インフィニット・オンライン ~孤高の剣士~   作:黒ヶ谷・ユーリ・メリディエス

170 / 446


 どうも、おはこんばんにちは、黒ヶ谷です。

 今話はユウキ、リーファ、ラン視点。

 ラン視点はめっちゃ久し振りですね! 基本丁寧口調なせいでリーファ、ユイと混ざって筆者自身も間違っちゃいそう(白目)

 そんな今話の文字数は約一万四千。

 ほぼ戦闘回。しかし観戦側である()

 更に言えば伏線回なのであまり面白くは無い(泣)

 ではどうぞ。




第十一章 ~【魔導士】~

 

 

 ――きっかけはストレア(ノーム)の言葉だった。

 

「ねぇ、【魔導士】って知ってる?」

 

 リーファ、ランと一緒にログインし、街のベンチでクラインやエギルといった大人勢が集まるのを待つ傍ら、会話に興じている最中に投げ掛けられた問い。それは【魔導士】と呼ばれるとあるプレイヤーの話だった。

 杖を使って戦う水妖精――つまり後衛が適任なのだが、なんと魔法を交えた接近戦をもこなす辻デュエルプレイヤーであるらしい。一昨日の夜、昨日の夜の合計二日に渡って闘技場で一対一のデュエルをし続けており、彼女を下せた者は一人だけ。無敵でも無敗でもなく、しかし魔法を絡めた戦闘が異常に上手い事から驚異として注目されている。

 

「うん、辻デュエル専門の人だよね」

「そうそう。魔法を絡めた接近戦って、中々出来る人居ないからねぇ」

 

 ――ALOに於いて、戦闘は近距離と遠距離で二分化される事が多い。

 更に前衛は物理攻撃(STR)防御(VIT)、後衛は魔法攻撃(INT)魔法防御(MEN)の値を重点的に高めるので、前衛が魔法攻撃を、後衛が物理攻撃をするといった役柄と真逆の行動をする事はまず無い。するとなったら、それは相当追い詰められた時に限局される。

 ではどちらも可能な()()はというと、クラウドコントローラーというデバフや斥候といった遊撃に回る事が多い。これも重要だが目立った戦果は挙げられないので軽視されがち。加えて物理と魔法どちらにも偏らないバランス型なせいでどちらの攻撃にも打たれ弱い。だから片方に偏ったパラメータになって前衛専門、後衛専門に分かれる方が、より強力な相手と渡り合いやすくなる秘訣にされる。万能型が器用貧乏と悪く言われやすいのは、耐えやすい攻撃が無いせいなのだ。

 その定説に当て嵌めれば件の【魔導士】は相当なやり手である事が窺える。近接戦で魔法を行使するとなれば、並行詠唱――詠唱中に別の行動を取る事――を行える事を意味している。

 並行詠唱が出来る人はあまり居ない。アスナ、ラン、古参のリーファといった生還者組でも比較的魔法を扱う彼女らも、詠唱中は攻撃回避や移動しか出来ず、攻撃などすればすぐさま噛んだり詰まったりでファンブルしてしまう。命を賭けた極限の戦闘を経験した彼女らでそれなのだからどれだけ難しいかは推して知るべし。

 尚、AIであるユイやキリカ達は、人間より演算能力が優れているので除外している。

 

「その人がどうかした?」

「いや、興味はないのかなーって思って。アタシの印象だとユウキやリーファって強い人がいると聞いたら突っ込んでいく感じなんだよね」

「人を何だと思ってるのさ?!」

「あたしって戦闘狂に思われてるのね……」

 

 ストレアのあまりの物言いに二人して不満を口にする。

 

「ボクちょっとストレアとお話する必要があると思うんだ」

「まぁ、あたしは自分がどう思われていようと構わないけど……それで、何でいきなり【魔導士】の話を?」

「暇だから観戦しに誘おうと思って。皆にはメールで居場所を送っておいたら、後で闘技場に来てくれると思うしさ」

 

 ログアウト状態のフレンドにメッセージを送っておけば、インしてきた時に着信するシステムになっている。そうしておけば宿のすぐ近くにいなくても合流出来る。

 確かに暇だから観戦しに行くのはいいかもしれない。

 そう思って賛成し、リーファとラン、アイテムの買い出しから戻ったユイ、キリカの五人で【シュヴェルトシルト闘技場】へと足を運ぶ。

 常に開かれている鉄扉を潜り、中を見渡した。

 初めて入ったからどんなものなのかと思ったが――内部は、酷く覚えのある造りだった。

 クリムゾンレッドの絨毯が入り口から受付まで敷かれ、その左右に二階へ上る階段。階段を上った先の正面には観客席への入り口があり、二階の左右には東西の出撃ゲートへ進む為の回廊が広がる。入り口の両サイドには騎士を象った青銅像、回廊やホールのそこかしこには観葉植物や鷲など雄々しいモンスターの青銅像が置かれている。

