いつものラビットハウス。
最近ちょっとリゼの様子がおかしい?
話を聞いてみると、とあるお客さんが来てから、無意識にハートのラテアートばっかり無意識に書いちゃうみたいで。
これってまさか、恋の予感ですか!?

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シナリオ風短編

リゼ:はぅぅぅ…

 

 

ココア:リーゼちゃんっ? どうしたの?

 

 

リゼ:わっ! こ、ココア。びっくりさせるなよ。

 

 

ココア:なにこれ? カフェラテがいっぱーい! ハートマークばかりだね。かわいい! リゼちゃんが描いたの?

 

 

リゼ:ま、まぁな

 

 

ココア:珍しいね。いつもは銃とか戦車とか、危険な硝煙の香りがするのに〜。

 

 

リゼ:……あ、あのな、ココア

 

 

ココア:なぁに?

 

 

リゼ:ちょっとだけ、相談があるんだ……耳を貸してくれ。(耳元で)最近、気が付いたら、ハートのラテアートばっかり描いちゃうんだ。こんなの、おかしいよな?

 

 

ココア:う~ん……リゼちゃんらしくないような気はするけど……なにかきっかけがあったの?

 

 

リゼ:そ、それが……。その、最近、よく来るお客さんがいるだろう?ほら、あの、無精髭で、ウェーブのかかった長めの髪で……

 

 

ココア:いつもカフェラテを注文してくれるおじさんのこと?

 

 

リゼ:そ、そう! その人だ。前に、ラテアートを見て「素敵だね」って言ってくれて……。

 

 

ココア:それから、いつもリゼちゃんにばっかり注文するんだよね。

 

 

リゼ:う、うん…。だから、もっとラテアートを上手くなりたいなって思って。それで、練習してたんだが、なぜか気が付いたらハートマークばっかり……。わ、私、どうしちゃったんだろう。

 

 

ココア:(目を輝かせて)リゼちゃん!

 

 

リゼ:な、なんだ?

 

 

ココア:恋だね! それは!

 

 

リゼ:こ、こここ、恋!?

 

 

ココア:うん! 間違いないね! リゼちゃん、おじさんのことが好きなんだよ。

 

 

リゼ:そ、そんな。でも、よく知らない人だしっ。

 

 

ココア:ううん! 恋に理由なんていらないよ! 私だって一目見てチノちゃんのこと好きになっちゃったもん。

 

 

リゼ:それはちょっと違うだろ!?でも……こ、恋かぁ……。したことないから、よくわからないけど。でも、確かに、親父以外の男の人のこと、こんなに考えるのって、初めてかも。

 

 

ココア:そういうと、あのおじさん、ちょっとだけリゼちゃんのお父さんに似てるよね~。おひげとか、髪型とか。

 

 

リゼ:ま、まぁ、ほんのちょっとだけな。あと、意外に鋭い目つきもな。あれは絶対、戦場で死地を潜り抜けたの経験がある男の人の目つきだ!

 

 

ココア:危険な香りだね!

 

 

リゼ:そういったところに、も、もしかしたら惹かれているのかもしれないな……。

 

 

千夜:じゃぁ、気持ちを伝えてみましょうよ~。

 

 

リゼ:うわっ!

 

 

ココア:千夜ちゃん、いつのまに!

 

 

千夜:チノちゃんに頼まれたのよ。「ココアさんが接客ほっぽってどこかに行ってしまったから探してください」って。

 

 

ココア:あ……。

 

 

リゼ:お前、休憩中じゃなかったのか。

 

 

千夜:珍しくお客さんがたくさん来てるから、チノちゃん一人で大忙しよ~。

 

 

ココア:ふぇーん! 怒られちゃう! リゼちゃん、一緒に謝って~!!

 

 

リゼ:自分のせいだろ! ……まったく。休憩中だったけど、私もホールに入ってやるよ。

 

 

千夜:私も手伝うわっ♪

 

 

リゼ:いや、違う店の制服で手伝われたらややっこしくなるから……。

 

 

千夜:とぉ! コーヒー3刀流~!! お茶じゃなくてもできるわよ~

 

 

リゼ:いいからっ!

 

 

 

場面転換:ホールにて

 

 

 

ココア:チノちゃん、ごめんね~!

 

 

チノ:あ、ココアさん。もう、いったいどこ行ってたんですか。

 

 

ココア:あのね、それはね、実はリゼちゃんが~……

 

 

リゼ:こ、こら、ココア! 人前でいらん話をするな!!

 

 

ココア:むぐぅぅ~

 

 

チノ:リ、リゼさん?

 

 

リゼ:あ、いやちょっとな。あはははは。ま、まぁその、なんだ。私がココアを引き留めちゃってたんだ。今回は許してやってくれよ。

 

 

チノ:は、はぁ。

 

 

ココア:リゼちゃん、苦しいよ~

 

 

リゼ:あ、悪い!

