インフィニット・オンライン ~孤高の剣士~   作:黒ヶ谷・ユーリ・メリディエス

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第四十四章 ~なににも勝る想い~

 

 

「落ちなさいッ!」

 

 手を払い、声を発し、我が身に満ちる《クラウド・ブレイン(意志総体)》に命じる。

 情緒と可能性を秘めた高次元システムはこちらの意志を正確に読み取り、こちらの想定以上の物量を召喚、具現化した。スメラギが持っていた蒼き刀、アスナが持っていた白銀の細剣、己が持っていた天使の長槍――覚えがあるものだけでなく、覚えのない武器すら含まれた刃の雨が天より落ちる。

 ドドドドドドドドドドドッ――と、豪雨に叩かれ、砕ける大地。

 ――その只中を走る黒き幼子。

 タイミングは完璧だった。故に回避は不能。

 攻撃方向も抑えられていた。故に防御も不可。

 

 ――だと言うのに……ッ!

 

 瞋恚の()を纏う華奢な体は止まらない。武器が当たっても、怯みすらしない。

 その瞳はこちらを見据えて離さない。無限に等しい刃を前に、こちらを見たまま剣で弾き、あるいは武器が飛んで相殺している。背中に目でも付いているのかと言わんばかりの超反応。

 距離を詰められ、二刀が重ねて振り下ろされた。

 手を突き出し、防御を思考――――

 直後、掌の先の空間が輝き、一瞬にして絶氷の障壁が形成された。二刀はそれに阻まれる。刃は氷を斬り裂くが、凍て付く壁に絡め取られた。

 二刀の柄から小さな手が離れ――

 

 拳が、握られた。

 

「なにを――っ!」

 

 私が思考し、《クラウド・ブレイン》が叩き出した最適解。《ⅩⅢ》による無限供給の氷の壁、それを魔法により補強し、物理的にも魔法的にも対応した無敵の障壁が私の前にある。如何な手段であってもそれを破れはしない。そうなるように、《クラウド・ブレイン》が演算したからだ。

 ――だが。

 無音の呼吸の後に、絶氷の障壁が殴られ――――罅割れ、砕けた。

 ガラガラと粗大な氷塊が降る。肌に触れた瞬間リソースとして吸収、還元しながら、強化した脚力で後退。距離を開ける。

 原因は不明だが、私の肌に触れても彼の体は吸収出来ない。この草原の大地も、空気に漂う――否、“空間”そのものを形成しているSAOサーバーの演算リソースも、私の元に集まらない。“MP”という形でリソースを放出する事で先の氷の障壁のように出来ているが、結局プラマイゼロの結果になっている。実質消費は無いが、彼も世界も吸収出来ないのでは千日手だ。

 

「こうなったら――」

 

 SAOサーバーのリソースを得られないのは、彼が抱く『みんなを取り返す』――ひいては、SAOがデスゲームとなった最初期から抱いていた想いを基点とした、彼ひとりによって形成される《クラウド・ブレイン》に対して、オリジナル・カーディナル・システムが従っているからに違いない。

 彼の《クラウド・ブレイン》が【カーディナル・システム】を押さえ、連鎖的にSAOサーバーのリソースを保護している。それはあの浮遊城やこの心象を保っている事からも明らかだ。

 であれば――自ずと、どうすればいいかは導き出される。

 彼がしているように、私の感情を励起、《クラウド・ブレイン》を強大なものにする事で、オリジナル・カーディナル・システムの支配権を強奪するしかない。

 

 つまり、彼の心を折るか、彼の心を私が超えるかだ。

 

 この場合、どちらが容易か。

 考えなくても分かる事だ。今の彼は、その装いと再び再構築した黒と翠の剣の姿から察するに、SAO時代の《自己像》を基軸としている。当時の自身を重ねる事で、当時の思考と想念を強化しているのだ。

 同時――それは、当時共に戦っていた戦友達の《感情》を呼び起こす。

 彼の心象を具現化した草原には、際限なく古びた武器達が突き立っている。仮想世界にあり得ない事に錆びの浮いた剣たちは、彼に力を貸す時だけ、往年の姿となって彼の手に収まっている。その姿は彼が記憶に留めている《本来の持ち主たちと戦っている時》のカタチなのだろう。それを強く思い起こす事で、SAOの【カーディナル・システム】が保存している彼らあるいは彼女らの()()を励起し、技量をトレースしている訳だ。

 オカルトには疎いが、前世の自分や先祖の霊を降霊させ、技術を得るとかいう与太話が思い起こされ――

 

「――余所見とは余裕だな」

 

 ――意識が戻る。

 気付けば、眼前に少年が迫っていた。

 ある意味《クラウド・ブレイン》の補助を受けた弊害なのだろう。高まった脳の演算限界の影響か、一つの事への集中が然程なくても高いポテンシャルを引き出せている。特に仮想世界は脳の演算限界と反応速度がものを言う世界だ。ゲームとしてのステータスもほぼ撤廃された現状、その側面は強くなっている。

