インフィニット・オンライン ~孤高の剣士~   作:黒ヶ谷・ユーリ・メリディエス

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 七色・アルシャービンが《光》なら、桐ヶ谷和人は《闇》である。

 彼女の物語は、一先ずの終着を見た。

 これから紡がれるのは、桐ヶ谷和人による『裏の物語』。余人に語る事を固く拒む少年の戦いである。




番外1 ~A lemnant of the Death Game~

 

 

 闇へと続く回廊を歩く。

 均等に並んだ青の線を踏み越え、青の柱を抜き続け、果ての見えぬ闇へと進む(堕ちる)。仮想世界で慣れ親しんだ視界の表示は全て無い。

 現実と同じまっさらな視界。

 左端のHP、右端のデジタル時計は、気付けばその名残も消えていた。

 

「――ここより先、もう儂の援護は届かぬ。お主の(アバ)(ター)を証明し続けるのにリソースを割かねばならん」

 

 底無しの闇を前に、厳かに幼賢者が告げて来る。その眼は鋭い。先ほどまで交わした軽口の雰囲気など微塵も感じない。

 サーバーを統べる【カーディナル・システム】が、そう言うという事は、もうここはヤツの世界という事だ。世界の理たる【カーディナル・システム】の一部を占有し、この世界を構築している。

 

「……だろうな」

 

 言われずとも――

 そして、視界端からUIが消えている事に気付く前から、理解していた。

 

 ――ひしひしと、肌に突き刺さる冷たい()()

 

 およそ一万人分凝縮された負の想念。

 七色の《クラウド・ブレイン》にも干渉していた事からおそらくALO組の感情も取り込んでいる。さっき七色のそれを取り込んだ時に見た(イメ)(ージ)が彼女一人分だった事がその証左。《核》となる人物の構成要素しか残っていなかった。

 つまり、デスゲームの残滓には、元来からのものに加え七色を除いた数十万の感情も集まっている。

 対してこちらが得たのは七色が遺した記憶と感情だけ。自分が持つ《クラウド・ブレイン》を底上げする程の演算リソースは得られていない。

 システムを上書きする《クラウド・ブレイン》の力で言えば、あちらが圧倒的に上といったところか。

 右手に提げる巨剣の柄を強く握る。その存在を頼りにしているように、強く強く握り込み、その(おお)きさを拠り所にする。

 ――しかし、足りない。

 この剣を使い戦った経験が少ない。経験が少なければ、当然込めた想い重みも少ない。ただ(おお)きさを拠り所にしては、あちらが流し込んでくるモノに押し流される――かも、しれない。

 

「……カーディナル、ひとつ頼みたい事がある」

「なんじゃ」

「《ⅩⅢ》に、コレと同じプログラムを転写出来るか」

 

 現実では自分のISに積まれた武装。仮想世界では、デスゲーム後期で使い続けた召喚武具。

 本音を言えば、長らく愛用した剣たちの魂を継ぐ剣と“ともだち”に鍛えてもらった誓いの剣を持ちたかったが、()()()()()()()()()()、登録していた武器はHPと同期していた耐久値を全損し、全て喪っている。

 だが――大本の《ⅩⅢ》そのものは、そもそも耐久値を有していない特殊武器。初期登録されているものも同じ。

 一番とは言えないが、現実でも使う武装の現身だから拠り所にするにはこれも十分だった。

 

「……時間が掛かる。なにしろ、コードが膨大じゃ。加えてその間は《ⅩⅢ》を使えんぞ」

「具体的には」

「三十分」

「なら今すぐ、始めてくれ……コレ一本じゃ、おそらく――――俺が死ぬ」

 

 命、ではなく――心が。

 ――デスゲームは終わった。

 ひとり生き残った俺が終わらせた。引導を渡し、あの世界に幕を引いた。なるほど、そういう意味ではこの剣の銘はとても相応しい。浮遊城に存在するモンスターにのみ効果を発揮するこの剣は、手に入れた瞬間、浮遊城の崩壊と共に役目を終える。決して日の目を浴びる事のない強大な剣。

