インフィニット・オンライン ~孤高の剣士~   作:黒ヶ谷・ユーリ・メリディエス

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 どうも、おはこんばんにちは、黒ヶ谷です。

 今話はオールユウキ視点。やっぱこの子、主人公気質だわ(しつこい)

 文字数は約一万四千。

 ではどうぞ。



 ――諸々含めた伏線回である。





第六章 ~偶像とは~

 

 

 食材収集クエストに回っていたクライン達と合流した後、夜も遅く、エギルやキリトといった別行動を取る者も出た事で今日は解散する流れになった。これからまたクエストに出るには現時点で午後十一時を回っている以上時間が足りないからだ。

 またクエストに出るのが難しいなら――とある人物(キリト)のように――街の散策に時間を費やすのも一興だ。

 事実自分達はNPC店舗の品揃えを殆ど把握していない。SAOデータのコンバート、且つ本土で多少レベリングしている身なので武具に関しては新調する必要が無いが、回復アイテムや素材などに関してはそうもいかない。時にはドロップを求めるより店舗購入した方が速い場合もある。

 大規模アップデート当日の深夜、仕事が終わって寝るまでの僅かな時間で少しでも遊ぼうとする人がログインしてきて、まだまだプレイヤーの姿は溢れかえっている。

 人酔いしそうな状況だが、独特の活気があるのはALOが人気という証左でもあり、そこはかとなく楽しくなる。お祭り気分というやつだ。

 SAOではあまり気を抜く事が出来なかった。

 圏内コードに護られているから泥棒の心配は不要だったが、MMORPGのお祭り関連のクエストは材料集めを初め圏外に出るものが多い。街から出ている間は一瞬たりとも気を抜けなかった。

 ――しかし、この世界に於いては、純粋に楽しめる。

 最前線攻略を志す面子の競争も、勢力の均衡も考慮せず、一プレイヤーとしてお祭りクエストに参加できる事のなんと身軽な事か。

 リーファと二人で街を巡りながら、ボクは感慨深く思っていた。

 

「――リーファ? リーファじゃないか、久しいな!」

「ん?」

 

 酒場や宿が面した大通りを抜け、闘技場がある噴水広場に差し掛かったところで、誰かが声を掛けて来た。それは一緒に街を見ていた風妖精に対して掛けられたもの。

 揃って声がした方を見れば、そこには錚々たる顔ぶれが並んでいた。

 先頭に立つのは深緑の長髪をたなびかせ、薄緑色の袴を纏い、肩から身の丈大の長刀を掛けている彼女は風妖精族の領主プレイヤー《サクヤ》。同族の実に七割の支持率を得て初めて就ける領主を何期にも渡って務めているという才女だ。

 彼女の後ろもほぼ同等の地位に就く者達ばかり。

 彼女らの後ろには、空都ラインでも一際目立つ巨大な建造物《グリトニルの塔》が聳え立っている。彼の塔はギルドマスターや領主とその側近など、システム的に人を束ねる地位にある上位者のみが入場を許される特殊な会議場であり、仮令圏内コードで禁じられていなくとも武器を抜く事すら許されないという根本的に武力行使を禁じられた場所である。

 本来種族領から出る事が無い――暗黙の了解で許されていない――領主が揃い踏みしているのも、さっきまであそこで会議をしていたと見て間違いない。大方スヴァルトエリアの攻略に種族勢力がどう絡むかの談合だろう。

 

「リーファ、知り合い?」

 

 しかし気になるのは、仮令同じ種族であっても領主に顔を覚えられている事――――ではなく、友好的な態度を取られている事だった。ALOにかなり前から居た経歴があっても流石に中々無い事だ。

 【絶剣】としてSAOでのボス戦放映から認知されている自分は、コンバートデータを使っているせいで容姿も装備もほぼ変わっておらず、すぐに同一人物と認識された。自慢では無いがこのALOに於いてもそれなりの実力者として名を馳せているのである。

 ――だが、それでも自分は、闇妖精(インプ)の領主とは顔を合わせていない。

 自分が権力者を疎んじているからだが、最初から種族に帰依するつもりが無い自分は脱領者――――すなわち裏切り者扱いされるため、ハッキリ言って領主の敵にも等しい。中立域で活動するという事は、種族に囚われる事の無い交友関係を築くという事を意味しており、各領主が目指すべきグランドクエスト攻略への道の進展に寄与しないためだ。

 だからこそ、種族領を離れた者達は、種族に帰依している者達から脱領者(レネゲイド)と言われ、蔑視されている。

 SAO組は選んだ種族がてんでバラバラ。それでもALOをプレイするなら脱領者になるしかなく、ALOの古参プレイヤーであるリーファも当然それに順じた。彼女が央都アルンにホームを所持しているのも、全ては他種族を選択した義弟、義妹達との関係を優先したからだ。

