インフィニット・オンライン ~孤高の剣士~   作:黒ヶ谷・ユーリ・メリディエス

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 どうも、おはこんばんにちは、黒ヶ谷です。

 今話はオールリーファ視点。時間軸は結城兄妹が皿洗いしている頃。

 色々と物事が並行して進んでるせいで物語が進行しないという致命的なバグが起きております(血反吐)

 でも、必要な事だから……キャラの絡みをしておかないと、何の為に書いた設定か分からなくなっちゃうから……

 なのでお気に入り減少覚悟で描写。

 文字数は約一万四千。

 ではどうぞ。




第二十一章 ~風紡ぐ因果~

 

 

 リアルで軽めの夕食を摂ったあたしは、同居している姉妹に先んじてALOにログインし直していた。食事の準備係だった藍子はシャワーに、洗濯物を畳む係だった木綿季は皿洗いに動いている。自分は朝と昼の食事当番だったので今回は早めに復帰出来ただけだった。

 とは言え、自由に過ごせる時間という訳では無い。

 二十数人というハーフレイドの集まりである自分達は四つのパーティーからなる集団である。パーティーで別れているという事は、当然回復アイテムの補充もパーティー単位。

 普段なら個人で用意しておくのだが、ログインとログアウトを繰り返すALOでは仲間が主要な回復アイテムを揃えておき、その代金分を後から払う……という事は一般的である。警戒心が強い人は必要個数分の代金だけ先払いしておくという事もしている。

 流石に昨日の今日で新エリア(砂丘峡谷)のボスダンジョンまで攻略が進む筈も無く、現在は各クエストやフィールドに点在するダンジョンを攻略してキーアイテムを集めている段階。つまり、ボス級の敵はほぼおらず、フロアボス並みの準備は必要ない。回復ポーションを買っておくくらいが妥当なレベル。

 流石にボス戦前で他人に補充を任せる者は少数だ。

 

「え、と……これくらいで十分、かな?」

 

 空都ラインで露天商をしているNPCを相手に、メニューを繰って必要だろうポーション類や状態異常回復アイテム類を購入する。ちゃりーん、と軽快なSEと共にごっそりと所持金が減るも、攻略を進めればそれを取り返してお釣りが来る稼ぎが期待出来るから、落胆は無い。

 カラカラとストレージを見て頼まれていた分の補充を済ませた事を確認し、メニューを閉じ、露店を後にする。

 時刻は午後七時を回ろうとしていた。

 再集合予定時間は七時半なので、あと三十分ほどは猶予が出来た事になる。

 

「……装備の点検でもしておこうかな」

 

 四パーティーで一つのダンジョン攻略は流石に過剰なので、四手に分かれたあたし達は、それでも全員が均等に敵と戦った訳では無い。そもそも()()()型がアスナ、ラン、シウネーの三人だけで、他はSAO時代からの脳筋プレイで通しているため、大多数の仲間の武具は損耗が激しくなりがちだ。

 しかし、新エリアとは言え、所詮はエリアの序盤。激しいと言っても限度はある。

 腰に帯びた古代級の愛刀を外し、手に持ち、タップ。性能と耐久値が表示される。数値的に今日はメンテナンス要らずで使えそうと判断し、表示を消す。

 数秒でやる事が無くなった。

 

「……暇ね」

 

 ぐでっとベンチの背もたれに凭れ掛かり、空を振り仰ぐ。

 眩しい程の陽光。それに照らされる、青い空。現実と違い、ALOは18時間周期で一日が回っているため、現実では夜でも妖精郷は真昼なんて事は多い。四日単位で日の出がカッチリ合うようになる計算だ。

 あの空を飛行高度限界ギリギリまで飛んでみようか、という思考が浮かぶも、空都圏内は飛行禁止区域である事を思い出し、僅かに込めた力を霧散させる。

 ――普段なら、僅かな隙間時間でも素振りをするのだが。

 今はやる気が起きなかった。集中できないのに徒らに脳を疲労させても効率は悪い。むしろ変な力の入れ方や振り方が出来てしまうため、こういう時は完全にオフ状態にする事を心掛けている。

 原因は明白だ。今朝自動切断される程の瀕死に陥った義弟の姿が脳裏に焼き付いて離れないからである。

 彼が努力している事も、このALOで何か目的があって行動している事も察していたが、あればかりは予想外だった。母は点滴による糖分補給が無かったせいと思っているが、その理屈だと互角にやり合った自分も同じ状態になっていなければならない。辻褄が合っていない。

 またか、と溜息を吐く。

 ユイやユウキ達は自分達に何も教えないでいる事に苛立ちを露わにしていた。

 だが、今のあたしは怒る気力も薄い。怒りはあるが、それを表出する程のエネルギー消費も億劫に感じる。追い詰められていない今の彼に何を言っても無駄だと悟ってしまっているからだ。

 

 それに、確信があった。

 