 

「これって、七十五層の闘技場と同じ……?」

 

 ――その造りは、SAO七十五層主街区の闘技場と同じだったのだ。

 円形闘技場と聞いた時に思い浮かべたそれと同一の造りである事に、あそこへ出入りした事があるボク達は僅かに動揺してしまう。ALOのプレイ中に建造物でSAOのデジャブを覚えるのは初めてだ。

 違いと言えば、そこかしこの壁に映し出された大型スクリーンだろうか。

 

「スヴァルトエリアの実装って、かなり無理しながら急ピッチで仕上げてたものらしいし、ソードスキル実装の際にマップデータも幾つか流用する事を決めたんじゃないかなぁ」

 

 実際オリジナル・スペルスキルのシステムもそうらしいし、とストレアは語った。

 たしかにこの規模の施設を一から作るとなると膨大な時間と労力が必要になる。

 加えて、《ユーミル》が本格的に活動を始めたのはSAOクリア後から二か月後――茅場晶彦が加入した今年の一月だ。それからソードスキルの実装、システム面の改修などを手掛け、今回の大型アップデートを実装した。

 四ヵ月足らずでこれは過労死しかねない仕事量だろう。作って終わりでは無く、そこからデバックなどの作業が幾らでも待っているのだから。

 それなら()()()()()()()()SAOデータを流用する方が効率はとても良い。なにせ製作者の男がALO運営に携わっているのだ、版権的な問題も無い。浮遊城を実装するならともかく、その中にあった施設一つを流用する程度なら何か言う者もまず居ないだろう。円形闘技場なんてどんなゲームにも見られる建物だ。

 ――ああ、だから装備の互換性があったのか、とふと思う。

 リーファがSAOに来た時に装備をそのまま引き継げていた根本的な理由に気付いた気がした。ALOがSAOのコピーサーバーである事も、要は須郷が面倒くさがったせいだろう。

 あるいはそれだけ茅場晶彦の天才性が突き抜けていたからか……

 

「それはともかく……さてさて、今は【魔導士】の人、デュエルやってるのかな」

「え、居るかどうか確認せずに誘ったのですか」

 

 ストレアが口にした事に、ユイが疑問を口にした。ボク達もまさか把握しないで誘って来たとは思わなかったから目を向ける。

 

「やー、一昨日と昨日は夜の七時から九時までやってたし、多分今日も居るとは思うんだけどね」

 

 現在時刻は午後八時。決まった時間でしているなら来ている筈だが、まだそれを確認していなかったという事か。ログインしたのは七時前だったし彼女が把握できていないのも頷ける。

 

「取り敢えずスクリーンで確認してみようよ。居たら観戦席に行けばいいからさ」

 

 そう誘い、我先にとスクリーンへと近寄る。

 闘技場の舞台は見た目だと一つしか無いが、受付でホストとして項目をエントリーさせれば、インスタンスエリアが生成される。そしてエントリーさせたバトルの挑戦者が現れた時、そのエリアへホストとゲストが飛ばされるのだ。観戦席の階段も途中でどの対戦を見るかの選択肢を出され、選んだバトルが行われているエリアへ飛ぶようになっている。

 スクリーンは基本的に行われているバトル全てを画面分割で観戦出来るようになっている。

 確認しやすいよう設けられたスクリーン横のインスタンスエリア数は1。どうやら現在、ホストとしてエントリーしているのは一人だけのようだ。

 画面は二つに分割されているがどちらも同じエリア内を映し出してる。つまり片方がホスト、もう片方がゲストという事になる。分割された片方に映るプレイヤーは一人、もう一方は色取り取りのプレイヤーがいる。

 この場合、恐らくホストは一人の方だろうと思い、そちらを見る。

 片方に映っていたのは水妖精(ウンディーネ)――では、なく。

 

「あれ、キリトだ」

 

 影妖精(スプリガン)の剣士キリトだった。

 闘技場を利用しているとは聞き知っていたが、どうやら偶然にも彼が対人戦闘経験を積んでいる時に鉢合わせたらしい。

 しかし意外な事にまだ斬り結んでいない。

 

「まだ始まってないのかな?」

「……そうみたいですね」

「そっかー。ちぇ、もうちょっと速く来てたらボクも参加出来たのに」

 

 ユイの肯定を聞き、談笑していなかったらキリトが設けたバトルに参加出来ただろうにとせっかくの機会を逃した事を悔やむ。《アインクラッド》第一層でのデュエル以来まったく刃を交えていないから尚更だ。

 しかし逆に考えれば彼の戦いと雄姿を最初から最後まで観戦出来る訳で、そういう意味ではある意味得をしたのかもしれない。参戦していたら見えない部分だってある。結局のところ一長一短だ。

 

「んー……エントリーを見たけど、【魔導士】って呼ばれてるプレイヤーのは無かったよ。今日はやってないのかも」

 