 

 

ココア:ぶはぁ! あ!

 

 

リゼ:ん?

 

 

ココア:例のおじさんだ!

 

 

リゼ:うわわわっ!

 

 

チノ:ど、どうしたんですか? 急に私の後ろに隠れたりして。

 

 

リゼ:いや、その!意識したらなんか急に気恥ずかしくって!

 

 

チノ:???

 

 

ココア:あのね、リゼちゃんはね、あの人のことが好きなんだよ~

 

 

リゼ:ちょっ! こ、ココア!?

 

 

チノ:え? そうなんですか?

 

 

ココア:人を好きになるって素敵なことなんだから、隠すことないよ~

 

 

リゼ:で、でも……

 

 

ココア:ね、チノちゃんっ!!

 

 

チノ:あ、は、はい。……それは、そうですね。

 

 

ココア:ほらね!

 

 

チノ:あの、リゼさん。私は、その……恋とかしたことないですが、その……そういうのって、素敵だと、思います。

 

 

リゼ:チノ……。

 

 

ティッピー:青春、じゃな。

 

 

ココア:ち、チノちゃん!

 

 

チノ:ココアさん?

 

 

ココア:恋をしたことないって、そんなことないよね? チノちゃんは私に恋してるよね!?

 

 

チノ:してません! というか、とりあえず、お客さんの対応をしましょう。今日は大盛況なんです。

 

 

リゼ:そ、そうだな。

 

 

ココア:うぅぅ。チノちゃん、ひどい。でも私、頑張るよっ!

 

 

 

(間)

 

 

 

 

リゼ:ふぅ……。だいぶお客さんもはけてきたな。

 

 

ココア:やっと一息つけるよ~。

 

 

チノ:お疲れ様です。

 

 

ココア:やっぱり今日もおじさん、リゼちゃんに注文してたね。

 

 

リゼ:う、うん。

 

 

ココア:他の人に注文しても、『あのツインテールの子にラテアート描いてほしい』って言うし。 絶対にリゼちゃんに気があるよ。仲良くなるタイミングを探してるんだよっ!

 

 

リゼ:そ、そうだと、いいな……。

 

 

チノ:今回もラテアート、描いたんですか?

 

 

リゼ:あぁ!……渾身のM3リーを描いたぞ!

 

 

ココア:カップをおじさんのところまで運ぶ時のリゼちゃん、真っ赤になってて可愛かったよ。

 

 

リゼ:う、うるさい。

 

 

チノ:でも、おじさん、すごくうれしそうでしたね。リゼさんの描いたラテアートを、飲まずにしばらくうっとりと見つめてました。

 

 

ティッピー:そうじゃのぉ。

 

 

ココア:そうだ! ねぇ、リゼちゃん!?

 

 

リゼ:な、なんだ?

 

 

ココア:さっきみたいな、ハートのラテアート、描いてみようよ!

 

 

リゼ:あれを?

 

 

ココア:うん。リゼちゃんって、いつもは絶対に戦車か武器しか描かないでしょ?

 

 

リゼ:まぁな。

 

 

ココア:それが、おじさんにだけはハートマークを描いて持っていくの。それって特別ってことでしょ~。きっと気持ちが伝わると思うの!

 

 

リゼ:気持ちが……伝わる……。

 

 

チノ:それ、素敵だと思います。ココアさんにしては名案です。

 

 

ココア:えっへん!

 

 

リゼ:そうだな……やってみても、いいかも……

 

 

ココア:あ! まさに今、おじさんが手を挙げてるよ。はいは~い! リゼちゃん!カフェラテ、お代わりだって!さっそくチャンスだよ!

 

 

リゼ:う、うわわわわわわ

 

 

チノ:り、リゼさん、落ち着いて頑張ってください!

 

 

リゼ:ハート…ハート……うぉぉぉぉぉぉ!!!

 

 

チノ:す、すごい気合です!!

 

 

リゼ:お待たせしました!

 

 

おじさん:ありがとう! ……あれ? いつもの戦車じゃないんだね?

 

 

リゼ:えと、あの、その……こ、これは、つまり……

 

 

おじさん:残念だなぁ。戦車のアートが見たかったんだよなぁ。

 

 

リゼ:えぇぇ!?

 

 

おじさん:僕はね、戦車が好きなんだ。生まれてこの方、戦車以外に興味を持ったことがなくてね。ハートなんか描かないで、戦車をもっと描いてほしいな~。

 

 

リゼ:は、ハートは、お嫌いですか?

 

 

おじさん:もちろんだよ、そんななよなよした女らしいの。僕ね、女の子にも興味ないんだ。人生これ、戦車だけ。

 

 

リゼ:そ、そうですか……。

 

 

 

とぼとぼと戻ってくるリゼ。

 

 

 

チノ:リゼさん!

 

 

ココア:戦果はどうだった?

 

 

リゼ:げ、撃沈だ~! ハートの絵はいらないって言われた!