 よって領主と脱領者の関係上、ハッキリ言って友好的な関係を築ける筈が無いし、仮に覚えられていても率先して声を掛けて来るのは違和感がある。

 その疑問を込めてリーファに問い掛けると、彼女は胡乱な目つきで風妖精の領主を見つつ、首肯した。

 

「ええ、まぁ……SAOに巻き込まれる以前に少しだけ交流があったんです」

「にゃはは! 領主の茶飲み友達にまでなってる交流を『少し』扱いって、リーファちゃんも図太いネー! 身辺警護に気を張る立場相手に普通はそう言えないヨ!」

 

 微妙な面持ちで答える彼女を笑ったのは、焼けた肌色の猫妖精領主だった。彼女も領主として何期にも渡って務めている敏腕と聞いた事がある。名を《アリシャ・ルー》という。

 猫妖精は他種族よりも圧倒的な使い魔テイムボーナスを有しているので、立場が上になればなるほどテイムモンスターを連れているものだが、今の彼女の近くにそれらしき姿は無い。塔から出たからか流石に武器らしいクローは腰から吊るしているが、使い魔はどこかに置いて来ているらしい。

 

「ALOで会うのは一年近くぶりだな。壮健そうで何よりだよ」

「あー、うん……サクヤも元気そうね。あの塔の中で会議をしてたの?」

「うむ。この【スヴァルト・アールヴヘイム】に於いては領主の座に就くプレイヤーでも気兼ねなくフィールドに出られる特殊ルールがあるからな、その辺の協定について話し合っていた」

「本土だと他種族にPKされると関税モロモロを背負っちゃうけど、此処では例外的に無いからネ。普段マトモに遊べない身としてはここぞとばかりに遊んでおきたい訳なの」

 

 サクヤとアリシャがほくほく顔で答える。

 勝手なイメージではあるが、割と伏魔殿並みに腹黒いやり取りをしてそうな面々がそうと感じさせない雰囲気なのは、普段気楽に遊べない自分達も遊べるからと陽気になっているかららしい。

 ――アリシャが言ったように、領主は他種族にPKされると、自種族に様々なデメリットを負わせてしまう。

 好きなように関税を掛けられるし、領主館が蓄えている莫大な資金の六割を無条件で搾取出来る。最早一度でもPKを許してしまっただけで種族間抗争のレースから蹴落とされる程に致命的なデメリットだ。故に護衛を常に侍らせておく必要があるし、圏外フィールドに出るなんて殆ど無い。

 しかしこのスヴァルトに於いてはその辺のデメリットが無く、彼女らも一般プレイヤーと変わりなく遊べる。

 ただその辺を知らない側からすればここぞとばかりにPKを狙う輩が出るだろう。また最前線攻略に関して各種族の精鋭を運用するのか、あるいは各プレイヤーに好きに行動させるのか、領主プレイヤーが揃えられる戦力――この場合はパーティー、レイドなど――はどこまで許容するべきかなどを、先程まで話していたと見て間違いない。

 流石にオフレコで内容を話すには人目が多すぎるためか、彼女達も核心を語る事は無かった。

 

「それよりもリーファ、こっちに戻って来ていたなら顔を出してくれてもいいじゃないか。SAOに巻き込まれてから君とのフレンド登録が消えているから連絡の取りようが無くて困っていたんだぞ。レコンとも顔を合わせていないそうだし」

「レコンの場合は()()()()()()()()()()()だけだからあたしに言われても……というか、リアルでは偶に会ってるし……」

 

 レコンとは彼女によれば『ALOを紹介してくれた同級生の男子』だという。ALOに於いて肝であり生命線とも言える飛行戦闘は飛行酔いのせいで極めて弱く、同時にあまり気が強くないせいで接近戦にも強くなく、ここぞという時に踏ん張りが利かない男子らしい。魔法を使った支援は得意だが、使用している武器は接近戦を強いられる短剣というあべこべな選択をしている。話に訊いた限りビルドで言えばシーフが近いようだ。

 彼女がALOを紹介した人物と別行動を取っているのは、空を飛ぶ事に魅入られた彼女と飛行酔いを呈する彼とでは反りが合わなかったから。更に言えば強者との戦いを求める気質ともまるっきり反目している。

 以前から義弟にべた惚れだった彼女からすれば、気が弱く、実力も低い同級生の事は魅力的では無かったのだろう。

 そのせいかリーファの返す声もかなり微妙なものだった。リアルで会ってるから仮想世界では別にいいでしょ、と考えてそうだ。あまり会いたいとは思えない手合いらしい。

 基本的に対人関係にフラットなリーファが面倒そうな態度を取るとは、一体レコンとはどんな人物なのか……

 

「それに連絡って言っても、また前みたいにお茶の誘いにかこつけた勧誘でしょ? あれはもうウンザリだよ。領主館に入るのも針の筵感がしてイヤだし、そもそも今のあたしは脱領者(レネゲイド)だから入れないでしょ」