 だからと言って、同じく《クラウド・ブレイン》を発現しているだろう少年相手に気を抜いていい訳ではないのだが。

 逆手に握られる、武器殺しの短剣――フィリアが持っていたソードブレイカーが、素早く、鋭く振るわれた。鷹の爪の如き湾曲の軌跡。

 情緒と可能性を併せ持つ《クラウド・ブレイン》が自動的に武器を召喚し、阻まなければ、首に入っていた。あまりに高い防御力値の前に掠り傷が付いたとは思えないが衝撃そのものは受ける。流石に首に受けれはキツいだろう。

 集中する。

 ――流れが遅くなる。

 少年の動きが緩慢に見えた。

 

「――は」

 

 一笑。

 意思を汲み取った《クラウド・ブレイン》が、虚空から、天から、無数の武器を(しゅう)()として落とした。

 ゆるりとした緩慢な動きに対し、正確無比の無慈悲な剣群が狙いを澄ませる。

 ――それも、横合いから割り込んだ剣群により無意味と()した。

 目を眇める。

 

「……どういうこと?」

 

 疑念が過ぎる。

 《クラウド・ブレイン》がコピー・カーディナルを支配した事で、ことALOに関して知らない事はなく、また【カーディナル・システム】というシステムの事も理解している。時間を費やした訳でもないので抜けはあるだろうが、必要な事として思考に浮かべた時点で、《クラウド・ブレイン》がそれについて情報を提示してくれるから、問題は特にない。

 だが――《アインクラッド》で起き得る事と、彼の事については例外だ。

 彼のアバターはSAOサーバーのオリジナル・カーディナル・システムの支配下にある。更に言えば、そのシステムも、彼が構築する《クラウド・ブレイン》に制御されている。

 彼の感情や敵意が流れて来ないのは、この世界を自分が吸収できない事も含め彼の《クラウド・ブレイン》が妨げているからである。彼が起こしている現象が理解出来ないのは至極当然の事だった。

 

「さっきからあり得ないタイミングで迎撃出来てるのは何故? いまの攻撃、きみは反応し切れてなかった筈よ」

「――お前と同じさ。気付いているんだろう、俺にも《クラウド・ブレイン》がある事を。それがこのSAOサーバーにあるオリジナルのカーディナル・システムを保護している事も」

「ええ。吸収出来ない以上、そう考える方が妥当よ。でも……私が知覚、思考出来ていない事に、《クラウド・ブレイン》は応えないわ。如何に情緒性、可能性豊かと言っても、そもそも《思考機会》を提示しなければ演算システムは演算を始動しないもの」

 

 攻撃の意志を組んで剣の雨を、防御の意志を組んで武器や属性の障壁を出すように、《クラウド・ブレイン》はこちらの《意志》を基軸として独自に演算を行い、最適解を叩き出す代物。

 つまり、使用者本人が気付けていなければ、そもそも真価を発揮しない。

 感情面で言えば無自覚でも応じてくれるが、《思考》という過程が無ければ、攻撃・防御一辺倒。《思考》はレールを変えるギアだ。走り続ければ何時か衝突する車と同じで《思考》を挟んで止める時も必要なもの。

 決して万能では無い。

 

「あと、速さもおかしいわよね。よしんば気付けても距離的にあり得ないでしょう」

 

 あちらも本家の《ⅩⅢ》を持っているのだから、虚空から呼び出し妨害出来る筈だが、さっきはどこかから飛んできた武器による迎撃だった。私がしている防御法と異なる以上違うものである事は明白だ。

 それを可能にするには、こちらが武器を落とした事に気付いてから着弾までの一秒未満の間に、秒速何百メートルもの速度で武器を飛来させなければならないのだが――そんな手間を考えれば、《ⅩⅢ》で召喚した方がマシである。

 ――そう思考していると、彼が片頬を釣り上げた。

 

「この世界は、俺の心象を展開している。この草原一体全てに俺の《クラウド・ブレイン》が張り巡らされているんだ。お前の《クラウド・ブレイン》は自動防御に《ⅩⅢ》の召喚を使っているが、俺は草原に予め武器を撒いているから、それを俺の《クラウド・ブレイン》が使っているだけだよ……つまり、お前の武器が召喚された時点で、武器の迎撃は自動的に決定される」

 

 そう、彼は言った。

 

「勿論位置関係や態勢を考慮されている。実際、俺が自分で防ぐ時には来ないだろう?」

 

 言われ、思い返す。

 途中から気にしなくなっていたが、言われてみれば自分で武器を弾く時とそうでない時の二パターンあった。私は《クラウド・ブレイン》に全てやってもらっているが彼はそうしていない。