 死に瀕する状態に陥りかねなくともしなければならない何かが彼の身に降りかかった。それに抗するべく、彼は短時間で自分と互角に打ち合える速さを手に入れた。

 ……恐らく、だが。

 技量の成長に乏しく、剣速のみ上がった事を鑑みるに、彼は何らかの方法で反応速度を極度に引き上げたのだと思う。脳の活動頻度を底上げしたから、エネルギーであるブドウ糖が不足した。そう考えるとあの状態に納得がいく。

 

 では、どうしてそうなる必要があったのか。

 

 ALOでの目的を完遂する為か。

 強くなる為か。

 ――否、断じて否だ。

 あの子は、確かに歪だ。SAOの頃に一度根幹から崩したが、それでも矯正し切れなかった部分があり、最終決戦からおよそ半年が経つ現在、それは今朝の様相として顕在化している。元々目的の為ならどんな手段でも講じるのが彼の在り方。だから『護る為』と言って人殺しにも手を染めた。

 しかし、彼の根底そのものは変わっていない。

 彼が剣を取る一番の目的。それは変わっていないと、あたしは確信を抱いていた。

 ――一人取り残された三ヵ月。

 仲間内では自分だけが知っている事実。詳細は不明だが、しかし独りになった彼は、再復旧したSAOサーバー内で懸命に奮闘していたという。

 そして還って来た時の事。

 彼は、生還を喜んだ。帰還を言祝ぐ言葉を受け容れた。

 ――先を見据えて、役人と暗部を利用した。

 あの空白の三ヵ月で歪さは増しただろう。しかし、あの空白を以てしても、彼の根幹だけは変化していない。

 あの子は今も戦っている。生きようと足掻き、幸せな未来を得ようと努力し、進んでいる。ただその手段が常軌を逸しており、理解を得られにくいものというだけの事。

 あたしは、それを理解している。

 死に瀕する事を良しとするその精神は、とても度し難いものであり、断じて許すべきものでは無いだろう。

 

 だが――――なら、他にどんな方法があるだろう?

 

 あの子に才能は無い。壊滅的だ。

 しかし――あの子は、努力し続けた。

 故に力を得た。技を覚えた。知識を蓄えた。聡明さを身に付けた。冷静に振る舞えるようになった。代償として子供らしさを喪ったが、いま彼に必要な要素の下地は殆ど整っている。

 その総仕上げが役人と暗部を介した政府との関係構築。リミットはIS学園入学まで。速めに見て、今年の第四回《モンド・グロッソ》か、ハワイで開催される予定のオリンピックか。予め周知徹底し、裏で事を進めるその難易度と遅々とした進行を思えば、彼に残された猶予はかなり少ない。手段など、選んでいられないだろう。

 だからこその今朝の容態。

 その方法を否定して、では代わりに何を提示できるだろう。

 真っ当な成長には時間を要する。しかし彼に、猶予は無い。時間が無いなら何かを代償に自身の階位を押し上げるしか方法は無い。それが『無理』というもの。

 だが、『無理』くらいしなければ、彼の生は繋がらない。

 

「まったく……タチの悪いジョーダンみたい」

 

 堂々巡りだ、と首を振る。

 それから脱する方法が彼なりの『無理』であり、今朝の瀕死状態。それを否定する事はあたしには出来そうにない。

 それほど、あたし達と生きる事を願う想いが強いという事だから。

 喜びこそすれ、怒鳴り付けるなんて出来そうになかった。

 

 ――ユウキが怒鳴っていた事も間違いではない。

 

 彼女の怒りは、彼を想うからこそ生じた感情であり、至極正しいものだ。死にかける程の事を隠し通されて怒らない者はいない。だから彼女を止めなかった。

 彼女の叫びは、新たな楔として彼の心を締め付ける。

 束縛はしたくないが……彼には、あれくらいが丁度良い。

 ――空を見る。

 限りなく、果てなどないかのように広がる蒼穹と雲海。しかし仮想と違い、現実にはあの先に黒い(ソラ)が広がっている。

 何れ彼はあの黒い宙を飛ぶのだ。そして彼を引き留める鎖が無ければどこまでも無限に飛び立つだろう。あたし達の手が届かない無限の彼方へ、躊躇なく飛び立ってしまう。彼が超えるべき(死闘)へと進んでしまう。

 その時、僅かで良い、ほんの少しでもあたし達を思い出すキッカケを作っておきたい。

 死への恐怖でも良い。

 仲間への感謝でも良い。

 想いの再確認でも構わない。

 爪先を引っ掛けるような、そんな小さなささくれを、彼の心に作っておきたい。彼女の叫びと怒りは、それを為す為の布石になり得る。彼女の想いは本物なのだ。真っ直ぐな想い故に彼もそれを無碍には出来ない。彼は『裏切り』をこそ最も忌み嫌うから。

 

 ――あの子はいま何をしてるだろう?