 開始を待っていると、受付で何やら確認していたストレアがやや残念そうに戻って来た。彼女の言から今日はエントリーしていなかったらしい。

 

「例の【魔導士】っていう人もキリトのに参加してるのかもね」

「あー、そういう事かぁ……」

「――聞き忘れてたんだけど、【魔導士】の人って名前は何て言うの?」

 

 スクリーン近くに来ると閲覧出来るバトル参加者の名簿を見つつ質問する。

 《HOST》と表示されている方には見慣れた《Kirito》の文字が一つあるが、《Guest》の方には上から下にずらっと多くの名前が並んでいる。名前の左側に種族判別用のアイコン――背中の翅の間に浮かぶ文様――はあるが、水妖精のものだけピックアップしても結構な人数になる。ヒーラーやバファーとして頼られやすいからだろうか。

 

「えっとねー、シウネーって言う人だよ。あ、ちなみに女の人ね」

「ふぅん……」

 

 シウネー、という名前らしい。ソートで種族別にリストを並び替え、それらしいスペルを探し――

 

「あった」

 

 シウネー(Siuner)》の文字があった。予想した通り件の人物もキリト主催のバトルに参加しているようだ。

 ()()()()()()()、辻デュエルをしているプレイヤーにとって最終的にSAOラスボスを単独撃破した彼と戦える絶好の機会を逃す手は無いだろう。自分だってそうする。

 

 ――それにしても、どうしてウンディーネで辻デュエル……?

 

 バトル開始を待つ合間に思考を回す。

 戦闘を求めるプレイヤーは得てして前衛になりがちで、且つ前衛として求められやすい火妖精や土妖精を選択する。火力が出やすくて強さが分かりやすい火妖精が飽和しがちなので、土妖精に流れる事の方が多いか。オールマイティーを求めて風妖精、闇妖精を選択する事もある。しかし水妖精だけは魔法寄り、更には支援に特化した種族特製とスキル成長を見せるため、前衛に選ぶ人はあまりいない。

 アスナとラン(例外)もあるが、彼女らも普段は後方支援に徹し、前衛に回るとなれば相当追い詰められた時か雑魚との戦闘くらいなもの。

 そもそもHP量、STR、VITなど接近戦に求められる値は軒並み最低値に設定されているため、前衛には非常に向いていない。SAO時代から使っていた彼女らもそうだが、水妖精プレイヤーが護身用として選択している武器は軽量な細剣である。

 【魔導士】シウネーは接近戦を長杖でこなすという。《杖》カテゴリは魔法補正こそ高いが、物理攻撃は皆無に等しい代物。《長杖》であれば《長棍》スキルも使えるため多少対応出来るが、あくまでそこまで。

 ALOに於いて辻デュエルは珍しくはあるがおかしくは無い。対人戦を求めて問答無用のPKを挑んでくる者に較べれば、相手に選択権を与えているだけ非常に良識的である。

 しかし考えれば考えるほど、【魔導士】は種族とビルド、装備、そして行動の選択がちぐはぐだ。

 

 まるで、ALOに来たばかりのような……

 

「あ、始まったよ!」

 

 ――何かに届きかけたが、バトルが始まったことで思考を寸断されてしまった。

 

「考え過ぎかもね……」

 

 ふ、と苦笑を浮かべ、先の思索を彼方に放る。()()()()()()()()まで気に掛けていたらキリがない。

 

「え? ユウキ、何か言った?」

「んーん、何でもないよ姉ちゃん」

 

 姉の疑問もさらりと流し、観戦に意識を向けた。

 

 ***

 

 戦闘開始後、いの一番にキリトへ攻撃を仕掛けたのは深紅色の重厚な甲冑を纏い、両手剣を手にした火妖精の男――ユージーン将軍だった。

 スクリーンで観戦していた周囲のプレイヤーがざわめき、困惑を露わにする。

 将軍と言われているようにユージーンというプレイヤーはサラマンダー軍の最大戦力。ALO統一大会のように豪華景品とALO最強の栄誉を得られるなら分かるが、一個人が開いたバトルに参加するイメージは湧かないだろう。彼が参加した事、それすなわちキリトが相応の強者であるか、彼が提供する景品が魅力的であると言っているも同然。

 織斑一夏(出来損ない)を認められない者であれば驚愕の心境に尽きるだろう。

 しかしユージーン将軍の気性を正確に理解していれば決して不可解とは思わない。

 あの男が将軍として種族に帰依しているのは、長が実の兄であり、更に軍という中立域プレイヤーでは為し得ない大規模レイドを組み、相応の強敵に挑めるから。

 血沸き肉躍る闘争を求める姿こそユージーンと言える。

 ――僅かに眉を顰めた事を自覚する。

 正直、()()()の事はあまり思い出したくない。

 サクヤやアリシャ、その他各種族の領主達と顔見知りであるように、警戒心の強いサラマンダー領主の名代として――戦闘集団の側面が強い事から――動くユージーンも、一応は顔見知り。とは言えあの血の気の多さだ、強者を求める気質は自分も持ち合わせているので、言葉よりも刃を交えた数の方が多いという物騒な関係である。最初に斬り結んだ頃が懐かしい。