「イヤイヤ、リーファちゃんなら自種族の領主館に入れるでしょ、初代領主なんだシ」

「……えっ」

 

 アリシャがサラリと言った内容に驚き、思わず声を上げる。ふと隣の妖精を見ると凄まじく渋い顔で猫妖精の領主を睨むリーファの顔が。

 

「リーファって風妖精の初代領主だったの?」

 

 この反応から多分本当なんだろうと予想しながら取り敢えず訊く。リーファは暫く無言だったが、徐に溜息を吐いた。

 

「……ええ、そうですよ。確かにあたしは風妖精の初代領主をやってました」

「へー……初めて知ったよ」

「ま、一ヵ月の任期で代替わりしたお飾りです。あたし以外にも一ヵ月単位で代替わりする事はザラなので大して凄くないですよ」

「いやー、それでも選ばれたんなら凄いと思うよ。でも何で教えてくれなかったの?」

「自分からそういう事を言うのは好きじゃないですから」

「とか言いながら、リーファちゃんってば今でも領主の指輪を嵌めてるよネー。見る人が見れば一発で分かっちゃうヨ?」

 

 渋々と事実を告げる彼女の右手を指しながら、アリシャが言う。

 プレイヤーが装備出来る指輪スロットは左右の手で一つずつ。その内の右手側に、彼女は『祈りを捧げる女性を風が包み込むレリーフ』が掘られた指輪を中指に嵌めていた。

 

「ちなみに私も同じものをしているよ」

 

 現領主がそう言いながら、同じく右手中指に嵌めている指輪を見せてくれる。補足でそれを所持、且つ装備出来るのはシステム的に領主と認められたプレイヤーのみらしい。だから預ける事すら不可とされている。ついでに言えば捨てる事も不可。証である指輪を持っている者は、すなわち領主である事を意味する為だ。

 厳密にはシステム的に領主と認められたプレイヤーが、領主としての権限を行使する際の鍵として機能するため、リーファがそれを使ったところで権限を行使する事は不可能である。

 ちなみに装備していると全ステータスに補正が掛かり、更に取得経験値量も増えるらしい。普段外に出られない領主への配慮というやつだろう。

 

「ほへー……いやぁ、でもコレは言われないと分かんないかなぁ、そもそも領主の指輪なんて普段気にしないもん。ステ補正とか経験値補正とか今初めて知ったよ」

 

 それだけで超貴重なレアアイテムだが、領主になった事があるプレイヤーでなければ所持すら認められないのでは需要などある筈が無い。それを求めて領主になろうとする俗物は選挙の時点で落選間違いなしだから現実的でも無い。だから一般に流布されていないのだろう。

 ただの装飾品にしか思えないアイテムを気に掛けるなんて、それこそ装飾品に目が無いマニアくらいなものだ。

 自分も『SAOの頃から変わらないなー』程度の認識だった。

 

「だからみんなの前でも着けてるんですよ。自分から言うのが嫌なだけで、知られる事そのものは別に構わないので。領主から退いた今では便利な装備品くらいの認識です」

 

 SAOでは装備効果は無かったですが、と付け足すリーファ。その顔はやや歪められていた。

 

「その割に物凄く渋い顔をしてるように見えるけど?」

「……ごく個人的な事情なので、気にしなくても結構ですよ」

「や、そう言われると逆に気になるんだけど」

「気にしないで下さい」

 

 気になって問い掛けるも、やや強い語調で返され、閉口せざるを得なくなった。ここまで断固として語りたがらないとなると相当イヤな思い出があるらしい。流石にそれを根掘り葉掘り問い質すのは気が引ける。

 

「あー……まぁ、リーファは当時、結構イヤな思いをしていたからな……」

「今はそうでもないけど、各種族の初代領主で女性だったのってリーファちゃんだけだったんだヨ。しかも恐ろしく強かったせいで『女だてらに生意気だ!』ってやっかまれてネー……」

 

 ちなみにアタシとサクヤちゃんは二代目ネ、とアリシャが言って来る。ALOサービス開始から一年半が経つ今に至るまで任期が長いとは領主として極めて有能という事だ。カリスマ力があるのだろう。

 ……しかし、教えてくれるのは有難いのだが、それを語られたがらないでいる本人の前で言っていいのだろうか。

 

「はぁ……もう好きにして下さい」

 

 気になってリーファを見れば、彼女はもう諦めたのかあらぬ方を向いて諦観を見せていた。そんな彼女に事の成り行きを見守っていた後輩領主達も同情的だ。

 

「やっかみかぁ……それはまぁ、ある意味宿命みたいなものだよねぇ……」

 

 人からやっかまれる事は、強くなっていく人にとって付き物と言える。

 特にVRMMOの観念が浅かった時期だと男女のステータスに差が無い事をあまり知られていなかったせいで女性に対するものは余計多かっただろう。SAOでの自分の経験もALOでのリーファの経験も根底は同じなのだ。今はVRMMOが世に出て数年経っているからそれが収まっているだけ。