 

 シャワーを浴びて、色の抜けた長髪を洗っている頃だろうか。専任のシェフが作った料理に舌鼓を打っているだろうか。あるいは、楯無の妹とやらから勉強を教えられ、頭を悩ませている頃だろうか。

 それならいい。

 平凡な日常こそ、彼が求める日々だから。

 

 *

 

「久し振りだな、リーファ」

 

 そろそろ集合場所に移動しておこうと思った時だった。

 高圧的で、カンに障る気取った口調の男の言葉が聞こえた瞬間、ぼうっと空を眺めていた自分の顔が不機嫌なものに歪んだ自覚を持った。自覚していながら、それを改める事なく話し掛けて来た男へ向ける。

 ベンチに座るあたしの前には、声と口調から想定していた人物が腕を組んで仁王立ちしていた。

 残念ながらも同じ種族の証であるストレートの緑髪を後ろに撫でつけ、オールバックにし、額にサークレットを着けた美麗な偉丈夫。男は緑がかった西洋甲冑を纏い、深緑のマントを羽織っている。防具のレア度は高めで、腰に佩いているブロードソードも相応の業物なため、シルフの中でも上位者に入るのは見れば分かる。

 そして、この男はあたしの腐れ縁でもあった。

 

「そうね、ざっと一か月半ぶりかしら、シグルド」

 

 見下ろす男を睨み上げながら、挑発的に返す。

 

 ――シグルド。

 

 シルフの中でこの名を聞いた事が無い者は最近始めたニュービーか、中立域に進出した領地を棄てたプレイヤーくらいなもの。種族に帰依しているプレイヤーなら必ず耳にする名前だ。北欧神話にて邪竜を殺し英雄となった男の別名を名乗っているだけあり、その知名度は侮れない。

 ただし、腕は中の上レベル。弱くは無いが強くも無い。なんなら領主として普段外に出ずステータス的に周囲に劣りがちな領主サクヤにすらタイマンでは負けかねない程。

 というのも、シグルドは前線で戦うのではなく、中~後衛で指揮官として指示を出す遊撃タイプのプレイヤーだから。本人の腕こそ周囲に見劣りするが、指示だけはそれなりだ。実力差の開きが少ない狩場で堅実に成果を出すため今は領主館に入れるシルフ軍の将軍になっていると聞いた事がある。

 とは言え、あまりの差があると却って自爆する程度で、個人の能力もユージーン将軍とは較べるべくもなく、全幅の信頼は寄せられていない。

 何よりこの男――

 

「それで、アンタが嫌いな女の前に、何で今更顔を出して来た訳?」

 

 ――リーファとは不倶戴天の敵、と言われる程にこちらに敵意を向けて来る。

 そんな相手に対する露骨な挑発。シグルドは、ふん、と苛立たしげに鼻を鳴らした。

 

「勝手に領地を飛び出た莫迦を連れ戻しに来たんだ。必要になったからな」

「あらそう。でもあたし、戻る気は毛頭ないから」

 

 あっち行って、とひらひらと手を振った途端、シグルドの顔がくわっと鬼の形相になった。わなわなと小刻みに震えている様子から怒り心頭らしい。

 それを冷めた眼で見る。

 

「リーファ、お前が勝手にスイルベーンを後にしてからというもの、こっちがどれだけ苦労したと思っている。お前はシルフの切り札だったんだぞ。お前のせいでみんなに迷惑が掛かった」

「知らないわよ、そんなの。あたしはあんた子飼いの兵じゃないわ」

 

 シグルドの非難を、ばっさりと切って捨てる。取り合う価値も無い話だった。

 

 ――あたしとシグルドの関係は、このALOのサービス開始から少しして始まった。

 

 ALOサービス開始当時、あたしはネットゲームについて母からレクチャーしてもらい、ネットでも情報収集をしつつ、手探りでプレイを続けていた。

 中でも一際興味を引いたのは『飛べる事』。

 現実ではバンジージャンプでないと体感出来ないそれに魅了されたあたしは、恐らくALOで最速の随意飛行習得者となるほど、飛行に魅入られた。何者にも縛られず、また誰かのものでない蒼穹を飛び回る事が、あたしにとっての至福の時だった。

 地上では剣を振るって覇を競う。その合間に、空を飛んで心を潤す。

 

 そのサイクルが崩れたのは、サービス開始から三週間が経過した頃。

 

 種族間の抗争をテーマにしたハードなMMORPGとは言え、異世界に丸ごと転生したような興奮とゲームへの絶大な没入感は数多のゲーマーを魅了し、更には飛行という夢物語のような要素によって、最初期はそこまで抗争は激しくなかった。

 何より、種族間のPKによるメリットが、今ほど存在しなかった。

 ALOの他種族PKのメリットは、領主PKの時にしか発生しない。領主以外は中立域でのPKと変わらない結果になる。だから領主が居なかった最初期の一ヵ月間だけはとても穏やかなプレイ模様だったと記憶している。

 逆説的に、領主が誕生してからは他種族PKは頻繁に行われるようになった。

 そして《リーファ(あたし)》は風妖精族の初代領主。三週目から行われた同族からの信任投票で、何故か他薦されていたあたしは、その実力を買われて数多のライバルを押しのけて領主の座に座ってしまっていた。

