佐世保鎮守府が深海棲艦の攻撃によって壊滅し、焦りを感じた日本政府。そして、米国ではある艦娘が日本へ派遣されようとしていた。その艦娘の中に、かつて みらい と闘ったある艦の名前があった。
航跡76:対策会議
1月13日 首相官邸
「東京の夜景は綺麗だな…。」
霞が関のビル群の夜景をみながら初老の男性が呟く。竹上 弘文 内閣総理大臣だ。
「総理。佐世保がやられたとなると、九州・沖縄地方の防衛に大きな影響が出ています。」
と、新波 官房長官が話す。
「…新波、仮に東京に深海棲艦が襲来したらどうする?」
「はっ、その時は我が陸海空の全総力で対処するしか無いですね。」
「だが、この東京に住んでいる住民を全員無事に避難させることができると思うか?」
竹上の言葉に新波は黙ってしまった。
同日 米国 ホワイトハウス
「Did Sasebo in Japan lose…。」
(日本の佐世保がやられたのか。)
国防海軍佐世保鎮守府壊滅の情報は、米国のホワイトハウスにも入っていた。米軍は日本と違って艦娘が実戦配備される前だ。既に艦娘は一応居るが、未だにその能力を調査計測中である。
「Can our ship daughter be used? The Secretary of State for Defense.」
(我々の艦娘の運用は出来るか?国防大臣。)
合衆国の星条旗をバックに大きな椅子に座り話したのは、アメリカ合衆国 ダニエル・べネット大統領だ。
米国政府でも艦娘の建造は行われ、戦艦 アイオワ 等が登場している。だが、現時点では実戦配備はされていない。ホワイトハウスのある首都ワシントン。米国本土では深海棲艦の襲撃は少ないが、ハワイ島周辺では襲撃が相次いでいる。その上、中国 韓国 北朝鮮 の事実上の崩壊による国連決議。実際には米国が管理下に置きたかったが、艦娘という新しい兵器を開発した日本が統治する。米国は敗戦国 日本 にメンツを潰されたの同然だった。勝利の下で輝き続けた星条旗。ISを始めとする国際テロ組織の壊滅や湾岸戦争等数々の修羅場をくぐり抜けた米国にとって、日本がアジアを征服するのは断じて許すことができなかった。
「Is the military disposition of my American ship daughter possible?」
(米国艦娘の実戦配備は可能かね?)
と、ダニエル大統領が国防大臣に尋ねる。
1月15日 横須賀鎮守府
「え?米国から艦娘…?」
柏木は国防省からの電話に驚いた。日本政府が海外からの艦娘の受け入れを極秘で認めたのだ。受け入れる艦娘は 戦艦 アイオワ と 正規空母 サラトガ、戦艦 ミズーリ に 正規空母 ワスプの4人だ。流石、米国の艦娘らしく…。飛行機でやって来るとのこと。すると…。
「何?サラトガ が米国から来るだと!?」
提督が見ていたfaxの書類を取り上げ長門が真剣に見始めた。
「お、おい。長門、どうかしたのか?」
と、柏木が尋ねる。すると長門は…。
「いやぁ、昔からの腐れ縁でな。まさか艦娘になってなお出会うとはな。」と、苦笑いしながら書類を返した。