 

 

ココア:えぇ~

 

 

リゼ:それに、私ばかり指名していたのは、私に興味があるからじゃなくて、戦車の絵が好きだかららしい。とんだ勘違いだ……。道化だ〜。

 

 

ココア:ど、どんまいだよ!

 

 

チノ:そうですよ! まだ振られたわけではありませんから!

 

 

リゼ:でも、あぅぅぅ……なんか、まいあがってしまって恥ずかしい……

 

 

 

と、ドアが開いて息切れしたシャロが入ってくる。

 

 

 

シャロ:せ、先輩っ!!

 

 

リゼ:しゃ、シャロ?

 

 

シャロ:あ、あの! 先輩に恋人が出来るかもって聞いて……ほ、本当ですか?

 

 

リゼ:千夜のやつだな……出来てないよ。

 

 

シャロ:ほっ……よかったぁ……。

 

 

リゼ:え?

 

 

シャロ:い、いえいえ、何でもないんです! ……あ、いっぱいハートのラテアート。

 

 

リゼ:あぁ……さっき描いてたの、そのままにしちゃってたな。

 

 

シャロ:ハート……リゼ先輩の描いた……ハート。あぁ、飲み干してしまいたい。カフェインさえ苦手じゃなかったらっ!

 

 

リゼ:なんだ、シャロ。ラテアートに興味があったのか?

 

 

シャロ:ふぇ!? そ、そうですねっ! こういうの、大好きなんですっ

 

 

千夜:じゃぁ、みんなでラテアートの描きっこでもしましょう。

 

 

ココア:あ、千夜ちゃん。

 

 

リゼ:う~ん、そうだな。お客さんも、もうみんな帰ったし。ココアの練習にもなるしな。

 

 

ココア:楽しそう! わたしチノちゃん描こうっと! チノちゃんは私を描いてね!

 

 

チノ:恥ずかしいからやめてください……。

 

 

千夜:うふふ、シャロちゃんはリゼちゃんを描くのかしら?

 

 

シャロ:か、描かないわよ! そもそも、私ラテアートなんて描いたことないし。

 

 

千夜:じゃ、リゼちゃんに教わったら?

 

 

シャロ:せ、先輩に手取り足取り……って、そういうの、いいから!

 

 

チノ:はい。完成しました。ココアさんです。

 

 

ココア:うわ~! これ私? なんだかまがまがしいね!

 

 

チノ:ココアさんの内面からにじみ出るオーラを表現してみました。

 

 

リゼ:あ、相変わらずのフォービズムだな。

 

 

ココア:私のはこれだよ~!

 

 

チノ:……『妹』って描いてあるだけじゃないですか!

 

 

ココア:えへへ~。『私の可愛い妹チノちゃん、大好き!』って描きたかったんだけど、スペースがなくて。

 

 

千夜:じゃ~ん! わたしのはこれよ~

 

 

シャロ:どうして私の家を描くのよっ! 甘兎庵描きなさいよっ!

 

 

千夜:うふふふ~。ところで、シャロちゃんもなにか描いてたわよね

 

 

シャロ:それはまぁ、その……、れ、練習というか。やっぱし一応、描いてみようかなって……。(ほ、本当は、先輩への思いを込めて、ハートマーク、描いちゃった……。思ったよりもきれいに描けたし……先輩にだけ、こっそり見せようかな)あ、あの、リゼ先輩!

 

 

リゼ:どうした、シャロ?

 

 

シャロ:あ、あのですね……

 

 

 

唐突に覗き込んでくるココア。

 

 

 

 

ココア:シャロちゃんはどんなの描いたの~?

 

 

シャロ:うわわわわっ!

 

 

あわてて、見られまいとカフェラテを飲み干すシャロ。

 

 

シャロ:あっ……! 思わず飲んじゃった。

 

 

リゼ:ちょっ、シャロ、大丈夫か?

 

 

シャロ:ひっく……うぇへへへへ~!! リゼしぇんぱ~い、心配してくださるんですか!? 優しいです~!!

 

 

リゼ:うわわわ、完全にカフェインでハイになってる!

 

 

シャロ:リゼしぇんぱ~い!!! 

 

 

千夜:(恋する乙女なリゼちゃんも良かったけど、やっぱりシャロちゃんとじゃれあってるのが一番似合ってるわ~)シャロちゃん、ファイトっ!

 

 

リゼ:た、助けてくれ~!!

 

 

 

(完)

 




というわけで、大好きなごちうさで、ちょっとした短編シナリオ風味を書いてみました。これで完結です。
いつもはR-18タグで「哲也の冒険」というわけのわからんミステリーチックなものを書いてるのですが、ちょっと気分転換で、普通にかわいい感じのを書いてみました。
こういうのでオリジナルの男性が出てきちゃうのっていいのだろうか。
ご意見・ご感想・お叱りなど、いろいろとアドバイスを頂ければありがたいです。

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