ザァーザァー
敵陣発見に向けて 翔鶴と瑞鶴が偵察機を飛ばすが…。敵陣発見に至らない。おまけに空の色が昼間なのに薄暗くなってきていた。せとぎり ゆうぎり のSH-60Jも未だに敵潜水艦の発見ができていない。だが、目標座標まであと少し。このまま進むか、一度退避するか。響は決断を責められていた。
(ここまで来て発見されないし、攻撃もない。もしかして罠…?)
額に汗が滲み、顎に垂れる。これまでの様子から見て敵からの攻撃がない可能性が高い。それは、護衛艦みらいの角松も同じ考えだった。
「艦娘達を収容する!?」
菊池は角松の提案に驚いた。角松はここまでの敵の動きを見て、収容するのが妥当と判断したのだ。
「たしかに。海の様子もおかしいしな。収容した方が良いだろう。」
尾栗は角松の意見に賛成した。このまま進んだ場合、天候悪化により収容困難になる可能性が出てきたからだ。
あまぎり ちくま の艦長と相談した結果、艦娘達は全員収容することになった。一応、念のため せとぎり と ゆうぎり にはSH-60Jによる哨戒活動の続行を指示し、全員収容した。そして…。
「艦長!目標の人工島が見えました!」
観測員の声で角松が双眼鏡を覗くと、島影に敵の中継拠点らしきものが見えた。その時!
「ソナー探知。目標、7時の方向、距離2500。敵潜水艦と思われます。」
CICに緊張が走った。密かに敵の潜水艦が攻撃体制に入っていたのだ。
(しまった…!)
角松は あまぎり と ちくま に
「敵潜水艦発見!各艦、回避行動!」
と無線で伝えた。
キイイイイインン
みらいのエンジンが唸りを上げ、回避運動を始めたその時!
「敵潜魚雷発射!数は5うち2本が本艦!残りは あまぎり へ!」
「何!?」
青梅の言葉に角松が驚く。一瞬の隙をついて魚雷が発射されたのだ。
「魚雷発射位置に、デイタムを設定!前甲板アスロック装填!」
護衛艦あまぎり 艦橋
「艦長、3本魚雷が来ます!到達まで1分30秒!」
「了解。艦首反転、取舵一杯!アスロック発射用意!」
あまぎりは艦首を反転させて、潜水艦と向き合う形を取ると同時に魚雷をかわした。みらい へ向かっていた魚雷は燃料切れで海中へ消え反抗戦に入った。
バシュー!
あまぎり のVLSからアスロックが発射される。敵の潜水艦は5隻だ。
「飛行甲板よりCICへ。SH発艦準備完了。」
「了解。SH発艦せよ。」
あまぎり ちくま みらい から3機のSH-60Jが飛び立つ。
「アスロック着水。目標向け、航走中。目標命中まで1分。」
バラバラバラ
護衛艦みらい SH-60J
「シーフォーク、対潜弾投下用意!」
「了解。」
SH-60J機長の柿崎が準備する。
ズドドドーーーンンン!!!
前方で海面が盛り上がる。海中でアスロックが爆発したのだ。
「ソナー探知。敵潜水艦数隻の撃沈を確認。ですが、まだ残ってます。」
「了解。全SHに告ぐ。対潜弾をありったけ投下せよ。」
角松の指示で、みらいのSH-60Jを始めとする全てのSH-60Jが対潜弾を投下した。海中に爆弾が投下されて10秒後…。
ズドドドーーーンンン!!!
二度目の大爆発がおき、上空100メートルまで水柱が上がる。各艦衝撃に揺さぶられるなか、みらいのSH-60Jから報告が入った。
「全弾、目標に命中!撃沈しました!」
すると、急に空が晴れ明るくなってきた。深海棲艦が支配している海域は天候が不安定になることがあると、あの本には記載されていた。晴れたと言うことは、この海域の深海棲艦は排除したと言うことだ。
「状況終了。対潜戦闘用具収め。」
戦闘が終わり、CICに安堵の空気が流れる。今回は全員無事だ。MI作戦と比べると規模では小さいが、命を懸けることは変わらない。角松はそう思いながら帰路についた。