 

「……規模の問題でしょう? 私の《クラウド・ブレイン》は数十万人の演算能力で構成されたもの、でもあなたは一人だけだもの。演算リソースの不足で優先度を決めているだけでしょう」

「――その通りだ」

 

 脅威ではないと、そのつもりで言った言葉が、何故か全肯定される。眉を顰め、目を眇めて少年を見つめる。どんな考えを以て自身の不利を認めたのか。

 彼は、こちらの疑念を、肩を竦めて受け流す。

 

「言っておくが、これで俺が不利だと思っているなら大間違いだ。こと戦いに於ける不利はお前の方だぞ?」

「……どういう意味よ」

「この場に展開される心象は俺の想念を基軸にしており、つまり《クラウド・ブレイン》も維持に関わっている。そこに現れた異物を排除するは自明の理。お前が自身の力にさせている武器召喚は、俺自身が対応する必要も無いものだけ自動で迎撃される。つまり、お前がユイ、キリカ、シノン達から奪い、他のプレイヤーやALOに実装されている全ての武器の召喚は、ほぼ封殺されたも同然だ」

 

 そもそもな、と。腕を組んだ彼の言葉が続く。

 

「お前との戦闘に於いて、俺がこの手に握る武器以外でお前を傷付けようとしたか?」

 

 沈黙。

 思い返して、答えに行き着く。

 

「――答えは、否だ。最低限の具象化の意地以外にはお前の武器召喚を阻害する事しかさせていない。何故なら、戦いの経験は俺の方が上だからだ。お前の猛攻を捌き、反撃を入れるのに、いちいち《指示》という隙を挟む必要がないのに《クラウド・ブレイン》にさせる道理はない」

 

 対して――と、彼の眼がこちらを強く見据えた。話の矛先がこちらに向けられる。

 

「お前は違う。()()の技術を読み取りトレースする事も、武器召喚による攻撃、防御行為も、全て《クラウド・ブレイン》頼り。だがそれも俺の《クラウド・ブレイン》がほぼ相殺する……ほら、どちらが不利か、もう分かっただろう? 同じ《クラウド・ブレイン》と言っても、使い方や状況ひとつで相性や有利不利は容易く逆転する、それが戦いというものだ。思索を()めてただ技だけ揃えたお前の戦い方には経験が無く、論理も無い。如何に天才と言われようが努力抜きにその道の人間を越えられる道理はない。道程が無く、積み重ねも無ければ、容易く地金は晒される。所詮担がれていただけのお前では、そこが限度なのだろうよ」

 

 ふん、と勝ち誇ったような笑みが浮かんでいる。

 

「さぁ、どうする。頼みの綱である《クラウド・ブレイン》はほぼ封殺、《ⅩⅢ》で出来る事も本体同士の技量も経験で俺が勝っている。いよいよ進退窮まって来ているぞ。諦めるなら今の内だ」

 

 くつくつと、喉の奥を鳴らして言ってくる。

 吸収する事もなく手に取るように分かる《悪意》と《敵意》。神を自称した私の失墜に愉悦するかのような態度。こちらの心を逆撫でしようと敢えて選ばれた言葉の数々。

 ――口の端が、歪む。

 

「言ってくれるじゃない……」

 

 胸中を乱す感情が湧く。それは、蠢き、総身を満たすモノ――《クラウド・ブレイン》へと干渉した。

 ずず、と天に茂る草原が揺れる。

 視点が、高くなる。

 

『――これまでは手を抜いていただけよ。その気になれば、きみなんて一口で飲み干せるくらい、()は大きくなれるんだから』

 

 狭くなった草原から降りる。靴底が海面に付く――が、元から見た目だけなのか、靴底が水面に落ちるだけで止まった。

 眼前には、矮小に過ぎる草原の大地。そこに立つ黒の子供が()を見上げている。

 その立ち姿に変化はない。腕を組んでの仁王立ち。覇気を纏い、神たる私を()め付けている。

 なんたる不遜。

 なんたる傲慢。

 あまりに矮小な存在が、(おお)いなる《神》に向けていい顔ではない。仮令救世主に等しい立場にあってもだ。

 

『小さい、小さいわ。きみは大きくなれないのね』

 

 ――だが、私はそれを、笑って許した。

 くすくすと、大気を震わせ、笑う。

 彼とて同じ《クラウド・ブレイン》を構築し、同じく【カーディナル・システム】を掌握している。その気になればリソースを吸収し、同じように巨大化をする事だって出来る筈だ。私に競り負けないくらいのステータスを得られる筈だ。

 だが、彼はそうなっていない。

 であれば――しないのではなく、出来ないのだ、彼は。

 故に、抱いた感情は怒りでは無く、哀れみ。力無き者へ向ける憐憫。

 

『形勢、逆転ね?』

 