 

「【絶剣】と名高いキミも覚えがあるのかな」

 

 名乗っていないのに言い当てられた事に驚く事無く、ボクは苦笑を浮かべた。正直心当たりがあり過ぎる。

 

「女で、しかも子供だからね。それはもう沢山あったよ。幸い仲良くなれる人の方が多かったけどさ」

 

 キリトに較べれば軽んじられる事は少なかったが、それでも確かにやっかみはあった。【絶剣】という二つ名が定着する前は見くびられる事も少なくなかった。

 リーファもあまり名前を知られていなかったから同族からやっかまれ、見くびられたのだろう。リーダーがあんな図抜けた剣腕を持つ人と知っていればやっかんだとしても嫌な思いをさせてまで排斥しようとはしなかった筈だ。

 多分だが、サクヤはそれを知っているから勧誘を続けているのだと思う。

 でもリーファは同族の嫌がらせに辟易しているから戻る気は無い。定期的にシルフ領に戻っていたが、義弟や仲間の事が良い機会になり、今は思い切って脱領者として独立している。

 リーファは若干人嫌いなところがあると思っていたが、その原因でこれではないだろうかと思ってしまう事件だ。

 

 ――いや……でも、それだとそもそも領主になれないような……?

 

 そこで、ふと引っ掛かる事があった。領主になるには同族の七割もの得票率を必要とする点だ。領主になってからやっかみで追い落とされるなら、なんで七割も得票出来たのかという話になる。やっかまれていたなら最初から得票なんて無いに等しい筈だ。

 だとすれば、リーファが領主になってからやっかんで、その立場を我が物にしようと目論み、【白の剣士】の如く裏で扇動した輩が居るのではないだろうか。

 そして、多分それはリーファも気付いている。だから戻りたくない意思をこれでもかと表明しており、領主騒ぎの件を触れて欲しくなさそうにしている。

 そう考えれば、自然と辻褄が合う気がした。

 政治が絡む事は正に魑魅魍魎、陰謀術数渦巻く伏魔殿の如し様相だ。獅子身中の虫が居る場所へ戻りたいと思う酔狂な人物などそうは居ない。

 むしろそんな場所に一年以上居座っている二人の辣腕ぶりに舌を巻く。人を指導する能力があるリーファが、人を率いる事業に向いていないとは思えない以上、相対的にサクヤの能力が極めて高いという訳だ。女性ながら二代目という点が支持率の高さと辣腕ぶりを客観的に示している。

 ……リーファがスパルタ指導をしていなければ、の話だが。

 流石に志や覚悟を決める機会が無い一般人相手に義弟と同レベルのものを求めるのは酷というものだ。

 

「――そういえばリーファ、気になっている事があるのだが」

 

 ――その思考を寸断するように、サクヤが話題を変え始めた。

 今更思うのだが、ずっと黙ったまま見守っている領主達は、何でここに居続けているのだろうか。

 

「なに?」

「君の義弟……キリト君、だったかな? 彼は一緒じゃないのかい?」

「――あの子に何か用でも?」

 

 義弟の所在を問われ、あらぬ方を見ていたリーファの視線がサクヤに向けられる。月明りを受けた翡翠の瞳がまっすぐと友人である女性を射抜いた。

 ぐ、と領主達がたじろぐ。

 

 ――なるほど、この人達の狙いはキリトか。

 

 領主は暇じゃないだろうになんでずっと居続けているのかと思えば、なんてことはない、キリトと顔を合わせたいと思っていたからだ。

 SAOでのボス戦放映により、織斑一夏(キリト)桐ヶ谷直葉(リーファ)が義理の姉弟関係である事は周知の事実。であればリーファ居る所にキリト在りと思われるのも必然。近くに居なくても、どこにいるかは把握しているだろうと考えられてもおかしくない。

 そしてキリトは、多くの仲間に助けられながらラスボスを倒した、SAO解放の立役者だ。

 ラスボス――《アン・インカーネイティング・ラディウス》は、攻略不可能とすら言われる程に狂った性能を誇っており、その強さは開幕一分でキリト以外が全滅した事からも明らかだ。しかしそれですら底が見えていない。その底を見せたボスを単独で破ってみせた彼は事実上最強の剣士だ。

 彼はALOへデータをコンバートしていないからステータスも装備も弱者の分類に入るが、実力は折り紙付きだ。元々レベル制が廃止されているALOプレイヤー間の差の大半は装備によるものであるため、一度勢力に入れてしまってから強力な装備を与えれば、極めて強力な戦力として役立つ事になる。それこそ領主自ら参戦出来るスヴァルトエリアの攻略で荒稼ぎする為の駒にはうってつけだ。

 だから少しでもコネクションを築いておきたい。まずは顔合わせから……と、そう考えていたのだろう。

 ――一瞬にして感情が冷めた事を自覚する。

 現実でも、仮想でも、彼を利用しようと考える輩ばかりか。

 