 

 ――そう懐古する間に、二人が一合目を交えた。

 

 ガギィッ、と黒と紅の()が競り合い、弾かれた。両者の距離が開く。

 

『――ッ?!』

 

 スクリーンに映る火の将軍は瞠目していた。その眼は手元の剣に向けられている。

 しかし疑問を先送りにしたようで、また距離を詰めて斬り掛かった。再度、またも鍔で抑えられ、弾かれる。

 下手に割り込んでもあしらわれる未来が見えたのか、あるいは決闘然とした空気に横槍を入れた時のブーイングを恐れたのか、設定上はキリトをボスとしたバトルロワイヤルであり、Guest側も協力や潰し合い自由なのだが、二人の気迫に気圧され自然と他の参加者も距離を取ってしまっていた。自然と二人だけスクリーンに映される。

 

『何故、貴様には魔剣が届かない』

 

 ――何合も交えて距離が開いたところで、将軍が静かに問い掛けた。

 

『何故貴様の剣を透過出来ない。貴様、何か特殊な防具でも装備しているのか』

『――さて、な』

 

 苛立った問い掛けに、淡々とキリトは返す。

 呆れでも、不敵でも無く、本当に淡々としていた――彼はユージーンに、微塵も興味を示していなかった。黒の片手剣がゆらりと提げられる。

 

『対戦相手に手の内を晒す筈無いだろ。むしろ、瞬時に悟られた事を把握し、対策を取る事も対人戦の醍醐味だと思うが』

『ぐ、ぬ……!』

 

 ユージーンが持つ深紅の両手剣。サーバーに一つだけの伝説級武器(レジェンダリィウェポン)【魔剣グラム】。素のパラメータも然る事ながら、伝説級が他と一線を画しているのは付属されたエクストラ効果にある。

 グラムのエクストラ効果は《エセリアルシフト》。相手が防御した時、それをすり抜けて攻撃を届かせ、逆に敵の攻撃を自分はしっかり防ぐという反則的な効果を持つ。透過するものにも限度はあると聞くが詳細は伏せられていたので分からない。少なくとも防御に使われる剣と盾が無効化される事は確かだった。

 SAOに囚われた後に入手したそれを情報収集している間に知り、ユージーンが参加していると分かった時点で、彼がどう対応するか気になっていたが……なるほど、蓋を開けてみれば簡単だ。

 

「刃と鍔、ね」

 

 システム的な攻撃判定の境目は鍔に設定されている。

 《片手剣》は斬撃と刺突属性を持ち合わせた武器としてシステム的にカテゴリされている。これは武器スキルを用いた場合のものであり、打撃属性に関しては《体術》を混ぜた時に発生する。

 このカテゴライズに照らし合わせれば、刃は斬撃として武器攻撃力補正が働くが、鍔と柄は打撃攻撃で、武器攻撃力補正は乗らない事になる。《エセリアルシフト》も効果範囲は刃だけで、攻撃力補正の無い鍔と柄には発生し得ないのだろう。そもそも柄が透過してしまったら手元から飛んでいってしまう。その点、鍔は微妙なところだが、あの分だとキリトは賭けに勝った訳だ。

 彼は相手が剣を振る初動で柄先を押さえ込める反応速度と武器破壊を意図的に引き起す精密動作を持ち合わせている。鍔元に合わせる調節など、武器破壊を起こすよりよっぽど簡単だろう。

 ――しかし、ユージーンはそれを把握出来ていなかったらしい。

 元々ユージーンは他のプレイヤーより人一倍武威を知らしめていた。魔剣グラムを得てより一層その強さと名声に磨きが掛かり、防御不能の攻撃を仕掛ける事で半ば一方的な戦いを展開出来る事から、精査しようとは考えなかったのだろう。それくらいあの武器とユージーンの組み合わせは強かった。それだけ伝説級武器には人を魅入らせる魔力がある――戦いと強さを求める男を、装備に頼った力任せの戦いへと堕落させる魔力が。

 反省を重ね成長を繰り返しているキリトを相手に力押しが通用する筈も無い。仮令自分の装備でなく、情報が制限されていようと、装備の特性が分かった時点でシステム的条件を逆算してしまえるのが彼だ。でなければ《剣技連携》や《武器破壊》を考え付く筈も無い。

 もちろん、彼がそれを説明する義理は無いし、彼が装備している武具が全て初心者から中級者レベル――碌に特殊効果なんて無い代物である事を説明する必要も無い。未知である事そのものが相手の思索を惑わす手札になるからだ。

 

『装備の効果を破られると想定していないから分からない』

 