 顔を寄せる。

 巨きくなった私からすれば、彼は塵程度のサイズでしかなくなった。そんな存在に怖れは抱かない。吹けば散る木っ端に過ぎないのだ。

 強化された視力があるから見えているが。

 少し気を抜けば、居る事すら気付かず潰してしまうだろう。

 

『進退窮まった? 諦めるなら今の内? ――いいえ、それは違うわ。それはきみの方よ、キリト君』

 

 喋る度に、大気が震える。轟音が響いているのがよく分かる。

 ――それに、ひれ伏せばいいのに。

 小さな小さな黒の子は、未だ覇気を纏って立っていた。

 不快を抱く。だが、それ以上に、その反骨心への称賛があった。この状況になっても勝てると思っている事がとても愛らしい。不屈の心、挫けぬ克己心は、眩く、人の心を魅入らせる。

 

『妖精郷の全てを喰らったこの()にきみの方が屈服するべきよ。きみの力じゃ()に届かない。きみの小ささじゃ、()は倒せない。蟻はね、たった一匹じゃ象には勝てないの』

 

 そう、自然の摂理を語ってやる。

 凶悪なシロアリや毒アリだって、皮膚の厚い象を像を殺す事は出来る。でもたった一匹では不可能だ。他のアリが死んでいる間に数で押し潰すのがアリの戦い方。一匹程度では、毒が回る前に踏み潰される。

 いまの彼は、その程度の存在だ。

 どれだけ足掻いても。

 どれだけ抗っても。

 ――矮小な身では、何をやっても意味を為さない。

 

『きみひとりじゃ、()を殺すなんて、とても、とても……子供に聞かせる寝物語になればいい方かしら。神に挑むって、ユメがあるものね』

 

 くすりと笑う。

 そんなユメを抱いてる彼が、見た目通りの幼子に見えて、愛おしく思えた。

 

『――キリト君。最後に、慈悲をあげる。私が唯一心から認めるきみへの特別待遇よ』

 

 掌に、大地(セカイ)を載せて。

 草原に立つ黒の覇王に、そう微笑みかける。

 

『私はね、この《クラウド・ブレイン》を完成させたけど、それで止まるつもりは無いの。きみがほぼ相殺出来ていた事に私が気付けなかったのは事実。つまり私も、《クラウド・ブレイン》の事をまだ把握し切れていない……だから、きみの力を貸してちょうだい? きみの感情への理解、たったひとりで《クラウド・ブレイン》を構築する想いの強さは、余人には無い最大の魅力と言っても良いわ』

 

 無論、それだけでは無い。

 彼は《クラウド・ブレイン》を構築して見せた。だが、彼の真骨頂はそこではない。他者を圧倒する戦闘技術、意志の強さには息を呑むものがあるが、そんなものよりも優れたものがある。

 ――私の思考を読み切った、その聡明な頭脳だ。

 

『それ以外も、きみは並みの大人を凌駕してる。強さだけじゃない。きみは部外者で、研究者でもなく、ましてや専門の学校に通ってた訳じゃないのに、私の研究内容と手段を論文から全て読み切って見せた。《クラウド・ブレイン》の要がクラスタ達にある事すらも……きみのその(めい)(せき)な頭脳はただ遊ばせておくには惜し過ぎる。正当な評価を下さない国に居たらきみの才能は活かされない。いえ、むしろ殺されると言うべきよ』

 

 だから――と、掌に居る少年に微笑みかける。

 

『キリト君。私の下に来ない? きみの頭脳は私に匹敵してると言っていい。私なら、きみを正当に評価出来るわ』

「――――」

 

 ……少年は、喋らない。

 あまりに近くて音が大きいのか、腕を組んだままだが瞑目している。振動で瞼を閉じていないと辛いのかもしれない。ただ、それ以外のリアクションが無くて、賛同しているのか反対してるかも分からない。

 ――だから言葉を続ける事にした。

 私は、心から彼を欲している。それは紛れもなく真実だからだ。

 

『私の事務所を通して同じ研究チームに所属すれば、仮想世界の事を題材にした研究が出来るわ。勉強なら私が見てあげる。生活だって、余りある私の財力でどうとでも出来る。あまり知られてないけどこれでも世界有数のお金持ちなんだからね?』

 

 これといって実績を上げた訳ではないが、しかし論文発表で注目を浴びたのは事実だし、世間に公表されていないだけで細々と幾らかの実験は成功させている。加えて株の投資もやっている。いつスポンサーに切られて財政難で研究チームが先行かなくなるか分からない以上、備えておく事は不可欠だった。

 幸い、株の投資のルールや暗黙の了解、流れも日々の経済新聞で読み取っていたから、既に数百億単位の財はある。

 彼と自分の生活費と研究生活に投資して尚贅沢をしても尽きぬ財だ。当然投資も引き際を見極め、リスクを考慮しているので、損しても破産する危険性は全くない。

 彼を不自由にさせる要素は無いのだ。

 