 本来であれば、こうして何らかの役目を担う事は無かったのだろう。

 だが――だからこそ。

 この剣では、力不足だ。

 いま求めるべきは剣の(おお)きさではない。攻撃力という数値でも、覇者としての栄誉でもない。誰とも共有できない己だけが積み重ねてきたモノ――すなわち、経験だ。

 あちらは、()の想念の塊。

 ならばこちらは生の想念を注ぎ込む。それにも自分の心だけというのは不安に過ぎる。心を奮わせるモノが必要なのだ。己の半身とも言える愛剣達の存在が俺を奮起する。

 ――かつて、《獣》は《ⅩⅢ》の二刀を己の象徴としていた。

 《獣》は殺意、憎悪の塊だ。自覚していなかったが故の純粋さは全てに向けられていたが――こと一際強かったのは、自身が貶められる原因とも言えた二人の兄と姉に対する感情。己を下にする比較対象に対する感情。《零落白夜》を使う為の武装【(ゆき)(ひら)】を参考に製作されたというあの二刀を忌避していた事がその証拠。

 あの時は愛用していた二剣を拠り所にし、打ち克ったが――

 

「……」

 

 首から下げるものを、左の手で掬い上げる。

 キラキラ輝く蒼の涙。

 義姉の名を冠した、()()()()

 ――いま思えば。

 これは本当に、義姉が構築した心だったのだろう。《感情》という不鮮明かつ変動し続ける値に対し、彼女は必死に解析を試み――そして、作り上げてみせた。人と異なりプログラムに忠実な存在にして、彼女は人から受けた影響を己のものへと変換し、《心》を作り上げ、そして自ら《感情》を放つようになった。

 義姉は、AIだ。

 AIとは幾らでも替えの利く存在。それは、全体だけでなく、局所的な部分だけでも同じ。

 カーディナルが人と遜色ないレベルで振る舞うのも、義姉が作り上げた《電子の心》を写し取り、また自らそれを成長させたからと考えれば、違和感はない。

 ボトムアップ型AIである義姉が作り上げたそれは、人を見て、学習し、己の糧として成長していくタイプ。それは本来『Aに対してBをする』というパターン化し得るものに限る。

 しかし――《心》は、幾らでも変化する。ブレイクスルーなど当たり前。

 故に。

 ……だからこそ。

 

「……負けて、なるものかよ」

 

 ぎゅっと、掬い上げた義姉の愛を、握り締める。

 ――掌に、仄かな熱が、伝わった。

 

 ***

 

 二〇二五年五月九日午前一時。

 未だ黒尽くめの少年キリトに気付かれる事なく動画は続いている、一般には知られないよう秘していたと思しき内容まで喋っていた事から、MMOストリーム中継カメラは表示されていない可能性があり、『隠し撮りと言えるのでは』という内容のコメントが湧いている。ただし、それは面白がったものが大半だった。

 先の水晶の浮島で展開した考察と可能性は、その道に詳しい人でも舌を巻く程だったらしく、暫くコメント欄は無言だった。みんな聞き入っていたのだ。

 かくいう私もその一人。頭の出来が違うのか、と思いたくなる程の推察に言葉を喪うばかりだった。

 ――無論、アンチに類するコメントは流れている。

 カッコつけすぎ、とか。

 心配性でしょ、とか。

 あり得る訳が無い、とか。

 そんな内容も時折爆弾投下されるが、生中継コメントには珍しい事に誰もそれに取り合っていない。そうする間も惜しいほど彼が語る情報量が多過ぎたからかもしれない。

 次は何を語るのか、何をするのか。

 視聴者の心は、大半がそれで占められているだろう。アニメなどだと鼻に付くのに全然そんな感じがしない。気取った態度が無いからか、それを認められるだけの実績があるからか。天才と言われた茅場晶彦が特に反論していないのも大きい。

 だが、何よりも。

 幼い子供には似つかわしくない、その険しい表情が、こちらの心を掴んで止まない。

 これはゲーム世界での事だ。だがそこに居て、剣を手にする少年にとっては、遊びでは無い。

 私達は知っている。先の戦いで見せた全てが、彼の本心である事を。人の想い、生き方、その全てを理解し。その上で、剣を振るい、戦っていた事を。

 そうでなければ、人の死を心から恐れる事があるわけ無い。

 そして、恐れているからこそ――彼は、それを防ぐ為に剣を取っていた。

 ――闇に、青の線が光って走る。

 闇へと続く回廊を、少年は無言のまま進み続ける。幼賢者の姿は既に無い。彼の体を維持する為に、本体の機能を持った少女は光になって彼へと宿った。

 その歩みに、迷いはない。

 強い輝きが目に浮かぶ。

 ――苦悶の色も、浮かんでいる。

 ひとつ、歩を進める度に、その色は深く、濃いものへと変わっている。

 ――一瞬、辺りが暗くなった。

 一定間隔で走る青い線のみが光源の回廊が闇に包まれた。黒尽くめの少年を見失う。一瞬で晴れた後には、闇の靄を纏う少年の姿。

 彼も気付いたのか、靄に絡まれる腕を見た。

 