 言葉を止め、今度はキリトから距離を詰める。

 翅を震わせ急前進した彼に反応した将軍は魔剣を翳す。ほぼ反射的だろう――初めて、ユージーンは能動的な防御行動を取った。

 ――そこで、疑問を覚える。

 

 《エセリアルシフト》は、使用者の防御時にも発動するか否か。

 

『ぐっ……?!』

『武器の力を過信した。それが、あんたの敗因だ』

 

 ――飛ばされた将軍の首が答えだった。

 防御時にも《エセリアルシフト》は発動するらしい。つまり魔剣グラムは攻撃時に敵の防御を無効化する反面、自身の防御時に相手の攻撃を透過してしまうという、両刃の剣だったのだ。そしてキリトは突進斬りを放っていた。彼の攻撃は妨げられる事無くグラムを透過し、勢いそのままにユージーンの首を飛ばした。

 ユージーンが攻撃側だったら正に逆の事が起きていただろう。

 魔剣グラムを攻略するなど、なんてことは無かった。透過効果を恐れる事なく、むしろ相手を圧倒する勢いで攻め立ててしまえば、自然とその効果を自身のメリットに変えられたのだ。

 なんとも()()らしい設定をしている。あるいは、防御時の調整のし忘れなどの偶然の産物かもしれない。

 ――ともあれ、キリトは元と言えどALO最強のプレイヤーを真っ向から下した。

 これで事実上は現最強のスメラギと並んだ事になる。

 

「おおっ、流石はキリトだね!」

「……気のせいかしら。システム的な読みに磨きが掛かっているような……」

 

 双子姉妹もグラムの透過をどう対処したのか分かったらしい。ユウキは素直に称賛し、ランは彼の読みに対し戦慄を見せていた。

 もし自分が透過効果だけ把握した状態で挑んでいたなら、徹底的に回避しつつ、隙を見て一撃叩き込む戦法を取っていただろう。システム的な思考など一切無いそれはある意味キリト以上に技術に傾倒した戦い方かもしれない。

 

「――あ! このウンディーネが【魔導士】のシウネーだよ!」

 

 旧ALO最強――現状二番手――のユージーンを開幕一分と経たず破った事に動揺が走り、参加者が二の足を踏む中、先の焼き直しのように真っ直ぐ黒へ飛び立つ青があった。青と白のローブ、流水を象った長杖を纏い、水色の長髪をたなびかせて飛翔する女性がズームされ、名前が表示される。ストレアの言うように《シウネー》と表示されていた。

 見るからに後衛ビルドの割には思い切りのいい距離の詰め方に、聞き知っていても思わずほう、と息を突いてしまった。恐れ知らずか、あるいは余程の自信家か。

 

『アクアバレットッ!』

 

 距離を詰める中で【魔導士】はスキル名を叫びながらくるりと長杖を回し――杖の軌跡が蒼白く光り、一つの魔法陣を形成。途端魔法陣から圧縮された水の弾丸が弾幕を為して彼へと襲い掛かる。

 接敵直後の弾幕攻撃に対し、それでもキリトは冷静だった。剣を翳し、くるりと反時計回りに高速回転させ、水弾の全てを弾いたのである。

 ――ざわ、と周囲がまたざわめいた。

 

「え……今、魔法を弾いたような……?」

「弾いたね、間違いなく。でも魔法って武器じゃ弾けないんじゃなかったっけ?」

「弾けませんよ。防御補正無しでダメージを受けます」

「だよねぇ……」

 

 AI姉妹も困惑していた。自分も内心では物理防御不可の魔法を弾いて見せた事に困惑を抱いている。

 ALOに於ける攻撃相殺は見た目に反してシステム的な制約に縛られており、同属性同士でしか発生し得ない。この場合に於ける『属性』とは純物理属性と魔法属性の事。通常攻撃とソードスキルを魔法で防ぐ事は――壁系魔法を除いて――原則不可能であり、逆に攻撃魔法を通常攻撃やソードスキルで防ぐ事も然り。

 

 ――その気になれば、中位以上のソードスキルなら可能かもだけど……

 

 それら(同属性相殺)の原則に照らし合わせれば、魔法属性が追加される中位以上のソードスキルなら物理と魔法どちらの相殺も可能である事が分かる。

 しかしソードスキルはOSS作成を困難としているシステムアシストの壁がある。およそ操作し切れない速度、システムによって動かされる不自由な軌道を以て、1ドット程の実体しかない攻撃魔法を正確に斬るなど、常人なら発狂ものに等しい。近い技術を体得している彼でも流石に武器と魔法とでは破壊するには難易度が違う。

 

「もしかして今の、《片手剣》防御技の《スピニング・シールド》じゃない?」

「――いや、違う」

 

 アレを見た時から浮かんでいたソードスキルの名前をユウキが口にした時、ずっとユイの肩に乗ったまま無言だった小妖精姿のキリカが否定の声を上げた。

 