『ねぇ、キリト君――――私の下に来て。私は、きみが欲しいの』

 

 囁くように、告白する。

 胸の奥が()()()と疼く。きっと、私の顔は朱く染まり、蕩けている事だろう。そう思えるくらい気持ちに熱が籠っていた。

 今だけは、私の感情が爆発して、《クラウド・ブレイン》が制御を離れ、体が勝手に大きくなってしまいそうだ。

 だから、色好い返事を期待して――

 

 

 

「――断る」

 

 

 

 ――明確な拒絶に、()()を抱いた。

 

『そう……何故、かしら』

 

 隠し切れない()()を滲ませながら、黒の覇王に問い掛ける。

 

「俺はみんなを護る事を誓っている、そのために剣を取り、こうしてここに立っている。俺が求める未来は、彼ら彼女らと笑い合う幸福な未来だ。ただ当たり前に存在する平和な生活だ。そこにお前が加わる事はあっても、お前だけになる事は決してない。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!」

 

 矮小な少年は、それでも毅然と胸を張り、笑っていた。力強い笑み。未来を信じる、明るい笑み。

 ――ざわりと、胸の裡がざわめいた。

 

『……そう…………そう、なのね』

 

 心の底から()()する。

 分かり合えると、そう思っていた人からの拒絶は。

 酷く、苦しいものだった。

 

『――なら、仕方ないわ。彼女達には悪いけど、キリト君の心、私色に染め上げてあげる』

 

 そう、裁決を下す。

 

『私の愛に、溺れなさい――――』

 

 彼は、小さく、小さく、なっていった。

 

 *

 

 声を発せば大気が震える。

 手を薙ぎ払えば暴風が吹き荒ぶ。

 一歩踏み込めば彼方まで一瞬だ。

 私に触れたものは、仮令空気だろうと溶解し、神々しい輝きを放つ肌の一部へと取り込まれていく。雲を喰らい、空を喰らい、海を取り込み、徐々に無窮の夜を闇へ変えていく。徐々に、着実に、世界は()のものになっていく。

 彼の《クラウド・ブレイン》を超え、世界の支配権を奪い始めた証拠だ。

 

 ――そんな中でも、彼は勇敢に立ち向かって来た。

 

 一瞬一瞬が命取り。

 致命打を与えんと吠え、嗤う女神を前に、一歩も引かず応戦を続ける幼き剣士。とてもとても愛おしい。

 炎を放つ。身を焦がす業火を、女神()はぺろりと舐め取った。

 水を放つ。全てを流す波濤を、女神()はごくりと飲み干した。

 風を放つ。災禍を裂く風刃を、女神()はゆるりと絡め取った。

 雷を放つ。邪悪を穿つ神雷を、女神()はその手で掴み取った。

 氷を放つ。無慈悲なる抱擁を、女神()は吐息で溶かし尽した。

 土を放つ。押し潰す鋼の塊を、女神()は一振りで砕き尽した。

 光を放つ。眩い浄化の輝きを、女神()は己の光で無力化した。

 闇を放つ。昏い深淵の暗黒を、女神()は震えで吹き飛ばした。

 全て――――全てが、無駄だった。女神()は笑う。少年の足掻きなんてもう痛痒にも感じていない。愛おしさを増す子に対し、微笑みを深くするだけだ。

 己の絶対性を信じて止まない。

 己の勝利を、女神()は疑っていない。

 

『無駄よ、キリト君。今のきみよりも私の方が強いのだから。もうきみは負けるしかないの』

 

 微笑みながら、女神が言う。

 ――言葉を発する。

 それだけで、矮小な黒が翻弄される。言葉を発した吐息だけで何百メートルも吹っ飛ばされる。

 しかし――女神()からすれば、身動ぎすればゼロになる距離。

 女神()からすればミリ以下の距離。

 あまりの体格差。巨神を基準にすれば、彼の存在など塵より矮小。世界が真っ当であれば気付かない内に潰している。いや、指紋や衣類の隙間に挟まっているかもしれない。あるいはそれ未満。

 ――考えるだけで、ぞくぞくする。

 自身がこれだけ支配欲を持っていた事を、初めて認識した。

 

『さぁ――私の愛に、溺れましょう?』

 

 そう言って、彼の心象らしい草原から、空を飛び、肌を掛ける彼を見る。

 高まった知覚は肌を這う()()()()を見逃さない。数値にすれば最早微々たるものだろうに、肌を這う僅かな感覚すら愛しく、胸の奥を疼かせる。

 僅かの看過も許さない貪欲さは、なるほど、自分をして支配欲が強いと言わざるを得ない。

 ――だが。

 

「断固拒否だッ!」

 