 後から知人に聞いたところ、どうも立ち振る舞いや長刀一本で渡り合う様が尊敬する人(ブリュンヒルデ)に似ていて、憧れたから信任したという。つまりあたしは女尊男卑やブリュンヒルデ教信者に『似ている』からという理由だけで推薦されていたのだ。

 本物じゃないのにそれでいいのかと心底突っ込んだが……憧れとは、斯くも恐ろしいものである。

 そして、領主がPKされれば、PKを成功させた種族側は一週間好きに関税を掛け、領主館の金庫から数割のユルドを徴収出来るという、一種族にとって大きな繁栄を齎す特典がある。当然それをされれば堪ったものでは無く、領主に選ばれたあたしは領主館にカンヅメにされた。それまで気儘に魔物を狩り、時に同族や他種族のプレイヤーと刃を交え、荒んだ心を空中散歩で癒すというルーチンは、たった一つの役職で崩れ去ってしまった。

 自由にプレイする為に来ているのに、望んでもいない役職のせいで拘束される事に不満を抱いたあたしは、それでも筋は通すべくそれなりに働きはした。

 とは言え、たかが中学生の小娘が帝王学や兵法に明るい筈が無く、所詮は生兵法ばかり。他ゲームで言うギルド運営も、それまで碌にゲームをした事が無かったから勝手なんて分からない。

 

 しょうがないので自分が得意とする戦闘技術の訓練を徹底する事にした。

 

 各種族には志願で入隊する軍が存在している。システム的には『軍』とだけ大雑把に分類されるこの部隊を、あたしは『資金稼ぎ組』、『素材集め組』、『レベリング組』、そして『他種族戦争組』の四つに振り分け、対人戦だけを目的としている()()()の訓練に集中。

 幸い、あたしは長刀以外に槍や薙刀、刀、武術の心得があり、片手剣や曲刀、細剣といった使った事が無い武器にもある程度対応できたので、教導そのものは順調にいった。

 

 ――そこで噛み付いて来たのがシグルド。

 

 彼は『経験値を得られないのに時間の無駄だ』と抗議して来た。その類は他からも来たので、纏めて自分が相手して、レベルよりもまず対人での駆け引き、戦闘技術が必要な事を叩き込む。ゲーマーとしては圧倒的初心者――ALOが初めてのゲームとは知れ渡っていた――のあたしに全滅してから数日は大人しかった。

 とは言え、不平不満は山ほどあった。

 そもそも、ALOはゲームであり、娯楽である。そのつもりで遊びに来たのに日がな一日基本的な素振りや経験値にならない圏内戦闘訓練ばかりでは嫌気も指す。自分達が数字を増やさない間に他のプレイヤーは着々とユルドやレベルを上げ、強くなっていくのを見れば、それも一入というもの。

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 シルフ軍のプレイヤーは訓練時間に誰も来なくなった。

 他の組に混じって素材集めや資金稼ぎをしていたので、シルフ全体としてはある程度強くなっていき、あたしの支持率は徐々に低迷。実質的に軍を動かしていたのはシグルドになる。

 女尊男卑風潮の影響で支持率を得たようなものだったので、それが災いして陰口を叩かれるようになり、あたしは『女尊男卑風潮の女』と見られ始めた。

 シグルドの『女尊男卑に屈しない男』という評判と勢い、それに対する『女尊男卑の女』というあたしの評判と支持率の低迷が相俟って、一ヵ月の任期が切れる頃にはシルフ全体から村八分に近い扱いをされていた。

 

 そんな中でも良くしてくれたのが、二代目領主サクヤである。

 

 何故女性である彼女が『反女尊男卑』を掲げるシグルドを押しのけ二代目領主になれたのか。

 実は彼女、第一期領主選抜の時に最後まで生き残っていた唯一の自薦者で、あらぬ期待により水増しされていたあたしに匹敵する票を自力で稼いでいた猛者だった。

 それは普段のゲームプレイの姿勢によるもの。

 あたしは人と接する事がイヤな方なので、ゲームに誘ってくれた知人を置いて一人で狩りをする事が多かった。当時はその孤高な姿が『似ている』と言われた。あの女(ブリュンヒルデ)に似ているという事は、つまり傍から見ると『近寄りがたい雰囲気』があった事になる。接する機会が減れば、こちらへの理解度も低くなり、あらぬ中傷は瞬く間に広がる。

 対してサクヤは周囲の人を気遣える才女だった。序盤故に武器も魔法も大したものではないが、彼女の腕はあたしから見ても確かなもので、何らかの剣術と武道を心得ている事が見て取れた。それでいて鼻に掛けず、仲間を頼り、また護る関係を大切にしていた。頼りになるリーダー肌の彼女が人気を集めたのも当然の事。女尊男卑風潮により醜い女性を見て来た中、性別を偽れないALOでそんな人と会えば、ぞっこんになっても責められない。告白された数は既に三桁に上るらしい。

 そうして第二期領主選抜では、初代が女尊男卑と噂されていながらも異例の女性の台頭となり、シグルドとサクヤは激しく討論を交わした。

 結果は()()()()()()

