ジパング×艦これ ~次元を超えし護衛艦~   作:秩父快急

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えーと、遅れを取り戻すためにも連続投稿です。時は大晦日。一年の締めくくりですが、深海棲艦は待ってくれません。千葉県沖から飛行する不気味な黒い物体。それを捕捉した国防空軍がスクランブル(緊急発進)をかける!


航跡67:大晦日首都圏空爆

 

 12月31日 2000 みらい後部甲板

 

 「うー。今日は一段と冷えるなぁ…。」

 と、手を揉みながら尾栗が歩いていた。航海長としての今年最後の見回りをしていたのだ。既に艦尾の護衛艦旗も下ろされ、明日の正月の準備が進んでいた。

 「おっ、航海長。」

 「なんだ、佐竹か。」

 ヘリ格納庫の海鳥の操縦席に座ってくつろいでいた佐竹が声をかけてきた。

 

 「…この世界で年明けを迎えるとはねぇ。」

 と、佐竹が呟く。二人は後部甲板に座り話していた。

 「なぁ、佐竹。家族の事をちゃんと覚えてられるか?」

 「…どうしたんです?航海長。」

 「いや、現実世界に残してきた家族とさ…。なんか、二度と会えない気がしてさ。」

 と、珍しく尾栗が弱音を吐く。

 「そんなこと言っちゃ、ダメだと思います。俺だって、南房総に家がある。いつかは帰れますよ。」

 と、話した。空は綺麗な星空。明日の初日の出は期待できそうだ。

 

 その頃…。横須賀鎮守府の食堂では鳳翔手作りの年越蕎麦が振る舞われていた。NHKの紅白歌合戦を見ながら食べる年越蕎麦。年末恒例の行事だ。

 

 ガヤガヤ…。

 

 艦娘達で賑わう食堂。セルフサービスで用意された年越しそばに各自好きな天ぷら皿に取る。以前は盛り付けてから配っていたのだが、だんだん艦娘達が増えてきた為に讃岐うどんのセルフ方式を取ったのだ。そのお陰で、海老天だけだった天ぷらの種類が5種類ほどに増えて要望の多かったかき揚げもメニューに追加された。

 

 「さてと!来年に備えて食べましょ!」と、吹雪が同席の第十一駆逐隊のメンバー(白雪 初雪 深雪 )に声を掛けた。

 

 「いただきます!」

 

 早速、吹雪は暖かいそばをすする。鳳翔さん達有志のメンバーがそば打ちをしている本格的な二八蕎麦だ。つゆも自家製。鰹と煮干しの魚介系のあっさりかつ風味豊かな出汁だ。深雪は大きな海老天にパクついていた。

 「ほほ、えひへんおいひぃ~♪」

 (この、海老天美味しい~♪)

 口一杯に頬張っている上に熱々の揚げたてなので、何をいってるかよく分からない。

 

 見回りや任務の関係で交代しながら食べているが、非番組は食堂の片隅でテレビを見ていた。NHKの紅白歌合戦だ。この年最後の夜、横須賀鎮守府は静かな夜だ。しかし、深海棲艦は待ってくれない。

 

2205 千葉県銚子市犬吠埼北東450キロ

 

 キイイイイン

 

 不気味な黒い飛行機が東京に向け飛行している。その腹には大型の爆弾が積まれていた。

 

2210 国防空軍 中部方面作戦司令室

 

 「状況はどうなってる?」

 作戦指令が尋ねる。

 「はっ、夜襲対応の敵新型機と思われます。」

 「数は?」

 「数は3、首都圏到達まで20分です。」

 

 作戦室のモニターには赤く表示された3つの矢印が東京方面へ向けて進行していた。

 「司令!百里と小松からスクランブルしました。」

 「了解、入間の高射隊にも緊急伝達。PAC3による迎撃も準備しとけ。」

 「会敵予想時刻 ウィザード03 は2220。プリースト05、2225」

 

 「目標、進路変わらず。依然進行中。」

 「司令、迎撃しますか?」

 「いや、目標を目視確認してからだ。だが、首都圏に入る前に必ず落とす。」

 

 モニターのレーダーでは、百里基地から上がったウィザード03 (F15J 2機)が犬吠埼沖合で識別範囲内に入った。

 

 「Wizards 03, confirm three targets?」(ウィザード03 目標の3機を確認することは出来ますか?)

 「Negative contact. Request, target position.」(確認できない。目標との位置を斯う。)

「Target dead head three mile, altitude three-two.」

 (目標との距離5000メートル、高度32000フィート。)

 

 「司令。ほぼ同位置です。一旦、離れた方が。」

 「いや、首都圏上空に入ったら攻撃不可能だ。」

 

 「Wizards 03, negative contact. We don't bogey Lock-on!! I say again, negative contact!!」(こちらウィザード03、目標を捕捉出来ない!!繰り返す、目標を捕捉出来ない!!」

 

 モニターには赤と緑の矢印がほぼ同位置に重なっている。F15のパイロットが必死に探すが見当たらない。

 

 「Wizard, breaking!」(ウィザード、退避してください!)その言葉が管制から流れたのとほぼ同時にモニターから緑の矢印が消え、警告音と共に×印が表示された。

 

 「ベールアウト…。撃墜された?」

 「まさか?」

 

 「目標、進路を成田方面に向け西進。プリースト05会敵まであと5分!」

 

 同時刻千葉県銚子市犬吠埼灯台

 

 「おい!なんだあれ?」

 灯台の整備に来ていた海上保安庁の職員が海に落下する飛行機を目撃した。他にも近隣沿岸部の住民から爆発音が聞こえた。火の玉が海に落ちるのを見た!等、千葉県警に110番通報が相次いだ。