『――チ』

 

 舌打ちを一つ。

 鋭く、短くそれが上がった直後――彼は己の左腕を巨剣で斬った。ズバッ、とゲーム特有の斬撃音が鳴る。狂ったか、とコメント欄が高速で流れていく。それを他所に、切り傷を刻んだ左腕を中心に闇の靄が消えていく。

 ――ぽた、と。

 黒の靄の代わりに、赤が生まれた。

 血だった。

 

『仮想世界で血、となれば残留している負の核はやはり廃棄孔か』

 

 ぼたぼたと、幾重ものの太い筋を作って腕を伝い、床に落ちる赤い液体を見ながら、少年が呟く。本来なら紅いポリゴンが散るエフェクトになる筈の傷跡から血が流れている事実は、それだけで彼に確信を抱かせるものだったらしい。

 まったく、と息と共に嘆息が吐かれた。

 

『自分自身と戦うのもこれで六度目。しかもただのプログラムでない方が多いとか、どうなっているんだか』

 

 顔を顰め、愚痴を洩らす。彼からすればただの独白。それに飾り気は無く、人気が無いからこその本心であり、真実。

 かつて五度も彼は自分自身と刃を交えた事も、事実なのだろう。

 SAO時代の映像最初期にあたる須郷捕縛シーンに於いては、彼とホロウ、今はキリカと名を改めた少年の三人の姿が映っていた。ホロウが居たのはそれが最初で最後。その二人と刃を交えた事があってもまだ二度。六度の半数――三度より多いとなれば、四度か五度は彼の精神面もコピーしたAIと刃を交えたのだろう。

 《廃棄孔》というのが、恐らくその一つ。ホロウ、キリカに並ぶ、彼でない彼自身。負の核となっているらしい別側面のキリト。

 いったいどんな闇を抱えているのだろう。どんな過去があって、あそこまで強い意志を持てたのだろう。

 そう――私は、ダークヒーローアニメを観る感覚で構えていた。

 

 

 

 心の底から後悔した。

 

 

 

 回廊を進んだ果てに現れた闇の壁。そこに、彼は迷いなく突き進んだ。

 闇の先は、中世の街並みだった。鐘楼塔と巨大な黒のドームを背景に持つ石畳の街並み。しかし異様なのは、その空だ。(きっ)(こう)模様の赤板が市松模様に張り巡らされている。一枚一枚には交互に《Warnig》と《System Announcement》の英文が表示されていた。

 その下の広場には、無数の人々が所狭しと敷き詰められている。一ヵ所に集められた人々は空を見て息を呑み、ざわめきを止めていた。

 続く現象は、私の――そして凡その視聴者の予想を裏切るものだった。

 空を埋め尽くす真紅のパターンの中央部分が、まるで巨大な血液の雫のようにドロリと垂れ下がった。高い粘度を感じさせる動きでゆっくりと滴り――だが、落下することなく、紅い一滴は突如中央でその形を変貌させる。

 出現したのは、全長二十メートルはあろうかという、深紅のフード付きローブを纏った巨大な人の姿。しかし正確には違う。画面に移されているフードの中には、顔が無い。まったくの空洞、フードの裏地や(ふち)の縫い取りまでハッキリと見えるほどに伽藍洞。だらりと下がる長い裾の中も、同じく薄暗い闇が広がっている。

 ローブの形そのものに、私は見覚えがあった。第百層《紅玉宮》にて《攻略組》を待ち構えていた表ボスだ。

 直感的に、悟る。

 

 これは、あのデスゲームの始まりの日なのだ、と。

 