「友人であるリーファの義弟と会ってみたかったんだ。噂では彼の統率力はかなりのものだったそうじゃないか、一指導者としてとても関心を寄せられる。是非とも一度意見を交わしてみたいのだよ」

 

 ――しかし、目の前の女性は違った。

 風妖精の領主サクヤは純粋にそう思っているのか、怯む事無く、屈託なくそう言ってのけたのだ。同族や他種族の脱領者相手に忌憚なく接する度量は紛い物では無いらしい。

 

「そうだネー、アタシも会ってみたいかナー。最年少ながら最強。うんうん、端的に言って凄く興味をそそられるよネ。()()()()()()()()()()()

 

 【歌姫】セブンはリアルに於いて天才科学者として台頭した十二歳の少女。今年で十三歳を迎える彼女はアメリカを拠点に仮想世界について様々な研究をしており、VR技術の発祥の地である日本を来訪している人物だ。

 ――そして、キリトが注意しろと言ったギルド《三刃騎士団》のリーダーでもある。

 

 

 

「――あの子は、()()()()()()人間じゃない」

 

 

 

 アリシャは『幼いながら図抜けたものを見せる』部分から例として引っ張って来たのだろう。そこに他意も悪意も無かったのだと思う。

 ただ、リーファにとっては黙ってられない発言だったようで、絞り出すように反論していた。

 翡翠の瞳には、純粋な怒りだけが浮かんでいた。

 

「和人は()()()()()()()()ただの子供でしかない。統率者だとか、最強だとか、そんな目であの子を見ないで。たった十一歳の子供に()()を押し付けないで……あの子は……――――あの子は……!」

 

 ――それは、彼女なりの叫び。

 リアルに戻ってからも安息を得られず、何かしら背負い続けている事を思い悩んでいる彼女の慟哭。

 価値を認められる事に喜びつつも同時に嘆いている姉の悲哀。

 幼さに反し、求められる価値の高さ。それはどんどん義弟の素顔から乖離していて、作られた仮面ばかりが求められるようになっていく。

 彼の在り方が歪められていくのだ。

 ある意味、それは仕方のない事だった。本人と会った事が無い人からすれば『SAO解放者』や『織斑一夏』としてのイメージ、ボス戦放映で見せた鬼神の如き戦いぶりしか分からず、素顔なんて察しようが無い。むしろ自分やアスナのように少しでも見れている方が稀有な例。彼自身もそれを理解し、覚悟の上でいる。

 だからリーファの怒りは傍から見れば唐突なもので、ともすれば理不尽なものに映ってもおかしくなかった。それを証明するように話を聞いていた領主組の数人は顔を顰めていた。

 

「……気を悪くさせてしまったようだな。すまない、リーファ」

「んー……アタシも、ごめんね? 事情はともかく凄く嫌がってるのは分かったヨ」

 

 それに反しリーファと知り合いの領主二人組は素直に謝意を示した。詳しい事情が分からないから具体的に謝れていないが、それでも理不尽に近い怒りを受け止めたのは素直に凄いと思う。

 彼女達もキリトを貶めるつもりで言った訳では無いのだ。むしろ彼の事を褒めていた。

 ただ、そう――リーファにとって、義弟の認識が【黒の剣士】になっていく事が、恐ろしかっただけ。平穏な日常を望む少年の姿が薄れていく事が恐ろしいから過剰に反応してしまった。それを自覚しているのか、はっと我に返った彼女はすぐに頭を下げた。

 

「その……ごめんなさい、いきなり怒って」

「構わないよ。それだけ彼の事を大切に思っている証拠だ、咎めなんてしないさ」

「流石にびっくりしたけどネー。もしかしてリーファちゃん、結構ストレス溜まってる?」

「……少し」

 

 アリシャの恐れ知らずな問いに、リーファは若干目を反らしながら答える。

 実際少しどころじゃないよなぁ、とボクはここ暫くの彼女の様子を振り返って思う。大変な日々だろうが漸く義弟と暮らせるようになると思えば『更識』とかいう家に引き取られる事になり、期待を裏切られたも同然なのだ、評判も含めこれではSAOの時と殆ど変わらない。なんだかんだで彼もALOでは一緒に行動しない上に何か隠し事をしている風な言動を見せる。

 これで愛弟家な彼女にストレスを溜めるなという方が無茶な話だった。

 そんな彼女を見て、サクヤが思案顔になる。

 

「ふむ……なぁ、リーファ、今から少しだけ飲みに行かないか? 以前まで愚痴を聞いてくれていたお返しがまだだったからな。今日は私が愚痴を聞こう」

「イイネー! サクヤちゃんナイスアイデア! ゴチになりまーす!」

「待て待てアリシャ、お前はなに当然とばかりに私に(たか)ろうとしている。これは私とリーファの個人的な話であってお前は関係ないだろう」

「エー! ここに来て仲間外れとかサクヤちゃんってばヒドーイ! いいからアタシも混ぜてヨー!」

 