 

 2215 千葉県成田上空

 

 「This is Priest 05. Target insight. 」(こちらプリースト05 目標を捕捉。 )

 

 敵はやはり深海棲艦の戦闘機だった。黒く航空管制灯の無い機体だが、月明かりに照らされて不気味に輝いている。小松からスクランブルしたブリースト05 はF35Aの3機だ。加速して急速に近づいていく。

 

 同時刻 成田国際空港管制塔

 

 「これか、東京コントロールから連絡があったやつは。無茶しやがる。」

 「こっちに来てるぞ!」

 「アプローチに入ってる便を除いて全て上空待機だ。高度に注意しろ!」

 「国際線は関空と中部に回せ!」

 

 成田国際空港の出発ロビーの電光表示が消えていく。

 「ただいま。上空の天候が不安定となっています。このため出発並びに到着便の運行を見合わせています。」

 と、ロビーに放送が入る。

 

 キイイイイン

 

 成田国際空港上空を月明かりに照らされてながらF35Aが飛んでいく。

 

 「首都圏到達まであとどれぐらいだ?」

 「あと、60秒ほどです。」

 「やむを得ない。人口密集地に入る前に落とせ。兵器使用を許可する。」

 

 「Priest 05, this is HQ. Cleared fire, kill the target. I say again, shot down enemy aircraft.」(プリースト05 、こちら作戦司令室。攻撃を許可する、敵機を迎撃せよ。繰り返す、敵性航空機への攻撃を許可する。)

 「Priest, wilco. Engage the enemy.」(プリースト、了解。敵機と交戦する。)

 

 バシュュュ!!!

 

 一斉に放たれる対空ミサイル。通常の深海棲艦の戦闘機ならこれで充分落とせる。だが…。

 

 パパパパパ

 

 まさかのチャフを撒き、ミサイルを交わしたのだった。これにパイロットは驚いた。

 「Bogey dropping chaffed. Missile losing.」(ミサイル命中せず。チャフで躱された。)

 

 空中戦を繰り広げるなか、1機の敵機が隙を見て切り抜けてしまった。

 

 2220 護衛艦 みらい CIC

 

 「連絡は聞いていたが、敵の新鋭機か。」角松がモニターを見ながら呟く。この事態に護衛艦娘達に緊急召集が掛けられていたのだ。夜間飛行が出来るのは DDV-192 いぶき の艦積機だけだ。柏木提督の指示で横須賀鎮守府から緊急でスパロウ隊を上げることになった。

 

 (…頼んだわよ!)

 

 いぶき は矢に無事に帰艦するように願いを込めて、矢を夜空に放った。

 

 2225国防空軍 中部方面作戦司令室

 

 「横須賀より伝達。護衛艦娘いぶきのF35JBスパロウ隊が迎撃に上がりました。 」

 

 それに寄せられたのか…。敵機が南西に進路をとる。そのルートの先には横須賀。敵の目標は首都圏空襲に見せかけた、横須賀鎮守府への攻撃だった。

 

 2228 千葉県 成田山新勝寺

 

 初詣を待ちわびる参拝客が上空の爆音を聞き空を見上げている。上空ではF35Aと深海棲艦の爆撃機のドックファイトが繰り広げられている。

 

 2230 国防空軍 中部方面作戦司令室

 

 「スパロウ隊 会敵予想時刻修正 2232」

 

 いぶき のF35JBが目標を捕捉した。だが、真下は人口密集地。下手に攻撃はできない。そこでスパロウ隊は東京湾上空へ誘引した。

 

 「目標捕捉。攻撃を開始する。」

 と、いぶき のパイロット妖精が いぶき に連絡する。

 

 バシュュュ

 

 敵機の死角を取った いぶき のF35JBが放ったミサイルは見事に命中した。横浜沖合で花火のように爆発する敵機。みなとみらいで年越しカウントダウンをしていた人々は、花火が誤発射されたと思っていた。同じく成田上空でドックファイトを繰り広げていたプリースト隊も2機撃墜し状況は終了した。3機の敵機は共に人気のない海や畑に墜落し怪我人などの報告はなかった。

 

 2240 国防空軍 中部方面作戦司令室

 

 「状況終了。ブリースト05は帰途せよ。」

 「海軍へ連絡。犬吠埼沖にてウィザード03の遭難信号を受信。哨戒ヘリでの救助を求む。」

 だが、百里基地から上がったウィザード隊は撃墜され、生還した人は居なかった。

 

 2300 横須賀鎮守府

 

 迎撃任務に当たっていた いぶき のF35JBスパロウ隊が帰艦した。

 

 「…お疲れ様。」

 

 手元に戻った5機のF35JB。いぶき は内心ホッとしていた。尖閣紛争の時に2機、撃墜され帰艦しなかったからだ。百里のウィザード隊の捜索は館山基地航空隊が行うこととなった。

 

 「…いぶき。」

 ふと、柏木提督が声をかけてきた。

 「遅くにすまなかったな。上げてくれと頼んで。」と、温かいお汁粉の缶を渡す。

 「いえ、夜間にスクランブル(緊急発進)できるの…。私だけですから。」

 と、いぶき は提督からもらったお汁粉を飲んだ。

 

 

 




相変わらずのLINE翻訳です。(英語が苦手なのでごめんなさい…。)間違っていたら修正。お願いします。今回の話は、機動警察パトレイバーの 幻の首都圏空爆 の話を参考にしてみました。
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