「《スピニング・シールド》は右手では時計回り、左手は反時計回りで発動する。でもオリジナルのは右手で反時計回りだった」

「じゃあ、剣のOSS? それとも魔法の?」

「MP消費があったから魔法のだ。謂わばアレは対魔法用防御スキルなんだろう」

「なるほど」

 

 完全同位体であるキリカの返答を聞いて納得を抱いたユウキは、視線をスクリーンへと戻す。

 バトルロワイヤルの舞台では、黒と青の激しい衝突を覆うように色取り取りの妖精が距離を詰めていた――

 

 ***

 

 ――光が爆ぜる。

 大乗問わず様々な色の光が爆発圏内の対象を吹き飛ばそうと連鎖的に爆ぜていく。

 空に漂う爆炎と砂塵。その中から黒が飛び出て、追いすがるように水と氷の弾幕が放たれる。黒は翅を震わせ空を舞う。しかし若干の追尾性能が付いているのか、飛翔した時点で距離があった後続の魔法群が緩く湾曲し、追随し、おじわじわと追い詰めていく。その間に術士本人は詠唱し、続けて放つ魔法の準備をしていた。

 戦いは一対一の様相を呈している。

 

 バトルロワイヤルが始まっておよそ三十分が経過した現在、【黒の剣士】と【魔導士】の二人しか残っていないからだ。

 

 他のプレイヤー達は激しく衝突する二人が放つ魔法の余波で、あるいは直接迎撃され、リメインライトとなり、舞台から降板させられている。延々と競り合っているのにどちらもHPとMPが切れていないのは回復力を相応に高めており、且つOSSのModをダメージの数パーセント吸収に振っている為である。回復アイテムはどちらも一切使っていない。

 観戦している者達も、敗北してエリアからホールへと追い出された者達も、誰もが両者の戦いに呼吸も忘れて魅入っている。

 自分もここまで拮抗した勝負になるとは思っていなかった。彼を唸らせる程に魔法OSSを巧みに操り、接近を許しても杖術で凌ぎ、瞬時に魔法OSSを叩き込むといったやり手とは予想外の一言に尽きる。

 ――スクリーンに映る少年が、自身に迫る魔法の弾幕を一瞥し、眉根を寄せた。

 どれだけ翅を震わせ速度を上げても、シウネーの周囲へ近付くには速度が足りていない。何故なら彼は他のプレイヤーと違って随意飛行を習得していない。コントローラーだとどうしても出し切れない速度域が存在し、シウネーに接近するにはどうしても随意飛行でなければ難しい。彼も直線での加減速は行えるが、カーブなどを混ぜた随意飛行は未習得なのだ。

 また、魔法を防ぐ術に欠けており、それを相手もある程度予測しているから距離を詰めさせない。ソードスキルを使えば瞬時に詰められるが、相手は《二刀流》を得る反応速度を持つキリトと互角に魔法を展開する使い手なのだ、型が決まった直線的な動きのそれを放てばいい的だろう。直に戦っている彼も理解しているからスキルを使わないでいる。

 バトルロワイヤルの制限時間は一時間。

 デュエルであれば十五分以内で決着が着くよう設定されているが、闘技場での大規模戦闘では短い為、最長一時間まで設定出来る。彼もそれを採用しているようだが、流石にここまで【魔導士】が食い付くとは思っていなかったに違いない。

 しかし、今回はそれが功を奏している。

 極限まで消費を抑えていても魔法を三十分間も放ち続けられるかと言えば、無理である。周囲に流れ弾で被弾する敵が居たから【魔導士】はダメージ吸収で回復出来ていたが、徹底して回避、ないしMP消費無しのソードスキルで弾き続けているキリトとのタイマンでは、何れ彼女のMPが底を尽く。

 事実ウンディーネの残りMPは2割ほど。接近戦でも魔法を使うスタイルを考慮すれば、自ずと遠距離から撃ち続ける訳にもいかない。

 MPは時間経過で回復する設定であり、パッシブスキルなどによって速度を上げられるが、戦闘中にそれを律儀に待つ義理など彼には無い。消極的になった途端反撃に打って出るだろう。

 それを彼は、弾幕から逃げながらも虎視眈々と狙っている。彼の眼が炯々と光を湛えているから間違いない。面倒だと思うどころか、むしろ数十人のプレイヤーに囲まれた時以上に活き活きと、そして真剣に機会を窺っている。それだけ【魔導士】の実力が高い事でもあり、この世界に来た目的に適う相手でもあるのだ。

 

 ――そして、【魔導士】が次の魔法を完成させた瞬間、彼は行動を起こした。

 

 【魔導士】シウネーを中心に大きく円を描いて飛んでいた彼は、唐突に角度を変え、突貫したのだ。どぱん、と空気が叩かれた音をスクリーンで拾える程の急な方向転換。

 あまりに無茶したのか体勢を崩しぐるんぐるんと錐揉み回転するも、それでも突進は止まらない。

 