 喧々諤々、とまではいかないが親しい間柄である事を感じさせる二人が顔を突き合わせて言い合うのを、リーファはぼうっと眺め――

 

「――ふ、ふふ……!」

 

 ふとした拍子に、口元を押さえて笑い始めた。

 それを見たサクヤ達は言い争いをピタリと止める。

 

「リーファちゃんが……」

「笑った、だと……?!」

「え、そこが驚くとこなの?」

「いやー……だってALO統一デュエルで優勝してもちっとも笑ってなかったし……まぁ、あの時は領主を追いやられた後だったからかもだけどさ」

「堪えきれず笑うなんて私も初めて見るくらいだよ」

「そこまで酷かったんだ……」

 

 少しでも笑わせられたから止めたのかと思えば、彼女が笑った事に対して驚いて止めたとは。

 というかSAOに来る前のリーファはそんなに笑わない人だったのかとこちらも驚いた。茶飲み友達として認識していた程のサクヤすら驚くとなれば相当である。

 あとリーファはALO統一デュエルに優勝してたらしい。予想していたので驚かないが、それでも笑わないって結構顰蹙を買うのではないだろうか。自分もどれだけイヤな相手だろうと最低限の礼儀は通しているが、それは偏に自分の身を護る為の処世術だった。それに全力で挑み敗退した選手たちに対してそれは失礼だと思う。

 

「あれ……? デュエルの時って、あたし笑ってなかった……?」

 

 首を傾げている様から無自覚だった事が判明した。重症である。

 ただ、義弟がデスゲームに囚われ、同族に推されて領主になったのに追いやられれば、それも仕方ないのかもしれない。

 

「アハ! リーファちゃんって昔から自分の事に無頓着だよネー!」

「らしいと言えばらしいが、な……それはそうと、飲みに行くのはどうする?」

「折角の申し出だけど今日はいいよ。明日も学校だし、もう十二時回るから夜も遅いしね」

「そうか。ではまた別の機会にしよう……そういう訳だ、残念だったなアリシャ」

「ちぇー。アテが外れちゃったかー」

 

 風妖精の領主に集る気満々だった猫妖精が拗ねたようにそっぽを向く。その分かりやすい反応に苦笑がそこかしこから漏れた。

 それから少し話し、領主達と別れる。友好を温めるのも大事だが彼ら彼女らも暇では無い。決まった事を迅速に部下へ伝えて準備する必要があるのだ。

 

「思ったより話しやすい人達だね、領主って」

 

 転移門で光に包まれ消えていくのを見届けた後、そう呟く。

 

「あれはユウキさんが政治的に関係無い立場だから柔和だっただけですよ。仮に中立プレイヤーとして名前を知られてなかったらあの二人ももっと淡白だったか、勧誘話で揉みくちゃだったかと」

「デスヨネー」

 

 知ってた。

 全ての種族に寄っていない中立な立場だからこそフラットな対応をされていた事くらい察していた。

 

 

 

 ――――おおおおおおおおおおおおおおッ!!!

 

 

 

 ――突然、空気を割らんばかりの歓声がどこかから聞こえて来た。

 空都に流れるNPC楽団のBGMを掻き消すほどの声量に揃って肩を跳ねさせ、緊張に糸を張り詰めさせる。

 

「え、なになに、何なのこの歓声」

「……あっちの人垣からですね」

 

 リーファが指し示す方では、知らない間に出来ていた人だかりが何かを囲んで興奮している様が見えた。種族を問わず様々な様相を呈している集まりはALOの中でも異様に映る。

 何だろうと野次馬根性で近付けば、何故そうなっているかが理解出来た。

 

「プリヴィエート、みんなー! 元気ー?! セブンはとっても元気だよー!」

 

 囲むように出来ている人だかり――それでも隙間から覗ける程度――から、銀糸の如き髪を揺らせながら、笑顔を振りまく音楽妖精(プーカ)の少女が見えた。自己申告のように挨拶と共に放たれた名乗りから彼女が何者か理解する。

 現在のALOで一番の有名人と言えるプレイヤー【歌姫】セブンだった。きょう来日するとあったから、その手続き諸々が終わって時間が出来て、たった今ログインしたのだろう。

 となれば、この興奮している人達は彼女の熱狂的なファンというものか。

 

 

 

「うおおおおお! セブンちゃぁぁぁん、プリヴィエェェェイトッ!」

「セブンちゃんもスヴァルトエリアに来たんだねー!」

「セブンちゃんの新曲聞いたよ! 凄く良かったー!」

 

 

 

「うわぁ……」

 

 周囲の人から次々に上がる野太い、あるいは黄色い歓声に、思わずぞわっとしてしまった。

 自分もファンクラブを作られてはいたが、ここまで熱狂してはいなかった。これをマトモに受けるアイドルは凄いと思う。

 同時に、この人達に対して注意しろと言ったキリトの気持ちも、少し分かった気がした。下手するとこの人達、狂信者になれるんじゃないだろうか。アイドル一人にここまで熱を上げられるなら素質は十分あるだろう。科学者である彼女に新興宗教を立ち上げる気が無いのが不幸中の幸いである。