 (おお)いなる女神()の微笑みを、彼は唾棄した。屈する訳にはいかないと己を鼓舞していた。

 返答代わりに放たれる光と闇色の剣群。彼からすれば何百キロと離れた肌色の壁や衣までの距離を、二色の攻撃は一瞬にして詰め切り――穿った。

 白磁の肌に、赤の線が刻まれる。

 

『わぁ……♪』

 

 巨大な身からすれば、あまりに小さな赤の線。

 しかし――自身のステータスを知っていれば、それがどれだけ素晴らしい事かがよく分かる。並みのボスモンスターなら一撃で粉砕できる程の超威力。きっとイメージの力を振り絞り、《クラウド・ブレイン》やサーバーのリソースも強化に回したに違いない。

 ――それだけやって、たったミクロの傷一つ。

 あまりの小ささに、笑みが浮かんだ。笑いは息となって放たれる。

 

「ちぃ――ッ!」

 

 ただ息を吐くだけで彼は吹き飛んだ。

 頭が揺れたのだろう。苦しげに、表情が歪んでいる。

 だが――諦観の色は、無い。

 女神()の愛を拒絶する彼は初めて見るほど覇気を(じゅう)(いつ)させている。ともすれば浮遊城での戦いよりも遥かに濃い。

 あれが――――あれこそが、《キリト》の全力。根幹にして根底。

 浮遊城を踏破した唯一の剣士の気迫。

 王者の覇気。

 

『ふふ――』

 

 女神()に向けられているそれが心地良い。

 

『ああ、愉しいわ……さっきよりも、大きく、強大になっていくのを感じるの』

 

 女神()はそう語り出す。

 それはただの気まぐれだ。攻撃すらせず、ただ目を向け、息を吐くだけの女神の会話。言葉が発せられる度に風が起き、彼は遥か彼方まで飛ばされる。

 話すだけなら影響のない()まで彼は飛んだ。

 ――ほんの一歩進めば詰められる距離だが。

 その矮小さも、愛おしい。

 

『ねぇ、キリト君。もっと抗って。私に力を振るわせてちょうだい。私に抗えるのは、きみだけなんだよ』

 

 再度、愛を告白するように言う。彼への愛おしさが暴れていると思うくらい衝動が女神()を突き動かしていた。

 小さな小さな幼子を、極限まで強化された眼で見つめる。風になびく髪の毛の一本までも精細に見えた。

 

『きみはほんとうに凄いよ。私とここまでやり合えてるんだから』

 

 でもね――と、笑みを深くした。

 

『私は、きみを倒さないといけない。私は《クラウド・ブレイン》の素晴らしさを証明しないといけないの。そして、歌い続けるんだ、《ラグナロク・パストラル》を。歌姫として。女神として。永遠に……――そのために。私が現実でも神になるために、きみを倒さないといけない』

 

 ――女神()は目的を忘れていない。

 《実験》のためにALOを、《三刃騎士団》を、クラスタを利用していた事実を知られたいま、間違いなく世間から私は叩かれる。己の正当性を確かなものにするために《クラウド・ブレイン》というものの有用性を示さなければならないのだ。己の実験が正しい事を証明すれば人々も賛同する筈なのだから。

 そのために、【解放の英雄】と呼ばれる少年を下さなければならない。心を折らなければならない。心を折らなければ、以降ずっと妨害される。いくら彼でもそれは許容出来そうにない。

 

 ――気付けば、世界は闇に覆われていた。

 

 夜の空は女神に食われ、闇に沈んでいた。無窮の空もまた同じ。

 浮遊城は肌で押しのけられている。草原の大地と同様壊れていないが――それも、時間の問題だろう。

 星明りのように小さく煌めく光は、よく見れば星ではなく、世界を構成する0と1の数字の輝きだった。世界を作るテクスチャをも取り込み始めているのだ。

 これは、私の愛が彼の想いを超越したと言っても過言では無いだろう。

 

 

 

「――何を言うかと思えば、よりによって()()()()()()()()とは。底が知れたな、七色・アルシャービン」

 

 

 

 ――闇に沈み始めた世界に強い言葉が響く。

 大地を喪い、空を喪い、打つ手全てが女神()を喜ばす中、天城の覇者はその眼に強い光を灯していた。諦めなど微塵も抱いていない強い輝き。固く抱かれたケツイの煌めき。煌々と燃ゆる瞋恚の輝き。

 覇気が場を満たす。

 ――女神()と塵の差を、覇気だけで埋め始めた。

 

「神になるだと? 何を以て《神》と定義づけているかは知らんが、お前はただ、カーディナル(他人)の力で《神》を(せん)(しょう)しているに過ぎん。勘違いも甚だしい。これでは須郷伸之と同程度だ」