 勝負の分かれ目は、グランドクエストへの姿勢にあった。

 シグルドは、負けず嫌いな性格なのだろう。他種族に負けられない、絶対に一番にクリアする事を命題とし、シルフ全プレイヤーの()()()()軍部への所属を求めた。光の妖精アルフになってから好きに世界を飛び回り、他種族を圧倒する事が最も楽しめると言った。

 対するサクヤは、比較的穏当な流れで進める事を語った。たった二ヵ月で中立域の草原までの山脈ダンジョンを踏破出来ていない今、無理に強化を押し進めるのではなく、個々人のペースで強化を進めていく事を推奨したのである。

 ――ALOは種族間抗争をテーマにしたVRMMO。

 しかしその前に、遊びなのだ。義務感で戦わされるより、欲求や興味を最優先にALOを遊び、自然な自己強化に身を任せる方がプレイヤーのモチベーションに繋がる。彼女はそう締め括った。

 勿論、誰もがサクヤの意見に大絶賛。

 同時に、半ばシグルドのように訓練を強要していた身として己を恥じ、人を束ねる者として彼女を尊敬するようになった。プレイヤー数十人分に匹敵する領主からの信任票――事実上の自主降板――を投げ入れた時の、彼女の驚きの顔は未だに憶えている。『頑張るよ』と言った彼女は今も領主を続けており、今月で十六期目の続投だ。

 そして、彼女の演説で敗退したシグルドだが、軍のプレイヤー達からは信頼を受けていたため下手に解雇に出来ず、将軍のポストに据えられた。現在に至るまでその関係に変化はない。

 それが、この男には耐え難い屈辱なのだ。

 飽くなき上昇志向と言えば聞こえはいいが、要は自分より上に人が居る事が許せない須郷タイプの性格である。不幸中の幸いは須郷ほど外道では無いという事か。

 ただし、人の意見は無視するし意思も踏み躙るところが目立つので、善人でも無い。

 善人になり切れない悪人、というのがシグルドに対する印象だった。

 

 ――そんな男が声を掛けて来た。

 

 会話の内容からあたしの力を必要としている事はすぐ分かる。というより、隠すつもりも無いらしい。そうでなければ大嫌いな人間相手に声を掛ける訳が無い。

 思い当たる節は――あった。

 スヴァルト実装日の深夜の事だ。噴水広場から入れる塔から、領主達が出て来た時の事。各種族の強化を図れるこの新エリアを前に何もしない筈が無く、事実(暫定)キリトにより複数種族の領主軍が壊滅状態に陥ったとも聞いている。

 ――と、そこまで思い出したところで、シグルドの意図を察する。

 確かシルフ軍もあの時壊滅状態に追いやられた種族の一つ。相応の準備をしていったのに、ボスと戦いもせず終わった事に相当鬱憤を溜めている筈で、今度こそはと気炎を上げている。そこでまた妨害してくる可能性を考慮し、彼に対抗出来る戦力としてあたしを頼って来たのだろう。

 ――遠くで、知り合いの猫耳を視界に拾う。

 時間を見れば、もう集合の時間まで五分を切っていた。そろそろ行った方がいいとベンチから立つ。

 男は険しい睨みを向けて来る。それに、最早目もくれず、転移門付近へと歩き出す。

 

「生憎と、あたしには一緒に攻略する仲間が居るの。戦力拡充を狙うなら他を――」

 

 

 

「あの異常者共が仲間、か」

 

 

 

 ――足()()()()

 こちらを見つけたのだろう、遠くから手を振って来る射手に申し訳なく思いながらも、視線を切り、振り返る。シグルドは、侮蔑の笑みを浮かべていた。

 

「……どういう意味かしら」

「理解出来なかったか? お前が『仲間』と呼んでいる連中は、デスゲームで死にかけたにも関わらず、またVRMMOを始めている異常者だと言ったんだ」

 

 シグルドのその言葉を、しかしあたしは否定出来なかった。

 何も知らない世間一般の人間からすればその認識が正しいのだ。死にかけた仮想世界にまた戻る、そして娯楽として遊ぶ神経が理解できない事は、百も承知の事。実際ウチ以外にもリズベットやシリカ、フィリア、サチ達の家族も反対していた。それを押し切る形で今もログインを続けている。

 常軌を逸している事は認めるべき事実だった。

 だが――

 

「それと、今の話に、何か関係が?」

「リーファ、お前は後から巻き込まれた側と聞いている。あんな異常者共のところに留まっているとお前までおかしくなるぞ」

「――はっ」

 

 険しさの抜けた、真剣味を帯びた表情で言われた事を、鼻で笑う。

 何を言うかと思えばという心境だった。

 

「な、なにが可笑しい!」

 

 嗤われた事は理解出来たようで、瞬時に顔を朱くし、激昂するシグルド。怒鳴り声が響いたため周囲に居るプレイヤーの野次馬根性丸出しな視線が集まった。

 それらを無視し、傲岸不遜な男に笑みを向ける。

 

「可笑しいわよ。みんなの事を碌に知りもしない内に決めつけるあんたの判断能力が可笑しくて堪らない。人間ってね、そんなに浅くないの」

 

