島の舗装されてない夜道を陸軍の87式偵察車を先頭にした車列が走る。強襲揚陸艦の[のと]を引き連れた上陸部隊が到着したのだ。島の西側に上陸した陸軍の部隊は、先に上陸していた空挺団の部隊と合流。島の飛行場姫が居た空港跡に向かっていた。
「海軍も派手にやりましたね。」
と、車列の中の化学防護車の中で隊員の一人が話す。
「ああ…。だがな、俺たちの任務。忘れるなよ。」と、中年の隊員が話す。この隊員は 渡良瀬 佑介 東部方面化学防護小隊 隊長 。元陸上自衛隊大宮化学部隊の隊長で、防大卒の陸軍幹部候補。深海棲艦の実態解明に人生を捧げている。今回、MI作戦完了後のミッドウェー島上陸部隊に異例の化学防護小隊に出動要請。渡良瀬達は敵深海棲艦の遺体及び兵器のサンプル採取を命ぜられていたのだ。
ブロロロロロ…。
夜道を走り、簡易の陣地についた渡良瀬達。サンプル採取は明朝からだ。島の中は焼けただれて、草木が一本もない。不気味なほど静まり返った暗闇のなかに浮かぶ十数個のテント集団。車から降りると焦げ臭い火薬の匂いが鼻を突く。今夜はここで宿泊だ。
12月13日 0800
夜が明け島の上空をCH-47Jや多用途ヘリが飛び交う。その中で渡良瀬達は島の飛行場姫が居た跡地へやって来た。
「こりゃ、凄いな…。」
唖然とする渡良瀬。そこには多くの深海棲艦の艦積機の残骸が広がっていた。
「おい、足元気を付けろよ。」
ザッザッザッ
不安定な足元を進むと爆散した飛行場姫の残骸が転がっていた。青い肉片…。不気味な色に渡良瀬は息を飲む。
ガン!ガラガラ…。
化学防護車の荷台に放射能マークが付けられた大きなステンレス製の缶が積まれる。中には飛行場姫の残骸が入っている。また、海岸では深海棲艦のタコ焼き型戦闘機が流れ着いていた。
1600 ミッドウェー島宿営地
数々の深海棲艦の残骸を集めた陸軍上陸部隊。その中のとあるテントで飛行場姫の残骸の解剖作業が行われていた。
レントゲンの写真を見ながら派遣された医師の男声が話す。
「これは、人間に極めて近い構造ですね。」
「まさか、深海棲艦は人間?」
と、同席していた渡良瀬が質問する。
「いや、損傷が激しいですし…。第一、解剖してみないと分かりませんがね。渡良瀬さん。古代文明でムー大陸というのご存じかな?」
「ムー大陸ですか?ええ、本で読んだことはありますが…。」
「今から約1万2000年前に存在していた幻の大陸だ。あくまで伝説上の大陸だが、そこの文明ははるかに高度の文明を持っていた…。」
「まさか、そのムー大陸の生物が深海棲艦の正体?」
と、驚く渡良瀬。医師は「あくまで仮説。」だと言うが…。その夜、 深海棲艦の現れた場所とムー大陸が存在していたとされる場所。不思議と一致していることに疑問を持つ渡良瀬だった。
12月14日 護衛艦みらい 資料室
カチャカチャカチャ
資料室で菊池がパソコンを打っていた。梅津元艦長に提出する航海記録だ。
「…ふぅ。」
一通りの情報を打ち込み航海記録を完成させた菊池。一息付くためにコーヒーを飲む。
[MI攻略作戦報告書]
と、書かれた報告書。一息付いた菊池は保存してタブを消す。そしてもうひとつのファイルをクリックする。数秒の読み込みの後、パスワード入力画面が出てくる。パスワードを入力するとあるタブが出てきた。そこには…草加小佐との通信内容が記載されていた…。
黙々とパソコンを打つ菊池…。そしてエンターキーを押す。あるメールが送信されていく。汗が額から顎に垂れてくる。その汗を拭き取り、菊池はパソコンを閉じた。
今回の話は陸軍中心の話です。アニメのMI作戦では描かれなかった舞台裏。ミッドウェー島の調査です。ちょっと、シン・ゴジラやガメラ2とかの要素を入れています(笑) この話単体だと艦これ要素が全くない話になってしまいましたが、以前、沖ノ鳥島沖で謎の海底構造物が見つかったことがありましたが…。どうもそれに関係しそうです。ちょっとグロい描写が多くなりましたが、次回は平和な話にしますのでこれからもよろしくお願いいたします。