 

「凄い人気だね、あのセブンって子」

「……」

「リーファ?」

 

 隣に立つ友人に話し掛けても無反応な事に疑問を覚え、顔を向ければ、彼女は鋭い目つきで誰かを睨んでいた。その視線を辿った先にはセブン――の隣に立つ、水妖精の男が居た。

 左腕にだけ白銀の籠手を着け、右腕は肌を露出させるという得意な格好をしているウンディーネの男だ。左腰には業物と一目で分かる肉厚幅広の刀を佩いている。そしてその威風堂々とした立ち姿からかなりの実力者である事が窺えた。

 かなり強い、と自分をして唸らざるを得ない。

 基本的にALOプレイヤーに対して強者と唸る事は無い――少なくとも一度も無かった――のだが、あのウンディーネだけは別だった。そこに居るだけで周囲を威圧するほどの圧迫感は伊達ではない。触れれば斬れる鋭さがある。

 その威圧感が強者を求めるリーファの琴線に触れたらしい。

 そして、それに気付けなかった自分は、SAOから半年経つ間にかなり鈍っているようだった。強くならなければ死ぬ環境から脱せた影響か。

 

「あのウンディーネのプレイヤー、凄く強そうだね」

「――そりゃあ、《三刃騎士団》の実質トップみたいなものだからな」

「うわ?!」

 

 思った事を素直に口にすると、背後からいきなり応えがあった。横からと予想していたから驚いてしまう。

 後ろには、何時の間に居たのかキリトが立っていた。

 

「キリト、何時の間に?」

「今しがただよ。というかまだログインを続けてたんだな。明日……というか、もう今日だけど、学校があるだろう。寝不足で辛くなるぞ」

「それはキリトもでしょ」

「俺は元々睡眠時間は短いし、通信制で登校しなくていいから」

「ぐぬぬ……」

 

 電車を使って登校しなければならない自分と違い早起きする必要性は無いと言う彼に、思わず唸る。正直ちょっと羨ましい。

 

「……はぁ、まあいいや。それで――キリトはあのウンディーネを知ってるんだ?」

「むしろユウキが知らない事に驚きだ。凄く有名だからチェック済みだと思ってた」

「あー……まぁ、ちょっとね……」

 

 SAOの頃に較べて上昇志向が薄れている自覚があるボクは、未だに薄れていない彼に後ろめたさを覚え、目を泳がせる。

 訝し気に見て来た彼は追及する事無く視線をウンディーネの男へと向けた。

 

「あの男は攻略からライブの日程まで手掛けてる《三刃騎士団》の副リーダー《スメラギ》、現状ALO最強と言われてる《刀》使いだ」

「へぇ……でもALO最強って、サラマンダーの将軍……ユージーンっていう人じゃなかったっけ」

「そのユージーンを一騎打ちで倒したから最強と言われてるんだよ」

 

 サラマンダーの将軍ユージーン。

 ユージーンはサラマンダー領主《モーティマー》とリアルでも兄弟であり、知の兄、武の弟と言われている片割れ。将軍の地位で軍を率いている彼は、サーバーに一つしかない伝説級(レジェンダリィ)武器(ウェポン)の一つ、両手剣カテゴリの【魔剣グラム】を以てALO全土に武威を知らしめる実力者として知られている。

 装備のレアリティも相当高いが、長いプレイ歴に裏打ちされた経験から相当な技量を誇っており、並みのプレイヤーでは太刀打ちできないほど強いらしい。

 そのプレイヤーを一騎打ちで真っ向から倒すとなると、あのスメラギという人物もいよいよ伊達ではない実力者という事になってくる。

 

「へぇ……でも、それならもっと取り沙汰にされてもおかしくないと思うけどなぁ」

「種族に帰依している将軍に対し、スメラギは《三刃騎士団》所属の中立プレイヤーだ、種族間抗争を主題としているALOに於ける影響力は然程大きくないせいだろう。スメラギが最強になったからと言って将軍が弱くなった訳でもないしな」

「なるほど」

 

 ALO最強の名前が変わった事はプレイヤーのトレンド的に大事だが、政治的観点からすれば然程では無いという事で大騒ぎになっていないらしい。

 この辺は娯楽に飢えていたSAOプレイヤーとの違いかもしれない。あの世界でならちょっとした事でもすぐ新聞に載って界隈を賑やかにしていた、最強の名前が変わるとなればドカンと爆発していただろう。

 

「ウオー! セブンちゃーん! プリヴィエート!」

 

 SAOとの違いを如実に感じていると、聞き覚えのある歓声が耳に届いた。

 

「クライン……?」

 