『な……っ?!』

 

 相手の行動を予測した上で魔法を選択、詠唱し、照準し、放つ――これを長時間続けていた【魔導士】は、その突然の行動に驚きの声を上げ、唱え始めの詠唱がファンブルした。

 それでも体に染みついているのか、長杖をくるりと回転させ、水色の魔法陣から水の弾幕を放ち迎撃する。

 さっき、彼は剣を回転させ、魔法属性による相殺防御を行った。しかし今の錐揉み回転中ではまともにスキルの発動もままならない。

 

「キリト君……!」

 

 ぎゅっ、と手を握って祈る。命が懸かっている訳でも無い一戦。しかし今、私は掛け値なしに心から彼の勝利を祈っていた。

 ――その祈りが、届いたのか。

 彼は水の弾幕の全てを錐揉み突進だけで躱し切ってみせた。却って不規則な軌道がそうさせたのか――――あるいは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。前者なら豪運と言えるし、後者ならあの錐揉み回転での軌道すらも計算に入っていた訳で、幾度目とも知れない戦慄を覚える。

 それをよそに尋常でない回避で距離を詰められた【魔導士】は、勢いそのままに両断され、一撃でその命を刈り取られた。

 こうして失笑と困惑――からの驚愕を経て、参加者423名との戦いは決着した。

 

 *

 

 バトル終了後、そそくさとキリトが立ち去った後も闘技場内には多くのプレイヤーが残っており、反省会やら決起会やらで騒々しさが続いていた。

 

「いやー、凄かったね最後! まさかあそこであんな突進仕掛けるなんて! ボクはてっきりキリトも魔法で対抗するか、MP切れで攻撃の手が緩んだところを狙うと思ってたから予想外だったよ!」

 

 周囲に大勢の人が居る中でも興奮と共に(ユウキ)が話す。内容は終始バトル終盤の応酬に限定されていた。

 あの最後の錐揉み突進(異常機動)がよほど予想外――というか、彼女個人のツボだったらしい。さっきから同じ話ばかりだ。ああ、そうね、と生返事を返すとむっとされる。

 

「姉ちゃん聞いてる?」

「はいはい、聞いてるわよ。でもさっきから同じ話ばかりじゃない。もう三度目よ、それ」

「だってそれだけ凄いって思ったんだもん。そもそもキリトってまだ随意飛行を完全に出来ないのに、あそこまで戦えたんだよ? それだけでもすごいじゃん!」

「そうね」

 

 ユウキの称賛に、おざなりながらも同意する。言葉こそないが彼の義姉達も頷く。

 実際ユージーン将軍をはじめ、ALOの高難易度ダンジョンなどの顔ぶれが多く見られた面子を相手に、最後まで戦い抜けた事は本当に凄いと思う。随意飛行が出来ないからユージーン将軍との戦いで最後以外動かなかったのだが、コントローラーの操作を考えながらあそこまで戦うのは到底真似出来ない事だ。

 

「――あの、すみません」

 

 そう話していると、誰かから声を掛けられた。

 声を掛けて来たのはおっとりと穏やかそうな水妖精の女性。水色の瞳と同色の腰までなびく髪、女神像を先端にあしらった長杖を手にしたその人は、自分とユウキを見ていた。女性はさっきキリトと接戦を繰り広げた【魔導士】だった。

 やや嬉しそうにしているのは何故だろう、と綻んでいる彼女の顔を見て疑問を浮かべる。

 

「私、ウンディーネのシウネーと言います。【舞姫】のランさんと【絶剣】のユウキさん……で、合っているでしょうか」

「そうですけど……」

 

 ――おい、【魔導士】と【舞姫】が話してるぞ。

 

 用件を伺おうとしたところで、ふと、周囲の声が耳に入って来た。気付けばざわめきが絶えない筈のホールはしんと静まり返り、此処に居るプレイヤー達はじっとこちらを見詰めて来ていた。

 

 ――【絶剣】に【剣姫】もいる、これはついに待望のカード到来か?

 

 ――いや、前衛ビルドと中衛型ヒーラーじゃ無理があると思うぞ。

 

 ――その前衛ビルドを相手に【魔導士】は善戦してたんだぞ、ワンチャンあるだろ。

 

 ――前衛極振りの【黒の剣士】も辛勝だったからなぁ。

 

 聞こえて来る囁き声を纏めると、どうやら目の前に居るシウネーとデュエルする流れかと思い、聞き耳を立てているようだ。

 

「えっと……」

 

 注目を集めたからか、シウネーは周囲を見て居心地悪そうにする。人目を気にして話すのが憚られているらしい。

 

「ここでは話せないですか?」

「ちょっと……出来れば、私の仲間が居る宿でお話をさせて頂きたいのですが」

「それは……」

 