 ――――あたしをおかしくないと思っている時点で、見る眼が無いわよ。

 

 そう、シグルドにだけ聞こえる声量で笑ってやると、面白いくらい顔を引き攣らせ、後退りした。怖気づいたのか怒りの威圧すら感じなくなっている。

 この程度か、と内心落胆する。

 あたしがSAOに居る間に胆力と剣の腕を上げたかと思っていたが、内弁慶なところは相変わらずだ。あたしが嫌いならいっそ反抗して欲しいくらいである。

 

 ――もしかしたら、リアルで女尊男卑の被害に遭ってたのかもね。

 

 下火になってこそいるが、しかし未だ根強く存在する風潮により、あらぬ嫌疑や冤罪を被せられる事もあるため、女性に対して男性は強く出られない部分が残っている。ましてや数年前はその絶頂期。手酷い事をされたなら、それが原因で女性に憎悪を燃やしつつ、いざ敵意を向けられると気弱になるのも頷ける。

 まぁ、あたしには関係ないが。

 

「俺に付いてこないなら、何時か必ず後悔するぞ」

 

 改めて背を向け、心配そうな表情の仲間達へと向かう中、背後から怨嗟に満ちた声が届けられる。

 

「悪いけど『後悔しないよう全力で』が桐ヶ()谷流()のモットーなの」

「――泣いて土下座する練習でもしておくんだな」

 

 その言葉を契機に踵を返し、歩き去っていく荒い足音が聞こえた。どうやらスカウトは諦めたらしい。

 

「あんたこそ、ね」

 

 小さく返して、あたしは集合場所へと走った。

 

 

 

 ――そして頭を抱える事になる。

 

 

 

 *

 

「あ、リーファちゃーん!!!」

 

 犬の耳と尻尾があれば喜びに乱舞いていただろう程の満面の笑みを見せ、駆け寄って来る小柄なシルフのプレイヤーを見て、直前までシグルドとばちばちしてた気分が一気に萎える。

 自分にALOを紹介した元クラスメイトの知人レコンだった。

 何もしないままだとタックル紛いのハグを受けかねないので、片手のアイアンクローで顔面を掴んで制止する。絵面的に犯罪チックだがここは《圏内》なので問題無い。更にこっちが女であっちが男なので、ハラスメントコードがこれで発動する事も無い。義弟と違い痛みの再現も無いから発生するのは違和感だけだ。

 お蔭で容赦なくアイアンクローをかませられた。若干仲間が引き気味な気がしなくもないが、これくらいが丁度良い事を『良かれと思って』複数回やらかしている。

 悪気が無いせいでタチが悪く、こちらも全力で対処せざるを得ないのが悩みどころだ。

 

「色々と聞きたい事はあるけど。まず、アンタ、何でここに居る訳?」

「リーファちゃんと一緒に居る人達が集まってたからだけど?」

「……『どうして』此処に来た訳?」

 

 あたしは手段ではなく目的を聞いたのに、見事なまでに反対の事を言ってくれる知人に脱力しながら、追加で問いを投げる。今度は間違えないだろう。

 今度間違ったらアイアンクローのままぶん投げてやろうか、と物騒な思考を浮かべる。

 ……瞠目している義妹達への教育的観点を考え、それはやめておくことにした。

 

「どうしてって、リーファちゃんと久し振りに遊びたかったからだよ。僕もスヴァルトの攻略メンバーに加えて欲しいなぁって思って」

「……ホントですか?」

 

 片手で宙にぶら下げながら仲間に視線を向けて問う。シノン達は引き気味に頷いた。どうやら本当らしい。

 と、そこでおずおずとユイとストレアが近付いて来た。キリカが居ないが、あの子は情報収集に奔走しているので、また後で合流予定になっている。

 

「あ、あの、リー姉……流石にもうアイアンクローはやめてあげたらどうでしょう……?」

「ていうか出会い頭に暴力振るうなんて珍しくない? アタシ初めて見たよ? なんかあったの?」

「誕生日プレゼントをこっそり渡すつもりであたしが取っていた宿にハイディングで忍び込んできた」

 

 なんなら戦闘衣装から緩いローブに着替える間の下着姿になる僅かな瞬間まで見られてしまっている。

 

「えぇ……」

「それは……」

「気持ち悪いわね」

「怖いです」

「マナーってもんが無ぇな」

 

 上からユウキ、アスナ、シノン、シリカ、クラインの言である。やっぱり男性からしてもレコンの行いは非常識に該当しているらしい。男性の意見を聞いた事が無かったので、自分がズレてた訳じゃ無かったとホッとした。

 そして女性陣の眼が同情から侮蔑のそれへと早変わり。

 いきなりレコンの信用を下げる発言は中々の鬼畜の所業とは思う。しかし、誕生日プレゼントはレアな食材を使ったクッキーの類で、SAOに漂流した二週間で空腹を紛らわせるお供として大変お世話になったと言っても、だからと言って下着を見られた――というより部屋に忍び込んできた――事を許すつもりは無い。