 その歓声は人情に篤い、キリトの一番の男友達と言える侍クラインものだった。今まで見た事ないくらい熱を上げて少女の名前を叫ぶその姿に少年が信じられないものを見たような顔を向けている。

 傍から見るとキリトも少女同然なので、浮気現場を見た()奥様みたいな風に見えなくも無い。

 これはひどい。

 

「ちょ、クライン、何やってるのさ!」

「ウオー! ――ん? お、おぉ、キリトにユウキ、リーファっちも居ンのか。お前ェらまだインしたままだったんだな」

「それは明日も仕事があるクラインもでしょ。というか、クライン何やってるの?」

「見りゃ分かるだろ、セブンちゃんの応援だよ。あの子の新曲を聴いていく内にちょっとずつ惹かれちまってよォ。今まではアメリカとの時差の関係で無理だったけど、来日して時間が合うようになるから、オリャ今日を楽しみに待ってたんだぜ! カーッ! やっぱ生で見ると可愛いな!」

「へ、へぇ……」

 

 傍から見ると、幼女を前に興奮する大人の男という構図である。しかもその魅力を女性に熱く語るオマケ付き。

 これはひどい。

 クラインの事はとても男性として信頼していたのだが、今はちょっと引く。

 別に誰を応援しようが趣味嗜好は自由だから構わないのだが、何故だろう、何かヤダ。幸いなのはその感情が自分に向けられていない事だろうか。これで向けられていたら即座に縁を切っていたであろう。

 自然と、彼の事を冷めた眼で見てしまう自分が居た。

 

「クライン、セブンのファンになっちゃったんだね……」

「ファンなんてミーハーなモンと一緒にしないでくれ! 俺は……そう、クラスタだ!」

「くらすた?」

「『房』の事だ。セブンを蝶よ花よと愛でる為に周囲を囲う『房』。【歌姫】の親衛隊に近しい《三刃騎士団》に入れる実力者を最初は指してたけど、最近は熱狂的なファンも特別感から自称しているらしい」

「自称つーか、ネットじゃ割と普通に使われてる表現だぜ? それくらい俺らにとってセブンは特別な存在なんだよ!」

 

 喜々としてアイドルの事を語るクライン。

 今までずっと抑圧していた反動だろうか、何時もよりも遥かにイキイキしているから余計何も言えない。楽しそうなところに水を差すのはちょっと気が引けて、ボク達はそれ以上何も言えず、セブン達が去っていくのを見送った。

 

 






 はい、如何だったでしょうか。

 本作リーファはシルフの初代領主。キャラ紹介の装備欄にある『シルフィーロードリング』からしてこれは最初から決まっていました。サクヤが二代目なので先輩領主ですね。

 何で一ヵ月で代替わりしたのかは……秘密じゃ()

 次にキリトに対するサクヤ達の評価とリーファの怒り。

 今回のリーファの怒りはぶっちゃけ理不尽に近い。事情を知っている人(ユウキ)からしてもそう思われるのでサクヤ達は理不尽としか思わないですが、それでも謝罪するくらい彼女達は度量が深いです。

 リーファが怒りを見せたのは、ユウキが察している通り。評価されるのは嬉しい、でもその評価が原因で厄介事が舞い込んでくる上に、義弟の素の顔がどんどん上塗りされていく事が腹立たしくて、ストレスを溜めていた。それが友人(サクヤ)とアリシャの偶像化されているセブンとの比較で爆発した――という感じ。

 リーファは成長に関してはキリトはキリト、自分は自分と同一人物の過去と現在だけに絞る気質。人の能力を認める際に他者と引き合いに出す事は嫌う方。なので逆鱗に触れた、みたいな感じですね。

 ストレスが溜まっていなければ(菊岡が変な事しなければ)こうはならなかったでしょう。

 ……まぁ、キリト自身から首を突っ込んでるので、正に『義姉の心、義弟知らず』になってて、キリトも悪いんですが。

 クラインに関しては原典ゲーム通り。SAOでは抑圧してたはしゃぎっぷり、オタク的なミーハー感を出していけたらなぁ、と。

 社会人としても苦労しているクラインはアイドル応援みたいな楽しい事に現を抜かしてもバチは当たらないと思います。

 尚、セブンは本章ラスボスである(無慈悲)

 クラインって……女運、無さそう(偏見)

 Web版SAOを読めたら、途中から主人公感バリバリらしいクラインニキを参考に出来るんですがね……

 ――キリトがサラリと再登場している事に説明は要るまい。

 彼は本章に於いて《三刃騎士団(セブン)》と仲間が居るところに出没するので。

 では、次話にてお会いしましょう。

キリトに対するレイン、セブンの関係希望は?

  • 両方友人(ゲーム・研究者仲間)
  • レイン懸想、セブン研究者仲間
  • セブン懸想、レインゲーム仲間&姑
  • 姉妹丼、そしてハーレムへ……
  • 見向きせずに百合の園(レイン×セブン)

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