ジパング×艦これ ~次元を超えし護衛艦~   作:秩父快急

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空母ワスプに自身の経験を話すことにした みらい 。一方、みらいの証言を信じることの出来ないワスプ。両者の話し合いに、ある艦娘が声をあげる。果たして、みらい と ワスプ は仲良くなれるのか?



航跡80:空母ワスプ

 

 「そ、そんな…。じゃあ、我が合衆国は異世界の艦と戦ったってこと?」

 と、椅子に座り込むワスプ。みらい は沈黙したままだ。

 「…みらい は、なぜあの戦争に参加したの?」

 と、アイオワが訪ねる。だが、みらい は戦闘する理由は無かった。そして、ただ元の世界に戻りたかった。けれど、予想外に進む歴史の中でもがけばもがくほどに…。歴史は変わり、仲間も次々と倒れ。そして、マリアナ海溝に散った。もう一度海上自衛隊の仲間に会いたい!その強い思いが艦娘としての生となり、今ここに存在する。みらい はワスプ達に過去の戦闘データを見せた。

 「こんなことって…。」

 サラトガが唖然とする。

 「このデータは実際に私が艦の時に経験したものです。偽りなど一切ありません。」

 みらい のデータは米国艦娘達にとって衝撃的なものであった。だが、空母ワスプは みらい の能力を信じる気はない。

 「あなたが私を沈めた…?そんなの嘘よ。あの時私とあなたは300㌔以上離れていた。それをどうやって攻撃したのよ。おまけに、私が上げた機の大半を撃墜させるだなんて。」

 ワスプは悔しさを通り越して怒りに震えていた。

 「話はそこまでよ。」

 「あっ、加賀さん。」

 話の間に加賀が入ってきた。

 「何よあんた!話の邪魔よ!!!」

 と、ワスプ が声をあげる。

 「とりあえず落ち着きない。私も艦娘になってからだけど、この子に撃沈判定出されたわ。」

 「…え?」

 サラトガ が驚きの声をあげる。

 「確かに彼女の言動は一部信用できないところもあるわ。でも、その力は本当。私も150㌔離れたところから演習用のトマホークで撃沈判定出されたわ。」

 と、話す加賀。みらい を始めとする海上自衛隊の護衛艦娘達。装甲は駆逐艦程度しかないが、速度はあの島風を越え…。その上、ミサイルを積み自動発射の砲を持っている。中でも、ゆきなみ型艦娘は海上自衛隊初の対地攻撃能力を持っている。それがトマホークミサイルだ。

 「そうだったの…。」

 ミズーリが呟く。そして加賀がある説明をする。

 「…みらい。彼女達海上自衛隊の護衛艦娘達の一番大切にしていることは分かる?」

 「え?」

 アイオワが疑問の声をあげる。

 「…専守防衛。つまり護りに徹し攻撃は必要最低限のみ行う。つまり、相手の攻撃を受けてから初めて軍事力を行使すること、その程度は自衛に必要最低限の範囲にとどめ、相手国の根拠地への攻撃を行わないこと、自国領土またはその周辺でのみ作戦することなどである。戦力不保持・交戦権否認を規定する日本国憲法第9条と整合性を持った受動的な軍事戦略という訳。まぁ、今は深海棲艦が出現したことによって専守防衛の姿勢は崩れ始めているわ。」

 加賀の説明は自衛隊の存在意義についての事も含まれていた。

 「…私がワスプさんに撃ったトマホークミサイル。私は、直前にあったワスプ艦積機の攻撃に対して…。実は最初は必要最低限の武装を使うと砲雷長から指示を受けました。その為、雷撃隊の撃墜で戦意喪失させようとしました。でも、戦意喪失はならず…。かえって相手の戦闘意欲を上げた。シースパローや127ミリ砲で応戦してもダメ。そしたらあのドーントレスの特攻…。それで私は大きなダメージを受け、初めて戦争を知りました。そして、第二次攻撃用意の無線を傍受。トマホークミサイル発射を行いました。」

 みらい は対ワスプ戦の時のことを話した。その話にワスプは…。

 「あなたがそんな葛藤をしていただなんて…。」

 と、呟いた。そして…。

 「大統領と星条旗の下において、私は貴女の正体を調べる任務が与えられていた。でも、あなたは戦争したくなかったのね。…ごめんなさい!」

 ワスプ は深々と頭を下げた。

 「頭を上げてください。」

 「私こそ、あなたをトマホークで仕留めてしまった。身を守るとはいえ、あの時はトマホーク発射しか方法が無かった。お詫びしなくてはいけないのはこちらです。」

 こうして みらい と ワスプ。二人は仲直りした。過去の戦闘があったとはいえ、今は艦娘同士同じ仲間だ。

 

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