 かなりウザいというか大人げないというか、非常に面倒な女だと思うが、それだけ許し難い事だった。

 ……和人(想い人)にすら見られた事無いのに。その辺、幼い頃から恐ろしいくらいキッチリしてたから。

 そもそも忍び込んできた辺りが一番生理的にキツい。直接渡してくれれば、こちらも相応の返礼をしたのに、サプライズだか何だか知らないがマナーを破った罪は重い。

 ……それでも『プレゼントに罪は無い』と言って返礼したのがまずかったかなぁ、なんて。

 アイアンクローとか百年の恋も冷めるような所業だろうに何故か忠犬の如く気にしない様はちょっと怖い。彼の中であたしはどれだけ美化されているのか。

 

「うわぁ、リーファちゃんヒドい」

「自業自得よ。だいたいさっき駆け寄って来たのも制動するつもり無かったでしょ、恋人でも無いのにハグ紛いの行為をする相手に掛ける情けは持ち合わせてないわ」

 

 応じるのも疲れるので、アイアンクローをやめる。

 すると若干距離を詰めて来るレコン。こちらも同じだけ下がって距離を取ると、近付いてはダメなんだなと悟ったらしく、すぐに歩みを止めた。

 

「あー……これが、距離を取ってた理由、かぁ……リーファ、苦労してるね……」

「哀しくなってくるから言わないで……」

 

 この中で唯一ALO内でレコンの情報を聞いているユウキが、同情を向けて来て、泣きそうになる。個人的にこれくらい義弟ががっついてくれたら嬉しいのだが現実は非情だ。

 

「あー……ともかくだ。ソイツの事はリーファが一番知ってるんだろ? 結局どうすんだ?」

 

 集合時間も過ぎていて、何時までもこの場に留まっていては埒が明かないと判断したらしいエギルが、そう促して来た。確かにレコンの事をこの中で最も知っているのはあたしだからその判断は正しいと言える。

 しかし、生憎と一年以上ALOで会っていなかったので、今のレコンがどれくらいかあたしにも未知数なところがある。

 

「記憶が確かなら、確か《闇魔法》と《隠蔽》スキルを育ててたダガースタイルだったような……」

「そうだよ! ちなみに本土だとどっちも完全習得済みだから再成長は速いよ!」

 

 記憶は正しかったらしい。なにせ長らくALOで共闘していなかったから、覚えているのもほぼ序盤のもの。リアルで話に聞いていただけだったせいで印象が薄かったのだ。

 

「ちなみに随意飛行は?」

 

 問うと、笑顔だったレコンは苦みしばった表情を浮かべた。

 

「……速度を上げると無理」

「飛行酔いは?」

「……それもまだ」

「央都には行けた?」

「山脈も越えれてません」

 

 央都の中央草原を囲うように展開する山脈には三つのダンジョンがあり、その一つがシルフ領とサラマンダー領の間にある『古森地帯』の奥地に存在している。そこから入る事で到達できるのだが、古森地帯の奥地から敵が手強くなる上、洞窟内部は敵Mobのポップ率が半端では無いので、ソロで越えるのはかなり難しい。

 山脈越えしていないからと言って強者で無い訳では無いのだが、レコンの口ぶりから、返り討ちにされたんだなと察する。

 しかも別れてから一年以上経過する今も随意飛行と飛行酔いは未改善。随意飛行は出来ない人もいるから仕方ない、遅くても出来るだけ進歩だ。

 しかし飛行酔いは致命的である。ダンジョン内ならともかく、フィールドやエリアボス戦ともなれば事実上の戦力外に等しい。

 VR技術の中で現実と異なる重力感覚のせいで酔う人は居るが、長時間且つ定期的なフルダイブを続ける事でそれは改善していく。実際あたしは現実と異なる慣れない感覚で長時間のダイブは辛い時期があった。ソロで狩りをしている間に改善してしまっていたが、要は仮想世界での集中力に比例して改善しやすいのだと思う。

 なのにレコンは飛行酔いを直せていないという。

 

「……あんた一年間何してたの?」

只管スキルを鍛えて暗殺スタイルを磨いてました!

「おバカ!」

 

 ひゅがっ、と額に手刀を落とす。圏内コードに引っ掛からない程度に加減しつつ衝撃だけは大きいそれは小柄なレコンを大きく仰け反らせた。

 技術の無駄な活用法である。

 尚、セクハラ目的で近付いて来る相手を薙ぎ倒せるので、案外使い時はある。嘆かわしい事である。

 

「――――っ、いったぁ……」

「痛覚再現されてないんだから痛い訳無いでしょ……ともかく、随意飛行はまだしも、飛行酔いも直せてなくて、しかも対人特化とかこっちの目的に真っ向から喧嘩売ってるも同然よ」

「いやいや、暗殺スタイルって結構使えるんだからね! 仲間が居ると不意打ちバンバン成功して即死させられるスタイリッシュなスタイルなんだから! あと暗殺はMobにも有効だから!」

 

 そりゃボスは流石に不得手だけどさ、と勢いを弱めて付け足すレコン。

 

「……ね、ねぇ、リーファちゃん。レコン君もこう言ってるんだし、実際どれくらい強いのか見てから仲間にするかどうか決めてもいいんじゃないかな……?」

「アスナさん、本気ですか。こいつ人の部屋に忍び込むようなモラルの無い男ですよ」

 

 そう言って、頭一つ分小さいレコンの頭部を掴む。今思うとレコンって結構小柄なんだな、と思った。なんならユウキの方が若干高いのではないか?