『……なんですって?』

「研究を『人の為』と説き、俺に『愛』と言っていながら、人からの拒絶を恐れるあまり人を統べ、自身を認めさせたいがために他者を食い物にする。お前は自身を高めるのではなく、他者を貶める事で自身を高く見せる手段を選んだんだ。そら、()()()()()()()()()()?」

 

 睥睨し、片頬を釣り上げる少年。

 

『――うるさいッ!!!』

 

 ――反射的に、怒鳴っていた。

 暴風が吹く。離れていない矮小な彼は、しかしその暴風を前に、一歩も引いていなかった。己の絶対性を信じる姿。それは――それは、間接的に女神()の根幹から否定されているも同然だった。

 研究は、人の為になる。

 私の想いは、彼の為になる。

 それを全て、否定されたら――――

 

 

 

 ――私には何も、残らない。

 

 

 

 積み重ねた栄光も。

 自分を応援してくれた人も。

 ――唯一の、(家族)だって――――

 

「激する事は図星と明かしているも同然だぞ」

『うるさいうるさいうるさいッ!!!』

 

 図星、ではあるのだろう。

 気付けば取り乱し、超然とした全能感も忘れ、ただ少女のように彼の言葉を拒絶していた。

 手を振るう。払うように振るったそれを、彼は闇に紛れて躱し、返礼とばかりに黒と白の武器を叩き込んできた。ダメージは無いが目を狙われ堪らず目を瞑る。

 数秒して、攻撃が止んだ。瞼を挙げる。

 

「ここが正念場だ。手は休めん」

 

 ――それはブラフだった。

 瞼を開けた途端、先程よりも膨大な量の黒と白の武器達が眼球に飛び込んできた。衝撃が来る。痛みは無いが、反射的にまた瞼を瞑る。

 その瞬間。

 

 

 

【待たせた、キリト君! 終わったぞ!】

 

 

 

 ――そう、男性の声が夜の世界に響き渡った。

 聞き覚えはあった。私が尊敬し、目指すべき頂きとして定めていた研究者。正確には物理学者にしてゲームディレクター兼技術者の男性。フルダイブハード《ナーヴギア》とVRMMORPG《ソードアート・オンライン》を発明した世紀の大天才の一人――

 

『その声は……茅場晶彦博士――?!』

 

 思わぬ人物の登場に驚愕する。

 姿は見えない。だが、愛しい黒の前には、闇を照らす白のウィンドウが開かれている。おそらくGM回線を使った通信。SAOの生みの親であれば初期化したSAOサーバーの使用とて容易いのは道理だ――!

 

【急いで使って下さい。あと、使用にあたってデータが膨大だったのでタスクを複数に分けて処理しなければならないので、テキストを読み上げて下さい。転移結晶と理屈は同じ、ワード入力が処理を進ませます】

――へぇ……?

 

 続けて耳朶を打った声は、少女のものだった。聞き覚えがないそれは儚さと冷たさを紙一重に孕んだもの。

 いったい今の女は誰だと、顔が歪み、(感情)が軋んだ。《クラウド・ブレイン》がざわついたのを知覚する。

 

 ――少年の前に、一振りの巨剣が現れた。

 

 同時、彼の横に追加された一枚のパネル。それを横目にし――彼は、苦笑を浮かべた。

 

「……悪ふざけが過ぎるな、天()。だが俺ももう限界だ。代案を待つ()も惜しい――――今回だけ、乗ってやる」

 

 そう言った後、怜悧な顔へと引き締められた。

 

 

 

「――この一撃を以て訣別の儀としよう!」

 

 

 

 刃を下に浮く巨剣の柄を彼が握る。

 

「原初を語る。天地は別れ、(てん)(じょう)は終焉を言祝ぐ。()(かい)を滅ぼすは我が瞋恚(ケツイ)

 

 ぶわっ、と輝く光の渦が迸った。それは勢いを増し、剣と彼を基点に渦を巻く。

 

仮想()世界()を回す渦、天城の地獄とは創世前夜の終着よ。()を以て鎮まるがいい」

 

 厳かに紡がれる祝詞(のりと)。茅場晶彦から剣と共に送られたのだろうテキストを一瞥で記憶し、詠み上げていく彼の剣は、蒼白い渦を纏い、眩い輝きを放っていた。

 

 ――闇の中、一点だけ輝く煌めきの渦。

 

 それは、まるで銀河の渦。星々の集合は煌めき、輝き、辺りを照らして闇を喰らう。闇を喰らい、光も喰らい、大きさを増していき――――ついには、巨神()の眼前に、星雲の渦が作られた。

 剣がゆらりと持ち上げられる。沿うように、星雲の渦も動いた。

 ――理解する。

 あの渦には、彼が持ち得る全てのリソースが集まっている事を。全てを込めた破壊の一撃である事を。

 だが――

 

『あ、あり得ない……SAOのリソースは、私が吸収し始めてるのに……!』

 