 あの世界に囚われた人しか見ていないデスゲームのオープニングセレモニー。須郷伸之が仕組んだ、ただ茅場晶彦を貶める為だけにゲームを利用した、その始まり。

 それは――きっと、現実でその報道を知った人以上に、内部に囚われた人々を絶望へと陥れたに違いない。

 ――(いん)(いん)と響く声でデスゲームの説明が行われる。

 流れるコメントは疎らだ。事実だけをニュースで聞き知った外部の人間にとっては初めて見る光景であり、かつてこの光景をあの場所で見た人であれば、トラウマそのものと言えるだろう。だから誰も反応が鈍い。巨神と戦う一大決戦の後、もう終わった筈のデスゲームが再演されるが如し展開に理解が追い付かない。

 

『――以上で《ソードアート・オンライン》正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤー諸君の――――健闘を祈る』

 

 伽藍洞のGMローブが、残響を引かせ、そう言った。

 すると真紅の巨大なローブは音も無く上昇し、フードの先端から空を埋めるシステムメッセージに溶け込むようにどうかしていく。肩が胸が、そして両手と脚が血の色の水面に沈み、最後に一つだけ波紋が広がった。その後、天空一面に並ぶメッセージもまた、現れた時と同じように忽然と消滅する。

 広場の上空を拭きすぎる風鳴り、NPCの楽団が演奏する市街地のBGMが徐々に聞こえ始め、穏やかに聴覚を揺らし始める。

 ゲームは、再び本来の姿を取り戻していた。

 いくつかのルールだけが、以前とはどうしようもなく異なっているにも関わらず、人命を掛けた戦い(ゲーム)が幕を開けた。

 

『嘘だろ……何だよこれ、嘘だろ?!』

 

 ――そして、引き金が引かれる音。

 陰々と反響する男の声が、それを引いた。

 

『ふざけるなよ! 出せ、ここから出せよ!』

『こんなの困る! このあと約束があるのよぉ!』

『いやああ! 帰して、帰してよぉ!』

『助けて、やだ、死にたくないぃッ!』

 

 悲鳴。

 怒号。

 絶叫。

 罵声。

 懇願。

 咆哮。

 恐怖。

 ――そして、絶望。

 一万の集団から圧倒的なボリュームで放たれた多重の音声がびりびりと響き渡る。最早聞き分けなど不可能。老若男女の別なく誰も彼もが絶望の叫びを上げている。娯楽のためにフルダイブした一万の幸運な人々は、たった数十分で不幸のどん底へと突き落とされたのだ。ゲームプレイヤーから囚人へと変えられた人々は頭を抱えてうずくまり、両手を突き上げ、抱き合い、あるいは罵り合い、殴り合っていた。

 正に阿鼻叫喚。

 正に地獄。

 『生きたい』、『死にたくない』という思考をネガティブなものだと彼が断言した事を理解させられた。

 死の恐怖に晒され、心を崩壊させかけた人々を繋ぎ止めている生存本能が、強く、強く、感情を発露させている。人々の間でそれは重なり、共鳴し、一つの絶望へと肥大化していく事が、視ているだけでも分かる。

 まるで自分もそこに居ると思ってしまうほどの生の感情。

 ――その中で、冷静さを保つ子供が居た。

 いまと殆ど変わらない華奢さと幼さを持つ少年だった。背中に小ぶりの剣を吊る彼は、傍らにいた無精髭を生やしたバンダナの青年の手を引き、阿鼻叫喚に満ちる広場から路地裏へと走っていく。

 巨剣を持つ少年も、それを追おうとし――

 

『いやああッ!』

 

 ――一人の女性に、阻まれる。

 

『帰して、ここから帰してぇッ!』

 

 涙と鼻水を垂れ流し、人としての対面を棄てて泣き叫ぶ女性は、慟哭を迸らせて黒尽くめの剣士に()()()()()()

 彼は巨剣で質素な剣を防ぐ。

 

『ふざけんな、出せこの野郎がッ!』

 

 その彼の背後を、同じく質素な装備の男が狙った。湾曲した刃を持つそれが華奢な背中に振るわれる。

 

『チ――!』

 

 その刃は、彼の左手に掴み取られ――バキリと音を立てて握り砕かれる。バラバラになった金属片。それが手に刺さり、ぼたぼたと、また紅い液体が落ち、石畳を濡らした。

 ――少年は、表情を変えない。

 冷徹な光を目に宿し、眼前の剣を持つ女性と、剣を喪った男性を、一息の内に巨剣で斬り飛ばした。すると二人は黒い靄となり、消える。

 