 

「ん、んー……そう言われると擁護出来ないんだけど……味方は多いに越した事無いし、ね? ヘンな事したら追い出したらいいだけだし、戦闘中なら起きないんじゃないかなぁって」

「こいつ戦闘中の激しい動きに酔ってこっちに突っ込んでくる時ありますけど」

 

 どさくさに紛れて胸に顔を埋めた恨みは忘れない。

 

「い、いや、今はもう酔ってもそんな事しないくらいにはなってるから!」

「つまり、実際にやったのね? ……サイテー」

「ぐっはぁ!」

 

 過去のようにはならないと、過去の行動を肯定したあまりにシノンから厳しい言葉が送られ、空気を吐いて倒れるレコン。前からそうだが随分とノリが軽い男だと思う。

 (くずお)れる男を見下ろしながら、思考を回す。

 実力面は正直怪しいが、何だかんだ言ってあたしには嘘を吐かない――悪い意味でも正直な――男だ。暗殺スタイルというのがそれだけ強いのは本当かもしれない。どのみち嘘なら追い出せばいいし、本当に強いならメリットになる。デメリットはあたしが引き受ければ、まあ今までと変わりないだろう。

 周囲を見ると、やや忌避感こそあれ、全面的に反対という意思は見えない。やはり古参プレイヤーの箔があるからだろうか。

 

「はぁ……分かりました。じゃあレコン、テストがてら一緒に行動するわよ」

「え、マジで?! も、もしかして、リーファちゃんと二人っきりとか……!」

「そんなのあんたのフォローで碌に攻略できない未来が目に見えるわよ!」

 

 おバカッ! と怒鳴って、また手刀を落とした。

 

 






 はい、如何だったでしょうか。

 和人に対し木綿季がキレたのに直葉が余裕を持っていたのは、『死にかける程の代償』も全ては『生きる未来を掴み取るため』と和人の事を全力で信じていたから。

 『たった独りの三ヵ月間』の内情を把握しているのはALO勢だと直葉だけなので、和人がどれだけ強い想いで生きようと足掻いているかを察しているんですね。でも死にかける事の事情を話していない事には怒っているので木綿季を止めませんでした。

 若干木綿季が理不尽気味でしたが、それはあくまで和人視点だからであって、直葉達からすれば当然の怒りであり、想いなんです。

 どっちの心情と事情も理解しているから直葉は敢えて中立を保っていただけの事。

 ――義姉レベルが段違いです(迫真)

 シグルドに関しては、SAO編やALO編でのサクヤとの会話のように、散りばめていた情報の総まとめ。リーファがソロの理由とか、領主になった時の大変さについて触れられていた部分を掘り下げました。

 リーファをブリュンヒルデに似てるから推したりするか? と疑問に思った方は、こう考えましょう。

『ブリュンヒルデ=女尊男卑の象徴=強い女性』

 つまり女尊男卑の象徴になり得るなら誰でも良くて、たまたまリーファが選ばれてしまっただけの事。だからすぐに掌返して支持率低迷して村八分状態になるんですね() きっと男を真っ当に登用していたからに違いない(人間って身勝手!)

 SAO生還者を『異常者』と言うのは、原作だと明言されていないものの二十一巻シリカ視点でそれらしい事が言及されています。『あんな目に遭ったのにまだ続けてるの』と。

 ……実際そうだと思うんですよねぇ。何で原典ゲームのセブンはキリト達の経歴に気付いた時に言わなかったのか。『ゲーマーの性』とか言われたからかも?

 ちなみに原作小説だとビミョーにキリトとアスナの素性がバレているようなバレていないような曖昧な描写の仕方なので知りません。でもSAO大全が出てからは周知の事実になっているんじゃないですかね。

 レコンに関しては、ちと悪ノリした部分はあります。

 ……でも『プレゼントをこっそり渡す為に宿屋に忍び込んだ』っていうの、原作でもマジであるお話なんですよ。地の文でちょろっと触れられただけだけど、マジです。ヤベェ(確信)

 ラッキースケベは、飛行酔いからの味方巻き込み撃墜でやってそうなだけで追加(血も涙もない作者)

 飛行酔いがあるのも原作同様。随意飛行は、世界樹内部の決戦時にやってたので、リーファみたくとんでもない速度でなければ可能という感じに。

 ――原作通りと見せかけて、『暗殺スタイル』とかいうので地味に強化されてるんだなぁ。

 尚空中戦闘だと役に立たない模様。是非も無いネ!(無慈悲)

 では、次話にてお会いしましょう。


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