 そう、絞り出す。

 キリトの戦力とも言うべき要素は、彼一人の感情が作り上げた《クラウド・ブレイン》と、SAOサーバーを統括していた【カーディナル・システム】の二つ。それ以上は無く、私がこの世界のリソースを取り込み始めた時点で、その両方を削り始めていたも同然だ。

 それなのに――いまの女神()に、危機感を覚えさせる程の(リソ)(ース)がある筈無いのに、どこから集めているのか。

 

「――忘れたのか?」

 

 強化されている耳が、小さな声を聞き取った。

 強化されている目が、小さな顔を見て取った。

 不屈の笑み。不敵な笑み。強靭な意志の輝きを纏い、放ち、剣を掲げる黒の覇王。

 何なのだ、と全神経を集中させる。

 

「人の感情は武器、地形に紐付けされる形で保存されている。なら、保存先は何だ? ――【カーディナル・システム】だ。そしてここはどこだ? ――《ソードアート・オンライン》をしていたサーバーだ。俺が一人だと? ……いいや、一人じゃないさ」

 

 ふふ、と少年が笑った。

 輝きが強くなった。

 

「デスゲームに閉じ込められたのは俺だけじゃない、ほぼ一万もの人間だ。絶望し、怒り、嘆き、哀しみ――()()()()という願いは、あの日、囚われた全員が抱いたものだ。一万人が、ただ一心に生きたい、死にたくないと思った――――それは、今も残っている」

 

 ――光が、満ちた。

 宙に浮かんでいた彼の下に、小さいながら、街が生まれた。石造りの建造物。それは浮遊城から垣間見た建物達だった。

 彼が居るのはその中心とも言うべき大広場。八方へ大通りを伸ばす広大な石畳、街路樹と(しょう)(しゃ)な中世風の街並み、そして黒光りする巨大な宮殿――――雑誌にも特集されていた《アインクラッド》第一層の《始まりの街》、その中央広場だ。

 ――鐘楼塔を背に剣を掲げる彼の周囲に、多くの影が立っている。

 十人、二十人ではない。広場いっぱいに所狭しと集まった朧な人影。

 そんな彼を支えるように寄り添う数多の影達。寄り添う影の形は覚えのある少女や青年のものだったが、広場を満たす他の影はそうではない。

 剣が放つ輝きにより、彼に寄り添う影の輪郭がはっきりとする。

 強い光を宿した薄い影達は、ただ真っ直ぐに、上を――女神()を、睨み付けていた。

 

「――俺を英雄と呼ぶならば、みんなもまた、英雄だ。あの世界を生き抜いた仲間なのだから」

 

 女神()を睨む影達から、小さな輝きが放たれた。それは球状になって剣の光に溶け込んでいく。

 きらきら、きらきらと、石畳の広場が輝き出す。小さな光は集団となって広場を満たす。剣の光が大きくなる。極光が、立ち昇る。

 

「七色・アルシャービン――――人の想いを、舐めるなよ」

 

 ――そう、力強い言葉に呼応し、全ての影が剣に溶けた。

 

「――《終焉へと誘う剣(フォース・デス)》!!!」

 

 そして、剣が振り下ろされる。

 世界が揺れた。自身の吐息を遥かに凌ぐ破滅の轟音。蒼白い星雲が放たれ、迫り――肌に衝突。

 光と闇の乱舞。

 総身を叩く衝撃の乱打。

 ――()()()()()

 

 

 

『あ、ああっ、ああああ――――――――――――――ッ?!』

 

 

 

 光と闇が乱舞する中で響く絶叫。ばきばきと、己を築き上げた全てが罅割れ、乖離し、崩れ落ちていく。

 

 ――ふと、記憶が蘇る。

 

 淡々とした日々。

 同僚は居ても、友は居ない。離れたところから雑誌を見て笑い合い、論文の課題に四苦八苦し、励まし合う人は居なかった。

 すべて一人でやった。

 すべて、一人で考えた。

 そうしなければならなかったのだ。

 ――七色・アルシャービンに、母は居ない。

 父親だけが味方だった。父だけが、保護者だった。その父が入れと言ったからマサチューセッツ工科大学に入学し、主席を取り、学位を取って卒業した。あまりの幼さに成人前後の先輩、同輩、後輩たちは距離を置いていた。チームで動く事はあってもプライベートで動く事は無かった。

 だから――デスゲームの中で一つ年下の子を見た時、衝撃を受けた事をよく憶えている。

 あんなに幼い子供が、命を懸けている。いがみ合いながらも、共に他人と肩を並べて、戦っている。

 

 ――ああ、そうか、と。

 

 すとんと。なにかが、胸中に()ちた。

 それを最後に、私の意識は()に呑まれ、沈んだ。

 

 






 ――生きようとする意志は、何よりも、何よりも強い。

 純度で言えば、これに勝るものは無いでしょう。


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