『死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない』

『こんな、どうして、僕はなにも悪くない!』

『なんで俺がこんな目に遭わなくちゃいけないんだ!』

 

 二人を排除した彼に殺到する人垣。カメラには、広場に残っている全員が各々選んだ武器を手に、彼に向っている光景が見えている。

 おそらく――残留していた《クラウド・ブレイン》が、抵抗しているのだ。

 自身を消し得る(武器)を持つ存在を排除し、生き残ろうと、思考を回し、選択を続けている。彼の心を追って自身に対抗し得る《クラウド・ブレイン》を無力化し、その上で物理的に圧殺する事で生き残ろうとしている。ただのデータ、残影として残っている彼らの姿かたち、言動で、そこに生きた彼の心を折ろうとしている。

 

『――――』

 

 一瞬。

 瞬きにも満たないほんの僅かな間だけ、彼の顔が、悲哀に歪んだ。

 ――だが、それも一瞬。

 瞬きを挟んだ後には元の冷徹な顔に戻り、その巨剣を以て、負の残滓である人々を斬り裂いていく。かつて本当にあった絶望の声を叩き付けて散っていく。

 彼の(表情)は、変わらない。

 ただ――どこか、懺悔しているように視えた。

 

 






 ――本人が黙るなら、視てしまえばいい暴論。

 なので暫くは七色・アルシャービンから焦点を外した、裏物語です。

 SAO関連二次、更にISとクロスしている作品って、得てして映像で過去を振り返りますよね()

 大体そういう時ってIS作中でも屈指の命を危機に晒される《福音事件》(命を危機に晒す=SAOキャラが全力を出す)なんですが――要は『現実で命を張ってれば』その条件って満たされると思うんです。SAOに関わりの薄いキャラが、どうしてそんなに強いのか、昔何があったかを知るイベントなんですから。

 で、SAOの映像を出すのって、大抵天災さんですよね。

 ――本作だと《ユーミル》に天災居る上に完全なる(いっ)(くん)の味方です。

 本人に許可を取ってませんが『良かれと思って』を原作でも地でやってる御仁なので犠牲になって頂きましょう。

 尚、裏とか言いながら生中継で全世界配信中の模様()

 では、次話にてお会いしましょう。



・篠ノ之束
 即死剣に巨神セブン対応プログラムを全力で突っ込む前から、MMOストリームの中継カメラ回線を保持していた人。
 キリトからすれば『大戦犯』。
 キリトの事を想って苦心していたリーファ達と、それを分かった上で敢えて辛い道を進まんとするキリトの事を考え、『良かれと思って』中継回線を回している。その根底には『心から人を想う姿』に救われた過去がある。
 人間嫌いでありながら、(和人)の為に他人を信じる事にした。


・カーディナル
 天災が率いる《ユーミル》全技術者が十五分で為したプログラムを、自身一人、かつ十三種類の武具に付与しろという無茶振りを、三十分で終わらせると言った人。
 ユイと同じく、何だかんだでキリトへの想いが天元突破している。
 恋をすると女は変わるって言うからネ、是非も無いネ。
 前話で人格プログラムの参考人が《ゲット》という人物である事が判明した。そういえばウサギのデフォルメを使う、茅場晶彦と親しい、IQ高めの女性が居ましたね。


・キリト
 分かった事が辛い事なので全部一人で背負っちゃう覚悟を高めた主人公。
 尚、一万人分の絶望を叫ばれながら殺し合いをしなければならないので、キリト以外の既出キャラで発狂しないのはリーファくらい。そのリーファも心が死んでいくのでトラウマになって発狂する。
 なんだかんだ誅殺隊やオレンジ・レッドキラーをしていた《ビーター》として生きたキリトだから耐えられる裏のお仕事なのだ。
 ――さぁ、SAN値チェックのお時間だ!
 チェックタイミングは『敵一人が叫んだ時』だぞぅ! ざっと一万人ほど(スタートダッシュをキメた元ベータテスター数十人、クライン、《ナーヴギア》外されて死んだ243名を除いた人数)居るから、その人数分×叫ばれた回数分ダイスを回せ! 一秒で十回以上はダイスが回る!

 尚、ケツイを固めたキリトのダイスロールには『絶対成功』の特殊バフが掛かるものとする(チート)


 では、次話にてお会いしましょう。


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