 シウネーの要望に、妹と共に頭を悩ませる。

 仮想世界とは言え見ず知らずのプレイヤーとその仲間が居る宿へ赴くのは多少なりとも勇気が居る。よからぬ陰謀に巻き込まれでもしたら面倒極まりない。それもあって特定の勢力に寄らないスタンスを貫いていた。

 

「……話をするだけなんですか?」

「出来れば、お願いしたい事があります。その為にまずはお話をと」

「……内容によりますが」

「承知しています」

 

 あくまで低い姿勢でこちらの確認に頷いて来る。かなり穏便に、けれど受けて欲しい――そう切実に願っているように見える。

 

「……姉ちゃん、取り敢えず話だけでも聞く?」

「そうね……シウネーさん、まずは話だけお聞かせください」

「ありがとうございます……!」

 

 受け容れる旨を伝えると、頭を下げて感謝されてしまった。戦闘の時からは考え辛いくらいギャップの大きい人だ。

 

「あの、あたし達はどうすれば……?」

「あ……えっと、どうしましょう……」

 

 そこで待ったを掛けるリーファ。確かにこのあとみんなで落ち合う約束をしているし、全員抜けてしまったらそれはそれで問題だ。

 シウネーも困ったようにこちらを見て来た。

 

「では、私とユウキはシウネーさんのお話を聞いてから合流、という形にするのはどうでしょう」

「まぁ、それが一番無難だよねー」

「ですね……皆さんにはそうお伝えしておきます」

 

 こちらの提案に、ユイとストレアの二人が応じた。リーファ、キリカも特に反対は無いらしく、ほぼ決定となったので、手早くメッセージを追加で仲間に飛ばす。

 それからシウネーに案内され、彼女の仲間が取っている宿へと足を運んだ。

 

 






 はい、如何だったでしょうか。

 数多の二次小説で繰り広げられ、予定調和の如く描写されてきた約束された将軍の敗北(恒例行事の一騎打ち)。面白味も無いネ!

 むしろ将軍の台詞がマトモに無いあたりより酷いかもしれない。

 攻略法については原作や読んできた二次小説と被らないよう敢えてシステム面から理詰めで考えるという無茶振り()をしております。

 実際アニメでも将軍って攻撃一辺倒、被弾は鍔で受け止めてるんですよね。個人的には相手の武器を透過するなら、突進した将軍も敵の武器を受ける可能性がある訳で、割と魔剣グラムの《エセリアルシフト》ってピーキーじゃね? と個人的に思ってたり(爆) 敵の剣を止められないって、それ防御完全に捨てたも同然じゃん。防御しないってどこぞの『ぶるあぁぁぁ!』さんくらいなモンだよ。むしろ選択肢すら無い時点でアレより悪いわ。

 原作だと連続で透過出来ないから二刀有効らしく、そのせいでアニメでもキリトと刃を交える場面があるんですが、そこの理屈は考えてない。クールタイム制なんでしょうがアニメ幾ら見返しても時間の規則性が分からなかったから放り投げました。

 二次小説で深く考えてはいけない(読者は)

 取り敢えず原作や他のSSでされやすい二刀攻略はしない方針で固めたらこうなった。

 ユージーン将軍はALO最初の踏み台やけぇのぅ……後の原作ユウキにも踏み台にされとるけぇのぅ…………本当にこのひとALO最強なの……?

 ――という疑問に納得出来る答えを考えてたら『魔剣グラムの防御されない攻撃効果に頼り切って技量面が落ちた』という設定が浮かんだ。

 リーファが言うだけで説得力を感じてしまう作者である。

 実力が落ちた、と元の技量を知っている点から分かるように、本作リーファは過去刃を交えた事があります。原作では無いです。

 次にシウネー。

 彼女は原作七巻《マザーズ・ロザリオ》編に登場する後方支援型ウンディーネのプレイヤー。アニメでアスナと並ぶウンディーネの術士を見たら、それがシウネーです。

 加えて本作に於いて魔改造されたALOキャラですね。魔法OSSの恩恵はキリトだけじゃない、むしろALOの魔法職の方が強化されるんや……という訳で戦わせた。

 命懸けの戦い二年余りキリトにALOプレイ時間短いだろうシウネーが喰らい付けただけでも、実はかなりの大金星だったり。《ⅩⅢ》が無く、パラメータも接近戦寄りのキリトには、遠距離一辺倒がメタになるというね。尚、隙を突いて異常機動で食い破られる模様()

 魔法OSSと既存魔法を組み合わせ、接近戦にも対応出来る事から、【魔導士】という二つ名を与えられております。

 彼女がユウキ達に声を掛けたのは……ほら、原作だと広告塔になる姉妹が、居なかったから。残りのメンバーだとシウネーさんが一番適任か(魔改造しやすい)なって。

 キリトについてはまた何れ! どこかで視点入れる(予定)からその時に!

 では、また次話にてお会いしましょう。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。