中国海軍に変わり、日本周辺海域は日本国が守ることになった。日本政府は自衛隊から名前を変更し、新たに、日本国防衛軍を総括とした国防陸軍 国防海軍 国防空軍と特別救助隊の計4つの部隊に分けた。国際連合の会議では中国や韓国の生き残った政治家達から反対されたが、反対を押しきり可決された。艦娘の部隊を指揮するのは…海上自衛隊から変更となった国防海軍である。自衛隊再統括後に、国防海軍最大の基地となったのはここ、横須賀だった。

 

横須賀の街は基地の建設に伴う大規模な区画整理で沿岸部は完全に日本国軍の関連施設ばかりになっていた。また、高台には国防海軍と国防空軍の合同管制センターが建設されたため…。横須賀に住んでる人の大半が防衛軍の関係者ということになった。また、ここ横須賀鎮守府には日本最大級の艦娘達の基地と防衛省の研究所、国防海軍の研究センターが併設されている。また、防衛大学の訓練所もあるなど日本の防衛機密が集まっている形である。

 

[日本国 防衛海軍 横須賀鎮守府]

 

と表示された門の横に警備の憲兵が真夏の炎天下の中、小銃を構えて立っている。その横を身分証を見せながらセーラー服を着た女の子達が基地に入っていく。

 

「いつも、お疲れさまなのです。」

と、少女が冷たい飲み物が入ったビニール袋を憲兵に手渡そうとする。憲兵は顔を真っ赤にしてながら「す、済まないが……あ、あそこに座っているおじさんにわ、渡してくれないか?」と裏声で話す。すると、少女は「わかったのです!!」と言い、警備室にいた初老の男性に渡し、基地内に入っていく。彼女達は通称[艦娘]と呼ばれる存在であり、この横須賀鎮守府に所属している。彼女らもれっきとした軍人という身分を与えられている。

 

 

この日、工場である艦娘が誕生しようとしていた。

 

「えええぇぇぇぇぇええっっつ!?」

突如、明石の叫び声が鎮守府中に響き渡る。あまりの声に、宿舎の窓から休憩中の艦娘が慌てて顔を出す。執務室に居た提督は、飲んでいたコーヒーを吹き出す。岸壁で釣りをして居た加賀は、魚が入ったバケツを海に落し…。赤城が「食糧がぁぁああ!!」と悲鳴をあげる。

島風の連装砲ちゃんは実弾発射をするなど、基地中が大混乱になった。

 

 

数分後……。

バタン!!

ノックも無しに、提督がいる執務室に明石が飛び込んでくる。

「こらっ、明石!!ノックも無しにいきなり入ってくる…………な…。」提督はコーヒーで汚れた床を拭きながら明石を睨むが、明石のあまりの顔色の悪さに驚いた。

「て、提督………。そ、その…。新しい艦娘が出たのですが……。」真っ青な顔色で慌てた口調で話す明石。話を聞いた提督は明石と共に工場へ向かう。すると、工場の窓には大勢の艦娘達が中の様子を見ようと人だかりを作っていた。

 

「ちょっ、ちょっ!!通るぞ!!通るぞ(怒)」

集まっていた艦娘達が道を開けてく。工場の中に入ると、そこには長門と吹雪が居た。すると、長門が「すまんな提督。表がこの騒ぎじゃ、中に入って様子を見なくてはならないと思ってだな…。」と話す。「まぁ、いい。」と軽く返事をする提督。今はこんなことでもめてる場合ではない。明石に案内されて、その新しい艦娘の所へ向かう。明石によると、一番奥の個室らしい……。

個室に入ると、イスに腰かけた小柄な少女が居た。服装は、吹雪型に似たセーラー服に白の長ズボンを着ており、眼鏡をかけ、灰色のちょっと短めのポニーテールである。

「き、君は?」と提督が質問すると、その少女はこう答えた。

 

 

 

「私は、海上自衛隊横須賀基地所属!

 ゆきなみ型イージス艦DDH-182 みらいです!!」

 

 

 

と、みらいが提督達に向かって敬礼する。すると提督が、「い、イージス艦!?」と驚いた顔でみらいを見つめる。確かに他の艦娘と違い、大きなマストにたった一門の砲が目立つ。何よりも、被っている帽子が海上自衛隊の識別帽だった。明石がこれまでの経緯を話す。明石によると、最初は大和型二番艦 武蔵 を建造しようとしていたのだ…しかし、資材を量数通りに入れさて建造!というタイミングで、転倒してしまい持っていたレーダーや魚雷などの資材を大量に入れてしまったで、やけくそで建造させたら みらい が出てきたということだ。

 

「なるほど、そう言う訳か…。」と腕を組ながら長門か呟く。すると、提督が「にしても、武蔵を建造しようとしたら……。イージス艦が出てくるとはなぁ… 」と困った顔話す。なせ、ここまで困った顔になったのは……。深海棲艦が出現した当初、海上自衛隊のイージス艦の部隊が攻撃したものの…。近代兵器では成果を上げられずに撃沈してしまったからだ。その為イージス艦の艦娘は、作戦に参加しても…。主に、通信や哨戒任務程度しか行っていなかった。その為イージス艦娘達のほとんどは、鎮守府近海の警備活動を行っていた。

 

「…ところで君は、船だった時の記憶はある?」

と、提督はみらいに聞いた。すると、みらいはこんなことを言った。

 

「私は、太平洋戦争を経験したイージス艦です。」

 

その発言にその場に居た皆が凍りつく。

「………えっ?みらいさんは、太平洋戦争を経験したのですか?」しばらくの沈黙のあと、吹雪が口を開いた。

「ええ…。本当に太平洋戦争を経験しました。」

みらいは淡々と話すが、その場に居た全員は本当なのか信じることができない。長門が、護衛艦の所属データを持ってきた。提督がページをめくり、みらいの経歴を調べるが…。そこには……。

 

[2015年6月4日 ミッドウェー沖にて行方不明]

 

と記載されていた。提督はこの件について、説明を求めた。みらいが重い口を開いた…。

「私は、そのミッドウェー沖で異常な暴風雨に巻き込まれて、僚艦をロストし、全ての機器類に異常が出て…。気づいたら、帝国海軍の戦艦大和の正面に居ました。私の船に乗っていた柳1槽から話を聞いて、ミッドウェー海戦前夜にタイムスリップしたことが判明しました…………。」とみらいが提督達に説明した。説明は一時間近くに及び、説明を終えたときにはみらいは疲れきっていた。

 

一通りの説明を聞いた提督は、

「仮に本当だとすると、みらいは太平洋戦争を経験したイージス艦という訳だな。」と長門に聞く。

「しかし、物的証拠がないのに決めつけるか?」長門は提督に反論した。

「だが、仕方ないだろう…。艦娘として我が部隊に来たのだから。」提督はみらいに向かって、

「私がこの横須賀鎮守府の司令官の柏木だ。みらい、宜しく頼むぞ」と挨拶をする。

「はい!たとえ一隻のイージス艦になってしまっても、最後まで生き抜きます!!よろしくお願いします!」と、みらい は提督に向かって元気よく答えた。

 

 

 

 

 

 

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